財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-20 |
英訳名、表紙 | NIRECO CORPORATION |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 中杉 真一 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都八王子市石川町2951番地4 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 042-642-3111 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社の前身は戦前のアスカニア合資会社(1931年独国アスカニア・ヴェルケ社の100%出資会社として設立、1936年アスカニア株式会社に改組)です。 同社解散後、当社は旧アスカニア株式会社の役員、従業員が中心となり、同社の需要家でありました八幡製鐡㈱及び富士製鐡㈱(いずれも現、日本製鉄㈱)、東洋高壓工業㈱及び三井化學工業㈱(いずれも現、三井化学㈱)、日本鋼管㈱(現、JFEホールディングス㈱)等の資本参加等を得て、1950年に設立されたものです。 年月沿革1950年11月東京都中央区に日本レギュレーター株式会社(現、株式会社ニレコ)設立。 1951年3月東京都品川区に目黒工場開設。 1956年11月東京都大田区に六郷工場開設、機械油圧部門を目黒工場から移設して、生産体制を拡充。 1961年1月機械加工部門整備、拡張のため、子会社千代田精機㈱を設立。 1964年1月管理部門の強化を図り目黒工場を目黒事業所と改称。 1969年6月本店を東京都中央区から東京都港区に移転。 1970年8月八王子工場建築工事一部完成に伴い、研究開発部門を目黒事業所から移設。 1971年8月八王子工場建築工事完成に伴い、本社機構を移管して八王子事業所とし、目黒事業所から全面移転して生産体制を拡充。 目黒事業所閉鎖。 1972年5月子会社ニレコ・サービス㈱(後にニレコ計装㈱)を設立。 制御装置の保守サービス業務を移管。 1979年7月本店を東京都港区から東京都八王子市(八王子事業所)に移転。 1984年3月六郷工場閉鎖、八王子事業所に全面移転。 これにより製造部門の集結完了。 1984年5月業務拡張のため神奈川県相模原市に相模原工場を建設、倉庫拡張、子会社千代田精機㈱を収容。 1984年11月商号を「日本レギュレーター株式会社」から「株式会社ニレコ」に変更。 1989年9月生産体制を整備、拡張のため相模原工場を増築。 1989年10月社団法人日本証券業協会(現、日本証券業協会)に店頭登録。 1990年4月電子・電気機器部門生産体制強化のため、ミスミ電子㈱(後にミヨタ精密㈱)株式を追加取得、子会社化。 1990年12月研究開発部門の整備・拡充のため、八王子事業所研究棟を増築。 1994年9月海外事業展開のため、仏国カルグラフ社(後にNIRECO EUROPE SAS)株式を取得、子会社化。 1996年7月業務拡張のため八王子事業所を増築。 1996年12月子会社ミスミ電子㈱(後にミヨタ精密㈱)の本社機構を東京都八王子市に移管。 1998年5月アジア地区の営業体制強化のため、台湾の仁力克股份有限公司を増資引受により子会社化。 2000年11月北米地区の営業基盤強化のため米国に子会社NIRECO AMERICA CORP.を設立。 2003年11月中国での生産拠点として尼利可自動控制机器(上海)有限公司を設立。 2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場。 2007年11月生産体制合理化のため、子会社千代田精機㈱と子会社ミヨタ精密㈱を合併統合し、商号を「ミヨタ精密㈱」に変更。 2009年8月2010年4月米国子会社NIRECO AMERICA CORP.を売却整理。 ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQに上場。 2012年3月2013年4月2013年7月2013年10月NIRECO EUROPE SASを清算。 子会社ニレコ計装㈱株式を追加取得、完全子会社化。 東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場子会社ニレコ計装㈱を吸収合併。 2014年11月 韓国におけるプロセス事業の販売及び保守サービス体制強化のため、同国に子会社Nireco Process Korea Co.,Ltd.(現Nireco Korea Corporation)を設立。 2015年5月2017年2月2019年10月〃2021年6月2022年4月八王子事業所の老朽化対策のため、新棟及び耐震補強工事、付帯設備を建設。 新たな製品開発と事業展開のため、㈱メガオプトの全株式を取得し、子会社化。 レーザ応用製品関連事業の拡大加速のため、子会社㈱メガオプトを吸収合併。 光学技術の研究開発企業である㈱光学技研を完全子会社化。 電気・電子機器の設計開発会社である西武電機㈱を完全子会社化。 東京証券取引所の市場再編に伴い、東京証券取引所スタンダード市場に移行。 2023年5月子会社Nireco Process Korea Co.,Ltd.が社名をNireco Korea Corporationへ変更。 2024年4月業務効率改善のため、子会社ミヨタ精密㈱を吸収合併。 2024年10月京浜光膜㈱を株式取得により子会社化 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当連結会計年度末日現在、当社(㈱ニレコ)及び連結子会社7社から構成されており、鉄鋼・化学から食品・印刷に至るまで幅広い産業向けに制御・計測・検査機器の開発・製造・販売を事業内容としています。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。 制御機器事業においては、鉄鋼・非鉄金属分野とフィルム・印刷・紙分野向けに製品を提供しています。 鉄鋼・非鉄金属分野向けでは生産ラインを主な対象とした製品を取り扱い、その主な製品として、製銑・精鋼の工程で圧力・流量・温度等の制御を行うプロセス制御装置、連続鋳造の工程で湯面を計測する渦流式溶鋼レベル計、圧延や表面処理の工程で製品の位置を制御する耳端位置制御装置、工程の中途及び完成時に情報を製品に表示させる自動識別印字装置などがあります。 フィルム・印刷・紙分野向けでは、製紙、印刷から電子機器材料に至るまで、帯状素材(ウェブ)を扱う広範な業種を対象とした製品を取り扱っています。 その主な製品として、耳端位置制御装置は、帯状の細長い素材の縁の位置を検知して一定の位置に揃えるもので、二次電池やその他電子部品などの素材となる高機能フィルムの製造ラインで使用されており、近年では実用化に向けた開発が進むペロブスカイト太陽電池用製造装置においても利用が始まっています。 また、張力を一定に保つことによりシワや折り目を防止する張力制御装置は耳端位置制御装置とセットでフィルム等の製造ラインで使用されています。 その他、印刷物の位置(見当)を制御し、色ズレ等を防止する見当合わせ制御装置、印刷物の汚れや欠陥を検知する印刷品質検査装置、印刷物の製本や貼り付け加工の際に、ノズルから適量の糊を正確な位置に吹き付ける糊付け制御装置などがあります。 検査機事業は、当社グループが長年にわたり培ってきた画像処理技術をベースに、食品から電池・電子部品材料まで幅広い分野を対象とした製品を取り扱う事業です。 その主な製品として、電子機器やペロブスカイト太陽電池などの素材となる各種フィルム、金属箔や紙などの汚れや疵を検出する無地検査装置があります。 その他に、二次電池の生産工程で電極シートに活性物質をコーティングする際の検査・計測を行う電極シート検査装置、食品の大きさや形状といった外観や内部品質を検知し選別する食品検査装置や成分分析を行う近赤外分析装置などがあります。 オプティクス事業は、半導体検査装置で使用される光学部品や、レーザ機器、光学薄膜部品を主に取り扱う事業です。 製造に高度な技術を必要とする特殊な光学部品や、半導体検査などに用いられるレーザ装置などがあります。 また、報告セグメントに含まれないその他の事業において、電子機器設計開発事業などを行っています。 なお、当社では、2024年4月1日に蛇行制御等について共通の技術基盤を持つプロセス事業部、ウェブ事業部を統合し、新たに制御機器事業部を発足させました。 本組織変更に伴う各事業活動の実態を適切に表すよう経営区分の見直しを図り、従来「プロセス事業」「ウェブ事業」と区分していた事業を統合し「制御機器事業」とする報告セグメントの一部変更を行いました。 区分主要製品名会社名制御機器事業プロセス制御装置自動識別印字装置耳端位置制御装置渦流式溶鋼レベル計板幅計張力制御装置見当合わせ制御装置糊付け制御装置印刷品質検査装置当社尼利可自動控制机器(上海)有限公司(中国)Nireco Korea Corporation(韓国)仁力克股份有限公司(台湾)検査機事業無地検査装置画像処理解析装置近赤外分析システム食品検査装置当社仁力克股份有限公司(台湾)尼利可自動控制机器(上海)有限公司(中国)Nireco Korea Corporation(韓国)オプティクス事業レーザ関連製品光学部品光学薄膜製品当社㈱光学技研京浜光膜㈱(注)その他電子機器設計開発事業西武電機㈱(注)2024年8月26日開催の取締役会において京浜光膜株式会社株式を取得して子会社化することについて決議し、2024年9月12日に締結した株式譲渡契約に基づき、2024年10月1日に同社株式を取得しました。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 (1)連結子会社名称住所資本金主要な事業の内容(注)1議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容㈱光学技研(注)4神奈川県厚木市75百万円オプティクス事業100.0当社オプティクス事業製品の開発、製造及び販売を行っている。 役員の兼任あり。 西武電機㈱東京都八王子市10百万円その他事業100.0電子機器、情報機器、各種機器の開発及び製造を行っている。 役員の兼任あり。 京浜光膜㈱(注)3神奈川県秦野市50百万円オプティクス事業100.0当社オプティクス事業製品の開発、製造及び販売を行っている。 役員の兼任あり。 仁力克股份有限公司台湾新北市13百万NTドル制御機器事業検査機事業100.0当社制御機器及び検査機事業の製品を中心としてアジア地区における製造及び販売を行っている。 尼利可自動控制机器(上海)有限公司中国上海市135百万円制御機器事業検査機事業100.0当社製品全般にわたり製造、販売及び保守サービスを行っている。 