財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-23 |
英訳名、表紙 | KOEI CHEMICAL COMPANY, LIMITED |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 西 本 麗 |
本店の所在の場所、表紙 | 千葉県袖ケ浦市北袖25番地(上記は登記上の本店所在地であり、実際の業務は下記の場所で行っております。 ) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1917年6月広栄製薬株式会社(資本金50万円)を設立し、酢酸の製造を開始する。 1926年5月社名を広栄株式会社と改称する。 1934年11月ホルムアルデヒド類の製造を開始する。 1940年6月東京出張所(現東京本社)を開設する。 1950年7月社名を広栄化学工業株式会社と改称する。 1952年12月多価アルコール類の製造を開始する。 1955年1月大阪市東区伏見町二丁目14番地へ本社を移転する。 1959年11月森化成工業株式会社(後、広和商事株式会社に商号変更、現広栄テクノ株式会社)に資本参加する。 1962年10月アミン類の製造を開始する。 1963年2月大阪市東区道修町二丁目40番地(住友化学道修町ビル)へ本社を移転する。 1964年11月ピリジン塩基類の製造を開始する。 1967年10月千葉県姉崎地区に千葉工場を新設、1970年同袖ケ浦地区に新工場を建設、両工場を千葉製造所(現千葉事業所)とする。 1971年12月医薬品の製造を開始する。 1973年2月事業年度を年1回に変更する。 1981年9月大阪市東区横堀二丁目7番地(住化不動産横堀ビル)へ本社を移転する。 (現 中央区高麗橋四丁目6番17号)1985年10月ピラジン類とそのアンモ酸化による誘導体の製造を開始する。 1991年4月広栄テクノサービス株式会社(資本金1千万円)を設立する。 1997年10月大阪証券取引所市場第二部へ上場する。 12月大阪広栄サービス株式会社(資本金1千万円)を設立する。 1998年6月千葉広栄サービス株式会社(資本金1千万円)を設立する。 2000年7月無機凝集剤事業を朝日化学工業株式会社に譲渡する。 2003年1月大阪市城東区放出西二丁目12番13号へ本社を移転する。 4月千葉広栄サービス株式会社が大阪広栄サービス株式会社と合併し、広栄ゼネラルサービス株式会社に商号変更する。 7月パーストープABと合弁で広栄パーストープ株式会社(資本金5千万円)を設立する。 2004年10月広和商事株式会社を存続会社として、広栄テクノサービス株式会社及び広栄ゼネラルサービス株式会社を合併し、広栄テクノ株式会社(現在は解散)に商号変更する。 2006年10月実質的な本社機能を東京都中央区日本橋本町三丁目7番2号に集中する。 2010年1月千葉プラント(現千葉事業所)に研究棟を建設し、研究機能を集中する。 2013年7月大阪証券取引所の現物市場の東京証券取引所への統合に伴い、東京証券取引所第二部(現スタンダード市場)へ上場する。 9月実質的な本社機能を東京都中央区日本橋小網町1番8号に移転する。 12月広栄パーストープ株式会社を解散する。 2016年6月千葉県袖ケ浦市北袖25番地へ本店所在地を移転する。 2019年10月広栄テクノ株式会社を解散する。 2020年10月社名を広栄化学株式会社と改称する。 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第二部からスタンダード市場へ移行。 2023年10月KGS株式会社(資本金1千万円)を設立する。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当企業集団(当社及び当社の関係会社)は、当社(提出会社、以下同じ)、親会社で構成され、ファイン製品の製造販売並びに輸出入等の事業を行っております。 当社グループ(当社及び子会社1社)の事業に係る位置づけは次のとおりであります。 ファイン製品事業医農薬関連化学品(医薬品、動物薬、農薬等の中間体や原料)、機能性化学品(触媒、溶剤、高分子添加剤、樹脂、IT関連、写真薬等用)、各種合成樹脂原料等製造、販売しております。 非連結子会社KGS株式会社は、当社従業員に対する研修の企画及び運営等を行っております。 なお、当社は千葉事業所の用地を親会社から賃借しております。 事業の系統図は概ね次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(親会社) 被所有56.03(0.12)製品を販売する一方、アセトアルデヒド等主要原材料の供給を受けております。 また、工場用地(千葉)を賃借しております。 役員の兼任等 兼任1名、転籍2名住友化学㈱ (注)1、2東京都中央区89,699,341総合化学工業 (注) 1 議決権の被所有割合の( )内は、間接被所有割合で内数であります。 2 有価証券報告書提出会社であります。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)39841.114.86,894(23) (注) 1 従業員数は就業人員であります。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3 従業員数欄の( )内は、臨時従業員の年間平均雇用人員で外数であります。 事業部門名称従業員数(名)ファイン製品事業398(23)合計398(23) (2) 労働組合の状況当社の労働組合は1946年5月に結成され、現在、UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)に加盟しております。 労使関係は極めて円満で、組合加入人員は2025年3月31日現在282名であります。 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(注1)育児休業取得率(注2)男女の賃金の差異 (注3)男性女性全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者8.6%100%100%79.5%80.7%42.8% 内、管理社員内、定年後再雇用 92.7% 46.4%内、一般社員内、臨時社員 82.8% 76.1% (注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規程に基づき算出したものであります。 (注2) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。 (注3) 男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 賃金制度は従事する役割(職務)の大きさに基づく制度としており、従事する役割(職務)レベルが同一の場合の基準賃金に男女間の差はありません。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2025年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、長年培ってきた含窒素有機化合物群におけるコアテクノロジーをさらに進化させるほか、新たなコアテクノロジーの確立を図ることにより、新しい柱としての基幹化合物、機能製品、気相製品を創出し、高付加価値高機能製品を提供してまいります。 これらを通じて社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様のために公正な収益活動を営み、併せて地域社会と協調し、あらゆる取引先等の信頼と期待に応え、また従業員にとりまして働きがい、生きがいの感じられる企業を目指します。 (2)経営環境及び対処すべき課題等当社を取り巻く環境今後の見通しにつきましては、米国の政策転換、不安定な為替相場や長引く紛争、地政学リスクの顕在化など、今後も不透明な経営環境が続くものと予想されます。 このような状況の中、当社製品の需要は、触媒関連製品について徐々に回復していくことを見込んでおります。 当社は引き続き売価改定や拡販に取り組み収益の確保を図り、中期経営計画に掲げたスローガン『変革への挑戦』KX2027のもと、「収益力強化」「事業成長加速」「経営基盤強化」に取り組むことでイノベーションを加速し、企業価値向上に繋げてまいります。 前中期経営計画(2022年度-2024年度)振り返り前中期経営計画における当社の事業環境は、医農薬中間体ビジネスが堅調に推移しましたものの有機金属触媒関連製品や電子材料関連製品の一部分野において需要回復の遅れなどもあり、前述の通り当初計画した利益水準を達成することが出来ませんでした。 その結果、経営目標であるROICは8%達成を目標としてまいりましたが、2024年度実績は1%に止まり大幅未達となりました。 各種のアクションプランは一定の成果を上げることができました。 前中期経営計画業績推移 ※EBITDA:金利・税金・償却前利益(Earnings before interest, taxes, depreciation and amortization) 経営指標推移 ※ROIC :投下資本利益率 (Return on invested capital)※CCC :現金循環化日数(Cash conversion cycle) 前中期経営計画アクションプラン 中期経営計画(2025年度-2027年度)本中期経営計画は、(1)収益力強化、(2)事業成長加速、(3)経営基盤強化を基本方針として全社一丸となって推進しROIC8%達成を再チャレンジしてまいります。 業績目標は、医農薬中間体ビジネスの継続受注に加えて有機金属触媒関連製品の需要回復や住友化学グループシナジー(光学材料製品)の拡大を見込んでおり、2027年度は売上高247億円、営業利益33億円を計画しています。 また、新製品売上高比率は現状程度の30%維持を目指し、製品ポートフォリオの充実を図ってまいりますKOEI Vision 2030の達成に向けて、カーボンニュートラル関連製品や住友化学グループシナジーにおける医薬中間体の伸長、イオン液体製品の用途拡大も期待していますが、その効果は2028年度以降に大きくなるものとみております。 