財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-03-07 |
英訳名、表紙 | KAGOME CO., LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 山口 聡 |
本店の所在の場所、表紙 | 名古屋市中区錦三丁目14番15号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | (052)951-3571 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月概要1899年創業者蟹江一太郎西洋野菜の栽培に着手、最初のトマトの発芽を見る1903年トマトソース(現在のトマトピューレー)の製造・販売を開始1908年トマトケチャップ・ウスターソースの製造・販売を開始1914年12月愛知トマトソース製造合資会社(現カゴメ㈱)設立1917年4月カゴメ印商標登録 1919年6月上野工場竣工、製造設備を近代化1923年4月愛知トマト製造株式会社に改組1933年8月トマトジュースを発売1949年4月東京連絡所(現東京支社)開設7月大阪出張所(現大阪支店)開設8月 愛知トマト製造㈱、愛知海産興業㈱、滋賀罐詰㈱、愛知商事㈱、愛知罐詰興業㈱の関係5社を事業強化目途に合併、愛知トマト株式会社を設立1961年4月カゴメビル㈱(現カゴメアクシス㈱、現連結子会社)を本社ビル管理会社として設立7月栃木工場(現那須工場)竣工1962年6月茨城工場竣工7月本社販売課を分離し、名古屋支店を開設9月研究所開設(現イノベーション本部)1963年4月カゴメ株式会社に社名変更1967年10月台湾可果美股份有限公司(現連結子会社)を合弁・設立、海外トマト原料調達に着手1968年7月富士見工場竣工1971年3月カゴメ興業㈱(カゴメ物流サービス㈱)を物流子会社として設立1972年4月東京本部(現東京本社)開設1976年11月名古屋証券取引所市場第二部に株式上場1978年9月名古屋証券取引所市場第一部に指定替11月東京証券取引所市場第一部に株式上場1983年5月ブランドマークをに変更 1991年6月東京本部を東京本社に改称し、2本社制に移行1995年2月野菜飲料「野菜生活100」を発売1998年1月KAGOME INC.(現連結子会社、米国カリフォルニア州)設立7月現在地(東京都中央区日本橋浜町三丁目21番1号日本橋浜町Fタワー)に東京本社を移転2000年1月企業理念(「感謝」「自然」「開かれた企業」)を発表2005年8月可果美(杭州)食品有限公司(連結子会社)設立(2017年 清算結了)2010年7月 Kagome Australia Pty Ltd.(現連結子会社 オーストラリア ビクトリア州)及びその連結子会社2社を設立2017年12月Kagome Senegal Sarl(現連結子会社)設立2020年10月カゴメアグリフレッシュ㈱(現連結子会社)設立2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行2022年9月DXAS Agricultural Technology Lda(現連結子会社)設立2024年1月Ingomar Packing Company, LLCの持分を追加取得し連結子会社化 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社40社及び関連会社3社で構成され、国内外での食品の製造、仕入及び販売を主な事業内容としております。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照ください。 当社グループ各社の事業に係る位置付けは、次の通りであります。 当社グループは、国内において、飲料や調味料の製造・販売を行っている国内加工食品事業、また海外において農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開する国際事業の2つを主たる事業としております。 なお、当社グループは製品、顧客等の要素及び経済的特徴の類似性を考慮し、飲料、通販及び食品他については事業セグメントを集約して「国内加工食品事業」、トマト他一次加工、トマト他二次加工(※1)についても集約の上「国際事業」を報告セグメントとしております。 したがって、当社グループは「国内加工食品事業」、「国際事業」及び「その他」の3つを報告セグメントとしております。 また、セグメント利益は、「事業利益(※2)」であり、取締役会は事業利益に基づいて事業セグメントの業績を評価しております。 ※1 トマト他一次加工…農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売トマト他二次加工…主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売 ※2「事業利益」は、「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。 