財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-03-26 |
英訳名、表紙 | artience Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 髙 島 悟 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区京橋二丁目2番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(3272)6002 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 連結財務諸表提出会社(以下当社と称する)は、1896年に個人経営「小林インキ店」として創業し、1905年に合資会社に、1907年には株式会社に組織変更するとともに「東洋インキ製造株式会社」と商号を変更しました。 2011年には持株会社制へ移行し、東洋インキ株式会社、トーヨーケム株式会社を新設分割設立し事業を承継させるとともに、「東洋インキSCホールディングス株式会社」と商号を変更しました。 さらに、2024年に「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」べく、「artience株式会社」と商号を変更し、現在にいたっております。 1907年1月株式会社に改組し、「東洋インキ製造株式会社」と商号変更。 1959年10月当社川越工場(現トーヨーケム株式会社川越製造所・埼玉県川越市)建設。 1960年8月オリエンタル化成株式会社(現トーヨーカラー株式会社・東京都中央区・現連結子会社)設立。 1961年10月東京証券取引所市場第二部上場。 1963年11月当社富士工場(現トーヨーカラー株式会社富士製造所・静岡県富士市)建設。 1967年8月東京証券取引所市場第一部指定。 1971年3月三永インキペイント製造株式会社(大韓民国・現連結子会社)設立。 1971年8月当社守山工場(現東洋ビジュアルソリューションズ株式会社守山製造所・滋賀県守山市)建設。 1971年9月Toyo Ink (Thailand) Co., Ltd.(タイ・現連結子会社)設立。 1974年4月当社天間工場(現トーヨーカラー株式会社富士製造所・静岡県富士市)建設。 1975年9月Toyo Ink Europe S.A.(ベルギー)設立(2012年11月Toyo Ink Europe (Paris) S.A.S.(2013年1月Toyo Ink Europe S.A.S.に商号変更、2016年11月Toyo Ink Europe Specialty Chemicals SASを存続会社とする吸収合併により消滅)に事業譲渡、2012年12月清算結了)。 1976年1月Toyo Ink America Inc.(アメリカ)設立(2001年1月清算結了、同時に新設したToyo Ink America, LLC及びToyo Color America LLC.(2008年7月Toyo Ink Mfg.America,LLC.に商号変更、2012年12月Toyo Ink America, LLCを存続会社とする吸収合併により消滅)に事業譲渡)。 1980年4月当社埼玉工場(現東洋インキ株式会社埼玉製造所・埼玉県川越市)建設。 1994年1月天津東洋油墨有限公司(中華人民共和国・現連結子会社)設立。 1999年11月サカタインクス株式会社と生産、ロジスティックス、デジタル関連事業及び国際事業に関し業務提携。 2001年8月台湾での液晶カラーフィルター用材料の製造・販売事業を目的として、台湾東洋彩光股份有限公司(現台湾東洋先端科技股份有限公司・台湾・現連結子会社)を設立。 2003年1月中国華東地区でのグラビアインキ、樹脂、粘接着剤等の製造・販売事業を目的として、上海東洋油墨制造有限公司(中華人民共和国・現連結子会社)を設立。 2006年8月インドでのオフセットインキの製造・販売事業を目的として、Toyo Ink India Pvt. Ltd.(インド・現連結子会社)を設立。 2011年4月当社において、持株会社制へ移行。 「東洋インキSCホールディングス株式会社」と商号変更し、東洋インキ株式会社(東京都中央区・現連結子会社)、トーヨーケム株式会社(東京都中央区・現連結子会社)を新設分割により設立。 2012年4月オリエンタル化成株式会社(現トーヨーカラー株式会社・東京都中央区・現連結子会社)において、トーヨーケム株式会社(東京都中央区・現連結子会社)の色材・機能材関連事業を吸収分割により承継させるとともに、トーヨープラックス株式会社を吸収合併させ、「トーヨーカラー株式会社」に商号変更。 2016年1月DYO Printing Inks社(現Toyo Printing Inks Inc.・トルコ・現連結子会社)の発行済株式の75%を取得(2019年1月全株式を取得)。 2016年12月京橋二丁目西地区第一種市街地再開発事業における再開発棟の竣工に伴い、本社(東京都中央区)を仮移転先より新社屋(建物名称:京橋エドグラン)に移転。 2017年6月第180期(2017年12月期)より決算期を3月31日から12月31日に変更。 2017年9月東洋ビジュアルソリューションズ株式会社(東京都中央区・現連結子会社)設立。 2018年1月東洋ビジュアルソリューションズ株式会社(東京都中央区・現連結子会社)において、トーヨーカラー株式会社(東京都中央区・現連結子会社)の表示材料関連事業を吸収分割により承継。 2021年1月トーヨーケム株式会社(東京都中央区・現連結子会社)において、東洋アドレ株式会社(旧合弁会社東洋ペトロライト株式会社)を吸収合併。 2022年3月監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行。 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。 2023年1月東洋インキ株式会社(東京都中央区・現連結子会社)において、東洋インキ北海道株式会社、東洋インキ東北株式会社、東洋インキ中四国株式会社、東洋インキ九州株式会社、東洋インキグラフィックス株式会社及び東洋インキグラフィックス西日本株式会社を吸収合併。 2024年1月当社において、「artience株式会社」に商号変更。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当企業グループは当社、連結子会社56社及び持分法適用関連会社4社により構成されております。 当企業グループが営んでいる事業内容は、次のとおりであります。 区分主要な事業の内容主要な会社色材・機能材関連事業有機顔料、加工顔料、プラスチック用着色剤、カラーフィルター用材料、インクジェット材料、リチウムイオン電池材料 等国内トーヨーカラー、東洋ビジュアルソリューションズ 海外Toyo Ink Compounds Vietnam、珠海東洋色材、台湾東洋先端科技、Toyo Ink Europe Specialty Chemicals、LioChem、LioChem e-Materials、韓一東洋 他ポリマー・塗加工関連事業缶用塗料、樹脂、接着剤、粘着剤、塗工材料、天然材料、メディカル製品 等国内トーヨーケム、東洋モートン 他海外Toyo Ink (Thailand)、上海東洋油墨制造、三永インキペイント製造、東洋インキ韓国 他パッケージ関連事業グラビアインキ、フレキソインキ、グラビアシリンダー製版 等国内東洋インキ 他海外Toyochem Specialty Chemical、Toyo Ink Indonesia、Toyo Ink Vietnam、江門東洋油墨、Toyo Printing Inks 他印刷・情報関連事業オフセットインキ、金属インキ、印刷機械、印刷機器、プリプレスシステム、印刷材料 等国内東洋インキ、マツイカガク海外Toyo Ink India、天津東洋油墨、Toyo Ink Europe、Toyo Ink America、Toyo Ink Brasil 他その他の事業原料販売、役務提供、不動産の賃貸管理、子会社の持株会社 等国内当社、東洋ビーネット 他海外TIPPS、東洋油墨極東、Toyo Ink International 他販売業各種当企業グループ取扱製品の販売海外東洋油墨亞洲、深圳東洋油墨 他 また、当企業グループとその他の関係会社の子会社であるTOPPAN株式会社との間で製商品等の取引が行われております。 当社は特定上場会社等であります。 特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 事業の系統図は次のとおりであります。 (事業系統図) |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助その他の関係貸付金債務保証の実施(連結子会社) トーヨーカラー㈱ (注3)東京都中央区500色材・機能材関連100.0有有無同社からの業務受託 トーヨーケム㈱(注3)東京都中央区500ポリマー・塗加工関連100.0有有無同社からの業務受託、不動産等の賃貸借東洋インキ㈱(注3,5)東京都中央区500パッケージ関連、 印刷・情報関連100.0有有無同社からの業務受託、不動産等の賃貸、当社事務作業の同社への委託東洋モートン㈱東京都中央区498ポリマー・塗加工関連100.0有無無同社からの業務受託、不動産等の賃貸東洋ビーネット㈱東京都中央区490その他100.0有無無同社からの業務受託、不動産等の賃貸、当社事務作業の同社への委託マツイカガク㈱京都府京都市伏見区465印刷・情報関連100.0有無無同社からの業務受託、不動産等の賃貸東洋ビジュアルソリューションズ㈱(注3)東京都中央区300色材・機能材関連100.0有有無同社からの業務受託、不動産等の賃貸東洋FPP㈱埼玉県川口市200パッケージ関連100.0有有無不動産等の賃貸東洋マネジメントサービス㈱(注3)東京都中央区70その他100.0有無無当社情報システムに関する開発・設計、当社事務作業の同社への委託、不動産等の賃貸TIPPS Pte. Ltd.(注3)シンガポールSGD110,032千その他、色材・機能材関連100.0有無無―Toyochem Specialty Chemical Sdn. Bhd.(注3)マレーシアセランゴールMYR153,923千パッケージ関連、ポリマー・塗加工関連100.0(100.0)有無無同社からの業務受託Toyo Ink (Thailand) Co., Ltd.タイバンコクTHB552,851千ポリマー・塗加工関連、パッケージ関連100.0(69.3)有無有同社からの業務受託Thai Eurocoat Ltd.タイサムットサーコーンTHB8,000千 ポリマー・塗加工関連100.0(100.0)有無無―PT. Toyo Ink IndonesiaインドネシアベカシIDR101,025,685千 パッケージ関連100.0(4.4)有有有同社からの業務受託Toyo Ink Vietnam Co., Ltd.ベトナムドンナイUSD 11,710千 パッケージ関連、印刷・情報関連、ポリマー・塗加工関連100.0(14.9)有有無同社からの業務受託Toyo Ink Compounds Vietnam Co., Ltd.ベトナムバクニンUSD5,900千色材・機能材関連80.0有無有同社からの業務受託Toyo Ink India Pvt. Ltd.(注3)インドグレーターノイダINR4,505,692千パッケージ関連、印刷・情報関連100.0(0.0)有有有同社からの業務受託 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助その他の関係貸付金債務保証の実施東洋油墨亞洲有限公司中華人民共和国香港HKD146,905千色材・機能材関連100.0有無有―深圳東洋油墨有限公司中華人民共和国広東省HKD6,650千ポリマー・塗加工関連100.0(100.0)有無無同社からの業務受託東洋油墨極東有限公司(注3)中華人民共和国香港USD47,046千その他100.0有無無―天津東洋油墨有限公司(注3)中華人民共和国天津市USD54,500千印刷・情報関連70.0(70.0)有無無―珠海東洋色材有限公司(注3)中華人民共和国広東省USD33,910千色材・機能材関連100.0(71.3)有無有同社からの業務受託上海東洋油墨制造有限公司(注3)中華人民共和国上海市USD41,400千ポリマー・塗加工関連、色材・機能材関連100.0(14.5)有無無同社からの業務受託江門東洋油墨有限公司中華人民共和国広東省RMB131,781千パッケージ関連51.0(51.0)有無有同社からの業務受託江蘇東洋申蘭華顔料有限公司中華人民共和国江蘇省RMB10,210千色材・機能材関連51.0有無無―台湾東洋先端科技股份有限公司台湾台北市NTD600,000千色材・機能材関連100.0有無無同社からの業務受託Toyo Ink Europe Specialty Chemicals SAS(注3)フランスワッセルEUR26,017千色材・機能材関連100.0有有有―TIE International NV(注3)ベルギーニールEUR29,500千その他100.0(0.0)有有無同社からの業務受託Toyo Ink Europe NVベルギーニールEUR2,100千印刷・情報関連100.0(100.0)有有無同社からの業務受託Toyo Printing Inks Inc.(注3)トルコマニサTRY397,031千パッケージ関連、印刷・情報関連、ポリマー・塗加工関連100.0有有有― Toyo Ink Hungary KftハンガリーペシュトHUF65,000千色材・機能材関連100.0有無有―LioChem,Inc.アメリカジョージアUSD3,000千色材・機能材関連、パッケージ関連100.0(100.0)有無有同社からの業務受託Toyo Ink America, LLC (注3)アメリカイリノイUSD68,583千印刷・情報関連、パッケージ関連、ポリマー・塗加工関連100.0(100.0)有有無同社からの業務受託同社への業務委託LioChem e-Materials LLC(注3)アメリカケンタッキーUSD62,400千色材・機能材関連82.3(82.3)有無有同社からの業務受託Toyo Ink Brasil LTDA.(注3)ブラジルサンパウロBRL119,346千印刷・情報関連、パッケージ関連100.0有有無―Toyo Ink Mexico S.A. de C.V.メキシコハリスコMXN136,037千印刷・情報関連、色材・機能材関連100.0(18.1)有有無―三永インキペイント製造㈱大韓民国京畿道KRW1,943,340千ポリマー・塗加工関連、パッケージ関連100.0有無無同社からの業務受託 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助その他の関係貸付金債務保証の実施東洋インキ韓国㈱大韓民国ソウル市KRW400,010千ポリマー・塗加工関連100.0有無無同社からの業務受託韓一東洋㈱大韓民国ソウル市KRW3,628,925千色材・機能材関連100.0有無無同社からの業務受託その他17社――――――――(持分法適用関連会社) ロジコネット㈱埼玉県川口市200その他50.0有無無同社からの業務受託 日本ポリマー工業㈱兵庫県姫路市網干区100ポリマー・塗加工関連40.0有無無―Sumika Polymer Compounds (Thailand) Co., Ltd.タイチェチェンサオTHB294,780千色材・機能材関連45.0(45.0)有無有―その他1社――――――――(その他の関係会社) TOPPANホールディングス㈱ (注4)東京都台東区104,986その他[20.6]無無無― (注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。 2 「議決権の所有又は被所有割合」欄の( )は間接所有であり、[ ]は被所有割合であります。 3 トーヨーカラー株式会社、トーヨーケム株式会社、東洋インキ株式会社、東洋マネジメントサービス株式会社、TIPPS Pte. Ltd.、Toyochem Specialty Chemical Sdn. Bhd.、Toyo Ink India Pvt. Ltd.、東洋油墨極東有限公司、天津東洋油墨有限公司、珠海東洋色材有限公司、上海東洋油墨制造有限公司、Toyo Ink Europe Specialty Chemicals SAS、TIE International NV、Toyo Printing Inks Inc.、Toyo Ink America, LLC、LioChem e-Materials LLC、Toyo Ink Brasil LTDA.は、特定子会社であります。 4 TOPPANホールディングス株式会社は、有価証券報告書提出会社であります。 5 東洋インキ株式会社については、その売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等東洋インキ㈱(1) 売上高106,397百万円 (2) 経常利益3,554百万円 (3) 当期純利益2,467百万円 (4) 純資産額16,502百万円 (5) 総資産額61,232百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年12月31日現在セグメントの名称従業員数(人)色材・機能材関連事業2,040ポリマー・塗加工関連事業1,590パッケージ関連事業1,820印刷・情報関連事業1,903 報告セグメント計7,353その他167全社(共通)377合計7,897 (注) 1 従業員数は就業人員であります。 2 全社(共通)として記載されている従業員数は、持株会社である当社の従業員数であります。 (2) 提出会社の状況2024年12月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)37744.719.07,856,687 (注) 1 従業員数は就業人員であります。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3 提出会社の従業員数は全てセグメントの「全社(共通)」に含まれるため、合計人数のみ記載しております。 (3) 労働組合の状況当企業グループにおける主要な組合組織は、artience労働組合であり、当組合の組合員数は1,844名でいずれの上部団体にも属さず、労使協調して企業の発展に努力しております。 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異当連結会計年度の提出会社における多様性に関する指標の実績は、以下のとおりであります。 管理職に占める女性労働者の割合(%) (注1) 男性労働者の育児休業等取得率(%) (注2)労働者の男女の賃金の差異(%) (注1)全労働者うち正規雇用労働者うち非正規雇用労働者5.896.078.278.466.2 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号。 以下「女性活躍推進法」という。 )の規定に基づき算出したものであり、2025年1月1日現在の数値を記載しております。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。 以下「育児・介護休業法」という。 )の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。 当社は男性の育児休業等の取得を原則必須としておりますが、事業年度を跨いだ取得等により、取得率の値が100%を下回る場合があります。 3 提出会社原籍の労働者を対象としており、提出会社から連結子会社等への出向者を含んでおります。 4 連結子会社のうち、女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定により、当該指標以外を公表している会社及び公表義務の対象ではない会社は、記載を省略しております。 (労働者の男女の賃金の差異に関する補足)当企業グループでは、従事する役割(職務)に応じた賃金制度を適用しており、同一役割における性差による処遇差はありません。 上記の差異は、平均賃金を単純比較しているため、男女それぞれの役割別人数構成(管理職社員/一般社員)の影響が数値に表れております。 これを受けて、統計分析の手法を用いて年齢・学歴・勤続年数の影響を排除したうえで男女の賃金の差異を計算したところ、管理職社員については統計的に有意な差異は認められませんでしたが、非管理職(一般社員)については87.5%という差異が確認されました。 当企業グループは、これを実質的な男女の賃金の差異であると認識し、この差異を解消するための要因分析や取組みを実施しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当企業グループは、2024年1月1日より、商号・理念体系を新たにしました。 新商号artience(読み方:アーティエンス、英語表記artience Co., Ltd.)は、「art」と「science」を融合した言葉です。 artは色彩をはじめとした五感や心への刺激に加え、リベラルアーツの観点、scienceは技術や素材、合理性を表現しています。 新たな理念体系は、経営の基本的な考え方となるCorporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」、ステークホルダーへの約束となるBrand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来に挑む」「Empowering Feeling」、社員の活動の拠り所となるOur Principles(行動指針)から構成されています。 