財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-24
英訳名、表紙TOKYO STEEL MANUFACTURING CO.,LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  奈良 暢明
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区霞が関三丁目7番1号 霞が関東急ビル
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3501)7721(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
1934年11月資本金100万円にて各種鋼材の製造販売を目的として東京都足立区に設立。
(設立 1934年11月23日)以後、平炉2基、電気炉1基、中形及び小形圧延工場で各種特殊鋼の生産従事。
1953年3月東亜鋼管工業㈱(資本金250万円)を吸収合併。
1960年7月岡山県倉敷市に工場誘致条例に基づき工場用地(約50万3,000平方メートル)取得。
1962年10月岡山工場第1号平炉完成、操業開始。
以後120トン平炉5基、中形及び小形圧延設備完成、中形及び小形形鋼の生産従事。
1969年1月岡山工場大形圧延工場完成、H形鋼の生産開始。
1969年2月㈱土佐電気製鋼所より同社高知工場の譲渡を受け、当社高知工場として生産開始。
1970年2月福岡県北九州市に工場用地(約15万4,000平方メートル)取得。
1971年9月大丸製鋼㈱(資本金500万円、1969年7月以降当社が全株式を取得所有)を吸収合併、当社の九州工場として操業開始。
1971年11月九州工場の50トン電気炉2基、連続鋳造設備2基完成、設備の更新合理化を完了、生産開始。
1973年2月九州工場圧延工場完成、中形形鋼の生産開始。
1973年6月岡山工場連続鋳造設備完成、操業開始。
1974年5月本社を東京都足立区より千代田区に移転。
1974年7月東京証券取引所市場第二部上場。
1975年12月㈱土佐電気製鋼所を吸収合併、当社の高松工場として生産開始。
1976年9月東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部上場。
1977年12月岡山工場平炉操業停止。
1978年1月江戸川工場閉鎖。
1978年4月岡山工場第1号、第2号140トン電気炉完成、操業開始。
1978年12月岡山工場中形形鋼工場改造工事完成、生産開始。
1979年1月岡山工場小形棒鋼工場完成、生産開始。
1979年4月大阪営業所開設、高知工場ビーム・ブランク鋳込み成功。
1979年9月千住工場大・中形形鋼工場改造工事完成、生産開始。
1984年7月九州工場大形工場完成、大形H形鋼、ユニバーサル・プレートの生産開始。
1986年1月千住工場閉鎖。
1987年3月高知工場閉鎖。
1987年4月大阪営業所を大阪支社に改称、アメージング㈱(子会社)設立。
1989年8月九州工場130トン直流電気炉完成、操業開始。
1991年10月岡山工場熱延広幅帯鋼圧延工場完成、ホットコイルの生産開始。
1992年4月岡山工場熱延広幅帯鋼製鋼工場(150トン直流電気炉)完成、操業開始。
1992年12月栃木県宇都宮市に工場用地(約14万7,000平方メートル)取得。
1994年2月九州工場大形工場で鋼矢板の生産開始。
1994年4月名古屋支社、九州支社及び広島営業所、高松営業所開設。
1995年4月岡山工場熱延広幅帯鋼酸洗設備完成、酸洗鋼板の生産開始。
1995年8月宇都宮工場圧延工場完成、生産開始。
1995年11月宇都宮工場製鋼工場完成、操業開始。
1996年10月高松工場60トン直流電気炉完成、棒鋼圧延設備更新、生産開始。
1997年2月高松工場線材圧延設備完成、生産開始。
1997年3月岡山工場冷延設備及び表面処理設備完成、生産開始。
1999年4月宇都宮営業所開設。
1999年11月九州支社及び広島営業所廃止、九州営業所開設。
2003年4月大阪証券取引所市場第一部上場廃止。
2004年6月名古屋支社を大阪支社に統合。
2004年9月岡山工場カットシート設備完成、生産開始。
2004年11月高松営業所を大阪支社に統合。
2007年1月九州工場厚板設備完成、生産開始。
2007年3月愛知県田原市に工場用地(約104万5,000平方メートル)取得。
2008年1月岡山営業所開設。
2009年4月田原営業所開設、大阪支社を大阪営業所に改変。
2009年11月田原工場熱延広幅帯鋼圧延工場完成、ホットコイルの生産開始。
2009年12月田原工場カットシート設備完成、生産開始。
2010年3月田原工場造管設備完成、生産開始、アメージング㈱(子会社)清算結了。
2010年6月田原工場製鋼工場完成、操業開始。
2011年8月田原工場熱延広幅帯鋼酸洗設備完成、酸洗鋼板の生産開始。
2012年3月高松工場生産停止。
2012年4月高松鉄鋼センター開設。
2013年4月大阪営業所及び田原営業所廃止、大阪支店及び名古屋支店開設。
2015年4月九州営業所廃止、九州支店開設。
2017年6月長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」策定。
2018年1月岡山工場No.4CCM設備完成、操業開始。
2020年8月宇都宮工場隣接土地(66,100平方メートル)取得。
2021年6月長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」改定。
2021年7月国内4工場における太陽光発電設備完成。
2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。
2022年6月名古屋サテライトヤード開設。
2022年12月岡山工場熱延広幅帯鋼圧延工場再稼動。
2024年6月関西サテライトヤード開設。
2024年7月低CO2鋼材ブランド「ほぼゼロ」を発表。
2024年9月田原工場熱延広幅帯鋼酸洗設備再稼動。
2025年6月東京湾岸サテライトヤード開設。
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループが営んでいる主な事業内容、各関係会社等の当該事業における位置付け及び事業部門等との関連は、次のとおりである。
当社グループは、当社(鉄鋼製品の製造及び販売業)1社で構成されている。
また、当社は鉄鋼事業の単一セグメントである。
事業の系統図は次のとおりである。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
該当事項なし。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況  2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)1,13539.516.78,714
(注) 1 従業員数は、出向者を除いた就業人員数である。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。

(2) 多様性に関する指標当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりである。
当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2 労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1全労働者うち正規雇用労働者 うち非正規雇用労働者0.079.266.479.042.5
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出している。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出している。
3.賃金は、基本給、超過勤務手当、各種手当、賞与等を含み、退職金、通勤手当等を除く。
4.非正規雇用労働者は、パートタイマーを含み、派遣社員を除く。
5.人的資本や多様性に関する指標や取組については、本報告書「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「人材の育成及び社内環境整備の方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績」に記載している。
(3) 労働組合の状況当社の労働組合は、東京製鉄労働組合連合会を組織し、日本基幹産業労働組合連合会に加盟している。
なお、2025年3月31日現在の組合には、従業員中962人が加入している。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
経営の基本方針としては、当社は、鉄鋼資源のリサイクルを通じ、省エネルギーと省資源に努め、環境の保全に貢献していく。
中期的な会社の経営戦略としては、当社は、鉄スクラップの高度利用を推進するとともに、需要家のニーズに応えるべく、製品の多様化と生産性・品質の向上を進めてきた。
引き続き、鉄鋼資源のリサイクルが重要使命の一つであるとの認識に立ち、生産面においては、生産性と品質の向上をさらに進めるとともに一層のコストダウンをはかり、営業面では、機動的な販売・物流体制をとることで顧客満足度のさらなる向上に努めていく。
また、将来に向けての経営基盤の一層の安定をはかるため、キャッシュ・フローを重視した経営を推進するなかで、不要資産の整理を徹底的に進めるなど、財務内容をより強固なものとするよう取り組んでいる。
目標とする経営指標としては、経済のグローバル化が進み、さらに競争の激しい時代を迎えて、投資を的確かつ機動的に行っていくことがますます重要となっている状況のなかで、当社は、キャッシュ・フローへの貢献度を個々の事業推進のための経営判断の指標と捉えることで、内部留保の一層の充実をはかり、将来の必要な投資を的確に実行できる、より強固な経営基盤の構築に努めていく。
今後の見通しについては、中国からの高水準の鉄鋼輸出や、米国に端を発する関税政策の国際的な応酬などが、海外鋼材市況へ悪影響を及ぼすことが懸念されることに加え、国内においても鋼材需要の回復には、いまだ時間を要するとみられることから、予断を許さない情勢が継続するものと思われる。
こうした情勢のもとでも、当社としては、他分野で広がる電炉鋼材へのニーズに応えるための製品ラインナップ拡充に努めるとともに、取引先の多様化を推進するなど、脱炭素・資源循環の意識の高まりから生じる当社製品への需要の確実な取り込みをはかっていく。
さらに全社一丸となって、使用原単位の低減を一段と進めるなど、徹底したコストダウンをはかることで、競争力の一層の強化に努めていく。
近年、社会全体での脱炭素シフトが不可逆的なものとなり、鉄鋼業において電炉の存在が不可欠であるという認識が確かなものとなりつつある。
こうした変化の中、当社においては、昨年7月に低CO2鋼材「ほぼゼロ」の販売を開始し、各業界より好評をもって迎えられたほか、8月に田原工場で酸洗コイルの生産を再開するなど、電炉製品拡大への先鞭をつけるにいたった。
今後も、わが国の貴重な資源である鉄スクラップを、より付加価値の高い鉄鋼製品へと「アップサイクル」させるチャレンジを進め、「循環型社会」「脱炭素社会」の実現に積極的に貢献していく。
当社は日々、弛まぬコストダウンと品質向上への取り組みを強力に推進し、条鋼類・鋼板類ともに、多様化する需要家のニーズにお応えしながら、貴重な国内資源である鉄スクラップの高度利用を一段と加速することで、さらなる業績の向上を実現するため、全社一丸となって、ますます尽力する所存である。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日現在)において当社が判断したものである。
当社は、顕在化しているサステナビリティ課題に対し、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)について、「気候変動」「資源循環」「安全・環境・品質」「コーポレートガバナンス」の4つを特定している。
