財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-25
英訳名、表紙As Partners CO.,LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 兼 CEO 植村 健志
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区神田駿河台二丁目2番地
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-5577-6510(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 当社は、2000年の介護保険制度導入及び将来のさらなる高齢者の増加を見据えたうえで高齢者の住まいのニーズが高まると考え、株式会社タカラレーベン(現:MIRARTHホールディングス株式会社)の出資を受け、発足いたしました。
 2004年11月に東京都千代田区において設立して以降、首都圏においてシニア事業と不動産事業の二つの事業で着実に成長を遂げてまいりました。
 当社設立以後、現在までの沿革は次のとおりであります。
年月事項2004年11月株式会社タカラレーベンの子会社として、株式会社アズパートナーズを東京都千代田区内幸町に設立2005年8月神奈川県横浜市に介護付きホーム「アズハイム横浜東寺尾」を開設(当社1棟目)同一敷地内にデイサービスセンターを併設(当社1事業所目)2006年3月業容拡大のため本社を東京都千代田区有楽町に移転2008年7月株式会社ハートフルより、介護付きホーム事業を譲り受け、神奈川県横浜市に介護付きホーム「アズハイム横浜上大岡」を開設2009年12月収益不動産事業を開始2010年4月理念や運営方針に共感するスタッフを集めるため、新卒採用を開始2010年7月株式会社こころケアプランを吸収合併し、埼玉県さいたま市に介護付きホーム「アズハイム南浦和」を開設2012年4月入居者の移転交渉を含むソリューション事業(老朽化不動産の再生事業)を本格的に開始(大田区池上1丁目案件)2012年12月東京都練馬区に当社初のショートステイ・デイサービスセンター併設業態の「アズハイムテラス練馬」を開設2012年12月業容拡大のため本社を東京都千代田区有楽町「東宝ツインタワービル」に移転2013年4月神奈川県横浜市に介護付きホーム「アズハイム横浜いずみ中央」を開設(当社10棟目)同一敷地内にデイサービスセンターを併設2017年3月当社とベンダーで共同開発したIoT/ICTプラットフォームEGAO linkを全ホームに導入開始2017年11月千葉県松戸市にデイサービスセンター「アズハイム新松戸」を開設(当社10事業所目)2018年12月国分土地建物株式会社より、2棟の介護付きホーム事業(土地及び建物を含む。
)を譲り受け、千葉県市川市に介護付きホーム「アズハイム市川」「アズハイム市川アネックス」を開設2020年1月業容拡大のため本社を東京都千代田区神田駿河台に移転2020年3月神奈川県横浜市に介護付きホーム「アズハイム横浜戸塚」を開設(当社20棟目)2020年8月EGAO linkを当社が運営する全ての介護付きホームに導入完了2022年5月東京都三鷹市に当社初の自社開発物件である介護付きホーム「アズハイム三鷹」を開設2023年10月当社が運営する全ての介護付きホームへの自立支援介護メソッド導入を発表2024年4月東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場2024年11月創業20周年を迎える2025年1月東京都葛飾区に介護付きホーム「アズハイム葛飾白鳥」(当社29棟目)及び同一敷地内にデイサービスセンター(当社17事業所目)を開設シニア事業所が50事業所となる 設立当初は株式会社タカラレーベンの子会社でありましたが、その後、出資割合が徐々に低下し、当事業年度末ではMIRARTHホールディングス株式会社の出資割合は14.4%となっております。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社は、<暮らし>をひとつのテーマとし、「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という思いから社名を「アズパートナーズ」と名付けました。
 「私たちアズパートナーズは、『世代を超えた暮らし提案型企業』として、あらゆる世代の方々の幸せを追求し、私たちに関わる全ての人々が幸せになることを目指します。
」を私たちの使命(MISSION)に掲げて、事業を展開しております。
 当社の事業セグメントは、シニア事業(第21期売上構成比76.0%)と不動産事業(第21期売上構成比24.0%)で構成されております(セグメント間の内部取引を含む)。
 シニア事業は、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)の運営を主たる事業とし、さらにデイサービス(通所介護)事業及びショートステイ(短期入所生活介護)事業を展開しております。
介護付きホームでは、当社とベンダーで共同開発したIoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」による業務効率化や顧客満足度向上を強みにしております。
 また、不動産事業は、介護現場で培った運営ノウハウや長年の不動産ビジネスで蓄積した専門的知識や人脈をフル活用し、介護付きホーム等の土地建物を自社開発するシニア開発事業と、老朽化した集合住宅等の不動産の再生を行うソリューション事業を主たる事業としております。
さらに、賃貸マンションや事務所等の賃貸を行う収益不動産事業を展開しております。
 なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。
事業セグメント事業名称内容シニア事業介護付きホーム事業介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)の運営デイサービス事業デイサービス(通所介護)の運営ショートステイ事業ショートステイ(短期入所生活介護)の運営不動産事業シニア開発事業介護付きホーム等のシニア不動産開発ソリューション事業老朽化した集合住宅等の不動産の再生収益不動産事業マンション等の賃貸 (1)当社の各事業の内容 (シニア事業)シニア事業は、介護付きホーム・デイサービス・ショートステイの運営を通して、要介護・要支援認定を受けている介護ニーズのある高齢者の方々に介護サービスを提供しています。
当社は、超高齢社会・生産年齢人口減少に伴う介護人材の深刻な不足という社会課題解決に貢献することを目的として、業界の常識にとらわれず、様々な挑戦をしてまいりました。
その中で実現したイノベーションを経て、成長と安定を高いレベルで獲得するノウハウを積み上げてきました。
特に介護付きホームにおいては、2017年から、当社とベンダーで共同開発したIoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」を活用した業務効率化・生産性向上策を戦略的に取ることにより、稼働率・サービス力・採用力で大きなインパクトを出すことができました。
 ①介護付きホーム事業介護付きホームとは、介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホーム(介護付有料老人ホーム)等を指します。
(従来「特定施設入居者生活介護」「介護付有料老人ホーム」と呼ばれていましたが、当社が中心となって事業者団体に働きかけ、一般消費者にもわかりやすい「介護付きホーム」という通称を使うようになりました。
事業者団体の名称も「一般社団法人全国特定施設事業者協議会」から「一般社団法人全国介護付きホーム協会」に変更され、厚生労働省の資料においても「介護付きホーム」という通称が使われるようになりました。
)介護付きホームは、介護が必要なご入居者に対し、介護サービス計画(ケアプラン)に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護や日常生活上のお世話、機能訓練及び療養上の世話(看護)を行うと定義されています。
当社は、この定義にとどまらず、ご入居者の「望む暮らし」・自己実現のために、ご入居者の人生歴・生活歴(ナラティブ)の深い情報収集・整理(アセスメント)を行い、生活リハビリ等の自立支援のプロセスと掛け合わせ「夢を叶えるプロジェクト」という個別アクティビティサービスを全ての介護付きホームで提供しています。
「夢を叶えるプロジェクト」は、介護付きホームに入居する以前には自立して行えていたが、その後の心身機能の低下等による理由で自分自身の力では実現が難しくなったことをまたできるようになりたい、といったご入居者のご希望を叶えることを、ただ日常生活上のサービスとして提供するのではなく介護サービス計画(ケアプラン)の目標に設定し、ご入居者とそのご家族、当社の従業員のチームが一体となって実現を目指していく個別アクティビティのことを言います。
また、当社は、当社とベンダーで共同開発した、ご入居者のベッド上の見守り・ナースコール対応・介護サービス提供の記録をスマートフォン上で対応することができるIoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」の導入によって創出された時間を活かして、こうしたサービスを提供しております。
介護付きホームの利用料は、家賃、管理費、水光熱費及び食費と、国が一律で定める介護保険からの介護報酬(入居者はその1~3割を負担)をお支払いいただきます。
当社では、家賃の全額を毎月お支払いいただく「月払い方式」と、家賃の全額又は一部を前払いする「入居一時金方式」を設けております。
価格帯としては、当社の「月払い方式」では月額利用料300,000円台が中心となっており、「入居一時金方式」として家賃全額を前払いして月額利用料を200,000円以下に抑える選択肢を設けています。
例えば、アズハイム大泉学園の料金プランでは、「月払い方式」の月額利用料は370,000円、「入居一時金方式」の入居一時金10,500,000円、月額利用料195,000円となっております。
このような価格帯の商品であることから、中高所得者層を顧客層としております。
 ②デイサービス事業デイサービスとは、介護保険法に基づく「通所介護」の指定を受けたサービスを指し、居宅要介護者について、デイサービスセンターに通っていただき、入浴、排せつ、食事等の介護や日常生活上のお世話、機能訓練を行うことと定義されています。
他の大手事業者を含む多くのデイサービスでは、日常的に家族による介護を受けている要介護者(特に認知症の症状のある方)を日中お預かりし、家族が休息の時間を得ること(レスパイトケア)が主な目的となっています。
また、近年は、要支援者・軽度要介護者に対して、身体機能の維持・向上を図ることに特化した「機能訓練デイサービス」が急速に拡大しています。
当社は、上記のサービスと差別化する戦略をとり、これらのサービスでは満たされない、軽度要介護者の社会的な孤立感を解消し、お一人おひとりの個別性に着眼し、やりたいことに取り組んでいただくデイサービスを提供しております。
デイサービスの利用料は、食費と、国が一律定める介護保険からの介護報酬(利用者はその1~3割を負担)をお支払いいただきます。
様々な所得階層の方が利用されています。
 ③ショートステイ事業ショートステイとは、介護保険法に基づく「短期入所生活介護」の指定を受けたサービスを指し、居宅要介護者について、ショートステイ事業所に短期間入所していただき、入浴、排せつ、食事等の介護や日常生活上のお世話及び機能訓練を行うことと定義されています。
多くのショートステイは、日常的に家族による介護を受けている要介護者(特に認知症の症状のある方)を短期間泊まりでお預かりし、家族が休息の時間を得ること(レスパイトケア)が主な目的となっています。
当社は、デイサービスと同様に、要介護者の社会的な孤立感を解消し、お一人おひとりの個別性に着眼し、やりたいことにも取り組んでいただくショートステイを提供しております。
ショートステイの利用料は、滞在費、食費と、国が一律定める介護保険からの介護報酬(利用者はその1~3割を負担)をお支払いいただきます。
様々な所得階層の方が利用されています。
 (不動産事業)不動産事業は、介護付きホーム等のシニア不動産を開発するシニア開発事業、老朽化した集合住宅等の不動産の再生を行うソリューション事業や、賃貸マンションや事務所等の保有を行う収益不動産事業を展開しております。
①シニア開発事業これまで介護付きホーム等を運営するシニア事業は、土地オーナーの相続税対策や有効活用を求める開発用地情報を得て、土地オーナーに建物を建設していただき、当社がそれを賃借する形で展開しておりました。
一方、2022年に開設した介護付きホーム「アズハイム三鷹」は、当社が老朽化不動産等の土地を仕入れ、当社負担で建物を建てる自社開発により、介護付きホームの開設に至っております。
こうした自社開発の介護付きホームは、当社のこれまでの運営経験・実績に基づく立地選定・建物仕様と高稼働を維持する物件として、不動産事業者、投資家(ヘルスケアリート)等への売却が可能となっており、当社として「シニア開発事業」と位置付けて推進しております。
2025年3月期は新たに「アズハイム習志野」「アズハイム葛飾白鳥」が竣工し、運営を開始しております。
(シニア開発事業の中で当社で介護付きホーム(アズハイム)を運営することを「自社運営」と呼びます。
)さらに、当社が土地を仕入れ、他社が運営する介護付きホーム等を開発・アレンジした上で、不動産事業者、投資家等に売却する「他社事業サポート」型のシニア開発事業も開始しています。
 このように、当社のシニア事業と不動産事業それぞれのノウハウ、経験を活かしたシニア開発事業を推進してまいります。
②ソリューション事業大震災が危惧される首都圏、特に東京23区内において耐震性能に劣る老朽化不動産の再開発を中心としたソリューション事業を展開しております。
老朽化不動産を取得後、既存入居者の移転交渉を進め、建物解体後は、主に不動産業者、エンドユーザー等に土地を売却しています。
建物を建てず土地で売却することで、マーケットの急落等の価格変動リスクや、建築コスト上昇リスクを回避し、安定的な運営を図っています。
アズハイム三鷹の例のように、老朽化不動産の再開発をきっかけにシニア開発事業へとつながるケースもあります。
③収益不動産事業既存の賃貸マンションや事務所等の収益不動産を取得し、テナント・賃借人等へ賃貸する収益不動産事業も、物件を厳選しながら高い利回りが期待できる物件を中心に取り組んでおります。
今後の不動産事業については、これまで通りシニア開発事業、ソリューション事業、収益不動産事業の3本柱で事業を行っていく方針であり、当社の強みを発揮できるシニア開発事業(土地仕入から施設売却まで行う)を段階的に増やしていきたいと考えております。
ソリューション事業については、今後の不動産市況を鑑み事業の拡大を判断していく予定です。
収益不動産事業については、これまで通り収益性・資産性が高い物件に厳選して取得検討を行っていきたいと考えております。
(2)当社のシニア事業の事業所所在地と事業拠点数介護サービスの事業拠点数は、2025年3月31日現在において、介護付きホーム29事業所、デイサービス17事業所、ショートステイ4事業所となります。
当社では、主に首都圏エリアにおいて介護サービスのドミナント戦略をとっております。
ドミナント戦略によるメリットとして、主にご入居者・ご利用者の確保及び人材の確保・育成が挙げられます。
介護付きホームの入居希望の場合、当社の複数のホームでの入居検討が可能となります。
また、デイサービスやショートステイの利用者が介護付きホームに入居されることもあります。
介護人材の確保の観点からは、地域に当社の事業が知られていることが従業員の採用に有利に働きます。
また、新たな事業所を開設する場合や従業員のキャリアアップのためにも、近隣の事業所から人事異動を行うことが容易となります。
さらに、中長期的に人口や世帯数が安定している地域が需給面でも望ましいと考えております。
こうした観点から、当社としては首都圏エリア(人口が密集する国道16号線の内側が中心とし、交通利便性でスタッフやご入居者のご家族にも配慮)に事業所を展開しております。
今後も各事業年度において介護付きホーム及びデイサービスを数事業所開設し、うち1~2事業所は自社で不動産を取得する自社開発とする方針であります。
具体的には2026年3月期において介護付きホーム4事業所及びデイサービス2事業所の開設を予定しております。
事業所所在地介護付きホームデイサービスショートステイ小計計東京都新宿区1 123文京区1 1江東区1 1品川区1 1大田区1 1杉並区1 1板橋区 213練馬区3115江戸川区1 1葛飾区11 2三鷹市11 2府中市 1 1町田市11 2狛江市 1 1神奈川県横浜市52 710川崎市1 1相模原市 112埼玉県さいたま市321611川越市21 3越谷市 1 1三郷市1 1 事業所所在地介護付きホームデイサービスショートステイ小計計千葉県千葉市1 15市川市2 2松戸市 1 1習志野市1 1茨城県水戸市 1 11合計291745050  以上をまとめた当社の事業内容を示す事業系統図は次のとおりであります。
[用語解説] 用語解説EGAO linkEGAO linkとは、パラマウントベッド株式会社・アイホン株式会社・株式会社ケアコネクトジャパン・住友電設株式会社と共同開発した、IoT/ICTプラットフォームであり、当社が運営する全ての介護付きホームに設置しています。
EGAO linkは、ご入居者のベッド上の見守り・ナースコール対応・介護サービス提供の記録をスマートフォン上で対応することができるものです。
要介護介護保険法に定義された、身体上又は精神上の障害があるために日常生活における基本的な動作の全部又は一部について常時介護を要する状態をいいます。
要支援介護保険法に定義された、身体上若しくは精神上の障害があるために日常生活における基本的な動作の全部又は一部について常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態をいいます。
要介護・要支援認定介護保険の給付を受けるため、要介護者又は要支援者に該当すること及びその該当する要介護・要支援状態区分について、市町村が行う認定のことをいいます。
特定施設特定施設とは、厚生労働省が定めた介護保険法の基準(人員基準・設置基準・運営基準)を満たすものとして都道府県や市区町村に届け出て、特定施設入居者生活介護の事業指定を受けた有料老人ホーム等のことをいいます。
特定施設入居者生活介護(介護付きホーム)特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者を対象として行われる、日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話のことであり、介護保険の対象となります。
特定施設入居者生活介護の指定を受けた事業所の通称を「介護付きホーム」といいます。
なお、介護付きホームは、他の有料老人ホームとは異なり、介護報酬が固定額であるため、事業者側から見ると安定的な収益が見込みやすい事業です。
さらに、介護付きホームは、自治体による指定が必要なため、運営実績のない事業者には高い参入障壁となります。
一般社団法人全国介護付きホーム協会一般社団法人全国介護付きホーム協会とは、介護付きホームを運営する事業者を会員とする、行政との折衝、セミナーや研修の開催、情報提供及び地域活動を行う団体です。
