財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-18
英訳名、表紙HONDA MOTOR CO., LTD.
代表者の役職氏名、表紙取締役 代表執行役社長  三 部 敏 宏
本店の所在の場所、表紙東京都港区虎ノ門二丁目2番3号
電話番号、本店の所在の場所、表紙(03)3423-1111 大代表
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
年月事項1946年10月本田宗一郎が静岡県浜松市に本田技術研究所を開設、内燃機関および各種工作機械の製造ならびに研究に従事1948年9月本田技術研究所を継承して本田技研工業株式会社を設立1949年8月二輪車生産開始1952年4月本社を東京都に移転   9月パワープロダクツ生産開始1953年5月大和工場(1973年1月より 埼玉製作所 和光工場)稼動開始1954年4月浜松製作所葵工場(2014年4月より トランスミッション製造部)稼動開始1957年12月株式を東京証券取引所に上場1959年6月米国にアメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッドを設立1960年5月鈴鹿製作所稼動開始   7月本田技術研究所を当社より分離し、株式会社本田技術研究所を設立1963年6月四輪車生産開始1964年10月タイにアジアホンダモーターカンパニー・リミテッドを設立   11月狭山製作所(1973年1月より 埼玉製作所 狭山工場)稼動開始1969年3月カナダにホンダカナダ・インコーポレーテッドを設立1970年9月狭山製作所第2工場工機部門を当社より分離し、ホンダ工機株式会社(1974年7月より ホンダエンジニアリング株式会社)を設立1971年10月ブラジルにホンダモーター・ド・ブラジル・リミターダ(2000年4月より ホンダサウスアメリカ・リミターダ)を設立1975年7月ブラジルにモトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダを設立1976年3月熊本製作所稼動開始1977年2月ADR(米国預託証券)をニューヨーク証券取引所に上場1978年3月米国にホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッドを設立1980年2月米国にアメリカンホンダファイナンス・コーポレーションを設立1985年9月メキシコにホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイを設立1987年1月カナダにホンダカナダファイナンス・インコーポレーテッドを設立   3月米国に北米子会社事業の統轄機能を有するホンダノースアメリカ・インコーポレーテッドを設立1989年8月英国に欧州子会社事業の統轄機能を有するホンダモーターヨーロッパ・リミテッドを設立1992年7月タイにホンダカーズマニュファクチュアリング(タイランド)カンパニー・リミテッド(2000年12月より ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッド)を設立1996年5月アジアホンダモーターカンパニー・リミテッドにアセアン子会社事業の統轄機能を設置1999年4月東京都に株式会社ホンダクレジット(2002年7月より 株式会社ホンダファイナンス)を設立   12月米国にホンダマニュファクチュアリングオブアラバマ・エル・エル・シーを設立2000年4月ホンダサウスアメリカ・リミターダに南米子会社事業の統轄機能を設置2002年6月埼玉製作所 和光工場の四輪車用エンジンの生産を終了し、その生産機能を埼玉製作所 狭山工場(2002年10月より 埼玉製作所)に移管(埼玉製作所 和光工場跡地については、2004年7月よりHonda和光ビルとして活用)2004年1月中国に中国事業の統轄機能を有する本田技研工業(中国)投資有限公司を設立2009年9月埼玉製作所 小川工場稼働開始2013年7月埼玉製作所 寄居工場稼働開始2020年4月ホンダエンジニアリング株式会社を合併2020年7月アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッドが北米子会社事業の統轄機能を有するホンダノースアメリカ・インコーポレーテッドを合併2021年4月ホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッドがホンダマニュファクチュアリングオブアラバマ・エル・エル・シー、その他6社を合併し、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーへ名称変更   12月埼玉製作所 狭山工場の四輪完成車の生産を終了
事業の内容 3 【事業の内容】
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しており、関係会社の情報についてもIFRSの定義に基づいて開示しています。
当社グループは、当社および国内外357社の関係会社(連結子会社284社、持分法適用会社73社)により構成され、事業別には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業からなっています。
二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業における主要製品およびサービス、所在地別の主な会社は、以下のとおりです。
事業主要製品およびサービス所在地主な会社二輪事業二輪車 ATV Side-by-Side 関連部品 日本 当社○㈱本田技術研究所☆日立アステモ㈱☆テイ・エス テック㈱☆㈱エフ・シー・シー☆㈱エイチワン☆武蔵精密工業㈱北米○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド○ホンダカナダ・インコーポレーテッド○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ欧州○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドアジア○本田技研工業(中国)投資有限公司○ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド○ホンダカーズインディア・リミテッド○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド○タイホンダカンパニー・リミテッド○ホンダベトナムカンパニー・リミテッド☆ピー・ティ・アストラホンダモーターその他の地域○モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ四輪事業四輪車 関連部品日本 当社○㈱本田技術研究所☆日立アステモ㈱☆テイ・エス テック㈱☆㈱エフ・シー・シー☆㈱エイチワン☆武蔵精密工業㈱☆㈱ジーテクト北米○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド○ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー○ホンダカナダ・インコーポレーテッド○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ☆L-Hバッテリーカンパニー・インコーポレーテッド欧州○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドアジア○本田技研工業(中国)投資有限公司○本田汽車零部件製造有限公司○ホンダカーズインディア・リミテッド○ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーター○ホンダ・マレーシア・エスディーエヌ・ビーエイチディー○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド○ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッド○ホンダベトナムカンパニー・リミテッド☆広汽本田汽車有限公司☆東風本田汽車有限公司☆東風本田発動機有限公司 ○:連結子会社☆:持分法適用会社 事業主要製品およびサービス所在地主な会社金融サービス事業 金融 日本○㈱ホンダファイナンス北米○アメリカンホンダファイナンス・コーポレーション○ホンダカナダファイナンス・インコーポレーテッド欧州○ホンダファイナンスヨーロッパ・パブリックリミテッドカンパニーその他の地域○バンコホンダ・エス・エーパワープロダクツ事業及びその他の事業パワープロダクツ 関連部品 その他日本 当社○㈱本田技術研究所☆日立アステモ㈱☆㈱エフ・シー・シー☆㈱エイチワン☆武蔵精密工業㈱北米○アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド○ホンダカナダ・インコーポレーテッド○ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ欧州○ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドアジア○ホンダカーズインディア・リミテッド○アジアホンダモーターカンパニー・リミテッド○タイホンダカンパニー・リミテッドその他の地域○モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ
(注) 主な会社のうち、複数の事業を営んでいる会社については、それぞれの事業区分に記載しています。
○:連結子会社☆:持分法適用会社 事業の系統図は、以下のとおりです。
(主な会社のみ記載しています。
) 
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
(連結子会社)名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要セグメントの名称事業形態役員の兼任等資金援助営業上の取引㈱本田技術研究所埼玉県和光市百万円7,400二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業研究開発100.0有―当社製品を研究開発している―㈱ホンダファイナンス東京都千代田区百万円11,090金融サービス事業金融100.0有―当社製品に関わる販売金融をしている特定子会社有価証券報告書を提出しているアメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド米国カリフォルニア州トーランス千米ドル299,000二輪事業四輪事業金融サービス事業パワープロダクツ事業及びその他の事業統轄会社研究開発生産販売100.0有―当社製品を研究開発、製造および販売している特定子会社主要な連結子会社   (注2)アメリカンホンダファイナンス・コーポレーション米国カリフォルニア州トーランス千米ドル1,366,000金融サービス事業金融100.0(100.0)有―当社製品に関わる販売金融をしている特定子会社ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー米国オハイオ州メアリズビル千米ドル561,568四輪事業研究開発生産100.0(100.0)有―当社製品を研究開発および製造している特定子会社ホンダカナダ・インコーポレーテッドカナダオンタリオ州マーカム千カナダ・ドル226,090二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産販売100.0(49.9)有―当社製品を製造および販売している特定子会社ホンダカナダファイナンス・インコーポレーテッドカナダオンタリオ州マーカム千カナダ・ドル285,000金融サービス事業金融100.0(100.0)有―当社製品に関わる販売金融をしている特定子会社ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイメキシコハリスコ州エルサルト千メキシコ・ペソ13,655,652二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産販売100.0(99.8)有―当社製品を製造および販売している特定子会社ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド        (注3)英国ブラックネル千英ポンド665,549二輪事業四輪事業金融サービス事業パワープロダクツ事業及びその他の事業統轄会社販売100.0有当社は運転資金を貸付けている当社製品を販売している特定子会社ホンダファイナンスヨーロッパ・パブリックリミテッドカンパニー英国ブラックネル千英ポンド38,251金融サービス事業金融100.0(100.0)有―当社製品に関わる販売金融をしている―本田技研工業(中国)投資有限公司中国北京市千米ドル138,426二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業統轄会社販売100.0有―当社製品を販売している特定子会社本田汽車零部件製造有限公司中国佛山市千米ドル200,000四輪事業生産100.0(100.0)有―当社製品の部品を製造している特定子会社ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド インドグルグラム千インド・ルピー3,100,000二輪事業生産販売100.0(3.2)有―当社製品を製造および販売している―ホンダカーズインディア・リミテッドインドグレーターノイダ千インド・ルピー10,727,973二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産販売100.0(19.1)有―当社製品を製造および販売している特定子会社 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要セグメントの名称事業形態役員の兼任等資金援助営業上の取引ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーターインドネシアジャカルタ千米ドル70,000四輪事業生産販売51.0有―当社製品を製造および販売している―ホンダ・マレーシア・エスディーエヌ・ビーエイチディーマレーシアペゴー千マレーシア・リンギット170,000四輪事業生産販売51.0有―当社製品を製造および販売している―アジアホンダモーターカンパニー・リミテッドタイバンコク千タイ・バーツ10,888,908二輪事業四輪事業金融サービス事業パワープロダクツ事業及びその他の事業統轄会社販売100.0有―当社製品を販売している特定子会社ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッドタイアユタヤ千タイ・バーツ5,460,000四輪事業生産販売89.0(25.0)有―当社製品を製造および販売している特定子会社タイホンダカンパニー・リミテッドタイバンコク千タイ・バーツ550,000二輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産販売72.5(35.3)有―当社製品を製造および販売している―ホンダベトナムカンパニー・リミテッドベトナムフックイエン千ベトナム・ドン1,190,822,800二輪事業四輪事業生産販売70.0(28.0)有―当社製品を製造および販売している―ホンダサウスアメリカ・リミターダブラジルスマレ千ブラジル・レアル119,027 二輪事業四輪事業金融サービス事業パワープロダクツ事業及びその他の事業統轄会社100.0有――特定子会社モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダブラジルマナウス千ブラジル・レアル2,135,999二輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産販売100.0(100.0)有―当社製品を製造および販売している特定子会社バンコホンダ・エス・エーブラジルサンパウロ千ブラジル・ レアル784,387金融サービス事業金融100.0(100.0)有―当社製品に関わる販売金融をしている特定子会社その他261社      (注4,5,6)―――――――――
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2 アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッドは、連結売上収益に占める売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。
)の割合が10%を超えています。
同社の売上収益は所在地別北米セグメントの売上収益(セグメント間の内部売上収益または振替高を含む。
)の90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しています。
(その関係会社を含む。
)3 ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、債務超過会社であり、2025年3月末時点で債務超過額は155,695百万円です。
4 その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は、以下のとおりです。
 ホンダエアロ・インコーポレーテッド、ホンダエアクラフトカンパニー・エル・エル・シー、ホンダバンク・ゲー・エム・ベー・ハー、ホンダターキー・エー・エス、ピー・ティ・ホンダ・プレシジョン・パーツ・マニュファクチュアリング、ホンダフィリピンズ・インコーポレーテッド、台灣本田股份有限公司、ホンダリーシング(タイランド)カンパニー・リミテッド、ホンダモトール・デ・アルヘンティーナ・エス・エー、ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ、ホンダコンポーネンツ・ダ・アマゾニア・リミターダ5 その他に含まれる債務超過会社の債務超過額は、2025年3月末時点で、以下のとおりです。
ホンダエアロ・インコーポレーテッド        51,200百万円(その関係会社の持分相当額を含む。
)ホンダエアクラフトカンパニー・エル・エル・シー  254,269百万円ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ  40,066百万円(その関係会社の持分相当額を含む。
)6 その他261社の内訳は国内の二輪販売会社1社、四輪販売会社9社、その他の国内連結子会社43社およびその他の海外連結子会社208社です。
(持分法適用会社)名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容摘要セグメントの名称事業形態役員の兼任等資金援助営業上の取引日立アステモ㈱東京都千代田区百万円129,126二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産40.0有―当社製品の部品を製造している―テイ・エス テック㈱埼玉県朝霞市百万円4,700二輪事業四輪事業生産21.5有―当社製品の部品を製造している有価証券報告書を提出している㈱エフ・シー・シー静岡県浜松市百万円4,175二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産22.5無―当社製品の部品を製造している有価証券報告書を提出している㈱エイチワン埼玉県さいたま市百万円4,366二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産21.6無―当社製品の部品を製造している有価証券報告書を提出している武蔵精密工業㈱愛知県豊橋市百万円5,639二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業生産25.0無―当社製品の部品を製造している有価証券報告書を提出している㈱ジーテクト埼玉県さいたま市百万円4,656四輪事業生産30.5無―当社製品の部品を製造している有価証券報告書を提出しているL-Hバッテリーカンパニー・インコーポレーテッド米国オハイオ州ジェファーソンヴィル千米ドル3,302,000四輪事業生産49.0有―当社製品の部品を製造している―広汽本田汽車有限公司中国広州市千米ドル541,000四輪事業生産50.0(10.0)有―当社製品を製造している―東風本田汽車有限公司中国武漢市千米ドル1,448,000四輪事業生産50.0(10.0)有―当社製品を製造している―東風本田発動機有限公司中国広州市千米ドル121,583四輪事業生産50.0(10.0)有―当社製品の部品を製造している―ピー・ティ・アストラホンダモーターインドネシアジャカルタ千インドネシア・ルピア185,000,000二輪事業生産販売50.0有―当社製品を製造および販売している―その他62社        (注2)―――――――――
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2 その他62社の内訳は国内の四輪販売会社4社、その他の国内持分法適用会社16社およびその他の海外持分法適用会社42社です。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)二輪事業49,548(9,810)四輪事業133,665(9,965)金融サービス事業2,519( 45)パワープロダクツ事業及びその他の事業8,441( 1,327)合計194,173(21,147)
(注) 従業員数は就業人員です。
また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。

(2) 提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)32,088( 2,809)44.521.38,955 セグメントの名称従業員数(名)二輪事業5,515( 875)四輪事業25,656( 1,907)パワープロダクツ事業及びその他の事業917( 27)合計32,088( 2,809)
(注) 1 従業員数は就業人員です。
また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況提出会社、連結子会社ともに、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。
提出会社の状況労働組合名 本田技研労働組合(全日本自動車産業労働組合総連合会に加盟)組合員数28,433名 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注2)男性労働者の育児休業取得率(%)(注3)労働者の男女の賃金の差異(%)(注2)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者2.990.071.773.596.2(注4)
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。
また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
4 当社の労働協約適用会社である㈱本田技術研究所、㈱ホンダ・レーシング、学校法人ホンダ学園、㈱ホンダアクセスを含んでいます。
② 主要な連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注2)男性労働者の育児休業取得率(%)(注3)労働者の男女の賃金の差異(%)(注2)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者㈱ホンダファイナンス6.2100.069.871.093.8-
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。
また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
4 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報
(2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。
)が判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(1) 経営方針・経営戦略等当社グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。
「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつすべての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。
こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品 を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとするすべての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループは、総合モビリティカンパニーとして、一人ひとりの創造力から生まれる夢のあるモビリティや多様なサービスによって「環境負荷ゼロ社会」「交通事故ゼロ社会」を実現するとともに、2023年にグローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams」を再定義して明確に示した「時間や空間といったさまざまな制約から人々を解放し(Transcend)、また人の能力と可能性を拡張する(Augment)」という本質的な提供価値を世界中にお届けすることで、人や社会を前進させるパワーとなることをめざしていきます。
めざす姿の実現に向けて、夢を原動力に、独創的な技術とアイデアで、当社グループはこれからも果敢にチャレンジを続けていきます。

