臨時報告書

タイトル内容
提出書類、表紙臨時報告書
会社名、表紙株式会社シンニッタン
EDINETコード、DEIE01289
証券コード、DEI6319
提出者名(日本語表記)、DEI株式会社シンニッタン
提出理由 1【提出理由】当社は、会社法(平成17年法律第86号。
その後の改正を含みます。
以下同じです。
)第179条第1項に規定する当社の特別支配株主であるARTS-3株式会社(以下「ARTS-3」といいます。
)(注)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。
)の通知を受け、2025年4月24日開催の取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
(注) スパークス・グループ株式会社(以下「スパークス」といい、関係会社及びその他の関連事業体と併せて、以下「スパークスグループ」と総称します。
)が無限責任組合員をつとめる日本モノづくり未来投資事業有限責任組合(以下「日本モノづくり未来ファンド」といいます。
)が、同社の発行済株式の全てを直接に所有しています。
特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合 2【報告内容】1. 本株式売渡請求の通知に関する事項(1) 当該通知がされた年月日2025年4月24日 (2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名商号ARTS-3株式会社本店の所在地東京都港区港南一丁目2番70号品川シーズンテラス代表者の氏名代表取締役 水谷 光太 (3)当該通知の内容当社は、ARTS-3から、会社法第179条第1項に規定する当社の特別支配株主として、当社の株主(ただし、当社及びARTS-3を除きます。
)(以下「本売渡株主」といいます。
)の全員に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」といいます。
)の全部をARTS-3に売り渡すことの請求に係る通知を2025年4月24日付で受領いたしました。
当該通知の内容は以下のとおりです。
①特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第 179 条の2第1項第1号)該当事項はありません。
②本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額又はその算定方法及びその割当てに関する事項(会社法第 179 条の2第1項第2号及び第3号)ARTS-3は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。
)として、その所有する本売渡株式1株につき 403 円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第 179 条の2第1項第4号)該当事項はありません。
④特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。
)(会社法第 179 条の2第1項第5号)2025年5月28日 ⑤本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第 179 条の2第1項第6号、会社法施行規則第 33 条の5第1項第1号)ARTS-3は、本売渡対価を、株式会社横浜銀行(以下「横浜銀行」といいます。
)との間で2025年4月15日付で締結した融資契約に基づく借入金によりお支払いいたします。
なお、ARTS-3において、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識しておりません。
⑥その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第 179 条の2第1項第6号、会社法施行規則第33 条の5第1項第2号)本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日における最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。
但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付についてARTS-3が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
2. 本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項(1) 当該通知がされた年月日2025年4月24日 (2) 当該決定がされた年月日2025年4月24日 (3) 当該決定の内容ARTS-3からの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った過程本株式売渡請求は、ARTS-3が2025年3月3日から当社株式に対して実施した公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
)に関して当社が提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。
)の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、ARTS-3が当社株式の全て(但し、ARTS-3が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。
)を取得することにより、当社をARTS-3の完全子会社とするための一連の取引(以下「本取引」といいます。
)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格である、当社株式1株につき、金403円(以下「本公開買付価格」といいます。
)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」及び「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、以下の経緯及び理由により、2025年2月28日開催の当社取締役会において、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当該取締役会決議は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。
)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、2024年7月31日、スパークスから本取引に関する初期的な提案を受けたことから、スパークスグループとの間で協議を開始することや本取引の実施の是非等を含めて検討を開始するため、2024年8月22日開催の取締役会において、スパークスグループ及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、フィナンシャル・アドバイザーとしてりそな総合研究所株式会社(以下「りそな総合研究所」といいます。
)を、第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。
)をそれぞれ選任しております。
なお、本取引に係るりそな総合研究所に対する報酬は、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬が含まれております。
