財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-23
英訳名、表紙TANAKA CHEMICAL CORPORATION
代表者の役職氏名、表紙代表取締役 社長執行役員 横川 和史
本店の所在の場所、表紙福井県福井市白方町45字砂浜割5番10
電話番号、本店の所在の場所、表紙0776(85)1801(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
1957年12月大阪市生野区において株式会社田中化学研究所を設立。
兵庫県尼崎市に武庫川工場を新設し、フェライト用炭酸マンガンの生産を開始。
1959年8月兵庫県芦屋市に芦屋工場を新設。
1973年12月水酸化ニッケルの販売を開始。
1986年8月ニッケルカドミウム電池用高密度水酸化ニッケルの生産を開始。
1988年9月福井臨海工業地帯に福井工場を新設するとともに、芦屋工場を閉鎖。
1991年10月ニッケル水素電池用高密度水酸化ニッケルの生産を開始。
1991年11月福井県福井市に本社を移転。
1995年5月大阪市中央区に大阪支社を開設。
1995年8月リチウムイオン電池用酸化コバルトの生産を開始。
1996年12月福井県坂井市坂井町に物流センターを新設。
1997年5月高容量型水酸化ニッケル(コバルトコート品)の生産を開始。
1999年7月ISO14001の認証を取得。
1999年12月東京都千代田区に東京支社を開設。
2000年2月日本証券業協会に株式を店頭登録。
2002年10月ISO9001の認証を取得。
2003年8月三元系正極材料の生産を開始。
2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場。
2007年6月武庫川工場を閉鎖するとともに福井工場に統合。
2009年9月三元系正極材料の米国特許を取得。
2010年4月ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQに上場。
2012年1月三元系正極材料の日本国特許を取得。
2013年7月東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。
2014年2月大阪支社・東京支社(東京事務所に改称)を移転。
2016年10月第三者割当による新株式発行により住友化学株式会社の子会社となる。
2021年11月大阪支社を移転。
2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のJASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場に移行
事業の内容 3【事業の内容】
当社は、二次電池用の正極材料の製造販売を主な事業としております。
当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
事業の系統図は、次のとおりであります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
関係会社は次のとおりであります。
名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(親会社)住友化学株式会社東京都中央区90,059総合化学工業被所有50.43株式の被所有出向者の受入(出向者10名) (注)有価証券報告書提出会社であります。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)361(63)36.27.35,763,216(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
    2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与が含まれております。
    3.当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
(2)労働組合の状況 当社の労働組合は田中化学研究所労働組合と称し、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)に加盟しております。
 2025年3月31日現在の組合員数は199名で、労使関係は1960年結成以来、円満に推移しており特記すべき事項はありません。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度管理職に占める女性労働者の割合   (%)   (注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)1労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1正規雇用労働者パート・有期労働者全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者7.583.3-(注)277.578.077.2(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.パート・有期労働者のうち配偶者が出産した男性労働者は0名であります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針当社は、①「正極材開発で培ってきた独自技術を基盤に独創的な新製品を生み出すことを通じて、地球環境課題の解決に挑戦し、持続可能な社会の実現を目指します」②「社員一人ひとりを尊重し、各人が能力と主体性を高め、互いに協力し合う意欲あふれる企業風土をつくりあげます」を経営理念として、常に人間と社会の調和を図りながら、新しい科学技術の創造と発展を目指していくことを基本方針としております。
(2)経営戦略等当社は拡大する二次電池市場の中長期的な需要増に対応するため、設備増強投資と設備稼働に向けた組織人員体制の強化に取組んでおり、顧客のニーズに積極的に対応してまいります。
(経営戦略)①リチウムイオン電池向け材料事業の最適化②ニッケル水素電池向け材料事業の最適化③グローバルに通用する競争力の確保と維持④人材組織活性化 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当面目標とする経営指標は経常利益黒字化の定着を掲げております。
(4)経営環境当社の主たるマーケットである二次電池市場は、環境配慮や省エネを背景とした自動車のxEV化とともに市場が急拡大するとみられておりましたが、各国の補助金政策の縮小などの影響から特にBEVの需要拡大のスピードが失速、停滞局面となっております。
リチウムイオン電池に関して、民生用途は従来の携帯機器、電動工具や定置型蓄電池に加え、データセンター用バックアップ電源、農業機械や建設機械向けなど用途が拡大してきております。
車載用途は自動車のxEV化に伴いHEV、PHEV、BEV向けに中長期的に需要拡大が見込まれております。
また、これらに使用される正極材料は航続可能距離、安全性や低コストなど求められる目的に応じてNCM(ニッケル、コバルト、マンガン)といった三元系やLFPといった鉄系のものなど多様化しております。
さらに当社の事業領域である三元系では材料に求められる顧客のニーズに変化があり、当社としても技術確立とともに段階的に製造対応を図っております。
