財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-05-29 |
英訳名、表紙 | ABC-MART,INC. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 野口 実 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都渋谷区神南一丁目11番5号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(3476)5650(代) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1985年6月靴、衣料の輸入販売を目的として、東京都新宿区早稲田に当社の前身である「株式会社国際貿易商事」を設立(資本金20百万円)。 1987年7月東京都荒川区三河島に本社を移転し、「株式会社インターナショナル・トレーディング・コーポレーション」に商号変更。 GERRY COSBY & CO.,INC.社(米国)と「COSBY」の国内での商標使用権・独占販売権契約を締結。 (1999年8月、契約期間満了につき終了。 )1990年2月靴、衣料の小売部門進出を目的として、上野地区に「ABC-MART」1号店(東京都台東区)、渋谷地区に「GALLOP」渋谷店(東京都渋谷区)など4店舗をオープン。 1990年8月靴小売を目的として、連結子会社「有限会社エービーシー・マート」を設立(出資金10百万円)。 (1997年3月に「株式会社エービーシー・マート」に改組(資本金100百万円)。 )1991年1月VANS,INC.社(米国)と「VANS」の国内での独占販売権契約を締結。 1991年6月G.T.HAWKINS LIMITED社(英国)より「G.T.HAWKINS」のライセンス生産の権利を取得。 1994年6月VANS,INC.社と「VANS」の国内での商標使用権契約を締結。 1995年3月G.T.HAWKINS LIMITED社より「G.T.HAWKINS」の商標権を買収。 1998年5月東京都渋谷区神南に本社を移転。 2000年4月端株制度を適用している当社の株式1,000株を1単位とする単位株制度に変更するために、形式上の存続会社である連結子会社「五榮建設株式会社」と4月1日を合併期日として合併。 2000年10月日本証券業協会に株式を店頭登録。 2002年3月連結子会社「株式会社エービーシー・マート」を吸収合併。 2002年6月広告代理業務を目的として、「株式会社エービーシー・コム」を設立(出資比率100%)。 2002年8月「株式会社エービーシー・マート」に商号変更。 2002年8月韓国における靴の小売展開を目的として、「ABC-MART KOREA,INC.」を設立(出資比率51.0%)。 2002年11月東京証券取引所市場第一部に上場。 2010年2月台湾における靴の小売展開を目的として、台湾の「JOINT POWER INTERNATIONAL Ltd.」に資本参加し、連結子会社化(出資比率55.0%)。 2010年8月連結子会社「JOINT POWER INTERNATIONAL Ltd.」が当社全額引受けによる株主割当増資を実施(出資比率が70.0%)。 また、「JOINT POWER INTERNATIONAL Ltd.」は社名を「ABC-MART TAIWAN,INC.」に変更。 2010年10月連結子会社「ABC-MART KOREA,INC.」が当社全額引受けによる株主割当増資を実施(出資比率68.0%)。 2011年3月連結子会社「ABC-MART KOREA,INC.」を完全子会社化(出資比率100.0%)。 2012年8月米国の靴製造販売業である「LaCrosse Footwear,Inc.」の株式を取得し、連結子会社化(出資比率100.0%)。 2013年3月国内初の靴製造工場「ABC SHOE FACTORY」を石川県羽咋郡に設立。 2019年9月連結子会社「株式会社ダブルジェイスタンダード(出資比率90.0%)」を吸収合併。 2022年3月「株式会社オッシュマンズ・ジャパン」を完全子会社化(出資比率100.0%)。 (2023年3月、連結子会社化)2022年3月ベトナム社会主義共和国に合弁会社「ABC-MART VIETNAM Co.,Ltd.」を設立し、連結子会社化(出資比率70.0%)。 2022年4月東京証券取引所プライム市場へ移行。 (2025年2月末現在(連結ベース) 国内店舗数 1,099店舗、海外店舗数 400店舗) |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、株式会社エービーシー・マート(以下、「当社」という。 )を企業集団の中核とし、連結子会社15社及び非連結子会社2社から構成されております。 靴を中心とした商品の販売及び自社商品の企画開発を主たる事業としております。 当社は、国内においては全国各地に展開している小売店「ABC-MART」「ABC-MART GRAND STAGE」「ABC-MART SPORTS」等を通じて、靴を中心に当社ブランド「HAWKINS」「Danner」「ABC Select」等の自社商品とナショナル・ブランド商品の販売を行い、市場のニーズやトレンドを取り入れた商品の提供をしております。 また当社は、靴の企画・開発を自社で行っており、国内外の委託工場でこれらの商品を生産し、国内市場に供給しております。 良質な商品を国内のマーケットニーズに即した適正な価格で提供できる仕組みを最大限に活かし、常にお客様に支持される商品づくりを志向しております。 海外におきましては、韓国で連結子会社ABC-MART KOREA,INC.が、台湾で連結子会社ABC-MART TAIWAN,INC.が、ベトナム社会主義共和国で連結子会社ABC-MART VIETNAM Co.,Ltd.が「ABC-MART」を運営しております。 また米国では、連結子会社LaCrosse Footwear,Inc.を筆頭にLaCrosseグループが、自社ブランドである「Danner」「White's Boots」等の靴の企画・製造・販売を行っており、米国内で小売店「Danner」ストアを運営しております。 事業系統図は次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社) 株式会社オッシュマンズ・ジャパン東京都渋谷区30百万円衣料品・スポーツ用品の企画・仕入販売100%国内衣料品等小売事業役員の兼任等有ABC-MART KOREA,INC. (注)2韓国ソウル特別市252億60百万ウォン靴・衣料品の企画・仕入販売100%韓国での靴小売事業役員の兼任等無LaCrosse Footwear,Inc.米国オレゴン州ポートランド1.03米国ドル靴・衣料品の企画・製造販売100%米国での靴製造販売業役員の兼任等有ABC-MART TAIWAN,INC.台湾新北市2億36百万台湾ドル靴・衣料品の企画・仕入販売70.0%台湾での靴小売事業役員の兼任等有ABC-MART VIETNAM Co.,Ltd.ベトナムホーチミン市45,780百万ベトナムドン靴・衣料品の企画・仕入販売70.0%ベトナムでの靴小売事業役員の兼任等有その他国内2社海外8社 (注)3 (非連結子会社) 国内2社 (注)3 (注) 1 連結子会社15社及び非連結子会社2社のいずれも有価証券報告書の提出会社ではありません。 2 ABC-MART KOREA,INC.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等 (1) 売上高 70,516百万円 (2) 経常利益 7,418百万円(3) 当期純利益 5,627百万円(4) 純資産額 57,363百万円(5) 総資産額 62,603百万円3 当連結会計年度において、海外セグメントにおけるグループ内の組織再編のため、在外連結子会社(出資比率100%)を1社設立し、前連結会計年度まで在外非連結子会社であった3社を連結の範囲に含めております。 また在外非連結子会社を2社清算しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年2月28日現在セグメントの名称従業員数国内4,074名[1,900名]海外5,001名[1,113名]合計9,075名[3,013名] (注) 1 当社グループは、地域別のセグメントで構成されており、「国内」及び「海外」の2つを報告セグメントとしております。 2 従業員数は就業人員であり、アルバイト・契約社員数は[ ]内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。 3 当連結会計年度において、海外生産工場を所有する在外非連結子会社を連結子会社としたことから、海外従業員数が前連結会計年度末に比べ2,765名増加しております。 (2) 提出会社の状況2025年2月28日現在従業員数平均年齢平均勤続年数平均年間給与3,911名[1,844名]32才0ヶ月9年1ヶ月4,247,625円 (注) 1 提出会社は、「国内」セグメントに属しております。 2 従業員数は就業人員であり、アルバイト・契約社員は[ ]内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況連結子会社LaCrosse Footwear, Inc.においては、労働組合(the United Food and Commercial Workers Union)が結成されております。 労使関係は良好な状態であり、特記すべき事項はありません。 当社及びその他の連結子会社においては、過半数労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好な状況であります。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異2025年2月28日現在提出会社及び連結子会社当連結会計年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者提出会社15.960.563.178.5105.2株式会社オッシュマンズ・ジャパン15.2-66.085.6114.0 (注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3 男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内において共通の処遇を行っております。 また、人事評価に関しても男女共通の基準で実施しており、人事制度上の男女間の差異は設けておりません。 現在生じている格差は職務、等級、年齢構成、労働時間の違いによるものであります。 4 その他国内2社及び海外子会社は、公表義務の対象ではないため記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、創業以来「世界共通の品質を世界共通の価格で」を企業理念に掲げ、品質の良いファッショントレンドアイテムをリーズナブルな価格でお客様へお届けするために、「ライフスタイル創造企業」として、お客様にご満足いただき感動を与えられるような世界共通のサービスを提供することで、人々の幸せを実現していくことを基本方針としております。 そのために、世界のシューズストア「ABC-MART」を展開し、以下を実行してまいります。 ① 「ABC-MART」の出店を拡大し、世界に通用するストアブランドに確立することを目指します。 ② 「ABC-MART」では、ブランドを基調としたトレンドアイテムの充実を図ります。 ③ 「ABC-MART」のマーチャンダイジングを強化するためにブランドポートフォリオを充実します。 ④ 「ABC-MART」のリアル店舗とオンラインをつなぐデジタルコマースを強化します。 (2) 目標とする経営指標当社グループの経営指標としては、連結営業利益率を二桁水準で維持することを目標とします。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、今後の中長期的な経営戦略として、①マーケットシェアの拡大、②積極的な店舗展開とデジタルコマースの推進、③世界マーケットへの発信、④既存ブランドの拡充と新規ブランドの取得・育成を掲げております。 ① マーケットシェアの拡大国内のシューズマーケットはピーク時で1兆4,000億円まで拡大し、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要の減少で2020年には1兆1,000億円程にまで縮小しましたが、近年では1兆2,000億円まで回復したといわれております。 (株式会社矢野経済研究所発出の調査資料に基づく。 )現在、当社は、シューズマーケットで2割のシェアを持つシューズカンパニーであり、国内トップ企業であります。 韓国市場においては、海外の大手シューズチェーンが撤退するなどマーケットの寡占化が進んでおりますが、連結子会社ABC-MART KOREA,INC.が韓国のシューズ市場においてイニシアチブを発揮しております。 現在置かれているシューズ業界のみならず、スポーツ市場、スポーツアパレル市場、レディース市場など、シューズを取り巻く環境下において成長市場は多数あります。 これらのマーケットを取り込んでいくことで、シューズ関連事業の拡大を模索してまいります。 企業買収や異業種との業務提携、新商品の共同開発やコラボレーションなど、新たなビジネスチャンスも獲得してまいります。 ② 積極的な店舗展開とデジタルコマースの推進イ.出店拡大成長への一番の原動力は新規出店であります。 また既存店の業態変更や増床改装を中心にリニューアル出店を進めていきます。 新規出店と改装出店により、国内外で年間100店舗の出店を続けてまいります。 ロ.業態の開発・展開「ABC-MART」を中核に据えて、第一に、トレンド志向の都市型旗艦店「ABC-MART GRAND STAGE」の出店を都心部から郊外の大型商業施設へ拡大します。 第二に、カテゴリー戦略に寄与する業態店舗の出店を進めてまいります。 スポーツファッション専門店「ABC-MART SPORTS」、レディースシューズ専門店「Charlotte」、レザーブーツ専門店「Danner」、パーソナルスポーツやアウトドア系ファッションのスポーツセレクトショップ「OSHMAN'S」、スニーカーのセレクトショップ「BILLY'S」など。 第三に、面積規模が100坪以上の地方郊外のショッピングセンターにおいては、2つ以上の屋号を併設する複合業態店舗の出店を拡大します。 面積拡大に併せ、シューズ以外の商品売上を拡大します。 ハ.デジタルコマースの強化デジタル事業においては、自社オンラインサイトの利用促進と他社サイトでの販売を強化します。 オムニチャネル戦略としては、オンライン販売における店舗受取サービスの提供やリアル店舗におけるネットを活用した取り組みを促進し、リアル店舗とオンラインの垣根を越えたサービスを提供し、顧客サービスの向上に努めてまいります。 ③ 世界マーケットへの発信当社は、「ABC-MART」「ABC-MART GRAND STAGE」を世界のトレンドの発信拠点と位置づけ、海外展開を拡大しております。 韓国、台湾、ベトナムに店舗網を拡充しており、現在、日本と親和性の高い東南アジア二か国目への進出に向け準備をしております。 北米においてはレザーブーツ専門店「Danner」を展開しております。 ④ 既存ブランドの拡充と新規ブランドの取得・育成当社グループは、商品の企画開発・製造から販売までを一貫して行う自社ブランドを保有しております。 1995年に商標権を取得しレザーカジュアルシューズを中心に展開する「HAWKINS」ブランド、レディース商品のプライベートブランド「ABC Select」があります。 2012年には米国の高品質ブーツブランド「Danner」「LaCrosse」を、2014年には「White's Boots」の商標権を取得いたしました。 このようにして、ブランドの取得やPBブランドの開発育成等を行うことで高い収益性を実現し、またシューズ業界における競合他社との差別化を図っております。 今後も、様々なライフスタイルに応じた商品の開発、提供を行うとともに新規ブランドの取得も視野に入れ業容の拡大に努めてまいります。 (4) 経営環境今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、観光立国としての日本が経済を発展させていくものと考え、インバウンドは今後も安定的に増加すると予想します。 一方で物価の上昇が進み、雇用環境や個人所得の改善が消費に大きな影響をもたらすものと考えますが、中長期的には、それらを支える労働人材の確保が喫緊の課題になると予想します。 海外においては、米国の保護主義的な動きと政策の不確実性の高まりから、株式や為替相場の著しい変動や地政学的リスクの高まりが懸念され、世界経済は先行き不透明な状況が続くものと予想します。 このような状況下、当社グループは、お客様の購買意欲を高めるための様々な販売戦略を実施し、新たなマーケットを開拓するべく諸施策の遂行に取り組んでまいります。 またどのような状況下においても、より良い商品をお客様にご提案できる接客サービスの向上に努めてまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき課題といたしましては、『店舗・商品・人材・IT』という重要な戦略要素を強化していくことであると認識しております。 ① 店舗戦略店舗売上の最大化を目指すため、都市型旗艦店「ABC-MART GRAND STAGE」、スポーツファッション専門店「ABC-MART SPORTS」の出店を拡大いたします。 また、増床改装により売場面積を拡大し、店舗の新陳代謝を促進するための好立地への移転や業態変更を積極的に行ってまいります。 異なる屋号、異なる業態の店舗を併設させた複合業態による出店を拡大することで、新たな顧客層の獲得とオペレーションの効率化を実現してまいります。 多店舗展開を推進するにあたり、多様な商圏、顧客層に応じた店舗形態を築いていく必要があります。 地域の特性等も考慮に入れながら新業態の開発に取り組みます。 また、商品の企画から構成(マーチャンダイジング)を店舗設計に組み入れ、収益重視の店舗開発を行ってまいります。 これらを踏まえ、個別店舗の収益を最重要視し、全ての店舗が収益に貢献することを目指します。 海外においても、「ABC-MART」のグローバルな店舗展開を推進してまいります。 ② 商品戦略顧客ニーズの多様化とライフスタイルの変化に即応していくために、商品カテゴリー毎の戦略をより明確にし、店舗とオンラインへの商品供給を適時適切に行ってまいります。 売れ筋商品の見極めと滞留在庫の取り扱いの早期判断・対処により、単品毎の在庫回転率の改善を図り、収益力を高めてまいります。 売上総利益率の向上を図るためには、メーカー各社との取引において他社との差別化を図るため、ナショナルブランドの共同企画による限定商品を多数展開してまいります。 また、売上総利益率の高い自社企画商品においては、付加価値の高い、競争優位性の高い商品の開発を行ってまいります。 これらの取り組みを行うことで、売上原価の低減と利益率の向上に努めてまいります。 商品の販売戦略においては、デジタル広告の積極的な利用とテレビなどの媒体活用を戦略的に使い分けて、ターゲット層に響く広告宣伝と販売促進活動を行ってまいります。 ③ 販売力(人)の強化当社グループは、対面販売による営業活動を主軸に事業を展開しております。 お客様にとって魅力のある店づくり、商品づくりを心がけ、提供していくためには、スタッフ一人ひとりの販売力=『人の力』が重要であると認識しております。 また、お客様への気配りや心遣いが次のご来店に繋がることから、接客サービスを向上させる取り組みを進めてまいります。 また海外子会社の店舗とも人材交流を進め、グループ企業としての「接客の均一化」を図ってまいります。 また女性管理職比率の向上を図ります。 2030年度の目標として17.7%を目指します。 そのためには、スタッフの様々なライフスタイルに応じた「働き方改革」を推進してまいります。 ショートタイム社員や地域限定社員など雇用形態の多様化を図り、中長期的な労働力の確保を目指します。 ④ IT活用による顧客満足度の最大化当社グループは、対面販売を基調とした直営店(リアル店舗)のほか、インターネットオンラインサイトを運営しております。 当社グループの事業拡大には、デジタルコマースの成長は不可欠です。 リアルとネットを繋ぐためのオムニチャネル戦略を推進していくため、スマートフォンを活用した様々な取り組みを実施してまいります。 ABCマートアプリによる新規会員の獲得、リアルとネットの相互利用が可能な電子ポイントシステム、会員向け情報発信サービスの提供、キャッシュレス決済への対応に加え、在庫情報の可視化によるオペレーションの向上があります。 今後も、IT活用による顧客満足度の最大化と更なる業務の効率化を目指してまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化企業規模が拡大していくなか、国内外へのグローバルな活動が活発化しており、その社会的責任も一層増していることを強く認識しております。 2015年5月、取締役会における経営判断の適正性を監視する機能をさらに高めていくため、また取締役会の監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実という観点から、監査等委員会設置会社へ移行しました。 取締役の職務執行状況や経営活動全般における法令遵守についての内部監査を強化していくとともに、お客様の安心・信頼に繋がる店舗運営を実現するため、店舗監査を定期的に実施し、必要に応じて是正勧告等を行い、店舗運営の適正化に努めてまいります。 また法令遵守はもとより、役職員の健康管理の観点から、より一層働きやすい労働環境の整備に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。 会計監査につきましては、監査等委員との相互連携により監査体制を充実させてまいります。 その他法令・税務についての判断を要する案件につきましては、顧問弁護士、顧問税理士に依頼または相談し、適宜、指導や助言を受けてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)ガバナンス 当社グループは、靴を中心に「ライフスタイル創業企業」として、お客様にご満足いただける商品やサービスの提供を通じて、当社グループの持続的な成長が社会貢献に繋がるような世界、具体的には、ファッションを通じて様々な人が集まり地域社会が活性化されるような世界を目指しております。 当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理するためのガバナンス体制として、経営幹部が出席する経営会議において各種戦略とサステナビリティを巡る様々な課題について検討を重ね、業務執行取締役主導の下、稟議決裁を経て各部門で実行しております。 取締役経営企画室長が進捗状況のモニタリングを行っており、半期に一度、当社取締役会へ報告する体制を取ることでリスクマネジメントの統制を図っております。 なお、当社代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。 (2)戦略 当社グループにおけるサステナビリティを巡る重要課題として、「地域社会とのつながり」「誰もが働きやすい環境づくり」「サステナブルな商品セレクト」「エコロジカルな店舗運営」「ロスをうまない経営」の5つを掲げ、人的資本と気候変動への対応に取り組んでまいります。 ① 人的資本当社グループは、多店舗展開を成長戦略の柱としております。 都市部や地方郊外への出店を通じてその地域における雇用を生み出し、様々な人々に必要なモノ(日用品・嗜好品)の提供を行うことで地域経済を活性化させる役割を担っております。 当社グループの主なステークホルダーは、お客様、従業員、お取引先様、株主様であります。 お客様との接点となる「ABC-MART」を通じて地域社会とのつながりを強固にするためには、まずは「ABC-MART」で働く人一人ひとりのために働きやすい環境づくりを行うことが重要であります。 このことから、人的資本経営を最重要視し、「マルチステークホルダー方針」「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」を定め、推進してまいります。 1) マルチステークホルダー方針 当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。 その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながるという観点から、従業員への還元や取引先への配慮が重要であることを踏まえ、各種取組を進めてまいります。 詳細につきましては、当社ホームページ「https://www.abc-mart.co.jp/ir/sustainability/social.html」に掲載しております。 2) 人材育成に関する方針(a) 現場での経験と“共育”お客様との対面販売による現場での経験が人材育成の基本となり、当社グループの強力な販売力の源です。 新人スタッフの育成にあたり、現場経験豊富な先輩スタッフによるコーチングは不可欠であり、ときに先輩スタッフも“自らを知る”機会を得て、共に成長できる環境をも育てます。 そして、こうした環境下で“ライバル心”を育てることで、販売力の最大化を目指します。 (b) 雇用の多様化とワークライフバランスの充実当社グループでは、ライフスタイルの変化に対応し、雇用形態の多様化を進めております。 女性やパート・アルバイトの積極採用はもとより、地域限定社員やショートタイム社員の登用など、地域や目的に応じた雇用を確立しております。 こうした取り組みにより、経験を積んだスタッフが継続して働ける環境づくりを行い、ワークライフバランスの充実を図ります。 (c) キャリア開発とチームづくり社員数が増え、顔が見えづらい環境下において、社員の潜在能力を見出し、適切な場所でその能力を十分発揮させることはとても重要な課題です。 各人の能力・実績・経験・志向等を把握し、適切なキャリア開発を行うため、人事部と現場を良く知るエリアスーパーバイザーとでキャリア開発チームをつくり、当社グループの将来の担い手を発掘してまいります。 3) 社内環境整備に関する方針(a) ダイバーシティと人権の尊重当社グループには、国籍、人種、性別、年齢等の属性面に加え、キャリア、考え方、価値観、ライフスタイル等も含んだ多様な社員が共存しております。 社員一人ひとりの持つ個性を多様性として理解し、全ての社員が受け入れられ、尊重し合いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かすことが、新たな発想や価値の創造に繋がると考えております。 これらのことから、当社グループでは、個々を尊重し、以下の対応を行ってまいります。 ・女性が当たり前に活躍できる環境づくり・将来的に組織の意思決定に関わる女性役職者を増やしていく取り組み・障がいの有無に関わらず、全ての従業員が自身の強みを活かして永く活躍できる環境づくり・外国人の積極雇用と異文化コミュニケーションの促進・LGBTQへの理解と対応、相談窓口の設置 (b) 研修制度とサポート体制当社グループの人材育成は、「教育=共育」を全社共有のテーマとしており、OJTによるコーチングを実務スキル教育の軸としております。 集合研修においては、マインドセットを目的に人事部主導で実施する研修と、全国各地の店舗社員から人事部が任命したファシリテーター(研修講師)が地域毎に実施する研修に分けております。 店舗社員が研修講師になる仕組みにより、現場で獲得したノウハウが社内に蓄積され、また共有化されることで販売力の強化を図る取り組みです。 将来的に組織の意思決定に関わる女性社員を育成する目的で、女性役職者育成研修、選抜女性店長研修を実施してまいります。 また様々な価値観を持った人材がモチベーション高く働ける職場環境をつくるため、エリアを管轄するスーパーバイザーを対象に、アンコンシャスバイアスの理解を深めるための研修を実施してまいります。 障がいのある社員も“チームの一員(ONE TEAM)”として活躍できるような環境づくりを行います。 2025年2月末現在、156名が在籍(雇用率2.54%)しております。 障がいに関する専門知識を持つ支援チームが配属店舗に定期的に訪問し、また管理者を対象にした研修を実施することで、特性や個性に合わせた指導方法のサポート体制を確立してまいります。 外国人の雇用を積極的に行ってまいります。 2025年2月末現在、20の国又は地域(中国、韓国、台湾、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、ペルーなど)からグローバルな人材を採用しており、171名が在籍しております。 グローバル企業として異なる文化や価値観を受け入れるための取り組みとして、異文化コミュニケーション研修やフォローアップ研修を実施してまいります。 LGBTQに対する理解を深め、全ての社員が働きやすい環境づくりを目指してまいります。 2023年度において、LGBTQ相談窓口を設置し、社内管理上の性別選択項目が変更できる体制に変え、そしてパートナーシップ登録制度を導入いたしました。 ② 気候変動への対応当社グループは、世界的な平均気温4℃上昇による気候変動が社会経済活動に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することを目指す動きに貢献していくことが重要であると考えます。 これらの気候変動への対応を強化するため、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施しております。 