財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-23 |
英訳名、表紙 | NIFCO INC. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 柴尾 雅春 |
本店の所在の場所、表紙 | 神奈川県横須賀市光の丘5番3号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 046(839)0225 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 実質上の存続会社について 当社(1946年10月設立、旧商号江東企業株式会社、株式の額面金額50円)は、「株式会社ニフコ(株式の額面金額500円)」(1967年2月設立、工業用ファスナー(留具)の製造、販売を行ってきた。 )と「日英物産株式会社」(1953年5月設立、葉たばこ、雑豆等の輸入、工業用ファスナー(留具)の輸出入、販売を行ってきた。 )が1977年10月に合併するにあたり、両社の株式額面を500円から50円に変更するため、形式上の存続会社となり、両社を吸収合併いたしました。 したがいまして、被合併会社のうち、売上並びに総資産において規模の優る株式会社ニフコ(株式の額面金額500円)を実質上の存続会社として記載いたします。 当社は、日英物産株式会社と米国イリノイ・ツール・ワークス社(工業用ファスナーのメーカーで世界各国に子会社、系列会社並びに提携会社を有している。 )との合弁により1967年2月13日、設立されました。 1967年2月日英物産株式会社と米国イリノイ・ツール・ワークス社は日本工業ファスナー株式会社(1970年12月株式会社ニフコと商号変更)を資本金48,000千円をもって設立し、同時にイリノイ・ツール・ワークス社と技術援助契約を締結する。 [なお、株式額面変更目的で、1977年10月に株式会社ニフコ(合併を前提に休眠会社江東企業株式会社を1977年5月26日に株式会社ニフコと商号変更した株式の額面金額50円の形式的存続会社)に吸収合併されたため、登記上の設立年月日は1946年10月8日となっている。 ]1969年7月大阪市西区に大阪営業所を設置する。 1976年12月愛知県豊田市に名古屋工場を新設する。 1977年10月日英物産株式会社を吸収合併する(株式の額面金額を500円から50円に変更)。 1978年5月福岡県京都郡に北九州営業所を設置する。 1979年7月東京証券取引所市場第2部に上場する。 1980年9月神奈川県相模原市に相模原工場を新設竣工する。 1982年4月栃木県河内郡に宇都宮事業所を新設竣工する。 1983年1月大阪営業所を大阪府吹田市に移転する。 1983年5月台湾台北市に合弁会社、台湾扣具工業股份有限公司を設立する。 1984年3月東京証券取引所市場第1部に指定される。 1984年4月静岡県浜松市に浜松出張所(現浜松営業所)を設置する。 1985年1月韓国亀尾市に合弁会社、Korea Industrial Fastener Corporation(現Nifco Korea Inc.)を設立する。 1986年11月米国オハイオ州に合弁会社、ITW-Nifco Inc.を設立する。 1987年7月中国香港に子会社、Nifco (HK) Ltd.を設立する。 1987年8月広島市安佐南区に広島事業所(現広島営業所)を新設竣工する。 1988年11月タイのバンコク市に合弁会社、Union Nifco Co., Ltd.を設立する。 1990年2月山形県山形市に合弁会社、株式会社JTニフコ(現株式会社ニフコ山形)を設立する。 1990年3月東京都港区に東京支社を設置する。 1990年7月英国クリーブランド州でElta Plastics Ltd.(現Nifco U.K. Ltd.)を買収する。 1990年10月マレーシアのセランゴール州に合弁会社、Nifco (Malaysia) SDN BHD.(現Nifco Manufacturing (Malaysia) Sdn. Bhd.)を設立する。 1991年12月熊本県菊池郡に合弁会社、株式会社九州JTニフコ(現株式会社ニフコ熊本)を設立する。 1995年7月シンガポールに子会社、Nifco (Singapore) Pte. Ltd.を設立する。 1996年3月中国上海市に子会社、上海利富高塑料制品有限公司を設立する。 1996年4月米国オハイオ州に子会社、Nifco U.S. Corporation(現Nifco America Corporation)を設立する。 1996年7月株式会社ジャパンタイムズ並びにシモンズ株式会社及びSimmons Bedding & Furniture (HK) Limited の株式を取得し、子会社とする。 1997年12月米国オハイオ州で合弁会社、ITW-Nifco Inc.の株式を取得し、Nifco U.S. Corporation(現Nifco America Corporation)を存続会社として合併させる。 1999年5月九州営業所を北九州市小倉北区に移転する。 2001年4月スペインのアクリプラス・グループ4社(Nifco Products Espana, S.L.U.)を買収する。 2001年11月中国広東省東莞市長安鎮に、台湾扣具工業股份有限公司との折半出資による子会社、台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司を設立する。 2002年2月中国広東省東莞市石龍鎮に子会社、東莞利富高塑料制品有限公司を設立する。 2002年6月台湾の合弁会社である台湾扣具工業股份有限公司の株式を買増しして子会社とする。 2002年7月タイのチョンブリ県に子会社、Nifco (Thailand) Co., Ltd.を設立する。 2004年11月中国北京市の通州区に子会社、北京利富高塑料制品有限公司を設立する。 2005年1月ベトナムのタイニン省に子会社、Kifco Vietnam Ltd.(現Nifco Vietnam Ltd.)を設立する。 2005年3月合弁会社である株式会社JTニフコ(現株式会社ニフコ山形)及び株式会社九州JTニフコ(現株式会社ニフコ熊本)の株式を、それぞれ買増しして子会社とする。 2006年2月ポーランドのシフィドニツァ市に子会社、Nifco Poland Sp.z o.o.を設立する。 2007年3月米国ケンタッキー州に子会社Nifco North America Inc.を設立する。 2007年6月ドイツのエシュボルン市に子会社、Nifco Deutschland GmbH(Nifco KTS GmbH)を設立する。 2008年9月タイの合弁会社であるUnion Nifco Co., Ltd.の株式を買い増しして子会社とする。 2008年10月米国アラバマ州に子会社、Nifco Korea USA Inc.を設立する。 2009年4月2009年5月2010年1月2010年4月子会社Nifco America Corporationが子会社Nifco North America Inc.を吸収合併する。 シモンズ株式会社が静岡県駿東郡に富士小山工場を新設竣工する。 中国天津市に子会社、利富高(天津)精密樹脂制品有限公司を設立する。 中国上海市に子会社、利富高企業管理(上海)有限公司を設立する。 2010年6月インドのグルガオン市に子会社、Nifco India Private Ltd.を設立する。 2010年7月インドのチェンナイ市に子会社、Nifco South India Manufacturing Private Ltd.を設立する。 2010年11月中国湖北省鄂州市に子会社、利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司を設立する。 2010年12月ポーランドのジョルィ市に子会社、Nifco Korea Poland Sp.z o.o.を設立する。 2011年1月中国江蘇省張家港市に子会社、利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司を設立する。 2011年5月インドネシアのジャカルタ市に子会社、PT.Nifco Indonesiaを設立する。 2011年6月中国江蘇省塩城市に子会社、利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司を設立する。 2012年7月メキシコのイラプアト市に子会社、Nifco Central Mexico S.de R.L.de C.V.を設立する。 2013年3月神奈川県横須賀市にニフコ技術開発センターを新設竣工する。 2013年4月ドイツのKTS社及びそのグループ会社を買収する。 2014年5月2015年1月2015年4月2015年9月2016年8月2018年4月2018年11月2018年12月2019年5月2019年7月 2019年12月2021年6月2022年4月2022年12月ドイツのKTW社及びそのグループ会社を買収する。 本社を神奈川県横須賀市に移転する。 米国ジョージア州に子会社、Nifco KTW America Corporationを設立する。 中国重慶市に子会社、利富高(重慶)精密樹脂制品有限公司を設立する。 神奈川県横須賀市に防爆棟、実験棟を新設竣工する。 新たに企業理念、コーポレートロゴ、コーポレートスローガンを制定し、運用を開始する。 東京支社を東京都港区内で移転する。 東京都港区に子会社、株式会社ニフコ北関東を設立する。 子会社、株式会社ニフコ熊本が本社を熊本県菊池市に移転する。 子会社、Nifco KTW GmbHを存続会社とし、子会社、Nifco KTS GmbHを消滅会社とした吸収合併を行い、存続会社の商号をNifco Germany GmbHへ変更する。 子会社、株式会社ニフコ北関東の本社を栃木県足利市に移転する。 監査等委員会設置会社へ移行する。 東京証券取引所プライム市場に移行する。 ドイツのゾーリンゲン市に子会社、Nifco Europe GmbHを設立する。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社46社により構成されており、営んでいる主な事業内容と、当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 なお、次の2部門は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (合成樹脂成形品事業) 工業用プラスチック・ファスナー及びプラスチック精密成形部品: 当社が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っているほか、株式会社ニフコ山形、株式会社ニフコ熊本、株式会社ニフコ北関東等が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っております。 金型 そのほか海外でNifco America Corporation、Nifco U.K. Ltd.、Nifco Korea Inc.、東莞利富高塑料制品有限公司、台湾扣具工業股有限公司、Nifco (Thailand) Co.,Ltd.等が合成樹脂成形製品及び金型の製造・販売を行っております。 これらのうち一部について、当社と子会社間で相互に仕入れ、販売しております。 (ベッド及び家具事業): シモンズ株式会社がベッドの製造・販売及び家具の輸入・販売を行っております。 そのほか海外でSimmons Bedding & Furniture (HK) Limited等がベッド及び家具事業を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 連結子会社は次のとおりであります。 連結子会社 (1) Nifco America Corporation合成樹脂成形品の製造・販売 (2) Nifco Korea USA Inc.合成樹脂成形品の製造・販売(3) Nifco Central Mexico S.de R.L.de C.V.合成樹脂成形品の製造・販売(4) Guadalupe Property & Assets, S.de R.L.de C.V.合成樹脂成形品事業(5) Nifco Europe GmbH合成樹脂成形品事業(6) Nifco U.K. Ltd.合成樹脂成形品の製造・販売(7) Nifco Poland Sp.z o.o.合成樹脂成形品の製造・販売(8) Nifco Korea Poland Sp.z o.o.合成樹脂成形品の製造・販売(9) 上海利富高塑料制品有限公司合成樹脂成形品の販売(10) 東莞利富高塑料制品有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(11) 台扣利富高塑胶制品(東莞)有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(12) 北京利富高塑料制品有限公司合成樹脂成形品の販売(13) 利富高(天津)精密樹脂制品有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(14) 利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(15) 利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(16) 利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(17) Nifco (HK) Ltd.合成樹脂成形品事業(18) 台湾扣具工業股份有限公司合成樹脂成形品の製造・販売(19) Nifco Korea Inc.合成樹脂成形品の製造・販売(20) Nifco (Thailand) Co.,Ltd.合成樹脂成形品の製造・販売(21) Union Nifco Co., Ltd.合成樹脂成形品の製造・販売(22) Nifco Manufacturing (Malaysia) Sdn. Bhd.合成樹脂成形品の製造・販売(23) Nifco Vietnam Ltd.合成樹脂成形品の製造・販売(24) Nifco India Private Ltd.合成樹脂成形品の製造・販売(25) Nifco South India Manufacturing Private Ltd.合成樹脂成形品の製造・販売(26) PT.Nifco Indonesia合成樹脂成形品の製造・販売(27) 株式会社ニフコ山形合成樹脂成形品の製造・販売(28) 株式会社ニフコ熊本合成樹脂成形品の製造・販売(29) 株式会社ニフコ北関東合成樹脂成形品の製造・販売(30) シモンズ株式会社ベッドの製造・販売、家具の輸入・販売(31) Simmons Bedding & Furniture (HK) Limitedベッド及び家具事業(32) 上海席梦思床褥家具銷售有限公司ベッド及び家具の販売(33) 北京席梦思床褥家具有限公司ベッド及び家具の販売(34) 深圳席梦思床褥家具有限公司ベッド及び家具の販売(35) 席梦思床褥家具(蘇州)有限公司ベッドの製造・販売(36) Simmons (Southeast Asia)Private Limitedベッド及び家具の販売(37) 台湾席夢思股份有限公司ベッド及び家具の販売他9社 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 (連結子会社)名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容Nifco America Corporation(注)1、4Ohio,U.S.A.百万米ドル3.5合成樹脂成形品の製造・販売100 役員の兼任あり。 Nifco Korea USA Inc.(注)3Alabama,U.S.A.百万米ドル5.5合成樹脂成形品の製造・販売100(75)役員の兼任あり。 Nifco Central Mexico S.de R.L.de C.V.(注)1、3Guanajuato,Mexico百万メキシコペソ325.2合成樹脂成形品の製造・販売100(52.51) 役員の兼任あり。 Guadalupe Property & Assets, S.de R.L.de C.V.(注)1、3Guadalupe,Mexico百万メキシコペソ268.2合成樹脂成形品事業100(75)役員の兼任あり。 Nifco Europe GmbH(注)1Solingen,Germany千ユーロ30.0合成樹脂成形品事業100役員の兼任あり。 Nifco U.K. Ltd.(注)1Stockton-on-Tees,United Kingdom百万英ポンド14.5合成樹脂成形品の製造・販売100役員の兼任あり。 Nifco Poland Sp.z o.o.(注)1、3Swidnica,Poland 百万ズロチ9.0合成樹脂成形品の製造・販売100(100)当社は運転資金等の貸付けを行っております。 役員の兼任あり。 Nifco Korea Poland Sp.z o.o.(注)1、3Zory,Poland百万ズロチ6.0合成樹脂成形品の製造・販売100(100)役員の兼任あり。 上海利富高塑料制品有限公司(注)3中国上海市百万米ドル3.0合成樹脂成形品の販売100(100)役員の兼任あり。 東莞利富高塑料制品有限公司(注)1、3中国広東省百万香港ドル75.0合成樹脂成形品の製造・販売90(90)役員の兼任あり。 台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司(注)3中国広東省百万米ドル1.9合成樹脂成形品の製造・販売100(100)役員の兼任あり。 北京利富高塑料制品有限公司(注)1、3中国北京市百万米ドル14.5合成樹脂成形品の販売100(100)役員の兼任あり。 利富高(天津)精密樹脂制品有限公司(注)1、3中国天津市百万米ドル18.5合成樹脂成形品の製造・販売100(100)役員の兼任あり。 利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司(注)1、3中国湖北省百万米ドル10.0合成樹脂成形品の製造・販売100(100)役員の兼任あり。 利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司(注)1、3中国江蘇省百万米ドル15.6合成樹脂成形品の製造・販売100(100)役員の兼任あり。 利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司(注)1、3中国江蘇省百万米ドル30.5合成樹脂成形品の製造・販売100(100)役員の兼任あり。 Nifco (HK) Ltd.(注)1Hong Kong百万香港ドル200.0合成樹脂成形品事業100役員の兼任なし。 台湾扣具工業股份有限公司台湾桃園市百万台湾ドル150.0合成樹脂成形品の製造・販売92役員の兼任あり。 Nifco Korea Inc.(注)1、4Asan-si,Korea百万ウォン34,400.0合成樹脂成形品の製造・販売100役員の兼任あり。 Nifco (Thailand) Co.,Ltd.(注)1Chonburi,Thailand百万バーツ320.0合成樹脂成形品の製造・販売100役員の兼任あり。 Union Nifco Co., Ltd.Bangpakong,Thailand百万バーツ100.0合成樹脂成形品の製造・販売50役員の兼任あり。 Nifco Manufacturing (Malaysia) Sdn. Bhd.Selangor,Malaysia百万マレーシアリンギット7.5合成樹脂成形品の製造・販売100役員の兼任あり。 Nifco Vietnam Ltd.(注)3Tay Ninh,Vietnam 百万米ドル2.4合成樹脂成形品の製造・販売100(75)役員の兼任あり。 Nifco India Private Ltd.(注)1Haryana,India百万インドルピー1,130.0合成樹脂成形品の製造・販売100当社は運転資金等の貸付けを行っております。 役員の兼任あり。 Nifco South India Manufacturing Private Ltd.(注)1、3Tamilnadu,India百万インドルピー1,294.3合成樹脂成形品の製造・販売100(75)役員の兼任あり。 