財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-25
英訳名、表紙Mitsui Mining and Smelting Company, Limited
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  納 武士
本店の所在の場所、表紙東京都品川区大崎一丁目11番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03―5437―8031
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
1874年9月三井組が神岡鉱山蛇腹平坑を取得し、鉱山経営を開始1892年6月三井鉱山合資会社を設立1911年12月三井鉱山株式会社を設立1913年8月大牟田亜鉛製煉工場の操業を開始1928年1月鈴木商店経営の彦島亜鉛製煉工場を買収1943年3月昭和鉱業株式会社から日比製煉工場及び竹原電煉工場を買収し、日比製煉所を設置1944年12月日比製煉所から竹原電煉工場を分離し、竹原製煉所を設置1950年5月企業再建整備法による決定整備計画に基づき、三井鉱山株式会社の金属部門をもって神岡鉱業株式会社(当社)を創立10月東京証券取引所、第一部上場1952年12月神岡鉱業株式会社から三井金属鉱業株式会社へと商号を変更1962年4月王子金属工業及び昭和ダイカストの両社を吸収合併し、伸銅事業部及びダイカスト事業部を設置1964年2月三金機工株式会社(現 三井金属エンジニアリング株式会社)を設立8月ペルー・ワンサラ鉱山の開発を目的として、Compania Minera Santa Luisa S.A.の株式を取得1967年2月亜鉛・鉛の共同製錬会社、八戸製錬株式会社を設立1968年11月銅の受託製錬会社、日比共同製錬株式会社を設立1976年2月米国ニューヨーク州に銅箔製造拠点、Oak-Mitsui,Inc.を設立1980年10月三井金属箔製造株式会社及び三金レア・アース株式会社の両社を吸収合併し、上尾金属箔工場(現 上尾銅箔工場)、三池レアメタル工場を設置11月台湾に銅箔製造拠点、台湾銅箔股份有限公司を設立1983年11月地熱蒸気及び熱水の供給事業会社、奥会津地熱株式会社を設立1986年7月神岡鉱業所、彦島製煉所を分離し、神岡鉱業株式会社、彦島製錬株式会社を設立1987年2月米国インディアナ州に自動車部品製造拠点、GECOM Corp.を設立1989年7月半導体実装材料(TABテープ)製造拠点、株式会社エム・シー・エスを設立11月マレーシアに銅箔製造拠点、Mitsui Copper Foil(Malaysia)Sdn.Bhd.を設立1990年1月東京高級炉材株式会社、三井金属パーライト株式会社及びダイカライト・オリエント株式会社の3社を吸収合併し、TKR事業部(現 セラミックス事業部)、パーライト事業部を設置1992年10月米国に亜鉛粉製造拠点、Mitsui/ZCA Zinc Powders.(2002年10月にMitsui Zinc Powder LLCへ商号変更)を設立1995年2月タイ国ラヨンに自動車部品・排ガス浄化触媒の製造拠点、Mitsui Siam Components Co.,Ltd.を設立8月中国貴州省に自動車部品製造拠点、三井華陽汽車配件有限公司を設立1998年4月中国香港に銅箔の加工物流拠点、三井銅箔(香港)有限公司を設立1999年1月本社を東京都品川区大崎に移転6月英国ウェールズに自動車部品製造拠点、Mitsui Components Europe Ltd.を設立2000年8月台湾にターゲット材製造拠点、台湾特格股份有限公司を設立9月米国の銅箔製造拠点Oak-Mitsui,Inc.を100%子会社化10月日鉱金属株式会社(現 JX金属株式会社)との共同出資で、パンパシフィック・カッパー株式会社を設立2001年7月中国広東省に銅箔の加工物流拠点、三井銅箔(広東)有限公司を設立2002年6月中国広東省に自動車部品製造拠点、広東三井汽車配件有限公司を設立7月住友金属鉱山株式会社と共同出資で、エム・エスジンク株式会社を設立11月台湾にTABテープ・COFテープの検査・販売拠点、台湾微電股份有限公司を設立2003年4月自動車部品の製造会社、株式会社大井製作所を株式交換により完全子会社化2005年2月中国上海に中国商社、三井金属貿易(上海)有限公司を設立  6月インドに排ガス浄化触媒製造拠点、Mitsui Kinzoku Components India Private Limitedを設立    12月韓国に薄膜材料の加工・販売拠点、株式会社三井金属韓国を設立2006年3月ペルー・パルカ鉱山本格操業開始  7月中国上海に非鉄金属リサイクル事業の拠点、上海三井鑫云貴稀金属循環利用有限公司を設立  9月中国広東省に排ガス浄化触媒の生産・販売拠点、三井金属(珠海)環境技術有限公司を設立2007年8月中国上海に同国内におけるコーポレート機能拠点、三井金属(上海)企業管理有限公司を設立2010年7月住友金属鉱山株式会社と伸銅事業を統合し、三井住友金属鉱山伸銅株式会社を設立7月自動車機器事業部と株式会社大井製作所を事業統合し、三井金属アクト株式会社を設立2011年5月インドに自動車部品の販売拠点、Automotive Components Technology India Private Limitedを設立2012年1月インドネシアに排ガス浄化触媒製造・販売拠点、PT.Mitsui Kinzoku Catalysts Jakartaを設立3月中国上海に同国内における自動車部品事業の管理拠点、三井金属愛科特(上海)管理有限公司を設立5月中国江蘇省にセラミックス製品の製造・販売拠点、三井金属特種陶瓷(蘇州)有限公司を設立7月メキシコに自動車部品の製造・販売拠点、MITSUI KINZOKU ACT MEXICANA, S.A. de C.V.を設立10月計測システム事業部と三井金属九州機工株式会社を事業統合し、三井金属計測機工株式会社を設立11月米国の亜鉛粉製造拠点、Mitsui Zinc Powder LLCを売却2013年1月タイに排ガス浄化触媒製造・販売拠点、Mitsui Kinzoku Catalysts(Thailand)Co.,Ltd.を設立2月ベトナムに排ガス浄化触媒製造・販売拠点、Mitsui Kinzoku Catalysts Vietnam Co.,Ltd.を設立3月半導体実装材料(TABテープ)製造拠点、株式会社エム・シー・エスを解散4月インドネシアに自動車部品の製造・販売拠点、PT.Mitsui Kinzoku ACT Indonesiaを設立6月TABテープ・COFテープの検査・販売拠点、台湾微電股份有限公司を解散6月銅箔の加工物流拠点、三井銅箔(広東)有限公司を解散   7月米国に排ガス浄化触媒製造・販売拠点、Mitsui Kinzoku Catalysts America,Inc.を設立2014年7月  ダイカスト事業を分離し、三井金属ダイカスト株式会社を設立  7月チリ・カセロネス鉱山本格操業開始2015年5月三井華陽汽車配件有限公司の経営権を譲渡2018年2月北米の市場調査拠点、Mitsui Kinzoku USA Inc.を設立   8月モロッコ王国での自動車部品の製造・販売拠点、MITSUI KINZOKU ACT TANGER MAROC SARLを設立2020年2月電気銅等の製錬・精製受託会社、日比製煉株式会社を設立   2月JX金属株式会社との共同出資で、ニッポン・カセロネス・リソーシズ株式会社を設立   3月Oak-Mitsui,Inc.の経営権を譲渡2021年2月チリ・カセロネス銅鉱山の権益を譲渡   12月薄膜材料の加工・販売拠点、株式会社三井金属韓国を解散2022年3月三井金属エンジニアリング株式会社を株式公開買付けにより完全子会社化2022年4月パーライト事業を分離し、三井金属パーライト株式会社を設立   4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行2023年4月三井金属ダイカスト株式会社が神岡部品工業株式会社を吸収合併2024年3月日本イットリウム株式会社を完全子会社化2024年6月日本結晶光学株式会社の全株式を譲渡
事業の内容 3 【事業の内容】
当社及び当社の関係会社(当社、子会社72社及び関連会社12社(2025年3月31日現在)により構成)においては、機能材料、金属、モビリティ、その他の事業の4部門に関係する事業を主として行っており、その製品は多岐にわたっております。
各事業における当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりであります。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
 (機能材料)当部門においては、銅箔(キャリア付極薄銅箔、プリント配線板用電解銅箔等)、機能粉(電子材料用金属粉、酸化タンタル等)、電池材料(水素吸蔵合金等)、スパッタリングターゲット(ITO等)、セラミックス製品の製造・販売等を行っております。
[主な関係会社]日本イットリウム㈱、台湾銅箔股份有限公司、Mitsui Copper Foil(Malaysia)Sdn.Bhd.、三井銅箔(香港)有限公司、三井銅箔(蘇州)有限公司、台湾特格股份有限公司、三井金属特種陶瓷(蘇州)有限公司、三井金属貿易(上海)有限公司 (金属)当部門においては、亜鉛、鉛、銅、金、銀の製造・販売、資源リサイクル事業等を行っております。
[主な関係会社]神岡鉱業㈱、彦島製錬㈱、三池製錬㈱、八戸製錬㈱、㈱産業公害・医学研究所、三井串木野鉱山㈱、日比製煉㈱、日比共同製錬㈱、三井金属リサイクル㈱、Compania Minera Santa Luisa S.A.、奥会津地熱㈱、三井金属資源開発㈱、上海三井鑫云貴稀金属循環利用有限公司、エム・エスジンク㈱、パンパシフィック・カッパー㈱、Compania Minera Quechua S.A. (モビリティ)当部門においては、排ガス浄化触媒、自動車用ドアロック、ダイカスト製品、粉末冶金製品の製造・販売等を行っております。
[主な関係会社]Mitsui Kinzoku Components India Private Limited、三井金属(珠海)環境技術有限公司、PT. Mitsui Kinzoku Catalysts Jakarta、Mitsui Kinzoku Catalysts Vietnam Co.,Ltd.、Mitsui Kinzoku Catalysts(Thailand)Co.,Ltd.、Mitsui Kinzoku Catalysts America,Inc.、三井金属アクト㈱、GECOM Corp.、MITSUI KINZOKU ACT MEXICANA, S.A. de C.V.、Mitsui Siam Components Co.,Ltd.、Mitsui Components Europe Ltd.、広東三井汽車配件有限公司、無錫大昌機械工業有限公司、三井金属愛科特(上海)管理有限公司、Automotive Components Technology India Private Limited、PT. Mitsui Kinzoku ACT Indonesia,、三井金属ダイカスト㈱、九州精密機器㈱ (その他の事業)当部門においては、伸銅品、パーライト製品の製造・販売、各種産業プラントエンジニアリング等を行っております。
[主な関係会社]三井金属(上海)企業管理有限公司、三井金属パーライト㈱、三井金属商事㈱、日本メサライト工業㈱、三井金属計測機工㈱、三谷伸銅㈱、三井研削砥石㈱、Mitsui Grinding Technology (Thailand)Co.,Ltd.、三井金属ユアソフト㈱、三井金属スタッフサービス㈱、三井金属エンジニアリング㈱、三井住友金属鉱山伸銅㈱、㈱ナカボーテック、吉野川電線㈱、パウダーテック㈱ <事業系統図>以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
(連結子会社)名称 住所 資本金又は出資金 (百万円) 主要な事業の内容 議決権の所有割合 (%) 関係内容 役員の兼任等(名) 貸付金 (百万円)営業上の取引等 兼任 出向 転籍 台湾銅箔股份有限公司 中華民国台湾省南投県 800百万 ニュー台湾 ドル 機能材料 95.0 3(1) -(-)-1,345・当社は同社に技術指導を行っているMitsui Copper Foil(Malaysia)Sdn.Bhd. Selangor, Malaysia 330百万 マレーシアリンギット 機能材料 100.0 2(1) 1 (-)--・当社は同社に技術指導を行っている 台湾特格股份有限公司 中華民国台湾省台中県 600百万 ニュー台湾 ドル 機能材料100.0 3(-) 1 (-)--・当社は同社にスパッタリングターゲットの原料を販売している 神岡鉱業㈱ 岐阜県飛騨市 4,600 金属 100.0 1(-)5(-)114,577・当社は同社に亜鉛の製錬等を委託している 八戸製錬㈱ 青森県八戸市 4,795 金属96.03(1) 2(-) -5,204・当社は同社に亜鉛・鉛の製錬を委託している 彦島製錬㈱ 山口県下関市 460 金属100.0 2(-) 2 (-)13,966・当社は同社に亜鉛の製錬等を委託している 日比共同製錬㈱ 岡山県玉野市 100 金属63.5(63.5)5(-) 1(-)-12,356・当社は同社に銅の製錬等を委託している 奥会津地熱㈱ 福島県河沼郡柳津町 100 金属100.0 4(-) 1(-)-1,966・該当なし Mitsui Kinzoku Components India Private Limited Haryana,India 400百万 インドルピーモビリティ100.0 2(-) 1(-)--・当社は同社に排ガス浄化触媒の原料を販売している 三井金属アクト㈱ 神奈川県 横浜市西区 3,000 モビリティ100.0 2(1) 1(1)19,282・該当なし GECOM Corp. Indiana, U.S.A. 15,750千 米ドル モビリティ100.0 (100.0) 1(1)-(-) --・該当なし Mitsui Siam Components Co.,Ltd. Rayong,Thailand 210百万 タイバーツ モビリティ100.0 (100.0) -(-) -(-) --・該当なし広東三井汽車配件有限公司中国広東省71,212千人民元モビリティ100.0(100.0)1(1)-(-) --・該当なし三井金属愛科特(上海)管理有限公司中国上海市13,234千人民元モビリティ100.0(100.0)2(1)-(-) --・該当なしMITSUI KINZOKU ACT MEXICANA, S.A.de C.V.Guanajuato, Mexico735,861千メキシコペソモビリティ100.0(100.0)1(1) -(-) --・該当なし三井金属エンジニアリング㈱ 東京都墨田区 1,085 その他の事業100.03(1) 1(-)3-・当社は同社へ各種プラントを発注・購入している 三井金属商事㈱ 東京都墨田区 240 その他の事業100.0 2(1) 1(-)2-・当社は同社に非鉄金属及び機能材料等を販売している その他 33社 (持分法適用の関連会社)名称 住所 資本金又は出資金 (百万円) 主要な事業の内容 議決権の所有割合 (%) 関係内容 役員の兼任等(名) 貸付金 (百万円)営業上の取引等 兼任 出向 転籍 パンパシフィック・カッパー㈱ 東京都港区5,000金属 32.2 2 (-) 1 (-)--・当社は同社に貴金属を販売している 三井住友金属鉱山伸銅㈱ 埼玉県上尾市 4,250 その他の事業50.0 2(-) 3 (1)--・当社は同社に亜鉛を販売している ・当社は同社に土地を賃貸している その他  5社
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.Mitsui Copper Foil(Malaysia)Sdn.Bhd.、神岡鉱業㈱、八戸製錬㈱、MITSUI KINZOKU ACT MEXICANA, S.A.de C.V.は、特定子会社に該当いたします。
3.上記の連結子会社で、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。
)の連結売上高に占める割合が10%を超えている会社はありません。
4.持分法適用の関連会社に含まれているパウダーテック㈱、㈱ナカボーテックは、有価証券報告書を提出しております。
5.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
6.役員の兼任等の「兼任」及び「出向」の( )内は、当社役員の兼任数及び出向数で内数であります。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)機能材料2,972(167)金属2,376(198)モビリティ4,781(614)その他の事業1,249(81)全社(共通)719(45)合計12,097(1,105)
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に外数で記載しております。
2.臨時従業員には、臨時工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