当社事業である電炉鋼材の生産・販売を拡大させることは、サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減や、鉄スクラップの有効利用による再資源化の促進に寄与するものである。
当社は、脱炭素社会の実現や循環型社会の構築といった社会からの要請が高い課題に対して、様々なステークホルダーとの協働を通じて積極的に取り組んでいく。
当社のマテリアリティマップ (1)ガバナンス当社のサステナビリティ課題に関わるリスク・機会とその対応策は、経営会議など社内執行会議体で審議され、重要課題については、取締役会へ付議・報告される。
当社の取締役会は、取締役(監査等委員であるものを除く)2名、監査等委員である取締役3名(内、社外取締役2名)で構成され、そのうち2名は「ESG・安全環境」及び「人事組織」について深い専門性を有している。
気候変動を含む環境課題に関しては、事業全般において、ガバナンスの役割、環境負荷の低減並びに良好な環境確保をはかることを目的とした環境管理を総合的に推進するために、以下の通り環境管理体制を組織化し、環境基本方針に基づき、継続的な改善を推進している。
なお、中央環境委員会・全社カーボンニュートラル推進委員会の委員長は代表取締役社長、各工場の環境委員会・カーボンニュートラル推進委員会の委員長は工場長が務めている。
サステナビリティ・ガバナンス当社の環境管理体制図 気候関連課題を含む環境問題に関するガバナンスの役割●取締役会・経営会議:取締役会・経営会議には取締役及び執行役員が出席し、中央環境委員会及び全社カーボンニュートラル推進委員会で特定された、気候変動を含む環境課題に関するリスク・機会についての対応を監督し、対応すべきリスク・機会の優先度や、その対応策の適切性の確認、目標の承認などを実施する。
また、国内4工場(田原工場、岡山工場、九州工場、宇都宮工場)における具体的な環境マネジメントの施策について最終決定を下す権限を有している。
なお、取締役会は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、取締役会決議に基づき、業務を執行するとともに、業務の執行の状況等につき取締役会に報告を行うこととし、取締役及び執行役員相互の職務執行を監督する体制を整備している。
経営会議は、原則毎月開催され、年次・四半期及び月次の各決算につき、予算の進捗状況を把握し、業務の管理を行うとともに、各部門が実施すべき具体的な施策を決定し、業務執行の効率化を図っている。
●代表取締役社長:取締役会・経営会議の議長であり、中央環境委員会及び全社カーボンニュートラル推進委員会の委員長を務める。
特定されたリスク・機会のレビュー、策定された長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の実現に向けた短期・中長期目標・アクションプランの進捗状況についての監督を行う。
当社の代表取締役社長は、気候変動を含む環境課題の担当者として5年間以上の経験を有するほか、2012年より当社の取締役として企業経営・ESG・財務会計・法務等に関する幅広い知識・スキルを有している。
●中央環境委員会・全社カーボンニュートラル推進委員会:委員長(代表取締役社長)、国内4工場(田原工場、岡山工場、九州工場、宇都宮工場)の工場長及び総務担当役員等で構成される。
両委員会において、戦略の前提となるリスク・機会のレビュー、特定されたリスク・機会に基づいて策定した戦略、短期・中長期目標、アクションプランについて議論を行う。
また、中央環境委員会は、環境管理に関わる経営方針及び年度計画、社内基準の制定・改廃、監督官庁・関係団体の施策動向、環境調査解析及び措置などについて掌握・審議・推進する任務を負っている。
全社カーボンニュートラル推進委員会は、年度のエネルギー使用実績と目標の対比の把握と評価、省エネルギーに関する設備導入・改善の取り組み状況報告、省エネ法(「地球温暖化対策の推進に関する法律」を含む)の定期報告書の審査、法令改正に関する情報確認などについての任務を負っている。
●環境委員会・カーボンニュートラル推進委員会:本社及び国内4工場(田原工場、岡山工場、九州工場、宇都宮工場)において特定されたリスク・機会に基づいたアクションプランの実施に向けた議論及び実施された施策のフィードバックを行う。
本社及び国内4工場にて開催される環境委員会は、拠点毎の環境管理を具体的に推進する任務を負っている。
国内4工場にて開催されるカーボンニュートラル推進委員会は、全社カーボンニュートラル推進委員会で策定された取り組み方針に準じた拠点毎の取り組み計画の策定、取り組み計画の進捗確認及び評価、エネルギー使用実績と目標の対比の把握と評価、省エネルギーに関する設備導入・改善の取り組み状況報告、エネルギー管理標準の作成、エネルギーフローの作成などについての任務を負っている。
(2)戦略 日本の2050年カーボンニュートラルを実現するためには、鉄鋼業において、わが国全体のCO2排出量の約14%を占める145百万トンを削減する必要がある。
また、増加を続けるわが国の鉄スクラップは、2050年には国内の鋼材需要の大部分を満たす数量に達すると期待される。
膨大なCO2排出量の削減、貴重な資源である鉄スクラップの国内での資源循環という社会が直面する二つのテーマに向き合い、2050年の「脱炭素社会」「循環型社会」を実現すべく、電炉トップメーカーとして鉄鋼製品の新分野にチャレンジし続けてきた当社だからこそできる社会への貢献として、長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」を策定している。
当社は長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」のもと、「脱炭素社会」「循環型社会」の実現を柱とし、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の供給拡大に取り組むことで、日本のCO2排出量の大幅な削減と、貴重な鉄スクラップの国内での更なる有効利用をはかっていく。
なお、当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定している「安全・環境・品質」「コーポレートガバナンス」については、投資判断における重要性が低いとの判断から、「戦略」の開示を行っていない。
今後の取り組みとしては、近年、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に基づく生物多様性に関する企業情報の開示必要性が高まっていることから、国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)における自然への依存度・影響度の分析や、自然リスク・機会の特定、対応策の検討などを進め、有価証券報告書での開示充実化をはかっていく。
また、「コーポレートガバナンス」については、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」において詳細な開示を実施している。
長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」 気候関連リスク・機会を踏まえた当社戦略への影響項目影響の説明製品当社は国内最大手の電炉メーカーとしてH形鋼やホットコイルを中心とした脱炭素・循環型の電炉鋼材の製造を行っている。
近年、気候関連リスクを低減させるための施策として、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材に注目が集まっており、その環境面での優位性が評価され、社会におけるニーズが高まってきている。
このような社会的な環境意識の向上が、当社の製品販売戦略に大きな影響を与えており、従来以上に幅広い顧客に対する製品PRの必要性が高まっている。
気候関連リスク・機会に伴う影響・取組方針・戦略は、当社の製品販売戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
サプライチェーン気候関連リスク・機会が、中長期の当社サプライチェーン戦略に影響を及ぼしている。
具体的には、当社の主原料である鉄スクラップは調達段階において膨大なCO2を排出していることが想定されるが、昨今はスコープ3のCO2排出量についても削減をはかることが社会的に求められつつあることから、当社の鉄スクラップ調達に関わるCO2排出量についても中長期的な削減に取り組む必要性が高まっている。
このため、鉄スクラップのサプライヤーを対象にCO2排出量の調査を実施し、得られたデータを当社のスコープ3排出量算定の基礎データとして活用することで、当社のCO2排出量データの構築に包含させるとともに、サプライヤーにおける排出量削減の意識付けを行うに至った。
気候関連リスク・機会を踏まえた取組方針・戦略は、当社のサプライチェーン戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
研究開発への投資気候関連リスク・機会が、中期的な当社の研究開発への投資戦略に影響を及ぼしている。
具体的には、脱炭素社会への移行をはかる社会目標において、低環境負荷製品の需要が拡大するという機会を踏まえ、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の環境優位性のプレゼンス向上をはかるとともに、国内鋼材需要の大きなウェイトを占める自動車分野等へのアプローチの必要性が高まった。
気候関連リスク・機会に伴う影響・取組方針・戦略は、当社の研究開発への投資戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
運用気候関連リスク・機会が、短期的な当社の運用戦略に影響を及ぼしている。
具体的には、膨大な電力を消費する当社事業において、将来的なカーボンプライス・炭素税による電力コストの上昇などのリスクを踏まえ、生産段階における省エネルギー活動のさらなる実施の必要性が高まっていることから、大規模な省エネルギー投資を実施するに至り、具体的には、2024年度は省エネルギー対策として約19.6億円を投資し、年間10,141kl分のエネルギー削減効果が得られた。
気候関連リスク・機会に伴う影響・取組方針・戦略は、当社の運用戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
(3)リスク管理気候関連リスク・機会の特定・評価については全社の統合リスクマネジメントに組み込まれている。
気候関連リスク・機会の評価にあたっては、当社の直接操業及び上下流バリューチェーンに気候変動が及ぼす影響を勘案する必要性が極めて高いことから、これらの短期的、中期的、長期的それぞれのリスク・機会の検討を対象として含めている。
当社は、気候問題による経営へのインパクトを重要なリスク・機会として捉えており、その特定・評価に当たっては、いずれも代表取締役社長を最高責任者とする、取締役会及び中央環境委員会・全社カーボンニュートラル推進委員会といった、経営レベルの機関が最終的な判断までのプロセスを担っている。
具体的な気候関連リスク・機会の特定プロセスとしては、まず国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)において、それぞれの環境委員会・カーボンニュートラル推進委員会が開催され、自工場におけるバリューチェーンを俯瞰した短期的、中期的、長期的な気候関連リスク・機会についての検討が行われ、四半期に1回以上の頻度で開催される中央環境委員会・全社カーボンニュートラル推進委員会に対して報告される。
さらに、中央環境委員会・全社カーボンニュートラル推進委員会において検討された気候関連リスク・機会は、業務執行の最高責任者である代表取締役社長を議長とする取締役会に直接報告され、最終的な全社の気候関連リスク・機会が特定・評価されるプロセスとなっている。
こうして特定・評価されたリスク・機会に対しては、それぞれの関連部署にてアクションプランが策定され、中央環境委員会・全社カーボンニュートラル推進委員会にてレビュー・審議され、最終的には取締役会で決議され、各事業部門で実行されている。
