財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-24
英訳名、表紙OSAKA STEEL CO., LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  谷 潤 一
本店の所在の場所、表紙大阪市中央区道修町三丁目6番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙06-6204-0163
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
1978年5月大鐵工業㈱並びに大和製鋼㈱の合併母体として大阪製鐵㈱を設立1978年10月両社を吸収合併し、営業開始1980年10月日鐵鋼機㈱を吸収合併し、同社工場を津守工場へ移転し加工製品工場とする1980年11月子会社大阪物産㈱設立1981年2月子会社大阪新運輸㈱設立1987年9月子会社日本スチール㈱設立1989年3月西日本製鋼㈱の経営権を取得1990年3月第三者割当増資により新日本製鐵㈱(現 日本製鉄㈱)の子会社となる1994年12月大阪証券取引所市場第二部へ株式上場1995年6月西日本製鋼㈱を吸収合併し、同社工場を西日本製鋼所(現 西日本熊本工場)とする 同社との合併により西鋼物流㈱が子会社となる1996年11月東京証券取引所市場第二部へ株式上場1997年9月東京証券取引所・大阪証券取引所市場第一部へ指定替え1998年10月津守圧延工場、第二圧延工場を集約した堺圧延工場、営業運転開始1999年3月子会社新北海鋼業㈱設立1999年10月関西ビレットセンター㈱を吸収合併し、同社工場を堺製鋼工場とする2002年3月大阪製鐵㈱恩加島工場(現 大阪事業所恩加島工場)・堺工場(現 大阪事業所堺工場) でISO9001の認証を取得2003年4月大阪製鐵㈱西日本製鋼所(現 西日本熊本工場)でISO9001の認証を取得2003年11月大阪製鐵㈱でISO14001の認証を取得2005年1月日本スチール㈱を完全子会社化2012年12月インドネシア国営製鉄会社PT.KRAKATAU STEEL(PERSERO)Tbk(クラカタウ社)と合弁会社PT. KRAKATAU OSAKA STEEL(KOS社)をインドネシア共和国バンテン州チレゴンに設立2014年3月子会社新北海鋼業㈱を解散2014年9月クラカタウ社との間で、インドネシアにおける中小形形鋼・鉄筋棒鋼及び平鋼製造販売合弁 事業の最終契約を締結2016年3月東京鋼鐵㈱を株式公開買付けにより子会社化 大阪製鐵㈱大阪恩加島工場(現 大阪事業所恩加島工場)の製鋼工程を休止2017年1月PT.KRAKATAU OSAKA STEEL(KOS社)が営業生産を開始2017年4月大阪製鐵㈱に大阪恩加島工場及び堺工場を統括する大阪事業所を新設2021年8月子会社日本スチール㈱を吸収合併し、同社工場を岸和田工場とする2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からスタンダード市場へ移行2022年9月大阪事業所恩加島工場の圧延工程を休止し、大阪事業所堺工場へ生産移管・集約2022年12月子会社大阪物産㈱を解散2025年3月福岡証券取引所本則市場へ重複上場
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループは鉄鋼業を営んでおります。
当該事業における当社及び関係会社等の位置づけは次のとおりであります。
 鉄鋼業会社名区分事業の内容当社―形鋼、棒鋼、平鋼等の鋼材及び鋼片並びに鉄鋼加工品の製造販売日本製鉄㈱親会社各種鉄鋼製品の製造販売等東京鋼鐵㈱連結子会社形鋼及び鋼片並びに鉄鋼加工品の製造販売大阪新運輸㈱〃鋼材等の運送及び構内作業西鋼物流㈱〃鋼材等の運送及び構内作業PT.KRAKATAU OSAKA STEEL〃鋼材の製造販売 事業の系統図は次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)(親会社)東京都千代田区569,519鉄鋼業―66.3(0.4)電力の購入等資金の貸付資金の預託役員の兼任 1名 日本製鉄㈱(連結子会社)栃木県小山市2,453鉄鋼業90.0―鋼材等の売買資金の預入等役員の兼任 3名 東京鋼鐵㈱大阪新運輸㈱堺市194鉄鋼業100.0―当社鋼材の運送等役員の兼任 4名西鋼物流㈱熊本県宇土市50鉄鋼業100.0―当社鋼材の運送等役員の兼任 3名PT.KRAKATAU OSAKA STEELインドネシア共和国バンテン州100百万US$鉄鋼業80.0―鋼片等の販売資金の貸付債務保証等役員の兼任 3名
(注)1.東京鋼鐵㈱、PT.KRAKATAU OSAKA STEELは、特定子会社に該当します。
2.日本製鉄㈱は、有価証券報告書の提出会社であります。
3.議決権の所有(被所有)割合における( )は、間接所有分を内数で表示しております。
主要な損益情報等 名称売上高(百万円)経常利益(百万円)当期純利益(百万円)純資産額(百万円)総資産額(百万円)東京鋼鐵㈱22,20192060423,02829,828PT.KRAKATAU OSAKA STEEL25,394△1,217△1,302△3,66142,607
(注)東京鋼鐵㈱及びPT.KRAKATAU OSAKA STEELの売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結売上高に占める割合が10%を超えております。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)鉄鋼業1,065(78)合計1,065(78)
(注)1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
    なお、パートタイマー、嘱託及び派遣社員を含めておりません。
  2.臨時従業員数は、( )内に年間平均雇用人員を外数で記載しております。

(2) 提出会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)鉄鋼業585(39)40.914.16,931
(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
    なお、パートタイマー、嘱託及び派遣社員を含めておりません。
2.臨時従業員数は、( )内に年間平均雇用人員を外数で記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況提出会社の労働組合である大阪製鐵労働組合のほか、複数の連結子会社で労働組合が組織されております。
2025年3月31日現在における組合員数は931名であります。
 なお、労使関係については特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)(注4)育児休業取得率(注2)育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率(注3)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者1.364.794.185.183.175.3
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
正規雇用労働者においては、それぞれの社員に求められる役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、管理職、スタッフ、エリアスタッフ、技術職の区分を設定し、区分別の給与制度を設けております。
各区分の給与制度および評価・運用は、男女の別なく全社員同一としております。
男女の賃金差異は、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることや、同一区分内でも男女での平均勤続年数が異なることによって発生しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」を経営の基本方針としております。
〈経営理念〉 大阪製鐵グループは、鉄スクラップを鉄鋼製品にリサイクルし、省資源・省エネルギーを通じて地球環境の保全に努めるとともに、社会の発展に貢献する電炉グループです。
顧客ニーズを追求し、合理的でオープンな経営により、ゆるぎない競争力を持ち、信頼される企業グループを目指します。
私達は、この目標の実現に向け、自らの成長と変革を通じ、挑戦を続けます。
〈行動指針〉 1.自ら考え、行動します 2.失敗を恐れず、挑戦します 3.技術を極め、技術を磨きます 4.役割を認識し、期待に応えます 5.対話と信頼を通じ、連携します
(2) 経営環境当社の国内事業環境については、主たる需要分野となる建設分野は人手不足・働き方改革による工事遅延や資材高により需要が低迷しており、中長期的にも需要が大きく伸びないことと想定しております。
一方、海外市場については、東南アジアを中心に一定の経済成長の持続が見込まれます。