(2) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)2,473(229)42.7113.828,265,107  セグメントの名称従業員数(人)機能材料1,164(144)金属397(27)モビリティ184(12)その他の事業9(1)全社(共通)719(45)合計2,473(229)
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に外数で記載しております。
2.臨時従業員には、臨時工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況当社グループには、主要な労働組合として三井金属鉱業労働組合連合会(略称:三井金属労連)が結成されており、組合員数は2025年3月末現在4,028名であります。
また、日本基幹産業労働組合連合会(略称:基幹労連)に加盟しております。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注3)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者2.352.668.170.853.0
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき「課長級」以上を対象として算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
 ② 連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注2)男性労働者の育児休業取得率(%) (注3)労働者の男女の賃金の差異(%)(注4)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者三井金属アクト㈱-87.576.279.353.0神岡鉱業㈱-30.851.971.882.2三井金属エンジニアリング㈱-16.771.071.058.0彦島製錬㈱0.066.761.966.574.6八戸製錬㈱0.0----三井金属ダイカスト㈱-25.045.949.052.4
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)等の公表義務の対象となる連結子会社を記載しております。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき「課長級」以上を対象として算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
なお、女性の賃金が男性より低い理由は女性の管理職の割合が少ないこと、及び平均勤続年数が男性より短いことが主な理由であります。
多様な考えや価値観を活かしていくためには意思決定層に多様な人材を登用することが大切であるとの認識のもと、ライフイベント等により一時的に業務に制限がかかる社員についても昇進・登用にあたりその要因で不利にならないよう、実力に応じて適切に選抜してまいります。
また、提出会社においては、23年度から役員報酬制度の見直しを行い、ESGの指標達成の程度に応じて付与される「ESG指標要件型譲渡制限付株式報酬」を導入し、ダイバーシティの取り組みが、経営層レベルで後押しされる仕組みとしております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針当社グループは、「創造と前進を旨とし、価値ある商品によって社会に貢献し、社業の永続的発展成長を期す」を経営理念とし、「マテリアルの知恵を活かす」というコーポレートスローガンの下、「社会の持続的な成長」と「中長期的な企業価値の向上」に努めることを経営の基本方針としております。

(2) 対処すべき課題■中期経営計画「22中計」の振り返り当社グループでは、パーパスに基づく「統合思考経営
(注)1」、「両利きの経営
(注)2」を基軸とした全社ビジョン(2030年のありたい姿)を実現するため、2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「22中計」に取り組んでまいりました。
具体的には、「社会的価値の向上」においては、カーボンニュートラルへ向けたCO2排出量削減のための施策を推進しました。
また、人的資本経営に向け、ジョブ型人事制度の導入や処遇の改善、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンなど抜本的な改革を実施しました。
加えて、当社は監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行し、意思決定の迅速化を図るとともに、取締役会による監督機能を強化いたしました。
「経済的価値の向上」においては、事業ポートフォリオの動的管理を進め、子会社株式の売却やモビリティ事業本部の解消を決定するなど大規模な事業再編に取り組んでまいりました。
これらの取り組みは概ね期待どおりの成果を上げ、「社会的価値の向上」については「なでしこ銘柄
(注)3」に選定されるとともに、「経済的価値の向上」については「22中計」の最終年度である2024年度は損益及び財務指標ともに原計画を達成し、過去最高益となりました。
■新中期経営計画「25中計」へこの「22中計」に続く2025年度を初年度とする新中期経営計画「25中計」では、「22中計」で掲げたパーパス及び全社ビジョン(2030年のありたい姿)を確実なものとするため、現行施策のアップデート及び追加施策を実行してまいります。
「社会的価値の向上」については、その取り組みの一つであるカーボンニュートラルの実現に向け、中長期目標の達成に向けた案件創出と実行の取り組みを推進するとともに、今後は、排出量取引制度への対応やScope3への取り組みについての活動も進めてまいります。
人的資本経営では、全社ビジョン(2030年のありたい姿)へ向けて従業員の行動変容を促すべく、2025年4月よりバリュー(行動指針)を制定し、人事制度と連動した運用を開始しました。
さらに、人材戦略を構成する仕組み(働きがい改革、HRBP
(注)4による人材アロケーションなど)の定着と企業価値向上への貢献を進めてまいります。
また、ガバナンス強化としては、執行役員制度の雇用型から委任型への変更等を行い、全社戦略遂行の促進としては、業績報酬へのROIC指標の追加導入、当社第100期定時株主総会においてご承認いただくことを前提として、監査等委員である取締役及び社外取締役への勤務継続要件型譲渡制限付株式報酬制度の導入等を行います。
「経済的価値の向上」については、資本効率を意識した経営として、全社のROIC(投下資本利益率)の向上を図るべく、事業別WACC(加重平均資本コスト)及び事業別ROIC目標(ROICスプレッド
(注)5)を運用し、“大胆施策
(注)6”を実行することによりポートフォリオマネージメントを強化するとともに、以下の重点施策を実行してまいります。
・機能材料部門2030年のありたい姿実現に向けて、既存事業の価値最大化を追求しつつ、グローバルシェアNo.1機能材料を連続的に生み出す事業体への変革を実行します。
主要施策として、抜本的なキャッシュ創出と大胆な資源投入からなる社外の知見を活用したプロジェクトに取り組みます。
さらに、日本イットリウム株式会社と機能性粉体事業部の一部を統合したレアマテリアル事業部を創設し、一体感の醸成とシナジー創出を実現します。
また、機能性コーティングの事業化に向けた体制強化を図ります。
これらの取り組みにより、新たな本部体制で相互のシナジーを活かした価値拡大を目指します。
・金属部門循環型社会実現に向けて高まるリサイクルニーズに応えるべく、当社グループが保有する多様なプロセスを活かした高度なリサイクル製錬ネットワークの追求及び低炭素エネルギーを活用し、カーボンニュートラル実現に不可欠な金属素材の提供に引き続き取り組んでまいります。
また、CO2排出量削減については、工程改善・省エネ等の様々な取り組みにより2030年度の当社目標である2013年度比38%削減は達成の見通しです。
・事業創造本部引き続き新たな事業を「持続的」に創造するために、「事業機会の探索力強化」、「研究開発力の強化」、「基盤の強化」という3つの戦略を掲げ、研究開発と市場共創を軸にした価値創造に取り組みます。
全固体電池向け固体電解質(A-SOLiD®)及び電極材料、次世代半導体チップ実装用キャリア(HRDP®)に続く事業化推進テーマとして、環境・エネルギー領域のテーマである多孔体事業の事業化推進を図り、タイムリーに投資と人員の投入を行ってまいります。
・経営企画本部更なるポートフォリオマネージメントの強化とともに、バイサイドM&Aとして予算枠240億円を設定した上で11名体制に増員し、新たに社外専門家を含めたインナーサークル型の活動を加速してまいります。
当社は、当社第100期定時株主総会においてご承認いただくことを前提として、2025年10月から商号を三井金属株式会社とします。
現在の業容をより明確に反映するとともに、これまで以上に一体となって「人類への貢献」と「環境との貢献」を両立する統合思考経営を実践し、ステークホルダーの皆様と共に地球を笑顔にすることを目指してまいります。
(注)1 統合思考経営:「社会的価値の向上」と「経済的価値の向上」を統合して持続可能な価値を創造する経営アプローチ。
2 両利きの経営:「既存事業の効率化と絶え間ない改善(知の深化)」と「新規事業に向けた実験と行動(知の探索)」を両立させていく考え方。
3 なでしこ銘柄:経済産業省と東京証券取引所が共同で、「女性活躍推進」に優れた上場企業を紹介する制度。
令和6年度は「採用から登用までの一貫したキャリア形成支援」と「共働き・共育てを可能にする性別を問わない両立支援」を両輪で進める企業を選定。
4 HRBP:Human Resource Business Partnerの略。
経営者や事業部門のパートナーとして事業成長と戦略の実行を人材・組織の面から支える機能。
5 ROICスプレッド:ROIC(投下資本利益率)からWACC(加重平均資本コスト)を差し引いた値。
6 大胆施策:社外の知見を活用した「漸次的ではなく非線形な成長への変化」を実現する施策。
■当社子会社における品質不適切行為について2025年4月4日付当社ウェブサイトにて公表した「三井金属パーライト株式会社製パーライト製品に関する不適切な行為及び当該行為に関する特別調査委員会による調査結果並びに当社の今後の取り組みについて」にありますとおり、当社子会社において製品の検査成績表のデータの書き換え等の不適切行為が判明いたしました。
当社は、本件不適切行為が行われていたことを深く反省し、グループ一丸となって再発防止策に取り組み、信頼回復に努めてまいります。
〔目標とする経営指標〕これらの取り組みを実行することにより、25中計期間及び2030年度においては、以下の財務目標の達成を目指してまいります。
25中計2025年度2027年度2030年度売上高(億円)6,5006,5007,300経常利益(億円)4107001,000フリーキャッシュ・フロー(億円)210480840ROE(自己資本当期純利益率)(%)4.314.014.0ROIC(%)6.211.014.0 主な前提諸元 2025年度2027年度亜鉛LME価格($/t)2,8002,800為替(円/US$)145145 上記の財務目標につきましては、2025年5月21日現在において入手可能な情報に基づき算出したものであり、今後様々な要因により実際の業績が記載の目標数値と異なる場合があります。
中期経営計画「25中計」の詳細につきましては、当社ホームページのIR・投資家情報に、2025年5月21日付で掲載されております「中期経営計画「25中計」策定のお知らせ」をご参照下さい。
https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=UUc%2b7P6vL4o%3d&tabid=100&mid=1060&TabModule819=0
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが目指している、「社会的価値の向上」と「経済的価値の向上」の両立による統合思考経営の実現に向け、2023年4月1日付で、技術基盤の強化を担う「技術本部」の新設とともに、「サステナビリティ推進部」を経営企画本部から本社部門の社長直下に移管し、事業部門を含めた関係部門との連携促進を図り、「社会的価値の向上」の取り組みを更に加速させることとしております。
さらに、気候変動への対応は、生物多様性の回復を含むネイチャーポジティブへの取り組みや天然資源の循環利用を根底とするサーキュラーエコノミーへの移行とも密接に関連していることから、気候変動への対応はもとより、自然との調和と合わせて環境全般への取り組みを強化すべく、2025年4月1日付でこれまでの気候変動対応チームを、低炭素・自然共生戦略室に改称、発展させています。
また、同じく2025年4月1日付で技術本部 生産技術部を分割し、当社グループ製品製造活動に伴うエネルギー使用量効率向上による気候変動への対応を加速すべく技術本部内に基盤技術部を設置しております。
(1) 気候変動から自然共生への活動拡充気候変動は地球全体に長期にわたり大きな影響を及ぼすことから、当社事業にとって特に重要な外部環境変化の一つであると認識しております。
とりわけ当社グループは非鉄製錬、電解銅箔等エネルギー多消費型事業を有していることから、そのエネルギー消費に伴う温室効果ガス(以下GHGと表記)排出の適切な管理の一環として「気候変動への対応」を経営上の重要なマテリアリティであると位置付け、GHG削減につながる活動を推進しております。
また、気候変動を巡る社会・経済のニーズは、直接的な事業活動上のリスクや機会に加えて、サプライチェーン全体を俯瞰した場合のリスクや機会への対応まで拡大することを求めています。
さらに、気候変動への対応は、生物多様性の回復を含むネイチャーポジティブへの取り組みや天然資源の循環利用を根底とするサーキュラーエコノミーへの移行とも密接に関連していることも強調されています。
そこで、当社グループではこれまでのTCFD提言のフレームワークに則った気候変動対応を事業活動に伴う間接的なGHG排出量(Scope3)の算定と削減検討へ拡大するとともに、TCFD提言への賛同、GXリーグへの参画に加えて、2024年度には新たに日本気候リーダーズ・パートナーシップの賛助会員加盟、TNFDフォーラム参加、経団連生物多様性宣言イニシアチブ参画、ネイチャーポジティブ経営推進プラットフォーム参加等、官民学一体となった活動への参加を通し、気候変動対応から自然共生への活動内容の深化にも取り組んでおります。

