財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-23
英訳名、表紙MORIYA CORPORATION
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  伊藤 由郁紀
本店の所在の場所、表紙長野県長野市南千歳町878番地
電話番号、本店の所在の場所、表紙026(226)0111(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 1916年4月、創業者守谷駒治郎が長野市に建築土木請負業「守谷商会」を創業いたしました。
 その後、1928年5月守谷正寿が事業を継承し、1955年8月長野市鶴賀南千歳町に資本金500万円をもって「株式会社守谷商会」を設立いたしました。
 設立後の主な変遷は次のとおりです。
1962年12月子会社として不動産の売買、賃貸、損害保険代理業を目的とする守谷不動産株式会社を設立。
1963年12月松本出張所を開設。
(1972年10月支店に昇格)1966年11月東京営業所を開設。
(1967年7月支店に昇格)1969年12月定款の一部を変更し、事業目的に土地造成業並びに不動産業を追加。
1971年12月宅地建物取引業法により建設(現国土交通)大臣免許(1)1105号を取得。
1973年2月建設業法の改正により建設(現国土交通)大臣許可(特-47)第712号を取得。
1978年3月定款の一部を変更し、事業目的に建設工事の設計請負及び監理業、測量業を追加。
1990年9月長野県中南信地区の土木事業強化を目的に丸善土木株式会社を子会社化。
1991年11月子会社として舗装工事施工部門を分離し、守谷道路株式会社(現 株式会社アスペック)を設立。
1994年10月日本証券業協会に株式を店頭登録。
1997年6月名古屋営業所を開設。
(2000年4月支店に昇格)2004年3月子会社として建設資材リース事業に進出する目的で機材サービス株式会社を設立。
2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場。
2010年4月株式会社ジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所の合併に伴い、株式会社大阪証券取引所JASDAQ市場に上場。
2010年10月株式会社大阪証券取引所JASDAQ市場、同取引所ヘラクレス市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、株式会社大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。
2013年7月東京証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。
2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所スタンダード市場に移行。
2024年11月多様化する顧客ニーズへの対応力を強化するためユニットハウス事業を展開する未来ネットワーク株式会社を完全子会社化。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社で構成されており、建築・土木事業を主な内容とし、更に各事業に関連した事業活動を展開しています。
 当社グループの事業に係わる位置付けは次のとおりです。
 なお、次の3部門は「連結財務諸表 注記」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。
建築事業当社及び子会社の機材サービス株式会社、未来ネットワーク株式会社は建築事業を営んでいます。
土木事業当社及び子会社の株式会社アスペック、丸善土木株式会社は土木事業を営んでいます。
不動産事業当社及び子会社の守谷不動産株式会社は、不動産事業を営んでいます。
   事業の系統図は次のとおりです。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
(1)連結子会社会社名住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借㈱アスペック長野県長野市50,000土木事業100.0-70,000千円工事発注-丸善土木㈱長野県松本市60,000土木事業96.8-27,500千円工事発注土地・建物の賃貸守谷不動産㈱長野県長野市10,000不動産事業100.0----機材サービス㈱長野県長野市70,000建築事業100.01-建設資材のリース土地・建物の賃貸未来ネットワーク㈱長野県佐久市15,000建築事業100.01---(注)1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しています。
2.上記連結子会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。
)の連結売上高に占める割合がそれぞれ100分の10以下であるため主要な損益情報等の記載を省略しています。
(2)持分法適用関連会社該当事項はありません。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)建築事業及び土木事業379不動産事業5全社(共通)38合計422(注)1.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業部門に区分できない管理部門に所属している従業員です。
2.建築事業と土木事業の両事業に携わる従業員がおり、明確に分けることができないため両事業の従業員数を合わせて表示しています。
(2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)31841.716.96,853,007 セグメントの名称従業員数(人)建築事業及び土木事業291不動産事業5全社(共通)22合計318(注)1.平均年間給与は、税込支払給与額であり、基準外賃金及び賞与を含んでいます。
2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定の事業部門に区分できない管理部門に所属している従業員です。
3.建築事業と土木事業の両事業に携わる従業員がおり、明確に分けることができないため両事業の従業員数を合わせて表示しています。
(3)労働組合の状況 当社及び連結子会社には労働組合が結成されていませんが、労使関係は良好であり、特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)   (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)   (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.3全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者0.940.059.267.633.7 連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率  (%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.3全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者株式会社アスペック0.0-54.253.9-丸善土木株式会社100.0-78.678.6-守谷不動産株式会社-----機材サービス株式会社0.0-77.269.8-未来ネットワーク株式会社25.0100.070.995.933.9(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.当社グループの賃金体系は、労働者の年齢、勤続年数、職務遂行能力等に応じた基本給、成果給、職能給及び各種手当で構成されており、男性・女性を問わず同一となっています。