業績目標 <基本方針>(1)収益力強化収益力強化は、採算是正・コスト合理化の基本的な取り組みをベースに機能製品/新規事業拡大、基盤事業再構築及び製品ポートフォリオ見直しを重点課題として取り組んでまいります。 また、当社の独創的技術に一層の磨きをかけ自社開発品や高付加価値製品創出にチャレンジしてまいります。 ① マルチプラント生産品目拡販当社マルチプラント群(CMⅠ~Ⅳ,パイロットプラント)は、それぞれに多彩な特徴があり複雑な工程でも各プラントを有機的に組み合わせることにより、効率的且つ柔軟な供給体制を提供することができ、有機金属触媒関連製品及び光学材料製品等の拡販を目指してまいります。 ② アミン事業競争力強化当社アミンプラント再構築及び国内外メーカーとの協業強化により生産体制の最適化に向け取り組みを推進しております。 当社アミンプラント再構築は2017年に検討を開始して以来計画的に実施しており2027年に概ね完了の見込みです。 一方、アミンビジネスは、既存製品の抜本的な採算性改善、新規受託案件の獲得及びCO2吸収アミンの拡販に向け取り組みを加速しております。 ③ 気相プラント将来計画当社の得意な気相/アミン生産技術を融合させることでCO2吸収アミンの量産化を鋭意検討しております。 将来的には既存製品をCO2吸収アミンへ置き換える等、製品ポートフォリオ見直しを積極的に推進しております。 一方、これら気相プラントは他プラントに比べCO2排出量が非常に多く、収益性のみならずCO2排出量削減の観点も踏まえ、中長期的な課題として最適生産体制を検討してまいります。 (2)事業成長加速事業成長加速は、有機金属触媒関連製品の事業拡大とカーボンニュートラル関連製品(CO2吸収アミン)の受託ビジネス拡大及び自社製品開発を、当社の中長期成長ドライバーとして位置付け一層の経営資源の投入を図ってまいります。 また、住友化学グループとのシナジーによる新製品開発も加速してまいります。 ① 有機金属触媒関連製品足元では主要石油化学メーカーの需要回復が遅れていますが、世界市場規模では今後増加していくと予想しております。 当社は高い技術力とサプライヤーとしての信頼が厚く新規開発品目の要望も増加しており、2025年度以降の当社業績に寄与するものと期待しています。 ② カーボンニュートラル関連製品当社はアミン化合物の製造・開発力に強みがあり、CO2吸収アミンの供給を通じて2050年のカーボンニュートラル実現に貢献したいと考えています。 また、自社製品開発を加速する為に、2024年に千葉研究所にCO2吸脱着評価システムを導入致しました。 当社が有する100種類を超えるアミン化合物ライブラリーや独自開発したアミン化合物の評価を実施し、特にDAC(Direct Air Capture)用に性能の高いアミン化合物を顧客に提案していく取り組みをスタートさせています。 現時点では研究開発段階の案件が多く2028年度以降にビジネスが急拡大する見込みです。 (3)経営基盤強化本中期経営計画は、①社員エンゲージメント向上(EX)、②デジタル革新(DX)、③サステナビリティ革新(SX)を重点的に取り組むと共に、前中期経営計画で基盤を構築したマネジメント革新(MX)及びガバナンス革新(GX)を継続実施することで企業価値向上を目指してまいります。 ① 社員エンゲージメント向上(EX)事業を推進するのはヒトであり、社員エンゲージメント向上なくしてKOEI Vision 2030の目標達成はあり得ないと考えております。 本中期経営計画では、当社独自に社員エンゲージメント指標(2027年度:4.0以上)を設定し、毎年モニタリングすることで向上策を検討・実施し社員エンゲージメント向上を図ってまいります。 ※社員エンゲージメント指標:従業員意識調査の総合指標10項目の平均値 ② デジタル革新(DX)生産性向上及び競争力強化を図るべくPlant, R&D, SCM, Officeの4領域に分けデ ジタル革新を推進しております。 本中期経営計画ではこれまでの取り組みをさらに深化させ「One KOEI Platformの拡充と高度活用」、「AIを活用した生産性の向上」、「デジタル人材の育成」を中心に進めてまいります。 ※One KOEI Platform:全社情報共有基盤 ③ サステナビリティ革新(SX)当社は、住友化学グループの一員として、持続的な価値創造のための重要課題であるマテリアリティを共有しており、経済価値・社会価値を一体的に創出し持続的な成長とサステナブルな社会の実現により企業価値向上を目指してまいります。 その取り組み状況の進捗管理と開示、改善、加速に繋げていくことを目的に、主要取り組み指標「KPI」を設定しておりますが、本中期経営計画の策定に際して、当社のサステナビリティ活動強化やその反映のためにより相応しいKPI項目の見直しと新設を行いました。 また、TCFD提言の枠組みに沿った情報開示について、現時点で当社(スタンダード市場上場)は、義務化の対象外でありますが先行して対応することでプレゼンスの維持・向上を図ってまいります。 ※TCFD: 気候関連財務情報開示タスクフォース |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 当社は「信用と誠実を旨とし、英知と活力を結集して積極果敢に挑戦し、社業の発展を期する。 」「独創的技術の開発による有用な製品・課題解決策の提供を通じて社会の発展に貢献する。 」を経営理念とし、自社の社業の発展だけでなく、独創的技術の開発により社会の発展に貢献することを目指しております。 この経営理念に基づき、持続可能な社会への実現に貢献するため「サステナビリティ基本方針」を制定しております。 (1)サステナビリティ情報全般に関する開示① ガバナンス及びリスク管理 当社は、サステナビリティに関する取り組みを重要課題と認識しており、その取り組みを加速させるための体制を構築しております。 取締役会の諮問機関として、代表取締役社長を委員長、社内取締役及び独立社外取締役をメンバーとする「サステナビリティ委員会」を設置しており、2024年度に計2回開催しております。 取締役会に対して課題に対する取り組み方針の提言や進捗に対する評価などの答申を行っております。 また、経営会議の中に「サステナビリティ推進統括会議」を設置しており、サステナビリティに関する方策の検討と具体的な取り組みの推進を行うとともに、取り組み内容を定期的に取締役会に対して報告することにより、取締役会の監督が適切に図られる体制としております。 本報告書提出日(2025年6月23日)時点での体制は、下図「ガバナンス体制図」のとおりです。 また、当社ではリスク管理の統括機関として、代表取締役社長を委員長とした「内部統制委員会」を設置しており、統合的なリスク管理として「事故・災害リスク」「情報セキュリティリスク」「法令違反・コンプライアンスリスク」「税・財務リスク」「人事・労務リスク」「事業リスク」「政治・社会リスク」の7つのカテゴリーにて管理しております。 同委員会では定期的に重要リスクの識別を行い、リスクの対応方針、取り組み計画を策定の上、実施状況について評価、管理しております。 一方、機会とリスクの双方の観点からの検討を要するリスクについて、当社の経営戦略等の経営上の重要事項に関しては、経営会議及び取締役会にて都度審議しております。 ガバナンス体制図 2025年6月23日現在 ② 指標と目標当社は、住友化学グループとして設定している持続可能な価値創出のための重要課題(マテリアリティ)を共有しており、各重要課題に対する主要取り組み指標「KPI」を設定しています。 社会価値創出に関する重要課題という点では、環境分野への貢献として、CO2排出量(Scope1+2)、エネルギー消費原単位改善をKPIとしており、CO2排出量は2030年度に2013年度対比50%削減を目標にしています。 その他、食糧分野への貢献として農薬原料・中間体売上高、ヘルスケア分野への貢献として医薬原料・中間体売上高、ICT関連分野への貢献として電子材料関連製品売上高をそれぞれKPIに設定しております。 また、将来の価値創造に向けた重要課題という点では、イノベーションの推進として新製品売上高比率と合理化金額累積、DXによる競争力強化としてデジタル成熟度、人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康として、新卒採用に占める女性社員の割合及び障がい者雇用率をそれぞれKPIに設定しております(表「持続可能な価値創出のための重要課題」)。 各KPIに対する2024年度の進捗実績は表「サステナビリティKPI進捗実績」のとおりです。 これらのKPIを活用し、取り組み状況の管理と開示を進めるとともに、社内外のステークホルダーとの対話も推進してまいります。 各KPIの詳細(実績や進捗状況等)については、2025年10月頃、当社ウェブサイトで公表予定の広栄化学レポート2025をご参照ください。 持続可能な価値創出のための重要課題 サステナビリティKPI進捗実績 ※1 売上高当たりのエネルギー消費量を、2020年度実績を100として指数化。 ※2 合理化によって創出された製造原価に占める変動費や固定費の改善実績値から算出。 2019年度からの累積。 ※3 経済産業省のDX推進指標を基に定めた12の項目について6段階で評価しデジタル成熟度レベルを判定。 2025年度からは、持続可能な社会への貢献をよりわかりやすくするために、KPIの見直しを行いました。 環境分野への貢献のKPIとして、「CO2吸収材等、排出削減貢献製品の効果」「触媒関連製品売上高」を新設しております。 「CO2吸収材等、排出削減貢献製品の効果」は、当社がCO2吸収アミン化合物を供給することによって排出削減できる効果を測るものであり、自社でのCO2排出量削減と当社供給製品による削減の貢献の両輪で環境負荷低減を目指します。 「触媒関連製品売上高」は、ハイエンドポリオレフィン用の高性能な有機金属触媒を供給することで石油化学製品の効率的な製造に貢献し、環境負荷低減を目指します。 