各報告セグメントの主要な製品は、以下の通りであります。 セグメントの名称主要製品及び商品等 飲料野菜生活100シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本、他 通販野菜飲料、サプリメント、スープ、他 食品他トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品、他国内加工食品事業 トマト他一次加工トマトペースト、ダイストマト、にんじん汁、冷凍地中海野菜、他 トマト他二次加工ピザソース、バーベキューソース、トマトケチャップ、他 ※3国際事業 その他国内農事業、種苗の生産・販売、新品種・栽培技術などの研究開発、不動産事業、業務受託事業、新規事業、他 ※3国際事業のうち、一次加工及び二次加工に属さない事業は「トマト他二次加工」に含めております。 主要な関係会社の事業系統図は、次の通りであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) 当社より業務委託に伴う役務提供を受けております。 役員の兼任があります。 カゴメアグリフレッシュ㈱東京都中央区375その他100響灘菜園㈱福岡県北九州市若松区50その他66.00(66.00)当社より原材料を仕入れております。 いわき小名浜菜園㈱(注4)福島県いわき市10その他49.00(49.00)当社より原材料を仕入れております。 高根ベビーリーフ菜園㈱(注4)山梨県北杜市3その他39.00(39.00)当社より銀行借入の債務保証を受けております。 小池ベビーリーフ菜園㈱(注4)山梨県北杜市2その他48.80(48.80)当社より銀行借入の債務保証を受けております。 株式会社八ヶ岳みらい菜園(注4)長野県諏訪郡3その他44.00(44.00)当社より原材料を仕入れております。 カゴメアクシス㈱愛知県名古屋市中区98その他100当社の不動産管理等の業務を請負っております。 当社より土地を賃借しております。 当社へ建物を賃貸しております。 役員の兼任があります。 KAGOME INC.米国カリフォルニア州ロスバノス市百万米国ドル15国際事業100(100)当社へ原材料等を販売しております。 当社より機械を賃借しておりますIngomar Packing Company, LLC(注2、6)米国カリフォルニア州ロスバノス市百万米国ドル184国際事業70.00(70.00)当社へKAGOME INC.を通じ、原材料を販売しております。 Vegitalia S.p.A.イタリア共和国カラブリア州サンマルコアルジェンターノ市千ユーロ129国際事業100当社へ原材料を販売しております。 当社より資金の借入を行っております。 役員の兼任があります。 Holding da IndustriaTransformadora doTomate,SGPS S.A.ポルトガル共和国パルメラ市千ユーロ550国際事業68.99当社へ原材料等を販売しております。 当社より資金の借入を行っております。 当社より機械を賃借しております。 Kagome Australia Pty Ltd.(注2)オーストラリア連邦ビクトリア州百万豪ドル98国際事業100当社へ原材料等を販売しております。 役員の兼任があります。 台湾可果美股份有限公司(注4)台湾台南市百万台湾ドル316国際事業50.00当社へ製品等を販売しております。 当社より原材料を仕入れております。 Global Agricultural Research & Business Center USA LLC米国カリフォルニア州サンカルロス市千米国ドル200その他100(100) United Genetics Holdings LLC(注2)米国カリフォルニア州ホリスター市百万米国ドル35その他100当社へ原材料を販売しております。 当社より銀行借入の債務保証を受けております。 DXAS Agricultural Technology Lda.ポルトガル共和国リスボン市千ユーロ2,119その他66.60 Kagome Agri-BusinessResearch and DevelopmentCenter, Unipessoal Lda.ポルトガル共和国パルメラ市千ユーロ5その他100当社の研究開発等の業務を請負っております。 Kagome Senegal Sarlセネガル共和国ダカール州億セーファーフラン16その他100 その他22社 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(持分法適用関連会社) 世羅菜園㈱広島県世羅郡世羅町85その他47.06(47.06)当社より原材料を仕入れております。 F-LINE㈱東京都中央区2,480国内加工食品事業22.07当社の物流業務を請負っております。 