(2) TCFDにおける4つの中核的要素①ガバナンス当社グループにおける気候変動基本方針や重要事項は、取締役会の監督の下、社長が委員長を務めるCSR委員会において討議し、執行最高会議において審議・決定しております。
執行最高会議は、代表取締役と業務執行取締役が参画しており、経営の観点から審議を行なっております。
(体制図参照)なお2024年度の執行最高会議では、気候関連課題に対する議論を計9回実施し、取締役会にて報告をしております。
②戦略当社グループはグローバルに多数の事業を展開しており、気候変動に関わるリスク・機会が事業ごとに異なるという背景を考慮し、気候変動の影響を受ける可能性が相対的に高い事業から事業別にシナリオ分析を行なっております。
シナリオの定義想定時期2030年代初頭シナリオ定義4℃シナリオ産業革命期比で21世紀末に2.7~4.0℃上昇*主にIEAのSTEPSのデータを利用2℃シナリオ産業革命期比で21世紀末に0.9~2.3℃上昇*主にIEAのAPS(以前のSDS)と一部NZEのデータを利用 これまでに、グループ全体のCO2排出量の約70%を占める金属部門、次いでCO2排出量が多い銅箔事業、気候変動による事業環境の変化が大きい触媒事業、機能性粉体事業など機能材料部門についてシナリオ分析を完了し、引き続き、その他の事業分野の分析と定期的なシナリオ分析のアップデートに取り組んでおります。
シナリオ分析では、それぞれのリスクによる収益低下を最小化するとともに、新たな製品や新規事業の創出による機会の獲得を実現するための対応案を検討しております。
それらの多くは長期的な視点で取り組むべき内容ですが、2022年度からの中期経営計画である「22中計」に続き、2025年度からの中期経営計画である「25中計」にも反映させて、戦略のレジリエンスの確保に努めてまいります。
また、当社グループにおいては2030年GHG排出量削減目標及び2050年度目標であるカーボンニュートラル達成への道筋を描いたカーボンニュートラルロードマップを作成しています。
このロードマップを用いPDCAサイクルを回すことで目標達成に向けたGHG排出量削減活動を確度高く進めています。
特に金属事業においては、2020年度に実施したシナリオ分析を踏まえ、CO2排出削減を最優先課題とし、事業部門内にカーボンニュートラル対応プロジェクトを立ち上げ、石炭、コークス燃料転換や石膏生産の見直しなど積極的なCO2削減に取り組んでいます。
さらに、CO2削減施策の実行を促進するため、2023年4月1日よりICP(社内炭素価格)を設定
(注)1し、設備投資・開発投資の判断に活用しております。
設定金額については、当社グループにおける削減策実行のハードルがScope1とScope2の特性によって大きく異なる部分もあることから、Scope別の設定としております。
具体的には、Scope1では当社主力事業の一つである亜鉛製錬のようにプロセスの原理上CO2削減対策のハードルが高く、試験等も含めた開発投資が不可欠であるものも想定されることから、電力の再生可能エネルギーへの移行による削減が可能なScope2よりも高い金額といたしました。
また、2030年度までのCO2排出量の削減と2050年度までのカーボンニュートラルの実現に向け、2023年12月にトランジション戦略の策定を公表いたしました。
(詳細は以下URLをご参照ください。
)https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=AnTMXs7RlQ0%3d
(注)1 Scope1:30,000円/t-CO2,Scope2:20,000円/t-CO2 ③リスク管理シナリオ分析の過程では、リスク及び機会の特定をしております。
とりわけエネルギーコストの増大リスクに加えて、低炭素・脱炭素経済への移行を見据えた顧客ニーズの変化、サプライチェーン取引先へのGHG排出量削減貢献におけるリスクと機会が重要であると認識しております。
シナリオ分析で検討した対応策には、これらの動向を監視して必要な早期対応を経営計画に反映させることも含めており、随時経営層に報告を行い、リスク管理をしております。
④指標及び目標当社グループでは、エネルギー起源のCO2の削減目標を設定しております。
・2030年度:CO2排出量をグローバルで38%削減する(2013年度比)・2050年度:カーボンニュートラル(Net 排出ゼロ) を目指すなお、上記の指標と目標に対する、2023年度の三井金属グループのScope1及びScope2のCO2合計排出量は1,712千t-CO2であり、2013年度比で7%の削減
(注)2となりました。
Scope3については、サプライチェーン上流側のカテゴリーを中心に国内拠点の排出量把握を完了しました。
さらに開示対象を拡充できるよう取り組みを進めております。
当社グループにおけるCO2排出量(2023年度) 単位:千t-CO2 Scope1
(注)3Scope2
(注)3合計(参考)Scope3輸送
(注)4廃棄物処理
(注)5日本国内7646611,425186海外40246287-1合計8049071,712186
(注)2 基準年である2013年度の排出量を電力の調整後排出係数を使用して算出することに変更したため、第98期有価証券報告書に記載の2013年度比削減率よりも見かけ上、小さくなっております。

(注)3 エネルギー起源のCO2を対象としております。

(注)4 当社(三井金属単体)が荷主である輸送に伴うCO2排出量を対象としております。

(注)5 当社グループ(グローバル)で発生した外部に委託した廃棄物の処理によるCO2排出量を対象としております。
なお、最新のCO2排出量については、当社ホームページをご参照ください。
環境データ:https://www.mitsui-kinzoku.com/csr/data/esg_data/また、当社グループの気候変動及び環境に対する取り組みについては、ESG説明会資料(12~18頁)、統合報告書(69~79頁)もご参照ください。
2024年度ESG説明会資料:https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=9mThRC1rM3s%3d&tabid=159&mid=1060&TabModule1202=0 2024年度統合報告書:https://www.mitsui-kinzoku.com/Portals/0/CSR/integrated_report/2024/JP1/integrated_report2024.pdf (3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略三井金属グループでは、人が最も重要な経営資本であると考えております。
当社グループの目指す、事業を通じた環境・社会課題の解決と、そのためのイノベーション創出、新たな価値創造は、多様な考え、様々な価値観、経験とスキルを持った人材がいてこそ実現するものだからです。
当社グループで働く全ての人が、それぞれの役割を担いながら、当社グループで働くことに誇りや幸せを感じ、安心して働ける職場環境を整えることで、個々の能力を最大限に発揮できる仕組みを構築しております。
具体的にはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、働きがい改革、健康経営、実力主義の人事制度、HRBP
(注)6機能の強化の5つの施策を推進しております。
また、パーパスを基軸とした全社ビジョンの実現を目指すうえで備えるべき文化・風土を明確にするために、新たにバリュー(行動指針)
(注)7を制定いたしました。
これらの取組みにより、個人を尊重することと、組織として人材を活用することを両立し、経営戦略の実現を人事の側面から推進しております。

(注)6 HRBP:Human Resource Business Partnerの略。
経営者や事業部門のパートナーとして事業成長と戦略の実行を人材・組織の面から支える機能。

