財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-13 |
英訳名、表紙 | Saison Technology Co.,Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 葉山 誠 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区赤坂一丁目8番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(6370)2930 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月事業内容1970年 9月西武流通グループ(当時)の情報処理機能の統合と新しい情報サービス業の創造を目的として、東京都豊島区南池袋に資本金5千万円をもって株式会社西武情報センターを設立。 情報処理サービス事業、ソフトウェア開発事業を開始。 1973年 7月大阪市南区(現在は大阪市西区)に大阪営業所(現西日本事業所)を開設し、関西地域における情報処理サービス事業を開始。 1981年 3月信販業務システムを中心とする情報サービス拡大強化のため、株式会社緑屋計算センターを吸収合併。 1992年 4月株式会社セゾン情報システムズに商号変更。 1993年 1月通信ミドルウェア「HULFT」の提供を開始し、現在のパッケージ販売事業の源となる。 1993年11月当社株式を店頭売買有価証券として日本証券業協会に登録。 1995年 3月特定システムオペレーション企業として通商産業省(現経済産業省)から認定。 1995年10月東京都から電気通信工事業、電気工事業の許可取得。 1998年 3月メール運用サービス会社、株式会社三協サービス(株式会社流通情報ソリューションズ(2005年4月に当社と合併))を取得。 1999年 4月情報処理オペレーションサービス会社、株式会社ファシリティエキスパートサービスズ(株式会社フェス)を設立。 1999年12月財団法人日本情報処理開発協会(現一般財団法人日本情報経済社会推進協会)からプライバシーマーク付与認定を取得。 2000年 4月名古屋市中村区に名古屋営業所(現中部事業所)を開設。 2001年 6月東京都豊島区東池袋にサンシャイン事業所を開設。 2003年 3月財団法人日本品質保証機構(現一般財団法人日本品質保証機構)から情報セキュリティ管理の認証基準ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)適合性評価制度の認証を取得。 2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場。 2005年 4月人材派遣会社、株式会社HRプロデュース(株式会社フェス)を設立。 株式会社流通情報ソリューションズを吸収合併。 2005年 7月本店所在地を東京都豊島区池袋から東京都豊島区東池袋に変更。 2005年11月世存信息技術(上海)有限公司を設立。 2009年 2月東京都江東区に深川センターを設置し、ITアウトソーシングへの需要増加に対応。 2010年 4月クラウド型ホスティングサービス「SAISOS」提供開始。 ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所(JASDAQ市場)に上場。 2010年10月大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場。 2012年10月株式会社フェスは株式会社HRプロデュースを吸収合併。 2013年 3月データ連携ソリューション強化のため、株式会社アプレッソの株式を取得。 2013年 7月東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。 2014年12月クラウド&グローバル時代に求められる多様な連携ニーズに対応した「HULFT8」提供開始。 2015年 4月HULFT事業のASEAN地域への本格展開を目的に設立したHULFT Pte. Ltd.の営業を開始。 2016年 2月BPO事業を会社分割(新設分割)により新設会社に継承し、当該新設会社の全株式を株式会社ビジネスブレイン太田昭和(本社:東京都港区)に譲渡。 2016年 4月「HULFT」を北米地域に展開するためのグローバル拠点として、米国にHULFT, Inc.を設立。 2016年 9月製造業のIoTビジネスの革新を支援するデータ連携基盤「HULFT IoT」提供開始。 2017年 7月英国にEMEA事務所を開設。 2017年11月本社所在地を東京都豊島区池袋から東京都港区赤坂に移転。 2018年 1月株式会社フェスの全株式を株式会社インフォメーション・ディベロプメント(現株式会社IDホールディングス、本社:東京都千代田区)に譲渡。 2018年 6月登記上の本店を東京都港区赤坂一丁目8番1号へ移転。 2019年 4月株式会社アプレッソを吸収合併。 2020年12月散在したデータの収集・整理・カタログ化によりひらめきを生み出すメタデータマネジメントプラットフォーム「HULFT DataCatalog」提供開始。 2021年10月株式会社メルコホールディングス(現株式会社バッファロー)と資本業務提携契約を締結(2024年3月に株式会社メルコグループ、株式会社メルコホールディングス(現株式会社バッファロー)及び当社の間で本資本業務提携契約の変更契約を締結)。 2022年 4月東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場に上場。 2023年 2月日本発クラウド型データ連携プラットフォーム「HULFT Square」を提供開始。 2024年 2月「HULFT10」を発表し、第一弾として「HULFT10 for Container Services」の提供開始。 2024年 4月株式会社セゾンテクノロジーに商号変更。 2024年12月「HULFT10」オンプレミスシステム対応版の提供開始。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当社と子会社3社(連結子会社2社、非連結子会社1社)の計4社により構成されており、その他の関係会社として株式会社クレディセゾン、株式会社メルコグループが存在します。 事業内容と事業の系統図は次のとおりであります。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 HULFT事業 国内におけるデータ連携ソフトウェアのスタンダードである当社の主力製品「HULFT」、「DataSpider Servista」及び関連製品の販売・サポートサービスを提供しております。 (主な関係会社)当社、世存信息技術(上海)有限公司、Saison Technology International, Inc.、Saison Technology Singapore Pte. Ltd. データプラットフォーム事業 当社の強みである「HULFT」、「DataSpider Servista」及び日本発クラウド型データ連携プラットフォーム「HULFT Square」を活用し、企業内・企業間のシステムとSaaSのデータを連携することで、業務効率化及び経営刷新を図るサービスを提供しております。 (主な関係会社)当社、世存信息技術(上海)有限公司、Saison Technology International, Inc. 流通ITサービス事業 主に流通小売業・航空業向けに、情報処理サービス、システム開発・運用サービスを提供しております。 (主な関係会社)当社 フィナンシャルITサービス事業 金融業向けに、情報処理サービス、システム開発・運用サービスを提供しております。 (主な関係会社)当社 ※1 ○印は、連結子会社2 ◆印は、持分法を適用している非連結子会社 なお、当連結会計年度において、報告セグメントは「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「流通ITサービス事業」、「フィナンシャルITサービス事業」としていましたが、翌連結会計年度より「流通ITサービス事業」と「フィナンシャルITサービス事業」を統合し、「システム受託事業」とすることといたしました。 これにより、セグメント区分は「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「システム受託事業」に変更されます。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合(%)関係内容所有割合(%)被所有割合(%)(連結子会社) 世存信息技術(上海)有限公司(注)1中華人民共和国826百万円システム受託開発、パッケージソフトウェア販売100-「HULFT」等のパッケージソフトウェア開発の業務委託及び「HULFT Square」の共同開発を行っております。 Saison Technology International, Inc.(注)1アメリカ合衆国2,950万米ドルシステム受託開発、パッケージソフトウェア販売100-「HULFT Square」の共同開発を行っております。 役員の兼任1名(持分法適用非連結子会社) Saison Technology Singapore Pte. Ltd.シンガポール100万シンガポールドルマーケティング業務受託100-ASEAN地域での「HULFT」等のパッケージソフトウェアのマーケティング業務を委託しております。 (その他の関係会社) 株式会社クレディセゾン(注)2東京都豊島区75,929百万円総合信販業-46.88情報処理サービスの提供等を行っております。 役員の兼任1名株式会社メルコグループ(注)3東京都千代田区98百万円有価証券の保有及び運用、子会社を通じての事業統括運営-20.52(0.50)業務提携による製品開発及び販売チャネルの相互活用を検討しております。 (注)1 特定子会社であります。 2 有価証券報告書の提出会社であります。 3 議決権の被所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年 3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)HULFT事業222データプラットフォーム事業141流通ITサービス事業33フィナンシャルITサービス事業136全社239合計771(注)1 従業員数は当社グループの就業人員であります。 2 全社は、管理部門の従業員183名及びデータセンター運営等の従業員56名であります。 3 従業員数には、当社グループから他社への出向者1名を含んでおりません。 4 従業員数には、嘱託・契約社員を含めております。 (2)提出会社の状況 2025年 3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)73142.913.47,444,654 セグメントの名称従業員数(名)HULFT事業195データプラットフォーム事業128流通ITサービス事業33フィナンシャルITサービス事業136全社239合計731(注)1 従業員数は就業人員であります。 2 全社は、管理部門の従業員183名及びデータセンター運営等の従業員56名であります。 3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 4 従業員数には、当社から他社への出向者6名を含んでおりません。 5 従業員数には、嘱託・契約社員を含めております。 (3)労働組合の状況・名称セゾンテクノロジー・ユニオン・組合員数500名(2025年 3月31日現在)・所属上部団体電機連合・労使関係当社はセゾンテクノロジー・ユニオン結成以来、紛争及び争議行為もなく、労使協調のもと毎月情報交換及び案件を検討しており、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1、2男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2、3労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、2、4、5全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者15.364.382.783.373.9(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 管理職に占める女性労働者の割合は2025年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。 3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 4 賃金は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 また、パート・有期労働者には、本社員以外の、嘱託・契約社員等全ての雇用者を含めております。 なお、労働者に執行役員を含めておりません。 5 当社の労働者の賃金は、性別に関係なく、同一の基準を適用しております。 女性に比べ男性の方が管理職比率が高いこと等が、男女間賃金差異の要因となっております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、経営の基本方針として、次のミッション、共有する価値観(Our Values)を掲げております。 <ミッション> 世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る Connect the world’s data and make it useful for everyone<共有する価値観(Our Values)> ・Customer Centric 現場に立ちお客様のためを考え抜く ・Proactive 自ら考え自ら行動する ・Respect 互いを尊重し会話をする (2)目標とする経営指標 当社グループは、中長期において魅力的で稀有な高収益IT企業となり、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的にはROE20%以上を恒常的に達成することを経営指標としております。 また、中長期的な企業価値を要因として、株主の最終的な利益に整合した指標であるため、TSR(株主総利回り)を経営指標に加えております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、半世紀にわたり金融・流通業界の基幹業務システムを支えてきました。 お客様のことを考え抜いた開発現場から生まれた「HULFT」は、国内のデータ連携ソフトウェアのデファクトスタンダードになるまで成長し、お客様業務の安全・安心なデータ連携を支え続けております。 データ利活用や生成AIの進化は加速しており、企業がAI活用のためにデータを整流化し、それを各システムに取り込むプロセスが発生することにより、データ連携基盤のニーズも高まっております。 そのような中、当社グループは日本発のクラウド型データ連携プラットフォーム「HULFT Square」の提供を開始しております。 今後も自社のテクノロジーを一層磨き、卓越したソリューションを提供することで、お客様のビジネスの成功と社会の発展に貢献してまいります。 当社グループにおける中期的な経営方針は、システム受託型から自社製品サービス提供型に事業構造を変革させていくことであり、その実現に向け、事業戦略として、「4つのシフト(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)」に取組んでまいります。 ①事業シフト システム受託型から自社製品サービス提供型に事業構造を変革させるべく、全社を挙げたデータ連携ビジネス(HULFT事業及びデータプラットフォーム事業)の拡大に注力いたします。 データ連携ビジネスの売上比率は、当連結会計年度末で52.6%(前連結会計年度比0.5ポイント増)となりました。 2028年3月期にはこの比率を70%まで高める計画です。 成長ドライバーとする「HULFT Square」の機能強化に加え、これまで積み上げてきた基幹業務システムの開発・運用力も融合させることにより、当社グループならではの強みを活かしてデータ連携ビジネスを強化してまいります。 ②技術シフト 当連結会計年度において、シリコンバレーに拠点をもつベンチャーキャピタル「DNX Ventures」の第4号米国ファンドへの出資、Salesforce主催の「Dreamforce 2024」への出展等、海外の先端テクノロジーに積極的に触れてまいりました。 社内においても組織横断の研究活動やトップエンジニア育成・社外発信活動により、パブリッククラウド大手から表彰を受ける等、技術力向上の成果が出始めております。 引き続きデータマネジメント、AI、クラウド等当社事業に密接に変わる技術領域に重点を置き、先端テクノロジーに触れることで自社製品サービスを強化し、またエンジニアの育成にも取組んでまいります。 ③組織シフト 機能別組織への改組を通じて、エンジニア間の相互連携を強化し、これまで顧客業種ごとに行われていたシステム受託ビジネスを横断的に展開できる体制を整えてまいりました。 引き続き組織リソースの最大化を図り、これまで以上に適切な意思決定を行ってまいります。 ④人材シフト 当社グループがサステナブルな経営を推進するためにも、人的資本の拡充は特に重要です。 「技術シフト」を通じて社員の技術力向上を図り、テクノロジーカンパニーとして社会的価値を創造してまいります。 また、社員一人ひとりの人生が充実することも重要であり、この両輪が機能する環境づくりに努めてまいります。 また、ガバナンスの観点からも組織における多様性に注目しております。 特に課題として認識しているジェンダー平等に向け、2030年における女性管理職比率30%を目標値として設定し、これに向けて計画的な取組みを進めております。 なお、米国による関税強化の影響については、当社グループの対米輸出はもともと微小であるため、直接的な影響はないと見込んでおります。 ただし、当社のお客様の投資マインドが冷えることによる悪影響はゼロではないため、引き続き注視いたします。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般 当社グループは、サステナビリティを巡る課題を地球規模の視点で捉え、またリスクの低減のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しております。 中長期的な企業価値の向上の観点からこれらの課題へ対応するにあたり、サステナビリティ方針を策定の上、マテリアリティ(重要課題)を特定しております。 <サステナビリティ方針> 私たちは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」というミッションのもと、地球規模の視点で未来を共創し、持続可能な社会の発展に取組みます。 <マテリアリティ> ・人 多様な人材による価値創造の促進 ・データ連携 安全・安心なデータ連携により社会の発展へ貢献 ・ガバナンス ガバナンスの透明性・実効性強化 ・環境 地球環境・資源の保全と災害対策強化 当社グループは、この方針及びマテリアリティを踏まえて、持続可能な成長と社会の発展に貢献するため、環境や社会の変化に柔軟に対応し、ステークホルダーとの対話を通じて、より効果的な取組みを進めてまいります。 ① ガバナンス 当社グループは、サステナビリティを日常の経営活動の一環としてより積極的・能動的に推進するため、執行役員 経営管理本部長を委員長とした「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。 同委員会は、当社グループの企業価値向上に向け、実効的なサステナビリティ経営の推進を図ることを目的としております。 この実現のため、多様性を考慮したメンバーにより同委員会を構成しており、原則として月1回の定例会議を開催しております。 同委員会では、重要事項(サステナビリティ方針、マテリアリティ及びKPI)の検討・見直し、KPI進捗状況のモニタリング、社内への知見普及等を実施してきました。 また、同委員会から、代表取締役が出席する経営会議及び取締役会に対して、付議・報告をしております。 経営会議及び取締役会では、同委員会からの付議・報告を踏まえて議論し、業務執行内容の監督・助言をしております。 サステナビリティ経営推進体制を含めたガバナンス体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。 ② 戦略 サステナビリティ推進委員会を中心に、マテリアリティの特定及びそれに紐づくKPI(サステナビリティ指標)を設定しております。 これらは、国際基準に基づく社会課題要素と当社のミッションを踏まえてマテリアリティ候補を特定し、ステークホルダーへのヒアリングを通じて、最終的には、当社の経営会議及び取締役会で議論・審議したうえで決定しております。 なお、抽出された各社会課題の「リスク」と「機会」を整理し、それに基づくマテリアリティマップを作成することで自社における社会課題の重要度を定め、マテリアリティ特定の検討材料としております。 マテリアリティやKPIについては、社会情勢等を踏まえ、適宜見直しをしております。 前述のマテリアリティのうち、当社グループの競争力を高めるために最も注力すべきテーマは、「人(多様な人材による価値創造の促進)」です。 また、世界情勢も踏まえ、「環境(地球環境・資源の保全と災害対策強化)」に関する取組みも拡充すべきと考えております。 サステナビリティ推進委員会では、これらの議題を中心とし、より具体的な取り組みについて議論しております。 詳細は (2)及び(3)をご参照ください。 ③ リスク管理・リスクの識別、評価プロセス 「(1)サステナビリティ全般 ②戦略」を参照ください。 ・リスク管理のプロセス マテリアリティに紐づき作成したKPIは、社内ポータルサイトを活用し、社員が進捗確認できる仕組みを構築しております。 サステナビリティ推進委員会は、KPIの主管部門と連携し、経営会議及び取締役会に対して必要に応じて付議・報告をする体制を整備しております。 また、リスク管理に向けた全社員への課題意識浸透のため、サステナビリティ推進委員会では、サステナビリティ関連知見に関わる認識の共通化及び社内への知見普及も行っております。 ・総合的リスク管理への統合プロセス サステナビリティ経営において想定されるリスクは、当社経営に関わるリスクを総合的に特定・評価するための「リスク管理規程」に追加することにより、その他経営リスクと同様に全体的に管理し、必要な対策を講じております。 ④ 指標と目標 当社グループは、策定した各マテリアリティにおいて、KPIと目標値を定めております。 各マテリアリティにおけるKPIは以下のとおりです。 なお、詳細については後述する「(2)人:多様な人材による価値創造の促進 ④指標と目標」及び「(3)環境:気候変動への対応 ④指標と目標」を参照ください。 (2)人:多様な人材による価値創造の促進 当社グループがグローバルに事業を発展させていくとともに、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献するため、多種多様な強みやバックグラウンドを持ち能力を発揮できる人材や、自律的に未来を共創できる次世代を担う人材の採用・育成施策を実施しております。 また、職場の安全と社員の心身の健康を守るとともに、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境の確保に取組んでおります。 ① ガバナンス 当社グループの人材戦略は、サステナビリティ推進委員会及び各事業責任者と人事担当責任者が出席する経営会議を中心に議論し、策定しております。 