(2) 経営環境および対応の方向性当社グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。
価値観の多様化や、高齢化の進展、都市化 の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。
また、ウクライナ、中東および南シナ海情勢等の国際情勢や各国の通商政策において不透明な状況が続くなど、地政学的リスクも顕在化しています。
そのような中、将来の成長に向けては、提供価値の質の向上に継続的に取り組むとともに、企業活動に関わるすべてのステークホルダーと、長期的な社会課題を解決するための、積極的な関係構築が求められます。
四輪事業においては、長期的な観点ではカーボンニュートラル実現に向けて、EV(電気自動車)が最も有効なソリューションであると考えています。
一方で、四輪車の電動化を取り巻く環境は大きな変化に直面しています。
電動化の普及は、地域によって進展の差が大きく、また、黎明期である現在においては、その普及のスピードにも変動があります。
当社グループは、電動車の市場動向を見極めながら、リソースの効果的な配分を行うなど、柔軟かつ適応力のある戦略を維持していきます。
二輪事業は、若年層人口比率の高い国々を中心に、今後も市場の成長が見込まれます。
一方で、世界最大の二輪車市場であるインドでは政策の後押しもあり、電動車の需要も急速に拡大しています。
その他の国々でも、電力の安定供給や充電ネットワークの整備といったインフラ面では国ごとに異なる課題があり、政府の販売支援策や産業育成策の実行力にも違いがあるものの、長期的には電動車の拡大トレンドが継続すると考えています。
当社グループはこのような状況を踏まえ、ICE(内燃機関)車と電動車の拡大ペースを市場ごとに見極めながら、リソースの効果的な配分を行うとともに、躍進する電動新興メーカーに対して当社グループの強みを活かしながら対応策を展開していきます。
パワープロダクツ事業及びその他の事業においては、建設機械・産業機械業界などにおいても官民一体によるカーボンニュートラルの動きが加速し、環境に配慮された製品のニーズが高まりを見せています。
当社グループは、それらの業界の完成機メーカーなど法人顧客向けに電動製品のラインアップを拡充させることで、カーボンニュートラル社会の実現に向けた動きを加速させる役割を担っています。
(3) 優先的に対処すべき課題持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループがめざす方向性に照らしあわせ、優先的に対処すべき課題を選定しています。
従来より経営の重要テーマとして掲げてきた「環境」と「安全」に加え、当社グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つの非財務領域を重要テーマとして選定し、財務戦略と連携させることで社会的価値・経済的価値の創出を実現していきます。
<5つの重要テーマ>① 環境負荷ゼロ社会の実現当社グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの一つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定しています。
「環境負荷ゼロ社会の実現」をめざした活動は、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして取り組んでいます。
1.カーボンニュートラルの取り組み当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、乗用車をはじめとする小型モビリティの領域において、長期的視点ではEVが最適解であると考え、その普及に向けて大きく舵を切り、取り組みを進めてきました。
一方で、四輪事業を取り巻く環境は日々刻々と変化しています。
特に、EV普及の前提となる各地域での環境規制の変化などによるEV市場拡大スピードの鈍化や、通商政策動向の変化など、事業環境の不透明さが増しています。
このような環境下で、当初の目標である2030年にグローバルでのEV/FCEV(燃料電池自動車)販売比率30%は見直しておりますが、引き続き「2040年にEV・FCEVの販売比率100%」とする目標に向けて、着実に、強いEVブランドと事業基盤の構築に取り組んでいきます。
また、EV普及までの過渡期を担うパワートレーンとしてハイブリッド車の商品群を強化していきます。
二輪事業においては、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することをめざし、ICEの進化にも継続的に取り組みながら、環境戦略の主軸として二輪車の電動化を加速させています。
(商品ラインアップの拡充)当社グループは、2030年のグローバルでの電動二輪車の年間販売台数目標を400万台、2030年までにグローバルで30機種の電動モデルを投入することをめざし、戦略的に電動二輪車の市場投入を進めています。
この達成に向けて、2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪市場への参入を本格化しており、多様化するお客様のニーズに応える多彩なバリエーション展開により、電動二輪車においてもリーディングカンパニーをめざしていきます。
(充電・利用環境の整備) 電動二輪車の普及に向けては、商品ラインアップの強化だけでなく、利用環境の整備に向けた施策を展開します。
日本、インドネシア、タイに引き続きインドでも、交換式バッテリーを搭載する電動二輪車の普及強化に向けて、現地法人ホンダパワーパックエナジーインディアプライベート・リミテッドによるバッテリーシェアリングサービス事業を展開しています。
また、インド全土6,000店舗で展開している業界最大
(注)の販売ネットワークを活用し、アフターサービス、メンテナンスを強化するほか、今後順次投入していく固定式バッテリー搭載車両の電欠不安に対しても、この幅広いネットワークを生かして充電網を拡充していきます。

(注) 当社調べ(2025年1月時点) パワープロダクツ事業では、パワーユニット領域とガーデン領域を電動化の主要ドメインに位置付け、商品力の向上に向けた取り組みを強化することで、業界における電動化をリードしていきます。
また、多様なモビリティを有する当社グループの強みを活かし、電動化に必要なコア部品を二輪事業と共用化することでコストを削減するなど、事業間のシナジーによる開発・コスト競争力の強化を図っていきます。
パワーユニット領域では、パワープロダクツの基幹事業である汎用エンジンで培ったBtoBの既存顧客に加えて、電動化が期待される領域へ積極的に「eGX」(Hondaの「GX」シリーズを電動化した汎用エンジン)の搭載を拡大させるため、日本・欧州を中心とするパワーユニット供給先企業との連携を強化します。
そしてお客様の要望にきめ細やかに応えていくため、幅広いバリエーションを「eGX」シリーズとして準備していきます。
ガーデン領域では、米国市場において、造園業者向け電動製品をフルラインアップ展開し、プロのお客様へも電動製品の拡大を図ります。
その実現に向けて、北米の展示会でプロトタイプとして発表した、電動乗用芝刈機や自動芝刈機といった大型モデルについても量産準備のフェーズに移行しました。
さらに、手押し芝刈機や、刈払機などの小型の電動製品に関しては、外部協業先を活用し、効率的な開発・生産スキームで電動化を加速するとともに、協業の枠組みを拡大させ、さらなる顧客の獲得をめざしていきます。
2.「クリーンエネルギー」3.「リソースサーキュレーション」の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
② 交通事故ゼロ社会の実現  当社グループは、2050年に全世界で、当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざしま す(注1)。
また、そのマイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事 故死者半減(注2)をめざします。
これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべての当社グループの二輪 車、四輪車が対象となります。
 
(注) 1 当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故:当社グループの二輪車・四輪車に乗車中、および歩行者・自転      車・その他当事者(故意による悪質なルール違反、および故意により飲酒・薬物その他による責任能力のない状態の二     つを除く交通参加者)が関与する交通事故。
    2 2020年比で2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
③ 人的資本経営の進化当社グループの人的資本経営とは、全社の方針である「一人ひとりの夢を原動力に人と社会を前進させる総合モビリティカンパニー」をめざし、事業戦略の到達点からバックキャストした将来必要な人材ポートフォリオを形成していくことです。
そしてこれを実現するために中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ
(注)を設定しています。
さらに、人材マテリアリティごとに二つ、合計四つの主要テーマを設定しています。

(注) マテリアリティ:持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位 を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、とくに注力していくべき課題。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
④ 独創的な技術の創出めざす提供価値として定めた「Transcend」・「Augment」の実現に向け、「コア技術の創出こそが将来にわたるサステナブルな事業基盤や競争力を生む源泉になる」という考え方に立脚し、イノベーションマネジメントの強化に、継続的に取り組んでいます。
将来の「環境負荷ゼロ社会」「交通事故ゼロ社会」の実現に向け、またモビリティフィールドとその概念の拡大をめざし、注力領域を定めた上で、各領域エキスパートがその実現に向け技術開発をリードしています。
また、世界中のさまざまな研究機関と共同研究を行うことで、グローバルでの知の探究と結集をはかっています。
技術開発は試行錯誤の繰り返しであり、その弛まぬ努力が実際に世の中に上市される商品へと結実するまでには長い時間と莫大なリソースが必要となります。
しかし、どのような時代においても「新技術の探究」こそが次代の当社グループをつくり上げるドライビングフォースであるという信念のもと、思い切ったリソース投入を行うことで、高い競争力を持ち続け、サステナブルな事業展開に貢献していくことをめざします。
このような技術開発のもと、当社グループは「知能化」の強化およびハイブリッド車の競争力強化に取り組んでいます。
「知能化」においては、カーナビで目的地を設定すると、一般道か高速道路かを問わず、目的地までの全経路において、クルマがアクセルやハンドルなどの運転操作を支援する次世代ADAS(先進運転支援システム)の独自開発を進めています。
また、ハイブリッド車においては、Honda独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、それを搭載するプラットフォームを全方位で進化させ、燃費向上をめざすとともに、Hondaならではの五感に響く上質・爽快な走りをさらに進化させていきます。
⑤ ブランド価値の向上Hondaのブランドは、創業時から現在に至るまで、お客様とともに歩み続けたあらゆる企業活動の積み重ねによって形づくられてきました。
75年の歴史によって紡がれたHondaブランドをさらに輝かせ、将来にわたってその価値を高めていくことは、当社グループにとって極めて重要な課題の一つであると認識しています。
ブランドマネジメントにおいては、「企業としての一貫性」と「商品・サービスの多様性・独自性」との間に相乗効果を生み出すことが重要だと考えています。
あらゆる企業活動に価値ある一貫性を反映していくことによって、ブランディングを強化し、ブランドの価値を高めていくことをめざします。
この一環として、グローバルでブランドに価値ある一貫性をもたらすため、さまざまな発信やブランディングを実践する際の指針として活用する「ブランドアセット」の整備と拡充に取り組んできました。
今後はこれらのブランドアセットをさらに拡充するとともにコンテンツを進化させ、グローバルで活用の拡大をはかっていくことで、当社グループで働くすべての仲間の「夢」を原動力とした創造性の発揮を後押しするとともに、ステークホルダーの皆様から共感いただける魅力的なブランドの確立をめざしていきます。
<財務戦略>⑥ 経済的価値の向上企業価値の向上に向けては、財務・非財務資本を活用し、キャッシュ・フローの持続的な成長と資本効率の向上を実現する必要があると認識しています。
この実現に向けて、「事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分」「資本コストを意識した経営の強化と環境変化への対応」「積極的な対話による経営の質・透明性の向上」へ取り組んでいきます。
1.事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分(原資創出)2030年に向けては、二輪事業の継続的な事業拡大と、四輪事業での次世代ハイブリッドシステムやプラットフォームの適用に伴うコスト低減効果、ハイブリッド車の販売台数増加により収益性を向上させ、2031年3月期のROIC(投下資本利益率)(注1)目標10%の達成に向けて取り組んでいきます。

(注) 1 (親会社の所有者に帰属する当期利益+支払利息(金融サービス事業を除く事業会社))÷投下資本(注2) 2 親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債(金融サービス事業を除く事業会社)、期首期末平均により算出しています。
(資源投入)2024年5月に発表した、電動化戦略の実現に向けた設備投資、出資と研究開発支出など合わせて10兆円の投入資源については、カナダでのEVの包括的バリューチェーン構築の2年程度延期などにより、2031年3月期までの間で合計3兆円を減額し、総額7兆円へ見直しを行いました。
この投入資源の減額を踏まえた、2027年3月期からの5年間のキャピタルアロケーションについては、二輪事業での安定的なキャッシュ創出力に加え、ハイブリッド車の販売台数の増加により、R&D調整後営業CF
(注)12兆円以上のキャッシュ創出をめざします。
また、2031年3月期までの資源配分としては、EV関連への資源投入を3兆円減額した一方、ハイブリッド車への資源投入に関してはミニマムの増加を見込んでいます。
 
(注) 研究開発費控除後の営業キャッシュ・フロー(金融サービス事業を除く事業会社の営業キャッシュ・フロー + 研究開発   支出 – 開発資産への振替額) (株主還元)成果の配分については、株主の皆様に対する利益還元を、経営の最重要課題の一つとして位置付けています。
市場の変化にリニアに対応した資源配分の見直しにより、将来に向けた仕込みと収益力向上を両立した四輪事業の確立をめざすとともに、二輪事業の強固な収益力も合わせることで、さらなる成長をめざします。
また、従来は連結配当性向30%を目安に、安定的・継続的な配当に努めてきましたが、不透明な事業環境下においても、当社グループの強みを活かしたキャッシュ創出力を原資に、今後も継続して事業の成長に応じた株主還元を維持していくという意思表示として、DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)
(注)を導入します。
このように、事業体質のさらなる強化による成長と、安定的、継続的な株主還元の両立を図ります。

(注) DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)のベースとなる「親会社の所有者に帰属する持分」は為替や市場環境の影響に よる変動の大きい「その他の資本の構成要素」を除外した調整後の数値を基にします。
2.資本コストを意識した経営の強化と環境変化への対応環境変化に柔軟かつ適切に対応し企業価値の向上を実現するため、資本コストを意識した経営の浸透をはかるとともに時間軸を踏まえた複数の選択肢を持ち、柔軟な資源配分によるリスクへの対応をはかっていきます。
今後の変革期においては、将来に向けた投資が先行しますが、正味現在価値(NPV)を活用し資本コストを踏まえた投資判断を実施するとともに、経営の守るべきラインとして、資本コストを上回る全社ROICの維持をめざします。
3.積極的な対話による経営の質・透明性の向上株主や投資家をはじめとしたステークホルダーの皆様に、経営の方向性が正しく理解され評価いただけるよう、経営陣が主体となり、イベントや個別面談等を通じて、これまで以上に対話を積極的に行っていきます。
これらの対話を通じて、経営陣や各領域技術責任者から成長戦略に向けた想いをお伝えするとともに、資本市場が当社グループに求めていることを直接把握し、経営や事業戦略へ活かすことで、PBR1倍超の早期達成と企業価値の継続的な向上へつなげていきます。
以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(1) ガバナンス及びリスク管理① ガバナンス当社グループは、「基本理念」、「社是」および「運営方針」の3つから構成されている「Hondaフィロソフィー」に根ざした企業活動を推進しています。
当社グループでは、長期経営方針や中期経営計画は経営会議(議長:取締役 代表執行役社長 最高経営責任者)や取締役会で承認・決議しています。
気候変動問題への対応を含む最終的な監督機関は取締役会であり、経営会議では取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
また、事業活動に伴う様々なリスクへ対応し、社会と当社グループの永続的な発展に向けた事業運営の監督を行う必要性から、気候変動問題への対応を含む「ESG・サステナビリティ」を必要スキルの一つとして定め、取締役を選任しています。
各本部・統括部や各子会社では、全社の長期経営方針や中期経営計画に基づき、実行計画・施策を企画・推進し、重要事項については経営会議で適宜、報告・承認されています。
「環境」「安全」「人材」「人権」「労働安全衛生」「品質」「サプライチェーン(購買・物流)」などの各領域では、会議体を設け、情報共有や議論などを通じてグローバルマネジメントを推進しています。
また、気候変動問題への対応など、部門をまたぐ重要課題については経営メンバーが直接指揮を執る「部門横断タスクフォース」を組成し、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認されています。
また、各領域に関するコンプライアンスやリスク管理については、当社の内部統制システム整備の基本方針に基づいて運用されています。
取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化をはかっています。
財務指標および非財務指標に連動した役員報酬制度については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。
② リスク管理「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、リスクを能動的にコントロールすることで、「持続的成長」や「経営の安定化」につながる活動を行っています。
リスクマネジメントオフィサー監視・監督のもと、当社グループの有形・無形の資産、企業活動、ステークホルダーに重大な被害・損失を与え、企業経営に影響をもたらす可能性があるものと定義したリスクを分類・管理・対応しています。
各組織でリスクの特定・評価を実施し、その評価結果をもとに各本部のリスクマネジメントオフィサーが「本部重点リスク」を特定しています。
また、社内のリスク認識に加え社外のリスクトレンドも反映し、コーポレートとして重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論を行っています。
リスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。

(2) 重要な戦略並びに指標及び目標① 戦略当社グループは、「環境」と「安全」は何よりも真摯に向き合うべき社会課題であると捉えています。
それぞれ「環境負荷ゼロ社会の実現」、「交通事故ゼロ社会の実現」をテーマに掲げ、実効性ある施策をスピーディーに展開していきます。
<環境戦略>当社グループはすべての企業活動において環境負荷があることを認識しています。
課題達成のためには企業活動を製品ライフサイクルに合わせた各工程に分けて、それぞれの環境負荷を考えることが重要です。
Hondaが認識する主な環境負荷として、「CO2排出」・「化石燃料由来のエネルギー使用」・大量な「資源採掘・廃棄」、そして「生物多様性への影響」を設定しました。
当社グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの一つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定し、環境負荷への対応を4つのマテリアリティ
(注)として定めています。

(注) 持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題 Triple Action to ZERO「環境負荷ゼロ社会の実現」をめざした活動に向けて、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、カーボンフリーエネルギー活用率100%、サステナブルマテリアル率100%をめざす姿として、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます 。
「Triple Action to ZERO」の3つの取り組みは密接に関連しており、それぞれの連鎖を考慮してシナジー効果の最大化をめざしていきます。
また「Triple Action to ZERO」の取り組みは、国際的な要求が高まっている、生物多様性の保全を含む自然共生にもつながると考えています。
その推進においては“自然に根ざした解決策”
(注)も考慮していきます。

