財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-03-31 |
英訳名、表紙 | INFORICH INC. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長兼執行役員CEO 秋山 広宣 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都渋谷区神宮前六丁目31番15号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-4500-9219 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は、当社代表取締役社長兼執行役員CEOの秋山広宣によりSNSマーケティング連動型プリンターサービスの運営を目的として2015年9月に設立されました。 その後、秋山は、シェアリングサービス先進国である中国において、人々が街中に点在する自動販売機のようなバッテリースタンドからスマートフォン用のモバイルバッテリーをレンタルし、使用後は身近のバッテリースタンドに返却している光景を目の当たりにしました。 この経験から所有から共有へ変化している時代のニーズは、日本でも同様に存在すると考え、同様のサービスの日本への導入方法を模索いたしました。 その後、2018年4月に香港でモバイルバッテリーのシェアリングサービスを展開するCha Cha Station (Global) Holdings Limited(現 INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED)と業務提携が成立し、モバイルバッテリーのシェアリングサービスのChargeSPOT事業を開始いたしました。 「ChargeSPOT」は「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに展開するスマートフォンのモバイルバッテリーのシェアリングサービスです。 ChargeSPOT事業は、2018年4月のサービス開始から順調に成長しており、2024年12月現在、国内のバッテリースタンド設置台数は47,330台、月間レンタル回数(四半期平均)190万回、月間アクティブユーザー数※1(2024年12月実績)102万人となりました。 また、海外のバッテリースタンド設置台数は、香港4,546台、中国本土5,125台※2、台湾9,471台※3、オーストラリア2,160台※4、タイ1,522台※5、シンガポール765台※5、マカオ154台※5、ネイティブアプリ※6の累計アプリダウンロード数※7は全世界で1,242万回となりました。 2024年10月にはイギリスに欧州展開の拠点となる子会社INFORICH EUROPE LTDを設立し、イタリアでの直営展開開始の準備を行っております。 今後も、ChargeSPOTをカルチャーやビジネスの垣根を越えて展開できるような存在に進化させることで、世界をブリッジしてまいります。 ※1 月に1回以上「ChargeSPOT」を利用したユニークユーザー数※2 一部はフランチャイズにより展開しております。 ※3 2019年からフランチャイズで展開していましたが、2024年9月に運営企業を完全子会社化いたしました。 ※4 2024年4月に現地でモバイルバッテリーのシェアリングサービスを運営する企業を子会社化し、Ezychargeブランドとして展開しております。 ※5 フランチャイズにより展開しております。 ※6 ネイティブアプリとは、スマートフォンやタブレットのホーム画面に、App StoreやGoogle Playなどのアプリケーションストア経由でインストールして使用するアプリをいいます。 ※7 累計ダウンロード数には、他社のプラットフォーム上で使えるミニアプリおよびオーストラリアで展開しているEzychargeは含んでおりません。 当社設立以降の変遷は以下のとおりです。 年月事業の変遷2015年9月東京都目黒区に株式会社INFORICH(当社)を設立2015年9月SNSマーケティング連動型プリンターサービスのFOTOfwd事業を開始2016年10月FOTOfwd事業をPICSPOT事業にサービス名変更2018年4月Cha Cha Station (Global) Holdings Limited(現 INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED)と業務提携 モバイルバッテリーのシェアリングサービスのChargeSPOT事業を日本で開始 ChargeSPOT事業を香港で開始2018年5月防犯カメラ機能付きデジタルサイネージサービスのLiftSPOT事業を開始 東京都渋谷区に本社を移転2018年6月ChargeSPOT事業を中国で開始2019年3月当社がINFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED(現連結子会社)を子会社化 ChargeSPOTのフランチャイズ展開を台湾で開始2019年3月ChargeSPOT事業へのリソースの集中を目的としてLiftSPOT事業を売却2019年5月ChargeSPOTのフランチャイズ展開をタイで開始2022年1月ChargeSPOT事業へのリソースの集中を目的としてPICSPOT事業を廃止2022年2月法人向けの販売網及び売上の拡大を目的として、東京都渋谷区に株式会社CHARGESPOT MARKETING(現連結子会社)を設立 シェアリングエコノミーのプラットフォームサービス「ShareSPOT」を開始2022年12月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2023年12月ChargeSPOTのフランチャイズ展開をシンガポールで開始 年月事業の変遷2024年2月ChargeSPOTのフランチャイズ展開をマカオで開始2024年4月オーストラリアでモバイルバッテリーのシェアリングサービスを運営する「Ezycharge Australasia Pty Ltd」を子会社化2024年9月台湾でフランチャイズを運営している「ChargeSPOT Digital Service Co.,Ltd」を子会社化2024年10月イギリスにINFORICH EUROPE LTDを設立2024年11月ベビーケアルーム「mamaro」を運営するTrim株式会社を子会社化2024年12月ファンが個人でアーティストの応援を発信できるプラットフォーム「CheerSPOT」の提供を開始 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ (注)本報告書に記載のChargeSPOTは株式会社INFORICHの登録商標です。 また、記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の商標または登録商標です。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは当社及び連結子会社9社により構成され、「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」というミッションステートメントのもと、海外発のビジネスモデルを日本に、そして、日本の技術力を海外に展開することを目指しております。 当社グループが提供するサービスの内容・特徴は以下のとおりです。 (1)当社グループが提供するサービスの内容 当社グループの事業はChargeSPOT事業の単一セグメントであることからセグメント別の記載はしておりませんが、当社グループが提供するサービスは、主に、日本初の携帯型充電器のシェアリングサービスであるモバイルバッテリーのシェアリングサービスと、当該モバイルバッテリーのバッテリースタンドそのものを媒体として広告放映などを行うマーケティングソリューションを中心としたプラットフォーム事業の2つで構成されております。 ① モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」 モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」は、「どこでも借りられて、どこでも返せる」をコンセプトに2018年4月から開始した、主にスマートフォンやワイヤレスイヤホン、電子タバコ、ポケットWi-Fiなどの小型電子機器向けの充電器の貸出サービスです。 スマートフォンは現在、コミュニケーション手段や情報取得端末という側面を超えて、ビジネス利用や普段の生活での決済等私たちの日々の生活に欠かせないインフラになっています。 そのため、スマートフォンのバッテリー残量切れを防ぐことは利便性の高い日常生活を営み、一層進んだデジタル社会を実現していく上で必要不可欠となっております。 こうした社会情勢を踏まえ、当社グループは、2018年4月に国内で競合他社に先駆けてモバイルバッテリーのシェアリングサービスを開始いたしました。 同時に、香港でもサービス展開をはじめ、当初からグローバルを意識したサービス運営を行なってまいりました。 その後中国本土にも子会社を設立し、広州を中心としたエリアでサービスを展開しております。 また、フランチャイズを通じて2019年に台湾とタイ、2023年にシンガポール、2024年にマカオにも展開を開始し、2024年12月時点では日本を含む7エリアで「ChargeSPOT」をお使いいただける状態になりました。 現在はイタリアでの展開開始の準備を行っており、2025年中に開始する予定です。 また、オーストラリアで「Ezycharge」を運営する企業を子会社にし、展開しております。 「ChargeSPOT」はエリアを超えてレンタルすることができ、日本で借りて香港で返す、香港で借りてタイで返す、といったことが可能です。 バッテリー容量は、5,000mAhとなっており、一般的なスマートフォンを約1回充電可能です。 容量はケーブルを格納する箇所に記載しております。 飛行機内に持ち込むこともでき、フライト中に充電し旅先で返却することもできます。 ※一部の航空会社では、バッテリーの機内持ち込みに制限を設けている場合がございます。 ご利用の際は、事前に各航空会社の規定をご確認いただきますようお願いいたします。 (2024年12月末現在) [ChargeSPOTの利用方法] 「ChargeSPOT」の具体的なサービス利用方法は以下のとおりです。 [利用料金について](2024年12月末現在) 国内における「ChargeSPOT」の利用料金は、最初の1時間未満で330円(税込。 以下同様)、3時間未満430円、6時間未満500円、12時間未満570円、24時間未満640円、その後は、24時間につき360円の追加と設定しております。 なお、利用可能時間は120時間を上限としており、レンタル開始後120時間を超えた場合は、それまでの利用料金と違約金2,000円を含む合計4,080円を徴収することとしております。 ※5月1日から、1時間未満の料金体系を30分未満165円、30分以上1時間未満330円に分割します。 利用料金の決済手段としては、キャリア決済、クレジットカード等をはじめ様々なキャッシュレス決済手段に対応しており、サービス利用前に決済情報を登録していただくことで料金回収に係るリスクを低減しております。 使用できる決済手段の例は以下のとおりです。 (一部、使用できるエリアが限定されています。 )・各種クレジットカードVisa、MasterCard、JCB、Diners Club Card、American Express・各種キャリア決済d払い、ソフトバンクまとめて支払い、auかんたん決済・各種スマホ決済アプリApple Pay、Google Pay、PayPay、メルペイ、WeChat Pay、Alipay、Paidy、au PAY、楽天ペイ、Union Pay [モバイルバッテリーについて] モバイルバッテリーの最大容量は5,000mAhとなっており、ケーブル端子は、USBType-C※1、Lightning※2、Micro USBの3種類が附属しているため、国内で普及するほとんどのスマートフォンやその他多くのモバイル機器に対応し、汎用性の高いサービスとなっております。 ※1 USB Type-C はUSB Implementers Forum の登録商標です。 ※2 LightningはApple Inc.の商標です。 その他会社名、製品名は、一般に各社の商標または登録商標です。 [バッテリースタンドについて] 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドは、設置施設の要望に柔軟に対応できるよう、サイズ別に6つの主要モデルを展開しております。 他にも、鉄道駅の券売機に内装したモデルや、自動販売機に付属したモデルなど、新しい形態のスタンドの開発・展開も実施しています。 既存の他社の設備に対応したハードウェアを展開することで、新たな場所への設置を実現しております。 [設置メリットについて]a.負担が少ない契約 設置先に提供するバッテリースタンドは、設置先との契約に基づき原則として無償貸与しており、設置先の費用負担を低減しております。 運用に際しても、ラウンダーが各設置場所を巡回し、モバイルバッテリーの補充・回収を行っているため、基本的に設置先でのご対応は不要です。 不具合などには24時間365日対応のコールセンターで電話や有人チャットによって対応しており、一部の不具合については遠隔での対応も可能なほか、不具合の状況に応じて当社のアクティベーターが店舗を訪問いたします。 また、レンタル数を定期的に確認し、状況に応じて設置場所の改善や販促物の設置などもご提案しております。 b.集客効果 設置先の情報はアプリ内に掲載される他、クーポンを配布することも可能なため、集客や認知向上のためにご活用いただくことが可能です。 当社が設置先企業と共同で2022年に行った調査によると、小売店やファストフード店などにおいてバッテリーをレンタルすると同時に店舗で商品を購入するユーザーが約30%いらっしゃいます。 「ChargeSPOT」が店舗と顧客とのタッチポイントになり、新たな購買動線の構築につながっています。 c.サイネージの利活用 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドに搭載されているデジタルサイネージは、設置先にもご利用いただけます。 静止画だけではなく動画も配信することができるため、モバイルバッテリーのレンタルもできるサイネージ端末としてもご利用いただいております。 d.災害対策 災害発生時にこそ安心して充電ができる環境を提供することが重要だという考えのもと、当社では台風などによる大規模停電や大型地震が発生した際、48時間以内の利用を無料でご提供しています。 「ChargeSPOT」は設置先を訪れているお客様や従業員の方、近隣の方々のための備えにもなります。 ② マーケティングソリューション 当社が運営するモバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」のバッテリースタンドには、デジタルサイネージが搭載されております。 サイネージは1枠15秒、最大48枠(最大720秒)で1ロールを構成し、繰り返し放映されます。 営業時間中、設置店舗が利用できる枠を全体の3分の1提供し、残りを企業向け広告枠と、ファンがアーティストを応援できる「CheerSPOT」の配信枠として活用しています。 「ChargeSPOT」のサイネージを活用することで、人流の多い店舗や施設内で効果的な広告放映が可能です。 当社は「ChargeSPOT」のバッテリースタンドを様々な業種の店舗や施設内に設置しています。 国内47,330台に加え、香港4,546台、中国本土5,125台、台湾9,471台のバッテリースタンドを有し、グローバルでは約66,000台※1のサイネージ画面を活用できます。 近年、小売店舗を中心に、リテールメディア※2が注目を集めています。 当社はすでに多くの店舗や施設内に「ChargeSPOT」のサイネージを設置しており、新たなコストをかけずに大規模なリテールメディアネットワークを構築しています。 設置先店舗にとっても、新たにデジタルサイネージを購入・設置する必要がないため、手軽に店舗内広告の放映環境を整えられるという利点があります。 このことは、「ChargeSPOT」の設置促進にもつながっています。 ※1 一部のバッテリースタンドはサイネージを未搭載、または広告放映対象外です。 ※2 店舗を持つ小売企業(店舗事業者)やEC専業の小売企業(EC事業者)が提供する各種オンラインメディア広告、店舗に設置しているデジタルサイネージ広告の総称。 当社のサービス領域はデジタルサイネージ広告。 [リテールメディア:企業向け広告枠販売] 当社グループでは各バッテリースタンドのサイネージ画面を広告枠として、広告主や設置先等に提供し、広告収入を得ております。 配信内容は、全国規模のPRから近隣地区への告知まで、エリア、業種業態、ブランドやターゲットに合わせた自由なカスタマイズが可能となっており、設置施設ごとに独自のサイネージ配信を行っております。 a.純広告 「ChargeSPOT」のデジタルサイネージを活用した広告の配信を行い、視認性の高い訴求を実現しています。 ユーザーは「ChargeSPOT」をレンタルする際と返却する際に必ずバッテリースタンドに立ち寄るため、特に店舗内での広告配信では、購買行動の最終意思決定に影響を与えるメディアとして活用されています。 b.リワード広告 利用者に対して、バッテリー利用料の割引や、設置場所の商品の割引等の特典と引き換えに広告コンテンツの視聴を促すインセンティブ型広告を提供しております。 これにより、広告主にとって高いエンゲージメントを実現するとともに、ユーザーに対してもメリットのある広告配信を可能にしています。 c.ビーコン※を活用したソリューション ChargeSPOT端末に搭載したビーコン技術を活用し、近接マーケティングや店舗送客を目的としたプロモーションを展開しています。 ユーザーの位置情報を活用し、リアルタイムでの広告配信やクーポン提供など、購買促進に寄与する施策を展開しております。 ※ ビーコンとはBLE(Bluetooth Low Energy)デバイスの一種で、極めて少ない電力消費でスマートフォン等と連携できることが特徴です。 設置されたビーコンに対応アプリが反応することで、場所やシーンに応じた情報の配信などができるようになります。 [リテールメディア:CheerSPOT(個人向け枠販売)] 2024年12月から、「CheerSPOT」を開始しました。 本サービスは、ファンが個人でアーティストやIPキャラクター等への応援を発信できるプラットフォームです。 応援の気持ちを表した広告を「ChargeSPOT」のデジタルサイネージに放映することが可能です。 従来、ファンが広告を出稿できる場所は駅などの公共空間が中心であり、広告出稿費用も高額になることから、手軽なものではありませんでした。 また、広告作成はアーティストや事務所に無許可なものも多くあり、著作権や肖像権の観点で課題がありました。 「CheerSPOT」は1枠420円から出稿が可能で、放映場所も全国各地のバッテリースタンドから選ぶことができます。 また、当社はアーティスト等と契約を締結しているため、公式の素材をご提供いただいて運営しています。 広告収益の一部はアーティスト等にも還元され、その先の活動に繋がります。 [アプリ画面・バッテリー面を活用した広告] 「ChargeSPOT」のアプリはユーザーがモバイルバッテリーをレンタルする際に必ず開くもので、2024年12月末時点でグローバルで累計1,243万回ダウンロードされています。 当社では、アプリの画面上部のバナーを広告枠として提供しています。 また、レンタルされるバッテリーの表面を広告として使用することも可能です。 通常と異なるバッテリーデザインを施すことで、持ち運ばれている時はもちろん、スタンドに装填されている時からユーザーの注目を集めることができます。 ③ ベビーケアルーム「mamaro」 2024年11月に、ベビーケアルーム「mamaro」を運営するTrim株式会社を子会社化しました。 「mamaro」の設置ニーズがある場所は「ChargeSPOT」の設置場所と重なるところが多いため、今後は、INFORICHが今までの事業運営の中で培ってきた設置先への導入も進めることで、設置数を増加させてまいります。 ベビーケアルーム内にはモニターが付いており、広告を流すことも可能です。 子育て中の人をターゲットとした放映が可能であるため、消費財メーカーや子育て関連サービス事業者等からのニーズを見込んでおります。 「mamaro」は工事不要で設置できる完全個室型のベビーケアルームです。 授乳やおむつ替え、離乳食などの際に、女性だけではなく男性にもご活用いただけます。 従来の授乳施設は女性専用であることが多く、また、施設側が後から設置・増設しようとすると大規模な工事が必要でした。 「mamaro」は約1畳の空間に設置することができ、工事も不要であることから、商業施設や自治体施設などに2024年12月段階で750台以上設置されています。 一括購入プランだけでなく、レンタルプランも用意することで、月々の負担を抑えながら、施設利用者のニーズに応えることができます。 (2)当社グループが提供するサービスの特徴[ChargeSPOT]① 豊富な設置による利便性 モバイルバッテリーのシェアリングサービスは、コンセプトとしている「どこでも借りられて、どこでも返せる」を実現する観点から、人が集積しやすい地域の施設や店舗に集中的に設置することが効果的であると考えております。 こうした考えに基づき、バッテリースタンドの設置場所は、都市部を中心とした、駅、娯楽施設、コンビニエンスストア、飲食店等に集中して展開しております。 この結果、2024年12月末現在、国内で47,330台の設置を実現しております。 返せる安心感を作り上げることによって、ユーザーがサービスを気軽に利用できる状況を作っています。 具体的な設置先の例は以下のとおりです。 区分施設名(略称)コンビニセイコーマート、セブン-イレブン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソン、生活彩家 等鉄道駅構内JR東海、Osaka Metro、toks、つくばエクスプレス、バスタ新宿、みなとみらい線、ゆいレール、横浜市交通局、京王電鉄、京成電鉄、京浜急行電鉄、近畿日本鉄道、近鉄リテーリング、埼玉高速鉄道、西日本鉄道、山陽電車、西武鉄道、千葉都市モノレール、大阪モノレール、都営地下鉄、東急電鉄、東京メトロ、東武鉄道、南海電鉄、福岡市地下鉄、北総鉄道、名古屋市交通局、名古屋鉄道 等空港札幌丘珠空港、仙台空港、山形空港、庄内空港、成田国際空港、東京国際空港(羽田空港)、八丈島空港、松本空港、富士山静岡空港、中部国際空港、関西国際空港、岡山桃太郎空港、広島空港、岩国錦帯橋空港、阿蘇熊本空港、北九州空港、長崎空港 等娯楽施設アンパンマンこどもミュージアム、キッザニア、サンリオピューロランド、スモールワールズ、ナガシマリゾート、ハウステンボス、よみうりランド、ラグーナテンボス、レゴランド、旭山動物園、新横浜ラーメン博物館、川崎競馬場、相模湖プレジャーフォレスト、東京サマーランド、東京国立博物館、富士急ハイランド 等エンターテインメント、パフォーマンス施設109シネマズ、CLUBチッタ、kino Cinema、RED°TOKYO、Zepp、アプレシオ、イマーシブフォート、ラウンドワン、横浜アリーナ 等球場エスコンフィールドHOKKAIDO 、楽天モバイルパーク宮城、東京ドーム、明治神宮球場、横浜スタジアム、ZOZOマリンスタジアム、ベルーナドーム、バンテリンドーム ナゴヤ、みずほPayPayドーム福岡 等商業施設、オフィスビルコンベンション施設DAIMARU、MIYASHITA PARK、PARCO、SHIBUYA 109、アトレ、イオンモール、クイーンズスクエア横浜、グラングリーン大阪、グランフロント大阪、マルイ、ルミネ、横浜赤レンガ倉庫、丸の内ビルディング、高島屋、阪急阪神百貨店、阪急阪神不動産、三井アウトレットパーク、三越伊勢丹、渋谷スクランブルスクエア、新丸の内ビルディング、表参道ヒルズ、福岡タワー、福岡大名ガーデンシティ、幕張メッセ、六本木ヒルズ 等カラオケJOYSOUND、カラオケBanBan、カラオケコロッケ倶楽部、カラオケの鉄人、カラオケレインボー、カラオケ歌屋、カラオケ館、コートダジュール、ビッグエコー、歌広場 等金融機関みずほ銀行、りそな銀行、三井住友銀行、郵便局 等携帯電話ショップau、docomo、Softbank、UQモバイル、Ymobile、楽天モバイル 等家電量販店エディオン、コジマ、ビックカメラ、ベスト電器、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラ 等薬局アマノドラッグ、ウエルシア薬局、クリエイト エス・ディー、コクミンドラッグ、スギ薬局、ツルハドラッグ、ドラッグイレブン、ドラッグセイムス 等小売ROPE' PICNIC、TSUTAYA、WEGO、サンキューマート、ライトオン、丸善ジュンク堂書店、阪急スタイルレーベルズ、寺子屋、不二家、文教堂 等レストラン、ファストフード店ウェンディーズ・ファーストキッチン、ガスト、スシロー、デニーズ、ジョナサン、バーミヤン、フレッシュネスバーガー、ポポラマーマ、モスバーガー、牛カツ京都勝牛、焼肉坂井ホールディングス、銚子丸 等カフェヴィ・ド・フランス、エプロント、カフェ・ド・クリエ、コメダ珈琲、サンマルクカフェ、タリーズコーヒー、ドトールコーヒーショップ、モリバコーヒー、春水堂、上島珈琲 等ホテルJR東日本ホテルメッツ、アパホテル、スーパーホテル、ドーミーイン、ホテルニューオータニ、ホテルメトロポリタン、ホテルリブマックス、東横イン、東急ステイ 等自治体管理施設山梨県、渋谷区、豊島区、熱海市、神戸市、福岡市 等※一部の設置先の情報であり、全設置先ではありません。 ② 円滑な運用体制 モバイルバッテリーやバッテリースタンドの故障状況はシステム管理されており、何らかの異常が発覚した場合は、直ちに当社グループのスタッフを派遣し、回収・修理・交換を行うことで安定的なサービス提供を実現しております。 また、ラウンダーが各設置場所を巡回しモバイルバッテリーの補充または回収を行うことで偏在解消を図っております。 レンタル時に問題が発生した場合にも、アプリ内でユーザー自身で解決できるようにしている他、チャットを活用したカスタマーサポート体制を整備することで迅速な対応を可能にしています。 ユーザーからの問い合わせ内容を分析することで、バッテリーやバッテリースタンドの不具合を早期に検知し、必要に応じた対応を実施する体制も整備しています。 ③ 海外マーケットへの進出 海外では、香港、中国本土、台湾、タイ、シンガポールでChargeSPOT事業を展開しております。 全てのエリアで同一のアプリを使用しており、エリアを超えて使用することが可能です。 オーストラリアではEzycharge社を買収後、Ezychargeブランドでシェアリングサービスを運営しております。 展開エリアごとに人流が多くレンタルがしやすいところを中心に、バッテリースタンドを一定程度の密度で設置し、各エリアでよく使われている決済手段を搭載することで展開エリアの全てで高い市場シェアを実現しています。 また、中国本土では中国所在の連結子会社である殷富利(广州)科技有限公司及び現地のフランチャイジー、香港においては香港所在の連結子会社であるINFORICH ASIA HONG KONG LIMITED、台湾ではChargeSpot ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.、オーストラリアではEzycharge Australasia Pty Ltd.、タイ、シンガポール及びマカオでは現地のフランチャイジーがそれぞれサービス提供をしております。 その他、子会社の事業状況については、「4 関係会社の状況 」に記載のとおりであります。 ④ 自社開発の製品・サービス基盤 当社グループのモバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」は、自社開発のサービス基盤の元で運用されております。 また、「ChargeSPOT」で使用しているバッテリースタンドの一部機能についても自社で開発を行っております。 ChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリー及びバッテリースタンドの研究開発は、中国本土所在の連結子会社である殷富利(广州)科技有限公司で行っており、生産は同社から現地の外部企業へ委託しております。 これらの自社での開発により、タイムリーかつ細やかな地域ごとのニーズへの対応が可能となる上、低コストでの継続的な製品・サービス改善を実現しております。 日本市場では、鉄道駅の自動券売機の削減によって生まれたデッドスペースを活用した券売機モデルや、自動販売機に付帯した自動販売機モデルなど、市場のニーズに合った製品の導入を進めております。 その他、海外(中国本土、香港、台湾、タイ、シンガポール)では狭小店舗のカウンター内への設置があることから、サイネージを廃したコンパクトな8スロットモデルを展開するなど、各エリアに合ったモデルを開発しております。 オーストラリアの「Ezycharge」はタッチ決済に対応したモデルを従来から展開しており、今後は「ChargeSPOT」の展開エリアでもタッチ決済に対応したスタンドを開発/展開してまいります。 また、ソフトウェアについては日本で開発を実施し、顧客情報などは各エリアで管理する体制をとっております。 日本をはじめとする各地域における需要変化にも柔軟かつ迅速に対応が可能であることから、市場において当社グループ独自の戦略を実現することが可能となっております。 [マーケティングソリューション]① 豊富なサイネージ面数と多様な設置場所 当社のサイネージ画面は「ChargeSPOT」に付帯しているため、バッテリースタンドの設置網の広がりによってサイネージ画面の数も増加していきます。 2024年12月末段階で国内47,330台に加え、香港4,546台、中国本土5,125台、台湾9,471台のバッテリースタンドを有し、グローバルでは約66,000台のサイネージ画面があることから、所有するサイネージ画面の数は国内でも最大規模※のものです。 また、バッテリースタンドを国内47都道府県と海外の7エリアのコンビニエンスストア、交通機関、商業施設などの幅広い業種に設置しているため、様々なセグメントの人に広告を訴求することが可能です。 ※自社調べ② 視認性の高さ 「ChargeSPOT」のバッテリースタンドは人流が多い店舗や施設内を中心に設置しているため、サイネージ画面も視認性が高くなります。 また、ユーザーはレンタルと返却の際に必ずバッテリースタンドを訪れることから、その場所を実際に訪れている人に対して広告を見せることができる、リアルなタッチポイントがある配信面だと言えます。 ③ 配信コントロールの柔軟性 広告配信においては、エリアや設置先の業種、バッテリースタンドのサイズなどで絞ってコントロールすることが可能です。 特定地域の1店舗から特定業種の店舗、全国のチェーン店全店などに限定して配信できるため、エリア限定の情報から全国プロモーション、海外の特定エリアでの配信まで、幅広い用途で使用することができます。 自社でバッテリースタンドの開発も行っているため、今後も設置ニーズに合った新たなスタンドの開発を行い、配信面の増加にも取り組んでまいります。 「CheerSPOT」の利用に際しても、自宅の近くに放映する、応援しているアーティストのライブ開催場所や出身地に放映するなど、幅広い場所から選んで出稿することが可能です。 また、既にタイでの対応も始まっており、日本からタイ、タイから日本のサイネージ画面に出稿することもできます。 [ベビーケアルーム「mamaro」]① 高い利便性 子育て中の人にとって、授乳や離乳食、おむつ替えのための空間が少ないことは外出時の障壁の一つです。 施設側に空間として用意されていても、数が少なかったり女性専用空間の中にあったりと利便性が高くないことも多くあります。 「mamaro」は完全個室型で男女関係なく利用できるため、多くの方の子育て上の障壁を解消する事が可能です。 また、アプリケーション上で利用状況が可視化でき、30分以上の利用があった場合には施設管理者にアラートが発信されるため、待ち時間なく安全に施設を使用することができます。 ② 設置の簡単さ 従来、施設側が新たに授乳室を導入しようとした場合は大規模な工事が必要でしたが、「mamaro」は1畳程度の空間に工事無しで簡単に設置することができます。 「mamaro」を設置することで、子育て中の利用者のニーズに応え、満足度の向上と利用者の増加に繋がります。 設置に際しては、一括購入だけではなく月額払いでのレンタル設置も可能なため、施設側は負担なく導入することが可能です。 [事業系統図] 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。 ※HW(以下、ハードウェア)はバッテリースタンド及びモバイルバッテリーを指します。 SW(以下、ソフトウェア)は当社グループのサービスに係るソフトウェアを指します。 当連結会計年度においてEzycharge Australasia Pty Ltd、Ezycharge Australia Pty Ltd、ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.及びTrim株式会社は株式の新規取得により子会社となったため、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。 また、2024年10月25日にINFORICH EUROPE LTDを新たに設立したことから、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED(注)2、5香港15,610千香港ドル海外子会社の経営管理100・当社執行役員1名が当該子会社の役員を兼任・資金の貸付INFORICH ASIA HONG KONG LIMITED(注)3、4、5、6香港10千香港ドル香港におけるChargeSPOT事業の運営、展開100(100)・ハードウェアの販売先殷富利(广州)科技有限公司(注)2、3、4中国広東省1,054千人民元中国本土におけるChargeSPOT事業の運営、展開「ChargeSPOT」のソフトウエア及びハードウエアの開発・製造管理100(100)・当社常勤監査役1名及び当社執行役員1名が当該子会社の役員を兼任・ハードウェアの開発、管理及び保守の委託・ハードウエアの購入先・ハードウェアの配送委託・ソフトウェアの開発、管理及び保守の委託Ezycharge Australia Pty Ltd(注)2、3オーストラリア350千豪ドルオーストラリア国内におけるモバイルバッテリーのシェアリングサービス及びロッカー型充電器の運営、イベント設置や音楽フェスでのブース出展51(51)・ハードウェアの販売先・資金の貸付・当社役員1名が当該子会社の役員を兼任ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.(注)2台湾94,809千台湾ドル台湾におけるモバイルバッテリーのシェアリングサービスの運営100・ハードウェアの販売先・当社常勤監査役1名及び当社執行役員1名が当該子会社の役員を兼任Trim株式会社(注)2神奈川県横浜市100,000千円完全個室ベビーケアルーム「mamaro」の製造および販売76・当社役員2名が当該子会社の役員を兼任その他3社 (注)1.「主要な事業の内容」欄について、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、連結子会社が行う主要なサービスを記載しております。 2.特定子会社に該当しております。 3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合であります。 4.子会社であるINFORICH ASIA HOLDINGS LIMITEDが100%出資しております。 5.債務超過会社であり、2024年12月末時点で債務超過額は以下のとおりであります。 INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED 106,993千円INFORICH ASIA HONG KONG LIMITED 984,410千円6.INFORICH ASIA HONG KONG LIMITEDについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等 (1)売上高 1,237,956千円(2)経常利益 149,344千円(3)当期純利益 156,841千円(4)純資産額 △984,410千円(5)総資産額 2,451,567千円7.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2024年12月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ChargeSPOT事業289(11) (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。 3.前連結会計年度末に比べ従業員数が68名増加しておりますが、これは主に業務拡大に伴う新規採用によるものであります。 (2)提出会社の状況 2024年12月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)122(11)38.02.47,433 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.当社はChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。 (3)労働組合の状況 当社グループにおいて労働組合は組成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者18.81.360.265.3146.5 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.当社では、男女同一の賃金制度を適用しております。 人事評価に関しても男女共通の基準で実施し、人事制度上の男女間の差異は設けておりません。 現在生じている差異は職務、ミッションランクの違いによるものが中心です。 ②連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED-----INFORICH ASIA HONG KONG LIMITED33.0-85.085.0-殷富利(广州)科技有限公司35.0-51.051.0-株式会社CHARGESPOT MARKETING-----Ezycharge Australia Pty Ltd-----ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.36.3-68.268.2-INFORICH EUROPE LTD-----Trim株式会社20.0-77.477.4- (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に準じて算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に準じて、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.当社グループでは、男女同一の賃金制度を適用しております。 人事評価に関しても男女共通の基準で実施し、人事制度上の男女間の差異は設けておりません。 現在生じている差異は職務、ミッションランクの違いによるものが中心です。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」をミッションとしております。 各ローカルのヒト、モノ、コトにユニークな可能性を見いだし、カルチャーやビジネスの垣根を越えて、グローバルに経営を行っております。 昨今のスマートフォンの爆発的な普及と電子決済などのサービスの普及により、今やスマートフォンは生活に必要不可欠な存在になっています。 使用頻度の増加とデータ通信量の増大に伴い、現代生活における充電ニーズは大きくなり、充電に関する問題は大きなテーマとなっていると考えております。 5Gがもたらすイノベーションは、生活をより便利に変えていく一方、スマートフォン端末の消費電力の増加速度が内蔵バッテリーの性能向上速度を上回る状況に拍車がかかっております。 この中長期的な社会課題を解決するうえで、また、ESGの観点からも社会全体で利用をシェアする、分かち合うスマートフォン補完充電のインフラ整備が不可欠です。 そのために当社グループは、ChargeSPOT事業を主力事業として注力しております。 2024年度からは、「ChargeSPOT」で培った設置場所とユーザーとの関係性を活かした、プラットフォーム事業の展開を進めております。 現在は、バッテリースタンドのサイネージ画面を活用したマーケティングソリューションや、シェアリングエコノミーのプラットフォームの運営、ベビーケアルームの運営など、新たな事業にも力を入れています。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、ChargeSPOT事業において、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、月間レンタル回数、月間アクティブユーザー数及びバッテリースタンド設置台数を重要指標として経営を行っております。 月間レンタル回数は、対象月に「ChargeSPOT」からモバイルバッテリーがレンタルされた回数を集計したものです。 当該指標は、レンタル収益の源泉として経営の進捗を測るものとして利用しております。 月間アクティブユーザー数は、月に一回以上「ChargeSPOT」を利用したユニークユーザー数を集計したものです。 当該指標は、月間レンタル回数の基礎となるものとして、サービスの普及度合や消費者の利用動向、キャンペーン等の施策の効果を測るために利用しております。 バッテリースタンド設置台数は、計数時点で設置されているバッテリースタンドの台数を集計したものです。 当該指標は、月間アクティブユーザー数の基礎となるものとして、事業拡大の進捗を測るために利用しております。 バッテリースタンドの設置数は当社の所有するサイネージ画面の数に繋がるため、メディア事業を発展させる上でも重要な指標だと捉えています。 (3)経営戦略 当社グループは国内外を問わず、ヒト、モノ、コトにユニークな可能性を見いだし、カルチャーやビジネスの垣根を越えて橋掛けしていくことを機会と捉え、社会的価値と経済的価値の両立・創造を実現し、日本と世界の発展に寄与してまいります。 新たな垣根の橋掛けとその価値創造をグローバルに模索していく一方、ロケーションベースの各国のリアルなタッチポイントを保有するChargeSPOT事業を第1の主力事業としております。 インバウンド/アウトバウンドの増加を契機として、アジアをはじめとした世界中のお客様に日本品質のサービス体験を提供しグローバルでの知名度の向上を目指します。 国内のChargeSPOT事業は、長期にわたって安定した利益を獲得し続けられる状況になっています。 当社のChargeSPOT事業の特徴は、バッテリースタンド・バッテリーというリアルなモノと、アプリケーションというデジタルなモノの双方を有していることです。 「ChargeSPOT」は日本全国47都道府県とグローバルの7エリアに存在するユーザーとのリアルなタッチポイントです。 引き続き国内での設置数とユーザー数を拡大しながら海外での展開にも注力し、グローバルにタッチポイントを増加させていきます。 タッチポイントの増加は、マーケティングソリューションを始めとしたプラットフォーム事業の拡大に繋がります。 ChargeSPOT事業とそのネットワークとのシナジーを最大化することを目指し、持続的な成長及び将来利益の最大化に努めてまいります。 当社グループの中心事業であるChargeSPOT事業は国内のみならず、グローバルで価値を発揮できるものです。 当社グループの事業や事業領域には次のような特徴があり、これらを総合的に勘案したうえで中長期的な経営戦略を立案しております。 ① ChargeSPOT事業の魅力 ChargeSPOT事業の魅力は4つあり、第一に短い投資回収期間、第二に大口顧客に対する低い依存度、第三にバッテリースタンド設置台数及び設置密度とレンタル稼働率の相関関係、第四に有望な市場ポテンシャルであります。 a.短い投資回収期間 ChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリーの2024年12月末の投資回収期間※1は約19日となっており、短期間で投資が回収されるビジネスモデルとなっております。 2022年年末時点では約29日、2023年末時点では約25日の投資回収期間であり、サービスが拡大すると共に短縮化が進んでいると言えます。 また、バッテリースタンドへの投資はリース契約を基本とすることによりキャッシュ・フローに余裕を持たせた事業展開を行っております。 ※1 投資回収期間=モバイルバッテリーの仕入単価÷(1レンタル当たりの平均収益×レンタル稼働率) b.大口顧客に対する低い依存度 ChargeSPOT事業の主力であるモバイルバッテリーのシェアリングサービスの収益は、ユーザーからの少額課金の積み上げにより構成されており、特定の大口顧客に依存するリスクが相対的に低いビジネスモデルとなっております。 また、47都道府県の様々なエリア、多業種に設置されており、特定のエリア及び業種への依存度も低く構成されています。 c.バッテリースタンドの適切な設置とレンタル稼働率の相関関係 当社グループの実績によると、バッテリースタンドを視認性が高くユーザー利用が見込める場所で適切に増加させることができれば、モバイルバッテリーのレンタル稼働率が上昇することが確認されております。 これは、設置効率に関する実績データが蓄積され、効果的な設置戦略が推進されること、市中でバッテリースタンドを見かける頻度が増すことで広告効果が高まり「どこでも借りられて、どこでも返せる」という利便性や返却に関する安心感が訴求されることが大きく関係していると分析しております。 2024年12月末のバッテリースタンド設置台数は国内47,330台で、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に近づいております。 d.有望な市場ポテンシャル 当社グループでは、現在主力である国内市場におけるターゲットSOM(Serviceable Obtainable Market)を設定し、利用者拡大のためのアプローチを検討しております。 具体的には、それぞれ以下の考え方により、事業拡大を図っております。 当社グループが国内事業のターゲットとして設定するSAMは、スマートフォンのユーザー数9,658万人※1のうち、外出時間中に1回以上充電を行うであろうユーザーの割合※2を乗じることで算出される規模に設定しております。 SAM =スマートフォンユーザー数×外出時間中に1回以上充電を行うであろうユーザーの割合 次に販売ターゲットとなるSOMについては、SAMのうち、「ChargeSPOT」の潜在的利用者(利用に関心があるユーザーの割合※3を乗じることで算出される規模に設定しております。 SOM =SAM×モバイルバッテリーのシェアリングサービスの潜在的利用者の割合 当社グループでは、「ChargeSPOT」の設置台数の拡充によりSOMの拡大を図っております。 ※1 日本の総人口(参照情報:総務省統計局「人口推計」- 2023年(令和5年)3月報 - 2022年(令和4年)10月1日現在(確定値))に2022年におけるスマートフォン保有者割合(参照情報:総務省「令和4年通信利用動向調査(個人)」)を乗じて、当社が算出した推計値※2 電通株式会社「モバイルバッテリーに関する調査・マイバッテリー所有者編」(2023年4月実施調査-日本)※3 電通株式会社「モバイルバッテリーに関する調査・マイバッテリー所有者編」(2023年4月実施調査-日本) およびNHK国民生活時間調査報告書「家にいる時間」「外出時間」調査を基に当社が算出した推計値 <ターゲットとする市場> ② 海外展開 当社グループは、海外では、台湾、中国本土、香港、タイ、シンガポール及びマカオでChargeSPOT事業を展開しており、中国本土の一部、タイ、シンガポール及びマカオにおいては、フランチャイズ契約に基づき他事業者と協働で展開しております。 