Nireco Korea Corporation韓国慶州市1,100百万ウォン制御機器事業検査機事業90.9当社制御機器事業の製品の製造、販売及び保守サービスを行っている。 役員の兼任あり。 その他1社 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しています。 2.上記の子会社はいずれも有価証券届出書又は有価証券報告書を提出していません。 3.京浜光膜株式会社については、2024年10月1日に株式を取得し子会社化しました。 4.㈱光学技研については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えています。 主要な損益情報等(連結会社相互間の内部取引、債権債務相殺前)(1)売上高 1,964百万円 (2)経常利益 934百万円(3)当期純利益 584百万円(4)純資産額 3,094百万円(5)総資産額 3,695百万円 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)制御機器事業215[13]検査機事業62[2]オプティクス事業112[18]その他34[4]全社(共通)43[2]合計466[39] (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は、年間の平均人員を[ ]外数で記載しています。 2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)301[17]48.019.56,645 セグメントの名称従業員数(人)制御機器事業188[13]検査機事業59[2]オプティクス事業27[-]全社(共通)27[2]合計301[17] (注)1.従業員数は就業人数であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を[ ]外数で記載しています。 2.平均年間給与は税込支払給与額で基準外賃金及び賞与が含まれています。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。 (3)労働組合の状況 当社グループの労働組合について、提出会社の労働組合はニレコ労働組合と称し、本社並びに各事業所地区別に支部が置かれており、上部団体には加盟していません。 労使関係は長期にわたり安定しています。 また、提出会社以外の連結子会社には労働組合はありません。 なお、2025年3月31日現在におけるニレコ労働組合の組合員数は152人です。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金格差の差異 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者3.080.061.374.945.1 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 3. 連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)の規程による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、制御、計測、検査技術を活かした製品ときめ細かいサービスの提供により、お客様から厚い信頼を獲得し、良きパートナーとして共に成長します。 さらに、パートナーシップにより生み出された価値を広く社会に応用することで、「技術と信頼」の経営理念の下、豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。 (2)目標とする経営指標当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けて、財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指しています。 財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、収益性の拡大を示す指標として営業利益、経常利益を重視し、業績予想等で具体的な目標値を公表します。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、いかなる環境下においても成長できる体制の実現を目指し、「市場の拡大」、「技術の進化」、「経営体質の強化」を重点テーマに掲げています。 具体的には、海外販売の拡大、新規市場の開拓を進めるとともに、当社グループが保有する画像解析技術及び光応用技術などの強化により、競争優位性の向上を目指していきます。 (4)経営環境 当連結会計年度においては、欧米における高い金利水準や中国における不動産市場の停滞の継続、中東地域情勢の影響などが見られると共に、米国の通商政策に大幅な変動が生じたことにより不透明感が高まりました。 我が国においては、雇用・所得環境が改善する中、企業の設備投資とともに個人消費にも持ち直しの動きが見られ、インバウンド消費が継続するなど景気は緩やかな回復基調となりましたが、物価の上昇が続いたことによる消費者マインドの陰りも見られました。 上記の状況の下、当社グループの各事業分野においては、以下の環境であると認識しています。 なお、当社グループでは、2024年4月1日に蛇行制御等について共通の技術基盤を持つプロセス事業部、ウェブ事業部を統合し、新たに制御機器事業部を発足させました。 本組織変更に伴う各事業活動の実態を適切に表すよう、経営区分の見直しを図り、従来「プロセス事業」「ウェブ事業」と区分していた事業を統合し「制御機器事業」とする報告セグメントの一部変更を行いました。 ① 制御機器事業イ.鉄鋼・非鉄金属分野鉄鋼業界においては、中国経済環境変調などから、鋼材需要は供給が過剰となっており、鉄鋼メーカーは生産能力の調整を図りつつ、高品位鋼の生産や環境負荷の低減に向けた設備投資に注力していくものと見込んでいます。 ロ.フィルム・紙・印刷分野製紙業界・印刷市場における紙需要はデジタル化の進展に伴い減少基調が続いています。 また、二次電池業界においても、電気自動車業界の成長に一服感が出たことから設備投資に落ち着きが見られます。 一方、食品包装業界などで、環境意識の高まりからロス低減に寄与する蛇行制御装置などの需要が拡大しています。 加えて、ペロブスカイト太陽電池や燃料電池など、新たな発電方式に用いられる製造装置用のニーズが拡大しているものと認識しています。 ② 検査機事業製造業界や第一次産業分野における省人化や高品質化ニーズにより、各種検査機の需要は堅調に推移するものと認識しています。 また、ペロブスカイト太陽電池や燃料電池など、新たなフィルム検査用途が出てきているものと認識しています。 ③ オプティクス事業当事業の主要販売先である半導体業界の設備投資需要は、先端半導体の製造設備の需要が強まる中、成長基調となっており、特に半導体の微細化に対応する製品の需要が強いものと認識しています。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループが持続的な成長と企業価値向上を実現する上で対処すべき主な課題は以下のとおりです。 ① 海外展開の推進海外子会社を、販売のみならず設計・調達・生産・サービス等の機能を持つ拠点に拡充し、各地域に即した製品・サービスを展開していきます。 ② 新規事業の創出当社グループが有する画像・センシング・光学技術を融合し、成長市場に対して競争力を持つ新製品の開発を進めていきます。 ③ 多様な人材の確保海外展開の推進や新規事業の創出など様々な経営課題に対応できる多様な人材確保を進めるとともに、グループとしての総合力を高めるべく会社間の連携並びに人材交流を強化します。 ④ 各事業別の取り組み制御機器事業の鉄鋼・非鉄金属分野では、高品位鋼向けの設備投資に向けた販売活動強化や提携先との連携強化も含めた海外展開に注力します。 また、フィルム・紙・印刷分野では、海外の二次電池メーカーの設備投資意欲に落ち着きが見られることから、国内において新たな発電方式に用いられる製造装置向けの販売活動に注力します。 加えて、ロス低減による環境負荷低減に寄与する蛇行制御装置などの販売訴求を図ってまいります。 また、協力関係にあるドイツのErhardt+Leimer(エアハルト・ライマー)グループやIMSグループとの協業関係を強化し、検査装置を含め国内外での事業強化に繋げます。 検査機事業においては、今後市場の拡大が見込まれるペロブスカイト太陽電池や燃料電池などの新たな発電方式を開発している業界に向けた用途開発に挑みます。 食品検査装置分野においては、AI弁別機能や新規検査方式の開発を加速し、需要の掘り起こしに注力します。 オプティクス事業においては、期初の受注残高が高水準にあることに加え、製品の製造能力に逼迫が見られることから、需要に対応した生産性の向上や設備の増強に注力します。 また、半導体業界において極紫外光や深紫外光を利用した製造装置や検査装置の需要が拡大していることから、これらの装置に利用される光学部品分野需要の取り込みと保守部品販売の拡大を図ります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)ガバナンス 当社は、ニレコ コーポレート・ガバナンス基本方針を定め、「技術と信頼」の経営理念の下、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の監督機能を強化しつつ積極果断な経営判断を促す仕組みの構築が重要であるとの考えに基づき、コーポレート・ガバナンス体制の充実・強化に取り組んでいます。 同基本方針においては、サステナビリティに関する考え方として、以下の項目を明記しており、取締役会でサステナビリティに関する具体的なリスクや機会の議論を進め、ガバナンスの統制及び手続を行っています。 第2章 ステークホルダーとの適切な協働(基本方針)第7条 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、全てのステークホルダーとの適切な協働が不可欠であるとの認識の下、その関係構築に向け取り組む。 (SDGs推進)第8条 当社は「技術と信頼」の経営理念の下、当社が関わり生み出した価値を広く社会において応用することで、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する経営を目指している。 その経営理念を実現するためには、持続可能性を追求することも重要と考え、地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害への危機管理等を重視している。 気候変動やサステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、積極的に取り組んでいる。 (多様性の確保)第9条 当社は、多様な視点や価値観を取り入れることも自社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するものと考え、個人の属性に拘らない多様な人材の確保・活用を積極的に推進する。 ニレコ コーポレート・ガバナンス基本方針の詳細については、当社ホームページ、(https://www.nireco.jp/company/governance/)」を参照ください (2)戦略 当社は、コーポレート・ガバナンス基本方針第9条「多様性の確保」の方針の下、年齢、性別、国籍に拘らない通年採用方針をとることで多様な人財の確保に努め、海外子会社の経営幹部および従業員の多くは現地採用の人材で構成しています。 管理職登用におきましても個人の属性に拘ることなく実績を重視し、選抜しています。 また、全ての従業員に公平な教育機会を提供し、能力向上を求めることが結果として中核人材の多様性確保につながるものと考えており、優秀な人材の確保が結果としてサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処し、サステナビリティの向上に結びつくものと認識しています。 そのような方針の下、経営コンサルティング会社、役員、人事部メンバー、組合委員長を主体とするコアメンバーが主体的となり、各事業部、部門、事業所から選抜されたサブメンバーと打合せ、意見を吸い上げることにより、“より努力と成果に応え、公平性の確保された評価・処遇のための人事制度改革”を実行するとともに、併せて若手従業員の給与見直しを行いました。 また、ITの活用による教育インフラの整備、専門の外部講師による部長対象の上級管理職研修、課長対象の管理職研修も積極的に進め、従業員の能力向上意欲を醸成する社内環境を整備しています。 退職者とも良好な関係を築いており、カムバック採用で戻ってきた社員も、従前以上に活躍しています。 加えて、当社は全ての役員・従業員が順守すべき行動規範に「人権の尊重・人材の育成」を掲げ、“あらゆる差別を排除し、従業員の人格、価値観を尊重した中立かつ公正な立場で、物事を捉える視野が広く、異文化における様々な商習慣などに対し理解・共感を持ちながら他者に接する人材”を育成することを主眼としており、評価制度にも反映しています。 さらに、ニレコ本体では多様な働き方を可能とする制度として、在宅勤務制度やフレックスタイム制度を確立し、さらに充実したよりよい制度への改善を図るとともに、多様な人材が能力を最大限発揮できる社内環境の整備に努めており、グループ会社においても従業員の能力発揮や福利厚生に配慮した施策に取り組んでいます。 また業務内外問わずグループ会社間でのコミュニケーションも活発化し、グループの結束の向上につながっています。 事業においても、顧客の製造ラインにおける検査・計測・制御装置の開発、提供を通じ、エネルギー消費の低減や製品廃棄ロスの削減に貢献することで、サステナビリティ社会の実現のみならず当社企業価値の向上にもつながるものと捉え、経営戦略を立案しています。 (3)リスク管理当社は、(2)に記載の優秀な人材の確保によるリスク及び機会への対処を図っている他、すべての規程・規則・細則等に優先する行動規範の中において「自然環境の保護」を掲げています。 また、基本方針第8条(SDGs推進)のとおり、環境保全に努めることは「技術と信頼」の経営理念の実現につながるものと考えており、環境問題の解決にグループを挙げて積極的に取り組んでいます。 これらの活動を通じ、グループ各社の取締役会においてサステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、及び管理すべく取り計らっています。 当社単体および㈱光学技研では、二酸化炭素排出量の削減や紙・金属・水資源の再利用を図るなど環境負荷の低減に取り組んでおり、エネルギー消費量、廃棄物量の年度実績を基に全社的なエネルギー消費量や廃棄物量の削減に向けた具体的な対策を講じています。 また、年度末には実績の検証を行うことにより、対策に活かしています。 (4)指標及び目標当社グループでは現時点においては中核人材の登用における多様性の確保目標について測定可能な目標を設定していませんが、今後目標設定に向けて議論を進めていきます。 なお、現在、取締役会を構成する取締役6名のうち、1名は女性取締役が就任しており、中核人材の多様性確保に留意しています。 また、当社は、人材の多様性を確保するため誰にとっても働きやすい職場環境であることを重視しています。 その方策の一つとして子育て世代の支援の一環である育児休業制度の活用を推奨しています。 育児休業終了後は、時短勤務・在宅を利用した柔軟な働き方が実現できていることで、復職率は100%となっています。 当該指標に関する当連結会計年度の目標及び実績は次のとおりです。 なお、本指標については、当社単体に加えて当社の連結子会社のうち、当社グループの収益に一定以上の割合を占める子会社である株光学技研の目標及び実績を加えて示しています。 当連結会計年度実績(当社及び㈱光学技研) 目標実績女性社員育児休業制度利用率100%100%男性社員育児休業制度利用率100%80% |
戦略 | (2)戦略 当社は、コーポレート・ガバナンス基本方針第9条「多様性の確保」の方針の下、年齢、性別、国籍に拘らない通年採用方針をとることで多様な人財の確保に努め、海外子会社の経営幹部および従業員の多くは現地採用の人材で構成しています。 管理職登用におきましても個人の属性に拘ることなく実績を重視し、選抜しています。 また、全ての従業員に公平な教育機会を提供し、能力向上を求めることが結果として中核人材の多様性確保につながるものと考えており、優秀な人材の確保が結果としてサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処し、サステナビリティの向上に結びつくものと認識しています。 そのような方針の下、経営コンサルティング会社、役員、人事部メンバー、組合委員長を主体とするコアメンバーが主体的となり、各事業部、部門、事業所から選抜されたサブメンバーと打合せ、意見を吸い上げることにより、“より努力と成果に応え、公平性の確保された評価・処遇のための人事制度改革”を実行するとともに、併せて若手従業員の給与見直しを行いました。 また、ITの活用による教育インフラの整備、専門の外部講師による部長対象の上級管理職研修、課長対象の管理職研修も積極的に進め、従業員の能力向上意欲を醸成する社内環境を整備しています。 退職者とも良好な関係を築いており、カムバック採用で戻ってきた社員も、従前以上に活躍しています。 加えて、当社は全ての役員・従業員が順守すべき行動規範に「人権の尊重・人材の育成」を掲げ、“あらゆる差別を排除し、従業員の人格、価値観を尊重した中立かつ公正な立場で、物事を捉える視野が広く、異文化における様々な商習慣などに対し理解・共感を持ちながら他者に接する人材”を育成することを主眼としており、評価制度にも反映しています。 さらに、ニレコ本体では多様な働き方を可能とする制度として、在宅勤務制度やフレックスタイム制度を確立し、さらに充実したよりよい制度への改善を図るとともに、多様な人材が能力を最大限発揮できる社内環境の整備に努めており、グループ会社においても従業員の能力発揮や福利厚生に配慮した施策に取り組んでいます。 また業務内外問わずグループ会社間でのコミュニケーションも活発化し、グループの結束の向上につながっています。 事業においても、顧客の製造ラインにおける検査・計測・制御装置の開発、提供を通じ、エネルギー消費の低減や製品廃棄ロスの削減に貢献することで、サステナビリティ社会の実現のみならず当社企業価値の向上にもつながるものと捉え、経営戦略を立案しています。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標当社グループでは現時点においては中核人材の登用における多様性の確保目標について測定可能な目標を設定していませんが、今後目標設定に向けて議論を進めていきます。 なお、現在、取締役会を構成する取締役6名のうち、1名は女性取締役が就任しており、中核人材の多様性確保に留意しています。 また、当社は、人材の多様性を確保するため誰にとっても働きやすい職場環境であることを重視しています。 その方策の一つとして子育て世代の支援の一環である育児休業制度の活用を推奨しています。 育児休業終了後は、時短勤務・在宅を利用した柔軟な働き方が実現できていることで、復職率は100%となっています。 当該指標に関する当連結会計年度の目標及び実績は次のとおりです。 なお、本指標については、当社単体に加えて当社の連結子会社のうち、当社グループの収益に一定以上の割合を占める子会社である株光学技研の目標及び実績を加えて示しています。 当連結会計年度実績(当社及び㈱光学技研) 目標実績女性社員育児休業制度利用率100%100%男性社員育児休業制度利用率100%80% |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | そのような方針の下、経営コンサルティング会社、役員、人事部メンバー、組合委員長を主体とするコアメンバーが主体的となり、各事業部、部門、事業所から選抜されたサブメンバーと打合せ、意見を吸い上げることにより、“より努力と成果に応え、公平性の確保された評価・処遇のための人事制度改革”を実行するとともに、併せて若手従業員の給与見直しを行いました。 また、ITの活用による教育インフラの整備、専門の外部講師による部長対象の上級管理職研修、課長対象の管理職研修も積極的に進め、従業員の能力向上意欲を醸成する社内環境を整備しています。 退職者とも良好な関係を築いており、カムバック採用で戻ってきた社員も、従前以上に活躍しています。 加えて、当社は全ての役員・従業員が順守すべき行動規範に「人権の尊重・人材の育成」を掲げ、“あらゆる差別を排除し、従業員の人格、価値観を尊重した中立かつ公正な立場で、物事を捉える視野が広く、異文化における様々な商習慣などに対し理解・共感を持ちながら他者に接する人材”を育成することを主眼としており、評価制度にも反映しています。 さらに、ニレコ本体では多様な働き方を可能とする制度として、在宅勤務制度やフレックスタイム制度を確立し、さらに充実したよりよい制度への改善を図るとともに、多様な人材が能力を最大限発揮できる社内環境の整備に努めており、グループ会社においても従業員の能力発揮や福利厚生に配慮した施策に取り組んでいます。 また業務内外問わずグループ会社間でのコミュニケーションも活発化し、グループの結束の向上につながっています。 事業においても、顧客の製造ラインにおける検査・計測・制御装置の開発、提供を通じ、エネルギー消費の低減や製品廃棄ロスの削減に貢献することで、サステナビリティ社会の実現のみならず当社企業価値の向上にもつながるものと捉え、経営戦略を立案しています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (4)指標及び目標当社グループでは現時点においては中核人材の登用における多様性の確保目標について測定可能な目標を設定していませんが、今後目標設定に向けて議論を進めていきます。 