(注)7 バリューは以下5つの文言からなる。
多様な角度から見よう、みんなで愉しもう、知恵を出し合おう、やってみよう変えていこう、手本となろう。
①人材育成方針当社グループは、「人材開発基本方針」に基づき、事業を通じて環境・社会課題を解決し、価値創造を実現する人材の育成に取り組んでおります。
イ.人材開発基本方針人材は最も重要な経営資本との認識のもと、パーパスを基軸として全社ビジョンを実現するための「バリュー」を行動の指針とし、事業を通じて環境・社会課題を解決し、価値創造を実現する人を育てます。
‐すべての人がいきいきと働き、相互信頼のもとで積極的に議論し新たな価値を追求する文化を築きます。
‐だれもがかけがえのない一人であり、それぞれが能力と個性を存分に活かすことで、これまでに無いものを生み出すこと、すなわち多様性の価値を実現します。
‐一人ひとりが自らの目指す方向に向けて自分らしいキャリアを選択し、叶えるための行動を支援します。
‐実力重視の人事制度の下、公正な評価に基づき、個人の意思を尊重しつつ適所適材を図り、能力開発を発揮する機会を提供します。
‐経営戦略と時代のニーズを反映した教育プログラムを整えるとともに継続的に検証と改善を図ります。
②社内環境整備方針2050年の世界では、働き方は今とは大きく異なり、人材流動性が非常に高くなると予想されております。
このような社会においても、働く人に選ばれる会社、そこで働くことに誇りを持てる会社、成長し続けられる会社であるために、今から何をすべきかが問われております。
個人の視点としては、チャレンジして自己成長を実感できること、キャリアを自律的に築けること、多様性に価値があることの実感、これらを実現していく必要があります。
もちろん健康的に働き続けられることは大前提です。
組織の視点では、育成・拡大・再構築・強化の事業評価に対して、どのような人を配置するかという人材のアロケーション、そのための人材育成に加え、経営者をはじめとした重要なポジションの後継者育成をしっかりと計画的に行うことが重要です。
これら、個人視点と組織視点の人材戦略の礎となるのが実力主義の人事制度です。
イ.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと働きがい改革の推進一人ひとりが優秀で知識が豊富でも、似通った視点や価値観の集団では、新しい価値の創造性や、組織としての強靭性に欠けます。
そのため、異なる視点や経験、価値観があり、多角的に物事を捉えられるような多様性のある組織を目指します。
その第一歩が女性活躍推進です。
さらに、どの様な価値観や経験・考え方の人であっても安心して働ける職場、自律的に働き、仕事の成功や失敗を通じて成長を実感できる職場を実現する働きがい改革を推進、加速しております。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進体制2021年にダイバーシティ推進室、2022年に社長を委員長とするダイバーシティ推進委員会を設置し、ありたい姿に基づくロードマップとKPIを策定し取り組みを推進してきました。
2023年度からは武川社外取締役がアドバイザーとなり、より幅広い視点での議論がすすみ、2024年度には、女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄」に選定されました。
25年度からは、各本部長が実行責任者として参画することで、現場まで取り組みが浸透する体制としております。
・働きがい改革推進の加速2024年4月から、働きがい改革を加速するべく専任組織を設置いたしました。
働きやすさ、働きがいが実感できることを早期に実現し、さらには「この会社だからこそ働きたい」と思えるような会社を目指しております。
まずは組織と個人の関係性、つまりエンゲージメントが向上しやすい組織の特徴を分析し、データに基づいた各種の施策を立案・実行することで、ありたい姿を実現していきます。
・マネジメント体制ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと働きがい改革は、密接に関係していることから、一つの委員会で議論しております。
委員会で協議する方針や、KPIの策定・進捗と課題、今後の取り組みについては、執行最高会議と取締役会で報告・議論され、その結果が委員会活動に反映される体制となっており、経営戦略との連動、企業価値向上に資する仕組みとなっております。
[定期的な情報発信]- 経営連絡会等における社長のメッセージ発信- 社外取締役・ダイバーシティ推進室長メッセージ(採用ホームページ)- 人事戦略・ダイバーシティ推進の取り組み進捗発信(ESG説明会)- 社内報の連載- DE&I社内サイトにおける事例発信・制度説明動画掲載[研修]- アンコンシャスバイアス研修 (非管理職向け)- マネジメント研修 (管理職向け)- D&I推進ワークショップ(男性育休編)- 女性交流会[女性活躍推進の取り組み]- 男性育休取得事例の社内共有、製造現場へのポスター掲示- 職域拡大の検討- 女性管理職育成計画- 採用競争力向上と女性採用強化施策実施 ロ.健康経営の推進当社グループに働く全ての従業員及びその家族が心身ともに健康であることは重要な経営課題です。
従業員とその家族が健康であることは、従業員の生活を充実させ、その個性・能力を最大限に発揮できる基盤となり、会社にとっても生産性を高め、業績向上に繋がっていきます。
従業員及びその家族の健康維持・増進活動に取り組むことを通じて、さらに活力のある会社づくりを推し進めることをもって社会に貢献し続けることを、健康経営宣言として社内外に公表しております。
当社は、2019年以降継続して健康経営優良法人に認定されております。
2022年度以降は、健康関連の研修・イベント、全拠点でのメンタルヘルス研修を継続して実施してきました。
2023年度には全社産業保健・健康経営施策の推進役として新たに統括産業医を選任し、事務局として人事部労政室内に健康経営担当を設置いたしました。
また、フィジカル・メンタルの両面からの健康経営重点項目の設定、健診結果に基づく医療機関受診への費用補助制度の導入、治療と仕事の両立に資する制度改定として半日年次有給休暇制度利用上限の撤廃、全社での健康診断結果のデータ分析、各職場へのストレスチェック結果のフィードバック及び重点職場の状況確認や改善サポート等を行なっております。
2024年度より、健康経営の投資効果を測定する事を目的に、出社しているものの何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状態を示すプレゼンティーズムと、健康問題によって仕事を欠勤している状態を示すアブセンティーズムを測定して社内外に公表しつつ、更なる健康経営の推進に役立てております。
ハ.実力重視の人事制度とHRBPによる戦略人事・実力重視の人事制度2022年4月より、これまでのヒト基準の人事制度から職務・役割基準のジョブ型人事制度へと改定いたしました。
これにより、当社グループが掲げる“パーパス”、“全社ビジョン”、“バリュー”、そしてそこに向けた経営戦略と、人材マネジメントの整合性が強化されるようになります。
すなわち、人に仕事を付けるという従来の発想・仕組みから、経営戦略遂行上必要な仕事を設定し、それに対して人を就けるという考え方への転換により、これまで以上に効率的な戦略遂行を実現していくことを意味します。
2024年度からは、いわゆる総合職、一般職の区分を廃止いたしました。
今後は、年次・年功・学歴など関係なく、“実力”のある優秀な人材に対して活躍する機会を提供することで、組織の活性化と挑戦する風土の醸成につながるものと期待しております。
・キャリア開発支援“実力重視の適所適材”の人材マネジメント・人事制度への転換にともない、人材のキャリア形成のあり方に、大きく2点の変化が生じます。
一点は一人ひとりが自分らしいキャリアビジョンを描き、定めた目標に向けて実力を身に付けていく、すなわち自律的なキャリア形成を志向することが求められるということです。
そしてもう一点は、会社は社員のキャリア選択権を認め、一人ひとりと対話しながらキャリアビジョンの実現をサポートしていくというあり方です。
当社はこのようなキャリアに関する会社と社員の新しい関係性を実現するための”キャリア開発支援“の取り組みとして、キャリア面談の実施、自己申告書の拡充などに取り組んでおります。
自己申告からは、個人のキャリア希望の方向性や個別事情を読み取ることができ、その情報を個人別配置育成計画に落とし込むことで、適性や本人の意思、発揮能力を踏まえたキャリア形成、能力開発が可能となります。
一律にジェネラリストの育成だけでない、スペシャリストを含めたキャリアビジョンの複線化も意識できるような仕組みとなっております。
具体的には、経営系、事業創造系、研究開発系又は人事、経理、法務などの機能系のマネジメントなのか、あるいはスペシャリストとして活躍したいのか、というキャリアビジョンを本人も上司も考えるようにしております。
今後は、その計画を元に対話をする仕組みを構築しながら、個人と組織のすり合わせを強化していきます。
・自律的な学びを後押しする人材育成一人ひとりのキャリアビジョンを実現するための仕組みとして、教育体制を充実させております。
従業員がスキルを向上し自らの強みを発揮できるよう、また、生涯キャリアの形成に向けた各従業員の継続的な努力をサポートすべく、自律的な学びを支援できるカリキュラムと学習環境の提供に努めております。
2022年度より「個」のキャリア自律を実現すべく教育体系制度の刷新並びに、それをサポートするDXツールとして、MLP(Mitsui₋kinzoku Learning Platform) を導入いたしました。
ここでは選択型能力開発プログラムを更に強化し、各階層で必要な能力を開発する必須研修に加え、従業員が自由に受講できる学習コンテンツを大幅に拡充しカフェテリア型の研修体系といたしました。
リーダーシップやアンガーマネジメントなど管理職のマネジメントスキルを高めるコンテンツ、DXやAIなどのテクノロジー、心理的安全性など働き方改革に関する学習、サステナビリティに関する学習など世の中のトレンドに対応したコンテンツも用意しております。
加えて、全従業員のITリテラシーの更なる向上を目標とし、三井金属総デジタル人材化と銘打ったICT教育を実施しております。
本取り組みの継続的な実施を通じて、DXによる新たなビジネスモデル創出が出来るような人材の輩出を目指しております。
新入社員に対するきめ細やかな教育も特徴です。
選出されたOJT指導員への教育を行いつつ、指導員-新入社員のコミュニケーション方法など育成上の課題を集約してフィードバックするとともに、得られた知見をフォローアップ研修に反映させるなどタイムリーに内容をブラッシュアップしております。
また、統合思考経営の実践に向け、環境・社会課題を起点としたビジネスを創出できる人材の育成にも力を入れており、外部環境の変化を考慮しSDGs、ESG、CSRに対応する研修の拡大・強化に取り組んでおります。
これらの個別の研修のつみかさねにより、事業を通じて環境・社会課題を解決していく人材、当社の掲げる「人材開発基本方針」にもとづいた人材育成が実現されております。
・HRBPによる戦略人事の実施2022年4月に設置された人事ビジネスパートナー室は、経営戦略、事業戦略の実現を人事の面から推進することをミッションとしております。
従業員は個人として尊重されつつ、組織としてはこれを活用していく必要があります。
各本部にあるHRBPは人事部と連携しつつ、全社視点における事業ポートフォリオの動的管理に紐づく人材アロケーションを実行し、必要なところに必要な人材を投入するようにしております。
また、重要ポジションのサクセッションプランを通した中長期的な必要人材の特定、両利き経営をけん引できる人材の育成、各部門でのタレントマネジメントなどについても、デジタル技術の活用も進めながら先見性をもって迅速な課題解決に努めております。
③指標及び目標ダイバーシティの推進と働きがい改革をモニタリングするために、以下のような指標及び2027年度までの達成目標を設定しております。
イ.働きがい改革の加速- いきいき度(エンゲージメント測定指標)全社平均 55%(2024年度実績:51%) ロ.多様な人材の採用定着- 正社員採用女性比率 24%(2024年度実績:25%)- 男性育休取得率 85%(2024年度実績:52%)- えるぼし維持、くるみん取得、なでしこ銘柄選定(2024年度実績:えるぼし維持、なでしこ銘柄選定) ハ.多様な視点を活かした価値創出- コミュニケーション指数の向上- 女性管理職比率 6.8%(2024年度実績:5.1%)注:係長級以上の比率 当社では2023年度から役員報酬にESGの指標達成の程度に応じて付与される「ESG指標要件型譲渡制限付株式報酬」を導入しており、人に対する取り組みが、経営レベルで後押しされる仕組みとなっております。
戦略 ②戦略当社グループはグローバルに多数の事業を展開しており、気候変動に関わるリスク・機会が事業ごとに異なるという背景を考慮し、気候変動の影響を受ける可能性が相対的に高い事業から事業別にシナリオ分析を行なっております。
シナリオの定義想定時期2030年代初頭シナリオ定義4℃シナリオ産業革命期比で21世紀末に2.7~4.0℃上昇*主にIEAのSTEPSのデータを利用2℃シナリオ産業革命期比で21世紀末に0.9~2.3℃上昇*主にIEAのAPS(以前のSDS)と一部NZEのデータを利用 これまでに、グループ全体のCO2排出量の約70%を占める金属部門、次いでCO2排出量が多い銅箔事業、気候変動による事業環境の変化が大きい触媒事業、機能性粉体事業など機能材料部門についてシナリオ分析を完了し、引き続き、その他の事業分野の分析と定期的なシナリオ分析のアップデートに取り組んでおります。
シナリオ分析では、それぞれのリスクによる収益低下を最小化するとともに、新たな製品や新規事業の創出による機会の獲得を実現するための対応案を検討しております。
それらの多くは長期的な視点で取り組むべき内容ですが、2022年度からの中期経営計画である「22中計」に続き、2025年度からの中期経営計画である「25中計」にも反映させて、戦略のレジリエンスの確保に努めてまいります。
また、当社グループにおいては2030年GHG排出量削減目標及び2050年度目標であるカーボンニュートラル達成への道筋を描いたカーボンニュートラルロードマップを作成しています。
このロードマップを用いPDCAサイクルを回すことで目標達成に向けたGHG排出量削減活動を確度高く進めています。
特に金属事業においては、2020年度に実施したシナリオ分析を踏まえ、CO2排出削減を最優先課題とし、事業部門内にカーボンニュートラル対応プロジェクトを立ち上げ、石炭、コークス燃料転換や石膏生産の見直しなど積極的なCO2削減に取り組んでいます。
さらに、CO2削減施策の実行を促進するため、2023年4月1日よりICP(社内炭素価格)を設定
(注)1し、設備投資・開発投資の判断に活用しております。
設定金額については、当社グループにおける削減策実行のハードルがScope1とScope2の特性によって大きく異なる部分もあることから、Scope別の設定としております。
具体的には、Scope1では当社主力事業の一つである亜鉛製錬のようにプロセスの原理上CO2削減対策のハードルが高く、試験等も含めた開発投資が不可欠であるものも想定されることから、電力の再生可能エネルギーへの移行による削減が可能なScope2よりも高い金額といたしました。
また、2030年度までのCO2排出量の削減と2050年度までのカーボンニュートラルの実現に向け、2023年12月にトランジション戦略の策定を公表いたしました。
(詳細は以下URLをご参照ください。
)https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=AnTMXs7RlQ0%3d
(注)1 Scope1:30,000円/t-CO2,Scope2:20,000円/t-CO2
指標及び目標 ④指標及び目標当社グループでは、エネルギー起源のCO2の削減目標を設定しております。
・2030年度:CO2排出量をグローバルで38%削減する(2013年度比)・2050年度:カーボンニュートラル(Net 排出ゼロ) を目指すなお、上記の指標と目標に対する、2023年度の三井金属グループのScope1及びScope2のCO2合計排出量は1,712千t-CO2であり、2013年度比で7%の削減
(注)2となりました。
Scope3については、サプライチェーン上流側のカテゴリーを中心に国内拠点の排出量把握を完了しました。
さらに開示対象を拡充できるよう取り組みを進めております。
当社グループにおけるCO2排出量(2023年度) 単位:千t-CO2 Scope1
(注)3Scope2
(注)3合計(参考)Scope3輸送
(注)4廃棄物処理
(注)5日本国内7646611,425186海外40246287-1合計8049071,712186
(注)2 基準年である2013年度の排出量を電力の調整後排出係数を使用して算出することに変更したため、第98期有価証券報告書に記載の2013年度比削減率よりも見かけ上、小さくなっております。

(注)3 エネルギー起源のCO2を対象としております。

(注)4 当社(三井金属単体)が荷主である輸送に伴うCO2排出量を対象としております。

(注)5 当社グループ(グローバル)で発生した外部に委託した廃棄物の処理によるCO2排出量を対象としております。
なお、最新のCO2排出量については、当社ホームページをご参照ください。
環境データ:https://www.mitsui-kinzoku.com/csr/data/esg_data/また、当社グループの気候変動及び環境に対する取り組みについては、ESG説明会資料(12~18頁)、統合報告書(69~79頁)もご参照ください。
2024年度ESG説明会資料:https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=9mThRC1rM3s%3d&tabid=159&mid=1060&TabModule1202=0 2024年度統合報告書:https://www.mitsui-kinzoku.com/Portals/0/CSR/integrated_report/2024/JP1/integrated_report2024.pdf
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略三井金属グループでは、人が最も重要な経営資本であると考えております。
当社グループの目指す、事業を通じた環境・社会課題の解決と、そのためのイノベーション創出、新たな価値創造は、多様な考え、様々な価値観、経験とスキルを持った人材がいてこそ実現するものだからです。
当社グループで働く全ての人が、それぞれの役割を担いながら、当社グループで働くことに誇りや幸せを感じ、安心して働ける職場環境を整えることで、個々の能力を最大限に発揮できる仕組みを構築しております。
具体的にはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、働きがい改革、健康経営、実力主義の人事制度、HRBP
(注)6機能の強化の5つの施策を推進しております。
また、パーパスを基軸とした全社ビジョンの実現を目指すうえで備えるべき文化・風土を明確にするために、新たにバリュー(行動指針)
(注)7を制定いたしました。
これらの取組みにより、個人を尊重することと、組織として人材を活用することを両立し、経営戦略の実現を人事の側面から推進しております。

(注)6 HRBP:Human Resource Business Partnerの略。
経営者や事業部門のパートナーとして事業成長と戦略の実行を人材・組織の面から支える機能。

