財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-24 |
英訳名、表紙 | Institution for a Global Society Corporation |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役会長CEO 福原 正大 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都渋谷区恵比寿南一丁目11番2号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6447-7151(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は、教育事業を主たる事業目的として2010年に創業いたしました。 企業パーパスは、「分断なき持続可能な社会を実現する手段を提供する」です。 ビジョンとして、「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。 」を掲げ、テクノロジーを応用した教育とHRサービス、あわせて個人が情報を主体的かつ安全に利活用できるプラットフォームビジネスを学校法人、企業、自治体などのコミュニティに対して展開し、新しい個人の成長を支援するSociety5.0(*:以下、「*」を付している用語に関しましては後掲の「用語集」をご参照ください。 )時代の産業基盤となるサービスを提供しています。 設立以降の当社に係る経緯は以下のとおりであります。 年月概要2010年5月東京都渋谷区神山町に、教育事業を主たる事業目的としてInstitution for a Global Society株式会社(資本金50,000千円)を設立2014年4月オンライン学習ツール「e-Spire」の提供を開始2014年11月スクール事業を行う100%子会社として東京都渋谷区渋谷に株式会社igsZを設立2015年1月株式会社Z会が株式会社igsZの株式の70%を取得2016年2月適正検査システム「GROW」の提供を開始2016年8月HR事業を行う100%子会社としてベトナム国ホーチミン市にInstitution for a Global Society Asia Company Limitedを設立2017年10月AI適正検査システム「GROW360」の提供を開始2018年3月株式会社igsZの保有株式を全て売却2018年8月本社を東京都渋谷区広尾に移転2019年4月学校・教育機関向けAI評価システム「Ai GROW」の提供を開始2020年1月Institution for a Global Society Asia Company Limitedを清算結了2020年8月学校・教育機関向け動画コンテンツ「GROW Academy」の提供を開始2020年12月本社を東京都渋谷区恵比寿南に移転2021年1月企業向けDX推進支援サービス「DxGROW」の提供を開始2021年12月東京証券取引所マザーズに株式を上場2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行2022年9月「人的資本理論の実証化研究会」を発足2023年2月デジタル人材育成・採用一体型の新サービス実現のための「ONGAESHIプロジェクト」に参画2023年4月暗号資産関連事業を行う100%子会社として英国ヴァージン諸島にONGAESHI Corporationを設立2023年9月株式会社JTBと共同開発した教育効果システム「J’s GROW」の提供を開始2023年10月リスキリング・転職一体型サービス「ONGAESHIプロジェクト」に係るアプリをリリース2024年1月三井住友信託銀行株式会社との業務提携を締結、人的資本ソリューションの提供を開始2024年6月「Ai GROW Lite」が株式会社内田洋行の学習eポータルと専売連携を開始2024年8月ONGAESHIプロジェクトの海外展開に向けて、ONGAESHI匿名組合への出資により特定子会社化 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、企業の経営や人事が人的資本の価値を高める上で抱える課題を定量的に明確化すること、学校教員が課題に感じている学生の創造力や協調性などの能力をAIでバイアスを軽減し評価・教育すること、こうして定量化された120万人を超える人材の能力関連データをブロックチェーンなどの技術を中心に活用する事業を、日本のみならず世界で行っています。 こうした活動により、ビジョンに掲げている「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。 」を実現し、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことが当社グループの企業パーパスです。 その結果として、当社サービスが個人と組織のエンパワーメント(*)を支援し、Society5.0(*)時代の世界の産業データ基盤につながっていくと確信しています。 当社グループのこうした事業内容は、SDGsで掲げられる17の目標のうち、特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」につながります。 わが国では、長らく企業も学校も戦後レジームの中で、学歴という単一の評価軸に極端に頼った運営をしてきました。 結果として、企業は人材採用や昇進に学歴を多用し、それを知る学校や保護者は高い学歴を求める。 一方で、学歴が高いとされる大学は、現状にあぐらをかき、教育や入試のあり方を変えてこなかったのです。 こうした中、企業の経営や人事で学歴依存から脱却し、企業戦略を実現する人的資本の向上に取り組みたいところが増えてきました。 国も後押しし、有価証券報告書に人的資本関連情報を組み込むことも追い風となっています。 また、学校の先生方、先駆的な自治体においても、生成AIなどのテクノロジーが急速に進歩する中、長らく変わらない、記憶力や計算力に偏った大学入試に最適化された教育から脱却し、子供たち一人ひとりの個性を大切にし、多様な能力を育む評価と教育に舵を切ろうとしています。 当社グループは、こうした企業の経営や人事、学校の先生方や自治体の変革を、テクノロジーの活用で行うことを目指してきました。 多面的な能力を公平に評価する「GROW」を2016年に開発し、2017年以降AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質(*)・コンピテンシー(*)・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を企業の人事領域に拡大して参りました。 幅広い業種の多階層(職種×職位)における人材の評価データが蓄積されたことから、採用など人事の一領域に限らず戦略的人事(*)分野での応用を進め、2019年には教育現場に向けて同様の人材評価システム「Ai GROW」の提供を開始しました。 さらに2020年以降、今後ESGが進展し、持続的社会の実現に向けて、企業とステークホルダーの関係が変化し、個人が自ら情報を管理・利活用する方向に変化を遂げる中で、当社サービスがそのインフラとなることを目指して、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、個人が主体的かつ安全に自分自身のデータの利活用ができることを目的にブロックチェーン(*)技術を応用したプラットフォームの実証(2023年3月までの3年間)を実施。 そして2023年10月より、その成果や知見を発展させた無償の学びと転職支援を一体化したサービス「ONGAESHIプロジェクト」を開始しました。 そして、2024年度からはそこでのブロックチェーンに関する知見を利用したコンサルティングなどのサービスも手がけています。 当社基幹システム「GROW」は、回答者自身の気質(性格)を潜在的な認知バイアス(*)を除去して正確に測る技術(特許取得)や、他者による評価を補正し忖度などの評価におけるバイアスを除去するためのAIアルゴリズム(特許取得)に強みがあり、公平で一貫した評価を行えることから、ハーバード・ビジネス・スクールのPeople Analytics(*)に関する代表ケースとしても取り上げられています(2017年8月25日「GROW: Using Artificial Intelligence to Screen Human Intelligence」)。 また、ケンブリッジ大学や慶應義塾大学などとの共同研究をベースにして産官学連携でサービス開発に取り組んでおり、国内の大手企業や先進的な取り組みを行う学校法人のみならず、国際機関や海外の政府機関などでの導入実績があります。 当社グループは、人材評価・育成支援に関するアセスメントサービスおよび、ブロックチェーンを活用したWeb3関連事業を展開しています。 これらの事業において、独自のアルゴリズムや技術要素を活用したプロダクト開発を進めており、知的財産の確保を通じて競争優位性の構築を図っています。 現在、日本国内において5件、海外(アラブ首長国連邦)において1件の特許を取得しており、主な技術分野は以下のとおりです。 ・潜在意識を推定する心理測定技術(IAT(*))に関するシステム・公正で効率的な人事評価を支援するためのアルゴリズム・採用情報等の個人データを安全かつ分割管理するブロックチェーン活用技術・評価結果の定量的な提示を可能にする人物評価支援技術・NFT技術を用いた学習・職歴等の履歴管理に関する情報処理技術 これらの知財は、当社グループの中核サービスにおける技術的差別化を可能とするものであり、今後の新規事業開発や海外展開においても、重要な戦略的資産として位置付けています。 特許名称事業との関連性(事業の内容文脈)潜在意識推定システム(日本・アラブ首長国連邦)人材の心理特性可視化に基づくマッチング支援、アセスメント技術の中核要素人事評価サポートシステム(日本)人事評価の自動化・定量化による業務効率化と制度の透明性向上情報管理装置(日本)採用・評価データの個人情報保護を目的とした、ブロックチェーン技術による安全な分割・管理手法人物評価支援システム(日本)人材アセスメントの精度向上、定量的な人物比較を可能にするシステム情報処理システム(日本)学習履歴・職務履歴情報をNFT等で証明・管理しつつ、プライバシー保護を図るWeb3型人材サービスを支援 当社グループの主なサービスと、各事業の内容は以下のとおりです。 また、次の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)HR事業 HR事業では、企業の人材採用・育成・配置・組織開発を、人材評価システム、人的資本に関するコンサルティング、DX研修など、多岐にわたるサービスを組み合わせて支援しています。 特に、AIによってバイアスを補正した人材評価データを取得、分析し、データに基づく戦略人事を可能にする点に強みを持っています。 当社の事業を取り巻く環境として、政府が推進する「人への投資」の流れは一層強固なものとなっています。 政府が現在策定中の『経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)』の原案においても、物価上昇を上回る持続的な賃上げが最重要課題とされ、その実現に向けた「三位一体の労働市場改革」を継続・強化する方針が明確に示されています。 特に、「リスキリングによる能力向上支援」、「個々の企業の実態に応じた職務給(ジョブ型人事)の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」は、企業の持続的成長の鍵であり、当社がソリューションを提供する人事評価・育成市場は、引き続き良好な事業環境が継続し、更なる拡大を見込んでおります。 当社のサービスは、新卒採用の支援から、大企業の事業戦略に不可欠な組織開発、さらには人的資本経営の実現まで、幅広く展開しております。 このため、従来の人事部との連携に加え、現在では経営企画部や、企業価値向上の観点から人的資本情報を重視する財務・IR部門など、経営層との直接的な連携が深化しています。 こうした経営層との連携強化は、顧客満足度の向上に繋がり、事業の安定性を高めています。 これを表す指標として、2025年3月期の既存顧客のリピート率は、前年度の61%から66%へと向上しました。 なお、主要なサービスは以下のとおりです。 ① GROW360 「GROW360」は、AI技術を駆使した次世代型の人材評価システムです。 最大の特徴は、特許を取得した2つのコア技術にあります。 第一に、評価に費やした時間や評価傾向などを基に、AIアルゴリズムが評価データのバイアスを自動で是正します。 第二に、質問への無意識の反応速度を分析する技術(IAT)を用いて、受検者本人も意識していない潜在的な性格を客観的に分析します。 これにより、お客様は従来、特定の管理職層などに限定されがちだった360度評価を、全社員を対象に一人あたり4,000円以下という価格で公平かつ一貫性をもって実施できます。 近年、企業の持続的成長の鍵である「ワークエンゲージメント」を高める上で、従業員が納得できる「評価の公平性」は極めて重要な要素となっています。 また、ダイバーシティ&インクルージョン推進においても、評価プロセスに潜む「無意識のバイアス」は大きな障壁となります。 GROW360は、AIによるバイアス補正を通じてこれらの経営課題を根本から解決し、客観的データに基づく公正な評価制度の構築を支援することで、顧客企業のニーズを捉え、導入されています。 「GROW360」のユーザー(登録アカウント)数は 89.3万人、累計他者評価件数は 7,993万件(2024年度末時点)となっています。 さらに、三井住友信託銀行との業務提携も順調に進展しており、同行の幅広い取引先企業へのサービス提供を通じて、新たな顧客基盤の開拓を進めております。 ② 人的資本理論の実証化研究会 人的資本理論の実証化研究会(Human Capital and Corporate Value)は、人的資本投資のROI(投資対効果)を科学的に解明し、企業の戦略的な意思決定と情報開示を支援することを目的としています。 2023年3月期から「人的資本の情報開示」が義務化されたことを背景に、経営者・投資家双方にとって価値のあるデータを提供すべく発足しました。 当研究会は、ノーベル経済学者ゲーリー・ベッカー氏が提唱した理論に基づき、人的資本を「能力」と定義しています。 従来、測定・定量化が困難であったこの「能力」を、当社の360度人材評価システム「GROW360」を用いて可視化し、一橋大学 小野教授の監修のもと、参画企業の多様な人材能力データと財務データを統合的に分析し、企業価値向上に繋がる人材戦略モデルの構築に取り組んでいます。 その研究成果は、参画企業における具体的な人事施策や、投資家向け開示情報の高度化に活用されており、2024年度は18社が本研究会に参画しています。 (2)教育事業 教育事業では、AI等の先端技術を活用し、生徒一人ひとりの能力や学びの成果を可視化することで、個別最適な学びの実現と教員の働き方改革を支援する教育ソリューションを提供しています。 当社の先端技術を活用した取り組みは、継続的に公的な評価を得ています。 現在、文部科学省の「令和6年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業」に採択され、生成AIを活用した新たな探究指導モデルの開発・実装に取り組んでいます。 また、経済産業省の探究学習支援に関する補助金についても、2024年度に引き続き、2025年度の交付対象として決定しています。 文部科学省が推進するGIGAスクール構想(*)により、教育現場のICT環境は飛躍的に向上し、当社のデジタル教材や評価システムの活用基盤は全国的に確立されました。 このような環境下、特に主力サービスである「Ai GROW」は、教員の業務負担を大幅に軽減し「働き方改革」に直接貢献できる点が高く評価されています。 この「Ai GROW」の順調な成長に加え、株式会社JTBとの共同開発による探究・キャリア教育プログラム「J’s GROW」も導入校数の増加に寄与し、2024年度の総顧客数は463校(前年同期は370校)に到達。 個別の学校法人だけでなく、株式会社内田洋行との共同開発による「AiGROW Lite」を通じて、自治体や教育委員会単位での広域導入も本格化しています。 さらに、国内で培ったノウハウを基に、グローバル展開も加速させています。 昨年度に引き続きADB(アジア開発銀行)やERIA(東アジアASEAN経済研究センター)と非認知能力に関する国際共同研究を行う一方、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビア市場での「Ai GROW」展開や、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を通じたインドでのネットワーク整備など、海外での事業基盤構築を本格化しています。 なお、主要なサービスは以下のとおりです。 ① Ai GROW 「Ai GROW」は、当社のHR事業で実績のある人材評価システム「GROW360」を基盤に、学校・教育機関向けに最適化したシステムです。 360度コンピテンシー評価と気質診断により、生徒一人ひとりの能力や可能性、さらには多様な教育活動の効果を可視化します。 これにより、カリキュラム設計から日々のクラス運営、進路指導に至るまで、データに基づいた多面的な教育支援を実現します。 特に、蓄積された評価データを基に生成AIが所見作成の支援や個別学習アドバイスの素案を生成することで、教員の働き方改革と個別最適な学びを一層強力に推進します。 