財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-20 |
英訳名、表紙 | SAKURA KCS Corporation |
代表者の役職氏名、表紙 | 取締役社長 加 藤 貴 紀 |
本店の所在の場所、表紙 | 神戸市中央区播磨町21番1 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 078(391)6571(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1969年3月神戸市葺合区(現 中央区)に「株式会社神戸コンピューターサービス」を設立1969年5月データ入力サービス(パンチ業務)及び計算受託サービスを開始1971年9月 「株式会社神戸銀行 (注)」と「富士通株式会社」の資本・経営参加本社を神戸市生田区(現 中央区)に移転1973年7月 「株式会社姫路電子計算センター」と合併姫路市に「姫路センター(現 姫路オフィス)」を開設1974年8月大阪市北区に「大阪事務所(現 大阪オフィス)」を開設1978年9月「株式会社ユニオンコンピュータービューロー」と合併1979年3月 東京都中央区に「ケーシーエスソフト株式会社(100%子会社)」を設立し、「西野通信工業株式会社」のソフトウェア部門を営業譲受1980年9月 データ事業部を分離し、神戸市生田区(現 中央区)に「ケーシーエスデータ株式会社(100%子会社・現 株式会社KCSソリューションズ)」を設立1983年10月本社を神戸市中央区の「株式会社太陽神戸銀行 (注)神戸元町研修会館ビル」に移転1984年3月リース事業部を分離し、神戸市中央区に子会社「ケーシーエスリース株式会社」を設立1985年5月東京都港区に「ソフト開発部東京分室」を開設1988年7月商号を「株式会社ケーシーエス」に変更1988年12月「ケーシーエスリース株式会社」の株式を一部売却し、非子会社化1991年10月子会社「ケーシーエスソフト株式会社」と合併1992年4月商号を「株式会社さくらケーシーエス」に変更1995年1月 神戸市中央区の「さくら銀行 (注)関西事務センター(神戸)ビル」の一部を取得、同所に本社を移転1998年10月「プライバシーマーク」認定を取得1999年10月神戸市中央区に「アウトソーシングセンター(現 データセンター)」を開設2000年6月大阪証券取引所市場第二部に上場2002年9月情報セキュリティマネジメントシステム「ISMS」(*1)の認証を取得(*2)2012年8月ITサービスマネジメントシステム規格「ISO/IEC 20000」(*3)の認証を取得(*2)2013年4月株式取得により、「株式会社シィ・エイ・ティ」を100%子会社化2013年7月東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場統合により東京証券取引所市場第二部へ上場2014年3月 子会社である「ケーシーエスデータ株式会社」と「株式会社シィ・エイ・ティ」を統合し、新会社の商号を「株式会社KCSソリューションズ」に変更2014年10月事業継続マネジメントシステム規格「ISO 22301」(*4)の認証を取得(*2)2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場へ上場 (注) 株式会社神戸銀行、株式会社太陽神戸銀行及び株式会社さくら銀行は、現在の株式会社三井住友銀行であります。 *1 「ISMS」とは、情報セキュリティ管理に関する国際基準に基づく情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度の略称であります。 なお、ISMS認証基準は、現在、情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格ISO/IEC 27001へ移行されております。 *2 本有価証券報告書提出日現在において、公共事業部の一部及び情報システム管理本部の一部が取得しております。 *3 「ISO/IEC 20000」とは、ITサービスを提供している組織が、サービスの内容やリスクを明確化することで、ITサービスの継続的な管理、高い効率性、継続的改善を実現するための国際規格のことであります。 *4 「ISO 22301」とは、事業継続を困難にする地震や火災、ITシステム障害や金融危機、取引先の倒産などの災害・事故・事件などに対して、事業継続能力を効果的かつ効率的に維持・改善するための国際規格のことであります。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、その他の関係会社2社、連結子会社1社で構成されております。 当社及び連結子会社(以下、「当企業集団」という。 )は、組織上の事業部門「金融関連部門」、「公共関連部門」及び「産業関連部門」の3つを報告セグメントとしております。 「金融関連部門」は金融機関向け、「公共関連部門」は地方公共団体向け、「産業関連部門」は一般事業法人向けのお客さまを対象としており、お客さまのさまざまな情報化ニーズに対して、その企画段階からシステム構築、システム機器販売、システム運用管理まで、総合的な情報サービスを提供しております。 また、当企業集団は、その他の関係会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び同社のグループ会社(以下、「SMBCグループ」という。 )において、総合情報サービス会社と位置付けられ、SMBCグループとは、営業取引以外にも資金取引などがあり、緊密な関係にあります。 当企業集団は、次の品目に関係する事業を行っております。 (注) 当企業集団は、情報サービスの総合的な提供を事業内容としており、各セグメントとも同一の事業内容でありますので、事業の内容として品目別に区分して開示しております。 (1) 情報サービス① システム構築当企業集団の主力品目であり、さまざまな業種(金融、公共、製造・流通・サービスなど)のお客さまに対し、アプリケーション・ソフトウェアの受託開発、パッケージソフトの開発・販売などを行っております。 なお、主要取引先は、SMBCグループ、富士通グループ、金融機関、地方公共団体及び一般事業法人であります。 ② システム運用管理クラウドサービスやBPOサービス(*1)、ハウジングサービス(*2)などのデータセンターサービスに加え、データ入力、印刷などを含めたアウトソーシング事業を行っております。 なお、主要取引先は、SMBCグループ、金融機関、地方公共団体及び一般事業法人であります。 ③ その他の情報サービスシステム基盤やネットワーク環境など、デジタル基盤に関する設計・構築などを行っております。 また、上記①、②及び下記 (2)の取引先などに対し、コンピューター保守業務などを行っております。 (2) システム機器販売各種コンピューター機器の選定・販売や関連する周辺機器・備品等の販売を行っております。 主要仕入先は、富士通Japan株式会社であり、主要販売先は、SMBCグループ、金融機関、地方公共団体及び一般事業法人であります。 *1 「BPOサービス」とは、Business Process Outsourcingサービスの略で、単なる情報システムのアウトソーシングではなく、お客さまの業務についてその企画・運営から人材の確保まで、一貫して請け負うサービスのことであります。 *2 「ハウジングサービス」とは、ユーザーの通信機器や情報発信用のコンピューター(サーバー)を、回線設備の整った事業者の施設に設置するサービスのことであります。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 1 ㈱三井住友フィナンシャルグループ及び㈱三井住友銀行は、当社のその他の関係会社であります。 2 ㈱三井住友銀行及び㈱日本総合研究所は、㈱三井住友フィナンシャルグループの連結子会社であります。 3 三井住友ファイナンス&リース㈱及び富士通Japan㈱は、当社の法人主要株主であります。 4 ㈱KCSソリューションズは、当社の連結子会社であります。 5 ㈱三井住友フィナンシャルグループ、㈱三井住友銀行及び㈱日本総合研究所とは、主に金融関連部門が取引を行っております。 6 三井住友ファイナンス&リース㈱とのリース取引については、金融関連部門、公共関連部門、産業関連部門が取引を行っております。 7 富士通Japan㈱とは、金融関連部門、公共関連部門、産業関連部門が取引を行っております。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容(その他の関係会社) ㈱三井住友フィナンシャルグループ (注)1東京都千代田区2,345,960銀行持株会社被所有 29.78 (29.78)当社のその他の関係会社である㈱三井住友銀行の完全親会社であります。 ㈱三井住友銀行 (注)1東京都千代田区1,771,093銀行業被所有 29.78 (1.25) [17.69]システム構築及びシステム運用管理の受託等、資金の預入等、役員の転籍(連結子会社) ㈱KCSソリューションズ (注)2神戸市中央区10労働者派遣データ処理所有 100.0データ処理の委託役員の兼任等6名 (注) 1 有価証券報告書の提出会社であります。 議決権の所有又は被所有割合の欄の( )内は、間接被所有割合で内数、[ ]内は緊密な者又は同意している者の所有割合で外数であります。 2 特定子会社に該当しません。 有価証券届出書及び有価証券報告書を提出しておりません。 