定期的に開催される会議体を通じ、社内の人材が直面する可能性のある課題の特定、価値観の共有、そして多様性と包摂性推進に関する方策が議論されます。 また、これらの取組みを進める過程では、社内外のステークホルダーからの考え・意見も積極的に取り入れております。 ② 戦略・求める人物像 当社グループは、「共有する価値観(Our Values)」のもと、テクノロジーに熱意を持ち、絶えず学び続ける意欲を持つ人材を求めており、この価値観に共感し、お客様の課題や社会問題に対して積極的に技術的解決策を見出す能力を持つ人材の採用に注力しております。 ・人材戦略 当社グループは、事業戦略として「4つのシフト」(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)を掲げ、エンジニアの成長と活躍をサポートし未来を切り開くテクノロジーの会社を目指しております。 そのため、事業革新を推進できるDX・AI人材、お客様の課題に対して最適なソリューションを提案する技術営業や、製品開発などを担える高い専門的知識を持った高度エンジニアの採用・育成を積極的に推進しております。 また、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用にも重点を置き、国籍、性別、年齢、社会的背景など多様性を重視した採用活動を行っております。 また、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を排除するための研修を実施し、採用プロセス全体の公平性を確保しております。 ・人材育成方針 当社グループは、これまで培ってきたシステム開発のスキルに加え、データエンジニアリングに必要なスキルを習得するための研修やデータマネジメントの国際的知識体系であるDMBOKに準拠した全社員向け研修、先端テクノロジーを見据えたアップスキリング等、個々人のキャリア開発を多面的に支援しております。 さらに、次世代経営幹部候補の早期育成を図るためのプログラムや、データ連携ビジネスに不可欠な先進技術の習得サポート、データエンジニア・クラウドエンジニアの育成等、未来に向けた人材育成への投資も積極的に行っております。 ・社内環境整備方針 当社グループは、在宅勤務や遠隔地勤務、フルフレックスタイム制など、全ての社員がさまざまなライフステージや価値観に応じた多様な働き方を選択できるよう働きやすい環境や制度を整備しております。 また国家資格であるキャリアコンサルタントを有する社員による相談窓口を設置し、若手社員や育児・介護との両立を必要とする社員のキャリア設計をサポートするなど、充実した支援制度を提供しております。 また、開かれたコミュニケーションを促進し、社員同士の相互理解を深めるためのイベントやワークショップ、ランチサポートなども実施しております。 ③ リスク管理 「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」を参照ください。 ④ 指標と目標 当社グループは、人的資本リスク及び機会の評価に用いる指標を「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」としております。 当事業年度における実績値の詳細は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」を参照ください。 指標実績(前事業年度)(注)1実績(当事業年度)(注)2目標値(注)3、4管理職に占める女性労働者の割合(%)12.815.330(2030年度)男性労働者の育児休業取得率(%)57.164.3100(2026年度)全労働者の男女の賃金の差異(%)81.882.780以上(2030年度)(注)1 管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日現在の実績、その他の指標は前事業年度の実績を記載しております。 2 管理職に占める女性労働者の割合は2025年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。 3 当社個別数値を記載しております。 4 目標値はサステナビリティ推進委員会を中心に議論し、適宜見直しをしております。 (3)環境:気候変動への対応 地球規模の気候変動は、お客様、ビジネスパートナー及び当社グループ社員の生活基盤を変化させ、ひいては事業環境変化を引き起こすことが考えられます。 中長期的視点において、当社サービスがお客様の事業課題改善に貢献し続けるために考慮すべき重要なリスクであると同時に、新たな事業機会であると考えております。 未来にむけて豊かで持続可能な地球環境を守るため、省エネルギー化や地球温暖化防止等の取組みを積極的に進めるとともに、環境への取組みを推進してまいります。 ① ガバナンス 「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」を参照ください。 ② 戦略 当社グループは、「自社への影響度・発生可能性」と「ステークホルダーへの影響度」という観点から、気候関連リスク・機会を網羅的に抽出・特定し、その重要性を評価しました。 その中で特に重要性が高いと評価した気候関連リスク・機会は以下のとおりです。 リスク・機会の分類気候変動関連リスク・機会リスク移行政策・法規制・カーボンプライシングの導入等、規制強化に伴う事業運営コストの増加技術/市場・環境に対する社会の変化に対応できず、競争優位性・訴求力が低下して企業業績に影響を及ぼすリスク・環境への取組みが不十分とみなされた場合や社会的な抑止活動に協力できなかった場合の企業価値・ブランドイメージの低下・国内外ビジネスパートナー及び調達先のESG方針不備又は不徹底によるリスク物理的急性・自然災害による事業所の損害、社会インフラ(電気、通信、公共交通機関)停止、社内のIT基盤の使用困難、物理的なデータの棄損→データセンター運用の不具合の発生→業務の遅延・延期・停止や不履行が発生し、顧客・取引先との関係悪化、損害賠償請求、契約解除等により、当社業績に大きな影響を及ぼすリスク→データの正確性が損なわれるリスク慢性・お客様やビジネスパートナーの事業環境変化、お客様や当社社員の生活基盤変化の発生により、事業活動が困難となる/企業業績に影響を及ぼすリスク・社員やビジネスパートナーの健康状態悪化のリスク機会エネルギー源・省資源・省エネルギー化による事業コストの低下・災害に備えた事業活動のレジリエンス強化市場・サステナビリティを重視したビジネスモデルによる企業価値の向上・高まる環境意識に対応した商品・サービスの提供によるマーケット獲得・気候変動に起因する感染症リスク増加への対応による新たな成長機会の獲得・電力調達の多様化による価格変動リスクの緩和・温室効果ガス排出量ゼロの達成により、炭素税導入時の課税リスク緩和 ③ リスク管理 「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」を参照ください。 ④ 指標と目標 当社グループは、気候関連リスク及び機会の評価に用いる指標を「温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)」、「消費電力量に占める再生可能エネルギー電力比率」としております。 なお、目標数値はサステナビリティ推進委員会を中心に議論し、適宜見直しております。 <温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)> 実績(単位:t-CO2) 目標値(2030年度)前事業年度当事業年度 Scope113.410.12%13.760.18% ネットゼロ達成Scope22,032.5618.58%1,160.7615.39% Scope38,892.3881.30%6,367.2584.43% 合計(Scope1・2・3)10,938.35100.00%7,541.77100.0% ※Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) ※Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 ※Scope3:Scope1・2以外の間接排出(算定事業者の活動に関連する他社の排出) 企業活動を分類した15個のカテゴリ、その他(任意)により構成 ※当社個別数値を記載しております。 ※当事業年度分より温室効果ガス排出量の算定方法を変更し、Scope3の一部カテゴリについては総排出量配分方式を採用しております。 <消費電力量に占める再生可能エネルギー電力比率> 前事業年度当事業年度 目標値(2026年度)消費電力量に占める再生可能エネルギー電力比率9.0%20.6% 100.0% ※当社個別数値を記載しております。 |
戦略 | ② 戦略 サステナビリティ推進委員会を中心に、マテリアリティの特定及びそれに紐づくKPI(サステナビリティ指標)を設定しております。 これらは、国際基準に基づく社会課題要素と当社のミッションを踏まえてマテリアリティ候補を特定し、ステークホルダーへのヒアリングを通じて、最終的には、当社の経営会議及び取締役会で議論・審議したうえで決定しております。 なお、抽出された各社会課題の「リスク」と「機会」を整理し、それに基づくマテリアリティマップを作成することで自社における社会課題の重要度を定め、マテリアリティ特定の検討材料としております。 マテリアリティやKPIについては、社会情勢等を踏まえ、適宜見直しをしております。 前述のマテリアリティのうち、当社グループの競争力を高めるために最も注力すべきテーマは、「人(多様な人材による価値創造の促進)」です。 また、世界情勢も踏まえ、「環境(地球環境・資源の保全と災害対策強化)」に関する取組みも拡充すべきと考えております。 サステナビリティ推進委員会では、これらの議題を中心とし、より具体的な取り組みについて議論しております。 詳細は (2)及び(3)をご参照ください。 |
指標及び目標 | ④ 指標と目標 当社グループは、策定した各マテリアリティにおいて、KPIと目標値を定めております。 各マテリアリティにおけるKPIは以下のとおりです。 なお、詳細については後述する「(2)人:多様な人材による価値創造の促進 ④指標と目標」及び「(3)環境:気候変動への対応 ④指標と目標」を参照ください。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ② 戦略・求める人物像 当社グループは、「共有する価値観(Our Values)」のもと、テクノロジーに熱意を持ち、絶えず学び続ける意欲を持つ人材を求めており、この価値観に共感し、お客様の課題や社会問題に対して積極的に技術的解決策を見出す能力を持つ人材の採用に注力しております。 ・人材戦略 当社グループは、事業戦略として「4つのシフト」(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)を掲げ、エンジニアの成長と活躍をサポートし未来を切り開くテクノロジーの会社を目指しております。 そのため、事業革新を推進できるDX・AI人材、お客様の課題に対して最適なソリューションを提案する技術営業や、製品開発などを担える高い専門的知識を持った高度エンジニアの採用・育成を積極的に推進しております。 また、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用にも重点を置き、国籍、性別、年齢、社会的背景など多様性を重視した採用活動を行っております。 また、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を排除するための研修を実施し、採用プロセス全体の公平性を確保しております。 ・人材育成方針 当社グループは、これまで培ってきたシステム開発のスキルに加え、データエンジニアリングに必要なスキルを習得するための研修やデータマネジメントの国際的知識体系であるDMBOKに準拠した全社員向け研修、先端テクノロジーを見据えたアップスキリング等、個々人のキャリア開発を多面的に支援しております。 