GROW360と共通の尺度を用いることで、子どもから社会人まで一貫した評価軸で個人の成長を捉えることができる点が、当社の最大の強みです。 当社が主なターゲットとする国内の小中高生(小学校4年生~高校3年生)の市場規模は、最新の公的統計によると約950万人にのぼります。 この大きな成長機会の中、Ai GROWは1年間利用可能なサブスクリプションモデルとして提供しており、2024年度末時点での累計ユーザー数は30.9万人、累計他者評価件数は8,797万件に達しています。 ② GROW Academy 生徒のコンピテンシーを伸ばすための動画コンテンツと学習指導案、ワークシートを、生徒の人数に関わらず、学校単位で提供しています。 生徒のコンピテンシーを伸ばすためのフレームワークを、学校生活を舞台に設定したアニメ形式の動画で分かりやすい事例を交えて習得することができます。 カリキュラムや生徒の習熟度に応じて自由に組み合わせて利用でき、指導案も完備しています。 Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められているコンピテンシー・ベースの教育を実現できるコンテンツ構成です。 ③ 探究力測定パッケージ 探究型学習の教育効果を可視化するための評価「探究力測定」、地域活性化×最先端テクノロジーをベースにした探究学習プログラム「社会実装シミュレーション型プログラム」、探究レポートの「探究Navigator」をパッケージあるいは単体のサービスとしてスポット型で提供しています。 Ai GROWとの併用により、新学習指導要領でも求められている探究型学習の成果を総合的に評価・教育することができます。 ④ e-Spire TOEFL®テストの構造に沿って設計されたオンライン英語学習プラットフォームです。 VOCABULARY、READING、LISTENING、WRITING(AIによる自動判定付き)の4つのユニットで構成されています。 各ユニットには単語や表現を限定した入門・初級レベルから英語の母語話者に近い上級レベルまで幅広い難易度の問題を用意しています。 生徒は各自の英語力や学習ペースに合わせて、豊富な演習問題とトレーニングに自由に取り組むことができます。 (注)上記の顧客数は、サービス別で有償利用校数をカウントし、合算した延べ数(自治体案件なども学校ごとに個別カウント)。 (3)プラットフォーム/Web3事業 ブロックチェーンという価値交換のインフラは、2010年以降世界で着実に広がり続けてきました。 そして、米国でトランプ大統領就任後は、ブロックチェーン上での様々なビジネスを一気に加速。 遅れていた日本においても大手企業を中心に、ブロックチェーンを活用したサービスを開発する動きが活発化させています。 当社グループはこうした事業を世界で大きく広げることに向けた中長期的な戦略に基づき、2023年4月に暗号資産関連事業を行うことを目的に100%子会社であるONGAESHI Corporationを設立し、10月には「STARプロジェクト」(*)の後継として「ONGAESHIプロジェクト」をローンチしました。 当社グループが出資するシンガポール法人BOUNDLESSEDU PTE.LTD.などとも共に、本プロジェクトのエコシステムを広げる活動に従事しています。 本活動により、将来的に本プロジェクトが生み出す経済圏のトークンが上場する際には、トークンが分配されることによる利益が見込まれます。 さらに足元で、これまでの事業を基盤としたブロックチェーンを活用するアドバイザリーサービスの提供を大手企業に始めています。 <事業系統図> 当社の事業系統図は、以下のとおりであります。 既存のHR・教育の2事業においては、企業や学校が直接の顧客となり、その社員や生徒がユーザーとなるビジネスモデルです。 用語集用語用語の定義エンパワーメント個人や組織が本来持っている潜在能力を引き出し、発揮させること。 「権限委譲」や「能力開花」と訳される。 社員に自発的な行動や判断を促し、本来持っている能力を発揮させることで、意思決定の迅速化や組織力の向上などが期待できます。 Society 5.0サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。 第5期科学技術基本計画(2016年度~2020年度)において、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された(出所:内閣府)。 気質パーソナリティー。 本人も認識できない生まれ持った潜在的な性格のこと。 当社では、IAT(潜在連合テスト)技術を活用し、時間差・指の軌跡・間違いの回数などを基に、BIG5と呼ばれる最も代表的なパーソナリティ理論に基づいて気質診断を行います。 コンピテンシー思考力や判断力、創造力や表現力など個人の行動特性のこと。 一般的に経験によって上がっていき、開発が可能な能力のことを指します。 当社では、東京大学中原淳研究室(当時)と共同開発したコンピテンシーフレームワーク&モデルをもとに、最低3人からの360度評価に基づいて、25項目(認知・自己・他者・コミュニティの4領域)を測定します。 戦略的人事労務管理、給与計算などの管理やオペレーション業務だけでなく、自社の経営戦略の実現に向けて、人的マネジメントを行っていくこと(出所:HRプロ)。 ブロックチェーン(BC)インターネット上に構築された価値交換のための基盤技術のこと。 通貨や不動産、株式やライセンスなどの価値(資産)をインターネット上で特定の管理者を介することなく安全かつ安価に取引できるようにする仕組み。 認知バイアス不合理な判断に繋がる、先入観や直感、願望などによる思考の偏りのこと。 当社では、IAT技術の活用により、気質以外にも幅広い対立概念に対する認知バイアスの測定が可能で、実際にデジタル-リアルへの親和性などを測定するサービスを提供しています。 People Analytics人事に関する情報や数字を収集、分析し、客観的なデータを用いて、採用や教育、評価など一連の人事業務の意思決定に活用すること(出所:HRプロ)。 IATImplicit Association Test(IAT、潜在連合テスト)は、社会心理学の分野において心的表象と対象物及び対象概念との潜在的な関連の強さを測る手法として、アンソニー・グリーンワルド、デビー・マギー、ジョーダン・シュワルツによって1998年に開発されました。 偏見、固定観念、差別を見極めるための手法として、被検者の自己分析よりも信頼性の高い指標と考えられています。 GIGAスクール構想児童生徒1人1台端末の整備及び校内通信ネットワークの整備によって、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させるために、文部科学省が2019年12月に発表した取り組み。 STARプロジェクトブロックチェーン技術を用いて個人が主体的かつ安全に自らの情報をコントロールするシステム(BCシステム)を構築し、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターと共同で、学校、企業、自治体などでの個人情報の利活用を広げ、AIを活用することで教育・キャリア形成・人材育成支援を強化する実証事業。 12団体の参画、8,671名の登録者、参画企業への採用選考参加400名を持って、2023年3月に無事に3か年の実証が完了いたしました。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) ONGAESHI CorporationBritish Virgin Islands50,000プラットフォーム/Web3事業100管理業務の業務受託経費の立替ONGAESHI匿名組合東京都港区赤坂九丁目6番28号81,000プラットフォーム/Web3事業68匿名組合出資(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。 2.両社とも特定子会社に該当しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)全社48(4)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を(外書き)で記載しております。 2.複数のセグメントにまたがって従事する従業員がいることから、セグメント別の記載を省略しております。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)48(4)39.83.36,196 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を(外書き)で記載しております。 2.複数のセグメントにまたがって従事する従業員がいることから、セグメント別の記載を省略しております。 3.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。 4.従業員数が前事業年度末に比べ6名減少しましたのは、主に退職による自然減によるものです。 (3)労働組合の状況 当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.正規雇用労働者44.4-87.2 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 3.当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、正規雇用労働者のみ算出しております。 ② 連結子会社「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針と経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、Society5.0時代の到来と生成AIをはじめとする急速なデジタル化により、中長期的な追い風を受けています。 特に日本のみならず世界規模で、企業が求める人材と実際に提供される人的資本とのミスマッチが社会的課題として顕在化しています。 しかし、この課題に効果的な解決策を講じることが困難な理由は、多くの国や自治体、企業、教育機関がこの問題を定量的に捉える仕組みを有していないためです。 このような背景のもと、日本では2023年3月期より有価証券報告書への人的資本情報の開示が義務付けられ、企業による人的資本の定量化と投資やその情報開示は今後ますます加速することが予想されています。 また、教育分野においても、文部科学省が推進する学校におけるDXの加速化や生成AIの急速な進捗に伴い、社会で求められる能力の変化を背景に、新たな教育環境構築の機運が高まっています。 当社グループは、こうした社会課題を解決するため、これまで人的資本を「GROW」という独自システムにより多面的に定量化し、小学生から企業経営層までをシームレスに繋ぐ「人的資本システム」を構築してきています。 2025年3月末時点で120万人を超える累計ユーザーを持つ企業向けGROW360や学校向けAi GROWなどを中心に、個人の成長を定量的に把握し、個別最適化された教育・研修プログラムの提供や、企業内の人材マッチング、人的資本経営の支援サービスを展開しています。 中長期的には、日本を起点に海外への展開を進め、当社グループが構築する人的資本システムを世界標準とすることを目指しています。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指す中で、売上高成長率及び営業利益率を重視しており、具体的には、売上高成長率30%台、営業利益率25%以上を経営目標として掲げております。 また、海外売上比率の向上なども重視し、収益構造の強化に取り組んでまいります。 HR領域でGROW360を継続利用いただく大手上場企業数を100社、教育領域でAiGROW利用学校数を1,000校、グループ海外売上比率を20%、といった目標数値を2028年3月期までに実現することを目指します。 また、「誰しもが公平な評価を受け、平等な教育機会を得ることができ、自らの評価・教育の履歴を社会で活かし、活躍の機会を生み出すことができる。 」世界を目指しています。 そのために国内外の産官学連携を強化しつつ、多様な質の高い教育へのアクセス率や就業率向上を目指しています。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、人的資本課題を解決するGROWシステムを基盤とし、段階的な成長戦略を描いています。 第1段階として、2026年3月期は日本国内での基盤強化を目指します。 企業と学校の人的資本課題をGROWを中心に解決し売上を着実に伸ばしコスト構造を大幅に見直し、黒字化を目指します。 GROW360やAi GROWに代表される人の多面的能力データの常時取得していくことに加え、ブロックチェーンのトレーサビリティ機能を利用し個人が自らの情報を主体的に安全にコントロールできるようにし、トークンを媒介とした個人の成長データの流通をもとに、持続可能な社会に向けて適切にインセンティブ設計を行える社会の実現を目指しています。 また、AIを活用した能力評価と教育エンジンを搭載し、かつ個人が主体的に安全に情報をコントロールするプラットフォームの提供を通じて、幼少期から社会人までシームレスに能力成長を評価し、AIで個別化された教育や人材研修・配置、また企業間での人材紹介まで、持続可能な社会に向けたコミュニティの構築に努めてまいります。 これらの戦略を推進するために、当社グループは、強力な参入障壁となるビッグデータ資産(約1.7億レコード)、独自開発のアルゴリズム・知的財産(特許取得済み6件・出願済み12件)、ネットワーク効果等を活用し競争優位性を高めています。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社では、社会基盤たるプラットフォーマーへの変容を実現するために取り組むべき課題を下記のとおり認識しております。 これら経営課題を克服するためにも、社会的信用度・知名度の向上、内部管理体制の整備・充実による経営管理体制の充実・強化等が重要と考えております。 ① 優秀な人材の確保・育成 当社グループは、事業領域の拡大に伴い高度化する人材ニーズに応えるため、採用・育成・活用を一体で推進する統合タレント戦略を採っています。 外部採用については、専門性が不可欠なポジションに的を絞ることで採用単価の上昇を抑えつつ、即戦力を確保します。 その一方で、既存社員のポテンシャルを最大限に引き出すことを成長エンジンと位置づけ、European Skills, Competences, Qualifications and Occupations(ESCO)を基盤としたスキルマップに自社独自のジョブレベルを重ね、全社員のスキルと期待水準のギャップを可視化しました。 可視化したギャップに対しては、OJT・研修を組み合わせたリスキリング投資を短期集中で実行し、計画的な配置転換と連動させて組織全体のスキル底上げを図っています。 さらに、柔軟な働き方を支えるリモートワーク制度や福利厚生を活用し、エンゲージメントと生産性を高めながら、中長期的には採用依存度の低減と総人件費の最適化を実現し、企業価値の持続的向上につなげてまいります。 ② 組織体制の強化 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。 今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図り、コーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んでまいります。 ③ 積極的なサービス開発 当社グループは、評価・教育という軸で多面的に個々人の成長をサポートすることを生業としております。 生成AIをはじめとする先端テクノロジーの台頭により、人材育成の手法とスピードは刻々と進化しています。 こうした変化を好機と捉え、当社は既存サービスの機能拡充を継続するとともに、最新技術を取り込んだ新サービスを適時・迅速に開発し、市場へ提供してまいります。 ④ テクノロジーの強化 AI、そしてWeb3領域の技術革新は加速度的に進展しており、競争優位を維持するには迅速かつ柔軟な対応が不可欠です。 当社は、イ.高度人材の計画的採用・育成 ロ.生成 AI・ブロックチェーン/Web3・セキュアデータ基盤など先端技術への継続投資と外部連携 を二本柱に、革新的なサービスを安定的に供給できる技術体制を整備します。 これにより、AIとWeb3を融合させた新たな顧客価値の創出を継続し、企業価値のさらなる向上につなげてまいります。 ⑤ 財務基盤の強化 当社グループは、成長と同時に継続的な事業の拡大を図るため、内部留保にとどまらず、金融機関との関係性に加え、戦略的パートナーの拡大を通じ、財務基盤の強化を図ってまいります。 ⑥ 海外展開 当社グループは、国際機関やグローバル企業との連携のもと、グローバルサウスを中心に実証的な取り組みを既に進めており、一定の成果を上げています。 今後は、これらの知見を活かしつつ、事業展開の地域をさらに拡大し、また海外の知見を利用した新しい事業可能性も探り、中長期的な成長機会を見据えたグローバル戦略を強化します。 具体的には、徹底した市場調査により各地域のニーズや制度・商習慣を正確に把握し、競合他社との優位性を見極めたうえで、最適な事業モデルを構築します。 また、現地の信頼できるパートナー企業や専門家との関係を強化し、持続可能な協業体制の構築を図ります。 さらに、既にプロジェクト単位で確保しているグローバルな視点を持つ人材や社内の専門人材を効果的に活用しながら、製品やサービスのローカライズ、各国の法規制への対応を適切に行い、現地に根ざした展開を推進します。 スキルマップや人材データを活用し、事業内容や地域ニーズに応じた適切な人材配置を行うことで、人的リソースの最適化を図ります。 