2024年10月にはイギリス子会社を設立し、今後の欧州展開の起点としてまいります。 当社の社名である「INFORICH」は、「情報(INFORMATION)」に「豊か(RICH)」であるという2単語からなる造語です。 各国の文化、商慣習、技術等に精通し得るグローバルな企業グループとして、情報連携が我々の目指す垣根を越えた橋掛けの実現において生命線であると捉えております。 上記を踏まえた中長期的な経営戦略は、以下のとおりであります。 ① ChargeSPOT事業の拡大・強化a.規律をもった設置台数の拡大 ChargeSPOT事業におけるバッテリースタンドの設置台数については、海外のみならず国内においてもまだ多くの設置ポテンシャルがあると考えております。 人流の多いエリアや駅からの距離などの設置基準を設け、各業種のプライムロケーションへの新規・追加設置、政令指定都市を中心としたエリアドミナント戦略を中心に拡大してまいります。 また、バッテリースタンドにおいては、従来のモデルのみならず他社とのコラボレーションやデッドスペースに合わせた新モデルの開発など、用途に合わせた多種多様な展開を推進し、リアルなタッチポイントをグローバルに獲得してまいります。 b. 海外展開と連携強化 当社グループは、海外では、香港、中国本土、台湾、タイ、シンガポール及びマカオでChargeSPOT事業を展開しており、中国本土の一部、タイ、シンガポール及びマカオにおいては、フランチャイズ契約に基づき他事業者と協働で展開しております。 今後も、スマートフォン普及率や電子決済普及率が高く、公共交通機関を有する大都市圏を持つ国をターゲットとし、展開エリアを拡大してまいります。 当社グループでは、現地のプラチナロケーションにネットワークを有する企業とフランチャイズ契約を締結することで、リスクを低減しながらもスピード感を持ってフランチャイズ展開を行ってきました。 今後も各国でのフランチャイズ展開を推進してまいります。 加えて、早期に市場を開拓するべきところに対してはジョイントベンチャー設立、M&Aの実施、現地法人立ち上げなどの直接投資を行うことで、グローバルでの当社グループの競争力を強固にするものと考えております。 また、事業基盤を強固にすべく、連携強化を目的としたさらなる経営体制の強化も行っていく予定です。 c.サービスの進化 「ChargeSPOT」ユーザーの利用の習慣化に向けた更なるUX向上施策を実施してまいります。 2023年12月期においては、「バッテリー故障診断ナビ」機能をリリースし、ユーザー自身でレンタル中に発生した問題の解決法を調べたり、返金申請を行なったりできるようにするなど、利便性の向上を図ってまいりました。 今後もユーザーの皆さまにとってより使いやすいサービスになるよう、改善を続けてまいります。 加えて、新たな技術を有する企業とのコラボレーションや「ChargeSPOT」のプラットフォームとネットワークを活かした他のシェアリングサービスとの連携を進めてまいります。 サイネージビジネスにおいては、市場規模の拡大を追い風としながら販路の拡大及び供給システムの開発を進めてまいります。 ② プラットフォーム事業の展開 当社グループは、「ChargeSPOT」で獲得した設置先及びユーザーとのリアルなタッチポイントを活用した、プラットフォーム事業の展開を進めております。 中でも、バッテリースタンドをマーケティングソリューションとして活用する事業の強化に取り組んでおります。 企業向けの広告枠販売や個人向けの「CheerSPOT」など、培ってきたタッチポイントをリテールメディアとして活用する取り組みを一層拡大し、中長期的な成長につなげてまいります。 ベビーケアルーム「mamaro」についても、今までの「ChargeSPOT」の運営で培った設置先との関係性を活かして販路を拡大してまいります。 (4)経営環境 当社グループの事業が属する経営環境には次のような特徴があります。 ① 市場分析 ChargeSPOT事業が対象とするモバイルバッテリのーシェアリングサービスの市場規模について、同サービス世界最大のマーケットである中国では、2023年12月末現在約517万台(出所:Fastdata,「2023 China Shared Power Bank Industry Trend Report」)のバッテリースタンドが稼動しており、年間約2.8億人がモバイルバッテリーのシェアリングサービスを使用しています。 中国と日本では、市場、技術及び文化等の相違はあるものの、中国での市場規模の推移は今後の日本におけるモバイルバッテリーのシェアリングサービスの普及を予想する上で、一指標になるものです。 「ChargeSPOT」はモノを所有するのではなく貸し借りすることで使用する、シェアリングエコノミーを前提としたサービスです。 昨今の環境意識の高まりなどを受けて、シェアリングエコノミーを積極的に活用するユーザーが一定数存在しています。 一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2024年度調査結果 2025年1月公表」においては、2024年度のシェアリングエコノミーの市場規模は3兆1,050億円※で、2022年度比で18.7%増加しています。 今後もシェアリングエコノミー市場は拡大していくものと想定されます。 また、株式会社CARTA HOLDINGSが株式会社デジタルインファクトと共同で実施した「リテールメディア広告市場調査 2025年1月23日公表」によれば、2024年の国内のリテールメディア広告の市場規模は、前年度比125%増の4,692億円に成長しました。 そのうち147億円は店舗のデジタルサイネージを活用したものと推計されています。 2028年の予測では、リテールメディア広告市場は2024年比約2.3倍の1兆845億円規模、そのうちデジタルサイネージは350億円規模に拡大すると予測されております。 当社の新サービスである「CheerSPOT(チアスポット)」については、「オタク」の活性化も普及につながると考えられます。 矢野経済研究所の「オタク」市場に関する調査によると、2023年の「オタク」市場全体の市場規模は約8,176億円に上ると見込まれ、年々成長しています。 ファンがアイドルなどへの「応援」のメッセージを広告面などに掲載する応援方法に関する市場も国内約300億円規模だと推定されています。 ※ 市場規模は資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額定義 ② 競争優位性 当社グループは、競合他社に先駆けてモバイルバッテリーのシェアリングサービスを日本に導入しており、「ChargeSPOT」の国内マーケットシェアは、バッテリースタンドの設置台数ベースで約8割※1と業界トップのシェアを有しております。 一般的には、設置台数のシェアの多さがユーザーの利便性につながり、ひいては設置先が採択する要因となります。 これは、ニューヨーク大学 Stern School of BusinessのScott Galloway教授が提唱する「Unregulated Monopoly」※2に該当し、競合他社との競争優位性を獲得している状況にあると考えております。 多くのバッテリースタンドを設置していることは、レンタル稼働予測の精度の向上にも繋がっております。 当社グループでは、周辺の人流や駅からの距離、営業時間、業種などの様々な情報を組み合わせた、設置プロトコルを設定しております。 レンタル数は常時モニタリングできるようになっており、一定期間が経っても設置前の予測数値から乖離がある場合には設置先に社員が訪問し、店内での設置場所の移動や販促物の掲示などを行っています。 データをもとにした設置とデータを参考にした細かな設置後ケアができていることは、当社の競争優位性であるとともに、今後もデータ量が増えていくことでより精緻な分析が可能になっていくものと考えております。 また、当社グループは、自社で製品開発を行うことで市場のニーズをタイムリーに製品へ反映できる体制を構築しております。 今までも、新型コロナウイルス感染症の流行が始まったことを機にバッテリーにSIAA(抗菌製品技術協議会)基準に適合した抗ウイルス・抗菌処理を行うなど、その時々の課題に応じた対応を行ってまいりました。 また、カスタマーサポートセンターにいただいた情報は社内の開発チームに連携し、アプリケーションやハードウェアの改善を行っています。 ※1 2024年12月末時点の当社グループの設置台数と競合他社が公表している台数を基に当社で算出※2 高い市場占有率が参入障壁として機能している状態 マーケティングソリューションにおいても、「ChargeSPOT」に付帯したサイネージ画面を活用していることから、国内では全都道府県、グローバルではフランチャイズ展開エリアを含めて6エリアでの広告放映が可能です。 設置場所も多業種で、且つすべて人流が多い好立地であることが競争優位性につながっています。 ユーザーは「ChargeSPOT」をレンタルする際と返却する際に必ずバッテリースタンドに立ち寄るため、リアルなタッチポイントがある点もメディアとしての価値の向上につながっています。 サイネージ画面を活用して地域の魅力を発信することで、街の中の回遊性を生み出す地域活性化にも利用されています。 ユーザーはアプリケーション上で設置場所を確認することから、アプリケーション上のバナーや各設置先の紹介も多くの人が目にする広告として活用できます。 「CheerSPOT」でも、放映可能面が他の応援広告商材よりも多いことが、今後のサービスの成長に繋がり得る優位性であると考えております。 自宅の付近やライブ会場の近くなどの様々な場所に出稿できるため、そのエリア一帯をファンの「応援」で飾るなど、ファンダム内でのコミュニケーションにも繋がります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 「ChargeSPOT」は国内初のモバイルバッテリーのシェアリングサービスであり、当社グループはそのマーケットリーダーとして市場開拓を進めてまいりました。 スマートフォンをはじめとする小型電子機器は、ビジネス利用や普段の生活での決済等、私たちの日々の生活に欠かせないインフラになっています。 バッテリーの充電切れを防止し、利便性の高い日常生活をサポートするために事業を展開しております。 また、一層進んだデジタル社会を実現するため、当社グループはChargeSPOT事業に限らず、「ChargeSPOT」のバッテリースタンドのサイネージを活用した広告枠の販売や、設置場所の属性に共通点が多いベビーケアルームの「mamaro」など、新たなサービスラインナップを追加し、ChargeSPOT事業を土台とした新たな展開を加速しております。 一方で、疫病の流行や災害発生、悪天候の継続などによる人流の減少、国際情勢の変化などによる景気の悪化など、当社グループの業績に影響を及ぼしうるリスクは引き続き注視し続ける必要があると認識し、不測の事態にも対応できるよう、経営基盤と財政基盤の強化に取り組んでおります。 これからも、「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」というミッションステートメントの通り、海外発のビジネスモデルを日本に、そして、日本の技術力を海外に展開していくことで、様々な国や文化の垣根を越え、より多くの方々に当社グループのサービスをご利用いただけるよう邁進してまいります。 ① さらなる設置の拡大 当社の事業の中心であるChargeSPOT事業の成長には、設置台数の増加が重要です。 当社は今までに全国各地のプライムロケーションへの設置を進めてきたことで、昨今ではバッテリースタンド自体が当社の広告塔となっており、国内では毎月20万人ほどの新規ユーザーを獲得しております。 これまでも、エリア別・業種業態別のバッテリー稼働率を継続的に分析し、設置を行ってきました。 国内では乗降客数が多い駅の周辺を中心とした設置を進めた結果、首都圏での設置が大幅に増加しております。 今後は関西を中心とした首都圏以外の乗降客数が多い駅周辺の設置密度を高めると共に、観光地エリアへの設置も推進し、インバウンド客を含めた観光客のモバイルバッテリー利用ニーズを満たしてまいります。 加えて、屋外型の自動販売機モデルの展開を開始したことで、今までは設置ができなかった公園や屋外のテーマパーク、人流の多い通りなどへの設置が可能になりました。 ユーザーにとっても、店内に入ってレンタルするよりも、レンタルすることへの障壁が低くなると考えられます。 自動販売機モデルの設置を加速させることで、バッテリースタンドの増加を図るとともに、レンタル数の増加につなげていきます。 また、海外での展開エリアに対しても、国内で設定している設置プロトコルを共有することで、グローバル全体での効率的な設置を推進してまいります。 バッテリースタンドの増加は、サイネージ面の増加でもあります。 法人向けの広告枠販売と「CheerSPOT」の利用者獲得を行う上でも重要な要素であると認識しております。 ベビーケアルーム「mamaro」についても、当社がChargeSPOTの運営によって培ってきた設置先との関係性をもとに新たな場所への設置を拡大してまいります。 ② 認知の向上・ユーザー数の拡大 認知の向上とそれに伴うユーザー数の拡大も事業の成長ドライバーの1つです。 設置台数の増加に伴い「ChargeSPOT」のユーザー数は順調に成長を続けていますが、当社では潜在的なユーザー数ははるかに大きく、ユーザー数の持続的な拡大には一層の認知率の向上も重要であると認識しております。 バッテリースタンド自体の設置のみならず、デジタルマーケティングなどを通じた露出の増加や、キャンペーンの実施などが必要であると認識しております。 キャンペーンについては設置先やペイメントサービスと連携したものや、新生活や行楽シーズンに合わせた自社キャンペーンなどを積極的に行ってまいります。 また、ファンが個人でアーティストへの応援を発信できる新たなプラットフォーム「CheerSPOT」においても、アーティスト数の増加に取り組むだけではなく、サービス自体の認知の向上に取り組んでまいります。 ③ 利便性の向上 ChargeSPOT事業におけるサービス自体の利便性を高めることも、ユーザー数の拡大のために重要であると認識しております。 今後も、アプリのUI・UXの改善やFAQの拡充など、ユーザーにとってより使いやすいサービスを目指して活動を続けてまいります。 料金設定においても、ユーザーの声を可能な限り反映してまいります。 多くの方にとって使いやすい最低料金の設定を目指すとともに、ヘビーユーザーにとって有益な「ChargeSPOT Pass」といったプランを設定するなど、「いつでも借りられて、どこでも返せる」を心理的にも実現していきます。 また、当社の国内バッテリースタンド設置台数は4.7万台を超え、ユニークなネットワークとしての価値を有しています。 このネットワークを活かした当社サービスの提供価値を広める試みとして、バッテリースタンドのサイネージを活用した法人向けの広告販売や新サービスの「CheerSPOT」の展開を行っております。 ほかにも、シェアリングエコノミーのプラットフォームとして、他のシェアリングエコノミーサービスを同一アプリ内で利用できる「ShareSPOT」の拡充やベビーケアルームの「mamaro」の展開を進めております。 今後も、ユーザーからニーズの高い機能やサービスラインナップの拡充に取り組んでまいります。 ④ 海外展開 当社グループでは、モバイルバッテリーのシェアリングサービスを日本のみならず世界で展開しております。 中国本土と香港、台湾ではグループ子会社によるサービス展開を、タイ、シンガポール、マカオではフランチャイズで、オーストラリアでは子会社を通じてEzychargeブランドでサービスを展開しております。 当社のシェアリングサービスにおける効率的な運営とその事業ノウハウを求めるニーズは多く、有望な市場も複数存在するため、今後も新規エリアでの展開を、適切なタイミングと進出方法で進めてまいります。 現在は、2024年10月に設立したイギリス子会社を中心に、イタリアでの展開の準備を行っております。 また、すでに展開を行っている香港、台湾やオーストラリアにおいての設置台数の増加の余地は大きく、積極的な設置を進めております。 ⑤ 経営基盤の強化 企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、また、グローバル展開を進めるためには、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。 そのため、内部統制システムの強化、マネジメントの強化、人材育成、損益管理の徹底など、持続的な成長を支える経営基盤を引き続き強化してまいります。 また、子会社との連携を強化し、グローバルカンパニーとして相応しい経営体制の実現を目指してまいります。 ⑥ 財政基盤の強化当社グループは、2023年度第2四半期に黒字化を達成し、以後継続的に利益が増加しております。 2024年度には複数件のM&Aを実施したことからのれん償却費が発生し、また、M&Aの投資額によってフリーキャッシュフローは一時的に低下していますが、今後もサービスが継続して成長することで手元資金は増加していく見込みです。 中長期的な成長のためには国内外の設置拡大や新エリアでの展開の開始、広告事業の拡大のための投資が必要不可欠であると認識しております。 今後も、適切な成長のための投資を実施するとともに、財政基盤の強化を目指して活動をしてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 (1)サステナビリティに関する考え方当社グループはシェアリングエコノミーサービスである「ChargeSPOT」を運営する中で、環境に配慮した経営を実施してまいりました。 2022年には当社が優先的に取り組むべき重要課題として6つのマテリアリティを策定し、サステナビリティの取り組みをグループ全体として推進しています。 ① ガバナンス及びリスク管理 当社は、四半期ごとに開催されるコンプライアンス・リスク管理委員会において、気候変動による災害の発生や人材確保などの人的資本に関わる項目など、長期的な目線でリスクの洗い出しと対応策の検討を行っております。 また、人的資本については役員を中心とした検討会を実施し、当社グループの目指すべきところを位置付けています。 当社は、健全かつ適切な経営及び業務執行を図るには、コンプライアンス及びリスク管理の徹底が必要不可欠と考えております。 当社は、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、企業活動の遵法性、公平性、健全性を確保するため、また社会規範、企業倫理に反する行為を防止、是正、また全役職員に倫理意識を浸透させ、健全な企業風土を醸成する活動の推進をしております。 コンプライアンス・リスク管理委員会は、取締役兼執行役員CFOを委員長とし、委員は、代表取締役社長兼執行役員CEO、その他委員長が指名する者により構成されており、原則として四半期に1回開催しております。 また、監査役は、自らの判断により本委員会に出席し意見を述べることができます。 ② 戦略 当社が優先的に取り組むべき課題として、自社社員、設置先企業、株主などのステークホルダーの皆様のご意見を伺った上で、ESGに関わるガイドラインなどを参考にしながらマテリアリティ(本業を通じて解決するべき最も重要な課題)を特定しました。 (2)気候変動当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の1つとしてとらえており、「シェアリング文化の普及」に取り組むことで、「便利さ」と「サステナブル」が両立することを広め、サステナブルな行動に対して人々が感じるハードルを「Bridge」することを目指しています。 ① ガバナンス及びリスク管理 気候変動に関するガバナンス及びリスク管理は、サステナビリティに関する考え方に組み込まれています。 詳細については、(1)サステナビリティに関する考え方の、①ガバナンス、②リスク管理をご参照ください。 ② 戦略a.「ChargeSPOT」によるCO2削減効果 当社グループの主要事業である「ChargeSPOT」は、ひとりひとりがモバイルバッテリーを購入して使用する際に比べて42%のCO2排出量を削減することが可能です。 ※ 森林1haの年間吸収量を8,800 kg-CO2と想定して算出(出典:林野庁)※ 日本・中国・香港・台湾の直営エリアの2024年12月時点実績を元に算定※ アスエネ株式会社による算定 b.適切なモバイルバッテリー及びバッテリースタンドの処理 モバイルバッテリーに使用しているリチウムイオン電池は、一般ゴミで処理をすることができません。 一般ゴミとして不法に処理された際のゴミ収集車の火災や、ゴミ処理場の火災も問題になっています。 そのため当社グループでは、自社で出た廃棄バッテリーの適切な処理を進めるとともに、モバイルバッテリーの購買・所有から「ChargeSPOT」の利用に行動を変容させたユーザーに対しての啓蒙活動も実施しております。 バッテリースタンドについても、100%のリサイクルを実施し、電子ゴミを出さないための対策を行っております。 c.CO2排出量の算出とオフセットの実施 当社グループでは、2022年度から日本法人でのCO2排出量のScope3までの算出を実施しています。 2023年度からは子会社でのCO2排出量も算定対象とし、2024年度は新たに子会社化した台湾とオーストラリアの分を算定範囲に追加しました。 当社のCO2排出量の5割が設置したバッテリースタンドが使用する電力によるScope3の排出であることから、毎年の1月1日段階の設置スタンドの年間の使用電力のうち1割分のグリーン電力証書を購買することでオフセットしています。 大型のバッテリースタンドにはグリーンパワーマークを表示することで、グリーン電力の普及活動にも協力しています。 今後も、バッテリースタンドの使用電力を低減するための機器の改良や、オフセットの実施、グリーン電力やカーボン・オフセットの普及活動を継続してまいります。 カテゴリー2023年度排出量(tCO2e)2024年度排出量(tCO2e)割合Scope1000.00%Scope222.653.20.79%Scope35,2606,71399.21%1,購入3081,23218.4%2,資本財1,5531,49022.2%4,輸送(上流)1921512.26%5,事業廃棄物32.44.80.07%6,従業員の出張14.81652.46%7,従業員の通勤1041031.53%8,リース資産(上流)3,0563,56753.1%合計5,2836,766100.00%※ 上記の排出量は、日本法人、中国、香港、オーストラリア、台湾のグループ会社の排出量を含む。 オーストラリア・台湾については連結前の数値を含む、年間数値を組み入れ。 ※ 2024年度よりCO2排出量の算定方法の変更を行いました。 当該算定方法の変更は、過年度分も遡及適用し、2023年度は変更後のCO2排出量となっております。 ※ 環境省、経産省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量の算定に関するガイドライン」に基づき算出。 上記に記載のないカテゴリーは、排出源が存在しない、もしくはScope1、2に含めて算定を実施。 ※ Scope2排出量に関しては、マーケット基準にて算定。 ※ Scope3排出量に関しては、サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer.3.2を用いて算定。 ※ Scope3の排出量は、グリーン電力証書によるオフセット後の数値。 ③ 指標と目標 当社グループでは、今後もCO2排出量の算定を実施し、状況に応じた排出削減策を講じてまいります。 また、Scope3についても適宜オフセットを実施することで、気候変動への対応を実施してまいります。 (3)人的資本当社グループは、2018年4月に香港でモバイルバッテリーのシェアリングサービスを展開するCha Cha Station (Global) Holdings Limited(現 INFORICH ASIA HOLDINGS LIMITED)と業務提携が成立したことから、モバイルバッテリーのシェアリングサービスのChargeSPOT事業を開始いたしました。 当初より日本と香港でサービスを運営しており、グローバルを視野に経営を行っております。 今後も「ChargeSPOT」の海外展開を加速させ、また、新たなビジネスを見つけ・展開していく上では、多様な人材による視点と多彩な能力が必要です。 