財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-03-21 |
英訳名、表紙 | Kao Corporation |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 長谷部 佳宏 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-3660-7111(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1887年 6月洋小間物商長瀬商店として発足。 ───(創業)1890年10月「花王石鹸」を発売。 1922年11月吾嬬町工場(現 東京工場(インキュベーションセンター東京))完成。 1925年 5月花王石鹸株式会社長瀬商会設立。 1935年 3月大日本油脂株式会社を分離独立。 1940年 5月日本有機株式会社を日本橋馬喰町で設立。 ───(会社設立年月)1940年 9月日本有機株式会社酒田工場(現 酒田工場)完成。 1944年12月大日本油脂株式会社和歌山工場(現 和歌山工場)完成。 1946年10月花王石鹸株式会社長瀬商会を株式会社花王と改称。 1949年 5月日本有機株式会社を花王石鹸株式会社と改称。 東京証券取引所の市場第一部に上場。 12月大日本油脂株式会社と株式会社花王が合併し花王油脂株式会社と改称。 1954年 8月花王石鹸株式会社が花王油脂株式会社を吸収合併。 1957年12月和歌山工場に合成洗剤工場完成。 1960年 3月大阪証券取引所の市場第一部に上場(2003年3月上場廃止)。 1963年 3月川崎工場完成。 1964年 9月Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.を設立。 12月Kao(Taiwan)Corporationを設立。 1965年 4月和歌山工場内に産業科学研究所(和歌山研究所)完成。 7月Kao(Singapore)Private Limited(現 Kao Singapore Private Limited)を設立。 1967年 8月 東京工場(現 東京工場(インキュベーションセンター東京))内に東京地区研究所(東京研究所)完成。 1970年 3月花王(香港)有限公司を設立。 11月スペインに Sinor-Kao S.A.を設立。 1974年11月花王クエーカー㈱を設立。 1975年 3月メキシコに Quimi-Kao, S.A. de C.V.を設立。 12月栃木工場完成。 1977年 1月フィリピンに Pilipinas Kao,Inc.を設立。 1978年 2月愛媛サニタリープロダクツ㈱(現 花王サニタリープロダクツ愛媛㈱)を設立。 3月栃木工場内に栃木研究所完成。 1979年 5月スペインに Molins-Kao S.A.を設立。 1980年 4月鹿島工場完成。 1984年 4月豊橋工場完成。 1985年 2月P.T. Dino Indonesia Industrial,Ltd.(現 PT Kao Indonesia)に資本参加。 9月花王化粧品販売会社を全国9ヶ所に設立し、化粧品(ソフィーナ)事業を日本全国に展開。 10月「花王石鹸株式会社」から「花王株式会社」へ商号変更。 1986年 5月カナダの Didak Manufacturing Limitedを買収し、情報関連事業に本格的に進出。 10月ドイツに Guhl Ikebana GmbHを設立。 1987年 7月アメリカの High Point Chemical Corporationを買収。 8月Sinor-Kao S.A.とMolins-Kao S.A.を合併し、スペインに Kao Corporation, S.A.を設立。 1988年 4月KAO(Southeast Asia)Pte.Ltd.(現 Kao Singapore Private Limited)を設立。 5月The Andrew Jergens Company(現 Kao USA Inc.)を買収。 7月Fatty Chemical(Malaysia)Sdn. Bhd.を設立。 1989年 5月Goldwell AG(現 Kao Germany GmbH)を買収。 10月全国9ヶ所の化粧品販売会社を統合し、花王化粧品販売㈱を設立。 1992年10月ドイツの Chemische Fabrik Chem-Y GmbH(現 Kao Chemicals GmbH)を買収。 1993年 8月上海花王有限公司を設立。 1999年 3月情報関連事業から撤退。 4月全国各地区の家庭用製品の販売会社8社が合併(花王販売㈱)。 8月スペインに 欧州工業用製品事業の統轄会社として Kao Chemicals Europe,S.L.を設立。 12月 米州工業用製品事業の統轄会社として Kao Chemicals Americas Corporationを設立し、それに伴い High Point Chemical Corporationを清算。 2002年 3月 Goldwell GmbH(現 Kao Germany GmbH)を通じて、KMSリサーチ社(KMS Research, Inc.他)を買収。 6月事業の持株会社として 花王(中国)投資有限公司を設立。 9月 The Andrew Jergens Company(現 Kao USA Inc.)を通じて、ジョン・フリーダ社(John Frieda Professional Hair Care, Inc.他)を買収。 2003年 3月花王(上海)産品服務有限公司を設立(上海花王有限公司から販売機能を分離)。 2004年 7月株式交換により花王販売㈱を完全子会社化。 10月 当社と花王販売㈱の業務品事業をそれぞれ会社分割し、既存の花王クリーン アンド ビューティ㈱に承継させ、同社を「花王プロフェッショナル・サービス株式会社」に商号変更。 2005年 7月 英国の Kao Prestige Limited(2015年11月清算結了)を通じて、モルトン・ブラウン社(Molton Brown Limited他)を買収。 2006年 1月㈱カネボウ化粧品の株式を取得し、同社及びそのグループ会社を子会社化。 2007年 4月花王販売㈱と花王化粧品販売㈱が合併し、「花王カスタマーマーケティング株式会社」に商号変更。 2009年 7月 Kao Corporation GmbH(現 Kao Manufacturing Germany GmbH)を通じて、ライカルト社(Reichardt International AG)の工場(生産設備等)を取得。 2011年 4月花王(合肥)有限公司を設立。 6月和歌山工場内に「エコテクノロジーリサーチセンター」(ETRC)完成。 2012年 4月花王(上海)化工有限公司を設立。 2014年 4月花王コスメプロダクツ小田原㈱を設立。 2016年 1月 花王カスタマーマーケティング㈱、カネボウ化粧品販売㈱等の株式を承継した花王グループカスタマーマーケティング㈱が営業開始。 9月小田原事業場内に「ビューティリサーチ&イノベーションセンター」を開所。 2018年 1月 花王グループカスタマーマーケティング㈱が花王カスタマーマーケティング㈱、カネボウ化粧品販売㈱を吸収合併。 Kao USA Inc.を通じて、オリベ ヘアケア社(Oribe Hair Care, LLC)を買収。 8月Kao USA Inc.を通じて、ウォッシングシステムズ社(Washing Systems, LLC他)を買収。 2022年 4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。 2023年11月Kao USA Inc.及びKao Australia Pty. Limitedとともに、ボンダイサンズ社(Bondi Sands Australia Pty Ltd他)を買収。 2024年12月花王(合肥)有限公司を清算。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社及び関係会社(子会社111社、関連会社7社により構成)は、コンシューマープロダクツ事業製品、ケミカル事業製品の製造、販売を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。 事業の内容と当社及び関係会社の当該事業における位置付けは、以下のとおりであります。 なお、下記の事業は「その他」を除き、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分主要な会社コンシューマープロダクツ事業ハイジーン&リビングケア事業 ヘルス&ビューティケア事業 ライフケア事業 化粧品事業国内当社、花王グループカスタマーマーケティング㈱、花王プロフェッショナル・サービス㈱、ニベア花王㈱、㈱カネボウ化粧品、㈱エキップ、その他 9社 (計15社)海外花王(中国)投資有限公司、上海花王有限公司、 花王(上海)産品服務有限公司、佳麗宝化粧品(中国)有限公司、 Kao(Taiwan)Corporation、Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.、PT Kao Indonesia、Kao USA Inc.、Oribe Hair Care, LLC、 Washing Systems, LLC、Kao Germany GmbH、Kao Manufacturing Germany GmbH、Molton Brown Limited、その他 52社 (計65社)ケミカル事業国内当社、花王クエーカー㈱、昭和興産㈱ (計3社)海外花王(上海)化工有限公司、Kao(Taiwan)Corporation、Pilipinas Kao,Inc.、Kao Industrial(Thailand)Co., Ltd.、Fatty Chemical(Malaysia)Sdn. Bhd.、Kao America Inc.、Kao Specialties Americas LLC、Kao Chemicals GmbH、Kao Chemicals Europe, S.L.、Kao Corporation, S.A.、その他 15社 (計25社)そ の 他国内花王ロジスティクス㈱、その他 4社 (計5社)海外Misamis Oriental Land Development Corporation、その他 9社 (計10社) (注)1.各事業区分の主要製品は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」のとおりであります。 2.「その他」に区分されたサービス業務等については、セグメント情報において、そのサービス内容に応じて、コンシューマープロダクツ事業、ケミカル事業に振り分けております。 3.各事業毎の会社数は、複数の事業を営んでいる場合にはそれぞれに含めて数えております。 以上の状況について事業系統図を示すと、以下のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 (1)親会社該当ありません。 (2)連結子会社2024年12月31日現在 会社名住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等長期貸付金営業上の取引設備の賃貸借等花王グループカスタマーマーケティング㈱東京都中央区百万円10ハイジーン&リビングケア ヘルス&ビューティケア ライフケア 化粧品及び日本における化粧品事業のカウンセリングサービス会社の統轄100.0有-製品等の販売先有花王プロフェッショナル・サービス㈱東京都墨田区百万円60ライフケア(業務用衛生製品)100.0有-製品等の販売先有㈱カネボウ化粧品東京都中央区百万円7,500化粧品100.0有-製品等の販売先有花王ロジスティクス㈱東京都墨田区百万円15日本における物流関連業務※2100.0[66.5]有-製品等の物流委託先有※1花王(中国)投資有限公司上海市千中国元2,603,727中国における関係会社の統轄及び化粧品100.0有-製品等の販売先-※1上海花王有限公司上海市千中国元564,200ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケアライフケア(業務用衛生製品)化粧品※3100.0[15.0]有-製品等の購入先及び販売先-※1花王(上海)産品服務有限公司上海市千中国元1,348,490ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア化粧品※4100.0[100.0]有-製品等の販売先-※1佳麗宝化粧品(中国)有限公司上海市千中国元1,271,687化粧品※5100.0[100.0]有---※1花王(上海)化工有限公司上海市千中国元740,000ケミカル※6100.0[10.0]有-製品等の購入先及び販売先-Kao (Taiwan)Corporation新北市千台湾元597,300ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケアライフケア(業務用衛生製品)化粧品ケミカル92.2有-製品等の購入先及び販売先-※1Pilipinas Kao, Inc.フィリピン千米ドル91,435ケミカル100.0有-製品等の購入先及び販売先-※1Kao Industrial(Thailand) Co., Ltd.タイ千バーツ2,000,000ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア化粧品ケミカル100.0有-製品等の購入先及び販売先-Fatty Chemical(Malaysia) Sdn. Bhd.マレーシア千リンギット120,000ケミカル※770.0[70.0]有-製品等の購入先-※1PT Kao Indonesiaインドネシア百万ルピア1,796,206ハイジーン&リビングケアヘルス&ビューティケア50.01有-製品等の販売先-Kao USA Inc.米国米ドル4ヘルス&ビューティケア化粧品100.0有-製品等の販売先-Oribe Hair Care, LLC米国千米ドル8,182ヘルス&ビューティケア※8100.0[100.0]有---Washing Systems, LLC米国米ドル10ライフケア(業務用衛生製品)※9100.0[100.0]有---Kao America Inc.