財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-03-26 |
英訳名、表紙 | Renesas Electronics Corporation |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表執行役社長兼CEO 柴田 英利 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都江東区豊洲三丁目2番24号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(6773)3000(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 当社は、2002年11月1日、日本電気㈱の汎用DRAM事業を除く半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービスに関する事業を会社分割により分社化し、日本電気㈱の100%子会社であるNECエレクトロニクス㈱として発足しました。 その後、2003年7月24日に東京証券取引所市場第一部に株式を上場し、2010年4月1日には㈱ルネサステクノロジと合併し、ルネサスエレクトロニクス㈱に商号変更しました。 設立以降の動向については、以下のとおりであります。 年月事項2002年11月日本電気㈱の汎用DRAMを除く半導体事業を会社分割により分社化し、日本電気㈱の100%子会社として神奈川県川崎市にNECエレクトロニクス㈱を設立2003年7月東京証券取引所市場第一部に株式を上場2004年5月山形日本電気㈱の高畠工場における後工程部門を、台湾のASEグループに売却2004年7月当社から試作部門を分社化し、試作サービスの提供を主業務とするNECファブサーブ㈱を設立2004年10月NECセミコンダクターズ九州㈱に山口日本電気㈱の組立および検査工程(後工程)を統合し、NECセミコンパッケージ・ソリューションズ㈱に社名変更2005年1月山形日本電気㈱において300㎜ウェハ製造ラインの量産稼働開始2005年10月首鋼NECエレクトロニクス社の半導体開発および販売部門を北京NEC集成電路設計有限公司に統合し、NECエレクトロニクス中国社に社名変更2006年4月NEC化合物デバイス㈱を簡易合併方式により当社に吸収合併2006年9月韓国における営業拠点としてNECエレクトロニクス韓国社を設立2006年9月NECセミコンダクターズ・アイルランド社の組立および検査工程(後工程)ラインを閉鎖2006年11月NECデバイスポート㈱を簡易合併方式により当社に吸収合併2007年6月NECファブサーブ㈱のフォトマスク事業を大日本印刷㈱へ譲渡2007年10月NECセミコンダクターズ・インドネシア社の組立および検査工程(後工程)ラインを閉鎖2008年4月九州日本電気㈱は、山口日本電気㈱およびNECセミコンパッケージ・ソリューションズ㈱を吸収合併し、NECセミコンダクターズ九州・山口㈱に商号変更関西日本電気㈱は、福井日本電気㈱を吸収合併し、NECセミコンダクターズ関西㈱に商号変更山形日本電気㈱は、NECセミコンダクターズ山形㈱に商号変更2010年4月㈱ルネサステクノロジと合併し、ルネサスエレクトロニクス㈱に商号変更 (注)2010年11月ノキア・コーポレーションよりワイヤレスモデム事業を譲受2010年12月モバイルマルチメディア事業(ノキア・コーポレーションから譲り受けたワイヤレスモデム事業を含む。 )を吸収分割によりルネサスモバイル㈱に承継2011年5月ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社の前工程ライン(ローズビル工場)をドイツのテレファンケン社に譲渡2012年2月ブラジルにおける販売支援拠点としてルネサス エレクトロニクス・ブラジル・サービス社の営業を開始2012年3月パワーアンプ事業および㈱ルネサス東日本セミコンダクタ長野デバイス本部の事業を㈱村田製作所へ譲渡2012年7月㈱ルネサス北日本セミコンダクタの前工程ライン(津軽工場)を富士電機㈱に譲渡2013年1月㈱ルネサスハイコンポーネンツの全株式をアオイ電子㈱に譲渡2013年6月㈱ルネサス北日本セミコンダクタ、ルネサス関西セミコンダクタ㈱および㈱ルネサス九州セミコンダクタの組立および検査工程(後工程)ライン(函館工場、福井工場および熊本工場)ならびに北海電子㈱の製造支援事業を㈱ジェイデバイスに譲渡2013年9月㈱産業革新機構、トヨタ自動車㈱、日産自動車㈱、㈱ケーヒン、㈱デンソー、キヤノン㈱、㈱ニコン、パナソニック㈱および㈱安川電機を割当先とする第三者割当増資を実施2013年10月ルネサスエレクトロニクス販売㈱を簡易合併方式により当社に吸収合併ルネサスマイクロシステム㈱は、㈱ルネサスデザインを吸収合併し、ルネサスシステムデザイン㈱に商号変更ルネサス武蔵エンジニアリングサービス㈱は、ルネサス北伊丹エンジニアリングサービス㈱およびルネサス高崎エンジニアリングサービス㈱を吸収合併し、ルネサスエンジニアリングサービス㈱に商号変更㈱ルネサス北日本セミコンダクタは、㈱ルネサス東日本セミコンダクタを吸収合併ルネサス モバイル・ヨーロッパ社およびルネサス モバイル・インド社の全株式をブロードコム・コーポレーションに譲渡 年月事項2013年11月首鋼NECエレクトロニクス社の当社持分を首鋼総公司に譲渡2014年2月インドにおける営業拠点としてルネサス エレクトロニクス・インド社を設立2014年3月ルネサス山形セミコンダクタ㈱の前工程ライン(鶴岡工場)をソニーセミコンダクタ㈱に譲渡2014年4月半導体前工程製造事業に関し、ルネサス関西セミコンダクタ㈱を存続会社として、当社の半導体前工程製造事業、ルネサスセミコンダクタ九州・山口㈱の半導体前工程製造事業、㈱ルネサス北日本セミコンダクタの結晶事業、ルネサス甲府セミコンダクタ㈱、㈱ルネサス那珂セミコンダクタ、㈱ルネサス セミコンダクタエンジニアリングおよびルネサス山形セミコンダクタ㈱を吸収分割および吸収合併にて集約し、ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング㈱に商号変更半導体後工程製造事業に関し、ルネサスセミコンダクタ九州・山口㈱を存続会社として、当社の半導体後工程製造事業、㈱ルネサス北日本セミコンダクタ、㈱ルネサス柳井セミコンダクタ、羽黒電子㈱、北海電子㈱および㈱ルネサス九州セミコンダクタを吸収分割および吸収合併にて集約し、ルネサス セミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱に商号変更2014年10月ルネサスモバイル㈱を簡易合併方式により当社に吸収合併㈱ルネサスエスピードライバの当社が保有する全株式を米国シナプティクス社の欧州子会社に譲渡2015年4月 当社のデバイスソリューション開発機能を簡易吸収分割方式により㈱ルネサス ソリューションズへ移管当社の開発支援機能を簡易吸収分割方式によりルネサス エンジニアリングサービス㈱へ移管㈱ルネサス ソリューションズのキット、プラットフォーム、分野ソリューションおよび拡販インフラの各開発機能などを簡易吸収分割方式により当社に移管㈱ルネサス ソリューションズは、ルネサス システムデザイン㈱を吸収合併し、ルネサス システムデザイン㈱に商号変更2016年2月 ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング㈱の滋賀工場の一部(8インチウェハ製造ライン)をローム滋賀㈱に譲渡2016年6月 ルネサス エレクトロニクス・シンガポール社を存続会社として、同社とルネサス セミコンダクタ・シンガポール社を合併2017年2月米国Intersil Corporation(以下「インターシル社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2017年5月ルネサス セミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱の受託開発・製造および画像認識システム開発・製造・販売事業を日立マクセル㈱に譲渡2017年7月ルネサスシステムデザイン㈱を簡易合併方式により当社に吸収合併2018年1月 インターシル社は、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社を吸収合併し、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社に商号変更2018年8月保有する㈱ルネサスイーストンの株式を一部売却し、当社の持分法適用関連会社から除外2018年10月ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング㈱の高知工場を丸三産業㈱に譲渡2019年1月ルネサス セミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱を簡易合併方式により当社に吸収合併2019年3月米国Integrated Device Technology, Inc.(以下「IDT社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2020年1月IDT社は、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社を吸収合併し、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社に商号変更2021年8月英国Dialog Semiconductor Plc(以下「Dialog社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2021年12月イスラエルCeleno Communications Ltd.の持株会社 Celeno Communications Inc.(以下「Celeno社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2022年4月東京証券取引所の市場区分の再編に伴い、東京証券取引所プライム市場に移行2022年7月米国Reality Analytics, Inc.の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2022年10月インドSteradian Semiconductors Private Limited(以下「Steradian社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2023年6月オーストリアPanthronics AG(以下「Panthronics社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2024年6月米国Transphorm, Inc.(以下「Transphorm社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化2024年8月米国Altium Limited(以下「Altium社」)の全株式を取得し、同社を当社の子会社化 (注) 当該合併に伴い、㈱ルネサステクノロジの関係会社を承継するとともに、当社グループの関係会社の一部について、再編、商号変更などを実施しております。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、2024年12月31日現在、当社、連結子会社122社(国内8社、海外114社)および持分法適用会社1社(海外1社)により構成されております。 当社グループは、半導体専業メーカーとして、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービスを行っております。 当社グループの研究、開発、設計、製造、販売およびサービス機能は、主に当社および当社の子会社が分業しております。 研究、開発、設計機能は、当社が担当するほか、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社、ルネサス セミコンダクタデザイン北京社、ルネサス デザイン・ベトナム社およびルネサス エレクトロニクス・ヨーロッパ社など、海外の子会社が担当しております。 製造機能は、主に国内外の生産子会社が担当しておりますが、ファウンドリなどの外部生産委託先も必要に応じて活用しております。 販売およびサービス機能は、国内においては、主に提携する販売特約店を通じて行っており、海外においては、主にルネサス エレクトロニクス・アメリカ社、ルネサス エレクトロニクス・ヨーロッパ社およびルネサス エレクトロニクス香港社などの海外の販売子会社やディストリビューターを通じて行っております。 当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。 自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI(In-Vehicle Infotainment)・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。 当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC(System-on-Chip)、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。 産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。 当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。 加えて、当社の設計および生産子会社が行っている半導体の受託開発、受託生産などを「その他」に分類しております。 当社グループの連結子会社(122社)および持分法適用会社(1社)を主な事業内容別に記載すると次のとおりとなります。 2024年12月31日現在関連する報告セグメント名主要な事業の内容 国内子会社 海外子会社 自動車および産業・インフラ・IoT 販売 (連結子会社) ルネサス エレクトロニクス中国社ルネサス エレクトロニクス上海社ルネサス エレクトロニクス香港社ルネサス エレクトロニクス台湾社ルネサス エレクトロニクス韓国社ルネサス エレクトロニクス・シンガポール社ルネサス エレクトロニクス・マレーシア社ルネサス エレクトロニクス・インド社ルネサス エレクトロニクス・カナダ社ルネサス エレクトロニクス・ブラジル・サービス社ルネサス エレクトロニクス・ヨーロッパ社(ドイツ)他3社 製造・製造支援 (連結子会社) ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング㈱ (連結子会社) ルネサス セミコンダクタ北京社 ルネサス セミコンダクタ蘇州社 ルネサス セミコンダクタ・ケイエル社 ルネサス セミコンダクタ・マレーシア社 ルネサス セミコンダクタ・ケダ社 ルネサス セミコンダクタテクノロジ・マレーシア社 設計・開発・応用技術 (連結子会社)ルネサス セミコンダクタデザイン北京社ルネサス デザイン・ベトナム社ルネサス セミコンダクタデザイン・マレーシア社ルネサス デザイン・ブルガリア社ルネサス デザイン・チューリッヒ社ルネサス インテグレーテッド・サーキット上海社ルネサス インテグレーテッド・サーキット成都社他16社 事業会社・その他 (連結子会社) 7社 (連結子会社)ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社ルネサス エレクトロニクス・ジャーマニー社ルネサス エレクトロニクス・ペナン社ルネサス インターナショナル・オペレーション社(マレーシア)インターシル・ルクセンブルク社IDTバミューダ社ギグピーク社Dialog社ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社ルネサス エレクトロニクスNSW社Altium社Altium IP Hold社Altium IP社Altium LLC社他57社 (持分法適用会社)1社 (注) 海外の販売子会社の一部は、設計・開発の事業も行っております。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 2024年12月31日現在名称住所資本金または出資金主要な事業の内容議決権の所有または被所有割合(%)(注1)関係内容(連結子会社) ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング㈱(注2)茨城県ひたちなか市百万円100半導体製品の製造(前工程)100.0当社製品の製造貸付金-有不動産/設備の賃貸-有役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス中国社中国北京市千米ドル38,540半導体製品の中国における販売 100.0 当社製品の販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス上海社中国上海市千米ドル7,100半導体製品の中国における販売100.0当社製品の販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス香港社(注2)(注5)中国香港千香港ドル15,000半導体製品の香港における販売100.0当社製品の販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス台湾社台湾台北市千台湾ドル170,800半導体製品の台湾における販売100.0当社製品の販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス韓国社韓国ソウル市千ウォン3,751,885半導体製品の韓国における販売100.0当社製品の販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・シンガポール社シンガポール千米ドル32,287半導体製品のアセアン、インドおよびオセアニアにおける販売100.0当社製品の販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・マレーシア社マレーシアクアラルンプール千リンギット700半導体製品のマレーシアにおける販売支援100.0(100.0)(注3)当社製品の販売支援貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・インド社インドベンガルール市千インドルピー32,500半導体製品のインドにおける販売100.0(99.90)(注3)当社製品の販売貸付金-有不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社(注2)(注5)アメリカカリフォルニア州千米ドル2,952,870半導体製品のアメリカにおける設計、開発、製造および販売100.0当社製品の設計、開発、製造および販売貸付金-有不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・カナダ社カナダオンタリオ州千カナダドル44,560半導体製品のカナダにおける開発および販売100.0(100.0)(注3)当社製品の開発および販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・ブラジル・サービス社ブラジルサンパウロ州―半導体製品のブラジルおよび南米地域における販売(技術)支援100.0(100.0)(注3)当社製品の販売(技術)支援貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・ヨーロッパ社(ドイツ)(注2)(注5)ドイツデュッセルドルフ市千ユーロ14,000半導体製品のヨーロッパにおける設計、開発および販売100.0 当社製品の設計、開発および販売貸付金-有不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタ北京社中国北京市千米ドル90,444半導体製品の製造(後工程)100.0当社製品の製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタ蘇州社中国蘇州市千米ドル43,226半導体製品の製造(後工程)100.0(6.33)(注3)当社製品の製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無 