財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-23 |
英訳名、表紙 | The Furukawa Battery Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 黒田 修 |
本店の所在の場所、表紙 | 横浜市保土ケ谷区星川二丁目4番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 045(336)5034番(代) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
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沿革 | 2【沿革】 1914年4月横浜電線製造株式会社(古河電気工業株式会社の前身)が兵庫県尼崎市で鉛蓄電池の製造を開始。 1937年12月古河電気工業株式会社電池製作所を、事業拡充のため横浜市保土ケ谷区に移転。 1950年9月古河電気工業株式会社より電池製作所の事業を継承し、新たに古河電池株式会社として発足。 1960年9月自動車用鉛蓄電池の第二工場を完成。 1960年11月ポケット式アルカリ電池メーカーである本多電機株式会社と資本及び業務提携をし、ポケット式アルカリ蓄電池の販売を開始。 1961年12月東京証券取引所の市場第二部に株式を上場。 1962年4月焼結式アルカリ蓄電池工場を完成。 1970年7月栃木県今市市(現日光市)に自動車用鉛蓄電池工場を完成。 1972年8月東京証券取引所の市場第一部に指定替え。 1978年9月福島県いわき市に自動車用鉛蓄電池工場を完成。 1986年3月今市市(現日光市)針貝地区に二輪車用鉛蓄電池工場及び電源機器用工場を完成。 1986年5月いわき事業所内にアルカリ蓄電池工場を完成。 1986年8月横浜工場を撤収し、今市・いわき両事業所へ展開を完了。 1989年9月横浜工場跡地に本社土地・社屋を取得し移転。 1992年1月The SIAM CEMENT PUBLIC CO.,LTD.との合弁で、タイにSIAM FURUKAWA BATTERY CO.,LTD.(後にSIAM FURUKAWA CO.,LTD.へ改称)を設立。 1993年2月いわき事業所内にニッケル・水素電池工場を完成。 1993年10月不動産事業部門の効率化を図るため、旭開発株式会社を吸収合併。 2002年1月SIAM FURUKAWA CO.,LTD.の株式を追加取得し子会社化。 2013年12月INDOMOBILグループ(Salimグループ)との合弁で、インドネシアに自動車用鉛蓄電池の製造会社(PT.FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY MANUFACTURING)と販売会社(PT.FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY SALES)を設立。 2015年4月国内市販向けの自動車用鉛蓄電池等の販売子会社5社を統合し、古河電池販売株式会社として発足。 2016年9月ベトナムの蓄電池メーカー DRY CELL AND STORAGE BATTERY JOINT STOCK COMPANYの発行済株式10.5%を取得。 2017年4月首都大学東京(現東京都立大学)と次世代リチウムイオン電池開発会社である株式会社ABRIを設立。 2021年4月マクセル株式会社より積層ラミネート型リチウムイオン電池事業を承継。 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。 2022年11月出荷梱包業務の一体化による効率化を目的として、エフビーパッケージ株式会社を吸収合併。 2023年10月資金貸付業務の一体化による効率化を目的として、エフビーファイナンス株式会社を吸収合併。 2025年4月株式会社ABRIを吸収合併。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、当社の親会社、連結子会社7社、非連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成され、主に蓄電池の製造・販売及びこれに付随する事業を展開しており、各社の事業に係る位置づけは次のとおりであります。 当社において鉛蓄電池、アルカリ蓄電池及び整流器等の電源機器の製造、販売、据付工事及びサービス点検を行っている他、連結子会社のSIAM FURUKAWA CO.,LTD.及びPT.FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY MANUFACTURINGでは当社の技術援助に基づき鉛蓄電池の製造を行っております。 連結子会社の古河電池販売㈱は、当社の製造する鉛蓄電池及びアルカリ蓄電池の一部を販売しております。 なお、親会社の古河電気工業㈱に対しては製品の一部を販売しており、また、親会社からは原材料等の一部の供給を受けております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(親会社) 古河電気工業㈱(注)3東京都千代田区69,395電線・非鉄圧延品等の製造及び販売58.07(0.75)当社製品の販売原材料等仕入出向…有り(連結子会社) 古河電池販売㈱(注)4東京都品川区95自動車100当社製品の販売役員の兼任…無し新潟古河バッテリー㈱新潟県新潟市中央区10自動車50.00当社製品の販売役員の兼任…無し第一技研工業㈱栃木県宇都宮市41その他100樹脂成型品製造役員の兼任…無しHDホールディングス㈱(注)4東京都品川区200不動産100不動産賃貸役員の兼任…無しSIAM FURUKAWA CO.,LTD.(注)4タイサラブリ百万THB240自動車100製品の購入役員の兼任…無しSIAM FURUKAWA TRADING CO.,LTD.(注)5タイバンコク百万THB25自動車100(100)当社製品の販売役員の兼任…無しPT.FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY MANUFACTURING(注)4インドネシアプルワカルタ百万IDR899,732自動車51.00製品の購入役員の兼任…有り(持分法適用関連会社) PT.FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY SALESインドネシアプルワカルタ百万IDR48,972自動車49.00役員の兼任…有り (注)1.主要な事業内容の欄には、セグメントの名称を記載しております。 2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数。 3.有価証券報告書を提出しております。 4.特定子会社に該当しております。 5.SIAM FURUKAWA TRADING CO.,LTD.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等SIAM FURUKAWA TRADING CO.,LTD.(1)売上高21,383百万円(2)経常利益1,309百万円(3)当期純利益1,047百万円(4)純資産額1,677百万円(5)総資産額3,977百万円 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)自動車1,904(91)産業505(55)リチウム13(6)不動産6(1)報告セグメント計2,428(153)その他11(7)合計2,439(160)(注)従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,127(150)40.312.76,296,031 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)自動車609(89)産業505(55)リチウム13(6)不動産-(-)報告セグメント計1,127(150)その他-(-)合計1,127(150)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外給を含んでおります。 3.従業員の定年は満60歳に達したときであります。 (3)労働組合の状況 当社の労働組合は、古河電池労働組合と称し、上部団体として全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟に加入しております。 労使関係は相互信頼により円満に推移しております。 なお、連結子会社には労働組合はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異2025年3月31日現在当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者5.150.085.686.378.9 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.