加えて、製品やサービスのローカライズと各国の法規制遵守を徹底し、現地市場に適したサービス提供体制を整備します。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理 当社グループは、企業価値を最大化する重要な要件として、社内外のサステナビリティ推進に積極的に取り組んでいます。 「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」ことを企業パーパスとし、SDGsで掲げられる17の目標のうち、特に、「4. 質の高い教育をみんなに」、「5. ジェンダー平等を実現しよう」、「8. 働きがいも経済成長も」、「10. 人や国の不平等をなくそう」を優先課題としています。 サステナビリティに係る方針や戦略の検討、立案については、取締役、執行役員及び代表取締役会長が指名した者をもって構成する経営会議及び執行会議にて行っております。 執行会議には各部門の責任者が出席しており、各部門が連携し、サステナビリティへの取り組みを推進しております。 また、重要な案件については取締役会で審議を行い、適切な意思決定と監督を行うことで、実効性を確保しております。 当社は、「リスク管理規程」を設定し、その全社的な推進や情報の共有化等を検討する体制の強化を図っております。 また、代表取締役会長を委員長とするリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しています。 原則として四半期に開催し、リスクの評価、対策等、サステナビリティを含めた広範なリスク管理に関する協議を行い、具体的な対応策を検討しております。 (2)重要なサステナビリティ項目 上記、ガバナンス及びリスク管理を通して認識された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、事業にも密接にかかわる人的資本であると認識しています。 人的資本に係る当社グループの戦略、指標及び目標は、次のとおりです。 ① 戦略 当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。 市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。 人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 <人的資本戦略> 当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。 当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。 具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。 これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。 企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。 また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。 ■ 人的資本と企業価値のフレームワーク [人的資本(能力)への投資] 既存の従業員には、下記に示す通り中長期的な事業戦略実施を行う最適人的資本を目指し、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。 営業・事業開発・カスタマーサクセス・開発・マネジメントの各領域で、それぞれの業務特性に合わせた専門研修を実施し、スキル水準の底上げを図っています。 とりわけ営業力強化やBtoBマーケティング、アジャイル開発、ロジカルシンキング、経営基礎といった研修は、スキルアップに着実な改善傾向をもたらしました。 なお、費用面では厚生労働省の「人材開発支援助成金」をはじめとする公的補助制度を積極的に活用し、研修費用の一部を補填することでコスト効率にも配慮しています。 また、中期的な事業戦略と照合しスキルマップの点検を行いました。 各職種やレベルで求められる要件を精緻化した新版スキルマップは、今期以降の評価制度や配置検討の指針として運用を始めています。 人的資本に対する投資効果は中長期で顕在化すると見込んでおり、半期ごとにモニタリングを行っています。 採用に関しては、足元の事業環境を踏まえ、新規採用を限定し、既存組織の育成と最適配置を優先することで、事業環境の変化に対応できる体制を構築しています。 生産性向上に直結するスキル領域への重点的な投資を行い、個々の成長と組織成果の連動性を一層高め、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。 [人的資本の発揮度(環境)への投資] ダイバーシティの推進も重視しています。 現在、女性管理職の比率は44.4%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。 持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。 [人財投資のROIについて] 当社は、人財投資のROIを、短期的な財務インパクトのみならず、中長期的な企業価値向上に繋がる非財務指標(先行指標)の変化も含めて多角的に測定しています。 2025年3月期は、将来の成長基盤構築のため研修投資を大幅に拡大しました(トレーニング費用:前年比8.9倍、一人あたり平均研修時間:46%増)。 この投資の成果は、以下の企業価値向上につながる先行指標の改善に表れています。 (ⅰ)スキルレベルの向上: 重点強化職種であるセールス/コンサルタント職において、研修によりジュニアレベル(レベル2以下)の割合が減少し、レベル3の層が厚くなるなど、スキル水準の着実な底上げが確認できました。 個人のスキルレベルと売上額には強い正の相関(相関係数:0.61)があるため、このスキル底上げは将来の業績向上の基盤となります。 (ⅱ)エンゲージメントの向上:従業員エンゲージメントスコアは、前期の65.1ポイントから66.8ポイントへと1.7ポイント改善しました。 エンゲージメントの向上は、生産性の向上や離職率の低下を通じて、中長期的な企業価値に貢献します。 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み 当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。 スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。 さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本のROIを最大化するための施策を講じています。 このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ能力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。 イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定 事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる11のコア職種(セールス/コンサルタント、データアナリスト、プロダクトマネージャー、エンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。 *ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。 スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。 ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。 ・社員のスキルレベルの測定: 定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。 これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。 ・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。 ・必要なレベルの人財の確保: 分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。 ロ スキルレベルと業績の関係性分析 コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。 次に、当社独自のアセスメント「GROW」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。 スキルレベルは以下のように設定されています。 スキルレベル説 明1上席者の指示や指導に従って、作業ができる2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。 他者の一般的な業務をチェックできる5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。 他者の一般的な業務を指導できる6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。 重点強化職種:セールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握 当社グループでは、売上に直結するセールス/コンサルタント職を「重点強化職種」と位置づけています。 今年度の分析でも、スキルレベルと売上との間に正の相関が確認され、スキル向上が業績に寄与する傾向が改めて裏付けられました。 こうした分析から、人財投資のROIを把握することができます。 ・個人の売上額とスキルレベルには正の相関関係がある。 (相関係数:0.61)・特に、スキルレベル3から4への移行は大きな売上増加に繋がる。 スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。 現状のスキルレベル4以上の割合は42.9%であり、これを2027年3月末までに80%に引き上げることを目標としています。 2025年3月期においては、レベル4以上の退職者および育児休業取得者の影響で比率は一時的に低下したものの、営業力強化研修の実施により、将来のレベル4候補者であるレベル3の従業員層は着実に厚みを増しています。 この目標達成に向け、当社は以下の3つの施策を柱として、計画的に取り組んでまいります。 (ⅰ)重点的な育成(ボトムアップ) 最も重要な施策として、層が厚くなったレベル3の従業員をレベル4へ引き上げるための実践的なOJTプログラムや、ハイパフォーマーによる個別のメンタリング制度を導入し、育成を加速させます。 (ⅱ)ハイパフォーマーのリテンション(流出防止) レベル4以上の従業員に対しては、新たな役割や挑戦的なプロジェクトへのアサイン機会を増やすとともに、成果に報いる報酬制度の改定も視野に入れ、定着率の向上を図ります。 (ⅲ)戦略的な外部採用(トップアップ) 新規採用は限定的ですが、事業計画上、特に必要とされる場合には、即戦力となるレベル4以上のスキルを持つ人材をターゲットとした採用を機動的に行います。 これら「育成」「リテンション」「採用」の三位一体の取り組みを通じて、目標達成の蓋然性を高め、持続的な業績向上に繋げてまいります。 ハ 具体的な取り組みと投資額 職種レベルの引き上げを目標に、全社的に多岐にわたる研修・教育プログラムを実施するとともに、特定のスキルを持つ人財の採用を強化していきます。 2026年3月期においては、これらの全社的な取り組みに16百万円を投資する計画です。 この投資の効果(ROI)は、部門の特性に応じて、以下の二つの側面から評価します。 (ⅰ)業績へ直結するROI(セールス部門等) 一つは、セールス/コンサルタント職のような、業績に直接的に貢献する部門への投資効果です。 これについては、既に分析したとおり、スキル向上が個人の売上を大幅に向上させることがデータで確認されており、極めて高いリターン(投資額の約4.4倍の売上増)が見込めるものと判断しています。 (ⅱ)将来の事業基盤を強化するROI(開発部門等) もう一つは、開発部門のような、将来の事業基盤を強化する部門への投資効果です。 ここでの投資目的は短期的な売上増ではなく、生成AIやブロックチェーンといった先端技術の獲得を通じて、他社にない独自のサービス開発力を維持・強化し、中長期的な競争優位性を確立することです。 このリターンは、将来の新製品による収益や、開発サイクルの短縮によるコスト削減といった形で現れる、極めて重要な戦略的投資と位置づけています。 このように、短期的なリターンと中長期的なリターンの両輪で投資効果を最大化し、企業価値向上を目指します。 ■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額戦略実施内容詳細人財戦略投資額人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部研修を導入。 例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。 16百万円(セールス部分ROIは投資額の約4.4倍の売上増)採用戦略足元の事業環境を踏まえ、新規採用を限定。 特定のスキルや高いスキルレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動を強化。 キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。 b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み 当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。 その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。 また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。 マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。 これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。 イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進 イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。 今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%以上、労働者の男女の賃金の差は90%以上)を目指します。 ・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2025年3月期実績は87.2%。 90%以上の高水準を目指します。 ・女性管理職比率: 2025年3月期実績は44.4%。 今後も40%以上の高水準の維持を目指します。 ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成 オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。 また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。 ハ エンゲージメントの向上 従業員のエンゲージメントは、人的資本(能力)の発揮度を表す重要な指標と位置付けており、様々な取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進しています。 その結果、エンゲージメントスコアは前期の65.1ポイントから66.8ポイントへと1.7ポイント改善いたしました。 また、特に「成長」のコンピテンシー項目で高い結果が得られ、従業員の成長意欲の向上が見られました。 今後、さらなるエンゲージメント向上を図るにあたり、特に以下の施策を重点的に推進してまいります。 ・上司によるコーチングの強化:部長職の重点開発コンピテンシーに「ビジョン」と「影響力の行使」を設定し、組織全体のリーダーシップとコーチング能力の向上を図ります。 これにより、上司がメンバーの成長をより効果的に支援し、エンゲージメントを高める好循環を創出します。 ・キャリア開発機会の充実: 従業員一人ひとりのキャリア開発の機会をさらに拡充するため、上司とメンバー間の1on1を強化します。 これにより、個人の目標設定と成長支援をきめ細かく行い、自律的なキャリア形成を促進することで、エンゲージメントの向上に繋げてまいります。 ② 指標及び目標a.人的資本に関する指標と目標戦略取り組み指標実績(2024年3月期)実績(2025年3月期)目標(2026年3月期)人的資本(能力)の向上研修・教育プログラムミドルレベル以上充足率*153.2%48.6%65%採用戦略採用充足率100%100%100%人的資本(能力)の発揮度の向上DEIの推進管理職に占める女性労働者の割合42.9%44.4%40%以上を維持労働者の男女の賃金の差90.1%87.2%90%以上従業員エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア*265.166.870*1 当社スキルマップにおけるレベル4以上を「ミドルレベル」と定義。 2025年3月期は、重点強化職種におけるレベル4以上の退職者等の影響により、一時的に低下しました。 *2 当社独自のアセスメント「GROW」によって計測した各従業員のコンピテンシーの中でエンゲージメントに関連すると考えられる2つのコンピテンシー「成長」「組織へのコミットメント」の自己評価より計測(100点満点)。 b.効果検証方法 定期的な評価とフィードバック:社内アンケート、パフォーマンスレビュー、360度フィードバックなど。 データ分析: 離職率、従業員エンゲージメント調査結果、トレーニング効果の分析。 人財投資のROI: 人財投資によってスキルレベルのミドルクラス充足率が10%向上したかどうかを検証し、さらにスキルレベルの向上が売上の増加に繋がったかを分析します。 この分析により、投資が実際にどの程度の収益を生んだかを明確にし、ROIを評価します。 ③ リスク管理・従業員の離職リスク管理: 従業員エンゲージメントを定期的に調査し、離職の兆候を早期に発見します。 調査結果に基づいて、問題点を迅速に解決するためのアクションプランを実施します。 ・キャリアパスと成長機会の提供:従業員のキャリアパスを明確にし、成長機会を提供することで、離職リスクを低減します。 ・健康管理プログラム: 従業員の健康を維持するための健康管理プログラムを提供し、メンタルヘルスサポートを含む健康相談窓口を設置します。 ・コンプライアンス研修: 従業員全員を対象にコンプライアンス研修を定期的に実施し、法令遵守と倫理的行動の重要性を周知徹底します。 ・パフォーマンスリスク管理: 従業員のパフォーマンスを定期的にレビューし、改善点をフィードバックします。 個別の目標設定とその達成度を評価します。 当社グループは、以上の取り組みにより持続可能な成長を実現し、従業員一人ひとりが最大限の能力を発揮できる環境を整えます。 持続可能な社会の実現に向けて、当社グループは人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員の成長を支援していきます。 |