1) シナリオ分析プロセスシナリオ分析のプロセスは、次のStep1からStep4までの4段階になります。 Step1リスク・機会の特定幅広く抽出した気候関連リスク・機会の中から、想定される事業影響の大きさに基づいて、重要度の高いリスク・機会を特定Step2シナリオの定義特定したリスク・機会に関連するパラメータの将来情報を入手し、シナリオを定義Step3財務影響の把握定義したシナリオにおける、リスク・機会に関する2030年度の財務影響を測定Step4対応策の検討把握した財務影響に基づき、リスクの軽減や機会の獲得のための対応策を検討 <シナリオ分析の前提>対象事業靴、衣料、雑貨などの小売、靴の商品企画、製造及び販売参照した主なシナリオ4℃: IPCC RCP8.5、IEA WEO STEPS1.5℃: IPCC RCP1.9、IEA WEO NZE時間軸短期:1年未満 中期:1~10年未満 長期:10~30年財務影響小:10億円未満 中:10~100億円未満 大:100億円以上 2) 気候関連リスク・機会当社グループが特定した重要性の高いリスク・機会と定義したシナリオにおけるリスク・機会に関する2030年度の財務影響は、以下の表のとおりであります。 当社グループは、把握した財務影響に基づき、リスクの軽減や機会の獲得のための対応策を講じております。 (気候関連リスク) シナリオ分類 想定事業への影響 顕在時期財務影響主な対応策1.5℃ 政策・法規制炭素税・排出量取引制度の新設・厳格化 ・サプライヤー、輸送業者による炭素排出負担の価格転嫁・Scope1,2に関する炭素排出負担の発生 中~長期大・サステナブルな商品セレクト・低炭素ショップバッグへの変更(石油由来のポリエチレン製から紙製又はリサイクルポリエチレン製へ)・物流効率化・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)・再生可能エネルギー電力の導入リサイクル規制の厳格化・リサイクル規制対応商品の調達増加・売れ残り在庫廃棄禁止に伴う在庫寄付に係る輸送の発生中~長期大・サステナブルな商品セレクト・長期滞留在庫の廃棄ゼロ化(大型店舗やアウトレット店における滞留商品集約等)市場お客様の気候変動課題意識の向上・サステナブルな商品の調達増加・サステナブルな内装材を用いた店舗開発の要請中~長期中・サステナブルな商品セレクト・環境に配慮した内装材の使用小売電力価格の上昇・サプライヤーや当社における電気代の増加中~長期中・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定) シナリオ分類 想定事業への影響 顕在時期財務影響主な対応策4℃物理(急性)自然災害・異常気象の激甚化・当社拠点の気象災害被災による棚卸資産・固定資産の災害損失及び店舗営業停止に伴う売上逸失中~長期大・店舗/外部倉庫の分散化・デジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化・店舗新設や移転時における気象災害リスクの評価・洪水/高潮の影響を受けやすい拠点における在庫保管場所の見直し物理(慢性)平均気温の上昇による感染症の増加・感染症流行による店舗営業停止に伴う売上逸失中~長期大・店舗/外部倉庫の分散化・デジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化ブーツなどの冬季製品を使用する頻度の減少・冬季製品に関する売上減少中~長期小・売上分析に基づく地域毎の商品供給・販売体制の構築・気温や季節に応じた売り場づくり/販売促進活動 (気候関連機会) シナリオ分類 想定事業への影響 顕在時期財務影響主な対応策1.5℃ 資源効率/エネルギー源エネルギー効率性の向上や低炭素エネルギーの使用・Scope1,2削減により、炭素排出負担の減少中~長期小・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)・再生可能エネルギー電力の導入製品とサービスサステナブルな商品を志向するお客様の増加・サステナブルな商品の売上増加中~長期大・サステナブルな商品セレクト4℃製品とサービスサンダルなどの夏季製品を使用する頻度の増加・夏季製品に関する売上増加中~長期小・売上分析に基づく地域毎の商品供給・販売体制の構築・気温や季節に応じた売り場づくり/販売促進活動 3) 主な対応策具体的な対応策は以下のとおりであります。 (a) サステナブルな商品セレクト 当社グループでは、ナショナルブランドの環境に配慮した商品を数多く扱っており、例えば、サステナブルな手法で綿花栽培を行ったコットン100%のTシャツや靴のアッパーに50%以上のリサイクル素材を使用したスニーカー等の品揃えを拡充しております。 メーカー各社様と共同で開発しているABC-MART限定商品においても、サステナブルな素材を用いて開発された商品が多くあります。 これらリサイクル素材を用いた商品の製造コストは通常よりも非常に高く、販売価格に影響をもたらします。 そのため、環境に配慮した商品に対するお客様のニーズと購買価格帯を見極めながら企画開発を続けてまいります。 (b) エコロジカルな店舗運営(電気使用量の削減) 当社グループ(当社単体及び韓国・米国・台湾の在外子会社3社)の2023年度の年間電気使用量は106,492千kWhでCO2排出量は48,278トンでした。 Scope1及びScope2のCO2排出量は51,177トンとなります。 当社は、2023年から2027年までの5年間に全店舗の照明をLEDに替える計画を実施しております。 5年間のLEDに係る投資総額は、12億30百万円と想定しており、1店舗当たりの投資回収期間はおよそ4年となります。 非対応店舗全店の節電効果は、概算で年間4億円程度と試算しております。 2023年2月末時点のLED非対応の店舗数は1,074店舗中412店舗ありましたが、毎年90店舗前後の対応を進めた結果、2025年2月末現在の非対応店舗数は230店舗となりました。 (環境に配慮した内装材等の使用) 当社グループの国内の店舗戦略においては、年間40店舗の新規出店、40店舗の改装をベースとした出店を計画しております。 土地・建物の取得を除いた店舗造作に係る年間の設備投資総額はおよそ35億から40億円程となります。 現在、新業態店舗を中心に、環境に配慮した内装材の使用を始めております。 具体的には、壁面にエコ素材のクロスを用いたり、ABC-MART2.0業態でパネコ(廃棄衣類繊維)やOSB(間伐材等の再利用)ボードを用いた棚板や什器を使用しております。 これらのエコ素材は通常の棚板や什器に比べ非常に高価なことから、PRコーナーの一角などで用いております。 当社グループでは、2021年10月より、石油由来のポリエチレン製ショップバッグを廃止し、植物由来のボタニカルインキを使用した再生紙のショップバッグとリサイクルポリエチレン製ショップバッグを全店で使用しております。 2022年2月期において、出荷ベースで1,738万枚のうち紙袋の使用は38.4%でしたが、2023年2月期においては、出荷ベースで2,089万枚のうち紙袋の使用を77.3%に高めた結果、CO2排出量をおよそ3トン削減することができました。 (c) ロスをうまない経営 当社グループの考えるロスには、商品がないことによる販売機会のロスと在庫のロスがあります。 コロナ禍、積極的なIT投資によりデジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化を行ってまいりました。 店舗において倉庫在庫の販売が直接できるようになり、またオンライン販売においては店舗での商品受け取りが可能となり、欠品時の販売機会のロスが低減できるようになりました。 さらにスマホアプリによる自店在庫の見える化により、お客様の利便性が増したことに加え、生産性の向上による売上拡大と業務効率の改善による人件費の圧縮が可能となりました。 次の目標としては、将来の在庫処分をうまないために、売上分析に基づき、需要のある地域に適切な分量の商品を供給し、販売していく仕組みをつくることにあります。 滞留商品については、地域の拠点となる大型店舗やアウトレット店に商品を集約することで、在庫の消化を促進する取り組みも行ってまいります。 さらに、外部での販売会や催事などを企画し、徹底して売り切る体制を整えてまいります。 このようにして、長期滞留在庫(使用不可商品を除く。 )の廃棄ゼロを目指します。 これらのシナリオ分析の結果は、当社グループの経営戦略へ反映するとともに、対応策の実行や進捗状況のモニタリングを行います。 また、今後も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・機会の見直しを実施してまいります。 (3)リスク管理 当社では、企業価値を形成する有形無形資産や企業の成長戦略を脅かす事業リスクを適切に管理するため「リスク管理規程」「コンプライアンス管理規程」「行動指針」を定めております。 当社のリスク管理体制は、代表取締役社長をリスク管理統括責任者として、関係各部署の役職者で構成されるリスク管理委員会を設置して対応に当たっております。 リスク管理委員会においては、事業活動に伴う重大なリスクの顕在化を防ぐための対策や、万一リスクが顕在化した場合でも被害を最小限に留めるための対応策を協議、検討し、実行しております。 サステナビリティ関連のリスク及び機会や優先的に対応すべき事業等のリスクについては、役員をはじめ経営幹部が集まる週次の経営会議で識別し、リスクの影響度に応じて、部長会やリスク管理委員会で必要な検討を重ね、対応していきます。 経営会議においては、経営戦略の実効性と合わせてこれらのリスクや機会の評価を適宜行っており、評価の結果は部長会を通じて下位の者に伝達する仕組みとなっております。 コンプライアンスに関する問題に関しては、必要に応じて外部の有識者の助言を受けて対応しております。 当社グループの主なリスクとその対応につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 (4)指標及び目標 ① 人的資本 当社グループの人的資本に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。 なお、上記「 (2) 戦略」において記載した「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」に係る指標については、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける指標の記載は困難であります。 このため、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。 提出会社 2022年度実績(2023年2月期)2023年度実績(2024年2月期)2024年度実績(2025年2月期)2030年度目標女性管理職比率 (%) (注)214.515.515.917.7男女賃金格差(男性100%に対し)(%)77.477.378.590.8男性育児休業取得率 (%)26.031.360.5100.0 (注)1 上記は全正社員を対象としております。 2 管理職は、店舗においては店長職以上、本社においてはチームマネージャー職以上としております。 2024年度における次期管理職候補である店舗役職者(副店長職)の女性比率は42.8%となりました。 ② 気候変動への対応 当社グループの気候変動に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。 (温室効果ガス排出量) (単位:t-CO2)区分2023年度実績(2024年2月期)Scope1122Scope2(マーケット基準)51,054 (注)1 集計対象範囲: Scope1,2: 連結対象4社(株式会社エービーシー・マート、ABC-MART KOREA,INC.、LaCrosse Footwear,inc.、ABC-MART TAIWAN,INC.) 2 排出係数の出典:区分排出係数の出典Scope1・環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.9)」Scope2(マーケット基準)・日本: 環境省「電気事業者別排出係数一覧」 調整後排出係数・海外: IEA「CO2 Emissions from Fuel Combustion 2019」国別排出係数 |
戦略 | (2)戦略 当社グループにおけるサステナビリティを巡る重要課題として、「地域社会とのつながり」「誰もが働きやすい環境づくり」「サステナブルな商品セレクト」「エコロジカルな店舗運営」「ロスをうまない経営」の5つを掲げ、人的資本と気候変動への対応に取り組んでまいります。 ① 人的資本当社グループは、多店舗展開を成長戦略の柱としております。 都市部や地方郊外への出店を通じてその地域における雇用を生み出し、様々な人々に必要なモノ(日用品・嗜好品)の提供を行うことで地域経済を活性化させる役割を担っております。 当社グループの主なステークホルダーは、お客様、従業員、お取引先様、株主様であります。 お客様との接点となる「ABC-MART」を通じて地域社会とのつながりを強固にするためには、まずは「ABC-MART」で働く人一人ひとりのために働きやすい環境づくりを行うことが重要であります。 このことから、人的資本経営を最重要視し、「マルチステークホルダー方針」「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」を定め、推進してまいります。 1) マルチステークホルダー方針 当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。 その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながるという観点から、従業員への還元や取引先への配慮が重要であることを踏まえ、各種取組を進めてまいります。 詳細につきましては、当社ホームページ「https://www.abc-mart.co.jp/ir/sustainability/social.html」に掲載しております。 2) 人材育成に関する方針(a) 現場での経験と“共育”お客様との対面販売による現場での経験が人材育成の基本となり、当社グループの強力な販売力の源です。 新人スタッフの育成にあたり、現場経験豊富な先輩スタッフによるコーチングは不可欠であり、ときに先輩スタッフも“自らを知る”機会を得て、共に成長できる環境をも育てます。 そして、こうした環境下で“ライバル心”を育てることで、販売力の最大化を目指します。 (b) 雇用の多様化とワークライフバランスの充実当社グループでは、ライフスタイルの変化に対応し、雇用形態の多様化を進めております。 女性やパート・アルバイトの積極採用はもとより、地域限定社員やショートタイム社員の登用など、地域や目的に応じた雇用を確立しております。 