財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-03-31
英訳名、表紙Kanro Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  村 田 哲 也
本店の所在の場所、表紙東京都新宿区西新宿3丁目20番2号 東京オペラシティビル
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3370)8811 (代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
当社は、1912年初代会長故宮本政一が個人にて、山口県光市に製菓業を創始し、1950年5月に株式会社に改組し、宮本製菓株式会社として設立されました。
現在までの会社の沿革は次のとおりであります。
1912年11月初代会長故宮本政一個人にて山口県光市に製菓業創始。
1950年5月組織を株式会社に改め、資本金100万円をもって宮本製菓株式会社を設立。
1959年4月長野県松本市に松本工場を新設。
1960年9月社名をカンロ株式会社に改称。
1962年6月本社を東京都豊島区に移転。
1962年9月東京証券取引所市場第二部に株式を上場。
1963年10月本社を東京都中野区に移転。
1968年8月山口県光市に新工場を建設。
1972年5月山口県光市に光製菓株式会社(旧ひかり製菓株式会社(連結子会社))を設立。
1973年5月三菱商事株式会社と業務提携、販売総代理店契約を締結。
1982年6月長野県松本市に新工場を建設し松本工場を移転。
1988年12月山口県光市に島田工場を新設。
(旧ひかり製菓株式会社へ貸与)1989年1月本社を東京都新宿区に移転。
1995年8月 山口県光市に新工場を建設し、光工場を移転。
なお、新設移転を機に、事業所名をひかり工場に改称。
1998年3月本社を東京都中野区に移転。
2011年2月長野県朝日村に朝日工場を新設。
2011年11月 ISO14001(環境マネジメントシステム)をひかり工場(2000年)、松本工場(2001年)、朝日工場が認証登録し全工場で取得。
2015年5月本社研究室を東京都江東区に移転し、事業所名を豊洲研究所に改称。
2015年7月FSSC22000(食品安全規格)を朝日工場が取得。
2018年2月本社を東京都新宿区に移転。
2018年4月FSSC22000(食品安全規格)をひかり工場が取得。
2018年7月連結子会社のひかり製菓株式会社を吸収合併。
2019年2月松本工場において新グミラインが稼働。
2019年4月FSSC22000(食品安全規格)を松本工場が取得。
2022年4月東京証券取引所スタンダード市場に移行。
事業の内容 3 【事業の内容】
当社は、菓子食品事業(菓子の製造販売)を主な事業内容としております。
事業の系統図は次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)(その他の関係会社) 三菱商事㈱東京都千代田区204,446,667総合商社-29.63(0.00)当社製品の販売総代理店原材料の購入
(注) 1.議決権の所有(被所有)割合の被所有割合欄の( )内は、間接被所有割合で内数であります。
2.三菱商事㈱は有価証券報告書提出会社であります。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況(2024年12月31日現在)従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)67839.314.07,160(162)
(注) 1.従業員数は就業人員数であります。
2.当社の事業は菓子食品事業の単一セグメントであり、セグメントごとの記載を省略しております。
3.( )内は外数であり、年間平均臨時従業員数であります。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(2) 労働組合の状況当社の労働組合には、カンロ労働組合が組織されており、日本食品関連産業労働組合総連合会に加盟し、組合員数は2024年12月31日現在、504名であります。
なお、労使関係について特記すべき事項はありません。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者15.4100.073.378.794.4
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日(2025年3月31日)現在において判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針当社は2025年2月に、事業環境の変化と当社の現状・課題を踏まえ、新たに「Kanro Vision 2.0」を定めました。
「Kanro Vision 2.0」は、企業パーパス「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。
」の下、ビジョン(あり姿)「Sweetな瞬間を創り続けることで人々と社会に笑顔を。
」と4つのバリュー「Sweetな瞬間を創造する」「事業基盤を変革する」「未来へ紡ぐ」「創発的な組織の更なる進化」からなり、今後当社の進む方向性を示したものです。
企業理念体系① 企業理念「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。
」を、優しい未来へリードする素材の力と機能を追求した商品・サービスで実現する ② クレド(行動指針)創意工夫: 変化を恐れず、自ら考え、新たな価値をつくり続ける信義誠実: 誠実な言動を通じて、すべてのステークホルダーからの信頼に応える百万一心: 多様性や専門性を受け入れ活かし合い、パーパスに向かって社員、会社共に成長する Kanro Vision 2.0の全体像
(2) 中長期的な会社の経営戦略当社は「Kanro Vision 2.0」の実現に向けて、2025年12月期から2030年12月期までの6ヶ年を対象とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。
当中計は「国内グミ事業を中心に更なる成長を実現すると共に、持続的成長のための事業領域拡大・ビジネス モデル拡張を進める」期間と位置づけております。
主要施策及び主要指標は以下のとおりであり、「Kanro Vision 2.0」で掲げた4つのバリューに基づく施策について、本年度より具体的な取組みを開始しております。
「中期経営計画2030」主要施策 及び 主要指標 (3) 2025年度の経営指標当社は、2025年度の経営指標として売上高336億円、営業利益43.2億円、経常利益43.4億円、当期純利益32.6億円を目標としております。
(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題生産体制の強化近年の国内グミ市場の伸長は著しく、当社商品の販売についても大きく伸張しております。
昨年、当社は長野県松本市所在の松本工場のグミ生産能力を増強しておりますが、今後も更なる拡大が予測されるグミ市場に対応すべく、2027年生産開始を目指し、長野県朝日村所在の朝日工場の増築棟建設、グミライン新設、自動倉庫新設等を決定いたしました。
当社はキャンディ市場シェアNO.1※企業として、今後も事業戦略に沿った生産体制の強化・充実を図り、飴・グミ市場の更なる成長を牽引してまいります。
事業基盤の変革コア事業(国内飴・グミ事業)では、当社の商品開発力、ブランド力並びにマーケティング施策が功を奏し、キャンディ市場において当社はNO.1シェア※を引続き維持しておりますが、「Kanro Vision 2.0」の実現には、「事業基盤の変革」が不可欠だと考えております。
当社は海外市場での調査結果及びインバウンド需要等から海外市場における当社商品の受容性が高いとみており、その機会を捉えるため、2025年1月よりグローバル事業部を新規事業本部からコア事業本部へ移管いたしました。
今後はコア事業本部のリソースを最大限活用し、既進出済の中華圏(台湾・香港・中国)に続き米国市場への本格的な進出に取組んでまいります。
一方、拡大するEC市場については、当社のブランド価値向上のプラットフォーム「Kanro POCKeT」並びにファンコミュニティ「Kanro POCKeT Ⅹ(クロス)」を活用することでCX(Customer Experience)を向上、顧客との関係性を一期一会型からエンゲージメント型に進化させ、DtoC事業による新たな収益モデルの実現に取組んでまいります。
経営基盤の強化人財、IT/デジタル、研究開発等の経営基盤の強化は、会社の成長における重要な課題だと認識しております。
