財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-20 |
英訳名、表紙 | Sumitomo Riko Company Limited |
代表者の役職氏名、表紙 | 執行役員社長 清水 和志 |
本店の所在の場所、表紙 | 愛知県小牧市東三丁目1番地 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 0568-77-2121(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
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沿革 | 2 【沿革】 1929年12月資本金100万円を以て三重県四日市市に、昭和興業㈱として設立し、ゴムベルトの製造に従事。 1930年1月社名を蒲田調帯㈱に改称し、平型ベルト・コンベヤベルトの製造を開始。 1937年10月㈱住友電線製造所(現・住友電気工業㈱)の経営参加により、社名を東海護謨工業㈱に改称、ゴムベルト以外の工業用ゴム製品の製造にも着手。 1943年8月三重県松阪市の笹川紡織㈱を合併、松阪工場(現・松阪事業所)とした。 1949年7月名古屋証券取引所に株式を上場。 1954年2月防振ゴムの試作に成功、製造を開始。 1960年11月愛知県小牧市で小牧工場(現・小牧製作所)操業開始。 1961年11月社名を東海ゴム工業㈱に改称。 1964年12月本社を愛知県小牧市に移転。 1968年5月愛知県小牧市に東海化成工業㈱を設立。 1988年1月米国にDTR Industries, Inc.(現・SumiRiko Ohio, Inc.)を設立。 1990年6月静岡県裾野市の富士裾野工場(現・富士裾野製作所)の操業を開始。 1994年2月東京証券取引所市場第二部に株式を上場。 1995年7月タイにTokai Eastern Rubber (Thailand) Ltd.(現・SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.)を設立。 12月中国に東海橡塑(天津)有限公司(現・住理工汽車部件 (天津) 有限公司)を設立。 1996年9月東京・名古屋両証券取引所の市場第一部銘柄に指定。 1998年2月大分県豊後高田市に㈱TRI大分AE(現・㈱住理工大分AE)を設立。 1999年7月ポーランドにTRI (Poland) Sp. z o.o.(現・SumiRiko Poland Sp. z o.o.)を設立。 2007年12月大分県豊後高田市に㈱TRI九州(現・㈱住理工九州)及び㈱東海化成九州を設立。 2008年5月インドにTokai Rubber Auto-Parts India Private,Ltd.(現・SumiRiko Auto-Parts India Pvt. Ltd.)を設立。 2011年8月インドネシアにPT.Tokai Rubber Indonesia及びPT.Tokai Rubber Auto Hose Indonesiaを設立。 2013年2月イタリアのDytech-Dynamic Fluid Technologies S.p.A.(現・SumiRiko Italy S.p.A.)を買収。 4月タイのInoac Tokai (Thailand) Co., Ltd.を子会社化。 5月ドイツのAnvis Group GmbH(現・SumiRiko AVS Holding Germany GmbH)を買収。 7月ブラジルのProduflex Minas Industria de Borrachas Ltda.(現・SumiRiko do Brasil Indústria de Borrachas Ltda.)を買収。 12月京都府綾部市に㈱TRI京都(現・住友理工ホーステックス㈱)を設立。 2014年10月社名を住友理工㈱に改称。 11月燃料電池自動車に搭載されるセル用ガスケットを開発し、製造を開始。 2015年4月山形県米沢市に住理工山形㈱を設立。 10月名古屋市中区に一般産業用品の販売会社、住理工商事㈱を発足。 2016年1月名古屋市中村区にグローバル本社を開設。 2017年7月タイにSumitomo Riko (Asia Pacific) Ltd.を設立。 2018年7月㈱住理工ホーステックスが住理工ホース販売㈱を吸収合併し、住友理工ホーステックス㈱に改称。 2019年4月㈱住理工ファインエラストマーを合併、埼玉事業所とした。 6月中国に蘇州東海橡塑科技有限公司を設立。 2020年8月フランスの連結子会社であるSumiRiko Industry France S.A.S.及び SumiRiko AVS France S.A.S.の全株式を譲渡。 2021年1月ベトナムにSumiRiko Vietnam Co., Ltd.を設立。 2022年10月米国のLanzaTech NZ, Inc.と、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けたゴム・樹脂・ウレタン廃棄物の再利用に関する共同開発契約を締結。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、親会社、子会社75社及び関連会社7社により構成されており、自動車用品及び一般産業用品の製造販売を主な事業とし、その製品は多岐にわたっております。 当社グループの事業に係わる位置付け等は以下のとおりであります。 なお、「事業区分」は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分内容主要会社名自動車用品防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材等当社東海化成工業㈱㈱住理工九州SumiRiko Ohio, Inc.(米国)SumiRiko Tennessee, Inc.(米国)住理工汽車部件(天津)有限公司(中国) (注)1住理工汽車部件(嘉興)有限公司(中国) (注)2住理工汽車部件(広州)有限公司(中国) (注)3SumiRiko Poland Sp. z o.o.(ポーランド)SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.(タイ)SumiRiko Italy S.p.A.(イタリア)SumiRiko AVS Holding Germany GmbH(ドイツ)その他54社(当事業に携わる会社総数 66社)一般産業用品精密樹脂ブレード・ロール、鉄道車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホース等当社住友電気工業㈱㈱住理工大分AE住友理工ホーステックス㈱㈱住理工商事東海橡塑(合肥)有限公司(中国) (注)4その他23社(当事業に携わる会社総数 29社) (注)1.住理工汽車部件(天津)有限公司については、2025年1月3日付で東海橡塑(天津)有限公司から商号変更しております。 2.住理工汽車部件(嘉興)有限公司については、2024年12月9日付で東海橡塑(嘉興)有限公司から商号変更しております。 3.住理工汽車部件(広州)有限公司については、2024年12月2日付で東海橡塑(広州)有限公司から商号変更しております。 4.東海橡塑(合肥)有限公司については、2025年4月9日付で住理工胶管(合肥)有限公司に商号変更しております。 事業系統図主要な関係会社等を事業系統図に示すと次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合関係内容摘要役員の兼任等資金援助等(注)3営業上の取引等(親会社)住友電気工業㈱ 大阪市 中央区百万円99,737自動車用品%被所有50.8(1.1)転籍ありなし当社製品の販売 (注)5(連結子会社)東海化成工業㈱岐阜県可児郡百万円100自動車用品80.0兼任ありCMS当社製品の製造 住友理工ホーステックス㈱京都府綾部市百万円3,000一般産業用品100.0兼任ありCMS資金の貸付当社製品の製造 (注)4㈱住理工九州大分県 豊後高田市百万円100自動車用品100.0兼任ありCMS当社製品の製造土地を貸与 ㈱住理工大分AE大分県豊後高田市百万円450一般産業用品100.0兼任ありCMS当社製品の製造 住理工商事㈱愛知県名古屋市百万円100一般産業用品100.0兼任ありCMS当社製品の販売 ㈱住理工ロジテック愛知県小牧市百万円70一般産業用品90.0兼任ありCMS当社の物流業務を委託土地及び設備を貸与 Sumitomo Riko America, Inc.米国 ミシガン州米ドル879自動車用品100.0兼任あり債務保証資金の貸付当社製品の営業 SumiRiko Tennessee,Inc.米国テネシー州米ドル446自動車用品100.0(100.0)兼任ありなし当社製品の製造 (注)6SumiRiko Ohio, Inc. 米国オハイオ州百万米ドル5自動車用品100.0(100.0)兼任ありなし当社製品の製造 SumiRiko TechnicalCenter America, Inc.米国 ミシガン州米ドル35自動車用品100.0(100.0)兼任ありなし当社製品の評価・開発 S-Riko de Querétaro, S.A.P.I. de C.V.メキシコケレタロ州百万メキシコペソ752自動車用品100.0(20.6)兼任ありなし当社製品の製造 (注)4S Riko Automotive Hose Tecalon Brasil S.A.ブラジルミナスジェライス州百万ブラジルレアル411自動車用品100.0(49.9)なしなし当社製品の製造 (注)4SumiRiko PolandSp. z o.o.ポーランドマウォポルスカ県百万ポーランドズロチ32自動車用品77.1兼任ありなし当社製品の製造 Sumitomo Riko EuropeGmbHドイツヘッセン州百万ユーロ12一般産業用品100.0兼任あり債務保証資金の貸付当社製品の営業 (注)4SumiRiko AVS Holding Germany GmbHドイツヘッセン州百万ユーロ5自動車用品100.0兼任ありなしなし SumiRiko AVS Czech s.r.o.チェコズリーン州百万チェココルナ7自動車用品100.0(100.0)なしなし当社製品の製造 SumiRiko Italy S.p.A.イタリアピエモンテ州百万ユーロ17自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の製造 (注)4SumiRiko Automotive Hose Tunisia Sarlチュニジアアリアナ県百万チュニジアディナール29自動車用品100.0(100.0)なしなし当社製品の製造 (注)4住理工汽車部件(天津) 有限公司中国天津市百万人民元116自動車用品86.4兼任ありなし当社製品の製造 (注)4,10 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合関係内容摘要役員の兼任等資金援助等(注)3営業上の取引等東海橡塑(合肥)有限公司中国安徽省合肥市百万人民元257一般産業用品89.2(64.2)兼任ありなし当社製品の製造 (注)4,11住友理工企業管理(中国)有限公司中国浙江省 嘉興市百万人民元5一般産業用品100.0兼任あり余裕資金の受入当社製品の営業 住理工汽車部件(嘉興) 有限公司中国浙江省 嘉興市百万人民元243自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の製造 (注)4,9東海橡塑技術中心(中国)有限公司中国浙江省 嘉興市百万人民元89自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の評価・開発 (注)4住理工汽車部件(広州) 有限公司中国広東省 広州市百万人民元181自動車用品100.0兼任ありなし当社製品の製造 (注)4,8SumiRiko Auto-Parts India Pvt. Ltd.インドラジャスタン州百万インドルピー2,500自動車用品100.0(20.0)兼任あり債務保証資金の貸付当社製品の製造 (注)4,7SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.タイ ラヨン県百万バーツ153自動車用品66.0(28.9)兼任ありなし当社製品の製造 (注)4Sumitomo Riko (Asia Pacific) Ltd.タイラヨン県百万バーツ20一般産業用品100.00兼任あり余裕資金の受入当社製品の営業 Inoac Tokai (Thailand) Co.,Ltd.タイ アユタヤ県百万バーツ45自動車用品50.6兼任ありなし当社製品の製造 PT. Tokai Rubber Indonesiaインドネシア西ジャワ州億インドネシアルピア3,506自動車用品91.5兼任あり資金の貸付当社製品の製造 (注)4その他 46社 (持分法適用関連会社)㈱大興R&T韓国慶尚南道百万ウォン784自動車用品30.0兼任ありなし当社製品の製造 その他 6社 (注) 1.連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。 2.「議決権の所有又は被所有の割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。 3.当社と国内連結子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。 4.特定子会社であります。 5.有価証券報告書提出会社であります。 6.SumiRiko Tennessee, Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等 (単位:百万円) 会社名SumiRiko Tennessee, Inc. 売上高118,713税引前当期利益7,377当期利益6,479資本合計30,233資産合計48,900 7.SumiRiko Auto-Parts India Pvt. Ltd.については、2024年11月7日付でTokai Rubber Auto-Parts India Private.Ltd.から商号変更しております。 8.住理工汽車部件(広州)有限公司については、2024年12月2日付で東海橡塑(広州)有限公司から商号変更しております。 9.住理工汽車部件(嘉興)有限公司については、2024年12月9日付で東海橡塑(嘉興)有限公司から商号変更しております。 10.住理工汽車部件(天津)有限公司については、2025年1月3日付で東海橡塑(天津)有限公司から商号変更しております。 11.東海橡塑(合肥)有限公司については、2025年4月9日付で住理工胶管(合肥)有限公司に商号変更しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社における状況(2025年3月31日現在)セグメントの名称従業員数(名)自動車用品22,024(1,890)一般産業用品2,710(178)全社(共通)883(189)合計25,617(2,257) (注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 (2) 提出会社の状況(2025年3月31日現在)従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)3,371(722)40.815.46,947 セグメントの名称従業員数(名)自動車用品2,161(463)一般産業用品327(70)全社(共通)883(189)合計3,371(722) (注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況労働組合は、全日本ゴム産業労働組合総連合等に所属しており、労使関係は安定しております。 (4) 多様性に関する指標当連結会計年度の多様性に関する指標について、女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定に基づき以下のとおり算出しています。 提出会社及び連結子会社管理職に占める女性従業員の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業及び育児目的休暇取得率(%) (注)2男女の賃金格差(%) (注)3正規労働者非正規労働者全ての労働者当社2.388.065.970.265.0住友理工ホーステックス㈱0.0100.082.586.182.3㈱住理工大分AE0.0――――東海化成工業㈱―85.068.279.966.2 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。 女性管理職比率の向上に向けて、採用の強化や研修の実施、制度整備等に継続的に取り組んでいます。 これまでの活動が実を結び、2024年度には新たに6名の女性社員が管理職に加わりました。 社内における各種研修やアンケート等においてもポジティブな反応が増えており、女性活躍の推進が思想や風土として浸透していきつつあるとの手応えを得ています。 しかしながら、グループ全体への浸透や社内のロールモデル不足など課題は残存しており、女性が継続的にキャリアアップを目指すことのできる環境づくりを進めるべく、性別を問わず全ての管理職における働き方の改革や女性管理職と幹部候補女性との交流、女性管理職候補者向け研修等の取組を推進していきます。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇※1・育児奨励休暇※2」:当社独自の特別休暇)を算出したものです。 出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。 ※1 配偶者出産時に稼働日連続2日間の特別休暇を付与※2 1歳未満の子を養育する社員に1回に限り稼働日連続5日間の特別休暇を付与 3.「労働者の男女の賃金の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 なお、賃金制度において性別による差はなく、前年度と同様に次の3点が主な差異の要因と分析しています。 a.勤続年数(男性:平均14年、女性:平均10年)b.職掌 (女性社員の約半数が事務職)c.勤務状況(短時間勤務、深夜勤務、時間外手当の平均的な受給状況で男女間の差異がある)女性従業員一人ひとりの人生・生活・働き方に対する価値観やライフステージに寄り添い、より長い勤続の実現、意欲・実績とライフステージの変化も考慮したキャリア形成(例:事務職・技能職から総合職への職掌転換等)の働きかけなど、賃金格差を改善していくための取組を継続していきます。 4.表中の「―」は、当該会社が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を選択していないこと又は当該会社が「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を要しないことを示しております。 <改善に向けた取組事例> a.仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立支援施策及び女性活躍推進2007年以降、女性の新卒採用や契約社員・派遣社員からの社員登用による女性の積極的な活用、在宅勤務制度や法定基準を上回る育児支援制度を始めとした仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立によるキャリア継続施策の拡充等に注力してきた結果、管理職候補であるグループリーダーや現場監督者として活躍する女性人数は徐々に増加しています。 (図1参照)2024年度も、住友電工グループにおける女性従業員の相互研鑽やネットワーキング構築を支援するフォーラム「SWING」(Sumitomo Electric Group Women’s Innovative Networking Group)による事務職向けワークショップへの参画、ダイバーシティ講演会の開催、ダイバーシティEラーニングの展開など、女性活躍の必要性に対する理解促進、風土醸成に取り組んできました。 加えて、経営層が女性管理職比率の引き上げを経営課題の一角と位置付け、中長期的な視点で活動していくことで一致しています。 上記の活動を確実に実行することで、女性管理職比率を2025年度には2.5%まで引き上げます。 (図1:管理職、グループリーダー、現場監督者に占める女性人数と割合の推移) b. 男性育児休業取得率向上これまでも男性が当たり前に育児休業を取得できるよう、社長メッセージの発信や講演会を始めとした様々な啓発活動、取得手続きのシステム化、人事部門と相談できる体制を構築するなど社内の職場環境整備を推し進めてきました。 2024年度は、働きがい溢れる企業風土の醸成を目指して「活き生き5活動」(当社の働き方改革プロジェクト)をVer1.5へとシフトさせました。 この一環としてファザーリング・ジャパン社が運営する「イクボス企業同盟」に加盟し、「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を展開して更なる環境整備に注力しています。 「SMARTプロジェクト」は性別を問わず管理職層の働き方やマネジメントの在り方を変革し、若手が「目指したい」と思えるSMART(スマート)なマネージャーを育成することを狙いとしており、役員も参画して取組を進めています。 また、男性育児休業取得促進や育児・仕事の両立に関する講演会の開催に留まらず、育児休業取得者へのインタビューなど育児休業取得を身近なものと認識してもらうための試み、生産性向上のための業務改善を通じて多様な人材の活かし方を考えるワークショップを行うなど一歩踏み込んだ施策にも取り組みました。 こうした活動の結果、2024年度の男性育児休業取得率は68.0%(前年度比18.0%増)と大きく飛躍し、2025年度末時点の目標値である70%に迫る実績となりました。 2025年度は「活き生き5活動」や「SMARTプロジェクト」等の強化・推進を通じて高い取得率の維持を目指すのはもちろんのこと、2029年のありたい姿に向けた更なる目標・取組事項の立案と実行を進めます。 (「活き生き5活動」、「SMARTプロジェクト」の全体像については31頁参照) 区分2021年度2022年度2023年度2024年度男性の育児休業取得率(平均取得日数) (注)18.0%(88日)21.3%(48日)50.0%(45日)68.0%(53日)男性の育児休業及び育児目的休暇取得率 (注)274.7%87.6%85.1%88.0% (注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業(出生時育児休業(産後パパ育休を含む)) 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇・育児奨励休暇」:当社独自の特別休暇)取得率を算出したものです。 出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。 「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」も併せてご参照ください。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針・経営戦略等当社グループは2029年に創立100周年を迎えます。 次の100年も社会から選ばれ続ける企業であるために、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)及び、3ヶ年の事業計画として「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)を策定し、2023年5月30日に公表しました。 2029Vで定めているとおり、当社グループは住友事業精神を根幹として、「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」というパーパスのもと、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を磨き続け、グループ内だけではなく、外部との共創による既存事業領域の深化と融合分野の事業探索によって、2029年のありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革を目指します。 2029年 住友理工グループVision住友事業精神萬事入精・信用確実・不趨浮利目指すべき企業像Global Excellent Manufacturing Company存在意義(パーパス)素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える2029年のありたい姿理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニーありたい姿実現に向けた3つの方向性とマテリアリティ未来を開拓する人・仲間づくり個々の成長を促す、育成機会の提供と働きがい溢れる企業風土の醸成社内外のパートナーシップによる共創の推進柔軟かつ強固な組織づくり気候変動・自然資本に配慮した事業活動環境変化に柔軟に対応できる経営基盤への変革持続可能な社会に向けた価値づくり次世代モビリティ進化への対応と環境配慮型製品の提供安全・快適の提供拡大に向けた技術の進化・融合企業価値(財務目標)連結売上高7,000億円規模ROIC(投下資本事業利益率) (注)110%以上ROE(親会社所有者帰属持分利益率) (注)210%以上公益価値(非財務目標)※代表例エンゲージメント経営理念やビジョンへの共感を高め、従業員と会社がお互いに選び・選ばれる、自律的な関係構築ダイバーシティ&インクルージョン多様な人材が安心して働き、新たな価値を創造コンプライアンスサプライチェーンを含めた、グループ・グローバルでの法令・企業倫理の遵守徹底人材育成高い志を持ち、未来を切り拓く自律型人材の育成地球環境保全CO2排出量削減(2018年度比) Scope1+2 -30% Scope3 -15% (注)1. 投下資本事業利益率(ROIC)=事業利益/(純資産+有利子負債) 2. 親会社所有者帰属持分利益率(ROE)=親会社の所有者に帰属する当期利益/自己資本 2025Pについては、2029Vからのバックキャストによって、「未来を開拓する人・仲間づくり」「柔軟かつ強固な組織づくり」「持続可能な社会に向けた価値づくり」という、ありたい姿実現に向けた3つの方向性への取り組みを強化していきます。 また、「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」のテーマのもと、事業を推進している中、コロナ禍からの自動車生産台数の回復に伴う生産性改善に加え、構造改革や原価低減活動等が当初想定を上回るペースで進んだことによる2024年3月期の業績と2025年3月期の業績予想を踏まえ、「事業利益」「ROIC」「ROE」の数値目標を修正することとしました。 