(注) 自然生態系を保全・再生しながら社会課題への対応を進める取り組み(Nature-based Solutions(NbS))。
環境負荷ゼロ社会の実現に向けて、取り組むべきことマテリアリティ達成に向けた主要施策とマイルストーン当社グループは、製品ライフサイクル全体での「2050年カーボンニュートラル」をめざして、4つのマテリアリティのうち、「気候変動問題への対応」と「エネルギー問題への対応」について優先度を上げて取り組んでいます。
優先的な実行施策として製品使用のCO2排出削減と企業活動のCO2排出削減を主要施策とし、より具体的な取り組みにつながる施策に細分化して取り組んでいます。
具体的には、各事業領域の個別の製品群についてのCO2排出や各々の製品工場や製造設備の排出を積み上げ、製品・工場ごとのCO2排出削減量の把握につなげています。
マテリアリティ「資源の効率利用」に紐付く、長期的な負荷低減施策については、カーボンニュートラルの実現に向けて当社グループとして既存の枠組みを超えた新たな事業の取り組みが必要となる施策もあり、将来の上流・下流工程におけるCO2削減につながる仕込み段階にあります。
これらの取り組みは、マテリアリティ「生物多様性の保全」など自然への影響を考慮しながら進めていくことも重要と認識しており、「2050年カーボンニュートラル」をめざした取り組みのみならず、「環境負荷ゼロ社会の実現」のために長期的な視点を持って将来への取り組みを継続していきます。
また、社会全体におけるカーボンニュートラルを実現するために、モビリティの電動化に加えて、多角的なアプローチでチャレンジをしています。
<安全戦略>当社グループは、「人の能力(啓発活動)」、「モビリティの性能(技術開発)」、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」をそれぞれ進化させ、組み合わせることでさまざまな要因により引き起こされる事故に対応します。
2030年に向けた大きな課題として、新興国で二輪車が関与する死亡事故を削減する必要があります。
この課題に対応するため、「人の能力(啓発活動)」においては、インストラクターの養成や交通教育センター(注1)での企業向けの研修、個人向けのスクールを積極的に展開します。
「モビリティの性能(技術開発)」においては、二輪車では、「ABS (注2)」「CBS (注3)」などの先進ブレーキシステム、視認性および被視認性を高める灯火器などの装備の適用を拡大します。
四輪車では、新興国で二輪検知機能付「Honda SENSING」を、また、先進国で「Honda SENSING 360」をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)の普及や機能進化を地域の実情に合わせて推し進めます。
「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」においては、交通安全に関する国連などの国際的な機関との連携を強化します。
当社グループの長年の安全活動から培われた知見やノウハウを、こうした機関を通じて、新興国を中心とした各国へ提供することで制度改革、啓発、インフラ整備などの安全政策を支援します。
2050年に向けた大きな課題として、歩行者、自転車利用者、二輪車のライダーなどの交通弱者の死亡事故を削減する必要があります。
この課題に対応するため、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」の取り組みを加速させます。
具体的には、「安全・安心ネットワーク技術」の研究開発と、社会実装に向けた技術の標準化を推し進めます。

(注) 1 交通安全に関する社内外の指導者養成や、企業・学校・個人のお客様に安全運転教育を行う当社グループの施設2 アンチロックブレーキシステム3 コンバインドブレーキシステム ② 指標及び目標 <環境戦略>当社グループは、「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、取り組みを実行していきます。
管理指標については以下のとおりです。
重要テーママテリアリティ管理指標区分 目標値2031年3月期 環境負荷ゼロ社会の実現・気候変動問題への対応・エネルギー問題への対応・資源の効率利用・生物多様性の保全KGI企業活動CO2削減率(2020年3月期比)全社―(注1)製品CO2総量全社/事業廃棄物総量削減率(BAU(注2)比)全社取水総量削減率(BAU(注2)比)KPI電動製品販売比率事業二輪車四輪車パワープロダクツ―(注1) 製品CO2排出原単位削減率 (2020年3月期比)二輪車四輪車パワープロダクツ
(注) 1 事業環境変化のため、有価証券報告書提出日時点で目標値の算出未了です。
(統合報告書「Honda Report 2025」で更新予定)2 2031年3月期生産計画を基に、削減に向けた対策・施策を行なわないと仮定した場合の推計値(Business As Usual) <安全戦略>当社グループは、2050年に全世界で、当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします(注1)。
また、そのマイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします(注2)。
これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべての当社グループの二輪車・四輪車が対象となります。
2030年のマイルストーンの実現に向けて、四輪車では特に、衝突安全性能の強化や、先進運転支援システム(ADAS)の進化と適用の拡大、そして、二輪車では「ABS」や「CBS」などの先進ブレーキ、視認性および被視認性を高める灯火器の適用を拡大させる取り組みを進めます。
これらの進捗状況を把握するため、管理指標(KPI)として、先進国の四輪車(注3)における「Honda SENSING 360」、新興国の四輪車(注4)における「Honda SENSING」、新興国の二輪車(注5)先進ブレーキ(「ABS」/「CBS」)など先進安全装備適用率を設定し、目標値を定め、着実に推進します。
指標と目標管理指標(KPI)目標値2031年3月期先進安全装備適用率先進国 四輪車(注3) 「Honda SENSING 360」100%新興国 四輪車(注4)「Honda SENSING」100%新興国 二輪車(注5)先進ブレーキ(「ABS」/「CBS」)100%
(注) 1 当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故:当社グループの二輪車・四輪車に乗車中、および歩行者・自転車・その他当事者(故意による悪質なルール違反、および故意により飲酒・薬物その他による責任能力のない状態の二つを除く交通参加者)が関与する交通事故。
2 2020年比で2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
3 日本、米国、中国、欧州4 代表測定国:インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル5 代表測定国:インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ブラジル (3) 人的資本(人材の多様性を含む。
)に関する戦略並びに指標及び目標① 戦略<当社グループの人的資本経営・人材戦略>当社グループの人的資本経営とは、全社の方針である「一人ひとりの夢を原動力に人と社会を前進させる総合モビリティカンパニー」をめざし、事業戦略の到達点からバックキャストした将来必要な人材ポートフォリオを形成していくことです。
そしてこれを実現するために中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ(注1)を設定しています。
さらに、人材マテリアリティごとに二つ、合計四つの主要テーマを設定しています。
各テーマに対して経営管理指標(注2)および2031年3月期までの目標や、注力して取り組むべき施策を定めることで達成に向けて活動しています。
なお、2025年3月期から人・組織についての重要課題を検討する経営会議の諮問機関を設け、経営戦略・事業戦略と人材戦略の連動を高めています。
観点人材マテリアリティ主要テーマ中長期従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合①内発的動機を喚起する人マネジメント力の進化と組織活性化②多様な個が融合し活躍できる組織風土の醸成短中期事業上の注力領域における人材の量的・質的充足③事業戦略に資する人的資本グローバルマネジメント④新領域で新たな価値を創出し続ける人材育成投資
(注) 1 マテリアリティ:持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、とくに注力していくべき課題。
2 経営管理指標:取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPI。
なお、2025年3月期以前は主要テーマに紐づく当該指標の対象範囲を日本(国内労働協約適用会社)としていましたが、2026年3月期以降は、戦略に基づく指標ごとに対象範囲を設定し、グローバル(国内労働協約適用会社および海外連結子会社)と日本(国内労働協約適用会社)に区分しています。
② 指標及び目標<人材マテリアリティ(中長期観点):従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合>- 主要テーマ①内発的動機を喚起する人マネジメント力の進化と組織活性化・経営管理指標(KGI)および実績/目標KGI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期従業員エンゲージメントスコアグローバル肯定回答率46%
(注)肯定回答率60%以上肯定回答率65%以上
(注) 本指標の対象範囲は日本国内の労働協約適用会社および海外連結子会社ですが、2025年3月期までは前者のみを対象範囲としていた為、実績の対象は日本国内の労働協約適用会社に限られます。
・経営管理指標(KGI)の考え方当社グループではグローバルブランドスローガン(GBS)の体現に当たり、挑戦や目標に対する「従業員の内発的動機」と「マネジメントの支援意欲」が高い状態を「従業員エンゲージメントスコアが高い」と捉えて指標を設定しています。
・計算式各地域で実施している従業員サーベイ(一回/年)における2つの設問「従業員の内発的動機の高さ」、「マネジメントの支援意欲・後押し」それぞれに対する回答に占める肯定的回答率(5段階中4と5の回答率)の平均値。
- 主要テーマ②多様な個が融合し活躍できる組織風土の醸成・経営管理指標(KPI)および実績/目標KPI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期インクルージョンスコアグローバル3.67pt(5段階尺度)―― 女性管理職数比率日本(注1)2021年3月期比1.7倍2021年3月期比2.1倍(注2)2021年3月期比4倍
(注) 1 女性管理職数比率は国内労働協約適用会社のみを対象とした指標   2 女性活躍の取り組みを着実に遂行するため、現状の実績を鑑みて年度別計画を精査し、2026年3月期の目標を3.0倍から2.1倍に見直しています。
2031年3月期の目標は据え置きとし、目標達成に向けて取り組みを促進していきます。
・経営管理指標(KPI)の考え方(インクルージョンスコア)当社グループにおけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の実現に向け、職場におけるその浸透度を測定するためにインクルージョンスコアを新たに設定しています。
(女性管理職数比率)日本では女性の活躍拡大を推進しており、女性管理職数比率を指標に設定しています。
また、女性活躍推進法の行動計画にも準拠しています。
・計算式(インクルージョンスコア)各地域で実施している従業員サーベイ(一回/年)において「多様性受容度」「組織内での帰属意識・個の発揮」「心理的安全性」に関する設問スコアの平均値。
(女性管理職数比率)日本において2021年3月期時点の女性の管理職数に対する倍数。
<人材マテリアリティ(短中期観点):事業上の注力領域における人材の量的・質的充足>- 主要テーマ③事業戦略に資する人的資本グローバルマネジメント・経営管理指標(KPI)および実績/目標KPI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期注力領域の人材充足率グローバル97%100%100% ・経営管理指標(KPI)の考え方注力領域に必要な要員数の充足状況をモニタリングする指標として設定しています。
現在は、以前から注力領域の人材として位置付けていたソフトウェア開発人材に加えてバッテリー関連人材
(注)も対象とし、両者を含む必要要員数に基づいて目標値を設定、取り組みを進めています。

(注) バッテリーのライフサイクル、バリューチェーンに関わる様々な人材 ・計算式注力領域の対象組織を特定し、事業計画に基づいて算出した必要要員数を分母、従事している従業員数を分子として人材充足率を計算。
- 主要テーマ④新領域で新たな価値を創出し続ける人材育成投資・経営管理指標(KPI)および実績/目標KPI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期注力領域の人材育成投資額グローバル非開示グローバルトップ水準グローバルトップ水準 ・経営管理指標(KPI)の考え方注力領域の人材充足、新領域におけるトップクラスの技術優位性獲得に向け、これまで以上に人材育成を促進するために育成投資額を指標に設定しています。
現在、注力領域の人材育成体系を構築し、専門性のレベルに合わせた教育プログラムの展開を行っていますが、今後も投資を積極的に拡大します。
・計算式注力領域における上記取り組みへの投資額。
(4) 気候変動対応 (TCFDに基づく気候関連財務情報開示)当社グループは「気候変動・エネルギー問題への対応」を環境分野における最重要課題の一つと考え、2021年4月に「2050年に、当社グループの関わるすべての製品と企業活動を通じ、カーボンニュートラルをめざすこと」を表明しました。
当社グループは金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)により設置されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同しており、TCFDが提言する情報開示フレームワークに沿った開示を行っています。
① ガバナンス当社グループは、ライフサイクルでの「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けた取り組みをグループ全体で推進しています。
当社グループは、長期経営方針や中期経営計画は経営会議(議長:取締役 代表執行役社長 最高経営責任者)や取締役会で承認・決議しています。
気候変動問題への対応を含む最終的な監督機関は取締役会であり、経営会議では取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
また、事業活動に伴う様々なリスクへ対応し、社会と当社グループの永続的な発展に向けた事業運営の監督を行う必要性から、気候変動問題への対応を含む「ESG・サステナビリティ」を必要スキルの一つとして定め、取締役を選任しています。
各本部・統括部や各子会社は、全社の長期経営方針や中期経営計画に基づき、実行計画・施策を企画・推進し、重要事項については経営会議で適宜、報告・承認されています。
各事業本部や各地域本部では、「グローバル環境事務局会合(事務局:コーポレート戦略本部)」で共有される情報をもとに、グローバルの中長期環境方針を踏まえ、実行計画を策定し、施策を推進しています。
各地域本部では「地域環境会議」を開催し、地域本部内でのPDCAを推進しています。
各事業本部では、地域の進捗状況をモニタリングし、事業本部内でのPDCAを推進しています。
コーポレート戦略本部では各事業本部や各地域本部での進捗状況をモニタリングし、必要に応じて中長期環境方針や目標の見直しを検討します。
なお、重要事項は経営会議にて報告・承認され、取締役会にて報告・決議されています。
また、気候変動問題への対応など、部門をまたぐ重要課題については「部門横断タスクフォース」を組成し、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認されています。
気候変動を含む環境に関するコンプライアンスやリスク管理については、当社の内部統制システム整備の基本方針に基づいて運用されています。
当社グループでは「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化をはかっています。
財務指標および非財務指標に連動した役員報酬制度については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。
② リスク管理当社グループでは、「リスクマネジメント委員会」において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。
気候変動関連リスクである、気候変動に起因する環境規制に関わるリスクや自然災害等リスクについてもこの管理・監視項目の中で把握し、組織特性を踏まえたより効果的なリスクマネジメント活動の展開をはかっています。
コーポレート戦略本部では、全社重点リスク等の社内のリスク認識に加え、社外のリスクトレンドも反映のうえ、TCFD提言に基づいたシナリオ分析を行い、気候変動関連リスクを評価・特定しています。
気候変動関連リスクに関するシナリオ分析の結果は、リスクマネジメント委員会へ共有しています。
気候変動関連リスクへの対応は、コーポレート戦略本部、事業本部、地域本部を中心に、各本部・統括部、各子会社および「部門横断タスクフォース」で推進しています。
気候変動関連リスクへの対応を含むリスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。
リスクマネジメント活動におけるリスク評価・管理プロセスについては「(1) ガバナンス及びリスク管理」を参照ください。
③ 戦略当社グループでは、より持続可能な企業経営実現のために、気候変動に対する短中長期のリスク・機会を評価、特定し、当社グループの全社戦略へ反映するとともに、技術・製品・サービスの進化により、新たな事業機会を創出することができるよう対応することで、企業としてのレジリエンスを高める取り組みを進めていきます。
<シナリオ分析の概要>当社グループでは、気候変動が事業に与える影響を評価・考察するにあたり、パリ協定の目標である「産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える」ことを想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃シナリオ)および環境規制が強化されず物理リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)を含む複数のシナリオを設定し、TCFD提言にも推奨されるシナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析では、TCFD提言の分類に沿って、気候変動関連リスクと機会を検討し、シナリオ下における中長期の財務影響度を可能な限り定量化し、評価・考察しました。
なお、シナリオ分析は二輪・四輪・パワープロダクツ事業を対象としています。
TCFD提言に基づくシナリオ分析では、以下のシナリオを主に使用し、想定する世界観を整理しました。
(1.5℃シナリオ)1.5℃シナリオでは、IEA(国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のAR6SSP1-1.9の報告内容を参考にしました。
1.5℃シナリオでは、長期的には世界全体で2050年カーボンニュートラルに向けた施策が推進され、新技術の開発や利用の促進により脱炭素製品が広く普及することや、再生可能エネルギーの利用が拡大することが想定されます。
また、循環型経済への移行が加速することが想定されます。
自動車業界では、政策変化などによる不確定要素はあれど、長期的には燃費・ZEV規制がさらに強化され、先進国を中心にEVやFCEVの需要が増加する見込みです。
さらに、二輪・四輪・パワープロダクツ事業において、脱炭素製品やサービスを好むお客様が増加するなど顧客価値観の変化が想定されます。
(4℃シナリオ)4℃シナリオはIPCCのAR6SSP3-7.0を参考にしました。
4℃シナリオでは不可逆的な環境の変化が想定され、自然災害が頻発化・激甚化することが想定されます。
<主なリスクと機会およびその対応(注1)>分類/シナリオリスク影響度時期(注2)機会対応移行リスク1.5℃政策・法規制・燃費規制未達による罰金支払い ・燃費規制強化等によるICE(内燃機関)新車販売台数減1,000億円以上 中期・電動化製品やサービスの販売拡大 ・省エネルギー施策の導入や再生可能エネルギーの活用による事業運営コスト削減・電動化をはじめとするカーボンニュートラルに向けた環境革新技術の投入やエネルギーの多様化対応、トータルエネルギーマネジメントの取り組みの推進 ・生産効率向上、省エネルギー施策の導入、低炭素エネルギーへの転換、再生可能エネルギーの活用の推進・炭素税・排出権取引(ETS)の導入による費用負担増100億円以上1,000億円未満市場の変化・市場のエネルギークリーン化に伴うエネルギー購入価格の上昇100億円以上1,000億円未満中期物理リスク4℃急性・慢性・自然災害による資産損害 ・営業停止またはサプライチェーン寸断による生産停止の発生100億円以上1,000億円未満長期・災害時に非常用電源へ転用が可能な、電動化製品の需要増・事業継続計画(BCP)の策定、見直しおよび訓練実施による対策の実施 ・サプライチェーンの見直しおよび強化
(注) 1 記載されているリスクと機会ならびに対応は、すべてを網羅するものではありません。
   2 影響が生じると見込み得る時間軸として、短期は1年以内(年度ごとの実行計画期間)、中期は2年から2031年3月期まで(中期経営計画期間)、長期は2031年3月期以降から2050年まで(カーボンニュートラルの実現に向けた基準年)で設定しました。
④ 指標及び目標当社グループは、2050年にすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルをめざしています。
指標目標については「
(2) 重要な戦略並びに指標及び目標」を参照ください。
戦略
(2) 重要な戦略並びに指標及び目標① 戦略当社グループは、「環境」と「安全」は何よりも真摯に向き合うべき社会課題であると捉えています。
それぞれ「環境負荷ゼロ社会の実現」、「交通事故ゼロ社会の実現」をテーマに掲げ、実効性ある施策をスピーディーに展開していきます。
<環境戦略>当社グループはすべての企業活動において環境負荷があることを認識しています。
課題達成のためには企業活動を製品ライフサイクルに合わせた各工程に分けて、それぞれの環境負荷を考えることが重要です。
Hondaが認識する主な環境負荷として、「CO2排出」・「化石燃料由来のエネルギー使用」・大量な「資源採掘・廃棄」、そして「生物多様性への影響」を設定しました。
当社グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの一つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定し、環境負荷への対応を4つのマテリアリティ
(注)として定めています。