なお、現在、取締役会を構成する取締役6名のうち、1名は女性取締役が就任しており、中核人材の多様性確保に留意しています。 また、当社は、人材の多様性を確保するため誰にとっても働きやすい職場環境であることを重視しています。 その方策の一つとして子育て世代の支援の一環である育児休業制度の活用を推奨しています。 育児休業終了後は、時短勤務・在宅を利用した柔軟な働き方が実現できていることで、復職率は100%となっています。 当該指標に関する当連結会計年度の目標及び実績は次のとおりです。 なお、本指標については、当社単体に加えて当社の連結子会社のうち、当社グループの収益に一定以上の割合を占める子会社である株光学技研の目標及び実績を加えて示しています。 当連結会計年度実績(当社及び㈱光学技研) 目標実績女性社員育児休業制度利用率100%100%男性社員育児休業制度利用率100%80% |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中にある将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。 ①経済状況による業績への影響について 当社グループは、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、鉄鋼業、製紙・化学・印刷業・食品業および半導体産業まで幅広く産業界の合理化、省力化・品質向上ニーズに応えてきました。 このように当社グループの事業対象は国内外の産業界であり、その設備投資動向が当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当連結会計年度はロシア・ウクライナ情勢や中東情勢などの不安定要因が継続する中、世界的な物価上昇や米国の関税政策の変化などもあり、不透明な環境が続くものと見込んでいます。 これらの原材料価格の変動、地政学的リスク、各国の政策変更や経済状況の変動なども、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②競合に関するリスク 当社グループは、激しい競争にさらされている製品を有しています。 また、アジア諸国を中心に海外での事業展開に伴い、欧米グローバル企業や現地企業との価格面、機能面における競争が熾烈になっています。 当社グループとして、このような競合先に打ち克つべく全社一丸となって事業運営に取り組んでいますが、当社グループが競合相手に比べて優位に展開できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③取引先との関係等に関するリスクⅰ)顧客に対する信用リスク 当社グループの顧客の多くは、代金後払いで当社グループから製品・サービスを購入しています。 当社グループでは顧客の信用状況に細心の注意を払っていますが、こうした対策をとっているにも関わらず、当社グループが多額の売上債権を有する顧客に業績の悪化等による信用リスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⅱ)資材等の調達 当社グループは、原材料等が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を敷いています。 また、原材料・部品等の一部については、その特殊性から仕入先が限定されているものや仕入先の切替えが困難なものもあります。 このような外注先、仕入先による供給の遅延・中断等があった場合に、製品の生産が困難となることや納期が長期化する恐れがあります。 加えて、原材料・部品等の調達を他の仕入先に変更した際に購入費用が増加する可能性があり、これらの事象が当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④製品開発に関するリスク 当社グループの成長は新製品の開発と販売に依存するものと考え、新製品の開発を進めています。 当社グループは今後も継続して魅力ある新製品を開発できると考えていますが、そのすべてが想定通りに進み、販売できるようになるとは限らず、また、途中で開発を断念しなければならない事態に陥る恐れもあります。 そのような場合、製品によっては、当社グループの事業、業績及び状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤製品品質に関するリスク 当社グループは厳しい品質管理基準に従って各種の製品・サービスを提供していますが、すべての製品・サービスに欠陥がないとは言い切れません。 当社グループの製品・サービスの中には顧客の生産ラインにおいて高い安全性が求められるものもあることから、故障が顧客に深刻な損失をもたらす危険があり、欠陥が原因で生じたそのような損失に対する責任を当社グループが問われる可能性があります。 また、これらの問題に伴い、当社グループの製品・サービスに対する顧客の信頼を低下させる可能性があります。 上記いずれの要因によっても、当社グループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。 ⑥海外進出に関するリスク 当社グループは経営方針として「グローバル展開」を掲げ、中国、台湾、韓国に生産及び販売拠点を設立し、また、その他の国々への販売も展開しています。 これら進出各国における政情の変化、経済状況の変動、予期せぬ法律や規制の変更、未整備の技術インフラ等が、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦自然災害に関するリスク 地震、火災、洪水等の自然災害や疫病の蔓延により、当社グループの各拠点、サプライチェーン企業、あるいは、当社グループの製品ユーザーが壊滅的な損害を受ける可能性があります。 そのような場合に、当社グループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。 ⑧退職給付債務 当社グループの従業員に係る退職給付費用及び債務は、年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は以下のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、欧米における高い金利水準や中国における不動産市場の停滞の継続、中東地域情勢の影響などが見られるとともに、米国の通商政策に大幅な変動が生じたことにより不透明感が高まりました。 我が国においては、雇用・所得環境が改善する中、企業の設備投資とともに個人消費にも持ち直しの動きが見られ、インバウンド消費が継続するなど景気は緩やかな回復基調となりましたが、物価の上昇が続いたことによる消費者マインドの陰りも見られました。 当社グループ(当社及び連結子会社)の主要取引先である半導体や電子部品、鉄鋼、フィルム、印刷、食品など各メーカーの設備投資は、業種により強弱はあるものの回復基調が続き、特に半導体業界からは、オプティクス事業で取り扱う製品に強いニーズがありました。 このような状況の中、当社グループはいかなる環境下においても成長できる企業グループの実現に向け、引き続きコア技術である画像処理、センシング及び光学技術の強化を進めたほか、グループ内の組織変更などを行うことで収益性の改善に努めました。 また、今後のオプティクス事業の一層の成長を図るべく、2024年10月1日に京浜光膜株式会社を子会社化するなど、事業の拡大に向けた取り組みを行いました。 当連結会計年度においては、オプティクス事業製品への強い需要が継続したことに加え、利益率向上に向けた各種 施策が奏功したことなどが売上高、営業利益、経常利益の増加につながりました。 また、子会社との合併に伴う税額 の調整や給与支給増、研究開発費に伴う税額控除などにより、法人税額の割合が低めとなりました。 a.財政状態当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて779百万円増加し19,352百万円となりました。 負債は前連結会計年度末に比べて68百万円減少し2,679百万円となりました。 純資産は前連結会計年度末に比べて847百万円増加し16,673百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の業績につきましては、売上高10,756百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益1,907百万円(前年同期比37.5%増)、経常利益2,028百万円(前年同期比38.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,562百万円(前年同期比54.5%増)となりました。 また、受注残高は5,163百万円(前年同期比5.3%減)となりました。 なお、当社グループでは、2024年4月1日に蛇行制御等について共通の技術基盤を持つプロセス事業部、ウェブ事業部を統合し、新たに制御機器事業部を発足させました。 本組織変更に伴う各事業活動の実態を適切に表すよう、当連結会計年度より経営区分の見直しを図り、従来「プロセス事業」「ウェブ事業」と区分していた事業を統合し「制御機器事業」とする報告セグメントの一部変更を行いました。 報告セグメントの変更に伴い、各事業の売上高、セグメント利益を一部変更しています。 また、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。 制御機器事業当事業においては、鉄鋼・非鉄金属分野では鉄鋼メーカーの設備投資が引き続き堅調であり、高水準の期初受注残高もあり売上高は前年同期比で増加しました。 利益面においては、売上高の増加、利益率の高い製品の販売割合が高かったこと、利益確保に向けた意識の向上などにより前年同期比で増加しました。 フィルム・紙・印刷分野においては、二次電池業界から製造装置メーカーへの先行発注が一段落したこともあり、受注高と売上高は前年同期比で減少しました。 一方、利益面では、利益率の高い製品販売の増加や組織改編を含めた利益改善策の奏功により利益率が改善し、前年同期比で増加しました。 この結果、制御機器事業全体では増収増益となりました。 その結果、当事業の売上高は5,806百万円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益は1,556百万円(前年同期比50.9%増)となりました。 また、受注残高は2,705百万円(前年同期比14.6%減)となりました。 