・気候関連リスク・機会リスク・機会タイプ当社におけるリスク・機会の内容想定タイムスケールリスク移行リスク政策・規制パリ協定を踏まえた気候変動の抑制のための各種規制・制度等の導入に伴うコスト増加。
中期技術生産プロセスの脱炭素化を実現した革新的な新素材の開発による鉄鋼製品の需要減少。
中期市場市場の素材選択の変化により、鋼材需要の増加が見込みにくい事業環境の継続。
中期国内高炉メーカーの電炉参入により、当社製品を取り巻く市場競争及び鉄スクラップ需要増加に伴う獲得競争の激化。
中期評判気候変動に対する社会的意識の高まりや関連する評価制度の進展等と、それに対する当社の対応の不備によるレピュテーション低下。
短期物理リスク急性自然災害に伴う生産設備の故障、販売・調達物流網の機能麻痺等に伴う操業の停止。
中期慢性海水面上昇による臨海立地工場や物流拠点等の操業不能。
長期機会資源効率効率的な生産プロセスによる製造コスト削減・生産力増強。
効率的な輸送手段の利用。
中期エネルギー源低炭素エネルギー源の利用による製造段階における環境負荷の低減。
中期製品及びサービスパリ協定を踏まえた気候変動の抑制のための各種規制・制度等の導入、また、気候変動に対する社会的意識の高まりによる脱炭素・循環型鋼材の需要拡大。
短期気候変動抑制のために製品別CO2排出量を反映させた公平な税負担が導入された場合にもたらされる脱炭素・循環型鋼材の競争優位の確立。
中期CO2排出量の小さい当社製品の高炉製品に対する環境面での競争優位の確保。
短期当社製品の主原料である鉄スクラップは日本国内で潤沢に発生するため、遠隔地より輸送される高炉原料と比較し、輸送時のCO2排出量が大幅に少ない。
これによる当社製品の高炉製品に対する環境面での競争優位の確保。
短期市場新規・新興市場へのアクセスの増大、金融資産の多様化の拡大。
短期レジリエンス再生可能エネルギープログラムの導入や省エネ対策の推進。
サプライチェーンの多様化による原料調達網の強靭化。
中期レジリエンス(強靭性/対応力)強化を目的とした製品の需要増加。
気候関連リスク・機会の想定タイムスケジュールは、短期(1~5年)、中期(5~10年)、長期(10~25年)を目安に判断している シナリオ分析気候変動による影響は年々拡大しており、企業経営おける大きなリスクと認識している。
また、脱炭素社会への移行過程で生じる規制強化や市場ニーズの変化等は企業にとってのリスクになり得ると同時に、新しいビジネス機会を創出させる可能性を含んでいる。
TCFD提言では、将来の様々な気温上昇パターンを想定した複数のシナリオを分析し、自社へのリスク・機会を特定・評価し、対応策を検討・公表することを求めている。
当社では、この提言を受け、当社の長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の期間である2030年~2050年について、気候変動に関する1.5 ~2℃未満シナリオ、4℃シナリオの分析を実施し、現時点の当社の環境戦略に一定のレジリエンス(強靭性/対応力)があることを確認した。
●シナリオ分析プロセス① 気候関連リスク・機会の抽出:当社バリューチェーンで考えられる気候変動によるリスク・機会を抽出。
② 重要なリスク・機会の特定:①で抽出したリスク・機会の中から当社の経営に対する影響が大きいと考えられる項目と関連する要素/指標を設定。
③ シナリオの設定・事業への影響評価:既存シナリオを参照し、②で特定した重要なリスク・機会及び関連する要素/指標の推移等の情報を整理し、当社が受ける将来的な影響を定量的に評価。
「1.5 ~2℃未満シナリオ」及び「4℃シナリオ」を設定し、各シナリオでの想定に対する影響を比較・評価。
④ 当社対応方針・戦略の策定:③で評価された当社への影響に対し、シナリオ別に当社の対応方針・戦略を検討。
●設定シナリオ区分(気温上昇)概要参照シナリオ1.5 ~2℃未満シナリオパリ協定での目標である「産業革命以前からの全世界の平均気温の上昇を1.5 ~2℃未満に抑える」未来を想定したシナリオ。
物理的なリスクが相対的に軽減される一方で、脱炭素社会への移行に伴うリスクは増加する。
●国際エネルギー機関(IEA):・ 表明公約シナリオ(APS)・ 2050年ネットゼロ排出シナリオ(NZE) ●国連気候変動に関する政府間パネル:・ 1.5℃特別報告書 ●WWFジャパン:・ 100%自然エネルギーシナリオ4℃シナリオパリ協定での国別約束草案(NDC)を含む各国の政策目標がすべて達成されることを想定したシナリオ。
2100年までに全世界の平均気温が4℃程度上昇すると予測されている。
1.5℃~2℃シナリオと比べ、物理的なリスクが増加する一方で、脱炭素社会への移行に伴う企業リスクは相対的に減少する。
●国際エネルギー機関(IEA):・新政策シナリオ(STEPS) ●国連気候変動に関する政府間パネル:・RCP6.0シナリオ ●想定されるシナリオと当社への影響及び対応戦略①1.5℃~2℃未満シナリオ及び当社への影響・カーボンプライシングの導入社会シナリオ当社への影響影響度合い国内におけるカーボンプライシング制度の導入。
(先進国のカーボンプライスは、2030年に140ドル/t-CO2、2050年に250ドル/t-CO2と推定。
)・カーボンプライシング導入により操業コストが増加。
・サプライヤー側でも同様に操業コストが増えるため、調達コストが増加する可能性あり。
・リスク:大・機会:大当社の対応戦略・全ての鉄鋼メーカーに排出量に応じた公平な炭素税が課された場合、高炉製品と比較して製造段階におけるCO2排出量が概ね5分の1である電炉鋼材は、価格優位性のある製品として需要が拡大することが予想される。
当社は脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の特長を生かし、顧客との対話を通じて高炉鋼材からの置換えを積極的に推し進めることで、販売量の拡大を目指す。
・2030年に$140/t-CO2、2050年に$250/t-CO2の炭素税が導入される場合、2030年に見込んでいる当社のCO2排出量は約120万tであることから、1ドル=145円と仮定すると、炭素税導入による財務影響額は約243億円となる。
このため、当社のCO2排出量に対して課せられる炭素税額が極めて膨大になるものと予想されることから、当社の生産プロセスにおける省エネルギーの一層の取り組みが非常に重要となる。
その他の取り組みの例としては、当社におけるCO2の直接排出量の削減の観点から化石燃料を伴う設備の電化を目的とした投資や、CO2の間接排出量の大半を占める電力については再生可能エネルギー由来電力への切替え等が挙げられる。
2024年度は省エネルギー対策として約19.6億円を投資しており、年間10,141kl分のエネルギー削減効果が得られた。
当社は炭素税導入のリスクを踏まえ、今後さらなる省エネルギー投資と再生可能エネルギーへのシフトを進めていく。
・燃料価格の動向社会シナリオ当社への影響影響度合い天然ガス価格は世界的に同水準を維持し、日本では現状より安くなると想定。
(国内における天然ガス価格:2025年現在$15.0/MBtu、2030年は$5.5/MBtu、2050年は$5.3/MBtuと推定。
)国内における操業コストに対する重大な影響は想定していないものの、エネルギー転換や省エネ設備投資等は引き続き発生する可能性あり。
・リスク:中・機会:中当社の対応戦略今後CO2排出量に応じた炭素税の導入や新たに必要となる省エネルギー投資といった多額の費用が生じる可能性が極めて高いものの、燃料コスト・電力コストの大きな変動は予想されていない。
このため、生産プロセスの見直しや使用する燃料の切替え等を通じて、燃料・電力原単位の一層の低減を行うことでコストダウンをはかっていく。
・エネルギーミックス社会シナリオ当社への影響影響度合い・世界の全発電量に占める再生可能エネルギーの割合が大幅に増加。
化石燃料の割合は大幅に減少。
・わが国の全発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、2030年時点で50%、2050年で100%と想定。
・再生可能エネルギー調達のため、エネルギーコストが増える可能性あり。
・わが国における再生可能エネルギー由来の発電量増加に伴い、発電時のCO2排出原単位が低下し、当社の電力由来CO2排出量が減少。
・リスク:中・機会:中当社の対応戦略わが国最大の電炉メーカーである当社は、生産プロセスにおいて膨大な電力を消費しており、当社のスコープ1.2のCO2排出量のうち、電力由来の排出量は全体の70%以上を占めている。
したがって、再生可能エネルギー由来の電力を生産に用いることで、生産時におけるCO2排出原単位の大幅な削減が可能となるため、自社の再生可能エネルギーの使用比率を上昇させる必要性があると考えている。
今後、全世界における再生可能エネルギー発電量の割合が大幅に上昇することが想定される中で、わが国の再生可能エネルギーシェアは2030年で50%、2050年で100%になるとWWFジャパンの「脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ」によって示されている。
当社は、社会の再生可能エネルギーの普及に加え、電炉プロセスの操業の柔軟性を生かし、電力の低需要時において余剰となった太陽光等に由来する再生可能エネルギーを受け入れることで、さらなる使用量の拡大を目指す。
また、自社の遊休地や工場建屋屋根等への再生可能エネルギー発電設備の導入を推進し使用量の増加をはかっていく。
・脱炭素・循環型鋼材の需要社会シナリオ当社への影響影響度合い・鉄スクラップのリサイクル・リユース量が増加。
・2060年までの粗鋼生産量は微増傾向。
・世界の鉄鋼業における熱エネルギー消費量は、2014年で約15EJ、2060年で約13EJ。
脱炭素・循環型鋼材の需要増加に伴う、生産量及び販売機会の拡大。
機会:大当社の対応戦略・世界の粗鋼生産量は基準年である2014年以降、2060年にかけて緩やかに増加すると予測されている。
一方で、世界の鉄鋼業における熱エネルギー消費量は、2014年で約15EJ、2060年で約13EJと、粗鋼生産量の増加に反して減少することが2℃未満シナリオによって示されている。
これは従来の鉄鋼生産プロセスが、よりエネルギー効率の良いプロセスへとシフトしていることが要因の一つとして考えられる。
電炉プロセスは高炉-転炉プロセスと比較して、製造段階におけるCO2排出量が少ないプロセスであることから、将来的に電炉鋼材の生産量は拡大していくものと予想される。
さらに、電炉鋼材の主原料となる鉄スクラップの発生量の増加によるリサイクル・リユースの拡大も予想されることから、電炉プロセスによって脱炭素・循環型鋼材を生産する当社にとっては大きな追い風となる。
・脱炭素・循環型鋼材の需要増加は、需要家ニーズの多様化に繋がることが想定されるため、電炉鋼材のさらなる高機能化を推し進める可能性がある。
当社は、鉄スクラップのリサイクルを促進し、付加価値の高い鉄鋼製品の供給を目指していく。
この実現により、当社は産業界の広範な需要を捉えることが可能となるため、世界経済の変動等に左右されにくい安定した経営基盤の確保が可能となる。
・脱炭素・循環型鋼材の需要拡大を受け、顧客とのエンゲージメントの拡大が期待される。
わが国の貴重な資源である鉄スクラップのリサイクルを促進し、顧客とのクローズドループのスキーム構築を幅広く提案することで、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の普及拡大をはかっていく。
②4℃シナリオ及び当社への影響・物理リスク(慢性・急性)社会シナリオ当社への影響影響度合い・世界平均気温が上昇し、極端な高温や熱波の発生頻度がさらに増加。
・中緯度の陸域の大部分で極端な降水の発生頻度及び強度がより増加。
・21世紀末までの海水面上昇は0.33-0.63m。
・異常気象や自然災害の激甚化により、原料調達・操業・製品出荷等が困難になる可能性あり。
・海水面上昇によって自社工場や中継地、需要家等幅広いエリアで浸水被害が発生する可能性あり。