ニッケル水素電池に関して、リチウムイオン電池に対して出力特性が高い、安全性に対する高い信頼性、市場での実績など特徴を生かし、引き続きHEV用途での使用が見込まれております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①顧客のニーズにそった適時的確な対応(技術及び製造対応での供給体制の確立)②使用原料の多角化対応(リサイクル原料の活用と循環型社会への貢献)③インフラ設備の経年更新・能力拡充へ向けての対応④人的資本の拡充(優秀な人材の採用、人材の定着と省人化対策、人材開発、教育の充実化)⑤上記課題対応のための資金確保 (6)対処方針等当社は中長期的な需要増に対応するため、数年かけてインフラを含めた設備増強投資と設備稼働に向けた組織人員体制の強化で、リチウムイオン及びニッケル水素電池向け製品の増産体制の構築に取組んでおり、年間約5万トンの生産能力となっております。
これらの生産能力を最大限に活用し、既存顧客への拡販及び新規顧客に対して供給体制の最適化を図り、設備の本格稼働へ向けて段階的に準備を行っております。
また、生産性、品質安定性、設備負荷等を考慮した生産ラインの最適化を図ることでコスト競争力を高めた強靭な製造力の追求と使用原料の多角化を推進し、製品開発を含め顧客のニーズにそった適時的確な提案をしてまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方及び取組みの状況について当社は、以下をサステナビリティ基本方針として定め取組んでおります。
新しい科学技術の創造と発展を目指すことによって、企業価値を向上させ、人々の豊かな暮らしや、社会、地球環境が抱える問題の解決に貢献してまいります。
そのために、経済性の追求、安全・環境・品質保証活動、社会貢献活動のそれぞれに積極的に取組み、サステナビリティを推進してまいります。
さらに、これらの取組みを通じて、社会の持続可能な発展に大きな役割を果たし、自らも発展を続けてまいります。
1)ガバナンス世界的に温室効果ガスの排出削減における取組みが推進される中、気候変動対応が企業のサステナビリティ推進には不可欠であり、かつ当社設備の稼働率が上昇した際には、生産量の増加に伴い二酸化炭素(CO2)排出量も増加することが予想されていることから、カーボンニュートラルに向けた諸対応をサステナビリティ上の重要課題と捉えております。
なお、当社では、サステナビリティを推進する体制として、社長執行役員を委員長としたレスポンシブル・ケア(RC)委員会を設置・開催しております。
RC委員会では、関係部門から提示されたカーボンニュートラルをはじめ、安全衛生管理、保安管理、環境保全、化学品管理、製品安全及び品質保証のための施策を総合的に管理するとともに、当社としてのサステナビリティ推進の方向性について議論し、それらの取組みに関する最終確認を行っております。
2)リスク管理当社ではRC委員会を年2回開催し、以下のような当社の環境・安全等に関する各種施策や課題を議論し検討する中でリスク管理を行っております。
・安全衛生管理方針、環境方針、品質方針の策定及び活動に関すること・ISO-14001規格に基づく環境マネジメントシステムの維持及び継続的改善に関すること・ISO-9001規格に基づく品質マネジメントシステムの維持及び継続的改善に関すること・中・長期計画の策定に関すること・カーボンニュートラルに関する評価リスク及び機会の識別に関しては、環境マネジメントシステム及び品質マネジメントシステムの中で評価及び管理をしております。
さらに、サイバーセキュリティに係るリスクについては、総務人事担当役員を委員長に、各事業部門の部門長をはじめとする構成員からなる情報セキュリティ委員会を年2回開催しております。
本委員会では、最新の情報セキュリティ環境に関する意見交換や情報資産区分及び管理方法の検討を行うほか、情報セキュリティに関する環境変化、情報セキュリティ事故の発生等の事象に際して召集し、各委員による意見交換・集約を行い、取締役会へ活動を報告しております。
3)戦略、指標と目標当社は親会社である住友化学株式会社のグループ会社として、CO2排出量削減に積極的に取組むとともに、RC委員会による定期的な進捗管理を通じて、目標達成に向けた活動を推進しております。
2024年度は重油からLNGへの燃料転換を行いました。
その他CO2排出量削減の取組みとして、CO2排出量がゼロである『グリーン電力』の買電や、工場内の電灯・灯火類のLED化、エアコン等の更新によるエネルギー高効率機器への変換等を行っております。
上記の取組みを通じて、2013年度のCO2排出量(22,930t)を基準に、2030年度に50%削減、2050年度にカーボンニュートラルを達成することを目標としており、2024年度の排出量は11,346tとなっております。
※上記CO2排出量はScope1とScope2を併せた排出量。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 (2)人的資本について1)戦略当社は、電気自動車をはじめとする環境対応車に搭載される電池材料の研究・製造・販売等の事業を展開しております。
また、現在は、福井事業所で年間約5万トン規模の生産体制を確立するとともに、安定的な利益を確保できるより強靭な企業体質を目指すべく、各事業活動に注力しております。
なお、事業展開の上では、必要な人材を確保するとともに、その一人ひとりが当社で技術・能力を最大限に発揮できるよう育成することが急務となっております。
そのために、労働諸条件の改善に加えて効果的な人事諸制度の導入・運用、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進、ワーク・ライフ・バランスの推進、人材開発の充実を通して、全従業員の事業に対するエンゲージメントを高めるとともに、安全かつ健康に働くことができる職場環境を整えてまいります。
2)指標及び目標全従業員が自身の能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り、働きやすい職場環境の整備を行うために、次世代育成支援対策推進として、会社全体での有給休暇取得率を75%以上と定め、全従業員へ有給休暇の取得推進を啓蒙しております。
あわせて男性及び女性社員への育児休業の取得促進も進めております。
また、2025年度は時間外労働の前年度比20%削減を目標に掲げ、生産性向上/合理化プロジェクトを開始しました。
その結果、2024年度の年次有給休暇の取得については、86%の取得実績、育児休業取得に関しては、女性100%、男性83%の取得率となっております。
また、女性の活躍推進にも焦点を当て、出産・育児と仕事を両立できる職場環境の整備に加え、当社の管理職に占める女性社員の割合を6%以上とする目標達成に向けて、能力開発のための定期的なコミュニケーション実施や研修等を通じた着実なキャリアアップを支援しております。
このような取組みにより、2024年度の管理職に占める女性社員の割合は7.5%となっており、引き続き上記取組みを継続してまいります。
なお、女性活躍推進に向けた取組み強化により、2023年2月より「ふくい女性活躍推進企業プラス+」に登録認定されております。
戦略 3)戦略、指標と目標当社は親会社である住友化学株式会社のグループ会社として、CO2排出量削減に積極的に取組むとともに、RC委員会による定期的な進捗管理を通じて、目標達成に向けた活動を推進しております。
2024年度は重油からLNGへの燃料転換を行いました。
その他CO2排出量削減の取組みとして、CO2排出量がゼロである『グリーン電力』の買電や、工場内の電灯・灯火類のLED化、エアコン等の更新によるエネルギー高効率機器への変換等を行っております。
上記の取組みを通じて、2013年度のCO2排出量(22,930t)を基準に、2030年度に50%削減、2050年度にカーボンニュートラルを達成することを目標としており、2024年度の排出量は11,346tとなっております。