(注)7 バリューは以下5つの文言からなる。
多様な角度から見よう、みんなで愉しもう、知恵を出し合おう、やってみよう変えていこう、手本となろう。
①人材育成方針当社グループは、「人材開発基本方針」に基づき、事業を通じて環境・社会課題を解決し、価値創造を実現する人材の育成に取り組んでおります。
イ.人材開発基本方針人材は最も重要な経営資本との認識のもと、パーパスを基軸として全社ビジョンを実現するための「バリュー」を行動の指針とし、事業を通じて環境・社会課題を解決し、価値創造を実現する人を育てます。
‐すべての人がいきいきと働き、相互信頼のもとで積極的に議論し新たな価値を追求する文化を築きます。
‐だれもがかけがえのない一人であり、それぞれが能力と個性を存分に活かすことで、これまでに無いものを生み出すこと、すなわち多様性の価値を実現します。
‐一人ひとりが自らの目指す方向に向けて自分らしいキャリアを選択し、叶えるための行動を支援します。
‐実力重視の人事制度の下、公正な評価に基づき、個人の意思を尊重しつつ適所適材を図り、能力開発を発揮する機会を提供します。
‐経営戦略と時代のニーズを反映した教育プログラムを整えるとともに継続的に検証と改善を図ります。
②社内環境整備方針2050年の世界では、働き方は今とは大きく異なり、人材流動性が非常に高くなると予想されております。
このような社会においても、働く人に選ばれる会社、そこで働くことに誇りを持てる会社、成長し続けられる会社であるために、今から何をすべきかが問われております。
個人の視点としては、チャレンジして自己成長を実感できること、キャリアを自律的に築けること、多様性に価値があることの実感、これらを実現していく必要があります。
もちろん健康的に働き続けられることは大前提です。
組織の視点では、育成・拡大・再構築・強化の事業評価に対して、どのような人を配置するかという人材のアロケーション、そのための人材育成に加え、経営者をはじめとした重要なポジションの後継者育成をしっかりと計画的に行うことが重要です。
これら、個人視点と組織視点の人材戦略の礎となるのが実力主義の人事制度です。
イ.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと働きがい改革の推進一人ひとりが優秀で知識が豊富でも、似通った視点や価値観の集団では、新しい価値の創造性や、組織としての強靭性に欠けます。
そのため、異なる視点や経験、価値観があり、多角的に物事を捉えられるような多様性のある組織を目指します。
その第一歩が女性活躍推進です。
さらに、どの様な価値観や経験・考え方の人であっても安心して働ける職場、自律的に働き、仕事の成功や失敗を通じて成長を実感できる職場を実現する働きがい改革を推進、加速しております。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進体制2021年にダイバーシティ推進室、2022年に社長を委員長とするダイバーシティ推進委員会を設置し、ありたい姿に基づくロードマップとKPIを策定し取り組みを推進してきました。
2023年度からは武川社外取締役がアドバイザーとなり、より幅広い視点での議論がすすみ、2024年度には、女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄」に選定されました。
25年度からは、各本部長が実行責任者として参画することで、現場まで取り組みが浸透する体制としております。
・働きがい改革推進の加速2024年4月から、働きがい改革を加速するべく専任組織を設置いたしました。
働きやすさ、働きがいが実感できることを早期に実現し、さらには「この会社だからこそ働きたい」と思えるような会社を目指しております。
まずは組織と個人の関係性、つまりエンゲージメントが向上しやすい組織の特徴を分析し、データに基づいた各種の施策を立案・実行することで、ありたい姿を実現していきます。
・マネジメント体制ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと働きがい改革は、密接に関係していることから、一つの委員会で議論しております。
委員会で協議する方針や、KPIの策定・進捗と課題、今後の取り組みについては、執行最高会議と取締役会で報告・議論され、その結果が委員会活動に反映される体制となっており、経営戦略との連動、企業価値向上に資する仕組みとなっております。
[定期的な情報発信]- 経営連絡会等における社長のメッセージ発信- 社外取締役・ダイバーシティ推進室長メッセージ(採用ホームページ)- 人事戦略・ダイバーシティ推進の取り組み進捗発信(ESG説明会)- 社内報の連載- DE&I社内サイトにおける事例発信・制度説明動画掲載[研修]- アンコンシャスバイアス研修 (非管理職向け)- マネジメント研修 (管理職向け)- D&I推進ワークショップ(男性育休編)- 女性交流会[女性活躍推進の取り組み]- 男性育休取得事例の社内共有、製造現場へのポスター掲示- 職域拡大の検討- 女性管理職育成計画- 採用競争力向上と女性採用強化施策実施 ロ.健康経営の推進当社グループに働く全ての従業員及びその家族が心身ともに健康であることは重要な経営課題です。
従業員とその家族が健康であることは、従業員の生活を充実させ、その個性・能力を最大限に発揮できる基盤となり、会社にとっても生産性を高め、業績向上に繋がっていきます。
従業員及びその家族の健康維持・増進活動に取り組むことを通じて、さらに活力のある会社づくりを推し進めることをもって社会に貢献し続けることを、健康経営宣言として社内外に公表しております。
当社は、2019年以降継続して健康経営優良法人に認定されております。
2022年度以降は、健康関連の研修・イベント、全拠点でのメンタルヘルス研修を継続して実施してきました。
2023年度には全社産業保健・健康経営施策の推進役として新たに統括産業医を選任し、事務局として人事部労政室内に健康経営担当を設置いたしました。
また、フィジカル・メンタルの両面からの健康経営重点項目の設定、健診結果に基づく医療機関受診への費用補助制度の導入、治療と仕事の両立に資する制度改定として半日年次有給休暇制度利用上限の撤廃、全社での健康診断結果のデータ分析、各職場へのストレスチェック結果のフィードバック及び重点職場の状況確認や改善サポート等を行なっております。
2024年度より、健康経営の投資効果を測定する事を目的に、出社しているものの何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状態を示すプレゼンティーズムと、健康問題によって仕事を欠勤している状態を示すアブセンティーズムを測定して社内外に公表しつつ、更なる健康経営の推進に役立てております。
ハ.実力重視の人事制度とHRBPによる戦略人事・実力重視の人事制度2022年4月より、これまでのヒト基準の人事制度から職務・役割基準のジョブ型人事制度へと改定いたしました。
これにより、当社グループが掲げる“パーパス”、“全社ビジョン”、“バリュー”、そしてそこに向けた経営戦略と、人材マネジメントの整合性が強化されるようになります。
すなわち、人に仕事を付けるという従来の発想・仕組みから、経営戦略遂行上必要な仕事を設定し、それに対して人を就けるという考え方への転換により、これまで以上に効率的な戦略遂行を実現していくことを意味します。
2024年度からは、いわゆる総合職、一般職の区分を廃止いたしました。
今後は、年次・年功・学歴など関係なく、“実力”のある優秀な人材に対して活躍する機会を提供することで、組織の活性化と挑戦する風土の醸成につながるものと期待しております。
・キャリア開発支援“実力重視の適所適材”の人材マネジメント・人事制度への転換にともない、人材のキャリア形成のあり方に、大きく2点の変化が生じます。
一点は一人ひとりが自分らしいキャリアビジョンを描き、定めた目標に向けて実力を身に付けていく、すなわち自律的なキャリア形成を志向することが求められるということです。
そしてもう一点は、会社は社員のキャリア選択権を認め、一人ひとりと対話しながらキャリアビジョンの実現をサポートしていくというあり方です。
当社はこのようなキャリアに関する会社と社員の新しい関係性を実現するための”キャリア開発支援“の取り組みとして、キャリア面談の実施、自己申告書の拡充などに取り組んでおります。
自己申告からは、個人のキャリア希望の方向性や個別事情を読み取ることができ、その情報を個人別配置育成計画に落とし込むことで、適性や本人の意思、発揮能力を踏まえたキャリア形成、能力開発が可能となります。
一律にジェネラリストの育成だけでない、スペシャリストを含めたキャリアビジョンの複線化も意識できるような仕組みとなっております。
具体的には、経営系、事業創造系、研究開発系又は人事、経理、法務などの機能系のマネジメントなのか、あるいはスペシャリストとして活躍したいのか、というキャリアビジョンを本人も上司も考えるようにしております。
今後は、その計画を元に対話をする仕組みを構築しながら、個人と組織のすり合わせを強化していきます。
・自律的な学びを後押しする人材育成一人ひとりのキャリアビジョンを実現するための仕組みとして、教育体制を充実させております。
従業員がスキルを向上し自らの強みを発揮できるよう、また、生涯キャリアの形成に向けた各従業員の継続的な努力をサポートすべく、自律的な学びを支援できるカリキュラムと学習環境の提供に努めております。
2022年度より「個」のキャリア自律を実現すべく教育体系制度の刷新並びに、それをサポートするDXツールとして、MLP(Mitsui₋kinzoku Learning Platform) を導入いたしました。
ここでは選択型能力開発プログラムを更に強化し、各階層で必要な能力を開発する必須研修に加え、従業員が自由に受講できる学習コンテンツを大幅に拡充しカフェテリア型の研修体系といたしました。
リーダーシップやアンガーマネジメントなど管理職のマネジメントスキルを高めるコンテンツ、DXやAIなどのテクノロジー、心理的安全性など働き方改革に関する学習、サステナビリティに関する学習など世の中のトレンドに対応したコンテンツも用意しております。
加えて、全従業員のITリテラシーの更なる向上を目標とし、三井金属総デジタル人材化と銘打ったICT教育を実施しております。
本取り組みの継続的な実施を通じて、DXによる新たなビジネスモデル創出が出来るような人材の輩出を目指しております。
新入社員に対するきめ細やかな教育も特徴です。
選出されたOJT指導員への教育を行いつつ、指導員-新入社員のコミュニケーション方法など育成上の課題を集約してフィードバックするとともに、得られた知見をフォローアップ研修に反映させるなどタイムリーに内容をブラッシュアップしております。
また、統合思考経営の実践に向け、環境・社会課題を起点としたビジネスを創出できる人材の育成にも力を入れており、外部環境の変化を考慮しSDGs、ESG、CSRに対応する研修の拡大・強化に取り組んでおります。
これらの個別の研修のつみかさねにより、事業を通じて環境・社会課題を解決していく人材、当社の掲げる「人材開発基本方針」にもとづいた人材育成が実現されております。
・HRBPによる戦略人事の実施2022年4月に設置された人事ビジネスパートナー室は、経営戦略、事業戦略の実現を人事の面から推進することをミッションとしております。
従業員は個人として尊重されつつ、組織としてはこれを活用していく必要があります。
各本部にあるHRBPは人事部と連携しつつ、全社視点における事業ポートフォリオの動的管理に紐づく人材アロケーションを実行し、必要なところに必要な人材を投入するようにしております。
また、重要ポジションのサクセッションプランを通した中長期的な必要人材の特定、両利き経営をけん引できる人材の育成、各部門でのタレントマネジメントなどについても、デジタル技術の活用も進めながら先見性をもって迅速な課題解決に努めております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ③指標及び目標ダイバーシティの推進と働きがい改革をモニタリングするために、以下のような指標及び2027年度までの達成目標を設定しております。
イ.働きがい改革の加速- いきいき度(エンゲージメント測定指標)全社平均 55%(2024年度実績:51%) ロ.多様な人材の採用定着- 正社員採用女性比率 24%(2024年度実績:25%)- 男性育休取得率 85%(2024年度実績:52%)- えるぼし維持、くるみん取得、なでしこ銘柄選定(2024年度実績:えるぼし維持、なでしこ銘柄選定) ハ.多様な視点を活かした価値創出- コミュニケーション指数の向上- 女性管理職比率 6.8%(2024年度実績:5.1%)注:係長級以上の比率 当社では2023年度から役員報酬にESGの指標達成の程度に応じて付与される「ESG指標要件型譲渡制限付株式報酬」を導入しており、人に対する取り組みが、経営レベルで後押しされる仕組みとなっております。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、2025年4月1日付で実施した組織再編を踏まえて記載しております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)は、様々な要因によって、重要な影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、経営成績等やビジネスモデル、長期的価値創造に直接影響を与え、事業の継続や企業の存続を脅かす可能性のあるリスクを特定しております。
また、リスクへの対応力を向上させるため、リスクマネジメントの推進体制や仕組みの整備・改善に取り組み、対応策を検討し実施しております。
分類区分リスクの内容・対応策等顕在化した場合に緊急性の高いリスク感染症の大規模流行感染症の大規模流行のリスクが顕在化した場合、当社グループやサプライチェーンの従業員に感染が拡大する恐れがあります。
また、国や地域ごとの緊急事態宣言等により、サプライチェーンや当社グループの事業活動が制限を受ける可能性があり、感染症の大規模流行のリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります 。
当社グループはこれらのリスクが顕在化した際には、「緊急事態発生時の対応に関する規則」に基づき、人命の保護を最優先に、BCP等を実施し、資産を守りサプライチェーンを維持し、操業の早期復旧と継続を図ります。
当社グループでは、三井金属BCMマネジメント活動サイクルによりBCP等の対策の有効性を改善し、適宜見直すといったBCM活動を継続的に推進し、感染症の大規模流行に係るリスクの低減を図っております。
大規模自然災害地震や、気候変動の進行による大規模な台風、集中豪雨の発生により、大規模自然災害のリスクが全世界的に増大しております。
大規模自然災害のリスクが顕在化した場合、従業員、生産設備等の資産、サプライチェーンにおいて被害が発生する恐れがあります。
これらの被害により当社グループの調達、生産、製品販売に支障が生じ、大規模自然災害のリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループはこれらのリスクが顕在化した際には、「緊急事態発生時の対応に関する規則」に基づき、人命の保護を最優先に、BCP等を実施し、資産を守りサプライチェーンを維持し、操業の早期復旧と継続を図ります。
当社グループでは、三井金属BCMマネジメント活動サイクルによりBCP等の対策の有効性を改善し、適宜見直すといったBCM活動を継続的に推進し、大規模自然災害に係るリスクの低減を図っております。
情報セキュリティ当社グループでは、顧客等のステークホルダー及び当社グループの機密情報を含む事業活動に伴う様々な情報を保持・管理しております。
サイバー攻撃や関係者の故意又は過失等により、これらの情報の漏洩、改ざん、消失が起きた場合、顧客や社会からの信用を失うだけでなく、事業活動の停止、多額の損害賠償の請求や訴訟の恐れがあります。
結果として、情報セキュリティに係るリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、ICTを活用し機密情報を統一的に管理し、ICTセキュリティ規則の遵守及び運用しているシステムのリスクアセスメントや提携先との秘密保持契約締結により、情報セキュリティに係るリスクの低減を図っております。
また、国内外の事業所・関係会社における機密情報の管理体制の構築及び構築された体制の運用状況の監査を定期的に実施し、機密情報の管理状況をモニタリングしております。
加えて、国際情勢の変化やICT技術の進歩に伴い、想定していなかった新たなリスクが日々脅威として増え続けているとも認識しており、事前予防もさることながら、「新しいリスクは発生するもの」という認識の下で、緊急時にできる限り迅速・的確に対応するべくSOC(Security Operation Center:サイバー攻撃の検出・分析・対策を行なう組織)やCSIRT(Computer Security Incident Response Team:セキュリティインシデントが発生した際の対応専門組織)の継続的な強化を図っております。
分類区分リスクの内容・対応策等財務リスク相場変動亜鉛、鉛、銅等の非鉄金属の価格はロンドン金属取引所(LME:London Metal Exchange)、その他の国際市場で決定されます(以下、LME相場等)。
LME相場等は国際的な需給バランス、世界の政治経済の状況や投機的取引等の影響を受けて変動します。
LME相場等が著しく低下し、さらに、その状態が長期間続いた場合には、相場変動リスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
相場変動に対しては、リスクヘッジを目的とし、必要に応じて商品先渡取引を利用することで、相場変動リスクの影響の低減を図っております。
為替変動亜鉛精鉱等の輸入原料価格や、非鉄金属地金の国内価格は、米ドル建てのLME相場等を基準に決定され、当社グループが製錬事業から得る製錬収入(マージン)も、実質的に米ドル建てとなっております。
また、機能材料分野他の製品等の輸出から得られる収入も、外国通貨建てとなっております。
したがって、為替レートが大きく円高に振れ、その期間が長期間にわたって継続した場合には、為替変動リスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
為替変動に対しては、リスクヘッジを目的とし、必要に応じて為替予約取引を利用することで、為替変動リスクの影響の低減を図っております。
資金調達安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しており、契約には一定の財務制限条項が付されております。
当社グループがこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、資金調達リスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループの財政状態は、財務制限条項に照らして問題のない水準にありますが、随時モニタリングを行い、資金調達リスクの低減を図っております。
年金資産運用従業員に対する退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、年金資産運用のリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
年金資産の運用については、運用機関から意見を聴取した上で、分散投資を前提に政策的資産構成割合を策定しております。
また、運用状況を定期的にモニタリングし、年金資産の運用方針(運用期間及び運用割合)の見直しを行い、年金資産運用のリスクの低減を図っております。
セグメントにおけるリスク機能材料セグメント機能材料セグメントでは、キャリア付き極薄銅箔や高周波基板用電解銅箔等、トップシェア製品を多く有しておりますが、金属相場の変動(高騰)や為替相場の急激な変動が原料調達や販売等の面での懸念材料となっております。
加えて、競合品の採用や代替技術の台頭によるシェアの減少等のリスクもあり当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
また、環境意識の高まりに伴うリサイクル原料への切替やCO2排出量削減、低CO2排出量の製品(環境貢献製品)上市対応等を進めることを顧客より要請される機会が増え、営業経営成績に重要な影響を与える可能性がございます。
これらのリスクや懸念による影響を最小限にすべく、ハイエンド品の開発や、マーケティング強化、顧客や第三者機関からの情報収集を通じての市場動向のモニタリングを行うことや、知的財産の取得、最適なプライシング、生産性や品質の向上に繋がる施策の実施等の対策を講じつつ、代替技術のモニタリング等も継続して実施してまいります。
金属セグメント金属セグメントは、上記「財務リスク」に記載のとおり、相場変動及び為替変動のリスクを有しており、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対しては、リスクヘッジを目的とし、必要に応じて商品先渡取引・為替予約取引を利用することで、変動リスクの影響の低減を図っております。
また、ロシア・ウクライナ情勢を背景として石油・石炭・LNG・電力等エネルギーコストが急騰しており、さらに、近年のカーボンニュートラル実現に向けた世界的な趨勢の下、当セグメントとしても化石燃料の使用削減への取り組みが急務となっております。
これらのリスクに対し、一部実施している排出係数が小さい電力会社・電力契約への切替に加え、CO2低減製品・SDGsに貢献する製品の提供等による新たな価格政策、再生可能エネルギー・CO2フリー電力購入等を両輪として新たに検討し、対応して参りたいと考えております。
さらに、環境意識の高まりに伴う世界的なリサイクル原料市場の拡大を背景に、製錬ネットワークに銅製錬のプロセスを有機的に繋げたことで、多種多様なリサイクル原料の獲得及び増処理を推進している一方で、生産設備の老朽化や増処理に伴う設備への高負荷操業の継続、新規原料の処理等に起因する、設備故障を含む操業トラブルが発生するリスクがあり、結果として、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、日々の設備保全とともに、中長期的視点において適切なタイミングでの設備投資や工程改善を通じて操業リスクの低減と安定操業に努めております。
さらに、亜鉛製錬事業においては、東邦亜鉛株式会社の事業再編に伴い当社とDOWAメタルマイン株式会社の二社体制となることを踏まえ、一層の安定操業・安定供給の維持に努めてまいります。
分類区分リスクの内容・対応策等セグメント横断的リスク製品の品質当社グループの製品は、電子機器や自動車等に幅広く利用されており、品質問題が発生した場合、バリューチェーンの広範囲に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、機能材料では、銅箔の様に携帯電話や様々な電気電子機器の配線材料・部品材料として使われる製品が多く、その特性不良がクレーム等につながる可能性があり、また、自動車用の部品、材料について、当社製品の品質に欠陥があった場合には、重大事故の発生や大規模リコールにつながる恐れがあります。
当社グループでは、2024年10月、当社子会社の三井金属パーライト社において、品質不適切事案が発覚いたしました。
社外取締役と弁護士から成る特別調査委員会を設置し、調査した結果を2025年4月に公表しました。
今後こうしたことを二度と繰り返さないように、三井金属パーライト社はもちろんのこと、グループ全体として再発防止対策を講じてまいります。