戦略 | ① 戦略 当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。 市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。 人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 <人的資本戦略> 当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。 当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。 具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。 これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。 企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。 また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。 ■ 人的資本と企業価値のフレームワーク [人的資本(能力)への投資] 既存の従業員には、下記に示す通り中長期的な事業戦略実施を行う最適人的資本を目指し、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。 営業・事業開発・カスタマーサクセス・開発・マネジメントの各領域で、それぞれの業務特性に合わせた専門研修を実施し、スキル水準の底上げを図っています。 とりわけ営業力強化やBtoBマーケティング、アジャイル開発、ロジカルシンキング、経営基礎といった研修は、スキルアップに着実な改善傾向をもたらしました。 なお、費用面では厚生労働省の「人材開発支援助成金」をはじめとする公的補助制度を積極的に活用し、研修費用の一部を補填することでコスト効率にも配慮しています。 また、中期的な事業戦略と照合しスキルマップの点検を行いました。 各職種やレベルで求められる要件を精緻化した新版スキルマップは、今期以降の評価制度や配置検討の指針として運用を始めています。 人的資本に対する投資効果は中長期で顕在化すると見込んでおり、半期ごとにモニタリングを行っています。 採用に関しては、足元の事業環境を踏まえ、新規採用を限定し、既存組織の育成と最適配置を優先することで、事業環境の変化に対応できる体制を構築しています。 生産性向上に直結するスキル領域への重点的な投資を行い、個々の成長と組織成果の連動性を一層高め、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。 [人的資本の発揮度(環境)への投資] ダイバーシティの推進も重視しています。 現在、女性管理職の比率は44.4%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。 持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。 [人財投資のROIについて] 当社は、人財投資のROIを、短期的な財務インパクトのみならず、中長期的な企業価値向上に繋がる非財務指標(先行指標)の変化も含めて多角的に測定しています。 2025年3月期は、将来の成長基盤構築のため研修投資を大幅に拡大しました(トレーニング費用:前年比8.9倍、一人あたり平均研修時間:46%増)。 この投資の成果は、以下の企業価値向上につながる先行指標の改善に表れています。 (ⅰ)スキルレベルの向上: 重点強化職種であるセールス/コンサルタント職において、研修によりジュニアレベル(レベル2以下)の割合が減少し、レベル3の層が厚くなるなど、スキル水準の着実な底上げが確認できました。 個人のスキルレベルと売上額には強い正の相関(相関係数:0.61)があるため、このスキル底上げは将来の業績向上の基盤となります。 (ⅱ)エンゲージメントの向上:従業員エンゲージメントスコアは、前期の65.1ポイントから66.8ポイントへと1.7ポイント改善しました。 エンゲージメントの向上は、生産性の向上や離職率の低下を通じて、中長期的な企業価値に貢献します。 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み 当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。 スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。 さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本のROIを最大化するための施策を講じています。 このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ能力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。 イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定 事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる11のコア職種(セールス/コンサルタント、データアナリスト、プロダクトマネージャー、エンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。 *ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。 スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。 ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。 ・社員のスキルレベルの測定: 定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。 これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。 ・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。 ・必要なレベルの人財の確保: 分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。 ロ スキルレベルと業績の関係性分析 コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。 次に、当社独自のアセスメント「GROW」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。 スキルレベルは以下のように設定されています。 スキルレベル説 明1上席者の指示や指導に従って、作業ができる2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。 他者の一般的な業務をチェックできる5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。 他者の一般的な業務を指導できる6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。 重点強化職種:セールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握 当社グループでは、売上に直結するセールス/コンサルタント職を「重点強化職種」と位置づけています。 今年度の分析でも、スキルレベルと売上との間に正の相関が確認され、スキル向上が業績に寄与する傾向が改めて裏付けられました。 こうした分析から、人財投資のROIを把握することができます。 ・個人の売上額とスキルレベルには正の相関関係がある。 (相関係数:0.61)・特に、スキルレベル3から4への移行は大きな売上増加に繋がる。 スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。 現状のスキルレベル4以上の割合は42.9%であり、これを2027年3月末までに80%に引き上げることを目標としています。 2025年3月期においては、レベル4以上の退職者および育児休業取得者の影響で比率は一時的に低下したものの、営業力強化研修の実施により、将来のレベル4候補者であるレベル3の従業員層は着実に厚みを増しています。 この目標達成に向け、当社は以下の3つの施策を柱として、計画的に取り組んでまいります。 (ⅰ)重点的な育成(ボトムアップ) 最も重要な施策として、層が厚くなったレベル3の従業員をレベル4へ引き上げるための実践的なOJTプログラムや、ハイパフォーマーによる個別のメンタリング制度を導入し、育成を加速させます。 (ⅱ)ハイパフォーマーのリテンション(流出防止) レベル4以上の従業員に対しては、新たな役割や挑戦的なプロジェクトへのアサイン機会を増やすとともに、成果に報いる報酬制度の改定も視野に入れ、定着率の向上を図ります。 (ⅲ)戦略的な外部採用(トップアップ) 新規採用は限定的ですが、事業計画上、特に必要とされる場合には、即戦力となるレベル4以上のスキルを持つ人材をターゲットとした採用を機動的に行います。 これら「育成」「リテンション」「採用」の三位一体の取り組みを通じて、目標達成の蓋然性を高め、持続的な業績向上に繋げてまいります。 ハ 具体的な取り組みと投資額 職種レベルの引き上げを目標に、全社的に多岐にわたる研修・教育プログラムを実施するとともに、特定のスキルを持つ人財の採用を強化していきます。 2026年3月期においては、これらの全社的な取り組みに16百万円を投資する計画です。 この投資の効果(ROI)は、部門の特性に応じて、以下の二つの側面から評価します。 (ⅰ)業績へ直結するROI(セールス部門等) 一つは、セールス/コンサルタント職のような、業績に直接的に貢献する部門への投資効果です。 これについては、既に分析したとおり、スキル向上が個人の売上を大幅に向上させることがデータで確認されており、極めて高いリターン(投資額の約4.4倍の売上増)が見込めるものと判断しています。 (ⅱ)将来の事業基盤を強化するROI(開発部門等) もう一つは、開発部門のような、将来の事業基盤を強化する部門への投資効果です。 ここでの投資目的は短期的な売上増ではなく、生成AIやブロックチェーンといった先端技術の獲得を通じて、他社にない独自のサービス開発力を維持・強化し、中長期的な競争優位性を確立することです。 このリターンは、将来の新製品による収益や、開発サイクルの短縮によるコスト削減といった形で現れる、極めて重要な戦略的投資と位置づけています。 このように、短期的なリターンと中長期的なリターンの両輪で投資効果を最大化し、企業価値向上を目指します。 ■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額戦略実施内容詳細人財戦略投資額人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部研修を導入。 例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。 16百万円(セールス部分ROIは投資額の約4.4倍の売上増)採用戦略足元の事業環境を踏まえ、新規採用を限定。 特定のスキルや高いスキルレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動を強化。 キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。 b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み 当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。 その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。 また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。 マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。 これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。 イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進 イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。 今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%以上、労働者の男女の賃金の差は90%以上)を目指します。 ・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2025年3月期実績は87.2%。 90%以上の高水準を目指します。 ・女性管理職比率: 2025年3月期実績は44.4%。 今後も40%以上の高水準の維持を目指します。 ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成 オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。 また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。 ハ エンゲージメントの向上 従業員のエンゲージメントは、人的資本(能力)の発揮度を表す重要な指標と位置付けており、様々な取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進しています。 その結果、エンゲージメントスコアは前期の65.1ポイントから66.8ポイントへと1.7ポイント改善いたしました。 また、特に「成長」のコンピテンシー項目で高い結果が得られ、従業員の成長意欲の向上が見られました。 今後、さらなるエンゲージメント向上を図るにあたり、特に以下の施策を重点的に推進してまいります。 ・上司によるコーチングの強化:部長職の重点開発コンピテンシーに「ビジョン」と「影響力の行使」を設定し、組織全体のリーダーシップとコーチング能力の向上を図ります。 これにより、上司がメンバーの成長をより効果的に支援し、エンゲージメントを高める好循環を創出します。 ・キャリア開発機会の充実: 従業員一人ひとりのキャリア開発の機会をさらに拡充するため、上司とメンバー間の1on1を強化します。 これにより、個人の目標設定と成長支援をきめ細かく行い、自律的なキャリア形成を促進することで、エンゲージメントの向上に繋げてまいります。 |