また、主原料であるスクラップは、長期的にカーボンニュートラル実現に向けた環境変化により需給はタイト化されるとともに、再生可能エネルギー比率の上昇による電力供給構造の変化や少子高齢化の更なる進展等、当社経営を取り巻く環境は、絶え間なく変化するものと想定しております。
2025年度における国内経済の見通しは、個人消費や設備投資は回復の動きが続くものと期待され、インドネシア経済においても堅調な個人消費に支えられて底堅く推移するものと見込まれますが、一方で米国の通商政策を受けた世界経済の下振れリスクがあり、先行き不透明な状況が継続することが想定されます。
当社の経営環境は、建設向け需要は大幅な回復が望めず、コスト面においても更なる電力料金等の値上げが見込まれ、一段と厳しさを増しております。
また、インドネシア事業におきましては、政府の政策転換によりインフラ開発予算が削減された影響で需要動向が不透明となっており、厳しい経営環境が継続すると想定されます。
 (3) 対処すべき課題 当社グループは、2021年に公表した2025年中期経営計画の諸施策に継続して取り組んできました。
また、2024年1月30日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについて」を公表した上で、ROEの改善、PBR向上を通じた企業価値向上の検討を重ねてまいりました。
今般、事業環境の変化や市場から求められる指標変化も踏まえ、2025年度中期経営計画を見直し、2027年度を目標とした中期経営計画を2025年1月31日に策定致しました。
その内容は以下の通りであります。
大阪製鐵グループ中期経営計画 1.収益改善と資本効率化対策 2024年3月期ROE(株主資本利益率)は2.1%であり、株主資本コスト(7~8%程度)を下回っており、PBR(株価純資産倍率)は1倍を下回る水準で推移しています。
 収益基盤の確立・強化を最優先課題として収益改善に取り組むと共に、併せて資本効率化対策を推進することで、株主資本コストを上回るROEを目指すこととし、そのステップとして、2027年度にROE5%の達成を図る計画を策定致しました。
 更に、株主・投資家への情報開示・対話などのIR、SR活動の強化を図り、PER向上(期待成長率の上昇、株主資本コストの低下)、ひいてはPBR向上に繋げてまいります。
  (1)収益改善、事業基盤強化対策    ①国内事業基盤の強化 当社の主たる需要分野となる建設分野は、人手不足・働き方改革による工事遅延や資材高により需要が低迷しておりますが、今後も需要は大きく伸びないことを想定しています。
当社は、当社製品の強みである高品質(寸法精度・直進性)な商品競争力や納期対応力を最大限活かし、お客様からの更なる評価・信頼を獲得し、業界におけるプレゼンス向上を図ってまいります。
また、東日本における東京鋼鐵との販売連携等により、お客様のご要望に応えるきめ細かく機動的な製品供給体制の拡充等を通じた営業強化を推進していきます。
 生産体制につきましては、国内4拠点の有機的な連携を更に強めると共に、省エネ、省人化対策を通じたコスト削減を強化してまいります。
主力工場である堺工場においては、省エネ・省CO2型電気炉を2025年度に稼働させ、CO2削減を図るとともに国内トップクラスのコスト競争力を構築します。
これまで実施してきた圧延工程の体質強化対策(Sプロ)の効果、今後実行予定の納入対応力向上を目的とした倉庫能力強化対策を加え、堺工場の製鋼~圧延~出荷までの一貫体質強化を図ります。
また、輸送業界の働き方改革や輸送時CO2を削減の観点からも、各地区における倉庫能力強化対策を実施してまいります。
 調達面では、主原料であるスクラップの上級屑を中心にした需給タイト化が見込まれる中、安価屑の利用拡大を含めた調達ソースの多様化やスクラップの保管対策をはじめとしたスクラップ調達力の強化を図ります。
    ②海外事業の状況 当社のインドネシア子会社(KOS:PT.KRAKATAU OSAKA STEEL)は、2021年に黒字化しましたが、2022年以降、当期損益赤字が継続しており、2023年期末には▲18億円の債務超過に陥っています。
2024年1-9月は▲16億円の当期損益赤字であり、同期末も当期損益赤字の見通しのため、債務超過状態が継続する見通しです。
 5%程度の経済成長が続き、引き続き安定した鋼材需要が見込まれるインドネシアにおける事業改善に注力することとし、その一方で、事業価値を減耗させないために、在庫増減や与受信増減等の一過的な要因を除いた構造的なFCFを四半期ごとにフォローし、それが継続的にマイナスとならないことを基準として事業継続性を総合的に判断していくこととしています。
 仮に事業撤退をする場合には、その時期や方法によっては、200億円規模の損失発生の可能性があります。
 製販連携強化によるプロジェクト向け拡販、大阪製鐵と一体となった事業運営(営業連携強化による販路拡大、ビレット調達)等、実効的な諸施策の継続・強化により事業改善を図ってまいります。
  (2)資本効率化対策 今回、ROE向上のため、上記収益改善策の検討と併せ、資本効率の改善策を検討いたしました。
その過程で、手元資金について、今後3年間に必要な商品競争力強化、カーボンニュートラル、スクラップ調達力強化等に資する戦略投資、基盤強化投資や老朽更新投資による必要資金を算出するとともに、上記収益改善策により見込まれるキャッシュフローや運転資金を検証した結果、配当性向30%を目途とした配当に加え、今後3年間で300億円を上限とする株主還元策が可能と判断し、これを実施することと致しました。
 その一環として、今般、ROEの向上に加えて、当社の流通株式比率の向上にも資する施策として、自己株式の公開買付けおよび当社が保有する自己株式を消却致します。
2.サステナビリティ課題の取り組み (1)カーボンニュートラルに向けた取り組み 当社はCO2排出量削減目標として、2030年度に2013年度比46%の削減目標、2050年度のカーボンニュートラルをビジョンとして取り組みを進めています。
2024年度には「カーボンニュートラル推進委員会」を設置し、具体的施策・計画の策定、着実な実行に向けたマネジメント強化を図っています。
 CO2削減対策に加え環境認証取得を進め、グリーン商品の拡販に繋げてまいります。
 (2)人的資本への取り組みとDX推進 人材の確保・育成および社員のエンゲージメント向上、D&I推進、健康経営の推進に資する人的資本対策は経営の重要課題と位置づけ、継続した取り組みを進めてまいります。
また、社員がより生産性の高い職務で能力発揮できるようグループシステム統合やデジタル技術を活用した業務効率化、および操業関連プロセスの省力化投資を積極的に推進してまいります。
3.経営指標   以下の経営指標に基づき、持続的な成長と企業価値の更なる向上を目指してまいります。
2024年度実績2027年度目標連結売上高1,164億円1,250億円連結経常利益49億円95億円ROE2.1%5%程度株主還元配当性向41.0%配当性向30%程度+300億円上限/3年(2025~27年度)
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理 当社はサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、以下の「サステナビリティ基本方針」を定めています。
〈サステナビリティ基本方針〉 大阪製鐵グループは、「人々のために、社会のために、そして地球のために」のスローガンの下、地球に優しく、高品質で、お客様のニーズに応える製品を製造・提供し続けることにより、持続可能な社会の実現に貢献します。
 このサステナビリティ基本方針に基づき、ステークホルダー視点で導き出した抽出課題から、当社グループが取り組むべきマテリアリティを以下内容に特定しております。
重要課題グループ重要課題(マテリアリティ)サステナブル社会の実現に向けて地球環境への対応CO2排出量の削減社内ゼロエミッションに向けた取り組み安全・安心な環境づくりに向けて安全・環境・防災及び品質を最優先とした企業活動の継続安全最優先の取り組み強化環境リスクマネジメントの推進災害リスクの徹底排除高品質で安全・安心な商品提供多様な人材の活躍に向けて人権を尊重し、社員一人ひとりが多様性を活かした働きがいのある職場環境の実現女性社員が活躍できる雇用環境の整備多様な人材が活躍できる働き方の実現(仕事と生活の両立支援)障がい者が働きやすい職場環境の整備健康経営公正で誠実な企業活動に向けて健全で公正な企業活動を行い、社会の信頼と期待に応える経営を実践コンプライアンスの徹底 ①ガバナンス当社は、代表取締役社長が委員長を務め、委員長が指名した者により構成されるサステナビリティ委員会を設置し、年2回開催しております。
同委員会において、気候変動に関する事項を含むマテリアリティ(重要課題)の特定やサステナビリティ戦略について審議し、経営会議・取締役会に定期的に報告をする体制を構築しております。
また、経営会議・取締役会は定期的にサステナビリティ委員会より取組状況や目標の達成状況の報告を受けることによりリスク管理の監督を行っております。