賃金差が生じている要因として、勤続年数が長い労働者に男性が多いこと及びそれに伴い管理職に男性が多いこと等があげられます。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 社是、経営理念等<社    是> すべてのことに誠実に よりよい仕事をしよう<経 営 理 念> わが社は 伝統ある信用を基礎として 卓越せる斬新技術力を駆使し 常に建設業界の先頭を歩み 国造りから街造りまで 社会の発展に寄与すると共に 斗志あふるゝ若さをもって 企業の成長繁栄と従業員の生活向上のため 限りなき前進をつゞける<長期ビジョン> 信頼と技術で社会に貢献し、社員と家族が誇りと満足感を持てる“働きたい”企業<経 営 戦 略> 1.人材戦略          変化に適応する人的資本「人」の最大化 2.生産性の向上        DXの推進による競争力強化と生産性の向上 3.経営戦略の強化       中長期的成長戦略の立案と経営基盤の強化 4.事業ポートフォリオの再構築 収益構造の変革と多角化を推進 5.社会的評価の向上      「魅力ある企業」づくりによる企業価値向上
(2) 当社グループの経営環境について 当連結会計年度におけるわが国経済は、消費者物価の上昇基調が続いたものの、個人消費や設備投資は引き続き持ち直しの動きが見られ、企業収益も総じて底堅く推移したこと等から、雇用・所得環境の改善が進み、インバウンド需要の増加等とも相俟って概ね緩やかな回復基調で推移しました。
 一方で国内景気の先行きは、米国新政権が強行する貿易・関税政策等の景気下押し懸念に為替市場の不安定化、東欧・中東を巡る地政学的リスクによるエネルギー・原材料価格等の上昇リスク等も加わり、不透明感を拭えない状況になりつつあります。
 当社グループが中核事業としている建設業界におきましては、受注環境は公共投資・民間投資ともに底堅く推移したものの、今後の民間投資の動向は、世界経済の動向とも相関して予断を許さない状況下にあります。
一方、現下の収益環境は建設資材価格の高止まり、働き方改革の推進や人手不足による物流費・労務人件費の上昇等をほぼ吸収して従業員の処遇改善も進みつつありますが、今後の収益環境は、受注環境の動向如何で大きく変化することが見込まれるため、当業界を取り巻く経営環境は厳しさを増すことが懸念されます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは「営業利益率」を重要な経営指標と位置づけ、経営計画の基本方針となる「強靭な経営体質の確立」を目指して、「生き残る為の収益至上主義への変革」を実現するために、工事粗利益率の向上と固定費の削減に注力し、安定した利益を確保する体制を構築するとともに、資産及び資本効率を高め、企業価値の向上に注力してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の国内建設投資の動向見通しは、政府・民間投資ともに引き続き底堅く推移することが期待されるものの、その一方で米国新政権が進める貿易・関税政策等により世界経済が下降し、国内景気に波及する虞があることや建設資材・エネルギー価格の高止まり、労務人件費の上昇圧力に加え、国内景気の下振れによる受注環境の悪化等から収益環境が厳しさを増すことが懸念されるため、建設業界を取り巻く今後の事業環境は楽観視できない状況下にあります。
 このような環境下、当社グループは「信頼と技術で地域社会に貢献する」ことを基本方針とし、オールモリヤの旗の下、グループ企業が一丸となって以下の施策を実施し、事業収益を安定的かつ継続的に確保、向上できる体制を確実に実現してまいります。
① 徹底したコンプライアンス遵守と安全・品質管理対策による損失発生の未然防止② 与信及び施工リスク管理、受注時粗利益確保及び工事収支管理の徹底による収益力の強化 ③ 有望企業の買収による事業域拡大と収益力の強化、首都・中京圏における事業体制の更なる強化④ 人材確保対策の強化と能力育成教育の実効的な実施⑤ DX推進による生産性・業務処理効率の向上と働き方改革の推進⑥ 不動産開発投資事業の的確な案件選択と回収業務の確実な実行⑦ SDGs展開目標の継続実施と環境事業への注力こうした施策の実行により、事業収益を安定的に確保できる体制の整備を進めてまいります。
(5) コンプライアンスの徹底及び体制の充実① 部署間の情報共有、協議の活性化とコンプライアンスを踏まえた業務遂行の徹底② 損失リスクの未然防止対策の強化と規程の再整備③ 弁護士等の専門家との一層の連携強化④ 営業段階から工事(現業)部門が参加する協議体制の再整備⑤ 取締役を含めた役職員に対する部署別(業務別)研修会の実施⑥ 内部通報制度の利用の活性化こうした施策及び体制の整備により、コンプライアンスの強化・徹底を図ってまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】
 当社は、社是として「すべてのことに誠実に よりよい仕事をしよう」を定め、建設事業を通してこれを実践し持続可能な社会の実現に努めるとともに、環境、社会、経済活動の諸課題に取り組んでいます。
(1)ガバナンス 当社では、経営企画室及び管理本部がサステナビリティ経営を推進する役割を担い、社会と社業の持続的な発展に向けて、サステナビリティ戦略の立案・推進を行っています。
重要な意思決定事項については、取締役会で更なる議論を行い、審議・決議を行います。
(2)リスク管理 当社はサステナビリティ課題を含む社業に係るリスク低減と事業機会の創出を確実にするため、リスク管理等を強化しています。
 リスク管理については、全社的な統括部門の法務コンプライアンス室、管理本部が内部規程に基づき業務全般の管理・統制を行い、現業部門(各事業本部・支店等)及びグループ会社に対して内部統制が適切かつ合理的に機能するよう運営しています。
業務遂行におけるこれらの規程等の遵守状況は、業務・会計監査を分掌する監理室により確認されています。
 事業機会の創出管理については、本社機構の各部門が具体的な対応方針を検討するとともに、必要に応じて委員会を設置して対応しています。
各部門・委員会で検討された内容は、取締役会に報告され、更なる議論を行い、審議・決議を行います。
(3)戦略 環境、社会、経済活動の諸課題は、企業のサステナビリティを脅かすリスクとなる一方、課題解決への取り組みは、新たな事業機会の創出につながります。
 当社では、3つの重点課題に関わるリスクと事業機会を把握し、リスクの低減に努めるとともに、課題解決のための事業活動を通して持続可能な社会と企業の持続的成長を目指しています。