男女間賃金格差の主な要因は、女性管理職比率が低いためとなっております。 女性管理職比率の向上は今後の事業運営においても重要な課題と認識しており、自身のキャリアを改めて考える研修の実施や、仕事と育児の両立を支援する各種制度の整備を行っております。 4.連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、以下の基本理念と行動指針からなる企業理念に沿って経営を行ってまいります。 基本理念私たち古河電池は、常に挑戦者であり続けることをスローガンとし、公正と誠実をモットーに、株主、従業員、お客様、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーの期待に応えるため、永年にわたり培って来た技術力を核にして、絶え間ない革新を図り、持続的な成長と中長期的企業価値の向上を目指し、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。 行動指針 私たちは挑戦者である。 ・常に高い倫理観をもち、公正、誠実に行動します。 ・あらゆる業務において革新、改革、改善に挑戦します。 ・現場・現物・現実を直視し、ものごとの本質を捉えます。 ・主体的に考え、互いに協力して迅速に行動し、粘り強くやり遂げます。 ・組織を超えて対話を重ね、高い目標に向けて相互研鑽に努めます。 (2)目標とする経営指標当社グループでは、以下の経営指標を目標として掲げております。 指標2025年3月期連結業績2026年3月期連結業績目標売上高(百万円)84,81884,000営業利益(百万円)5,5004,600営業利益率(%)6.5%5.5% 上記経営指標は以下の前提条件に基づいております。 2025年3月期連結業績2026年3月期連結業績目標鉛LME価格(US$/t)2,0732,170鉛建値(千円/t)376380為替(円/US$)154143※2022年5月12日発表の「2022~2025年度 中期経営計画の策定に関するお知らせ」で掲げている目標値に対し鉛の価格や為替等といった前提条件が大きく変動したため、計画の最終年度である2026年3月期につきましては、上記経営指標を目標と定めております (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題1.中長期的な会社の経営戦略について当社は中長期的にサステナブル視点で事業を強化・拡大し、お客様や社会から期待に応えられる会社となるべく、(1) SDGsの目標達成に貢献するグローバル戦略の推進、 (2) 基幹事業である鉛電池での収益向上、(3) 次世代電池を含む新製品開発と新しいソリューションビジネスの立上げ、(4) サステナブル経営のための人材育成による革新力の蓄積、を基本方針と定めております。 具体的な施策としてソリューションビジネスであるESS(Energy Storage System)事業等新製品の開発・新規事業の立上げや、海外パートナーシップの拡大による事業展開に注力してまいります。 詳細は、2022年5月12日発表の「2022~2025年度 中期経営計画の策定に関するお知らせ」をご確認ください。 2.対処すべき課題について今後の見通しについては、米国の相互関税が世界経済に大きなインパクトを与えるなど、当社グループを取り巻く環境は不透明な状況が続くと予想されます。 また、中長期的には、再生可能エネルギー等拡大が見込まれる市場はあるものの、主力事業である国内鉛蓄電池の成長率は鈍化が見込まれております。 そのような状況下、生産の効率化等で既存事業の競争力を強めるとともに、主に新興国市場での海外事業の拡大や、新製品や新規事業の立上げ、またそれらを達成するための人材育成を重要な課題ととらえ、施策を行ってまいります。 事業別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。 自動車事業については、自動車産業が国内においては回復傾向にあるものの、東南アジア市場を中心とした自動車ローン審査の厳格化、並びに中国製EVの拡大により、鉛蓄電池需要の大きな拡大は期待できないと予想されます。 一方で先進国市場を中心に、引き続き電動化・自動化・サ-ビス化といった業界の構造再編が進むと見ています。 そのような状況下、それぞれの市場において競争力のある製品や品質・サ-ビスを提供すると共に、新たな海外市場の攻略やインドネシア事業の収益力の強化を重要な課題ととらえ、施策を行ってまいります。 産業事業については、再生可能エネルギー関連市場やデータセンター、スマートグリッド向け等の需要の拡大が引き続き見込まれるものの、価格競争が一層激化すると予想されます。 そのような状況下、海外市場への展開、また電池の特徴を活かしたソリュ-ションビジネスにつながるESS (Energy Storage System) 事業の立ち上げを進めることを重要な課題ととらえ、実現してまいります。 これらの取り組みへの挑戦を通して、古河電池グループが持てる力を最大化し、市場軸・製品軸両方の事業領域を拡大させていくことで、持続的な成長と中長期的企業価値の向上を目指すとともに、ESG経営を推進することで真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献いたします。 そして、より一層必要とされ、親しまれる企業を目指してまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社は、事業活動におけるCO₂排出量の削減活動を進めておりますが、気候変動に関するリスク・機会が経営上の重要課題であることも認識し、TCFD提言に賛同しました。 今後も蓄電池や電源製品の製造・販売、更にESS事業も新たな取組みとして加え、真に豊かで持続可能な社会の実現に向け、TCFDを活用した気候変動対策を通して地球環境の保護に努めると共に、ステークホルダーの皆様との信頼関係を強化して企業価値の向上につなげてまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)ガバナンス 当社は、気候変動に関する問題を重要課題の一つとして位置づけています。 代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ及びマテリアリティに関する重要事項を審議しています。 そして、審議した内容を取締役会に定期的に報告しています。 なお、サステナビリティ委員会のもとにはTCFDに関するワーキンググループを設置し、気候変動に関する取組みを管理・推進しています。 (2)戦略 当社は、気候変動に関するリスクと機会を「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でシナリオ特定と評価を実施し、IPCC/RCP8.5(平均気温4℃以上上昇)とIPCC/SR1.5(平均気温上昇1.5℃以内)のシナリオとその他の社内外情報を基に事業影響や顕在可能性等を評価検討しました。 区分分類時期事業への影響対応顕在可能性と影響移行リスク規制短期カーボンプライシングの導入・拡大による事業収益への影響・太陽光発電設備を増設し使用電力の一部をグリーン電力(再生可能エネルギー)に変更することによる、CO₂排出量の抑制1.5℃シナリオ顕在可能性:高影響:大 4℃シナリオ顕在可能性:低影響:小テクノロジー・市場中期サステナブル対応のための設備導入コストの増加による事業収益への影響・中長期的に収益へと繋がる設備の導入、並びに工場の再構築・電池製品の長寿命化、ESSの提供物理リスク慢性長期平均気温上昇に伴う職場環境悪化による、職場環境の維持のためのエネルギーコストの増加・グリーン電力や低炭素設備を使用することによる、気温上昇に対応した職場環境への改善1.5℃シナリオ顕在可能性:中影響:小 4℃シナリオ顕在可能性:高影響:大急性気候変動により異常気象が増加し、被害甚大化で調達先サプライチェーン寸断等に起因する生産停止による損失の拡大・調達先サプライチェーン寸断対策のための調達先の複数化・海外拠点のサプライチェーンにおいては、国外からの調達先確保の検討機会製品とサービス中期再生可能エネルギー普及拡大による、電力安定供給に貢献できる高効率な蓄電池や蓄電システムの需要増加・蓄電システムの外注生産検討も含めた生産性の向上・汎用性の高いESS製品の事業化1.5℃シナリオ顕在可能性:高影響:大 4℃シナリオ顕在可能性:低影響:小 また、当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、人材は企業の持続的な発展や経営戦略の実現に欠かせない要素であると考え、社員一人ひとりの安全と心身の健康を守ることを最優先とし、さらに、個人が自身の能力を最適に発揮し、課題の解決にむけた挑戦意欲を高めることを目指しています。 この前提のもと「人権の尊重」・「ダイバーシティの推進」・「人材育成の推進」を経営のマテリアリティ(重要課題)として掲げ、多様な人材がやりがいを持って活躍できる環境や制度の整備に注力しています。 (3)リスク管理 当社は、リスクを「当社グループの事業目的の達成に重要な影響を与え得る損失の危険を伴う不確定要素」と定義しています。 気候変動に関する事業活動におけるリスクを気候変動対策推進ワーキンググループで検討し、サステナビリティ委員会での審議、取締役会での承認を経て、リスクマネジメント委員会と連携してリスクを管理しています。 (4)指標及び目標 当社は、気候変動に関する指標を温室効果ガス排出量(事業活動における温室効果ガス排出量(Scope1,2))と定め「2030年における国内事業場のGHG排出量の削減目標を2021年度比42%減」に目標設定しました。 脱炭素社会実現へ貢献するため、CO₂削減の中期計画を策定し、グリーン電力導入や低炭素設備導入などの取組みを実施し、2030年度におけるGHG排出量削減目標の達成に向け、排出量削減を含む省エネ活動を推進してまいります。 また、当社は、上記 (2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、2025年度までに「人権の尊重」では「国内グループ会社を含む人権デュー・デリジェンスの実施」、「ダイバーシティの推進」では「女性管理職比率5%以上」、「人材育成の推進」では「階層別研修の対象者の参加率100%」とする目標の達成に向けた活動を推進してまいります。 |
