財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-20 |
英訳名、表紙 | Anicom Holdings, Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 小森 伸昭 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー39階 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(5348)3911(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 当社は、「anicomどうぶつ健康保障共済制度」(以下、「どうぶつ健保」という)を営む「anicom(動物健康促進クラブ)」を前身としています。 どうぶつ健保とは、対象となる動物の病気・ケガに要した診療費の一部を補償するペット共済です。 当社は、この「anicom(動物健康促進クラブ)」から、どうぶつ健保の保険事務を受託することを目的とする「株式会社ビーエスピー」として、2000年7月に設立されました。 「株式会社ビーエスピー」設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりです。 年月概要2000年7月anicom(動物健康促進クラブ)から「どうぶつ健保」(ペット共済)に係る事務を受託するため、東京都豊島区に「株式会社ビーエスピー」(現当社)を設立(資本金41百万円)2000年11月anicom(動物健康促進クラブ)が「どうぶつ健保」(ペット共済)募集開始 動物病院向けカルテ管理システム「アニコムレセプター」販売開始2001年7月幼齢ペット向け共済商品(アニコム損害保険株式会社の「どうぶつ健保べいびぃ」の原型)の販売開始2004年12月ペットコミュニティ雑誌の発行及び発送業務を行うため東京都新宿区に100%子会社として「アニコム パフェ株式会社」を設立(資本金10百万円)2005年1月「株式会社ビーエスピー」を「アニコム インターナショナル株式会社」に商号変更 本社を東京都豊島区から、東京都新宿区に移転2005年2月東京都新宿区に100%子会社として「アニコム フロンティア株式会社」を設立(資本金10百万円)2006年1月東京都新宿区に保険会社設立準備子会社「アニコム インシュアランス プランニング株式会社」を100%子会社として設立(資本金1,500百万円)2006年4月会社分割により、ペット保険事業に係る営業基盤を当社からアニコム インシュアランス プランニング株式会社に委譲2006年6月改正保険業法の施行を受け、anicom(動物健康促進クラブ)が特定保険業者の届出を行う2007年12月「アニコム インシュアランス プランニング株式会社」が「アニコム損害保険株式会社」に商号変更 「アニコム インターナショナル株式会社」が保険持株会社の認可を、アニコム損害保険株式会社が損害保険業の免許を金融庁より取得2008年1月アニコム損害保険株式会社が損害保険業を開始2008年6月「アニコム インターナショナル株式会社」を「アニコム ホールディングス株式会社」に商号変更2009年1月アニコム損害保険株式会社においてオンライン加入手続を開始2009年4月「anicom(動物健康促進クラブ)」が特定保険業の廃業届を関東財務局に提出2009年11月日本の家庭動物に関するデータ集「家庭どうぶつ白書」を初発刊。 以降、毎年刊行。 2010年3月東京証券取引所マザーズに株式を上場2014年1月動物医療分野における基礎研究の推進、先進医療の開発に向けた臨床等を行うため、東京都新宿区に100%子会社として「日本どうぶつ先進医療研究所株式会社(現 アニコム先進医療研究所株式会社)」を設立(資本金75百万円)2014年6月東京証券取引所市場第一部に市場変更2015年7月コーポレート・ベンチャー・キャピタル事業を行うため、東京都新宿区に100%子会社として「アニコム キャピタル株式会社」を設立(資本金50百万円)2016年4月当社49%、富士フイルム株式会社51%出資の動物の再生医療に関する合弁事業として、セルトラスト・アニマル・セラピューティクス株式会社を設立2017年3月当社49%出資の中国における動物医療に関する合弁事業として、Hong Kong Anicom Company Limited(香港愛你康有限公司)を設立 年月概要2020年1月株式会社シムネットの全株式を取得し、完全子会社化2021年3月富士フイルム株式会社との合弁契約を解消し、セルトラスト・アニマル・セラピューティクス株式会社の事業をアニコム先進医療研究所株式会社にて承継 アニコム キャピタル株式会社の解散を決議2022年2月Hong Kong Anicom Company Limited(香港愛你康有限公司)の増資引き受けを行い子会社化2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場に移行2022年10月アニコム パフェ株式会社がアニコム フロンティア株式会社を吸収合併2024年3月株式会社フローエンスの株式を取得し、連結子会社化 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 アニコムグループは、保険持株会社である当社、アニコム損害保険株式会社をはじめとした連結子会社5社により構成されています。 当社は、経営管理及びそれに附帯する業務を行う持株会社として、各連結子会社の経営状況を把握し、グループのリスク管理及び、コンプライアンスの強化に努めるとともに、グループとしての事業戦略の策定及び、グループ間におけるシナジー発揮の促進等を業とし、経営管理料を収受しています。 なお、当社は、特定上場会社等に該当しており、これによりインサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとしています。 事業の系統図は以下のとおりです。 当社グループは、中核事業となる「(1)損害保険事業」、「 (2)ペット向けインターネットサービス事業」「(3)その他の事業 ①動物病院支援事業 ②保険代理店事業 ③動物医療分野における臨床・研究事業 ④遺伝子検査等事業 ⑤その他事業」を行っており、各事業の内容は以下のとおりです。 (1) 損害保険事業 アニコム損害保険株式会社のペット保険は、契約者が保険契約に基づく保険料を支払い、保険契約期間中に対象となるペット(犬、猫、その他(鳥、うさぎ、フェレット、モモンガ、リス、ハムスター、ネズミ、モルモット、ハリネズミ、カメ、トカゲ、チンチラ、ヘビ)の15種)が病気やケガで診療を受けたとき、その診療費に対し、約款に基づき保険金を支払うものです。 なお、アニコム損害保険株式会社の保有契約件数は1,287,923件となっており、取扱商品は以下のとおりです。 商品対象動物窓口精算通院入院手術概要〇〇〇〇ご家庭等で飼養されている所定年齢以下の指定の動物種を対象にしています。 (犬、猫、鳥、うさぎ、フェレット以外につきましては、継続契約のみをご契約対象としています)保険期間は1年、保険の対象となる診療費の50%・70%を支払限度の範囲内でお支払いします。 〇〇〇〇満0歳の犬、猫をご購入されると同時にペットショップ等の動物取扱業者でご契約いただける商品です。 保険期間は1年、診療費につきましては、保険期間の初日から1ヶ月は保険の対象となる診療費の100%を、その後の11ヶ月はご契約のプランにより、50%・70%をお支払いします。 これは、どうぶつが生後間もない時期は、病気等にかかりやすいことに対応したものです。 〇〇〇〇・どうぶつ健保すまいるべいびぃ満0歳の犬、猫のお引渡日から1ヶ月に限り保険の対象となる診療費の100%をお支払いする商品です。 ペットショップ等の動物取扱業者が保険を付保して販売することで、お客様がより安心してご家族としてお迎えいただけるように開発した商品です。 ・どうぶつ健保すまいるふぁみりぃ「どうぶつ健保すまいるべいびぃ」の責任期間(1ヶ月)終了時にあわせて、ご契約いただける商品です。 〇〇〇〇満1歳11ヶ月以下の指定の動物種をご購入されると同時にペットショップ等の動物取扱業者でご契約いただける商品です。 〇〇〇〇保護犬・猫などを対象に、お迎えと同時に譲渡団体等の動物取扱業者でご契約いただける譲渡専用の商品です。 契約年齢の上限はありません。 保険期間は1年、診療費につきましては、保険期間の初日からご契約のプランにより、50%・70%をお支払いします。 ××〇〇入院と手術の補償に特化した商品で、保険料を安価に設定しています。 保険期間は1年、保険の対象となる診療費の70%を支払限度の範囲内でお支払いします。 〇×〇〇従来商品では新規でご契約いただけなかった、満8歳以上(上限なし)の犬・猫専用の商品です。 入院と手術の補償に特化した商品です。 付帯サービスの「どうぶつ健活」の結果が良好であれば「どうぶつ健保ふぁみりぃ」へ移行することもできます。 保険期間は1年、保険の対象となる診療費の50%・70%を支払限度の範囲内でお支払いします。 ■その他主な特約ペット賠償責任保険ご契約いただいたどうぶつが、他人または他人の物に咬み付いたり、引っかいたりすること等によって、他人に損害を与え、飼い主様に法律上の賠償責任が生じた場合に、保険金をお支払いする特約です。 所定の特約保険料を支払うことにより、「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「どうぶつ健保べいびぃ」「どうぶつ健保すまいるふぁみりぃ」「どうぶつ健保はっぴぃ」「どうぶつ健保きずな」「どうぶつ健保しにあ」の商品に付帯することができます。 (注) 1 「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「どうぶつ健保すまいるふぁみりぃ」「どうぶつ健保はっぴぃ」「どうぶつ健保きずな」の保険金支払限度額は、通院・入院は1日につき10,000円(50%プラン)、14,000円(70%プラン)とし、手術は1回につき100,000円(50%プラン)、140,000円(70%プラン)を限度としています。 なお、通院・入院の限度日数は年間20日まで、手術の限度回数は年間2回までとなっています。 2 「どうぶつ健保べいびぃ」の保険金支払限度額は、通院・入院は1日につき20,000円、手術は1回につき200,000円までです。 なお、通院・入院の限度日数は年間20日まで、手術の限度回数は年間2回までとなっています。 3 「どうぶつ健保すまいるべいびぃ」の保険金支払限度額は、通院・入院は1日につき20,000円、手術は1回につき200,000円までです。 なお、通院・入院の限度日数は月間20日まで、手術の限度回数は月間2回までとなっています。 4 「どうぶつ健保しにあ」の保険金支払限度額は、入院は1日につき10,000円(50%プラン)、14,000円(70%プラン)とし、手術は1回につき100,000円(50%プラン)、140,000円(70%プラン)を限度としています。 なお、入院の限度日数は年間20日まで、手術の限度回数は年間2回までとなっています。 5 「どうぶつ健保ぷち」の保険金支払限度額は、入院は1日につき14,000円とし、手術は1回につき500,000円を限度としています。 6 保険料は動物の種別(犬、猫、鳥、うさぎ、フェレット、モモンガ、リス、ハムスター、ネズミ、モルモット、ハリネズミ、カメ、トカゲ、チンチラ、ヘビ)と年齢によって異なります。 犬の場合のみ、品種に応じて5クラスに分類しており、それぞれ異なる保険料設定としています。 なお、支払割合(50%・70%)は契約者が選択可能であり、その支払割合に応じて保険料を設定しています。 <商品の改定及び開発の状況>年月概要2008年4月 ペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「どうぶつ健保べいびぃ」「どうぶつ健保すまいる」の引受開始2010年10月以下の商品改定を実施①入・通院限度日数を無制限に②支払割合90%・70%プランの新設2012年7月支払割合90%プランの取扱いを停止2014年11月以下の商品改定を実施①入・通院限度日数ありプランの新設(無制限プランの新規契約の取扱いを停止) ②鳥・うさぎ・フェレットの新規引受を停止(「どうぶつ健保ふぁみりぃ」) ③健康割増引制度の導入 2015年2月「どうぶつ健保はっぴぃ」の引受開始2016年11月「どうぶつ健保はっぴぃ」のご契約対象どうぶつに「モモンガ、リス、ハムスター、ネズミ、モルモット、ハリネズミ、カメ、トカゲ」を追加2017年9月鳥・うさぎ・フェレットの新規引受を再開(「どうぶつ健保ふぁみりぃ」)2017年11月「どうぶつ健保ぷち」の引受開始2018年12月以下の商品改定を実施①腸内フローラ測定サービス「どうぶつ健活(けんかつ)」の付帯開始(「どうぶつ健保ぷち」は付帯対象外)②被保険者の範囲を拡大 2019年3月「どうぶつ健保はっぴぃ」のご契約対象どうぶつに「チンチラ、ヘビ」を追加 2019年11月「どうぶつ健保しにあ」の引受開始2020年11月「どうぶつ健保きずな」の販売開始 (2) ペット向けインターネットサービス事業 2020年1月にグループインした株式会社シムネットにおいて、ブリーダーとのマッチングサイトや譲渡などの里親マッチングサイトの運営等のペット向けインターネットサービス事業を行っています。 同社が運営する「みんなのブリーダー」「みんなの子猫ブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。 (3) その他の事業① 動物病院支援事業 アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有している動物病院カルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売及び保守業務等を行っています。 「アニコムレセプター」を導入した動物病院では、顧客へ診療費の明細書を作成すると同時にアニコム損害保険株式会社への保険金請求(レセプト請求)用のデータが作成されます。 同社に当該データを送付すると、調査後に保険金の支払いが実行される仕組みであり、これは動物病院の作業効率を高めるとともに、同社における保険金支払い業務の効率化に貢献しています。 また、不正請求や計算ミスを未然に防止することも可能となることから、ペット保険に係る健全な業務体制構築の一助となっています。 ② 保険代理店事業 アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っています。 ③ 動物医療分野における臨床・研究事業 アニコム先進医療研究所株式会社において、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行っています。 ④ 遺伝子検査等事業 アニコム パフェ株式会社において、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査を実施し、避けられる遺伝病を繁殖前後(親・子)の検査によって回避することで経常収益への貢献と保険金の削減を図っています。 加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っています。 ⑤ その他事業 アニコム パフェ株式会社において、オンラインショップ「アニコムパフェオンラインショップ」、各検査をキーにした「きみのごはん」(保険契約者向けが中心)や「みんなのごはん」(保険契約者以外も含む)の販売、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供など、動物と飼い主の暮らしをサポートする事業を幅広く行っています。 また、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWebサイト「アニコム メモリアル」を運営しています。 