米国千米ドル3,200米国における関係会社へのコーポレートサービス及び米国ケミカル事業の持株会社100.0有--- 会社名住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等長期貸付金営業上の取引設備の賃貸借等Kao SpecialtiesAmericas LLC米国米ドル1ケミカル※10100.0[100.0]有-製品等の購入先及び販売先-Kao Germany GmbHドイツ千ユーロ25,000ヘルス&ビューティケア100.0有---Kao ManufacturingGermany GmbHドイツ千ユーロ13,000ヘルス&ビューティケア100.0有-製品等の販売先-Kao Chemicals GmbHドイツ千ユーロ9,101ケミカル※11100.0[100.0]有-製品等の購入先及び販売先-Molton Brown Limited英国千英ポンド516化粧品100.0有---※1Kao ChemicalsEurope, S.L.スペイン千ユーロ74,035欧州等ケミカル事業統轄100.0有---※1Kao Corporation, S.A.スペイン千ユーロ56,411ケミカル※11100.0[100.0]有-製品等の購入先及び販売先- (注)※1 特定子会社であります。 ※2 花王グループカスタマーマーケティング㈱が66.5%所有しております。 ※3 花王(中国)投資有限公司が15.0%所有しております。 ※4 花王(中国)投資有限公司が所有しております。 ※5 ㈱カネボウ化粧品が92.1%、花王(中国)投資有限公司が7.9%所有しております。 ※6 花王(中国)投資有限公司が10.0%所有しております。 ※7 当社の子会社であるKao Singapore Private Limited が所有しております。 ※8 Kao USA Inc. が所有しております。 ※9 Kao USA Inc. の子会社であるWashing Systems Intermediate Holdings, Inc. が所有しております。 ※10 Kao America Inc. の子会社であるKao Chemicals Americas Corporation が所有しております。 ※11 Kao Chemicals Europe, S.L. が所有しております。 12 議決権の所有割合の[ ]内は、間接所有割合で内数であります。 13 役員の兼任等には、当社役員と当社従業員を含んでおります。 14 上記以外に小規模な連結子会社が86社あり、連結子会社の数は合計111社となります。 (3)持分法適用関連会社2024年12月31日現在 会社名住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等長期貸付金営業上の取引設備の賃貸借等ニベア花王㈱東京都中央区百万円200ヘルス&ビューティケア40.0有-製品等の購入先及び販売先有昭和興産㈱東京都港区百万円550ケミカル21.4有-製品等の購入先及び販売先- (注)上記以外に小規模な持分法適用関連会社が5社あり、持分法適用関連会社の数は合計7社となります。 (4)その他の関係会社該当ありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1)連結会社の状況2024年12月31日現在セグメントの名称従業員数(人)[臨時雇用者数(人)] ハイジーン&リビングケア事業8,954[4,031] ヘルス&ビューティケア事業7,859[2,522] ライフケア事業970[210] 化粧品事業9,804[1,247]コンシューマープロダクツ事業27,587[8,010]ケミカル事業3,969[230]全社(共通)1,010[262]合 計32,566[8,502] (注)1.従業員数は就業人員(当社グループ〔当社及び連結子会社〕からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。 )であります。 [ ]内は臨時雇用者数の年間平均人員であり、外数で記載しております。 2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。 3.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。 4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。 (2)提出会社の状況2024年12月31日現在従業員数(人)平均年令(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)7,86140.817.08,108 セグメントの名称従業員数(人) ハイジーン&リビングケア事業2,264 ヘルス&ビューティケア事業1,897 ライフケア事業148 化粧品事業1,337コンシューマープロダクツ事業5,646ケミカル事業1,278全社(共通)937合 計7,861 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。 )であります。 2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。 3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。 (3)労働組合の状況当社の一部の事業所及び一部の連結子会社には、労働組合が組織されております。 労働組合との間に特記すべき事項はありません。 (4)多様性に関する指標当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。 ①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示 管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休職取得率(%)男女の賃金格差(%)全従業員従業員臨時雇用者当社27.796.890.589.379.2花王グループカスタマーマーケティング㈱18.598.267.363.280.4花王プロフェッショナル・サービス㈱14.794.473.572.362.7花王ロジスティクス㈱2.650.052.981.070.3花王サニタリープロダクツ愛媛㈱093.874.278.956.3花王ビューティブランズカウンセリング㈱73.9*51.552.2*㈱エキップ63.8100.060.460.637.8花王コスメプロダクツ小田原㈱13.5100.073.877.164.9 (注)1.従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。 2.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。 3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。 4.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。 5.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき以下の通り算出しております。 出向者は出向元の従業員として集計しております。 2024年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2024年に子が生まれた男性社員数 × 100当社は育児休職取得率の算出対象となる取得必須の有給育児休暇制度を導入しており、子が生まれたすべての社員が取得します。 法律に基づく育児休職取得率の算出においては、事業年度と当該休暇や育児休職の取得期限が異なっていることにより、分子と分母の対象者の範囲が異なるため、必ずしも100%にはなりません。 6.「*」は男性の育児休職取得の対象となる従業員が無いことを示しております。 7.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。 出向者は、出向先の従業員として集計しております。 ②連結会社の状況 管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休職取得率(%)男女の賃金格差(%)当社及び連結子会社32.6*89.5当社及び国内連結子会社26.595.873.8 (注)1.従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。 2.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。 3.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき以下の通り算出しております。 出向者は出向元の従業員として集計しております。 2024年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2024年に子が生まれた男性社員数 × 1004.「*」は海外関係会社の男性の育児休職取得率の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。 5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。 賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。 出向者は、出向先の従業員として集計しております。 詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」を参照ください。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)会社の経営基本方針当社グループは、「豊かな共生世界の実現」をパーパス(社会における存在意義)に掲げ、生活者・顧客の立場にたって、心をこめた“ESG視点でのよきモノづくり”を行い、世界中の人々のこころ豊かな未来と、人と地球が共に生きる持続可能な共生世界の実現に貢献することを目指しています。 私たちは、企業理念である「花王ウェイ」をグループ全員で共有し、考え方や行動の拠り所として日々実践し、清潔・美・健康の領域を中心に、時代の変化に対応しながら130年余り事業を展開してきました。 2009年には、人類だけでなく自然界にもよき存在であるようにと「環境宣言」を行い、自然と調和するこころ豊かな毎日を目指して、その歩みをさらに一歩進めました。 2019年にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(以下、KLP)を発表し、ESGを経営の根幹に据えることを宣言しました。 しかし今、私たちが使命に掲げる「豊かな共生世界」を実現するための土台である人の生命に危機が及んでいます。 そして今後もその脅威は、私たちの生活を根幹から脅かす存在であり続けることが予想されます。 このような中、私たちはこの切実な社会的課題に花王らしいアプローチで取り組んでいきます。 生活や生態に加え、人の生命を守ることを強く意識し、未来のいのちを守る会社になっていきます。 「きれいを こころに 未来に」をコーポレートスローガンに掲げ、地球が生きる場として持続的にきれいに保たれること、社会が持続的に豊かであること、そして人が危害から守られて笑顔で暮らせること、これらすべてを実現するために貢献していきます。 結果として、これらが財務的な成果、そしてステークホルダーへの還元へと繋がり、この仕組み自体が持続していきます。 今後も花王グループは、より高いレベルでの企業価値向上を目指していきます。 (2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標① 長期経営戦略当社グループは2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、これまでの『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像をさらに一歩進め、『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』を目指します。 ESGを通じて将来にわたって、人・社会・地球にとって価値のある存在になっていきます。 私たちは、環境(E)においては、ゼロ浪費、カーボンゼロ、さらにその先のカーボンネガティブを目指します。 社会(S)においては、無駄な消費がなくなることを願い、その人に寄り添った唯一無二のパーソナライズを進めていきます。 そして、ガバナンス(G)をしっかりと効かせながら、志を共にする仲間と共に正道を歩んでいきます。 最小限の資源で最大の価値を生み出す、Maximum with minimumを経営の指針として、より良い明日をつくるために今後も我々は成長し続けます。 グローバルで存在価値のある企業「Kao」■持続可能な社会に欠かせない企業■高社会貢献&高収益グローバル企業■ステークホルダーへの成長レベル還元 ② 中期経営計画 ■2024年度の進捗と今後の計画2024年度は昨年着手した大規模な構造改革の効果が顕著に発現して利益が回復してきた中で、積極的なマーケティング投資を行い、コアブランドの競争優位性を高め、市場シェアと利益率向上の両立を実現することができました。 その結果として、中期経営計画「K27」の目標としているROIC(投下資本利益率)、EVA(経済的付加価値)、営業利益、海外売上高において、2024年度は計画を上回る実績となりました。 成長ドライバー領域※に関しては、昨年にグローバル拡大の道筋をつくった「スキンプロテクション」のビジネスにおいて、日本・欧州・北米・南米・アジアでの伸長も寄与し、売上高は2021年度の233億円から2024年度は432億円に拡大しました。 今後、2027年に740億円を目指し、さらなるグローバル成長を計画しています。 化粧品事業は、注力6ブランドの拡大に向けてマーケティング費用を積極的に投入し、高付加価値製品のグローバル展開を強化しています。 また、ケミカル事業は、売上の6割を占める海外市場において2021年度から2024年度にかけて売上高CAGR(年平均成長率)11.6%で成長をしています。 安定収益領域※に関しては、国内で圧倒的なシェアを有しており、高い収益性とキャッシュ・フロー創出力で、成長ドライバー領域への投資原資を創出しています。 強固なブランド力を活かし、他社に先行して実施してきた戦略的値上げを継続することで、ファブリックホームケア事業を中心に収益性を向上させながら販売数量増を達成しています。 事業変革領域※に関しては、ヘアケア事業の変革が進展し、成長ドライバー事業領域への展開に向けて強化を進めています。 4月に発売した「melt」においては、DX活用によって「よきモノづくり」を高速化し、開発期間を従来の4分の1に短縮することを実現しました。 