財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-20 |
英訳名、表紙 | SPARX Group Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 グループCEO グループCIO 阿部 修平 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区港南一丁目2番70号品川シーズンテラス |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | (03)6711-9100(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 1988年6月虎ノ門投資顧問㈱として東京都港区に設立。 1988年11月「有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律」に基づき投資顧問業者登録(関東財務局第364号)。 1989年7月スパークス投資顧問㈱へ商号を変更し、投資顧問業務を開始。 1993年10月スイスに欧州におけるマーケティング活動を目的としたSPARX Finance S.A.を設立。 1994年7月米国に投資顧問業務を目的とした米国証券取引委員会(SEC)登録投資顧問会社SPARXInvestment & Research, USA, Inc.を設立。 1996年1月米国に海外ファンドの管理業務を目的としたSPARX Fund Services,Inc.を設立。 1996年12月英領バミューダに欧米の投資家向けオフショア・ファンドの運用・管理を目的としたSPARX Overseas Ltd.を設立。 2023年10月清算結了。 1997年2月スパークス投資顧問㈱が投資一任契約に係る業務の認可を取得(大蔵大臣第191号(認可取得時))。 1998年5月国内マーケティングを目的としたスパークス証券㈱を設立。 証券第1号、2号、及び4号免許を取得(大蔵大臣第10082号(認可取得時))。 (同年12月、証券取引法第28条に基づく証券業登録)2000年3月スパークス投資顧問㈱が証券投資信託委託業の認可を取得(金融再生委員会第24号(認可取得時))。 スパークス・アセット・マネジメント投信㈱へ商号を変更し、本社を東京都品川区大崎へ移転。 2001年12月スパークス・アセット・マネジメント投信㈱が日本証券業協会に店頭登録。 2002年10月SPARX Investment & Research, USA, Inc.が米国内での投資顧問業務を目的として米国証券取引委員会(SEC)に再登録(同社本社をニューヨークへ移転)。 2004年2月欧州における既存・新規顧客向けにサービスを行うため、英国にSPARX Asset ManagementInternational, Ltd.を設立。 同年8月、投資顧問業務及びグループファンド等のアレンジメント業務の認可を取得し、業務開始。 2004年6月米国内でファンドの販売を行うSPARX Securities, USA, LLCを設立。 2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場。 2004年12月英国に海外子会社の管理を目的としたSPARX International, Ltd.を設立。 2005年2月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)の株式の過半数を取得。 2005年4月香港に海外籍ファンドの管理業務等を目的としたSPARX International (Hong Kong)Limitedを設立。 同年8月、Advising on Securities, Asset Management業務の認可を取得し、業務開始。 2005年6月業務内容の変化に伴い、SPARX Fund Services, Inc.の商号をSPARX Global Strategies,Inc.へと変更。 2005年7月自己資金による投資業務の展開を目的として、スパークス・キャピタル・パートナーズ㈱を設立。 2005年8月スパークス・アセット・マネジメント投信㈱を米国の投資顧問業として、米国証券取引委員会(SEC)へ登録。 2005年9月第一回無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行(発行額:50億円)。 2006年1月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)を米国の投資顧問業として、米国証券取引委員会(SEC)へ登録。 2006年6月アジア全域を対象とした投資プラットフォームの構築を実現させるため、SPARXInternational Ltd.を通じてPMA Capital Management Limited(現 SPARX Asia Capital Management Limited)の全株式を取得。 2006年10月会社分割により持株会社体制に移行し、社名をスパークス・グループ㈱に変更するとともに、子会社であるスパークス・アセット・マネジメント㈱が、資産運用業務とそれに係わる人員及び資産等を継承。 2007年1月グループ内における海外業務の効率化に伴い、SPARX Global Strategies, Inc.を解散することを決議。 2008年2月グループ内における海外業務の効率化に伴い、SPARX Finance S.A.を解散することを決議。 2018年10月清算結了。 2008年7月California Public Employee's Retirement System(カリフォルニア州公務員退職年金基金)及びRelational Investors, LLCとのジョイント・ベンチャー解消に伴い、SPARX Value GP, LLCを解散することを決議。 2008年12月清算結了。 2008年10月早期退職を含む経営改革(第1次)を断行。 2008年10月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)発行済株式の9.7%を追加取得。 2008年11月英国のSPARX Asset Management International, Ltd.の営業を停止。 2009年2月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)発行済株式の21.0%を韓国ロッテ・グループの関係会社に譲渡。 2009年2月早期退職を含む経営改革(第2次)を断行。 2009年7月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)発行済株式の10.0%を追加取得。 2009年9月グループ内における海外業務の効率化に伴い、SPARX Investment & Research, USA, Inc.、SPARX International, Ltd.及びSPARX Asset Management International, Ltd.を解散することを決議。 2011年12月までに上記3社は清算結了。 2009年9月米国Hennessy Advisors Inc.と米国における投資信託ビジネスの提携に関する契約を締結。 2009年12月日本風力開発株式会社と「スマートグリッド」に関連する技術・ビジネスモデルを有する日本企業に共同で投資を行う投資事業有限責任組合設立のための契約を締結。 現在は、クリーンテック投資戦略としてファンドが設立されたため、当該組合は役割を終えたとして解散。 2010年2月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)発行済株式の8.9%を韓国ロッテ・グループの関係会社に譲渡。 2010年7月スパークス・アセット・マネジメント㈱とスパークス証券㈱が、スパークス・アセット・マネジメント㈱を存続会社として合併。 2010年8月韓国のCosmo Investment Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)発行済株式の10%を追加取得。 2010年11月SPARX International(Hong Kong)Limitedの全株式をMCP Asset Management Co., Ltd.に譲渡。 2011年2月スパークス・グループ㈱とスパークス・キャピタル・パートナーズ㈱が、スパークス・グループ㈱を存続会社として合併。 2011年6月PMA Capital Management Limitedの商号をSPARX Asia Capital Management Limitedへと変更。 2011年11月Cosmo Investment Management Co.,Ltd.が韓国投資信託委託業ライセンスを取得し、それに伴い商号をCosmo Asset Management Co., Ltd.に変更。 2012年5月本社を東京都品川区東品川へ移転。 2012年6月不動産関連投資ファンドビジネスへ参入。 2012年6月東京都の官民連携インフラファンド運営事業者に選定される。 2012年8月再生可能エネルギーにおける発電事業及びそのコンサルティング業務を行うスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー㈱を設立。 2012年11月Cosmo Asset Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)は、本社をソウル特別市中心部の永登浦区汝矣島へ移転。 2013年11月Cosmo Asset Management Co., Ltd.(現 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.)が韓国国内におけるヘッジファンドのライセンスを取得。 2014年4月ジャパンアセットトラスト㈱の全株式を取得し、商号をスパークス・アセット・トラスト&マネジメント㈱へ変更。 2014年10月東京都の官民連携再生可能エネルギーファンド運営事業者に選定される。 2015年2月Cosmo Asset Management Co., Ltd.の商号をSPARX Asset Management Korea Co., Ltd.へと変更。 2015年11月2016年6月2017年1月未来社会に向けたイノベーションの加速を目的とする新たな未来創生ファンドを設立。 本社を東京都港区港南へ移転。 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.が、本社をソウル特別市の鍾路区鍾路へ移転。 2017年11月 運転開始後のフェーズにおける投資にフォーカスした長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたブラウンフィールドのファンドを設立。 2018年12月 投資事業組合財産の運用及び管理を行うスパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社(現 スパークス・インベストメント株式会社)を設立。 2018年12月投資アドバイザリー業を行うSPARX Capital Investments,Inc.を米国に設立。 2022年清算結了。 2018年12月SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.の持分の追加取得により100%子会社化。 2019年3月東京証券取引所市場第一部に指定。 2019年4月量子アニーリング技術研究開発ソリューションを提供する株式会社シグマアイに出資・参画。 2020年4月 投資事業組合財産の運用及び管理を行うスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社を設立。 2020年6月監査等委員会設置会社へ移行。 2020年11月SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.が、本社をソウル特別市の鍾路区セムナン路へ移転。 2021年4月野村ホールディングス株式会社と非上場企業へ投資する上場投資法人を運用する野村スパークス・インベストメント株式会社を設立。 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。 2024年4月グループ内の組織変更に伴い、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社について解散することを決議。 2024年11月清算結了。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 (1) 事業の内容についてⅰ.当社グループの事業の概要について 当社グループは、スパークス・グループ株式会社を持株会社として、日本及び海外子会社で構成される、資産運用業(投資顧問業・投資信託委託業)を中核業務とする企業集団であります。 当社グループが提供する資産運用業は主として、スパークス・アセット・マネジメント株式会社による日本株式、再生可能エネルギー発電事業(発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資)、未公開株式などを投資対象とした調査・運用のほか、スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社による不動産及び再生可能エネルギー発電事業(発電事業等の運転開始後の安定稼動フェーズ)などを投資対象とした調査・運用、SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.による韓国株式を投資対象とした調査・運用及びケイマン諸島籍のSPARX Asia Capital Management Limitedの100%子会社であり、香港を主要拠点とするSPARX Asia Investment Advisors Limitedによるアジア株式を投資対象とした調査・運用から成っております。 ⅱ.資産運用業の仕組みについて 投資顧問業とは、株式、債券などの有価証券に対する投資判断(有価証券の種類、銘柄、数、価格、売買時期などの判断)について、報酬を得て専門的立場から、投資家に助言を行う業務です。 投資顧問業はさらに、「投資助言業務」と「投資一任業務」に大別されます。 このうち投資助言業務は投資家との間で「投資顧問契約」を結び、その契約内容にしたがって投資助言のみを行う業務です。 この場合、実際の投資判断と有価証券の売買・発注は投資家自身で行うこととなります。 一方、投資一任業務は、投資家と「投資一任契約」を締結し、顧客から投資判断の全部又は一部と売買・発注などの投資に必要な権限を委任される業務です。 投資一任契約の場合、どの有価証券への投資を通じて投資家の資産を運用するかという投資判断と実際の売買発注までを投資顧問会社が行います。 投資助言業務の仕組み 投資一任業務の仕組み 他方、投資信託委託業とは、業として委託者指図型の投資信託の委託者となることであります。 運用の専門家である投資信託委託業者(委託者)として、投資信託への投資として投資家(受益者)から集めた資金を一つにまとめ有価証券に分散投資し、その成果(運用損益)を投資家に配分することを業務としております。 投資信託(契約型)の仕組み (注)投資信託には契約型と会社型があります。 このうち、わが国の主流は契約型でありますので、上記では契約型の仕組みを記載しております。 ⅲ.当社グループの提供する投資戦略の変遷について 当社は、1989年7月1日の業務開始以来、独立系の投資顧問会社として日本株を中心に企業への個別訪問によるボトムアップ・アプローチを軸に、店頭登録企業を主体とする中小型株への投資に専門性を持った投資顧問会社として創業し、独創的な資産運用を行ってまいりました。 日本経済に大規模な構造変革が起きることを想定し、その変革の担い手は大企業ではなく、店頭登録企業に代表される新興の成長企業、中でも経営者が自社のマネジメントに哲学をもつオーナー企業であるとの確信に基づき、そのような企業を対象とする運用に特化いたしました。 その結果、創業時より必然的に採用された運用調査手法が、会社訪問による企業調査を中心にした「ボトムアップ・アプローチ」です。 当社の調査対象である企業の分析は公開情報を机上で検証するのみでは十分とは言えません。 投資対象企業に直接赴き、企業経営者の「生の声」を聞くことを通じて確認できる経営哲学、企業の現場でのみ体感できる成長企業の胎動を確認することで単なる文字や数字の羅列に過ぎない公開情報の奥に潜む真の企業像を浮き彫りにすることができると考えているからです。 この「ボトムアップ・アプローチ」に基づく個別企業訪問では主に「企業収益の質」「市場成長性」「経営戦略」を丹念に調査し、事業リスクなどを勘案したうえで将来の収益及びキャッシュ・フローの予測を行い、企業の実態面から見た株式価値を計測します。 この企業実態から見た株式価値と日々の株価との間に存在する乖離(バリュー・ギャップ)を投資機会として捉えます。 これに独自の調査や投資仮説に基づき把握したバリュー・ギャップ解消のカタリスト(きっかけ・要因)を加味して投資判断を下しています。 1990年代の日本の株式市場では、市場における「勝ち組企業」と「負け組企業」の評価が明確化するとともに、大企業においても事業の再構築の進展度合いにより、市場の評価の二極化が進展しました。 この結果、業種間の評価格差や同一業種内での株価の二極化が急速に進展し始めました。 この様な市場の変化に的確に対応するために、1997年6月よりロング・ショート運用を開始いたしました。 また同年、世界各国のヘッジ・ファンドを投資対象としたファンド・オブ・ファンズ運用も開始いたしました。 1999年からは、TOPIXをベンチマークとする年金基金の運用を開始し、国内大手証券会社のラップ口座の運用を受託いたしました。 また、投資対象銘柄数を絞り込んだ集中投資型のファンドも同年運用を開始しております。 加えて、2000年3月の投資信託委託業の認可取得後は国内公募投資信託、国内私募投資信託の運用を開始し、さらに2000年4月より国内の未公開企業を投資対象とした運用も開始いたしました。 2003年1月からは、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を基軸とした日本企業の価値の拡大を促す投資ファンドの運用を開始いたしました。 この投資では、投資対象企業を絞り込むことで一社当たりの持ち株比率を大きくし、投資先の企業の経営者と建設的な意見交換や議論を行い、十分な理解を得た上で、株主、従業員、その他利害関係者の利益のために、企業価値向上のための諸施策を求めてまいりました。 この投資を行うに当たっても、投資先企業の選定方法は、当社が永年に渡り培ってきた「ボトムアップ・アプローチ」であることには変わりありません。 これは、企業価値の本質を深く調査する従来のリサーチを進める過程でコーポレート・ガバナンスの観点から効率的な経営に転換できる企業を発掘することが可能であると判断しているためであります。 その後は、世界中の投資家の皆様にアジアの投資インテリジェンスを提供する最強のブランドを構築すべく、「Center for Asia Investment Intelligence」の旗印を掲げ、アジア経済の発展を享受すべくアジア地域での業務拡大を積極的に行ってまいりました。 具体的には、2005年2月に韓国の資産運用会社 旧Cosmo Investment Management Co.,Ltd.(現、SPARX Korea社)の株式の過半数を取得し、韓国株式の調査・運用拠点をグループ内に持つことといたしました。 さらに2006年6月に、日本を除くアジア地域で最大規模のオルタナティブ運用資産を保有する旧PMA Capital Management Limited(現 SPARX Asia社)の全株式を取得し、SPARXグループが培ってきた運用手法・ノウハウをグループ全体で共有しつつ、経営資源を配分しております。 2012年からは、世界的な低金利と資金余剰を背景に、安定的なインカム・ゲインが期待できる投資に、国内外からの強い関心が寄せられていることから、2012年9月にSPARX Asia Capital Management Limitedにおいて、海外の機関投資家を対象に日本の居住用不動産を投資対象としたファンドを設定いたしました。 更に2014年4月に全株式を取得したSATM社における不動産投資のノウハウを活かし、住宅、オフィスビル、倉庫、商業施設のみならず、ヘルスケア関連施設等への投資も開始いたしました。 また、2012年6月に東京都の官民連携インフラファンドの運用事業者に指名され、太陽光を中心とする再生可能エネルギー発電事業を投資対象とする投資事業組合を組成し、その具体的な運用を開始いたしました。 現在では複数のファンドからの投資実績が着実に積み上がっております。 また、これまで提供してきた発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資(グリーン・フィールド投資)に加えて、運転開始後のフェーズにおける投資(ブラウン・フィールド投資)にフォーカスした、長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドを設立し、運用を開始しております。 2015年11月に新たな取り組みとして、次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため、トヨタ自動車様及び三井住友銀行様と未来創生ファンドを設立し、国内外のベンチャー企業への投資を着実に実行しております。 また、2020年に宇宙企業に投資を行う宇宙フロンティアファンド、日本における高い技術・技能を維持しモノづくりの力を今後も発展させていくために、優れた技術・人材・サービスを有する国内のモノづくり企業に投資する日本モノづくり未来ファンドを設立しております。 上記の投資戦略に加えて、AIの利用が前提となった新しい時代の成長領域は、エネルギー、医療・介護、そして量子コンピュータなどの領域と考えており、次のスパークスのビジネスの柱にしようと考えております。 量子コンピュータ分野への投資は、東北大学及び量子アニーリングコンピュータの世界的権威である大関真之教授からのご理解を得て、この分野に特化した株式会社シグマアイに2019年4月に設立と同時に出資し、参画しております。 2023年には、量子アニーリング技術の早期実用化のため、株式保有持分の一部を株式会社SCREENホールディングスに譲渡しております。 医療介護については、医療法人社団五葉会の社員持分を2020年4月に取得し、2021年には介護分野への投資も開始いたしました。 2023年には持分の売却を行い、投資有価証券売却益として約11億円を計上しております。 今後も市場ニーズに応えた多様な商品を提供するとともに、バランスの取れた事業構造を確立してまいります。 (事業系統図) 当社グループの主要な取引の概略を以下に図示いたします。 (注)スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社は2025年4月1日付でスパークス・インベストメント株式会社に社名変更しております。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) SPARX AssetManagement Korea Co., Ltd.韓国ソウル市42億韓国ウォン(509百万円)資産運用業100.0業務管理サービスの提供。 スパークス・アセット・マネジメント株式会社(注)3、4東京都港区2,500百万円資産運用業100.0業務管理サービスの提供。 役員の兼任あり。 SPARX Asia CapitalManagement Limited(注)4英国領ケイマン諸島44,001千米ドル(5,016百万円)資産運用業100.0業務管理サービスの提供。 SPARX Asia InvestmentAdvisors Limited(注)2中国・香港特別行政区3,100千香港ドル(45百万円)資産運用業100.0(100.0)業務管理サービスの提供。 スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社東京都港区25百万円再生可能エネルギーにおける発電事業コンサルティング100.0業務管理サービスの提供。 資金援助あり。 スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社(注)4東京都港区100百万円資産運用業100.0業務管理サービスの提供。 スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社(注)5東京都港区50百万円投資事業組合財産の運用及び管理100.0業務管理サービスの提供。 資金援助あり。 上記のほか、連結子会社4社があります。 -----(持分法適用関連会社) 株式会社シグマアイ東京都港区100百万円量子コンピューティングシステム及びそのソフトウェアの開発、設計及び販売27.3-野村スパークス・インベストメント株式会社東京都千代田区200百万円資産運用業49.0-(注)1.資本金の( )書きは在外子会社の円換算額であります。 為替レートは、連結子会社となった時の月末レートを使用しております。 2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有の割合で内書であります。 3.スパークス・アセット・マネジメント株式会社については、営業収益(連結会社間の内部営業収益を除く)の当連結営業収益に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報は以下のとおりです。 会社名主要な損益情報営業収益(百万円)経常利益(百万円)当期純利益(百万円)純資産額(百万円)総資産額(百万円)スパークス・アセット・マネジメント株式会社16,3647,6425,40912,19515,7984.スパークス・アセット・マネジメント株式会社、スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社及びSPARX Asia Capital Management Limitedは、特定子会社に該当いたします。 5.スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社は2025年4月1日付でスパークス・インベストメント株式会社に社名変更しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)投信投資顧問業193合計193 (注)従業員数は就業人員であり、当社グループの全連結会社の従業員数の合計を記載しております。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(千円)32(4)49.1歳9年9ヶ月14,110 (注)1.従業員数は、契約社員を含み、派遣社員、子会社への出向者の他、当社を兼務する子会社従業員を除く就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、提出会社が費用負担する固定報酬の他、兼務先である事業子会社が費用負担する固定報酬・短期業績連動報酬(業績賞与)・中長期業績連動型株式報酬も含めて算出しております。 3.平均勤続年数は、グループ各社における勤続年数を通算しております。 (3)労働組合の状況 労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は良好であります。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異連結グループ会社当連結会計年度管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者25.6100.051.352.421.6(注)1.当社及び当社グループ会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」による情報開示が必要な会社には該当いたしません。 2.対象期間は2025年3月期(2024年4月1日~2025年3月31日)です。 3.男性労働者の育児休業取得率は、当社及び国内グループ会社を対象としております。 4.男性労働者の育児休業取得率は、育児休業の取得割合(2025年3月期において育児休業を取得した男性労働者の数/2025年3月期に配偶者が出産した男性労働者の数)で算出しております。 5.労働者の男女の賃金の差異の算式に用いた人員数は、2025年3月期各月の給与支払日における労働者数の平均を用いております。 なお、当社及び当社グループ会社外からの出向者は含んでおりません。 6.賃金は通勤手当を除き、2025年3月期に支給された金額を元に算出しております。 7.短時間勤務者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を元に平均年間賃金を算出しております。 <男性労働者の育児休業取得率についての補足説明> 2025年3月期において配偶者が出産した男性労働者は6名、そのうち育児休業を取得した男性労働者は6名です。 <男女の賃金の差異についての補足説明> 適用する人事処遇制度において性別による差異が生じることはありませんが、連結グループ会社における男女の賃金の差異の主な要因は執行役員、上位の管理職および専門職に占める女性がいないことによるものです。 執行役員、管理職および専門職を除く一般職層における差異は89.2%です。 また、パート・有期労働者の差異については、比較的報酬水準の高い正社員の定年後再雇用者に占める男性比率が高く補助的業務担当者である契約社員に占める女性比率が高いという構成比率の違いにより乖離が生じています。 尚、当社グループにおいては定量的な管理職比率等の目標を形式的に定めることは、現時点においては致しませんが、ライフステージに合わせた柔軟な支援や人事制度の改訂、管理職に期待する役割の更なる明確化を図り、その責任を認識させることで、主体的にリーダーとして役割を果たしたいと望む者を増やしてまいる他、管理職候補者層を構築するため、必要な経験の蓄積やキャリア意識の醸成等に意識的に取り組むことによって、結果的に経営の意思決定に関わる女性社員を、実質的に増やしてまいります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」になることで「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というミッションの実現を目指す、独立系の資産運用グループであります。 