さらに、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」を運営するとともに、主にペット関連の専門学校に対して「ペット保険講座」「損害保険募集人試験対策講座」等のオリジナル講座を提供するなど、将来ペット関連市場で働く学生に対する教育事業を行っています。 2024年3月に子会社化した株式会社フローエンスにおいては、環境エンリッチメントに配慮した犬・猫のブリーディング事業を行っています。 [アニコムグループの事業と強み]アニコムグループは、2000年7月に創業し、当社グループの主たる事業であるペット保険事業では、2009年から2024年までの16年間連続で国内シェアNO.1(※)となっています。 そうした当社グループの強みは、大きく以下の4つがあると考えています。 (※)ペット保険会社各社のディスクロージャー誌及び決算公告等から当社が推計したもの ・アニコムグループの事業と強み ① 対応病院数業界トップの(※)「窓口精算システム」 ・アニコムグループの事業と強み ② 全国をカバーする営業力と、豊富な販売チャネル ・アニコムグループの事業と強み ③ 人材の多様性 ・アニコムグループの事業と強み ④ シナジー創出の追求 (※)2025年3月時点 当社調べ アニコムグループの事業と強み ① 対応病院数業界トップの「窓口精算システム」 アニコム損害保険株式会社では、人の国民健康保険と同様、窓口で保険証を提示すれば、自己負担分を支払うだけで済む保険の仕組み「窓口精算システム」を日本で初めて構築しました。 このシステムは、少額かつ高頻度に利用されるペット医療の特性に合わせ、保険の使いやすさを重視したビジネスモデルであり、アニコム損害保険株式会社の最大の強みだと考えています。 例えば、契約者が郵送で保険会社に請求する従来型のビジネスモデルでは、1件ごとに振込手数料、郵送費、査定等の事務コストがかかりますが、この「窓口精算システム」により、これらのコストを大幅に圧縮することができています。 アニコム損害保険株式会社には、年間約450万件の保険金の請求が行われていますが、そのうち約9割が、この「窓口精算システム」による請求となっており、高い業務効率を達成しています。 現在、この窓口精算ができる「アニコム対応病院」は約7,000病院(全国の病院の5割以上)を超え、その数は他社と圧倒的な差があります。 また、2017年5月からは業界初の試みとして、コミュニケーションアプリ「LINE」での保険金請求サービスを開始しています。 これまで保険契約者に必要であった書類の記入や郵送の手間を省き、早く簡単に保険金請求ができるようになっています。 アニコムグループの事業と強み ② 全国をカバーする営業力と、豊富な販売チャネル [01 NB(New Born)チャネル]アニコム損害保険株式会社の最大のチャネルは、ペットショップの新生児を対象とした「NB(New Born)チャネル」です。 国内の主要なペットショップやブリーダーと代理店契約を締結し(1,537社と代理店契約締結。 店舗数は4,986店舗)、生体販売時にペット保険を販売しています。 こうしたペットショップ代理店では、アニコム損害保険株式会社の主力商品のひとつである「どうぶつ健保べいびぃ(ペットショップで販売される0歳の犬・猫を契約対象とするペット保険)」を販売しており、お客様がペットの購入と同時に保険を申込むことで、ペットショップの店頭から自宅にペットを連れて帰る、その瞬間から補償が開始されることになります。 アニコム損害保険株式会社では、現在、ペットショップに加えて、猫の譲渡会やブリーダーからの直販のチャネルの開拓も進めており、さまざまなペットとの「出会いの場面」における保険販売に注力していきたいと考えています。 [02.一般チャネル]Web(当社直販・Web代理店)や銀行窓口などの金融機関の窓口で販売するチャネルです。 主に、既に飼育されている全年齢の犬や猫などが対象であり、豊富なマーケットが特徴です。 NBチャネルに比べ加入時の年齢が高いことから、損害率への影響を考慮しながら戦略的なマーケティングを行いつつ、拡大させており、注力しているチャネルです。 アニコムグループの事業と強み ③ 人材の多様性当社グループには、獣医師資格を持つアニコムファミリーが103名在籍し、日本で最も獣医師が集まる企業の一つです。 この専門家集団の利点を活かし、他社には真似できない保険引受体制や査定体制の質の向上を図っています。 また、疾患統計の抽出・分析、遺伝子や腸内細菌等の研究、論文や学会での発表、専門誌への執筆、獣医師向けセミナーの実施など、専門性を活かして獣医療業界の発展にも寄与しています。 獣医師の他にも、当社グループには、農学/理学/薬学/歯学博士、弁護士、公認会計士、アクチュアリー(保険数理士)、弁理士、データサイエンティストやデザイナーなど、多種多様な専門家が働いており、これらの人材が当社グループの戦力の源泉となっています。 アニコムグループの事業と強み ④ シナジー創出の追求 2000年の会社設立時から予防型保険の確立を理念として掲げ、「予防」をキーワードとした各種取組みや研究開発を通じて、社会課題の解決に資することを経営のミッションとしています。 四半世紀の保険事業で得られたデータベースをもとに、グループ内に限らずペット業界全般、さらに業界をも超えるシナジーを創出することを目指しています。 具体的に以下の事業からシナジー創出を追求していきます。 ①データ分析力 保有する犬80万頭、猫30万頭のビッグデータから、がんを含む様々な病気や若齢発症の原因を特定し、適切な対策を講じることで更なる予防を実現していくことを目指しています。 ②高度先進医療 ロボット手術を含む最先端の高度獣医療を提供する動物病院を開業します。 整形外科、脳外科のほか、歯科、消化器内科などあらゆる分野のスペシャリストがどうぶつの診療にあたります。 また、リバーフィールド社製の手術支援ロボットSaroa(サロア)を獣医療用にカスタマイズした「TSURU(ツル)」を導入することで、繊細かつ高度な技術が研ぎ澄まされている日本の外科獣医療水準の更なる高度化に貢献し、日本のみならず世界の獣医療発展を促進していきます。 ③新商品の開発 口腔ケア商材である「CRYSTAL JOY」は、内閣総理大臣賞を受賞したMA-T™が配合され、適切なオーラルケアができているか確認できるよう香りや味でごまかさない「無色透明・無味・無臭」が特徴のどうぶつ用の歯磨きジェルです。 また、多様な食材を使用し毎日手軽に続けられる「7Days Food」は、腸内フローラの多様性や腸内環境を高めるためのヒューマングレードな手作りフードです。 これらの商材からどうぶつの健康促進だけでなく健康寿命延伸の実現といった企業価値向上も目指していきます。 ④他社企業との連携 ペットとの暮らしをより豊かなものにするためには、幅広い視点が必要と考え、ペット産業に関わらず、住宅・防災・製薬等、様々な企業様と提携しています。 [事業系統図]当社は持株会社として各連結子会社の経営管理を行い、経営管理料を収受しています。 なお、各連結子会社との系統図は事業の内容の冒頭に記載のとおりです。 [保険募集・保険金支払体制]アニコム損害保険株式会社における保険募集・保険金支払体制の概要は以下のとおりです。 ①保険募集体制NBチャネルでは、ペットショップ代理店において、「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「どうぶつ健保べいびぃ」「どうぶつ健保すまいるべいびぃ」「どうぶつ健保すまいるふぁみりぃ」「どうぶつ健保はっぴぃ」「どうぶつ健保ぷち」の6種のペット保険商品を取り扱っています。 これらの商品は、アニコム損害保険株式会社とペット保険契約者との契約となりますが、「どうぶつ健保すまいるべいびぃ」は、同社とペットショップとの契約となり、同契約を締結したペットショップで販売された0歳の犬・猫が、ペット保険の補償対象になります。 ②保険金支払体制1 契約者がアニコム損害保険株式会社の対応動物病院にて診療を受けた場合は、対応動物病院の会計窓口で保険金相当分を差し引いた金額のみをお支払いいただき保険金請求手続きは完了します。 2 契約者がアニコム損害保険株式会社の対応動物病院ではない、未対応の動物病院にて診療を受けた場合は、一旦窓口で診療費の全額を支払い、別途アニコム損害保険株式会社へ請求を行うことで、後日保険金が支払われます。 3 「どうぶつ健保べいびぃ」及び「どうぶつ健保すまいるべいびぃ」では、保険契約後の1ヶ月間は、補償対象となる診療費の100%が補償されます。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容(注)1議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) アニコム損害保険株式会社 (注)2,3東京都新宿区百万円6,550損害保険事業100.0経営管理契約にもとづく経営管理料の受取、役員の兼任(2名)、従業員の兼務・出向等株式会社シムネット宮城県仙台市宮城野区百万円100ペット向けインターネットサービス事業100.0経営管理契約にもとづく経営管理料の受取、役員の兼任(1名)、従業員の兼務・出向等アニコム パフェ株式会社東京都新宿区百万円50その他(動物病院支援等)100.0経営管理契約にもとづく経営管理料の受取、役員の兼任(2名)、従業員の兼務・出向等アニコム先進医療研究所株式会社東京都新宿区百万円50その他(動物医療分野における臨床・研究)100.0経営管理契約にもとづく経営管理料の受取、役員の兼任(2名)、従業員の兼務・出向等株式会社フローエンス千葉県市原市百万円100その他(ブリーディング事業)100.0経営管理契約にもとづく経営管理料の受取、役員の兼任(1名)、従業員の兼務・出向等(持分法適用非連結子会社) 香港愛你康有限公司中国香港万USD265その他(動物病院事業)100.0従業員の兼務・出向等 (注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。 2 特定子会社です。 3 アニコム損害保険株式会社については、2025年3月期における経常収益金額の連結経常収益金額に占める割合が10%を超えています。 主要な損益情報等(1) 経常収益60,805百万円 (2) 経常利益5,183百万円 (3) 当期純利益3,680百万円 (4) 純資産22,094百万円 (5) 総資産55,217百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)損害保険事業(ペット保険)488〔122〕ペット向けインターネットサービス事業81〔34〕その他405〔245〕合計974〔401〕 (注) 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の〔 〕外数は臨時従業員の年間の平均雇用人員です。 〔女性従業員数・男性従業員数の推移〕 (2) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)37〔7〕42.06.77,433 (注) 1 従業員数欄の〔 〕外数は臨時従業員の年間の平均雇用人員です。 2 上記のほか、当社子会社との兼務者が90名おります。 3 平均勤続年数は当社子会社を含む当社グループにおける在籍期間を通算しています。 4 平均年間給与は各月における在籍者の平均給与月額の合計であり、基準外給与を含んでいます。 5 従業員は、その他のセグメントに所属しています。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満な関係を構築しています。 (4) 多様性に関する指標当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。 ①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示会社名管理職に占める女性労働者の割合(%)男性の育児休業取得率(%)男女の賃金の格差(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者当社35.0‐70.570.6‐アニコム損害保険株式会社35.877.066.167.148.0アニコム先進医療研究所株式会社20.050.055.759.541.4株式会社シムネット23.10.067.873.584.0株式会社フローエンス53.8‐70.383.078.8 (注) 1 正規雇用労働者は、正社員および無期雇用準社員を含んでおります。 また、時間短縮勤務を行う者を含んでおります。 2 非正規雇用労働者は、フルタイムならびにパートタイムの有期雇用社員およびアルバイトを含み、派遣社員を除いております。 3 全労働者は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者を含んでおります。 4 管理職に占める女性労働者の割合は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。 管理職は、部下を持つ職務以上の者、並びに部下を持たなくともそれと同等の地位にある者で、役員を除いております。 5 男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。 6 「―」は対象となる労働者が無いため算出不可であることを示しております。 7 男女の賃金の格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 賃金には固定給・時間外勤務手当を含み、通勤手当を含んでおりません。 正規雇用労働者のうち、時間短縮勤務を行う者については、勤務時間に応じた人数調整を行っておりません。 非正規雇用労働者のうち、パートタイムの有期雇用社員およびアルバイトについては、勤務時間に応じた人数調整を行っております。 ②連結会社の状況会社名管理職に占める女性労働者の割合(%)男性の育児休業取得率(%)男女の賃金の格差(%)全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者当社及び連結子会社36.569.062.967.350.8 (注) 1 「連結財務諸表の用語、様式及び作成表法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。 2 正規雇用労働者は、正社員および無期雇用準社員を含んでおります。 また、時間短縮勤務を行う者を含んでおります。 3 非正規雇用労働者は、フルタイムならびにパートタイムの有期雇用社員およびアルバイトを含み、派遣社員を除いております。 4 全労働者は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者を含んでおります。 5 管理職に占める女性労働者の割合は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。 管理職は、部下を持つ職務以上の者、並びに部下を持たなくともそれと同等の地位にある者で、役員を除いております。 6 男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。 7 男女の賃金の格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 賃金には固定給・時間外勤務手当を含み、通勤手当を含んでおりません。 正規雇用労働者のうち、時間短縮勤務を行う者についての勤務時間に応じた人数調整を行っておりません。 非正規雇用労働者のうち、パートタイムの有期雇用社員およびアルバイトについての勤務時間に応じた人数調整を行っております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、その達成等を保証するものではありません。 (1) 会社経営の基本方針アニコムグループは、社名に掲げた「ani(命)+communication(相互理解)=∞(無限大)」を企業活動の根源にすえています。 