花王グループ社員が一丸となって、中期経営計画「K27」は計画通りに推移しています。 メリハリある人的資本投資により、社員活力を最大化するとともに、迅速に意思決定ができる人財を重要なタスクに集める「組織のスクラム型運営」によって、花王の「よきモノづくり」の質・スピードが着実に上がっています。 さらに、タイのチャロン・ポカパン(CP)グループとの協業をはじめ、他社との共創による事業構築を進め、花王グループが有する技術資産の最大化を加速していきます。 これらの戦略により、業績をさらに向上させ、長期的な価値創造を実現することを目指してまいります。 ※安定収益:ファブリックケア、ホームケア、パーソナルヘルス/成長ドライバー:スキンケア、ケミカル、化粧品、業務用衛生製品/事業変革:ヘアケア、サニタリー ③ 目標とする経営指標当社グループは、EVA(経済的付加価値)及びROIC(投下資本利益率)を経営の主指標としています。 その本質は、株主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにあります。 EVAを継続的に増加させていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致するものと考えています。 そして事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標としており、個別事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用しています。 さらにROICにより事業ポートフォリオマネジメントを強化することで、EVA経営の深化を図っています。 ROICは、各事業における資本コストに対する意識を高めるとともに、それぞれの特性や競争環境を踏まえた管理を可能にします。 事業別に利益と併せて資本効率も重視することにより、成長事業への重点投資と健全なポートフォリオの改善を実施し、EVAの向上を目指します。 (3)会社の対処すべき課題2024年は、ポストコロナの経済が本格的に稼働し始めたものの、地政学リスクのさらなる拡大に伴う国際社会の多軸化・分断化が依然として継続しました。 国内でも、訪日外客数がコロナ禍前の水準を超える等、明るい兆しが見えてきていますが、消費者心理に影響を及ぼし得る円安や物価高騰には引き続き注視が必要で、先行き不透明な経済状況にあります。 このような状況の中で、花王グループは、社会課題の解決に軸足を据えて、環境に負の影響を与える既存の大量生産・大量消費型のビジネスから脱却し、無駄なモノはつくらず、お客様に長く愛される魅力ある商品を生み出し続ける循環型モデルへ転換しなければなりません。 花王は、構造改革と成長戦略を軸に中期経営計画「K27」を2023年8月に発表しました。 高付加価値化による価格改定の実施やTCR(トータル・コスト・リダクション)強化、ROIC(投下資本利益率)の全社導入を進め、大規模な構造改革を断行し、さらなるグローバル化を進めてまいります。 そして、「グローバル・シャープトップ※」事業を擁立する企業を目指し、戦略的なポートフォリオマネジメントを行いながら、成長に向けた投資やM&A、そして、事業再編をスピード感をもって推進していきます。 ※グローバル・シャープトップ:顧客の重大なニーズに、エッジの効いたソリューションで世界No.1の貢献をすること |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社グループの継続的な成長を支える、「社員活力の最大化」に向けては、当社の精神と事業目標に沿った人事制度を整え、諸施策を効果・効率的に展開していくことが大切です。 花王ウェイおよび花王ビジネスコンダクトガイドラインに基づき、それらの前提となる考え方を示したものとして人財開発基本方針を定めています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④ 指標と目標Ⅰ.人財戦略に基づく重点アクション2022年2023年2024年目標値2027年社員教育投資(2020年比)1.3倍1.53倍2.02倍2.5倍DX人財(2020年比)1.5倍※27倍※210倍※215倍※2社内公募による異動者実績(2020年比)-4倍※216倍※220倍※2全採用数におけるキャリア採用比率(2020年比)0.9倍1.8倍※21.9倍※23倍※2KESスコア:公正な評価-60※16170KESスコア:対話-63※16470KESスコア:働き方満足度-60※16365女性社員比率に対する女性管理職比率※475.9%76.2%78.1%90%KESスコア:社員活力度-59※16170 ▼ Ⅱ.めざす人財・組織像∼グローバル・シャープトップな人財/組織∼▶Ⅲ.社員活力の最大化2022年2023年2024年目標値2027年2022年2023年2024年目標値2027年挑戦志向型人財社員エンゲージメント(KES総合スコア)25%※2※358%※2※371%※2※375%※2※3※5-63※16575KESスコア:挑戦を推奨する組織風土KESスコア:職場満足度-61※16370-61※16270KESスコア:スクラム型運営推進度 -57※15870 KESスコア:インクルーシブな組織風土 -62※16370 ▼ Ⅳ.社会インパクト・財務インパクトの創出2022年2023年2024年目標値2027年インパクト創出の能率化(2022年比)100%92%120%150% インパクト創出の能率化 = 付加価値 /総労働時間 ※ 特に記載がない限り、当社グループで集計※ 従業員は正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含む※ KESは社員エンゲージメントサーベイを示しております※1 回答者数は当社グループの一部非正規雇用の従業員を含む 27,460人※2 日本の連結対象会社のみ※3 社員意識調査※4 各社の管理職ポジション数に基づく加重平均※5 目標値を60%から75%に更新しました |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)リスクと危機の管理体制花王グループ中期経営計画「K27」では、基本方針として、1.持続可能な社会に欠かせない企業になる、2.投資して強くなる事業への変革、3.社員活力の最大化を掲げて取り組んでいます。 詳細については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。 気候変動をはじめとする環境問題や人権問題、高齢化社会の進行等の社会課題はますます深刻化するとともに、政治的・社会的情勢の不安定化に端を発する地政学リスクの継続等、事業環境は不透明な状況が続いています。 また、事業がグローバルに拡大し、様々な分野で構造的変化が進む中、事業を取り巻くリスクの変化に迅速かつ適切に対応する必要があります。 このような事業環境に対して、当社グループは、次のようなリスクと危機の管理を進めています。 リスクとは経営目標の達成や事業活動の遂行に対し、不確かさがもたらす影響のことです。 内部統制委員会の下の関連委員会の一つであるリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、脅威をもたらす「リスク」並びにリスクが顕在化した状態である「危機」の管理体制と活動方針を定めています。 そして、部門、子会社、関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握、評価し、対応策を策定、実行することでリスクを管理しています。 また、危機発生時には、緊急事態のレベルに応じた対策組織を立ち上げ、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。 リスクと危機の管理活動は、経営会議で定期的(年1回)及び適時確認し、取締役会が承認しています。 内部統制委員会はリスクと危機の管理状況をモニタリングし、管理の有効性を確認しています。 詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。 持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与えるリスクとして、特に重要な14の主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。 また、少なくとも半期に一度、その時の事業環境の変化を踏まえた主要リスクの見直し(追加等の検討)を行っています。 そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」としてテーマを決めて取り組んでいます。 コーポレートリスクのテーマは、年1回、社内リスク調査の結果分析、外部環境の分析、経営幹部ヒアリングをもとに、リスク・危機管理委員会で検討を行い、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(責任者:執行役員)を決定しています。 リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、年4回開催するリスク・危機管理委員会で進捗管理を行っています。 リスクと危機の管理活動のプロセスこれら主要リスクは、5年以内に顕在化する可能性があるリスクです。 なお、主要リスクの記載順は重要性を反映しており、当連結会計年度末における認識です。 記載されたリスク以外のリスクも存在し、それらが投資家の判断に影響を与える可能性があります。 (2)主要リスク14の主要リスクのうち、「コーポレートリスク」として取り組んでいるものについては○を表示しています。 また、主要リスクのリスク評価(影響・蓋然性の認識)の変化を対前期で三段階(上昇、状態が変わらない、低下)で示しています。 主要リスクの名称コーポレートリスクとしての取り組みリスク評価の変化原材料調達 大地震・自然災害・事故○地政学○情報セキュリティ○社会課題への対応○製品等の品質○レピュテーション○パンデミック○人財確保 流通環境の変化 事業投資 コンプライアンス 為替変動 訴訟 リスク評価(影響、蓋然性の認識)の変化:上昇:状態が変わらない:低下 原材料調達 (背景)当社グループで使用している天然油脂や石油関連の原料の市場価格は、世界景気、地政学的リスク、需給バランス、異常気象、為替の変動等の影響を受けます。 また、原材料はパーム油や紙・パルプ等の自然資本に大きく依存しており、省資源、地球温暖化防止、生物多様性保全等の環境側面、安全・衛生、労働環境、人権等の社会側面に十分配慮し、持続可能な調達を実現することで、企業としての社会的責任を果たしていく必要があります。 (リスクと影響)・原材料の市場価格に急激な変動が生じた場合、目標とする利益が得られない可能性があります。 ・原材料には、調達上希少な原材料も一部含まれており、安定調達に関わるリスクがあります。 需給の変動等による市況の急激な変化や、サプライヤーのトラブル発生により製品の市場への供給に支障をきたした場合、目標とする売上高、利益が得られないだけでなく、当社グループの信用の低下につながる可能性があります。 ・サプライチェーン上の何らかの理由で、持続可能で責任ある調達への取り組みが不十分と見なされた場合、当社グループのブランドイメージ、信用の低下につながる可能性があります。 (対応)当社グループは、原材料価格の上昇に対して、原価低減や売価への転嫁等の施策を行い、その影響の軽減を図っています。 安定調達に関わるリスクに対しては、主力サプライヤーでの設備増強と、リスク分散のためのセカンドサプライヤーの確保を進めています。 また、サプライヤーとの契約見直しや協働を積極的に行い、リスク低減を進めています。 一方、持続可能で責任ある調達の実践に向けて、“お取引先とのESG推進活動”ガイドラインを公表し、サプライチェーン上での人権保護や環境保全の確認を進めています。 特にリスクの高いサプライチェーンをハイリスクサプライチェーンと定義し、本質的な課題解決に向けて、サプライヤー並びにNGOとの連携の下、取り組んでいます。 また、原材料の使用量削減や、非可食バイオマス由来の原材料等への転換にも取り組んでいます。 Sedexによるサプライヤーのモニタリング、サプライヤーのコンプライアンス違反ゼロに向けた監査体制の整備、CDPサプライチェーンプログラムの取り組み、また、“お取引先に求めるパートナーシップ要件”ガイドラインを定め、サプライヤーとの連携を強化しています。 ハイリスクサプライチェーンとして位置づけているパーム油の持続可能な調達を目指し、インドネシアの小規模農園に対し、「生産性向上と持続可能なパーム油に対する認証取得を支援するプログラム」を現地のパートナーと協働で実施しています。 これらの取り組みを積極的かつ透明性をもってステークホルダーに公開しています。 大地震・自然災害・事故 (背景)化学プラントでの事故や、自然災害が多く発生している昨今、大規模化学プラントを有する企業への安全操業に対する要求はますます高まってきています。 (リスクと影響)・大地震や気候変動に伴う大型台風、洪水等の自然災害により、従業員、設備、サプライチェーン等の被害で、市場への製品供給に大きな支障をきたした場合、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループの工場で、火災・爆発事故等により従業員や周辺地域に大きな被害が発生した場合、経営成績に重大な影響を及ぼすとともに、社会の信用を失う可能性があります。 (対応)火災、爆発及び化学物質漏えいを防止し、安全で安定な操業を維持するために社内監査に加えて外部機関による定期的な評価を通じて保安力の強化に努めています。 大地震、大型台風、洪水等をはじめとする自然災害の発生を想定した対応体制の整備、設備対応並びに社員の教育・啓発、定期訓練を行い、緊急事態に備えています。 コーポレートリスクとして、日本の長期操業停止を想定した首都直下地震、南海トラフ地震、富士山噴火等に対する影響分析と対応検討を進めています。 また、海外拠点のBCP強化に取り組んでいます。 地政学 (背景)当社グループが事業展開している欧州や東アジアにおいて地政学リスクの高い状態が続いています。 また、原材料調達を実施している国・地域においても地政学リスクが高まる可能性があります。 (リスクと影響)・地政学リスクの高まっている国・地域において、政治的・社会的情勢の不安定化、外交関係の緊迫化、そして、紛争等により、事業を取り巻く環境が悪化し、人的被害の発生、サプライチェーンの寸断による操業の一時停止、生活者の購買行動の変化が発生した場合、当社グループが目標とする売上高、利益が得られない可能性があります。 (対応)地政学リスクの高まっている国・地域においてリスクシナリオを作成し、特に注意すべき国・地域に対しては、対応体制を整備し、政治的・社会的状況をモニタリングしています。 社員の安全確保に関するガイドラインを策定し、また、原材料調達等のサプライチェーン寸断に伴う事業への影響を確認してサプライチェーンネットワークの強化を進めています。 なお、「地政学」は、コーポレートリスクとして取り組んでいます。 情報セキュリティ (背景)当社グループは、ITやAIを活用して事業や業務を効率的に進めるとともに、データを活用したビジネスを進めています。 研究開発、生産、マーケティング、販売等に関する機密情報(トレードシークレット(TS))を保有し、また、販売促進活動、会員サイト運営やEコマースを進める上で、多くのお客様の個人情報を保有しています。 当社グループは、情報セキュリティポリシーのもと、TS・個人情報及びハードウェア・ソフトウェア・各種データファイル等の情報資産の保護を目的とした情報セキュリティの強化を図っています。 (リスクと影響)・サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、機密情報や個人情報が外部に流出する可能性があります。 また、サプライチェーン等の事業活動が一時的に中断する可能性があります。 このような事象が発生した場合、信用の低下や、目標とする売上高、利益が得られない可能性があります。 (対応)情報セキュリティの人的・組織的対策としては、日本と海外の情報セキュリティ委員会が花王グループ全体で規程や体制を整備し、PDCAサイクル(啓発活動、自己点検、改善目標の設定)によるTS・個人情報・情報セキュリティの保護推進活動を実施しています。 また、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)やSOC(Security Operation Center)を整備し、インシデント発生時の対応体制を強化しています。 技術的対策としては、セキュリティ対策の戦略ロードマップを作成し、これに沿ってセキュリティ対策の強化を実施し、定期的に経営会議や監査役に報告を行っています。 また、サプライチェーンのセキュリティリスクを把握するためにサードパーティ・ロジスティックス、サプライヤー、製造委託先のセキュリティ対策のヒアリングを実施しています。 重大なインシデントに備えサイバー保険への加入も行っています。 新事業においても顧客・委託先・協業先等の取引先とTSや個人情報(RNA等の個人関連データを含む)の扱いについて契約で取決めを行い、さらに取扱いや運用のルールを作成し情報管理の徹底を図っています。 なお、コーポレートリスクとしてサイバー攻撃対応に取り組んでいます。 社会課題への対応 (背景)気候変動、プラスチックごみ問題、水資源の枯渇、生物多様性の損失、有害化学物質による汚染、原材料調達を含むバリューチェーン全体における環境や人権問題、そして、高齢化社会の進行や衛生問題等の社会課題の増大は、環境や健康等に対する生活者の意識を高め、エシカル消費の潮流やサステナビリティに対する顧客ニーズの高まりをもたらしています。 これら社会課題の解決に向けて、中期経営計画「K27」を実行するとともに、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(KLP)を推進しています。 原材料の調達から生産、製品の使用、廃棄に至るあらゆる段階でのイノベーションを目指すとともに、社会・環境の両視点から花王が優先的に取り組むべき19の重点取り組みテーマについて目標を設定し、全社全部門がそれぞれの役割の中で取り組んでいます。 それらの推進並びに進捗管理を通じて、社会のサステナビリティへの貢献を目指すと同時に、活動内容を積極的にステークホルダーに開示し透明性の高いエンゲージメントに努めています。 (リスクと影響)・社会課題の解決に向けた取り組みが目標に対して不十分である、あるいは不十分と見なされた場合、製品やサービスを生活者や顧客に受け入れていただけず、目標とする売上高、市場シェアが得られない可能性があります。 ・KLPでコミットメントしたKPIの進捗状況を十分に示せないと、「グリーンウォッシュ」※1 と捉えられる等企業価値の低下につながる可能性があります。 一方、グリーンウォッシュを恐れ、積極的なESGに関する情報開示や発信を控えると、「グリーンハッシング」※2 として、社会、顧客からの信頼低下のリスクにもつながります。 ・気候変動については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)」で示した「主な事業リスクと機会」に記載している移行リスク(炭素税の導入・引上げ、プラスチック規制の導入、エネルギー価格の上昇、原材料価格の上昇)と物理リスク(異常気象の激甚化)があります。 ・人権侵害や人権への配慮不足と見なされた場合、バリューチェーンの維持等の事業活動に支障をきたす可能性があります。 ・化学物質に関する規制変更に対して適切かつ迅速に対応できない場合、事業活動への影響だけでなく、社会、顧客からの信頼低下を招くリスクがあります。 (対応)事業の成長と社会への貢献の両輪の実現を目指して、ESGコミッティのもとに、重点的に取り組むべきテーマを推進する4つのESGステアリングコミッティを発足させ、ガバナンス体制を強化しています。 ESGステアリングコミッティは「脱炭素」「プラスチック包装容器」「人権・DE&I」「化学物質管理」からなり、テーマごとに役員クラスの責任者を置いています。 テーマに関する機会とリスクを社会・環境・事業インパクトの面から分析・把握し、対応計画を立案、推進することで、“ESGよきモノづくり”の実施を確実に進めています。 気候変動に関する対応は、上記ガバナンス体制の下で実施しており、各リスクへの対応策は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)」で示した「主な事業リスクと機会」の「花王の対応状況」に記載しています。 人権侵害ゼロに向けて、バリューチェーン上のリスクアセスメントを実施し、リスクを把握し対応を進めるとともに、社員に対して人権問題に関する啓発を行っています。 また、コーポレートリスクとして、社会課題への取り組みに対するステークホルダー等の評価・要請をグローバルで把握することで、レピュテーションリスクの低減に取り組んでいます。 ※1 グリーンウォッシュ企業が、製品やサービスについて、環境及びサステナビリティに関する特徴を誇張もしくは大げさに主張したり、それらに関する活動について十分な根拠なく訴求すること。 ※2 グリーンハッシング企業が、グリーンウォッシュを恐れ、自社の環境に関する取り組みや気候変動対策についての開示や発信を控えること。 製品等の品質 (背景)当社グループの品質保証活動の基本は、「花王ウェイ」で示された生活者・顧客起点の心を込めた“よきモノづくり”です。 原材料から研究開発、生産、輸送、販売までのすべての段階において、徹底した生活者・顧客視点で、高いレベルで製品の安全性を追求し、絶えざる品質向上に努めています。 社会においては、生活者の品質価値の多様化、化学物質の安全性への懸念や環境問題への意識の高まり、さらには、企業の透明性を促す情報開示要求等の変化が起こっており、また、クロスボーダーのモノづくりや商流がグローバルに進展しています。 一方、各国・地域は、持続可能な社会や生活者保護の強化を目指して、新たな法規制の枠組み作りに動き出しています。 そのような中、当社グループは、市場の多様化と価値観の変化を機会と捉え、新規技術開発に挑戦し、新規分野への事業展開も計画しています。 (リスクと影響)・重大な品質問題の発生はブランドの問題だけではなく当社グループ全体の信用低下につながる可能性があります。 また、新たな安全性や環境問題の発生や各国・地域の急激な法規制の変更に対して適切かつ迅速に対応できない場合には、タイムリーな商品提供機会を失う可能性があります。 (対応)当社グループでは、製品関連法規の遵守並びに自主的に設定した厳しい基準に従って、設計、製造を行っています。 発売前の開発段階では、徹底的に試験、調査研究を行い、品質と安全性を確認しています。 発売後には、生活者相談窓口を通じて、商品への意見、要望等をくみ上げ、さらなる品質向上に努めています。 化学物質の安全性懸念や環境問題に対する要求に先回りした商品開発の推進、積極的な情報開示による品質保証活動の見える化とステークホルダーとのコミュニケーション強化に取り組んでいます。 さらには、各国・地域の新たな法規制に対する影響分析、法規制への適合性を迅速に確認できるシステムの構築に取り組んでいます。 また、コーポレートリスクとして、品質問題により重篤な被害が生じた場合に被害を最小化するための全社対応の強化と、重大品質問題発生防止に向けた社内啓発の強化を進めています。 レピュテーション (背景)ソーシャルメディアの発展と普及により、個人や企業のコミュニケーション手法は多様化し、迅速かつ広範囲に情報を伝えることが可能となりました。 企業はソーシャルメディアを通じた、多様なマーケティング活動で、生活者とのエンゲージメントを高められる一方で、ネガティブな情報や誤解も瞬時に広がるため、企業やブランドの評判を損なう「レピュテーションリスク」に注意を払う必要があります。 レピュテーションリスクは企業に財務的、非財務的損失を及ぼす可能性があります。 (リスクと影響)・当社グループでは、様々な情報発信やマーケティング活動を行っています。 しかし、これらの活動で使用された不適切、又は不用意な表現に対してネガティブな評判や誤解がソーシャルメディア等を通じて拡散されると、レピュテーションリスクとなり、ブランドの価値や企業の信用を損なう可能性があります。 ・事業活動には様々なリスクが伴います。 これらのリスクが顕在化した場合、ソーシャルメディアを通じて企業の対応や姿勢が問われることがあります。 顕在化したリスクへの対応に加えて、レピュテーションリスクにも対応が必要であり、適切な対応ができない場合、ブランドの価値や企業の信用を損なう可能性があります。 (対応)当社グループでは、広告等の不適切な表現を防止するために、ESG等の観点を踏まえた事前チェックを行う体制を整備し、社内教育にも力を入れています。 また、国内外におけるソーシャルメディアのモニタリングによるリスクの早期発見にも努めています。 そして、リスクが顕在化した際には正しい情報や企業姿勢を公表することで、当社グループのレピュテーション(評判・信用)の維持に努めています。 レピュテーションリスク対応は、コーポレートリスクとして取り組んでいます。 パンデミック (背景)新型コロナウイルス感染症は、エンデミック※ となり一般の感染予防対応となりましたが、今後も耐性菌による抗生物質が効かない感染症の再来等、新興再興感染症によるパンデミックの発生が危惧されています。 (リスクと影響)・パンデミックが発生すると、当社グループの拠点やサプライチェーン上での集団感染の発生やロックダウン等により、製品やサービス提供に支障が生じる可能性があります。 ・パンデミックにより外出等の日常生活ができなくなると購買行動にも変化をもたらし、化粧品市場等が縮小する可能性があります。 このような事態が発生した場合、目標とする売上高、利益から大きな乖離が生じる可能性があります。 (対応)パンデミックへの対応強化をコーポレートリスクとした上で、新型コロナウイルス感染症時の経験もふまえ、ガイドラインを改訂し、各国行動計画の策定や備蓄品の見直し等を進めています。 ※ エンデミック(特定感染)一定の地域に一定の罹患率又は一定の季節で日常的に繰り返し発生すること。 人財確保 (背景)当社グループの「グローバル・シャープトップ」戦略を支える重要テーマは、最大の強みであり資産でもある「人財」の活力最大化です。 しかし、グローバルでの人財の獲得競争は激化しており、また、個人のキャリアや働き方に対する価値観がこれまで以上に多様化しています。 (リスクと影響)・大きな環境の変化を先取りし、各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財や、変化を先導するリーダーとなる人財の獲得と育成が推進できない場合には、中期経営計画「K27」の遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)社員活力の最大化に向けて、多様なバックグラウンドや専門性を持つ人財が、大きな挑戦と国や地域、組織を超えた共創により、能力と個性を最大限に発揮するための取り組みを推進しています。 多様な人財が集い、活躍できる場を整備(フレキシブルな働き方の推進、DE&I推進、社内公募制度等)することで、人財獲得においての優位性を維持できると考えています。 また、自学共生の機会の提供(業務を通した経験の拡大、DX等の先端教育を自律的に学べるプログラムの導入等)や自律的なキャリア形成を促進することで社員のさらなる成長が期待できます。 これらの取り組みに加えて、持続的な成長を支える人財の配置・育成や効果的な組織運営について、経営トップをメンバーとする人財企画委員会で毎月議論し、推進しています。 流通環境の変化 (背景)近年、デジタルツールの急速な進化やソーシャルメディアの普及に伴い、流通環境や生活者の購買行動はめまぐるしく変化しています。 大手ECプラットフォームやメーカー直販ECをはじめ、ソーシャルコマース※1 やライブコマース※2 等新たなECチャネルが拡大したことで、流通は一段と多様化・複雑化しています。 また、リアル店舗とECをシームレスにつなぐOMO※3 が進展し、生活者はこれまで以上に高い利便性とパーソナライズされた購買体験を求めるようになりました。 物流に関しては、ドライバー不足や燃料費高騰により、物流コストの増加が顕在化しています。 さらに、ドライバー不足対策を目的とした物流効率化法の改正により、ドライバーの荷待ち・荷役時間の短縮やトラックの積載率向上等、荷主として物流効率化に取り組むことが求められています。 (リスクと影響)・流通環境や購買行動の多様化・複雑化に十分対応できない場合、当社グループの販売・マーケティング活動が制約され、目標とする売上高、市場シェア、利益の達成が困難になる可能性があります。 ・物流環境の変化に適切に対応できない場合、配送の滞りや、物流コストの大幅な増加等、当社グループの事業活動にも影響を及ぼす可能性があります。 (対応)こうした環境変化に対応するため、当社グループではEC専業企業との連携や流通業とのOMO推進、自社によるライブコマースの実施等、生活者の購買行動の変化に合わせた取り組みを進めています。 