また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。 私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。 そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。 」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。 さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資やプライベート・エクイティ投資にも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。 また、当社グループの伝統である責任投資に対する社会的な要請が高まる中、価値創出に資する責任投資の高度化・拡大・浸透は、健全な資本市場および持続可能な社会の実現に向けた、老舗投資会社としての当社グループの当然の責務であると考えております。 方針の第二は、独立系の強みを生かした、効率的・効果的な、健全で透明性の高いガバナンス体制を構築してまいります。 具体的には、高度のガバナンス態勢を構築・維持することで顧客からの支持を得るとともに、資本市場に対して範を示してまいります。 特に、様々な投資戦略を展開する中でも、グループ会社間、投資戦略間、ファンド間の利益相反管理など、適切なリスク管理を行ってまいります。 方針の第三は、顧客を初めとするステークホルダーから選ばれ、結果的に高い収益力を維持すること、またこれらを支える「人財」を育成・擁することは、独立系の存在基盤を確固たるものとした上でパーパスを実現するために必須と考えております。 具体的には、バフェット・クラブ等の社内勉強会における投資哲学の共有等から醸成される投資力、ユニークな投資アイデア創出力の他、フロント・バック部門一体となった顧客本位の業務運営や、社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、各部署・各階層一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化すること等によって、継続的に他社比で高く、持続可能な収益性を実現するための仕組みが、様々な施策に落しこまれている経営体制を目指してまいります。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。 後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。 従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。 運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。 また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。 次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。 基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。 一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。 さらに、成功報酬の金額及びROEも当然に重要な経営指標であります。 当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響し、結果ROEにも大きく影響します。 全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めることでROEの向上に努めております。 (3)経営戦略等当社グループは、着実に利益成長を実現する強い体質の構築を目指しております。 その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。 1本目の柱は、日本株式投資戦略です。 日本株式を投資対象とする運用戦略は、1兆2,925億円と減少いたしましたが、当年度にいくつかのファンドを設定しており、この3月にもUCITSファンド(注4)市場において初めてとなる日本株式を投資対象とするロング・ショート・ファンドを設定いたしました。 EU加盟国のいずれかで認可を得ることで、パスポートのようにEU域内で自由に販売が可能となります。 継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し、持続的な成長を果たすための抜本的な取り組みを求める東京証券取引所の要請や政府の政策も継続されるなど、日本株に対する投資魅力は高位安定していくと考えております。 海外投資家の要望に応え、資金を運用することは、スパークスの強みであり、この運用戦略を運用資産残高増加の飛躍のエンジンにしたいと考えております。 2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。 アジア株式を投資対象とするOneAsia運用戦略は、良好なファンド・パフォーマンスが継続しているものの、運用資産残高は1,043億円に減少いたしました。 今後アジアが世界をリードする時代が本格的に始まると考えており、東京・香港・韓国のファンドマネジャーがアジア企業への調査などを共同で行うなど、投資アイデアを共有することを続け、良好なファンド・パフォーマンスを実現させております。 今後当社グループの成長を牽引する領域であるとの考えは変わっておらず、注力しなければならない最も重要な戦略の一つと考えております。 日本株式の運用で培ってきた投資力でこのファンドを大きく成長させ、「アジア株もスパークス」とのSPARXブランドを幅広く認知いただくよう努めております。 3本目の柱は、実物資産投資戦略です。 再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産を主な投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を実行しており、再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は3,021億円の規模となっております。 太陽光に加え、風力・バイオマス発電所も運営しておりますが、これに加え蓄電所事業へ参画し、さらに投資対象を広げております。 また、北海道苫小牧でグリーン水素の製造・貯蔵・輸送・利用までのサプライチェーンを構築する環境省から委託を受けた実証事業も当年度に開始しております。 今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えするべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。 4本目の柱は、プライベートエクイティ投資戦略です。 プライベート・エクイティ投資戦略は、次世代の企業の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドを中心に当該運用戦略のAUMは1,729億円となっております。 IPO等のイグジット案件も出ており、これまでの投資の成果が、具体的に投資家の皆様へのリターンとして実現し、未来創生ファンドから初の成功報酬を計上しております。 また、宇宙開発に関わる人材・技術を支援し、世界と戦える日本初の宇宙企業を育成すること、さらには日本全体の技術革新に貢献することを主たる目的に運用を開始した宇宙フロンティアファンドは投資が進み当年度に2号ファンドをAUM131億円で設立し運用を開始しております。 これらのファンドについても質の高い投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを引き続き目指してまいります。 加えて、日本モノづくり未来ファンドによるシンニッタン社へのTOB(株式公開買付)を実行しており、2024年1月に実施したIJTT社に続くものとなります。 日本モノづくり未来ファンドは2020年に設立し、日本で優れた技術・人材・サービスを持つモノづくり企業に投資し、TPS(トヨタ生産方式)を活用して各社を支援し、適切な経営戦略を展開することで、社会に貢献することを目指したいという理念のもと設立いたしました。 良い投資を積み重ね、企業の持続的な成長を通じて日本のモノづくりの発展と人財の育成に貢献し、このような投資領域でも大きな飛躍を目指しております。 当社グループは、上記のとおり再生可能エネルギーを中心とした国内インフラ投資を推進してまいりました。 北海道は国内随一の再生可能エネルギーのポテンシャルを持つ、一方でデータセンターや半導体産業の集積を背景に、広大な大地を有効に活用したAIに関する実証・実装の先進地となるポテンシャルも有しております。 さらに北海道は豊かな観光資源にも恵まれ、特にニセコ地区は上質なパウダースノーが楽しめることから、世界でも有数のスノーリゾートとして期待が高まっています。 このような背景から、美しい自然が楽しめる非日常的な空間に、国内外の富裕層をターゲットとした高級ヴィラを開発することといたしました。 これを足掛かりに、投資機会が存在していると考える北海道の潜在的な価値を最大限に引き出す様々な投資商品を開発し、世界中から多くの投資を呼び込むことで、AUMの拡大と新たな投資領域の拡大を目指してまいります。 (4)経営環境直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要に含めて記載しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題当連結会計年度のグループ運用資産残高(AUM)は前年度末比0.9%減少して、1兆8,720億円(注1)となりましたが、期中平均AUMが前年度比2,379億円増加したことで、残高報酬は前年度比15億99百万円増加して158億57百万円となりました。 これに加え、適切にコストコントロールを続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益(注2)は前年度に続き過去最高を更新して67億22百万円となりました。 スパークスを支える土台は着実に強くなっていると考えております。 来年度についても、当社グループの厚い人財力、投資力によって運用パフォーマンスの質を維持・向上させ、増収増益を目指すとともに、当社グループのパーパスである「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」を実現するため、持続可能な企業価値向上を実現すべく、主として以下の課題に取り組んでまいります。 課題の第一として、2026年3月期までに運用資産残高(AUM)3兆円を達成するため、成長実現のための4本柱(「日本株式」「OneAsia」「実物資産」「プライベート・エクイティ」)をバランスよく強化・拡大していくことで高い収益性を維持し、短期的市場変動の影響を受けにくい安定性、成長性に優れた事業ポートフォリオの構築を目指します。 →当社グループマテリアリティ「広範な責任投資の実践」に関連(注3) 4本柱についての、当面の主な課題は以下の通りです。 日本株式投資戦略については、長期厳選投資戦略や中小型投資戦略など概ね目標のAUMに達している投資戦略がある一方、ロング・ショート投資戦略や価値創造投資戦略については目標に対して未達です。 しかし、前者については、本年3月に、UCITSファンド市場において初となる日本株式を投資対象とするロング・ショート・ファンドを設定することができました。 UCITSファンドはEU域内で自由に販売が可能であることから、今後、海外機関投資家からの資金流入を見込んでおります。 また後者については、非常にチャレンジングな目標を設定していますが、昨年度、大型の国内投資信託を設定することができました。 今後は、投資方針に沿ったファンド運営やパフォーマンスの実現に多少の時間が必要となりますが、魅力的な投資を具体的に実践することを通じて、スパークスが強みとしてきた海外機関投資家へのアプローチを再度強化し、AUMを拡大してまいります。 OneAsia投資戦略については、まず①アジア株式投資戦略については、アジアの運用メンバーを東京に結集して投資アイデアを練り、約30億円の自己資金をシードマネーとして新ファンドを立ち上げ、日本株式投資戦略と同様、ボトムアップリサーチによる調査活動をベースとした運用を開始しておりますが、現状では具体的な資金流入に繋げられておりません。 今後も、より一層高品質な運用体制の構築に全力で取り組み、アジアの社会変化をとらえて、大きく成長することが見込まれる企業に長期投資することで、スパークスらしいアジア株式投資戦略を日本株式投資戦略と同等、あるいはそれ以上に大きく育てていくことに、諦めずじっくりと取り組んでまいります。 一方、②韓国株式投資戦略については、直近3年間でようやく非常に良好なパフォーマンスを達成することができました。 良好なパフォーマンスであるが故に、既存の機関投資家から資産配分の見直し(リバランス)目的の解約を受けるなど、現状のAUMは目標に対して未達ですが、日本株式市場と同様に韓国株式市場において今後進展が見込まれるコーポレート・ガバナンス改革に対して、特に海外機関投資家から注目されつつある等、AUM増加の環境は整ったと考えております。 実物資産投資戦略については、市場環境が厳しくなると予想された太陽光発電所の開発から、風力やバイオマスなど引き続き高い投資リターンが見込まれる再生可能エネルギー発電所へと開発の重点を移してまいりました。 この結果、概ね目標どおりのAUMに達していることに加えて、固定価格買取制度後を見据えた投資戦略の開発も進めております。 具体的には、北海道苫小牧において、グリーン水素(注5)の製造・貯蔵・輸送・利用のサプライチェーンを構築する実証事業を稼働させたほか、蓄電所の開発にも着手し、AUMの増加に貢献し始めております。 引き続きエネルギー領域における知見を深め、ファンドビジネス化へ具体的に取り組んでまいります。 プライベート・エクイティ投資戦略については、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地区侵攻といった地政学リスクの高まりや、金利上昇、インフレなど市場環境の劇的な変化を受け、より丁寧に投資検討することで、投資実行は当初想定より時間が掛かったことから、全体的に後継ファンドの設立は遅れておりますが、当年度において宇宙フロンティア2号ファンドが131億円で設定され、運用を開始しております。 また未来創生3号ファンドについても投資実行が進み、来年度中には未来創生4号ファンドの設定ができるよう計画を開始しております。 一方、非常にチャレンジングな目標を設定している日本モノづくり未来ファンドについては、当社においてトラックレコードのない投資戦略であり、ファンド設定から投資実行までに非常に長い時間を要しましたが、2024年1月にTOB(株式公開買付)を実行したIJTT社に続き、本年4月にもシンニッタン社へのTOBを実行することができました。 今後は、上場会社の非公開化案件に2件連続して投資実行したという実績を背景に、日本モノづくり未来2号ファンドを早期に設定し、AUMを飛躍的に増加させてまいります。 目標設定からの4年間のAUMの設定・解約状況を分析すると、毎期3,000億円程度の資金流入はありましたが、当社のファンド・パフォーマンスが良好であることによる益出しや、投資家のポートフォリオに占める当社ファンドの比率が相対的に上昇したことによる資産配分の見直し(リバランス)目的の解約等が発生し、結果的に流入額とほぼ同水準の資金が流出しています。 本来、どのような状況にあっても、目標に未達の投資戦略を他の投資戦略でカバーする、常に新しい投資家を獲得する等によって、グループ全体のAUMを増加させ、目標を達成する必要があると考えておりますが、結果的にその取り組みは十分なものにはなっておりません。 直近の株式市場の不透明さ等を踏まえると、目標である2026年3月末におけるAUM3兆円の達成は、客観的に見れば非常に厳しい状況ですが、まずは過去最高のAUMである2兆241億円を早期に達成し、スパークスらしい取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献する新たな投資戦略を生み出し続けることで、達成時期は遅れたとしても引き続きAUM3兆円を目指してまいります。 課題の第二として、次世代を担う人材を育成、登用し、マネジメント層の世代交代を進めてまいります。 →当社グループマテリアリティ「独立系の強みを生かしたガバナンス」に関連(注3) 持続可能な事業拡大と企業価値向上を実現するべく、効率的・効果的な、健全で透明性の高いガバナンスの中核となる次世代を担う人材を選抜、育成し、より強固な経営体制を確立してまいります。 その第一歩として、第36回定時株主総会において社内取締役を増員しておりますが、中でも次世代のCEO選任は、当社グループにとって引き続き非常に大きな経営課題であることから、取締役会は十分な時間と資源をかけて、この課題に引き続き取り組んでまいります。 具体的には、ビジネスユニットの責任者やファンドマネジャーなど、次世代を担うマネジメントに必要な素養・資質としては、単に高い専門性や豊富な経験を備えるだけではなく、人格・人間力にも優れていること、より具体的には当社グループの行動規範(バリュー)である「ARTSの精神(注6)」を体現できていることが極めて重要と考えております。 これらの要件を充たした人材に対して、直接CEOから学ぶ機会を作り、衆目が認める結果を残した者の中から、さらに将来の当社グループの成長を牽引できる資質や能力を備えている者を、次世代のCEOとして登用してまいります。 また、創業時から創業者が大切にしている価値観である、当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション、バリューといった企業理念(注7)を、次世代の組織にもしっかりと浸透、引き継いでいくための諸施策を、引き続き講じてまいります。 課題の第三として、当社の競争力の源泉を強化し、中長期的な企業価値向上に資する人的資本を高度化するために必要な諸施策を実行してまいります。 →当社グループマテリアリティ「持続可能で高い収益性とそれらを支える人財」に関連(注3) 日本企業の企業価値に占める無形資産の割合は、一般的に欧米企業に比べて格段に低いとされています。 裏を返せば、無形資産の価値を高めることで、企業価値を飛躍的に高める余地が残っているともいえます。 無形資産の中で、最も典型的な資産は人的資本であり、特に当社グループのように、有形資産をほとんど有しない企業にとっては、人的資本の重要性は非常に高いと考えます。 よって、当社グループらしさをさらに追求しつつ、外部環境の変化にも適応することで、従来にも増して「人的資本」の活用を高度化させてまいります。 具体的には、当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感して集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術(=技)の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するために必要と考える行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格形成にも取り組み、全員が一丸となって「もっと良い投資」を実現するために必要な諸施策を実行してまいります。 また、当社グループの競争力の源泉である「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、すなわち「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」チーム力・組織力を強化してまいります。 具体的には、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化し、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化し、③働きやすい環境を整えます。 さらに、これらによって強化されたチーム力・組織力を「イノベーション」創出に活かし、魅力的な投資を社内外に積極的にコミュニケーションしていくことで当社グループの競争力を強化し、企業価値向上を図ってまいります。 (注1)当連結会計年度末(2025年3月末)運用資産残高は速報値です。 (注2)「基礎収益」とは事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す経営指標であり、その算定方法は以下のとおりです。 基礎収益=残高報酬(手数料控除後)-経常的経費(注3)当社グループのマテリアリティ(重要課題)については、下記ウェブサイトをご参照ください。 https://www.sparx.jp/sustainability/materiality.html(注4)譲渡可能証券の集団投資事業(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)の略であり、欧州委員会(European Commission)が制定した指令に準拠したファンドです。 (注5)グリーン水素とは、水を電気分解し、水素と酸素に還元することで生産される水素のことです。 この水素を利用し、酸素を大気中に放出することで、環境へ悪影響を与えずに水素を利用することができます。 電気分解するためには電気が必要ですが、グリーン水素を作るためのプロセスは、再生可能エネルギーを利用することで二酸化炭素を排出させることなく、水素を製造することができます。 (注6)ARTSの精神 当社グループの行動規範であり、Arigato、Responsiveness、Thoroughness、Sympathyのそれぞれ頭文字をとったものです。 A:共に働く仲間、関係するすべての人に敬愛と感謝の気持ちを持って行動します。 R:変化への最大の対応として俊敏さを大切にし、常にスピーディな対応を徹底します。 T:緻密で丁寧な活動が、革新的な知見を生み出すことを信じ、常に極め続けます。 S:調和と貢献の姿勢でお客様と仲間に接します。 謙虚さ、誠実さが、お互いの成長につながると信じ、品格をもって行動します。 また、柔軟に多様性を受け入れる広い心を持ち、自由な議論の場を創出します。 (注7)当社グループの企業理念については、下記ウェブサイトをご参照ください。 https://www.sparx.jp/philosophy/ |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、1989年の創業以来、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」を目指し、顧客を初めとするステークホルダーに経済的豊かさ、健やかさ、幸せをもたらしたいという価値観を最も大切にしています。 金融というフィールドで価値を生み出し続けていくために当社グループが大切にしていること、それは「投資を通じて価値という果実を生み出し、顧客にお返しするということ。 また、その活動に対して顧客を初めとするステークホルダーに喜んで頂かなければ良い投資も長く続くことはない」ということです。 このことを念頭に、当社グループのパーパス(企業の目的)である「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に邁進してまいります。 このパーパスに照らし、当社グループにおける「サステナビリティ」とは、『資本市場の構成員たるインベストメント・カンパニーとして、当社グループらしい投資を通じて、豊かさという経済的価値、健やかさ、幸せという社会的価値を、持続的に生み出し続けることを可能にしていくこと、合わせて、当社グループ自身も中長期的な成長を持続可能なものとしていくこと』であると考えております。 この実現は、東証プライム市場に上場する日本初の独立系投資会社としての、健全な資本市場および持続可能な社会の実現に向けた、当社グループの責務であると考えております。 市場経済の発展に伴い、社会、経済、企業などに多くの仕組みが生まれ、人類が目まぐるしい発展を遂げている中で、この仕組みがさらに複雑化し、市場経済が正しく機能していない事例が散見されます。 このような状況下において、当社グループのパーパス実現に向けて、ESG課題を含むサステナビリティに係る課題への対応を最優先事項の1つとして当社グループ全体で取り組んでまいる他、当社グループ自身の経営において最も重要な要素であるガバナンスの強化にも努めてまいります。 またその基盤として、当社グループに属する社員一人ひとりがこれらの価値観を共有し、受け継ぎ、守り続けてまいります。 ガバナンス 当社グループは、ESG課題を含むサステナビリティに係る課題への対応は、経営上、最重要課題の1つと認識しています。 サステナビリティに係る課題に関しては、取締役会において議論・決議を行い、具体的な業務の執行にあたっては、その中心的な意思決定機関である経営会議において、少なくとも年に1回、かつ、必要に応じ適時に、具体的な活動方針や推進施策等の議論・決定し、取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。 取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議等を実施することにより、PDCAサイクルによって、適切にマネジメントを推進し、継続的に改善を図っています。 また、経営会議には業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加し、少なくとも毎月一度は開催され、その内容については適時に取締役会に報告されます。 なお、経営会議におけるサステナビリティ経営に関する議論を具体的に進めるため、サステナビリティ企画室を設置しています。 また、当社グループは、「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というパーパスを掲げ、この達成のため、顧客よりお預かりする全ての資産に関する顕在・潜在双方のリスクと機会を適切に把握、管理しております。 具体的には、責任投資の監督責任、説明責任を果たすため、当社取締役会の諮問機関として、グループCIOを委員長とする責任投資委員会を設置しています。 なお、責任投資委員会には、全ての社内取締役、グループ執行役員が委員として参加し、少なくとも四半期に一度は開催され、その内容について適時に取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。 また、責任投資委員会における責任投資原則の実践に関する議論を具体的に進めるため、責任投資推進室を設置しております。 当該委員会においては、グループ各社の投資政策委員会(もしくは同等の組織)が、気候変動関連リスク・機会への対処ならびに人権尊重を含む責任投資の実施状況の報告を行う他、気候変動関連リスク・機会への対処ならびに人権尊重を含む責任投資ポリシーなどの変更承認、責任投資の実施に関する年次報告書の承認などを行っています。 なお、当該委員会には外部アドバイザーが陪席し、独立した立場から、報告や審議内容に対する助言がなされ、責任投資に関する最新の動向が共有されています。 当連結会計年度は責任投資委員会を計4回実施し、各投資政策委員会から、責任投資の実施状況の報告、責任投資方針の見直し、年次報告書が報告され、承認されました。 リスク管理 当社グループは、リスク管理の基本的事項を定めることにより、想定し得る個々のリスクを予め把握し、適切に管理することで、当社グループの保有するリスクを全体的に管理し、もって当社グループの健全性・適正性の確保に資することを目的として、グループリスク管理基本規程を制定しています。 また、当社取締役会は、当社及び当社グループのリスク管理に係る事項を検討、審議することを目的として、グループリスク管理委員会を設置しています。 グループリスク管理委員会は、業務執行の中心メンバーである社内取締役及びグループ執行役員が全員参加のもと、原則として四半期に1度開催されます。 グループリスク管理委員会においては、グループリスク管理基本規程に定めるリスク管理プロセスに沿って、重要な顕在化事象に加え、想定し得る潜在的なリスクを把握し、リスクの把握・評価、リスク対応策の設定、リスク対応状況のモニタリングなどを実施しています。 また、グループリスク管理委員会の内容は、適時に取締役会に報告されます。 取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、リスクの所在・種類、対応策及びその実施状況、並びにリスク管理の状況について監督することで、当社グループを取り巻く経営環境や当社グループの経営戦略に鑑みて、適切なリスク管理態勢を確立し、継続的に改善を図っています。 なお現在、気候関連リスクは、グループリスク管理基本規程において設定、管理するリスク区分としてではなく、それらリスク区分に横断的に影響を及ぼす要因と捉えて管理しています。 今後も気候変動問題のリスク管理態勢について、継続的に改善・強化を検討・実行していきます。 このほか、人権侵害リスクに関しては、経営上の重要な課題であると認識し、2023年3月に人権尊重に関する基本方針を策定し公表し、2024年6月24日に改訂しました。 当社グループでは「国際人権章典」 、国際労働機関(ILO)の定める「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」で示されている国際的に認められた人権を尊重し、強制労働や児童労働の他、人種、宗教、性別、性的指向、性自認、国籍、年齢、障害等いかなる理由による差別やハラスメントも容認しません。 人権の尊重は当社グループの存立基盤であり、持続可能な事業の根幹をなすものとして、今後、適切な人権デューデリジェンスを行い、人権を侵害するリスクの特定やその防止・軽減に努めてまいります。 https://www.sparx.jp/sustainability/humanrights.html 戦略 当社グループは、パーパス実現に向け、様々なサステナビリティに係る課題の中でも、特に環境、社会、ガバナンスについて、下記の課題を認識しております。 