②リスク管理 サステナビリティ関連のリスク・管理の特定・評価やリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針については、各委員会(全社安全衛生防災会議、カーボンニュートラル推進委員会等)において検討し、これをサステナビリティ委員会に報告します。
サステナビリティ委員会はその他のサステナビリティ関連事項とともに取り纏め、社内関係部門・グループ会社に対応を指示します。
また、対応策の取組状況や設定した目標の達成状況についても審議し、定期的に経営会議・取締役会に報告しています。
(2)気候変動への対応について 当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてあらゆる努力を継続的に取り組み、気候変動を含む地球環境リスクに真摯に向き合い、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。
①戦略当社グループは気候変動が当社事業に与える影響を、シナリオ分析を活用して想定し、リスクに適切に備えるとともに、ビジネス機会の捕捉に向けた取り組みを推進しております。
シナリオ分析にあたって想定した1.5℃シナリオ、4℃シナリオの世界観および利用した主要な報告書等は下記の通りです。
シナリオシナリオ概要主な参照シナリオ1.5℃シナリオエネルギー政策や炭素税の導入、また、低炭素技術の幅広い導入により、産業革命前からの平均気温の上昇が1.5℃程度に抑えられるシナリオ。
4℃シナリオほどではないが、若干の自然災害の増加がみられる。
鉄鋼の生産には電炉が広く普及し、スクラップの需給がタイトになる。
また、低炭素・サステナブルな製品・材料に関する購買活動が活発になる。
IPCC:第6次評価報告書 SSP1-1.9IEA :Energy Outlook 2024 NZE    シナリオ4℃シナリオ化石燃料の活用が変わらず旺盛、かつ再生可能エネルギーの導入は限定的であり、平均気温の上昇が産業革命前と比べて4℃程度に達するシナリオ。
大雨や熱波などの極端気象が頻発し、労働生産性への影響も含めて社会への影響も大きくなる一方、経済活動は1.5℃シナリオに比べて活発になる。
鉄鋼の生産も電炉等はあまり普及しない。
また、低炭素・サステナブルな製品・材料に関する購買志向はあまり上昇しない。
IPCC:第6次評価報告書 SSP5-8.5IEA :Energy Outlook 2024 STEPS   シナリオ    
(注)IPCC:気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)     IEA :国際エネルギー機関(International Energy Agency) 〈シナリオ分析〉発現シナリオ区分影響内容リスク・機会概要対応策発生時期影響の大きさ1.5℃シナリオ移行リスク政策・法操業コスト炭素税やGHG排出規制をはじめとした気候変動対策のための規制等の導入により操業コスト上昇 省エネ設備や再生可能エネルギー導入等によるGHG排出量削減 短期~中期大政策・法調達コスト炭素税やGHG排出規制をはじめとした気候変動対策のための規制等の導入の影響により、サプライチェーン上の脱炭素コストが上昇し、これにより調達コストが上昇 製品価格への転嫁、調達ソースの拡大による収益力確保 短期~中期大技術スクラップ調達コスト鉄鋼事業者における電炉導入が進展することによるスクラップ需給がタイト化し、調達の不安定化や調達コストの上昇などが顕在化多様な品位の鉄スクラップ使用可能化、調達ソースの拡大による調達量の確保長期大評判自社評判適切なサステナビリティ開示を実施しない場合、投資家を含めた外部ステークホルダーからの評価が低下CDPなどをはじめとしたサステナビリティ関連情報の適切な開示の実施 短期~中期中機会製品・サービス売上機会顧客において低炭素製品に対する要求が高まり、これを満たす電炉により生産された製品の販売機会が増加 グリーン認証等に相当する製品の開発や認証の着実な取得、また市場への適切な訴求 短期大市場売上機会電化の進展により関連設備の需要が増加し、売上機会が増加 コスト・品質競争力の更なる向上及び生産上方弾力性の確保や適切な営業体制構築による需要の捕捉長期小4℃シナリオ物理的リスク急性自社の操業への影響洪水等自然災害の影響により自社の設備が被害を受け、操業に影響が生じることによる生産量減少、また、復旧コストが発生 BCPにおける洪水対策や防災対策の適切な推進長期中急性サプライチェーンの途絶洪水等の自然災害の影響によりサプライチェーン上の事業者の操業が影響を受け、材料等の供給が一時的に途絶することにより生産量が減少 調達ソースの拡大、適正在庫の管理強化長期中慢性生産量減少 平均気温上昇による労働生産性の低下や労働力の確保の困難化に伴い生産量が減少省力化投資の推進及び職場環境対策投資の継続中期~長期中 (注)1.発生時期 短期:~3年 中期:4~6年 長期:7年~2.影響の大きさ 大:数十億円以上の規模の売上の増減もしくは損失または利益といった、業績に大きな影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会中:数億円規模の売上の増減もしくは損失または利益といった、業績に一定の影響を及ぼす可能性のあるリスク・機会小:業績への影響が軽微であることが想定されるリスク・機会 ②指標及び目標当社グループでは気候変動に関する取り組みを示す指標として、温室効果ガス(GHG)の排出量を利用しています。
当社のGHG削減目標(Scope1+2)及び排出量実績は以下の通りとなります。
進捗として、2024年度は2013年度比31%の削減を実行しております。
 Scope1及びScope2以外のその他の間接排出量(Scope3)につきましては、現在算定中です。
2023年度排出量実績(千tCO2)2024年度排出量実績(千tCO2)目標Scope1(注)1、21261182030年度:2013年度比46%削減2050年度:カーボンニュートラルScope2(注)1、3266246 (注)1.国内製造拠点のエネルギー及び炭材起因CO2を対象に算定(注)2.環境省データベースを使用(注)3.調整後排出係数(2023年度確定値)を使用 (3)人的資本、多様性について①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況ⅰ.人材育成基本方針当社グループは、人的資本が企業価値を構成する最重要な価値と位置づけ、経営理念において、「全ての力を人材育成と技術力強化に向け、自己実現を通じ、社会に貢献します」と行動指針を定めております。
当社グループの人材育成の基本は、上司と部下が業務に関し日々の対話を重ねながら、具体的な業務スキルを伝えていくものです。
あわせて人材育成に関する社内環境整備を図ることによる実効性ある人材育成施策を講じて、最終的に社会貢献を果たしていくとともに、従業員エンゲージメントの最大化も図ってまいります。
当社グループは、サステナビリティの基本方針(マテリアリティ)に、「地球環境への対応」「人権を尊重し、社員一人ひとりが多様性を活かした働きがいのある職場環境の実現」を掲げており、・新しい技術や社会的課題に積極果敢にチャレンジできる人材・多様性を尊重し、対話と協働による持続的な成長ができる人材・当社グループの成長戦略であるインドネシアプロジェクトを中心にグローバルに活躍できる人材の育成に重点的に取り組んでまいります。
1)技術職の人材育成技術職の人材育成は、当社の技術力を根幹から支えており、円滑に技能伝承を行うことが必須であり、入社した従業員全員を一人前に育て上げる仕組みの構築が必要不可欠なため、習得すべき技能を明確にした上で上司と部下が会話し、具体的な育成計画を作成・実行しております。
また、必要な資格取得の特別講習や、指導員としての役割意識の向上及び日常におけるコミュニケーション能力の向上等を図る「指導員研修」、ストレスマネジメント等を学ぶ「教わり方研修」などのOFF-JT研修を階層別に実施し、一人ひとりがスキルアップの向上が図れる人材育成に努めております。
2)スタッフ系人材育成スタッフ系についてはOJTを基盤とした人材育成を進めております。
具体的には、上司・部下との対話をより活発化させ、相互の意思疎通を深め、目標の設定・共有化を図ることを目的とした「個人育成対話シート」の取り組みにより、PDCAを効果的に回す仕組みを構築しております。
とりわけ入社後一定期間を育成期間と定め、全社適材適所を目指した人員配置/ローテーションを行い、経営方針に基づくOJTによる人材育成を図るとともに、各世代にわたり階層別研修や目的別研修の充実化を図り、DX研修や部門別エキスパート研修、海外人材育成研修等のOFF‐JT研修による人材育成を進めております。
3)管理者人材育成マネジメントを狙いとした管理職研修をはじめ、管理者としての成長、経営層への登用等も踏まえた階層別研修や管理職の役割、責任を正しく理解した上で、円滑に管理者としてのスタートを切るべく新任管理者研修等のOFF-JT研修を実施しています。
当社グループの中枢を担う人材育成強化を目指して、更に充実を図ってまいります。