さらに、次世代経営幹部候補の早期育成を図るためのプログラムや、データ連携ビジネスに不可欠な先進技術の習得サポート、データエンジニア・クラウドエンジニアの育成等、未来に向けた人材育成への投資も積極的に行っております。 ・社内環境整備方針 当社グループは、在宅勤務や遠隔地勤務、フルフレックスタイム制など、全ての社員がさまざまなライフステージや価値観に応じた多様な働き方を選択できるよう働きやすい環境や制度を整備しております。 また国家資格であるキャリアコンサルタントを有する社員による相談窓口を設置し、若手社員や育児・介護との両立を必要とする社員のキャリア設計をサポートするなど、充実した支援制度を提供しております。 また、開かれたコミュニケーションを促進し、社員同士の相互理解を深めるためのイベントやワークショップ、ランチサポートなども実施しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④ 指標と目標 当社グループは、人的資本リスク及び機会の評価に用いる指標を「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」としております。 当事業年度における実績値の詳細は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」を参照ください。 指標実績(前事業年度)(注)1実績(当事業年度)(注)2目標値(注)3、4管理職に占める女性労働者の割合(%)12.815.330(2030年度)男性労働者の育児休業取得率(%)57.164.3100(2026年度)全労働者の男女の賃金の差異(%)81.882.780以上(2030年度)(注)1 管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日現在の実績、その他の指標は前事業年度の実績を記載しております。 2 管理職に占める女性労働者の割合は2025年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。 3 当社個別数値を記載しております。 4 目標値はサステナビリティ推進委員会を中心に議論し、適宜見直しをしております。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。 (1)情報システムの支障又は情報セキュリティ及び個人情報保護の不備に関するリスク 当社グループは、金融業、流通小売業のシステム受託事業及び外部パブリッククラウドサービスを利用した自社サービスの提供を行っております。 そのため、当社グループは、サービス提供に必要十分な要件を備えたパブリッククラウドサービスの選定及び情報セキュリティや技術面での社員教育に取組んでおりますが、万一、これらの通信ネットワークや電源系統を含む情報システムの支障又はコンピュータウイルスやサイバー攻撃等による個人情報漏洩を含む情報セキュリティ上の不備が生じた場合、当社グループにおいて、信用の失墜、お客様の喪失、損害の賠償等の影響を生じる可能性があります。 当社グループでは、当該リスクへの対応策として、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に準拠した体制を構築し、グローバルビジネスへの対応のため、GDPR(EU一般データ保護規則)をはじめとする各国/地域の法規制等を考慮した社内規則を定める等、対応強化に努めております。 予防策として、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)構築、個人情報保護教育、セキュリティインシデント対応手順の整備、定期的な訓練、最新事例による社内への啓発等を実施しており、不正アクセスや情報漏洩につながる設定不備の検知などの対策としてCSPM(Cloud Security Posture Management)サービスを導入するとともに、重要なサービスでは、インシデント検知・通知策を実施しております。 (2)気候変動及び災害に関するリスク 当社グループは、サステナビリティ方針において、地球規模の視点で未来を共創し、持続可能な社会の発展に取り組むことを掲げております。 地球規模の気候変動は、お客様、ビジネスパートナー及び当社社員の生活基盤を変化させ、ひいては事業環境変化を引き起こすことが考えられます。 中長期的視点において、当社サービスがお客様の事業課題改善に貢献し続けるために考慮すべき重要なリスクと考えております。 また、当社グループは、システム運用、サポートサービス運営において、火事、地震、戦争、感染症及びセキュリティ等に関するリスクを認識しております。 データセンターにおきましては耐震・耐火等の対策を講じており一定の安全性を確保しておりますが、大地震、火災、その他の自然災害及び設備の不具合、運用ミス等が発生した場合、サービスの提供に重大な支障が生じ、損害賠償や信頼喪失等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、感染症等によりサポート対応する当社社員やビジネスパートナーが必要なリソースにアクセスできない場合、事業継続が不能となるリスクがあります。 当社グループでは、システム運用、サポートサービスの障害や停止を回避するために、セキュリティ対策、ビジネスパートナーからの情報収集、社外からのリソースへのアクセス経路の確保、社内教育の充実等の諸施策を実施しております。 なお、当対策はシステム運用、サポートにとどまらず、システム開発、パッケージ販売及び社内のバックヤード部門全てに実効性のあるものとしております。 (3)技術者の確保、育成に関するリスク 情報システムの設計、構築等は、知識集約型の業務であると同時に労働集約的な面があり、事業拡大のためには一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保が不可欠なものと認識しております。 現時点では、当社グループの人事制度・教育制度により、必要な技術者は確保されておりますが、労働市場の逼迫により当社グループが必要とする優秀な技術者又は労働力を確保できない場合、テレワーク環境における入社者のフォローが不足した場合、又は当社グループの従業員が大量に退職した場合には、当社グループの事業展開が制約される可能性があります。 当社グループでは、当該リスクへの対応策として、応募から面接・入社までの過程における当社グループ社員との接点増強によるミスマッチの最小化、オンラインのみならず対面での社内イベント開催によるリアルコミュニケーションの活性化、エンジニア等専門職や育児・介護等のライフイベントを迎えた社員のための多様なキャリアパスや働きやすい制度・環境作りに努めております。 (4)受託開発に関するリスク 当社グループは、一定の規模以上の受託開発プロジェクトに対し「当該プロジェクトに関与しない者による見積りの適正性に関するレビュー」を実施するとともに、プロジェクト開発手法の標準化推進、プロジェクト管理者の育成等、プロジェクトの品質向上及び管理体制の強化に継続して取組んでおります。 しかしながら、受託開発プロジェクトでは、受託時に適正な採算が見込まれると判断したプロジェクトであっても、開発段階におけるプロジェクト管理の問題、想定外の開発範囲の拡大及び作業工数の増加等の理由により不採算プロジェクトとなることがあり、その場合、受注損失の計上や納期遅延に伴う損害の賠償、関連する資産に係る減損損失の計上等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、当該リスクへの対応策として、プロジェクト審議会による提案/プロジェクト計画/プロジェクト実行中のチェック(同一基準でプロジェクト状況を確認できるチェックシート(プロジェクト審議会チェックシート)導入)、関連規則等の整備、全社開発標準・開発手順の浸透等を実施しております。 また、規則/手順どおりにプロジェクトが実施されているか定期的なモニタリングを実施しております。 (5)新規製品・サービスのためのソフトウェア開発に関するリスク 当社グループは、市場競争力を強化・維持するための重要な投資として自社サービス・ソフトウェアの開発に注力しておりますが、特に新規サービスの開発は不確実性も高く将来収益計画の下方修正又は開発計画の遅延・コスト増等により、投資回収計画が当初計画に達しない見込みとなった場合には、固定資産に係る減損損失を計上する可能性があります。 当社グループでは、当該リスクへの対応策として、プロジェクト審議会、マイルストーンレビュー等によるプロジェクト進捗のモニタリング、関連規則等の整備、モダン開発の推進等を実施しております。 また、経営会議では、お客様ニーズ把握のため、新規案件の状況等について、情報共有を実施しております。 (6)特定の取引先の動向に関するリスク 当社グループは、株式会社クレディセゾン向けの売上高が売上高全体の28.4%(当連結会計年度)を占めており、当該企業向けの販売額が縮小した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、経営方針に掲げている新技術・新領域への事業展開を推進し、新たな市場・顧客へより収益性の高い事業を展開することで、当該リスクへの対応を図ってまいります。 (7)知的財産に関するリスク 当社グループの主力製品である「HULFT」「DataSpider Servista」「HULFT Square」等の販売において、グローバル展開とお客様DX領域への注力を推進しております。 このような新技術・新領域へ事業を展開するうえで、当社グループでは独自の技術・ノウハウ等の保護・保全や第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っておりますが、一部地域の法的制度の違い等により、知的財産権に関する問題が起きる可能性があります。 これにより、他者の保有する知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。 また、知的財産権等の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果、特定の技術、商品、又はサービスが提供できなくなる可能性があります。 いずれの場合も当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このようなリスクを回避するために、コンプライアンス担当部門及びリスク管理担当部門を中心とした他社の知的財産の確認及び当社グループが保有する知的財産の適切な管理を実施しております。 (8)為替変動に関するリスク 当社グループは、海外拠点への製品サービス提供や開発委託等グループ内の取引及び海外ベンダーのサービス利用等グローバルな企業活動において、急激な為替変動が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における国内経済は、緩やかな回復基調にありますが、米国の通商政策等による不透明感がみられます。 先行きについては、米国の通商政策、物価上昇に伴う個人消費へのマイナス影響など景気下振れリスクがありながらも、雇用や所得環境の改善等により、国内経済は緩やかな回復継続が期待されております。 当社グループが属する情報サービス産業においては、国内経済の緩やかな回復を背景に、企業等のデジタル活用(いわゆるデジタルシフト)がより一層進展し、企業内あるいは社会課題の解決を目的としたIT投資が引き続き拡大するものと予想しております。 このような中、当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」をミッションとし「4つのシフト(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)」を戦略として掲げ、HULFT事業・データプラットフォーム事業を中心としたデータ連携ビジネスの更なる拡大に取組んでおります。 