サステナビリティに係る課題(環境) 当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。 特に、気候変動問題の解決のための重要課題であると捉えています。 (社会) 当社グループは、人間の活動が世界規模で複雑に絡んでおり、この結果、社会的課題の理解と解決の難易度は高まっていると認識しています。 また、当社グループの事業を運営していく上で、従業員、顧客、取引先、地域社会等ステークホルダーとの良好な関係維持は重要であり、かつ課題であると認識しています。 また、サプライチェーンが拡大する中で、直接的な課題である労働条件等の課題だけでなく、世界各国での児童労働、贈収賄、人権問題など社会課題がより重要になっているとの認識をしております。 さらに、当社グループ自身の中長期的な成長を持続可能なものとしていくためにも、独立系の存在基盤を確固たるものとすべく、投資哲学を共有した「人財」の育成と、その「人財」を活かす仕組みを維持改善していくことが必須であると認識しています。 (ガバナンス) 当グループは、投資先に係るガバナンスを評価する際には、経営者の人間性や資質、経営判断基準や業務執行体制が合理的であるか否かが、最も重要な要素であり、かつ課題であると認識しています。 また、当社グループ自身においても、より良いガバナンス体制の構築が必須であると認識しています。 サステナビリティに係る取組 当社グループは、前述した環境・社会課題の解決に対し、投資活動を通じて寄与することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 具体的には、ESGの観点から、当該課題の解決に繋がる事業への投資活動や、既に投資を行っている投資先へのエンゲージメントを実施する他、株主として必要に応じて投資先企業のESG課題の改善の支援を行ってまいります。 また、投資先企業の事業活動が環境・社会にもたらすインパクトに、より注目した投資活動も行ってまいります。 (環境) 当社グループは、企業活動や消費行動などの人類の活動が環境にもたらすマイナス面を減らし、プラス面を増やす活動に対して、投資を通じて積極的に関与してまいります。 特に重要課題であるカーボンニュートラルの実現に向けて、ファンドスキームを活用した再生可能エネルギー発電施設の建設・運営すること等を通して貢献してまいりました。 今後も投資運用サービスを通じた地球環境問題への対応を行ってまいります。 (社会) 当社グループは、創業当初より、企業の定性的評価を重視して投資を実行してまいりました。 それは、「企業収益の質」「経営者の質」「市場成長性」という3つの評価軸での分析です。 この分析を通じて常に当社グループは、企業の存続可能性として重要である、経営ビジョン、従業員のモチベーション、サプライヤーとの長期的関係などに注目しており、これらの要因はSDGs、ESGが掲げるものと多くのものが共通しています。 このように創業当初から、当社グループは責任ある投資を実践してまいりました。 この当社グループの伝統である責任投資に対する社会的な要請が高まる中、価値創出に資する責任投資の高度化・拡大・浸透は、健全な資本市場および持続可能な社会の実現に向けた、老舗投資会社としての当社グループの当然の責務であると考えております。 この実現のため、やはり創業以来の一貫した基本姿勢である「ボトムアップ・アプローチ」を通じて、自分たちの目で現場を確認(現地現物)しながら、社会的課題の解決に取り組み、必要に応じて行政や地域コミュニティも交えて対話を行ってまいります。 また、顧客を初めとするステークホルダーから選ばれ、結果的に高い収益力を維持すること、またこれらを支える「人財」を育成・擁することは、独立系の存在基盤を確固たるものとした上でパーパスを実現するために必須と考えております。 具体的には、バフェット・クラブ等の社内勉強会における投資哲学の共有等から醸成される投資力、ユニークな投資アイデア創出力の他、フロント・バック部門一体となった顧客本位の業務運営や、社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、各部署・各階層一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化すること等によって、継続的に他社比で高く、持続可能な収益性を実現するための仕組みが、様々な施策に落しこまれている経営体制を目指してまいります。 さらに、上記を支える当社グループの基盤として、従業員等のダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)&インクルージョン(包括性)やウェルビーイング、当社グループが大切にする価値観をベースにした投資力の育成、継承などの人材開発にも注力してまいります。 (ガバナンス) 当社グループは、責任投資の一環として、環境や社会の課題のみならず、投資先のガバナンス課題にも着目しています。 具体的には、2000 年代初頭から、ガバナンス投資により注目した投資の実践を行っております。 また自ら、独立系の強みを生かした、効果的・効率的な、健全で透明性の高いガバナンス体制を構築してまいります。 具体的には、高度のガバナンス態勢を構築・維持することで顧客からの支持を得るとともに、資本市場に対して範を示してまいります。 特に、様々な投資戦略を展開する中でも、グループ会社間、投資戦略間、ファンド間の利益相反管理など、適切なリスク管理を行ってまいります。 その他、適切な決算・開示や納税、日本の金融商品取引法を始めとする各国各種の法令や諸規則を遵守する透明性の高いプロセスを構築してまいります。 当社グループは、ESGの重要性および環境・社会課題の解決に投資活動が貢献出来ることについて、当社グループのステークホルダーをはじめとする多くの関係者の理解を得ることも重要であると認識しています。 今後も、こうした当社の考え方を発信するとともに、ステークホルダーとの対話を実施することにより、ESG課題を含むサステナビリティに関連する「リスク」を最小化し、「機会」を早期に発見することによって、本基本方針の目的を達成してまいります。 具体的には、株主総会、IR説明会の他、当社グループのWebサイトやYouTubeチャンネル等を通じた情報発信を行っていく他、再生エネルギーに対する理解の促進に向けた「こどもエネルギーサミット」等を通じて、次世代への教育にも引き続き取り組んでまいります。 当社グループは、「良き企業市民」としての社会的責任を果たすため、以下のイニシアティブを支持し、参画しています。 今後も、サステナビリティに係る課題への対応を進めるに際し、真に有用なイニシアティブ等については、具体的に参画を検討し、必要に応じて参画してまいります。 ・PRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)・TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース) 指標及び目標 以下の(1) 気候変動及び (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組において、記載しております。 サステナビリティにおいて重要と考える(1) 気候変動及び (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組は以下のとおりです。 なお、気候変動については、当社グループのビジネス上、上場会社としての気候変動への取り組みと、お客様からお預かりした資産を運用する投資会社としての投資先への取り組みの2つの側面をもっております。 (1) 気候変動 気候変動への取り組み (上場会社として) 当社グループでは、私たちの投資を通じて地球環境と人間が共生できる社会の実現に積極的に関わることを目指し、2020年1月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が公表した提言に賛同の意を表明いたしました。 ①ガバナンス 当社グループでは、「サステナビリティに関する基本方針」を策定し、気候変動を含むサステナビリティに係る課題への対応を経営上の最重要課題の1つと認識しています。 よって、気候関連の課題に関する基本方針に関しては、取締役会において議論・決議を行い、具体的な業務の執行にあたっては、その中心的な意思決定機関である経営会議において、少なくとも年に1回、かつ、必要に応じ適時に、具体的な活動方針や推進施策等の議論・決定し、取締役会に報告することで実施内容を取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。 取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議等を実施することにより、PDCAサイクルによって、適切にマネジメントを推進し、継続的に改善を図っています。 また経営会議には、業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加し、少なくとも毎月1度は開催され、その内容については適時に取締役会に報告されます。 なお、経営会議におけるサステナビリティ経営に関する議論を具体的に進めるため、サステナビリティ企画室を設置しています。 ガバナンス体制図(図1) ②リスク管理 気候変動に関するリスク管理については上記のサステナビリティのリスク管理に含めて管理しております。 詳細については(1)サステナビリティ ②リスク管理を参照ください。 ③戦略 当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。 特に、気候変動問題は、この目的達成のための重要課題であると捉えています。 気候変動は平均気温上昇による自然災害の激甚化や脱炭素社会の移行に伴う社会経済の変化をもたらすことから、これらに関連したリスクと機会が生じます。 リスクには、自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる急性リスクや平均気温上昇に伴い発生する慢性リスクといった「物理的リスク」と、脱炭素化に向けた規制強化や脱炭素技術移行への対応といった「移行リスク」の2つがあります。 機会には、気候変動問題の解決のための技術革新や市場の変化等に伴う企業の収益機会があります。 当社グループは、気候変動対策や脱炭素社会への移行を、新しい投資商品の提供を通じてサポート・実現することで当社グループビジネス機会の拡大に繋げ、ひいては持続可能な環境・社会の実現に貢献していきます。 当社グループは、TCFDの提言を踏まえ、以下の通り、リスク(物理的リスク、移行リスク)及び機会について、短期・中期・長期の目線での把握に努めています。 投資会社である当社グループへの直接的な影響としては、他の業種に比べて大きくないものと考えていますが、今後は、これらの想定を、複数のシナリオ分析等によって検証し、より具体的な財務的な影響等を把握するよう努めていきます。 なお、大規模な自然災害といった物理的リスクについては、自社の事業の継続性を確保するための定期的なBCPの見直しや管理体制の強化を図っています。 <気候関連のリスク>リスクの種類リスクの内容想定される主な影響想定期間移行リスク政策・法規制・GHG排出価格(炭素税)の上昇・排出量の報告義務の強化 など・制度変更や規制強化に伴うコスト増加による業績への悪影響 中期~長期 技術・急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ など・産業構造の変化をとらえた新たな投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響中期~長期 市場・投資家の嗜好変化 など・投資家の嗜好が変化することに対して、適切な投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響中期~長期 評判・気候変動対策への取組み不足によるレピュテーショナルリスクの増加 など・評判悪化によるビジネス機会の減少による業績への悪影響・評判悪化による当社の資金調達コスト増短期~中期物理的リスク急性/慢性・豪雨・巨大台風などの災害増加・平均気温の上昇、海水面の上昇等による災害の激甚化 など・当社グループの拠点や社員の被災などによる事業活動の制約による業績への悪影響・災害への対策や復旧・修繕対応など各種コストの増加による業績への悪影響中期~長期(想定期間)短期:0~3年、中期:3~10年、長期:10~30年 <気候関連の機会> 上記気候関連のリスクへの対応策を検討する際には、例えば「急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ」を「産業構造の変化を急速にもたらす技術を有する会社に投資機会を見出し、投資戦略に落とし込んでいく」など事業機会に捉え直すことで、投資戦略の立案に繋げています。 ④指標及び目標 当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 気候関連リスクの軽減および機会の実現を目的として、温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量を主要な指標とし、具体的な削減目標を設定し、その進捗を継続的にモニタリングしています。 これらの指標の進捗状況については、少なくとも年に1回、また必要に応じて、経営会議及び取締役会に報告しています。 2024年度における当社グループの事業活動によるGHG排出量(Scope1およびScope2の合計※1)は、約82.54 tCO2eとなり、2020年度基準比39.0%の削減を達成しました。 2022年9月からは、GHG排出量削減の一環として、国内拠点各社が入居するビルの電力を非化石証書付き再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたことで、一定の削減効果が得られました。 一方で、事業拡大に伴う増床により、排出量は前年より増加しています。 なお、2030年度までにGHG排出量を2020年度比で33%削減するという中間目標は既に達成しており、今後もさらなる削減に向けて具体的な施策を検討していきます。 また、Scope1・Scope2に関する削減目標の達成状況のモニタリングに加え、「環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」等を活用し、サプライチェーン全体のCO2排出量(Scope3)の算定・モニタリングも継続しています。 特にScope3のうちカテゴリ15「投融資」については、金融機関として脱炭素社会実現の第一歩と認識し、PCAF※2の手法に基づき、投融資を通じたGHG排出量(Financed Emissions)の計測に向けたデータ整備を進めています。 Scope1・2tCO2e 2020年度2022年度2023年度2024年度Scope1(直接的排出)6.056.135.304.13Scope2(間接的排出)※3135.93103.6775.6682.54Scope1・Scope2合計141.98109.8080.9686.67削減実績(2020年度比)-▲22.7%▲43.0%▲39.0%削減実績(前年度比)-▲17.3%▲26.3%7.1% Scope3tCO2e カテゴリ2022年度2023年度2024年度Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)2.814.233.98Scope3カテゴリ2(資本財)249.23124.471,467.81Scope3カテゴリ5(事業から出る廃棄物)0.390.360.54Scope3カテゴリ6(出張)576.47822.591,115.39Scope3カテゴリ7(雇用者の通勤)51.7054.3656.35(算定期間)各年度:4月1日~翌年3月31日(算定範囲) Scope1・Scope2:国内拠点グループ各社※4(スパークス・苫小牧グリーン水素製造所を除く※5)、 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.※6、 SPARX Asia Investment Advisors Limited※6 Scope3:国内拠点グループ各社※4(カテゴリ1,5,6はスパークス・苫小牧グリーン水素製造所を除く※5)[算定方法] Scope3の算定方法、排出計数等は、環境省・経済産業省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7」「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver.3.5」に基づき算出カテゴリ1:国内拠点グループ各社※4のコピー用紙の購入金額に排出原単位を乗じて算出カテゴリ2:該当年度内、国内拠点グループ各社※4の固定資産取得額に排出原単位を乗じて算出カテゴリ5:国内拠点グループ各社※4の排出廃棄物を種類・処分方法ごとに排出原単位を乗じて算出カテゴリ6:国内拠点グループ各社※4の国内外出張金額より算出(航空機、鉄道、バス、タクシーの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出)カテゴリ7:該当年度末の国内拠点グループ各社※6の社員の月額通勤費を年額に換算して算出(鉄道、バスの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出) ※1 GHG排出量算定基準は、GHGプロトコルに基づくScope1(直接排出)+Scope2(間接排出)※2 Partnership for Carbon Accounting Financials※3 Scope2は、マーケット基準にて算出※4 2024年度の国内拠点グループ各社は、以下の通りスパークス・グループ株式会社スパークス・アセット・マネジメント株式会社スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社2023年度以前の国内拠点グループ各社は、以下の通りスパークス・グループ株式会社スパークス・アセット・マネジメント株式会社スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社 なお、2025年4月にスパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社はスパークス・インベストメント株式会社に社名変更しました。 2024年4月にスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社は解散しました。 ※5 2025年3月に稼働を開始したスパークス・苫小牧グリーン水素製造所については、2024年度中に影響が少ない項目は算定範囲から除外しました。 ※6 所在国の排出係数を使用して算出 責任投資に係る取り組み (投資会社として) スパークス・グループ内のアセットマネジメント会社が、受託しているポートフォリオの運用を通じた、投資先の気候変動への対応状況の分析および影響度の評価に関する取り組みについては、以下の通りです。 ①ガバナンス 当社グループは、「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というパーパスを掲げ、この達成のため、顧客よりお預かりする全ての資産に関する顕在・潜在双方のリスクと機会を適切に把握、管理しています。 具体的には、責任投資の監督責任、説明責任を果たすため、当社取締役会の諮問機関として、グループCIOを委員長とする責任投資委員会を設置しています。 なお、責任投資委員会には、全ての社内取締役、グループ執行役員が委員として参加し、少なくとも四半期に一度は開催され、その内容について適時に取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。 また、責任投資委員会における責任投資原則の実践に関する議論を具体的に進めるため、責任投資推進室を設置しています。 当該委員会においては、グループ各社の投資政策委員会(もしくは同等の組織)から気候変動関連リスク・機会への対処ならびに人権尊重を含む責任投資の実施状況の報告が行われるほか、気候変動関連リスク・機会への対処ならびに人権尊重を含む責任投資ポリシーなどの変更承認、責任投資の実施に関する年次報告書の承認などを行っています。 なお、当該委員会には外部アドバイザーが陪席し、独立した立場から、報告や審議内容に対する助言がなされ、責任投資に関する最新の動向が共有されています。 当連結会計年度は責任投資委員会を計4回実施し、各投資政策委員会から、責任投資の実施状況の報告、責任投資方針の見直し、年次報告書が報告され、承認されました。 ※体制図は、図1を参照 ②リスク管理 当社グループは、投資先企業の調査・分析及び投資判断において、ボトム・アップリサーチによる企業の定性的評価を重視しています。 ボトム・アップリサーチにおいて、期待投資リターンの評価を行うとともに、ESGに関する機会とリスクも定性的に評価しています。 また、外部ベンダーの気候変動関連データをエンゲージメント先の選定や対話に活かしながら、投資先企業に気候変動に係る取り組みを促進するよう働きかけを行うことが可能な態勢整備を進めています。 なお、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオに関して、外部ベンダーの気候変動関連データを参照し、各ポートフォリオとベンチマーク(もしくは参考インデックス)について、カーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)と加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を計測した数値を投資政策委員会に、エンゲージメント件数を責任投資委員会に報告しています(*)。 *エンゲージメント件数の責任投資委員会への報告は、2023年1月より開始 ③戦略 気候変動問題の解決のためには、投資先企業が気候変動に関するリスクと機会を中長期的な目線で経営戦略に組み込み、対応を進めることが重要であると認識しています。 アセットマネージャーとして、投資先企業の気候変動に関するリスクと機会が、顧客資産の運用ポートフォリオに及ぼす影響を把握するため、運用資産残高の大部分を占める、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略(*1)の、2024年12月末時点のポートフォリオについて、S&P Globalにシナリオ分析を委託し、実施しました。 なお、2024年12月末時点の、当社グループの投資戦略別運用資産残高は、表の通りです。 (単位:億円)日本株式13,772OneAsia1,033実物資産2,812プライベート・エクイティ(未来創生他)(*2)1,739合計19,357 2℃未満目標との整合性:温室効果ガス移行経路評価 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオとベンチマークについて(*3)、移行経路アプローチに基づき温暖化対策のための国際目標との整合性を評価しました。 S&P Globalの温室効果ガス移行経路評価を利用することで、ポートフォリオにおける2℃未満目標に対する整合性の程度を把握することができます。 本評価では、過去の実績と将来(中期)の予想排出量の双方を評価対象とし、投資先の時間経過に伴う排出削減が温暖化防止目標に沿った適正な水準にあるかどうかを検証します。 その結果、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオでは、昨年に引き続き、2℃以上3℃未満の水準、ベンチマークについては1.5℃以上2℃未満にあるとの評価(*4)になりました。 今後、ポートフォリオを2℃未満に整合させることも視野に当社として何ができるかを社内で検討していきます。 *1 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略は、表中の「日本株式」と「OneAsia」の合計です。 *2 プライベート・エクイティ投資戦略(未来創生ファンド)は、表中の「プライベート・エクイティ」のうち、1,320億円です。 *3 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のベンチマークは、TOPIX、KOSPI、MSCI Asia除く日本、を対応する市場の運用資産残高で加重平均し合成しています。 *4 2℃未満目標に対する整合性分析について、昨年と本年の結果を比較すると、データカバー率には大きな変化は見られませんでした(詳細は下記参照)。 ただし、ベンチマークを構成する銘柄のうち、比較的時価総額の大きい企業においてデータ開示が進展したことにより、S&P Global社の推計データの利用が減少し、企業による実際の開示データの利用が増加しました。 このことが、ベンチマークの2℃未満目標との整合性改善に寄与した要因の一つであると考えています。 カバレッジ2023年2024年ポートフォリオベンチマークポートフォリオベンチマークカーボンパフォーマンス100%100%100%100%パリ協定との整合性95%99%96%99%シナリオ分析―カーボンプライシング96%99%100%100%シナリオ分析―物理リスク100%100%100%100% 移行リスク TCFDは、気候関連のリスクを移行リスクと物理的リスクの2つに分類しています。 移行リスクは脱炭素経済への移行に関連するリスク、物理的リスクは気候変動の物理的影響に関連したリスクです。 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける、気候関連リスクの財務的インパクト(将来のカーボン・プライスが及ぼす財務への影響)を評価しました。 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける将来負担すると推定される炭素コスト(Unpriced Cost of Carbon : UCC)は、地域別では日本の割り当てが高く、セクター別では素材、資本財・サービスが高い結果となりました。 当該戦略のポートフォリオは、日本国内でのカーボン・コストの上昇をもたらす気候関連の政策変更リスクに最も影響を受けるものと考えられます。 投資先企業が将来負担する炭素コストに対して、現時点でどの程度支払う能力があるかを示すEBITDAアット・リスクは、高位シナリオ(*)に基づく2030年時点のポートフォリオ加重平均値で約6.56%、一方ベンチマークは約11.07%でした。 EBITDAが10%以上減少するリスクがある投資先の割合に注目すると、2023年はポートフォリオが16.48%、ベンチマークが16.87%であったのに対して、2024年はポートフォリオが10.68%、ベンチマークが12.64%と、ポートフォリオについてより進展が見られました。 EBITDAアット・リスク 2023年2024年ポートフォリオベンチマークポートフォリオベンチマークEBITDAアット・リスク6.80%11.44%6.56%11.07%ウエイト>10%アット・リスク16.48%16.87%10.68%12.64% 国別UCCの内訳 セクター別UCCの内訳 *パリ協定に整合し、2100年までの気温上昇を2℃未満に抑えるというシナリオで、OECDとIEAの調査に基づいています。 物理的リスク 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける物理的リスクを、2050年時点の中高位シナリオ(*)に基づき評価しました。 9つのハザードタイプ(山火事、寒波、熱波、水ストレス、海岸洪水、河川氾濫、都市型洪水、熱帯サイクロン、干ばつ)のうち、エクスポージャースコアが高かったのは、熱波でした。 また財務インパクトが大きかったのも熱波でした。 出所:S&P Globalデータよりスパークスにて作成*2100年までの気温上昇が2.8-4.6℃となるシナリオで、Shared Socioeconomic Pathway(SSP)の3, Representative Concentration Pathway (RCP)の7.0に該当します。 エクスポージャースコアは1から100 のスケールで表現され、100が考えうる最大のリスク、1は最小のリスクを示します。 財務インパクトは、気候変動に関連して発生する可能性のある性のある損失(設備投資、運用経費、事業中断など)を資産価値に対する割合(%)として表示します。 ④指標及び目標 当社グループは、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、1企業として、積極的に活動を行う所存です。 当社グループは、すべての投資先企業および投資案件が2050年までに温室効果ガス排出量をネットニュートラルにするという目標を掲げること、これに向けた取り組みを進めていくことに、投資会社として貢献していきます。 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略の2024年12月末時点のポートフォリオに関して、TCFDが開示を推奨しているカーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)、加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を、以下の通り算出しました。 2023年2024年カーボンフットプリント451,291 tCO2e349,189 tCO2eWACI78 tCO2e/百万米ドル57.57 tCO2e/百万米ドル 上記、カーボンフットプリント、WACIのいずれの算出に関し、投資先の開示情報や、使用可能な開示情報がない場合はモデリングによる独自アプローチによりGHG排出量を算出するS&P Globalのデータを使用しています。 なお、Scope1及びScope2を対象に算出しています。 当社グループの運用資産において、GHG排出量や外部評価機関の評価などは、分析を補完するために積極的に活用する方針ですが、データの信頼性、評価方法の違いがあることから、数値を比較するのではなく、データを継続してモニターし、今後の利用方法を検討しています。 