また、人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康のKPIとして、「新卒採用に占める女性社員割合」「障がい者雇用率」に替えて「女性社員比率」及び「ワークライフバランス指標」を設定しました。 経験者採用を含め、より多様な人材を確保するとともに、長期にわたり活躍できるキャリア形成を会社として積極的にサポートし、働きがいと生きがいを感じてもらうことを目的としています。 (2)気候変動対応 気候変動対応に関するTCFD提言の4つの開示項目「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」 に沿った当社の気候変動問題への取り組みは以下のとおりです。 ① ガバナンス「(1)サステナビリティ情報全般に関する開示 ①ガバナンス及びリスク管理」に記載の枠組みにおきまして、サステナビリティ推進体制の下、気候変動については特に以下の体制で対応を行っております。 気候変動対応体制 ② リスク管理気候変動問題に関するリスクは、当社の持続的成長を阻害する恐れがある中長期的な主要リスクの一つとして位 置付けられており、当社全体のリスク管理プロセスに統合されております。 後述する「3.事業等のリスク」でも記していますが、気候変動問題に関するリスクとしては、炭素税の賦課や排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出権規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、電力価格が上昇する可能性があります。 これにより、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 このリスクへの対応策として、当社は、気候変動などの環境問題への対応を経営の重要課題と捉えており、温室効果ガスの削減等に積極的に取り組んでおります。 ③ 戦略当社は、「経営として取り組む重要課題」の一つとして掲げている環境分野への貢献の中に「気候変動の緩和と適応」を明記しており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたロードマップを策定しております。 後述するシナリオ分析で特定した気候変動問題に関するリスクと機会に対して、「責務」(当社の温室効果ガス(GHG)排出量をゼロに近づける)と「貢献」(当社の製品・技術を通じて、世界のGHGを削減する)の両面から気候変動への取り組みを推進しております。 シナリオ分析(抜粋版) 気候変動に関するシナリオ分析とは、複数のシナリオを考慮した上で、気候変動の影響や気候変動に対応する長期的な政策動向による事業環境の変化を予想し、その変化が自社の事業や経営に与える影響を検討する手法であります。 現在、当社では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するために様々な施策がとられるシナリオ」「このまま対策を講じず4℃上昇するシナリオ」について、「リスク」「機会」の側面から分析し、当社事業へのインパクトや今後取っていくアクションを検討しております。 シナリオ分析の全文については、広栄化学レポート2025をご参照ください。 (カーボンニュートラル実現に向けた投資)社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献すべく、2025年度からGHG排出量の増減が見込まれる投資案件について、インターナルカーボンプライス(1トン当たり10,000円)を反映した経済性指標を算出して投資判断を行うこととしました。 これまでも個別投資案件の一部において投資判断の参考に同様の指標を用いた場合がありましたが、今後はカーボンニュートラルを意識した投資判断を徹底することとしたものです。 ④ 指標と目標 (気候関連のリスクに対する指標)前述のシナリオ分析において特定した気候関連のリスクに関する指標と取り組みは以下のとおりです。 当社は、GHG排出削減目標を「(1)サステナビリティ全般」に記載の「経営として取り組む重要課題」の目標として設定し、「環境負荷低減への貢献」の取り組みを進めており、これまでの生産プロセス改良や排熱の回収・利用等の省エネ推進、事業ポートフォリオの見直しによる拠点集約・高付加価値製品化により、順調に削減をしてきております。 2023年度のGHG排出量(Scope1+2)は44,740トンであり、2013年度比33%削減を達成いたしました。 広栄化学レポート2025で開示予定の2024年度分は、千葉事業所での住友化学との連携による省エネルギー事業や、太陽光発電システムの運用開始などの効果も加わりましたが、電力排出係数の悪化があり、暫定値として44,230トン(2013年度比34%削減)となっています。 詳細については、広栄化学レポート2025をご参照ください。 なお、当社は住友化学グループの一員としてサステナビリティ活動を推進していることから、当社のGHG排出量(Scope1+2)は住友化学グループの実績報告値に加算され、第三者保証対象項目となっております。 (※)当社の2030年のGHG排出量(Scope1+2)の削減目標は2013年度比50%であり、2030年までは、既存プラントの製造プロセスにおける徹底した省エネと、現時点で利用可能な最善の技術の活用による目標達成を目指します。 一方、2050年のネットゼロに向けては、既存技術のみでの対応は難しいことから、カーボンネガティブやCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage、工場等から排出されたCO2の回収・有効利用・貯留 )等、革新的な技術の開発と早期の実装を目指し、検討を進めてまいります。 GHG排出量の削減(Scope1+2)ロードマップ ※)2024年度実績については、第三者保証手続き実施中のため暫定値であり、確定実績値は広栄化学レポート2025に掲載します (気候関連の機会に対する指標)前述のシナリオ分析のプロセスにおいて特定した気候関連の機会に関する指標と取り組みは以下のとおりです。 当社は、気候関連の機会に対する指標として、GHG削減貢献量を集計し、公表することといたしました。 具体的には、当社製品・技術のカーボンニュートラルに対する貢献度合いをより明確に示す指標として、当社が製品として市場に供給したCO2吸収アミン化合物のCO2吸収パフォーマンス※の累計を、「CO2吸収材等・排出削減貢献製品の効果」として集計・公表することとしました。 この指標は、「(1)サステナビリティ全般」に記載の「経営として取り組む重要課題」の目標として2025年度より新たに設定し、「環境負荷低減への貢献」の取り組みを進めます。 アミン化合物は代表的なCO2吸収材であり、100種類を超える多様なアミン化合物ライブラリーを有する当社に対して、近年、CO2吸収材向けアミン化合物の引き合いが増加しております。 こうした動きを反映して、2023年度の「CO2吸収材等・排出削減貢献製品の効果」は、2021年度からの累計実績値で「55,900トン-CO2」と、2022年度の累計実績値から「14,200トン-CO2」増加しております。 広栄化学レポート2025で開示予定の2024年度の数値は、2023年度から「26,600トン-CO2」増加の「82,500トン-CO2」です。 詳細については、広栄化学レポート2025をご参照ください。 CO2吸収材等排出削減貢献製品の効果 ※)CO2吸収材等・GHG排出削減貢献製品の効果、算出方法CO2吸収材として代表的なモノエタノールアミン(MEA)の一般的なCO21トン当たりのアミン補充量を、当社が市場に供給した製品重量から算定した。 (3)人的資本に関する開示① 戦略当社は、1917年の創業以来、幾多もの試練や危機を乗り越え、その中で、①大胆な挑戦、②ファーストペンギンとなる勇気、③飽くなき探求心、④オープンイノベーション(外部機関との連携)、⑤一致団結、⑥臨機応変といった「広栄スピリット」とも言うべき無形資産を培ってきました。 この貴重な資産をさらに磨きながら活かしていくことで企業価値向上を図ることはもちろんのこと、 リスクマネジメント、 コンプライアンス遵守、 サステナビリティ活動の推進のためには人材こそが最も重要な経営資源と捉えています。 当社では、求める人材像として 「自己成長を通じたプロフェッショナル人材」 「当事者意識と主体性をもち、 自らの意思で高い目標を設定し積極的に挑戦する人材」 「One KOEIでベストパフォーマンスを生み出す担い手」を掲げ、人材一人ひとりのエンゲージメント向上に資するよう、以下の3項目を中心に人的投資の充実に取り組んでいきます。 ・長期にわたり活躍できるキャリア形成一人ひとりのキャリア形成やステップアップのために、次への成長機会に繋がる評価、部門間連携の強化に資するローテーションを実施するとともに、生涯にわたって活躍できるよう健康増進施策をより一層充実させていきます。 ・自ら学び成長し続けてもらうための機会の提供業務のプロフェッショナルを目指して自律的に学び、生涯にわたって成長し続けてもらうために、2025年春からスタートさせた社内大学「広栄MANABIYA」において、さまざまな階層や分野のニーズに即した教育カリキュラムを「コア研修」「階層研修」「専門研修」といった形で用意するとともに、研修やスキルの見える化のための教育関連システムを導入しました。 ・働きがいのある環境の構築当社を再び成長軌道に乗せるために、立場や部署などに関係なく、互い(個人、組織両面)の多様な価値観を尊重しながら、現状打破に繋がる多彩な意見やアイデアを出し合い、実現に結び付けられる組織風土を醸成し、心理的安全性の高い職場環境を構築します。 【求める人材像】 ・自己成長を通じたプロフェッショナル人材・当事者意識と主体性をもち、自らの意思で高い目標を設定し積極的に挑戦する人材・One KOEIでベストパフォーマンスを生み出す担い手 当社は、前中期経営計画(2022年度~2024年度)において、「人材育成強化・加速」を基本方針の一つとして、従業員一人ひとりのパフォーマンスが最大限に発揮されることや社員のやりがい、ワークエンゲージメントの向上に繋げることを目的に、「マネジメント強化」、「中堅社員育成・若手社員の早期戦力化」、「人事制度見直し」を3本柱として人材育成に取り組んできました。 