戦略 | (2)戦略 当社は、気候変動に関するリスクと機会を「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分でシナリオ特定と評価を実施し、IPCC/RCP8.5(平均気温4℃以上上昇)とIPCC/SR1.5(平均気温上昇1.5℃以内)のシナリオとその他の社内外情報を基に事業影響や顕在可能性等を評価検討しました。 区分分類時期事業への影響対応顕在可能性と影響移行リスク規制短期カーボンプライシングの導入・拡大による事業収益への影響・太陽光発電設備を増設し使用電力の一部をグリーン電力(再生可能エネルギー)に変更することによる、CO₂排出量の抑制1.5℃シナリオ顕在可能性:高影響:大 4℃シナリオ顕在可能性:低影響:小テクノロジー・市場中期サステナブル対応のための設備導入コストの増加による事業収益への影響・中長期的に収益へと繋がる設備の導入、並びに工場の再構築・電池製品の長寿命化、ESSの提供物理リスク慢性長期平均気温上昇に伴う職場環境悪化による、職場環境の維持のためのエネルギーコストの増加・グリーン電力や低炭素設備を使用することによる、気温上昇に対応した職場環境への改善1.5℃シナリオ顕在可能性:中影響:小 4℃シナリオ顕在可能性:高影響:大急性気候変動により異常気象が増加し、被害甚大化で調達先サプライチェーン寸断等に起因する生産停止による損失の拡大・調達先サプライチェーン寸断対策のための調達先の複数化・海外拠点のサプライチェーンにおいては、国外からの調達先確保の検討機会製品とサービス中期再生可能エネルギー普及拡大による、電力安定供給に貢献できる高効率な蓄電池や蓄電システムの需要増加・蓄電システムの外注生産検討も含めた生産性の向上・汎用性の高いESS製品の事業化1.5℃シナリオ顕在可能性:高影響:大 4℃シナリオ顕在可能性:低影響:小 また、当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、人材は企業の持続的な発展や経営戦略の実現に欠かせない要素であると考え、社員一人ひとりの安全と心身の健康を守ることを最優先とし、さらに、個人が自身の能力を最適に発揮し、課題の解決にむけた挑戦意欲を高めることを目指しています。 この前提のもと「人権の尊重」・「ダイバーシティの推進」・「人材育成の推進」を経営のマテリアリティ(重要課題)として掲げ、多様な人材がやりがいを持って活躍できる環境や制度の整備に注力しています。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社は、気候変動に関する指標を温室効果ガス排出量(事業活動における温室効果ガス排出量(Scope1,2))と定め「2030年における国内事業場のGHG排出量の削減目標を2021年度比42%減」に目標設定しました。 脱炭素社会実現へ貢献するため、CO₂削減の中期計画を策定し、グリーン電力導入や低炭素設備導入などの取組みを実施し、2030年度におけるGHG排出量削減目標の達成に向け、排出量削減を含む省エネ活動を推進してまいります。 また、当社は、上記 (2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、2025年度までに「人権の尊重」では「国内グループ会社を含む人権デュー・デリジェンスの実施」、「ダイバーシティの推進」では「女性管理職比率5%以上」、「人材育成の推進」では「階層別研修の対象者の参加率100%」とする目標の達成に向けた活動を推進してまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | また、当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、人材は企業の持続的な発展や経営戦略の実現に欠かせない要素であると考え、社員一人ひとりの安全と心身の健康を守ることを最優先とし、さらに、個人が自身の能力を最適に発揮し、課題の解決にむけた挑戦意欲を高めることを目指しています。 この前提のもと「人権の尊重」・「ダイバーシティの推進」・「人材育成の推進」を経営のマテリアリティ(重要課題)として掲げ、多様な人材がやりがいを持って活躍できる環境や制度の整備に注力しています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | また、当社は、上記 (2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、2025年度までに「人権の尊重」では「国内グループ会社を含む人権デュー・デリジェンスの実施」、「ダイバーシティの推進」では「女性管理職比率5%以上」、「人材育成の推進」では「階層別研修の対象者の参加率100%」とする目標の達成に向けた活動を推進してまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)為替相場の変動による影響について①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれており、為替相場の変動が当社グループの売上高、売上原価や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策外貨での取引を行う場合で取引開始から決済まで期間が長期に及ぶなど、為替変動リスクが高い取引については、為替予約取引を行い、為替変動リスクを回避いたします。 (2)主要製品に使用される原材料の価格変動について①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループの主要製品に使用される原材料(鉛・ニッケル)は、その価格変動率が大きく、当社グループの売上高、売上原価や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策原材料の購入のうち一部についてはコモディティスワップ取引を行い、価格変動リスクを回避しております。 (3)海外活動に潜在するリスクについて①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループは、現在海外で生産・販売を行っておりますが、地域によっては政治的及び社会的リスクがあり、当社グループの売上高、売上原価および特別損失や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期一部地域については過去にクーデターが発生しており、今後も発生する可能性は高いと想定されます。 また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策グループBCP(事業継続計画)を的確に構築・実行して業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるため、平時から準備しております。 なお、ウクライナ情勢については、経済制裁や各国規制等による営業活動への影響はあるものの当社グループの業績及び財政状態に与える影響は軽微と見込んでおります。 (4)債権の回収リスクについて①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループは、取引先の業績悪化等により特に取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当社グループの一般管理費や営業債権等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期与信管理の徹底により顕在化の可能性は低いと想定しておりますが、景気動向等により急激に可能性が高まる事も想定しております。 