当社グループの会社経営の中核には「多様なものが混在する中にこそ、多くの可能性がある」という信念があります。 2023年8月にはミッション・ステートメントを「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」にリニューアルし、より一層「垣根」を超える組織とサービスの開発に力を入れてまいりました。 今後も、多様な人材が多様な才能を活かせる環境を整え、社員同士を「Bridge」することで、当社の持続的成長につなげていきます。 ① ガバナンス及びリスク管理 人的資本に関するガバナンス及びリスク管理は、サステナビリティに関する考え方に組み込まれています。 詳細については、(1)サステナビリティに関する考え方の、①ガバナンス及びリスク管理をご参照ください。 また、当社グループでは社外に法令違反行為や社内ルールに違反する行為に関する相談を受け付ける内部通報窓口を設けております。 健康やメンタルヘルスについてや育児などのプライベートな相談もできる外部相談窓口とも契約することで、社員の問題解決支援を行っております。 ② 戦略a.多様な人材の確保 当社グループの2024年12月末時点での常勤の非日本国籍社員は連結で58%、女性社員比率は連結で36%であり、当社グループの社員全体での多様性は高いと言えます。 日本法人の女性管理職比率についても、2023年度実績では5%と低く、2024年度中に10%まで改善することを目標としていましたが、2024年度末時点で18.8%と改善しました。 女性管理職比率(連結)29.0%日本(株式会社INFORICH)18.8%(Trim株式会社)20.0%広州(殷富利(广州)科技有限公司)35.0%香港(INFORICH ASIA HONG KONG LIMITED)33.3%オーストラリア(EZYCHARGE AUSTRALIA PTY LTD)12.5%台湾(ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.)36.3% 日本法人の管理職(執行役員~担当部長)の男女割合は、執行役員、統括部長で差が大きい一方、担当部長では女性割合が30%を超えています。 男性割合女性割合執行役員85.7%14.3%統括部長100.0%0.0%担当部長68.4%31.6%Leader80.6%19.4%Senior Associate42.9%57.1%Associate47.4%52.6% 当社では人事評価を半期に一回実施しておりますが、その際は男女共通の基準で実施しており、2024年度も男女ともに基準を満たした人物を昇進させています。 また、入社時のミッションランクについても、男女問わずスキルに合ったランクを適用しており、女性がマネージャー職として入社するケースも増加しています。 2024年3月2024年9月合計男性昇進者数2名6名8名女性昇進者数4名1名5名合計6名7名13名男性割合33.3%85.7%61.5%女性割合66.7%14.3%38.5% 一方で、日本法人においては、男女の賃金の差異がグループ全体で最も大きく、女性の賃金が男性の賃金に対して、全労働者で60.2%、正規雇用労働者で65.3%になっています。 当社では、男女同一の賃金制度を適用しており、人事評価・人事制度上の男女間の差異は設けておりません。 現在生じている差異は職務、ミッションランクの違いによるものが中心です。 しかし、同一のミッションランク内でも女性の賃金のほうが低い状況にあります。 このことは、当社では中途採用の社員が大半であるため、前職の給与を参考にした給与設定をしている結果だと考えられます。 今後は、各社員が担当している役割を基準に、保有能力と発揮能力を加味した給与レンジを設定していく形式(制度)に変更し、前職の給与による影響を縮小してまいります。 給与レンジ設定の改定により、性別による賃金の差異も改善する見込みです。 b.多様なバックグラウンド/才能を活かす環境の整備 当社グループでは、多様なバックグラウンドや才能を有する社員が活躍できるように、心理的に安全な職場環境の整備を進めています。 2023年11月に当社日本法人で実施した組織・カルチャーサーベイでは、多くの社員が「多様性の尊重と理解」「心理的安全性の担保」「個別環境の理解と尊重」についてポジティブな意見を持っていることが分かりました。 2024年6月時点の調査でも引き続き高い水準を保っていますが、他社平均と比べて低いスコアの項目も出ています。 引き続き、自社内でのスコアの向上を目指してまいります。 2024年6月時点結果2023年11月時点結果全体他社(全体)男性女性多様性の尊重と理解4.0 / 5.03.8 / 5.04.0 / 5.03.8 / 5.0心理的安全性の担保3.8 / 5.04.1 / 5.03.6 / 5.03.7 / 5.0個別環境の理解と尊重4.2 / 5.04.3 / 5.03.9 / 5.04.2 / 5.0 多様性の面では、多国籍のメンバーが様々な部署で働いていることが特徴です。 当社グループは海外にも子会社を有するため、グループ全体での非日本国籍社員は58%と高くなっています。 日本法人内でも、25%の社員が非日本国籍です。 出身地も多様で、中国、台湾、香港、イギリス、韓国、アメリカなど、複数のエリアから社員が集まっています。 ※ 出身地は人数が多い順に記載 また、所属する部署も多岐にわたっており、16ある部署の中で半数以上の10部署が多国籍メンバーで運営されています。 非日本国籍社員比率(連結)58.0%日本(株式会社INFORICH)25.0%(所属部署) Internal Audit(内部監査) Marketing Business Intelligence(データ分析) Overseas Product Engineering Operational Excellence(子会社管理/知財管理) Corporate Planning Legal HR&GA c.グローバルでの連携強化 当社グループは日本国内だけではなく、中国、香港、台湾、オーストラリアにも子会社を有しています。 当社グループの中長期的な企業価値の向上のためには、グループ全体での一体感を醸成し、情報共有を円滑にすることが重要だと認識しています。 現在はグループ内の各社のValueの統一を行っているほか、今後は人事評価の方法やミッションランクの統一を進める予定です。 また、四半期に一回、海外子会社を含んでの全社会議を行うほか、各部署がグローバルでの連携会議を持つなどの情報共有を進めています。 年に一回、フランチャイズ運営企業を含めた全拠点のCEOが集まっての対面会議も実施しております。 d.職場環境整備 当社は現在の原宿オフィスに2018年に入居し、それ以降約6年間、同地で経営を行ってまいりました。 その間、社員数は国内19人から約130人と大幅に増加し、フロア内で増床はしてきたものの、オフィスの収容可能人数を大きく上回っています。 コロナ禍を経て、現在でもリモートワークとオフィス出社のハイブリット型勤務体制をとっておりますが、出社時の会議室やオンライン会議への参加スペースの確保が難しいなど、オフィスの利便性が課題となっています。 また、災害時にも対応できるオフィスとすることが必要です。 今後も社員数の増加が見込まれることと、座席や会議室の確保による生産性の向上を実現すること、また事業継続力の強化を目指す必要があることから、この度移転を決定いたしました。 4月21日を予定している移転後は、席数は93席から197席に大幅に増加します。 現在のオフィスでも、違う部署のメンバーを含む3人以上での飲食に対してはコミュニケーションランチ・コミュニケーションディナーとして補助金を出すなど、出社時のコミュニケーションを促進するための施策を行ってまいりました。 今後も社員の積極的な出社を推奨するとともに、全社員が参加する会議を自社オフィスで開催するなど、社員同士のコミュニケーションを活性化し、エンゲージメントを加速させてまいります。 社員がより働きやすく・活躍できる環境にするために、当社(日本法人)では、スキルの向上とコミュニケーション活性化の機会の提供と、ライフステージが変わっても働けるようにするためのプログラム提供を検討しております。 [スキル向上プログラム]コミュニケーションスキルトレーニング日本法人に在籍する外国籍社員に対して、日本語トレーニングを実施しています。 コンプライアンストレーニング日本法人では、法令遵守/情報保護/ハラスメントなどについてのe-Learning・オンライン研修を実施しています。 海外子会社でも法令遵守/情報保護の研修会を実施し、社員の意識向上に取り組んでおりますLearning Circle毎月、担当部長以上のメンバーが集まり、マネジメントの経験とナレッジをシェアする場を設けています。 新たな気付きやヒントを得て今後のマネジメントに活かしていくことが目的です。 [コミュニケーション促進プログラム]Global CONNECT(全社ミーティング)全社員が集まってのオフラインミーティングを定期的に実施し、会社の現状やプランを理解する機会にしています。 四半期に1回は海外子会社の社員もオンラインで参加し、全社を「CONNECT」しております。 チームビルディング四半期に一回、全社員でのイベントなどを通じたチームビルディングを実施しております。 コミュニケーションランチ/ディナー他部署のメンバーを含む3名以上でランチやディナーに行った場合、飲食代金の補助を行っています。 [ライフサポートプログラム]ハイブリッドワークコロナ禍から開始したハイブリッドワークは社員の柔軟な働き方を支援するため、今後も継続していきます。 フルフレックスタイム制既存のコアタイムをなくしたフルフレックスタイム制を導入し、社員の働き方をより柔軟にしています。 Work with family年30日間、出身地・国でリモートワークができます。 有給の病気休暇通常の年次有給休暇とは別に有給の傷病休暇を設け、年次有給休暇をリフレッシュや疲労回復などの目的に利用することで、メリハリのある勤務を実現します。 正社員自身と正社員の2親等以内の親族の病気・怪我に対して使用することが可能です。 ③指標及び目標 ミッション・ステートメントである「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」を体現した組織にするため、当社グループでは女性管理職比率と、組織・カルチャーサーベイのうち「多様性の尊重と理解」「心理的安全性の担保」「個別環境の理解と尊重」のスコアを重要指標として取り組んでまいります。 女性管理職比率については、日本法人において現在18.8%であるところを2025年度中に20%、2030年度までに30%にすることを目指します。 2024年6月時点結果2025年6月目標全体他社(全体)全体多様性の尊重と理解4.0 / 5.03.8 / 5.04.2 / 5.0心理的安全性の担保3.8 / 5.04.1 / 5.04.0 / 5.0個別環境の理解と尊重4.2 / 5.04.3 / 5.04.3 / 5.0 |
戦略 | ② 戦略 当社が優先的に取り組むべき課題として、自社社員、設置先企業、株主などのステークホルダーの皆様のご意見を伺った上で、ESGに関わるガイドラインなどを参考にしながらマテリアリティ(本業を通じて解決するべき最も重要な課題)を特定しました。 |
指標及び目標 | ③ 指標と目標 当社グループでは、今後もCO2排出量の算定を実施し、状況に応じた排出削減策を講じてまいります。 また、Scope3についても適宜オフセットを実施することで、気候変動への対応を実施してまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ② 戦略a.多様な人材の確保 当社グループの2024年12月末時点での常勤の非日本国籍社員は連結で58%、女性社員比率は連結で36%であり、当社グループの社員全体での多様性は高いと言えます。 日本法人の女性管理職比率についても、2023年度実績では5%と低く、2024年度中に10%まで改善することを目標としていましたが、2024年度末時点で18.8%と改善しました。 女性管理職比率(連結)29.0%日本(株式会社INFORICH)18.8%(Trim株式会社)20.0%広州(殷富利(广州)科技有限公司)35.0%香港(INFORICH ASIA HONG KONG LIMITED)33.3%オーストラリア(EZYCHARGE AUSTRALIA PTY LTD)12.5%台湾(ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.)36.3% 日本法人の管理職(執行役員~担当部長)の男女割合は、執行役員、統括部長で差が大きい一方、担当部長では女性割合が30%を超えています。 男性割合女性割合執行役員85.7%14.3%統括部長100.0%0.0%担当部長68.4%31.6%Leader80.6%19.4%Senior Associate42.9%57.1%Associate47.4%52.6% 当社では人事評価を半期に一回実施しておりますが、その際は男女共通の基準で実施しており、2024年度も男女ともに基準を満たした人物を昇進させています。 また、入社時のミッションランクについても、男女問わずスキルに合ったランクを適用しており、女性がマネージャー職として入社するケースも増加しています。 2024年3月2024年9月合計男性昇進者数2名6名8名女性昇進者数4名1名5名合計6名7名13名男性割合33.3%85.7%61.5%女性割合66.7%14.3%38.5% 一方で、日本法人においては、男女の賃金の差異がグループ全体で最も大きく、女性の賃金が男性の賃金に対して、全労働者で60.2%、正規雇用労働者で65.3%になっています。 当社では、男女同一の賃金制度を適用しており、人事評価・人事制度上の男女間の差異は設けておりません。 現在生じている差異は職務、ミッションランクの違いによるものが中心です。 しかし、同一のミッションランク内でも女性の賃金のほうが低い状況にあります。 このことは、当社では中途採用の社員が大半であるため、前職の給与を参考にした給与設定をしている結果だと考えられます。 今後は、各社員が担当している役割を基準に、保有能力と発揮能力を加味した給与レンジを設定していく形式(制度)に変更し、前職の給与による影響を縮小してまいります。 給与レンジ設定の改定により、性別による賃金の差異も改善する見込みです。 b.多様なバックグラウンド/才能を活かす環境の整備 当社グループでは、多様なバックグラウンドや才能を有する社員が活躍できるように、心理的に安全な職場環境の整備を進めています。 2023年11月に当社日本法人で実施した組織・カルチャーサーベイでは、多くの社員が「多様性の尊重と理解」「心理的安全性の担保」「個別環境の理解と尊重」についてポジティブな意見を持っていることが分かりました。 2024年6月時点の調査でも引き続き高い水準を保っていますが、他社平均と比べて低いスコアの項目も出ています。 引き続き、自社内でのスコアの向上を目指してまいります。 2024年6月時点結果2023年11月時点結果全体他社(全体)男性女性多様性の尊重と理解4.0 / 5.03.8 / 5.04.0 / 5.03.8 / 5.0心理的安全性の担保3.8 / 5.04.1 / 5.03.6 / 5.03.7 / 5.0個別環境の理解と尊重4.2 / 5.04.3 / 5.03.9 / 5.04.2 / 5.0 多様性の面では、多国籍のメンバーが様々な部署で働いていることが特徴です。 当社グループは海外にも子会社を有するため、グループ全体での非日本国籍社員は58%と高くなっています。 日本法人内でも、25%の社員が非日本国籍です。 出身地も多様で、中国、台湾、香港、イギリス、韓国、アメリカなど、複数のエリアから社員が集まっています。 ※ 出身地は人数が多い順に記載 また、所属する部署も多岐にわたっており、16ある部署の中で半数以上の10部署が多国籍メンバーで運営されています。 非日本国籍社員比率(連結)58.0%日本(株式会社INFORICH)25.0%(所属部署) Internal Audit(内部監査) Marketing Business Intelligence(データ分析) Overseas Product Engineering Operational Excellence(子会社管理/知財管理) Corporate Planning Legal HR&GA c.グローバルでの連携強化 当社グループは日本国内だけではなく、中国、香港、台湾、オーストラリアにも子会社を有しています。 当社グループの中長期的な企業価値の向上のためには、グループ全体での一体感を醸成し、情報共有を円滑にすることが重要だと認識しています。 現在はグループ内の各社のValueの統一を行っているほか、今後は人事評価の方法やミッションランクの統一を進める予定です。 また、四半期に一回、海外子会社を含んでの全社会議を行うほか、各部署がグローバルでの連携会議を持つなどの情報共有を進めています。 年に一回、フランチャイズ運営企業を含めた全拠点のCEOが集まっての対面会議も実施しております。 d.職場環境整備 当社は現在の原宿オフィスに2018年に入居し、それ以降約6年間、同地で経営を行ってまいりました。 その間、社員数は国内19人から約130人と大幅に増加し、フロア内で増床はしてきたものの、オフィスの収容可能人数を大きく上回っています。 コロナ禍を経て、現在でもリモートワークとオフィス出社のハイブリット型勤務体制をとっておりますが、出社時の会議室やオンライン会議への参加スペースの確保が難しいなど、オフィスの利便性が課題となっています。 また、災害時にも対応できるオフィスとすることが必要です。 今後も社員数の増加が見込まれることと、座席や会議室の確保による生産性の向上を実現すること、また事業継続力の強化を目指す必要があることから、この度移転を決定いたしました。 4月21日を予定している移転後は、席数は93席から197席に大幅に増加します。 現在のオフィスでも、違う部署のメンバーを含む3人以上での飲食に対してはコミュニケーションランチ・コミュニケーションディナーとして補助金を出すなど、出社時のコミュニケーションを促進するための施策を行ってまいりました。 今後も社員の積極的な出社を推奨するとともに、全社員が参加する会議を自社オフィスで開催するなど、社員同士のコミュニケーションを活性化し、エンゲージメントを加速させてまいります。 社員がより働きやすく・活躍できる環境にするために、当社(日本法人)では、スキルの向上とコミュニケーション活性化の機会の提供と、ライフステージが変わっても働けるようにするためのプログラム提供を検討しております。 [スキル向上プログラム]コミュニケーションスキルトレーニング日本法人に在籍する外国籍社員に対して、日本語トレーニングを実施しています。 コンプライアンストレーニング日本法人では、法令遵守/情報保護/ハラスメントなどについてのe-Learning・オンライン研修を実施しています。 海外子会社でも法令遵守/情報保護の研修会を実施し、社員の意識向上に取り組んでおりますLearning Circle毎月、担当部長以上のメンバーが集まり、マネジメントの経験とナレッジをシェアする場を設けています。 新たな気付きやヒントを得て今後のマネジメントに活かしていくことが目的です。 [コミュニケーション促進プログラム]Global CONNECT(全社ミーティング)全社員が集まってのオフラインミーティングを定期的に実施し、会社の現状やプランを理解する機会にしています。 四半期に1回は海外子会社の社員もオンラインで参加し、全社を「CONNECT」しております。 チームビルディング四半期に一回、全社員でのイベントなどを通じたチームビルディングを実施しております。 コミュニケーションランチ/ディナー他部署のメンバーを含む3名以上でランチやディナーに行った場合、飲食代金の補助を行っています。 [ライフサポートプログラム]ハイブリッドワークコロナ禍から開始したハイブリッドワークは社員の柔軟な働き方を支援するため、今後も継続していきます。 フルフレックスタイム制既存のコアタイムをなくしたフルフレックスタイム制を導入し、社員の働き方をより柔軟にしています。 Work with family年30日間、出身地・国でリモートワークができます。 有給の病気休暇通常の年次有給休暇とは別に有給の傷病休暇を設け、年次有給休暇をリフレッシュや疲労回復などの目的に利用することで、メリハリのある勤務を実現します。 正社員自身と正社員の2親等以内の親族の病気・怪我に対して使用することが可能です。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ③指標及び目標 ミッション・ステートメントである「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」を体現した組織にするため、当社グループでは女性管理職比率と、組織・カルチャーサーベイのうち「多様性の尊重と理解」「心理的安全性の担保」「個別環境の理解と尊重」のスコアを重要指標として取り組んでまいります。 女性管理職比率については、日本法人において現在18.8%であるところを2025年度中に20%、2030年度までに30%にすることを目指します。 2024年6月時点結果2025年6月目標全体他社(全体)全体多様性の尊重と理解4.0 / 5.03.8 / 5.04.2 / 5.0心理的安全性の担保3.8 / 5.04.1 / 5.04.0 / 5.0個別環境の理解と尊重4.2 / 5.04.3 / 5.04.3 / 5.0 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。 当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、顕在化の回避及び顕在化した場合の迅速な対応に努める方針であります。 具体的には、当該リスクを把握し、管理する体制・枠組みとして当社内にコンプライアンス・リスク管理委員会を設置して対応しております。 詳しくは「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 イ 企業統治の体制の概要 f.コンプライアンス・リスク管理委員会」をご参照ください。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 <経営環境に関するリスク>(1)当社グループ事業が対象とする市場について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:重) 当社グループの展開するChargeSPOT事業が属するモバイルバッテリーのシェアリングサービスの市場は年々拡大しておりますが、環境整備や新たな法的規制の導入、その他何らかの要因によってモバイルバッテリーのシェアリングサービスの市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。 当社グループは、アプリケーションと連携した広告展開や他社との差別化を推進することで当該リスクの低減を図っておりますが、当該リスクの顕在化によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループのマーケティングソリューションの中心であるデジタルサイネージを活用した広告の市場では、広告配信手法や販売メニューが多様化し、競争が激化する傾向にあります。 また、デジタルサイネージ市場の他に革新的な広告方法や広告配信技術が出現した場合、デジタルサイネージへの需要が縮小する可能性があります。 当社グループは、広告効果の継続的なモニタリングを行い、新機能や新たな技術の研究開発を推進することで当該リスクの低減を図っておりますが、当該リスクの顕在化によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合環境が激化するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループの展開するモバイルバッテリーのシェアリングサービスは規制業種ではなく、また、モバイルバッテリーやバッテリースタンドの製造はOEMが可能なため、同サービスへの参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。 