顧客資産の運用のうち、個別戦略の目標(上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略) 当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、積極的に活動を行う所存です。 したがって、すべてのポートフォリオの保有銘柄が、2050年までに温室効果ガス排出量をネットニュートラルにするという目標を掲げること、これに向けた取り組みを進めていくことに貢献していきます。 そのためには、投資先企業が、パリ協定に従い温室効果ガス削減計画を立案し、実行していくことが望ましいと考えます。 ただし、それまでのプロセスとして、すでに排出量が少ない企業、パリ協定に基づき削減施策を実行している企業にだけ投資するのではなく、今後削減施策を実行すると思われる企業を支援することが重要と考えます。 したがって、中間目標として、2030年までに日本株式投資戦略(*)の全てのファンドにおいて、ポートフォリオの40%以上がネットニュートラル目標を表明することとし、これに向けた取り組みを進めていくことに貢献していきます。 *上場株式投資戦略および上場株式オルタナティブ投信戦略のうち、日本株式に投資する戦略のこと。 目標に対する2024年12月現在の実績は以下のとおりです。 旧目標2024年実績2024年日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率30%以上TCFD賛同率が30%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が97.30%2025年 日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率50%以上TCFD賛同率が50%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が94.59% 新目標2024年実績(*)2030年日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、ネットニュートラル目標表明比率40%以上ネットニュートラル目標表明比率40%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が62.16%*ネットニュートラル目標を表明している企業のデータは、2025年3月末現在を参照しています。 当該投資戦略は、長期的に投資先企業が、パリ協定に従い温室効果ガス削減計画を立案し、実行していくことを、対話により支援していきます。 2024年における主な対話事例を下記にご紹介いたします。 当該投資戦略では、幅広いサービスライン展開する中堅不動産企業A社と対話しました。 同社は厳格な物件仕入準に基づいた経営を行っており、これが健全な財務体質を支える要因となっています。 金融危機以降以来、同社は事業を着実に拡大し、現在では時価総額1,000億円を超える規模に成長しています。 当該投資戦略では、以下3点を軸に対話を実施しました。 まず1点目は、今後の成長率鈍化懸念を払拭するため、株式市場に対して継続的かつ明確な成長戦略を提示する必要性を提起しました。 2点目は、時価総額が1,000億円を超え、新たな機関投資家層の注目が高まる中、多岐にわたる事業内容について、わかりやすい情報開示を求めました。 そして3点目は、より幅広い投資家からの支持を得るためには、ESGに関する方針・取り組み状況を明確に開示することの重要性を伝えました。 特に、3点目の環境分野について、同社の主力事業である不動産の流動化事業における、グリーン認証の取得強化が、長期的な企業価値の向上に資すると、当該戦略では考えています。 現在、同社はビルのグリーン認証取得には積極的ではありませんが、認証取得が物件の付加価値向上と、それに伴う賃料の上昇に繋がる可能性について議論しました。 同社もグリーン認証の意義については概ね同意しているものの、テナントの多くが中堅・中小企業であり、賃料負担力に限界があることから、認証取得には一定の時間が必要であるとの認識を示しています。 当該投資戦略としては、引き続き同社と粘り強く対話を重ねながら、持続的な企業価値向上に向けて伴走していきます。 (プライベート・エクイティ投資戦略(未来創生ファンド)) 地球環境の持続可能性に関する問題は大きなリスク要因である一方、ベンチャー企業にとってのビジネスチャンスでもあります。 当該投資戦略では、例えば、社会全体の効率化・スマート化によるエネルギー消費の抑制、水素の活用など、温室効果ガス排出削減の取組み、資源枯渇を防ぐ糸口となるような新素材の開発など、幅広いテーマから環境問題解決の視点を持ってベンチャー企業を発掘し、投資・支援していきます。 また、ベンチャー企業自身が環境に与えうる直接的・間接的な影響を把握しコントロールする能力があるか否か、また、環境保全のマインドを持つ経営者か否かを分析します。 当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として積極的に活動を行う所存です。 すべての投資先企業、案件が2050年までに温室効果ガス排出量をネットニュートラルにするという目標を掲げること、これに向けた取り組みを進めていくことに、貢献していきます。 それまでのプロセスとして、当該投資戦略の投資担当者が、投資先企業の気候変動の対応に関する財務情報開示に向けてのガイド役となることを目指します。 当該投資戦略がガイド役として、投資先企業が未上場の段階から気候変動に関する財務情報開示に向けて最大限取り組めるよう、気候関連リスクと機会の評価、そしてその財務上の影響についての議論に参加した主な事例を下記にご紹介いたします。 B社は、家畜排せつ物の管理改善を通じて温室効果ガス(GHG)排出量の削減およびJ-クレジットの創出に取り組んでいます。 酪農業界は今後、環境保護団体から厳しい目が向けられることが予想されるため、当該投資戦略はB社に対して、上場前の段階からこれらのリスクに対する認識を持ち、対策を検討するよう促しました。 また、経営陣だけでなく社外取締役とも対話を行い、リスクおよび機会に対する意識を高めるよう働きかけました。 今後もCO₂排出量の可視化を含む適切な開示等、環境課題への対応策を提案していきます。 C社は、ガスの吸着や触媒用途に使われる化学素材を開発、製造しています。 同社は、環境負荷を抑えつつ、低コストでこの化学素材を生産できる点に強みを持っています。 当該投資戦略は、C社とともに、この化学素材製造に伴うCO₂排出量を算出する手法について意見交換を行いました。 特に、生産設備における電力使用量をどのように推計するかが課題となっていました。 同社では排出量の可視化に前向きに取り組んでいるものの、限られたリソースの中でコストを抑えた手法の選定に課題があるとのことでした。 当該投資戦略からは、大手企業の事例も参考にしつつ、C社の現在の事業規模や実行可能性を考慮した、簡素かつ実用的な推計方法を提案しました。 これにより、同社が初期段階から合理的な気候変動対応を進められるよう支援しました。 当該投資戦略は、今後もモニタリング・対話を継続して参ります。 今後も、気候変動問題解決に向けた取り組みを一層進め、情報開示を行ってまいります。 (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組 当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感し、集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するための行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格の形成にも取り組み、互いに切磋琢磨する成長の機会を与えられ、全員が一丸となって「もっと良い投資(=技)」を実践・提供することで組織の成長に貢献するという働きがいを感じることのできる場を提供してまいります。 また、当社グループの競争力の源泉は、「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、つまり「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」ことにあると考えています。 よって、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化するため、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化するため、また③それらのベースとなる働きやすい環境を整えるため、それぞれ必要と考える諸施策を講じてまいります。 ① 人材の育成方針について プロフェッショナルファームとして役職員は高い専門性を有しておりますが、変化が激しく不確実かつ複雑化した環境下において新たな投資分野への参入などにより業務が拡大していく中、必要とされる知識やスキルは多様化しており、また常にアップデートしていかなければならず、役職員が専門領域において主体的に学び実践することが重要であると考えております。 そのために専門領域に関する自己研鑽費用への補助や資格取得時等の報奨金の拡充、社員同士が教え合うOJTの強化などに取り組んでまいります。 加えて、専門領域以外においても、プロフェッショナルとしてのインテリジェンスをより高めるために、幅広く知的好奇心を満たす学習機会の提供にも取り組んでまいります。 また個々人の主体的な学びを重視しつつ、各部門において必要な知識・スキルを身に付けた役職員を計画的に育成していくために、部門別教育の強化にも取り組んでまいります。 ② 人材の多様性の確保に向けた社内環境整備方針について 当社グループとしては、異なる経験や知見、属性等を尊重し、それらを反映した多様な視点と価値観を有することは、新たな価値を創造し、持続的な成長と企業価値の向上、ひいては当社グループのパーパスである「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に欠かせないものと考えております。 このため、従来から性別や国籍等の属性に関係なく、経験や能力、当社グループのパーパスやビジョン、ミッション、大切にしている価値観に対して理解と共感が出来る人材を人物本位で採用や登用を行っております。 当社グループの人員は、主に中途採用者で構成されており、品格を備え、意欲と能力がある優秀な人材であれば、性別や国籍等の属性に関わらず、たとえ未経験、異業種出身者であっても積極的に採用しております。 中途採用者は、それぞれが異なるキャリアを有していることから、様々な視点や経験を有しており、当社グループ固有の慣習や経験則のみに縛られず、非常に多様性に富んだ組織構成になっております。 更に、異業種から出向者を受け入れる等、金融業界以外の価値観や知見を有する人材を取り込むことで、多様性ある組織の構築を目指しております。 その上で新規に採用した役職員には、永続させるべき創業来大切にしている価値観や行動指針を代表取締役社長とのミーティングを通して理解を深めてもらい、また定期的に部門単位にワークショップを開催し、皆で考える機会を設ける等して組織全体でそれらを体現できるように努めています。 その上で、行動指針に沿った行動が出来ているかを周りから評価を受ける仕組みを導入し、自身の行動を客観的に振り返ることで、多様なバックグラウンドや知見を有する組織にあっても当社グループが掲げるパーパスの実現に向けて全員のベクトルを合わせております。 当社グループは「プロフェッショナルファーム」であるという認識のもと、上記方針に従い、性別や国籍等の属性を問わず、経験や能力等人物本位で採用した中途採用者をベースに創業来事業拡大を行ってきており、これまで社員を管理職へ登用する上で、性別や国籍、採用時期や年齢等といった属性が要因となって昇進・昇格に差が出ているとは考えておりません。 よって、「女性」「外国人」「中途採用者」に特化した管理職への登用に関する特別な基準や、それぞれの属性ごとに、定量的な管理職比率等の目標を形式的に定めることは、現時点においては致しません。 一方で、政府目標である「指導的地位に占める女性の割合が2020年代の可能な限り早期に30%程度となるよう目指して取組を進める」を念頭に置きつつも、当該比率を形式的に達成することを目標にするのではなく、女性があたり前に活躍できる環境づくりとして、下記[参考1]にあるようなライフステージに合わせて柔軟に支援ができる人事制度の導入を進めて参りました。 また管理職候補者層に向けて、リーダーとして必要な心構えや求められる行動、その責任と遣り甲斐等について研修を通して実践的に学べる機会を提供することで、主体的に管理職として役割を果たしてゆきたいと考える者を増やし、結果的に経営の意思決定に関わる女性社員が増える土壌を構築して参ります。 また、現時点では当社グループのビジネス基盤が日本中心であることから、外国人比率及び外国人管理職比率の割合は下記[参考2]の通りでありますが、今後、日本以外でのビジネスの拡大に伴い、当該比率は必然的に上昇してゆくと考えております。 [参考1]ライフステージに沿った主な支援制度内容就業時間の複線化従業員が始業・就業時間帯を一定の範囲で選択できる。 短時間正社員育児(子の年齢制限無し)や介護(期間制限無し)等の事情から短時間勤務ができる。 不妊治療休暇有給で年10日限度に取得可能(半日単位でも取得可能)。 看護/介護休暇有給で対象者一人当たり年5日を限度に取得可能。 バックアップ休暇未取得の年次有給休暇を最大30日積み立てることが可能。 *制度利用には会社の承認が必要な場合があります。 [参考2]2025年3月末時点(当社グループ職員 193名)女性比率72名(当社グループ職員に占める割合:37.3%)女性管理職比率10名(当社グループ管理職員に占める割合:25.6%)外国人比率43名(当社グループ職員に占める割合:22.3%)外国人管理職比率10名(当社グループ管理職員に占める割合:25.6%)中途採用者比率186名(当社グループ職員に占める割合:96.4%)中途採用者管理職比率38名(当社グループ管理職員に占める割合:97.4%)育児休業取得者数2025年3月期:男性6名(対象者6名) 女性4名(対象者4名)2024年3月期:男性3名(対象者3名) 女性1名(対象者1名)2023年3月期:男性1名(対象者2名) 女性2名(対象者2名)*育児休業取得者数は国内グループ会社の実績です。 *育児休業取得者数欄に記載の対象者数は本人又は配偶者が出産した人数です。 *育児休業期間が年度をまたぐ場合は、休業を開始した年度のみでカウントしています。 当社グループの多様性の確保に向けた社内環境整備の実施状況は以下のとおりです。 *性別や国籍等の属性や出身業界にとらわれず、多様性に富む中途採用者を軸とした人物本位での採用活動を継続しております。 *出産・育児・介護等、社員のライフステージに応じた支援を行い、また、男性が育児休業を取得しやすい風土の醸成と仕組みの導入にも取り組むことで、性別を問わずに仕事と就業との両立に資する施策を充実させるほか、就業時間帯の複線化や短時間勤務等、多様な働き方を整備してきております。 *仕組みとしてシニア、ベテラン社員の貴重な知識・経験・スキルを次世代の人材に伝承してゆき、若手社員の成長の機会を確保して参ります。 *ハラスメント研修等を通して、組織として多様な人材の受容度を向上させ、風通しの良い、心理的安全性が確保されている組織風土の構築に努めております。 *管理職手前の対象者に対する研修や情報提供、新規入社者のメンターに任命することで人材マネジメントの入口を経験することなどを通じて、管理職への昇格に対する意欲の向上に努めております。 *必要に応じて社内公募制を活用し、誰もが自身の能力を発揮することが出来る場の提供に努めると同時に、管理職になるための経験を積む場としても活用してまいります。 *健康経営を実践することで従業員の健康維持・増進に寄与する施策を充実させ、多様な社員が、心身共に健康で活き活きと働き続けることが出来る環境を構築しております。 尚、健康経営の取り組みが評価され、『健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)』に認定されました。 *上記の人材育成、社内環境整備方針に加え、多様な社員を束ねるためにも当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション等の更なる浸透を図り、理解と共感を得ることで従業員エンゲージメントを高めてまいります。 |
戦略 | 戦略 当社グループは、パーパス実現に向け、様々なサステナビリティに係る課題の中でも、特に環境、社会、ガバナンスについて、下記の課題を認識しております。 サステナビリティに係る課題(環境) 当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。 特に、気候変動問題の解決のための重要課題であると捉えています。 (社会) 当社グループは、人間の活動が世界規模で複雑に絡んでおり、この結果、社会的課題の理解と解決の難易度は高まっていると認識しています。 また、当社グループの事業を運営していく上で、従業員、顧客、取引先、地域社会等ステークホルダーとの良好な関係維持は重要であり、かつ課題であると認識しています。 また、サプライチェーンが拡大する中で、直接的な課題である労働条件等の課題だけでなく、世界各国での児童労働、贈収賄、人権問題など社会課題がより重要になっているとの認識をしております。 さらに、当社グループ自身の中長期的な成長を持続可能なものとしていくためにも、独立系の存在基盤を確固たるものとすべく、投資哲学を共有した「人財」の育成と、その「人財」を活かす仕組みを維持改善していくことが必須であると認識しています。 (ガバナンス) 当グループは、投資先に係るガバナンスを評価する際には、経営者の人間性や資質、経営判断基準や業務執行体制が合理的であるか否かが、最も重要な要素であり、かつ課題であると認識しています。 また、当社グループ自身においても、より良いガバナンス体制の構築が必須であると認識しています。 サステナビリティに係る取組 当社グループは、前述した環境・社会課題の解決に対し、投資活動を通じて寄与することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 具体的には、ESGの観点から、当該課題の解決に繋がる事業への投資活動や、既に投資を行っている投資先へのエンゲージメントを実施する他、株主として必要に応じて投資先企業のESG課題の改善の支援を行ってまいります。 また、投資先企業の事業活動が環境・社会にもたらすインパクトに、より注目した投資活動も行ってまいります。 (環境) 当社グループは、企業活動や消費行動などの人類の活動が環境にもたらすマイナス面を減らし、プラス面を増やす活動に対して、投資を通じて積極的に関与してまいります。 特に重要課題であるカーボンニュートラルの実現に向けて、ファンドスキームを活用した再生可能エネルギー発電施設の建設・運営すること等を通して貢献してまいりました。 今後も投資運用サービスを通じた地球環境問題への対応を行ってまいります。 (社会) 当社グループは、創業当初より、企業の定性的評価を重視して投資を実行してまいりました。 それは、「企業収益の質」「経営者の質」「市場成長性」という3つの評価軸での分析です。 この分析を通じて常に当社グループは、企業の存続可能性として重要である、経営ビジョン、従業員のモチベーション、サプライヤーとの長期的関係などに注目しており、これらの要因はSDGs、ESGが掲げるものと多くのものが共通しています。 このように創業当初から、当社グループは責任ある投資を実践してまいりました。 この当社グループの伝統である責任投資に対する社会的な要請が高まる中、価値創出に資する責任投資の高度化・拡大・浸透は、健全な資本市場および持続可能な社会の実現に向けた、老舗投資会社としての当社グループの当然の責務であると考えております。 この実現のため、やはり創業以来の一貫した基本姿勢である「ボトムアップ・アプローチ」を通じて、自分たちの目で現場を確認(現地現物)しながら、社会的課題の解決に取り組み、必要に応じて行政や地域コミュニティも交えて対話を行ってまいります。 また、顧客を初めとするステークホルダーから選ばれ、結果的に高い収益力を維持すること、またこれらを支える「人財」を育成・擁することは、独立系の存在基盤を確固たるものとした上でパーパスを実現するために必須と考えております。 具体的には、バフェット・クラブ等の社内勉強会における投資哲学の共有等から醸成される投資力、ユニークな投資アイデア創出力の他、フロント・バック部門一体となった顧客本位の業務運営や、社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、各部署・各階層一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化すること等によって、継続的に他社比で高く、持続可能な収益性を実現するための仕組みが、様々な施策に落しこまれている経営体制を目指してまいります。 さらに、上記を支える当社グループの基盤として、従業員等のダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)&インクルージョン(包括性)やウェルビーイング、当社グループが大切にする価値観をベースにした投資力の育成、継承などの人材開発にも注力してまいります。 (ガバナンス) 当社グループは、責任投資の一環として、環境や社会の課題のみならず、投資先のガバナンス課題にも着目しています。 具体的には、2000 年代初頭から、ガバナンス投資により注目した投資の実践を行っております。 また自ら、独立系の強みを生かした、効果的・効率的な、健全で透明性の高いガバナンス体制を構築してまいります。 具体的には、高度のガバナンス態勢を構築・維持することで顧客からの支持を得るとともに、資本市場に対して範を示してまいります。 特に、様々な投資戦略を展開する中でも、グループ会社間、投資戦略間、ファンド間の利益相反管理など、適切なリスク管理を行ってまいります。 その他、適切な決算・開示や納税、日本の金融商品取引法を始めとする各国各種の法令や諸規則を遵守する透明性の高いプロセスを構築してまいります。 当社グループは、ESGの重要性および環境・社会課題の解決に投資活動が貢献出来ることについて、当社グループのステークホルダーをはじめとする多くの関係者の理解を得ることも重要であると認識しています。 今後も、こうした当社の考え方を発信するとともに、ステークホルダーとの対話を実施することにより、ESG課題を含むサステナビリティに関連する「リスク」を最小化し、「機会」を早期に発見することによって、本基本方針の目的を達成してまいります。 具体的には、株主総会、IR説明会の他、当社グループのWebサイトやYouTubeチャンネル等を通じた情報発信を行っていく他、再生エネルギーに対する理解の促進に向けた「こどもエネルギーサミット」等を通じて、次世代への教育にも引き続き取り組んでまいります。 当社グループは、「良き企業市民」としての社会的責任を果たすため、以下のイニシアティブを支持し、参画しています。 今後も、サステナビリティに係る課題への対応を進めるに際し、真に有用なイニシアティブ等については、具体的に参画を検討し、必要に応じて参画してまいります。 ・PRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)・TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース) |
指標及び目標 | 指標及び目標 以下の(1) 気候変動及び (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組において、記載しております。 サステナビリティにおいて重要と考える(1) 気候変動及び (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組は以下のとおりです。 なお、気候変動については、当社グループのビジネス上、上場会社としての気候変動への取り組みと、お客様からお預かりした資産を運用する投資会社としての投資先への取り組みの2つの側面をもっております。 (1) 気候変動 気候変動への取り組み (上場会社として) 当社グループでは、私たちの投資を通じて地球環境と人間が共生できる社会の実現に積極的に関わることを目指し、2020年1月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が公表した提言に賛同の意を表明いたしました。 ①ガバナンス 当社グループでは、「サステナビリティに関する基本方針」を策定し、気候変動を含むサステナビリティに係る課題への対応を経営上の最重要課題の1つと認識しています。 よって、気候関連の課題に関する基本方針に関しては、取締役会において議論・決議を行い、具体的な業務の執行にあたっては、その中心的な意思決定機関である経営会議において、少なくとも年に1回、かつ、必要に応じ適時に、具体的な活動方針や推進施策等の議論・決定し、取締役会に報告することで実施内容を取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。 取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議等を実施することにより、PDCAサイクルによって、適切にマネジメントを推進し、継続的に改善を図っています。 また経営会議には、業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加し、少なくとも毎月1度は開催され、その内容については適時に取締役会に報告されます。 なお、経営会議におけるサステナビリティ経営に関する議論を具体的に進めるため、サステナビリティ企画室を設置しています。 ガバナンス体制図(図1) ②リスク管理 気候変動に関するリスク管理については上記のサステナビリティのリスク管理に含めて管理しております。 詳細については(1)サステナビリティ ②リスク管理を参照ください。 ③戦略 当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。 特に、気候変動問題は、この目的達成のための重要課題であると捉えています。 気候変動は平均気温上昇による自然災害の激甚化や脱炭素社会の移行に伴う社会経済の変化をもたらすことから、これらに関連したリスクと機会が生じます。 リスクには、自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる急性リスクや平均気温上昇に伴い発生する慢性リスクといった「物理的リスク」と、脱炭素化に向けた規制強化や脱炭素技術移行への対応といった「移行リスク」の2つがあります。 機会には、気候変動問題の解決のための技術革新や市場の変化等に伴う企業の収益機会があります。 当社グループは、気候変動対策や脱炭素社会への移行を、新しい投資商品の提供を通じてサポート・実現することで当社グループビジネス機会の拡大に繋げ、ひいては持続可能な環境・社会の実現に貢献していきます。 当社グループは、TCFDの提言を踏まえ、以下の通り、リスク(物理的リスク、移行リスク)及び機会について、短期・中期・長期の目線での把握に努めています。 投資会社である当社グループへの直接的な影響としては、他の業種に比べて大きくないものと考えていますが、今後は、これらの想定を、複数のシナリオ分析等によって検証し、より具体的な財務的な影響等を把握するよう努めていきます。 なお、大規模な自然災害といった物理的リスクについては、自社の事業の継続性を確保するための定期的なBCPの見直しや管理体制の強化を図っています。 <気候関連のリスク>リスクの種類リスクの内容想定される主な影響想定期間移行リスク政策・法規制・GHG排出価格(炭素税)の上昇・排出量の報告義務の強化 など・制度変更や規制強化に伴うコスト増加による業績への悪影響 中期~長期 技術・急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ など・産業構造の変化をとらえた新たな投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響中期~長期 市場・投資家の嗜好変化 など・投資家の嗜好が変化することに対して、適切な投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響中期~長期 評判・気候変動対策への取組み不足によるレピュテーショナルリスクの増加 など・評判悪化によるビジネス機会の減少による業績への悪影響・評判悪化による当社の資金調達コスト増短期~中期物理的リスク急性/慢性・豪雨・巨大台風などの災害増加・平均気温の上昇、海水面の上昇等による災害の激甚化 など・当社グループの拠点や社員の被災などによる事業活動の制約による業績への悪影響・災害への対策や復旧・修繕対応など各種コストの増加による業績への悪影響中期~長期(想定期間)短期:0~3年、中期:3~10年、長期:10~30年 <気候関連の機会> 上記気候関連のリスクへの対応策を検討する際には、例えば「急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ」を「産業構造の変化を急速にもたらす技術を有する会社に投資機会を見出し、投資戦略に落とし込んでいく」など事業機会に捉え直すことで、投資戦略の立案に繋げています。 ④指標及び目標 当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 気候関連リスクの軽減および機会の実現を目的として、温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量を主要な指標とし、具体的な削減目標を設定し、その進捗を継続的にモニタリングしています。 これらの指標の進捗状況については、少なくとも年に1回、また必要に応じて、経営会議及び取締役会に報告しています。 2024年度における当社グループの事業活動によるGHG排出量(Scope1およびScope2の合計※1)は、約82.54 tCO2eとなり、2020年度基準比39.0%の削減を達成しました。 2022年9月からは、GHG排出量削減の一環として、国内拠点各社が入居するビルの電力を非化石証書付き再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたことで、一定の削減効果が得られました。 