臨時報告書

タイトル内容
提出書類、表紙臨時報告書
会社名、表紙山陽特殊製鋼株式会社
EDINETコード、DEIE01243
証券コード、DEI5481
提出者名(日本語表記)、DEI山陽特殊製鋼株式会社
提出理由 当社は、会社法(平成17年法律第86号。
その後の改正を含みます。
以下同じです。
)第179条第1項に規定する特別支配株主である日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」といいます。
)から、2025年3月28日付で、会社法第179条の3第1項の規定に基づく株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。
)の通知を受領し、同日開催の当社取締役会において本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合 1. 本株式売渡請求の通知に関する事項(1)当該通知がされた年月日2025年3月28日 (2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名商号日本製鉄株式会社本店の所在地東京都千代田区丸の内二丁目6番1号代表者の氏名代表取締役社長 兼 COO 今井 正 (3)当該通知の内容当社は、日本製鉄から、当社の会社法第179条第1項に定める特別支配株主として、当社の株主の全員(ただし、日本製鉄及び当社を除きます。
以下「本売渡株主」といいます。
)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」といいます。
)の全部を日本製鉄に売り渡すことの請求に係る通知を2025年3月28日付で受領いたしました。
当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子会社法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)日本製鉄は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。
)として、その所有する本売渡株式1株につき2,750円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179 条の2第1項第4号)該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。
)(会社法第179条の2第1項第5号)2025年4月25日⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)日本製鉄は、本売渡対価を、同社が保有する現預金によって支払うことを予定しております。
日本製鉄は、公開買付届出書の添付書類として2025年1月31日時点の同社の残高証明書を提出しておりますが、同日以降、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、また今後発生する可能性も認識していないとのことです。
⑥ その他本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付いたします。
ただし、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(ただし、本売渡対価の交付について日本製鉄が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対して本売渡対価を支払うものといたします。
2. 本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項(1)当該通知がされた年月日2025年3月28日 (2)当該決定がされた年月日2025年3月28日 (3)当該決定の内容日本製鉄からの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程日本製鉄が2025年2月3日から2025年3月18日までを公開買付期間として行った当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
)に関し、当社が2025年2月3日に提出いたしました意見表明報告書(当社が2025年2月19日及び2025年3月7日に提出いたしました意見表明報告書の訂正報告書により訂正された内容を含め、以下「本意見表明報告書」といいます。
)の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、本公開買付けの結果、日本製鉄が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全部(ただし、日本製鉄が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。
)を取得することにより、当社を日本製鉄の完全子会社とすることを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。
)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株あたりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。
)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、以下の記載のうち、日本製鉄に関する記載については、日本製鉄から受けた説明に基づいております。
(i) 日本製鉄からの提案及び検討体制の構築の経緯当社は、日本製鉄から、2024年9月2日に当社の完全子会社化を含めた日本製鉄及び当社の中長期的かつ持続的な企業価値の向上施策に係る検討を開始したい旨の初期的な打診を受け、その後、2024年10月9日に、公開買付け及び株式売渡請求又は株式併合による完全子会社化の提案書(以下「本提案書」といいます。
)を受領いたしました。
これを受けて、当社は、本取引の検討並びに日本製鉄との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、日本製鉄は、当時、当社株式の所有割合が52.98%である当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年10月31日開催の当社取締役会において、日本製鉄グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。
)を、外部のリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をそれぞれ選任いたしました。
また、当社は、本取引の公正性を担保するため、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言も得つつ、日本製鉄から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり当社の特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
)の設置に向けた準備を進めた上で、2024年10月31日開催の取締役会決議により、要木洋氏(当社監査等委員である独立社外取締役、元・株式会社三井住友銀行理事)、藤原佳代氏(当社独立社外取締役、ENEOSオーシャン株式会社取締役常務執行役員)、戸出巌氏(当社独立社外取締役、元・三菱商事株式会社常務執行役員自動車・モビリティグループCEO)及び宮口亜希氏(当社監査等委員である独立社外取締役、公認会計士宮口亜希事務所所長)の4名から構成される本特別委員会(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
)を設置し、本特別委員会に対し、(1)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、(2)当社取締役会による本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかを検討し、当社取締役会に意見を述べること(なお、上記勧告及び意見に際しては、(ⅰ)当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、(ⅱ)当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとしております。
)(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。
)について諮問いたしました。
また、当社は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否も含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び(ⅱ)特別委員会が本取引に係る取引条件が妥当でないと判断した場合、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認を行わない(本公開買付けに賛同しないことを含みます。
)ことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社が日本製鉄との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、日本製鉄との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら日本製鉄と交渉を行うことを含みます。
)、(ⅱ)本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、財務若しくは法務等に関する独自のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担します。
)、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。
)すること(なお、特別委員会は、当社のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。
)、(ⅲ)事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること及び(ⅳ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
)。
なお、本特別委員会は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年10月31日、上記の権限に基づき、日本製鉄グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。
)を、日本製鉄グループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定しております。
また、当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業について、日本製鉄グループ及び当社グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
更に、当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、日本製鉄から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。
)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ii) 検討・交渉の経緯当社は、SMBC日興証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、日本製鉄との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
また、日本製鉄から2024年10月9日に本提案書を受領して以降、当社は、日本製鉄との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。
具体的には、当社及び本特別委員会は、2024年10月9日に本提案書を受領したことを踏まえて、当社における検討・協議を進め、2024年11月9日に日本製鉄に対し、本取引の提案の背景・目的、本取引のシナジー、本取引のデメリット、本取引後の当社の経営方針、ストラクチャー等に関して書面による質問をしたところ、2024年11月19日に、日本製鉄から2024年11月9日付の各質問に対する日本製鉄の見解について書面による回答を受けました。
更に、本特別委員会は、当該回答に関して2024年11月20日に書面による追加の質問を行い、2024年11月21日、日本製鉄から当該質問について説明を受けるとともに、本取引に関する質疑応答を行いました。
その後、本特別委員会は、2024年12月2日に日本製鉄グループにおけるグローバル及び特殊鋼についての今後の戦略及び方向性と、その中における本取引の位置付け、日本製鉄が当社に期待する活動・貢献等について書面による追加の質問をしたところ、2024年12月6日に日本製鉄から、2024年12月2日付の質問事項について書面による回答を受けました。
本公開買付価格については、当社は、2024年10月9日以降、日本製鉄との間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。
具体的には、当社は、2024年12月20日、日本製鉄が、当社に対するデュー・ディリジェンスの結果及び当社を取り巻く外部環境、並びに当社より受領した事業計画及び当社の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果である正式な提案として、日本製鉄から、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,350円(提案実施日の前営業日である同月19日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,773円に対するプレミアム率は32.54%(小数点以下第三位を四捨五入。
以下、プレミアム率の計算において同じです。
)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,813円に対するプレミアム率は29.62%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,863円に対するプレミアム率は26.14%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,918円に対するプレミアム率は22.52%です。
)とすることを含んだ本取引の諸条件に関する提案を受けました。
しかし、当社及び本特別委員会は、2024年12月23日、日本製鉄に対し、当該本公開買付価格は、当社の本源的価値を反映するものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果の一部は公開買付価格に反映されるべきものであると考えていることから、価格の引き上げを検討するよう要請いたしました。
その後、当社は、2024年12月26日、日本製鉄より、事業計画に関する日本製鉄の見解と当社及び本特別委員会の見解を確認したい旨の回答を受領いたしました。
これを受け、当社及び本特別委員会は、2024年12月27日、当社の事業計画は、当社として事業環境を客観的に評価した上で作成しており、その蓋然性は高いものと考えている旨を回答するとともに、価格の再考を検討するよう要請いたしました。
その後、2025年1月9日に、日本製鉄、当社及び本特別委員会は、面談の場において、当社の事業計画に対する日本製鉄、当社及び本特別委員会それぞれの見解を確認しました。
これらの対話も踏まえ、事業計画に対する日本製鉄の見解、カーボンニュートラル社会における当社の価値、本取引を通じたシナジー等を総合的に勘案し、2025年1月17日、日本製鉄より、本公開買付価格を2,550円(提案実施日の前営業日である同月16日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,846円に対するプレミアム率は38.14%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,864円に対するプレミアム率は36.80%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,849円に対するプレミアム率は37.91%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,884円に対するプレミアム率は35.35%です。
)とする旨の提案を受けました。
これに対して、当社及び本特別委員会は、2025年1月20日に、当社の本源的価値及び当社のバランスシートの態様を適切に反映し、当社一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待も勘案の上で公開買付価格について再検討するよう要請した上で、当社の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、日本製鉄に対して2,800円を提案いたしました。
その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月23日、日本製鉄より、最終提示価格として、本公開買付価格を2,750円(提案実施日の前営業日である同月22日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,890円に対するプレミアム率は45.50%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,894円に対するプレミアム率は45.20%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,851円に対するプレミアム率は48.57%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,878円に対するプレミアム率は46.43%です。