こうした取り組みにより、経験を積んだスタッフが継続して働ける環境づくりを行い、ワークライフバランスの充実を図ります。 (c) キャリア開発とチームづくり社員数が増え、顔が見えづらい環境下において、社員の潜在能力を見出し、適切な場所でその能力を十分発揮させることはとても重要な課題です。 各人の能力・実績・経験・志向等を把握し、適切なキャリア開発を行うため、人事部と現場を良く知るエリアスーパーバイザーとでキャリア開発チームをつくり、当社グループの将来の担い手を発掘してまいります。 3) 社内環境整備に関する方針(a) ダイバーシティと人権の尊重当社グループには、国籍、人種、性別、年齢等の属性面に加え、キャリア、考え方、価値観、ライフスタイル等も含んだ多様な社員が共存しております。 社員一人ひとりの持つ個性を多様性として理解し、全ての社員が受け入れられ、尊重し合いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かすことが、新たな発想や価値の創造に繋がると考えております。 これらのことから、当社グループでは、個々を尊重し、以下の対応を行ってまいります。 ・女性が当たり前に活躍できる環境づくり・将来的に組織の意思決定に関わる女性役職者を増やしていく取り組み・障がいの有無に関わらず、全ての従業員が自身の強みを活かして永く活躍できる環境づくり・外国人の積極雇用と異文化コミュニケーションの促進・LGBTQへの理解と対応、相談窓口の設置 (b) 研修制度とサポート体制当社グループの人材育成は、「教育=共育」を全社共有のテーマとしており、OJTによるコーチングを実務スキル教育の軸としております。 集合研修においては、マインドセットを目的に人事部主導で実施する研修と、全国各地の店舗社員から人事部が任命したファシリテーター(研修講師)が地域毎に実施する研修に分けております。 店舗社員が研修講師になる仕組みにより、現場で獲得したノウハウが社内に蓄積され、また共有化されることで販売力の強化を図る取り組みです。 将来的に組織の意思決定に関わる女性社員を育成する目的で、女性役職者育成研修、選抜女性店長研修を実施してまいります。 また様々な価値観を持った人材がモチベーション高く働ける職場環境をつくるため、エリアを管轄するスーパーバイザーを対象に、アンコンシャスバイアスの理解を深めるための研修を実施してまいります。 障がいのある社員も“チームの一員(ONE TEAM)”として活躍できるような環境づくりを行います。 2025年2月末現在、156名が在籍(雇用率2.54%)しております。 障がいに関する専門知識を持つ支援チームが配属店舗に定期的に訪問し、また管理者を対象にした研修を実施することで、特性や個性に合わせた指導方法のサポート体制を確立してまいります。 外国人の雇用を積極的に行ってまいります。 2025年2月末現在、20の国又は地域(中国、韓国、台湾、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、ペルーなど)からグローバルな人材を採用しており、171名が在籍しております。 グローバル企業として異なる文化や価値観を受け入れるための取り組みとして、異文化コミュニケーション研修やフォローアップ研修を実施してまいります。 LGBTQに対する理解を深め、全ての社員が働きやすい環境づくりを目指してまいります。 2023年度において、LGBTQ相談窓口を設置し、社内管理上の性別選択項目が変更できる体制に変え、そしてパートナーシップ登録制度を導入いたしました。 ② 気候変動への対応当社グループは、世界的な平均気温4℃上昇による気候変動が社会経済活動に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することを目指す動きに貢献していくことが重要であると考えます。 これらの気候変動への対応を強化するため、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施しております。 1) シナリオ分析プロセスシナリオ分析のプロセスは、次のStep1からStep4までの4段階になります。 Step1リスク・機会の特定幅広く抽出した気候関連リスク・機会の中から、想定される事業影響の大きさに基づいて、重要度の高いリスク・機会を特定Step2シナリオの定義特定したリスク・機会に関連するパラメータの将来情報を入手し、シナリオを定義Step3財務影響の把握定義したシナリオにおける、リスク・機会に関する2030年度の財務影響を測定Step4対応策の検討把握した財務影響に基づき、リスクの軽減や機会の獲得のための対応策を検討 <シナリオ分析の前提>対象事業靴、衣料、雑貨などの小売、靴の商品企画、製造及び販売参照した主なシナリオ4℃: IPCC RCP8.5、IEA WEO STEPS1.5℃: IPCC RCP1.9、IEA WEO NZE時間軸短期:1年未満 中期:1~10年未満 長期:10~30年財務影響小:10億円未満 中:10~100億円未満 大:100億円以上 2) 気候関連リスク・機会当社グループが特定した重要性の高いリスク・機会と定義したシナリオにおけるリスク・機会に関する2030年度の財務影響は、以下の表のとおりであります。 当社グループは、把握した財務影響に基づき、リスクの軽減や機会の獲得のための対応策を講じております。 (気候関連リスク) シナリオ分類 想定事業への影響 顕在時期財務影響主な対応策1.5℃ 政策・法規制炭素税・排出量取引制度の新設・厳格化 ・サプライヤー、輸送業者による炭素排出負担の価格転嫁・Scope1,2に関する炭素排出負担の発生 中~長期大・サステナブルな商品セレクト・低炭素ショップバッグへの変更(石油由来のポリエチレン製から紙製又はリサイクルポリエチレン製へ)・物流効率化・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)・再生可能エネルギー電力の導入リサイクル規制の厳格化・リサイクル規制対応商品の調達増加・売れ残り在庫廃棄禁止に伴う在庫寄付に係る輸送の発生中~長期大・サステナブルな商品セレクト・長期滞留在庫の廃棄ゼロ化(大型店舗やアウトレット店における滞留商品集約等)市場お客様の気候変動課題意識の向上・サステナブルな商品の調達増加・サステナブルな内装材を用いた店舗開発の要請中~長期中・サステナブルな商品セレクト・環境に配慮した内装材の使用小売電力価格の上昇・サプライヤーや当社における電気代の増加中~長期中・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定) シナリオ分類 想定事業への影響 顕在時期財務影響主な対応策4℃物理(急性)自然災害・異常気象の激甚化・当社拠点の気象災害被災による棚卸資産・固定資産の災害損失及び店舗営業停止に伴う売上逸失中~長期大・店舗/外部倉庫の分散化・デジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化・店舗新設や移転時における気象災害リスクの評価・洪水/高潮の影響を受けやすい拠点における在庫保管場所の見直し物理(慢性)平均気温の上昇による感染症の増加・感染症流行による店舗営業停止に伴う売上逸失中~長期大・店舗/外部倉庫の分散化・デジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化ブーツなどの冬季製品を使用する頻度の減少・冬季製品に関する売上減少中~長期小・売上分析に基づく地域毎の商品供給・販売体制の構築・気温や季節に応じた売り場づくり/販売促進活動 (気候関連機会) シナリオ分類 想定事業への影響 顕在時期財務影響主な対応策1.5℃ 資源効率/エネルギー源エネルギー効率性の向上や低炭素エネルギーの使用・Scope1,2削減により、炭素排出負担の減少中~長期小・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)・再生可能エネルギー電力の導入製品とサービスサステナブルな商品を志向するお客様の増加・サステナブルな商品の売上増加中~長期大・サステナブルな商品セレクト4℃製品とサービスサンダルなどの夏季製品を使用する頻度の増加・夏季製品に関する売上増加中~長期小・売上分析に基づく地域毎の商品供給・販売体制の構築・気温や季節に応じた売り場づくり/販売促進活動 3) 主な対応策具体的な対応策は以下のとおりであります。 (a) サステナブルな商品セレクト 当社グループでは、ナショナルブランドの環境に配慮した商品を数多く扱っており、例えば、サステナブルな手法で綿花栽培を行ったコットン100%のTシャツや靴のアッパーに50%以上のリサイクル素材を使用したスニーカー等の品揃えを拡充しております。 メーカー各社様と共同で開発しているABC-MART限定商品においても、サステナブルな素材を用いて開発された商品が多くあります。 これらリサイクル素材を用いた商品の製造コストは通常よりも非常に高く、販売価格に影響をもたらします。 そのため、環境に配慮した商品に対するお客様のニーズと購買価格帯を見極めながら企画開発を続けてまいります。 (b) エコロジカルな店舗運営(電気使用量の削減) 当社グループ(当社単体及び韓国・米国・台湾の在外子会社3社)の2023年度の年間電気使用量は106,492千kWhでCO2排出量は48,278トンでした。 Scope1及びScope2のCO2排出量は51,177トンとなります。 当社は、2023年から2027年までの5年間に全店舗の照明をLEDに替える計画を実施しております。 5年間のLEDに係る投資総額は、12億30百万円と想定しており、1店舗当たりの投資回収期間はおよそ4年となります。 非対応店舗全店の節電効果は、概算で年間4億円程度と試算しております。 2023年2月末時点のLED非対応の店舗数は1,074店舗中412店舗ありましたが、毎年90店舗前後の対応を進めた結果、2025年2月末現在の非対応店舗数は230店舗となりました。 (環境に配慮した内装材等の使用) 当社グループの国内の店舗戦略においては、年間40店舗の新規出店、40店舗の改装をベースとした出店を計画しております。 土地・建物の取得を除いた店舗造作に係る年間の設備投資総額はおよそ35億から40億円程となります。 現在、新業態店舗を中心に、環境に配慮した内装材の使用を始めております。 具体的には、壁面にエコ素材のクロスを用いたり、ABC-MART2.0業態でパネコ(廃棄衣類繊維)やOSB(間伐材等の再利用)ボードを用いた棚板や什器を使用しております。 これらのエコ素材は通常の棚板や什器に比べ非常に高価なことから、PRコーナーの一角などで用いております。 当社グループでは、2021年10月より、石油由来のポリエチレン製ショップバッグを廃止し、植物由来のボタニカルインキを使用した再生紙のショップバッグとリサイクルポリエチレン製ショップバッグを全店で使用しております。 2022年2月期において、出荷ベースで1,738万枚のうち紙袋の使用は38.4%でしたが、2023年2月期においては、出荷ベースで2,089万枚のうち紙袋の使用を77.3%に高めた結果、CO2排出量をおよそ3トン削減することができました。 (c) ロスをうまない経営 当社グループの考えるロスには、商品がないことによる販売機会のロスと在庫のロスがあります。 コロナ禍、積極的なIT投資によりデジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化を行ってまいりました。 店舗において倉庫在庫の販売が直接できるようになり、またオンライン販売においては店舗での商品受け取りが可能となり、欠品時の販売機会のロスが低減できるようになりました。 さらにスマホアプリによる自店在庫の見える化により、お客様の利便性が増したことに加え、生産性の向上による売上拡大と業務効率の改善による人件費の圧縮が可能となりました。 次の目標としては、将来の在庫処分をうまないために、売上分析に基づき、需要のある地域に適切な分量の商品を供給し、販売していく仕組みをつくることにあります。 滞留商品については、地域の拠点となる大型店舗やアウトレット店に商品を集約することで、在庫の消化を促進する取り組みも行ってまいります。 さらに、外部での販売会や催事などを企画し、徹底して売り切る体制を整えてまいります。 このようにして、長期滞留在庫(使用不可商品を除く。 )の廃棄ゼロを目指します。 これらのシナリオ分析の結果は、当社グループの経営戦略へ反映するとともに、対応策の実行や進捗状況のモニタリングを行います。 また、今後も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・機会の見直しを実施してまいります。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 ① 人的資本 当社グループの人的資本に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。 なお、上記「 (2) 戦略」において記載した「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」に係る指標については、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける指標の記載は困難であります。 このため、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。 提出会社 2022年度実績(2023年2月期)2023年度実績(2024年2月期)2024年度実績(2025年2月期)2030年度目標女性管理職比率 (%) (注)214.515.515.917.7男女賃金格差(男性100%に対し)(%)77.477.378.590.8男性育児休業取得率 (%)26.031.360.5100.0 (注)1 上記は全正社員を対象としております。 2 管理職は、店舗においては店長職以上、本社においてはチームマネージャー職以上としております。 2024年度における次期管理職候補である店舗役職者(副店長職)の女性比率は42.8%となりました。 ② 気候変動への対応 当社グループの気候変動に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。 (温室効果ガス排出量) (単位:t-CO2)区分2023年度実績(2024年2月期)Scope1122Scope2(マーケット基準)51,054 (注)1 集計対象範囲: Scope1,2: 連結対象4社(株式会社エービーシー・マート、ABC-MART KOREA,INC.、LaCrosse Footwear,inc.