また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策取引先の信用リスクに対して細心の注意を払い与信管理体制を強化しております。 (5)大規模災害等の影響について①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループの製造拠点は、国内では栃木県、福島県にあり、海外ではタイ、インドネシアにあります。 東日本大震災では、国内の両事業所が少なからず被害を受け、タイの大洪水では、取引先企業の操業停止の影響を受け一時操業停止となりました。 今後、地震や風水害などの自然災害、伝染病・感染症の流行による影響を受け、部品供給が不可能、あるいは遅延する恐れがあり、当社グループの売上高、売上原価および特別損失や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期今後も大規模な災害や感染症の流行等が発生する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策BCPを的確に構築・実行して業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるため、平時から準備しております。 (6)金利の上昇について①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。 したがって、金利上昇により支払利息が増加する可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策返済期間が長期間になる場合等、金利変動リスクが高い取引については、金利スワップ取引を行い金利変動リスクを回避いたします。 (7)資産について①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容当社グループが保有する資産の一部については時価や事業計画から算定された将来キャッシュ・フローに基づく会計上の見積りにより計上されており、市況や事業環境の悪化によって、当社グループが保有する資産の市場価格が著しく低下する場合や事業計画が達成出来ない場合等においては減損損失や引当金の計上等により当社グループの経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期市場動向や事業計画の状況によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策市場動向や事業計画の進捗状況について定期的なモニタリングを行っており、早期の兆候把握に努めております。 (8)サイバー攻撃等のリスクについて①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容サイバー攻撃や不正アクセス等の外的要因や人為的要因等に起因する情報流出による不正使用、システム障害による事業活動停止等のリスクがあり、当社グループの売上高、売上原価および特別損失や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策情報セキュリティ基本方針のもと、セキュリティガバナンス強化を行っております。 (9)気候変動リスクについて①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容気候変動に伴うサステナブル対応のための設備導入や平均気温上昇に伴う職場環境悪化による、職場環境の維持のためのエネルギーコストの増加等のリスクがあり、当社グループの売上高、売上原価および特別損失や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。 ②顕在化の可能性および発生時期常に発生するリスクが考えられます。 ③対応策気候変動に関する事業活動におけるリスクを気候変動対策推進ワーキンググループで検討し、サステナビリティ委員会での審議、取締役会での承認を経て、リスクマネジメント委員会と連携してリスクを管理しています。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当社グループの売上高は前期比9,362百万円(12.4%)増加し84,818百万円となりました。 営業利益は前期比2,267百万円増加し5,500百万円(前期は営業利益3,233百万円)、経常利益は前期比2,309百万円増加し5,726百万円(前期は経常利益3,417百万円)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は前期比330百万円減少し2,244百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益2,574百万円)となりました。 ②財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて3,218百万円増加し68,679百万円となりました。 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比46百万円減少の27,508百万円となりました。 当連結会計年度末における純資産は、前期比3,264百万円増加の41,171百万円となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,544百万円のプラスとなりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、3,379百万円のマイナスとなりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、757百万円のプラスとなりました。 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ2,653百万円増加し11,463百万円となりました。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)自動車(百万円)55,74210.1産業(百万円)25,33817.9リチウム(百万円)5084.9不動産(百万円)--報告セグメント計(百万円)81,13012.4その他(百万円)--合計(百万円)81,13012.4(注)金額は標準販売価格により表示しております。 b.受注実績 当社グループは、主力製品である自動車用蓄電池について、主として見込生産を行っているため、受注高、受 注残高について特記すべき事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)自動車(百万円)59,19711.8産業(百万円)25,23914.2リチウム(百万円)106△2.2不動産(百万円)263△2.7報告セグメント計(百万円)84,80712.4その他(百万円)10△3.7合計(百万円)84,81812.4(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先が無いため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定のうち重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)経営成績の分析当連結会計年度における世界経済は、欧米の金融引締めや中国の不動産市場の停滞による景気の下振れリスク等により先行き不透明な状況にあります。 我が国経済においては、雇用・所得環境の改善の下、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復傾向となりました。 一方で海外景気の減速が景気の下振れリスクとなっている他、物価上昇の継続、通商政策などアメリカの政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。 蓄電池業界においては、カーボンニュートラルに向けた、再生可能エネルギーの利用拡大が着実に進み、また、最近は少し動きが鈍化しているとはいえ、世界的に自動車の電動化が進む事は確実なトレンドであります。 一方で、円安による資源コストの上昇や地政学的リスクが引き続き課題となり、厳しい経営環境となる事が想定されます。 当社グループにおいては中長期的にサステナブル視点で事業を強化・拡大し、お客様や社会から期待に応えられる会社となるべく、「SDGsの目標達成に貢献するグローバル戦略の推進」「基幹事業である鉛電池での収益向上」「次世代電池を含む新製品開発と新しいソリューションビジネスの立上げ」「サステナブル経営のための人材育成による革新力の蓄積」を推進してまいりました。 (経営成績)当社グループの売上高は前期比9,362百万円(12.4%)増加し84,818百万円となりました。 これは、主に自動車向けの販売が堅調に推移した事によります。 このうち海外売上高は34,046百万円となり、売上高全体の40.1%となりました。 