2013年には当社代表取締役社長 兼 CEOの植村健志が理事に就任し(当時の名称は一般社団法人全国特定施設事業者協議会)、2015年からは副代表理事を務めております。
通所介護(デイサービス)通所介護は、当該デイサービスに通う利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び、心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体及び精神的負担の軽減を図るサービスをいいます。
デイサービスでは利用者の自宅から施設までの送迎も行います。
通所介護サービスや当該サービスの指定を受けた事業所の通称を「デイサービス」といいます。
短期入所生活介護(ショートステイ)短期入所生活介護は、当該施設に宿泊している要支援・要介護認定を受けた利用者に対して、利用者がその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活が営むことができるよう、利用者が短期間入所し、当該施設において入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うサービスをいいます。
短期入所生活介護サービスや当該サービスの指定を受けた事業所の通称を「ショートステイ」といいます。
ドミナント戦略特定の地域において集中的に事業所を展開する経営戦略を意味します。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
 該当事項はありません。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)879(685)32.54.34,552 セグメントの名称従業員数(人)シニア事業803(678)不動産事業12(1)報告セグメント計815(679)全社(共通)64(6)合計879(685) (注)1.従業員数は就業人員であり、( )内に契約社員及びパート社員の年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
4.従業員数が前事業年度末に比べ68人増加したのは、新卒採用人数が2025年3月期実績(2024年4月入社)で190名増加したことによるものであります。
(2)労働組合の状況当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者40.481.880.292.988.0・対象年度:第21期事業年度 (2024年4月1日~2025年3月31日) ・対象:正社員及び正規雇用労働者(社外への出向者を除く) ・賃金:通勤手当を除く課税総額 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 経営の基本方針 当社は、「私たちアズパートナーズは、『世代を超えた暮らし提案型企業』として、あらゆる世代の方々の幸せを追求し、私たちに関わる全ての人々が幸せになることを目指します。
」を企業理念として、超高齢社会や著しい介護人材不足等の社会課題に挑み、あらゆる世代が希望と幸せに溢れる持続可能な社会づくりに貢献してまいります。
 介護サービス事業においては、「お客様(高齢者)第一主義の精神」を軸として、「精神的なサポート」、「安心・安全な暮らし」、「快適な住空間の提供」、「(お客様の)ご自分らしい生活」をサービス理念として掲げ、お客様が自身の暮らしに希望や想いを持ち、豊かな暮らしを実現することを目指しております。
 従業員行動規範は、「思いやり」、「謙虚かつ誠実」、「人の笑顔をつくる」、「自ら考え行動する」、「成長を楽しむ」、「信頼される」、「人を幸せにする」からなり、これらの実践を通して、従業員がやりがい持ち、成長を実感しながら、「お客様が望む暮らしを一緒に共創」してまいります。
 上記、企業理念、サービス理念、従業員行動規範に基づき事業を展開し、事業計画を堅実・着実に推進することにより、経営基盤が強化・成長するとともに、財務体質の安定に努め、社会に貢献いたします。

(2) 経営戦略当社は、「世代を超えた暮らし提案型企業」を使命として、超高齢社会、生産年齢人口の減少などの社会環境の中で、あらゆる方々の「暮らし」の課題解決、幸せの追求に取り組んでまいります。
中核となるシニア事業の介護付きホーム事業は、超高齢社会の到来を迎え、「施設ではなく住まいでありたい」の想いで高齢者の「住まい」を提案してまいりました。
そこで暮らすご入居者の良きパートナーとして支え続けるためには、スタッフの笑顔が基礎となるとの考えから、「EGAO link」を導入し、業務効率化と生産性向上を実現しています。
この「EGAO link」を事業の核として、さらに生産性向上やデータに基づく根拠のある介護(科学的介護)を磨き、介護DXを推進してまいります。
こうした強みを活かし、介護付きホームの大規模化による収益性向上を進めております。
デイサービス事業は、他社と差別化した、在宅でお暮しの「ひとり」を感じている方の居場所としてのサービスを広げてまいります。
高齢者の幸せを追求し、質の高いサービスを提供することにより、地域に評価され、稼働率向上につながるものと考えております。
シニア事業を支える人材は、「EGAO link」による働きやすさと働きがいを訴求し、当社の理念に共感する新卒採用の実績を積み重ねております。
今後は、いわば「介護DX人材」として、当社の中核人材、さらには介護業界を変える人材として育成してまいります。
不動産事業では、安心・安全な街づくりに貢献すべく、老朽化した共同住宅等を価値ある不動産に再生する提案を継続してまいります。
さらにシニア事業運営の強みを活かし、介護付きホーム等の超高齢社会に求められる価値ある不動産開発(シニア開発)も広げてまいります。
これらの事業について、今後は業界全体を変えていく強い想いで、「EGAO link」の紹介、「介護DX人材」による他法人に対する介護DXコンサルティングや当社のノウハウをシステム・アプリ化する成長戦略・成長機会を描いております。
またシニア開発事業も、当社が運営する形態(自社運営)、他社の事業をサポートする形態(他社事業サポート)の両面を広げてまいります。
このように、当社は、人口構造と社会環境の変化の中で、介護DXによりサステナブルな介護業界に変革する提案を続け、事業の継続性の観点から営業利益を重視して、持続的な成長を図ってまいります。
(3) 経営環境① 都市部における要介護高齢者の急速な増加に伴う介護サービスの需要拡大当社のシニア事業の対象者である要介護高齢者の市場については、今後も拡大することが見込まれています。
認知症高齢者の増加、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していくこと、さらに都市部では75歳以上人口が急速に増加することが見込まれており、厚生労働省は、更なる介護サービスの基盤の整備が必要であると分析しています。
特に、当社の介護付きホームの入居者の中心となる85歳以上人口については、2035年頃まで急速な増加が見込まれています。
② 介護付きホームの「総量規制」と他の高齢者向け住まいの増加当社のシニア事業の中心となる介護付きホーム(特定施設入居者生活介護)については、2000年4月の介護保険制度において制度化されました。
2006年4月より、地方自治体の介護保険事業(支援)計画に基づく「総量規制」が設けられ、多くの地方自治体では「公募制度」により新たな介護付きホームの選定を行っています。
一方、介護付きホーム(特定施設入居者生活介護)の指定を受けていない住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅については、総量規制の影響も受けないことから、引き続き事業所数が増加しております。
③ 生産年齢人口の急減に伴う介護労働市場の課題一方、人口構造の推移を見ると、今後生産年齢人口は急減することが想定されており、他の産業を含めた人材不足が予測されております。
都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2040年度には約272万人(2022年度と比較して57万人の増加)(注)となっており、ますます介護人材の確保は困難になると見込まれています。
(注)厚生労働省社会保障審議会介護保険部会(第116回)(令和6年12月23日)資料3「介護保険制度をめぐる状況について」109ページ ④ 科学的介護と生産性の向上の取組み厚生労働省においては、「介護職員のやりがい・定着・キャリアアップにもつながる職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進していくこと」、「具体的には、介護ロボットや ICT 等のテクノロジーやいわゆる介護助手の活用」などにより、「サービスの質の向上と業務負担の軽減を図ることが重要である」とされています。
また、「介護現場において科学的介護の取組が進むよう2021年度介護報酬改定より開始されたLIFE(科学的介護情報システム)を活用した質の高い介護を進めていくことが必要である」(注)とされています。
(注)令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(令和5年12月19日)11~12ページこうした中で、当社は、2017年にIoT/ICTプラットフォーム「EGAO link」を開発、導入開始し、2020年にはすべての介護付きホームに導入を完了しております。
また、当社では「EGAO link」に蓄積されたデータを活用した根拠のある介護(科学的介護)を推進しています。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等①自立支援に向けた科学的介護の実践によるご入居者の「望む暮らし」の実現後述の「EGAO link®」の導入によって創出された時間を活かして、ご入居者の「望む暮らし」の実現に向けた個別ケアが可能となるオペレーションを開発し、サービスの質の向上に努めております。
さらに「EGAO link®」により得られるデータや、記録システムに蓄積されたデータに基づく科学的介護(Evidence Based Care:EBC)を深化させ、より一層のサービスの質の向上を図っております。
2023年9月からは、自立支援に向けた科学的介護のケアメソッドを導入することにより、自立度が大幅に改善するご入居者が各ホームにみられており、さらなる浸透を図ってまいります。
②IoT/ICTプラットフォーム「EGAO link®」等による生産性向上生産年齢人口の減少に伴い、介護業界も人材確保が困難となっております。
当社においては、まず従業員の働きやすさと働きがいを実現するため、ベンダーと共に、IoT/ICTプラットフォーム「EGAO link®」を共同開発しました。
これにより、従来は紙で処理をしていた介護記録をスマートフォンで簡単に記録入力ができ、また、スマートフォンでご入居者のベッド上での状態を把握できることから夜間定期巡回業務をカットすることができる等、大きく業務効率が向上しました。
さらに記録システムに蓄積されたデータを日々のケアに活かすためのBI(Business Intelligence)ダッシュボードや生成系AIを活用したケアプラン作成システムの実用化に取り組み、更なる生産性向上を図ってまいります。
③ 働きやすさと働きがいの実現・アピールと運営方針に共感する新卒採用の好循環 当社は「EGAO link®」と科学的介護を中心とした新しい方針を展開するためには、当社の理念や運営方針に共感する従業員を確保することが必要と考え、人材確保は新卒採用に重点を置いております。
 当社は「EGAO link®」による働きやすさとそれにより「個別ケア」に取り組むことができる働きがいを学生にアピールすることができ、3年連続で新卒採用170名以上を実現する好循環が生まれています。
 今後、さらなる生産年齢人口の減少に伴い、労働市場はますます厳しくなることから、従業員の働きがいの向上とそのアピールに力を入れてまいりたいと考えております。
④ 首都圏における介護付きホームのドミナント展開 介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)は、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームと異なり、地方自治体の介護保険事業(支援)計画に基づく「総量規制」により参入障壁がありますが、介護報酬が包括報酬のため運営の自由度が高いサービスとなっております。
当社の運営ホームは、現時点も今後の開設予定もすべて介護付きホームであり、大規模事業者の中で運営ホームがすべて介護付きホームであることは数少なく、当社の競争優位性となっています。
 当社は、この介護付きホームを、人口が密集し中高所得者が多く住む首都圏の国道16号線の内側を中心にドミナント展開(特定の地域に集中的に事業所を展開すること)しております。
2025年3月末現在、29の介護付きホームを運営しておりますが、2026年3月期に4事業所、2027年3月期に4事業所開設し事業を拡大するとともに、展開エリアでの認知度向上を図り、稼働率向上を図っていきます。
⑤ 介護DXコンサルティングの事業化 介護業界全体では、介護ICTの活用が進んでおりません。
今後の生産年齢人口減少に伴い他産業を含めた人材不足が進みます。
一方で、国は2024年度介護報酬改定において「生産性向上推進体制加算」を創設したり、科学的介護情報システム(LIFE)の活用を促進することにより、介護事業所のDX化を支援しています。
 こうした状況を踏まえ、当社の「EGAO link®」による業務効率化と生産性向上の経験・実績をもとに、パラマウントベッド株式会社を含む4社と協働して「EGAO link®」を広めていく活動を推進しています。
当社は、「EGAO link®」の導入等の介護DXを進める介護事業者に対し、導入方法の指導、スタッフ向け研修等の支援・コンサルティングも広げてまいります。
この介護DXのコンサルティングの事業化をさらなる成長戦略の柱として描いております。
 このように、当社として介護事業者のDX化を支援することにより、要介護高齢者の増加と担い手不足の介護業界の課題解決を担っていきたいと考えております。
⑥ シニア開発事業の拡大 当社のシニア事業と不動産事業のシナジーを活かし、2022年に開設した「アズハイム三鷹」では、当社が老朽化不動産等の土地を仕入れ、当社負担で建物を建て、開設後に土地建物を売却する事業(シニア開発事業)が実現しました。
当社の介護付きホームの運営経験・実績に基づく立地選定・建物仕様、高い稼働率等の運営実績を前提として、収益性が高い事業計画が立案できるため、建物完成後は、ヘルスケアリートやファンドなどの投資家へ有利な条件での売却が可能となっています。
(売却後も、売却先から当社が土地建物を賃借し、当社のシニア事業として運営を継続します。
) 超高齢社会における介護付きホーム等の事業拡大ニーズを捉えて、収益性が高く、当社の強みを活かせるシニア開発事業を今後も伸ばしてまいります。
⑦ 不動産事業における財務上の課題 当社における不動産事業は、シニア開発事業の土地取得・建物建築、ソリューション事業の販売用不動産の仕入等の資金として、主として金融機関からの借入等に依存しております。
そのため、金利の変動による金利負担の増加や、在庫の長期化、固定資産の増加により自己資本比率が減少する可能性があります。
 したがって、これらの財務上の課題に対処する観点から、シニア開発物件は開発後の売却を前提とし、ソリューション事業の販売用不動産においても在庫の早期回転を重視しております。
これにより、適正な在庫・固定資産の水準と財務バランスの安定性を鑑みながら堅実かつ安定的な成長を達成することを意識してまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社は、事業を展開する各地域において、介護サービスを必要としている多くの方々にお客様それぞれのニーズに合わせて介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス及びショートステイをご利用いただくという点から、また、売上・収益に直結する指標でもあることから、稼働率を重要指標としております。
なお、介護付きホームの稼働率は稼働室数÷総居室数、デイサービスの稼働率はのべ利用者数÷(定員数×稼働日数)、ショートステイの稼働率はのべ稼働室数÷(総居室数×日数)であります。
また、全社的にはシニア事業及び不動産事業を両輪として安定的に堅実に成長していくことが重要であると考えていることから、全社的な経営指標としては、営業利益としております。
稼働率及び営業利益については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について」に記載のとおりです。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(当社のサステナビリティ経営の基本方針) 当社は「私たちアズパートナーズは、『世代を超えた暮らし提案型企業』として、あらゆる世代の方々の幸せを追求し、私たちに関わる全ての人々が幸せになることを目指します。
」を私たちの使命(MISSION)としております。
 この使命(MISSION)の遂行にあたり、サステナビリティに関する諸課題への適切な対応が重要な経営課題であると認識しております。
当社は3つの提案を軸に多くのステークホルダーの皆さまとの協働を通じて、持続可能な社会の実現に貢献すると共に、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
目指す姿取組みの内容少子高齢社会の持続可能性を提案・EGAO linkと科学的介護で新しい介護サービスを提案・新卒社員を中心とした若手介護人材の育成により、少子高齢社会における持続可能な介護サービスの提供に寄与多様な人の幸せを提案(DE&I)・社員が楽しく、ウェルビーイングな働きがいのある職場環境づくり・介護サービスを通して、お客様お一人おひとりの望む暮らしの実現、最期までその人らしい暮らしをサポートサステナブルな街づくりを提案・新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生・屋上庭園付きの介護付きホームでお客様の居場所づくりと共に、環境改善へ取り組む (1)サステナビリティ全般に関する考え方①ガバナンス 当社は、サステナビリティ経営推進における重要事項を決定する組織として、サステナビリティ委員会を設置しております。
本委員会は、「少子高齢社会の持続可能性」「多様な人の幸せの提案」「サステナブルな街づくり」という3つの提案に焦点を当て、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上を両立させることを目的としております。
 アクションプランの策定にあたっては、社内で選抜されたメンバーで構成された「サステナビリティプロジェクト」が、実効性のある取組みの立案と実行を担い、本委員会が支援しております。
 こうした活動のもと、当社は、社会課題への対応と経営方針とを統合し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向けた取組みを進めております。
 サステナビリティ委員会の構成は以下のとおりであります。