検査機事業当事業においては、二次電池製造装置業界向けや農業用の食品検査装置のいずれにおいても受注が低調に推移し、受注高及び売上高は前年同期比で減少しました。 利益面においては、売上高の減少や利益率の高い製品の販売が少なかった影響を受け、セグメント損失となりました。 その結果、当事業の売上高は1,582百万円(前年同期比7.5%減)、セグメント損失は89百万円(前年同期セグメント利益87百万円)となりました。 また、受注残高は594百万円(前年同期比10.5%減)となりました。 オプティクス事業 当事業においては、半導体製造・検査装置向け光学部品分野において、高精度・高品質な波長板やプリズムなどの需要が増加したことに加え、レーザ装置の販売も順調に推移し、売上高は前年同期比で大幅に増加しました。 利益面においても、売上高の増加による生産効率の改善や収益性の高い製品の販売増を受け、前年同期比で大きく増加しました。 その結果、当事業の売上高は2,900百万円(前年同期比48.4%増)、セグメント利益は1,068百万円(前年同期比32.4%増)となりました。 また、受注残高は1,769百万円(前年同期比17.3%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )につきましては、営業活動により1,303百万円増加、投資活動により325百万円減少、財務活動により514百万円減少しました。 その結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末と比べて474百万円増加し、3,253百万円となりました。 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は1,303百万円(前年同期892百万円)となりました。 これは主なフローインとして税金等調整前当期純利益2,074百万円があり、主なフローアウトとして法人税等の支払額519百万円があったことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は325百万円(前年同期449百万円)となりました。 これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入166百万円があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出390百万円、固定資産の取得による支出146百万円があったことによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は514百万円(前年同期431百万円)となりました。 これは主に配当金の支払額487百万円、長期借入金の返済による支出21百万円があったことによります。 ③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)制御機器事業(千円)5,770,72799.5%検査機事業(千円)1,500,09577.0%オプティクス事業(千円)2,678,175146.2%報告セグメント計(千円)9,948,997103.9%その他(千円)592,424112.7%合計(千円)10,541,421104.3% (注)金額は販売価格によっています。 (b)受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)制御機器事業(千円)5,343,98796.9%2,705,33885.4%検査機事業(千円)1,512,581111.8%594,13389.5%オプティクス事業(千円)3,160,998119.3%1,769,876117.3%報告セグメント計(千円)10,017,566105.3%5,069,34794.9%その他(千円)447,99698.6%94,18982.6%合計(千円)10,465,562105.0%5,163,53694.7% (c)販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)制御機器事業(千円)5,806,396102.9%検査機事業(千円)1,582,54692.5%オプティクス事業(千円)2,900,167148.4%報告セグメント計(千円)10,289,109110.5%その他(千円)467,86984.8%合計(千円)10,756,978109.1% (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。 この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されています。 なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし、合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。 特に、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えています。 1) コストに基づくインプット法により認識した収益当社グループは、長期工事契約による取引については、受注生産品による納入機器等を他の顧客又は別の用途に振り向けることができず、完了した作業に対する支払いを受ける権利を有します。 そのため、機器の納入及び試運転調整の進捗によって履行義務が充足されていくものと判断しており、完成までに要する総原価を合理的に測定できる場合には、コストに基づくインプット法(期末日における見積総原価に対する累積実際発生原価の割合に応じた金額)により収益を認識しています。 なお、収益総額、見積総原価及び期末日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。 2) 貸倒引当金当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上しています。 将来、顧客等の財政状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。 3) 資産の評価当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用していますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに収益性が低下していると判断される場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しています。 実際の正味売却価額が当社グループの見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が発生する可能性があります。 当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しています。 市場価格のある株式については将来において時価が著しく下落し、回復する見込があると認められる場合を除き、評価損を計上する可能性があります。 一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 4) 繰延税金資産当社グループは、合理的で実現可能な事業計画又は予算に基づき将来の課税所得を見積り、回収可能性を十分に検討し、繰延税金資産を計上しています。 将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該連結会計年度において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。 5) 退職給付費用及び債務当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するにあたり、採用した数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいています。 これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来にわたって償却されるため、今後計上される退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。 6) 資産除去債務当社グループは、事業用建物に含まれるアスベストの除去費用に係わる資産除去債務を算出するにあたり、物件ごとに使用見込み期間を見積り、割引率は国債利回りを使用して現在価値に割り引いた金額を資産除去債務として計算していますが、将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び検討内容a.財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べて779百万円増加して19,352百万円となりました。 これは主に売掛金の増加730百万円、現金及び預金の増加460百万円、投資有価証券の減少510百万円があったことによります。 (負債)負債は前連結会計年度末に比べて68百万円減少して2,679百万円となりました。 これは主に支払手形及び買掛金の減少70百万円があったことによります。 (純資産)純資産は前連結会計年度末に比べて847百万円増加して16,673百万円となりました。 これは主に配当金の支払487百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の増加1,562百万円、その他有価証券評価差額金の減少276百万円があったことによります。 b.経営成績の分析1)売上高の状況当社グループは、製品・サービスの収益力強化に取り組むとともに、競争力強化・新規事業領域の開拓に向けた事業展開を積極的に推し進めました。 当連結会計年度における当社グループの売上高は10,756百万円となり、前連結会計年度と比べて9.1%増となりました。 セグメント別の詳細な状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 なお、海外売上高については、アジア向けや欧州向け売上高の増加により、前連結会計年度と比べて6.3%増の2,058百万円となりました。 2)利益の状況当連結会計年度における当社グループの利益の状況については、売上の増加、全社的なコストの削減及び継続的な生産性向上に努めた結果、営業利益は1,907百万円(前連結会計年度比37.5%増)となりました。 経常利益は2,028百万円(前連結会計年度比38.0%増)、経常利益率は18.9%となり、期初予想の12.7%を上回りました。 また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,562百万円(前連結会計年度比54.5%増)となりました。 c.キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 d.