「マネジメント強化」は、執行役員や管理社員のマネジメント力強化に向けた各種研修や研鑽の場の創設を検討 してきており、2024年度は、2023年度に執行役員を対象にスタートしたコーチング研修を部長層を対象に実施しました。 また、経営層との対話により課長層の視座をあげることを目的としたセッションも実施しております。 「中堅社員育成・若手社員早期戦力化」に関しては、近年の大幅な生産能力増強に対応して受け入れた多数の社員の早期戦力化を最優先に考えて、入社から一人前になるまでのきめ細かいカリキュラムを用意するなど、教育体系を抜本的に見直し、2025年4月に「一人ひとりが自己成長するためのプラットフォーム」をコンセプトとした社内大学「広栄MANABIYA」としてスタートさせました。 当社人材戦略に掲げた「長期にわたり活躍できるキャリア形成」「自ら学び成長し続けるための機会の提供」の実現を目的としており、幅広い主体参加型教育カリキュラムによって、自己成長の機会を社員に提供します。 また、「広栄MANABIYA」の開講に合わせてスキルマネジメントシステム「Skillnote」を導入しました。 社員が習得すべき知識・スキルや資格を可視化することで、必要なタイミングでの学習を促し、全社員の早期戦力化を図ります。 「人事制度見直し」については、社員一人ひとりがこれまで培ってきた人脈や経験・ノウハウ、知識・スキルといった貴重な無形資産を活用して、思う存分力を発揮し、活力を持って働けるような機会を提供するという観点から制度検討を重ねてきました。 その結果、現行60歳である定年年齢を65歳へと段階的に延長し、合わせて定年退職後の再雇用制度の雇用上限年齢についても段階的に延長し、最終的には、一定の要件を満たせば最長70歳までの継続雇用が可能となる制度へと見直しました。 価値創造の基盤づくりという点では、社員の生活の安定や一人ひとりが生き生きとして仕事に取り組める環境づくりを目的に、研修・教育分野以外でも人的資本に関する投資を積極的に進めております。 2024年2月に運営を開始した独身寮や専任の看護保健師を中心とした健康増進活動により、社員が健康で生き生き仕事ができる体制を強化しております。 ② 指標と目標当社は、多様な人材が活躍できる環境づくりを目的に、「人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康」のKPIとして、2024年度まで新卒採用に占める女性社員割合及び障がい者雇用率を設定していました。 女性社員の割合という点では、2025年3月末時点で13.7%、管理職に占める女性割合は8.6%、係長級に占める女性割合は17.1%となっております。 また、障がい者雇用率は、2023年度・2024年度とも3.4%と、目標である2.5%を大きく上回りました。 女性社員比率管理職に占める女性比率係長級に占める女性割合2024年3月末2025年3月末2024年3月末2025年3月末2024年3月末2025年3月末11.7%13.7%4.2%8.6%19.6%17.1% 2025年度からは、さらに積極的に人材面に関する取り組みを強化すべく、 「(1)サステナビリティ情報全般に関する開示 ②指標と目標」に記載の通り、人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康に関するKPIとして、「女性社員比率」及び「ワークライフバランス指標」を設定しました。 経験者採用を含め、より多様な人材を確保するとともに、長期にわたり活躍できるキャリア形成を会社として積極的にサポートし、働きがいと生きがいを感じてもらうことを目的としています。 人的資本及び多様性についての詳細は、広栄化学レポート2025をご参照ください。 |
指標及び目標 | ② 指標と目標当社は、住友化学グループとして設定している持続可能な価値創出のための重要課題(マテリアリティ)を共有しており、各重要課題に対する主要取り組み指標「KPI」を設定しています。 社会価値創出に関する重要課題という点では、環境分野への貢献として、CO2排出量(Scope1+2)、エネルギー消費原単位改善をKPIとしており、CO2排出量は2030年度に2013年度対比50%削減を目標にしています。 その他、食糧分野への貢献として農薬原料・中間体売上高、ヘルスケア分野への貢献として医薬原料・中間体売上高、ICT関連分野への貢献として電子材料関連製品売上高をそれぞれKPIに設定しております。 また、将来の価値創造に向けた重要課題という点では、イノベーションの推進として新製品売上高比率と合理化金額累積、DXによる競争力強化としてデジタル成熟度、人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康として、新卒採用に占める女性社員の割合及び障がい者雇用率をそれぞれKPIに設定しております(表「持続可能な価値創出のための重要課題」)。 各KPIに対する2024年度の進捗実績は表「サステナビリティKPI進捗実績」のとおりです。 これらのKPIを活用し、取り組み状況の管理と開示を進めるとともに、社内外のステークホルダーとの対話も推進してまいります。 各KPIの詳細(実績や進捗状況等)については、2025年10月頃、当社ウェブサイトで公表予定の広栄化学レポート2025をご参照ください。 持続可能な価値創出のための重要課題 サステナビリティKPI進捗実績 ※1 売上高当たりのエネルギー消費量を、2020年度実績を100として指数化。 ※2 合理化によって創出された製造原価に占める変動費や固定費の改善実績値から算出。 2019年度からの累積。 ※3 経済産業省のDX推進指標を基に定めた12の項目について6段階で評価しデジタル成熟度レベルを判定。 2025年度からは、持続可能な社会への貢献をよりわかりやすくするために、KPIの見直しを行いました。 環境分野への貢献のKPIとして、「CO2吸収材等、排出削減貢献製品の効果」「触媒関連製品売上高」を新設しております。 「CO2吸収材等、排出削減貢献製品の効果」は、当社がCO2吸収アミン化合物を供給することによって排出削減できる効果を測るものであり、自社でのCO2排出量削減と当社供給製品による削減の貢献の両輪で環境負荷低減を目指します。 「触媒関連製品売上高」は、ハイエンドポリオレフィン用の高性能な有機金属触媒を供給することで石油化学製品の効率的な製造に貢献し、環境負荷低減を目指します。 また、人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康のKPIとして、「新卒採用に占める女性社員割合」「障がい者雇用率」に替えて「女性社員比率」及び「ワークライフバランス指標」を設定しました。 経験者採用を含め、より多様な人材を確保するとともに、長期にわたり活躍できるキャリア形成を会社として積極的にサポートし、働きがいと生きがいを感じてもらうことを目的としています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ① 戦略当社は、1917年の創業以来、幾多もの試練や危機を乗り越え、その中で、①大胆な挑戦、②ファーストペンギンとなる勇気、③飽くなき探求心、④オープンイノベーション(外部機関との連携)、⑤一致団結、⑥臨機応変といった「広栄スピリット」とも言うべき無形資産を培ってきました。 この貴重な資産をさらに磨きながら活かしていくことで企業価値向上を図ることはもちろんのこと、 リスクマネジメント、 コンプライアンス遵守、 サステナビリティ活動の推進のためには人材こそが最も重要な経営資源と捉えています。 当社では、求める人材像として 「自己成長を通じたプロフェッショナル人材」 「当事者意識と主体性をもち、 自らの意思で高い目標を設定し積極的に挑戦する人材」 「One KOEIでベストパフォーマンスを生み出す担い手」を掲げ、人材一人ひとりのエンゲージメント向上に資するよう、以下の3項目を中心に人的投資の充実に取り組んでいきます。 ・長期にわたり活躍できるキャリア形成一人ひとりのキャリア形成やステップアップのために、次への成長機会に繋がる評価、部門間連携の強化に資するローテーションを実施するとともに、生涯にわたって活躍できるよう健康増進施策をより一層充実させていきます。 ・自ら学び成長し続けてもらうための機会の提供業務のプロフェッショナルを目指して自律的に学び、生涯にわたって成長し続けてもらうために、2025年春からスタートさせた社内大学「広栄MANABIYA」において、さまざまな階層や分野のニーズに即した教育カリキュラムを「コア研修」「階層研修」「専門研修」といった形で用意するとともに、研修やスキルの見える化のための教育関連システムを導入しました。 ・働きがいのある環境の構築当社を再び成長軌道に乗せるために、立場や部署などに関係なく、互い(個人、組織両面)の多様な価値観を尊重しながら、現状打破に繋がる多彩な意見やアイデアを出し合い、実現に結び付けられる組織風土を醸成し、心理的安全性の高い職場環境を構築します。 【求める人材像】 ・自己成長を通じたプロフェッショナル人材・当事者意識と主体性をもち、自らの意思で高い目標を設定し積極的に挑戦する人材・One KOEIでベストパフォーマンスを生み出す担い手 当社は、前中期経営計画(2022年度~2024年度)において、「人材育成強化・加速」を基本方針の一つとして、従業員一人ひとりのパフォーマンスが最大限に発揮されることや社員のやりがい、ワークエンゲージメントの向上に繋げることを目的に、「マネジメント強化」、「中堅社員育成・若手社員の早期戦力化」、「人事制度見直し」を3本柱として人材育成に取り組んできました。 「マネジメント強化」は、執行役員や管理社員のマネジメント力強化に向けた各種研修や研鑽の場の創設を検討 してきており、2024年度は、2023年度に執行役員を対象にスタートしたコーチング研修を部長層を対象に実施しました。 