損益面につきましては、営業利益は原材料並びに部品価格等が高騰したものの、国内外での販売が堅調に推移したことにより前期比2,267百万円増加し5,500百万円(前期は営業利益3,233百万円)、経常利益は前期比2,309百万円増加し5,726百万円(前期は経常利益3,417百万円)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は前期比330百万円減少し2,244百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益2,574百万円)となりました。 セグメント別の状況は以下の通りです。 なお、セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高2,536百万円を含み、セグメント利益は営業利益ベースの数値であります。 自動車の売上高は前期比6,538百万円(11.9%)増の61,186百万円、セグメント利益は前期比867百万円(27.7%)増の3,994百万円となりました。 これは、国内およびタイ・インドネシア市場での販売が堅調に推移したこと等によります。 産業の売上高は前期比3,145百万円(14.1%)増の25,360百万円となりました。 セグメント利益は前期比1,431百万円(435.6%)増の1,760百万円となりました。 これは、海外を含む鉄道車両向けやデータセンター向けの販売が堅調に推移したこと等によります。 リチウムの売上高は前期比2百万円(△2.1%)減の106百万円、セグメント損失は314百万円(前期はセグメント損失269百万円)となりました。 これは、販売は前期同水準でしたが市場の立ち上がり途上であることから損失が発生しております。 不動産の売上高は前期比7百万円(△2.5%)減の283百万円、セグメント利益は前期比13百万円(△18.4%)減の61百万円となりました。 これは、賃料収入が減少したこと、また修繕による賃貸原価が前年に比べ増加したことによるためであります。 その他の売上高は前期比96百万円(30.0%)増の417百万円、セグメント損失は0百万円(前期はセグメント損失28百万円)となりました。 (b)財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて3,218百万円増加し68,679百万円となりました。 流動資産は、前期末比2,381百万円増加し39,168百万円となり、固定資産は、前期末比837百万円増加し29,511百万円となりました。 流動資産増加の主な要因は、現金及び預金、有価証券の増加等によるものであります。 固定資産のうち、有形固定資産は、前期末比514百万円増加し25,200百万円となりました。 この増加の主な要因は、海外子会社の為替換算影響等によるものであります。 投資その他の資産は、前期末比27百万円減少し2,966百万円となりました。 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比46百万円減少し27,508百万円となりました。 流動負債は、前期末比1,866百万円増加し20,717百万円、固定負債は、前期末比1,912百万円減少し6,790百万円となりました。 有利子負債(短期借入金及び長期借入金の合計額)は、前期末比1,744百万円増加し8,401百万円となりました。 また、当連結会計年度末における自己資本は、前期末比3,162百万円増加し39,829百万円となり、自己資本比率は、前期末の56.0%から58.0%となりました。 (c)キャッシュ・フローの分析(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が3,246百万円、減価償却費が3,294百万円、利息及び法人税等の支払額1,109百万円等により全体としては4,544百万円のプラスとなりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,825百万円等により3,379百万円のマイナスとなりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減による収入2,584百万円、長期借入金の返済による支出1,000百万円等により757百万円のプラスとなりました。 以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ2,653百万円増加し11,463百万円となりました。 なお、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 (資金需要)当社グループの資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。 (財務政策)短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、投資を目的とした資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 なお、これら運転資金及び設備を目的とした資金につきましては、国内・海外子会社のものを含め当社にて管理しております。 (d)経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に同一の内容を記載しておりますので、記載を省略しております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社及び当社の関係会社は、自動車、各種産業用二次電池、電源及び応用機器メーカーとして、電気エネルギーの貯蔵・変換と高効率化に関する研究開発を推進し、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池、それらの周辺機器及び電源装置の新製品、新技術、新プロセス、要素・基盤技術、次世代蓄電池技術、環境対応技術の開発を行っております。 また、各種製品の品質・信頼性の改善並びに生産性向上とコストダウンを図るための基盤技術、生産技術、設備技術の開発も積極的に実施しております。 さらに、これらの研究開発活動を通して環境配慮型製品の開発と提供、省エネ生産プロセスの開発を推進し、SDGs達成に貢献する事業活動の一翼を担っております。 当連結会計年度における研究開発費総額は1,961百万円であります。 セグメント別の研究開発費の内訳は自動車1,066百万円、産業858百万円、リチウム36百万円となっております。 各分野別の研究の目的、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。 自動車用鉛蓄電池の分野では、顧客要求に応える現用電池を性能改善した通常車用鉛蓄電池(「Altica[アルティカ]」シリーズ)、アイドリングストップ車用鉛蓄電池(「ECHNO[エクノ] IS UltraBattery」、スタンプフォーム製法による打ち抜き格子体を採用した「ECHNO[エクノ] IS」など)に加え、グローバル標準規格であるEN規格(欧州統一規格)対応鉛蓄電池(「ECHNO[エクノ] EN Premiumシリーズ」、「ECHNO[エクノ] EN High Gradeシリーズ」)に、容量・大電流放電性能と寿命性能を向上させたHEVタクシー対応「LYDEN[ライデン] ENシリーズ」を追加して3ラインナップ化し、国内・海外の新車メーカーの採用拡大と、環境規制に伴うBEV、HEV、及びIS車へと幅広く対応しつつ市販展開の拡大を鋭意進めるなど、幅広い顧客要求に対応しております。 産業用鉛蓄電池の分野では、現用電池の性能改善とコストダウンを進めると共に、カーボンニュートラルの実現に資する系統運用、太陽光・風力発電電力需給調整用蓄電池として、サイクルユース用制御弁式鉛蓄電池「FCP」シリーズと、産業用キャパシタハイブリッド型鉛蓄電池「UltraBattery」の市場展開と拡販を進めております。 系統安定化用の市場ニーズとしては、“寿命20年”というこれまでにない高い寿命性能が求められており、サイクルユース用制御弁式鉛蓄電池「FCP-S」シリーズを市場展開し拡販を進めております。 当社の今市事業所に設置した太陽光パネルにより発電した電力を「FCP」鉛蓄電池に貯め、事務所設備、電気自動車に使用するESS(電力貯蔵システム)を導入し、運用を続けております。 アルカリ蓄電池では、鉄道車両用電池の性能向上と拡販のため実車試験とベンチ試験を進めております。 また、顧客要求に対応した新形電池及び電池関連機器の新製品開発及び基盤技術・生産技術の向上とコストダウンに向けた取り組みを引き続き進めております。 電源機器の分野では、電源装置の品種拡大と性能向上及び特定用途電源の開発を進めております。 系統安定化用などサイクルユース用鉛蓄電池の需要の高まりを受けて、既に製品化している鉛蓄電池のSOC(充電状態)を把握するBMU (Battery Monitoring Unit)において、2024年度は、鉛蓄電池用BMUの簡易型SOC算出システム開発を行い、SOC精度向上とコストダウンを両立させた取り組みを進めております。 