財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-03-26
英訳名、表紙Synspective Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役CEO 新井 元行
本店の所在の場所、表紙東京都江東区三好三丁目10番3号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6811-1355(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
 当社創業者の新井元行と、ImPACTプログラム(注1)でマネージャーとして防災性能向上を目的とした小型SAR衛星(注2)開発を進めていた白坂成功(現 当社顧問、慶應義塾大学大学院教授)(注3)は、ImPACTプログラムの技術成果を社会実装し、「この世代で、人類の経済活動を、地球環境と資源を考慮した持続可能なものにする」ため当社を創立しました。
衛星コンステレーション(注4)により全球の環境・経済活動を可視化し、解析できるアナリティクスプラットフォームの構築と、持続可能な社会・経済活動を阻害する恐れのあるリスクを特定・評価し、専門性を持つパートナーとともにソリューションの開発・実装を行っております。
ImPACTプログラムの基礎技術と多様なビジネス経験のあるメンバーがこのビジョンの下に集い、事業を進めて参りました。
年月概要2018年2月東京都千代田区に株式会社Synspective(資本金5,000千円)を設立2018年4月東京都中央区に本社移転2018年9月マーケティング拠点としてシンガポールに連結在外子会社Synspective SG Pte. Ltd.を設立2018年9月取締役会を設置2019年4月JAXA J-SPARCプログラム(注5)に参画2019年10月東京都江東区に本社移転2020年9月SAR衛星データを用いたクラウドベースサービス「地盤変動モニタリング(Land Displacement Monitoring)」をリリース2020年12月小型SAR衛星の実証初号機の打上に成功2021年2月実証初号機の初画像データ取得に成功、小型SAR衛星画像の取得成功は民間で日本初2021年5月宇宙セクターにおけるITセキュリティアライアンス「Space ISAC」(注6)に加入2021年10月経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」企業に選定2022年1月新設分割により連結子会社 株式会社Synspective Japanを設立、衛星運用を担う2022年4月内閣府「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」の採択事業者に決定2023年10月経済産業省のインパクトスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup Impact」に選定2023年10月令和4年度経済産業省「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択2024年7月自社小型SAR衛星のStriXシリーズにより、日本最高分解能である25cmのSAR画像取得に成功2024年9月量産工場であるヤマトテクノロジーセンター(神奈川県大和市)が稼働開始(注7)2024年11月宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金「商業衛星コンステレーション構築加速化」に採択2024年12月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2025年2月北米・ラテンアメリカにおける事業拡大のため、米国に持株会社Synspective USA HD, Inc.(当社100%子会社)および事業会社Synspective USA, Inc.(Synspective USA HD, Inc.の100%子会社)を設立 (注)1.内閣府が所管するハイリスク・ハイインパクトの技術開発を目的とした「革新的研究開発推進プログラム」。
このうち、当社技術の基礎となるSARシステムは、2015~2018年度で実施された「オンデマンド即時観測が可能な小型合成開口レーダ衛星システム」の技術成果。
2.Synthetic Aperture Radar(SAR)は日本語では「合成開口レーダ」と呼ばれる。
SAR衛星はマイクロ波を使って地表面を観測する衛星で、従来のSAR衛星は重量が1,000kgを超えるものであったが、100-500kg程度に小型化したものを小型SAR衛星と呼ぶ。
3.当社の共同創業者である白坂成功氏は創業以来取締役を務めていたが、内閣府宇宙政策委員会 基本政策部会の部会長就任にあたり2022年3月24日付で取締役を退任。
以降当社顧問として、宇宙政策及び宇宙関連技術のアドバイスを行う。
4.複数の人工衛星を連携させて一体的に運用するシステム。
互いに通信範囲が重ならないよう軌道に投入することで世界全域を高頻度で撮像する。
constellationとは「星座」の意味。
5.「宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)。
民間事業者等とJAXA間でパートナーシップを結び、共同で新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す研究開発プログラム。
6.米国Space ISAC(Space Information Sharing and Analysis Center)は、公共および民間の宇宙分野のあらゆる脅威に対するセキュリティ情報源センター。
このセンターでは、宇宙分野における、セキュリティ、脅威に関するデータ、事実やそれらの分析を得るための包括的な単一の情報源を有しており、宇宙資産を保護するための対応策、緩和策、回復策を支援するための分析とリソースを提供している。
7.ヤマトテクノロジーセンターは2024年9月から順次稼働を開始しており、2024年11月に設備が完成した。
事業の内容 3 【事業の内容】
 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社2社で構成されており、「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」ことを目指し、衛星コンステレーションとデータ解析技術を用いた衛星データ事業を展開しております。
 なお、当社グループは衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
1.当社の事業内容(1)当社の衛星の特徴 当社はSAR衛星の開発・製造・運用を行い、得られたSAR衛星データを用いたデータビジネスを進めています。
人工衛星は目的に応じて通信・測位・地球観測衛星の3つに大別され、さらに地球観測衛星は光学衛星、SAR衛星に分類されます。
SAR衛星の特徴は、天候や時間帯に依存せずいつでもデータ取得が可能であることです。
光学衛星は宇宙から写真を撮影するもので直感的に理解しやすく、Google Earthをはじめとする様々なWEBサービスで利用が進んでいます。
しかし、雲により視界が妨げられ、また暗い夜間には視認性が落ちるために、情報取得の機会が限定されます。
それに対して、X-band帯域(注1)を利用するSAR衛星は雲を透過する波長の電波を自ら照射し、地上からの反射波を観測するため、これらの影響を受けずいつでもデータ取得が可能です。
またデータには、地形や構造物の形・物性の把握に資する情報が含まれています。
これらの特徴から、SAR衛星データは時系列分析や変化抽出に強く、経済・環境の連続的変化を捉えるのに適していると言えます。
(図表)光学衛星とSAR衛星の違い  当社グループの小型SAR衛星「StriX(ストリクス)」は、政府が主導する革新的研究開発推進プログラム(以下、ImPACTプログラム(注2))の成果を応用した独自の小型SAR衛星です。
同プログラムでは、JAXA、東京大学、東京工業大学(現、東京科学大学)、慶應義塾大学等との連携により、高性能・低コスト・製造容易性を意識した開発と研究が進められ、小型SAR衛星開発に係るプログラムは2015年度から2019年度まで実施されました。
それらの技術を引き継ぎ応用して完成したのが当社グループの小型SAR衛星「StriX(ストリクス)」です。
 同機は、従来の大型衛星に比べて重量比(注3)で約1/10の小型化(注4)を達成しており、折り畳み可能なSARアンテナ(展開型スロットアレーアンテナ(注5))、高出力化と高度な熱制御等により、衛星サイズの小型化と大型SAR衛星と遜色ない撮像能力を実現しています。
搭載機器開発と既製品の積極利用、並びに小型化により、従来の大型のものと比較し打上げと製造費用をあわせ、およそ1/20の低コスト化が可能(注3)です。
これにより従来の衛星では費用が掛かり過ぎて不可能だった、多数機でのコンステレーション(注6)形成が可能となり、多地点の高頻度観測ができるようになります。
(注1)X-bandSAR衛星で用いられる波長帯のひとつです。
X-band(波長約3cm)、C-band(波長約6cm)、L-band(波長約24cm)などがあり、波長が短い電波ほど分解能は高くなります。
(注2)革新的研究開発推進プログラム/ImPACTプログラム 政府の科学技術・イノベーション政策の司令塔である総合科学技術・イノベーション会議が、ハイリスク・ハイインパクトな研究開発を促進し、持続的な発展性のあるイノベーションシステムの実現を目指したプログラム。
(注3)重量比/コスト比 従来の大型衛星の例として、JAXAが開発、三菱電機が製造した大型SAR衛星「陸域観測技術衛星だいち4号(ALOS-4)」は重量約3トン、打上費用を含む総事業費は320億円。
(JAXA HP予算関連(予算推移、プロジェクト関連)より)(注4)小型衛星の定義 重量1,000kg超級を大型、100kg~500kgを小型と示します。
なお、当社の衛星「StriX(ストリクス)」は100kg級です。
 参考:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する電子ジャーナルプラットフォームJ-stage「Journal of The Remote Sensing Society of Japan Vol. 34 No. 1」より(注5)展開型スロットアレーアンテナ 「展開型スロットアレーアンテナ」とは、展開時には大型SAR衛星と同等の5mになる折り畳み方式のアンテナ。
StriXの展開型スロットアレーアンテナは、1kW級の高出力アンプを搭載、さらにバランスのとれた熱制御を実現し、大型SAR衛星に比べて重量比で約1/10の小型化を達成しています。
(注6)コンステレーションと高頻度撮像について 衛星が地球上の同一地点を観測する際の経過時間である衛星再訪問周期(例えばALOS-2(陸域観測技術衛星2号)の回帰日数は14日間)は短縮することはできませんが、小型化・低コスト化によって複数の衛星を製造し、互いに通信範囲が重ならないよう軌道に投入することで、世界全域を高頻度で撮像することができるようになり、従来の課題であった即応性が補完されます。
(図表)当社グループ小型SAR衛星
(2)当社サービスの概要 当社グループのビジネスは、小型SAR衛星と関連システムの開発・製造を通じた衛星コンステレーションの運用とその取得データの販売及びソリューションの開発・販売です。
衛星の打上、および衛星・地上間の通信設備利用については外部企業に委託しています。
SAR衛星データを取得し、エンドユーザーに対して価値提供するまでのオペレーションを一貫して行うため、安定したデータ取得とマーケットニーズを捉えたサービスの開発・提供が可能となります。
これらを通じて顧客に提供するサービスは、データ販売とソリューション提供の2つです。
なお、当社グループはセグメント単位としては衛星データ事業の単一セグメントであります。
(図表)当社の技術 ①データ販売 データ販売は、当社グループの小型SAR衛星「StriX」シリーズによるコンステレーションから取得したデータを販売するサービスです。
このデータは地表から反射して返ってきた信号を処理し、画像化されたもので、この画像データを分析することで、地形・対象物の形状や変化を把握することができます。
SAR画像分析には高い専門性と知識が必要になるため、この能力を持つ各国政府(特に防衛関連省庁)が直接SAR衛星データを利用する顧客となります。
安全保障、防災/減災、インフラ/国土開発等の官需が中心です。
サービスはWeb上で完結し、顧客は購入枚数の契約の下、その期間内で当社プラットフォームを用いて興味地域を指定し、当社衛星によるデータ取得後、当該プラットフォーム上で納品を受けます。
(図表)当社グループ「StriX」によるSAR画像データ(東京 2021年4月)  画像データを得るための衛星の撮像モードは、ストリップマップモード、スライディングスポットライトモード、ステアリングスポットライトモードの3種類です。
ストリップマップモードでは、撮像幅及び撮像域(シーン)の長い画像を、グランドレンジ分解能3.5m×グランドアジマス分解能2.6mで撮像できます。
スライディングスポットライトモードでは、アンテナビームをストリップマップモードより遅く走査させ、電磁パルスをより長い時間、地表の特定箇所に照射することでより高分解能な画像が取得でき、グランドレンジ分解能0.46m×グランドアジマス分解能0.5mで撮像できます。
そして、ステアリングスポットライトモードは、より観測域を狭めて照射するモードで、グランドレンジ分解能0.46m×グランドアジマス分解能0.25mで撮像できます。
(図表)撮像モード一覧(注1)ノミナル値 寸法公差の基準となる値で、実測された値の平均値を指します。
(注2)レンジ・アジマス 衛星の進行する軌道方向をアジマス(Azimuth)方向、レーダーを照射する方向をレンジ(Range)方向と言います。
StriX衛星は、衛星の進行方向(アジマス方向)に対して、直角方向(レンジ方向)に斜め下へマイクロ波を照射します。
②ソリューション提供 当社グループのSAR衛星「StriX」のコンステレーションで取得したデータを中心に、データサイエンスを用いた自動解析を行い、その結果を業務上すぐ利用できる情報として提供するサービスです。
前述のようにSAR衛星データの解釈・分析には専門的知識が必要であり、また今後取得するデータの増加に伴い、その膨大なデータ解析の手間はたいへんな負担となります。
当社グループは衛星開発に加え、SAR衛星データ解析のための技術・チームを保有するため、データの付加価値とユーザビリティを向上させたソリューションの提供が可能です。
 これにより、一般的にSARデータの分析能力を持たない民間の顧客に対しても、衛星データの価値を提供することができます。
また、衛星機数増によりデータ取得量が増えることは、自動解析の精度向上にもつながります。
多くの人が扱えるデータとなることでさらなるSAR市場拡大を牽引し、データの取得販売と解析の好循環が実現可能と考えています。
 顧客は各国の省庁のみならず、損害保険、インフラ開発・土木工事、資源エネルギー開発などを手掛ける企業にも拡がりつつあり、災害リスク/被害状況評価、大型設備と施工の安全管理・保守、地形・風況・森林等の環境調査などの需要に応えています。
サービスはデータ販売と同様にWeb上のプラットフォームにおいて完結しますが、一定枚数の購入ではなく、解析箇所・頻度に基づく解析料によって決まる契約となります。
また、初回導入においては、解析結果を利用するためのコンサルティングサービスを伴うことがあります。
主なソリューションのラインナップは以下のとおりです。
(a)地盤変動モニタリングソリューション SAR衛星データを用いて広域の地盤変動を解析し、その結果を提供するソリューションサービスです。
当社グループ独自のInSAR解析技術(注1)により、広域な地表面の変動量をmm単位で検出し時系列で表示します。
また、地下工事等によって発生する陥没事故の領域予測機能が追加実装されております。
当ソリューションにより、以下のような課題を解決できるようになります。
 ・1日停滞すると多大なコストが生じる大規模地下工事のリスク管理 ・多額の測量コストがかかる地下資源/エネルギー採掘の地表への影響調査 ・脆弱な地盤や海上に建設した発電プラント、港湾のメンテナンス管理 ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの移動制約下での遠隔地/広域の地滑りリスク調査 (注1)InSAR解析 Interferometric SARの略で日本語では干渉SARと呼ばれ、SARデータに含まれる反射波の位相情報を用いて地盤や構造物の変動を解析するSARデータ特有の処理技術の1つの手法です。
位相にはSAR衛星から地表までの距離の情報が含まれるため、同じ軌道上にあるSAR衛星から同一地点を2回観測すれば、その観測結果を重ねて(干渉させて)差をとることによって、地表のわずかな変動を数mm単位で捉えることができます。
(b)洪水被害分析ソリューション SAR衛星データを用いて、浸水被害(浸水域、浸水深、被害道路、被害建物)の分析結果を提供するソリューションサービスです。
台風などにより洪水被害が発生した際、従来の光学衛星や飛行機・ドローンでは天候が一定程度回復した後にしか状況把握ができませんでしたが、悪天候に強いSAR衛星を用いれば天候に左右されず広域の浸水状況を観測可能です。
さらに、データサイエンスや機械学習を利用して即時に自動データ解析を行い、道路・建物などの施設への影響範囲を特定します。
以下のような課題を解決できます。
 ・大規模災害で大きなコスト・リードタイムのかかる損害保険調査 ・新興国/途上国において迅速な復興支援が必要な国際機関の現地ニーズアセスメント ・迅速な人命救助活動が求められる政府や自治体の初動計画 (c)その他のソリューションサービス例 その他に、森林の状況(林相やバイオマス)を可視化することで、計画外伐採の特定やカーボンクレジット取得を目指した森林資源量の把握に繋がるサービスや、洋上風力発電所付近の風速・風向を解析することで発電所設置の際の選定や保守運用の効率化に資する結果を提供するサービス、さらに土砂災害や家屋の倒壊などの災害時に被害箇所の特定を迅速に行うためのサービスなど、様々なソリューションサービスを開発し提供しています。
 これらは国内外の顧客との実証実験契約やサービス契約等を通じてソリューションとして汎用化可能だと判断した衛星データの新たなニーズであり、当社グループが他の衛星事業者に先駆けてサービスの開発および提供が進んでいる分野と言えます。
これらは国内のみならず、欧州圏でのサステナビリティへの貢献を目指す多くの企業や、アジア圏で定期的な土砂被害や地震などの災害に困窮している地域の行政への販売が進むものと考えております。