しかし、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立になった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の公表や成立を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりりそな総合研究所を当社のフィナンシャル・アドバイザーとして選任いたしました。
また、当社は、ARTS-3の連結子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しないものの、TMI総合法律事務所の助言を踏まえ、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保する観点から、2024年8月22日付の取締役会決議に基づき、当社の独立社外取締役である森谷弘史氏(当社社外取締役)、辻孝夫氏(当社社外取締役(監査等委員))及び齊藤健一氏(当社社外取締役(監査等委員))の3名によって構成される、スパークスグループ及び当社のいずれからも独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
)を設置し(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
)、本取引に係る提案を検討するための体制を構築いたしました。
なお、当社は、スパークスから本取引に関する初期的な打診を受けた後、2024年11月13日に「業績予想の修正に関するお知らせ」を公表し、2025年3月期通期連結業績予想の下方修正を行っておりますが、当該業績予想修正は、特に一部乗用車部品の受注時期後ろ倒し、ピックアップトラック販売不振の影響等が大きく、業績全体が下方に遷移し、当初想定以上に経営環境が悪化していたことから、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。
)の適時開示基準に基づいて開示したものであり、本取引に関連して、又は本取引を意図して行われたものではありません。
その後、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、TMI総合法律事務所、りそな総合研究所及び山田コンサルの助言を受けながら、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容等を踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の諸条件について、スパークスとの間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
具体的には、当社及び本特別委員会は、2025年1月24日に、スパークスから、本公開買付価格を300円とする旨の提案を受領いたしました。
これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年1月27日に、スパークスが本公開買付価格として提案した300円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月4日に、本公開買付価格を310円とする旨の提案を受領いたしました。
これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月5日に、スパークスが本公開買付価格として提案した310円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月12日に、本公開買付価格を340円とする旨の提案を受領いたしました。
これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月13日に、スパークスが本公開買付価格として提案した340円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月17日に、本公開買付価格を360円とする旨の提案を受領いたしました。
これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月18日に、スパークスが本公開買付価格として提案した360円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月21日に、本公開買付価格を380円とする旨の提案を受領いたしました。
これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月25日に、スパークスが本公開買付価格として提案した380円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準であるとまではいえないとして、本公開買付価格を400円以上とすることを要請いたしました。
当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月26日に、本公開買付価格を403円とする旨の最終の提案を受領いたしました。
これに対し、本特別委員会は、2025年2月27日に、最終的な当社の意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提のもと、本公開買付価格を403円とする旨の提案を応諾する旨の回答をいたしました。
以上の経緯のもとで、当社は2025年2月28日に、山田コンサルから2025年2月27日付で取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。
)の内容、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2025年2月27日付の答申書(以下「本答申書」といいます。
)の内容を最大限に尊重しながら(本答申書の概要については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
)、本取引について、企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。
当社は、厳しい事業環境の中で、本意見表明報告書「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、6つの視点から「事業インフラ改革」をスピード感持って成し遂げていくことが不可欠であると認識し、あわせて8つの重点施策からなる「シンニッタングループRe・Born計画」を策定し、これら施策を着実に実行することを目指しております。
しかしながら、これら施策を成し遂げるためには、鍛造を科学技術的に理解している生産技術者やIoT・DXを生産性向上に結び付ける人材等、グループ内における人材が不足しており、当社の経営資源のみにより成し遂げることが困難な状況にあります。
また、主要取引先との取引価格の適正化やグループ内最適生産体制構築のための設備の集約と廃棄に向けても相応に時間がかかることが想定されます。
一方で、当社は、スパークスが管理・運営する日本モノづくり未来ファンドの「日本における高い技術・技能を維持し、モノづくりの力を今後も発展させていくために、優れた技術・人財・サービスを有する国内のモノづくり企業に投資し、生産・業務改善や経営戦略の策定等により支援します。
企業の持続的な成長を通じて、日本のモノづくりの発展に寄与することで、社会に貢献します。
」という理念に共鳴するとともに、当社としては具体的に以下のシナジーが見込めると認識し、当社の中長期的な成長と事業価値の向上を図ることが可能であるとの考えに至りました。
(a)グループ全体の最適経営を行うための体制整備当社のグループは、2025年2月28日現在において、当社及び連結子会社4社(以下「当社グループ」といいます。