併せて、SNS上の花王公式アカウント「花王トクトクニュース」を活用した会員獲得を積極的に推進した結果、2024年は830万人(前年比2.2倍)まで拡大しました。 会員への情報発信やキャンペーンを通じて店頭への送客を図り、流通業各社との共創を強化しています。 さらに、生活者と直接つながる双方向デジタルプラットフォーム「My Kao」を展開し、生活者に役立つ信頼性の高い情報提供や、「花王公式オンラインショップ」及び、製品やより良いサービスを生活者と共創する「My Kaoメンバーサロン」等を運営しています。 これらのダイレクトコミュニケーションを通じ、多様化する流通環境や膨大な情報が溢れる状況下でも、利便性向上だけでなく、花王ブランドへの信頼とロイヤリティ向上につながる活動を継続しています。 物流に関しては、国土交通省や経済産業省等が進める「ホワイト物流」推進運動に賛同し、物流効率化や生産性向上に取り組んでいます。 自社での取り組みに加え、流通業や他メーカー、物流事業者とも連携し、トラック待機時間削減等のドライバーの作業環境改善、物流平準化、積載率向上等、持続可能な物流体制の構築を目指しています。 ※1 ソーシャルコマースSNS等を通じて商品・サービスを販売するEC形態。 ※2 ライブコマースインターネット上で動画をライブ配信し、視聴者とやり取りしながら販売するEC形態。 ※3 OMO(Online Merges with Offline)オンラインとオフラインの垣根をなくし、シームレスな購買体験を提供する手法。 事業投資 (背景)当社グループは、企業価値と相関関係の高いEVAによる投資判断のもと、事業成長やサステナビリティのために積極的な設備投資、M&A等を進めています。 これら投資を今後も進めるとともに、継続的なEVA改善を通して企業価値の向上に努めていきます。 (リスクと影響)・投資判断時に想定していなかった水準で、市場環境や経営環境が悪化し、計画との乖離等により期待される効果が生み出せない場合、設備投資により計上した有形固定資産や、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損処理により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは、重要な投資に対して、期待される効果が計画から大きく乖離していないかを四半期決算毎に確認し、経営会議で報告しています。 乖離した場合には、関係部門が必要に応じて今後の方向性や業績改善のための対策を検討しています。 コンプライアンス (背景)事業活動を行う上で、製品の品質・安全性、知的財産、環境保全、保安防災、労働安全、化学物質管理、取引管理、情報開示等の法規制等に対する企業の取り組みの強化が求められています。 (リスクと影響)・世界的競争が激化する中で、差別化、販売スケジュールや製品納期の遵守、業績目標達成等の圧力により不正リスクが高まることが懸念されます。 ・在宅勤務と出社を組み合わせたハイブリッドワークが普及し、働き方の多様化が進む中で、職場での接点が減少しています。 加えて、コンプライアンスに対する過剰な警戒が職場のコミュニケーションを希薄化させ、人間関係や職場環境に悪影響を及ぼすことがあり、ハラスメントや労務管理上のコンプライアンスリスクが増加する可能性があります。 ・当社グループ及び委託先等が重篤なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは、「正道を歩む」(法と倫理に則って行動し、誠実で清廉な事業活動を行う)をコンプライアンスの原点と位置づけ、すべてのステークホルダーの支持と信頼にこたえていくための指針とし、行動規範である「花王ビジネスコンダクトガイドライン」の継続的な教育やコンプライアンス通報・相談への適切な対応等の活動を進めています。 ハラスメントや労務管理上のコンプライアンスリスクについては、ケーススタディ等を通じて気づきを与えています。 さらに、職場での相互理解を深めるための取り組みとして、対話促進活動「対話フェス」も行っています。 また、重篤なコンプライアンスリスクの低減にフォーカスした活動として、事業に適用される法令遵守推進を計画的に実施し、特に重要な法令についてはその実施状況をコンプライアンス委員会がモニタリングしています。 重篤なコンプライアンス違反を発見した場合、すぐに経営陣に報告され適切な対応を行えるよう、風通しの良い職場の実現を目指した活動を推進しています。 為替変動 (背景)為替相場の変動は、外国通貨建ての売上高や原材料の調達コストに影響を及ぼします。 また、連結決算における在外子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。 (リスクと影響)・当社グループの機能通貨である円に対して外貨の為替変動が想定以上となった場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)外国通貨建て取引については、外貨預金口座を通じての決済、為替予約や通貨スワップ等のデリバティブ取引により為替変動リスクをヘッジすることで、経営成績に与える影響を軽減しています。 なお、投機的なデリバティブ取引は行っていません。 また、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時、経営会議に報告しています。 そして、必要に応じて経営陣指示のもと、関係部門は事業への影響を軽減する対策を検討しています。 訴訟 (背景)当社グループは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟等を受ける可能性があります。 (リスクと影響)・当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されていません。 しかしながら、訴訟等が提起された場合、その動向によっては、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、安全・安心な製品の提供、知的財産権の適正な取得・使用、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めています。 また、グローバルで、重要な訴訟の提起や状況に関する報告が迅速かつ確実になされる仕組みを構築するとともに、当社グループ各国の担当者及び弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整備しています。 (3)主要リスクの中期経営計画「K27」との関連性14の主要リスクのうち、「原材料調達」、「社会課題への対応」、「製品等の品質」、「人財確保」、「流通環境の変化」、「事業投資」を中期経営計画「K27」との関連性が特に大きいリスクと認識して対応しています。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。 (1)経営成績の分析注:以下、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。 また、数量等には製品構成差を含んでいます。 下記表内の2023年12月期と増減率の営業利益以下の下段数値は、2023年度に実施した構造改革に係る影響を除いた「コア利益」に基づいて算出しています。 売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率(%)税引前利益(億円)当期利益(億円)親会社の所有者に帰属する当期利益(億円)基本的1株当たり当期利益(円)2024年12月期16,2841,4669.01,5101,1041,078231.942023年12月期15,3266003.963846243994.371,1477.51,185883860184.95増減率6.3%144.3%-136.6%139.1%145.7%145.8%実質3.3%27.8%-27.4%25.1%25.3%25.4% 当期の世界経済は、欧州や中東の地政学リスクや大国間の国際的な緊張によって回復が妨げられました。 また、インフレの長期化と金融引き締めが消費や投資の回復を鈍らせました。 日本では、物価高が続く中で賃上げの動きが広がり、内需の回復が経済成長を支える重要な鍵となっています。 このように経営環境は不透明な状況が続きました。 当社グループの主要市場である日本のコンシューマープロダクツ(トイレタリー及び化粧品)市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると前期を上回りました。 当社グループは、花王グループ中期経営計画「K27」の達成のため、顧客の重大なニーズに、エッジの効いたソリューションで世界No.1の貢献をする「グローバル・シャープトップ戦略」を着実に推進しています。 売上高は、前期に対して6.3%増の1兆6,284億円(為替3.0%増、実質3.3%増(内訳:数量等1.7%増、価格1.5%増))となりました。 営業利益は、1,466億円(対前期866億円増)、営業利益率は9.0%となりました。 税引前利益は1,510億円(対前期872億円増)、当期利益は、1,104億円(対前期642億円増)となりました。 基本的1株当たり当期利益は231.94円となり、前期の94.37円より137.57円増加(前期比145.8%増)しました。 当社グループが経営指標としているROIC(投下資本利益率)は9.2%となり、EVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が大幅に増加する中、資本コストも若干増加しましたが、前期を183億円上回り332億円となりました。 当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。 第1四半期(1-3月)第2四半期(4-6月)第3四半期(7-9月)第4四半期(10-12月)米ドル148.22円[132.29円]155.72円[137.30円]149.44円[144.49円]152.30円[147.84円]ユーロ160.99円[141.98円]167.68円[149.50円]164.04円[157.23円]162.55円[159.01円]中国元20.63円[19.33円]21.51円[19.58円]20.84円[19.94円]21.19円[20.45円] 注:[ ]内は前期の換算レート 〔セグメント別の概況〕セグメントの業績 売上高営業利益(上段)コア営業利益(下段)通期増減率通期増減(億円)2023年12月期(億円)2024年12月期(億円)(%)実質(%)2023年12月期2024年12月期(億円)利益率(%)(億円)利益率(%) ファブリック&ホームケア製品3,4913,7577.66.850714.568418.2177 51014.6174 サニタリー製品1,7341,686(2.8)(5.4)(306)(17.6)734.4379 (91)(5.2)164 ハイジーン&リビングケア事業5,2255,4434.22.82013.975813.9556 4198.0339 ヘルス&ビューティケア事業3,9294,2407.94.140510.33448.1(60) 42810.9(84) ライフケア事業563559(0.7)(2.6)(53)(9.4)6311.3116 (13)(2.3)76 化粧品事業2,3862,4412.30.0(54)(2.3)(37)(1.5)17 532.2(90)コンシューマープロダクツ事業12,10312,6824.82.44994.11,1288.96298877.3241ケミカル事業3,6614,05910.96.12366.43468.51112486.899小 計15,76416,7416.23.3735-1,475-7401,135-340セグメント間消去又は調整(439)(457)--(134)-(8)-12612-(20)合 計15,32616,2846.33.36003.91,4669.08661,1477.5319 販売実績(億円、増減率%)通期日本アジア米州欧州合計 ファブリック&ホームケア製品2023年3,00345138-3,4912024年3,27944335-3,757増減率9.2(1.8)(8.1)-7.6実質9.2(7.3)(14.5)-6.8サニタリー製品2023年8049291-1,7342024年765921--1,686増減率(4.9)(0.9)--(2.8)実質(4.9)(5.7)--(5.4)ハイジーン&リビングケア事業2023年3,8071,38038-5,2252024年4,0441,36435-5,443増減率6.2(1.2)(9.5)-4.2実質6.2(6.2)(15.8)-2.8ヘルス&ビューティケア事業2023年2,0533451,0125193,9292024年2,1213671,1256274,240増減率3.36.211.220.77.9実質3.30.73.211.24.1ライフケア事業2023年421113915632024年40221522559増減率(4.5)234.29.432.0(0.7)実質(4.5)219.91.819.9(2.6)化粧品事業2023年1,535500772742,3862024年1,665391793062,441増減率8.4(21.8)2.611.82.3実質8.4(26.7)(4.6)2.90.0コンシューマープロダクツ事業2023年7,8172,2261,26679412,1032024年8,2322,1251,39193512,682増減率5.3(4.6)9.917.74.8実質5.3(9.7)2.08.42.4ケミカル事業2023年1,3398676118443,6612024年1,3841,0506839424,059増減率3.421.011.811.710.9実質3.413.64.83.56.1セグメント間売上高の消去2023年(388)(32)(1)(19)(439)2024年(386)(37)(1)(32)(457)売上高2023年8,7683,0621,8771,62015,3262024年9,2303,1372,0731,84516,284増減率5.32.410.513.96.3実質5.3(3.3)2.95.23.3 注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業ではコンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。 地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。 