(図表)ソリューションラインナップ一覧  当社グループが提供する上述のソリューションには、SAR、リモートセンシング(注1)、データサイエンス(注2)の3つの技術領域にまたがる高いレベルのエンジニアリングが要求され、当社グループのエンジニアが日々、最新の技術成果の調査・開発を進めています。
これら広範なエンジニアリングの要求により、ソリューションを顧客が内部化することが難しく、当社グループの技術が必要とされる理由となっております。
(注1)リモートセンシング(Remote sensing) 「離れた位置から物を触らずに調べる」技術で、主に人工衛星や航空機に専用の測定器(センサ)を載せ、光学的に、あるいは電磁波等を用いて地球の表面を観測する技術を指すことが多いです。
(注2)データサイエンス(Data science) データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチを指します。
応用性を重視し、データを扱う手法である情報工学、統計学、データマイニング、機械学習、その他アルゴリズム等を横断的に扱います。
(3)ビジネスモデル 当社グループのビジネスモデルは、小型SAR衛星「StriX」によるコンステレーションから取得したデータを顧客に販売、並びに自動解析を通じたソリューションとして提供することで収益を上げるものです。
前述のように、SAR衛星は24時間365日、全天候下において観測可能であることが特長であるため、興味対象地域の安定的な定点観測が可能であり、そのデータを用いた時系列分析や変化抽出に強みを発揮します。
したがって、データ販売の主要顧客である防衛需要においては複数箇所の定点観測を、その他民間需要においても複数箇所の時系列変化の分析結果提供を通じたリカーリング収益が期待できます。
(図表)当社グループビジネスモデルの概観(注)解析単価は1撮像にかかる解析料金を示す。
この2つのサービスの組み合わせは当社を特徴付けるビジネスモデルであり、相乗効果をもたらすものです。
特に、自社で保有するコンステレーションから取得されるSAR衛星データを、旧来のデータ販売への利用のみならず、新たにソリューション提供にも用いることは、当社のビジネスモデル上の強みを形成します。
これは、以下に概説する拡大する民間市場への入口、余剰データ活用での高収益化、長期視点でのデータ値崩れリスクへのヘッジ、グローバル展開におけるパートナーシップ形成、の4つの重要性から構成されます。
①拡大する民間市場への入口 前述のように、視認性に優れないSAR衛星データの解釈・分析には専門的知識が必要であり、また今後取得するデータの増加に伴い、その膨大なデータ解析の手間はたいへんな負担となります。
そのため、一般的にSARデータの分析能力を持たない民間企業は、これまでSAR衛星データを使った業務上のリスク管理や生産性向上などの恩恵を享受することはほとんどなかったものと認識しております。
これらの新興市場は、2030年までにリスク管理用途で1.2兆円、生産性向上用途で3.6兆円の規模が期待されており(注)、当社の自動解析を通じたソリューション提供により、これら新興市場の顧客開拓が可能となると考えております。
(注)Amplifying the Global Value of Earth Observation INSIGHT REPORT MAY 2024。
出所に記載がある市場規模元データを1ドル=150.0円として換算。
データの対象となる「EO」には、光学衛星およびレーダ衛星のデータの他に実地でのIoTセンサーにより収集される「In situ」データも含まれる。
また対象とする分野は農業、電力・公益事業、政府、公共・緊急サービス、保険・金融サービス、鉱業、石油・ガス、サプライチェーン・輸送である。
記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社内で適切な検討を経たものであるが、本データは2030年まで世界レベルで地球観測技術の導入が増加することを前提としており、その達成を保証するものでない。
②余剰データ活用での高収益化 SAR衛星は軌道上で充電と撮像を繰り返しながら観測を行いますが、実際に販売可能なデータ取得ができるのは、撮像タイミングと顧客の興味地域が一致するときのみです。
したがってコンステレーションの設計上のすべての撮像キャパシティ(注)を、興味地域が似通いがちな防衛需要を主体とするデータ販売で消費することはできません。
衛星数が増えるにしたがってこの制約は緩和されていきますが、海外政府を含む契約数を増やしていったとしても、一定の利用率が限度となることが予想されます。
そこで、興味地域分布が大きく異なると想定される民間企業の需要に対応することで、当該キャパシティの利用率を上げることができると考えております。
これにより、撮像キャパシティの拡大から生み出される撮像余力分を無駄なく使い、利益最大化が可能となると考えております。
 また、競争優位上、重要な副次的効果も期待されます。
現在、SAR衛星データはそのほとんどの供給量が特に防衛関連の官需に対して使われており、結果として民間市場向けにはデータ供給がされ難い状況です。
これは、解析専門の事業者にとって、時系列分析や機械学習のサンプルデータ不足によって分析精度が限定的なものとなり、市場拡大のボトルネックとなってきたためです。
今後、衛星コンステレーション形成が進み、データ総量増大に併せて変化していくことが期待されています。
当社は自社でコンステレーションを保有することとなれば、その供給先を決めることができるため、この新興市場形成において重要な役割を果たすとともに、解析事業の競合に対しても大きく先行することができる、と認識しています。
(注)軌道上で運用中の衛星の総撮像能力(画像データ量)。
実際には撮像していない画像データの枚数分も含む。
③データ値崩れリスクのヘッジ 伝統的にSARデータを使っている安全保障領域においては、現在は大型の衛星から得られる少数のデータを、各国政府の専門家や分析官が一つ一つ手作業で分析してきましたが、今後、コンステレーション構築に伴う大量のデータ供給によって、データの分析作業が膨大なものになると予想されます。
そこで、当社の自動解析技術によって大量のデータを分析し提供することで、分析官は変化箇所の抽出・特定、物体検出、物体分類、物体分割、パターン検出、広域検索、エリア監視、特徴マッピングなどの標準的な分析処理・作業を実施することなく、結果の分析のみに注力することができるようになると考えております。
 一方で、このような大量のデータ供給ができる衛星コンステレーションは、同時にデータ販売における値崩れリスクの自己矛盾を抱えています。
ここで、ソリューション提供における、自動解析による大量のデータ分析はより高い付加価値を生み出すため、当該リスクに対するヘッジの役割も持ちます。
つまり、データの販売単価による契約ロジックが、より多くのデータ利用を伴う高付加価値の解析単価へと移行していくことになります。
 これらの変化は、米国の「LUNO」プロジェクト、日本の防衛省の「AI活用推進基本方針」等によっても確認できますが、依然中長期的な視点での動向であり、当面は大きな防衛需要に対するデータ販売が売上の源泉となります。
④グローバル展開におけるパートナーシップの形成 ソリューションは、海外展開においても重要なビジネスモデル形成要素となります。
前述のように、当面の主力サービスはデータ販売であり、これは日本のみならず海外政府の防衛・防災需要に対して展開していく方針ですが、中には専門家を持たない海外政府もあります。
民間企業を含め、このような顧客拡大に対しては、ソリューションが必須となります。
しかし、多様な分析技術が含まれ、また顧客の業務的な理解が必要なソリューション営業には、多大な労力と販売網が要求されます。
 当社は特定の産業/地域に強いパートナー企業と組み、共同でソリューションの開発・提供を実施することで、効率的に営業活動を進めています。
例えば、現地建設コンサルティングの会社と提携し、当社の解析プラットフォームを操作してもらい、先方の顧客へサービス提供を行います。
数回のサービス提供を通じて、パートナー企業自らが弊社プラットフォームを利用してサービス提供ができるようになっていくことで、当社は大規模なマーケティングチームを持つことなく、グローバル展開していくことが期待できます。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社) Synspective SG Pte.Ltd.(注)1シンガポール27千シンガポールドルSAR衛星データの販売及び関連するソリューションの提供100.0役員の兼任1名資金の貸付業務委託株式会社Synspective Japan東京都江東区9,000千円宇宙機・地上設備及びコンピュータシステム・情報通信ネットワークに関する設計・製造・試験・販売・運用・管理・保守100.0役員の兼任3名業務委託管理業務受託
(注)1.債務超過会社であり、2024年12月末時点で債務超過額は、6,306千円であります。
  2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況 2024年12月31日現在セグメントの名称従業員数(名)衛星データ事業192〔12〕合計192〔12〕 (注)1.従業員数は、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
   2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
   3.臨時従業員には、契約社員・アルバイトの従業員を含み、派遣社員を除いております。
   4.当社グループの事業セグメントは単一であるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。
   5.従業員数が当連結会計年度において29名増加しておりますが、事業拡大のため人員採用を積極的に行ったためであります。

(2) 提出会社の状況 2024年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)186[12]39.92.88,736 (注)1.従業員数は、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
   2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
   3.臨時従業員には、契約社員・アルバイトの従業員を含み、派遣社員を除いております。
   4.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
   5.当社グループの事業セグメントは単一であるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。
   6.従業員数が当事業年度において27名増加しておりますが、事業拡大のため人員採用を積極的に行ったためであります。
(3) 労働組合の状況当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(2015年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(1991年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1.会社の経営の基本方針 当社グループは「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」ことを目指し、衛星コンステレーションとデータ解析技術を用いた衛星データ事業を展開しております。
人々の生活とそれを支える経済は、地球規模での災害や紛争、気候変動などの、さまざまなリスクに脅かされており、当社グループは人類が自然環境や次世代を思いやりながら安心して生きていくには、それらリスクを定量的に可視化し、理解することが重要だと考えます。
それには、地球規模での均質性、定常性、広域性、公正性を備えたデータを、高頻度で取得する必要があります。
 当社グループはこのミッションを実現するため、地球を恒常的に俯瞰する自社SAR衛星「StriX」のコンステレーションの衛星機数を増やし、継続的なデータ販売で堅実に収益を積み上げつつ、SAR衛星が強みを持ち、かつ社会的関心度も高い自然災害・安全保障・環境リスクを軸にソリューションのラインナップを拡大し、新規衛星データ市場を開拓してまいります。
2.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、以下を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として定めています。
・総収入 売上高の成長に加えて、中期的には補助金収入がグループ全体の収入に占める割合が一定程度あるため、売上高と補助金収入を合算した総収入を当面は重要な指標として管理することとしています。
・衛星運用機数 防衛領域を中心に拡大する世界の需要に対し、供給側のプレイヤー数が不足しており、SAR衛星データの希少性が高いにも関わらず供給力が限定的であることがSAR衛星事業の市場の特徴であり、売上拡大には供給力が重要となります。
そのため、当社グループのSAR衛星データの供給力を決定する衛星運用機数を重要な指標として管理することとしています。
・受注額、受注残高 現在、官公庁を中心に主に1年から複数年の契約を獲得しています。
将来の売上を予測するうえで受注額、受注残高は重要な情報であり、重要な指標として管理することとしています。
3.経営環境及び中長期的な会社の経営戦略(1)防衛・宇宙需要が牽引するSAR衛星データ市場①防衛・宇宙市場の世界的な拡大 世界のSAR市場は需要の増加や技術の進歩により成長しており、2023年時点の市場規模が9,280億円、2030年までに推定1.89兆円規模になると見込まれています(注1)。
これはSAR衛星だけでなく、航空機、UAVなどの市場も含むものですが、基本的に全天候で広範囲の撮像が可能なSARは情報収集・警戒監視・偵察などの防衛用途に広く使用されており、SAR技術の進化に伴い、防衛・情報機関のSAR利用は今後も継続的に拡大し続けることが予想されています。
また、従来の防衛・政府利用にとどまらず、環境モニタリングや災害対応、農業、林業、インフラ管理など、さまざまな商業分野での需要の高まりがSAR市場の成長を後押しすると予想されます。
 広く防衛領域における需要が見込めるSAR市場ですが、特に宇宙領域における伸びは著しいものです。
世界の防衛領域における宇宙予算は、2023年は8.8兆円と推定され、2022年比で21%増という前例のない伸びを示し、過去5年間で継続的に増加しています(注2)。
これは、昨今の地政学リスクの高まりや国際情勢の複雑化に伴って安全保障を目的とした衛星データを始めとする宇宙技術活用の重要度が増していることが背景としてあり、今後も各国の防衛領域における宇宙予算は増加することが見込まれています。
 その中でも、各国の偵察、通信、ミサイル探知などを目的とした、防衛用途の衛星開発・コンステレーション構築に対する投資は今後も拡大が予測されます。
また、特に北米では、防衛用途の衛星製造や衛星画像データにおける官公庁と民間企業の契約事例が増えており、コンステレーションの構築加速化に向けて、各国政府の民間衛星事業への投資は拡大することが見込まれます。
 日本の防衛省も『我が国の防衛と予算(2020-2022)』『防衛力抜本的強化の進捗と予算(2023・2024)』にて示される通り、衛星データ活用に関する予算を過去5年間で約2.5倍と大きく増加させています。
また、『防衛省の令和7年度宇宙予算案』において「スタンド・オフ防衛能力に必要な目標の探知・追尾能力の獲得」のため、令和7年度末から衛星コンステレーション構築に2,832億円を要求(注3)すること、加えてその衛星構成はSAR衛星が中心となることが公表されており、今後より一層SAR衛星データ活用に関する予算の増加が期待できると想定されます。
 他方で、2024年3月に内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省により、民間企業等による宇宙分野の技術開発を複数年度にわたって強力に支援するため、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に『宇宙戦略基金』が設置されました。
本基金では10年間で合計1兆円の支援が想定されており、同年3月に内閣府より公開された『宇宙技術戦略』にて示された日本として注力すべき宇宙技術に沿った事業に対して補助または委託という形で支援されることとなっています。
2024年には1兆円のうち約3,000億円の予算が総務省、文部科学省、経済産業省によって確保されており、そのうち950億円は公募テーマ「商業衛星コンステレーション構築加速化」に配分され、当社を含む4社が採択されました(注4)。
当社としては、今後各省庁へと配賦されるであろう残りの予算も含めて、今後の事業戦略を実現するための手段として申請検討してまいります。
(注1)Global Market Insights, “Synthetic Aperture Radar (SAR) Market Report, 2024-2032” (2023年5月)。
出所に記載がある市場規模元データを1ドル=150.0円として換算。
市場規模には衛星、航空機、UAVの市場規模を含む。
但し、記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社グループ内で適切な検討を経たものであるが、その予測統計モデルは、複数の予測手法と重要性による加重を組み合わせて設計されており、その達成を保証するものでない。
(注2)Euroconsult, “Government Space Programs, 23rd edition”。
出所に記載があるデータを1ドル=150.0円として換算。
但し、記載内容は当該市場予想が合理的な根拠に基づくものと当社グループ内で適切な検討を経たものであるが、各国の宇宙予算を算出・推計するために、政府公式発表に加え専門誌やマスメディアの情報、推計も含まれており、その達成を保証するものでない。
(注3)2024年12月27日付公表「防衛力抜本的強化の進捗と予算 令和7年度予算案の概要」より記載。
(注4)経産省およびJAXAが公表している表記および金額を記載。

(2)競争環境と優位性 防衛領域を中心に拡大する世界の需要に対し、供給側のプレイヤー数が不足しており、SAR衛星データの希少性が高いにも関わらず供給力が限定的であることがSAR衛星事業の市場の特徴です。
現在、小型SAR衛星を商業運用している事業者は当社グループを含めて世界に5社ですが、SAR衛星の小型化の技術的難易度の高さ、エンジニアの希少性、衛星開発に係る資本と時間などが障壁となり、新規プレイヤーが参入することは難しいため、当面の間は限定的な競争環境が継続することが想定されます。