指標及び目標 | ② 指標及び目標a.人的資本に関する指標と目標戦略取り組み指標実績(2024年3月期)実績(2025年3月期)目標(2026年3月期)人的資本(能力)の向上研修・教育プログラムミドルレベル以上充足率*153.2%48.6%65%採用戦略採用充足率100%100%100%人的資本(能力)の発揮度の向上DEIの推進管理職に占める女性労働者の割合42.9%44.4%40%以上を維持労働者の男女の賃金の差90.1%87.2%90%以上従業員エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア*265.166.870*1 当社スキルマップにおけるレベル4以上を「ミドルレベル」と定義。 2025年3月期は、重点強化職種におけるレベル4以上の退職者等の影響により、一時的に低下しました。 *2 当社独自のアセスメント「GROW」によって計測した各従業員のコンピテンシーの中でエンゲージメントに関連すると考えられる2つのコンピテンシー「成長」「組織へのコミットメント」の自己評価より計測(100点満点)。 b.効果検証方法 定期的な評価とフィードバック:社内アンケート、パフォーマンスレビュー、360度フィードバックなど。 データ分析: 離職率、従業員エンゲージメント調査結果、トレーニング効果の分析。 人財投資のROI: 人財投資によってスキルレベルのミドルクラス充足率が10%向上したかどうかを検証し、さらにスキルレベルの向上が売上の増加に繋がったかを分析します。 この分析により、投資が実際にどの程度の収益を生んだかを明確にし、ROIを評価します。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社グループは、Beyond Education Company「評価×教育×金融で世界中に教育を届ける」をコンセプトに、国際機関等と連携し、グローバルサウスと日本を繋ぐ評価×教育×金融の持続可能な次世代人財育成基盤を作る事業を、当社グループの3事業の連携により推進していきます。 市場拡大(グローバルサウス展開の実現・プラットフォーム/Web3事業におけるビジネスモデル拡張)、顧客基盤の拡充(クロスセリングとアップセリング戦略・パートナーシップと連携)、技術革新(DIDによる教育や職歴履歴の活用)を軸とした成長戦略を通じて、経営目標である売上収益成長率30%台、平均営業利益率25%以上の持続的な成長を実現していくためには多様かつ優秀な人財が不可欠です。 人的資本の最大化を最優先課題とし、従業員一人ひとりの成長を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 <人的資本戦略> 当社グループは、優秀な人財の採用と育成を戦略的な投資と位置づけています。 当社グループの事業は、社会全体の人的資本の成長に貢献するシステム構築を目指しており、全社一丸となって取り組んでいます。 具体的には、企業価値への貢献を「人的資本(能力)」と「人的資本の発揮度(環境)」の掛け合わせと捉え、効果的な人財戦略を推進しています。 これはベッカー教授の人的資本理論に基づき、一橋大学大学院の研究会が提唱するモデルです。 企業戦略に基づき、スキルの習得と活用を含む人的資本(能力)を定義し、ROIを意識した投資を行うことで企業価値の最大化を図っています。 また、人的資本を効果的に発揮するための環境整備とリスク管理にも力を入れています。 ■ 人的資本と企業価値のフレームワーク [人的資本(能力)への投資] 既存の従業員には、下記に示す通り中長期的な事業戦略実施を行う最適人的資本を目指し、継続的なスキルアップとキャリア開発のため積極的な投資をしています。 営業・事業開発・カスタマーサクセス・開発・マネジメントの各領域で、それぞれの業務特性に合わせた専門研修を実施し、スキル水準の底上げを図っています。 とりわけ営業力強化やBtoBマーケティング、アジャイル開発、ロジカルシンキング、経営基礎といった研修は、スキルアップに着実な改善傾向をもたらしました。 なお、費用面では厚生労働省の「人材開発支援助成金」をはじめとする公的補助制度を積極的に活用し、研修費用の一部を補填することでコスト効率にも配慮しています。 また、中期的な事業戦略と照合しスキルマップの点検を行いました。 各職種やレベルで求められる要件を精緻化した新版スキルマップは、今期以降の評価制度や配置検討の指針として運用を始めています。 人的資本に対する投資効果は中長期で顕在化すると見込んでおり、半期ごとにモニタリングを行っています。 採用に関しては、足元の事業環境を踏まえ、新規採用を限定し、既存組織の育成と最適配置を優先することで、事業環境の変化に対応できる体制を構築しています。 生産性向上に直結するスキル領域への重点的な投資を行い、個々の成長と組織成果の連動性を一層高め、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。 [人的資本の発揮度(環境)への投資] ダイバーシティの推進も重視しています。 現在、女性管理職の比率は44.4%と高水準を維持しており、さらに引き上げる計画です。 持続的な成長のため、従業員の成長意識の向上や幸福度、目標に向けたコミットメントの向上にも積極的に取り組んでいます。 [人財投資のROIについて] 当社は、人財投資のROIを、短期的な財務インパクトのみならず、中長期的な企業価値向上に繋がる非財務指標(先行指標)の変化も含めて多角的に測定しています。 2025年3月期は、将来の成長基盤構築のため研修投資を大幅に拡大しました(トレーニング費用:前年比8.9倍、一人あたり平均研修時間:46%増)。 この投資の成果は、以下の企業価値向上につながる先行指標の改善に表れています。 (ⅰ)スキルレベルの向上: 重点強化職種であるセールス/コンサルタント職において、研修によりジュニアレベル(レベル2以下)の割合が減少し、レベル3の層が厚くなるなど、スキル水準の着実な底上げが確認できました。 個人のスキルレベルと売上額には強い正の相関(相関係数:0.61)があるため、このスキル底上げは将来の業績向上の基盤となります。 (ⅱ)エンゲージメントの向上:従業員エンゲージメントスコアは、前期の65.1ポイントから66.8ポイントへと1.7ポイント改善しました。 エンゲージメントの向上は、生産性の向上や離職率の低下を通じて、中長期的な企業価値に貢献します。 a.人的資本(能力)の最大化に向けた取り組み 当社グループでは、人的資本理論の実証化研究会のフレームワークに基づき、従業員のスキルを定量化して管理し、能力の最大化を目指しています。 スキルマップを活用して、各従業員のスキルレベルを明確にし、必要なトレーニングやキャリア開発プランを提供しています。 さらに、スキルと業績の関連性を分析し、人的資本のROIを最大化するための施策を講じています。 このような体系的なアプローチにより、従業員の持つ能力を引き出し、企業の成長と持続可能な発展を支えています。 イ スキルマップに基づいた人的資本(能力)の測定 事業戦略をもとにグローバル基準(ESCO*)に従い、事業戦略達成に特に重要とされる11のコア職種(セールス/コンサルタント、データアナリスト、プロダクトマネージャー、エンジニアなど)について、8段階のスキルマップを作成し、社員のスキルレベルを評価しています。 *ESCO(European Skills, Competences, Qualifications and Occupations)とは、ヨーロッパ連合(EU)が推進する分類システム。 スキル、能力、資格、職業を標準化し、EU加盟国内での労働市場の透明性を高めることを目的としています。 ESCOは、教育、訓練、職業案内の分野での相互理解を促進し、労働市場と教育・訓練システム間の連携を強化するための共通言語を提供しています。 ・社員のスキルレベルの測定: 定期的な評価を行い、社員の現在のスキルレベルを把握しています。 これにより、各社員の強みと改善点を明確にし、個別のキャリアプランを策定します。 ・業績とスキルレベルの関係性分析:スキルレベルと業績データを分析し、各スキルレベルが企業の成果にどのように寄与しているかを把握しています。 ・必要なレベルの人財の確保: 分析結果を基に、企業戦略達成に必要なスキルレベルの人財を確保するためのトレーニングプログラムや採用戦略を策定しています。 ロ スキルレベルと業績の関係性分析 コア職種の現状の充足状況を可視化するために、コア職種に必要なハードスキルとソフトスキルをESCO基準に基づいて選定しています。 次に、当社独自のアセスメント「GROW」によって各従業員が持つハードスキルのレベルを定量化し、それぞれのコア職種におけるスキルレベルを明確にしています。 スキルレベルは以下のように設定されています。 スキルレベル説 明1上席者の指示や指導に従って、作業ができる2上席者の指示に従い、計画的に業務遂行できる3業務の基礎知識があり、一般的な業務の一部を担当できる4業務の基礎知識があり、一般的な業務全体を担当できる。 他者の一般的な業務をチェックできる5広範な業務知識があり、イレギュラーな業務にも対応できる。 他者の一般的な業務を指導できる6イレギュラーな業務を監督・指導しながら、案件をハンドリングできる7複雑な案件であっても、今後を見据え、戦略的に対応しつつ、成果に結びつけられる8複数の複雑な案件について成果を生み出しつつ、長期視点でビジネスの発展や作業プロセス改善に貢献できる この方法により、スキルレベルと業績の関係性を定量的に評価し、社員一人ひとりのパフォーマンスを正確に把握しています。 重点強化職種:セールス/コンサルタントの分析結果~ROIの把握 当社グループでは、売上に直結するセールス/コンサルタント職を「重点強化職種」と位置づけています。 今年度の分析でも、スキルレベルと売上との間に正の相関が確認され、スキル向上が業績に寄与する傾向が改めて裏付けられました。 こうした分析から、人財投資のROIを把握することができます。 ・個人の売上額とスキルレベルには正の相関関係がある。 (相関係数:0.61)・特に、スキルレベル3から4への移行は大きな売上増加に繋がる。 スキルレベル4以上になると、売上が顕著に増加するため、特にレベル4以上を目指したトレーニングや教育プログラムが重要。 現状のスキルレベル4以上の割合は42.9%であり、これを2027年3月末までに80%に引き上げることを目標としています。 2025年3月期においては、レベル4以上の退職者および育児休業取得者の影響で比率は一時的に低下したものの、営業力強化研修の実施により、将来のレベル4候補者であるレベル3の従業員層は着実に厚みを増しています。 この目標達成に向け、当社は以下の3つの施策を柱として、計画的に取り組んでまいります。 (ⅰ)重点的な育成(ボトムアップ) 最も重要な施策として、層が厚くなったレベル3の従業員をレベル4へ引き上げるための実践的なOJTプログラムや、ハイパフォーマーによる個別のメンタリング制度を導入し、育成を加速させます。 (ⅱ)ハイパフォーマーのリテンション(流出防止) レベル4以上の従業員に対しては、新たな役割や挑戦的なプロジェクトへのアサイン機会を増やすとともに、成果に報いる報酬制度の改定も視野に入れ、定着率の向上を図ります。 (ⅲ)戦略的な外部採用(トップアップ) 新規採用は限定的ですが、事業計画上、特に必要とされる場合には、即戦力となるレベル4以上のスキルを持つ人材をターゲットとした採用を機動的に行います。 これら「育成」「リテンション」「採用」の三位一体の取り組みを通じて、目標達成の蓋然性を高め、持続的な業績向上に繋げてまいります。 ハ 具体的な取り組みと投資額 職種レベルの引き上げを目標に、全社的に多岐にわたる研修・教育プログラムを実施するとともに、特定のスキルを持つ人財の採用を強化していきます。 2026年3月期においては、これらの全社的な取り組みに16百万円を投資する計画です。 この投資の効果(ROI)は、部門の特性に応じて、以下の二つの側面から評価します。 (ⅰ)業績へ直結するROI(セールス部門等) 一つは、セールス/コンサルタント職のような、業績に直接的に貢献する部門への投資効果です。 これについては、既に分析したとおり、スキル向上が個人の売上を大幅に向上させることがデータで確認されており、極めて高いリターン(投資額の約4.4倍の売上増)が見込めるものと判断しています。 (ⅱ)将来の事業基盤を強化するROI(開発部門等) もう一つは、開発部門のような、将来の事業基盤を強化する部門への投資効果です。 ここでの投資目的は短期的な売上増ではなく、生成AIやブロックチェーンといった先端技術の獲得を通じて、他社にない独自のサービス開発力を維持・強化し、中長期的な競争優位性を確立することです。 このリターンは、将来の新製品による収益や、開発サイクルの短縮によるコスト削減といった形で現れる、極めて重要な戦略的投資と位置づけています。 このように、短期的なリターンと中長期的なリターンの両輪で投資効果を最大化し、企業価値向上を目指します。 ■ 人的資本(能力)の最大化に向けた取り組みと投資額戦略実施内容詳細人財戦略投資額人的資本(能力)の向上研修・教育プログラム各職種のハードスキルとコンピテンシーのレベルアップのために、内部研修を導入。 例えばセールス/コンサルタントについては、コミュニケーション、タイムマネジメント、ビジネス分析、プロジェクト管理、リーダーシップ、問題解決、交渉、戦略思考の研修を予定。 16百万円(セールス部分ROIは投資額の約4.4倍の売上増)採用戦略足元の事業環境を踏まえ、新規採用を限定。 特定のスキルや高いスキルレベルを持つ人財をターゲットにした採用活動を強化。 キャリアパスの構築全社員が半期ごとに成果目標・行動目標及び学び支援制度活用の方向性・及びそれに紐づくキャリアプランを設定、半期末に目標に対する達成度等を確認するサイクルを通じて継続的なキャリアパス構築を支援。 b.人的資本を発揮しやすい環境作りに向けた取り組み 当社グループでは、従業員が能力を最大限に発揮できる環境作りを重視しています。 その一環として、多様性とインクルージョンを推進し、すべての従業員が安心して働ける職場環境を整えています。 また、ハイブリッドワークモデルを導入し、柔軟な働き方を支援することで、ワークライフバランスの向上を図っています。 マネージャーとの定期的な1on1やフィードバックセッションを通じて、従業員の意見を取り入れ、職場環境の改善に努めています。 これにより、従業員のエンゲージメントと生産性を高め、企業の持続可能な成長を実現しています。 イ DEI(Diversity Equity & Inclusion)の推進 イノベーションにおいてDEIの推進は必須条件であり、特に男女のダイバーシティに関しては積極的に取り組んでいます。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において開示のとおり、ダイバーシティに関する指標において、当社は既に一定の基準に達しています。 今後も高い水準(管理職に占める女性労働者の割合は40%以上、労働者の男女の賃金の差は90%以上)を目指します。 ・正規雇用労働者の男女の賃金の差異:2025年3月期実績は87.2%。 90%以上の高水準を目指します。 ・女性管理職比率: 2025年3月期実績は44.4%。 今後も40%以上の高水準の維持を目指します。 ロ 働き方の柔軟性、企業文化の醸成 オフィスとリモートのハイブリッドワークモデルを採用し、必要に応じて柔軟に働ける環境を提供することで、生産性とワークライフバランスの向上を図ります。 また、全従業員が会社のビジョンとバリューを理解し共感するため全社イベントを定期的に開催することで企業文化の醸成・エンゲージメントの向上、縦横ナナメの関係構築強化、帰属意識の醸成、セクションをまたいだ交流によるナレッジの共有を行います。 ハ エンゲージメントの向上 従業員のエンゲージメントは、人的資本(能力)の発揮度を表す重要な指標と位置付けており、様々な取り組みを通じて従業員エンゲージメントスコアの向上を推進しています。 その結果、エンゲージメントスコアは前期の65.1ポイントから66.8ポイントへと1.7ポイント改善いたしました。 また、特に「成長」のコンピテンシー項目で高い結果が得られ、従業員の成長意欲の向上が見られました。 今後、さらなるエンゲージメント向上を図るにあたり、特に以下の施策を重点的に推進してまいります。 ・上司によるコーチングの強化:部長職の重点開発コンピテンシーに「ビジョン」と「影響力の行使」を設定し、組織全体のリーダーシップとコーチング能力の向上を図ります。 これにより、上司がメンバーの成長をより効果的に支援し、エンゲージメントを高める好循環を創出します。 ・キャリア開発機会の充実: 従業員一人ひとりのキャリア開発の機会をさらに拡充するため、上司とメンバー間の1on1を強化します。 これにより、個人の目標設定と成長支援をきめ細かく行い、自律的なキャリア形成を促進することで、エンゲージメントの向上に繋げてまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | a.人的資本に関する指標と目標戦略取り組み指標実績(2024年3月期)実績(2025年3月期)目標(2026年3月期)人的資本(能力)の向上研修・教育プログラムミドルレベル以上充足率*153.2%48.6%65%採用戦略採用充足率100%100%100%人的資本(能力)の発揮度の向上DEIの推進管理職に占める女性労働者の割合42.9%44.4%40%以上を維持労働者の男女の賃金の差90.1%87.2%90%以上従業員エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア*265.166.870*1 当社スキルマップにおけるレベル4以上を「ミドルレベル」と定義。 2025年3月期は、重点強化職種におけるレベル4以上の退職者等の影響により、一時的に低下しました。 *2 当社独自のアセスメント「GROW」によって計測した各従業員のコンピテンシーの中でエンゲージメントに関連すると考えられる2つのコンピテンシー「成長」「組織へのコミットメント」の自己評価より計測(100点満点)。 b.効果検証方法 定期的な評価とフィードバック:社内アンケート、パフォーマンスレビュー、360度フィードバックなど。 データ分析: 離職率、従業員エンゲージメント調査結果、トレーニング効果の分析。 人財投資のROI: 人財投資によってスキルレベルのミドルクラス充足率が10%向上したかどうかを検証し、さらにスキルレベルの向上が売上の増加に繋がったかを分析します。 