また、海外事業等においてジョブ型雇用を進めております。
今後、多様化する雇用形態に対応した制度化、人材育成施策の充実をさらに推進してまいります。
ⅱ.社内環境整備方針当社グループの経営計画、人材育成基本方針に基づき、現在~将来にわたる人材ポートフォリオを整備し、階層別、社員区分別の人員配置・人材育成に視点を当てたローテーション計画を作成した上で、人事施策、人材育成施策に反映しております。
人材ポートフォリオにおいては、成長戦略で海外事業に関連する人材、地球環境に対応しうる人材、DX対応人材、将来の経営を担う人材等、事業継続性を考慮した中で細分化した上で策定し、必要な人材育成施策の検討に繋げています。
その結果を踏まえ、時代の変化に応じた要員管理、人員配置、ローテーション施策を実行してまいります。
②指標及び目標(提出会社) 当社グループでは、上記「①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
このため、次の指標に関する実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
指標目標2024年度実績管理職に占める女性労働者の割合(注1)2025年:21年度比2倍(約3%)2030年:21年度比3~4倍(約4.5~6%)1.3%男性労働者の育児休業取得率(注2)50%以上64.7%育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率(注3)80%以上94.1%労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(注4)中長期目標100%85.1% 同(正規雇用労働者) 〃83.1% 同(パート・有期労働者) 〃75.3%有給休暇平均取得率80%以上84%人材活性化研修実施率100%100%
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
正規雇用労働者においては、それぞれの社員に求められる役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、管理職、スタッフ、エリアスタッフ、技術職の区分を設定し、区分別の給与制度を設けております。
各区分の給与制度および評価・運用は、男女の別なく全社員同一としております。
男女の賃金差異は、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることや、同一区分内でも男女での平均勤続年数が異なることによって発生しております。
戦略 (3)人的資本、多様性について①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況ⅰ.人材育成基本方針当社グループは、人的資本が企業価値を構成する最重要な価値と位置づけ、経営理念において、「全ての力を人材育成と技術力強化に向け、自己実現を通じ、社会に貢献します」と行動指針を定めております。
当社グループの人材育成の基本は、上司と部下が業務に関し日々の対話を重ねながら、具体的な業務スキルを伝えていくものです。
あわせて人材育成に関する社内環境整備を図ることによる実効性ある人材育成施策を講じて、最終的に社会貢献を果たしていくとともに、従業員エンゲージメントの最大化も図ってまいります。
当社グループは、サステナビリティの基本方針(マテリアリティ)に、「地球環境への対応」「人権を尊重し、社員一人ひとりが多様性を活かした働きがいのある職場環境の実現」を掲げており、・新しい技術や社会的課題に積極果敢にチャレンジできる人材・多様性を尊重し、対話と協働による持続的な成長ができる人材・当社グループの成長戦略であるインドネシアプロジェクトを中心にグローバルに活躍できる人材の育成に重点的に取り組んでまいります。
1)技術職の人材育成技術職の人材育成は、当社の技術力を根幹から支えており、円滑に技能伝承を行うことが必須であり、入社した従業員全員を一人前に育て上げる仕組みの構築が必要不可欠なため、習得すべき技能を明確にした上で上司と部下が会話し、具体的な育成計画を作成・実行しております。
また、必要な資格取得の特別講習や、指導員としての役割意識の向上及び日常におけるコミュニケーション能力の向上等を図る「指導員研修」、ストレスマネジメント等を学ぶ「教わり方研修」などのOFF-JT研修を階層別に実施し、一人ひとりがスキルアップの向上が図れる人材育成に努めております。
2)スタッフ系人材育成スタッフ系についてはOJTを基盤とした人材育成を進めております。
具体的には、上司・部下との対話をより活発化させ、相互の意思疎通を深め、目標の設定・共有化を図ることを目的とした「個人育成対話シート」の取り組みにより、PDCAを効果的に回す仕組みを構築しております。
とりわけ入社後一定期間を育成期間と定め、全社適材適所を目指した人員配置/ローテーションを行い、経営方針に基づくOJTによる人材育成を図るとともに、各世代にわたり階層別研修や目的別研修の充実化を図り、DX研修や部門別エキスパート研修、海外人材育成研修等のOFF‐JT研修による人材育成を進めております。
3)管理者人材育成マネジメントを狙いとした管理職研修をはじめ、管理者としての成長、経営層への登用等も踏まえた階層別研修や管理職の役割、責任を正しく理解した上で、円滑に管理者としてのスタートを切るべく新任管理者研修等のOFF-JT研修を実施しています。
当社グループの中枢を担う人材育成強化を目指して、更に充実を図ってまいります。
また、海外事業等においてジョブ型雇用を進めております。
今後、多様化する雇用形態に対応した制度化、人材育成施策の充実をさらに推進してまいります。
ⅱ.社内環境整備方針当社グループの経営計画、人材育成基本方針に基づき、現在~将来にわたる人材ポートフォリオを整備し、階層別、社員区分別の人員配置・人材育成に視点を当てたローテーション計画を作成した上で、人事施策、人材育成施策に反映しております。
人材ポートフォリオにおいては、成長戦略で海外事業に関連する人材、地球環境に対応しうる人材、DX対応人材、将来の経営を担う人材等、事業継続性を考慮した中で細分化した上で策定し、必要な人材育成施策の検討に繋げています。
その結果を踏まえ、時代の変化に応じた要員管理、人員配置、ローテーション施策を実行してまいります。
指標及び目標 ②指標及び目標(提出会社) 当社グループでは、上記「①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
このため、次の指標に関する実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
指標目標2024年度実績管理職に占める女性労働者の割合(注1)2025年:21年度比2倍(約3%)2030年:21年度比3~4倍(約4.5~6%)1.3%男性労働者の育児休業取得率(注2)50%以上64.7%育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率(注3)80%以上94.1%労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(注4)中長期目標100%85.1% 同(正規雇用労働者) 〃83.1% 同(パート・有期労働者) 〃75.3%有給休暇平均取得率80%以上84%人材活性化研修実施率100%100%
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
正規雇用労働者においては、それぞれの社員に求められる役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、管理職、スタッフ、エリアスタッフ、技術職の区分を設定し、区分別の給与制度を設けております。
各区分の給与制度および評価・運用は、男女の別なく全社員同一としております。
男女の賃金差異は、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることや、同一区分内でも男女での平均勤続年数が異なることによって発生しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (3)人的資本、多様性について①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況ⅰ.人材育成基本方針当社グループは、人的資本が企業価値を構成する最重要な価値と位置づけ、経営理念において、「全ての力を人材育成と技術力強化に向け、自己実現を通じ、社会に貢献します」と行動指針を定めております。
当社グループの人材育成の基本は、上司と部下が業務に関し日々の対話を重ねながら、具体的な業務スキルを伝えていくものです。
あわせて人材育成に関する社内環境整備を図ることによる実効性ある人材育成施策を講じて、最終的に社会貢献を果たしていくとともに、従業員エンゲージメントの最大化も図ってまいります。