配当については、当初計画通り継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針とし、2026年3月期での配当性向30%以上を目指してまいります。 なお、2025Pにおける、上記以外の企業価値(財務目標)・公益価値(非財務目標)、及び「2029年 住友理工グループVision」(2029V)の目標については、2023年5月の発表内容から変更はありません。 2025年 住友理工グループ中期経営計画(2025P) ※2024年5月末に修正し公表テーマさらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化企業価値(財務目標)連結売上高6,200億円事業利益320億円ROIC(投下資本事業利益率)10%以上ROE(親会社所有者帰属持分利益率)9%以上配当性向30%以上投資額(3ヶ年累計)研究開発費 550億円設備投資額 900億円公益価値(非財務目標)※代表例エンゲージメントグローバル幹部への理念教育及び全従業員への理念・ビジョン周知活動推進人材育成研修プログラムの拡充(3ヶ年累計)・経営幹部研修 参加者 100人・DX コア人材 (注)3の育成 200人・DX データ分析人材 (注)4の育成 700人地球環境保全CO2排出量削減(2018年度比) Scope1+2 -20%廃棄物の削減(2022年度原単位比) -3% (注)3. DXコア人材:自部門でIoT・AI活用の企画から実用導入に主導的に取り組む人材 4. DXデータ分析人材:自部門でIoT・AI など専門的ITツールを業務に使用する人材 (2) 経営環境及び対処すべき課題文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループを取り巻く環境は、サステナブルな社会実現に向けた世界的な潮流や「CASE」といった自動車業界の大変革に加え、足元では主要国における選挙結果を受けた政策変更リスクの顕在化、地政学的リスクの長期化、中国経済の減速、さらには政策金利の変更による為替の急激な変動リスクがあります。 これらの要因が複雑に絡み合い、経済環境の不確実性が一段と高まっている状況ではあるものの、経済活動は緩やかな成長を継続することが期待されます。 このような中、当社グループでは3ヶ年の事業計画である2025Pに基づき事業活動を推進しています。 当社グループの強みであるコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使した製品開発と、グローバルでの生産体制を生かした受注の拡大、原価低減活動及び間接費抑制を継続して推進することで、収益性を高め、経営基盤を強化していきます。 また財務目標の達成と、ESG経営や資本コスト・株価を意識した経営の推進により、幅広いステークホルダーの皆様と共に持続的な成長と豊かな社会実現を目指していきます。 新製品の開発については、親会社である住友電気工業株式会社との連携を強化し、これまで以上にシナジーを創出できるように進めていきます。 米国の相互関税の影響については、追加関税等の状況も注視しつつ、顧客との適切な協議や原価低減・調達体制の見直し等の自助努力を通じて、収益への影響を最小限に抑えるべく取り組んでまいります。 〔自動車用品部門〕自動車業界においては、技術革新の波が進行し、企業はこれらへの迅速な対応にとどまらず、カーボンニュートラルに象徴されるような社会課題解決への積極的な関与が求められています。 当社グループにおいては、創業以来培ってきたコアコンピタンスをもとに、CASEにおける「A:Autonomous(自動運転)」「E:Electric(電動化)」2領域を中心に、これからの自動車(モビリティ)に新たな価値を提供する製品の創出と開発を進めています。 また、当社のコア技術より生まれた薄膜高断熱材「ファインシュライト」や放熱する吸音材「MIF®」は、電気自動車(EV)のネックとされる電費や航続距離問題、また更なる静粛性の向上といった様々な課題解決に寄与すると考えています。 防振ゴム事業については、EV時代にあわせ、エンジンマウントから振動制御をより高度化させたモーターマウントやeAxleマウントといった製品へ進化させ、日系自動車メーカーのみならず、海外自動車メーカーへの拡販を進めています。 自動車用ホース事業については、EV用の電池やモーターをはじめとする部品の熱マネジメントのニーズの高まりに合わせ、他の製品で培った流体搬送技術を生かした冷却系ホースやバッテリー冷却プレート「クールフィットプレート」などの開発にも注力しています。 また、各国の環境規制に対応した燃料ホースやバイオ燃料用の燃料ホースなどの拡販を継続しています。 水素社会の実現に向けては、当社の燃料電池自動車(FCEV)向けの基幹部品がトヨタ自動車株式会社のMIRAIに採用されているほか、燃料電池トラック向け等にも水素タンクマウントや水素ホース、FCセル用ガスケットなどの部品を供給しています。 さらに、一般産業用品部門の製品である「リフレシャイン」は、高透明遮熱・断熱窓用フィルムで、主に建物用としての展開を行ってきましたが、当社グループが2029Vで目指す、技術・事業領域の深化・融合を進めるなかで、車載用フィルムとしての用途を拡大させました。 2023年度からマレーシアを中心に採用が進み、今後も東南アジア各国・インドなどへの拡販活動の強化や、用途の拡大に向けた共創やシナジーを広げていく計画です。 当社グループにおける欧州の業績低迷については、先行で構造改革を実施した米州事業やエレクトロニクス事業と同様に、早急に対処すべき経営課題として認識しています。 欧州においては、EVをはじめとする市場やOEMの動向の見極めを行うとともに、売価改善や受注活動、工程改善等によるロス低減に継続して取り組むことで、収益性の改善を進めていきます。 今後も課題拠点の構造改革の完遂、売上拡大と原価低減の三本柱によって、2025Pのテーマである「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」の達成と筋肉質な体質への転換を進めていきます。 加えて、他社との協業も通じた付加価値の高い製品や技術の開発により、企業価値の向上と持続的な成長を目指していきます。 〔一般産業用品部門・新規事業部門〕当社グループは、主力事業の「自動車(モビリティ)」分野に加えて、「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」といった、社会環境基盤の構築に不可欠な分野へも事業展開しています。 一般産業用品部門のうち、住環境分野においては、ビル用制振システム・TRCダンパーが新規開業した第2名古屋三交ビル(愛知県名古屋市)に採用されました。 同システムのさらなる採用の広がりによって、地震が多い我が国を中心に防災・減災への貢献が期待されます。 インフラ分野における高圧ホースについては、原価低減とともに補修品市場への積極的な参入や未進出エリアを中心にグローバル拡販を進め、収益性向上を目指します。 エレクトロニクス分野では、事務機器市場の成熟や働き方の変化による需要変動に対して、柔軟に対応できる体制への転換を目的とした構造改革を実施したことで、収益性が改善してきました。 ヘルスケア分野では、SRセンサを応用した「モニライフシリーズ」が㈱ナインアワーズの経営するナインアワーズ品川駅スリープラボ等に採用され、宿泊者の睡眠状態を可視化するサービスに活用されています。 本製品を通じて、宿泊利用者への睡眠解析サービスや質の高い睡眠環境を提供することで、人々の暮らしと健康への貢献を目指していきます。 新規事業部門では、社会の要請に応えられるよう投資すべき重点事業分野を見極め、事業基盤の強化と新たな収益の柱となる事業の創出を進めていきます。 特に、2029Vに沿って、当社グループの技術領域の融合と他社との共創や新領域への挑戦をより一層強化しており、2024年度においてはインテグリカルチャー㈱と共同で開発を進めていた細胞農業向けの細胞培養バッグや生態模倣システムといった分野にて、特許出願の完了や試験販売を開始しています。 また、㈱ギンレイラボと共同開発を行っている動物実験代替ツール「生体模倣システム(MPS)」についても、エントリーモデルの販売を開始予定です。 「ファインシュライト」は、その高いレベルでの保温・保冷機能から、食品や医薬品などの定温輸送に活用されてきたほか、アウトドア用品にも採用されています。 また、工場設備に取り付けることで、熱効率が向上し省エネにつながったという実証結果も得られており、カーボンニュートラルを目指す社会ニーズにマッチし採用が進んでいます。 引き続きファインシュライトの応用性を模索し、新事業展開や更なる用途拡大に向けた協業先探索を行っていきます。 これら以外にも、サーキュラーエコノミーへの取り組みとして、ランザテック社及び住友ゴム工業株式会社・住友電気工業株式会社との協業が進んでいます。 製品を供給するだけではなく、廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指して、長期的な目線をもった取り組みを進めています。 私たちはこれまで、モノづくり企業として90年以上にわたって培ってきたコアコンピタンスを軸に、住友事業精神が謳う「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」の取り組みを積み重ねてきました。 これからも世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への成長を目指して、創立100周年に向け着実な歩みを続けていきます。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。 (1)気候変動への取り組みとTCFDへの対応当社グループは、住友理工グループ経営理念の一つとして「地球環境に配慮し、よりよい社会環境作りに貢献します。 」を掲げ、気候変動を重要な経営課題として位置づけています。 また、2023年5月に公表した、創業100周年となる2029年に向けた長期ビジョン(2029V)では、「気候変動・自然資本に配慮した事業活動」をマテリアリティの一つとして掲げ、気候変動への対応を事業戦略に織り込んでいます。 加えて、脱炭素対応をはじめとする環境課題解決にフォーカスした行動指針として、環境長期ビジョン2050及びそのバックキャストである環境2029Vision(環境2029V)を策定し、その達成に向けて全社一丸で取り組んでいます。 また、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを促進する観点から、TCFD提言に沿った分析を行っており、下記のとおり開示いたします。 今後も、TNFD提言、ISSB基準や企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等の国際的なサステナビリティ開示基準の動向等も踏まえ、分析をより深化してまいります。 ①ガバナンス気候変動を含むサステナビリティ関連の事項については、社長が委員長、役付執行役員らが委員を務めるCSR・サステナビリティ委員会にて活動方針の承認や、活動推進状況のチェック及びフォローを行います。 CSR・サステナビリティ委員会で検討した内容等は、年2回以上取締役会で報告し指示を受けるなど、適切な監督体制を整えています。 (CSR・サステナビリティ委員会の概要)委員委員長:代表取締役 執行役員社長委員: 社外取締役、役付執行役員、各部門の所管役員事務局経営企画部開催頻度会議開催:2回/年取締役会への報告:2回/年管掌テーマ「環境」「安全衛生」「社会貢献」「ダイバーシティと人権」「サプライチェーン」等をテーマとした審議気候変動関連の直近議題住友理工グループ環境長期ビジョン2050、環境2029Vの承認・目標のモニタリング等気候変動に限らず自然資本・生物多様性に関する当社の取り組み方針(TNFD、CSRDの開示方針等) また環境テーマに関する活動推進のため、環境分野所管の役付執行役員が協議会長を務める全社環境活動協議会をCSR・サステナビリティ委員会の下部組織として設置しています。 加えて、当社の各製作所、グループ子会社の環境関連業務の代表者で地域環境部会を組織し、法令・条例改正情報・環境事故情報等を相互に共有することで、グループ一体での環境マネジメントの強化に取り組んでいます。 (全社環境活動協議会)協議会員協議会長:環境分野を所管する役付執行役員協議会員:各事業本部から1名ずつ研究部門・調達部門・CSR部門・生産機能本部から各1名ずつ事務局環境推進部開催頻度1回/年以上活動内容・環境方針・行動指針のCSR・サステナビリティ委員会への提案・環境方針・行動指針に基づく環境課題及び目標についてCSR・サステナビリティ委員会への報告・提案・環境課題の解決、目標達成のために必要な専門部会の設置と改廃・環境活動の適正性評価と助言(事業本部、専門部会、環境推進部)・環境保全活動の実施状況をレビューする全社安全環境大会開催に関する協議会による承認 (地域環境部会)部会員住友理工㈱の製作所・事業所の環境代表、国内子会社の環境代表、事業部門環境責任者(子会社統括者)、グローバル推進室事務局環境推進部開催頻度4回/年活動内容・環境目標達成状況、法令条例改正情報・環境事故情報の共有・地域への顕在・潜在の環境影響リスクを評価し、対策の必要性や対策手段について審議・提言する・当社グループの環境事故情報を活用した再発防止・未然防止策を横展開する (Global Management Meeting (GMM) 環境・カーボンニュートラル分科会)参加者国内外子会社・拠点の拠点長、現地幹部社員事務局環境推進部、カーボンニュートラル推進室開催頻度1回/年活動内容・環境2029Vの説明と全社活動の紹介・環境リスク低減に向けた取り組みと環境データ収集方針の説明・拠点からの脱炭素(カーボンニュートラル)事例の紹介 ②戦略a. シナリオ分析当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。 シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。 (参考)参照した主なシナリオ 「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ) ・IEA,「World Energy Outlook 2024」: Net zero emissions by 2050 Scenario(NZE),Announced Pledges Scenario(APS)・Inevitable Policy Response,「Supply Chain Analysis (SCA)」・IPCC,「第6次評価報告書」: SSP1-1.9/SSP1-2.6「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ) ・WRI Aqueduct Water Risk Atlas 4.0 : SSP5-8.5・IPCC,「第6次評価報告書」: SSP3-7.0,SSP5-8.5 b. リスク・機会の特定、分析上記シナリオを前提に、下表のとおり当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。 特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価の上、各項目への対応の方向性を設定いたしました。 (移行リスクと機会)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性規制GHG規制カーボンプライシングの導入によるコスト増加中期中生産効率向上による製造コスト低減短~中期大●環境長期ビジョンに基づく着実なGHG排出削減・太陽光発電の導入等、再エネの積極活用・生産プロセスの改善や新設備の導入 による省エネ活動の推進・低排出な製法や設計の開発・設備投資検討への内部炭素価格活用●DXを活用したスマート工場・AIによる製品検査の自動化等、工程の 自動化・省人化・デジタル化による設計開発期間短縮及び エネルギー集計システム構築 排出量報告義務の強化による労力コスト増加短期中市場/技術原材料天然ゴム価格上昇によるコスト増加や供給減少による調達懸念短~長期大顧客の選好変化に対し、低環境負荷材料の積極活用を通じた競争力の強化短~長期中●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低 減・微生物を活用した廃棄物の再原料化によ る資源の循環利用推進●低環境負荷材料の活用拡大に向けたサプライヤーとの連携・バイオ由来材料や、リサイクル材料の適 用に向けた対話石油由来原材料の代替によるコスト増加中期中金属の需給逼迫や低炭素金属への代替による調達コスト増加中~長期中EVシフト内燃機関向け製品の需要減少や、機構の簡素化による部品使用量の減少短~長期大EV向け高性能製品の需要増加短~長期大●顧客要請や市場動向に合わせた適切な製品ポートフォリオの構築・転換期における内燃機関向け製品需要 の確実な取り込み・EV向け高性能製品の市場投入●海外自動車メーカーへの拡販に向けた体制整備・グローバルネットワークを活かし、現地 に合わせた開発・生産体制を構築・市場や技術動向への迅速な対応に向け た新規研究開発拠点の検討新興EVメーカーの台頭等に伴う、当社既存顧客の市場シェア低下による売上減少短~長期中当社技術力を背景とした、海外自動車メーカーへの拡販による当社市場シェアの拡大短~長期中 カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性 市場/技術新技術 対応次世代技術対応に伴う開発投資コスト増加中期大次世代技術を活用した脱炭素関連の新製品開発による競争力向上 脱炭素社会への移行に伴い成長が見込まれる市場への進出短~長期大●低環境負荷材料を利用した製品の生産技術確立・植物由来原料(バイオヒドリンゴム)を活 用した商品開発・EV向けの冷却ホース部品へのバイオマス 材料活用●EVニーズに対応した高性能な製品開発・モーターが発する高周波振動や騒音の抑 制に資する防振製品の開発・高度な熱管理や軽量化等、電費向上に資 する製品の開発・密閉性の高い水素ホース等、燃料電池車 向け製品の開発●自動車向け先端技術の他用途への拡大・クリーンエネルギー化に伴うインフラ刷 新需要に向けた開発・防振技術を活用した、インフラ補修や大 規模木造建築等への免制振製品拡販・熱マネジメント需要に対応した新商品の 用途展開評判ステークホルダー投資家や従業員等、ステークホルダーからの要請への対応コスト増加短~中期中気候変動対策が認められることによる資金調達コストの低下中期中●ステークホルダーとの信頼関係構築・多様なステークホルダーとの対話を踏ま えた気候変動対策の着実な進展・資金調達におけるサステナブルファイナ ンスの活用 (物理リスク)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度対応の方向性慢性気温上昇気温上昇による労務環境の悪化中~長期中●生産設備・工程の改善・熱源を使用する加硫工程の自動化等による暑熱環境 下での重筋作業の廃止降水の変化降水パターン変化に伴う天然ゴム供給の不安定化によるコスト増加・調達懸念中期大●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低減・微生物を活用した廃棄物の再原料化による資源の循 環利用推進水ストレスの高い地域を中心とした水資源の需給逼迫による利用コストの増加中期中●水資源の保全・生産工程改善や排水のリサイクルによる水使用量の 削減・地域ごとの水リスクの定期的なモニタリング急性洪水等洪水の発生による操業停止や復旧費用コストの増加中~長期小●BCPの高度化・複数拠点間でのブリッジ生産体制の整備・高リスク拠点を中心とする海外拠点BCP対応強化台風等の災害に伴う輸送リスクの増加長期中 ※顕在時期 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、 長期:2050年※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、 大:売上300億円/費用50億円以上 (2029年度時点の想定。 移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。 ) c. 戦略のレジリエンス2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きが更に進むと考えました。 その際に顕現化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。 中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。 しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。 また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)・バッテリー冷却プレート」や、EVの心臓部である電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。 このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトも含めた社会変化に柔軟に対応することが可能と考えています。 また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行や、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。 なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕現化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。 当社グループは、このようなリスクも認識の上、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。 今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。 ③リスク管理当社グループは、リスク管理の実行において、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置するとともに、同委員会の事務局機能を務めるリスク管理専任組織であるリスク管理室を設置しています。 同委員会は「リスク管理基本規程」及び「グループ危機ガイドライン」に基づき、国内外のグループ会社において毎年リスク調査を実施しています。 「重要なリスク」として認識・特定されたリスクを同委員会で共有し、グループ全体でのリスクの把握に努め、その分析・評価に基づき、対応すべき選別・対応方法を選択し、事業運営への影響の極小化に取り組んでいます。 リスク管理室ではリスク管理委員会の執行部門として、平時は地震などの自然災害や工場爆発などの事故に対する防災並びに被災軽減対策、事業継続計画(BCP)の策定と維持運営、グループのリスク調査/評価やリスクの監視、注意喚起、危機発生時のガイドラインやマニュアルの整備など未然防止対策、被災軽減対策の推進を行っています。 緊急時は、初動対応と所管部門の役割分担指示、発生した危機情報の収集・影響把握を行い、必要に応じて緊急対策本部を設置します。 また、24時間365日体制で、グループ危機情報の連絡窓口を担っています。 当社事業が世界20ヶ国以上に広がるなかで、当社グループでは企業を取り巻くすべてのリスクに対処するために、大分類で14、さらに中分類で56のリスク項目を抽出し、各リスク項目の所管部署を定めて対応しています。 各リスクに対しては「発生の可能性」と「被害の影響度」で評価し、リスクマップにすることで経営における影響度の見える化を図っています。 あわせて各所管部署が十分機能できているかを確認しています。 また、各国固有のリスクに対応するため、海外及び国内グループ会社においてリスク調査を実施し、グローバルで対策状況を確認しています。 このリスク調査では、抽出したリスク項目をベースに各拠点が把握するリスクと対策状況を評価しています。 評価結果から認識された主要なリスクをグループ全体で共有、リスクの顕在化を防ぐ施策を打つことで、グローバルでの危機管理強化に努めています。 さらに、グループ全体のリスクマネジメントを継続的に改善するようにリスク管理委員会を中心としてPDCAサイクルを回す仕組み作りに努めています。 ④指標と目標当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し温室効果ガス削減目標を定め、燃料の燃焼などによるCO2の直接排出(Scope1)、購入した電力等の使用に伴う間接排出(Scope2)といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出などサプライチェーン全体で発生する間接排出 (Scope3)をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。 自社排出量削減については、再生可能エネルギーへの転換だけでなく生産エネルギー削減の両面からアプローチし、当社のコア技術であるモノづくりや材料、製品開発力をいかんなく発揮し気候変動の緩和と適応を進めています。 サプライチェーンについては、原材料や部品など購入や輸送、廃棄に関わるCO2の削減に向けた企画や実行も進めています。 a. 2025年住友理工グループ中期経営計画当社グループでは、2025年度を最終年度とする2025年住友理工グループ中期経営計画にてCO2の排出量の削減目標を設定しています。 2023年度温室効果ガス排出量 は2018年度に比べ26.6%削減しました。 項目目標年CO2排出削減 目標2023年度実績2025年住友理工グループ中期経営計画2025年度Scope1+2 -20% (2018年度比)-26.6% b. 2029年住友理工グループVision2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)においてもCO2排出削減目標を設定し、長期的な視点での取り組みを実施しております。 項目目標年CO2排出削減 目標2023年度実績2029年住友理工グループVision 2029年度Scope1+2 -30% (2018年度比)Scope3 -15% (2018年度比)-26.6%-2.8%2050年カーボンニュートラルの達成 2029年度の目標の内、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。 