この分析により、投資が実際にどの程度の収益を生んだかを明確にし、ROIを評価します。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境に関するリスクについて① HR関連市場について 当社グループは、企業における人材マネジメント課題の解決に向け、人材評価サービスの提供を通じて、採用のみならず、人材の配置・育成・組織開発といった広範な領域にソリューションを展開しております。 特に近年では、国による人的資本開示の義務化や「人的資本可視化指針」の整備など、人的資本に関する企業の開示責任が高まっており、当社グループはこうした政策的動向に即したサービス提供を進めております。 こうした事業環境は当社の成長機会となる一方で、今後、社会的要請や制度の変化に適切に対応できない場合、あるいは企業ニーズとの整合を欠いたサービス展開となった場合には、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。 ② 教育関連市場について 当社グループの教育事業におきましては、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想を背景とした教育のオンライン化やICT活用の推進により、当社が提供する教育支援サービスやアセスメントサービスの市場規模は、今後も一定の成長が見込まれます。 加えて、近年では、就学前段階の子どもを対象としたアセスメントサービスの提供を開始するなど、提供対象の拡大にも取り組んでおります。 しかしながら、国の教育政策や補助金等の予算措置の変動、あるいは教育現場における環境やニーズの急激な変化に当社グループが適切に対応できない場合には、当社の教育事業の成長が阻害され、ひいては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 暗号資産(仮想通貨)・Web3関連市場について プラットフォーム/Web3事業においては、日々進化する技術やサービスの動向を踏まえ、当社グループではWeb3人材育成に向けた企業研修や、暗号資産を活用した予測市場関連サービスを展開しております。 他方で、暗号資産市場は価格の変動が大きく、急激な市場のボラティリティが事業に与える影響は無視できません。 加えて、各国の法規制は依然として整備途上であり、規制の変更や新設が当社のサービス提供に影響を及ぼす可能性もあります。 また、当社グループ事業の特性上、ブロックチェーン技術や暗号資産に関する高度な知見を有する人材の確保が重要な課題となっており、競争環境の中で適切な人材を確保・維持できない場合、事業の継続的な成長が損なわれるリスクがあります。 さらに、業界全体でハッキングや不正流出などのセキュリティリスクが顕在化している状況を踏まえ、当社グループとしても継続的な技術的対策とリスクマネジメント体制の強化が求められております。 これらの対応が不十分であった場合、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競合等について 基幹サービスである「GROW」は、AIを活用した特許技術を数多く利用した当社独自の人材評価システムで、子どもから大人まで同じ枠組みで非認知能力の測定が可能です。 能力を可視化するための適正テスト等の競合サービス・企業は複数存在しておりますが、対象に関わらず一貫した基準で非認知能力を測定できるサービスは他になく、当社が市場自体を開拓している状況です。 近年では、当社が出願していた技術の一部が特許登録に至るなど、知的財産の保護体制も進展しております。 一方で、非認知能力に対する社会的関心の高まりにより、類似のサービスを提供する企業の参入も見られ、今後さらなる競争の激化が予想されます。 また、非認知能力の可視化にあたっては個人データを取り扱う側面があるため、個人情報保護に対する社会的要請の高まりにも対応が求められます。 これらのリスクに対しては、技術的優位性の維持、個人情報保護体制の強化、顧客ニーズに基づくサービス改善を通じて対応を図ってまいりますが、これらに適切に対応できない場合、当社グループの事業活動および業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 少子化による影響について 教育事業におきましては、主に、中学校、高等学校等の教育機関に対しサービスを提供しております。 長期的には、少子化の影響により利用者が減少する可能性があるものの、上述のとおり、当社が提供しているサービスの市場規模は、今後拡大することが見込まれます。 しかしながら、今後、少子化が急速に進展した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 業績の季節偏重について HR事業におきましては、顧客企業の事業年度末に1年の報告や完了が求められる案件が多いことや、予算執行のタイミング、採用スケジュールの都合により、売上計上時期が3月に偏重する傾向があります。 同様に、教育事業におきましても、主に、自治体から受注したプロジェクトにつきましては、事業年度末に報告や完了が求められるため、売上計上時期もしくは検収時期が3月に偏重しております。 このため、検収時期の変動等により売上計上時期が翌期となった場合、もしくは3月度の売上が計画どおりに進捗しなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 技術革新について 当社はAIを活用した人材評価サービスを展開しておりますが、AIの分野は、全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。 当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めており、引き続きAIを活用したビジネスにより収益の拡大を図っていく所存でありますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に、当社が適時適切に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑧ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について 当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。 今後、当社の想定を超える設備・システム投資が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があります。 また、設備・システム投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない場合には、固定資産に関して減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ システム障害について 当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。 そのため、自然災害や停電、事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。 また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。 当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 感染症の影響について 当社では、HR事業において、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴うインターンシップの中止、企業収益の悪化による採用市場の停滞により、採用でのサービス利用に影響があった一方、教育事業においては、コロナ禍でのデジタル化が追い風となり、採用校が北海道から沖縄県まで全国に拡大いたしました。 しかしながら、今後、同様のパンデミックの発生により社会経済活動が停滞し、営業活動が想定どおりに進まなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業運営・組織体制に関するリスク① 特定人物への依存について 当社創業者である代表取締役会長 福原正大は当社の経営において重要な役割を果たしておりますが、2024年6月の取締役会において、福原正大が代表取締役会長に就任し、長年取締役を務めてきた中里忍が新たに代表取締役社長に就任いたしました。 中里社長は、これまで当社の経営や事業推進に深く関与しており、今回の社長就任により、当社の経営体制は一層強化され、持続的な成長を目指した体制が整ったものと考えております。 当社としては、代表取締役会長および代表取締役社長に過度に依存しない組織体制の構築を進めるとともに、人材育成及び経営基盤の強化に努めておりますが、両者が何らかの理由で業務執行できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、代表取締役会長の福原正大は慶應義塾大学及び一橋大学にて教授を兼務しておりますが、現状の講義数及び関与時間から見て、当社の事業運営に支障はないと考えております。 ② 個人情報保護について 当社は、人材評価システムを利用したサービスを提供しているため、顧客である企業の社員及び採用候補者及び顧客である学校・教育機関の生徒・学生に関する個人情報を扱っております。 当社では、個人情報の保護に関する法令に従い個人情報の管理を行うとともに、情報セキュリティについて適切な保護体制を構築するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)及びプライバシーマークの認証を取得しております。 しかしながら、個人情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合、取引先からの契約の解除や損害賠償の請求、当社や当社のサービスに対する信頼性の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 知的財産権について 当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。 また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っております。 しかしながら、今後当社が属する事業分野において第三者の権利侵害が成立した場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社の知的財産が侵害された場合においても、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ ONGAESHIプロジェクトに係る出資について 当社は、2023年2月より、人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHI」の実現に向けたONGAESHIプロジェクトに参画し、2023年10月より日本国内において事業を開始しております。 その後、本プロジェクトの海外展開を見据えてシンガポールに設立されたBOUNDLESSEDU PTE.LTD.への出資を行い、さらに、同社の資金調達を目的とした匿名組合出資を実行いたしました。 なお、当該匿名組合は連結の範囲に含めております。 これらの出資は、本プロジェクトの海外展開推進を目的としており、当社グループの企業価値向上に資すると考えておりますが、同社の事業展開が想定どおりに進まなかった場合には、評価損等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 人材の確保・育成について 当社が今後さらなる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。 現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内研修や各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成および人材の流出に対応した各種施策を推進しております。 なお、現時点では業績や経営環境を踏まえ、採用活動は選択的かつ慎重に進めておりますが、優秀な人材との出会いには柔軟に対応する方針です。 加えて、社内における人材育成の強化にも注力しており、スキルマップに基づくジョブレベルの向上を通じて中核人材の育成を進めております。 また、当社は社員の働きがいや組織への帰属意識の向上を重視しており、エンゲージメント向上に資する施策の導入や、社員の意見を可能な範囲で把握し一定の配慮を行う取り組みを推進しております。 しかしながら、これらの施策が十分に機能せず、社員のモチベーションや組織への定着が低下した場合には、人材の流出や生産性の低下を招き、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。 さらに、高度な技術を持つエンジニアやデータサイエンティスト等の人材の確保競争は激化しており、新規採用や社内育成が計画通りに進まない場合には、適正な人員配置が困難となり、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因となる可能性があります。 これらの状況は当社グループの事業及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。 ⑥ 小規模組織であることについて 当社は小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。 当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合やこれらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。 現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。 また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は688,000株であり、発行済株式総数4,509,300株の15.3%に相当します。 ⑧ 配当政策について 当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していくことを基本方針としております。 しかしながら、当面の間は内部留保の充実を図り、内部留保資金につきましては、優秀な人材の確保や新技術の導入及び独自製品開発に向けた投資に充当し、企業価値の向上に努める方針であります。 そのため、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。 ⑨ 訴訟等について 当社グループは、現時点において提起されている訴訟はありません。 しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。 かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産は、768,846千円となり、前連結会計年度末に比べ323,410千円減少しました。 これは主に、現金及び預金が310,045千円減少したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、64,029千円となり、前連結会計年度末に比べ13,670千円減少しました。 これは主に、未払金が4,887千円、未払費用が3,814千円、前受金が1,926千円、預り金が4,670千円減少したことによるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、704,817千円となり、前連結会計年度末に比べ309,739千円減少しました。 これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が207,902千円減少したことによるものです。 なお、減資及び欠損填補により、資本金が47,135千円、資本準備金が81,295千円減少し、利益剰余金が128,430千円増加しております。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準を維持し、人材需要も全般的に堅調であるなど、緩やかな回復基調を示しました。 一方で、日米金利差の拡大や米国の関税政策に起因する貿易摩擦、ガザ・ウクライナ情勢に伴う地政学リスクの高まりなどにより、企業の投資姿勢は慎重さを増し、不透明な経営環境が続きました。 当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」をパーパスとし、個人の能力を科学的に「見える化」し、その成長を支援するサービスを提供しています。 具体的には、能力データを活用した学習教材や研修プログラムを学校・企業・自治体等に展開するとともに、個人が自身の能力データを安全に管理・活用できる次世代プラットフォームの構築にも注力しており、Web3技術を通じて、個人と組織の可能性を広げることを目指しております。 人的資本投資については、2024年3月期より有価証券報告書における開示要件が拡充され、定量的情報開示の進展が見られましたが、実際の投資行動はなお限定的であり、人材採用や研修関連領域ではコスト抑制の動きが顕著となりました。 その結果、当社のHR事業においても顧客企業の需要低下の影響を受け、一時的に業績が低迷いたしました。 米国においてESG投資を巡る議論が分かれる一方、インパクト投資への注目が一層高まり、人的資本に対する期待が長期的には拡大する兆しを見せています。 