また、経営層との対話により課長層の視座をあげることを目的としたセッションも実施しております。 「中堅社員育成・若手社員早期戦力化」に関しては、近年の大幅な生産能力増強に対応して受け入れた多数の社員の早期戦力化を最優先に考えて、入社から一人前になるまでのきめ細かいカリキュラムを用意するなど、教育体系を抜本的に見直し、2025年4月に「一人ひとりが自己成長するためのプラットフォーム」をコンセプトとした社内大学「広栄MANABIYA」としてスタートさせました。 当社人材戦略に掲げた「長期にわたり活躍できるキャリア形成」「自ら学び成長し続けるための機会の提供」の実現を目的としており、幅広い主体参加型教育カリキュラムによって、自己成長の機会を社員に提供します。 また、「広栄MANABIYA」の開講に合わせてスキルマネジメントシステム「Skillnote」を導入しました。 社員が習得すべき知識・スキルや資格を可視化することで、必要なタイミングでの学習を促し、全社員の早期戦力化を図ります。 「人事制度見直し」については、社員一人ひとりがこれまで培ってきた人脈や経験・ノウハウ、知識・スキルといった貴重な無形資産を活用して、思う存分力を発揮し、活力を持って働けるような機会を提供するという観点から制度検討を重ねてきました。 その結果、現行60歳である定年年齢を65歳へと段階的に延長し、合わせて定年退職後の再雇用制度の雇用上限年齢についても段階的に延長し、最終的には、一定の要件を満たせば最長70歳までの継続雇用が可能となる制度へと見直しました。 価値創造の基盤づくりという点では、社員の生活の安定や一人ひとりが生き生きとして仕事に取り組める環境づくりを目的に、研修・教育分野以外でも人的資本に関する投資を積極的に進めております。 2024年2月に運営を開始した独身寮や専任の看護保健師を中心とした健康増進活動により、社員が健康で生き生き仕事ができる体制を強化しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ② 指標と目標当社は、多様な人材が活躍できる環境づくりを目的に、「人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康」のKPIとして、2024年度まで新卒採用に占める女性社員割合及び障がい者雇用率を設定していました。 女性社員の割合という点では、2025年3月末時点で13.7%、管理職に占める女性割合は8.6%、係長級に占める女性割合は17.1%となっております。 また、障がい者雇用率は、2023年度・2024年度とも3.4%と、目標である2.5%を大きく上回りました。 女性社員比率管理職に占める女性比率係長級に占める女性割合2024年3月末2025年3月末2024年3月末2025年3月末2024年3月末2025年3月末11.7%13.7%4.2%8.6%19.6%17.1% 2025年度からは、さらに積極的に人材面に関する取り組みを強化すべく、 「(1)サステナビリティ情報全般に関する開示 ②指標と目標」に記載の通り、人材:ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、育成・成長、健康に関するKPIとして、「女性社員比率」及び「ワークライフバランス指標」を設定しました。 経験者採用を含め、より多様な人材を確保するとともに、長期にわたり活躍できるキャリア形成を会社として積極的にサポートし、働きがいと生きがいを感じてもらうことを目的としています。 人的資本及び多様性についての詳細は、広栄化学レポート2025をご参照ください。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社の経営成績、財務状況等(株価を含む)に影響を及ぼすリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、また本記載は将来発生し得るすべてのリスクを網羅したものではありません。 リスク項目リスク内容リスクへの対応策(1)事故、災害の発生に係るリスク万一製造設備で発生する事故、地震、噴火、津波等自然災害により人的、物的被害が生じた場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、安全、安定操業の徹底を図り、製造設備の停止や設備に起因する事故などによる潜在的なリスクを最小化するために、すべての設備について定期的な点検を実施しております。 また、大規模災害発生時の対応演習、設備耐震補強等地震対策の実施、災害・爆発リスク低減のための教育の実施、災害用備品の運用マニュアル作成と社内周知の実施、BCP対応のレベルアップ(外部機関)及びBCP演習の実施、事故発生に対応したメディアトレーニングを実施し、リスクの低減を図っております。 (2)為替レートの変動に係るリスク当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出債権回収額が減少することになります。 円高の進行は当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、このようなリスクに対して適宜、為替予約を実施して、短期的なリスクをヘッジするように努めております。 また、原料購入を外貨建に切り替えること等により、為替脆弱性の軽減を図るように努めております。 (3)気候変動等環境問題に関するリスク炭素税の賦課や排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出権規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、電力価格が上昇する可能性があります。 これにより、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、気候変動などの環境問題への対応を経営の重要課題と捉えており、温室効果ガスの削減等に積極的に取り組んでおります。 (4)情報セキュリティに係るリスクサイバー攻撃、不正アクセス等により情報システム等に障害が生じた場合や、機密情報及び個人情報等が社外に流出した場合には、競争力の低下や社会的信用の低下など、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、事業活動の基盤である情報システム・ネットワークに、様々なセキュリティ対策を実施しており、セキュリティ強化と情報管理体制の厳重化に取り組んでおります。 (5)原材料・燃料価格の変動に係るリスク当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動します。 また、国産ナフサ高騰を受けメーカーの原材料価格、輸送費、電力コストの大幅な上昇により、当社原材料価格の高騰が続いております。 さらにウクライナ情勢の影響もあり、各種原料で大幅値上げを受けており、それらの価格の上昇を製品価格に転嫁できなかった場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、主要な原材料価格の動向を注視し、適正な製造原価への見直しを行うと共に、売価是正に努めております。 リスク項目リスク内容リスクへの対応策(6)カントリーリスク当社は中国から多くの原材料を輸入しております。 そのため、中国において、政治・経済情勢の悪化、外資規制、大規模災害、パンデミック、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱等が生じた場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、複数購買を推進するとともに、定期的な情報収集を行い、リスクの低減を図っております。 (7)感染症、伝染病の蔓延に対するリスク感染症や伝染病が蔓延した場合、生産活動に支障をきたす可能性があります。 また、急速な感染拡大により経済活動に制限が課されることも想定され、これによるサプライチェーン等への影響、消費活動の停滞等により、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、感染症や伝染病に対して、感染状況に応じたガイドライン及び対応マニュアルを適時見直しており、感染拡大防止に努めております。 (8)製品価格やシェアの変動に係るリスク当社の事業は、厳しい価格競争に直面しております。 国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争により、製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、設備投資による工場の合理化を推進し、コスト削減を行うと共に、環境問題並びに製品の安全性、品質の確保に注力し、顧客の期待に応えられる信頼性の高い製品を供給すべく努めております。 (9)新製品の開発に係るリスク当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつでありますが、ユーザー事情、厳しい競争環境等の不確定要素が大きいため、目標どおり進捗しなかった場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、営業部門、研究開発部門を中心に次世代新製品の開発、早期上市に向けて取り組んでおります。 その他、当社には、退職給付債務の変動リスク、金利変動及び株式相場変動リスク、重大な製品欠陥等に係る品質リスク、知的財産や製造物責任などに係る訴訟リスク、取引先に対する債権の貸倒リスク、ハラスメントに関するリスクなどがあり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度のわが国経済は、個人消費の回復や堅調なインバウンド需要、自動車生産の正常化に伴う輸出の回復などが景気を下支えしました。 