以下では、この5社間での競争環境と当社グループの優位性について、技術的側面と事業的側面から記載します。
①技術的な競争優位性 SAR衛星の性能を特徴付ける要素として分解能と広域性の二軸があります。
つまり詳細分析と広域分析の実行性、という二軸となりますが、これは観測時の消費エネルギー制約によりトレードオフの関係にあります。
昨今は防衛需要へ応える性能向上が各社主流となっており、分解能を高める競争が進んでいますが、当社グループの小型SAR衛星「StriX」では、ステアリングスポットライトモードにより世界最高水準の0.25mの分解能を実現しています(他社との比較は各社公表情報による(2025年1月上旬時点))。
また、広域性の観点では、ストリップマップモードにより、他社に比べて10~50倍の撮像域を実現しています。
このように、当社グループ「StriX」では同一衛星での撮像モード切替により、分解能と広域性を両立させており、これによって種々のニーズを広くカバーできることが強みとなっています。
特に広域性の確保ができることは、長い国境線監視や海洋監視などの防衛データ需要に応え得るだけでなく、自動解析を伴うソリューション利用を前提とした価値提供にもつながります。
例えば、大規模災害による被災時には、まず広域撮像により災害直後の被災全域を撮像し、ただちに解析することで救命活動等の初動優先度をつけることができます。
続いて、選択された特定エリアを対象に、高分解能撮像と解析によって具体的な計画に資する情報提供が可能となります。
これらの撮像モード切替と自動解析により、従来ではできなかった被災時の迅速な状況把握と現場対応をはじめとするリスク管理・生産性向上が実現しますが、これは自社内でソリューション開発をする能力とチームを持つ当社グループ独自の強みと言えます。
②事業的な競争優位性前述のように、全世界的に防衛市場が宇宙産業にとって最大顧客でありますが、各国政府の国防所管省庁の情報管理や優先権要求により、その地域のローカル企業への発注が現在の主流となっております。
当社グループを含む小型SAR衛星事業者5社のうち、2社は日本、2社は米国、1社はヨーロッパに本社が所在していますが、上記理由により各所在地域での防衛需要に対するデータ販売が中心となることが予想されます。
現状では、各社供給力よりも世界の防衛需要が大きく競合状況には至っておりませんが、特に日本における防衛市場の規模と成長を鑑みれば、日本に本社を構える企業は当該市場に対して優位に事業展開を進められることが想定できます。
(3)中長期の成長戦略 当面の堅実な日本政府のデータ需要を起点に、衛星数を増やしていくとともに、その運用における安定性と生産性を高めて海外展開を進め、さらにはソリューション展開を進めて高収益化を目指していきます。
これは、前章(3)ビジネスモデルで述べたデータ販売とソリューション提供の相乗効果によってもたらされる4つのポイント、すなわち、拡大する民間市場への参入、余剰データ活用での高収益化、長期視点でのデータ値崩れリスクへのヘッジ、グローバル展開におけるパートナーシップ形成を活かした成長戦略となります。
当成長戦略は大きく3つのステージから成り、日本政府へのデータ販売を中心とする短期、海外政府へのデータ販売拡大が進む中期、そして民間市場でのソリューション提供が拡大する長期です。
 まず短期では、防衛需要を軸とする日本政府へのデータ販売、並びに政府補助金収入を活かし、安定した収益基盤の構築を目指します。
この先のステージで必要となる、海外展開、ソリューション開発についても並行して投資していく方針です。
当社は設立当初より、グローバル市場において優位性のある事業展開をすべく、設立後早期にシンガポールにビジネス拠点を開設し、アジアを中心としたビジネス開発を推進して来ました。
2025年2月時点において、北米・ヨーロッパ・中央アジア・インド・東南アジア・オセアニアと世界各国で日本を含むディストリビューター提携や戦略パートナー計27の国や地域(34パートナー)と提携を締結しています。
(図表)海外パートナーとのグローバル展開 (注1)2025年2月時点。
(注2)ここでは、パートナー提携に向けた合意文書(覚書)を締結した段階や、交渉中の段階を含めたものを指す。
(注3)ウズベキスタン、カザフスタン、ベトナムでは政府とMoUを締結。
 続く中期では、パートナー提携を活用して、アジアを中心に海外政府へのデータ販売を拡大していくとともに、30機のコンステレーションにより1時間以内にデータと解析結果を提供できるデータ・ソリューションの販売体制を整えていきます。
一度に多くの場所のデータや複数の解析結果を提供する事により、この頃から民間事業向けのソリューションビジネスを立ち上げることを目指しております。
 その後は、増強されるコンステレーションの膨大な撮像キャパシティから生まれる余剰データを、ソリューション提供に有効活用することで高い利益率を目指す、長期として位置づけられます。
ここでは、種々の自動解析技術を広く横展開することを目指しており、民間市場として起点となるインフラ開発・保守や資源エネルギーから、金融・保険やユーティリティといった顧客を主なターゲットとして販売先を広げることを目指しています。
(図表)グローバル展開とソリューション提供による成長戦略 (注)上記は当社グループの中長期な収益構成の変遷を示したもので、イメージ図であり、実際の売上高のサイズとは一致せず、実際の業績を示唆するものではない。
4.成長戦略を支える製造・開発方針(a)衛星製造・開発体制 前述の成長戦略を実現するための衛星製造・開発にあたっては、国内外の多数のパートナー企業と連携しながら進めています。
衛星の通信や姿勢制御などの汎用的機能を司るバス部の部材に関しては、軌道上での稼働実績のあるメーカーより仕入れを行い、SARなど独自機能を含むペイロード部については特注で仕入れています。
その後、当社と組立パートナーであるセーレン株式会社(2021年より量産を目的としたパートナーシップ締結)、東京計器株式会社(2022年より量産を目的としたパートナーシップ締結)と協力しながら、衛星の構体およびアンテナの組み立てを行い、各種試験(振動試験、熱真空試験、電気試験等)を経て打上に向けて出荷を行います。
打上場所はロケット会社により異なり、当社がこれまで打上に使用したRocket lab社(本社:アメリカ合衆国カリフォルニア州、CEO:Sir Peter Beck)のElectronはニュージーランドより打上を行っています。
 さらに、汎用部材等については仕入れの複線化を図り、サプライチェーンの脆弱性を無くすことに努めています。
一方で、当社の開発優位性にもあたるImPACT時代の研究成果に関わる部材については特定のパートナーからの仕入れに依存するものの、将来的な製造計画を複数ヶ年に渡って共有し十分な製造ラインを確保することを標準的な対応としています。
 また2023年、神奈川県大和市に量産のための工場を賃貸契約し(賃貸部分面積:8,594.52㎡)、製造工程の汎用化や再現性の高い作業のための治具開発、そして検査器具等の設備投資を行い、2024年9月より本格的に稼働を開始しました。
これにより、前述のパートナー企業とともに分業体制を構築し、拠点間を物流網で結ぶことで、将来的には年産12機まで、より効率的で大規模な製造を拡大できる見込みです。
また、量産体制の構築と並行してより高スペックの衛星や量産に向いた構造の設計等、継続的な開発を検討しており、国際的に競争力のある衛星を製造してまいります。
(b)衛星製造・打上計画 これまでに確立した前述のサプライチェーンをパートナー企業とともに強化し、コンステレーション形成と成長戦略実現に向けて製造・打上を進めてまいります。
当社設立以来、これまで「StriX」を6回打上げてきましたが、既に最初の実証機2機「StriX-α」「StriX-β」は商用運用は終了しており、本書提出日現在は4機を軌道上で商用運用しています。
今後は、順次機数を増やし、2025年末には軌道上6機、2026年末には11機前後となることを計画しています。
これらの過程で、特定地域の観測頻度が週次から数時間毎に向上する見込みで、加えて、より多くの撮像キャパシティを持つ第3世代「StriX」が主力機としてコンステレーションを構成する予定です。
 2028年以降には30機以上のコンステレーション形成に加えて、衛星間通信などの追加機能開発や当社自動解析と併せ、1時間以内に顧客に解析結果を届けることを目指しています。
これは大規模災害時の生存率向上に加え、多くの民間企業におけるリスク管理・生産性向上に寄与することが期待できます。
(図表)衛星の製造及び打上計画 (注1)実際の製造機数は顧客からの需要およびビジネス状況に応じて上下しうる。
また、製造能力が増強したのちにも、製造期間が一定程度かかるため、すぐに製造能力分の機数打ち上げとはならない。
また、実際の打上数及び時期は、打上事業者のキャパシティ、天候その他の要因によって決まる。
2024年に打上げた第3世代の1機の撮像枚数は15枚/日、2025年以降打上げる第3世代の撮像枚数は40枚/日となるが、撮像枚数はスペックから試算される理論キャパシティであり、運用年数によって上下する可能性がある。
(注2)部品・資材の調達、製造の開始を行うことができる機数のキャパシティを指す。
製造開始から完成までは約2年を要する。
(注3)将来見通しに関する記述は、当社の管理外にある事業、経済、規制、競争に関する不確実性および偶発事象によって大きく影響を受ける可能性がある。
これらの記述は、当社の将来の戦略や方針に関する特定の仮定に基づいているが、それらは変更されることがある。
(注4)衛星の性能向上については当社の想定であり、開発の進捗状況によっては当初想定通りには性能向上が達成できない可能性がある。
将来的な実際の数字は、様々な要因により目標から逸れる可能性があり、その差異は大きい可能性がある。
この文書の内容は、これらの目標が達成されることを示すものではなく、状況が変化した際にこれらの目標を更新する義務を当社が負うものではない。
5.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①量産体制の構築 「3.経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、SAR衛星データ市場は、安全保障や防災に関わる世界需要の大きさに対して、供給量に制約があり寡占傾向が強いことが特徴と認識しています。
この世界的な需要に応えるために、早期の衛星の量産体制の構築・運用機数の増加が当面の重要課題となります。
当社グループは、これまで衛星6機の製造・打上げを行ってきましたが、基本的には年間1機から2機ずつの製造を行ってまいりました。
現在多数機のコンステレーションを構築するため、小型SAR衛星を年間最大12機程度同時に生産できる量産体制構築の準備を行っており、今後段階的に量産体制による製造を拡大する予定です。
量産を実現するために、必要な人員の採用・教育、製造体制の整備、パートナー企業との連携を進めてまいります。
②衛星の製造・打上げ資金の資金確保 当社グループは、小型SAR衛星の年間最大12機程度の量産製造に向けた製造を開始しています。
衛星の製造・打上げの支払いは売上に先行して発生するため、その先行資金の確保が課題となります。
 上場達成により一定の資金を確保できましたが、上場後も継続して資金調達を行っていく必要があります。
株式市場からの増資や銀行からの融資等を通して、資金調達手段の確保・拡充・多様化を図ってまいります。
③組織戦略 当社グループの事業内容はハード/ソフトウェアの広範に渡ります。
加えて、SARシステムや衛星開発をはじめ専門性の高いエンジニアの確保は難しく、グローバルでの採用を積極的に進めることが求められます。
当社グループは、不確実性への対処と組織の魅力付けのため、リーダーシップを持つ専門家集団が、自由に議論と試行錯誤を行い組織的学習を行う組織を目指し、日々改善を続けております。
また、国際的なカンファレンスやプレスへの積極的な発信を通じて、グローバルでのプレゼンス向上と採用力の強化を図っております。
④営業戦略 データ販売における顧客基盤確立のため、主要顧客となる政府機関の要求仕様を満たす衛星データ/サービス品質の確保が必要です。
当社グループでは、現在は国内官公庁向けにデータ販売を実行しながら、各国政府とのチャネル構築、対話とサンプルデータの提供を通じて、サービス内容や購入予算額、要求されるデータ品質等についてのコミュニケーションを継続しております。
 一方で、ソリューションでは、中期での戦略的視点と短期での収益確保のバランスをとりながら営業活動を進める必要があります。
当社グループでは、現状の製品版ソリューション展開を軸に、国内の長期プロジェクト確保に有効な公共事業やODA案件をパートナー企業と共に進めつつ、事業環境の異なる海外での展開にも取り組んでおります。
⑤規制への対応 後述の「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(3)主要な事業活動の前提となる法的規制①人工衛星に関連する法令について」に記載の3つの関連規制のうち、当社グループの業務遂行において特に衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律、電波法への対応に多くの工数/時間を要します。
最新の技術動向に照らしてより効率的な申請プロセスとなるよう、関連省庁との情報連携を進めてまいります。
⑥内部管理体制の強化 機微な衛星データを扱う当社グループは、コーポレート・ガバナンス、内部統制、情報管理・セキュリティについて常に高い意識を持ち、継続的な強化を進めていく必要があると認識しております。
引き続き、積極的に最新技術動向や重要懸案の情報収集を進め、対応を強化してまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社が目指すサステナビリティ経営 当社グループは「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」ことをミッションに掲げております。
当社グループは、衛星コンステレーションを利用した全地球の経済・社会・環境に関わるあらゆる事象を観測・可視化し、解析技術を用いることで、災害・パンデミックなど有事のみならず、日常の活動においても、あらゆる人々がデータに基づき持続可能な社会の構築に資する判断を行えるようにすること、その結果として世界全体で社会課題の解決に貢献してまいります。

(2)ガバナンス サステナビリティに係る方針や戦略の検討、立案については、常勤取締役、執行役員が参加する経営会議にて行なっております。
経営会議においては各部門の責任者が出席しており、各部門が連携し、サステナビリティの取り組みを推進しております。
また、重要な案件については、取締役会で審議を行い、実効性を確保しております。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりです。
(3)戦略 サステナビリティを巡る課題の解決については、当社グループはリスクの低減のみならず、収益機会にもつながり、また当社グループのミッションに直結する重要なものであると認識し、主に以下の3つの課題解決を目指します。
(自然災害) 世界中で頻発・激甚化する自然災害。
地震、津波、火山噴火、洪水、土砂・ 地滑りなどにより、堅実な経済成長が大きく阻害されています。
いつ世界のどこで災害が起きても、発災直後に広域データを取得し、迅速な救命・救出活動の開始と早期復興計画の策定を推進します。
また、土木・建設領域へのサービスにより、災害に強く安全なインフラ開発・維持の実現に貢献します。
(安全保障) 近年の地政学リスクの高まりにより、エネルギー価格高騰、輸出入制限、テロなどが発生し、安全・安定した社会が脅かされています。
安全保障領域へのサービスにより、全世界の紛争の状況やロジスティクスの途絶状況を把握し、世界平和と安定したライフラインの提供に貢献します。
(環境) 経済成長と人口増加により、世界の資源エネルギー消費は年々増加傾向にあります。
石油・ガス、鉱業、林業領域へのサービスにより、地球規模での森林分布や洋上の風況を定量的かつ継続的に把握し、カーボンクレジット取引や再生可能エネルギーの導入等、効率的・安定的な資源利用の促進に貢献します。
(4) 人的資本経営に関する取り組み 人的資本の活用に関しては、小型SAR衛星の開発・製造、データ販売事業に加え、ソリューション事業を持つ当社グループは、他社と比較して幅広い技能の人材を必要としています。
宇宙業界に限らない様々な専門知識・技能を持つ人材の採用にグローバルで取り組み、役員・管理職には国籍・性別を問わず登用しております。
 様々なバックグラウンドを持つ役職員がミッションを達成するために、CREDOを設定し、人事評価制度における評価項目に組み込まれております。
全社会議等においてはトップマネジメントから全社員に向けて説明を行うなど、CREDOの徹底・浸透を図っております。
 また、言語、宗教、文化の異なる様々な人材が活躍できるよう、社風の構築、労務サポート、語学学習の奨励等に注力しております。
 社内環境整備については、従業員の衛生管理と健康の保持増進を図り、快適な職場環境を確立することを目的に安全衛生委員会にて安全衛生計画の作成、実施、評価及び改善を行っております。
(5)リスク管理  当社グループは、リスクコンプライアンス規程に基づき、管理部と各部門にて事業を取り巻く様々なリスクを網羅的にボトムアップで抽出する仕組みを構築し、その発生可能性と事業への影響度の2つの評価基準に基づき、重要度の一次的な評価・特定を行っております。
重要度の一次的な評価・特定は経営会議にて再評価を行い、対応方針策を設定し、四半期ごとに取締役・監査役で構成されるリスクコンプライアンス委員会に報告を行っております。
 リスクコンプライアンス委員会は、当社グループの業務運営におけるリスク及び機会について、設定した対応策の監督、状況の把握・管理を行います。
(6)指標及び目標 本書提出日現在において、当社グループは、「(3)戦略」に記載の3つの課題、および「(4)人的資本経営に関する取り組み」に記載の人材の採用、社内環境整備等に関する方針に係る指標及び当該指標を用いた具体的な目標を設定しておりません。
今後、これらの方針に関連する指標のデータ収集及び分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
戦略 (3)戦略 サステナビリティを巡る課題の解決については、当社グループはリスクの低減のみならず、収益機会にもつながり、また当社グループのミッションに直結する重要なものであると認識し、主に以下の3つの課題解決を目指します。
(自然災害) 世界中で頻発・激甚化する自然災害。
地震、津波、火山噴火、洪水、土砂・ 地滑りなどにより、堅実な経済成長が大きく阻害されています。