役員の兼任があります。 Kagome Nissin Foods(H.K.) Co., Ltd.中国香港大埔区百万香港ドル5その他30.00当社より製品を仕入れております。 (注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。 2 特定子会社に該当しております。 3 上記連結子会社及び持分法適用関連会社は有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しておりません。 4 持分は、100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。 5 議決権の所有割合の( )内は間接所有割合の内数であります。 6 Ingomar Packing Company, LLCについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。 )の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。 IFRSに基づいて作成された同社の財務諸表における主要な損益情報等は以下のとおりです。 主要な損益情報等 (1)売上収益 57,781百万円(2)当期利益 3,670百万円(3)資本 70,884百万円(4)資産合計 89,180百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年12月31日現在セグメントの名称従業員数(名)国内加工食品事業1,516[585]国際事業953[1,005]その他663[638]全社(共通)52[2]合計3,184[2,230] (注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人数を外数で記載しております。 2 臨時従業員には、パートタイマー及び派遣社員を含んでおります。 (2) 提出会社の状況2024年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,635[604]42.117.78,917,248 セグメントの名称従業員数(名)国内加工食品事業1,501[585]国際事業14[1]その他68[16]全社(共通)52[2]合計1,635[604] (注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人数を外数で記載しております。 2 臨時従業員には、パートタイマー及び派遣社員を含んでおります。 3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況当社グループでは、提出会社において労働組合が組織されております。 提出会社の労働組合は1972年4月9日に結成され、2024年12月末現在における組合員数は1,006人であります。 労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)総合職技能職全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者11.194.310069.671.589.3 (注) 1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ② 連結子会社連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
戦略 | 戦略 気候変動に関するシナリオ分析(TCFD)リスク・機会の特定カゴメグループでは、2050年までに当社グループの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指して、2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を策定し、2022年にSBTイニシアチブから「1.5ºC目標※1」の認定を取得しています。 この目標に整合するため、TCFDのシナリオ分析をこれまでの「2ºC」および「4ºC」シナリオから、「1.5ºC」及び「4ºC」シナリオに変更し、気候変動が事業に与えるリスクと機会を特定しました。 ※1 産業革命前からの気温上昇を 1.5ºCに抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標 気候変動に関するリスク・機会の一覧大分類№気候変動 リスク・機会影響度発現時期移行リスク1炭素税導入による炭素税の支払いの増加小短~中期2炭素税の導入による購入した製品サービスや輸送に関わる調達コストの増加大短~中期3GHG排出量削減のための最新技術・設備投資の増加小短~中期4容器包装規制の対応費用の増加小短~中期5電力・エネルギー価格の高騰によるコストの増加中短~長期物理的リスク 急性6極端な気象現象の増加(工場浸水時の想定損害額や大雨・洪水などの工場不稼働に伴う利益の逸失) 中短~中期7降水パターンの変化(渇水による水価格の高騰)小短~中期慢性8降水パターンの変化(地下水位低下による生産コストの増加)小短~中期9気温上昇によるトマト収量減による調達コストの増加大短~長期10高温による農業従事者の生産性の低下に伴う調達コストの増加大短~長期機会1輸送効率化によるコストの削減小短~中期2容器包装の資源効率化によるコストの削減小短~中期3肥料・水使用量の削減によるコスト削減、開発利用・外販による売上の増加小短~中期4サステナブル製品・低炭素製品の開発・販売による売上の増加小短~長期5事業活動の多様化による売上機会の増加大短~長期 ※分析の時間軸として、短期は中期経営計画の最大4年間、中期は次の長期ビジョン終了年2035年、長期は2050年としています。 ※TCFDにおける物理的リスクでは平均気温上昇幅に応じたIPCCの各SSPシナリオ、移行リスクでは主にIEAのNZEシナリオを参照しています。 ※影響度は「小」を20億円未満程度、「中」を20~50億円程度、「大」を50億円以上を目安としています。 リスク・機会による財務影響とその対応策特定したリスク・機会のうち、影響度が大きい項目、算定可能な項目の財務影響を算定しました。 さらに、TCFDの枠組みを活用して抽出されたリスク・機会に対し、「気候変動(GHG・炭素税)」「持続可能な農業」「水」「サステナブル製品・事業活動の多様化」に分け、プロジェクトにて各バリューチェーンの対応策を検討しました。 ① 気候変動(GHG・炭素税)―――――――――――― 気候変動に関するリスク・機会への対応戦略(緩和)当社は、炭素税導入やエネルギーコスト上昇を気候変動に関する移行リスクとして認識しています。 国際エネルギー機関(IEA)の「世界エネルギー見通し(WEO)」で提示されている気候変動シナリオを参照し、炭素税支払金額、エネルギー需要・価格をもとに影響を予測しました。 炭素税導入による支払いコスト増としては、ネットゼロ排出(NZE:1.5ºCシナリオ)では約18億円、公表政策シナリオ(STEPS:4ºCシナリオ)では約16億円のコスト増が見込まれます。 当社は、SBTイニシアチブの認定を取得し、工場のエネルギー効率向上や再生可能エネルギーの活用等の温室効果ガス排出量削減に継続的に取り組みます。 また、サプライヤーとの連携を強化し、輸送効率の改善、容器包装をはじめとした原材料調達における温室効果ガスの排出量削減を目指します。 リスク・機会認識炭素税導入やエネルギー価格変動(移行リスクNo.1,2,3,4,5、機会No.1) 財務影響炭素税導入による支払いコストの増加炭素税導入による調達コストの増加1.5ºC4ºC1.5ºC4ºC2030年2030年2030年2030年18億円16億円222億円190億円 対応策 ※ 電力購入契約(Power Purchase Agreement) ② 持続可能な農業 ――――――――――――――――― 気候変動に関するリスク・機会への対応戦略(適応)気温上昇をはじめとした気候変動がトマトの収量に強く影響する可能性が懸念されています。 2017年6月、米国カリフォルニア州で高温が続き、トマトの収量が平年と比べて16.1%(米国農務省)減少する実害も出ています。 当社グループの原材料トマトの主要産地である同州のトマト収量データをもとに「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書」の各シナリオでの収量変化予測を分析しました。 同州における6月の最低気温を分析し、2050年においてSSP1-1.9(1.5ºCシナリオ)では71億円、SSP5-8.5(4ºCシナリオ)では147億円、日本カゴメの調達コスト増が見込まれました。 トマトの収量が低下した場合は、実際は生トマト単価やトマト加工品(原材料)の売値が上がり、海外子会社は利益増となるため、グループ全体の利益減となるわけではありません。 当社は川上のバリューチェーンを持つことで収益の安定性を保っていきます。 当社は、安定的な原材料トマトの確保に向け、気候変動への対応戦略として、高温耐性品種への改良(栽培技術・品種開発)、乾燥耐性品種の開発、節水・減肥栽培技術の導入、新たな産地の開発調査を実施していきます。 リスク・機会認識気温上昇による農産物への影響(物理的リスクNo.8,9、機会No.3,4,5) 財務影響気温上昇によるトマトの収量変化1.5ºC4ºC2035年2050年2035年2050年61億円71億円71億円147億円 算定式: 調達金額の上昇額=「調達額」×「2017年のカリフォルニア州トマト収量USDAデータをもとにした高温による収量減少率」×「IPCCの気温上昇予測」 対応策 ③ 水 ―――――――――――――――――――――― 気候変動に関するリスク・機会への対応戦略(適応)台風や集中豪雨、水害が発生すると、トマトをはじめとする原材料の調達が困難になります。 