名称住所資本金または出資金主要な事業の内容議決権の所有または被所有割合(%)(注1)関係内容ルネサス セミコンダクタ・ケイエル社マレーシアセランゴール州 千リンギット118,237半導体製品の製造(後工程)100.0当社製品の製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタ・マレーシア社マレーシアペナン州千リンギット84,000半導体製品の製造(後工程) 90.0 当社製品の製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタ・ケダ社 マレーシアケダ州千リンギット1,000半導体製品の製造(後工程)100.0(100.0)(注3)当社製品の製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタテクノロジ・マレーシア社マレーシアペナン州千リンギット1,000半導体製品の製造(後工程)100.0(100.0)(注3)当社製品の製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタデザイン北京社中国北京市千米ドル7,000半導体製品の設計および開発 100.0 当社製品の設計および開発貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス デザイン・ベトナム社ベトナムホーチミン市千米ドル10,200半導体製品の設計および開発 100.0 当社製品の設計および開発貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス セミコンダクタデザイン・マレーシア社マレーシアペナン州千リンギット1,000半導体製品の設計および開発100.0(100.0)(注3)当社製品の設計および開発貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス インターナショナル・オペレーション社(注2)マレーシアセランゴール州千リンギット426,302当社グループ会社の一部業務受託管理100.0(100.0)(注3)シェアードサービス(当社グループ内会社業務)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無インターシル・ルクセンブルク社ルクセンブルク千米ドル91,585持株会社100.0(100.0)(注3)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス デザイン・ブルガリア社ブルガリアヴァルナ州千ブルガリアレフ5 半導体製品の設計および開発100.0(100.0)(注3)当社製品の設計および開発貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス デザイン・チューリッヒ社スイスチューリッヒ市千スイスフラン100半導体製品の設計および開発100.0(100.0)(注3)当社製品の設計および開発貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス インテグレーテッド・サーキット上海社中国上海市千元4,960半導体製品の開発および販売100.0(100.0)(注3)当社製品の開発および販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス インテグレーテッド・サーキット成都社中国成都市千元3,000半導体製品の開発および販売100.0(100.0)(注3)当社製品の開発および販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・ペナン社(注2)マレーシアペナン州千米ドル551,785半導体製品の開発、製造および販売100.0(100.0)(注3)当社製品の開発および製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・ジャーマニー社(注2)ドイツドレスデン市千ユーロ15,750半導体製品の開発、製造および販売100.0(100.0)(注3)当社製品の開発および製造貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無IDTバミューダ社(注2)バミューダ千米ドル462,119持株会社100.0(100.0)(注3)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無 名称住所資本金または出資金主要な事業の内容議決権の所有または被所有割合(%)(注1)関係内容ギグピーク社(注2)アメリカデラウェア州千米ドル225,344持株会社100.0(100.0)(注3)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無Dialog社イギリスバッキンガムシャー州千米ドル13,526半導体製品の開発、製造および販売100.0当社製品の開発、製造および販売貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社(注2)オーストラリアニューサウスウェールズ州百万豪ドル9,125持株会社100.0貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無ルネサス エレクトロニクスNSW社(注2)オーストラリアニューサウスウェールズ州百万豪ドル9,125持株会社100.0(100.0)(注3)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無Altium社(注2)(注4)オーストラリアニューサウスウェールズ州千米ドル143,543PCB設計などのソフトウェアツールの開発および販売100.0(100.0)(注3)当社製品の開発および販売貸付金-有不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無Altium IP Hold社(注2)オーストラリアニューサウスウェールズ州千米ドル402,900持株会社100.0(100.0)(注3)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無Altium IP社(注2)アメリカカリフォルニア州千米ドル402,900持株会社100.0(100.0)(注3)貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無Altium LLC社(注2)アメリカカリフォルニア州千米ドル402,900ソフトウェア開発、販売およびサービス100.0(100.0)(注3)当社製品の開発、販売およびサービス貸付金-無不動産/設備の賃貸-無役員の兼任-無その他連結子会社 83社 (持分法適用会社)1社 (注) 1 議決権の所有または被所有割合は、小数点第3位以下を切り捨てて表示しております。 2 特定子会社に該当しております。 3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 4 当社は、2024年8月にPCB設計などのソフトウェア企業であるAltium社を買収し、完全子会社としました。 5 ルネサス エレクトロニクス香港社、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社およびルネサス エレクトロニクス・ヨーロッパ社(ドイツ)については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除きます。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 ルネサス エレクトロニクス香港社(1) 売上高156,678百万円の主要な損益情報等 (2) 経常利益6,794百万円 (3) 当期純利益5,730百万円 (4) 純資産額36,889百万円 (5) 総資産額86,033百万円 ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社(1) 売上高390,161百万円の主要な損益情報等 (2) 経常損失△1,041百万円 (3) 当期純損失△4,386百万円 (4) 純資産額906,145百万円 (5) 総資産額1,088,627百万円 なお、ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社の数値は同社の子会社(34社)を含む連結決算数値であります。 ルネサス エレクトロニクス・ヨーロッパ社(ドイツ)(1) 売上高186,244百万円の主要な損益情報等 (2) 経常利益6,811百万円 (3) 当期純利益3,452百万円 (4) 純資産額26,048百万円 (5) 総資産額94,646百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況当社グループの2024年12月31日現在の従業員数は22,711人であります。 なお、当社グループは自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係る従業員が大半のため、セグメントごとの記載は省略しております。 また、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。 )であります。 臨時従業員数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。 (2) 提出会社の状況2024年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)6,48248.523.48,099,472 (注) 1 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含みます。 )であります。 2 平均勤続年数は、㈱日立製作所、三菱電機㈱、日本電気㈱およびこれらの関係会社からの勤続年数を通算しております。 3 平均年間給与の金額には、賞与および基準外賃金を含んでおります。 4 臨時従業員数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。 (3) 労働組合の状況2024年12月31日現在、当社の労働組合はルネサスエレクトロニクス労働組合であり、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)に所属しております。 2024年12月31日現在の組合員数は3,807人であります。 なお、労働組合との間に特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異①提出会社および国内連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1) 男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)(注1)全労働者正規雇用労働者非正規労働者ルネサス エレクトロニクス㈱4.634.273.973.174.7ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング㈱2.033.383.381.488.8 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3 男女の賃金差異は、対象の区分毎の男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合を示しております。 なお、賃金は基本給、超過労働に対する報酬、賞与等のインセンティブを含んでおります。 基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は、労務構成が異なることによるものであります。 ②当社グループ当事業年度課長職に占める女性労働者の割合(%)部長職に占める女性労働者の割合(%)幹部に占める女性労働者の割合(%)15.511.019.0 (注) 指標の定義や計算方法は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」とは異なっております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループは、そのパーパスである「To Make Our Lives Easier」(人々の暮らしを楽(ラク)にする技術により、持続可能な将来を築く)の実現に向け、2030年までの経営目標として「2030 Aspiration」を定め、様々な施策に取り組んでいます。 今後も、その達成に向けて、以下の課題に取り組みます。 (1) Back to Basicsの推進 当社グループは、事業環境に柔軟に適応して長期的な成長を実現し、「2030 Aspiration」を達成するため、これまで進めてきた事業戦略の基本に立ち返る「Back to Basics」の方針を強力に推進します。 具体的には、大きく以下の3点に注力します。 ① 生産性の向上 当社グループを挙げて、事業運営の無駄を省く効率化を図りながら、30ヶ国以上に約22,000名の従業員を擁するグローバル企業としてのスケールメリットを最大限に生かした、生産性の向上を推進します。 ② Purposeful investment 当社グループのコアである組み込み半導体ソリューションと、その価値を形成・向上させるUXおよびデジタライゼーションに経営資源を戦略的に配分します。 これまでは中長期の戦略的な取り組みと短期的な売上成長をともに優先するというアプローチを採ってきました。 それは大きな成果を上げましたが、組織全体の負荷や環境の変化に鑑みて、今一度原点に立ち返ることとしました。 今後は、中長期的な成長を見据え、事業の優先順位をこれまで以上に明確にしたうえで、戦略的取り組みに最大限の資源を投じていきます。 ③ UX・デジタライゼーション戦略の加速 2025年1月に、デジタルマーケティング機能やシステムソリューションの担当部門をUXグループに統合し、UXの推進体制を拡大・強化しました。 デジタライゼーションに向けては、昨年買収したAltium社と一体となり、あらゆる規模・業種のユーザが電子機器を設計できる統合されたオープンな「電子機器設計・ライフサイクルマネジメントプラットフォーム」の構築を目指し、取り組みを進めています。 その一環として、2025年1月には、Altium社によるPart Analytics社の買収を発表しました。 今後も、新たな体制のもと、UXおよびデジタライゼーションの取り組みを最重要戦略として位置づけ、一層加速させていきます。 デバイスの特定から、システム設計・生産、さらにはライフサイクルマネジメントに至るまで、一貫したデジタル化を実現するプラットフォームを提供し、世界中の顧客がより楽(ラク)に開発を進められる環境を目指します。 (2) サステナビリティ・ESG活動と情報開示の推進 当社グループでは、2025年1月に、サステナビリティ・ESGに関する全社横断的な組織を発足させるとともに、監査委員会を「監査・サステナビリティ委員会」へと再編しました。 これにより、サステナビリティ・ESG活動の監督とガバナンスを強化し、さらなるESGの推進を図ります。 このように強化された体制のもと、カーボンニュートラル達成目標の2040年への前倒しなど、各種施策を推進します。 また、サステナビリティ・ESG活動に関する非財務情報の開示をより一層充実させ、ESG格付けの向上や当社グループを取り巻く様々なステークホルダーに対する情報提供に努めます。 (3) 地政学リスクへの対応 地政学リスクについては、短期的には、関税によるサプライチェーンへの影響に懸念があります。 中期的な視点では、米国の規制緩和と中国におけるAIを中心とした選択的なテクノロジーへの投資が技術革新を加速すると考えています。 当社グループとしては、これらの動向を的確に把握し、中長期的な競争力を強化するためのデジタライゼーションを着実に実行していきます。 (4) 生産構造の最適化 当期における当社グループの前工程生産拠点の稼働率は、150mmウエハ生産工場が25%、200mmウエハ生産工場は56%、300mmウエハ生産工場は49%、全工場平均で50%でした。 当社グループは、当期においては、当社グループの国内生産工場において一部不足製品の供給能力増強やレジリエンス向上を目的とした設備投資を実施しましたが、今後も引き続き、当社グループ製品の安定供給に向けて、グループ内の設備の増強に努めます。 また、これらの設備投資に加え、急激な需要変動への対応とレジリエンスを高めるため、引き続きダイバンクの構築を推進するとともに、生産委託先での生産量の確保・拡大にも取り組みます。 これらの積極的な投資により、当期における当社グループの設備投資額は、売上収益比7%程度となりましたが、中長期的には売上収益比5%程度にコントロールすることを目指します。 (5) タレント構成の最適化 当期末現在における当社グループの各拠点地域の人員構成は、日本が40%、北米が11%、欧州が14%、アジア太平洋が35%でした。 当社グループは、中長期的な視点から、グローバルなタレント採用チームのもとで、タレントの質やコストなどの要素も考慮しつつ、魅力のある採用活動や人材育成、さらに必要に応じてM&Aも活用しながら、グループ全体としてバランスの取れた従業員の年齢・地域・スキルのミックスを実現するとともに、ソフトウェアなどの重要分野や今後成長が見込まれる分野に従事する従業員を拡充することを目指し、様々な人事施策に取り組みます。 (6) 従業員エンゲージメントの向上と「ルネサスカルチャー」の浸透 当社グループは、世界中の当社グループ組織とそこで働く従業員一人ひとりが絶えず変化する環境に迅速かつ柔軟に対応していくための行動指針として、「ルネサスカルチャー」を策定し、その定着に向けて取り組んでいます。 当期においても、その一環として、例えば、地域・専門分野を超えた技術者相互の連携・コミュニケーションを高めるためのプロジェクト活動を推進し、社内のIPに関する検索システムの改善や、従業員サーベイのスコア向上など、大きな成果を得ることができました。 現在、その活動をさらに進化させ、第2フェーズとして、検索システムの質・量の向上やAIの活用などの活動に取り組んでいます。 当社グループは、今後もこの「ルネサスカルチャー」について、各種施策を推進し、採用、育成、評価などの人事サイクルの一つ一つに組み込みながら、従業員とさらに共有し、これを根付かせ、エンゲージメントのさらなる向上に努めます。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループは、「2030 Aspiration」、さらに当社のパーパスである「To Make Our Lives Easier」の実現に向けた様々な取り組みの継続と同時に、環境に配慮し、企業活動を通じて持続可能な社会へ貢献することにより、一層の企業価値向上に努めていきます。 「持続可能な社会の実現に向け、地球環境の保全と人々の健やかな暮らしの調和を考えた企業活動を推進する」を環境基本理念とし、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」へ貢献するため、国連が定めた17の目標のうち、13の目標に対して行動しています。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものであります。 (1) 気候変動への対応① ガバナンス(サステナビリティ共通)当社グループは、気候変動に伴う様々なリスク・機会を事業戦略上の重要な要素の一つと認識しております。 主な進展としては、当社グループは、当連結会計年度中に、サステナビリティに関するガバナンスの大幅な強化に向けた準備を進め、2025年1月、これを実施しました。 具体的には、サステナビリティ部門(SU)の発足によるサステナビリティ業務の集約化があげられます。 同部門は、部門横断的なサステナビリティ運営チーム(SOT)によって支えられ、この集約化により、各部門間の取り組みを効率化し、サステナビリティ目標の実現に向けた責任を明確にしました。 また、監査委員会を監査・サステナビリティ委員会に再編し、サステナビリティ活動を監督する責任と権限を同委員会に与えることで、ESG関連リスク・機会に対する監視体制を強化しました。 気候変動に係る方針や重要事項、リスク・機会、その対応策は、CEOならびにCEOが指名する執行役員およびサステナビリティ部門により定期的に議論、見直しを行い、取締役会に対して、定期的に報告を行っております。 