・わが国の国土強靭化政策に伴う鋼材ニーズの拡大。
(当社製品ラインアップの拡充、生産量拡大の機会)。
・リスク:中・機会:大当社の対応戦略・気候変動の進展により、異常気象の発生による原料調達の困難化が想定される。
これにより、原料調達の停止や遅滞による当社の操業及び収益へのリスクが生じる。
当社は、同一製品を複数工場で生産し、調達ソースを分散化すること等により、リスクの最小化をはかっていく。
・気候変動の進展に伴う海水面の上昇や、大型化する台風、頻発する豪雨による河川氾濫等の影響により、当社の操業が停止するリスクが想定される。
当社は既に国内4工場において適応対策を実施しており、リスクは限定的であると捉えている。
また、当社では主力品種であるH形鋼について、国内3工場での生産体制を構築しており、一部の生産サイズをラップさせることにより、気候変動リスクの分散をはかっている。
ただし、想定以上の激甚災害の発生時においては、操業不能に陥る可能性がある。
異常気象の発生などによって生産設備の故障、販売・調達物流網の機能麻痺、または、海水面上昇による臨海立地工場や物流拠点等の操業停止が2週間発生し、売上高が3.8%(14日÷365日)減少した場合、2024年度売上高3,267億円を前提とすると、売上減による財務影響額は約124億円となる。
・気候変動の進展は異常気象の多発を誘発するが、一方で国土強靭化のニーズが高まる可能性が想定される。
当社は、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の製品ラインアップの拡充を進め、生産量を拡大していくことで、わが国のインフラ強化に貢献していく。
●評価結果/今後の方向性今回のシナリオ分析の結果から、長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」を通じて当社が目指すこれからの「あるべき姿」や、その実現に向けて掲げた目標・取組みの方向性は適切であることが確認できた。
また、当社の現時点における環境戦略に一定のレジリエンス(強靭性/対応力)があることも明確となった。
(4)指標及び目標2021年6月、当社は長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の改定を行い、2030年及び2050年の目標を引き上げると共に、2050年のカーボンニュートラル実現を目指している。
また、当社は生産量の目標として、2030年粗鋼生産量600万t、2050年粗鋼生産量1,000万tと設定している。
中間となる2030 年の予想CO2排出量は約120万tであり、基準年の2013年度比でほぼ横ばいとなっている一方、鋼材1tあたりのCO2排出量は約0.21tCO2と大幅な削減を見込んでいる。
さらに、鋼材1tあたりのCO2排出量の多い高炉製品を当社製品が代替することで、2030年に約840万t、2050年に約1,300万tのCO2を社会全体から削減可能と予想している。
国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)においては、製造プロセスから排出されるCO2の原単位を毎年1%以上削減するという目標のもと、脱炭素投資の積極的な実施や既存プロセスの見直し、エネルギー効率向上等の取り組みを全社的に推進している。
なお、当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定している「安全・環境・品質」「コーポレートガバナンス」については、投資判断における重要性が低いとの判断から、「指標及び目標」の開示は行っていない。
今後の取り組みとしては、近年、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に基づく生物多様性に関する企業情報開示の必要性が高まっていることから、国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)における自然への依存度・影響度の分析や、自然リスク・機会の特定、対応策の検討などを進め、有価証券報告書での開示充実化をはかっていく。
また、「コーポレートガバナンス」については、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」において詳細な開示を実施している。
項目2013年度実績(基準年)2023年度実績2030年目標2050年目標鋼材1t当たりのCO2排出量(スコープ1・2)約0.54t-CO2約0.37t-CO2(基準年比▲32%)約0.21t-CO2(基準年比▲60%)実質排出ゼロ粗鋼生産量約222.6万t約320.4万t(2024年度)600万t1,000万t社会全体からのCO2削減貢献量約275万t-CO2約409.6万t-CO2(2024年度)約840万t-CO2約1,300万t-CO2 ※2024年度の鋼材1t当たりのCO2排出原単位(スコープ1・2)については、有価証券報告書提出日において集計作業が完了していないため、2023年度の実績を記載している。
指標の定義等項目指標の定義測定方法鋼材1t当たりのCO2排出原単位(スコープ1・2)国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)における直接排出量(スコープ1)と間接排出量(スコープ2)の総量。
「地球温暖化対策の推進に関する法律」「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」及び「排出原単位データベース(Ver.3.2)」に沿って算定。
粗鋼生産量国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場。
宇都宮工場)における鋼片生産量の総量。
当社生産実績に基づく。
社会全体からのCO2削減貢献量国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)で生産した製品の普及によって社会全体から削減されたCO2の総量。
高炉製品代替数量=製品出荷量-中小形鋼及び異形棒鋼出荷量=鋼板、大形形鋼、角形鋼管出荷量 高炉製品代替によるCO2排出削減量 =0.4t-CO2/t-2.0t-CO2/t= ▲1.6t-CO2/t 現在の当社製品普及に伴うCO2排出削減量=▲1.6t-CO2/t x 高炉製品代替数量 2030年の当社製品普及に伴うCO2排出削減量=▲1.4t-CO2/t x 高炉製品代替数量 2050年の当社製品普及に伴うCO2排出削減量=▲1.3t-CO2/t x 高炉製品代替数量 人材の育成及び社内環境整備の方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績当社は、未来の地球のためのチャレンジとして、「Tokyo Steel EcoVision 2050」を公表し、環境にやさしい電炉鋼材を社会に普及させ、循環型社会の実現と低炭素社会の構築をはかっている。
このビジョンを実現するために求める人物像を「3つのC」(Challenge,Communication,Change)に置き替え、採用・人材育成、個人の能力を最大限に生かせる職場づくりを人的資本に関する重要な取り組みと捉え、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指していく。
① Challenge 社会に貢献するという強い使命感をもち、困難にも果敢に挑戦することのできる人物。
② Communication 常に公正で誠実な姿勢を大切にし、周囲と強い信頼関係を築きあげ、ものごとを成し遂げられる人物。
③ Change 変化を敏感に察知し、おそれることなく変化に向き合うことで、常に自らの成長を望む人物。
(戦略) 当社は人的資本に関し、下記の取り組みを行っている。
3つのC戦略の一例Challenge下記活動における中心メンバーとして、入社年次の浅いうちから積極的に係らせることにより、会社活動を通じた社会貢献への自覚及び、個人の挑戦を促している。
・TS活動(工場生産活動における業務改善・提案プロジェクト)・スマートファクトリー推進委員会(DX化推進のための全社的な業務改善プロジェクト)Communication下記制度に基づいた社員個人の状況の把握や配慮を通じて、会社及び社員間における信頼の醸成に努めている。
・地域正社員制度、積立有給制度、フレックスタイム制度、 在宅勤務制度、男性社員の育児休業制度の積極的な活用など 個人のライフスタイルに対する配慮・工場のバリアフリー化を通じた多様性への理解の増進・1on1ミーティングの実施による社員の状況の把握・安全教育の推進を通じた社員相互の安全意識の高揚Change下記の施策を通じて常に変化と多様な価値観を前提とした職場づくりを進めている。
・一般職制度を廃止、総合職制度に一本化するとともに、 人材育成を通じて女性管理職の登用を推進している。
・多様な価値観を尊重するなかで、 積極的に中途入社の採用を行い、活躍の場を設けている。
 (指標及び目標) 「第1 企業情報 5 従業員の状況(2)」に掲げるとおり、管理職に占める女性従業員の割合が低い水準で推移していることから、女性従業員に占める女性管理職の比率を男性従業員に占める男性管理職の比率と同等の水準とすることを目標設定し、今後女性従業員に占める女性管理職の比率の向上を図るため、社内研修制度の充実をはかり優秀な社員を育成することで、女性管理職比率を高めていく。
 なお、2025年3月期現在の男性従業員に占める男性管理職の比率は6%であった。
人材育成のなかで能力・適正に応じて管理職に登用することを方針としているため、現時点では具体的な数値目標を設定していないが、今後指標・目標の設定については引き続き検討していく。
戦略 (2)戦略 日本の2050年カーボンニュートラルを実現するためには、鉄鋼業において、わが国全体のCO2排出量の約14%を占める145百万トンを削減する必要がある。
また、増加を続けるわが国の鉄スクラップは、2050年には国内の鋼材需要の大部分を満たす数量に達すると期待される。
膨大なCO2排出量の削減、貴重な資源である鉄スクラップの国内での資源循環という社会が直面する二つのテーマに向き合い、2050年の「脱炭素社会」「循環型社会」を実現すべく、電炉トップメーカーとして鉄鋼製品の新分野にチャレンジし続けてきた当社だからこそできる社会への貢献として、長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」を策定している。
当社は長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」のもと、「脱炭素社会」「循環型社会」の実現を柱とし、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の供給拡大に取り組むことで、日本のCO2排出量の大幅な削減と、貴重な鉄スクラップの国内での更なる有効利用をはかっていく。
なお、当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定している「安全・環境・品質」「コーポレートガバナンス」については、投資判断における重要性が低いとの判断から、「戦略」の開示を行っていない。
今後の取り組みとしては、近年、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に基づく生物多様性に関する企業情報の開示必要性が高まっていることから、国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)における自然への依存度・影響度の分析や、自然リスク・機会の特定、対応策の検討などを進め、有価証券報告書での開示充実化をはかっていく。
また、「コーポレートガバナンス」については、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」において詳細な開示を実施している。