当社グループは、サステナビリティの基本方針(マテリアリティ)に、「地球環境への対応」「人権を尊重し、社員一人ひとりが多様性を活かした働きがいのある職場環境の実現」を掲げており、・新しい技術や社会的課題に積極果敢にチャレンジできる人材・多様性を尊重し、対話と協働による持続的な成長ができる人材・当社グループの成長戦略であるインドネシアプロジェクトを中心にグローバルに活躍できる人材の育成に重点的に取り組んでまいります。
1)技術職の人材育成技術職の人材育成は、当社の技術力を根幹から支えており、円滑に技能伝承を行うことが必須であり、入社した従業員全員を一人前に育て上げる仕組みの構築が必要不可欠なため、習得すべき技能を明確にした上で上司と部下が会話し、具体的な育成計画を作成・実行しております。
また、必要な資格取得の特別講習や、指導員としての役割意識の向上及び日常におけるコミュニケーション能力の向上等を図る「指導員研修」、ストレスマネジメント等を学ぶ「教わり方研修」などのOFF-JT研修を階層別に実施し、一人ひとりがスキルアップの向上が図れる人材育成に努めております。
2)スタッフ系人材育成スタッフ系についてはOJTを基盤とした人材育成を進めております。
具体的には、上司・部下との対話をより活発化させ、相互の意思疎通を深め、目標の設定・共有化を図ることを目的とした「個人育成対話シート」の取り組みにより、PDCAを効果的に回す仕組みを構築しております。
とりわけ入社後一定期間を育成期間と定め、全社適材適所を目指した人員配置/ローテーションを行い、経営方針に基づくOJTによる人材育成を図るとともに、各世代にわたり階層別研修や目的別研修の充実化を図り、DX研修や部門別エキスパート研修、海外人材育成研修等のOFF‐JT研修による人材育成を進めております。
3)管理者人材育成マネジメントを狙いとした管理職研修をはじめ、管理者としての成長、経営層への登用等も踏まえた階層別研修や管理職の役割、責任を正しく理解した上で、円滑に管理者としてのスタートを切るべく新任管理者研修等のOFF-JT研修を実施しています。
当社グループの中枢を担う人材育成強化を目指して、更に充実を図ってまいります。
また、海外事業等においてジョブ型雇用を進めております。
今後、多様化する雇用形態に対応した制度化、人材育成施策の充実をさらに推進してまいります。
ⅱ.社内環境整備方針当社グループの経営計画、人材育成基本方針に基づき、現在~将来にわたる人材ポートフォリオを整備し、階層別、社員区分別の人員配置・人材育成に視点を当てたローテーション計画を作成した上で、人事施策、人材育成施策に反映しております。
人材ポートフォリオにおいては、成長戦略で海外事業に関連する人材、地球環境に対応しうる人材、DX対応人材、将来の経営を担う人材等、事業継続性を考慮した中で細分化した上で策定し、必要な人材育成施策の検討に繋げています。
その結果を踏まえ、時代の変化に応じた要員管理、人員配置、ローテーション施策を実行してまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ②指標及び目標(提出会社) 当社グループでは、上記「①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。
このため、次の指標に関する実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
指標目標2024年度実績管理職に占める女性労働者の割合(注1)2025年:21年度比2倍(約3%)2030年:21年度比3~4倍(約4.5~6%)1.3%男性労働者の育児休業取得率(注2)50%以上64.7%育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率(注3)80%以上94.1%労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(注4)中長期目標100%85.1% 同(正規雇用労働者) 〃83.1% 同(パート・有期労働者) 〃75.3%有給休暇平均取得率80%以上84%人材活性化研修実施率100%100%
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
正規雇用労働者においては、それぞれの社員に求められる役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、管理職、スタッフ、エリアスタッフ、技術職の区分を設定し、区分別の給与制度を設けております。
各区分の給与制度および評価・運用は、男女の別なく全社員同一としております。
男女の賃金差異は、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることや、同一区分内でも男女での平均勤続年数が異なることによって発生しております。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)鋼材需給の変動 普通鋼電炉業界は、国内において需要量に対し供給能力過剰の構造にあり、過剰生産及び販売による販売価格の下落リスクがあります。
また、東アジア諸国を中心とした需給バランスの変化等による海外市況の下落リスクがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社は、鋼材の需要・供給動向を十分に見極めながら、需要に見合った生産に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。
(2)原料価格等の変動 鋼材の生産に必要な鉄スクラップ、副原料である合金鉄や各種資材等は、国際マーケットで取引されており、東アジア諸国を中心とした鉄鋼生産の変動や、環境負荷低減へ向けたリサイクル資源である鉄スクラップの使用拡大等による価格の高騰及び乱高下リスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社は、生産に見合った原料等の最適調達に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。
(3)電力供給等 大量の電力を使用する当社グループは、地域紛争などによる原油や液化天然ガスなど資源価格の変動や再生可能エネルギーの拡大、脱炭素化に向けた電力需給環境の変化により、電力購入価格が大幅に上昇するリスクがあります。
また、国内各発電所の稼働状況及び天候等の影響により電力需給が逼迫した場合、電力供給の制約を受ける可能性があります。
 当社は省資源・省エネルギーを追求した鋼材の生産に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。
(4)海外投資等 当社はインドネシア共和国に連結子会社を所有しております。
同社の業績は、市場環境の変化は元より、為替相場の変動や同国の政治・経済情勢及び法規制等が変化した場合、影響を受けます。
また、同国において突発的な政情不安及び自然災害等が発生した場合、工場の操業休止等の事態に陥るリスクがあります。
これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
 当社グループは、グループ一貫での連携強化に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。
(5)人材確保・育成 当社グループの成長のためには、有能な人材の確保及び育成が重要な課題でありますが、少子高齢化に伴う労働需給の逼迫は、今後の当社グループの事業活動、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、採用チャネルの拡大やソースの多様化による採用力の強化、IT技術等の活用による労働生産性の向上、実効性ある人材育成施策の推進、従業員エンゲージメントの最大化を図るなど、人的資本の充実・強化に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。
(6)設備投資等 製鉄事業は資本集約的産業であり、継続的に多額の設備投資及び設備修繕支出を必要とします。
老朽化した設備の更新等を行う際は、できる限りの機能向上や省エネルギー対策を織込みながら実行しております。
しかしながら、これらが計画通りに立ち上がらず効果が十分に発揮できない場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
当社は、現在、堺工場において省エネ・省CO2型電気炉の建設を進めており、計画通りの立ち上げに向け、プロジェクト体制を敷くなど、リスクの最小化に取り組んでおります。
(7)気候変動 当社グループは気候変動の影響を受けることにより業績に悪影響が生じる可能性があります。
 想定されるリスク及び対応については、第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動への対応について に記載のとおりであります。
(8)各種自然災害や感染症の拡大等 当社グループの各事業所において大規模な台風、地震等の自然災害及び感染症の拡大等に見舞われた場合、事業活動が制約を受けることにより、業績に悪影響が生じる可能性があります。