売上高(連結会社相互間の内部売上を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10以下であるため、主要な損益情報等の記載を省略しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)金融関連部門 230 [181]公共関連部門 267 [47]産業関連部門 376 [72]全社共通 169 [16]合計 1,042 [316] (注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は最近1年間の平均就労人数を、[ ]内に外数で記載しております。 なお、取締役を兼務しない執行役員18人は従業員数に含めておりません。 2 全社共通として記載しております従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (2) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)94644.821.06,955 セグメントの名称従業員数(人)金融関連部門199 公共関連部門248 産業関連部門359 全社共通140 合計946 (注) 1 従業員数は就業人員であります。 なお、取締役を兼務しない執行役員18人は従業員数に含めておりません。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含めております。 3 全社共通として記載しております従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (3) 労働組合の状況当社の労働組合は、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に属し、組合員は651名でユニオンショップ制となっております。 なお、労使間の問題もなく、労働協約の定めるところに従い、健全な労使関係を保っております。 連結子会社である株式会社KCSソリューションズは、労働組合が組織されておりません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者7.888.972.475.256.7- (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ② 連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者㈱KCSソリューションズ36.4-63.386.751.1- (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当企業集団の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。 ・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。 (社員の成長) (2) 経営環境今後のわが国経済の見通しにつきましては、高水準の賃上げ継続や、好調な企業業績などを背景に回復基調が続くと見られる一方で、米国の関税引き上げに起因した世界経済減速の影響が懸念されています。 情報サービス産業におきましては、世界的なインフレや円安等による物価上昇に加え、人件費の上昇や人手不足などの状況が続く一方で、生産性向上や業務の効率化、新たなビジネスモデル構築に向けたデジタル化及びDX化ニーズが続くことにより、市場は引き続き好調であることが見込まれます。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当企業集団は、2023年4月より中期経営計画(2023年4月~2026年3月)に取り組んでおります。 本中期経営計画(以下、「本計画」という。 )は、「100年企業」として存続していくために築いてきた礎をもとに、「情報セキュリティが確保され続けることを前提としたうえで、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立によりサステナブルな成長を目指す」ことを基本方針とし、次の5項目について重点的に取り組んでまいります。 ① 情報セキュリティの強化情報セキュリティの強化は、当社事業の根幹を支え、本計画で掲げる諸施策の実施に欠かせない最も重要な取り組みと考えております。 ゼロトラスト(*1)を前提とした情報セキュリティレベル強化に向けたインフラ・環境整備のほか、徹底した社員教育など情報セキュリティ強化に向けた投資活動を継続的に実施してまいります。 ② 原点回帰、収益基盤の維持・強化創業から50年以上にわたり築き上げてきた安定的な収益基盤の維持・強化のため、引き続き社内外のリソース確保と品質管理の強化に取り組んでまいります。 また、不採算・低採算を余儀なくされている業務の採算改善・縮小・撤退を引き続き適宜実施することにより、より一層の収益基盤の安定化と強化を進めます。 ③ 創造的分野や自社製品・技術による事業拡大2022年10月に新設した「デジタル基盤事業部」を起点とし、デジタル基盤ビジネスの飛躍的拡大を図るとともに、情報セキュリティビジネスの安定的な拡大を推し進めていきます。 加えて、自社ソリューションの強化・拡充や新技術の習得など、新たな事業領域の拡大を図ります。 一方で、デジタル基盤ビジネスにおける品質管理手法の確立や、自社製品の開発標準プラットフォームを構築するなど、新たな事業領域においてもビジネス拡大の礎となる情報セキュリティや品質の確保に注力いたします。 ④ 人(社員等)への投資の強化当企業集団の事業活動の源泉である人材への投資を強化してまいります。 さらなる処遇の改善を図るとともに、健康経営、ダイバーシティ、ワーク・ライフ・バランスの推進を一層強化し、社員が心身ともに健康で働きがいをもって活躍できる職場環境づくりに一層注力いたします。 また、教育・研修等の充実を図り、社員のキャリア形成に向けた意識改革や環境整備を進めてまいります。 ⑤ 社内インフラ投資の強化社内ネットワークの無線化・高速化を進めるとともに、システム投資により社内業務の電子化・ペーパーレス化を推進し、生産性の向上とともに、一層の情報セキュリティ対策の強化を図ってまいります。 さらに、執務環境の整備・見直し等による業務の効率化にも取り組んでまいります。 *1 「ゼロトラスト」とは、クラウドサービスの普及やテレワークの拡大等によりネットワークの社内・社外の境界があいまいとなる中、社内・社外にとらわれることなく情報資産にアクセスするものは全て信用せずに確認し、認証・許可を行うことにより情報資産を守る考え方です。 (4) 目標とする経営指標及び経営目標当企業集団では、本計画の推進にあたり、到達点を明確にするために経営指標及び経営目標を設定しております。 経営指標としては、引き続き、株主価値及び資本効率重視の観点から「ROE(自己資本利益率)」及び安定配当の基本方針を堅持しつつ株主の皆さまへの還元方針の目安となる「配当性向」を重視いたします。 経営目標としては、当社事業の根幹を支える情報セキュリティの強化に加え、女性活躍の推進や社員満足度の向上を掲げ、サステナブルな成長を目指してまいります。 これらの経営指標及び経営目標の進捗管理を通じて、本計画の達成を目指してまいります。 項 目計画終了時点の目標実績(当連結会計年度)目標に関する補足事項経営指標①ROE(自己資本利益率)3.5%~4.0%5.9%70%以上の自己資本比率を堅持することにより健全な財務体質を維持しつつ、資本効率の安定的な改善を目指します。 ②配当性向(連結)30~40%を目安とした安定配当31.3%安定配当方針を堅持しつつ、市場平均水準を意識してまいります。 経営目標①情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数0件0件対策の実効性を高めることで、インシデント0件を目指してまいります。 ②連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上0.6%「(一社)日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会」が推奨する「0.5%以上」を目安とし、継続的な投資を行ってまいります。 ③部長級に占める女性の割合10%以上8.3%「女性活躍推進法」における行動計画目標として掲げている目標値であります。 ④社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上年1回のアンケートを実施し、社員の声を反映アンケート結果とベンチマークとの比較をもとに社員満足度向上施策に反映社員満足度の向上により社内活性化を図ってまいります。 (5) 会社の対処すべき課題「 (2) 経営環境」に記載しております事業環境下、現中期経営計画については、計数計画並びに主要な施策の多くが想定していた水準を既に達成していることから、2025年度は次のステージを意識した「次期中期経営計画への繋ぎ、布石の1年」と位置づけ、以下の「成長施策」に取り組んでまいります。 ① 収益性の高いビジネスへのリソース投入当面成長が見込まれる「SAPビジネス」にリソースを積極投入してまいります。 加えて、ビジネスポートフォリオの再構築に向けて「成長・拡大が見込まれるビジネス」の見極めを進めるとともに、ビジネス間の要員・リソースシフトを円滑に進めるための「ローテーション」制度等の体制を整え、事業をさらに拡大する取組みを進めてまいります。 ② 優秀な人材の確保と育成中途採用のさらなる拡大を行い、業界のトレンドや競争力をもった新たな人材を迎えることで、企業の変革を促進します。 