売上高 対前年同期比分析 増減率(%) 為替(%)実質(%) 数量等(%)価格(%) ファブリック&ホームケア製品7.60.86.83.33.6 サニタリー製品(2.8)2.6(5.4)(8.1)2.7 ハイジーン&リビングケア事業4.21.42.8(0.5)3.3 ヘルス&ビューティケア事業7.93.84.14.00.1 ライフケア事業(0.7)1.9(2.6)(2.9)0.3 化粧品事業2.32.30.0(1.6)1.7コンシューマープロダクツ事業4.82.42.40.61.8ケミカル事業10.94.86.15.60.5合 計6.33.03.31.71.5 注:ケミカル事業の売上高は、セグメント間取引を含んでいます。 売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の44.3%から44.5%となりました。 コンシューマープロダクツ事業売上高は、前期に対して4.8%増の1兆2,682億円(為替2.4%増、実質2.4%増(内訳:数量等0.6%増、価格1.8%増))となりました。 世界では、生活者の低価格志向が継続する一方で、品質や機能に優れたコストパフォーマンスの高い製品への需要が高まっています。 日本市場では、インフレが継続し慎重な消費が続いています。 中国市場では、経済の減速等により個人消費の低迷が続きました。 このような中、DXによるマーケティング手法の高度化、高付加価値製品の提案やその価値に見合った価格設定等に取り組みました。 以上の結果、日本の売上高は、前期に対して、5.3%増の8,232億円となりました。 アジアの売上高は、4.6%減の2,125億円(実質9.7%減)となりました。 米州の売上高は、9.9%増の1,391億円(実質2.0%増)となり、欧州の売上高は、17.7%増の935億円(実質8.4%増)となりました。 営業利益は、2023年から始めた構造改革の取り組み等により稼ぐ力が向上し、1,128億円(対前期629億円増)となりました。 当社は、〔ハイジーン&リビングケア事業〕、〔ヘルス&ビューティケア事業〕、〔ライフケア事業〕、〔化粧品事業〕を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。 〔ハイジーン&リビングケア事業〕売上高は、前期に対し4.2%増の5,443億円(為替1.4%増、実質2.8%増(内訳:数量等0.5%減、価格3.3%増))となりました。 ファブリック&ホームケア製品の売り上げは、前期に対して7.6%増の3,757億円(為替0.8%増、実質6.8%増(内訳:数量等3.3%増、価格3.6%増))となりました。 スクラム型の組織運営により商品開発のスピードアップと高付加価値化の推進が順調に進みました。 ファブリックケア製品の売り上げは前期を上回りました。 日本では、10月まで猛暑が続き洗濯頻度の増加等により市場が伸長する中、衣料用洗剤等の新製品・改良品が好調に推移し、シェア・数量ともに拡大しました。 また、衣料用漂白剤「ワイドハイター」が好調に推移し、柔軟仕上げ剤は回復傾向にあります。 ホームケア製品の売り上げは、前期を上回りました。 日本では、食器用洗剤「キュキュット」の改良等により、シェアが継続して伸長したほか、「マジックリン」ブランドの新製品・改良品が好調に推移しました。 特にトイレ用クリーナーが大きくシェアを伸ばしました。 ファブリック&ホームケア製品の営業利益は、684億円(対前期177億円増)となりました。 サニタリー製品の売り上げは、前期に対して2.8%減の1,686億円(為替2.6%増、実質5.4%減(内訳:数量等8.1%減、価格2.7%増))となりました。 生理用品「ロリエ」の売り上げは、前期を上回りました。 日本では、高付加価値の新製品「しあわせ素肌 もちふわfit」等が好調に推移し、売り上げが伸長しました。 中国の売り上げは「スーパースリムガード」等の新製品が好調に推移し、前期を上回りました。 ベビー用紙おむつ「メリーズ」の売り上げは、前期を下回りました。 日本の売り上げは、中国向け等の輸出が減少したことで前期を下回りましたが、シェアは伸長しました。 中国では市場縮小や競争激化の影響を受けました。 サニタリー製品の営業利益は、2023年に実施したベビー用紙おむつ事業の構造改革効果、ブランド力強化の活動に加え、ペットケア事業譲渡益の計上等により73億円(対前期379億円増)となりました。 ハイジーン&リビングケア事業の営業利益は、758億円(対前期556億円増)となりました。 〔ヘルス&ビューティケア事業〕売上高は、前期に対して7.9%増の4,240億円(為替3.8%増、実質4.1%増(内訳:数量等4.0%増、価格0.1%増))となりました。 スキンケア製品の売り上げは前期を上回りました。 日本では「ビオレ」のメイク落としや、UVケア製品、シート関連の新製品等が好調に推移しました。 「グローバル・シャープトップ戦略」のもと展開しているUVケア製品を含む「スキンプロテクション」のビジネスは計画通り進捗しています。 また、2023年11月に買収したプレミアムスキンケアブランド「Bondi Sands」の売り上げも寄与しています。 ヘアケア製品の売り上げは前期を上回りました。 日本では「ケープ」の新製品、リブランディングした「エッセンシャル」が好調に推移したほか、新ヘアケアブランド「melt」、「THE ANSWER」が計画を上回り、新プレミアム戦略を着実に推進しています。 欧米では、「JOHN FRIEDA」の新製品が好調に推移しました。 ヘアサロン向け製品の売り上げは、米国の「ORIBE」がEコマースを中心に好調に推移し、欧州では「GOLDWELL」も伸長したことで前期を上回りました。 パーソナルヘルス製品の売り上げは、前期を下回りました。 営業利益は、成長のためのマーケティング費用や欧米子会社で構造改革費用を計上したこと等により344億円(対前期60億円減)となりました。 〔ライフケア事業〕売上高は、前期に対して0.7%減の559億円(為替1.9%増、実質2.6%減(内訳:数量等2.9%減、価格0.3%増))となりました。 業務用衛生製品の売り上げは、前期を上回りました。 日本では外食産業や宿泊施設等で厨房用洗浄剤や客室消耗品・清掃品の需要が高まりましたが、消毒剤の市場縮小が続き、売り上げはほぼ横ばいでした。 米国では新製品による新規顧客の獲得等で、売り上げは前期を上回りました。 なお、2024年8月1日にキリンビバレッジ株式会社への茶カテキン飲料「ヘルシア」に関する事業譲渡が完了しました。 営業利益は、事業譲渡益の計上等により63億円(対前期116億円増)となりました。 〔化粧品事業〕売上高は、前期に対して2.3%増の2,441億円(為替2.3%増、実質0.0%増(内訳:数量等1.6%減、価格1.7%増)、なお、中国及び前期に実施した日本の化粧品ブランド統廃合による返品引当金等の影響を実質からさらに除くと約4%増)となりました。 日本の売り上げは、市場が順調に推移する中、「KANEBO」がけん引し、「ソフィーナiP」、「キュレル」、「SENSAI」等も好調に推移したことで、前期を上回りました。 中国を除くアジアでは、OMO(Online Merges with Offline)の取り組みをより一層強化することで、「キュレル」、「KATE」等が好調に推移しました。 一方、中国においては、市場伸長鈍化に加え競争環境激化が続く中、出荷抑制による流通在庫の適正化を実施しました。 その結果、アジア全体の売り上げは前期を大幅に下回りました。 欧州の売り上げは、「SENSAI」の最高峰シリーズや唇用エイジングケア美容液「トータルリップトリートメントスティック」が好調に推移したこと、また、「MOLTON BROWN」が堅調に推移したこと等により、前期を上回りました。 営業利益は、37億円(対前期17億円増)の損失となりました。 ケミカル事業売上高は、前期に対して10.9%増の4,059億円(為替4.8%増、実質6.1%増(内訳:数量等5.6%増、価格0.5%増))となりました。 油脂製品では、顧客の需要が回復基調にある中、新規設備の稼働、販売数量の増加、原料価格の上昇に伴う販売価格の改定により、売り上げは伸長しました。 機能材料製品は、自動車関連分野等の一部対象市場の停滞と海外での競争激化の影響が続いており、売り上げはほぼ前年並みとなりました。 情報材料製品では、ハードディスクや半導体関連等の対象分野の需要の回復を着実に捉えて、売り上げは伸長しました。 営業利益は、電子材料分野などの高付加価値製品の拡販等による増収と油脂製品を中心とした利幅の改善が貢献し、346億円(対前期111億円増)となりました。 (2)財政状態の分析当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定が行われたことに伴い、確定の内容を反映した数値を用いて前連結会計年度との比較・分析を行っています。 (連結財政状態) 前連結会計年度2023年12月末当連結会計年度2024年12月末増減資産合計(億円)17,69518,672977負債合計(億円)7,5757,684109資本合計(億円)10,12010,988868親会社所有者帰属持分比率55.6%57.1%-1株当たり親会社所有者帰属持分(円)2,116.012,296.69180.68社債及び借入金(億円)1,3851,311(74) 資産合計は、前期末に比べ977億円増加し、1兆8,672億円となりました。 主な増加は、現金及び現金同等物661億円、営業債権及びその他の債権121億円、棚卸資産109億円です。 負債合計は、前期末に比べ109億円増加し、7,684億円となりました。 主な増加は、営業債務及びその他の債務225億円であり、主な減少は、引当金118億円です。 資本合計は、前期末に比べ868億円増加し、1兆988億円となりました。 主な増加は、当期利益1,104億円、在外営業活動体の換算差額486億円であり、主な減少は、配当金714億円です。 なお、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の55.6%から57.1%となりました。 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は10.5%となりました。 (3)キャッシュ・フローの分析(連結キャッシュ・フローの状況) 通期増減(億円)2023年12月期(億円)2024年12月期(億円)営業活動によるキャッシュ・フロー2,0252,016(9)投資活動によるキャッシュ・フロー(1,093)(459)634フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)9321,557625財務活動によるキャッシュ・フロー(800)(1,046)(246) 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,016億円となりました。 主な増加は、税引前利益1,510億円、減価償却費及び償却費884億円、営業債務及びその他の債務の増減額110億円であり、主な減少は、法人所得税等の支払額276億円、引当金の増減額123億円、事業譲渡益106億円です。 投資活動によるキャッシュ・フローは、△459億円となりました。 主な増加は、有形固定資産の取得による支出574億円、無形資産の取得による支出101億円であり、主な減少は、事業譲渡による収入118億円です。 営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、1,557億円となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,046億円となりました。 安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA及びROIC視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っていきます。 当期の主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金715億円、リース負債の返済による支出216億円、短期借入金の増減額143億円です。 当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ661億円増加し、3,577億円となりました。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。 以下、「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に準拠して作成しております。 この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。 (5)資本の財源及び資金の流動性についての分析使用権資産を含む重要な資本的支出の2025年度の予定額は、約880億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。 なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 (6)生産、受注及び販売の実績当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。 従って、生産実績は販売実績に類似しております。 生産及び販売の実績については、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。 (7)経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 合弁事業契約国名契約先合弁会社名称出資比率※1契約日マレーシアIOI Oleochemical Industries BerhadFatty Chemical(Malaysia) Sdn. Bhd.70.0%※21988年2月29日インドネシアPT RodamasPT Kao Indonesia50.01%1994年8月29日 ※1 当連結会計年度末の出資比率を記載しております。 ※2 出資比率は、間接出資比率であり、 Kao Singapore Private Limited(当社100%出資)が出資しております。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 私たちは、持続可能で豊かな共生世界を実現することを使命に、「未来のいのちを守る企業」として、人、社会、地球に貢献することを目指しております。 研究開発部門では、多様な国や地域の生活者の様々な文化やニーズを理解し、独創的なシーズと組み合わせることにより、新たな価値や市場を創造する画期的な商品・技術の開発に取り組んでおります。 