財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-18 |
英訳名、表紙 | Members Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 髙野 明彦 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区晴海一丁目8番10号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-5144-0660 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月事項1995年6月㈱メンバーズを東京都港区に設立、ダイレクトマーケティング支援を開始1995年10月eビジネス構築サービスを開始1997年7月インターネット上の広告取扱事業を開始1998年4月東京都千代田区に本社を移転1999年4月インターネット上で、個人消費者向けに購買支援事業を開始2000年3月東京都港区に本社を移転 ㈱カーズプライスドットコム、㈱アットマークトラベル、㈱リビングファースト、㈱イーシーウォッチドットコム(当社出資比率100%)を設立2001年3月㈱アットマークトラベルを㈱東芝および経営陣へ譲渡2001年5月㈱カーズプライスドットコムおよび㈱イーシーウォッチドットコムを解散(同年9月清算結了) ㈱リビングファーストをMBO方式により経営陣および事業パートナーへ当社保有株式のうち96%を譲渡 アクセンチュア㈱と資本提携を含む戦略的パートナーシップを締結2004年12月東京都港区虎ノ門に本社を移転2005年8月アクセンチュア㈱との資本提携解消2006年11月2008年3月2009年9月名古屋証券取引所セントレックス市場に上場第13期事業年度より従来の5月より3月に決算期を変更東京都品川区西五反田に本社を移転2010年7月デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱と資本・業務提携2012年5月2012年10月2012年11月2014年4月2014年5月2014年9月2015年4月2015年10月2016年4月宮城県仙台市にウェブガーデン仙台を開設㈱エンゲージメント・ファースト設立(当社出資比率100%)東京都中央区晴海に本社を移転㈱MOVAAA設立(当社出資比率55%)㈱メンバーズキャリアを設立(当社出資比率100%)㈱インフォバーンと資本・業務提携福岡県北九州市にウェブガーデン北九州を開設㈱マイナースタジオ(当社出資比率51%)の株式取得東京証券取引所市場第二部に上場、名古屋証券取引所市場第二部に指定2017年4月 名古屋証券取引所市場第二部上場廃止、㈱ポップインサイト(当社出資比率51%)の株式取得、㈱メンバーズエッジを設立(当社出資比率100%)、東京証券取引所市場第一部に指定2017年6月監査等委員会設置会社へ移行2018年4月㈱メンバーズシフトを設立(当社出資比率100%)2018年10月㈱メンバーズギフテッドを設立(当社出資比率100%)、㈱マイナースタジオの全株式を取得兵庫県神戸市にウェブガーデン神戸を開設2018年11月㈱メンバーズデータアドベンチャーを設立(当社出資比率100%)2019年2月㈱メンバーズユーエックスワンを設立(当社出資比率100%)2019年3月㈱MOVAAAの全株式を取得2019年4月㈱MOVAAAを㈱メンバーズメディカルマーケティングに商号変更2020年4月 ㈱メンバーズを存続会社として子会社7社(㈱エンゲージメント・ファースト、㈱メンバーズキャリア、㈱メンバーズエッジ、㈱メンバーズシフト、㈱メンバーズデータアドベンチャー、㈱メンバーズユーエックスワン、㈱メンバーズメディカルマーケティング)と合併。 カンパニー制に移行。 ㈱ポップインサイトの全株式を取得2020年10月 ㈱メンバーズを存続会社として子会社2社(㈱マイナースタジオ、㈱ポップインサイト)と合併㈱メンバーズエナジーを設立2021年6月デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱との資本業務提携を解消2022年1月㈱メンバーズを存続会社として子会社㈱メンバーズギフテッドと合併2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行2023年4月 EMCカンパニー、メンバーズキャリアカンパニー、メンバーズエッジカンパニー、ビジネスプラットフォームカンパニーの4カンパニーを統合し本部・カンパニー制に移行2024年4月ネットビジネス支援事業における事業領域を「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4事業とし各本部および専門カンパニーを再編2024年11月㈱メンバーズを存続会社として子会社㈱メンバーズエナジーと合併 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、ネットビジネス支援事業を主たる事業とし、当事業年度末において、当社内における12の本部、社内カンパニー20社によって構成されています。 ・ネットビジネス支援事業「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4事業において、「DGT(Digital Growth Team)」サービスを提供。 顧客企業のデジタルビジネスに寄与するべく、データ分析やUX(※1)、エンジニアリング等も含む様々な専門スキルを持ったデジタルクリエイターが3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のデジタル化を顧客と共に実際に手を動かしながら顧客伴走型で推進・支援を行います。 デジタルクリエイターがダイレクトに顧客企業のデジタルビジネスの成果向上を追求し、その運用を仮説検証型で継続的に支援します。 また、運用を通じて顧客企業の炭素生産性(※2)向上を支援し、脱炭素につながるアクションを日々の運用業務で実施する取組みも行っております。 (※1)UX(ユーザーエクスペリエンス):製品やサービスなどを利用するにあたって得られる「体験・経験」のこと。 (※2)炭素生産性:温室効果ガスの排出量あたりの国内総生産(GDP)のこと。 当社では、商品やサービスの製造、販売、回収などの際に排出される炭素あたりの利益などを企業の炭素生産性として計測し、ビジネスモデル構築や運用支援を立案。 ◎提出日現在 当事業年度末においてカンパニー等の再編を行い、事業年度末から提出日現在において、新たに3つの社内カンパニーを設立し、当社内における10の本部、社内カンパニー21社によって構成されています。 事業区分主要製品ネットビジネス支援・ウェブサイト制作/UIUX支援・マーケティングDX支援・デジタルサービス開発支援・データ活用支援・その他事業(再生可能エネルギー発電事業) (注)当社はネットビジネス支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 当社の事業に関わる位置付けは、以下のとおりです。 (提出日現在) (※)2025年4月1日設立 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 なお、当社は2024年11月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社であった株式会社メンバーズエナジーを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。 これにより連結子会社が存在しなくなったため、当事業年度末において連結子会社はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数平均年齢平均勤続年数平均年間給与2,967(54)名30.0歳4.1年4,909,809円(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人数を外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。 3.従業員数が前事業年度末に比較して161名増加したのは、事業拡大によるものであります。 (2)労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者30.490.087.888.393.0(注)3(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度や体系において性別による差異はありません。 男女の賃金の差異は、女性の管理職割合が男性に比べて低いことや、時短勤務者のほとんどを女性が占めていることによるものであります。 当社における人材の多様性や指標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〇人的資本(2)戦略 (4)指標及び目標」に記載しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針・ミッション「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」当社では、マーケティングの基本概念を「人の心を動かすもの」と捉えており、インターネット/デジタルテクノロジーは企業と人々のエンゲージメントを高めるものと考えています。 メンバーズは企業と人々の自発的貢献意欲を持って組織活動に参加する“MEMBERSHIP”による協力関係づくりを支援し、マーケティングの在り方・企業活動の在り方を「社会をより良くするもの」へと転換することで、世界の人々に心の豊かさ、幸せを広げ、社会をより良くすることに貢献します。 ・経営指針当社の経営指針である「超会社」コンセプトのもと、「社会への貢献」「社員の幸せ」「会社の発展」を同時に実現することを目指し、妥協することなく追求します。 (2)経営戦略等当社はミッション「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」を掲げ、顧客企業へのDX現場支援を通じGXを実現させ、顧客企業とともに経営スタイルやマーケティング活動、サービスおよびプロダクトを「地球と社会を持続可能なもの」へと転換させることを目指しております。 2024年4月より、顧客企業のDXニーズに合わせ、各本部および専門カンパニーを「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域に再編しました。 各事業領域においては、様々な専門スキルを持ったデジタルクリエイター(以下、「DC」という。 )が3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のDXプロジェクトの現場を顧客とともに実際に手を動かしながら改善する伴走支援型モデル「Digital Growth Team(以下「DGT」という。 )」を提供し、顧客企業一社あたりの取引規模拡大を図ります。 加えて2024年4月より、「中期的な成長に向けた戦略」に基づき事業を推進しており、2025年3月期は、2027年3月期までに高収益ならびに高成長率体制を実現するべく、その土台を固めるための初年度と位置付け、事業基盤を再構築してまいりました。 「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略等は「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりです。 デジタルテクノロジーの更なる進化や世界的な脱炭素への取組み、および日本の人口減少の影響等を受け、企業のデジタル投資は一段と加速すると同時にIT/デジタル人材の不足は更に深刻化するものと捉えております。 そのような環境において、当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客企業への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取組み、顧客企業へのDX支援を通じ、顧客企業とともに社会変革をリードすることを目指してまいります。 (3)経営環境地球温暖化が引き起こす気候変動問題に対し、第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)では、二酸化炭素などの温室効果ガス排出を2019年対比で2030年までに43%、2035年までに60%削減する必要があることが示されました。 世界的に脱炭素化の重要性は高まっており、我が国においては2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルに向け、2013年度比で2035年度に60%、2040年度に73%の温室効果ガス削減目標を掲げています。 目標達成に向け、2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」が策定されエネルギー安定供給確保、経済成長、脱炭素を同時実現するためGX(※1)の取組みが日本で始動しています。 また2025年2月には、国際情勢の不安定化や電力需要の拡大などの不確実性の高まりを背景に、脱炭素や産業政策の中長期的な方向性を示す「GX2040ビジョン」が策定されました。 企業はGXを成長の機会と捉え、持続的な価値創造を実現するためにデジタルを活用し、組織構造やビジネスモデルそのものを抜本的に脱炭素型・社会課題解決型へと変革させることが求められています。 国内DX(デジタルトランスフォーメーション)市場は企業のDX投資の活況を背景に2023年度4兆5,309億円(実績)から2030年度には9兆2,666億円に拡大すると予測されています(株式会社富士キメラ総研 2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、2025年3月7日発刊)。 一方、企業がインターネットやデジタルテクノロジーに精通したクリエイター人材を自社で採用・育成することは難しい状況であり、人材不足が企業のDX化を阻む大きな壁となっています。 DX動向2024によると、日本企業の8割以上が、DXを推進する人材は質・量ともに不足していると回答しています。 特に、人材の質ないし量が「大幅に不足している」と回答した割合が前年度と比較し増加しており、DX化が進む中で人材不足は深刻化していると言えます(独立行政法人情報処理推進機構 DX動向2024、2024年6月27日発行)。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題参考情報としてIFRSに準拠した数値を記載しております。 当社は2024年11月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社メンバーズエナジーを吸収合併したことに伴い、非連結決算に移行しました。 そのため、当期は組織再編後のIFRS個別決算の数値、比較情報は組織再編前の従来のIFRS連結決算の数値を掲載しております。 当社では、社会や企業のDXが進展することでデジタル投資は加速度的に拡大し、企業は高度な専門スキルを有したDX人材によるサービスやビジネスモデルの確立に向けた組織変革が求められていると捉えております。 加えて、気候変動問題の解決を目指す世界的な潮流を受け、あらゆる企業が利益の創出と社会課題の解決を同時に実現するCSV(※2)経営へと転換する必要があると考えております。 2026年3月期においても引き続き「中期的な成長に向けた戦略」に基づき、人材育成、サービス/営業、将来への投資の3つを重要戦略とし、2027年3月期における高収益ならびに高成長事業の確立へ向け、DX現場支援ポジションへの転換加速と現場中心の全員参加型経営の確立を目指してまいります。 主要戦略とKPI、今後の見通しにつきましては下記の通りです。 1.DX現場支援ポジションへの転換加速顧客企業のDX内製化の取組みが大きく進む中で、当社ではプロジェクトの「実行企画・推進」フェーズにおけるサービスにより注力し、以下の人材育成ならびにサービス/営業戦略を推進し、DCが顧客企業専任チームでDXプロジェクトの内製化を伴走支援する体制へポジションの転換を加速させてまいります。 ①人材育成PMO(※3)人材をはじめ、UXデザイナーやマーケティングDX人材など顧客企業のDXプロジェクトを伴走支援するDX人材の育成を強化いたします。 2027年3月期に全社の90%以上のDCをDX人材として育成することを目指す「SINCA90」プロジェクトを推進し、専門スキル育成の強化だけでなく案件稼働を見据えたプログラムを展開することで、業界一、顧客企業の現場改善に伴走できるDX人材を数多く輩出することを目指します。 また、AI活用を全社規模で本格化させ、業務プロセスの抜本的な効率化と生産性向上を追求するとともに、競争優位性の確立に向けたAIの戦略的な利活用を強力に推進してまいります。 これらにより2026年3月期末においてDX人材の比率を65%に引き上げ、新卒1、2年目を除くDCの平均稼働率85%以上を目指してまいります。 KPI・新卒1、2年目を除くDCの稼働率・売上総利益率・DX人材比率 ②サービス/営業4つの事業領域ごとに目指すサービスポートフォリオを設計し、専門カンパニーを中心としたDX領域のサービスをクロスセルし、Web運用領域が中心である顧客企業へのサービスを進化させることで、顧客企業からの高い支持獲得と取引規模の拡大につなげます。 DXプロジェクト領域を拡大するため、①で育成したPMO人材の提供およびPMOサービスを拡充します。 主要顧客に対しては事業領域を跨いだアカウントマネジメントを強化することでDX領域の拡張を更に加速させ、顧客企業一社あたり売上収益を最大化し年間売上収益1億円以上を基準とする大口取引社数を増加させてまいります。 これらの取組みにより、2026年3月期末において全社の付加価値売上高(※4)に占めるDX領域の比率55%(2025年3月期末実績41.5%)、新卒1、2年目を除くDCの売上単価を前期比10%向上、顧客企業NPS®(※5)を前期比2ポイント改善させることを目指してまいります。 KPI・DGT一社あたり付加価値売上高・年間売上収益1億円以上の取引社数・DX売上比率・売上単価・NPS® 2.将来への投資当社のミッションおよびビジョンの実現に向けて、脱炭素DX(※6)を軸として、関連する複数のサービスを展開し事業基盤を構築することで、顧客企業のサステナブル経営の基盤確立を支援してまいります。 そのために、2027年3月期において脱炭素DX人材1,000名の育成・輩出を目指し、GXリテラシーとデジタルスキルを兼ね備えた脱炭素DX人材の育成を推進いたします。 顧客企業のDX現場支援におけるチームマネジメント、およびチームビジョンやDC個人のビジョンを軸にアカウントマネジメントやチーム運営を行う現場中心の全員参加型経営の在り方を確立し、挑戦的な文化と社員の幸せを追求いたします。 DCの多様なキャリア形成を支援し報酬の引き上げを目指すとともに、当社が掲げる全員参加型経営を推進することで離職率の改善および社員エンゲージメントの向上を図ります。 これらにより、2026年3月期における社員エンゲージメントスコアの前回比0.1ポイント改善を目指してまいります。 KPI・社員エンゲージメントスコア これらの方針・取組みを着実に実行することにより、2026年3月期の業績予想は売上収益24,318百万円(前期比8.9%増)、営業利益1,214百万円(前期比146.2%増)、税引前利益1,194百万円(前期比152.5%増)、当期利益800百万円(前期比128.7%増)を見込んでおります。 また、2027年3月期における付加価値売上高成長率の引き上げ、ならびに営業利益率目標10%の達成を目指してまいります。 (※1)GX(グリーントランスフォーメーション):化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用するための変革やその実現に向けた活動のこと。 経済産業省では、「2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組みを経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けた、経済社会システム全体の変革」と定義。 (※2)CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造):社会的課題の解決と企業の利益、競争力向上を同時に実現させ、社会と企業の両方に価値を生み出す経営概念。 企業の競争戦略論の世界的第一人者として知られる米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が米ハーバード・ビジネス・レビュー誌の2011年1月・2月合併号(日本語版はダイヤモンド社「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」2011年6月号)に寄稿した論文で提唱した概念。 (※3)PMO(Project Management Office):企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。 プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。 (※4)付加価値売上高:売上収益から社外原価(外注や仕入) を差し引いた社内リソースによる売上高。 (※5)NPS(Net Promoter Score):顧客が企業の製品やサービスを他の人に薦める意欲を指数で表したもの。 サービスに対する顧客企業の総合的な満足度やロイヤリティを測る指標として利用される。 なお、NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。 (※6)脱炭素DX:GHG(Greenhouse Gas=二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス)排出量を減らしながら経済成長を続ける「デカップリング・モデル」をデジタルテクノロジーの力で実現することを指す。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社は、ミッション経営を推進しており、自社の社会における存在意義を「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」と定義しています。 さらに2030年の目指す姿として「VISION2030“日本中のクリエイターの力で、気候変動、人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする”」を掲げ、以下の2つの社会課題に着目しております。 ・地球温暖化および気候変動による環境変化・人口減少による年金医療制度破綻、地方衰退による自治体の消滅/財政破綻 人々や企業が自己利益の追求のみではなく将来への希望や社会への参加意識を持ち、持続可能なより良い未来のために共に協力しあう心豊かな社会の実現に取り組みます。 〇共通(1)ガバナンスイ.基本的な考え方当社は、ミッションである「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」の実現に向け、すべてのステークホルダーに配慮した経営を行うとともに、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、継続的なコーポレート・ガバナンスの強化に努めております。 <機関設計>① 当社は、意思決定の迅速化、経営の透明性と客観性の向上、監査・監督機能の強化に向け、コーポレート・ガバナンス体制を一層強化するため、監査等委員会設置会社の体制を採用し、任意の機関として指名・報酬委員会、グループ経営会議、リスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ推進委員会を設置しています。 ② 当社は、代表取締役直轄の内部監査部門を設置し、業務活動における生産性向上や適正性の確保・法令遵守等の観点から、業務執行状況の監査を実施し、内部統制部門と連携の上、内部統制の改善指導及び実施の支援を行います。 ③ 当社は、独立性の高い社外取締役を選任し、原則として監査等委員にも任命することにより監督機能を強化し、企業価値をより向上させ、業務執行機能の適正性を確保しております。 ④ 監査等委員会は、内部監査部門と綿密に連携し、監査の実効性を高めます。 なお、提出日現在の当社の人的資本を含むサステナビリティに関する経営意思決定および監督に係る主な経営管理機関は以下のとおりです。 ロ.会議体および役割<取締役会の体制および監督状況> 当社の取締役会は、取締役7名から構成されており、定時の取締役会を毎月開催するほか、必要に応じて臨時で開催し、経営に関する重要事項の協議決定、業務執行の監督を行っております。 取締役会議長は、定款の定めに従い、取締役会が定めた取締役が務めます。 また、当社の取締役会は、経営指針である『超会社』コンセプトに基づき、ミッションの実現に向けて、次に掲げる役割を担います。 ・経営の基本方針である『Members Story』およびそれに基づく中期的な経営戦略を決定し、社内外に示すこと・グループ経営会議やグループ経営を管掌する執行役員(以下「グループ執行役員」という。 )が適切なリスクテイクができる環境を整備すること・グループ経営会議やグループ執行役員の業務執行の監督を行うこと 併せて、以下の事項に関する決定又はモニタリングを行います。 ・株主総会に関する事項・決算等に関する事項・役員に関する事項・経営計画に関する事項・内部統制に関する事項・サステナビリティに関する事項・特に重要な業務執行の決定及び執行状況に関する事項 なお、意思決定の迅速化のため、取締役会で決議した経営の基本方針『Members Story』に基づく業務執行については監査等委員以外の取締役及びグループ経営会議への権限委譲を進め、取締役会はその業務執行を監督します。 加えてコーポレート・ガバナンスの維持向上及び経営の健全性の観点から重要な責務のひとつとして、取締役会は、代表取締役社長の後継者の計画について適切に監督を行います。 取締役会経営の基本方針『Members Story』に基づき協議・承認された、人的資本や気候変動課題を含む環境課題に関する取組施策の進捗を監督するほか、戦略・リスク管理・年間予算・事業計画の審議と指導、及び主要な資本支出・買収・売却を監督します。 また、少なくとも年に1回気候変動に関係する議題を取り扱います。 グループ経営会議当社のグループ経営会議は、ミッションの実現に向け取締役会が決定した基本方針及び『Members Story』に則り、取締役会より委譲された権限に基づき、業務を執行します。 原則として定時で毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時グループ経営会議を開催し、グループ経営会議規程に基づき、人的資本や環境課題に対する具体的な取り組み施策を含む経営に関する重要事項の協議決定(取締役会決議事項を除く)、取締役会に上申する議題の細部の検討を行っております。 リスク・コンプライアンス委員会管理部門担当取締役を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。 メンバーはグループ執行役員によって構成されており、常勤監査等委員である取締役がオブザーバーとして参加します。 環境課題、人権問題を含むリスク管理及びコンプライアンスに関する重点課題の策定及び目標達成に向けた課題について、四半期に1回以上協議、決定を行い、適宜取締役会に報告します。 サステナビリティ推進委員会サステナビリティ担当取締役を委員長としたサステナビリティ推進委員会を設置しております。 メンバーはグループ執行役員によって構成されており、常勤監査等委員である取締役がオブザーバーとして参加します。 気候関連リスクと機会の評価及び管理や目標達成に向けた対応について、協議、決定を行い、少なくとも年に1回取締役会に報告します。 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご覧ください。 〇人的資本 指標および目標における財務指標について、参考情報としてすべてIFRSに準拠した数値を記載しております。 当社は2024年11月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社メンバーズエナジーを吸収合併したことに伴い、非連結決算に移行しました。 そのため、当事業年度は組織再編後のIFRS個別決算の数値、比較情報は組織再編前の従来のIFRS連結決算の数値を掲載しております。 (1)ガバナンス 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〇共通 (1) ガバナンス」をご覧ください。 (2)戦略 当社のビジネスモデルは、デジタルクリエイター(以下、「DC」という。 )による労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、当社の成長ドライバーは人的資本の拡充となります。 具体的には、DCを育成・輩出することとその稼働率を最大限に高めることであり、そのために採用者数を増やし、営業体制を強化するとともに、従来のWebサイト運用に加えて、より高度な専門領域を拡大させるべく、強力に投資を実行してまいりました。 しかしながら、2024年3月期においては、当社全体で新卒中途問わず採用先行の売上成長を重視したマネジメントにより、当社全体のDCの稼働率が低下し、収益性が大幅に悪化しました。 ◆中期的な成長に向けた戦略2024年4月より、顧客企業のDXニーズに合わせ、各本部および専門カンパニーを「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域に再編しました。 各事業領域においては、様々な専門スキルを持ったDCが3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のDXプロジェクトの現場を顧客とともに実際に手を動かしながら改善する伴走支援型モデル「Digital Growth Team(以下「DGT」という。 )」を提供し、顧客企業一社あたりの取引規模拡大を図っております。 加えて2024年4月より、「中期的な成長に向けた戦略」に基づき事業を推進し、2025年3月期は、2027年3月期までに高収益ならびに高成長率体制を実現するべく、その土台を固めるための初年度と位置付け、事業基盤を再構築してまいりました。 「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略およびKPIの進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご覧ください。 当社の人的資本戦略は単なるリソース戦略ではなく、経営戦略の根幹であり、CSV経営の実践でもあります。 具体的には、「人的資本」と「組織資本」を最大化させることで、真の「クリエイターが最も成長し活躍する会社」となり、事業戦略を遂行し、DX現場支援ナンバー1のポジションを獲得、高成長、高収益の事業を確立します。 人的資本を最大化させるべく育成戦略および採用戦略を推進することで、高単価かつ高稼働率を実現する専門職種人材を増やし、クリエイターの価値向上につなげ、結果としてクリエイターの基準年収を引き上げることを目指します。 並行して、組織資本を最大化させるべく、一人ひとりが自律した多種多様なクリエイターが集まる組織の価値を高めることで、より集団としてのシナジーを高め、全社としてのエンゲージメントの向上を図ります。 そこにクリエイター一人ひとりの価値が加わることで、相乗効果となり企業の人的価値も高めてまいります。 (人的資本への投資について)デジタルテクノロジーの更なる進化や世界的な脱炭素への取組み、および日本の人口減少の影響等を受け、企業のデジタル投資は一段と加速すると同時にIT/デジタル人材の不足は更に深刻化するものと捉えております。 そのような環境において、当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客企業への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取り組み、顧客企業へのDX現場支援を通じ、顧客企業とともに社会変革をリードすることを目指してまいります。 人的資本ストーリー対応する指標1.人的資本の最大化 当社の人的資本とは、当社の社員、人材そのものであり、当社の競争力の源泉であるとともに、経営指針の重要な一項目かつ長期ビジョンの要となっています。 当社の社員が、DCとしてスキルを高め、顧客企業に求められ、価値を提供することで、当社の事業が成長、事業体として拡大し、ミッションやビジョンの実現に近づいてまいります。 そのためにはDC数、クリエイター一人あたりの単価、顧客企業へ価値を提供するための稼働率を最大化させる必要があります。 中期的には育成のための投資は惜しまず実行し、高稼働率を目指します。 なお、当社の人的資本の価値として以下の計算式のとおり明示することが可能です。 人的資本額=DC数 × 単価 × 稼働率1-ⅰ.育成方針 ミッション・ビジョンを実現させるためには、自律的かつ協働して業務を遂行し、業務を通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター志向性の高い人材が必要です。 評価制度への組み入れや、全社員が参加するミッション・ビジョン研修への参加を通じて、ミッション・ビジョンの実現をリードできる人材を育成してまいります。 また、事業戦略を遂行するために、DCとしての価値も向上させるべく、クリエイターの専門性の向上、カスタマーサクセスを追求するプロデューサー人材およびPMO(※)人材輩出により、売上単価向上を目指してまいります。 具体的には、UXデザイナーやマーケティングDX人材など顧客企業のDXプロジェクトを伴走支援するDX人材の育成を強化いたします。 2027年3月期に全社の90%以上のDCをDX人材として育成することを目指す「SINCA90」プロジェクトを推進し、専門スキル育成の強化だけでなく案件稼働を見据えたプログラムを展開することで、業界一、顧客企業の現場改善に伴走できるDX人材を数多く輩出することを目指します。 また、AI活用を全社規模で本格化させ、業務プロセスの抜本的な効率化と生産性向上を追求するとともに、競争優位性の確立に向けたAIの戦略的な利活用を強力に推進してまいります。 これらにより2026年3月期末においてDX人材の比率を65%に引き上げ、新卒1、2年目を除くDCの平均稼働率85%以上を目指してまいります。 当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取組み、顧客企業へのDX支援を通じ、顧客と共に社会変革をリードすることを目指してまいります。 (※)PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。 プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。 <指標>a.PMO人材数b.売上単価c.DX売上比率d.DX人材比率e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率f.売上総利益率g.ミッション・ビジョン研修受講率 人的資本ストーリー対応する指標 1-ⅱ.採用方針 当社ではコアバリューである「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」があらゆる活動の根幹となっており、ミッションやビジョン、経営指針もそれに則ったものです。 従ってこのコアバリューやミッション・ビジョンに対する共感度が最も重要な採用基準となります。 加えて、変化の激しい当社が属する業界(以下、当業界という。 )において継続的に学び続ける学習意欲や、変化に率先して対応する、もしくは自ら変化を起こしていく変革リーダーシップを重視します。 これは新卒・中途どちらの採用においても同様であり、スキル・経験があってもコアバリューがマッチしていなければ、長期の就業は見込めず、結果的には高いパフォーマンスが発揮できないと考えられるためであります。 当業界においては、たとえ未経験であっても、継続的な学習意欲を持った人材が長期的に就業することの方が結果的には高いパフォーマンスにつながると考えます。 当社は、デジタル人材が不足する未来を見据え、新卒採用に注力することで採用した人材をDCとして育成し、顧客企業へのご支援のみならず、世の中に不足するデジタル人材を積極的に輩出してまいりました。 その結果、総社員数に対する新卒社員の割合が増加したことに伴う収益性の悪化により、短期的に採用を抑制し、既存社員の稼働率の向上に最注力する方針としております。 2025年3月期において、新卒・中途採用の抑制をはじめとするコストコントロール等の利益重視マネジメントに加えて、DX領域への転換による売上単価向上、新卒1、2年目を除くDCの稼働率の引き上げに最注力した結果、先行投資フェーズから収益化フェーズへの転換が当初計画以上に進捗しました。 付加価値売上高成長率は、Web運用領域の成長率鈍化に対しDX領域の高成長が継続していることから改善傾向にあり、2027年3月期に高収益・高成長事業を確立するため、2026年3月期は成長率をより一層引き上げるべくDX人材の育成ならびに顧客企業のDX内製化を伴走支援するポジションの確立を推進し、DX領域への転換を一層加速させてまいります。 引き続き、中長期的に社会に有用なデジタル人材を輩出する方針に変更はなく、人材ポートフォリオおよび収益性の改善の後、新卒、中途採用とともに採用・育成モデルを継続しつつ、高収益の基盤を再構築することで、高成長を持続的に維持する方針としております。 また、新卒採用に加えて中途採用においても、コアバリューおよびミッションを強く訴求することで、他社との差別化を図り、これに共感する人材の獲得が可能になると考えております。 b.売上単価c.DX売上比率d.DX人材比率e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率i.社員(DC)数j.離職率 1-iii.人的資本の投資 育成と採用によりスキルの高いDCの数を増やすだけでなく、営業への投資も積極的に実行し、案件獲得も並行して強力に推進することで、クリエイター一人あたりの単価や稼働率を向上させます。 育成への投資は付加価値売上高の2%と投資枠を設け実行いたします。 当社のミッションおよびビジョンの実現に向けて、脱炭素DXを軸として、関連する複数のサービスを展開し事業基盤を構築することで、顧客企業のサステナブル経営の基盤確立を支援してまいります。 そのために、2027年3月期において脱炭素DX人材1,000名の育成・輩出を目指し、GXリテラシーとデジタルスキルを兼ね備えた脱炭素DX人材の育成を推進いたします。 顧客企業のDX現場支援におけるチームマネジメント、およびチームビジョンやDC個人のビジョンを軸にアカウントマネジメントやチーム運営を行う現場中心の全員参加型経営の在り方を確立し、挑戦的な文化と社員の幸せを追求いたします。 DCの多様なキャリア形成を支援し報酬の引き上げを目指すとともに、当社が掲げる全員参加型経営を推進することで離職率の改善および社員エンゲージメントの向上を図ります。 これらにより、2026年3月期における社員エンゲージメントスコアを前回比0.1ポイント改善を目指してまいります。 a.PMO人材数b.売上単価e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率k.教育投資額q.社員エンゲージメントスコア 人的資本ストーリー対応する指標2.組織資本の最大化 人的資本の価値を向上させるためには、人的資本の最大化のみならず、人材が置かれる環境、すなわち、組織資本の最大化が必須であると考えております。 具体的には、当社は、自律分散協働型の組織であり、かつ、多様なDCが集まるプラットフォームとして組織を強化いたします。 自律分散協働型の組織とは、分散して存在する個々人が自律的に行動し、協働的に相互作用しながら一つの組織として成り立つ体制であり、これにより個々人のコミットメントや責任感、主体性や創造性が高まりやすくなるものと捉えています。 当社は、一人ひとりの社員が自律的に考え行動しつつ、ともにミッションビジョンの実現を目指す組織の実現を目指します。 また、多様な人材が集まることで、集団としてのシナジーも最大化させ、一人では成しえることができない『DX伴走支援ナンバー1』と『CSVのリーディングカンパニー』を実現させます。 2-i.自律分散協働型組織の実現 一人ひとりの社員が自律的に考え行動するための権限委譲を推進し、小さい組織単位での意思決定が可能な組織を目指します。 当社は高付加価値な専門領域を拡大するための社内カンパニーの社長を社長公募制度により募ります。 設立したカンパニーは一つの会社とみなされ、カンパニー社長は運営に十分な権限を移譲されています。 また、当社ミッションに共感する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することを「全員参加型経営」と称し、2023年4月に策定を発表した新行動指針も用いて自律分散協働型の組織力を向上させます。 全員参加型経営を体現するべく、当社では社員が当社株式を保有することも推奨しております。 h.専門特化型カンパニー数l.従業員持株会加入率 2-ii. 多様性の確保 当社は、多様性を確保するべく、社内環境を整備しております。 具体的には、男女ともに長く働きやすい働き方として、子育て社員への勤務時間の短縮や有給の看護休暇などの制度を設けています。 また、国籍や性別を問わず採用や評価を実施しており、障がい者雇用も積極的に推進しています。 働き方も、自律した社員であれば、リモートワークや地方での勤務も可能であり、社員の移住を支援する制度も設けています。 m.地方勤務社員n.女性社員比率o.男性育児休業取得率p.女性管理職比率 2-iii. 組織資本への投資 自律した社員の働きやすさを追求し、社員一人ひとりのキャリアの充実化にむけた社内異動制度やカンパニー社長の公募制度なども整備しており、社員がチャレンジできる環境を整えております。 これにより、社員エンゲージメント、離職率、女性管理職比率、男性育児休業取得率、従業員持株会加入率(エンゲージメントを高めるために経営に参画)、といった複数の指標から、組織資本の最大化が十分に進捗しているか確認していきます。 これらの指標が改善することで、全社のエンゲージメントが高まり、DCの価値が掛け合わされることで、当社の人的資本価値は向上すると考えています。 また、社員エンゲージメントスコアを活用し、当社の人的資本の拡充のための定点観測を行うことで、中長期的な成長基盤を確立し当社の継続的な成長に繋げてまいります。 j.離職率l.従業員持株会加入率o.男性育児休業取得率p.女性管理職比率q.社員エンゲージメントスコア 3.より高度な全員参加型経営の実践 人的資本と組織資本の最大化により、企業価値を向上させると同時に、自律分散協働型の組織風土を作ることで、全員参加型経営をよりバージョンアップさせることを目指します。 全員参加型経営とは、ミッションに共鳴する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することであり、まさに自律分散協働型の組織により実現が可能なものです。 2023年4月から新たな取組みとして、評価制度の変更、社員のエンゲージメントスコア向上に向けた活動、新行動指針の浸透活動などを通して、社員が受け身姿勢ではなく、自らスキル向上や稼働率向上、顧客企業のビジネス成果の向上やCSV普及に取り組む姿勢を持つ、自律型の個人を育成し、自律分散かつチーム協働型の組織風土を作っていきます。 (3)リスク管理 リスク・コンプライアンス全般を検討する横断的な組織としてリスク・コンプライアンス委員会を設置し、全社的なリスク管理を行っています。 ・リスク・コンプライアンス委員会管理部門担当取締役を委員長とし、委員会メンバーはグループ執行役員によって構成されております。 常勤監査等委員である取締役がオブザーバーとして参加します。 リスク管理及びコンプライアンスに関する重点課題の策定及び目標達成に向けた課題について、四半期に1回以上協議、決定を行い、適宜取締役会に報告します。 取締役会は、リスク・コンプライアンス委員会から全社リスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。 リスク・コンプライアンスに関する事項を所管する、コーポレート・ガバナンス室が、社内の関係部署の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況の把握を行います。 さらに、適切な対応を検討して少なくとも年に1回以上リスク・コンプライアンス委員会に報告・提言します。 リスク管理プロセス担当する会議体リスク評価の範囲当社リスクの識別・評価・絞り込みグループ経営会議リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク、人権リスクを含んだ人的資本リスク)リスク対応各本部モニタリング・報告グループ経営会議リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク、人権リスクを含んだ人的資本リスク) ・人権リスクへの対応 人権の尊重とハラスメント防止に向けた取組みとして社内および社外取引先を対象とした内部通報制度を運用しています。 内部通報内容は人権への負の影響の抽出・特定を行い、リスク・コンプライアンス委員会にて審議を行い、審議内容は適宜取締役会に報告します。 また、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、当社のステークホルダーに与える人権への負の影響を抽出・特定し、その防止および軽減を図ります。 (4)指標及び目標 当社は、上記において記載した当社の成長ドライバーである人的資本の拡充について、1.人的資本の最大化、2.組織資本の最大化、3.より高度な全員参加型経営の実践について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。 指 標目 標実績(当事業年度)時点実績値a.PMO人材数(注2)2027年3月期 955名2025年3月31日358名b.売上単価毎期向上2025年3月期912,681円(前期比 +3.5%)c.DX売上比率2026年3月期 第4四半期 55%2025年3月期第4四半期41.5%d.DX人材比率2026年3月期 65%2027年3月期 90%2025年3月期-e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率85%2025年3月期第4四半期85.4%(前年同期比 ▲1.0pt)f.売上総利益率適正値に改善2025年3月期20.9%g.ミッション・ビジョン研修受講率100.0%2025年3月期96.3%h.専門特化型カンパニー数事業領域ごとに拡大に伴い新規設立2025年3月31日20社(新規設立数3社)i.社員(DC)数社員数 10,000人2025年3月31日社員数 2,967人DC数 2,627人j.離職率2030年 5.0%2025年3月期11.1% 指 標目 標実績(当事業年度)時点実績値k.教育投資額人材育成投資毎期、付加価値売上高(注3)の2%2025年3月期付加価値売上高の1.6%l.従業員持株会加入率100%2025年3月31日52.6%m.地方勤務社員50.0%2025年3月31日17.1%n.女性社員比率51.0%2025年3月31日47.5%o.男性育児休業取得率30.0%2025年3月期90.0%p.女性管理職比率30.0%2025年3月31日30.4%q.社員エンゲージメントスコア2026年3月期 前期比+0.1pt2025年3月期3.41pt(前期比▲0.11pt)(注)1.上記指標に対する進捗は一部非財務指標に掲載しており、四半期ごとに更新しております。 https://www.members.co.jp/ir/performance/2.PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指し、プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場となります。 3.付加価値売上高とは売上収益から外注・仕入を差し引いた社内リソースによる売上高となります。 ・人的資本の投資管理における指標と目標(持続的な成長のための事業投資) サービス産業である当社にとって、研究開発とは事業投資やサービス開発投資であり、高収益・高成長を持続的に維持するためには当該領域への投資が不可欠であると認識しております。 当社では持続的な成長に向けて、サービスの向上・開発に向けた継続的なサービス開発投資、新規事業開発を進めるための投資枠、経費枠の指標を次のとおり設けております。 項 目内 訳当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)指 標付加価値売上高に占める割合事業開発投資サービス開発投資新規事業開発投資生産性向上投資DGT推進252百万円事業開発投資+人材育成投資毎期、付加価値売上高の3.5%~5%2.8%(うち人材育成投資1.6%)人材育成投資教育研修費教育研修部門総経費347百万円 ・人権の尊重 人権の尊重に関する目標および実績は、次のとおりであります。 当社の取組み人権基本方針の策定、組織体制の確立、公開内部通報制度の運用内部通報制度の外部取引先への拡大人権デュー・デリジェンスのプロセスの設定・導入2026年3月期目標人権デュー・デリジェンスの運用開始 〇環境(脱炭素、持続可能な社会への取組み) 当社では、2030年の目指す姿を示した「VISION2030」において、最も重要な社会課題の1つに「地球温暖化および気候変動による環境変化」を挙げております。 国際社会において気候変動問題は、早急な解決が求められる重要な社会課題と認識されており、世界全体で脱炭素化に向けた取組みが進められています。 日本においても、ESG投資の加速や炭素税の本格的な導入が議論されるなど、気候変動問題が企業経営にもたらす影響は一層増大し、マーケティング活動を含めた企業のビジネスそのものも脱炭素型・社会課題解決型へ変容していくことが予想されます。 イ.環境方針、環境宣言 当社は、ミッション経営を推進しており、自社の社会における存在意義を「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」と定義しています。 さらに2030年の目指す姿として「VISION2030」を掲げ、その中で従来型のマーケティング活動がもたらしたとも言える社会課題「地球温暖化および気候変動による環境変化」に着目し、解決に取り組むことを宣言しています。 従来型マーケティングを変革し、循環型経済モデルへと転換することで、人々の幸せ・環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへの変革を通じ、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献することを目指しています。 当社は存在意義・社会的使命を示す「ミッション」を下記のとおり定款に明記し、ステークホルダーに対して表明しています。 ・定款第2条 ミッション「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」メンバーズはマーケティングの基本概念を「人の心を動かすもの」と捉えており、インターネット/デジタルテクノロジーは「企業と人々のエンゲージメントを高めるもの」と考えている。 メンバーズは企業と人々の自発的貢献意欲を持って組織活動に参加する“MEMBERSHIP”による協力関係づくりを支援し、マーケティングの在り方・企業活動の在り方を「社会をより良くするもの」へと転換する。 そして気候変動・人口減少等の現代の社会課題に取組み、自社のみならず取引先、生活者と共に、人々の幸せや環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへと変革することで、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献する。 ロ.環境行動指針1.マーケティングの在り方・企業活動の在り方を変革する当社は企業と人々の自発的貢献意欲を持って組織活動に参加する“MEMBERSHIP”による協力関係づくりを支援し、マーケティングの在り方・企業活動の在り方を「社会をより良くするもの」へと転換する。 2.事業活動を通じて社会課題に取組み、脱炭素社会を実現する気候変動・人口減少等の現代の社会課題に取組み、自社のみならず取引先、生活者と共に、人々の幸せや環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへと変革することで、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献する。 全人類の最大の課題である気候変動問題と、少子高齢化に伴う年金医療費問題、地方衰退による財政破綻問題に重点的に取り組む。 温暖化が後戻りできないほど悪化しないよう排出するCO2を2030年までに半減させ、女性活躍や年齢問わず永く働ける環境づくり、地方雇用創出などに貢献できるよう具体的に行動する。 3.脱炭素DXの推進DXの推進により業務プロセス・企業と顧客の関係性・ビジネスモデルを変革しつつ、脱炭素化を実現する。 4.環境保全活動国際的環境規制ならびに国、地方自治体などの環境規制を遵守するにとどまらず、自社使用電力を100%の再生可能エネルギーとし、必要に応じて自主基準を策定して環境の保全に努める。 5.継続的な改善環境におけるマネジメントシステム、各種制度を整備し、環境目的・環境目標を設定して、継続的な改善活動を実施する。 6.環境教育の推進社員に対し環境に関する法令遵守、環境への意識向上、幅広い観点からの環境保全活動について教育する。 7.情報公開本指針の内容および当社の環境に関する情報等、各ステークホルダーへの情報開示と積極的なコミュニケーションにより、相互理解と協力関係の強化に努める。 ハ.TCFD提言に沿った情報開示 当社は2021年4月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、シナリオ分析等を行い、当社ウェブサイトにおいて関連する情報について開示いたしました。 (https://www.members.co.jp/sustainability/tcfd/) ・TCFD提言が推奨する開示項目における情報開示TCFD提言が推奨する4つの開示項目①ガバナンス②戦略③リスク管理④指標と目標と、項目毎の具体的な開示内容に基づき、当社は、気候関連情報を開示しています。 (1)ガバナンス<環境マネジメントシステム>当社は環境に配慮した企業活動を推進し、その中で従来型のマーケティング活動がもたらしたとも言える社会課題「地球温暖化および気候変動による環境変化」に着目し、解決に取り組むため、環境行動指針を定め、環境マネジメントシステムおよび管理体制を構築しています。 当社は環境マネジメントシステムの推進にあたり、環境保全の状況を毎年度分析・評価することにより、取組みを持続的・効果的に実施します。 <体制>環境マネジメント体制構築のため、環境に関する事柄全般を検討する横断的な組織としてサステナビリティ推進委員会を設置し、全社的な環境保全活動を推進しています。 ・環境マネジメント体制図 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 〇共通(1)ガバナンス」をご覧ください。 (2)戦略 当社はTCFD提言に基づき、全社を対象として気候変動リスク・機会による事業インパクト、対応策の検討に向けたシナリオ分析を行い、1.5℃~2℃及び4℃の気温上昇時の世界を想定し、2020年度より将来までの間に事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。 その結果、リスクとしては、電力価格の上昇に伴う環境価値証書価格の大幅拡大が懸念され、価格影響額を試算した結果、以下のとおりコスト上昇の可能性があることがわかりました。 (2020年実績、2030年見込み)リスク1.5℃~2℃ 財務インパクト計算式環境価値証書価格約1億円のコスト1tCO2あたりのJクレジット価格×調達量(※1)(※2)※1 Jクレジット価格の推移データを参考に、1.5℃~2℃では2020年10月の日本政府の脱炭素宣言~現在までのJクレジット価格の推移率を使用し、2030年のJクレジットの価格を算出。 ※2 事業拡大に伴う増加分も加味。 機会としては、脱炭素・サステナビリティのニーズ拡大に伴う脱炭素DX支援・CSV経営・CSV型プロモーション実行支援等の拡大等が見込まれることがわかりました。 当社は今後一層、環境方針・環境行動指針に従い、自社のみならず取引先、生活者と共に、人々の幸せや環境・社会と調和した脱炭素型で持続可能な経済モデル、ライフスタイルへと変革することで、世界の人々に心の豊かさを広げ、社会をより良くすることに貢献してまいります。 1.5℃の世界観(2030年)4℃の世界観(2050年)気候変動に関する積極的な国内政策・法規制が進み、カーボンプライシングの導入、温室効果ガス排出量開示の義務化、再エネ設備投資への優遇等が行われ、企業や投資家の温室効果ガス排出量削減や再生可能エネルギーの導入、省エネへのニーズが高まると想定。 同時に、脱炭素DX支援・CSV経営・CSV型プロモーション実行支援等の拡大が見込まれる世界観を想定。 気候変動に関する国内政策・法規制が進まず、不可逆的な環境変化が頻発。 物理的なサプライチェーンへの影響が顕著に現れると想定。 脱炭素DX支援・CSV経営・CSVプロモーション実行支援に関しては底堅いニーズがあり続けると想定。 ・リスク区分想定される事象当社へのリスク対策現在の規制(1)カーボンプライシングメカニズム (2)排出量報告義務の強化(3)既存の製品およびサービスに対する命令および規制温室効果ガス排出量0を既に達成しているため、現在の規制に関する当社への影響は小さい旨の判断を行いました。 ― 区分想定される事象当社へのリスク対策新たな規制(1)カーボンプライシングメカニズム (2)排出量報告義務の強化(3)既存の製品およびサービスに対する命令および規制(4)日本の温室効果ガス削減目標の引き上げ(5)省エネ政策の強化温室効果ガス排出量0を既に達成しているため、(1)~(4)に関する当社への影響は小さい旨の判断を行いました。 (5)により省エネを実施するためのコストが発生し、当社へ小規模のリスクがあると考えられます。 (5)将来的な省エネ規制を見据えた省エネ対応を推進。 法的リスク訴訟リスク当社の事業はネットビジネス支援事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の製造・販売を行っておりません。 また、デジタルおよびインターネットビジネス業は気候変動への影響は比較的小さいと考えられ、サステナビリティ推進委員会において当社の事業運営に伴う訴訟リスクは小さいため、関連しない旨の判断を行いました。 ―技術リスク(1)既存の製品・サービスを排出量の少ないものに置換 (2)新技術への投資失敗(3)低排出技術への移行当社の事業はネットビジネス支援事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の製造・販売を行っていないため、低炭素でエネルギー効率の高い事業への移行を支援する技術に関連するリスクへの影響はない旨の判断を行いました。 ―市場リスク(1)電力調達の不確実性 (2)電力の環境価値証書の価格高騰(3)非財務情報開示の拡大(1)電力市場の価格リスク(再エネ高騰、販売量の不安定) (2)証書の調達コストが上がり、当社の財務計画に中規模のリスクがあると考えられます。 (3)非財務情報開示の拡大により、投資家等市場参加者からの対応要求が拡大し、当社の財務・経営計画に変更が生じるリスクが考えられるものの、当社は定款第2条および『Members Story』において気候変動・人口減少等の社会課題への取り組みを明記し取り組みを進めており、当社の事業運営に伴う評判リスクは小さいため、関連しない旨の判断を行いました。 (1) (2)省エネ施策を強化し、調達するクレジット量を削減させる。 再エネを自家発電・自家消費する。 評判リスク(1)消費者の嗜好の移り変わり (2)セクターの非難(3)ステークホルダーからの懸念または否定的なステークホルダーからのフィードバック当社の事業はネットビジネス支援事業であり、気候変動に影響を及ぼす製品等の製造・販売を行っておりません。 また、デジタルおよびインターネットビジネス業は気候変動への影響が比較的小さいと考えられるため、サステナビリティ推進委員会において当社の事業運営に伴う評判リスクは小さいため、関連しない旨の判断を行いました。 ― 区分想定される事象当社へのリスク対策緊急性の物理リスク(1)台風や洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇 (2)山火事の可能性と重大性の上昇(1)当社の事業所のハザードマップの状況等から、長期間におよぶ事業所の浸水等のリスクは低いと考えられますが、豪雨、洪水により事務所・発電所や従業員が影響を受け業務遂行に支障をきたした場合、当社に中規模のリスクが考えられます。 また、自然災害時の従業員の安否確認や事業所等の災害対応、また保険料の上昇により当社へコスト増加の影響が考えられます。 (2)当社のオフィスは山間部から離れているため、関連するリスクへの影響はない旨の判断を行いました。 (1)災害発生時の対応計画策定、浸水対策慢性の物理リスク(1)降水パターンの変化や気象パターンの極端な変動 (2)平均気温上昇(3)海面上昇(1) (2)(3)慢性的な物理リスクの一例として、酷暑日の増加による電力需要のひっ迫に伴う空調費用の上昇リスクが考えられます。 海面上昇により沿岸部の事業所、発電所、従業員の住宅が影響を受け業務遂行に支障をきたし、中規模のリスクが考えられます。 (1) (2)(3)データセンターの利用自社発電等の各種施策の利用検討により安定供給を確保、省エネ施策の実施。 災害発生時の対応計画策定、浸水対策災害発生時のBCP対応計画策定その他リスク(1)水資源・食料・エネルギー資源の競合、景気減退、地政学的な紛争拡大(2)人々の健康被害の増加(1)水資源・食料・エネルギー資源の競合等により地政学的な紛争が発生・拡大し、世界経済の景気減退により当社の財務計画に中~大程度のリスクがあると考えられます。 (2)平均気温の上昇により、社員の熱中症、マラリア等熱帯地方の感染症の拡大、就業環境の悪化、在宅勤務の長期化等、複合的な要因による精神疾患者の増加、労働意欲の低下といったリスクが考えられますが、健康経営の推進、拡大、社員への適切な就業環境の提供によりリスクは抑えられると考えられ、関連しない旨の判断を行いました。 ―※財務影響度 小:1,000万円以内 中:1億円以内 大:10億円以内 甚大:10億円超 ・機会区分想定される事象機会市場サステナビリティ関連サービスのニーズ増加企業にサステナビリティや社会課題の解決といった社会的価値の提供が求められることで、脱炭素DX支援、CSV経営、CSV型プロモーション実行支援のニーズが高まる可能性があります。 技術再エネ・省エネ技術の普及再エネの価格低下により自社の再エネ調達費用が削減でき、当社のコスト削減につながる可能性があります。 省エネ技術の価格低下により、自社の省エネ対策にかかるコストが低下し、当社のコスト削減につながる可能性があります。 評判顧客の評判変化顧客がサプライチェーン全体での温室効果ガス削減を求める場合、温室効果ガス排出量が0である当社と取引するインセンティブが働くと考えられます。 投資家の評判変化投資家が気候変動のリスクを投資判断時に考慮する場合、温室効果ガス排出量が0である当社に投資するインセンティブが働くと考えられます。 物理的リスク(慢性)平均気温の上昇冬季の電力使用量が減少し、当社のコスト削減につながる可能性があります。 (3)リスク管理 環境マネジメント体制構築のため、環境に関する事柄全般を検討する横断的な組織としてサステナビリティ推進委員会を設置し、全社的な環境保全活動を推進しています。 サステナビリティに関する事項を所管するグループ経営企画室は、社内の関係部署の協力を仰ぎながらリスクと機会の特定を主導し、状況の把握を行います。 さらに、適切な対応を検討して少なくとも年に1回以上サステナビリティ推進委員会に報告・提言します。 また、特定した気候変動の影響について、必要に応じてリスク・コンプライアンス委員会へ報告・提言を行うことで、気候変動の影響を全社リスクに統合する役割を担っています。 サステナビリティ推進委員会は、グループ経営企画室から報告・提言された気候変動の影響と対応について選定と審議を行い、年に1回以上担当役員による評価・分析を行っています。 リスクの評価については、その他のサステナビリティ推進委員会で審議・調整した気候変動に関する事項とともに少なくとも年1回以上取締役会に報告されます。 リスク・コンプライアンス委員会は四半期に1回以上開催され、気候変動課題を含む環境課題リスクをリスク管理及びコンプライアンスに関する重点課題の策定及び目標達成に向けた課題について、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、取締役会に報告いたします。 取締役会は、サステナビリティ委員会とリスク・コンプライアンス委員会から気候変動に関するリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。 リスク管理プロセス担当する会議体リスク評価の範囲当社リスクの識別・評価・絞り込みグループ経営会議リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク)サステナビリティ推進委員会(気候変動課題を含む環境課題リスク)リスク対応各カンパニーモニタリング・報告グループ経営会議リスク・コンプライアンス委員会(経営リスク)サステナビリティ推進委員会(気候変動課題を含む環境課題リスク) ・リスク管理プロセス (4)指標と目標 メンバーズは1.5℃未満のシナリオの実現に向けた戦略に基づき、2022年度目標とした再生可能エネルギー100%を2020年に前倒しで達成いたしました。 自社で使用する電力相当分の再生可能エネルギー発電を安定的に行うことを目指して、発電事業を行う子会社「メンバーズエナジー」(注)を設立し、非FIT太陽光発電所を建設して、2021年6月から発電を開始しました。 当社はオフィスビルにテナントとして入居しており、メンバーズエナジーが発電した電気を直接使用することはできないため、再生可能エネルギー由来のJクレジットを購入し、当社では、2020年度以降のScope1,2の温室効果ガス排出量を0としております。 (注)2024年11月1日を効力発生日として、完全子会社である株式会社メンバーズエナジーを吸収合併しております。 目標年度再生可能エネルギー比率2022年100%(2020年達成済) 2020年(2021年3月期)2021年(2022年3月期)2022年(2023年3月期2023年(2024年3月期)2024年(2025年3月期)Scope1,2(ロケーション基準※)198t-CO2187t-CO2240t-CO2265t-CO2286t-CO2Scope1,2(マーケット基準※)0t-CO20t-CO20t-CO20t-CO20t-CO2 今後はScope3としてサプライチェーンでの企業活動に伴う温室効果ガス排出量を算出・開示し、早急に算出目標を達成することで、更なる活動の推進に取り組んでまいります。 (※)ロケーション基準、マーケット基準ロケーション基準地域、国などの区域内における発電に伴う平均の排出係数に基づき電力等二次エネルギーからの排出を算定する手法です。 省エネ努力は排出削減として反映されますが、再エネ等の炭素排出量の低い電力の選択では反映されません。 需要家が証書等を購入していてもその効果を反映することはできません。 マーケット基準企業が契約に基づいて購入した電力の排出係数によって電力等二次エネルギーからの排出量を算定する手法です。 再エネ等の企業の炭素排出量の低い電力の選択が、排出削減に反映されます。 需要家が証書等を購入している場合は、その効果も反映することができます。 |