※上記CO2排出量はScope1とScope2を併せた排出量。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 2)指標及び目標全従業員が自身の能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り、働きやすい職場環境の整備を行うために、次世代育成支援対策推進として、会社全体での有給休暇取得率を75%以上と定め、全従業員へ有給休暇の取得推進を啓蒙しております。
あわせて男性及び女性社員への育児休業の取得促進も進めております。
また、2025年度は時間外労働の前年度比20%削減を目標に掲げ、生産性向上/合理化プロジェクトを開始しました。
その結果、2024年度の年次有給休暇の取得については、86%の取得実績、育児休業取得に関しては、女性100%、男性83%の取得率となっております。
また、女性の活躍推進にも焦点を当て、出産・育児と仕事を両立できる職場環境の整備に加え、当社の管理職に占める女性社員の割合を6%以上とする目標達成に向けて、能力開発のための定期的なコミュニケーション実施や研修等を通じた着実なキャリアアップを支援しております。
このような取組みにより、2024年度の管理職に占める女性社員の割合は7.5%となっており、引き続き上記取組みを継続してまいります。
なお、女性活躍推進に向けた取組み強化により、2023年2月より「ふくい女性活躍推進企業プラス+」に登録認定されております。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)主要原材料の価格変動について当社製品の主要原材料であるニッケル及びコバルトは国際市況商品であるため、海外の需給状況及び為替相場により仕入価格が変動いたします。
また、苛性ソーダや硫酸などの主要ケミカル材料及び重油などの燃料も国内外の需給状況などにより仕入価格が変動いたします。
当社製品の販売価格は、基本的には主要原材料価格に連動して決定される仕組みとなっておりますが、主要原材料価格が急激に変動した場合には、製品価格への転嫁が遅れることなどにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)二次電池正極材料への依存度が高いことについて当社は、無機化学製品として二次電池正極材料を製造・販売しております。
このため、xEV及び携帯機器、電動工具や定置型電池などの民生機器が主要な用途であります国内外の二次電池の市場動向や技術動向が、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特定の取引先への依存度が高いことについて当社の主な販売先のうち、パナソニックホールディングス㈱・トヨタバッテリー㈱・STM Co.,Ltd.の3社に対する売上高の依存度が2025年3月期において約75%と高くなっております。
このような取引関係が継続困難となった場合や、各社の製品需要の動向その他種々の変化によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品のライフサイクルについて当社は、研究開発型企業として常に技術的に進化した新製品の開発と市場化に向けた努力を行っております。
また、主要なマーケットである二次電池市場も日進月歩の技術的進歩が常に起こっており、その結果、当社製品の中には、ライフサイクルが比較的短く、また、その製造設備を他に転用することが困難であるために、十分な減価償却が進まないうちに設備除却または減損処理を余儀なくされる場合があり、その状況によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)生産が福井工場に集中していることについて当社は、2007年6月末の武庫川工場の閉鎖実施後は、福井工場における一極生産体制となっております。
その結果、地震等の自然災害その他何らかの事由により福井工場における生産の円滑な継続に支障の出る事態となった場合には、その状況によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)親会社との関係について当社の親会社は住友化学株式会社(以下、住友化学といいます。
)であり、当社は連結子会社として住友化学グループに属しております。
当社の経営方針についての考え方や利害関係が住友化学との間で常に一致することの保証はなく、住友化学による当社の議決権行使及び保有株式の処分の状況等により、当社の事業運営及び当社普通株式の需要関係等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)他社との競合や価格競争について当社の事業は価格競争に晒されております。
競合他社の生産能力増強、輸出入時の関税など、様々な理由により当社の製品は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。
当社はコストの低減に努めておりますが、価格競争を克服できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)増産計画について当社の増産計画は、当社製品の需要予測などを踏まえて策定し、実行しております。
経済情勢の悪化や販売予定先の状況の変化、設備の不具合などにより計画どおりに進展しない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製品の品質について当社は、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。
大規模な製品事故や予期せぬ品質問題の発生は、多額のコストや当社の評価に重大な影響を与え、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)棚卸資産の評価損について当社が保有する棚卸資産について、将来需要の変化や市場環境の悪化などにより、評価損の計上が必要となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)固定資産の減損について当社は減損会計を適用しております。
将来、当社が保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化などによる顧客からの受注の減少や加工販売単価の下落などにより、減損損失が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)為替レート変動について当社は、国内で製造した製品を海外に輸出するとともに海外から原料品を輸入しておりますが、製品輸出高は原料品輸入高を上回っております。
外国通貨に対して円高が進行した場合、海外で生産された製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額の減少が輸入支払額の減少を上回ることになります。
為替レートの変動によるリスクを完全にヘッジすることはできないため、円高の進行は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)金利変動について当社は、資金需要に対してその内容や財政状態及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法などを判断しております。
今後の金利の変動に備え、変動金利・固定金利を適宜組み合わせて調達を行うこととしておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)研究開発について当社は、販売先のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに上市するため、積極的に研究開発を行っております。