 (構成員の氏名) 委員長 代表取締役社長 植村健志     取締役     伊藤啓敏、松尾篤人、山本皇自     執行役員    中元亮介、長田洋、清水祐樹     経営管理部部長 木地陽介     広報・事業開発部部長 川﨑学     企画戦略部副部長 可知雅子 サステナビリティ委員会は、月に1回開催しております。
②リスク管理 当社はサステナビリティ経営推進に関わる対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築すると共に、取締役会による監督を行っております。
(2)人的資本・多様性に関する考え方当社の人的資本経営戦略において、人材育成を最重要課題と位置付けており、その方針として「提案人材」の育成を掲げております。
2025年3月期までは「提案人材」を「自分事として捉え、提案・実行・解決できる人材」として定義しておりましたが、2026年3月期からは「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」へと再定義しました。
この定義の再構築は、変化を自らの成長機会と捉えることと、そのような一人ひとりのチャレンジが自らの属する組織のレジリエンス(強靭性)につながっていることを強調する趣旨です。
すなわち、社員一人ひとりが変化を前向きに捉えるとともに、そのような個人のチャレンジを組織の取組みとして全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンスが両輪となって、当社の持続的な成長、長期的な企業価値の向上をもたらすものと考えております。
さらに、当社は、当社の「企業価値」を、売上高、利益、キャッシュ・フローといった財務指標で測られる「経済的価値」と、社員を含むステークホルダーや環境資源を含む社会一般に対して当社が還元する価値としての「社会的価値」の総和と捉えており、両方の価値を長期的に向上させることを目指しております。
すなわち、当社の財務指標の成長を目指しながら、それを実現するための前提として経営資源提供者(ステークホルダー)へ価値を還元していくこと目指しております。
とりわけ後者については、「社会インパクトの創出」として充実させる取組みを行っております。
社会インパクトとは、当社のシニア事業において、「EGAO link」の導入や科学的介護で培った業務効率化や生産性向上といったこれまでの当社の事業を通じて培った質の高いサービスを提供できるノウハウを介護業界全体に展開し、現場の質的改善や人材不足といった業界に広がる構造的課題に寄与すること、そしてその変革を支える資質を備えた人材を育成・輩出していくこと指しております。
また、不動産事業においては、新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生と屋上庭園付きの介護付きホームの取組みを通じて、地域の安全性向上や環境改善に寄与しております。
これらの取組みにより、地域社会の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを指しております。
これらの取組みは、当社の経済的価値を向上させるためのシニア事業及び不動産事業の経営戦略と直結しており、人的資本の強化を通じて事業の成長と社会課題の解決とを両立させるものです。
すなわち、当社は人的資本への投資を単なる人材育成にとどめず、持続可能な社会を構築するための経営資源と捉え、その成果を業界全体に波及させる(還元する)ことで中長期的な企業価値の向上と経営戦略の実現を図っております。
このような取組みは従業員のやりがいや成長機会の創出、ならびに質の高い人材獲得にもつながり、当社のプロミスである「7つの行動規範」(PROMISE)の実践をより確かなものとするものです。
これにより「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という当社の思い(VISION)、「世代を超えた暮らし提案型企業」という私たちの使命(MISSION)を実現し、ステークホルダーの皆さまに長く選ばれ続ける企業を目指して取り組んでまいります。
<アズパートナーズのVISION/MISSION/PROMISE> ・2025年3月期 ・2026年3月期2025年3月期における当社の「提案人材」は、7つの行動規範を土台とし、「採用戦略強化」「従業員育成」「健康管理」「ダイバーシティ」「エンゲージメント向上」の5つの柱を組み合わせて育成される人材として位置付けておりました。
このフレームは、当社の人的資本経営の原点として、一定の成果を上げてまいりました。
2026年3月期より、これまでの取組みを進化させるために、以下のポイントを踏まえて、人的資本経営を推進してまいります。
■育成構造の可視化と人材戦略の流れを明確化従来は5本の柱で構成していた枠組みを、提案人材の輩出から文化形成に至るまでのプロセスとして流れで表現し、企業理念・戦略・取組み・行動・成果のつながりを可視化しました。
これにより、提案人材育成がどのように企業価値と社会価値に結びつくかをより明確に示します。
■人事戦略と企業価値・社会価値との循環関係を可視化2026年3月期の新しいフレームでは、育成した「提案人材」が当社のVISION/MISSION/PROMISEの実現を支え、さらに中長期的な企業価値や財務インパクト・社会インパクト創出へとつながる循環構造が可視化されております。
これは、当社の人事戦略の経営戦略との連動を示します。
■「エンゲージメントの向上」の位置づけを再定義従来は育成の柱のひとつとしていた「エンゲージメントの向上」を、他の構成要素が機能した結果として現れる効果と再定義しました。
■構成項目「ウェルビーイングの向上」を設置これまで「エンゲージメントの向上」の中に内包されていた「ウェルビーイングの向上」を、提案人材の土台を形成する独立した構成要素として追加しました。
これは社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力と定義しました。
ウェルビーイングは、今後の人的資本経営において重要な土台と考えております。
以上のように、当社は人的資本経営における戦略を「人材育成」だけにとどめず、組織文化形成や社会課題の解決と結びつけるものと捉えており、再構築した戦略を通じて、「世代を超えた暮らし提案型企業」という当社のMISSIONの実現と企業価値の向上を目指してまいります。
①人材確保と採用戦略の強化 当社は、新卒採用を重視しております。
新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
 新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。
新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
 また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。
新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。
これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)指標2022年3月期実績(2021年4月入社)2023年3月期実績(2022年4月入社)2024年3月期実績(2023年4月入社)2025年3月期実績(2024年4月入社)新卒者113人174人178人190人特定技能の外国人材---11人 ②従業員育成とキャリアチャレンジ制度 従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
 ・研修プログラム 専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。
また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。
また、新卒者を対象に、入社後5年後まで行われるフォローアップ研修を実施し、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置 従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。
社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
 また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。
従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
 これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実 従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。
定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
 特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。
二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
④ダイバーシティの推進 当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差 当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は40.4%(係長相当職:19.5%)、会社全体の男女の賃金格差は80.2%(74.8%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。
当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。
また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
 ※( )内は「出典:令和5年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」指標2023年3月期2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期目標女性管理職比率 ※140.0%39.8%40.4%41.0%以上男女間賃金格差78.4%78.2%80.2%78.4%以上男性育児休業取得28.6%50.0%81.8%85.0%以上女性育休復帰率※281.8%90.0%90.5%95.0%以上女性育休復帰後定着率※263.6%80.0%85.7%90.0%以上  ※1 ケアチーフ以上  ※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員⑤ウェルビーイングの向上 当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
 全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施) 従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。
面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。
従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。
これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。
この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施) 当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
 調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用されます。
 さらに、フラットな企業風土の醸成と対話の機会として、イベント開催やサークル活動を行っております。
・全社方針発表 当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。
この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。
全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会 毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。
総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動 当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。
部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
 2025年3月期末時点では、多様な趣味や関心を反映した10のサークルが活動中です。
スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。
各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。
また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
 今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。
戦略 (2)人的資本・多様性に関する考え方当社の人的資本経営戦略において、人材育成を最重要課題と位置付けており、その方針として「提案人材」の育成を掲げております。
2025年3月期までは「提案人材」を「自分事として捉え、提案・実行・解決できる人材」として定義しておりましたが、2026年3月期からは「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」へと再定義しました。
この定義の再構築は、変化を自らの成長機会と捉えることと、そのような一人ひとりのチャレンジが自らの属する組織のレジリエンス(強靭性)につながっていることを強調する趣旨です。
すなわち、社員一人ひとりが変化を前向きに捉えるとともに、そのような個人のチャレンジを組織の取組みとして全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンスが両輪となって、当社の持続的な成長、長期的な企業価値の向上をもたらすものと考えております。
さらに、当社は、当社の「企業価値」を、売上高、利益、キャッシュ・フローといった財務指標で測られる「経済的価値」と、社員を含むステークホルダーや環境資源を含む社会一般に対して当社が還元する価値としての「社会的価値」の総和と捉えており、両方の価値を長期的に向上させることを目指しております。
すなわち、当社の財務指標の成長を目指しながら、それを実現するための前提として経営資源提供者(ステークホルダー)へ価値を還元していくこと目指しております。
とりわけ後者については、「社会インパクトの創出」として充実させる取組みを行っております。
社会インパクトとは、当社のシニア事業において、「EGAO link」の導入や科学的介護で培った業務効率化や生産性向上といったこれまでの当社の事業を通じて培った質の高いサービスを提供できるノウハウを介護業界全体に展開し、現場の質的改善や人材不足といった業界に広がる構造的課題に寄与すること、そしてその変革を支える資質を備えた人材を育成・輩出していくこと指しております。
また、不動産事業においては、新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生と屋上庭園付きの介護付きホームの取組みを通じて、地域の安全性向上や環境改善に寄与しております。
これらの取組みにより、地域社会の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを指しております。
これらの取組みは、当社の経済的価値を向上させるためのシニア事業及び不動産事業の経営戦略と直結しており、人的資本の強化を通じて事業の成長と社会課題の解決とを両立させるものです。
すなわち、当社は人的資本への投資を単なる人材育成にとどめず、持続可能な社会を構築するための経営資源と捉え、その成果を業界全体に波及させる(還元する)ことで中長期的な企業価値の向上と経営戦略の実現を図っております。
このような取組みは従業員のやりがいや成長機会の創出、ならびに質の高い人材獲得にもつながり、当社のプロミスである「7つの行動規範」(PROMISE)の実践をより確かなものとするものです。
これにより「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という当社の思い(VISION)、「世代を超えた暮らし提案型企業」という私たちの使命(MISSION)を実現し、ステークホルダーの皆さまに長く選ばれ続ける企業を目指して取り組んでまいります。
<アズパートナーズのVISION/MISSION/PROMISE> ・2025年3月期 ・2026年3月期2025年3月期における当社の「提案人材」は、7つの行動規範を土台とし、「採用戦略強化」「従業員育成」「健康管理」「ダイバーシティ」「エンゲージメント向上」の5つの柱を組み合わせて育成される人材として位置付けておりました。
このフレームは、当社の人的資本経営の原点として、一定の成果を上げてまいりました。
2026年3月期より、これまでの取組みを進化させるために、以下のポイントを踏まえて、人的資本経営を推進してまいります。
■育成構造の可視化と人材戦略の流れを明確化従来は5本の柱で構成していた枠組みを、提案人材の輩出から文化形成に至るまでのプロセスとして流れで表現し、企業理念・戦略・取組み・行動・成果のつながりを可視化しました。
これにより、提案人材育成がどのように企業価値と社会価値に結びつくかをより明確に示します。
■人事戦略と企業価値・社会価値との循環関係を可視化2026年3月期の新しいフレームでは、育成した「提案人材」が当社のVISION/MISSION/PROMISEの実現を支え、さらに中長期的な企業価値や財務インパクト・社会インパクト創出へとつながる循環構造が可視化されております。
これは、当社の人事戦略の経営戦略との連動を示します。
■「エンゲージメントの向上」の位置づけを再定義従来は育成の柱のひとつとしていた「エンゲージメントの向上」を、他の構成要素が機能した結果として現れる効果と再定義しました。
■構成項目「ウェルビーイングの向上」を設置これまで「エンゲージメントの向上」の中に内包されていた「ウェルビーイングの向上」を、提案人材の土台を形成する独立した構成要素として追加しました。
これは社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力と定義しました。
ウェルビーイングは、今後の人的資本経営において重要な土台と考えております。
以上のように、当社は人的資本経営における戦略を「人材育成」だけにとどめず、組織文化形成や社会課題の解決と結びつけるものと捉えており、再構築した戦略を通じて、「世代を超えた暮らし提案型企業」という当社のMISSIONの実現と企業価値の向上を目指してまいります。
①人材確保と採用戦略の強化 当社は、新卒採用を重視しております。
新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