品質に関するコンプライアンスを確保するため、従来の、(新規事業を含む)事業分野の業態に合わせた品質保証体制の構築や、品質マネジメントシステムに基づいた品質管理などに加え、全階層での品質コンプライアンス教育、品質保証ガイドラインの改善・運用強化、検査データのデジタル化・システム化や、監査機能の強化、法令順守徹底、守れる規格の締結とその順守などについて、国内外に展開してまいります。
第三者との提携当社グループは、将来の成長商品、成長事業となる新事業の継続的創出を図っております。
この一環として、当社と事業シナジーが見込まれる国内外の有望なベンチャー等の第三者との間で共同開発、戦略的提携、事業買収等を行う可能性があります。
第三者との提携において、提携先での技術開発の遅れ及び技術優位性の低下、提携先財務状況の悪化により、当社の新事業創出が困難となる、また、提携先へ出資をしていた場合は、これらの状況により減損リスクが生じる恐れもあります。
結果として、第三者との提携に係るリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、適切なデュー・ディリジェンスによる提携先の選定、また当社の経営ノウハウ、技術、人材等の活用により、第三者との提携に係るリスクの低減を図っております。
カントリーリスク当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、サプライチェーンも国内外に拡がっております。
拠点所在国・地域及び事業関連国・地域での「紛争」、政治状況の不安定化(テロやクーデターを含む)、加えて各国の政策転換や保護主義強化の動き等、カントリーリスクが当社製品の売上の減少やコストの増加に繋がり、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
今般のトランプ相互関税については、現在のところ影響を完全に見通せている訳ではありませんが、顧客の減産による販売不振や、自社の製品販売及び原材料の調達におけるコストの増加等、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、外務省等行政発信情報、顧客企業及びサプライヤー企業からの情報、民間シンクタンク情報、各種報道による情報の評価分析を行っております。
当社グループの事業活動が影響を受ける可能性のある事象をモニタリングし、カントリーリスクによる影響の低減を図っております。
労働力の不足日本国内において、生産年齢人口減少に伴う採用競争の激化、及び今後見込まれる定年退職者の増加により、当社グループの労働力不足に係るリスクが当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは優秀な人材を確保するため、採用を強化するとともに、年齢に関わらず、活躍し続けられる会社を目指して、定年年齢の引き上げを行っております。
そして、多くの方が当社グループを選択しいきいきと働いてもらえる会社となるために、多様な人材が働きやすく働きがいのある職場環境を整え、キャリア開発支援や教育を継続的に実施しております。
また、昨年に引き続きベースアップも実現いたしました。
さらに、ICT導入等により生産性の向上を図り、労働力不足に係るリスクの低減に努めております。
分類区分リスクの内容・対応策等経営成績等に影響を与えうるESGリスク(注1)環境当社グループは「環境と調和した事業活動」をマテリアリティとして取り上げ、気候変動対応を含みます環境全般を対象に各国の政策や法規制の強化による影響、対応遅れによるレピュテーション低下、気候変動に係る物理的影響、自然資本の毀損を共通のリスクとして揚げております。
「環境」を構成する各項目につきましては、以下の通りリスクの把握と低減に向けた取り組みを進めております。
①温室効果ガス排出及びエネルギー管理当社グループが位置する非鉄金属業界は、「エネルギー使用に伴う温室効果ガスの排出」が相対的に多く、現在、各国・地域が温室効果ガス排出規制に係る法規制が進められているため、温室効果ガス排出のコスト化や化石燃料調達に対する賦課金の導入等により、コストが増大することが想定されます。
また、温室効果ガス削減の進展に伴う顧客ニーズの変化も想定され、関連する問い合わせも増加しております。
そこで、エネルギー調達と温室効果ガス排出抑制のコストを考慮しながら、適切な対応に努めております。
加えて、気候変動に係る情報開示についてもIFRSやSSBJにより制定されたサステナビリティ開示基準に則した適切な時期での開示に向けた準備に着手しております。
②水の管理水の管理については、規制基準に沿って、排水量とその水質の適正な管理目標を設定し、汚染を起こさないよう対応策の実施を徹底しております。
加えて水ストレスが高い地域を中心に、取水量削減のための目標を設定し取水量削減に取り組んでおります。
➂廃棄物と有害物質の管理また、廃棄物と有害物質については、廃棄物量とPRTR法に基づく届け出対象物質の排出量について、削減目標を定め、取り組みを進めております。
廃プラスチックへの対応もプラスチック資源循環法に基づき、目標を設定し削減に取り組んでおります。
また、リサイクル原料の使用率向上にも取り組んでおります。
④生物多様性への影響生物多様性への影響については、各拠点の課題と取り組みの状況を収集し、具体的なアクションプランの作成に取り組んでおります。
これらの取り組みにより、環境リスクの低減を図っております。
また、今後はLEAPアプローチに沿った分析・評価を行い、事業が自然に与えるリスク・機会を把握しTNFDに則した情報開示を行うことで、企業価値向上につなげていく予定です。
社会当社グループは、ESG項目の内、社会リスクとして、「人権」、「安全衛生」、「公正な事業慣行」を特定しております。
①人権当社グループの事業やサプライチェーンにおいて、特に鉱業特有の人権リスクや、鉱物サプライチェーン上の人権リスクがあると認識しております。
人権侵害が発覚した場合、調達や生産への影響だけではなく、当社グループのレピュテーションリスクにもつながり、結果として、人権リスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは、人権方針と人権基準に基づき、各対象に対し人権デュー・ディリジェンスを行っております。
社内については、各拠点での人権デュー・ディリジェンスの実施、また、特に外国人労働者の人権尊重について課題調査及び是正措置に取り組んでおります。
加えて人権尊重に係るグループ全体のルールを検討するとともに社内の教育を実施し対応を進めております。
サプライチェーンについては、調達方針を定め、サプライヤーデュー・ディリジェンスを実施しております。
デュー・ディリジェンスでは、リスク評価を実施しリスクが高いと評価された人材派遣会社等の非生産材サプライヤー含む重要サプライヤーに対し調査を行っております。
課題が特定されたサプライヤーにはエンゲージメントを行い改善を実施いただき、人権リスクの低減を図っております。
地域コミュニティ(鉱山地域含む)については、操業中の鉱山に対し、鉱山事業に係る自己評価アンケートを実施しております。
分類区分リスクの内容・対応策等経営成績等に影響を与えうるESGリスク(注1)社会②安全衛生当社の作業従事者には安全や衛生に係る労働災害が発生するリスクがあります。
特に重篤な労働災害は人的損失、操業停止、行政指導等につながることから、安全衛生に係るリスクが当社グループの経営に重大な影響を与える可能性があります。
労働安全衛生を管理するために、主要拠点では、ISO45001を取得し、労働安全衛生マネジメントシステムに基づきPDCAを回し、レベルアップを図っております。
また、作業従事者に対し、安全衛生の関連法規やルールの遵守・危険感受性を高めるための研修、非常時に備えた訓練、個別作業ごとの保護具や工具の使用等についてトレーニングを実施し、安全衛生に係るリスクの低減を図っております。
③公正な事業慣行当社グループ内や政治、行政、サプライヤー等ステークホルダーとの間で、贈収賄や反競争的行為といった不正な行為が発生した場合、ペナルティやレピュテーションリスクにつながり当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
また、各国法制も情勢により変化することから、グローバルな事業展開をする中において、より感度を上げて対応していく必要があると認識しております。
当社グループは、公正な事業慣行を徹底する施策として、役員や従業員を対象に研修を継続実施し、各拠点において、競合他社等との接触機会のモニタリング、サプライヤーとの関係を含めた法務監査を行っており、また、海外拠点を中心に、順次、サプライヤーとの贈収賄禁止協定書の締結を進め、公正な事業慣行に係るリスクの低減を図っております。
ガバナンス当社グループは、ESG項目の内、ガバナンスリスクとして、「コーポレート・ガバナンス」、「コンプライアンス」を特定しております。
当社グループは、持続的に企業価値を高めるために、コーポレート・ガバナンスの仕組みや機能を規律づけ、ガバナンスの実効性が強化されるよう改善を図っております。
しかしながら、将来的に、事業・外部環境の変化等により不測の事態が発生した場合、ガバナンスの実効性が低下する恐れがあります。
ガバナンスの実効性の低下は、法令違反等のコンプライアンスのリスクにつながる可能性もあり、訴訟やレピュテーションリスクが生じる恐れがあります。
結果として、ガバナンスリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
ガバナンスの実効性を確保するため、コーポレートガバナンス・コードを踏まえたモニタリング機能の強化により、2024年6月より移行した監査等委員会設置会社に適した、取締役会を中心としたガバナンス機能の確立・向上を図っております。
また、当社グループの全員が共有すべき価値観及び行動のあり方を示す規範である「行動規範」を制定し、「コンプライアンスガイドブック」によりその周知を行っております。
これらを活用し、国内外全ての役員や従業員を対象としたコンプライアンス研修等によりコンプライアンス実践意識を浸透させるとともに、部門間、拠点間の情報共有体制を強化し、グループ全体でのガバナンスリスクの低減を図っております。
(注)1.当社グループの持続可能性を実現するために、サステナビリティに関するマテリアリティを特定し取り組みを進めております。
マテリアリティの内、特に当社グループの経営成績等に影響を与えうる項目を、ESGリスクと区分しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況当連結会計年度の国内経済は、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費や設備投資の持ち直し等を背景に緩やかに回復しました。
また、世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や米中関係及び中東における地政学的リスクの高まりに加え、中国では不動産市場や個人消費の低迷により景気減速の動きが見られたものの、米国経済が堅調な所得環境と個人消費を背景に底堅く推移したこと等から、全体としては緩やかな回復基調となりました。
一方、足下では米国の保護主義的な通商政策の影響により、金融市場に不安定な動きがみられる等、国内外の景気の下振れが懸念されております。
当社グループを取り巻く環境としては、非鉄金属相場は概ね堅調に推移し、亜鉛、銅及びインジウムの平均価格は前連結会計年度に比べ上昇しましたが、パラジウム及びロジウムの平均価格は下落しました。
また、為替相場は一時的に円高が進行する局面はあったものの、概ね円安基調で推移しました。
また、半導体市場が回復基調となり、半導体関連製品の販売量が増加した一方で、国内の自動車メーカーの生産停止や中国の日系自動車メーカーが減産したことにより自動車関連製品の販売量が減少しました。
当社グループは、パーパスを基軸とした全社ビジョン(2030年のありたい姿)である「マテリアルの知恵で“未来”に貢献する、事業創発カンパニー。
」を実現するため、2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「22中計」に取り組んでまいりました。
「22中計」の最終年度である2024年度は次期中期経営計画へ繋ぐ準備期間として、各部門において「経済的価値の向上」と「社会的価値の向上」を両立した統合思考経営を実践することで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の仕組みを構築し、成長し続けるための重点施策を実施いたしました。
機能材料部門では、高性能通信インフラ機器向け需要の伸長が見込まれる高周波基板用電解銅箔の生産体制を増強しました。
また、素材の長寿命化、高機能化に貢献するため機能性コーティング事業を開始しました。
金属部門では、循環型社会の進展に伴うリサイクルニーズの高まりに貢献するため、製錬ネットワークを活用した有価金属の回収やリサイクル原料の処理を強化しております。
モビリティ部門では、ICTを活用した生産性向上や新規製品拡販に注力しましたが、急速な事業環境の悪化やシナジー効果はダイカスト事業における子会社の統合効果など一部に留まったため、事業本部の解消を決定しました。
なお、2025年4月1日付で触媒事業を機能材料部門へ、それ以外の事業をその他の事業部門へ移管しております。
事業創造本部では、次世代の蓄電池として期待されている全固体電池向け固体電解質(A-SOLiD®)の初期量産工場の新設を決定しました。
また、既存事業領域及び新規事業領域において事業シナジーが見込まれる国内外の有望なベンチャー企業を投資対象とするコーポレートベンチャーキャピタル2号ファンドをSBIインベストメント株式会社と共同設立しました。
これらの各部門での施策に加えて、事業ポートフォリオの動的管理に伴うベストオーナー探索により一部の子会社の株式を、資本効率を意識した経営の強化の一環として政策保有株式の一部をそれぞれ売却しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、656億円(10.2%)増加の7,123億円となりました。
営業利益は前連結会計年度に比べ、機能材料部門の主要製品の販売量が増加したことに加え、亜鉛等の非鉄金属相場の上昇や、為替相場が円安基調で推移したこと、また相場の変動に伴う在庫要因が好転したこと等から、430億円(135.8%)増加の747億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ、受取配当金が68億円減少したことに加え、為替差損益が53億円減少したことがあったものの、営業利益が430億円増加したことにより、318億円(71.7%)増加の764億円となりました。
特別損益においては、政策保有株式の縮減による投資有価証券売却益93億円等を計上しました。
加えて、税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、386億円(148.8%)増加の646億円となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況機能材料セグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高1,2401,53429323.7経常利益(セグメント利益)1642528753.5 〔銅箔〕キャリア付極薄銅箔は、半導体パッケージ基板やスマートフォン用マザーボード向けの需要が回復したことから販売量は増加しました。
プリント配線板用電解銅箔は、AIサーバー用途を中心とした通信インフラ向け多層基板の需要が堅調であったことから販売量は増加しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔機能粉〕電子材料用金属粉は、積層セラミックコンデンサ向けの需要が堅調であったことから販売量は増加しました。
高純度酸化タンタルは、在庫調整が一巡したことにより、スマートフォン向けの需要が回復したことから販売量は増加しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔電池材料〕水素吸蔵合金は、自動車メーカーのハイブリッド車の生産が堅調であったことから販売量は増加したものの、リチウムイオン電池用のマンガン酸リチウムは、海外向けの需要が低調であったことから販売量は減少しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔スパッタリングターゲット〕主力のディスプレイ用スパッタリングターゲットは、台湾向け需要が低調であったことから販売量は減少したものの、主要原料であるインジウムの価格が上昇したことから販売価格は上昇しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
以上の結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、主要製品の販売量が増加したこと等から、293億円(23.7%)増加の1,534億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ、主要製品の販売量が増加したことや円安が進行したことに加え、インジウム価格の変動に伴う在庫要因が好転したこと等により、87億円(53.5%)増加の252億円となりました。
金属セグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高2,4682,94848019.5経常利益(セグメント利益)160444283176.6 〔亜鉛〕国内の亜鉛メッキ鋼板向けは、自動車生産の落ち込みや人手不足に伴う建築需要の停滞により販売量は減少したものの、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)平均価格が前連結会計年度に比べ上昇したことや為替相場が円安基調で推移したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
〔鉛〕国内の鉛蓄電池向け需要は、自動車生産の落ち込みにより低調であったことから販売量は減少し、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔金・銀〕金・銀ともに国内価格は上昇したことから、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
以上の結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、亜鉛及び鉛の販売量は減少したものの、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)平均価格が上昇したこと等から、480億円(19.5%)増加の2,948億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ、日韓共同製錬株式会社からの受取配当金が剥落したものの、亜鉛等の非鉄金属相場は上昇し、為替相場は円安基調で推移したこと、加えて相場の変動に伴う在庫要因が好転したこと等により、283億円(176.6%)増加の444億円となりました。
モビリティセグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高2,1832,049△134△6.2経常利益(セグメント利益)1121463430.3 〔排ガス浄化触媒〕二輪車向け排ガス浄化触媒は、インド向け需要が堅調であったことから販売量は増加しました。
四輪車向け排ガス浄化触媒は、中国の日系自動車メーカーが減産したことから販売量は減少しました。
また、主要原料であるパラジウム及びロジウムの平均価格が下落したことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
〔自動車用ドアロック〕主要製品であるサイドドアラッチは、国内では自動車メーカーの生産停止により、中国及びタイでは日系自動車メーカーが減産したことから販売量は減少しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、二輪車向け排ガス浄化触媒の販売量は増加したものの、主要原料であるパラジウム及びロジウムの平均価格が下落したこと、加えて自動車用ドアラッチの販売量が減少したこと等から、134億円(6.2%)減少の2,049億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ、営業外為替差損益が減少したものの、パラジウム及びロジウムの価格変動に伴う在庫要因が改善したこと等により、34億円(30.3%)増加の146億円となりました。
その他の事業セグメント (金額:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高1,1321,230988.7経常利益(セグメント利益)3128△2△9.2 〔各種産業プラントエンジニアリング〕国内の非鉄金属関連分野の受注が減少したことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
一方、国内の子会社によるリサイクル原料の取扱高が増加したこと等から、当部門の売上高は前連結会計年度に比べ、98億円(8.7%)増加の1,230億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が増加したものの、子会社株式の一部を期中に第三者へ譲渡したこと等から、2億円(9.2%)減少の28億円となりました。
主要な品目等の生産実績の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。
セグメント品目単位第1第2第3第4累計四半期四半期四半期四半期機能材料銅箔生産量千t455520金属亜鉛生産量千t55465558216鉛生産量千t1616171868モビリティ自動車部品生産金額億円203202209196811  * 亜鉛:共同製錬については当社シェア分
(2) 財政状態の状況資産合計は、前連結会計年度末に比べ173億円増加の6,579億円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ375億円減少の3,170億円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ548億円増加の3,408億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ6.9ポイント上昇の50.4%となりました。
なお、財政状態の詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析 ①財政状態の状況」に記載しております。
  (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ13億円収入増加の766億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ140億円支出減少の208億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ70億円支出増加の436億円の支出となりました。
 以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ119億円増加の444億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績及び受注状況当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」において、各セグメントに関連付けて記載しております。