新製品が販売予定先に採用されない、または新製品の開発が著しく遅延もしくは断念される場合には、競争力が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)知的財産の侵害について当社は、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、当社独自の技術・製品とノウハウの一部は、厳正な管理を行っているものの、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があり、また、特定の地域ではこれらの知的財産の完全な保護が不可能なため、第三者が当社の知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。
また将来、知的財産に係る紛争が生じ、当社に不利な判断がなされる可能性があります。
(16)規制変更について当社は、日本及び販売先の関係する各国の規制に従い、業務を遂行しております。
将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈及びその他の変更並びにそれらによって発生する事態が、当社の業務遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的に環境及び化学品安全などに対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。
(17)財務制限条項の付された借入契約について当社は、運転資金調達のため取引銀行5行とコミットメントライン契約並びに設備投資資金調達のため取引銀行1行と当座借越契約を締結しております。
本契約には一定の財務制限条項が付されております。
当事業年度末日現在においては財務制限条項に抵触しておりませんが、予測できない業績の変動によっては、財務制限条項に抵触することにより期限の利益を喪失し、期限前に返済が必要となり、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の状況の概要①財政状態の状況(資産)流動資産は、前事業年度末比3,461百万円の減少となりました。
その主な要因は、グループ預け金が2,700百万円、売上債権が1,043百万円、棚卸資産が612百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末比1,629百万円の減少となりました。
その主な要因は、設備投資による固定資産の取得2,639百万円に対し、減価償却費2,126百万円及び固定資産圧縮損1,095百万円を計上したことによるものです。
(負債)負債は、前事業年度末比4,698百万円の減少となりました。
その主な要因は、仕入債務が3,012百万円、短期借入金が600百万円、長期借入金が1,500百万円減少したことによるものです。
(純資産)純資産は、当期純損失を計上したこと等により前事業年度末比392百万円減少の16,841百万円となり、自己資本比率は51.0%となりました。
②経営成績の状況当事業年度における二次電池業界は、世界的に自動車のxEV化(HEV、PHEV、BEV、FCEV)が進行している中、各国における補助金縮小などの影響から特にBEVの需要拡大のスピードが失速、停滞局面となっております。
一方で中国勢は低価格を武器に電池材料から自動車にかけて業界での存在感を一層高めており、世界各国の自動車をはじめとする関連メーカーは戦略の見直しを余儀なくされております。
このような市場環境の中、当社の足もとの業績をみますと、主要顧客の増産時期の後ろ倒しや在庫調整の長期化などから当初想定していた販売量から大幅に減少したことに加え、各原材料資材、エネルギーはじめ物価高や労務費上昇などの影響から総じてコストが増加しております。
また、取引先のNorthvoltがスウェーデン国で破産手続きを開始したことにより、販売予定であった棚卸資産の評価損失を約14億円計上したことも大きく影響し、営業利益以降で損失計上と非常に厳しい業績となっております。
以上の結果、売上高36,497百万円(前事業年度比23.9%減)、営業損失338百万円(前事業年度は営業利益2,771百万円)、経常損失373百万円(前事業年度は経常利益2,782百万円)、当期純損失は257百万円(前事業年度は当期純利益2,555百万円)となりました。
主要な製品用途別の販売数量の概況は以下のとおりです。
なお、当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
「リチウムイオン電池向け製品」前事業年度比で22.3%の減少となりました。
用途別の増減は次のとおりです。
・車載用途(割合97%)は、顧客ごとの販売数量の増減の影響により、前事業年度比で19.6%の減少となりました。
・民生用途(割合3%)は、最終製品の需要減少により前事業年度比で61.3%の減少となりました。
「ニッケル水素電池向け製品」前事業年度比で14.9%の増加となりました。
用途別の増減は次のとおりです。
・車載用途(割合100%)は、主要顧客からの受注が順調に推移し、前事業年度比で14.9%の増加となりました。
(ご参考)     (ニッケル国際相場:円換算)                          (単位:円/kg) 4~6月平均7~9月平均10~12月平均1~3月平均2025年3月期2,8852,4462,4542,3912024年3月期3,0952,9612,5632,486      (コバルト国際相場:円換算)                          (単位:円/kg) 4~6月平均7~9月平均10~12月平均1~3月平均2025年3月期5,5865,0394,9354,9782024年3月期4,9665,7175,6035,466     ※ ニッケル LME(ロンドン金属取引所)月次平均×TTS月次平均       コバルト LMB(ロンドン発行メタルブリテン誌)月次平均×TTS月次平均      (相場関連損益)営業利益に含まれている、主原料の購入から製品の払出までの期間の主原料の相場変動等に由来する相場関連利益(損失は△)は、以下のとおりです。
(単位:億円)2024年3月期2025年3月期122 ③キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末比2,428百万円減少し、4,894百万円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費の計上や補償金の受取等に対して運転資金の増加や消費税及び法人税等の支払い等により、274百万円の収入(前事業年度は3,439百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、416百万円の支出(前事業年度は536百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済等により、2,275百万円の支出(前事業年度は1,512百万円の支出)となりました。
④生産、受注及び販売の実績当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、品目別に生産、受注及び販売の状況を記載しております。
(生産実績)  当事業年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目生産高(百万円)前期比(%)リチウムイオン電池向け製品27,06564.5ニッケル水素電池向け製品5,357128.3その他4717.4合計32,47170.0 (注)生産金額は販売予定価額をもって示しております。
(受注実績)  当事業年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)リチウムイオン電池向け製品27,65968.933927.2ニッケル水素電池向け製品5,177120.7245112.0その他058.6--合計32,83773.958439.8 (注)受注金額は販売予定価額をもって示しております。