①気候変動と脱炭素社会リスク・自然災害や社会・経済活動の混乱による生産性の低下(豪雨、強風、積雪、熱中症等)・気候変動に起因する資源生産量の減少・不足や建設資材の高騰事業機会の創出・再生可能エネルギー市場の拡大・環境配慮型設計による競争力の獲得 当社では、環境配慮型建築計画を積極的に提案し、工事の施工を含めた総合サービスを提供しています。
2020年からSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)『ZEBプランナー』に「設計」カテゴリーで登録し、当社が研究・開発した「地下水循環型地中採放熱システム」(6[研究開発活動]参照)による省エネ仕様設備の導入を提案し、脱炭素社会の実現に向けてお客様の貢献度を高める有効な手段となるよう、積極的に働きかけてまいります。
②DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進リスク・情報漏洩・DX人材の不足による戦力獲得競争の激化や育成の長期化・DXを導入しないことによる企業イメージの悪化事業機会の創出・ICT施工(ドローンによる測量、ICT建設機械による施工、BIM/CIMの活用等)による生産性の向上・国土交通省が推進するi-Construction対象工事の受注機会の増大 当社では、クラウドストレージにより情報の一元化と社内外の情報共有を推進するとともに、タブレット端末を支給し施工管理アプリ等を活用するなど、業務の効率化と生産性の向上を図ってきましたが、さらなる加速に向けて、DX推進室を新設し、BIM/CIMアプリやICT機器の選定・導入・配備、i-Constructionの内製化、AIやオープンデータの利活用の研究に積極的に取り組むとともに、従業員のDXリテラシー向上を図るため、計画的に教育訓練を行っています。
 また、当社ではBIM/CIMを活用した設計・施工は、各部署単位で一部導入していましたが、DX推進室、BIM推進部、技術研究室が連携し、全社的な設備投資計画や教育計画を策定・実施しています。
 その他、土木事業本部において、ドローンによる測量、ICT建設機械による施工を行っています。
③人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 当社は「信頼と技術で社会に貢献し、社員と家族が誇りと満足感を持てる“働きたい”企業」を実現すべく、「変化に適応する人的資本「人」の最大化」を重要な戦略の1つと考えています。
加速する社会的価値の変化や思考の多様性に適応しながら、人材を最も重要な会社の「資本」と捉えて、その価値を最大限に生かすことで企業価値を高めていきます。
・採用計画 職務・エリア・年齢構成等を鑑み、中長期的な採用計画を策定しています。
当計画に基づく採用活動では、当社の業務内容や働き方をより理解していただき入社後のミスマッチによる離職を未然に防ぐため、積極的な情報発信を行うとともに、学歴や性別、国籍にとらわれない人物本位の採用活動を行っています。
・教育制度 目指す社員像を設定し、目標に近づくために必要な事項を教育体系として設定しています。
教育体系は、技術系と事務・営業系の2体系に区分し、教育目標・習得目標を新入社員から入社後25年目まで設定しています。
教育体系に基づき、年度毎に実業務を通じたOJT研修と階層別教育・職務別教育のOFF-JT研修計画を策定し実施しています。
また、新入社員研修に施工管理技士の資格取得プログラムを取り入れ、新入社員の早期戦力化を促進しています。
他にも、職員ごとのニーズに応じた教育として定額制ビジネスセミナーを導入し、基礎学習から専門的な講座まで従業員のスキルにあわせた幅広いコースを用意し、自己学習の機会を提供することで、従業員一人ひとりのスキルの底上げを図っています。
・人材の多様性 当社は、女性・外国人・中途採用者の採用・管理職への登用等を公正公平な評価に基づいて行う方針を採っています。
今後とも女性技術者を含めた中途採用者を積極的に行い、人材の多様化を図る方針です。
・ワーク・ライフ・バランスの実現 当社ではワーク・ライフ・バランスの実現に向け、働き方改革による労働時間の縮減や育児・介護と仕事の両立支援等を行うなど、メリハリのある働き方ができる職場作りを行いながら、会社と従業員とが良い関係を長く築けることができるような仕組みや風土作りに取り組んでいます。
(4)指標及び目標 当社では、サステナビリティに関して、下記の目標を定め、達成に向けて取り組んでいます。
指標目標実績「地下水循環型地中採放熱システム」を採用した建築工事の受注件数10件(2022年度~2030年度の累計)1件(2022年度~2030年度の累計)自社が受注する設計業務のうち「ZEB・ZEH相当」が占める割合50%(2025年度)50.0%(当連結会計年度)  (人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)指標目標実績(当連結会計年度)管理職に占める女性労働者の割合5%(2030年度)2.3%男性労働者の育児休業取得率20%(2030年度) 50.0%
戦略 (3)戦略 環境、社会、経済活動の諸課題は、企業のサステナビリティを脅かすリスクとなる一方、課題解決への取り組みは、新たな事業機会の創出につながります。
 当社では、3つの重点課題に関わるリスクと事業機会を把握し、リスクの低減に努めるとともに、課題解決のための事業活動を通して持続可能な社会と企業の持続的成長を目指しています。
①気候変動と脱炭素社会リスク・自然災害や社会・経済活動の混乱による生産性の低下(豪雨、強風、積雪、熱中症等)・気候変動に起因する資源生産量の減少・不足や建設資材の高騰事業機会の創出・再生可能エネルギー市場の拡大・環境配慮型設計による競争力の獲得 当社では、環境配慮型建築計画を積極的に提案し、工事の施工を含めた総合サービスを提供しています。
2020年からSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)『ZEBプランナー』に「設計」カテゴリーで登録し、当社が研究・開発した「地下水循環型地中採放熱システム」(6[研究開発活動]参照)による省エネ仕様設備の導入を提案し、脱炭素社会の実現に向けてお客様の貢献度を高める有効な手段となるよう、積極的に働きかけてまいります。
②DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進リスク・情報漏洩・DX人材の不足による戦力獲得競争の激化や育成の長期化・DXを導入しないことによる企業イメージの悪化事業機会の創出・ICT施工(ドローンによる測量、ICT建設機械による施工、BIM/CIMの活用等)による生産性の向上・国土交通省が推進するi-Construction対象工事の受注機会の増大 当社では、クラウドストレージにより情報の一元化と社内外の情報共有を推進するとともに、タブレット端末を支給し施工管理アプリ等を活用するなど、業務の効率化と生産性の向上を図ってきましたが、さらなる加速に向けて、DX推進室を新設し、BIM/CIMアプリやICT機器の選定・導入・配備、i-Constructionの内製化、AIやオープンデータの利活用の研究に積極的に取り組むとともに、従業員のDXリテラシー向上を図るため、計画的に教育訓練を行っています。
 また、当社ではBIM/CIMを活用した設計・施工は、各部署単位で一部導入していましたが、DX推進室、BIM推進部、技術研究室が連携し、全社的な設備投資計画や教育計画を策定・実施しています。