一方で、事業拡大に伴う増床により、排出量は前年より増加しています。 なお、2030年度までにGHG排出量を2020年度比で33%削減するという中間目標は既に達成しており、今後もさらなる削減に向けて具体的な施策を検討していきます。 また、Scope1・Scope2に関する削減目標の達成状況のモニタリングに加え、「環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」等を活用し、サプライチェーン全体のCO2排出量(Scope3)の算定・モニタリングも継続しています。 特にScope3のうちカテゴリ15「投融資」については、金融機関として脱炭素社会実現の第一歩と認識し、PCAF※2の手法に基づき、投融資を通じたGHG排出量(Financed Emissions)の計測に向けたデータ整備を進めています。 Scope1・2tCO2e 2020年度2022年度2023年度2024年度Scope1(直接的排出)6.056.135.304.13Scope2(間接的排出)※3135.93103.6775.6682.54Scope1・Scope2合計141.98109.8080.9686.67削減実績(2020年度比)-▲22.7%▲43.0%▲39.0%削減実績(前年度比)-▲17.3%▲26.3%7.1% Scope3tCO2e カテゴリ2022年度2023年度2024年度Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)2.814.233.98Scope3カテゴリ2(資本財)249.23124.471,467.81Scope3カテゴリ5(事業から出る廃棄物)0.390.360.54Scope3カテゴリ6(出張)576.47822.591,115.39Scope3カテゴリ7(雇用者の通勤)51.7054.3656.35(算定期間)各年度:4月1日~翌年3月31日(算定範囲) Scope1・Scope2:国内拠点グループ各社※4(スパークス・苫小牧グリーン水素製造所を除く※5)、 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.※6、 SPARX Asia Investment Advisors Limited※6 Scope3:国内拠点グループ各社※4(カテゴリ1,5,6はスパークス・苫小牧グリーン水素製造所を除く※5)[算定方法] Scope3の算定方法、排出計数等は、環境省・経済産業省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.7」「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver.3.5」に基づき算出カテゴリ1:国内拠点グループ各社※4のコピー用紙の購入金額に排出原単位を乗じて算出カテゴリ2:該当年度内、国内拠点グループ各社※4の固定資産取得額に排出原単位を乗じて算出カテゴリ5:国内拠点グループ各社※4の排出廃棄物を種類・処分方法ごとに排出原単位を乗じて算出カテゴリ6:国内拠点グループ各社※4の国内外出張金額より算出(航空機、鉄道、バス、タクシーの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出)カテゴリ7:該当年度末の国内拠点グループ各社※6の社員の月額通勤費を年額に換算して算出(鉄道、バスの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出) ※1 GHG排出量算定基準は、GHGプロトコルに基づくScope1(直接排出)+Scope2(間接排出)※2 Partnership for Carbon Accounting Financials※3 Scope2は、マーケット基準にて算出※4 2024年度の国内拠点グループ各社は、以下の通りスパークス・グループ株式会社スパークス・アセット・マネジメント株式会社スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社2023年度以前の国内拠点グループ各社は、以下の通りスパークス・グループ株式会社スパークス・アセット・マネジメント株式会社スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社 なお、2025年4月にスパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社はスパークス・インベストメント株式会社に社名変更しました。 2024年4月にスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社は解散しました。 ※5 2025年3月に稼働を開始したスパークス・苫小牧グリーン水素製造所については、2024年度中に影響が少ない項目は算定範囲から除外しました。 ※6 所在国の排出係数を使用して算出 責任投資に係る取り組み (投資会社として) スパークス・グループ内のアセットマネジメント会社が、受託しているポートフォリオの運用を通じた、投資先の気候変動への対応状況の分析および影響度の評価に関する取り組みについては、以下の通りです。 ①ガバナンス 当社グループは、「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というパーパスを掲げ、この達成のため、顧客よりお預かりする全ての資産に関する顕在・潜在双方のリスクと機会を適切に把握、管理しています。 具体的には、責任投資の監督責任、説明責任を果たすため、当社取締役会の諮問機関として、グループCIOを委員長とする責任投資委員会を設置しています。 なお、責任投資委員会には、全ての社内取締役、グループ執行役員が委員として参加し、少なくとも四半期に一度は開催され、その内容について適時に取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。 また、責任投資委員会における責任投資原則の実践に関する議論を具体的に進めるため、責任投資推進室を設置しています。 当該委員会においては、グループ各社の投資政策委員会(もしくは同等の組織)から気候変動関連リスク・機会への対処ならびに人権尊重を含む責任投資の実施状況の報告が行われるほか、気候変動関連リスク・機会への対処ならびに人権尊重を含む責任投資ポリシーなどの変更承認、責任投資の実施に関する年次報告書の承認などを行っています。 なお、当該委員会には外部アドバイザーが陪席し、独立した立場から、報告や審議内容に対する助言がなされ、責任投資に関する最新の動向が共有されています。 当連結会計年度は責任投資委員会を計4回実施し、各投資政策委員会から、責任投資の実施状況の報告、責任投資方針の見直し、年次報告書が報告され、承認されました。 ※体制図は、図1を参照 ②リスク管理 当社グループは、投資先企業の調査・分析及び投資判断において、ボトム・アップリサーチによる企業の定性的評価を重視しています。 ボトム・アップリサーチにおいて、期待投資リターンの評価を行うとともに、ESGに関する機会とリスクも定性的に評価しています。 また、外部ベンダーの気候変動関連データをエンゲージメント先の選定や対話に活かしながら、投資先企業に気候変動に係る取り組みを促進するよう働きかけを行うことが可能な態勢整備を進めています。 なお、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオに関して、外部ベンダーの気候変動関連データを参照し、各ポートフォリオとベンチマーク(もしくは参考インデックス)について、カーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)と加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を計測した数値を投資政策委員会に、エンゲージメント件数を責任投資委員会に報告しています(*)。 *エンゲージメント件数の責任投資委員会への報告は、2023年1月より開始 ③戦略 気候変動問題の解決のためには、投資先企業が気候変動に関するリスクと機会を中長期的な目線で経営戦略に組み込み、対応を進めることが重要であると認識しています。 アセットマネージャーとして、投資先企業の気候変動に関するリスクと機会が、顧客資産の運用ポートフォリオに及ぼす影響を把握するため、運用資産残高の大部分を占める、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略(*1)の、2024年12月末時点のポートフォリオについて、S&P Globalにシナリオ分析を委託し、実施しました。 なお、2024年12月末時点の、当社グループの投資戦略別運用資産残高は、表の通りです。 (単位:億円)日本株式13,772OneAsia1,033実物資産2,812プライベート・エクイティ(未来創生他)(*2)1,739合計19,357 2℃未満目標との整合性:温室効果ガス移行経路評価 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオとベンチマークについて(*3)、移行経路アプローチに基づき温暖化対策のための国際目標との整合性を評価しました。 S&P Globalの温室効果ガス移行経路評価を利用することで、ポートフォリオにおける2℃未満目標に対する整合性の程度を把握することができます。 本評価では、過去の実績と将来(中期)の予想排出量の双方を評価対象とし、投資先の時間経過に伴う排出削減が温暖化防止目標に沿った適正な水準にあるかどうかを検証します。 その結果、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオでは、昨年に引き続き、2℃以上3℃未満の水準、ベンチマークについては1.5℃以上2℃未満にあるとの評価(*4)になりました。 今後、ポートフォリオを2℃未満に整合させることも視野に当社として何ができるかを社内で検討していきます。 *1 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略は、表中の「日本株式」と「OneAsia」の合計です。 *2 プライベート・エクイティ投資戦略(未来創生ファンド)は、表中の「プライベート・エクイティ」のうち、1,320億円です。 *3 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のベンチマークは、TOPIX、KOSPI、MSCI Asia除く日本、を対応する市場の運用資産残高で加重平均し合成しています。 *4 2℃未満目標に対する整合性分析について、昨年と本年の結果を比較すると、データカバー率には大きな変化は見られませんでした(詳細は下記参照)。 ただし、ベンチマークを構成する銘柄のうち、比較的時価総額の大きい企業においてデータ開示が進展したことにより、S&P Global社の推計データの利用が減少し、企業による実際の開示データの利用が増加しました。 このことが、ベンチマークの2℃未満目標との整合性改善に寄与した要因の一つであると考えています。 カバレッジ2023年2024年ポートフォリオベンチマークポートフォリオベンチマークカーボンパフォーマンス100%100%100%100%パリ協定との整合性95%99%96%99%シナリオ分析―カーボンプライシング96%99%100%100%シナリオ分析―物理リスク100%100%100%100% 移行リスク TCFDは、気候関連のリスクを移行リスクと物理的リスクの2つに分類しています。 移行リスクは脱炭素経済への移行に関連するリスク、物理的リスクは気候変動の物理的影響に関連したリスクです。 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける、気候関連リスクの財務的インパクト(将来のカーボン・プライスが及ぼす財務への影響)を評価しました。 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける将来負担すると推定される炭素コスト(Unpriced Cost of Carbon : UCC)は、地域別では日本の割り当てが高く、セクター別では素材、資本財・サービスが高い結果となりました。 当該戦略のポートフォリオは、日本国内でのカーボン・コストの上昇をもたらす気候関連の政策変更リスクに最も影響を受けるものと考えられます。 投資先企業が将来負担する炭素コストに対して、現時点でどの程度支払う能力があるかを示すEBITDAアット・リスクは、高位シナリオ(*)に基づく2030年時点のポートフォリオ加重平均値で約6.56%、一方ベンチマークは約11.07%でした。 EBITDAが10%以上減少するリスクがある投資先の割合に注目すると、2023年はポートフォリオが16.48%、ベンチマークが16.87%であったのに対して、2024年はポートフォリオが10.68%、ベンチマークが12.64%と、ポートフォリオについてより進展が見られました。 EBITDAアット・リスク 2023年2024年ポートフォリオベンチマークポートフォリオベンチマークEBITDAアット・リスク6.80%11.44%6.56%11.07%ウエイト>10%アット・リスク16.48%16.87%10.68%12.64% 国別UCCの内訳 セクター別UCCの内訳 *パリ協定に整合し、2100年までの気温上昇を2℃未満に抑えるというシナリオで、OECDとIEAの調査に基づいています。 物理的リスク 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける物理的リスクを、2050年時点の中高位シナリオ(*)に基づき評価しました。 9つのハザードタイプ(山火事、寒波、熱波、水ストレス、海岸洪水、河川氾濫、都市型洪水、熱帯サイクロン、干ばつ)のうち、エクスポージャースコアが高かったのは、熱波でした。 また財務インパクトが大きかったのも熱波でした。 出所:S&P Globalデータよりスパークスにて作成*2100年までの気温上昇が2.8-4.6℃となるシナリオで、Shared Socioeconomic Pathway(SSP)の3, Representative Concentration Pathway (RCP)の7.0に該当します。 エクスポージャースコアは1から100 のスケールで表現され、100が考えうる最大のリスク、1は最小のリスクを示します。 財務インパクトは、気候変動に関連して発生する可能性のある性のある損失(設備投資、運用経費、事業中断など)を資産価値に対する割合(%)として表示します。 ④指標及び目標 当社グループは、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、1企業として、積極的に活動を行う所存です。 当社グループは、すべての投資先企業および投資案件が2050年までに温室効果ガス排出量をネットニュートラルにするという目標を掲げること、これに向けた取り組みを進めていくことに、投資会社として貢献していきます。 上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略の2024年12月末時点のポートフォリオに関して、TCFDが開示を推奨しているカーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)、加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を、以下の通り算出しました。 2023年2024年カーボンフットプリント451,291 tCO2e349,189 tCO2eWACI78 tCO2e/百万米ドル57.57 tCO2e/百万米ドル 上記、カーボンフットプリント、WACIのいずれの算出に関し、投資先の開示情報や、使用可能な開示情報がない場合はモデリングによる独自アプローチによりGHG排出量を算出するS&P Globalのデータを使用しています。 なお、Scope1及びScope2を対象に算出しています。 当社グループの運用資産において、GHG排出量や外部評価機関の評価などは、分析を補完するために積極的に活用する方針ですが、データの信頼性、評価方法の違いがあることから、数値を比較するのではなく、データを継続してモニターし、今後の利用方法を検討しています。 顧客資産の運用のうち、個別戦略の目標(上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略) 当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、積極的に活動を行う所存です。 したがって、すべてのポートフォリオの保有銘柄が、2050年までに温室効果ガス排出量をネットニュートラルにするという目標を掲げること、これに向けた取り組みを進めていくことに貢献していきます。 そのためには、投資先企業が、パリ協定に従い温室効果ガス削減計画を立案し、実行していくことが望ましいと考えます。 ただし、それまでのプロセスとして、すでに排出量が少ない企業、パリ協定に基づき削減施策を実行している企業にだけ投資するのではなく、今後削減施策を実行すると思われる企業を支援することが重要と考えます。 したがって、中間目標として、2030年までに日本株式投資戦略(*)の全てのファンドにおいて、ポートフォリオの40%以上がネットニュートラル目標を表明することとし、これに向けた取り組みを進めていくことに貢献していきます。 *上場株式投資戦略および上場株式オルタナティブ投信戦略のうち、日本株式に投資する戦略のこと。 目標に対する2024年12月現在の実績は以下のとおりです。 旧目標2024年実績2024年日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率30%以上TCFD賛同率が30%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が97.30%2025年 日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率50%以上TCFD賛同率が50%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が94.59% 新目標2024年実績(*)2030年日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、ネットニュートラル目標表明比率40%以上ネットニュートラル目標表明比率40%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が62.16%*ネットニュートラル目標を表明している企業のデータは、2025年3月末現在を参照しています。 当該投資戦略は、長期的に投資先企業が、パリ協定に従い温室効果ガス削減計画を立案し、実行していくことを、対話により支援していきます。 2024年における主な対話事例を下記にご紹介いたします。 当該投資戦略では、幅広いサービスライン展開する中堅不動産企業A社と対話しました。 同社は厳格な物件仕入準に基づいた経営を行っており、これが健全な財務体質を支える要因となっています。 金融危機以降以来、同社は事業を着実に拡大し、現在では時価総額1,000億円を超える規模に成長しています。 当該投資戦略では、以下3点を軸に対話を実施しました。 まず1点目は、今後の成長率鈍化懸念を払拭するため、株式市場に対して継続的かつ明確な成長戦略を提示する必要性を提起しました。 2点目は、時価総額が1,000億円を超え、新たな機関投資家層の注目が高まる中、多岐にわたる事業内容について、わかりやすい情報開示を求めました。 そして3点目は、より幅広い投資家からの支持を得るためには、ESGに関する方針・取り組み状況を明確に開示することの重要性を伝えました。 特に、3点目の環境分野について、同社の主力事業である不動産の流動化事業における、グリーン認証の取得強化が、長期的な企業価値の向上に資すると、当該戦略では考えています。 現在、同社はビルのグリーン認証取得には積極的ではありませんが、認証取得が物件の付加価値向上と、それに伴う賃料の上昇に繋がる可能性について議論しました。 同社もグリーン認証の意義については概ね同意しているものの、テナントの多くが中堅・中小企業であり、賃料負担力に限界があることから、認証取得には一定の時間が必要であるとの認識を示しています。 当該投資戦略としては、引き続き同社と粘り強く対話を重ねながら、持続的な企業価値向上に向けて伴走していきます。 (プライベート・エクイティ投資戦略(未来創生ファンド)) 地球環境の持続可能性に関する問題は大きなリスク要因である一方、ベンチャー企業にとってのビジネスチャンスでもあります。 当該投資戦略では、例えば、社会全体の効率化・スマート化によるエネルギー消費の抑制、水素の活用など、温室効果ガス排出削減の取組み、資源枯渇を防ぐ糸口となるような新素材の開発など、幅広いテーマから環境問題解決の視点を持ってベンチャー企業を発掘し、投資・支援していきます。 また、ベンチャー企業自身が環境に与えうる直接的・間接的な影響を把握しコントロールする能力があるか否か、また、環境保全のマインドを持つ経営者か否かを分析します。 当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として積極的に活動を行う所存です。 すべての投資先企業、案件が2050年までに温室効果ガス排出量をネットニュートラルにするという目標を掲げること、これに向けた取り組みを進めていくことに、貢献していきます。 それまでのプロセスとして、当該投資戦略の投資担当者が、投資先企業の気候変動の対応に関する財務情報開示に向けてのガイド役となることを目指します。 当該投資戦略がガイド役として、投資先企業が未上場の段階から気候変動に関する財務情報開示に向けて最大限取り組めるよう、気候関連リスクと機会の評価、そしてその財務上の影響についての議論に参加した主な事例を下記にご紹介いたします。 B社は、家畜排せつ物の管理改善を通じて温室効果ガス(GHG)排出量の削減およびJ-クレジットの創出に取り組んでいます。 酪農業界は今後、環境保護団体から厳しい目が向けられることが予想されるため、当該投資戦略はB社に対して、上場前の段階からこれらのリスクに対する認識を持ち、対策を検討するよう促しました。 また、経営陣だけでなく社外取締役とも対話を行い、リスクおよび機会に対する意識を高めるよう働きかけました。 今後もCO₂排出量の可視化を含む適切な開示等、環境課題への対応策を提案していきます。 C社は、ガスの吸着や触媒用途に使われる化学素材を開発、製造しています。 同社は、環境負荷を抑えつつ、低コストでこの化学素材を生産できる点に強みを持っています。 当該投資戦略は、C社とともに、この化学素材製造に伴うCO₂排出量を算出する手法について意見交換を行いました。 特に、生産設備における電力使用量をどのように推計するかが課題となっていました。 同社では排出量の可視化に前向きに取り組んでいるものの、限られたリソースの中でコストを抑えた手法の選定に課題があるとのことでした。 当該投資戦略からは、大手企業の事例も参考にしつつ、C社の現在の事業規模や実行可能性を考慮した、簡素かつ実用的な推計方法を提案しました。 これにより、同社が初期段階から合理的な気候変動対応を進められるよう支援しました。 当該投資戦略は、今後もモニタリング・対話を継続して参ります。 今後も、気候変動問題解決に向けた取り組みを一層進め、情報開示を行ってまいります。 (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組 当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感し、集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するための行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格の形成にも取り組み、互いに切磋琢磨する成長の機会を与えられ、全員が一丸となって「もっと良い投資(=技)」を実践・提供することで組織の成長に貢献するという働きがいを感じることのできる場を提供してまいります。 また、当社グループの競争力の源泉は、「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、つまり「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」ことにあると考えています。 よって、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化するため、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化するため、また③それらのベースとなる働きやすい環境を整えるため、それぞれ必要と考える諸施策を講じてまいります。 ① 人材の育成方針について プロフェッショナルファームとして役職員は高い専門性を有しておりますが、変化が激しく不確実かつ複雑化した環境下において新たな投資分野への参入などにより業務が拡大していく中、必要とされる知識やスキルは多様化しており、また常にアップデートしていかなければならず、役職員が専門領域において主体的に学び実践することが重要であると考えております。 そのために専門領域に関する自己研鑽費用への補助や資格取得時等の報奨金の拡充、社員同士が教え合うOJTの強化などに取り組んでまいります。 加えて、専門領域以外においても、プロフェッショナルとしてのインテリジェンスをより高めるために、幅広く知的好奇心を満たす学習機会の提供にも取り組んでまいります。 また個々人の主体的な学びを重視しつつ、各部門において必要な知識・スキルを身に付けた役職員を計画的に育成していくために、部門別教育の強化にも取り組んでまいります。 ② 人材の多様性の確保に向けた社内環境整備方針について 当社グループとしては、異なる経験や知見、属性等を尊重し、それらを反映した多様な視点と価値観を有することは、新たな価値を創造し、持続的な成長と企業価値の向上、ひいては当社グループのパーパスである「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に欠かせないものと考えております。 このため、従来から性別や国籍等の属性に関係なく、経験や能力、当社グループのパーパスやビジョン、ミッション、大切にしている価値観に対して理解と共感が出来る人材を人物本位で採用や登用を行っております。 当社グループの人員は、主に中途採用者で構成されており、品格を備え、意欲と能力がある優秀な人材であれば、性別や国籍等の属性に関わらず、たとえ未経験、異業種出身者であっても積極的に採用しております。 中途採用者は、それぞれが異なるキャリアを有していることから、様々な視点や経験を有しており、当社グループ固有の慣習や経験則のみに縛られず、非常に多様性に富んだ組織構成になっております。 更に、異業種から出向者を受け入れる等、金融業界以外の価値観や知見を有する人材を取り込むことで、多様性ある組織の構築を目指しております。 その上で新規に採用した役職員には、永続させるべき創業来大切にしている価値観や行動指針を代表取締役社長とのミーティングを通して理解を深めてもらい、また定期的に部門単位にワークショップを開催し、皆で考える機会を設ける等して組織全体でそれらを体現できるように努めています。 その上で、行動指針に沿った行動が出来ているかを周りから評価を受ける仕組みを導入し、自身の行動を客観的に振り返ることで、多様なバックグラウンドや知見を有する組織にあっても当社グループが掲げるパーパスの実現に向けて全員のベクトルを合わせております。 当社グループは「プロフェッショナルファーム」であるという認識のもと、上記方針に従い、性別や国籍等の属性を問わず、経験や能力等人物本位で採用した中途採用者をベースに創業来事業拡大を行ってきており、これまで社員を管理職へ登用する上で、性別や国籍、採用時期や年齢等といった属性が要因となって昇進・昇格に差が出ているとは考えておりません。 よって、「女性」「外国人」「中途採用者」に特化した管理職への登用に関する特別な基準や、それぞれの属性ごとに、定量的な管理職比率等の目標を形式的に定めることは、現時点においては致しません。 一方で、政府目標である「指導的地位に占める女性の割合が2020年代の可能な限り早期に30%程度となるよう目指して取組を進める」を念頭に置きつつも、当該比率を形式的に達成することを目標にするのではなく、女性があたり前に活躍できる環境づくりとして、下記[参考1]にあるようなライフステージに合わせて柔軟に支援ができる人事制度の導入を進めて参りました。 また管理職候補者層に向けて、リーダーとして必要な心構えや求められる行動、その責任と遣り甲斐等について研修を通して実践的に学べる機会を提供することで、主体的に管理職として役割を果たしてゆきたいと考える者を増やし、結果的に経営の意思決定に関わる女性社員が増える土壌を構築して参ります。 また、現時点では当社グループのビジネス基盤が日本中心であることから、外国人比率及び外国人管理職比率の割合は下記[参考2]の通りでありますが、今後、日本以外でのビジネスの拡大に伴い、当該比率は必然的に上昇してゆくと考えております。 [参考1]ライフステージに沿った主な支援制度内容就業時間の複線化従業員が始業・就業時間帯を一定の範囲で選択できる。 短時間正社員育児(子の年齢制限無し)や介護(期間制限無し)等の事情から短時間勤務ができる。 不妊治療休暇有給で年10日限度に取得可能(半日単位でも取得可能)。 看護/介護休暇有給で対象者一人当たり年5日を限度に取得可能。 バックアップ休暇未取得の年次有給休暇を最大30日積み立てることが可能。 *制度利用には会社の承認が必要な場合があります。 [参考2]2025年3月末時点(当社グループ職員 193名)女性比率72名(当社グループ職員に占める割合:37.3%)女性管理職比率10名(当社グループ管理職員に占める割合:25.6%)外国人比率43名(当社グループ職員に占める割合:22.3%)外国人管理職比率10名(当社グループ管理職員に占める割合:25.6%)中途採用者比率186名(当社グループ職員に占める割合:96.4%)中途採用者管理職比率38名(当社グループ管理職員に占める割合:97.4%)育児休業取得者数2025年3月期:男性6名(対象者6名) 女性4名(対象者4名)2024年3月期:男性3名(対象者3名) 女性1名(対象者1名)2023年3月期:男性1名(対象者2名) 女性2名(対象者2名)*育児休業取得者数は国内グループ会社の実績です。 *育児休業取得者数欄に記載の対象者数は本人又は配偶者が出産した人数です。 *育児休業期間が年度をまたぐ場合は、休業を開始した年度のみでカウントしています。 当社グループの多様性の確保に向けた社内環境整備の実施状況は以下のとおりです。 *性別や国籍等の属性や出身業界にとらわれず、多様性に富む中途採用者を軸とした人物本位での採用活動を継続しております。 *出産・育児・介護等、社員のライフステージに応じた支援を行い、また、男性が育児休業を取得しやすい風土の醸成と仕組みの導入にも取り組むことで、性別を問わずに仕事と就業との両立に資する施策を充実させるほか、就業時間帯の複線化や短時間勤務等、多様な働き方を整備してきております。 *仕組みとしてシニア、ベテラン社員の貴重な知識・経験・スキルを次世代の人材に伝承してゆき、若手社員の成長の機会を確保して参ります。 *ハラスメント研修等を通して、組織として多様な人材の受容度を向上させ、風通しの良い、心理的安全性が確保されている組織風土の構築に努めております。 *管理職手前の対象者に対する研修や情報提供、新規入社者のメンターに任命することで人材マネジメントの入口を経験することなどを通じて、管理職への昇格に対する意欲の向上に努めております。 *必要に応じて社内公募制を活用し、誰もが自身の能力を発揮することが出来る場の提供に努めると同時に、管理職になるための経験を積む場としても活用してまいります。 *健康経営を実践することで従業員の健康維持・増進に寄与する施策を充実させ、多様な社員が、心身共に健康で活き活きと働き続けることが出来る環境を構築しております。 尚、健康経営の取り組みが評価され、『健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)』に認定されました。 *上記の人材育成、社内環境整備方針に加え、多様な社員を束ねるためにも当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション等の更なる浸透を図り、理解と共感を得ることで従業員エンゲージメントを高めてまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組 当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感し、集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するための行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格の形成にも取り組み、互いに切磋琢磨する成長の機会を与えられ、全員が一丸となって「もっと良い投資(=技)」を実践・提供することで組織の成長に貢献するという働きがいを感じることのできる場を提供してまいります。 また、当社グループの競争力の源泉は、「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、つまり「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」ことにあると考えています。 よって、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化するため、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化するため、また③それらのベースとなる働きやすい環境を整えるため、それぞれ必要と考える諸施策を講じてまいります。 ① 人材の育成方針について プロフェッショナルファームとして役職員は高い専門性を有しておりますが、変化が激しく不確実かつ複雑化した環境下において新たな投資分野への参入などにより業務が拡大していく中、必要とされる知識やスキルは多様化しており、また常にアップデートしていかなければならず、役職員が専門領域において主体的に学び実践することが重要であると考えております。 そのために専門領域に関する自己研鑽費用への補助や資格取得時等の報奨金の拡充、社員同士が教え合うOJTの強化などに取り組んでまいります。 加えて、専門領域以外においても、プロフェッショナルとしてのインテリジェンスをより高めるために、幅広く知的好奇心を満たす学習機会の提供にも取り組んでまいります。 また個々人の主体的な学びを重視しつつ、各部門において必要な知識・スキルを身に付けた役職員を計画的に育成していくために、部門別教育の強化にも取り組んでまいります。 ② 人材の多様性の確保に向けた社内環境整備方針について 当社グループとしては、異なる経験や知見、属性等を尊重し、それらを反映した多様な視点と価値観を有することは、新たな価値を創造し、持続的な成長と企業価値の向上、ひいては当社グループのパーパスである「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に欠かせないものと考えております。 このため、従来から性別や国籍等の属性に関係なく、経験や能力、当社グループのパーパスやビジョン、ミッション、大切にしている価値観に対して理解と共感が出来る人材を人物本位で採用や登用を行っております。 当社グループの人員は、主に中途採用者で構成されており、品格を備え、意欲と能力がある優秀な人材であれば、性別や国籍等の属性に関わらず、たとえ未経験、異業種出身者であっても積極的に採用しております。 中途採用者は、それぞれが異なるキャリアを有していることから、様々な視点や経験を有しており、当社グループ固有の慣習や経験則のみに縛られず、非常に多様性に富んだ組織構成になっております。 更に、異業種から出向者を受け入れる等、金融業界以外の価値観や知見を有する人材を取り込むことで、多様性ある組織の構築を目指しております。 その上で新規に採用した役職員には、永続させるべき創業来大切にしている価値観や行動指針を代表取締役社長とのミーティングを通して理解を深めてもらい、また定期的に部門単位にワークショップを開催し、皆で考える機会を設ける等して組織全体でそれらを体現できるように努めています。 その上で、行動指針に沿った行動が出来ているかを周りから評価を受ける仕組みを導入し、自身の行動を客観的に振り返ることで、多様なバックグラウンドや知見を有する組織にあっても当社グループが掲げるパーパスの実現に向けて全員のベクトルを合わせております。 当社グループは「プロフェッショナルファーム」であるという認識のもと、上記方針に従い、性別や国籍等の属性を問わず、経験や能力等人物本位で採用した中途採用者をベースに創業来事業拡大を行ってきており、これまで社員を管理職へ登用する上で、性別や国籍、採用時期や年齢等といった属性が要因となって昇進・昇格に差が出ているとは考えておりません。 よって、「女性」「外国人」「中途採用者」に特化した管理職への登用に関する特別な基準や、それぞれの属性ごとに、定量的な管理職比率等の目標を形式的に定めることは、現時点においては致しません。 一方で、政府目標である「指導的地位に占める女性の割合が2020年代の可能な限り早期に30%程度となるよう目指して取組を進める」を念頭に置きつつも、当該比率を形式的に達成することを目標にするのではなく、女性があたり前に活躍できる環境づくりとして、下記[参考1]にあるようなライフステージに合わせて柔軟に支援ができる人事制度の導入を進めて参りました。 また管理職候補者層に向けて、リーダーとして必要な心構えや求められる行動、その責任と遣り甲斐等について研修を通して実践的に学べる機会を提供することで、主体的に管理職として役割を果たしてゆきたいと考える者を増やし、結果的に経営の意思決定に関わる女性社員が増える土壌を構築して参ります。 また、現時点では当社グループのビジネス基盤が日本中心であることから、外国人比率及び外国人管理職比率の割合は下記[参考2]の通りでありますが、今後、日本以外でのビジネスの拡大に伴い、当該比率は必然的に上昇してゆくと考えております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | [参考1]ライフステージに沿った主な支援制度内容就業時間の複線化従業員が始業・就業時間帯を一定の範囲で選択できる。 短時間正社員育児(子の年齢制限無し)や介護(期間制限無し)等の事情から短時間勤務ができる。 不妊治療休暇有給で年10日限度に取得可能(半日単位でも取得可能)。 看護/介護休暇有給で対象者一人当たり年5日を限度に取得可能。 バックアップ休暇未取得の年次有給休暇を最大30日積み立てることが可能。 *制度利用には会社の承認が必要な場合があります。 [参考2]2025年3月末時点(当社グループ職員 193名)女性比率72名(当社グループ職員に占める割合:37.3%)女性管理職比率10名(当社グループ管理職員に占める割合:25.6%)外国人比率43名(当社グループ職員に占める割合:22.3%)外国人管理職比率10名(当社グループ管理職員に占める割合:25.6%)中途採用者比率186名(当社グループ職員に占める割合:96.4%)中途採用者管理職比率38名(当社グループ管理職員に占める割合:97.4%)育児休業取得者数2025年3月期:男性6名(対象者6名) 女性4名(対象者4名)2024年3月期:男性3名(対象者3名) 女性1名(対象者1名)2023年3月期:男性1名(対象者2名) 女性2名(対象者2名)*育児休業取得者数は国内グループ会社の実績です。 *育児休業取得者数欄に記載の対象者数は本人又は配偶者が出産した人数です。 *育児休業期間が年度をまたぐ場合は、休業を開始した年度のみでカウントしています。 当社グループの多様性の確保に向けた社内環境整備の実施状況は以下のとおりです。 *性別や国籍等の属性や出身業界にとらわれず、多様性に富む中途採用者を軸とした人物本位での採用活動を継続しております。 *出産・育児・介護等、社員のライフステージに応じた支援を行い、また、男性が育児休業を取得しやすい風土の醸成と仕組みの導入にも取り組むことで、性別を問わずに仕事と就業との両立に資する施策を充実させるほか、就業時間帯の複線化や短時間勤務等、多様な働き方を整備してきております。 *仕組みとしてシニア、ベテラン社員の貴重な知識・経験・スキルを次世代の人材に伝承してゆき、若手社員の成長の機会を確保して参ります。 *ハラスメント研修等を通して、組織として多様な人材の受容度を向上させ、風通しの良い、心理的安全性が確保されている組織風土の構築に努めております。 *管理職手前の対象者に対する研修や情報提供、新規入社者のメンターに任命することで人材マネジメントの入口を経験することなどを通じて、管理職への昇格に対する意欲の向上に努めております。 *必要に応じて社内公募制を活用し、誰もが自身の能力を発揮することが出来る場の提供に努めると同時に、管理職になるための経験を積む場としても活用してまいります。 *健康経営を実践することで従業員の健康維持・増進に寄与する施策を充実させ、多様な社員が、心身共に健康で活き活きと働き続けることが出来る環境を構築しております。 尚、健康経営の取り組みが評価され、『健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)』に認定されました。 *上記の人材育成、社内環境整備方針に加え、多様な社員を束ねるためにも当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション等の更なる浸透を図り、理解と共感を得ることで従業員エンゲージメントを高めてまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。 ① 事業内容の特性に係るリスク ・顧客に提供する商品及びサービスに係るリスクについて 当社グループの収益の大半は投信投資顧問業に係る委託者報酬及び投資顧問料収入によって構成されており、加えて当社グループが運用する資産の投資対象の大半を日本及びアジア地域の上場株式が占めています。 従って、当社グループの運用資産残高や運用実績等は、世界経済の動向や、気候変動により起こる異常気象や自然災害、パンデミック、紛争、戦争など日本及びアジア地域の上場株式市場に影響を及ぼす事象の他、同地域の上場株式に対する顧客の資産配分方針に大きく影響を受けます。 また、気候変動問題や人権尊重をはじめとする、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題の顕在化に伴い当社グループのステークホルダーからは、責任ある投資家として、ESGに配慮した責任ある投資を行うよう期待されております。 継続的に責任投資に対する要請や要求が高まっており、当社グループの責任投資に関する取り組みや開示が期待から大きく乖離した場合には、運用資産残高の減少に伴う運用報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、上場株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産、再生可能エネルギー発電事業や未公開株式等を運用対象とする商品の開発・提供にも注力し、これを着実に拡大しております。 日本及びアジア地域の上場株式市場の低調な状況がたとえ長期化したとしても、グループ全体の業績に対する影響は過去に比べて相対的に小さくなっており、安定的に基礎収益を計上できる基盤が、より強化されてきていると考えております。 また、ESGに配慮した責任ある投資を適切に行うため、グループCIOを委員長とした責任投資委員会を設置し、当社グループの全ての投資戦略において、責任投資が適切に実践されているか等を協議し、推進しております。 ・顧客基盤や販売チャネルの不安定性に係るリスクについて 当社グループは国内外に幅広い顧客ネットワークを構築して参りましたが、その基盤は必ずしも十分なものではありません。 また、それら顧客と当社グループとの契約は比較的短期の事前通知により、また契約によっては事前通知することなく、いつでも顧客が解約することが可能です。 一部の投資顧問契約及び投資信託を除いては、顧客に契約の終了又は資金の引出しを禁じるロック・アップ期間はありません。 よって一部の顧客が契約の全部又は一部解約などを行ったり、他の顧客がこれに追随したりするなどしてファンド規模が縮小することがあります。 さらに解約などによりファンド規模が縮小した場合、既存又は新規の顧客から新たな資金を集めることが困難になることがあります。 これらの結果、運用報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 また、当社グループは他の多くの資産運用会社と異なり、銀行、証券会社、保険会社といった大手金融機関を核とした金融機関の系列に属しておらず、独立系の資産運用会社として自力で顧客基盤と販売チャネルを構築してまいりました。 これらの競合他社は、系列に属することで強力な販売チャネルの活用が可能となることに加え、比較的に解約リスクの低い資金を集めることが可能であり、当社は運用資産残高及び営業収益の安定性あるいは耐久力に関して、比較劣位にあります。 従いまして、今後も顧客基盤や販売チャネルの不安定性に基づく当社グループの運用資産残高の低下に伴う残高報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、一つの機関投資家から大きな資金をお預かりすることだけでなく、個人投資家からの資金も含め、小口の運用資金を積み上げていくことで、特定の投資家への集中度を低下させ、たとえ解約が起きたとしても解約金額が限定的になるように努めております。 ・運用実績の変動に係るリスクについて 当社グループが顧客から受託している運用資産に係る運用実績が悪化した場合、既存顧客との契約の維持及び新規契約の獲得に困難が生じ、運用資産残高の低下を招き、当社グループの業績及び今後の事業展開に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、当社グループは営業収益の一部を、運用実績に基づく成功報酬により得ておりますが、成功報酬の金額は運用実績を反映して毎年大きく変動しております。 このようなリスクに対して当社グループは、良好な運用実績を安定的に達成するため、創業時より続く社内の勉強会などを通じて、投資哲学の共有や運用能力の維持向上に努めております。 さらに、当社グループが運用する投資戦略は、成功報酬の付帯比率が高いオルタナティブ運用型の投資戦略と成功報酬の付帯比率が低い伝統的運用型の投資戦略の2つに大別され、この成功報酬の付帯比率を高位に保つことを経営方針の1つとしておりますが、日本及びアジアの株式市場の変動をはじめとする市場環境の動向や、それに基づく当社グループの運用実績、顧客の資産配分方針の変動などによって成功報酬の付帯比率が変動する可能性があります。 このようなリスクに対して当社グループは、既存の戦略においては成功報酬付きファンドの運用資産残高を積み上げるべくマーケティング活動に注力している他、新規戦略において成功報酬を計上できるようなスキームづくりに努めております。 ・運用対象の拡大に係るリスクについて 当社グループは、日本及びアジア地域の上場株式を運用対象とする事業の他、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とした商品の開発・提供にも注力しております。 加えて、エンゲージメント活動を行う上場株式を運用対象とする投資戦略やプライベート・エクイティ投資戦略においてファンドでTOB(公開買付け)を行うなど運用対象を拡大させております。 当該分野の事業発展には、従前とは異なった経験や知見を有する人材やリソースの確保が必要であり、事業展開に想定以上の時間を要したり、初期投資の負担が一時的に収益性を毀損したりするおそれがあります。 またこれらの事業領域では、個々の案件において第三者からクレームや補償の要求を受ける等の固有のリスクもあります。 さらに、万一、運用対象を拡大することで増加する利益相反管理が不十分である等によって監督当局から行政処分を受けるなどした場合は、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 その他、新規分野においては必ずしも市場が十分に成熟していないことを背景として、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる可能性もある他、予期しない事業環境の変化が起こる場合には、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、撤退の基準を明確にするなど判断の遅れによる損失の拡大を防ぐよう努めており、また個々の案件においては、関係者と丁寧なコミュニケーションを心がけることで案件への理解を得る、可能な限り保険或いは契約等によりリスクの回避を図る他、法的規制に対する十分な理解や内部管理体制の構築、そのための人材の充実に努めるほか、その領域に精通した外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの対策を講じております。 ・当社グループが管理運営するファンドに係るリスクについて 当社グループが無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしてファンドに関与している場合において、その運用方針、運用制限に沿ってファンド運用を行っている限りは、ファンドの出資額を超える損失が発生し、またそれについて当社グループが責任を負わなければならない事態は、ファンドの運用方針、運用制限の内容からは想定されません。 しかしながら、何らかの逸脱行為によって出資額を超える損失を負担する可能性を完全には否定できず、この場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、ファンドとの契約内容が適切なものとなっているか、運用制限に沿ってファンド運用を適切に行っているか等、確認できる体制を構築しております。 ・信用供与に関する偶発債務の顕在化に係るリスクについて 当社グループが不動産や発電事業等の実物資産に係る投資スキームを構築する上で、投資ヴィークル、投資スキーム等を通じた取引先に対して保証等の信用供与を行う必要が生じる場合が例外的に存在します。 信用供与先が、信用力低下や破綻等によって取引当事者としての義務を果たせない場合は、信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクが具体化し、これにより当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、事前に外部専門家に十分なアドバイスを求める等によって対策を講じる他、保証等実行のリスク等を慎重に検討し、顕在化するリスクが低いと判断したもの、又はビジネス上リスクテイクできると合理的に判断できるもののみ限定的に信用供与を行うことに努めております。 ・投資先企業への役員派遣に係るリスクについて 当社グループは投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。 その役職員個人に対して、役員損害賠償請求等があった場合、当社グループがその個人に生じた経済的損失の全部又は一部を負担することとなる可能性があるほか、当社グループに使用者責任が発生する可能性があります。 このようなリスクに対して当社グループは、投資先企業において会社役員賠償保険(D&O保険)の付保や責任限定契約の締結を求めるとともに、投資先企業の所在地や業態などを確認し、派遣している役職員が、当社が加入するD&O保険の補償対象範囲に含まれるように努めております。 ② 経営の外部環境に係るリスク ・他社との競合に係るリスクについて 資産運用業、特に投資助言業は、金融業界の他業種に比べると参入障壁が比較的低い業種であり、常に国内外からの新規参入者との競合を覚悟する必要があります。 また、グローバルレベルでの資産運用ニーズの高まりは資産運用業界全体にとっての追い風ではありますが、これにより新規参入が将来にわたってさらに促進される可能性があると共に、国内外の大手金融機関が資産運用サービスを経営戦略上重要なビジネスと位置づけ、積極的に経営資源を投入してくるケースも想定されます。 また、業界内での統廃合によって、当社グループの競合他社の規模や体力が増強されることがあります。 さらに、競合他社が当社グループのファンドマネージャーやその他の従業員の移籍・採用を図る可能性もあります。 この様に他社との競合は今後も激化していくことが予想され、その場合には、顧客の獲得や維持に困難が生じるだけでなく、残高報酬料率や成功報酬料率の水準にも影響を及ぼし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、日本及びアジア地域の上場株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産、再生可能エネルギー発電事業や未公開株式等を運用対象とする商品の開発・提供にも注力し、これを着実に拡大することで、結果的に競合する他社とは異なるユニークな事業展開によって差別化を図っております。 また、当社グループの投資哲学を深く理解し、共有・実践することのできる運用体制の構築を、時間をかけて愚直に行うこと、そして当該運用体制によって長く優れた運用実績を積み重ねることが資産運用業にとって最も大切であり、競合する他社には簡単に作り上げられない価値と考え、今後も維持・強化していくとともに、この価値を当社グループのブランド構築の柱に据えて取り組んでまいります。 その他、採用した優秀な人材が互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、裁量を与えられて仕事に取り組むことができる社風を維持することに努めている他、適切なインセンティブ制度の提供という金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションも強く感じることのできるよう、”Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に取り組んでおります。 ・為替相場の変動に係るリスクについて 当社グループの財務諸表は円建てで表示されているため、外国為替レートの変動は、外貨建て資産及び負債の円換算額に影響を及ぼします。 また、当社が海外子会社を連結する際には、当該子会社における外貨建ての資産や負債あるいは収益及び費用の円換算額も変動し、連結貸借対照表・連結包括利益計算書上の「為替換算調整勘定」を変動させます。 その他、日本国内子会社の営業収益の大部分は円建てですが、一部の外貨建て取引においては外国為替レートの変動により、これらを円換算する際に、為替差損が生じるおそれがあります。 日本以外の顧客との契約の増加などを理由として外貨建て取引が増加した場合、為替変動リスクが増大する可能性があります。 このようなリスクに対して当社グループは、為替変動リスクの業績への影響を最小限にするため、為替予約を行うなど為替変動リスクをヘッジする方策を講じております。 ③ 内部管理に係るリスク ・M&A及び事業提携等において見込んだ効果を得られないリスク 当社グループは、過去において、M&A及び事業提携等を活用し、事業基盤を拡大してまいりました。 今後も、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、M&A及び事業提携等を検討していくことがあります。 現在積極的なM&A及び事業提携等を行う方針ではありませんが、M&A及び事業提携等を実施する場合には、十分な情報収集と検討を行ってまいります。 しかしながら、予期し得ない経済情勢、環境変化等により、当初意図した成果が得られない可能性があり、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、スパークスが大切にする価値観の共有をマネジメントを派遣すること等で体現し徹底させることで、各M&A又は事業提携先等を協働させ業績を向上させることに努めております。 また、当社取締役会による業績の定期的なモニタリング等、グループ内に適切な内部管理体制を構築し、各社の事業計画の進展を確認しております。 ・自己勘定からの投資や発電所等の開発資金の支出に係るリスクについて 当社グループは、自己勘定から①当社グループが運用する上場株式に投資するファンド等、②当社グループが運用する未上場株式に投資するファンド等への投資や③新規事業等の開発資金の支出を行っております。 これらの投資や支出額は過去から増減しており、貸借対照表の資産の部に計上されております。 市場環境及び当社グループの運用実績、投資先の業績、開発案件の進捗状況等に基づき、今後も大きく変動する可能性があります。 この投資のうち①市場価格がある有価証券・投資有価証券については、取得原価と時価との差異は、税効果を考慮した後、貸借対照表における「その他有価証券評価差額金」に計上されておりますが、取得価額を時価が下回った状態で実際に解約・償還等が行われた場合や時価が著しく下落したこと等により減損処理を行った場合には、売却損や評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。 ②市場価格がない有価証券・投資有価証券については、貸借対照表において取得原価で計上されており、投資先の業績不振等により有価証券等の資産価値が下落し減損処理を行った場合には評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。 ③また、開発資金等の支出については、貸借対照表に資産計上されておりますが、何らかの事情で開発を断念し減損処理を行う場合や資産価値の下落等により評価減を行う場合には評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、投資総額や支出額が連結純資産額の一定の範囲に収まるように管理し、計画の採算性を精査する他、①市場価格のある有価証券・投資有価証券については月次でモニタリングを実施して時価及び損益の把握に努め、②市場価格のない有価証券・投資有価証券については、四半期ごとに事業進捗、財務状況等の把握に努め、③また、開発資金等については、計画の進捗状況を適宜確認する等によって、それぞれ投資先の状況を定期的に確認し、損失が拡大しないよう保守的な会計処理に努めております。 ・税に係るリスクについて 当社グループは、国内外で事業を展開し、各国の税法に準拠して適正な納税を行っております。 しかし、国や地域間での税務上の取り決め及び各国や各地域における税制上の制度運用や解釈などに変更が生じた際の対応が不十分な場合には、今後の事業展開や当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、適切な納税を行うため、各拠点においてそれぞれ又はグループ全体で税務顧問のアドバイスを受け、適切な税務判断を行うよう努めております。 ・人材の育成・維持・確保及び労務管理に係るリスクについて 当社グループは、事業の維持及び成長を実現するためには、全ての部門で適切な人材を適切な時期に確保することが重要と考え、継続的に優秀な人材を採用し、教育を行ってまいります。 しかし、優秀な人材が社外に流出した場合や人材の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、「世界で最も信頼・尊敬される投資会社になる」ことで「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」という経営理念をグループ全体へ浸透させるため、ビジョンステートメントを作成し、それに沿った採用のルールを設けるなどの取組みを行っております。 その他、採用した優秀な人材が、互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、また金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションを強く感じることのできるよう、”Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に取り組んでおります。 