サイネージサービスにおいては、例えば銀行業におけるATMでのデジタルサイネージ等、既にさまざまな業種でデジタルディスプレイによるサイネージサービスが展開されております。 これら競合となり得るサービスはこれからも増加することが想定されます。 当社グループが展開する国内ChargeSPOT事業のモバイルバッテリーのシェアリングサービスのマーケットシェアは、バッテリースタンド設置台数ベースで約8割※を占めており、収益基盤は安定していると考えております。 また、サービス開始時から、カスタマーサポート体制の充実、バッテリーの偏在を解消するためのシステムの精緻化、バッテリースタンドおよびバッテリーの改善など、ユーザーの利便性と設置先さまの安心感を高めるための取り組みを進めてまいりました。 バッテリースタンドの設置台数の多さとサービスレベルの高さは、当社サービスにとっての競合優位性であると言えます。 海外ChargeSPOT事業では、香港・台湾、Ezychargeでは第一位のシェアを獲得しています※。 今後も、日本国内で既に設置している企業の海外店舗への設置を進めるなどの協力体制を強化するとともに、現地子会社を通じて積極的な設置を続けてまいります。 中国本土は当社グループの研究開発拠点としてプロトタイプ実験などを継続して行うことで、グループ全体の製品品質の向上につなげていきます。 当社グループは、今後もバッテリースタンド設置台数及びユーザー数拡大、サービスレベルのさらなる向上に向けて種々の施策を講じていく計画ですが、競合環境の激化によりこれらの計画が想定どおり進行しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ※ 2024年12月末時点の当社グループの設置台数と競合他社が公表している台数を基に当社で算出 (3)技術革新について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:重) 近年、スマートフォンやモバイルバッテリーに関連する新しい製品やテクノロジーが次々と開発されております。 ChargeSPOT事業を牽引するニーズはスマートフォンの電池性能に大きく影響されるため、将来発売されるスマートフォンの内蔵バッテリーの電池性能の向上は、当社グループの事業活動及び業績に大きな影響を与えます。 当社グループが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下する可能性があります。 当社グループにおいては、関連するテクノロジーの最先端である中国広東省広州市に研究開発拠点を設け、最新の技術革新への対応を図ることにより当該リスクの低減を図っておりますが、当該リスクの発生によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 スマートフォンに内蔵されるリチウムイオンバッテリーは、購入後2年が経過した時点を目安に電池充電容量が80%まで低下する性質を持っています※1。 一方で、スマートフォンの買い替え周期は機種の高額化などによって長期化しており、2022年時点ではおよそ4年7ヶ月になっています※2。 バッテリーの内蔵電池容量は1994年以来、年平均で約11%増加していますが、同時にディスプレイの高精細化、アプリケーションの高容量化などによってスマートフォンの消費電力量も年間平均17.9%増加しています。 その結果、電池容量と消費電力の差分は28年累計で5倍の乖離が発生しています。 リチウムイオン電池の性能は負極材料の改良等による改善の可能性があるものの、現在の電池性能を大きく上回り、上記のとおり今後一層の増加が予想される消費電力を完全に賄うことができる程のイノベーションが発生する可能性は必ずしも高くないと考えております。 また、リチウムイオン系の電池以外の電池技術に関しても、技術及び価格の両側面においてスマートフォンで利用可能となるまでに相当程度の長期間を要するものと考えております。 当社グループは、バッテリー技術の動向を継続的にモニタリングしており、重要な技術革新には遅滞なく打開策を策定してまいります。 しかしながら、当社グループの想定していない電池分野における急速な技術革新により、重度なスマートフォン利用にもかかわらず長時間追加充電を必要としないバッテリー等、消費電力の増加を賄うことができる高性能なバッテリーを内蔵したスマートフォンが広く普及する事態となった場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ※1 「移動端末用リチウムイオン電池の容量劣化特性」(NTT DoCoMo テクニカル・ジャーナル)による※2 内閣府「2022年度版・消費動向調査」 (4)通信インフラ環境やネットワーク環境について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:軽) 当社グループが展開するChargeSPOT事業は、通信インフラ環境やサーバー等のネットワーク環境に依存しております。 当社グループは、安定的なサービス提供のため、通信業者の分散化、サーバーの負荷分散及び監視強化、障害が発生した際に早急に復旧するための体制整備等を進めております。 しかしながら、自然災害や事故、サイバー攻撃、サービス利用者急増に伴う負荷、その他何らかの事由によって当該環境に障害が発生し、サービスを停止せざるを得ない状況となった場合は、機会損失、顧客への損害の発生、サービスに対する信頼性の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)海外に事業を展開していること(政治や規制など)(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループは、日本国内のほか、アジアを中心に海外でも事業を展開しております。 また、ChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリー及びバッテリースタンドの研究開発拠点及び生産委託先企業は中国にあります。 当社グループは、中国以外に所在する生産委託先の開拓を進める等、同国への依存度の低下を推進しておりますが、同国の政治・経済・社会情勢の変化に伴い、事業環境の悪化や従業員の流出等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、政治的・経済的要因等により、予期できない投資規制、移転価格税制を含む税制や法的規制の変更等が当社グループが事業を展開している国等で行われた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)自然災害等について(顕在化の可能性:-、顕在化の時期:-、影響度:中) 地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電(以下「自然災害等」という)が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 特に、昨今の気候変動によって気象災害が頻発していることは、当社グループの所有するバッテリースタンドへの影響やレンタル数の低減に繋がる可能性のある重大なリスクだと認識しております。 また、当社グループの主要な事業拠点である日本の首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等がやむを得ず一時的に停止する可能性もあり、当社グループの信頼性やブランドイメージを毀損する可能性があります。 当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等、有事の際の対応策の整備を進めております。 また、自然災害等の発生によって首都圏での災害後対応が難しい場合には他エリアの営業拠点に災害対策本部を設置することを想定しています。 しかしながら、自然災害等の発生による影響を完全に回避できる保証はなく、物的、人的損害が甚大である場合には事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。 このように、自然災害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)感染症について(顕在化の可能性:-、顕在化の時期:-、影響度:中) 当社グループが提供するサービスは、ヒトの移動に深く連動しております。 感染症拡大に伴い政府による緊急事態宣言等が発令された場合、外出自粛や飲食店・サービス業の運営自粛により人流が抑制され、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループにおいては、コンビニエンスストア等の外出制限時にも往訪頻度が高い場所へバッテリースタンドの設置を進めることで当該リスクの低減を図っておりますが、当該リスクの顕在化によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、生産拠点である中国国内で感染症が拡大した場合は、生産委託先の工場の閉鎖、工場作業員の感染による生産性の低下などのリスクがあります。 当社グループでは年間の発注計画を早期に取りまとめ、オーダー時期を早める事で納期遅延のリスク低減を図っております。 また、工場の閉鎖が長期化した場合には、生産委託先工場の中国外の拠点に生産ラインを変更できるように体制を整えておりますが、当該リスクの顕在化によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)風評被害について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:-、影響度:中) 当社グループの事業運営に関し、悪意を持った第三者が、意図的に噂や憶測、悪評を流すなどした場合は、当社グループに対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じる可能性があります。 また、当社の「ChargeSPOT」を設置している店舗や施設、その運営企業や、サイネージに広告を出稿している企業、「CheerSPOT」に参画しているアーティストやその事務所などに法令違反やコンプライアンス上の重大な問題が発生した場合、「ChargeSPOT」や当社のブランド力に悪影響が生じる可能性があります。 これらの場合、顧客マインドにマイナスの影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、倫理規程の周知やコンプライアンス研修の実施により、役職員のコンプライアンス意識の醸成を図ることで健全な企業経営を推進してまいります。 また、他社との契約等の際のチェックを重視するとともに、契約後も必要に応じて取引の緊急停止などの措置を講じる方針です。 また、悪意のある風評等には毅然とした姿勢で対応する方針です。 <経営戦略に関するリスク>(9)継続的な投資と損失計上について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループの展開するChargeSPOT事業は、投資が先行し、事業規模の拡大につれて収益性が高まるという特性があります。 当社グループは、スピード重視の経営と積極的な投資を実施し事業規模が拡大した結果、2023年度12月期の連結業績が黒字化いたしました。 しかし、中長期的な成長のためには今後も引き続き設置数増加や新たなタイプの機種の開発などへの投資を継続する必要があります。 国内では既存モデルのバッテリースタンドの設置を増やすとともに、自動販売機モデルの設置も加速させることで、屋外を含めた新たな場所の獲得を進めてまいります。 海外でも、既存直営エリアでの設置数の増加を進めるとともに、イギリス子会社を拠点とした欧州への展開を加速させてまいります。 既に開示している通り、2025年中にイタリアでの直営展開を開始する予定です。 投資については財政状況を見ながら決定し、今後も黒字が継続するものと考えておりますが、当該投資によっても当社グループが想定している成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)フランチャイズについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:軽) 当社グループの海外展開においては、効率的な事業運営のため、当社グループの中国の一部、タイ、シンガポール及びマカオにおけるChargeSPOT事業を、フランチャイズ契約により展開しております。 フランチャイジーの選定においては、現地での事業運営に寄与する営業力や経営資金を有することを重視しており、現地でのビジネス立ち上げのスピードを早めております。 しかしながら、何らかの理由で事業の立ち上げや運営に支障が生じた場合や、フランチャイズ先においてブランドイメージ等に悪影響を及ぼすような事態が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)新規事業、業務提携や企業買収等について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループは事業を運営していく中で継続的な成長性や収益性等を維持するため、他社との業務提携または企業買収(以下、「企業買収等」という)を行ってきました。 今後も中長期的な成長を目的とした企業買収等を実施する可能性があります。 その際、当該企業買収等が想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合や企業買収後の内部統制が有効に機能せず、当該企業での不祥事等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループにおいては、企業買収等を実施する前に外部専門家による綿密なデューデリジェンスや事業価値評価を実施することで当該リスクの低減を図っておりますが、当該リスクの顕在化によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループは、ChargeSPOT事業で築いた設置先とユーザーとのネットワークを基盤に、新たな収益機会を発掘するプラットフォーム事業の展開を進めています。 2024年には、ファンが個人でアーティストやIPコンテンツ等への応援を発信できる「CheerSPOT」を新規事業として開始しており、今後も新たなサービスを開始する可能性があります。 新規事業の開始に際しては市場環境や必要な許認可等の取得などの事前の精査を行ってまいりますが、その際、当該事業が想定した成果を得ることができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 <企業体制に関するリスク>(13)内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社グループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。 また、業務の有効性及び効率性、報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備、運用しております。 しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の整備、運用が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)有能な人材の確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中) 当社グループの事業においては、各業務分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大に応じて継続した人材の確保が必要であると考えております。 「GROW GLOBAL」を目指す上で重要な、グローバルでの知見を有する人材のほか、子会社の増加に対応するため、高度なガバナンス能力を有する人材の確保を重要事項と定め、採用に取り組んでおります。 当社グループにおいては、優秀な人材を採用するための手法を取り入れつつ採用広報を積極的に実施することで安定的な人材の確保に努めております。 しかし、今後、各業務分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合又は在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)特定の人物に対する依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:重) 当社グループの創業者は、当社の代表取締役社長兼執行役員CEOの秋山広宣であります。 同氏は、日本語の他、英語、中国語を使いこなすことができ、また、中国におけるネットワークを有していることから、当社グループの海外展開において重要な役割を担っております。 さらに、当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定等の事業運営において、重要な役割を果たしております。 当社グループとしては、特定の役職員に依存しない組織的な経営体制の構築に努めておりますが、専門的な知識、技術及び経験を有する同氏に、何らかの理由によって不測の事態が生じた場合、又は、同氏が早期に退任するような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度の関連当事者取引の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載のとおりであります。 <事業運営に関するリスク>(16)モバイルバッテリー及びバッテリースタンドの不具合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループがChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリー及びバッテリースタンドは、市場投入後に不備が発生し、想定していた収益を生まない可能性や当該製品の回収費用等が発生する可能性があります。 当社グループでは、製造委託先の分散化を進めており、品質に問題が発生した場合の損失軽減を図っております。 また、製品の検品体制を強化しており、開発段階のみならず量産段階においてもパーツごとの耐久テストを継続的に行っております。 さらに、安定した品質を保つべく常時デザインの改良を行っており、新しいデザインを市場に投入する際は、小規模のテスト設置を行った上で段階的に設置拡大することでリスクの最小化を図っております。 品質管理部門においては、隔週で日本と中国間の情報共有の場を設け、製品品質に問題が無いことを確認しております。 また、想定されるリスクについては、四半期に一度のコンプライアンス・リスク管理委員会で定常的な検討を行い、万が一品質に問題が発生した場合やその可能性を認識した場合は、直ちに臨時のコンプライアンス・リスク管理委員会を召集し迅速に対応することとしております。 昨今では、インターネット等で日本の安全基準を満たしていない海外製のモバイルバッテリーの流通が増えているほか、モバイルバッテリーを自動車内に放置するなどの危険な使い方が起きていることによって、バッテリーから発火する事故が発生しています。 当社グループで使用しているモバイルバッテリーは、「電気用品安全法」(PSE法)に定められた「電気用品」に該当し、当該基準に適合しているものです。 引き続き安全性の高いバッテリーを使用するとともに、ユーザーに対してはモバイルバッテリー全般を危険な形で使用しないように啓蒙活動を実施してまいります。 当社グループでは、上記のような対策を講じリスクの低減を図っておりますが、当該リスクの顕在化によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (17)バッテリースタンドの設置先について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:重) 当社グループがChargeSPOT事業で使用するバッテリースタンドの設置先は、ユーザーにとって利便性が高い場所にあるという理由からコンビニエンスストア内の占める割合が相対的に高い状態となっております。 かねてより、複数のコンビニエンスストアチェーンに導入していただいているほか、他業種への設置も進め、リスクの低減化を図っております。 しかしながら、何らかの理由で大手コンビニエンスストア等との設置契約が継続的に更新されない場合は、バッテリースタンドの設置台数が大幅に減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (18)ラウンダー委託会社について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:-、影響度:重) 当社日本法人では、バッテリーの偏在を解消するためのラウンダー作業を外注しております。 半数ほどの作業を「スポットワーカー」のマッチングプラットフォームを経由して依頼しておりますが、プラットフォームの運営企業に予期せぬ事態が発生した場合、偏在解消作業が滞る可能性があります。 当社では、軽貨物配送サービスを展開する企業にも委託を行う、エリア内でのラウンダー担当アルバイトを採用するなどして分散を図っております。 ラウンダー業務委託先を複数にすることも検討し、サービス停止時の移管先も確保しておりますが、当該事象が発生した場合、サービスの品質低下によって財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (19)主要な原材料について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社グループが委託生産しているモバイルバッテリー及びバッテリースタンドにはディスプレイや汎用モジュールなどの多くの部材が使用されております。 当社グループは、仕入先の多角化を進めるとともに、一定数の在庫を確保しております。 需給バランスの崩れ等により購入価格に影響がでた場合や計画通りに購入できない場合にも即時に影響が出ないように対策を行なっておりますが、長期的に購買ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (20)製造物責任について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループがChargeSPOT事業で使用しているモバイルバッテリー及びバッテリースタンドは、中国本土の外部工場へ生産委託を行っておりますが、製品開発は当社グループが行っており製造物責任を負っております。 そのため、モバイルバッテリー及びバッテリースタンドの欠陥により第三者に発生した事故等により、当社グループの社会的信用の低下や多額の賠償義務が生じる場合があります。 当社グループは、当該外部工場に厳格な品質管理体制の構築を求めること及び賠償責任保険の付保により当該リスクの低減を図っております。 また、大型のバッテリースタンドについては倒れにくい設計にしているほか、必要に応じて設置時の固定を実施し転倒による事故を防いでいます。 しかしながら、当該リスクの顕在化によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)情報セキュリティについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:-、影響度:軽) 当社グループは、ユーザーの個人情報、その他業務上必要な情報を保有しております。 このような機密性の高い情報を適切に管理するため、当社はプライバシーマーク(JISQ15001)を取得し、個人情報保護規程等の社内規程に基づいた情報管理に関する社内ルールの周知徹底を図っております。 さらに、セキュリティ対策には万全の措置を講じ、定期的にこれらの規程を見直し、改善しています。 また、情報漏洩等が発生した場合の社内対応フローを整え、従業員向けの定期的なセキュリティトレーニングを実施すると共に、社内外の専門家に相談できる体制も確立しています。 加えて、サイバー攻撃を予防、検知し、対応する体制を構築し、情報セキュリティ関連の法律や規制を厳格に遵守しています。 