財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-20 |
英訳名、表紙 | SHINYEI KAISHA |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 赤 澤 秀 朗 |
本店の所在の場所、表紙 | 神戸市中央区京町77番地の1 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 078-392-6901 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1887年5月有限責任神栄会社として資本金15万円で生糸問屋を主体に設立1893年6月株式会社に組織変更し、社名を神栄株式会社と変更1915年4月貿易部を設置し、繊維、雑貨等の輸出を開始1925年6月社名を神栄生絲株式会社と変更1928年5月製糸業に進出1929年6月対米生糸輸出の拠点としてニューヨーク支店を設置1942年3月電機部門に進出、コンデンサの製造を開始1947年8月戦後、貿易再開により輸出入業務を再開1948年9月関東地区の商圏拡充を図るため東京支店を設置1949年5月東京、大阪証券取引所に株式を上場登録1951年4月神戸、横浜両生糸取引仲買人として営業を開始1953年10月日中貿易民間協定調印後、直ちに中国貿易を開始1959年2月米国ニューヨークに現地法人Shinyei Company,Inc.を設立し、対米輸出入業務の円滑化を図る1966年8月子会社である神栄電機㈱と大分製絲㈱を吸収合併し、社名を神栄株式会社と変更1967年4月本社新社屋を神戸市中央区京町に竣工1970年1月大阪支店を設置し、繊維部門の拠点を拡充1979年5月Shinyei Company,Inc.を解散し、Shinyei Corp.of Americaを設立1983年3月生糸生産を中止し、商事部門、電機部門を拡充1985年9月九州シンエイ電子㈱を設立し、電子部品・基板の組立加工を開始1987年5月創立100周年を迎える1987年11月当社住関連事業部の業務の一部を引継ぎ、エスケー建材工業㈱を設立1989年5月シンガポールに現地法人Shinyei Singapore Pte.Ltd.を設立、東南アジアにおけるコンデンサの販売を強化1989年6月神戸市西区に中央研究所を設置1992年7月マレーシアに現地法人Shinyei Kaisha Electronics(M)SDN. BHD.を設立、コンデンサの製造開始(現・連結子会社)1995年1月阪神・淡路大震災により本社社屋が倒壊1995年6月本店を神戸市中央区東町に移転1997年12月中国における事業の拡大のため、現地法人神栄(上海)貿易有限公司を設立1998年1月米国サンディエゴに現地法人Shinyei Electronics Corp. of Americaを設立、米国におけるコンデンサの販売を強化1998年3月新本社ビルを元の神戸市中央区京町に再建1998年4月新本社ビルにて営業開始1998年7月エスケー電子㈱を設立し、液晶ディスプレイ装置の製造を開始 米国デラウエア州に、Shinyei Corp. of AmericaおよびShinyei Electronics Corp. of Americaの持株会社としてShinyei USA Corp.を設立 2000年1月コンデンサ事業再編の一環として神栄コンデンサ㈱を設立2000年12月㈱新協和の株式を100%取得し子会社化2001年2月吉田精機㈱の株式を100%取得し子会社化2002年1月コンデンサ関連子会社(神栄コンデンサ㈱、Shinyei Singapore Pte.Ltd.およびShinyei Kaisha Electronics(M)SDN.BHD.)の統括管理を行うためエスケーシー㈱を設立2002年4月建築資材の卸売をエスケー建材工業㈱に移管し、社名を神栄マテリアル㈱に変更2003年2月藤倉商事㈱の株式を100%取得し子会社化2003年4月当社グループ全般の業務受託会社として神栄ビジネスエンジニアリングサービス㈱を設立 2003年12月Shinyei USA Corp. は米国の仕入・販売拠点再編のため、子会社のShinyei Corp.of America およびShinyei Electronics Corp.of Americaを吸収合併し、社名をShinyei Corp.of America に変更(現・連結子会社)2004年8月電子関連事業において、コンデンサ事業を営む神栄コンデンサ㈱が事業統括会社であったエスケーシー㈱を吸収合併2007年4月電子関連事業の事業再編のため神栄コンデンサ㈱、エスケー電子㈱および吉田精機㈱を九州シンエイ電子㈱に合併、当社の電子機器事業を移管し、社名を神栄テクノロジー㈱に変更(現・連結子会社)2008年1月藤倉商事㈱の事業を拡大し、社名を㈱エヌシーディに変更2008年7月神栄マテリアル㈱が神栄ビジネスエンジニアリングサービス㈱を吸収合併し、社名を神栄ビジネスサービス㈱に変更2009年3月神戸市中央区のポートアイランドに、神栄グループR&Dセンターを設置2009年8月丸岡商事㈱および㈲ピーエムプランニングの株式を100%取得し子会社化2009年10月神栄ビジネスサービス㈱へ委託していた当社グループ全般の企業事務を当社へ業務移管2009年11月繊維関連事業において、㈲ピーエムプランニングを丸岡商事㈱が吸収合併2010年2月神栄アグリフーズ㈱を設立し、国産生鮮カット野菜事業を開始2011年2月神栄テクノロジー㈱のコンデンサ事業を独立させるため、神栄キャパシタ㈱を設立(現・連結子会社)2011年11月物資関連事業において、神栄ビジネスサービス㈱が㈱エヌシーディを吸収合併し、社名を神栄リビングインダストリー㈱に変更(現・連結子会社)2012年2月食品等の中国での販売を目的として、現地法人神栄商事(青島)貿易有限公司を設立(現・連結子会社)2013年12月農業関連事業の研究・開発を目的として、神栄アグリテック㈱を設立2014年3月食品関連事業の事業再編のため、神栄アグリフーズ㈱の生鮮野菜の栽培および販売に係る農業事業を神栄アグリテック㈱へ吸収分割2014年11月繊維関連事業において、機動的に事業を推進するため、神栄ライフテックス㈱を設立 2015年1月繊維関連事業において、当社の繊維事業を神栄ライフテックス㈱へ移管2015年2月落下・衝撃試験機および鉄道用計測器事業を拡大するため、神栄テストマシナリー㈱を設立2015年4月㈱グランディの株式を100%取得し子会社化 九州・沖縄地区の商圏拡充のため福岡支店を設置 電子関連事業において、神栄テクノロジー㈱の衝撃試験機事業を神栄テストマシナリー㈱へ吸収分割し、事業を開始2015年7月繊維関連事業の事業再編のため、丸岡商事㈱のアパレル小売事業を神栄ライフテックス㈱へ吸収分割 東南アジアにおける食品関連事業の拡大のため、タイ王国に現地法人Shinyei(Thailand)Co.,Ltd.を設立し、10月より営業を開始(現・連結子会社)2015年9月農業関連事業における研究開発拠点として、福井県あわら市に神栄グループあわら農業センターを設置2017年4月繊維関連事業をより強固なものとするための組織再編として、神栄ライフテックス㈱が㈱グランディを吸収合併 ㈱新協和の社名を、神栄ホームクリエイト㈱に変更(現・連結子会社)2019年1月中国事業強化のための拠点整備を目的として、中国国内における食品販売事業を神栄商事(青島)貿易有限公司から神栄(上海)貿易有限公司へ移管2019年10月電子関連事業における計測機器事業統合のため、神栄テクノロジー㈱が神栄テストマシナリー㈱を吸収合併2019年11月繊維関連事業の事業再編のため、神栄ライフテックス㈱のアパレル卸売事業およびテキスタイル事業を当社へ移管繊維関連の事業移管に伴い大阪支店を設置2021年4月中国事業強化のため、神栄商事(青島)貿易有限公司が神栄(上海)貿易有限公司を吸収合併2021年8月神栄アグリテック㈱の全株式を譲渡2021年12月㈱メディパルホールディングスと資本業務提携2023年9月繊維関連の一部事業撤退に伴い大阪支店を廃止2024年4月新規事業や新たなビジネスモデルの開発、将来性が見込まれる事業の発展に取組むことを目的として、繊維関連事業を事業開発関連事業として再編 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、当社および関係会社9社で構成されており、主に国内および海外において各種商品の卸売および輸出入取引を行うほか、電子関連製品の製造・組立を行っております。 当社グループの事業における当社および主な関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表[注記事項](セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 セグメントの名称事業内容当社および主な関係会社食品関連冷凍野菜・冷凍調理品・冷凍水産加工品・農産物の販売国 内当社海 外神栄商事(青島)貿易有限公司物資関連金属製品・機械機器・建築資材・建築金物・生活雑貨の販売、防災関連の調査・資機材の販売、不動産業、保険代理店業国 内当社神栄ホームクリエイト㈱神栄リビングインダストリー㈱海 外Shinyei Corp. of America電子関連各種センサ・計測機器・試験機・電子部品の製造販売国 内当社神栄テクノロジー㈱神栄キャパシタ㈱海 外Shinyei Kaisha Electronics(M)SDN.BHD.事業開発関連新規事業開発、衣料品・服飾雑貨の通信販売、食品の輸出販売国 内当社 (注) 1 上記関係会社は、連結子会社であります。 このほか、Shinyei(Thailand)Co., Ltd.は連結子会社でありますが、同社は、2022年9月26日付にて解散し、現在清算中であります。 2 神栄キャパシタ㈱は、Shinyei Kaisha Electronics(M)SDN.BHD.の親会社であります。 3 上記のほか関西通商㈱(非連結子会社)があります。 当該社については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。 