財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-25 |
英訳名、表紙 | Wacom Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 兼 CEO 井出 信孝 |
本店の所在の場所、表紙 | 埼玉県加須市豊野台二丁目510番地1 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 0480(78)1211 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 1983年7月埼玉県上尾市において資本金48百万円にて株式会社ワコムを設立電子機器事業(現ブランド製品事業)及びECS(Engineering Collaborative Solutions)事業(エンジニアリングソリューション事業に改称)を開始1985年6月本社を埼玉県北葛飾郡鷲宮町(現久喜市)に移転1988年4月ドイツ連邦共和国にワコムコンピューターシステムズ(現ワコムヨーロッパ)を設立(連結子会社)1990年7月埼玉県北埼玉郡大利根町(現加須市)に豊野台工場を竣工1991年7月アメリカ合衆国にワコムテクノロジーを設立(連結子会社)1993年1月本社を埼玉県北埼玉郡大利根町(現加須市)(現在地)に移転1996年6月豊野台工場が国際品質保証規格ISO-9001の認証を取得(2005年3月全社拡大認証取得)2000年3月中華人民共和国にワコムチャイナを設立(連結子会社)2002年4月ペン・センサーコンポーネント分野(現テクノロジーソリューション事業)へ進出2003年4月日本証券業協会JASDAQ市場上場2004年4月大韓民国にワコムデジタルソリューションズ(現ワコムコリア)を設立(連結子会社)12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ市場)に株式を上場2005年4月オーストラリア連邦にワコムオーストラリアを設立(連結子会社)12月東京証券取引所市場第一部上場2006年3月国際環境規格ISO-14001の認証を取得4月中華人民共和国 香港特別行政区にワコムホンコンを設立(連結子会社)5月シンガポール共和国にワコムシンガポールを設立(連結子会社)12月ジャスダック証券取引所への上場を廃止し、東京証券取引所市場第一部へ上場市場を一本化2008年9月台湾にワコムタイワンインフォメーションを設立(連結子会社)2010年8月アメリカ合衆国にワコムテクノロジーサービスを設立10月インド共和国にワコムインディアを設立(連結子会社)2017年12月エンジニアリングソリューション事業を日東工業株式会社へ譲渡2019年3月ワコムテクノロジーとワコムテクノロジーサービスを合併(前者が存続会社)2022年4月東京証券取引所プライム市場に移行2023年5月ベトナム社会主義共和国にワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジーを設立(連結子会社) |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、ブランド製品事業及びテクノロジーソリューション事業における製品の開発・製造・販売を主な活動としているほか、サービス業務等を行っております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の区分と同一であります。 (1)ブランド製品事業製品区分主要製品関係会社クリエイティブソリューション・ディスプレイ液晶ディスプレイ面に直接描画と文字入力ができるペンタブレット・ペンタブレット筆圧感知ができるペンにより繊細な描画等が可能なペンタブレット及び簡単な操作で使用できるペンタブレット <使用用途>コンピューターグラフィックを利用したグラフィックスデザイン、映画やアニメの制作、写真編集、工業デザイン及びイラストレーション、ホームページデザイン、オンライン教育及びテレワークでの利用等当社ワコムヨーロッパワコムテクノロジーワコムチャイナワコムコリアワコムオーストラリアワコムホンコンワコムシンガポールワコムタイワンインフォメーションワコムインディアワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジービジネスソリューション上記ディスプレイ、ペンタブレット等のビジネス用途向け製品 <使用用途>クリエイティブ、教育、医療・公共、デジタルサイン分野での利用等 (2)テクノロジーソリューション事業製品区分主要製品関係会社AESテクノロジーソリューションデジタルペン技術(アクティブES:Active Electrostatic/EMR:Electro Magnetic Resonance)を搭載した、デジタルペン、マルチタッチセンサー、タッチパネル等の部品及びモジュール <使用用途>タブレットPC、電子書籍や携帯端末等のモバイル機器への組み込み利用等当社ワコムチャイナワコムタイワンインフォメーションワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジーEMRテクノロジーソリューション 以上の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 連結子会社名称( )内は英文名住所資本金(千円)主要な事業の内容 (注)1議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容ワコムヨーロッパ(Wacom Europe GmbH)(注)2ドイツ連邦共和国デュッセルドルフ市557,648ブランド製品事業100.0当社電子機器製品の欧州、アフリカ、中東での販売及び開発。 役員の兼任あり。 ワコムテクノロジー(Wacom Technology Corporation)(注)2アメリカ合衆国ワシントン州バンクーバー市1,020,249ブランド製品事業100.0当社電子機器製品の北中南米での販売及び開発。 役員の兼任あり。 ワコムチャイナ(Wacom China Corporation)中華人民共和国北京市187,017ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業100.0当社電子機器製品の中国(香港を除く)での販売及び開発。 役員の兼任あり。 ワコムコリア(Wacom Korea Co.,Ltd.)大韓民国ソウル特別市243,303ブランド製品事業100.0当社電子機器製品の韓国での販売。 ワコムオーストラリア(Wacom Australia Pty. Ltd.)オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州ノースライド121,170ブランド製品事業100.0当社電子機器製品のオセアニアでの販売。 ワコムホンコン(Wacom Hong Kong Limited)中華人民共和国香港特別行政区0ブランド製品事業100.0当社電子機器製品の香港での販売。 役員の兼任あり。 ワコムシンガポール(Wacom Singapore Pte. Ltd.)シンガポール共和国シンガポール21,329ブランド製品事業100.0当社電子機器製品の東南アジア及び南アジアでの販売。 ワコムタイワンインフォメーション(Wacom Taiwan Information Co.,Ltd.)台湾台北市55,429ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業100.0当社電子機器製品の台湾での販売及び開発。 役員の兼任あり。 ワコムインディア(Wacom India Private Limited)インド共和国ニューデリー市36,125ブランド製品事業100.0(1.0)(注)3当社電子機器製品のインドでの販売。 ワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジー(Wacom Vietnam Science and Technology Limited Liability Company)ベトナム社会主義共和国バクニン省バクニン市167,025ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業100.0当社電子機器製品のベトナムでの生産管理及び品質維持。 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。 2.特定子会社に該当しております。 3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ブランド製品事業451(62)テクノロジーソリューション事業374(62)報告セグメント計825(124)全社(共通)181(25)合計1,006(149)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。 3.ブランド製品事業の従業員数が前連結会計年度末と比べて75名減少しておりますが、主な要因は、事業構造改革を実施し組織規模の最適化を図ったことによるものであります。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)415(119)45.411.19,641 セグメントの名称従業員数(人)ブランド製品事業145(44)テクノロジーソリューション事業185(57)報告セグメント計330(101)全社(共通)85(18)合計415(119)(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。 )であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。 4.ブランド製品事業の従業員数が前事業年度末と比べて19名減少しておりますが、主な要因は、事業構造改革を実施し組織規模の最適化を図ったことによるものであります。 (3)労働組合の状況当社において、労働組合は結成されておりましたが、現在は活動をしておりません。 また、一部の連結子会社において、労働組合が結成されております。 当社グループにおける労使関係は良好であり、特に記載すべき事項はありません。 (4)男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異①提出会社2025年3月31日現在男性労働者の育児休業取得率(%)(注)1.男女の賃金の差異(%)(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)(注)2.3.全労働者うち正規雇用労働者うち非正規雇用労働者42.969.376.140.7(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 3.短時間勤務労働者については、正規社員の所定労働時間(1日8時間)で換算した人数を基に平均年間賃金を算出しております。 ②連結子会社連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』の期間が終了し、新中期経営計画『Wacom Chapter4』に向けた展望とともに、以下のとおり『Wacom Chapter3』及び2023年5月11日に発表したその「アップデート・レポート」に則って事業を展開し、業績改善に向けた事業構造改革に取り組んでまいりました。 ①Technology Leadership(ワコムの提供価値の源泉である技術革新に注力)新たなユースケースに対応した商品ポートフォリオ刷新の一環として、当社初の有機ELペンタブレット「Wacom Movink(ワコム ムービンク)」を上市し、異なる場所や姿勢で常にクリエイティブに向き合うプロクリエイター並びにデザインやアートを学ぶ学生の皆様の期待に応える、まったく新しいカテゴリーの製品を通じた創作体験をご提供しております。 ②Community Engagement(コミュニティと深く連携し、価値ある体験を形成)新しい技術を共同で開発していく技術コミュニティ、新しいビジネスを開拓していくビジネスコミュニティ、そして新しい文化体験を創出していく文化コミュニティ等、多岐に亘るコミュニティとの連携を推進中であります。 ③New Core Tech, New Core Value Proposition(新しいコア技術をもとに新しい価値を創造)デジタル手書きの技術をXR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)の三分野にて掛け合わせることにより新たな体験価値を提供すべく、具体的な技術開発を推進中であります。 XR分野では独自のメタバース空間を立上げると同時に「空間描画」を可能にするWacom VR Penの開発を進め、AI分野では株式会社Z会との共同開発を通じて生徒の試行錯誤を可視化する同社の新しい学習体験サービスの拡充、拡大に貢献、セキュリティ分野ではクリエイターの権利を守るサービス「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版の提供(描画アプリケーションサービス事業者への展開)を開始しております。 また、リモート環境でも限りなくローカルPCでの作業と同じペン入力体験を可能にするプロクリエイター向けの革新的なテクノロジーソリューション「Wacom Bridge(ワコム ブリッジ)」のオープンベータ版の提供も開始しております。 ④Technology Innovation for Sustainable Society(技術で持続可能な社会の発展に貢献)商品開発、技術開発の一環として、修理しやすい構造の追求、リサイクルしやすい金属部品やリサイクルプラスチックの活用、商品箱の簡易化やリサイクル素材の活用といった即効性のあるものに加えて、アカデミアとの共同研究を通じて環境ケア新素材の開発にも取り組んでおります。 ⑤Meaningful Growth(財務的な成長に加えて、多面的な意味を持つ成長を目指す)私たちは、技術をもとに製品・サービスのユーザー体験を通じてお客様に価値を届けることがワコムの存在意義であり、それを一社だけではなくそれぞれのコミュニティのメンバーとともに学び合いながら実現させていくことが、社会の成長に貢献することにつながると信じております。 Meaningful Growthを具現化する体験として毎年11月にコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)」を開催すると同時に、その思いを皆様により深く理解していただくための一環として、当社グループの価値提供と取り組みをとりまとめ、2023年5月10日に発行した「Wacom Story Book(ワコム ストーリーブック)」について、重要課題を中心にアップデート版の制作に取り掛かっております。 当社グループは、引き続き以下の課題等に対処しながら、「Life-long Ink」のビジョンを達成してまいります。 1.ブランド製品事業の構造改革と商品ポートフォリオの強化ブランド製品事業の構造改革による固定費の削減、商品ポートフォリオの強化、販路マネジメントの改善などを通じて、収益の改善に取り組んでまいります。 2.新技術領域の事業化と収益化XR、AI、セキュリティなどの新技術を活用したデジタルインクサービスの立ち上げを進めておりますが、これらの技術を活用した事業領域の拡大と収益化に取り組んでまいります。 3.グローバル市場での競争力強化とオペレーション効率化グローバルメーカーとの競争や為替相場の変動、サプライチェーンの地域リスクなど、グローバル市場での競争力強化とオペレーション効率化という課題に取り組んでまいります。 (2)経営環境世界経済はロシア・ウクライナ情勢及び中東地域に起因した地政学的緊張が続くなか、米国の新たな関税政策の発表により、その後のインフレ動向、景況感に及ぼす影響について依然として不透明感のある状況であります。 これらの情勢を背景に、企業業績に与える影響の大きい今後の為替相場の動向についても不透明感があります。 IT市場を中心とする事業環境については、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどの技術革新に伴う情報処理の低価格化、利用の容易化がさらに進んでいくことが見込まれております。 (3)目標とする経営指標当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』に則って事業を展開してまいりました。 その取り組みをさらに発展、進化させるため、新たな中期経営計画『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)を策定し、企業価値向上に向けて最終年度(2029年3月期)までに、次の経営指標を達成することを目標としております。 「企業価値向上」=「利益創出力の強化(※1)」×「市場評価の向上(※2)」※1 事業成長 連結売上高1,500億円、連結営業利益150億円資本効率性の改善 ROE(自己資本利益率)20%以上、ROIC(投下資本利益率)18%以上将来に向けた投資 R&D+設備投資620億円、技術資本提携120億円以上※2 株主還元強化 総還元性向50%以上、累進配当制度導入(年間配当金下限22円) |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループは、中期経営計画『Wacom Chapter4』において、究極の「かく」体験を追求する道具屋として、「かく」ことを支えながら環境負荷を減らすことを掲げており、サステナビリティを巡る課題対応を経営戦略の重要な要素と認識しております。 サステナビリティについての取り組み及び人的資本や知的財産への投資等の内容について、具体的な活動や事例をコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)」等において発表するなど幅広い情報提供に努めております。 また、当社ウェブサイトにおいても、当社グループのサステナビリティに対する考え方などを示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)気候変動への対応 当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと捉えており、気候変動イニシアティブ(JCI)に参加するとともに気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、2030年度に達成すべきCO2排出量目標を設定し公表しております。 ①ガバナンス 当社グループでは、気候変動をはじめとするサステナビリティ関連の重要課題に関して取締役会が適切に監督・助言を行うため、ESGタスクフォースを設置しております。 定期的に開催するESGタスクフォースでは、サステナビリティ関連の具体的な方針や戦略、施策、環境目標への達成状況などを検討し、グループCEO、CFO、環境推進責任者、コンプライアンス リスク コミッティ事務局、IR担当者などが参加しております。 ESGタスクフォースで議論された内容のうち、特に経営上のリスクや機会に関わる重要事項については、社外取締役を含む取締役会に年次をベースとして適宜報告を行っております。 ②戦略 当社グループでは、ESGタスクフォースにて気候変動関連リスク及び機会の特定・評価に必要なデータやパラメータの収集を行い、事業への影響度の分析を行っております。 事業への影響度と対応策の考察・分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表するシナリオを用い、定性・定量の両面で影響度の評価を実施しております。 2022年度中に実施したシナリオ分析では、地球温暖化が深刻化する世界(4℃シナリオ)と脱炭素化への移行が活発化する世界(1.5℃シナリオ)の2パターンの仮説に基づき、2030年時点の影響を分析しております。 分析の過程においては、当社グループへの直接的影響の中では国内ほか、特に海外拠点における気象災害に伴う洪水被害などの物理的リスクや、当社グループのCO2排出量等も鑑み、カーボンプライシングを始めとした脱炭素化への移行リスクを認識しております。 一方で、気候変動対策及び適応を目指した様々な市場動向の変化は、例えば社会全体でペーパーレス化が推し進められた場合など、様々な場面で各種ペンタブレットの需要が増加することが想定され、新しいニーズに対応した製品・サービスの提供を通して事業機会となり得る可能性を認識しております。 以上の考察・分析から、気候変動への対応は当社グループのリスクの回避緩和のみならず、社会貢献性という観点でも当社グループの重要な課題の一つとして捉えており、気候関連課題への対応の企業戦略への統合を通して、その取り組みの推進に努めてまいります。 なお、より詳細な分析内容については、当社ウェブサイトにて情報開示を行っております。 ③リスク管理 当社グループにおける気候変動リスクの管理体制は、グループCEOを委員長としたコンプライアンス リスク コミッティにて、その他のリスク管理プロセスに統合し管理しております。 コンプライアンス リスク コミッティでは、リスクの発生及び予測されるリスクに重要な変化があった場合、海外子会社を含めた各部門の管理者が当組織に報告することを定めております。 気候変動問題リスクの特定・評価はESGタスクフォースが実施しており、当社グループに重大な影響を与え得るリスクについてはコンプライアンス リスク コミッティと共有及び連携の上、最小限に抑えるため適切に管理・監督を行っております。 これらの活動はグループCEOから取締役会へ定期的に報告を行っております。 ④指標と目標 当社グループでの気候変動への対応については、気候変動イニシアティブに参加するとともに、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けて、中間目標として2030年度に達成すべきCO2排出量目標を設定し公表しております。 これまで日本のみを対象として2014年度を基準年とし、2030年までにCO2排出量を48%削減することを目標としておりましたが、2024年4月に、グローバル全体を対象として2021年度を基準年とし、2030年までにGHG Scope 1,2を80%削減しScope 3を25%削減する目標に修正しております。 この目標は、パリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「SBT(Science Based Targets)」基準の1.5℃水準に整合していると評価され、SBT短期目標の認定をSBTi(Science Based Targets initiative)から取得しました(2024年10月1日)。 当社グループでの温室効果ガス排出量や具体的なCO2排出量削減活動については当社ウェブサイトにて開示しており、その進捗や外部要請の変化に合わせて、随時更新を行っております。 (2)人的資本の充実・多様性の確保への対応 当社グループは、「人間にとって意味のある体験」を届ける道具屋として、自身が自ら解き放たれ、自分自身に正直に生き、自分史上最高のパフォーマンスでお客様やコミュニティと共創を重ねていく。 そのような環境を作ることを大事にしております。 多様性を重んじることは最も重要、かつ基本施策の一つであり、各地域における文化を尊重しながら、究極にまで個に寄り添いながら、一人ひとりの成長を支援する施策を行っております。 ①ガバナンス 人的資本に関するガバナンス体制は、グループCEOが議長を務め、当社及び海外子会社におけるヒューマン リソーシズのヘッド、及び主要なビジネス部門を担当するHRビジネスパートナーから構成されるHRコアチーム(日本人2名、アメリカ人1名、中国人1名、ドイツ人1名の計5名によって構成)により、全グループにおける主要な人事施策について議論し、実施しております。 重要な組織改編や人事異動、主要な人事施策の導入や変更については、随時取締役会に報告し、助言や監督を受けながら実行しております。 ②戦略a. 性別、国籍、年齢などの個人の属性にとらわれない人財の登用 当社グループでは、1,000名ほどのチームメンバーが世界中で活躍しておりますが、そのうち、半数のメンバーは国外のグループ法人での雇用となっており、それぞれ現地におけるリーダーシップの下、各国の文化やビジネスの特性を生かす形で業務に従事しております。 主要な経営ポジションにおいても、性別、国籍、年齢などにとらわれず、そのミッションを遂行することへの熱意と実力を最も重要視した形で登用を行っております。 また、主要な事業分野において執行の責任者を定め、事業運営に携わっております。 有価証券報告書提出日現在、執行の責任者は9名で構成しており、グループCEOを含む取締役2名のほか、外国人2名(そのうち1名は女性)、日本人女性1名を含めております。 多様な視点を取り入れ、様々なコミュニティに対し、「かく」という体験を新しい価値として届ける体制を整えております。 なお、2025年3月期において、当社グループの管理職における女性の割合は22.9%となっております。 b. 時間と場所の制約からの開放 当社グループでは、全ての地域において、各国の労働基準法を遵守する範囲において、勤務場所を自由に選べる仕組みを整えております。 オフィスへの出社は必須ではなく、個人の裁量に委ねており、勤務時間においても、フレックスを基本としております。 さらに、日本においてはコアタイムなしのスーパーフレックスを導入しており、始業や終業の時間も個々の裁量、及び仕事の都合で自由に設定できるようにしております。 各国の労働基準法が許す限り、同様の働き方を導入している地域も多く、時間と場所という制約を取り除き、個々のライフスタイルに合わせた働き方ができる環境を整え、自由な発想が生まれる風土を作っております。 c. よりよく生きる – 健康経営の実践 スーパーフレックスや時短勤務制度を利用し、家庭と仕事の両立を図りながら、キャリアブレイクを作らず業務復帰するチームメンバーが多く活躍しております。 2025年3月期において、当社における男性の育児休業取得率は42.9%となっており、有給休暇を利用して産前産後の育児参加をする男性チームメンバーも多数存在しております。 また、2025年3月期において、女性が産前産後休業を経て、育児休業から復帰する割合は100%となっております。 復職にあたっては、ヒューマン リソーシズや該当する部門の上長が、復職するメンバーの状況をヒアリングし、無理のない復職プランをサポートしております。 一方、自由に働く場所を選べることにより、高齢の御両親の介護のために、実家に戻り、そこから勤務を続けるチームメンバーが、日本のみならず、各国に存在しております。 可能な限り、仕事を続けられる環境を作ることを大切にし、制度を整え、周辺の理解を得られるような風土作りをしております。 さらに、当社においては、健康経営を重視しており、産業医による月2回の健康相談の開催、健康相談アプリの導入、年に1度行うストレスチェックの結果を経営陣と共有し、常に健全な状態を継続できるよう努めております。 d. 実践に勝る学びなし – 人財育成戦略 経験値を増やし、実践と失敗から学ぶことを大切にし、熱意ある人財を主要プロジェクトに活用、その資産をもって事業の中核を担っております。 イ.Extended Core(ETC)と呼ばれる商品企画チームにおいて、商品企画未経験でも情熱と一定のワコム経験があれば年齢や職責に関わらずリーダーに抜擢し、権限をもって商品開発のリードをアサインします。 ロ.喫緊に解決が必要な課題に対してタスクフォースチーム(TFT)が結成されます。 入社間もないZ世代でも主要メンバーになります。 ハ.コミュニティと共に生き、そして学ぶことを大切にしております。 チームメンバーは「Connected Ink(コネクテッド・インク)」イベントに参加し、自らステージで顧客やパートナー企業とプロジェクトの成果を発表したり、ブースを顧客と共に運営することで、事業運営やコミュニティと共に生きることを身をもって体験し、大きく成長する機会となっております。 