PT.Nifco Indonesia(注)1Jawa Barat,Indonesia百万米ドル18.8合成樹脂成形品の製造・販売100役員の兼任あり。 株式会社ニフコ山形(注)1山形県山形市百万円300.0合成樹脂成形品の製造・販売100役員の兼任あり。 株式会社ニフコ熊本(注)1熊本県菊池市百万円800.0合成樹脂成形品の製造・販売100当社は運転資金等の貸付けを行っております。 役員の兼任あり。 株式会社ニフコ北関東 栃木県足利市百万円100.0 合成樹脂成型品の製造・販売100当社は運転資金等の貸付けを行っております。 役員の兼任あり。 シモンズ株式会社東京都港区百万円259.1ベッドの製造・販売家具の輸入・販売99.9役員の兼任あり。 Simmons Bedding & Furniture (HK) Limited(注)3Hong Kong百万香港ドル10.0ベッド及び家具事業100(100)役員の兼任なし。 上海席梦思床褥家具銷售有限公司(注)3中国 上海市百万米ドル0.4ベッド及び家具の販売100(100)役員の兼任あり。 席梦思床褥家具(蘇州)有限公司(注)1、3中国江蘇省百万米ドル25ベッドの製造・販売100(100)役員の兼任あり。 Simmons (Southeast Asia)Private Limited(注)3Beach Road,Singapore百万シンガポールドル0.3ベッド及び家具の販売100(100)役員の兼任なし。 台湾席夢思股份有限公司(注)3台湾台北市百万台湾ドル1.0ベッド及び家具の販売100(100)役員の兼任あり。 他11社 (注)1.特定子会社に該当しております。 2.上記連結子会社のうち、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 3.「議決権の所有割合」の欄に記載されている( )内は間接所有割合で内数となっております。 4.Nifco America Corporation及びNifco Korea Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 Nifco America Corporation主要な損益情報等(1)売上高59,209百万円 (2)経常利益4,191百万円 (3)当期純利益2,928百万円 (4)純資産額26,737百万円 (5)総資産額33,709百万円 Nifco Korea Inc.主要な損益情報等(1)売上高56,804百万円 (2)経常利益9,211百万円 (3)当期純利益7,428百万円 (4)純資産額46,193百万円 (5)総資産額53,700百万円 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)合成樹脂成形品事業7,886(2,891)ベッド及び家具事業999(274)全社(共通)156(-)合計9,041(3,165) (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含むほか、常用パートを含んでおります。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイトを含み、常用パートは除いております。 )は( )内に年間の平均人数を外数で記載しております。 なお、上記のほか関連会社等へ出向している従業員が15名おります。 2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 3.従業員数が前期末と比べて1,252名減少しておりますが、その主な理由は、連結子会社であったNifco Germany GmbH、およびその子会社Nifco KTW America Corporationの譲渡によるものであります。 (2) 提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年令(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,383(347)41.716.77,095,341 セグメントの名称従業員数(人)合成樹脂成形品事業1,227(347)ベッド及び家具事業-(-)全社(共通)156(-)合計1,383(347) (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含むほか、常用パートを含んでおります。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員、アルバイトを含み、常用パートは除いております。 )は( )内に年間の平均人数を外数で記載しております。 なお、上記のほか関連会社等へ出向している従業員が15名おります。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.全社(共通)として、記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (3) 労働組合の状況 労働組合は結成されておりません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者5.854.858.561.453.3(注)4. (注)1.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 但し、管理職の定義は、弊社基準の算出として管理職級の専門職を含んでおります。 また、2024年4月に導入した新人事制度により、管理職への登用準備が完了している準管理職層を除く実績値へ変更しております。 2.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.労働者の男女賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 (厚労省基準) 管理職比率などに差異があることで1名あたり賃金に男女差がありますが、制度(人事体系、報酬、評価、人材育成)において性別による処遇差はありません。 4.年収格差の基準は厚労省基準とし、支援社員無期フルタイムは正規雇用に含んでおります。 <男女の賃金差異についての補足説明> 株式会社ニフコにおける男女の賃金差異(全労働者の58.5%、正規雇用労働者の61.4%)については、正規雇用労働者には支援社員無期フルタイムが、有期・パートには嘱託再雇用者(割合として男性が多い)が含まれており、これが影響しているため、以下に正規社員の一般職(非管理職)の男女基本給月額の差異について記載します。 当社は等級Gradeごとに賃金水準を設定しており、同一等級の基本給は下表の通り男女ほぼ同等であります。 一般職女性平均基本給/男性平均基本給G05100.1%G0496.4%G03100.0%G02100.9%G0196.4%※一般社員には5つの等級(G01~G05)があります。 ②連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者㈱ニフコ山形0.067.044.081.760.4(注)4.㈱ニフコ熊本0.086.742.976.955.9(注)4.シモンズ㈱7.50.081.882.136.2(注)4.(注)1.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.労働者の男女賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 (厚労省基準)4.年収格差の基準は厚労省基準とし、支援社員無期フルタイムは正規雇用に含んでおります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社は、1967年の創業以来培ってきた「チャレンジ精神」と「創造性」をニフコスピリットの支柱として成長し続けてきました。 その歴史を踏まえ、今後更なる成長ステージへ進む決意を込めて、改めて、当社のPurpose / Mission / Valuesを以下のとおり制定いたしました。 社員一人ひとりが個々に持つ「My Purpose」を起点に、当社のValues(価値観)を通じて、Mission(使命)を果たし、当社のPurpose(存在意義)を実現することにより、今後も、ニフコらしさを追求しながら持続的に成長し、社員、お客様、株主、投資家、ユーザー、協力会社、地域社会など全てのステークホルダーから信頼され続ける企業となることを目指します。 また、今後も引き続き、コンプライアンス遵守を徹底し、適切なリスクマネジメントを実践することによって、激変する社会経済環境に柔軟かつ適正に対応していくことが必要であり、会社経営の基本方針をグローバルに徹底し実践していくことも重要であると考えます。 当社は、上記の基本的な考え方に基づいてコーポレート・ガバナンスの充実を経営の優先課題と位置付け、グループ経営の強化を図っていきます。 (2) 経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、2021年度より、3ヶ年計画はローリング型中期経営計画を採用しています。 これは、各年度の実績及び取り巻く環境の変化を適宜織り込み、最も適した目標数値を示して目標の達成に臨むものです。 当社は、顧客に対し、より良い社会を創造し、顧客ニーズを解決する提案を行うことにより、社会的価値と企業価値の最大化を目指します。 2024年度実績2027年度目標2024年度比売上高3,530億円3,690億円+4.5%営業利益492億円534億円+8.5%営業利益率13.9%14.0%以上+0.1%pts以上当期純利益447億円350億円-21.7%ROE17.3%12~14%-5.3 ~ -3.3%ptsROIC18.8%18~20%-0.8 ~+1.2%pts営業キャッシュ・フロー(3年間合計)1,387億円1,440億円+3.8%為替前提1ドル=151.7円1ドル=145円(注)当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。 (3) 経営環境 当社グループは、工業用ファスナーを中心とした、エンジニアリングプラスチック製品を主力とした事業を展開しており、主に自動車、住環境に関する製品をグローバルに製造・販売しております。 エンジニアリングプラスチック製品は軽量、防錆、扱いやすく、加工性にも優れているため、特に自動車などの製品のモノづくりの現場における作業負担を軽くするだけでなく、その軽量化とコストダウン、環境・安全・快適性能の向上にも貢献しております。 また、内装・外装のみならず、先進運転支援システム(ADAS)や電動車(xEV)関連に至るまで、幅広い領域に製品を供給しております。 今後、自動車産業は自動運転やIoTなどのテクノロジーの進歩による大きな変革期が到来することが予想されますが、当社グループは技術力・開発力により柔軟に対応してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの主要なマーケットである自動車産業については、グローバル・ベースでは今後も成長していくものと考えておりますが、地政学上の様々な変化や混乱が起きており、また顧客要求も多様化、複雑化しております。 そのため、当社グループが更に飛躍・成長するには、これらの課題及びニーズに的確かつ迅速に対応しグローバル・ベースでの顧客満足度を向上させることが重要であります。 その課題達成に向けて、各ユーザーのニーズを的確かつ迅速に対応し得る商品と生産工程に関わる技術の構築、事業を通じたサステナビリティ経営の推進、人材育成、ダイバーシティ推進とエンゲージメント向上による組織の活性化と次世代人材の確保、セキュリティの確保と業務の連携を進める情報システムの構築と活用に注力するとともに、グローバル各社の予実管理を更に強化し、海外地域統括制の導入による地域内拠点間の協力体制の構築、現地での迅速な意思決定の推進等を図っております。 また、当社では他社の知的財産権を尊重し、当社の商品が他社の知的財産権を侵害しないよう開発段階から特許調査等を行うことで他社の知的財産権に対する侵害回避に努め、知的財産に関する訴訟リスクの低減を図っております。 なお、当期におきましては、知的財産権に関する問題で第三者から訴訟を提起された事案はございません。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 (1)サステナビリティに関する考え方 当社グループは、「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」というパーパスを掲げる会社です。 社会課題や顧客の困りごとをチャンスと捉え、「提案力」「グローバル展開力」「品質対応力」を強みとして、独創的かつ付加価値の高い製品を創り出します。 環境や社会の変化を見越したステークホルダーへの価値提供は、社会課題や顧客の困りごとの緩和・解決につながり、そのサイクルを回すことで、長期ビジョン「アイデアをカタチにする会社」を実現します。 更に、社会課題をチャンスと捉え、新事業創出とビジネス創出を通じて社会に貢献することを目標としています。 当社のサステナビリティ経営は、事業戦略を起点としつつ、財務戦略及びESG戦略が相互に影響し合う構造で推進されています。 これら三位一体の戦略は、リスクと機会の適切な管理を行う委員会を通じて統合的に運営されています。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。 ①サステナビリティに関するガバナンス 2024年度の当社グループのサステナビリティに関する取組は、主にリスクについてはリスクマネジメント委員会が管理を行いました。 気候変動についてはESG推進室と対応を主管する組織が連携し、人的資本については管理本部ダイバーシティ推進プロジェクト室と管理本部人事部が管理を行いました。 これらの取組状況は、対応を主管する組織の執行役員から取締役会に報告され、取締役会において、サステナビリティに関する進捗や成果を共有し、モニタリング・監督を行いました。 取締役会で討議された内容は、直接あるいは経営会議を通じて対応を主管する組織に伝達され、それぞれの経営計画・事業運営に反映されました。 2024年度のサステナビリティ委員会の開催状況については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 イ.会社の機関の基本説明」をご参照ください。 上述のとおり、執行側の取組と取締役会の監督が機能していたことも踏まえ、2025年度からは、これまで取締役会の諮問機関として設置されていたサステナビリティ委員会を執行側へと移行しました。 移行後は、同委員会がサステナビリティ全般に関する機会について議論し、重要課題の統制を行い、取組状況を管理し、その結果を経営会議に提言します。 リスクについては、リスクマネジメント委員会が、総合的なリスク評価を行い、各主管組織の取組状況等を経営会議に報告提言します。 経営会議で議論されたサステナビリティ全般の機会とリスクは、サステナビリティ委員会及びリスクマネジメント委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。 2025年度のサステナビリティ委員会の構成員は、社内取締役、常勤監査等委員、本部長、事業部長、カンパニー長、人事部長、法務室長、情報システム部長です。 サステナビリティ委員会の委員長は、ESG推進室長が務めます。 コーポレート・ガバナンスの2025年度新体制図 ②リスク及び機会の管理 当社グループのリスクについては、リスクマネジメント委員会でリスクの低減に向けた管理を行っています。 リスク項目についてはリスクマネジメント基本規程で組むべきリスク類型が定義されており、それらのリスクは、対応を主管する組織にて分析、発生頻度と影響額の点数付けや対応策の立案等がなされます。 それらの分析をもとにリスクマネジメント委員会で総合的なリスク評価を行い、対応策の決定と管理を行います。 2025年度よりリスク管理の進捗は、リスクマネジメント委員会から経営会議に報告され、リスク対策の実行・運営は、リスクマネジメント委員会の指示のもと、主管する各組織にて行われます。 当社グループのサステナビリティに関する機会については、2025年度よりサステナビリティ委員会が統制を行います。 気候変動、人的資本、その他サステナビリティ全般の機会を特定し、目標設定と対策の管理を行います。 機会管理の進捗はサステナビリティ委員会から経営会議に報告され、機会の対策の実行・運営は、サステナビリティ委員会の指示のもと、主管する各組織にて行われます。 ③各重要課題の戦略及び目標と取組状況[マテリアリティの特定] 当社グループは、サステナビリティ経営の基盤を強化すべく2020年にマテリアリティ(重要課題)を特定しました。 マテリアリティの特定にあたり、はじめにバリューチェーン分析を行い、当社グループの事業が社会や環境にどのような影響を及ぼしているかを整理、把握しました。 その分析結果に基づき、重要なテーマの洗い出し、環境・社会へのインパクト評価、財務に影響するリスクと機会の分析などを行いました。 その後、対応を主管する組織で見直しを重ね、ESG推進室にてとりまとめを行い、取締役会にて承認され、下記のマテリアリティが決定しました。 これは、中期経営計画の実行と、長期ビジョン及びパーパスの実現、そして持続可能な成長と社会的価値の創造を両立させていくことを目的としたものです。 2025年度からは体制を見直し、これらのマテリアリティの、主にリスクについては、リスクマネジメント委員会を通して、機会についてはサステナビリティ委員会を通して、対応を主管する各組織に落とし込まれ、両委員会がその進捗モニタリング行います。 各マテリアリティの取組内容は、両委員会より定期的に経営会議に報告されます。 同会議にて改善や新たな取組が決定され、両委員会を通して、再び各組織及びグループ各社へ指示が出されます。 こうしたサイクルを実施し、マテリアリティを随時見直しつつ、リスクと機会に適切に対応し、中長期の目標を実現してまいります。 2024年度 ニフコマテリアリティ [サステナビリティ経営の強化]・コーポレート・ガバナンスコードを意識した経営の取組 持続的な経営を追求する「サステナビリティ経営の強化」を実現するための戦略の一つは「コーポレート・ガバナンスコード(以下「CGコード」)を意識した経営」の取組です。 サステナビリティ経営を実行するガバナンス体制に不備がある場合、常に変化する会社及びグループを取り巻く顕在化したリスクへの対応の遅れにつながります。 こうしたリスクを極小化するためにも、年に2回、CGコードを意識した経営についての見直しを行い、取締役会に報告し、コーポレート・ガバナンスコード報告書を更新しております。 当社は、提出日現在において、CGコードの全ての原則を実施しております。 ・取締役会実効性の向上 当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。 2024年度は、2025年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。 その結果、全体として、8割を超える回答者から、当社のガバナンス体制が前年に対して拡充した、との評価を得ました。 特に、当社取締役会の強みとして、適正な規模・構成及び多様性が確保されていること、自由闊達な議論がなされていることが挙げられました。 一方で、長期的目線での経営戦略や成長戦略・サステナビリティに関する討議の深化、決議事項に対するフォローアップ、株式市場との関係強化、リスクマネジメント体制の強化について意見が寄せられ、今後の課題と認識しております。 この結果をもとに、取締役会で実効性向上のための討議会を実施し、今後の対応を決定いたしました。 ・次世代取締役層の育成 2024年度は取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が8回開催されました。 当委員会では、取締役・執行役員の指名・報酬に関わる討議だけでなく、取締役層のサクセッションプラン策定や、次世代経営者の選抜・育成も重要課題と認識しており、それらに活発に取り組みました。 従業員の人材育成については、「(3)人的資本に関する取組」を御参照ください。 ・コンプライアンスの徹底 もう一つの戦略として「コンプライアンスの徹底」に取組んでおります。 