、ABC-MART TAIWAN,INC.) 2 排出係数の出典:区分排出係数の出典Scope1・環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.9)」Scope2(マーケット基準)・日本: 環境省「電気事業者別排出係数一覧」 調整後排出係数・海外: IEA「CO2 Emissions from Fuel Combustion 2019」国別排出係数 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ① 人的資本当社グループは、多店舗展開を成長戦略の柱としております。 都市部や地方郊外への出店を通じてその地域における雇用を生み出し、様々な人々に必要なモノ(日用品・嗜好品)の提供を行うことで地域経済を活性化させる役割を担っております。 当社グループの主なステークホルダーは、お客様、従業員、お取引先様、株主様であります。 お客様との接点となる「ABC-MART」を通じて地域社会とのつながりを強固にするためには、まずは「ABC-MART」で働く人一人ひとりのために働きやすい環境づくりを行うことが重要であります。 このことから、人的資本経営を最重要視し、「マルチステークホルダー方針」「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」を定め、推進してまいります。 1) マルチステークホルダー方針 当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。 その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながるという観点から、従業員への還元や取引先への配慮が重要であることを踏まえ、各種取組を進めてまいります。 詳細につきましては、当社ホームページ「https://www.abc-mart.co.jp/ir/sustainability/social.html」に掲載しております。 2) 人材育成に関する方針(a) 現場での経験と“共育”お客様との対面販売による現場での経験が人材育成の基本となり、当社グループの強力な販売力の源です。 新人スタッフの育成にあたり、現場経験豊富な先輩スタッフによるコーチングは不可欠であり、ときに先輩スタッフも“自らを知る”機会を得て、共に成長できる環境をも育てます。 そして、こうした環境下で“ライバル心”を育てることで、販売力の最大化を目指します。 (b) 雇用の多様化とワークライフバランスの充実当社グループでは、ライフスタイルの変化に対応し、雇用形態の多様化を進めております。 女性やパート・アルバイトの積極採用はもとより、地域限定社員やショートタイム社員の登用など、地域や目的に応じた雇用を確立しております。 こうした取り組みにより、経験を積んだスタッフが継続して働ける環境づくりを行い、ワークライフバランスの充実を図ります。 (c) キャリア開発とチームづくり社員数が増え、顔が見えづらい環境下において、社員の潜在能力を見出し、適切な場所でその能力を十分発揮させることはとても重要な課題です。 各人の能力・実績・経験・志向等を把握し、適切なキャリア開発を行うため、人事部と現場を良く知るエリアスーパーバイザーとでキャリア開発チームをつくり、当社グループの将来の担い手を発掘してまいります。 3) 社内環境整備に関する方針(a) ダイバーシティと人権の尊重当社グループには、国籍、人種、性別、年齢等の属性面に加え、キャリア、考え方、価値観、ライフスタイル等も含んだ多様な社員が共存しております。 社員一人ひとりの持つ個性を多様性として理解し、全ての社員が受け入れられ、尊重し合いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かすことが、新たな発想や価値の創造に繋がると考えております。 これらのことから、当社グループでは、個々を尊重し、以下の対応を行ってまいります。 ・女性が当たり前に活躍できる環境づくり・将来的に組織の意思決定に関わる女性役職者を増やしていく取り組み・障がいの有無に関わらず、全ての従業員が自身の強みを活かして永く活躍できる環境づくり・外国人の積極雇用と異文化コミュニケーションの促進・LGBTQへの理解と対応、相談窓口の設置 (b) 研修制度とサポート体制当社グループの人材育成は、「教育=共育」を全社共有のテーマとしており、OJTによるコーチングを実務スキル教育の軸としております。 集合研修においては、マインドセットを目的に人事部主導で実施する研修と、全国各地の店舗社員から人事部が任命したファシリテーター(研修講師)が地域毎に実施する研修に分けております。 店舗社員が研修講師になる仕組みにより、現場で獲得したノウハウが社内に蓄積され、また共有化されることで販売力の強化を図る取り組みです。 将来的に組織の意思決定に関わる女性社員を育成する目的で、女性役職者育成研修、選抜女性店長研修を実施してまいります。 また様々な価値観を持った人材がモチベーション高く働ける職場環境をつくるため、エリアを管轄するスーパーバイザーを対象に、アンコンシャスバイアスの理解を深めるための研修を実施してまいります。 障がいのある社員も“チームの一員(ONE TEAM)”として活躍できるような環境づくりを行います。 2025年2月末現在、156名が在籍(雇用率2.54%)しております。 障がいに関する専門知識を持つ支援チームが配属店舗に定期的に訪問し、また管理者を対象にした研修を実施することで、特性や個性に合わせた指導方法のサポート体制を確立してまいります。 外国人の雇用を積極的に行ってまいります。 2025年2月末現在、20の国又は地域(中国、韓国、台湾、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、ペルーなど)からグローバルな人材を採用しており、171名が在籍しております。 グローバル企業として異なる文化や価値観を受け入れるための取り組みとして、異文化コミュニケーション研修やフォローアップ研修を実施してまいります。 LGBTQに対する理解を深め、全ての社員が働きやすい環境づくりを目指してまいります。 2023年度において、LGBTQ相談窓口を設置し、社内管理上の性別選択項目が変更できる体制に変え、そしてパートナーシップ登録制度を導入いたしました。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ① 人的資本 当社グループの人的資本に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。 なお、上記「 (2) 戦略」において記載した「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」に係る指標については、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける指標の記載は困難であります。 このため、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。 提出会社 2022年度実績(2023年2月期)2023年度実績(2024年2月期)2024年度実績(2025年2月期)2030年度目標女性管理職比率 (%) (注)214.515.515.917.7男女賃金格差(男性100%に対し)(%)77.477.378.590.8男性育児休業取得率 (%)26.031.360.5100.0 (注)1 上記は全正社員を対象としております。 2 管理職は、店舗においては店長職以上、本社においてはチームマネージャー職以上としております。 2024年度における次期管理職候補である店舗役職者(副店長職)の女性比率は42.8%となりました。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 感染症の拡大① 主なリスクの内容・感染拡大防止のため、営業店舗の休業等を含めた営業制限・当社グループ及び取引先企業の従業員等の感染・取引先メーカーからの仕入商品の入荷遅延、海外生産工場の操業停止、物流遅延② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループの各社は、小売事業として多店舗展開を行っております。 既存の感染症については、ワクチン、予防薬や治療薬の開発や普及により、感染拡大による営業制限のリスクは小さくなっておりますが、新たな感染症が発出し感染拡大により緊急事態宣言が発表される状況となった場合、売上高の著しい減少が想定されます。 まず、世界的に感染拡大となった場合、インバウンド需要が見込めなくなります。 2025年2月期決算における国内のインバウンド需要は、国内売上の1割程でした。 店舗が一定期間一斉休業した場合を除き、特に大都市圏での移動制限や外出自粛により消費が1割から2割程減退すると予想します。 特に、東京を含めた関東圏は全店舗の4割を占めるため、これらが一斉休業となった場合、国内売上高の過半に影響を与えると想定されます。 海外については、連結売上高のおよそ2割を占める韓国において、ソウル特別市内及び京畿道において都市封鎖(ロックダウン)が生じた場合、過半の店舗で営業が困難な状況に陥ることから売上高の著しい減少が想定されます。 利益については、国内外ともに、減収に応じて経費のうち人件費や地代家賃などの固定費に当たる部分が負担増となり減益の可能性があります。 米国については、製造業であるため、サプライチェーンの混乱によるコンテナ不足や輸送費の上昇など仕入原価の増加が想定されます。 当社グループは、延べ人数で1万人を超える雇用をしております。 感染症に限らず、これら不可抗力な事象の発生により、長期的に店舗運営が困難な状況となった場合、雇用の維持ができなくなる可能性があります。 当社グループの主な取り組みといたしましては、感染状況に応じて感染防止策(マスク・消毒・密を避ける)を実行に移すとともに、オンライン販売の強化、関東以外の地域への出店強化、都心部のみならず生活圏への出店拡充などを行うで売上減少のリスクを軽減してまいります。 (2) 大規模災害等① 主なリスクの内容・大地震や台風・豪雨などの自然災害・火災、停電② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループの国内店舗は、全国各都道府県に1,000店舗以上あり、海外については、韓国に300店舗以上、台湾に60店舗以上あります。 各社は、商品等を保管する倉庫を所有しております。 また日本、韓国及び米国においては工場を所有しております。 大規模な自然災害等により店舗・倉庫・工場が被災した場合、固定資産や商品等に損害が発生する可能性があります。 日本における本社機能は東京、韓国においてはソウル特別市、台湾においては台北エリア(新北市)、ベトナムにおいてはホーチミン市、米国においてはオレゴン州にあります。 自然災害等、不可抗力な事象の発生により本社機能が麻痺した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 中長期的には首都圏直下型地震や南海トラフ地震が予測されており、相当程度のリスクがあります。 具体的な発生時期や影響の程度は不明です。 当社グループの主な取り組みといたしましては、予防的な措置として基幹業務を中心にクラウド運用を強化すること、事後対応としてSNS等を活用した緊急連絡網の整備、大型店にサテライトオフィスを設置するなど本社機能の一部分散等の対応をしてまいります。 (3) 海外情勢① 主なリスクの内容・政治・経済情勢の変動・テロ・紛争等による治安状態の悪化や社会的な混乱② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループの売上高のうちおよそ3割が海外売上高であり、そのうち韓国で2割を占めます。 韓国においては、ソウル特別市内及び京畿道にドミナント出店しており、全体の過半の売上を占めております。 過去において新型コロナウイルス感染症やSARS・MARSといった感染症の流行、日本製品の不買運動、内国政治の混乱等により業績が悪化することがありましたが、今後も政治・経済情勢の変動等により同様のことが起こる可能性があります。 当社グループの国内売上の2割が自社企画商品であり、そのうちの9割を海外の委託工場で生産、輸入しております。 主な生産地域は、東南アジア(約5割)、中国(約5割)であります。 過去にミャンマーのクーデターや感染症によるベトナムのロックダウンなど、少なからず影響がありましたが、これらの地域において政治・経済情勢が著しく悪化した場合、商品供給が滞る可能性があります。 2025年、米国の関税政策により、貿易摩擦による世界経済の悪化が懸念されます。 靴・衣料品の製造メーカーである米国子会社は一部で国外から部材を調達して製造販売していることから、輸入部材に対し追加関税が実施された場合は海外の売上総利益に影響を与える可能性があります。 当社グループの主な取り組みといたしましては、海外拠点を増やすこと、海外の他地域への進出を検討しております。 海外生産においては生産国を分散することや部材の海外調達先を他国に変更すること等でリスク回避を行っております。 (4) 為替相場の変動海外セグメントは、韓国、台湾、米国、ベトナムで構成されております。 それぞれの現地通貨に対し円高になった場合、売上や利益が減少します。 在外子会社の資産、負債は、当該子会社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は、期中平均為替相場により円貨に換算しております。 当社グループの売上のおよそ3割が海外売上のため、決算期末日時点の為替相場が大きく変動した場合、財務諸表に影響を与える可能性があります。 当社グループの国内売上の2割が自社企画商品であり、その9割を海外から輸入しております。 これら輸入商品の大半が米ドル決済であり、年間1.5億から2億ドル程の外貨需要があります。 米ドルが1円円安になった場合、仕入原価が1.5億円から2億円増加します。 輸入為替につきましては、仕入コストの安定化を図ることを目的として為替予約等を締結する場合がありますが、為替相場が大きく変動した場合、売上総利益に影響を与える可能性があります。 なお、現在、為替予約の締結は行っておりません。 (5) サプライチェーン問題① 主なリスクの内容 ・環境負荷や人権に関わる問題② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループは、当社及び国内外の子会社において海外の生産委託工場で靴を中心とした商品の製造と輸入を行っております。 生産国において環境負荷や労働安全衛生上の問題、また人権に関わる問題が発生した場合、環境保護団体や人権保護団体等から事業活動の停止や中止の勧告、汚染除去・浄化費用の支出、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償等の負担が発生するリスクがあります。 また当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。 