当連結会計年度における当社グループの業績は、下表のとおりです。 (単位:百万円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度24,3832,1412,1601,506前連結会計年度23,8641,0241,072603増減率2.2%109.1%101.4%149.7% 増収の主な要因は、フィナンシャルITサービス事業が縮小した一方、流通ITサービス事業におけるシステム開発案件の検収に伴う一時的な売上高の増加及びデータ連携ビジネス(HULFT事業・データプラットフォーム事業)の拡大があったこと等によるものです。 増益の主な要因は、前連結会計年度に受注損失引当金を計上している一方、当連結会計年度においては受注損失等の臨時的要因に伴う影響は少ないこと等によるものです。 なお、「DNX Ventures」第4号米国ファンドへの出資における管理費用の発生等に伴い営業外費用に投資事業組合運用損を計上しておりますが、他方で、営業外収益に受取利息及び一部のお客様向けサービスの中途解約に伴う違約金収入を計上しております。 当社グループが事業シフト進捗を測る指標として設定しているデータ連携ビジネス売上比率は、52.6%(前連結会計年度比0.5ポイント増)となりました。 流通ITサービス事業の一時的な売上増加があったものの、それ以上にデータ連携ビジネスが拡大いたしました。 当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。 以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。 (HULFT事業) 当事業では、国内におけるデータ連携ソフトウェアのスタンダードである当社の主力製品「HULFT」、「DataSpider Servista」及び関連製品の販売・サポートサービスを提供しております。 売上高は、一部製品(「DataSpider Cloud」等)の販売終了に伴う影響を受けたものの、サポートサービスの更新が順調に推移したこと等により、9,998百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。 当連結会計年度末現在のサポートサービス契約本数は、「HULFT」は63,941本(前連結会計年度末差1,507本増)、「DataSpider Servista」は5,570本(同107本増)と順調に推移しております。 営業利益は、売上高の増加に加えて、販売費及び一般管理費の減少等により、4,478百万円(同6.0%増)となりました。 (データプラットフォーム事業) 当事業では、当社の強みである「HULFT」、「DataSpider Servista」及び日本発クラウド型データ連携プラットフォーム「HULFT Square」を活用し、企業内・企業間のシステムとSaaSのデータを連携することで、業務効率化及び経営刷新を図るサービスを提供しております。 売上高は、「HULFT Square」の売上高の増加等により、2,828百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。 一方で、サービスの立ち上げフェーズである「HULFT Square」の原価の計上及び要員拡充に伴うコスト増等により、2,605百万円の営業損失(前連結会計年度は2,064百万円の営業損失)となりました。 (流通ITサービス事業) 当事業では、主に流通小売業・航空業向けに、情報処理サービス、システム開発・運用サービスを提供しております。 売上高は、システム開発案件の一時的な売上高の増加等により、3,730百万円(前連結会計年度比32.6%増)となりました。 なお、前連結会計年度に受注損失引当金を計上しましたが、当連結会計年度においては受注損失等の臨時的要因に伴う影響は少ない一方、収益性の低下等により、75百万円の営業損失(前連結会計年度は1,852百万円の営業損失)となりました。 (フィナンシャルITサービス事業) 当事業では、金融業向けに、情報処理サービス、システム開発・運用サービスを提供しております。 売上高は、システム開発案件の減少等により、7,825百万円(前連結会計年度比9.2%減)となりました。 営業利益は、売上高の減少等により、343百万円(同52.1%減)となりました。 (トピックス)・「HULFT Square」を成長ドライバーに「事業シフト」が加速 当社グループは、システム受託型から自社製品サービス提供型への事業シフトを推進しております。 その成長ドライバーとして「HULFT Square」の開発・提供をしております。 当連結会計年度では、市場ニーズを取り入れアップデートし、特にエンタープライズ企業向け大規模データ連携に必要となる機能を順次拡充してまいりました。 サービス利用件数は、前連結会計年度比314.3%になるまで拡大し、今後も一層のサービス拡大に全社を挙げて取組んでまいります。 ・先端テクノロジーに触れ、「技術シフト」を推進 北米・日本を中心にB2Bスタートアップへの投資を行っているベンチャーキャピタルである「DNX Ventures」が運営する第4号米国ファンドへの出資を6月より開始しております。 また9月にはアメリカのラスベガスで開催されたSalesforce主催の「Dreamforce 2024」にブース出展いたしました。 このような活動を通じて、先端テクノロジーに積極的に触れ、先端技術を自社製品サービスに取り込むとともに、次世代人材の育成にもつなげております。 ・テクノロジーカンパニーに向けて「人材シフト」が進展 当社がサステナビリティ経営を推進するにあたり、人的資本は特に重要です。 トップエンジニア育成や、外部メディアを活用したエンジニアによる情報発信を積極的に進めてまいりました。 その結果、アマゾン ウェブ サービス(AWS)より、AWS認定資格の取得数が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に認定される等、技術力向上の成果も出てきております。 (今後のセグメント開示について) 当連結会計年度において、報告セグメントは「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「流通ITサービス事業」、「フィナンシャルITサービス事業」としていましたが、翌連結会計年度より「流通ITサービス事業」と「フィナンシャルITサービス事業」を統合し、「システム受託事業」とすることといたしました。 これにより、セグメント区分は「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「システム受託事業」に変更されます。 当社は、事業戦略の一環として「組織シフト」を掲げ、機能別組織への改組を通じて、エンジニア間の相互連携を強化し、これまで顧客業種ごとに行われていたシステム受託ビジネスを横断的に展開できる体制を整えてまいりました。 流通ITサービス事業における大型案件が2025年3月期に終息したことを受けて、組織リソースの最大化を図り、これまで以上に適切な意思決定を行うために、セグメント区分の変更をすることといたします。 当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。 a.資産 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より1,517百万円減少し、21,179百万円となりました。 主な増加要因は、投資有価証券が同409百万円増加したこと等によるものであります。 また、主な減少要因は、現金及び預金が同999百万円減少したこと、契約資産が同440百万円減少したこと、繰延税金資産が同309百万円減少したこと等によるものであります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。 (HULFT事業) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より211百万円増加し、3,664百万円となりました。 主な増加要因は、売掛金が同256百万円増加したこと等によるものであります。 (データプラットフォーム事業) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より554百万円増加し、1,270百万円となりました。 主な増加要因は、契約資産が同273百万円増加したこと、売掛金が同215百万円増加したこと等によるものであります。 (流通ITサービス事業) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より663百万円減少し、544百万円となりました。 主な減少要因は、契約資産が同640百万円減少したこと等によるものであります。 (フィナンシャルITサービス事業) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より711百万円減少し、1,935百万円となりました。 主な減少要因は、売掛金が同414百万円減少したこと、減価償却等により有形及び無形固定資産が同147百万円減少したこと等によるものであります。 b.負債 負債合計は同1,531百万円減少し、6,944百万円となりました。 主な増加要因は、前受金が同224百万円増加したこと等によるものであります。 また、主な減少要因は、受注損失引当金が同728百万円減少したこと、未払法人税等が同700百万円減少したこと、支払手形及び買掛金が同341百万円減少したこと等によるものであります。 c.純資産 純資産合計は同14百万円増加し、14,235百万円となりました。 この要因は、利益剰余金が、剰余金処分による配当財源への割当てにより同1,457百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により同1,506百万円増加したこと等によるものであります。 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より4.5ポイント増加し、67.2%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前連結会計年度末より538百万円減少し、12,826百万円となりました。 各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は1,188百万円(前連結会計年度は2,280百万円の獲得)となりました。 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益が2,149百万円となったこと、減価償却費721百万円を計上したこと、売上債権及び契約資産が416百万円減少したこと、前受金が225百万円増加したこと等によるものであります。 また、主な減少要因は、法人税等1,114百万円を支払ったこと、受注損失引当金が728百万円減少したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は249百万円(前連結会計年度は759百万円の使用)となりました。 主な増加要因は、定期預金の払戻による収入464百万円があったこと等によるものであります。 また、主な減少要因は、投資有価証券の取得により434百万円を支出したこと、ソフトウェア開発やハードウェア購入等に218百万円を支出したこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は1,460百万円(前連結会計年度は1,461百万円の使用)となりました。 