一方で、米国の貿易政策や市場介入等が他国に及ぼす影響が未知数である事に加え、ロシア・ウクライナ紛争の長期化による資源・エネルギー価格の高騰及び供給不足や、不安定な為替相場など、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような情勢の下、当社は、売価改定、拡販に注力するとともに、生産の合理化・効率化による製造原価低減など一層のコスト削減に取り組み、全社を挙げて収益確保に努めてまいりました。 この結果、当事業年度の売上高は、医農薬関連化学品において北米向けの販売が増加した一方、アジア及び欧州向けの販売が減少しましたが、新製品販売や売価改定及び為替の影響による増収などにより、200億18百万円(前事業年度比3.0%増収)となりました。 利益面では、原料価格高騰や製造原価増加などの減益要因はあったものの、売価改定及び為替の影響や触媒関連製品等の販売増加による増益要因などにより、営業利益は5億66百万円(前事業年度比36.4%増益)、経常利益は3億56百万円(前事業年度比2.5%増益)、当期純利益は2億88百万円(前事業年度比3.8%減益)となりました。 (製品グループ別売上高) (単位:百万円) 前事業年度当事業年度増 減製品グループ金額構成比金額構成比金額増減率 ファイン製品 % % %医農薬関連化学品9,83850.79,28146.4△556△5.7機能性化学品6,67034.38,04340.21,37320.6その他2,91815.02,69213.4△225△7.7計19,427100.020,018100.05913.0 なお、当社の事業セグメントは、ファイン製品事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。 流動資産は、売掛金や棚卸資産などが減少した事により、前事業年度末に比べ18億96百万円減少の130億39百万円となりました。 固定資産は、減価償却が進んだ事などにより、前事業年度末に比べ21億89百万円減少の221億79百万円となりました。 この結果、総資産は、前事業年度末に比べ40億86百万円減少し352億18百万円となりました。 流動負債は、短期借入金の返済や設備関係未払金の決済が進んだ事などにより、前事業年度末に比べ22億26百万円減少の72億65百万円となりました。 固定負債は、長期借入金が減少し、前事業年度末に比べ16億55百万円減少の63億36百万円となりました。 この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ38億82百万円減少し136億2百万円となりました。 純資産は、当期純利益の計上及び配当金の支払いなどにより、前事業年度末に比べ2億3百万円減少し、216億16百万円となりました。 自己資本比率は前事業年度末の55.5%から61.4%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度の現金及び現金同等物の期末残高は3億24百万円となり、前事業年度末の5億62百万円から2億38百万円減少しました。 これは営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローが、減価償却費の計上や運転資金の改善などにより30億93百万円の収入となりましたが、財務活動によるキャッシュ・フローが、借入金の返済による支出28億16百万円などにより33億31百万円の支出になったことによります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益を3億33百万円、減価償却費を30億26百万円計上したことに加え、営業活動に係る運転資金の改善による収入などにより、47億56百万円の収入(前事業年度は39億79百万円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、16億63百万円の支出(前事業年度は19億89百万円の支出)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済による支出や、配当金の支払などにより、33億31百万円の支出(前事業年度は18億45百万円の支出)となりました。 ③ 生産実績当事業年度における生産実績は238億27百万円(前事業年度比12.3%増)であります。 (注) 金額は、販売価格によっております。 ④ 受注状況当社は原則的に将来の予想に基づいて見込生産を行っております。 ⑤ 販売実績当事業年度における販売実績は200億18百万円(前事業年度比3.0%増)であります。 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。 相手先前事業年度当事業年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Sumitomo Chemical Europe S.A./N.V.2,995,75115.42,562,48212.8Corteva Agriscience1,494,0627.72,247,62411.2 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。 財務諸表作成にあたり、当社が採用している会計方針において使用している重要な会計上の見積り及び前提条件は、以下のとおりであります。 (貸倒引当金)当社は、支払実績及び信用情報等を査定して販売先から営業担保を預っており、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に債権の回収可能性を検討して貸倒引当金を計上しております。 販売先の財務状況及び支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。 (棚卸資産)当社は、棚卸資産の貸借対照表価額については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により計上しております。 当社は、得意先の需要予測に基づき生産計画を策定しており、また、当社の生産設備であるマルチプラントでは生産切替回数増加によるロスを極力抑えるため、まとめ生産を行っております。 このため、生産から販売まで長期間を要する場合があります。 長期保有在庫の販売予測の見積りにおいては、将来の販売数量が重要な構成要素となりますが、これらは国内外における需要等の外部経営環境の影響を受けることから不確実性を伴い、見積りにおける仮定の選択に係る判断が長期保有在庫の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (投資の評価)当社が保有する投資有価証券は非上場株式及び関係会社株式であり市場価格がありません。 原則として評価対象となる純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に減損処理を実施しております。 将来の投資先の業績動向によりこれら投資の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (繰延税金資産)当社は、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画及び将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基に合理的で実現可能なタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行っております。 その結果、将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。 将来の業績及び課税所得実績の変動等により、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (退職給付費用及び債務)当社の従業員退職給付費用及び債務は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づいて計上しております。 この前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率が含まれており、退職給付債務を計算する際に用いる数理上の前提の変更、年金制度の変更による未認識の過去勤務費用の発生等により、退職給付費用及び債務の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (減損損失)当社は、収益性の低下や時価の下落といった減損の兆候の見られる固定資産については、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。 将来の収益性の低下や時価の下落等により、これら固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (受注損失引当金)当社は、受注契約のうち損失が発生する可能性が高く、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な受注契約について、損失見込額を受注損失引当金として計上しております。 将来の市場環境の変動等により製造原価が見積原価を超過することが見込まれる場合、追加の受注損失又は引当金計上が必要となる可能性があります。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高、売上原価、売上総利益と営業利益)当事業年度の売上高は、医農薬関連化学品において北米向けの販売が増加した一方、アジア及び欧州向けの販売が減少しましたが、新製品販売や売価改定及び為替の影響による増収などにより、前事業年度に比べ5億91百万円増加の200億18百万円となりました。 当事業年度の売上原価は、原料価格の上昇や労務費の増加などにより、前事業年度に比べ11億70百万円増加の153億19百万円となりました。 この結果、売上総利益は、売価改定の成果及び為替の影響などによる増益要因があったものの、コスト増加などの減益要因により、前事業年度に比べ5億79百万円減益の46億98百万円となりました。 