この理念体系の中で、持続的に輝き続ける未来のために人々が心豊かに暮らすことのできる社会を実現したいという「存在理由」、さまざまな技術や発想をつなぎ社会が抱える課題を解決に導くために、自社だけではなくパートナーと協業しその力を組み合わせることで人々の心を充たす美しさ・快さ・安心を届けるという「私たちの役割」を明確にし、我々が今後世界に提供していくべき価値を「感性に響く価値」と定義いたしました。 当企業グループは新たな理念体系のもと、強みとすべくartとscienceを融合し磨き上げ、目で見えること、触れて感じること、あるいは製品の品質を通じて感じることなど、人々の感性に響く価値を創り出し、心豊かな未来の実現に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標前中期経営計画においては、コロナ禍や急速な原材料高騰、ウクライナ紛争の長期化など大きな環境変化のなか、LiB用CNT分散体の事業の立上げなど今後の成長に向けた取り組みが進捗した一方で、既存事業の収益力やキャッシュフローなど業績・経営基盤には課題が残る結果となりました。 この様な状況下、社会から求められる価値の変化に対応し、「感性に響く価値」を提供し、心豊かで持続可能な社会に貢献する会社となるべく、artience株式会社と商号を変更するとともに、その目指す姿の実現に向けて新しい中期経営計画を策定しております。 当企業グループが成長の軌道に乗り、市場での存在感を発揮していくために、“GROWTH”を柱に、強い覚悟を持って変革を進めてまいります。 当企業グループは2029年12月期にROE10.0%以上を目標として掲げ、その過程として2026年12月期にROE7.0%以上を目標としておりましたが、8.0%以上に修正しております。 なお、2026年12月期の売上高は4,000億円、営業利益は250億円を計数目標としております。 マテリアリティとしては、事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、そして企業基盤構築とサステナビリティ経営実践を掲げております。 (3) 中長期的な経営戦略2024年度、artienceとして新たにスタートを切るにあたり、新たな理念体系のもと、変革を着実に実行すべく2030年をゴールとした経営計画artience2027/2030“GROWTH”を新たに設定いたしました。 本期間を通じて、「事業ポートフォリオの変革」「資本効率とキャッシュフローの最大化」「企業基盤構築とサステナビリティ経営」に取り組んでまいります。 2024年からの3年間をartience2027とし、3つの基本方針「高収益既存事業群への変革」、「戦略的重点事業群の創出」、「経営基盤の変革」に基づき、変革へ向けた取組みを進めてまいります。 「高収益既存事業群への変革」では、当企業グループの既存事業を成長事業、収益基盤事業、構造改革・戦略再構築事業に分類し、それぞれの位置付けに応じた変革を進めます。 変革にあたっては、収益力の向上が期待される事業の拡大へ集中するほか、収益が伸び悩む事業については、大胆な施策による構造改革を実行してまいります。 「戦略的重点事業群の創出」では、車載用リチウムイオン電池材料、ラミネート接着剤をはじめとするモビリティ・バッテリー分野と、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料や光学用粘着剤、半導体向け材料などのディスプレイ・先端エレクトロニクス分野の2つの領域にグループの資源を集中し、新たな収益の柱となる事業群を創出してまいります。 また、2030年以降を見据え、環境・バイオ・エネルギーを次世代事業と位置付け、戦略的に資源を配分し事業の拡大や創出へ向けた取り組みを進めてまいります。 「経営基盤の変革」では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を基本とした経営資源の強化に取り組みます。 その中でも、変革の起点と考える人的資本の強化や風土の醸成、資本効率性の向上へは特に注力してまいります。 人・風土に対しては、各種制度の刷新や環境整備等を通じたエンゲージメントの向上、挑戦する風土の醸成に取り組みます。 また、ROICなどの指標に基づいたマネジメントを進め、資本効率の向上に取り組んでまいります。 そのほか、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030を通じた社会的責任への対応、DXや生成AIの実践展開など、目指す姿の実現を支える経営基盤の変革を進めてまいります。 (4) 対処すべき課題新中期経営計画「artience2027」の2年目となる次期連結会計年度では、各事業を以下の通り推進してまいります。 色材・機能材関連事業では、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料の中国市場でのシェア向上へ、現地での生産体制の確立など、市場ニーズに合わせた重点施策を進めてまいります。 光半導体用材料は着実に事業を拡大させていくとともに、次世代技術の開発や用途展開により更に事業の幅を広げていきます。 また、車載用リチウムイオン電池材料は、中長期でのEVシフトの方向性は変わらない見通しのもと、事業環境を見据えながら欧•米•中•日での生産体制の確立を進めるとともに、新規採用の更なる獲得、負極用やLMFP用の導電助剤などの製品構成拡大により収益機会の多様化を進めます。 これらと並行し、全固体電池など次世代技術の開発も推進してまいります。 ポリマー・塗加工関連事業では、中国•米国•インドを中心にニーズを捉えた粘接着剤製品の開発を進め、グローバル視点でのサプライチェーンの最適化と更なる生産増強を図ります。 缶用塗料は、2023年に実施したM&Aの効果を拡大すべく、グローバルで拠点間のネットワークを強化してシナジー創出に取り組みます。 また、エレクトロニクス関連材料は、半導体向け製品群の実績を拡大するとともに、パイロットプラントを活用した差別化製品開発と量産化技術の獲得を促進し、アライアンスやM&Aも視野に事業拡大を加速してまいります。 パッケージ関連事業では、インドや東南アジアなど、海外市場の成長の取り込みを進めてまいります。 中国では更なる成長へ向けて生産・営業・技術を強化すべく拠点間の連携体制の再構築を進めます。 トルコでは新工場を稼働させ、トルコ市場のみならずEMEA地域(欧州・中東・アフリカ)への展開も加速させてまいります。 また、顧客ニーズに先行した環境調和型製品の開発や展開を進めてまいります。 印刷・情報関連事業では、国内の情報系印刷市場の縮小が継続するとの考えのもと、アライアンスなども含めた更なる効率化を進めてまいります。 また、省エネニーズをとらえたUV及びLEDインキの拡販や、脱プラに貢献する枚葉インキ・機能性コーティング剤の展開を進め、海外市場への拡大と紙器パッケージ市場での製品展開を加速させてまいります。 このような事業活動に加え、持続可能な経営の実践として経営基盤強化への取り組みを進めてまいります。 人事制度や人材育成体系の刷新、DE&Iの推進、ビジネスアイデアコンテストの実施などの諸施策により、エンゲージメントの向上や挑戦する風土の醸成を図るとともに、事業戦略と連動した人材確保の取り組みなど、人的資本の強化を進めてまいります。 また、ROIC等の資本効率性指標の浸透を進め、事業活動での実践展開を図ります。 さらに、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030に基づき、環境負荷低減などの社会的要請に応える取り組みを継続していきます。 デジタル変革においては、攻め・守りのDXの取り組み、素材開発や事業戦略への生成AIの実践投入など、製品開発やオペレーションの変革を進めます。 また、新CIと理念体系の社内外への浸透に引き続き取り組み、新たなブランドの構築を一段と進めてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般①ガバナンス当社は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載の企業統治の体制を採用しております。 この体制において、当企業グループの経営に関わる重要事項について、広範囲かつ多様な見地から審議する会議・委員会を設置することで、業務執行や監督機能などの充実を図っており、サステナビリティに関しては、「サステナビリティ委員会」を設置しております。 当企業グループは、Corporate Philosophy(経営哲学)、Brand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)、Our Principles(行動指針)からなる理念体系に基づき、サステナビリティの推進、すなわち「事業を通じて地球環境と社会の持続可能性の向上に貢献するとともに、自らの持続的成長を実現する」ために、サステナビリティ憲章及びサステナビリティの個別のテーマに関する基本方針等を定め、これらに沿って取組みを進めております。 当企業グループが主な取組み対象としているサステナビリティテーマは、以下のとおりであります。 いずれのテーマも重要と位置付けて取り組んでおりますが、特に、環境分野での気候変動対応を継続重点テーマとして掲げ、CO2をはじめ温室効果ガス(GHG)の排出削減を積極的に推進しております。 同様に社会分野では、人権対応と人的資本マネジメント(人材育成、DE&I、健康経営など)に注力しております。 分野主な取組み対象としているサステナビリティテーマ環境(E)気候変動(エネルギー消費、GHG排出)、水管理、資源循環、汚染防止(大気・水・土壌)、化学物質管理、生物多様性 など社会(S)人権、人的資本マネジメント(人材育成、DE&I、健康経営)、調達(サプライチェーン)、労働安全衛生、製品安全、品質保証 などガバナンス(G)コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンス、公正取引、腐敗防止、情報セキュリティ、個人情報保護、知的財産、事業継続 など サステナビリティ委員会は、当企業グループのサステナビリティ関連のリスク/機会を特定・評価・管理し、全社サステナビリティに関する活動を計画策定、推進、評価するとともに、活動の実施部門に対するフォローを行っております。 これらの活動は、取締役会やグループ経営会議において経営層に定期的に報告され、必要に応じて対応指示を受けております。 また、年1回定期的に全社会議体である「サステナビリティ会議」を開催し、全社サステナビリティ活動及びグループ各社の個別活動の報告や、サステナビリティに関する方針の共有などを行っております。 同委員会は、その下位にESG推進部会、コンプライアンス部会、リスクマネジメント部会の3部会を設置しており、代表取締役による監督のもと、サステナビリティ担当役員(取締役)が委員長、上記3部会の部会長3名が委員として、3部会の各々で推進されたサステナビリティ事項について対応しております。 サステナビリティ推進体制(2025年1月1日現在) ②戦略当社は、当企業グループのサステナビリティ推進の基本戦略を「事業を通じて地球環境と社会の持続可能性の向上に貢献するとともに、自らの持続的成長を実現する」としており、これに基づいた多様な施策を実施達成することで、当企業グループの経済価値と社会価値を示し、企業価値の向上を図ります。 (サステナビリティビジョンの概要)当企業グループは、2022年1月、近年の気候変動対応や脱炭素、SDGsの取組みに関するグローバルの動向、および企業組織に向けられたサステナビリティ関連要請が活発化している社会状況に対応するため、2050年を見据えた実践的な長期目標として、artienceグループサステナビリティビジョンasv2050/2030を策定しました。 2025年2月、新たなグループマテリアリティ(後述)の策定に伴い、asv2050/2030の各サステナビリティ要素で不足している部分の補完と、定量目標の現状に即した更新等、一部改定を実施しました。 artienceグループサステナビリティビジョンasv2050/2030(2022年1月策定、2025年2月改定)asv20302050年へのマイルストーンでの中間目標SDGs達成に向けた企業としての貢献を推進asv20502050年のあるべき姿に至る方向性カーボンニュートラル達成など2050年におけるあるべき姿1.持続可能な社会を実現させる製品・サービスの提供・サステナビリティ貢献製品売上高比率:80%・すべての製品をサステナビリティ貢献製品に提供する全製品・サービスがサステナビリティに貢献している・ライフサイクル視点でCO2排出削減に貢献できる製品ラインナップを拡大・バリューチェーン全体での脱炭素化に貢献2.モノづくりでの環境負荷低減・Scope1+2排出量(グローバル):26%削減(2020年度比)・生産活動でのカーボンニュートラル達成、企業活動全体でもGHG排出量を最小化モノづくりにおける環境負荷が最小化されている・生産拠点での水使用量の削減と水資源保護を推進・生産活動での持続可能な水利用を実現・グループ全体でのゼロエミッション達成と省資源化、資源リサイクルを推進・廃棄物の発生を最小化するとともに再資源化を最大化・有害化学物質排出量(グローバル):30%削減(2020年度比)・生産活動で有害化学物質を排出しない化学メーカーに3.信頼される企業基盤の構築・人権・労働・環境に配慮した責任ある原材料調達を実現・サステナビリティ視点でサプライチェーン、人権と多様性、人材マネジメント、地域の自然やコミュニティとのつながり、ガバナンスを継続的に改革・変革社会の持続可能性向上に寄与できる企業になっている・人権と多様性を尊重する職場環境を実現・成長につながる人材育成と安心・安全に働ける職場環境を推進し、社員エンゲージメントを向上・絶え間ない改革でステークホルダーの期待に応えるガバナンスを構築・パートナーシップ構築や地域・自然との共生により価値共創を実現 asv2050/2030は、2050年を目標年としてあるべき姿に至る方向性を示したasv2050と、そのマイルストーンとして2030年にバックキャストしたasv2030の2つからなっております。 asv2050は、提供するすべての製品・サービスが社会・環境のサステナビリティに貢献するものであること、カーボンニュートラルをはじめモノづくりにおける環境負荷が最小化されていること、社会の持続可能性向上に確実に寄与できる企業であることをあるべき姿として、さまざまな企業活動を推進するための長期ビジョンです。 一方asv2030は、asv2050の時間軸上のマイルストーンであると同時に、国連が提唱するSDGsの達成に向けた企業としての貢献を推進する中間目標です。 (グループマテリアリティの策定)当企業グループは、上記のサステナビリティビジョンasv2050/2030と、2024年度に施行された経営計画artience2027/2030“GROWTH”を出発点として、当企業グループのサステナビリティ経営として2030年までの期間において取り組むべき重要課題を特定し、「グループマテリアリティ2025-2030」を策定しました。 このグループマテリアリティを土台として、財務戦略と非財務戦略が統合された、多様なサステナビリティ施策を計画、遂行します。 グループマテリアリティ策定に際しては、サステナビリティ委員会ESG推進部会のメンバー、当社グループ経営部およびサステナビリティ担当役員で新マテリアリティ策定チームを編成し、さまざまなサステナビリティ課題の分野において当企業グループの活動と社会・環境の動向が相互に与える影響を分析・考察し、それらの重要度を評価しました。 また、主要な連結子会社の生産・販売・技術・経営企画部門の長を参加者としたワークショップを開催し、事業責任者および社内ステークホルダーとしての意見を聴取するとともに、ESG各方面についての識見を有する外部有識者にヒアリングを実施し、当企業グループがグローバル社会の一員として掲げるべきマテリアリティの姿について意見を求めました。 このようなプロセスを経て策定したグループマテリアリティは、2024~2030年度を対象期間とした経営計画artience2027/2030“GROWTH”と連携しており、2025年度に運用を開始します。 なお、現中期経営計画artience2027期間の終了に合わせてKPI/目標の見直しを図ることを予定しております。 STEP1課題の抽出と整理ISSB等の非財務情報開示の国際基準や主要ESG投資指標の評価基準、当企業グループの経営計画や旧グループマテリアリティ(5つの重要課題)、サステナビリティビジョンasv2050/2030、また他の国内外化学メーカーのマテリアリティ等をもとに、課題項目の候補を洗い出した後、それらを分類整理して39の課題による「ショートリスト」を作成しました。 STEP2社内外ステークホルダーへのヒアリング主要な連結子会社の生産・販売・技術・経営企画部門の長を参加者としたワークショップを開催し、各課題の重要性や優先順位、影響度等について事業責任者かつ社内ステークホルダーとしての立場での意見を出し合いました。 また、ESG各方面の外部有識者に、当企業グループが策定すべきマテリアリティの姿についてヒアリングを行いました。 STEP3各課題の分析と考察ワークショップおよび有識者ヒアリングにて得られた意見を参考にして、各課題における当企業グループの活動と社会・環境の動向が相互に与える影響を分析・考察することで、グループマテリアリティ運用期間である2025~2030年度における各課題の重要度評価を進めました。 STEP4重要課題の特定ワークショップの結果と各課題に対する分析・考察に基づく重要度評価を合わせて策定チームで検討を重ね、15の重要課題を特定し新たなグループマテリアリティとしました。 当企業グループが掲げるマテリアリティは、asv2050/2030が示す方向性等をより具体的な対象分野と目標にブレイクダウンするものであるとして、asv2050/2030に連動した4つのピラー(柱)で整理しました。 また、これに伴いasv2050/2030も、不足要素の補完や定量目標の現状に即した更新等、一部改定を行いました。 STEP5KPI/目標の選定各重要課題について関係部門と協議し、各々の中期事業計画と連動するKPI/目標を設定しました。 目標の定量化が困難なものについては、施策の定性的進捗を目標の代替としました。 さらに、各重要課題の解決を主導する部門組織と、SDGsのどのゴール/ターゲットの達成に関連するかを明示しました。 以上をサステナビリティ委員会会合およびグループ経営会議、取締役会での承認を得て、2025年度より運用開始しました。 (経営として取り組む重要課題)当企業グループは、経営として2030年度までの期間において取り組む15の重要課題を特定した「グループマテリアリティ2025-2030」を策定・運用しております。 これら15の重要課題は、サステナビリティビジョンasv2050/2030に連動した4つのピラー(柱)で整理されております。 それぞれの重要課題は、テーマ(分野)とアクション(実行項目)で構成され、関連するSDGsのゴール、及び課題の解決に関わる当社ならびにグループ各社の部門を指定しております。 なお、サステナビリティ委員会ESG推進部会は、15の重要課題すべての解決推進に関係しております。 テーマ(重要課題の分野)アクション(重要課題の実行項目)関連するSDGs関係する部門1.製品・サービスを通じた「感性に響く価値」の提供製品・サービス戦略的重点事業群をメインに、サステナビリティ貢献製品の売上増大を図る2. 飢餓をゼロに3. すべての人に健康と福祉を7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに11. 住み続けられるまちづくりを12. つくる責任 つかう責任13. 気候変動に具体的な対策をグループ経営部各社事業部門ESG推進室脱炭素バリューチェーン全体でのGHG排出削減、脱炭素化を推進する7. エネルギーをみんなに そしてクリーンにESG推進室各社事業部門グループ購買部2. モノづくりでの環境負荷低減気候変動全方位的なGHG排出量削減に取り組み、気候変動抑制に貢献する7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに13. 気候変動に具体的な対策をESG推進室各社生産部門水管理生産拠点での水利用を改善し、自然環境と生活環境の保全に貢献する6. 安全な水とトイレを世界中にESG推進室各社生産部門廃棄物資源循環生産拠点やオフィスの廃棄物等を削減し、バリューチェーンにおける資源循環を推進する9. 産業と技術革新の基盤をつくろう11. 住み続けられるまちづくりを12. つくる責任 つかう責任14. 海の豊かさを守ろう15. 陸の豊かさも守ろうESG推進室各社生産部門汚染防止化学物質大気・水・土壌の汚染防止を徹底し、環境汚染ゼロの生産活動を目指す3. すべての人に健康と福祉を6. 安全な水とトイレを世界中に12. つくる責任 つかう責任14. 海の豊かさを守ろうESG推進室生産企画室各社生産部門 テーマ(重要課題の分野)アクション(重要課題の実行項目)関連するSDGs関係する部門3. 人的資本を重視する経営SCM責任ある原材料調達を実現するサプライチェーンを構築する8. 働きがいも経済成長も10. 人や国の不平等をなくそう12. つくる責任 つかう責任16. 平和と公正をすべての人にグループ購買部各社各部門人権尊重DE&I人権と多様性が尊重される、ジェンダー差異のない職場環境を構築する4. 質の高い教育をみんなに5. ジェンダー平等を実現しよう8. 働きがいも経済成長も10. 人や国の不平等をなくそうグループ総務部グループ人事部人的資本チャレンジを応援する人材育成を通じて、社員のキャリアアップとエンゲージメントを高める4. 質の高い教育をみんなに8. 働きがいも経済成長も9. 産業と技術革新の基盤をつくろう10. 