さらに、全てのメンバーは、会社以外のコミュニティと何らかのつながりが必ず存在することを踏まえ、『Wacom Chapter4』の戦略方向性の一つである、「コミュニティと共に生きる」を実践するために、職場以外での活動、兼業、副業という形態を含めた取り組みもサポートしております。 さらに、自発的な学びの意欲を尊重し、学びたいときにすぐにアクセスできるE-Learningのプラットフォームを、当社グループ全体で導入し、当社グループに所属しているチームメンバーであれば、国や雇用形態に関わらず、誰でも利用できるように準備しております。 ③リスク管理 究極の「かく」体験を追求する道具屋として、その価値の土台は高い技術力によって支えられております。 様々な技術革新を生み出す技術者の育成、確保が最も重要と考え、人財育成に注力しておりますが、育成期間がかかることがあり、さらに優れた人財確保、リテンションに際し、将来的に人財コストが上昇するリスクがあります。 当社グループでは、グループCEO自ら技術部門の主要メンバーと対話を重ね、価値と方向性の理解を深めてもらうコミュニケーションの機会を多く作り、さらに報酬レベルの見直しも行うことで、継続的な人財確保と育成に取り組んでおります。 さらに、年に1度、「Wacom Code of Ethics and Business Conduct(ワコム倫理・行動規範)」のリフレッシュトレーニングを行っており、職場における倫理規定を改めて理解しなおす機会を設けております。 毎年当社グループにおいて、90%以上のチームメンバーがトレーニングを修了します。 なお、問題が発生した場合、速やかに、そして匿名でも声を上げられるように、リスクホットラインの仕組みをグループ共通で整えており、柔軟性とスピード感をもって対応しております。 また、グループCEOと全てのチームメンバーが直接対話できるオフィス環境作りと、ヒューマン リソーシズや部門長が、細やかに一人ひとりに寄り添い、丁寧に話を聞いて問題解決に取り組む風土作りを続けております。 ④指標と目標 外見的な属性だけにとらわれない、真の意味での多様性の確保と、チームメンバーがやりがいを感じながら持てる力を存分に発揮できるような風土を醸成することが究極の目標であります。 現状、性別や国籍等の特定の属性の管理職への登用等の数値目標を敢えて設定していないものの、当社グループの中で進行している「ワコムが目指すべきダイバーシティー&インクルージョンのあるべき姿」の議論と、様々なステークホルダーとの対話を踏まえ、数値化して取り組むべきと判断した項目については、しっかりと数値目標を立てて取り組みを管理運営するとともに、その過程を透明性高く開示してまいります。 |
戦略 | ②戦略 当社グループでは、ESGタスクフォースにて気候変動関連リスク及び機会の特定・評価に必要なデータやパラメータの収集を行い、事業への影響度の分析を行っております。 事業への影響度と対応策の考察・分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表するシナリオを用い、定性・定量の両面で影響度の評価を実施しております。 2022年度中に実施したシナリオ分析では、地球温暖化が深刻化する世界(4℃シナリオ)と脱炭素化への移行が活発化する世界(1.5℃シナリオ)の2パターンの仮説に基づき、2030年時点の影響を分析しております。 分析の過程においては、当社グループへの直接的影響の中では国内ほか、特に海外拠点における気象災害に伴う洪水被害などの物理的リスクや、当社グループのCO2排出量等も鑑み、カーボンプライシングを始めとした脱炭素化への移行リスクを認識しております。 一方で、気候変動対策及び適応を目指した様々な市場動向の変化は、例えば社会全体でペーパーレス化が推し進められた場合など、様々な場面で各種ペンタブレットの需要が増加することが想定され、新しいニーズに対応した製品・サービスの提供を通して事業機会となり得る可能性を認識しております。 以上の考察・分析から、気候変動への対応は当社グループのリスクの回避緩和のみならず、社会貢献性という観点でも当社グループの重要な課題の一つとして捉えており、気候関連課題への対応の企業戦略への統合を通して、その取り組みの推進に努めてまいります。 なお、より詳細な分析内容については、当社ウェブサイトにて情報開示を行っております。 |
指標及び目標 | ④指標と目標 当社グループでの気候変動への対応については、気候変動イニシアティブに参加するとともに、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けて、中間目標として2030年度に達成すべきCO2排出量目標を設定し公表しております。 これまで日本のみを対象として2014年度を基準年とし、2030年までにCO2排出量を48%削減することを目標としておりましたが、2024年4月に、グローバル全体を対象として2021年度を基準年とし、2030年までにGHG Scope 1,2を80%削減しScope 3を25%削減する目標に修正しております。 この目標は、パリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「SBT(Science Based Targets)」基準の1.5℃水準に整合していると評価され、SBT短期目標の認定をSBTi(Science Based Targets initiative)から取得しました(2024年10月1日)。 当社グループでの温室効果ガス排出量や具体的なCO2排出量削減活動については当社ウェブサイトにて開示しており、その進捗や外部要請の変化に合わせて、随時更新を行っております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②戦略a. 性別、国籍、年齢などの個人の属性にとらわれない人財の登用 当社グループでは、1,000名ほどのチームメンバーが世界中で活躍しておりますが、そのうち、半数のメンバーは国外のグループ法人での雇用となっており、それぞれ現地におけるリーダーシップの下、各国の文化やビジネスの特性を生かす形で業務に従事しております。 主要な経営ポジションにおいても、性別、国籍、年齢などにとらわれず、そのミッションを遂行することへの熱意と実力を最も重要視した形で登用を行っております。 また、主要な事業分野において執行の責任者を定め、事業運営に携わっております。 有価証券報告書提出日現在、執行の責任者は9名で構成しており、グループCEOを含む取締役2名のほか、外国人2名(そのうち1名は女性)、日本人女性1名を含めております。 多様な視点を取り入れ、様々なコミュニティに対し、「かく」という体験を新しい価値として届ける体制を整えております。 なお、2025年3月期において、当社グループの管理職における女性の割合は22.9%となっております。 b. 時間と場所の制約からの開放 当社グループでは、全ての地域において、各国の労働基準法を遵守する範囲において、勤務場所を自由に選べる仕組みを整えております。 オフィスへの出社は必須ではなく、個人の裁量に委ねており、勤務時間においても、フレックスを基本としております。 さらに、日本においてはコアタイムなしのスーパーフレックスを導入しており、始業や終業の時間も個々の裁量、及び仕事の都合で自由に設定できるようにしております。 各国の労働基準法が許す限り、同様の働き方を導入している地域も多く、時間と場所という制約を取り除き、個々のライフスタイルに合わせた働き方ができる環境を整え、自由な発想が生まれる風土を作っております。 c. よりよく生きる – 健康経営の実践 スーパーフレックスや時短勤務制度を利用し、家庭と仕事の両立を図りながら、キャリアブレイクを作らず業務復帰するチームメンバーが多く活躍しております。 2025年3月期において、当社における男性の育児休業取得率は42.9%となっており、有給休暇を利用して産前産後の育児参加をする男性チームメンバーも多数存在しております。 また、2025年3月期において、女性が産前産後休業を経て、育児休業から復帰する割合は100%となっております。 復職にあたっては、ヒューマン リソーシズや該当する部門の上長が、復職するメンバーの状況をヒアリングし、無理のない復職プランをサポートしております。 一方、自由に働く場所を選べることにより、高齢の御両親の介護のために、実家に戻り、そこから勤務を続けるチームメンバーが、日本のみならず、各国に存在しております。 可能な限り、仕事を続けられる環境を作ることを大切にし、制度を整え、周辺の理解を得られるような風土作りをしております。 さらに、当社においては、健康経営を重視しており、産業医による月2回の健康相談の開催、健康相談アプリの導入、年に1度行うストレスチェックの結果を経営陣と共有し、常に健全な状態を継続できるよう努めております。 d. 実践に勝る学びなし – 人財育成戦略 経験値を増やし、実践と失敗から学ぶことを大切にし、熱意ある人財を主要プロジェクトに活用、その資産をもって事業の中核を担っております。 イ.Extended Core(ETC)と呼ばれる商品企画チームにおいて、商品企画未経験でも情熱と一定のワコム経験があれば年齢や職責に関わらずリーダーに抜擢し、権限をもって商品開発のリードをアサインします。 ロ.喫緊に解決が必要な課題に対してタスクフォースチーム(TFT)が結成されます。 入社間もないZ世代でも主要メンバーになります。 ハ.コミュニティと共に生き、そして学ぶことを大切にしております。 チームメンバーは「Connected Ink(コネクテッド・インク)」イベントに参加し、自らステージで顧客やパートナー企業とプロジェクトの成果を発表したり、ブースを顧客と共に運営することで、事業運営やコミュニティと共に生きることを身をもって体験し、大きく成長する機会となっております。 さらに、全てのメンバーは、会社以外のコミュニティと何らかのつながりが必ず存在することを踏まえ、『Wacom Chapter4』の戦略方向性の一つである、「コミュニティと共に生きる」を実践するために、職場以外での活動、兼業、副業という形態を含めた取り組みもサポートしております。 さらに、自発的な学びの意欲を尊重し、学びたいときにすぐにアクセスできるE-Learningのプラットフォームを、当社グループ全体で導入し、当社グループに所属しているチームメンバーであれば、国や雇用形態に関わらず、誰でも利用できるように準備しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④指標と目標 外見的な属性だけにとらわれない、真の意味での多様性の確保と、チームメンバーがやりがいを感じながら持てる力を存分に発揮できるような風土を醸成することが究極の目標であります。 現状、性別や国籍等の特定の属性の管理職への登用等の数値目標を敢えて設定していないものの、当社グループの中で進行している「ワコムが目指すべきダイバーシティー&インクルージョンのあるべき姿」の議論と、様々なステークホルダーとの対話を踏まえ、数値化して取り組むべきと判断した項目については、しっかりと数値目標を立てて取り組みを管理運営するとともに、その過程を透明性高く開示してまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営環境に関するリスク①為替レートの変動当社グループにおける製品の販売は、日本国内に関しては当社で、海外に関しては大半を在外子会社で、また、製品の生産は、海外の外注製造会社にて行っており、決済通貨は米ドル、ユーロ、日本円等であります。 そのため、各国の経済環境、関税規制、政治的状況による金利水準の上下動等による為替レートの変動リスクが一定程度存在しており、為替動向を見据えた通貨の売買、為替予約の利用、外国通貨の保有手段の多様化、取得通貨での支払いの推進等の実施により、当該リスクの回避に努めております。 しかしながら、為替レートが急激に変動した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業活動に関するリスク①市場環境の変化当社グループは、世界各国で販売活動を行っていること、クリエイティブソリューションにおいて当社製品がデザイン制作現場等のプロフェッショナルクリエイターに使用されていること、テクノロジーソリューション事業の主要顧客がスマートフォンメーカー、ノートPC・タブレットメーカーであること等から、世界各国の経済動向、グラフィックス業界の動向、PC市場動向等が業績に影響を及ぼす可能性があります。 PC市場においては、ディスプレイ技術の劇的な変化、ペン技術やIoTデバイスの浸透による多くの競合他社の参入、また、教育のDX化及び生成AI進化等に伴い、ペンの価値提案が高難度化しております。 これらに対応して、ペンの価値の再定義及びリソース配分やロードマップを見直すとともに、特定の教育サービスパートナーと協業し、ニーズにマッチしたサービス開発を進めております。 クリエイティブ市場においては、①ワークフローの変化や生成AIの一般化、デバイス環境の変化及び競合環境の激化により求められるツールの変化、②貿易政策の転換その他の政策による世界的な消費冷え込みに伴うコンシューマトレンドの変化、③VFX(ブイエフエックス)市場のリセッションに伴うメディア&エンターテインメント市場の投資ホールドの影響等が生じております。 これらに対応して、製品ポートフォリオの見直し、注力カテゴリー(製品、市場、地域)の設定、開発・SCMと連携した関税リスク回避施策(生産国変更等)をタイムリーに展開しております。 なお、市場環境が著しく悪化した場合、棚卸資産評価損や固定資産に係る減損損失の計上により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②海外進出及び国際的活動当社グループは、国境・地域を越えた生産、販売等を行っているため、地政学的観点から地域紛争が発生する場合や現地の労使関係に問題が発生した場合などは、生産委託先による製品の製造や物流活動、当該地域の当社子会社の販売活動等に支障を生じる可能性があります。 