しかし、万が一これらの情報がサイバー攻撃など多岐にわたる脅威によって漏洩した場合は、当社グループの信用やブランド価値が毀損し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 <規制等に関するリスク>(22)法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:重) 当社日本法人が行うモバイルバッテリーのシェアリングサービス事業は、現時点においては許認可等を要する規制業種には該当しませんが、事業運営に当たり、消費者契約法、景品表示法、電気用品安全法など多くの法律、法令や自治体の定める条例等による法規制を受けております。 当社グループでは、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において各種法令違反となる事由は発生しておりませんが、将来において新たな法的規制の導入や大規模な改正、規制の強化等が生じた場合には、当社日本法人の事業活動が大幅に制約されることとなり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (23)許認可について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:軽) 当社日本法人が行うモバイルバッテリーのシェアリングサービス事業は、現時点においては許認可等を要する規制業種には該当しませんが、将来において新たな法的規制の導入や大規模な改正、規制の強化等が生じた場合には、当社日本法人の事業活動が大幅に制約されることとなり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (24)知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中) 当社グループが提供するサービスについて、現時点で第三者の知的財産権を侵害するものはないと認識しております。 今後も、国内外で弁理士・弁護士などの専門家に相談しながら知的財産権侵害を回避するための必要な措置を講じていく方針です。 また、当社グループの保有する知的財産権が侵害されることがないよう、知的財産権の管理業務の一部を外部の専門家へ委託すると共に、関連部署が共同して知的財産権の保全に努めております。 しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、または第三者により当社グループの知的財産権が侵害された場合は、当該第三者から損害賠償請求を受ける、または第三者からの権利侵害により不利益を被る等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 <会計税務に関するリスク>(25)固定資産の減損について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、回収可能性が見込めなくなった固定資産については減損処理を実施する方針であります。 当社グループは、ChargeSPOT事業で使用しているモバイルバッテリー、バッテリースタンドを固定資産に計上しておりますが、当該資産から得られるキャッシュ・フローの状況等が悪化し、それらの回収可能性が著しく低下した場合には減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、各拠点ごとに「ChargeSPOT」の稼働状況に関する実績データを集積及び解析し、稼働が見込める場所に集中投資するなど設置戦略に反映することで当該リスクの軽減を図っております。 (26)のれん及び顧客関連資産の減損について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社グループは、M&Aの実施に伴い発生したのれん及び顧客関連資産を連結貸借対照表に計上しております。 当該のれんは、今後の事業活動により期待される将来の超過収益力に基づき算定しており、顧客関連資産は、既存顧客との継続的な取引関係により生み出すことが期待される期待収益の現在価値として算出しております。 今後、事業環境の変化等により収益性が低下した場合に、当該のれん及び顧客関連資産について減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (27)税務上の繰越欠損金及び繰延税金資産について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:軽) 当連結会計年度末において、当社グループには税務上の繰越欠損金が存在しております。 そのため、現在は通常の税率に基づく法人税等が課せられておりません。 今後、繰越欠損金の使用、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税等の負担が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討し、繰延税金資産を計上しています。 しかしながら、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合、また、税率変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (28)為替の変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:軽) 当社グループは、日本国内のほか、アジアを中心に海外でも事業を展開しております。 各地域における売上、費用、資産、負債を含む現地通貨建てでの取引による項目は、円換算し連結財務諸表を作成しております。 円換算時の為替レートにより、これらの項目はもとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 また、外国通貨建て取引については、予測を超えた為替変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 本書の提出日現在、当社グループでは、為替予約等は行っておりませんが、当該リスクの変化を継続的に評価するとともに、今後は、為替予約等のリスクヘッジ取引の利用を検討してまいります。 <株主に関するリスク>(29)配当政策について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) 当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置づけておりますが、創業して間もないことから、現状では、持続的成長と事業拡大に向けた積極的な投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、創業以来配当は実施しておりません。 将来的には、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。 なお、内部留保資金については、更なる事業拡大のための設備投資、海外展開エリアの開拓のための投資、人材採用及び研究開発等に活用していく予定であります。 (30)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:軽) 当社グループは、役職員及び社外協力者に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。 連結会計年度末日における新株予約権による潜在株式数は811,145株であり、これは発行済株式総数及び潜在株式数の合計10,314,020株の7.9%に相当いたします。 これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 <その他のリスク>(31)事業歴が浅いことについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:-、影響度:中) 当社は、2015年9月に設立され、2018年4月にChargeSPOT事業をローンチした比較的事業歴の浅い会社です。 ChargeSPOT事業におけるモバイルバッテリーのシェアリングサービスは、国内初の事業であり当社グループはそのマーケットリーダーでもありますが、未だ成長過程にあると認識しており、今後も積極的な成長投資等により一定期間業績が安定しない可能性があります。 また、当社グループはIR・広報活動等を通じて積極的に経営状況を開示していく方針でありますが、過年度の経営成績は期間業績比較を行うための有効な材料とならず、今後の業績等を判断する情報としては不十分である可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。 ① 財政状態の状況(流動資産) 当連結会計年度末における流動資産の残高は10,526,374千円(前連結会計年度末比4,595,025千円増)となりました。 これは主に、現金及び預金が4,334,640千円増加したこと等によるものであります。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は8,382,029千円(前連結会計年度末比5,559,915千円増)となりました。 これは主に、バッテリースタンドの新規設置及びモバイルバッテリーの取得等に伴うリース資産が264,385千円、工具、器具及び備品が321,428千円、建設仮勘定が143,081千円増加し、また、新規連結子会社の取得により工具、器具及び備品が853,232千円、のれんが2,924,711千円増加したこと等によるものであります。 (流動負債) 当連結会計年度末における流動負債の残高は10,663,013千円(前連結会計年度末比5,764,930千円増)となりました。 これは主に、契約負債が1,190,993千円、短期借入金が3,214,787千円増加したこと等によるものであります。 (固定負債) 当連結会計年度末における固定負債の残高は2,854,815千円(前連結会計年度末比2,080,965千円増)となりました。 これは主に、長期借入金が1,545,321千円、リース債務が309,433千円増加したこと等によるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産の残高は5,390,574千円(前連結会計年度末比2,309,044千円増)となりました。 これは主に、欠損補塡を目的とする減資による資本金334,382千円減少、資本剰余金3,366,700千円減少、利益剰余金3,701,082千円増加、また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,061,074千円、為替換算調整勘定が51,318千円増加したこと等によるものであります。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は緩やかに持ち直しの動きを見せていますが、実質賃金の増加幅はごく僅かにとどまり、消費の持ち直しは限定的なものにとどまっています。 世界経済では、米国の保護主義化によって中国をはじめとした各国経済の先行きが不安視されています。 各国の政治の不安定化が今後の情勢を左右する可能性もあり、注視が必要です。 ChargeSPOT事業が対象とするモバイルバッテリーのシェアリングサービスの市場規模について、同サービス世界最大のマーケットである中国では、2023年12月末現在約517万台(出所:Fastdata,「2023 China Shared Power Bank Industry Trend Report」)のバッテリースタンドが稼動しており、年間約2.8億人がモバイルバッテリーのシェアリングサービスを使用しています。 中国と日本では、市場、技術及び文化等の相違はあるものの、中国での市場規模の推移は今後の日本におけるモバイルバッテリーのシェアリングサービスの普及を予想する上で、一指標になるものです。 「ChargeSPOT」はモノを所有するのではなく貸し借りすることで使用する、シェアリングエコノミーを前提としたサービスです。 昨今の環境意識の高まりなどを受けて、シェアリングエコノミーを積極的に活用するユーザーが一定数存在しています。 一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2024年度調査結果 2025年1月公表」においては、2024年度のシェアリングエコノミーの市場規模は3兆1,050億円(※1)で、2022年度比で18.7%増加しています。 今後もシェアリングエコノミー市場は拡大していくものと想定されます。 2023年4月に行った株式会社電通の調査に基づく当社の推計では、帰宅するまでにスマートフォンの充電が切れる人は約3,950万人、さらにそのうちの1,600万人は1日の外出時間中に最低2回以上の充電を必要としています。 スマートフォンに使用されているリチウムイオン電池は、約600回の充電(概ね2年程度の使用)によって充電容量が80%に低下する特性を持っています(※2)。 しかし、スマートフォンの高価格化が進んだ現在、スマートフォンの買い替えサイクルは4年7ヶ月に長期化しています(2022年度版の内閣府・消費者動向調査による)。 この頃には、充電容量は新品時の30%程度にまで低下してしまいます(※2)。 生活をする上でスマートフォンが欠かせないものになっている現在、数年以上使用したスマートフォンを使っている人が外出中に充電したいと感じることは自然なことと言えます。 昨今、バッテリーについての研究が世界各国で盛んに実施されていますが、スマートフォンの電池のみを念頭に置いた場合、現在使用されているリチウムイオン電池以上のものは少なくとも2030年までには開発され得ないと想定されます(※2)。 EV自動車やドローンなどのために開発される技術のスマートフォンへの転用は、小型化と安全性という観点で大きなハードルがあり、バッテリー技術の向上がスマートフォン性能の向上に直結するとは限りません。 また、旧来よりリチウムイオン電池自体の性能の向上も行われており、内蔵電池の容量は年平均で11.6%増加しています(※2)。 しかし、ディスプレイの高精細化やアプリケーションの高容量化、5G対応などによって、スマートフォンの平均消費電力量は17.9%と、内蔵電池容量以上に増加しています(※2)。 以上のことから、外出中の充電のニーズは非常に高く、今後も高まっていくものと想定されます。 ※1 市場規模は資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額と定義 ※2 当社調べ また、株式会社CARTA HOLDINGSが株式会社デジタルインファクトと共同で実施した「リテールメディア広告市場調査 2025年1月23日公表」によれば、2024年の国内のリテールメディア広告の市場規模は、前年度比125%増の4,692億円に成長しました。 そのうち147億円は店舗のデジタルサイネージを活用したものと推計されています。 2028年の予測では、リテールメディア広告市場は2024年比約2.3倍の1兆845億円規模、そのうちデジタルサイネージは350億円規模に拡大すると予測されております。 当社の新サービスである「CheerSPOT(チアスポット)」については、「オタク」の活性化も普及につながると考えられます。 矢野経済研究所の「オタク」市場に関する調査によると、2023年の「オタク」市場全体の市場規模は約8,176億円に上ると見込まれ、年々成長しています。 ファンがアイドルなどへの「応援」のメッセージを広告面などに掲載する応援方法に関する市場も国内約300億円規模だと推定されています。 このような状況の中、当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、新たなビジネス機会の創出に取り組んでまいりました。 バッテリースタンドの設置台数は2024年12月末時点で当社グループ全体では66,472台、国内では47,330台となり、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向けて増加させております。 月間アクティブユーザー数(四半期平均)は当社グループ全体では1,537千人、国内では1,020千人になりました。 月間レンタル数(四半期平均)も当社グループ全体では283万回、国内では190万回になりました。 フランチャイズ展開を行っているタイ、シンガポール、マカオを含めると、設置台数は71,073台になり、サービスの裾野がグローバルに広がっています。 当社は、「ChargeSPOT」の設置を通じて、幅広い業種の店舗や施設との関係性を築いてきました。 「VISION2030(中期経営計画)」では、この関係性と多数のユーザーを土台にし、新たな収益機会を獲得することをプラットフォーム事業と定義し、重点領域に設定しています。 11月には、完全個室型ベビーケアルーム「mamaro」を提供するTrim株式会社を子会社化しました。 「mamaro」は性別問わずに利用できる1畳程度のコンパクトな設計の完全個室型のベビーケアルームです。 授乳やおむつ替え、離乳食の際などに利用することができ、商業施設や公共施設、駅やレジャー施設を中心に設置が進んでいます。 ベビールームの中にはモニターがあり、広告を配信することも可能です。 「ChargeSPOT」のサイネージに加え、「mamaro」内のモニターの活用も進めていきます。 今後は、当社が今までに築いてきた設置先への展開を進めることで「mamaro」設置数の増加を目指すほか、「ChargeSPOT」を運営しているエリアをはじめとした、グローバルへの展開も検討してまいります。 また、当社が築いてきた海外の協力工場との関係性をもとに製造におけるコスト削減を行うことで、売上伸長とコストカットの両面でのシナジーも見込んでおります。 かねてより進めていた「ChargeSPOT」のバッテリースタンドに付属するサイネージの活用にも引き続き取り組んでまいりました。 当社が展開している「ChargeSPOT」のサイネージは日本全国の人流が多い場所に設置されていることから、台数の増加にともなって広告面としての価値も向上していくものと考えています。 12月には新たなサービスとして、「CheerSPOT」を開始しました。 「CheerSPOT」は、「ChargeSPOT」のデジタルサイネージにおいて、ファンが個人でアーティストへの応援を発信できる新たなプラットフォームです。 このプラットフォームの開始によって、個人が「ChargeSPOT」デジタルサイネージの広告枠を購入し、自分の好きなアーティストやタレントを「Cheer(応援)」することができるようになりました。 ユーザー数の拡大を目指すべく、今後も参加アーティストの増加に取り組んでまいります。 また、「ChargeSPOT」をフランチャイズ展開しているタイでのサービス提供も開始するなど、エリアの拡大も行っています。 これらの結果、売上高は大きく増加し、10,701,124千円(前連結会計年度比39.3%増)となりました。 EBITDA(注)2,963,557千円(前連結会計年度比110.3%増)、営業利益は1,662,265千円(前連結会計年度比175.3%増)、経常利益は1,751,485千円(前連結会計年度比176.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,061,074千円(前連結会計年度比260.4%増)となりました。 当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知度向上及び利用拡大へ取り組んでまいります。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、9,061,496千円と前連結会計年度末に比べ4,634,495千円の増加となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、3,938,784千円(前連結会計年度は2,430,079千円の獲得)となりました。 これは主に増加要因として、税金等調整前当期純利益1,586,507千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益473,519千円)、減価償却費1,210,663千円(前連結会計年度は805,522千円)、減損損失153,579千円(前連結会計年度は148,074千円)等があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、4,673,415千円(前連結会計年度は959,130千円の使用)となりました。 これは主に、モバイルバッテリー、バッテリースタンド等の取得による有形固定資産の取得による支出1,634,914千円(前連結会計年度は1,148,714千円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,186,656千円等があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は、5,135,216千円(前連結会計年度は885,077千円の獲得)となりました。 これは主に、短期借入金の純増額3,214,787千円(前連結会計年度は975,500千円)、長期借入れによる収入1,811,120千円(前連結会計年度は30,000千円)、セール・アンド・リースバックによる収入1,500,723千円(前連結会計年度は1,140,645千円)、新株予約権の行使による株式の発行による収入160,714千円(前連結会計年度は109,017千円)等があった一方で、長期借入金の返済による支出196,567千円(前連結会計年度は41,100千円)、リース債務の返済による支出1,321,896千円(前連結会計年度は1,359,414千円)等があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 販売実績は、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)当連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)ChargeSPOT事業金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)7,681,681175.010,701,124139.3 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。 これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。 当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,019,443千円増加し、10,701,124千円(前連結会計年度比39.3%増)となりました。 これは主に、国内の料金改定とM&Aによる新規連結子会社の貢献によるものであります。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて439,563千円増加し、2,371,841千円(同22.7%増)となりました。 これは主に、バッテリースタンドの増設に伴う減価償却費の増加及びレンタル数の増加に伴う支払手数料の増加によるものであります。 その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2,579,879千円増加し、8,329,283千円(同44.9%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて1,521,519千円増加し、6,667,017千円(同29.6%増)となりました。 これは主にバッテリースタンドの増設に伴う地代家賃に含まれる設置料の増加、レンタル収益の増加に伴うロイヤリティの増加及び人員増加に伴う人件費の増加、M&Aに伴う業務委託費やのれん償却額の計上によるものであります。 その結果、営業利益は1,662,265千円(前連結会計年度は603,905千円の営業利益)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて83,897千円増加し、226,036千円(同59.0%増)となりました。 これは主に、受取利息及び受取配当金の増加によるものであります。 