オーストラリア工場では2017年4月、記録的な大雨によってトマトの裂果や病気などで収量が低下し、工場も稼働が停止しました。 他方で、カゴメグループは商品の原材料となる作物の栽培に水を使い、加工段階でも多くの水を使用しています。 渇水が発生すると水使用コストが増加し、原材料収量が低下する可能性があります。 実際に過去に干ばつが発生した際には水価格が400%上昇するなど、渇水によるリスクにさらされています。 カゴメグループの工場では、活動する地域の水資源を守るため、国内6工場、海外7工場で水管理計画を策定し、取水量・排水量、水リサイクル量、排水の水質などを管理して、それぞれの地域に合ったサステナブルな対応を進めています。 また、国内6工場と海外7工場を対象に水リスク評価を行い、水リスクが高い海外の優先拠点においては、カゴメグループの各海外工場と現地関係者などでエンゲージメントを行い、各工場や地域に応じた様々な対策を講じています。 さらに、工場に対する水害や渇水の影響に対しては、既に小坂井工場に防水壁を設置するなど、国内工場においてはリスク軽減措置を講じています。 こうした取り組みをグループ全体に波及させていきます。 リスク・機会認識水害、渇水による影響(物理的リスクNo.6,7、機会No.4) 対応策 ※2022年:国内全工場ハザード対策完了 ④ サステナブル製品・事業活動の多様化 ――――――――――― 気候変動に関する機会への対応戦略気候変動によるリスクに適切に対応していくことで、カゴメグループにとっての事業機会が生まれます。 例えば、異常気象や自然災害の増加により、長期保存可能な災害用保存野菜商品の需要が高まり、また、気候変動への関心が高まれば、「できるだけ環境にやさしい商品を選びたい」というサステナブルな選択肢の需要を増加させます。 その一例として、気候変動により災害が増加した場合の長期保存可能(賞味期間5.5年)な災害用保存野菜商品の売上の影響を試算しました。 当社災害用保存野菜商品の平均年間売上金額と国土交通省の「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」のシナリオ別洪水発生頻度をもとに算定したところ、1.5ºC(2ºC)シナリオでは7億円、4ºCシナリオでは10億円の財務影響(売上収益増)が見込まれました。 また、事業活動の多様化において、カゴメは世界各国の革新的な農業技術を有する優れたスタートアップ企業への出資及び協業を行うCVCファンドを設立しました。 このファンドの取り組みにより、気候変動に適応する新品種や栽培技術の開発及び実装を目指すとともに、出資先とのオープンイノベーションによる新事業の開発を目指します。 リスク・機会認識サステナブル製品の開発・販売、事業活動の多様化(移行リスクNo.4、物理的リスクNo.10、機会№2,3,4,5) 財務影響災害用などの長期保存可能な野菜商品の売上収益増加1.5ºC(2ºC)4ºC2035年2035年7億円10億円 算定式: ローリングストック商品平均売上高(2020-2023年)×洪水発生頻度の上昇率 対応策 自然関連に関するLEAPアプローチ(TNFD)カゴメグループ売上の多くを占める「トマトに関連する事業」を対象範囲として、自然への依存とインパクト、及び自然関連のリスクと機会をTNFDフレームワークのLEAPアプローチによって評価しました。 LEAPアプローチを使用した分析(全体サマリー)● トマトに関連する当社全事業を分析対象として特定• 生鮮事業:国内菜園(直轄、契約)• 加工事業:国内工場(食品製造、農場)、海外工場(食品製造、農場)、国内委託加工、海外サプライヤー(二次含む) ● BRF※1を中心に、一部ENCORE※2も使用して事業の自然との接点を確認。 優先地域を特定• 生鮮事業14拠点、及び加工事業256拠点の計270拠点を確認• BRFでの拠点評価、及び該当拠点でのトマト購入金額やトマト関連製品生産金額などからの拠点重要度を踏まえ、日本の菜園・農場と、ポルトガル、米国、オーストラリアの農場・工場を優先地域として特定 ● 優先地域として特定した、菜園・農場や工場の自然への依存とインパクトを分析• 優先地域、かつBRFによりリスクが「Very high」となった指標の依存とインパクトについて詳細分析を実施• TCFDで調査した水への依存や物理的リスクへの依存のほかに、土壌や水質(富栄養化)、陸域・河川・海洋の利用変化や森林減少、保護区・保全地域などへのインパクトを分析• トマトは花粉媒介への依存は低いものの、トマト栽培によるほかへのインパクトを分析● Locate・Evaluateの結果などをもとに、リスクと機会を特定• Locate・Evaluateの結果を中心に、食品・農業セクターガイダンスやTCFDの結果も参考にしながらリスクと機会を特定• リスクと機会の特定にあたっては「生態系サービスの劣化」と「市場原理と非市場原理の一貫性」の2軸で作られたシナリオを活用した分析も実施● 