当社は引続き人的資本経営を進め、人財の育成及び確保に取組むと共に、人事制度整備等も実施しながら、より働きがいのある職場実現への環境整備を行います。
また、新基幹システムの稼働開始に向け取組むと共に、生成AI等のデジタルツールを積極的に活用し、業務効率化による働きやすい職場の構築及び生産性・競争性向上を図ってまいります。
研究開発については、中長期の商品開発方針である「素材を活かす」「キャンディならではの機能性」の下、サステナビリティを意識した各研究テーマへの取組み推進、継続的な投資を行い、イノベーション創出へ挑戦し続けます。
サステナビリティの推進当社は事業活動を通じた社会課題の解決に取組むため、「サステナビリティ委員会」を2022年に設置し、サステナビリティに関する重要課題の解決に向けた活動に取組んでまいりましたが、その取組みをさらに前進させるため、2024年1月から委員会推進体制を見直すと共に、「サステナビリティ推進部」を新設しました。
社長を委員長とするサステナビリティ委員会の新たな体制は、4つの分科会「糖の価値創造・社会貢献」「事業を通じた環境負荷削減」「食の安全・安心」「人権の尊重・ダイバーシティの推進」から構成され、各分科会のリーダーは執行役員が担っています。
サステナビリティ委員会、サステナビリティ推進部が中心となって、全役職員でサステナビリティの推進に引続き取組んでまいります。
コーポレート・ガバナンス体制の強化当社は、ガバナンス体制の強化を通じて、企業価値の更なる向上と持続的な成長を目指しております。
危機管理対応としては、各種BCPの整備、サイバーセキュリティ対策の強化に取組んでいます。
コンプライアンスへの対応としては、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とするコンプライアンス委員会を定期的に実施しており、また、様々なテーマでの社内研修を継続的に実施することで、社員のコンプライアンス意識を高めてまいります。
※インテージSRI+ キャンディ市場 2024年 販売金額シェア
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みの状況は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日(2025年3月31日)現在において判断したものです。
(1) カンロのサステナビリティに関する考え方当社はキャンディNO.1企業として、持続可能(sustainable)な社会をすべてのステークホルダーと共創することにより、皆様から愛され、信頼される企業になることを目指しています。
今後も糖を基盤とした事業活動を通じて社会課題の解決に取組むことで、企業価値の向上と共にSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
サステナビリティ推進基本方針当社は、企業パーパス「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。
」の下、事業を通じて社会課題の解決に寄与しながら、企業価値を向上させることで、人と社会の持続的な未来に貢献します。
① 糖の価値創造糖の持つ価値を正しく発信すると共に、世界の多様な人々の生活に健康・喜び・楽しさ・幸福な時間をもたらす商品やサービスを通じて、よりよい社会づくりに貢献します。
② 事業を通じた環境負荷削減気候変動に対応するため温室効果ガス排出量削減を目指します。
また、資源循環型社会実現に貢献すべく、食品廃棄物や使用するエネルギーの削減にも取組みます。
③ 食の安全・安心食品を扱うメーカーとして、食の安全・安心の実現は最重要の使命と認識しています。
また、お客様に対する正しい情報発信・コミュニケーションを通じて、食生活そのものの安全・安心にも貢献します。
④ 人権の尊重・ダイバーシティの推進社員一人ひとりが成長し、仕事への誇りを持てるように多様な個性を尊重して、組織全体の成長を目指します。
また、常に社会へ目を向けてカンロに関わる全ての人が安全に働ける環境を整え守ります。
⑤ 組織統治社会から信頼され、必要とされる企業となるために、公正な事業と透明性の高い組織運営を実現します。
常にステークホルダーの声に耳を傾け、経営に反映します。

(2) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理① ガバナンス当社は、全社員がサステナビリティへの意識をより一層高め、これまでの取組みを深化させることを目的として、各部門より選出された委員から構成される組織横断の「サステナビリティ委員会」を2022年4月に新設しました。
2024年1月からは、委員長を代表取締役社長、4つの分科会のリーダーを執行役員が務め、サステナビリティ推進部を委員会の事務局とする体制に強化しています。
当委員会の中で、サステナビリティに関する基本方針、推進体制、各KPI進捗状況並びに今後の対応策等を協議しています。
当委員会で協議された内容は四半期に一回以上の頻度で常勤役員会・取締役会へ報告され、取締役会が監督・助言をすると共に、中期経営計画や年度の予算等の重要事項は取締役会の決議で決定されています。
② リスク管理 当社では、経営企画部を主管部とする全社的リスク管理体制の下、当社事業に与える影響度の高いリスクについて定期的に識別・評価を行い、リスク管理基本規程に基づいて取締役会に報告を行っています。
サステナビリティに関するリスクについても、サステナビリティ推進部を中心にサステナビリティ委員会で検討、及び対応策の取組みを管理しています。
こうした取組み状況は、サステナビリティ委員会より常勤役員会・取締役会へ定期的に報告され、監督・管理を行っています。
【サステナビリティ推進体制】
(3) 重要なサステナビリティ課題① マテリアリティの特定プロセス事業を通じて社会課題の解決に寄与しながら企業価値を向上させるため、当社を取り巻くあらゆる社会課題のうち、将来にわたって事業活動を継続するために重要な課題をマテリアリティ(サステナビリティ課題)として定めました。
マテリアリティは外部環境の変化や当社の事業成長に応じて変化しうるものと考えています。
そのため、マテリアリティは2018年度に一度特定しましたが、2021年度、2025年度に見直しを行いました。
② マテリアリティ 「Kanro Vision 2.0」の実現に向け、「糖の価値創造」、「事業を通じた環境負荷削減」、「食の安全・安心」、「人権の尊重・ダイバーシティの推進」、「組織統治」の5つのテーマを掲げました。
また、それぞれのテーマに関連するマテリアリティ(重要課題)とアプローチを下表のとおり整理しています。
マテリアリティアプローチ糖の価値創造健康福祉の増進糖に対する正しい知識の普及活動を実施する健やかな生活に寄与する商品・サービス開発事業を通じた環境負荷削減気候変動温室効果ガス排出量を削減するサプライチェーンにおけるサステナブル調達(環境影響側面)資源循環と廃棄物削減食品廃棄物を削減する商品容器に環境にやさしい素材(バイオマス・生分解性・リサイクル素材・紙等)を使用使用するエネルギーを削減食の安全・安心商品の安全衛生原料、製造委託先の品質リスク評価に基づき、品質審査を計画的に実施消費者品質満足度の向上責任あるマーケティングと表示ユニバーサルデザインを意識した商品設計 マテリアリティアプローチ人権の尊重・ダイバーシティの推進人権の尊重人権デューデリジェンスの実施サプライチェーンにおけるサステナブル調達(人権側面)多様な人財の活躍多様な人財を活かし、価値創造につなげる健康と安全を確保し、安心して活き活きと働ける職場を整備する組織統治ガバナンスステークホルダーへの説明責任を重視するコンプライアンス意識の向上リスクマネジメント強化情報セキュリティの強化 ③ 指標と目標 上記で掲げたサステナビリティ課題のうち、指標を用いて進捗を管理する項目については下表のように整理しています。
下記以外のマテリアリティに関しても、今後適切な指標の設定を行い、進捗を管理していきます。
マテリアリティ指標(KPI)2024年度実績目標健康福祉の増進糖に対する正しい知識の普及活動の実施人数(延べ)939万人2030年までに1,500万人に実施気候変動温室効果ガス総排出量(Scope1,2,3)Scope1,210,828t-CO₂Scope387,308t-CO₂2030年Scope1,2 10,000t-CO₂Scope3  110,000t-CO₂2050年までにカーボンニュートラル達成資源循環と廃棄物削減食品廃棄物量(売上高原単位)4.42t/億円2030年までに2019年比30%削減3.24t/億円商品容器に使用する環境にやさしい素材の比率0.8%2030年までに30%生産重量原単位でのエネルギー使用量(原油換算)△1.8%(2023年4月~2024年3月)直近5年間で年平均1%削減多様な人財の活躍女性管理職(課長職以上)比率15.4%2030年までに30%台障がい者雇用率2.6%2030年までに3%従業員エンゲージメントスコア51.9% 2030年までに70%以上(2020年47%) (4) 気候変動(TCFD)に関する考え方及び取組① ガバナンス気候変動課題に関する取組み・モニタリング・レビューは、サステナビリティ委員会内の「事業を通じた環境負荷削減分科会」が主管しています。