事業系統図を示すと次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容神栄商事(青島)貿易有限公司 (注)3、6中国山東省青島市US$3,750千食品関連100.0役員の兼任5名(うち当社従業員5名)Shinyei (Thailand) Co., Ltd. (注)7Bangkok,ThailandTHB10,000千食品関連100.0清算人の兼任1名(うち当社従業員1名)神栄ホームクリエイト㈱大阪府東大阪市48物資関連100.0役員の兼任2名(うち当社従業員2名)神栄リビングインダストリー㈱神戸市中央区100物資関連100.0当社本社ビルの管理建物の賃貸役員の兼任4名(うち当社執行役員1名、従業員3名)Shinyei Corp.of America (注)3New York,NY,U.S.A.US$5,700千物資関連100.0当社の米国における販売の拠点役員の兼任3名(うち当社従業員3名)神栄テクノロジー㈱ (注)3神戸市中央区400電子関連100.0当社商品の製造土地・建物の賃貸役員の兼任3名(うち当社執行役員1名、従業員2名)神栄キャパシタ㈱神戸市中央区100電子関連100.0土地・建物の賃貸運転資金の貸付役員の兼任1名(うち当社従業員1名)Shinyei KaishaElectronics(M)SDN.BHD. (注)3Johor Bahru,Johor,MalaysiaM.RING7,040千電子関連100.0(100.0)役員の兼任1名(うち当社従業員1名) (注) 1 上記関係会社は、すべて連結子会社であります。 2 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。 3 特定子会社であります。 4 上記子会社のうち有価証券報告書を提出している会社はありません。 5 「議決権の所有割合」欄の( )は、間接所有しているものを内書しております。 6 神栄商事(青島)貿易有限公司の資本金は、登録資本金4,200千米ドルのうち、払込済資本金3,750千米ドルを記載しております。 7 Shinyei(Thailand)Co., Ltd.は、2022年9月26日付にて解散し、清算中であります。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)食品関連128 (9)物資関連53 (11)電子関連220(75)事業開発関連8 (3)全社(共通)54(15)合計463(113) (注) 1 従業員数は就業人員数であります。 2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。 (2) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)160(31)42.014.87,423 セグメントの名称従業員数(名)食品関連88 (7)物資関連14 (6)事業開発関連8 (3)全社(共通)50 (15)合計160 (31) (注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除いた就業人員数であります。 2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。 3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況神栄労働組合は、1949年9月に結成され、現在一部の子会社の労働組合とともに全神栄労働組合を結成し、UAゼンセンに加盟しています。 2025年3月末現在全神栄労働組合の組合員数は251名であります。 なお、労働組合との関係で特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率 当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2提出会社14.325.0提出会社及び国内連結子会社 (注)37.640.0 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 ただし、「提出会社及び国内連結子会社」の数値は、国内連結子会社の常勤役員(提出会社の執行役員が兼務する者を除く)を管理職に含めて算出しております。 2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、正規雇用労働者について算出したものであります。 3 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としていますが、海外子会社は含めておりません。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針、経営戦略および目標とする経営指標当社グループは、2025年3月期(2024年度)から2027年3月期(2026年度)までの3年間を対象とする中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026~創立140周年に向けた新たなアプローチ~」において、2031年3月期(2030年度)に連結経常利益25億円以上、ROE12%以上維持の達成を目指す中、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、経常利益に加え、自己資本比率、ROE、配当性向、有利子負債残高およびPERを掲げ、利益目標のみならず、財務体質強化と収益性や株主還元とのバランス、資本コストや株価を意識した指標としており、各指標の数値目標(連結)および進捗状況は以下のとおりであります。 2027年5月に今以上に健全で強靭な企業体質を持った状態で創立140周年を迎える準備のための3年間における2年目となる2025年度においても引き続き、プロアクティブな人材の育成を通じて、収益基盤・収益体質のさらなる強化を進めてまいります。 2019年度実績2020年度実績前中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」本中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」2021年度実績2022年度実績2023年度実績2024年度実績2025年度計画2026年度計画経常利益(百万円)2726766341,3401,9091,431 累計 5,500以上期末自己資本比率(%)7.312.614.619.328.731.9 35以上ROE(%)△30.523.215.523.527.016.1 15以上配当性向(%)---17.119.727.730程度期末有利子負債残高(百万円)15,60414,09615,18814,68413,82313,499 12,000以下期末PER(倍)-9.807.063.664.164.96 12以上(参考)期末株価(円)5581,2848618541,6841,612 (参考)期末PBR(倍)1.291.841.020.750.900.72 (注)期末有利子負債には、割引手形の期末残高を含む。 (2) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題今後の世界経済は、米国における通商政策による影響が大きく懸念されるほか、ウクライナや中東を巡る紛争の収束が未だに見通せないなど地政学上のリスクが高止まりし、中国での景気減速傾向も継続しております。 わが国経済においても、原材料費の高止まりに円安の影響を受けた輸入コストの上昇に加えて、人件費や物流コストの増加によって消費者物価指数が上昇するなど、先行きの見通しは依然不透明感が拭えない状態が続いております。 このような状況ではありますが、当社グループでは、2027年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」における目標である3年間累計の連結経常利益55億円以上について、現時点では本目標の変更は行わず、本中期経営計画2年目となる2026年3月期を挽回を期す1年間と位置付けたうえで、各セグメントにおいて以下のとおり取組んでまいります。 食品関連では、引き続き当社グループを力強くけん引するため、特に国内冷凍食品事業において、強固なサプライチェーンを持つ強みを磨きながら多様なニーズに対応した商品開発の推進や、調達・販売ルートの拡充を進めることで収益力のさらなる強化を図ります。 物資関連においては、アゼルバイジャンの社会インフラ関連の調査・分析からソリューションの提供により社会課題解決に貢献するほか、日本の優れた技術・製品の輸出により収益基盤の維持・拡大に取組みます。 電子関連においては、産業・物流・車載用途向けに、より付加価値の高い製品の開発・販売を進め、顧客のDX化ニーズに対応したシステム・サービス事業へ展開するとともに、医薬品物流分野での安定した収益を確保するなど、高収益事業モデルの基盤作りを実現させてまいります。 また事業開発関連においては、社会課題の解決やサステナブルな社会の実現を目指した新規事業および新たなビジネスモデルの開発をこれまで以上に強力に進めるとともに、アパレル通販事業の規模拡大および日本産食品の海外輸出での事業基盤の確立・拡大を図ることで、当社グループとして競争力のある事業ポートフォリオの組成により安定した収益を確保してまいります。 さらに、事業戦略と連動した人材戦略を柱とした人的資本経営やサステナブル経営を引き続き推進するとともに、DXの推進やデジタル技術の活用による生産性改善・業務効率の向上も継続いたします。 財務面においては、安定した収益確保や総資産の効率的運用により自己資本比率をさらに向上させつつ、資本コストを上回る収益性を維持してまいります。 加えて、利益に応じた株主還元を実施するとともに、株主や投資家の皆さまに当社グループをよりご理解いただくための情報発信(IR)をさらに進めてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) サステナビリティ全般に関する取組み当社グループは、「新しい価値の創造につとめ豊かな社会づくりに貢献します」という経営理念の下、各セグメントにおいて、人々の生活に関わる事業分野で社会課題の解決と企業成長の両立を目指し、暮らしを豊かにする安全で安心な製品・商品およびサービスを提供するよう日々努めております。 このような中、2015年に国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)が示す社会課題解決に向けて取組むことは、新たな事業機会の創出や事業成長にもつながるものであり、環境問題をはじめとする各種課題への企業の取組みが注目される中での社会的責任でもあるとの考えに基づき、サステナビリティの取組みを重要な経営テーマとして推進していくこととしており、その基礎となる考え方を示すものとして、以下のとおり「神栄グループサステナビリティ基本方針」を定めております。 <神栄グループサステナビリティ基本方針>神栄グループは「新しい価値の創造につとめ豊かな社会づくりに貢献します」という経営理念の下、神栄グループ倫理憲章を常に遵守し、グローバルなネットワークを活用して、人々の様々な豊かさと持続可能な社会の実現に向けて全力で貢献するとともに、その結果として自らの持続的成長と企業価値向上に努めます。 <ガバナンス>当社の取締役会は、当社グループにおけるリスクマネジメントに関する組織と運営について定め、これを確立・維持・継続的に改善し、より実効性の高いリスクマネジメントシステムを構築することによってリスクの発生を防止することにより、企業価値の増大を図ることを目的として、「神栄グループリスクマネジメント規則」を制定し、当社グループのリスク全般を統括管理する当社グループ横断的な常設の機関として、当社の代表取締役を委員長とする内部統制委員会を設置しております。 