また、過重労働やハラスメントなど不適切な労務管理によって、労働関連法令違反や当社の信用に著しい低下がみられた場合、当社グループの事業活動、業績に悪影響が及ぶおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、適正な労働時間の管理やハラスメント対策など労働関連法令を遵守することはもちろんのこと、労働環境のさらなる充実や改善に取り組んでおります。 ・外部事業者に係るリスクについて 当社グループは、業務遂行の過程で多くの外部事業者を活用しています。 これらには投資信託財産や顧客資産の保管・管理を行うために指定される受託銀行(投資信託委託契約及び国内顧客との投資一任契約の場合)及び保管銀行(外国籍の顧客との投資一任契約の場合)、取引を執行する証券会社などが含まれます。 当社グループが利用している外部事業者において、安定的なサービス提供に困難が生じるような事態が発生した場合、当社グループの業務遂行上に支障が発生するおそれがあります。 また、当社グループの信用が間接的に損なわれるおそれもあります。 このようなリスクに対して当社グループは、特定の外部事業者に依存した業務遂行を行わないように努める他、重要な業務については外部委託先の事業継続計画を確認し、定期的に外部委託先の往査を行うなど継続的なモニタリングを通じて、安定的なサービス提供が受けられることの確認に努めております。 加えて、当社グループにおいても業務継続のための計画を策定し、事故・災害等発生時の業務への支障を軽減するための対策を講じております。 また、マネーロンダリング/テロ資金供与対策(以下、「AML/CFT」という。 )に対する規制対応の一環として、ファンドの販売会社に対してもAML/CFTへの対応状況をモニタリングしております。 ・システム障害に係るリスクについて 当社グループが業務を行う上でコンピューター・システムは必要不可欠なものであり、障害が生じた場合、当社グループの業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、テロ、気候変動により起こる異常気象から生じる風水害や地震等の自然災害、さらには高度化する外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセスにより、当社グループの重要な情報の改ざん、消失を引き起こし、想定以上のシステム障害が発生した場合には、業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、情報セキュリティ規程類を整備し、システムの改善、サーバーの増強、信頼性の高いデータセンターを利用するなど、システムの安定的な稼動及び保守運営と保持する情報資産の機密性・完全性・可用性の確保に努めております。 加えて、サイバー攻撃の高度化を踏まえ、サイバーセキュリティ規程類を整備し、多層防御(入口対策、内部対策、出口対策)によるシステム脆弱性の適切な対応、定期的な訓練を実施するなど、サイバーセキュリティ対策の強化に努めるとともに、業務継続のための計画を策定し、事故・災害等発生時の業務への支障を軽減するための対策を講じております。 加えて、障害等が発生した場合に備えて、保険契約を締結しております。 ・役職員による過誤及び不祥事並びに情報漏えいに係るリスクについて当社グループの役職員等による業務上の過誤や不祥事等、あるいは情報の漏洩や悪用が発生した場合、当社グループが第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客やマーケットの信頼を失い、さらには監督当局から行政処分を受けるなど、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、社内業務手続の確立を通して役職員による過誤の未然防止策を講じている他、情報の重要性に応じたセキュリティ体制を構築し、情報漏えいを未然に防止する体制を構築しております。 また、業務上のヒヤリハット(重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知)を「インシデントレポート」として取りまとめ、社内委員会にて共有し、継続的な業務改善に努めております。 その他、コンプライアンス関連、情報セキュリティ関連の研修などを通じて、役職員の意識を継続的に高めるよう努めております。 加えて、当社グループが第三者から損害賠償を受けた場合に備え保険契約を締結しております。 ④ その他のリスク ・法的規制に係るリスクについて 当社グループは、日本においては、金融商品取引法に定める投資運用業、投資助言業、第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業に加え、それらに関連あるいは付随する業務を営んでおりますので、金融商品取引法を始めとする各種の法令や諸規則を遵守する必要があります。 当社グループでは、現時点において、主たる業務において以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。 )を受けております。 現時点におきましては、上記免許又は認可が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合には、当社グループの事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。 取得・登録者名スパークス・アセット・マネジメント株式会社スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社取得年月2007年9月30日2007年9月30日許認可等の名称金融商品取引業者(登録)金融商品取引業者(登録)所管官庁等金融庁金融庁許認可等の内容投資運用業投資助言・代理業第一種金融商品取引業第二種金融商品取引業登録番号 関東財務局長(金商)第346号投資運用業投資助言・代理業第二種金融商品取引業 登録番号 関東財務局長(金商)第783号有効期限有効期間の定めはありません。 有効期間の定めはありません。 法令違反の要件及び主な許認可取消事由不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消 取得・登録者名スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社取得年月2022年4月28日2021年7月15日許認可等の名称不動産投資顧問業者(登録)宅地建物取引業者(免許)所管官庁等国土交通省東京都許認可等の内容総合不動産投資顧問業登録番号 国土交通大臣 第149号免許証番号 東京都知事(3)第86144号有効期限2022年4月28日から2027年4月27日まで(5年間)以後5年ごとに更新2021年7月15日から2026年7月14日まで(5年間)以後5年ごとに更新法令違反の要件及び主な許認可取消事由不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合など、不動産投資顧問業登録規程第30条に抵触する場合は登録の取消不正の手段による免許の取得、役員等が欠格事由に該当する場合など、宅地建物取引業法第66条に該当する場合、免許の取消 また、韓国、香港、バミューダ及びケイマン等におきましても資産運用業等を営んでおりますので、それぞれの国や地域における法令や諸規則を遵守する必要があります。 広範な権限を有する監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の業務活動が制限されたり、行政処分などを理由として顧客が資産を引き揚げたりするおそれがあります。 上記の法令や諸規則に加え、様々な法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる場合、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 加えて当社グループは気候変動に対する政策及び法規制、市場の要求を踏まえ、再生可能エネルギー事業に取り組んでおりますが、これらの規制が予測を超えて厳しくなった場合は、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を与えるおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、国内外の法令や諸規則の遵守を徹底するため、グループ各社が社内規則及びモニタリング体制の整備、さらには役職員等に対する研修に努める一方、当社に設置されたコンプライアンス委員会がグループ内の利益相反取引などのモニタリングと指導を行い、適切なコンプライアンス態勢を維持・強化に努めております。 また当社グループの事業に関連する政策や法規制の改正等の動向に注視し、事業への影響の低減を図っております。 ・訴訟等の可能性に係るリスクについて当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は現在存在しません。 また当社グループの事業に重大な影響を及ぼすような訴訟に発展するおそれのある紛争も現在ありません。 しかしながら、当社グループの事業の性格上、当社及び当社の国内外子会社が関連法規や各種契約などに違反し、顧客に損失が発生した場合等には訴訟を提起される可能性があります。 このような訴訟が提訴された場合、訴訟の内容及び金額によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、グループ各社に適切な内部管理体制を構築し、主要各社に法務・コンプライアンス部門を設置して関連法規や各種契約などに違反していないかどうかモニタリングと指導を行い、当社のコンプライアンス委員会がそれらを取りまとめ、グループ全体のコンプライアンス態勢が適切な水準を維持していることを、常に確認しております。 また、グループ役職員に求められる行動規範の1つとして「悪い情報ほど早く報告する」を定め、これに従って大小にかかわらず顧客からの不満、クレームに関する情報が、適時に経営陣に報告される体制を構築しております。 さらにその内容によっては、外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの追加的な対策を講じます。 ・阿部修平への依存の高さに係るリスクについて当社の創業者であり、現 代表取締役社長である阿部修平は、当社グループの事業経営及び投資戦略の方向性の決定において重要な役割を果たしています。 このため、阿部が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社グループの業績に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。 また、阿部は、本人及び本人の出資する会社(以下「阿部グループ」といいます)を通じて、当社株式の過半を保有する大株主であります。 阿部グループは、当社取締役の選任等会社の基本的な事項を決定することができるため、この点においても、阿部が何らかの事情で適切に議決権を行使できず、企業価値を害されるような議決権行使がされてしまう場合には、当社グループの利益ひいては他の株主の利益に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、より組織的な運営形態の構築及びマネジメントを担い得る人材の育成により、阿部個人への依存度を引き下げる努力を継続的に行ってまいります。 ・連結の範囲決定に係るリスクについて当社グループは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って、各ファンド及びSPCごとに、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。 今後、新たな会計基準の設定や実務指針等の公表により、各ファンド及び各SPCに関する連結範囲決定方針について、当社グループが採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合や新たなスキーム、新商品への投資が実行された場合には、これまでの当社グループの連結の範囲や新たな投資にかかる連結の範囲に変更が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して当社グループは、新たな会計基準の設定や実務指針等の決定前からその動向を注視して影響を最小限にするように努めるほか、新たなファンドやSPCとの契約を締結する等の際、また新たなスキーム、新商品への投資を実行する際に、個別に支配力及び影響力の有無を確認してまいります。 ・負債による資金調達に係るリスクについて 当社グループでは、これまでアジア地域での事業展開を主たる目的に、自己資金の活用に加え、増資、銀行借入れ、社債による資金調達を行ってまいりました。 2025年3月末時点の外部有利子負債額は90億円であり、株式会社格付投資情報センターより2025年3月末時点で取得している発行体格付けは「BBB+(安定的)」ですが、金融市場での信用収縮や金利上昇が生じた場合には、追加的な資金調達に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、今後も保守的な財務方針を堅持し、バランスシートの健全性、キャッシュ・フローの安定性に留意した資金計画と財務活動によって、事業の発展に資する資金調達に努めてまいります。 ・気候変動に係るリスクについて当社グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要なグローバル課題の一つであると認識しておりますが、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、上場会社としての情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損に繋がるおそれがあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 このようなリスクに対して当社グループは、金融安定理事会(Financial Stability Board)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures。 以下「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言への支持を表明するとともに、必要なデータの収集と分析を行い、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでまいります。 また、脱炭素社会への移行に伴う政策・法規制の変更や技術革新、市場の嗜好変化等に起因する移行リスクや大規模な自然災害などによる資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンに起因する物理的リスクが存在します。 これらリスクに対して当社グループは、TCFDの提言を踏まえ、短期・中期・長期の目線でリスクの内容と影響の把握に努めております。 また、物理リスクについては、リスクの内容と影響の把握に加えて、自社事業の継続性を確保するための定期的なBCPの見直しや管理体制の強化を図っております。 ・SNSなどを通じた情報発信に伴うリスクについて 当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する否定的な風評が、マスコミ報道やインターネット上の掲示板、SNSへの書き込み等により発生・流布した場合や、第三者が当社グループ又は当社グループの代表者その他の関係者になりすましてインターネット上の掲示板やSNSへの書き込み等により情報を発信した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループ又は当社グループが行っている事業、あるいは当社グループが提供する商品やサービスのイメージ・社会的信用が毀損し、ひいては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して当社グループは、SNSやインターネット上の掲示板への悪質な書き込みに対して毎日モニタリングを行っており、必要に応じてSNSや掲示板の運営者を名宛人とする発信者情報開示請求等の裁判所への申立てや、これらの運営者や投稿者に対する削除依頼・損害賠償請求等の対応を行ってまいります。 ・労働災害及び重大事故のリスク 当社グループは新たな領域への投資を進めており、その一つとして水素製造設備の実証事業を開始し、加えて高級ヴィラ開発を進めることとしております。 これらの事業遂行のための安全対策には万全を期しておりますが、建物・設備の建設・保全及び各種装置の製造における作業遂行過程等において、事故又は災害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対して当社グループは、外部専門家からのアドバイスを受け、各分野に豊富な経験を持つパートナー企業に事業に参加して頂き、また熟練の作業員をご出向、ご紹介頂くなどして、安全第一で運営しております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 業績等の概要(1)業績 当連結会計年度の日本株式市場は、利益確定売りや米長期金利上昇懸念、米CPIの上昇、中東情勢の悪化が影響したことから下落して始まりました。 日経平均株価は一時37,000円を割り込みましたが、5月には米消費者物価指数や米小売売上高など予想を下回る指標が発表され、金融引き締めの長期化への懸念が後退した結果、米国の主要3株価指数が史上最高値を更新し、日経平均株価も一時39,000円を回復しました。 日米の金融政策の動向に注目が集まるなかレンジ内でもみ合いの推移となった後、円安の進行とともに好調な流れが継続し、7月11日には42,000円台まで上昇いたしました。 しかしながら、米国消費者物価指数が想定以上に軟化し、米国ハイテク株に利益確定売りが入ったことや為替が円高方向に振れたことなどから、日本株式市場は下落に転じ、7月末の日銀金融政策決定会合での追加利上げが円高を呼び、さらに市場予想を下回った7月の米ISM製造業景気指数で米国景気減速懸念が台頭し円高が一層進行したことで、リスク回避の流れが強まり暴落となりました。 その後、為替が落ち着いたことで、日本株式市場も落ち着きを取り戻し、大幅に回復していきました。 円安の進行や米国経済の底堅さ、新たに発足した石破政権の経済政策継承方針などを背景に日本株式市場は上昇しましたが、米国の大統領選挙において、トランプ前大統領が掲げる関税強化策への警戒感などから軟調な動きとなる場面もありました。 その後は好調な米国の半導体株及びさらなる円安に支えられ、日本株式市場は再び上昇に転じ、年末終値としては日経平均株価が最高値を更新しました。 しかしながら、年明け後は、2025年3月31日には前日から1,502円下落するなど、トランプ米大統領が突き出す関税政策が生む不況に徐々に身構え始めた結果、日経平均株価は前期末と比べると11.8%下落し35,617.56円で取引を終え、値動きの荒い一年となりました。 このような市場環境のもと、当社グループの当連結会計年度末運用資産残高は、1兆8,720億円(注1)と前期末に比して0.9%減少しました。 上記の結果、当連結会計年度における残高報酬(注2)は前期比11.2%増の158億57百万円となりました。 成功報酬(注3)は、前期比7.6%減の18億97百万円となり、営業収益は前期比8.9%増の179億61百万円となりました。 営業費用及び一般管理費は、前期比13.5%増の102億44百万円となりました。 これは主に公募投信の運用資産残高増加に伴う支払手数料の増加及び人件費の増加によるものです。 これらの結果、営業利益は前期比3.2%増の77億17百万円、経常利益は為替差益の減少及び投資事業組合運用損の計上等により前期比3.9%減の77億78百万円となりました。 また、当社が保有する投資有価証券の一部売却による投資有価証券売却益が前期に比べて減少したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.4%減の52億52百万円となりました。 なお、事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す指標である基礎収益(注4)は、経常的経費の増加はあるものの、それを上回る残高報酬の増加により、前期比5.9%増の67億22百万円(前期は63億48百万円)となり、過去最高値を更新いたしました。 (注1)当連結会計年度末(2025年3月末)運用資産残高は速報値であります。 (注2)残高報酬には、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等の管理報酬を含んでおります。 (注3)成功報酬には、株式運用実績から発生する報酬の他に、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所スキームの組成の対価等として受ける一時的な報酬(アクイジションフィー)及びプライベート・エクイティ投資戦略に関連する出資履行金額を分配累計額が超過する場合に受ける報酬等を含んでおります。 (注4)基礎収益とは、経常的に発生する残高報酬(手数料控除後)の金額から経常的経費を差し引いた金額であり、当社グループの最も重要な経営指標のひとつであります。 (2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前連結会計年度末に比べ6億81百万円減少し、当連結会計年度末は213億85百万円(前期比3.1%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主たる要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは50億63百万円の収入(前期は60億44百万円の収入)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益79億35百万円、法人税等の支払額25億6百万円の計上等があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは21億24百万円の支出(前期は31億26百万円の支出)となりました。 これは主に、投資有価証券の取得による支出38億47百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入20億39百万円の計上等があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは33億91百万円の支出(前期は33億42百万円の支出)となりました。 これは主に配当金の支払い27億18百万円、自己株式の取得による支出2億93百万円の計上等があったことによるものです。 営業の実績 (1)営業収益の実績当社グループの連結営業収益の項目別内訳は以下のとおりです。 項目前連結会計年度(2024年3月期)当連結会計年度(2025年3月期)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)残高報酬14,25886.4%15,85788.3%成功報酬(注)2,05412.5%1,89710.6%その他1861.1%2051.1%営業収益合計16,498100.0%17,961100.0%(注)成功報酬には、上場株式投資戦略783百万円(前期は1,716百万円)、再生可能エネルギー投資戦略からのアクイジションフィー229百万円(前期は75百万円)、再生可能エネルギーファンドが、投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合に受領する報酬(前期247百万円)、プライベート・エクイティファンドについて出資履行金額を分配累計額が超過する各段階ごとに、一定割合を受領する報酬879百万円、その他にかかる報酬5百万円が含まれております。 ・残高報酬 残高報酬料率(ネット・ベース)の推移は以下のとおりです。 区分前連結会計年度(2024年3月期)当連結会計年度(2025年3月期)当社グループ残高報酬料率(ネット・ベース)0.70%0.67% (注) 残高報酬料率(ネット・ベース)=(残高報酬-残高報酬に係る支払手数料)÷ 期中平均運用資産残高 ・成功報酬(株式運用ファンド関連) 成功報酬は、単純なケースでは過去のファンド計算期間末日の「一口当たり純資産価額」=「Net Asset Value Per Share」(以下、「NAVPS」と言います。 )の最高値を、今ファンド計算期間末日のNAVPSと比較して、今ファンド計算期間末日のNAVPSの方が高かった場合に、値上がり部分に一定料率をかけて計算します(これを「ハイ・ウォーター・マーク方式」といいます)。 また、契約によっては、ベンチマークを一定以上上回った部分に一定料率をかけて計算するものもあります。 (再生可能エネルギーファンド関連) 事業計画を策定、工事業者の選定・管理、固定価格買取制度の認定手続き、資金調達など、一連の発電所開発プロセスが成就した場合に、プロジェクトコストに一定料率を乗じた成功報酬(アクイジションフィー)を受領する場合があります。 また、当社子会社が運用する再生可能エネルギーファンド(グリーン・フィールド投資ファンド(*))が投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合には、その売却益に一定料率を乗じた成功報酬を受領する場合があります。 なお、この売却に際しては、上記とは別の当社子会社が運営する再生可能エネルギーファンド(ブラウン・フィールド投資ファンド(*))も売却先候補となりますが、その場合であっても、双方のファンドを運用する両子会社は、それぞれ適切な利益相反管理のもとで独立した意思決定を行っており、双方のファンドの投資家にとって、それぞれが最良の条件で譲渡取引を執行しております。 譲渡価格の決定に際して外部評価機関の評価を利用しております。 (*)グリーン・フィールド投資ファンドとは、発電所の開発段階から運転開始までのフェーズに投資するファンドであります。 また、ブラウン・フィールド投資ファンドとは、発電所の運転開始後のフェーズに投資するファンドであります。 絶対リターン追求型の運用に多いハイ・ウォーター・マーク(HWM)方式の成功報酬の仕組み (注)1.上記の図は成功報酬の仕組みを簡便に説明したもので、実際の成功報酬の体系及びファンドの基準価格の 計算方法を厳密に説明しているものではありません。 (注)2.上記では、説明の都合上、成功報酬の料率を便宜的に20%として計算しております。 (2)運用資産残高の実績 以下の表は、当社グループの当期の運用資産残高の実績を示したものです。 なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。 当社グループは、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッドのビジネスモデルを強化・拡大して成長することを目指しており、現在「日本株式」、「OneAsia」、「実物資産」及び「プライベート・エクイティ」の投資戦略を4本の柱としております。 ① 投資戦略別の四半期運用資産残高の推移 (単位:億円)投資戦略2024年6月2024年9月2024年12月2025年3月日本株式13,68813,11213,77212,925OneAsia1,4831,2661,0331,043実物資産2,8552,8552,8123,021プライベート・エクイティ1,7491,7761,7391,729合計19,77719,01119,35718,720 (注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。 2.2025年3月末運用資産残高は速報値となっております。 ② 平均運用資産残高 (単位:億円) 2024年3月期連結会計年度2025年3月期連結会計年度当社グループ合計16,74319,122 (注) 1.各期の月末運用資産残高の単純平均であります。 2.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。 3.2025年3月末運用資産残高は速報値となっております。 ③ 成功報酬付運用資産残高及び比率会社名 2024年3月2025年3月当社グループ合計残高(億円)6,6736,571比率(%)35.335.1 (注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。 2. 2025年3月末運用資産残高は速報値となっております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、後述の「第5経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。 (2)当連結会計年度の経営成績の分析当年度のグループ運用資産残高(AUM)は前年度末比0.9%減少して、1兆8,720億円(注1)となりましたが、期中平均AUMが前年度比2,379億円増加したことで、残高報酬は前年度比15億99百万円増加して158億57百万円となりました。 これに加え、適切にコストコントロールを続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益は前年度に続き過去最高を更新して67億22百万円となりました。 スパークスを支える土台は着実に強くなっていると考えております。 日本株式を投資対象とする運用戦略は、1兆2,925億円と減少いたしましたが、当年度にいくつかのファンドを設定しており、この3月にもUCITSファンド市場において初めてとなる日本株式を投資対象とするロング・ショート・ファンドを設定いたしました。 EU加盟国のいずれかで認可を得ることで、パスポートのようにEU域内で自由に販売が可能となります。 継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し、持続的な成長を果たすための抜本的な取り組みを求める東京証券取引所の要請や政府の政策も継続されるなど、日本株に対する投資魅力は高位安定していくと考えております。 海外投資家の要望に応え、資金を運用することは、スパークスの強みであり、この運用戦略を運用資産残高増加の飛躍のエンジンにしたいと考えております。 アジア株式を投資対象とするOneAsia運用戦略は、良好なファンド・パフォーマンスが継続しているものの、運用資産残高は1,043億円に減少いたしました。 