サステナビリティガバナンス体制 役割主な責任範囲CEOESGに関する戦略的リーダーシップと説明責任を有する。 監査・サステナビリティ委員会ESGに関連するリスクの監督を含むサステナビリティに関する事項の監督に責任を負う。 また、サステナビリティ戦略が企業目標や規制要件と整合していることを確認する。 加えて、ESGに関する非財務情報開示への助言提供、サステナビリティ慣行の改善を指導する。 サステナビリティ部門 (SU)ESGに関する専門知識、方針策定、規制モニタリング、報告・分析、社内コンサルテーション、従業員研修、部門横断的なサステナビリティの監督を担う。 サステナビリティ運営チーム(SOT)サステナビリティ戦略の実行、部門横断的な調整、パフォーマンスの追跡を担う。 ② リスク管理当社グループでは、気候変動によるリスクや機会を事業戦略上の重要な要素観点として認識し、カーボンニュートラルの実現に向けた目標を設定し、「ルネサス エレクトロニクスグループ リスクおよび危機管理規則」に基づき、グループ全体でリスクマネジメント体制を構築しております。 気候変動によるリスクを含め、ビジネス上のリスクを定期的に抽出したうえで、その種類や特性に応じて危機管理担当部門を決定し、日常的にリスク管理を行っております。 また、当社グループのリスクマップに、現実的に想定されるリスクをあらかじめ特定し、一元化すると同時に、リスクの未然防止策、リスク発現時の体制や対応方針を策定するなど、不測の事態に備えております。 さらに、全社における緊急事態が発生した場合には、CEOを本部長とした緊急対策本部を速やかに設置し、情報の一元化や対策の検討を行い、損失を極小化するためにその対応にあたります。 また、これらのリスク管理体制の整備に加え、環境負荷の低減と持続可能な社会実現を目指す具体的な対策として、オゾン層の保護や環境関連法規への対応にも積極的に取り組んでおります。 ■オゾン層の保護当社グループでは、モントリオール議定書の附属書に掲げられているCFC(※1)やHCFC(※2)といったオゾン層破壊物質(ODS:※3)については、製造工程での使用を全廃しています。 さらに、冷凍機や冷蔵庫、エアコンなどで使用されている冷媒用のフロンについても、同議定書の規制にあわせて計画的に使用量の削減や代替物質への切り替えを推進するとともに、対象機器の廃棄時にはODSを回収し、破壊処理の実施を徹底しています。 冷媒用途についても、CFCを使用した機器は、大型の冷凍機から小型の冷蔵庫類に至るまで計画的に低破壊係数の冷媒を使用した機器への更新を図り、当連結会計年度で全ての処分が完了しています。 ※1 CFC:Chlorofluorocarbons※2 HCFC:Hydrochlorofluorocarbons※3 ODS:Ozone-depleting substances■環境関連法規への対応当社グループの半導体製品は、多くの製品に搭載され、世界各国で使用されます。 このため、製品に係る環境関連法規を遵守すべく主要国の法規制の情報を入手し、当社グループ製品に反映させるとともに、顧客に対し、タイムリーに化学物質の含有情報などを展開しています。 国際的に準拠が求められているPOPs条約(※4)の付属書に掲載されている物質については、日本では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)等の法律にも反映され、POPs条約の適用が担保されています。 当社グループでは、POPs条約で付属書A(廃絶)に指定された物質が化審法の第1種特定化学物質として反映された段階で随時、当社グループが定める「ルネサス管理化学物質」区分における「禁止」事項に指定し、グローバルに共有するとともにその遵守を徹底しています。 ※4 POPs条約:Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)③ 戦略気候変動は、当社グループにとって重要な課題であります。 当社グループは、気候関連のリスクと機会が当社グループの事業、戦略および財務計画に及ぼす影響の把握、ならびにそれに対する対応策を検討するために、シナリオ分析を実施しております。 このシナリオ分析により、当社グループにとっての主要なリスクと機会、その対応策は以下のとおりであります。 (a) リスク· 事業を行っている各国でカーボンプライシングが導入されることにより生じる可能性のある対応のためのコストの増加、炭素集約度の高い原材料コスト・生産委託料の上昇などのリスク· 省エネが要求される市場や製品で開発遅延が発生した場合や、顧客から求められる脱炭素への要求に十分に応えられなかった場合において生じる可能性のある販売機会の損失や売上減少リスク· 異常気象の増加により製造拠点や物流網が影響を受けた場合において生じる可能性のある売上高減少や復旧費用の発生リスク (b) 機会· 脱炭素・低炭素化に対応した製品・ソリューションの需要が大幅に増加する機会。 特に、自動車向け事業では、EV(Electric Vehicle)の市場拡大に伴う関連製品の需要拡大、産業・インフラ・IoT向け事業では、低炭素・脱炭素技術関連(風力・FA (Factory Automation) など)の需要拡大が見込まれる。 · 気候変動に伴う顧客の嗜好や関心の変化に対応することで新たな市場を獲得する機会 (c) 対応策· 温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けた施策の着実な実施およびサプライヤの温室効果ガス排出量の把握や削減施策の働きかけにより炭素税増加リスクへ対応する。 · 各国の省エネ基準変更の事前察知を通じた開発着手の前倒しや柔軟に機能変更を可能とする開発手法の導入によりタイムリーな市場投入を可能にする。 · 顧客や投資家が要求する脱炭素の取り組みに応えるよう環境活動の推進・加速およびコミュニケーションを促進する環境情報を積極的に開示する。 · 製品およびソリューションのラインアップの拡充や高速・高機能・高効率化などを実現する次世代技術獲得など、エネルギー効率の高い製品の開発を加速する。 · ビジネスの多様化、消費者の嗜好の変化など、新市場拡大機会への対応に向けた研究開発へ継続的に投資を実施する。 ■分析・対応策の詳細各リスクと機会が発現する時期について、シナリオ分析などを基に想定し、2022年から2030年までの9年間を「短期」、「中期」および「長期」に分類し、開示しています。 「短期」は3年以内、「中期」は3年超~6年以内、「長期」は6年超を想定しています。 <リスク要因に対する財務影響評価および対応策> カテゴリ想定される財務影響期間対応策移行リスク法規制の強化脱炭素化に向けて各種法規制が強化され、対応のためのコストが増加する。 短中期・中長期の温室効果ガス削減目標達成に向けた計画的な施策の実施・サプライヤによる排出量の把握、削減施策の働きかけ・グローバルでの継続的な3R(削減、再利用、再資源化)への取り組みテクノロジー・市場の変化省エネが要求される市場・製品での開発遅延により、販売機会が損失し、当社利益が減少する。 短中期・省エネ基準変更の事前察知、開発着手の前倒し・柔軟な機能変更を可能とする技術の導入・研究開発への継続的な投資・ICE用途からxEV、ADAS用途IC、ディスクリートへの開発資源の集中およびクロスドメイン対応MCUの開発当社のサプライヤに課せられた炭素税が部材単価に反映されると、生産コストの増大が想定される。 中期・サプライヤによる温室効果ガス排出量の把握、モニタリング・サプライヤとの目標共有、削減施策推進の働き掛けステークホルダー評価の変化顧客からのサプライチェーンにおける脱炭素要求に当社が応えられなかった場合に売上が減少する。 また、ESG投資の拡大による資金調達への影響が想定される。 中期・顧客の環境調達規程を充足する当社の環境活動の推進・加速・ステークホルダーへの積極的な環境情報開示と、相互理解のためにコミュニケーション促進・環境目標への達成進捗を役員の評価に追加物理リスク異常気象による災害の増加異常気象による災害の増加により、自社拠点およびサプライヤ拠点が罹災する。 復旧までの期間の売上が減少し、復旧費用が必要となる。 中長期・BCMに基づき、拠点別のリスク評価および対応策を実施済み・現在ハザードマップ外にある拠点を含めた継続的な情報収集・継続した分散調達および代替品の検討・準備 <機会に対する財務影響および対応策> カテゴリ想定される財務影響期間対応策資源の効率利用事業所、生産拠点における資源(エネルギー、水)の効率利用が進みコストが削減される。 短期・投資効果を考慮した計画的な省エネ施策の実施・水リサイクル率35%を目標とした水の効率的使用の推進・PPAの活用拠点の拡大低炭素排出商品・サービスxEV用ソリューション市場拡大自動車部門での脱炭素化が進展し、xEV用ソリューション市場が拡大する。 短中期・BMS向け製品の開発加速・低電力化・製品レパートリーの拡充・顧客の開発期間を短縮する開発キットの提供・製品ポートフォリオの充実・AD/ADAS向け製品の開発加速、高機能・高性能化産業用ソリューション市場拡大 産業・インフラ・IoT部門での脱炭素化が進展し、関連する産業用ソリューション市場が拡大する。 短中期・DDR5と以降のDDRメモリ規格に準拠した製品の開発加速、低電力・低負荷化・5G向けミリ波ビームフォーマー・ソリューションの開発加速、低消費電力・高効率化・FA向け製品、BA向け製品の開発加速、高機能化、RF機能強化・IGBTの開発加速と先端プロセスによる高効率化および生産能力増強・次世代パワー半導体の採用の加速顧客の嗜好、関心の変化への対応気候変動に伴う顧客の関心の変化(エネルギー効率化、IoT、センサ、高度気象予報など)に対応することで売上が拡大する。 短中長期・低消費電力製品やエネルギー効率を改善するソリューション提供に向けた製品開発の促進、及び研究開発への注力・製品レパートリーの拡充、高速・高機能・高効率化新市場への進出 新規事業既存事業で培った技術の低炭素社会における新産業への転用短中期・自動車/産業・IoT分野製品のセキュリティ強化新興国市場脱炭素ニーズの広がりによりIGBT、5G向けミリ波ビームフォーマー・ソリューションの新興国向け売上げが拡大する。 短中期・新興国市場への拡販推進、IGBTの高性能・高効率 シナリオ分析の前提や対応策の詳細については、当社サステナビリティサイト/TCFD提言への対応(https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/tcfd)をご参照ください。 ④ 指標および目標当社グループの温室効果ガス削減にかかる目標は、次のとおりです。 また、これらの削減目標については、SBT (Science Based Target)の認定を取得しております。 · 温室効果ガス排出量(Scope1, Scope2)削減目標:2030年までに38%削減(2021年対比)· 温室効果ガス排出(Scope1, Scope2)カーボンニュートラル:2050年まで· 水総使用量売上高原単位目標:2030年までに33%改善(2021年対比)· グローバル生産拠点水リサイクル率:2030年までに35%を達成· 廃棄物リサイクル比率:90%(リサイクル量を分子、総廃棄物排出量を分母とした比率)を達成 *2024年度の実績は、2025年6月下旬発行予定のサステナビリティレポート(https://www.renesas.com/ja/about/sustainability/report2024)にて開示を予定しております。 目標の達成に向け、エネルギー消費の多い生産拠点を中心に、国内の電機・電子業界目標や省エネ法におけるエネルギー原単位の削減目標の達成、温室効果ガスの中でも特に環境負荷の高いPFCガスの排出削減および再生可能エネルギーの使用拡大など、様々な活動を継続的に推進しております。 また、Scope3についても「Scope 3のCategory 1における温室効果ガス排出量の70%に相当するサプライヤ(生産委託を含みます。 )が、科学的根拠のある温室効果ガス削減目標を2026年までに設定」という新たな目標を設定し、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量削減にも努めていきます。 詳細は当社サステナビリティサイト「環境活動/環境保全の目標」(https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/protection-goals)、「環境活動/気候変動への取り組み」(https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/climate-change)をご参照ください。 (2) 人的資本およびダイバーシティに関する取り組み① 戦略当社グループは、多様な人材一人ひとりが自分の強みを持ち、能力・スキルを最大限に発揮することのできるよう、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I:多様性、公平性、包括性)を強化しています。 当社グループは、地域や分野を超えたコラボレーションを強化するグローバルな枠組みを構築しています。 異なる製品グループや拠点間のコラボレーションを向上させることは、組織やシステムが孤立し、互いに連携が取れていない状況を解消することになり、チームの専門知識を結集するうえで極めて重要です。 さらに、人事部門が支援するダイバーシティ・ネットワークを通じて、あらゆるダイバーシティを尊重し、インクルージョンを推進する職場文化を醸成しています。 世界20ヶ国以上の従業員を擁する当社グループの従業員は、国籍、文化、言語、信条、性別、年齢など、幅広いバックグラウンドを有しています。 当社グループは、DE&Iを取り入れることが、イノベーションと持続可能な成長を促進するものと信じています。 一人ひとりが活躍できる環境を整えることで、グローバルチームにおける個々人の潜在能力を最大限に引き出します。 (a) Renesas Cultureの推進 当社グループでは、変化の激しいビジネス環境において、全従業員がグローバルに価値を創造していくための指針「ルネサスカルチャー」を2020年に導入しています。 当社グループの5つの価値観「Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial」を体現する人材を育成するために、従業員がそれぞれの強みを伸ばし、可能性を最大限に発揮できるよう支援する人事施策を強化しています。 また、従業員が地域や組織の枠を超えて貢献できるような制度も導入しています。 当社グループでは、「ルネサスカルチャー」を従業員に定着させるため、2020年以降、全従業員を対象としたサーベイを年1回以上実施しています。 定期的にサーベイを行うことにより、その進捗状況を把握するとともに、改善すべき重要な点を特定し、そして、CEOによるリーダーシップのもと、より従業員のエンゲージメントを高めるための具体的な行動計画へとつなげております。 (b) グローバルに活躍できるリーダー人材の育成 当社グループは、会社の成長と安定を確保するため、将来のリーダーを継続的に育成しています。 当社グループの戦略は、重要な役割を果たす後継者の育成とキャリアアップを強化するためのリーダーシップ開発に重点を置いています。 当社グループ全体で、重要なポジションを特定のうえ、後継者を選抜し、タレントマネジメントを強化するために、それぞれに合った研修計画を策定しています。 (c) 従業員が主体的に学習する仕組み 日本では、自己啓発支援プログラムにより、100以上のスキルアップコース、専門技術セミナー、語学クラスから選択することで、従業員が自分のキャリアを形成できるようになっております。 また、多くの研修プログラムをオンライン化し、遠隔地にいる従業員も受講できるようにするとともに、これまで以上に柔軟に専門的知識を取得できる環境を実現します。 (d) 海外リモートワーク制度の推進 当社グループでは、海外リモートワーク(RWA)制度を導入しており、従業員が勤務国以外の国で、12ヶ月連続で最大30営業日まで働くことができる環境を提供しております。 (e) 公正な報酬 当社グループは、従業員が会社の成長への貢献に対して公正かつ衡平な報酬を受けられるよう最善を尽くしています。 当社グループは、従業員が良好な生活の質を維持できるよう、生活賃金を提供することを約束し、事業を展開している国の生活賃金水準の包括的な見直しを実施する予定です。 2025年12月までに、当社グループの報酬が一般的な生活賃金基準を満たしていることを証明できるようにするための戦略的計画を策定する予定です。 (f) 従業員リソースグループ(ERGs)およびダイバーシティ推進グループ(DPGs)の立ち上げ 当社グループでは、インクルーシブを促進し、ダイバーシティを尊重するために、従業員リソースグループ(ERGs)およびダイバーシティ推進グループ(DPGs)を立ち上げています。 当社グループでは、すべての従業員がダイバーシティに関する責任を負っていることを認識するとともに、多様な意見を理解し、尊重するためのオープンな対話を推奨しています。 毎年10月には、「ダイバーシティ推進月間」として各種イベントや活動を実施しています。 当連結会計年度においては、職場における無意識の偏見やジェンダーの固定観念、ウェルビーイングに関する17の意識的なインクルージョンを実践するためのイベントを実施しました。 2025年においては、人事のDE&Iチームは、これらのグループに体制・資金・パートナーシップへのアクセスを提供することで、これらのグループに力を与え、自立できるようにします。 これにより、これらのグループは、全社におけるDE&Iの優先事項と密接に連携しながら、自らの思い描いた変化を確実に推進できるよう、そのアイデアとイニシアチブを主導します。 ② 指標および目標当社グループでは、組織・人材の活性化およびダイバーシティの観点から、それぞれ中長期的に目標を定め、管理しております。 当社グループの指標および目標ならびに実績は、次のとおりです。 指標および目標実績(当連結会計年度)· 取締役会の女性比率 :30%以上40%· 新卒採用に占める女性比率(日本) :20%以上19% 詳細は、当社サステナビリティサイト「人材マネジメント/従業員の成長とエンゲージメント」(https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/engagement)、「人材マネジメント/ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」(https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/diversity)をご参照ください。 (3) 人権に関する取り組み① ガバナンスおよびリスク管理当社グループは、「ルネサスグループ人権方針」を策定し、グローバルで一体となって人権尊重の取り組みを推進すべく、執行役員兼CHRO(最高人材責任者)を責任者とした人権推進体制のもと、効率的な管理制度を導入し、意思決定プロセスを確保することで、人権の擁護に取り組んでいます。 当社グループは、人権問題に関する懸念事項の報告やエスカレーションについて明確な手続を定めており、取締役会および監査・サステナビリティ委員会がこれを検討する際に人権リスクを考慮します。 当社グループは、従業員その他のステークホルダーが人権、いじめ、ハラスメントを含むコンプライアンスに関する懸念を通報できるホットライン制度を設けています。 この独立した第三者が運営するホットラインは、従業員その他のステークホルダーが人権に関する懸念を通報し、それらの懸念が迅速かつ効果的に対処される仕組みとして機能しています。 当社グループは、通報者またはその調査に協力した者に対する報復を固く禁じています。 ② 戦略ならびに指標および目標当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューディリジェンスを毎年実施しております。 人権デューディリジェンスにより、当社グループやサプライチェーンにおける潜在的な人権リスクを特定し、その是正に向けた取り組みの検討および実行、さらにモニタリング、情報開示等のプロセスを継続的に推進し、人権尊重の実現に向けた取り組みを進めております。 当社グループでは、人権に関する国内外の動向調査、人権関連のNGO等の報告書および専門家からの助言等を通じて、当社グループにおける潜在的な人権リスクや配慮すべきステークホルダーを特定し、当社グループ内やサプライチェーン上において重点的に取り組むべきと考えられる人権課題として以下の6項目を設定しております。 (1) 労働安全衛生 (2) 児童労働・強制労働の禁止(子どもの権利に対する方針)(3) 労働時間(4) 責任ある鉱物調達(5) 結社の自由(労使関係)(6) 人権教育当社グループは、これらの重要度が高い課題に対して、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、リスクの抽出・予防・軽減のため具体的な取り組みを進めていきます。 詳細は、当社サステナビリティサイト「人材マネジメント/人権」(https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/human-rights)をご参照ください。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ① 戦略当社グループは、多様な人材一人ひとりが自分の強みを持ち、能力・スキルを最大限に発揮することのできるよう、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I:多様性、公平性、包括性)を強化しています。 当社グループは、地域や分野を超えたコラボレーションを強化するグローバルな枠組みを構築しています。 異なる製品グループや拠点間のコラボレーションを向上させることは、組織やシステムが孤立し、互いに連携が取れていない状況を解消することになり、チームの専門知識を結集するうえで極めて重要です。 さらに、人事部門が支援するダイバーシティ・ネットワークを通じて、あらゆるダイバーシティを尊重し、インクルージョンを推進する職場文化を醸成しています。 世界20ヶ国以上の従業員を擁する当社グループの従業員は、国籍、文化、言語、信条、性別、年齢など、幅広いバックグラウンドを有しています。 当社グループは、DE&Iを取り入れることが、イノベーションと持続可能な成長を促進するものと信じています。 一人ひとりが活躍できる環境を整えることで、グローバルチームにおける個々人の潜在能力を最大限に引き出します。 (a) Renesas Cultureの推進 当社グループでは、変化の激しいビジネス環境において、全従業員がグローバルに価値を創造していくための指針「ルネサスカルチャー」を2020年に導入しています。 当社グループの5つの価値観「Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial」を体現する人材を育成するために、従業員がそれぞれの強みを伸ばし、可能性を最大限に発揮できるよう支援する人事施策を強化しています。 また、従業員が地域や組織の枠を超えて貢献できるような制度も導入しています。 当社グループでは、「ルネサスカルチャー」を従業員に定着させるため、2020年以降、全従業員を対象としたサーベイを年1回以上実施しています。 定期的にサーベイを行うことにより、その進捗状況を把握するとともに、改善すべき重要な点を特定し、そして、CEOによるリーダーシップのもと、より従業員のエンゲージメントを高めるための具体的な行動計画へとつなげております。 (b) グローバルに活躍できるリーダー人材の育成 当社グループは、会社の成長と安定を確保するため、将来のリーダーを継続的に育成しています。 当社グループの戦略は、重要な役割を果たす後継者の育成とキャリアアップを強化するためのリーダーシップ開発に重点を置いています。 当社グループ全体で、重要なポジションを特定のうえ、後継者を選抜し、タレントマネジメントを強化するために、それぞれに合った研修計画を策定しています。 (c) 従業員が主体的に学習する仕組み 日本では、自己啓発支援プログラムにより、100以上のスキルアップコース、専門技術セミナー、語学クラスから選択することで、従業員が自分のキャリアを形成できるようになっております。 また、多くの研修プログラムをオンライン化し、遠隔地にいる従業員も受講できるようにするとともに、これまで以上に柔軟に専門的知識を取得できる環境を実現します。 (d) 海外リモートワーク制度の推進 当社グループでは、海外リモートワーク(RWA)制度を導入しており、従業員が勤務国以外の国で、12ヶ月連続で最大30営業日まで働くことができる環境を提供しております。 (e) 公正な報酬 当社グループは、従業員が会社の成長への貢献に対して公正かつ衡平な報酬を受けられるよう最善を尽くしています。 当社グループは、従業員が良好な生活の質を維持できるよう、生活賃金を提供することを約束し、事業を展開している国の生活賃金水準の包括的な見直しを実施する予定です。 2025年12月までに、当社グループの報酬が一般的な生活賃金基準を満たしていることを証明できるようにするための戦略的計画を策定する予定です。 (f) 従業員リソースグループ(ERGs)およびダイバーシティ推進グループ(DPGs)の立ち上げ 当社グループでは、インクルーシブを促進し、ダイバーシティを尊重するために、従業員リソースグループ(ERGs)およびダイバーシティ推進グループ(DPGs)を立ち上げています。 当社グループでは、すべての従業員がダイバーシティに関する責任を負っていることを認識するとともに、多様な意見を理解し、尊重するためのオープンな対話を推奨しています。 毎年10月には、「ダイバーシティ推進月間」として各種イベントや活動を実施しています。 当連結会計年度においては、職場における無意識の偏見やジェンダーの固定観念、ウェルビーイングに関する17の意識的なインクルージョンを実践するためのイベントを実施しました。 2025年においては、人事のDE&Iチームは、これらのグループに体制・資金・パートナーシップへのアクセスを提供することで、これらのグループに力を与え、自立できるようにします。 これにより、これらのグループは、全社におけるDE&Iの優先事項と密接に連携しながら、自らの思い描いた変化を確実に推進できるよう、そのアイデアとイニシアチブを主導します。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社グループの事業その他に関するリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであります。 (1) 市況の変動 当社グループは、世界各国の景気循環、最終顧客の製品の需要の変化などに起因する、半導体市場の市況変動の影響を受けております。 当社グループでは、常に市況の動向を見極めながら事業活動を遂行しておりますが、その影響を完全に回避することは困難であるため、市況が下降した局面においては、製品需要の縮小、生産・在庫数量の増加および販売価格の低下を招く可能性があります。 その結果、当社グループの売上の減少や、工場稼働率の低下に伴う売上総利益率の悪化につながり、収益が悪化する可能性があります。 (2) 為替相場および金利の変動 当社グループは、世界各地域において様々な通貨を通じて事業活動を行っております。 当社グループは、為替変動のリスクをヘッジする取組みを行っておりますが、為替相場が大きく変動した場合、外貨建取引の売上高、外貨建の資材コスト、海外工場の生産コストなど当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。 また、当社の外貨建の資産・負債を日本円に換算表示すること、さらに、海外子会社における外貨表示の財務諸表を日本円に換算表示することによっても、当社グループの資産・負債および収益・費用は変動します。 また、金利の変動により、当社グループの事業運営に係る経費、資産および負債の価値が影響を受けるため、これにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (3) 自然災害など 地震、津波、台風、洪水などの自然災害、火災、停電、システム障害などの事故、テロ、戦争、感染症をはじめとした予測困難な事由が発生した場合、当社グループの事業活動が悪影響を受ける可能性があります。 特に、当社グループは、地震が発生する確率が世界の平均より高いと考えられる地域に重要な施設・設備を保有しており、地震の発生時に、その影響により当社グループの施設・設備が損傷を受け、操業を停止せざるを得ないなど、多くの損害が発生する可能性があります。 また、地震以外の自然災害、火災、停電、システム障害などの事故、テロ、戦争、感染症などによっても同様の事態が生じる可能性があります。 当社グループでは、こうしたリスクに備えて、各種事前対策、緊急対策などを定めたBCP(事業継続計画)などを策定・運用するとともに、各種保険に加入しておりますが、想定を上回る事態が発生する可能性は否定できず、それらの対策によっても、リスクを完全に回避することは困難であり、また、全ての損害を補填できるという保証もありません。 (4) 競争 半導体市場は熾烈な競合状態にあり、当社グループは、製品の性能、構成、価格、品質などの様々な面で、国内外の多くの同業他社との激しい競争に晒されております。 とりわけ、近年において、同業他社間による買収、統合、業務提携などが行われており、今後もその可能性がありますが、その結果、当社を取り巻く競争環境はさらに激化する可能性があります。 当社グループでは、競争力の維持強化に向けて、先端技術の設計、開発のプラットフォーム化、原価低減の推進、第三者との戦略的提携やさらなる企業買収の可能性の検討などの様々な施策に取り組んでおりますが、これらの施策を適時適切に行えなかった場合、製品のマーケットシェアが低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、熾烈な市場競争により、当社グループ製品の販売価格が急激な下方圧力に晒され、それを価格交渉や原価低減などの様々な収益性改善のための施策では補いきれずに、売上総利益率の悪化に見舞われる可能性があります。 さらに、売上総利益率が低い当社グループ製品について、顧客において他の製品への移行が困難または一定の期間を要する場合などには、当社グループは、適時に生産の中止・減少が行えない可能性があり、その結果、当社グループの収益性を低下させる可能性があります。 (5) 事業戦略の推進 当社グループは、急激に変化する経営環境下で、収益基盤を強化するため、中期成長戦略の策定、当社グループ内における組織体制の改編など様々な事業戦略および構造改革を遂行しております。 これらの事業戦略および構造改革には一定の費用が伴う一方で、経済・事業環境の変化、将来の不確実な要因、予期できない要因などにより、その遂行が困難になる可能性や当初計画していた効果を得られない可能性がある他、当初の見込みを上回る費用が発生する可能性があり、その結果、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) グローバルな事業展開 当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、潜在的な顧客と現地企業との間の長期に亘る関係などの障壁、投資、輸出入に関する制限、関税、公正な取引などの各種規制、各国の貿易政策の変更、貿易障壁および貿易摩擦の高まりを含む政治的・社会的・経済的リスク、疾病またはウイルスの流行または感染、為替変動、賃金水準の上昇、物流障害などの様々な要因により悪影響を受ける可能性があります。 その結果、当社グループは、グローバルな事業展開に関する当初の目的を達成できず、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 戦略的提携および企業買収 当社グループは、事業拡大や競争力の強化などを目的として、重要な技術や製品の研究開発、生産などの分野において、第三者との間で、共同出資関係を含む戦略的提携や企業買収を実施することがあり、例えば、2024年8月には、米国のソフトウェア企業で、豪州証券取引所に上場していたAltium社を買収しております。 しかしながら、今後も当社グループにとって適切な提携先・買収先候補が見つかるとは限らず、また、適切な提携先・買収先があった場合にも、当社にとって受入れ可能な条件で合意に至ることができない可能性があります。 また、提携先・買収先との合意に至った場合であっても、買収資金を調達できない可能性、提携先・買収先の株主承認等が得られない可能性、必要な許認可が取得できない可能性、法令その他の理由による制約が存在する可能性があり、買収を実行できる保証はありません。 さらに、当社グループでは、これらの提携や買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討していますが、事業遂行、技術、製品、人事、システム、関連当局の独占禁止法(競争法)への対応などの面で統合に時間と費用を要することに加え、資金調達、技術管理、製品開発などの経営戦略について提携先・買収先と不一致が生じたり、提携先・買収先において財務上その他の事業上の問題が生じた場合などに、提携関係・資本関係を維持できない、または買収時に想定していた投資回収や収益性を実現できなくなる可能性があります。 また、提携先・買収先の主要顧客や主要人員を維持・確保できないことなどにより、想定していたシナジーやメリットが実現できない可能性があるなど、提携や買収が当初の期待どおりの目的を達成できる保証はありません。 (8) 資金調達当社グループは、事業資金を金融機関からの借入や社債の発行などにより調達しておりますが、新製品を発売し、事業・投資計画を実行し、生産能力を拡張し、技術もしくはサービスを取得し、または負債を返済するため、将来、追加的に資金を調達しなければならない可能性があります。 半導体業界の事業環境の悪化、金融・証券市場の環境の悪化、貸手側の融資方針の変更などにより、当社グループが必要な資金を適時に調達できない、または資金調達コストが増加する可能性があることなどにより、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。 また、当社は、企業買収を実施する際の買収資金についても金融機関からの借入などにより調達する可能性があります。 例えば、当社は、2024年7月に、Altium社の買収資金に充当するため、金融機関との間で締結したシンジケートローン契約に基づき総額9,380億円の借入を実行し、その後、同年9月に、その一部である1,490億円につき、他の金融機関と締結したタームローン契約に基づき、借り換えを実行しました。 これらの金融機関からの借入などの実施により、当社は有利子債務を負担することになるところ、実施した借入について想定していた長期資金への切り替えができない場合や当初想定したキャッシュ・フローの創出が実現しない場合には、当社グループの財務内容が悪化し、信用格付けが引き下げられる可能性があり、その場合にも、資金調達コストの増加や、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。 なお、当社グループが金融機関と締結している借入に係る契約の一部には財務制限条項が定められております。 万一、当社グループの財務内容などの悪化により同条項に抵触し、上記借入について期限の利益を喪失する場合、当社グループの事業、業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 急速な技術革新など 当社グループが事業を展開している半導体市場は、急速な技術変化と技術標準の進展などを特徴としております。 そのため、当社グループがこうした変化について、研究開発などにより適切に対応できなかった場合、当社グループ製品の陳腐化、代替製品の出現などにより、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (10) 製品の生産 ① 生産工程 半導体製品は、非常に複雑な生産工程を経て生産されております。 当社グループは、歩留り(材料当たりの製品良品率)を改善するため、生産工程の適切な管理および改良に継続して取り組んでおりますが、この生産工程に何らかの問題が発生した場合は、歩留りの悪化による製品出荷の遅延や出荷数量の減少、最悪の場合は出荷停止の結果を招く可能性があります。 ② 原材料、部品、生産設備などの調達 半導体製品の生産にあたっては、その生産に必要となる原材料、部品、生産設備などを適時に調達する必要があります。 当社グループは、これらの調達に関連する問題の発生を回避するため、複数の供給者との緊密な関係構築に努めておりますが、原材料などの中には特定の供給者からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合や、供給者において自然災害や事故、テロ、戦争、経営状況の悪化、事業撤退などの事象が発生した場合、これらを適時に調達できず、また調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇する可能性があります。 また、調達した原材料や部品に欠陥が存在した場合、当社グループの生産工程に悪影響が生じる可能性や当社グループにおける追加の費用負担が発生する可能性があります。 ③ 外部への生産委託 当社グループは、半導体製品の生産の一部を外部のファウンドリ(受託生産専門会社)などに委託しております。 これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力などについて、あらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる会社を選定しておりますが、外注先の責による納入の遅延や製品の欠陥をはじめとした、生産面でのリスクが生じる可能性を否定できず、外注先の生産能力不足や自然災害による外注先の操業停止などにより、当社グループが十分な製品供給を行えない可能性があります。 ④ 適切な水準での生産能力の維持 半導体市場は市況変動の影響を受けやすく、また、将来の製品需要を正確に予測することは困難であるため、必ずしも当社グループの生産能力を製品需要と見合った適切な水準に維持できるとは限りません。 また、製造工場における火災、停電、システム障害などの事故の発生といった予期せぬ事由により、当社グループの生産能力が一定期間において大きく低下する可能性があり、さらに、生産能力増強のための設備投資を行う場合であっても、通常、実際に当社グループの生産能力の増強に寄与するまでには一定期間を要します。 そのため、特定の製品に関する需要が、ある時点における当社グループの生産能力を大幅に超過し、かかる需要超過の状態が継続した場合であっても、顧客が希望する製品供給を適時適切に行うことができず、当該製品に関する販売機会の喪失、競合他社製品への切り替えによるマーケットシェアの低下、当該顧客との関係悪化などを招く可能性があります。 他方、特定の製品に関する製品需要の高まりに応じて設備投資を行い、生産能力の増強を図った場合であっても、当該設備投資により実際に生産能力が増強される時点以降において当該製品に関する需要が維持される保証はなく、実際の製品需要が想定を下回った場合などにおいて当該設備投資について見込んだ収益による投資の回収が行えない可能性があります。 (11) 品質問題 当社グループでは、様々な施策を通じて、当社グループ製品の品質向上に取り組んでおりますが、これらの製品に用いられる技術の高度化、顧客における製品の使用方法の多様化、外部調達した原材料や部品における欠陥などにより、出荷時に発見できない欠陥、異常または故障が製品に存在する可能性があり、顧客への出荷後にそれらが発見される場合があります。 この場合、製品の返品や交換、損失の補償、製品の採用打ち切りなどの結果につながり、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 こうした事態に備えて、当社グループでは、生産物賠償責任保険(PL保険)、生産物回収費用保険(リコール保険)などの保険に加入しておりますが、それにより損失を全額補填できるという保証はありません。 (12) 製品の販売① 主要顧客への依存 当社グループは、当社グループ製品の顧客に対する売上高の多くを特定の主要顧客に依存しております。 これらの主要顧客が当社グループ製品の採用を中止し、または著しくその発注数量を減らした場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 ② 顧客固有の仕様に基づいた製品に係る顧客からの計画の変更など 当社グループは、顧客からその顧客固有の仕様に基づいた製品の開発を受注することがあります。 しかし、受注後に、発注元の顧客がその製品を搭載する予定であった最終製品の市場への投入を延期または中止した場合や、その製品の機能・性能が顧客の要求に満たない場合には、その製品の採用を中止する可能性があります。 また、顧客は、その製品を組み込んだ最終製品の売れ行きが芳しくない場合、その製品の発注数量を減少させ、または納入期日を延期することがあります。 