また、内部統制委員会の下部組織の1つとしてリスクマネジメント小委員会を常設し、リスクマネジメント計画の企画立案や実施を担わせております。 リスクが顕在化した場合には、個別の事案ごとに重大性を勘案し、危機管理対策委員会またはリスク対策委員会を必要に応じ設置して、対策を行うこととしております。 さらに、当社グループにおける環境問題をはじめとする各種社会課題に関するサステナビリティの取組みを推進することにより、持続可能な社会の実現を図るとともに、当社グループの持続的成長と企業価値向上を目指すことを目的として、「神栄グループサステナビリティ推進委員会規則」を制定し、当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスクおよび機会への対処を含むサステナビリティ活動全般を統括管理する当社グループ横断的な常設の機関として、当社の代表取締役を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。 また、サステナビリティ推進委員会の下部組織として、事業特性等に応じた的確な推進活動を行うべく本部ごとに小委員会を設置するとともに、グループを横断する特定の課題に対応する分科会を設置し、環境問題や持続的調達に関する課題の整理・解決に向け取組んでおります。 内部統制委員会およびサステナビリティ推進委員会には、構成員である取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)および取締役を兼務しない執行役員ならびに当社の部長および子会社社長(執行役員が兼務する者を除く)とともに、オブザーバーとして常勤監査等委員である取締役および社外取締役も出席することとしており、幅広い意見交換を可能としております。 また、当社グループをあげて人的資本経営を推進し、経営戦略と連動した人材戦略に基づく人材の確保・育成・活用を通じて、中長期的な企業価値向上につなげることを目的として、「神栄グループ人的資本経営推進委員会規則」を制定し、人的資本経営推進委員会を設置しており、代表取締役社長を委員長、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)、本部長および関連部署の長を委員として、当社グループにおける人的資本経営に関する取組みを経営主導で進めております。 なお、当社グループにおけるガバナンス体制図は下図のとおりであります。 <戦略>当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクおよび機会への対処として、「神栄グループサステナビリティ基本方針」を具現化し、企業として社会的責任を果たすとともに持続的成長を目指すために優先して取組むべきと考える重要度の高い課題である「マテリアリティ」を特定しております。 マテリアリティの特定にあたっては、事業や分野ごとに重要度が比較的高いと考えられる課題を選定したうえで、ステークホルダーである取引先・大株主・従業員などへのヒアリングを経て、それぞれの重要度評価を確認し、取締役会において決議しております。 さらに、各マテリアリティについては、中期的な取組目標を設定したうえで、各小委員会および分科会においてアクションプランを策定し、アクションプランに基づき取組みを進めております。 各取組みについては、経営理念や事業部門の各本部がそれぞれ定めたパーパスに基づき、事業拡大や事業創出、事業を通じた社会貢献の実現を目指すものであり、アクションプランの内容は、各本部が策定する中期経営計画や単年度の経営計画等にも反映して戦略的に推進しております。 なお、2025年4月1日付にて一部項目を追加したマテリアリティおよびこれに基づく取組課題は以下のとおりであります。 社会課題マテリアリティ事業領域項目地球環境保護(E)環境に配慮した事業の推進食品食品ロス低減への貢献電子物流環境における包装材料の削減や製品破損の防止への貢献各種管理データの記録・印刷に関わる資源の削減全事業サプライチェーンにおける廃棄物の削減全社各事業所における温室効果ガス・廃棄物の削減持続可能な社会(S)暮らしを豊かにする製品・商品およびサービスの供給食品豊かな食生活に貢献する食品の安定供給物資快適・安全・持続可能な暮らしづくりに貢献する製品・商品およびサービスの供給電子健康で安全・安心な生活と、これに関わる製造や物流の効率化を促進する製品やサービスの供給事業開発社会課題の解決やサステナブルな社会の実現に貢献心を豊かにし健康で快適な暮らしに役立つ衣料品等の供給持続可能なサプライチェーンの実現全事業サステナブル調達の推進共創活動の推進電子パートナーシップの推進による新たな付加価値の創出労働環境(S)働きがいのある職場環境の整備全社働きがいのある職場づくりガバナンス(G)経営基盤の強化全社ガバナンス体制の強化コンプライアンスの徹底人権尊重の取組みを推進内部通報制度の利用促進 <リスク管理>当社グループにおけるリスクについては、「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、各部署において発生し得るリスクを抽出し、各リスクについて、その発生頻度および金銭的損失や人身・人命への被害、信用低下その他の要素を含めた影響度を評価し、対応策や対応状況とともにリスクマネジメント小委員会に報告することとしております。 報告を受けたリスクマネジメント小委員会は、その内容を検証し、内部統制委員会に提出し、内部統制委員会において確認・協議いたします。 また、影響度が一定以上のリスクなど、当社グループ全体で取組むべきリスクについては、内部統制委員長の指示の下、リスクマネジメント小委員会が対応することとしております。 さらに、サステナビリティ関連のリスクおよび機会については、上記<戦略>に記載のとおり、マテリアリティの各項目に基づく取組目標を達成するため、サステナビリティ推進委員会の下部組織である各小委員会および分科会においてアクションプランを策定しており、アクションプランに基づき取組みを進めるとともに進捗管理を行い、これらの結果をサステナビリティ推進委員会に報告し、サステナビリティ推進委員会において確認・協議いたします。 また、マテリアリティや具体的な取組目標の見直しについて、サステナビリティ推進委員会において検討することとしております。 <指標および目標>当社グループにおけるサステナビリティの取組みに関して、定量的に進捗を管理できる指標として、マテリアリティである「環境に配慮した事業の推進」における温室効果ガスの削減率が重要なものとなり得ると認識しております。 当社グループにおける温室効果ガスの排出量のうち、他人から供給された電気の使用に伴う二酸化炭素の排出量がほぼ全量を占めており、電子関連の製造工場における電気の使用によるものが中心であって、削減の余地があるものと考えており、適切な進捗管理のための基準時点や目標値などについて検討を進めているものの、さらに精査が必要であり、現時点では具体的な指標および目標の設定には至っておりません。 また、当社グループのサステナビリティについての取組みの詳細につきましては、以下の当社ウェブサイトに掲載しております。 https://www.shinyei.co.jp/sustainability/ (2) 人的資本経営に関する取組み <戦略>当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 当社グループでは、2025年3月期から2027年3月期までの3年間を対象に策定した中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」において、基本方針に「人的資本経営の推進と機会付与による人材力拡充や次世代育成・登用による事業承継の基盤づくり」を掲げ、人的資本経営推進委員会において経営主導により、以下の重点課題に取組んでおります。 ① 事業および組織の機能の維持・拡大のための採用戦略・人材育成戦略② 企業風土・文化の変革(働きがいの増進)③ 健康経営の推進(従業員の心身の健康の促進) すなわち、労働力不足や仕事に対する価値観の変化など、働く人々を取り巻く環境が大きく変化する中、当社グループで働く人々が「働きやすさ」と「仕事のやりがい」を実感し、持てる力を最大限発揮できる環境づくりにより、当社グループの持続的成長につなげるべく、社員が自分自身や環境に影響を及ぼす先見的・変革的な行動を自ら取ることができるプロアクティブな人材へと成長し活躍することができるよう、社員のやりがいや多様な働き方などにおいて満足度を高め、会社と社員が互いの期待に応え続ける関係の構築を推進しております。 上述の重点課題に係る具体的な戦略については適宜、必要な対応を進めております。 社員のやりがいや満足度を高めるための取組みとしては、多様化する社会のニーズを捉え、社会の期待に応える「新しい価値創造」を続けていくために、多様な人材がそれぞれの経験や価値観に基づき活躍できる環境が重要であるとの認識の下、育児や介護、病気療養といった事情を抱えながら働き続けることを可能とするため、在宅勤務制度や法令の水準を上回る育児・介護における休業および所定労働時間短縮制度、年次有給休暇とは別途に設ける特別休暇制度の拡充など、柔軟で働きやすい環境を整備しております。 なお、在宅勤務制度については、個人的な事情への配慮のためだけでなく、従業員がさらにクリエイティビティを発揮して業務の生産性を向上させるとともに、社会人としての成長や健康増進につなげるための制度としても活用しております。 また、現行の「神栄グループ人事処遇制度」における能力開発制度を通して、個々の人材力の最大化を念頭に置き、人材の確保・育成・活用を行っております。 能力開発制度では、会社が提供する教育と個人の意欲に基づく自己啓発の双方による人材力の最大化を目指しております。 会社が提供する教育においては、階層別研修に加えて、選択型の研修を導入しており、管理職を除く全社員を対象に、上司との面談に基づき、今後のキャリアプランに沿って必要となる知識やスキルの習得を目的として、外部環境の変化への対応力を高めると同時に、社員のキャリア自律を促進しております。 また、自己啓発支援については、自ら学ぶテーマを内発的に設定し、能力向上に努めるとともに、仕事を通じて「より社会に貢献できる人材」となることを期待し、金銭面での補助の拡充に加え、活用を促進するための相談体制の充実や学びの環境整備など、手厚い支援体制を構築しております。 <指標および目標>当社グループでは、上記<戦略>において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いており、当該指標に関する目標および当連結会計年度における実績はそれぞれ記載のとおりであります。 