長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」 気候関連リスク・機会を踏まえた当社戦略への影響項目影響の説明製品当社は国内最大手の電炉メーカーとしてH形鋼やホットコイルを中心とした脱炭素・循環型の電炉鋼材の製造を行っている。
近年、気候関連リスクを低減させるための施策として、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材に注目が集まっており、その環境面での優位性が評価され、社会におけるニーズが高まってきている。
このような社会的な環境意識の向上が、当社の製品販売戦略に大きな影響を与えており、従来以上に幅広い顧客に対する製品PRの必要性が高まっている。
気候関連リスク・機会に伴う影響・取組方針・戦略は、当社の製品販売戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
サプライチェーン気候関連リスク・機会が、中長期の当社サプライチェーン戦略に影響を及ぼしている。
具体的には、当社の主原料である鉄スクラップは調達段階において膨大なCO2を排出していることが想定されるが、昨今はスコープ3のCO2排出量についても削減をはかることが社会的に求められつつあることから、当社の鉄スクラップ調達に関わるCO2排出量についても中長期的な削減に取り組む必要性が高まっている。
このため、鉄スクラップのサプライヤーを対象にCO2排出量の調査を実施し、得られたデータを当社のスコープ3排出量算定の基礎データとして活用することで、当社のCO2排出量データの構築に包含させるとともに、サプライヤーにおける排出量削減の意識付けを行うに至った。
気候関連リスク・機会を踏まえた取組方針・戦略は、当社のサプライチェーン戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
研究開発への投資気候関連リスク・機会が、中期的な当社の研究開発への投資戦略に影響を及ぼしている。
具体的には、脱炭素社会への移行をはかる社会目標において、低環境負荷製品の需要が拡大するという機会を踏まえ、脱炭素・循環型鋼材である電炉鋼材の環境優位性のプレゼンス向上をはかるとともに、国内鋼材需要の大きなウェイトを占める自動車分野等へのアプローチの必要性が高まった。
気候関連リスク・機会に伴う影響・取組方針・戦略は、当社の研究開発への投資戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
運用気候関連リスク・機会が、短期的な当社の運用戦略に影響を及ぼしている。
具体的には、膨大な電力を消費する当社事業において、将来的なカーボンプライス・炭素税による電力コストの上昇などのリスクを踏まえ、生産段階における省エネルギー活動のさらなる実施の必要性が高まっていることから、大規模な省エネルギー投資を実施するに至り、具体的には、2024年度は省エネルギー対策として約19.6億円を投資し、年間10,141kl分のエネルギー削減効果が得られた。
気候関連リスク・機会に伴う影響・取組方針・戦略は、当社の運用戦略を含む事業戦略である長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」に組み込まれている。
指標及び目標 (4)指標及び目標2021年6月、当社は長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の改定を行い、2030年及び2050年の目標を引き上げると共に、2050年のカーボンニュートラル実現を目指している。
また、当社は生産量の目標として、2030年粗鋼生産量600万t、2050年粗鋼生産量1,000万tと設定している。
中間となる2030 年の予想CO2排出量は約120万tであり、基準年の2013年度比でほぼ横ばいとなっている一方、鋼材1tあたりのCO2排出量は約0.21tCO2と大幅な削減を見込んでいる。
さらに、鋼材1tあたりのCO2排出量の多い高炉製品を当社製品が代替することで、2030年に約840万t、2050年に約1,300万tのCO2を社会全体から削減可能と予想している。
国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)においては、製造プロセスから排出されるCO2の原単位を毎年1%以上削減するという目標のもと、脱炭素投資の積極的な実施や既存プロセスの見直し、エネルギー効率向上等の取り組みを全社的に推進している。
なお、当社が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定している「安全・環境・品質」「コーポレートガバナンス」については、投資判断における重要性が低いとの判断から、「指標及び目標」の開示は行っていない。
今後の取り組みとしては、近年、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に基づく生物多様性に関する企業情報開示の必要性が高まっていることから、国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)における自然への依存度・影響度の分析や、自然リスク・機会の特定、対応策の検討などを進め、有価証券報告書での開示充実化をはかっていく。
また、「コーポレートガバナンス」については、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」において詳細な開示を実施している。
項目2013年度実績(基準年)2023年度実績2030年目標2050年目標鋼材1t当たりのCO2排出量(スコープ1・2)約0.54t-CO2約0.37t-CO2(基準年比▲32%)約0.21t-CO2(基準年比▲60%)実質排出ゼロ粗鋼生産量約222.6万t約320.4万t(2024年度)600万t1,000万t社会全体からのCO2削減貢献量約275万t-CO2約409.6万t-CO2(2024年度)約840万t-CO2約1,300万t-CO2 ※2024年度の鋼材1t当たりのCO2排出原単位(スコープ1・2)については、有価証券報告書提出日において集計作業が完了していないため、2023年度の実績を記載している。
指標の定義等項目指標の定義測定方法鋼材1t当たりのCO2排出原単位(スコープ1・2)国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)における直接排出量(スコープ1)と間接排出量(スコープ2)の総量。
「地球温暖化対策の推進に関する法律」「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」及び「排出原単位データベース(Ver.3.2)」に沿って算定。
粗鋼生産量国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場。
宇都宮工場)における鋼片生産量の総量。
当社生産実績に基づく。
社会全体からのCO2削減貢献量国内4工場(田原工場・岡山工場・九州工場・宇都宮工場)で生産した製品の普及によって社会全体から削減されたCO2の総量。
高炉製品代替数量=製品出荷量-中小形鋼及び異形棒鋼出荷量=鋼板、大形形鋼、角形鋼管出荷量 高炉製品代替によるCO2排出削減量 =0.4t-CO2/t-2.0t-CO2/t= ▲1.6t-CO2/t 現在の当社製品普及に伴うCO2排出削減量=▲1.6t-CO2/t x 高炉製品代替数量 2030年の当社製品普及に伴うCO2排出削減量=▲1.4t-CO2/t x 高炉製品代替数量 2050年の当社製品普及に伴うCO2排出削減量=▲1.3t-CO2/t x 高炉製品代替数量 人材の育成及び社内環境整備の方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績当社は、未来の地球のためのチャレンジとして、「Tokyo Steel EcoVision 2050」を公表し、環境にやさしい電炉鋼材を社会に普及させ、循環型社会の実現と低炭素社会の構築をはかっている。
このビジョンを実現するために求める人物像を「3つのC」(Challenge,Communication,Change)に置き替え、採用・人材育成、個人の能力を最大限に生かせる職場づくりを人的資本に関する重要な取り組みと捉え、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指していく。
① Challenge 社会に貢献するという強い使命感をもち、困難にも果敢に挑戦することのできる人物。
② Communication 常に公正で誠実な姿勢を大切にし、周囲と強い信頼関係を築きあげ、ものごとを成し遂げられる人物。
③ Change 変化を敏感に察知し、おそれることなく変化に向き合うことで、常に自らの成長を望む人物。
(戦略) 当社は人的資本に関し、下記の取り組みを行っている。
3つのC戦略の一例Challenge下記活動における中心メンバーとして、入社年次の浅いうちから積極的に係らせることにより、会社活動を通じた社会貢献への自覚及び、個人の挑戦を促している。
・TS活動(工場生産活動における業務改善・提案プロジェクト)・スマートファクトリー推進委員会(DX化推進のための全社的な業務改善プロジェクト)Communication下記制度に基づいた社員個人の状況の把握や配慮を通じて、会社及び社員間における信頼の醸成に努めている。
・地域正社員制度、積立有給制度、フレックスタイム制度、 在宅勤務制度、男性社員の育児休業制度の積極的な活用など 個人のライフスタイルに対する配慮・工場のバリアフリー化を通じた多様性への理解の増進・1on1ミーティングの実施による社員の状況の把握・安全教育の推進を通じた社員相互の安全意識の高揚Change下記の施策を通じて常に変化と多様な価値観を前提とした職場づくりを進めている。
・一般職制度を廃止、総合職制度に一本化するとともに、 人材育成を通じて女性管理職の登用を推進している。
・多様な価値観を尊重するなかで、 積極的に中途入社の採用を行い、活躍の場を設けている。
 (指標及び目標) 「第1 企業情報 5 従業員の状況(2)」に掲げるとおり、管理職に占める女性従業員の割合が低い水準で推移していることから、女性従業員に占める女性管理職の比率を男性従業員に占める男性管理職の比率と同等の水準とすることを目標設定し、今後女性従業員に占める女性管理職の比率の向上を図るため、社内研修制度の充実をはかり優秀な社員を育成することで、女性管理職比率を高めていく。
 なお、2025年3月期現在の男性従業員に占める男性管理職の比率は6%であった。
人材育成のなかで能力・適正に応じて管理職に登用することを方針としているため、現時点では具体的な数値目標を設定していないが、今後指標・目標の設定については引き続き検討していく。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 人材の育成及び社内環境整備の方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績当社は、未来の地球のためのチャレンジとして、「Tokyo Steel EcoVision 2050」を公表し、環境にやさしい電炉鋼材を社会に普及させ、循環型社会の実現と低炭素社会の構築をはかっている。
このビジョンを実現するために求める人物像を「3つのC」(Challenge,Communication,Change)に置き替え、採用・人材育成、個人の能力を最大限に生かせる職場づくりを人的資本に関する重要な取り組みと捉え、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を目指していく。
① Challenge 社会に貢献するという強い使命感をもち、困難にも果敢に挑戦することのできる人物。
② Communication 常に公正で誠実な姿勢を大切にし、周囲と強い信頼関係を築きあげ、ものごとを成し遂げられる人物。
③ Change 変化を敏感に察知し、おそれることなく変化に向き合うことで、常に自らの成長を望む人物。
(戦略) 当社は人的資本に関し、下記の取り組みを行っている。