こうした特定顧客向け製品に係る顧客からの製品計画の変更、発注の減少や延期などは、当社グループの売上や収益性を低下させる可能性があります。 ③ 販売特約店などへの依存 当社グループは、日本国内およびアジア地域では、多くの当社グループ製品を特定の主要な販売特約店などを通じて販売しております。 当社グループがこれらの販売特約店などに対して、競争力ある販売報奨金やマージンを提供できない場合または販売特約店などにとって適切な売上数量を確保できない場合、販売特約店などは当社グループ製品の販売体制縮小などの見直しを行い、その結果、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (13) 人材の確保 当社グループは、事業を展開していくうえで、経営、技術開発、営業その他において優秀な人材の確保に努めております。 しかしながら、こうした優秀な人材は限られているため、かかる人材を求める競争は熾烈であります。 そうした状況下で、当社グループが優秀な人材を確保することができない可能性があります。 (14) 確定給付制度債務 当社グループが計上している退職給付に係る資産や負債は、割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されております。 金利変動や株式市場の下落などにより、数理計算上の前提と実績に乖離が生じ、確定給付制度債務が増加もしくは年金資産が減少した場合、退職後給付制度における積立不足が増加し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (15) 設備投資と固定費比率 当社グループが営む半導体事業は、多額の設備投資を必要とする事業であり、当社グループは、継続的に設備投資を行っておりますが、かかる設備投資に伴い償却費用を負担する必要があります。 また、市場環境の変化に伴い需要が減少し、想定した販売規模を達成できない場合、あるいは供給過剰により製品の単価が下落した場合、こうした設備投資の一部または全部について、回収することができない、あるいは回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があり、その結果、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの費用の大部分は、上記の設備投資に伴う償却費用に加えて、工場の維持等に伴う生産コスト、研究開発費用といった固定費で占められているため、主要顧客からの受注の減少、製品需要の減少等による売上の減少や、工場稼働率の低下等が生じた場合であっても、それらの事象に対応した固定費の削減を行うことが困難であり、その結果、比較的小規模の売上の減少等が当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16) 固定資産の減損 当社グループは、工場設備などの有形固定資産に加えて、過去の企業買収に伴う多額ののれんなどの無形資産を含む多くの固定資産を保有しております。 これらの固定資産については、減損の兆候がある場合、固定資産から得られる将来のキャッシュ・フローによる資産の帳簿価額の回収可能性を検討しております。 その結果、当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合には、減損を認識しなければならない可能性があります。 (17) 情報システム 当社グループの事業活動において、情報システムの重要性が増大しております。 当社グループでは、情報システムの安定的運用に努めておりますが、自然災害、事故、コンピューターウイルス、不正アクセスその他の要因により情報システムに重大な障害が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (18) 情報管理 当社グループは、事業活動の遂行に関連して、多数の秘密情報や個人情報を有しております。 これらの情報については、法令や社内規則に基づき管理しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出するおそれがあり、そのような事態が生じた場合、営業秘密の流出による競争力の低下や、顧客の信用や社会的信用の低下を招き、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19) 法的規制 当社グループは、事業を展開する国および地域において、事業や投資の認可、独占禁止法(競争法)上の制限、輸出制限、関税、会計基準・税制、環境法令をはじめとする様々な規制の適用を受けております。 今後、法的規制の強化などに伴う事業活動の制約、コストの増加などにより、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。 当社グループは、法令遵守や財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用していますが、内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。 従って、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。 当社グループが法令等に違反した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分もしくは損害賠償請求の対象となり、または当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (20) 環境問題 当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けております。 当社グループは、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、環境問題に対して法的もしくは社会的責任を負う可能性があり、そのような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用負担が発生する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。 (21) 知的財産権 当社グループは、知的財産権の確保に努めておりますが、その国や地域などによっては知的財産権に対する十分な保護を得られない可能性があります。 また、当社グループ製品には第三者からライセンスを受けて開発・製造・販売しているものがありますが、今後、第三者から必要なライセンスを受けられない可能性や、ライセンスを受けられるとしても従前よりも不利な条件でしかライセンスを受けられない可能性があります。 さらに、当社グループの製品に係る知的財産権に関して、当社グループまたはその顧客が第三者から特許侵害訴訟等を提起され、その結果によっては、当社グループの当該製品が、一定の国・地域で製造・販売できなくなる可能性や、当社グループが第三者や当社グループの顧客に対して損害賠償責任を負う可能性があります。 (22) 法的手続 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.コミットメント及び偶発債務 (5)その他」に記載のとおりであります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 (1) 重要性がある会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。 この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針および将来に関する仮定および報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 (2) 財政状態の状況 (単位:億円) 前連結会計年度末(2023年12月31日)当連結会計年度末(2024年12月31日)前連結会計年度末比増(減)資 産 合 計31,67044,90413,234資 本 合 計20,05625,4235,367親会社の所有者に帰属する持分20,01625,3745,358親会社所有者帰属持分比率(%)63.256.5△6.7有 利 子 負 債6,67714,2287,551 D/Eレシオ(倍)0.330.560.23 当連結会計年度末の資産合計は44,904億円で、前連結会計年度末と比べ13,234億円の増加となりました。 これは、主にAltium社の買収によりのれん、無形固定資産が増加したことなどによるものであります。 資本合計は25,423億円で、前連結会計年度末と比べ5,367億円の増加となりました。 これは、自己株式の処分による増加、為替相場の変動による在外営業活動体の換算差額などのその他の資本の構成要素の増加、および当期利益により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。 親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比べ5,358億円増加し、親会社所有者帰属持分比率は56.5%となりました。 有利子負債は、主に借入金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ7,551億円の増加となりました。 これらの結果、D/Eレシオは0.56倍となりました。 (3) 経営成績の状況当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP」)およびIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。 Non-GAAP売上収益、Non-GAAP売上総利益ならびにNon-GAAP営業利益は、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益(以下それぞれ「IFRS売上収益」、「IFRS売上総利益」および「IFRS営業利益」)から、非経常的な項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであります。 当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しており、当社グループはNon-GAAPベースで予想値を開示しております。 具体的には、企業買収に伴い、認識した無形資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。 当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。 なお、当連結会計年度における組織変更に伴い、報告セグメントの集計方法について、従来の製品軸による集計方法から、売上収益を実際の用途に基づき集計する方法に変更しております。 これにより、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の集計方法に基づき作成したものを開示しております。 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。 (注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。 ① 当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)の業績(Non-GAAPベース)(単位:億円) 前連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)前期比増(減)Non-GAAP売上収益14,69713,485△1,212△8.2% 自動車6,6047,0284246.4% 産業・インフラ・IoT7,9936,368△1,626△20.3% Non-GAAP売上総利益(率)8,374(57.0%)7,563(56.1%)△812(△0.9pt)△9.7%― 自動車3,485(52.8%)3,678(52.3%)193(△0.4pt)5.5%― 産業・インフラ・IoT4,855(60.7%)3,858(60.6%)△997(△0.1pt)△20.5%―Non-GAAP営業利益(率)5,016(34.1%)3,979(29.5%)△1,037(△4.6pts)△20.7%― 自動車2,294(34.7%)2,225(31.7%)△69(△3.1pts)△3.0%― 産業・インフラ・IoT2,684(33.6%)1,734(27.2%)△950(△6.3pts)△35.4%―米ドル為替レート(円)14015111―ユーロ為替レート(円)15116413― (注)1 上記表の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。 2 為替レートは、収益・費用の換算に用いた各月のレートを平均したものであります。 当連結会計年度における業績は、以下のとおりであります。 (Non-GAAP売上収益)当連結会計年度のNon-GAAP売上収益は13,485億円となり、前連結会計年度と比べ1,212億円(8.2%)の減少となりました。 これは、主に円安効果、流通在庫拡充により自動車向け事業の売上収益が増加した一方、市場の軟化により、産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益が減少したことによるものであります。 (Non-GAAP売上総利益 (率)) 当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益は7,563億円となり、前連結会計年度と比べ812億円(9.7%)の減少となりました。 これは、上記のとおり産業・インフラ・IoT向け事業の売上収益の減少とそれに伴う工場の稼働率の減少、および収益性の高い産業・インフラ・IoT向け事業における売上減少による製品ミックスの悪化などによるものであります。 その結果、当連結会計年度のNon-GAAP売上総利益率は、56.1%となり、前連結会計年度と比べ0.9ポイントの減少となりました。 (Non-GAAP営業利益 (率))当連結会計年度のNon-GAAP営業利益は3,979億円となり、前連結会計年度と比べ1,037億円(20.7%)の減少となりました。 これは上記の売上総利益の減少および研究開発費の増加などによるものであります。 その結果、当連結会計年度のNon-GAAP営業利益率は、29.5%となり、前連結会計年度と比べ4.6ポイントの減少となりました。 当連結会計年度における各セグメントの業績は以下のとおりであります。 <自動車向け事業>自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。 当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。 当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP売上収益は7,028億円となり、前連結会計年度と比べ424億円(6.4%)の増加となりました。 これは、主に円安効果、流通在庫拡充に伴う増収などによるものであります。 当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP売上総利益は3,678億円となり、前連結会計年度と比べ193億円(5.5%)の増加となりました。 これは、主に売上収益の増加によるものであります。 当連結会計年度における自動車向け事業のNon-GAAP営業利益は2,225億円となり、前連結会計年度と比べ69億円(3.0%)の減少となりました。 これは、売上総利益の増加の一方、研究開発費が増加したことによるものであります。 <産業・インフラ・IoT向け事業>産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。 当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。 当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上収益は6,368億円となり、前連結会計年度と比べ1,626億円(20.3%)の減少となりました。 これは、円安効果があった一方、主に産業・IoT向け市場の軟化に伴う減収などによるものであります。 当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP売上総利益は3,858億円となり、前連結会計年度と比べ997億円(20.5%)の減少となりました。 これは、主に売上収益の減少などによるものであります。 当連結会計年度における産業・インフラ・IoT向け事業のNon-GAAP営業利益は1,734億円となり、前連結会計年度と比べ950億円(35.4%)の減少となりました。 これは、主に売上総利益の減少によるものであります。 当社グループは2020年2月17日に中期の戦略および財務モデルを公表しております。 当社グループでは、注力市場に経営資源を集中投下することで、Long-term targetとして市場を上回る売上成長率を実現し、生産効率の最適化、製品ミックスの改善および買収した企業との統合シナジーの発現を目指しております。 2024年5月16日には財務モデルを更新し、Non-GAAPベースで売上総利益率55%に、営業利益率30%とすることを目標に掲げました。 なお、中期の戦略および財務モデルで各目標は、提出日現在における当社グループの長期的な経営目標であり、その達成を保証するものではなく、「3 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスク要因その他外部環境等の変化により、その結果が左右される可能性があります。 ② Non-GAAP売上総利益からIFRS売上総利益、およびNon-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整 (単位:億円) 前連結会計年度(2023年1月1日~ 2023年12月31日)当連結会計年度(2024年1月1日~ 2024年12月31日)Non-GAAP売上総利益(率) 8,374(57.0%)7,563(56.1%)売上収益段階までの調整項目(注1)△3―無形資産および固定資産償却費△10△10株式報酬費用△15△28その他非経常的な項目および調整項目(注2)△3△26IFRS売上総利益(率)8,343(56.8%)7,498(55.6%) Non-GAAP営業利益(率)5,016(34.1%)3,979(29.5%)売上収益段階までの調整項目(注1)△3―無形資産および固定資産償却費△1,058△1,224株式報酬費用△233△363その他非経常的な項目および調整項目(注2)185△162IFRS営業利益(率)3,908(26.6%)2,230(16.5%) (注)1 PPA(取得原価の配分)実施に伴う調整であります。 2 その他非経常的な項目および調整項目には企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などが含まれております。 ③ 当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)の業績(IFRS) (単位:億円) 前連結会計年度(2023年1月1日~ 2023年12月31日)当連結会計年度(2024年1月1日~ 2024年12月31日)前期比増(減)売上収益14,69413,485△1,209△8.2%売上総利益(率)8,343(56.8%)7,498(55.6%)△845(△1.2pts)△10.1%―営業利益(率)3,908(26.6%)2,230(16.5%)△1,678(△10.1pts)△42.9%― ④ 生産、受注及び販売の状況当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品群であっても、その性能、構造、形式などは必ずしも一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、品目ごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため、生産、受注および販売の状況については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における売上収益のセグメントに関連付けて示しております。 