人や国の不平等をなくそうグループ人事部労働安全健康経営現場の労働安全と社員の健康をレベルアップし、安心できる職場環境を構築する3. すべての人に健康と福祉を8. 働きがいも経済成長も生産企画室各社生産部門グループ人事部4. 信頼され、価値を共創しつづける経営基盤の形成コーポレート・ガバナンス財務基盤経営の透明性確保を推進し、財務基盤の健全性を向上させる12. つくる責任 つかう責任16. 平和と公正をすべての人にグループ総務部グループ人事部グループ経営部グループ財務部コンプライアンスリスクマネジメント情報セキュリティコンプライアンスとリスクマネジメントを継続的に見直し、体制の実効性を向上させる5. ジェンダー平等を実現しよう10. 人や国の不平等をなくそう11. 住み続けられるまちづくりを16. 平和と公正をすべての人にコンプライアンス部会リスクマネジメント部会グループ総務部グループ情報システム部製品安全品質保証製品安全・品質保証体制を強化し、モノづくり企業としての信頼を高める9. 産業と技術革新の基盤をつくろう12. つくる責任 つかう責任生産企画室各社生産部門DX推進DX推進・AI活用・デジタル変革を加速し、事業環境変化への適応力や労働生産性を向上させる4. 質の高い教育をみんなにインキュベーションセンターグループ情報システム部各社各部門共創風土コミュニティパートナーシップ構築と地域コミュニティとの共生を通じて、価値共創を実現する企業風土を醸成する4. 質の高い教育をみんなに8. 働きがいも経済成長も9. 産業と技術革新の基盤をつくろう11. 住み続けられるまちづくりを17. パートナーシップで目標を達成しようインキュベーションセンター各社各部門グループ総務部グループ経営部 ③リスク管理当社では、サステナビリティ委員会下のリスクマネジメント部会が中心となって全社リスクマネジメント体制を構築し、グループ全体の事業継続に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、網羅的・総括的に管理しております。 また、当企業グループの各社・各部門においては、社会環境の変化や日常業務に潜むリスクを抽出して評価・検討し、対策を実施しております。 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.内部統制システムの整備の状況 (1)取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他業務の適正を確保するための体制 ③損失の危険の管理に関する規程その他の体制」に記載しております。 リスクマネジメント体制(2025年1月1日現在) ④指標及び目標当社は、上記「経営として取り組む重要課題」において説明している「グループマテリアリティ2025-2030」の各重要課題に対する取組み状況を管理し、実績を評価するためのKPI(主要取組み指標)を設定しております。 これらのKPIに対しては、それぞれ定量的な目標値もしくは実施すべき施策(定性目標)を設定しております。 テーマ(重要課題の分野)KPI/目標値(2030年度)または施策1. 製品・サービスを通じた「感性に響く価値」の提供製品・サービス戦略的重点事業群の営業利益比率(連結):40%以上サステナビリティ貢献製品売上高比率:80%サステナビリティ貢献製品(環境価値製品、生活価値製品)のラインナップ拡充脱炭素Scope4(サプライチェーン川下でのGHG排出削減貢献量)の算定の着手と推進国際ルールに基づく自社CFP算定体制の構築および特定製品分野への適用完了Scope3排出量削減を目的としたサプライヤーエンゲージメントの強化2. モノづくりでの環境負荷低減気候変動Scope1+2排出量(グローバル):2020年度比26%削減[CO2排出量として、国内2020年度比35%削減,海外2030年度BAU比35%削減]Scope3排出量削減の取り組み推進水管理水リスク地域(渇水・洪水・浄水不足)に所在する拠点での水資源保護活動の推進水リサイクルの活動推進とリサイクル率の算定廃棄物資源循環3R推進によるゼロエミッションを達成:グループ拠点におけるトータルの廃棄物最終処分率1%以下プラスチック資源循環、プラスチック廃棄物削減の取り組み推進汚染防止化学物質有害化学物質排出量(グローバル):2020年度比30%削減汚染防止関連の法令違反件数:0件継続 テーマ(重要課題の分野)KPI/目標値(2030年度)または施策3. 人的資本を重視する経営SCMCSR調達率:80%(カバレッジ70%)ガイドライン同意率:85%(カバレッジ70%)物流、原材料取引、業務委託におけるサステナブルサプライチェーン取り組み推進人権尊重DE&I管理職女性比率(国内連結):10%社員に対する人権デュー・ディリジェンス実施率(グローバル):100%障がい者雇用率(国内:特例子会社グループ適用):3%DE&I活動の推進(ジェンダー・障がい者・シニア対応など)人的資本社員教育・研修平均投資額の増大(国内)主体的キャリア形成(社内公募、社内FA)の成立推進(国内)社員エンゲージメント調査におけるスコア向上社員のチャレンジ支援強化(ビジネスアイディアコンテスト参加者支援、報奨制度など)労働安全健康経営休業災害発生件数(国内、場内委託先を含む):0件生活習慣病リスクの低減(国内):肥満リスク21.3%・高血圧リスク9.7%・糖尿病リスク9.1%・脂質リスク31.0%育児休業等・育児目的休暇取得率(国内):100%維持社員の労働安全衛生、健康増進に資する取り組み推進4. 信頼され、価値を共創しつづける経営基盤の形成コーポレート・ガバナンス財務基盤役員(取締役、執行役員)の多様性(ジェンダー、スキル)の向上役員報酬制度の改革(決定プロセスのさらなる透明化、非財務成果の反映、情報開示など)ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本):10%以上コンプライアンスリスクマネジメント情報セキュリティ倫理行動規範および内部通報制度の周知浸透重大コンプライアンス違反(法令違反等懲戒対象に相当する違反行為)発生件数:0件継続海外情報セキュリティ体制の整備(共通ルール施行と拠点ごとのカスタマイズ、脆弱性検査・是正活動など)製品安全品質保証グローバル品質標準ネットワークの充実化(品質水準の統率、品質保証情報の共有など)安全性・品質に関する重大な製品トラブル(法令違反、人的被害、一定以上の財産的損害)の発生件数:0件継続DX推進「生成AIネイティブ500」(生成AI核人材/活用推進人材の育成)の推進:2027年度までに500名育成生・販・技・管の各職務分野におけるDX導入推進共創風土コミュニティ行政・企業・研究機関とのパートナーシップ構築(事業共創、共同研究開発など)の推進地域社会とのコミュニケーション推進社会貢献活動(災害等支援、文化・教育支援、環境保全、寄付・寄贈、雇用など)の推進 当社は、これらのKPIで進捗把握しながら取組みを推進し、その実績を定期的に開示するとともに、社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを図っております。 上記の表に、2025年から運用する新マテリアリティのKPI/目標値または施策を示しております。 (2)気候変動対応①ガバナンスサステナビリティ委員会下のESG推進部会は、気候変動対応を含む全社サステナビリティに関わる具体的な活動を企画・推進しております。 さらに、気候変動対応活動の経営に対する実効性を高めるべく、当社のESG推進室が中心となって、気候変動対応に関する情報収集、リスク/機会の特定・分析・評価、社内ルール策定、情報開示などの実務を担い、経営層やコーポレート部門、事業各社経営管理部門などと協働して、気候変動対応の経営計画・事業計画への組込み強化、気候関連目標の諸活動への展開や予算化を推進するなど、体制における連携強化を図っております。 気候変動対応体制(2025年1月1日現在) ②戦略(基本方針、基本戦略)当企業グループは、世界的な気候変動及び各国や地域行政が講じる政策・施策は、市場環境や原材料調達、消費者の選好性を大きく左右し、事業の継続や業績に強く影響すると認識しております。 これに関して「気候変動対応に関する方針」を掲げるとともに、こうしたリスク/機会を分析し、経営計画や事業計画に反映させております。 気候変動対応に関する方針 artienceグループ(以下、「当社グループ」という)は、世界的なGHG(温室効果ガス)排出増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動は、グローバル社会が直面する最重要の社会課題の一つであり、気候変動への対応は当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼしうる重要な経営課題であると認識しています。 この認識に基づき、当社グループは、気候変動に関するグローバルな要請に積極的に対応し、気候変動対応活動を通じて、社会の持続可能性向上への貢献に努めます。 1. 気候変動対応推進体制の構築当社グループは、当社グループの全社の気候変動対応活動を統括する、経営直轄の推進体制を構築し、グループとしての気候変動対応施策の推進に取り組むとともに、経営戦略や事業戦略への気候変動対応の導入を推進します。 2. GHG排出量の把握と削減当社グループは、2050年でのカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、グループ全体の事業活動におけるGHG排出量の把握と削減に努めます。 特にGHG排出量削減については、サプライチェーンも含めた実効的な削減施策を推進します。 3. 気候変動対応に貢献する製品・サービスの提供当社グループは、製造時のCO2排出量が少ないだけでなく、使用時のCO2排出を抑制したり、気温上昇した環境への適応を支援したりするなど、お客様や生活者の気候変動対応活動に貢献する製品・サービスを開発、提供することで、社会に「環境価値」を提供します。 4. 気候変動リスクへの対応と事業・拠点の強靭化当社グループは、グループの事業活動や操業拠点における気候変動が及ぼすリスクを評価し、継続的なモニタリングとリスク低減・回避に向けた適切な対応策を講じることで、事業や拠点のレジリエンス向上に努めます。 5. 気候変動対応活動に関する適切な情報開示当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)をはじめ、気候変動対応に関する主要なイニシアチブに賛同・参加し、当社グループの気候変動対応活動について積極的かつ適切に情報開示します。 6. 気候変動に関する啓発と教育当社グループは、社内において気候変動およびその対応に関する意識や知見を高め、あらゆる事業活動への気候変動対応の導入を推進するため、当社グループの役員、顧問および社員を対象とした適切な啓発・教育活動を行います。 2022年4月25日 制定2024年1月1日 改定 (シナリオ分析)当企業グループでは、平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するためにさまざまな施策が行われる世界を想定した1.5℃シナリオと、既存の政策・制度の運用に留まり気候変動が進行しリスクが顕在化していく世界を想定した4℃シナリオを参照しリスク分析を行いました。 そこで特定したリスク4項目と機会2項目について、分析の対象期間としている2030年度までにおける財務影響度と発現可能性を3段階で定性的に示しております。 カテゴリーリスク/機会財務影響度/発現可能性影響の増大時期1.5℃シナリオ4℃シナリオ移行リスク:政策と法、市場原材料コスト・エネルギー価格の上昇財務影響度3発現可能性3財務影響度2発現可能性3中期移行リスク:技術、市場、評判パッケージ・印刷関連需要の減少財務影響度3発現可能性3財務影響度2発現可能性2短期移行リスク:政策と法炭素価格のコストへの影響増大財務影響度3発現可能性3財務影響度2発現可能性3短期物理リスク:急性的気象災害の激甚化に伴う事業機会の喪失財務影響度2発現可能性2財務影響度3発現可能性3長期機会:エネルギー源、製品とサービス低排出製品の売上増大財務影響度3発現可能性3財務影響度2発現可能性3短期機会:製品とサービス、市場猛暑・感染症対策素材などの事業機会の獲得財務影響度2発現可能性3財務影響度3発現可能性3長期財務影響度:3=影響が数十億円に及ぶ 2=影響が10億円程度 1=影響が10億円を下回る発現可能性:3=既に発現しているか、将来ほぼ確実に発現する 2=発現の可能性が比較的高い 1=発現の可能性が低い影響増大時期:短期=1年程度(年度計画の期間) 中期=3年程度(中期経営計画の期間) 長期=10年程度(asv2050/2030の中間目標年度=2030年度までの期間)1.5℃シナリオ:IEA World Energy Outlook: Net Zero Emission by 2050 Scenario及びIPCC:SSP1-1.9を参照4℃シナリオ:IEA World Energy Outlook Stated Policy Scenario及びIPCC:SSP5-8.5を参照分析対象範囲:当企業グループ全体の既存事業、及び現時点で想定している新規事業 また、定量分析として、日本国内及び海外の事業展開地域における炭素税の導入による影響額、水リスクの高い地域での洪水・浸水発生時の損害額、及び、サステナビリティ貢献製品の「環境価値」製品群の使用によるCO2排出の削減効果を試算し開示しております。 これらの定量分析結果の詳細については、2024年6月発行の統合レポート2024(70~71ページ)をご参照ください。 ③リスク管理当企業グループは、「(1)サステナビリティ全般③リスク管理」にて記載のリスクマネジメント部会を中心とした全社リスクマネジメント体制を構築しております。 気候関連リスクも他の企業リスクと同様、グループの持続的成長に影響を与える要因であり、戦略上の適切な対応を図ることによって、リスクの顕在化の予防、顕在化した際の影響の軽減はもとより、事業上の収益増大や市場評価の向上などの機会にもつながると認識しております。 気候関連のリスク/機会は、ESG推進部会がリスクマネジメント部会と連携し、企業リスク全般と同様の管理プロセスを適用して管理しております。 ESG推進部会では、気候関連リスクを特定・評価し、グループ経営会議及び取締役会へ提案・報告するとともに、年1回開催のサステナビリティ会議をはじめ、適宜グループ内での情報と認識の共有を図っております。 経営層ならびにグループ各社は、これらのリスク/機会を基点とした対応策やアクションプランを中期経営計画や事業計画に組み込み、具体的施策に反映しております。 ④指標及び目標(気候関連のリスクに関する指標)当企業グループでは、2010年度に「CO2削減プロジェクト」を発足して以来、国内・海外の生産拠点におけるCO2排出量の削減に取り組んでおります。 当企業グループのサステナビリティビジョンasv2050/2030では、当企業グループのScope1及びScope2排出量の合算値であるCO2排出量をasv2050/2030の中核的な指標として、「2050年度におけるカーボンニュートラル達成(生産活動でのCO2排出量を実質ゼロにする)」を宣言しております。 なお、2030年度での中間目標asv2030では、より具体的に、グローバルでのScope1+2排出量を2020年度比26%削減する(CO2の国内排出量を2020年度比で35%削減、海外排出量を2030年度BAU比で35%削減する)ことを定量目標に掲げております。 (参考)2023年度GHG排出量当企業グループは、GHGのうちCO2のScope1及びScope2排出量を、改正「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」(平成10年法律第117号)に基づいて算定し、国内全拠点と海外主要生産系関係会社を対象範囲として算出しております。 (単位:t-CO2) 提出会社及び国内関係会社海外関係会社合計Scope1排出量43,11720,50263,619Scope2排出量21,19669,75390,949合計64,31390,255154,568 (気候関連の機会に関する指標)当企業グループは、早くから製品の環境調和性の向上に取り組み、1990年代からさまざまな環境調和型製品を上市してきました。 サステナビリティビジョンasv2050/2030(2022年度策定)では、そのような「環境価値」に加えて、人びとの暮らしの快適さ、健康・福祉、安全・安心などの「生活価値」にも領域を拡げ、社会の持続可能性向上に貢献する製品を「サステナビリティ貢献製品」と定義しております。 気候変動に対する当社のシナリオ分析において、気候関連の機会として「低炭素製品の売上拡大」と「猛暑対策、感染症対策素材などの事業機会の獲得」を特定しており、サステナビリティ貢献製品にはこれらの機会に対応する製品・製品群も含まれております。 当企業グループは、このサステナビリティ貢献製品のグループ全製品売上高に対する売上高構成比率を「サステナビリティ貢献製品売上高比率」と定義して指標の一つに掲げております。 同比率は、2023年度は53.6%でしたが、2030年度までに国内外合わせて80%以上とする目標を設定しております。 (3)人的資本・多様性①ガバナンス当企業グループは、グループ人事部が戦略・実務主体となって、人事戦略における基本的な方針や規則などを体系化した人材マネジメントを推進しております。 また、事業活動を展開する国・地域の労働法令・慣行を踏まえ、国内外のグループ各社と連携して人材育成、風土醸成、職場環境整備に取り組んでおります。 人材マネジメント体制(2025年1月1日現在) ②戦略(人材マネジメントの基本的な考え方)当企業グループでは、社員は価値創造と持続的成長の源泉であると捉え、社員一人ひとりが当企業グループの成長と、世の中への貢献を通じて自身の成長を実感することを目指し、「主体的なキャリアを歩めるしくみの構築」「多様な人材が活躍できる風土の醸成」「安心して働ける職場環境づくり」を人材戦略の柱として、さまざまな育成施策やDE&I、健康経営推進など、経営基盤強化につながる人的資本価値の向上に取り組んでおります。 (経営戦略における人的資本の重要性)2024年度に刷新した理念体系のOur Principles(行動指針)では、社員に期待する行動を「core(共創/楽しさ・わくわく/主体性)」「art(好奇心/感性・感謝・感動/多様性)」「science(厳しさ/スピード・挑戦)」の3つの視点で描いております。 これらは人材が「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」ことを期待したものであります。 当企業グループではこれらOur Principles(行動指針)の浸透を図り、行動を実践できる人材を育成するための投資を行っております。 また、当企業グループでは、2024年度にスタートした中期経営計画artience2027の基本方針の一つに「経営基盤の変革」を掲げております。 この方針のもと、ヒト/風土/組織といった経営基盤の変革に必要な人的資本投資を実施し、企業価値最大化と持続的成長の源泉となる人材のエンゲージメント向上に取り組んでおります。 (多様性の尊重と浸透、DE&Iの推進)DE&Iは、Corporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」の観点から、当企業グループの人的資本強化として取り組むべき最優先課題の一つであると認識しております。 性別や年齢、国籍、障がいの有無などにかかわらず、多様な価値観・考え・発想が尊重され、すべての社員が存分に仕事に取り組める職場環境をあるべき姿として、DE&Iを推進しております。 当企業グループでは、2021年度に「ダイバーシティ推進プロジェクト」を発足し、現状分析や経営層とのディスカッション、管理職向けの研修などを実施してきました。 現在は、2023年度に設立されたグループ人事部DE&I推進室(設立時はD&I推進室)が同プロジェクトの役割を承継しております。 DE&Iとして取り組むべき多くの課題の中でも、女性管理職比率が国内全業種平均の半分程度であったことから、女性活躍推進には特に注力しております。 また、社員一人ひとりの可能性や能力を最大限に発揮していくためには、それぞれの状況に合わせた公平な機会の提供が不可欠です。 これまでの活動を通じて、多様性を推し進めていくうえで、公平性(エクイティ)の視点が非常に重要であるとして、「DE&I推進室」が中心となって、グループ全体へのDE&I浸透に向けた取組みを加速しております。 (人材開発)当企業グループの持続的成長の実現に向けて、社員一人ひとりが自身の成長のビジョンを持ち、それに向かって着実に成長していけるよう、研修をはじめ多彩な人材開発プログラムを提供しております。 全社規模の育成・研修システム「artience growth field」を通して学びの機会を提供するとともに、社員の主体的なキャリア形成を支援する「キャリア開発制度」によりチャレンジする機会を提供することで、社員の「知」の習得と実践を支援しております。 a. 育成・研修システム artience growth field階層別研修、職種別研修、グローバル人材育成研修、次世代リーダー育成研修をはじめ、マインドセットやスキル習得を推進しており、人材の底上げと将来の経営幹部の育成を基本方針としたさまざまな研修や活動を国内とグローバルの双方で実施しております。 2024年度は、国内では新事業創造に向けた実践型研修およびマインドセット研修、国内の全部門長を対象としたマネジメント強化研修、モノづくり人材の次世代リーダー育成などに特に注力しました。 また、社員の多様性を尊重し、社員が主体的にカリキュラムを選択できるよう、サブスクリプション型の教育ツール・手上げ式研修の導入や、カフェテリア方式(自身の嗜好に合わせて選択する方式)などの要素を取り入れるなども積極的に行っております。 