 その他、土木事業本部において、ドローンによる測量、ICT建設機械による施工を行っています。
③人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 当社は「信頼と技術で社会に貢献し、社員と家族が誇りと満足感を持てる“働きたい”企業」を実現すべく、「変化に適応する人的資本「人」の最大化」を重要な戦略の1つと考えています。
加速する社会的価値の変化や思考の多様性に適応しながら、人材を最も重要な会社の「資本」と捉えて、その価値を最大限に生かすことで企業価値を高めていきます。
・採用計画 職務・エリア・年齢構成等を鑑み、中長期的な採用計画を策定しています。
当計画に基づく採用活動では、当社の業務内容や働き方をより理解していただき入社後のミスマッチによる離職を未然に防ぐため、積極的な情報発信を行うとともに、学歴や性別、国籍にとらわれない人物本位の採用活動を行っています。
・教育制度 目指す社員像を設定し、目標に近づくために必要な事項を教育体系として設定しています。
教育体系は、技術系と事務・営業系の2体系に区分し、教育目標・習得目標を新入社員から入社後25年目まで設定しています。
教育体系に基づき、年度毎に実業務を通じたOJT研修と階層別教育・職務別教育のOFF-JT研修計画を策定し実施しています。
また、新入社員研修に施工管理技士の資格取得プログラムを取り入れ、新入社員の早期戦力化を促進しています。
他にも、職員ごとのニーズに応じた教育として定額制ビジネスセミナーを導入し、基礎学習から専門的な講座まで従業員のスキルにあわせた幅広いコースを用意し、自己学習の機会を提供することで、従業員一人ひとりのスキルの底上げを図っています。
・人材の多様性 当社は、女性・外国人・中途採用者の採用・管理職への登用等を公正公平な評価に基づいて行う方針を採っています。
今後とも女性技術者を含めた中途採用者を積極的に行い、人材の多様化を図る方針です。
・ワーク・ライフ・バランスの実現 当社ではワーク・ライフ・バランスの実現に向け、働き方改革による労働時間の縮減や育児・介護と仕事の両立支援等を行うなど、メリハリのある働き方ができる職場作りを行いながら、会社と従業員とが良い関係を長く築けることができるような仕組みや風土作りに取り組んでいます。
指標及び目標 (4)指標及び目標 当社では、サステナビリティに関して、下記の目標を定め、達成に向けて取り組んでいます。
指標目標実績「地下水循環型地中採放熱システム」を採用した建築工事の受注件数10件(2022年度~2030年度の累計)1件(2022年度~2030年度の累計)自社が受注する設計業務のうち「ZEB・ZEH相当」が占める割合50%(2025年度)50.0%(当連結会計年度)  (人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)指標目標実績(当連結会計年度)管理職に占める女性労働者の割合5%(2030年度)2.3%男性労働者の育児休業取得率20%(2030年度) 50.0%
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ③人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 当社は「信頼と技術で社会に貢献し、社員と家族が誇りと満足感を持てる“働きたい”企業」を実現すべく、「変化に適応する人的資本「人」の最大化」を重要な戦略の1つと考えています。
加速する社会的価値の変化や思考の多様性に適応しながら、人材を最も重要な会社の「資本」と捉えて、その価値を最大限に生かすことで企業価値を高めていきます。
・採用計画 職務・エリア・年齢構成等を鑑み、中長期的な採用計画を策定しています。
当計画に基づく採用活動では、当社の業務内容や働き方をより理解していただき入社後のミスマッチによる離職を未然に防ぐため、積極的な情報発信を行うとともに、学歴や性別、国籍にとらわれない人物本位の採用活動を行っています。
・教育制度 目指す社員像を設定し、目標に近づくために必要な事項を教育体系として設定しています。
教育体系は、技術系と事務・営業系の2体系に区分し、教育目標・習得目標を新入社員から入社後25年目まで設定しています。
教育体系に基づき、年度毎に実業務を通じたOJT研修と階層別教育・職務別教育のOFF-JT研修計画を策定し実施しています。
また、新入社員研修に施工管理技士の資格取得プログラムを取り入れ、新入社員の早期戦力化を促進しています。
他にも、職員ごとのニーズに応じた教育として定額制ビジネスセミナーを導入し、基礎学習から専門的な講座まで従業員のスキルにあわせた幅広いコースを用意し、自己学習の機会を提供することで、従業員一人ひとりのスキルの底上げを図っています。
・人材の多様性 当社は、女性・外国人・中途採用者の採用・管理職への登用等を公正公平な評価に基づいて行う方針を採っています。
今後とも女性技術者を含めた中途採用者を積極的に行い、人材の多様化を図る方針です。
・ワーク・ライフ・バランスの実現 当社ではワーク・ライフ・バランスの実現に向け、働き方改革による労働時間の縮減や育児・介護と仕事の両立支援等を行うなど、メリハリのある働き方ができる職場作りを行いながら、会社と従業員とが良い関係を長く築けることができるような仕組みや風土作りに取り組んでいます。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (4)指標及び目標 当社では、サステナビリティに関して、下記の目標を定め、達成に向けて取り組んでいます。
指標目標実績「地下水循環型地中採放熱システム」を採用した建築工事の受注件数10件(2022年度~2030年度の累計)1件(2022年度~2030年度の累計)自社が受注する設計業務のうち「ZEB・ZEH相当」が占める割合50%(2025年度)50.0%(当連結会計年度)  (人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)指標目標実績(当連結会計年度)管理職に占める女性労働者の割合5%(2030年度)2.3%男性労働者の育児休業取得率20%(2030年度) 50.0%
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経済の状況及び公共投資の状況について 当社グループの中核事業である建設事業は、営業活動を行っている地域の経済状況が悪化したり公共投資が減少した場合は受注面において影響を受けるため、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)工事受注方法について 民間工事における発注方法の多くは、工事業者に見積を依頼して、その中から発注先を決定する方法が採られています。
また、公共工事においては、入札により工事業者を決定する方法が採られています。
官・民いずれにおいても、受注するための主な決定要素は見積価格です。
したがって、当社グループが他の参加者に比して価格優位性がない場合は受注できないことになります。
競争激化により受注価格が著しく低下したりすると、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)資材及び労務の調達について 当社グループの中核事業である建設事業においては、多くの資材調達と外注労務費が必要となります。
鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合は、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)工事代金回収について 工事代金の回収リスクを回避するため、受注審査規程等を整備し、受注活動のなかで発注者の経営内容等の与信情報を収集して与信管理を行い、法務コンプライアンス室を中心として回収不能事故の未然防止対策を講じていますが、請負事業に特有な事情として、工事の受注から完成までに相当期間を要することから、引渡しまでの間に発注者側の経営状態が変化したり、金融環境や経済情勢等の急変から資金調達、事業遂行等に支障が生じたり、また発注者と個別要因によりトラブルが発生した場合に工事代金の回収に遅延や貸倒れが発生するリスクを常に有しています。
このためリスクの顕在化により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)瑕疵責任について 当社グループが行う施工工事・サービス等には、瑕疵が生じるリスクがあります。
 当社グループの中核事業である建設事業は、社会生活の基盤を造る事業であり、公共性・安全性が求められており、責任期間も長期にわたります。
そのため、様々な規制・法令の適用があり、また、高い技術力の伴った施工能力を求められているので、瑕疵が生じた場合は直接的損害のみならず間接的損害の責任も問われる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財務状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について 当社グループの建設事業における取引については、「建設業法」「建築基準法」「宅地建物取引業法」「会社法」「金融商品取引法」等の法的規制があります。
現時点の規制に従って業務を遂行していますが、将来において規制等の変更がなされた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保について 当社グループの中核事業である建設事業は、優秀な資格者と高度な技術による施工実績の良好な評価が、事業を継続拡大するためのベースとなっており、それゆえに優秀な人材を獲得し維持する必要があります。
 当社グループの人事部門は、優秀な人材を確保するため注力していますが、当社グループが必要とする人材が計画どおり確保できなかった場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)安全管理について 工事は、市街地、地中、山間地等の多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しています。
このため大規模な事故や災害が発生した場合は、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)保有資産について 当社グループは、営業活動を行うにあたって、不動産等の資産を保有していますが、市場価格の変動等により時価が著しく下落した場合に減損損失が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害の発生・疫病の蔓延について 大規模な自然災害の発生あるいは疫病の蔓延などに伴い、経済状況の急激な悪化、サプライチェーンの寸断、行政機関からの要請などによる工事の中断や大幅な遅延、保有設備の損傷や就業者の減少といった事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりです。
 ①財政状態及び経営成績の状況 当社グループは、コンプライアンス遵守の徹底による損失防止やDXの推進による生産性の向上対策に取り組むとともに、人材育成・資格取得教育等へも注力し従業員の能力アップを図りつつ総合競争力の向上と収益力の強化に取り組んでまいりました。
 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,554百万円増加し、34,143百万円となりました。
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,062百万円増加し、18,203百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,492百万円増加し、15,940百万円となりました。
b.経営成績 当連結会計年度の経営業績は、売上高は50,266百万円(前連結会計年度比16.0%増)となりました。
損益面につきましては、営業利益2,293百万円(前連結会計年度比3.2%増)、経常利益は2,373百万円(前連結会計年度比4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,651百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。
 セグメントの業績は次のとおりです。
(建築事業) 完成工事高は38,873百万円(前連結会計年度比22.1%増)となり、営業利益は3,461百万円(前連結会計年度比61.9%増)となりました。
(土木事業) 完成工事高は7,833百万円(前連結会計年度比9.8%減)となり、営業利益は538百万円(前連結会計年度比36.0%減)となりました。
(不動産事業) 不動産事業の売上高は3,560百万円(前連結会計年度比25.9%増)となり、営業利益は250百万円(前連結会計年度比71.5%減)となりました。
 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、前連結会計年度末に比べ2,500百万円増加し、当連結会計年度末は7,529百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は3,075百万円(前連結会計年度は1,932百万円の使用)となりました。
これは主に売上債権が増加したものの、不動産事業支出金等が減少し、税金等調整前当期純利益、仕入債務、未成工事受入金等が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は363百万円(前連結会計年度は1,345百万円の使用)となりました。
これは主に有形固定資産及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は211百万円(前連結会計年度は227百万円の使用)となりました。
これは主に配当金の支払によるものです。
 ③受注及び売上の実績a.受注実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 前年同期比(%) 建築事業(千円)50,193,354119.5土木事業(千円)6,870,18083.0不動産事業(千円)3,557,72176.5合計(千円)60,621,256110.3 b.売上実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 前年同期比(%) 建築事業(千円)38,873,334122.1土木事業(千円)7,833,02590.2不動産事業(千円)3,560,410125.9合計(千円)50,266,770116.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりです。