また、プロフェッショナルの育成を重視し、継続的な教育プログラムや資格取得支援を行うことで、社員のスキル向上を図ります。 さらに、若手社員の意欲を高める仕掛けづくりに取り組み、全社一丸となって優秀な人材を育成する土壌を築いてまいります。 ③ ものづくり力強化自社ソリューション開発において、2024年度に開発した開発標準プラットフォームを利用することにより、システム品質とセキュリティの向上を実現し、開発力の底上げを図ってまいります。 また、生成AIやローコードツール(*2)について、導入効果を見極めたうえで順次導入し、開発現場や社内間接業務の生産性向上に繋げてまいります。 *2 「ローコードツール」とは、プログラミングの専門知識が少ないユーザーでもアプリケーションやシステムを開発できるように設計されたソフトウェア開発ツールを指します。 これにより、開発者は効率的にアプリケーションを開発でき、開発時間を短縮できます。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当企業集団のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1) サステナビリティに関する考え方当企業集団は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、適切な対応に努めており、サステナビリティを巡る課題をリスクの抑制のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しております。 中長期的な企業価値の向上の観点からこれらの課題へ対応するにあたり、当企業集団では、サステナビリティ基本方針を策定のうえ、取り組むべき重要課題を定めております。 当企業集団は、サステナビリティ基本方針として、下記を掲げております。 私たち(さくらケーシーエスグループ)は、SMBCグループの一員としてSMBCグループの定めるサステナビリティに関する方針等に沿いつつ、その中でもIT業界に属するさくらケーシーエスグループにとって、特に重要度の高い課題に重点的に取り組みます。 具体的には、「情報サービスの提供」を通じ、社会の発展に貢献するために一層の飛躍を実現し、かつ企業存続の脅威となる重大リスクを回避する観点から想定される課題として4つの柱を定め、100年企業に向けた事業活動を推進します。 これからも、私たちは「社会・お客さまから必要とされるさくらケーシーエスグループであり続け、持続的に成長するデジタル社会の実現」を目指してまいります。 (2) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理当企業集団のサステナビリティを巡る取組みについては、当企業集団の経営全般に関する事項を所管する経営企画部にて企画・推進しております。 経営企画部にて、サステナビリティに関連する重要なリスク及び機会を特定し、それらをモニタリングするとともに、対応方針の立案と事業戦略への反映、関連部署への展開を実施しております。 また、重点項目の取組みは、当企業集団全体のリスク評価を行っている「リスク管理委員会」と連携して対応いたします。 サステナビリティに関する取組みの進捗状況は、定期的に取締役会へ報告を行うとともに、当社ホームページ等で開示いたします。 (3) 重要なサステナビリティ項目当企業集団は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、2023年4月より開始した中期経営計画において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提としたうえで、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立によりサステナブルな成長を目指す」ことを掲げております。 そのなかで、上記、ガバナンス及びリスク管理を通し、当企業集団における重要なサステナビリティを巡る課題として以下の4項目を掲げ、取組みを行っております。 ① 事業継続につながる情報セキュリティの強化情報セキュリティリテラシーの向上を図るため、電子メールやインターネット利用に関する情報漏洩対策を強化し、不定期に標的型攻撃メールの訓練を実施するなど社員教育を行っております。 また、データセンタービジネスの強化・拡大に向けて、新データセンターの開設に向けた準備を進めております。 耐災害性を兼ね備えた神戸市内の立地と、JDCCティア4相当の強固なファシリティや顔認証による入退館の厳重なセキュリティ対策などを兼ね備えた最新鋭のデータセンター環境となっており、さらに当社独自のセキュリティ対策サービスを組み合わせることで、より安全・安心なデータセンターサービスを提供いたします。 ② 深刻化するサイバーセキュリティリスクへの対応脆弱性早期検知の仕組みをデータセンターだけでなく社内基幹システムにも展開するなど、当社が維持管理するインフラ基盤に関して事業用と社内用の一体的な強化を進めております。 また、サイバー攻撃を受けることを前提としたレジリエンス(強靭性)確保の重要性を認識し、SMBCグループ会社として金融機関向けサイバーセキュリティフレームワークに準ずる対応も実施しております。 さらに、社会・お客さま向けには情報セキュリティサービスの提供や、セキュリティ・バイ・デザイン(*1)の考え方を取り入れ、システム開発プロセスの初期段階での脆弱性検出やSBOM(*2)生成を組み込むなどのDevSecOps(*3)に取り組んでおります。 ③ 持続的成長の源泉である人(社員等)への投資ベースアップ等による従業員年収水準の大幅な引き上げに加え、中途採用の強化により優秀な人材を確保するとともに、教育・研修の拡充による人材育成を行っております。 ④ 誰もがいきいきと活躍できる就労環境整備会社・個人の成長に資する取組みへの積極的なチャレンジを奨励する「評価制度の導入」や、社員の経営参加を促す「提言制度」を導入するなど、社内風土改革のための施策を推進しております。 また、社員のチャレンジに必要な時間を確保するために、「規程の見直し・簡素化」「事務の電子化・集中化推進」等の業務効率化にも着手をしております。 加えて、執務環境の整備・見直しを行うことにより、コミュニケーションの活性化や柔軟な働き方を促し、社員の生産性やモチベーションの向上を図っております。 なお、人材の多様性を確保するため、当企業集団における主要な事業を営む当社においては、下記の方針を定め、取り組んでおります。 イ 人材の多様性確保の考え方当社は、性別や国籍にとらわれることなく能力や実績等により公平・公正に評価する人物本位の人材登用を行っており、これらの人材が活躍できる職場環境の整備に努めております。 また、社内に異なる経験・技能・キャリアを反映した多様な価値観が存在することが企業の持続的な成長に資するとの認識のもと、人事部内にダイバーシティ推進室を設置し、人材の多様性確保とそれを尊重する従業員意識の向上等に努めております。 a.女性の管理職への登用当連結会計年度末現在においては女性の執行役員を1名、部長職については4名を登用しております。 管理職に占める女性労働者割合については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。 また、女性従業員の新卒採用も積極的に進めております。 b.外国人・中途採用者の管理職への登用当社は、管理職登用において、性別、年齢、国籍にとらわれることなく、期待する役割に応じた能力と実績により公平・公正に評価して判断するものとしており、外国人・中途採用者に限定した目標は設定しておりません。 *1 「セキュリティ・バイ・デザイン」とは、システム開発の最終段階でセキュリティ対策を講じるのではなく、システムの企画や設計の初期段階から考慮し、対策を盛り込む考え方です。 *2 「SBOM」とは、ソフトウェア部品表(Software Bill of Materials)と呼ばれ、ソフトウェアを構成する部品と、それらの依存関係をリスト化したものです。 ソフトウェアの構成要素を具体的に把握し、脆弱性管理やサプライチェーンリスクの軽減に役立ちます。 *3 「DevSecOps」とは、開発(Dev)、セキュリティ(Sec)、運用(Ops)の3要素を統合し、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してセキュリティを考慮するアプローチのことです。 c.その他の多様性確保当社は、高齢者活躍の機会拡大に資するよう、定年後再雇用制度を見直すなど各種施策を推進しております。 ロ 多様性の確保に向けた人材育成方針当社は、持続的成長の原動力は人材の多様性確保であるとの認識のもと、多様な人材が当たり前に活躍できる社内風土醸成に努めております。 また、2023年4月より開始した中期経営計画では重点テーマの一つに「人(社員等)への投資の強化」を掲げ、自律的キャリア形成意識の醸成や主体的な学びを後押しする人材育成として、従業員が自主的に受講できる研修を大幅に拡充したほか、ダイバーシティ推進室が主体となり、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)排除のためのセミナーやキャリアアップ意識向上支援等の機会を提供し、多様な人材の確保と定着に向けた取組みを推進しております。 ハ 多様性の確保に向けた社内環境整備方針当社は、健康経営が重要な経営課題の一つであると認識し、健康経営責任者である代表取締役社長のもと、人事部・産業医・健康保険組合・労働組合が一体となって、従業員の誰もが健康でいきいきと働ける社内環境の整備に向けて、以下の施策を実施しております。 