)とする旨の提案を受けました。
その結果、当社及び本特別委員会は、2025年1月24日に、日本製鉄の提案価格は、当社の本源的価値や電炉設備保有等を背景としたカーボンニュートラル社会の実現に向けての当社の強み、当社一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待等の様々な評価要素を総合的に反映したものと評価していると考え、応諾する方針で検討する旨を回答いたしました。
以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する日本製鉄との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにSMBC日興証券及び森・濱田松本法律事務所外国法共同事業からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーである野村證券及び中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってまいりました。
具体的には、当社が日本製鉄に対して提示し、また、SMBC日興証券及び野村證券が当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。
また、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券は、日本製鉄との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、日本製鉄から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、日本製鉄との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2025年1月30日付で、本特別委員会から、①当社取締役会は、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきであると考えられる旨、及び、②当社取締役会による本取引についての決定(本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている当社の株主を日本製鉄のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。
)を実施する旨の決定)は当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。
)の提出を受けております(本答申書の概要については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
)。
なお、本特別委員会は、2025年1月30日付で野村證券から当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。
)及び本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(日本製鉄を除きます。
)にとって財務的見地から妥当であると考える旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(野村證券)」といいます。
)の提出を受けております(本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の概要については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。
)。
(iii) 当社の意思決定の内容以上の経緯の下で、当社は、2025年1月31日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、2025年1月30日付でSMBC日興証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(SMBC日興証券)」といいます。
)及びフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)」といいます。
)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、日本製鉄による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の完全子会社化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想されます。
こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、当社グループの企業価値を更に向上するためには、日本製鉄グループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、リソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えております。
しかしながら、日本製鉄からは、日本製鉄と当社の現在の資本関係においては、日本製鉄グループ全体の企業価値向上には資する施策であっても個社単位の観点からは一方の会社にメリットが偏るというケースがあり、この場合、個社の視点では他方の会社の一般株主の理解を得ることが容易ではない可能性もあることから当該施策の実行が困難になるなど、最大限のシナジー発揮が容易ではない状況にあると考えているとの説明を受けております。
加えて、日本製鉄と当社のそれぞれにおいて、一般株主に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要することや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることを理由として実施しにくくなることは、厳しい事業環境下において競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねないと考えているとの説明も受けております。
加えて、当社としても、日本製鉄と当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になり得ると考えております。
当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて当社を完全子会社化し、日本製鉄と当社の一般株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、日本製鉄による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで当社が実現可能と考える具体的なシナジーは以下のとおりです。
I. 一体運営による生産・調達体制の効率化・コスト削減生産体制の効率化を図ることで、より一層の設備の有効活用ができることに加え、原料やエネルギーの共同調達・物流費等の最適化によるコスト削減及びコスト競争力強化の実現も可能と考えております。
また、カーボンニュートラルの観点においても生産・調達体制の効率化及び当社が保有する電気炉の最大活用やスウェーデンのOvako Group AB(以下、Ovako Group AB 及びその子会社を「Ovako」といいます。
)が保有するカーボンフリー水素生成の知見は、日本製鉄グループ全体においても、その取り組みを加速させる上で重要な役割を果たすことができるものと考えております。
II. 研究開発の深化これまでOvakoを含む当社と日本製鉄が各々で開発を進めてきた特殊鋼の製造技術を融合することで、当社単独で開発するよりも多くのプロダクトをお客様に提案できるようになるものと考えております。
また、これまでは全ての共有が難しかった研究開発の成果においても、当社が日本製鉄の完全子会社になることによって細部にわたる共有が可能となり、大きな付加価値を生み出す源泉となるものと考えております。
III. グローバル展開における人的資本の共有・競争力強化国内の特殊鋼需要が成熟化している中、更なるグローバル需要の捕捉に取り組んでいく必要があると認識しております。
現在当社が展開している日本、欧州、インドの他、グローバル展開に注力していく中で、日本製鉄と人的資本をはじめとする経営資源やノウハウを共有することで競争力を高めることができると考えております。
IV. 迅速かつ柔軟な意思決定当社と日本製鉄グループで視点を統一し、国内のみならずグローバルにおいても意思決定の迅速化を進めるとともに、変化の激しい事業環境への柔軟な対応・連携の深化が可能になり得ると考えております。
V. 上場維持コスト及びそれに係る業務負担軽減年間上場料等の固定的なコストや、上場会社として要求されるガバナンス体制の維持及び近年のガバナンス規制の強化に対応するために必要なコスト及び管理部門の業務負担が軽減するものと考えております。
なお、当社は、本取引の実施に伴う当社の上場廃止等のデメリットについても検討しました。
上場廃止に伴い、設備投資等の際に株式市場における資金調達手段が限定されるデメリットは想定されますが、資金需要に対しては親会社による子会社への資金融通等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えております。