上記取組の推進により、Scope1+2削減の実績は既に2029年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成り行きでは排出量の増加が見込まれますが、取り組みの更なる進展により、目標達成を目指します。 また、当社グループではサプライチェーン全体でのCO2排出量のうちScope3が92.2%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術進化・新製品開発等を通じた排出量削減の取り組みを行っていきます。 (2)人的資本①考え方事業環境の変化の激しい現代において、「社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」であり続けるためには、多様な視点をもって世界を俯瞰し、素材、設備、組織や多様な人材といった経営資源の力を引き出す人材、社会から必要とされるモノづくりとは何かを自律的に自問・探求し続ける人材が欠かせません。 こうした当社のパーパスを体現する人材を獲得し、成長させて、活躍させることが、当社の成長と企業価値の向上に繋がり、さらには「自然と都市と人の空間が繋がるグリーンで快適な社会」の実現に繋がると考えています。 当社グループの人的資本経営では、事業経営の基本思想である「住友事業精神」のもと、独自に定めた「人的資本向上の方程式」(図1参照)を人材戦略の中心に位置付け、多様性と自律性を備えた従業員が成長し意欲高く働くことができる会社を目指して活動を推進しております。 「人的資本向上の方程式」では、人材戦略を実現する4つの人材マテリアリティを核に方針を定め、その方針に沿った人事施策(図2参照)に取り組むことで2029Vの実現を目指しています。 直近では2025年に向けたKPI(2025P)を設定しており、人事部長を中心に定期的に取組状況をモニタリングする体制を取っています。 また、当社グループの人的資本経営の課題は「事業支援」と「グローバル連携」にあると認識しており、2029Vの実現に向けて加速度的に人事施策を推進していくために、「ネットワーキング」と「対話」の強化と拡充が必要であると考えています。 2024年度の取組では、事業部担当人事の検討やキャリア対話シートの導入、特定部門での社内公募トライアルといったキャリア開発支援に関する人事施策の実施等、事業部門と人事部門、上司と部下の対話を支援できる仕組みの構築を開始しており、経営戦略と人事戦略の連携強化について新たな歩みを進めております。 (図1:人的資本の考え方) (図2:方針及び施策) ②取組a. 住友事業精神当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。 事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業としての発展を目指します。 従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。 (住友事業精神に関する教育受講者累計人数)区分2021年度2022年度2023年度2024年度受講者数912名1,049名1,079名1,116名累計受講者数912名1,961名3,040名4,156名 2024年度は、住友事業精神の教育対象を海外に広げた年となりました。 海外展開を進めるに当たり「わかりやすさと自分事化」をテーマとした学習動画を新たに公開しました。 400年の時を越えて引き継がれてきた住友の教えをアニメーションで分かりやすくまとめ、従業員一人ひとりが自分事として捉えられるよう、当社の歴史の中で大きな転換期となった自動車用防振ゴムの開発エピソードと住友事業精神とを紐づけたストーリーとしています。 住友事業精神の学習動画は、GMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)での社長プレゼンテーションの中で国内外の幹部社員向けに初披露し、その後国内外全ての拠点が動画を視聴できる環境を整備しました。 幾つかの海外拠点ではこの動画を母国語に翻訳し、従業員教育に活用しています。 今後は、住友事業精神に触れた従業員の行動変容に繋がるプロモーションを実施していきます。 なお、2024年度のエンゲージメントサーベイでは、企業理念や事業戦略に関するスコアは66点で、日本の製造業基準値をやや下回りました。 今後は、日本の製造業平均スコアの73点以上を目指し、住友事業精神と従業員との様々な接点を創出していきます。 住友事業精神に触れることで、事業精神を知り、そして自ら実践し、最終的には事業精神に基づく行動が習慣化するという行動変容を促していきます。 (エンゲージメントサーベイについては30頁参照) b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土の醸成」を掲げ、「住友事業精神」のもと多様性と自律性を備えた従業員が意欲高く働き成長することができる環境づくりに取り組んできました。 従来は女性活躍を切り口として取組を進めてきましたが、多様性そのものへの理解が進んだ結果、職場からは「女性以外も含めた多様な人材を受け入れて活かすことができる環境づくり」を進める必要があるとの声が挙がってくるようになりました。 こうした機運の高まりを受けて、2025年度からは「Equity」(公正性)を織り込んだDE&Iとして活動を進化させてまいります。 ○ 女性活躍推進女性が安心して就業を継続し、キャリアアップを目指していけるよう、研修や制度整備等の取組を推進しています。 2024年度は新たにダイバーシティ講演会を開催し、国内グループ会社の従業員を含む500名以上が聴講しました。 また、スタッフ部門を中心に展開したEラーニングについても2,000名以上が受講するなど職場における理解が着実に進んでいます。 女性管理職候補が参加したキャリアアップ研修においては、受講生の上司も参加して受講生のキャリアを一緒に考えるプログラムや役員から受講生へのメンタリングを取り入れ、キャリア形成に対するアドバイスや動機付けを行うなど会社全体で育成に取り組んでおり、今後もこれを継続・強化してまいります。 女性管理職のロールモデルが稀少であるという課題については、「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を通じて性別を問わない管理職の働き方・マネジメントのロールモデルとなる「SMART(スマート)なマネージャー」の育成を推進し、女性のキャリアアップに対するモチベーションを高めるよう働きかけてまいります。 (「SMARTプロジェクト」の全体像については31頁参照) 分類施策例制度整備柔軟な働き方支援・事業所内託児所「コアラぽっけ」設立 [2009~]・在宅勤務制度導入 [育児介護対象2017~/制限撤廃(注)2020~]・短時間フレックス勤務制度導入[2017~]・フレックスコアタイム廃止 [2020~]・育児時短勤務の対象を小学校6年生まで延長 [2022~]キャリア継続支援・ジョブリターン制度導入[2017~]・配偶者帯同休職制度の導入 [2019~]意欲醸成相互研鑽・ネットワーキング支援・住友電工グループ女性社員ネットワーキング「SWING」フォーラム参画 [2017~]・社内メンター制度の導入 [2021~2022]自己研鑽・各種通信教育の補助・教育コンテンツの拡充 [IT基礎教育・Eラーニング導入等]環境改善・管理職長時間労働への対策推進(社長面談実施等)[2023~]風土醸成社内風土醸成職場理解推進・各種社内研修/外部講師セミナーの実施・仕事と介護の両立支援ガイドブック作成[2020~]・出産・育児支援制度の手引きを刷新[2022~]・女性活躍推進に特化した階層別教育を実施 [2023~]・職制向けアンコンシャスバイアス研修動画配信 [2023]・基幹職昇格試験の審査項目にD&I推進を追加 [2023~]・ダイバーシティ講演会の開催[2024] <新規>個別育成強化・女性管理職候補者向け研修開始 [2024~] <新規>・ダイバーシティEラーニングの実施[2024~] <新規> (注) 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の 新しいスタイル」に対応しました。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。 ○ 障がい者雇用の推進当社グループでは、受入れ職場との対話を通じて、障がいを持つ従業員の適性や障がいの種別(身体、知的、精神)・特性に応じた配置と職務の割り当てを行っています。 また、2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めた結果、10年を超える長期就業も実現しています。 しかしながら、職場における理解と定着には依然として課題があると認識しています。 そのため、これまで取り組んできたジョブコーチの配置等に加えて、2024年度は職制や管理監督者向けに「障がい者を正しく理解して共に働く、共に成長していく」という考え方の浸透を狙いとした講演会・勉強会の開催や障がい者雇用促進アンケートを実施しました。 また、併行して採用経路の新規開拓に加え、更なるPR強化を狙った採用WEBサイトの拡充に着手するなど採用強化にも取り組んできました。 さらに、事業所間における障がい者向け業務の更なる創出に向けた事例等の共有やDXを活用した業務支援の取組など、全社を挙げて活動を推進しています。 今後も2029Vで設定した国内グループ全体含む目標雇用率(2025年度2.70%、2029年度3.00%)の達成を目指し、引き続き取組を進めていきます。 (障がい者雇用率の推移と今後の目標)厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値分類実績目標2022年度2023年度2024年度2025年度2029年度住友理工(特例子会社含む)2.65%2.70%2.77%2.80%3.00%国内グループ会社平均2.54%2.54%2.63%2.70%3.00%法定雇用率2.30%2.30%2.30%2.50%2.70% 分類施策例基盤づくり・特例子会社「住理工ジョイフル」設立[2013~]・「障がい者雇用推進会議」発足(部門連係強化)[2018]・「障がい者雇用推進プロジェクト」開始(グループ会社を含めた活動の実施、支援)[2023~]・「障がい者雇用促進講演会」開催[2024] <新規>・「障がい者雇用促進アンケート」の実施と分析[2024] <新規> 採用強化・採用経路の開拓(大卒インターンシップ、コーポレート部門採用)[2020~] 通勤可能エリアの新規学校開拓、就労支援事業所からのキャリア採用[2024~] <新規>・グループ会社への障がい者採用活動支援[2022~]・採用WEBサイトにおける障がい者雇用のPR強化[2024~] <新規>定着推進・障がい者受入部門の支援体制強化(ジョブコーチや労務担当がサポート)[2020~]・現場の管理監督者向けの障がい者受入に関する勉強会開催[2024~] <新規>職域拡大・特例子会社「住理工ジョイフル」から当社への出向受け入れの拡大[2019~]・小牧本社・製作所における各部門からの業務切り出し及び支援体制の構築 [2019~] ○ グローバル人材の活躍促進当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。 多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。 当社では、グローバル人材の活躍を象徴するイベントとしてGMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)を毎年開催しています。 2024年度は7月に愛知県名古屋市で実施しました。 海外拠点長やローカル幹部従業員ら104名(前年度比20名増加)が来日し、対話や交流を行いました。 2024年度のテーマは「2029Vの達成に向けた取組の共有」で、海外拠点からは自社の方針や戦略、具体的な活動計画が発表されました。 また、初の試みとして当社の事業の重要テーマである「環境」「人事」「品質」の3つをテーマに分科会を実施。 各分野の担当者にてカーボンニュートラルや、エンゲージメント向上、新規品立ち上げや量産品の品質管理などについて活発な議論がなされました。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> ・ダイバーシティ&インクルージョン https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html c. 人材育成 当社グループでは「人材育成にまさる事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。 その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。 ○ 住友理工の教育体系「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育を実施しています。 2024年度は、2022年から行ってきた教育体系の見直しと最適化、また、次世代教育環境整備に向けた現状分析と洗い出された課題に対する教育機会の提供に注力しました。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>・人材育成https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html 2024年度は、役員と一部基幹職昇格者全33名を対象に当社初めてとなる360度評価を実施しました。 また、2023年から基幹職社員を対象にしたビジネススキルアセスメントを定期的に実施しており、これまでに150名が受検しました。 これらの調査結果からは、当社は中でも「コミュニケーション」、特に組織や役割を越えた相互理解に課題があることが明らかになりました。 そこで2024年度は「つながり」をコンセプトとした各種教育プログラムを実施しました。 11年にわたり実施している選抜型教育経営塾(MCP)の過去の参加者を対象に「経営塾アルムナイ」イベントを実施し、参加者は経営塾卒業生の横の繋がり醸成及び強化を狙ったコミュニケーション主体の教育プログラムを受講しました。 また2023年度の基幹職昇格者研修参加者を対象としたフィードバック会を実施しました。 昇格者研修受講時に宣言した今後の行動変化について改めて振り返り、行動ができているか、出来ない理由は何かを仲間と共有しました。 フィードバック会には社長も参加し、会社方針と各自の活動の紐づきを確認しながら自身の行動変化につなげるためのディスカッションを行いました。 他にも海外赴任予定者を対象に、海外駐在経験の豊富なアドバイザーを招き、少人数かつ対面での質疑応答主体の講義や、国内グループ会社と教育をテーマとしたワークショップを実施するなど、新たな「つながり」の醸成によってコミュニケーションを活発化するための教育施策を実施しました。 さらに、2025年度以降は、仕事における人間関係を円滑にするための手法を学ぶコミュニケーション研修や、今日的なリーダーのあり方を学ぶリーダーシップ研修、キャリア構築に向けたキャリアアップ研修の実施など、グループ全社を対象とした教育機会の拡充を展開していきます。 これらの施策を通じて、組織や立場の枠を越えたコミュニケーションの創出及び活性化を促進し、新たな価値を共に作り上げていく「価値協創」が実現できる環境づくりへの貢献を目指します。 ○ DX人材の育成 DXを牽引する人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けています。 2024年度はDX人材への教育機会の提供に注力しました。 DX人材教育のコンセプトは「可視化とサイクル」です。 まずDX人材に対してはDXアセスメントを実施。 各自が強み・弱みを理解した上で、自身のDXにおけるキャリアを明確に描くことのできる環境を用意しました。 そして、強みの伸長や弱みの克服ができる教育コンテンツを準備し、対象者が自律的に学習し成長できる学習環境を整備しました。 一方で自律的な学習や得られた知識を生かした実践による成果創出は簡単ではありません。 そこで、学習に関する相談が気軽にできる社内SNSの構築や、年に2回の成果発表会、イントラサイトを活用した成功事例の社内共有などの支援体制も拡充しました。 結果、指名形式ではなく立候補形式でありながら693名がアセスメントを受検し、内337名がアセスメント結果に基づくデジタル分野を中心とした教育を受講しています。 また、DXの取組をけん引する基幹職に対してはITパスポート取得支援活動も行い、約50名がITパスポートを取得しました。 他にもデジタル技術に関する教育動画の拡充を継続して実施しており、DX能力の底上げを組織全体で行える環境づくりにも取り組んでいます。 これまでは自発的にDX人材への成長を望む従業員に対してのサービス提供が主でした。 2025年度は事業をけん引する従業員に対してもアプローチを行い、DXを全社一丸となって推進することのできる人材づくり・環境づくりを進めることでDXによる2029Vの実現に寄与していきます。 d. エンゲージメント当社グループでは、2024年度に初めてグローバルエンゲージメントサーベイを実施しました。 今年度は住友理工と米州2拠点、欧州1拠点、アジア1拠点の計5拠点で調査を行いました。 当社では総合指標となる「持続可能なエンゲージメント」の項目をKPIとして設定していますが、同項目のスコアは「63」と日本基準値よりもやや低い結果となりました。 また、当社が事業運営の基本としている「安全」の項目で強みといえる高いスコアが確認できた一方で、リーダーシップのスコアが日本基準値を最も下回り、課題のある項目であることがわかりました。 特に総合職や技能職ら現場社員のスコアが低い傾向が見られました。 この問題に対しては、各部門において分析と改善のためのアクションプランの策定と実行を推進することや、後述するSMARTプロジェクト(31頁参照)によりエンゲージメントと心理的安全性向上のキーパーソンであるリーダー層への継続的なアプローチによる改善に取り組んでいます。 アクションプランの策定については、高い課題認識と改善意欲を有する20を超える部署が人事部門による支援プログラムへの参画を表明しており、2025年度にかけて改善に取り組みます。 エンゲージメントの高い組織の実現のために、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりとそれらをけん引できる人材の育成を積極的に推進していきます。 ○ ビジョン浸透の取組2023年度には、2029V策定メンバーによるGMMでの直接説明や、同メンバーが拠点を訪問し、説明と対話によるビジョン浸透の取組を進めました。 2024年2月に第1回サステナビリティアンケートを国内外で実施したところ、国内は79%、海外は86%が「2029Vを聞いたことがある」と回答し、Face to Faceによる対話の効果が見られました。 一方で国内においては技能職の認知度が46%と低調な点や、海外では「自部門の2029V」の理解が67%と低い点が課題です。 この課題の解決に向けて2024年度は、社長ブログを通じて2029Vを繰り返し訴求したり、昇格者研修や当社独自の教育コンテンツ「Foreman研修(F研修)」の中で、技能職に対して直接2029Vの説明をしたりするなど、理解度向上に努めました。 今後も対話や講義などビジョンに触れる機会を継続して創出することで、従業員一人ひとりがビジョンを自分事化し、さらにそれぞれが自律的に判断・行動していく中で未来の目指す姿を具現化していくことのできる企業風土の実現に取り組んでいきます。 ○ 健康経営当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。 従業員の健康を重要な経営資源と捉え、「従業員や家族の健康増進活動への支援」「メンタルヘルス対策」「生活習慣病対策」の3点を重点対策に掲げ、各種研修(全19項目)の展開や健康経営イベントを定期的に開催する等、健康経営の考え方に基づいた各種健康増進に取り組んでいます。 健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。 当社グループ従業員のプレゼンティーズム(注)1やアブセンティーズム(注)2を改善するため、国内グループ各社の産業保健窓口とも健康経営方針や健康KPIを共有し、メンタル不調対応における共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取組を強化しています。 また、従業員の健康被害の防止並びに健康経営推進の観点より、2026年4月からの敷地内全面禁煙を決定し、段階的な禁煙を進めています。 これに合わせ、住友理工健康保険組合と連携し、喫煙者に向けた禁煙サポート活動を強化しています。 二つ目は「従業員の生産性とエンゲージメントの向上」です。 定期的に経営レベルで活動をモニタリングしながら会社全体でPDCAサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。 また、毎年4月のストレスチェックで測定する「活き生き度(注)3」改善に向けて、各職場で課題の特定、要因分析から対策を進めており、特定部門には深掘アンケート、個人面談など人事勤労部門と連携してサポートを行っています。 2024年度全社平均で、活き生き度を4pt、ワークエンゲージメントを0.06pt向上させることができました。 さらに、国内グループ会社へ目標や改善手法を共有し、意見交換を始めています。 今後もグループ一体となって、健康で活き生きした職場づくりに取り組んでいきます。 また、2024年8月には健康投資の一環として健康支援センターの改修を実施しました。 従業員に開かれた健康空間として従業員のエンゲージメント向上に活用していきます。 さらに、健康増進に取り組む従業員への積極的な支援と、組織的な活動施策の推進により、住友理工は9年連続で健康経営優良法人の認定を受けており、2024年度はホワイト500にも選定されました。 今後も、従業員とその家族が健康で活き生きと活躍し、当社グループの発展に繋がる取組として健康経営を推進していきます。 (注)1 プレゼンティーズム:疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態 2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態 3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>・健康経営https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/ ○ 働き方改革当社では、働き方改革の一環として従業員が「活き生き」と働くことが組織の活性化、ひいては業績の向上につながるという考え方のもと、「活き生き5活動」を実施しています。 「活き生き5活動」とは、当社の働き方改革の具体的な施策として2017年4月にスタートした取組であり、「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語となります。 2017年度から2022年度はVer1.0として総労働時間の低減や働きやすい制度の導入(コアレスフレックスや在宅勤務等)に取り組み、2023年度から2024年度にはVer.1.5として働きがいの向上も含めた活動を行ってきました。 2024年度においては、勤務管理システムの改善による労働時間の可視化や前述の健康経営ホワイト500取得などを実現してきました。 また、Ver1.5のもう一つの目的である働きがいの向上に向けてエンゲージメントサーベイや「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を開始しました。 「SMARTプロジェクト」では、①中堅社員だけでなく若手社員からも目指したいと思われるような管理職の姿の追求、②過去の経験や観念にとらわれず、社会の価値観の変化に順応できる管理職への成長を実現するための取組を推進しています。 2024年度は、管理職層を中心に心理的安全性の重要性や育児と仕事、介護と仕事に関する講演会など計9回のイベントを開催し、延べ2,200名以上が参加しました。 2025年度からは対象を組織全体に拡大し、活動を推進していきます。 (「SMARTプロジェクト」活動概要図)年度目的手段2024年度SMARTマネージャーの育成(マネージャーのマインドチェンジ)・講演会(心理的安全性、男性育休等)・SMARTマネージャー5箇条の制定 S:Sustainability 持続可能な M:Management マネジメント A:Achievement 成果 R:Relation 関係性 T:Time management ワークとライフの充実2025年度エンゲージメント調査を基にした職場/人事協働での職場改善・アクションプラン策定体験会マネージャー、メンバー、人事が一体となり職場改善(希望部署対象)2026~2028年度グループ・グローバルでのエンゲージメント向上活動支援・グローバルに情報発信2029年度「持続可能なエンゲージメント」スコアがグローバル製造業基準値以上を達成― これらの取組の結果、労働時間や休暇取得において一定の効果が出ています。 総労働時間については、活動を始めた2017年度と比較すると6%の低減を達成することができています。 さらに有給休暇の平均取得日数についても高い水準を維持しています。 一方で2023年度と比較すると、2024年度は生産現場において高稼働な状況が続いたことから総労働時間は横ばいとなりました。 (総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数) 年度区分20152016201720182019202020212022202320242025目標年間総労働時間2,1462,1422,1202,1002,0661,9342,0281,9641,9801,9821,966休暇取得日数12.513.113.514.215.413.415.216.016.415.817.5 また、管理職の労働実績にも効果が出ており、およそ80%の管理職の時間外労働がひと月当たり45時間以内に抑えられています。 さらに後述する「活き生き5Ver2.0」への移行によって、業務上の成果を出しながらもワークライフバランスを大切にできる姿を数値の推移としても示していきます。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> ・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html 2025年度からはVer2.0として更なるエンゲージメント向上に向けた取組を推進し、2029年度のありたい姿である「住友理工グループ全組織のエンゲージメントが高まり、従業員全員が活躍できる会社」を目指します。 (「活き生き5活動」のロードマップ)活動活き生き5活動Ver1.0(2017~2022年度)活き生き5活動Ver1.5(2023~2024年度) 残課題課題・2,000時間を超える長時間労働・長時間労働者の低減・エンゲージメント数値の見える化・高負荷者の是正 2024年度 延べ人数基幹職80時間/月超過22名組合員60時間/月超過432名・エンゲージメント向上・グローバル対応テーマ・働きやすい制度、環境整備・エンゲージメント向上に向けた風土、基盤整備施策・定時の日の制定・総労働時間の低減・柔軟な働き方を可能にする制度・経営会議で長時間労働者を報告・SMARTプロジェクト始動・エンゲージメント調査の導入 実績・総労働時間の低減達成2017年度 2,120時間/年 2022年度 1,964時間/年・在宅勤務制度・コアレスフレックスタイム制度・勤務間インターバル制度・基幹職80時間/月超過 2023年度103名 2024年度 22名・組合員3ヶ月200時間超適用者減 2023年度13名2024年度2名 (「活き生き5活動Ver.2.0」活動概要図)項目活動概要(2025年度)活き生きチャレンジ組織の組織改善活動支援 ~SMARTプロジェクト~・事業部支援強化 (事業担当人事、SMARTプロジェクト、職場改善)・表彰制度立ち上げ(エンゲージメント改善事例共有並びに表彰実施)活き生きタイム長時間労働の対策の継続 ~時間外労働上限65時間を60時間へ低減~・総労働時間の低減・総労働時間低減に向けたインセンティブ強化(生産性指標の活用)活き生きライフ健康経営 ~グループ産業保健の推進~・健康KPIの向上・健康経営による企業価値の向上(ホワイト500取得、健康経営風土の醸成)・グループ産業保健活動の推進・敷地内禁煙活き生きワーク働きやすい職場、制度整備 ~育児等と仕事の両立制度導入~・定年延長制度・魅力ある人事制度の構築・適正に評価される人事考課運用・育児、介護、治療と仕事の両立支援活き生きインフォ情報共有 ~GMMを活用したグローバル連携強化~・エンゲージメント向上の情報宣伝活動の強化・エンゲージメント向上事例をグローバルで共有 ○ 柔軟で強い製造現場づくり当社の製造現場で働く人材が、それぞれの想いやスキルを生かして活躍できるよう各製作所人事勤労部門が継続的に個別ケアを行っています。 また、採用チャンネルの多様化を進めることで複数の事業を展開する当社の生産現場を支える多様な人材の確保を実現しています。 さらに、配属後の能力開発やモチベーションの維持向上に向けての取組にも力を入れています。 分類施策例採用力強化(技能職) 外国人採用の強化・言語の壁を取り払うため、イヤホン型自動翻訳機を導入・海外関連会社から9名の技能実習生を受け入れ女性採用の強化・新卒採用における女性採用拡充(前年度11名に対して、22名採用)・技能系採用対象高校、女性社員配属職場拡充・職場での育成計画と多様なキャリアオプションの提示・スポーツ選手の事務職採用働きやすい職場、勤務形態・女性用トイレの増設・女性配属職場の勤務形態、人員配置体制の整備大卒採用の開始・大卒技能系社員の採用専門卒技能職の採用開始・特殊な技能を有する人材を専門学校から採用 2025年度入社に向けて専門学校生の採用プロセスを確立組織開発人材育成(職場単位) 監督者の育成・人事部と事業部の職制(部長、掛長)が協働して監督者育成を推進・次世代監督者候補生の教育プログラムの新設コミュニケーションの促進・製造現場における従業員発案のカフェを意識した休憩所設置・学歴や勤務地、職掌を問わない合同の入社式を計画組織風土の改善・高ストレス職場に向けてパルスサーベイを導入し、ストレスの推移や職場のモチベーションの管理に活用若年層の離職防止を狙い、新卒者や若手社員にも対象範囲を拡大 ③目標及び進捗状況重点領域主な指標実績(2023年度)実績(2024年度)目標(2025年度)住友事業精神幹部理念教育実施率(注)2500名 (87%)601名 (103%)100%(2021-2024年度累計)ダイバーシティ&インクルージョン 女性管理職比率()内は住友理工単体数値14.7%(7名 1.3%)14.7%(13名 2.3%)15%(2.5%)障がい者雇用率住友理工(特例子会社含む)2.70%2.77%2.80%国内グループ会社平均2.54%2.63%2.70%人材育成幹部研修受講数(注)331名61名100名(2023-2025年度累計)DX人材育成実績 コア人材2024年度育成開始 DX教育受講者2,333人(注)4200名データ分析人材700名エンゲージメント健康経営関連指標当社ホームページ特設サイト参照働きがい2024年度よりエンゲージメントサーベイを初実施(対象:5拠点)開始に伴い、「持続的なエンゲージメント」のスコアをKPIに設定2024年度における対象5拠点の当該項目スコアは63点 (注)1.特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。 2.現時点ではグループ向けの活動を展開中であることから2023年度、2024年度の実績については、住友理工単体の実績値を表示しております。 2024年度の実施率が100%を超えているのは、対象者への教育が一巡し2回目の受講者もいるためです。 3.経営幹部プログラム(Executive Management Program)、選抜型教育経営塾(Mirai Create Program)、若手人材育成プログラムなど幹部選抜研修の受講者数を集計しています。 4.2024年度はコア人材とデータ分析人材の分け隔てなく、広く教育機会を提供し、将来のDX人材候補者の発掘と育成に注力しました。 |
戦略 | ②戦略a. シナリオ分析当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。 シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。 (参考)参照した主なシナリオ 「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ) ・IEA,「World Energy Outlook 2024」: Net zero emissions by 2050 Scenario(NZE),Announced Pledges Scenario(APS)・Inevitable Policy Response,「Supply Chain Analysis (SCA)」・IPCC,「第6次評価報告書」: SSP1-1.9/SSP1-2.6「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ) ・WRI Aqueduct Water Risk Atlas 4.0 : SSP5-8.5・IPCC,「第6次評価報告書」: SSP3-7.0,SSP5-8.5 b. リスク・機会の特定、分析上記シナリオを前提に、下表のとおり当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。 特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価の上、各項目への対応の方向性を設定いたしました。 (移行リスクと機会)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性規制GHG規制カーボンプライシングの導入によるコスト増加中期中生産効率向上による製造コスト低減短~中期大●環境長期ビジョンに基づく着実なGHG排出削減・太陽光発電の導入等、再エネの積極活用・生産プロセスの改善や新設備の導入 による省エネ活動の推進・低排出な製法や設計の開発・設備投資検討への内部炭素価格活用●DXを活用したスマート工場・AIによる製品検査の自動化等、工程の 自動化・省人化・デジタル化による設計開発期間短縮及び エネルギー集計システム構築 排出量報告義務の強化による労力コスト増加短期中市場/技術原材料天然ゴム価格上昇によるコスト増加や供給減少による調達懸念短~長期大顧客の選好変化に対し、低環境負荷材料の積極活用を通じた競争力の強化短~長期中●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低 減・微生物を活用した廃棄物の再原料化によ る資源の循環利用推進●低環境負荷材料の活用拡大に向けたサプライヤーとの連携・バイオ由来材料や、リサイクル材料の適 用に向けた対話石油由来原材料の代替によるコスト増加中期中金属の需給逼迫や低炭素金属への代替による調達コスト増加中~長期中EVシフト内燃機関向け製品の需要減少や、機構の簡素化による部品使用量の減少短~長期大EV向け高性能製品の需要増加短~長期大●顧客要請や市場動向に合わせた適切な製品ポートフォリオの構築・転換期における内燃機関向け製品需要 の確実な取り込み・EV向け高性能製品の市場投入●海外自動車メーカーへの拡販に向けた体制整備・グローバルネットワークを活かし、現地 に合わせた開発・生産体制を構築・市場や技術動向への迅速な対応に向け た新規研究開発拠点の検討新興EVメーカーの台頭等に伴う、当社既存顧客の市場シェア低下による売上減少短~長期中当社技術力を背景とした、海外自動車メーカーへの拡販による当社市場シェアの拡大短~長期中 カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度機会顕在時期影響度対応の方向性 市場/技術新技術 対応次世代技術対応に伴う開発投資コスト増加中期大次世代技術を活用した脱炭素関連の新製品開発による競争力向上 脱炭素社会への移行に伴い成長が見込まれる市場への進出短~長期大●低環境負荷材料を利用した製品の生産技術確立・植物由来原料(バイオヒドリンゴム)を活 用した商品開発・EV向けの冷却ホース部品へのバイオマス 材料活用●EVニーズに対応した高性能な製品開発・モーターが発する高周波振動や騒音の抑 制に資する防振製品の開発・高度な熱管理や軽量化等、電費向上に資 する製品の開発・密閉性の高い水素ホース等、燃料電池車 向け製品の開発●自動車向け先端技術の他用途への拡大・クリーンエネルギー化に伴うインフラ刷 新需要に向けた開発・防振技術を活用した、インフラ補修や大 規模木造建築等への免制振製品拡販・熱マネジメント需要に対応した新商品の 用途展開評判ステークホルダー投資家や従業員等、ステークホルダーからの要請への対応コスト増加短~中期中気候変動対策が認められることによる資金調達コストの低下中期中●ステークホルダーとの信頼関係構築・多様なステークホルダーとの対話を踏ま えた気候変動対策の着実な進展・資金調達におけるサステナブルファイナ ンスの活用 (物理リスク)カテゴリ重要テーマリスク顕在時期影響度対応の方向性慢性気温上昇気温上昇による労務環境の悪化中~長期中●生産設備・工程の改善・熱源を使用する加硫工程の自動化等による暑熱環境 下での重筋作業の廃止降水の変化降水パターン変化に伴う天然ゴム供給の不安定化によるコスト増加・調達懸念中期大●資源の有効活用による材料調達の削減・不良品削減による材料ロス(廃棄)の低減・微生物を活用した廃棄物の再原料化による資源の循 環利用推進水ストレスの高い地域を中心とした水資源の需給逼迫による利用コストの増加中期中●水資源の保全・生産工程改善や排水のリサイクルによる水使用量の 削減・地域ごとの水リスクの定期的なモニタリング急性洪水等洪水の発生による操業停止や復旧費用コストの増加中~長期小●BCPの高度化・複数拠点間でのブリッジ生産体制の整備・高リスク拠点を中心とする海外拠点BCP対応強化台風等の災害に伴う輸送リスクの増加長期中 ※顕在時期 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、 長期:2050年※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、 大:売上300億円/費用50億円以上 (2029年度時点の想定。 移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。 ) c. 戦略のレジリエンス2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きが更に進むと考えました。 その際に顕現化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。 中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。 しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。 また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)・バッテリー冷却プレート」や、EVの心臓部である電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。 このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトも含めた社会変化に柔軟に対応することが可能と考えています。 また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行や、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。 なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕現化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。 当社グループは、このようなリスクも認識の上、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。 今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。 |
指標及び目標 | ④指標と目標当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し温室効果ガス削減目標を定め、燃料の燃焼などによるCO2の直接排出(Scope1)、購入した電力等の使用に伴う間接排出(Scope2)といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出などサプライチェーン全体で発生する間接排出 (Scope3)をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。 自社排出量削減については、再生可能エネルギーへの転換だけでなく生産エネルギー削減の両面からアプローチし、当社のコア技術であるモノづくりや材料、製品開発力をいかんなく発揮し気候変動の緩和と適応を進めています。 サプライチェーンについては、原材料や部品など購入や輸送、廃棄に関わるCO2の削減に向けた企画や実行も進めています。 a. 2025年住友理工グループ中期経営計画当社グループでは、2025年度を最終年度とする2025年住友理工グループ中期経営計画にてCO2の排出量の削減目標を設定しています。 2023年度温室効果ガス排出量 は2018年度に比べ26.6%削減しました。 項目目標年CO2排出削減 目標2023年度実績2025年住友理工グループ中期経営計画2025年度Scope1+2 -20% (2018年度比)-26.6% b. 2029年住友理工グループVision2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)においてもCO2排出削減目標を設定し、長期的な視点での取り組みを実施しております。 項目目標年CO2排出削減 目標2023年度実績2029年住友理工グループVision 2029年度Scope1+2 -30% (2018年度比)Scope3 -15% (2018年度比)-26.6%-2.8%2050年カーボンニュートラルの達成 2029年度の目標の内、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。 上記取組の推進により、Scope1+2削減の実績は既に2029年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成り行きでは排出量の増加が見込まれますが、取り組みの更なる進展により、目標達成を目指します。 また、当社グループではサプライチェーン全体でのCO2排出量のうちScope3が92.2%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術進化・新製品開発等を通じた排出量削減の取り組みを行っていきます。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2)人的資本①考え方事業環境の変化の激しい現代において、「社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」であり続けるためには、多様な視点をもって世界を俯瞰し、素材、設備、組織や多様な人材といった経営資源の力を引き出す人材、社会から必要とされるモノづくりとは何かを自律的に自問・探求し続ける人材が欠かせません。 こうした当社のパーパスを体現する人材を獲得し、成長させて、活躍させることが、当社の成長と企業価値の向上に繋がり、さらには「自然と都市と人の空間が繋がるグリーンで快適な社会」の実現に繋がると考えています。 当社グループの人的資本経営では、事業経営の基本思想である「住友事業精神」のもと、独自に定めた「人的資本向上の方程式」(図1参照)を人材戦略の中心に位置付け、多様性と自律性を備えた従業員が成長し意欲高く働くことができる会社を目指して活動を推進しております。 「人的資本向上の方程式」では、人材戦略を実現する4つの人材マテリアリティを核に方針を定め、その方針に沿った人事施策(図2参照)に取り組むことで2029Vの実現を目指しています。 直近では2025年に向けたKPI(2025P)を設定しており、人事部長を中心に定期的に取組状況をモニタリングする体制を取っています。 また、当社グループの人的資本経営の課題は「事業支援」と「グローバル連携」にあると認識しており、2029Vの実現に向けて加速度的に人事施策を推進していくために、「ネットワーキング」と「対話」の強化と拡充が必要であると考えています。 2024年度の取組では、事業部担当人事の検討やキャリア対話シートの導入、特定部門での社内公募トライアルといったキャリア開発支援に関する人事施策の実施等、事業部門と人事部門、上司と部下の対話を支援できる仕組みの構築を開始しており、経営戦略と人事戦略の連携強化について新たな歩みを進めております。 (図1:人的資本の考え方) (図2:方針及び施策) ②取組a. 住友事業精神当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。 事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業としての発展を目指します。 従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。 (住友事業精神に関する教育受講者累計人数)区分2021年度2022年度2023年度2024年度受講者数912名1,049名1,079名1,116名累計受講者数912名1,961名3,040名4,156名 2024年度は、住友事業精神の教育対象を海外に広げた年となりました。 海外展開を進めるに当たり「わかりやすさと自分事化」をテーマとした学習動画を新たに公開しました。 400年の時を越えて引き継がれてきた住友の教えをアニメーションで分かりやすくまとめ、従業員一人ひとりが自分事として捉えられるよう、当社の歴史の中で大きな転換期となった自動車用防振ゴムの開発エピソードと住友事業精神とを紐づけたストーリーとしています。 住友事業精神の学習動画は、GMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)での社長プレゼンテーションの中で国内外の幹部社員向けに初披露し、その後国内外全ての拠点が動画を視聴できる環境を整備しました。 幾つかの海外拠点ではこの動画を母国語に翻訳し、従業員教育に活用しています。 今後は、住友事業精神に触れた従業員の行動変容に繋がるプロモーションを実施していきます。 なお、2024年度のエンゲージメントサーベイでは、企業理念や事業戦略に関するスコアは66点で、日本の製造業基準値をやや下回りました。 今後は、日本の製造業平均スコアの73点以上を目指し、住友事業精神と従業員との様々な接点を創出していきます。 住友事業精神に触れることで、事業精神を知り、そして自ら実践し、最終的には事業精神に基づく行動が習慣化するという行動変容を促していきます。 (エンゲージメントサーベイについては30頁参照) b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土の醸成」を掲げ、「住友事業精神」のもと多様性と自律性を備えた従業員が意欲高く働き成長することができる環境づくりに取り組んできました。 従来は女性活躍を切り口として取組を進めてきましたが、多様性そのものへの理解が進んだ結果、職場からは「女性以外も含めた多様な人材を受け入れて活かすことができる環境づくり」を進める必要があるとの声が挙がってくるようになりました。 こうした機運の高まりを受けて、2025年度からは「Equity」(公正性)を織り込んだDE&Iとして活動を進化させてまいります。 ○ 女性活躍推進女性が安心して就業を継続し、キャリアアップを目指していけるよう、研修や制度整備等の取組を推進しています。 2024年度は新たにダイバーシティ講演会を開催し、国内グループ会社の従業員を含む500名以上が聴講しました。 また、スタッフ部門を中心に展開したEラーニングについても2,000名以上が受講するなど職場における理解が着実に進んでいます。 女性管理職候補が参加したキャリアアップ研修においては、受講生の上司も参加して受講生のキャリアを一緒に考えるプログラムや役員から受講生へのメンタリングを取り入れ、キャリア形成に対するアドバイスや動機付けを行うなど会社全体で育成に取り組んでおり、今後もこれを継続・強化してまいります。 女性管理職のロールモデルが稀少であるという課題については、「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を通じて性別を問わない管理職の働き方・マネジメントのロールモデルとなる「SMART(スマート)なマネージャー」の育成を推進し、女性のキャリアアップに対するモチベーションを高めるよう働きかけてまいります。 (「SMARTプロジェクト」の全体像については31頁参照) 分類施策例制度整備柔軟な働き方支援・事業所内託児所「コアラぽっけ」設立 [2009~]・在宅勤務制度導入 [育児介護対象2017~/制限撤廃(注)2020~]・短時間フレックス勤務制度導入[2017~]・フレックスコアタイム廃止 [2020~]・育児時短勤務の対象を小学校6年生まで延長 [2022~]キャリア継続支援・ジョブリターン制度導入[2017~]・配偶者帯同休職制度の導入 [2019~]意欲醸成相互研鑽・ネットワーキング支援・住友電工グループ女性社員ネットワーキング「SWING」フォーラム参画 [2017~]・社内メンター制度の導入 [2021~2022]自己研鑽・各種通信教育の補助・教育コンテンツの拡充 [IT基礎教育・Eラーニング導入等]環境改善・管理職長時間労働への対策推進(社長面談実施等)[2023~]風土醸成社内風土醸成職場理解推進・各種社内研修/外部講師セミナーの実施・仕事と介護の両立支援ガイドブック作成[2020~]・出産・育児支援制度の手引きを刷新[2022~]・女性活躍推進に特化した階層別教育を実施 [2023~]・職制向けアンコンシャスバイアス研修動画配信 [2023]・基幹職昇格試験の審査項目にD&I推進を追加 [2023~]・ダイバーシティ講演会の開催[2024] <新規>個別育成強化・女性管理職候補者向け研修開始 [2024~] <新規>・ダイバーシティEラーニングの実施[2024~] <新規> (注) 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の 新しいスタイル」に対応しました。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。 ○ 障がい者雇用の推進当社グループでは、受入れ職場との対話を通じて、障がいを持つ従業員の適性や障がいの種別(身体、知的、精神)・特性に応じた配置と職務の割り当てを行っています。 また、2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めた結果、10年を超える長期就業も実現しています。 しかしながら、職場における理解と定着には依然として課題があると認識しています。 そのため、これまで取り組んできたジョブコーチの配置等に加えて、2024年度は職制や管理監督者向けに「障がい者を正しく理解して共に働く、共に成長していく」という考え方の浸透を狙いとした講演会・勉強会の開催や障がい者雇用促進アンケートを実施しました。 また、併行して採用経路の新規開拓に加え、更なるPR強化を狙った採用WEBサイトの拡充に着手するなど採用強化にも取り組んできました。 さらに、事業所間における障がい者向け業務の更なる創出に向けた事例等の共有やDXを活用した業務支援の取組など、全社を挙げて活動を推進しています。 今後も2029Vで設定した国内グループ全体含む目標雇用率(2025年度2.70%、2029年度3.00%)の達成を目指し、引き続き取組を進めていきます。 (障がい者雇用率の推移と今後の目標)厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値分類実績目標2022年度2023年度2024年度2025年度2029年度住友理工(特例子会社含む)2.65%2.70%2.77%2.80%3.00%国内グループ会社平均2.54%2.54%2.63%2.70%3.00%法定雇用率2.30%2.30%2.30%2.50%2.70% 分類施策例基盤づくり・特例子会社「住理工ジョイフル」設立[2013~]・「障がい者雇用推進会議」発足(部門連係強化)[2018]・「障がい者雇用推進プロジェクト」開始(グループ会社を含めた活動の実施、支援)[2023~]・「障がい者雇用促進講演会」開催[2024] <新規>・「障がい者雇用促進アンケート」の実施と分析[2024] <新規> 採用強化・採用経路の開拓(大卒インターンシップ、コーポレート部門採用)[2020~] 通勤可能エリアの新規学校開拓、就労支援事業所からのキャリア採用[2024~] <新規>・グループ会社への障がい者採用活動支援[2022~]・採用WEBサイトにおける障がい者雇用のPR強化[2024~] <新規>定着推進・障がい者受入部門の支援体制強化(ジョブコーチや労務担当がサポート)[2020~]・現場の管理監督者向けの障がい者受入に関する勉強会開催[2024~] <新規>職域拡大・特例子会社「住理工ジョイフル」から当社への出向受け入れの拡大[2019~]・小牧本社・製作所における各部門からの業務切り出し及び支援体制の構築 [2019~] ○ グローバル人材の活躍促進当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。 多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。 当社では、グローバル人材の活躍を象徴するイベントとしてGMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)を毎年開催しています。 2024年度は7月に愛知県名古屋市で実施しました。 海外拠点長やローカル幹部従業員ら104名(前年度比20名増加)が来日し、対話や交流を行いました。 2024年度のテーマは「2029Vの達成に向けた取組の共有」で、海外拠点からは自社の方針や戦略、具体的な活動計画が発表されました。 また、初の試みとして当社の事業の重要テーマである「環境」「人事」「品質」の3つをテーマに分科会を実施。 各分野の担当者にてカーボンニュートラルや、エンゲージメント向上、新規品立ち上げや量産品の品質管理などについて活発な議論がなされました。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> ・ダイバーシティ&インクルージョン https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html c. 人材育成 当社グループでは「人材育成にまさる事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。 その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。 ○ 住友理工の教育体系「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育を実施しています。 2024年度は、2022年から行ってきた教育体系の見直しと最適化、また、次世代教育環境整備に向けた現状分析と洗い出された課題に対する教育機会の提供に注力しました。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>・人材育成https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html 2024年度は、役員と一部基幹職昇格者全33名を対象に当社初めてとなる360度評価を実施しました。 また、2023年から基幹職社員を対象にしたビジネススキルアセスメントを定期的に実施しており、これまでに150名が受検しました。 これらの調査結果からは、当社は中でも「コミュニケーション」、特に組織や役割を越えた相互理解に課題があることが明らかになりました。 そこで2024年度は「つながり」をコンセプトとした各種教育プログラムを実施しました。 11年にわたり実施している選抜型教育経営塾(MCP)の過去の参加者を対象に「経営塾アルムナイ」イベントを実施し、参加者は経営塾卒業生の横の繋がり醸成及び強化を狙ったコミュニケーション主体の教育プログラムを受講しました。 また2023年度の基幹職昇格者研修参加者を対象としたフィードバック会を実施しました。 昇格者研修受講時に宣言した今後の行動変化について改めて振り返り、行動ができているか、出来ない理由は何かを仲間と共有しました。 フィードバック会には社長も参加し、会社方針と各自の活動の紐づきを確認しながら自身の行動変化につなげるためのディスカッションを行いました。 他にも海外赴任予定者を対象に、海外駐在経験の豊富なアドバイザーを招き、少人数かつ対面での質疑応答主体の講義や、国内グループ会社と教育をテーマとしたワークショップを実施するなど、新たな「つながり」の醸成によってコミュニケーションを活発化するための教育施策を実施しました。 さらに、2025年度以降は、仕事における人間関係を円滑にするための手法を学ぶコミュニケーション研修や、今日的なリーダーのあり方を学ぶリーダーシップ研修、キャリア構築に向けたキャリアアップ研修の実施など、グループ全社を対象とした教育機会の拡充を展開していきます。 これらの施策を通じて、組織や立場の枠を越えたコミュニケーションの創出及び活性化を促進し、新たな価値を共に作り上げていく「価値協創」が実現できる環境づくりへの貢献を目指します。 ○ DX人材の育成 DXを牽引する人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けています。 2024年度はDX人材への教育機会の提供に注力しました。 DX人材教育のコンセプトは「可視化とサイクル」です。 まずDX人材に対してはDXアセスメントを実施。 各自が強み・弱みを理解した上で、自身のDXにおけるキャリアを明確に描くことのできる環境を用意しました。 そして、強みの伸長や弱みの克服ができる教育コンテンツを準備し、対象者が自律的に学習し成長できる学習環境を整備しました。 一方で自律的な学習や得られた知識を生かした実践による成果創出は簡単ではありません。 そこで、学習に関する相談が気軽にできる社内SNSの構築や、年に2回の成果発表会、イントラサイトを活用した成功事例の社内共有などの支援体制も拡充しました。 結果、指名形式ではなく立候補形式でありながら693名がアセスメントを受検し、内337名がアセスメント結果に基づくデジタル分野を中心とした教育を受講しています。 また、DXの取組をけん引する基幹職に対してはITパスポート取得支援活動も行い、約50名がITパスポートを取得しました。 他にもデジタル技術に関する教育動画の拡充を継続して実施しており、DX能力の底上げを組織全体で行える環境づくりにも取り組んでいます。 これまでは自発的にDX人材への成長を望む従業員に対してのサービス提供が主でした。 2025年度は事業をけん引する従業員に対してもアプローチを行い、DXを全社一丸となって推進することのできる人材づくり・環境づくりを進めることでDXによる2029Vの実現に寄与していきます。 d. エンゲージメント当社グループでは、2024年度に初めてグローバルエンゲージメントサーベイを実施しました。 今年度は住友理工と米州2拠点、欧州1拠点、アジア1拠点の計5拠点で調査を行いました。 当社では総合指標となる「持続可能なエンゲージメント」の項目をKPIとして設定していますが、同項目のスコアは「63」と日本基準値よりもやや低い結果となりました。 また、当社が事業運営の基本としている「安全」の項目で強みといえる高いスコアが確認できた一方で、リーダーシップのスコアが日本基準値を最も下回り、課題のある項目であることがわかりました。 特に総合職や技能職ら現場社員のスコアが低い傾向が見られました。 この問題に対しては、各部門において分析と改善のためのアクションプランの策定と実行を推進することや、後述するSMARTプロジェクト(31頁参照)によりエンゲージメントと心理的安全性向上のキーパーソンであるリーダー層への継続的なアプローチによる改善に取り組んでいます。 アクションプランの策定については、高い課題認識と改善意欲を有する20を超える部署が人事部門による支援プログラムへの参画を表明しており、2025年度にかけて改善に取り組みます。 エンゲージメントの高い組織の実現のために、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりとそれらをけん引できる人材の育成を積極的に推進していきます。 ○ ビジョン浸透の取組2023年度には、2029V策定メンバーによるGMMでの直接説明や、同メンバーが拠点を訪問し、説明と対話によるビジョン浸透の取組を進めました。 2024年2月に第1回サステナビリティアンケートを国内外で実施したところ、国内は79%、海外は86%が「2029Vを聞いたことがある」と回答し、Face to Faceによる対話の効果が見られました。 一方で国内においては技能職の認知度が46%と低調な点や、海外では「自部門の2029V」の理解が67%と低い点が課題です。 この課題の解決に向けて2024年度は、社長ブログを通じて2029Vを繰り返し訴求したり、昇格者研修や当社独自の教育コンテンツ「Foreman研修(F研修)」の中で、技能職に対して直接2029Vの説明をしたりするなど、理解度向上に努めました。 今後も対話や講義などビジョンに触れる機会を継続して創出することで、従業員一人ひとりがビジョンを自分事化し、さらにそれぞれが自律的に判断・行動していく中で未来の目指す姿を具現化していくことのできる企業風土の実現に取り組んでいきます。 ○ 健康経営当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。 従業員の健康を重要な経営資源と捉え、「従業員や家族の健康増進活動への支援」「メンタルヘルス対策」「生活習慣病対策」の3点を重点対策に掲げ、各種研修(全19項目)の展開や健康経営イベントを定期的に開催する等、健康経営の考え方に基づいた各種健康増進に取り組んでいます。 健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。 当社グループ従業員のプレゼンティーズム(注)1やアブセンティーズム(注)2を改善するため、国内グループ各社の産業保健窓口とも健康経営方針や健康KPIを共有し、メンタル不調対応における共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取組を強化しています。 また、従業員の健康被害の防止並びに健康経営推進の観点より、2026年4月からの敷地内全面禁煙を決定し、段階的な禁煙を進めています。 これに合わせ、住友理工健康保険組合と連携し、喫煙者に向けた禁煙サポート活動を強化しています。 二つ目は「従業員の生産性とエンゲージメントの向上」です。 定期的に経営レベルで活動をモニタリングしながら会社全体でPDCAサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。 また、毎年4月のストレスチェックで測定する「活き生き度(注)3」改善に向けて、各職場で課題の特定、要因分析から対策を進めており、特定部門には深掘アンケート、個人面談など人事勤労部門と連携してサポートを行っています。 2024年度全社平均で、活き生き度を4pt、ワークエンゲージメントを0.06pt向上させることができました。 さらに、国内グループ会社へ目標や改善手法を共有し、意見交換を始めています。 今後もグループ一体となって、健康で活き生きした職場づくりに取り組んでいきます。 また、2024年8月には健康投資の一環として健康支援センターの改修を実施しました。 従業員に開かれた健康空間として従業員のエンゲージメント向上に活用していきます。 さらに、健康増進に取り組む従業員への積極的な支援と、組織的な活動施策の推進により、住友理工は9年連続で健康経営優良法人の認定を受けており、2024年度はホワイト500にも選定されました。 今後も、従業員とその家族が健康で活き生きと活躍し、当社グループの発展に繋がる取組として健康経営を推進していきます。 (注)1 プレゼンティーズム:疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態 2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態 3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>・健康経営https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/ ○ 働き方改革当社では、働き方改革の一環として従業員が「活き生き」と働くことが組織の活性化、ひいては業績の向上につながるという考え方のもと、「活き生き5活動」を実施しています。 「活き生き5活動」とは、当社の働き方改革の具体的な施策として2017年4月にスタートした取組であり、「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語となります。 2017年度から2022年度はVer1.0として総労働時間の低減や働きやすい制度の導入(コアレスフレックスや在宅勤務等)に取り組み、2023年度から2024年度にはVer.1.5として働きがいの向上も含めた活動を行ってきました。 2024年度においては、勤務管理システムの改善による労働時間の可視化や前述の健康経営ホワイト500取得などを実現してきました。 また、Ver1.5のもう一つの目的である働きがいの向上に向けてエンゲージメントサーベイや「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を開始しました。 「SMARTプロジェクト」では、①中堅社員だけでなく若手社員からも目指したいと思われるような管理職の姿の追求、②過去の経験や観念にとらわれず、社会の価値観の変化に順応できる管理職への成長を実現するための取組を推進しています。 2024年度は、管理職層を中心に心理的安全性の重要性や育児と仕事、介護と仕事に関する講演会など計9回のイベントを開催し、延べ2,200名以上が参加しました。 2025年度からは対象を組織全体に拡大し、活動を推進していきます。 (「SMARTプロジェクト」活動概要図)年度目的手段2024年度SMARTマネージャーの育成(マネージャーのマインドチェンジ)・講演会(心理的安全性、男性育休等)・SMARTマネージャー5箇条の制定 S:Sustainability 持続可能な M:Management マネジメント A:Achievement 成果 R:Relation 関係性 T:Time management ワークとライフの充実2025年度エンゲージメント調査を基にした職場/人事協働での職場改善・アクションプラン策定体験会マネージャー、メンバー、人事が一体となり職場改善(希望部署対象)2026~2028年度グループ・グローバルでのエンゲージメント向上活動支援・グローバルに情報発信2029年度「持続可能なエンゲージメント」スコアがグローバル製造業基準値以上を達成― これらの取組の結果、労働時間や休暇取得において一定の効果が出ています。 総労働時間については、活動を始めた2017年度と比較すると6%の低減を達成することができています。 さらに有給休暇の平均取得日数についても高い水準を維持しています。 一方で2023年度と比較すると、2024年度は生産現場において高稼働な状況が続いたことから総労働時間は横ばいとなりました。 (総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数) 年度区分20152016201720182019202020212022202320242025目標年間総労働時間2,1462,1422,1202,1002,0661,9342,0281,9641,9801,9821,966休暇取得日数12.513.113.514.215.413.415.216.016.415.817.5 また、管理職の労働実績にも効果が出ており、およそ80%の管理職の時間外労働がひと月当たり45時間以内に抑えられています。 さらに後述する「活き生き5Ver2.0」への移行によって、業務上の成果を出しながらもワークライフバランスを大切にできる姿を数値の推移としても示していきます。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> ・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html 2025年度からはVer2.0として更なるエンゲージメント向上に向けた取組を推進し、2029年度のありたい姿である「住友理工グループ全組織のエンゲージメントが高まり、従業員全員が活躍できる会社」を目指します。 (「活き生き5活動」のロードマップ)活動活き生き5活動Ver1.0(2017~2022年度)活き生き5活動Ver1.5(2023~2024年度) 残課題課題・2,000時間を超える長時間労働・長時間労働者の低減・エンゲージメント数値の見える化・高負荷者の是正 2024年度 延べ人数基幹職80時間/月超過22名組合員60時間/月超過432名・エンゲージメント向上・グローバル対応テーマ・働きやすい制度、環境整備・エンゲージメント向上に向けた風土、基盤整備施策・定時の日の制定・総労働時間の低減・柔軟な働き方を可能にする制度・経営会議で長時間労働者を報告・SMARTプロジェクト始動・エンゲージメント調査の導入 実績・総労働時間の低減達成2017年度 2,120時間/年 2022年度 1,964時間/年・在宅勤務制度・コアレスフレックスタイム制度・勤務間インターバル制度・基幹職80時間/月超過 2023年度103名 2024年度 22名・組合員3ヶ月200時間超適用者減 2023年度13名2024年度2名 (「活き生き5活動Ver.2.0」活動概要図)項目活動概要(2025年度)活き生きチャレンジ組織の組織改善活動支援 ~SMARTプロジェクト~・事業部支援強化 (事業担当人事、SMARTプロジェクト、職場改善)・表彰制度立ち上げ(エンゲージメント改善事例共有並びに表彰実施)活き生きタイム長時間労働の対策の継続 ~時間外労働上限65時間を60時間へ低減~・総労働時間の低減・総労働時間低減に向けたインセンティブ強化(生産性指標の活用)活き生きライフ健康経営 ~グループ産業保健の推進~・健康KPIの向上・健康経営による企業価値の向上(ホワイト500取得、健康経営風土の醸成)・グループ産業保健活動の推進・敷地内禁煙活き生きワーク働きやすい職場、制度整備 ~育児等と仕事の両立制度導入~・定年延長制度・魅力ある人事制度の構築・適正に評価される人事考課運用・育児、介護、治療と仕事の両立支援活き生きインフォ情報共有 ~GMMを活用したグローバル連携強化~・エンゲージメント向上の情報宣伝活動の強化・エンゲージメント向上事例をグローバルで共有 ○ 柔軟で強い製造現場づくり当社の製造現場で働く人材が、それぞれの想いやスキルを生かして活躍できるよう各製作所人事勤労部門が継続的に個別ケアを行っています。 また、採用チャンネルの多様化を進めることで複数の事業を展開する当社の生産現場を支える多様な人材の確保を実現しています。 さらに、配属後の能力開発やモチベーションの維持向上に向けての取組にも力を入れています。 分類施策例採用力強化(技能職) 外国人採用の強化・言語の壁を取り払うため、イヤホン型自動翻訳機を導入・海外関連会社から9名の技能実習生を受け入れ女性採用の強化・新卒採用における女性採用拡充(前年度11名に対して、22名採用)・技能系採用対象高校、女性社員配属職場拡充・職場での育成計画と多様なキャリアオプションの提示・スポーツ選手の事務職採用働きやすい職場、勤務形態・女性用トイレの増設・女性配属職場の勤務形態、人員配置体制の整備大卒採用の開始・大卒技能系社員の採用専門卒技能職の採用開始・特殊な技能を有する人材を専門学校から採用 2025年度入社に向けて専門学校生の採用プロセスを確立組織開発人材育成(職場単位) 監督者の育成・人事部と事業部の職制(部長、掛長)が協働して監督者育成を推進・次世代監督者候補生の教育プログラムの新設コミュニケーションの促進・製造現場における従業員発案のカフェを意識した休憩所設置・学歴や勤務地、職掌を問わない合同の入社式を計画組織風土の改善・高ストレス職場に向けてパルスサーベイを導入し、ストレスの推移や職場のモチベーションの管理に活用若年層の離職防止を狙い、新卒者や若手社員にも対象範囲を拡大 ③目標及び進捗状況重点領域主な指標実績(2023年度)実績(2024年度)目標(2025年度)住友事業精神幹部理念教育実施率(注)2500名 (87%)601名 (103%)100%(2021-2024年度累計)ダイバーシティ&インクルージョン 女性管理職比率()内は住友理工単体数値14.7%(7名 1.3%)14.7%(13名 2.3%)15%(2.5%)障がい者雇用率住友理工(特例子会社含む)2.70%2.77%2.80%国内グループ会社平均2.54%2.63%2.70%人材育成幹部研修受講数(注)331名61名100名(2023-2025年度累計)DX人材育成実績 コア人材2024年度育成開始 DX教育受講者2,333人(注)4200名データ分析人材700名エンゲージメント健康経営関連指標当社ホームページ特設サイト参照働きがい2024年度よりエンゲージメントサーベイを初実施(対象:5拠点)開始に伴い、「持続的なエンゲージメント」のスコアをKPIに設定2024年度における対象5拠点の当該項目スコアは63点 (注)1.特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。 2.現時点ではグループ向けの活動を展開中であることから2023年度、2024年度の実績については、住友理工単体の実績値を表示しております。 2024年度の実施率が100%を超えているのは、対象者への教育が一巡し2回目の受講者もいるためです。 3.経営幹部プログラム(Executive Management Program)、選抜型教育経営塾(Mirai Create Program)、若手人材育成プログラムなど幹部選抜研修の受講者数を集計しています。 4.2024年度はコア人材とデータ分析人材の分け隔てなく、広く教育機会を提供し、将来のDX人材候補者の発掘と育成に注力しました。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (2)人的資本①考え方事業環境の変化の激しい現代において、「社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」であり続けるためには、多様な視点をもって世界を俯瞰し、素材、設備、組織や多様な人材といった経営資源の力を引き出す人材、社会から必要とされるモノづくりとは何かを自律的に自問・探求し続ける人材が欠かせません。 こうした当社のパーパスを体現する人材を獲得し、成長させて、活躍させることが、当社の成長と企業価値の向上に繋がり、さらには「自然と都市と人の空間が繋がるグリーンで快適な社会」の実現に繋がると考えています。 当社グループの人的資本経営では、事業経営の基本思想である「住友事業精神」のもと、独自に定めた「人的資本向上の方程式」(図1参照)を人材戦略の中心に位置付け、多様性と自律性を備えた従業員が成長し意欲高く働くことができる会社を目指して活動を推進しております。 「人的資本向上の方程式」では、人材戦略を実現する4つの人材マテリアリティを核に方針を定め、その方針に沿った人事施策(図2参照)に取り組むことで2029Vの実現を目指しています。 直近では2025年に向けたKPI(2025P)を設定しており、人事部長を中心に定期的に取組状況をモニタリングする体制を取っています。 また、当社グループの人的資本経営の課題は「事業支援」と「グローバル連携」にあると認識しており、2029Vの実現に向けて加速度的に人事施策を推進していくために、「ネットワーキング」と「対話」の強化と拡充が必要であると考えています。 2024年度の取組では、事業部担当人事の検討やキャリア対話シートの導入、特定部門での社内公募トライアルといったキャリア開発支援に関する人事施策の実施等、事業部門と人事部門、上司と部下の対話を支援できる仕組みの構築を開始しており、経営戦略と人事戦略の連携強化について新たな歩みを進めております。 (図1:人的資本の考え方) (図2:方針及び施策) ②取組a. 住友事業精神当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。 事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業としての発展を目指します。 従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。 (住友事業精神に関する教育受講者累計人数)区分2021年度2022年度2023年度2024年度受講者数912名1,049名1,079名1,116名累計受講者数912名1,961名3,040名4,156名 2024年度は、住友事業精神の教育対象を海外に広げた年となりました。 海外展開を進めるに当たり「わかりやすさと自分事化」をテーマとした学習動画を新たに公開しました。 400年の時を越えて引き継がれてきた住友の教えをアニメーションで分かりやすくまとめ、従業員一人ひとりが自分事として捉えられるよう、当社の歴史の中で大きな転換期となった自動車用防振ゴムの開発エピソードと住友事業精神とを紐づけたストーリーとしています。 住友事業精神の学習動画は、GMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)での社長プレゼンテーションの中で国内外の幹部社員向けに初披露し、その後国内外全ての拠点が動画を視聴できる環境を整備しました。 幾つかの海外拠点ではこの動画を母国語に翻訳し、従業員教育に活用しています。 今後は、住友事業精神に触れた従業員の行動変容に繋がるプロモーションを実施していきます。 なお、2024年度のエンゲージメントサーベイでは、企業理念や事業戦略に関するスコアは66点で、日本の製造業基準値をやや下回りました。 今後は、日本の製造業平均スコアの73点以上を目指し、住友事業精神と従業員との様々な接点を創出していきます。 住友事業精神に触れることで、事業精神を知り、そして自ら実践し、最終的には事業精神に基づく行動が習慣化するという行動変容を促していきます。 (エンゲージメントサーベイについては30頁参照) b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土の醸成」を掲げ、「住友事業精神」のもと多様性と自律性を備えた従業員が意欲高く働き成長することができる環境づくりに取り組んできました。 従来は女性活躍を切り口として取組を進めてきましたが、多様性そのものへの理解が進んだ結果、職場からは「女性以外も含めた多様な人材を受け入れて活かすことができる環境づくり」を進める必要があるとの声が挙がってくるようになりました。 