戦略 | (2)戦略 当社のビジネスモデルは、デジタルクリエイター(以下、「DC」という。 )による労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、当社の成長ドライバーは人的資本の拡充となります。 具体的には、DCを育成・輩出することとその稼働率を最大限に高めることであり、そのために採用者数を増やし、営業体制を強化するとともに、従来のWebサイト運用に加えて、より高度な専門領域を拡大させるべく、強力に投資を実行してまいりました。 しかしながら、2024年3月期においては、当社全体で新卒中途問わず採用先行の売上成長を重視したマネジメントにより、当社全体のDCの稼働率が低下し、収益性が大幅に悪化しました。 ◆中期的な成長に向けた戦略2024年4月より、顧客企業のDXニーズに合わせ、各本部および専門カンパニーを「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域に再編しました。 各事業領域においては、様々な専門スキルを持ったDCが3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のDXプロジェクトの現場を顧客とともに実際に手を動かしながら改善する伴走支援型モデル「Digital Growth Team(以下「DGT」という。 )」を提供し、顧客企業一社あたりの取引規模拡大を図っております。 加えて2024年4月より、「中期的な成長に向けた戦略」に基づき事業を推進し、2025年3月期は、2027年3月期までに高収益ならびに高成長率体制を実現するべく、その土台を固めるための初年度と位置付け、事業基盤を再構築してまいりました。 「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略およびKPIの進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご覧ください。 当社の人的資本戦略は単なるリソース戦略ではなく、経営戦略の根幹であり、CSV経営の実践でもあります。 具体的には、「人的資本」と「組織資本」を最大化させることで、真の「クリエイターが最も成長し活躍する会社」となり、事業戦略を遂行し、DX現場支援ナンバー1のポジションを獲得、高成長、高収益の事業を確立します。 人的資本を最大化させるべく育成戦略および採用戦略を推進することで、高単価かつ高稼働率を実現する専門職種人材を増やし、クリエイターの価値向上につなげ、結果としてクリエイターの基準年収を引き上げることを目指します。 並行して、組織資本を最大化させるべく、一人ひとりが自律した多種多様なクリエイターが集まる組織の価値を高めることで、より集団としてのシナジーを高め、全社としてのエンゲージメントの向上を図ります。 そこにクリエイター一人ひとりの価値が加わることで、相乗効果となり企業の人的価値も高めてまいります。 (人的資本への投資について)デジタルテクノロジーの更なる進化や世界的な脱炭素への取組み、および日本の人口減少の影響等を受け、企業のデジタル投資は一段と加速すると同時にIT/デジタル人材の不足は更に深刻化するものと捉えております。 そのような環境において、当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客企業への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取り組み、顧客企業へのDX現場支援を通じ、顧客企業とともに社会変革をリードすることを目指してまいります。 人的資本ストーリー対応する指標1.人的資本の最大化 当社の人的資本とは、当社の社員、人材そのものであり、当社の競争力の源泉であるとともに、経営指針の重要な一項目かつ長期ビジョンの要となっています。 当社の社員が、DCとしてスキルを高め、顧客企業に求められ、価値を提供することで、当社の事業が成長、事業体として拡大し、ミッションやビジョンの実現に近づいてまいります。 そのためにはDC数、クリエイター一人あたりの単価、顧客企業へ価値を提供するための稼働率を最大化させる必要があります。 中期的には育成のための投資は惜しまず実行し、高稼働率を目指します。 なお、当社の人的資本の価値として以下の計算式のとおり明示することが可能です。 人的資本額=DC数 × 単価 × 稼働率1-ⅰ.育成方針 ミッション・ビジョンを実現させるためには、自律的かつ協働して業務を遂行し、業務を通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター志向性の高い人材が必要です。 評価制度への組み入れや、全社員が参加するミッション・ビジョン研修への参加を通じて、ミッション・ビジョンの実現をリードできる人材を育成してまいります。 また、事業戦略を遂行するために、DCとしての価値も向上させるべく、クリエイターの専門性の向上、カスタマーサクセスを追求するプロデューサー人材およびPMO(※)人材輩出により、売上単価向上を目指してまいります。 具体的には、UXデザイナーやマーケティングDX人材など顧客企業のDXプロジェクトを伴走支援するDX人材の育成を強化いたします。 2027年3月期に全社の90%以上のDCをDX人材として育成することを目指す「SINCA90」プロジェクトを推進し、専門スキル育成の強化だけでなく案件稼働を見据えたプログラムを展開することで、業界一、顧客企業の現場改善に伴走できるDX人材を数多く輩出することを目指します。 また、AI活用を全社規模で本格化させ、業務プロセスの抜本的な効率化と生産性向上を追求するとともに、競争優位性の確立に向けたAIの戦略的な利活用を強力に推進してまいります。 これらにより2026年3月期末においてDX人材の比率を65%に引き上げ、新卒1、2年目を除くDCの平均稼働率85%以上を目指してまいります。 当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取組み、顧客企業へのDX支援を通じ、顧客と共に社会変革をリードすることを目指してまいります。 (※)PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。 プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。 <指標>a.PMO人材数b.売上単価c.DX売上比率d.DX人材比率e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率f.売上総利益率g.ミッション・ビジョン研修受講率 人的資本ストーリー対応する指標 1-ⅱ.採用方針 当社ではコアバリューである「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」があらゆる活動の根幹となっており、ミッションやビジョン、経営指針もそれに則ったものです。 従ってこのコアバリューやミッション・ビジョンに対する共感度が最も重要な採用基準となります。 加えて、変化の激しい当社が属する業界(以下、当業界という。 )において継続的に学び続ける学習意欲や、変化に率先して対応する、もしくは自ら変化を起こしていく変革リーダーシップを重視します。 これは新卒・中途どちらの採用においても同様であり、スキル・経験があってもコアバリューがマッチしていなければ、長期の就業は見込めず、結果的には高いパフォーマンスが発揮できないと考えられるためであります。 当業界においては、たとえ未経験であっても、継続的な学習意欲を持った人材が長期的に就業することの方が結果的には高いパフォーマンスにつながると考えます。 当社は、デジタル人材が不足する未来を見据え、新卒採用に注力することで採用した人材をDCとして育成し、顧客企業へのご支援のみならず、世の中に不足するデジタル人材を積極的に輩出してまいりました。 その結果、総社員数に対する新卒社員の割合が増加したことに伴う収益性の悪化により、短期的に採用を抑制し、既存社員の稼働率の向上に最注力する方針としております。 2025年3月期において、新卒・中途採用の抑制をはじめとするコストコントロール等の利益重視マネジメントに加えて、DX領域への転換による売上単価向上、新卒1、2年目を除くDCの稼働率の引き上げに最注力した結果、先行投資フェーズから収益化フェーズへの転換が当初計画以上に進捗しました。 付加価値売上高成長率は、Web運用領域の成長率鈍化に対しDX領域の高成長が継続していることから改善傾向にあり、2027年3月期に高収益・高成長事業を確立するため、2026年3月期は成長率をより一層引き上げるべくDX人材の育成ならびに顧客企業のDX内製化を伴走支援するポジションの確立を推進し、DX領域への転換を一層加速させてまいります。 引き続き、中長期的に社会に有用なデジタル人材を輩出する方針に変更はなく、人材ポートフォリオおよび収益性の改善の後、新卒、中途採用とともに採用・育成モデルを継続しつつ、高収益の基盤を再構築することで、高成長を持続的に維持する方針としております。 また、新卒採用に加えて中途採用においても、コアバリューおよびミッションを強く訴求することで、他社との差別化を図り、これに共感する人材の獲得が可能になると考えております。 b.売上単価c.DX売上比率d.DX人材比率e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率i.社員(DC)数j.離職率 1-iii.人的資本の投資 育成と採用によりスキルの高いDCの数を増やすだけでなく、営業への投資も積極的に実行し、案件獲得も並行して強力に推進することで、クリエイター一人あたりの単価や稼働率を向上させます。 育成への投資は付加価値売上高の2%と投資枠を設け実行いたします。 当社のミッションおよびビジョンの実現に向けて、脱炭素DXを軸として、関連する複数のサービスを展開し事業基盤を構築することで、顧客企業のサステナブル経営の基盤確立を支援してまいります。 そのために、2027年3月期において脱炭素DX人材1,000名の育成・輩出を目指し、GXリテラシーとデジタルスキルを兼ね備えた脱炭素DX人材の育成を推進いたします。 顧客企業のDX現場支援におけるチームマネジメント、およびチームビジョンやDC個人のビジョンを軸にアカウントマネジメントやチーム運営を行う現場中心の全員参加型経営の在り方を確立し、挑戦的な文化と社員の幸せを追求いたします。 DCの多様なキャリア形成を支援し報酬の引き上げを目指すとともに、当社が掲げる全員参加型経営を推進することで離職率の改善および社員エンゲージメントの向上を図ります。 これらにより、2026年3月期における社員エンゲージメントスコアを前回比0.1ポイント改善を目指してまいります。 a.PMO人材数b.売上単価e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率k.教育投資額q.社員エンゲージメントスコア 人的資本ストーリー対応する指標2.組織資本の最大化 人的資本の価値を向上させるためには、人的資本の最大化のみならず、人材が置かれる環境、すなわち、組織資本の最大化が必須であると考えております。 具体的には、当社は、自律分散協働型の組織であり、かつ、多様なDCが集まるプラットフォームとして組織を強化いたします。 自律分散協働型の組織とは、分散して存在する個々人が自律的に行動し、協働的に相互作用しながら一つの組織として成り立つ体制であり、これにより個々人のコミットメントや責任感、主体性や創造性が高まりやすくなるものと捉えています。 当社は、一人ひとりの社員が自律的に考え行動しつつ、ともにミッションビジョンの実現を目指す組織の実現を目指します。 また、多様な人材が集まることで、集団としてのシナジーも最大化させ、一人では成しえることができない『DX伴走支援ナンバー1』と『CSVのリーディングカンパニー』を実現させます。 2-i.自律分散協働型組織の実現 一人ひとりの社員が自律的に考え行動するための権限委譲を推進し、小さい組織単位での意思決定が可能な組織を目指します。 当社は高付加価値な専門領域を拡大するための社内カンパニーの社長を社長公募制度により募ります。 設立したカンパニーは一つの会社とみなされ、カンパニー社長は運営に十分な権限を移譲されています。 また、当社ミッションに共感する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することを「全員参加型経営」と称し、2023年4月に策定を発表した新行動指針も用いて自律分散協働型の組織力を向上させます。 全員参加型経営を体現するべく、当社では社員が当社株式を保有することも推奨しております。 h.専門特化型カンパニー数l.従業員持株会加入率 2-ii. 多様性の確保 当社は、多様性を確保するべく、社内環境を整備しております。 具体的には、男女ともに長く働きやすい働き方として、子育て社員への勤務時間の短縮や有給の看護休暇などの制度を設けています。 また、国籍や性別を問わず採用や評価を実施しており、障がい者雇用も積極的に推進しています。 働き方も、自律した社員であれば、リモートワークや地方での勤務も可能であり、社員の移住を支援する制度も設けています。 m.地方勤務社員n.女性社員比率o.男性育児休業取得率p.女性管理職比率 2-iii. 組織資本への投資 自律した社員の働きやすさを追求し、社員一人ひとりのキャリアの充実化にむけた社内異動制度やカンパニー社長の公募制度なども整備しており、社員がチャレンジできる環境を整えております。 これにより、社員エンゲージメント、離職率、女性管理職比率、男性育児休業取得率、従業員持株会加入率(エンゲージメントを高めるために経営に参画)、といった複数の指標から、組織資本の最大化が十分に進捗しているか確認していきます。 これらの指標が改善することで、全社のエンゲージメントが高まり、DCの価値が掛け合わされることで、当社の人的資本価値は向上すると考えています。 また、社員エンゲージメントスコアを活用し、当社の人的資本の拡充のための定点観測を行うことで、中長期的な成長基盤を確立し当社の継続的な成長に繋げてまいります。 j.離職率l.従業員持株会加入率o.男性育児休業取得率p.女性管理職比率q.社員エンゲージメントスコア 3.より高度な全員参加型経営の実践 人的資本と組織資本の最大化により、企業価値を向上させると同時に、自律分散協働型の組織風土を作ることで、全員参加型経営をよりバージョンアップさせることを目指します。 全員参加型経営とは、ミッションに共鳴する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することであり、まさに自律分散協働型の組織により実現が可能なものです。 2023年4月から新たな取組みとして、評価制度の変更、社員のエンゲージメントスコア向上に向けた活動、新行動指針の浸透活動などを通して、社員が受け身姿勢ではなく、自らスキル向上や稼働率向上、顧客企業のビジネス成果の向上やCSV普及に取り組む姿勢を持つ、自律型の個人を育成し、自律分散かつチーム協働型の組織風土を作っていきます。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社は、上記において記載した当社の成長ドライバーである人的資本の拡充について、1.人的資本の最大化、2.組織資本の最大化、3.より高度な全員参加型経営の実践について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。 指 標目 標実績(当事業年度)時点実績値a.PMO人材数(注2)2027年3月期 955名2025年3月31日358名b.売上単価毎期向上2025年3月期912,681円(前期比 +3.5%)c.DX売上比率2026年3月期 第4四半期 55%2025年3月期第4四半期41.5%d.DX人材比率2026年3月期 65%2027年3月期 90%2025年3月期-e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率85%2025年3月期第4四半期85.4%(前年同期比 ▲1.0pt)f.売上総利益率適正値に改善2025年3月期20.9%g.ミッション・ビジョン研修受講率100.0%2025年3月期96.3%h.専門特化型カンパニー数事業領域ごとに拡大に伴い新規設立2025年3月31日20社(新規設立数3社)i.社員(DC)数社員数 10,000人2025年3月31日社員数 2,967人DC数 2,627人j.離職率2030年 5.0%2025年3月期11.1% 指 標目 標実績(当事業年度)時点実績値k.教育投資額人材育成投資毎期、付加価値売上高(注3)の2%2025年3月期付加価値売上高の1.6%l.従業員持株会加入率100%2025年3月31日52.6%m.地方勤務社員50.0%2025年3月31日17.1%n.女性社員比率51.0%2025年3月31日47.5%o.男性育児休業取得率30.0%2025年3月期90.0%p.女性管理職比率30.0%2025年3月31日30.4%q.社員エンゲージメントスコア2026年3月期 前期比+0.1pt2025年3月期3.41pt(前期比▲0.11pt)(注)1.上記指標に対する進捗は一部非財務指標に掲載しており、四半期ごとに更新しております。 https://www.members.co.jp/ir/performance/2.PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指し、プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場となります。 3.付加価値売上高とは売上収益から外注・仕入を差し引いた社内リソースによる売上高となります。 ・人的資本の投資管理における指標と目標(持続的な成長のための事業投資) サービス産業である当社にとって、研究開発とは事業投資やサービス開発投資であり、高収益・高成長を持続的に維持するためには当該領域への投資が不可欠であると認識しております。 当社では持続的な成長に向けて、サービスの向上・開発に向けた継続的なサービス開発投資、新規事業開発を進めるための投資枠、経費枠の指標を次のとおり設けております。 項 目内 訳当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)指 標付加価値売上高に占める割合事業開発投資サービス開発投資新規事業開発投資生産性向上投資DGT推進252百万円事業開発投資+人材育成投資毎期、付加価値売上高の3.5%~5%2.8%(うち人材育成投資1.6%)人材育成投資教育研修費教育研修部門総経費347百万円 ・人権の尊重 人権の尊重に関する目標および実績は、次のとおりであります。 当社の取組み人権基本方針の策定、組織体制の確立、公開内部通報制度の運用内部通報制度の外部取引先への拡大人権デュー・デリジェンスのプロセスの設定・導入2026年3月期目標人権デュー・デリジェンスの運用開始 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2)戦略 当社のビジネスモデルは、デジタルクリエイター(以下、「DC」という。 )による労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、当社の成長ドライバーは人的資本の拡充となります。 具体的には、DCを育成・輩出することとその稼働率を最大限に高めることであり、そのために採用者数を増やし、営業体制を強化するとともに、従来のWebサイト運用に加えて、より高度な専門領域を拡大させるべく、強力に投資を実行してまいりました。 しかしながら、2024年3月期においては、当社全体で新卒中途問わず採用先行の売上成長を重視したマネジメントにより、当社全体のDCの稼働率が低下し、収益性が大幅に悪化しました。 ◆中期的な成長に向けた戦略2024年4月より、顧客企業のDXニーズに合わせ、各本部および専門カンパニーを「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域に再編しました。 各事業領域においては、様々な専門スキルを持ったDCが3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のDXプロジェクトの現場を顧客とともに実際に手を動かしながら改善する伴走支援型モデル「Digital Growth Team(以下「DGT」という。 )」を提供し、顧客企業一社あたりの取引規模拡大を図っております。 加えて2024年4月より、「中期的な成長に向けた戦略」に基づき事業を推進し、2025年3月期は、2027年3月期までに高収益ならびに高成長率体制を実現するべく、その土台を固めるための初年度と位置付け、事業基盤を再構築してまいりました。 「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略およびKPIの進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご覧ください。 当社の人的資本戦略は単なるリソース戦略ではなく、経営戦略の根幹であり、CSV経営の実践でもあります。 具体的には、「人的資本」と「組織資本」を最大化させることで、真の「クリエイターが最も成長し活躍する会社」となり、事業戦略を遂行し、DX現場支援ナンバー1のポジションを獲得、高成長、高収益の事業を確立します。 人的資本を最大化させるべく育成戦略および採用戦略を推進することで、高単価かつ高稼働率を実現する専門職種人材を増やし、クリエイターの価値向上につなげ、結果としてクリエイターの基準年収を引き上げることを目指します。 並行して、組織資本を最大化させるべく、一人ひとりが自律した多種多様なクリエイターが集まる組織の価値を高めることで、より集団としてのシナジーを高め、全社としてのエンゲージメントの向上を図ります。 そこにクリエイター一人ひとりの価値が加わることで、相乗効果となり企業の人的価値も高めてまいります。 (人的資本への投資について)デジタルテクノロジーの更なる進化や世界的な脱炭素への取組み、および日本の人口減少の影響等を受け、企業のデジタル投資は一段と加速すると同時にIT/デジタル人材の不足は更に深刻化するものと捉えております。 そのような環境において、当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客企業への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取り組み、顧客企業へのDX現場支援を通じ、顧客企業とともに社会変革をリードすることを目指してまいります。 人的資本ストーリー対応する指標1.人的資本の最大化 当社の人的資本とは、当社の社員、人材そのものであり、当社の競争力の源泉であるとともに、経営指針の重要な一項目かつ長期ビジョンの要となっています。 当社の社員が、DCとしてスキルを高め、顧客企業に求められ、価値を提供することで、当社の事業が成長、事業体として拡大し、ミッションやビジョンの実現に近づいてまいります。 そのためにはDC数、クリエイター一人あたりの単価、顧客企業へ価値を提供するための稼働率を最大化させる必要があります。 中期的には育成のための投資は惜しまず実行し、高稼働率を目指します。 なお、当社の人的資本の価値として以下の計算式のとおり明示することが可能です。 人的資本額=DC数 × 単価 × 稼働率1-ⅰ.育成方針 ミッション・ビジョンを実現させるためには、自律的かつ協働して業務を遂行し、業務を通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター志向性の高い人材が必要です。 評価制度への組み入れや、全社員が参加するミッション・ビジョン研修への参加を通じて、ミッション・ビジョンの実現をリードできる人材を育成してまいります。 また、事業戦略を遂行するために、DCとしての価値も向上させるべく、クリエイターの専門性の向上、カスタマーサクセスを追求するプロデューサー人材およびPMO(※)人材輩出により、売上単価向上を目指してまいります。 具体的には、UXデザイナーやマーケティングDX人材など顧客企業のDXプロジェクトを伴走支援するDX人材の育成を強化いたします。 2027年3月期に全社の90%以上のDCをDX人材として育成することを目指す「SINCA90」プロジェクトを推進し、専門スキル育成の強化だけでなく案件稼働を見据えたプログラムを展開することで、業界一、顧客企業の現場改善に伴走できるDX人材を数多く輩出することを目指します。 また、AI活用を全社規模で本格化させ、業務プロセスの抜本的な効率化と生産性向上を追求するとともに、競争優位性の確立に向けたAIの戦略的な利活用を強力に推進してまいります。 これらにより2026年3月期末においてDX人材の比率を65%に引き上げ、新卒1、2年目を除くDCの平均稼働率85%以上を目指してまいります。 当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取組み、顧客企業へのDX支援を通じ、顧客と共に社会変革をリードすることを目指してまいります。 (※)PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。 プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。 <指標>a.PMO人材数b.売上単価c.DX売上比率d.DX人材比率e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率f.売上総利益率g.ミッション・ビジョン研修受講率 人的資本ストーリー対応する指標 1-ⅱ.採用方針 当社ではコアバリューである「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」があらゆる活動の根幹となっており、ミッションやビジョン、経営指針もそれに則ったものです。 従ってこのコアバリューやミッション・ビジョンに対する共感度が最も重要な採用基準となります。 加えて、変化の激しい当社が属する業界(以下、当業界という。 )において継続的に学び続ける学習意欲や、変化に率先して対応する、もしくは自ら変化を起こしていく変革リーダーシップを重視します。 これは新卒・中途どちらの採用においても同様であり、スキル・経験があってもコアバリューがマッチしていなければ、長期の就業は見込めず、結果的には高いパフォーマンスが発揮できないと考えられるためであります。 当業界においては、たとえ未経験であっても、継続的な学習意欲を持った人材が長期的に就業することの方が結果的には高いパフォーマンスにつながると考えます。 当社は、デジタル人材が不足する未来を見据え、新卒採用に注力することで採用した人材をDCとして育成し、顧客企業へのご支援のみならず、世の中に不足するデジタル人材を積極的に輩出してまいりました。 その結果、総社員数に対する新卒社員の割合が増加したことに伴う収益性の悪化により、短期的に採用を抑制し、既存社員の稼働率の向上に最注力する方針としております。 2025年3月期において、新卒・中途採用の抑制をはじめとするコストコントロール等の利益重視マネジメントに加えて、DX領域への転換による売上単価向上、新卒1、2年目を除くDCの稼働率の引き上げに最注力した結果、先行投資フェーズから収益化フェーズへの転換が当初計画以上に進捗しました。 付加価値売上高成長率は、Web運用領域の成長率鈍化に対しDX領域の高成長が継続していることから改善傾向にあり、2027年3月期に高収益・高成長事業を確立するため、2026年3月期は成長率をより一層引き上げるべくDX人材の育成ならびに顧客企業のDX内製化を伴走支援するポジションの確立を推進し、DX領域への転換を一層加速させてまいります。 引き続き、中長期的に社会に有用なデジタル人材を輩出する方針に変更はなく、人材ポートフォリオおよび収益性の改善の後、新卒、中途採用とともに採用・育成モデルを継続しつつ、高収益の基盤を再構築することで、高成長を持続的に維持する方針としております。 また、新卒採用に加えて中途採用においても、コアバリューおよびミッションを強く訴求することで、他社との差別化を図り、これに共感する人材の獲得が可能になると考えております。 b.売上単価c.DX売上比率d.DX人材比率e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率i.社員(DC)数j.離職率 1-iii.人的資本の投資 育成と採用によりスキルの高いDCの数を増やすだけでなく、営業への投資も積極的に実行し、案件獲得も並行して強力に推進することで、クリエイター一人あたりの単価や稼働率を向上させます。 育成への投資は付加価値売上高の2%と投資枠を設け実行いたします。 当社のミッションおよびビジョンの実現に向けて、脱炭素DXを軸として、関連する複数のサービスを展開し事業基盤を構築することで、顧客企業のサステナブル経営の基盤確立を支援してまいります。 そのために、2027年3月期において脱炭素DX人材1,000名の育成・輩出を目指し、GXリテラシーとデジタルスキルを兼ね備えた脱炭素DX人材の育成を推進いたします。 顧客企業のDX現場支援におけるチームマネジメント、およびチームビジョンやDC個人のビジョンを軸にアカウントマネジメントやチーム運営を行う現場中心の全員参加型経営の在り方を確立し、挑戦的な文化と社員の幸せを追求いたします。 DCの多様なキャリア形成を支援し報酬の引き上げを目指すとともに、当社が掲げる全員参加型経営を推進することで離職率の改善および社員エンゲージメントの向上を図ります。 これらにより、2026年3月期における社員エンゲージメントスコアを前回比0.1ポイント改善を目指してまいります。 a.PMO人材数b.売上単価e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率k.教育投資額q.社員エンゲージメントスコア 人的資本ストーリー対応する指標2.組織資本の最大化 人的資本の価値を向上させるためには、人的資本の最大化のみならず、人材が置かれる環境、すなわち、組織資本の最大化が必須であると考えております。 具体的には、当社は、自律分散協働型の組織であり、かつ、多様なDCが集まるプラットフォームとして組織を強化いたします。 自律分散協働型の組織とは、分散して存在する個々人が自律的に行動し、協働的に相互作用しながら一つの組織として成り立つ体制であり、これにより個々人のコミットメントや責任感、主体性や創造性が高まりやすくなるものと捉えています。 当社は、一人ひとりの社員が自律的に考え行動しつつ、ともにミッションビジョンの実現を目指す組織の実現を目指します。 また、多様な人材が集まることで、集団としてのシナジーも最大化させ、一人では成しえることができない『DX伴走支援ナンバー1』と『CSVのリーディングカンパニー』を実現させます。 2-i.自律分散協働型組織の実現 一人ひとりの社員が自律的に考え行動するための権限委譲を推進し、小さい組織単位での意思決定が可能な組織を目指します。 当社は高付加価値な専門領域を拡大するための社内カンパニーの社長を社長公募制度により募ります。 設立したカンパニーは一つの会社とみなされ、カンパニー社長は運営に十分な権限を移譲されています。 また、当社ミッションに共感する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することを「全員参加型経営」と称し、2023年4月に策定を発表した新行動指針も用いて自律分散協働型の組織力を向上させます。 全員参加型経営を体現するべく、当社では社員が当社株式を保有することも推奨しております。 h.専門特化型カンパニー数l.従業員持株会加入率 2-ii. 多様性の確保 当社は、多様性を確保するべく、社内環境を整備しております。 具体的には、男女ともに長く働きやすい働き方として、子育て社員への勤務時間の短縮や有給の看護休暇などの制度を設けています。 また、国籍や性別を問わず採用や評価を実施しており、障がい者雇用も積極的に推進しています。 働き方も、自律した社員であれば、リモートワークや地方での勤務も可能であり、社員の移住を支援する制度も設けています。 m.地方勤務社員n.女性社員比率o.男性育児休業取得率p.女性管理職比率 2-iii. 組織資本への投資 自律した社員の働きやすさを追求し、社員一人ひとりのキャリアの充実化にむけた社内異動制度やカンパニー社長の公募制度なども整備しており、社員がチャレンジできる環境を整えております。 これにより、社員エンゲージメント、離職率、女性管理職比率、男性育児休業取得率、従業員持株会加入率(エンゲージメントを高めるために経営に参画)、といった複数の指標から、組織資本の最大化が十分に進捗しているか確認していきます。 これらの指標が改善することで、全社のエンゲージメントが高まり、DCの価値が掛け合わされることで、当社の人的資本価値は向上すると考えています。 また、社員エンゲージメントスコアを活用し、当社の人的資本の拡充のための定点観測を行うことで、中長期的な成長基盤を確立し当社の継続的な成長に繋げてまいります。 j.離職率l.従業員持株会加入率o.男性育児休業取得率p.女性管理職比率q.社員エンゲージメントスコア 3.より高度な全員参加型経営の実践 人的資本と組織資本の最大化により、企業価値を向上させると同時に、自律分散協働型の組織風土を作ることで、全員参加型経営をよりバージョンアップさせることを目指します。 全員参加型経営とは、ミッションに共鳴する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することであり、まさに自律分散協働型の組織により実現が可能なものです。 2023年4月から新たな取組みとして、評価制度の変更、社員のエンゲージメントスコア向上に向けた活動、新行動指針の浸透活動などを通して、社員が受け身姿勢ではなく、自らスキル向上や稼働率向上、顧客企業のビジネス成果の向上やCSV普及に取り組む姿勢を持つ、自律型の個人を育成し、自律分散かつチーム協働型の組織風土を作っていきます。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社は、上記において記載した当社の成長ドライバーである人的資本の拡充について、1.人的資本の最大化、2.組織資本の最大化、3.より高度な全員参加型経営の実践について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。 指 標目 標実績(当事業年度)時点実績値a.PMO人材数(注2)2027年3月期 955名2025年3月31日358名b.売上単価毎期向上2025年3月期912,681円(前期比 +3.5%)c.DX売上比率2026年3月期 第4四半期 55%2025年3月期第4四半期41.5%d.DX人材比率2026年3月期 65%2027年3月期 90%2025年3月期-e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率85%2025年3月期第4四半期85.4%(前年同期比 ▲1.0pt)f.売上総利益率適正値に改善2025年3月期20.9%g.ミッション・ビジョン研修受講率100.0%2025年3月期96.3%h.専門特化型カンパニー数事業領域ごとに拡大に伴い新規設立2025年3月31日20社(新規設立数3社)i.社員(DC)数社員数 10,000人2025年3月31日社員数 2,967人DC数 2,627人j.離職率2030年 5.0%2025年3月期11.1% 指 標目 標実績(当事業年度)時点実績値k.教育投資額人材育成投資毎期、付加価値売上高(注3)の2%2025年3月期付加価値売上高の1.6%l.従業員持株会加入率100%2025年3月31日52.6%m.地方勤務社員50.0%2025年3月31日17.1%n.女性社員比率51.0%2025年3月31日47.5%o.男性育児休業取得率30.0%2025年3月期90.0%p.女性管理職比率30.0%2025年3月31日30.4%q.社員エンゲージメントスコア2026年3月期 前期比+0.1pt2025年3月期3.41pt(前期比▲0.11pt)(注)1.上記指標に対する進捗は一部非財務指標に掲載しており、四半期ごとに更新しております。 https://www.members.co.jp/ir/performance/2.PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指し、プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場となります。 3.付加価値売上高とは売上収益から外注・仕入を差し引いた社内リソースによる売上高となります。 ・人的資本の投資管理における指標と目標(持続的な成長のための事業投資) サービス産業である当社にとって、研究開発とは事業投資やサービス開発投資であり、高収益・高成長を持続的に維持するためには当該領域への投資が不可欠であると認識しております。 当社では持続的な成長に向けて、サービスの向上・開発に向けた継続的なサービス開発投資、新規事業開発を進めるための投資枠、経費枠の指標を次のとおり設けております。 項 目内 訳当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)指 標付加価値売上高に占める割合事業開発投資サービス開発投資新規事業開発投資生産性向上投資DGT推進252百万円事業開発投資+人材育成投資毎期、付加価値売上高の3.5%~5%2.8%(うち人材育成投資1.6%)人材育成投資教育研修費教育研修部門総経費347百万円 ・人権の尊重 人権の尊重に関する目標および実績は、次のとおりであります。 当社の取組み人権基本方針の策定、組織体制の確立、公開内部通報制度の運用内部通報制度の外部取引先への拡大人権デュー・デリジェンスのプロセスの設定・導入2026年3月期目標人権デュー・デリジェンスの運用開始 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ①当社の事業を取り巻く環境について当社は、Web運用やデジタルビジネスにおけるコンサルティング・プランニング・プロジェクトマネジメント、インターネット広告代理における付帯業務等、付加価値の高いサービスの提供を強みとしております。 しかし、DX領域およびインターネット関連業界は参入障壁が低く、技術進歩のスピードが速いことから、今後の新規参入、新技術・サービスの出現等によって当社の強みが消失し、当社主力業務の規模縮小、価格競争の激化等の可能性があります。 また、一般に広告市場は景気の動向に左右されやすい傾向があります。 インターネット広告は他の広告に比して成長市場ではありますが、景気動向により成長率が鈍化する可能性があります。 したがって、わが国経済の景気変動が当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②AI(人工知能)等の拡大について生成AIをはじめとするAI(人工知能)技術のビジネスへの活用の進展が注目され拡大を続けており、新技術を活用した新サービスの導入が社会全般で進んでおります。 今後、AI(人工知能)技術の活用により、ビジネス領域を中心として単純作業等の自動化は進展する可能性があるものの、AI(人工知能)技術の導入だけでなく、運用領域においてその技術を活用し成果を創出するデジタルクリエイターへの需要は今後も拡大すると考えております。 当社ではこういった技術革新に対応すべく、技術動向の注視、情報収集、デジタルクリエイターの教育、新技術の習得等のスキルの向上に努めております。 しかしながら、革新的な新技術、代替技術の登場等、当社の想定を超えてAI(人工知能)に関する技術革新が急激に進んだ場合、当社のサービスの強みが消失し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③新規事業等に伴う業績推移について当社は、新規事業等を積極的に展開してまいりましたが、必ずしも全ての新規事業が計画どおりの成果をあげたわけではございません。 当社は今後も事業内容を陳腐化させないよう、DX領域の業務に軸足を置いたうえで新規事業の展開を積極的に進めていく予定でありますが、新規事業の開始後、社会のニーズに合致しないこととなる場合もありえます。 その場合には投資額の回収が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④売上及び利益計上の季節性についてDX領域の拡大等の売上構成比の変化により、改善傾向にあるものの、当社は顧客企業からWebサイト制作業務、広告代理業務等を受託する受注型の業務の影響により、第2四半期末・年度決算期末の9月、3月に納品が集中し、売上収益が大きくなる傾向にあります。 また、優秀なデジタルクリエイターの確保を目的として、計画的に多数の新卒人材の採用・育成を行っており、期初に販管費が先行して増える傾向にあります。 新卒社員のスキル・生産性の向上による稼働率の増加とともに、受注高が期末にかけて高まる事業形態であることから、利益額は年度決算期末にかけて増加する傾向にあります。 