a.働きやすい環境の実現・勤務間インターバルや時間単位年次有給休暇、在宅勤務制度導入のほか、フレックス型シフト勤務パターン拡充や、本社オフィス改装による快適な職場環境の整備。 ・所定労働時間の短縮、昼の休憩時間の拡大に加え、働きやすい服装で勤務できるドレスコードフリー(服装自由化)の導入。 ・従業員の会社に対する意識を把握し、組織活性化に役立てるための有効なツールである従業員意識調査の活用。 b.従業員の健康管理・運動習慣の定着とコミュニケーション活性化を図るウォーキングキャンペーンの実施に加え、ヘルスリテラシー向上に向けた健康増進セミナーと健康意識啓発イベントを開催し、従業員の健康維持・増進と生産性向上意識の醸成を促進。 ・従業員がメンタルリスクの有無等を自己診断できるスクリーニングやストレスチェックを実施し、セルフチェック、産業医・保健師による面接機会増加、職場ごとのストレス分析に基づく環境改善等を通じたメンタルヘルス不調者の未然防止。 ・業務経験豊富な専任メンターによる従業員へのサポート体制の整備。 c.ダイバーシティ推進・介護休暇の日数や種類の拡充、介護支援に関する情報提供やセミナーの開催。 ・子どもが小学校を卒業するまで育児短時間勤務を延長したほか、男性の育児休暇取得の啓蒙、育児休暇からの復職者に対する支援面談の継続実施。 ・積立保存年次有給休暇取得の適用範囲を拡大し、子の健康診断・予防接種や入学・卒業式等の学校行事などへの参加、自然災害・感染症等に伴う学級閉鎖の際に取得できる子ども休暇導入のほか、不妊治療や反復・継続した通院治療で取得できるよう要件緩和。 こうした取組みが評価され、当社は5年連続、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されております。 当社の健康経営への取組みについては、当社ホームページ内の「健康経営」サイト(URL:https://www.kcs.co.jp/ja/sustainability/society/health.html)において掲載しております。 (4) 指標及び目標当企業集団では、上記「(3) 重要なサステナビリティ項目」に記載の重点取組項目の進捗状況については、下記指標で管理いたします。 当該指標に関連する目標及び実績は、次のとおりであります。 なお、指標③及び④に関する目標及び実績は、当企業集団における主要な事業を営む当社のものを記載しております。 重点サステナビリティ項目指標目標(2025年度末時点)実績(当連結会計年度)①事業継続につながる情報セキュリティの強化情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数0件0件②深刻化するサイバーセキュリティリスクへの対応連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上0.6%③持続的成長の源泉である人(社員等)への投資部長級に占める女性の割合10.0%以上8.3%④誰もがいきいきと活躍できる就労環境整備社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上年1回のアンケートを実施し、社員の声を反映アンケート結果とベンチマークとの比較をもとに社員満足度向上施策に反映 (注) 1 指標①及び②については、当企業集団の指標であり、当企業集団の実績を掲載しております。 2 指標③及び④については、当社の指標であり、当社の実績を記載しております。 |
戦略 | (3) 重要なサステナビリティ項目当企業集団は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、2023年4月より開始した中期経営計画において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提としたうえで、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立によりサステナブルな成長を目指す」ことを掲げております。 そのなかで、上記、ガバナンス及びリスク管理を通し、当企業集団における重要なサステナビリティを巡る課題として以下の4項目を掲げ、取組みを行っております。 ① 事業継続につながる情報セキュリティの強化情報セキュリティリテラシーの向上を図るため、電子メールやインターネット利用に関する情報漏洩対策を強化し、不定期に標的型攻撃メールの訓練を実施するなど社員教育を行っております。 また、データセンタービジネスの強化・拡大に向けて、新データセンターの開設に向けた準備を進めております。 耐災害性を兼ね備えた神戸市内の立地と、JDCCティア4相当の強固なファシリティや顔認証による入退館の厳重なセキュリティ対策などを兼ね備えた最新鋭のデータセンター環境となっており、さらに当社独自のセキュリティ対策サービスを組み合わせることで、より安全・安心なデータセンターサービスを提供いたします。 ② 深刻化するサイバーセキュリティリスクへの対応脆弱性早期検知の仕組みをデータセンターだけでなく社内基幹システムにも展開するなど、当社が維持管理するインフラ基盤に関して事業用と社内用の一体的な強化を進めております。 また、サイバー攻撃を受けることを前提としたレジリエンス(強靭性)確保の重要性を認識し、SMBCグループ会社として金融機関向けサイバーセキュリティフレームワークに準ずる対応も実施しております。 さらに、社会・お客さま向けには情報セキュリティサービスの提供や、セキュリティ・バイ・デザイン(*1)の考え方を取り入れ、システム開発プロセスの初期段階での脆弱性検出やSBOM(*2)生成を組み込むなどのDevSecOps(*3)に取り組んでおります。 ③ 持続的成長の源泉である人(社員等)への投資ベースアップ等による従業員年収水準の大幅な引き上げに加え、中途採用の強化により優秀な人材を確保するとともに、教育・研修の拡充による人材育成を行っております。 ④ 誰もがいきいきと活躍できる就労環境整備会社・個人の成長に資する取組みへの積極的なチャレンジを奨励する「評価制度の導入」や、社員の経営参加を促す「提言制度」を導入するなど、社内風土改革のための施策を推進しております。 また、社員のチャレンジに必要な時間を確保するために、「規程の見直し・簡素化」「事務の電子化・集中化推進」等の業務効率化にも着手をしております。 加えて、執務環境の整備・見直しを行うことにより、コミュニケーションの活性化や柔軟な働き方を促し、社員の生産性やモチベーションの向上を図っております。 |
指標及び目標 | (4) 指標及び目標当企業集団では、上記「(3) 重要なサステナビリティ項目」に記載の重点取組項目の進捗状況については、下記指標で管理いたします。 当該指標に関連する目標及び実績は、次のとおりであります。 なお、指標③及び④に関する目標及び実績は、当企業集団における主要な事業を営む当社のものを記載しております。 重点サステナビリティ項目指標目標(2025年度末時点)実績(当連結会計年度)①事業継続につながる情報セキュリティの強化情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数0件0件②深刻化するサイバーセキュリティリスクへの対応連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上0.6%③持続的成長の源泉である人(社員等)への投資部長級に占める女性の割合10.0%以上8.3%④誰もがいきいきと活躍できる就労環境整備社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上年1回のアンケートを実施し、社員の声を反映アンケート結果とベンチマークとの比較をもとに社員満足度向上施策に反映 (注) 1 指標①及び②については、当企業集団の指標であり、当企業集団の実績を掲載しております。 2 指標③及び④については、当社の指標であり、当社の実績を記載しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | なお、人材の多様性を確保するため、当企業集団における主要な事業を営む当社においては、下記の方針を定め、取り組んでおります。 イ 人材の多様性確保の考え方当社は、性別や国籍にとらわれることなく能力や実績等により公平・公正に評価する人物本位の人材登用を行っており、これらの人材が活躍できる職場環境の整備に努めております。 また、社内に異なる経験・技能・キャリアを反映した多様な価値観が存在することが企業の持続的な成長に資するとの認識のもと、人事部内にダイバーシティ推進室を設置し、人材の多様性確保とそれを尊重する従業員意識の向上等に努めております。 a.女性の管理職への登用当連結会計年度末現在においては女性の執行役員を1名、部長職については4名を登用しております。 管理職に占める女性労働者割合については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。 また、女性従業員の新卒採用も積極的に進めております。 b.外国人・中途採用者の管理職への登用当社は、管理職登用において、性別、年齢、国籍にとらわれることなく、期待する役割に応じた能力と実績により公平・公正に評価して判断するものとしており、外国人・中途採用者に限定した目標は設定しておりません。 *1 「セキュリティ・バイ・デザイン」とは、システム開発の最終段階でセキュリティ対策を講じるのではなく、システムの企画や設計の初期段階から考慮し、対策を盛り込む考え方です。 *2 「SBOM」とは、ソフトウェア部品表(Software Bill of Materials)と呼ばれ、ソフトウェアを構成する部品と、それらの依存関係をリスト化したものです。 ソフトウェアの構成要素を具体的に把握し、脆弱性管理やサプライチェーンリスクの軽減に役立ちます。 *3 「DevSecOps」とは、開発(Dev)、セキュリティ(Sec)、運用(Ops)の3要素を統合し、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してセキュリティを考慮するアプローチのことです。 c.その他の多様性確保当社は、高齢者活躍の機会拡大に資するよう、定年後再雇用制度を見直すなど各種施策を推進しております。 ロ 多様性の確保に向けた人材育成方針当社は、持続的成長の原動力は人材の多様性確保であるとの認識のもと、多様な人材が当たり前に活躍できる社内風土醸成に努めております。 また、2023年4月より開始した中期経営計画では重点テーマの一つに「人(社員等)への投資の強化」を掲げ、自律的キャリア形成意識の醸成や主体的な学びを後押しする人材育成として、従業員が自主的に受講できる研修を大幅に拡充したほか、ダイバーシティ推進室が主体となり、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)排除のためのセミナーやキャリアアップ意識向上支援等の機会を提供し、多様な人材の確保と定着に向けた取組みを推進しております。 ハ 多様性の確保に向けた社内環境整備方針当社は、健康経営が重要な経営課題の一つであると認識し、健康経営責任者である代表取締役社長のもと、人事部・産業医・健康保険組合・労働組合が一体となって、従業員の誰もが健康でいきいきと働ける社内環境の整備に向けて、以下の施策を実施しております。 a.働きやすい環境の実現・勤務間インターバルや時間単位年次有給休暇、在宅勤務制度導入のほか、フレックス型シフト勤務パターン拡充や、本社オフィス改装による快適な職場環境の整備。 ・所定労働時間の短縮、昼の休憩時間の拡大に加え、働きやすい服装で勤務できるドレスコードフリー(服装自由化)の導入。 ・従業員の会社に対する意識を把握し、組織活性化に役立てるための有効なツールである従業員意識調査の活用。 b.従業員の健康管理・運動習慣の定着とコミュニケーション活性化を図るウォーキングキャンペーンの実施に加え、ヘルスリテラシー向上に向けた健康増進セミナーと健康意識啓発イベントを開催し、従業員の健康維持・増進と生産性向上意識の醸成を促進。 ・従業員がメンタルリスクの有無等を自己診断できるスクリーニングやストレスチェックを実施し、セルフチェック、産業医・保健師による面接機会増加、職場ごとのストレス分析に基づく環境改善等を通じたメンタルヘルス不調者の未然防止。 ・業務経験豊富な専任メンターによる従業員へのサポート体制の整備。 c.ダイバーシティ推進・介護休暇の日数や種類の拡充、介護支援に関する情報提供やセミナーの開催。 ・子どもが小学校を卒業するまで育児短時間勤務を延長したほか、男性の育児休暇取得の啓蒙、育児休暇からの復職者に対する支援面談の継続実施。 ・積立保存年次有給休暇取得の適用範囲を拡大し、子の健康診断・予防接種や入学・卒業式等の学校行事などへの参加、自然災害・感染症等に伴う学級閉鎖の際に取得できる子ども休暇導入のほか、不妊治療や反復・継続した通院治療で取得できるよう要件緩和。 こうした取組みが評価され、当社は5年連続、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されております。 当社の健康経営への取組みについては、当社ホームページ内の「健康経営」サイト(URL:https://www.kcs.co.jp/ja/sustainability/society/health.html)において掲載しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 重点サステナビリティ項目指標目標(2025年度末時点)実績(当連結会計年度)①事業継続につながる情報セキュリティの強化情報セキュリティ及びサイバーセキュリティインシデント発生件数0件0件②深刻化するサイバーセキュリティリスクへの対応連結売上高セキュリティ投資比率0.5%以上0.6%③持続的成長の源泉である人(社員等)への投資部長級に占める女性の割合10.0%以上8.3%④誰もがいきいきと活躍できる就労環境整備社員向け職場アンケートにおける社員満足度の向上年1回のアンケートを実施し、社員の声を反映アンケート結果とベンチマークとの比較をもとに社員満足度向上施策に反映 (注) 1 指標①及び②については、当企業集団の指標であり、当企業集団の実績を掲載しております。 2 指標③及び④については、当社の指標であり、当社の実績を記載しております。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。 (1) 情報セキュリティに関するリスク当企業集団は、お客さまへの情報サービスの提供にあたり、個人情報や機密情報を含むさまざまな情報資産をお預かりしております。 不正アクセスやサイバー攻撃、コンピューターウイルスといった情報セキュリティ上の問題及びシステムの障害、人的ミス等によりこれらの情報資産を流出させた場合には、お客さまなどからの損害賠償請求や信用失墜などにより、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼすことが考えられます。 こうしたリスクをサステナビリティに関する重要なリスクとして認識し、リスク回避のための具体的な取り組みを推進しております。 また、「情報セキュリティ委員会」において管理体制を含めた情報セキュリティに関する事項全般及び個別の情報セキュリティ対策について協議を実施しているほか、個人情報保護対策としてプライバシーマークを取得しております。 また、必要に応じて外部専門家の助言を取り入れるなど、情報セキュリティ管理の高度化を図っております。 その他、大量の情報を取り扱うデータセンターサービスやBPOサービスの運営部署においては、第三者機関から情報セキュリティに関する国際規格「ISO/IEC 27001」の認証を受けております。 (2) 環境変化に伴うお客さまの情報化投資動向に関するリスク当企業集団は、金融機関及び地方公共団体、一般事業法人など、幅広い分野・業種のお客さまに対して、情報サービスの総合的な提供を行っております。 お客さまにおける情報化投資動向は、社会情勢や景気変動、法令・規制・制度変更など環境変化に左右されるため、これらによって、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクへの対応策として、新規顧客開拓や既存顧客深耕による顧客基盤の拡大及び事業ポートフォリオの再構築に取り組んでいるほか、サービス提供型のストックビジネスを強化することにより、経営成績等の安定化に取り組んでおります。 また、経営成績等の急激な変動に備えるため、内部留保の充実及び十分な現預金残高の確保により、健全な財務体質の維持に努めております。 (3) 特定の取引先の動向に関するリスクその他の関係会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループ及び株式会社三井住友銀行の両社を含むSMBCグループ並びに法人主要株主である富士通Japan株式会社を含む富士通グループは、当企業集団の大口かつ安定した取引先であり、両グループの業績及び情報化投資が当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクへの対応策として、両グループとの取引深耕と両グループ以外のビジネス拡大につながる新しい技術への取り組みや新しい事業領域への参入を進めるとともに、両グループの動向に左右されない一般民需分野向け直販ビジネスを強化することにより、影響の軽減を図ってまいります。 (4) システム構築業務に関するリスク当企業集団の主力品目であるシステム構築については、お客さまからの要求が複雑化・大型化・短納期化する傾向にあり、お客さまと合意した品質・納期の未達成やコストの増加などにより不採算化することで、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクへの対応策として、大規模システム構築案件のリスク管理強化の観点から、関連部門による「見積検討会」において受託是非の検討を行うとともに、取締役社長等本部役員をはじめプロジェクト担当部署及びその他の所管部署を構成メンバーとした「システム案件協議会」において案件毎の受託可否の判断のほか進捗状況確認や対応指示などを行う体制をとっております。 さらに、「本部の所管部門による第三者検証」「不採算案件の予兆段階での早期発見」「予兆を発見した案件の個別管理及び全社的対応による早期収束」に加え、「大口不採算となり得る案件を集中対応により早期収束を図る専任組織」を設置するなど、社内管理体制を強化しております。 また、こうした体制強化などの組織対応に加え、「プロジェクト管理ツール」によるモニタリングなどシステム面でも対応を強化しており、全社を挙げて不採算案件の発生抑制及び品質の向上に努めております。 (5) システム運用管理業務に関するリスク当企業集団のシステム運用管理業務については、自社保有のデータセンターによる各種サービスやBPOサービスの提供を行っており、大規模な自然災害や設備の不具合、感染症のパンデミック、運用上のミス等によりサービスの提供に重大な支障が生じた場合には、お客さまなどからの損害賠償請求や信用失墜などにより、当企業集団の経営成績等に一定の影響を及ぼすことが考えられます。 