当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて24,490千円増加し、136,816千円(同21.8%増)となりました。 これは主に、支払利息130,458千円計上したことによります。 その結果、経常利益は1,751,485千円(前連結会計年度は633,718千円の経常利益)となりました。 (特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益) 当連結会計年度の特別利益は、債務免除益14,785千円を計上しております。 当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて19,563千円増加し、179,762千円となりました。 これは主に、ChargeSPOT事業で利用するモバイルバッテリーの一部について、除却予定となり将来の使用が見込まれていないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失153,579千円を計上したことによります。 その結果、税金等調整前当期純利益1,586,507千円(前連結会計年度は473,519千円の税金等調整前当期純利益)となりました。 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の法人税等合計は、△483,576千円(前連結会計年度の法人税等合計は△96,603千円)となりました。 これは主に、今後の業績見通し等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産が増加したことから、法人税等調整額△498,753千円(前連結会計年度の法人税等調整額は、△114,583千円)を計上したことによります。 その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,061,074千円(前連結会計年度は571,888千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 b.財政状態 主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループは、認知度の向上及び利用者数の拡大をすべく、積極的に設備投資及び広告宣伝活動を実施してまいりましたが、今後は設備投資を重視して実施する方針であります。 当社グループの資金需要の一定割合は設備投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及び増資等で資金調達していくことを基本方針としております。 なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、月間レンタル数(各四半期平均)、月間アクティブユーザー(各四半期平均)及び累計設置台数を重要指標として運営を行っております。 各指標の推移は以下のとおりであります。 (グローバル) 第6期連結会計年度(自 2020年1月1日至 2020年12月31日)第7期連結会計年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)第8期連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)第9期連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)第10期連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)月間レンタル数 (万回)5191142208287月間アクティブユーザー (千人)374975113154累計設置台数 (万台)3.23.74.65.16.9 (国内) 第6期連結会計年度(自 2020年1月1日至 2020年12月31日)第7期連結会計年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)第8期連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)第9期連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)第10期連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)月間レンタル数 (万回)1253104156191月間アクティブユーザー (万人)7275581102累計設置台数 (万台)2.53.03.84.24.7 ※ 月間アクティブユーザー:1ヶ月に1回以上利用のあるユーザー(FY2020 1Q,2Qは中国分のデータを含まない)※ 月間アクティブユーザー・ダウンロード数には別ブランドのオーストラリア「Ezycharge」は含まない |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 当社は、2024年3月21日開催の取締役会において、Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式を取得し、同社及びその子会社を当社の子会社とすることを決議いたしました。 2024年4月2日付で株式譲受契約を締結し、2024年4月30日に当該株式を取得いたしました。 また、2024年9月19日開催の取締役会において、ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.の全株式を取得し、同社を子会社とすることを決議いたしました。 2024年9月19日付で株式譲受契約を締結し、2024年9月30日に当該株式を取得いたしました。 さらに、2024年10月31日開催の取締役会において、Trim株式会社の発行済株式の73.06%を取得し、それに基づき同社を子会社とすることを決議いたしました。 2024年10月31日付で株式譲受契約を締結し、2024年11月8日に当該株式を取得いたしました。 機動的な経営判断を可能にする運営体制を構築することを目的として、2024年12月2日に、非支配株主からの追加取得(取得後の株式保有比率75.63%)いたしました。 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主に連結子会社である殷富利(广州)科技有限公司が担っております。 殷富利(广州)科技有限公司では、バッテリーシェアリングサービスに関連する最先端のテクノロジーが集結する中国広東省広州市に研究開発拠点を設け、バッテリースタンド及びモバイルバッテリーに係る機能強化や追加機能、デザイン等の研究開発を行っております。 当連結会計年度は、モバイルバッテリー及びバッテリースタンドの機能強化による付加価値向上、サイネージによる広告配信を中心としたマーケティングソリューションによる新たな価値創造を目指して取り組んでおり、研究開発費の総額は103,745千円となりました。 なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資の総額は1,701,164千円であり、主にChargeSPOT事業で使用するモバイルバッテリー及びバッテリースタンドの取得によるものであります。 当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 また、当社グループは、ChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (1)提出会社2024年12月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物工具、器具及び備品リース資産建設仮勘定合計本社(東京都渋谷区)本社設備、モバイルバッテリー、バッテリースタンド6,424437,7092,089,279706,8583,240,272122(11) (注)1.帳簿価額は、内部取引に伴う未実現利益消去前の金額を記載しております。 2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 3.上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがあります。 事業所名(所在地)設備の内容年間賃借料(千円)本社(東京都渋谷区)本社オフィス27,549 (2)国内子会社2024年12月31日現在 会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)工具、器具及び備品リース資産その他合計Trim株式会社本社(神奈川県横浜市)ベビーケアルーム2,2721,35825,63529,2667 (3)在外子会社2024年12月31日現在 会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)工具、器具及び備品建設仮勘定その他合計殷富利(广州)科技有限公司本社(中国広東省)モバイルバッテリー、バッテリースタンド66,164196,85910,094273,11878INFORICH ASIA HONG KONG LIMITED本社(中国香港)モバイルバッテリー、バッテリースタンド127,697-184,022311,71940Ezycharge Australia Pty Ltd本社(オーストラリア)モバイルバッテリー、バッテリースタンド146,908-11,176158,0848ChargeSpot Digital Service Co.,Ltd.本社(台湾)モバイルバッテリー、バッテリースタンド248,9951,7678,493259,25634 (注)帳簿価額は、内部取引に伴う未実現利益消去前の金額を記載しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等会社名事業所名所在地設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)着手完了当社本社東京都渋谷区バッテリースタンド689,88859,376セールアンドリースバック取引および自己資金2024年12月~2025年10月2025年1月~2025年12月(注)2当社本社東京都渋谷区モバイルバッテリー537,52144,581セールアンドリースバック取引および自己資金2024年12月~2025年10月2025年1月~2025年12月(注)2当社本社東京都渋谷区本社移転(内装工事、備品購入)109,022-自己資金2025年2月2025年4月- (注)1.当社グループの事業は、ChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 2.完成後の増加能力については、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。 3.当社は、2025年1月20日開催の取締役会での本社移転の決議に基づき、2025年4月に本社移転を予定しております。 この移転に際し、移転先事務所における設備の新設を見込んでおります。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 103,745,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 1,701,164,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 38 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 2 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,433,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的とする投資株式を純投資目的の投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年12月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 秋山 広宣東京都港区1,783,90018.77 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-121,295,06013.63 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR983,80010.35 THE BANK OF NEW YORK 133652(常任代理人 株式会社みずほ銀行 決済営業部部長 日置 貴史)BOULEVARD ANSPACH 1,1000 BRUSSELS, BELGIUM(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)430,4104.53 MRA INVESTMENTS PTE LTD(常任代理人 東海東京証券株式会社 決済業務部長 中村 薫)1 MARINA BOULEVARD #28-00, SINGAPORE 018989(東京都中央区新川1丁目17-21)300,0003.16 楽天証券株式会社東京都港区南青山2丁目6番21号271,8002.86 日本証券金融株式会社東京都中央区日本橋茅場町1丁目2-10号270,0002.84 JP MORGAN CHASE BANK 380621(常任代理人 株式会社みずほ銀行 決済営業部部長 日置 貴史)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)162,7001.71 株式会社日本カストディ銀行(信託B口)東京都中央区晴海1丁目8番12号150,9001.59 GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店 カストディ業務部長 石川 潤)BANKPLASSEN 2, 0107OSLO 1 OSLO 0107 NO(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)135,1001.42計-5,783,67060.86(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。 |
株主数-金融機関 | 8 |
株主数-金融商品取引業者 | 21 |
株主数-外国法人等-個人 | 24 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 61 |
株主数-個人その他 | 2,945 |
株主数-その他の法人 | 54 |
株主数-計 | 3,113 |
氏名又は名称、大株主の状況 | GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店 カストディ業務部長 石川 潤) |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式49247,940当期間における取得自己株式--(注)当期間における自己株式取得には、2025年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株主の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -247,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)19,379,775123,100-9,502,875合計9,379,775123,100-9,502,875自己株式 普通株式(注)25949-108合計5949-108 (注)1.普通株式の発行済株式の増加数の内訳は、次のとおりであります。 ストック・オプションの権利行使による増加 123,100株2.普通株式の自己株式の増加数の内訳は、次のとおりであります。 単元未満株式の買取りによる増加 49株 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書 2025年3月31日株式会社INFORICH 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士藤原 選 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士河村 剛<連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社INFORICHの2024年1月1日から2024年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社INFORICH及び連結子会社の2024年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産614,915千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の3.3%を占めている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうち604,455千円は、株式会社INFORICHが将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の一部に対し計上した繰延税金資産である。 会社は、株式会社INFORICHにおける将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断している。 将来の収益力に基づく課税所得の見積りは、経営者が作成した事業計画を基礎として見積もられる。 当該事業計画はモバイルバッテリーシェアリングサービス市場の拡大を前提としているが、計画の達成可否は将来の様々な外部内部要因に影響を受けることから、不確実性を伴う。 事業計画の策定にあたっては、「ChargeSPOT」の月間アクティブユーザー数等を基礎として算定される売上予測やバッテリースタンド設置台数及び月間アクティブユーザー数等を基礎として算定される費用予測などの不確実性を伴う主要な仮定が用いられており、この経営者による判断が課税所得の見積りに重要な影響を及ぼしている。 これらの主要な仮定は不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、その解消見込年度のスケジューリングについて検討した。 ・ 将来の課税所得の見積りを評価するため、その基礎となる将来の事業計画について取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討するとともに、一時差異等加減算前課税所得を算定する際の基礎資料との整合性を検討した。 ・ 経営者の事業計画策定プロセスを理解するとともに、当該プロセスの有効性を評価するために、過年度における予算と実績を比較した。 ・ 事業計画の基礎となる主要な仮定である月間アクティブユーザー数及びバッテリースタンド設置台数について、経営者と協議を行うとともに、外部調査レポート等との照合による市場動向との比較検討や、過去実績を踏まえた趨勢との整合性を検討した。 また、バッテリースタンド設置台数について、事業計画上の前提となる投資計画について分析を行った。 Ezycharge Australasia Pty Ltdに関するのれん及び顧客関連資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当連結会計年度の連結貸借対照表において、のれん2,924,711千円及び顧客関連資産1,039,286千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の21.0%を占めている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうちのれん189,465千円及び顧客関連資産167,450千円は、2024年4月30日(みなし取得日:2024年4月1日)にEzycharge Australasia Pty Ltdを取得した際に計上したものである。 のれん及び顧客関連資産は、その効果が及ぶ期間にわたり償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。 その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額は減損損失として認識される。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、Ezycharge Australasia Pty Ltdにおいて取得時の事業計画との乖離が生じたことから減損の兆候があると判断し、当連結会計年度において減損損失の認識の要否を検討している。 その結果、当連結会計年度に策定した見直し後の事業計画に基づいた同社の事業から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているため、減損損失を認識していない。 減損損失の認識の要否の判定にあたり使用する将来キャッシュ・フローは、見直し後の事業計画を基礎とし、事業計画における主要な仮定は、事業計画策定の前提となる売上予測や費用予測の基礎となるバッテリースタンド設置台数である。 これらの主要な仮定は不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、Ezycharge Australasia Pty Ltdに関するのれん及び顧客関連資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・ 過年度に策定された事業計画と実績を比較し、乖離の要因について株式会社INFORICHの経営者に質問を実施した。 ・ 将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる見直し後の事業計画における主要な仮定の合理性を評価するため、以下の手続を実施した。 ・ Ezycharge Australasia Pty Ltdの経営者に質問を行い、同社の事業環境、市場の状況など事業計画策定の前提条件を理解した。 また、市場の見通しに関する外部公表されているレポートを閲覧した。 ・ バッテリースタンドの設置予測について、設置スケジュールや設置の状況の把握及び過去実績との比較を実施した。 ・ 見直し後の事業計画に対する一定の不確実性を織り込んだ場合の減損損失の認識の判定に与える影響を検討した。 ChargeSpot Digital Service Co., Ltd. の株式の取得に伴うのれん及び顧客関連資産の測定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、連結財務諸表の注記事項(企業結合等関係)に記載されているとおり、2024年9月30日にChargeSpot Digital Service Co., Ltd.の全株式を取得し連結子会社としている。 当該企業結合により、会社は取得原価は受け入れた資産及び引き受けた負債のうち、みなし取得日時点で識別可能なものに対して時価を基礎として配分し、取得原価と取得原価の配分額との差額をのれんとして計上している。 また、既存顧客との継続的な取引関係により生み出すことが期待される超過収益の現在価値を顧客関連資産として認識している。 これらの結果、連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、当連結会計年度の連結貸借対照表において、のれん1,849,775千円及び顧客関連資産871,836千円が計上されている。 これらの合計金額は連結貸借対照表の総資産の14.4%を占めている。 企業結合は経常的に生じる取引ではなく、取得原価の妥当性の検討及び取得原価の配分には、複雑な検討や専門的な知識が必要となる。 顧客関連資産の測定に当たって、会社は外部専門家を利用しており、のれん及び顧客関連資産の算定の基礎となる顧客関係に係る将来キャッシュ・フローにおける既存顧客減少率及び割引率を主要な仮定として使用していることから、経営者による判断が重要な影響を及ぼす。 