artience growth field(全社育成・研修システム) b. キャリア開発制度当企業グループのキャリア開発制度は、社員が部署や職務の異動を通じてスキルの向上・増強を図り、各々が主体的にキャリアを形成していくことを基本としております。 国内においては、社員自らが希望の部署に挙手して異動できる制度(キャリアチャレンジ制度)を実施しているほか、社会情勢を考慮して中断していた海外実習制度(海外ワークショップ)を再開し、グローバル人材の育成も推進しております。 c. 新理念体系に基づく今後の方針「人間尊重の経営」のCorporate Philosophy(経営哲学)に則り、社員の主体性を最大限尊重することを基本とし、さまざまなキャリアを選択することができる制度を拡充していくことを方針に掲げております。 また、2024年1月の商号変更・理念体系改定に伴い、Brand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む/Empowering Feeling」を実現する人材を育成していくため、育成・研修システム・カリキュラムを充実させ、人材育成の仕組みのさらなる強化を計画しております。 (人事制度)当社の人事制度は、役割グレードに応じた目標設定と評価を基本とする役割マネジメントシステムを導入しておりますが、中期経営計画artience2027の方針や雇用を取り巻く環境変化を踏まえ、社員のエンゲージメント向上と多様なキャリア開発の実現を目指した人事制度改革を実施しました。 2025年度より、新たな人事制度「artience HR CANVAS」をスタートさせました。 従来の役割マネジメントシステムの考え方を踏襲しつつ、上司と部下の対話の充実(Will・Can・Must)、社員の挑戦や成長を後押しする制度(Plus TRY)を新設するなど、社員一人ひとりのエンゲージメント向上を重視した人事制度としております。 管理職層の人事制度についても、2024年度より、年功要素を廃し、ジョブやミッションに応じて処遇する制度へと見直しました。 従来のマネジメント重視のグレード制に加えて「スペシャリスト幹部グレード制」を導入することで、キャリアの複線化と高度専門人材の育成を進めております。 ③リスク管理当企業グループは、「(1)サステナビリティ全般③リスク管理」にて記載のリスクマネジメント部会を中心とした全社リスクマネジメント体制を構築しております。 人的資本や多様性に関連するリスクは、グループの長期視点での持続的成長に大きく影響すると認識し、全社リスクマネジメント体制の中でグループ人事部がリスクマネジメント部会と連携して、他の企業リスクと同様の管理プロセスを適用して管理しております。 (法令の遵守、労務リスクへの対応)働き方の多様化や雇用の流動化が進む中で、労働法規の改正に伴う社内規則・規程の改定を随時実施しております。 また、労務リスク発生の可能性については、人事部門や各社・各拠点の管理部門において日々の労務管理を実施しつつ、労働組合とも定期的な協議の場で意見交換を行い、リスク顕在化の未然防止に努めております。 さらに、年々変化する労働法規や社内規則・規程に組織が適応できるよう、すべての管理職、管理人材向けに労務研修会を実施するなど、労務リスクに対する知識向上を図っております。 (人材の確保)国内において、少子高齢化による労働人口の減少や、終身雇用・年功序列社会の終焉、多様な働き方の普及、雇用の流動化などの社会的要因によって、人材不足や人材確保の困難化といったリスクが上昇すると想定しております。 一方、この人材の流動が活発化している状況は、当企業グループがこれまで獲得が難しかった、当企業グループの持続的成長にとって必要となるスキルや実務経験を有する人材を獲得する機会であるとも認識しております。 このようなリスク/機会に対応し、多彩・多様な人材を確保するため、新卒採用に加え、経験者採用・アルムナイ採用(退職した元社員の再雇用)、リファラル採用(自社の社員から知人等を紹介してもらう手法)を積極的に進めております。 特に経験者採用については、重点事業の拡大に直結する人材や、情報・システム系、法務系、経理・財務系など、高い専門性を有する人材の確保につながる具体的な対策を講じております。 ④指標及び目標(女性活躍推進)女性活躍推進は、当企業グループの人的資本強化における最重要課題の一つであり、多くの女性が活躍できる企業グループとなることを目指しております。 当企業グループの新マテリアリティにおける具体的なKPI/目標や、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」(平成27年法律第64号)に基づく一般事業主行動計画の設定目標として、国内の新卒採用における女性比率30%以上を維持すること、同じく国内の管理職任用における女性比率を2030年度までに10%に達成させることを設定しております。 そのための具体的施策として、女性のキーポジション任用を推進する制度改革や、女性管理職候補者へのキャリア研修、育児休業からのスムーズな復職をサポートする仕組みの構築、女性のヘルスリテラシー向上を目的とした役員及び全社員向けセミナーなどを実施しております。 女性活躍推進には、男性側の意識改革も不可欠であるとして、男性社員の育児休業取得推進のための啓発セミナーの開催や、男性社員が育児休業を取得する際は原則10日以上を推奨する制度改定なども行っております。 当連結会計年度における、国内の管理職任用における女性比率、ならびに男性社員の育児休業等取得率の実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。 また、国内の2024年度新卒採用における女性比率は41.5%でした。 (仕事との両立に関する取組み)さらに、柔軟な働き方を可能とするリモートワーク、フレックスタイムの整備や、育児・介護・治療のサポートとして、過去の未消化有給休暇を積立有給休暇として利用できる休暇制度改定を実施しました。 これらの活動が評価され、当社は2023年8月に厚生労働省の「プラチナくるみん認定」を取得しました。 今後も、育児・介護・治療と仕事の両立に関する取組みに注力し、さまざまな状況にある人材が自身のキャリアプランに沿った活躍ができる就労環境の整備や職場の風土醸成に取り組んでまいります。 (障がい者活躍に関する取組み)artience株式会社、障がい者の雇用及び活躍を促進するグループ会社であるクローバー・ビズ株式会社を2024年1月4日に設立し、同年7月1日付で「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」(昭和35年7月25日法律第123号)に基づく「特例子会社」の認定を取得しました。 当企業は2019年度より、特別支援学校からの卒業生を受け入れており、これまで当企業の国内事業所である十条センター内に設置した「クローバーサポートセンター」にて、国内グループ各社のサポート業務を中心に活動してまいりました。 2024年度より、京橋本社でも雇用を開始し、業務の幅を広げております。 引き続き、DE&I活動の一環として、「誰もがその特性を活かし活躍し続ける社会の実現」に向け、グループ全体としてより多様な人材が活躍する職場づくりを進めてまいります。 (人材の育成に関する取組み)当企業グループは、「②戦略 (人材開発)」に記載している通り、社員一人ひとりが自身の成長のビジョンを持ち、それに向かって着実に成長していけるよう、全社規模の育成・研修システム「artience growth field」を運用しております。 また、主体的なキャリア形成を支援する「キャリア開発制度」を通じて社員自らがチャレンジするための機会を提供しております。 当企業グループの持続的成長につながる多様なスキルを持ち、職場において高いモチベーションで自己の可能性を拡げることができる社員を「チャレンジ人材」と定義し、当企業グループが求める人材像と位置付けております。 さまざまな取組みを通じてチャレンジ人材を増やしていくことを目標として、人材育成活動の推進と継続的な改革を進めております。 (海外の連結子会社における取組み)当企業グループの海外の連結子会社においては、それぞれ個別にDE&Iやワーク・ライフ・バランス、人材育成に関する取組みを行っております。 ただし、各社が所在する国・地域の社会環境や法令、労働慣行などによって施策の内容やレベルはさまざまであり、グループで統一した目標を設定し各社に課すことは取組みの結果を享受する社員にとって適切ではないと判断しております。 当企業グループでは、グループ全社を適用範囲とする「人材マネジメントに関する基本方針」に基づいて、子会社ごとに個別の目標設定を行い、多様な取組みを進めております。 |
戦略 | ②戦略当社は、当企業グループのサステナビリティ推進の基本戦略を「事業を通じて地球環境と社会の持続可能性の向上に貢献するとともに、自らの持続的成長を実現する」としており、これに基づいた多様な施策を実施達成することで、当企業グループの経済価値と社会価値を示し、企業価値の向上を図ります。 (サステナビリティビジョンの概要)当企業グループは、2022年1月、近年の気候変動対応や脱炭素、SDGsの取組みに関するグローバルの動向、および企業組織に向けられたサステナビリティ関連要請が活発化している社会状況に対応するため、2050年を見据えた実践的な長期目標として、artienceグループサステナビリティビジョンasv2050/2030を策定しました。 2025年2月、新たなグループマテリアリティ(後述)の策定に伴い、asv2050/2030の各サステナビリティ要素で不足している部分の補完と、定量目標の現状に即した更新等、一部改定を実施しました。 artienceグループサステナビリティビジョンasv2050/2030(2022年1月策定、2025年2月改定)asv20302050年へのマイルストーンでの中間目標SDGs達成に向けた企業としての貢献を推進asv20502050年のあるべき姿に至る方向性カーボンニュートラル達成など2050年におけるあるべき姿1.持続可能な社会を実現させる製品・サービスの提供・サステナビリティ貢献製品売上高比率:80%・すべての製品をサステナビリティ貢献製品に提供する全製品・サービスがサステナビリティに貢献している・ライフサイクル視点でCO2排出削減に貢献できる製品ラインナップを拡大・バリューチェーン全体での脱炭素化に貢献2.モノづくりでの環境負荷低減・Scope1+2排出量(グローバル):26%削減(2020年度比)・生産活動でのカーボンニュートラル達成、企業活動全体でもGHG排出量を最小化モノづくりにおける環境負荷が最小化されている・生産拠点での水使用量の削減と水資源保護を推進・生産活動での持続可能な水利用を実現・グループ全体でのゼロエミッション達成と省資源化、資源リサイクルを推進・廃棄物の発生を最小化するとともに再資源化を最大化・有害化学物質排出量(グローバル):30%削減(2020年度比)・生産活動で有害化学物質を排出しない化学メーカーに3.信頼される企業基盤の構築・人権・労働・環境に配慮した責任ある原材料調達を実現・サステナビリティ視点でサプライチェーン、人権と多様性、人材マネジメント、地域の自然やコミュニティとのつながり、ガバナンスを継続的に改革・変革社会の持続可能性向上に寄与できる企業になっている・人権と多様性を尊重する職場環境を実現・成長につながる人材育成と安心・安全に働ける職場環境を推進し、社員エンゲージメントを向上・絶え間ない改革でステークホルダーの期待に応えるガバナンスを構築・パートナーシップ構築や地域・自然との共生により価値共創を実現 asv2050/2030は、2050年を目標年としてあるべき姿に至る方向性を示したasv2050と、そのマイルストーンとして2030年にバックキャストしたasv2030の2つからなっております。 asv2050は、提供するすべての製品・サービスが社会・環境のサステナビリティに貢献するものであること、カーボンニュートラルをはじめモノづくりにおける環境負荷が最小化されていること、社会の持続可能性向上に確実に寄与できる企業であることをあるべき姿として、さまざまな企業活動を推進するための長期ビジョンです。 一方asv2030は、asv2050の時間軸上のマイルストーンであると同時に、国連が提唱するSDGsの達成に向けた企業としての貢献を推進する中間目標です。 (グループマテリアリティの策定)当企業グループは、上記のサステナビリティビジョンasv2050/2030と、2024年度に施行された経営計画artience2027/2030“GROWTH”を出発点として、当企業グループのサステナビリティ経営として2030年までの期間において取り組むべき重要課題を特定し、「グループマテリアリティ2025-2030」を策定しました。 このグループマテリアリティを土台として、財務戦略と非財務戦略が統合された、多様なサステナビリティ施策を計画、遂行します。 グループマテリアリティ策定に際しては、サステナビリティ委員会ESG推進部会のメンバー、当社グループ経営部およびサステナビリティ担当役員で新マテリアリティ策定チームを編成し、さまざまなサステナビリティ課題の分野において当企業グループの活動と社会・環境の動向が相互に与える影響を分析・考察し、それらの重要度を評価しました。 また、主要な連結子会社の生産・販売・技術・経営企画部門の長を参加者としたワークショップを開催し、事業責任者および社内ステークホルダーとしての意見を聴取するとともに、ESG各方面についての識見を有する外部有識者にヒアリングを実施し、当企業グループがグローバル社会の一員として掲げるべきマテリアリティの姿について意見を求めました。 このようなプロセスを経て策定したグループマテリアリティは、2024~2030年度を対象期間とした経営計画artience2027/2030“GROWTH”と連携しており、2025年度に運用を開始します。 なお、現中期経営計画artience2027期間の終了に合わせてKPI/目標の見直しを図ることを予定しております。 STEP1課題の抽出と整理ISSB等の非財務情報開示の国際基準や主要ESG投資指標の評価基準、当企業グループの経営計画や旧グループマテリアリティ(5つの重要課題)、サステナビリティビジョンasv2050/2030、また他の国内外化学メーカーのマテリアリティ等をもとに、課題項目の候補を洗い出した後、それらを分類整理して39の課題による「ショートリスト」を作成しました。 STEP2社内外ステークホルダーへのヒアリング主要な連結子会社の生産・販売・技術・経営企画部門の長を参加者としたワークショップを開催し、各課題の重要性や優先順位、影響度等について事業責任者かつ社内ステークホルダーとしての立場での意見を出し合いました。 また、ESG各方面の外部有識者に、当企業グループが策定すべきマテリアリティの姿についてヒアリングを行いました。 STEP3各課題の分析と考察ワークショップおよび有識者ヒアリングにて得られた意見を参考にして、各課題における当企業グループの活動と社会・環境の動向が相互に与える影響を分析・考察することで、グループマテリアリティ運用期間である2025~2030年度における各課題の重要度評価を進めました。 STEP4重要課題の特定ワークショップの結果と各課題に対する分析・考察に基づく重要度評価を合わせて策定チームで検討を重ね、15の重要課題を特定し新たなグループマテリアリティとしました。 当企業グループが掲げるマテリアリティは、asv2050/2030が示す方向性等をより具体的な対象分野と目標にブレイクダウンするものであるとして、asv2050/2030に連動した4つのピラー(柱)で整理しました。 また、これに伴いasv2050/2030も、不足要素の補完や定量目標の現状に即した更新等、一部改定を行いました。 STEP5KPI/目標の選定各重要課題について関係部門と協議し、各々の中期事業計画と連動するKPI/目標を設定しました。 目標の定量化が困難なものについては、施策の定性的進捗を目標の代替としました。 さらに、各重要課題の解決を主導する部門組織と、SDGsのどのゴール/ターゲットの達成に関連するかを明示しました。 以上をサステナビリティ委員会会合およびグループ経営会議、取締役会での承認を得て、2025年度より運用開始しました。 (経営として取り組む重要課題)当企業グループは、経営として2030年度までの期間において取り組む15の重要課題を特定した「グループマテリアリティ2025-2030」を策定・運用しております。 これら15の重要課題は、サステナビリティビジョンasv2050/2030に連動した4つのピラー(柱)で整理されております。 それぞれの重要課題は、テーマ(分野)とアクション(実行項目)で構成され、関連するSDGsのゴール、及び課題の解決に関わる当社ならびにグループ各社の部門を指定しております。 なお、サステナビリティ委員会ESG推進部会は、15の重要課題すべての解決推進に関係しております。 テーマ(重要課題の分野)アクション(重要課題の実行項目)関連するSDGs関係する部門1.製品・サービスを通じた「感性に響く価値」の提供製品・サービス戦略的重点事業群をメインに、サステナビリティ貢献製品の売上増大を図る2. 飢餓をゼロに3. すべての人に健康と福祉を7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに11. 住み続けられるまちづくりを12. つくる責任 つかう責任13. 気候変動に具体的な対策をグループ経営部各社事業部門ESG推進室脱炭素バリューチェーン全体でのGHG排出削減、脱炭素化を推進する7. エネルギーをみんなに そしてクリーンにESG推進室各社事業部門グループ購買部2. モノづくりでの環境負荷低減気候変動全方位的なGHG排出量削減に取り組み、気候変動抑制に貢献する7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに13. 気候変動に具体的な対策をESG推進室各社生産部門水管理生産拠点での水利用を改善し、自然環境と生活環境の保全に貢献する6. 安全な水とトイレを世界中にESG推進室各社生産部門廃棄物資源循環生産拠点やオフィスの廃棄物等を削減し、バリューチェーンにおける資源循環を推進する9. 産業と技術革新の基盤をつくろう11. 住み続けられるまちづくりを12. つくる責任 つかう責任14. 海の豊かさを守ろう15. 陸の豊かさも守ろうESG推進室各社生産部門汚染防止化学物質大気・水・土壌の汚染防止を徹底し、環境汚染ゼロの生産活動を目指す3. すべての人に健康と福祉を6. 安全な水とトイレを世界中に12. つくる責任 つかう責任14. 海の豊かさを守ろうESG推進室生産企画室各社生産部門 テーマ(重要課題の分野)アクション(重要課題の実行項目)関連するSDGs関係する部門3. 人的資本を重視する経営SCM責任ある原材料調達を実現するサプライチェーンを構築する8. 働きがいも経済成長も10. 人や国の不平等をなくそう12. つくる責任 つかう責任16. 平和と公正をすべての人にグループ購買部各社各部門人権尊重DE&I人権と多様性が尊重される、ジェンダー差異のない職場環境を構築する4. 質の高い教育をみんなに5. ジェンダー平等を実現しよう8. 働きがいも経済成長も10. 人や国の不平等をなくそうグループ総務部グループ人事部人的資本チャレンジを応援する人材育成を通じて、社員のキャリアアップとエンゲージメントを高める4. 質の高い教育をみんなに8. 働きがいも経済成長も9. 産業と技術革新の基盤をつくろう10. 人や国の不平等をなくそうグループ人事部労働安全健康経営現場の労働安全と社員の健康をレベルアップし、安心できる職場環境を構築する3. すべての人に健康と福祉を8. 働きがいも経済成長も生産企画室各社生産部門グループ人事部4. 信頼され、価値を共創しつづける経営基盤の形成コーポレート・ガバナンス財務基盤経営の透明性確保を推進し、財務基盤の健全性を向上させる12. つくる責任 つかう責任16. 平和と公正をすべての人にグループ総務部グループ人事部グループ経営部グループ財務部コンプライアンスリスクマネジメント情報セキュリティコンプライアンスとリスクマネジメントを継続的に見直し、体制の実効性を向上させる5. ジェンダー平等を実現しよう10. 人や国の不平等をなくそう11. 住み続けられるまちづくりを16. 平和と公正をすべての人にコンプライアンス部会リスクマネジメント部会グループ総務部グループ情報システム部製品安全品質保証製品安全・品質保証体制を強化し、モノづくり企業としての信頼を高める9. 産業と技術革新の基盤をつくろう12. つくる責任 つかう責任生産企画室各社生産部門DX推進DX推進・AI活用・デジタル変革を加速し、事業環境変化への適応力や労働生産性を向上させる4. 質の高い教育をみんなにインキュベーションセンターグループ情報システム部各社各部門共創風土コミュニティパートナーシップ構築と地域コミュニティとの共生を通じて、価値共創を実現する企業風土を醸成する4. 質の高い教育をみんなに8. 働きがいも経済成長も9. 産業と技術革新の基盤をつくろう11. 住み続けられるまちづくりを17. パートナーシップで目標を達成しようインキュベーションセンター各社各部門グループ総務部グループ経営部 |