(販売実績)  当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目販売高(百万円)前期比(%)リチウムイオン電池向け製品28,57167.8ニッケル水素電池向け製品5,151119.4その他2,774182.5合計36,49776.1 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度当事業年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)パナソニックホールディングス㈱23,94649.922,02760.4丸紅㈱8,29817.3--STM Co.,Ltd.5,24710.9--(注)当事業年度の丸紅㈱及びSTM Co.,Ltd.への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満となっているため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の財政状態の分析につきましては、「(1)業績等の状況の概要、①財政状態の状況」をご参照ください。
②経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 当社販売製品の主原料となるニッケル及びコバルトの国際相場が下落基調で推移したことに加え、製品の販売数量が減少した結果、売上高は前事業年度比23.9%減の36,497百万円となりました。
(売上原価) 上記主原料の国際相場の変動、製品の販売数量の減少のため、売上原価は前事業年度比19.7%減の34,604百万円となりました。
(売上総利益) 以上の結果、売上総利益は1,892百万円(前事業年度は4,884百万円)となりました。
また、売上総利益率は5.2%(前事業年度は10.2%)となりました。
(販売費及び一般管理費) 販売費及び一般管理費は、前事業年度と比較して117百万円増加の2,230百万円となりました。
なお、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は515百万円(前事業年度は418百万円)となりました。
(営業利益) 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業損失は338百万円(前事業年度は営業利益2,771百万円)、売上高営業利益率は△0.9%(前事業年度は5.8%)となりました。
(営業外収益・費用) 当事業年度は、有利子負債にかかる利息から受取利息を差引いた純金利負担は89百万円(前事業年度は66百万円)となりました。
また、営業外収益として、為替差益49百万円(前事業年度は為替差益76百万円)を計上いたしました。
以上の結果、営業外収益から営業外費用を差引いた金額は△35百万円となりました。
(経常利益) 以上の結果、営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常損失は373百万円(前事業年度は経常利益2,782百万円)となりました。
売上高経常利益率は△1.0%(前事業年度は5.8%)となりました。
(特別利益・損失) 当事業年度は、特別利益として、固定資産売却益2百万円、補助金収入1,281百万円、受取補償金303百万円を計上いたしました。
 特別損失として、固定資産売却損1百万円、固定資産圧縮損1,095百万円、固定資産除却損3百万円、投資有価証券評価損21百万円を計上いたしました。
(税引前当期純利益) 経常利益から特別利益・損失を加減算した税引前当期純利益は92百万円(前事業年度は2,763百万円)となりました。
(当期純利益) 以上の結果、当期純損失は257百万円(前事業年度は当期純利益2,555百万円)となりました。
売上高当期純利益率は△0.7%、1株当たり当期純損失は7円93銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー) 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)業績等の状況の概要、③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
 当社は、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保するよう努めております。
 また、事業活動に必要な資金の流動性を確保するため、取引金融機関と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
(借入未実行残高2,000百万円) 設備投資の長期的な資金につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
 なお、当事業年度末における借入金の残高は8,700百万円、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4,894百万円となっております。
(契約債務)  2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金900900---長期借入金7,8001,5006,300--リース債務527387875335(注)1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財務政策) 当社は、運転資金及び設備投資資金の調達を行うため主要取引金融機関とシンジケートローン契約及び当座借越契約を締結しております。
・借入残高(運転資金の調達)      5行        600百万円(借入未実行残高 -百万円)・借入残高(設備投資資金の調達)    7行       7,200百万円(借入未実行残高 -百万円)・借入残高(設備投資資金の調達)    1行        900百万円(借入未実行残高 -百万円)・コミットメントラインの借入実行残高  5行         -百万円(借入未実行残高2,000百万円) ④経営成績に重要な影響を与える要因についての分析(棚卸資産) 当社は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、将来需要及び市場環境の変化により評価損の計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損) 当社が有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
 この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。
事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。
ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
 なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
研究開発活動 6【研究開発活動】
当社は「正極材開発で培ってきた独自技術を基盤に独創的な新製品を生み出すことを通じて、地球環境課題の解決に挑戦し、持続可能な社会の実現を目指します。
」という経営理念を掲げ、民生用途及び車載用途のニッケル水素電池並びにリチウムイオン電池用材料の開発を中心に研究開発活動を行っております。
昨今、民生用途においてはスマートフォンを含むタブレット機器の需要の伸長が一段落していることもあり、全体として成長率は鈍化しているものの、電動工具・定置用蓄電池向けなども含めると需要増加の期待も出てきております。