当社グループのサプライチェーンの管理体制としては、全ての工場に対し、取引の基本条件として工場監査を義務づけております。 品質基準、価格、法令遵守、労務管理、人権保護、環境への配慮などが工場選考基準となっております。 BSCI、DTI、FLA、SA8000、WRAP、SLCP、SCANなどを推奨監査プログラムとして採用しており、半年から1年の周期で定期的に工場監査を実施しております。 全ての評価項目が適正水準に達していることが取引開始(更新)の前提条件としております。 (6) 事業環境① 主なリスクの内容・シューズマーケットの縮小・ファッショントレンドの変化② 当社グループへの影響と主な取り組み中長期的には、国内においては、人口減少と超高齢化社会によりシューズマーケットは縮小の可能性があります。 シューズの需要が低下する場合、出店戦略や業績に影響を与える可能性があります。 世界的なカジュアル志向により、スニーカー需要が増し、レザーシューズやビジネスシューズの販売が低迷するなど、トレンドの変化により、商品の需要と供給が変わることから、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループの主な取り組みといたしましては、シューズマーケットにおける国内シェアの拡大、またシューズ以外の分野、スポーツアパレル市場やアウトドア市場においてもシェア拡大を狙ってまいります。 トレンドの変化への対応につきましては、商品カテゴリー毎の戦略を適宜見直してまいります。 (7) 季節変動① 主なリスクの内容・販売動向の変化② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループが置かれているシューズ業界は、ファッション業界と同様、売上高に季節変動があります。 3月から5月(第1四半期)は就職・就学需要と春休みやGW等の春商戦があり、12月と1月は年末年始商戦があるため、売上が最も大きくなります。 また出店が多くなる第1四半期と第3四半期に経費が多く計上されることから、営業利益は四半期会計期間毎に変動する傾向にあります。 キャッシュ・フローにつきましては、納税時期である4月と10月、配当支払い時期である5月と11月は、現預金の支出が多く、また新規出店や改装によるリニューアル出店が多い時期でもあることから、第1四半期と第3四半期の財務活動と投資活動によるキャッシュ・フローは支出が増加します。 当社グループの主な取り組みといたしましては、シーズン毎に販売戦略を構築し、きめ細かな商材設定を行い、旬な商品を適時適切なタイミングで販売することで販売機会のロスを低減し、在庫回転率を高めてまいります。 また季節感のある店舗運営を心掛けることで、お客様の再来店を促す取り組みを実施してまいります。 そしてお客様にご満足いただける商品・サービスの提案を継続的に行ってまいります。 (8) 人材の確保と育成① 主なリスクの内容・採用状況の悪化・離職率の上昇② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループの国内においては、毎年200名近くの新規採用を行っております。 採用難や離職率が上昇した場合、出店戦略や店舗運営に影響を与える可能性があります。 当社グループの主な取り組みといたしましては、雇用形態の多様化(短時間労働正社員ほか)、地域密着型の人材登用を行い、人材の確保に努めております。 また採用研修制度の充実を図り、人材の育成と能力開発を進めていくことで、将来を担う若手社員の離職を防ぐ取り組みを行っております。 また様々な事情により退職した社員の再雇用を促す取り組みとして「ウェルカムバック制度」を活用しております。 (9) 情報セキュリティ① 主なリスクの内容 ・主要なシステム及びネットワークの大規模障害 ・機密情報の流出・消失② 当社グループへの影響と主な取り組み当社グループは、デジタルコマースやサービス運営で情報システムや外部サービスを利用しております。 大規模停電などのシステム障害に備え、主要なシステムやサーバーをクラウド化し、通信回線等のインフラ設備を冗長化する等リスクの分散を図っております。 これらの情報システム等の可用性を高い状態で維持するため、定期・不定期のシステムメンテナンスやソフトウエアのアップデートを行っており、既知の脆弱性への対応と潜在的な脆弱性の発見及び対策に努めております。 しかしながら大規模災害や未知のコンピューターウイルスの侵入・サイバー攻撃などによりシステム障害が発生した場合、当社のサービス運営が困難な状況に陥る可能性があり、その場合当社グループの財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、デジタル事業を展開するうえで、顧客情報(個人情報を含む)や営業秘密等の機密情報を取り扱っております。 万が一、機密情報の流出・消失が発生した場合、当該情報の回収や損害賠償の支払等の対処を要し、業績への悪影響や顧客の信用低下を招く可能性があります。 (10) 減損損失当社グループは、原則として各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、減損会計を適用し、投資の回収可能性を適時に判断しております。 事業環境の変化等により収益性が低下した場合や所有不動産の土地の価格が著しく下落した場合、土地や建物などの有形固定資産や、企業買収に伴い取得したのれんや商標権などの無形固定資産について減損損失を計上する可能性があります。 (11) 金融商品評価損当社グループは、現在、純投資目的である投資株式を保有しております。 これらは市場価格(時価)により価格が変動するため、時価が下落した場合は、損失を被る可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営者の視点による財政状態、経営成績の状況に関する分析・検討内容① 当連結会計年度の経営成績の概況及び分析当連結会計年度(2024年3月1日から2025年2月28日まで)における事業環境は、企業収益の増加に伴う個人所得・雇用環境の改善やインバウンド需要の増加により、国内消費は緩やかに増加しました。 一方で、不安定な国際情勢を背景とした原材料価格・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動により、世界経済への影響が懸念されており、先行き不透明な状況が続いております。 シューズ業界におきましては、商品価格の上昇により、お客様の選別はより厳しいものとなっておりますが、実需に強い商品やトレンド商品など付加価値の高い商品は需要が増加傾向にあります。 商品トレンドは、新作スニーカーを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、手を使わなくても履けるハンズフリーシューズの需要が急速に拡大しました。 これらのことから、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 このような状況下、当社グループは、グランドステージと複合業態店舗の拡大、デジタルインフラの活用、スポーツシューズやスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応してまいりました。 店舗展開につきましては、国内外合わせて62店舗の新規出店を行い、73店舗の改装を実施いたしました。 当社グループの店舗数は、1,499店舗となりました。 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は前期比8.1%増の3,722億2百万円となりました。 利益面につきましては、客単価の増加による収益の拡大により、営業利益は前期比12.4%増の625億50百万円、連結営業利益率は16.8%となりました。 経常利益は前期比11.7%増の646億18百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.4%増の453億58百万円となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 イ.国内販売戦略につきましては、ハンズフリー市場におけるシェアの獲得を目指し、ハンズフリーシューズの品揃えの強化と取り扱い店舗の拡大を図り、国内需要の取り込みを強化してまいりました。 またインバウンド需要に対応するため、日本限定モデルやナショナルブランドのABC-MART限定商品など付加価値の高い商品を多数展開いたしました。 スポーツアパレルの販売強化により、シューズ以外の商品売上も大幅な増加となりました。 店舗展開におきましては、当社単体については郊外のショッピングセンターを中心に34店舗の新規出店を行いました。 業態変更を目的としたスクラップアンドビルドと好立地への移転を積極的に進めたことから、34店舗の閉店となりました。 この結果、期末店舗数は1,081店舗となりました。 シューズ以外の商品、特にスポーツアパレルの売上を拡大していくため、売り場面積の拡大とともに「GRAND STAGE」と「ABC-MART SPORTS」の出店を強化してまいりました。 当期末時点の「GRAND STAGE」は109店舗、「ABC-MART SPORTS」は126店舗となりました。 既存店におきましては、増床を中心に55店舗の改装(うち31店舗は増床改装、34店舗は業態変更)を実施いたしました。 面積規模の大きい店舗については、様々な顧客層を取り込むために、2バナー以上の複合業態の出店を進めてまいりました。 当期末時点の複合業態店舗は124店舗となりました。 連結子会社の株式会社オッシュマンズ・ジャパンが運営する「OSHMAN'S」については、5店舗の出店、1店舗の閉店を行い、計18店舗となりました。 衣料品の販売がメインの「OSHMAN'S」は「GRAND STAGE」とターゲット層が類似していることから、相互送客による売上拡大と業務効率による利益獲得を目的に「GRAND STAGE」と「OSHMAN'S」の同施設内における共同出店を進めております。 当期末時点における共同出店は13店舗となりました。 これらの結果、国内の期末店舗数は、1,099店舗となりました。 国内店舗の営業状況につきましては、「ABC-MART」業態におけるハンズフリーシューズの販売が好調なことと、「GRAND STAGE」業態におけるインバウンド需要の取り込みが好調なことから、通期の売上高増収率(通販含む。 「OSHMAN'S」を除く。 )は、全店既存店ともに前期比8.7%増となりました。 商品価格の上昇により、全店の客単価は前期比7.3%増となりました。 オンライン販売については、実店舗で強みのある商品の売上が大きく伸長したことから、デジタル売上高(実店舗におけるEC在庫の販売分を含む。 )が前期比1.6%減となりました。 これらの結果、国内における売上高は前期比8.9%増の2,590億95百万円、セグメント利益は前期比16.1%増の530億96百万円となりました。 ロ.海外海外の店舗展開につきましては、韓国に19店舗、台湾に3店舗、米国に1店舗、計23店舗の新規出店を行いました。 期末店舗数(2024年12月31日現在)は、韓国326店舗、台湾61店舗、米国8店舗、ベトナム5店舗、計400店舗(閉店 韓国9店舗、台湾5店舗、米国1店舗)となりました。 海外の業績につきましては、為替はいずれの通貨に対しても大幅に円安となりましたが、物価高の影響により増収減益となりました。 韓国につきましては、「GRAND STAGE」が好調であったことと中国・台湾・日本からのインバウンドが売上を牽引したことから、売上高は前期比9.8%増の728億8百万円となりました。 台湾につきましては、国外への渡航が増加しているため国内マーケットは競争が激しく厳しい状況が続いておりますが、売上高は前期比1.0%増の118億79百万円となりました。 米国につきましては、マーケット全体がインフレとセール過多の影響で業界全体が苦戦するなか、「DANNER」ブランドが堅調でラクロス社の業績維持に貢献したことから、売上高は前期比7.2%増の313億23百万円となりました。 ベトナムにつきましては連結業績へ与える影響は軽微であります。 海外連結子会社はいずれも12月決算であります。 これらの結果、海外における売上高は前期比8.4%増の1,166億5百万円、セグメント利益は前期比4.3%減の94億71百万円となりました。 (販売実績)品目別販売実績 品目別前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前期比(%)スポーツ192,500208,7698.5レザーカジュアル50,47053,7936.6キッズ26,16127,9516.8サンダル18,38720,41311.0レディース19,01418,035△5.1ビジネス9,3569,327△0.3ウェアその他21,10824,40815.6その他7,1969,50332.1合計344,197372,2028.1 (注) 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。 セグメント別の販売実績につきましては、「1 連結財務諸表等 注記事項(収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。 地域別売上実績 地域別売上高店舗数金額(百万円)構成比(%)開店(店)閉店(店)期末(店)北海道8,4763.62440東北9,0013.82159東京47,10219.837142関東(除く東京)56,15223.6159288中部30,80312.983171関西46,29919.433185中国四国11,2874.71268九州沖縄29,17812.256146国内店舗売上高合計238,303100.039351,099その他 (注)219,707 国内合計258,010 韓国70,55761.8199326 台湾11,87910.43561 ベトナム5940.5--5 米国31,16027.3118海外合計114,192100.02315400売上高合計372,202 62501,499 (注) 1 国内店舗売上高及び店舗数には、「OSHMAN'S」を含みます。 2 「その他」の売上高の主なものは、通信販売及び卸売上等によるものであります。 3 単位当たり国内店舗売上実績は以下のとおりであります。 項目前連結会計年度(自 2023年3月1日至 2024年2月29日)当連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)国内店舗売上高(百万円)215,697238,3031㎡当たり売上高平均売場面積(㎡)306,931.71313,529.001㎡当たり年間売上高(千円)7027601人当たり売上高平均従業員数(人)5,3865,5441人当たり年間売上高(千円)40,04742,983 (注) 1 平均売場面積は、店舗の稼働日数を基礎として算出しております。 