(注) 持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題 Triple Action to ZERO「環境負荷ゼロ社会の実現」をめざした活動に向けて、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、カーボンフリーエネルギー活用率100%、サステナブルマテリアル率100%をめざす姿として、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます 。
「Triple Action to ZERO」の3つの取り組みは密接に関連しており、それぞれの連鎖を考慮してシナジー効果の最大化をめざしていきます。
また「Triple Action to ZERO」の取り組みは、国際的な要求が高まっている、生物多様性の保全を含む自然共生にもつながると考えています。
その推進においては“自然に根ざした解決策”
(注)も考慮していきます。

(注) 自然生態系を保全・再生しながら社会課題への対応を進める取り組み(Nature-based Solutions(NbS))。
環境負荷ゼロ社会の実現に向けて、取り組むべきことマテリアリティ達成に向けた主要施策とマイルストーン当社グループは、製品ライフサイクル全体での「2050年カーボンニュートラル」をめざして、4つのマテリアリティのうち、「気候変動問題への対応」と「エネルギー問題への対応」について優先度を上げて取り組んでいます。
優先的な実行施策として製品使用のCO2排出削減と企業活動のCO2排出削減を主要施策とし、より具体的な取り組みにつながる施策に細分化して取り組んでいます。
具体的には、各事業領域の個別の製品群についてのCO2排出や各々の製品工場や製造設備の排出を積み上げ、製品・工場ごとのCO2排出削減量の把握につなげています。
マテリアリティ「資源の効率利用」に紐付く、長期的な負荷低減施策については、カーボンニュートラルの実現に向けて当社グループとして既存の枠組みを超えた新たな事業の取り組みが必要となる施策もあり、将来の上流・下流工程におけるCO2削減につながる仕込み段階にあります。
これらの取り組みは、マテリアリティ「生物多様性の保全」など自然への影響を考慮しながら進めていくことも重要と認識しており、「2050年カーボンニュートラル」をめざした取り組みのみならず、「環境負荷ゼロ社会の実現」のために長期的な視点を持って将来への取り組みを継続していきます。
また、社会全体におけるカーボンニュートラルを実現するために、モビリティの電動化に加えて、多角的なアプローチでチャレンジをしています。
<安全戦略>当社グループは、「人の能力(啓発活動)」、「モビリティの性能(技術開発)」、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」をそれぞれ進化させ、組み合わせることでさまざまな要因により引き起こされる事故に対応します。
2030年に向けた大きな課題として、新興国で二輪車が関与する死亡事故を削減する必要があります。
この課題に対応するため、「人の能力(啓発活動)」においては、インストラクターの養成や交通教育センター(注1)での企業向けの研修、個人向けのスクールを積極的に展開します。
「モビリティの性能(技術開発)」においては、二輪車では、「ABS (注2)」「CBS (注3)」などの先進ブレーキシステム、視認性および被視認性を高める灯火器などの装備の適用を拡大します。
四輪車では、新興国で二輪検知機能付「Honda SENSING」を、また、先進国で「Honda SENSING 360」をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)の普及や機能進化を地域の実情に合わせて推し進めます。
「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」においては、交通安全に関する国連などの国際的な機関との連携を強化します。
当社グループの長年の安全活動から培われた知見やノウハウを、こうした機関を通じて、新興国を中心とした各国へ提供することで制度改革、啓発、インフラ整備などの安全政策を支援します。
2050年に向けた大きな課題として、歩行者、自転車利用者、二輪車のライダーなどの交通弱者の死亡事故を削減する必要があります。
この課題に対応するため、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」の取り組みを加速させます。
具体的には、「安全・安心ネットワーク技術」の研究開発と、社会実装に向けた技術の標準化を推し進めます。

(注) 1 交通安全に関する社内外の指導者養成や、企業・学校・個人のお客様に安全運転教育を行う当社グループの施設2 アンチロックブレーキシステム3 コンバインドブレーキシステム
指標及び目標 ② 指標及び目標 <環境戦略>当社グループは、「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、取り組みを実行していきます。
管理指標については以下のとおりです。
重要テーママテリアリティ管理指標区分 目標値2031年3月期 環境負荷ゼロ社会の実現・気候変動問題への対応・エネルギー問題への対応・資源の効率利用・生物多様性の保全KGI企業活動CO2削減率(2020年3月期比)全社―(注1)製品CO2総量全社/事業廃棄物総量削減率(BAU(注2)比)全社取水総量削減率(BAU(注2)比)KPI電動製品販売比率事業二輪車四輪車パワープロダクツ―(注1) 製品CO2排出原単位削減率 (2020年3月期比)二輪車四輪車パワープロダクツ
(注) 1 事業環境変化のため、有価証券報告書提出日時点で目標値の算出未了です。
(統合報告書「Honda Report 2025」で更新予定)2 2031年3月期生産計画を基に、削減に向けた対策・施策を行なわないと仮定した場合の推計値(Business As Usual) <安全戦略>当社グループは、2050年に全世界で、当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします(注1)。
また、そのマイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします(注2)。
これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべての当社グループの二輪車・四輪車が対象となります。
2030年のマイルストーンの実現に向けて、四輪車では特に、衝突安全性能の強化や、先進運転支援システム(ADAS)の進化と適用の拡大、そして、二輪車では「ABS」や「CBS」などの先進ブレーキ、視認性および被視認性を高める灯火器の適用を拡大させる取り組みを進めます。
これらの進捗状況を把握するため、管理指標(KPI)として、先進国の四輪車(注3)における「Honda SENSING 360」、新興国の四輪車(注4)における「Honda SENSING」、新興国の二輪車(注5)先進ブレーキ(「ABS」/「CBS」)など先進安全装備適用率を設定し、目標値を定め、着実に推進します。
指標と目標管理指標(KPI)目標値2031年3月期先進安全装備適用率先進国 四輪車(注3) 「Honda SENSING 360」100%新興国 四輪車(注4)「Honda SENSING」100%新興国 二輪車(注5)先進ブレーキ(「ABS」/「CBS」)100%
(注) 1 当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故:当社グループの二輪車・四輪車に乗車中、および歩行者・自転車・その他当事者(故意による悪質なルール違反、および故意により飲酒・薬物その他による責任能力のない状態の二つを除く交通参加者)が関与する交通事故。
2 2020年比で2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
3 日本、米国、中国、欧州4 代表測定国:インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル5 代表測定国:インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ブラジル
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (3) 人的資本(人材の多様性を含む。
)に関する戦略並びに指標及び目標① 戦略<当社グループの人的資本経営・人材戦略>当社グループの人的資本経営とは、全社の方針である「一人ひとりの夢を原動力に人と社会を前進させる総合モビリティカンパニー」をめざし、事業戦略の到達点からバックキャストした将来必要な人材ポートフォリオを形成していくことです。
そしてこれを実現するために中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ(注1)を設定しています。
さらに、人材マテリアリティごとに二つ、合計四つの主要テーマを設定しています。
各テーマに対して経営管理指標(注2)および2031年3月期までの目標や、注力して取り組むべき施策を定めることで達成に向けて活動しています。
なお、2025年3月期から人・組織についての重要課題を検討する経営会議の諮問機関を設け、経営戦略・事業戦略と人材戦略の連動を高めています。
観点人材マテリアリティ主要テーマ中長期従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合①内発的動機を喚起する人マネジメント力の進化と組織活性化②多様な個が融合し活躍できる組織風土の醸成短中期事業上の注力領域における人材の量的・質的充足③事業戦略に資する人的資本グローバルマネジメント④新領域で新たな価値を創出し続ける人材育成投資
(注) 1 マテリアリティ:持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、とくに注力していくべき課題。
2 経営管理指標:取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPI。
なお、2025年3月期以前は主要テーマに紐づく当該指標の対象範囲を日本(国内労働協約適用会社)としていましたが、2026年3月期以降は、戦略に基づく指標ごとに対象範囲を設定し、グローバル(国内労働協約適用会社および海外連結子会社)と日本(国内労働協約適用会社)に区分しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ② 指標及び目標<人材マテリアリティ(中長期観点):従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合>- 主要テーマ①内発的動機を喚起する人マネジメント力の進化と組織活性化・経営管理指標(KGI)および実績/目標KGI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期従業員エンゲージメントスコアグローバル肯定回答率46%
(注)肯定回答率60%以上肯定回答率65%以上
(注) 本指標の対象範囲は日本国内の労働協約適用会社および海外連結子会社ですが、2025年3月期までは前者のみを対象範囲としていた為、実績の対象は日本国内の労働協約適用会社に限られます。
・経営管理指標(KGI)の考え方当社グループではグローバルブランドスローガン(GBS)の体現に当たり、挑戦や目標に対する「従業員の内発的動機」と「マネジメントの支援意欲」が高い状態を「従業員エンゲージメントスコアが高い」と捉えて指標を設定しています。
・計算式各地域で実施している従業員サーベイ(一回/年)における2つの設問「従業員の内発的動機の高さ」、「マネジメントの支援意欲・後押し」それぞれに対する回答に占める肯定的回答率(5段階中4と5の回答率)の平均値。
- 主要テーマ②多様な個が融合し活躍できる組織風土の醸成・経営管理指標(KPI)および実績/目標KPI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期インクルージョンスコアグローバル3.67pt(5段階尺度)―― 女性管理職数比率日本(注1)2021年3月期比1.7倍2021年3月期比2.1倍(注2)2021年3月期比4倍
(注) 1 女性管理職数比率は国内労働協約適用会社のみを対象とした指標   2 女性活躍の取り組みを着実に遂行するため、現状の実績を鑑みて年度別計画を精査し、2026年3月期の目標を3.0倍から2.1倍に見直しています。
2031年3月期の目標は据え置きとし、目標達成に向けて取り組みを促進していきます。
・経営管理指標(KPI)の考え方(インクルージョンスコア)当社グループにおけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の実現に向け、職場におけるその浸透度を測定するためにインクルージョンスコアを新たに設定しています。
(女性管理職数比率)日本では女性の活躍拡大を推進しており、女性管理職数比率を指標に設定しています。
また、女性活躍推進法の行動計画にも準拠しています。
・計算式(インクルージョンスコア)各地域で実施している従業員サーベイ(一回/年)において「多様性受容度」「組織内での帰属意識・個の発揮」「心理的安全性」に関する設問スコアの平均値。
(女性管理職数比率)日本において2021年3月期時点の女性の管理職数に対する倍数。
<人材マテリアリティ(短中期観点):事業上の注力領域における人材の量的・質的充足>- 主要テーマ③事業戦略に資する人的資本グローバルマネジメント・経営管理指標(KPI)および実績/目標KPI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期注力領域の人材充足率グローバル97%100%100% ・経営管理指標(KPI)の考え方注力領域に必要な要員数の充足状況をモニタリングする指標として設定しています。
現在は、以前から注力領域の人材として位置付けていたソフトウェア開発人材に加えてバッテリー関連人材
(注)も対象とし、両者を含む必要要員数に基づいて目標値を設定、取り組みを進めています。

(注) バッテリーのライフサイクル、バリューチェーンに関わる様々な人材 ・計算式注力領域の対象組織を特定し、事業計画に基づいて算出した必要要員数を分母、従事している従業員数を分子として人材充足率を計算。
- 主要テーマ④新領域で新たな価値を創出し続ける人材育成投資・経営管理指標(KPI)および実績/目標KPI対象範囲実績目標2025年3月期2026年3月期2031年3月期注力領域の人材育成投資額グローバル非開示グローバルトップ水準グローバルトップ水準 ・経営管理指標(KPI)の考え方注力領域の人材充足、新領域におけるトップクラスの技術優位性獲得に向け、これまで以上に人材育成を促進するために育成投資額を指標に設定しています。
現在、注力領域の人材育成体系を構築し、専門性のレベルに合わせた教育プログラムの展開を行っていますが、今後も投資を積極的に拡大します。
・計算式注力領域における上記取り組みへの投資額。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。
以下のリスクも同委員会で審議のうえ特定されたものです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1) 地政学的リスク当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなど様々なリスクにさらされています。
これら予期せぬ事象が発生し、政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりに伴いサプライチェーンが寸断されるなど、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に①経済安全保障、②国家間・地域紛争、③人権に関する法規の3つの地政学的リスクを認識しています。
これらの地政学的リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、人的資本経営の進化、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
これらの地政学的リスクが将来及ぼしうる各地域の事業規模については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」を参照ください。
① 経済安全保障<リスク>各国において重要資源・部品、先端技術などに対する輸出入規制、ブロック化を促進する政策の強化の動きが活発化しています。
米国にて新政権発足以降、追加関税をはじめとする様々な政策転換がなされており、当社グループもその動向を注視しております。
特に追加関税に関しましては、2025年5月13日に開示しました決算短信に2026年3月期において推定される影響額を記載しておりますので参照ください。
そのほか、各国において輸出入および環境規制などに関する政策が変更された場合、生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、国内および海外の各部門が連携し各国の政策動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある案件が確認された場合は、リスクマネジメント委員会が先行的に検討を行うことで、早期にリスクヘッジできる体制を構築しています。
② 国家間・地域紛争<リスク>ウクライナ、中東および南シナ海情勢等、国際情勢の見通しが不透明な状況が続いています。
新たな紛争が発生した場合、発生した国や地域のみならず、それ以外の国や地域でも、人的および物的被害、サプライチェーンの寸断、事業活動の停止などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、国家間・地域紛争の動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある事象が確認された場合は、「人命・安全の確保」および「社会からの信頼の維持」を前提としたうえで、当社グループの会社資産・体制の保全、事業継続をはかるための対応を迅速に行っています。
③ 人権に関する法規<リスク>各国において、企業に人権の取り組みを求める法規の制定が進んでおり、サプライチェーン全体での人権リスク対応の必要性が急速に高まっています。
これらの法規に対して適時適切な対応が出来なかった場合、ブランドイメージや社会的信用の低下に加え、当社グループの生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、「Hondaフィロソフィー」に掲げる人間尊重の基本理念のもと、事業活動において影響を受けるステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、「Honda人権方針」を定めています。
本方針に基づき、人権デューデリジェンス、適切な教育・啓発活動の実施など、各国法規を踏まえ自社およびサプライチェーンにおける取り組みを行っています。