サステナビリティ委員会の詳細及び気候変動のリスク・機会に対する当社のガバナンスは、(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理に記載のとおりです。
② 戦略当社は、気候変動によるリスクと機会を重要な経営課題の1つであると認識しており、当社製品及びサービスの調達・生産・供給までのバリューチェーン全体を対象として、当社への影響を考察し、リスクと機会を特定しています。
分析の前提2℃シナリオと4℃シナリオの世界観を整理し、2030年(中期)・2050年(長期)におけるリスクと機会を整理しました。
シナリオ分析結果におけるリスクと機会は、低炭素社会への移行に伴う政策や技術等の社会変化によって生じる「移行」側面と気候変動に伴う自然災害の発生や気温上昇等の「物理」側面を考慮しています。
設定シナリオ時間軸参照シナリオ2℃移行2030年(中期)及び2050年(長期)IPCCによる気候変動予測シナリオ「SSP1-2.6」(第6次評価報告書)、IEAによる移行シナリオ「持続可能な開発シナリオ(SDS)」(ⅠEA WEO 2018, 2020, 2024)4℃物理IPCCによる気候変動予測シナリオ「SSP3-7.0」(第6次評価報告書) シナリオ分析結果前事業年度は定量的な簡易分析も加味しながら定性的に評価を実施しておりました。
当事業年度より、「中期経営計画2030」の内容をシナリオ分析に組み入れると共に、2030年及び2050年の時間軸を想定の上、当社の営業利益に与える影響度を「大(10億円以上)」「中(10億円未満~5億円以上)」「小(5億円未満)」での評価に見直しました。
〈気候変動による主なリスク2℃シナリオ〉大分類小分類リスク要因事業への影響影響度時間軸対応策移行リスク政策と法カーボンプライシングの導入 炭素税、排出量取引導入により当社生産コストが増加する・カーボンプライシングによって発生する費用の試算結果は以下のとおり【温室効果ガス排出量削減を行わない場合】
2030年度:炭素税 2.2億円、排出量取引 0.05億円2050年度:炭素税 3.3億円、排出量取引 0.6億円【温室効果ガス排出量削減の目標達成時】
2030年度:炭素税 2.0億円、排出量取引 なし2050年度:温室効果ガスをわずかに排出する可能性があるが、炭素税及び排出量取引による事業への影響は上記と比べて軽微であると認識小中期~長期・2030年にScope1,2の温室効果ガス総排出量を10,000t-CO₂、Scope3の温室効果ガス総排出量を110,000t-CO₂、2050年までのカーボンニュートラル達成に向け、再生可能エネルギーの使用拡大(太陽光発電の増設、地中熱を利用して基礎空調を行う換気システムの導入、不良廃棄飴のバイオマスエネルギーへの転換利用等)、省エネ施策、生産性効率化施策を推進、検討・工場稼働の最適化による高効率の生産体制の構築・気候変動に対する影響度を設備投資採択基準に追加(2022年)・温室効果ガス削減につながるESG投資の実施・A重油、メタンガスの燃料転換を検討プラスチック利用の規制再生プラスチック比率の上昇等により、包装材の調達コストが増加する小中期・プラスチック使用削減施策(パッケージ包装薄肉化、サイズ縮小等)を経済性を考慮しながら推進、検討・2030年までに商品容器における環境にやさしい包材(バイオマス、生分解性、リサイクル素材、紙等)の比率を30%まで引き上げる目標達成に向けた取組み推進、検討市場原料コスト増加低炭素社会へ移行し、農作物の収量が減少することで原料価格が高騰し調達コストが増加する小中期~長期・原料を2社以上の購買先確保を原則とする購買の基本方針遵守と更なる調達ルートの拡大検討・主原料における代替原料検討・廃棄原料の削減推進(再生利用等)電力コスト上昇電力価格の上昇により、工場、保管倉庫の温度維持コストが増加する・電力価格上昇に伴うコスト増加額は以下のとおり2030年度:0.7億円2050年度:2.3億円小中期~長期・太陽光発電の増設・地中熱を利用して基礎空調を行う換気システムの導入評判消費者の環境意識の高まり・嗜好の変化消費者の環境意識の高まりによって、環境対応が遅れた商品の消費者離れや流通業の当該商品の取扱い回避に伴う売上が減少する小中期・2030年までに商品容器における環境にやさしい包材(バイオマス、生分解性、リサイクル素材、紙等)の比率を30%まで引き上げる目標達成に向けた取組み推進、検討・人権ポリシー(2023年策定)に則った環境面を含むサプライヤーの状況確認等、人権デューデリジェンスの実施・調達ポリシーの策定(2024年12月) 〈気候変動による主なリスク4℃シナリオ〉大分類小分類リスク要因事業への影響影響度時間軸対応策物理リスク急性台風や洪水等の異常気象の発生洪水や台風の発生に伴い、物流が滞り、調達、生産、物流、販売活動が停止することで売上高が減少、または調達コストが増加するまた、工場等が被災することで製品や設備の毀損に伴うコストが増加する小中期・生産工場に火災保険を付加、罹災に伴う損失補填として利益保険を付加・災害対応BCPを策定済み・松本市ハザードマップ上で奈良井川の浸水想定区域にある松本工場に、擁壁、止水板を設置対策済み(2021年) 〈気候変動による主な機会 2℃シナリオ〉大分類機会要因事業への影響影響度時間軸対応策市場省エネ設備導入の推進省エネ設備への更新の実施等、より効率的な製造により製造コスト、将来的な炭素税を削減する中中期~長期・ボイラー設備の利用手順見直し、空調設備の更新、LED照明への切り替え等省エネ施策の推進・A重油、メタンガスの燃料転換を検討・再生可能エネルギーの更なる使用拡大を推進、検討評判消費者の環境意識の高まり・嗜好の変化 環境負荷削減商品、環境負荷が低い原材料を使用した商品開発により売上が増加する環境意識が高い消費者のニーズにあわせた製品、サービス開発で消費者需要に対応し、売上が増加する小中期~長期・2030年までに商品容器における環境にやさしい包材(バイオマス、生分解性、リサイクル素材、紙等)の比率を30%まで引き上げる目標達成に向けた取組み推進、検討・環境に配慮した商品設計基準作成検討・カーボンフットプリントの算定(2024年10月時点3商品、今後算定対象商品拡大予定)・生産時に規格外となったグミ「グミッツェルU」の販売(2025年1月)・新規事業における廃棄飴、廃棄包材のアップサイクル商品等の開発を推進① 清見みかんの搾汁時に残る繊維質「清見パルプ」と果汁を使用したグミ(2022年)② 廃棄包材を活用したバッグ、サコッシュ、ペンケース(2023年)③ 廃棄包材を活用しアップサイクルしたテーブル(2024年12月) ③ リスク管理当社は、気候変動に関するリスクを、経営基盤に関するリスクと捉え、特に重要な経営課題の1つであると認識しています。
リスクと機会の特定に当たり、サステナビリティ委員会を中心とするメンバーでシナリオ分析を行い、当社事業に与える影響度の高いリスク・機会を識別・評価の上、常勤役員会・取締役会に報告を行っています。
気候変動のリスクに対する当社のリスク管理は、(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理に記載のとおりです。
④ 指標と目標 当社は、気候変動リスクへ対応するため、2030年の温室効果ガス総排出量目標についてScope1,2の温室効果ガス総排出量を10,000t-CO₂、Scope3の温室効果ガス総排出量を110,000t-CO₂と設定しており、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げています。
温室効果ガス排出量 Scope3の2030年目標に関して、目標値が2024年実績よりも上回っておりますが、当目標は2024年の売上高317億円から2030年売上目標500億円へと事業が拡大することに伴う上昇値から削減施策を鑑みて設定しています。
(5) 人的資本経営への取組み(戦略/指標と目標)当社のパーパスである「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。
」を体現し、持続的な発展を続け、未来を創るために最も重要な資産が人財であると考えています。
そして「Kanro Vision 2.0」を実現するためには、事業戦略と同期した人事戦略の遂行が重要です。