 新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。
新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
 また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。
新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。
これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)指標2022年3月期実績(2021年4月入社)2023年3月期実績(2022年4月入社)2024年3月期実績(2023年4月入社)2025年3月期実績(2024年4月入社)新卒者113人174人178人190人特定技能の外国人材---11人 ②従業員育成とキャリアチャレンジ制度 従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
 ・研修プログラム 専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。
また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。
また、新卒者を対象に、入社後5年後まで行われるフォローアップ研修を実施し、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置 従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。
社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
 また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。
従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
 これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実 従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。
定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
 特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。
二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
④ダイバーシティの推進 当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差 当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は40.4%(係長相当職:19.5%)、会社全体の男女の賃金格差は80.2%(74.8%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。
当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。
また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
 ※( )内は「出典:令和5年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」指標2023年3月期2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期目標女性管理職比率 ※140.0%39.8%40.4%41.0%以上男女間賃金格差78.4%78.2%80.2%78.4%以上男性育児休業取得28.6%50.0%81.8%85.0%以上女性育休復帰率※281.8%90.0%90.5%95.0%以上女性育休復帰後定着率※263.6%80.0%85.7%90.0%以上  ※1 ケアチーフ以上  ※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員⑤ウェルビーイングの向上 当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
 全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施) 従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。
面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。
従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。
これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。
この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施) 当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
 調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用されます。
 さらに、フラットな企業風土の醸成と対話の機会として、イベント開催やサークル活動を行っております。
・全社方針発表 当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。
この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。
全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会 毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。
総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動 当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。
部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
 2025年3月期末時点では、多様な趣味や関心を反映した10のサークルが活動中です。
スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。
各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。
また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
 今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。
指標及び目標 ①人材確保と採用戦略の強化 当社は、新卒採用を重視しております。
新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
 新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。
新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
 また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。
新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。
これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)指標2022年3月期実績(2021年4月入社)2023年3月期実績(2022年4月入社)2024年3月期実績(2023年4月入社)2025年3月期実績(2024年4月入社)新卒者113人174人178人190人特定技能の外国人材---11人 ②従業員育成とキャリアチャレンジ制度 従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
 ・研修プログラム 専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。
また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。
また、新卒者を対象に、入社後5年後まで行われるフォローアップ研修を実施し、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置 従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。
社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
 また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。
従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
 これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実 従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。
定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
 特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。
二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
④ダイバーシティの推進 当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差 当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は40.4%(係長相当職:19.5%)、会社全体の男女の賃金格差は80.2%(74.8%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。
当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。
また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
 ※( )内は「出典:令和5年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」指標2023年3月期2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期目標女性管理職比率 ※140.0%39.8%40.4%41.0%以上男女間賃金格差78.4%78.2%80.2%78.4%以上男性育児休業取得28.6%50.0%81.8%85.0%以上女性育休復帰率※281.8%90.0%90.5%95.0%以上女性育休復帰後定着率※263.6%80.0%85.7%90.0%以上  ※1 ケアチーフ以上  ※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員⑤ウェルビーイングの向上 当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
 全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施) 従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。
面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。
従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。
これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。
この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施) 当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
 調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用されます。
 さらに、フラットな企業風土の醸成と対話の機会として、イベント開催やサークル活動を行っております。
・全社方針発表 当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。
この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。
全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会 毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。
総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動 当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。
部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
 2025年3月期末時点では、多様な趣味や関心を反映した10のサークルが活動中です。
スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。
各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。
また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
 今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (2)人的資本・多様性に関する考え方当社の人的資本経営戦略において、人材育成を最重要課題と位置付けており、その方針として「提案人材」の育成を掲げております。
2025年3月期までは「提案人材」を「自分事として捉え、提案・実行・解決できる人材」として定義しておりましたが、2026年3月期からは「チャレンジや変化を楽しみ、自らの役割を超えて積極的に経営に参加し、組織の成長と発展に貢献する人材」へと再定義しました。
この定義の再構築は、変化を自らの成長機会と捉えることと、そのような一人ひとりのチャレンジが自らの属する組織のレジリエンス(強靭性)につながっていることを強調する趣旨です。
すなわち、社員一人ひとりが変化を前向きに捉えるとともに、そのような個人のチャレンジを組織の取組みとして全体で支えることで、個人の成長と組織のレジリエンスが両輪となって、当社の持続的な成長、長期的な企業価値の向上をもたらすものと考えております。
さらに、当社は、当社の「企業価値」を、売上高、利益、キャッシュ・フローといった財務指標で測られる「経済的価値」と、社員を含むステークホルダーや環境資源を含む社会一般に対して当社が還元する価値としての「社会的価値」の総和と捉えており、両方の価値を長期的に向上させることを目指しております。
すなわち、当社の財務指標の成長を目指しながら、それを実現するための前提として経営資源提供者(ステークホルダー)へ価値を還元していくこと目指しております。
とりわけ後者については、「社会インパクトの創出」として充実させる取組みを行っております。
社会インパクトとは、当社のシニア事業において、「EGAO link」の導入や科学的介護で培った業務効率化や生産性向上といったこれまでの当社の事業を通じて培った質の高いサービスを提供できるノウハウを介護業界全体に展開し、現場の質的改善や人材不足といった業界に広がる構造的課題に寄与すること、そしてその変革を支える資質を備えた人材を育成・輩出していくこと指しております。
また、不動産事業においては、新耐震基準施行前の老朽化不動産の再生と屋上庭園付きの介護付きホームの取組みを通じて、地域の安全性向上や環境改善に寄与しております。
これらの取組みにより、地域社会の活性化や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを指しております。
これらの取組みは、当社の経済的価値を向上させるためのシニア事業及び不動産事業の経営戦略と直結しており、人的資本の強化を通じて事業の成長と社会課題の解決とを両立させるものです。
すなわち、当社は人的資本への投資を単なる人材育成にとどめず、持続可能な社会を構築するための経営資源と捉え、その成果を業界全体に波及させる(還元する)ことで中長期的な企業価値の向上と経営戦略の実現を図っております。
このような取組みは従業員のやりがいや成長機会の創出、ならびに質の高い人材獲得にもつながり、当社のプロミスである「7つの行動規範」(PROMISE)の実践をより確かなものとするものです。
これにより「あらゆる方々の良きパートナーとして…」という当社の思い(VISION)、「世代を超えた暮らし提案型企業」という私たちの使命(MISSION)を実現し、ステークホルダーの皆さまに長く選ばれ続ける企業を目指して取り組んでまいります。
<アズパートナーズのVISION/MISSION/PROMISE> ・2025年3月期 ・2026年3月期2025年3月期における当社の「提案人材」は、7つの行動規範を土台とし、「採用戦略強化」「従業員育成」「健康管理」「ダイバーシティ」「エンゲージメント向上」の5つの柱を組み合わせて育成される人材として位置付けておりました。
このフレームは、当社の人的資本経営の原点として、一定の成果を上げてまいりました。
2026年3月期より、これまでの取組みを進化させるために、以下のポイントを踏まえて、人的資本経営を推進してまいります。
■育成構造の可視化と人材戦略の流れを明確化従来は5本の柱で構成していた枠組みを、提案人材の輩出から文化形成に至るまでのプロセスとして流れで表現し、企業理念・戦略・取組み・行動・成果のつながりを可視化しました。
これにより、提案人材育成がどのように企業価値と社会価値に結びつくかをより明確に示します。
■人事戦略と企業価値・社会価値との循環関係を可視化2026年3月期の新しいフレームでは、育成した「提案人材」が当社のVISION/MISSION/PROMISEの実現を支え、さらに中長期的な企業価値や財務インパクト・社会インパクト創出へとつながる循環構造が可視化されております。
これは、当社の人事戦略の経営戦略との連動を示します。
■「エンゲージメントの向上」の位置づけを再定義従来は育成の柱のひとつとしていた「エンゲージメントの向上」を、他の構成要素が機能した結果として現れる効果と再定義しました。
■構成項目「ウェルビーイングの向上」を設置これまで「エンゲージメントの向上」の中に内包されていた「ウェルビーイングの向上」を、提案人材の土台を形成する独立した構成要素として追加しました。