コンプライアンス違反による不祥事を起因とした会社の企業価値損失や、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損など、これらのリスクを防ぐために、定期的なコンプライアンスの研修を実施しており、2024年度は、当社及び国内子会社で実施いたしました。 今後は、海外子会社においても同様の研修を実施いたします。 「サステナビリティ経営の強化」を実現し、当社グループの取組を明確に示すことは、企業価値の向上に寄与し、取引先との強固な協力体制構築につながります。 そのためにも、適切にリスクと機会に対応できるガバナンス体制を持続し、コンプライアンス遵守を徹底して、サステナビリティ経営を強化してまいります。 [情報セキュリティの確保] 「情報セキュリティの確保」を実現するための戦略は「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。 サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。 このようなリスクを防ぐために、当社及び国内子会社では、発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。 また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識を高める対応も行っております。 海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。 情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。 今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対して強い防御を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。 [製品の安全性と品質の確保] 当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な課題であり実現しなければならない戦略です。 不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させ、また、製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。 これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。 担当を主管する各組織において実施される、より詳細な対応策の数々はこれらにとどまりません。 2024年度は、中国の拠点を先駆けとして、このSOC管理システムを水平展開しました。 今後順次、他の地域も展開を行います。 近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから十分な検証を実施していきます。 また、万が一のリスクに備え製品毎のリコール保険を見直し、より充実させました。 信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な取引関係と競合他社との差別化に必須な要件です。 今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。 [廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進] 当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。 この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」を掲げ、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇、規制強化などのリスクに対応するとともに、環境価値を提供する企業としての責任を果たすことで、企業価値の向上を図ってまいります。 主な取組として、製造および品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。 但し、サーキュラーエコノミーに関しては、再生材を利活用する上での認証の課題を抱えており、現時点で明確な指標は開示しておりません。 その他、2024年度は、J-FAR※の公募事業である「XtoCarプロジェクト」に採択され、2025年度から製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動の取組を開始しました。 将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。 ※J-FAR 公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団 回次第69期第70期第71期第72期決算年月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月総排出量 (t)1,434.41,265.41,478.31,295.5有価物重量 (t)349.7487.9942.51,020.6総廃棄物量 合計 (t)1,784.11,753.32,420.82,316.1※2024年度の実績は2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定https://www.nifco.com/csr/environment/index.html この他、マテリアリティの重要な部分を占める気候変動と人的資本に関する取組を、それらの戦略に沿って (2)以降に記載します。 (2)気候変動に関する取組 当社グループは、マテリアリティの一つに「気候変動への対応」を掲げており、その副次的な課題として「事業全体におけるCO2排出量の削減」と「CO2排出量削減に貢献する製品の研究開発、製造、販売」を掲げております。 そのため、国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析を行い、その結果、当社グループの気候変動に関するリスクと機会への中長期戦略として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進していくことが重要であると認識し、Scope1(自社における直接排出)及びScope2(自社が購入・使用した電力、熱、蒸気などのエネルギー起源の間接排出)のCO2排出量を指標とし、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。 ①気候変動に関するガバナンス 気候変動に関するガバナンスは、ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し、シナリオ分析、リスクと機会の抽出、カーボンニュートラルの実現に向けた取組についての協議を行っています。 そしてESG推進室が事務局となり、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律・地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、半期に1回、法令に対応する組織として環境推進委員会を開催し、計画に基づく進捗を管理しています。 2024年度は、これらのCO2削減を含む環境関連活動について、ESG推進室より取締役会に報告しています。 2025年度からは、サステナビリティ委員会にて気候変動に関するリスクと機会を議論し、取組状況を管理して、その結果を経営会議に提言します。 経営会議で議論された気候変動に関する議案は、サステナビリティ委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。 ②カーボンニュートラルの実現に向けた戦略 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、当社は、気候変動に起因する事業リスク及び機会の分析評価を行いました。 その結果、当社グループの気候変動に関するリスクへの中長期戦略として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進していくことが重要課題であると認識しており、Scope1及びScope2のCO2排出量を指標とし、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。 シナリオ分析の概要は次のとおりです。 シナリオ分析の概要対象範囲グループ連結対象企業(ベッド及び家具事業を除く)時間軸現在~2040年シナリオ構築1.地球の平均気温の上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内に抑えるシナリオ(1.5 ℃シナリオ)参照情報・IEA※1 WEO2021 NZE、SDSシナリオ・IPCC※2 第6次評価報告書 第1作業部会報告書よりSSP1-1.9,2.6・その他2.地球の平均気温が産業革命以前の水準から4℃程度上昇するシナリオ(4℃シナリオ)参照情報・IEA WEO2021 STEPSシナリオ・IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書よりSSP2-4.5、SSP3-7.9、SSP5-8.5・A-PLAT S8 気候 RCP8.5・その他 ※1 IEAInternational Energy Agency(国際エネルギー機関)。 第1次石油危機後の1974年11月に、石油を中心としたエネルギーの安全保障を目的としOECD(経済協力開発機構)の枠内に設立された機関。 現在は持続可能なエネルギー供給を目指し、気候変動の分析や省エネルギー政策、クリーンエネルギーの推進政策等に貢献。 ※2 IPCCIntergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)。 各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的として、1988年8月にWMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)により設立された政府間組織。 気候変動に関する最新の科学的知見をまとめた報告書を作成。 [気候変動に関連して想定される事業環境の変化]a 1.5℃シナリオ(気候変動への緩和)において想定される事業環境の変化 1.5℃シナリオでは、自然環境は2040年ごろに平均気温が現在より1℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の2倍程度になると言われています。 その激甚化する風水害に対して政府の投資が増え、CO2排出量削減に向けたより厳しい基準が企業に迫られるようになる可能性があると言われています。 世界的に気候変動への対応が進むことにより、自動車は化石燃料を用いる内燃機関が減少し、電気エネルギーを使う自動車へのシフトが進むとともに、これまでの自動車メーカー以外の新規参入企業の存在感が増していく可能性があります。 そうなった場合、顧客からは、化石資源を用いる内燃機関用の商品の発注が減り、電気エネルギーを使う自動車に必要な部品の発注が増えるとともに、環境負荷低減を前提に設計、製造された製品を求められることが多くなると考えられます。 また、自動車のエンドユーザーの環境意識の高まりから、車の自己所有からシェアリングへのシフトが起こり、世界の自動車生産台数が減少する可能性があります。 調達、製造においては、炭素税の導入により原材料の調達価格が上がり、また顧客からの要請により再生プラスチック、バイオマスプラスチックなどの原材料への転換が増えていく可能性があります。 風水害の激甚化によるサプライチェーン、製造施設などの被災の可能性が高くなり、その場合は、イレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が起こる可能性があります。 b 4℃シナリオ(気候変動への適応)において想定される事業環境の変化 4℃シナリオでは、自然環境は2040年ごろに平均気温が現在より2℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の4倍程度になると言われています。 激甚化する風水害に対して政府の対策は強化される可能性があると言われています。 気温上昇により、熱中症搬送者数は現在の2倍程度に増加するとともに、これまで少なかった蚊媒介の感染症なども増えていく可能性があります。 化石資源の価格及びエネルギー料金は上昇していく可能性があります。 また、風水害の激甚化によるサプライチェーン、製造施設などの被災頻度が高くなり、その場合は、イレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が増加する可能性があります。 以上のシナリオ分析より当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があると推測される市場リスク、市場/技術リスク、急性リスク、市場/製品/サービスの機会を抽出しました。 カーボンニュートラルの実現の戦略として、これらのリスク及び機会に対応する取組が、主管する各組織において、通常業務の中で様々な形で実施されています。 それらのうち、重要なものを以下の「④リスク及び機会に対する取組及び指標と目標」に記載しています。 ③気候変動に関するリスク及び機会の管理 ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ下における環境の変化から、発生する可能性のある事業リスクと機会を抽出し、推測される財務への影響度について検討を行いました。 その結果、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があると推測される市場リスク、市場/技術リスク、急性リスクを抽出しました。 一方、その他の組織においても、当社グループの損失危機を管理するリスクマネジメント委員会の指示のもと、気候変動に関するリスクの発生頻度と影響額の点数付けや対応策立案等について分析・検討を行っています。 リスクマネジメント委員会では、主管組織より報告された気候変動に関するリスクについて、総合的に評価し、管理しています。 また、気候変動の機会についても同時に、シナリオ分析を経て、ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し市場/製品/サービスの機会を抽出し、対応を主管する組織において取組を行っています。 2025年度より、サステナビリティに関する機会は、サステナビリティ委員会にて特定され、取組状況を管理して、その結果を経営会議に提言します。 経営会議で議論されたサステナビリティに関する機会は、サステナビリティ委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。 ④気候変動のリスク及び機会に対する取組及び指標と目標a 気候変動に関するリスク及び機会の重要な取組と指標及び目標 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、財務面及び非財務面の両面から影響度の大きい気候変動のリスク項目を絞りこみ、検討を行いました。 市場リスクでは、電気自動車の普及が進み、従来のエンジン周りの部品や給油口周りの部品など、ガソリン車特有の構造に関する機能部品が徐々に少なくなる可能性や、異業種からの自動車業界への参入が増え、異業種に納入していたメガサプライヤーなどが新たに競争相手となることが、中長期的に予想されます。 市場/技術リスクでは、CO2排出量を抑えた代替製品の出現により既存及び新興の自動車メーカーでの当社グループの商圏が減少する可能性があります。 急性リスクでは、暴風雨、雪、凍結等の気候の激甚化によりサプライチェーンの断絶が起こる可能性が高まり、それによって引き起こされる材料調達不足による顧客への供給リスク回避のために、高価な材料購入及び輸送費負担が増加する可能性があります。 一方、市場/製品/サービスの機会として、CO2排出量削減を目的とした、より軽量な車や、非ICE車、再生可能エネルギー使用の機会などが急拡大することにより、モーター、バッテリー、電池(全固体電池含む)、ブレーキ周りなど、特有の機能部品の需要が拡大する可能性があると考えます。 これらのリスク及び機会の主な取組は、対応を主管する各組織において、通常業務の中に様々な形で対応が取られています。 2024年に発表した開発製品としては、生産時のCO2発生量は他の材料のブラッシュクリップよりも少なく、使用後は水と二酸化炭素に分解され、自然に還る生分解性プラスチック製ブラッシュクリップ等があります。 これらの移行リスク及び物理的リスク、そして気候変動に伴う機会に関する全ての指標は、社内において定め、すでに実行中ですが、事業戦略における重要性を鑑み、現在は非公開としています。 今後、公開も視野に入れ慎重に検討していきます。 その他、2024年度に重要な取組として行われたものは、市場規制や顧客からの再生原材料の使用要求に対し、適時適切な対応ができないことによる売上の減少及び調達コストが上昇する可能性があるという市場リスクに対する、非化石資源材料、リサイクルプラスチック材、天然資源(バイオマス)を利用した材料の活用推進と、再生材(含むバイオマスプラスチック)を採用した製品の仕様を満たす製品形状と工法の開発です。 これらの重要な取組は、「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」というマテリアリティにもつながっています。 2024年度は、「XtoCarプロジェクト」と称し、製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動に取組を開始しました。 将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。 b 「2050年カーボンニュートラル宣言」を実現するための指標及び目標 当社は、気候変動に対する中長期戦略として「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。 CO2排出量削減に関する大枠の指標としまして、Scope1とScope2を対象に、2030年に当社及び国内グループ会社において2020年比で33%削減、2050年にカーボンニュートラルを目指して取組を進めています。 名古屋工場においては、オンサイトPPA及びオフサイトの自己託送を25年度に開始予定としており、これにより再生可能エネルギーの比率を年々上昇させ、早期にカーボンニュートラル達成モデル工場となることを目指しています。 その他、詳細の指標及び目標については、2027年度の次期中期経営計画に反映を予定しています。 また、集計済みとなっている最新の当社及び国内グループ会社のCO₂排出量は以下のとおりです。 集計方法は、世界的な標準算出方法となっているGHGプロトコルを採用しています。 継続的な省エネ活動を推進しておりましたが、2023年度において生産量の増加に伴うエネルギー量の増加が省エネ等による削減量を上回ったため、Scope1及びScope2は微増いたしました。 しかしながら前述のとおり、名古屋工場をはじめとして再生可能エネルギー比率を最大限上昇させていく対応を目指していきます。 また、Scope3は算出根拠を発注金額としており、為替変動、資材及び輸送費の高騰により、結果増加となりました。 なお、2024年度の数値については、2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定です。 https://www.nifco.com/csr/environment/index.html Scope1、Scope2推移グラフ(提出会社) Scope3推移グラフ(提出会社) 現在、Scope1及びScope2については、当社及び国内グループ会社のみのCO2排出量開示となっていますが、これらの情報把握及び開示は、CO2排出に関する規制強化や炭素税の導入により事業コストの上昇や、脱炭素化に向けた顧客及び取引先からの期待の高まりに対し、当社及び国内グループ会社内で影響の大きい分野や工程を特定して事前に対策を講じることや、再生可能エネルギーの導入や効率的な設備投資、新技術開発の必要性を具体化することで、競争優位性を維持するための行動指針の立案につながります。 