当社グループはこうした中長期的な市場動向を踏まえ、今後の持続的成長の基盤を整えるため、人材評価・育成サービスにおけるテクノロジー活用と、将来的な収益性改善に向けた取り組みを着実に進めています。 教育市場においては、新学習指導要領を履修した第一期生が2025年度に卒業期を迎え、「探究的学習」と必修科目「情報Ⅰ」が定着しつつあり、大学入試でも探究型出題が拡大するなど、探究力とデジタルリテラシーへの需要が一段と高まっています。 さらに、文部科学省・経済産業省等による「教育データの利活用」や「個別最適な学びの実現」に向けた政策支援が加速しており、各種補助金・実証事業を通じたEdTechの社会実装が進展しています。 特に、生成AIや教育ビッグデータを活用した次世代教育モデルへの期待が高まる中、教育市場におけるデジタル評価ツールやオンライン学習サービスへの関心も拡大傾向にあります。 当社グループはこうした市場環境の変化に対応し、学校・自治体・教育関連事業者との連携を強化し、データドリブンな教育支援の拡大を目指しています。 暗号資産市場では、ビットコインやイーサリアムETFが米国証券取引委員会(SEC)によって承認され、さらに、米国大統領に再就任したドナルド・トランプ氏の政策的支援も追い風となり、市場の活況が期待されています。 当社グループはブロックチェーン技術を活用した新規事業開発に取り組むことで、人材領域における一時的な業績低迷を補完するべく、新たな成長機会の創出に注力しております。 売上高におきましては、想定と異なる市場環境やプロダクト上の課題に直面し、当初計画していた戦略を十分に適用できない状況が生じました。 加えて、事業環境の変化に迅速に対応するための戦略転換が遅れたことや、これに伴う社内体制の再構築が期待された効果を十分に発揮しなかったことにより、前年同期比で減収となりました。 コスト面におきましては、「GROW360」「Ai GROW」のAI精度向上や機能拡充、多言語対応、UI/UX改善等のソフトウエア開発及び研究開発活動や、サービス向上のためのマーケティング活動に加えて、人的資本(能力)の最大化に向けた人財戦略投資にも継続して取り組んでおります。 一方で、テレワークを推奨し、コスト最適化に努めました。 この結果、当連結会計年度の売上高は602,926千円(前年同期比34.2%減)、営業損失303,135千円(前年同期は営業損失21,667千円)、経常損失295,946千円(同 経常損失21,012千円)、親会社株主に帰属する当期純損失336,333千円(同 21,171千円)となりました。 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。 なお、報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。 報告セグメントの利益(又は損失)は、営業利益(又は損失)ベースの数値であります。 HR事業 HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。 また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、2023年3月期から3年連続で産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を運営支援しております。 しかし、新プロダクトの品質・納期トラブルにより当連結会計年度の当プロダクトでのサービス提供を断念したことや研究会の参画企業数の減少等により、売上高が減少いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は238,249千円(前年同期比30.4%減)、セグメント損失は21,895千円(前年同期はセグメント利益130,209千円)となりました。 教育事業 教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「Ai GROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」、株式会社内田洋行と開発した「Ai GROW Lite」を提供しております。 経済産業省の「働き方改革支援補助金2024」、文部科学省の「最新先端技術及び教育データ利活用に関する実証事業」にも採択されました。 また、国際機関との連携によるアジア地域での非認知能力に関する共同研究、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビアやインドをはじめとした国外市場における「Ai GROW」での海外展開を推進しております。 この結果、当セグメントの売上高は308,698千円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は97,862千円(前年同期比2.5%減)となりました プラットフォーム/Web3事業 Web3領域における市場環境の追い風を受け、2027年3月期でのIEOを目指して事業を推進しております。 人材育成・採用一体型の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスを提供するとともに、当プロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」に対し、資金調達を目的とした匿名組合出資を行い、当法人と連携し、コンサルティングサービスの展開を行っています。 また、秘密計算、ゼロ知識証明といった先端技術への取組みを強化しております。 しかしながら、転職支援サービスについては外部環境の変化等により想定通りに進捗せず、また、前年同期にシステム売却による売上高を計上した影響により、売上高は減少いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は55,978千円(前年同期比80.0%減)、セグメント損失は146,920千円(前年同期はセグメント損失38,912千円)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前連結会計年度末に比べて310,045千円減少し、321,597千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により使用した資金は、225,078千円(前年同期は258,562千円の使用)となりました。 これは主に、減損損失の計上38,096千円、売上債権の減少額92,253千円があったものの、税金等調整前当期純損失の計上334,043千円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、83,946千円(前年同期は26,084千円の使用)となりました。 これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入26,000千円があったものの、ソフトウエア開発に伴う固定資産取得による支出15,258千円、投資有価証券の取得による支出75,000千円、暗号資産の取得による支出19,687千円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は、1,022千円(前年同期は2,662千円の獲得)となりました。 これは主に、新株予約権の発行による収入450千円があったものの、新株予約権の発行による支出1,590千円があったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)HR事業252,46984.329,471193.2教育事業302,82492.4130,04795.7プラットフォーム/Web3事業57,24720.24,158143.9合計612,54067.3163,677106.2 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)前期比(%)HR事業238,24969.6教育事業308,698104.8プラットフォーム/Web3事業55,97820.0合計602,92665.8 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)BOUNDLESSEDU PTE.LTD.250,00027.332,4055.4経済産業省99,67310.959,2719.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 売上高は602,926千円(前年同期比34.2%減)となりました。 セグメント別の売上高については次のとおりとなっております。 HR事業 HR事業では、AI搭載エンジンにより社員や採用候補者の気質・コンピテンシー・スキルを科学的に測定して能力を可視化する「GROW360」を利用したサービスを主に大手企業向けに提供しております。 また、人的資本の情報開示に向けた政府の議論が加速する中、2023年3月期から3年連続で産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」を運営支援しております。 しかし、新プロダクトの品質・納期トラブルにより当連結会計年度の当プロダクトでのサービス提供を断念したことや研究会の参画企業数の減少等により、売上高が減少いたしました この結果、当セグメントの売上高は238,249千円(前年同期比30.4%減)となりました。 教育事業 教育事業では、生徒の多様な能力とその成長に加え、各種教育活動の教育効果を可視化する評価システム「Ai GROW」、生徒のコンピテンシー育成のための動画コンテンツ「GROW Academy」、オンライン英語学習プラットフォーム「e-Spire」、高等学校含め全面実施となった新学習指導要領下で重視される探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」、株式会社JTBと開発した教育効果システム「J’s GROW」、株式会社内田洋行と開発した「Ai GROW Lite」を提供しております。 経済産業省の「働き方改革支援補助金2024」、文部科学省の「最新先端技術及び教育データ利活用に関する実証事業」にも採択されました。 また、国際機関との連携によるアジア地域での非認知能力に関する共同研究、ヤマハ株式会社との連携によるコロンビアやインドをはじめとした国外市場における「Ai GROW」での海外展開を推進しております。 この結果、当セグメントの売上高は308,698千円(前年同期比4.8%増)となりました。 プラットフォーム/Web3事業 Web3領域における市場環境の追い風を受け、2027年3月期でのIEOを目指して事業を推進しております。 人材育成・採用一体型の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスを提供するとともに、当プロジェクトの海外展開を見据えて設立されたシンガポール法人「BOUNDLESSEDU PTE.LTD.」に対し、資金調達を目的とした匿名組合出資を行い、当法人と連携し、コンサルティングサービスの展開を行っています。 また、秘密計算、ゼロ知識証明といった先端技術への取組みを強化しております。 しかしながら、転職支援サービスについては外部環境の変化等により想定通りに進捗せず、また、前年同期にシステム売却による売上高を計上した影響により、売上高は減少いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は55,978千円(前年同期比80.0%減)となりました。 (売上原価及び売上総利益) 売上原価は、主に人件費245,043千円、外注費91,910千円の計上により、405,803千円(前年同期比17.6%増)となりました。 この結果、売上総利益は197,122千円(前年同期比65.5%減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 販売費及び一般管理費は、主に人件費225,956千円、広告宣伝費及び販売促進費52,389千円、支払報酬81,020千円の計上により、500,258千円(前年同期比15.7%減)となりました。 この結果、営業損失は303,135千円(前年同期は営業損失21,667千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 営業外収益は、主に補助金収入18,991千円の計上により19,258千円(前年同期は805千円)となりました。 営業外費用は、主に暗号資産評価損10,331千円の計上により12,069千円(前年同期は151千円)となりました。 この結果、経常損失は295,946千円(前年同期は経常損失21,012千円)となりました。 (特別損益、法人税等合計、当期純損失) 特別利益は、発生しておりません(前年同期は発生なし)。 特別損失は、減損損失の計上により38,096千円(前年同期は発生なし)となりました。 法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税の計上により2,290千円(前年同期は158千円)となりました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は336,333千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失21,171千円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、ソフトウエア開発に係る外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であり、現在、運転資金は自己資金で賄っておりますが、キャッシュ・フローの安定化及び財務基盤の強化を目的として、資本提携を含む他企業との戦略的な提携関係の構築や、金融機関からの借入等、多様な資金調達手段について協議しております。 これにより、将来の事業環境の変化に柔軟に対応可能な体制の整備を図るとともに、持続的な成長に向けた経営の安定性確保に努めてまいります。 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は321,597千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。 当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。 そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のための客観的な指標として、売上高、営業利益の成長性を重視しております。 HR事業では、売上高を「顧客企業数」×「顧客あたりの売上」と捉え、高い売上高成長率の継続に向けて、「顧客数の最大化」と、「複数階層・全社利用や複数のサービスの提供による顧客あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。 教育事業では、売上高を「採用学校数」×「顧客あたりの売上」と捉え、売上高と営業利益の両方で高い成長率を継続するべく、特に「採用学校数の積み上げ」と、「複数のサービスの提供による学校あたり売上の増大」に積極的に取り組んでまいります。 プラットフォーム/Web3事業は、事業の立ち上げ期であり、短期的には計画どおりに事業を進めることを最優先に取り組んでまいります。 セグメント別の各指標の推移は以下のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)売上高(千円)増減率(%)営業利益又は損失(△)(千円)増減率(%)HR事業238,249△30.4△21,895-教育事業308,6984.897,862△2.5プラットフォーム/Web3事業55,978△80.0△146,920-⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因 当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。 また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は26,543千円であります。 その内訳は、自社利用サービスのためのソフトウエアの機能拡充やUI/UX改善等であり、HR事業では、2,595千円、教育事業では、12,689千円、プラットフォーム/Web3事業では、10,817千円、全社費用が、440千円であります。 なお、当社グループはHR事業、教育事業及びプラットフォーム/Web3事業の各セグメントから構成されておりますが、自社のビジネス開発部門にて全セグメントで共通して研究開発活動を行っているため、セグメント別の研究開発活動の概要は記載しておりません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資等の総額は、15,258千円(全額が無形固定資産への投資)であります。 無形固定資産への投資の内訳は、自社利用サービスのためのソフトウエアの新規開発及び機能追加等によるものであり、HR事業において、15,258千円となっております。 当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物工具、器具及び備品ソフトウエアその他合計本社(東京都渋谷区)HR事業教育事業プラットフォーム/Web3事業本社機能ソフトウエア等-----48〔4〕 (注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.本社オフィスは賃借しており、その年間賃借料は9,807千円であります。 