)で構成され、当社グループは、国内3社及び海外1社と法人格が分かれていることもあり、グループ全体最適(設備の特徴を最大限生かした生産体制の構築や不要設備の廃棄、当社グループ各社の受注状況に応じたヒト・モノ・カネなど経営資源の最適配分等)のための意思決定がスムーズにできないケースがあることが課題であると認識しておりますが、グループ全体の最適経営を行うためには、事業変革を推進する人材や技術軸で全社を統括する人材が欠かせません。
当社においてはこれらの人的リソースが不足しているところ、スパークスからは同社のほか、同社のネットワーク(スパークスグループが運用するベンチャーキャピタルの投資先等を含みます。
)を通じてIoT・DX等のデジタル領域に関する外部専門家等の人材の紹介や派遣を受け、全社戦略の構築と社内コンセンサスの形成、最適な組織・人員体制(特にコーポレート部門)の構築、グループ一体営業の推進、グループ内での物流合理化の追求、及びDXの推進等、企画段階だけでなく実行段階においても支援を受けられる見込みです。
(b) 主要取引先との取引の適正化鍛造事業については低採算の取引が多いうえに長期趨勢的に受注が減少しており、厳しい事業環境を踏まえると更なる利益率の低下が懸念されます。
このため当社としては値上げ交渉を含む販売価格の適正化、付加価値向上策、不採算事業の取り止めを含む選択と集中を実行することで新しい事業ポートフォリオを構築する等の収益面での改善が必須であると認識しております。
いずれの施策にも共通して影響する原価管理の高度化に関して、単なる仕組みの構築のみならず、その根本・背景にある原価管理の目的の明確化、及び目的に即したデータ基盤の作成・整備等が重要だと理解しており、スパークスからは、当社の同業の企業への投資を通じて得た知見やノウハウを活かし、事前準備・開始段階からハンズオンで支援を受けられる見込みです。
(c) 販路拡大と新規顧客の開拓鍛造業界において、既存顧客の受注を伸ばすだけでは成長戦略が描きにくい状況にある中、省人化ニーズで成長が期待できるロボット分野等への販路拡大や新規顧客の開拓が欠かせないと認識しており、スパークスからも、同分野の成長性に鑑みて、当社が営業リソースを最も集中投下すべき分野の一つであるとの指摘を受けております。
当社はグループ一体となった営業推進体制の構築を予定しておりますが、推進にあたっては、単に営業力を強化するだけでなく、あわせてR&D機能(注1)の整備や非自動車領域拡販のための設備投資コミットメント等も必要になるものと考えております。
グループ内における既存リソースの配置や稼働状況の把握、全社目線での顧客ニーズの洗い出し、既存技術の棚卸等グループ全体を俯瞰しつつ、各社個別最適を目指していた営業・R&D機能を、グループ一体の機能への昇華に向け、これら推進のための必要な人材や外部パートナーの招聘等、スパークスからプロジェクト推進のサポートを受けることで、よりスピード感ある推進が可能になると想定しております。
(d) 生産現場・生産効率の改善当社の事業の特性上、生産現場においては重筋作業(注2)や危険作業が発生しております。
また、設備の故障も相応に発生しており、生産効率の改善や不良率の削減が必須となっています。
これらに対しては、自動化投資や省人化投資を進める必要がありますが、当社と同業の企業への投資を通して得たスパークスの知見やノウハウを活用し、更には十分な費用対効果を見込める投資や、設備保全要員  の補充や設備保全計画の見直しを通して設備故障率・不良率の低減を目指しつつ、保全人員の育成を進める等の対応が可能になると想定しています。
(e) DX、SXの推進(カーボンニュートラルの実現)当社グループの国内2社が使用しているシステムがオフコン(注3)であることなど、DXやIoTへの取組みが大幅に遅れています。
また、当社グループとして2030年のCO2削減目標(2013年度比38%減少)を掲げていますが、目標達成に向けた具体策を策定するには至っておらず、当社の顧客との取引関係にも悪影響が生じるリスクを内包していると考えています。
DXに関しては、スパークスグループが運用するベンチャーキャピタルのDXに関して先端技術を保有していると考えられる100社を超える投資先やネットワークを活用して製造業におけるDX/AI先進活用事例の紹介等により効率的にプロジェクト推進の支援を受けることが可能になると想定しております。
また、SX推進に関しても、スパークスから具体的な削減量と投資額に加え、炭素税等が経営に与えるインパクトなど、全体的な投資対効果を可視化のうえで議論することを想定しつつ、自動車部品サプライヤーの本領域において知見と経験を有する外部の専門家やコンサルタントの招聘等のサポートを見込んでおります。
(注1)「R&D」とは、「Research and Development」の略称で、企業や組織が新しい製品、サービス、技術、プロセスなどを開発するための活動や機能を意味します。
(注2)「重筋作業」とは、肉体的に重い負荷がかかる作業を意味します。
(注3)「オフコン」とは、「オフィスコンピュータ」の略称で、1970年代から1990年代にかけて中小規模の企業や部門で広く普及したコンピュータシステムを意味します。
上記の施策の実現は、中長期的に見れば当社グループの大きな成長及び収益の拡大につながるものの、他方で、各施策を実行する段階において、短期的な収益に直結しない可能性があり、上場会社の施策として資本市場から十分な評価を得られない場合においては、株価の下落を招き、当社既存株主の期待に沿えないおそれがあり、当社が上場を維持したままでこれらの諸施策を迅速に実施することは困難であると考えています。
なお、当社の株式の非公開化を行った場合、上場会社として享受してきた社会的な信用力及び知名度向上による優れた人材の獲得及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられ、また、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなります。
しかしながら、近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、今後も継続して上場を維持することの意義は乏しくなっており、また当社グループの現在の財務状況を勘案すると大規模な資金調達の必要性は見込まれず、加えて当社の社会的信用力や知名度向上による優れた人材の獲得等は、今後の事業活動を通じた獲得が見込まれる部分もあり、当社が創業以来築いてきた社会的な信用力及び知名度に照らし合わせれば、非公開化による悪影響は大きくないものと考えられます。
なお、スパークスグループの傘下に入ることで生じうる固有のデメリットは特段存在しないと考えております。
したがって、当社取締役会は、上記に記載した検討を踏まえて、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断し、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することで、機動的かつ柔軟な意思決定が可能となる株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した新たな経営体制を構築し、あわせて スパークスによる経営・生産面の支援を最大限活用することが、当社の企業価値向上に資するとの結論に至りました。
また、当社は、本公開買付価格について、(ⅰ)本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載されている山田コンサルによる当社株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果によれば、市場株価法及び類似会社比較法の上限値を上回り、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