いつ世界のどこで災害が起きても、発災直後に広域データを取得し、迅速な救命・救出活動の開始と早期復興計画の策定を推進します。
また、土木・建設領域へのサービスにより、災害に強く安全なインフラ開発・維持の実現に貢献します。
(安全保障) 近年の地政学リスクの高まりにより、エネルギー価格高騰、輸出入制限、テロなどが発生し、安全・安定した社会が脅かされています。
安全保障領域へのサービスにより、全世界の紛争の状況やロジスティクスの途絶状況を把握し、世界平和と安定したライフラインの提供に貢献します。
(環境) 経済成長と人口増加により、世界の資源エネルギー消費は年々増加傾向にあります。
石油・ガス、鉱業、林業領域へのサービスにより、地球規模での森林分布や洋上の風況を定量的かつ継続的に把握し、カーボンクレジット取引や再生可能エネルギーの導入等、効率的・安定的な資源利用の促進に貢献します。
指標及び目標 (6)指標及び目標 本書提出日現在において、当社グループは、「(3)戦略」に記載の3つの課題、および「(4)人的資本経営に関する取り組み」に記載の人材の採用、社内環境整備等に関する方針に係る指標及び当該指標を用いた具体的な目標を設定しておりません。
今後、これらの方針に関連する指標のデータ収集及び分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 (4) 人的資本経営に関する取り組み 人的資本の活用に関しては、小型SAR衛星の開発・製造、データ販売事業に加え、ソリューション事業を持つ当社グループは、他社と比較して幅広い技能の人材を必要としています。
宇宙業界に限らない様々な専門知識・技能を持つ人材の採用にグローバルで取り組み、役員・管理職には国籍・性別を問わず登用しております。
 様々なバックグラウンドを持つ役職員がミッションを達成するために、CREDOを設定し、人事評価制度における評価項目に組み込まれております。
全社会議等においてはトップマネジメントから全社員に向けて説明を行うなど、CREDOの徹底・浸透を図っております。
 また、言語、宗教、文化の異なる様々な人材が活躍できるよう、社風の構築、労務サポート、語学学習の奨励等に注力しております。
 社内環境整備については、従業員の衛生管理と健康の保持増進を図り、快適な職場環境を確立することを目的に安全衛生委員会にて安全衛生計画の作成、実施、評価及び改善を行っております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (6)指標及び目標 本書提出日現在において、当社グループは、「(3)戦略」に記載の3つの課題、および「(4)人的資本経営に関する取り組み」に記載の人材の採用、社内環境整備等に関する方針に係る指標及び当該指標を用いた具体的な目標を設定しておりません。
今後、これらの方針に関連する指標のデータ収集及び分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的な開示の観点から以下に開示しております。
 当社グループは、これらのリスクの発生可能性を記載した上で、発生回避及び発生した場合の対応に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスク①継続的な先行投資と赤字計上について 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高当社グループの提供するSAR衛星のデータ販売及びソリューションについては、市場の立ち上げ期であり、現在のところ大きなシェアを獲得できているプレーヤーは存在しておらず、競合事業者に先んじて早急な市場シェアの獲得が重要であると考えております。
市場シェア獲得のためには、複数の衛星機システムの早期構築によるSAR衛星データの供給量の確保、継続的な開発や営業活動の実施によるソリューションサービス拡大を実現する必要があり、継続的に先行投資を実施する方針としています。
また、今後一定期間については、黒字化よりも売上高成長率を重視して経営していく方針です。
経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、黒字化しない可能性があります。
当社グループでは、継続的な顧客開拓、衛星製造コストの削減努力等を実施することにより、先行投資が将来の黒字化や収益性向上につながるように努力していきますが、それらが達成できない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②社歴、業歴が浅いことによる業績の不確実性について  発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中当社グループは、2024年12月期まで赤字決算であり、過年度の業績のみでは期間比較を行う充分な材料とはならず、今後の業績については当社グループにおいて合理的と考えられる方法により予測、算定したものでありますが、判断指標が不十分であり、当社グループの業績予測と実績に乖離が生じる可能性があります。
③必要なタイミングで資金を確保できなかった場合の資金繰りについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高当社グループは、(1)①に記載のとおり、継続的に先行投資を実施する方針としており、2024年12月期まで営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであり、今後も一定期間は継続してマイナスとなる見込みです。
過年度は増資による資金調達を実施し事業活動に必要な資金に充当してきました。
当社グループでは必要な資金を確保するために継続的に財務活動を行なっていく方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合、資金繰りに窮する可能性があります。
④衛星データ関連市場について   発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中SAR衛星データは国防に関わる世界の需要の大きさに対して、もともと供給量に制約があり、寡占傾向が強く先行者利益を獲得しやすい市場と当社グループは認識しています。
これは市場に参入するための資金的及び技術的ハードルが高いことや、SAR衛星がデータを取得する際に電波照射に多くの電力を使うためSAR衛星以外の観測衛星と比べデータ取得量が限定的であることが理由です。
仮に当社グループ以外の競合事業者が各社の計画通りにSAR衛星を打ち上げた場合でも、供給量が飽和することはなく、今後数年程度は供給者優位の市場が保たれると認識しています。
一方で、光学衛星などの他の地球観測データの代替、現在は市場草創期であり将来の市場規模拡大には不確実性が伴うこと、防衛予算の増減・安全保障政策の変更などの各国の方針変更を要因として、想定通りの需要を獲得することができず成長が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤競争状況について 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社グループのターゲットとなるSAR衛星データの市場分野においては、資金的及び技術的な参入障壁が高いため、現在安定して市場にSAR衛星データを供給できている企業は世界で数社程度であり、寡占状態となっていると当社グループは認識しております。
 当社グループは、SAR衛星データの取得からデータ販売、ソリューションの提供までをワンストップで行うことにより、競合事業者と差別化したサービス展開をし、継続的な事業成長に努めております。
ただし、既存の競合事業者の競争力の向上や、市場の急激な拡大に伴って大型のSAR衛星を製造している大資本の企業などの参入により競争環境の変化が生じ、当社グループや当社グループのサービス等に対する評価を維持することができず、又はその優位性が失われる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥衛星打上の失敗のリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中当社グループは自社で衛星を開発・製造し、外部のロケット事業者による衛星打ち上げサービスを利用して衛星の打上を行っています。
近年衛星に係る打上の成功率は向上しているものの一定程度失敗のリスクが存在します。
当社グループでは、打上の失敗に係る損害を回避するため、人工衛星保険の打上げ危険担保保険(以下、ロケット保険)に加入しています。
なお、当社グループが加入している保険は、打上げの点火がされた時に始まり打上ロケットと衛星の分離が完了するまでがてん補対象であり、打上ロケットとの分離後の通信の不具合等をカバーするものではありません。
ロケット保険により、打上ロケットと当社グループ衛星の分離が完了するまでの完全な打上失敗の際の金額的な補償は得ることができるものの、計画していたSAR衛星データの取得はできなくなるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦固定資産の減損リスクについて発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中当社グループは、人工衛星、その製造設備及び本社設備の有形固定資産を保有しています。
投資実行に際しては規程に基づいて、事業計画、収益率、その他のリスク等を検討して実施の判断を行っており、その後は継続して各資産の収益性に関して管理を行っています。
規程で定めた対策を講じても、市場や競争環境の変化により完全に減損を防止することは不可能であり、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定された固定資産について減損損失を計上する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ソリューション事業におけるデータの安定確保のリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中当社グループのソリューション事業では、衛星データに限らず様々なデータの解析結果を提供する情報提供サービスを行なっています。
現在、当社グループの衛星の機数が少なく他社データも併用しており、必要なデータを十分に入手できないこと等により、顧客の要求する品質を充たせずに案件を獲得・継続ができないリスクがあります。
当社グループでは、衛星データの購買先の多様化・当社グループの衛星の機数の早期の増加により、データの安定確保を図ってまいります。
上記の対策を講じても、とりわけSAR衛星データによる定期観測の需要が高いため、自社衛星の打上げ計画が想定より遅延し安定したデータの確保が遅延することで収益化が遅延するリスクがあります。
⑨景気変動に関するリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低当社グループは、クライアントの分散、多様化を図っておりますので景気変動リスクに対し一定の耐性を備えておりますが、国内外の景気動向や外国為替相場の変動により、当社グループの主要クライアントが事業投資等を抑制した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩為替リスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低 当社グループは、衛星部品の購入の一部を海外から行っており、衛星の打上サービスは海外事業者を利用しています。
また、一定程度の海外売上があり今後増加する見込みです。
長期の外貨建の債権債務は存在しないものの、急激な為替変動によって価格の変動が生じ為替リスクとなることがあり、当社グループの業績に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪衛星の打上機会の確保について 発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:高 ロシア・ウクライナ情勢以降、ロシアからの打上げが実質的に不可能になったことにより、ロケット事業者の選定は以前よりも難しくなっています。
一方、各国の新興のロケット事業者が商業化に向けて開発・実証を進めており、中長期的にはロシア・ウクライナ情勢の影響は緩和される見込みであり、当社グループとしては複数のロケット事業者による打上げの検討を進めています。
 しかしながら、新興のロケット事業者の商業化が遅れるなど想定通りにロケット事業者のサービスを利用することができない場合、計画したスケジュールからの打上げ遅延や打上費用の上昇などの影響が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク①研究開発に係るリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中当社グループの属する衛星データ関連の業界は、衛星のハードウェア開発及びソリューションのソフトウェア開発共に技術的な進歩が急速であるため、当社グループでは常に技術革新に対応できる最先端の技術開発に努めております。
当社グループの衛星のハードウェア開発においては、SARデータ取得のためのSARアンテナの最先端技術の採用のための研究開発等を進めていきます。
また、当社グループのソリューションのソフトウェア開発においても、地表面予測に関する自社独自技術を搭載したソリューションサービスを展開するなど、多数のサービスを引き続き展開していきます。
しかしながら、当社グループが顧客又は市場のニーズにマッチした製品をタイムリーに提供できない場合、もしくは競合事業者が先んじてサービスを開発した場合には、当社グループのサービスの競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②衛星の運用に関するリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中当社グループが保有する小型SAR衛星は5年程度と比較的長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、デブリ(使用不能になった人工衛星やロケットの破片や部品等のうち軌道上に残っているもの)や隕石等との衝突、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。
上記リスクへの対策として、複数機を定期的に打上げ続けることによりSAR衛星データの取得における1機当たりの依存度の低減を図っています。
当社グループは現在、毎年複数機の打上げを計画しており、運用中の衛星に不具合が生じた場合にも可能な限り事業上の影響を小さくする体制をとっています。
このような事態が生じた場合、撮像能力を維持できないことによる顧客の流出などに伴う収益の低下で、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③開発・製造・打ち上げ等の事業計画の進捗に関するリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中衛星の開発・製造・打ち上げの進捗については毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理をしており、事業計画に沿ったスケジュールの確保に向けて取り組んでおります。
しかし、当初の計画通りに衛星の開発・製造・打ち上げが進まなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④特定の販売先への取引依存について 発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:高当社グループの主要販売先のうち、官公庁への販売実績が連結売上高に占める割合は、2023年12月期及び2024年12月期連結会計年度で約9割を占める状況にあります。
現時点において、上記の取引先との関係は良好であり、当社グループは今後も友好的関係を維持し、安定的な取引関係を継続する方針で国内の民間顧客のさらなる獲得、海外政府・民間顧客の獲得も強化しており、特定の取引先への取引依存度は順次低減させる方針ですが、当面は引き続き官公庁への販売比率が高い状況が引き続き想定され、また官公庁との契約期間は1年単位のものが多く、何らかの理由により継続できない場合や、入札条件の変更等が生じた場合には、今後の事業運営や経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤海外展開に関するリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中当社グループは、収益機会の拡大に向けて海外でも衛星データ販売、ソリューションの提供を展開しており、今後とも海外展開の強化を図っていく予定であります。
なお、海外展開にあたっては、人件費等の投資を今後も相当規模で行う可能性があります。
また、言語、地理的要因、法制・税制を含む各種規制、経済的・政治的不安、文化・商慣習の違い、為替変動等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開国において競争力を有する競合他社との競争リスクが存在する可能性があります。
当社グループがこのようなリスクに対処できない場合、当社グループの海外展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑥協力会社(外注先)への外部委託に関するリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中当社グループの小型人工衛星開発においては、多額の開発費と時間を要するだけでなく、一部は協力会社への外部委託品及び協力会社からの購入品を使用しているため、一部の協力会社からの購入品についても、別協力会社からの購入の検討及び内製化を進めており、安定的な衛星開発を実現し、当社グループの衛星データ販売事業及び業績への影響をできる限り低減していきます。
しかしながら、協力会社からの納入遅れ、協力会社の喪失、購入品の供給不足や価格上昇により、当社グループの衛星データ販売事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦東京計器株式会社その他のパートナーシップ先への衛星製造の委託に関するリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低 当社グループでは、今後の衛星の量産体制を構築するうえで、複数拠点で並行して製造を行うことで、安定的に製造を行うことを実現することを指向しております。