こうした機運の高まりを受けて、2025年度からは「Equity」(公正性)を織り込んだDE&Iとして活動を進化させてまいります。 ○ 女性活躍推進女性が安心して就業を継続し、キャリアアップを目指していけるよう、研修や制度整備等の取組を推進しています。 2024年度は新たにダイバーシティ講演会を開催し、国内グループ会社の従業員を含む500名以上が聴講しました。 また、スタッフ部門を中心に展開したEラーニングについても2,000名以上が受講するなど職場における理解が着実に進んでいます。 女性管理職候補が参加したキャリアアップ研修においては、受講生の上司も参加して受講生のキャリアを一緒に考えるプログラムや役員から受講生へのメンタリングを取り入れ、キャリア形成に対するアドバイスや動機付けを行うなど会社全体で育成に取り組んでおり、今後もこれを継続・強化してまいります。 女性管理職のロールモデルが稀少であるという課題については、「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を通じて性別を問わない管理職の働き方・マネジメントのロールモデルとなる「SMART(スマート)なマネージャー」の育成を推進し、女性のキャリアアップに対するモチベーションを高めるよう働きかけてまいります。 (「SMARTプロジェクト」の全体像については31頁参照) 分類施策例制度整備柔軟な働き方支援・事業所内託児所「コアラぽっけ」設立 [2009~]・在宅勤務制度導入 [育児介護対象2017~/制限撤廃(注)2020~]・短時間フレックス勤務制度導入[2017~]・フレックスコアタイム廃止 [2020~]・育児時短勤務の対象を小学校6年生まで延長 [2022~]キャリア継続支援・ジョブリターン制度導入[2017~]・配偶者帯同休職制度の導入 [2019~]意欲醸成相互研鑽・ネットワーキング支援・住友電工グループ女性社員ネットワーキング「SWING」フォーラム参画 [2017~]・社内メンター制度の導入 [2021~2022]自己研鑽・各種通信教育の補助・教育コンテンツの拡充 [IT基礎教育・Eラーニング導入等]環境改善・管理職長時間労働への対策推進(社長面談実施等)[2023~]風土醸成社内風土醸成職場理解推進・各種社内研修/外部講師セミナーの実施・仕事と介護の両立支援ガイドブック作成[2020~]・出産・育児支援制度の手引きを刷新[2022~]・女性活躍推進に特化した階層別教育を実施 [2023~]・職制向けアンコンシャスバイアス研修動画配信 [2023]・基幹職昇格試験の審査項目にD&I推進を追加 [2023~]・ダイバーシティ講演会の開催[2024] <新規>個別育成強化・女性管理職候補者向け研修開始 [2024~] <新規>・ダイバーシティEラーニングの実施[2024~] <新規> (注) 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の 新しいスタイル」に対応しました。 「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。 ○ 障がい者雇用の推進当社グループでは、受入れ職場との対話を通じて、障がいを持つ従業員の適性や障がいの種別(身体、知的、精神)・特性に応じた配置と職務の割り当てを行っています。 また、2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めた結果、10年を超える長期就業も実現しています。 しかしながら、職場における理解と定着には依然として課題があると認識しています。 そのため、これまで取り組んできたジョブコーチの配置等に加えて、2024年度は職制や管理監督者向けに「障がい者を正しく理解して共に働く、共に成長していく」という考え方の浸透を狙いとした講演会・勉強会の開催や障がい者雇用促進アンケートを実施しました。 また、併行して採用経路の新規開拓に加え、更なるPR強化を狙った採用WEBサイトの拡充に着手するなど採用強化にも取り組んできました。 さらに、事業所間における障がい者向け業務の更なる創出に向けた事例等の共有やDXを活用した業務支援の取組など、全社を挙げて活動を推進しています。 今後も2029Vで設定した国内グループ全体含む目標雇用率(2025年度2.70%、2029年度3.00%)の達成を目指し、引き続き取組を進めていきます。 (障がい者雇用率の推移と今後の目標)厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値分類実績目標2022年度2023年度2024年度2025年度2029年度住友理工(特例子会社含む)2.65%2.70%2.77%2.80%3.00%国内グループ会社平均2.54%2.54%2.63%2.70%3.00%法定雇用率2.30%2.30%2.30%2.50%2.70% 分類施策例基盤づくり・特例子会社「住理工ジョイフル」設立[2013~]・「障がい者雇用推進会議」発足(部門連係強化)[2018]・「障がい者雇用推進プロジェクト」開始(グループ会社を含めた活動の実施、支援)[2023~]・「障がい者雇用促進講演会」開催[2024] <新規>・「障がい者雇用促進アンケート」の実施と分析[2024] <新規> 採用強化・採用経路の開拓(大卒インターンシップ、コーポレート部門採用)[2020~] 通勤可能エリアの新規学校開拓、就労支援事業所からのキャリア採用[2024~] <新規>・グループ会社への障がい者採用活動支援[2022~]・採用WEBサイトにおける障がい者雇用のPR強化[2024~] <新規>定着推進・障がい者受入部門の支援体制強化(ジョブコーチや労務担当がサポート)[2020~]・現場の管理監督者向けの障がい者受入に関する勉強会開催[2024~] <新規>職域拡大・特例子会社「住理工ジョイフル」から当社への出向受け入れの拡大[2019~]・小牧本社・製作所における各部門からの業務切り出し及び支援体制の構築 [2019~] ○ グローバル人材の活躍促進当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。 多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。 当社では、グローバル人材の活躍を象徴するイベントとしてGMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)を毎年開催しています。 2024年度は7月に愛知県名古屋市で実施しました。 海外拠点長やローカル幹部従業員ら104名(前年度比20名増加)が来日し、対話や交流を行いました。 2024年度のテーマは「2029Vの達成に向けた取組の共有」で、海外拠点からは自社の方針や戦略、具体的な活動計画が発表されました。 また、初の試みとして当社の事業の重要テーマである「環境」「人事」「品質」の3つをテーマに分科会を実施。 各分野の担当者にてカーボンニュートラルや、エンゲージメント向上、新規品立ち上げや量産品の品質管理などについて活発な議論がなされました。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> ・ダイバーシティ&インクルージョン https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html c. 人材育成 当社グループでは「人材育成にまさる事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。 その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。 ○ 住友理工の教育体系「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育を実施しています。 2024年度は、2022年から行ってきた教育体系の見直しと最適化、また、次世代教育環境整備に向けた現状分析と洗い出された課題に対する教育機会の提供に注力しました。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>・人材育成https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html 2024年度は、役員と一部基幹職昇格者全33名を対象に当社初めてとなる360度評価を実施しました。 また、2023年から基幹職社員を対象にしたビジネススキルアセスメントを定期的に実施しており、これまでに150名が受検しました。 これらの調査結果からは、当社は中でも「コミュニケーション」、特に組織や役割を越えた相互理解に課題があることが明らかになりました。 そこで2024年度は「つながり」をコンセプトとした各種教育プログラムを実施しました。 11年にわたり実施している選抜型教育経営塾(MCP)の過去の参加者を対象に「経営塾アルムナイ」イベントを実施し、参加者は経営塾卒業生の横の繋がり醸成及び強化を狙ったコミュニケーション主体の教育プログラムを受講しました。 また2023年度の基幹職昇格者研修参加者を対象としたフィードバック会を実施しました。 昇格者研修受講時に宣言した今後の行動変化について改めて振り返り、行動ができているか、出来ない理由は何かを仲間と共有しました。 フィードバック会には社長も参加し、会社方針と各自の活動の紐づきを確認しながら自身の行動変化につなげるためのディスカッションを行いました。 他にも海外赴任予定者を対象に、海外駐在経験の豊富なアドバイザーを招き、少人数かつ対面での質疑応答主体の講義や、国内グループ会社と教育をテーマとしたワークショップを実施するなど、新たな「つながり」の醸成によってコミュニケーションを活発化するための教育施策を実施しました。 さらに、2025年度以降は、仕事における人間関係を円滑にするための手法を学ぶコミュニケーション研修や、今日的なリーダーのあり方を学ぶリーダーシップ研修、キャリア構築に向けたキャリアアップ研修の実施など、グループ全社を対象とした教育機会の拡充を展開していきます。 これらの施策を通じて、組織や立場の枠を越えたコミュニケーションの創出及び活性化を促進し、新たな価値を共に作り上げていく「価値協創」が実現できる環境づくりへの貢献を目指します。 ○ DX人材の育成 DXを牽引する人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けています。 2024年度はDX人材への教育機会の提供に注力しました。 DX人材教育のコンセプトは「可視化とサイクル」です。 まずDX人材に対してはDXアセスメントを実施。 各自が強み・弱みを理解した上で、自身のDXにおけるキャリアを明確に描くことのできる環境を用意しました。 そして、強みの伸長や弱みの克服ができる教育コンテンツを準備し、対象者が自律的に学習し成長できる学習環境を整備しました。 一方で自律的な学習や得られた知識を生かした実践による成果創出は簡単ではありません。 そこで、学習に関する相談が気軽にできる社内SNSの構築や、年に2回の成果発表会、イントラサイトを活用した成功事例の社内共有などの支援体制も拡充しました。 結果、指名形式ではなく立候補形式でありながら693名がアセスメントを受検し、内337名がアセスメント結果に基づくデジタル分野を中心とした教育を受講しています。 また、DXの取組をけん引する基幹職に対してはITパスポート取得支援活動も行い、約50名がITパスポートを取得しました。 他にもデジタル技術に関する教育動画の拡充を継続して実施しており、DX能力の底上げを組織全体で行える環境づくりにも取り組んでいます。 これまでは自発的にDX人材への成長を望む従業員に対してのサービス提供が主でした。 2025年度は事業をけん引する従業員に対してもアプローチを行い、DXを全社一丸となって推進することのできる人材づくり・環境づくりを進めることでDXによる2029Vの実現に寄与していきます。 d. エンゲージメント当社グループでは、2024年度に初めてグローバルエンゲージメントサーベイを実施しました。 今年度は住友理工と米州2拠点、欧州1拠点、アジア1拠点の計5拠点で調査を行いました。 当社では総合指標となる「持続可能なエンゲージメント」の項目をKPIとして設定していますが、同項目のスコアは「63」と日本基準値よりもやや低い結果となりました。 また、当社が事業運営の基本としている「安全」の項目で強みといえる高いスコアが確認できた一方で、リーダーシップのスコアが日本基準値を最も下回り、課題のある項目であることがわかりました。 特に総合職や技能職ら現場社員のスコアが低い傾向が見られました。 この問題に対しては、各部門において分析と改善のためのアクションプランの策定と実行を推進することや、後述するSMARTプロジェクト(31頁参照)によりエンゲージメントと心理的安全性向上のキーパーソンであるリーダー層への継続的なアプローチによる改善に取り組んでいます。 アクションプランの策定については、高い課題認識と改善意欲を有する20を超える部署が人事部門による支援プログラムへの参画を表明しており、2025年度にかけて改善に取り組みます。 エンゲージメントの高い組織の実現のために、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりとそれらをけん引できる人材の育成を積極的に推進していきます。 ○ ビジョン浸透の取組2023年度には、2029V策定メンバーによるGMMでの直接説明や、同メンバーが拠点を訪問し、説明と対話によるビジョン浸透の取組を進めました。 2024年2月に第1回サステナビリティアンケートを国内外で実施したところ、国内は79%、海外は86%が「2029Vを聞いたことがある」と回答し、Face to Faceによる対話の効果が見られました。 一方で国内においては技能職の認知度が46%と低調な点や、海外では「自部門の2029V」の理解が67%と低い点が課題です。 この課題の解決に向けて2024年度は、社長ブログを通じて2029Vを繰り返し訴求したり、昇格者研修や当社独自の教育コンテンツ「Foreman研修(F研修)」の中で、技能職に対して直接2029Vの説明をしたりするなど、理解度向上に努めました。 今後も対話や講義などビジョンに触れる機会を継続して創出することで、従業員一人ひとりがビジョンを自分事化し、さらにそれぞれが自律的に判断・行動していく中で未来の目指す姿を具現化していくことのできる企業風土の実現に取り組んでいきます。 ○ 健康経営当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。 従業員の健康を重要な経営資源と捉え、「従業員や家族の健康増進活動への支援」「メンタルヘルス対策」「生活習慣病対策」の3点を重点対策に掲げ、各種研修(全19項目)の展開や健康経営イベントを定期的に開催する等、健康経営の考え方に基づいた各種健康増進に取り組んでいます。 健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。 当社グループ従業員のプレゼンティーズム(注)1やアブセンティーズム(注)2を改善するため、国内グループ各社の産業保健窓口とも健康経営方針や健康KPIを共有し、メンタル不調対応における共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取組を強化しています。 また、従業員の健康被害の防止並びに健康経営推進の観点より、2026年4月からの敷地内全面禁煙を決定し、段階的な禁煙を進めています。 これに合わせ、住友理工健康保険組合と連携し、喫煙者に向けた禁煙サポート活動を強化しています。 二つ目は「従業員の生産性とエンゲージメントの向上」です。 定期的に経営レベルで活動をモニタリングしながら会社全体でPDCAサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。 また、毎年4月のストレスチェックで測定する「活き生き度(注)3」改善に向けて、各職場で課題の特定、要因分析から対策を進めており、特定部門には深掘アンケート、個人面談など人事勤労部門と連携してサポートを行っています。 2024年度全社平均で、活き生き度を4pt、ワークエンゲージメントを0.06pt向上させることができました。 さらに、国内グループ会社へ目標や改善手法を共有し、意見交換を始めています。 今後もグループ一体となって、健康で活き生きした職場づくりに取り組んでいきます。 また、2024年8月には健康投資の一環として健康支援センターの改修を実施しました。 従業員に開かれた健康空間として従業員のエンゲージメント向上に活用していきます。 さらに、健康増進に取り組む従業員への積極的な支援と、組織的な活動施策の推進により、住友理工は9年連続で健康経営優良法人の認定を受けており、2024年度はホワイト500にも選定されました。 今後も、従業員とその家族が健康で活き生きと活躍し、当社グループの発展に繋がる取組として健康経営を推進していきます。 (注)1 プレゼンティーズム:疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態 2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態 3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト>・健康経営https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/ ○ 働き方改革当社では、働き方改革の一環として従業員が「活き生き」と働くことが組織の活性化、ひいては業績の向上につながるという考え方のもと、「活き生き5活動」を実施しています。 「活き生き5活動」とは、当社の働き方改革の具体的な施策として2017年4月にスタートした取組であり、「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語となります。 2017年度から2022年度はVer1.0として総労働時間の低減や働きやすい制度の導入(コアレスフレックスや在宅勤務等)に取り組み、2023年度から2024年度にはVer.1.5として働きがいの向上も含めた活動を行ってきました。 2024年度においては、勤務管理システムの改善による労働時間の可視化や前述の健康経営ホワイト500取得などを実現してきました。 また、Ver1.5のもう一つの目的である働きがいの向上に向けてエンゲージメントサーベイや「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を開始しました。 「SMARTプロジェクト」では、①中堅社員だけでなく若手社員からも目指したいと思われるような管理職の姿の追求、②過去の経験や観念にとらわれず、社会の価値観の変化に順応できる管理職への成長を実現するための取組を推進しています。 2024年度は、管理職層を中心に心理的安全性の重要性や育児と仕事、介護と仕事に関する講演会など計9回のイベントを開催し、延べ2,200名以上が参加しました。 2025年度からは対象を組織全体に拡大し、活動を推進していきます。 (「SMARTプロジェクト」活動概要図)年度目的手段2024年度SMARTマネージャーの育成(マネージャーのマインドチェンジ)・講演会(心理的安全性、男性育休等)・SMARTマネージャー5箇条の制定 S:Sustainability 持続可能な M:Management マネジメント A:Achievement 成果 R:Relation 関係性 T:Time management ワークとライフの充実2025年度エンゲージメント調査を基にした職場/人事協働での職場改善・アクションプラン策定体験会マネージャー、メンバー、人事が一体となり職場改善(希望部署対象)2026~2028年度グループ・グローバルでのエンゲージメント向上活動支援・グローバルに情報発信2029年度「持続可能なエンゲージメント」スコアがグローバル製造業基準値以上を達成― これらの取組の結果、労働時間や休暇取得において一定の効果が出ています。 総労働時間については、活動を始めた2017年度と比較すると6%の低減を達成することができています。 さらに有給休暇の平均取得日数についても高い水準を維持しています。 一方で2023年度と比較すると、2024年度は生産現場において高稼働な状況が続いたことから総労働時間は横ばいとなりました。 (総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数) 年度区分20152016201720182019202020212022202320242025目標年間総労働時間2,1462,1422,1202,1002,0661,9342,0281,9641,9801,9821,966休暇取得日数12.513.113.514.215.413.415.216.016.415.817.5 また、管理職の労働実績にも効果が出ており、およそ80%の管理職の時間外労働がひと月当たり45時間以内に抑えられています。 さらに後述する「活き生き5Ver2.0」への移行によって、業務上の成果を出しながらもワークライフバランスを大切にできる姿を数値の推移としても示していきます。 <参考リンク:当社ホームページ特設サイト> ・働きやすい環境に向けた制度や仕組み https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html 2025年度からはVer2.0として更なるエンゲージメント向上に向けた取組を推進し、2029年度のありたい姿である「住友理工グループ全組織のエンゲージメントが高まり、従業員全員が活躍できる会社」を目指します。 (「活き生き5活動」のロードマップ)活動活き生き5活動Ver1.0(2017~2022年度)活き生き5活動Ver1.5(2023~2024年度) 残課題課題・2,000時間を超える長時間労働・長時間労働者の低減・エンゲージメント数値の見える化・高負荷者の是正 2024年度 延べ人数基幹職80時間/月超過22名組合員60時間/月超過432名・エンゲージメント向上・グローバル対応テーマ・働きやすい制度、環境整備・エンゲージメント向上に向けた風土、基盤整備施策・定時の日の制定・総労働時間の低減・柔軟な働き方を可能にする制度・経営会議で長時間労働者を報告・SMARTプロジェクト始動・エンゲージメント調査の導入 実績・総労働時間の低減達成2017年度 2,120時間/年 2022年度 1,964時間/年・在宅勤務制度・コアレスフレックスタイム制度・勤務間インターバル制度・基幹職80時間/月超過 2023年度103名 2024年度 22名・組合員3ヶ月200時間超適用者減 2023年度13名2024年度2名 (「活き生き5活動Ver.2.0」活動概要図)項目活動概要(2025年度)活き生きチャレンジ組織の組織改善活動支援 ~SMARTプロジェクト~・事業部支援強化 (事業担当人事、SMARTプロジェクト、職場改善)・表彰制度立ち上げ(エンゲージメント改善事例共有並びに表彰実施)活き生きタイム長時間労働の対策の継続 ~時間外労働上限65時間を60時間へ低減~・総労働時間の低減・総労働時間低減に向けたインセンティブ強化(生産性指標の活用)活き生きライフ健康経営 ~グループ産業保健の推進~・健康KPIの向上・健康経営による企業価値の向上(ホワイト500取得、健康経営風土の醸成)・グループ産業保健活動の推進・敷地内禁煙活き生きワーク働きやすい職場、制度整備 ~育児等と仕事の両立制度導入~・定年延長制度・魅力ある人事制度の構築・適正に評価される人事考課運用・育児、介護、治療と仕事の両立支援活き生きインフォ情報共有 ~GMMを活用したグローバル連携強化~・エンゲージメント向上の情報宣伝活動の強化・エンゲージメント向上事例をグローバルで共有 ○ 柔軟で強い製造現場づくり当社の製造現場で働く人材が、それぞれの想いやスキルを生かして活躍できるよう各製作所人事勤労部門が継続的に個別ケアを行っています。 また、採用チャンネルの多様化を進めることで複数の事業を展開する当社の生産現場を支える多様な人材の確保を実現しています。 さらに、配属後の能力開発やモチベーションの維持向上に向けての取組にも力を入れています。 分類施策例採用力強化(技能職) 外国人採用の強化・言語の壁を取り払うため、イヤホン型自動翻訳機を導入・海外関連会社から9名の技能実習生を受け入れ女性採用の強化・新卒採用における女性採用拡充(前年度11名に対して、22名採用)・技能系採用対象高校、女性社員配属職場拡充・職場での育成計画と多様なキャリアオプションの提示・スポーツ選手の事務職採用働きやすい職場、勤務形態・女性用トイレの増設・女性配属職場の勤務形態、人員配置体制の整備大卒採用の開始・大卒技能系社員の採用専門卒技能職の採用開始・特殊な技能を有する人材を専門学校から採用 2025年度入社に向けて専門学校生の採用プロセスを確立組織開発人材育成(職場単位) 監督者の育成・人事部と事業部の職制(部長、掛長)が協働して監督者育成を推進・次世代監督者候補生の教育プログラムの新設コミュニケーションの促進・製造現場における従業員発案のカフェを意識した休憩所設置・学歴や勤務地、職掌を問わない合同の入社式を計画組織風土の改善・高ストレス職場に向けてパルスサーベイを導入し、ストレスの推移や職場のモチベーションの管理に活用若年層の離職防止を狙い、新卒者や若手社員にも対象範囲を拡大 ③目標及び進捗状況重点領域主な指標実績(2023年度)実績(2024年度)目標(2025年度)住友事業精神幹部理念教育実施率(注)2500名 (87%)601名 (103%)100%(2021-2024年度累計)ダイバーシティ&インクルージョン 女性管理職比率()内は住友理工単体数値14.7%(7名 1.3%)14.7%(13名 2.3%)15%(2.5%)障がい者雇用率住友理工(特例子会社含む)2.70%2.77%2.80%国内グループ会社平均2.54%2.63%2.70%人材育成幹部研修受講数(注)331名61名100名(2023-2025年度累計)DX人材育成実績 コア人材2024年度育成開始 DX教育受講者2,333人(注)4200名データ分析人材700名エンゲージメント健康経営関連指標当社ホームページ特設サイト参照働きがい2024年度よりエンゲージメントサーベイを初実施(対象:5拠点)開始に伴い、「持続的なエンゲージメント」のスコアをKPIに設定2024年度における対象5拠点の当該項目スコアは63点 (注)1.特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。 2.現時点ではグループ向けの活動を展開中であることから2023年度、2024年度の実績については、住友理工単体の実績値を表示しております。 