その他、主要な海外市場における経済情勢の悪化、競争激化、移転価格税制等の国際税務リスクが発生した場合においても、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③特定の販売先への依存当社グループの販売先は多岐にわたっておりますが、テクノロジーソリューション事業における主要販売先であるサムスングループへの売上高の割合は、連結売上高に対し、前連結会計年度は39.7%、当連結会計年度は42.0%であります。 サムスングループへの売上高は、サムスングループ製品の需要動向の影響を間接的に受ける可能性があり、サムスングループの経営戦略の変更等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、今後も引き続き、最適なソリューションの提供等による顧客満足の獲得に努め、顧客の多様化による当該リスクの最小化に努めてまいります。 ④外部企業への製造依存生産委託先は、大量生産能力とコスト競争力に加えて、急速な需要変動に対応する供給力を備えており、当社グループの事業戦略において重要な位置を占めております。 中国を中心とした外注製造会社に生産を委託しているなか、米中貿易摩擦に対する関税リスク軽減策として、一部製品ラインの生産については中国以外の地域に移管するなど、コスト面にも配慮しつつ生産委託先の最適化・分散化を進めております。 しかしながら、今後、生産委託先の経営上の問題、あるいは、生産委託先の工場において自然災害等の不慮の事故が発生し、製品の継続的生産が難しくなる場合、もしくは、生産委託先の工場を変更又は追加し、工場側の習熟に時間を要する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤基幹部品、部材の供給と価格今後、プラスチックケースや汎用部品のコストが上昇したり、IC、プリント基板、液晶等の汎用基幹部品が不足する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、ペンスイッチ用セラミック部品やカスタムICなど当社グループ独自の基幹部品についても、自然災害等によりセラミックメーカーやICメーカーからの継続的供給に問題が発生するなど、供給体制に問題が生じる場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、基幹部品についてのセカンドソースの早期確保や代替部品の開発に努めておりますが、汎用部品に関しては、長期需要予測による早期部品手配などによりリスクとコストの削減を図る必要があります。 なお、当社グループ又は生産委託先が調達する部品に含まれる重金属・プラスチック等の素材について、各国の法規制又は当社製品の販売先の基準等により使用又は使用量の制限等に変更がある場合には、部品・設計の変更等が必要となり、製造コストや管理コストが上昇するなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、かかる部品を含む製品を販売した後に、これらの規制又は基準が変更された場合にも、製品の取替えが要求されるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。 直近においては、半導体を中心とした電子部品や材料の調達納期が長期化し、納期を守れないリスクが増大するなか、鍵となる主要部品に関して、在庫増加や長期供給契約のリスクを十分に勘案しつつ、先行手配と納期管理を強化しております。 また、開発体制を見直し、サプライチェーンを強化することによって価格競争力を高めるよう努めております。 ⑥製品の欠陥又は重大な品質問題当社グループは、品質維持に万全を期しておりますが、製造物責任賠償や大規模なリコールにつながる欠陥が明らかとなった場合は、賠償金その他による多額のコスト負担はもとより、当社グループ及び当社製品への信頼・評価に深刻な影響を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらの問題に対処するため、引き続き、生産委託先における生産状況の監視や、管理プロセス及び市場において発見された品質問題の共有データベースシステムの強化等に取り組んでまいります。 ⑦人材の確保当社グループは、企画、開発、設計、製造、販売、サービス等の各機能に必要な人材確保にグローバルで努めております。 しかしながら、労働市場における人材の獲得競争は激化しており、有能な人材の採用や雇用の継続が困難になった場合は、研究開発に十分な資源を投入できないことによる製品競争力の低下や労働力不足による製品の安定供給への支障など、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、その結果、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらの問題に対処するため、新たな人材確保ルートの開拓、報酬レベルの見直し、社内におけるリスキリングの推奨等を進めております。 ⑧情報セキュリティ当社グループは、コンピューターウイルス等によるサイバー攻撃に対しての備えとして、IT環境の整備・強化や社員の情報リテラシー(情報活用能力)を高めるため定期的な教育等の対応を継続的に行っておりますが、想定外の攻撃によるリスクは残るものと考えております。 そのため、外部からのサイバー攻撃やコンピューターウイルスの侵入等によるデータの棄損や漏洩を完全に防止できるものではなく、被害の規模により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、今後も引き続き、外部によるサイバーセキュリティ評価への対応、全社の情報区分・管理体制の構築、社内外に対する技術情報管理対応、全社トレーニングの改善、ローカルサーバーのクラウド移行の継続等に取り組んでまいります。 ⑨自然災害と事故等当社グループでは、自然災害・事故等の発生に備えたリスク管理を実施しておりますが、大地震等の大規模自然災害や火災等の突発的な事故が発生した場合には、製造設備の損害等によりサプライチェーン全体へ支障が生じるおそれがあり、被害の規模により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、新型の感染症等が拡大した場合も同様に、業績に影響を及ぼす可能性があります。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行においては、当社グループは、全世界的にテレワークの実施等柔軟な勤務体制を継続することで、コロナ禍後の新しい働き方の在り方を検討するとともに、従業員の安全を確保し、感染拡大防止に向けた社会的責任を果たしております。 (3)法的規制及び訴訟等に関するリスク①知的財産権への抵触・侵害当社グループは、新製品の開発・発売に際し、他社及び個人の特許権・商標権等への抵触・侵害が発生しないよう現地特許事務所等を利用して事前調査を行い、可能性が予見できる場合には回避策をとるなど、他社及び個人の知的財産権の侵害を未然に防止できるよう、万全の注意を払っております。 しかしながら、各国の法制度の違いや、データベース調査の限界によって予見できない場合、さらには当社製品の発売後に権利化された場合には、特許権等に抵触するなどの可能性は完全に排除することはできません。 そのような場合には、他社又は個人から特許権等の知的財産権の侵害としてクレームを受けたり、提訴される可能性があります。 一方、他社から侵害があった場合も、クレームや訴訟等断固たる処置をとりますが、経過によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの特許権等の知的財産権の権利期間が満了したり、あるいは、特許訴訟や無効審判請求などによって特許権の権利範囲の変更や無効の判断が出された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、今後も引き続き、第三者の知的財産権に対する侵害の予防や当社グループが保有する知的財産権の保護への対策を検討、実施してまいります。 ②法的規制等当社製品が販売されている各国においては、電磁波規制や安全規制、製造物責任(PL)関連法等が定められております。 当社グループは、法規制の動向に留意し、製品・サービスの迅速な対応に努めておりますが、新規規制の制定や規制変更に関して十分な対応がとれない場合や、我が国又は当社製品の生産委託先国において、輸出規制又は輸入規制の変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、関税などの監督当局による法令の解釈、規制、税率の変更などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③独占禁止法適用等世界主要地域において、当社グループのペンタブレット市場シェア(※)がさらに拡大し、各国政府より当社グループが技術の発達や自由な競争を妨げ、市場の発展や顧客利益を損なっていると判断された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (※)株式会社BCN公表による「BCNランキング」(株式会社BCNとデータ提供契約を締結している全国の主要家電量販店やネットショップ等のPOSデータを集計)によれば、ペンタブレット部門における当社製品の年間(2024年1月~12月)販売台数のシェアは89.4%となっております。 世界シェアについては、公表されたデータがないため、記載しておりません。 ④機密情報及び個人情報の管理当社グループは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しておりますが、昨今、国内外においてはGDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)に代表される個人情報を主体とする各種情報の保護に対する法令の制定が進んでおり、その遵守のためのルール整備や情報システムの強化が求められております。 当社グループにおいても、関係法令遵守のため、当社グループの個人情報保護方針を明示し、社内規程類の整備と運用及び社員への教育を行っておりますが、万一、不測の事態によってこれらの情報が漏洩した場合や、違反に対する当局からの制裁金や訴訟による損害賠償金等を支払うこととなった場合は、被害の規模により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 直近においては、WEBセミナーの増加や、教育などの新規分野へのアプローチにより、個人情報の収集機会は増加しており、各国の法令に合わせたプライバシーポリシーの変更、CCPA対応、クッキー管理ツールの導入、プロジェクト支援等の対応を進めております。 今後はさらに、各国毎のポリシーの整備継続、中国個人情報保護法への対応、越境データへの対応、社内トレーニングの実施等に取り組んでまいります。 ⑤コンプライアンス当社グループは、国内外で事業活動を行っており、また、関連する法令や規則は広範囲にわたっております。 国内では、会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、知的財産法、情報管理・個人情報保護法、労働法、貿易・環境規制など、海外でもその地域における事業活動に関連する法令や規則を遵守することが求められております。 当社グループでは、コンプライアンス リスク コミッティや第三者が運営する内部通報制度であるWacom Speak-up Lineを設置し、コンプライアンス推進体制を確立しております。 役員及び従業員に対しては、ワコム倫理・行動規範を社内ポータルサイトに掲示し、定期的なオンライン教育やセミナーを実施するなどして、コンプライアンスの全社的な徹底を図っております。 しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクを完全に取り除くことは困難であり、関連する法令や規則の義務を実行できない事態が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における当社グループを取り巻く事業環境において、世界経済はロシア・ウクライナ情勢に加えて中東地域に起因した地政学的緊張が続くなか、インフレ率の鈍化と日本を除く主要国の中央銀行による金融緩和策も示され底堅い成長が見られたものの、米国の追加関税政策の発表により先行き不透明感が高まるものとなりました。 このような情勢下、IT市場では、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどに関連した技術革新や利便性向上などが見られました。 なお、同期間の主要通貨に対する円相場は、各国の景気や金融・貿易政策等に対する見方を反映し、前年同期の平均レートと比較すると対米ドルで小幅に、対ユーロ及び対中国元で僅かに円安となりました。 このような事業環境の下、当社グループは、2021年5月12日に発表した2025年3月期を最終年度とする中期経営方針『Wacom Chapter3』及び2023年5月11日に発表したその「アップデート・レポート」における施策に則って、ペンやインクのデジタル技術で常に市場の主導権を握り、「意味深い成長(財務的な成長だけではなく、私たちのお客様が製品・サービスのユーザー体験を通じて感じる成長であり、私たちが日々の暮らしを営む社会やコミュニティ全体が新たな学びを積み重ねていくことであり、一人一人の自己実現を通じた成長で構成される多面的な意味を持つ成長)」を目指して事業運営にあたりました。 当連結会計年度では、XR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)、教育などといった成長分野において、事業モデルを一段と進化させるための戦略を協業パートナーと推し進めるとともに、生産性やコスト構造の改善にも努め、経営判断の質の向上を通して経営課題に取り組みました。 