各種自然災害については、耐震工事等のハード対策の実行に加え、対応マニュアルの整備を進めるとともに、全事業所において各種訓練の実施や工場パトロールを行っております。
これらの訓練を通じ、継続して工場の緊急事態対応力の強化を図っております。
 また、感染症対策につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応を通じて確立した制度とその運用の定着を図っております。
(9)設備事故、労働災害等 当社グループの製鉄事業の生産活動は、電気炉、取鍋精錬炉、連続鋳造機、加熱炉、圧延機、発電設備等の特定の重要設備に依存しています。
これらの設備において、電気的または機械的事故、火災や爆発、労働災害等が生じた場合、操業の中断による生産・出荷の遅延、費用や補償の支払いなどの発生、また当社グループの信用・信頼を損なうことにより、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、人材の確保、安全環境防災教育をはじめとした人材育成や技能伝承に向けた取り組み及び日々の設備メンテナンスや老朽化設備の更新等、人と設備の両面から基盤整備・強化策を推進しております。
(10)品質問題等 当社グループは、鉄鋼製品を顧客に提供しております。
製品に欠陥が見つかり品質問題が生じた場合は、顧客等から代品の納入や補償を求められるほか、当社グループまたは当社グループの製品に関する信頼が損なわれて売上が減少すること等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
当社は、「品質は会社の鏡 一人一人が責任者」のスローガンをもとに、「常にお客様の信頼と満足を得る品質を提供する」、「関連する法律、規制を遵守して、各プロセスで発生するあらゆる不適合を低減する」等の品質方針を定め、内部品質監査の充実など、様々な取り組みを実施しております。
(11)情報システムの障害 当社グループの事業活動は、情報システムの利用に大きく依存しており、また、自社及び顧客・取引先の営業機密や個人情報等の機密情報が情報システムに保管されております。
当社グループの情報システムにおいて、悪意ある第三者からウイルス感染等のサイバー攻撃等により、システム停止、機密情報の外部漏洩や毀損・改ざん等の事故が起きた場合、生産や業務の停止、訴訟、社会的信用の低下等により、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。
当社においては、技術情報をはじめとする機密情報の漏洩対策については最重要の経営課題のひとつとして認識し、情報セキュリティ基盤の強化対策を実行しつつ、重要なシステム及びネットワーク等については、二重化してデータセンターへ移設し、堅牢な環境下で運用管理をしております。
さらに加えて、社員の情報セキュリティ意識を向上すべく、情報セキュリティ教育や疑似不審メールによる訓練等の対策も実施しております。
(12)事業活動にかかる環境規制当社グループは、事業活動を行う日本及びインドネシアにおいて、大気・水・土壌の汚染、化学物質の利用、廃棄物の処理・リサイクル等に関する広範な環境関連規制の適用を受けており、今後、これらについて、より厳格な規制が導入されたり、法令の適用・解釈が厳しくなったりすることにより、当社グループの事業活動の継続が困難となったり、法令遵守のための費用が増加する可能性があります。
 これらのリスクについて、当社グループは事業所毎に異なる環境リスクへのきめ細やかな対応や各地域の環境保全活動を通じた環境リスクマネジメントを推進し、グループ全体での環境負荷軽減に取り組んでおります。
 また、当社グループは今後化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、当社グループの事業活動が制約を受けたり、費用が増加したりする可能性があります。
 当社は省資源・省エネルギーを追求した鋼材の生産に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループは普通鋼の生産及び製品等の販売並びにこれらの運送を営む単一のセグメントとなっております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ0.6%減少し1,164億2千4百万円、経常利益は同22.1%減少し49億1千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.4%増加し32億2千7百万円となりました。
②財政状態の状況イ 資産流動資産は、前連結会計年度に比べ5.4%減少し、1,088億9千万円となりました。
これは、主として、現金及び預金が42億3千万円増加し、売掛金が41億5千7百万円、未収入金が29億8千1百万円、預け金が32億2百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度に比べ5.5%増加し、945億9千4百万円となりました。
これは、主として、機械装置及び運搬具が9億7千5百万円、建設仮勘定が29億3千7百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度に比べ0.6%減少し、2,034億8千5百万円となりました。
ロ 負債流動負債は、前連結会計年度に比べ10.9%減少し、403億7千9百万円となりました。
これは、主として、短期借入金が16億4百万円増加し、支払手形及び買掛金が74億4千5百万円減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度に比べ2.3%減少し、48億9千4百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度に比べ10.1%減少し、452億7千3百万円となりました。
ハ 純資産純資産合計は、前連結会計年度に比べ2.5%増加し、1,582億1千1百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ10億2千8百万円増加し、441億4千万円となりました。
イ 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果、得られた資金は76億1千3百万円(前連結会計年度10億6千7百万円の支出)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益53億4千5百万円、減価償却費47億8千6百万円、売上債権の減少額49億8千7百万円、未収入金の減少額29億8千5百万円、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額85億3千2百万円、法人税等の支払額24億7千8百万円、未払金の減少額9億7千8百万円であります。
ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果、使用した資金は58億7千5百万円(前連結会計年度29億2千3百万円の支出)となりました。
収入の主な内訳は、補助金の受取額10億9千5百万円、支出の主な内訳は、固定資産の取得額74億5千9百万円であります。
ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果、使用した資金は14億7千2百万円(前連結会計年度166億3千3百万円の支出)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払いによる支出11億4千8百万円であります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a.生産高(当連結会計年度) 品目生産数量(千トン)前年同期比増減率(%)鋼片1,009△8.5鋼材1,050△2.7 b.受注実績(当連結会計年度) 品目受注高(百万円)前年同期比増減率(%)受注残高(百万円)前年同期比増減率(%)鋼材・鋼片112,519△2.99,628△36.9 c.販売実績(当連結会計年度) 品目販売高(百万円)前年同期比増減率(%)鋼材108,144△2.2鋼片他8,27926.8合計116,424△0.6
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度 販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%) 日鉄物産㈱29,49125.227,84623.9 PT.KRAKATAU WAJATAMA OSAKA STEEL MARKETING18,63715.924,20720.8 エムエム建材㈱15,00712.814,13412.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積り当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況」に記載しております。