これは、命のあるものすべてがお互いに理解し、尊重し合い、ともに一つの目的に向かって力を合わせることで、これまで不可能と思われていたことが可能になると考えているからです。 こうした考えのもと、私たちアニコムでは、ペット保険事業を柱に、この無限大の価値創造力を活かし、世界中に「ありがとう」を拡大することを、グループの経営理念として掲げています。 (2) アニコムグループの理念体系<中長期的な経営戦略>近年、日本の15歳未満の人口は減少を続けており、約1,400万人である一方、犬猫の飼育頭数はそれを上回る約1,600万頭と推計されており、ペット業界の市場規模も2022年には1兆7,825億円へと伸長しています。 また、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻等を経て人々の不安や孤独が高まる中、人々の不安や孤独を癒す存在としてペットの需要はますます高まっています。 その結果、保険市場においてペット保険がとりわけ注目されるようになり、主要な保険会社による参入が相次ぐこととなりました。 当社グループは、それぞれの命が持つ個性の違いを互いに尊重しあい、分業協力することで、世界中に「ありがとう」を拡大することを経営理念としています。 その実現のため、2000年の創業以来「予防型ペット保険の確立」に注力してまいりました。 生れながらに遺伝的脆弱性を抱えるペットの健康のためには、後天的なケアが重要です。 当社グループでは、加入動物120万頭超、日々1万件以上の診療情報による膨大なデータを活用し、病気のリスクを高める要因の特定や発症確率の解明を進めています。 その分析結果から、遺伝的脆弱性をカバーするキーとなるのが、腸内細菌叢の多様性と口腔内ケアであると考え、更に研究を重ねております。 また、当社グループの事業領域も、引き続き保険事業を中心としつつも川上の「ブリーディング・子犬猫のマッチングサポート」、川中の「健診付き保険・口腔・腸内ケア商材等の提供」、川下の「医療の提供」等と、新たな健康増進施策の機動的な投入を可能にすると共に、これまで当社グループを率いてきた保険事業にも好影響を与えあう有機的ポートフォリオを形成するに至りました。 <ペット保険事業とその他の事業のシナジー> (川上から川中の施策)当社グループ全体で進めているブリーディングサポート事業においては、出産効率を上げるための技術開発(幹細胞の活用や凍結精子利用技術等)、ブリーディング時の医療を支援するための往診サービス、生体販売を支援するための生体引き渡しセンター(こうのとり)の開設、繁殖管理システムの開発、ブリーディング場の賃貸提供など、ブリーダーを支援するための施策を拡充・進化させてきました。 特に、生体引き渡しセンター(こうのとり)は、当社グループ直営の拠点を4拠点開設するなど、注力してまいりました。 今後も引き続き当事業を重点施策と位置づけ、積極的なブリーダー支援策を講じることでペット業界の発展に寄与していきたいと考えています。 アニコム パフェ株式会社で実施している遺伝子検査事業においては、2024年度の遺伝子検査検体数が約6万6千件となりました。 また、性格(行動)、品種、毛色、体質、親子判定などを一度に測定する技術開発を進めるなど、事業の拡充を進めてきました。 今後も、新たな技術を活かしながら事業拡大・サービス拡充を進めていく予定です。 (川中から川下の施策)アニコム パフェ株式会社で実施している健康イノベーション事業において、歯周病予防のためにMA-T™を利用した歯みがきジェル「CRYSTAL JOY」や、腸内フローラの多様性を高める「7Days Food」、愛犬・愛猫の食事を美味しく、健康的にサポートする「CARE PUREE」を販売しております。 直営動物病院を中心に販路の開拓を進めており、今後も健康イノベーション事業を拡大させていきたいと考えています。 アニコム先進医療研究所株式会社の動物病院事業については、現在、58病院となっており、これらの病院では、予防診療から再生医療まで、様々な診療を行っています。 動物病院事業を展開・拡大していく中で、当社グループの強みであるカルテ管理システムの利用病院を広げ、そこから得られる医療データや保険金データを活用し、次世代の予防法の確立を目指していきたいと考えています。 また、再生医療の普及のためにアニコムグループが中心となって立ち上げた「動物再生医療技術研究組合」は、2025年3月末時点で809の動物病院が加入し、2024年度で492件の幹細胞投与実績を達成しています。 今後も再生医療の対象疾患の拡大と、新たな技術の投入を目指していきたいと考えています。 (3) 経営環境及び対処すべき課題<経営環境等>2024年度のペット業界全般は、コロナ禍以降減少していた新規飼育頭数が下げ止まり、前年比約3万頭増の約80万頭となりました。 一方、ペットの家族化の進展により健康管理を意識する飼い主が増えたことなどから、国内のペット保険市場の普及率は21.4%にまで伸長しています。 [犬・猫の飼育頭数の推移及びペット保険の市場規模] その他、2024年度はペットの長寿化や動物医療の高度化、インフレによる医療費上昇が続き、ペット保険への関心が更に高まる一方、競争激化や損害率上昇により、ネット型保険を中心に事業撤退が相次ぎ、合従連衡が進行しました。 当社グループは、そのような環境変化も踏まえつつ、これまで培ってきたグループ全体のリソース全てを用いて、ペット保険事業の経営効率向上、ひいてはペット業界全体の経営効率向上を目指していきたいと考えています。 <中期経営計画2022-2024> 当社グループでは、2022年から2024年までの3年間については、2030年度の第二期創業期完了を見据えた経営ビジョン実現に向けた基盤を構築する第1フェーズと位置付け、資本・リスク・リターンのバランスを取りながら、株主還元の目線も重視するフェーズとし、主要経営数値目標と主要KPI目標を重要な経営上の指標としています。 その最終年度である2024年度の実績は次の通りです。 アニコム損害保険株式会社の新規の保険契約件数は24.5万件(前期比10.1%増)、保有契約件数は128.7万件(前期末比7.9%増)と堅調な伸長を継続しました。 一方で、株式会社フローエンスの子会社化などによって、その他経常収益は増加しました。 当社グループ全体としては、保険事業を中心に堅調に伸長したことで、最終的な当社グループの経常収益は676.8億円、経常利益は49.4億円となり、共に過去最高となりました。 配当性向については20.2%となり、2024年度目標である20%水準を達成いたしました。 単体ソルベンシー・マージン比率は345.2%で着地し、目標を上回る結果となりました。 今後も引き続き、最適な資本配分構成を目指していく予定です。 また、保険の健全性に係る新たな資本規制(ESR及びリスク係数等)の導入が規制当局で予定されていることから、今後新たに創出されるリスク量を勘案しながら目標値の再設定を検討していくと同時に、引き続き保険金の削減や損害率の低減に努め、ペット保険事業等の強化に取り組んでいきたいと考えています。 2025年度は、「中期経営計画2025-2027」の初年度として、目標達成に向けて策定した重点施策を着実に実行し、どうぶつの一生を豊かで健康にする為の「入って健康になる保険」の実現に向けて、強みの「ペット保険事業」注1)と、どうぶつのライフステージに寄り添った「シナジー創出事業の拡大」 注2)の両輪で、社会的価値と経済的価値の両立を目指していきます。 注1)予防型保険「アニコム」の独自性を追求した差別化、窓口精算システムによる高い顧客利便性と業務効率、 全国をカバーする営業力と多様な販売チャネル、豊富なデータの解析による新たな健康延伸サービス等の価値創出 多様な専門人材の積極的な登用 等注2)口腔ケア・腸内ケア商材を中心とした健康イノベーション事業の拡大、マッチングサイト及びブリーディングサポート事業の拡大、手術支援ロボットを活用した高度先進医療の実用化と拡大 [重点施策] |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)サステナビリティ経営の考え方当社グループでは、2022年に公表した「中期経営計画2022-2024」において、世界中の孤独と不安を癒すのみならず、人間に対しより積極的な生き甲斐提供を行うことや、子ども教育における原体験提供等を通じ、社会的課題の解決に貢献し、経済的価値と社会的価値を創造するサステナビリティ経営(CSV経営)を志向することとしており、これも踏まえ、2022年6月に「サステナビリティ基本方針」を策定しました。 本方針においては、地球環境をはじめとした様々な社会的課題に対して、ペット業界として対応可能なものとしてマテリアリティ(重要課題)を設定し、「人」「どうぶつ」「環境」の3領域への貢献を通じて、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指しています。 (バリューチェーンにおけるアニコムのCSV活動 [ESG/SDGs対応] )① ガバナンス当社グループでは、サステナビリティ経営をグループ全体で横断的に推進するため、経営意思決定機関である取締役会の監督の下、業務執行を担うグループ会社の取締役及び執行役員等で構成される「グループ経営会議」にて、半期に一回程度、サステナビリティに関する取組みの進捗について議論を行い、取締役会へ報告しています。 取締役会は、「グループ経営会議」にて議論された内容の報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針や実行計画等について議論を行っています。 (サステナビリティ推進体制) ② 戦略「中期経営計画2022-2024」におけるサステナビリティ経営(CSV経営)を志向することの宣言を踏まえ、ペット業界で対応可能な社会的課題を抽出した上で、ペット業界全体の発展との連動性と寄与度を勘案し、以下のマテリアリティを設定しています。 (社会的課題の解決とアニコムグループ事業との関係) (マテリアリティ)③ リスク管理当社グループでは、「グループリスク管理基本方針」を制定し、当社グループの経営に影響を及ぼしうるリスクの予見・コントロールに努めるとともに、サステナビリティに関して特に環境変動を想定した応答活動を常に準備し、不測の事態にあってもサービスや商品の品質を維持し、事業継続ができるように、リスク管理体制の構築に努めています。 また、リスク管理に関する会議体として「グループリスク管理委員会」を設置しており、サステナビリティに関する取り組みを含むグループの個別リスク管理の状況及び統合的に評価したリスクの状況等に関して議論を行い、取締役会へ報告等を行うことで、経営におけるリスク管理等の推進を図っています。 また、「グループ倫理規範」において、サステナビリティを追求するためにはリスク管理体制の構築及び内部統制の整備が必要不可欠であり、最善を尽くさなければならないことを明記しています。 当社グループが保有するリスクを正しく認識するため、エマージングリスク(将来新たに発現し、当社グループの経営に大きな影響を及ぼす可能性のあるリスク)も含めたリスクの概要を網羅的に洗い出し、サステナビリティに関するリスクを含めたリスク・プロファイルを定期的に作成しています。 ④ 指標及び目標当社グループで設定したマテリアリティに対する各数値目標は以下の通りです。 実績については、「(2)重要なサステナビリティ項目」をご参照ください。 (2)重要なサステナビリティ項目Ⅰ.気候変動への対応(TCFD提言への取組み)昨今、世界では気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しています。 日本国内においても、異常気象による大規模な自然災害が多発するなど、今や気候変動は最も重要な社会課題の1つとなっています。 このような中、ペット保険事業を主たる事業とする当社グループにおいては、自然災害を補償していないことから、他の損害保険会社のような損害の発生は想定されておらず、気候変動が直接的に当社グループの事業活動に及ぼす影響は限定的であると認識しています。 一方で、気候変動への対応は持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しており、当社グループとしても取り組むべき課題であると捉えています。 2022年6月に制定した「サステナビリティ基本方針」においても、重点課題として「環境への貢献」を位置づけており、温室効果ガスの排出量削減、廃棄物の削減と再利用の推進といった、気候変動への対応や生物多様性の保全に向けた活動に取り組んでいます。 2023年4月には、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。 TCFD提言に基づく開示を行うことは、気候変動に対する当社取組みを推進するために有益であるととらえ、「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目での開示対応を行っています。 ① ガバナンス気候変動に関するガバナンス及びリスク管理については、サステナビリティ推進におけるガバナンスと一体で管理しています。 詳細については「(1)サステナビリティ経営の考え方 ①ガバナンス」をご参照ください。 ② 戦略気候変動リスクの顕在化に伴う外部環境や事業環境の変化を想定し、リスク事象を洗い出し、当社グループへの影響を特定・評価しています。 当社グループの事業に対する主な気候変動リスク・機会は以下の通りです。 ③ リスク管理ペット保険事業を主たる事業とする当社グループにおいては、自然災害を補償していないことから、他の損害保険会社のような損害の発生は想定されておらず、気候変動が直接的に当社グループの事業活動に及ぼす影響は限定的であると認識しています。 そのうえで、気候変動に関するリスクについては、サステナビリティ推進におけるリスク管理と一体で管理しています。 詳細については「(1)サステナビリティ経営の考え方 ③リスク管理」をご参照ください。 ④ 指標及び目標当社グループではパリ協定の実現を目指し、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。 気候関連リスク・機会の管理に用いる指標として、Scope1+2の実質温室効果ガス排出量を指標として定め、開示しています。 具体的には、「中期経営計画2022-2024」の期間に合わせ、Scope1+2実質温室効果ガス排出量について、2020年度を基準年度として2023年度に50%、2024年度に100%削減を目標として設定しています。 また、今後はScope3についても算出対象の特定、排出量算出及び開示に取組み、2030年までに算出対象のScope3を含めた総排出量を2020年度と比較して最低50%削減、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指します。 (GHG排出量の実績)(注)1.算定対象は当社及び連結子会社としています。 データ収集体制が整っていない一部の動物病院については、2022年度までは算定対象から除外、2023年度から病院規模別の平均排出量を算入しています。 また、2024年度から連結子会社となった株式会社フローエンスについては、データ収集体制が整っていないため、算定対象から除いています。 2.6.5ガスは算定対象外としています。 3.環境省・経済産業省が公表する電気事業者ごとの「調整後排出係数」を用いて算出しています。 4.2023年度は、非化石証書を購入することでScope2の再エネ比率100%を達成しました。 5.2024年度は、再エネ由来電力の利用および非化石証書を購入することにより、また、社用車から排出されたCO₂をJ-クレジットを活用して全量オフセットすることにより、カーボンニュートラルを達成しました。 Ⅱ.人的資本人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる人的資本経営を目指し、取り組みを行っています。 ① 戦略人材育成方針及び社内環境整備方針として「グループ人事管理基本方針」第3条において以下のとおり制定しています。 (基本理念) 第3条(5)人材育成・能力開発①グループ各社では、常にオープンで公平な教育機会を提供し、個々の能力や適性を尊重しながら互いに協力し自由に競い合うことで加速度的な成長を遂げることを目的とし、人材育成・能力開発に努める。 ②グループ各社では、あらゆる状況において、ロール(役割)をプレイ(演技)する組織風土を醸成し、勇気をもって実践することによって自己成長を遂げ、真のプロ人材の育成に努める。 (7)福利・厚生 グループ各社では、社員とその家族の健康的で豊かな生活を支える一助として、個々の価値観、ライフスタイル、多様なニーズに対応した福利厚生制度の充実に努める。 ② 従業員の能力開発常にオープンで公平な教育機会を提供する場として「アニコム大学」と称した教育体系を整備しており、階層別に必要なスキルや姿勢を身に着ける研修の他、社員向けの自己研鑽セミナーを実施しています。 獣医師等の専門人材については、グループ病院間を跨いだ症例検討や手術研修、学会参加費用補助など、真のプロ人材の早期育成を目指した能力開発を推進しています。 ③ 全社員一人一特許戦略 サステナビリティを巡る難解な社会的課題を効果的に解決する組織を作るため、社員自身の自発的な探求心や使命感をベースに遂行していける仕組みづくりを企図しています。 様々な個性を持った多様な人財が自由な発想で、かつより本気になって業務に取り組むことを可能にするアニコムグループ独自の仕組みです。 職務遂行を通じてなされた個々人の努力やそこで得られた発見等をより個々人の存在と紐づけ、社会に広く認知させ伝達し、社会を豊かにするべく残されていくよう「全社員一人一特許(論文等)戦略」を実行しています。 ④ ダイバーシティ&インクルージョン獣医師等の専門人材の採用アニコムグループには、獣医師資格を持つ社員が103名在籍し(2025年3月末時点)、日本で最も獣医師が集まる企業の一つです。 この専門家集団の利点を生かし、他社にはできない保険引受体制や査定体制の質の向上を図っています。 また、獣医師が集まる「信頼感」のブランドを顧客サービスに繋げるため、電話やLINEで獣医師に相談できるサービスなども展開しています。 それだけでなく、疾患統計の抽出・分析や、遺伝子や腸内細菌等の研究、論文や学会での発表、専門誌への執筆、獣医師向けセミナーの実施など、専門性を生かして獣医療業界の発展に寄与しています。 ほかにも、医学/農学/理学/薬学博士、弁護士、公認会計士、アクチュアリー(保険数理士)、弁理士、データサイエンティストやデザイナーなど、多種多様な専門家を積極的に採用しています。 女性活躍推進「グループ人事管理基本方針」において、性別にこだわることなく、互いに尊重し合い、能力ある人材がその能力を最大限に発揮し活躍できる環境を提供することを定め、女性活躍の推進に取り組んでいます。 子育て支援出産を迎えたほぼすべての女性が産休・育休を取得し、約7割の男性が育休を取得しています。 また、育児休業の延長限度を、法定を超える「3歳」まで、短時間勤務制度も法定を超える「子どもが小学校6年生を修了するまでの間」活用できるようにし、育児と仕事を両立できるよう支援しています。 障がい者雇用人事部門が主体となり、積極的に雇用を促進しています。 入社後は必要に応じて配属部門に「支援担当者」を配置するメンター制度を採用し、個々の状況に応じた支援体制を構築しています。 配偶者の範囲拡大就業規則において、特別休暇の対象となる結婚・出産・死亡における配偶者の範囲に同性のパートナーを含むことを明記しています。 ⑤指標及び目標(注)1.算定対象は当社及び連結子会社(2022年度以前の「No.5 有給取得率」を除く)。 2.管理職の定義は「部下を持つ職務以上の者、並びに部下を持たなくともそれと同等の地位にある者」で「役員」を除く。 3.2022年度以前は株式会社シムネットを除く。 4.2023年度以前は株式会社フローエンスを除く。 5.定年退職等を除く自己都合による退職。 |
戦略 | ② 戦略「中期経営計画2022-2024」におけるサステナビリティ経営(CSV経営)を志向することの宣言を踏まえ、ペット業界で対応可能な社会的課題を抽出した上で、ペット業界全体の発展との連動性と寄与度を勘案し、以下のマテリアリティを設定しています。 (社会的課題の解決とアニコムグループ事業との関係) (マテリアリティ) |
指標及び目標 | ④ 指標及び目標当社グループで設定したマテリアリティに対する各数値目標は以下の通りです。 実績については、「(2)重要なサステナビリティ項目」をご参照ください。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財務状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」等は、下記 (2)のとおりです。 これらのリスクを含む当社のリスクの管理強化のため、取締役会はリスク管理部を設置しグループ全体としてのリスク管理の推進を行っています。 定性リスク/定量リスクの管理として、下記(3)のとおりリスク管理を推進しています。 また、当社は、当社グループ各社が直面するリスクや、当グループ体制特有のリスクに見合った十分な自己資本等を確保し、効率性・健全性・持続性を確保した企業成長を具現化するために、下記(1)のとおり、ERM(統合的リスク管理)を推進しています。 なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断しています。 (1) ERMの推進事業を進めるにあたり、リスクが存在することは必須です。 そのリスクを「避ける」のではなく、リスクを直視し極力漏れなく洗い出し、期待収益等と比較・評価をする。 そして、リスクをコントロールしながら収益を拡大させていくことが必要と考えています。 当社グループでは、安定的な事業成長や収益性を確保するために、「グループリスク選好基本方針」を定め、予防型保険の確立に向けたインフラ整備等に向けた中期経営計画を策定・開示しています。 この中期経営計画および各年度の経営計画において、将来のペットマーケットなどの変化を前提にペット保険のトップライン・損害率・事業費及び事業投資等の管理を継続的に実施しています。 昨今、ペット保険の競争が激化していますが、当社では、この環境変化をリスクとしてだけ受け止めるのではなく、ペット保険のニーズの顕在化、と捉えて、拡販に向けた取り組みをさらに推進しています。 そのうえで、さらなるリスク管理を推進するとともに、グループ間での適切な資本配賦運営を行うことにより自己資本を管理する体制を整えており、これらを適宜モニタリングすることで当社グループにおける自己管理型の統合的リスク管理を適切に行っております。 当社グループ各社が直面するリスクや当グループ体制特有のリスクに見合った十分な自己資本等を確保しつつ、効率性・健全性・持続性を確保のバランスを取りながら企業成長を目指すために、ERM※の推進を実施しています。 ※ERM(Enterprise Risk Management:統合的リスク管理) (2) 主要なリスク等① 主要なリスク当社グループの「主要なリスク」は、主たる事業であるペット保険事業がグループ全体の売上の約90%を占めていることを踏まえ、以下のとおり認識しています。 国内のペット業界が衰退するリスク動物の愛護及び管理に関する法律の改正に伴いペットショップ等が減少しペットの飼育頭数が減少、または、国内の経済環境の変化や人獣共通感染症の発生懸念等によりペットの飼育頭数が減少し、当社のペット保険を中心としたビジネスモデルが成り立たなくなる可能性があります。 ペット保険事業の保険引受が減少するリスク以前から、少額短期保険業者を中心に、多くの会社がペット保険事業に参入していましたが、大手損害保険会社のペット保険参入や他業種からのペット保険事業への参入、さらにはペット保険を主に取り扱っている損害保険会社の大手生保グループ化など、ペット保険の競争激化がさらに加速しています。 これにより、商品内容・サービス・価格等の競争が生じ、当社グループのペット保険契約、委託代理店数の減少、保険料単価の下落による収入保険料が減少する可能性があります。 ペット保険の損害率の上昇リスクアニコム損保が提供する保険商品は、適正な補償内容及び保険料水準を設定していますが、動物の伝染病の蔓延(動物を発生源とした新型インフルエンザのような伝染病を含みます)による動物の疾病発症率や医療費水準が上昇する可能性があります。 また、保有契約のポートフォリオの変化やリスク濃縮等により、適正な保険料水準を確保できない場合や過度にリスクが集積した場合等には、経営の健全性が維持できず、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。 資産運用リスクアニコム損保は、株式、債券及び不動産等の多様な資産にリスク分散し、また預貯金等を保有することで流動性を確保しつつ安定的な資産運用を行っています。 その上で、金利水準や株価水準等の変動をモニタリングするとともに、運用資産の時価が下落するリスクを適切にコントロールするべく、ロスカットルールなどの各種の対策を講じています。 しかしながら、今後、金利水準の上昇や株価の大幅な下落等により、投資資産の評価損の発生や拡大のほか、社債等の発行者が債務を履行できなくなり、その元本及び利息等の支払が滞った場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ② その他のリスク上記の「主要なリスク」のほか、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性のあるリスクを以下のとおり認識しています。 (a)事業中断等に関するリスク 当社グループでは、首都直下型地震等の大規模な自然災害や新型インフルエンザの大流行等の不測の事態に備え、事業継続計画の策定をはじめとする危機管理体制を整備しています。 こうした危機管理体制を整備することにより、事業中断期間における事業への影響を一定程度に抑え、継続的に事業を継続する体制を整備しています。 しかしながら、事業継続が阻害されたり、想定を超える影響が生じた場合には、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。 (b)情報セキュリティに関するリスク当社グループは、保険事業における契約者情報をはじめ代理店や動物病院情報等の顧客情報を取り扱っており、これらの情報を、グループ各社において情報管理体制を整備し厳重に管理しています。 しかしながら、グループ各社または外部の業務委託先のシステムへの不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等により情報漏えい事故が発生した場合には、社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (c)システムリスク 当社グループでは、自然災害、事故、サイバー攻撃等による不正アクセス及び情報システムの開発・運用に関する不備等により、情報システムの停止・誤作動・不正使用が発生するシステムリスクを一定程度に抑え、業務を継続的に運用できる体制を整備しています。 しかしながら、過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発等により重大なシステム障害が発生し、対策が有効に機能せず、システムリスクが顕在化した場合には、情報の流出、システムの誤作動や停止、それらに伴う損害賠償、行政処分やレピュテーションの毀損により、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。 (d)法的リスク 保険代理店等における保険募集について、日常的な営業活動や監査等をつうじて適切な保険募集管理を推進しておりますが、保険業法およびその他の法令等に抵触することにより、レピュテーションリスクが発現および適切な保険事業の継続が阻害される可能性があります。 また、当社グループの各種事業において、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律や、動物の愛護及び管理に関する法律などの関連法令等に抵触することにより、レピュテーションリスクが発現および事業の継続が阻害される可能性があります。 (e)のれんの減損にかかるリスク当社グループは、他の企業または事業を取得した場合、その取得に要した費用(取得原価)が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識しており、連結貸借対照表上、のれんに計上しております。 当社グループは、毎期のれんの減損損失計上の要否における判定を実施しており、のれんを含む資産グループについて、営業活動による損益が継続して赤字で推移している場合、使用範囲または方法について回収可能価額を著しく低下させる変化がある場合、経営環境の著しい悪化が認められる場合、資産グループの主要な資産について、市場価格が著しく下落している場合等には、のれんの減損損失を認識する可能性があります。 (3) リスクの管理状況当社グループでは、「グループリスク管理基本方針」などを定め、グループとしてのリスク管理を推進する体制としています。 そして、グループ内の多様なリスクを管理するべくリスク管理部を設置し、リスク管理を推進しています。 また、リスク管理の枠組みとしては、定性リスク管理および定量リスク管理として、以下のとおり推進しています。 ① リスク管理基本方針当社グループでは、リスク管理を経営の最重要課題と位置づけ、取締役会は「グループリスク管理基本方針」等を定め、グループ内におけるリスク管理の基本方針として実行しています。 「グループリスク管理基本方針」では当社グループとしてリスクを予見しコントロールに努めるとともに、不測の事態にあってもサービスの品質維持、事業継続ができるよう日常業務における個別リスク管理体制の構築に努める旨を定めています。 また、当社子会社であるアニコム損害保険株式会社では、この基本方針に沿った「リスク管理基本方針」を制定し、主体的にリスク管理を行っています。 ② リスク管理体制当社グループでは、リスク管理に関する会議体としてグループリスク管理委員会を設置しており、本委員会にてグループの個別リスク管理の状況及び統合的に評価したリスクの状況等に関して議論を行い、取締役会へ報告等を行うことで経営におけるリスク管理等の推進を図っています。 [グループリスク管理体制] ③ 定性リスク管理当社グループのリスクの状況を把握する観点から、リスク・プロファイルを作成し、リスクの洗い出し、現状と対応状況、顕在化した場合の対応などを整理しています。 リスクは変化することから、定期的な見直し等を行うことで、リスクの状況を継続的かつ網羅的に把握しています。 また、エマージングリスク※については、社外のレポートを参考に定期的に洗い出しをすすめ、認識できていなかったリスクの洗い出しなどに努めています。 また、リスクは時間とともに変化するため、リスク状況の変化を把握する観点から定期的にモニタリング(リスク管理点検)を行うとともに、重要なリスクについては、改善対策を行う必要性から、リスク管理計画を作成し、改善状況の進捗を把握・評価することで、リスク管理のPDCAの体制を整備しています。 ※エマージングリスク:現時点では当グループの経営に大きな影響を与えるとは考えにくいが、将来、大きな影響を与える可能性のあるリスク ④ 定量リスク管理(a)内部モデルによるソルベンシー評価「ペット保険」は新しい保険のため、現行の法定ソルベンシー・マージン比率の計算におけるリスク係数について「ペット保険」の区分が存在していません。 そのため、当社のリスクが過大に評価され法定ソルベンシー・マージン比率は低めに算出されていると考えています。 そのため、当社の実態に応じたソルベンシーを評価するために、リスク係数を含む内部モデルの作成/高度化を進めることが重要になっています。 当社では、2017年度より、ソルベンシーの自己評価として内部モデルを継続的に作成し検討を行っています。 (b)ストレス・テスト 当社グループの経営に深刻な影響を及ぼしうるリスクを把握・管理するため、過去に発生したことがない仮想シナリオを含むストレスシナリオ、リバース・ストレス・テスト、感応度テストを定期的に実施し、自己資本等の充実度への影響度を分析しています。 また、深刻な影響が見込まれる場合には、速やかに対応策を検討・実施する態勢を整備しています。 (4) 新ソルベンシー制度に向けた取り組み2025年度末から、経済価値ベースのソルベンシー規制が導入されます。 新制度では、実態を反映したリスク係数の見直しがなされ、「ペット保険」の区分が追加されます。 当社の主要な保険引受に関するリスクに対するリスク係数が15%となり、現行制度でのリスク係数(「その他」の27%が適用)から引き下げられます。 これにより、より当社グループの実態に沿ったソルベンシー評価となり、ソルベンシー指標は改善されるものと期待しております。 また、リスクとソルベンシーの自己評価(ORSA:Own Risk and Solvency Assessment)をさらに推進することで、より効率性・健全性・持続性を確保した企業成長が推進できると考えています。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度におけるアニコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりです。 ①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、社会活動の正常化やインバウンド需要の回復、雇用・所得環境の改善を背景に、内需を中心とした緩やかな景気回復が継続し、企業業績も比較的堅調に推移しました。 一方で、ウクライナや中東情勢、中国経済の減速、世界的な金融市場の変動といった地政学的・国際経済上のリスクが高まったことにより、先行きは依然として不透明な状況が続いています。 このようななか、当社グループの中核子会社であるアニコム損害保険株式会社の重点施策と位置付けている「ペット保険の更なる収益力向上」に向け、堅調なペット飼育需要の継続に加え、販売チャネルの営業活動強化の様々な取組みや他社からの契約移管により、業績については堅調に推移しています。 なお、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は次のとおりです。 保険引受収益58,862百万円(前期比8.5%増)、資産運用収益1,586百万円(同116.2%増)、新規事業等を含むその他経常収益7,235百万円(同33.2%増)を合計した経常収益は67,683百万円(同12.0%増)となりました。 一方、保険引受費用41,928百万円(同9.1%増)、営業費及び一般管理費17,857百万円(同13.0%増)などを合計した経常費用は62,742百万円(同11.5%増)となりました。 この結果、経常利益は4,941百万円(同18.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,246百万円(同18.9%増)となりました。 当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表(セグメント情報等)」に記載のとおり、“損害保険事業(ペット保険)”、“ペット向けインターネットサービス事業”、“その他の事業”です。 最近2連結会計年度の経常収益をセグメント別に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)対前年増減(△)率金額(百万円)金額(百万円)(%)損害保険事業(ペット保険)55,02460,4799.9 損害保険(アニコム損害保険㈱)55,02460,4799.9 (うち正味収入保険料)54,27358,8628.5ペット向けインターネットサービス事業2,0272,26311.6その他の事業3,3854,94045.9 保険代理店1514△5.8 動物病院支援3383493.4 動物医療分野における臨床・研究1,9792,34818.6 遺伝子検査等3193200.5 その他7331,907160.2合計60,43767,68312.0 <損害保険事業>損害保険事業の経常収益は、前年同期比5,454百万円増(同9.9%増)の60,479百万円となりました。 アニコム損保では、堅調なペット飼育需要の継続等の背景があったものの、重点施策と位置付けているペット保険の販売チャネルの拡大・強化や当社グループ独自のサービスである「どうぶつ健活」を付帯した保険商品の堅調な増加提供等によるお客様への訴求力が高まったこと等により、新規契約件数は245,741件(前年度比10.1%増)、保有契約件数は1,287,923件(前期末から94,363件の増加・同7.9%増)と堅調な伸長を継続しています。 〔新規契約件数・保有契約件数の推移〕E/I損害率注1)については、ペットの平均寿命の伸長やどうぶつ医療の高度化、インフレの影響による診療費の高止まりなどにより、60.6%と前年同期比で0.7pt上昇いたしました。 一方、既経過保険料ベース事業費率注2)は、規模拡大へ向けた積極投資や業務効率化及び経費削減の取組みによって、32.3%と前年同期比で1.0pt改善いたしました。 この結果、両者を合算したコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)は前年同期比で0.3pt改善し92.9%となりました。 注1) E/I損害率:発生ベースでの損害率。 (正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出。 注2) 既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの保険料(既経過保険料)に対する発生ベースの事業費率。 損保事業費÷既経過保険料にて算出。 〔E/I損害率・既経過事業費率の推移〕〔コンバインド・レシオの推移〕 なお、保険引受業務、資産運用業務及びソルベンシー・マージン比率に関する2連結会計年度の比較は、以下のとおりです。 (ⅰ)保険引受業務アニコム損保における保険引受の実績は以下のとおりです。 (イ) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)ペット保険54,273100.06.958,836100.08.4合計54,273100.06.958,836100.08.4(うち収入積立保険料)(-)(-)(-)(-)(-)(-) (注)1.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです。 (積立型保険の積立保険料を含む)2.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。 (ロ) 正味収入保険料区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)ペット保険54,273100.06.958,862100.08.5合計54,273100.06.958,862100.08.5 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。 (ハ) 正味支払保険金区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)金額(百万円)構成比(%)対前年増減(△)率(%)ペット保険30,494100.09.233,345100.09.3合計30,494100.09.233,345100.09.3 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。 (ⅱ)資産運用業務アニコム損保の資産運用実績は以下のとおりです。 (イ) 運用資産区分前連結会計年度(2024年3月31日現在)当連結会計年度(2025年3月31日現在)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)預貯金13,45127.015,42327.9コールローン----買入金銭債権----有価証券27,49955.229,41953.3貸付金450.1440.1土地・建物1,3852.81,3722.5運用資産計42,38085.146,26083.8総資産49,786100.055,217100.0 (ロ) 有価証券区分前連結会計年度(2024年3月31日現在)当連結会計年度(2025年3月31日現在)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国債----地方債2,5039.14,48815.3社債3,39512.34,42815.1株式1,6926.22,3698.1外国証券----その他の証券19,90872.418,13361.6合計27,499100.029,419100.0 (注) 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券等です。 (ハ) 利回り運用資産利回り(インカム利回り)区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)収入金額(百万円)平均運用額(百万円)年利回り(%)預貯金217,0050.0914,4820.1コールローン------買入金銭債権------有価証券56024,8142.372830,2352.4貸付金0411.70451.4土地・建物541,5673.5411,3733.0小計61843,4281.478046,1371.7その他-6,599--7,448-合計61850,0281.278053,5851.5 (注) 平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 (ニ) 資産運用利回り(実現利回り)区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益(実現ベース)(百万円)平均運用額(取得原価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金217,0050.0914,4820.1コールローン------買入金銭債権------有価証券58124,8142.31,27430,2354.2貸付金64114.80450.1土地・建物541,5673.5411,3733.0その他-6,599--7,448-合計64450,0281.31,32553,5852.5 (注) 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。 (ホ) 資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりです。 なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増加額を加算した金額です。 また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る期首評価差額(税効果控除前の金額による)を加算した金額です。 区分前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)資産運用損益等(時価ベース)(百万円)平均運用額(時価ベース)(百万円)年利回り(%)資産運用損益等(時価ベース)(百万円)平均運用額(時価ベース)(百万円)年利回り(%)預貯金217,0050.0914,4820.1コールローン------買入金銭債権------有価証券1,00822,6534.431128,5011.1貸付金64114.80450.1土地・建物541,5673.5411,3733.0合計1,07041,2672.636244,4020.8 (ⅲ)ソルベンシー・マージン比率(イ)単体ソルベンシー・マージン比率 国内保険会社は、保険業法施行規則第86条及び第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、ソルベンシー・マージン比率を算出しています。 アニコム損保における2025年3月期末のソルベンシー・マージン比率は、345.2%であり、健全性の基準値となる200%を上回っている状況であることから、十分な保険金等の支払能力を有しているものと認識しています。 アニコム損保の「ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。 前会計年度(2024年3月31日)(百万円)当会計年度(2025年3月31日)(百万円)(A) 単体ソルベンシー・マージン総額24,65927,559 資本金又は基金等20,83923,501 価格変動準備金146175 危険準備金-- 異常危険準備金1,7471,895 一般貸倒引当金23 その他有価証券の評価差額(税効果控除前)△1,734△2,697 土地の含み損益42108 払戻積立金超過額-- 負債性資本調達手段等-- 払戻積立金超過額及び負債性資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額-- 控除項目-- その他3,6164,572(B) 単体リスクの合計額√{(R1+R2)²+(R3+R4)²}+R5+R614,77715,965 一般保険リスク(R1)14,35615,482 第三分野保険の保険リスク(R2)-- 予定利率リスク(R3)-- 資産運用リスク(R4)1,6952,031 経営管理リスク(R5)321350 巨大災害リスク(R6)--(C) 単体ソルベンシー・マージン比率(%)[(A)/{(B)×1/2}]×100333.7345.2 (注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条(単体ソルベンシー・マージン)及び第87条(単体リスク)並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しています。 <単体ソルベンシー・マージン比率>・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。 ・この「通常の予測を超える危険」に対して「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが「単体ソルベンシー・マージン比率」です。 ・「通常の予測を超える危険」保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、資産運用上の危険③、経営管理上の危険④、巨大災害に係る危険⑤の総額をいいます。 ① 保険引受上の危険(一般保険リスク): 保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(巨大災害に係る危険を除く)(第三分野保険の保険リスク)② 予定利率上の危険(予定利率リスク): 積立型保険について、実際の運用利回りが保険料算出時に予定した利回りを下回ることにより発生し得る危険③ 資産運用上の危険(資産運用リスク): 保有する有価証券等の資産の価格が通常の予測を超えて変動することにより発生し得る危険等④ 経営管理上の危険(経営管理リスク): 業務の運営上通常の予測を超えて発生し得る危険で上記①~③及び⑤以外のもの⑤ 巨大災害に係る危険(巨大災害リスク): 通常の予測を超える巨大災害(関東大震災や伊勢湾台風相当)により発生し得る危険 ・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額です。 ・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。 (ロ)連結ソルベンシー・マージン比率アニコム ホールディングス株式会社の「連結ソルベンシー・マージン比率」については、以下のとおりです。 