ブランド製品事業については、創造性発揮のための最高体験をお客様にお届けするため、技術革新に取り組むとともに、顧客サービスの向上に努めました。 当連結会計年度では、主力のクリエイティブソリューションにおいて、ディスプレイ製品、ペンタブレット製品ともに売上高が前年同期を下回ったことから、ブランド製品事業全体としての売上高は、前年同期を下回りました。 テクノロジーソリューション事業については、デジタルペン技術(アクティブES:Active Electrostatic、EMR:Electro Magnetic Resonance)の事実上の標準化に取り組むとともに、タブレット・ノートPC市場での利用拡大や教育市場での事業機会の拡大に努めました。 当連結会計年度では、AESテクノロジーソリューションの売上高が前年同期を下回りましたが、EMRテクノロジーソリューションの売上高が前年同期を上回ったことから、テクノロジーソリューション事業全体としての売上高は、前年同期を上回りました。 中期経営方針の戦略軸に沿った全社的な取り組みとしては、当社グループの事業を取り巻く環境が大きく変化し、事業構造を変革させる必要が生じているとの認識の下で、当連結会計年度を中期経営方針『Wacom Chapter3』の「事業構造変革期間(2024年3月期から2025年3月期まで)」の最終年度と位置付けました。 ブランド製品事業においては、商品ポートフォリオの刷新を含む構造改革に取り組み、2024年4月には新しいユースケース「ポータブル クリエイティブ」を確立すべく「Wacom Movink(ワコム ムービンク) 13」を、2025年2月には小型化と高精度に刷新したフラッグシップペンタブレット「Wacom Intuos Pro(ワコム インテュオス プロ)」を発表しました。 また、企業価値の中長期的な向上を目指す観点からは、当社グループが持つデジタルペンの技術価値や各要素を「ペンとインクの統合体験」として市場実装すべく、次世代の成長エンジンとなる技術開発を推進し、積極的な投資を行っております。 2024年11月には、多様な領域のパートナーと共創するコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)2024」を開催し、最新のデジタルインク・テクノロジーを駆使した教育向けサービスやクリエイターの権利保護などの開発状況などを発表しました。 また、学びや医療等も含む様々な分野での協業関係を更に深化させるため、AI技術を活用したソリューションなどを開発する株式会社Preferred Networksの第三者割当増資を引き受け2024年11月に1,000百万円を出資しました。 学びやビジネスシーンを含む様々な分野での新たなプラットフォームを展開するためIoTソリューションを提供するJENESIS株式会社の株式を2025年3月に20百万円で取得しました。 サステナビリティの取り組みについても、当社グループは、気候変動問題を環境経営における重要な課題として捉え、温室効果ガスの削減に向けて、気候変動が事業環境に及ぼすリスクや機会を踏まえた事業活動を行っております。 その一環として、ステークホルダーに対してより信頼性、透明性の高いデータを開示するため、2024年8月には、2024年3月期の温室効果ガス排出量データ(Scope 1,2,3)について、国際基準に準拠した第三者検証による第三者保証報告書を取得し、2024年10月には、温室効果ガス排出削減目標について、SBTi(Science Based Targets initiative)によるSBT短期目標の認定を取得しております。 これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。 a. 財政状態当連結会計年度末における資産の残高は、70,771,224千円となり、前連結会計年度末に比べ8,848,433千円減少しました。 これは、投資有価証券が1,552,993千円増加し、現金及び預金が7,296,513千円、売掛金が1,296,465千円減少したことなどによるものであります。 負債の残高は、39,911,749千円となり、前連結会計年度末に比べ3,739,685千円減少しました。 これは、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が2,000,000千円、固定負債のその他が751,191千円減少したことなどによるものであります。 純資産の残高は、30,859,475千円となり、前連結会計年度末に比べ5,108,748千円減少しました。 これは、親会社株主に帰属する当期純利益5,224,744千円により増加し、剰余金の配当2,904,876千円、自己株式の取得7,499,904千円により減少したことなどによるものであります。 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント減少し、43.6%となりました。 b. 経営成績当連結会計年度の業績は、売上高が115,680,799千円(前年同期比2.6%減)、営業利益は10,209,629千円(同44.7%増)、経常利益は10,394,303千円(同5.5%増)、また、特別損失において、主にブランド製品事業における事業構造改革の実施に伴い発生した特別退職金等の事業構造改善費用3,090,227千円(同432.9%増)を計上したことなどが影響し、親会社株主に帰属する当期純利益は5,224,744千円(同14.5%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、24,364,228千円となり、前連結会計年度末に比べ7,296,513千円減少しました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、8,330,003千円の収入(前年同期は17,476,294千円の収入)となりました。 これは、税金等調整前当期純利益6,869,917千円及び減価償却費2,114,019千円などによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、2,274,095千円の支出(前年同期は2,281,207千円の支出)となりました。 これは、有形固定資産の取得による支出917,468千円及び投資有価証券の取得による支出1,019,824千円などによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、13,169,674千円の支出(前年同期は6,431,582千円の支出)となりました。 これは、長期借入金の返済による支出2,000,000千円、自己株式の取得による支出7,513,510千円及び配当金の支払額2,900,769千円などによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)ブランド製品事業15,214,873138.1テクノロジーソリューション事業50,679,54999.8合計65,894,422106.7(注)上記の金額には、製品仕入実績を含んでおります。 b. 受注実績当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)ブランド製品事業28,744,77485.0テクノロジーソリューション事業86,936,025102.3合計115,680,79997.4(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)サムスングループ(※)47,108,64339.748,534,12442.0(※)サムスングループには、Samsung Electronics Japan Co., Ltd.、Samsung Electronics Co., Ltd.を含んでおります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績等当社グループのセグメントごとの業績に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 (ブランド製品事業) <クリエイティブソリューション>クリエイティブソリューションは、市場環境の変化による影響を受けるなか、ディスプレイ製品、ペンタブレット製品ともに販売が減少し、前年同期の売上高を下回りました。 ○ ディスプレイ製品プロ向けモデルは、2024年4月に新製品を投入したことで需要が増加したことなどから前年同期の売上高を上回りました。 プロ向けモデル以外は、消費者行動の変化等の影響により前年同期の売上高を大幅に下回りました。 これらの結果、ディスプレイ製品全体の売上高は、前年同期を下回りました。 ○ ペンタブレット製品プロ向けモデルは、2025年3月に新製品を投入しましたが、旧モデルの終息及び買い控えの影響もあり前年同期の売上高を小幅に下回りました。 プロ向けモデル以外は、一部モデルの販売終了などにより前年同期の売上高を下回りました。 これらの結果、ペンタブレット製品全体の売上高は、前年同期を下回りました。 <ビジネスソリューション>ビジネスソリューションは、金融・医療・官公庁などの需要が堅調に推移しましたが、全体の売上高は、前年同期を僅かに下回りました。 これらの結果、ブランド製品事業の売上高は28,744,774千円(前年同期比15.0%減)、セグメント損失は2,879,178千円(前年同期はセグメント損失4,520,456千円)となりました。 また、棚卸資産や売掛金が減少したことなどから、セグメント資産は前連結会計年度末に比べ1,943,084千円減少し、11,404,122千円となりました。 (テクノロジーソリューション事業) <AESテクノロジーソリューション>市場環境の変化による影響を受けるなか、AESテクノロジーソリューション全体の売上高は、前年同期を小幅に下回りました。 <EMRテクノロジーソリューション>OEM提供先の需要が増加したことから、EMRテクノロジーソリューション全体の売上高は、前年同期を小幅に上回りました。 これらの結果、テクノロジーソリューション事業の売上高は86,936,025千円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は18,495,277千円(同12.2%増)となりました。 また、棚卸資産が増加したことなどから、セグメント資産は前連結会計年度末に比べ1,311,194千円増加し、22,371,395千円となりました。 b. 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループは、これらのリスクに対して、継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、低減・回避等の対応に努めております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、XR、AI、セキュリティ、教育といった成長分野に対応した新製品や次世代デジタルペン技術に係る研究開発費、量産出荷のための金型設備投資であります。 なお、設備もしくはシステムとして資産計上される資本的支出の規模は、毎期20億円~25億円程度を目安としております。 当連結会計年度においては、製品量産用金型や自動組立機への投資などがあるものの、投資内容や時期の見直しなどもあり総額14億円となりました。 b. 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金調達、資金運用等に関する取組方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)」に記載のとおりであります。 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、127億円(借入金120億円、リース負債7億円)であります。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、244億円であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に影響を与える見積りを必要とします。 経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り項目特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 また、会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、合理的であると判断しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』に則って事業を展開してまいりました。 その取り組みをさらに発展、進化させるため、新たな中期経営計画『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)を策定し、企業価値向上に向けて最終年度(2029年3月期)までに、次の経営指標を達成することを目標としております。 「企業価値向上」=「利益創出力の強化(※1)」×「市場評価の向上(※2)」※1 事業成長 連結売上高1,500億円、連結営業利益150億円資本効率性の改善 ROE(自己資本利益率)20%以上、ROIC(投下資本利益率)18%以上将来に向けた投資 R&D+設備投資620億円、技術資本提携120億円以上※2 株主還元強化 総還元性向50%以上、累進配当制度導入(年間配当金下限22円) 当連結会計年度における『Wacom Chapter3』財務方針のガイドラインで掲げた各経営指標の結果は次のとおりであります。 また、2021年5月13日から2025年3月31日までの期間に、総額200億円を上限とする自己株式の取得を実施する方針を策定しており、当連結会計年度において累計75億円(累計10,772,900株)の自己株式の取得を実施し、2021年5月13日以降の自己株式取得額の累計は200億円となりました。 