指標及び目標 | ④指標及び目標当社は、上記「経営として取り組む重要課題」において説明している「グループマテリアリティ2025-2030」の各重要課題に対する取組み状況を管理し、実績を評価するためのKPI(主要取組み指標)を設定しております。 これらのKPIに対しては、それぞれ定量的な目標値もしくは実施すべき施策(定性目標)を設定しております。 テーマ(重要課題の分野)KPI/目標値(2030年度)または施策1. 製品・サービスを通じた「感性に響く価値」の提供製品・サービス戦略的重点事業群の営業利益比率(連結):40%以上サステナビリティ貢献製品売上高比率:80%サステナビリティ貢献製品(環境価値製品、生活価値製品)のラインナップ拡充脱炭素Scope4(サプライチェーン川下でのGHG排出削減貢献量)の算定の着手と推進国際ルールに基づく自社CFP算定体制の構築および特定製品分野への適用完了Scope3排出量削減を目的としたサプライヤーエンゲージメントの強化2. モノづくりでの環境負荷低減気候変動Scope1+2排出量(グローバル):2020年度比26%削減[CO2排出量として、国内2020年度比35%削減,海外2030年度BAU比35%削減]Scope3排出量削減の取り組み推進水管理水リスク地域(渇水・洪水・浄水不足)に所在する拠点での水資源保護活動の推進水リサイクルの活動推進とリサイクル率の算定廃棄物資源循環3R推進によるゼロエミッションを達成:グループ拠点におけるトータルの廃棄物最終処分率1%以下プラスチック資源循環、プラスチック廃棄物削減の取り組み推進汚染防止化学物質有害化学物質排出量(グローバル):2020年度比30%削減汚染防止関連の法令違反件数:0件継続 テーマ(重要課題の分野)KPI/目標値(2030年度)または施策3. 人的資本を重視する経営SCMCSR調達率:80%(カバレッジ70%)ガイドライン同意率:85%(カバレッジ70%)物流、原材料取引、業務委託におけるサステナブルサプライチェーン取り組み推進人権尊重DE&I管理職女性比率(国内連結):10%社員に対する人権デュー・ディリジェンス実施率(グローバル):100%障がい者雇用率(国内:特例子会社グループ適用):3%DE&I活動の推進(ジェンダー・障がい者・シニア対応など)人的資本社員教育・研修平均投資額の増大(国内)主体的キャリア形成(社内公募、社内FA)の成立推進(国内)社員エンゲージメント調査におけるスコア向上社員のチャレンジ支援強化(ビジネスアイディアコンテスト参加者支援、報奨制度など)労働安全健康経営休業災害発生件数(国内、場内委託先を含む):0件生活習慣病リスクの低減(国内):肥満リスク21.3%・高血圧リスク9.7%・糖尿病リスク9.1%・脂質リスク31.0%育児休業等・育児目的休暇取得率(国内):100%維持社員の労働安全衛生、健康増進に資する取り組み推進4. 信頼され、価値を共創しつづける経営基盤の形成コーポレート・ガバナンス財務基盤役員(取締役、執行役員)の多様性(ジェンダー、スキル)の向上役員報酬制度の改革(決定プロセスのさらなる透明化、非財務成果の反映、情報開示など)ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本):10%以上コンプライアンスリスクマネジメント情報セキュリティ倫理行動規範および内部通報制度の周知浸透重大コンプライアンス違反(法令違反等懲戒対象に相当する違反行為)発生件数:0件継続海外情報セキュリティ体制の整備(共通ルール施行と拠点ごとのカスタマイズ、脆弱性検査・是正活動など)製品安全品質保証グローバル品質標準ネットワークの充実化(品質水準の統率、品質保証情報の共有など)安全性・品質に関する重大な製品トラブル(法令違反、人的被害、一定以上の財産的損害)の発生件数:0件継続DX推進「生成AIネイティブ500」(生成AI核人材/活用推進人材の育成)の推進:2027年度までに500名育成生・販・技・管の各職務分野におけるDX導入推進共創風土コミュニティ行政・企業・研究機関とのパートナーシップ構築(事業共創、共同研究開発など)の推進地域社会とのコミュニケーション推進社会貢献活動(災害等支援、文化・教育支援、環境保全、寄付・寄贈、雇用など)の推進 当社は、これらのKPIで進捗把握しながら取組みを推進し、その実績を定期的に開示するとともに、社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを図っております。 上記の表に、2025年から運用する新マテリアリティのKPI/目標値または施策を示しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②戦略(人材マネジメントの基本的な考え方)当企業グループでは、社員は価値創造と持続的成長の源泉であると捉え、社員一人ひとりが当企業グループの成長と、世の中への貢献を通じて自身の成長を実感することを目指し、「主体的なキャリアを歩めるしくみの構築」「多様な人材が活躍できる風土の醸成」「安心して働ける職場環境づくり」を人材戦略の柱として、さまざまな育成施策やDE&I、健康経営推進など、経営基盤強化につながる人的資本価値の向上に取り組んでおります。 (経営戦略における人的資本の重要性)2024年度に刷新した理念体系のOur Principles(行動指針)では、社員に期待する行動を「core(共創/楽しさ・わくわく/主体性)」「art(好奇心/感性・感謝・感動/多様性)」「science(厳しさ/スピード・挑戦)」の3つの視点で描いております。 これらは人材が「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」ことを期待したものであります。 当企業グループではこれらOur Principles(行動指針)の浸透を図り、行動を実践できる人材を育成するための投資を行っております。 また、当企業グループでは、2024年度にスタートした中期経営計画artience2027の基本方針の一つに「経営基盤の変革」を掲げております。 この方針のもと、ヒト/風土/組織といった経営基盤の変革に必要な人的資本投資を実施し、企業価値最大化と持続的成長の源泉となる人材のエンゲージメント向上に取り組んでおります。 (多様性の尊重と浸透、DE&Iの推進)DE&Iは、Corporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」の観点から、当企業グループの人的資本強化として取り組むべき最優先課題の一つであると認識しております。 性別や年齢、国籍、障がいの有無などにかかわらず、多様な価値観・考え・発想が尊重され、すべての社員が存分に仕事に取り組める職場環境をあるべき姿として、DE&Iを推進しております。 当企業グループでは、2021年度に「ダイバーシティ推進プロジェクト」を発足し、現状分析や経営層とのディスカッション、管理職向けの研修などを実施してきました。 現在は、2023年度に設立されたグループ人事部DE&I推進室(設立時はD&I推進室)が同プロジェクトの役割を承継しております。 DE&Iとして取り組むべき多くの課題の中でも、女性管理職比率が国内全業種平均の半分程度であったことから、女性活躍推進には特に注力しております。 また、社員一人ひとりの可能性や能力を最大限に発揮していくためには、それぞれの状況に合わせた公平な機会の提供が不可欠です。 これまでの活動を通じて、多様性を推し進めていくうえで、公平性(エクイティ)の視点が非常に重要であるとして、「DE&I推進室」が中心となって、グループ全体へのDE&I浸透に向けた取組みを加速しております。 (人材開発)当企業グループの持続的成長の実現に向けて、社員一人ひとりが自身の成長のビジョンを持ち、それに向かって着実に成長していけるよう、研修をはじめ多彩な人材開発プログラムを提供しております。 全社規模の育成・研修システム「artience growth field」を通して学びの機会を提供するとともに、社員の主体的なキャリア形成を支援する「キャリア開発制度」によりチャレンジする機会を提供することで、社員の「知」の習得と実践を支援しております。 a. 育成・研修システム artience growth field階層別研修、職種別研修、グローバル人材育成研修、次世代リーダー育成研修をはじめ、マインドセットやスキル習得を推進しており、人材の底上げと将来の経営幹部の育成を基本方針としたさまざまな研修や活動を国内とグローバルの双方で実施しております。 2024年度は、国内では新事業創造に向けた実践型研修およびマインドセット研修、国内の全部門長を対象としたマネジメント強化研修、モノづくり人材の次世代リーダー育成などに特に注力しました。 また、社員の多様性を尊重し、社員が主体的にカリキュラムを選択できるよう、サブスクリプション型の教育ツール・手上げ式研修の導入や、カフェテリア方式(自身の嗜好に合わせて選択する方式)などの要素を取り入れるなども積極的に行っております。 artience growth field(全社育成・研修システム) b. キャリア開発制度当企業グループのキャリア開発制度は、社員が部署や職務の異動を通じてスキルの向上・増強を図り、各々が主体的にキャリアを形成していくことを基本としております。 国内においては、社員自らが希望の部署に挙手して異動できる制度(キャリアチャレンジ制度)を実施しているほか、社会情勢を考慮して中断していた海外実習制度(海外ワークショップ)を再開し、グローバル人材の育成も推進しております。 c. 新理念体系に基づく今後の方針「人間尊重の経営」のCorporate Philosophy(経営哲学)に則り、社員の主体性を最大限尊重することを基本とし、さまざまなキャリアを選択することができる制度を拡充していくことを方針に掲げております。 また、2024年1月の商号変更・理念体系改定に伴い、Brand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む/Empowering Feeling」を実現する人材を育成していくため、育成・研修システム・カリキュラムを充実させ、人材育成の仕組みのさらなる強化を計画しております。 (人事制度)当社の人事制度は、役割グレードに応じた目標設定と評価を基本とする役割マネジメントシステムを導入しておりますが、中期経営計画artience2027の方針や雇用を取り巻く環境変化を踏まえ、社員のエンゲージメント向上と多様なキャリア開発の実現を目指した人事制度改革を実施しました。 2025年度より、新たな人事制度「artience HR CANVAS」をスタートさせました。 従来の役割マネジメントシステムの考え方を踏襲しつつ、上司と部下の対話の充実(Will・Can・Must)、社員の挑戦や成長を後押しする制度(Plus TRY)を新設するなど、社員一人ひとりのエンゲージメント向上を重視した人事制度としております。 管理職層の人事制度についても、2024年度より、年功要素を廃し、ジョブやミッションに応じて処遇する制度へと見直しました。 従来のマネジメント重視のグレード制に加えて「スペシャリスト幹部グレード制」を導入することで、キャリアの複線化と高度専門人材の育成を進めております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④指標及び目標(女性活躍推進)女性活躍推進は、当企業グループの人的資本強化における最重要課題の一つであり、多くの女性が活躍できる企業グループとなることを目指しております。 当企業グループの新マテリアリティにおける具体的なKPI/目標や、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」(平成27年法律第64号)に基づく一般事業主行動計画の設定目標として、国内の新卒採用における女性比率30%以上を維持すること、同じく国内の管理職任用における女性比率を2030年度までに10%に達成させることを設定しております。 そのための具体的施策として、女性のキーポジション任用を推進する制度改革や、女性管理職候補者へのキャリア研修、育児休業からのスムーズな復職をサポートする仕組みの構築、女性のヘルスリテラシー向上を目的とした役員及び全社員向けセミナーなどを実施しております。 女性活躍推進には、男性側の意識改革も不可欠であるとして、男性社員の育児休業取得推進のための啓発セミナーの開催や、男性社員が育児休業を取得する際は原則10日以上を推奨する制度改定なども行っております。 当連結会計年度における、国内の管理職任用における女性比率、ならびに男性社員の育児休業等取得率の実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。 また、国内の2024年度新卒採用における女性比率は41.5%でした。 (仕事との両立に関する取組み)さらに、柔軟な働き方を可能とするリモートワーク、フレックスタイムの整備や、育児・介護・治療のサポートとして、過去の未消化有給休暇を積立有給休暇として利用できる休暇制度改定を実施しました。 これらの活動が評価され、当社は2023年8月に厚生労働省の「プラチナくるみん認定」を取得しました。 今後も、育児・介護・治療と仕事の両立に関する取組みに注力し、さまざまな状況にある人材が自身のキャリアプランに沿った活躍ができる就労環境の整備や職場の風土醸成に取り組んでまいります。 (障がい者活躍に関する取組み)artience株式会社、障がい者の雇用及び活躍を促進するグループ会社であるクローバー・ビズ株式会社を2024年1月4日に設立し、同年7月1日付で「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」(昭和35年7月25日法律第123号)に基づく「特例子会社」の認定を取得しました。 当企業は2019年度より、特別支援学校からの卒業生を受け入れており、これまで当企業の国内事業所である十条センター内に設置した「クローバーサポートセンター」にて、国内グループ各社のサポート業務を中心に活動してまいりました。 2024年度より、京橋本社でも雇用を開始し、業務の幅を広げております。 引き続き、DE&I活動の一環として、「誰もがその特性を活かし活躍し続ける社会の実現」に向け、グループ全体としてより多様な人材が活躍する職場づくりを進めてまいります。 (人材の育成に関する取組み)当企業グループは、「②戦略 (人材開発)」に記載している通り、社員一人ひとりが自身の成長のビジョンを持ち、それに向かって着実に成長していけるよう、全社規模の育成・研修システム「artience growth field」を運用しております。 また、主体的なキャリア形成を支援する「キャリア開発制度」を通じて社員自らがチャレンジするための機会を提供しております。 当企業グループの持続的成長につながる多様なスキルを持ち、職場において高いモチベーションで自己の可能性を拡げることができる社員を「チャレンジ人材」と定義し、当企業グループが求める人材像と位置付けております。 さまざまな取組みを通じてチャレンジ人材を増やしていくことを目標として、人材育成活動の推進と継続的な改革を進めております。 (海外の連結子会社における取組み)当企業グループの海外の連結子会社においては、それぞれ個別にDE&Iやワーク・ライフ・バランス、人材育成に関する取組みを行っております。 ただし、各社が所在する国・地域の社会環境や法令、労働慣行などによって施策の内容やレベルはさまざまであり、グループで統一した目標を設定し各社に課すことは取組みの結果を享受する社員にとって適切ではないと判断しております。 当企業グループでは、グループ全社を適用範囲とする「人材マネジメントに関する基本方針」に基づいて、子会社ごとに個別の目標設定を行い、多様な取組みを進めております。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 1.重要リスクの選定プロセス当社は、リスクマネジメント担当役員(サステナビリティ委員会リスクマネジメント部会長)のもと、リスクマネジメント部会がグループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理しております。 また、当企業グループの各社・各部門では、日常業務に潜むリスクを洗い出して評価・検討し、対策を実施しております。 2.当企業グループのリスクマネジメント体制及び運用状況リスクマネジメント部会では、各リスクを発生頻度と重大性に基づき評価し、リスクマップを全社で共有しております。 重要リスクについては取締役会に報告するとともに、リスク低減のための活動の進捗と達成度を部会で確認しております。 新たに重要リスクとなりうる問題が発生した場合は、緊急対策本部を設置し対応を図ってまいります。 参考:リスクマネジメント体制(2024年度) 参考:重要リスクの評価基準 参考:重要リスクマップ 3.事業等のリスク上記リスクマネジメント活動を通じて経営者が当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 (1) 事業セグメント固有のリスク①色材・機能材関連事業当企業グループにとって、有機顔料の合成技術は原点の一つです。 また、インキや塗料の製造で培われた分散技術は、着色するという用途を大きく越え、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料やカーボンナノチューブを応用した新たな分散体の開発などにも展開しております。 顔料事業においては、国内印刷市場の構造的不況のなか、印刷インキ用顔料の需要が大きく縮小するリスクがあり、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。 そのため、需要が安定した食品包装用途や高収益分野への展開を図ること、及び生産面の整備により事業リスクへの耐性を高めてまいります。 着色事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりに伴う需要減少のリスクがありますが、このような変化をチャンスと捉え、リサイクル対応製品、生分解性製品など環境調和型製品の開発によって持続可能な社会に貢献するとともに、事業リスク低減に取り組んでまいります。 モビリティ・バッテリー事業において、当企業グループは車載用リチウムイオン電池材料であるCNT(カーボンナノチューブ)分散体を生産、供給しております。 電気自動車市場(EV)市場は成長が鈍化しており、今後の需要拡大が遅延したり関連する規制や政策等が変更されることがありえますが、このような場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当企業グループとしては市況変化を迅速に捉えつつ、製品開発をタイムリーかつ網羅的に行うこと、設備投資を段階的に行うことで市場の要求に的確に応じる体制を整えることでリスク低減を図ります。 表示材料事業においては、ディスプレイや半導体関連の市況変動の影響を大きく受けるほか、一部原材料の調達・価格高騰リスクを抱えるなか、一極化が顕著な中国市場での競争力向上を重点課題に、差別化製品の開発と拡販戦略の強化、及びコストダウン施策等の推進により、業績向上と事業リスク低減を目指してまいります。 ②ポリマー・塗加工関連事業当企業グループでは、ポリマー・塗加工の技術を活かし、パッケージ、自動車、エレクトロニクス、エネルギー、メディカル・ヘルスケアなどの分野に展開しております。 当事業の原材料の多くは石油由来であり、環境保全を目的とした各国の規制や社会要請などにより使用の制約を受け、売上高等が変動する可能性があります。 社会生活に必要な最終製品の材料供給者としての責任を果たすべく、現行品の機能を確保する環境調和型製品の開発と代替を進めてまいります。 エレクトロニクス市場向け材料については、スマートフォンのように、毎年、最終製品の仕様が変わるなか、その採用可否により売上高や利益が変動する可能性があります。 品質・コスト面などの優位性を高めることでの採用確度の向上や、使用先の拡大などにより、リスク低減に努めます。 メディカル・ヘルスケア市場向け材料については、研究開発に相応の時間と費用を必要とし、製品上市の計画が遅延、変更、中止となる可能性があります。 また、医薬行政の動向を受けた関連法規の改変や公定価格の変動が、売上高や利益に影響を及ぼす可能性があります。 開発のパイプラインを増やすとともに、ヘルスケア粘着剤や体外診断の周辺材料など事業の裾野を拡げてリスク分散に取り組んでまいります。 ③パッケージ関連事業当企業グループでは、パッケージの製造工程において多様な高機能製品を提供しております。 特に安心・安全が求められる食品包装の分野では、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向け、バイオマス製品の販売拡大を行っております。 また更なる環境負荷低減に貢献できる様にインキの水性化にも力を入れて取り組んでおります。 パッケージ関連事業においては、廃プラスチック問題など環境意識の高まりによって、フィルム用インキの消費需要が落ち込み、売上高及び利益の低下を招く可能性があります。 市場や環境の変化をチャンスと捉え、紙化や減層化に寄与する製品開発を強化、またリサイクル性向上に寄与するバリアコート剤等の開発、積層剥離やインキを取り除く脱墨技術開発、仕組みづくりなどを進め、リスク分散に取り組んでまいります。 ④印刷・情報関連事業当企業グループでは、原材料の顔料や樹脂から最終製品までを一貫生産できる強みを活かし、環境調和型製品や高機能のUVインキなど多様な製品を開発するとともに、お客様の印刷工程でのソリューション提供にも取り組んでおります。 印刷・情報関連事業においては、デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小により、売上高及び利益の低下の進展が早まり、また、印刷市場を取り巻く変化に伴う顧客や取引先の経営状況によっては、売上債権の回収に影響を及ぼすリスクがあります。 そのため、経済情勢の変化や信用不安の兆候を早期に把握できるよう情報収集と与信管理を徹底してまいります。 経営資源を成長分野に弾力的にシフトするとともに、事業効率を徹底的に高め、市場環境への適合を進めてまいります。 (2) グループ全体に係るリスク ①海外活動に潜在するリスク(発生可能性:3 重大性:3)(代表的なリスク)・法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更・社会的共通資本が未整備なことによる企業活動への悪影響・不利な政治的要因の発生・テロ、戦争などによる社会的混乱・予期しえない労働環境の急激な変化これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難でありますが、当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策)当企業グループにおいては、各国の経済動向やその他リスクの影響を受けづらい収益構造とするために、世界各国における事業展開の促進や事業分野のバランスの向上、リスクに対して柔軟に対応できるSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築、固定費や原材料費等の変動費の削減を行い、そのリスクを最小化するための対策に努めております。 ②システム障害、情報漏洩、滅失、毀損に関するリスク(発生可能性:2 重大性:3)(代表的なリスク)当企業グループでは、事業を展開する上で、国内外の拠点をはじめ取引先等のシステムとネットワークで接続しており、当企業グループ及び取引先の機密情報や個人情報などの秘密情報を保持しております。 このため、システム障害による業務停止のほか、ランサムウェアをはじめとするマルウェア攻撃等による情報漏洩、滅失または毀損のリスク増大が懸念されます。 このような事案が発生した場合は、ノウハウの流出または逸失による競争力の低下やブランド毀損、企業価値の低下、信用の失墜等の深刻な影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策)当企業グループでは、システムの安全かつ安定的な稼働を維持するとともに情報の保全に努めるため、重要なシステムについては冗長化や定期的なバックアップを実施しています。 またセキュリティインシデントに迅速に対応するためのチーム(artience-CSIRT※)を設置して経営関与でのセキュリティ対応体制を整備しており、ランサムウェアやセキュリティ侵害に対する情報管理強化と社員教育を通じた人的リスク低減に努めております。 加えて、サーバ機器の不具合やセキュリティ強化として技術的な対応・対策を行うほか、様々なリスクを想定したシステムBCP対策の再構築と、被害を最小限に抑制するためのコンティンジェンシープランの策定に努めております。 ※CSIRT:Cyber Security Incident Response Teamの略称 ③品質・製造物責任に関するリスク(発生可能性:3 重大性:3)(代表的なリスク)・製品の品質に起因する事故、またはクレームの発生当企業グループでは、品質保証体制の強化を図っておりますが、製品の品質に起因する事故、あるいはクレームが発生した場合、当企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が支払う損害賠償金が製造物責任賠償保険で全額補償される保証はありません。 ・物流の2024年問題自動車運送事業における時間外労働規制やドライバー不足により輸送力が低下することから、特に長距離輸送の依頼が難しくなる、輸送スケジュールの見直しが必要となる、物流コストが増大するといったリスクが高まっています。 (リスクに対する対応策)当企業グループでは、引き続き、品質や安全に関する法的規制の遵守に努めるとともに、製品の性能向上やお客様の安心・安全に貢献する製品開発を継続して進めることでさらなる満足度向上と信頼を得ることにより、リスク低減に取り組んでまいります。 物流面では、かねてよりホワイト物流に参画し、24年問題への対応として、物流網・物流拠点最適化を進めております。 引き続き、配送や荷受けの最適化、納品リードタイムの緩和や、納品先での待機時間の短縮、附帯業務の軽減など、お客様のご理解とご協力をいただきながら、サプライチェーン一体となって物流事業者の負担軽減を図り、重要な社会インフラである物流の維持・改善に取り組んでまいります。 ④自然災害・感染症等に関するリスク(発生可能性:3 重大性:3)(代表的なリスク)・大規模地震や大雨等の自然災害や国内外における感染症の大流行(パンデミック)等による、原材料の調達困難化、生産活動への支障、世界的な消費活動の停滞、サプライチェーンの物流機能の停滞などに伴う供給不能(リスクに対する対応策)近年、大規模地震や大雨等の自然災害や国内外における感染症の大流行(パンデミック)等に関するリスクは高まりつつあり、予想を上回る被害の拡大や長期化が進みますと、建物や生産設備等をはじめとする資産の毀損、従業員の出勤不能、電力・水道の使用制限、原材料の調達困難、物流機能の停滞などにより供給能力が低下し当企業グループの経営成績及び財政状態等に甚大な悪影響を及ぼす可能性があります。 これらの不可避的な事業中断リスクを想定し、リスクに応じた緊急行動マニュアルの策定や定期的な実地訓練等による事業継続体制の整備に努めております。 ⑤原料調達に関するリスク(発生可能性:3 重大性:3)(代表的なリスク)・市況変動、天災、事故、政策などによる原材料の仕入価格高騰や供給不足・調達先からの原材料供給の遅延/停止による当社製品の生産遅延もしくは停止、及びそれに伴う取引先への供給不履行と損害賠償などの発生当企業グループ製品の主原料は石油化学製品であるため、仕入価格及び調達状況は、原油・ナフサなどの市況変動、天災、事故、政策などに影響を受けます。 特に当連結会計年度においては、ロシア/ウクライナ紛争の長期化、イスラエルのパレスチナ侵攻などによる安定供給への懸念が続き、また、LNG、石油、石炭、電力等のエネルギーコスト急上昇、さらには、水不足によるパナマ運河通航量低下、商業船攻撃対応によるスエズ運河回避などにより、多くの原料で入手困難、価格高騰、及び、納期遅延等のリスクが顕在化しました。 仕入価格の上昇につきましては、当企業グループの製品が使用される消費財は、市況価格及び供給責任の面からも、販売価格への転嫁には時間を要するため、当企業グループの売上高及び利益に影響が生じました。 また、原料が入手困難となるリスクにつきましては、顧客への製品供給不履行による損害賠償に発展するおそれがあり、その賠償金額によっては経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクに対する対応策)上記のようなリスクを回避すべく、メーカー特性に応じた購買戦略策定のもと、市場環境、需要予測、想定市況価格といった多面的な視点を原料調達に反映させ、最適価格での購入を進めるとともに、在庫確保などによる製品の安定供給のための原料調達を進めております。 また、新規購入先の開拓ならびに購入先との関係強化に日々努めながら、当企業グループにとって影響のある情報をいち早く入手し、様々なリスクに速やかに対応することで、当企業グループの業績に与える影響を低減・抑制することに努めております。 ⑥為替の変動に関するリスク(発生可能性:4 重大性:3)(代表的なリスク)・急激な為替変動当企業グループは世界各国で事業を展開しており、海外連結子会社の財務諸表項目は連結財務諸表作成のために円換算されますが、急激な為替変動によって当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、輸出入等の外貨建て取引においても、同様の可能性があります。 (リスクに対する対応策)当企業グループは、為替予約や外貨建て債権債務のバランス化等によって、為替相場変動リスクの抑制に努めております。 ⑦一般的な法的規制に関するリスク(発生可能性:2 重大性:4)(代表的なリスク)・国内外の法規制の変更や、それに伴う市場の変化・環境問題や製造物責任、特許侵害をはじめとする当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟紛争(リスクに対する対応策)当企業グループは、事業活動に関わる一般的な法的規制の適用を、事業展開する内外各国において受けております。 これらの遵守のためサステナビリティ委員会の傘下に専門部会であるESG推進部会、コンプライアンス部会、リスクマネジメント部会を設置・運用し、事業活動に関わる法的規制を調査、抽出するとともに、適法・適正な事業活動を確保するため、製造・販売・研究開発の各活動領域における業務プロセスの検証や見直し、社内規程の整備、関係者への教育などの必要な施策を展開しております。 また、財務報告の適正性確保のための内部統制システムの整備と運用の確保に努めております。 ⑧環境負荷発生のリスク(発生可能性:4 重大性:3)(代表的なリスク)・国内外の環境法規制の変更や厳格化、それに伴う市場の変化・環境負荷の低減や公害防止管理の対応遅れによる費用の増加・社会的な環境対応要請(脱プラスチック、カーボンニュートラルなど)に対する追加投資、事業形態の変更(リスクに対する対応策)上記リスクに対して、適切に対処し、積極的な開示を行うことで長期的には社会的信頼が高まり優位性を得る可能性もあります。 当企業グループとしては、長期の経営計画の中で製造工程の見直しによる使用エネルギーやCO2の排出削減、化学物質の管理強化やシステム化、製品の脱VOC(揮発性有機化合物)化、マテリアル・ケミカルリサイクルを含んだリサイクル・リユースによる廃棄物削減など様々な施策に取り組んでおります。 ⑨気候変動に関するリスク(発生可能性:4 重大性:3)(代表的なリスク)・国内外の気候変動に関する規制の変更や、それに伴う市場の変化・CO2排出量削減など社会的な要請に対する対応の遅れによる費用の増加(リスクに対する対応策)当企業グループは、上記のような気候変動の可能性に対して適切な対応を図り、経営計画や事業計画に反映させていくため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に準拠した全社的な対応活動を推進し、サステナビリティ委員会及びESG推進部会を実務中心とした気候変動対応ガバナンス体制の構築と運用、気候変動によって生じうるリスクと機会の特定・分析、施策の立案と経営・事業主体に向けた提案、グループ社員に向けた啓発と情報共有、そして、投資家をはじめとする社外ステークホルダーに向けた適切な情報開示などに取り組んでおります。 ⑩一般的な債権回収に関するリスク(発生可能性:4 重大性:2)(代表的なリスク)・顧客の経営状況の悪化による売上債権などの回収困難(リスクに対する対応策)当企業グループは、与信情報等を参考に、営業現場からの定性的情報も加味することで、顧客の与信リスクを定期的に見直し、それに応じた債権保全策を実施するなど与信管理の強化に努めてまいります。 ⑪固定資産の減損に関するリスク(発生可能性:3 重大性:3)(代表的なリスク)・経済条件の変化や事業の見直しなどによる固定資産の減損(リスクに対する対応策)当企業グループでは、製造設備をはじめとした多額の固定資産を保有しており、重要な設備投資に対しては、事業戦略、市場動向、技術、生産性、投資金額及び投資計画の妥当性について事前に投融資マネジメント会議で審査を行ったうえ、グループ経営会議や取締役会で審議しております。 また、各事業で減損の兆候がみられる場合には、速やかに対策を講じ、収益を改善させることに努め、リスクの低減を図っております。 ⑫人材に関するリスク(発生可能性:3 重大性:2)(代表的なリスク)・社会環境変化による人材不足(人材確保の困難性)(リスクに対する対応策)当企業グループでは、社員の定着・業務効率化・人材の獲得により、人材不足への対応を図っております。 定着においては、DE&Iの推進、待遇の改善、人材育成の強化等に取り組み、全社員が働きやすく、働きがいのある職場づくりを進めております。 業務効率化においては、生産・営業・技術・管理のあらゆる部門にてDXの導入をはじめとする業務変革を進めております。 人材獲得の面では、新卒、キャリア(経験者)採用強化のほか、アルムナイ採用やリファラル採用を導入する等、多様な採用手法を取り入れ、人材確保を進めております。 (注)1 アルムナイ採用とは、何らかの理由で自社を退職した人を再雇用する採用手法のことであります。 (注)2 リファラル採用とは、自社の社員をはじめ社内外の信頼できる人脈(友人・知人)を介した採用活動・採用手法のことであります。 ⑬人権に関するリスク(発生可能性:2 重大性:4)(代表的なリスク)・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題による社会的信頼の低下や取引停止・当企業グループや当企業グループのサプライチェーン上での人権問題に起因する訴訟紛争(リスクに対する対応策)当企業グループは、「人間尊重の経営」をCorporate Philosophy(経営哲学)に掲げており、当企業グループの事業活動においてその影響を受けうるすべての人びとの人権を尊重すべく、「人権の尊重に関する基本方針」を定め、国内外の拠点に周知しております。 また、サプライチェーンも当社の社会的責任の範囲ととらえ、人権尊重のための取り組みをサプライチェーンと共同して推進しております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 (単位:百万円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益2024年12月期351,06420,41421,00818,540伸長率(%)9.052.763.190.42023年12月期322,12213,37212,8809,737 当連結会計年度における世界経済は、国内で個人消費に持ち直しの動きがみられたほか、米国やインドでは景気が拡大し、東南アジアでも緩やかに回復しました。 一方、中国では政策効果により供給の増加がみられたものの景気は足踏み状態となりました。 このような環境のなか、当企業グループは次の3つを経営方針として掲げ、経営活動を行ってまいりました。 第一の方針である「高収益既存事業群への変革」については、成長事業として位置付ける海外の包装関連分野で粘接着剤やリキッドインキが前中期経営計画期間に設備投資を行ってきたインドや東南アジアを中心に拡販が進んだほか、デジタル印刷市場の成長に伴いインクジェットインキが中国や欧州で伸長しました。 また、高まる環境意識を背景として脱プラスチックに寄与する機能性コーティング剤や、省エネルギー対応のUV及びLEDインキの販売が好調に推移しました。 収益基盤事業として位置付けるプラスチック用着色剤は、北米の自動車用途や太陽電池用途が堅調に推移し、原材料費や運搬費等の費用増加がみられた国内の接着剤やリキッドインキは、品種統合による効率化やコストダウンを推し進めることで利益を確保しました。 国内のオフセットインキは、情報系印刷市場の縮小が継続する中で、生産や物流面のアライアンスを更に進め、サプライチェーンの効率化を推進し採算改善を図りました。 第二の方針である「戦略的重点事業群の創出」については、ディスプレイ・先端エレクトロニクス関連事業で、液晶ディスプレイ市場の中国へのシフトが一段と加速する中、中国現地パートナーを活用したカラーフィルター用材料の現地供給に向けた準備が進展したほか、CMOSイメージセンサーなどの光半導体用材料の拡販も進めました。 また、ディスプレイ用粘着剤の中国市場での拡販が進み、半導体関連分野でも電子デバイス向け半導体の絶縁シートなどが新規に採用となったことに加え、国内に設置したパイロットプラントを活用した半導体用の樹脂材料開発が進展しました。 モビリティ・バッテリー関連事業では、車載用リチウムイオン電池材料の中国生産を新たに開始いたしましたが、世界的なEV市場の鈍化により、欧・米・中の各拠点で出荷が停滞しました。 一方、リチウムイオン電池向け接着剤は、中国や韓国での需要を捉え販売が拡大しました。 また、北米で2拠点目となるケンタッキー州での車載用リチウムイオン電池材料の新工場建設やハンガリーでの設備増強については、市場環境に合わせたタイミングでの設備導入を進め、負極材用や全固体電池向けなどの新規用途の開発も継続して進めました。 第三の方針である「経営基盤の変革」については、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点に基づいた経営資源の強化に取り組み、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030に基づいて、CO2排出量可視化のためのツールを導入するなど、サステナビリティ経営を着実に推進しました。 また、人的資本強化のため、国内外で社員のエンゲージメント調査を実施し、人事制度の見直しを図ったほか、女性の採用比率の向上や障がい者活躍支援のための特例子会社の新設など、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の観点も重視した施策を実践しました。 このほか、商号変更と理念体系の刷新に伴うCI浸透の活動にも注力しました。 AI活用を含むDXについては、技術開発や生産革新に活用を進めたほか、導入した統合基幹業務システムにより各種業務の効率化やグローバル調達の拡大を進めると共に、サイバーセキュリティなどのリスク対策なども進めました。 資本効率性向上や株価を意識した経営への取り組みに関しては、経営管理指標としてROICの全社導入や、CCC改善による運転資金の圧縮に加えて、保有株式の縮減と自己株式の取得を実施し、ROEの向上を図りました。 また、ガバナンスの強化を図るために独立社外取締役を増員したほか、IRや SR活動を強化し株主との対話を大幅に増やし、経営施策への反映に取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,510億64百万円(前期比9.0%増)と増収、営業利益は204億14百万円(前期比52.7%増)、経常利益は210億8百万円(前期比63.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は185億40百万円(前期比90.4%増)と、それぞれ増益となりました。 セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。 売上高営業利益セグメントの名称前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)色材・機能材関連事業81,06986,0896.22,6873,36725.3ポリマー・塗加工関連事業77,74688,51813.95,2577,15136.0パッケージ関連事業84,29291,5278.63,6685,41347.6印刷・情報関連事業77,20283,3257.92,3734,885105.8その他5,6095,8053.5△601△381-計325,919355,2679.013,38420,43652.7 調整額△3,797△4,202-△12△22-連結322,122351,0649.013,37220,41452.7 a. 色材・機能材関連事業液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、大型パネル向けではパネルメーカーの稼働率変動や国内市場縮小の影響を受けながらも中国や台湾での新規開発・拡販案件の実績化が進みましたが、車載用やPC用などの中小型パネル向けは依然低調が続きました。 プラスチック用着色剤は、国内では容器用や建材用などが伸び悩んだもののコストダウンなどによる採算改善が進み、海外では太陽電池やエアコン向けの需要増を取り込みました。 インクジェットインキは、国内外でデジタル印刷市場が伸長し販売が拡大しました。 車載用リチウムイオン電池材料は、米国や欧州での供給を本格化させましたがEV市場の停滞により販売は低調でした。 これらの結果、当事業全体の売上高は860億89百万円(前期比6.2%増)、営業利益は33億67百万円(前期比25.3%増)と、増収増益になりました。 b. ポリマー・塗加工関連事業塗工材料は、スマートフォンの生産増加に加えて中国での拡販効果もあり、導電性接着シート等の機能性フィルムが好調に推移しました。 また、半導体関連材料の実績化も進みました。 粘着剤は、国内ではラベル用やディスプレイ用が低調だったことに加え、原材料価格やコストの上昇もあり利益が圧迫されましたが、海外では、設備増強による拡販が進み好調に推移しました。 接着剤は、包装用が国内で堅調だったほか、東南アジアを中心に海外で販売が拡大し、工業用はリチウムイオン電池向けが顧客の稼働拡大に伴い好調でした。 缶用塗料は、国内では飲料缶用が堅調に推移し、タイでは水産加工物やビールなどの製缶需要が増加したなかで、前期に実施した塗料メーカーの買収効果もあり拡販が進みました。 これらの結果、当事業全体の売上高は885億18百万円(前期比13.9%増)、営業利益は71億51百万円(前期比36.0%増)と、増収増益になりました。 c. パッケージ関連事業リキッドインキは、国内では、ペットフードや冷食、コンビニ向けが堅調に推移したことに加え、夏季には猛暑の影響で冷菓や飲料向けの需要増加がありました。 段ボール用は、夏季に飲料関連向けが増加しましたが、全体としては水産加工物の輸出減少などで低調でした。 海外は、中国や欧州では消費の低迷により伸び悩みましたが、インドや東南アジアでは需要が堅調に推移したことに加え拡販も進んだほか、韓国でも環境に配慮した水性インキが伸長しました。 グラビアのシリンダー製版事業は、包装用が後半にかけて新版需要が増加してきたほか、エレクトロニクス関連の精密製版も緩やかに回復基調となりました。 この事業環境のなか価格改定の効果もあり、当事業全体の売上高は915億27百万円(前期比8.6%増)、営業利益は54億13百万円(前期比47.6%増)と、増収増益になりました。 d. 