特に事業領域拡大に向けたビジネスモデルや経営戦略に資するストーリーある人財投資に向けて、当社は人的資本経営に取組みます。
① 人財育成に関する方針当社のビジョンにおいて、組織やそれを構成する社員は、パーパスの実現に向けた3つのプロミスを支える原動力であり、社員一人ひとりが、変化に対応し、学び続け、成長を継続することにより創発的な組織の更なる進化を目指します。
社員の育成を後押しするために、当社のクレドを念頭においた自律性、チャレンジ精神、リーダーシップ、オーナーシップ等に資する施策を進めます。
1)経営人財の育成・確保世の中の不透明性・不確実性がますます強まる中において、“事業という大きな観点から組織をマネジメント”する人財と“社内外の力を集め牽引”する人財の両面の観点から、様々な価値観を受容出来る多様性と、強いリーダーシップを持った“経営人財”の育成・確保が重要と考えています。
また、こうした人財が社内で活躍することによって、今以上に様々な価値観が混じり合い、トップダウンに拠らず社員が自ら考え、動くことの出来る組織づくりを目指します。
次世代の経営人財育成のために、例えば「カンロ経営塾」という選抜研修を実施しています。
この研修では将来の経営幹部候補育成クラスと管理職候補となる若手育成クラスを設けています。
経営幹部候補育成クラスでは約半年間、他社の経営幹部候補者等と合同で昨今の経営課題等をテーマとした研究を行い、その成果を自社に持ち帰り経営層へ提言しています。
このクラスを卒業した社員は、現在役員として活躍しています。
また若手育成クラスでは約半年間、将来のビジョン等について議論を重ね、経営トップを含む役員との対話の機会を設けています。
この選抜研修には毎年女性も参加しており、このクラスを卒業した社員の多くは管理職として現在活躍しています。
また人財育成の一環として、様々な取組みを進めています。
社員の多様なキャリアパスの実現を目的に社内公募制度を導入しています。
1つの部門だけでなく様々な仕事や価値観に触れる機会を増やすことで、カンロの社員として更なる価値創造につなげます。
2024年度からは管理職に対する人事評価制度を改定し、管理職それぞれが「未来に向けて一歩踏み出せたか」を評価する仕組みを導入しています。
管理職の意識と行動を変えていくことで、当社のパーパスやビジョンの実現に更に取組みます。
2)デジタル人財の育成・確保データドリブンによるデジタルマーケティングを展開し、デジタル起点でのイノベーションによる新たな顧客価値を創造することを事業戦略のひとつとしており、それらの専門性を持つ人財の育成・確保を進めます。
また業務効率化・生産性向上及び価値創出を図るため、全社横断でDXへの取組みを進めるべく、2024年度に新たに設置されたDX推進委員会の下、エキスパートの育成及び全社的なITリテラシー向上の研修等を実施しています。
今後も継続的にあらゆるデータを活用して業務改革を推進する人財やデジタルと業務・経営を総括して考えることのできる人財の育成に取組みます。
3)グローバル人財の育成・確保ビジョンの実現に向けて、米国市場に本格参入します。
更なる発展に向けて、プロダクトアウトの視点だけでなく、カスタマーインの視点でそれぞれのお客様に合ったニーズをとらえ、新たに市場を創出していくことも重要です。
今までとは違う環境の中で、当社の社員として培った価値観と、国ごとの考え方やルールを融合させて事業を創出、牽引していけるような“グローバル人財”の育成・確保に向けて取組みます。
4)生産・供給体制の拡充に向けた人財の育成・確保更なる事業拡大における当面の課題として、生産体制の拡充が挙げられます。
当社の強みの1つが「生産技術力」であり、優れた品質と安定供給を担保することが、当社ブランドを支えております。
「中期経営計画2030」で既存工場の増築棟建設、グミライン新設等の投資を進め、生産能力の拡充を図ることを計画しています。
生産・供給体制の拡充に向けて、スマートファクトリーの導入や社員の多能工化を図ると共に現場に従事する社員の採用の間口を広げていくなどして、人財の育成・確保に取組みます。
5)研究開発力の向上のための専門性の強化当社の強みの1つとして、糖にこだわり、素材と機能性を追求する「研究開発力」があります。
この研究開発力の基になるものが研究・技術本部の専門性であり、当該部門では引き続き専門性を徹底的に追求して、当社の強みを伸ばしていく必要があると考えています。
専門性の強化に向けて、例えば研究開発を進める上で必要な専門知識や技能を社員に習得させる大学院履修支援制度を設け、会社の発展に寄与する人財の育成につなげています。
またビジョン実現に向けて商品開発強化と機能性付加による高価値化を掲げており、独創的な商品の開発や新用途・新配合の製法技術の開発、グローバル展開に向けた原料規格・品質管理の向上といった取組みが重要となることから、それらの専門性の強化にも取組みます。
② 社内環境整備に関する方針サステナビリティの活動領域のひとつとして「人権の尊重・ダイバーシティの推進」を掲げています。
社員一人ひとりが成長を実感しながら仕事への誇りを持ち、多様な個性を尊重しながら周囲と助け合い「チームワーク」を深めていくことで会社も共に成長する、そうした好循環を生み出していきたいと考えています。
また「エンゲージメント」・「健康経営」・「コンプライアンス」等の観点からも、社内環境整備に向けた取組みを進めます。
1)エンゲージメントの向上エンゲージメントを高めていくことは、パーパスの浸透や「Kanro Vision 2.0」の実現において必要不可欠な要素だと考えています。
これまではオープンな情報共有やインナーコミュニケーションの強化に取組み、株式会社スタメンが自社で開発・提供するエンゲージメントプラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」を利用する企業を対象として実施しているベストエンゲージメントカンパニー賞ベストルーキー賞を2021年に受賞しました。
「中期経営計画2030」では、2030年までの従業員エンゲージメントスコアの目標値を定めており、この目標達成にむけて引き続き取組みを進め、一人ひとりが自律的に働きながら共創するエンゲージメントの高い組織へ変革するための制度と仕組みを強化しています。
2)健康経営の推進当社では社員とその家族の健康の充実が重要と考え、2020年に健康経営宣言を制定し、「健康経営戦略マップ」や「健康経営ロードマップの策定」を通して健康経営の実現に向けて計画的に取組んでおり、引き続き社員の健康づくりを支援するために様々な取組みを行います。
【2024年の施策例】
・定期健康診断結果データ化やワークエンゲージメント調査に基づく効果検証・事業所ごとの状況に応じたメンタルヘルス施策実施・睡眠施策実施(睡眠パーソナルチェック、睡眠セミナー) 3)ダイバーシティの推進多様な個性や能力が最大限に発揮され社員と組織が成長する企業を目指し、2018年にダイバーシティ宣言を制定しました。
多様な個性を尊重し、全ての社員がライフとワークのバランスを取りながら活躍できるよう次の3つの視点「多様な視点」、「働き方改革」、「意識改革」から取組みを実施しています。
こうした取組みの結果、女性管理職比率は2024年度で15.4%、育児休業取得率も100.0%、有給休暇の取得率も74.8%に達しています。
4)コンプライアンス意識の向上当社ではチーフ・コンプライアンス・オフィサー及び各事業所にコンプライアンス・オフィサーを設置してコンプライアンスに関する体制を強化すると共に、内部通報制度を運用しています。
寄せられた相談や苦情は適切に対処すると共に、様々な施策に組み込むことで、コンプライアンス意識を高めています。
【主な施策例】
・全役員・社員を対象とした「企業倫理/コンプライアンス」に関する研修の定期的な実施・コンプライアンスカードの配布・レピュテーションリスク対策 上記に加え、今後アジアやアメリカといった更なるグローバル展開を見据えていることから、各国・地域の法令やその他のルール等を意識した研修等を継続して実施するなどして、より一層のコンプライアンス意識向上に取組みます。
③指標と目標指標(KPI)2024年度実績目標カンロ経営塾累計受講人数(目標値2027年)66名100名DX研修のべ受講人数(目標値2027年)354名1,000名チャレンジ評価“G”以上の割合100.0%80.0%従業員エンゲージメントスコア(目標値2030年)51.9%70.0%女性管理職比率(目標値2030年)15.4%30.0%台有給休暇取得率74.8%70.0%以上コンプライアンス関連教育(eラーニング)の受講率99.2%100.0%
指標及び目標 ③ 指標と目標 上記で掲げたサステナビリティ課題のうち、指標を用いて進捗を管理する項目については下表のように整理しています。