販売費及び一般管理費は、製造プラントの操業休止期間の設備維持管理費用を前事業年度は14億42百万円計上したのに対し、当事業年度は2億65百万円であった事などにより、前事業年度に比べ7億30百万円負担が減少し41億32百万円となりました。 この結果、営業利益は5億66百万円となり、前事業年度に比べ1億50百万円増益となりました。 (営業外損益と経常利益)営業外収益は、当事業年度は保有株式の売却により受取配当金が減少したことなどにより、前事業年度に比べ3百万円減少し7百万円となりました。 営業外費用は、支払利息の増加や為替差損の影響などにより、前事業年度に比べ1億39百万円増加の2億17百万円となりました。 この結果、当事業年度の営業外損益は前事業年度に比べ1億42百万円減少し、2億10百万円の損失となりました。 これにより、経常利益は3億56百万円となり、前事業年度の3億47百万円から8百万円の増益となりました。 (特別損益と当期純利益)特別利益5百万円(投資有価証券売却益)、特別損失28百万円(固定資産除却損及び投資有価証券売却損)を計上した結果、税引前当期純利益は3億33百万円となり、前事業年度の3億58百万円から24百万円の減益となりました。 法人税、住民税及び事業税1億20百万円及び法人税等調整額△74百万円を控除した結果、当期純利益は2億88百万円となり、前事業年度に比べ11百万円の減益となりました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性の分析当社は、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性維持を資金調達の基本方針としております。 当社は、上記の資金調達の基本方針に則り、国内金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、短期借入金及び長期借入金により必要資金を調達しております。 直接金融又は間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮した上で当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っております。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社は、常に独自技術の開発を理念として、新製品の開発からプロセスの構築・合理化に至るまで、積極的な研究開発活動に取り組んでおります。 研究開発本部は、千葉研究所および研究開発技術部で構成され、医農薬中間体、有機金属錯体等のカスタム合成製品の工業化研究、イオン液体・ウレタン関連製品等の自前機能性製品の開発、ピリジン類・アミン類の基盤製品の開発と工業化研究を担っております。 また生産・技術本部の生産技術部では、既存製品の合理化研究に取り組んでおります。 また、社内だけでなく、国内外の企業・大学・研究機関などとの積極的なオープンイノベーションを通じて、高度技術の修得と新規コアテクノロジーの確立ならびに独自技術を用いた環境負荷低減を目指した研究開発推進に努めております。 当事業年度の主な成果として、カスタム合成製品では、有機金属触媒/助触媒等の新規受託を拡大し、工業化に至っております。 自前機能性製品では、環境に配慮した分野への用途開発や、市場で求められているPFASフリーイオン液体、ハロゲンフリーイオン液体の製品開発を推進しております。 基盤製品でありますアミン類におきましては、二酸化炭素の分離・回収向けCO2吸収アミンの受託を推進しており、当社技術を活用した工業化を進めております。 また、DAC(Direct Air Capture)向けアミン化合物を自社開発の重点ターゲットと設定し、高い酸化耐性を有するアミン化合物の開発に成功しました。 当事業年度における研究開発費の金額は1,204百万円であります。 なお、当社の事業セグメントは、ファイン製品事業のみの単一セグメントのため、研究開発費の総額と内容を記載しております。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社は、当事業年度にファイン製品製造設備の老朽化更新など819百万円の設備投資(リース資産を除く)を実施いたしました。 所要資金については、自己資金及び借入金により充当いたしました。 なお、当社の事業セグメントは、ファイン製品事業のみの単一セグメントのため、セグメント別の設備の状況は記載しておりません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 2025年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計千葉事業所(千葉プラント)(千葉県袖ケ浦市)ファイン製品製造設備等 182(10)10,334,1688,653,59221,942963,117337,35620,310,177 (1,468) 千葉事業所(千葉研究所)(千葉県袖ケ浦市)研究設備693,75121,179--146,319861,25058(1) (注) 1 上記金額には建設仮勘定を含めておりません。 2 上記土地の 内は賃借中の面積であり、外数であります。 3 千葉研究所の土地は、千葉プラントに含めて記載しております。 4 従業員数の( )内は、平均臨時従業員数であり、外数であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 1,204,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 819,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 15 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,894,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、円滑な事業運営、取引関係の維持・強化などを目的として、中長期的な経済合理性や将来見通しを総合的に勘案した上で、必要と判断される場合に限り、株式を政策的に保有することとしております。 ② 保有目的が純投資以外の目的である投資株式(a) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における 検証の内容 保有する株式については、経理担当役員が適宜リターンとリスクを総合的に勘案したうえ、中長期的な観点 から個別銘柄毎に保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを精査し、保有の 適否を毎年1回取締役会に報告しております。 (b) 銘柄数及び貸借対照表計上額区分銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式196非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が減少した銘柄)区分銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式17,660非上場株式以外の株式17,506 (c) 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)㈱カーリット-5,000-無-5,560 (注) 貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下である㈱カーリットを含め、開示すべき全銘柄を記載しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 96,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 7,506,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱カーリット |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 住友化学株式会社東京都中央区日本橋2丁目7番1号2,73155.85 近畿産業信用組合大阪市中央区淡路町2丁目1番3号2404.91 種田 修東京都文京区1032.11 大塩 学而長野県松本市791.62 阪本 重治山梨県甲府市551.13 広栄化学社員持株会東京都中央区日本橋小網町1番8号460.95 丸石化学品株式会社大阪市北区中之島2丁目3番18号330.69 山崎 孝二福井県福井市300.61 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K. (東京都千代田区大手町1丁目9番7号)280.59 高石 文夫東京都江戸川区240.50計-3,37268.96 |
株主数-金融機関 | 3 |
株主数-金融商品取引業者 | 22 |
株主数-外国法人等-個人 | 8 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 10 |
株主数-個人その他 | 2,493 |
株主数-その他の法人 | 53 |