これにより、持続可能な成長の基盤を強化、そして国内という限定的な範囲であっても、積極的なデータ開示は環境配慮を重視する顧客や投資家の信頼を得る手段となり、ビジネス機会を広げるきっかけとなるため、将来的には連結会社全体への展開に資するものと考えています。 なお、現時点で海外拠点からのデータについては、収集がエクセルベースであり、データ精度の観点から現状では正式開示に至っておりませんが、2025年度よりScope1及びScope2の参考値としての開示を予定しております。 今後はグローバルでのデータ精度向上と第三者保証に耐えうる水準の管理体制の整備を視野に入れ、システム導入等を検討してまいります。 また、Scope3(サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量)の算定については、サプライチェーン全体におけるデータの保有状況や管理方法にばらつきがあるため、現時点では統一的に把握・算定することが困難となっています。 そのため、当社及び国内グループ会社のみのCO2排出量開示としています。 今後は、重要関係会社との連携強化を行い、Scope3に関するデータの整備及び開示を段階的に検討していきます。 気候変動のリスク及び機会の影響の可能性は様々ですが、当社は企業価値を最大化すべく、これらのガバナンス及びリスク機会管理によって、今後も取組を適切に実施してまいります。 (3)人的資本に関する取組①人的資本に関する戦略 人的資本につきましては、ニフコグループのパーパス及び中長期計画を実現するための重要な経営資源と考えており、当社中期経営計画 NIFCO GLOCAL STRATEGYの長期ビジョンに基づき、「アイデアをカタチにする」人材の創出を当社及びグループ会社の人材戦略の目標としております。 「アイデアをカタチにする」人材を創出するためには、「多様な人材が持つ能力を最大限に開発し発揮させる、エンゲージメントの高い職場」が必要となりますので、当社グループの企業理念を浸透させた組織・人材の土台の上に、「人材育成」「多様性」「従業員エンゲージメント」の3つを重要な柱とし、それぞれにおいて活動計画を策定し実行しております。 まず、当社人材の土台となるのは、当社の企業理念 Purpose / Mission / Values となります。 当社の企業理念体系の起点は、各従業員が個々に持つ「My Purpose(マイパーパス)」すなわち、個々人の価値観、人生観と会社の「Purpose(存在意義)」の重なりです。 これを定めることにより、従業員個人と会社のつながり(パーパス・ファスニング)を意識し、自身の人生観や価値観を活かすキャリアを自律的に見つけ、エンゲージメントを高めながら主体的・自律的に学び成長することができると考え、各従業員がマイパーパスを策定するワークショップを2024年度より全社で展開しております。 ニフコグループ 企業理念体系 「人材育成」は、当社グループの持続的成長を支える最も重要な課題(マテリアリティ)の一つであり、競争力の源泉と捉えています。 当社において、グローバルスケールで活躍できる人材の要件/行動指針は、当社のValuesに基づき、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードとともに、各等級の等級定義や行動指針として明文化されています。 こうした人材の育成を目的に、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、全社型の4つのカテゴリーに構成された従業員研修体系を制定・運用しております。 また、従業員の自律的なキャリア形成を促すため、資格取得奨励制度や外部のeラーニング受講費用の補助金制度などにより、自己啓発にも取り組みやすい制度を整えています。 社内での研修だけでなく、海外トレーニー制度や他社留学や複業留学など越境体験の機会も提供しています。 更に、次世代経営者育成においては、定期的に策定する管理職部長層サクセッションプランとの整合を踏まえ対象者を選抜し、育成を進めております。 「多様性」は、多様な人材の適所配置により、属性や価値観が異なる個々人から生まれる小さな気づきを生かし、ニフコの強みであるイノベーションや新製品・新技術の開発につなげ創造的なコラボレーションを実現することは、ニフコのグローバル競争力を一層高めるための重要な経営戦略のひとつと考え、人材の多様性の確保・推進に取り組んでいます。 具体的には、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした各種研修の実施、ダイバーシティ推進の専門部隊によるあらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するための様々な施策の企画・実行、更に、自己申告や社内公募を通した社内異動により、各組織に多様な経験・スキルを持つ人材の適所配置に取り組んでいます。 一方で、ニフコグループ企業行動憲章並びにニフコグループ人権方針に基づいた全社人権研修を行い、多様な人材の活躍を阻害する人権リスクの低減にも努めています。 「従業員エンゲージメント」は、人材の定着率を高め、生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。 まず、上述のパーパス・ファスニングにより、従業員個人と会社のつながりを固めた上で、各人が活き活きと働くことができる職場環境を構築するため、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。 人事制度は、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、市場競争力を強化するための等級・評価・報酬制度の見直しを行いました。 また、働き方については、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度・休暇制度の拡充や、働く場所を自分で選べるようにテレワーク制度の導入など、働き方と休暇制度の充実を図ることで、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。 また、この従業員エンゲージメント向上のための各種施策は、隔年で実施するグローバル従業員エンゲージメントサーベイにおいて、その効果を定期的に確認しております。 ②人的資本に関するガバナンス 多様性に関する取組は専門部隊(管理本部ダイバーシティ推進プロジェクト室)が、人材育成・エンゲージメントなどその他の人的資本に関する取組は管理本部人事部が、それぞれ主管組織として行動計画の策定・実行しており、各領域の機会認識から行動計画を定め運営しております。 人的資本に関する重要事項は、社長以下全執行役員と事業部長が出席し定期的に開催される「人材会議」に報告され、討議されております。 また、人的資本におけるリスクについては、取締役監査等委員及び全本部長から構成さるリスクマネジメント委員会にて、全社リスク管理の一環として管理され、それを補完する仕組みとして、内部通報制度を設け、従業員及び社外関係者から社内(取締役監査等委員)及び社外(顧問弁護士)の窓口で直接通報を受けております。 これらの人的資本に関する執行側の取組は、定期的に取締役会に報告され討議されております。 なお、取締役層のサクセッションプランと次世代育成については、取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が管掌しており、委員会として次世代経営者の選抜・育成に積極的に関与する体制となっております。 ③人的資本に関するリスク及び機会の管理 人的資本におけるリスクについては、全社リスクを一元管理するリスクマネジメント委員会が統制、総合評価しているリスク一覧のうち、人材に関するリスクについて、発生原因、想定される事象、影響度・発生頻度の点数付け、中・長期的な対応策の立案と緊急事態発生時の行動計画を管理本部がまとめ、当委員会に報告します。 リスクマネジメント委員会及び当委員会を管轄する経営会議にて討議された各施策に関する対応策や改善策は、管理本部担当組織の行動計画に反映され、それらを基に運用しております。 一方、人的資本における機会は、管理本部の担当組織が毎年期初に特定・見直しを行い、それに基づき年間の行動計画を策定、実行しています。 2025年度からは、この内容をサステナビリティ委員会に報告し、当委員会にて全社の機会を管理いたします。 ④人的資本に関する各取組と指標及び目標a 人権侵害リスク低減に向けた取組 多様な人材を活かすためには、まず人権侵害リスクのない職場作りが重要です。 ニフコグループは、関係法令及び国際ルールを遵守するとともにその精神を尊重し、社会的良識を持って行動するため、2021年に「ニフコグループ人権方針」を策定しております。 この人権尊重の取組を更に進め、当社内にある人権侵害リスクの排除を目指し、2024年度は国内全社で人権研修及びアンケート調査を実施、社内に存在する人権リスクを可視化いたしました。 今後、可視化されたリスクの低減に向けた対策の策定・実行を進めるとともに、同様の活動をグローバルに展開し、全ての従業員が活き活きと働ける職場の実現を進めます。 b 人材育成に向けた取組 多様な人材が持つ能力を最大限に開発し、「アイデアをカタチにする」人材を創出することが最重要課題であることを踏まえ、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードにより明示された人材要件・行動指針を満たすグローバル人材を育成するため、当社においては、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、全社型の4つのカテゴリーに構成された従業員研修体系図を毎年期初に制定し、年間を通して研修体系図に則り各研修を実行・運営しております。 海外・社外での就業体験が視野を広げ視座を引き上げる、という考えのもと、海外トレーニー制度や、他社留学・複業留学などの越境体験の機会も提供しています。 海外トレーニー制度では、毎年日本から海外へ、海外から日本へトレーニーの送り出し・受け入れを実施しています。 また、次世代経営者育成は、管理職のサクセッションプランを踏まえて選抜された部長層・課長層・準管理職層のメンバーに対し、視野を広め視座を高めることを目的として、社外のリソースを使って育成を進めております。 人材育成の指標の一つとして、人材育成投資額を管理しております。 また、同様の人材育成プログラムは、各子会社・拠点においても、個社のニーズに基づき策定・運営されており、その状況については、グローバルHR会議等の場で共有されております。 2024年度研修体系図 人材育成の指標2023年度 実績提出会社2024年度 実績提出会社グローバル人材育成投資額109百万円134百万円今後グローバルでの指標管理に取組んでまいります。 当社グループの人材育成の目標は、人材育成投資額だけではなく、様々なニーズに合わせて判断しているため、記載しておりません。 c 人材の多様性の確保に向けた取組 マテリアリティの副次課題として、多様な属性や価値観を持つ人材を確保し、あらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するため、当社では、ダイバーシティ推進の専門部隊が、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした、各種ダイバーシティ&インクルージョン研修を実施しているほか、毎年様々な施策を企画・実行しています。 2024年度は、全管理職を対象としたアンコンシャスバイアス研修を実施したほか、外部から専門家を招き、「仕事と介護の両立セミナー」を実施しました。 多様な人材を適所配置し活躍の機会を推進することで、多様な視点や経験を持つ人材による新しいアイデアの創出や創造的なコラボレーションにつながります。 当社人材の多様性を示す指標としては、女性・外国籍・中途入社の在籍比率を管理しております。 2025年3月末時点では、下表のとおりです。 多様性の状況2025/3/31時点提出会社グローバル人数割合人数割合女性取締役――225.0%管理職145.8%23321.8%正社員22216.4%3,80941.8%外国籍取締役――00.0%管理職114.6%―正社員564.1%中途入社取締役(社内)――00.0%管理職7732.0%―正社員51938.3% 上表の状況を踏まえ、当社における多様性の確保・推進が、当社の持続的成長においては最重要と認識しており、「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」の3点を、当社の継続的に監視すべき指標と定めております。 これらの指標における2024年度実績と将来目標、今後の取組は、下表のとおりとなっております。 なお、「第1 企業の概況 5.従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において国内連結子会社における多様性に関する指標及び定義を記載しています。 多様性の指標提出会社2024年度 実績取組・目標管理職に占める女性労働者の割合5.8%(14名)※専門職も含む各組織における高ポテンシャル人材を特定し、育成計画の策定とフォローアップを定期的に実施しております。 また、2024年度は、管理職を対象とした「アンコンシャスバイアス研修」を実施し、管理職層の意識改革も進めました。 2030年度10%達成を目標とし、これらの取組を今後も継続して行います。 男性労働者の育児休業取得率54.8%2023年度に育休経験者・管理職による座談会を実施し2030年度90%達成を目標とし、引き続き職場の労働環境を整備してまいります。 労働者の男女賃金差異58.5%各等級の報酬テーブルに、男女による差はありません。 詳細は、「第1 企業の概況 5.従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 引き続き、女性管理職比率の改善、全社残業削減など、差異縮小につながる活動に注力いたします。 d 社内環境整備に向けた取組 多様な人材が持てる能力を最大限に発揮できる職場環境作りを目指し、当社では、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。 人事制度については、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、各管理職ポジションの役割を明確にし、年齢・経験に拘わらず、役割をこなせる人材を登用し役割に応じて処遇する制度に改訂すると同時に、市場競争力を強化し優秀な人材の流出を抑制し外部からの登用を推進するため、報酬制度・水準の見直しを行いました。 グローバルにおいても、各国・地域において、十分な市場競争力を維持するための報酬改訂を定期的に実施しております。 働き方については、継続して総労働時間の削減に向けた取組を行い、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度や働く場所を自分で選べるテレワーク制度をライン作業者等を除く社員に導入するなど、柔軟な働き方と休暇制度の拡充をグローバルに進め、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。 これらの社内環境整備については、各子会社・拠点も個社のニーズに基づき取組んでおり、グローバルHR会議等で相互把握・共有しております。 社内環境整備の指標提出会社2024年度 実績「ニフコ流JOB型人事制度」導入導入完了総労働時間の削減に向けた取組年間所定労働時間:1,898.75時間 (目標1,900時間以内)残業時間:平均 24.78時間/月 (目標30時間以内 支援社員除く)※グローバル共通の指標は、有効性のあるものが特定できていないため、設定しておりません。 e 従業員エンゲージメント向上への取組 従業員のエンゲージメントは、人材の定着率を高め、当社の生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。 当社グループでは、2020年より隔年でグローバルの従業員エンゲージメントサーベイを実施し、各組織における強み・弱みを定量的・客観的に把握した上で、従業員のエンゲージメントを高めるための施策を各組織で策定・実行し、管理しています。 従業員エンゲージメントの指標「持続可能なエンゲージメント」※スコア(好意的な回答率)2022年度 実績2024年度 実績取組・目標提出会社65%68%各組織で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。 2026年度目標70%に向けて、引き続き活動を継続します。 グローバル81%84%国内外の各子会社で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。 2026年度目標86%に向けて、引き続き活動を継続します。 ※「持続可能なエンゲージメント」は、WTWタワーズワトソン社のフレームワークで、当社の経営目標に対する支持、従業員としての誇り、仕事に対する意欲・やりがい・活力に関する複数の質問に対する回答で測られます。 |
戦略 | ③各重要課題の戦略及び目標と取組状況[マテリアリティの特定] 当社グループは、サステナビリティ経営の基盤を強化すべく2020年にマテリアリティ(重要課題)を特定しました。 マテリアリティの特定にあたり、はじめにバリューチェーン分析を行い、当社グループの事業が社会や環境にどのような影響を及ぼしているかを整理、把握しました。 その分析結果に基づき、重要なテーマの洗い出し、環境・社会へのインパクト評価、財務に影響するリスクと機会の分析などを行いました。 その後、対応を主管する組織で見直しを重ね、ESG推進室にてとりまとめを行い、取締役会にて承認され、下記のマテリアリティが決定しました。 これは、中期経営計画の実行と、長期ビジョン及びパーパスの実現、そして持続可能な成長と社会的価値の創造を両立させていくことを目的としたものです。 2025年度からは体制を見直し、これらのマテリアリティの、主にリスクについては、リスクマネジメント委員会を通して、機会についてはサステナビリティ委員会を通して、対応を主管する各組織に落とし込まれ、両委員会がその進捗モニタリング行います。 各マテリアリティの取組内容は、両委員会より定期的に経営会議に報告されます。 同会議にて改善や新たな取組が決定され、両委員会を通して、再び各組織及びグループ各社へ指示が出されます。 こうしたサイクルを実施し、マテリアリティを随時見直しつつ、リスクと機会に適切に対応し、中長期の目標を実現してまいります。 2024年度 ニフコマテリアリティ [サステナビリティ経営の強化]・コーポレート・ガバナンスコードを意識した経営の取組 持続的な経営を追求する「サステナビリティ経営の強化」を実現するための戦略の一つは「コーポレート・ガバナンスコード(以下「CGコード」)を意識した経営」の取組です。 サステナビリティ経営を実行するガバナンス体制に不備がある場合、常に変化する会社及びグループを取り巻く顕在化したリスクへの対応の遅れにつながります。 こうしたリスクを極小化するためにも、年に2回、CGコードを意識した経営についての見直しを行い、取締役会に報告し、コーポレート・ガバナンスコード報告書を更新しております。 当社は、提出日現在において、CGコードの全ての原則を実施しております。 ・取締役会実効性の向上 当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。 2024年度は、2025年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。 その結果、全体として、8割を超える回答者から、当社のガバナンス体制が前年に対して拡充した、との評価を得ました。 特に、当社取締役会の強みとして、適正な規模・構成及び多様性が確保されていること、自由闊達な議論がなされていることが挙げられました。 一方で、長期的目線での経営戦略や成長戦略・サステナビリティに関する討議の深化、決議事項に対するフォローアップ、株式市場との関係強化、リスクマネジメント体制の強化について意見が寄せられ、今後の課題と認識しております。 この結果をもとに、取締役会で実効性向上のための討議会を実施し、今後の対応を決定いたしました。 ・次世代取締役層の育成 2024年度は取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が8回開催されました。 当委員会では、取締役・執行役員の指名・報酬に関わる討議だけでなく、取締役層のサクセッションプラン策定や、次世代経営者の選抜・育成も重要課題と認識しており、それらに活発に取り組みました。 従業員の人材育成については、「(3)人的資本に関する取組」を御参照ください。 ・コンプライアンスの徹底 もう一つの戦略として「コンプライアンスの徹底」に取組んでおります。 コンプライアンス違反による不祥事を起因とした会社の企業価値損失や、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損など、これらのリスクを防ぐために、定期的なコンプライアンスの研修を実施しており、2024年度は、当社及び国内子会社で実施いたしました。 今後は、海外子会社においても同様の研修を実施いたします。 「サステナビリティ経営の強化」を実現し、当社グループの取組を明確に示すことは、企業価値の向上に寄与し、取引先との強固な協力体制構築につながります。 そのためにも、適切にリスクと機会に対応できるガバナンス体制を持続し、コンプライアンス遵守を徹底して、サステナビリティ経営を強化してまいります。 [情報セキュリティの確保] 「情報セキュリティの確保」を実現するための戦略は「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。 サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。 このようなリスクを防ぐために、当社及び国内子会社では、発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。 また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識を高める対応も行っております。 海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。 情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。 今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対して強い防御を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。 [製品の安全性と品質の確保] 当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な課題であり実現しなければならない戦略です。 不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させ、また、製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。 これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。 担当を主管する各組織において実施される、より詳細な対応策の数々はこれらにとどまりません。 2024年度は、中国の拠点を先駆けとして、このSOC管理システムを水平展開しました。 今後順次、他の地域も展開を行います。 近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから十分な検証を実施していきます。 また、万が一のリスクに備え製品毎のリコール保険を見直し、より充実させました。 信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な取引関係と競合他社との差別化に必須な要件です。 今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。 [廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進] 当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。 この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」を掲げ、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇、規制強化などのリスクに対応するとともに、環境価値を提供する企業としての責任を果たすことで、企業価値の向上を図ってまいります。 主な取組として、製造および品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。 但し、サーキュラーエコノミーに関しては、再生材を利活用する上での認証の課題を抱えており、現時点で明確な指標は開示しておりません。 その他、2024年度は、J-FAR※の公募事業である「XtoCarプロジェクト」に採択され、2025年度から製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動の取組を開始しました。 将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。 ※J-FAR 公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団 回次第69期第70期第71期第72期決算年月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月総排出量 (t)1,434.41,265.41,478.31,295.5有価物重量 (t)349.7487.9942.51,020.6総廃棄物量 合計 (t)1,784.11,753.32,420.82,316.1※2024年度の実績は2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定https://www.nifco.com/csr/environment/index.html この他、マテリアリティの重要な部分を占める気候変動と人的資本に関する取組を、それらの戦略に沿って (2)以降に記載します。 |
指標及び目標 | [サステナビリティ経営の強化]・コーポレート・ガバナンスコードを意識した経営の取組 持続的な経営を追求する「サステナビリティ経営の強化」を実現するための戦略の一つは「コーポレート・ガバナンスコード(以下「CGコード」)を意識した経営」の取組です。 サステナビリティ経営を実行するガバナンス体制に不備がある場合、常に変化する会社及びグループを取り巻く顕在化したリスクへの対応の遅れにつながります。 こうしたリスクを極小化するためにも、年に2回、CGコードを意識した経営についての見直しを行い、取締役会に報告し、コーポレート・ガバナンスコード報告書を更新しております。 当社は、提出日現在において、CGコードの全ての原則を実施しております。 ・取締役会実効性の向上 当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。 2024年度は、2025年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。 その結果、全体として、8割を超える回答者から、当社のガバナンス体制が前年に対して拡充した、との評価を得ました。 特に、当社取締役会の強みとして、適正な規模・構成及び多様性が確保されていること、自由闊達な議論がなされていることが挙げられました。 一方で、長期的目線での経営戦略や成長戦略・サステナビリティに関する討議の深化、決議事項に対するフォローアップ、株式市場との関係強化、リスクマネジメント体制の強化について意見が寄せられ、今後の課題と認識しております。 この結果をもとに、取締役会で実効性向上のための討議会を実施し、今後の対応を決定いたしました。 ・次世代取締役層の育成 2024年度は取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が8回開催されました。 当委員会では、取締役・執行役員の指名・報酬に関わる討議だけでなく、取締役層のサクセッションプラン策定や、次世代経営者の選抜・育成も重要課題と認識しており、それらに活発に取り組みました。 従業員の人材育成については、「(3)人的資本に関する取組」を御参照ください。 ・コンプライアンスの徹底 もう一つの戦略として「コンプライアンスの徹底」に取組んでおります。 コンプライアンス違反による不祥事を起因とした会社の企業価値損失や、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損など、これらのリスクを防ぐために、定期的なコンプライアンスの研修を実施しており、2024年度は、当社及び国内子会社で実施いたしました。 今後は、海外子会社においても同様の研修を実施いたします。 「サステナビリティ経営の強化」を実現し、当社グループの取組を明確に示すことは、企業価値の向上に寄与し、取引先との強固な協力体制構築につながります。 そのためにも、適切にリスクと機会に対応できるガバナンス体制を持続し、コンプライアンス遵守を徹底して、サステナビリティ経営を強化してまいります。 [情報セキュリティの確保] 「情報セキュリティの確保」を実現するための戦略は「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。 サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。 このようなリスクを防ぐために、当社及び国内子会社では、発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。 また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識を高める対応も行っております。 海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。 情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。 今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対して強い防御を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。 [製品の安全性と品質の確保] 当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な課題であり実現しなければならない戦略です。 不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させ、また、製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。 これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。 担当を主管する各組織において実施される、より詳細な対応策の数々はこれらにとどまりません。 2024年度は、中国の拠点を先駆けとして、このSOC管理システムを水平展開しました。 今後順次、他の地域も展開を行います。 近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから十分な検証を実施していきます。 また、万が一のリスクに備え製品毎のリコール保険を見直し、より充実させました。 信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な取引関係と競合他社との差別化に必須な要件です。 今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。 [廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進] 当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。 この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」を掲げ、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇、規制強化などのリスクに対応するとともに、環境価値を提供する企業としての責任を果たすことで、企業価値の向上を図ってまいります。 主な取組として、製造および品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。 但し、サーキュラーエコノミーに関しては、再生材を利活用する上での認証の課題を抱えており、現時点で明確な指標は開示しておりません。 その他、2024年度は、J-FAR※の公募事業である「XtoCarプロジェクト」に採択され、2025年度から製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動の取組を開始しました。 将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。 ※J-FAR 公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ①人的資本に関する戦略 人的資本につきましては、ニフコグループのパーパス及び中長期計画を実現するための重要な経営資源と考えており、当社中期経営計画 NIFCO GLOCAL STRATEGYの長期ビジョンに基づき、「アイデアをカタチにする」人材の創出を当社及びグループ会社の人材戦略の目標としております。 「アイデアをカタチにする」人材を創出するためには、「多様な人材が持つ能力を最大限に開発し発揮させる、エンゲージメントの高い職場」が必要となりますので、当社グループの企業理念を浸透させた組織・人材の土台の上に、「人材育成」「多様性」「従業員エンゲージメント」の3つを重要な柱とし、それぞれにおいて活動計画を策定し実行しております。 まず、当社人材の土台となるのは、当社の企業理念 Purpose / Mission / Values となります。 当社の企業理念体系の起点は、各従業員が個々に持つ「My Purpose(マイパーパス)」すなわち、個々人の価値観、人生観と会社の「Purpose(存在意義)」の重なりです。 これを定めることにより、従業員個人と会社のつながり(パーパス・ファスニング)を意識し、自身の人生観や価値観を活かすキャリアを自律的に見つけ、エンゲージメントを高めながら主体的・自律的に学び成長することができると考え、各従業員がマイパーパスを策定するワークショップを2024年度より全社で展開しております。 ニフコグループ 企業理念体系 「人材育成」は、当社グループの持続的成長を支える最も重要な課題(マテリアリティ)の一つであり、競争力の源泉と捉えています。 当社において、グローバルスケールで活躍できる人材の要件/行動指針は、当社のValuesに基づき、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードとともに、各等級の等級定義や行動指針として明文化されています。 こうした人材の育成を目的に、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、全社型の4つのカテゴリーに構成された従業員研修体系を制定・運用しております。 また、従業員の自律的なキャリア形成を促すため、資格取得奨励制度や外部のeラーニング受講費用の補助金制度などにより、自己啓発にも取り組みやすい制度を整えています。 社内での研修だけでなく、海外トレーニー制度や他社留学や複業留学など越境体験の機会も提供しています。 更に、次世代経営者育成においては、定期的に策定する管理職部長層サクセッションプランとの整合を踏まえ対象者を選抜し、育成を進めております。 「多様性」は、多様な人材の適所配置により、属性や価値観が異なる個々人から生まれる小さな気づきを生かし、ニフコの強みであるイノベーションや新製品・新技術の開発につなげ創造的なコラボレーションを実現することは、ニフコのグローバル競争力を一層高めるための重要な経営戦略のひとつと考え、人材の多様性の確保・推進に取り組んでいます。 具体的には、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした各種研修の実施、ダイバーシティ推進の専門部隊によるあらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するための様々な施策の企画・実行、更に、自己申告や社内公募を通した社内異動により、各組織に多様な経験・スキルを持つ人材の適所配置に取り組んでいます。 一方で、ニフコグループ企業行動憲章並びにニフコグループ人権方針に基づいた全社人権研修を行い、多様な人材の活躍を阻害する人権リスクの低減にも努めています。 「従業員エンゲージメント」は、人材の定着率を高め、生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。 まず、上述のパーパス・ファスニングにより、従業員個人と会社のつながりを固めた上で、各人が活き活きと働くことができる職場環境を構築するため、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。 人事制度は、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、市場競争力を強化するための等級・評価・報酬制度の見直しを行いました。 また、働き方については、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度・休暇制度の拡充や、働く場所を自分で選べるようにテレワーク制度の導入など、働き方と休暇制度の充実を図ることで、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。 また、この従業員エンゲージメント向上のための各種施策は、隔年で実施するグローバル従業員エンゲージメントサーベイにおいて、その効果を定期的に確認しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④人的資本に関する各取組と指標及び目標a 人権侵害リスク低減に向けた取組 多様な人材を活かすためには、まず人権侵害リスクのない職場作りが重要です。 ニフコグループは、関係法令及び国際ルールを遵守するとともにその精神を尊重し、社会的良識を持って行動するため、2021年に「ニフコグループ人権方針」を策定しております。 この人権尊重の取組を更に進め、当社内にある人権侵害リスクの排除を目指し、2024年度は国内全社で人権研修及びアンケート調査を実施、社内に存在する人権リスクを可視化いたしました。 今後、可視化されたリスクの低減に向けた対策の策定・実行を進めるとともに、同様の活動をグローバルに展開し、全ての従業員が活き活きと働ける職場の実現を進めます。 b 人材育成に向けた取組 多様な人材が持つ能力を最大限に開発し、「アイデアをカタチにする」人材を創出することが最重要課題であることを踏まえ、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードにより明示された人材要件・行動指針を満たすグローバル人材を育成するため、当社においては、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、全社型の4つのカテゴリーに構成された従業員研修体系図を毎年期初に制定し、年間を通して研修体系図に則り各研修を実行・運営しております。 海外・社外での就業体験が視野を広げ視座を引き上げる、という考えのもと、海外トレーニー制度や、他社留学・複業留学などの越境体験の機会も提供しています。 海外トレーニー制度では、毎年日本から海外へ、海外から日本へトレーニーの送り出し・受け入れを実施しています。 また、次世代経営者育成は、管理職のサクセッションプランを踏まえて選抜された部長層・課長層・準管理職層のメンバーに対し、視野を広め視座を高めることを目的として、社外のリソースを使って育成を進めております。 