下記以外のマテリアリティに関しても、今後適切な指標の設定を行い、進捗を管理していきます。
マテリアリティ指標(KPI)2024年度実績目標健康福祉の増進糖に対する正しい知識の普及活動の実施人数(延べ)939万人2030年までに1,500万人に実施気候変動温室効果ガス総排出量(Scope1,2,3)Scope1,210,828t-CO₂Scope387,308t-CO₂2030年Scope1,2 10,000t-CO₂Scope3  110,000t-CO₂2050年までにカーボンニュートラル達成資源循環と廃棄物削減食品廃棄物量(売上高原単位)4.42t/億円2030年までに2019年比30%削減3.24t/億円商品容器に使用する環境にやさしい素材の比率0.8%2030年までに30%生産重量原単位でのエネルギー使用量(原油換算)△1.8%(2023年4月~2024年3月)直近5年間で年平均1%削減多様な人財の活躍女性管理職(課長職以上)比率15.4%2030年までに30%台障がい者雇用率2.6%2030年までに3%従業員エンゲージメントスコア51.9% 2030年までに70%以上(2020年47%)
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ③指標と目標指標(KPI)2024年度実績目標カンロ経営塾累計受講人数(目標値2027年)66名100名DX研修のべ受講人数(目標値2027年)354名1,000名チャレンジ評価“G”以上の割合100.0%80.0%従業員エンゲージメントスコア(目標値2030年)51.9%70.0%女性管理職比率(目標値2030年)15.4%30.0%台有給休暇取得率74.8%70.0%以上コンプライアンス関連教育(eラーニング)の受講率99.2%100.0%
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
当社の事業に関し、経営者が投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のようなものがあります。
同時に、これらのリスクに適切な対策を講じることは持続的な成長の機会としてとらえております。
また、以下に記載の内容は当社に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日(2025年3月31日)現在において入手し得る情報に基づいて、当社が判断したものです。
1.事業に関するリスク区分リスク主な対策顕在化した場合の影響度顕在化する可能性リスク認識の前年からの変化市場環境国内・消費者の消費動向の変化、多様化する消費者ニーズへの対応遅れによる既存事業への影響、成長機会の損失・他社との競争激化を起因とする主力ブランド商品の販売減少、リベート増加等による収益性低下・主力ブランド商品の刷新及び育成・新ブランド商品の開発及び育成・デジタルマーケティングの推進・自社デジタルプラットフォーム「Kanro POCKeT」を通じた販売拡大、新たな商品、サービス提供・国内キャンディ市場のシェア拡大によるコア事業強化、競争優位性の確立・糖の価値創造活動の実施・イノベーティブな飴(ハードキャンディ)商品の開発に向けた取組み中大→・少子高齢化、人口減少の影響による国内キャンディ市場の縮小・糖に対するネガティブな風評の拡大による事業への影響中中→海外・TPP、日EU経済連携協定など関税引き下げによる輸入品との価格競争・海外市場進出遅れによる機会損失・戦略的パートナーを通じた米国、中国市場ほかへの進出・戦略的な輸出売上の増加・海外専用商品、国内外統一規格商品の開発低中→食の安全・安心・製品の品質、表示不備によるお客様からの信頼低下・輸出国の品質基準を充足しない製品輸出による現地のお客様からの信頼低下・SNS等における風評被害の発生による企業価値毀損・カンロ品質方針に基づく、サプライチェーン全体での総合品質向上を目指した取組みの強化・食品安全マネジメント充実のため、FSSC22000運用による品質管理・CS向上委員会の設置・SNS等の継続的なモニタリングによる不適切な情報の早期発見 高中→ 区分リスク主な対策顕在化した場合の影響度顕在化する可能性リスク認識の前年からの変化サプライチェーン原材料調達・調達価格の変動による原価上昇・調達先の倒産など、調達先起因による供給の不安定化・計画的な購買による原価低減・同一原材料の複数購買の実施・代替原料の検討・サプライヤーとのエンゲージメント向上高中→生産・製造設備トラブルによる生産遅延、停止・製造工場のオペレーションを担う人材の確保・エネルギー価格上昇による収益性の低下・計画的な設備保守、メンテナンスの実施・生産合理化に向けた設備投資・スマートファクトリーの実現に向けた取組み 中中→物流・欠品発生による機会損失・需要予測の見誤りによる長期滞留在庫の発生・輸送コスト上昇による利益圧迫・需給予測精度の向上・配送スケジュール及び発注ロット見直しなど安定供給に向けた配送体制の構築中大→自然災害・感染症等・大規模地震、河川氾濫などの自然災害による企業活動の停滞、停止・感染症等のまん延による企業活動の停滞、停止・企業活動の早期回復に向けた災害、感染症BCP運用・工場の水害に備えた浸水対策の実施高中→ 2.経営基盤に関するリスク区分リスク主な対策顕在化した場合の影響度顕在化する可能性リスク認識の前年からの変化情報システム・システム障害による企業活動停滞、停止・サイバーテロ、不正アクセス等による企業活動の停滞、停止や情報漏洩・(移行後の)基幹システムの誤作動等による企業活動の停滞・情報セキュリティポリシー及び情報セキュリティ管理規程の遵守・サイバー事故対応に関する規程、マニュアル整備・定期的な社員情報セキュリティ教育及び訓練の実施・サイバーセキュリティリスク対策の強化・SaaS利用に関する内部管理体制の強化・新基幹システム導入プロジェクトのマネジメント強化高中→地球環境・企業活動における環境配慮への欠如による企業価値毀損・気候変動による原材料の調達不全・気候変動による当社製品需要への影響・温室効果ガス排出量削減、食品廃棄物削減のための生産設備投資・製品の賞味期限延長などフードロス削減に向けた各種取組み・包装資材等の新たな環境配慮型素材への変更・各工場における排水処理の適切な実施高中→ 区分リスク主な対策顕在化した場合の影響度顕在化する可能性リスク認識の前年からの変化人権の尊重・ダイバーシティ・人権に関する取組み不十分による企業価値毀損・多様な人材確保の困難・多様な人材活躍を推進する、働く環境の整備遅れによる競争力低下・カンロ人権ポリシー策定、運用・人的資本経営の推進・カンロファームの取組み強化・ダイバーシティに係る社員教育の定期的実施高中→ガバナンス・コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全による事業継続のリスク・コンプライアンス違反発生による企業価値毀損・事業過程で取得した個人情報の漏洩や不正利用等・コーポレート・ガバナンス体制の強化・投資家向け説明会の開催による機関、個人投資家とのエンゲージメント向上・ガバナンス委員会、コンプライアンス委員会の設置・定期的な社員コンプライアンス、ハラスメント研修の実施・ソーシャルメディア規程の遵守・個人情報保護規程の遵守高中→
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日(2025年3月31日)現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況及び分析当事業年度におけるわが国経済は、個人消費の一部に足踏みが残るものの緩やかに回復しました。
しかしながら、欧米における高金利水準継続や中国不動産市場の停滞継続に伴う影響など、海外景気の下振れが国内景気下押しのリスクとなっており、物価上昇や米国の今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等、先行きは依然不透明な状態が継続しています。
キャンディ市場におきましては、価格改定の浸透もあり、各カテゴリー並びに市場全体でも販売金額は前年を上回って推移しました。
当社の主要ドメインについては、飴カテゴリーは、感染症の流行と共にセルフケアの高まり継続によりのど飴が堅調に推移し、グミカテゴリーは、ハード系食感の商品が牽引し高い成長を続けております。
このような事業環境において、当社は企業パーパス「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。
」の下、「中期経営計画2024」の最終年度である当期においても3つの事業戦略(「価値創造」・「ESG経営」・「事業領域の拡大」)を着実に推し進め、当期の売上高は、前期比27億62百万円(9.5%)増収の317億78百万円となりました。