また車載用途においてはカーボンニュートラルの実現に向けて各自動車メーカーでは環境対応新車種の販売が活発化しており、充電インフラの整備の促進や1回の充電での走行距離を伸ばすための電池材料及び電池の開発が急がれております。
いずれの市場におきましても、高エネルギー密度化、長寿命化及び高信頼性・安全性に加えて低コスト化の要求がますます強くなっております。
当社はこのようなニーズに的確に応えるために、省エネルギーを目指した新プロセス技術開発のみならず、より高度な材料解析技術や電気化学評価技術なども活用しながら、既存材料の改良、さらには次世代新規材料の研究開発を推進しております。
研究開発活動における基本スタンスは、粒子形状制御、複数元素共沈、粒子径制御、結晶制御、表面コーティング、化学酸化等のコア技術を基盤に顧客ニーズ・市場ニーズを融合させ、更なるブラッシュアップを図り、積極的に技術を提案することであります。
また、材料設計に関する基礎科学的な知見の収集と整理による種々の化学反応過程の可視化を通した、生産過程の合理化に必要な研究開発も実施しております。
研究開発活動に従事する人員は、2025年3月31日現在管理職を含めて37名であります。
当事業年度の一般管理費に含まれる研究開発費の総額は647百万円(売上高比1.8%)となっております。
(損益計算書上は試作品売却収入131百万円を控除した515百万円を計上しております。
)なお、当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
当事業年度における各研究開発の目的、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。
 ①リチウムイオン電池用正極材料の研究開発  民生用リチウムイオン電池は、スマートフォンを含むタブレット機器の普及による、薄型・軽量化・高容量化などの要求とともに、電動工具・定置用蓄電池向けなど用途拡大により、高出力化・長寿命化などの要求が高まっております。
一方、車載用途を中心とした中・大型リチウムイオン電池用途では、高容量、高出力、長寿命、高安全及び低コストといった正極材料を強く要望されております。
  これらの幅広い要求を充足させるために、当社の主力製品であります三元系(ニッケル、コバルト、マンガン)正極材料を基本に、よりニッケルの比率を高めるなどの組成改良によって高容量化を図るとともに、水酸化ニッケルの開発時に培った異種元素固溶や表面修飾といった技術を用いることにより、より優れた性能を発揮することを目論んだ材料の開発並びに新たなプロセス技術開発も行っております。
 ②ニッケル水素電池用正極材料の研究開発  ニッケル水素電池は、サイクル特性の向上や長寿命化など引き続き特性向上が求められております。
特に環境対応車や定置用途などの中・大型電池用途においては、長期信頼性・耐久性が求められております。
  現在、顧客ニーズに応えるべく材料の結晶性や表面状態の制御などの改良を進め、新技術の製品への展開を順次図っております。
特に、水酸化ニッケルコバルトコート表面処理品について、コア材料の水酸化ニッケルへの添加元素の最適化や結晶性改良等、粉体特性の最適化を図り、更なる電池特性の向上に向けた取組みを進めております。
また、リチウムイオン電池と同様に環境対応車普及のためには電池価格の低減が必須の課題であり、当社としては材料設計の側面からの合理化を図り、コスト低減に向けた開発を行っております。
 ③新規分野の研究開発  全固体電池向け正極材料開発をはじめとする環境・エネルギービジネス分野において、当社のコア技術を適用することが可能な新たなアイテムにつきまして鋭意マーケティングを行い、提案型研究開発活動を行ってまいります。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当事業年度の設備投資額は2,561百万円で、インフラ設備等を中心に投資を行いました。
主な投資としてリチウムイオン電池向け製品生産設備337百万円、インフラ設備1,078百万円、研究開発設備87百万円、LNG関連設備等509百万円、その他549百万円の設備投資を実施いたしました。
なお、当事業年度中においてリチウムイオン電池向け製品生産設備の一部において有形固定資産865百万円を除却しております。
また、当社は二次電池事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておりません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社の主要な設備は、以下のとおりであります。
2025年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械及び装置、車両運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)本社(福井県福井市)統括業務施設1,2778福井工場用地に含む361,32241(4)福井工場(福井県福井市)無機化学製品製造設備2,9598,5251,400(94,029.71)52013,405317(57)大阪支社(大阪府大阪市中央区)販売業務施設4--053
(2)物流センター(福井県坂井市)物流倉庫設備6033(991.74) [5,010.10]040-(-) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、「工具、器具及び備品」及び「リース資産」であり、建設仮勘定は含んでおりません。
2.上記の[ ]は、外書で賃借中のものであります。
なお、年間賃借料は2百万円であります。
3.物流センターには、貸与中の建物0百万円を含んでおります。
4.従業員数の( )は、外書で臨時雇用者数を示しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
当事業年度末現在における重要な設備の新設及び除却等の計画は、次のとおりであります。
(1)重要な設備の新設 事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方  法着手及び完了予定年月完了後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了福井工場(福井県福井市)排水設備2,100919自己資金及び借入金2024年3月2025年6月-福井工場(福井県福井市)原料多角化対応200-自己資金及び借入金2025年3月2025年5月-福井工場(福井県福井市)粒度分布狭幅化対応1,868-自己資金及び借入金2025年6月2025年12月-(注)完成後の増加能力については、合理的な算出が困難なため記載しておりません。
(2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動647,000,000
設備投資額、設備投資等の概要2,561,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況36
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況7
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況5,763,216
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方    当社は、投資株式について、もっぱら株式の価値の変動または配当の受領によって利益を得ることを目的とし   て保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保   有株式)に区分しております。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容    当社は、円滑な事業運営、取引関係の維持・強化などを目的として、中長期的な経済合理性や将来見通しを総合的に勘案した上で、必要と判断される場合に限り、株式を政策的に保有します。