(2) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)機能材料153,45123.7金属294,82319.5モビリティ204,911△6.2その他の事業123,0898.7調整額△63,931 合計712,34410.2    
(注) セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。
その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

(2) 経営成績の分析① 売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、656億円(10.2%)増加の7,123億円となりました。
なお、各セグメント及び主要製品別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 営業利益機能材料セグメントの営業利益は、前連結会計年度に比べ、主要製品の販売量が増加したことや円安が進行したことに加え、インジウム価格の変動に伴う在庫要因が好転したこと等により、100億円(65.4%)増加の255億円となりました。
金属セグメントの営業利益は、前連結会計年度に比べ、亜鉛等の非鉄金属相場は上昇し、為替相場は円安基調で推移したことに加え、相場の変動に伴う在庫要因が好転したこと等により、353億円(556.1%)増加の416億円となりました。
モビリティセグメントの営業利益は、前連結会計年度に比べ、パラジウム及びロジウムの価格変動に伴う在庫要因が改善したこと等により、59億円(58.3%)増加の161億円となりました。
その他の事業セグメントの営業利益は、前連結会計年度に比べ、子会社株式の一部を期中に第三者へ譲渡したこと等により、5億円(37.3%)減少の9億円となりました。
この結果、セグメントの調整額を加味した営業利益は、前連結会計年度に比べ、430億円(135.8%)増加の747億円となりました。
③ 経常利益当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ、受取配当金が68億円減少したことに加え、為替差損益が53億円減少したことがあったものの、営業利益が430億円増加したこと等により、318億円(71.7%)増加の764億円となりました。
なお、各セグメント別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析① 財政状態の状況資産合計は、有形固定資産78億円等の減少があったものの、棚卸資産140億円、現金及び預金119億円等の増加により、前連結会計年度末に比べ173億円増加の6,579億円となりました。
負債合計は、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパー残高346億円等の減少があったことから、前連結会計年度末に比べ375億円減少の3,170億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益646億円等の増加に加え、剰余金の配当91億円、その他有価証券評価差額金51億円等の減少があり、前連結会計年度末に比べ548億円増加の3,408億円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ6.9ポイント上昇の50.4%となりました。
② キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益807億円、減価償却費331億円等の増加要因に対し、棚卸資産の増加161億円、法人税等の支払額113億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ13億円収入増加の766億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入98億円等の増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出289億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ140億円支出減少の208億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少327億円及び配当金の支払額91億円等から、前連結会計年度に比べ70億円支出増加の436億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ119億円増加の444億円となりました。
③ 財政状態及びキャッシュ・フロー指標のトレンド回次第96期第97期第98期第99期第100期決算年月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月自己資本比率(%)33.437.640.143.550.4時価ベースの自己資本比率(%)36.930.029.142.037.8キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)9.03.75.12.72.2インタレスト・カバレッジ・レシオ16.332.521.829.929.6
(注)自己資本比率           :(純資産-非支配株主持分)/総資産時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社は、安定した経営を行う上で急激な市況変動や為替・非鉄金属相場の変動等に備えるため、一定の手元流動性を確保しております。
一方、事業創造、機能材料を中心とした積極的な投資に加え、経済的価値とともに社会的価値の向上を目指す投資を計画しており、これらの投資等のための所要資金は、主に自己資金を充当することとしておりますが、金融情勢や金利水準などを考慮しながら、資金需要に応じた調達に努めております。
手元流動性確保の手段としましては、短期社債(電子コマーシャル・ペーパー)発行枠500億円を設定しているほか、250億円を限度とした長期コミットメントライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
なお、キャッシュ・マネジメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、永年育成し蓄積してきた資源開発、非鉄金属製錬・加工技術を基礎として、グループ企業の「利益の最大化」に貢献することを基本理念に、新技術の創出や新製品の開発を積極的に行っております。
研究開発体制は、新規商品の開発及び事業化については、事業創造本部及び各事業本部内の開発部等で行い、基礎評価研究所においては、分析技術の向上に努め、各事業の研究開発を支援する体制としております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、14,919百万円であり、このほか海外鉱山開発に向けた探鉱活動に取り組んでおり、702百万円の探鉱費を支出いたしました。
また、セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 機能材料部門当部門においては、銅箔事業部は、グローバルでのマーケティング体制やデジタルマーケティングの導入により、半導体パッケージ基板などの回路材料分野のみならず、環境・エネルギー・宇宙産業等を含め幅広い分野でテーマを探索しております。
また、開発試験用処理機を活用し、機能箔の開発を加速させております。
新たに設置した機能性液体事業化推進部では、独自開発したレアメタル新溶液材料シリーズ「iconos™」を始めとしたコーティング技術により、素材の長寿命化、高機能化を実現する取り組みを強化してまいります。
セラミックス事業部は、TaC被膜技術によりSiCパワー半導体製造工程におけるコストダウンと環境負荷を低減する製品開発を進めてまいります。
薄膜材料事業部は、新しい透明導電膜材料「WL-TCO」によるパーティクル及びエッチング残渣削減効果により、良品率向上、環境負荷の低減に貢献してまいります。
この結果、当部門に係る研究開発費は2,753百万円であります。