主な減少要因は、配当金の支払1,456百万円があったこと等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月 1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)増減生産高(千円)生産高(千円)生産高(千円)増減率(%)HULFT事業9,950,8389,998,76647,9280.48データプラットフォーム事業2,480,3442,828,999348,65514.06流通ITサービス事業2,810,3653,724,346913,98032.52フィナンシャルITサービス事業8,603,0637,828,997△774,065△9.00合計23,844,61124,381,110536,4982.25(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月 1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)増減受注高(千円)受注残高(千円)受注高(千円)受注残高(千円)受注高(千円)受注残高(千円)HULFT事業10,449,5334,353,68710,896,0784,861,790446,544508,103データプラットフォーム事業2,479,668738,3683,203,4871,113,378723,819375,010流通ITサービス事業3,281,8702,257,0742,039,829566,763△1,242,041△1,690,310フィナンシャルITサービス事業8,504,4014,642,1847,717,2814,301,649△787,120△340,534合計24,715,47311,991,31423,856,67610,843,582△858,797△1,147,731(注) セグメント間の取引については相殺消去しておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月 1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)増減販売高(千円)販売高(千円)販売高(千円)増減率(%)HULFT事業9,951,2229,998,76647,5440.48データプラットフォーム事業2,481,7582,828,477346,71813.97流通ITサービス事業2,812,4733,730,139917,66632.63フィナンシャルITサービス事業8,618,8237,825,851△792,972△9.20合計23,864,27824,383,235518,9562.17(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。 また、セグメント間の振替高を含めて表示しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年4月 1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)株式会社クレディセゾン7,207,51030.26,935,72428.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する分析・検討内容 「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ・経営成績に重要な影響を与える要因 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ・資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費や労務費等の製造経費、人件費や借地借家料等の販売費及び一般管理費によるものであります。 投資を目的とした資金需要は、設備投資、国内及び海外拠点における製品開発、研究開発投資等によるものであります。 運転資金及び投資資金は、主として自己資金で調達しております。 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は、リース債務6百万円となっております。 また、現金及び現金同等物の残高は12,826百万円となっております。 ③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。 連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。 a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法 市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。 見込販売収益が減少した場合、ソフトウェアの減価償却費が増加する可能性があります。 b.固定資産の減損 固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。 資産計上したサーバー等のハードウェアやサービスの提供に用いるソフトウェア、開発仕掛中のソフトウェア等について、事業環境の悪化や開発コストの増加等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。 c.繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。 回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。 d.進捗度の見積りに基づく収益認識及び受注損失引当金 請負契約等の顧客に対して成果物の引き渡し義務を伴う受託システム開発については、合理的に履行義務の充足に係る進捗度を見積ることができる場合には、当該進捗度に基づき一定期間にわたり収益を認識しております。 履行義務の充足に係る進捗度の見積りにあたっては、見積原価総額に対する実際発生原価の割合により測定し、それに基づき収益を認識しております。 見積原価総額は、主として開発工数と工数単価により見積もられる労務費及び外注費等によって構成されております。 プロジェクトの開発工数は、プロジェクトを構成する機能開発ごとに、過去の類似する開発実績を基礎として、その他プロジェクト固有の特性、遂行体制、納期、進捗状況等を総合的に勘案して見積もっております。 また、当連結会計年度末において将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。 受託システム開発は、契約ごとの個別性が強く、顧客要望の高度化、プロジェクトの複雑化や完成までの事業環境の変化等によって、当初見積り時には予見不能な作業工数の増加により見積りの修正が必要になることがあります。 見積原価総額が大幅に変動した場合には、売上高、受注損失引当金及び売上原価に影響を与える可能性があります。 ④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、中長期において魅力的で稀有な高収益IT企業となり、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的にはROE20%以上を恒常的に達成することを経営指標としております。 当連結会計年度は、流通ITサービス事業におけるシステム開発案件の検収に伴う一時的な売上高の増加及びデータ連携ビジネスの拡大があったこと等により、ROEは10.6%となり計画値10.5%を上回る結果となりました。 今後も目標水準の到達へ向けた経営を意識してまいります。 翌連結会計年度は、データ連携ビジネスのさらなる売上拡大による収益改善等により、ROEは11.2%を目指す計画です。 なお、当社グループの製品サービス開発及び人的資本への費用投下は継続してまいります。 (ROE推移) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期計画14.0%8.9%8.9%10.5%11.2%実績14.3%9.8%4.2%10.6%― また、当社グループは、中長期的な企業価値を要因として、株主の最終的な利益に整合した指標であるため、TSR(株主総利回り)を経営指標の1つに設定しております。 評価期間は、2020年3月末を基準(100%)として評価をしており、その推移は次のとおりです。 2021年3月末2022年3月末2023年3月末2024年3月末2025年3月末当社134.7%125.4%126.7%141.8%134.9%同業他社平均※170.2%149.2%147.1%173.9%176.2%※GICS(世界産業分類基準)の4510:ソフトウェア・サービスに属する国内上場企業の平均値 当社グループのTSRは業界平均を下回って推移しております。 これは、評価期間の基準となる2020年3月末の当社グループ株価が相対的に高かったことも一因ではありますが、「HULFT Square」等の開発に伴う費用投下によりEPS(1株当たり当期純利益)が低い水準で推移しており、それが当社グループの株価及びTSRを引き下げている要因と推察しております。 当社グループは、この取組みが将来の利益成長につながることをご理解いただけるよう、引き続き資本市場との対話に努めてまいります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループは、”つなぐ”技術をキーにした新技術・新市場への新たなサービスの創出を推進しており、シリコンバレーの「DNX Ventures」が運営する第4号米国ファンドへの投資を通じ得られた情報をAI活用に応用するなど、先端テクノロジーの研究に取組んでおります。 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は235百万円であります。 特定のセグメントに区分できない研究開発費の各セグメントへの配賦額を含めたセグメント別の内訳は、HULFT事業119百万円、データプラットフォーム事業53百万円、流通ITサービス事業21百万円、フィナンシャルITサービス事業40百万円であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資の総額は525,131千円であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。 (1)HULFT事業 市場販売目的のソフトウェア開発を中心とする総額410,976千円の設備投資を実施いたしました。 なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却又は売却はありません。 (2)データプラットフォーム事業 当連結会計年度において、設備投資は実施しておりません。 また、当連結会計年度において、重要な設備の除却又は売却はありません。 (3)流通ITサービス事業 当連結会計年度において、設備投資は実施しておりません。 また、当連結会計年度において、重要な設備の除却又は売却はありません。 (4)フィナンシャルITサービス事業 サーバー更改を中心とする総額33,675千円の設備投資を実施いたしました。 なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却又は売却はありません。 (5)全社 社内システム導入を中心とする総額80,479千円の設備投資を実施いたしました。 なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却又は売却はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (1)提出会社(2025年3月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物工具器具備品リース資産(有形)ソフトウェア合計本社(東京都港区)HULFT事業データプラットフォーム事業流通ITサービス事業フィナンシャルITサービス事業全社生産設備販売業務事務業務237,23548,7856,252665,769958,043694深川センター(東京都江東区)全社生産設備80,392284,764-161,814526,971-もんなかサテライトオフィス(東京都江東区)全社生産設備18,18316,728--34,91222西日本事業所(大阪市西区)HULFT事業販売業務3411,955--2,29612中部事業所(名古屋市中村区)HULFT事業販売業務-----3(注)1 金額は建設仮勘定及び仕掛中のソフトウェアを除いております。 