リチウムイオン電池の分野では、積層ラミネート型リチウムイオン電池事業を拡大するため、産業用向け電池開発を進めております。 宇宙用途では、当社製リチウムイオン電池が搭載された小型月着陸実証機「SLIM」のミッション達成を受けて宇宙航空研究開発機構(JAXA)より感謝状を拝受し、またSLIMがJAXAと当社を含む12社合同で第54回日本産業技術大賞 文部科学大臣賞を受賞しました。 引き続き、小惑星探査機「はやぶさ2」、金星探査機「あかつき」、及び水星磁気圏探査機「みお」の運用を支援しております。 一方、厳しさを増す品質、性能、価格競争に対応するため、各種の規格値を満足させつつ、電池設計の見直しや活物質の利用率向上による材料のセービング及び耐久性の向上による寿命性能の改善を図るなど、様々なコストダウン及び基盤技術開発に精力的に取り組んでおります。 更に、新設備の導入や新材料の適用による工程品質改善、材料ロスの低減、工程屑鉛のリサイクル、工程の見える化、省エネ、生産プロセスの開発などに加え、工場のDX化や協働ロボット化による省力化・省人化を推進しております。 コンピュータシミュレーション技術の活用では、強度解析や電気伝導解析、熱解析などを行うことで製品設計の高度化を図り、また鋳造解析や射出成型解析では工程製造条件の適正化による品質と生産性の向上の検討を行っております。 更に3D-CADや各種3D造形機を導入活用することで、試作造形のスピードアップを図り、短期間で製品開発が可能な環境づくりを進めております。 また社内の研究開発活動をよりスムーズに行えるよう、研究員に対しCAD/CAM/CAEに関する教育を行っております。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度に自動車、産業セグメントを中心に実施した設備投資の額は3,765百万円であり、その主要なものは次のとおりであります。 日本での自動車用電池及び産業用電池において生産合理化のためにそれぞれ265百万円、880百万円の投資を行いました。 そのほかにシステム部門では、新販売管理システム構築のために411百万円の設備投資を実施しました。 また、タイでの自動車用電池の製造設備に対して1,296百万円の設備投資を実施しました。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は以下のとおりであり、現在休止中の主要な設備はありません。 (1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計今市事業所(栃木県日光市)自動車産業蓄電池等生産設備1,4691,4311,096(147,999)[860]282444,270389いわき事業所(福島県いわき市)他1工場自動車産業蓄電池等生産設備1,9491,2031,024(107,764)[3,880]2412394,658445本社(神奈川県横浜市保土ケ谷区)自動車産業その他設備4531492(880)[485]025973190倉敷配送センター(岡山県倉敷市)自動車物流設備20167(4,499)-1171-->今市社員寮(栃木県日光市)他2社員寮自動車産業その他設備187-189(8,550)-0377-->(注)1.帳簿価額には建設仮勘定の金額を含んでおりません。 2.上記中[外書]は、連結会社以外から賃借した土地の面積(㎡)であります。 3.上記中〈外書〉は、臨時従業員数であります。 (2)国内子会社2025年3月31日現在 会社名所在地セグメントの名称設備の 内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計HDホールディングス㈱東京都品川区不動産その他設備683-2,984(13,708)-13,6696(注)1.帳簿価額には建設仮勘定の金額を含んでおりません。 2.上記中〈外書〉は、臨時従業員数であります。 (3)在外子会社2025年3月31日現在 会社名所在地セグメントの名称設備の 内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産 その他合計SIAM FURUKAWACO.,LTD.タイサラブリ自動車蓄電池等生産設備1,2962,947470(75,044)12834,846956PT.FURUKAWA INDOMOBIL BATTERY MANUFACTURINGインドネシアプルワカルタ自動車蓄電池等生産設備1,2191,0951,408(66,813)-593,782194(注)1.帳簿価額には建設仮勘定の金額を含んでおりません。 2.上記中〈外書〉は、臨時従業員数であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了今市事業所栃木県日光市自動車産業蓄電池等生産設備435-自己資金及び借入金2025年4月2026年3月-いわき事業所福島県いわき市自動車産業蓄電池等生産設備979-自己資金及び借入金2025年4月2026年3月-SIAMFURUKAWACO.,LTD.タイサラブリ自動車蓄電池等生産設備1,443-自己資金及び借入金2025年4月2026年3月-(注)完成後の増加能力については生産品目が多種多様にわたっており、算定が困難であるため記載しておりません。 (2)重要な設備の除却等 当連結会計年度末現在において除却等を予定している重要な設備の計画は次のとおりであります。 2025年3月31日現在場所用途種類期末帳簿価額1.福島県いわき市製造設備工具、器具及び備品、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、建設仮勘定、ソフトウエア0百万円2.福島県いわき市開発・受託工具、器具及び備品、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、ソフトウエア0百万円(注)上記設備については、当連結会計年度において、事業継続断念の意思決定を受けて減損損失を計上しております。 |
研究開発費、研究開発活動 | 36,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 3,765,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 40 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 13 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,296,031 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方純投資株式…………………株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を得る事を目的とした投資株式。 なお、当社は純投資株式には投資いたしません。 純投資目的以外の株式……業務提携、取引の維持・強化を目的とした投資株式。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容1.保有方針業務提携、取引の維持・強化を目的とし、取引関係の強化によって得られる当社グループの利益と投資額等を総合的に勘案しております。 2.保有の合理性を検証する方法以下の定性・定量項目をもとに総合的に合理性を検証しております。 なお、検証項目については、今後も継続して検討いたします。 項目名備考定性項目取得の経緯-保有目的-取引関係の有無-保有しない場合のリスク-定量項目受取配当金、配当利回り-株式評価損益評価損益については貸借対照表上の「その他有価証券評価差額金」に計上されております。 WACC対比定量効果受取配当金がWACC(加重平均資本コスト)に見合っているかを検証しております。 3.