(2) 金属部門当部門においては、持続可能な社会の実現に向けたソリューションとして、循環型社会への移行に伴い高まるリサイクル・ニーズに応えるべく、多様な元素回収を可能とする亜鉛・鉛・銅・貴金属製錬プロセスを用いた当社独自の製錬ネットワークを活かしながら、難処理鉱石及びリサイクル原料からの有価金属回収や、産業廃棄物処理、また脱炭素社会の実現に向けたCO2排出量削減、再生可能エネルギーの活用に関する技術開発を行っております。
また、南米ペルーを中心に探鉱を実施しており、加えて鉱山開発に係る鉱物、地質に関する研究を行っております。
この結果、当部門に係る研究開発費は探鉱費を含めて827百万円であります。
(3) モビリティ部門当部門においては、次期排気ガス規制や省貴金属ニーズに対応した自動車用触媒の開発や触媒技術を活かした将来の環境貢献製品の開発、「CASE」に呼応した次世代ドアラッチやパワースライドドア、パワーテールゲート等システム製品の開発を行っております。
この結果、当部門に係る研究開発費は3,127百万円であります。
(4) その他の事業部門当部門においては、銅電解工場装置向けの新規技術の開発、新しいポリエチレン材料や継手の評価及び導入、パイプ及び継手等の新製品の開発、素材製品の品質向上等の研究を行っております。
この結果、当部門に係る研究開発費は45百万円であります。
(5) 共通部門当部門においては、当社のコア技術である「触媒」、「電気化学」、「粉体制御」、「材料複合化」等を活用し、環境エネルギー、次世代エレクトロニクス、ライフサイエンスの各分野で新規事業創出活動を推進しております。
具体的には、全固体電池向け固体電解質(A-SOLiD®)及び電極材料、次世代半導体チップ実装用キャリア(HRDP®)、パワー半導体接合用材料、次世代ディスプレイ用蛍光体、燃料電池用電極材料、二酸化炭素吸着分離材料及び脱炭素燃料合成向け材料開発等に加え、計算科学等の基盤技術開発を進めております。
さらに、海外における研究開発等グローバルな取り組みも推進し、社会価値と経済価値を両立できる新規事業の創出を加速させております。
この結果、当部門に係る研究開発費は8,868百万円であります。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
 当社グループ(当社及び連結子会社)においては、「成長分野への経営資源の集中」を基本方針とし、合わせて合理化及び省力化のための投資を行っております。
当連結会計年度は313億円の設備投資を実施しており、セグメントごとの内訳は以下のとおりであります。
(1) 機能材料部門においては、銅箔製造設備の維持・更新・生産性向上等を中心に68億円の投資を行っております。

(2) 金属部門においては、設備の維持・更新、効率化・省力化等を中心に127億円の投資を行っております。
(3) モビリティ部門においては、設備の維持・更新、生産性向上・省力化等を中心に48億円の投資を行っております。
(4) その他の事業部門においては、設備の維持・更新、効率化・省力化等を中心に13億円の投資を行っております。
(5) 全社(共通)部門においては、試験研究設備及び基幹システムの維持・更新等を中心に55億円の投資を行っております。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社2025年3月31日現在事業所名 (所在地)セグメントの名称 設備の内容 帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物 機械装置及び運搬具土地 (面積千㎡) リース資産 その他 合計 機能性粉体三池工場薄膜材料三池工場 (福岡県大牟田市) 機能材料機能粉(酸化タンタル等)スパッタリングターゲット生産設備等 2,156790131(126)-2673,344302(10)竹原製煉所(広島県竹原市)金属機能材料 その他の事業非鉄金属等 電池材料生産設備等2,6442,3631,545(629)-7517,304389(26)銅箔上尾事業所(埼玉県上尾市)機能材料 銅箔生産設備3,3112,501753(18)-1,2787,844361(71)基礎評価研究所総合研究所(埼玉県上尾市)全社(共通)機能材料研究開発施設 2,7382,561-26365,939382(8)本店(東京都品川区)全社(共通)全社的管理・販売業務 1,5311236,598(41,616)27899,045550(37)三池事務所 (福岡県大牟田市)全社(共通)管理業務 1,3116345,445(754)-437,43422(10)
(2) 国内子会社 2025年3月31日現在 会社名 事業所名 (所在地) セグメントの名称 設備の内容 帳簿価額(百万円) 従業員数(人) 建物及び構築物 機械装置及び運搬具土地 (面積千㎡) リース資産 その他 合計 神岡鉱業㈱ 本社・工場 (岐阜県飛騨市) 金属 機能材料 非鉄金属等生産設備 水力発電設備17,35515,4434,023(13,893) [238] 6431,32838,794605(85) 八戸製錬㈱ 八戸製錬所 (青森県八戸市) 金属 非鉄金属等生産設備 2,2664,6221,311(275) 351658,402250(23) 彦島製錬㈱本社・工場(山口県下関市)金属機能材料非鉄金属等生産設備2,1003,8701,012(322)[148]-4637,447288(20)日比共同製錬㈱玉野製錬所(岡山県玉野市)金属非鉄金属等生産設備2,70010,0303,133(190)-63716,502205(3)奥会津地熱㈱本社・西山事業所(福島県河沼郡柳津町)金属地熱蒸気生産設備1,5051923(12)[182]-3881,93616
(2)三井金属アクト㈱ 横浜本牧センター (神奈川県横浜市) モビリティ自動車用ドアロック等生産設備622991,229(28) 884882,52858(6) 九州工場 (福岡県 京都郡みやこ町) 250278305(42) 21681,004204(14) 韮崎テクニカルセンター (山梨県韮崎市) 57195--170423120
(2) 日本メサライト工業㈱本社・船橋工場(千葉県船橋市)その他の事業人工軽量骨材等生産設備1701,0083,348(44)-4334,95956(14)三井金属エンジニアリング㈱大分工場(大分県大分市)その他の事業ポリエチレン管等の開発・製造設備71701,099(17)-931,33540(1)   (3) 在外子会社2025年3月31日現在会社名事業所名 (所在地)セグメントの名称 設備の内容 帳簿価額(百万円) 従業員数(人)建物及び構築物 機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産 その他 合計 台湾銅箔股份有限公司本社・工場(中華民国台湾省南投県)機能材料銅箔生産設備6734,241455(60)2462185,835332(4)MitsuiCopper Foil(Malaysia)Sdn.Bhd.本社・工場(Selangor,Malaysia)機能材料銅箔生産設備3,4395,6971,729(101)33684912,052825
(2)台湾特格股份有限公司本社・工場(中華民国台湾省台中県)機能材料スパッタリングターゲット生産設備1,400574-[34]-1432,118242GECOM Corp.本社・工場(Indiana, U.S.A.他)モビリティ自動車用ドアロック等生産設備1,64050225(300)1934462,807310(96)Mitsui SiamComponents Co.,Ltd.本社・工場(Rayong,Thailand)モビリティ自動車用ドアロック等生産設備3632,017474(86)-9483,804739広東三井汽車配件有限公司本社・工場(中国広東省)モビリティ自動車用ドアロック等生産設備742366-[66]591,8723,041562
(注) 1.帳簿価額は各社の個別財務諸表の数値を記載しております。
2.帳簿価額のうち「その他」は、「工具、器具及び備品」及び「建設仮勘定」であります。
なお、金額には消費税等は含まれておりません。
3.提出会社の本店の土地には、本店が管理している工場用地や鉱業採石地を含んでおり、主要な土地の所在地及び面積は次のとおりであります。
一般用地:東京都 2千㎡ 他 工場用地:埼玉県 250千㎡、山梨県 215千㎡ 他鉱業採石地:ペルー 40,604千㎡ 他4.連結会社以外の者から賃借している土地の面積を[ ]で外書きしております。
また、連結会社以外の者へ賃貸している土地の面積を< >で内書きしております。
5.提出会社の本店の建物の一部を賃借しております。
年間賃借料は360百万円であります。
6.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書きしております。
(4) 所有鉱区金属部門において、下記のとおり鉱区を所有しております。
2025年3月31日現在所在地稼行非稼行合計鉱区数面積(ヘクタール)鉱区数面積(ヘクタール)鉱区数面積(ヘクタール)ペルー13521,2844213,56117734,846その他38,667132,5181611,185計13829,9515516,08019346,031
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の設備投資計画については、原則的に当社及び連結子会社各社が個別に策定しておりますが、経営資源の効率化を図るため、当社においてグループ全体の調整を図っております。
また、当連結会計年度末時点では必ずしも個別案件として決定されていないこともありますので、セグメントごとの数値を開示する方法によっております。
なお、当連結会計年度後1年間の設備投資計画は、41,000百万円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。
セグメントの名称2026年3月末計画金額(百万円)設備投資の主な内容・目的等機能材料13,500銅箔製造設備の維持・更新・生産性向上 等金属13,800設備の維持・更新、効率化・省力化 等自動車部品2,100設備の維持・更新、生産性向上・省力化 等その他の事業1,700設備の維持・更新、効率化・省力化 等    小計31,100―全社(共通)9,900試験研究設備及び基幹システムの維持・更新 等合計41,000 ―
(注) 1.記載金額には消費税等は含まれておりません。
2.所要資金は主に自己資金を充当する予定であります。
3.経常的な設備の更新等のための除売却等を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
4.2025年4月に全社組織改編を実施したことに伴い、セグメント区分を変更しております。
5.「その他の事業」の主要製品は、伸銅品、パーライト製品、各種プラントエンジニアリングであります。
研究開発費、研究開発活動8,868,000,000
設備投資額、設備投資等の概要5,500,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況43
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況14
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,265,107
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は取引先との中長期的な取引関係の維持等を目的として保有する上場株式(以下「政策保有株式」という。
)については、その保有の適否を検証し、保有に合理的な理由が無いと判断されるものについては売却等を行ってきております。
保有の適否については、取締役会において、毎年、個別の株式について、保有目的、保有に伴う便益・リスク、資本コストとの関係性などを総合的に検証しております。
2025年3月基準における政策保有株式については、上記のとおり取締役会にて検証し、その保有の適否について確認しております。
上場株式にかかる議決権の行使については、以下に掲げる具体的な事項を踏まえ、かつ、当該上場会社の経営戦略等を勘案した上で、効率的かつ健全な経営に役立ち、中長期的な企業価値の向上や株主・投資家の利益に資するかとの観点で総合的に判断いたします。
(1)剰余金処分
(2)定款変更(3)取締役・監査役選任(4)役員報酬及び退職慰労金贈呈 等当社の株式を保有する政策保有株主から当社株式について売却等の意向が示された場合、取引の縮減を示唆することなどにより、当該売却等を妨げることはしません。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式251,868非上場株式以外の株式4985 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式39,958 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ジーエス・ユアサ コーポレーション203,200203,200主に鉛事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しております。
無484639㈱淀川製鋼所42,60042,600主に亜鉛事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しております。
有237194日本コークス工業㈱2,307,0002,307,000主に亜鉛事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しております。
無198309日亜鋼業㈱212,000212,000主に亜鉛事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しております。
有6570㈱フジクラ-3,174,000主に銅事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。
有-7,230SWCC(株)-35,000主に銅事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しておりましたが、当事業年度に売却しております無-135岡谷鋼機㈱-600主に亜鉛事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。
有-10 (注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2.定量的な保有効果を記載することは困難でありますが、保有の適否については、取締役会において、毎年、個別の株式について、保有目的、保有に伴う便益・リスク、資本コストとの関係性などを総合的に検証しております。
2025年3月基準における政策保有株式については、上記のとおり取締役会にて検証し、その保有の適否について確認しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社3
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社25
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,868,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社985,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社9,958,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社212,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社65,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社岡谷鋼機㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社主に亜鉛事業における中長期的な取引関係の維持等を目的として保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数 (千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号赤坂インターシティAIR10,81418.91
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号6,84011.96
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)1,5542.71
三井金属社員持株会東京都品川区大崎一丁目11番1号1,3462.35
野村信託銀行株式会社(投信口)東京都千代田区大手町二丁目2番2号1,1772.05
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON,MASSACHUSETTS(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)9411.64
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社東京都千代田区大手町一丁目9番2号8801.54
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内二丁目7番3号東京ビルディング8501.48
三井金属取引先持株会東京都品川区大崎一丁目11番1号8201.43
ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)東京都港区虎ノ門二丁目6番1号虎ノ門ヒルズステーションタワー (東京都千代田区丸の内一丁目4番5号)8071.41
計―26,03345.52
(注)1.2024年11月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者が2024年11月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社東京都港区芝公園一丁目1番1号1,5182.65日興アセットマネジメント株式会社東京都港区赤坂九丁目7番1号1,3822.41
計―2,9005.05 2.2024年12月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、野村證券株式会社及びその共同保有者が2024年12月4日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)野村證券株式会社東京都中央区日本橋一丁目13番1号2830.49NOMURA INTERNATIONAL PLC1 Angel Lane,London EC4R 3AB, United Kingdom△151△0.26野村アセットマネジメント株式会社東京都江東区豊洲二丁目2番1号5,94410.36
計―6,07710.59 3.2025年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三菱UFJ信託銀行株式会社及びその共同保有者が2025年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内一丁目4番5号1,0431.82三菱UFJアセットマネジメント株式会社東京都港区東新橋一丁目9番1号8171.43
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社東京都千代田区大手町一丁目9番2号8891.55ファースト・センティア・インベスターズ・アールキューアイ・ピーティーワイ・リミテッド(First Sentier Investors RQI Pty Ltd)Level 5, Tower Three International Towers Sydney, 300 Barangaroo Avenue, Barangaroo, NSW 2000, Australia1580.28
計―2,9095.07
株主数-金融機関50
株主数-金融商品取引業者62
株主数-外国法人等-個人99
株主数-外国法人等-個人以外326
株主数-個人その他31,731
株主数-その他の法人446
株主数-計32,714
氏名又は名称、大株主の状況ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)
株主総利回り3