保有する株式については、事業環境の変化・リターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理 性や将来の見通しなどを踏まえ、毎年取締役会において保有のねらい・合理性等について議論した上で判断しております。
なお、保有の必要性がないと判断された場合には市場動向をみながら売却する方針としております。
2)銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式21非上場株式以外の株式492(当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。
3)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)住友商事㈱16,70016,700広範な原料調達先の確保・運営として同社との関係の維持・強化を図るために保有しています。
定量的な保有効果は銘柄ごとの諸条件及び個別の取引条件を開示できないため記載は困難ですが、保有の合理性は関連取引や資本コスト等も踏まえて総合的に検証しています。
有5660日本曹達㈱11,2005,600原料の調達先として同社との関係の維持・強化を図るために保有しています。
定量的な保有効果は銘柄ごとの諸条件及び個別の取引条件を開示できないため記載は困難ですが、保有の合理性は関連取引や資本コスト等も踏まえて総合的に検証しています。
当事業年度における株式分割により、株式数が増加しております。
有3233㈱福井銀行(注)1,900-資金の調達先として同社との関係の維持・強化を図るために保有しています。
定量的な保有効果は銘柄ごとの諸条件及び個別の取引条件を開示できないため記載は困難ですが、保有の合理性は関連取引や資本コスト等も踏まえて総合的に検証しています。
㈱福邦銀行に代えて株式の割当交付を受けたため株式数が増加しております。
有3-新日本電工㈱2,3002,300当社事業と共通の事業領域を有する企業として同社との関係の維持・強化を図るために保有しています。
定量的な保有効果は銘柄ごとの諸条件及び個別の取引条件を開示できないため記載は困難ですが、保有の合理性は関連取引や資本コスト等も踏まえて総合的に検証しています。
無00(注)㈱福井銀行は、2024年10月1日付の株式交換により、㈱福邦銀行を完全子会社としました。
この株式交換により、当社が保有していた㈱福邦銀行の普通株式1株につき、0.038株の割合で㈱福井銀行の普通株式の割当交付を受けております。
③保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
④当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資以外の目的に変更したもの該当事項はありません。
⑤当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社92,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社2,300
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社0
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社新日本電工㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社当社事業と共通の事業領域を有する企業として同社との関係の維持・強化を図るために保有しています。
定量的な保有効果は銘柄ごとの諸条件及び個別の取引条件を開示できないため記載は困難ですが、保有の合理性は関連取引や資本コスト等も踏まえて総合的に検証しています。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
住友化学㈱(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)東京都中央区日本橋2-7-1(東京都中央区晴海1-8-12)16,40750.43
SMBC日興証券㈱東京都千代田区丸の内3-3-16992.15
㈱三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内1-4-54601.41
㈱福井銀行(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)福井県福井市順化1-1-1(東京都中央区晴海1-8-12)3301.01
田中 保福井県福井市3241.00
田中 浩東京都練馬区3000.92
MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券㈱)25CabotSquare, CanaryWharf, LondonE144QA, U.K.(東京都千代田区大手町1-9-7)2950.91
住友生命保険相互会社(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)東京都中央区八重洲2-2-1(東京都中央区晴海1-8-12)2100.65
野村信託銀行㈱東京都千代田区大手町2-2-21840.57
田中 学福井県福井市1710.53計-19,38159.58
株主数-金融機関7
株主数-金融商品取引業者30
株主数-外国法人等-個人61
株主数-外国法人等-個人以外39
株主数-個人その他12,790
株主数-その他の法人57
株主数-計12,984
氏名又は名称、大株主の状況田中 学
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
     該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式32,533,000--32,533,000合計32,533,000--32,533,000自己株式 普通株式1,253--1,253合計1,253--1,253

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月23日株式会社 田中化学研究所 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 北陸事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士渡 辺  直 人 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士牧 野  敏 幸 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社田中化学研究所の2024年4月1日から2025年3月31日までの第69期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社田中化学研究所の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社田中化学研究所の貸借対照表には、有形固定資産16,806百万円が計上されている。
注記事項「(重要な会計上の見積り)二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否」に記載されているとおり、当該有形固定資産は、福井事業所の二次電池事業(単一セグメント)に関するものであり、総資産の50%を占めている。