前連結会計年度及び当事業年度の業績変動の状況は以下のとおりであります。 前連結会計年度(2023年4月1日 至 2024年3月31日)中間通期売上収益(千円)(構成比)9,616,516(47.0%)20,467,084(100%)営業利益(△は損失)(千円)(構成比)△551,106(-)41,722(100%)当期利益(△は損失)(千円)(構成比)△398,640(-)126,515(100%) 当事業年度(2024年4月1日 至 2025年3月31日)中間通期売上収益(千円)(構成比)10,384,424(46.5%)22,329,565(100%)営業利益(△は損失)(千円)(構成比)△479,686(-)493,142(100%)当期利益(△は損失)(千円)(構成比)△321,809(-)349,824(100%)(注)当社は2024年11月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社メンバーズエナジーを吸収合併したことに伴い非連結決算に移行しました。 そのため、当事業年度(通期)は組織再編後のIFRS個別決算の数値、前連結会計年度および当事業年度(中間)は組織再編前の従来のIFRS連結決算の数値を掲載しております。 ⑤広告業界の取引慣行について広告業界の取引慣行として、広告会社は、自己の名と責任でメディア会社等と取引を行うこととなっており、そのことはインターネット広告業界においても変わりはありません。 したがって、当社は、広告主が倒産等により広告料を支払うことが不能となった場合でも、メディア会社等に対しては広告料の支払義務を負うこととなり、広告主の信用リスクを負担しております。 当社は当該信用リスクを極小化させるために、一定の信用力のある優良企業と取引することが通常ではありますが、当該リスクはなお残ります。 また、広告業界の取引慣行として、一般に、インターネット広告を含めた広告取引に係る契約について契約書その他の書面が取り交わされることは少ないといえます。 これは、広告取引においては取引当事者の信頼関係を基礎として迅速かつ柔軟に契約の締結・変更に対応する必要性が高いためですが、反面、取引当事者の合意事項について齟齬が生じてトラブルに発展するリスクがあります。 当社は、このリスクを可及的に回避するために、広告取引に当たって顧客企業に発注書の提出を要請するなど契約内容を書面で残す努力を行っておりますが、顧客企業によっては発注書の提出要請に応じない場合もあります。 したがって、書面化されていない広告取引に係る契約の成立又は内容についてトラブルが発生し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥外注の活用について当社では、専門業務分野ごとに特定のパートナー企業を選定し、相互協力してサービスを提供しております。 その場合、そのパートナー企業に不測の事態が生じ又は市場の逼迫等によりパートナー企業への発注費用が上昇すると、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、パートナー企業の選定を、その業績、業界での評判、従前の当社との取引関係等を勘案して慎重に行っており、これに加えて、パートナー企業選定後も、パートナー企業の業務運営の監督及びその提供する成果物の検収、品質レベル評価を厳正に行っております。 しかし、パートナー企業の提供する成果物に隠れたる瑕疵が存在する可能性がないとはいえず、当該瑕疵により当社の顧客企業が損害を蒙った場合、当社に対する損害賠償の請求その他の責任追及又は当社の社会的信用の失墜等によって当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦システムトラブルについて当社の業務はコンピューターシステムに依存しており、またインターネット回線を通じての顧客企業との取引もあることから、ほぼ全てのサーバーをデータセンターへ設置し、オフィスの選定に関してもシステム保守・保全の点を重視するなどの対策を講じております。 しかしながら、想定を超えたシステム障害、自然災害、サイバー攻撃、テロ等によりコンピューターシステムが停止し、又はインターネット回線の接続が不能となった場合、当社の業務の遂行に支障を来すリスクがあり、当該リスクが顕在化すると、機会損失の発生、代金の返還、損害賠償の支払、社会的信用の失墜等によって当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧情報セキュリティ及び個人情報保護について当社は、システム上の瑕疵、コンピューターウイルス、不正アクセス等に起因するシステム障害、情報の流出・漏洩・改竄等のリスクを未然に防止して情報セキュリティを確保することにより、顧客企業の機密情報及び個人情報を適切に保護することが、当社に対する顧客企業の信用の根幹をなすものであり、経営上の最重要課題であると考えております。 そのため、当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が付与適格しているプライバシーマークおよび情報セキュリティマネジメントシステム「ISO/IEC27001(JISQ27001)」を取得し、これらの管理手法に基づく情報の適正管理を継続的に行うことにより情報セキュリティ体制を構築・運営しております。 しかしながら、こうした対策を講じていても、情報セキュリティ体制に完全はなく、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客企業の機密情報又は個人情報の漏洩、改竄、不正使用等が生じる余地が考えられ、その場合、当社に対する損害賠償の請求その他の責任追及や当社の社会的信用の失墜等によって当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨法的規制についてⅰインターネット広告に関する規制現在のところ、当社の事業の阻害要因となる直接的な法規制又はインターネット広告業界の自主規制はありません。 しかし、インターネット取引が普及する一方で、インターネット広告を悪用した犯罪が頻発する等、社会情勢が大きく変化すると、インターネット広告事業等に係る法規制又はインターネット広告業界の自主規制が強化される可能性があります。 現時点でその規制内容を予測することは困難ではありますが、その内容如何によっては、当社の事業展開に重大な影響を及ぼすおそれがあります。 また、広告主を規制する法律としては、不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律等があります。 広告主がこれらの法律に違反しても直ちに広告代理事業者の広告取引が違法となるわけではありませんが、広告代理事業者である当社の行為が広告主の違法行為を助長するものとして損害賠償の対象となり又は当社の社会的評判が失墜するリスクがあります。 当社は、一定の信用力のある広告主とのみ広告取引を行い、風俗営業に係る広告取引を行わないことを基本方針としており、違法な広告の掲載に関与しないための防止策をとっておりますが、上記リスクが顕在化する余地がないとはいえません。 また、当社は既述のように、サービス提供に当たって外注業者等と相互協力しておりますが、当社が小規模事業者を外注先として選定して取引する場合、当社がその相対的な優越的地位を濫用して代金支払の遅延等を行うと、下請代金支払遅延等防止法に違反するものとして、公正取引委員会からその是正を勧告され又は原状回復措置を求められるリスクがあります。 当社では現在までこうしたリスクが顕在化した例はなく、また、顕在化しないように契約管理をしておりますが、当該リスクが完全にないとはいえません。 ⅱ派遣サービスに関する規制当社において提供する人材派遣ビジネスは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)に基づいた一般労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けてサービス提供を行っています。 労働者派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、当社が一般労働者派遣事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)、及び、当該事業許可の取消事由(同法第14条)に該当した場合には、厚生労働大臣が事業許可の取消、業務の停止を命じることができる旨を定めております。 現時点において認識している限りでは、当社はこれらの法令に定める欠格事由及び取消事由に該当する事実はありません。 しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社のサービス運営に多大な支障を来すとともに、業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。 ⑩知的財産権について当社は、第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害することのないように、システム開発、Webサイト制作等の業務を行っておりますが、当社開発物・制作物の全てにつき特許権等の侵害の有無を厳密に調査することは不可能であり、当該開発物・制作物が第三者の知的財産権を侵害していない保証はありません。 万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該開発物・制作物の使用の差止請求、損害賠償請求、使用許諾料の支払請求等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪新たな会計制度や税制等の変更について当社は、税務方針を定め、わが国の会計制度および税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。 しかしながら予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社に予想以上の税負担が生じる可能性があります。 ⑫のれんの減損損失のリスクについて当社は、事業の成長加速のためM&Aも必要に応じて実施しております。 その結果、のれんを有しております。 のれんについて、少なくとも年に一度、あるいは減損の兆候が認められる場合はより頻繁に減損テストを行っております。 かかるテストの結果、これらの資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識する必要性が生じます。 多額の減損損失を認識した場合、当社の財政状態及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑬人材の確保、育成及び労務について当社が、参入障壁が低く技術進歩のスピードが速いDX領域およびインターネット業界において、高付加価値のサービスの提供を継続し拡大するためには、高度な専門知識・能力を有する人材の確保・育成が最重要課題であります。 しかし、DX領域およびインターネット業界は比較的新しくかつ急成長している業界であることから人材の裾野は狭く、また、昨今のDX領域を中心とした技術者に対する需要の高まりから優秀な人材の採用が困難となっております。 当社では、新卒の採用・教育や優秀な人材の中途採用、社員の離職率の抑制に取組むとともに、地方拠点での採用やグローバル採用も行っておりますが、日本国内の人口減少や少子高齢化の一層の加速に伴う人材確保の難航、事業拡大の速度に比して中途採用の確保、新卒採用者の戦力化が遅れる場合、又は採用・育成した社員の離職率が高い場合等には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社では諸規程の整備及び運用など適宜、内部管理体制及び教育制度等を整備しております。 適切な内部統制システムの整備及び運用については、事業展開の状況に応じて徹底を図っており、内部通報制度の整備、リスク・コンプライアンス委員会の設置等、不法行為の防止およびコンプライアンスの遵守に取り組んでおります。 しかしながら、当社及び役職員の瑕疵に関わらず、役職員間で予期せぬトラブルが発生し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭人的資本の拡充に伴うマネジメント人材の育成について当社のビジネスモデルは、デジタル人材による労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、多くの人材を採用し、当社の成長ドライバーである人的資本を拡充してまいりました。 さらなる企業価値の向上および組織力の充実のため、採用した人材の育成に加えて、マネジメント人材の育成が重要な課題と認識しております。 マネジメント人材の育成が円滑に進展しない場合、また、既存のマネジメント人材の過度な流出があった場合は、当社の事業運営に重要な影響を与え、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 人的資本の価値を向上させるためには、人的資本のみならず、人材が置かれる環境、すなわち、組織資本の最大化が必須であると考えております。 当社は有価証券報告書において開示している人的資本ストーリーに基づき、マネジメント人材の育成、採用および定着に努めております。 ⑮配当政策について当社は、株主の皆様への利益還元の充実とさらなる企業価値の向上を図る観点から、長期的な利益成長に向けた新たな事業投資及び業容の拡大に備えるための内部留保を行うとともに、経営成績の伸長に見合った成果の配分や配当金額の継続的な増額を基本方針とし、中期的には資本配当率(DOE)は5%程度を目標としております。 しかしながら、将来の経営成績、財政状態等によっては、株主への配当等による利益還元が困難となる場合があります。 ⑯新株予約権について当社は、長期的な企業価値の向上に対する役員及び社員等の士気を高める目的等のため、新株予約権を発行しております。 現在発行し又は今後発行する新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 ⑰自然災害等について当社は既述のように、サーバーのデータセンター設置やオフィス選定において災害・事故への対策を講じており、伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)、地震・洪水等の大規模災害、テロ等の犯罪行為、情報システムの機能不全等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、テレワーク・在宅勤務制度の拡充および事業継続計画(BCP)の整備を行っています。 しかしながら、想定を超える自然災害等が発生した場合は、オフィス、設備、人的被害も含め甚大な損失が生じる可能性があり、当社における全ての事業又は一部の事業が一時的又は中長期的に中断され、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、災害による停電や電力制限、計画停電等により電力供給が十分得られなかった場合、当社の事業活動やサービスの提供が停止し、当社の経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。 なお、当社が直接被災しない場合であっても、自然災害等に起因する世界経済の減速、顧客企業、協力会社の被災、災害等に起因する個人消費の落込みや企業の広告自粛により、企業の広告宣伝費及び販売促進費等の抑制につながる可能性があり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑱気候変動に係るリスクについて当社は、従来型のマーケティング活動がもたらしたとも言える社会課題「地球温暖化および気候変動による環境変化」に着目し、解決に取り組むことを宣言しています。 また、当社は2021年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の最終提言に賛同し、TCFDコンソーシアムに加入しました。 TCFD提言に沿い、気候変動による事業へのリスクと機会を特定するシナリオ分析を実施し、リスクの把握・分析と管理の強化、およびそれらの適切な情報開示に努めています。 シナリオ分析による定性評価の結果、気候変動により当社の業務遂行および財政状態及び経営成績に中~甚大な損害を与える可能性があると特定したリスクは以下のとおりです。 新たな規制リスク省エネ政策の強化等による対応コストの増加市場リスク(1)電力調達の不確実性(2)電力の環境価値証書の価格高騰 電力調達および証書の調達コストの増加緊急性の物理リスク台風や洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇による業務遂行およびコストの増加慢性の物理リスク酷暑日の増加による電力需要のひっ迫に伴う空調費用等のコスト増加、海面上昇による業務遂行への影響その他リスク水資源・食料・エネルギー資源の競合、地政学的な紛争等を要因とする景気減退による影響 なお、当社は上記のとおりリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組み、その対応に努めておりますが、気候変動等に関する各国の政策及び法規制等が予測を超えて厳格化された場合や、想定以上に気候変動が進行した場合、当社の財政状態及び経営成績にさらなる影響を及ぼす可能性があります。 ※TCFDに基づく情報開示につきましては、別途下記サイトに詳細を記載しております。 <https://www.members.co.jp/sustainability/tcfd/> ⑲大規模プロジェクトに関するリスクについて当社では、顧客企業との取引にあたり大規模なシステム開発等のプロジェクトを受注する場合があり、大規模なプロジェクトには高いプロジェクトマネジメントスキルおよびその強化が不可欠であると当社は認識しております。 しかしながら大規模プロジェクトを担えるプロジェクトマネージャーが市場全般において不足している現状に加え、顧客企業との工数・仕様に関する認識のギャップを含めた当初見積からの乖離、その差異による追加コストの発生や予見できないトラブルの発生、仕様変更等を含む種々の要因による納期の変更が発生し、中小規模のプロジェクトに比べて期間の売上及び利益に大きな影響を与えると同時に、人員の追加等により大きな機会損失が発生し、その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対し、当社は受注前の見積段階における複数の監査体制、専門の監査部門における工数等のチェック、アジャイル型開発への移行、納期が長期にわたる案件の受注を控え短期的な納期とすることでチェック機能を強化する等の対策を講じております。 また、業績、財務状況に影響を及ぼす可能性が高い一定の大規模プロジェクトの受注に際し、グループ経営会議でモニタリングを行うことでリスクの低減に努めております。 ⑳大口取引先の変動リスクについて当社は各事業における大口取引先が存在しますが、現時点で売上収益の割合が10%を超える取引先はございません。 しかしながら、経済情勢などの変化、取引先の事業方針及びデジタル投資等の計画の変更など、何らかの理由により大口取引先との取引が終了または大幅に縮小した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、大口取引先との関係を継続するために、顧客ニーズの把握、技術動向の注視、情報収集、デジタル人材の教育、新技術の習得等の提供価値の向上に努めております。 また、定期的な顧客満足度調査を通じ顧客企業との信頼関係の維持に努めると同時に、新規顧客開拓により顧客基盤の拡大に努めております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要経営者の視点による当社の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。 a.財政状態 当社は、適切なる流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。 日本基準に準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。 (資産)当事業年度末の資産合計は10,789百万円(前事業年度末比176百万円の増加)となりました。 これは主として、その他の流動資産が81百万円、売掛金が53百万円、関係会社株式が50百万円減少したものの、現金及び預金が254百万円、繰延税金資産が58百万円、投資有価証券が39百万円増加したことによるものです。 (負債)負債合計は、4,866百万円(前事業年度末比118百万円の増加)となりました。 これは主として、預り金が125百万円、未払金が99百万円、買掛金が47百万円減少したものの、賞与引当金が161百万円、未払法人税等が132百万円、リース債務が38百万円、未払消費税等が23百万円、資産除去債務が21百万円増加したことによるものです。 (純資産)純資産合計は、5,923百万円(前事業年度末比58百万円の増加)となりました。 これは主として、その他有価証券評価差額金が30百万円、利益剰余金が25百万円増加したことによるものです。 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。 (資産)当事業年度末の資産合計は11,778百万円(前連結会計年度末比251百万円の増加)となりました。 これは主として、その他の金融資産が200百万円、その他の流動資産が106百万円減少したものの、現金及び現金同等物が237百万円、使用権資産が218百万円、繰延税金資産が149百万円増加したことによるものです。 (負債)負債合計は、5,970百万円(前連結会計年度末比377百万円の増加)となりました。 これは主として営業債務及びその他の債務が96百万円減少したものの、リース負債が223百万円、未払法人所得税が131百万円、その他の流動負債が82百万円増加したことによるものです。 (資本)資本合計は、5,808百万円(前連結会計年度末比126百万円の減少)となりました。 これは主として、資本剰余金が368百万円増加したものの、利益剰余金が392百万円、その他の資本の構成要素が103百万円減少したことによるものです。 b.経営成績<決算の概況>当事業年度の日本基準に準拠した業績は、売上高22,329百万円(前期比9.1%増)、営業利益590百万円(同703.2%増)、経常利益598百万円(同835.7%増)、当期純利益420百万円(同357.1%増)となりました。 なお、参考情報として、以下すべてIFRSに準拠した数値を記載しております。 当社は2024年11月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社メンバーズエナジーを吸収合併したことに伴い、非連結決算に移行しました。 そのため、当期は組織再編後のIFRS個別決算の数値、比較情報は組織再編前の従来のIFRS連結決算の数値を掲載しております。 IFRSに準拠した当事業年度の売上収益は22,329百万円(前期比9.1%増)、営業利益は493百万円(前期比1,082.0%増)、税引前利益は472百万円(前期比246.1%増)、当期利益は349百万円(前期比176.5%増)となりました。 売上収益は前期比9.1%増、重要指標としている付加価値売上高(売上収益から外注・仕入を差し引いた社内リソースによる売上高)は21,277百万円(前期比10.8%増)となり、ともに過去最高を更新しました。 高付加価値であり高い需要が見込まれるDX領域においてプロダクト・サービス開発やデータなどの専門カンパニーやPMO(※1)サービスを中心に人材育成ならびに営業体制を戦略的に強化し、Web運用領域からDX領域へ事業領域の転換を進めてまいりました。 これにより、当事業年度におけるDX領域の付加価値売上高成長率は前期比30.8%増と高成長を継続し、全社の付加価値売上高に占めるDX領域の比率は前年同期比5.5ポイント増の41.5%と順調に拡大しました。 付加価値売上高の成長率に対し採用抑制により人員増加率は低水準で推移した一方、期末に決算賞与を0.6億円支給したことにより、当事業年度における売上総利益率は20.9%(前期比0.1ポイント減)、決算賞与支給前の売上総利益率は21.2%と前期比で改善いたしました。 また、中途採用の抑制などコストコントロールを徹底したことで、売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は18.7%(前期比2.1ポイント減)、営業利益は通期業績予想(400百万円)を上回る493百万円と収益性が大幅に向上し、2026年3月期以降の更なる収益性回復に向けた道筋をつけることができたと考えております。 「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略およびKPIの進捗は下記の通りです。 1.収益性の回復・高収益事業の確立2024年4月に新卒社員が411名入社しましたが、2025年以降は新卒社員の採用数を付加価値売上高の成長率の範囲内に抑制し、人材ポートフォリオにおける新卒割合の改善を図ります。 併せて、利益重視のマネジメントを徹底し、稼働率が適切な水準になるまで中途採用の抑制や人員配置の最適化などにより新卒1、2年目を除くDCの稼働率向上に最注力し、未稼働人材を解消いたします。 それらの取組みにより売上総利益率を改善し収益性を回復することで、営業利益率を段階的に5%、10%と高めてまいります。 KPI実績値・新卒1、2年目を除くDCの稼働率・売上総利益率・85.4%(前年同期比1.0ポイント低下)・20.9%(前期比0.1ポイント低下) 当事業年度末におけるDC数は2,627名、前期末比145名増(増加率は5.8%)、新卒1、2年目を除くDC数は1,728名、前期末比263名増(増加率は18.0%)となりました。 KPIである新卒1、2年目を除くDCの稼働率は85.4%となり前年同期比で低下したものの前四半期比で3.3ポイント改善いたしました。 稼働率の改善が道半ばである一方、DX領域の拡大等による売上単価の向上ならびにコストコントロールの徹底に取り組み、当事業年度における売上総利益率は20.9%(前期比0.1ポイント低下)となりました。 付加価値売上高成長率の改善およびコスト抑制により通期業績予想を超過達成する見通しとなったことを勘案し、従業員に対し決算賞与を支給したことを考慮すると売上総利益率も改善傾向にあり、筋肉質な組織体制への転換は順調に進捗しております。 当事業年度において利益重視マネジメントを徹底したことにより収益性回復の道筋をつけられたと考えており、営業利益率目標(2026年3月期に5%、2027年3月期に10%)に向け、収益性の回復は順調に進捗しております。 引き続きコストコントロールを徹底するとともに、新卒1、2年目を除くDCの稼働率の改善を重要課題として取り組んでまいります。 2.高成長事業の確立上記施策と並行し、以下2点を強力に推進することで、付加価値売上高成長率20%超へと中期的に引き上げを図ります。 (1)サービス戦略の抜本的強化顧客企業のDX支援領域として「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域で、当社の強みを築き上げるサービスを明確にすると同時に事業領域内でのクロスセルにより主力顧客へのサービスを進化させ取引拡大につなげます。 主要顧客に対しては事業領域を跨いだアカウントマネジメントを強化し、既存の顧客企業一社あたり売上収益の最大化を強力に推進していくことにより、年間取引額1億円以上を基準とした大口取引社数を増加させてまいります。 KPI実績値・DGT一社あたり付加価値売上高・年間売上収益1億円以上の取引社数・3,150万円(前年同期比2.7%減)・55社(前期末比9社増) 上記方針に基づき、Web運用領域が中心であったDGT上位50社の顧客企業に対し、データ活用支援やプロダクト開発、PMO等のDX領域サービスのクロスセルに注力した結果、全社の付加価値売上高に占めるDX領域の比率は41.5%(前期比5.5ポイント上昇)と着実に拡大しました。 また、当第4四半期会計期間におけるDGT上位50社の一社あたり付加価値売上高は7,158万円(前年同期比1.8%増)、当事業年度末における年間売上収益1億円以上の取引社数は55社、前期末比9社増と順調に拡大しました。 なお、当事業年度における専門カンパニーの付加価値売上高は7,083百万円、前年同期比36.6%増と引き続き高い成長を継続しております。 更なる顧客企業一社あたりの取引規模拡大に向けアカウントマネジメントを強化し、引き続き顧客企業の投資需要が見込まれるAI・データ活用支援やプロダクト開発などのDX領域を中心にクロスセルを進めてまいります。 (2)顧客企業のDX内製化伴走支援ポジションの獲得顧客企業のDX内製化の取組みが大きく進む中で、当社はこれまで「実行運用」フェーズに集中してサービスを提供してまいりましたが、今後はこれまで培ってきたUIUXデザインやアジャイル開発などによるデジタルビジネス成果向上支援の強みを活かしつつ、顧客企業のDX投資効果最大化の実現に貢献するために、「実行企画・推進」フェーズにおけるサービスにより注力し、各段階においてDCが顧客企業に伴走支援する体制へとポジションを転換します。 これを実現するべく、プロジェクトの進行、品質および予算管理、チームの人材調整などのプロジェクト全体のマネジメントを行うPMO人材の育成を強化します。 従来のデジタルの専門技術育成のみならず、ビジネススキルやコンピテンシーの育成も強化し、業界一、顧客企業の現場改善に伴走できるDX人材を数多く輩出することを目指します。 KPI実績値・売上単価・PMO人材数・912,681円(前年同期比3.5%増)・358名(前期末比291名増) 売上単価は、Web運用領域と比較し単価の高いUIUXやプロダクト・サービス開発、PMOサービス等を中心とするDX領域の売上構成比が高まったことにより前年同期比で3.5%増加しました。 特に、新卒1、2年目を除くDCの売上単価は前年同期比7.2%増と順調に向上しております。 また、注力していたPMO人材育成においてPMO人材数は358名(前期末比291名増)と、2025年3月期末の目標であった120名を大幅に上回り、当事業年度におけるPMO専門カンパニーの付加価値売上高は前期比56.0%増と順調に拡大しました。 これらのポジション転換に向けた取組みにより顧客企業のNPS®(※2)は大幅に改善していることから、当社のDX現場支援のサービスポジションが顧客企業からの支持を得ていると考えています。 今後はUXデザイナーやマーケティングDX人材など顧客企業の現場から伴走支援するDX人材の育成を強化し、DX領域への転換を加速させます。 また、DCが自主的に学び続けられる環境を整備し顧客企業の現場支援におけるノウハウの蓄積・活用を進めることにより、PMO・DX人材の稼働を推進し売上単価の向上を図ります。 3.将来への投資当社のミッションおよびビジョンの実現に向けて更なる成長を目指すべく、脱炭素DX(※3)事業の確立と脱炭素DX人材の育成に取り組み、顧客企業のサステナブル経営に向けた基盤確立を支援してまいります。 当事業年度における脱炭素DXカンパニーの付加価値売上高は前期比147.9%増と大幅に拡大しました。 気候変動の影響や国際情勢によりGX市場は急速に拡大し、GXリテラシーとデジタルスキルを兼ね備えた脱炭素DX人材のニーズは加速度的に高まると予想しております。 今後3年で脱炭素DX人材1,000名の育成・輩出を目指します。 上記の通り、当事業年度においては新卒・中途採用の抑制をはじめとするコストコントロール等の利益重視マネジメントに加えて、DX領域への転換による売上単価向上、新卒1、2年目を除くDCの稼働率の引き上げに最注力した結果、先行投資フェーズから収益化フェーズへの転換が当初計画以上に進捗しました。 付加価値売上高成長率は、Web運用領域の成長率鈍化に対しDX領域の高成長が継続していることから改善傾向にあり、2027年3月期に高収益・高成長事業を確立するため、2026年3月期は成長率を引き上げるべくDX人材育成ならびに顧客企業のDX内製化を伴走支援するポジションの確立を推進し、DX領域への転換を一層加速させてまいります。 なお、当社では事業特性上、第2、第4四半期に売上および利益が増加する季節性が存在するものの、顧客企業のDXプロジェクトの内製化を伴走支援するための人材提供型サービスの割合が増加したことにより、四半期毎の季節性の平準化が進んでおります。 当事業年度においては第3四半期会計期間の付加価値売上高成長率は回復傾向にあった一方、季節性が減少することにより第4四半期会計期間の付加価値売上高成長率は第3四半期比で鈍化しました。 2026年3月期以降も季節変動による業績の偏りが平準化する傾向が継続し、売上および利益の推移はより緩やかになる見込みです。 (※1)PMO(Project Management Office):企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。 プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。 (※2)NPS®(Net Promoter Score):顧客が企業の製品やサービスを他の人に薦める意欲を指数で表したもの。 サービスに対する顧客企業の総合的な満足度やロイヤリティを測る指標として利用される。 なお、NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。 (※3)脱炭素DX:GHG(Greenhouse Gas=二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス)排出量を減らしながら経済成長を続ける「デカップリング・モデル」をデジタルテクノロジーの力で実現することを指す。 ②キャッシュ・フローの状況a.キャッシュ・フローの状況当社は、当事業年度より非連結決算に移行したことから、キャッシュ・フローの状況について、前事業年度との比較は行っておりません。 日本基準に準拠した当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。 )は4,014百万円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、733百万円となりました。 収入の主な内訳は、税引前当期純利益586百万円、賞与引当金の増加額161百万円、法人税等の還付額114百万円、減価償却費105百万円によるものであり、支出の主な内訳は、その他の負債の減少額196百万円、法人税等の支払額97百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、49百万円となりました。 収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入49百万円によるものであり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出61百万円、投資有価証券の取得による支出44百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、445百万円となりました。 支出の主な内訳は、配当金の支払額396百万円、リース負債の返済による支出51百万円によるものであります。 参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 当事業年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ258百万円増加(合併に伴う増加20百万円、その他の増加238百万円)し、4,014百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,211百万円(前年同期は584百万円の獲得)となりました。 収入の主な内訳は、減価償却費及び償却費590百万円、税引前利益472百万円、その他118百万円、法人所得税の還付額114百万円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、49百万円(前年同期は100百万円の使用)となりました。 収入の主な内訳は、投資の売却による収入50百万円によるものであり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出61百万円、投資の取得による支出44百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、923百万円(前年同期は1,187百万円の使用)となりました。 支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出529百万円、配当金の支払額396百万円によるものであります。 b.資金調達の方法及び状況並びに資金の主要な使途を含む資金需要の動向(ア)持続的な成長のための財務戦略当社は持続的な成長を実現するため、財務の安全性と収益性、およびステークホルダーへの収益還元の優先順位づけとバランスに留意した財務戦略を立案し、実施しております。 ⅰ.健全な挑戦のためのリスクに見合った適正現預金の確保当社ではクリエイター人材の旺盛な需要を見込み、積極的に体制増強を進めております。 しかしながら、固定化した人件費はリスクを伴います。 体制増強の推進を担保するためのリスクヘッジ策として、想定する危機を回避できるだけの現預金を常に保持することとし、指標化により管理しております。 具体的にはリーマンショックと同等の経済混乱ならびに、大口顧客との取引中止および信用不和による新規取引ゼロの事態が発生し、いずれもその状態の解消に1.5年から2年かかると想定した場合、最大の赤字幅は月間平均社内総経費の2.8~3.3ヶ月分と試算しております。 したがって、最適現預金を月間社内総経費予算の3ヶ月分と定めております。 当事業年度(第30期)の最適現預金額は5,445百万円と試算しており、第31期の適正現預金額の試算額は5,589百万円としております。 ⅱ.資本コストを上回る高収益性の確保資本コストを上回る高い収益性を確保するため、ROE指標と事業ROE指標を設定しております。 ・ROE指標は、事業ROE指標をもとに運営される事業から生み出される利益に加え、適正現預金指標によって保持される現預金を加味した値とし、25%を目標としております。 ・事業ROE指標は、メンバーズが行う事業が生み出す利益水準を示し、35%を目標としております。 事業運営やM&A等、すべての事業における収益面で本指標をクリアすることを前提として行っております。 ⅲ.株主還元・配当方針当社は、株主への利益還元の充実とさらなる企業価値の向上を図る観点から、ミッション実現に向けた新たな事業への投資及び業容の拡大に備えるための内部留保を行うとともに、経営成績の伸長に見合った成果の配分や配当金額の継続的な増額を実施してまいります。 この方針に基づき、目標とする配当の指標を中長期的な目標資本配当率5%としております。 (イ)持続的な成長のための事業投資サービス産業である当社にとって、研究開発とは事業投資やサービス開発投資であり、高収益・高成長を持続的に維持するためには当該領域への投資が不可欠であると認識しております。 当社では持続的な成長に向けて、サービスの向上・開発に向けた継続的なサービス開発投資、新規事業開発を進めるための投資枠、経費枠の指標を次のとおり設けております。 項 目内 訳当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)指 標付加価値売上高に占める割合事業開発投資サービス開発投資新規事業開発投資生産性向上投資DGT推進252百万円事業開発投資+人材育成投資毎期、付加価値売上高の3.5%~5% 2.8%人材育成投資教育研修費教育研修部門総経費347百万円 ③生産、受注及び販売の実績a.制作実績区分当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)ネットビジネス支援事業(千円)17,591,753-合計(千円)17,591,753-(注)1.上記金額は、製造原価によっております。 2.当事業年度より非連結決算に移行したことから、前年同期比は記載しておりません。 b.受注実績区分受注高(千円) 前年同期比(%)受注残高(千円) 前年同期比(%)ネットビジネス支援事業22,651,420-1,706,839-合計22,651,420-1,706,839-(注)1.上記金額は、販売価格によっております。 2.当事業年度より非連結決算に移行したことから、前年同期比は記載しておりません。 c.販売実績区分当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)ネットビジネス支援事業(千円)22,329,565-合計(千円)22,329,565-(注)1.外部顧客への販売実績において、損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。 2.当事業年度より非連結決算に移行したことから、前年同期比は記載しておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の当事業年度の重要指標・KPIに対する経営成績は次のとおりであります。 重要な指標時点前連結会計年度当事業年度増減デジタルクリエイター(DC)数事業年度末2,482名2,627名145名増付加価値売上高事業年度19,208百万円21,277百万円+10.8%売上総利益率事業年度21.0%20.9%▲0.1ptDGT一社あたり付加価値売上高事業年度末3,239万円3,150万円▲2.7%新卒1、2年目を除くDCの稼働率第4四半期86.4%85.4%▲1.0pt年間売上収益1億円以上の取引社数事業年度46社55社9社増売上単価第4四半期882,004円912,681円+3.5%PMO人材数事業年度末67名358名291名増資本配当率(DOE)事業年度6.5%7.0%+0.5pt(注)参考情報としてすべてIFRSに準拠した数値を記載しております。 当社は2024年11月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社メンバーズエナジーを吸収合併したことに伴い、非連結決算に移行しました。 そのため、当事業年度は組織再編後のIFRS個別決算の数値、前連結会計年度は組織再編前の従来のIFRS連結決算の数値を掲載しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報資金需要及び資金調達当社は、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するために、事業投資やサービス開発投資や人材育成投資に取り組んでいく考えであります。 これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。 この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 参考情報として、IFRSに準拠した財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2) 国際会計基準による財務諸表 注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度に実施しました設備投資の総額は、180,454千円(建設仮勘定を除く本勘定振替ベース)であります。 その主なものは、武蔵小杉オフィスの事務所内装設備・什器等98,270千円及び大阪オフィスの事務所内装設備・什器等32,523千円であります。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は、次のとおりであります。 