前連結会計年度(2024年3月期 実績)当連結会計年度(2025年3月期 実績)2024年3月期~2025年3月期財務方針のガイドライン(参考)2029年3月期目標ROIC(投下資本利益率)(注)113.9%22.7%10%以上-ROIC(投下資本利益率)(注)210.6%16.3%-18%以上ROE(自己資本利益率)11.9%15.6%10~15%程度20%以上配当性向67.5%59.5%30%程度。 それを上回る場合でも原則として安定的な配当額を維持。 総還元性向50%以上(累進配当+機動的な自己株式の取得)(注)1.2024年3月期~2025年3月期、財務方針のガイドラインでの算定方法に基づく数値であります。 ROIC=税引後営業利益 / (正味運転資本の期首期末平均+事業用資産の期首期末平均)事業用資産:有形固定資産+無形固定資産+他資産(うち事業用と定義するもの)(注)2.『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)での算定方法に基づく数値であります。 ROIC=税引後営業利益 / (純資産+有利子負債) |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループは、「Life-long Ink」をビジョンとし、戦略軸を支える技術のロードマップを様々な状況変化に対応してダイナミックに展開していくことがとても大切だと考えております。 ペンやペーパー、インクに関する現行のコア技術に加えて、その技術をXR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)の各技術と融合させた新たなコア技術の開発を進めております。 また、現行のコア技術を進化させた新たな商品ポートフォリオの展開と新しい顧客群の開拓に加えて、AIなどの新たなコア技術の社会実装への応用を進め、教育や創造支援、空間描画、著作権保護の領域で新しい製品、サービスが提供できるよう、研究開発活動に取り組んでおります。 さらに、環境に配慮した製品の開発やワコム独自の取り組みを通して、引き続き、持続可能な世界の実現に貢献してまいります。 当社グループの研究開発活動の内容は、①基礎技術・要素技術の研究、②新製品の企画、商品化開発、③既存製品の改良・改善に大別されます。 研究開発部門は、要素技術や製品のシステム構成を反映したグループによって構成されており、それぞれが地域を越えたグローバル組織として構成されております。 ハードウェア関連の技術開発、製品開発は国内を中心に行い、クラウドサービスでのデジタルインク関連技術はブルガリア、ドライバーソフトウェアの開発は米国、デジタルサインとセキュリティ関連は英国を中心に開発しております。 また、ペンソリューションのOEM顧客向けカスタム開発は台湾や中国でも行うなど、各技術の特徴・要求を考慮した組織を各地域に置き、開発活動を行っております。 さらに、株式会社Preferred Networksやエスディーテック株式会社などとのパートナーシップにより、AI技術の向上を図っております。 新製品の企画・開発においては、製品企画、設計開発に加えて、品質、SCM、マーケティングを交えたプロジェクトチーム制を採用し、地域や組織を越えて柔軟に運用しております。 これらにより、グローバルスタンダードとなりうる製品を、企画・開発から市場投入まで一貫して管理し、製品仕様の向上や品質の確保、開発期間の短縮を可能にしております。 研究開発体制は、下図のとおりであります。 当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない基礎研究費用(152,302千円)が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は8,685,769千円であります。 ①ブランド製品事業世界の先進ユーザーのニーズを先取りして、グローバルスタンダードとなりうる製品を継続的に市場に提供するため、新規技術・新規製品の開発に積極的に取り組むとともに、ユーザーインターフェイスの分野において知的財産権の拡大を図っております。 また、急速に普及しつつあるVRコンテンツのデザインに対応する当社独自のVR空間内での描画ソリューションの開発や、ペンの性能と書き心地のさらなる追求のための次世代ペン技術の開発にも取り組んでおります。 クリエイティブソリューションにおいては、2024年4月には新しいユースケース「ポータブルクリエイティブ」を確立すべく「Wacom Movink(ワコム ムービンク) 13」を、2025年2月には小型化と高精度に刷新したフラッグシップペンタブレット「Wacom Intuos Pro(ワコム インテュオス プロ)(2025)」を発表しました。 また、2024年12月にはリモート環境下においてプロフェッショナルタブレット・ディスプレイでローカル環境と変わらない描画体験をご提供するためのサービスとして、すでにサポートしている「Splashtop(スプラッシュトップ)」に加え、「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」に対応した「Wacom Bridge(ワコム ブリッジ)」の提供を開始しました。 ビジネスソリューションにおいては、当社独自の生体サイン取得および認証技術を組み込んだソフトウェアの開発を引き続き推進しております。 さらに、2024年11月にはクリエイターやアーティストが制作したデジタル作品の保護と著作者証明を可能にするサービス「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版の提供を開始しました。 ブランド製品事業に係る研究開発費は2,932,387千円であります。 ②テクノロジーソリューション事業アクティブES(Active Electrostatic)方式デジタルペン技術とタッチ技術については、従来より採用実績のあるタブレットや2in1システムへの搭載の拡大に加えて、画面折りたたみ式PCのようなフォルダブルデバイスなど、最新の表示デバイスへの搭載に向けて開発に取り組んでおります。 また、OEM顧客のシステムへ当社技術を搭載していくことに加えて、ITエコシステムの中で当社ペン技術が「事実上の標準」として位置付けられるように、UPF(Universal Pen Framework)パートナーとともに、インセル型タッチパネル向けデジタルペン技術「WGP(Wacom Generic Protocol)」を採用した製品の開発を進めております。 さらに、OS等のプラットフォームパートナーとともにペンのレベルを進化させていく共同の取り組みを通して、より付加価値の高いソリューションを提供できるように取り組んでおります。 EMR(Electro Magnetic Resonance)方式ペン・センサー技術については、フォルダブルデバイスを含め引き続きスマートフォン市場向けに技術開発とソリューション提供を行いました。 また、文教ソリューション及びデジタル文具市場の開拓を進め、電子ペーパーディスプレイを搭載する電子ノートへの搭載拡大に寄与しました。 以上のほか、株式会社Z会向けインクサービスの提供に向けた開発や、新たな価値提供の形としてのプラットフォームビジネスの実現に向けた開発も進めております。 テクノロジーソリューション事業に係る研究開発費は5,601,080千円であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社グループでは、急速な技術革新や販売競争の激化に対処するため、当連結会計年度において、製造設備や金型・治具等(ブランド製品事業464,865千円、テクノロジーソリューション事業757,572千円)を中心に1,414,750千円の設備投資を実施しました。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 (1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)本社工場(埼玉県加須市)ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業全社工場他197,8423,816549,711(11,695.98)45,107796,4767(10)本社管理棟(埼玉県加須市)全社事務所他391,362384上記本社工場に含む(同一敷地)50,866442,61251(31)本社隣接地(埼玉県加須市)全社駐車場--513,350(11,408.01)-513,350-東京支社・他営業所(東京都新宿区他)ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業全社事務所他106,9401,026,188-(-)679,9831,813,111357(78)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であります。 2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 3.東京支社・他営業所の建物については、賃借しております。 (2)国内子会社該当事項はありません。 (3)在外子会社2025年3月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)ワコムヨーロッパ本社(ドイツ連邦共和国デュッセルドルフ市)ブランド製品事業全社事務所他18,087--(-)163,336181,423152(7)ワコムテクノロジー本社(アメリカ合衆国ワシントン州バンクーバー市)ブランド製品事業全社器具備品他742--(-)17,03517,777147(7)ワコムチャイナ本社(中華人民共和国北京市)ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業全社事務所他1,77313,406-(-)258,431273,610129(3)ワコムコリア本社(大韓民国ソウル特別市)ブランド製品事業全社事務所他9651,616-(-)45,47648,05732 (2)ワコムオーストラリア本社(オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州ノースライド)ブランド製品事業全社事務所他3,046--(-)7,56410,61010(-)ワコムホンコン本社(中華人民共和国香港特別行政区)ブランド製品事業全社事務所他---(-)4,7774,7771(-)ワコムシンガポール本社(シンガポール共和国シンガポール)ブランド製品事業全社事務所他---(-)30,00830,00812(6)ワコムタイワンインフォメーション本社(台湾台北市)ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業全社事務所他-9,070-(-)64,50373,57381(4)ワコムインディア本社(インド共和国ニューデリー市)ブランド製品事業全社事務所他---(-)7,7367,73614(1)ワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジー本社(ベトナム社会主義共和国バクニン省バクニン市)ブランド製品事業テクノロジーソリューション事業全社事務所他2,59359,131-(-)94,093155,81713(-)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、使用権資産であります。 2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社グループの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。 設備投資は原則的に各グローバルビジネスユニットで策定しておりますが、計画策定にあたっては当社グループにおいて提出会社を中心に調整を図っております。 (1)重要な設備の新設該当事項はありません。 (2)重要な設備の改修該当事項はありません。 (3)重要な設備の売却・除却該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 5,601,080,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 1,414,750,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 11 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 9,641,000 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を「保有目的が純投資目的である投資株式」とし、それ以外の株式を「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」として区分しております。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、政策保有株式の取得については、将来の当社事業に有用な機会をもたらすか否かを中心に検討し、事業戦略上のポジティブなシナジー効果及び保有の経済的合理性が見込まれる場合は、政策保有株式を保有することがあります。 なお、短期的な配当やキャピタルゲイン収入のみを目的とした株式保有は行いません。 政策保有株式として上場株式を保有した場合には、当該株式発行会社との取引状況等を定期的に検証し、株式の保有が取引の強化につながらないと判断した場合には、当該株式の売却を検討します。 また、政策保有株式に係る議決権行使については、当社との取引状況のみで議案への賛否を判断するのではなく、企業価値の向上に資するか否かの観点も考慮のうえ議案ごとに判断し、議決権を行使します。 なお、当社株式を政策的に保有する政策保有株主から当社株式売却の意向があった場合でも、取引条件の変更等を示唆し保有を継続するよう働きかけることはありません。 