このため衛星製造の一部は、2022年6月15日に開示しました通り、東京計器株式会社とのパートナーシップの基本合意に基づき同社に衛星組立の工程を委託しております。
現在当該パートナーシップにより安定した生産体制を構築できておりますが、衛星組立に必要な製品・部品の調達の遅れや、各種自然災害の発生等により東京計器株式会社側での製造に遅延等の影響が出た場合、また、その他のパートナーシップ先との間のパートナーシップにおいて同様の影響が出た場合、当社グループの衛星データ販売事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧人材獲得及び育成に関するリスクについて 発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中SAR衛星システムの開発のコア技術であるSARアンテナや信号発生器などのコンポーネントに携わるレーダ技術者、また、データ販売やソリューションサービス提供に関わる画像処理、アルゴリズム開発に携わるレーダ信号処理技術者は、労働市場での絶対数が少なく、また専門性の高い領域で育成も容易ではありません。
人材獲得の観点では中途採用をメインとして経験のある候補人材へのアプローチ施策を強化しております。
人材育成の観点ではノウハウを社内資料に蓄積し、従業員同士での技術向上に繋がる活動を推進してまいりますが、当社グループが想定どおりの人材獲得及び育成ができない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨特定人物への依存リスクについて 発生可能性:小、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中当社グループの経営陣が果たす役割は大きなものであり、特に代表取締役CEOである新井元行は、ミッション、企業理念、会社文化、経営方針・戦略の立案・実行等に大きな役割を負っています。
人材育成の強化や人材獲得により経営陣・組織の強化を行ってまいりますが、経営陣の不測の事態や辞任が発生した場合、また、代行体制が十分に機能しない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩特定施設の利用に関するリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低 衛星の製造工程において、部品の組み立て後に、設計通りの機能や耐久性が備わっているかなどの確認のために各種試験を行う必要があります。
当社グループは現在、一部の大規模施設を要する試験については国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設を利用しており、当該施設や試験設備を利用できない場合に衛星の開発や製造が遅延する可能性があります。
 なお、試験の一部については新工場への移管を進めており、新工場の本格稼働後、当該リスクは軽減する見込みです。
⑪衛星の製造体制が想定通りに構築されないリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高量産体制の構築に伴って年間製造機数の増加を見込んでおり、将来的には年間12機まで製造能力を強化していくことを見込んでいます。
現時点では必要な製造体制は構築過程にあり、本格稼働に向けて準備を進めています。
当該製造体制の構築が想定通りに進捗せずに、想定した機数を打ち上げられない場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫想定したシーン数が提供できないリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高衛星1機あたりが提供するシーン数について、第3世代商用機は従来のものと比較して提供できるシーン数が多くなると見込んでいます。
これは、衛星の設計上のキャパシティの改良などから増加することができると見込んでいるためです。
当社グループの事業計画は提供シーン数が増えていくことを前提に策定されているため、想定したシーン数を計画通りに提供できない場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)主要な事業活動の前提となる法的規制①人工衛星に関連する法令について 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高 当社は人工衛星の打ち上げに関しては、人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(以下、宇宙活動法)、電波法及び衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(以下、リモセン法)により、人工衛星の運用等で規制を受けております。
当社グループは、社内の管理体制の構築等により、当該法律および関連府・省令を遵守する体制を整備しておりますが、国際法及び各国の国内法ともに整備途上であり、法規制の変更があった場合、当社グループが当該法令に抵触すること等により何らかの行政処分を受けた場合や、社会情勢の変化等により当社グループの事業展開を阻害する規制の強化等が行われた場合には、今後の事業運営や経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、重要法令の概要は以下の通りです。
・宇宙活動法について日本国内から人工衛星の位置、姿勢及び状態を把握し制御する場合、事前に内閣総理大臣の許可を受けるため、内閣府宇宙開発戦略推進事務局へ許可申請を行う必要があります。
人工衛星1機ごとに衛星管理許可を取得しなければならず、許可を受けるためには、人工衛星の利用目的及び方法が宇宙活動法の基本理念や宇宙諸条約に則したものであること、人工衛星に機器や部品の飛散を防ぐ仕組みが講じられていること、宇宙空間に有害な汚染をもたらさないための措置に講ずることが管理計画に含まれていること等の措置が適切に講じられていることなどが求められております。
・電波法について人工衛星を運用するために、無線局(以下、地上局)を使用するにあたり、総務省へ免許申請を行い、許可を得る必要があります。
電波法には外資規制がありますが、上場後は外国人による議決権比率をコントロールできないため、規制に該当してしまい免許停止となる可能性があります。
そのため、当社が100%の株式を保有する完全子会社の株式会社Synspective Japanにより免許を取得し、免許要件を満たしております。
電波法は電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的としておりますので、免許申請前に既存免許人と干渉調整をし、同意を得る必要があります。
また、免許取得後、登録された地上局は検査を受けることが義務づけられております。
・リモセン法についてリモセン法で規定する衛星リモセン装置の対象物判別精度(いわゆる「地上分解能」)が内閣府令で定める生データの基準(SARセンサーでは3m以下)を超える場合、当該装置の使用につき事前に内閣総理大臣の許可を得る必要があります。
許可を得るためには、外部からの不正アクセスを防止する措置や、衛星リモセン記録の漏洩、滅失、損傷を防ぐための安全管理措置が講じられていることなどが求められており、許可後も実効性を担保するため、使用者にデータの暗号化の義務や、許可を受けた送受信設備以外を使用しない義務などが課されています。
②現在適用されている許認可、免許及び登録などの状況について当社グループの宇宙活動法の許認可取得・登録者名許認可等の有効期間許可番号及び許認可等の内容所管官庁等①許認可の根拠となる法律名②許認可の要件③許認可後の義務株式会社Synspective Japan2022年9月2日~有効期限の定めなし許可番号:衛星22-016-3人工衛星「StriX-1」の管理の許可内閣府宇宙開発戦略推進事務局①許認可の法律人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律第20条第1項の規定による許可②主な許認可の要件・使用者が所定の犯罪により処罰された者でないこと等(21条)・人工衛星の利用目的及び方法が宇宙活動法の基本理念や宇宙諸条約に則したものであること(22条)・人工衛星に機器や部品の飛散を防ぐ仕組みが講じられていること(22条)・宇宙空間に有害な汚染をもたらさないための措置を講ずることが管理計画に含まれていること(22条)・人工衛星の管理終了にともなう措置が適切に講じられていることなど(22条)③主な義務・管理計画の遵守義務(24条)・事故の届出義務(25条)株式会社Synspective Japan2023年12月1日~有効期限の定めなし許可番号:衛星23-014-2人工衛星「StriX-3」の管理の許可株式会社Synspective Japan2024年6月14日~有効期限の定めなし許可番号:衛星24-012-1人工衛星「StriX-4」の管理の許可株式会社Synspective Japan2024年11月19日~有効期限の定めなし許可番号:衛星24-022-1人工衛星「StriX-2」の管理の許可 当社グループの衛星リモートセンシング法の許認可取得・登録者名許認可等の有効期間許可番号及び許認可等の内容所管官庁等①許認可の根拠となる法律名②許認可の要件③許認可後の義務株式会社SynspectiveJapan2022年7月25日~有効期限の定めなし許可番号:RU-22-0002衛星リモートセンシング装置「StriX-1 SARセンサー」の使用の許可内閣府宇宙開発戦略推進事務局①許認可の法律衛星リモートセンシング記録の適正な取り扱いの確保に関する法律第4条第1項の規定による許可②主な許認可の要件・使用者が所定の犯罪により処罰された者でないこと等(5条)・外部からの不正アクセスを防止する措置及び衛星リモセン記録の漏洩、滅失、損傷を防ぐための安全管理措置が講じられていなければならないこと(6条)③主な義務・装置及び観測データに対して許可を受けた者以外の者がアクセスしないために暗号化などの措置を講じる義務(8条)・許可を受けた軌道を外れたときは衛星リモセン装置を停止する義務(9条)・許可を受けた送受信設備以外を使用しない義務(10条)・衛星リモセン装置に対する信号の送信や観測データの受信、リモセン記録の他社への提供など衛星リモセン装置の使用状況について記録し、保存する義務(12条、施行規則13条)株式会社SynspectiveJapan2023年10月25日~有効期限の定めなし許可番号:RU-23-0005衛星リモートセンシング装置「StriX-3 SARセンサー」の使用の許可株式会社SynspectiveJapan2024年5月31日~有効期限の定めなし許可番号:RU-24-0004衛星リモートセンシング装置「StriX-4 SARセンサー」の使用の許可株式会社SynspectiveJapan2024年11月20日~有効期限の定めなし許可番号:RU-24-0005衛星リモートセンシング装置「StriX-2 SARセンサー」の使用の許可 当社グループの電波法の許認可取得・登録者名許認可等の有効期間許可番号及び許認可等の内容所管官庁等① 許認可の根拠となる法律名② 許認可の要件③ 許認可後の義務株式会社Synspective Japan2022年12月5日~2027年11月30日StriX-1無線局の種類:人工衛星局免許番号:関宇第604号通信の相手方:KSAT所属のSvalbard地球局、Troll Antarctic地球局、Punta Arenas地球局免許人所属のStriX-1人工衛星の受信設備、Synspective岐阜StriX受信設備総務省①許認可の法律電波法による無線局免許取得②主な許認可の要件・日本国籍の者(5条1項)・電波法又は放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から二年を経過した者若しくは、電波法第75条第1項、第76条第4項から第6項、第27条の16第1項又は第6項の規定により免許、登録又は認定の取り消しを受け、その取り消し日から2年経過した者(5条3項)③主な義務・自己若しくは他人に利益を与える、又は他人に損害を加える目的で虚偽の通信をしない(106条)・他の無線設備の機能に障害を与えて無線通信を妨害しない(108条の2)・免許がないのに無線局を開設し、又は運営しない(110条)・必要な報告を怠り又は虚偽の報告を行い、検査を拒み、妨げ又は忌避しない(111条)・規定に沿って届け出をし、又は虚偽の報告をしない(112、113条) ・行為者を罰するほか、その法人に対して電波法第114条各号に定める罰金刑を課されない(114条)予備免許のため期間の記載無しStriX-2無線局の種類:人工衛星局免許番号:予備免許のため無し通信の相手方:KSAT所属のSvalbard地球局、Troll Antarctic地球局、Punta Arenas地球局免許人所属のStriX-2人工衛星の受信設備、Synspective岐阜StriX受信設備2024年5月1日~2027年11月30日StriX-3無線局の種類:人工衛星局免許番号:関宇第617号通信の相手方:KSAT所属のSvalbard地球局、Troll Antarctic地球局、Punta Arenas地球局免許人所属のStriX-3人工衛星の受信設備、Synspective岐阜StriX受信設備2024年9月27日~2027年11月30日StriX-4無線局の種類:人工衛星局免許番号:関宇第625号通信の相手方:KSAT所属のPuertollano地球局、Mauritius地球局、Hartebeesthoek地球局、Mingenew地球局、Awarua地球局、Punta Arenas地球局免許人所属のSynspective岐阜StriX受信設備、StriX-4人工衛星の受信設備 ③知的財産権について 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高当社グループでは随時他者の保有する特許調査を行っており、その調査範囲において解決すべき他者特許への侵害は当社グループから抽出されておりません。
当社グループで創出した発明・独自技術について権利化を進め、他社の使用等を抑止しています。
また、当社グループでは、知的財産権の管理、特に第三者の知的財産権への侵害等を回避することは事業活動に不可欠なものと認識しており、特許公報の調査などを強化することにより当該リスクの低減に努めてまいります。
しかし、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
                                 (2024年12月31日現在) 特許権実用新案権商標権意匠権取得済件数1-11-出願中件数9-2-合計10-13- 主な特許権特許権の名称(取得済又は出願中の別)出願年月日出願番号登録年月日登録番号存続期間満了日内容・特徴解析装置、解析方法及び解析プログラム(取得済み)2022年3月11日特願2022-507096(日本出願)2024年2月1日特許第7430008号2040年3月11日熱赤外帯域及び熱赤外帯域以外の衛星データ解析により、対象物の変化による工場や公共施設の稼働状況を把握し、その稼働率の検知が可能となります。
(4)重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスク 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高 当社グループのデータ販売の主要な販売先は各国の防衛機能を担う省庁となるため、安全保障上重要な情報を取り扱っており、当社グループは、事業活動を正常かつ円滑に行う上で、法令の遵守、顧客要求の達成をはじめとする情報セキュリティの確保は重要課題のひとつであると考え、顧客の機密情報や個人情報及び当社グループの情報資産を保護する指針として、情報セキュリティ基本方針を策定し、以下の通り実施し推進しております。
①本基本方針は、当社グループが事業の中で取り扱う「情報資産」ならびにすべての役職員及び協力会社社員を対象とします。
情報資産とは、当社グループが預託、保有、運用管理する情報、データ及び情報システム、ネットワーク、設備とします。
②情報セキュリティに関するリモートセンシングに関連する法令をはじめとする、規則、顧客および外部利害関係者と締結した契約等のセキュリティ要求事項を遵守します。
③情報を取り扱う上で事業に影響を及ぼすリスクを識別し、その発生の可能性や影響度を把握することで情報の適正な管理に努めるとともに、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)が経営に寄与することを確実なものとするために、情報セキュリティ目的を設定し、その達成に向けた活動を推進します。
④適用範囲内すべての役職員及び関係会社社員に対し、本方針の重要性と情報の適正な管理について啓発させます。
⑤ISO/IEC 27001(ISMSに関する国際規格)に準拠した情報セキュリティマネジメントシステムを確立した上で、推進体制を確立して運用し、運用状況を監督すると共に本システムを継続的に維持・改善します。
⑥情報セキュリティに関連する事故及び事件を予防し、事故及び事件が発生した場合は、内容の報告および必要に応じた緊急措置を迅速に対応し、原因分析の上で適切な再発防止策を講じます。
 上記取組みの一つの実績として、国際標準であるISO/IEC 27001に関する認証審査、及び初回認証登録を2021年5月18日に完了いたしました(認証登録番号: IS 745935)。
また、複雑化し変化の速いサイバーセキュリティ攻撃に対応するため、2021年3月に米国Space ISACに加入いたしました。
Space ISACにて共有される、宇宙業界に関係する脆弱性、インシデント事例、脅威動向の情報を当社グループの情報セキュリティ対策に活用してまいります。
 しかしながら、これら情報セキュリティ管理にも関わらず、当社グループが情報資産の情報セキュリティ侵害又はその他法令違反を起こした場合には、損害賠償責任又は刑罰を負う可能性があるほか、当社グループが社会的信用を喪失し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク①システム障害に関するリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中 当社グループで扱うシステムには、顧客へ提供しているクラウドベースサービス、当社グループ衛星運用のための地上システム、及び業務システムがあります。
これらのシステムにおいて、ソフトウェアの不具合、人為的ミス、又はサプライヤーや災害等に起因するシステム障害が発生した場合、リスクに応じて予め計画していた冗長化やバックアップを用いた迅速な復旧を試みます。