2 平均従業員数は、アルバイト・契約社員を含み、役員を除いております。 なお、アルバイト・契約社員は期中加重平均(1日8時間換算)で算出し、加算しております。 (仕入実績) 区分前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前期比(%)仕入高167,080172,9323.5 (注) 上記金額は、国内及び海外の合計で表示しております。 ② 当連結会計年度の財政状態の概況及び分析流動資産合計は、前連結会計年度末に比べ288億73百万円増加し、3,175億円となりました。 主な要因は、店舗売上の増加による現金及び預金の増加285億13百万円等によるものであります。 固定資産合計は、前連結会計年度末と比べ25億15百万円増加し、1,012億24百万円となりました。 主な要因は、韓国における店舗用不動産と関連施設の取得や新規出店及び改装に伴う有形固定資産の増加等によるものであります。 負債合計は、前連結会計年度末に比べ32億95百万円増加し、489億77百万円となりました。 仕入の増加による支払手形及び買掛金の増加52億79百万円等によるものであります。 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ280億93百万円増加し、3,697億47百万円となりました。 主な要因は、利益剰余金の増加280億25百万円等によるものであります。 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ248億38百万円増加し、1,976億円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金収支は、561億25百万円の収入(前期比48億95百万円収入増)となりました。 この主な要因は、税金等調整前当期純利益645億70百万円、減価償却費63億3百万円、売上債権の減少額9億93百万円、仕入債務の増加額61億25百万円、受取利息及び受取配当金14億90百万円、子会社清算益7億75百万円、棚卸資産の増加額12億50百万円、及び法人税等の支払額198億45百万円等を反映したものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金収支は、151億3百万円の支出(前期比36億97百万円支出増)となりました。 この主な要因は、定期預金の預入による支出49億84百万円、店舗用不動産と関連施設の取得や新規出店及び店舗改装等に伴う有形固定資産の取得による支出100億53百万円、事業譲受による支出23億4百万円、及び非連結子会社清算による収入13億66百万円等を反映したものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金収支は、170億82百万円の支出(前期比15億4百万円支出減)となりました。 この主な要因は、配当金の支払による支出173億28百万円等を反映したものであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金及び設備投資は、主に自己資金により充当しております。 当連結会計年度末現在、1,976億円の現金及び現金同等物の残高を保有しており、将来資金に対して十分な財源及び流動性を確保しております。 今後の資金使途については、販売体制を強化するためのITを含めた設備投資、店舗用不動産の投資や海外事業の拡大への投資を目的といたします。 また将来の企業買収や企業提携なども視野に入れて財源の確保をしてまいります。 また株主様への利益還元として安定的な配当政策の実施は元より、配当性向を意識した増配が毎期実現できるよう努めてまいります。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループ(当社及び関係会社)では、靴小売店「ABC-MART」出店拡大やIT投資を目的とした設備投資を継続的に実施しております。 当連結会計年度におきましては、国内外における新規出店及び店舗改装と韓国における店舗用不動産と関連施設の取得等に伴う有形固定資産の取得やソフトウエア等の無形固定資産の取得等により、国内において4,721百万円、海外において6,216百万円投資いたしました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 提出会社 2025年2月28日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)土地(面積㎡)建物及び構築物工具、器具及び備品等合計VANS原宿店(東京都渋谷区)国内店舗2,062(98.66)23902,3023〔4〕ABC-MART GRAND STAGE 京都四条店(京都市下京区)国内店舗3,262(262.86)30513,5704〔21〕明洞中央ビル (注)5(韓国 ソウル特別市)海外(韓国)賃貸・店舗5,007(333.30)402-5,409-釜山西面ビル (注)5(韓国 釜山広域市)海外(韓国)賃貸・店舗2,618(533.20)397-3,015- (注) 1 建設仮勘定の金額は含まれておりません。 2 従業員数欄の〔 〕内の数字は外書きで、2025年2月28日現在の臨時従業員数(アルバイト及び契約社員数)であります。 3 上記は、各物件の期末の帳簿価額が、20億円以上の設備であります。 4 連結会社以外から賃借している建物等の年間の賃借料は、25,693百万円であります。 5 当該物件において、連結子会社ABC-MART KOREA,INC.が店舗を運営しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備計画の変更重要な設備計画の変更の予定はありません。 (2) 重要な設備計画の完了重要な設備計画の完了の予定はありません。 (3) 重要な設備の新設等 当連結会計年度中に次の重要な設備を取得しました。 取得計画 2024年12月31日現在会社名事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了年月年商予想(百万won)総額(百万won)既支払額(百万won)着手完了ABC-MART KOREA,INC.利川物流センター韓国京畿道利川海外その他設備53,0992,000自己資金2024年12月2025年1月- (注) 上記在外子会社の決算日は12月31日であるため、決算日現在の数値を記載しております。 (4) 重要な設備の除却等重要な設備の除却等の予定はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 6,216,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 32 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 9 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 4,247,625 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、保有目的が専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を得る目的で保有しているものを純投資目的とし、これ以外を純投資目的以外(以下「政策保有株式」という)として区分しております。 当社は、提出日現在、政策保有株式を保有しておりません。 また今後につきましても、純投資目的以外の目的で積極的な保有は考えておりませんが、営業上の取引関係の維持・強化、業務提携関係の維持・発展を通じた、当社の中長期的な企業価値向上に資すると判断する場合には保有する可能性があります。 その場合は、保有の意義を再確認するとともに、配当性向や株価上昇などの経済合理性等を毎期検証いたします。 議決権の行使については、これらを総合的に勘案し、都度取締役会等で対応を協議していく方針であります。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式前事業年度及び当事業年度該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式----非上場株式以外の株式43,84146,387 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式1-768 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を変更したもの該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 4 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 3,841,000,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 1,000,000 |
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 768,000,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年2月28日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 合同会社イーエム・プランニング東京都渋谷区神南1丁目20-9123,537,70049.89 三木 正浩東京都港区23,627,3009.54 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR16,000,8006.46 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-128,343,4003.36 三木 美智子東京都目黒区7,425,0002.99 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS (東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)5,442,7192.19 SMBC日興証券株式会社東京都千代田区丸の内3丁目3番1号4,763,4451.92 THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY 10286, U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)3,074,0321.24 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS (東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)2,214,1020.89 日本証券金融株式会社東京都中央区日本橋茅場町1丁目2-10号2,005,1000.80 計―196,433,59879.32 (注) 2024年11月13日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、主要株主であり筆頭株主である 合同会社イーエム・プランニング及びその共同保有者である三木正浩氏の所有株式の異動を確認しております。 異動のあった主要株主の 氏名又は名称異動年月日所有議決権の数(所有株式数)総株主の議決権に対する割合 合同会社イーエム・プランニング2024年11月12日異動前1,052,250個(105,225,000株)42.50%異動後1,235,377個(123,537,700株)49.89% 三木 正浩2024年11月12日異動前419,400個(41,940,000株)16.94%異動後236,273個(23,627,300株)9.54% なお、前事業年度末において主要株主であった三木正浩氏は、所有議決権の数の総株主等の議決権に対する割合が10%未満となったため、当事業年度末において主要株主ではなくなりました。そのため、当社は、2024年11月13日付で以下の内容で臨時報告書(主要株主の異動)を提出しております。 |
株主数-金融機関 | 39 |
株主数-金融商品取引業者 | 26 |
株主数-外国法人等-個人 | 29 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 328 |
株主数-個人その他 | 4,226 |
株主数-その他の法人 | 40 |
株主数-計 | 4,688 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 日本証券金融株式会社 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式61 192,284 当期間における取得自己株式 48131,232 (注) 当期間における取得自己株式には、2025年5月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 247,618,938--247,618,938合計247,618,938--247,618,938自己株式 普通株式 (注)2,18761-2,248合計2,18761-2,248 (注) 自己株式の増加は、単元未満株式の買取りによるものであります。 |
Audit