)に基づく1株当たり株式価値レンジに収まる水準となっていること、(ⅱ)本公開買付価格(403円)が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月27日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場(以下同じです。
)における当社株式の基準日の終値208円に対して93.75%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値207円(小数点以下を四捨五入。
以下、終値単純平均値の計算において同じです。
)に対して94.69%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値205円に対して96.59%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値206円に対して95.63%のプレミアムが加算されたものであり、当該プレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降に公表され、2025年2月26日までに成立した事例のうち、上場会社の非公開化を目的とした事例であって、対象会社より賛同の意見表明及び応募推奨がなされた公開買付け事例(MBO、又は対象会社がARTS-3の連結子会社又は関連会社である事例を除きます。
)のうち、リーク報道が確認されていない事例83件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が51.69%、直近1ヶ月間が51.54%、直近3ヶ月間が52.73%、直近6ヶ月間が53.44%)との比較において、上記同種事例におけるプレミアム水準を優に上回っていること、(ⅲ)本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られたうえで決定された価格であること等を踏まえ、本公開買付価格は妥当性を有し、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2024年12月31日現在の簿価純資産額である26,814百万円を自己株式控除後の発行済株式総数(37,248,538株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である720円(小数点以下四捨五入。
以下当社の1株当たり純資産額において同じです。
)を下回っており、本公開買付価格(403円)は当該金額との比較で44.03%のディスカウントとなっているものの、仮に当社が清算する場合においても、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、鍛造品の原材料である各種金属の溶融金属片、溶剤や燃料油等の製造工場における土壌汚染の調査・除染費用等の清算に伴う追加コストの発生、また、製造工場は汎用性が乏しく、本社及び工場の各建屋等は建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると簿価により売却することが困難と見込まれるため、更地での売却が必要であり、建屋の取り壊しにも費用を要すること、製造工程の仕掛品や製品、原材料の廃棄等を考慮すると、相当程度の毀損が見込まれます。
加えて、子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、当社の株主の皆様に最終的に分配されることとなる金額は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定されます。
そのため、当社は、1株当たり簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考え(なお、当社においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、また、本公開買付価格が、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておらず、同時に、想定の清算価値が本公開買付価格を下回っていることの確認も行っておりません。
)、また、純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上のとおり、当社は、2025年2月28日開催の当社取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記当社取締役会決議におけるの詳細については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。
)全員の承認」をご参照ください。
その後、当社は、2025年4月15日、ARTS-3より、本公開買付けの結果について、当社株式33,894,779株の応募があり、応募された当社株式の総数が買付予定数の下限(24,832,400株)に達したため、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。
この結果、2025年4月21日(本公開買付けの決済の開始日)付で、ARTS-3は、当社の総株主の議決権の数の90%以上を所有するに至り、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
このような経緯を経て、当社は、ARTS-3より、本日付で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、本日開催の取締役会において、(ⅰ)本株式売渡請求は、本取引の一環として行われるものであるところ、2025年2月28日開催の当社取締役会で決議したとおり、上記の経緯及び理由により、当社は、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(ⅱ)本売渡対価は本公開買付価格と同一の価格に設定されているところ、当該価格は、上記のとおり、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本取引の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で決定されており、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本答申書においても、公正かつ妥当なものと判断されていること、(ⅲ)ARTS-3は、本売渡対価を、横浜銀行からの借入れを原資として支払うことを予定しているところ、当社としても、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された、当該借入に係る2025年2月28日付融資証明書を確認し、その後、ARTS-3及び横浜銀行の間で金銭消費貸借契約が締結されたことを確認した結果、ARTS-3が本売渡対価の支払のための資金を確保できると合理的に認められること、(ⅳ)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始日以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと、(ⅵ)本特別委員会が、本売渡対価による本株式売渡請求についても検討をした上で、本取引についての決定は少数株主に不利益なものではない旨の本答申書を提出していることを踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、ARTS-3からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
以 上