しかし、これら対応にも関わらず障害が深刻・長期化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②調達資金の使途について 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低 当社グループが計画している公募増資による調達資金については、主に事業の拡大に係る衛星の開発・製造及び関連する設備投資、人件費、研修採用費、研究開発費、業務委託費及び事業発展に伴うシステム利用料の運転資金に充当する予定であります。
しかしながら、当社グループが属する業界においては変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。
また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。
このような場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③財務制限条項に関するリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:高金融機関からの借入金には、コベナンツ(財務制限条項)が付されていることがあり、当社グループでは、財務制限条項に抵触しないよう、取締役会や経営会議において事業計画をモニタリングするとともに、財務制限条項に抵触する可能性のある取引の実行は、取締役会の事前の承認があることを条件としています。
これらの対応策にもかかわらず、財務制限条項を遵守することができない場合、当社グループは期限の利益を失い、借入金の一部又は全額の返済を求められる可能性があります。
④ストック・オプションの行使による株主価値の希薄化について 発生可能性:高、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低 当社グループは、当社グループ従業員及び社外協力者に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。
これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。
⑤税務上の繰越欠損金についてのリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中 当社は税務上の繰越欠損金を有しております。
当社の業績が計画通りに推移することにより、期限内にこれら繰越欠損金の繰越控除を受けることが予想されます。
しかしながら、繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合には、繰越控除が受けられなくなり、通常の税率に基づく法人税等が計上されることになり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥無配の実績を踏まえた配当政策についてのリスクについて 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低 当社は、創業以来繰越利益剰余金がマイナスとなっており配当可能利益がなく、現在まで配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な課題として認識しております。
しかしながら、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り将来の事業成長のための投資等に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
将来的には、配当による利益還元を検討していきますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。
⑦ベンチャーキャピタル等の株式保有比率についてのリスクについて 発生可能性:高、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中 当社の本書提出日現在における、当社発行済株式総数111,444,750株のうち、計53,934,750株は、株式公開時のロックアップ対象のベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合及びベンチャーキャピタル又は投資事業有限責任組合が株式事務を委託した代行機関、金融商品取引業者(以下「VC等」という。
)が所有しており、VC等が保有する当社株式の割合は48.4%となっております。
 2025年6月16日に株式公開時のロックアップが解除されるため、その後は所有する当社株式の一部又は全部を売却することが予想され、当社株価形成に影響を与える可能性があります。
⑧継続企業の前提に関する重要事象等について 発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低当社グループは、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。
 この主たる要因は、衛星データ事業において、衛星の製造及び打上げに伴う大規模な先行投資が必要であり、投資回収までに期間を要するためであります。
 このような事象又は状況を解消すべく、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施しております。
 また、当連結会計年度末において、14,239,861千円の現金及び預金を保有しており、当連結会計年度末から翌12ヶ月間の資金繰りを考慮した結果、当面の事業資金を確保していることから資金繰りに重要な懸念はありません。
 以上により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末の流動資産合計は16,253,228千円となり、前連結会計年度末に比べ10,273,066千円の増加となりました。
これは主に、小型SAR衛星の製造・打上げにより減少したものの、第三者割当による新株式の発行、金融機関からの借入金、2024年12月19日付で東京証券取引所グロース市場に株式上場し、公募増資を行ったこと等により現金及び預金が9,771,337千円増加したことによるものであります。
 当連結会計年度末の固定資産合計は11,942,108千円となり、前連結会計年度末に比べ6,607,327千円の増加となりました。
これは主に、小型SAR衛星の稼働に伴い、建設仮勘定からの振替等により、観測衛星(純額)が5,280,542千円、小型SAR衛星の製造等により建設仮勘定が826,627千円増加したことによるものであります。
(負債) 当連結会計年度末の流動負債合計は2,229,395千円となり、前連結会計年度末に比べ723,590千円の増加となりました。
これは主に、長期借入金からの振替により1年内返済予定の長期借入金が103,500千円増加したことによるものであります。
 当連結会計年度末の固定負債合計は6,093,000千円となり、前連結会計年度末に比べ4,154,500千円の増加となりました。
これは、長期借入金が4,154,500千円増加したことによるものであります。
(純資産) 当連結会計年度末の純資産合計は19,872,941千円となり、前連結会計年度末に比べて12,002,302千円の増加となりました。
これは主に、第三者割当による新株式の発行、2024年12月19日付で東京証券取引所グロース市場に株式上場し、公募増資を行ったこと等により資本金と資本剰余金がそれぞれ7,579,652千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失を3,592,954千円計上したことによる利益剰余金の減少によるものであります。
なお、欠損金の解消および財務体質の健全化を目的に、資本剰余金を1,559,650千円減少させ、同額を利益剰余金に振り替え、欠損填補を行っております。
②経営成績の状況 当連結会計年度における我が国の経済は、中東情勢の緊迫化や中国経済の先行きの不透明さによる景気の下振れリスクはあるものの、実質所得の上昇やインフレ率の鈍化に伴い安定的な成長が見込まれ緩やかな回復基調が続くものと見込まれています。
宇宙業界においては、10年で1兆円という長期かつ大規模な支援となる「宇宙戦略基金」が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置され、2024年度からスタートした第1期では、当社は公募テーマ「商業衛星コンステレーション構築加速化(予算総額950億円で4社が採択済み)」に採択されました。
加えて、防衛省の令和7年予算案において「衛星コンステレーション」構築に2,832億円が計上されるなど、宇宙産業を日本経済における成長産業とするための政府施策がより具体化した年となりました。
 このような状況の下、当社グループは、2024年3月13日に打上げた当社4機目の小型SAR衛星の初画像(ファーストライト)を4月8日に、8月3日に打ち上げた当社5機目の小型SAR衛星の初画像を9月17日に、12月21日に打ち上げた当社6機目の小型SAR衛星の初画像を2025年1月16日に取得しました。
また内閣府宇宙開発戦略推進事務局が推進する「令和6年度小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」、防衛省が推進する安全保障用途に適した小型合成開口レーダ(SAR)衛星の宇宙実証の採択事業者として、複数の国内政府機関へ納入しております。
既存サービスの「Land Displacement Monitoring」サービス及び「Flood Damage Assessment」サービスの提供並びに顧客との共同ソリューション開発プロジェクトは引き続き順調に進捗しております。
 技術開発の成果としては、新たな撮像モードであるステアリング・スポットライトモードでのテスト観測にて、日本最高分解能であるアジマス分解能25cmの画像取得に成功しました。
 衛星製造につきましては、小型SAR衛星の製造事業所「ヤマトテクノロジーセンター」が2024年9月より本格稼働を開始し、衛星コンステレーション構築を実現するための強固な生産体制が整いました。
 また、衛星の打上げ契約につきましては、Rocket Lab社(本社:アメリカ合衆国カリフォルニア州、CEO:Sir Peter Beck)が提供するエレクトロン・ロケットで2025年以降に10機の衛星打上げを行うことに合意しました。
 この結果、当連結会計年度における売上高は、2,316,649千円(前連結会計年度比67.1%増)、営業損失は3,070,206千円(前連結会計年度は1,795,927千円の損失)、経常損失は3,594,948千円(前連結会計年度は1,951,232千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,592,954千円(前連結会計年度は1,520,458千円の損失)となっております。
 なお、当社グループは衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、前連結会計年度に比べ9,771,337千円増加し、14,239,861千円(前連結会計年度末は4,468,524千円)となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動に使用した資金は1,798,097千円(前連結会計年度は2,221,564千円の使用)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失3,586,493千円(前年同期は税金等調整前当期純損失1,505,008千円)、減価償却費1,097,476千円(前年同期は減価償却費115,259千円)、株式報酬費用437,930千円、上場関連費用383,560千円(前年同期は上場関連費用6,988千円)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動に使用した資金は7,464,995千円(前連結会計年度は3,636,955千円の使用)となりました。
これは主に、衛星製造部品等購入による有形固定資産の取得による支出7,336,512千円(前年同期は有形固定資産の取得による支出3,619,099千円)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動から得られた資金は19,032,705千円(前連結会計年度は3,722,615千円の獲得)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入4,270,000千円(前年同期は長期借入れによる収入2,030,000千円)、第三者割当による新株式の発行及び東京証券取引所グロース市場への上場に伴う株式の発行による収入15,159,304千円(前年同期は株式の発行による収入1,300,182千円)等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績 当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)衛星データ事業2,648,30447.05,362,256102.7 (注)第7期連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。
これは、衛星データ事業の前連結会計年度において、中小企業イノベーション創出推進事業(経産省SBIR、金額:4,100,000千円)の受注があったためです。
c.販売実績 当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)衛星データ事業2,316,649167.1
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
相手先第6期連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)第7期連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)官公庁1,227,66988.62,139,77992.4
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
a.総収入(売上高と補助金収入の合算額) 総収入は、前連結会計年度に比べて1,122,479千円(81.0%)増加し、2,508,762千円となりました。
これは主に、官公庁向けの売上が増加したことによるものであります。
特に、宇宙開発利用加速化戦略プログラム(通称:スターダスト・プログラム)「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」の令和6年分(契約額:1,280,070千円)が令和5年分の契約額から増額されたことによります。
なお、当該期間における補助金収入(中小企業イノベーション創出推進事業)は192,112千円です。
b.衛星運用数 期初は2機、期末の衛星運用機数は4機となりました。
ただし、依然として各国政府からの強い需要には応えられていない状況のため、早急な量産体制の構築・運用機数の増加が必要と判断しております。
c.受注額/受注残高 「小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」の令和6年分(契約額:1,280,070千円)の受注により、受注額は2,648,304千円、受注残高は5,362,256千円となりました。
 なお、当該指標においては、補助金収入を含めて受注額/受注残高を算出しております。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
連結財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表注記事項(重要な会計方針)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態 主な増減内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績 主な当該内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高) 売上高は、前連結会計年度に比べて930,366千円(67.1%)増加し、2,316,649千円となりました。
これは主に、官公庁向けの売上が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益) 売上原価は、前連結会計年度に比べて1,532,188千円(268.8%)増加し、2,102,132千円となりました。
これは主に、官公庁向けの売上が増加したことによるものであります。
この結果、売上総利益は214,517千円(前連結会計年度は816,338千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失) 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて672,457千円(25.7%)増加し、3,284,723千円となりました。
これは主に、事業拡大のため人員採用を積極的に行ったことにより給料及び手当が181,015千円、株式報酬費用が184,693千円、外形標準課税対象法人になったことにより租税公課が112,673千円増加したこと等によるものであります。
この結果、営業損失は3,070,206千円(前連結会計年度は1,795,927千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失) 営業外収益は、前連結会計年度に比べて170,430千円(686.8%)増加し、195,245千円となりました。
これは主に、中小企業イノベーション創出推進事業による補助金収入が192,112千円発生したこと等によるものであります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて539,868千円(299.7%)増加し、719,988千円となりました。
これは主に借入金の支払利息が206,013千円、2024年12月19日付で東京証券取引所グロース市場に株式上場したことにより上場関連費用が376,571千円増加したこと等によるものであります。
この結果、経常損失は3,594,948千円(前連結会計年度は1,951,232千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失) 特別利益は、8,487千円となりました。
これは、固定資産売却益7,323千円、新株予約権戻入益1,164千円を計上したことによるものであります。
特別損失は、32千円となりました。
これは、固定資産除却損32千円を計上したことによるものであります。