 これらの固定資産は、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。
判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
 当事業年度において、主要顧客の増産時期の後ろ倒しや、一部顧客の破産手続開始により、当初想定していた販売量から大幅に減少したことに加え、関連する棚卸資産の評価損失を計上したことにより、営業損失を計上した。
さらに、製品に求められる顧客のニーズに変化があり、技術確立及び段階的な製造対応が必要となっている。
以上の状況より、経営環境の著しい悪化が認められたことから、減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の要否の判定が行われている。
その結果、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が有形固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。
 当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者が作成した中期事業計画を基礎としている。
当該中期事業計画では、既存顧客への拡販や、新規顧客の獲得による販売数量の増加といった不確実性が高い仮定が使用されており、これらの判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
 以上から、当監査法人は、二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 固定資産の減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に将来キャッシュ・フローの基礎となる中期事業計画の作成プロセスに焦点を当てた。
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価 将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期事業計画の作成に当たって使用された主要な仮定の適切性を検討するため、当該主要な仮定の根拠について経営者に対して質問したほか、主に以下の手続を実施した。
●既存顧客への拡販や、新規顧客の獲得による販売数量の増加予測について、受注確度を営業責任者に対して質問するとともに、顧客との商談議事録や顧客の増産計画に関する資料を閲覧した。
また、当監査法人が独自に入手した外部調査機関による市場予測データとの比較を行い、経営者の見積りの仮定との整合性を確認した。
●販売数量に関する過去の中期事業計画の達成状況及び差異の原因についての検討結果等を踏まえて、中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の、将来キャッシュ・フローの見積りに与える影響について検討した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社田中化学研究所の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
 当監査法人は、株式会社田中化学研究所が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社田中化学研究所の貸借対照表には、有形固定資産16,806百万円が計上されている。
注記事項「(重要な会計上の見積り)二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否」に記載されているとおり、当該有形固定資産は、福井事業所の二次電池事業(単一セグメント)に関するものであり、総資産の50%を占めている。
 これらの固定資産は、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。
判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
 当事業年度において、主要顧客の増産時期の後ろ倒しや、一部顧客の破産手続開始により、当初想定していた販売量から大幅に減少したことに加え、関連する棚卸資産の評価損失を計上したことにより、営業損失を計上した。
さらに、製品に求められる顧客のニーズに変化があり、技術確立及び段階的な製造対応が必要となっている。
以上の状況より、経営環境の著しい悪化が認められたことから、減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の要否の判定が行われている。
その結果、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が有形固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。
 当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者が作成した中期事業計画を基礎としている。
当該中期事業計画では、既存顧客への拡販や、新規顧客の獲得による販売数量の増加といった不確実性が高い仮定が使用されており、これらの判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
 以上から、当監査法人は、二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 固定資産の減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に将来キャッシュ・フローの基礎となる中期事業計画の作成プロセスに焦点を当てた。
(2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価 将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる中期事業計画の作成に当たって使用された主要な仮定の適切性を検討するため、当該主要な仮定の根拠について経営者に対して質問したほか、主に以下の手続を実施した。
●既存顧客への拡販や、新規顧客の獲得による販売数量の増加予測について、受注確度を営業責任者に対して質問するとともに、顧客との商談議事録や顧客の増産計画に関する資料を閲覧した。
また、当監査法人が独自に入手した外部調査機関による市場予測データとの比較を行い、経営者の見積りの仮定との整合性を確認した。
●販売数量に関する過去の中期事業計画の達成状況及び差異の原因についての検討結果等を踏まえて、中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の、将来キャッシュ・フローの見積りに与える影響について検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別二次電池事業に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

電子記録債権、流動資産228,000,000
商品及び製品1,152,000,000
仕掛品1,491,000,000
原材料及び貯蔵品2,698,000,000
その他、流動資産666,000,000
工具、器具及び備品(純額)75,000,000
土地1,433,000,000
リース資産(純額)、有形固定資産482,000,000
建設仮勘定2,032,000,000
有形固定資産16,806,000,000
ソフトウエア8,000,000
無形固定資産10,000,000
投資有価証券94,000,000