なお、当社グループとしての取組みはすべての連結会社を対象とはしているものの、海外子会社においては国内と同一に取扱うことが困難であると考えられるため、次の指標に関する目標および実績は、当社および国内連結子会社(以下「対象会社」といいます。 )を対象とするものであります。 指標目標実績期限目標値①男性労働者の育児休業・休暇取得率<継続>100%100.0%②男性労働者の育児休業取得率2027年度100%40.0%③1人当たりの年間教育・研修費<継続>50,000円55,045円④管理職に占める女性労働者の割合2030年度20%7.6% ① 男性労働者の育児休業・休暇取得率② 男性労働者の育児休業取得率①男性労働者の育児休業・休暇取得率は、対象連結会計年度における、配偶者が出産した男性労働者の数に対する、育児休業をした男性労働者の数および小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を3日以上利用した男性労働者の数の合計数の割合であります。 ②男性労働者の育児休業取得率は、対象連結会計年度における、配偶者が出産した男性労働者の数に対する、2週間以上の育児休業をした男性労働者の数の割合であります。 前連結会計年度において、年次有給休暇とは別途に、配偶者出産時に取得できる100%有給の特別休暇に係る取得要件を緩和する制度改定を実施し、当連結会計年度に制度の浸透を図り、特別休暇の取得を促進いたしました。 その結果、前連結会計年度において配偶者出産時に特別休暇を取得した男性労働者の割合が22.2%であったところ、当連結会計年度においては対象者5名すべてが通算3日以上の特別休暇を取得し、取得率は目標とする100.0%に到達しました。 今後も100%の取得率を維持してまいります。 また、対象会社において育児休業をした男性労働者は、前連結会計年度においては9名中2名でありましたが、当連結会計年度においては5名中2名となり、男性労働者の育児休業取得率は上昇しました。 次世代を担う子どもたちを安心して産み育てるための環境整備は企業の社会的責務であると認識しており、育児を目的とした休暇制度の利用のみならず、すべての対象者が育児休業を取得できるよう、当連結会計年度において、育児休業を取得した従業員の業務を引き継ぐなどの支援を行った場合に手当を支給する制度を創設し、2025年4月1日より運用を開始しており、今後も育児休業を取得しやすい環境づくりを進めてまいります。 なお、「育児休業からの復職率」の実績は100%を保っており、育児をしながら働く従業員を受け容れる職場風土が醸成されているものと判断しております。 ③ 1人当たりの年間教育・研修費本指標は、対象連結会計年度において教育・研修費に該当する勘定科目に記載された合計金額を、対象連結会計年度末日時点における対象会社の役員の数および正規雇用労働者の合計数で除したものであります。 教育・研修費には、自社主催の場合の研修講師への報酬および外部施設の会場費・教材費、外部教育機関のセミナーや通信教育・e-ラーニングの受講料、自己啓発やリスキリングに対する支援・補助などを含みますが、研修に係る旅費交通費、OJTや社内講師に係る人件費は含んでおりません。 当社グループでは、人的資本への投資として、当連結会計年度において1人当たり50,000円の年間教育・研修費を目標として設定し、階層別研修のさらなる充実や、従業員一人ひとりに適したスキル・知識の向上につながる研修機会の付与、自己啓発の取組みに関する支援の拡充などにより目標を達成し、1人当たり55,045円となりました。 次連結会計年度においては、当連結会計年度における取組みを継続し、学習内容の充実や学習後の知識定着によって、さらなる生産性向上に取り組んでまいります。 なお、1人当たりの年間教育・研修費の目標は、過年度の実績を勘案し、当連結会計年度の水準である50,000円を維持いたします。 なお、2025年4月1日より、対象会社において、管理職を含む正社員の基本賃金を一律月額7,000円引き上げ、2023年から3年連続でベースアップを実施いたしました。 ベースアップの3年累計金額は月額25,000円となります。 今後も人材の確保や育成に必要となる対応を積極的に行ってまいります。 ④ 管理職に占める女性労働者の割合本指標は、対象連結会計年度において「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 正規雇用労働者を対象とし、対象会社のうち国内連結子会社における常勤役員(当社の執行役員が兼務する者を除く)を管理職に含んでおります。 当社グループにおいては、「管理職に占める中途採用者の割合」の実績が63.6%であるなど、多様な人材が活躍し、適材適所の観点から個人の能力に応じた人材登用が行えているものと判断しております。 また、対象会社における女性の勤続年数は男性の勤続年数を上回っており、管理職候補者層からの管理職への登用の割合についても性別による差異はなく、女性が働きやすい環境は整っていると認識しております。 今後も性別に関わらずマネジメントへの適性がある人材を管理職に登用してまいりますが、より多様な人材を活用し、企業価値の向上につなげるため、2030年度までに女性管理職の比率を20%に引き上げることを目標としております。 女性労働者のキャリア形成支援を通して管理職候補者を増やすとともに、管理職となることを阻害する要因の有無を把握・分析した上で必要な施策を検討・実施するなど、多様な人材が活躍できる職場づくりをさらに進めてまいります。 |
戦略 | <戦略>当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクおよび機会への対処として、「神栄グループサステナビリティ基本方針」を具現化し、企業として社会的責任を果たすとともに持続的成長を目指すために優先して取組むべきと考える重要度の高い課題である「マテリアリティ」を特定しております。 マテリアリティの特定にあたっては、事業や分野ごとに重要度が比較的高いと考えられる課題を選定したうえで、ステークホルダーである取引先・大株主・従業員などへのヒアリングを経て、それぞれの重要度評価を確認し、取締役会において決議しております。 さらに、各マテリアリティについては、中期的な取組目標を設定したうえで、各小委員会および分科会においてアクションプランを策定し、アクションプランに基づき取組みを進めております。 各取組みについては、経営理念や事業部門の各本部がそれぞれ定めたパーパスに基づき、事業拡大や事業創出、事業を通じた社会貢献の実現を目指すものであり、アクションプランの内容は、各本部が策定する中期経営計画や単年度の経営計画等にも反映して戦略的に推進しております。 なお、2025年4月1日付にて一部項目を追加したマテリアリティおよびこれに基づく取組課題は以下のとおりであります。 社会課題マテリアリティ事業領域項目地球環境保護(E)環境に配慮した事業の推進食品食品ロス低減への貢献電子物流環境における包装材料の削減や製品破損の防止への貢献各種管理データの記録・印刷に関わる資源の削減全事業サプライチェーンにおける廃棄物の削減全社各事業所における温室効果ガス・廃棄物の削減持続可能な社会(S)暮らしを豊かにする製品・商品およびサービスの供給食品豊かな食生活に貢献する食品の安定供給物資快適・安全・持続可能な暮らしづくりに貢献する製品・商品およびサービスの供給電子健康で安全・安心な生活と、これに関わる製造や物流の効率化を促進する製品やサービスの供給事業開発社会課題の解決やサステナブルな社会の実現に貢献心を豊かにし健康で快適な暮らしに役立つ衣料品等の供給持続可能なサプライチェーンの実現全事業サステナブル調達の推進共創活動の推進電子パートナーシップの推進による新たな付加価値の創出労働環境(S)働きがいのある職場環境の整備全社働きがいのある職場づくりガバナンス(G)経営基盤の強化全社ガバナンス体制の強化コンプライアンスの徹底人権尊重の取組みを推進内部通報制度の利用促進 |
指標及び目標 | <指標および目標>当社グループにおけるサステナビリティの取組みに関して、定量的に進捗を管理できる指標として、マテリアリティである「環境に配慮した事業の推進」における温室効果ガスの削減率が重要なものとなり得ると認識しております。 当社グループにおける温室効果ガスの排出量のうち、他人から供給された電気の使用に伴う二酸化炭素の排出量がほぼ全量を占めており、電子関連の製造工場における電気の使用によるものが中心であって、削減の余地があるものと考えており、適切な進捗管理のための基準時点や目標値などについて検討を進めているものの、さらに精査が必要であり、現時点では具体的な指標および目標の設定には至っておりません。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | <戦略>当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 当社グループでは、2025年3月期から2027年3月期までの3年間を対象に策定した中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」において、基本方針に「人的資本経営の推進と機会付与による人材力拡充や次世代育成・登用による事業承継の基盤づくり」を掲げ、人的資本経営推進委員会において経営主導により、以下の重点課題に取組んでおります。 ① 事業および組織の機能の維持・拡大のための採用戦略・人材育成戦略② 企業風土・文化の変革(働きがいの増進)③ 健康経営の推進(従業員の心身の健康の促進) すなわち、労働力不足や仕事に対する価値観の変化など、働く人々を取り巻く環境が大きく変化する中、当社グループで働く人々が「働きやすさ」と「仕事のやりがい」を実感し、持てる力を最大限発揮できる環境づくりにより、当社グループの持続的成長につなげるべく、社員が自分自身や環境に影響を及ぼす先見的・変革的な行動を自ら取ることができるプロアクティブな人材へと成長し活躍することができるよう、社員のやりがいや多様な働き方などにおいて満足度を高め、会社と社員が互いの期待に応え続ける関係の構築を推進しております。 上述の重点課題に係る具体的な戦略については適宜、必要な対応を進めております。 社員のやりがいや満足度を高めるための取組みとしては、多様化する社会のニーズを捉え、社会の期待に応える「新しい価値創造」を続けていくために、多様な人材がそれぞれの経験や価値観に基づき活躍できる環境が重要であるとの認識の下、育児や介護、病気療養といった事情を抱えながら働き続けることを可能とするため、在宅勤務制度や法令の水準を上回る育児・介護における休業および所定労働時間短縮制度、年次有給休暇とは別途に設ける特別休暇制度の拡充など、柔軟で働きやすい環境を整備しております。 なお、在宅勤務制度については、個人的な事情への配慮のためだけでなく、従業員がさらにクリエイティビティを発揮して業務の生産性を向上させるとともに、社会人としての成長や健康増進につなげるための制度としても活用しております。 