こうしたリスクへの対応策として、各種設備の維持・強化や他のデータセンター保有事業者との相互協力・バックアップ体制の構築、運用要員の育成、執務環境の整備、一部の運用業務のリモート化など、運営体制の強化に取り組んでおります。 また、第三者機関からITサービスマネジメントシステムに関する国際規格「ISO/IEC 20000」及び事業継続マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 22301」の認証を受けております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当企業集団の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当企業集団の当連結会計年度の業績につきましては、公共関連部門のシステム構築が増加した一方で、産業関連部門のシステム構築、システム運用管理及びその他の情報サービスが減少したことなどにより、売上高は、前期比232百万円(1.0%)減の22,537百万円となりました。 一方、損益面につきましては、教育研修の拡充及びベースアップによる給与水準の引き上げなどの人への投資や将来を見据えた社内インフラへの投資を積極的に推進した一方で、収益性の高い案件獲得を進めたことに加え、品質管理の強化による不採算案件も継続して抑制できた結果、営業利益は1,377百万円と前期比250百万円(22.2%)の増益、経常利益も1,493百万円と前期比286百万円(23.7%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益も1,145百万円と前期比250百万円(27.9%)の増益となり、上場来最高益となりました。 売上高・営業利益と売上高営業利益率の推移 PH営業利益と従業員平均年間給与伸び率の推移 (注)従業員平均年間給与伸び率は、第53期の従業員平均年間給与を基準に算出しております。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。 なお、2024年4月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度より産業関連部門の一部を公共関連部門に集計するよう変更しており、対前期の増減及び増減率については、前期の数値を変更後の区分方法に組み替えた数値に基づいて作成しております。 ① 金融関連部門 SMBCグループ向け取引におけるシステム構築が増加したことから、売上高は6,976百万円と前期比33百万円(0.5%)の増収となり、セグメント利益も1,574百万円と前期比201百万円(14.7%)の増益となりました。 ② 公共関連部門 自治体情報システムの標準化案件によりシステム構築が増加したことを主因として、売上高は6,898百万円と前期比532百万円(8.4%)の増収となり、セグメント利益も1,142百万円と前期比336百万円(41.8%)の増益となりました。 ③ 産業関連部門 システム機器販売が増加した一方で、前期にあったインボイス案件の反動に加え、ERPソリューションにおける低採算案件からの一部撤退やサプライ販売事業の縮小により、売上高は8,661百万円と前期比799百万円(8.4%)の減収となりましたが、収益性の高い案件獲得を進めたことにより、セグメント利益は1,686百万円と前期比2百万円(0.2%)の増益となりました。 当連結会計年度末における財政状態は、期末売上に係る売掛金の増加等により、総資産が前期比1,319百万円増加し、25,556百万円となりました。 また、純資産につきましても、利益剰余金が増加したことを主因として、前期比685百万円増加し、19,866百万円となりました。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比1.4%低下し、77.7%となっております。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。 )は、前連結会計年度末比6,647百万円減少し、3,703百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比2,614百万円減少し、359百万円のプラスとなりました。 資金が減少した主な要因は、前期に期末の大口案件に係る売上債権を回収したことによる反動減によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比5,889百万円減少し、6,416百万円のマイナスとなりました。 資金が減少した主な要因は、投資有価証券の取得や本社ビルの改修工事に伴う有形固定資産の取得による支出によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比66百万円減少し、590百万円のマイナスとなりました。 資金が減少した主な要因は、リース債務の返済及び配当金の支払いによるものであります。 (3) 生産、受注及び販売の実績2024年4月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度より産業関連部門の一部を公共関連部門に集計するよう変更しており、以下の前期比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。 a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分生産高(百万円)前期比(%)金融関連部門 システム構築5,95699.4 システム運用管理75099.6 その他の情報サービス13095.6 小計6,83799.3公共関連部門 システム構築3,740116.4 システム運用管理1,61295.4 その他の情報サービス73399.9 小計6,086108.0産業関連部門 システム構築4,15991.5 システム運用管理2,04089.3 その他の情報サービス76478.5 小計6,96489.2合計19,88897.9 (注) システム構築の生産高については、当連結会計年度の販売実績高に仕掛増減額の販売高相当額を加味し、算出しております。 なお、それ以外につきましては、販売高を記載しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)金融関連部門 システム構築7,195129.02,480189.6 小計7,195129.02,480189.6公共関連部門 システム構築3,783135.555695.5 小計3,783135.555695.5産業関連部門 システム構築3,66473.486863.5 小計3,66473.486863.5合計14,643109.63,905119.8 (注) システム構築以外の業務については、継続業務が大半であり、業務も多岐にわたり把握することが困難なため、システム構築についてのみ記載しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分販売高(百万円)前期比(%)金融関連部門 システム構築6,023100.3 システム運用管理75099.6 その他の情報サービス13095.6 システム機器販売72155.5 小計6,976100.5公共関連部門 システム構築3,809120.5 システム運用管理1,61295.4 その他の情報サービス73399.9 システム機器販売74395.3 小計6,898108.4産業関連部門 システム構築4,16489.9 システム運用管理2,04089.3 その他の情報サービス76478.5 システム機器販売1,692107.9 小計8,66191.6合計22,53799.0 (注) 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)富士通㈱3,84816.92,64811.7㈱三井住友銀行2,39810.52,46210.9 なお、上記の販売実績以外に、㈱三井住友銀行の情報システム部門で行っているシステム関連機能については、㈱日本総合研究所を通じて取引しており、同社、同社子会社の㈱日本総研情報サービスへの販売実績は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱日本総合研究所1,7757.81,8438.2㈱日本総研情報サービス1060.51140.5 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当企業集団の当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 当社の経営課題は収益力の向上と考えており、外部環境の変化に影響を受けない収益体質への転換を図っております。 具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、「情報セキュリティが確保され続けることを前提としたうえで、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立によりサステナブルな成長を目指す」ことを基本方針として、重点的に取り組む5項目を確実に進めてまいります。 