 1)財政状態 当連結会計年度末の資産につきましては、不動産事業支出金は減少しましたが、現金預金、受取手形・完成工事未収入金等、電子記録債権が増加したことなどを主因に、総資産は前連結会計年度比3,554百万円増加し、34,143百万円となりました。
当連結会計年度末の負債につきましては、未払法人税等、電子記録債務は減少しましたが、支払手形・工事未払金、未成工事受入金が増加したことなどを主因とし、負債合計は前連結会計年度比2,062百万円の増加となり、18,203百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度比1,492百万円増加し、15,940百万円となりました。
 2)経営成績 当社グループの当連結会計年度において、売上高は経済活動の活性化に加え当社の事業圏内において大きな災害等もなく、受注及び工事の進捗が順調だったこと等により、前連結会計年度比16.0%増の50,266百万円となりました。
 利益面では、建設資材価格の高止まりや人件費の上昇等が収益の下押し要因となる状況下にはあるものの、売上高が堅調に推移したこと並びに原価・工程管理及び経費削減等の徹底を図ったことにより、営業利益2,293百万円(前連結会計年度比3.2%増)の計上となりました。
 営業外収益(費用)の差引純額は79百万円の利益となり、経常利益は2,373百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。
 特別利益(損失)の差額純額は5百万円の損失となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,651百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。
 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、市場動向、資材及び労務の動向、工事に起因する事故・災害、疫病の蔓延等があります。
 市場動向については、国内景気の変動による影響を大きく受けるほか、コロナウイルス感染症が再拡大に転じれば経済活動の再停滞により引合い案件が減少し、再び激しい受注価格競争に転じる要因になると認識しています。
こうした中、当社グループは、与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理及び厳格な工事収支管理を行うことにより、リスク回避を図りつつ市場競争力を高め、確実に利益を確保できるよう経営基盤の強化を図ってまいります。
 資材及び労務の動向については、鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰が顕著になりつつある他、建設作業員の労務費単価が上昇した場合、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響し、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼすと認識しています。
このため、工事受注後に資材、労務の早期発注を行うとともに、発注先との関係をより強化し情報を共有することによるリスクヘッジに取り組んでまいります。
 工事に起因する事故・災害等については、工事現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しており、事故や災害が発生した場合は業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす原因になると認識しています。
安全対策を確実に講じ、安全教育・危険予知活動等を通じて現場作業に携わる現場管理者、作業員の継続的な意識改革を図ることにより、経営に影響する事故・災害の事前抑制に努めてまいります。
 c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(建築事業) 前期からの繰越工事が豊富であったこと、当期の受注及び工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、完成工事高は38,873百万円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。
 損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は3,461百万円(前連結会計年度比61.9%増)となりました。
 セグメント資産は、完成工事未収入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,898百万円増加し、10,269百万円となりました。
(土木事業) 工事の進捗度は堅調に推移したものの、前期からの繰越工事が少なかったこと等により、完成工事高は7,833百万円(前連結会計年度比9.8%減)となりました。
 損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は538百万円(前連結会計年度比36.0%減)となりました。
 セグメント資産は、完成工事未収入金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ798百万円減少し、5,244百万円となりました。
(不動産事業) 首都圏での開発案件の完成引渡しが増加したこと等により、不動産事業の売上高は3,560百万円(前連結会計年度比25.9%増)となりました。
 損益面につきましては、売上高が増加したことにより、営業利益は250百万円(前連結会計年度は880百万円の営業利益)となりました。
 セグメント資産は、不動産事業支出金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,609百万円減少し、3,212百万円となりました。
 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、企業価値の向上及び全てのステークホルダーの利益と合致するものとして「営業利益率」を重要な指標として位置づけています。
当連結会計年度における「売上高営業利益率」は4.6%でした。
引続き「売上高営業利益率」を高めることができるよう、リスク管理の徹底と受注時目標粗利益率の確保、早期購買の徹底及び厳格な工事収支管理等に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
 b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりです。
 当社グループにおける資金需要は主に運転資金需要です。
運転資金需要のうち主なものは、当社グループの建設業に関わる材料費、労務費、外注費及び現場経費等の工事費用並びに不動産事業に関わる土地、建物等の取得費用があります。
また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。
その他に独身寮寮、社宅等の整備の設備投資需要としまして、固定資産購入費用があります。