個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容保有の合理性に加え毎期所管部門へ保有の必要性についても確認し、総合的に保有の適否を判断しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式497非上場株式以外の株式21,132 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式32非上場株式以外の株式-- ③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 97,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,132,000,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(百株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 古河電気工業株式会社東京都千代田区大手町2-6-4187,81257.30 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1-8-117,6545.39 BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)PETERBOROUGH COURT 133 FLEET STREET LONDON EC4A 2BB UNITED KINGDOM(東京都千代田区丸の内1-4-5)12,9873.96 JP JPMSE LUX RE UBS AG LONDON BRANCH EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)BAHNHOFSTRASSE 45 ZURICH SWITZERLAND 8098(東京都千代田区丸の内1-4-5)8,2772.53 JP JPMSE LUX RE NOMURA INT PLC 1 EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1 ANGEL LANE LONDON - NORTH OF THE THAMES UNITED KINGDOM EC4R 3AB(東京都千代田区丸の内1-4-5)7,7162.35 古河電池取引先持株会神奈川県横浜市保土ケ谷区星川2-4-15,4241.65 NOMURA INTERNATIONAL PLC A/C JAPAN FLOW(常任代理人 野村證券株式会社)1 ANGEL LANE, LONDON, EC4R 3AB,UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1-13-1)5,3441.63 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町1-9-7)4,8841.49 朝日生命保険相互会社東京都新宿区四谷1-6-13,5201.07 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1-8-123,1470.96計-256,76678.34 なお、野村證券株式会社から、2025年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)により、2025年3月31日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりません。なお、その大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。提出者及び共同保有者名保有株券等の数(百株)株券等保有割合(%)野村證券株式会社1,2950.39ノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)12,0023.66野村アセットマネジメント4,5471.39計17,8455.44 |
株主数-金融機関 | 13 |
株主数-金融商品取引業者 | 26 |
株主数-外国法人等-個人 | 5 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 55 |
株主数-個人その他 | 4,230 |
株主数-その他の法人 | 83 |
株主数-計 | 4,412 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 株式会社日本カストディ銀行(信託口) |
株主総利回り | 3 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式104140,122当期間における取得自己株式--(注)当期間における保有自己株式数には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式32,800,000--32,800,000合計32,800,000--32,800,000自己株式 普通株式 (注)22,332104-22,436合計22,332104-22,436(注)普通株式の自己株式数の増加は、単元未満株式の買取りによる増加であります。 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任監査法人ト ー マ ツ |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月23日 古 河 電 池 株 式 会 社 取 締 役 会 御 中 有限責任監査法人ト ー マ ツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士矢野 浩一 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中川 満美 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている古河電池株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、古河電池株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 産業セグメントの収益認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表における【注記事項】 (セグメント情報等)に記載のとおり、2025年3月期における産業セグメントの売上高は25,239百万円であり、そのほとんどを古河電池株式会社が占めている。 また、産業セグメントの売上高は連結損益計算書の売上高の29%を占めている。 産業セグメントの売上高は自動車以外の用途に使用される鉛蓄電池のほか、アルカリ蓄電池、整流器等の電源機器、工事及び点検サービス等に係る売上高である。 当該売上高は、受注時に数量・単価等の情報を基幹システムに入力し、出荷の事実もしくは工事完了の事実をもって売上が計上される仕組みになっており、会社は、受注情報の入力時に内部規程に合致した取引条件であるか、注文書と合致しているか、出荷日もしくは工事完了日に誤りがないかを承認権限者が検証の上承認する内部統制を構築している。 一方で、産業セグメントの売上高は、他の事業セグメントと比較すると、製品・顧客毎に様々なスペック・仕様が存在し、相対的に製品の個別性が高く、また、製品の販売に工事サービスが付随する複合的な取引となる場合がある等の特性があるため、売上高の計上金額及び計上時期を誤る可能性がある。 さらに、産業セグメントの一部の製品については、顧客の予算の関係等により期末日付近である2月及び3月に売上計上が集中するものがあり、これらの製品については、計上時期が適切であるかについて特に注意を要する。 以上より、産業セグメントの売上高は金額的に重要であり、虚偽表示が生じた場合には会社の経営成績に重要な影響を与える可能性があることから、産業セグメントの売上高は監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、産業セグメントの売上高について、計上した金額・時期が適切であるかどうかについて検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ①内部統制の評価・産業セグメントの売上高に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、特に以下の点に焦点を当てて検討した。 - 内部規程に合致しない案件の受注を防止するための統制- 顧客からの注文に基づいて、基幹システムに数量・単価を正確に入力するための統制- 出荷の事実もしくは工事完了の事実に基づいて売上高を計上するための統制 ②実証手続・計上時期の適切性に特に注意が必要な2月及び3月に売上高が集中して計上される製品については、組織別に推移分析を実施し、特に計上時期の偏りが顕著な高リスク領域を特定した。 特定した領域に含まれる取引の計上時期の適切性について、運送業者の発送伝票・工事完了書等の出荷や工事完了の事実を示す外部証憑に加えて、販売活動や工事に係る経費の外部証憑も評価し、関連する費用の発生時期との整合性にも着目した多面的な検討を行った。 ・上記を除く売上高については、通期の売上データから無作為に抽出したサンプルについて、取引に応じて契約書や注文書、運送業者の発送伝票、工事完了書、検収書、支払通知書等の関連する外部証憑と突合し、計上金額及び時期の合理性を検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、古河電池株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、古河電池株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 産業セグメントの収益認識監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表における【注記事項】 (セグメント情報等)に記載のとおり、2025年3月期における産業セグメントの売上高は25,239百万円であり、そのほとんどを古河電池株式会社が占めている。 