その一つの取り組みとして、重点事業のひとつであるヘアケア事業の変革をスタートさせました。 「髪の生きる力を、人の生きる力へ」という事業ビジョンのもと、ヘアケアブランドのフォーメーションを感情ニーズに基づいて再編し、新ブランドを立ち上げました。 休みながら美しく“休息美容”を提案する「melt(メルト)」、花王100年のヘアケア研究からたどり着いた補修成分を配合した「THE ANSWER(ジアンサー)」の2ブランドです。 これらの変革を通じ、ヘアケア事業を成長ドライバー事業へと育成強化するとともに、各ブランドにおいて、常に生活者の期待を上回るモノづくりを推進していきます。 またケミカル事業においては、ゴムや樹脂製品の製造時に、製品を型枠からスムーズに取り外すための離型剤「ルナフローRA」を発売しました。 木材等から得られる繊維をナノレベルまで微細化したバイオマス素材セルロースナノファイバー(CNF)を材料として活用し、優れた離型性が持続することが特徴です。 製造工程での作業性向上のみならず、溶剤フリー・フッ素フリーで環境と作業者の両方にやさしい製品設計となっています。 今後も、CNFを活用した離型技術を応用し、汚れをつきにくくする製品への展開も視野に入れて、取り組んでまいります。 当社グループ全体で、約2,800名が研究開発業務に携わっております。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、621億円(売上高比3.8%)であり、主な成果は、下記のとおりであります。 コンシューマープロダクツ事業〔ハイジーン&リビングケア事業〕人々の生活スタイルや価値観の多様なニーズに応え、誰もが安心して快適に暮らせるための清潔・衛生商品を提供すべく、幅広い分野での研究開発を進めております。 ファブリックケア製品では、衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO」シリーズを改良発売しました。 ニオイ戻りの原因の一つとなる「バイオフィルム※1」を根本洗浄※2 し、除菌・抗菌洗剤※3 を超えた“無菌レベルの消臭力※4 ”を実現しました。 ホームケア製品では、台所用漂白剤「キッチン泡ハイター」の泡のボリュームや持続性を向上させて、密着泡を実現し、1998年の発売以来、27年目で初めて改良※5 発売しました。 同時に、密着泡で除菌※6 ・漂白・消臭しながら、使用時の塩素臭を低減した「キッチン泡ハイター 無臭性」を新たに発売しました。 サニタリー製品では、生理用品「ロリエ」から、「ロリエ しあわせ素肌 もちふわfit」を新発売しました。 からだに自在にフィットする「もちふわクッション」と、おしりのすき間にぴたっとフィットする「V字フィット」 で、やさしいつけ心地でモレにくく、多い日も肌をさらさらに保ちます。 当事業に係る研究開発費は、148億円であります。 ※1:菌が作り出す多糖汚れ。 ※2:汚れ落ちのメカニズム(根本)から考えた洗浄のこと。 ※3:当社酸素系漂白剤・除菌洗剤・抗菌洗剤。 ※4:ニオイ菌がいないレベルで嫌なニオイがしないこと。 ※5:中身(液)において。 ※6:すべての菌を除菌するわけではありません。 〔ヘルス&ビューティケア事業〕世界の人々の肌や髪を深く知るとともに、人が本来持っている健康力を生かしたQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指した本質研究と、革新的な技術と品質によるユニークで付加価値の高い製品の提案をとおして、健康美と清潔衛生を実現する研究開発に取り組んでいます。 スキンケア製品では、「ビオレ」から、「ビオレZero」を新発売しました。 汗を乾かし続ける「高蒸散パウダー」がヴェールのように肌を包み込むことで、さらさら感が長時間持続します。 朝、外出前に使用することで、通勤・通学、日中の活動時に汗をかいても快適が続きます。 また、蚊による感染症から「未来のいのちを守る」取り組みの一環として、蚊が肌にとどまることを防ぐアンチ・ランディングテクノロジーを備えた「ビオレガード モスブロックセラム」を、シンガポール、マレーシアで新発売しました。 引き続き、社会課題の解決に向けた取り組みを推進していきます。 ヘアケア製品では、ヘアケア事業改革の一環として既存ブランドの強化も行いました。 主力ヘアケアブランド「Essential(エッセンシャル)」において、新たに「Brighten Me Up!<ときめきが世界を変える>」をブランドコンセプトに、「Essential Premium(エッセンシャル プレミアム)」シリーズを新発売、「Essential」のベーシックシリーズの改良発売を行いました。 また、年齢に応じた髪の本質ケアを行うブランド「Segreta(セグレタ)」では、「Segreta PREMIER(セグレタ プレミア)」を新発売、既存の「Segreta」ベーシックシリーズは、パッケージデザインを刷新するとともに、洗い流さないトリートメント「セグレタ シアーコート ヘアミスト」「セグレタ スムースフィット ヘアオイル」をラインアップに加え、改良発売しました。 パーソナルヘルス製品では、ブランド「めぐりズム」から、花王初の管理医療機器※ 「めぐりズムメディカルアイケアマスク」を一部のECにて先行発売しました。 乾燥による目の不快感に対する蒸気温熱の効果について学術研究を進めた結果、管理医療機器としての承認を得ることができました。 当事業に係る研究開発費は、221億円であります。 ※:「医療機器」とは、薬機法第2条第4項で人もしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること、又は、人もしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされる機械器具等であり、政令で定めるものをいいます。 その中でも「管理医療機器」は薬機法第2条第6項で適切な管理が必要な医療機器と定められています。 〔ライフケア事業〕高機能な製品開発と、モニタリング技術を活用した一人ひとりへの精度の高いソリューションの提供を目指し、心身の健康をサポートし、人々のウェルネスの向上につながる研究を進めています。 「皮脂RNAモニタリング※ 」に関連する活動の一環として、株式会社アイスタイルと、ビューティ&ヘルス産業のサステナブルな発展を目的とした「RNA共創コンソーシアム」を共同設立しました。 美容健康サービスの「作る」「売る」「選ぶ」ための新基準制定や標準化、ビジネスユースケースの実証、ビジネス連携支援等の活動を推進します。 また、株式会社ヘルスケアシステムズ社を通じて、「皮脂RNAモニタリング」技術を用いて皮脂RNAの受託分析を行うサービスを開始しました。 皮膚科学、健康科学、医療をはじめとする様々な領域の研究・製品開発への活用が期待できます。 当事業に係る研究開発費は、18億円であります。 ※:肌表面から採取した皮脂中のRNAから、個人の違いだけでなく、加齢や疲労、病気等の体調の変化や、外的ストレスの影響を解析する技術。 〔化粧品事業〕世界の人々の肌を深く知る本質研究による確かなエビデンスと五感に訴える感性研究を融合して、新しい美の価値創造を目指しております。 カウンセリング化粧品では、「KANEBO」から、リップ「ルージュスターヴァイブラント」を新発売しました。 内から湧き上がるような血色感とみずみずしいツヤを纏い、脈打つような生命感のある仕上がりが続きます。 また、美容液「カネボウ フュージョニング ソリューション」を新発売しました。 肌の凹凸や動きにも追従する、均一でなめらかな浸透膜を形成し、うるおいを閉じ込めて、やわらかくなめらかな肌へ導きます。 「キュレル」では、保湿クリーム「キュレル 潤浸保湿 パウダーバーム」を新発売しました。 髪の毛やほこり等の不快接触や摩擦から肌を保護するだけではなく、毛穴・凹凸をぼかしてなめらかに整えます。 「ソフィーナiP」では、保湿クリーム「ソフィーナiP ゴールデンタイムリペア 深夜浸透クリーム」を新発売しました。 就寝前に使用することで夜間に保湿成分が角層細胞まで浸透し、翌朝のもっちりハリツヤ肌へ導きます。 当事業に係る研究開発費は、117億円であります。 ケミカル事業油脂科学、界面科学、高分子科学等における研究開発の成果をさらに深化させ、幅広い産業界の多様なニーズに対応した特徴あるケミカル製品を提供すべく、研究開発に取り組んでおります。 佐賀県佐賀市が有する清掃工場から排出されるCO2を回収・精製できる設備を利用し、独自の植物工場「SMART GARDEN (スマートガーデン)」を構築しました。 「スマートガーデン」では、使用電力や水使用量において環境負荷を低減しつつ、植物を効率よく栽培することが可能です。 さらに、栽培した植物からエキスの抽出まで一気通貫で行い、高純度・高効能な植物エキスを得ることができる成分制御技術を開発しました。 油脂製品では、オレオケミカルや三級アミンにおいて独自の触媒・プロセス技術開発を進めており、機能材料製品では、環境負荷低減に対応した付加価値製品の開発を進めております。 情報材料製品では、ポリマー設計技術を駆使した超低温定着ケミカルトナー(LUNATONE)や独自開発のVOCレス設計※ の水性インクジェット用顔料インク(LUNAJET)で印刷分野でのさらなる展開を強化していきます。 当事業に係る研究開発費は、118億円であります。 ※:印刷工程において排出されるVOC(volatile organic compounds:揮発性有機化合物)が(炭素換算で)700ppmC以下のものをVOCレスと定義。 改正大気汚染防止法(平成18年)により、VOC排出規制が実施されております。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資等の金額は、92,973百万円であり、セグメントごとの内訳は、以下のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円) ハイジーン&リビングケア事業28,382ヘルス&ビューティケア事業18,624ライフケア事業1,927化粧品事業15,099コンシューマープロダクツ事業64,032ケミカル事業28,382その他559合計92,973 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。 2.有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。 なお、資産除去引当金に係る有形固定資産及び使用権資産の増加額は含まれておりません。 3.セグメントに含まれない投資は、「その他」に含まれております。 コンシューマープロダクツ事業では、各事業で生産・研究設備の増強や合理化、維持更新のほか、情報システムの再構築等を行いました。 ハイジーン&リビングケア事業では、国内及び海外における新製品・改良品の対応や生産能力の拡充等を行いました。 ヘルス&ビューティケア事業では、国内及び海外で生産能力の拡充等を行いました。 ケミカル事業では、米国市場での安定供給体制強化に向けて米国で三級アミン生産拠点建設を進める等、主に海外で生産能力を拡充したほか、設備の合理化や維持更新、情報システムの再構築等を行いました。 なお、上記の所要資金は、主に当社グループ内の資金をグローバルに有効活用しております。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループの主要な設備の当連結会計年度末における状況は、以下のとおりであります。 (1)提出会社2024年12月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)和歌山工場・研究所(和歌山県和歌山市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業ケミカル事業生産設備研究開発設備14,53022,411854(603)5,93889144,6241,725[222]東京工場(インキュベーションセンター東京)・研究所・すみだ事業場(東京都墨田区)ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業ケミカル事業生産設備研究開発設備その他設備14,851871445(44)2,74133219,2401,860[245]酒田工場(山形県酒田市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業生産設備5,7753,263931(252)1,8112,85514,635218[36]川崎工場(神奈川県川崎市川崎区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業生産設備6,19915,0377,726(101)1,3123,73734,011265[26]栃木工場・研究所(栃木県芳賀郡市貝町)ハイジーン&リビングケア事業ケミカル事業生産設備研究開発設備8,6885,7622,648(276)1,6231,081(32)19,802933[87]鹿島工場(茨城県神栖市)ハイジーン&リビングケア事業ライフケア事業ケミカル事業生産設備4,6776,6786,392(354)7644618,557254[24]豊橋工場(愛知県豊橋市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業化粧品事業生産設備8,4656,7756,290(314)6399822,267195[9]愛媛工場(花王サニタリープロダクツ愛媛)(愛媛県西条市)ハイジーン&リビングケア事業生産設備3,0611,8251,025(52)2811566,348-[-]小田原工場(花王コスメプロダクツ小田原)・研究所・事業場(神奈川県小田原市)化粧品事業研究開発設備生産設備8,1223,830144 (2)690942(1)13,728360[27]川崎ロジスティクスセンター(神奈川県川崎市川崎区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備2159662,903(27)17- 4,101-[-]岩槻ロジスティクスセンター(埼玉県さいたま市岩槻区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備2607851,529(21)225233,119-[-] 