(2) 購買・調達リスク<リスク>当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することをめざして、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。
効率的かつ適正なコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。
それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。
取引先から原材料および部品が継続的に供給を受けられなかった場合、原材料および部品の価格が上昇した場合、もしくは主要な取引先を失った場合、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
なお、一部の原材料および部品において価格上昇が既に発生しており、また、電動化の加速により、バッテリーに用いられるニッケル、リチウム、コバルトの需要が急拡大する中、鉱物資源などの供給不足によるバッテリー価格の高騰も懸念されています。
特に、中国における希土類(レアアース)の輸出規制に関して、当社グループへの影響を精査しております。
また、取引先から供給された部品に起因する当社グループ製品の品質不具合が発生した場合、お客様の安心、安全を脅かすとともに当社グループのブランドイメージが毀損され、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの購買・調達リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
<対応策>当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直しおよび強化を継続的に行っています。
また、部品の供給状況についてモニタリングを行い、当社グループの生産などの事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し事業継続の観点から事業、業績への影響を最小化するための対応を速やかに実施しています。
(3) 情報セキュリティリスク<リスク>当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において様々な情報システムやネットワークを利用しています。
特にAI技術の活用を含む自動運転や安全運転支援システム、デジタルサービスに代表されるソフトウェア領域のニーズが高まっています。
当社グループにおいてAIを活用した技術研究にも取り組んでいますが、AIには生産効率向上の側面も期待している一方で意図せぬ第三者の権利の侵害や誤情報の拡散、情報漏洩等へつながる恐れもあります。
加えて、サイバー攻撃は攻撃手法の高度化、複雑化が進んでおり、その攻撃対象は世界各国に渡っています。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
また、近年世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されています。
新たな価値創造への取り組みにおいては、従来の事業と比べ取り扱う個人情報の量と質が異なる可能性があるため、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。
当社グループ、取引先および委託先におけるサイバーセキュリティリスクのほか、機器の不具合、管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、当社グループの重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。
本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化をはかっています。
なお、サイバーセキュリティリスクに対しては、上記に加え、品質改革本部ならびにコーポレート管理本部内にそれぞれ設置している主管部門を中心に、業務・生産システム、ソフトウェア、品質などの領域を横断する対応体制を構築しています。
また、法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っているほか、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューションを活用し、サイバー攻撃の脅威および脆弱性の監視・分析を行っています。
なお、サードパーティのパッケージ製品やクラウドサービスの導入に際しては、定められたセキュリティ基準に基づいてリスクを評価し、導入判断および導入後の年次確認を行っています。
生産設備やサプライヤーへのサイバー攻撃に対しても同様に、国内外の各拠点の生産設備やサプライヤーのセキュリティ対策状況についての検証を行うとともに、検証結果を踏まえ、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューション導入支援等のセキュリティ強化に向けた対策を行っています。
このようなセキュリティ強化のための活動については、セキュリティに関するコンサルティング会社や外部スペシャリストと業務委託契約を締結し、支援を受けています。
また、各国における個人情報保護規則やサイバーセキュリティ関連法規に対しては、現行の規制のほか、今後施行が見込まれている規則の動向などの情報収集・モニタリングを実施したうえで対応を行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与えるサイバー攻撃に関するセキュリティインシデントが発生した場合には、リスクマネジメントオフィサーの監視、監督のもとグローバル危機対策本部を設置し、サイバーセキュリティリスクに対する主管部門が中心となり迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を全社横断的な観点で実施します。
(4) 他社との業務提携・合弁リスク<リスク>当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みを進めるにあたっては、業務提携・合弁の活用は不可欠と考えており、今後も業務提携・合弁を進めていきます。
業務提携・合弁において、当事者間における利害の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携・合弁先の業績不振が生じた場合、あるいは業務提携・合弁の内容に関する変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携・合弁の戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。
契約締結後においても業務提携・合弁に関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、業務提携・合弁先と連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(5) 環境に関わるリスク<リスク>当社グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、資源枯渇、大気汚染、水質汚染、生物多様性などをはじめとする環境に関する様々なリスクの可能性を認識しています。
また、これらに関する様々な政策および規制の適用を受けています。
その中でも気候変動および燃費・排出ガスに関する政策および規制について、世界各国で見直しが実施もしくは今後予定されています。
見直しの動向によっては、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業において、生産・開発・購買・営業などにかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの環境に関わるリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
なお、気候変動に関するリスクと機会については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。
<対応策>当社グループにおいては、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロ社会の実現に向け、カーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーション、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」に関する取り組みを行っています。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。
また、上記の政策および規制に対しては、国内および海外の各部門が連携し情報収集・モニタリングを実施するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っています。
(6) 知的財産リスク<リスク>当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。
当社グループにおいては、「新たな成長・価値創造を可能とする企業への変革」を支えるため、パワーユニットのカーボンニュートラル化、エネルギーマネジメントシステム、リソースサーキュレーション、自動運転・安全運転支援システム、IoT・コネクテッドを注力領域として選定しています。
これらの特許および商標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、関連リスクの対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによる競争力の低下、さらにはAIの導入による意図せぬ第三者の知的財産権の侵害などに起因する訴訟もしくは特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。
また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(7) 自然災害等リスク<リスク>地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
また、これらの事象によって取引先が被害を受けた場合、あるいはインフラの停止が発生した場合にも、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
加えて、世界各国において、気候変動の影響などにより気象災害が激甚化・頻発化しており、この傾向は今後も継続すると予想されます。
その結果、これらの災害が当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しを行っています。
また、各国で顕在化した事象に基づき、対応体制および規程・手順書の見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
(8) 金融・経済リスク<リスク>① 経済動向、景気変動当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。
これらの事業活動は経済低迷、景気変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。
その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。
各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。
したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
(9) 市場環境変化リスク<リスク>当社グループは、世界各国で事業を展開しており、市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績、将来戦略に悪影響を与える可能性があります。
特に中国企業等の新興勢力の台頭などによる競争激化、北米や欧州における環境政策の変化、米国政府による追加関税導入に伴う世界的な貿易戦争や輸入規制の拡大等、自動車業界は大きな変革期にあり、将来の確実な予測は困難な状態にあります。
2025年5月にはEV市場の成長鈍化を受け、2030年のEV/FCEVの販売目標を見直しております。
当社グループがこれら市場・需要の変化に競争力をもって適切に対応できない場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>これらの変化に適応すべく、優先的に対処すべき課題として5つの重要テーマを策定し、注力領域の人材の量的・質的充足等の対応を進めています。
詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき課題」を参照ください。
(10) 金融事業特有のリスク当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。
しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。
当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。
お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 法務リスク当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。
係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) 退職後給付に関わるリスク当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。
これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。
また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。
確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。
仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(13) ブランドイメージに関連するリスク当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。
このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。
しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらのブランドイメージに関連するリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、ブランド価値の向上への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
なお、当社が過去に販売した四輪車について、型式指定申請時の認証試験に関する不適切な事案があったことを確認し、2024年5月31日に国土交通省に報告しました。
今後もコンプライアンスおよびガバナンスの強化をはかり企業活動を行っていきますが、類似した事案が発生した場合には、当社グループのブランドイメージを毀損し、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
なお、これらの事案による法務リスクについては、「(11) 法務リスク」を参照ください。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況当連結会計年度の当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。
)を取り巻く経済環境は、ウクライナ、中東および南シナ海情勢等の国際情勢や各国の通商政策など、先行きの不透明な状況が続きましたが、インフレの状況も落ち着きが見られるようになり、景気は持ち直しました。
米国では、高い金利水準の継続などに懸念があるものの、個人消費の増加により、景気は拡大しました。
欧州では、景気は一部に足踏みがみられたものの、持ち直しの動きがみられました。
アジアの景気においては、インドでは成長ペースは減速しつつも拡大、インドネシアでは緩やかに回復しました。
タイでは後半にかけて景気が弱含み、中国では持ち直しの動きに足踏みがみられました。
日本では、一部に足踏みが残ったものの、雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかに回復しました。
主な市場のうち、二輪車市場は前連結会計年度にくらべ、ブラジル、インド、ベトナム、インドネシアでは拡大しましたが、タイでは縮小となりました。
四輪車市場は前連結会計年度にくらべ、ブラジル、中国、米国、インドでは拡大しましたが、欧州、日本ではおおむね横ばい、インドネシアでは縮小、タイでは大幅に縮小となりました。
このような中で、当社グループは、一人ひとりの創造力から生まれる夢のあるモビリティや多様なサービスによって「環境負荷ゼロ社会」「交通事故ゼロ社会」を実現するとともに、「解放と拡張」という本質的な提供価値を世界中にお届けすることで、人や社会を前進させるパワーとなることをめざしており、従来より経営の重要テーマとして掲げてきた「環境」と「安全」に加え、当社グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つの非財務領域を重要テーマとして選定し、財務戦略と連携させることで社会的価値・経済的価値の創出に努めてまいりました。
研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上、モビリティの変革にむけた先進技術開発に、外部とのオープンイノベーションも活用し、積極的に取り組みました。
生産面では、生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産配置を行いました。
販売面では、新価値商品の積極的な投入や、グローバルでの商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、21兆6,887億円と前連結会計年度にくらべ6.2%の増収となりました。
 営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や研究開発費の増加および四輪製品保証見積変更影響などにより、1兆2,134億円と前連結会計年度にくらべ12.2%の減益となりました。
なお、四輪製品保証見積変更による減益影響は1,276億円となっております。
詳細については、連結財務諸表注記の「17 引当金」を参照ください。
税引前利益は、アジア地域の持分法による投資損益の減少などにより、1兆3,176億円と前連結会計年度にくらべ19.8%の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、8,358億円と前連結会計年度にくらべ24.5%の減益となりました。
事業の種類別セグメントの状況(二輪事業) Hondaグループ販売台数 ※連結売上台数 ※ 2024年3月期(千台)2025年3月期(千台)増 減(千台)増減率(%)2024年3月期(千台)2025年3月期(千台)増 減(千台)増減率(%)二輪事業計18,81920,5721,7539.312,21913,6851,46612.0 日 本241224△17△7.1241224△17△7.1 北 米4985485010.04985485010.0 欧 州440475358.0440475358.0 アジア16,01617,4781,4629.19,41610,5911,17512.5 その他1,6241,84722313.71,6241,84722313.7 二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加により、3兆6,266億円と前連結会計年度にくらべ12.6%の増収となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、6,634億円と前連結会計年度にくらべ19.3%の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。
一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
(四輪事業) Hondaグループ販売台数 ※連結売上台数 ※ 2024年3月期(千台)2025年3月期(千台)増 減(千台)増減率(%)2024年3月期(千台)2025年3月期(千台)増 減(千台)増減率(%)四輪事業計4,1093,716△393△9.62,8562,840△16△0.6 日 本595630355.9525539142.7 北 米1,6281,654261.61,6281,654261.6 欧 州10393△10△9.710393△10△9.7 アジア1,6511,182△469△28.4468397△71△15.2 その他1321572518.91321572518.9 四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、14兆1,692億円と前連結会計年度にくらべ4.4%の増収となりました。
営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や研究開発費の増加および四輪製品保証見積変更影響などにより、2,438億円と前連結会計年度にくらべ56.5%の減益となりました。
 ※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。
一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。
(金融サービス事業)金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、ローン収益の増加や為替換算による増加影響などにより、3兆5,077億円と前連結会計年度にくらべ8.0%の増収となりました。
営業利益は、増収に伴う利益の増加などにより、3,156億円と前連結会計年度にくらべ15.2%の増益となりました。
 (パワープロダクツ事業及びその他の事業) Hondaグループ販売台数/連結売上台数 ※ 2024年3月期(千台)2025年3月期(千台)増 減(千台)増減率(%)パワープロダクツ 事業計3,8123,700△112△2.9 日 本302278△24△7.9 北 米1,0831,020△63△5.8 欧 州794651△143△18.0 アジア1,2941,4131199.2 その他339338△1△0.3 パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少などにより、3,851億円と前連結会計年度にくらべ1.8%の減収となりました。
営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や為替影響などにより、94億円と前連結会計年度にくらべ5億円の悪化となりました。
なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、388億円と前連結会計年度にくらべ59億円の悪化となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。
一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。
なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。
所在地別セグメントの状況前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(単位:百万円) 日本 北米 欧州 アジア その他の地域 計 消去 連結売上収益5,392,760 12,073,777 966,320 5,009,961 1,081,946 24,524,764 △4,095,962 20,428,802営業利益(△損失)151,070 694,940 60,340 397,804 153,957 1,458,111 △76,134 1,381,977 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(単位:百万円) 日本 北米 欧州 アジア その他の地域 計 消去 連結売上収益5,584,504 13,108,269 946,224 4,896,316 1,226,224 25,761,537 △4,072,770 21,688,767営業利益(△損失)191,135 435,215 5,328 408,273 177,885 1,217,836 △4,350 1,213,486
(注) 1 国又は地域の区分の方法および各区分に属する主な国(1) 国又は地域の区分の方法……………地理的近接度によっています。

(2) 各区分に属する主な国………………北米:米国、カナダ、メキシコ欧州:英国、ドイツ、ベルギー、イタリア、フランスアジア:タイ、中国、インド、ベトナム、マレーシアその他の地域:ブラジル、オーストラリア2 各セグメントの営業利益(△損失)の算出方法は、連結損益計算書における営業利益の算出方法と一致しており、持分法による投資損益、金融収益及び金融費用および法人所得税費用を含んでいません。
3 消去の金額は、セグメント間取引消去によるものです。
(日本) 売上収益は、四輪事業における増加などにより、5兆5,845億円と前連結会計年度にくらべ3.6%の増収となりました。
営業利益は、研究開発費の増加などはあったものの、販売影響による利益増や為替影響などにより、1,911億円と前連結会計年度にくらべ26.5%の増益となりました。
(北米) 売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、13兆1,082億円と前連結会計年度にくらべ8.6%の増収となりました。
営業利益は、売価およびコスト影響による利益増はあったものの、販売影響による利益減や四輪製品保証見積変更影響などにより、4,352億円と前連結会計年度にくらべ37.4%の減益となりました。
(欧州) 売上収益は、二輪事業における増加などはあったものの、四輪事業における減少などにより、9,462億円と前連結会計年度にくらべ2.1%の減収となりました。
営業利益は、販売影響による利益減や諸経費の増加などにより、53億円と前連結会計年度にくらべ91.2%の減益となりました。
(アジア) 売上収益は、二輪事業における増加などはあったものの、四輪事業における減少などにより、4兆8,963億円と前連結会計年度にくらべ2.3%の減収となりました。
営業利益は、販売影響による利益減などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、4,082億円と前連結会計年度にくらべ2.6%の増益となりました。
(その他の地域) 売上収益は、二輪事業や四輪事業における増加などにより、1兆2,262億円と前連結会計年度にくらべ13.3%の増収となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、1,778億円と前連結会計年度にくらべ15.5%の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、4兆5,287億円と前連結会計年度末にくらべ4,257億円の減少となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、2,921億円となりました。
この営業活動によるキャッシュ・インフローは、顧客からの現金回収の増加などはあったものの、部品や原材料の支払いやオペレーティング・リース資産購入の支払いの増加などにより、前連結会計年度にくらべ4,551億円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、9,419億円となりました。
この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、その他の金融資産の売却及び償還による収入の増加などはあったものの、有形固定資産の取得による支出やその他の金融資産の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度にくらべ746億円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は、2,804億円となりました。
この財務活動によるキャッシュ・インフローは、自己株式の取得や配当金の支払いの増加などにより、前連結会計年度にくらべ6,381億円の減少となりました。
  ③ 生産、受注及び販売の状況(生産実績)セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)増減台数(千台)台数(千台)台数(千台)増減率(%)二輪事業12,56014,0101,45011.6四輪事業2,9582,875△83△2.8パワープロダクツ事業及びその他の事業2,8563,33347716.7
(注) 1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。
 2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。
 3 パワープロダクツ事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。
(受注実績)見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。
(販売実績)仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。
セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(百万円)増  減(百万円)増 減 率(%) 総 合 計20,428,80221,688,7671,259,9656.2 日 本2,242,2132,477,674235,46110.5 北 米11,713,66812,798,3611,084,6939.3 欧 州961,185938,453△22,732△2.4 アジア4,313,8104,108,992△204,818△4.7 その他1,197,9261,365,287167,36114.0 二輪事業計3,220,1683,626,603406,43512.6 日 本113,746106,632△7,114△6.3 北 米335,558347,50411,9463.6 欧 州351,851379,43227,5817.8 アジア1,793,3272,078,498285,17115.9 その他625,686714,53788,85114.2 四輪事業計13,567,56514,169,240601,6754.4 日 本1,600,6191,807,346206,72712.9 北 米8,510,2429,384,627874,38510.3 欧 州506,755459,756△46,999△9.3 アジア2,449,8021,954,479△495,323△20.2 その他500,147563,03262,88512.6 金融サービス事業計3,248,8083,507,766258,9588.0 日 本440,775474,75333,9787.7 北 米2,729,1082,938,239209,1317.7 欧 州18,12021,4063,28618.1 アジア14,71313,901△812△5.5 その他46,09259,46713,37529.0 パワープロダクツ事業 及びその他の事業計392,261385,158△7,103△1.8 日 本87,07388,9431,8702.1 北 米138,760127,991△10,769△7.8 欧 州84,45977,859△6,600△7.8 アジア55,96862,1146,14611.0 その他26,00128,2512,2508.7
(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
 