① 売上高当社は、単一セグメントであるため、商品カテゴリー別に売上高の状況を分析しております。
その結果は、次のとおりであります。
<飴カテゴリー>飴は、商品アイテムの絞り込みと人員増強等の生産体制整備により、継続するのど飴需要に対応し、前期比7億69百万円(5.1%)増収の158億15百万円となりました。
製品別では、休売・終売商品やファンシーカテゴリーの減少を、のど飴群と2月から価格改定を実施している「金のミルクキャンディ」シリーズがカバーしました。
<グミカテゴリー>グミは、9月末に松本工場グミ棟の拡張も完了し、前期比19億23百万円(14.5%)増収の152億17百万円となりました。
製品別では、輸入商品販売が減少したものの、主力ブランドである「ピュレグミ」シリーズが、「ピュレグミプレミアム」の伸長やTVCMによるプロモーション効果と3月からの価格改定が相俟って大きく販売増となりました。
更に、直営店舗ヒトツブカンロ(4月に2店舗目の常設店を東急プラザ原宿「ハラカド」にオープン)・デジタルプラットフォーム「Kanro POCKeT」にて販売の高付加価値商品「グミッツェル」も依然好評を博しています。
<素材菓子カテゴリー>素材菓子は、前期比59百万円(8.9%)増収の7億30百万円となりました。
② 売上総利益原材料価格の値上がり基調は円安と共に継続し、増産に向けた体制整備により固定費も増加しておりますが、一部商品の価格改定及び内容量の変更を実施することで対応し、上述の増収実現による限界利益の増加と相俟って、売上総利益は前期比14億47百万円(12.3%)増益の131億86百万円となりました。
③ 営業利益TⅤCM・サンプリング等の広告宣伝費や業容拡大等に向けた一般費の増加があるものの、配送効率化による運賃・保管料率の低減もあり、前期比8億95百万円(26.4%)増益の42億84百万円となりました。
④ 経常利益前期比8億82百万円(25.7%)増益の43億15百万円となりました。
⑤ 当期純利益政策保有株式の縮減による特別利益の計上により、前期比7億97百万円(32.4%)増益の32億60百万円となりました。
(単位:百万円) 2023年12月期2024年12月期増減増減率(%)売上高29,01531,7782,7629.5%売上総利益11,73813,1861,44712.3%営業利益3,3884,28489526.4%経常利益3,4324,31588225.7%当期純利益2,4623,26079732.4%
(2) 生産、受注及び販売の状況① 生産実績当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)菓子食品事業40,878,001111.6
(注) 金額は生産者販売価格により算出しております。
② 受注実績受注生産は行っていないため、該当事項はありません。
③ 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)菓子食品事業31,778,392109.5
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前事業年度当事業年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)三菱商事㈱27,385,73994.429,747,27393.6 (3) 財政状態の分析当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ32億66百万円(12.6%)増加し291億5百万円となりました。
これは主に有形固定資産が14億64百万円、現金及び預金が12億19百万円、売掛金が4億58百万円、商品及び製品が2億53百万円増加したことによるものです。
負債の部は、前事業年度末に比べ9億69百万円(8.6%)増加し122億74百万円となりました。
これは主に未払金が9億96百万円、未払費用が1億11百万円増加し、未払法人税等が1億40百万円減少したことによるものです。
純資産の部は、前事業年度末に比べ22億97百万円(15.8%)増加し168億31百万円となりました。
これは主に当期純利益32億60百万円の計上と配当金10億50百万円の支払によるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況及び分析① キャッシュ・フローの状況当事業年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べ12億19百万円増加し、49億81百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の増加、法人税等の支払などがあったものの、43億98百万円の資金増(前事業年度は39億35百万円の資金増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、21億69百万円の資金減(前事業年度は18億39百万円の資金減)となりました。
これは主に設備投資などの支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、10億9百万円の資金減(前事業年度は5億85百万円の資金減)となりました。
これは配当金の支払などにより資金が減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況の分析(キャッシュ・フロー関連指標の推移) 2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期自己資本比率(%)56.355.456.356.257.8時価ベースの自己資本比率(%)53.553.068.4112.0171.8キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.70.2---インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)385.8842.52,225.92,172.54,915.1
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い (注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
 (注2)キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債(短期借入金、長期借入金)を対象としております。
また、利払いは、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性当社の運転資金需要の主なものは、原材料の仕入や労務費、製造諸経費、販売費及び一般管理費等であります。
また、設備投資資金需要は、主にキャンディ製造設備への投資であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入により調達しております。
当社は、「中期経営計画2024」にて策定した財務戦略に基づき、コア事業が創出した営業キャッシュ・フローを成長エンジンであるグミ生産体制の増強、デジタル化推進及び新たな事業領域であるデジタル事業、グローバル事業及びフューチャーデザイン事業の成長に向け投資しております。
取引金融機関とは2022年度よりコミットメントライン契約を締結しておりましたが、2025年2月28日に契約満了により終了しております。
一方で、取引金融機関には当座貸越枠として調達手段を備えており、引続き流動性を確保しております。
(5) 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたって当社が採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
また、財務諸表を作成するにあたり、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りは、過去の実績や現在の状況並びに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
 当社は、1973年5月に三菱商事株式会社との業務提携を行い、同社と販売総代理店契約を結んでおります。
 
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社は、「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。
」というパーパスのもと、「糖を科学する技術」をコア・コンピタンスとし「素材を活かす技術」及び「機能を発揮させる技術」の構築に資する研究開発に取組んでまいりました。