なお、日本基準に基づく帳簿価額にて記載しております。 2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)有形固定資産無形固定資産合計建物工具、器具及び備品リース資産ソフトウエアその他本社(東京都中央区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等137,58012,68673,59510,4173,460237,7402,076(16)武蔵小杉オフィス(神奈川県川崎市中原区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等33,14793150,976--85,055342(-)ウェブガーデン仙台(宮城県仙台市青葉区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等54,4711,13026,039--81,641141(9)大阪オフィス(大阪府大阪市淀川区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等13,720416,165--29,88966(1)ウェブガーデン北九州(福岡県北九州市小倉北区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等17,762291---18,053109(1)ウェブガーデン神戸(兵庫県神戸市中央区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等12,4371,102---13,53960(4)神田オフィス(東京都千代田区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器・パソコン等9,44458---9,50369(-)合計278,56316,203166,77610,4173,460475,4222,863(31)(注)1.帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。 2.帳簿価額のうち無形固定資産「その他」は、商標権、電話加入権を含んでおります。 なお、金額には消費税等は含まれておりません。 3.現在休止中の主要な設備はありません。 4.従業員数の( )は臨時雇用者数であり、当事業年度の平均雇用人数を外数で記載しております。 5.本社、武蔵小杉オフィス、ウェブガーデン仙台、大阪オフィス、ウェブガーデン北九州、ウェブガーデン神戸および神田オフィスの土地・建物は賃借しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2) 重要な設備の改修等 2025年3月31日現在における重要な設備の改修等の計画は次のとおりであります。 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月総額(千円)既支払額(千円)着手完了本社(東京都中央区)ネットビジネス支援事業事務所建物27,940-自己資金2025.42025.5本社(東京都中央区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器等22,110-リース2025.42025.5武蔵小杉オフィス(神奈川県川崎市中原区)ネットビジネス支援事業事務所内装設備・什器等700-リース2025.42025.5(注)1.業容の拡大ならびに人員増加に伴う生産能力の向上を目的としたものであります。 2.オフィス設備のリニューアル費用であります。 3.金額には消費税等は含まれておりません。 (3) 重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 180,454,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 30 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 4 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 4,909,809 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は保有する株式について、主として株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とするものを純投資目的である投資株式に区分し、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、投資株式についてコーポレート・ガバナンス基本方針および、コーポレートガバナンス・コードの各原則に係る当社の取り組み状況において以下の通り定めております。 「当社は、他の上場会社の株式については、原則保有しないことを基本方針としております。 当社の中長期的な発展に寄与すると認められる場合には、取締役会またはグループ経営会議において当社の利益に資するかどうか等勘案し、保有の合理性を検証した上で、保有可否を判断します。 当社の持続的な成長と中期的な企業価値の向上に資すると認められない株式がある場合は、その検証の結果を開示するとともに、株主として相手先企業との必要十分な対話を行います。 対話の実施によっても、改善が認められない株式については、適宜・適切に売却します。 保有株式の議決権の行使については、対象となる議案につき、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであるか否か、投資先の株主共同の利益に資するものであるか否かなどを総合的に判断し、適切に行使します。 これらの取組みにより、保有株式の議決権の行使について、適切な対応を確保することができると考えております。 」 株式の取得および保有については、取得金額によって定められた決裁権限および基本方針に基づき、各社ごとに取締役会またはグループ経営会議において判断しております。 議決権行使においては、グループ経営企画室において、各議案の内容を検討した上で、保有目的の達成はもとより、発行会社のガバナンス体制、株主価値向上に資するか否かについて総合的に勘案し、代表取締役の決定により議決権行使を行っております。 保有株式の保有の合理性の検証、評価状況については、四半期末毎のグループ経営会議において報告、審議し、取締役会に報告しております。 当事業年度における審議および検証の結果、非上場株式1銘柄を2024年12月に売却しております。 また、当社が保有している非上場株式が上場したため、当事業年度末において上場株式を1銘柄保有しております。 当該上場株式については、株価等を見ながら機動的に保有または売却判断を行う予定です。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式156,453 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式140非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 56,453,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 剣持 忠東京都武蔵野市2,881,22622.57 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-122,068,50016.20 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-11,068,8008.37 メンバーズ従業員持株会東京都中央区晴海1丁目8-10739,9025.80 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社東京都渋谷区恵比寿4丁目20-3386,8003.03 光通信株式会社東京都豊島区西池袋1丁目4-10287,2002.25 髙野 明彦東京都武蔵野市274,7272.15 株式会社晴東京都港区虎ノ門1丁目16-6250,0001.96 露木 琢磨東京都江戸川区152,4001.19 市川 文雄岐阜県恵那市120,2000.94 計―8,229,75564.46(注)1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。2.上記株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数のうち信託業務に係る株式数は2,068千株であります。なお、それらの内訳は、年金信託設定分5千株、投資信託設定分1,996千株、その他65千株となっております。3.上記 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数のうち信託業務に係る株式数は1,068千株であります。なお、それらの内訳は、年金信託設定分5千株、投資信託設定分357千株、その他705千株となっております。4. 株式会社晴は剣持忠氏およびその近親者の資産管理会社であります。5. デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社は2025年4月1日付で同社を消滅会社、株式会社Hakuhodo DY ONEを存続会社とする合併を行っております。6.2023年3月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、日本生命保険相互会社および共同保有者が2023年2月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株式等の数(株)株券等保有割合(%)日本生命保険相互会社他共同保有者1名大阪府大阪市中央区今橋三丁目5番12号株式 307,7002.307.2024年6月20日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、大和アセットマネジメント株式会社が2024年6月14日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株式等の数(株)株券等保有割合(%)大和アセットマネジメント株式会社東京都千代田区丸の内一丁目9番1号株式 567,0004.228.2023年8月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社および共同保有者が2023年7月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株式等の数(株)株券等保有割合(%)三井住友信託銀行株式会社他共同保有者1名東京都千代田区丸の内一丁目4番1号株式 1,238,6009.23 |
株主数-金融機関 | 10 |
株主数-金融商品取引業者 | 26 |
株主数-外国法人等-個人 | 36 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 38 |
株主数-個人その他 | 6,180 |
株主数-その他の法人 | 33 |
株主数-計 | 6,323 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 市川 文雄 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式359-当期間における取得自己株式--(注)当事業年度における取得自己株式は、譲渡制限付株式の無償取得によるものであります。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式13,421,700--13,421,700合計13,421,700--13,421,700自己株式 普通株式 (注)654,512359-654,871合計654,512359-654,871(注)普通株式の自己株式の株式数の増加359株は、譲渡制限付株式の無償取得による増加であります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 監査法人アヴァンティア |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月17日株式会社メンバーズ 取締役会 御中 監査法人アヴァンティア 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士小笠原 直 指定社員業務執行社員 公認会計士藤沢 秀比古 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社メンバーズの2024年4月1日から2025年3月31日までの第30期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社メンバーズの2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上高の期間配分の適切性)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 「注記事項(重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載されているとおり、会社は、Web制作サービスについて、顧客の検収時に収益を計上している。 Web制作サービスは、主に請負契約と準委任契約に大別されるが、請負契約については、年度決算期末の3月に納品が集中し、売上高が大きくなる傾向にあるため、売上高の期間配分の適切性について潜在的なリスクがある。 当該リスクは財務諸表監査においても特に重要性が高いため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、売上高の期間配分の適切性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・月次決算において、合理的な理由なく異常な案件利益率となっているプロジェクトの有無を調査するという内部統制の有効性を評価した。 ・案件利益率分析の結果、より詳細な検討が必要と判断した請負契約のWeb制作案件について、注文書や納品確認書等の証憑に加え、実際の納品物や納品時のメールのやり取りを確認し、契約の納品要件を満たす作業が完了しているか検討した。 ・納品又はサービス提供の実態を評価し、売上高の計上が実態を伴ったものであるかどうかを検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社メンバーズの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社メンバーズが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は、当社(有価証券報告書提出会社)が財務諸表に添付する形で別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 独立監査人の監査報告書 2025年6月17日株式会社メンバーズ 取締役会 御中 監査法人アヴァンティア 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士小笠原 直 指定社員業務執行社員 公認会計士藤沢 秀比古 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社メンバーズの2024年4月1日から2025年3月31日までの第30期事業年度の国際会計基準による財務諸表、すなわち、財政状態計算書、損益計算書、包括利益計算書、持分変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び注記事項について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」第326条第2項により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社メンバーズの2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上収益の期間配分の適切性)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 「注記事項 23.売上収益」に記載されているとおり、会社は、Web制作サービスについて、顧客の検収時に収益を計上している。 Web制作サービスは、主に請負契約と準委任契約に大別されるが、請負契約については、年度決算期末の3月に納品が集中し、売上収益が大きくなる傾向にあるため、売上収益の期間配分の適切性について潜在的なリスクがある。 当該リスクは財務諸表監査においても特に重要性が高いため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、売上収益の期間配分の適切性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・月次決算において、合理的な理由なく異常な案件利益率となっているプロジェクトの有無を調査するという内部統制の有効性を評価した。 ・案件利益率分析の結果、より詳細な検討が必要と判断した請負契約のWeb制作案件について、注文書や納品確認書等の証憑に加え、実際の納品物や納品時のメールのやり取りを確認し、契約の納品要件を満たす作業が完了しているか検討した。 ・納品又はサービス提供の実態を評価し、売上収益の計上が実態を伴ったものであるかどうかを検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・財務諸表に対する意見を表明するために、会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は、当社(有価証券報告書提出会社)が財務諸表に添付する形で別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上高の期間配分の適切性)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 「注記事項(重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載されているとおり、会社は、Web制作サービスについて、顧客の検収時に収益を計上している。 Web制作サービスは、主に請負契約と準委任契約に大別されるが、請負契約については、年度決算期末の3月に納品が集中し、売上高が大きくなる傾向にあるため、売上高の期間配分の適切性について潜在的なリスクがある。 当該リスクは財務諸表監査においても特に重要性が高いため、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、売上高の期間配分の適切性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・月次決算において、合理的な理由なく異常な案件利益率となっているプロジェクトの有無を調査するという内部統制の有効性を評価した。 ・案件利益率分析の結果、より詳細な検討が必要と判断した請負契約のWeb制作案件について、注文書や納品確認書等の証憑に加え、実際の納品物や納品時のメールのやり取りを確認し、契約の納品要件を満たす作業が完了しているか検討した。 ・納品又はサービス提供の実態を評価し、売上高の計上が実態を伴ったものであるかどうかを検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 収益認識(売上高の期間配分の適切性) |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
仕掛品 | 35,187,000 |
その他、流動資産 | 41,376,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 17,177,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 166,776,000 |
有形固定資産 | 699,517,000 |
ソフトウエア | 10,417,000 |
無形固定資産 | 13,878,000 |
投資有価証券 | 1,065,060,000 |
長期前払費用 | 1,160,000 |
繰延税金資産 | 459,387,000 |
投資その他の資産 | 2,002,059,000 |
BS負債、資本
未払金 | 1,688,663,000 |
未払法人税等 | 228,774,000 |
リース債務、流動負債 | 55,147,000 |
賞与引当金 | 1,171,115,000 |
資本剰余金 | 785,879,000 |
利益剰余金 | 4,625,094,000 |
株主資本 | 5,790,104,000 |
その他有価証券評価差額金 | 99,594,000 |
評価・換算差額等 | 99,594,000 |
負債純資産 | 10,789,824,000 |
PL
売上原価 | 17,595,463,000 |
販売費及び一般管理費 | 4,143,987,000 |
営業利益又は営業損失 | 590,115,000 |
営業外収益 | 22,151,000 |
支払利息、営業外費用 | 6,203,000 |
営業外費用 | 13,779,000 |
投資有価証券売却益、特別利益 | 39,000 |
特別利益 | 39,000 |
固定資産除却損、特別損失 | 476,000 |
特別損失 | 12,099,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 218,975,000 |
法人税等調整額 | -53,545,000 |
法人税等 | 165,430,000 |