なお、主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 関連する報告セグメント名 前連結会計年度 当連結会計年度金額 (百万円)比率(%)金額 (百万円)比率(%)萩原エレクトロニクス㈱自動車および産業・インフラ・IoT126,9608.6171,37512.7WT MicroelectronicsCo.,Ltd.自動車および産業・インフラ・IoT81,7875.6170,95412.7 (注)上表金額には消費税等を含んでおりません。 (4) キャッシュ・フローの状況 (単位:億円) 前連結会計年度(2023年1月1日~ 2023年12月31日)当連結会計年度(2024年1月1日~ 2024年12月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー4,9663,405投資活動によるキャッシュ・フロー△2,675△12,841フリー・キャッシュ・フロー2,291△9,436財務活動によるキャッシュ・フロー△1,8126,773現金及び現金同等物の期首残高3,3614,347現金及び現金同等物の期末残高4,3472,292 (注)フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,405億円の収入となりました。 これは主として、税引前利益を2,638億円計上したこと、および減価償却費などの非資金項目を調整したことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、12,841億円の支出となりました。 これは主として、Altium社やTransphorm社の株式を取得したこと、Wolfspeed, Inc.への貸付による支出および有形固定資産や無形資産の取得による支出などによるものであります。 この結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは、9,436億円の支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、6,773億円の収入となりました。 これは主として、Altium社の買収に必要な資金の調達を目的として主要取引先銀行から新たに借入を行ったことなどによるものであります。 (5) 流動性および資金の源泉当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、および健全なバランスシートを維持することを基本方針としております。 当社は、旧IDT社の買収に必要な資金の調達、および中長期的な運転資金の確保を目的とした既存借入金の借り換えのため、2019年1月15日付で主要取引銀行である㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総額8,970億円のシンジケートローン契約を締結しました。 このうち、2019年3月に6,980億円の実行可能期間付タームローンの借入を実行しました。 また、2019年6月に既存のタームローンの借入の一部を返済するとともに、1,490億円のタームローンの借入を実行し、2024年6月に全額返済しました。 また、2024年3月に、2019年1月15日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする300億円の短期借入を実行し、2024年6月に全額返済しました。 当社は、2021年8月31日付で、Dialog社の買収に必要な資金を調達するため、㈱三菱UFJ銀行および㈱みずほ銀行から総借入額2,700億円のタームローンの借入を実行しました。 また、2021年12月23日付で、既存借入2,700億円のうち、既に返済済みの300億円を除いた2,400億円について、中長期性の資金に借り換えることを目的として、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行および三井住友信託銀行㈱等との間で、総借入額960億円のシンジケートローン契約を締結し、㈱国際協力銀行との間で、総借入額1,440億円のJBICローン契約を締結しました。 これらの契約に基づいて、2021年12月30日に総額2,400億円の借入を実行しました。 当社は、2021年11月19日付で、複数トランシェによる米ドル建無担保普通社債の発行を決定し、2024年満期米ドル建無担保普通社債500百万米ドルおよび2026年満期米ドル建無担保普通社債850百万米ドルを発行し、総額1,350百万米ドルの資金を調達しました。 また、2024年11月に、2024年満期米ドル建無担保普通社債500百万米ドルを償還しました。 当連結会計年度末における当社債の残高の円換算額は1,343億円となっております。 また、2022年6月28日付で、今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的として、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店との間で、総額200百万米ドルのタームローン契約を締結し、2022年6月30日付で、㈱三菱UFJ銀行との間で、総額200億円のタームローン契約を締結しました。 これらの契約に基づいて、2022年6月30日に総額471億円の借入を実行しました。 当社は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱との間で、2024年6月25日付でタームローン契約を締結し、2024年6月28日に2,500億円の借入を実行しました。 また、Altium社の買収に必要な資金を調達するため、当社は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱、他5金融機関との間で、2024年5月30日付でローン契約を締結し、2024年7月24日に総借入額7,880億円の借入を実行しました。 当社は、㈱国際協力銀行との間で、2024年9月30日付でJBICローン契約を締結し、2024年9月30日に1,490億円の借入を実行しました。 また、2024年5月30日付ローン契約に基づいて、2024年7月に、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行を借入先とする1,500億円の短期借入を実行し、2024年9月に全額返済しました。 当連結会計年度末における借入金の残高は1兆2,664億円となっております。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,292億円となっております。 (6) オフバランス取引当社グループは、資産効率を高めるために、特定の売上債権等の流動化を適宜行っております。 当連結会計年度末における流動化残高は80億円であります。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 当社グループの事業遂行上、重要な契約とその内容は、次のとおりであります。 (1) 技術援助契約およびこれに類する契約契約および相手方の名称契約締結日契約の概要① Texas Instruments Incorporatedとの特許クロスライセンス契約2011年3月2日半導体に係る特許権のクロスライセンス(子会社を含む。 )② Arm Limitedからの技術導入契約2015年12月22日半導体の設計に係る技術の導入 (2) 借入契約借入先契約締結日契約の概要① ㈱三菱UFJ銀行 ㈱みずほ銀行 三井住友信託銀行㈱等2021年12月23日既存借入れについて中長期性の資金に借換えることを目的とした総額276億円のシンジケートローン② ㈱国際協力銀行2021年12月23日既存借入れについて中長期性の資金に借換えることを目的とした総額415億円のタームローン③ バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エ イ東京支店2022年6月28日今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的とした総額154百万米ドルのタームローン④ ㈱三菱UFJ銀行2022年6月30日今後の事業展開における資金需要への対応、運転資金の柔軟な調達手段の確保を目的とした総額154億円のタームローン⑤ ㈱三菱UFJ銀行 ㈱みずほ銀行 三井住友信託銀行㈱等2024年5月30日買収に必要な資金の調達を目的とした総借入限度額7,683億円のシンジケートローン⑥ ㈱三菱UFJ銀行 ㈱みずほ銀行 三井住友信託銀行㈱2024年6月25日中長期的な資金として既存借入金の借り換えと、運転資金の確保、財務基盤の安定性向上に向け、機動的な資金調達手段の確保を目的とした総額4,000億円のシンジケートローン(タームローン総額2,500億円および総借入限度額1,500億円のコミットメントライン)⑦ ㈱国際協力銀行2024年9月30日買収資金の一部借り換えを目的とした総額1,453億円のタームローン |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 (1) 研究開発活動の体制および方針当社グループの研究開発活動は、現在から近い将来にかけて必要とされるデバイス、ソフトウェアおよびシステムなどの開発において、自動車向け製品、産業・インフラ・IoT向け製品を、それぞれを担当する事業本部(注)が担当して取り組んでおります。 デバイス・プロセス技術、実装技術、設計基盤・テスト手法などの部門横断的な共通技術については、各事業本部と生産本部とが協力しながら担当する体制としてまいりました。 加えて、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。 家電製品や自動車などあらゆるモノがネットワークに繋がり、相互に情報交換しサービスが提供される超スマート社会では、これまで当社が強みとしてきたマイコンやSoCといったデジタル製品が担う演算機能、アナログ製品が得意とする人の目・耳・鼻などに相当するセンシング機能、さらにパワー製品が得意とするモータ等を動かすためのアクチュエータ機能が有機的に繋がり連携する必要があります。 当社グループは、センシングからアクチュエータ機能まで幅広くサポートするための製品ポートフォリオを拡充し、アナログ製品とデジタル製品を組み合わせたソリューション(ウィニング・コンビネーションと呼称)を強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウェアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を行うことにより注力する市場での成長を実現していきます。 (注)当社グループは、2024年1月1日付で組織体制の変更を発表し、技術分野に基づく4プロダクトグループを発足しております。 (2) 主な研究開発の成果 ① 最先端の3nmプロセス技術を採用した車載用マルチドメインSoC 「R-Car X5H」を発表当社グループは、第5世代R-Carシリーズの第一弾製品として、ADAS、IVI、ゲートウェイなど多用途に対応する車載用SoC「R-Car X5H」を発表しました。 本製品は、最先端の3nmプロセス技術を採用し、業界最高レベルの高性能と低消費電力化を実現しています。 ユーザは、セントラルコンピューティングECU(電子制御ユニット)に本製品を使用することで、将来を見据えた効率的なシステム開発が可能です。 また、本製品は、最大400 TOPS(注1)のAIアクセラレータと最大4TFLOPS(注2)のGPU(画像処理用半導体)を搭載し、従来製品と比べて、性能が大幅に向上しています。 さらに、半導体の相互接続に関する標準規格UCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)とAPI(注3)を提供することで、チップレット(注4)のチップ間の接続や他社製半導体との相互運用性を確保しています。 これにより、ユーザはシステムを柔軟に設計・カスタマイズし、製品開発のプラットフォーム全体の性能向上や将来的なアップグレードに対応できます。 本製品は、2025年上期を目処に一部の自動車顧客向けにサンプル出荷を開始し、2027年下期頃に量産を開始する予定です。 当社グループは、次世代の自動車技術の進展を見据えて、最先端かつ多様な性能・機能を有する製品・ソリューションを提供することにより、安心・安全なクルマ社会と自動車の早期開発に繋がる「シフトレフト」の実現に向けて、業界をリードしていきます。 (注)1.TOPS:コンピュータの処理速度を表す単位の一つで、1秒間に実行できる演算回数を1兆回単位で表したものです。 2.TFLOPS:コンピュータの処理速度を表す単位の一つで、1秒間に実行できる浮動小数点演算の回数を1兆回単位で表したものです。 3.API:Application Programming Interfaceの略称で、ソフトウェア、プログラム等を繋ぐインタフェースです。 4.チップレット:複数の小さな半導体チップを組み合わせて単一のパッケージに組み込む技術で、規模回路と同等の機能を実現することができます。 ② データセンタ向けに業界初の第2世代DDR5 MRDIMM用メモリインタフェースチップセットを発表 近年、AIやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)をはじめとするデータセンタの用途において、膨大なデータを高速かつ効率的に処理することが求められており、その中でも特に、コンピュータに使用されるメモリの最新規格「DDR5」は、より高速なデータ転送速度と低消費電力を実現する規格の一つとして、国内外で普及しています。 そして、第2世代DDR5 MRDIMM(マルチプレックスランクDIMM)の転送速度は最大毎秒12.8ギガバイトで、そのメモリ帯域幅は第1世代の1.35倍に拡大しています。 このようなニーズに対応するため、当社グループは、データセンタ向けに最適化された次世代のメモリモジュールとして、業界で初めて、第2世代DDR5サーバ用MRDIMM向けにトータルメモリインタフェースチップセットを発表しました。 本製品は、MRCD(マルチプレックス・レジスタード・クロックドライバ)、MDB(マルチプレックス・データバッファ)およびPMIC(パワーマネジメントIC)から構成され、第1世代より約45%もの消費電力を削減でき、優れた電力効率も実現しています。 これらにより、本製品を使用するデータセンタの効率性と処理能力を大幅に向上することができます。 当社グループでは、DDR5用温度センサなども既に提供しており、ユーザは本製品と組み合わせて使用することで、高性能なデータセンタを効率的に構築・開発できます。 当社グループは、これからもCPUやメモリのプロバイダをはじめとする業界のリーディング企業と連携し、ハイパフォーマンスシステムのトレンドの最先端で次世代の技術・仕様を開発していきます。 ③ 独自開発の32ビットRISC-V CPUコアを搭載した第一弾マイコンを発売 当社グループは、独自開発の32ビットRISC-V CPUコアを搭載した汎用マイコン「R9A02G021」を発表し、量産を開始しました。 RISC-Vはオープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)を採用しており、近年、多くのマイコンメーカーがRISC-V製品の開発を推進しています。 当社グループでは、この分野でいち早く同技術を実現する独自のRISC-V CPUコアを開発し、テストを重ね、マイコン製品として市場に投入しました。 また、必要な開発環境や量産体制も整備し、今回の市場投入に至りました。 これにより、ユーザは、IoT機器や産業機器などの幅広い用途において、消費電力とコストを重視して製品開発する際に、RISC-Vを有力な選択肢の一つとして活用でき、当社グループとそのパートナー企業が提供する開発環境とあわせて本製品を利用すれば、開発工数やコストの削減が可能となります。 本製品は、最大48MHzの動作周波数という高い性能を持ちながら、スタンバイ時の消費電力が0.3µAという非常に低い電力設計を実現しています。 また、128キロバイトの高速フラッシュメモリや16キロバイトのSRAM、4キロバイトのデータ保存用フラッシュメモリを搭載しており、マイナス40℃から125℃までの広範な温度環境でも安定して動作することができます。 さらに、A/DコンバータとD/Aコンバータを内蔵し、標準的なシリアル通信インタフェースを備えているため、センサやディスプレイなどの外部モジュールと、迅速かつ確実に接続することが可能です。 当社グループのRISC-Vマイコンは、省電力でコストパフォーマンスに優れた幅広い製品に対応する革新的な選択肢をユーザに提供するものであり、当社グループは、本製品に続き、RISC-V CPUコアを搭載したマイコンを増やしていく予定です。 (3) 研究開発費当社グループでは開発費の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。 無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費は2,498億円となり、前連結会計年度の2,335億円と比べ164億円増加しました。 これは主に、製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。 なお、当社グループの研究開発は、大半が自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係るものであるため、セグメントごとの記載は省略しております。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループの当連結会計年度の設備投資額(投資決定ベース)は、900億円であります。 主な投資内容としては、スプリットゲート構造の新プロセスを採用した高耐圧MOSFET製造ラインの構築、設計開発拠点の統廃合、ITインフラの更新、生産拠点における生産設備の刷新などであります。 なお、当該設備投資については自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方にて使用しており、各セグメントに厳密に配賦することが困難なため、セグメントごとの設備投資については省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当連結会計年度末における当社グループの主要な設備は、次のとおりであります。 (1) 提出会社事業所名(所在地)関連する報告セグメント名設備の内容帳簿価額(百万円) (注)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具・工具 、器具及び備品土地(面積㎡)その他合計那珂事業所(茨城県ひたちなか市)自動車、産業・インフラ・IoT半導体生産設備9,06332,0022,985(160,336)19,35963,409270武蔵事業所(東京都小平市)自動車、産業・インフラ・IoT 半導体研究開発設備5,92316,9187,133(56,268)1,15831,1323,534川尻事業所(熊本県熊本市)自動車、産業・インフラ・IoT半導体生産設備10,7566,0653,375(154,296)10,38430,58068 (注)那珂事業所、川尻事業所は連結子会社ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング㈱に操業を委託しております。 (2) 海外子会社会社名(所在地)関連する報告セグメント名設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具・工具 、器具及び備品土地(面積㎡)その他合計ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社(アメリカ カリフォルニア州他)自動車、産業・インフラ・IoT半導体生産設備20,86621,8893,766(566,445)6,30652,8271,901 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループの主要な設備の新設、除却などの計画については、需要動向や投資効率などを総合的に勘案して策定しております。 当社グループが属する半導体業界では事業環境が短期間に大きく変化するという特徴があり、通期の業績予想について信頼性の高い数値を的確に算出することが困難であることから、四半期ごとの連結業績予想を開示しております。 そのため、翌連結会計年度における設備投資に関する具体的な計画については開示しておりませんが、2025年第1四半期における投資額は、約135億円を予定しており、主な投資内容は生産拠点の生産設備の刷新や設計開発の強化に係るものになります。 なお、当該設備投資については自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方にて使用しており、各セグメントに厳密に配賦することが困難なため、セグメントごとの設備投資については省略しております。 |