2024年度の実施率が100%を超えているのは、対象者への教育が一巡し2回目の受講者もいるためです。 3.経営幹部プログラム(Executive Management Program)、選抜型教育経営塾(Mirai Create Program)、若手人材育成プログラムなど幹部選抜研修の受講者数を集計しています。 4.2024年度はコア人材とデータ分析人材の分け隔てなく、広く教育機会を提供し、将来のDX人材候補者の発掘と育成に注力しました。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のものがあります。 本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (政治経済情勢・需要変動等に係るリスク)部品メーカーである当社グループの経営成績は、顧客である完成品メーカーの生産動向の影響を受けますが、特に売上高の9割以上を占める顧客である自動車メーカーの国内外での生産動向の影響を大きく受けます。 中長期的には自動車メーカーを取り巻く環境の変化が当社製品の需要に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化、グローバル化の進展による競争構造の変化等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、海外売上高が連結売上高の約7割を占めており、海外の政治経済や社会情勢が経営成績等に影響を与える可能性があります。 (法律・規制の変更等によるリスク)当社グループの事業は、国内外の法律・規制の変更等があった場合、その影響を完全に回避することができないため、経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。 これらの要因としては、輸出入規制や関税率の引き上げ、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更、外貨規制等があります。 (訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスク)当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、訴訟規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループが損害賠償請求を受け、罰金その他の制裁金を賦課され、又は事業の遂行に制約が課される可能性があります。 当社グループは、これらの法的リスクを未然に防止し、また顕在化したリスクに適切に対応する体制の整備を進めていますが、かかる対応にもかかわらず、法的リスクが顕在化した場合には経営成績等への影響が及ぶ可能性があります。 また、当社は海外での事業展開や新事業への進出を積極的に進めており、一方、消費者等の権利意識の高まりや国内外における競争政策、贈賄防止、移転価格、消費者保護等の分野での規制当局の法執行が積極化していることから、国内外における集団訴訟や当局の調査に対し適切に対応するために要する費用により財務負担が増加する可能性があります。 (災害等のリスク)当社グループは、地震、火災、落雷、破裂・爆発、風・雪・水災、航空機の墜落、伝染病の流行、テロその他の犯罪、戦争等により被災することにより直接・間接の損失を被る可能性があります。 特に、当社グループの主要な生産・営業拠点が、東海及び東南海・南海地震の防災対策強化地域や首都直下型地震の地域に所在しているため、地震発生も想定した事業継続計画を策定するなどの対策を進めていますが、顧客、原材料等の供給元の被災、電力・情報通信・物流網等の復旧の状況等により、影響が長期化する可能性があります。 (資金調達に係るリスク)当社グループは、資金需要、金融市場環境及び調達手段のバランスを考慮し資金調達を行っています。 当社グループの資金調達は、設備投資資金として長期固定金利の社債発行や長期借入による調達を中心としています。 そのため、金利の短期的な変動による影響は比較的受けにくいものの、金利が中長期的に上昇した場合は、社債等による資金調達コストを上昇させ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあります。 当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (為替レートの変動によるリスク)当社グループは、在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社の個別財務諸表を主に現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表の作成時に円換算しています。 従って、現地通貨ベースでの業績に大きな変動がない場合でも、円換算時の米国ドル、ユーロ等の為替レート変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 また、中長期にわたる大幅な為替変動は、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (原材料等の調達に係るリスク)当社グループの製品は、天然ゴム、合成ゴムや鋼材等を原材料として使用しています。 これら原材料や副資材、燃料等の市況価格の急激な上昇等があった場合は、製品価格に適切に反映させることができず、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 また、原材料等の供給元の倒産や罹災により、必要量の調達が困難になる可能性があります。 (知的財産に係るリスク)当社グループは、特許権、意匠権、その他の知的財産権の取得により自社技術の保護を図るとともに、他社の知的財産権に対しても注意を払っています。 しかしながら、新事業分野における製品開発の増加や海外での事業活動の拡大に伴う流通経路の複雑化等により、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合に、販売中止、設計変更等の処置をとらざるを得ない可能性があり、その場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (保有資産の価値変動に伴うリスク)当社グループは、様々な有形固定資産や無形資産を保有しております。 こうした資産は、価値の下落や、期待通りのキャッシュフローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性に伴うリスク)当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性に疑義が生じた場合、若しくは税率の変更等を含む各国の税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。 その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (情報の流出によるリスク)当社グループは、事業遂行に関連して多くの個人情報や機密情報を有しています。 これらの情報の秘密保持については必要な対策を講じていますが、不測の事態により、情報が漏洩する可能性があります。 このような事態が生じた場合、事業戦略の遂行に支障が生じたり、損害拡大防止費用や損害賠償責任の負担が生じたりすることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (情報システム・セキュリティに係るリスク)当社グループが事業活動を行う上で、情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、構築・運用に当たっては十分なセキュリティの確保に努めていますが、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃、不正使用やインフラ障害等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (製品の欠陥によるリスク)当社グループは、全社的な品質管理の体制を構築・運用することにより、製品の品質保持に万全の注意を払っていますが、予期せぬ事態により、大規模な市場回収や製造物責任による賠償費用等の負担が生じる可能性があります。 また、顧客との間での品質問題に関する交渉等のために要する費用の負担により、経営成績等に影響を与える可能性があります。 (人事・労務に係るリスク)当社グループは、事業領域の拡大やグローバル化に対応するため、人材確保・人材育成に努めていますが、事業領域・規模の拡大や新規事業への投資等に伴いグループの人員が増加していることから、人材不足や人事・労務問題が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (新事業展開によるリスク)当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で定めたありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」に向けて、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に既存事業の強化と新規事業の展開を進めております。 特に新規事業には既存事業と異なる事業リスクが存在するため、事業化の検討の各段階において必要に応じて外部専門家の意見も取り入れ、十分な調査に基づく慎重な判断を行うものとしています。 しかしながら、当社グループは新規事業分野での十分な事業経験を有していないことから、事業化の遅延やマーケティング手法の不備などの原因で投資回収の遅延や不能が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。 また、同様の理由から、既存事業と比べ、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスクが高まる可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。 この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 (2) 経営成績当連結会計年度における世界経済は、全体として緩やかな成長基調が見られましたが、主要国における選挙結果を受けた政策変更リスクの顕在化、地政学的リスクの長期化、中国経済の減速、さらには政策金利の変更による為替の急激な変動など、複数の要因が複雑に絡み合い、経済環境の不確実性が一段と高まりました。 このような状況の中で、当社グループの主力事業である自動車業界においては、主要顧客による減産の影響を受けたものの、全体としての生産台数はおおむね一定の水準で推移いたしました。 当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)で掲げた「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」への変革に向けて、昨年度より3ヶ年の事業計画である「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)に基づき事業活動を推進しています。 コロナ禍からの自動車生産台数の回復に加え、構造改革や生産性改善、原価低減活動が当初の想定を上回るペースで進展したことを受け、2024年5月には、2025Pの「事業利益」、「ROIC」、「ROE」の数値目標を上方修正いたしました。 今後も「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」という2025Pのテーマに向けて、事業を推進してまいります。 当連結会計年度における連結業績については、売上高は633,331百万円(前期比2.9%増)、事業利益は43,396百万円(前期比17.2%増)、営業利益は41,573百万円(前期比22.4%増)、税引前当期利益は38,633百万円(前期比25.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は27,419百万円(前期比47.1%増)となりました。 ※事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めて算出しております。 各セグメントの業績は、次のとおりです。 <自動車用品>外部顧客への売上高は、主要顧客による減産の影響があるものの、円安の進行による為替換算の影響により、574,338百万円(前期比2.6%増)となりました。 事業利益は、原価低減活動、生産効率の向上や為替換算の影響により、38,632百万円(前期比12.4%増)となりました。 <一般産業用品>外部顧客への売上高は、高圧ホース及びプリンター向け機能部品の主要顧客による生産台数の増加や円安の進行による為替換算の影響により、58,993百万円(前期比5.5%増)となりました。 事業利益は、主にプリンター向け機能部品の生産拠点集約等の構造改革進展に伴い、4,764百万円(前期比79.8%増)となりました。 事業セグメント別実績(百万円、増減率%) 外部顧客への売上高事業利益 日本米州アジア欧州その他合計2023年度 自動車用品150,386181,870161,19166,068559,51634,383一般産業用品41,28628513,82753555,9332,650合計191,672182,155175,01966,604615,44937,0332024年度 自動車用品164,410198,043148,43763,448574,33838,632一般産業用品41,31325116,62580458,9934,764合計205,723198,295165,06264,252633,33143,396増減率 自動車用品+9.3+8.9-7.9-4.0+2.6+12.4一般産業用品+0.1-11.7+20.2+50.2+5.5+79.8合計+7.3+8.9-5.7-3.5+2.9+17.2 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため生産、受注の状況については、セグメントの業績に関連付けて示しております。 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)自動車用品(百万円)574,3382.6一般産業用品(百万円)58,9935.5合計(百万円)633,3312.9 (注) 1.セグメント間の取引19,980百万円については相殺消去しております。 2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額割合金額割合トヨタ自動車㈱百万円%百万円%77,86312.787,59813.8 (3) 財政状態<資産>資産合計は、450,432百万円(前連結会計年度末比8,668百万円増)となりました。 流動資産は248,470百万円(前連結会計年度末比9,302百万円増)となりました。 これは主に、現金及び同等物が13,007百万円増加したこと、棚卸資産が2,338百万円減少したことによるものです。 非流動資産は201,962百万円(前連結会計年度末比633百万円減)となりました。 これは主に、繰延税金資産が2,996百万円増加した一方で、その他の金融資産が5,564百万円減少したことによるものです。 <負債>負債合計は、207,623百万円(前連結会計年度末比11,684百万円減)となりました。 これは主に、借入金の返済により、社債及び借入金が14,006百万円減少したことによるものです。 <資本>資本合計は、242,809百万円(前連結会計年度末比20,352百万円増)となりました。 これは主に、利益剰余金が22,956百万円増加したことによるものです。 親会社所有者帰属持分比率は47.7%(前連結会計年度末は44.4%)となりました。 (4) キャッシュ・フロー① キャッシュ・フロー当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動により66,051百万円の増加、投資活動により31,777百万円の減少、財務活動により23,639百万円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により2,372百万円の増加の結果、当連結会計年度末には55,015百万円となり、前連結会計年度末(42,008百万円)に比べ13,007百万円(31.0%)の増加となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(68,547百万円)に比べ2,496百万円減少し、66,051百万円となりました。 これは、税引前当期利益が7,828百万円増加した一方で、棚卸資産の増減額が6,777百万円減少したこと、法人所得税の支払額が4,011百万円増加したことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(24,145百万円)に比べ7,632百万円増加し、31,777百万円となりました。 これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が4,407百万円増加したことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(32,407百万円)に比べ8,768百万円減少し、23,639百万円となりました。 これは、短期借入金の純増減額が19,304百万円減少した一方で、長期借入金の返済及び社債の償還による支出が5,975百万円増加したこと、配当金の支払額が3,738百万円増加したことなどによるものです。 ② 資本の財源及び資金の流動性(財務政策)当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で設定したROIC、ROE等の目標達成のため、成長投資管理の強化に加え、運転資金を継続的に効率運用することにより資産回転率の向上を目指します。 また、親会社所有者帰属持分比率50%以上を中長期的に維持することを財務規律のガイドラインとしています。 これにより、営業キャッシュ・フロー増加のため成長投資を推進する局面でも財務安定性を確保しています。 なお、当連結会計年度末において、㈱日本格付研究所より「A(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。 (資金需要)当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金です。 また、企業価値向上の源泉となる営業活動によるキャッシュ・フローの増加を支える成長投資管理は、住友理工グループ投資採算基準と、投資後の事業環境変化への迅速な対応の仕組み及び財務規律ガイドラインにより実施しています。 (資金調達)当社グループの必要資金については、自己資金の充当及び金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債発行等により、調達しております。 なお、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下したときなどの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 (6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「売上高」、「事業利益」、「ROIC」、「ROE」、「配当性向」を重要な指標として位置付けております。 2024年5月31日に更新した中期経営計画「2025年 住友理工グループ中期経営計画」においては、2025年度の目標として、売上高620,000百万円、事業利益32,000百万円、ROIC10%以上、ROE9%以上、配当性向30%以上をそれぞれ掲げております。 当連結会計年度は、円安の進行による為替換算の影響や原価低減活動、生産効率の向上等により、売上高633,331百万円、事業利益43,396百万円、営業利益41,573百万円となりました。 中期経営計画における目標達成に向けて、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」に記載の施策に取り組んでいきます。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、事業を取り巻く環境がダイナミックに変化する中、持続的に成長・発展するために、当社グループのコア技術である高分子材料技術と総合評価技術をベースに、技術領域の融合・協業を推進し、スピーディーな新技術の創出とタイムリーな商品開発を目指しています。 また「2029年 住友理工グループVision」に基づき、パーパスである「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」に沿って、社会に価値を提供し続けてまいります。 研究開発に当たっては、材料技術統括部、基盤材料開発研究所と新商品開発センターが連携し、新機能・高品質の材料設計開発や当社グループのコア技術の深化、新たな事業領域の開拓と新製品の開発に向け、活動を展開しております。 2024年10月には、名古屋市で開業したオープンイノベーション拠点「STATION Ai(ステーション・エーアイ)」へ入居し、他社や異業種との交流により、新たな価値創造に取り組んでいます。 また11月には、小牧本社・製作所にある技術研究所「テクノピア」内ショールームのリニューアルを行いました。 リニューアルのテーマは「共創」であり、ステークホルダーの皆様と、より創造的な議論が生まれる環境を目指しております。 これらを通じて社内外との連携を一層強化し、既存事業領域の深化に加え、事業部門の枠を超えた新事業・新商品の創出を目指します。 また当社グループだけでは取り組みが難しい社会課題などにも挑戦を進め、サステナブルな社会の実現にも貢献してまいります。 親会社の住友電気工業㈱とは、同社の主力製品であるワイヤーハーネスと、当社の制遮音品や内装品、ホースなどの製品とを組み合わせたシステムの提案等をはじめとして、さらなる協業体制の構築を目指していきます。 また展示会への共同出展を活用した市場開拓も行うことで、より一層グループ全体での製品開発を推進してまいります。 なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は18,249百万円であります。 セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。 ① 自動車用品2024年度では、培ってきた配合技術を生かして開発をした放熱性防音材が、令和6年度愛知発明表彰において「愛知発明大賞」を受賞しました。 この放熱性防音材は「磁気誘導発泡成形法:MIF®(Magnetic Induction Foaming)」を用いて開発したもので、一般的な防音ウレタンの10~50倍もの放熱性能を備えた素材です。 自動運転や電気自動車(EV)に必要とされる車載電装機器から発する音や熱対策を同時に実現できるため、静粛性や安全性の向上をはじめ、様々な課題解決に寄与するものとして注目度が高まっております。 電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCEV)向けの基幹部品についても、次世代車種を見据えた研究開発を継続しております。 特にEVで注目される熱マネジメントへの対応においては、優れた断熱効果を持つ薄膜高断熱材「ファインシュライト」に加え、冷却系ホースや電池用断熱材、バッテリー冷却プレート「クールフィットプレート」等を開発しており、受注に向けた取り組みを進めています。 また、独自の加硫シミュレーション技術の確立による、設計から量産工程まで一貫したDXを推進しております。 これを活用することで、より高精度な製品設計と競争力のある量産生産性の実現を目指しております。 当連結会計年度における自動車用品に係る研究開発費は、16,562百万円であります。 ② 一般産業用品エレクトロニクス分野、インフラ・住環境分野においては、高機能・高精度部品の材料開発に加えてコア技術の強化と再構築により、事業体質の強化・新規事業の創出を図っています。 ヘルスケア分野では、SRセンサを応用した「モニライフシリーズ」は、2023年度に令和5年度中部地方発明表彰「文部科学大臣賞」と、令和5年度愛知発明表彰「発明奨励賞」を受賞し、2024年度においては宿泊者の睡眠状態を可視化するサービスへの活用を目的として、㈱ナインアワーズの経営するナインアワーズ品川駅スリープラボに採用されました。 また従来からフレイル※予防に関する研究を進めており、2025年1月には小牧本社・製作所がある愛知県小牧市にオープンした健康増進施設「ヘルスラボ・こまき」において、当社のフレイルチェックシステムが導入されました。 また口腔機能モニター:Oramo-bfは、㈱ロッテの主催するアスリート向け口腔機能セミナーにて、咬合力を測定する機器として活用されました。 引き続き医療機関や研究開発機関、介護施設や企業などへの当社製品・サービスの提供を通じて、ヘルスケア分野での新たな製品開発につなげ、人々の暮らしへの更なる貢献を目指していきます。 このほか、インテグリカルチャー㈱と共同で開発を進めていた細胞農業向けの細胞培養バッグは技術確立が進み、複数の特許出願が完了したことから2024年11月に試験販売を開始しております。 また、㈱ギンレイラボと共同開発を行っている動物実験代替ツール「生体模倣システム(MPS)」についても、エントリーモデルの販売開始を予定するなど、新たな事業共創に向けた取り組みは着実に歩みを進めています。 当連結会計年度における一般産業用品に係る研究開発費は、1,688百万円であります。 ※「フレイル」とは、加齢とともに身体機能や認知機能が低下して虚弱となった状態のこと。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度における設備投資は、全体で33,388百万円(有形固定資産及び無形資産受入ベースの数値)でありました。 自動車用品事業では、当社及び海外子会社の自動車用防振ゴム、ホースの生産設備を中心に30,186百万円の投資を行いました。 一般産業用品事業では、当社及び国内外子会社の高圧ホース・搬送用ホース製品生産設備を中心に3,202百万円の投資を行いました。 なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社及び連結子会社における主要な設備は、以下のとおりであります。 なお、IFRSに基づく帳簿価額にて記載しております。 (1) 提出会社(2025年3月31日現在)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計本社及び小牧製作所(愛知県小牧市 及び名古屋市)自動車用品、一般産業用品及び全社(共通)防振ゴム、ホース及びその他の生産設備11,65010,1403,264(351)1,4465,12131,6212,597(556)松阪事業所(三重県松阪市)自動車用品ホースの生産設備1,5251,2561,161(66)292104,182414(89)富士裾野製作所(静岡県裾野市)一般産業用品樹脂製品の生産設備76822128(0)76781,17184(18)埼玉事業所(埼玉県上尾市)自動車用品ゴムシール材の生産設備1,6521,887639(20)-1,0745,251276(59) (注) 本社及び小牧製作所の土地には、㈱住理工九州に賃貸している土地710百万円(57千㎡)が含まれております。 (2) 国内子会社(2025年3月31日現在)会社名事業所名 (所在地)セグメントの名称 設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計東海化成工業㈱本社(岐阜県可児郡)自動車用品制遮音、内装品の生産設備1,2191,112961(51)3211,4925,105520(129)㈱住理工大分AE本社(大分県 豊後高田市)一般産業用品精密樹脂ブレード・ロールの生産設備1,6021,3751,138(115)48774,241232(6)住友理工ホーステックス㈱本社(京都府綾部市)一般産業用品高圧ホース・搬送用ホースの生産設備9481,403116(131)3332093,009332(21) (3) 在外子会社(2025年3月31日現在)会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計SumiRiko Ohio, Inc. 本社(米国オハイオ州)自動車用品防振ゴムの生産設備8281,031106(201)831,0423,091463(169)SumiRiko Tennessee,Inc. 本社等(米国テネシー州)自動車用品防振ゴム、ホースの生産設備4,1963,87981(444)4352,48411,0761,215(349)S-Riko deQuerétaro,S.A.P.I. deC.V.本社(メキシコ ケレタロ州)自動車用品防振ゴムの生産設備2,5062,105777(102)23805,7701,037(-)住理工汽車部件 (天津)有限公司本社(中国天津市)自動車用品防振ゴム、ホースの 生産設備8182,220-(-)2859724,2951,100(-)住理工汽車部件 (嘉興)有限公司本社(中国浙江省 嘉興市)自動車用品防振ゴムの生産設備1,3414,133-(-)1141,3856,973991(-)東海橡塑(合肥)有限公司本社(中国安徽省 合肥市)一般産業用品高圧ホース・搬送用ホースの生産設備1,0972,068-(-)1902333,589487(1)住理工汽車部件 (広州)有限公司本社(中国広東省 広州市)自動車用品防振ゴム、ホースの生産設備5513,006-(-)2081,1864,9521,012(44)SumiRikoEastern Rubber(Thailand)Ltd. 本社等(タイ ラヨン県)自動車用品防振ゴム、ホースの生産設備607841757(137)4041,2943,9031,230(-)SumiRiko Poland Sp. z o.o.本社等(ポーランド マウォポルスカ県)自動車用品防振ゴムの生産設備2,65298437(81)283744,0771,159(-)SumiRiko Italy S.p.A.本社等(イタリア ピエモンテ州)自動車用品ホースの生産設備1,2782,459273(27)477764,563461 (2) (注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計であります。 なお、金額には消費税等は含まれておりません。 2.現在休止中の主要な設備はありません。 3.従業員数は、就業人員であります。 また、( )は、臨時雇用者数を外書しております。 4.住理工汽車部件(天津)有限公司については、2025年1月3日付で東海橡塑(天津)有限公司から商号変更しております。 5.住理工汽車部件(嘉興)有限公司については、2024年12月9日付で東海橡塑(嘉興)有限公司から商号変更しております。 6.東海橡塑(合肥)有限公司については、2025年4月9日付で住理工胶管(合肥)有限公司に商号変更しております。 7.住理工汽車部件(広州)有限公司については、2024年12月2日付で東海橡塑(広州)有限公司から商号変更しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画はありません。 (2) 重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 1,688,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 3,202,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 15 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,947,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方区分考え方政策保有株式銘柄先との長期的・安定的な関係の維持・強化、事業戦略上のメリットの享受等がはかられ、対象先及び当社の企業価値の向上に資すると判断し、保有する株式(主に持合い株) 純投資株式専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的とする株式 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、政策保有目的で上場株式を保有する場合は、保有の目的が当社の中長期的な企業価値向上の観点から合理性があり、かつその株式数、リターン及び当該株式発行会社との関係が、当該保有目的に照らして妥当なものであることを要するものとしています。 政策保有株式を取得又は処分する場合は、一定規模以上のものについて常務執行役員以上で構成される経営会議又は取締役会に付議又は報告するものとしています。 その場合においては、保有のねらい・合理性について具体的な説明を行います。 保有中の個別の政策保有株式については、保有目的に鑑み、毎年定期的にリターンとリスク、資本コスト等を踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しの検証を行い、その結果を取締役会に報告するものとしています。 2024年度においても、個別の政策保有株式につき、上記の目的・観点及び取引状況を踏まえて精査し、取締役会にて保有の適否を検証しました。 保有中の政策保有株式に対する議決権行使は、その保有目的の達成に資するかという観点により判断します。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式23214非上場株式以外の株式2149 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式――― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式11,094非上場株式以外の株式―― c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)住友不動産㈱21,50021,500(保有目的、業務提携等の概要)制振システム関連の取引を行っており、営業上の取引関係の維持・強化のために保有しております。 (定量的な保有効果)(注1) 無120125東海旅客鉄道㈱ 10,00010,000(保有目的、業務提携等の概要)鉄道車両用部品関連の取引を行っており、営業上の取引関係の維持・強化のために保有しております。 (定量的な保有効果)(注1)無2937 (注1)定量的な保有効果については記載が困難であります。 保有の合理性は、2025年3月31日を基準として、リスクとリターン、資本コスト等を踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しについて検証しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 23 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 214,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 149,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 10,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 29,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 東海旅客鉄道㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的、業務提携等の概要)鉄道車両用部品関連の取引を行っており、営業上の取引関係の維持・強化のために保有しております。 (定量的な保有効果)(注1) |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 (2025年3月31日現在) 氏名又は名称住所所有株式数 (千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 住友電気工業㈱大阪市中央区北浜四丁目5番33号51,53449.64 マルヤス工業㈱名古屋市昭和区白金二丁目7番11号8,9018.57 日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号5,6605.45 住友理工共栄持株会名古屋市中村区名駅一丁目1番1号2,8572.75 住友理工社員持株会名古屋市中村区名駅一丁目1番1号1,9241.85 ㈱日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号1,9231.85 フコク物産㈱東京都大田区大森西二丁目32番7号1,1191.08 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券㈱)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町一丁目9番7号)1,0351.00 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人 ㈱みずほ銀行)P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号)9290.90 BNP PARIBAS LUXEMBOURG/2S/JASDEC/FIM /LUXEMBOURGFUNDS/UCITS ASSETS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)33 RUE DE GASPERICH, L-5826 HOWALD- HESPERANGE, LUXEMBOURG(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)7300.70計76,61273.79 (注) 前事業年度末において主要株主であった マルヤス工業㈱は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。 |
株主数-金融機関 | 15 |
株主数-金融商品取引業者 | 32 |
株主数-外国法人等-個人 | 23 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 188 |
株主数-個人その他 | 6,633 |
株主数-その他の法人 | 385 |
株主数-計 | 7,276 |
氏名又は名称、大株主の状況 | BNP PARIBAS LUXEMBOURG/2S/JASDEC/FIM /LUXEMBOURGFUNDS/UCITS ASSETS(常任代理人 香港上海銀行東京支店) |
株主総利回り | 3 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式370550,059 当期間における取得自己株式82136,202 (注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からのこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -1,000,000 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月19日住友理工株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 名古屋事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士森 本 泰 行 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士松 木 豊 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士金 原 正 英 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている住友理工株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、住友理工株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 固定資産に関する減損テストの妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんを計上しており、その合計額172,770百万円は、連結総資産の38%を占めている。 また、連結財務諸表注記「13.非金融資産の減損」に記載のとおり、住友理工株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において、1,460百万円の減損損失を計上している。 継続的に営業損益がマイナスとなっている資金生成単位は、減損の兆候があると判定され、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおり、会社は使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施している。 回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定している。 当連結会計年度の回収可能価額の測定に当たっては、処分コスト控除後の公正価値を採用している。 また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性を評価するため、資金生成単位については、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、親会社における減損兆候の把握、減損テストの実施に対するモニタリング体制に特に焦点を当てた。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・処分コスト控除後の公正価値の評価に当たり特に重要な拠点である海外の連結子会社については、各子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を実施した。 評価に当たっては、必要に応じて評価の専門家の利用を指示し、算定方法の合理性を評価した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、住友理工株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、住友理工株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 固定資産に関する減損テストの妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんを計上しており、その合計額172,770百万円は、連結総資産の38%を占めている。 また、連結財務諸表注記「13.非金融資産の減損」に記載のとおり、住友理工株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において、1,460百万円の減損損失を計上している。 継続的に営業損益がマイナスとなっている資金生成単位は、減損の兆候があると判定され、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおり、会社は使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施している。 回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定している。 当連結会計年度の回収可能価額の測定に当たっては、処分コスト控除後の公正価値を採用している。 また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性を評価するため、資金生成単位については、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、親会社における減損兆候の把握、減損テストの実施に対するモニタリング体制に特に焦点を当てた。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・処分コスト控除後の公正価値の評価に当たり特に重要な拠点である海外の連結子会社については、各子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を実施した。 評価に当たっては、必要に応じて評価の専門家の利用を指示し、算定方法の合理性を評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 固定資産に関する減損テストの妥当性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 住友理工株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんを計上しており、その合計額172,770百万円は、連結総資産の38%を占めている。 また、連結財務諸表注記「13.非金融資産の減損」に記載のとおり、住友理工株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において、1,460百万円の減損損失を計上している。 継続的に営業損益がマイナスとなっている資金生成単位は、減損の兆候があると判定され、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおり、会社は使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施している。 回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定している。 当連結会計年度の回収可能価額の測定に当たっては、処分コスト控除後の公正価値を採用している。 また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表注記「13.非金融資産の減損」 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、固定資産に関する減損テストの妥当性を評価するため、資金生成単位については、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損テストに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、親会社における減損兆候の把握、減損テストの実施に対するモニタリング体制に特に焦点を当てた。 (2)資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値の評価・処分コスト控除後の公正価値の評価に当たり特に重要な拠点である海外の連結子会社については、各子会社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を実施した。 評価に当たっては、必要に応じて評価の専門家の利用を指示し、算定方法の合理性を評価した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月19日住友理工株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 名古屋事務所 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士森 本 泰 行 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士松 木 豊 指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士金 原 正 英 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている住友理工株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第137期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、住友理工株式会社の2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 固定資産の減損の検討の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、住友理工株式会社の貸借対照表において、有形固定資産及び無形固定資産を計上しており、その合計額46,184百万円は、総資産の16%を占めている。 また、損益計算書関係注記「※4減損損失」に記載のとおり、損益計算書において、359百万円の減損損失を計上している。 会社は、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、減損の兆候判定を行っている。 判定においては、営業活動から生じる損益や、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化の有無などを検討している。 そのうえで、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がそれらの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。 当事業年度の回収可能価額の測定に当たっては、正味売却価額を採用している。 また、正味売却価額の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損の検討に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、減損兆候の把握、減損テストの実施に対するモニタリング体制に特に焦点を当てた。 (2)資産又は資産グループの正味売却価額の評価・不動産及び動産の正味売却価額の評価について、関連資料を閲覧し、必要に応じて所轄部署の責任者へ質問し、評価方法の合理性及び減損損失計上額の適切性を確認した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 固定資産の減損の検討の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、住友理工株式会社の貸借対照表において、有形固定資産及び無形固定資産を計上しており、その合計額46,184百万円は、総資産の16%を占めている。 また、損益計算書関係注記「※4減損損失」に記載のとおり、損益計算書において、359百万円の減損損失を計上している。 会社は、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、減損の兆候判定を行っている。 判定においては、営業活動から生じる損益や、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化の有無などを検討している。 そのうえで、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がそれらの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。 当事業年度の回収可能価額の測定に当たっては、正味売却価額を採用している。 また、正味売却価額の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上から、当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、固定資産の減損の検討の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価・固定資産の減損の検討に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、減損兆候の把握、減損テストの実施に対するモニタリング体制に特に焦点を当てた。 (2)資産又は資産グループの正味売却価額の評価・不動産及び動産の正味売却価額の評価について、関連資料を閲覧し、必要に応じて所轄部署の責任者へ質問し、評価方法の合理性及び減損損失計上額の適切性を確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 固定資産の減損の検討の妥当性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 1,578,000,000 |
商品及び製品 | 4,777,000,000 |
仕掛品 | 3,996,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 2,913,000,000 |