また、サステナブルな社会の実現へ向け、研究開発におけるあらゆる基準を見直すことで、温室効果ガス排出量の削減をはじめ脱プラスチックや食品廃棄物の発生抑制・有効活用等を行ってまいりました。
更に、グローバル化や外部環境変化への適応に向けた研究開発も積極的に実施しております。
様々な分野の研究開発を実施するにあたり、「配合・製法開発」と「設備開発」の2つの側面ごとにテーマを設定することで、研究開発の質的向上と効率化を目指しております。
(1) 配合、製法開発における取組み「素材を活かす技術」について、サステナブルな経営基盤強化を目的とした研究方針を打ち出し、研究テーマとして「素材本来の美味しさを引き出すテーマ」のみならず、「環境や人権に配慮した原料選定と配合技術の追究」、「エネルギー使用量の少ない製法開発」などを掲げてテーマを推進いたしました。
「機能を発揮させる技術」については、外部研究機関との共同研究を通して、オープンイノベーションを継続して推進しております。
また、「糖を科学する技術」という観点から糖の持つ新たな可能性の探索について基礎研究レベルにまで踏み込んで継続実施しております。
更に、配合・製法開発の応用例として、「じゅるる」などの既存の製造技術に他の製品の製造技術を組み合わせた技術優位性のある商品を発売いたしました。

(2) 設備開発における取組みキャンディに更なる付加価値を持たせるため、既存技術に留まらない菓子の周辺技術を用いて、事業領域を拡大し得る新たなカテゴリー開発にも着手しております。
また、温室効果ガス削減を目的とした工場外壁の断熱塗装・太陽光発電を始めとした各種施策の検討・実施、また働く従業員の負担軽減・活人化を目的とした自動化設備の導入を実施、またIOTを活用したスマートファクトリー化も併せて行っております。
(3) サステナビリティに関する取組み状況「持続可能な開発目標(SDGs)」を基本とした全社的な活動の下、フードロス削減の取組みの1つとして、廃棄されている規格外製品(グミ)の利用検討を行っております。
製造した製品を無駄にしないことで、廃棄物を減らすことはもとよりエネルギー面においても、サステナブルな生産を念頭に検討を重ねております。
またそれ以外の取り組みとして品質に関する基準を見直す事で賞味期限の延長を図り、フードロスの削減に努めております。
さらに工場・豊洲研究所等において使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えるなど、あらゆる方面で環境負荷低減に努めております。
(4) グローバル化への取組みブランド製品のグローバル対応として各種原料の海外法規対応を進め、輸出可能な配合への変更を継続実施しています。
その中で海外戦略、米国輸出製品として主力製品につき配合設計を進めるなど、配合開発を推進しております。
(5) 原料価格の高騰、供給不安に対する取組み状況昨年に引続き原料価格の高騰や供給不安は続いており、ゼラチンなどのゲル化剤に加え、食品素材・添加物を問わず様々な原料に関する代替検討を実施しております。
特に乳原料に関しては新規原料への代替に向け、量産化検討及び目標品質の確認などを実施し製品の安定供給に向けた対応を実施しております。
なお、当事業年度における研究開発費の総額は、786百万円であります。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当事業年度の設備投資総額は2,950百万円であります。
主なものは、キャンディ製造設備(ひかり工場439百万円、松本工場1,933百万円、朝日工場451百万円)であります。
また、当期において重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(2024年12月31日現在)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)その他合計本社(東京都新宿区)菓子食品事業本社ビル55,3300―(―)147,999203,330222(24)ひかり工場(山口県光市)菓子食品事業キャンディ製造設備553,7041,472,136298,234(37,599)70,7622,394,837126(50)松本工場(長野県松本市)菓子食品事業キャンディ製造設備1,974,1352,517,492419,711(19,214)98,1185,009,458118(36)朝日工場 (長野県朝日村)菓子食品事業キャンディ製造設備804,6511,197,878426,810(38,924)106,5872,535,92772(38)R&D豊洲研究所(東京都江東区)菓子食品事業その他設備412,971―211,733(444)129,039753,74433(4)
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産並びに建設仮勘定の合計であります。
2.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。
3.本社は賃貸物件であり当事業年度における賃借料は117,052千円であります。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等                                      (2024年12月31日現在)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)着手年月完了予定年月本社(東京都新宿区)菓子食品事業システム投資等580,231294,631自己資金及び借入金2021年12月2025年12月―ひかり工場(山口県光市)菓子食品事業キャンディ製造設備478,1869,380自己資金及び借入金2022年11月2025年12月―松本工場(長野県松本市)菓子食品事業キャンディ製造設備333,78315,733自己資金及び借入金2023年11月2025年12月―朝日工場(長野県朝日村)菓子食品事業キャンディ製造設備401,35124,841自己資金及び借入金2024年3月2025年12月―R&D豊洲研究所(東京都江東区)菓子食品事業その他設備72,300―自己資金及び借入金2024年12月2025年11月―
(注) 1.完成後の増加能力については合理的な算定が困難なため記載しておりません。
2.「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、現有朝日工場の増築及びグミ生産設備の新設による設備投資額約130億円(生産開始日2027年7月)を予定しております。
全社のグミラインを現在の2ラインから3ライン体制にすることで、全社のグミ生産能力が約5割増強される見込みです。

(2) 重要な設備の除却、売却等該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動786,000,000
設備投資額、設備投資等の概要2,950,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況39
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況14
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,160,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的に保有する投資株式を純投資目的の投資株式、その他の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 (保有方針)当社は、事業上の関係強化、財務活動の円滑化、及び安定的取引関係の維持強化の方針に沿って当社の中長期的な企業価値の向上に必要な場合であり、かつ保有意義が認められると判断した場合に限り、政策的に株式を保有することとしております(以下、「政策保有株式」といいます。
)。
ただし、保有の意義が薄れたと判断される株式については、株価の動向、市場への影響等を勘案の上、発行会社と十分な協議を行いご理解を頂いた上で売却を進めます。
(保有の合理性を検証する方法)当社が保有する政策保有株式の保有合理性については、これら定性的な観点のほか、配当収益及び事業利益等の経済的便益が自社の資本コストに見合っているか、格付け・収益性等の信用リスクに問題がないか、その他経済合理性の定量的な観点も踏まえて、毎年取締役会において検証しております。