当企業集団の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当企業集団の当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、生成AI活用推進や新データセンター開設など、将来の収益獲得に向けた投資を主因とした投資活動による資金の減少を見込む一方、収益性の高い案件の見極めと柔軟なリソースシフトによる利益率改善を図ることなどを主因として営業活動による資金の増加を見込んでおり、翌連結会計年度末の資金は当連結会計年度末に比べて増加する見込みであります。 なお、設備投資の所要資金については、主に自己資金を充当し、必要に応じてリースを利用する予定であります。 セグメントごとの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの課題・対策については、次のとおりであります。 ① 金融関連部門SMBCグループの情報化投資は堅調に推移しております。 このため、引き続きSMBCグループ取引に最注力し、既存案件に対する取組方法の見直しを進め、品質と生産性の向上を両立させて利益率の向上を図ってまいります。 また、これまで得意としてきた情報系システム等の業務領域を拡大させるとともに、システム基盤の構築案件への取組みを強化してまいります。 ② 公共関連部門自治体との取引は、当連結会計年度から本格化した自治体情報システム標準化が次年度以降も継続する見込みであり、標準化対応を安全に完了させることに注力する一方で、自治体情報システム標準化対応完了後を見据えた商品戦略策定にも取り組んでまいります。 また、自治体周辺業務や文教向け自社ソリューションの競争力強化を図ってまいります。 ③ 産業関連部門一般民需分野における情報化投資は、デジタル化・オンライン化など新たな生活様式への対応やDX関連投資等の需要が強まることが見込まれることから、商品・サービスの一層の拡充を図り、ニーズに的確に対応してまいります。 また、クラウドやリモートワークの進展による通信量や処理量の増加を背景に、より高度なサービス提供等によるデジタル基盤ビジネスの拡大を図るほか、情報セキュリティに関するサービスの拡充にも注力いたします。 加えて、当面成長が見込まれる「SAPビジネス」にリソースを積極投入し、収益力の向上に取り組んでまいります。 (2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 受注損失引当金当企業集団は、ソフトウェアの請負契約に基づく開発案件のうち、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。 開発案件の総原価の見積りに当たっては、お客さまからの要求事項をもとに、見積範囲、システム規模、リスク等を踏まえ、システム開発原価基準に基づき工数、原価を算出し、見積原価額を決定しておりますが、仕様の変更や作業内容に想定外の不具合が生じた等の事象が発生した場合に、総原価の金額に影響を与える可能性があります。 このため、一定規模以上の開発案件については、事業部に加え、社内において品質・生産性の全般を管理している品質管理部による「見積検討会」を開催し、見積審査を行うとともに、取締役社長等本部役員をはじめプロジェクト担当部署及びその他の所管部署を構成メンバーとした「システム案件協議会」において案件毎の受託可否の判断のほか進捗状況の確認を行う体制としております。 加えて受注損失引当金を計上する案件については決算期毎に品質管理部にて引当金額の妥当性を検証しております。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社は、お客さまの経営課題解決に活用できるITソリューションを提供し続けるため、研究開発活動を行っております。 研究開発活動は、市場ニーズの変化や新技術への対応等、当社競争力の向上に資するものであることを基本方針として、金融・公共・産業関連の幅広い分野で培ったノウハウを活用し、より付加価値の高いサービス及び商品を提供するために実施しております。 当社では、研究開発を専門とする部署は設置しておりませんが、事業推進部を所管部とし、各事業部門において研究開発課題を選定し、実施する体制をとっております。 なお、子会社の株式会社KCSソリューションズは、研究開発活動を行っておりません。 当連結会計年度の研究開発費の計上額は94百万円であります。 セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。 (1) 全社共通全社共通における当連結会計年度の研究開発費の計上額は23百万円であり、主な活動内容は次のとおりであります。 ① システム開発のためのプラットフォーム構築に関する研究システム開発における品質及び生産性向上を目的として、全社共通のプログラム開発作法、JavaWebシステム向けのフレームワーク作成・実装に関する技術研究を実施しました。 本研究開発の成果は、今後の商品開発を含むシステム開発に活かしてまいります。 (2) 公共関連部門公共関連部門における当連結会計年度の研究開発費の計上額は9百万円であり、主な活動内容は次のとおりであります。 ① 新開発プラットフォーム適用に向けた技術検証自社製品の開発標準プラットフォームを用いた新規ソリューションの開発及び「Sossian(ソシアン)シリーズ」や「公害補償システム」をはじめとする既存ソリューションの再構築を行う予定であります。 このための検証環境の整備、生産性・技術面の検証及び開発ルールの策定などの技術調査を行っております。 なお、この研究開発は、2025年5月までの実施を予定しております。 (3) 産業関連部門産業関連部門における当連結会計年度の研究開発費の計上額は61百万円であり、主な活動内容は次のとおりであります。 ① さくらUTOPIAゲートウェイにおけるデジタルインボイス対応調査当社が提供するBPOサービスの1つである「さくらUTOPIAゲートウェイ」の請求業務について、デジタルインボイスの日本国内向け標準仕様「JP PINT」への対応についての技術調査を実施しました。 本研究開発の成果は、今後の商品開発に活かしてまいります。 ② 新販売管理システムの企画構想オンプレ型の既存販売管理システムをクラウド型の新販売管理システムへ刷新するにあたり、開発の前段階として、業務要件の定義、アプリケーション構造及び基盤技術の調査・実現性の検証を実施しております。 なお、この研究開発は、2025年6月までの実施を予定しております。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度に実施いたしました設備投資の総額は962百万円であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。 なお、設備投資額には無形固定資産への投資が含まれております。 また、当連結会計年度において、減損損失395百万円を計上いたしました。 減損損失の内容については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおりであります。 (1) 金融関連部門該当事項はありません。 (2) 公共関連部門当連結会計年度の主な設備投資は、社内利用機器及び自治体向けソフトウェアの取得を中心とする総額89百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (3) 産業関連部門当連結会計年度の主な設備投資は、データセンター設備増強及び事業用クラウドストレージの取得を中心とする総額364百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却、売却はありません。 (4) 全社共通当連結会計年度の主な設備投資は、本社ビルのオフィス更改及び社内業務用パソコンの取得を中心とする総額507百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社2025年3月31日現在事業所(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積㎡)建物及び構築物工具、器具及び備品リース資産(有形)ソフトウェアリース資産(無形)合計本社(神戸市中央区)金融関連部門公共関連部門産業関連部門全社共通生産事務所927(904.64)472843758311,946551データセンター(神戸市中央区)公共関連部門産業関連部門生産事務所-5870273335073869東京本社(東京都中央区)金融関連部門公共関連部門産業関連部門全社共通生産事務所-314-8-25293姫路オフィス(兵庫県姫路市)産業関連部門全社共通生産事務所-121---148大阪オフィス(大阪市中央区)産業関連部門生産事務所-40---425 (注) 1 現在休止中の主要な設備はありません。 2 土地及び建物の一部を賃借しており、賃借料は345百万円であります。 3 「リース資産(有形)」の帳簿価額には建設仮勘定が含まれております。 4 帳簿価額には減損損失計上後の金額を記載しております。 (2) 国内子会社2025年3月31日現在会社名事業所(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積㎡)建物及び構築物工具、器具及び備品リース資産(有形)ソフトウェアリース資産(無形)合計株式会社KCSソリューションズ本社(神戸市中央区)金融関連部門公共関連部門産業関連部門全社共通生産事務所-394-5-4961 (注) 建物の一部を賃借しており、賃借料は50百万円であります。 (3) 在外子会社該当する子会社はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等当企業集団の設備投資においては、将来の事業展開を予測した生産計画に必要な合理化設備等、投資効率を総合的に勘案して計画しております。 