前連結会計年度(2024年3月31日)(百万円)当連結会計年度(2025年3月31日)(百万円)(A)連結ソルベンシー・マージン総額32,30230,982 資本金又は基金等28,48026,923 価格変動準備金146175 危険準備金-- 異常危険準備金1,7471,895 一般貸倒引当金44 その他有価証券の評価差額(税効果控除前)△1,734△2,697 土地の含み損益42108 未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の合計額(税効果控除前)-- 保険料積立金等余剰部分-- 負債性資本調達手段等-- 保険料積立金等余剰部分及び負債性資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額-- 少額短期保険業者に係るマージン総額-- 控除項目-- その他3,6164,572(B)連結リスクの合計額√{(√(R1²+R2²)+R3+R4)²+(R5+R6+R7)²}+R8+R914,79215,982 損害保険契約の一般保険リスク(R1)14,35615,482 生命保険契約の保険リスク(R2)-- 第三分野保険の保険リスク(R3)-- 少額短期保険業者の保険リスク(R4)-- 予定利率リスク(R5)-- 生命保険契約の最低保証リスク(R6)-- 資産運用リスク(R7)1,8042,145 経営管理リスク(R8)323352 損害保険契約の巨大災害リスク(R9)--(C)連結ソルベンシー・マージン比率(%)[(A)/{(B)×1/2}]×100436.7387.7 (注) 上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条の2(連結ソルベンシー・マージン)及び第88条(連結リスク)並びに平成23年金融庁告示第23号の規程に基づいて算出しています。 <連結ソルベンシー・マージン比率>・連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一です。 ・「通常の予測を超える危険」保険引受上の危険①、予定利率上の危険②、最低保証上の危険③、資産運用上の危険④、経営管理上の危険⑤、巨大災害に係る危険⑥の総額をいいます。 ① 保険引受上の危険(損害保険契約の一般保険リスク、生命保険契約の保険リスク、第三分野保険の保険リスク及び少額短期保険業者の保険リスク):保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(巨大災害に係る危険を除く)② 予定利率上の危険(予定利率リスク):積立型保険や生命保険について、実際の運用利回りが保険料算出時に予定した利回りを下回ることにより発生し得る危険③ 最低保証上の危険(生命保険契約の最低保証リスク):変額保険、変額年金保険の保険金等の最低保証に関する危険④ 資産運用上の危険(資産運用リスク):保有する有価証券等の資産の価格が通常の予測を超えて変動することにより発生し得る危険等⑤ 経営管理上の危険(経営管理リスク):業務の運営上通常の予測を超えて発生し得る危険で上記①から④及び⑥以外のもの⑥ 巨大災害に係る危険(巨大災害リスク):通常の予測を超える損害保険契約の巨大災害(関東大震災、伊勢湾台風相当や外国で発生する巨大災害)により発生し得る危険 ・「当社及びその子会社等が保有している資本金・準備金等の支払余力」とは、当社及びその子会社等の純資産(剰余金処分額を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、国内の土地の含み益の一部等の総額です。 ・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。 <ペット向けインターネットサービス事業>株式会社シムネットにおいては、犬や猫を販売するブリーダーと飼い主のマッチングサイトや保護された犬や猫の譲渡の機会を提供する里親マッチングサイトの運営等の「ペット向けインターネットサービス事業」を行っており、当連結会計年度における経常収益は、2,263百万円(前連結会計年度比11.6%増)となりました。 同社が運営する「みんなのブリーダー」は日本最大のブリーダーマッチングサイトであり、このプラットフォームを活用することで、当社グループの中核事業である損害保険事業のペット保険契約件数の増加に向けた効果的・効率的な施策につなげるとともに、ブリーダーサポートサービスの拡大につなげています。 <その他の事業>その他の事業の経常収益は、前年同期比1,555百万円増(同45.9%増)の4,940百万円となりました。 ・動物病院支援事業アニコム パフェ株式会社において、動物病院経営に必要となる顧客管理、レセプト精算、診療明細書の発行等の機能を有しているカルテ管理システム「アニコムレセプター」の開発、販売、保守等を行っており、当連結会計年度における経常収益は349百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。 ・保険代理店事業アニコム パフェ株式会社において、ペット関連の取引先企業等に対して損害保険及び生命保険の募集・販売を行っており、当連結会計年度における経常収益は14百万円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。 ・動物医療分野における臨床・研究事業アニコム先進医療研究所株式会社において、どうぶつ医療分野における基礎研究の推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立及び、予防・先進医療の開発に向けた研究・臨床・開発等を行うとともに、地域獣医療のサポートとしての病院承継を行った結果、当連結会計年度における経常収益は2,348百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。 アニコム先進医療研究所株式会社では、自ら動物病院を運営し、予防から1次・2次診療を展開しているところ、その過程で得られた医療データ等を活用し、次世代の予防法の確立を目指しています。 ・遺伝子検査等事業アニコム パフェ株式会社において、親と子の遺伝子検査を通じてペットが生まれてくる際の遺伝病を避けるべく、ペットショップ及びブリーダー向けに遺伝子検査の販売を行っております。 加えて、どうぶつの健康チェックを目的とした腸内フローラ測定サービス(どうぶつ健活)の販売等を行っておりますが、遺伝子検査の検体受注の安定等により、当連結会計年度における経常収益は320百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。 ・その他事業アニコム パフェ株式会社において、上記のほかに、オンラインショップ「アニコムパフェオンラインショップ」、各種口腔・腸内ケア商材の販売、ペットの健康に関する24時間365日の電話相談サービス「アニコム24」の提供、ペットを失った悲しみ(ペットロス)を支えるWEBサイト「アニコム メモリアル」の運営、動物関係者に特化した人材紹介サイト「アニジョブ」の運営等の新たな収益源確保を図ってきました。 2024年3月に子会社化した株式会社フローエンスの売上も加わり、その他事業全体としての経常収益は1,907百万円(前連結会計年度比160.2%増)となっています。 ②資産、負債及び資本の状況 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6,137百万円増加して72,494百万円となりました。 その主な要因は、現金及び預貯金の増加2,581百万円及び有価証券の取得の増加1,920百万円であります。 負債の部は、前連結会計年度末に比べ8,223百万円増加して44,427百万円となりました。 その主な要因は、社債発行による増加5,000百万円及び保険契約の増加に伴う保険契約準備金の増加2,223百万円であります。 純資産の部は、前連結会計年度末に比べ2,086百万円減少して28,066百万円となりました。 その主な要因は、資本剰余金の減少819百万円によるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1,581百万円増加し、22,610百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)保有契約の順調な増加により、責任準備金の増加額が1,937百万円となったこと等により6,400百万円の収入となり、前連結会計年度に比べると731百万円の増加となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)5,091百万円の支出となりました。 主に有価証券の取得による支出7,524百万円でありますが、前連結会計年度に比べると6,041百万円の支出の減少となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度では1,343百万円の支出でしたが、社債の発行による収入4,966百万円があった一方、自己株式の取得による支出3,062百万円などにより、当連結会計年度では271百万円の収入となりました。 ④生産、受注及び販売の実績当社グループの業務の性質上、生産、受注及び販売の実績として把握することが困難であるため、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しているとおり、経常収益の実績を記載しています。 (2) 経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 ①経営数値目標に対する進捗 当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、主要経営数値目標と主要KPI目標を重要な経営上の指標としています。 当連結会計年度は「中期経営計画2022-2024」の最終年度に当たりますが、各経営目標指標に対する進捗は、次のとおりです。 <主要経営数値目標に対する進捗>主要経営数値目標については、項目毎に進捗の強弱はあるものの、「中期経営計画2022-2024」の最終年度として全体的に計画線上の進捗となりました。 当社グループでは、ROEについて、「中期経営計画2022-2024」の中では、2024年度目標としてROE10%水準を掲げておりましたが、当連結会計年度のROEについては11.2%と前年度の9.4%から改善し、目標を達成いたしました。 当社の直近の株主資本コストである6.6%(※)と比較すると4.6ポイントのエクイティ・スプレッド(「ROE>資本コスト」)の水準となっています。 今後もペット保険事業に加え、保険以外の事業の収益性や投資効率の改善を図ることで資本効率の向上を図りたいと考えています。 (※)当社株主資本コストの算出株主資本コストの算出には資本資産評価モデル(CAPM)を使用しており、国債などの安定資産の期待収益率、株式市場のリスクプレミアムに当社の株価変動率及び株式市場全体の変動率を加味した数値を用いて推計しています。 (株主)資本コスト = Rf(リスクフリーレート) + β(ベータ値) × マーケット・リスクプレミアム (対TOPIX過去5年週次) 6.6% = 1.50% + 0.870 × 5.9% 〔経常収益・経常利益の推移〕〔ROEの推移〕経常収益 経常利益 <主要KPI目標に対する進捗>保険事業については、損害率の上昇を事業費率の低減でカバーする形となり、コンバインド・レシオとしては順調な進捗となりました。 ②財政状態の分析当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは6,400百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、22,610百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務体質の健全性を維持しつつ、適切な資本配分による資本効率の改善と企業価値向上の実現に向け、営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、再投資として、財務価値・非財務価値の双方に貢献度の高い案件(事業拡大投資+サステナビリティ投資)に優先的に配分すると同時に、段階的な株主還元の改善を図り、投資と還元のバランスに配慮した配分としています。 ③重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。 その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の項目については、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。 a.有価証券の減損売買目的有価証券以外の有価証券について、時価若しくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。 b.支払備金保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。 このうち既発生未報告損害に対する支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。 各事象の将来における状況変化などにより、支払備金の計上額が、将来の保険金支払額と異なる可能性があります。 c.責任準備金保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。 当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。 d.固定資産の減損固定資産については、のれんを含む資産グループに減損の兆候があり、かつ、当該資産グループに係る割引前将来キャッシュ・フローの合計が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合に、減損損失を計上することとしております。 減損の兆候把握及び減損損失の認識判定に当たっては、各資産グループが使用されている事業の将来利益やキャッシュ・フローを予測する必要があり、これらの予測に当たっての主要な仮定は、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴うものであります。 したがって、これらの仮定が変化した場合には、当連結会計年度末において減損損失の計上を不要と判断したのれん含む資産グループについて、減損損失を計上する必要が生じる可能性があります。 なお、のれんの評価に関する算出方法等、主要な仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 e.繰延税金資産及び繰延税金負債繰延税金資産及び繰延税金負債については、「税効果会計に係る会計基準(平成10年10月30日企業会計審議会)」に基づき回収可能と認められる額を計上しています。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 アニコムグループにおける当連結会計年度の設備投資額は1,405百万円であり、主な内訳は、損害保険事業における工具・備品等の購入(123百万円)及びシステム構築等(478百万円)です。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 アニコムグループにおける主要な設備は、次のとおりです。 (1) 提出会社2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物土地(面積㎡)リース資産ソフトウエアその他合計本社(東京都新宿区)その他本社事務所10-9335410937 (注) 1 現在休止中の設備はありません。 2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品等です。 3 本社の建物は賃借物件であり、年間賃借料(契約金額)は、312百万円です。 4 上記の他、賃借している設備の内容は下記のとおりです。 