3つのC戦略の一例Challenge下記活動における中心メンバーとして、入社年次の浅いうちから積極的に係らせることにより、会社活動を通じた社会貢献への自覚及び、個人の挑戦を促している。
・TS活動(工場生産活動における業務改善・提案プロジェクト)・スマートファクトリー推進委員会(DX化推進のための全社的な業務改善プロジェクト)Communication下記制度に基づいた社員個人の状況の把握や配慮を通じて、会社及び社員間における信頼の醸成に努めている。
・地域正社員制度、積立有給制度、フレックスタイム制度、 在宅勤務制度、男性社員の育児休業制度の積極的な活用など 個人のライフスタイルに対する配慮・工場のバリアフリー化を通じた多様性への理解の増進・1on1ミーティングの実施による社員の状況の把握・安全教育の推進を通じた社員相互の安全意識の高揚Change下記の施策を通じて常に変化と多様な価値観を前提とした職場づくりを進めている。
・一般職制度を廃止、総合職制度に一本化するとともに、 人材育成を通じて女性管理職の登用を推進している。
・多様な価値観を尊重するなかで、 積極的に中途入社の採用を行い、活躍の場を設けている。
 (指標及び目標) 「第1 企業情報 5 従業員の状況(2)」に掲げるとおり、管理職に占める女性従業員の割合が低い水準で推移していることから、女性従業員に占める女性管理職の比率を男性従業員に占める男性管理職の比率と同等の水準とすることを目標設定し、今後女性従業員に占める女性管理職の比率の向上を図るため、社内研修制度の充実をはかり優秀な社員を育成することで、女性管理職比率を高めていく。
 なお、2025年3月期現在の男性従業員に占める男性管理職の比率は6%であった。
人材育成のなかで能力・適正に応じて管理職に登用することを方針としているため、現時点では具体的な数値目標を設定していないが、今後指標・目標の設定については引き続き検討していく。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日現在)において当社が判断したものである。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の変動に関わるもの当社の属する普通鋼電炉業界の特色は市況産業であることである。
したがって、製品の販売価格及び主原料である鉄スクラップ価格については、国内外の経済情勢、市場動向の変化等、当社を取り巻く外部環境の変化に大きく影響を受ける可能性がある。
当社としては、営業部門と生産部門の連携を一層強化して、このような市況変動に迅速かつ柔軟に対応できる体制の構築に努めるとともに、需要に見合った生産を徹底し、収益の維持・向上を達成することで対処していく。

(2) 特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるもの当社の当事業年度における輸出は主としてアジア向けであり、今後の同地域の経済情勢又は保護主義的な政策等により、受注環境が変化する可能性がある。
また、主原料である鉄スクラップについても、アジア地域の鉄鋼需要の拡大により、日本からの輸出が増加することにより、当社の調達価格並びに入荷量に影響を及ぼす可能性がある。
加えて、アジア域内の生産設備の拡張による供給余力が、日本への製品輸出の増加を伴い、日本国内の競争の激化を招く可能性がある。
当社としては、電炉鋼材の特性を活かした製品の開発や、顧客ニーズに応える製品品質の実現により差別化をはかるとともに、主原料として国内の鉄スクラップを使用する利点を生かしつつ、徹底したコストダウンを推し進めることで、競争力の維持・向上に努めていく。
(3) 為替変動に関わるもの当社は、輸出取引に伴う外貨建取引の為替変動によるリスクを回避する目的で、先物為替予約を利用することがある。
しかし、間接的な影響を含め、為替変動による影響をすべて排除することは困難であり、当社の業績に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 法規制等の変更に関わるもの当社は、現時点の規制に従って業務を遂行している。
将来における法律、規則、政策等の変更並びにそれらによって発生する事態が、当社の業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 災害や停電等による影響当社は、災害等が発生した場合に製造ラインの中断による影響を最小にするため、全工場において定期的な災害防止検査と設備点検を行っている。
しかしながら、生産施設で発生する災害、停電その他の中断事象による損害を完全に防止または軽減できる保証はない。
当社は、同一製品を複数の拠点で生産すること等により、災害等による生産中断を極力回避できるよう努めている。
(6) 気候変動の及ぼす影響気候変動に起因する自然災害が深刻化した場合、洪水・高潮等による生産設備の故障や、サプライチェーンの寸断による操業停止等の損失が発生する可能性がある。
また、炭素税や排出権取引制度といった温室効果ガスの排出規制が導入された場合、原材料価格や電力料金等の操業コストが高騰し、収益性が低下する可能性がある。
当社は気候変動問題を経営上の重要な課題として捉えており、2021年6月に改定した長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」の中で、CO2排出原単位を、2030年時点で2013年比の60%を削減し、2050年では実質ゼロとする目標を掲げている。
また、2019年5月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同を表明している。
今後も気候変動が及ぼすリスクおよび機会の分析と対応を行い、有価証券報告書や統合報告書、ホームページなどにおいて継続的な情報開示を行っていく。
(7) 繰延税金資産に関するリスク当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
(8) 固定資産の減損処理に関するリスク当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性がある。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要(1) 業績当期においては、中国からの鋼材輸出が過去最高に迫る水準に達したことや、国内においては建築案件の工期遅れの影響などをうけ、鋼材市況は軟調に推移した。
このような状況のなか、当社においては、主原料である鉄スクラップ価格は前年を下回った一方で、製品の出荷数量、出荷価格がともに低下し、加えて生産量の減少により固定費コストなどが上昇したことから、営業利益・経常利益、当期純利益のいずれも前期の利益を下回った。
売上高は326,775百万円(前年実績367,242百万円)となった。
営業利益は30,105百万円(前年実績38,066百万円)、経常利益は31,612百万円(前年実績39,719百万円)となり、当期純利益は、21,203百万円(前年実績27,958百万円)となった。

(2) キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、前期末に比べ16,108百万円減少し、当期末の資金残高は96,111百万円となった。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリーキャッシュ・フローは、2,288百万円の支出である。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は19,588百万円(前期53,376百万円)となった。
これは、主として税引前当期純利益が29,708百万円であったことと、仕入債務の減少額が17,366百万円であったこと等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は21,876百万円(前期18,202百万円)となった。
これは、有形固定資産取得による支出が22,362百万円であったこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は13,766百万円(前期8,140百万円)となった。
これは、自己株式取得による支出が8,358百万円あったこと及び配当金の支払いによる支出が5,408百万円であったことによるものである。
資本の財源及び資金の流動性について、装置産業と市況産業に属する当社は、業績が景気変動に大きく左右されるなかで、最新の生産技術を保持し生産性と競争力を向上させるための設備投資を、自己資金を活用し、自己の判断で的確なタイミングで実施することを原則としている。
また、株主還元については、将来に資する設備投資を推進し、生産性と競争力を一層向上させることで、高い利益水準を達成しつつ、これをもって、配当や自己株式取得による株主還元を実施してきたが、この方針をより明確にすることとし、当社の今後の利益配分については、原則として、総還元性向を25%~30%とすることを目指していく。
このような方針のもと、将来に向けたより強固な経営基盤の構築のため、当社では、キャッシュ・フローへの貢献度を個々の事業推進のための経営判断の指標としている。
生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績品目生産数量(トン)前期比(%)製品鋼材2,914,16887.3半製品鋼片3,204,86888.8
(2) 受注実績輸出は受注生産を行っており、その受注実績は次のとおりである。
品目受注高受注残高数量(トン)前期比(%)数量(トン)前期比(%)鋼材423,48056.377,20399.7鋼片その他17,853147.7--計441,33357.877,20399.7
(注) 販売価格は、出荷時点で決定されるため、受注高及び受注残高とも金額による表示は困難であるので数量表示によっている。
(3) 販売実績品目販売高(百万円)前期比(%)鋼材314,52788.1鋼片その他12,247117.5計326,77589.0
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
相手先前事業年度当事業年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)阪和興業㈱50,24413.749,60915.2小野建㈱31,8248.733,16410.1 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。
この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。
詳細については、本報告書「第5 経理の状況 2 財務諸表 注記事項 重要な会計方針 及び 重要な会計上の見積り」に記載している。
市況産業に属する当社の業績は、景気変動に大きく左右されることがある。
当社としては、会計上の見積りにあたり、期末時点で入手可能な情報を基に、以下の検証を行っている。
(繰延税金資産)当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。

(2) 業績比較当事業年度の売上高は、326,775百万円(前期367,242百万円)となった。
一方、売上原価は、268,751百万円(前期301,930百万円)となった。
販売費及び一般管理費は、27,917百万円(前期27,245百万円)であり、営業利益は30,105百万円(前期38,066百万円)となった。
営業外収益は、受取配当金681百万円等により1,593百万円(前期1,734百万円)となった。
また、営業外費用は、86百万円(前期81百万円)となった。
以上から、経常利益は31,612百万円(前期39,719百万円)となった。
特別利益は、8百万円(前期1,059百万円)となった。
特別損失は、1,912百万円(前期1,009百万円)となった。
これに、法人税、住民税及び事業税8,002百万円及び法人税等調整額503百万円を計上した結果、当期純利益は21,203百万円(前期27,958百万円)となった。