 当社グループは現在、運転資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達しています。
金融機関には十分な借入枠を有しており、短期的に必要な運営資金の調達は可能な状況です。
また長期借入金については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。
一方、資金調達コストの低減のため、売上債権の圧縮等にも取り組んでいます。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
 この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
(3)経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針については、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]に記載のとおりです。
研究開発活動 6【研究開発活動】
(建築事業及び土木事業) 石油等の化石燃料に依存しない低炭素社会に向け、再生可能エネルギーへの期待が市場で高まる状況にあって、地域のリーディングカンパニーとしての責務を自覚し、市場要求の負託に応えるなかで、環境事業部を創設し高度技術の確立を目指し日々研鑽を積んでいます。
当連結会計年度における研究開発費は23百万円となっています。
また、当連結会計年度の重点的な活動は以下のとおりです。
①再生可能エネルギー地中熱の活用に関する研究 2016年に「地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム」として特許を取得し、2019年に「地下水循環型地中採放熱システムHeat-Gw-Power」として商標登録した新技術に対し、更に高性能化したHeat-Gw-Powerカスケードタイプを開発・実装しました。
これは、従来方式(ボアホール方式)と比して、イニシャルコストの大幅な低減を可能にしました。
 2020年度においてHeat-Gw-Powerカスケードタイプは、環境省より環境技術実証(ETV)事業の実証済み技術としてETVロゴマークの交付を受け、その成果が環境省ウェブサイト等で公表されました。
また、ETV事業における性能評価結果に基づき、同年12月に省エネ大賞「製品・ビジネスモデル部門:審査委員会特別賞」を受賞しています。
 2023年4月には長野県飯山市内で当社が受注・施工した事務所建物にHeat-Gw-Powerを導入することで、ZEB及びBELS:5★の適合判定を受けました。
 地球環境の保全が喫緊の課題となるなか、長野県においては2021年6月に、2050ゼロカーボン実現を目指した2030年度までの具体的なアクションとして「長野県ゼロカーボン戦略」が策定されました。
 このような状況にあって、建物のゼロエネルギー(ZEB)化を実現するための手段として有望な、地中熱・地下水熱利用冷暖房技術「Heat-Gw-Powerカスケードタイプ」の普及拡大を図り、建築物の省エネ化を強力に推進しています。
②i-Constructionによる生産性向上 ICTの利用で建設生産システム全体の生産性向上を目指し、技術研究室、DX推進室、BIM推進部が連携し、BIM/CIM、及び3D測量、3D設計の内製化を推進しています。
それに伴うICT機器の効率的な使い方の研究と社内への普及・展開を図っています。
 また、航空レーザー測量等のオープンデータの利活用についても積極的に取り組んでいます。
子会社においては、研究開発活動は特段行われていません。
(不動産事業及びその他の事業)研究開発活動は特段行われていません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
(建築事業) 当連結会計年度の設備投資額は40百万円でありました。
(土木事業) 当連結会計年度の設備投資額は55百万円でありました。
なお、当連結会計年度の報告セグメントに帰属しない設備投資額は108百万円でありました。
(注)「第3 設備の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しています。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
(1)提出会社2025年3月31日現在 事業所(所在地) セグメント の名称帳簿価額(千円)従業員数(人)建物・構築物機械・運搬具・工具器具・備品土地(面積㎡)その他合計本社(長野県長野市)建築事業土木事業不動産事業725,06030,371969,526(52,897)-1,724,958191松本支店(長野県松本市)建築事業土木事業101,7962,103223,696(5,324)-327,59634東京支店(東京都千代田区)建築事業土木事業不動産事業265,94410,201505,018(1,995)-781,16447名古屋支店(愛知県名古屋市中区)建築事業土木事業192,9381,959116,685(1,151)-311,58446
(2)国内子会社2025年3月31日現在 会社名事業所(所在地)セグメントの名称帳簿価額(千円)従業員数(人)建物・構築物機械・運搬具・工具器具・備品土地その他合計面積(㎡)金額㈱アスペック本社(長野県長野市)土木事業25,63882,063(438.6)19,806179,430-287,13242丸善土木㈱本社(長野県松本市)土木事業68,70023,8402,427112,292-204,83219機材サービス㈱本社(長野県長野市)建築事業27,01912,507---39,52614未来ネットワーク㈱本社(長野県佐久市)建築事業115,58526,14616,356121,441-263,17329 (注)土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借しています。
賃借料は4,833千円であり、土地の面積については()内に外書きで示しています。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当連結会計年度末においては、重要な設備の新設、除却等の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動23,000,000
設備投資額、設備投資等の概要55,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況42
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況17
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,853,007
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標0

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする純投資目的の株式を投資株式とし、投資株式以外を政策保有株式と区分します。