当社株式を保有している顧客との取引状況を定期的に検証し、株主であることを理由として不公正な取引が行われていないことを確認します。 ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式41,045,344非上場株式以外の株式12,121,795 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式21,019,824協業関係の構築・維持・強化非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)株式会社セルシス1,813,5001,813,500(保有目的)資本業務提携による協業関係の維持・強化(業務提携等の概要)当社製品とイラスト・マンガ・アニメーション制作アプリを連携させた共同開発・提案等無2,121,7951,588,626(注)定量的な保有効果については記載が困難であります。 保有の合理性は、上記イ.に記載の方法により検証しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,045,344,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,121,795,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,019,824,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 1,813,500 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 2,121,795,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 協業関係の構築・維持・強化 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 株式会社セルシス |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的)資本業務提携による協業関係の維持・強化(業務提携等の概要)当社製品とイラスト・マンガ・アニメーション制作アプリを連携させた共同開発・提案等 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR22,107,40016.43 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8-129,934,0007.38 サムスン エレクトロニクス シンガポール ピーティーイー リミテッド(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 30 PASIR PANJANG ROAD HEX17-31/32 MAPLETREE BUSINESS CITY SINGAPORE 117440(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) 8,398,4006.24 ステート ストリート バンク アンド トラスト クライアント オムニバス アカウント オーエムゼロツー 505002(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)6,061,3704.50 ザ バンク オブ ニューヨーク メロン 140051(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY 10286, U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)4,981,7003.70 エイブイアイ グローバル トラスト ピーエルシー(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 51 NEW NORTH ROAD EXETER DEVON EX4 4EP UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) 3,888,6002.89 山田 正彦 埼玉県幸手市 3,768,0002.80 ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) 3,465,5322.57 株式会社ウィルナウ 東京都港区赤坂2丁目17-50-409号2,975,3002.21 ジユニパー(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)P.O. BOX 2992 RIYADH 11169 KINGDOM OF SAUDI ARABIA (東京都千代田区丸の内1丁目4-5 決済事業部) 2,258,4001.67計-67,838,70250.43 (注)1.2020年8月13日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、BNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社及びその共同保有者であるメロン・インベストメンツ・コーポレーションが2020年8月10日現在でそれぞれ以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)BNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館7,894,7004.74メロン・インベストメンツ・コーポレーション アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 02108、ボストン、ワン・ボストン・プレイス、BNYメロン・センター191,7110.12計-8,086,4114.86 2.2023年11月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である日興アセットマネジメント株式会社が2023年11月15日現在でそれぞれ以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 東京都港区芝公園一丁目1番1号4,178,1002.64日興アセットマネジメント株式会社 東京都港区赤坂九丁目7番1号9,004,1005.70計-13,182,2008.34 3.2024年10月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社及びその共同保有者であるインベスコ ホンコン リミテッドが2024年10月15日現在でそれぞれ以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 東京都港区六本木六丁目10番1号六本木ヒルズ森タワー14階5,655,9003.87インベスコ ホンコン リミテッド 45th Floor, Jardine House, 1 Connaught Place, Central, Hong Kong161,7000.11計-5,817,6003.98 4.2025年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニー及びその共同保有者であるベイリー・ギフォード・オーバーシーズ・リミテッドが2025年3月31日現在でそれぞれ以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニー カルトン・スクエア、1グリーンサイド・ロウ、エジンバラ EH1 3AN スコットランド4,944,1003.39ベイリー・ギフォード・オーバーシーズ・リミテッド カルトン・スクエア、1グリーンサイド・ロウ、エジンバラ EH1 3AN スコットランド1,575,0001.08計-6,519,1004.47 5.2025年5月2日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッドが2025年4月24日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 英国ロンドン市、キャベンディッシュ スクエア213,408,4009.18 |
株主数-金融機関 | 15 |
株主数-金融商品取引業者 | 33 |
株主数-外国法人等-個人 | 90 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 224 |
株主数-個人その他 | 17,945 |
株主数-その他の法人 | 66 |
株主数-計 | 18,373 |
氏名又は名称、大株主の状況 | ジユニパー(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -7,499,904,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -7,513,510,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)1.152,000,000-6,000,000146,000,000合計152,000,000-6,000,000146,000,000自己株式 普通株式(注)2.3.6,756,18910,772,9006,033,90311,495,186合計6,756,18910,772,9006,033,90311,495,186(注)1.普通株式の発行済株式総数の減少6,000,000株は、2024年5月9日開催の取締役会決議に基づく自己株式の消却6,000,000株によるものであります。 2.普通株式の自己株式の株式数の増加10,772,900株は、2024年5月9日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得4,032,500株、2024年10月30日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得2,808,200株及び2025年1月31日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得3,932,200株によるものであります。 3.普通株式の自己株式の株式数の減少6,033,903株は、2024年7月11日開催の取締役会決議に基づく譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分33,903株及び2024年5月9日開催の取締役会決議に基づく自己株式の消却6,000,000株によるものであります。 |
Audit
監査法人1、連結 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月24日株式会社ワコム 取 締 役 会 御 中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員公認会計士善 塲 秀 明 指定有限責任社員業務執行社員公認会計士木 村 圭 佑 <連結財務諸表監査> 監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ワコムの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ワコム及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社グループは、2025年3月31日現在、連結貸借対照表上、棚卸資産合計13,083,444千円(総資産の18.5%)及び買付契約評価引当金1,754,296千円(総資産の2.5%)を計上している。 会社グループは、以下の方法により収益性の低下の事実を棚卸資産及び買付契約評価引当金の連結貸借対照表価額に反映させている。 通常の販売目的で保有する棚卸資産については、正味売却価額が取得原価より下落している場合における正味売却価額又は処分見込価額と取得原価との差額を原則として売上原価に認識している。 処分見込価額については、当該製品の販売終了時期の見込みに関する情報を使用している。 また、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定している。 なお、通常の販売目的で保有する棚卸資産と営業循環過程から外れた棚卸資産を区分し評価する基礎として、客観的に把握可能な直近の出荷実績を使用している。 また、将来の製品生産の予測に基づきサプライヤーが買付けた部材に関して、販売動向の変化等によりその製品生産の予測を見直した結果、蓋然性が高く最終的に過剰となることが見込まれる金額を買付契約評価引当金として計上している。 上記棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価は、将来の製品の販売動向や将来需要の予測を基礎としており、見積り要素が介在する。 このため、棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価には不確実性を伴い、経営者の判断を必要とする。 また、連結貸借対照表における棚卸資産計上額及び買付契約に重要性がある。 このため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 経営者が整備・運用している、棚卸資産の評価に関する内部統制の有効性を評価した。 ・ ITの領域において専門知識を有する者を関与させ、棚卸資産の評価における基礎となる在庫リストが正確に作成されていることを評価した。 その上で、当該リストを基に棚卸資産の評価額が正確に計算され、連結貸借対照表価額において網羅的に反映されていることを確認した。 ・ 通常の販売目的で保有する棚卸資産のうち、正味売却価額で評価しているものについては、正味売却価額を直近の実績販売価額と比較することで信頼性を検討した。 