(3) 資金の流動性営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で33,788百万円減少し、19,588百万円の収入となった。
これは、主として税引前当期純利益が29,708百万円であったことと、仕入債務の減少額が17,366百万円であったこと等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で3,674百万円減少し、21,876百万円の支出となった。
これは有形固定資産の取得による支出が22,362百万円であったこと等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度比で5,626百万円減少し、13,766百万円の支出となった。
これは、主として自己株式の取得による支出が8,358百万円であったこと及び配当金の支払額が5,408百万円であったこと等によるものである。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度比で16,108百万円減少し、96,111百万円となった。
(4) 財政状態当事業年度末の流動資産合計の残高は、前事業年度比で31,543百万円減少し、164,153百万円となった。
また、固定資産合計の残高は、前事業年度比で13,913百万円増加し、128,820百万円となった。
以上により、資産合計の残高は、前事業年度比で17,630百万円減少し、292,973百万円となった。
流動負債合計の残高は、前事業年度比で23,447百万円減少し、66,107百万円となった。
一方、固定負債合計の残高は、前事業年度比で194百万円減少し、16,947百万円となった。
以上により負債合計の残高は、前事業年度比で23,641百万円減少し、83,055百万円となった。
純資産合計の残高は、前事業年度比で6,011百万円増加し、209,918百万円となった。
これらにより、当事業年度末の自己資本比率は、71.7%となった。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社は、顧客ニーズに応えられる製品の多様化をはかるとともに、生産効率の向上と品質の向上を主目的とした生産技術の研究開発に取り組んでいる。
また、脱炭素社会・循環型社会の構築が企業としての社会的使命となっているなかで、資源リサイクル産業の一員として、省資源、省エネルギー及び環境保全のための研究も積極的に推進している。
これらの研究開発は、技術部を中心に活動を行っている。
技術部では、高付加価値の電気炉鋼材の開発を行うとともに、製造ラインへの技術指導から顧客への品質説明まで一貫して行うことで、多様なニーズに、より迅速に対応できるよう取り組んでいる。
当事業年度においては、品種及び鋼種の拡大、品質向上のための設備改良、エネルギー効率の向上等の研究に注力してきた。
研究開発費の総額は284百万円である。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当事業年度の設備投資については、生産設備の増強等を目的とした設備投資を継続的に実施している。
当事業年度の設備投資総額は242億円である。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
  2025年3月31日現在事業所名(所在地)事業の種別(生産品目等)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び車両運搬具土地(面積㎡)リース資産工具、器具及び備品合計本社 (東京都千代田区)製品の販売原材料の購買その他0081(33,070)-89165田原工場(愛知県田原市)鋼鈑鋼管鋼片電気炉1基ホットストレップミル1式他造管設備1式2,37614,13920,299(1,043,930)5511,24838,616262岡山工場(岡山県倉敷市)溝形鋼H形鋼鋼鈑異形棒鋼鋼片電気炉1基ユニバーサル式大型圧延設備1式連続式圧延設備2式ホットストリップミル1式他5,34717,192666(465,487)-1,22724,434385九州工場(福岡県北九州市若松区)H形鋼鋼鈑鋼矢板鋼片電気炉1基ユニバーサル式大型圧延設備1式厚板設備1式2,3897,2013,691(331,296)-1,73015,011272宇都宮工場(栃木県宇都宮市)溝形鋼H形鋼鋼片電気炉1基ユニバーサル式大型圧延設備1式1,6273,0107,608(213,142)7196213,280147高松鉄鋼センター(香川県高松市)原材料の集荷その他503712(102,515)-27684
(注) 1 金額は帳簿価額であり、建設仮勘定は除いている。
2 上記の金額には消費税等は含まれていない。
3 貸与中の田原工場内土地4,542百万円(235,680㎡)を含んでいる。
4 上記の他、賃借中の主な設備は次のとおりである。
設備名数量摘要本社(東京都千代田区)事務所建物 831㎡契約期間7年大阪支店(大阪府大阪市中央区)事務所建物 114㎡契約期間2年名古屋支店(愛知県名古屋市中区)事務所建物 109㎡契約期間2年
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等当社は、2025年4月に、「脱炭素社会」と「循環型社会」への貢献が期待される電炉鋼材のさらなる普及に向けて、岡山工場のめっきライン改造投資を決定した。
事業所所在地設備の内容投資予定金額資金調達方法稼動開始岡山工場岡山県倉敷市めっきライン改造投資 約100億円自己資金2027年度初頭
(2) 重要な設備の除却等特記すべき事項なし。
研究開発費、研究開発活動284,000,000
設備投資額、設備投資等の概要24,200,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況40
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況17
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,714,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標0

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、後者は、業務提携、取引関係の維持・強化など事業活動上の必要性があり、保有により当社の中長期的な成長に資すると判断した株式として、株式の保有は必要最小限とし、政策保有することとしている。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容等純投資目的以外の目的である投資株式の保有方針は、保有先企業との中長期的な関係の維持や、電炉鋼材の普及・技術交流等を目指した出資など、当該株式を保有する合理性がある場合に、保有先企業からの配当等の経済的要素もふまえ判断する、というものである。
なお、取得時の投資目的や直近の事業方針との整合性と照らし、株式の継続保有における経済性を含めた合理性が乏しいと判断した場合には、株式の売却を検討していく。
保有の合理性の検討については、保有先企業の属性ごとに、資本・業務提携先である鉄鋼会社との技術交流等の進捗や、需要家や金融機関等である保有先企業からの新規提案を含む取引状況等に加え、株式保有から得る利益やリスクといった観点から、総合的に判断している。
上記目的に基づく保有の合理性について、本社総務部門が精査した結果を受けて、取締役会にて検証を行う。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式435非上場株式以外の株式64,429 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)東国CM㈱425,856425,856業務資本提携により、鋼板製品分野における取引および製造技術、製品品質、低炭素・省エネ省資源等に関する技術交流・人的交流を行っている。
(定量的な保有効果)配当金収入:4百万円無283303東国スチール㈱694,694694,694業務資本提携により、条鋼製品及び半製品分野における取引および製造技術、製品品質、低炭素・省エネ省資源等に関する技術交流・人的交流を行っている。
(定量的な保有効果)配当金収入:71百万円無624877阪和興業㈱225,000225,000鉄鋼製品は市況の影響を受けやすく、商社を通じた安定的取引の維持強化を目的としている。
同社は、当社の主要な製品販売先であり、営業上の取引関係の維持、強化のため保有している。
(定量的な保有効果)配当金収入:46百万円無1,1001,334㈱いよぎんホールディングス699,000699,000資金調達、資金運用を通じた金融取引の円滑な推進等を目的としており、現在も取引を継続していることから保有している。
(定量的な保有効果)配当金収入:27百万円有(注2)1,228819㈱三井住友フィナンシャルグループ273,60091,200資金調達、資金運用を通じた金融取引の円滑な推進等を目的としており、現在も取引を継続していることから保有している。
なお、株式分割により保有株式数が増加している。
(定量的な保有効果)配当金収入:28百万円有(注2)1,038812岡谷鋼機㈱22,00011,000鉄鋼製品は市況の影響を受けやすく、商社を通じた安定的取引の維持強化を目的としている。
同社は、当社の主要な製品販売先であり、営業上の取引関係の維持、強化のため保有している。
なお、株式分割により保有株式数が増加している。
(定量的な保有効果)配当金収入:2百万円有153186 (注1) 当社が保有している株式の個別銘柄の保有の適否については、保有先企業との事業関係並びに保有先企業の財政状態、経営成績の状況についてモニタリングを実施するとともに、当社の中長期的な成長に必要かどうか、他に有効な資金活用はないか等の観点で、総務部門における検証並びに担当取締役による検証を適宜行い、必要に応じ取締役会に諮ることとしている。
検証の結果、保有の合理性が認められなくなったと判断される銘柄については売却を行い、縮減をはかっていく。
2025年3月31日を基準とした検証の結果、現状保有する政策保有株式はいずれも保有方針に沿った目的で保有していることを確認している。
(注2)㈱いよぎんホールディングス及び㈱三井住友フィナンシャルグループは当社の株式を保有していないが、同社子会社が当社の株式を保有している。
みなし保有株式 該当事項なし。
③保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式----非上場株式以外の株式413,788-- 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式499-12,914 ④当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの  該当事項なし。
⑤当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの銘柄株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)変更した事業年度変更の理由及び変更後の保有又は売却に関する方針住友商事㈱2,079,0007,0102025年3月期※1三井物産㈱1,415,4003,9622025年3月期※1丸紅㈱1,157,0002,7532025年3月期※1㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ31,000622025年3月期※1 ※1 変更の理由及び変更後の保有又は売却に関する方針 上記銘柄は、長期的・安定的な取引関係の維持・拡大を図ること、並びに、株式価値の増大及び配当金等の受領により中長期的な収益を享受することを目的に保有していたが、政策保有株式としての保有意義が薄れたことから、保有目的を純投資目的に変更した。