これは社員一人ひとりが自己の状態に向き合い、安心・活力・挑戦のバランスを保ちながら行動できる力と定義しました。
ウェルビーイングは、今後の人的資本経営において重要な土台と考えております。
以上のように、当社は人的資本経営における戦略を「人材育成」だけにとどめず、組織文化形成や社会課題の解決と結びつけるものと捉えており、再構築した戦略を通じて、「世代を超えた暮らし提案型企業」という当社のMISSIONの実現と企業価値の向上を目指してまいります。
①人材確保と採用戦略の強化 当社は、新卒採用を重視しております。
新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
 新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。
新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
 また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。
新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。
これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)指標2022年3月期実績(2021年4月入社)2023年3月期実績(2022年4月入社)2024年3月期実績(2023年4月入社)2025年3月期実績(2024年4月入社)新卒者113人174人178人190人特定技能の外国人材---11人 ②従業員育成とキャリアチャレンジ制度 従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
 ・研修プログラム 専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。
また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。
また、新卒者を対象に、入社後5年後まで行われるフォローアップ研修を実施し、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置 従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。
社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
 また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。
従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
 これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実 従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。
定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
 特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。
二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
④ダイバーシティの推進 当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差 当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は40.4%(係長相当職:19.5%)、会社全体の男女の賃金格差は80.2%(74.8%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。
当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。
また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
 ※( )内は「出典:令和5年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」指標2023年3月期2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期目標女性管理職比率 ※140.0%39.8%40.4%41.0%以上男女間賃金格差78.4%78.2%80.2%78.4%以上男性育児休業取得28.6%50.0%81.8%85.0%以上女性育休復帰率※281.8%90.0%90.5%95.0%以上女性育休復帰後定着率※263.6%80.0%85.7%90.0%以上  ※1 ケアチーフ以上  ※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員⑤ウェルビーイングの向上 当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
 全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施) 従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。
面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。
従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。
これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。
この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施) 当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
 調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用されます。
 さらに、フラットな企業風土の醸成と対話の機会として、イベント開催やサークル活動を行っております。
・全社方針発表 当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。
この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。
全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会 毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。
総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動 当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。
部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
 2025年3月期末時点では、多様な趣味や関心を反映した10のサークルが活動中です。
スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。
各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。
また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
 今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ①人材確保と採用戦略の強化 当社は、新卒採用を重視しております。
新卒者は、新たな視点とエネルギーをもたらし、当社の成長と革新に対する重要な推進力になっており、持続的な競争力を維持し、中長期的に企業価値を向上させることが可能となっております。
そのため、新卒採用は、当社の長期的な人材開発戦略の中心的な要素であり、2021年3月期以降、毎年100人以上の新卒採用を実施しております。
 新卒採用では非福祉系専攻の学生が90%以上であり、異なる学問分野、地域、文化から来る多様な視点を持ち込むことで、創造性と革新性を高めております。
新卒者は、特に当社のビジョンとミッションに共感して入社していることから、ベンダーと共同開発したICT・IoTプラットフォーム「EGAO link」等により最先端の取組みを継続・発展していくためには、新卒者の柔軟な思考や発想が不可欠です。
 また、2025年3月期より、当社は特定技能の外国人材の採用を開始しております。
新卒者、中途採用者、特定技能の外国人材と、異なるバックグラウンドと経験を尊重し、相互に学び合う文化を醸成します。
これにより、多様な視点が取り入れられ、イノベーションが促進します。
(新卒者・特定技能の外国人材採用実績)指標2022年3月期実績(2021年4月入社)2023年3月期実績(2022年4月入社)2024年3月期実績(2023年4月入社)2025年3月期実績(2024年4月入社)新卒者113人174人178人190人特定技能の外国人材---11人 ②従業員育成とキャリアチャレンジ制度 従業員の専門的な知識やスキルを持続的に向上させるために、研修プログラムの充実やキャリアチャレンジ制度の機会提供を行っております。
 ・研修プログラム 専門スキルの取得・管理者育成向けの研修プログラムを実施しております。
また、2025年3月期より、介護DXの促進のため、介護DX人材育成制度を新設し、選抜者向けの研修プログラムを実施しております。
また、新卒者を対象に、入社後5年後まで行われるフォローアップ研修を実施し、毎月開催されるハイスタンダード研修では、法定項目内容に加えて、当社が強みとしている個別アクティビティの提案に役立てるための能力開発を行っております。
・キャリアチャレンジ制度とキャリア相談窓口の設置 従業員に成長とキャリア発展の機会を提供し、スキルや能力を向上させることを目的として、キャリアチャレンジ制度を設けております。
社内の人材を適切な役割や責任に配置することで、従業員のモチベーションの向上、組織全体のパフォーマンスの向上へつなげております。
 また、キャリア相談窓口を設置し、従業員が自身のキャリア目標や成長を相談し、適切なアドバイスやガイダンスを受ける機会を提供しております。
従業員は自身のキャリアパスを考え、組織がそれを支援することで、従業員の成長や満足度の向上につなげております。
 これに加え、年1回、キャリア意向調査を実施し、従業員の希望と適正を踏まえた人事異動を行っております。
③心身の健康管理の充実 従業員の健康管理とメンタルヘルスケアを重視しております。
定期的な健康チェックやインフルエンザワクチン接種の機会の提供に加えて、チャット型で医療相談ができる福利厚生制度も整備しております。
 特に健康診断は各事業所へ健診カーや健診従事者を手配し、従業員が健康診断を受けやすい環境を提供しております。
二次健康診断については、担当部署より積極的に受診の働きかけを行っております。
腰痛予防として、毎日の体操プログラムを推進すると共に、2026年3月期の研修プログラムより、ノーリフトケア研修を取り入れ、従業員の健康の維持をサポートすることで、従業員が安全かつ健康的に業務を遂行できる環境を整えております。
④ダイバーシティの推進 当社では、社会的な不平等を解消し、機会均等を実現すべく、ダイバーシティを推進しています。
・女性管理職比率と男女の賃金格差 当社のケアチーフ以上の女性管理職比率は40.4%(係長相当職:19.5%)、会社全体の男女の賃金格差は80.2%(74.8%)(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出)です。
当社は、性別に関係なく、個人の能力とポテンシャルを評価し、適正な報酬とキャリアパスを提供することを大切にしております。
また、同じ役割であれば、男女で賃金の差はなく、男女の賃金格差は、主に勤続年数の長い社員に男性比率が高いこと、管理職に男性比率が高いことが要因です。
 ※( )内は「出典:令和5年度雇用均等基本調査(厚生労働省)」指標2023年3月期2024年3月期実績2025年3月期実績2026年3月期目標女性管理職比率 ※140.0%39.8%40.4%41.0%以上男女間賃金格差78.4%78.2%80.2%78.4%以上男性育児休業取得28.6%50.0%81.8%85.0%以上女性育休復帰率※281.8%90.0%90.5%95.0%以上女性育休復帰後定着率※263.6%80.0%85.7%90.0%以上  ※1 ケアチーフ以上  ※2 育休復帰後1年間以上勤務している社員⑤ウェルビーイングの向上 当社は従業員のウェルビーイングを向上し、満足度を向上させることに注力しております。
 全社や部署・事業所ごとの状態を把握するため、定期的な調査と相関分析を行い、各部署に対してフィードバックを行っております。
・従業員コンディション調査(1on1、毎年2回実施) 従業員コンディション調査では、従業員一人ひとりの仕事満足度・健康状態・人間関係の3つの項目について、従業員のコンディションを確認することに加え、従業員が部署内に相談できないことを直接、人事担当者へ相談できる仕組みを整えております。
面談では、従業員の仕事満足度等に対する声を傾聴すると共に、従業員の目標達成のために、面談者がフォローする役割も担っております。
従業員は自身の成長や仕事満足度等について話し合うことができ、個別のニーズに対応するための具体的なアクションを共有することも可能です。
これにより、従業員は自身の価値を認められ、自己成長の意欲や組織への貢献意識向上を図っております。
・ウェルビーイング調査(匿名式アンケート、原則毎月1回実施)当社では、従業員の主観的ウェルビーイングを定量的に評価するための調査を実施しております。
この調査では、従業員一人一人が毎月、自分自身の状態を振り返り、「今の自分はいい状態か?」という問いに答えることで、社内のウェルビーイング度を明らかにしております。
・ES(従業員満足度)調査 (匿名式アンケート、年1回実施) 当社では、従業員の満足度を把握し、働きやすい職場環境を整えるために、年1回、匿名式の従業員満足度(ES)調査を実施しております。
 調査結果は、従業員の満足度や課題を明確にし、改善策を講じるための貴重なデータとして活用されます。
 さらに、フラットな企業風土の醸成と対話の機会として、イベント開催やサークル活動を行っております。
・全社方針発表 当社では、毎年4月に全社方針発表をオンライン形式で実施しております。
この場は、前期の成果を振り返り、各部署の課題を共有するとともに、当期の目標を明確化するための重要な機会と位置付けております。
全社員が共通の理解と方向性を持つことで、組織全体として一体感を強化し、目標達成に向けた活動を円滑に進めることを目的としております。
・全社総会 毎年1回社員が一堂に会し、共通の目標や価値観を共有します。
総会では、優れた業績や貢献を称える機会となっており、成果についてお互いを讃え合う組織文化が醸成され、社員のチームワークを深める場となっております。
・サークル活動 当社では、社員同士の交流を促進し、働きやすい職場環境を構築するために、サークル活動を積極的に支援しております。
部門や職位の垣根を越えたコミュニケーションの場として、サークル活動は社員同士の親睦を深める場として促進しております。
 2025年3月期末時点では、多様な趣味や関心を反映した10のサークルが活動中です。
スポーツや文化活動をはじめ、趣味の合う仲間が集まるこの取組みには多くの社員が参加しております。
各サークルは定期的な活動やイベントを通じて、社員一人ひとりが日々の業務のリフレッシュができる場を提供しております。
また、本社・事業所を含めて、社内の新しい人間関係を築くきっかけとしても重要な役割を果たしております。
 今後も、社員の声を取り入れ、新たなサークルの設立や支援体制の強化を行いながら、より多くの社員が参加できる環境を整えていく予定です。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社は、「リスク管理規程」に基づくリスクマネジメント・コンプライアンス委員会の機能で、リスク管理の全社推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図っております。
体制・枠組みに関しては「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要 ト リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
  (1)シニア事業について① 介護保険制度による影響当社のシニア事業の介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)事業、デイサービス事業及びショートステイ事業は、介護保険法に基づき、指定居宅サービス事業者等の指定を受けて運営を行っており、同法に基づく介護報酬が売上高の大部分を占めます。
こうしたことから、当社のシニア事業は、介護保険法の影響を強く受けることにより、次のようなリスクがあります。
a.介護保険事業者に対する指導・指定取消し等の処分(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)当社の事業の中心となる介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)事業は、介護保険法に定める居宅サービスのうち「特定施設入居者生活介護」に関して、都道府県知事等より「指定居宅サービス事業者」の指定を受け、介護報酬の給付を受けております。
「指定居宅サービス事業者」の指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」(介護保険法に基づく厚生労働省令)を満たしている必要があり、その基準に達しないことで、監督官庁より行政処分を受けた場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、デイサービス事業及びショートステイ事業においても、介護保険法に定める居宅サービスのうち「通所介護」及び「短期入所生活介護」において、都道府県知事等により「指定居宅サービス事業者」の指定を受けることが必要であり、各指定基準に達しないことで監督官庁より行政処分を受けた場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
特に、介護保険法に基づき介護保険事業所の指定が取り消された場合に、その原因となった不正行為に法人の組織的関与が確認された場合には、「連座制」が適用され、当該事業者は当該サービス類型の事業所の新規指定や指定更新を受けることができなくなることとされています。
当社の介護付きホーム事業、デイサービス事業及びショートステイ事業は現在それらの基準をすべて満たしており、シニア事業部本社部門により人員、設備及び運営に関する基準や介護報酬のルールの遵守が徹底されています。
さらに、内部監査室による内部監査により、それらの遵守状況を監査しております。
しかし、今後万が一、上記基準が満たせなくなった場合には、定められた介護報酬よりも減額される又は指定の一部効力を停止される等の可能性があります。