人材育成の指標の一つとして、人材育成投資額を管理しております。 また、同様の人材育成プログラムは、各子会社・拠点においても、個社のニーズに基づき策定・運営されており、その状況については、グローバルHR会議等の場で共有されております。 2024年度研修体系図 人材育成の指標2023年度 実績提出会社2024年度 実績提出会社グローバル人材育成投資額109百万円134百万円今後グローバルでの指標管理に取組んでまいります。 当社グループの人材育成の目標は、人材育成投資額だけではなく、様々なニーズに合わせて判断しているため、記載しておりません。 c 人材の多様性の確保に向けた取組 マテリアリティの副次課題として、多様な属性や価値観を持つ人材を確保し、あらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するため、当社では、ダイバーシティ推進の専門部隊が、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした、各種ダイバーシティ&インクルージョン研修を実施しているほか、毎年様々な施策を企画・実行しています。 2024年度は、全管理職を対象としたアンコンシャスバイアス研修を実施したほか、外部から専門家を招き、「仕事と介護の両立セミナー」を実施しました。 多様な人材を適所配置し活躍の機会を推進することで、多様な視点や経験を持つ人材による新しいアイデアの創出や創造的なコラボレーションにつながります。 当社人材の多様性を示す指標としては、女性・外国籍・中途入社の在籍比率を管理しております。 2025年3月末時点では、下表のとおりです。 多様性の状況2025/3/31時点提出会社グローバル人数割合人数割合女性取締役――225.0%管理職145.8%23321.8%正社員22216.4%3,80941.8%外国籍取締役――00.0%管理職114.6%―正社員564.1%中途入社取締役(社内)――00.0%管理職7732.0%―正社員51938.3% 上表の状況を踏まえ、当社における多様性の確保・推進が、当社の持続的成長においては最重要と認識しており、「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」の3点を、当社の継続的に監視すべき指標と定めております。 これらの指標における2024年度実績と将来目標、今後の取組は、下表のとおりとなっております。 なお、「第1 企業の概況 5.従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において国内連結子会社における多様性に関する指標及び定義を記載しています。 多様性の指標提出会社2024年度 実績取組・目標管理職に占める女性労働者の割合5.8%(14名)※専門職も含む各組織における高ポテンシャル人材を特定し、育成計画の策定とフォローアップを定期的に実施しております。 また、2024年度は、管理職を対象とした「アンコンシャスバイアス研修」を実施し、管理職層の意識改革も進めました。 2030年度10%達成を目標とし、これらの取組を今後も継続して行います。 男性労働者の育児休業取得率54.8%2023年度に育休経験者・管理職による座談会を実施し2030年度90%達成を目標とし、引き続き職場の労働環境を整備してまいります。 労働者の男女賃金差異58.5%各等級の報酬テーブルに、男女による差はありません。 詳細は、「第1 企業の概況 5.従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 引き続き、女性管理職比率の改善、全社残業削減など、差異縮小につながる活動に注力いたします。 d 社内環境整備に向けた取組 多様な人材が持てる能力を最大限に発揮できる職場環境作りを目指し、当社では、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。 人事制度については、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、各管理職ポジションの役割を明確にし、年齢・経験に拘わらず、役割をこなせる人材を登用し役割に応じて処遇する制度に改訂すると同時に、市場競争力を強化し優秀な人材の流出を抑制し外部からの登用を推進するため、報酬制度・水準の見直しを行いました。 グローバルにおいても、各国・地域において、十分な市場競争力を維持するための報酬改訂を定期的に実施しております。 働き方については、継続して総労働時間の削減に向けた取組を行い、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度や働く場所を自分で選べるテレワーク制度をライン作業者等を除く社員に導入するなど、柔軟な働き方と休暇制度の拡充をグローバルに進め、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。 これらの社内環境整備については、各子会社・拠点も個社のニーズに基づき取組んでおり、グローバルHR会議等で相互把握・共有しております。 社内環境整備の指標提出会社2024年度 実績「ニフコ流JOB型人事制度」導入導入完了総労働時間の削減に向けた取組年間所定労働時間:1,898.75時間 (目標1,900時間以内)残業時間:平均 24.78時間/月 (目標30時間以内 支援社員除く)※グローバル共通の指標は、有効性のあるものが特定できていないため、設定しておりません。 e 従業員エンゲージメント向上への取組 従業員のエンゲージメントは、人材の定着率を高め、当社の生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。 当社グループでは、2020年より隔年でグローバルの従業員エンゲージメントサーベイを実施し、各組織における強み・弱みを定量的・客観的に把握した上で、従業員のエンゲージメントを高めるための施策を各組織で策定・実行し、管理しています。 従業員エンゲージメントの指標「持続可能なエンゲージメント」※スコア(好意的な回答率)2022年度 実績2024年度 実績取組・目標提出会社65%68%各組織で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。 2026年度目標70%に向けて、引き続き活動を継続します。 グローバル81%84%国内外の各子会社で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。 2026年度目標86%に向けて、引き続き活動を継続します。 ※「持続可能なエンゲージメント」は、WTWタワーズワトソン社のフレームワークで、当社の経営目標に対する支持、従業員としての誇り、仕事に対する意欲・やりがい・活力に関する複数の質問に対する回答で測られます。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、以下の記載は当社グループのリスクを全て網羅するものではありません。 (1) リスク管理体制当社グループは、事業の継続的・安定的発展を確保し、また、製品の品質と安全性の確保を最優先に、ステークホルダー、並びに社員に損害・損失を与える要因の除去・軽減に誠実に努めるようリスクマネジメントを実践します。 更に、社会全般において幅広く使用されている製品を供給する者としての責任を自覚し、製品を安定的に供給することを社会的使命として、各種法令を遵守しています。 当社グループは、リスクマネジメント委員会を設置しています。 同委員会は、当社グループのリスクマネジメントを推進するため、総合的にリスク評価をしたうえで対応を主管する組織による課題・対応策を協議・承認し、取締役会へ報告しています。 2025年度からは体制を見直し、各主管組織の取組状況等を経営会議に報告提言します。 経営会議はリスク管理の内容について、異議・意見がある場合は、リスクマネジメント委員会に指示を出し、同委員会にて再度対応策を検討後、主管する各組織へ展開します。 (2) 主要なリスク当社グループのリスクは、単独又は複数の主管する組織により、自然災害、市場環境などのリスク類型から、リスクを放置した場合に発生する事象が与える当社グループへの損害・損失を想定し、(顧客への影響1~4点+社内グループへの影響1~4点)×(発生頻度1~4点)の数式から算出した影響度にて評価されています。 以下に挙げるリスクは、リスク評価が32点中12点以上の重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクです。 なお、当連結会計年度では、緊急対策が必要なリスクは発生しませんでした。 人材の流出リスクリスクの内容・雇用形態の多様化や社員の不満に対する対応の遅れなどの人事管理・労務管理の失敗による企業価値の低下・人材の流動が激化し、高い専門性や知識を有する人材の不足や流出による、開発の遅延や品質の悪化及び顧客満足の低下・若年層の“3K”離れや技能習得者の高齢化により、新規ビジネスへの対応の難化・従業員一人当たりの業務の増加、それに伴う離職率の増加、外部委託コストや品質コストの増加、収益の圧迫対応策及び取組・人材育成・多様性・従業員エンゲージメントを柱とする人材戦略から行動計画を策定し実行しています。 詳細は、「人的資本に関するサステナビリティに関する取組」をご確認ください。 詳細は、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取組」に記載のとおりです。 IT最新技術(AI、IoT)への対応遅れによるリスクリスクの内容・IT最新技術への対応の遅れによる販売力や競争力の低下・有効なシステム開発や、最新技術のツールを活用するスキル不足・業務改善、対応能力の低下による高コスト体質化対応策及び取組・国内のセキュリティシステムについて再構築を行いました。 ・デジタル人材の育成を進め26名の人材育成を行いました。 ・データレイクの構築を行い、外部ベンダーへの委託を自社対応に切り替えました。 サイバー攻撃を含む情報セキュリティシステム(ソフト・ハード両方)の機能不全リスクの内容・外部からのサイバー攻撃を含む、システム停止による、業務停止、供給停止などにより、ステークホルダーからの信頼損失対応策及び取組・国内においてはセキュリティシステムの再構築を行いました。 ・2023年度より基幹システムのバックアップシステムをクラウド上に構築しましたが、2024年12月に周辺システムのクラウド化を進めシステムの継続性を高めました。 ・構築したセキュリティシステムについては、毎年1回インシデント訓練を通じて実効性を確認しています。 ・従業員に対して情報セキュリティ教育と標的型メール攻撃訓練を毎年1回実施しています。 原材料などの調達に関わるリスクリスクの内容・世界的な気候変動や災害、様々な社会情勢、材料生産に係わる設備の故障や事故、品質上の問題などを起因とした材料調達と生産活動の遅延や不能による顧客の生産活動の停止・世界的な気候変動や不安定な政治情勢を起因とした、原材料高騰による利益の低下・原材料や購入部品への環境負荷物質含有などを要因とした法令違反対応策及び取組・原材料や購入部品については、購入先を分散しています。 また、複数の代替材候補の選定後に使用実績を作り、製品評価分析を行って、非常時の生産プロセスを構築しました。 ・顧客へ見積提出時の原料価格境界値の設定や価格交渉を継続的に行っています。 ・ITシステムによる環境負荷物質管理を日本で構築しており、海外主要拠点へ水平展開を実施しています。 新領域製品の受注拡大に伴うリスクリスクの内容・製品領域拡大に伴い、新技術・新工法・新材料を採用し、品質コストが増加することによる利益の低下・新領域製品の量産準備の不足、また、新領域の危険予知不足により、品質不具合製品を流出させることによる、顧客満足度の低下及び信用失墜対応策及び取組・量産開始時点からの継続的な品質コストの監視と改善活動を実践しています。 ・国際標準であるIATF16949に準拠した製品実現活動を実践する中で、節目管理活動により、準備不足の解消、製品品質の向上を行っています。 競合先の増加によるリスクリスクの内容・異業種の自動車市場の参入による競合先の増加に伴う、受注価格の低下や失注案件の増加・顧客・業界動向の変化が加速する市場環境下の、従来のビジネススタイルへの固執を要因とした、他社との差別化の失敗による受注価格の低下や失注案件の増加対応策及び取組・技術戦略の方向性を明確にし、専門性を有した人材を確保するとともに、方向性に合致した組織体制作りを行いました。 ・価格競争力の強化推進として、集約生産を実施し、より効率の良い生産体制にしました。 為替変動リスクリスクの内容・取引のグローバル化や顧客からの現地製品供給要請による当社グループの海外売上比率の年々上昇、そのため海外子会社の現地通貨建てによる財務諸表の値を本邦通貨に換算する際の為替レート変動が与える連結財務状況への影響・原材料価格、電力費用や燃料費などが為替レートの影響を受けた際の、製造原価の上昇対応策及び取組・海外子会社の輸出は僅かですが、特定の地域や国に偏在しないような拠点の展開により、影響を最小限としています。 ・原材料に関しては、製造原価の上昇を抑えるために代替材料への置き換え、顧客との価格転嫁の交渉を行っています。 カントリーリスクリスクの内容・当社グループの海外拠点の所在国、地域において、政策・法律・税制の急激な変更、予測できない政治、経済の不安定化、テロ・戦争・紛争の勃発、伝染病の蔓延などの社会的混乱を要因とした、事業遂行の難化・事業遂行の難化による、当社グループの業績及び財務状況の悪化とサプライヤーチェーン分断の発生対応策及び取組・業績や財務への影響を最小限とするために、特定の地域や国に偏在しないような拠点の展開をしています。 ・グローバルで生産品の情報を管理し、代替品の生産・納入を行えるよう管理体制の推進を行っています。 これらのリスクの他に、地震などの自然災害の発生が予想されるため、事業継続計画(BCP)として、発生時の被害を最小化する設備の耐震化を進めており、全社員の安否を確認するシステムを導入するとともに、訓練を実施しています。 また、サプライチェーンを分断しないよう、代替原材料の選定や代替品生産などを含めた活動に取り組んでいます。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度(以下、当期という)におけるわが国経済は、デフレ脱却に向けて、企業の堅調さや家計における実質所得の改善など緩やかな回復を続けております。 製造業においては、一部自動車メーカーの認証試験不正問題による生産と出荷の停止の影響を受けて景気が落ち込みましたが、それらが解除されていく中で底堅く回復しております。 海外に目を転じますと、中国経済においては、景気の低迷を受けて、政府は景気刺激策を打ち出しておりますが、効果が十分に見られておりません。 また、米国との対立による経済への影響は懸念すべき状況が続いております。 今後、全人代にて掲げられる政策が中国経済へもたらすインパクトについても注目する必要があります。 欧州経済については、ユーロ・英国圏においては、インフレ圧力の緩和を受けて個人消費が増加しており、景気は緩やかな回復基調にあります。 それに伴う形でサービス業の業況も回復し、景気を牽引しております。 一方で、製造業においては、資源高や主要輸出先である中国の景気減速の影響によってドイツ製造業生産の低迷が深刻化するなど、欧州製造業は足踏みする状況が長期化しております。 米国経済においては、良好な雇用や所得環境による個人消費の伸びやAIなどのハイテク関連製造業における投資増加を背景に、強固な内需を中心に堅調に推移しております。 しかしながら、自動車産業などの分野における製造業では、高金利などを受けて低迷が続いております。 このように世界経済は、足元では持ち直しており、インフレ圧力の緩和による個人消費の良化やデジタル化の進展により、世界的にサービス業が好調を維持しております。 一方で、製造業は、減産で停滞する不調な先進国と増産で成長を続ける好調な新興国とで二極化しつつあります。 加えて、今後米国新政権による政策が世界的にもたらす影響への懸念が生じており、依然として先行き不透明な状況にあります。 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比5.0%減の3,530億3千8百万円となりました。 営業利益は前期比12.0%増の492億円となりました。 経常利益は前期比5.0%増の521億4千7百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比145.3%増の447億6千7百万円となりました。 資産合計は、前期比5億8千9百万円減少し、3,798億1千6百万円となりました。 負債合計は、前期比322億6千3百万円減少し、1,010億9千万円となりました。 純資産合計については、前期比316億7千3百万円増加して、2,787億2千5百万円となりました。 その結果、自己資本比率は72.4%、1株当たり純資産は2,888円37銭となりました。 セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。 各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。 合成樹脂成形品事業 合成樹脂成形品事業の売上高は前期比5.6%減の3,159億4千2百万円となりました。 セグメント利益は、前期比14.4%増の490億1千6百万円となりました。 ベッド及び家具事業 ベッド及び家具事業は、売上高は前期比0.5%増の370億9千6百万円となりました。 セグメント利益につきましては、前期比8.8%減の59億6千7百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、542億1千7百万円の資金の増加となり、前期が472億5千7百万円の資金の増加であったことと比べて、69億6千万円の増加となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益が増加した ことや、売上債権の増減額が減少から増加に転じたこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、238億9千1百万円の資金の減少となり、前期が81億3千5百万円の資金の減少であったことと比べて、157億5千6百万円の減少となりました。 これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、351億5千4百万円の資金の減少となり、前期が260億2千4百万円の資金の減少であったことと比べて、91億3千万円の減少となりました。 これは主に、自己株式の取得による支出等によるものであります。 以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して9億2千6百万円減少し、1,410億9千7百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 a 生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)合成樹脂成形品事業(百万円)212,11992.5ベッド及び家具事業(百万円)13,645103.4合計(百万円)225,76493.1(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 b 商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)合成樹脂成形品事業(百万円)16,74878.5ベッド及び家具事業(百万円)3,19496.3合計(百万円)19,94380.9(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c 受注実績 当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。 d 販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)合成樹脂成形品事業(百万円)315,94294.4ベッド及び家具事業(百万円)37,096100.5合計(百万円)353,03895.0(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。 