印刷・情報関連事業国内では、情報系印刷市場の構造的な縮小が継続し、チラシや広告、出版向けは低調に推移しましたが、事業構造の変革によるコストダウンや原材料値上りに対する価格の見直しにより、利益面での改善が進みました。 また機能性インキは、カード向けの需要が伸長したほか、省エネルギー対応の高感度UVインキの拡販も進みました。 海外では、中国で市況は低迷したものの教材向けの販売が拡大し、東南アジアでも紙器パッケージ向けが堅調でした。 また、欧州や米国でもLEDや省エネルギー対応のUVインキの販売が好調に推移しましたが、米州では後半に物流遅延による影響を受けました。 これらの結果、当事業全体の売上高は833億25百万円(前期比7.9%増)、営業利益は48億85百万円(前期比105.8%増)と、増収増益になりました。 e. その他上記のセグメントに含まれない事業や、持株会社であるartienceによる役務提供などを対象にしています。 当連結会計年度においては、売上高は58億5百万円(前期比3.5%増)と増収になり、3億81百万円の営業損失(前期は、6億1百万円の営業損失)となりました。 財政状態につきましては、次のとおりです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)総資産447,798472,78724,989負債192,144199,0336,888純資産255,653273,75418,100 当連結会計年度末における総資産は4,727億87百万円で、前連結会計年度末より249億89百万円増加しました。 負債は1,990億33百万円で、前連結会計年度末より68億88百万円増加しました。 純資産は2,737億54百万円で、前連結会計年度末より181億円増加しました。 当連結会計年度末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ円安外貨高に振れたため、海外子会社で保有する資産及び負債、為替換算調整勘定がそれぞれ増加しました。 また、売上高の伸長に伴い、受取手形及び売掛金や棚卸資産がそれぞれ増加しました。 さらに海外での新工場建設に伴い有形固定資産が増加しました。 一方、保有株式の売却に伴い、投資有価証券が減少しました。 なお、一部の長期借入金の返済期限が1年以内になりましたため、短期借入金への振替を行っております。 ② キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー23,47826,9643,486投資活動によるキャッシュ・フロー△19,457△10,1729,284財務活動によるキャッシュ・フロー△2,629△14,975△12,345現金及び現金同等物の期末残高56,04060,0524,012 当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。 )の期末残高は、前期末残高より40億12百万円増加し、600億52百万円となりました。 営業活動により得られた資金は269億64百万円(前連結会計年度比34億86百万円増)となりました。 税金等調整前当期純利益の計上及び減価償却費の計上などによる資金の増加や、売上債権の増加及び法人税等の支払いなどによる資金の減少がありました。 投資活動により使用した資金は101億72百万円(前連結会計年度比92億84百万円減)となりました。 有形固定資産の取得による支出などによる資金の減少や、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入などによる資金の増加がありました。 財務活動により使用した資金は149億75百万円(前連結会計年度比123億45百万円増)となりました。 長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどによる資金の減少や、長期借入れによる収入及び収益分配請求権設定契約による収入などによる資金の増加がありました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)色材・機能材関連事業 94,7429.1ポリマー・塗加工関連事業67,97812.0パッケージ関連事業70,0765.2印刷・情報関連事業57,5156.8 報告セグメント計290,3138.3その他104△5.0合計290,4178.3 (注) 生産金額は製造原価によっております。 b. 受注実績当企業グループにおける受注生産は極めて少なく、大部分が計画生産のため、記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)色材・機能材関連事業 83,9596.0ポリマー・塗加工関連事業 88,25613.8パッケージ関連事業90,4078.2印刷・情報関連事業83,2977.9 報告セグメント計345,9208.9その他5,14311.7合計351,0649.0 (注) 1 上記の金額は、連結会社間の内部売上高を除いております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績の分析当連結会計年度の売上高は、前期比289億42百万円(9.0%)増の3,510億64百万円(期初計画 3,400億円、2024年8月9日公表修正計画 3,550億円)となりました。 その内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しており、前中計期間に実施した海外での設備増強や販売強化策に加え、為替の効果もあり、成長事業(グラビアインキ、粘接着剤、UVインキなど)が大きく伸長し、増収となりました。 この結果、海外売上高比率は、過去最高の55.4%となっております。 営業利益は、前期比70億41百万円(52.7%)増の204億14百万円(期初計画 145億円、修正計画 200億円)となりました。 液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は大型が前半好調も後半は顧客の在庫調整があり前期並みとなり、車載用リチウムイオン電池材料は市況の鈍化により前期を下回ったものの、成長事業の伸長に加え、モバイル端末向け機能性フィルムの拡販や国内印刷情報の構造改革効果継続が寄与した結果、グループ全体で増益となりました。 経常利益は、前期比81億27百万円(63.1%)増の210億8百万円(期初計画 135億円、修正計画 200億円)となりました。 「支払利息」が増加しましたものの、営業利益の増加に加え「正味貨幣持高に係る利得」の発生により増益となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比88億3百万円(90.4%)増の185億40百万円(期初計画 100億円、修正計画 165億円)となりました。 経常利益の増加に加え、「投資有価証券売却益」の増加や、トルコでの投資優遇税制活用による税負担減により増益となりました。 この結果、ROEは7.3%となり、前期の4.2%から大きく改善しております。 なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 b. 財政状態の分析財政状態の分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメント別の財政状態は、以下となりました。 色材・機能材関連事業の資産1,312億67百万円(前期末より64億83百万円増加)。 ポリマー・塗加工関連事業の資産1,180億60百万円(前期末より62億28百万円増加)。 パッケージ関連事業の資産1,109億41百万円(前期末より112億91百万円増加)。 印刷・情報関連事業の資産1,016億77百万円(前期末より9億45百万円増加)。 その他の事業の資産108億40百万円(前期末より41百万円増加)。 c. キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、収益構造の改善などにより、600億52百万円と前期末と比べ増加しております。 今後とも、手元資金を確保しつつも将来の成長に向けた資金運用に努めてまいります。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析当企業グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料費や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費、新製品創出や事業領域拡大のための研究開発活動費などにあります。 また、設備投資では、成長領域や事業拡大に合わせた生産設備投資によるグローバル供給体制の強化や、統合システム整備による事業や業績のグローバル一体管理を進めています。 さらには、事業拡大を目的とした各種アライアンスや、人材・技術・事業などの戦略投資についても機動的に実施してまいります。 なお、これらの資金需要につきましては、主に手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、必要に応じて金融機関からの借入や社債発行なども実施してまいります。 その結果、当連結会計年度の有利子負債残高は、839億36百万円となっております。 また、CNT分散体事業の設備投資資金に充当するため、日本政策投資銀行との収益分配請求権設定契約に基づき、同行から46億39百万円の資金調達も実施しております。 これらに加え、国内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、当企業グループの余剰資金を効率的に運用しております。 ③ 重要な会計方針及び見積り当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。 経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。 当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 当連結会計年度において、経営上の重要な契約はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当企業グループは、社会から求められる価値の変化に対応し、「感性に響く価値」を提供し、心豊かで持続可能な社会に貢献する会社となるべく、新しい中期経営計画artience2027を策定しました。 “GROWTH”を柱に、グループの強みであるコア素材・コア技術を強化、自社技術と外部技術との融合により、新技術開発・新生産技術開発を推進し、世界の人々に対しその感性を揺さぶるような、新製品、新事業創出に取り組んでまいります。 artience2027では、既存事業については、成長事業/収益基盤事業/構造改革・戦略再構築事業に区分し、それぞれに応じた戦略の実践により高収益化を図ってまいります。 また、戦略的重点事業群として、モビリティ・バッテリー関連事業、ディスプレイ・先端エレクトロニクス関連事業、環境・バイオ・エネルギーなどの次世代事業の3つを設定し、それぞれの領域で戦略的に技術開発し、新たな収益基盤の創出に日々取り組んでまいります。 当企業グループにおける研究開発体制では、新たな製品やソリューションを生み出す素材技術や科学技術の獲得を目的に、「R&D本部」内の「技術開発研究所」と「フロンティア研究所」の一部機能を統合し、「次世代研究所」としました。 また、事業化推進を目的に「フロンティア研究所」の一部機能であったバイオ研究部門を「インキュベーションセンター」に移管し、マーケティング部門と研究開発部門を統合しました。 さらに、「R&D本部」内の「知的財産部」を「グループ知的財産部」に昇格し、グループ全体の知財力強化に向け、AIの活用に向けた取り組みを開始しました。 本体制のもと、国内・海外事業会社の連携による新製品開発、探索活動の強化、新技術開発に取り組みグループ全体のR&D機能、生産技術機能の強化・拡大を目指していきます。 また、国内・海外の大学やアカデミア、スタートアップ、パートナー企業との連携を強化させ、さらには、海外の研究開発活動にも積極的に取り組み、将来の核となる事業の育成を推進していきます。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は10,109百万円であり、各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりです。 (1)色材・機能材関連事業当事業では、コア技術である有機合成技術と分散加工技術を進化/融合させることで社会、市場、お客様の課題解決に貢献する製品開発を続けております。 顔料及び顔料分散体事業は、これまで培ってきた独自の顔料合成及び加工技術を進化/応用することで、従来のメイン市場であった印刷インキ市場に加えて、高付加価値市場である自動車塗料用をターゲットとした製品開発を進めました。 これまでにない意匠を発現する技術開発が進み、採用に向けた技術マーケティング活動に繋げていく計画です。 メディア材料事業は、生産工程での使用エネルギーを削減可能な革新製法への転換が進み、製品の環境負荷低減に繋げることができました。 加えて液晶ディスプレイ製造工程におけるCO2削減に貢献する低温硬化レジストインキの開発を継続して進めており、SCMトータルでの環境負荷低減による社会貢献を目指しています。 製品開発面では市場の大きな伸びが期待されるイメージセンサー用レジストインキの開発による採用が進みました。 着色剤事業は、CO2削減によるカーボンニュートラルの達成・廃プラスチック削減問題という社会課題に対し、マテリアルリサイクルに寄与する製品や天然材料/バイオマス材料を使用した製品開発を進め、採用が拡大しつつあります。 一方で世界的に需要が拡大しているエレクトロニクス材料に使用されるマスターバッチ、コンパウンドといった高付加価値製品のニーズも高まっており、将来の事業の柱とすべく開発を進め、一部では事業化が始まっています。 機能材料事業は、カーボンナノチューブを用いた車載用リチウムイオン電池用導電材料のグローバル商業生産の軌道化が堅調に進みました。 一方で従来の正極用導電材料の開発・工業化に加えて負極用導電材料、次世代のバッテリーとして期待されている全固体リチウムイオン電池用の導電材料など、これまでの開発で培った技術の応用展開で、多様化するバッテリーシステム及び各部材に向けた開発も進めております。 バッテリー市場向け以外にも、無機材料の分散加工技術を応用した半導体/エレクトロニクス市場向け材料の製品開発を進め、採用が広がりつつあります。 インクジェットインキ事業は、印刷市場のデジタル化をビジネスチャンスと捉えて開発を進めました。 商業印刷用途は、材料設計技術とインキの処方化技術の両面から従来の品質課題を解決し、事業化に繋げることができました。 また軟包装用途では、年々厳しくなる化学物質法規制への対応をクリアすることができ、国内/海外ともに大きく事業を伸長させることができました。 また印刷工程でのエネルギー低減を付加価値と捉えた製品開発も進めております。 当事業に係わる研究開発費は、4,361百万円です。 (2)ポリマー・塗加工関連事業当事業では、重点市場を①包装・工業材市場、②エレクトロニクス市場、③メディカル・ヘルスケア市場と位置づけ、その事業の礎となるポリマー・サイエンス・テクノロジープラットフォームの拡充に取り組み、高付加価値製品や環境調和型製品の開発を続けております。 包装・工業材市場向けについては、粘着剤では、環境調和型製品として、バイオマス製品の非可食・非パーム油化や、無溶剤型のUV硬化型製品を開発しました。 接着剤では、環境価値提供を目的とした無溶剤タイプのラミネート用製品「ECOAD®」の用途拡張に注力し、採用が拡大しております。 また、工業用高耐久接着剤は太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)・自動車部材で評価が進んでおります。 水性樹脂では、プラスチックゴミの削減に貢献する紙用耐油・耐水コーティング剤の開発が進み、食品包装材用途で顧客評価が進んでいます。 ホットメルト(熱溶融型接着剤)では、PETボトル胴巻ラベル用が海外顧客で採用となり供給を開始しました。 缶用塗料では、環境負荷が疑われるビスフェノールAやフッ素化合物(PFAS)を含まない環境配慮型製品が完成し、国内外で展開しています。 また、成型加飾フィルム用のハードコート剤では耐候性に優れた製品を開発し、自動車外装向けで顧客評価が進んでいます。 エレクトロニクス市場向けについては、半導体パッケージ基板を一括封止する絶縁保護シート、電磁波シールドシート「LIOTELAN®」の開発が進み、絶縁保護シートが採用を獲得しました。 また、半導体部材の絶縁材料に低誘電性と寸法安定性を付与する新規ポリマーの採用が内定し、現在顧客での量産検討が進んでいます。 粘着剤では、中国のディスプレイ用途向けで新製品が採用され事業が拡大しました。 メディカル・ヘルスケア市場については、貼付型医薬品、検査薬用のシート製品、粘着剤製品の開発を引き続き進め、インドでのヘルスケア向け粘着剤が新規に採用を獲得しております。 当事業に係わる研究開発費は、2,873百万円です。 (3)パッケージ関連事業当事業では、環境調和型の軟包装用グラビア、フレキソインキ、建装材用グラビアインキ、機能性インキの開発を始め、マテリアルリサイクルシステムの構築など、CO2排出量削減や循環型社会の実現に貢献する製品、ソリューションの開発及び新たな価値の創造に取り組んでおります。 軟包装分野では、植物由来原料を一部使用したバイオマス製品のラインナップ拡充や水性インキの品質向上、用途拡大を進めております。 また、パッケージのモノマテリアル化、紙化、単層化に向けた各種機能性インキ(酸素・水蒸気バリア性、耐熱性、耐水性、撥水性付与など)の品質向上、ラインナップ拡充に取り組み、国内外で市場評価が拡大し一部実績化が進んでおります。 さらに、当企業グループの単分散微粒子合成技術×周期配列化技術を用いた色素を含まない構造色インキを開発し、その特徴的な鮮やかな発色によるパッケージの新たな加飾表現付与の提案を行っております。 マテリアルリサイクルでは、複数社と開発した剥離脱墨層を有する複層プラスチック包装材や成型品において高純度な再生材が得られることがパイロット設備にて実証されました。 今後、早期の社会実装に向け、外部パートナー企業との連携により効率的なリサイクルフローならびに設備の検討・開発を進めていきます。 建装材分野では、環境負荷低減製品(水性化、無溶剤)や建装材の長寿命化に繋がる高耐久性を有するグラビアインキ及びトップコートの開発に力を入れております。 今後も、次世代環境配慮型パッケージ及び建装材分野に役立つ製品やマテリアルリサイクルシステムなどのソリューション提供を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成など、社会課題の解決に貢献してまいります。 当事業に係わる研究開発費は、1,634百万円です。 (4)印刷・情報関連事業当事業では、グローバルで成長著しいUV硬化型インキの他、バイオマス度が高いことを特徴とする油性オフセットインキの製品開発を通して、カーボンニュートラルをはじめとする様々な社会課題の解決に資する価値を提供しています。 UVインキには瞬間硬化、VOCの非含有、紙からプラスチックまでの対応幅の広さという利点があることから、パッケージやラベルなどの身の回りの製品にて数多く使用されています。 特に長寿命、低消費電力により省エネ化が期待できるLED-UV硬化システムが普及しつつあり、当社はLEDに対応した製品群を多数ラインナップする事により、GHG排出量のうちScope3の削減に貢献いたします。 また、循環型社会の実現に貢献すべく、硬質プラスチックに印刷されたUVインキを分離できる当社独自開発脱墨コーティング剤を用いることによるリサイクルの試験研究を外部パートナー企業と進めています。 一方、今後普及することが予想される電子線(EB)硬化型製品については 、当社保有電子線照射装置を活用し、研究開発に注力しています。 UVインキと同様にEBインキも堅牢な塗膜を有する事を特徴としつつ、UVインキで必須の光重合開始剤が不要のほか、良好な密着性を有する事から様々な包材への適用が期待されています。 グラビア印刷やデジタル印刷上にEBトップコートを塗工し、包材の構成を表刷化することによるプラスチックの削減に貢献いたします。 当事業に係わる研究開発費は、1,218百万円です。 なお、上記の4つの事業に含まれない研究開発費は、21百万円です。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当企業グループは当連結会計年度において、基盤事業の生産拠点整備、成長分野の供給体制強化及び環境対策等に注力し、18,440百万円の設備投資を実施いたしました。 セグメント別の設備投資は以下のとおりです。 色材・機能材関連事業では、LioChem e-Materials LLCにおける工場用土地、建物及びリチウムイオン電池材料製造設備など、10,560百万円の設備投資を行いました。 ポリマー・塗加工関連事業では、トーヨーケム株式会社守山工場における貼付型医薬品工場移転など、2,452百万円の設備投資を行いました。 パッケージ関連事業では、Toyo Printing Inks Inc.における工場建物及びグラビアインキ製造設備など、3,336百万円の設備投資を行いました。 印刷・情報関連事業では、1,914百万円の設備投資を行いました。 その他の事業では、176百万円の設備投資を行いました。 所要資金については自己資金及び借入金の他、収益分配請求権設定契約に基づく資金調達により充当しました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当企業グループにおける主要な設備は以下のとおりであります。 (1) 提出会社2024年12月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計本社(東京都中央区)その他、全社共通管理用及び賃貸設備2,487302,079 (2)384,637249十条センター(東京都板橋区)その他、全社共通管理用及び賃貸設備1,00311,180 (2)692,25555研究所(埼玉県坂戸市、埼玉県川越市)その他、全社共通研究開発設備486174352(7)2531,26670トーヨーカラー㈱岡山工場(岡山県井原市)その他、全社共通賃貸設備78-932(50)-1,010-東洋インキ㈱寝屋川センター (大阪府寝屋川市)その他、全社共通賃貸設備297-440(21)0738- (2) 国内子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計トーヨーカラー㈱富士製造所(静岡県富士市)色材・機能材関連及び印刷・情報関連色材・機能材関連及び印刷・情報関連製造設備4,4862,2331,780(117)[14]1,83810,340337トーヨーケム㈱川越製造所(埼玉県川越市)色材・機能材関連及びポリマー・塗加工関連色材・機能材関連及びポリマー・塗加工関連製造設備4,5962,1371,481(140)[11]8289,044349守山工場(滋賀県守山市)ポリマー・塗加工関連ポリマー・塗加工関連製造設備2,654925-(-)1783,75822神戸工場(兵庫県神戸市西区)ポリマー・塗加工関連ポリマー・塗加工関連製造設備3303791,020(20)1071,83645千葉工場(千葉県千葉市緑区)ポリマー・塗加工関連ポリマー・塗加工関連製造設備295362402(14)341,09541東洋インキ㈱埼玉製造所(埼玉県川越市)パッケージ関連及び印刷・情報関連パッケージ関連及び印刷・情報関連製造設備2,2951,4644,179(130)7478,686375東洋ビジュアルソリューションズ㈱守山製造所(滋賀県守山市)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備1,8559961,641(59)6985,191162マツイカガク㈱本社工場(京都府京都市伏見区)印刷・情報関連印刷・情報関連製造設備1,1191941,835(17)963,245199東洋モートン㈱埼玉工場(埼玉県比企郡滑川町)ポリマー・塗加工関連ポリマー・塗加工関連製造設備1,347680463(13)[2]1142,60575東洋FPP㈱本社工場(埼玉県川口市)パッケージ関連パッケージ関連製造設備341450-(-)3911,183109東洋ビーネット㈱artience㈱本社他(東京都中央区他)その他賃貸設備102-674 (2)4781-東洋インキ㈱北海道事業所他(北海道札幌市西区他)その他賃貸設備132-896(48)-1,028-東洋インキ㈱九州事業所(福岡県福岡市東区他)その他賃貸設備120-868(7)6995- (3) 在外子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計LioChem e-Materials LLC本社工場(アメリカケンタッキー)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備--142(101)9,3329,4742Toyo Printing Inks Inc.本社工場(トルコ マニサ)パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連製造設備285879996(82)12,52014,681237江門東洋油墨有限公司本社工場(中華人民共和国広東省)パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連製造設備2,7631,085-(-)[85]2,3396,188279珠海東洋色材有限公司本社工場(中華人民共和国広東省)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備2,5172,695-(-)[100]6225,835283LioChem, Inc.本社工場(アメリカジョージア)パッケージ関連及び色材・機能材関連パッケージ関連及び色材・機能材関連製造設備1,2142,20961(78)9234,409106 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計上海東洋油墨制造有限公司本社工場(中華人民共和国上海市)ポリマー・塗加工関連及び色材・機能材関連ポリマー・塗加工関連及び色材・機能材関連製造設備1,1331,836-(-)[109]1,0203,989357Toyo Ink India Pvt. Ltd.本社工場(インドグレーターノイダ)パッケージ関連パッケージ関連製造設備244468-(-)[20]6751,389189グジャラート工場(インドグジャラート)印刷・情報関連印刷・情報関連製造設備1,438898-(-)[110]1402,477147Toyo Ink America, LLCテキサス工場(アメリカテキサス)パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連製造設備1,94498269(89)113,00749Toyo Ink Hungary Kft本社工場(ハンガリーペシュト)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備3341,647231(44)1,4343,64738天津東洋油墨有限公司本社工場(中華人民共和国天津市)印刷・情報関連印刷・情報関連製造設備6841,792-(-)[86]4382,915443 Toyochem Specialty Chemical Sdn. Bhd. 本社工場(マレーシア セランゴール) 印刷・情報関連印刷・情報関連製造設備15898-(-)[13]58315105セレンバン工場(マレーシアセレンバン)ポリマー・塗加工関連及びパッケージ関連ポリマー・塗加工関連及びパッケージ関連製造設備8111,462486(89)142,775188Toyo Ink (Thailand) Co., Ltd.本社工場(タイバンコク)ポリマー・塗加工関連及びパッケージ関連ポリマー・塗加工関連及びパッケージ関連製造設備11373522(28)3001,010367チェチェンサオ工場(タイチェチェンサオ)色材・機能材関連及びポリマー・塗加工関連色材・機能材関連及びポリマー・塗加工関連製造設備472479642(44)1591,754160三永インキペイント製造㈱本社工場(大韓民国京畿道)ポリマー・塗加工関連及びパッケージ関連ポリマー・塗加工関連及びパッケージ関連製造設備1,023679542(26)2782,524138Toyo Ink Europe Specialty Chemicals SAS本社工場(フランスワッセル)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備8571,32542(117)2062,430132Toyo Ink Europe NV本社工場(ベルギーニール)印刷・情報関連印刷・情報関連製造設備787509338(30)1491,784127台湾東洋先端科技股份有限公司台南工場(台湾台南市)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備303254599(12)151,173128Toyo Ink Compoounds VietnamCo.,Ltd.本社工場(ベトナム バクニン)色材・機能材関連色材・機能材関連製造設備948302-(-)[30]1811,432245PT. Toyo Ink Indonesia本社工場(インドネシアベカシ)パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連パッケージ関連及びポリマー・塗加工関連製造設備439517371(49)151,343179Toyo Ink Brasil LTDA.本社工場(ブラジルサンパウロ)印刷・情報関連及びパッケージ関連印刷・情報関連及びパッケージ関連製造設備461436357(43)811,336127 (注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、リース資産及び建設仮勘定の合計であります。 2 土地及び建物の一部を企業グループ外部より賃借しております。 賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしております。 3 現在休止中の主要な設備はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 重要な設備の新設等2024年12月31日現在会社名事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了Toyo Printing Inks Inc.トルコマニサパッケージ関連及びポリマー・塗加工関連工場建物及びグラビアインキ、接着剤製造設備等10,9307,062自己資金2020年1月2025年2月LioChem e-Materials LLCアメリカケンタッキー色材・機能材関連工場用土地、建物及びリチウムイオン電池材料製造設備8,7608,573収益分配請求権設定契約及び自己資金2022年12月2026年10月トーヨーカラー㈱富士製造所静岡県富士市色材・機能材関連リチウムイオン電池材料製造設備2,720547自己資金2024年1月2026年4月Toyo Ink IndiaPvt. Ltd.インドグジャラートポリマー・塗加工関連粘着剤製造設備1,53065自己資金2024年3月2026年3月トーヨーカラー㈱富士製造所静岡県富士市色材・機能材関連リチウムイオン電池材料製造設備1,830110自己資金2024年3月2030年1月Toyo Ink HungaryKftハンガリーペシュト色材・機能材関連リチウムイオン電池材料製造設備5,350465収益分配請求権設定契約及び自己資金2024年7月2027年1月LioChem e-Materials LLCアメリカケンタッキー色材・機能材関連リチウムイオン電池材料製造設備3,480741収益分配請求権設定契約及び自己資金2024年7月2028年1月東洋ビジュアルソリューションズ㈱守山製造所滋賀県守山市色材・機能材関連レジスト製造設備1,300-自己資金2024年12月2026年4月珠海東洋色材有限公司中華人民共和国広東省色材・機能材関連リチウムイオン電池材料製造設備1,060-自己資金2026年1月2027年1月 (注) 完成後の増加能力については、算定が困難であります。 従って、完成後の増加能力は記載しておりません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 21,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 176,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 19 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,856,687 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする保有株式を純投資目的である投資株式、それ以外の保有株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、業務提携、取引関係の維持・強化、原材料の安定調達などの経営戦略の一環として、必要と判断する企業の株式を政策的に保有しております。 そして、これらの政策保有上場株式について、毎年、取締役会において、経済合理性を検証しております。 資本コストと比較した保有に伴う便益や取引状況などを個別銘柄毎に検証し、保有の意義が薄れたと判断した銘柄は、当該企業の状況や市場動向を勘案したうえで縮減を進めております。 また、個別に保有の意義が薄れたと判断しなかった銘柄であっても、グループ全体の資本効率向上に資する場合は、適宜縮減を検討し発行会社と丁寧な対話を行ったうえで売却を進めることにより、保有株式の一層の縮減を進めております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式48968非上場株式以外の株式3515,762 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式612取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式240非上場株式以外の株式65,322 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等の情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱日本触媒(注4)3,618,188904,547原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 有6,9284,915東洋製罐グループホールディングス㈱1,598,9693,798,969ポリマー・塗加工関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 有3,8478,688共同印刷㈱216,920216,920パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無874700NISSHA㈱435,000457,894パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 有709674丸紅㈱266,851266,851原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 無 (注3)638594大阪有機化学工業㈱174,000175,000原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 有503474荒川化学工業㈱293,760293,760原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 有324297リンテック㈱100,000100,000ポリマー・塗加工関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無306275㈱トーモク108,033108,033パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 有250232㈱小森コーポレーション139,000139,000印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 有167158トーイン㈱210,763208,651印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 無136110ダイナパック㈱70,67269,967パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 無127104ザ・パック㈱34,40933,323パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 無123112東京インキ㈱34,65034,650色材・機能材関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 有11698長瀬産業㈱31,00231,002原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 有9970朝日印刷㈱108,352106,144印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 無9694ホッカンホールディングス㈱52,200208,317パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無87338萩原工業㈱40,00040,000色材・機能材関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無6357竹田iPホールディングス㈱55,00055,000印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無4741㈱ゼンリン55,78655,786印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無4648 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)大成ラミック㈱17,93516,742ポリマー・塗加工関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 無4448ZACROS㈱8,4598,324ポリマー・塗加工関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 取引先企業の持株会の継続加入により、株式数が増加しております。 無3631光村印刷㈱25,24025,240印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無3534古林紙工㈱14,26014,260パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無2633丸東産業㈱9,8829,882パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無1819サンメッセ㈱44,00044,000印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無1616㈱サンエー化研30,00030,000ポリマー・塗加工関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無1615三菱ケミカルグループ㈱20,83920,839原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 無 (注3)1618日本化学産業㈱11,00011,000原材料の安定的な調達を目的として保有しております。 有1615野崎印刷紙業㈱103,167103,167印刷・情報関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無1515天昇電気工業㈱50,00050,000色材・機能材関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無1220大石産業㈱(注5)3,6301,815パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無43王子ホールディングス㈱5,7765,776パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無33扶桑電通㈱1,5841,584円滑な通信機器の保守サービスの委託等を目的として保有しております。 有22日本製紙㈱1,7001,700パッケージ関連事業の取引を行っており、取引関係の維持と強化を目的として保有しております。 無12大王製紙㈱-10,000同社株式は全て売却しており、保有しておりません。 無-11スーパーバッグ㈱-738同社株式は全て売却しており、保有しておりません。 無-1 (注)1 「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 2 定量的な保有効果については、記載が困難であります。 保有の合理性は、資本コストと比較した保有に伴う便益や取引状況などを個別銘柄毎に検証しております。 3 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。 4 ㈱日本触媒は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割しています。 5 大石産業㈱は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しています。 みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 48 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 968,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 35 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 15,762,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 12,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5,322,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 1,700 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 167,000,000 |