そうした期間が長期間にわたる場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
さらに「連座制」が適用された場合には、当該サービス類型の事業所の新規指定及び指定更新を受けることができず、収益計画に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
当社のシニア事業の各事業所が受けている指定は以下のとおりです。
許認可等の名称所轄官庁等許認可等の内容有効期限主な許認可取消事由有料老人ホームの届出厚生労働省老人福祉法第29条第1項に基づく届出なし老人福祉法第29条第16項(事業の制限・停止命令)特定施設入居者生活介護事業者の指定厚生労働省介護保険法第70条第1項に基づく居宅サービス事業者としての指定6年間(以後6年毎の更新)介護保険法第77条第1項(指定取消等)地域密着型特定施設入居者生活介護事業者の指定厚生労働省介護保険法第78条の2第1項に基づく地域密着型サービス事業者としての指定6年間(以後6年毎の更新)介護保険法第78条の10第1項(指定取消等) 許認可等の名称所轄官庁等許認可等の内容有効期限主な許認可取消事由通所介護事業者の指定厚生労働省介護保険法第70条第1項に基づく居宅サービス事業者としての指定6年間(以後6年毎の更新)介護保険法第77条第1項(指定取消等)短期入所生活介護事業者の指定厚生労働省介護保険法第70条第1項に基づく居宅サービス事業者としての指定6年間(以後6年毎の更新)介護保険法第77条第1項(指定取消等)※主な許認可取消事由の具体的事例① 介護保険法令に基づく人員基準を満たすことができなくなったとき。
② 介護保険法令に基づく設備及び運営に関する基準に従って適正な事業運営をすることができなくなったとき。
③ 要介護者の人格尊重義務、法令遵守義務及び忠実職務遂行義務に違反したと認められるとき。
④ 介護保険費用の請求に関し不正があったとき。
⑤ 報告又は帳簿書類の提出若しくは提示命令に対する違反、又は虚偽報告をしたとき。
b.介護保険制度の改正について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)2000年4月1日に施行された介護保険法は、3年毎に各都道府県・各市町村において介護保険事業計画の見直しが行われるほか、近年は3年毎に介護保険制度全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき必要な介護保険法の改正等が行われています。
各サービスの給付単価を決定する介護報酬についても、3年毎に居宅サービスに要する平均的な費用の額を勘案して検証され改定が行われるほか、消費税財源等に基づく介護職員の処遇改善のための臨時改定が行われています。
また、昨今の人件費や物価の高騰等の状況に対し、介護報酬は価格転嫁が難しい公定価格であることから利益を圧迫する要因となり得ます。
当社は、介護保険制度改正・介護報酬改定の動きに対し、一般社団法人全国介護付きホーム協会の活動を通じて事業者の実情や意見を厚生労働省等に伝え、不利な改正がなされないよう働きかけるほか、最新情報を入手して早めの対策を講じることで利益計画に対する影響を軽減しております。
なお、2024年4月の介護報酬改定では、人件費の高騰等を踏まえ、介護職員の処遇改善分+0.98%、その他の改定率+0.61%の合計+1.59%の改定が実現しております。
また、介護付きホームは介護報酬以外の家賃、管理費等の利用料を徴収することができる、介護報酬の依存度が低いサービスです。
当社は、人件費や物価の高騰等を経営努力で賄えない場合の苦渋の選択として、実際に家賃、管理費等の値上げも実施し、収益を維持しております。
しかしながら、今後、介護保険制度の改正により介護保険の給付範囲が制限されたり、介護報酬改定により給付単価が引下げられる等、介護事業者に不利な改正がなされた場合や想定以上の人件費や物価の高騰等が生じた場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)今後のさらなる高齢化に伴い介護サービスへのニーズの高まりが推測され、同業他社の事業拡大や異業種からの新規参入のスピードが加速されるものと考えられ、競合激化により、当社介護付きホームの入居率の低下につながることも懸念されます。
また、2006年4月1日の介護保険法改正より続いている介護付きホーム(特定施設入居者生活介護)の総量規制が緩和された場合、当社においては介護付きホームの新規開設が進めやすくなる利点がある反面、競合が激化し当社介護付きホームの入居率の低下につながることも懸念されます。
当社は、地域の介護付きホームの需給や地方自治体の介護保険事業計画を見据えながら出店するほか、「EGAO link」により創出された時間を活かした個別ケア等のサービスの充実や機動的な営業戦略により高い稼働率を維持しております。
しかしながら、当社が事業展開している地域において当社の想定以上に介護付きホームの新規開設が増加した場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定事業への依存に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社の事業領域は介護業界のなかでも、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)及びデイサービス(通所介護)に集中しております。
介護業界は高齢化に伴う市場ニーズの増大により、今後もさらなる需要拡大が見込まれておりますが、国の財政及び介護保険財政を踏まえた介護保険法改正等の様々な外部の影響を受けることとなります。
当社は、介護付きホーム及びデイサービスは運営の自由度が高く、制度改正等の外部影響があっても、対応策を講じやすい制度であると考えております。
しかしながら、介護保険法の改正や介護報酬改定等によって、当社の想定以上の事業戦略からの転換を強いられた場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 従業員の確保について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)や「通所介護」の指定を受けたデイサービスには、人員に関する基準(配置基準・資格要件)が定められております。
また、少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少により、労働力不足が懸念されています。
当社では、事業規模の拡大に伴い、人材の確保・育成に向けて、業務負担軽減のためのIT機器の積極的導入、新卒採用の重点化とともに、キャリアパスの明確化や活躍に見合う処遇改善などの人事制度の見直し、教育研修制度の充実などの取組みを行っております。
しかしながら、このような施策の効果が充分に得られず、従業員の採用、定着や配置が進まない場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 介護付きホームの新規開設について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は事業拡大にあたり、今後も計画的な介護付きホームの新規開設を進めていく所存ですが、2006年4月1日の介護保険法改正に伴って施設開設に対する総量規制が行われていることから、介護付きホームの新規開設に当たっては、各都道府県・各市町村の事業計画に従った公募に対して、応募し選定を受ける必要があります。
当社は各都道府県・各市町村の動向やニーズを適宜把握しておりますが、計画のとおりに選定を受けることができなかった場合、当社の事業計画遂行に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有料老人ホームにおける土地・建物に関する契約について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社が運営する介護付きホームは、土地及び建物の賃貸借契約において20年以上の契約期間を定めております。
原則としてその期間は解約ができないことから、当社にとっては安定かつ継続的に土地及び建物を賃借し事業を継続することができます。
しかしながら、想定以上の競合の参入等により入居率が低下し、対応策として入居者の利用料金の見直しが必要になった場合、事業収益の悪化により、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす場合があります。
⑦ 差入保証金について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は介護付きホームの新規開設における賃借時に保証金を差し入れております。
差入保証金の残高は2025年3月31日現在931,978千円となっており、総資産に占める比率は4.4%であります。
当社は、新規開設の際の与信管理を徹底していますが、賃借先のその後の財政状態の悪化等によって、差入保証金の全部又は一部が回収できなくなった場合には、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 新リース会計基準の適用について(発生可能性:高、発生時期:2028年3月期、影響度:大)当社の介護付きホーム等のシニア事業所の多くは、土地及び建物を賃借して運営しております。
それらの賃貸借契約の内容について、オペレーティング・リース取引として判断していることから、貸借対照表上、オフバランスとして処理をしております。
しかしながら、新リース会計基準等の適用によりオペレーティング・リース取引の対象資産・負債を貸借対照表上、オンバランス処理となり、対象資産・負債が貸借対照表に計上されるとともに、当社の自己資本比率が現状より低下する可能性があります。
⑨ 自然災害について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)当社は、本書提出日現在、首都圏において事業を展開しておりますが、これらの地域において予測不能な地震、風水害等の自然災害が発生し、介護付きホームやデイサービスセンターに影響が生じ業務を停止せざるを得ない状況や、建物や設備が損傷しその修復に多大な費用が必要となった場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業所ごとに「BCP指針(事業継続計画)」を策定し、災害発生時にはお客様及びスタッフの生命や生活を保護及び維持するための業務を優先して、その他の業務は縮小又は休止し、継続的にサービス提供できる体制を構築すること等を定めております。
また、当該指針に基づき各事業所ごとに、定期的な教育・訓練を行っております。
⑩ シニア事業における事故対策・安全衛生管理について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社の事業は高齢者を対象としているため、ご入居者が介護付きホームで生活をし、ご利用者がデイサービスセンターを利用する中で、転倒事故、入浴中の事故、誤薬事故等の危険性があると考えております。
また、感染症の拡大や食中毒が発生する可能性もあります。
当社は、本社及び事業所が一体となって実践的な教育研修を行うほか、事故発生時の再発防止策を徹底することにより介助中の事故を防止する対策を講じています。
また、手洗い、消毒剤等での手指消毒の徹底やご入居者の健康状態の悪化の随時把握による感染症の拡大の予防、食事提供の外注先である厨房委託業者への衛生管理の徹底など、安全・健康管理に取り組んでおります。
しかしながら、万が一介助中の重大な事故や感染症の拡大、食中毒等が発生した場合には、当社の信用が低下するとともに、訴訟等で損害賠償請求を受けるおそれがあり、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 虐待防止への取組みとリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)高齢者虐待防止法では、養介護施設従事者等による身体的虐待、介護・世話の放棄・放任等の高齢者虐待の防止に関する取組みを求められており、当社は役職員を対象とした研修やマニュアルの整備等により、いかなる虐待も防止するように努めております。
しかしながら、虐待や不適切な身体拘束が発生した場合には、法令による処罰、訴訟の提起、社会的信頼の失墜等により、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑫ 個人情報の保護について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)当社の事業を運営するにあたり、ご入居者、ご利用者、そのご家族等の重要な個人情報を取り扱っております。
システム上の情報管理については、漏洩防止のため、ファイアーウォールによる外部ネットワークからのアクセス遮断、ウィルス対策ソフトによる保護を実施しております。
また、パソコンの端末には、起動時のパスワード管理を実施しており、第三者が容易に起動させることができない設定となっております。
またスマートフォン等についても、モバイルデバイスマネジメントによる統合管理を行っています。
紛失等があった際もシステム管理者が遠隔にて機器の操作を行えるよう対応しています。
また、書類の管理については鍵付きのキャビネットでの保管を徹底しております。
以上の対策を厳重に講じておりますが、万が一システム等から情報が流出し、当社の信用が低下した場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 風評等の影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)当社の事業は、ご入居者、ご利用者やそのご家族のみならず、地域住民や居宅介護支援事業所等の取引先など様々な方々からの信頼のもとに成り立っています。
従業員には経営理念やコンプライアンスを浸透させ、安定的かつ質の高いサービスを提供するよう指導、教育を行っております。
しかしながら、ご入居者・ご利用者の尊厳を損なう事件や従業員の不祥事等により、社内、社外を問わず当社に対して不利益な情報や風評が流れた場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 新型コロナウイルス感染症等について(発生可能性:中、発生時期:現在、影響度:中)新型コロナウイルス感染症やその他の感染症の感染拡大に伴い、営業活動の自粛や利用控え等により稼働が低調に推移した場合、想定どおりの収益が確保できず、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社ではスタッフの感染症予防に加え、ご入居者、ご利用者、ご家族等に対しましても、ワクチン接種、検温等の健康管理や事業所来訪時の手洗い、手指消毒等の徹底により、ご入居者・ご利用者の健康維持、事業所内での集団感染の予防に努めています。
しかし、万が一事業所内で集団感染が発生した場合には、当社の信用が低下するとともに、介護付きホームの新規入居受入れの停止やデイサービスセンターの営業停止等により稼働率が低下し、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
  
(2)不動産事業について① 経済状況等の影響について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社が属する不動産業界は、景気動向、金利動向、地価動向、建設価格動向及び税制等の経済状況の影響を受けやすく、また土地相場の下落や金融機関の融資動向の変化により、需要動向が悪化した場合、購入者が住宅用地の購入を控えることにより、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、適宜、景気動向・不動産市況等の状況について各種経済指標等の動向を確認するとともに、金融機関や同業他社等から情報を収集することで、エリア・価格・規模その他物件特性等マーケットの変化に対し、臨機応変な計画の修正等の対応を行い、リスクの低減に努めております。
物件取得に関しては、立地や価格に応じて、特性に適した出口戦略を意識しつつ、より厳選した物件の取得を図ることでリスク低減に努めております。
② 法的規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社の不動産事業は、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、借地借家法等、各種法令のほか各自治体が制定した条例等による規制を受けております。
これらの法的規制や条例等が新たに制定又は改定された場合には、新たな負担が発生し、当社の業績や事業展開に影響を与える必要があります。
当社では、各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集するとともに、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を通じて、各種法令遵守体制の整備などを行っております。
③ 収益計上基準及び業績変動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、物件をエンドユーザーや不動産会社に引渡しをした時点にて収益を認識しております。
そのため、事業年度及び四半期ごとに業績を認識した場合、物件の引渡し時期の偏りによる業績偏重が生じる可能性があります。
また、各物件のプロジェクトの進捗状況、販売計画の変更、その他不測の事態の発生による引渡し遅延があった場合には、計画していた時期に収益が認識できず、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、取締役会等において各プロジェクトの進捗を確認することにより、期ずれなど業績に影響を及ぼさないか確認しております。
仮に不測の事態が発生する場合には、代替物件の販売計画を前倒す等の対応策を講じます。
④ 在庫リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、開発用地の仕入及び自社開発による介護付きホーム等の企画・販売を中長期的な経済展望に基づき実施し、物件の早期売却を図っております。
しかしながら、急激な景気の悪化、金利の上昇及び不動産関連税制の変更による影響により、販売が計画どおりに進まなかった場合には、介護付きホーム等の開発の遅延や土地在庫の滞留が発生し、資金収支の悪化を招く可能性があります。
また、当社は「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2006年7月5日)を適用しておりますが、正味売却価額が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損が計上された場合、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスクについて① 法令遵守・コンプライアンス体制、内部管理体制に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社の法令遵守・コンプライアンス体制については、事業に直接関係する法令のみならず、近年、SNSによるトラブルが問題になるなど、企業が求められる企業倫理は多岐にわたります。