以上より、当該企業結合により識別したのれん及び顧客関連資産は金額的に重要性が高く、その測定には既存顧客減少率や割引率といった経営者の判断若しくは高度な専門知識が含まれる主要な仮定による影響を受けることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.に関するのれん及び顧客関連資産の測定を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.の事業内容及び事業環境を理解するため、財務税務デューデリジェンス報告書及び法務デューデリジェンス報告書を閲覧した。 ・ 株式取得取引の目的を理解するため、経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を実施した。 ・ 株式価値算定報告書を入手し、取得原価との整合性を検討した。 ・ 既存顧客減少率について、実績からの趨勢分析及び利用可能な外部機関の調査結果との比較を実施した。 ・ 取得原価の配分のために会社が利用した外部専門家について、その適性及び能力を評価した。 ・ のれん及び顧客関連資産の算定の基礎となる顧客関係に係る将来キャッシュ・フローにおける主要な仮定である既存顧客減少率及び割引率等の算定方法及びその前提条件を評価するため、当監査法人のネットワーク・ファームの専門家を関与させた。 ・ 企業結合日の時価を基礎として連結財務諸表に取り込まれた企業結合日の資産及び負債の実在性・網羅性を検討した。 Trim株式会社の株式の取得に伴う企業結合に関する会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、連結財務諸表の注記事項(企業結合等関係)に記載されているとおり、2024年11月8日(みなし取得日:2024年12月31日)にTrim株式会社の株式を950,234千円で取得して連結子会社とし、連結貸借対照表において、のれん885,470千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の4.7%を占めている。 会社は、企業結合日時点の時価を基礎として識別可能な資産及び負債に対して取得原価を配分し、取得原価が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る場合、その超過額をのれんとして認識する。 また、当連結会計年度では企業結合日における識別可能な資産及び負債の特定並びに時価の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していないため、その時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っている。 会社は、本企業結合において、外部専門家を利用して算定された株式価値算定結果に基づき取得価額を決定し、交渉の上合意し、取引を実行している。 企業結合は経常的に生じる取引ではなく、本企業結合は量的にも重要な取引である。 また、取得価額決定の基礎となった株式価値算定は専門的な知識を必要とし、取得価額の決定においては経営者の判断が介在する。 以上より、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、Trim株式会社の株式の取得に伴う企業結合に関する会計処理を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 株式の取得の目的、被取得企業の事業内容及び事業環境を理解するために、Trim株式会社の経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を実施した。 ・ 株式の取得価額が正確であることを確認するため、株式譲渡契約書等関連証憑を閲覧し、突合を実施した。 ・ 株式価値算定のために会社が利用した外部専門家について、その適性、能力及び客観性を評価した。 ・ 株式価値算定において、採用された算定方法及びその前提条件を評価するため、当監査法人のネットワーク・ファームの専門家を関与させた。 ・ 超過収益力の源泉を理解するため、株式価値算定の基礎とした将来の事業計画について、Trim株式会社の経営者への質問を実施した。 ・ 企業結合に係る会計処理に影響する情報を網羅的に把握するため、デューデリジェンスの報告書等を閲覧し、Trim株式会社の経営者に質問を行った。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資産614,915千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の3.3%を占めている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうち604,455千円は、株式会社INFORICHが将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の一部に対し計上した繰延税金資産である。 会社は、株式会社INFORICHにおける将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断している。 将来の収益力に基づく課税所得の見積りは、経営者が作成した事業計画を基礎として見積もられる。 当該事業計画はモバイルバッテリーシェアリングサービス市場の拡大を前提としているが、計画の達成可否は将来の様々な外部内部要因に影響を受けることから、不確実性を伴う。 事業計画の策定にあたっては、「ChargeSPOT」の月間アクティブユーザー数等を基礎として算定される売上予測やバッテリースタンド設置台数及び月間アクティブユーザー数等を基礎として算定される費用予測などの不確実性を伴う主要な仮定が用いられており、この経営者による判断が課税所得の見積りに重要な影響を及ぼしている。 これらの主要な仮定は不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、その解消見込年度のスケジューリングについて検討した。 ・ 将来の課税所得の見積りを評価するため、その基礎となる将来の事業計画について取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討するとともに、一時差異等加減算前課税所得を算定する際の基礎資料との整合性を検討した。 ・ 経営者の事業計画策定プロセスを理解するとともに、当該プロセスの有効性を評価するために、過年度における予算と実績を比較した。 ・ 事業計画の基礎となる主要な仮定である月間アクティブユーザー数及びバッテリースタンド設置台数について、経営者と協議を行うとともに、外部調査レポート等との照合による市場動向との比較検討や、過去実績を踏まえた趨勢との整合性を検討した。 また、バッテリースタンド設置台数について、事業計画上の前提となる投資計画について分析を行った。 Ezycharge Australasia Pty Ltdに関するのれん及び顧客関連資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当連結会計年度の連結貸借対照表において、のれん2,924,711千円及び顧客関連資産1,039,286千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の21.0%を占めている。 連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうちのれん189,465千円及び顧客関連資産167,450千円は、2024年4月30日(みなし取得日:2024年4月1日)にEzycharge Australasia Pty Ltdを取得した際に計上したものである。 のれん及び顧客関連資産は、その効果が及ぶ期間にわたり償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。 その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額は減損損失として認識される。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、Ezycharge Australasia Pty Ltdにおいて取得時の事業計画との乖離が生じたことから減損の兆候があると判断し、当連結会計年度において減損損失の認識の要否を検討している。 その結果、当連結会計年度に策定した見直し後の事業計画に基づいた同社の事業から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているため、減損損失を認識していない。 減損損失の認識の要否の判定にあたり使用する将来キャッシュ・フローは、見直し後の事業計画を基礎とし、事業計画における主要な仮定は、事業計画策定の前提となる売上予測や費用予測の基礎となるバッテリースタンド設置台数である。 これらの主要な仮定は不確実性を伴い経営者による判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、Ezycharge Australasia Pty Ltdに関するのれん及び顧客関連資産の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・ 過年度に策定された事業計画と実績を比較し、乖離の要因について株式会社INFORICHの経営者に質問を実施した。 ・ 将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる見直し後の事業計画における主要な仮定の合理性を評価するため、以下の手続を実施した。 ・ Ezycharge Australasia Pty Ltdの経営者に質問を行い、同社の事業環境、市場の状況など事業計画策定の前提条件を理解した。 また、市場の見通しに関する外部公表されているレポートを閲覧した。 ・ バッテリースタンドの設置予測について、設置スケジュールや設置の状況の把握及び過去実績との比較を実施した。 ・ 見直し後の事業計画に対する一定の不確実性を織り込んだ場合の減損損失の認識の判定に与える影響を検討した。 ChargeSpot Digital Service Co., Ltd. の株式の取得に伴うのれん及び顧客関連資産の測定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、連結財務諸表の注記事項(企業結合等関係)に記載されているとおり、2024年9月30日にChargeSpot Digital Service Co., Ltd.の全株式を取得し連結子会社としている。 当該企業結合により、会社は取得原価は受け入れた資産及び引き受けた負債のうち、みなし取得日時点で識別可能なものに対して時価を基礎として配分し、取得原価と取得原価の配分額との差額をのれんとして計上している。 また、既存顧客との継続的な取引関係により生み出すことが期待される超過収益の現在価値を顧客関連資産として認識している。 これらの結果、連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、当連結会計年度の連結貸借対照表において、のれん1,849,775千円及び顧客関連資産871,836千円が計上されている。 これらの合計金額は連結貸借対照表の総資産の14.4%を占めている。 企業結合は経常的に生じる取引ではなく、取得原価の妥当性の検討及び取得原価の配分には、複雑な検討や専門的な知識が必要となる。 顧客関連資産の測定に当たって、会社は外部専門家を利用しており、のれん及び顧客関連資産の算定の基礎となる顧客関係に係る将来キャッシュ・フローにおける既存顧客減少率及び割引率を主要な仮定として使用していることから、経営者による判断が重要な影響を及ぼす。 以上より、当該企業結合により識別したのれん及び顧客関連資産は金額的に重要性が高く、その測定には既存顧客減少率や割引率といった経営者の判断若しくは高度な専門知識が含まれる主要な仮定による影響を受けることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.に関するのれん及び顧客関連資産の測定を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ ChargeSpot Digital Service Co., Ltd.の事業内容及び事業環境を理解するため、財務税務デューデリジェンス報告書及び法務デューデリジェンス報告書を閲覧した。 ・ 株式取得取引の目的を理解するため、経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を実施した。 ・ 株式価値算定報告書を入手し、取得原価との整合性を検討した。 ・ 既存顧客減少率について、実績からの趨勢分析及び利用可能な外部機関の調査結果との比較を実施した。 ・ 取得原価の配分のために会社が利用した外部専門家について、その適性及び能力を評価した。 ・ のれん及び顧客関連資産の算定の基礎となる顧客関係に係る将来キャッシュ・フローにおける主要な仮定である既存顧客減少率及び割引率等の算定方法及びその前提条件を評価するため、当監査法人のネットワーク・ファームの専門家を関与させた。 ・ 企業結合日の時価を基礎として連結財務諸表に取り込まれた企業結合日の資産及び負債の実在性・網羅性を検討した。 Trim株式会社の株式の取得に伴う企業結合に関する会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、連結財務諸表の注記事項(企業結合等関係)に記載されているとおり、2024年11月8日(みなし取得日:2024年12月31日)にTrim株式会社の株式を950,234千円で取得して連結子会社とし、連結貸借対照表において、のれん885,470千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の4.7%を占めている。 会社は、企業結合日時点の時価を基礎として識別可能な資産及び負債に対して取得原価を配分し、取得原価が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る場合、その超過額をのれんとして認識する。 また、当連結会計年度では企業結合日における識別可能な資産及び負債の特定並びに時価の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していないため、その時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っている。 会社は、本企業結合において、外部専門家を利用して算定された株式価値算定結果に基づき取得価額を決定し、交渉の上合意し、取引を実行している。 企業結合は経常的に生じる取引ではなく、本企業結合は量的にも重要な取引である。 また、取得価額決定の基礎となった株式価値算定は専門的な知識を必要とし、取得価額の決定においては経営者の判断が介在する。 以上より、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、Trim株式会社の株式の取得に伴う企業結合に関する会計処理を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 株式の取得の目的、被取得企業の事業内容及び事業環境を理解するために、Trim株式会社の経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を実施した。 ・ 株式の取得価額が正確であることを確認するため、株式譲渡契約書等関連証憑を閲覧し、突合を実施した。 ・ 株式価値算定のために会社が利用した外部専門家について、その適性、能力及び客観性を評価した。 ・ 株式価値算定において、採用された算定方法及びその前提条件を評価するため、当監査法人のネットワーク・ファームの専門家を関与させた。 ・ 超過収益力の源泉を理解するため、株式価値算定の基礎とした将来の事業計画について、Trim株式会社の経営者への質問を実施した。 ・ 企業結合に係る会計処理に影響する情報を網羅的に把握するため、デューデリジェンスの報告書等を閲覧し、Trim株式会社の経営者に質問を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | Trim株式会社の株式の取得に伴う企業結合に関する会計処理 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、連結財務諸表の注記事項(企業結合等関係)に記載されているとおり、2024年11月8日(みなし取得日:2024年12月31日)にTrim株式会社の株式を950,234千円で取得して連結子会社とし、連結貸借対照表において、のれん885,470千円を計上しているが、これは連結総資産18,908,403千円の4.7%を占めている。 会社は、企業結合日時点の時価を基礎として識別可能な資産及び負債に対して取得原価を配分し、取得原価が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る場合、その超過額をのれんとして認識する。 また、当連結会計年度では企業結合日における識別可能な資産及び負債の特定並びに時価の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していないため、その時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っている。 会社は、本企業結合において、外部専門家を利用して算定された株式価値算定結果に基づき取得価額を決定し、交渉の上合意し、取引を実行している。 企業結合は経常的に生じる取引ではなく、本企業結合は量的にも重要な取引である。 また、取得価額決定の基礎となった株式価値算定は専門的な知識を必要とし、取得価額の決定においては経営者の判断が介在する。 以上より、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表の注記事項(企業結合等関係) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、Trim株式会社の株式の取得に伴う企業結合に関する会計処理を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 株式の取得の目的、被取得企業の事業内容及び事業環境を理解するために、Trim株式会社の経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を実施した。 ・ 株式の取得価額が正確であることを確認するため、株式譲渡契約書等関連証憑を閲覧し、突合を実施した。 ・ 株式価値算定のために会社が利用した外部専門家について、その適性、能力及び客観性を評価した。 ・ 株式価値算定において、採用された算定方法及びその前提条件を評価するため、当監査法人のネットワーク・ファームの専門家を関与させた。 ・ 超過収益力の源泉を理解するため、株式価値算定の基礎とした将来の事業計画について、Trim株式会社の経営者への質問を実施した。 ・ 企業結合に係る会計処理に影響する情報を網羅的に把握するため、デューデリジェンスの報告書等を閲覧し、Trim株式会社の経営者に質問を行った。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年3月31日株式会社INFORICH 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士藤原 選 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士河村 剛<財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社INFORICHの2024年1月1日から2024年12月31日までの第10期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社INFORICHの2024年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であるため、記載を省略している。 Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当事業年度の貸借対照表において、関係会社株式4,266,132千円を計上しているが、これは総資産15,401,853千円の27.7%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうち455,551千円は、Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式である。 関係会社株式は市場価格のない株式であり、取得価額にはEzycharge Australasia Pty Ltdの超過収益力が反映されており、取得価額と実質価額を比較し、関係会社株式の減損処理の要否を判断している。 超過収益力の毀損により実質価額が著しく低下したときは減損処理が必要となる。 当該関係会社株式の評価における主要な仮定は、事業計画策定の前提となる売上予測や費用予測の基礎となるバッテリースタンド設置台数である。 これらの主要な仮定は経営者の主観的な判断に影響を受け、不確実性を伴うことから、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ Ezycharge Australasia Pty Ltdの実質価額と取得原価を比較し、実質価額の著しい低下の有無を把握した。 ・ 実質価額の評価については、連結財務諸表に係る監査報告書における監査上の主要な検討事項(Ezycharge Australasia Pty Ltd に関するのれん及び顧客関連資産の評価)に記載の監査手続を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であるため、記載を省略している。 Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、当事業年度の貸借対照表において、関係会社株式4,266,132千円を計上しているが、これは総資産15,401,853千円の27.7%を占めている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうち455,551千円は、Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式である。 関係会社株式は市場価格のない株式であり、取得価額にはEzycharge Australasia Pty Ltdの超過収益力が反映されており、取得価額と実質価額を比較し、関係会社株式の減損処理の要否を判断している。 超過収益力の毀損により実質価額が著しく低下したときは減損処理が必要となる。 当該関係会社株式の評価における主要な仮定は、事業計画策定の前提となる売上予測や費用予測の基礎となるバッテリースタンド設置台数である。 これらの主要な仮定は経営者の主観的な判断に影響を受け、不確実性を伴うことから、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ Ezycharge Australasia Pty Ltdの実質価額と取得原価を比較し、実質価額の著しい低下の有無を把握した。 ・ 実質価額の評価については、連結財務諸表に係る監査報告書における監査上の主要な検討事項(Ezycharge Australasia Pty Ltd に関するのれん及び顧客関連資産の評価)に記載の監査手続を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | Ezycharge Australasia Pty Ltdの株式の評価 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社INFORICHの繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 657,307,000 |
その他、流動資産 | 229,409,000 |