また、処分見込価額で評価している棚卸資産については、販売終了見込時期を担当部門責任者に質問するとともに、処分見込価額の妥当性について直近の実績と比較し、検討した。 ・ 営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定していることを確認した。 ・ 買付契約引当金については、担当部門責任者に引当金計算方法を質問し、引当金計算シートで使用するデータ及び所要見込数量を検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査> 監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ワコムの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ワコムが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社グループは、2025年3月31日現在、連結貸借対照表上、棚卸資産合計13,083,444千円(総資産の18.5%)及び買付契約評価引当金1,754,296千円(総資産の2.5%)を計上している。 会社グループは、以下の方法により収益性の低下の事実を棚卸資産及び買付契約評価引当金の連結貸借対照表価額に反映させている。 通常の販売目的で保有する棚卸資産については、正味売却価額が取得原価より下落している場合における正味売却価額又は処分見込価額と取得原価との差額を原則として売上原価に認識している。 処分見込価額については、当該製品の販売終了時期の見込みに関する情報を使用している。 また、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定している。 なお、通常の販売目的で保有する棚卸資産と営業循環過程から外れた棚卸資産を区分し評価する基礎として、客観的に把握可能な直近の出荷実績を使用している。 また、将来の製品生産の予測に基づきサプライヤーが買付けた部材に関して、販売動向の変化等によりその製品生産の予測を見直した結果、蓋然性が高く最終的に過剰となることが見込まれる金額を買付契約評価引当金として計上している。 上記棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価は、将来の製品の販売動向や将来需要の予測を基礎としており、見積り要素が介在する。 このため、棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価には不確実性を伴い、経営者の判断を必要とする。 また、連結貸借対照表における棚卸資産計上額及び買付契約に重要性がある。 このため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 経営者が整備・運用している、棚卸資産の評価に関する内部統制の有効性を評価した。 ・ ITの領域において専門知識を有する者を関与させ、棚卸資産の評価における基礎となる在庫リストが正確に作成されていることを評価した。 その上で、当該リストを基に棚卸資産の評価額が正確に計算され、連結貸借対照表価額において網羅的に反映されていることを確認した。 ・ 通常の販売目的で保有する棚卸資産のうち、正味売却価額で評価しているものについては、正味売却価額を直近の実績販売価額と比較することで信頼性を検討した。 また、処分見込価額で評価している棚卸資産については、販売終了見込時期を担当部門責任者に質問するとともに、処分見込価額の妥当性について直近の実績と比較し、検討した。 ・ 営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定していることを確認した。 ・ 買付契約引当金については、担当部門責任者に引当金計算方法を質問し、引当金計算シートで使用するデータ及び所要見込数量を検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社グループは、2025年3月31日現在、連結貸借対照表上、棚卸資産合計13,083,444千円(総資産の18.5%)及び買付契約評価引当金1,754,296千円(総資産の2.5%)を計上している。 会社グループは、以下の方法により収益性の低下の事実を棚卸資産及び買付契約評価引当金の連結貸借対照表価額に反映させている。 通常の販売目的で保有する棚卸資産については、正味売却価額が取得原価より下落している場合における正味売却価額又は処分見込価額と取得原価との差額を原則として売上原価に認識している。 処分見込価額については、当該製品の販売終了時期の見込みに関する情報を使用している。 また、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定している。 なお、通常の販売目的で保有する棚卸資産と営業循環過程から外れた棚卸資産を区分し評価する基礎として、客観的に把握可能な直近の出荷実績を使用している。 また、将来の製品生産の予測に基づきサプライヤーが買付けた部材に関して、販売動向の変化等によりその製品生産の予測を見直した結果、蓋然性が高く最終的に過剰となることが見込まれる金額を買付契約評価引当金として計上している。 上記棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価は、将来の製品の販売動向や将来需要の予測を基礎としており、見積り要素が介在する。 このため、棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価には不確実性を伴い、経営者の判断を必要とする。 また、連結貸借対照表における棚卸資産計上額及び買付契約に重要性がある。 このため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 経営者が整備・運用している、棚卸資産の評価に関する内部統制の有効性を評価した。 ・ ITの領域において専門知識を有する者を関与させ、棚卸資産の評価における基礎となる在庫リストが正確に作成されていることを評価した。 その上で、当該リストを基に棚卸資産の評価額が正確に計算され、連結貸借対照表価額において網羅的に反映されていることを確認した。 ・ 通常の販売目的で保有する棚卸資産のうち、正味売却価額で評価しているものについては、正味売却価額を直近の実績販売価額と比較することで信頼性を検討した。 また、処分見込価額で評価している棚卸資産については、販売終了見込時期を担当部門責任者に質問するとともに、処分見込価額の妥当性について直近の実績と比較し、検討した。 ・ 営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定していることを確認した。 ・ 買付契約引当金については、担当部門責任者に引当金計算方法を質問し、引当金計算シートで使用するデータ及び所要見込数量を検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独 立 監 査 人 の 監 査 報 告 書 2025年6月24日 株式会社ワコム 取 締 役 会 御 中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員公認会計士善 塲 秀 明 指定有限責任社員業務執行社員公認会計士木 村 圭 佑 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ワコムの2024年4月1日から2025年3月31日までの第42期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ワコムの2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、貸借対照表上、棚卸資産合計9,379,047千円(総資産の16.7%)及び買付契約評価引当金1,754,296千円(総資産の3.1%)を計上している。 会社は、以下の方法により収益性の低下の事実を棚卸資産及び買付契約評価引当金の貸借対照表価額に反映させている。 通常の販売目的で保有する棚卸資産については、正味売却価額が取得原価より下落している場合における正味売却価額又は処分見込価額と取得原価との差額を原則として売上原価に認識している。 処分見込価額については、当該製品の販売終了時期の見込みに関する情報を使用している。 また、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定している。 なお、通常の販売目的で保有する棚卸資産と営業循環過程から外れた棚卸資産を区分し評価する基礎として、客観的に把握可能な直近の出荷実績を使用している。 また、将来の製品生産の予測に基づきサプライヤーが買付けた部材に関して、販売動向の変化等によりその製品生産の予測を見直した結果、蓋然性が高く最終的に過剰となることが見込まれる金額を買付契約評価引当金として計上している。 上記棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価は、将来の製品の販売動向や将来需要の予測を基礎としており、見積り要素が介在する。 このため、棚卸資産の評価には不確実性を伴い、経営者の判断を必要とする。 また、貸借対照表における棚卸資産計上額及び買付契約に重要性がある。 このため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、棚卸資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・経営者が整備・運用している、棚卸資産の評価に関する内部統制の有効性を評価した。 ・ITの領域において専門知識を有する者を関与させ、棚卸資産の評価における基礎となる在庫リストが正確に作成されていることを評価した。 その上で、当該リストを基に棚卸資産の評価額が正確に計算され、貸借対照表価額において網羅的に反映されていることを確認した。 ・通常の販売目的で保有する棚卸資産のうち、正味売却価額で評価しているものについては、正味売却価額を直近の実績販売価額と比較することで信頼性を検討した。 また、処分見込価額で評価している棚卸資産については、販売終了見込時期を担当部門責任者に質問するとともに、処分見込価額の妥当性について直近の実績と比較し、検討した。 ・営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定していることを確認した。 ・買付契約引当金については、担当部門責任者に引当金計算方法を質問し、引当金計算シートで使用するデータ及び所要見込数量を検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、貸借対照表上、棚卸資産合計9,379,047千円(総資産の16.7%)及び買付契約評価引当金1,754,296千円(総資産の3.1%)を計上している。 会社は、以下の方法により収益性の低下の事実を棚卸資産及び買付契約評価引当金の貸借対照表価額に反映させている。 通常の販売目的で保有する棚卸資産については、正味売却価額が取得原価より下落している場合における正味売却価額又は処分見込価額と取得原価との差額を原則として売上原価に認識している。 処分見込価額については、当該製品の販売終了時期の見込みに関する情報を使用している。 また、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定している。 なお、通常の販売目的で保有する棚卸資産と営業循環過程から外れた棚卸資産を区分し評価する基礎として、客観的に把握可能な直近の出荷実績を使用している。 また、将来の製品生産の予測に基づきサプライヤーが買付けた部材に関して、販売動向の変化等によりその製品生産の予測を見直した結果、蓋然性が高く最終的に過剰となることが見込まれる金額を買付契約評価引当金として計上している。 上記棚卸資産及び買付契約評価引当金の評価は、将来の製品の販売動向や将来需要の予測を基礎としており、見積り要素が介在する。 このため、棚卸資産の評価には不確実性を伴い、経営者の判断を必要とする。 また、貸借対照表における棚卸資産計上額及び買付契約に重要性がある。 このため、当監査法人は当該事項が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、棚卸資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・経営者が整備・運用している、棚卸資産の評価に関する内部統制の有効性を評価した。 ・ITの領域において専門知識を有する者を関与させ、棚卸資産の評価における基礎となる在庫リストが正確に作成されていることを評価した。 その上で、当該リストを基に棚卸資産の評価額が正確に計算され、貸借対照表価額において網羅的に反映されていることを確認した。 ・通常の販売目的で保有する棚卸資産のうち、正味売却価額で評価しているものについては、正味売却価額を直近の実績販売価額と比較することで信頼性を検討した。 また、処分見込価額で評価している棚卸資産については、販売終了見込時期を担当部門責任者に質問するとともに、処分見込価額の妥当性について直近の実績と比較し、検討した。 ・営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額を算定していることを確認した。 ・買付契約引当金については、担当部門責任者に引当金計算方法を質問し、引当金計算シートで使用するデータ及び所要見込数量を検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 棚卸資産の評価及び買付契約評価引当金 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 3,525,661,000 |
仕掛品 | 332,268,000 |