そのため、社会的責任のある企業として遵守すべき法令全般につき、当社の全役職員が法令等・倫理に基づいた行動をとるよう、コンプライアンス研修の継続的な取組みを実施しており、日常的にコンプライアンス意識と行動の徹底を図っております。
また、内部通報制度を整備運用して内部の不正を抑止するよう努めております。
しかしながら、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、法令による処罰・訴訟の提起・社会的信頼の失墜等により、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
 また、当社の内部管理体制については、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。
その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 資金調達について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、物件の取得及び建築工事等の事業資金を自己資金だけでなく、金融機関からの借入金によって調達しております。
このため、市場金利が上昇する局面や、介護業界若しくは不動産業界又は当社のリスクプレミアムが上昇した場合には、支払利息等が増加し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業資金を調達する際には、特定の金融機関に依存することなく、個別の物件毎に金融機関に融資を打診しており、現時点では安定的に調達ができております。
しかしながら、当社の財政状態が著しく悪化する等により当社の信用力が低下し、安定的な融資が受けられないなど、資金調達に制約を受けた場合は、物件の取得や建築工事等の発注に支障をきたし、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資金使途について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社は東京証券取引所スタンダード市場への上場に伴う公募増資資金に関しまして、新規事業所の開発を含む設備投資、運転資金及び借入金の返済に充当する予定でおります。
しかしながら、新規事業の発足や経営環境の変化により、投資効果が期待のとおりの成果を上げられない場合や、より投資効果が見込める使途等が生じた場合には、現時点の資金使途計画以外の使途に充当する可能性があり、そうした場合は当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 利益還元について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的に業績の成長に見合った成果を配当することを基本方針としております。
今後も、事業計画に沿った利益を計上することを前提として財務体質の強化を図り、財政状態及び経営成績を勘案しながら、配当を実施してまいります。
しかしながら、当社の業績が計画どおり進展しない場合等、当社の業績が悪化した場合には、継続的に配当を実施できない可能性があります。
⑤ 特定個人の大株主との関係について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社の代表取締役社長 兼 CEOである植村健志は、当社の大株主であり、資産管理会社である株式会社ブレスの所有株式数を含めると、当事業年度末で発行済株式総数の39.5%の議決権を所有しております。
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
また、当社と致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は取締役会、経営会議等による役員や幹部社員間の情報共有のみならず、これまでの経営方針・事業戦略の実績の蓄積、業務の標準化・マニュアル化等、当社の代表取締役社長 兼 CEOである植村健志に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかし、当社の代表取締役社長 兼 CEOである植村健志は、当社の創業者として経営方針や事業戦略を牽引する重要な役割を担っており、当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の業績や将来の成長性に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新株予約権の行使並びに譲渡制限付株式の発行による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社は、当社の役員、従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションによる新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が行使された場合、既存株主が有する株式の価値及び議決権割合が一定程度希薄化する可能性があります。
これらの新株予約権の行使により取得した株式が市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、適正な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当事業年度末において、これらの新株予約権による潜在株式数は52,500株であり、発行済株式総数3,576,000株の約1.5%に相当しております。
また、2025年5月14日開催の取締役会において、当社の役員(社外取締役を除く)及び従業員に対して譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議いたしました。
現時点において株式を割当てておりませんが、これらの株式が新株式発行により付与された場合、ストック・オプション制度と同様に当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
これらのインセンティブプランの実施は、企業価値、株主価値の向上に寄与するものと見込まれ、希薄化の影響以上に株主の利益にも資するものと判断しており、希薄化規模は合理的であると考えております。
⑦ 固定資産の減損に係るリスク(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)当社は「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。
介護事業所等の新規開設時や不動産事業の収益事業における固定資産の取得時において、社内の開設基準に基づいた評価プロセスを経て意思決定を行うとともに、開設後においてもその実績が計画どおりであるかをモニタリングし、減損に関するリスクの低減に努めております。
しかし今後、資産の利用状況及び資産から得られるキャッシュ・フローの状況等の悪化が継続し、減損処理が必要となった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 有利子負債への依存度について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)当社は介護付きホームの新設に伴う設備投資資金及び不動産事業に係る投資資金を主として金融機関からの借入により調達しております。
総資産に対する有利子負債残高の割合(有利子負債依存度)は次表のとおりであります。
 このような状況の中、金融情勢の変化などにより計画どおりに資金調達ができず、計画的な介護付きホームの開設及び不動産事業に係る新規投資が困難となる場合や市場金利の上昇により資金調達コストが増加した場合には、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
前事業年度当事業年度有利子負債残高(千円)5,656,4589,309,738総資産残高(千円)15,952,38121,407,641有利子負債依存度(%)35.543.5(注)1.有利子負債残高は借入金及び社債の合計であります。
   2.有利子負債依存度は、有利子負債残高を総資産残高で除した数値を記載しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況(資産) 当事業年度末の総資産は、21,407,641千円となり、前事業年度末と比べ5,455,259千円の増加となりました。
これは主に、現金及び預金の増加1,148,420千円、販売用不動産の増加1,976,605千円、仕掛販売用不動産の増加1,419,755千円によるものであります。
(負債) 当事業年度末の負債合計は、17,244,663千円となり、前事業年度末と比べ3,672,308千円の増加となりました。
これは主に、長期借入金の増加3,776,445千円、短期借入金の増加645,000千円の一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少748,166千円によるものであります。
(純資産) 当事業年度末の純資産合計は、4,162,977千円となり、前事業年度末と比べ1,782,951千円の増加となりました。
これは主に、新規上場に伴う増資及び新株予約権の行使による資本金の増加470,716千円及び資本剰余金の増加470,716千円、期末配当金の支払いによる利益剰余金の減少115,140千円、当期純利益の計上による利益剰余金の増加956,657千円によるものであります。
 この結果、自己資本比率は19.4%(前事業年度は14.9%)となりました。
②経営成績の状況 当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、景気は緩やかな回復が続いております。
一方で、不安定な国際情勢や米国の通商政策の動向、国内での物価上昇には、引き続き注意する必要があります。
 介護業界におきましては、高齢化の進行、特に高齢者単独世帯や認知症高齢者の増加に伴い、引き続き都市部を中心に介護サービスのニーズは拡大する一方、生産年齢人口の減少により、人材確保が厳しさを増しており、業界全体の課題となっています。
このような状況の中で、国は、令和6年度介護報酬改定における介護付きホーム等のプラス改定や令和6年度補正予算により、事業者を支援しています。
 不動産業界におきましては、顧客ニーズの多様化により、分譲住宅は堅調な販売動向となりました。
また、賃貸オフィスについても、集約や縮小の動きによる入居率減少に歯止めがかかりつつある状況です。
当社は、「世代を超えた暮らし提案型企業」を使命として、超高齢社会、生産年齢人口の減少などの社会環境の中で、あらゆる方々の「暮らし」の課題解決、幸せの追求に取り組んでまいりました。
中核となるシニア事業においては、ご入居者・ご利用者の「望む暮らし」の実現に取り組んでおります。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)では、当社とベンダーで共同開発したIoT/ICTプラットフォームである「EGAO link®」の活用促進により、業務の効率化を図るとともに、創出された時間でご入居者お一人おひとりの個別ケアを追求してまいりました。
また、自立支援に向けたエビデンス・ベースド・ケアの理解を深め、実践を積み重ねてまいりました。
デイサービス・ショートステイにおきましては、「想いが叶うデイサービス」「想いが叶うショートステイ」のサービスコンセプトのもとに、個別のニーズに即したサービスを展開していくことで高い稼働率を保っています。
不動産事業につきましては、シニア事業運営の強みを活かし介護付きホーム等の超高齢社会に求められる価値ある不動産を開発する(シニア開発)のほか、安心・安全な街づくりに貢献すべく老朽化した共同住宅等を価値ある不動産に再生する事業を継続しております。
 当事業年度のセグメントごとの活動状況は以下のとおりです。
a.シニア事業当事業年度は、2024年10月に介護付きホーム「アズハイム習志野(118室)」を、2025年1月に介護付きホーム「アズハイム葛飾白鳥(75室)」及びデイサービス「アズハイム葛飾白鳥デイサービスセンター(定員40名)」を新たに開設いたしました。
当事業年度末における介護付きホームの事業所数は、東京都13事業所、埼玉県6事業所、神奈川県6事業所、千葉県4事業所の合計29事業所となっております。
当事業年度末におけるデイサービスの事業所数は、東京都8事業所、神奈川県3事業所、埼玉県4事業所、千葉県1事業所、茨城県1事業所の合計17事業所、ショートステイの事業所数は、東京都2事業所、神奈川県1事業所、埼玉県1事業所の合計4事業所となっております。
なお、介護付きホームにおける期中平均稼働率につきましては、開設2年超の既存23事業所では94.6%となり、全体29事業所で89.6%となりました。
デイサービスの期中平均稼働率は85.9%、ショートステイの期中平均稼働率は104.4%となっております。
 以上の結果、当事業年度のシニア事業売上高は13,749,952千円(前期比13.9%増)、セグメント利益1,519,666千円(前期比18.3%増)となりました(セグメント間の内部取引を含む)。
b.不動産事業 シニア開発事業及びソリューション事業においては、土地建物販売(新宿PJ、堀之内PJ、南大塚PJ、等々力PJ(A区画)、アズハイム三鷹PJ)及び仲介(上鷺宮PJ)にて売上高3,914,170千円を計上しております。
 また、収益不動産事業につきましては王子、三橋、水戸、東尾久、木場、東日本橋、新柏、アズハイム三鷹(内部取引)、アズハイム習志野(内部取引)、アズハイム葛飾白鳥(内部取引)にて、受取賃貸料437,721千円を計上しております(セグメント間の内部取引を含む)。
 以上の結果、当事業年度の不動産部門売上高は4,351,892千円(前期比16.5%減)、セグメント利益1,571,613千円(前期比34.3%増)となりました(セグメント間の内部取引を含む)。
 以上の結果、当事業年度の当社全体の経営成績は売上高17,917,807千円(前期比4.5%増)、営業利益1,305,131千円(前期比62.0%増)、経常利益1,350,348千円(前期比56.0%増)、当期純利益956,657千円(前期比69.8%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。
)は、前事業年度末に比べ587,220千円増加し、3,485,113千円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、775,634千円の収入(前事業年度は3,432,729千円の収入)となりました。
これは主に、助成金等の受取額133,256千円(前事業年度は100,892千円)、棚卸資産の販売に伴う棚卸資産の減少額460,145千円(前事業年度は2,006,045千円の減少)、税引前当期純利益が1,349,849千円と前期比486,259千円の増加となった一方で、信託預金の増加額533,185千円(前事業年度は571,589千円の増加)、売上債権の増加額232,810千円(前事業年度は219,799千円の増加)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、4,645,942千円の支出(前事業年度は1,430,468千円の支出)となりました。
これは主に、シニア開発事業による有形固定資産の取得による支出が前事業年度の1,225,612千円に対して、当事業年度は4,602,783千円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、4,457,529千円の収入(前事業年度は884,252千円の支出)となりました。
これは主に、シニア開発事業等における長期借入れによる収入5,620,210千円(前事業年度は2,234,450千円の収入)、新株式の発行による収入931,389千円があった一方で、シニア開発事業等における長期借入金の返済による支出2,591,930千円(前事業年度は1,440,098千円の支出)があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績a.生産実績該当事項はありません。
b.受注実績該当事項はありません。
c.販売実績当事業年度の販売実績は以下のとおりです。
セグメントの名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)シニア事業13,749,952113.9不動産事業4,167,85482.1合計17,917,807104.5(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(千円)割合(%)東京都国民健康保険団体連合会2,177,30612.7 相手先当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)東京都国民健康保険団体連合会2,625,78014.7(注)不動産事業において、主要な販売先に該当する社数は1社ありますが、販売先と秘密保持契約を締結しているため、販売先の名称、売上高の公表は控えさせていただきます。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたって、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度における収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。
 当該見積り及び仮定の設定に際しては、過去の実績や状況に応じて、合理的と思われる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
 詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析 当事業年度の経営成績につきましては、売上高17,917,807千円(前期比4.5%増)、営業利益1,305,131千円(前期比62.0%増)、経常利益1,350,348千円(前期比56.0%増)、当期純利益956,657千円(前期比69.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等に関する分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載しております。
 b.財政状態の分析「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社における資金需要の主なものは、介護施設等の新規開設に伴う設備投資資金及び運転資金であります。
運転資金としては、介護施設等の運転資金や納税資金等であります。
資金需要につきましては、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フロー、また金融機関からの借入金も併せて対応してまいります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について 当社は、事業を展開する各地域において、介護サービスを必要としている多くの方々にお客様それぞれのニーズに合わせて介護付きホーム、デイサービス及びショートステイをご利用いただくという点から、また、売上・収益に直結する指標でもあることから、稼働率を重要指標としております。