本取引により当社が日本製鉄の完全子会社となり、日本製鉄との更なる連携強化を図ることによって当社の中長期的な企業価値向上に資するものと考えています。
また、本取引により両社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、当社の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えています。
また、以下の理由により、本公開買付価格である2,750円は当社の本源的価値を反映した、一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社を取り巻く足許の事業環境を映した株価推移を踏まえても、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却及び利益確保の機会を提供するものであると総合的に判断いたしました。
(ア) 当該価格が、当社において、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、日本製鉄との間で真摯な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(イ) 当該価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(SMBC日興証券)におけるSMBC日興証券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、ディスカウンティッド・キャッシュ・フロー法による算定結果の範囲内にある価格であること。
また、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(日本製鉄及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。
)にとって財務的見地より公正であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)が発行されていること。
(ウ) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の東京証券取引所における当社株式の終値1,945円に対して41.39%、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円に対して44.58%、同直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円に対して47.85%、同直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円に対して46.82%のプレミアムが加算されたものであること。
本公開買付価格は、類似事例(M&A指針が公表された2019年6月28日以降2024年12月31日までに公表された子会社の非公開化を目的とした公開買付け案件で、特別委員会が設置され、対象者の時価総額が100億円以上の案件(MBO、2段階公開買付け、不成立案件及び株主に対して応募推奨をしていない事例を除く。
)40件(プレミアム水準の中央値は約40%))との比較において遜色のないプレミアムが付されているものと認められること。
(エ) 当該価格は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
なお、本公開買付価格である2,750円は、当社の2024年12月31日時点の1株当たりの連結簿価純資産額(4,106円)を下回っておりますが(33%のディスカウント)、簿価純資産額は理論上の清算価値を示すものであり、当社の将来の収益性及び成長性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において合理性を否定する要素とはならないと考えております。
また、仮に当社が清算する場合には、当社の事業内容や保有する設備にも鑑みると、同日現在の当社の連結貸借対照表において流動性が低い資産(商品、製品、仕掛品、原材料、貯蔵品等の棚卸資産や、建物、機械装置、土地等の有形固定資産)の総資産に占める割合が62.4%(小数点以下第二位を四捨五入しています。
)と相当程度存在し、資産売却に際しての困難性や工場の閉鎖に伴う除去コスト等の様々な追加コストが発生すると見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま株主に分配される残余財産の価額となるものではなく、簿価からの相当程度の減額が想定されること(ただし、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。
)から、本公開買付価格が1株当たりの連結簿価純資産額を下回っていることをもって本公開買付価格の合理性が否定されることにはならないと考えております。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
当該取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。
)全員の承認」をご参照ください。
その後、当社は、2025年3日19日、日本製鉄より、本公開買付けの結果について、当社株式21,349,555株の応募があり、その全部の買付け等を行う旨の報告を受けました。
この結果、2025年3月26日(本公開買付けの決済の開始日)付で、日本製鉄は、当社株式50,213,399株(議決権所有割合92.16%(注1))を所有することとなり、日本製鉄は当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注1)「議決権所有割合」とは、当社が2025年1月31日付で公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(54,507,307株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(54,482,337株)に係る議決権数(544,823個)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。
このような経緯を経て、当社は、日本製鉄より、本日付で、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社はかかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社は、本日開催の取締役会決議によって、(a)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、本公開買付け開始時に、上記のとおりの過程及び理由により、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(b)本売渡株式1株につき2,750円という本売渡対価は、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の対価であること、及び本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が十分に講じられたうえで、特別委員会から取得した本答申書においても、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されている等から、本売渡株主にとって合理的な価格であると考えられること、(c)日本製鉄は、本売渡対価を、同社が保有する現預金によって支払いを行うことを予定しているところ、日本製鉄が本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出した2025年1月31日付残高証明書を確認した結果、日本製鉄は本売渡対価の支払いのための資金に相当する額の銀行預金を有していること、また、日本製鉄によれば、上記の支払いに支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識されていないとのことであること等から、日本製鉄において、本売渡対価の支払のための資金を確保する方法は相当であり本売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(d)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(e)本公開買付けの開始以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと、(f)本公開買付けの開始にあたり設置された本特別委員会が、本株式売渡請求を含む本スクイーズアウト手続についても検討をした上で、本取引は少数株主に不利益ではない旨の本答申書を提出していること等を踏まえ、本売渡対価を含む本株式売渡請求の条件等は妥当であると判断し、日本製鉄からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する決議をいたしました。
以上