設備の内容リース期間年間リース料(百万円)リース契約残高(百万円)OA機器等5年00 (2) 国内子会社2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物土地(面積㎡)リース資産ソフトウエアソフトウエア仮勘定その他合計アニコム損害保険株式会社本社(東京都新宿区)損害保険事業(ペット保険)本社事務所757615(3,195)327014782462,831488株式会社シムネット本社(宮城県仙台市宮城野区)ペットのインターネットサービス事業本社事務所及び倉庫22----103381アニコム パフェ株式会社本社(東京都新宿区)その他(動物病院支援事業)本社事務所---2031052032858アニコム先進医療研究所株式会社本社(東京都新宿区)その他(動物医療分野における臨床・研究)本社事務所13734(330)-0-650823222株式会社フローエンス本社(千葉県市原市)その他(ブリーディング事業)飼育施設387231(142,317)-4-33495888 (注) 1 遊休資産を含めて記載しております。 2 帳簿価額のうち「その他」は、車両運搬具、工具、器具及び備品、のれん、建設仮勘定等です。 3 各子会社の建物は親会社からの賃借物件を含んでおり、年間賃借料(契約金額)は下記のとおりです。 会社名年間賃借料(契約金額)(百万円)アニコム損害保険株式会社296アニコム パフェ株式会社7 4 上記の他、賃借している設備の内容は下記のとおりです。 アニコム損害保険株式会社設備の内容リース期間年間リース料(百万円)リース契約残高(百万円)OA機器等5年2334 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 新設 該当事項はありません。 (2) 改修該当事項はありません。 (3) 売却該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 1,405,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 7 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,433,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 1.投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である株式投資と純投資目的以外の目的である投資株式について、以下のとおり区分して管理しています。 ① 保有目的が純投資目的である株式株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的としています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である株式当社及び事業子会社が投資先企業との取引関係等の強化を図り、当社グループの企業価値を高めることを目的としています。 2.当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)であるアニコム損害保険株式会社の保有状況(1) 投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式5806非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式2398(株)カナリーとリバーフィールド(株)への出資非上場株式以外の株式--― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式1525非上場株式以外の株式-- (2) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的該当事項はありません。 (3) 保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額ならびに当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式2424非上場株式以外の株式101,55881,040 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式4416333 3.提出会社の株式の保有状況(1) 投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式2-非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式1-関係会社株式から投資株式へ変更非上場株式以外の株式--― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- (2) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的該当事項はありません。 (3) 保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額ならびに当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 関係会社株式から投資株式へ変更 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-1212,48316.65 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-110,73414.32 KOMORIアセットマネジメント株式会社東京都新宿区西新宿6丁目15-14,6806.24 光通信株式会社東京都豊島区西池袋1丁目4-103,1954.26 GOLDMAN, SACHS & CO.REG(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)200 WEST STREET NEW YORK, NY, USA(東京都港区虎ノ門2丁目6-1)2,2513.00 THE BANK OF NEW YORK 133652(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)BOULEVARD ANSPACH 1, 1000 BRUSSELS,BELGIUM(東京都港区港南2丁目15-1)2,1742.90 小森 伸昭東京都渋谷区1,6712.23 THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)240 GREENWICH STREET,NEW YORK,NY 10286,U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1)1,3051.74 JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET,CANARY WHARF,LONDON,E14 5JP,UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1)1,1071.47 THE BANK OF NEW YORK MELLON 140051(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)240 GREENWICH STREET,NEW YORK,NY 10286,U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1)1,0791.44計-40,68454.28 (注) 1.上記信託銀行の所有株式数は、すべて信託業務に係る株式であります。 2.2025年3月13日付で公衆の縦覧に供されている大量保有に関する変更報告書(特例対象株券等)において、ニュートン・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社が2025年3月10日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有に関する変更報告書(特例対象株券等)の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式の数(千株)株券等保有割合(%)ニュートン・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社東京都千代田区丸の内一1-8-3 丸の内トラストタワー本館4,8305.94 3.2025年4月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(特例対象株券等)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び日興アセットマネジメント株式会社が2025年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書(特例対象株券等)の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式の数(千株)株券等保有割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社東京都港区芝公園1-1-12,3693.16日興アセットマネジメント株式会社東京都港区赤坂9-7-11,4891.99計-3,8585.15 4.2025年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有に関する変更報告書(特例対象株券等)において、アセットマネジメントOne株式会社及びその共同保有者2社が2025年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書(特例対象株券等)の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式の数(千株)株券等保有割合(%)アセットマネジメントOne株式会社東京都千代田区丸の内1-8-24,2425.66みずほ証券株式会社東京都千代田区大手町1-5-13530.47アセットマネジメントOneインターナショナル30 Old Bailey, London, EC4M 7AU, UK900.12計-4,6866.25 5.2025年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有に関する変更報告書(特例対象株券等)において、りそなアセットマネジメント株式会社が2025年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書(特例対象株券等)の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式の数(千株)株券等保有割合(%)りそなアセットマネジメント株式会社東京都江東区木場1-5-655,3657.16 |
株主数-金融機関 | 17 |
株主数-金融商品取引業者 | 35 |
株主数-外国法人等-個人 | 35 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 126 |
株主数-個人その他 | 8,958 |
株主数-その他の法人 | 73 |
株主数-計 | 9,244 |
氏名又は名称、大株主の状況 | THE BANK OF NEW YORK MELLON 140051(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式960当期間における取得自己株式―― (注)1.当事業年度における取得自己株式は、単元未満株式の買い取りによるものです。 2.当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの当該決議に基づく取得による株式は含めていません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -3,000,000,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -3,062,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 (注)181,309,160-6,370,00074,939,160合計81,309,160-6,370,00074,939,160自己株式 普通株式 (注)1、21,628,6364,745,5966,370,0004,232合計1,628,6364,745,5966,370,0004,232 (注)1. 普通株式の発行済株式及び自己株式の株式数減少6,370,000株は、自己株式の消却であります。 2. 普通株式の自己株式の株式数増加96株は単元未満株式の買取りであり、4,745,500株は、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づく自己株式の取得であります。 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月19日アニコム ホールディングス株式会社取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士津 村 健 二 郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士藤 間 信 貴 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているアニコム ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、アニコム ホールディングス株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんを含む資産グループの減損判定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結貸借対照表に表示されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、のれんを2,422百万円計上しており、総資産の3.3%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、その内訳は、動物病院事業482百万円、ペット向けインターネットサービス事業1,337百万円、ブリーディング事業602百万円である。 会社は、減損の兆候把握に当たって、のれんを含む資産グループについて、営業活動から生じる損益が継続して赤字で推移している場合、兆候があるものと判断している。 動物病院事業については、営業活動から生じる損益の算定過程で医療従事者等に関する人件費を各資産グループに配賦しているが、その配賦計算は、同一の医療従事者が異なる資産グループに属する複数の病院を担当している等の理由により複雑なものとなっている。 動物病院事業及びブリーディング事業については、減損の兆候があると判断したため、減損損失の認識判定に当たって、割引前将来キャッシュ・フローの見積りを行っている。 当該見積りに含まれる重要な仮定は、主に各事業の売上高の成長率、売上原価率、販売費及び一般管理費の発生見込額、見積期間である。 これらは、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴い、かつ、経営者による判断を必要とする。 ペット向けインターネットサービス事業については、減損の兆候の有無を検討した結果、兆候がないものと判断している。 