優先度の高いリスクと機会への対応戦略全体像を作成• 食品・農業セクターガイダンスやIPBES※3などの情報、TCFDの対応策も参考にしながら対応戦略の全体像を作成• 一連の活動を取りまとめ、統合報告書に開示 ※1 BRF(Biodiversity Risk Filter, 生物多様性リスクフィルター):WWFが作成した生物多様性関連リスクのスクリーニングと優先順位付けを行うための、オンラインツール※2 ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure):国際金融業界団体「Natural Capital Finance Alliance(NCFA)」が作成した、自然への依存とインパクトを理解するために役立つオンラインツール※3 IPBES:生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム 1Locate:自然との接点の発見 カゴメグループのトマトに関係する事業の自然との接点を、グローバルなデータに基づく評価ツールであるBRFを中心に、一部ENCOREを用いて評価しました。 その結果、自然の状況の観点から43拠点を「優先地域の候補」として挙げました。 分析対象(270拠点)・生鮮事業(14拠点):国内菜園(直轄、契約)・加工事業(256拠点):国内工場(食品製造、農場)、海外工場(食品製造、農場)、国内委託加工、海外サプライヤー(二次含む) 分析ツールで抽出した優先地域の候補 国内菜園国内工場(食品製造)国内農場海外工場(食品製造)海外農場委託加工海外サプライヤー区分生鮮事業加工事業加工事業加工事業加工事業加工事業加工事業優先地域の候補数12拠点なし5拠点8拠点5ヶ国なし13拠点 拠点評価における優先地域の候補と、該当拠点でのトマト購入金額やトマト関連製品生産金額などからの拠点重要度を踏まえ、以下の通り、優先地域を特定しました。 • 日本の菜園、農場• ポルトガル、米国、オーストラリアの3ヶ国の農場、工場 優先地域国区分拠点詳細日本菜園、農場国内菜園12拠点、国内農場5拠点ポルトガル農場6都市・町:Beja、Evora、Leiria、Lisboa、Santarem、Setubal工場2工場:FIT、Italagro米国農場1州:California工場2工場:Ingomar、KIUオーストラリア農場2州:New South Wales、Victoria工場1工場(KAU) 2Evaluate:依存とインパクトの分析 優先地域、かつBRF分析でリスクが「Very high」となった指標の依存とインパクトについて詳細分析を実施しました。 分析の結果、TCFDで調査した水の供給や物理的リスクへの依存のほかに、土壌や水質(富栄養化)、農地拡大・河川の利用による自然の変化や森林破壊、保護区・保全地域へのインパクトなどを特定しました。 またトマトは花粉媒介への依存は低いですが、トマト栽培での農薬による周辺の生態系への影響などのほかへのインパクトについても特定しました。 詳細分析使用ツールFAO GLoSIS、International Herbicide-Resistant Weed Database、Global Land Analysis and Discovery、protected Planet、BirdLife International Data Zone、IBAT、Aqueduct、BRF、ENCORE 優先地域における依存・インパクトの特定 3Assess:リスクと機会の特定 Locate・Evaluateの結果を中心に、食品・農業セクターガイダンスやTCFDの結果も参考にしながら、リスクと機会を整理しました。 なお、「生態系サービスの劣化」と「市場原理と非市場原理の一貫性」の2軸で作られたシナリオを活用した分析も実施しました。 自然関連リスク・機会の一覧 大分類中分類No.自然関連 リスク・機会移行リスク政策と法1農薬規制によるトマト収量の減少、調達コストの増加2森林からトマト畑への土地利用変化により発生したGHG排出量削減コストの増加3先住民族や地域コミュニティとのエンゲージメント失敗による事業機会の喪失4バージン食品包装からリサイクル食品包装への代替など、容器包装規制への対応に伴う調達コストの増加技術5生物多様性の危機への対応のための最新技術・設備投資の増加市場6農業就業人口の減少に伴う耕作地の荒廃、生物多様性への認知度や対応の低下評判7トマトの栽培に伴う生物多様性への影響によるブランドイメージの低下物理的リスク急性8病害虫発生などによる生産量の減少慢性9過剰な施肥に伴う土地の健全性低下、及びトマト収量の減少10河川などにおける富栄養化による生物多様性の低下機会製品とサービス1植物残渣(トマトの茎など)のアップサイクル・製品化による売上の増加市場2農薬リスクを減じたサステナブルな農業で生産したトマトによるブランド価値の向上評判3在来種、外来種対応によるブランドイメージの向上「外来の土壌害虫まん延防止のためのカゴメトマト品種の活用」「花粉媒介者を増やす在来植物の植栽支援」 4Prepare:対応策の検討、開示 Assessで特定した「リスクと機会」に紐付けながら、現時点対応を進めている活動などを中心に具体的な内容とともに対応策を整理しました。 