今後アジアが世界をリードする時代が本格的に始まると考えており、東京・香港・韓国のファンドマネジャーがアジア企業への調査などを共同で行うなど、投資アイデアを共有することを続け、良好なファンド・パフォーマンスを実現させております。 今後当社グループの成長を牽引する領域であるとの考えは変わっておらず、注力しなければならない最も重要な戦略の一つと考えております。 日本株式の運用で培ってきた投資力でこのファンドを大きく成長させ、「アジア株もスパークス」とのSPARXブランドを幅広く認知いただくよう努めております。 再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産を主な投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を実行しており、再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は3,021億円の規模となっております。 太陽光に加え、風力・バイオマス発電所も運営しておりますが、これに加え蓄電所事業へ参画し、さらに投資対象を広げております。 また、北海道苫小牧でグリーン水素の製造・貯蔵・輸送・利用までのサプライチェーンを構築する環境省から委託を受けた実証事業も当年度に開始しております。 今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えするべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。 プライベート・エクイティ投資戦略は、次世代の企業の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドを中心に当該運用戦略のAUMは1,729億円となっております。 IPO等のイグジット案件も出ており、これまでの投資の成果が、具体的に投資家の皆様へのリターンとして実現し、未来創生ファンドから初の成功報酬を計上しております。 また、宇宙開発に関わる人材・技術を支援し、世界と戦える日本初の宇宙企業を育成すること、さらには日本全体の技術革新に貢献することを主たる目的に運用を開始した宇宙フロンティアファンドは投資が進み当年度に2号ファンドをAUM131億円で設立し運用を開始しております。 これらのファンドについても質の高い投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを引き続き目指してまいります。 加えて、日本モノづくり未来ファンドによるシンニッタン社へのTOB(株式公開買付)を実行しており、2024年1月に実施したIJTT社に続くものとなります。 日本モノづくり未来ファンドは2020年に設立し、日本で優れた技術・人材・サービスを持つモノづくり企業に投資し、TPS(トヨタ生産方式)を活用して各社を支援し、適切な経営戦略を展開することで、社会に貢献することを目指したいという理念のもと設立いたしました。 良い投資を積み重ね、企業の持続的な成長を通じて日本のモノづくりの発展と人財の育成に貢献し、このような投資領域でも大きな飛躍を目指しております。 なお、経営成績の分析については、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績」に含めて記載しております。 (次期の見通し) 当社グループの主たる事業である投信投資顧問業は、業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識しており、次期の見通しについての具体的な公表は差し控えさせていただきます。 (3)当連結会計年度の財政状態の分析<資産の部> 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ38億27百万円増加し、499億39百万円となりました。 主な増減内訳は、現金及び預金が6億81百万円の減少、リース資産が16億69百万円の増加、発電設備開発権利金が12億18百万円の減少、投資有価証券が31億79百万円の増加となっております。 <負債の部・純資産の部> 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ17億39百万円増加し、164億32百万円となりました。 主な増減内訳は、リース債務が17億49百万円の増加となっております。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億87百万円増加し、335億7百万円となりました。 主な増減内訳は、利益剰余金が25億37百万円の増加、資本剰余金が3億67百万円の減少、自己株式が3億57百万円の減少、その他有価証券評価差額金が2億65百万円の減少となっております。 (4)資本の財源及び資金の流動性① キャッシュ・フロー キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループの投資を目的とした主な資金需要につきましては、シードマネー投資等によるものであります。 短期運転資金は自己資金を基本としており、シードマネー投資等につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は108億24百万円となっております。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は213億85百万円となっております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 該当事項はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 該当事項はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 49 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 9 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 14,110,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、投資株式について、もっぱら株式の価値の変動または配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)に区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式970610675非上場株式以外の株式24912785 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式343-(67)非上場株式以外の株式2174317 (注)「評価損益の合計額」の( )は、外書きで、当事業年度の減損処理額であります。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 491,000,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 2,000,000 |
売却損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 174,000,000 |
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 317,000,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 阿部 修平東京都品川区15,573,72037.94 株式会社阿部キャピタル東京都港区虎ノ門4丁目3番1号6,074,00014.80 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号2,739,1006.67 HSBC BANK PLC A/C M AND G (ACS) VALUE PARTNERS CHINA EQUITY FUND(常任代理人香港上海銀行東京支店)8 CANADA SQUARE, LONDON E14 5HQ(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)1,533,8003.74 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番12号1,098,3692.68 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025(常任代理人株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15番1号)978,0002.38 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(株式付与ESOP信託口・76095口)東京都港区赤坂1丁目8番1号938,0202.29 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301(常任代理人株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15番1号)842,5152.05 光通信株式会社東京都豊島区西池袋1丁目4番10号495,4001.21 清水 優大阪府吹田市370,4000.90計-30,643,32474.66(注1)当社は、2025年3月31日現在自己株式を660,510株保有しております。(注2) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(株式付与ESOP信託口・76095口)は「株式付与ESOP信託」導入に伴い設定された信託であります。また、 株式会社日本カストディ銀行(信託口)が所有する株式のうち、483,369株は役員向け株式交付信託として信託されております。なお、当該株式は連結財務諸表上、自己株式として処理しております。 |
株主数-金融機関 | 10 |
株主数-金融商品取引業者 | 20 |
株主数-外国法人等-個人 | 30 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 104 |
株主数-個人その他 | 5,082 |
株主数-その他の法人 | 54 |
株主数-計 | 5,300 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 清水 優 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式200325,380当期間における取得自己株式--(注)当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -293,000,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -293,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 (注)141,915,480-210,00041,705,480合計41,915,480-210,00041,705,480自己株式 普通株式 (注)2.3.2,332,303210,200460,6042,081,899合計2,332,303210,200460,6042,081,899(注)1.普通株式の発行済株式総数の減少210,000株は自己株式の消却によるものであります。 2.普通株式の自己株式の株式数の増加のうち、210,000株は、当事業年度における取締役会決議による自己株式の取得、200株については単元未満株の買取りによるものであります。 普通株式の自己株式の株式数の減少のうち、250,604株は、当事業年度において、株式付与ESOP信託及び役員向け株式交付信託が自己株式を処分したことによるもの、210,000株については自己株式の消却によるものであります。 3.株式付与ESOP信託及び役員向け株式交付信託が所有する当社株式が、当連結会計年度期首株式数に1,671,993株、当連結会計年度末株式数に1,421,389株含まれております。 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月20日スパークス・グループ株式会社 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士櫻井 雄一郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士稲葉 宏和 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているスパークス・グループ株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、スパークス・グループ株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 連結の範囲監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、連結貸借対照表において「投資有価証券」19,468百万円を計上している。 当該投資先の中には、会社が業務執行組合員又はゼネラルパートナー(以下「業務執行組合員」という。 )として運営する投資事業有限責任組合や一定割合以上の出資比率のある匿名組合(以下「組合」という。 )があり、それらの投資先に対して支配力及び影響力を有するものとして、会社の連結の範囲及び持分法の適用範囲に含める基準に該当することがある。 会社は、組合ごとに、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)や「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会実務対応報告第20号)等の会計基準、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等(以下「組合契約等」という。 )を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定している。 会社は資産運用業を中核としているが、組合の投資対象や資金調達の方法が多様化している。 新規の組合を組成する場合やスキームの変更があった場合、採用した投資スキームを考慮し、組合の投資意思決定に対する会社の支配力及び影響力の有無を判断する必要がある。 上記の組合に係る連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する事項は、経営者による判断を必要とすること及び連結財務諸表に与える潜在的な影響は大きいことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものとした。 当監査法人は、会社の連結の範囲及び持分法の適用範囲を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・連結の範囲及び持分法の適用範囲の決定に係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 ・会社または会社の子会社が業務執行組合員となる組合については、その業務が管理業務に準じたものであるか、会社担当者への質問を行うとともに、組合契約等、取締役会議事録、投資政策委員会の議事録、稟議書などの関連資料を閲覧し、それらの連結及び持分法の適用の要否に係る判断過程を検討した。 ・連結の範囲及び持分法の適用範囲に影響を及ぼす組合契約等の変更、組合の投資対象や資金調達方法の変更について、会社担当者への質問を行うとともに、関連資料を閲覧し検討した。 ・組合の資金調達の状況に関する資料、子会社及び関連会社一覧表、グループ投資先一覧表、グループ会社役員一覧表などの関連資料を閲覧し、組合の資金調達の状況などの量的及び質的重要性の判断に影響を及ぼす事実を把握し検討した。 投資有価証券の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、連結貸借対照表において「投資有価証券」19,468百万円を計上している。 当該残高には、市場価格のない投資法人への投資1,153百万円、非上場株式815百万円が含まれている。 会社は、投資法人への投資については、投資法人の資産運用会社が提供する時価情報を基に評価している。 非上場株式の評価については、投資先の財政状態が悪化し、株式の実質価額が著しく下落した場合には、取得価額を実質価額まで減額する処理を行っている。 また、上記の非上場株式については、実質価額に超過収益力を加味している。 会社は、取得時に把握した超過収益力が決算日に存続しているか否かを評価する際には、取得時の投資先の事業計画の達成状況、事業計画の基礎となる指標の状況及び将来の業績に関する見通しを総合的に勘案して検討している。 これらの投資有価証券の評価においては、投資先から入手するキャッシュ・フロー等の見積りに基づく超過収益力について経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、投資有価証券の評価について、主として以下の監査手続を実施した。 ・会計上の見積りの合理性を評価するために、経営者が投資有価証券の評価を行う際に使用する見積手法、仮定及びデータを理解するため、経営者への質問及び関連する文書の閲覧を実施した。 ・投資有価証券の評価に関する経営者の評価プロセスの有効性を評価するために、関連する内部統制を識別し、その整備運用状況を検討した。 ・投資法人への投資について、投資法人の直近の監査済決算書及び試算表を入手し、その財務内容、投資明細及び投資法人における最終投資先に対する評価方法を把握した。 ・投資法人への投資の評価額を検討するため、投資法人の最終投資先の市場価格や投資法人の資産運用会社が提供する時価情報との照合を実施した。 また、投資法人及び最終投資先の財政状態や経営成績に重大な影響を与えるような事実の有無を公表情報との照合により把握した。 ・非上場株式の発行体の直近の決算書及び試算表を入手し、その財務内容を検討した。 ・非上場株式の発行体の財政状態や経営成績について、事業計画やその進捗状況を把握し、将来の業績に関する見通しについて担当者と協議した。 ・会社が作成した非上場株式の評価資料について、その裏付けとなる資料や公表情報との照合及び担当者への質問を実施し、超過収益力の有無の判断過程を検討した。 ・非上場株式の発行体の財政状態もしくは経営成績に重大な影響を与えるような事実が発生していないか、公表情報との照合や担当者への質問を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、スパークス・グループ株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、スパークス・グループ株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上(※)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 連結の範囲監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、連結貸借対照表において「投資有価証券」19,468百万円を計上している。 当該投資先の中には、会社が業務執行組合員又はゼネラルパートナー(以下「業務執行組合員」という。 )として運営する投資事業有限責任組合や一定割合以上の出資比率のある匿名組合(以下「組合」という。 )があり、それらの投資先に対して支配力及び影響力を有するものとして、会社の連結の範囲及び持分法の適用範囲に含める基準に該当することがある。 会社は、組合ごとに、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)や「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会実務対応報告第20号)等の会計基準、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等(以下「組合契約等」という。 )を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定している。 会社は資産運用業を中核としているが、組合の投資対象や資金調達の方法が多様化している。 新規の組合を組成する場合やスキームの変更があった場合、採用した投資スキームを考慮し、組合の投資意思決定に対する会社の支配力及び影響力の有無を判断する必要がある。 上記の組合に係る連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する事項は、経営者による判断を必要とすること及び連結財務諸表に与える潜在的な影響は大きいことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものとした。 当監査法人は、会社の連結の範囲及び持分法の適用範囲を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・連結の範囲及び持分法の適用範囲の決定に係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 ・会社または会社の子会社が業務執行組合員となる組合については、その業務が管理業務に準じたものであるか、会社担当者への質問を行うとともに、組合契約等、取締役会議事録、投資政策委員会の議事録、稟議書などの関連資料を閲覧し、それらの連結及び持分法の適用の要否に係る判断過程を検討した。 ・連結の範囲及び持分法の適用範囲に影響を及ぼす組合契約等の変更、組合の投資対象や資金調達方法の変更について、会社担当者への質問を行うとともに、関連資料を閲覧し検討した。 ・組合の資金調達の状況に関する資料、子会社及び関連会社一覧表、グループ投資先一覧表、グループ会社役員一覧表などの関連資料を閲覧し、組合の資金調達の状況などの量的及び質的重要性の判断に影響を及ぼす事実を把握し検討した。 投資有価証券の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、連結貸借対照表において「投資有価証券」19,468百万円を計上している。 当該残高には、市場価格のない投資法人への投資1,153百万円、非上場株式815百万円が含まれている。 会社は、投資法人への投資については、投資法人の資産運用会社が提供する時価情報を基に評価している。 非上場株式の評価については、投資先の財政状態が悪化し、株式の実質価額が著しく下落した場合には、取得価額を実質価額まで減額する処理を行っている。 また、上記の非上場株式については、実質価額に超過収益力を加味している。 会社は、取得時に把握した超過収益力が決算日に存続しているか否かを評価する際には、取得時の投資先の事業計画の達成状況、事業計画の基礎となる指標の状況及び将来の業績に関する見通しを総合的に勘案して検討している。 これらの投資有価証券の評価においては、投資先から入手するキャッシュ・フロー等の見積りに基づく超過収益力について経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、投資有価証券の評価について、主として以下の監査手続を実施した。 ・会計上の見積りの合理性を評価するために、経営者が投資有価証券の評価を行う際に使用する見積手法、仮定及びデータを理解するため、経営者への質問及び関連する文書の閲覧を実施した。 ・投資有価証券の評価に関する経営者の評価プロセスの有効性を評価するために、関連する内部統制を識別し、その整備運用状況を検討した。 ・投資法人への投資について、投資法人の直近の監査済決算書及び試算表を入手し、その財務内容、投資明細及び投資法人における最終投資先に対する評価方法を把握した。 ・投資法人への投資の評価額を検討するため、投資法人の最終投資先の市場価格や投資法人の資産運用会社が提供する時価情報との照合を実施した。 また、投資法人及び最終投資先の財政状態や経営成績に重大な影響を与えるような事実の有無を公表情報との照合により把握した。 ・非上場株式の発行体の直近の決算書及び試算表を入手し、その財務内容を検討した。 ・非上場株式の発行体の財政状態や経営成績について、事業計画やその進捗状況を把握し、将来の業績に関する見通しについて担当者と協議した。 ・会社が作成した非上場株式の評価資料について、その裏付けとなる資料や公表情報との照合及び担当者への質問を実施し、超過収益力の有無の判断過程を検討した。 ・非上場株式の発行体の財政状態もしくは経営成績に重大な影響を与えるような事実が発生していないか、公表情報との照合や担当者への質問を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 投資有価証券の評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、2025年3月31日現在、連結貸借対照表において「投資有価証券」19,468百万円を計上している。 当該残高には、市場価格のない投資法人への投資1,153百万円、非上場株式815百万円が含まれている。 会社は、投資法人への投資については、投資法人の資産運用会社が提供する時価情報を基に評価している。 非上場株式の評価については、投資先の財政状態が悪化し、株式の実質価額が著しく下落した場合には、取得価額を実質価額まで減額する処理を行っている。 また、上記の非上場株式については、実質価額に超過収益力を加味している。 会社は、取得時に把握した超過収益力が決算日に存続しているか否かを評価する際には、取得時の投資先の事業計画の達成状況、事業計画の基礎となる指標の状況及び将来の業績に関する見通しを総合的に勘案して検討している。 これらの投資有価証券の評価においては、投資先から入手するキャッシュ・フロー等の見積りに基づく超過収益力について経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、投資有価証券の評価について、主として以下の監査手続を実施した。 ・会計上の見積りの合理性を評価するために、経営者が投資有価証券の評価を行う際に使用する見積手法、仮定及びデータを理解するため、経営者への質問及び関連する文書の閲覧を実施した。 ・投資有価証券の評価に関する経営者の評価プロセスの有効性を評価するために、関連する内部統制を識別し、その整備運用状況を検討した。 ・投資法人への投資について、投資法人の直近の監査済決算書及び試算表を入手し、その財務内容、投資明細及び投資法人における最終投資先に対する評価方法を把握した。 ・投資法人への投資の評価額を検討するため、投資法人の最終投資先の市場価格や投資法人の資産運用会社が提供する時価情報との照合を実施した。 また、投資法人及び最終投資先の財政状態や経営成績に重大な影響を与えるような事実の有無を公表情報との照合により把握した。 ・非上場株式の発行体の直近の決算書及び試算表を入手し、その財務内容を検討した。 ・非上場株式の発行体の財政状態や経営成績について、事業計画やその進捗状況を把握し、将来の業績に関する見通しについて担当者と協議した。 ・会社が作成した非上場株式の評価資料について、その裏付けとなる資料や公表情報との照合及び担当者への質問を実施し、超過収益力の有無の判断過程を検討した。 ・非上場株式の発行体の財政状態もしくは経営成績に重大な影響を与えるような事実が発生していないか、公表情報との照合や担当者への質問を実施した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月20日スパークス・グループ株式会社 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士櫻井 雄一郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士稲葉 宏和 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているスパークス・グループ株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第36期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、スパークス・グループ株式会社の2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 投資有価証券の評価 監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(投資有価証券の評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上(※)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 投資有価証券の評価 監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(投資有価証券の評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 投資有価証券の評価 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(投資有価証券の評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 670,000,000 |
その他、流動資産 | 4,000,000 |
建物及び構築物(純額) | 578,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 150,000,000 |
土地 | 68,000,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 1,726,000,000 |
建設仮勘定 | 63,000,000 |
有形固定資産 | 72,000,000 |
ソフトウエア | 12,000,000 |
無形固定資産 | 12,000,000 |
投資有価証券 | 18,602,000,000 |