研究開発費、研究開発活動 | 249,800,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 90,000,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 49 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 23 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,099,472 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準および考え方当社は、投資株式について、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する投資株式を純投資である投資株式、それ以外の目的で保有する投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(a) 保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会における検証の内容当社は、純投資目的以外の目的である投資株式の保有について、共同開発等の業務提携や取引関係の維持・強化等の観点から企業価値向上に資すると判断した投資株式のみ保有する方針としております。 また、毎年、取締役会において、銘柄ごとに保有目的、取引の状況、財務状況、保有に伴うリターン(関連事業上の便益を含む)およびリスク等を総合的に勘案のうえ、継続保有の合理性および株式数等を検証しております。 (b) 銘柄数および貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式83,064非上場株式以外の株式1443 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式30非上場株式以外の株式1443 (c) 特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果および株式が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)Sequans Communications S.A.789,9021,974,755出資先はセルラーIoTのチップセットやモジュールを提供する半導体企業であり、IoT分野の開発、知見の強化を目的として保有しております。 また、2022年には製品の安定供給、出資先の持つ5G技術を搭載した製品ラインアップの拡充とそれを通じた競争力の強化等を企図して少額出資を実施し、相互協力関係の強化を図りました。 知見の強化、事業機会の獲得等を目的に保有しております。 無443799 (注)保有株式に関する定量的な保有効果の算出は困難ですが、当社は、毎年の取締役会において、個別の投資株式に関する保有目的、取引の状況、財務状況、保有に伴う便益(関連事業上の便益を含む)、リスク等を総合的に勘案のうえ、保有の合理性を検証しております。 みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 8 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,064,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 443,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 443,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 789,902 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 443,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | Sequans Communications S.A. |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年12月31日現在氏名または名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号258,693,00014.39 ㈱日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号105,635,0005.87 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人㈱みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南二丁目15番1号)77,786,1144.32 トヨタ自動車㈱愛知県豊田市トヨタ町1番地75,015,9004.17 ㈱デンソー愛知県刈谷市昭和町一丁目175,015,8254.17 JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人㈱みずほ銀行)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南二丁目15番1号)54,899,2423.05 GIC PRIVATE LIMITED - C(常任代理人㈱三菱UFJ銀行)168 ROBINSON ROAD #37-01 CAPITAL TOWER SINGAPORE 068912(東京都千代田区丸の内一丁目4番5号)48,496,0132.69 STATE STREET BANK WEST CLIENT-TREATY 505234(常任代理人㈱みずほ銀行)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号)35,280,6081.96 THE BANK OF NEW YORK MELLON 140040(常任代理人㈱みずほ銀行)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY 10286, U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号)33,661,7581.87 JP MORGAN CHASE BANK 385864(常任代理人㈱みずほ銀行)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南二丁目15番1号)29,476,1001.64計-793,959,56044.17 (注) 1 上記のほか、当社は、自己株式73,486,312株を保有しています。2 持株比率は、自己株式73,486,312株を除いて算出しています。3 持株比率は、小数点第3位以下を切り捨てて表示しています。4 ブラックロック・ジャパン㈱から、2024年9月4日付で、BlackRock(Netherlands)BV、BlackRock Fund Managers Limited、BlackRock (Luxembourg)S.A.、BlackRock Asset Management Ireland Limited、BlackRock Fund Advisors、BlackRock Institutional Trust Company, N.A.およびBlackRock Investment Management (UK) Limitedを共同保有者とする大量保有報告書が提出され、2024年8月30日(報告義務発生日)現在、以下のとおり各社共同で126,632,001株(総議決権数に対する所有議決権数の割合:6.77%)の当社株式を保有している旨の報告がありましたが、当社としては、2024年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は、以下のとおりであります。氏名または名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)ブラックロック・ジャパン㈱東京都千代田区丸の内一丁目8番3号30,280,8001.62BlackRock (Netherlands)BVオランダ王国 アムステルダム HA1096 アムステルプレイン 13,594,6750.19BlackRock Fund Managers Limited英国 ロンドン市 スログモートン・アベニュー 125,678,9480.30BlackRock (Luxembourg) S.A.ルクセンブルク大公国 L-1855 J.F.ケネディ通り 35A13,836,2000.74BlackRock Asset Management Ireland Limitedアイルランド共和国 ダブリン ボールスブリッジ ボールスブリッジパーク 2 1階17,194,3940.92BlackRock Fund Advisors米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 ハワード・ストリート 40032,225,6001.72BlackRock Institutional Trust Company, N.A.米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 ハワード・ストリート 40021,395,9201.14BlackRock Investment Management (UK) Limited英国 ロンドン市 スログモートン・アベニュー 122,425,4640.13 5 FMR LLCから、2024年12月6日付で、National Financial Services LLCを共同保有者とする大量保有報告書が提出され、2024年11月29日(報告義務発生日)現在、以下のとおり各社共同で67,729,594.61株(総議決権数に対する所有議決権数の割合:3.62%)の当社株式を保有している旨の報告がありましたが、当社としては、2024年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は、以下のとおりであります。氏名または名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)FMR LLC米国 02210 マサチューセッツ州ボストン、サマー・ストリート24567,644,240.323.62National Financial Services LLC米国 02210 マサチューセッツ州ボストン、シーポート・ブルバード 20085,354.290.00 |
株主数-金融機関 | 55 |
株主数-金融商品取引業者 | 57 |
株主数-外国法人等-個人 | 844 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 1,038 |
株主数-個人その他 | 111,714 |
株主数-その他の法人 | 854 |
株主数-計 | 114,562 |
氏名又は名称、大株主の状況 | JP MORGAN CHASE BANK 385864(常任代理人㈱みずほ銀行) |
株主総利回り | 3 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式88197,607当期間における取得自己株式―― (注)当期間における取得自己株式には、2025年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
Audit
監査法人1、連結 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年3月26日ルネサスエレクトロニクス株式会社取締役会 御中PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士加 藤 正 英 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士近 藤 仁 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士新 保 智 巳 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているルネサスエレクトロニクス株式会社の2024年1月1日から2024年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、ルネサスエレクトロニクス株式会社及び連結子会社の2024年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんの減損評価(【連結財務諸表注記】 15.非金融資産の減損損失)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応半導体専業メーカーである会社は、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売及びサービスを行っている。 その事業は「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、会社は注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、会社が保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進している。 このような環境において、会社は主として、2017年2月に米国Intersil Corporation、2019年3月に米国Integrated Device Technology, Inc.、2021年8月に英国Dialog Semiconductor Plc、2024年8月に米国Altium Limited(以下、「Altium社」という)を買収し、これらの買収に伴うのれんを企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位に配分して計上している。 会社は、2024年12月31日現在、のれん2,256,169百万円を計上しており、このうち「自動車向け事業」に398,446百万円、「産業・インフラ・IoT向け事業」に1,857,723百万円が配分されている。 当該金額は連結総資産額の50%に相当する。 会社はのれんについて、各連結会計年度の一定の時期、及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施している。 会社は、当該のれんを含む資金生成単位における回収可能価額を、使用価値により測定している。 使用価値は、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を用いて算定しており、将来キャッシュ・フローは、経営者によって承認された今後5年の事業計画とその後の期間における永久成長率を基礎として見積っている。 使用価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画における売上総利益率並びに永久成長率及び割引率である。 当監査法人は、のれんが連結財務諸表全体に対して重要であること、また、のれんの減損テストは複雑であり、売上総利益率並びに永久成長率及び割引率の見積りについては不確実性の程度が高く、経営者の重要な判断が必要であることから、のれんの減損評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」の資金生成単位に配分されたのれんについて減損評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● 事業計画の作成及び承認に関する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 ● 経営者が承認した事業計画について主に以下の手続を実施した。 ・ 経営者が事業計画策定に用いた売上総利益率を過去実績と比較するなどの手続により検証した。 ・ 過年度の減損評価の検討において利用された事業計画における売上総利益率と実績値を比較し、実績と計画との乖離の理由を検討し、当期の計画に追加で反映すべき状況がないことを確かめた。 ● 回収可能価額の算定に用いられた永久成長率及び割引率の検証にあたり、評価の専門家を利用して主に以下の手続を実施した。 ・ 経営者が採用した永久成長率及び割引率の決定方法について妥当性を評価した。 ・ 割引率と永久成長率の算定にあたって利用さ れた基礎資料を入手し、外部データベース情報との突合などにより検証した。 経営者が算出した回収可能価額について、その合計を会社の株式時価総額と比較した。 Altium社との企業結合に関連して取得した技術資産の測定(【連結財務諸表注記】 7.企業結合)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応半導体専業メーカーである会社は、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売及びサービスを行っている。 その事業は「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、会社は注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、会社が保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進している。 このような環境において、会社は、デジタライゼーション戦略の推進として、Altium社の発行済株式の全てを2024年8月1日に918,864百万円で取得した。 本企業結合はIFRS第3号「企業結合」上の企業結合に該当し、移転された対価の取得日公正価値と、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日公正価値の正味の金額との差額はのれんとして会計処理する。 会社は、当連結会計年度において本企業結合における本会計処理の測定を取得日から1年以内である当期末に完了させている。 取得した識別可能な資産のうち主なものは技術資産であり、本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値は284,278百万円である。 なお、会社は、本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値について、超過収益法により、既存技術から得られると見積られる将来キャッシュ・フローから、運転資本、固定資産等の貢献資産に期待される将来キャッシュ・フローを控除した残余利益の現在価値によって算定している。 技術資産の取得日公正価値の算定は、整合性のある多くのインプット・データに基づき行われる必要があるため複雑性が高く、Altium社の将来事業計画、将来事業計画以降の成長率及び割引率の決定には見積りの不確実性の程度が高く、経営者の重要な判断を伴う。 また、当該見積りの監査手続の実施にあたり評価に関する専門家の関与が必要であった。 加えて、本企業結合に関連して取得した技術資産の重要性が高いことから、当監査法人は、本企業結合に関連して取得した技術資産の測定について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、本企業結合に関連して取得した技術資産の測定の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● 取引の概要や目的の理解を行うため、経営者に質問するとともに、取締役会議事録や主要な契約書等、関連資料の閲覧を行った。 ● 本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値の測定に係るモデルが目的に照らして適切であるかどうか、利用された仮定が合理的であるか、利用された基礎データの信頼性を検討した。 これらの検討にあたり、以下を含む手続を実施した。 ▪ Altium社の将来事業計画に含まれる成長率に ついて、過年度の実績及び外部機関による市場成長率予測との比較を行った。 ▪ Altium社の将来事業計画以降の成長率について、基礎となっているインプット・データの合理性を確かめた。 ▪ 評価の専門家を利用して以下を含む手続を実施した。 ・ 技術資産に対する割引率の基礎となっている加重平均資本コストの計算に用いられたインプット・データの合理性を確かめた。 さらに割引率が、加重平均資本コストを踏まえて合理的に決定されていることを確かめた。 ・ 技術資産の公正価値について監査人が合理的と考える許容範囲を設定し、会社の見積額が許容範囲と整合していることを確かめた。 ● 取得した識別可能な無形資産とのれんの合計に対する技術資産の割合について、同業他社の企業結合における事例との比較を行った。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、ルネサスエレクトロニクス株式会社の2024年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、ルネサスエレクトロニクス株式会社が2024年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、第4 【提出会社の状況】 に含まれる4【コーポレート・ガバナンスの状況等】 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 のれんの減損評価(【連結財務諸表注記】 15.非金融資産の減損損失)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応半導体専業メーカーである会社は、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売及びサービスを行っている。 その事業は「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、会社は注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、会社が保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進している。 このような環境において、会社は主として、2017年2月に米国Intersil Corporation、2019年3月に米国Integrated Device Technology, Inc.、2021年8月に英国Dialog Semiconductor Plc、2024年8月に米国Altium Limited(以下、「Altium社」という)を買収し、これらの買収に伴うのれんを企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位に配分して計上している。 会社は、2024年12月31日現在、のれん2,256,169百万円を計上しており、このうち「自動車向け事業」に398,446百万円、「産業・インフラ・IoT向け事業」に1,857,723百万円が配分されている。 当該金額は連結総資産額の50%に相当する。 会社はのれんについて、各連結会計年度の一定の時期、及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施している。 会社は、当該のれんを含む資金生成単位における回収可能価額を、使用価値により測定している。 使用価値は、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を用いて算定しており、将来キャッシュ・フローは、経営者によって承認された今後5年の事業計画とその後の期間における永久成長率を基礎として見積っている。 使用価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画における売上総利益率並びに永久成長率及び割引率である。 当監査法人は、のれんが連結財務諸表全体に対して重要であること、また、のれんの減損テストは複雑であり、売上総利益率並びに永久成長率及び割引率の見積りについては不確実性の程度が高く、経営者の重要な判断が必要であることから、のれんの減損評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」の資金生成単位に配分されたのれんについて減損評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● 事業計画の作成及び承認に関する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 ● 経営者が承認した事業計画について主に以下の手続を実施した。 ・ 経営者が事業計画策定に用いた売上総利益率を過去実績と比較するなどの手続により検証した。 ・ 過年度の減損評価の検討において利用された事業計画における売上総利益率と実績値を比較し、実績と計画との乖離の理由を検討し、当期の計画に追加で反映すべき状況がないことを確かめた。 ● 回収可能価額の算定に用いられた永久成長率及び割引率の検証にあたり、評価の専門家を利用して主に以下の手続を実施した。 ・ 経営者が採用した永久成長率及び割引率の決定方法について妥当性を評価した。 ・ 割引率と永久成長率の算定にあたって利用さ れた基礎資料を入手し、外部データベース情報との突合などにより検証した。 経営者が算出した回収可能価額について、その合計を会社の株式時価総額と比較した。 Altium社との企業結合に関連して取得した技術資産の測定(【連結財務諸表注記】 7.企業結合)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応半導体専業メーカーである会社は、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売及びサービスを行っている。 その事業は「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、会社は注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、会社が保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進している。 このような環境において、会社は、デジタライゼーション戦略の推進として、Altium社の発行済株式の全てを2024年8月1日に918,864百万円で取得した。 本企業結合はIFRS第3号「企業結合」上の企業結合に該当し、移転された対価の取得日公正価値と、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日公正価値の正味の金額との差額はのれんとして会計処理する。 会社は、当連結会計年度において本企業結合における本会計処理の測定を取得日から1年以内である当期末に完了させている。 取得した識別可能な資産のうち主なものは技術資産であり、本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値は284,278百万円である。 なお、会社は、本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値について、超過収益法により、既存技術から得られると見積られる将来キャッシュ・フローから、運転資本、固定資産等の貢献資産に期待される将来キャッシュ・フローを控除した残余利益の現在価値によって算定している。 技術資産の取得日公正価値の算定は、整合性のある多くのインプット・データに基づき行われる必要があるため複雑性が高く、Altium社の将来事業計画、将来事業計画以降の成長率及び割引率の決定には見積りの不確実性の程度が高く、経営者の重要な判断を伴う。 また、当該見積りの監査手続の実施にあたり評価に関する専門家の関与が必要であった。 加えて、本企業結合に関連して取得した技術資産の重要性が高いことから、当監査法人は、本企業結合に関連して取得した技術資産の測定について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、本企業結合に関連して取得した技術資産の測定の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● 取引の概要や目的の理解を行うため、経営者に質問するとともに、取締役会議事録や主要な契約書等、関連資料の閲覧を行った。 ● 本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値の測定に係るモデルが目的に照らして適切であるかどうか、利用された仮定が合理的であるか、利用された基礎データの信頼性を検討した。 これらの検討にあたり、以下を含む手続を実施した。 ▪ Altium社の将来事業計画に含まれる成長率に ついて、過年度の実績及び外部機関による市場成長率予測との比較を行った。 ▪ Altium社の将来事業計画以降の成長率について、基礎となっているインプット・データの合理性を確かめた。 ▪ 評価の専門家を利用して以下を含む手続を実施した。 ・ 技術資産に対する割引率の基礎となっている加重平均資本コストの計算に用いられたインプット・データの合理性を確かめた。 さらに割引率が、加重平均資本コストを踏まえて合理的に決定されていることを確かめた。 ・ 技術資産の公正価値について監査人が合理的と考える許容範囲を設定し、会社の見積額が許容範囲と整合していることを確かめた。 ● 取得した識別可能な無形資産とのれんの合計に対する技術資産の割合について、同業他社の企業結合における事例との比較を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | Altium社との企業結合に関連して取得した技術資産の測定(【連結財務諸表注記】 7.企業結合) |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 半導体専業メーカーである会社は、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売及びサービスを行っている。 その事業は「自動車向け事業」及び「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、会社は注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、会社が保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進している。 このような環境において、会社は、デジタライゼーション戦略の推進として、Altium社の発行済株式の全てを2024年8月1日に918,864百万円で取得した。 本企業結合はIFRS第3号「企業結合」上の企業結合に該当し、移転された対価の取得日公正価値と、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日公正価値の正味の金額との差額はのれんとして会計処理する。 会社は、当連結会計年度において本企業結合における本会計処理の測定を取得日から1年以内である当期末に完了させている。 取得した識別可能な資産のうち主なものは技術資産であり、本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値は284,278百万円である。 なお、会社は、本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値について、超過収益法により、既存技術から得られると見積られる将来キャッシュ・フローから、運転資本、固定資産等の貢献資産に期待される将来キャッシュ・フローを控除した残余利益の現在価値によって算定している。 技術資産の取得日公正価値の算定は、整合性のある多くのインプット・データに基づき行われる必要があるため複雑性が高く、Altium社の将来事業計画、将来事業計画以降の成長率及び割引率の決定には見積りの不確実性の程度が高く、経営者の重要な判断を伴う。 また、当該見積りの監査手続の実施にあたり評価に関する専門家の関与が必要であった。 加えて、本企業結合に関連して取得した技術資産の重要性が高いことから、当監査法人は、本企業結合に関連して取得した技術資産の測定について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | (【連結財務諸表注記】 15.非金融資産の減損損失) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、本企業結合に関連して取得した技術資産の測定の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● 取引の概要や目的の理解を行うため、経営者に質問するとともに、取締役会議事録や主要な契約書等、関連資料の閲覧を行った。 ● 本企業結合に関連して取得した技術資産の取得日公正価値の測定に係るモデルが目的に照らして適切であるかどうか、利用された仮定が合理的であるか、利用された基礎データの信頼性を検討した。 これらの検討にあたり、以下を含む手続を実施した。 ▪ Altium社の将来事業計画に含まれる成長率に ついて、過年度の実績及び外部機関による市場成長率予測との比較を行った。 ▪ Altium社の将来事業計画以降の成長率について、基礎となっているインプット・データの合理性を確かめた。 ▪ 評価の専門家を利用して以下を含む手続を実施した。 ・ 技術資産に対する割引率の基礎となっている加重平均資本コストの計算に用いられたインプット・データの合理性を確かめた。 さらに割引率が、加重平均資本コストを踏まえて合理的に決定されていることを確かめた。 ・ 技術資産の公正価値について監査人が合理的と考える許容範囲を設定し、会社の見積額が許容範囲と整合していることを確かめた。 ● 取得した識別可能な無形資産とのれんの合計に対する技術資産の割合について、同業他社の企業結合における事例との比較を行った。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、第4 【提出会社の状況】 に含まれる4【コーポレート・ガバナンスの状況等】 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年3月26日ルネサスエレクトロニクス株式会社取締役会 御中PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士加 藤 正 英 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士近 藤 仁 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士新 保 智 巳 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているルネサスエレクトロニクス株式会社の2024年1月1日から2024年12月31日までの第23期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ルネサスエレクトロニクス株式会社の2024年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社株式、ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社株式及びDialog社株式(関係会社株式)の評価(【注記事項】 重要な会計上の見積りおよび有価証券関係注記)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2024年12月31日現在、市場価格のないルネサス エレクトロニクス・アメリカ社(以下、「REA社」という。 )株式1,091,929百万円、ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社(以下、「REAUS社」という。 )株式920,544百万円及び英国Dialog Semiconductor Plc(以下、「Dialog社」という。 )株式638,841百万円を関係会社株式として計上している。 当該金額は総資産額の76%に相当する。 会社は、REA社、REAUS社及びDialog社の財政状態の悪化により、実質価額が著しく低下したときは、減損処理を行うこととしている。 当監査法人は、REA社株式、REAUS社株式及びDialog社株式が財務諸表全体に対して重要であることから、同株式の減損評価の妥当性の検討が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、市場価格のないREA社株式、REAUS社株式及びDialog社株式の減損評価の妥当性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● REA社株式、REAUS社株式及びDialog社株式の当事業年度末の財政状態を、同株式を取得した時点のそれと比較するとともに、REA社、REAUS社及びDialog社の財政状態を検討し、財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無に関する経営者の判断の合理性を検証した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社株式、ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社株式及びDialog社株式(関係会社株式)の評価(【注記事項】 重要な会計上の見積りおよび有価証券関係注記)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2024年12月31日現在、市場価格のないルネサス エレクトロニクス・アメリカ社(以下、「REA社」という。 )株式1,091,929百万円、ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社(以下、「REAUS社」という。 )株式920,544百万円及び英国Dialog Semiconductor Plc(以下、「Dialog社」という。 )株式638,841百万円を関係会社株式として計上している。 当該金額は総資産額の76%に相当する。 会社は、REA社、REAUS社及びDialog社の財政状態の悪化により、実質価額が著しく低下したときは、減損処理を行うこととしている。 当監査法人は、REA社株式、REAUS社株式及びDialog社株式が財務諸表全体に対して重要であることから、同株式の減損評価の妥当性の検討が監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、市場価格のないREA社株式、REAUS社株式及びDialog社株式の減損評価の妥当性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ● REA社株式、REAUS社株式及びDialog社株式の当事業年度末の財政状態を、同株式を取得した時点のそれと比較するとともに、REA社、REAUS社及びDialog社の財政状態を検討し、財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無に関する経営者の判断の合理性を検証した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | ルネサス エレクトロニクス・アメリカ社株式、ルネサス エレクトロニクス・オーストラリア社株式及びDialog社株式(関係会社株式)の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 1,805,000,000 |
仕掛品 | 46,152,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 4,334,000,000 |
未収入金 | 30,718,000,000 |
その他、流動資産 | 79,889,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 16,068,000,000 |
土地 | 18,763,000,000 |
建設仮勘定 | 105,114,000,000 |
有形固定資産 | 234,491,000,000 |
ソフトウエア | 27,028,000,000 |
無形固定資産 | 27,880,000,000 |
投資有価証券 | 3,507,000,000 |
長期前払費用 | 39,876,000,000 |