2 従業員数は、受入出向者及び嘱託・契約社員を加え、派遣出向者を除いております。 3 深川センターは他社に管理委託しているため、従業員はおりません。 4 各事業所は賃借しております。 賃借料は1,298,158千円であります。 5 現在休止中の主要な設備はありません。 (2)在外子会社(2025年3月31日現在) 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物工具器具備品ソフトウェア合計世存信息技術(上海)有限公司本社(中華人民共和国)HULFT事業データプラットフォーム事業生産設備販売業務事務業務-3,1802073,38820Saison Technology International, Inc.本社(アメリカ合衆国)HULFT事業データプラットフォーム事業生産設備販売業務事務業務-459-45920(注)1 金額は仕掛中のソフトウェアを除いております。 2 従業員数は、受入出向者及び嘱託・契約社員を加え、派遣出向者を除いております。 3 現在休止中の主要な設備はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 重要な設備の新設等の計画はありません。 (2)重要な設備の除却等 経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 235,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 33,675,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 13 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,444,654 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。 なお、当社では、保有目的が純投資目的である投資株式は保有しないことを原則としております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、協業関係の維持強化、取引拡大、新商品展開等による将来のシナジー創出等の可能性があり、当社の企業価値を高め、株主・投資家の皆様の利益につながると考えられる企業の株式を、政策保有目的で保有することがあります。 また、政策保有株式については、投資先企業ごとに、保有に伴う便益やリスク、資本コスト等も考慮のうえ、その保有の合目的性及び合理性に関し、縮減の可能性も含め、年1回の検証を行ってまいります。 当社は、「職務権限規則」により、決裁基準を定め、任命した決裁者、決裁機関にて、取引の規模、内容に応じて、取引の経済合理性も含め、内容を精査し取引の開始、継続を決裁しております。 なお、決裁基準は、当社株式の保有の如何に依らないものとしております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式3160,453非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当する投資株式は保有しておりません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 160,453,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社クレディセゾン東京都豊島区東池袋三丁目1-17,58846.84 株式会社メルコグループ東京都千代田区丸の内一丁目11-13,24020.00 インタートラスト トラステイーズ ケイマン リミテツド アズ トラステイ オブ ザ ユビキタス マスター シリーズ トラスト メルコ グループ マスター フアンド(常任代理人 立花証券株式会社)ONE NEXUS WAY CAMANA BAY GRAND CAYMAN,KY1-9005 CAYMAN ISLANDS(東京都中央区日本橋茅場町一丁目13-14)1,1677.21 イーシーエム マスターフアンド エスピーブイ ワン(常任代理人 立花証券株式会社)CRICKET SQUARE,HUTCHINS DRIVE,PO BOX 2681,GRAND CAYMAN KY1-1111,CAYMAN ISLANDS(東京都中央区日本橋茅場町一丁目13-14)8575.29 株式会社インテリジェントウェイブ東京都中央区新川一丁目21-25003.09 大日本印刷株式会社東京都新宿区市谷加賀町一丁目1-13071.90 セゾンテクノロジー社員持株会東京都港区赤坂一丁目8-1 赤坂インターシティAIR19F2731.69 協和青果株式会社埼玉県越谷市七左町七丁目274-111711.06 株式会社メルコホールディングス東京都千代田区丸の内一丁目11-1810.50 富士通株式会社神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1-1800.49計-14,26688.07 (注)1. 株式会社メルコグループが2024年9月5日付で提出した大量保有報告書の変更報告書、エスティーエム ヘリテージ ピーティーイーエルティーディーが2024年3月26日付で提出した大量保有報告書及び 株式会社メルコホールディングスが2024年3月26日付で提出した大量保有報告書の変更報告書において、 株式会社メルコグループ、エスティーエム ヘリテージ ピーティーイーエルティーディー及び 株式会社メルコホールディングスが2024年3月19日現在でそれぞれ以下の当社株式を保有している旨が記載されておりますが、このうち、エスティーエム ヘリテージ ピーティーイーエルティーディーについては、当社として2025年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該各報告書の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)保有割合(%) 株式会社メルコグループ東京都千代田区丸の内一丁目11番1号パシフィックセンチュリープレイス丸の内3,240,00020.00エスティーエム ヘリテージ ピーティーイーエルティーディーシンガポール共和国 048547、18ロビンソンロード、#15-01 18ロビンソン1,167,8007.21 株式会社メルコホールディングス東京都千代田区丸の内一丁目11番1号パシフィックセンチュリープレイス丸の内81,0000.50計-4,488,80027.712. 株式会社メルコホールディングスは、2025年4月1日付で株式会社バッファローを吸収合併し、商号を株式会社バッファローに変更しております。 |
株主数-金融機関 | 4 |
株主数-金融商品取引業者 | 18 |
株主数-外国法人等-個人 | 3 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 29 |
株主数-個人その他 | 2,433 |
株主数-その他の法人 | 25 |
株主数-計 | 2,512 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 富士通株式会社 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(千株)当連結会計年度増加株式数(千株)当連結会計年度減少株式数(千株)当連結会計年度末株式数(千株)発行済株式 普通株式16,200--16,200合計16,200--16,200自己株式 普通株式0--0合計0--0 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月13日 株式会社 セゾンテクノロジー 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士三澤 幸之助 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士柴田 勝啓 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社セゾンテクノロジーの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社セゾンテクノロジー及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、【注記事項】 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、データプラットフォーム事業・流通ITサービス事業・フィナンシャルITサービス事業において、顧客との契約(請負契約又は準委任契約)に基づき、受託システム開発、システム開発・導入支援、情報通信設備構築を行っている。 このうち、当連結会計年度において、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識している請負契約に係る収益の総額は409百万円であり、当該契約に係る当連結会計年度末の契約資産の残高は304百万円である。 会社は、請負契約に基づくシステム開発について、工期がごく短く、かつ金額が重要でない契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識、又は履行義務の充足に係る進捗度が合理的に見積もれる時点まで原価回収基準により収益を認識している。 請負契約の履行義務の充足に係る進捗度は、見積原価総額に対する実際発生原価の割合に基づき算定される。 会社は、案件受注時に、プロジェクト審議会で顧客に提案する受注額と見積原価総額の比較により収益性を確認することや、プロジェクトの実行可能性を評価することにより、受注可否を判断する。 プロジェクト着工後は、プロジェクトの品質及び進捗状況等を月次で管理し、必要に応じて見積原価総額の見直しを行う。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載のとおり、見積原価総額は、主として開発工数と工数単価により見積もられる労務費及び外注費等によって構成されている。 会社は、プロジェクトの開発工数は、プロジェクトを構成する機能開発ごとに、過去の類似する開発実績を基礎として、その他プロジェクト固有の特性、遂行体制、納期、進捗状況等を総合的に勘案して見積もっている。 当該仮定は、重要な仮定に該当し、不確実性を伴い経営者による判断を必要とする。 また、請負契約に基づくソフトウェア開発においては、当初想定した以上の開発工数の増加などにより、当初見積もった原価を上回る追加工数が発生し見積原価総額が増加する可能性があり、その場合、進捗度の変動により売上高の計上金額に影響を与え、さらには受注損失引当金の計上を要する可能性がある。 以上より、当監査法人は、請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積りについて、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積りを検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 見積原価総額に関する会社の内部統制の有効性を評価するため、整備及び運用状況の評価手続を実施した。 評価にあたって、特に以下に焦点をあてた。 ・案件受注時にプロジェクト案件の工程と作業内容から想定工数を算出し、見積原価総額を適切に見積もるための統制・プロジェクト進捗状況について、見積原価総額の見直しを適時・適切に反映するための統制(2)原価総額の見積りの妥当性の評価・進捗度に基づき収益を計上する請負契約のうち、当連結会計年度末に進行中の請負契約について、プロジェクトの特性を理解し、原価総額の見積りにおける重要な仮定の合理性を検討するため、関連する資料(プロジェクト概要資料、プロジェクトを構成する機能開発ごとの計画、過去の類似する機能開発の工数実績、受注判定等(見直し後のプロジェクトを含む。 ))の閲覧を実施するとともに、プロジェクト進捗をモニタリング・管理する部門(ビジネスプロセスマネジメント部)の役職者に質問を実施した。 ・当連結会計年度末に進行中の請負契約について、予定開発期間の経過割合と原価比例法に基づく進捗度との比較分析を実施した。 ・当連結会計年度中に開発が完了した請負契約について、当初の見積原価総額と実際発生原価との比較により、見積原価総額の精度について遡及的な検討を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社セゾンテクノロジーの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社セゾンテクノロジーが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、【注記事項】 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、データプラットフォーム事業・流通ITサービス事業・フィナンシャルITサービス事業において、顧客との契約(請負契約又は準委任契約)に基づき、受託システム開発、システム開発・導入支援、情報通信設備構築を行っている。 このうち、当連結会計年度において、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識している請負契約に係る収益の総額は409百万円であり、当該契約に係る当連結会計年度末の契約資産の残高は304百万円である。 会社は、請負契約に基づくシステム開発について、工期がごく短く、かつ金額が重要でない契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識、又は履行義務の充足に係る進捗度が合理的に見積もれる時点まで原価回収基準により収益を認識している。 請負契約の履行義務の充足に係る進捗度は、見積原価総額に対する実際発生原価の割合に基づき算定される。 会社は、案件受注時に、プロジェクト審議会で顧客に提案する受注額と見積原価総額の比較により収益性を確認することや、プロジェクトの実行可能性を評価することにより、受注可否を判断する。 プロジェクト着工後は、プロジェクトの品質及び進捗状況等を月次で管理し、必要に応じて見積原価総額の見直しを行う。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載のとおり、見積原価総額は、主として開発工数と工数単価により見積もられる労務費及び外注費等によって構成されている。 会社は、プロジェクトの開発工数は、プロジェクトを構成する機能開発ごとに、過去の類似する開発実績を基礎として、その他プロジェクト固有の特性、遂行体制、納期、進捗状況等を総合的に勘案して見積もっている。 当該仮定は、重要な仮定に該当し、不確実性を伴い経営者による判断を必要とする。 また、請負契約に基づくソフトウェア開発においては、当初想定した以上の開発工数の増加などにより、当初見積もった原価を上回る追加工数が発生し見積原価総額が増加する可能性があり、その場合、進捗度の変動により売上高の計上金額に影響を与え、さらには受注損失引当金の計上を要する可能性がある。 以上より、当監査法人は、請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積りについて、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積りを検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 見積原価総額に関する会社の内部統制の有効性を評価するため、整備及び運用状況の評価手続を実施した。 評価にあたって、特に以下に焦点をあてた。 ・案件受注時にプロジェクト案件の工程と作業内容から想定工数を算出し、見積原価総額を適切に見積もるための統制・プロジェクト進捗状況について、見積原価総額の見直しを適時・適切に反映するための統制(2)原価総額の見積りの妥当性の評価・進捗度に基づき収益を計上する請負契約のうち、当連結会計年度末に進行中の請負契約について、プロジェクトの特性を理解し、原価総額の見積りにおける重要な仮定の合理性を検討するため、関連する資料(プロジェクト概要資料、プロジェクトを構成する機能開発ごとの計画、過去の類似する機能開発の工数実績、受注判定等(見直し後のプロジェクトを含む。 ))の閲覧を実施するとともに、プロジェクト進捗をモニタリング・管理する部門(ビジネスプロセスマネジメント部)の役職者に質問を実施した。 ・当連結会計年度末に進行中の請負契約について、予定開発期間の経過割合と原価比例法に基づく進捗度との比較分析を実施した。 ・当連結会計年度中に開発が完了した請負契約について、当初の見積原価総額と実際発生原価との比較により、見積原価総額の精度について遡及的な検討を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、【注記事項】 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、データプラットフォーム事業・流通ITサービス事業・フィナンシャルITサービス事業において、顧客との契約(請負契約又は準委任契約)に基づき、受託システム開発、システム開発・導入支援、情報通信設備構築を行っている。 このうち、当連結会計年度において、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識している請負契約に係る収益の総額は409百万円であり、当該契約に係る当連結会計年度末の契約資産の残高は304百万円である。 会社は、請負契約に基づくシステム開発について、工期がごく短く、かつ金額が重要でない契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識、又は履行義務の充足に係る進捗度が合理的に見積もれる時点まで原価回収基準により収益を認識している。 請負契約の履行義務の充足に係る進捗度は、見積原価総額に対する実際発生原価の割合に基づき算定される。 会社は、案件受注時に、プロジェクト審議会で顧客に提案する受注額と見積原価総額の比較により収益性を確認することや、プロジェクトの実行可能性を評価することにより、受注可否を判断する。 プロジェクト着工後は、プロジェクトの品質及び進捗状況等を月次で管理し、必要に応じて見積原価総額の見直しを行う。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載のとおり、見積原価総額は、主として開発工数と工数単価により見積もられる労務費及び外注費等によって構成されている。 会社は、プロジェクトの開発工数は、プロジェクトを構成する機能開発ごとに、過去の類似する開発実績を基礎として、その他プロジェクト固有の特性、遂行体制、納期、進捗状況等を総合的に勘案して見積もっている。 当該仮定は、重要な仮定に該当し、不確実性を伴い経営者による判断を必要とする。 また、請負契約に基づくソフトウェア開発においては、当初想定した以上の開発工数の増加などにより、当初見積もった原価を上回る追加工数が発生し見積原価総額が増加する可能性があり、その場合、進捗度の変動により売上高の計上金額に影響を与え、さらには受注損失引当金の計上を要する可能性がある。 以上より、当監査法人は、請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積りについて、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4(5)重要な収益及び費用の計上基準 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 (重要な会計上の見積り) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積りを検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 見積原価総額に関する会社の内部統制の有効性を評価するため、整備及び運用状況の評価手続を実施した。 評価にあたって、特に以下に焦点をあてた。 ・案件受注時にプロジェクト案件の工程と作業内容から想定工数を算出し、見積原価総額を適切に見積もるための統制・プロジェクト進捗状況について、見積原価総額の見直しを適時・適切に反映するための統制(2)原価総額の見積りの妥当性の評価・進捗度に基づき収益を計上する請負契約のうち、当連結会計年度末に進行中の請負契約について、プロジェクトの特性を理解し、原価総額の見積りにおける重要な仮定の合理性を検討するため、関連する資料(プロジェクト概要資料、プロジェクトを構成する機能開発ごとの計画、過去の類似する機能開発の工数実績、受注判定等(見直し後のプロジェクトを含む。 ))の閲覧を実施するとともに、プロジェクト進捗をモニタリング・管理する部門(ビジネスプロセスマネジメント部)の役職者に質問を実施した。 ・当連結会計年度末に進行中の請負契約について、予定開発期間の経過割合と原価比例法に基づく進捗度との比較分析を実施した。 ・当連結会計年度中に開発が完了した請負契約について、当初の見積原価総額と実際発生原価との比較により、見積原価総額の精度について遡及的な検討を実施した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月13日 株式会社 セゾンテクノロジー 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士三澤 幸之助 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士柴田 勝啓 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社セゾンテクノロジーの2024年4月1日から2025年3月31日までの第56期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社セゾンテクノロジーの2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(請負契約に基づくシステム開発における原価総額の見積り)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
仕掛品 | 6,111,000 |
未収入金 | 5,942,000 |
その他、流動資産 | 712,542,000 |
建物及び構築物(純額) | 336,152,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 352,234,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 6,252,000 |
有形固定資産 | 694,639,000 |
ソフトウエア | 926,744,000 |
無形固定資産 | 1,050,855,000 |
投資有価証券 | 599,433,000 |
長期前払費用 | 30,581,000 |
退職給付に係る資産 | 587,964,000 |