また、現行の「神栄グループ人事処遇制度」における能力開発制度を通して、個々の人材力の最大化を念頭に置き、人材の確保・育成・活用を行っております。 能力開発制度では、会社が提供する教育と個人の意欲に基づく自己啓発の双方による人材力の最大化を目指しております。 会社が提供する教育においては、階層別研修に加えて、選択型の研修を導入しており、管理職を除く全社員を対象に、上司との面談に基づき、今後のキャリアプランに沿って必要となる知識やスキルの習得を目的として、外部環境の変化への対応力を高めると同時に、社員のキャリア自律を促進しております。 また、自己啓発支援については、自ら学ぶテーマを内発的に設定し、能力向上に努めるとともに、仕事を通じて「より社会に貢献できる人材」となることを期待し、金銭面での補助の拡充に加え、活用を促進するための相談体制の充実や学びの環境整備など、手厚い支援体制を構築しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | <指標および目標>当社グループでは、上記<戦略>において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いており、当該指標に関する目標および当連結会計年度における実績はそれぞれ記載のとおりであります。 なお、当社グループとしての取組みはすべての連結会社を対象とはしているものの、海外子会社においては国内と同一に取扱うことが困難であると考えられるため、次の指標に関する目標および実績は、当社および国内連結子会社(以下「対象会社」といいます。 )を対象とするものであります。 指標目標実績期限目標値①男性労働者の育児休業・休暇取得率<継続>100%100.0%②男性労働者の育児休業取得率2027年度100%40.0%③1人当たりの年間教育・研修費<継続>50,000円55,045円④管理職に占める女性労働者の割合2030年度20%7.6% ① 男性労働者の育児休業・休暇取得率② 男性労働者の育児休業取得率①男性労働者の育児休業・休暇取得率は、対象連結会計年度における、配偶者が出産した男性労働者の数に対する、育児休業をした男性労働者の数および小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を3日以上利用した男性労働者の数の合計数の割合であります。 ②男性労働者の育児休業取得率は、対象連結会計年度における、配偶者が出産した男性労働者の数に対する、2週間以上の育児休業をした男性労働者の数の割合であります。 前連結会計年度において、年次有給休暇とは別途に、配偶者出産時に取得できる100%有給の特別休暇に係る取得要件を緩和する制度改定を実施し、当連結会計年度に制度の浸透を図り、特別休暇の取得を促進いたしました。 その結果、前連結会計年度において配偶者出産時に特別休暇を取得した男性労働者の割合が22.2%であったところ、当連結会計年度においては対象者5名すべてが通算3日以上の特別休暇を取得し、取得率は目標とする100.0%に到達しました。 今後も100%の取得率を維持してまいります。 また、対象会社において育児休業をした男性労働者は、前連結会計年度においては9名中2名でありましたが、当連結会計年度においては5名中2名となり、男性労働者の育児休業取得率は上昇しました。 次世代を担う子どもたちを安心して産み育てるための環境整備は企業の社会的責務であると認識しており、育児を目的とした休暇制度の利用のみならず、すべての対象者が育児休業を取得できるよう、当連結会計年度において、育児休業を取得した従業員の業務を引き継ぐなどの支援を行った場合に手当を支給する制度を創設し、2025年4月1日より運用を開始しており、今後も育児休業を取得しやすい環境づくりを進めてまいります。 なお、「育児休業からの復職率」の実績は100%を保っており、育児をしながら働く従業員を受け容れる職場風土が醸成されているものと判断しております。 ③ 1人当たりの年間教育・研修費本指標は、対象連結会計年度において教育・研修費に該当する勘定科目に記載された合計金額を、対象連結会計年度末日時点における対象会社の役員の数および正規雇用労働者の合計数で除したものであります。 教育・研修費には、自社主催の場合の研修講師への報酬および外部施設の会場費・教材費、外部教育機関のセミナーや通信教育・e-ラーニングの受講料、自己啓発やリスキリングに対する支援・補助などを含みますが、研修に係る旅費交通費、OJTや社内講師に係る人件費は含んでおりません。 当社グループでは、人的資本への投資として、当連結会計年度において1人当たり50,000円の年間教育・研修費を目標として設定し、階層別研修のさらなる充実や、従業員一人ひとりに適したスキル・知識の向上につながる研修機会の付与、自己啓発の取組みに関する支援の拡充などにより目標を達成し、1人当たり55,045円となりました。 次連結会計年度においては、当連結会計年度における取組みを継続し、学習内容の充実や学習後の知識定着によって、さらなる生産性向上に取り組んでまいります。 なお、1人当たりの年間教育・研修費の目標は、過年度の実績を勘案し、当連結会計年度の水準である50,000円を維持いたします。 なお、2025年4月1日より、対象会社において、管理職を含む正社員の基本賃金を一律月額7,000円引き上げ、2023年から3年連続でベースアップを実施いたしました。 ベースアップの3年累計金額は月額25,000円となります。 今後も人材の確保や育成に必要となる対応を積極的に行ってまいります。 ④ 管理職に占める女性労働者の割合本指標は、対象連結会計年度において「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 正規雇用労働者を対象とし、対象会社のうち国内連結子会社における常勤役員(当社の執行役員が兼務する者を除く)を管理職に含んでおります。 当社グループにおいては、「管理職に占める中途採用者の割合」の実績が63.6%であるなど、多様な人材が活躍し、適材適所の観点から個人の能力に応じた人材登用が行えているものと判断しております。 また、対象会社における女性の勤続年数は男性の勤続年数を上回っており、管理職候補者層からの管理職への登用の割合についても性別による差異はなく、女性が働きやすい環境は整っていると認識しております。 今後も性別に関わらずマネジメントへの適性がある人材を管理職に登用してまいりますが、より多様な人材を活用し、企業価値の向上につなげるため、2030年度までに女性管理職の比率を20%に引き上げることを目標としております。 女性労働者のキャリア形成支援を通して管理職候補者を増やすとともに、管理職となることを阻害する要因の有無を把握・分析した上で必要な施策を検討・実施するなど、多様な人材が活躍できる職場づくりをさらに進めてまいります。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 また当社は「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、当社グループの事業の遂行上、想定し得る重要な個別リスクに関し、組織的・体系的に対処することとしております。 これらの個別リスクは、当社グループ横断的に設置する常設の内部統制委員会で適切な管理を行い、リスクの未然防止を図るとともに、管理対象とすべき新たなリスクが生じた場合は、速やかに、当該リスクに対する施策を講じます。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 (1) 事業上のリスク① 自然災害、感染症および国際情勢などにかかるリスク当社グループは国内をはじめとして、中国、東南アジア、米国等の世界各国における事業を展開し、情報ネットワークを構築しており、気候変動により起こる異常気象や自然災害、感染症の流行、一部の地域および国家間における戦争や紛争ならびに緊張状態等の地政学リスクの増大、テロ、疾病、社会的混乱、公的規制の制約等が発生した場合、その地域においては原材料購入、生産加工、製品の販売および物流等に一時的な遅延や停止が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、米国の通商政策に関して、当社グループに対する直接的な影響は限定的と見込まれるものの、今後の動向によって、国内外の経済情勢や為替相場、取引先企業を通じた間接的な影響が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟にかかるリスク当社グループは国内外で事業を遂行する上で、訴訟やその他の法的手段の当事者となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合または事業遂行の制限が加えられた場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社は2014年11月に米国で提起された当社グループを含む日系コンデンサメーカーにおける取引において米国反トラスト法に違反したと主張する複数の訴訟等(集団訴訟を含む)への対応を行ってまいりましたが、米国におけるすべての訴訟について原告との間で和解の合意に達しております。 しかしながら、米国外で提起されている訴訟等の動向によっては当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 商品および原材料の調達にかかるリスク当社グループの食品関連における商品および原材料の調達は、その多くを中国から輸入しております。 中国以外の調達ルートの開拓も進めており、中国への輸入依存リスク軽減に努めておりますが、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、気候変動、自然災害、感染症の流行等の不測の事態により調達できなくなった場合には、当社グループの販売活動に影響が生じ、当社グループの財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。 ④ 取扱商品の品質にかかるリスク当社グループは国内および海外に生産拠点や協力工場を有しており、社会への貢献という当社グループの経営理念にもとづき、安全・安心のための品質基準を設けて、製品・商品の品質管理には細心の注意を払い万全の体制をとっていますが、食品の安全に関する問題など製造および販売に関して予期しない何らかの問題が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 情報システムの障害にかかるリスク当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっていることから、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めております。 それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的・人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、業務の停止や機密情報・個人情報・その他データの盗取や漏洩などの問題を引き起こし、事業活動の継続に支障をきたし、その結果、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 法令および規制にかかるリスク当社グループにおいて展開する事業は、食品衛生法、建築基準法ならびに独占禁止法など各種の法令および規制の適用を受けております。 そのため、法令および規制の変更、または規制当局による措置その他の法的手続きにより、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 財務・会計上のリスク① 資金調達および金利上昇にかかるリスク当社グループは商品を輸入して国内の販売先に供給する事業のウエイトが高く、輸入商品の支払サイトに比べて国内販売の受取サイトが長いことから運転資金の負担が発生し、有利子負債が比較的多額となっております。 現時点においては、金融機関からの借り入れによる資金調達に支障はありませんが、今後、金融システム・金融情勢の大きな変化や取引金融機関の融資姿勢の変化によっては、資金調達や借入条件に影響が出てくる可能性があります。 また、市場金利が上昇する局面においては、支払利息等の資金調達コストが増加することが想定されるため、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 債権の貸倒れにかかるリスク販売先の倒産等による与信リスクについては、当社グループ独自の与信管理システムにより債権管理に万全を期していますが、経済環境の変化による予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、売上債権の回収に支障を来たした場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 繰延税金資産にかかるリスク当社グループは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しており、予測される将来の課税所得の見積りに基づき、税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得がその見積り額を下回ることとなり、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産が取り崩されて税金費用が計上されることで、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の概況当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東問題による地政学上のリスクに加え、インフレ圧力による影響が継続し、米国では引き続き良好な雇用環境や底堅い個人消費によって景気は堅調に推移しましたが、通商政策が景気の不確実性を高める要因として懸念されるようになりました。 また、東南アジアではサプライチェーン再編の動きに伴う生産拠点の移転などが輸出の復調を牽引し、好影響をもたらしましたが、中国では長引く不動産市場の低迷に加え、輸出が鈍化する兆しがあり景気減速傾向が継続しました。 わが国経済は、設備投資の増加基調が持続するとともに、インバウンド需要が拡大し個人消費も緩やかな回復基調にあり、また原油価格高騰の懸念についても緩和しつつある一方で、原材料費の高止まりに円安の影響も受けた輸入コストの上昇に加えて、人件費や物流コストも増加が続くなど、依然として不透明な状況が継続しました。 当社グループにおきましては、2027年3月期までの3年間を対象とする新たな中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」を策定し、本中期経営計画の3年間累計の連結経常利益55億円以上を目標として掲げ、安定した収益確保や総資産の効率的運用により自己資本比率をさらに向上させつつ、資本コストを上回る収益性の維持に取組んでおります。 また、従来の繊維関連を事業開発関連に再編し、社会課題の解決やサステナブルな社会の実現を目指した新規事業および新たなビジネスモデルの開発をこれまで以上に強力に進めるとともに、競争力のある事業ポートフォリオの組成により安定した収益を確保すべく、適時適切な対応を進めております。 当連結会計年度における当社グループの売上高は、前連結会計年度に行った繊維事業からの一部撤退などによる減少はありましたが、食品関連や電子関連が伸長したことで、全体では40,158百万円(前連結会計年度比0.1%減)とほぼ横ばいとなりました。 利益面では、主に食品関連の冷凍食品分野において、想定を超えた円安基調の長期化による仕入コスト上昇の影響が大きく、また物流コスト高騰の影響もあり、販売価格調整を進めたものの、営業利益は1,385百万円(前連結会計年度比22.7%減)、経常利益は1,431百万円(前連結会計年度比25.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,321百万円(前連結会計年度比20.2%減)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。 食品関連 食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、国内における経済活動の正常化の動きが進み、インバウンドの回復を含め、幅広い業態において食品需要に回復の動きがみられるものの、外食産業をはじめ各分野での人手不足の問題が継続しました。 また海外仕入国での工場経費などの高騰に加え、国内においても物流コストや人手不足対策としての人件費上昇などのコストアップ要因が依然として継続しました。 このような状況の中、当社グループの冷凍食品分野では、強みである品質管理体制を活かした医療老健施設向けなど品質管理要求の高いルートへの販売に引き続き注力しながら、幅広い業態で回復の動きをみせた需要を取込むべく生産から物流管理にわたるサプライチェーンの安定化による強みを発揮し、冷凍野菜・冷凍調理品の販売量が増加したことで、価格高騰による消費低迷が続く中での冷凍水産加工品の販売不振が影響したものの、全体として販売量・売上ともに増加しました。 利益面では想定を超えた円安基調の長期化による仕入コスト上昇の影響が大きく、また物流コスト高騰の影響もあり、販売価格調整を進めたものの利益は減少しました。 農産分野は、円安基調における市場の仕入姿勢の慎重化の動きが継続したことに加え、主力のカシューナッツをはじめとしたナッツ類の価格上昇基調の中でも、販売機会の獲得に努め、売上・利益ともに増加しました。 その結果、食品関連の売上高は32,019百万円(前連結会計年度比0.9%増)、セグメント利益は1,883百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。 物資関連 輸出事業を取り巻く環境は、半導体不足の緩和や物流の正常化、円安基調の継続により、総じて改善傾向が続きましたが、輸出数量は引き続き産業や地域によるばらつきが見られ、特にアジア向けの輸出においては、中国経済の回復の遅れが足かせとなりました。 このような状況の中、当社グループの機械機器・金属製品分野では、ハードウエアや北米向け試験機器の取扱いが減少したことに加え、建設機械の取扱いが大幅に減少したこともあり、売上・利益ともに減少しました。 また、防災関連分野では、新規現地調査案件への移行が想定以上に遅れ開始に至らず、売上・利益ともに大幅に減少しました。 国内における住宅建設関連においては、集合住宅の着工件数が改善したこともあり、当社グループの建築金物・資材分野では建築金物が堅調に推移し売上は増加しましたが、経費が増加したことにより利益は減少しました。 生活用品分野では、毛材とオーラルケア製品の販売が伸長したことで、売上・利益ともに増加しました。 その結果、物資関連の売上高は3,809百万円(前連結会計年度比8.2%減)、セグメント利益は437百万円(前連結会計年度比30.3%減)となりました。 電子関連 電子部品業界は、在庫調整局面の解消や半導体不足の緩和、サプライチェーンの安定化を背景に、回復基調に移行しつつあるものの、産業機器市場は依然として軟調に推移し、民生市場においてもスマートフォン需要の回復は緩やかなものにとどまりました。 当社グループのセンサ機器分野では、粒子計測機器や民生用途の湿度センサが堅調に推移したものの、車載用途のホコリセンサ・湿度センサがともに減少したことから、売上・利益ともに減少しました。 計測・試験機器分野では、吸収分光式水分計測機器の販売が大幅に伸長したことに加え、輸送や梱包に係る各種試験機も増加したことから、売上・利益ともに大幅に増加しました。 コンデンサ分野では、照明用途や産業機器用途などの減少により、売上・利益ともに大幅に減少しました。 その結果、電子関連の売上高は3,760百万円(前連結会計年度比3.0%増)、セグメント利益は243百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。 事業開発関連 当連結会計年度より、報告セグメントの変更を行い、繊維関連を再編し、新規事業の開発および新たなビジネスモデルの開発を行うとともに将来性が見込まれる事業の発展に取り組むことを目的とした事業開発関連を報告セグメントに加えました。 社会課題の解決やサステナブルな社会の実現を目指した新規事業や新たなビジネスモデルの開発については、専任の部署が鋭意調査・研究を推進しております。 育成事業としてのアパレル通販分野では、テレビショッピング向けに取扱う既存ブランドのデザインや品質が消費者から広く支持され、販売が順調に推移したことに加え、新たにデビューした複数の新規ブランドも好調なスタートを切ったことなどで、繊維事業からの一部撤退により全体の売上は減少となりましたが、採算性は改善し、利益は大幅に増加しました。 また、同じく育成中の食品輸出分野では、香港の小売市場の低迷により荷動きが鈍化したことで、香港向けの菓子類などの輸出が減少しました。 その結果、事業開発関連の売上高は568百万円(前連結会計年度比15.3%減)、セグメント利益は5百万円の損失(前連結会計年度は65百万円の損失)となりました。 ※ セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に 基づいております。 ② 財政状態の概況当連結会計年度末の資産は27,562百万円であり、前連結会計年度末に比べて988百万円の増加となりました。 これは棚卸資産が978百万円増加したことなどによるものであります。 また、負債は18,777百万円であり、前連結会計年度末に比べて182百万円の減少となりました。 