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)堺ロジスティクスセンター(大阪府堺市西区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備1906921,931(37)383763,227-[-]厚木ロジスティクスセンター(神奈川県愛甲郡愛川町)化粧品事業物流設備1,8991612,810(33)6-4,876-[-]八王子ロジスティクスセンター(東京都八王子市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業物流設備1691009,936(31)81,19911,412-[-]本社(東京都中央区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業全社(共通)その他設備1,73414-(-)22332,33634,3071,956[199] (2)国内子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)花王グループカスタマーマーケティング㈱本店(東京都中央区)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業販売設備391-4,482(72)4,6862,970(3)12,5295,274[930]㈱カネボウ化粧品小田原工場(花王コスメプロダクツ小田原)(神奈川県小田原市)化粧品事業生産設備その他設備79-4,641(62)404185,14217[43] (3)在外子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)上海花王有限公司上海工場(上海市)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業化粧品事業生産設備-4,923-(-)23421(-)5,178300[-]花王(上海)化工有限公司上海工場(上海市)ケミカル事業生産設備3,7084,644-(-)201792(83)9,345109[-] 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積千㎡)その他(百万円)使用権資産(百万円)(面積千㎡)合計(百万円)Kao (Taiwan)Corporation新竹工場・研究所(新竹縣)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業生産設備研究開発設備1,7503,050168(58)6914356,094526[4]PilipinasKao,Inc.ハサーン工場(フィリピンミサミスオリエンタル)ケミカル事業生産設備1,67213,557-(-)804121(329)16,154197[-]KaoIndustrial(Thailand) Co., Ltd.チョンブリ工場(タイ チョンブリ)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業ケミカル事業生産設備研究開発設備2,2824,9881,397(171)8951,02710,5891,038[-]FattyChemical(Malaysia) Sdn. Bhd.本社工場(マレーシア ペナン)ケミカル事業生産設備2,8345,460-(-)1,5964,618(118)14,508280[1]PT KaoIndonesiaカラワン工場(インドネシア カラワン)ハイジーン&リビングケア事業ヘルス&ビューティケア事業生産設備7,77910,2614,461(141)5701,528(252)24,5991,670[513]PT KaoIndonesiaChemicalsカラワン工場(インドネシア カラワン)ケミカル事業生産設備4,1361,994-(-)163693(64)6,986259[12]Kao USAInc.本社工場・研究所(米国オハイオ州シンシナティ)ヘルス&ビューティケア事業化粧品事業生産設備研究開発設備4,0222,94937(35)3,0775,58815,673937[30]Kao ChemicalsAmericasCorporation本社工場(米国ノースカロライナ州ハイポイント)ケミカル事業生産設備研究開発設備1,3901,1763,569(723)21,5615227,748160[-]KaoManufacturingGermany GmbH本社工場(ドイツダルムシュタット)ヘルス&ビューティケア事業生産設備1,3231,086571(50)656294(27)3,939301[4]Kao ChemicalsGmbH本社工場(ドイツエメリッヒ)ケミカル事業生産設備6,2653,073202(74)40237010,312207[52]KaoCorporation, S.A.オレッサ工場(スペイン バルセロナ)ケミカル事業生産設備6,0592,4041,163(264)1,6401,46712,733428[25] (注)1.複数の事業所を有する会社は、代表的な事業所名を記載しております。 2.土地の面積については、()で外書きしております。 3.帳簿価額のうち、「その他」は、有形固定資産の工具、器具及び備品と建設仮勘定であります。 4.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しております。 5.Kao Chemicals Americas Corporationには、同社の子会社であるHigh Point Textile Auxiliaries LLC、Kao Specialties Americas LLC、STAR (Delaware) Realty LLC及びKao America Inc.の子会社であるHPC Realty, Inc.が含まれております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充等)は、およそ88,000百万円であり、セグメントに関連付けた内訳は、以下のとおりであります。 セグメントの名称設備投資計画金額(百万円)設備等の主な内容・目的ハイジーン&リビングケア事業21,400国内及び海外における各事業の生産能力の拡充のほか、設備の合理化、維持更新等ヘルス&ビューティケア事業ライフケア事業化粧品事業 ケミカル事業 26,000国内及び海外における設備能力の拡充のほか、設備の合理化、維持更新等全社(共通)、その他35,600研究開発関連、物流設備の拡充及び維持更新、IT関連投資等5,000使用権資産合計88,000 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。 2.有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。 3.経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。 4.上記計画に伴う所要資金は、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。 5.各セグメントに共通の設備投資計画は、「全社(共通)、その他」に含まれております。 |
研究開発費、研究開発活動 | 11,800,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 559,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 17 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,108,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社グループは、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を「純投資目的である投資株式」と区分し、それ以外を「純投資目的以外の目的である投資株式」と区分しております。 なお、当社は純投資目的である投資株式を保有しておりません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社グループは、業務提携、取引の維持・強化等事業活動上の必要性等を勘案し、保有する株式数を含め合理性があると認める場合に限り、上場株式を政策的に保有しております。 これらは、株式市場や当社を取り巻く事業環境の変動による影響を受けますが、毎年、取締役会等において、銘柄毎に保有目的、含み損益、EVA、取引高等を評価軸として、保有継続の合理性及び株式数の見直し等を確認しております。 当事業年度末において定量基準を満たさなかった銘柄はありませんでした。 また、政策保有株の議決権に関しましては、適切なコーポレート・ガバナンス体制の整備や発行会社の中長期的な企業価値の向上に資する提案であるかどうか、また当社への影響度等を総合的に判断して行使しております。 必要に応じて、議案の内容等について発行会社と対話します。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式284,181非上場株式以外の株式133,273 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式179事業関係の強化のため非上場株式以外の株式13持株会による株式の取得 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式160非上場株式以外の株式3542 c.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)東京海上ホールディングス㈱265,460318,510(保有目的)保険業務を中心とした取引先であり、当社グループのリスクマネジメントに係る協力関係維持のため保有無(注)21,5211,124イオン㈱282,541281,679(保有目的)コンシューマープロダクツ事業の販売先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有 (株式数が増加した理由)持株会による株式の取得無1,044888日本ゼオン㈱130,000130,000(保有目的)ケミカル事業の取引先であり、当社グループの 営業取引等に係る協力関係維持のため保有有195170三京化成㈱35,11235,112(保有目的)ケミカル事業の取引先であり、当社グループの営業取引等に係る協力関係維持のため保有有151106ニチレキグループ㈱52,80752,807(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有無142128㈱山形銀行73,458113,458(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループの財務取引に係る協力関係維持のため保有有74121㈱みずほフィナンシャルグループ14,47714,477(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループの財務取引に係る協力関係維持のため保有無(注)25635㈱めぶきフィナンシャルグループ50,22350,223(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループの財務取引に係る協力関係維持のため保有無3222㈱プラネット24,00024,000(保有目的)トイレタリー業界における共通インフラ形成 において協業関係にあり、当社グループを含めた業界標準化活動における協力関係維持のため保有無3029アジアパイルホールディングス㈱11,00011,000(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有無98㈱不二家3,0003,000(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有無87㈱トーホー2,4002,400(保有目的)ライフケア事業の取引先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有無77日本コンクリート工業㈱14,00014,000(保有目的)ケミカル事業の販売先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有無54㈱三井住友フィナンシャルグループ-24,033(保有目的)資金調達等の金融取引先であり、当社グループの財務取引に係る協力関係維持のため保有無-165 (注)1.定量的な保有効果については記載が困難ですが、毎年、取締役会等において、銘柄毎に保有目的、含み損益、EVA、取引高等を評価軸として、保有継続の合理性及び株式数の見直し等を確認しております。 当事業年度においては3銘柄の売却を実施し、当事業年度末において、定量基準を満たさなかった銘柄はありませんでした。 2.保有先企業は当社株式を保有しておりませんが、同社子会社は当社株式を保有しております。 3.「-」は当該銘柄を保有していないことを示しております。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 28 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4,181,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,273,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 79,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 542,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 14,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 5,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 事業関係の強化のため |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 持株会による株式の取得 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱三井住友フィナンシャルグループ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的)コンシューマープロダクツ事業の販売先であり、当社グループの営業取引に係る協力関係維持のため保有 (株式数が増加した理由)持株会による株式の取得 |