(2) 経営成績等の状況の分析当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロ社会、全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。
詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」と「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
これらの目標の実現に向けて、適切なタイミングでの戦略的な投資が必要不可欠であると考えています。
当社グループは、二輪事業および金融サービス事業に加え、四輪事業のICE/ハイブリッドモデルの安定した事業基盤を活用し、「知能化」領域への資源投入を行うとともに、EVの市場への浸透度を見定めながら、「電動化」へのリソースシフトを進めていきます。
当社グループが展開する事業は厳しい経済・社会環境下に置かれており、その収益性は様々な要因により左右されます。
足元では、米国にて新政権発足以降、追加関税をはじめとする様々な政策転換がなされており、当社グループもその動向を注視しています。
当社グループが認識している課題、リスク事象の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」「3 事業等のリスク」を参照ください。
それらへの対処の過程、結果により販売台数の増減や追加費用などが生じ、将来の収益性に重要な影響を及ぼす可能性があると考えます。
以降の経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
① 経営成績の分析当社グループの業績当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。
営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や研究開発費の増加および四輪製品保証見積変更影響などにより、減益となりました。
二輪事業の概要当連結会計年度の連結売上台数は、タイなどで販売が減少したものの、インドやベトナム、フィリピンなどで増加したことにより、1,368万5千台と前連結会計年度にくらべ12.0%の増加となりました。
四輪事業の概要当連結会計年度の連結売上台数は、アジア地域などで販売が減少したことにより、284万台と前連結会計年度にくらべ0.6%の減少となりました。
パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要当連結会計年度のパワープロダクツ事業の連結売上台数は、アジア地域で販売が増加したものの、欧州地域などで減少したことにより、370万台と前連結会計年度にくらべ2.9%の減少となりました。
(当連結会計年度の連結業績の概況)売上収益当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、21兆6,887億円と前連結会計年度にくらべ1兆2,599億円、6.2%の増収となりました。
また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約6,233億円、約3.1%の増収と試算されます。
営業費用営業費用は、20兆4,752億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,284億円、7.5%の増加となりました。
売上原価は、二輪事業における連結売上収益の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、17兆247億円と前連結会計年度にくらべ1兆81億円、6.3%の増加となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の増加や四輪製品保証見積変更影響などにより、2兆3,510億円と前連結会計年度にくらべ2,444億円、11.6%の増加となりました。
研究開発費は、1兆994億円と前連結会計年度にくらべ1,758億円、19.0%の増加となりました。
営業利益営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や研究開発費の増加および四輪製品保証見積変更影響などにより、1兆2,134億円と前連結会計年度にくらべ1,684億円、12.2%の減益となりました。
なお、為替影響約936億円の減益要因を除くと、約748億円の減益と試算されます。
ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。
なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。
・「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。
「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。
・「売価およびコスト影響」については、販売価格の変動影響、コストダウン効果および原材料価格の変動影響などを対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「販売影響」については、連結売上台数や機種構成の変化に伴う利益の変動、金融サービス事業の売上収益の変化に伴う利益の変動に加え、その他の売上総利益の変化要因を対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「諸経費」については、販売費及び一般管理費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
・「研究開発費」については、研究開発費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。
しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解いただくために有用な追加情報と考えています。
税引前利益税引前利益は、1兆3,176億円と前連結会計年度にくらべ3,247億円、19.8%の減益となりました。
営業利益の減少を除く要因は、以下のとおりです。
 持分法による投資損益は、アジア地域の持分法適用会社における利益の減少などにより、1,098億円の減益要因となりました。
 金融収益及び金融費用は、受取利息の増加などはあったものの、為替差損益の影響などにより、464億円の減益要因となりました。
なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。
法人所得税費用法人所得税費用は、4,146億円と前連結会計年度にくらべ451億円、9.8%の減少となりました。
また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より3.5ポイント高い31.5%となりました。
なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。
当期利益当期利益は、9,030億円と前連結会計年度にくらべ2,795億円、23.6%の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益親会社の所有者に帰属する当期利益は、8,358億円と前連結会計年度にくらべ2,713億円、24.5%の減益となりました。
非支配持分に帰属する当期利益非支配持分に帰属する当期利益は、671億円と前連結会計年度にくらべ82億円、10.9%の減益となりました。
(二輪事業)連結売上台数は、アジア地域で増加したことなどにより、1,368万5千台と前連結会計年度にくらべ12.0%の増加となりました。
二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加により、3兆6,266億円と前連結会計年度にくらべ4,064億円、12.6%の増収となりました。
なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。
また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約4,407億円、約13.7%の増収と試算されます。
営業費用は、2兆9,631億円と前連結会計年度にくらべ2,992億円、11.2%の増加となりました。
売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、2兆4,930億円と前連結会計年度にくらべ2,672億円、12.0%の増加となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、3,654億円と前連結会計年度にくらべ89億円、2.5%の増加となりました。
研究開発費は、1,046億円と前連結会計年度にくらべ229億円、28.1%の増加となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、6,634億円と前連結会計年度にくらべ1,072億円、19.3%の増益となりました。
日本2025年3月期二輪車総需要
(注)は、約37万台と前連結会計年度にくらべ約6%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「スーパーカブ50」の増加などはあったものの、「ダックス125」や「CT125・ハンターカブ」の減少などにより、22万4千台と前連結会計年度にくらべ7.1%の減少となりました。

(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会) 北米主要市場である米国の2024年(暦年)二輪車・ATV総需要
(注)は、約70万台と前年にくらべ約4%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主にメキシコにおいて、「Navi」の増加などにより、54万8千台と前連結会計年度にくらべ10.0%の増加となりました。

(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会) 二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(SxS)は含まない。
欧州欧州地域の2024年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約124万台と前年にくらべ約5%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「PCX」の増加などにより、47万5千台と前連結会計年度にくらべ8.0%の増加となりました。

(注) 1 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EB(注2)は含まない。
) 2 EM:Electric Moped(電動モペッド)、最高速度25km/h~50km/hのカテゴリー。
     EB:Electric Bicycle(電動自転車)、最高速度25km/h以下のカテゴリー。
     電動アシスト自転車は含まない。
アジア最大市場のインドの2024年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約1,916万台と前年にくらべ約15%の増加となりました。
その他アジア地域主要国の2024年(暦年)二輪車総需要(注2)は、インドネシアなどで販売が増加したものの、中国などで減少したことにより、約1,821万台と前年にくらべ約1%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「Activa」シリーズや「SP」シリーズの増加などにより、1,059万1千台と前連結会計年度にくらべ12.5%の増加となりました。
なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「Stylo160」や「PCX」の増加などにより、約491万台と前連結会計年度にくらべ約3%の増加となりました。

(注) 1 当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EBは含まない。
)   2 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国の7ヵ国の合計、当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EBは含まない。
) その他の地域主要市場であるブラジルの2024年(暦年)二輪車総需要
(注)は、約171万台と前年にくらべ約12%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「Biz」シリーズや「POP 110i ES」の増加などにより、184万7千台と前連結会計年度にくらべ13.7%の増加となりました。

(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会) (四輪事業)連結売上台数は、アジア地域で減少したことなどにより、284万台と前連結会計年度にくらべ0.6%の減少となりました。
四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、14兆1,692億円と前連結会計年度にくらべ6,016億円、4.4%の増収となりました。
なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。
また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約820億円、約0.6%の増収と試算されます。
セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、14兆4,678億円と前連結会計年度にくらべ6,763億円、4.9%の増収となりました。
営業費用は、14兆2,240億円と前連結会計年度にくらべ9,931億円、7.5%の増加となりました。
売上原価は、為替影響などにより、11兆5,559億円と前連結会計年度にくらべ6,459億円、5.9%の増加となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の増加や四輪製品保証見積変更影響などにより、1兆7,071億円と前連結会計年度にくらべ2,005億円、13.3%の増加となりました。
研究開発費は、9,609億円と前連結会計年度にくらべ1,466億円、18.0%の増加となりました。
営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や研究開発費の増加および四輪製品保証見積変更影響などにより、2,438億円と前連結会計年度にくらべ3,167億円、56.5%の減益となりました。
各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。
(小売販売台数ベース)パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度39%、当連結会計年度36%ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度54%、当連結会計年度56%軽自動車:前連結会計年度7%、当連結会計年度8% 四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):「ACCORD」 、「CITY」 、「CIVIC」 、「FIT」 、「INTEGRA」、「JAZZ」 ライトトラック(SUV・ミニバン等):「BREEZE」 、「CR-V」 、「ELEVATE」「FREED」 、「HR-V」 、「ODYSSEY」 、「PILOT」 、「VEZEL」 、「WR-V」、「ZR-V」軽自動車:「N-BOX」 カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。
上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。
車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。
例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックおよびパッセンジャーカーはカテゴリ平均と比較して約10%高く、軽自動車は約70%低いと試算されます。
上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。
日本2025年3月期四輪車総需要(注1)は、約457万台と前連結会計年度にくらべ約1%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、「WR-V」の増加などにより、53万9千台と前連結会計年度にくらべ2.7%の増加となりました。
当連結会計年度の生産台数は、69万3千台と前連結会計年度にくらべ2.0%の減少となりました。

(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。
北米主要市場である米国の2024年(暦年)四輪車総需要
(注)は、約1,604万台と前年にくらべ約3%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、「PROLOGUE」や「CIVIC」が増加したことなどにより、165万4千台と前連結会計年度にくらべ1.6%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域での生産台数は、160万8千台と前連結会計年度にくらべ0.6%の増加となりました。

(注) 出典:Autodata 欧州欧州地域の2024年(暦年)四輪車総需要
(注)は、約1,296万台と前年にくらべ約1%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「ZR-V」の減少などにより、9万3千台と前連結会計年度にくらべ9.7%の減少となりました。

(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU27ヵ国、EFTA3ヵ国、英国) アジアアジア主要市場の2024年(暦年)四輪車総需要(注1)は、タイやインドネシアで減少したものの、インドやフィリピンなどで増加したことにより、約890万台と前年にくらべ約1%の増加となりました。
中国の2024年(暦年)四輪車総需要(注2)は、約3,143万台と前年にくらべ約4%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「BR-V」や「WR-V」の減少などにより、39万7千台と前連結会計年度にくらべ15.2%の減少となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「CIVIC」の減少などにより、78万6千台と前連結会計年度にくらべ33.7%の大幅な減少となりました。
アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数(注3)は、47万6千台と前連結会計年度にくらべ14.8%の減少となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は76万8千台と前連結会計年度にくらべ33.9%の大幅な減少となりました。

(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、パキスタン、台湾の合計、当社調べ2 出典:CAAM(中国汽車工業協会)3 タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、インド、パキスタン、台湾の合計 その他の地域主要市場であるブラジルの2024年(暦年)の四輪車総需要
(注)は、約248万台と前年にくらべ約14%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「CITY」の増加などにより、15万7千台と前連結会計年度にくらべ18.9%の増加となりました。
当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、9万9千台と前連結会計年度にくらべ27.0%の大幅な増加となりました。

(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車) (金融サービス事業)当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。
 金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、14兆6,768億円と前連結会計年度末にくらべ1兆2,987億円、9.7%の増加となりました。
また、前連結会計年度末の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約1兆5,613億円、約11.7%の増加と試算されます。
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、ローン収益の増加や為替換算による増加影響などにより、3兆5,077億円と前連結会計年度にくらべ2,589億円、8.0%の増収となりました。
また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,159億円、約3.6%の増収と試算されます。
セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、3兆5,122億円と前連結会計年度にくらべ2,604億円、8.0%の増収となりました。
営業費用は、3兆1,965億円と前連結会計年度にくらべ2,187億円、7.3%の増加となりました。
売上原価は、ローン収益の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、2兆9,851億円と前連結会計年度にくらべ1,797億円、6.4%の増加となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、2,114億円と前連結会計年度にくらべ390億円、22.7%の増加となりました。
営業利益は、増収に伴う利益の増加などにより、3,156億円と前連結会計年度にくらべ416億円、15.2%の増益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)パワープロダクツ事業の連結売上台数は、アジア地域で増加したものの、欧州地域で減少したことなどにより、370万台と前連結会計年度にくらべ2.9%の減少となりました。
パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少などにより、3,851億円と前連結会計年度にくらべ71億円、1.8%の減収となりました。
また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約152億円、約3.9%の減収と試算されます。
セグメント間取引を含むパワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、4,146億円と前連結会計年度にくらべ77億円、1.8%の減収となりました。
営業費用は、4,240億円と前連結会計年度にくらべ71億円、1.7%の減少となりました。
売上原価は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の減少に伴う費用の減少などにより、3,232億円と前連結会計年度にくらべ92億円、2.8%の減少となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の減少などにより、669億円と前連結会計年度にくらべ40億円、5.7%の減少となりました。
研究開発費は、338億円と前連結会計年度にくらべ61億円、22.4%の増加となりました。
営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や為替影響などにより、94億円と前連結会計年度にくらべ5億円の悪化となりました。
なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、388億円と前連結会計年度にくらべ59億円の悪化となりました。
日本当連結会計年度の連結売上台数は、発電機が減少したことなどにより、27万8千台と前連結会計年度にくらべ7.9%の減少となりました。
北米当連結会計年度の連結売上台数は、芝刈機が減少したことなどにより、102万台と前連結会計年度にくらべ5.8%の減少となりました。
欧州当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジン
(注)が減少したことなどにより、65万1千台と前連結会計年度にくらべ18.0%の減少となりました。