 なお、介護付きホームの稼働率は稼働室数÷総居室数、デイサービスの稼働率はのべ利用者数÷(総定員数×稼働日数)、ショートステイの稼働率はのべ稼働室数÷(総居室数×日数)であります。
前事業年度、当事業年度における稼働率の推移は次のとおりであります。
また、新規開設直後の介護付きホームの稼働率は低く、1年半から2年程度かけて稼働率95%達成を目指すことから、全事業所と開設2年以上の事業所とを分けて稼働率を算出しております。
介護付きホームについて、開設2年以上の事業所の稼働率は安定して稼働率94%を超えております。
エリア別に見ると、競合との競争が激化している練馬・杉並エリア及び浦和エリアにおいて稼働率の低下が見られ、当事業年度においては開設2年以上の事業所においても稼働率が90%を下回る事業所もあります。
介護付きホーム 前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)期末総居室数(室)1,8552,048期中平均稼働率(%)85.789.6開設2年以上の事業所の期末総居室数(室)1,4211,613開設2年以上の事業所の期中平均稼働率(%)94.594.6 デイサービス 前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)定員数(人)782822期中平均稼働率(%)83.085.9 ショートステイ 前事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)当事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)定員数(人)8787期中平均稼働率(%)105.6104.4  また、全社的にはシニア事業と不動産事業を両輪として安定的に堅実に成長していくことが重要であると考えていることから、全社的な経営指標としては、営業利益としており、当事業年度における営業利益は1,305,131千円となりました。
研究開発活動 6【研究開発活動】
該当事項はありません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当事業年度において実施いたしました設備投資の総額は4,607,719千円であり、その主なものは、不動産事業における新規ホーム開設等に伴う土地取得1,450,749千円及び建物建設等(建設仮勘定含む)2,980,750千円であります。
なお、重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(千円)構築物(千円)土地(千円)(面積㎡)差入保証金(千円)その他(千円)合計(千円)本社(東京都千代田区)本社統括業務施設45,618--62,67016,022124,31176(7)アズハイム(東京都 23事業所)シニア事業介護事業所17,0064,024-439,91079,827540,767403(271)アズハイム(埼玉県 11事業所)シニア事業介護事業所0386-148,6994,359153,445142(163)アズハイム(神奈川県 10事業所)シニア事業介護事業所721702-174,46817,107192,999172(157)アズハイム(千葉県 5事業所)シニア事業介護事業所2,0303,437-62,23034,235101,93380(70)アズハイム(茨城県 1事業所)シニア事業介護事業所----5865866(17)不動産(東京都)(北区王子 他5カ所)不動産事業賃貸用不動産307,7702682,066,185(5,149.96)44,000356,1412,774,365-不動産(埼玉県)(所沢市)不動産事業賃貸用不動産15,5380305,172(2,866.00)-237,015557,727-不動産(千葉県)(習志野市栄 他1カ所)不動産事業賃貸用不動産177,073-77,895(3,874.51)--254,969-不動産(茨城県)(水戸市東原 他1カ所)不動産事業賃貸用不動産19,277-658(748.02)-019,935- (注)1.帳簿価額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、器具及び備品、ソフトウエア、借地権、無形固定資産(その他)、建設仮勘定の合計であります。
3.現在休止中の重要な設備はありません。
4.従業員数は就業人員であり、( )内に契約社員及びパート社員の年間の平均人員を外数で記載しております。
5.上記の他、リース契約による主な賃借設備は、次のとおりであります。
事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容リース期間年間リース料(千円)リース契約残高(千円)本社(東京都千代田区)本社統括業務施設(オペレーティング・リース)3年128,051174,703アズハイム(東京都 20事業所)シニア事業介護事業所(オペレーティング・リース)10年~30年1,347,71826,231,938アズハイム(埼玉県 11事業所)シニア事業介護事業所(オペレーティング・リース)2年~31年332,4643,883,940アズハイム(神奈川県 10事業所)シニア事業介護事業所(オペレーティング・リース)2年~32年436,5535,617,539アズハイム(千葉県 4事業所)シニア事業介護事業所(オペレーティング・リース)20年~30年134,2332,338,762不動産(東京都)(中央区東日本橋)不動産事業地上権(オペレーティング・リース)30年1,41622,892不動産(埼玉県)(さいたま市西区三橋)不動産事業借地権(オペレーティング・リース)30年6,527108,255
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当社の設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。
 なお、重要な設備の新設、除却等は次のとおりであります。
(1)重要な設備の新設等 ① シニア事業事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着工(予定)年月完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)ホーム居室数デイ定員数アズハイム入間(埼玉県入間市)介護付きホーム(器具備品等の購入等)25,700-増資資金2024年8月2025年7月98室-アズハイム春日部(埼玉県春日部市)介護付きホームデイサービス(器具備品等の購入等)28,720-増資資金2024年9月2025年9月74室50名アズハイム国立(東京都国立市)介護付きホーム(器具備品等の購入等)30,050-増資資金2024年8月2025年9月128室-アズハイム足立六町(東京都足立区)介護付きホーム(器具備品等の購入等)25,700- 借入金 2024年5月2025年10月95室-アズハイム青葉台(神奈川県横浜市)デイサービス(器具備品等の購入等)7,341-自己資金又は借入金2025年6月2026年1月-50名アズハイム調布(東京都調布市)介護付きホーム(器具備品等の購入等)25,500-自己資金又は借入金2024年11月2026年2月97室-アズハイム所沢(埼玉県所沢市)介護付きホーム(器具備品等の購入等)25,500-借入金2024年9月2026年4月96室-アズハイム小平(東京都小平市)介護付きホーム(器具備品等の購入等)24,900-借入金2025年8月2026年11月90室-アズハイム府中(東京都府中市)介護付きホーム(器具備品等の購入等)25,700-自己資金又は借入金2025年7月2026年12月99室-アズハイム葛飾青砥(東京都葛飾区)介護付きホーム(器具備品等の購入等)23,623-自己資金又は借入金2026年2月2027年5月91室-  ② 不動産事業事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着工予定年月完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)ホーム居室数デイ定員数アズハイム足立六町(東京都足立区)介護付きホーム借地権・建物等の購入2,669,496322,399借入金2024年5月2025年10月95室-アズハイム所沢(埼玉県所沢市)介護付きホーム土地建物等の購入1,890,355521,528借入金2024年9月2026年4月96室-アズハイム小平(東京都小平市)介護付きホーム土地建物等の購入2,708,2641,145,576借入金2025年8月2026年11月90室- (2)重要な設備の除却等  該当事項はありません。
設備投資額、設備投資等の概要4,607,719,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況33
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況4
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況4,552,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
株式会社ブレス東京都杉並区永福四丁目9番20号1,250,00034.95
MIRARTHホールディングス株式会社東京都千代田区丸の内一丁目8番2号517,00014.45
植村 健志東京都杉並区162,0004.53
伊藤 啓敏埼玉県川口市152,0004.25
山本 皇自埼玉県さいたま市南区152,0004.25
アズパートナーズ従業員持株会東京都千代田区神田駿河台二丁目2番地127,6883.57
NOMURA PB NOMINESS LIMITED OMNIBUS-MARGIN (CASHPB)(常任代理人 野村證券株式会社)1 ANGEL LANE,LONDON,EC4R 3AB,UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1丁目13-1)101,8002.84
松尾 篤人神奈川県川崎市中原区51,0001.42
楽天証券株式会社東京都港区南青山2丁目6番21号37,0001.03
吉田 健一神奈川県川崎市中原区33,0000.92計-2,583,48872.21
株主数-金融機関2
株主数-金融商品取引業者17
株主数-外国法人等-個人5
株主数-外国法人等-個人以外23
株主数-個人その他2,024
株主数-その他の法人29
株主数-計2,100
氏名又は名称、大株主の状況吉田 健一
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
 該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式3,030,000546,000-3,576,000合計3,030,000546,000-3,576,000自己株式   普通株式----合計----(注)1.2024年4月3日付の公募増資により、発行済株式の総数は393,000株増加しております。
2.2024年5月7日付の第三者割当による増資により、発行済株式の総数は131,000株増加しております。
3.新株予約権の行使により、発行済株式の総数は22,000株増加しております。

Audit1

監査法人1、個別監 査 法 人 F R I Q
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年6月25日株式会社アズパートナーズ 取 締 役 会  御 中 監 査 法 人 F R I Q 東 京 都 千 代 田 区 指 定 社 員業務執行社員 公認会計士石 川    浩 平 指 定 社 員業務執行社員 公認会計士佐 藤    涼 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社アズパートナーズの2024年4月1日から2025年3月31日までの第21期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社アズパートナーズの2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当事業年度の貸借対照表において販売用不動産4,220,690千円及び仕掛販売用不動産2,519,587千円を計上しており、当該金額は総資産の31.4%を占めており、金額的な重要性がある。
販売用不動産等の評価については、注記事項(重要な会計方針)「1.棚卸資産の評価基準および評価方法 販売用不動産、仕掛販売用不動産」に記載のとおり、個別法による原価法に基づいて行われ、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定されている。
また、販売用不動産、仕掛販売用不動産の貸借対照表価額は【注記事項】
(重要な会計上の見積り)の(販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価)に記載されているとおり、正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする方法により行われる。
販売用不動産及び仕掛販売用不動産の正味売却価額の主要な構成要素である見積売却価格は、価格の決定やその実現可能性に経営者の仮定や主観的な判断が含まれ、それらは不動産市況のほか近隣物件及び同種物件の成約価格等の影響を受けることから、見積りには不確実性がある。
以上により、当監査法人は、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価の適切性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であるため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価が適切に実施されているかどうかを検討するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価プロセスについて、正味売却価額の見積りに係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

(2)見積りの合理性の検討・前事業年度における見積りの適切性を確認するため、当事業年度における赤字販売の有無について検討した。
・売却予定時期が当初計画から一定期間経過した物件について、以下のとおり、正味売却価額の検討を実施した。
①財務諸表作成時点において顧客と販売契約を締結している物件は、契約書により契約金額を確認し、正味売却価額との整合性を検討した。
②財務諸表作成時点において顧客と販売契約が締結されていない物件は、正味売却価額に影響する事象を把握するために取締役会等各種会議体の議事録や稟議書の閲覧及び所管部署への質問を実施し、把握されている事象が評価に反映されているかどうかを検討した。
また、会社を取り巻く経営環境の著しい悪化の有無を把握するとともに、当該物件の周辺地域における物件販売価額と比較した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当事業年度の貸借対照表において販売用不動産4,220,690千円及び仕掛販売用不動産2,519,587千円を計上しており、当該金額は総資産の31.4%を占めており、金額的な重要性がある。
販売用不動産等の評価については、注記事項(重要な会計方針)「1.棚卸資産の評価基準および評価方法 販売用不動産、仕掛販売用不動産」に記載のとおり、個別法による原価法に基づいて行われ、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定されている。
また、販売用不動産、仕掛販売用不動産の貸借対照表価額は【注記事項】
(重要な会計上の見積り)の(販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価)に記載されているとおり、正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする方法により行われる。
販売用不動産及び仕掛販売用不動産の正味売却価額の主要な構成要素である見積売却価格は、価格の決定やその実現可能性に経営者の仮定や主観的な判断が含まれ、それらは不動産市況のほか近隣物件及び同種物件の成約価格等の影響を受けることから、見積りには不確実性がある。
以上により、当監査法人は、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価の適切性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であるため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価が適切に実施されているかどうかを検討するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価プロセスについて、正味売却価額の見積りに係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

(2)見積りの合理性の検討・前事業年度における見積りの適切性を確認するため、当事業年度における赤字販売の有無について検討した。
・売却予定時期が当初計画から一定期間経過した物件について、以下のとおり、正味売却価額の検討を実施した。
①財務諸表作成時点において顧客と販売契約を締結している物件は、契約書により契約金額を確認し、正味売却価額との整合性を検討した。
②財務諸表作成時点において顧客と販売契約が締結されていない物件は、正味売却価額に影響する事象を把握するために取締役会等各種会議体の議事録や稟議書の閲覧及び所管部署への質問を実施し、把握されている事象が評価に反映されているかどうかを検討した。
また、会社を取り巻く経営環境の著しい悪化の有無を把握するとともに、当該物件の周辺地域における物件販売価額と比較した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

その他、流動資産32,456,000
土地2,449,912,000
建設仮勘定538,754,000
有形固定資産3,706,579,000
ソフトウエア24,295,000
無形固定資産82,483,000
長期前払費用39,065,000
繰延税金資産287,016,000
投資その他の資産1,265,923,000

BS負債、資本

短期借入金1,130,068,000
1年内返済予定の長期借入金916,814,000
未払金156,876,000
未払法人税等140,854,000
未払費用522,930,000
賞与引当金206,995,000
資本剰余金553,516,000
利益剰余金3,015,943,000
株主資本4,162,977,000
負債純資産21,407,641,000

PL

売上原価14,043,944,000
販売費及び一般管理費2,568,732,000
営業利益又は営業損失-1,786,149,000
営業外収益143,657,000
支払利息、営業外費用83,253,000
営業外費用98,439,000
特別損失498,000
法人税、住民税及び事業税290,240,000
法人税等調整額102,951,000
法人税等393,192,000

PL2

剰余金の配当-115,140,000