これは未払費用が103百万円増加した一方で、借入金が262百万円減少したことなどによるものであります。 純資産は8,785百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,171百万円の増加となりました。 これは自己株式が自己株式の取得などに伴い299百万円減少した一方で、利益剰余金が配当金の支払いはあったものの親会社株主に帰属する当期純利益の計上により993百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が478百万円増加したことなどによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの概況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、662百万円の収入(前連結会計年度比648百万円の収入減)となりました。 これは、棚卸資産の増加996百万円などにより減少した一方で、税金等調整前当期純利益1,468百万円および減価償却費308百万円などにより増加したことによるものであります。 また、投資活動によるキャッシュ・フローは、5百万円の支出(前連結会計年度比79百万円の支出減)となりました。 これは、有形固定資産の売却による収入118百万円により増加した一方で、有形固定資産の取得による支出74百万円および無形固定資産の取得などによるその他の支出49百万円により減少したことによるものであります。 一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,011百万円の支出(前連結会計年度比18百万円の支出減)となりました。 これは、配当金の支払額327百万円、自己株式の取得による支出317百万円および借入金の純減額262百万円などにより減少したことによるものであります。 その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は313百万円減少(前連結会計年度は208百万円の増加)して1,146百万円となりました。 ④ 生産、受注および販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前連結会計年度比(%)電子関連3,501107.2合計3,501107.2 (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)電子関連3,529105.1535126.2合計3,529105.1535126.2 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比(%)食品関連32,019100.9物資関連3,80991.8電子関連3,760103.0事業開発関連56884.7合計40,15899.9 (注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。 2 セグメント間の内部売上高は控除しております。 3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度比については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えて比較を行っております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当連結会計年度におきましては、電子関連では吸収分光式水分計測機器や各種試験機が好調に推移し、事業開発関連ではアパレル通販分野の伸長や採算性改善で損失が縮小したものの、食品関連では冷凍食品分野で冷凍野菜・冷凍調理品の取扱いが伸長した一方で想定を超えた円安基調の長期化により販売価格調整を進めたものの減益となったこと、物資関連では海外防災関連分野において新たな現地調査案件が当該国の事情により遅れて開始に至らなかったことなどにより、全体として売上はほぼ横ばい、利益は減益となりました。 当社グループでは、2027年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2026」における目標である3年間累計の連結経常利益55億円以上について、現時点では本目標の変更は行わず、本中期経営計画2年目となる2026年3月期を挽回を期す1年間と位置付けたうえで、引き続き競争力のある事業ポートフォリオの組成により安定した収益を確保してまいります。 財政状態につきましては、主に食品関連において、棚卸資産が今後の売上拡大に向けた積み増しや仕入コスト上昇により増加したことなどで、総資産は増加しました。 この要因による運転資金の増加や自己株式取得に伴う資金需要はありましたが、利益計上などにより有利子負債を圧縮したことで負債は減少しました。 一方、純資産は自己株式取得により減少したものの、利益計上に加え、その他有価証券評価差額金などの増加により大幅に増加したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から3.2ポイント上昇し31.9%となりました。 引き続き安定した収益確保や政策保有株式をはじめとする保有資産の一部売却など総資産の効率的運用により自己資本比率をさらに向上させつつ、資本コストを上回る収益性を維持してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。 資本の財源および資金の流動性につきましては、主に食品関連における運転資金の増加や自己株式の取得に伴う資金需要はあったものの、利益計上に加え、設備投資を減価償却費の範囲内で行ったことなどにより、有利子負債の削減を進めました。 次連結会計年度においては、例年実施している更新等に係る設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則としつつ、今後の収益拡大に向けた設備投資は行うものの、全体としては利益計上や政策保有株式をはじめとする保有資産の一部売却などによるフリーキャッシュ・フローの確保および有利子負債の削減に取組んでまいります。 ③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。 この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。 (繰延税金資産)当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。 また回収可能性については、過去の実績に基づき見積可能期間に応じた将来の課税所得を見積もっております。 なお、当連結会計年度の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発活動は、電子関連のセンサ機器関連および計測・試験機器関連の研究開発を神栄テクノロジー㈱にて、フイルムコンデンサおよび関連ユニットの研究開発を神栄キャパシタ㈱にて行っており、それぞれの研究内容は次のとおりであります。 なお、研究開発費の金額は174百万円であります。 センサ機器関連、計測・試験機器関連(1) 産業用パーティクルセンシングモニター新モデルの開発および製品化 (2) 温湿度をはじめとする各種ロガーの製品化およびソフトウエア開発(3) 吸収分光式水分計の製品化および応用研究(4) DX支援システム関連の開発および製品化 コンデンサ関連(1) 産業機器・パワーエレクトロニクス分野向けコンデンサおよびモジュールの開発 (2) 車載および車周辺分野向けコンデンサの開発ならびに車載規格IATF16949に関連する研究(3) 耐高温高湿コンデンサの開発および製品化 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度は、当社グループ全体でリース契約を含め総額161百万円の設備投資を実施いたしました。 食品関連において拠点整備やシステム更新などで33百万円、物資関連において設備の改修などで18百万円、電子関連においてシステムの取得や製造設備の増設などで74百万円および全社(共通)において情報システム投資や設備の維持・改修に伴う投資などで34百万円の設備投資を行いました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計本社(神戸市中央区)食品関連物資関連事業開発関連全社(共通)事務所1,0680115(879)11361,23198(15)神栄グループR&Dセンター(神戸市中央区)食品関連電子関連研究所事務所測定機器5180532(3,000)911,0613(-)賃貸事業(京都府綾部市)物資関連賃貸建物33-14(10,066)--48-(-)子会社へ賃貸(茨城県つくば市)電子関連土地・建物263-181(2,744)-0445-(-)子会社へ賃貸(長野県東御市)電子関連土地・建物23300(10,366)-0235-(-) (2) 国内子会社2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計神栄テクノロジー㈱福岡工場(福岡県築上郡上毛町)ほか電子関連土地・建物電子機器製造設備19652112(19,354)3532429110(25)神栄ホームクリエイト㈱本社(大阪府東大阪市)ほか物資関連事務所倉庫510128(849)-218237(4)神栄リビングインダストリー㈱賃貸事業(千葉県野田市)ほか物資関連賃貸建物41-71(1,982)-01134(-) (3) 在外子会社2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計Shinyei KaishaElectronics(M)SDN.BHD.本社(マレーシア)電子関連コンデンサ製造設備-12-(-)-183078(35) (注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、ならびに建設仮勘定の合計でありますが、本社についてはグループ情報システムに係るソフトウエア23百万円を含めております。 2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人数であります。 3 建物、機械装置および土地の一部を賃借しています。 主要な賃借として、以下のものがあります。 ① 提出会社 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容従業員数(名)賃借の面積(㎡)年間賃借料(百万円)東京支店(東京都港区)食品関連物資関連事業開発関連全社(共通)事務所47(7)77833 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容台数リース期間年間リース料(百万円)リース契約残高(百万円)本社(神戸市中央区)ほか食品関連物資関連事業開発関連 全社(共通)コンピューター機器289台4年1942 ② 在外子会社 会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容従業員数(名)賃借の面積(㎡)年間賃借料(百万円)Shinyei Kaisha Electronics(M)SDN.BHD.