(注) 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン(OEM:Original Equipment Manufacturer) アジア当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが増加したことなどにより、141万3千台と前連結会計年度にくらべ9.2%の増加となりました。
その他の地域当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、33万8千台と前連結会計年度にくらべ0.3%の減少となりました。
② 重要な会計上の見積り当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。
実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。
会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、連結財務諸表注記の「2 作成の基礎 (5) 見積りおよび判断の利用」を参照ください。
③ 流動性と資金の源泉(資金需要、源泉、使途に関する概要)当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。
当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。
生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。
また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。
また、当社グループは、総合モビリティカンパニーとして、一人ひとりの創造力から生まれる夢のあるモビリティや多様なサービスによって「環境負荷ゼロ社会」「交通事故ゼロ社会」を実現するとともに、2023年にグローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams」を再定義して明確に示した「時間や空間といったさまざまな制約から人々を解放し(Transcend)、また人の能力と可能性を拡張する(Augment)」という本質的な提供価値を世界中にお届けすることで、人や社会を前進させるパワーとなることをめざしていきます。
こうした環境・安全の実現に向けて事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分を実施していきます。
なお、2024年5月に発表した、電動化戦略の実現に向けた設備投資、出資と研究開発支出など合わせて10兆円の投入資源については、カナダでのEVの包括的バリューチェーン構築の2年程度延期などにより、2031年3月期までの間で合計3兆円を減額し、総額7兆円へ見直しを行いました。
上記取り組みに関する資源配分の計画に関しては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑥ 経済的価値の向上 1.事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分」を参照ください。
 生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金および社債の発行などによりまかなっております。
なお、当社は、2022年3月期において、環境と安全への取り組みに対する支出の一部を社債発行により調達するためのサステナブル・ファイナンス・フレームワークを設定し、資金使途をそのフレームワークに準じた環境事業に限定する米ドル建てグリーンボンドを、総額27.5億米ドル発行しました。
当連結会計年度末の米ドル建てグリーンボンドの債務残高は17.5億米ドルです。
これらを踏まえ、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。
これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は6,459億円となっています。
また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。
これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は11兆855億円となっています。
当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。
今後も必要資金と手元資金の状況を鑑みながら、必要に応じて資金調達を検討していきます。
(流動性)当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物4兆5,287億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.5ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。
このため、特に当連結会計年度末で1兆7,971億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆4,339億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。
さらに、有価証券報告書提出日現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。
資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。
また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2025年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。
信用格付短期格付長期格付ムーディーズ・インベスターズ・サービスP-2A3スタンダード・アンド・プアーズA-2A-格付投資情報センターa-1+AA なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。
各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。
これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。
また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。
④ 簿外取引(貸出コミットメント)当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。
当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、1,273億円です。
これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。
(従業員の債務に対する保証)当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン42億円を保証しています。
従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。
債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。
2025年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られた損失はありません。
⑤ 契約上の債務当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。
期間別支払金額(百万円)合計1年以内1~3年3~5年それ以降資金調達に係る債務12,396,0094,819,1784,712,5661,618,6251,245,640その他の金融負債662,395184,839172,18182,323223,052発注残高およびその他契約残高(注1)120,744112,4828,147115-確定給付制度への拠出(注2)45,50445,504---合計13,224,6525,162,0034,892,8941,701,0631,468,692
(注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。
 2 2027年3月期以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。
⑥ 市場リスクに関する定量および定性情報の開示連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理
(2) 市場リスク」を参照ください。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社および連結子会社の研究開発は、先進の技術によって、個性的で国際競争力のある商品群を生み出すことを目的としています。
製品に関する研究開発につきましては、当社のほか、㈱本田技術研究所、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、また、生産技術に関する研究開発につきましては、当社のほか、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、それぞれ現地に密着した研究開発を行っています。
当社は電動事業のさらなる強化、加速をはかるため、電動事業の強化に向けて2022年4月に発足した事業開発本部をベースとし、電動事業開発本部を発足しました。
この本部に、四輪事業に関わる事業戦略機能とEVの商品開発機能、ならびに二輪・パワープロダクツ事業に関わる電動領域の戦略および開発機能を集約し、「電動事業のさらなる加速」とモビリティの拡がりによる「新たな価値創造」の実現をめざしていきます。
当連結会計年度に発生した研究開発支出は、1兆2,106億円となりました。
また、当社および連結子会社では研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。
連結損益計算書に計上されている研究開発費の詳細については、連結財務諸表注記の「21 研究開発費」を参照ください。
セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(二輪事業)二輪事業では、「チャレンジする組織風土を最大化し、今後の環境変化を乗り越え、手の届く価格で、お客様に喜んでもらえる商品を創造し続けられるものづくり集団となる」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、クラッチコントロールを自動制御することで、ライダーの手動によるクラッチレバー操作を不要とした、「Honda E-Clutch」を搭載する、「CB650R E-Clutch」「CBR650R E-Clutch」をタイプ設定し、2024年6月に日本、2024年9月に米国にて発売しました。
「Honda E-Clutch」は、発進、変速、停止など、駆動力が変化するシーンで、ライダーのクラッチレバー操作を必要とせず、最適なクラッチコントロールを自動制御することで、違和感のないスムーズなライディングを実現する電子制御技術です。
また、ライダーの要求に幅広く対応するため、電子制御によるクラッチコントロール中でも、ライダーがクラッチレバー操作を行えば、通常のマニュアルトランスミッション車と同様、手動によるクラッチコントロールを行えるようにしています。
また、「X-ADV」はHonda二輪車として初めて、着色済みのバイオエンジニアリングプラスチックを外装の一部に採用することにより、省資源化や製造工程におけるCO2削減(注1)に寄与しています。
加えて、販売店から回収したHonda四輪車の廃棄バンパーや自動車、家電などの製造過程において発生する余分な樹脂をリサイクル材として使用しています。
さらに、 2024年11月にイタリア・ミラノで開催された「EICMA 2024」にて発表した「PCX」は、日本をはじめとした先進国やインドネシア、タイなど、グローバルで販売を開始しました。
「PCX」にはアバンギャルドで流麗なデザインを採用し、新形状のヘッドライトにはバイファンクション機能付きシグネチャーを搭載しました。
さらに、海外のお客様に向けて新たに追加されたデラックスバージョンでは、スマートフォンと接続することで、通話やナビゲーション機能などを利用できるHonda独自のサービス「Honda RoadSync」、5-inch TFTメーター、アップグレードされたサブタンク付きリアサスペンションを搭載し、お客様の幅広いニーズに対応しました。
加えて、二輪車として世界で初めて(注2)「電動過給機」付き新型V型3気筒エンジンを搭載したコンセプトモデルを初公開しました。
二輪車として世界初の電動過給機を採用し、エンジン回転数に関わらず任意に過給をコントロールする事で、低回転からハイ・レスポンスなトルクデザインを実現しています。
加えてスペースが限られている二輪車において、自由度高く配置可能な特徴を活かしてマスを集中化し、インタークーラーを必要としない設計を行う事で軽量化にも貢献しています。
今後、HondaのFUNモデルへの適用を予定しており、量産化に向け、引き続き開発を行っていきます。
「環境負荷ゼロ社会の実現」へ向けた取り組みとして、2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目標にしています。
この目標を達成するため、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでおり、2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪市場への参入を本格化しています。
2024年10月にインドネシアにおいて、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」2個を動力用電源に採用した「CUV e:」、固定式バッテリーを搭載した「ICON e:」の電動二輪パーソナルコミューター2機種を発表しました。
「CUV e:」は、Honda独自開発の自社製モーターを採用し、磁気回路と構造の最適化により高効率化を図ることで、航続距離向上に寄与しています。
また、バイクとスマートフォンをBluetoothで接続することで、通話やナビゲーション機能などを利用できるHonda独自のサービス、「Honda RoadSync Duo」を装備したタイプも設定しています。
「ICON e:」では、後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用し、パワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの走行距離50km以上(注3)を実現しました。
「CUV e:」と「ICON e:」は、両モデルともインドネシア国内での生産を予定しており、それぞれの地域のニーズに応じて適切な場所で生産をするとともに、インドネシアを皮切りにグローバルに展開していきます。
また、電動コミューターのラインアップの強化により、「Honda Mobile Power Pack e:」 搭載モデルのみならず、固定式バッテリー搭載モデルも加わることで、今後もお客様の求めに応じて多様な選択肢を増し、電動二輪車をより身近なものにしていきます。
また、2024年11月にインドにおいて、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」2個を動力用電源に採用した「ACTIVA e:」、固定式バッテリーを搭載した「QC1」の電動二輪パーソナルコミューター2機種を発表しました。
「ACTIVA e:」は、Honda独自開発の自社製モーターを採用し、定格出力4.2kW、最大出力6.0kW、また磁気回路と構造の最適化により高効率化を図ることで、日常の使い勝手に十分な航続距離102km(注3)を実現しています。
さらに、バイクとスマートフォンをBluetooth接続することで、通話やナビゲーション機能などを利用できるHonda独自のサービス、「Honda RoadSync Duo」を装備したタイプも設定しています。
「QC1」では、後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用し、定格出力1.2kW、最大出力1.8kW、またパワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの航続距離は80km(注3)を実現しています。
「ACTIVA e:」と「QC1」は、両モデルともインド国内での生産となり、インド市場で高まる電動モビリティへのニーズに応じて電動コミューターのラインアップを強化していきます。
また、インドの主要3都市(ベンガルール、デリー首都圏、ムンバイ)において、ホンダパワーパックエナジーインディアプライベート・リミテッドがバッテリーシェアリングサービス「Honda e:Swap」を展開し、お客様により安心な移動体験を提供します。
さらに、2024年11月にイタリア・ミラノで開催された「EICMA 2024」にて、電動二輪車のコンセプトモデル「EV Fun Concept」、「EV Urban Concept」を初公開しました。
「EV Fun Concept」では、Hondaの四輪車とパワープロダクツで培ったノウハウと技術を応用し、 「EV Fun Concept」のシステムおよび充電機能を構築しました。
加えて、バッテリーは四輪車と同じ規格の急速充電器「CCS2(注4)」に対応し、軽さとのバランスを最適化して、急速充電に対応するとともに、街中での使い勝手に必要十分な航続距離100km以上を想定して開発しており、2025年に投入を予定しています。
また、「EV Urban Concept」では、機能を研ぎ澄ますことで生まれる本質的かつ精緻なスタイリングデザインや直感的なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、ソフトとハードの融合が生み出す新しい体験によって、人や社会と協調・共鳴していく近未来のモビリティの姿を具現化しました。
より多くのお客様へ移動の自由を開放するとともに、お客様一人ひとりのモビリティライフの可能性を拡張することをめざします。
モータースポーツでも、2024 MFJ全日本トライアル選手権シリーズに、㈱ホンダ・レーシングが運営するワークスチーム(注5)「Team HRC」として、電動トライアルバイク「RTL ELECTRIC」で参戦するなど、新たな電動二輪車レースに挑戦することで、技術の強化を進めていきます。
二輪事業に係る研究開発支出は、1,035億円となりました。

(注) 1 塗装の工程がなくなることによりCO2削減に寄与しています2 当社調べ(2024年11月時点)3 当社テスト値4 Combined Charging System Type2の略称、電気自動車急速充電器用コネクターの仕様5 マシンを製造しているメーカーが運営しているチーム (四輪事業)四輪事業では、「魅力ある強い商品のために総合力を発揮し、ものづくりプロセスの深化により、四輪事業を永続的に成長させる」を方針として研究開発に取り組んでまいりました。
主な成果として、2024年6月に3代目となる新型「FREED」を発売しました。
新型「FREED」では、「FREED」ならではの取り回しのしやすいボディーサイズを維持するため、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載による全長の拡大を45mm(注1)に留めました。
また、1列目のシート形状を工夫し、ウォークスルーや2列目シートへのアクセス性を向上するなど、さらに使い勝手を高めています。
新型「FREED」は、2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー(主催:日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会)で「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
2024年12月には独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」の次世代技術を公開した「Honda e:HEV事業・技術取材会」を開催しました。
「e:HEV」の特性を生かしながら、ドライバーとクルマの一体感を際立たせる「操る喜び」を追求した新機能「Honda S+ Shift」を新たに追加し、2025年に発売予定の「PRELUDE」を皮切りに順次搭載していきます。
また、次世代「e:HEV」では、小型・中型それぞれのシステムにおいて、エンジン、ドライブユニットをはじめとする構成部品および制御技術の刷新を行い、環境性能と走行性能のさらなる向上をめざします。
「環境負荷ゼロ社会の実現」へ向けた取り組みとして、当社グループは2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げ、各地域の市場特性にあわせたEVの投入を進めています。
2024年10月に新型軽商用EV「N-VAN e:」を発売しました。
「N-VAN e:」は、大容量バッテリーの採用、電動アクスルの小型化、高電圧部品の集中配置による部品占有スペースの最小化などにより、商用ユースに求められる実用航続距離と大容量の荷室空間の両立をめざしました。
主な商用ユースの一つである配送業務にも十分対応する一充電走行距離として、WLTCモードで245km(注2)を実現したほか、充電時間は普通充電(6.0kW出力)(注3)で約4.5時間、急速充電(50kW)(注4)で約30分と、利便性も追求しています。
さらに、バッテリー冷却・加温システムにより、高温や低温によるバッテリーの性能低下を抑制し、特に冬季における充電時間の短縮と航続距離の向上に寄与します。
北米においては、2025年1月に米国ネバダ州ラスベガス市で開催された「CES 2025」において、2026年にグローバル市場への投入を開始するEV「Honda 0 シリーズ」の「Honda 0 SALOON」、「Honda 0 SUV」のプロトタイプを世界初公開するとともに、「Honda 0 シリーズ」に搭載する独自のビークルOS「ASIMO OS」を発表しました。
シリーズのフラッグシップである「Honda 0 SALOON」は、新開発のEV専用アーキテクチャーをベースに、「Honda 0 シリーズ」の開発アプローチである「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を具現化する数々の次世代技術を搭載します。
「CES 2025」ではその中でも、Hondaが世界で初めて実用化した自動運転(AD)レベル3技術に裏打ちされる信頼性の高い自動運転技術や、「ASIMO OS」によりユーザー一人ひとりに“超・個人最適化”された移動体験など、「Honda 0 SALOON」における“Wise”の一端を紹介しています。
「Honda 0 SALOON」の量産モデルは今後、北米市場へ投入し、その後、日本や欧州などグローバルへの展開を予定しています。
さらに、「Honda 0 シリーズ」の第1弾となる、中型SUVのプロトタイプ「Honda 0 SUV」は、「Thin, Light, and Wise.」のアプローチをSUVに適用することで、空間の広さを一層拡張し、開放的な視界と自由度の高い広々とした居住空間を実現しました。
「ASIMO OS」がもたらす、ユーザー一人ひとりに“超・個人最適化”され、進化し続ける空間価値やデジタルUXを実現するとともに、Honda独自のロボティクス技術で培った、3次元ジャイロセンサーを用いた高精度の姿勢推定と安定化制御などにより、さまざまな路面環境において安心で意のままのダイナミクスを実現します。
「Honda 0 SUV」の量産モデルは、今後、北米市場へ投入し、その後日本や欧州などグローバル各地域へ展開していきます。
「ASIMO OS」は、ソフトウェアプラットフォームとして、AD(自動運転)/ ADAS(先進運転支援システム)やIVI (In-Vehicle Infotainment:車載インフォテイメント)などのクルマのシステムを制御するECU (Electronic Control Unit)を統合的にコントロールします。
この「ASIMO OS」を基盤として車載ソフトウェアを常にアップデートすることで、移動に楽しさや快適性をもたらす空間価値やデジタルUX、人車一体の操る喜びを司るHonda独自のダイナミクス統合制御などの機能やサービスを、車両を販売した後も、OTA(Over The Air)を通じ、ユーザー一人ひとりの嗜好やニーズに合わせて進化させていきます。
例えばAD技術において、「Honda 0 シリーズ」では、まず高速道路での渋滞時アイズオフから自動運転技術を搭載し、OTAによる機能アップデートを通じて、運転支援・ADレベル3適用の範囲を拡大していきます。
自動運転レベル3では、運転主体が人からクルマへと変わり、映画鑑賞やリモート会議など、これまでにはできなかった「ドライバーによる移動中のセカンドタスク」が可能となります。
Hondaは、この技術を進化させることで、「交通事故死者ゼロ」の実現に向けて取り組むとともに、世界に先駆けて全域アイズオフを実現し、移動の新たな可能性を切り開きます。
「ASIMO OS」は、「Honda 0 SUV」や「Honda 0 SALOON」の量産モデルを含む、「Honda 0 シリーズ」の各モデルへの搭載を予定しています。
Hondaは、これからもカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを推進していきます。
四輪事業に係る研究開発支出は、1兆742億円となりました。

(注) 1 3列シートの場合2 一充電走行距離は定められた試験条件での値 WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード3 普通充電は、充電残量警告灯が点灯した時点から、満充電までのおおよその時間4 急速充電は、充電残量警告灯が点火した時点から、充電量80%までのおおよその時間 (パワープロダクツ事業及びその他の事業)パワープロダクツ事業では、「暮らしの“未来”を創造し「役立ち」と「喜び」を更なる高みへ」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2025年2月に米国・マイアミで開催された「マイアミ国際ボートショー2025」にて、モデルチェンジした大型船外機「BF250」「BF225」「BF200」「BF150」「BF140」「BF135」「BF115」の7機種を世界初公開しました。
機能面においては、操船サポート機能を充実させ、操船用品の拡充として「電子制御リモートコントロールシステム(DBW)新型フラッシュマウントリモコン」と「7インチ大型マルチファンクションディスプレイ」を新たに設定しました。
また、人間工学に基づいてデザインされたグリップ形状や、大型ディスプレイにより、直感的な操作を可能としています。
加えて、船外機のエンジン回転数や速度に合わせて、あらかじめ設定した船体姿勢へ自動制御することで、より簡単で快適な操船を実現する「トリムサポート機能」や「クルーズコントロール機能」に加え、自動で船外機本体のフルチルトアップ/ダウン(注1)をおこなう「オートマチックチルト機能」を装備するなど、スムーズで快適な航行を実現しています。
さらに、新型「BF250」「BF225」「BF200」は、O₂センサーを採用することで空燃比制御の高精度化を実現し、燃費・環境性能をクラストップレベル(注2)だった従来モデルに対してさらに向上させました。
また、オイルフィルター交換時、エンジンカバー内へのオイル漏れを防ぐ機構を追加し、メンテナンス時の作業性を高めています。
なお、これらの製品は2025年半ばから日本、北米、欧州やアジア地域で順次発売する予定です。
船外機以外については、2024年7月にロボット芝刈機/草刈機「Miimo」シリーズの改良モデル「Miimo HRM2500 Live」と「Grass Miimo HRM4000 Live」を発売しました。
従来モデルでご好評をいただいている刈取性能、走破性はそのままに、新モデルでは、エリアワイヤーを識別する信号を1種類から4種類に増やし、隣接する複数の作業エリアを識別できるようにしました。
これにより、これまで2台以上の「Miimo」シリーズを同時に使用する際に発生していた刈り残しが発生せず、より広範囲の芝刈り・草刈りを手間なく行いたいというニーズに応えました。
さらに、2024年10月に米国・ルイビルで開催された「Equip Exposition 2024」にて、電動歩行型芝刈機「HRN」「HRX」「HRC」を発表しました。
「HRN」「HRX」「HRC」は空冷ブラシレス電動モーターを搭載しており、モーター内部の主要部品に新鮮な空気を送り込むことで、モーターが低温に保たれ、屋外の厳しい運転条件下でも優れた性能を発揮します。
このモーターは高トルクを発揮して回転数を維持するため、きれいで均一なカットが可能であり、中程度の消費電力でありながら、高い出力を実現しています。
なお、「HRN」「HRX」「HRC」は2025年の投入を予定しています。
また、汎用エンジンについては、2024年10月より単気筒「GX」シリーズのハイエンドモデルとなる「GX430」の生産を開始しました。
排気量425cm3の「GX430」は、「GX」シリーズの耐久信頼性と従来の「GX390」との搭載互換性を有するサイズを保ちながら、クラストップクラスの出力性能を実現しました。
建機、農機、発電機等の一般搭載用とし、高圧縮比化と吸排気ポート形状の見直しにより現「GX390」比+10%の高出力化を実現しています。
さらに、排気量アップによる燃料消費増加を、吸排気システムおよびクーリングファンなどの冷却システムの工夫により、現「GX390」同等レベルにまで抑えました。
排ガス規制対応は中国排ガス規制第二段階の認可取得済であり、今後、国内向け日本陸内用内燃機関協会三次規制に適合予定です。
加えて、東南アジアや南米、特にタイやフィリピン市場でご好評をいただいているロングテールボート搭載専用仕様としてより高出力タイプを設定しました。
「環境負荷ゼロ社会の実現」へ向けた取り組みとして、2025年2月より1年間の予定で、スウェーデンで交換式バッテリー搭載電動二輪車のレンタルおよびシェアリングサービスを展開するGoCimoとスウェーデンのマルメ市においてバッテリーシェアリングサービスの実証実験を実施しています。
Hondaが欧州で販売する電動二輪コミューター「EM1 e:」を用いて、マルメ市内3カ所に設置するバッテリー交換ステーション「Honda Power Pack Exchanger e:」で、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」のバッテリーシェアリングサービスの検証を行っています。
この取り組みを皮切りに、欧州の大都市で法人ユーザー向けを中心にHondaの製品を用いたバッテリーシェアリングサービスを拡大していくことで、欧州における二輪車の電動化促進と、交換式バッテリーの普及をめざし、モビリティの電動化をサポートするとともに、低炭素社会の実現に貢献していきます。
航空機においては、Honda独自の最先端技術を開発して、空の世界においても新しい価値を創造し、長期的な観点から航空機ビジネスを成長させていくためのビジネス基盤の構築をしてまいりました。
2024年10月に最新型機「HondaJet Elite II」のオートスロットル機能について、米国連邦航空局(FAA)より認証を取得しました。
これにより「HondaJet Elite II」は、ベリーライトジェットカテゴリー内のツインエンジンジェット機として、オートスロットル機能を搭載する世界初のモデルとなります。
オートスロットル機能は、パイロットが設定した条件に合わせてエンジンの出力や機体のスピードなどを自動的に調整するシステムです。
離陸時から着陸時まで、飛行中のさまざまな状況でシステムによる制御がパイロットのスロットル操作をサポートすることで、パイロットの作業負荷を大きく軽減するとともに、乗客の皆様の搭乗体験をより快適なものとします。
今回のFAA認可を受け、まず米国向けの機体にオートスロットル機能が新たに導入されます。
また、今後、日本を含む他の国と地域でもオートスロットル機能の導入を検討していきます。
また、2025年2月に米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市内の生産工場にて、新型小型ビジネスジェット機「HondaJet Echelon」の型式認定用テスト機の製造を開始しました。
今後の「HondaJet Echelon」型式認定用テスト機の製造、および将来の量産開始を見据え、生産工場内に「HondaJet Echelon」専用の生産ライン開設を進めており、2024年末には、各工程で使用する主要設備の搬入を完了しています。
さらに、2025年1月には、ASITF(Advanced Systems Integrated Test Facility:システム統合検証施設)内のフライトシミュレーターによる初飛行を行い、飛行制御システムなど、主要な航空機システムの検証を開始しました。
今後は、型式認定用テスト機の初飛行および型式証明取得に向けた取り組みを加速していきます。
パワープロダクツ事業及びその他の事業に係る研究開発支出は、328億円となりました。

(注) 1 船外機を水面から引き上げる、または操船可能な角度に船外機を調整するための操作2 当社調べ(2025年2月時点) 次世代技術分野においては、量産化に向けて独自に研究開発を進めている全固体電池のパイロットラインを、栃木県さくら市の本田技術研究所(栃木Sakura)の敷地内に建設し、2024年11月に初公開しました。
パイロットラインの延床面積は約27,400㎡で、電極材の秤量・混練から、塗工、ロールプレス、セルの組み立て、化成、モジュールの組み立てまでの各工程の検証が可能な設備を備えています。
従来の液体リチウムイオン電池の製造プロセスをベースにしながら、全固体電池特有の工程となる固体電解質層の緻密化に寄与し連続加工が可能な、ロールプレス方式を採用することで、電極界面との密着性を高めるとともに生産性の向上をめざしています。
さらに、正極と負極の一体化を含む一連の組み立てプロセスを集約するとともに高速化することにより、1セルあたりの製造時間の大幅な短縮をめざします。
また、作業の安全性や電池性能の確保に必要な低露点環境を最小化する生産管理技術を構築するなど、使用電力をはじめとした間接コスト低減にも取り組んでいます。
今後、このパイロットラインで量産プロセスの確立に向けた技術検証を行いながら、並行してバッテリーセルの基本仕様を決定し、2020年代後半に投入する電動モデルへの搭載をめざします。
2025年2月に開催された「H2&FC EXPO(春)~第23回 水素・燃料電池展~」にて、2028年3月期に量産開始予定の「次世代燃料電池モジュール」、ならびに2026年に生産開始予定の燃料電池定置電源について、それぞれ仕様およびスペックを世界初公開しました。
「次世代燃料電池モジュール」は、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した現行モデルの次世代となるモデルで、当社グループが独自に開発した燃料電池モジュールです。
定格出力150kWを実現するほか、現行モデルに対して製造コストを半減し、耐久性を2倍以上に向上します。
また、容積出力密度
(注)を3倍以上に高めて小型化を実現したことで、搭載レイアウトの自由度が向上しています。
当社グループは、「次世代燃料電池モジュール」の搭載・適用ドメインや販売地域を拡大していくことで、持続可能なエネルギー社会の実現へのさらなる貢献をめざしていきます。
また、2026年に生産開始を予定している燃料電池定置電源は、Hondaの燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」にも搭載されている燃料電池を活用し、工場や事業所などの大型施設向けに水素由来のクリーンな電力を供給する定置型蓄電システムです。
冷却システムや内部レイアウトの設計を最適化することでコンパクトなサイズを実現し、お客様の設置環境に柔軟に対応します。
加えて、信頼性の高いバックアップ電力を迅速に提供するために、起動から10秒以内に電力の供給を開始する高い応答性をめざしています。
当社グループは、本製品を通じてお客様の多様な電力ニーズに対応する電力を供給することはもちろん、製品の導入からアフターサービスまで幅広い支援を行い、お客様の脱炭素化に貢献していきます。
 なお、これらの取り組みに係る研究開発支出は各事業に配分されています。

(注) 単位容積あたりから出力できる電気エネルギー 当連結会計年度末時点において、当社および連結子会社は、国内で11,800件以上、海外で25,400件以上の特許権を保有しています。
また、出願中の特許が国内で4,700件以上、海外で10,600件以上あります。
当社および連結子会社は、特許の重要性を認識していますが、特許のうちのいくつか、または、関連する一連の特許が終了または失効したとしても、当社および連結子会社の経営に重要な影響を及ぼすことはないと考えています。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度は、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などを行いました。
なお、当連結会計年度の設備投資実施額は537,427百万円となり、前連結会計年度にくらべ149,441百万円増加しました。
セグメントごとの設備投資は、以下のとおりです。
セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(百万円)二輪事業57,24475,156四輪事業315,524445,707金融サービス事業561149パワープロダクツ事業及びその他の事業14,65716,415合計387,986537,427 オペレーティング・リース資産(外数)2,448,4693,134,025
(注) 上記の表には、無形資産を含めていません。
二輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などにより75,156百万円の設備投資を実施しました。
四輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などにより445,707百万円の設備投資を実施しました。
金融サービス事業では、149百万円、パワープロダクツ事業及びその他の事業では、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに研究開発施設の拡充などにより16,415百万円の設備投資を実施しました。
オペレーティング・リース資産については、主に金融サービス事業におけるリース車両の取得により、3,134,025百万円の設備投資を実施しました。
なお、設備の除却、売却等については、重要なものはありません。
 
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当連結会計年度末における当社および連結子会社の主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社事業所名主な所在地従業員数(名)セグメントの名称設備の内容土地面積(千㎡)帳簿価額土地(百万円)建物及び構築物(百万円)機械装置及び備品(百万円)合計(百万円)埼玉製作所埼玉県大里郡 寄居町3,847四輪事業製造設備等1,507(28)24,93952,45827,336104,733鈴鹿製作所三重県鈴鹿市5,407四輪事業製造設備等1,155(103)6,28527,95142,01376,249トランスミッション製造部および細江船外機工場静岡県浜松市1,835四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等373(78)4,0639,42417,32130,808熊本製作所熊本県菊池郡大津町2,497二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等1,6422,82610,96411,50725,297本社他東京都港区他18,502二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業管理施設貸与資産及び研究開発用設備等20,414(792)300,584157,17163,824521,579合計-32,088--25,091(1,001)338,697257,968162,001758,666
(2) 国内子会社会社名主な所在地従業員数(名)セグメントの名称設備の内容土地面積(千㎡)帳簿価額土地(百万円)建物及び構築物(百万円)機械装置及び備品(百万円)合計(百万円)㈱本田技術研究所栃木県芳賀郡芳賀町4,176二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業研究開発用設備等-(9)017,74236,46054,202  (3) 在外子会社会社名主な所在地従業員数(名)セグメントの名称設備の内容土地面積(千㎡)帳簿価額土地(百万円)建物及び構築物(百万円)機械装置及び備品(百万円)合計(百万円)アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッド米国カリフォルニア州トーランス5,613二輪事業四輪事業金融サービス事業パワープロダクツ事業及びその他の事業管理施設販売施設製造及び研究開発用設備等25,196(555)12,72170,00972,125154,855ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー米国オハイオ州メアリズビル22,073四輪事業製造及び研究開発用設備等51,096(6)26,134184,140350,458560,732ホンダカナダ・インコーポレーテッドカナダオンタリオ州アリストン5,278二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等3,9277,98528,16353,90290,050ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイメキシコグアナファト州セラヤ6,665二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等6,9397,15639,79445,43992,389本田汽車零部件製造有限公司中国佛山市1,674四輪事業製造設備等-(392)-5,86820,70726,575ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッドインドグルグラム8,214二輪事業製造設備等1,083(796)5,40822,34240,83568,585ホンダカーズインディア・リミテッドインドタプカラ2,409二輪事業四輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等-(2,648)4,51113,81930,02648,356ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーターインドネシアカラワン2,540四輪事業製造設備等785(40)4,1138,11910,95823,190ホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッドタイアユタヤ3,642四輪事業製造設備等3,455(23)12,79934,18028,79675,775タイホンダカンパニー・リミテッドタイバンコク3,744二輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等434(14)10,05811,40915,35536,822ホンダベトナムカンパニー・リミテッドベトナムフックイエン5,732二輪事業四輪事業製造設備等28(1,174)2,3235,96215,85424,139モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダブラジルマナウス8,199二輪事業パワープロダクツ事業及びその他の事業製造設備等11,1592,91018,73024,40346,043
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定は含まれていません。
2 提出会社には、㈱本田技術研究所などの連結子会社に対する土地、建物などの賃貸物件が含まれています。
3 連結会社以外の者から賃借している主な設備には、店舗、社宅および駐車場などがあります。
 なお、提出会社および子会社が連結会社以外の者から賃借している土地面積については、上記の表の( )内に記載しており、外数です。
4 連結会社以外の者に賃貸している重要な設備はありません。
5 国内子会社および在外子会社の帳簿価額については、IFRSに基づく数値を記載しています。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
次連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の設備投資は620,000百万円を計画しています。
新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などを計画しています。
セグメントごとの設備投資計画は、以下のとおりです。
セグメントの名称投資予定金額(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)(百万円)二輪事業109,300四輪事業492,000金融サービス事業1,300パワープロダクツ事業及びその他の事業17,400合計620,000
(注) 1 経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
2 所要資金については主に自己資金および借入金などで充当する予定です。
3 オペレーティング・リースに係る設備投資は、上記の金融サービス事業における設備投資計画に含まれていません。
4 上記の表には、無形資産を含めていません。
二輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などに、109,300百万円の設備投資を計画しています。
四輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などに、492,000百万円の設備投資を計画しています。
金融サービス事業では、1,300百万円、パワープロダクツ事業及びその他の事業では、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに研究開発施設の拡充などに、17,400百万円の設備投資を計画しています。
当連結会計年度において、新たに確定した重要な設備の新設、除却等にかかる計画はありません。
研究開発費、研究開発活動32,800,000,000
設備投資額、設備投資等の概要16,415,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況45
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況21
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,955,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を得ることを目的とする株式を純投資目的である投資株式として区分し、それ以外の株式を保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式として区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式については、中長期的な観点で、取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスクなどを定性、定量両面から検証し、株式保有の必要性を判断しています。
また、取締役会において、その保有の必要性を検証しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式5217,386非上場株式以外の株式33155,284 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式51,334中長期的な企業価値の向上を目的とした取得非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式59,781非上場株式以外の株式1555,572 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)スタンレー電気㈱16,735,52716,735,527原材料等の調達取引の安定化資本業務提携有46,95147,110ルネサスエレクトロニクス㈱17,651,90017,651,900原材料等の調達取引の安定化無35,08347,139ニッコンホールディングス㈱4,898,4162,449,208物流取引等の安定化有13,1867,236㈱ジーエス・ユアサ コーポレーション4,915,7504,915,750原材料等の調達取引の安定化有11,71115,464日本特殊陶業㈱1,541,6931,541,693原材料等の調達取引の安定化有6,9697,837 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)オリエンタルホールディングス・ビー・エイチ・ディ25,119,42425,119,424事業関係の安定化無6,0565,087大同特殊鋼㈱4,568,7256,526,725原材料等の調達取引の安定化有5,43611,855日本精機㈱3,753,2383,753,238原材料等の調達取引の安定化有4,3535,734NOK㈱1,717,0001,717,000原材料等の調達取引の安定化有3,7593,593新電元工業㈱1,336,3321,336,332原材料等の調達取引の安定化有2,7084,069住友ゴム工業㈱1,400,9451,400,945原材料等の調達取引の安定化有2,6372,630東プレ㈱964,309964,309原材料等の調達取引の安定化有1,8132,518横浜ゴム㈱489,240489,240原材料等の調達取引の安定化有1,6831,969森六ホールディングス㈱792,000792,000原材料等の調達取引の安定化有1,6062,066㈱エフテック2,551,0002,551,000原材料等の調達取引の安定化有1,3851,946㈱ミツバ1,662,5491,662,549原材料等の調達取引の安定化有1,3632,714㈱ハイレックスコーポレーション850,253850,253原材料等の調達取引の安定化有1,3391,436三櫻工業㈱2,000,0002,000,000原材料等の調達取引の安定化無1,3202,286住友電気工業㈱363,000363,000原材料等の調達取引の安定化有895852名港海運㈱458,419458,419物流取引等の安定化有724733アルプスアルパイン㈱397,868397,868原材料等の調達取引の安定化無605476SES AI コーポレーション7,500,0007,500,000共同開発関係の安定化無5831,907日本ペイントホールディングス㈱500,000500,000原材料等の調達取引の安定化無560536リケンNPR㈱169,050169,050原材料等の調達取引の安定化無421527㈱日新80,20080,200物流取引等の安定化有380232㈱NITTAN1,233,6901,233,690原材料等の調達取引の安定化有344458㈱J-MAX988,950988,950原材料等の調達取引の安定化有313519日本発条㈱189,750189,750原材料等の調達取引の安定化有304284澤藤電機㈱260,000260,000原材料等の調達取引の安定化有231327関西ペイント㈱105,000105,000原材料等の調達取引の安定化無224228㈱今仙電機製作所290,650290,650原材料等の調達取引の安定化無183185大同工業㈱151,000151,000原材料等の調達取引の安定化有130118ダイナミックマッププラットフォーム㈱10,000-原材料等の調達取引の安定化新規上場にともなう増加無14- 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ-14,502,680-無-22,580東京海上ホールディングス㈱-3,278,310-無-15,417日本製鉄㈱-700,153-無-2,568SOMPOホールディングス㈱-250,000-無-2,392㈱商船三井-509,385-有-2,348㈱ブリヂストン-200,000-無-1,331GRABホールディングス リミテッド-2,704,452-無-1,285パナソニック ホールディングス㈱-776,414-無-1,122AGC㈱-172,752-有-954NTN㈱-1,100,663-無-345JFEホールディングス㈱-122,444-無-311MS&ADインシュアランス グループホールディングス㈱-37,233-無-302㈱みずほフィナンシャルグループ-81,470-無-248TOPPANホールディングス㈱-52,500-無-203
(注) 1 定量的な保有効果については記載が困難です。
保有の合理性は各銘柄について、中長期的な観点で取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスク等を検証し判断しています。
2 ニッコンホールディングス㈱は、2024年10月1日付で普通株式1株を2株とする株式分割を行っています。
みなし保有株式 該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社15
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社52
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社17,386,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社33
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社155,284,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,334,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社55,572,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社10,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社1,320,000,000