結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。 当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。 a 棚卸資産当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。 実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。 b 投資の減損当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。 これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。 当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。 また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。 将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。 c 退職給付費用従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。 これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。 親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。 期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。 実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。 近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。 未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際の結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。 d 有形固定資産の減損当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。 その上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。 対象資産又は資産グループの業績が当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(1)当連結会計年度の経営成績等 当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当連結会計年度において、対前年同期比で、生産台数は下回ったものの、販売台数は上回る結果となりました。 海外におきましては、当連結会計年度の対前年同期比で、中国市場やインド市場では生産台数、販売台数共にやや上回る結果となった一方で、欧州市場では販売台数は上回ったものの、生産台数は下回る結果となっております。 米国市場をはじめその他世界各国の市場においては生産台数、販売台数共に下回る結果となっております。 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比5.0%減の3,530億3千8百万円となりました。 利益面では、ドイツ系OEM事業で苦戦を強いられておりましたNifco Germany GmbH、及びNifco KTW America Corporationの事業譲渡に加え、原材料費を含めた変動費の改善や、管理可能経費削減の取り組みなどにより、営業利益は前期比12.0%増の492億円となりました。 経常利益は前期比5.0%増の521億4千7百万円となりました。 また、訴訟に係る和解金などを特別損失として9億5千5百万円計上いたしましたが、政策保有株式の売却に伴い投資有価証券売却益などを特別利益として31億3千3百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比145.3%増の447億6千7百万円となりました。 資産合計は、前期比5億8千9百万円減少し、3,798億1千6百万円となりました。 主な減少要因としては、有形固定資産が107億3千1百万円増加したものの、投資有価証券が40億7千9百万円、売掛金が51億9千5百万円、現金及び預金が35億5千2百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。 負債合計は、前期比322億6千3百万円減少し、1,010億9千万円となりました。 主な減少要因としては、借入金が154億5百万円、事業譲渡損失引当金が100億6千8百万円、繰延税金負債が26億7千5百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。 純資産合計は、前期比316億7千3百万円増加して、2,787億2千5百万円となりました。 主として利益剰余金が381億6千4百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が98億6千6百万円増加したことなどによるものであります。 以上の結果、自己資本比率は前期比8.3ポイント増加し、72.4%、1株当たり純資産は2,888円37銭となりました。 (2)経営成績に重要な影響を与える要因a 経済状況当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。 また、米国の関税政策の影響については現時点で適切に見積もることができず、今後も経営状況を注視してまいります。 当連結会計年度において、日本は一部自動車メーカーによる認証試験不正の発覚、天災・事故によるサプライチェーンの停滞等による減産が相次ぎ、生産台数は前年比減となりました。 b 原油及びナフサ価格の高騰当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。 当連結会計年度においては、原材料価格の市況変動適用拡大の交渉を推進し、高騰分の価格転嫁を実現しました。 c 取引先からの値引き要請当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。 当連結会計年度においては、値引き要請に応じると同時に、顧客の減産に伴う費用請求、エネルギー費や労務費高騰分の費用請求を実施し、様々な方法で価格転嫁への取り組みを推進しました。 (3)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。 営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。 これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。 設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。 これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。 当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。 これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。 (4)セグメントごとの経営成績等a 合成樹脂成形品事業〔国内自動車業界向け〕 国内の自動車生産につきましては、一部自動車メーカーによる認証試験不正の新たな発覚とその対策としての品質を優先した生産体制、天災・事故によるサプライチェーンの停滞等による減産が相次ぎ、当社売上もその影響を受け減収となりました。 しかし、新車立上げに伴う金型売上や電力料補填、材料費・労務費の価格転嫁等の貢献により、売上の通期合計は当初計画を上回る結果となりました。 〔海外自動車業界向け〕 海外においては、韓国OEM向け事業は顧客の増産等により引き続き好調を維持し、北米において対計画比・前年比ともに増収増益を達成しました。 また、日系OEM向けも、米国での顧客の好調な売上に支えられ増収増益を達成したほか、インド、インドネシアを中心に堅調さを維持し、全体として増収増益を果たしました。 一方で、中国においては、日系OEMの販売不振により苦戦を強いられ、全体として前年比で減収減益の結果となりましたが、最適化を実行し対計画比では増収増益を確保しました。 更に欧州においては、ドイツOEM事業の売却を完了し赤字事業を一掃しました。 その結果、全体として減収増益となりました。 今後は好調な韓国OEM事業や、北米、インドでの日系OEM事業への設備投資を増強するなどして、事業ポートフォリオの改善による更なる収益力の向上を目指してまいります。 〔その他業界向け〕 住生活分野においては、国内新築着工戸数の減少が続く中で住宅設備部品の新規受注により対前年比で増収となりました。 またスポーツ・アウトドア分野においては、欧米に加え中国などの外資ブランドへの積極的な営業活動によって対計画比・前年比共に大幅な増収増益を達成しました。 以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比5.6%減の3,159億4千2百万円となりました。 セグメント利益につきましては、前期比14.4%増の490億1千6百万円となりました。 b ベッド及び家具事業 ベッド及び家具事業は、国内においては原材料などの円安による原価アップや60周年記念商品の販売に伴い販売促進費用が増加するも、販売店向け及びホテル向けが好調に推移したことにより、増収増益となりました。 一方、海外においては香港及び台湾にて小売り・ホテル向けが伸びたものの、中国が不動産不況による景気減速の影響があり、2024年8月に中央政府が打ち出した消費促進策も効果は限定的であり卸・小売りが落込みました。 また、2024年1月にタイ工場を設立したことによる立上げ費用の影響もあり、減収減益となりました。 この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比0.5%増の370億9千6百万円となりました。 セグメント利益につきましては、前期比8.8%減の59億6千7百万円となりました。 (5)経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、2021年度より、3ヶ年計画はローリング型中期経営計画を採用しています。 これは、各年度の実績及び取り巻く環境の変化を適宜織り込み、最も適した目標数値を示して目標の達成に臨むものです。 当社は、顧客に対し、よりよい社会を創造し、顧客ニーズを解決する提案を行うことにより、社会的価値と企業価値の最大化を目指します。 2024年度実績2027年度目標2024年度比売上高3,530億円3,690億円+4.5%営業利益492億円534億円+8.5%営業利益率13.9%14.0%以上+0.1%pts以上当期純利益447億円350億円-21.7%ROE17.3%12~14%-5.3 ~ -3.3%ptsROIC18.8%18~20%-0.8 ~+1.2%pts営業キャッシュ・フロー(3年間合計)1,387億円1,440億円+3.8%為替前提1ドル=151.7円1ドル=145円 (注)当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当連結会計年度における研究開発費の総額は、4,415百万円となっており、大部分は合成樹脂成形品事業で4,395百万円であります。 当社グループとしては、各主力市場に向けた新製品開発の推進、並びに関連市場への積極的参入を図っております。 専門的な開発活動を迅速に推進することを目的とした商品群毎と領域毎の商品開発部門と、開発のフロントローディング化、商品価値の向上及び高品質化に不可欠なデジタル解析と評価分析を行う基盤技術部門を設け、その連携により論理的な開発を行える体制を整えています。 その他の分野においては、商品のみならず、サービスを組み合わせた開発も進めております。 モノづくりにおいては、材料投入から顧客のライン投入までの工程全体の最適化を進める生産技術本部を強化し、立上げ品質の向上や永久的な労働力不足対応に寄与する開発に注力しております。 ニフコの研究開発活動は、お客様の困りごとや社会課題を解決する提案をグローバルで連携して行っております。 今後もお客様からの信頼を高め、グローバルサプライヤーとしての確固たる地位を不動なものにしてまいります。 また、持続可能な社会の実現に向けた開発を通じて、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。 (1)合成樹脂成形品事業 ① 自動車分野 : 業界の普遍的要素である「環境」・「安全」・「快適」に関連する開発に資源を集中しております。 「環境」においては、燃費向上に貢献する軽量化部品/空力関連部品及び先進環境対応車に搭載するパワートレイン関連部品などを数多く開発・量産化しております。 「安全」においては、障害物検知センサー関連の量産品を深化/拡大させる開発、衝撃安全関連部品の開発を進めております。 「快適」においては、車室内の快適性を上げる遮音/吸音関連部品の開発が進み、車両への搭載が増加しています。 100年に一度の大変革期において、当社グループは変化をチャンスと捉え、今まで培ってきた強みを進化させ、普遍的な価値を持った商品を世界中のお客様に提供することに努めております。 ② その他 : 環境に優しい「電池レスセンサーデバイス」を用いたICTソリューションは横須賀市内の高等学校に続き、広島の高等学校でも導入されました。 また、教室だけに留まらず、体育館や校庭における夏場の熱中症予防を目的とした「熱中症対策システム」は横須賀市立の24校に試験的に導入されることとなりました。 2025年6月から企業の熱中症対策が義務化されるため、併せて企業向けの展開も推進していきます。 今後も「高齢化」「労働力不足」「環境問題」という社会課題を解決する価値の創出と提供に努めてまいります。 (2)ベッド及び家具事業 お客さまへの健康で快適な睡眠の提供のため、研究機関等専門家との科学的な分析と、感性や感覚を重視した商品の開発を進めております。 また、様々な機能、動きをコントロールできる多機能ベッドの開発、寝装品やリビング空間への商品拡販、AIやデジタル技術を活用した豊かなライフ空間の提案にも力を入れております。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社及び連結子会社では、当連結会計年度において、19,734百万円の設備投資を行いました。 合成樹脂成形品事業におきましては、日本では、国内自動車メーカーからの新規受注品に対応した金型設備等に日本地域合計で4,111百万円の投資を行いました。 北米では、韓国OEM向け事業を行う子会社の新工場の建設、新規の機械設備の導入などを中心に7,867百万円、北米地域全体で8,992百万円の投資を行いました。 日本を除くアジア地域では、Nifco South India Manufacturing Private Ltd.の新工場の建設、新規の機械設備の導入など全体で1,705百万円等、アジア地域合計で5,233百万円の設備投資を行い、日系、非日系自動車メーカー、家電、OA、アパレルメーカーの顧客に対しグローバルに高付加価値製品を生産、販売できる体制を築きました。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社及び連結子会社における主要な設備は次のとおりであります。 (1) 提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)金型(百万円)ソフトウェア(百万円)その他(百万円)合計(百万円)ニフコ技術開発センター(神奈川県横須賀市)合成樹脂成形品事業研究開発施設2,8481441,269(13,721)13911304,498233(33)本社(神奈川県 横須賀市)合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー技術開発設備及び管理業務施設1,2141082,185(29,413)4260593,832257(46)名古屋工場(愛知県豊田市)合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備4,0741,3511,140(33,297)172371756,951514(153)相模原工場(神奈川県 相模原市中央区)合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備2,0181,3042,062(33,671)86461555,672222(97) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース資産であり、建設仮勘定を含んでおりません。 2.「従業員数」の欄に掲載されている( )内は平均臨時雇用者数で外数となっております。 3.現在休止中の主要な設備はありません。 (2) 国内子会社2025年3月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円) シモンズ㈱富士小山工場(静岡県駿東郡小山町)ベッド及び家具事業家具製造設備及び物流センター2,2161541,663(56,442)324,066223(1)㈱ニフコ山形山形県山形市合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備873[849]573[-]1,405(56,384)[1,405]([56,384])122[92]2,974[2,347]122(245)㈱ニフコ熊本熊本県菊池市他合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備3,156484693(86,176)654,401162(186) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、金型、リース資産及びソフトウェアであり、建設仮勘定を含んでおりません。 2.「従業員数」の欄に掲載されている( )内は平均臨時雇用者数で外数となっております。 3.現在休止中の主要な設備はありません。 4.[ ]内の数字は提出会社から賃借中のものを内書きで表示しております。 (3) 在外子会社2025年3月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)金型(百万円)その他(百万円)合計(百万円)Nifco Korea Inc.Asan工場(本社)他(Asan-si, Korea他)合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備及び管理業務施設3,4696793,239(123,178)1,6034299,420568(200)Nifco America Corporation本社・Ohio工場他(Ohio, U.S.A. 他)合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備及び管理業務施設4,0772,353408(311,819)375617,4381,104(-)NifcoKorea Poland sp. z o.o.本社・工場他(Zory, Poland)合成樹脂成形品事業工業用プラスチック・ファスナー生産設備及び管理業務施設3,1722,028365(41,937)96305,693603(316) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、その他であり、建設仮勘定を含んでおりません。 2.「従業員数」の欄に掲載されている( )内は平均臨時雇用者数で外数となっております。 3.現在休止中の主要な設備はありません。 4.