資本の財源及び資金の流動性 当社グループは財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指すため、財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、積極的な投資により成長に向けた競争力の強化を図ります。 主な資金需要は、製品の原材料費、研究開発費、事業活動に必要な有形・無形固定資産投資、配当金支払などであり、その主な資金原資は、事業活動で積み上げた内部留保及び営業キャッシュ・フローです。 また、資金の流動性については、自己資金で充分確保されています。 なお、配当金については、市場のニーズに応えうる研究・開発体制の強化、グローバル展開を進めるための投資、機動的な自己株式の取得など、持続的な成長と株主価値向上へ内部留保を活かすと共に、株主の皆様へ適切な利益還元を図るべく、連結配当性向45%以上かつ連結自己資本配当率(DOE)2.5%以上を利益還元目標としています。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、顧客からの多様なニーズに応えるため、電子、電気、流体、光学などの技術分野を中心として、グループの今後を担う新製品の研究開発及び既存製品の改良研究を進めています。 (1)当社製品と研究開発の特徴当社グループは、創業以来長年培ってきた制御の技術を進化させるとともに、その過程で派生した技術を成長させていくことにより、工場の生産・加工ラインにおける制御・計測・検査のための様々な製品を創り出してきました。 我が国において、戦後の復興から一貫して製造業が経済の牽引役を担ってきた中で、品質の高い製品を効率的に生産するという製造業のニーズに合致するものでありました。 このような背景を持った当社グループの研究開発の特徴は以下の点にあります。 ①多様な市場に向けて多品種かつ少量に製品を生産・供給すること②顧客の工場における生産ラインの環境や条件は千差万別で、それぞれの環境や条件の中で正しく稼動し、機能することが求められること③顧客の生産効率や歩留まり率向上に貢献し、不良品の流出を防ぐ高いレベルの機能が求められることこれらの特徴から、当社グループにおける研究開発が目指しているところは、生産ラインの多様性に対応しつつも、高精度の計測・制御・検査を同時に追求していく点にあります。 (2)問題点と今後の課題当社グループにおける研究開発の問題点として考えられることは、顧客の生産ラインの多様な条件に適応しながら、高精度であるという要求に対して高いレベルで応えることが常に求められている中、開発にかかる時間とコストが増える傾向にあるという点です。 この問題点を解決するには、当社グループのコア技術の中でも特に強みであり、また、開発余地の大きい独自のセンシング技術、画像処理技術、及び光学技術を各事業分野に応用展開することが最も重要だと考えています。 他社にはない長年の技術的蓄積とノウハウを活かすことにより、一から開発するよりも時間とコストを節減できるのみならず、競合他社との差別化にもつながると考えています。 (3)研究開発の体制 当社グループの研究開発は、顧客ニーズにきめ細かく対応した製品をタイムリーに供給することを目指しています。 当社グループにおける研究開発体制の特徴は、営業、サービス、技術、開発の各部門及びグループ会社が連携し、一体となって顧客要求に応える製品を開発する点にあります。 なお、当連結会計年度における研究開発担当人員は56名であり、これは総従業員数の約12.0%に相当します。 (4)セグメント別の目的、課題、成果等当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要な課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。 制御機器事業・鉄鋼・非鉄金属分野創業以来の基幹事業である鉄鋼・非鉄金属分野は、鉄鋼業を主体としたプロセス産業の発展とともにその技術を進化させてきました。 また、その過程で新たに生まれた制御や画像処理の技術をその他の事業にも活かすことで事業の多角化にも貢献してきました。 現在は、既存技術に新技術を融合させることにより、成熟産業の新たなニーズを掘り起すことを目指して研究開発を進めています。 ・フィルム・印刷・紙分野フィルム・印刷・紙分野向け製品のコア技術である位置制御技術は、製鉄所での鋼板製造ラインにおける位置制御に用いられた技術を、製紙、印刷、フィルムなど帯状素材(ウェブ)の分野に応用・展開したものです。 現在、高機能フィルムの製造工程において、耳端位置制御装置や張力制御装置が不可欠の装置となっており、微細レベルの制御と製造コストの削減というユーザーのニーズに応えるため、更なる機能向上を進めています。 検査機事業検査機事業のコア技術である画像処理技術は、鉄鋼製品の品質検査向けに開発以来、長年にわたり培われてきた技術です。 この技術を活かして、多方面の分野に応用・展開することが重要だと考え、研究開発に取り組んでいます。 現在では、液晶パネルや二次電池、ペロブスカイト太陽電池の部材をはじめとした高機能フィルムなど帯状素材の品質検査をする無地検査装置と、青果物向けの品質検査をする選果装置や加工食品向け外観検査装置、近赤外分析装置等の研究開発を進めています。 オプティクス事業オプティクス事業では、高精度な特殊光学部品に関する技術やレーザ技術を長年にわたり培ってきました。 当社グループはこの分野でより高度な技術や幅広い分野での応用・展開に向けた研究開発に取り組んでいます。 当連結会計年度は、光学薄膜関連製品の開発・製造を行う京浜光膜㈱がグループ企業に加わり、グループ内外の連携を強化しつつ、幅広い研究開発活動に取り組んでいます。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は686百万円となっており、その内訳は「制御機器事業」が458百万円、「検査機事業」が191百万円、「オプティクス事業」が36百万円です。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社グループ(当社及び連結子会社)では、設備投資の必要性について厳しい審査をする一方で、生産能力向上のための機械装置、販売のためのデモンストレーション機器、品質向上目的のテスト装置の製作、社内ITシステムの更新や建物の維持及び改修により総額138百万円の設備投資を実施しました。 なお、所要資金は自己資金によっています。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、次のとおりです。 (1)提出会社(2025年3月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)相模原工場(神奈川県相模原市)制御機器事業検査機事業生産設備・倉庫業務20,269595232,778(1,829)2,101255,74534[7]八王子事業所 本社(東京都八王子市)制御機器事業検査機事業オプティクス事業その他研究開発・生産設備・倉庫業務・営業・管理800,04332,25221,471(13,255)35,002888,769219[9]大阪営業所(大阪府吹田市)制御機器事業検査機事業営業1,9130-01,91312[-]東京営業所(東京都江東区)制御機器事業営業14,82690125,720(330)68140,7059[-]明石営業所(兵庫県明石市)制御機器事業営業22,423-37,988(372)060,4129[-]九州営業所(福岡県北九州市小倉北区)制御機器事業営業292--02926[-]八王子事業所 分室(東京都八王子市)検査機事業その他研究開発・営業928-180,745(363)-181,674-[-]光技術研究所(東京都練馬区)その他研究開発5,5487,499-4,29817,3467[-]横浜営業所(神奈川県横浜市)制御機器事業営業366---366-[-]横川事業所(東京都八王子市)その他研究開発12,306-24,801(198)18,32355,431-[-]楢原事業所(東京都八王子市)その他研究開発6,109-313,807(3,109)-319,917-[-]韮崎工場(山梨県韮崎市)制御機器事業生産設備-1,623-01,6235[1] (2)国内子会社(2025年3月31日現在) 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)㈱光学技研本社・長谷事業所(神奈川県厚木市)オプティクス事業研究開発・生産設備420,015120,769493,049(5,262)75,8491,109,68369[8]西武電機㈱本社・みなみ野工場(東京都八王子市)その他研究開発・生産設備183,3913,974204,000(1,541)1,784393,14936[4]京浜光膜㈱本社(神奈川県秦野市)オプティクス事業生産設備88,93512,378337,500(6,804)1,219440,03223[10] (3)在外子会社(2024年12月31日現在) 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)仁力克股份有限公司台湾新北市制御機器事業検査機事業営業・生産設備---80080010[-]尼利可自動控制机器(上海)有限公司中国上海市制御機器事業検査機事業営業・生産設備-6,712-3,51210,22416[-]Nireco Korea Corporation(韓国)韓国慶州市制御機器事業営業・生産設備38,6775,46145,592(2,695)2,30092,03111[-] (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であり、建設仮勘定は含んでいません。 2.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しています。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社グループ(当社及び連結子会社)の設備投資については、業績動向、資金計画、投資効果等を総合的に勘案しながら、原則的に連結会社各社が個別に設備計画を策定しています。 ただし、重要な設備投資に関しては提出会社を中心としたグループ内において調整を図っています。 なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、改修等の特記すべき事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 36,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 138,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 48 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 20 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,645,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、投資株式について、専ら株式の価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それら目的に加え中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を純投資以外の目的である投資株式(政策保有株式)に区分しています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 ・純投資目的以外の株式についての保有方針 当社は持続的な成長と経済的価値を高めるため、安定的な取引関係並びに緊密な協力関係の維持及び強化等を図るため、もしくは業務提携関係にあるなど株式を保有することにより中長期的な企業価値の向上に資するものを対象に株式の政策保有をしています。 ・検証及び保有の適否 政策保有株式は、年一回、取締役会において業務上の親密度等の定性的要素及び取引状況、配当、資本コスト等の定量的要素並びに長期的な企業価値向上の視点で経済合理性及び将来の見通しを検証し、その保有の合理性を確認しています。 2024年8月26日の取締役会にて、保有意義が乏しいと判断した銘柄はありませんでした。 ⅰ)投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式61,168,563 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 ⅱ)保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)極東貿易㈱302,818302,818保有企業は、制御機器事業の主に鉄鋼や非鉄金属をはじめとする分野における重要な取引先です。 鉄鋼業界のみならず事業全般において協力関係を築き、お互いの強みを生かしながら国内外での新たな市場を切り開くことにより、両社の中長期的な企業価値向上につながるものと考えています。 そのような協力関係を築く上で両社の資本関係を維持していくことが重要であるものと考えます。 有473,910625,621㈱ヒラノテクシード102,000102,000保有企業は、制御機器事業の製紙、印刷及び電子部材分野におけるEPC装置の主要販売先です。 株式を保有することで安定的な取引関係を維持・強化することが中長期的な企業価値の向上に資するものと考えます。 有166,260212,262㈱東京きらぼしフィナンシャルグループ27,30327,303保有企業は、当社事業戦略に応じた資金の安定的かつ機動的な供給元であり、株式を保有することで緊密な協力関係を維持・強化することが中長期的な企業価値の向上に資するものと考えます。 有159,176133,102㈱アバールデータ60,00060,000保有企業は、検査機事業における検査装置関連の仕入先であり、新製品の開発においては重要な取引先です。 株式を保有することで安定的な取引関係を維持・強化することが中長期的な企業価値の向上に資するものと考えます。 有134,580372,000㈱テクノスマート72,40072,400保有企業は、制御機器事業の製紙、印刷及び電子部材分野におけるEPC装置の主要販売先です。 株式を保有することで安定的な取引関係を維持・強化することが中長期的な企業価値の向上に資するものと考えます。 有121,125148,347凸版印刷㈱28,00028,000保有企業は、制御機器事業の製紙、印刷及び電子部材分野におけるEPC装置の主要販売先です。 株式を保有することで安定的な取引関係を維持・強化することが中長期的な企業価値の向上に資するものと考えます。 無113,512108,612(注) 当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した 方法について記載します。 当社は、毎期、個別の政策保有株式について政策保有の意義を検証していま す。 現状保有する政策保有株式はいずれも保有方針に沿った目的で保有していることを確認しています。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式--150,170非上場株式以外の株式5339,6165305,195 区分当事業年度受取配当金の合計額(千円)売却損益の合計額(千円)評価損益の合計額(千円)非上場株式73923,954-非上場株式以外の株式13,714-197,135 ④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外から純投資目的の目的に変更したもの該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 5 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,168,563,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 28,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 113,512,000 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 339,616,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 13,714,000 |
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 197,135,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 凸版印刷㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 保有企業は、制御機器事業の製紙、印刷及び電子部材分野におけるEPC装置の主要販売先です。 株式を保有することで安定的な取引関係を維持・強化することが中長期的な企業価値の向上に資するものと考えます。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) ニレコ取引先持株会東京都八王子市石川町2951-45156.95 極東貿易株式会社東京都千代田区大手町2丁目2-1新大手ビル4696.34 CLEARSTREAM BANKING S.A.(常任代理人香港上海銀行東京支店)42,AVENUE JF KENNEDY,L-1855 LUXEMBOURG(東京都中央区日本橋3丁目11-1)3404.60 株式会社きらぼし銀行(常任代理人株式会社日本カストディ銀行)東京都港区南青山3丁目10番43号(東京都中央区晴海1丁目8番12号)2913.93 ニレコ従業員持株会東京都八王子市石川町2951-42803.79 浅井 美博東京都小金井市2243.03 株式会社ヒラノテクシード奈良県北葛飾郡河合町大字川合101-11772.39 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-121722.33 岡田 幸勝神奈川県厚木市1301.75 久保田 寿治東京都日野市1201.62計-2,72236.73 (注)所有株式数は千株未満を切り捨てて記載しています。 |
株主数-金融機関 | 7 |
株主数-金融商品取引業者 | 23 |
株主数-外国法人等-個人 | 6 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 26 |
株主数-個人その他 | 4,570 |
株主数-その他の法人 | 66 |
株主数-計 | 4,698 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 久保田 寿治 |
株主総利回り | 3 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式140-当期間における取得自己株式--(注)1.当事業年度における取得自己株式は、譲渡制限付株式の無償取得によるものです。 2.当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの譲渡制限付株式 報酬の無償取得及び単元未満株式の買取りによる株式は含まれていません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)17,735,84914,310-7,750,159合計7,735,84914,310-7,750,159自己株式 普通株式(注)2,(注)3359,13714021,600337,677合計359,13714021,600337,677(注)1.発行済株式数の普通株式の増加は、2024年8月20日にて譲渡制限付株式報酬による新株式発行により14,310株増加したものです。 2.自己株式の普通株式の増加140株は、譲渡制限付株式報酬の無償取得事由発生によるものです。 3.自己株式の普通株式の減少21,600株は、ストックオプション制度の権利行使によるものです。 |
Audit