したがって、当監査法人は、動物病院事業に係るのれんを含む資産グループの減損の兆候把握における動物病院事業の人件費配賦計算と、動物病院事業及びブリーディング事業に係るのれんを含む資産グループの減損の認識判定における割引前将来キャッシュ・フローの見積りを、監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、動物病院事業に係るのれんを含む資産グループの減損の兆候把握に当たっての動物病院事業の人件費配賦計算について、主として以下の監査手続を実施した。 ・のれんの評価に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・医療従事者等に関する人件費の配賦基準が継続的に適用され、かつ、正確に算定されていることを確かめるため、算定基礎資料を閲覧し、計算過程を検証するとともに、所管部署と議論した。 ・配賦基準となっている医療従事者等の従事割合が、実際の従事状況を反映していることを確かめるため、シフト表と照合した。 ・シフト表について、外部証憑と照合し、真正性を確かめた。 また、動物病院事業及びブリーディング事業に係るのれんを含む資産グループの減損損失の認識判定における割引前将来キャッシュ・フローの見積りについて、主として以下の監査手続を実施した。 ・取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・事業計画の基礎となる売上高成長率、売上原価率、販売費及び一般管理費の発生見込額について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、必要に応じて経営者及び各事業を所管する経営管理者と議論した。 ・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度における事業計画とその後の実績を比較した。 ・割引前将来キャッシュ・フローの見積期間について、主要な資産の経済的残存使用年数又はのれんの残存償却年数と比較した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、アニコム ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、アニコム ホールディングス株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんを含む資産グループの減損判定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結貸借対照表に表示されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、のれんを2,422百万円計上しており、総資産の3.3%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、その内訳は、動物病院事業482百万円、ペット向けインターネットサービス事業1,337百万円、ブリーディング事業602百万円である。 会社は、減損の兆候把握に当たって、のれんを含む資産グループについて、営業活動から生じる損益が継続して赤字で推移している場合、兆候があるものと判断している。 動物病院事業については、営業活動から生じる損益の算定過程で医療従事者等に関する人件費を各資産グループに配賦しているが、その配賦計算は、同一の医療従事者が異なる資産グループに属する複数の病院を担当している等の理由により複雑なものとなっている。 動物病院事業及びブリーディング事業については、減損の兆候があると判断したため、減損損失の認識判定に当たって、割引前将来キャッシュ・フローの見積りを行っている。 当該見積りに含まれる重要な仮定は、主に各事業の売上高の成長率、売上原価率、販売費及び一般管理費の発生見込額、見積期間である。 これらは、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴い、かつ、経営者による判断を必要とする。 ペット向けインターネットサービス事業については、減損の兆候の有無を検討した結果、兆候がないものと判断している。 したがって、当監査法人は、動物病院事業に係るのれんを含む資産グループの減損の兆候把握における動物病院事業の人件費配賦計算と、動物病院事業及びブリーディング事業に係るのれんを含む資産グループの減損の認識判定における割引前将来キャッシュ・フローの見積りを、監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、動物病院事業に係るのれんを含む資産グループの減損の兆候把握に当たっての動物病院事業の人件費配賦計算について、主として以下の監査手続を実施した。 ・のれんの評価に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・医療従事者等に関する人件費の配賦基準が継続的に適用され、かつ、正確に算定されていることを確かめるため、算定基礎資料を閲覧し、計算過程を検証するとともに、所管部署と議論した。 ・配賦基準となっている医療従事者等の従事割合が、実際の従事状況を反映していることを確かめるため、シフト表と照合した。 ・シフト表について、外部証憑と照合し、真正性を確かめた。 また、動物病院事業及びブリーディング事業に係るのれんを含む資産グループの減損損失の認識判定における割引前将来キャッシュ・フローの見積りについて、主として以下の監査手続を実施した。 ・取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・事業計画の基礎となる売上高成長率、売上原価率、販売費及び一般管理費の発生見込額について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、必要に応じて経営者及び各事業を所管する経営管理者と議論した。 ・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度における事業計画とその後の実績を比較した。 ・割引前将来キャッシュ・フローの見積期間について、主要な資産の経済的残存使用年数又はのれんの残存償却年数と比較した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | のれんを含む資産グループの減損判定 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結貸借対照表に表示されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、のれんを2,422百万円計上しており、総資産の3.3%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、その内訳は、動物病院事業482百万円、ペット向けインターネットサービス事業1,337百万円、ブリーディング事業602百万円である。 会社は、減損の兆候把握に当たって、のれんを含む資産グループについて、営業活動から生じる損益が継続して赤字で推移している場合、兆候があるものと判断している。 動物病院事業については、営業活動から生じる損益の算定過程で医療従事者等に関する人件費を各資産グループに配賦しているが、その配賦計算は、同一の医療従事者が異なる資産グループに属する複数の病院を担当している等の理由により複雑なものとなっている。 動物病院事業及びブリーディング事業については、減損の兆候があると判断したため、減損損失の認識判定に当たって、割引前将来キャッシュ・フローの見積りを行っている。 当該見積りに含まれる重要な仮定は、主に各事業の売上高の成長率、売上原価率、販売費及び一般管理費の発生見込額、見積期間である。 これらは、各事業を取り巻く経営環境の変化や事業戦略の成否によって影響を受けるため、不確実性を伴い、かつ、経営者による判断を必要とする。 ペット向けインターネットサービス事業については、減損の兆候の有無を検討した結果、兆候がないものと判断している。 したがって、当監査法人は、動物病院事業に係るのれんを含む資産グループの減損の兆候把握における動物病院事業の人件費配賦計算と、動物病院事業及びブリーディング事業に係るのれんを含む資産グループの減損の認識判定における割引前将来キャッシュ・フローの見積りを、監査上の主要な検討事項と判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | (重要な会計上の見積り) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、動物病院事業に係るのれんを含む資産グループの減損の兆候把握に当たっての動物病院事業の人件費配賦計算について、主として以下の監査手続を実施した。 ・のれんの評価に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・医療従事者等に関する人件費の配賦基準が継続的に適用され、かつ、正確に算定されていることを確かめるため、算定基礎資料を閲覧し、計算過程を検証するとともに、所管部署と議論した。 ・配賦基準となっている医療従事者等の従事割合が、実際の従事状況を反映していることを確かめるため、シフト表と照合した。 ・シフト表について、外部証憑と照合し、真正性を確かめた。 また、動物病院事業及びブリーディング事業に係るのれんを含む資産グループの減損損失の認識判定における割引前将来キャッシュ・フローの見積りについて、主として以下の監査手続を実施した。 ・取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・事業計画の基礎となる売上高成長率、売上原価率、販売費及び一般管理費の発生見込額について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、必要に応じて経営者及び各事業を所管する経営管理者と議論した。 ・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度における事業計画とその後の実績を比較した。 ・割引前将来キャッシュ・フローの見積期間について、主要な資産の経済的残存使用年数又はのれんの残存償却年数と比較した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月19日アニコム ホールディングス株式会社取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士津 村 健 二 郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士藤 間 信 貴 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているアニコム ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第25期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、アニコム ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応貸借対照表に表示されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、関係会社株式を21,891百万円計上しており、総資産の75.8%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、会社は、関係会社株式の評価にあたり、株式の実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、評価損を計上することとしている。 会社は、当事業年度において、関係会社株式については評価損を計上する必要はないものと判断している。 一部の関係会社株式については、超過収益力を期待して財務諸表を基礎とした1株当たり純資産額よりも相当程度高い価額で取得しており、当該超過収益力の評価については経営者の主観的な判断を伴う。 また、会社は純粋持株会社であることから、関係会社株式が貸借対照表において最も金額的重要性が高い科目である。 したがって、当監査法人は、関係会社株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、関係会社株式の評価について、主として以下の監査手続を実施した。 ・関係会社株式の評価に係る内部統制の整備及び運用状 況の有効性を評価した。 ・取締役会資料や議事録の閲覧および経営管理者への質問を通じて関係会社の経営環境を理解するとともに、財政状態の悪化の兆候を示唆する関係会社の有無を確認した。 ・重要な子会社の財務数値については、増減分析や特定の勘定科目に対する監査手続を実施し、当該財務数値の信頼性を評価した。 ・超過収益力を期待して財務諸表を基礎とした1株当たり純資産額よりも相当程度高い価額で取得された関係会社株式については、取得時の事業計画と実績を比較して超過収益力が毀損していないかどうかの検討を実施した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応貸借対照表に表示されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、関係会社株式を21,891百万円計上しており、総資産の75.8%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、会社は、関係会社株式の評価にあたり、株式の実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、評価損を計上することとしている。 会社は、当事業年度において、関係会社株式については評価損を計上する必要はないものと判断している。 一部の関係会社株式については、超過収益力を期待して財務諸表を基礎とした1株当たり純資産額よりも相当程度高い価額で取得しており、当該超過収益力の評価については経営者の主観的な判断を伴う。 また、会社は純粋持株会社であることから、関係会社株式が貸借対照表において最も金額的重要性が高い科目である。 したがって、当監査法人は、関係会社株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、関係会社株式の評価について、主として以下の監査手続を実施した。 ・関係会社株式の評価に係る内部統制の整備及び運用状 況の有効性を評価した。 ・取締役会資料や議事録の閲覧および経営管理者への質問を通じて関係会社の経営環境を理解するとともに、財政状態の悪化の兆候を示唆する関係会社の有無を確認した。 ・重要な子会社の財務数値については、増減分析や特定の勘定科目に対する監査手続を実施し、当該財務数値の信頼性を評価した。 ・超過収益力を期待して財務諸表を基礎とした1株当たり純資産額よりも相当程度高い価額で取得された関係会社株式については、取得時の事業計画と実績を比較して超過収益力が毀損していないかどうかの検討を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 関係会社株式の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 206,000,000 |
その他、流動資産 | 0 |
工具、器具及び備品(純額) | 53,000,000 |
土地 | 881,000,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 42,000,000 |
建設仮勘定 | 95,000,000 |
有形固定資産 | 73,000,000 |
ソフトウエア | 33,000,000 |
無形固定資産 | 35,000,000 |
長期前払費用 | 7,000,000 |
繰延税金資産 | 10,000,000 |
投資その他の資産 | 22,382,000,000 |
BS負債、資本
未払金 | 217,000,000 |
未払法人税等 | 1,183,000,000 |