帳簿価額には、使用権資産の金額を含めております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等会社名 事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手及び完成年月総額(百万円)既支払額(百万円)着手完成Nifco Korea USA Inc.Nuevo Leon,Mexico合成樹脂成形品事業新工場の建設6,1195,656自己資金及び借入金2023.122025.6Nifco India Private Ltd.Haryana,India合成樹脂成形品事業新工場の建設3,900-新株発行及び借入金2025.52027.5 (2) 重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 4,395,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 19,734,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 17 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,095,341 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、原則として保有目的が純投資目的である投資株式を保有いたしません。 純投資目的以外の目的である投資株式の区分については、取引関係の維持・強化や新規分野開発及び企業提携を深めるなど当社の企業価値向上につながると判断される場合のみ保有します。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、前項のとおり取引関係の維持・強化や新規分野開発及び企業提携を深めるなど当社の企業価値向上につながると判断される場合のみ保有します。 当社は、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」に基づき、取締役会において保有するリターンとリスクを勘案し、保有の適否を検証し保有に合理性のない株式について売却を進めております。 2015年3月末時点で、22銘柄61億円を保有しておりましたが、2025年3月末時点で1銘柄(1単元未満)まで縮減いたしました。 残る1銘柄につきましても、2025年度内に売却の予定です。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式14286非上場株式以外の株式10 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式1149協力関係の構築・強化等のための出資による増加非上場株式以外の株式120取引先持株会による定期的な購入 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式51,172 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(千株)株式数(千株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)本田技研工業株式会社0604当事業年度において当該銘柄の株式を原則すべて売却いたしましたが、当事業年度末においては、手続上の都合により単元未満株式が残存しております。 無01,142トヨタ自動車株式会社-724-無-2,745日産自動車株式会社-137-無-83マツダ株式会社-20-無-36株式会社SUBARU-11-無-38なお、みなし保有株式については、該当はありません。 また、定量的な保有効果については記載が困難であります。 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。 d.保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額並びに 当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 14 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 286,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 0 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 149,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 20,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,172,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 0 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 0 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 協力関係の構築・強化等のための出資による増加 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 取引先持株会による定期的な購入 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 株式会社SUBARU |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 当事業年度において当該銘柄の株式を原則すべて売却いたしましたが、当事業年度末においては、手続上の都合により単元未満株式が残存しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1-8-1 16,47217.23 公益財団法人小笠原敏晶記念財団東京都港区芝5-27-610,34310.82 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1-8-128,2918.67 GOLDMAN, SACHS & CO. REG(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)200 WEST STREET NEW YORK,NY,USA(東京都港区虎ノ門2-6-1)5,9816.25 日本生命保険相互会社東京都千代田区丸の内1-6-62,9153.05 第一生命保険株式会社東京都千代田区有楽町1-13-12,0652.16 GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO0107 NO(東京都新宿区新宿6-27-30)1,9202.00 株式会社日本カストディ銀行(信託口4)東京都中央区晴海1-8-121,7881.87 THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY10286, U.S.A.(東京都港区港南2-15-1)1,7131.79 JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF,LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2-15-1)1,4211.48計-52,91155.37 (注)1.所有株式数及び発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、表示単位未満の端数を切り捨てて表示しております。2. 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)、 株式会社日本カストディ銀行(信託口)及び 株式会社日本カストディ銀行(信託口4)の所有株式は、全て信託業務に係る株式であります。3.次のとおり大量保有報告書等が提出されておりますが、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)異動日報告書提出日※野村證券株式会社東京都中央区日本橋1-13-16,1556.142024年6月28日2024年7月5日※インベスコ・アセット・マネジメント株式会社東京都港区六本木6-10-14,8814.872024年7月31日2024年8月6日(注)上表中「 氏名又は名称」欄の※につきましては、共同保有であるため、当該報告書の提出者の名称及び住所を記載しております。 |
株主数-金融機関 | 25 |
株主数-金融商品取引業者 | 23 |
株主数-外国法人等-個人 | 9 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 309 |
株主数-個人その他 | 3,255 |
株主数-その他の法人 | 76 |
株主数-計 | 3,697 |
氏名又は名称、大株主の状況 | JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式3701,381,030当期間における取得自己株式50166,150 (注) 1.当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 2.取得自己株式数には、役員報酬BIP信託が取得した株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -16,632,000,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -16,632,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)1100,257,053--100,257,053合計100,257,053--100,257,053自己株式 普通株式(注)1,2,3,41,031,0174,515,570487,7375,058,850合計1,031,0174,515,570487,7375,058,850(注)1.当連結会計年度期首の株式数には、役員報酬BIP信託口が保有する当社株式377,810株、株式付与ESOP信託口49,739株を含めて記載しております。 2.普通株式の自己株式数の増加4,515,570株は、取締役会決議に基づく自己株式の市場買付取引による増加4,346,700株、役員報酬BIP信託口による当社株式の取得による増加168,500株、単元未満株式の買取による増加370株であります。 3.普通株式の自己株式数の減少487,737株は、取締役会決議に基づく従業員持株会に対する自己株式の処分77,320株、役員報酬BIP信託口への当社株式の譲渡による減少168,500株、役員報酬BIP信託口からの株式給付による減少241,917株であります。 4.当連結会計年度末の株式数には、役員報酬BIP信託口が保有する当社株式304,393株及び株式付与ESOP信託口が保有する当社株式49,739株を含めて記載しております。 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月23日 株式会社ニフコ取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人東京事務所指定有限責任社員業務執行社員公認会計士杉 崎 友 泰指定有限責任社員業務執行社員公認会計士村 松 通 子 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ニフコの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益及び包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ニフコ及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 売上高の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ニフコの当連結会計年度の売上高は353,038百万円である。 その主要な部分は親会社である株式会社ニフコ及び連結子会社であるNifco America Corporation、Nifco Korea Inc.、シモンズ株式会社(以下、「同子会社」という。 )が占めている。 注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、株式会社ニフコ及び連結子会社では、主に顧客との販売契約に基づき、顧客に製品等を納入することを履行義務としており、原則として製品等の引渡時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断していることから、当時点において収益を認識している。 売上高については、業績予想が外部投資家へ公表されているため、一般的に当該業績予想達成のプレッシャーが存在することから、不適切な会計期間に売上が計上されるリスクが存在する。 以上から、当監査法人は、株式会社ニフコ及び同子会社の売上高の期間帰属の適切性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社ニフコ及び同子会社の売上高の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 これには、構成単位の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、主として以下の監査手続を実施することを含んでいる。 (1)内部統制の評価 売上高の計上プロセスにおける内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価においては、売上高の計上について、その根拠となる注文書、出荷伝票、納品書、検収書等と照合する内部統制に焦点を当てた。 (2)売上高の期間帰属の適切性の検討 売上高が適切な会計期間に帰属しているか否かを検討するため、以下を含む手続を実施した。 ●期間帰属の適切性が損なわれるリスクが高い期末日前に計上された売上高から抽出した取引について、売上計上日付と出荷伝票や納品書、検収書等の日付と照合することによって、適切な会計期間に計上されていることを確かめた。 ●期末日後の返品状況を確認し、当連結会計年度の売上高の取消として処理すべき重要な返品取引の有無を検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ニフコの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ニフコが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 1)上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2)XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 売上高の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ニフコの当連結会計年度の売上高は353,038百万円である。 その主要な部分は親会社である株式会社ニフコ及び連結子会社であるNifco America Corporation、Nifco Korea Inc.、シモンズ株式会社(以下、「同子会社」という。 )が占めている。 注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、株式会社ニフコ及び連結子会社では、主に顧客との販売契約に基づき、顧客に製品等を納入することを履行義務としており、原則として製品等の引渡時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断していることから、当時点において収益を認識している。 売上高については、業績予想が外部投資家へ公表されているため、一般的に当該業績予想達成のプレッシャーが存在することから、不適切な会計期間に売上が計上されるリスクが存在する。 以上から、当監査法人は、株式会社ニフコ及び同子会社の売上高の期間帰属の適切性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社ニフコ及び同子会社の売上高の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 これには、構成単位の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、主として以下の監査手続を実施することを含んでいる。 (1)内部統制の評価 売上高の計上プロセスにおける内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価においては、売上高の計上について、その根拠となる注文書、出荷伝票、納品書、検収書等と照合する内部統制に焦点を当てた。 (2)売上高の期間帰属の適切性の検討 売上高が適切な会計期間に帰属しているか否かを検討するため、以下を含む手続を実施した。 ●期間帰属の適切性が損なわれるリスクが高い期末日前に計上された売上高から抽出した取引について、売上計上日付と出荷伝票や納品書、検収書等の日付と照合することによって、適切な会計期間に計上されていることを確かめた。 ●期末日後の返品状況を確認し、当連結会計年度の売上高の取消として処理すべき重要な返品取引の有無を検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 売上高の期間帰属の適切性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社ニフコの当連結会計年度の売上高は353,038百万円である。 その主要な部分は親会社である株式会社ニフコ及び連結子会社であるNifco America Corporation、Nifco Korea Inc.、シモンズ株式会社(以下、「同子会社」という。 )が占めている。 注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、株式会社ニフコ及び連結子会社では、主に顧客との販売契約に基づき、顧客に製品等を納入することを履行義務としており、原則として製品等の引渡時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断していることから、当時点において収益を認識している。 売上高については、業績予想が外部投資家へ公表されているため、一般的に当該業績予想達成のプレッシャーが存在することから、不適切な会計期間に売上が計上されるリスクが存在する。 以上から、当監査法人は、株式会社ニフコ及び同子会社の売上高の期間帰属の適切性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準」 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、株式会社ニフコ及び同子会社の売上高の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 これには、構成単位の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め、主として以下の監査手続を実施することを含んでいる。 (1)内部統制の評価 売上高の計上プロセスにおける内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価においては、売上高の計上について、その根拠となる注文書、出荷伝票、納品書、検収書等と照合する内部統制に焦点を当てた。 (2)売上高の期間帰属の適切性の検討 売上高が適切な会計期間に帰属しているか否かを検討するため、以下を含む手続を実施した。 ●期間帰属の適切性が損なわれるリスクが高い期末日前に計上された売上高から抽出した取引について、売上計上日付と出荷伝票や納品書、検収書等の日付と照合することによって、適切な会計期間に計上されていることを確かめた。 ●期末日後の返品状況を確認し、当連結会計年度の売上高の取消として処理すべき重要な返品取引の有無を検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |