財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-24
英訳名、表紙Central Japan Railway Company
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  丹 羽 俊 介
本店の所在の場所、表紙愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号
電話番号、本店の所在の場所、表紙(052)564-2620
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
(1) 日本国有鉄道時代年月摘要1949年6月「日本国有鉄道法」に基づく公共企業体として日本国有鉄道(以下「国鉄」という。
)設立1964年10月東海道新幹線東京~新大阪間営業開始1986年12月「日本国有鉄道改革法」、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」(以下「JR会社法」という。
)等の国鉄改革関連8法公布1987年4月「日本国有鉄道法」廃止北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という。
)及び日本貨物鉄道株式会社(以下「貨物会社」という。
)設立
(2) 東海旅客鉄道株式会社設立後年月摘要1987年4月東海旅客鉄道株式会社設立1988年3月東海道新幹線に3駅(新富士、掛川、三河安城)開業ジェイアール東海バス㈱を設立(現・連結子会社)、同年4月自動車運送事業を同社に営業譲渡1989年3月高山本線特急「ひだ」に新型気動車を投入1990年2月運輸大臣より中央新幹線の地形、地質等に関する調査の指示を受け調査開始6月山梨リニア実験線の建設計画を運輸大臣に申請、承認1991年10月東海道新幹線鉄道施設を譲受け1992年3月東海道新幹線「のぞみ」を300系車両で営業運転開始7月㈱ジェイアール東海ホテルズを設立(現・連結子会社)12月㈱ジェイアール東海百貨店を設立、1997年9月㈱ジェイアール東海髙島屋に商号変更(現・連結子会社)1994年6月ジェイアールセントラルビル㈱を設立(現・連結子会社)1997年4月山梨リニア実験線における走行試験開始10月名古屋、東京、大阪(2013年7月に東京証券取引所と統合)の各証券取引所市場第一部及び京都証券取引所(2001年3月に大阪証券取引所に合併)に株式上場1999年3月東海道新幹線「のぞみ」に700系車両を投入12月JRセントラルタワーズ竣工2000年3月ジェイアール名古屋タカシマヤが開業(㈱ジェイアール東海髙島屋が運営)5月名古屋マリオットアソシアホテルが開業(㈱ジェイアール東海ホテルズが運営)2001年3月ジェイアール東海不動産㈱を設立(現・連結子会社)12月「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律」(以下「JR会社法改正法」という。
)の施行により、JR会社法の適用対象から除外2002年7月愛知県小牧市に研究施設を開設2003年10月東海道新幹線品川駅開業、全列車270km/h運転を柱とした抜本的なダイヤ改正実施2005年7月独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」という。
)国鉄清算事業本部保有の当社株式600,000株の売却2006年3月東海道新幹線に新ATC(自動列車制御装置)システムを導入4月定款授権に基づく取締役会決議により、自己株式268,686株を取得鉄道・運輸機構国鉄清算事業本部保有の当社株式286,071株が売却され、同機構が保有する全ての当社株式の売却が終了2007年1月山梨リニア実験線の建設計画の変更を国土交通大臣に申請、承認7月東海道新幹線「のぞみ」にN700系車両を投入2008年10月日本車輌製造㈱を連結子会社化1990年に運輸大臣より指示を受けた中央新幹線の地形、地質等に関する調査報告書を国土交通大臣に提出12月国土交通大臣より中央新幹線に係る全国新幹線鉄道整備法(以下「全幹法」という。
)第5条の残り4項目に関する調査の指示を受け調査開始2009年5月自己株式90,000株を消却12月2008年に国土交通大臣より指示を受けた中央新幹線に係る全幹法第5条の残り4項目に関する調査報告書を国土交通大臣に提出2011年5月国土交通大臣が当社を中央新幹線(東京都・大阪市間)の営業主体及び建設主体(以下「営業主体等」という。
)に指名国土交通大臣が中央新幹線の建設に関する整備計画を決定し、当社に建設を指示2012年5月自己株式90,000株を消却2013年2月8月東海道新幹線「のぞみ」にN700A車両を投入山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備更新が完了し、走行試験再開 年月摘要2014年10月国土交通大臣が中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その1)を認可2015年3月東海道新幹線最高速度285km/hへの速度向上実施2016年11月「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律」が施行され、鉄道・運輸機構に対して、中央新幹線の建設の推進のため、財政投融資を活用した長期借入を申請2017年2月JRゲートタワー竣工4月タカシマヤ ゲートタワーモール(㈱ジェイアール東海髙島屋が運営)、名古屋JRゲートタワーホテル(㈱ジェイアール東海ホテルズが運営)等が開業し、JRゲートタワーが全面開業2018年3月国土交通大臣が中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その2)を認可2020年3月東海道新幹線全列車の最高速度285km/h運転、「のぞみ12本ダイヤ」を柱としたダイヤ改正実施7月東海道新幹線「のぞみ」にN700S車両を投入2022年4月東京証券取引所及び名古屋証券取引所における市場区分の見直しに伴い、上場する市場を東京証券取引所においてはプライム市場、名古屋証券取引所においてはプレミア市場へ変更7月高山本線特急「ひだ」にハイブリッド方式の新型特急車両HC85系を投入2023年7月紀勢本線特急「南紀」にHC85系車両を投入12月国土交通大臣が中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その3)及び変更を認可
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループの営んでいる主要な事業内容は以下のとおりです。
(1) 運輸業 東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を営むほか、バス事業等を営んでいます。
[主な関係会社]当社、ジェイアール東海バス㈱
(2) 流通業 JRセントラルタワーズ内で百貨店業を営むほか、主に、駅構内及び列車内等における物品の販売等を行っています。
[主な関係会社]㈱ジェイアール東海髙島屋、㈱JR東海リテイリング・プラス、ジェイアール東海商事㈱ (3) 不動産業 駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を営んでいます。
[主な関係会社]当社、ジェイアールセントラルビル㈱、ジェイアール東海不動産㈱、新横浜ステーション開発㈱、東京ステーション開発㈱、名古屋ステーション開発㈱、ジェイアール東海関西開発㈱(4) その他 当社の主要駅等でホテル業を営むほか、旅行業、広告業等を営んでいます。
 また、鉄道車両等の製造、各種設備の保守・検査・修繕、その他事業を営んでいます。
[主な関係会社]ホテル・サービス業 ㈱ジェイアール東海ホテルズ、㈱ジェイアール東海ツアーズ、               ㈱JR東海エージェンシーその他       日本車輌製造㈱、ジェイアール東海建設㈱、日本機械保線㈱、               中央リネンサプライ㈱、東海交通機械㈱、新生テクノス㈱以上に述べた事項及び当社の主な関係会社の概要図は次のとおりです。

(注) ※印は持分法適用の関連会社を示しています。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
(1) 連結子会社名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要ジェイアール東海物流㈱名古屋市中村区300運輸業100.0(10.0)当社は同社に鉄道資材物流業務等を委託しています。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海バス㈱名古屋市中川区100〃100.0同社は当社へのリース車両の貸付業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 ㈱JR東海交通事業名古屋市西区100〃100.0当社は同社に駅の出改札業務等を委託しています。
役員の兼任等…有 ㈱ジェイアール東海髙島屋名古屋市中村区10,000流通業61.2(0.8)同社はJRセントラルタワーズ及びJRゲートタワーにおいて百貨店業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 ㈱JR東海リテイリング・プラス名古屋市中村区700〃100.0同社は当社より駅構内設備等を賃借し、駅構内及び列車内等で小売業・飲食業を営んでいます。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海フードサービス㈱名古屋市中村区100〃100.0(48.4)同社は当社駅構内等において、飲食業を営んでいます。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海商事㈱名古屋市中村区100〃70.0当社は同社より燃料及び諸用品を購入しています。
役員の兼任等…有 ジェイアールセントラルビル㈱名古屋市中村区45,000不動産業100.0同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業等を営んでいます。
役員の兼任等…有(注1)ジェイアール東海不動産㈱東京都港区16,500〃100.0同社は当社より用地を譲り受け、不動産事業を営んでいます。
役員の兼任等…有(注1)新横浜ステーション開発㈱横浜市港北区9,304〃100.0同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 東京ステーション開発㈱東京都千代田区1,750〃100.0同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 静岡ターミナル開発㈱静岡市葵区624〃70.5同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業を営んでいます。
役員の兼任等…有 浜松ターミナル開発㈱浜松市中央区600〃77.9同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業を営んでいます。
役員の兼任等…有 名古屋ステーション開発㈱名古屋市中村区480〃100.0同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海静岡開発㈱静岡市葵区363〃100.0同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 豊橋ステーションビル㈱愛知県豊橋市100〃57.5同社は当社より建物を賃借し、駅ビル業を営んでいます。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海関西開発㈱京都市南区30〃100.0同社は当社より駅構内用地等を賃借し、駅ビル業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要㈱ジェイアール東海ホテルズ名古屋市中村区100その他100.0同社は当社沿線等においてホテル業を営んでいます。
役員の兼任等…有 ㈱ジェイアール東海ツアーズ東京都中央区100〃99.0同社は当社より駅構内設備等を賃借し、旅行業等を営んでいます。
役員の兼任等…有 ㈱JR東海エージェンシー東京都港区61〃90.0当社は同社に広告宣伝に関する業務等を委託しています。
役員の兼任等…有 日本車輌製造㈱名古屋市熱田区11,810〃51.2当社は同社より鉄道車両等を購入しています。
役員の兼任等…有(注1)(注2)ジェイアール東海建設㈱名古屋市中村区300〃100.0当社は同社に当社施設の建設工事及び保守修繕工事等を委託しています。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海情報システム㈱名古屋市中村区100〃100.0当社は同社にシステム開発、改修業務等を委託しています。
役員の兼任等…有 日本機械保線㈱東京都港区100〃92.1当社は同社に軌道等の保守修繕工事等を委託しています。
役員の兼任等…有 中央リネンサプライ㈱東京都中央区100〃87.6当社は同社より列車内におけるリネン用品の供給等を受けています。
役員の兼任等…有 JR東海財務マネジメント㈱名古屋市中村区80〃100.0当社は同社に経理業務の一部を委託しています。
役員の兼任等…有 東海交通機械㈱名古屋市中村区80〃100.0(11.6)当社は同社に車両及び機械設備の保守修繕工事等を委託しています。
役員の兼任等…有 ジェイアール東海コンサルタンツ㈱名古屋市中村区50〃100.0当社は同社に土木設計、建築設計業務等を委託しています。
役員の兼任等…有
(注) 1 上記子会社のうち、ジェイアールセントラルビル㈱、ジェイアール東海不動産㈱及び日本車輌製造㈱は特定    子会社に該当しています。
2 上記子会社のうち、日本車輌製造㈱は有価証券報告書提出会社です。
3 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しています。
4 「議決権の所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数です。

(2) 持分法適用関連会社名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要新生テクノス㈱東京都港区1,091その他23.2当社は同社に電気設備の建設工事及び保守修繕工事等を委託しています。
役員の兼任等…有(注1)鉄道情報システム㈱東京都渋谷区1,000〃21.8当社は同社が運営する情報処理サービスを利用しています。
役員の兼任等…有
(注) 1 上記関連会社のうち、新生テクノス㈱は有価証券報告書提出会社です。
2 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しています。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2025年3月31日現在 セグメントの名称運輸業流通業不動産業その他合計従業員数(人)19,172[672]2,659[5,575]641[255]6,672[1,078]29,144[7,580]
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。
)です。
2 従業員数欄の[ ]は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員を示しています。

(2) 提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)18,40436.816.1(16.3)8,102,357 セグメントの名称従業員数(人)運輸業18,297不動産業107合計18,404
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。
)です。
また、臨時従業員については、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 平均勤続年数欄の( )内は、国鉄における勤続年数を通算した場合の平均勤続年数を示しています。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況 当社には現在5つの労働組合があり、各労働組合の名称及び組合員数は次のとおりです。
2025年4月1日現在 名称組合員数(人)上部団体東海旅客鉄道労働組合(JR東海ユニオン)18,406日本鉄道労働組合連合会(JR連合)国鉄労働組合東海本部(国労東海)135国鉄労働組合(国労)ジェイアール東海労働組合(JR東海労)78-JRセントラル労働組合(JRセントラル労組)18全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)全日本建設交運一般労働組合東海鉄道本部(建交労東海)2全日本建設交運一般労働組合(建交労)
(注) ( )内は労働組合名等の略称です。
当社は、東海旅客鉄道労働組合、国鉄労働組合東海本部、ジェイアール東海労働組合及び全日本建設交運一般労働組合東海鉄道本部との間で労働協約を締結しています。
この労働協約に基づき、経営協議会、団体交渉等を行っており、健全かつ安定的な労使関係の構築に努めています。
なお、当社の連結子会社の労働組合の状況について特記事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社指標名実績採用した労働者に占める女性労働者の割合(注1)25.2%労働者に占める女性労働者の割合(注2)13.1%係長級以上にある者に占める女性労働者の割合(注3)4.8%有給休暇取得率89.4%育児休業取得率(注4)女性労働者107%男性労働者99%労働者の男女の賃金の差異全労働者76.9%うち正規雇用労働者75.3%うちパート・有期労働者78.9% (注) 1 採用した労働者に占める女性労働者の割合は、当事業年度に採用した従業員数(臨時従業員を含まない。
)を基に算出しています。
 2 労働者に占める女性労働者の割合は、2025年3月31日時点の従業員数(臨時従業員を含まない。
)を基に算出しています。
 3 係長級以上にある者に占める女性労働者の割合は、2025年3月31日時点の従業員数(臨時従業員を含まない。
)を基に算出しています。
なお、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による定義や計算方法とは異なっています。
 4 育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しています。
②連結子会社 当事業年度名称管理職に占める女性労働者の 割合男性労働者の 育児休業取得率労働者の男女の賃金の差異全労働者うち正規雇用 労働者うちパート・ 有期労働者ジェイアール東海物流㈱4.3%(注3)100%65.1%74.8%71.4%ジェイアール東海バス㈱0.0%60%64.0%72.0%59.6%㈱JR東海交通事業0.0%(注4) 62%74.7%78.2%27.8%㈱ジェイアール東海髙島屋16.5%(注4) 75%52.5%59.5%58.5%㈱JR東海リテイリング・プラス22.2%(注3) 55%77.0%75.1%102.7%ジェイアール東海フードサービス㈱9.1%66%48.6%71.0%107.2%ジェイアール東海不動産㈱6.7%100%178.1%77.4%98.5%ジェイアール東海関西開発㈱0.0%100%61.9%74.9%61.1%㈱ジェイアール東海ホテルズ3.7%(注3) 75%53.5%63.5%58.4%㈱ジェイアール東海ツアーズ40.8%(注4) 66%77.9%79.0%71.3%㈱JR東海エージェンシー7.3%100%70.1%68.4%82.2%日本車輌製造㈱0.0%(注3) 62%72.6%76.0%68.3%ジェイアール東海建設㈱0.7%(注3) 46%57.0%63.1%37.6%ジェイアール東海情報システム㈱7.6%(注4)100%74.0%74.2%78.7%日本機械保線㈱2.4%(注3) 91%41.3%88.6%38.8%中央リネンサプライ㈱33.3%0%77.6%95.0%(注5)93.6%東海交通機械㈱0.0%(注3) 70%89.9%89.8%72.1%ジェイアール東海コンサルタンツ㈱1.4%(注3) 75%76.3%72.8%79.6%(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき公表をしているまたは公表予定の連結子会社の数値を記載しています。
 2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出している男性労働者の育児休業取得率は、ジェイアール東海フードサービス㈱(正規雇用労働者50%、パート・有期労働者100%)を除き、パート・有期労働者に対象者がいないため、全労働者のものを記載しています。
 3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。
 4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しています。
 5 正規雇用労働者の所定労働時間を参考として換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針 当社は、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念の下、鉄道事業において、安全の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させることに加え、大動脈輸送を二重系化する中央新幹線の建設により、「三世代の鉄道」を運営するということを使命としており、これを長期にわたり安定的に果たし続けていくことを基本方針としています。
 当社グループとしても、名古屋駅におけるJRセントラルタワーズ・JRゲートタワーの各事業展開に代表されるような鉄道事業と相乗効果を期待できる事業分野に加えて、沿線にお住まいのお客様の暮らしを豊かにするための様々なサービスを提供することで、グループ全体の収益力強化を図ります。

(2) 中長期的な会社の経営戦略 当社グループの中核をなす鉄道事業については、長期的展望を持って事業運営を行うことが極めて重要であり、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みながら、主要プロジェクトを計画的に推進しています。
 東海道新幹線については、これまで安全で正確な輸送を提供するとともに、不断に輸送サービスの充実に向けた取組みを進めてきました。
今後についても、安全の確保を最優先に、全線を対象とした脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、大規模改修工事を着実に進めます。
また、「のぞみ12本ダイヤ」を活用した弾力的な列車設定を行うとともに、N700Sの投入を進めるなど、さらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。
 在来線についても、安全の確保を最優先に、地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、特急列車の弾力的な増結や増発、通勤型電車315系の投入、新型特急車両385系量産先行車の新製を行うなど、さらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。
 超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。
)による中央新幹線については、当社の使命であり経営の生命線である首都圏~中京圏~近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため計画しているものです。
現在この役割を担う東海道新幹線は開業から60年以上が経過しており、早期に大動脈輸送を二重系化し、将来の経年劣化や大規模災害に対して抜本的に備える必要があります。
このため、その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提として、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。
このプロジェクトの完遂に向けて、鉄道事業における安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。
その上で、中央新幹線の建設の推進を図るため、財政投融資を活用した長期借入を行ったことを踏まえ、まずは品川・名古屋間の工事を進め、その開業後連続して、名古屋・大阪間の工事に速やかに着手し、早期の全線開業を目指して、取組みを進めます。
 また、このプロジェクトは自己負担により進めるものであり、建設・運営・保守等全ての場面におけるコストについて、社内に設置した「中央新幹線工事費削減委員会」で検証し、安全を確保した上で徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配分の最適化を図るなど柔軟に対応していく考えです。
 鉄道以外の事業についても、「会社の経営の基本方針」に則り、諸施策を着実に推進することにより、グループ全体の収益力の強化に取り組みます。
(3) 会社の対処すべき課題 日本経済の先行きは、緩やかな回復が続くことが見込まれています。
こうした状況の下、当社グループは、「会社の経営の基本方針」に基づき諸施策を推進します。
次期において重点的に取り組む施策は、以下のとおりです。
 鉄道事業については、地震対策をはじめとする構造物のさらなる強化として、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策について脱線防止ガードの全線への敷設を進めるとともに、プラットホーム上家の耐震補強、駅の吊り天井の脱落防止対策、名古屋車両区検修庫の建替、在来線の高架橋柱の耐震化等を進めます。
また、東海道新幹線の大規模改修工事について、技術開発成果を導入し、施工方法を改善するなど、不断のコストダウンを重ねながら着実に進めます。
さらに、半田駅及び沼津駅付近の連続立体交差化に向けた工事を進めます。
自然災害等への対策としては、ハザードマップ等を踏まえ、鉄道設備の浸水対策を進めるとともに、台風や豪雨等により列車運行に大きな影響が予想される場合に、安全を最優先に適切な運行計画の決定、適時かつ的確な案内情報の提供を行います。
また、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施するとともに、車内防犯カメラについて、全ての車両に整備している東海道新幹線に続いて、在来線についても、近年中に更新する予定の一部車両を除き、名古屋駅を発着する全ての当社車両への整備を進めるなど、ハード・ソフトの両面から車内のセキュリティ対策に取り組みます。
 東海道新幹線については、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」という。
)に対応した輸送を完遂するとともに、年間にわたり、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行います。
また、N700Sの投入を進めるとともに、新たな営業車検測機能を有するN700Sの追加投入に向けた詳細設計を進めます。
 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行います。
また、通勤型電車315系の投入を進めるとともに、新型特急車両385系量産先行車の新製に向けた詳細設計を進めます。
 旅客関連設備については、東海道新幹線について、全駅への可動柵整備に向けた詳細設計を進めるとともに、自動運転システム(GOA2)の導入に向けた開発を進めます。
在来線については、名古屋駅で中央本線ホームへの可動柵設置工事を進めるとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進めます。
また、駅におけるバリアフリー設備の整備について、国・関係自治体と連携しつつ取り組みます。
さらに、車両側面にカメラを設置した315系4両編成に、お客様の接近等を検知する画像認識技術を活用した安全確認支援装置を搭載し、ワンマン運転を開始します。
加えて、TOICAエリア及び「お客様サポートサービス」の導入駅を拡大するとともに、「ひだ」を対象とするチケットレス化を行います。
このほか、2026年春以降のモバイルICサービスの導入に向けた準備を進めます。
 営業施策については、東海道新幹線のネット予約を多くのお客様にご利用いただくための取組みとして、「EXサービス」について、利便性を向上させるとともに、「EX旅パック」、「EX旅先予約」で予約できるプラン等を充実させます。
需要喚起策としては、「推し旅」キャンペーンや「貸切車両パッケージ」をはじめとする営業施策を積極的に展開するとともに、京都、奈良、東京、静岡、飛騨等、魅力ある観光素材の開発に継続的に取り組みます。
また、東海道新幹線の出張利用を促すとともにMICEを誘致するなど、ビジネス需要の獲得に向けた取組みを進めます。
訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、より効果的な宣伝を展開するとともに、旅行会社との連携強化による販路の拡大に取り組むなど、営業施策を強化します。
さらに、大阪・関西万博が開催されることを契機として、関西方面の旅行商品等を拡充するとともに、訪日外国人に対し当社沿線の魅力を発信します。
加えて、「会いにいこう」キャンペーンを通じて会うことの価値を訴求するとともに、「さわやかウォーキング」等を通じて地域との連携を強化し、鉄道のご利用の拡大を図ります。
このほか、2026年度以降の東海道新幹線への上級クラス座席の導入に向けた準備を進めます。
 超電導リニアによる中央新幹線計画については、コストを十分に精査し、柔軟性を発揮しながら、健全経営と安定配当を堅持し、プロジェクトの完遂に向けて、着実に推進します。
また、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、早期開業に取り組みます。
具体的には、用地取得等、並びに山岳トンネル、都市部トンネル、駅等の土木を中心とした各種工事を精力的に進めます。
このうち、駅について、山梨県駅(仮称)の工事に着手し、品川・名古屋間の全ての駅で工事を進めます。
機械及び電気設備等については、契約及び発注時期も考慮の上、低コスト化及び品質向上を図ります。
南アルプストンネル静岡工区については、国土交通省の有識者会議の水資源及び環境保全に関する報告書を踏まえ、引き続き、トンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。
 一方、超電導リニア技術については、技術開発によるコストダウンとブラッシュアップに取り組みます。
このうち、高温超電導磁石について、営業車両への投入を前提に一層のコストダウンを進めるとともに、安定運用に向けたさらなる検証を進めます。
また、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めます。
さらに、山梨リニア実験線において新しいL0系改良型試験車を投入し、それにより得られるデータも活用しながら営業車両の仕様策定を進め、設計を深度化します。
加えて、走行試験を着実に行う中で、高付加価値なサービスの追求を行うとともに、様々な形で超電導リニアの体験乗車を実施し、中央新幹線の開業に向けた期待感の醸成に取り組みます。
 高速鉄道システムの海外展開については、米国における高速鉄道プロジェクトについて、着実に取り組みます。
また、台湾における高速鉄道について、N700Sをベースとした新型車両導入や各種設備更新に伴う技術コンサルティングを進めます。
さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めます。
 技術開発については、地震発生時に列車を早期に停止させるためにブレーキ力を強化するなど、地震に対する安全性を高めるための技術開発を進めます。
また、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために、営業線盛土の一部区間において、降雨時の土中の水の分布を詳細に把握するモニタリングを実施し、盛土の性能評価を行った上で対策工法を検討するなど、豪雨に対して安全性を最優先に安定性も高めるための技術開発を進めます。
さらに、車内通信環境の改善や新たな車内サービスの実現に向けた技術開発を進めます。
加えて、状態監視技術等を活用した検査や保守の高度化・省力化、設備の維持更新におけるコストダウン等による「業務改革」の推進に向けて、社内横断的に課題解決に取り組み、特に、AIやデータ・画像分析技術等について、当社の業務に最適な形で導入するための準備を進めます。
このほか、グループ会社を含めて、労働力人口の減少等に対応するため、ロボット制御等の先端技術の活用を進めます。
 鉄道以外の事業については、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、データマーケティングの強化を進め、グループ事業と鉄道事業の双方の収益拡大を図るとともに、駅売店等について、品揃えの充実により便利で魅力ある店舗づくりを進めます。
また、JRセントラルタワーズとJRゲートタワー等の駅ビル事業について、店舗の品揃え強化やサービス向上に取り組むとともに、JRセントラルタワーズの開業25周年に当たり、これまでのご愛顧に感謝を示す記念キャンペーン等を実施します。
さらに、東京駅・名古屋駅等の駅商業施設を拡張・リニューアルします。
加えて、「コートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸」の開業、「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」、「ホテル 寧 奈良」の計画推進等の沿線不動産の開発や、当社グループ保有土地の有効活用を進めるとともに、第1号私募ファンドの組成等の不動産ファンド事業への参入に向けた準備を進めます。
このほか、東海道新幹線「こだま」号の業務用室を活用した法人向け荷物輸送サービス「東海道マッハ便」について、サービス提供区間を拡大するとともに、JR各社とも連携しながら、新たな需要創出に取り組みます。
 持続可能な社会の実現に向けた取組みについては、政府による「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減することを目指すなど、地球環境保全に資する諸施策を推進します。
具体的には、当社のCO2排出量の約5%を占める「燃料の使用に伴う直接排出」について、模擬走行試験を通じて、水素動力車両(燃料電池車、水素エンジン車)に関する開発を進めるとともに、蓄電池車及びカーボンニュートラル燃料について、調査研究を継続します。
残りの約95%を占める「電気の使用に伴う間接排出」については、N700S及び315系といった省エネルギー車両の投入を進めるとともに、省エネルギー運転に資する技術開発を進め、また、防音壁へのペロブスカイト太陽電池の適用を検討するなど、再生可能エネルギーの活用にも取り組みます。
さらに、鉄道各社と連携しながらPRを強化するなど、鉄道の環境優位性への社会的な理解を広め、鉄道のご利用を促進することで、脱炭素社会への移行に貢献します。
加えて、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大します。
このほか、「東海道新幹線再生アルミ」の活用等、廃棄物の削減や資源の再利用等を通じて、地球環境への負荷を低減します。
 以上のように、引き続き、安全の確保を最優先に輸送機関としての使命を果たしつつ、「業務改革」と「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化を図っていきます。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
 当社は、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念の下、中長期的な展望に立ち、安全の確保を最優先に、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させることに加え、大動脈輸送を二重系化する中央新幹線の建設により、「三世代の鉄道」を運営するとともに、グループ会社と一体となってグループ全体の収益力強化を図ることを基本方針としています。
 そして、すべてのステークホルダーからの信頼を高めるという確固たるガバナンスの下、この基本方針に基づく事業戦略により、利益、キャッシュ・フローといった「経済的価値」を創造しながら、同時に持続的かつ豊かな社会を実現するという「社会的価値」を創造する「ESG経営」を実践し、健全経営と安定配当、さらには企業としての持続的な成長を実現してきました。
 鉄道事業を中核とする当社グループにおいては、長期的展望を持ち、人材育成、設備投資、技術開発等を行い、安全の確保を最優先に、競争力を強化していくことが不可欠です。
そのために、①安全対策、②サービス向上策、③効率化、④環境優位性の追求に重点を置いて事業活動を行っています。
「ESG経営」の好循環 (1) カーボンニュートラルに向けた目標とTCFDの提言への取組み 上記のうち環境優位性の追求について、当社ではこれまで、地球環境保全を経営上の重要なテーマとして、省エネルギー車両や設備を積極的に導入することで、他の輸送機関に比べてエネルギー効率が高く、環境負荷が少ないという鉄道の環境優位性を不断に高めてきました。
 これに留まらず、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてより一層のCO2排出削減にも取り組んでおり、当社グループは、政府の「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減することを目指します。
 これらに加え、当社は、2021年5月にTCFD
(注)の提言に賛同しており、TCFDの提言を踏まえた気候変動に関するリスク及び機会の分析を、長期にわたる安定的な事業運営に活かすとともに、持続可能な社会の実現にも貢献していきます。

(注) TCFDはTask Force on Climate-related Financial Disclosuresの略で、気候関連の情報開示等を検討するため、金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースです。
その最終報告書では、企業等に対し、気候変動が事業に与えるリスク及び機会の把握と開示等を推奨しています。
① ガバナンス 当社では、それぞれ経営部門、技術部門を統括する総合企画本部と総合技術本部が中心となり、環境施策を立案・推進しています。
代表取締役社長及び関係役員は、気候変動に関する検討内容を経営に反映するとともに、取組みを監督しています。
また、重要な事項は、取締役会等にて審議・報告することとしています。
② 戦略 気候変動に関するリスク及び機会に対する戦略は、次のとおりです。
a 移行リスク カーボンプライシングの導入等により、規制・制度への対応コスト及びCO2の排出コストが上昇するリスクが考えられるため、CO2排出を低減させる取組みが重要と認識しています。
 当社が排出するCO2129万t(2023年度)のうち、約5%は「燃料の使用に伴う直接排出」が、残りの約95%は「電気の使用に伴う間接排出」が占めています。
 約5%を占める「燃料の使用に伴う直接排出」については、模擬走行試験を通じて、水素動力車両(燃料電池車、水素エンジン車)に関する開発を進めるとともに、蓄電池車及びカーボンニュートラル燃料について、調査研究を継続します。
残りの約95%を占める「電気の使用に伴う間接排出」については、国内の発電部門全体の脱炭素化の動きに加え、N700S及び315系といった省エネルギー車両の投入を進めるとともに、省エネルギー運転に資する技術開発を進めています。
また、防音壁へのペロブスカイト太陽電池の適用を検討するなど、再生可能エネルギーの活用に取り組みます。
b 物理的リスク 気候変動に伴う物理的リスクのうち、鉄道業においては風水害による影響が大きいと考えられます。
そのため、これまでにも様々な対策を実施してきましたが、TCFDのフレームワークを用いた気候変動による影響の分析を用いて、さらなるリスクの管理に努めています。
 その一環として、河川氾濫の発生確率増加及び高潮に伴う東海道新幹線の設備損害額と、大雨の発生頻度増加に伴う運休・遅延による収益減少額について、定量的に分析し、当社HPに開示しています。
c 機会 昨今の脱炭素に向けた環境意識の高まりは、元来環境優位性の高い交通機関である鉄道のさらなるご利用促進の機会と捉えています。
 当社は、鉄道各社と連携しながらPRを強化するなど、鉄道の環境優位性への社会的な理解を広め、鉄道のご利用を促進することで、脱炭素社会への移行に貢献していきます。
また、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大します。
③ リスク管理 当社では総合企画本部及び総合技術本部が、関係部署と十分連携の上、気候変動に伴うリスク及び機会が当社に及ぼす影響を評価・分析し、対策を立案・推進しています。
 物理的リスクの低減策としては、会社発足以来、気候変動起因に限ることなく実施してきた自然災害全般に対する設備強化等のほか、大規模災害への抜本的な備えとして、超電導リニアによる中央新幹線建設にも取り組んでいるところです。
 当社は、引き続き気候変動に関するリスク及び機会の分析を、長期にわたる安定的な事業運営に活かすとともに、持続可能な社会の実現にも貢献していきます。
④ 目標と指標 当社グループは、政府の「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減することを目指します。
これにより、鉄道の環境優位性をさらに高め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(2)当社の持続的な成長を支える人材への取組み当社は、人材こそが最大の経営資源と考えています。
経営理念や行動指針を社員一人ひとりが自身の仕事に落とし込み、それをチームとしてまとめ上げ、しっかりとやり抜くことが、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念をより高いレベルで実現することにつながります。
このような考え方の下、当社では人材育成と働きがいのある職場づくりに向けて、現場での教育訓練や各種研修、女性活躍推進の取組みや各種改善活動をはじめ、エンゲージメント調査の結果等も活用しながら、社員の意欲と能力を高め、企業価値の最大化に取り組んでいます。
なお、各戦略の詳細については、当社HPにある統合報告書2024 p55~62をご参照ください。
また、2025年秋に公表する統合報告書2025にも記載予定です。
a 人材育成鉄道事業は、社員一人ひとりが自分の役割を完遂するための強い心構えを持ち、高い技術力と確かな知識を身に付け日々の業務に真摯に取り組むとともに、各部門が連携して高いレベルで様々な専門技術が統合されることにより、初めてトータルとして安全かつ健全なシステムとして機能します。
このことから、当社では、特に鉄道現場において「規律」「技術力」「一体感」の3つを人材育成の基本理念として掲げ、当社の社会的使命を長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けるための人材育成に取り組んでいます。
具体的には、各職場における日常的な仕事を通じて、業務知識や技術を学ぶ「職場内教育訓練(OJT)」をすべての教育訓練の基本とし、総合研修センター等で実施する「集合研修」と、社内・社外通信研修制度等で知識・技能を習得する様々な「自己啓発」により補完しています。
また、主にオフィス部門においては、多様な社員の能力を活かし、新たな視点や柔軟な発想で、社内外の様々な環境変化に対応し、新たな価値を創造していくことが必要です。
当社では鉄道現場、オフィス部門問わず、長期雇用を前提として、社員が必要な能力を備え、意欲を持ってその能力を発揮できるよう、人事運用も広く視野に入れ、計画的な人材育成に取り組んでいます。
なお、総合研修センターには、車両の実物大シミュレータや本線と同等の設備を備えた実験線等を配備するとともに、VR技術や立体投影システムを用いた訓練教材を活用するなど、専門的な技量・技術の深度化につながる取組みを積極的に行っています。
2024年度、総合研修センターにおける集合研修の利用実績は延べ約8,700人・約62,900人日で、従業員一人当たりの年間教育時間は25.6時間でした。
自己啓発についても、各種支援制度等を充実させ、意欲のある社員の能力開発を積極的に支援しています。
当社では日常業務で必要となる専門知識や技能を体系的に習得できる社内通信研修(約30講座)を整備しており、2024年度は約4,000人の社員が利用しました。
また、業務に役立つ200種類以上の資格について受験料相当額を支給する資格取得奨励金制度、eラーニングを含む社外の通信研修を修了した際に受講料半額相当を支給する社外通信研修修了奨励金制度等についても多くの社員が活用しており、2024年度は延べ約3,800人を対象に、約2,900万円を支援しました。
「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念を将来にわたってより高いレベルで実現し続けるためには、経営環境の変化にも適切に対応するための多様な人材を質・量ともに充足させる必要があります。
当社は、意欲ある社員に知識と経験を積む機会を提供することで、多様な知識と経験を持つ人材を当社の経営資本として育成しています。
(グローバル人材の育成)企業を取り巻く経済・社会環境が益々国際化し、複雑化する中で、将来の経営を担い、国際社会においても通用する人材の育成を目的に、全額社費負担による海外留学制度を設けています。
また、社員を海外の企業等に派遣して先端技術等の調査に当たらせ、帰国後に調査結果を当社業務に役立たせることを目的に、海外調査派遣制度を設けています。
これらの制度は公募制であり、幅広い職種から意欲ある社員を募ることでこれからの社業の推進や組織の変革に寄与する人材を戦略的に育成しています。
(多様なキャリア形成の支援)当社では、多様な人材が意欲に応じて様々な知識と経験を積み重ねられるよう、公募型の研修や制度の充実を図り、社員の意欲と能力を高めるとともに人材ポートフォリオの多様化を進めています。
社外の社会人向けプログラムへの社員派遣や、異業種女性交流研修への参加に加え、仕事と育児・介護とを両立しながら学ぶ「マイ・キャリアパス研修」をはじめとした教育機会を設ける等、視野や社外人脈を広げるための機会を拡充しています。
また、意欲・能力ある社員を見出して適材適所の登用を実現するとともに、これを契機として社員各々の自己研鑽意欲や挑戦心を喚起することを目的として、2022年より社内公募によるキャリア開発を導入しています。
(ICT人材の育成)経営体力の再強化に向けて、「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」を推進していくためには、ICT等の新しい技術を積極的に活用できる人材の育成と、それらを業務において最大限活用する社内文化の醸成が急務であると考えています。
当社では、データ分析やシステム開発など実践的なスキルを習得する教育を実施し、ICTを活用して新たな価値を創造する人材の育成を強化しています。
また、階層別研修において、ICTの技術動向と当社における活用可能性を考察するカリキュラムを実施しているほか、2023年度より順次、全社員を対象にICTリテラシーの向上を図る教育を実施しており、これらを通じてICT活用の社内文化醸成に努めています。
(事業系専門人材の育成)当社では、長期雇用を前提として計画的に人材を育成すべく、ジョブローテーションを行っています。
他方、新規事業開発など、専門性を磨くことで質の高いアウトプットが期待できる職務については、適性の高い人材を見出し、事業推進本部やグループ会社を中心に人事運用を行うことで、専門性のある人材を育成しています。
b 働きがいのある職場づくり公共性の高いオープンなサービスを提供する当社は、多様なお客様に喜ばれるサービスを提供し続ける使命を担っています。
お客様の多様なニーズに応え続けるためには、多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりがその能力をいかんなく発揮する必要があります。
社員一人ひとりが働きがいを感じられる職場をつくることで、個々のアウトプットを引き出し、組織の成果の最大化を図っています。
(女性活躍推進プロジェクト)当社では、社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる職場づくりのための取組みとして、女性活躍推進に力を入れています。
男女雇用機会均等法等の趣旨を踏まえ、採用・配置等、人事面の取扱いにおいて男女の区別なく行っており、現在女性社員は、事務・技術といった部門を問わず様々な職場で活躍しており、オフィス部門の業務、駅のフロント業務、新幹線・在来線の車掌・運転士業務、病院の看護業務をはじめ、広範な業務に従事しています。
鉄道事業では、その業務の特性上、いわゆる深夜労働(22時から翌日5時にかかる時間帯の労働)が不可欠ですが、当社発足時の労働基準法では、一部の限定的な職種を除き、女性の深夜労働は原則として禁止されていました。
そのため、1996年末における当社の女性社員の割合は、わずか1.3%にとどまりました。
その後、1997年の労働基準法改正を受け、本格的に女性社員の採用を開始し、2024年度末時点で女性社員数は2,406人(全社員に占める割合は13.1%)と大幅に増加しています。
2021年には当社で初めて女性が執行役員に、2022年には取締役に就任したほか、部長·課長等、多方面で女性が活躍しています。
これまでも多様かつ柔軟な働き方を実現するための各種制度の充実に積極的に取り組んできましたが、これに加えて2020年7月に立ち上げた人事部長直轄の女性活躍推進プロジェクト主導の下、これまで以上に男女を問わず、すべての社員が仕事と子育てを両立させ、働きがいを持って十分に能力を発揮できる会社とすべく、2021年4月から取り組む女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しました。
この行動計画では、新卒採用における女性の採用率を25%以上とする、女性の管理職の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にするといった数値目標を掲げています。
また、2024年度からは新たに女性活躍推進担当役員を配置し、計画期間が終了する2026年3月31日までに目標を達成できるよう、全社的に取組みを推進しています。
<女性活躍推進のためのポジティブアクション>男女を問わず全ての社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる会社となることを目指し、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき以下の行動計画を策定しています。
計画期間:2021年4月1日~2026年3月31日 1.女性の採用率を拡大します。
目標:新卒採用における女性の採用率を25%以上とする。
・女性が鉄道会社で働くイメージを持てるよう訴求する採用広報を強化する。
・全職種において女性の採用を強化する。
2.女性の配置箇所を増やし、働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大します。
目標:女性の配置箇所を増やす。
・女性用設備の整備状況等をふまえ、女性の配置箇所を増やす。
目標:働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
・育児等により働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
3.女性管理職を増やします。
目標:女性の管理職(※)の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
※「ライン課長」及び「課長より上位の役職(役員を除く)」にある社員の合計。
・社外研修への派遣等を通じて、女性リーダーのキャリア意識の醸成や社外ネットワークの形成を支援する。
目標:係長・助役クラス以上の女性の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
・活躍する女性が登壇するセミナーを実施し、ロールモデルを紹介する。
・女性を対象としてキャリア意識醸成のための研修を実施する。
4.女性が能力を発揮しやすい職場風土の醸成と制度の充実を図ります。
目標:女性が能力を発揮しやすい職場風土を醸成する。
・管理職等を対象とした研修を実施する。
目標:仕事と育児の両立を支援するための制度の充実を図る。
・勤務制度等の充実を図る。
目標:年次有給休暇取得率を80%以上にする。
・社員に年次有給休暇取得の慫慂を行う。
5.男性の育児参画を促します。
目標:育児休職又は育児目的休暇を取得した男性社員の割合を30%以上とする。
・男性社員に対して育児関連制度についての情報発信を強化する。
※次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2023年4月~)においては、「男女ともに、子が生まれた社員が育児休職又は育児を目的とした休暇をその取得可能期間において100%取得」することを目標としています。
(育児・介護等と仕事の両立支援制度)すべての社員が仕事と育児・介護を両立させ、意欲や働きがいを持って長きにわたり活躍するため、各種制度の一層の充実に努めてきており、多くの制度が法律の定めを上回る水準となっています。
例えば、産前休業、育児休業、介護休業を法定の期間よりも長く取得することができます。
特に育児休業等に関しては、取得率の維持・向上を目指すため、計画を定めて取り組んでおり、2024年度の育児休業等の取得率は女性が107%、男性が99%です。
また、仕事と子育ての両立を支援するため、非現業と一部の現業機関の社員を対象としたフレックスタイム制や、現業機関等において小学6年生以下の子を養育する社員が月に複数日の無給休暇を取得できる短日数勤務制度等、より柔軟に働くことができる勤務制度を整備しているほか、企業主導型保育園の利用斡旋やベビーシッター等の利用時に給付する子育て支援補助金等、各種の福利厚生制度を導入しています。
また、2024年1月からは、非現業社員を対象に「スマートワーク」という新しい働き方を導入し、東海道新幹線の全区間で新幹線通勤を可能とするとともに、新幹線での通勤時執務、リモートワークの拡大、フレックスタイム制の柔軟化を実施しています。
さらに、2024年4月からは育児休職の取得期間が昇格試験の受験資格に影響を与えないように制度を改めています。
直近では、2025年7月より、子育て世代・介護世代の支援として、「手当の増額」や「制度新設」により育児や介護と仕事の両立のための制度を整え、社員がより一層やりがいを持ちつつ安心して長く働ける環境を整備するために制度を拡充します。
加えて、育児や介護等を理由に退職した場合において、一定の条件を満たした時に再雇用を行う制度や、勤務地域限定の社員が希望した場合には地域を跨いで異動ができるエリア・チェンジ制度等も整えており、ライフステージに応じて、社員が能力を発揮できるような環境づくりを進めています。
なお、これらの取り組みにより、2024年には「プラチナくるみん」の認定を受けています。
(障がい者雇用)多様な人材活用や企業の社会的責任の観点から、障がいのある方の雇用促進に積極的に取り組んでおり、個別の障がいの程度等に配慮しながら、事務部門や現業部門を含めて幅広く適材適所に配置しています。
2006年10月には、「障害者雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社である「株式会社ジェイアール東海ウェル」を設立し、主な事業として当社グループ内の印刷業務、封入封緘業務、オフィスサポート業務、被服管理業務及び社員の福利厚生や健康管理の増進を目的としたヘルスケア業務を行っています。
このような取組みの結果、2024年6月1日時点の障害者雇用率は、3.08%と法定雇用率を上回る雇用を維持しています。
今後も、改正障害者雇用促進法の趣旨に基づき、募集・採用の場面で差別を行わないことはもちろん、採用後も障がいによる制約に配慮しつつ、個人の能力を有効に発揮してもらうべく就労環境の整備を適切に進めていきます。
c 健康経営当社が社会的使命を将来にわたって果たしていく上での基盤となる社員の健康保持・増進を図るため、健康経営を積極的に推進しています。
(健康経営推進の目的)経営理念に示す「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という使命を担うためには、社員一人ひとりがその持てる力を最大限発揮することが大切であると考えています。
その基盤となる心身の健康の保持・増進を図るため、2018年4月に当社の健康施策の全体方針となる「健康づくり指針」を制定するとともに、人事担当役員をトップとする健康経営推進体制を整備し、健康経営を積極的に推進しています。
(数値目標)2024年度から、社員が豊かですこやかな人生を送るための基本的な生活習慣に着目し「食事」「運動」「睡眠」「適正飲酒」「禁煙」の5点について新しい数値目標を設定しています。
各項目の具体的な目標は以下のとおりです。
行動項目内容当社現状(2024年度)当社目標(2024年度~2026年度)食事朝食を週5回以上75%85%運動①汗をかく運動を週2回以上②平均8,000歩/日以上59%(①or②)65%(①or②)睡眠睡眠で十分な休養がとれている73%75%適正飲酒適正な飲酒77%90%禁煙たばこを吸わない80%88%
戦略 ② 戦略 気候変動に関するリスク及び機会に対する戦略は、次のとおりです。
a 移行リスク カーボンプライシングの導入等により、規制・制度への対応コスト及びCO2の排出コストが上昇するリスクが考えられるため、CO2排出を低減させる取組みが重要と認識しています。
 当社が排出するCO2129万t(2023年度)のうち、約5%は「燃料の使用に伴う直接排出」が、残りの約95%は「電気の使用に伴う間接排出」が占めています。
 約5%を占める「燃料の使用に伴う直接排出」については、模擬走行試験を通じて、水素動力車両(燃料電池車、水素エンジン車)に関する開発を進めるとともに、蓄電池車及びカーボンニュートラル燃料について、調査研究を継続します。
残りの約95%を占める「電気の使用に伴う間接排出」については、国内の発電部門全体の脱炭素化の動きに加え、N700S及び315系といった省エネルギー車両の投入を進めるとともに、省エネルギー運転に資する技術開発を進めています。
また、防音壁へのペロブスカイト太陽電池の適用を検討するなど、再生可能エネルギーの活用に取り組みます。
b 物理的リスク 気候変動に伴う物理的リスクのうち、鉄道業においては風水害による影響が大きいと考えられます。
そのため、これまでにも様々な対策を実施してきましたが、TCFDのフレームワークを用いた気候変動による影響の分析を用いて、さらなるリスクの管理に努めています。
 その一環として、河川氾濫の発生確率増加及び高潮に伴う東海道新幹線の設備損害額と、大雨の発生頻度増加に伴う運休・遅延による収益減少額について、定量的に分析し、当社HPに開示しています。
c 機会 昨今の脱炭素に向けた環境意識の高まりは、元来環境優位性の高い交通機関である鉄道のさらなるご利用促進の機会と捉えています。
 当社は、鉄道各社と連携しながらPRを強化するなど、鉄道の環境優位性への社会的な理解を広め、鉄道のご利用を促進することで、脱炭素社会への移行に貢献していきます。
また、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大します。
指標及び目標 ④ 目標と指標 当社グループは、政府の「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減することを目指します。
これにより、鉄道の環境優位性をさらに高め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (2)当社の持続的な成長を支える人材への取組み当社は、人材こそが最大の経営資源と考えています。
経営理念や行動指針を社員一人ひとりが自身の仕事に落とし込み、それをチームとしてまとめ上げ、しっかりとやり抜くことが、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念をより高いレベルで実現することにつながります。
このような考え方の下、当社では人材育成と働きがいのある職場づくりに向けて、現場での教育訓練や各種研修、女性活躍推進の取組みや各種改善活動をはじめ、エンゲージメント調査の結果等も活用しながら、社員の意欲と能力を高め、企業価値の最大化に取り組んでいます。
なお、各戦略の詳細については、当社HPにある統合報告書2024 p55~62をご参照ください。
また、2025年秋に公表する統合報告書2025にも記載予定です。
a 人材育成鉄道事業は、社員一人ひとりが自分の役割を完遂するための強い心構えを持ち、高い技術力と確かな知識を身に付け日々の業務に真摯に取り組むとともに、各部門が連携して高いレベルで様々な専門技術が統合されることにより、初めてトータルとして安全かつ健全なシステムとして機能します。
このことから、当社では、特に鉄道現場において「規律」「技術力」「一体感」の3つを人材育成の基本理念として掲げ、当社の社会的使命を長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けるための人材育成に取り組んでいます。
具体的には、各職場における日常的な仕事を通じて、業務知識や技術を学ぶ「職場内教育訓練(OJT)」をすべての教育訓練の基本とし、総合研修センター等で実施する「集合研修」と、社内・社外通信研修制度等で知識・技能を習得する様々な「自己啓発」により補完しています。
また、主にオフィス部門においては、多様な社員の能力を活かし、新たな視点や柔軟な発想で、社内外の様々な環境変化に対応し、新たな価値を創造していくことが必要です。
当社では鉄道現場、オフィス部門問わず、長期雇用を前提として、社員が必要な能力を備え、意欲を持ってその能力を発揮できるよう、人事運用も広く視野に入れ、計画的な人材育成に取り組んでいます。
なお、総合研修センターには、車両の実物大シミュレータや本線と同等の設備を備えた実験線等を配備するとともに、VR技術や立体投影システムを用いた訓練教材を活用するなど、専門的な技量・技術の深度化につながる取組みを積極的に行っています。
2024年度、総合研修センターにおける集合研修の利用実績は延べ約8,700人・約62,900人日で、従業員一人当たりの年間教育時間は25.6時間でした。
自己啓発についても、各種支援制度等を充実させ、意欲のある社員の能力開発を積極的に支援しています。
当社では日常業務で必要となる専門知識や技能を体系的に習得できる社内通信研修(約30講座)を整備しており、2024年度は約4,000人の社員が利用しました。
また、業務に役立つ200種類以上の資格について受験料相当額を支給する資格取得奨励金制度、eラーニングを含む社外の通信研修を修了した際に受講料半額相当を支給する社外通信研修修了奨励金制度等についても多くの社員が活用しており、2024年度は延べ約3,800人を対象に、約2,900万円を支援しました。
「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念を将来にわたってより高いレベルで実現し続けるためには、経営環境の変化にも適切に対応するための多様な人材を質・量ともに充足させる必要があります。
当社は、意欲ある社員に知識と経験を積む機会を提供することで、多様な知識と経験を持つ人材を当社の経営資本として育成しています。
(グローバル人材の育成)企業を取り巻く経済・社会環境が益々国際化し、複雑化する中で、将来の経営を担い、国際社会においても通用する人材の育成を目的に、全額社費負担による海外留学制度を設けています。
また、社員を海外の企業等に派遣して先端技術等の調査に当たらせ、帰国後に調査結果を当社業務に役立たせることを目的に、海外調査派遣制度を設けています。
これらの制度は公募制であり、幅広い職種から意欲ある社員を募ることでこれからの社業の推進や組織の変革に寄与する人材を戦略的に育成しています。
(多様なキャリア形成の支援)当社では、多様な人材が意欲に応じて様々な知識と経験を積み重ねられるよう、公募型の研修や制度の充実を図り、社員の意欲と能力を高めるとともに人材ポートフォリオの多様化を進めています。
社外の社会人向けプログラムへの社員派遣や、異業種女性交流研修への参加に加え、仕事と育児・介護とを両立しながら学ぶ「マイ・キャリアパス研修」をはじめとした教育機会を設ける等、視野や社外人脈を広げるための機会を拡充しています。
また、意欲・能力ある社員を見出して適材適所の登用を実現するとともに、これを契機として社員各々の自己研鑽意欲や挑戦心を喚起することを目的として、2022年より社内公募によるキャリア開発を導入しています。
(ICT人材の育成)経営体力の再強化に向けて、「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」を推進していくためには、ICT等の新しい技術を積極的に活用できる人材の育成と、それらを業務において最大限活用する社内文化の醸成が急務であると考えています。
当社では、データ分析やシステム開発など実践的なスキルを習得する教育を実施し、ICTを活用して新たな価値を創造する人材の育成を強化しています。
また、階層別研修において、ICTの技術動向と当社における活用可能性を考察するカリキュラムを実施しているほか、2023年度より順次、全社員を対象にICTリテラシーの向上を図る教育を実施しており、これらを通じてICT活用の社内文化醸成に努めています。
(事業系専門人材の育成)当社では、長期雇用を前提として計画的に人材を育成すべく、ジョブローテーションを行っています。
他方、新規事業開発など、専門性を磨くことで質の高いアウトプットが期待できる職務については、適性の高い人材を見出し、事業推進本部やグループ会社を中心に人事運用を行うことで、専門性のある人材を育成しています。
b 働きがいのある職場づくり公共性の高いオープンなサービスを提供する当社は、多様なお客様に喜ばれるサービスを提供し続ける使命を担っています。
お客様の多様なニーズに応え続けるためには、多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりがその能力をいかんなく発揮する必要があります。
社員一人ひとりが働きがいを感じられる職場をつくることで、個々のアウトプットを引き出し、組織の成果の最大化を図っています。
(女性活躍推進プロジェクト)当社では、社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる職場づくりのための取組みとして、女性活躍推進に力を入れています。
男女雇用機会均等法等の趣旨を踏まえ、採用・配置等、人事面の取扱いにおいて男女の区別なく行っており、現在女性社員は、事務・技術といった部門を問わず様々な職場で活躍しており、オフィス部門の業務、駅のフロント業務、新幹線・在来線の車掌・運転士業務、病院の看護業務をはじめ、広範な業務に従事しています。
鉄道事業では、その業務の特性上、いわゆる深夜労働(22時から翌日5時にかかる時間帯の労働)が不可欠ですが、当社発足時の労働基準法では、一部の限定的な職種を除き、女性の深夜労働は原則として禁止されていました。
そのため、1996年末における当社の女性社員の割合は、わずか1.3%にとどまりました。
その後、1997年の労働基準法改正を受け、本格的に女性社員の採用を開始し、2024年度末時点で女性社員数は2,406人(全社員に占める割合は13.1%)と大幅に増加しています。
2021年には当社で初めて女性が執行役員に、2022年には取締役に就任したほか、部長·課長等、多方面で女性が活躍しています。
これまでも多様かつ柔軟な働き方を実現するための各種制度の充実に積極的に取り組んできましたが、これに加えて2020年7月に立ち上げた人事部長直轄の女性活躍推進プロジェクト主導の下、これまで以上に男女を問わず、すべての社員が仕事と子育てを両立させ、働きがいを持って十分に能力を発揮できる会社とすべく、2021年4月から取り組む女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しました。
この行動計画では、新卒採用における女性の採用率を25%以上とする、女性の管理職の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にするといった数値目標を掲げています。
また、2024年度からは新たに女性活躍推進担当役員を配置し、計画期間が終了する2026年3月31日までに目標を達成できるよう、全社的に取組みを推進しています。
<女性活躍推進のためのポジティブアクション>男女を問わず全ての社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる会社となることを目指し、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき以下の行動計画を策定しています。
計画期間:2021年4月1日~2026年3月31日 1.女性の採用率を拡大します。
目標:新卒採用における女性の採用率を25%以上とする。
・女性が鉄道会社で働くイメージを持てるよう訴求する採用広報を強化する。
・全職種において女性の採用を強化する。
2.女性の配置箇所を増やし、働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大します。
目標:女性の配置箇所を増やす。
・女性用設備の整備状況等をふまえ、女性の配置箇所を増やす。
目標:働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
・育児等により働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
3.女性管理職を増やします。
目標:女性の管理職(※)の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
※「ライン課長」及び「課長より上位の役職(役員を除く)」にある社員の合計。
・社外研修への派遣等を通じて、女性リーダーのキャリア意識の醸成や社外ネットワークの形成を支援する。
目標:係長・助役クラス以上の女性の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
・活躍する女性が登壇するセミナーを実施し、ロールモデルを紹介する。
・女性を対象としてキャリア意識醸成のための研修を実施する。
4.女性が能力を発揮しやすい職場風土の醸成と制度の充実を図ります。
目標:女性が能力を発揮しやすい職場風土を醸成する。
・管理職等を対象とした研修を実施する。
目標:仕事と育児の両立を支援するための制度の充実を図る。
・勤務制度等の充実を図る。
目標:年次有給休暇取得率を80%以上にする。
・社員に年次有給休暇取得の慫慂を行う。
5.男性の育児参画を促します。
目標:育児休職又は育児目的休暇を取得した男性社員の割合を30%以上とする。
・男性社員に対して育児関連制度についての情報発信を強化する。
※次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2023年4月~)においては、「男女ともに、子が生まれた社員が育児休職又は育児を目的とした休暇をその取得可能期間において100%取得」することを目標としています。
(育児・介護等と仕事の両立支援制度)すべての社員が仕事と育児・介護を両立させ、意欲や働きがいを持って長きにわたり活躍するため、各種制度の一層の充実に努めてきており、多くの制度が法律の定めを上回る水準となっています。
例えば、産前休業、育児休業、介護休業を法定の期間よりも長く取得することができます。
特に育児休業等に関しては、取得率の維持・向上を目指すため、計画を定めて取り組んでおり、2024年度の育児休業等の取得率は女性が107%、男性が99%です。
また、仕事と子育ての両立を支援するため、非現業と一部の現業機関の社員を対象としたフレックスタイム制や、現業機関等において小学6年生以下の子を養育する社員が月に複数日の無給休暇を取得できる短日数勤務制度等、より柔軟に働くことができる勤務制度を整備しているほか、企業主導型保育園の利用斡旋やベビーシッター等の利用時に給付する子育て支援補助金等、各種の福利厚生制度を導入しています。
また、2024年1月からは、非現業社員を対象に「スマートワーク」という新しい働き方を導入し、東海道新幹線の全区間で新幹線通勤を可能とするとともに、新幹線での通勤時執務、リモートワークの拡大、フレックスタイム制の柔軟化を実施しています。
さらに、2024年4月からは育児休職の取得期間が昇格試験の受験資格に影響を与えないように制度を改めています。
直近では、2025年7月より、子育て世代・介護世代の支援として、「手当の増額」や「制度新設」により育児や介護と仕事の両立のための制度を整え、社員がより一層やりがいを持ちつつ安心して長く働ける環境を整備するために制度を拡充します。
加えて、育児や介護等を理由に退職した場合において、一定の条件を満たした時に再雇用を行う制度や、勤務地域限定の社員が希望した場合には地域を跨いで異動ができるエリア・チェンジ制度等も整えており、ライフステージに応じて、社員が能力を発揮できるような環境づくりを進めています。
なお、これらの取り組みにより、2024年には「プラチナくるみん」の認定を受けています。
(障がい者雇用)多様な人材活用や企業の社会的責任の観点から、障がいのある方の雇用促進に積極的に取り組んでおり、個別の障がいの程度等に配慮しながら、事務部門や現業部門を含めて幅広く適材適所に配置しています。
2006年10月には、「障害者雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社である「株式会社ジェイアール東海ウェル」を設立し、主な事業として当社グループ内の印刷業務、封入封緘業務、オフィスサポート業務、被服管理業務及び社員の福利厚生や健康管理の増進を目的としたヘルスケア業務を行っています。
このような取組みの結果、2024年6月1日時点の障害者雇用率は、3.08%と法定雇用率を上回る雇用を維持しています。
今後も、改正障害者雇用促進法の趣旨に基づき、募集・採用の場面で差別を行わないことはもちろん、採用後も障がいによる制約に配慮しつつ、個人の能力を有効に発揮してもらうべく就労環境の整備を適切に進めていきます。
c 健康経営当社が社会的使命を将来にわたって果たしていく上での基盤となる社員の健康保持・増進を図るため、健康経営を積極的に推進しています。
(健康経営推進の目的)経営理念に示す「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という使命を担うためには、社員一人ひとりがその持てる力を最大限発揮することが大切であると考えています。
その基盤となる心身の健康の保持・増進を図るため、2018年4月に当社の健康施策の全体方針となる「健康づくり指針」を制定するとともに、人事担当役員をトップとする健康経営推進体制を整備し、健康経営を積極的に推進しています。
(数値目標)2024年度から、社員が豊かですこやかな人生を送るための基本的な生活習慣に着目し「食事」「運動」「睡眠」「適正飲酒」「禁煙」の5点について新しい数値目標を設定しています。
各項目の具体的な目標は以下のとおりです。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (2)当社の持続的な成長を支える人材への取組み当社は、人材こそが最大の経営資源と考えています。
経営理念や行動指針を社員一人ひとりが自身の仕事に落とし込み、それをチームとしてまとめ上げ、しっかりとやり抜くことが、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念をより高いレベルで実現することにつながります。
このような考え方の下、当社では人材育成と働きがいのある職場づくりに向けて、現場での教育訓練や各種研修、女性活躍推進の取組みや各種改善活動をはじめ、エンゲージメント調査の結果等も活用しながら、社員の意欲と能力を高め、企業価値の最大化に取り組んでいます。
なお、各戦略の詳細については、当社HPにある統合報告書2024 p55~62をご参照ください。
また、2025年秋に公表する統合報告書2025にも記載予定です。
a 人材育成鉄道事業は、社員一人ひとりが自分の役割を完遂するための強い心構えを持ち、高い技術力と確かな知識を身に付け日々の業務に真摯に取り組むとともに、各部門が連携して高いレベルで様々な専門技術が統合されることにより、初めてトータルとして安全かつ健全なシステムとして機能します。
このことから、当社では、特に鉄道現場において「規律」「技術力」「一体感」の3つを人材育成の基本理念として掲げ、当社の社会的使命を長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けるための人材育成に取り組んでいます。
具体的には、各職場における日常的な仕事を通じて、業務知識や技術を学ぶ「職場内教育訓練(OJT)」をすべての教育訓練の基本とし、総合研修センター等で実施する「集合研修」と、社内・社外通信研修制度等で知識・技能を習得する様々な「自己啓発」により補完しています。
また、主にオフィス部門においては、多様な社員の能力を活かし、新たな視点や柔軟な発想で、社内外の様々な環境変化に対応し、新たな価値を創造していくことが必要です。
当社では鉄道現場、オフィス部門問わず、長期雇用を前提として、社員が必要な能力を備え、意欲を持ってその能力を発揮できるよう、人事運用も広く視野に入れ、計画的な人材育成に取り組んでいます。
なお、総合研修センターには、車両の実物大シミュレータや本線と同等の設備を備えた実験線等を配備するとともに、VR技術や立体投影システムを用いた訓練教材を活用するなど、専門的な技量・技術の深度化につながる取組みを積極的に行っています。
2024年度、総合研修センターにおける集合研修の利用実績は延べ約8,700人・約62,900人日で、従業員一人当たりの年間教育時間は25.6時間でした。
自己啓発についても、各種支援制度等を充実させ、意欲のある社員の能力開発を積極的に支援しています。
当社では日常業務で必要となる専門知識や技能を体系的に習得できる社内通信研修(約30講座)を整備しており、2024年度は約4,000人の社員が利用しました。
また、業務に役立つ200種類以上の資格について受験料相当額を支給する資格取得奨励金制度、eラーニングを含む社外の通信研修を修了した際に受講料半額相当を支給する社外通信研修修了奨励金制度等についても多くの社員が活用しており、2024年度は延べ約3,800人を対象に、約2,900万円を支援しました。
「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念を将来にわたってより高いレベルで実現し続けるためには、経営環境の変化にも適切に対応するための多様な人材を質・量ともに充足させる必要があります。
当社は、意欲ある社員に知識と経験を積む機会を提供することで、多様な知識と経験を持つ人材を当社の経営資本として育成しています。
(グローバル人材の育成)企業を取り巻く経済・社会環境が益々国際化し、複雑化する中で、将来の経営を担い、国際社会においても通用する人材の育成を目的に、全額社費負担による海外留学制度を設けています。
また、社員を海外の企業等に派遣して先端技術等の調査に当たらせ、帰国後に調査結果を当社業務に役立たせることを目的に、海外調査派遣制度を設けています。
これらの制度は公募制であり、幅広い職種から意欲ある社員を募ることでこれからの社業の推進や組織の変革に寄与する人材を戦略的に育成しています。
(多様なキャリア形成の支援)当社では、多様な人材が意欲に応じて様々な知識と経験を積み重ねられるよう、公募型の研修や制度の充実を図り、社員の意欲と能力を高めるとともに人材ポートフォリオの多様化を進めています。
社外の社会人向けプログラムへの社員派遣や、異業種女性交流研修への参加に加え、仕事と育児・介護とを両立しながら学ぶ「マイ・キャリアパス研修」をはじめとした教育機会を設ける等、視野や社外人脈を広げるための機会を拡充しています。
また、意欲・能力ある社員を見出して適材適所の登用を実現するとともに、これを契機として社員各々の自己研鑽意欲や挑戦心を喚起することを目的として、2022年より社内公募によるキャリア開発を導入しています。
(ICT人材の育成)経営体力の再強化に向けて、「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」を推進していくためには、ICT等の新しい技術を積極的に活用できる人材の育成と、それらを業務において最大限活用する社内文化の醸成が急務であると考えています。
当社では、データ分析やシステム開発など実践的なスキルを習得する教育を実施し、ICTを活用して新たな価値を創造する人材の育成を強化しています。
また、階層別研修において、ICTの技術動向と当社における活用可能性を考察するカリキュラムを実施しているほか、2023年度より順次、全社員を対象にICTリテラシーの向上を図る教育を実施しており、これらを通じてICT活用の社内文化醸成に努めています。
(事業系専門人材の育成)当社では、長期雇用を前提として計画的に人材を育成すべく、ジョブローテーションを行っています。
他方、新規事業開発など、専門性を磨くことで質の高いアウトプットが期待できる職務については、適性の高い人材を見出し、事業推進本部やグループ会社を中心に人事運用を行うことで、専門性のある人材を育成しています。
b 働きがいのある職場づくり公共性の高いオープンなサービスを提供する当社は、多様なお客様に喜ばれるサービスを提供し続ける使命を担っています。
お客様の多様なニーズに応え続けるためには、多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりがその能力をいかんなく発揮する必要があります。
社員一人ひとりが働きがいを感じられる職場をつくることで、個々のアウトプットを引き出し、組織の成果の最大化を図っています。
(女性活躍推進プロジェクト)当社では、社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる職場づくりのための取組みとして、女性活躍推進に力を入れています。
男女雇用機会均等法等の趣旨を踏まえ、採用・配置等、人事面の取扱いにおいて男女の区別なく行っており、現在女性社員は、事務・技術といった部門を問わず様々な職場で活躍しており、オフィス部門の業務、駅のフロント業務、新幹線・在来線の車掌・運転士業務、病院の看護業務をはじめ、広範な業務に従事しています。
鉄道事業では、その業務の特性上、いわゆる深夜労働(22時から翌日5時にかかる時間帯の労働)が不可欠ですが、当社発足時の労働基準法では、一部の限定的な職種を除き、女性の深夜労働は原則として禁止されていました。
そのため、1996年末における当社の女性社員の割合は、わずか1.3%にとどまりました。
その後、1997年の労働基準法改正を受け、本格的に女性社員の採用を開始し、2024年度末時点で女性社員数は2,406人(全社員に占める割合は13.1%)と大幅に増加しています。
2021年には当社で初めて女性が執行役員に、2022年には取締役に就任したほか、部長·課長等、多方面で女性が活躍しています。
これまでも多様かつ柔軟な働き方を実現するための各種制度の充実に積極的に取り組んできましたが、これに加えて2020年7月に立ち上げた人事部長直轄の女性活躍推進プロジェクト主導の下、これまで以上に男女を問わず、すべての社員が仕事と子育てを両立させ、働きがいを持って十分に能力を発揮できる会社とすべく、2021年4月から取り組む女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しました。
この行動計画では、新卒採用における女性の採用率を25%以上とする、女性の管理職の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にするといった数値目標を掲げています。
また、2024年度からは新たに女性活躍推進担当役員を配置し、計画期間が終了する2026年3月31日までに目標を達成できるよう、全社的に取組みを推進しています。
<女性活躍推進のためのポジティブアクション>男女を問わず全ての社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる会社となることを目指し、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき以下の行動計画を策定しています。
計画期間:2021年4月1日~2026年3月31日 1.女性の採用率を拡大します。
目標:新卒採用における女性の採用率を25%以上とする。
・女性が鉄道会社で働くイメージを持てるよう訴求する採用広報を強化する。
・全職種において女性の採用を強化する。
2.女性の配置箇所を増やし、働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大します。
目標:女性の配置箇所を増やす。
・女性用設備の整備状況等をふまえ、女性の配置箇所を増やす。
目標:働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
・育児等により働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
3.女性管理職を増やします。
目標:女性の管理職(※)の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
※「ライン課長」及び「課長より上位の役職(役員を除く)」にある社員の合計。
・社外研修への派遣等を通じて、女性リーダーのキャリア意識の醸成や社外ネットワークの形成を支援する。
目標:係長・助役クラス以上の女性の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
・活躍する女性が登壇するセミナーを実施し、ロールモデルを紹介する。
・女性を対象としてキャリア意識醸成のための研修を実施する。
4.女性が能力を発揮しやすい職場風土の醸成と制度の充実を図ります。
目標:女性が能力を発揮しやすい職場風土を醸成する。
・管理職等を対象とした研修を実施する。
目標:仕事と育児の両立を支援するための制度の充実を図る。
・勤務制度等の充実を図る。
目標:年次有給休暇取得率を80%以上にする。
・社員に年次有給休暇取得の慫慂を行う。
5.男性の育児参画を促します。
目標:育児休職又は育児目的休暇を取得した男性社員の割合を30%以上とする。
・男性社員に対して育児関連制度についての情報発信を強化する。
※次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2023年4月~)においては、「男女ともに、子が生まれた社員が育児休職又は育児を目的とした休暇をその取得可能期間において100%取得」することを目標としています。
(育児・介護等と仕事の両立支援制度)すべての社員が仕事と育児・介護を両立させ、意欲や働きがいを持って長きにわたり活躍するため、各種制度の一層の充実に努めてきており、多くの制度が法律の定めを上回る水準となっています。
例えば、産前休業、育児休業、介護休業を法定の期間よりも長く取得することができます。
特に育児休業等に関しては、取得率の維持・向上を目指すため、計画を定めて取り組んでおり、2024年度の育児休業等の取得率は女性が107%、男性が99%です。
また、仕事と子育ての両立を支援するため、非現業と一部の現業機関の社員を対象としたフレックスタイム制や、現業機関等において小学6年生以下の子を養育する社員が月に複数日の無給休暇を取得できる短日数勤務制度等、より柔軟に働くことができる勤務制度を整備しているほか、企業主導型保育園の利用斡旋やベビーシッター等の利用時に給付する子育て支援補助金等、各種の福利厚生制度を導入しています。
また、2024年1月からは、非現業社員を対象に「スマートワーク」という新しい働き方を導入し、東海道新幹線の全区間で新幹線通勤を可能とするとともに、新幹線での通勤時執務、リモートワークの拡大、フレックスタイム制の柔軟化を実施しています。
さらに、2024年4月からは育児休職の取得期間が昇格試験の受験資格に影響を与えないように制度を改めています。
直近では、2025年7月より、子育て世代・介護世代の支援として、「手当の増額」や「制度新設」により育児や介護と仕事の両立のための制度を整え、社員がより一層やりがいを持ちつつ安心して長く働ける環境を整備するために制度を拡充します。
加えて、育児や介護等を理由に退職した場合において、一定の条件を満たした時に再雇用を行う制度や、勤務地域限定の社員が希望した場合には地域を跨いで異動ができるエリア・チェンジ制度等も整えており、ライフステージに応じて、社員が能力を発揮できるような環境づくりを進めています。
なお、これらの取り組みにより、2024年には「プラチナくるみん」の認定を受けています。
(障がい者雇用)多様な人材活用や企業の社会的責任の観点から、障がいのある方の雇用促進に積極的に取り組んでおり、個別の障がいの程度等に配慮しながら、事務部門や現業部門を含めて幅広く適材適所に配置しています。
2006年10月には、「障害者雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社である「株式会社ジェイアール東海ウェル」を設立し、主な事業として当社グループ内の印刷業務、封入封緘業務、オフィスサポート業務、被服管理業務及び社員の福利厚生や健康管理の増進を目的としたヘルスケア業務を行っています。
このような取組みの結果、2024年6月1日時点の障害者雇用率は、3.08%と法定雇用率を上回る雇用を維持しています。
今後も、改正障害者雇用促進法の趣旨に基づき、募集・採用の場面で差別を行わないことはもちろん、採用後も障がいによる制約に配慮しつつ、個人の能力を有効に発揮してもらうべく就労環境の整備を適切に進めていきます。
c 健康経営当社が社会的使命を将来にわたって果たしていく上での基盤となる社員の健康保持・増進を図るため、健康経営を積極的に推進しています。
(健康経営推進の目的)経営理念に示す「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という使命を担うためには、社員一人ひとりがその持てる力を最大限発揮することが大切であると考えています。
その基盤となる心身の健康の保持・増進を図るため、2018年4月に当社の健康施策の全体方針となる「健康づくり指針」を制定するとともに、人事担当役員をトップとする健康経営推進体制を整備し、健康経営を積極的に推進しています。
(数値目標)2024年度から、社員が豊かですこやかな人生を送るための基本的な生活習慣に着目し「食事」「運動」「睡眠」「適正飲酒」「禁煙」の5点について新しい数値目標を設定しています。
各項目の具体的な目標は以下のとおりです。
行動項目内容当社現状(2024年度)当社目標(2024年度~2026年度)食事朝食を週5回以上75%85%運動①汗をかく運動を週2回以上②平均8,000歩/日以上59%(①or②)65%(①or②)睡眠睡眠で十分な休養がとれている73%75%適正飲酒適正な飲酒77%90%禁煙たばこを吸わない80%88%
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。
ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 事業に係る法律関連事項① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号) 鉄道事業者は、本法の定めに従い、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、鉄道事業を休廃止しようとするときは、事前に国土交通大臣に届け出なければならないこととされています(第28条、第28条の2)。
また、旅客の運賃及び料金の設定・変更については、原則としてその上限額について国土交通大臣の認可を受けなければならないこととされています(第16条)。
 これらの法的規制が変更された場合には、規制を遵守するための費用の増加や事業活動の制限により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
② 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号) 東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社及び西日本旅客鉄道株式会社(以下「本州旅客会社」という。
)をJR会社法の適用対象から除外するための措置等を講じたJR会社法改正法が2001年12月1日から施行され、本州旅客会社はJR会社法の適用対象から除外されました。
 なお本法附則において、国土交通大臣は、国鉄改革の経緯を踏まえ、利用者の利便の確保等を図るため、本州旅客会社及び本州旅客会社の鉄道事業の全部又は一部を譲受・合併・分割・相続により施行日以後経営する者のうち国土交通大臣が指定する者(以下「新会社」という。
)がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針(以下「指針」という。
)を公表するものとされ(附則第2条)、当該指針は2001年12月1日より適用となりました(平成13年国土交通省告示第1622号)。
その主な内容は以下のとおりです。
○会社間(新会社の間又は新会社と北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社との間をいう。
以下同じ。
)における旅客の運賃及び料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項○国鉄改革実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持及び駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項○新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害又はその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項 国土交通大臣は、指針を踏まえた事業経営を確保するため必要があると認めるときは新会社に対して指導及び助言をすることができ(附則第3条)、さらに、新会社が正当な理由なく指針に沿った事業経営を行っていないと認めるときなどには必要な措置をとるべき旨を勧告及び命令することができるものとされています(附則第4条)。
 なお、当社はこれまでも指針に定められた事項に沿った事業運営を行ってきており、この指針は今後の当社の事業運営に大きな影響を及ぼすものではないと考えています。

(2) 運賃及び料金の設定又は変更 鉄道運送事業者が旅客の運賃及び新幹線特急料金(以下「運賃等」という。
)の上限を定め、又は変更しようとする場合、国土交通大臣の認可を受けなければならないこととなっており(鉄道事業法第16条第1項)、認可に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないもの(以下「総括原価」という。
)であるかどうかを審査して認可することとなっています(鉄道事業法第16条第2項)。
また、認可を受けた上限の範囲内での運賃等の設定・変更又は在来線特急料金等その他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっています(鉄道事業法第16条第3項及び第8項)。
その場合でも、国土交通大臣は、届出された運賃又は料金が、以下に該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命じることができるとされています(鉄道事業法第16条第9項)。
 ○ 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき ○ 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき これらの手続きが変更される場合や、何らかの理由により手続きに基づいた運賃又は料金の変更を機動的に行えない場合には、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。
 また、当社の場合、鉄道事業法第16条第2項の定めにより、運賃等の改定が難しい状況ですが、引き続き、収入の確保と効率化を進め、能率的な経営に努めます。
その上で、鉄道の競争環境の変化や物価上昇に伴う費用の増加等、当社の経営環境が大きく変化する中、将来にわたって輸送機関としての使命を果たし続けるとともに、持続的に企業価値を向上できるように、国土交通省に対して、柔軟・簡便な運賃等の設定が可能となるよう要望を続けます。
≪参考≫ 国土交通省の考え方 運賃等の改定に関し、国土交通省からは、次のような考え方が示されています。
a 鉄道事業の運賃等の上限の改定に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、総括原価を超えないものであるかどうかを審査して認可することとなっている(鉄道事業法第16条第2項)。
なお、原価計算期間は3年間とする。
b 総括原価を算定するに当たっては、他の事業を兼業している場合であっても鉄道事業部門のみを対象として、所要の株主配当を含めた適正な利潤を含む適正な原価を算定することとなっている。
また、通勤・通学輸送の混雑等を改善するための輸送力の増強、旅客サービス向上等に関する設備投資計画の提出を求め、これについて審査を行い、必要な資本費用については原価算入を認めているところである。
c 総括原価を算定する方法としては、当該事業に投下される資本に対して、機会費用の考え方による公正・妥当な報酬を与えることにより資本費用(支払利息、配当等)額を推定するレートベース方式を用いる方針であり、総括原価の具体的な算定は以下によることとしている。
総括原価=営業費等(注1)+事業報酬・事業報酬=事業報酬対象資産(レートベース)×事業報酬率・事業報酬対象資産=鉄道事業固定資産+建設仮勘定+繰延資産+運転資本(注2)等・事業報酬率=自己資本比率(注3)×自己資本報酬率(注4)+他人資本比率(注3)×他人資本報酬率(注5) 
(注) 1 鉄道事業者間で比較可能な費用について、経営効率化を推進するため各事業者間の間接的な競争を促す方式(ヤードスティック方式)により、比較結果を毎事業年度終了後に公表するとともに、原価の算定はこれを基に行うこととしている。
2 運転資本=営業費及び貯蔵品の一部3 自己資本比率は30%、他人資本比率は70%4 自己資本報酬率は、公社債応募者利回り及び全産業の自己資本利益率の過去5年平均(年数については、直近に急激な景気動向の変化があった場合等は、合理的と認められる範囲で適切に設定する。
(注5)において同じ)を基に、以下の算定式により算定する。
ただし、全産業の自己資本利益率が公社債応募者利回りを下回る場合には、公社債応募者利回りによる。
なお、公社債利回り実績値は国債(10年もの)、地方債、政府保証債の平均の過去5年平均とし、βはTOPIXの変化率と鉄道会社の株価変化率の共分散をTOPIXの変化率の分散で除したものとする。
  自己資本報酬率=公社債利回り実績値+β×(全産業(陸運業を除く)平均自己資本利益率          -公社債利回り実績値)5 他人資本報酬率は、法定債務を除き、債務実績利子率のJR旅客会社のうち北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社を除くグループ平均の過去5年平均とする。
d なお、認可した上限の範囲内での運賃等の設定・変更又はその他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっているが、国土交通大臣は、届出された運賃又は料金が、以下に該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命じることができるとされている(鉄道事業法第16条第9項)。
○ 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき○ 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき(3) 競合等 当社グループは、鉄道事業において、航空会社及び他の鉄道会社、自動車、バス等の対抗輸送機関と競合しているほか、鉄道以外の事業においても、既存及び新規の事業者と競合しています。
加えて、これらの事業は、日本経済の情勢とりわけ主な営業エリアである首都圏、中京圏、近畿圏における景気動向等の影響を受けていることから、既存及び新規の事業者との競合状況や今後の経済情勢及び少子高齢化等に伴う将来的な人口動態が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
 特に、当社グループの主力事業である東海道新幹線においては、航空会社との間で、航空運賃の著しい引下げ、空港の発着枠の拡大、さらには空港と都市中心部とのアクセス改善等、航空機による移動の利便性向上等に起因した競争に直面しています。
 また、近年はリモートワークやWeb会議が浸透しており、今後も鉄道のご利用に影響を与える可能性があります。
 以上のような競合等に対しては、安全・安定輸送を確保しつつ、新幹線においては、「のぞみ12本ダイヤ」による需要にあわせた弾力的な列車設定、N700Sの投入及び「EXサービス」のさらなるご利用拡大等に取り組むとともに、在来線においては、通勤型電車315系の投入や新型特急車両385系量産先行車の新製に向けた詳細設計を進めるなど、さらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。
(4) 長期債務 1987年の会社設立に際し、当社は、日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)に基づき、国鉄の長期債務のうち3,191億円を承継しました。
さらに、当社は、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律(平成3年法律第45号)に基づき、東海道新幹線に係る鉄道施設(車両を除く。
)を1991年10月1日、新幹線鉄道保有機構(以下「保有機構」という。
)より5兆956億円で譲り受け、このうち4兆4,944億円については25.5年、6,011億円については60年の元利均等半年賦により鉄道整備基金に支払うことに関して、保有機構との間に契約を締結し、その譲渡価額を鉄道施設購入長期未払金として計上しました。
なお、4兆4,944億円については、2017年1月に支払を完了しています。

(注) 保有機構は1991年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は鉄道整備基金に承継されました。
さらに鉄道整備基金は1997年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は運輸施設整備事業団に承継され、運輸施設整備事業団は2003年10月1日に解散し、その一切の権利及び義務は法律により国が承継する資産を除き、鉄道・運輸機構に承継されました。
 また、2016年11月に、中央新幹線の建設の推進のため、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令(以下「鉄道・運輸機構法施行令」という。
)に基づき、財政投融資を活用した長期借入の申請を鉄道・運輸機構に対して行い、2017年7月までに、長期、固定かつ低利の中央新幹線建設長期借入金について、総額3兆円の借入を行い、金利上昇リスク、資金調達リスク、償還リスクを低減しました。
 これらを含めた連結長期債務残高は、当期末現在で4兆7,786億円、そのうち中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆7,786億円となっており、当期の支払利息は790億円となっています。
 今後の金利動向により調達金利が変動する場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
 当社は、引き続き調達手段の多様化や低利かつ安定的な資金の確保に努めてまいります。
(5) 自然災害等 当社グループの事業、特に東海道新幹線をはじめとする鉄道事業については、地震・台風等の自然災害、テロの発生、感染症の流行等により大きな影響が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
 なお、鉄道インフラについて当社は、安全の確保は最優先の課題であるとの認識の下、会社発足以来、自然災害等への対策に積極的に取り組んでいます。
具体的には、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災等における他社線の被災状況等を踏まえて、東海道新幹線の橋脚及び高架橋柱について必要な箇所の耐震補強を完了し、盛土の耐震補強は協議案件と関係する一部の箇所を除き完了しました。
そのほか、脱線防止ガードの全線への敷設をはじめとする脱線・逸脱防止対策等も積極的に進めています。
また、在来線においても、構造物等の耐震補強や盛土補強、落石対策等を継続的に実施しています。
さらに、感染症の流行時には、お客様及び社員への感染拡大防止を徹底しながら十分な輸送力の確保に努めるなど、鉄道事業への影響を最小限のものとするための取組みを行うこととしています。
(6) 安全対策 当社グループの事業、特に東海道新幹線をはじめとする鉄道事業については、仮に列車の運行により事故が発生した場合、大きな損害が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
 当社は、安全の確保は最優先の課題であるとの認識の下、ソフト・ハード両面にわたり、会社発足当初から安全に関する取組みを積極的に進めています。
 ソフト面の取組みとしては、規程・マニュアル類を常に整備するとともに教育訓練を徹底し、社員自らが能力を高める職場風土の構築に努めることにより、社員一人ひとりが知識・技能を身につけ、規律と使命感をしっかり持って業務を遂行するように取り組んでいます。
また、当社の研修センターにおいて、グループ一体として、安全に主眼を置いた社員教育の一層の充実に取り組んでいます。
 一方、ハード面においては、保安・防災対策を一層進めているほか、車両・軌道・電気設備の維持・更新等を積極的に推進しています。
新幹線においては、新ATC(自動列車制御装置)システムや新型車両を導入するなど、安全の確保のため、必要な設備投資を積極的に行っています。
また、在来線においても、全線でATS-PT(パターン照査式自動列車停止装置)を導入するなど、より一層の安全性向上に努めています。
 これらの結果、当期の鉄道運転事故件数(32件)は会社発足初年度である1987年度(60件)と比較して大幅に減少しました。
(7) コンピュータシステム・顧客個人情報保護 当社グループは、現在、鉄道事業や鉄道以外の事業における様々な業務分野で、多くのコンピュータシステムを用いています。
また、当社グループと密接な取引関係にある他の旅行会社や鉄道情報システム㈱等においても、コンピュータシステムが重要な役割を果たしています。
したがって、サイバー攻撃や自然災害、人為的ミス等によってこれらのコンピュータシステムの機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与える可能性があります。
また、コンピュータウイルスへの感染や人為的不正操作等によりコンピュータシステム上の顧客個人情報が外部に流出した場合等には、当社グループが提供する様々なサービスへの影響を通じて、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、障害対策として、日常より最新の技術動向等を勘案しながら自社システムのセキュリティ機能の向上を図るとともに、関係する社員の教育・訓練等を充実させ、万一障害が発生した場合においても、その影響を最小限のものとするよう、速やかな初動体制及び復旧体制の構築等に努めています。
 また、個人情報保護対策として、社内の管理体制を整えるとともに、社内規程やマニュアルを整備し、社員に周知徹底をしています。
さらに、顧客個人情報へのアクセス権限を限定し、システムセキュリティを強化するなど、個人情報の厳正な管理・保護に努めています。
(8) 超電導リニアによる中央新幹線 当社は、健全経営と安定配当を堅持しながら、自己負担により、超電導リニアによる中央新幹線計画を進めています。
中央新幹線計画を進める目的、必要性等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 
(2) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりです。
 当社は超電導リニアによる中央新幹線計画について、2007年12月に第一局面としての名古屋市までの推進を、さらには、2010年4月に大阪市までの営業主体等の指名に同意する意思があることを表明するに当たり、それぞれの時点で合理的と考えられる前提条件を置いて検討を行い、路線建設を自己負担で推進しても、健全経営の確保が十分に可能であると判断し、必要な対応を進めることを決定しました。
 また、2007年12月には、全幹法の適用により設備投資の自主性や経営の自由など民間企業としての原則が阻害されることがないことを確認するため、法律の適用にかかる基本的な事項を国土交通省に照会し、翌年1月にその旨の回答を得ました。
 その後、全幹法の手続きが進み、国土交通大臣の諮問にかかる審議を行ってきた交通政策審議会の答申を受け、2011年5月、国土交通大臣は、当社の同意を得た上で、当社を東京都・大阪市間の営業主体等に指名しました。
続いて、当社の同意を得て整備計画を決定し、当社に建設の指示を行いました。
【中央新幹線の整備計画(2011年5月決定)】
 建設線 中央新幹線 区間 東京都・大阪市 走行方式 超電導磁気浮上方式 最高設計速度 505キロメートル/時 建設に要する費用の概算額 (車両費を含む。
) 90,300億円  その他必要な事項 主要な経過地 甲府市附近、赤石山脈(南アルプス)中南部、 名古屋市附近、奈良市附近 
(注) 建設に要する費用の概算額には、山梨リニア実験線既設分及び利子を含みません。
 これを受けて当社は、第一局面として進める東京都・名古屋市間において、環境影響評価法の手続きを進め、2014年8月に、最終的な環境影響評価書(以下「評価書」という。
)を国土交通大臣及び関係自治体の長に送付するとともに、公告しました。
また、最終的な評価書の送付と同日に、国土交通大臣に対し、土木構造物を中心とした品川・名古屋間の工事実施計画(その1)の認可申請を行い、2014年10月に認可を受け、その後工事を開始しました。
 品川・名古屋間の総工事費については、工事実施計画(その1)及び2018年3月に認可を受けた電気設備等を含む同(その2)の段階において、5.52兆円と見込んでいました。
その後、工事を進める中で、個別の工事案件によっては、当初の想定額を超えるものが発生したことにより、工事費の増加を見込むこととなりました。
その一方で、新型コロナウイルス感染症の影響で、経営環境が急激に悪化したことから、2021年4月に、工事に必要な資金計画と健全経営の確保を確認するため、品川・名古屋間全体の工事費の見通しについて、合理的と考えられる要素を盛り込んで精査を進めたところ、難工事への対応、地震対策の充実、発生土活用先の確保等により、総工事費が7.04兆円に増加する見通しとなりました。
これを受け、一定の合理的な前提条件を置いて資金確保の状況を試算し、健全経営と安定配当を堅持しながら工事を完遂できることを確認しました。
その後、2023年12月に、総工事費を7.04兆円とした、駅・車両基地の建築工事や設備工事、車両等の工事実施計画(その3)及び変更の認可を受けました。
 品川・名古屋間の開業時期(工事の完了の予定時期)については、工事実施計画(その1)及び同(その2)において、2027年として認可を得ました。
一方、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。
このため、2027年の開業は困難であり、新たな開業時期を見通すことができない状況を踏まえ、2023年12月に、工事の完了の予定時期を2027年以降とした工事実施計画(その3)及び変更の認可を受けました。
その後、2024年3月に開催された国土交通省の「第2回リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」で、静岡工区の工事計画を示し、静岡工区が品川・名古屋間の開業の遅れに直結しており、2027年の開業は実現できない旨を説明しました。
引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手、さらには品川・名古屋間の早期開業に向けて取り組みます。
 名古屋・大阪間については、品川・名古屋間と同様に、工事に着手する前段の環境影響評価法の手続きの中でルートの絞り込みや駅位置の選定を行い、工事費等を精査した上で、工事実施計画の認可申請を行います。
これらは品川・名古屋間の開業が近づいた際に行う計画ですが、その時点で合理的と考えられる前提条件の下で健全経営と安定配当を堅持できることを確認した上で工事を進めます。
 大阪までの全線開業については、2010年4月に大阪市までの営業主体等の指名に同意する意思があることを表明するに当たり実施した長期試算見通しにおいて、品川・名古屋間の開業後、大阪への工事に着手するまでに必要となる経営体力回復期間を設けることなどを前提として試算を行った結果、開業時期は2045年となりました。
その後、政府からの提案を受け、鉄道・運輸機構から財政投融資を活用した総額3兆円の長期借入を行ったことを踏まえ、経営の自由及び投資の自主性を確保し、健全経営と安定配当を堅持しつつ、長期、固定かつ低利の貸付けによる経営リスクの低減を活かし、全線開業までの期間の最大8年前倒しを目指すこととしました。
品川・名古屋間について、2027年の開業は実現できず、新たな開業時期を見通すことができない状況ですが、品川・名古屋間の開業後連続して、名古屋・大阪間の工事に速やかに着手する方針に変更はありません。
 今後とも、健全経営と安定配当を堅持しつつ、中央新幹線の早期開業を目指して、計画を推進していきます。
 中央新幹線の建設は当社の自己負担で進め、工事費に充てる資金は、営業キャッシュ・フローを主体に、不足分について返済可能な借入資金によって賄っていきます。
プロジェクトの推進に当たり、例えば、次のようなリスクが考えられ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
  ⅰ 建設資材の高騰等による工事費の増大  ⅱ 難工事その他による工事遅延・完成時期の遅れ  ⅲ 金利上昇  ⅳ 経済停滞、人口減少による収入減  ⅴ 他輸送機関との競合による収入減  ⅵ 社会全体の物価上昇  ⅶ 訴訟の提起 このうち、ⅰからⅵの経費増、収入減を伴うリスクに対しては、工事のペースを調整し、債務縮減により経営体力回復のための時間調整を行うことにより、健全経営と安定配当を堅持し、計画を完遂します。
 ⅶの訴訟については、工事実施計画認可の取消し等を国に求める行政訴訟、工事差止め等を求める民事訴訟が提起されています。
≪参考≫ 中央新幹線(東京都・名古屋市間)の路線 
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績の概要) 当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。
その上で、生活様式や働き方の変化によりニーズが多様化していることや、労働力人口の減少により業務のあり方の変革が求められていることなど、当社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、飛躍的に進化しているAIを含め最新のICT等の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みました。
 東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。
また、N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を完了しました。
さらに、脱線・逸脱防止対策等の地震対策や大規模改修工事を進めました。
加えて、豪雨時における最適な運転規制に繋げるための取組みを進めました。
 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。
また、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めました。
 営業施策については、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービスである「EXサービス」について、一昨年開始した「EX旅パック」、「EX旅先予約」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービス等を活用して、ご利用の拡大を図りました。
また、各種事業者や沿線自治体と連携しながら、ご自身の「推し」に会いに行く「推し旅」をさらに充実させて提案する「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」を販売しました。
さらに、「そうだ 京都、行こう。
」、「いざいざ奈良」、「会いにいこう」等のキャンペーンを展開するとともに、東海道新幹線開業60周年に当たり、記念企画を実施しました。
 超電導リニアによる中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、関東車両基地(仮称)の工事に着手したほか、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一首都圏トンネル梶ヶ谷工区及び東百合丘工区で本格的な掘進を開始するなど、沿線各地で工事を進めました。
引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、コストを十分に精査しつつ、各種工事を精力的に進めます。
 なお、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県等の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。
こうした中、大井川の水資源への影響及び南アルプスの環境保全について、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」の報告書を踏まえて、静岡県等と対話を重ねており、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」において、静岡県との対話の状況等を報告しています。
また、昨年11月に、事前に地質・湧水等の状況を把握するために山梨県側から進めていた高速長尺先進ボーリングが県境を越え、静岡県内に入りました。
さらに、昨年6月に続いて、1月に社長が静岡県知事と面会し、丁寧かつスピード感を持って対話を進めていくという認識を双方で共有しました。
加えて、昨年11月に大井川流域8市2町首長との意見交換会を行い、3月から、大井川の水を守るための取組みに関する説明会を開始しています。
引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。
 一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を進めるとともに、最新のICTを活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発において、AI等による画像やビッグデータの分析システムの改良・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。
また、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、SNSによるキャンペーン等も活用しながら、超電導リニアの体験乗車を実施するとともに、主に小学生を対象に、ワークショップ、クイズラリー、体験乗車を組み合わせたイベントを初めて開催しました。
 高速鉄道システムの海外展開については、米国における高速鉄道プロジェクトについて着実に取り組みました。
また、台湾高速鉄道について技術コンサルティングを進めるとともに、台湾高速鉄道を運営する台湾高速鐵路股份有限公司と、N700Sをベースとした新型高速鉄道車両の調達に関する技術コンサルティング契約を新たに締結しました。
さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。
 鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図るとともに、JRセントラルタワーズ開業25周年に当たり、これまでのご愛顧に感謝を示す記念キャンペーン等を実施しました。
また、三島駅、新横浜駅、岐阜駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや静岡駅近隣の高架下開発を進めるなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。
さらに、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」について、駅売店等を対象施設に追加するなど利便性の向上を図りました。
加えて、東海道新幹線「こだま」号の業務用室を活用した荷物輸送サービス「東海道マッハ便」を開始しました。
 上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前期比4.4%増の638億5千2百万人キロとなりました。
また、営業収益は前期比7.1%増の1兆8,318億円、経常利益は前期比18.7%増の6,492億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.3%増の4,584億円となりました。
 これをセグメントごとに示すと次のとおりです。
運輸業 東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行うとともに、多くのお客様に予め座席を確保して安心してご利用いただくため、全ての「のぞみ」の3号車を自由席から指定席に変更しました。
また、N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を完了しました。
さらに、脱線防止ガードの敷設をはじめとする、東海道新幹線全線を対象とした脱線・逸脱防止対策等の地震対策を進めるとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を進め、トンネルと鋼橋の工事を完了しました。
加えて、ハザードマップ等を踏まえ、鉄道設備の浸水対策を進め、予定していた全ての対策を完了するとともに、豪雨時における最適な運転規制に繋げるために、営業線盛土の一部区間において、実際の降雨時における土中の水の分布を詳細に把握するモニタリングを実施しました。
このほか、新大阪駅で車両とプラットホームの段差・隙間対策を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
 在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。
また、通勤型電車315系の投入を進め、これまで投入してきた名古屋地区に加えて、静岡地区にも投入しました。
さらに、TOICAについて、2路線15駅に導入し、ご利用エリアを拡大しました。
加えて、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を進めるとともに、名古屋駅を発着する313系への車内防犯カメラの整備を進めました。
このほか、名古屋駅で東海道本線下りホーム及び中央本線ホームへの可動柵設置工事を進めるとともに、刈谷駅でホームの拡幅、可動柵設置等に向けた工事を進め、このうち、名古屋駅の東海道本線下りホームについて、昨年度の6番線ホームでの可動柵の使用開始に続いて、5番線ホームで可動柵の使用を開始するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
 新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の吊り天井の脱落防止対策や駅のプラットホーム上家の耐震補強工事といった地震対策を進めるとともに、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に適切に対応するため、実践的な訓練を繰り返し実施しました。
 営業施策については、「EXサービス」について、一昨年開始した「EX旅パック」、「EX旅先予約」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービス等を活用して、ご利用の拡大を図りました。
また、各種事業者や沿線自治体と連携しながら「推し旅」キャンペーンを展開するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売し、企業の報奨旅行等、様々な形でご利用いただきました。
さらに、京都、奈良、東京、飛騨等の観光資源を活用した各種キャンペーンを展開するとともに、「会いにいこう」キャンペーンを展開しました。
東海道新幹線開業60周年に当たっては、イベントの実施等によりこれまでのご愛顧への感謝を示すとともに、中央新幹線を含む将来の高速鉄道の進化に対する期待感の醸成に取り組み、他社と連携した企画の実施等により、グループ会社とも連携しながら収益の拡大を図りました。
高山本線全線開通90周年及び御殿場線90周年に当たっても、沿線自治体等と連携しながら記念企画を実施しました。
加えて、東急株式会社と、静岡県の観光振興と地域活性化を目的としたクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」を運行し、株式会社オリエンタルランドとは、東海道新幹線の特別編成「Wonderful Dreams Shinkansen」を運行しました。
訪日外国人に対しては、国や地域ごとの旅客動向や商品のご利用の分析を進め、より効果的な宣伝を展開するとともに、旅行会社との連携強化により、東海道新幹線開業60周年にあわせた旅行商品の拡充や、販路の拡大を進めるなど、営業施策を強化しました。
このほか、東海道新幹線車内における個室タイプの「ビジネスブース」の本格的な導入を完了するとともに、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽・九州新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化サービス「GreenEX」の導入企業を拡大しました。
 当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は前期比4.7%増の552億1千万人キロ、在来線は前期比2.9%増の86億4千2百万人キロとなりました。
 バス事業については、安全の確保を最優先として顧客ニーズを捉えた商品設定を行い、収益の確保に努めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.7%増の1兆5,022億円、営業利益は前期比16.1%増の6,497億円となりました。
 また、運輸業の大部分を占める当社の鉄道事業の営業成績は次のとおりです。
区分単位前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)新幹線在来線合計新幹線在来線合計営業日数日366366366365365365営業キロキロ552.61,418.21,970.8552.61,418.21,970.8客車走行キロ千キロ1,022,423228,3221,250,7451,050,605223,9941,274,599旅客輸送人員定期千人12,140245,092255,23212,653249,171259,732定期外千人146,066129,858266,002155,202135,160279,958計千人158,206374,949521,234167,855384,331539,690旅客輸送人キロ百万人キロ52,7518,40061,15155,2108,64263,852旅客運輸収入旅客運賃・料金定期百万円13,95731,27545,23314,64932,02846,677定期外百万円1,234,01063,5831,297,5941,316,58069,2691,385,849計百万円1,247,96894,8581,342,8271,331,230101,2971,432,527小荷物運賃・料金百万円-11-11合計百万円1,247,96894,8601,342,8291,331,230101,2981,432,528鉄道線路使用料収入百万円--3,809--3,793運輸雑収百万円--53,608--57,456収入合計百万円--1,400,247--1,493,778輸送効率%座席利用率62.6乗車効率28.2-座席利用率63.8乗車効率29.7- 
(注) 1 旅客運輸収入の新幹線及び在来線区分は、旅客輸送計数により区分しています。
また、旅客輸送人員の合計については、新幹線、在来線の重複人員を除いて計上しています。
2 輸送効率の算出方法は次のとおりです。
新幹線座席利用率=旅客輸送人キロ×100 座席キロ(編成別列車キロ×座席数) 在来線乗車効率 =旅客輸送人キロ×100 客車走行キロ×平均定員3 旅客運輸収入のうち主要なJR他社(当該会社の旅行代理店等を含む。
)による発売額の構成比は、次のとおりです。
会社名前事業年度(%)当事業年度(%) 東日本旅客鉄道株式会社19.717.1 西日本旅客鉄道株式会社15.314.5 流通業 「タカシマヤ ゲートタワーモール」において開業以来最大規模となるリニューアルを完了するなど、収益力の強化に取り組みました。
また、駅売店等について、土産品、弁当等をワンストップで購入できるように集約・大型化するとともに、多様なニーズに対応した商品を取り揃えることで、便利で魅力ある店舗づくりを進めました。
さらに、駅やホテルの人気商品やオリジナル鉄道グッズ等を取り揃えた多彩なオンラインショップが集うショッピングサイト「JR東海MARKET」では、東海道新幹線開業60周年の記念商品を販売するとともに、サイト開設3周年の記念企画として、新幹線電気軌道総合試験車923形0番代(ドクターイエロー(T4編成))の引退特集を開催するなど、商品力の強化に取り組みました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.7%増の1,714億円、営業利益は前期比13.1%増の156億円となりました。
不動産業 三島駅、新横浜駅、岐阜駅、名古屋駅等の駅商業施設の拡張・リニューアルや静岡駅近隣の高架下開発を進めるなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。
また、社宅跡地等の開発について、稲沢市内の宅地分譲「セントラルガーデン・ステージ稲沢駅前Ⅱ」の販売、名古屋市内のガレージ付き賃貸住宅「Avance G 野立」の賃貸等を進めました。
さらに、駅構内や駅直結ビルにおけるワークスペース「EXPRESS WORK」の拡充を進めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比4.1%増の866億円、営業利益は前期比12.9%増の228億円となりました。
その他 ホテル業については、高品質なサービスの提供に努めるとともに、「ホテルアソシア新横浜」において東海道新幹線開業60周年を記念した特別な部屋を販売するなど、需要の喚起に向けた取組みを進めました。
 旅行業については、京都、奈良、東京、飛騨等の各方面へ向けた魅力ある旅行商品に加えて、「推し旅」キャンペーン等に関する新たな旅行商品を販売するとともに、「貸切車両パッケージ」を販売しました。
 鉄道車両等製造業については、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。
 上記の結果、当期における営業収益は前期比6.8%増の2,726億円、営業利益は前期比0.7%増の155億円となりました。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析) 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績① 営業収益営業収益は、前期比1,214億円(7.1%)増の1兆8,318億円となりました。
運輸業においては、当社の運輸収入は前期比896億円(6.7%)増の1兆4,325億円となりました。
東海道新幹線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比4.7%増加した結果、運輸収入は前期比6.7%増の1兆3,312億円となりました。
また、在来線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比2.9%増加した結果、運輸収入は前期比6.8%増の1,012億円となりました。
運輸業以外の流通業、不動産業、その他の事業においても、それぞれ前期比6.7%、4.1%、6.8%増加し、すべての事業区分において増収となりました。
② 営業費営業費は、前期比260億円(2.4%)増の1兆1,290億円となりました。
③ 営業利益営業利益は、前期比954億円(15.7%)増の7,027億円となりました。
④ 営業外損益営業外損益は、前期と比べて69億円改善しました。
⑤ 経常利益経常利益は、前期比1,023億円(18.7%)増の6,492億円となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益上記に法人税等などを加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比740億円(19.3%)増の4,584億円となりました。

(2) 財政状態当期末の資産残高は、前期末から3,814億円増加し10兆3,233億円となりました。
また、セグメント別の資産残高について、運輸業は前期末から7,886億円増加し9兆5,564億円、流通業は前期末から145億円増加し1,639億円、不動産業は前期末から257億円増加し4,021億円、その他は前期末から515億円増加し5,179億円となりました。
当期末の負債残高は、前期末から534億円減少し5兆6,647億円となりました。
なお、長期債務の当期末残高は、4兆7,786億円となりました。
そのうち、中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆7,786億円となり、前期末と比べ675億円減少しました。
当期末の純資産残高は、前期末から4,348億円増加して4兆6,585億円となり、自己資本比率は前期末の41.9%から当期末は44.6%になりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性① キャッシュ・フローの状況当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、前期末と比べ4,270億円減の3,947億円となり、資金の流動性を確保していると判断しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,245億円の資金の増加となりました。
前期が6,728億円の資金の増加であったことと比べ、当社の運輸収入は増加したものの、法人税等の支払額が増加したことなどから、483億円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、9,560億円の資金の減少となりました。
前期が4,365億円の資金の減少であったことと比べ、資金運用による支出が増加したことなどから、5,194億円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、955億円の資金の減少となりました。
前期が1,251億円の資金の減少であったことと比べ、社債の償還による支出が減少したことなどから、295億円の増加となりました。
② 生産、受注及び販売の実績当社グループの事業内容は、受注生産形態をとらない場合が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。
③ 重要な資本的支出の予定及びその資金の源泉「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。
④ 株主還元「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
⑤ 資金調達資金調達については、中央新幹線などの設備投資計画や債務償還計画等を考慮し、経済情勢、金融市場動向を踏まえた上で、必要な資金を安定的、機動的かつ低利に確保することを基本としています。
設備投資や債務償還等の資金については、自己資金のほか、社債の発行や金融機関からの借入金により調達しており、当期は、国内普通社債(グリーンボンド)200億円を発行し、長期借入金により365億円を調達しました。
なお、中央新幹線の建設については、2016年度、2017年度に財政投融資を活用した長期借入を行い、当面必要となる資金を確保しています。
当社では、円滑な資金調達を行うため、当期末時点でムーディーズ・ジャパン株式会社よりA2、株式会社格付投資情報センターよりAA、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、株式会社日本格付研究所よりAAAの格付けを取得しています。
また、短期的な流動性確保のため、当期末現在1,000億円のコミットメントラインを設定しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。
この連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループにおける見積りのうち、退職給付に係る負債及び退職給付費用については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)」において割引率、長期期待運用収益率等を記載しています。
なお、割引率、長期期待運用収益率等に変動が生じた場合には、退職給付債務が増減することに伴い、退職給付に係る負債及び退職給付費用に増減が生じます。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 鉄道事業は、様々な技術を持つ社員が協力して着実に業務を執行するとともに、車両・機械、土木構造物、軌道、電力、信号通信等の様々な設備が正確かつ確実に機能しあうことで成り立っています。
鉄道事業にとって、より一層の安全確保や将来の経営基盤強化のためには、そのベースとなる技術力を不断に高めることが重要です。
こうした認識の下、当社グループは積極的に技術開発に取り組み、大きな成果を上げています。
 当社では、将来を支える技術開発の取組みをさらに強化するとともに、技術力の向上と人材の育成を図るため、愛知県小牧市の研究施設において、研究開発を推進しています。
 また、当社の使命であり経営の生命線である首都圏~中京圏~近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため計画している中央新幹線の実現に向け、超電導リニア技術のブラッシュアップに取り組んでいます。
これらの取組みによって、当期の営業費に含まれる研究開発費の総額は367億円となりました。
運輸業在来線・新幹線を支える技術開発においては、技術開発部が中心となり、安全・安定輸送の確保に向け、ICT等の先進技術を積極的に活用し、効率的・低コストでかつ質の高い鉄道事業の運営体制構築に向け、実用に即した技術開発に取り組んでいます。
実用技術として完成した超電導リニアについては、営業線の建設・運営・保守のより一層のコストダウン及びさらなる技術のブラッシュアップのための技術開発に取り組むとともに、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を実施し、営業車両の仕様策定を進めています。
さらに、これらの技術開発を通じて、当社の鉄道事業を担う技術者の育成に引き続き取り組み、技術力の維持・向上を図っています。
主な技術開発内容は、次のとおりです。
○鉄道事業の効率的運営体制構築に向けた技術開発・安全・安定輸送の確保に向けた技術開発・N700S確認試験車による走行試験等・検査、保守の高度化及び省力化・設備の維持更新等におけるコストダウン ○超電導リニア・建設・運営・保守のコストダウン・実用技術のブラッシュアップ
(注) 山梨リニア実験線投資及び超電導リニア技術開発1 当社は、中央新幹線を実現する際には、その先進性や高速性から超電導リニアの採用が最もふさわしいと考え、1990年6月の運輸大臣通達「超電導磁気浮上方式鉄道に係る技術開発の円滑な推進について」並びに同年同月に承認された「技術開発基本計画」及び「山梨実験線建設計画」に基づき、山梨リニア実験線の先行区間18.4kmを建設するとともに、技術開発及び走行試験に取り組んできました。
この結果、超電導リニアは、2009年7月の国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会(以下「評価委員会」という。
)において、既に営業運転に支障のない技術レベルに到達していることが確認され、2011年12月には、国土交通大臣により超電導リニアに関する技術基準が制定されました。
また、当社は、2007年1月に上記の「技術開発基本計画」及び「山梨実験線建設計画」の変更承認を得て、山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備更新の工事を進め、2013年8月に営業線仕様の車両L0系により走行試験を再開し、2017年2月には評価委員会において、超電導リニアの技術開発については、「営業線に必要な技術開発は完了」していると改めて評価され、2023年3月には「技術のブラッシュアップは着実に進捗している」との評価を受けました。
以上について、当社は、当初計画において、実験基盤施設(汎用性のある地上施設)等として、消費税等を含めて1,965億円の特別負担投資を予定し、1991年3月期から2025年3月期までに、合計1,706億円を支出しています。
さらに、42.8kmへの延伸と設備更新の新たな資金フレームとして、消費税等を含めて3,550億円の工事費を予定し、2007年3月期から2025年3月期までに、合計3,434億円を支出しています。
また、上記の金額とは別に、当社独自の超電導リニア技術開発費として、会社発足時から2025年3月期までに、合計2,952億円を支出しています。
2 超電導リニアの営業線実現に必要な実用技術の開発については、当社が費用を負担して進めてきました。
当社は、超電導リニアによる中央新幹線を自ら建設するとともに、米国北東回廊における超電導リニアプロジェクトの実現に向けた取組みを進めていますが、これらの建設・運営・保守に必要な技術は、全て当社の技術です。
このほか、当社をはじめとする旅客会社及び貨物会社は、鉄道技術及び労働科学に関する研究開発、調査を目的に、公益財団法人鉄道総合技術研究所(以下「鉄道総研」という。
)に対し協定に基づき負担金を支出しています。
流通業、不動産業特に記載する事項はありません。
その他鉄道車両等製造業等において、技術力の強化と生産性の向上に取り組むことで各製品の競争力を強化するとともに、変化する社会ニーズに対応して新技術を取り入れた新商品、新工法の開発に取り組んでいます。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当期は、全体で5,142億円、工事負担金充当額を含め5,192億円の設備投資を実施しました。
 運輸業においては、当社において、東海道新幹線及び在来線の安全・安定輸送の確保、サービス向上、中央新幹線の建設並びに業務の効率化等に4,730億円、連結子会社において5億円の設備投資を実施しました。
 このほか、流通業においては62億円、不動産業においては293億円、その他においては49億円の設備投資を実施しました。
 なお、経営成績に重要な影響を及ぼすような設備の売却、撤去又は滅失はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当期末現在の主要な設備の状況は以下のとおりです。
(1) 提出会社① 総括表セグメント帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計運輸業1,033,471286,1812,280,683(48,354)2,262,7625,863,09818,297不動産業39,623643,227(457)81683,673107 
(注) 1 運輸業に供する土地とは、線路用地(面積29,979千㎡、帳簿価額1,319,472百万円)、停車場用地(面積9,051千㎡、帳簿価額788,018百万円)、工場用地、変電所用地等です。
2 運輸業に供する建物とは、停車場建物、事務所、工場建物等です。
3 運輸業に供する構築物とは、線路設備(軌道、高架橋、トンネル等)、電路設備(電柱、信号設備、トロリ線等)、停車場設備、諸構築物です。
4 運輸業には、中央新幹線施設等(建設仮勘定、建物及び構築物、機械装置等、帳簿価額2,129,942百万円)が含まれています。
5 「その他」は、建設仮勘定(運輸業2,082,653百万円、不動産業10百万円)、その他の有形固定資産(運輸業27,398百万円、不動産業80百万円)及び無形固定資産(運輸業152,710百万円、不動産業725百万円)の合計です。
② 運輸業の主な設備の内訳a 線路及び駅の数線名区間営業キロ(km)複線単線の別駅数(駅)軌間(m)電圧(v)変電所数(箇所)東海道新幹線東京~新大阪552.6複線[7]101.435交流 25,00026東海道本線「熱海」~「米原」341.3複線821.067直流  1,50032 「大垣」~美濃赤坂5.0単線2〃〃- 「大垣」~「関ケ原」13.8単線-〃〃-御殿場線「国府津」~「沼津」60.2単線17〃〃4身延線「甲府」~「富士」88.4単線一部複線37〃〃4飯田線「豊橋」~「辰野」195.7単線一部複線92〃〃9武豊線「大府」~武豊19.3単線9〃〃2高山本線「岐阜」~「猪谷」189.2単線34〃--中央本線「塩尻」~「名古屋」174.8複線一部単線[1]37〃直流  1,50016太多線「多治見」~「美濃太田」17.8単線6〃--関西本線「名古屋」~亀山59.9単線一部複線17〃直流  1,5006紀勢本線「亀山」~「新宮」180.2単線39〃--名松線「松阪」~伊勢奥津43.5単線14〃--参宮線「多気」~鳥羽29.1単線9〃--合計―1,970.8―[8]405--99 
(注) 1 「 」の駅は当該区間の駅数には含んでいません。
2 駅数欄の[ ]は、外数で他線区との併設駅数を示しています。
3 このほかに、鉄道・運輸機構から借り受けている城北線(営業キロ:11.2km)に係る鉄道施設を㈱JR東海交通事業に使用させています。
b 車両数区分内燃機関車(両)内燃動車(両)電車貨車(両)保守用車(両)合計(両)電動車(両)制御電動車(両)制御車(両)付随車(両)新幹線2-1,85722661141,0003,142在来線-201286238344157-3301,556合計22012,143240610158141,3304,698 c 車両施設 主な車両所、工場、車両区等は次のとおりです。
区分所在地土地建物面積(㎡)帳簿価額(百万円)帳簿価額(百万円)[東海鉄道事業本部] 神領車両区愛知県春日井市179,737429276名古屋工場名古屋市中川区111,2391188,283大垣車両区岐阜県大垣市86,0831,105116美濃太田車両区岐阜県美濃加茂市78,52097183名古屋車両区名古屋市中村区68,90373649[新幹線鉄道事業本部] 東京仕業・修繕・交番検査車両所東京都品川区379,235226,0922,599浜松工場浜松市中央区346,06171,44713,712[静岡支社] 静岡車両区静岡市葵区56,392181401[関西支社] 大阪仕業・修繕・交番・台車検査車両所大阪府摂津市303,36189,4735,897名古屋車両所名古屋市中村区95,162100,020690 d 賃借資産 主な賃借資産は次のとおりです。
賃借先賃借設備設備のうち賃借終了年度賃借料(百万円)土地(面積千㎡)建物(面積千㎡)鉄道・運輸機構城北線(勝川~枇杷島間11.2km)12712032年度4,051
(注) 鉄道・運輸機構から借り入れている城北線については、あらかじめ国土交通大臣の認可を受けた賃借料を借り受けから40年間にわたり年2回支払うこととされています。
この賃借料は、毎年、財産及び管理費の増減等により若干の変動はありますが、基本的な水準はほぼ変わりません。
賃借料の額の基準は、鉄道・運輸機構法施行令第7条第1項により規定されています。
また、当該鉄道施設の維持更新については、総額1億円以上の災害復旧工事を除き、当社が実施することとなっています。
なお、国土交通大臣が指定する期間を経過した当該鉄道施設は、当該線区の建設費から既に支払った賃借料総額のうち建設費相当額を差し引いた残額を譲渡価額として譲渡を受けることができることとなっています。
③ 不動産業の主な設備の内訳 主な賃貸施設等は次のとおりです。
賃貸先所在地土地建物面積(㎡)帳簿価額(百万円)帳簿価額(百万円)ジェイアール東海不動産㈱静岡市駿河区ほか324,70318,535206㈱ジェイアール東海ホテルズ静岡市葵区ほか58,9294,4303,783ジェイアールセントラルビル㈱名古屋市中村区8,4511,69329,656
(2) 国内子会社① 運輸業の主な設備の内訳会社名(所在地)帳簿価額(百万円)従業員数(人)摘要建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計ジェイアール東海バス㈱(名古屋市中川区)3631,5001,069(44)1123,045266支店等
(注) 「その他」は、その他の有形固定資産及び無形固定資産の合計です。
② 流通業の主な設備の内訳会社名(所在地)帳簿価額(百万円)従業員数(人)摘要建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計㈱ジェイアール東海髙島屋(名古屋市中村区)14,150--2,18316,333651店舗等㈱JR東海リテイリング・プラス(名古屋市中村区)7,4822771,576(8)2,51911,8561,788支社、店舗等ジェイアール東海商事㈱(名古屋市中村区)26--22725358ソフトウェア等 
(注) 「その他」は、建設仮勘定、その他の有形固定資産及び無形固定資産の合計です。
③ 不動産業の主な設備の内訳会社名(所在地)帳簿価額(百万円)従業員数(人)摘要建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計ジェイアールセントラルビル㈱(名古屋市中村区)87,4152860(0)1,88589,58770駅ビル等ジェイアール東海不動産㈱(東京都港区)36,3101842,119(151)4,46482,913117賃貸施設等新横浜ステーション開発㈱(横浜市港北区)10,610-39(0)17010,82138駅ビル等東京ステーション開発㈱(東京都千代田区)4,264133-3494,74740高架下等名古屋ステーション開発㈱(名古屋市中村区)9,183-0(0)1,00510,18964高架下等ジェイアール東海関西開発㈱(京都市南区)2,797-0(0)2213,019101高架下等 
(注) 「その他」は、建設仮勘定、その他の有形固定資産及び無形固定資産の合計です。
   ④ その他の主な設備の内訳会社名(所在地)帳簿価額(百万円)従業員数(人)摘要建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計㈱ジェイアール東海ホテルズ(名古屋市中村区)2,4152740(1)8673,558789ホテル等㈱ジェイアール東海ツアーズ(東京都中央区)40--2,9613,002549ソフトウェア等㈱JR東海エージェンシー(東京都港区)340--180520264支社等日本車輌製造㈱(名古屋市熱田区)6,4764,37914,310(773)2,11827,2852,104製作所等ジェイアール東海建設㈱(名古屋市中村区)11818383
(2)226747363支店等日本機械保線㈱(東京都港区)1,76226943(11)1752,908399事業所等中央リネンサプライ㈱(東京都中央区)6735(8)04886営業所、工場等東海交通機械㈱(名古屋市中村区)96043299(6)2481,5511,154支店、事業所等 
(注) 「その他」は、建設仮勘定、その他の有形固定資産及び無形固定資産の合計です。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等 当期末現在における、重要な設備の新設の計画は次のとおりです。
 設備の新設のための資金については、自己資金を中心に、必要により社債及び借入により調達します。
なお、中央新幹線の建設については、自己資金等のほか、財政投融資を活用した長期借入(総額3兆円)により調達した資金を充当します。
 駅の橋上化や高架化等、自治体等の要請に基づく工事については、当該自治体等の負担金により行います。
① 運輸業 ア.東海道新幹線、在来線(単位 百万円)項目計画額既支払額今後の所要額工事着手完成予定安全・安定輸送対策  東海道新幹線土木構造物大規模改修185,399136,23949,1602019年6月2029年3月 東海道新幹線脱線・逸脱防止対策101,16558,83642,3292019年11月2029年3月 駅天井地震対策13,20011,2621,9382016年9月2027年3月 プラットホーム上家耐震補強26,9924,33622,6562020年4月2034年3月 東海道新幹線ATC装置取替等56,50140,20016,3012014年12月2030年3月 東海道新幹線周波数変換装置取替62,3433,32759,0162021年2月2042年2月 東海道新幹線地中送電線取替5,275-5,2752024年6月2032年3月 東海道新幹線警報トロリ線摩耗検知システム更新等8,7603,7824,9782020年4月2031年3月 東海道新幹線列車無線更新等59,68724,04935,6382021年4月2030年2月 東海道新幹線車両への架線電圧維持機能の追加等12,905-12,9052024年5月2034年2月 東海道本線沼津駅付近高架化90,7621,02389,7392023年4月2042年3月 武豊線半田駅付近高架化21,1386,13715,0012017年9月2028年3月 高架橋柱耐震補強等の在来線地震対策11,7442,3369,4082019年3月2029年3月 名古屋車両区検修庫建替等6,2001,8024,3982021年7月2027年6月 在来線列車無線設備等取替22,5086,81015,6982018年7月2032年3月 東海道本線大谷川橋りょう等改築5,0052664,7392022年7月2030年9月 新幹線N700S車両新製等522,697332,022190,6752018年12月2030年3月 在来線HC85系車両新製等30,70030,1135872020年11月2026年3月 在来線315系車両新製等71,60862,0849,5242019年9月2027年3月 在来線385系量産先行車新製等5,0701364,9342023年5月2027年3月営業設備・駅設備等整備  東海道新幹線上級クラス座席等整備57,97312357,8502024年2月2032年3月 エクスプレス予約システム更新・改修等52,40017,81934,5812024年1月2028年3月 東海道新幹線自動改札装置等取替8,775-8,7752025年4月2033年3月 列車運行情報案内設備整備9,3972,4756,9222023年2月2030年3月 東海道本線刈谷駅改良9,7333,4766,2572019年8月2027年9月 東海道本線菊川駅他橋上化6,9781,1725,8062022年4月2030年12月 在来線名古屋駅可動式ホーム柵整備1,4515469052022年12月2025年12月 TOICAエリア拡大2,6503152,3352023年9月2027年4月業務効率化  東海道新幹線車両全般検査・台車検査設備整備3,6004713,1292022年11月2027年12月  イ.中央新幹線 中央新幹線については、2014年10月に国土交通大臣から、土木構造物を中心とした品川・名古屋間の工事実施計画(その1)の認可を受け、2018年3月には、電気設備等を含む工事実施計画(その2)の認可を受けました。
加えて、2023年12月には、駅・車両基地の建築工事や設備工事、車両等の工事実施計画(その3)及び変更の認可を受けました。
これにより、品川・名古屋間の工事に必要な項目について全て認可されました。
 工事実施計画(その3)及び変更において、品川・名古屋間の開業時期(工事の完了の予定時期)は2027年以降、同区間の工事費は7,048,240百万円としました。
なお、既支払額は2,029,421百万円です。
② 流通業(単位 百万円)項目計画額既支払額今後の所要額工事着手完成予定 ジェイアール名古屋タカシマヤ店舗改装 (㈱ジェイアール東海髙島屋)5,900-5,9002025年4月2027年度 ③ 不動産業(単位 百万円)項目計画額既支払額今後の所要額工事着手完成予定 JRセントラルタワーズ及びJRゲートタワーの 中央防災センターの設備更新 (ジェイアールセントラルビル㈱)14,400-14,4002025年4月2031年3月 京都地区ホテル建設  ・コートヤード・バイ・マリオット京都四条烏丸  ・コートヤード・バイ・マリオット京都駅 (ジェイアール東海不動産㈱)32,34023,0429,2982022年7月2026年度 奈良地区ホテル建設  ・ホテル 寧 奈良 (ジェイアール東海不動産㈱)15,7406,3729,3682024年8月2030年度 ④ その他    該当事項はありません。