 政策保有株式については、基本的に当社グループ各事業の取引先企業の株式を対象とし、取引経緯、取引額、将来的なビジネスの可能性、保有に伴う便益やリスクと資本コストとの見合い等を勘案したうえで保有意義を検証し、保有の継続について判断します。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社では、中長期的な企業価値の向上に資すると認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有せず、現在保有している場合には残高を削減する事を基本方針としています。
 なお、政策保有株式については、基本的に当社グループ各事業の取引先企業の株式を対象としています。
 当該取引先との取引の状況変化及び配当金収益や株価上昇によるリターンも勘案しつつ適宜保有に関する経済合理性の検証を行い、必要に応じて取締役会において具体的な措置を決議しています。
 また、政策保有株式として保有する上場株式の議決権行使にあたり、当社及び投資先企業の中長期的な企業価値の向上の観点等を踏まえ、総合的に賛否を判断しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式2499,354非上場株式以外の株式10678,930 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式11,901取引先持株会における買付け (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式160非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)㈱八十二銀行239,789239,789(保有目的)金融取引等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)有253,217249,380第一建設工業㈱63,00063,000(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)有164,745113,463㈱マルイチ産商137,823136,242(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)(株式数が増加した理由)取引先持株会を通じた株式の取得有151,605168,122㈱高見澤17,20017,200(保有目的)金融取引等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)有56,58866,822キッセイ薬品工業㈱9,7429,742(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)有37,45734,437エムケー精工㈱19,60019,600(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)有9,3108,447サンリン㈱3,0003,000(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)有1,9622,097エフビー介護サービス㈱2,0002,000(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)無1,9322,264タカノ㈱2,2002,200(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)無1,5792,349東急㈱316316(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)無532582(注)定量的な保有効果の記載が困難であるため保有の合理性を検証した方法を記載いたします。
 取締役会及び監査役会により保有先との取引状況、配当金収益、株価上昇によるリターン等を勘案し、保有の合理性を検証いたしました。
みなし保有株式該当事項はありません。
③保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式----非上場株式以外の株式39,49938,773 区分当事業年度受取配当金の合計額(千円)売却損益の合計額(千円)評価損益の合計額(千円)非上場株式---非上場株式以外の株式284-5,792(注)非上場株式については、市場価格がないことから、「評価損益の合計額」は記載していません。
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社3
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社24
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社99,354,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社10
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社678,930,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,901,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社316
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社532,000
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社9,499,000
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社284,000
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社5,792,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社取引先持株会における買付け
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社東急㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社(保有目的)建設工事の営業等の業務のより円滑な推進のため(定量的な保有効果)(注)
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
守谷商会従業員持株会長野市南千歳町878番地196,9929.05
一般財団法人守谷奨学財団長野市南千歳一丁目3番12号192,2008.83
守谷商会取引先持株会長野市南千歳町878番地165,7007.61
株式会社八十二銀行(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)長野市中御所岡田178番地8号(東京都港区赤坂1丁目8番1号)108,2004.97
山根 敏郎長野市80,0003.68
守谷 晶子長野市77,1203.54
内藤 征吾東京都中央区67,4003.10
守谷 堯夫長野市62,0002.85
守谷 ソノ長野市50,4002.32
八十二キャピタル株式会社長野市南長野南石堂町1282番地11号47,1142.16計-1,047,12648.11 (注)上記のほか、当社所有の自己株式が83,582株あります。
株主数-金融機関7