また、産業セグメントの売上高は連結損益計算書の売上高の29%を占めている。 産業セグメントの売上高は自動車以外の用途に使用される鉛蓄電池のほか、アルカリ蓄電池、整流器等の電源機器、工事及び点検サービス等に係る売上高である。 当該売上高は、受注時に数量・単価等の情報を基幹システムに入力し、出荷の事実もしくは工事完了の事実をもって売上が計上される仕組みになっており、会社は、受注情報の入力時に内部規程に合致した取引条件であるか、注文書と合致しているか、出荷日もしくは工事完了日に誤りがないかを承認権限者が検証の上承認する内部統制を構築している。 一方で、産業セグメントの売上高は、他の事業セグメントと比較すると、製品・顧客毎に様々なスペック・仕様が存在し、相対的に製品の個別性が高く、また、製品の販売に工事サービスが付随する複合的な取引となる場合がある等の特性があるため、売上高の計上金額及び計上時期を誤る可能性がある。 さらに、産業セグメントの一部の製品については、顧客の予算の関係等により期末日付近である2月及び3月に売上計上が集中するものがあり、これらの製品については、計上時期が適切であるかについて特に注意を要する。 以上より、産業セグメントの売上高は金額的に重要であり、虚偽表示が生じた場合には会社の経営成績に重要な影響を与える可能性があることから、産業セグメントの売上高は監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、産業セグメントの売上高について、計上した金額・時期が適切であるかどうかについて検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ①内部統制の評価・産業セグメントの売上高に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、特に以下の点に焦点を当てて検討した。 - 内部規程に合致しない案件の受注を防止するための統制- 顧客からの注文に基づいて、基幹システムに数量・単価を正確に入力するための統制- 出荷の事実もしくは工事完了の事実に基づいて売上高を計上するための統制 ②実証手続・計上時期の適切性に特に注意が必要な2月及び3月に売上高が集中して計上される製品については、組織別に推移分析を実施し、特に計上時期の偏りが顕著な高リスク領域を特定した。 特定した領域に含まれる取引の計上時期の適切性について、運送業者の発送伝票・工事完了書等の出荷や工事完了の事実を示す外部証憑に加えて、販売活動や工事に係る経費の外部証憑も評価し、関連する費用の発生時期との整合性にも着目した多面的な検討を行った。 ・上記を除く売上高については、通期の売上データから無作為に抽出したサンプルについて、取引に応じて契約書や注文書、運送業者の発送伝票、工事完了書、検収書、支払通知書等の関連する外部証憑と突合し、計上金額及び時期の合理性を検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 産業セグメントの収益認識 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表における【注記事項】 (セグメント情報等)に記載のとおり、2025年3月期における産業セグメントの売上高は25,239百万円であり、そのほとんどを古河電池株式会社が占めている。 また、産業セグメントの売上高は連結損益計算書の売上高の29%を占めている。 産業セグメントの売上高は自動車以外の用途に使用される鉛蓄電池のほか、アルカリ蓄電池、整流器等の電源機器、工事及び点検サービス等に係る売上高である。 当該売上高は、受注時に数量・単価等の情報を基幹システムに入力し、出荷の事実もしくは工事完了の事実をもって売上が計上される仕組みになっており、会社は、受注情報の入力時に内部規程に合致した取引条件であるか、注文書と合致しているか、出荷日もしくは工事完了日に誤りがないかを承認権限者が検証の上承認する内部統制を構築している。 一方で、産業セグメントの売上高は、他の事業セグメントと比較すると、製品・顧客毎に様々なスペック・仕様が存在し、相対的に製品の個別性が高く、また、製品の販売に工事サービスが付随する複合的な取引となる場合がある等の特性があるため、売上高の計上金額及び計上時期を誤る可能性がある。 さらに、産業セグメントの一部の製品については、顧客の予算の関係等により期末日付近である2月及び3月に売上計上が集中するものがあり、これらの製品については、計上時期が適切であるかについて特に注意を要する。 以上より、産業セグメントの売上高は金額的に重要であり、虚偽表示が生じた場合には会社の経営成績に重要な影響を与える可能性があることから、産業セグメントの売上高は監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表における【注記事項】 (セグメント情報等) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、産業セグメントの売上高について、計上した金額・時期が適切であるかどうかについて検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ①内部統制の評価・産業セグメントの売上高に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、特に以下の点に焦点を当てて検討した。 - 内部規程に合致しない案件の受注を防止するための統制- 顧客からの注文に基づいて、基幹システムに数量・単価を正確に入力するための統制- 出荷の事実もしくは工事完了の事実に基づいて売上高を計上するための統制 ②実証手続・計上時期の適切性に特に注意が必要な2月及び3月に売上高が集中して計上される製品については、組織別に推移分析を実施し、特に計上時期の偏りが顕著な高リスク領域を特定した。 特定した領域に含まれる取引の計上時期の適切性について、運送業者の発送伝票・工事完了書等の出荷や工事完了の事実を示す外部証憑に加えて、販売活動や工事に係る経費の外部証憑も評価し、関連する費用の発生時期との整合性にも着目した多面的な検討を行った。 ・上記を除く売上高については、通期の売上データから無作為に抽出したサンプルについて、取引に応じて契約書や注文書、運送業者の発送伝票、工事完了書、検収書、支払通知書等の関連する外部証憑と突合し、計上金額及び時期の合理性を検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人ト ー マ ツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月23日 古 河 電 池 株 式 会 社 取 締 役 会 御 中 有限責任監査法人ト ー マ ツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士矢野 浩一 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中川 満美 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている古河電池株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第90期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、古河電池株式会社の2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 産業セグメントの収益認識連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(産業セグメントの収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 産業セグメントの収益認識連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(産業セグメントの収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 産業セグメントの収益認識 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(産業セグメントの収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 1,766,000,000 |
商品及び製品 | 2,777,000,000 |
仕掛品 | 5,195,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 520,000,000 |
未収入金 | 347,000,000 |
その他、流動資産 | 447,000,000 |