(2) 重要な設備の除却等  該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動36,700,000,000
設備投資額、設備投資等の概要4,900,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況37
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況16
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,102,357
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の考え方当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的としているものを純投資目的の投資株式、それ以外のものを純投資目的以外の投資株式としています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a 保有方針当社は、株式の保有を通じた長期的・安定的な取引関係の維持・強化が、事業の円滑な遂行と中長期的な企業価値向上につながるという視点に立ち、必要性を総合的に勘案して保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式を保有します。
この方針に基づき、必要性が認められないと考える保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式がある場合には、縮減するなど見直しています。
b 保有の合理性を検証する方法及び個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、個別の保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式について、各銘柄の保有目的を充足するか否かを確認し、その保有の適否について2025年4月30日の取締役会において検証を行いました。
なお、その際、各銘柄の中長期的な経済合理性や将来の保有リスクにも留意しています。
c 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式226,717非上場株式以外の株式46189,852 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式211,596 d 銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)三菱重工業株式会社(注2)11,511,0001,151,100当該会社は、鉄道設備用の保守用車等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有29,07616,673三菱電機株式会社6,573,0006,573,000当該会社は、鉄道用の電力設備や鉄道車両用のブレーキ制御装置等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有17,87816,511株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ8,886,6208,886,620当該グループの金融機関とは、借入、社債引受等の資金調達や資金運用、資金決済等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)17,87013,836株式会社オリエンタルランド5,963,0005,963,000当該会社が運営するテーマパークへの観光需要の喚起や、グループ会社における旅行商品の開発等、同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な鉄道事業における収益力の強化を目的として、同社株式を保有しています。
有17,56128,914ナブテスコ株式会社5,171,0005,171,000当該会社は、鉄道車両用のブレーキ制御装置やドアシステム等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有11,94713,237東京海上ホールディングス株式会社1,655,1601,655,160当該グループの金融機関とは、賠償責任保険や火災保険等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、リスクマネジメントの適切な実施及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)9,4937,784東日本旅客鉄道株式会社(注4)3,148,2001,049,400当該会社とは、大型観光キャンペーンの共同実施や交通系ICカードの相互利用、列車の直通運転、鉄道技術分野における連携・情報共有等、鉄道事業において広範な連携を行っています。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な鉄道事業における収益力の強化、旅客サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有9,2939,189九州旅客鉄道株式会社2,077,9002,077,900当該会社とは、大型観光キャンペーンの共同実施やEXサービスの利用拡大、交通系ICカードの相互利用、鉄道技術分野における連携・情報共有等、鉄道事業において広範な連携を行っています。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な鉄道事業における収益力の強化、旅客サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有7,5847,361 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)日本製鉄株式会社2,253,9002,253,900当該会社は、鉄道用のレールや鉄道車両用の車輪・車軸等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有7,2018,267住友不動産株式会社960,800960,800不動産事業における高度な経営ノウハウを有する当該会社との連携の維持・強化により、当社用地の開発・販売をはじめとする中長期的な不動産事業の強化及び収益力の強化を目的として、同社株式を保有しています。
有5,3735,569西日本旅客鉄道株式会社(注5)1,725,000862,500当該会社とは、大型観光キャンペーンの共同実施やEXサービスの利用拡大、交通系ICカードの相互利用、列車の直通運転、鉄道技術分野における連携・情報共有等、鉄道事業において広範な連携を行っています。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な鉄道事業における収益力の強化、旅客サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有5,0305,411MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(注6)1,441,077480,359当該グループの金融機関とは、賠償責任保険や火災保険等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、リスクマネジメントの適切な実施及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)4,6473,906株式会社西武ホールディングス1,321,2001,321,200当社営業エリアにおける需要喚起や列車の直通運転、ICカードの相互利用等、当該グループとの鉄道事業における広範な連携の維持・強化を通じて、中長期的な鉄道事業における収益力の強化、旅客サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)4,3623,200株式会社三井住友フィナンシャルグループ(注7)1,059,348353,116当該グループの金融機関とは、借入、社債引受等の資金調達や資金運用、資金決済等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)4,0203,145三菱地所株式会社1,592,0001,592,000不動産事業における高度な経営ノウハウを有する当該会社との連携の維持・強化により、当社用地の開発・販売をはじめとする中長期的な不動産事業の強化及び収益力の強化を目的として、同社株式を保有しています。
有3,8714,432株式会社みずほフィナンシャルグループ949,0922,514,239当該グループの金融機関とは、借入、社債引受等の資金調達や資金運用、資金決済等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)3,8447,658東邦瓦斯株式会社846,500846,500当該会社とは、事業用のガス供給を受けるほか、名古屋駅において当社グループとの共同出資により熱供給会社を運営しています。
同社との連携の維持・強化により、当社グループ会社が運営する名古屋駅直上の超高層ビルへの中長期的かつ安定的な熱供給サービス等の確保を図るとともに、地域経済における多面的な連携を目的として、同社株式を保有しています。
有3,5012,932 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)アサヒグループホールディングス株式会社(注8)1,761,000587,000飲料等において高い商品力や開発力を有する当該グループとの連携の維持・強化を通じた、駅等の当社施設内における中長期的なサービス向上及び流通事業における収益力の強化を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)3,3673,276株式会社髙島屋(注9)2,777,0001,388,500当該会社との共同出資会社である株式会社ジェイアール東海髙島屋は、名古屋駅直上でジェイアール名古屋タカシマヤ等を運営しています。
百貨店事業におけるパートナーである当該会社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な百貨店事業の強化及び収益力の強化を目的として、同社株式を保有しています。
有3,3603,390名工建設株式会社2,139,5002,139,500当該会社は、鉄道事業特有の施工上の制約のある工事において高い技術力を有しており、鉄道構造物の新設工事や保守・点検等において協力関係にあります。
同社との連携を維持・強化することにより、鉄道施設の維持・機能強化及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有2,7722,678京王電鉄株式会社642,500642,500当社営業エリアにおける駅周辺開発やICカードの相互利用等、当該会社との鉄道事業及び関連事業における広範な連携の維持・強化を通じて、中長期的な鉄道事業及び関連事業における収益力の強化、サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有2,4452,680SOMPOホールディングス株式会社(注10)497,250165,750当該グループの金融機関とは、賠償責任保険や火災保険等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、リスクマネジメントの適切な実施及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)2,2481,586岡谷鋼機株式会社(注11)183,20091,600当該会社は、鉄道用機械設備の取付部品等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有1,2781,548株式会社あいちフィナンシャルグループ413,170413,170当該グループの金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)1,1801,096電源開発株式会社421,920421,920当該会社とは、当社在来線の一部線区の電車運行の二酸化炭素排出量実質ゼロ化において協力関係にあります。
同社との連携の維持・強化を通じた、鉄道事業における環境優位性の強化及び地域経済における多面的な連携を目的として、同社株式を保有しています。
有1,0681,053株式会社京三製作所1,965,3001,965,300当該会社は、鉄道信号システム等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有9611,023 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)京浜急行電鉄株式会社594,800594,800当社営業エリアにおける需要喚起や駅周辺開発、ICカードの相互利用等、当該会社との鉄道事業及び関連事業における広範な連携の維持・強化を通じて、中長期的な鉄道事業及び関連事業における収益力の強化、サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有899828日本信号株式会社902,500902,500当該会社は、鉄道信号システム等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有807936中部電力株式会社464,700464,700当該会社とは、中央新幹線計画を含む鉄道用電力の供給を受ける協力関係にあります。
同社との連携の維持・強化により、中長期的かつ安定的な電力供給を確保し、これによる鉄道事業の安定的運営を図るとともに、地域経済における多面的な連携を目的として、同社株式を保有しています。
有754924三井住友トラストグループ株式会社168,800168,800当該グループの金融機関とは、借入等の資金調達等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)627558名古屋鉄道株式会社336,300336,300当社営業エリアにおける需要喚起や駅周辺開発、ICカードの相互利用等、当該会社との鉄道事業及び関連事業における広範な連携の維持・強化を通じて、中長期的な鉄道事業及び関連事業における収益力の強化、サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有586728スルガ銀行株式会社434,000434,000当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有583387株式会社しずおかフィナンシャルグループ350,000350,000当該グループの金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)568506第一生命ホールディングス株式会社111,800111,800当該グループの金融機関とは、団体定期保険等の取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、リスクマネジメントの適切な実施及びこれによる当社事業の安定的運営を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)506430TOTO株式会社130,000130,000トイレ設備や防汚コーティング等における高い技術力を有する当該会社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な鉄道事業における旅客サービス向上及び技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有506555 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社十六フィナンシャルグループ86,30086,300当該グループの金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)416413鉄建建設株式会社150,000150,000当該会社は、鉄道事業特有の施工上の制約のある工事において高い技術力を有しており、鉄道線路と交差する設備の新設工事等において協力関係にあります。
同社との連携を維持・強化することにより、鉄道施設の維持・機能強化及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有374405株式会社百五銀行407,000407,000当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有299264小田急電鉄株式会社197,100197,100当社営業エリアにおける需要喚起や列車の直通運転、ICカードの相互利用等、当該会社との鉄道事業における広範な連携の維持・強化を通じて、中長期的な鉄道事業における収益力の強化、旅客サービスの向上、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有291409カヤバ株式会社(注12)96,40048,200当該会社は、鉄道車両用の台車部品等、当社の鉄道事業の運営に不可欠な重要資材の調達先です。
同社との連携の維持・強化を通じた、中長期的な資材の安定調達及びこれによる鉄道事業の安全かつ安定的運営、技術力の維持・向上を目的として、同社株式を保有しています。
有283249株式会社三十三フィナンシャルグループ108,310108,310当該グループの金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社グループとの連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
無(注3)256225株式会社名古屋銀行32,40032,400当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有254215株式会社八十二銀行238,000238,000当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有251247株式会社山梨中央銀行68,40068,400当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有147128 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社大垣共立銀行54,20054,200当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有128118株式会社清水銀行44,00044,000当該金融機関とは、借入等の資金調達をはじめとする取引関係があります。
同社との連携の維持・強化を通じた、経営の状況変化に対応する金融取引及びこれによる当社事業の安定的運営、並びに地域経済との関係性強化を目的として、同社株式を保有しています。
有6670トヨタ自動車株式会社-2,500,000当事業年度において全て売却しています。
無-9,480(注) 1 当社は、株式の保有を通じた長期的・安定的な取引関係の維持・強化が、事業の円滑な遂行と中長期的な企業価値向上につながるという視点に立ち、必要性を総合的に勘案して保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式を保有しています。
そのため、この総合的判断に基づく保有効果を定量的に記載することは困難ですが、②bに記載のとおり、保有の合理性を検証しています。
2 三菱重工業株式会社は、2024年4月1日付で、普通株式1株につき10株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
3 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
4 東日本旅客鉄道株式会社は、2024年4月1日付で、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
5 西日本旅客鉄道株式会社は、2024年4月1日付で、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
6 MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社は、2024年4月1日付で、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
7 株式会社三井住友フィナンシャルグループは、2024年10月1日付で、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
8 アサヒグループホールディングス株式会社は、2024年10月1日付で、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
9 株式会社髙島屋は、2024年9月1日付で、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
10 SOMPOホールディングス株式会社は、2024年4月1日付で、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
11 岡谷鋼機株式会社は、2024年9月1日付で、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
12 カヤバ株式会社は、2024年12月3日付で、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割しており、実質的な株式数の増加はありません。
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社22
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社6,717,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社46
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社189,852,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社11,596,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社44,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社5,373,000,000