(マレーシア)電子関連工場建物78(35)5,64925 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等当社グループは、多種多様な事業を国内外で行っており、期末時点ではその設備の新設・拡充の計画を個々のプロジェクトごとに決定しておりません。 そのため、セグメントごとの数値を開示する方法によっています。 当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は220百万円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。 セグメントの名称投資予定金額(百万円)設備等の主な内容・目的資金調達方法食品関連40設備の増設および情報システム投資自己資金またはリース物資関連10設備の維持自己資金またはリース電子関連120製造設備の増設・維持自己資金またはリース小計170 全社(共通)50設備の維持および情報システム投資自己資金またはリース合計220 (2) 重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 174,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 34,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 15 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,423,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準および考え方当社は、純投資を目的とした株式の取得はしない方針としております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ 保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社では、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」において、政策保有を目的とする上場会社株式(以下「特定投資株式」という。 )の保有に関する方針を次のとおり定めております。 当社および当社の子会社は、事業機会の創出や取引関係の維持または強化のため必要と判断される場合、他社の株式を取得または保有することがある。 取得に当たっては、投資額と取得によって得られる利益を総合的に検討し、是非を判断する。 また、保有の意義が乏しいと判断される株式については、市場に与える影響等を勘案の上、売却する。 当社では、上記方針を踏まえ、特定投資株式について、株式保有によって当社グル―プが得られる会計上の利益に加え、取引内容における現状や将来の見通しから、a 保有目的が適切か、b 保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を毎年検証しております。 a 保有目的が適切かにつきましては、「事業機会の創出」または「取引関係の維持または強化」のいずれかを保有の目的とし、現状と合致しているかを確認し、かつ将来の見通しも加味して判断しております。 b 保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかにつきましては、「取得によって得られる利益」が資本コストに見合っているかで保有の合理性を判断することとし、具体的には、当事業年度における「年間受取配当金(期中で取得、売却があった場合は調整)-保有コスト(帳簿価額×資本コスト率)」および「配当利回り」に加え、取引により当社グル―プが得られる利益等を勘案し総合的に判断しております。 特定投資株式10銘柄について、2025年5月14日開催の取締役会においてこれらの検証を行った結果、すべての銘柄について、保有目的が適切であり、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っており、適正な保有であると判断しております。 なお、政策保有株式縮減の一環として売却予定である1銘柄については除外しております。 ロ 銘柄数および貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式10260非上場株式以外の株式115,548 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 該当事項はありません。 ハ 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ903,330903,330当該社の子会社と資金調達等の継続的な取引があり、また当該社の別の子会社に証券代行業務を委託しており、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 無(注)21,8161,406㈱三井住友フィナンシャルグループ(注)3256,14085,380当社の主要金融機関である当該社の子会社と資金調達等の継続的な取引があるほか、当該社のその他のグループ会社とも幅広く継続的な取引があり、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 無(注)2972760㈱京都フィナンシャルグループ386,760386,760当該社の子会社と資金調達等の継続的な取引があり、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 無(注)28801,067㈱りそなホールディングス495,723495,723当該社の子会社と資金調達等の継続的な取引があり、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 無(注)2637471MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱(注)4193,10164,367今後の取引関係の維持または強化のために保有しておりましたが、政策保有株式縮減の一環として、売却予定にしております。 無(注)2622523㈱ノザワ486,500486,500過去に電子関連において販売実績があり、今後も電子関連および物資関連で取引の可能性があることから、事業機会の創出のために保有しております。 有411465㈱さくらケーシーエス73,00073,000当社グループの基幹システムについてシステム保守等のサポートを受けており、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 有84105川西倉庫㈱60,00060,000食品関連において物流業事務を委託しており、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 有6272㈱池田泉州ホールディングス74,37074,370当該社の子会社と資金調達等の継続的な取引があり、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 無(注)23229神戸電鉄㈱10,60010,600食品関連および電子関連において間接的に販売しており、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 有2529尾家産業㈱2,0002,000食品関連における主要販売先であり、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 無33 (注)1 定量的な保有効果については記載が困難であります。 保有の合理性は、前記イに記載の方法で検証しております。 2 保有先企業は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社の株式を保有しております。 3 ㈱三井住友フィナンシャルグループは、2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割しております。 4 MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱は、2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 10 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 260,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 11 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5,548,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 2,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 3,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 尾家産業㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 食品関連における主要販売先であり、今後の取引関係の維持または強化のために保有しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) ㈱メディパルホールディングス東京都中央区京橋三丁目1-12085.34 ㈱三井住友銀行東京都千代田区丸の内一丁目1-21874.80 ㈱三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内一丁目4-51874.80 ㈱みなと銀行神戸市中央区三宮町二丁目1-11804.63 農林中央金庫東京都千代田区大手町一丁目2-11654.22 神栄グループ従業員持株会神戸市中央区京町77-11293.33 ㈱ノザワ神戸市中央区浪花町151223.13 ㈱さくらケーシーエス神戸市中央区播磨町21-11012.58 兵庫県信用農業協同組合連合会神戸市中央区海岸通11002.56 ㈱泉屋製菓総本舗愛知県あま市七宝町遠島十坪90982.51計-1,48037.89 (注) 上記のほか当社所有の自己株式260千株があります。 |
株主数-金融機関 | 17 |
株主数-金融商品取引業者 | 26 |
株主数-外国法人等-個人 | 7 |