当連結会計年度末における重要な設備の新設等に係る投資予定額は、生成AIを活用した社内用システムの構築や本社ビル設備の改修及び社内業務用パソコンの更改によるオフィス環境の整備を含む総額929百万円であります。 設備投資の所要資金については、主に自己資金を充当し、必要に応じてリースを利用する予定であります。 (2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 61,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 507,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 21 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,955,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、当社の子会社の株式への投資、及び投資した証券から利潤を企図する純投資を主目的とするものを除く株式及び株式に準じるものへの投資を「政策保有株式」として区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、政策保有株式について、以下の通り基本方針を定めております。 ・当社は、政策保有株式について、金融証券取引所に上場している企業に求められる行動基準への対応や当社の財務面での健全性維持のため、保有の合理性が認められる場合を除き、原則として、政策保有株式を保有しない。 ・保有の合理性が認められる場合とは、中長期的な視点も念頭において、保有に伴うリスクとコストと保有によるリターン等を適正に把握したうえで採算性を検証し、取引関係の維持・強化、資本・業務提携、再生支援などの保有のねらいも総合的に勘案して、当社の企業価値の向上に繋がると判断される場合を言う。 ・政策保有株式については、定期的に保有の合理性を検証し、合理性が認められる株式は保有するが合理性がないと判断される株式は、市場に与える影響や発行体の財務戦略など、様々な事業を考慮したうえで、売却する。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式8236非上場株式以外の株式131,806 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式-- 該当事項はありません。 非上場株式以外の株式113 持株会の株式買付けによる増加。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式4565 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由(注1)当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)富士通㈱356,93535,176同社及び同社のグループ会社は当社の取引先としてシステム構築やシステム機器仕入などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 株式増加の理由は、持株会の株式買付けによるものであります。 なお、2024年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割しております。 無(注2)1,053875バンドー化学㈱100,000100,000同社及び同社のグループ会社は当社の取引先としてシステム構築やシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 有164189神栄㈱101,000101,000同社は当社の取引先としてシステム構築、システム運用及びシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 有162170MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱27,0009,000取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しており、保有の合理性を有しております。 なお、2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割しております。 無8773ライト工業㈱29,00029,000同社は当社の取引先としてシステム運用及びシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 無7159山陽電気鉄道㈱33,07533,075取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しており、保有の合理性を有しております。 無6669㈱帝国電機製作所20,00020,000同社は当社の取引先としてシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 無5851川崎重工業㈱4,7004,700取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しており、保有の合理性を有しております。 無4123㈱ノーリツ22,00022,000取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しており、保有の合理性を有しております。 無3838㈱リヒトラブ20,00020,000同社は当社の取引先としてシステム構築やシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 無2219 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由(注1)当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)明星工業㈱15,00015,000取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しており、保有の合理性を有しております。 無1919JFEホールディングス㈱5,9005,900取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しており、保有の合理性を有しております。 無1014川西倉庫㈱9,0009,000同社は当社の取引先としてシステム運用やシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 無910㈱アシックス-30,000前事業年度において、取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しておりました。 無-219㈱サンリオ-11,000前事業年度において、取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しておりました。 無-100山陽特殊製鋼㈱-16,000前事業年度において、取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しておりました。 無-35日本ペイントホールディングス㈱-22,600前事業年度において、取引紐帯の形成・維持・強化を図る目的で保有しておりました。 無-24 (注) 1 定量的な保有効果については記載が困難であります。 保有の合理性は、保有に伴うリスクやコストと保有によるリターン等を適正に把握したうえで採算性を検証し、取引関係の維持・強化、資本・業務提携、再生支援などの保有のねらいも総合的に勘案して検証しております。 2 富士通㈱は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社である富士通Japan㈱が当社の株式を保有しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 8 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 236,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,806,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 565,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 9,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 9,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 該当事項はありません。 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 持株会の株式買付けによる増加。 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 日本ペイントホールディングス㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 同社は当社の取引先としてシステム運用及びシステム機器販売などの取引があり、同社株式は安定的な取引関係の維持・強化を図る目的で保有し、保有の合理性を有しております。 |