監査法人1、連結 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年5月29日株式会社エービーシー・マート取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士和 田 磨紀郎印 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士小 野 潤印 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社エービーシー・マートの2024年3月1日から2025年2月28日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社エービーシー・マート及び連結子会社の2025年2月28日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 店舗に係る固定資産の減損監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社グループは、靴を中心とした商品の一般消費者への販売を主力事業としており、国内、韓国、台湾、米国及びベトナムの各地に店舗を保有し、2025年2月28日時点の店舗数は1,499店となっている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社グループは連結貸借対照表に店舗に係る残高を含む有形固定資産を47,855百万円計上しており、当該金額は連結総資産の11.4%を占めており金額的重要性が高い。 また、連結損益計算書において、521百万円の減損損失を計上している。 会社は、店舗ごとに資産のグルーピングを行っており、閉店、改装又は売却が予定されている場合、本社費配賦後の営業損失が継続している場合又は土地の市場価格が著しく下落している場合等に減損の兆候があると判断している。 減損の兆候がある資産グループについては、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上している。 当該資産グループの回収可能価額については、使用価値又は正味売却価額により測定している。 割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、店舗別の事業計画を基礎とするが、事業計画には一坪当たり売上高、売上総利益率、売上高販管費率といった仮定が含まれているため、見積りに関しては経営者による判断を伴う。 店舗に係る固定資産の金額的重要性は高く、減損の兆候の把握及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りを誤った場合には会社業績に重要な影響を及ぼすこととなる。 したがって、当監査法人は店舗に係る固定資産の減損の兆候の把握の適切性及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、店舗に係る固定資産の減損を検討するために、主に以下の監査手続を実施した。 これには、対象となる構成単位の監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。 ・ 固定資産の減損に関連する内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。 評価した内部統制には減損の兆候のある資産グループを網羅的に把握するために構築された内部統制及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りに用いられた店舗別の損益計画を含む事業計画に対する査閲や承認手続を含んでいる。 ・ 会社が作成した減損検討資料を閲覧し、店舗別の損益の実績について試算表との整合性を確かめた。 また、閉店、改装又は売却が計画されている店舗及び営業損失が継続している店舗について減損の兆候があるものとして網羅的に把握されているかを検討した。 ・ 経営者への質問及び稟議書等の閲覧により、店舗の閉店、改装又は売却が網羅的に把握されているか確かめた。 ・ 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を検討するために、主に以下の監査手続を実施した。 - 会社の作成した過年度の店舗別の損益計画と当期実績を比較し、店舗別の損益計画の見積りの不確実性を検討した。 - 経営者が承認した事業計画と店舗別の損益計画との整合性を確かめた。 - 会社の作成した店舗別の損益計画における一坪当たり売上高、売上総利益率、売上高販管費率等の仮定について、過年度の推移等と比較検討等を実施したうえで、事業責任者と議論し、当該計画が合理的なものであるかを検討した。 ・ 会社が作成した減損検討資料を再計算するとともに、固定資産の帳簿価額との整合性を確かめた。 ・ 減損損失の認識が必要と判定された店舗について、固定資産の帳簿価額が回収可能価額まで減額され、減損損失計上額が合理的に算定され、適切に連結財務諸表に反映されているかを確かめた。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社エービーシー・マートの2025年2月28日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社エービーシー・マートが2025年2月28日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 店舗に係る固定資産の減損監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社グループは、靴を中心とした商品の一般消費者への販売を主力事業としており、国内、韓国、台湾、米国及びベトナムの各地に店舗を保有し、2025年2月28日時点の店舗数は1,499店となっている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社グループは連結貸借対照表に店舗に係る残高を含む有形固定資産を47,855百万円計上しており、当該金額は連結総資産の11.4%を占めており金額的重要性が高い。 また、連結損益計算書において、521百万円の減損損失を計上している。 会社は、店舗ごとに資産のグルーピングを行っており、閉店、改装又は売却が予定されている場合、本社費配賦後の営業損失が継続している場合又は土地の市場価格が著しく下落している場合等に減損の兆候があると判断している。 減損の兆候がある資産グループについては、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上している。 当該資産グループの回収可能価額については、使用価値又は正味売却価額により測定している。 割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、店舗別の事業計画を基礎とするが、事業計画には一坪当たり売上高、売上総利益率、売上高販管費率といった仮定が含まれているため、見積りに関しては経営者による判断を伴う。 店舗に係る固定資産の金額的重要性は高く、減損の兆候の把握及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りを誤った場合には会社業績に重要な影響を及ぼすこととなる。 したがって、当監査法人は店舗に係る固定資産の減損の兆候の把握の適切性及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、店舗に係る固定資産の減損を検討するために、主に以下の監査手続を実施した。 これには、対象となる構成単位の監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。 ・ 固定資産の減損に関連する内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。 評価した内部統制には減損の兆候のある資産グループを網羅的に把握するために構築された内部統制及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りに用いられた店舗別の損益計画を含む事業計画に対する査閲や承認手続を含んでいる。 ・ 会社が作成した減損検討資料を閲覧し、店舗別の損益の実績について試算表との整合性を確かめた。 また、閉店、改装又は売却が計画されている店舗及び営業損失が継続している店舗について減損の兆候があるものとして網羅的に把握されているかを検討した。 ・ 経営者への質問及び稟議書等の閲覧により、店舗の閉店、改装又は売却が網羅的に把握されているか確かめた。 ・ 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を検討するために、主に以下の監査手続を実施した。 - 会社の作成した過年度の店舗別の損益計画と当期実績を比較し、店舗別の損益計画の見積りの不確実性を検討した。 - 経営者が承認した事業計画と店舗別の損益計画との整合性を確かめた。 - 会社の作成した店舗別の損益計画における一坪当たり売上高、売上総利益率、売上高販管費率等の仮定について、過年度の推移等と比較検討等を実施したうえで、事業責任者と議論し、当該計画が合理的なものであるかを検討した。 ・ 会社が作成した減損検討資料を再計算するとともに、固定資産の帳簿価額との整合性を確かめた。 ・ 減損損失の認識が必要と判定された店舗について、固定資産の帳簿価額が回収可能価額まで減額され、減損損失計上額が合理的に算定され、適切に連結財務諸表に反映されているかを確かめた。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 店舗に係る固定資産の減損 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社グループは、靴を中心とした商品の一般消費者への販売を主力事業としており、国内、韓国、台湾、米国及びベトナムの各地に店舗を保有し、2025年2月28日時点の店舗数は1,499店となっている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社グループは連結貸借対照表に店舗に係る残高を含む有形固定資産を47,855百万円計上しており、当該金額は連結総資産の11.4%を占めており金額的重要性が高い。 また、連結損益計算書において、521百万円の減損損失を計上している。 会社は、店舗ごとに資産のグルーピングを行っており、閉店、改装又は売却が予定されている場合、本社費配賦後の営業損失が継続している場合又は土地の市場価格が著しく下落している場合等に減損の兆候があると判断している。 減損の兆候がある資産グループについては、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が当該資産グループの帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上している。 当該資産グループの回収可能価額については、使用価値又は正味売却価額により測定している。 割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、店舗別の事業計画を基礎とするが、事業計画には一坪当たり売上高、売上総利益率、売上高販管費率といった仮定が含まれているため、見積りに関しては経営者による判断を伴う。 店舗に係る固定資産の金額的重要性は高く、減損の兆候の把握及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りを誤った場合には会社業績に重要な影響を及ぼすこととなる。 したがって、当監査法人は店舗に係る固定資産の減損の兆候の把握の適切性及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、店舗に係る固定資産の減損を検討するために、主に以下の監査手続を実施した。 これには、対象となる構成単位の監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。 ・ 固定資産の減損に関連する内部統制の整備状況及び運用状況を評価した。 評価した内部統制には減損の兆候のある資産グループを網羅的に把握するために構築された内部統制及び割引前将来キャッシュ・フローの見積りに用いられた店舗別の損益計画を含む事業計画に対する査閲や承認手続を含んでいる。 ・ 会社が作成した減損検討資料を閲覧し、店舗別の損益の実績について試算表との整合性を確かめた。 また、閉店、改装又は売却が計画されている店舗及び営業損失が継続している店舗について減損の兆候があるものとして網羅的に把握されているかを検討した。 ・ 経営者への質問及び稟議書等の閲覧により、店舗の閉店、改装又は売却が網羅的に把握されているか確かめた。 ・ 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を検討するために、主に以下の監査手続を実施した。 - 会社の作成した過年度の店舗別の損益計画と当期実績を比較し、店舗別の損益計画の見積りの不確実性を検討した。 - 経営者が承認した事業計画と店舗別の損益計画との整合性を確かめた。 - 会社の作成した店舗別の損益計画における一坪当たり売上高、売上総利益率、売上高販管費率等の仮定について、過年度の推移等と比較検討等を実施したうえで、事業責任者と議論し、当該計画が合理的なものであるかを検討した。 ・ 会社が作成した減損検討資料を再計算するとともに、固定資産の帳簿価額との整合性を確かめた。 ・ 減損損失の認識が必要と判定された店舗について、固定資産の帳簿価額が回収可能価額まで減額され、減損損失計上額が合理的に算定され、適切に連結財務諸表に反映されているかを確かめた。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年5月29日株式会社エービーシー・マート取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士和 田 磨紀郎印 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士小 野 潤印 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社エービーシー・マートの2024年3月1日から2025年2月28日までの第40期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社エービーシー・マートの2025年2月28日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 店舗に係る固定資産の減損連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「店舗に係る固定資産の減損」と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 店舗に係る固定資産の減損連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「店舗に係る固定資産の減損」と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 店舗に係る固定資産の減損 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「店舗に係る固定資産の減損」と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 89,019,000,000 |
仕掛品 | 248,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 2,275,000,000 |
その他、流動資産 | 4,189,000,000 |
建物及び構築物(純額) | 17,057,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 1,382,000,000 |
土地 | 19,496,000,000 |
建設仮勘定 | 900,000,000 |