(2023年12月末基準の個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容)保有するすべての上場株式について政策保有の合理性を検証し、縮減方針とした銘柄について売却を実施いたしました。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式55,333非上場株式以外の株式5155,962 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式21,266持株会を通じた買増しによる、取引先との関係強化。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式――非上場株式以外の株式2125,690 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、定量的な保有効果
(注)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)㈱三井住友フィナンシャルグループ25,8008,600運転・設備資金の調達先であり、財務活動の円滑化及び将来的な事業拡大に向けた資金の調達先として取引関係を維持強化していくため相互保有しております。
有97,11159,168㈱リテールパートナーズ19,00019,000同社が地盤とし、当社創業の地であり、現在もひかり工場を有する山口県並びに九州地域への取組み維持・強化のため継続保有しております。
無24,05431,673㈱セブン&アイ・ホールディングス9,0562,881コンビニエンスストア及びスーパーの販売チャネルの重要取引先であり、安定的営業関係取引の維持強化及び相互の取組みによる事業の成長と将来的な企業価値向上のため保有しております。
株式数の増加は、当社との戦略的関係構築を目指した持株会を通じた株式の買増しによるものです。
無22,52316,116㈱マルイチ産商7,3737,065同社は長野県のスーパーの販売チャネルに強固な営業基盤を築いており、今後も同社との取組み強化を図って当該地域の販売を強化していく方針であるため継続保有しております。
株式数の増加は、当社が2工場を有する長野県における当社との関係強化を目的とした持株会を通じた株式の買増しによるものです。
無8,0819,077東日本旅客鉄道㈱1,500500東日本エリアにおける営業関係取引の維持強化のため継続保有しております。
無4,1924,064㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ―42,000財務活動の円滑化のために相互保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。
有―50,883㈱山口フィナンシャル・グループ―40,000財務活動の円滑化のために相互保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。
有―50,540
(注) 1.特定投資株式の㈱リテールパートナーズ以下の4銘柄は、貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下でありますが、全銘柄について記載しております。
   2.「―」は当該銘柄を保有していないことを示しております。
3.保有の合理性は、「保有方針」及び「保有の合理性を検証する方法」に記載のとおり、定期的に検証しております。
定量的な保有効果は機密保持の観点により記載しませんが、十分な定量効果があると評価しております。
ただし、資本コストの観点で目標数値を下回る銘柄については、採算改善を目指しますが、早期に改善されない場合には売却を検討いたします。
   4.当社の株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分(実質所有株式数)を勘案し記載しております。
みなし保有株式 該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5,333,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社155,962,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,266,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社125,690,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社1,500
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社4,192,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社持株会を通じた買増しによる、取引先との関係強化。
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社㈱山口フィナンシャル・グループ
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社財務活動の円滑化のために相互保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
(2024年12月31日現在)
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
三菱商事株式会社東京都千代田区丸の内2丁目3-14,25329.55
株式会社榎本武平商店東京都江東区新大橋2丁目5-29016.26
カンロ共栄会東京都新宿区西新宿3丁目20-28625.99
株式会社三井住友銀行東京都千代田区丸の内1丁目1-26924.81
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-126624.60
BNP PARIBAS LUXEMBOURG/2S/JASDEC/FIM/LUXEMBOURG FUNDS/UCITS ASSETS (常任代理人 香港上海銀行東京支店)33 RUE DE GASPERICH, L-5826HOWALD-HESPERANGE, LUXEMBOURG (東京都中央区日本橋3丁目11-1)2451.70
東京海上日動火災保険株式会社東京都千代田区大手町2丁目6-42431.69
三井住友信託銀行株式会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都千代田区丸の内1丁目4-1 (東京都中央区晴海1丁目8-12)2001.39
株式会社山口銀行 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)山口県下関市竹崎町4丁目2-36 (東京都港区赤坂1丁目8-1)1601.11
多根 嘉宏京都府京都市左京区1270.89
計―8,34858.00
(注) 1.上記のほか当社所有の自己株式922千株があります。2.当社は、役員向け株式交付信託を導入しております。  当該信託の信託財産として、
株式会社日本カストディ銀行(信託口)が所有する346千株は、上記(注)1.の自己株式に含めておりません。
株主数-金融機関7
株主数-金融商品取引業者13
株主数-外国法人等-個人15
株主数-外国法人等-個人以外45
株主数-個人その他14,942
株主数-その他の法人109
株主数-計15,131
氏名又は名称、大株主の状況多根 嘉宏
株主総利回り5
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
 会社法第155条第7号による取得区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式 163 415,388当期間における取得自己株式 80 285,148
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-415,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末発行済株式 普通株式(株)15,315,604--15,315,604自己株式 普通株式(株)1,393,503163124,5001,269,166
(注) 1.普通株式の自己株式の株式数の増加163株は、単元未満株式の買取り請求による増加163株によるものです。
2.普通株式の自己株式の株式数の減少124,500株は、同信託から退任役員への当社株式の交付124,500株であります。
3.普通株式の自己株式の当事業年度期首株式数には、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が所有する当社株式471,000株、当事業年度末株式数には346,500株を含めております。