この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.当連結会計年度の経営成績等の分析当期の国内経済につきましては、高水準の企業収益を背景に設備投資は底堅く推移し、雇用・所得環境の改善により個人消費に持ち直しの動きがみられた一方、鉱工業生産の停滞や物価高影響からくる消費マインドの悪化もあり、緩やかな回復傾向にあるものの、力強さを欠いた状況となりました。
 当社の主要需要先である建設業界の需要は、資機材価格の上昇や人手不足の影響が継続し、前年より更に落ち込み低迷いたしました。
コスト面におきましても、電力会社の契約見直しによる電力料の高騰に加えて2024年の物流問題に端を発した物流費の本格的な上昇があり、主原料である鉄スクラップ価格は一定程度低下したものの、厳しいコスト環境が継続いたしました。
 当社が事業を営むインドネシアの経済につきましては、堅調な個人消費や輸出を背景にGDP成長率は5%台を維持するなど緩やかに回復いたしました。
 このような環境の下、お客様の理解を得ながら販売価格の維持を図り、適正なマージンの改善を最優先課題として取り組むとともに、自助努力による徹底的なコスト改善を進めてまいりましたが、営業利益及び経常利益は前期実績を下回る結果となりました。
ロ.当連結会計年度における重点課題への主要な取り組み現場活動を中心とした地道な歩留・原単位の改善を継続するとともに、堺工場の省エネ・省CO2型電気炉(2025年完工)の本工事の開始や西日本熊本工場の新製品倉庫の完工など、各拠点において計画に沿った設備投資を実行してまいりました。
これら施策と並行し、サステナビリティ課題への取り組みを推進しております。
人的資本強化として、従業員の給与水準の引き上げや11月には健康経営宣言を策定するなど、従業員エンゲージメント向上策を推進いたしました。
環境面においては、カーボンニュートラル推進委員会を設置し、CDPの気候変動スコアの取得(B-)やSCOPE3でのGHG排出量の算定に取り組むなど、2050年度カーボンニュートラルに向けた取り組みを強化しております。
また、共生の森づくり活動への参画や当社に続いてグループ会社においてもマレーシアSIRIMエコラベルを取得する等、環境対応も実行しております。
インドネシア事業につきましては、鉄塔向け形鋼の需要捕捉や高付加価値棒鋼の拡大などにより出荷量は増加し、コスト改善も進展したことにより、収益面では前年に比べ改善したものの、引き続き厳しい収益・財政状況が継続しております。
なお、本年1月には、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として「大阪製鐵グループ中期経営計画」を策定・公表いたしました。
収益改善対策と資本効率化対策を計画し、資本効率化対策・株主還元策の一環として本年4月に自己株式9,000,000株を22,050百万円にて取得しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や副資材の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は主に設備投資によるものであります。
株主還元につきましては、大阪製鐵グループ中期計画におきまして連結配当性向30%程度を目標としております。
当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
今後の資金需要の主なものは、設備の新設、改修等に係る投資額等でありますが、その財源は自己資金にてまかなう予定としております。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当期における当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、本報告書「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載しております。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社は新商品開発、製造プロセス改善、圧延生産性向上、ビレット及び製品品質向上をテーマに上げ、技術開発・操業改善に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度においては、新商品開発にかかる研究開発費を35百万円計上しております。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は81億円であります。
その主なものとしては、西日本熊本工場における第二製品倉庫の新設、大阪事業所堺工場における走間シャーの更新、省エネ・省CO2型電気炉設備の導入であります。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(単位:百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)工具、器具及び備品合計本社(大阪市中央区)鉄鋼業その他設備29――(―)〔1〕134272大阪事業所(大阪市大正区及び堺市堺区)〃製鋼・  圧延設備2,9819,92223,276(282)〔35〕1,46437,645257西日本熊本工場(熊本県宇土市)〃〃1,7802,3142,037(152)〔4〕2066,340164岸和田工場(大阪府岸和田市)〃圧延設備3721,0081,995(34)〔―〕1573,53387その他(大阪市西成区他)〃その他設備44442,643(153)〔―〕12,7345
(注) 土地面積の〔 〕は連結会社以外からの賃借分を外数で表示しております。
 
(2) 国内子会社2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内 容帳簿価額(単位:百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)工具、器具及び備品合計東京鋼鐵㈱小山工場(栃木県小山市)鉄鋼業製鋼・ 圧延設備1,0243,0532,242(126)2546,574209 (3) 在外子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内 容帳簿価額(単位:百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)工具、器具及び備品合計PT.KRAKATAUOSAKA STEEL本社工場(インドネシア共和国バンテン州)鉄鋼業圧延設備2,97310,3054,992(216)23718,509181
(注)  土地の帳簿価額は土地使用権を示しております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
当社及び連結子会社の設備投資につきましては、設備支出最適化、将来の需要予測、生産計画等を総合的に勘案して計画しております。
次連結会計年度における設備の新設、改修等に係る投資額は、119億円程度を見込んでおります。
研究開発費、研究開発活動35,000,000
設備投資額、設備投資等の概要8,100,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況41
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況14
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,931,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、いわゆる株式価値の変動や配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、純投資目的以外の目的である投資株式については、事業上・取引上保有の意味がある株式を除いて保有しないこととしております。
事業上・取引上意味があるとは、営業上の取引関係の維持・強化、提携関係の維持・発展、事業活動の円滑な推進等を通じた当社の中長期的な企業価値向上に資するとしております。
 また、毎年、取締役会において、保有意義に加えて投資先企業の業績や財務体質等を定量的に評価し、保有の是非を検証しております。
ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式520非上場株式以外の株式7511 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式―――  (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式――非上場株式以外の株式―― ハ.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)小野建㈱157,300157,300 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1)    有237295阪和興業㈱20,00020,000 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1)有97118清和中央ホールディングス㈱40,00040,000 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1) 無(注3)5362岡谷鋼機㈱12,8006,400 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1) (株式数増加理由)(注2)有89108㈱ヤマックス20,00020,000 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1)有2836ジオスター㈱11,00011,000 (保有目的)事業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1)有33㈱ヤマウ1,0001,000 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1)無11 (注)1.当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した方法について記載しております。
当社は、純投資目的以外の目的である投資株式については、事業上・取引上保有の意味がある株式を除いて保有しないという基本方針のもと、毎年、取締役会において、保有意義に加えて投資先企業の業績や財務体質等を定量的に評価し、保有の是非を検証しております。
2025年3月31日を基準とした検証の結果、現状保有する特定投資株式についてはいずれも保有方針に沿った目的で保有していることを確認しております。
(注)2.岡谷鋼機㈱は2024年9月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。
(注)3.清和中央ホールディングス㈱は当社株式を保有しておりませんが、同社子会社である清和鋼業㈱は当社株式を保有しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社20,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社7
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社511,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社1,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社1,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社㈱ヤマウ
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 (保有目的)営業上の取引関係の維持・強化 (業務提携等)該当事項はございません (定量的な保有効果)(注1)
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
日本製鉄(株)東京都千代田区丸の内2丁目6番1号25,62965.85
INTERTRUST TRUSTEES(CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE NEXUS WAY,CAMANA BAY GRAND CAYMAN KY1-9005,CAYMAN ISLANDS(東京都港区港南2丁目15番1号品川インターシティA棟) 6,34616.31
日本マスタートラスト信託銀行㈱東京都港区赤坂1丁目8番1号赤坂インターシティAIR9322.39
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)PETERBOROUGH COURT 133 FLEET STREET LONDON EC4A 2BB UNITED KINGDOM6981.79
立花証券㈱東京都中央区日本橋茅場町1丁目13番14号2700.69
大阪製鐵社員持株会大阪府大阪市中央区道修町3丁目6番1号 京阪神御堂筋ビル11階1780.46
㈱日本カストディ銀行東京都中央区晴海1丁目8番12号1730.45
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決裁営業部)P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A (東京都港区港南2丁目15番1号品川インターシティA棟)1570.40
清和鋼業㈱大阪府大阪市西区九条南3丁目1番20号1460.38
阪和興業㈱東京都中央区築地1丁目13番1号1360.35
計―34,66789.08
(注)1.
㈱日本カストディ銀行、
日本マスタートラスト信託銀行㈱は信託業務に係る株式であります。 2.2024年10月8日の臨時報告書(主要株主の異動)にてお知らせしましたとおり、INTERTRUST TRUSTEES(CAYMAN)LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UPは、当事業年度末現在において主要株主となっております。 3.2025年3月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、㈱ストラテジックキャピタルが2025年2月26日現在で4,906千株を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況に含めておりません。  なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。氏名または名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)株式会社ストラテジックキャピタル東京都渋谷区東3丁目14番15号MOビル6階4,906,20011.60 4.2024年1月9日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、エフィッシモキャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーが2023年12月27日現在で2,701千株を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況に含めておりません。  なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。氏名または名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte.Ltd.)260 オーチャードロード #12-06ザヒーレン シンガポール 238855(260 Orchard Road #12-06 The Heeren Singapore 238855)2,701,4006.39 5.2023年5月2日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、JPモルガン証券㈱及びその共同保有者であるジェー・ピー・モルガン・セキュリティーズ・ピーエルシー、ジェー・ピー・モルガン・セキュリティーズ・エルエルシーが2023年4月28日現在で1,938千株を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況に含めておりません。  なお、大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。氏名または名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7番3号東京ビルディング505,0021.19ジェー・ピー・モルガン・セキュリティーズ・ピーエルシー英国、ロンドン E14 5JP カナリー・ウォーフ、バンク・ストリート2550,5440.12ジェー・ピー・モルガン・セキュリティーズ・エルエルシーアメリカ合衆国 ニューヨーク州 10179 ニューヨーク市マディソン・アベニュー383番地1,382,9003.27
計―1,938,4464.58
株主数-金融機関10
株主数-金融商品取引業者23
株主数-外国法人等-個人12
株主数-外国法人等-個人以外97
株主数-個人その他3,207
株主数-その他の法人131
株主数-計3,480
氏名又は名称、大株主の状況阪和興業㈱
株主総利回り3
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
 
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式329866当期間における取得自己株式138365 (注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得0