 今後の売却等の判断については、業績や株価見通しにより取締役会、総務部門において検討、判断することとなる(㈱三菱UFJフィナンシャル・グループについて、2026年3月末までにすべての株式を売却予定である)。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社35,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社6
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4,429,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社22,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社153,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社岡谷鋼機㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社鉄鋼製品は市況の影響を受けやすく、商社を通じた安定的取引の維持強化を目的としている。
同社は、当社の主要な製品販売先であり、営業上の取引関係の維持、強化のため保有している。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
合同会社TOS東京都新宿区市谷船河原町1818,40017.66
公益財団法人池谷科学技術振興財団東京都千代田区霞が関三丁目7番1号13,00012.48
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号赤坂インターシティAIR9,4099.03
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海一丁目8番12号5,4595.24
合同会社MYJ東京都新宿区市谷船河原町184,8004.61
池谷 正成東京都新宿区4,6124.43
酒井 真美東京都港区4,5724.39
宜本興産株式会社福岡県北九州市若松区南二島二丁目22-114,0003.84
合同会社MYM東京都港区南麻布一丁目25番5号2,7502.64
KSD-KB(常任代理人 シティバンクエヌ・エイ東京支店)34-6,YEOUIDO-DONG,YEONGDEUNGPO-GU,SEOUL,KOREA(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)1,4301.37
計―68,43465.68
(注) 上記のほか、自己株式が5,869千株ある。
株主数-金融機関29
株主数-金融商品取引業者30
株主数-外国法人等-個人13
株主数-外国法人等-個人以外202
株主数-個人その他9,930
株主数-その他の法人162
株主数-計10,366
氏名又は名称、大株主の状況KSD-KB
株主総利回り3
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項なし。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式6161当期間における取得自己株式1280
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていない。

Shareholders2

自己株式の取得-8,335,000,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-8,358,000,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1 発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)155,064,249-45,000,000110,064,249 2 自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)45,859,3115,020,11645,010,0205,869,407 (変動事由の概要)増加数の内訳は、次のとおりである。
単元未満株式の買取による増加                           616株会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づく取得による増加    5,019,500株減少数の内訳は、次のとおりである。
取締役及び執行役員に対する譲渡制限付株式としての自己株式の処分による減少   10,020株会社法第178条の規定による自己株式の消却 45,000,000株

Audit1

監査法人1、個別 有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月24日東京製鐵株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 高 﨑 博 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士宇 田 川 顕 悟 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている東京製鐵株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第111期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、東京製鐵株式会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当事業年度の貸借対照表において、繰延税金負債4,564百万円が計上されている。
注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、当該繰延税金負債は繰延税金資産989百万円と相殺されている。
繰延税金資産の金額は、将来減算一時差異に係る繰延税金資産9,475百万円から評価性引当額8,485百万円が控除されている。
これらの繰延税金資産は、将来減算一時差異が将来の課税所得等と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上される。
東京製鐵株式会社の属する普通鋼電炉業界は市況産業であるため、製品の販売価格及び主要な原材料である鉄スクラップ価格は、国内外の経済情勢、市場動向の変化等、外部環境の変化の影響を受ける可能性がある。
この点、繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる将来の課税所得の見積りは、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、当該事業計画には、製品の販売価格・販売数量、鉄スクラップの仕入価格及び電力単価の予測といった、経営者による重要な判断を伴う主要な仮定が含まれており、見積りの不確実性が高い。
以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。
当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価繰延税金資産の回収可能性の判断に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に将来の課税所得の見積りに関する内部統制に焦点を当てた。
(2)将来の課税所得の見積りの適切性の評価繰延税金資産の回収可能性の判断において重要となる、将来の課税所得の見積りに当たって採用された主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について経営者に質問をするとともに、主に以下の手続を実施した。
● 繰延税金資産の回収可能性の判断に使用された課税所得の見積りについて、取締役会で承認された事業計画との整合性を確認した。
● 過去の事業計画の達成状況と差異原因について検討し、事業計画の精度を評価した。
● 製品の販売価格、鉄スクラップの仕入価格及び電力単価の予測に関する仮定について、市場動向等と照らしてその適切性を評価した。
● 製品の販売数量の予測に関する仮定について、過去の販売実績や受注残高等と照らしてその適切性を評価した。
● 将来減算一時差異の解消予定時期のスケジューリングや将来課税所得の計算に含まれる申告調整項目の妥当性について、当事業年度の課税所得計算結果と照らして評価した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、東京製鐵株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、東京製鐵株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管している。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていない。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応当事業年度の貸借対照表において、繰延税金負債4,564百万円が計上されている。
注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、当該繰延税金負債は繰延税金資産989百万円と相殺されている。
繰延税金資産の金額は、将来減算一時差異に係る繰延税金資産9,475百万円から評価性引当額8,485百万円が控除されている。
これらの繰延税金資産は、将来減算一時差異が将来の課税所得等と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上される。
東京製鐵株式会社の属する普通鋼電炉業界は市況産業であるため、製品の販売価格及び主要な原材料である鉄スクラップ価格は、国内外の経済情勢、市場動向の変化等、外部環境の変化の影響を受ける可能性がある。
この点、繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる将来の課税所得の見積りは、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、当該事業計画には、製品の販売価格・販売数量、鉄スクラップの仕入価格及び電力単価の予測といった、経営者による重要な判断を伴う主要な仮定が含まれており、見積りの不確実性が高い。
以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。
当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価繰延税金資産の回収可能性の判断に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に将来の課税所得の見積りに関する内部統制に焦点を当てた。
(2)将来の課税所得の見積りの適切性の評価繰延税金資産の回収可能性の判断において重要となる、将来の課税所得の見積りに当たって採用された主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について経営者に質問をするとともに、主に以下の手続を実施した。
● 繰延税金資産の回収可能性の判断に使用された課税所得の見積りについて、取締役会で承認された事業計画との整合性を確認した。
● 過去の事業計画の達成状況と差異原因について検討し、事業計画の精度を評価した。
● 製品の販売価格、鉄スクラップの仕入価格及び電力単価の予測に関する仮定について、市場動向等と照らしてその適切性を評価した。
● 製品の販売数量の予測に関する仮定について、過去の販売実績や受注残高等と照らしてその適切性を評価した。
● 将来減算一時差異の解消予定時期のスケジューリングや将来課税所得の計算に含まれる申告調整項目の妥当性について、当事業年度の課税所得計算結果と照らして評価した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性