この結果、税金等調整前当期純損失は3,586,493千円(前連結会計年度は1,505,008千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失) 法人税、住民税及び事業税6,460千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3,592,954千円(前連結会計年度は1,520,458千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要は企画から製造に必要な運転資金(研究開発費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動および広告宣伝等費用によるものです。
設備資金需要につきましては、衛星製造設備投資であります。
 財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、必要に応じて内部資金の活用及び第三者割当増資により資金調達を行っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループは、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおり、衛星の開発・製造・打ち上げ等の事業計画の進捗、衛星の製造体制、衛星の運用及び法規制等の様々なリスクの顕在化により業績に影響を受ける可能性があるものと認識しております。
 したがって、内外の経営環境及び事業環境に影響を及ぼす要因に留意しつつ、適時に情報を収集・分析する体制を整備し、特に衛星の製造や運用に関するリスクに対応可能な体制を構築するとともに必要な経営上の施策を実行することにより業績に影響を与えるリスク要因の分散及び低減を図ってまいります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
(1)主要な販売・業務提携等に関する契約契約会社名相手先の名称相手先の所在地契約品目契約締結日契約期間契約内容株式会社Synspective国立大学法人東京大学日本共同研究契約書2018年4月1日2018年4月1日から2025年4月30日まで小型SAR衛星の開発株式会社Synspective国立大学法人東京科学大学日本共同研究契約及び特許ノウハウに関する覚書2019年4月23日2019年3月1日から2025年3月31日まで小型合成開口レーダ搭載アンテナの性能改善及び設計手法・高機能化に関する研究株式会社Synspective国立大学法人東京大学航空宇宙工学専攻 中須賀・船瀬研究室 工学博士 中須賀真一日本ノウハウの取り扱いに関する契約書2022年3月18日-ノウハウに関する覚書株式会社Synspective国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構日本実施許諾契約書2022年10月12日2022年10月15日から2025年3月31日まで商用機用衛星搭載SARアンテナパネルに関する特許ノウハウライセンス契約株式会社Synspective国立大学法人東京科学大学日本非独占的仮通常実施権許諾契約書2022年10月15日2022年10月15日から2027年10月14日まで特許ライセンス契約株式会社Synspective国立大学法人東京科学大学日本非独占的通常実施権許諾契約書2023年12月26日2023年6月1日から2028年5月31日まで特許ライセンス契約株式会社Synspective内閣府大臣官房会計担当参事官日本令和6年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証(その2)2024年4月1日2024年4月1日から2025年3月31日まで内閣府からの受注案件株式会社Synspective防衛省 分任支出負担行為担当官 防衛装備庁調達事業部日本安全保障用途に適したSAR衛星の宇宙実証2024年6月3日2024年6月3日から2025年3月31日まで防衛装備庁からの受注案件株式会社SynspectiveRocket Lab USA, Inc.米国打上サービス契約にかかる覚書2024年6月18日-StriX衛星10機の打上サービス契約締結について株式会社Synspective株式会社Synspective JapanSynspective SG Pte. Ltd.三菱電機株式会社日本衛星関連事業に関する戦略的パートナーシップ覚書2024年10月31日2024年12月19日から2036年3月31日まで衛星撮像及び衛星画像販売に関する協業検討の覚書(注)
(注)本覚書締結により、防衛省に対して当社の小型SAR衛星の衛星画像の販売等を行う場合は、三菱電機株式会社のみが行うものとする。
また、アジア及びその他地域の安全保障機関に対して当社の小型SAR衛星の衛星画像の販売等を行う場合、別途協議のうえで当該販売の一部を三菱電機株式会社が行うものとする。

(2) タームローン契約 当社は、2022年3月17日開催の取締役会において、タームローン契約の締結について決議し、2022年4月15日付で契約いたしました。
なお、2024年3月28日開催の取締役会において、原契約の修正を決議し、2024年3月29日付で変更契約書を締結いたしました。
資金使途今後の事業成長に伴い発生が見込まれる対象衛星製造及び打上げに係る資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを通じて財務基盤の強化を図るため契約締結先株式会社商工組合中央金庫契約金額1,300,000千円契約締結日2022年4月15日期間開始日 2022年4月15日満期日 2030年3月31日(但し、当該日が営業日以外の日に該当する場合には、その前営業日とする)金利基準金利+スプレッド財務制限条項各年度の決算期末日において、単年度の貸借対照表における純資産の部の金額を3,000,000千円未満としないこと。
各四半期の末日における借入人の連結の試算表又は計算書類等において、現預金と直近で提出された将来予定収入リスト に記載されている将来予定収入額の合計金額から有利子負債の合計金額を差し引いた値を、0円未満としないこと。
但し、当該四半期の末日において、償却前経常利益が0円以上の場合には、本号に基づく判定を行わない。
担保提供資産及び保証の有無無 (3)コミットメントライン契約 当社は、2023年2月14日開催の取締役会において、コミットメントライン契約の締結について決議し、2023年2月21日付で契約いたしました。
なお、2024年3月14日開催の取締役会において、原覚書の修正を決議し、2024年3月26日付で変更覚書を締結いたしました。
資金使途今後の事業展開における資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを通じて財務基盤の強化を図るため契約締結先株式会社みずほ銀行契約金額1,000,000千円契約締結日2023年2月21日契約期間開始日 2023年2月28日満期日 2026年2月28日(但し、当該日が営業日以外の日に該当する場合には、その前営業日とする)金利基準金利+スプレッド財務制限条項2023年3月末日を初回とし、以降毎月の末日における借主の連結の試算表における純資産の部の金額を正の値に維持すること。
2023年3月末日を初回とし、以降毎月の末日(以下、「判定日」という。
)における連結の試算表における現預金残高(但し、「判定日」の「実行済貸付金」を除いた金額をいう。
)を、事業計画のうちstandardと表示される資料において、資金繰表に示される当該「判定日」の翌月から3カ月間の「判定対象金額」が負の値となる場合、「判定対象金額」の絶対値以上の金額に維持すること。
維持できない場合、借主は、貸主の満足する内容の資金繰り計画を策定し、当該「判定日」の翌々月5「営業日」までに貸主に対して当該資金繰り計画を提出すること。
2023年12月期第1四半期を初回とし、以降2023年12月期第4四半期までの各四半期における借主の連結の試算表における売上を、2023年1月18日付事業計画のうちstandardと表示される資料に示される各四半期の売上の計画値と比べ70%以上の金額とするとともに、2024年1月期第1四半期以降、2025年12月期第4四半期までの各四半期において、借主の当該各四半期時点で最新の事業計画に示される売上の計画値と比べ70%以上の金額とすること。
担保提供資産及び保証の有無無 (4)実行可能期間付タームローン契約 当社は、2023年6月27日開催の取締役会において、シンジケートローン方式による革新的技術研究成果活用事業活動債務保証付 実行可能期間付タームローン契約の締結について決議し、2023年7月20日付で契約いたしました。
資金使途産業競争力強化法第21条の5に定められた革新的技術研究成果活用事業活動の実施に必要な資金アレンジャー株式会社三菱UFJ銀行(コ・アレンジャー 株式会社みずほ銀行)参加金融機関株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社りそな銀行契約形態革新的技術研究成果活用事業活動債務保証付 実行可能期間付タームローン契約契約金額5,000,000千円金利変動金利(3ヵ月TIBОR+スプレッド)契約締結日2023年7月20日コミットメント期間2023年7月31日~2024年7月31日借入期間2023年7月31日~2028年7月31日返済方法2026年10月31日より3か月毎元金均等返済財務制限条項 各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、1円以上にそれぞれ維持することを確約する。
遵守の対象となる最初の決算期は、2023年12月に終了する決算期とする。
 各本四半期の末日における連結の試算表又は計算書類等において、現預金と直近で提出された将来予定収入リストに記載されている将来予定収入額の合計金額から有利子負債の合計金額を差し引いた値を、0円未満としないことを確約する。
 遵守の対象となる最初の本四半期は、2023年9月に終了する本四半期とする。
但し、当該本四半期の末日において、償却前経常利益が0円以上の場合には、判定を行わない。
なお、「有利子負債」とは、連結の試算表又は貸借対照表における「短期借入金」、「長期借入金」、「1年以内返済予定長期借入金」、「社債」、「1年以内償還予定社債」、「新株予約権付社債」、「1年以内償還予定新株予約権付社債」、「コマーシャルペーパー」及び「割引手形」(但し、資本性借入金は除く。
)の合計金額をいい、「償却前経常利益」とは、連結の試算表又は損益計算書における「経常利益」及び「減価償却費」の合計金額をいう。
担保提供資産及び保証の有無無担保独立行政法人中小企業基盤整備機構の保証制度による債務保証 貸付未払金のうち保証を履行する時点での元本残高の金額の50%に相当する金額を限度として保証する。
(5)特殊当座貸越契約 当社は、2024年7月29日開催の取締役会において、特殊当座貸越契約の締結について決議し、2024年7月29日付で契約いたしました。
資金使途今後の事業展開における資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを通じて財務基盤の強化を図るため契約締結先株式会社三井住友銀行契約金額1,000,000千円契約締結日2024年7月29日契約期間開始日 2024年7月31日満期日 2025年4月30日金利基準金利+スプレッド財務制限条項無担保提供資産及び保証の有無無 (6)コミットメント期間付タームローン 当社は、2025年2月19日開催の取締役会において、シンジケートローン方式によるコミットメント期間付タームローンの締結について決議し、2025年2月20日付で契約いたしました。
資金使途事業資金(衛星製造・打上費用)アレンジャー株式会社みずほ銀行参加金融機関株式会社みずほ銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社りそな銀行、株式会社あおぞら銀行、株式会社静岡銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社紀陽銀行、株式会社滋賀銀行、株式会社西日本シティ銀行、株式会社広島銀行、株式会社山梨中央銀行契約形態継続的金銭消費貸借契約契約金額8,100,000千円金利基準金利(TIBOR)+6%契約締結日2025年2月20日コミットメント期間2025年2月28日~2027年10月29日返済方法2028年1月31日を第1回とし、以降3か月毎月末日にコミットメント期限における総貸付残高の12分の1ずつ弁済(12回)財務制限条項①2024年12月期決算以降、各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を1円以上に維持すること。
②2024年12月を初回とする、各四半期の末日を基準日とする連結の試算表又は報告書等において、現預金と将来予定収入額の合計から、有利子負債の合計を引いた値を0円未満としない。
(但し、当該作成基準日において、償却前経常利益が0円以上の場合、本判定は行わない。
)<償却前経常利益>経常利益+減価償却費<将来予定収入額>2030年10月末日までに入金予定となる「政府系機関からの受注」、「外部格付BBB以上の先からの受注」および「補助金」に係るリストのうち、入金されることが分かる資料(契約書及び交付決定通知書を含むが、これらに限定されない。
)が提出された案件の合計金額。
<有利子負債>貸借対照表における「短期借入金」、「長期借入金」、「1年以内返済予定長期借入金」、「社債」、「1年以内償還予定社債」、「新株予約権付社債」、「1年以内償還予定新株予約権付社債」、「コマーシャルペーパー」及び「割引手形」(但し、資本性借入金および官コン借入は除く。
)担保提供資産及び保証の有無担保:宇宙戦略基金より担保設定可との方針決定がなされることを停止条件として、本件衛星製造後、速やかに当該衛星を対象物件とする打上前保険および打上保険に加入し、当該保険請求権に対し、第一順位かつ同順位にて質権を設定。
保証:無保証
研究開発活動 6 【研究開発活動】
 当社はこれまでの研究開発の成果により、小型SAR衛星において世界トップクラスの解像度・広域性の実現を達成してきました。
一方で、未だ黎明期にあるSAR衛星コンステレーションの継続的な能力向上と、市場ニーズに順次応えるためのコンステレーション拡大を両立させる必要があると認識しており、漸進的開発と量産体制の確立、それを通じたコンステレーション構築が必要となります。
 これらを実現するために、社内体制としましては、衛星システム開発第1部は衛星設計・開発を主に担当し、衛星システム開発第2部は、衛星の量産やそれに必要な工場・量産体制整備を主に担当し、技術戦略室が技術監修を実施しております。
当連結会計年度は、コンステレーション(衛星群)構築へ向け、量産機の性能と低コスト化のバランスを考慮し、SARの高分解能化に向けたアンテナパネルの高性能化、高出力アンプの開発、高性能衛星プラットフォーム開発、他社地上局と連携し衛星コンステレーションの運用自動化等を見据えた研究開発、複数の分野に渡る新領域でのSAR衛星データソリューションの開発を行って参りました。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,290,296千円となりました。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
設備投資については、生産設備の増強、研究開発機能の充実・強化などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。
なお、有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含めて記載しております。
なお、当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。
当連結会計年度において、当社グループの設備投資の総額は7,363,300千円であり、主なものは観測衛星及び観測衛星部品並びに生産性の向上を目的とした衛星製造設備等によるものです。
なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社 2024年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物工具、器具及び備品機械装置及び運搬具観測衛星建設仮勘定ソフトウエア合計本社(東京都江東区)事業所設備等74,327145,517-5,280,542-28,8005,529,187153(12)大和工場(神奈川県大和市)小型SAR衛星衛星製造設備等291,279224,0258,234-5,708,1246,6366,238,30033
(注)1.本社の建物は賃借しており、その年間賃借料は68,640千円であります。
  2.大和工場の建物は賃借しており、その年間賃借料は38,569千円であります。
  3.現在休止中の主要な設備はありません。
4.従業員数は、社外から当社への出向者を含む就業人員であります。
また、臨時雇用者数は期中平均人員を( )外書きで記載しております。
5.当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

(2) 国内子会社 該当事項はありません。
(3) 在外子会社 該当事項はありません。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等会社名事業所名(所在地)設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)提出会社本社(東京都江東区)7号機(小型SAR衛星)2,921,6622,185,743増資及び銀行借入2024年6月2025年9月(注1)8号機(小型SAR衛星)2,493,5131,006,103増資及び銀行借入2024年9月2025年12月(注1)9-14号機(小型SAR衛星)15,000,0001,782,318増資及び銀行借入2024年11月2026年12月(注1)15-20号機(小型SAR衛星)15,000,000424,090増資及び銀行借入2025年11月2027年12月(注1、3)協力会社(栃木県那須郡那須町)工場504,000-増資及び銀行借入2025年1月2026年9月(注1)協力会社(福井県福井市)工場50,000-増資及び銀行借入2025年1月2025年8月(注1) (注)1.完成後の増加能力については、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。
2.当社グループは、衛星データ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。
3.着手年月は衛星の製造開始時期であり、部材の支払いはそれに先んじて進行しております。
4.協力会社については、計画の見直し等により投資予定額の総額及び完了予定を変更しております。

(2) 重要な設備の除却等該当はありません。
研究開発費、研究開発活動1,290,296,000
設備投資額、設備投資等の概要7,363,300,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況40
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況3
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,736,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2024年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
三菱電機株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7-312,500,00011.54
スペース・エースタート1号投資事業有限責任組合東京都港区三田3丁目5-278,611,2007.95
ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合東京都港区虎ノ門1丁目23番1号7,339,8006.78
清水建設株式会社東京都中央区京橋2丁目16番1号6,944,4006.41
SPエースタート1号投資事業有限責任組合東京都港区三田3丁目5-276,469,0505.97
新井 元行東京都文京区5,819,4005.37
日本グロースキャピタル投資法人東京都千代田区大手町2丁目2-25,053,6504.66
白坂 成功東京都世田谷区4,500,0004.15
ヒューリック株式会社東京都中央区日本橋大伝馬町7-33,750,0003.46
森トラスト株式会社東京都港区虎ノ門4丁目1-12,399,7002.21計-63,387,20058.50 (注)1.当社は、自己株式は保有しておりません。2.前事業年度末日現在の主要株主であった
新井 元行及び
スペース・エースタート1号投資事業有限責任組合は、当事業年度末日現在では主要株主ではなくなり、
三菱電機株式会社が新たに主要株主となりました。
株主数-金融機関10
株主数-金融商品取引業者22
株主数-外国法人等-個人28
株主数-外国法人等-個人以外28
株主数-個人その他6,068
株主数-その他の法人101
株主数-計6,257
氏名又は名称、大株主の状況森トラスト株式会社
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
   該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式--当期間における取得自己株式A種優先株式86,200B種優先株式160,558C1種優先株式131,794D種優先株式89,749- (注)2024年6月12日付で、A種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式及びD種優先株式の取得の株式取得請求権の行使を受けたことにより、すべてのA種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式及びD種優先株式を自己株式として取得し、対価として当該A種優先株式及びB種優先株式は1株につき普通株式1株を交付、C1種優先株式及びD種優先株式は1株につき普通株式1.05株を交付しております。
また、当社が取得した当該A種優先株式、B種優先株式、C1種優先株式及びD種優先株式については2024年6月7日開催の取締役会決議により、2024年6月23日付で消却しております。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首(株)増加(株)減少(株)当連結会計年度末(株)普通株式100,000108,149,150-108,249,150A種優先株式86,200-86,200-B種優先株式160,558-160,558-C1種優先株式131,794-131,794-D種優先株式16,66973,08089,749-合計495,221-468,301- (注)1.当社は、2024年4月12日付で第三者割当増資(D種優先株式22,437株の発行)、2024年4月25日付で第三者割当増資(D種優先株式7,052株の発行)、2024年6月10日付で第三者割当増資(D種優先株式43,591株の発行)が行われた結果、発行済株式総数は、普通株式100,000株、A種優先株式86,200株、B種優先株式160,558株、C1種優先株式131,794株、D種優先株式89,749株となりました。
その後、2024年6月12日付で普通株式を対価とする取得請求権に基づき、発行済優先株式の全てを当社が取得し、引き換えに優先株主に対して当社普通株式の交付を行い、2024年6月23日付で当社が取得した優先株式の全てを消却しております。
   2.当社は2024年6月24日付で普通株式1株につき150株の株式分割を行っております。
   3.普通株式の発行済株式総数の増加の内訳は以下のとおりであります。
優先株式からの転換479,633株株式分割86,365,317株公募増資21,304,200株 2.自己株式に関する事項  該当事項はありません。

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書 2025年3月25日株式会社Synspective取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士坂井 知倫 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士有吉 真哉 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Synspectiveの2024年1月1日から2024年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Synspective及び連結子会社の2024年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
強調事項重要な後発事象に関する注記に記載されているとおり、会社は2025年2月19日開催の取締役会において、コミットメント期間付タームローンの締結について決議し、2025年2月20日付で契約している。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、有形固定資産11,732,051千円及び無形固定資産35,436千円が計上されている。
このうち、有形固定資産11,732,051千円及び無形固定資産35,436千円は、【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおり、会社が営む衛星データ事業(単一セグメント)に関するものであり、連結総資産の41.7%を占めている。
これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。
判定の結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
 衛星データ事業においては、営業損益が継続的にマイナスであることから、減損の兆候が認められている。
このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。
当該判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローは、事業計画を基礎として見積られており、事業計画に含まれる売上高には、主に以下の主要な仮定が使用されている。
・需要見込み・衛星運用機数・衛星画像データの提供枚数の見込み・衛星画像データの単価の見込み経営者は減損判定に当たり、中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ事業計画を用いているが、これらに関する経営者の判断が、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1)内部統制の評価 固定資産の減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

(2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計画に含まれる売上高について、主要な仮定の適切性を評価するため、それらの根拠について取締役管理部ゼネラルマネージャーに質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
・需要見込みに含まれる確定した受注について、契約書を閲覧して受注の事実を確かめるとともに、受注額を契約書と照合した。
・需要見込みに含まれる未確定の受注について、主要顧客が公表している予算に関する資料の閲覧や過去の受注実績との比較を実施して受注の確度を検討した。
・衛星運用機数について、打上げ済みの衛星に関しては、衛星の稼働状況に関する報告資料を確認した。
また、今後打上げ予定の衛星に関しては、製造計画と発生原価予測及び原価実績を比較して打上げ計画の蓋然性を確認した。
・衛星画像データの提供枚数及び単価の見込みについて、直近の実績との比較や実績の趨勢を分析した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、有形固定資産11,732,051千円及び無形固定資産35,436千円が計上されている。
このうち、有形固定資産11,732,051千円及び無形固定資産35,436千円は、【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおり、会社が営む衛星データ事業(単一セグメント)に関するものであり、連結総資産の41.7%を占めている。
これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。
判定の結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
 衛星データ事業においては、営業損益が継続的にマイナスであることから、減損の兆候が認められている。
このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。
当該判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローは、事業計画を基礎として見積られており、事業計画に含まれる売上高には、主に以下の主要な仮定が使用されている。
・需要見込み・衛星運用機数・衛星画像データの提供枚数の見込み・衛星画像データの単価の見込み経営者は減損判定に当たり、中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ事業計画を用いているが、これらに関する経営者の判断が、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1)内部統制の評価 固定資産の減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

(2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計画に含まれる売上高について、主要な仮定の適切性を評価するため、それらの根拠について取締役管理部ゼネラルマネージャーに質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
・需要見込みに含まれる確定した受注について、契約書を閲覧して受注の事実を確かめるとともに、受注額を契約書と照合した。
・需要見込みに含まれる未確定の受注について、主要顧客が公表している予算に関する資料の閲覧や過去の受注実績との比較を実施して受注の確度を検討した。
・衛星運用機数について、打上げ済みの衛星に関しては、衛星の稼働状況に関する報告資料を確認した。
また、今後打上げ予定の衛星に関しては、製造計画と発生原価予測及び原価実績を比較して打上げ計画の蓋然性を確認した。
・衛星画像データの提供枚数及び単価の見込みについて、直近の実績との比較や実績の趨勢を分析した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、有形固定資産11,732,051千円及び無形固定資産35,436千円が計上されている。
このうち、有形固定資産11,732,051千円及び無形固定資産35,436千円は、【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおり、会社が営む衛星データ事業(単一セグメント)に関するものであり、連結総資産の41.7%を占めている。
これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。
判定の結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
 衛星データ事業においては、営業損益が継続的にマイナスであることから、減損の兆候が認められている。
このため、当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行われているが、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断されている。
当該判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローは、事業計画を基礎として見積られており、事業計画に含まれる売上高には、主に以下の主要な仮定が使用されている。
・需要見込み・衛星運用機数・衛星画像データの提供枚数の見込み・衛星画像データの単価の見込み経営者は減損判定に当たり、中期事業計画に一定の不確実性を織り込んだ事業計画を用いているが、これらに関する経営者の判断が、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結【注記事項】
「(重要な会計上の見積り)」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1)内部統制の評価 固定資産の減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。

(2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計画に含まれる売上高について、主要な仮定の適切性を評価するため、それらの根拠について取締役管理部ゼネラルマネージャーに質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
・需要見込みに含まれる確定した受注について、契約書を閲覧して受注の事実を確かめるとともに、受注額を契約書と照合した。
・需要見込みに含まれる未確定の受注について、主要顧客が公表している予算に関する資料の閲覧や過去の受注実績との比較を実施して受注の確度を検討した。
・衛星運用機数について、打上げ済みの衛星に関しては、衛星の稼働状況に関する報告資料を確認した。
また、今後打上げ予定の衛星に関しては、製造計画と発生原価予測及び原価実績を比較して打上げ計画の蓋然性を確認した。
・衛星画像データの提供枚数及び単価の見込みについて、直近の実績との比較や実績の趨勢を分析した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年3月25日株式会社Synspective取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士坂井 知倫 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士有吉 真哉 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Synspectiveの2024年1月1日から2024年12月31日までの第7期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Synspectiveの2024年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
強調事項 重要な後発事象に関する注記に記載されているとおり、会社は2025年2月19日開催の取締役会において、コミットメント期間付タームローンの締結について決議し、2025年2月20日付で契約している。
 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性 個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」と実質的に同一の内容である。
このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略している。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性 個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」と実質的に同一の内容である。
このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別  個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「衛星データ事業における固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」と実質的に同一の内容である。
このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

仕掛品113,036,000
その他、流動資産341,658,000
建物及び構築物(純額)365,606,000
機械装置及び運搬具(純額)8,234,000
工具、器具及び備品(純額)369,542,000
建設仮勘定5,708,124,000
有形固定資産11,732,051,000
ソフトウエア35,436,000
無形固定資産35,436,000
長期前払費用7,026,000
投資その他の資産266,046,000

BS負債、資本

短期借入金1,000,000,000
1年内返済予定の長期借入金195,000,000
未払金721,196,000
未払法人税等126,115,000
未払費用117,093,000
資本剰余金15,343,219,000