株主数-計 | 2,589 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 高石 文夫 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式97225当期間における取得自己株式-- (注) 当期間における保有自己株式数には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の 買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -225,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -225,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)4,900,000--4,900,000 2 自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)8,88397-8,980 (変動事由の概要)単元未満株式の買取りによる増加 97株 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月20日広栄化学株式会社取締役会 御中有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山 本 健 太 郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士松 尾 洋 孝 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている広栄化学株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第164期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、広栄化学株式会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、前事業年度の財務諸表の監査において監査上の主要な検討事項とした「長期保有在庫の評価の合理性」については相対的なリスクが低下していると判断した。 このため、当監査法人は、当事業年度の財務諸表の監査において当該事項を監査上の主要な検討事項とはしていない 液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応広栄化学株式会社の2025年3月31日に終了する事業年度の貸借対照表において、有形固定資産21,531,932千円及び無形固定資産105,924千円が計上されている。 注記事項「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損検討」に記載されているとおり、このうち11,522,980千円は液相マルチプラント(主に、カスタム合成製品及び機能性製品を製造。 以下同じ)に関するものであり、総資産の32.7%を占めている。 これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。 判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。 液相マルチプラントに関する事業においては、一部顧客の需要回復の遅れにより継続的に営業損益がマイナスとなっていることから、減損の兆候が認められている。 このため、当事業年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。 当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した液相マルチプラントに関する事業の中期事業計画を基礎として見積もられており、有機金属触媒製品及び光学材料製品の売上高増加といった不確実性が高い仮定が使用されている。 これらに係る経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。 以上から、当監査法人は、液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、中期事業計画の妥当性を検討する統制に特に焦点を当てた。 (2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる液相マルチプラントに関する事業の中期事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を検討するため、主に以下の手続を実施した。 ・有機金属触媒製品及び光学材料製品に関して、事業計画において見込まれている販売見通し及びその達成可能性について、営業責任者に対して質問を実施した。 ・有機金属触媒製品及び光学材料製品に関して、事業計画において見込まれている販売見通しについて、外部調査機関による市場データとの整合性を検討した。 ・中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来キャッシュ・フローを独自に見積もった。 そのうえで、減損損失の認識の要否判定に与える影響について検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、広栄化学株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、広栄化学株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、前事業年度の財務諸表の監査において監査上の主要な検討事項とした「長期保有在庫の評価の合理性」については相対的なリスクが低下していると判断した。 このため、当監査法人は、当事業年度の財務諸表の監査において当該事項を監査上の主要な検討事項とはしていない 液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応広栄化学株式会社の2025年3月31日に終了する事業年度の貸借対照表において、有形固定資産21,531,932千円及び無形固定資産105,924千円が計上されている。 注記事項「(重要な会計上の見積り)固定資産の減損検討」に記載されているとおり、このうち11,522,980千円は液相マルチプラント(主に、カスタム合成製品及び機能性製品を製造。 以下同じ)に関するものであり、総資産の32.7%を占めている。 これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。 判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。 液相マルチプラントに関する事業においては、一部顧客の需要回復の遅れにより継続的に営業損益がマイナスとなっていることから、減損の兆候が認められている。 このため、当事業年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。 当該判定に用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した液相マルチプラントに関する事業の中期事業計画を基礎として見積もられており、有機金属触媒製品及び光学材料製品の売上高増加といった不確実性が高い仮定が使用されている。 これらに係る経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。 以上から、当監査法人は、液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、中期事業計画の妥当性を検討する統制に特に焦点を当てた。 (2)将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる液相マルチプラントに関する事業の中期事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を検討するため、主に以下の手続を実施した。 ・有機金属触媒製品及び光学材料製品に関して、事業計画において見込まれている販売見通し及びその達成可能性について、営業責任者に対して質問を実施した。 ・有機金属触媒製品及び光学材料製品に関して、事業計画において見込まれている販売見通しについて、外部調査機関による市場データとの整合性を検討した。 ・中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来キャッシュ・フローを独自に見積もった。 そのうえで、減損損失の認識の要否判定に与える影響について検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、前事業年度の財務諸表の監査において監査上の主要な検討事項とした「長期保有在庫の評価の合理性」については相対的なリスクが低下していると判断した。 このため、当監査法人は、当事業年度の財務諸表の監査において当該事項を監査上の主要な検討事項とはしていない |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 液相マルチプラントに関する事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 4,244,944,000 |
仕掛品 | 1,662,263,000 |
原材料及び貯蔵品 | 2,052,341,000 |
その他、流動資産 | 104,665,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 490,446,000 |
土地 | 29,219,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 971,878,000 |
建設仮勘定 | 321,835,000 |
有形固定資産 | 21,531,932,000 |
ソフトウエア | 101,593,000 |
無形固定資産 | 105,924,000 |
投資有価証券 | 96,000 |
長期前払費用 | 79,485,000 |
繰延税金資産 | 47,648,000 |
投資その他の資産 | 541,241,000 |
BS負債、資本
短期借入金 | 1,650,000,000 |
1年内返済予定の長期借入金 | 1,666,000,000 |
未払金 | 897,413,000 |
未払法人税等 | 114,532,000 |
未払費用 | 2,669,000 |
リース債務、流動負債 | 27,325,000 |
賞与引当金 | 164,000,000 |
資本剰余金 | 1,551,049,000 |
利益剰余金 | 17,736,469,000 |
株主資本 | 21,616,144,000 |
負債純資産 | 35,218,622,000 |
PL
売上原価 | 15,319,637,000 |