3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を〔外書き〕で記載しております。 (2)子会社主要な設備を保有していないため、記載を省略しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 10,817,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 15,258,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 40 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,196,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外を目的として保有する株式を純投資目的以外の目的である投資株式としております。 ② 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容(保有方針)純投資目的以外の目的である株式の保有については、当社の事業拡大を目的とし、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合について、保有していく方針です。 (保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容)純投資目的以外の目的である株式の保有については、当社の取締役会にて、継続的に保有先企業の財政状態及び経営成績の状況についてモニタリングを実施し、事業の状況や投資の効果を確認することで保有の適切性や合理性、保有意義を検討し、保有継続の是非を判断しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額区分当事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式1780 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 780,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 福原 正大東京都渋谷区565,40012.53 岩永 泰典東京都世田谷区325,0007.20 株式会社ウィザス大阪府大阪市中央区備後町3-6-2KFセンタービル290,0006.43 尾田 信夫東京都世田谷区258,6005.73 株式会社SBI証券東京都港区六本木1-6-1248,6965.51 水元 公仁東京都新宿区118,4002.62 楽天証券株式会社東京都港区南青山2-6-21116,5002.58 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1-8-1290,9002.01 谷家 衛New Zealand75,0001.66 上田八木短資株式会社大阪府大阪市中央区高麗橋2-4-270,5001.56計-2,158,99647.87(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てております。 |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 19 |
株主数-外国法人等-個人 | 26 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 14 |
株主数-個人その他 | 2,423 |
株主数-その他の法人 | 34 |
株主数-計 | 2,518 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 上田八木短資株式会社 |
株主総利回り | 0 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式4,508,3001,000-4,509,300合計4,508,3001,000-4,509,300自己株式 普通株式----合計----(注)普通株式の発行済株式総数の増加1,000株は、新株予約権の権利行使による新株の発行による増加によるものであります。 |
Audit
監査法人1、連結 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月24日Institution for a Global Society株式会社 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石原 鉄也 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石田 宏 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているInstitution for a Global Society株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、Institution for a Global Society株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、前連結会計年度までプラットフォーム/Web3事業の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスのローンチに向けて研究開発投資を続けてきたが、外部環境の変化等により、当連結会計年度において、当該サービスの提供が想定どおりに進捗しなかった。 また、HR事業において、新プロダクトによるサービス提供を品質・納期トラブルにより断念したこと、及び「人的資本理論の実証化研究会」の参画企業数が減少したこと等により、当初予定していた戦略を十分に適用できない状況が生じた。 この結果、当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失、及び3期連続となるマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 会社は、このような事象又は状況に対して、財務状況及び事業基盤の早期健全化を図るための取組とともに、翌連結会計年度の資金計画についても慎重に検討を行った結果、当面の資金繰りに重大な懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。 継続企業の前提の評価は、主に経営者が作成した損益計画及び資金計画に基づいて行われるが、当該計画においては、受注確度に応じた売上予測や補助金収入の入金見込み、費用削減策といった経営者の主観的な判断を伴う主要な仮定が含まれており、不確実性が高い。 また、会社は当連結会計年度において、業績予想を大きく下方修正していることから、当該計画の合理性及び実行可能性について、監査上は慎重に検討する必要がある。 加えて、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無は財務諸表利用者にとっても重要な関心事である。 以上より、当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価が当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。 ・ 会社の損益計画及び資金計画の合理性及び実行可能性について、経営者と協議を実施した。 これにより、経営者が過去の業績予想の達成状況や足元の受注状況等を勘案するとともに、経営者の対応策の不確実性を見積りに織り込んでいることを理解した。 ・ 会社の損益計画について、過年度の計画と実績を比較し、当該計画の見積りプロセスの有効性を評価するとともに、当連結会計年度末における会社の見積方法への影響を検討した。 ・ 会社の損益計画のうち主要な売上高については、受注確度に応じて注文書等の受注証憑の閲覧、受注確度が高いことを示す取引資料の閲覧、または過去からの継続的な取引実績を基礎とした受注可能性の検討を行った。 また、主要な補助金収入については、交付決定通知書の閲覧、または当連結会計年度における交付実績の検証を行った。 ・ 会社の損益計画のうち主要な費用については、当連結会計年度の実績値と比較し、主な削減項目については、CFOへの質問、社内決裁資料や取締役会議事録等の閲覧を通じて、その合理性及び実行可能性を検討した。 ・ 上記手続の結果を踏まえて、経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の翌連結会計年度の資金繰りを監査人が独自に検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、Institution for a Global Society株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、Institution for a Global Society株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、前連結会計年度までプラットフォーム/Web3事業の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスのローンチに向けて研究開発投資を続けてきたが、外部環境の変化等により、当連結会計年度において、当該サービスの提供が想定どおりに進捗しなかった。 また、HR事業において、新プロダクトによるサービス提供を品質・納期トラブルにより断念したこと、及び「人的資本理論の実証化研究会」の参画企業数が減少したこと等により、当初予定していた戦略を十分に適用できない状況が生じた。 この結果、当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失、及び3期連続となるマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 会社は、このような事象又は状況に対して、財務状況及び事業基盤の早期健全化を図るための取組とともに、翌連結会計年度の資金計画についても慎重に検討を行った結果、当面の資金繰りに重大な懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。 継続企業の前提の評価は、主に経営者が作成した損益計画及び資金計画に基づいて行われるが、当該計画においては、受注確度に応じた売上予測や補助金収入の入金見込み、費用削減策といった経営者の主観的な判断を伴う主要な仮定が含まれており、不確実性が高い。 また、会社は当連結会計年度において、業績予想を大きく下方修正していることから、当該計画の合理性及び実行可能性について、監査上は慎重に検討する必要がある。 加えて、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無は財務諸表利用者にとっても重要な関心事である。 以上より、当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価が当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。 ・ 会社の損益計画及び資金計画の合理性及び実行可能性について、経営者と協議を実施した。 これにより、経営者が過去の業績予想の達成状況や足元の受注状況等を勘案するとともに、経営者の対応策の不確実性を見積りに織り込んでいることを理解した。 ・ 会社の損益計画について、過年度の計画と実績を比較し、当該計画の見積りプロセスの有効性を評価するとともに、当連結会計年度末における会社の見積方法への影響を検討した。 ・ 会社の損益計画のうち主要な売上高については、受注確度に応じて注文書等の受注証憑の閲覧、受注確度が高いことを示す取引資料の閲覧、または過去からの継続的な取引実績を基礎とした受注可能性の検討を行った。 また、主要な補助金収入については、交付決定通知書の閲覧、または当連結会計年度における交付実績の検証を行った。 ・ 会社の損益計画のうち主要な費用については、当連結会計年度の実績値と比較し、主な削減項目については、CFOへの質問、社内決裁資料や取締役会議事録等の閲覧を通じて、その合理性及び実行可能性を検討した。 ・ 上記手続の結果を踏まえて、経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の翌連結会計年度の資金繰りを監査人が独自に検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、前連結会計年度までプラットフォーム/Web3事業の「ONGAESHIプロジェクト」による転職支援サービスのローンチに向けて研究開発投資を続けてきたが、外部環境の変化等により、当連結会計年度において、当該サービスの提供が想定どおりに進捗しなかった。 また、HR事業において、新プロダクトによるサービス提供を品質・納期トラブルにより断念したこと、及び「人的資本理論の実証化研究会」の参画企業数が減少したこと等により、当初予定していた戦略を十分に適用できない状況が生じた。 この結果、当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失、及び3期連続となるマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 会社は、このような事象又は状況に対して、財務状況及び事業基盤の早期健全化を図るための取組とともに、翌連結会計年度の資金計画についても慎重に検討を行った結果、当面の資金繰りに重大な懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断している。 継続企業の前提の評価は、主に経営者が作成した損益計画及び資金計画に基づいて行われるが、当該計画においては、受注確度に応じた売上予測や補助金収入の入金見込み、費用削減策といった経営者の主観的な判断を伴う主要な仮定が含まれており、不確実性が高い。 また、会社は当連結会計年度において、業績予想を大きく下方修正していることから、当該計画の合理性及び実行可能性について、監査上は慎重に検討する必要がある。 加えて、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無は財務諸表利用者にとっても重要な関心事である。 以上より、当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価が当連結会計年度の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。 ・ 会社の損益計画及び資金計画の合理性及び実行可能性について、経営者と協議を実施した。 これにより、経営者が過去の業績予想の達成状況や足元の受注状況等を勘案するとともに、経営者の対応策の不確実性を見積りに織り込んでいることを理解した。 ・ 会社の損益計画について、過年度の計画と実績を比較し、当該計画の見積りプロセスの有効性を評価するとともに、当連結会計年度末における会社の見積方法への影響を検討した。 ・ 会社の損益計画のうち主要な売上高については、受注確度に応じて注文書等の受注証憑の閲覧、受注確度が高いことを示す取引資料の閲覧、または過去からの継続的な取引実績を基礎とした受注可能性の検討を行った。 また、主要な補助金収入については、交付決定通知書の閲覧、または当連結会計年度における交付実績の検証を行った。 ・ 会社の損益計画のうち主要な費用については、当連結会計年度の実績値と比較し、主な削減項目については、CFOへの質問、社内決裁資料や取締役会議事録等の閲覧を通じて、その合理性及び実行可能性を検討した。 ・ 上記手続の結果を踏まえて、経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の翌連結会計年度の資金繰りを監査人が独自に検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月24日Institution for a Global Society株式会社 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石原 鉄也 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石田 宏 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているInstitution for a Global Society株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第15期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、Institution for a Global Society株式会社の2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
その他、流動資産 | 44,228,000 |
投資有価証券 | 780,000 |
投資その他の資産 | 113,424,000 |
BS負債、資本
未払金 | 90,432,000 |
未払法人税等 | 2,249,000 |
未払費用 | 4,350,000 |
資本剰余金 | 982,467,000 |
利益剰余金 | -333,615,000 |
株主資本 | 698,926,000 |
その他有価証券評価差額金 | -4,000 |
評価・換算差額等 | -4,000 |