監査法人1、連結 | アーク有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月20日株式会社ニレコ 取締役会 御中 アーク有限責任監査法人 東京オフィス 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士徳永 剛 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士瓜生 憲史 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ニレコの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ニレコ及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社ニレコのコストに基づくインプット法(期末日における見積総原価に対する累積実際発生原価の割合に応じた金額)の適用における工事原価総額の見積りについて監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ニレコ(以下、「会社」という。 )は、制御機器事業、検査機事業及びオプティクス事業を営んでいる。 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、会社は、長期工事契約における受注生産品の完成工事高及び完成工事原価の計上基準として、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、コストに基づくインプット法を適用している。 また、(重要な会計上の見積り)(コストに基づくインプット法により認識した収益)に記載のとおり、当連結会計年度の売上高10,756,978千円のうち、コストに基づくインプット法により認識した収益は1,827,892千円と、連結売上高の17.0%を占めている。 コストに基づくインプット法により認識される収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき測定され、当該進捗度は工事原価総額に対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定される。 工事は個別性が強く、基本的な仕様や作業内容が顧客の指図に基づいて決定されることから、工事原価総額の見積りに当たっては画一的な判断尺度を得られにくい。 このため、工事原価総額の見積りは、担当部門の専門知識に基づく経営者の主観的な判断が含まれ、不確実性を伴うものとなる。 また、工事の進行途上における設計変更による使用部材の変更、材料費の単価の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴う。 以上から、当監査法人は、会社のコストに基づくインプット法の適用における工事収益及び履行義務の充足に係る進捗度の計算に当たり、工事原価総額の見積りが、当連結会計年度において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、会社のコストに基づくインプット法の適用における工事原価総額の見積りを検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 コストに基づくインプット法の適用対象取引における工事原価総額の見積りプロセスに関連する、以下の内部統制の整備・運用状況を評価した。 ・ 営業部門の責任者が、工事原価総額の見積りの基礎となる実行予算書について、営業部門の案件担当者及び技術部門の担当者間の協議により作成され、工事原価の各要素が社内で承認された予定価格により積上げて計算されていることを確認する統制・ 営業部門の責任者が、工事の進捗や実際の原価の発生状況、あるいは顧客からの仕様変更指示に応じて、適時に工事原価総額の見積りの変更が行われていることを確認する統制・ 経理部門の責任者が、四半期ごとに営業部門に対して、工事原価総額の見積りの変更の有無を確認する統制(2)工事原価総額の見積りの妥当性の評価 コストに基づくインプット法の適用対象取引の判定資料を入手し、工事原価総額等に関して、以下の手続を実施した。 ・ コストに基づくインプット法の適用対象取引の判定資料について、そのデータの正確性及び網羅性を検討した。 ・ 経営者が実施している工事原価総額の見積りの精度を評価するために、工事原価総額の当初見積額と確定額を比較した。 また、コストに基づくインプット法の適用対象取引の中で、一定の基準により抽出した工事については、以下の手続を実施した。 ・ 工事原価総額の見積りの算定基礎となる実行予算書を閲覧し、工事原価が契約書の目的物に照らして整合しているか、積上げにより計算されているかを検討した。 ・ 工事原価総額の見積りの精度を検討するため、工事原価総額の当初見積額と直近の変更後の見積額を比較し、差異がある一部の工事については、その変動内容が工事の実態を反映したものであるかどうか質問を実施した。 その他の事項 会社の2024年3月31日をもって終了した前連結会計年度の連結財務諸表は、前任監査人によって監査されている。 前任監査人は、当該連結財務諸表に対して2024年6月25日付けで無限定適正意見を表明している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立 案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査 証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の 実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関 連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論 付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に 注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し て除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかど うかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引 や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手 する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に 対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ニレコの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ニレコが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用さ れる。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統 制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、 内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負 う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (※)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が別途保管しています。 2.XBRLデータは監査の対象に含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社ニレコのコストに基づくインプット法(期末日における見積総原価に対する累積実際発生原価の割合に応じた金額)の適用における工事原価総額の見積りについて監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ニレコ(以下、「会社」という。 )は、制御機器事業、検査機事業及びオプティクス事業を営んでいる。 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、会社は、長期工事契約における受注生産品の完成工事高及び完成工事原価の計上基準として、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、コストに基づくインプット法を適用している。 また、(重要な会計上の見積り)(コストに基づくインプット法により認識した収益)に記載のとおり、当連結会計年度の売上高10,756,978千円のうち、コストに基づくインプット法により認識した収益は1,827,892千円と、連結売上高の17.0%を占めている。 コストに基づくインプット法により認識される収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき測定され、当該進捗度は工事原価総額に対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定される。 工事は個別性が強く、基本的な仕様や作業内容が顧客の指図に基づいて決定されることから、工事原価総額の見積りに当たっては画一的な判断尺度を得られにくい。 このため、工事原価総額の見積りは、担当部門の専門知識に基づく経営者の主観的な判断が含まれ、不確実性を伴うものとなる。 また、工事の進行途上における設計変更による使用部材の変更、材料費の単価の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴う。 以上から、当監査法人は、会社のコストに基づくインプット法の適用における工事収益及び履行義務の充足に係る進捗度の計算に当たり、工事原価総額の見積りが、当連結会計年度において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、会社のコストに基づくインプット法の適用における工事原価総額の見積りを検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 コストに基づくインプット法の適用対象取引における工事原価総額の見積りプロセスに関連する、以下の内部統制の整備・運用状況を評価した。 ・ 営業部門の責任者が、工事原価総額の見積りの基礎となる実行予算書について、営業部門の案件担当者及び技術部門の担当者間の協議により作成され、工事原価の各要素が社内で承認された予定価格により積上げて計算されていることを確認する統制・ 営業部門の責任者が、工事の進捗や実際の原価の発生状況、あるいは顧客からの仕様変更指示に応じて、適時に工事原価総額の見積りの変更が行われていることを確認する統制・ 経理部門の責任者が、四半期ごとに営業部門に対して、工事原価総額の見積りの変更の有無を確認する統制(2)工事原価総額の見積りの妥当性の評価 コストに基づくインプット法の適用対象取引の判定資料を入手し、工事原価総額等に関して、以下の手続を実施した。 ・ コストに基づくインプット法の適用対象取引の判定資料について、そのデータの正確性及び網羅性を検討した。 ・ 経営者が実施している工事原価総額の見積りの精度を評価するために、工事原価総額の当初見積額と確定額を比較した。 また、コストに基づくインプット法の適用対象取引の中で、一定の基準により抽出した工事については、以下の手続を実施した。 ・ 工事原価総額の見積りの算定基礎となる実行予算書を閲覧し、工事原価が契約書の目的物に照らして整合しているか、積上げにより計算されているかを検討した。 ・ 工事原価総額の見積りの精度を検討するため、工事原価総額の当初見積額と直近の変更後の見積額を比較し、差異がある一部の工事については、その変動内容が工事の実態を反映したものであるかどうか質問を実施した。 |