なお、Locate・Evaluateの結果は、これまでトマトに関する長年の取り組みによって得た知見と大きな齟齬がありませんでした。 この結果を受け、これまでの活動の重要性を改めて認識し、引き続き活動を推進していきます。 また、今後、地域別のリスク・機会の特定と対応策などについて、検討をさらに進めていく予定です。 対応戦略:「日本の生物多様性を脅かす4つの危機(生物多様性低下の要因)」を踏まえ、日本のみでなく当社グループが関係する各国の周辺地域に対して自然を保全し、回復させる活動を拡大するアクション:トマトの栽培を通じて関わる菜園・農場及びその周辺地域と、トマトを加工し製品化する工場及びその周辺地域において自然を保全し、回復する No. リスク・機会紐づけ自然関連 対応策活動例(現時点対応例)1リスクNo.4機会No.1原材料・容器包装の調達、プラスチック包材や食品廃棄物の削減におけるサプライチェーン全体での持続可能な運用の実現に向けた取り組みの推進•FSC®認証紙パック飲料の展開•プラントベースフードへの取り組み•プラスチックストローの貼付廃止や石油から新たに作られるプラスチックの使用量ゼロへの取り組み•プラスチック使用量の削減やリサイクル素材または植物由来素材への切替拡大2リスクNo.1,2,5,7,8,9,10機会No.2,3最適なトマト栽培システムの開発・確立と運営(水、肥料、農薬使用量の削減、トマト品種の改良、循環型農業の展開)•環境負荷の低い栽培技術の開発•グローバルでの品種開発、栽培技術の開発強化3リスクNo.3,6,7機会No.3自治体や地域コミュニティ、生物多様性の主流化、農業従事者などの支援、在来植物の植栽、保全活動への支援 •農業振興・農業支援活動•生物多様性の教育、主流化活動4基本全てのリスク・機会に紐づく・生物多様性行動計画の計画的な推進・第三者認証の取得拡大 •認証取得やイニシアチブ・団体への参画 |
指標及び目標 | 指標と目標(目標年度:2030年度) 目標・対応策を、2025年度中に策定予定の次期中期経営計画及びカゴメ環境マネジメント計画(2026年度~2028年度)に活用・反映させることで、レジリエンスの向上を目指していきます。 緩和● Scope1,2において温室効果ガスの排出量を42%以上削減する(2020年対比)● Scope3において温室効果ガスの排出量を13%以上削減する(2020年対比)● 飲料PETボトルのリサイクル/植物由来素材を50%以上にする● 紙容器飲料の石油由来ストロー使用をゼロにする適応● 高温耐性品種への改良(栽培技術・品種開発)を1件以上行う● 乾燥耐性品種の開発、節水・減肥栽培技術の導入を1件以上行う● 国内工場の水使用量原単位を9%以上削減する(2021年対比)※ Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)Scope2:他社から提供された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) (参考)カゴメグループScope1,2のGHG排出量 ( t-CO2e ) 2020年2021年2022年2023年カゴメ株式会社及び国内グループ会社(日本)Scope145,29543,77341,41941,739Scope225,23422,71318,81016,087Scope1+270,52966,48660,22957,826Holding da IndustriaTransformadora do Tomate,SGPS S.A.(ポルトガル)Scope124,64727,08025,63927,563Scope24,50554000Scope1+229,15227,62025,63927,563Kagome Australia Pty Ltd.(オーストラリア)Scope118,92319,04618,55114,045Scope211,1679,49110,2627,844Scope1+230,09028,53728,81321,889Kagome Inc.(米国)Scope14,7015,3904,9254,875Scope24,9275,5185,6005,456Scope1+29,62710,90810,52510,331Vegitalia S.p.A.(イタリア)Scope16077949521,164Scope21,0691,1871,1401,551Scope1+21,6761,9812,0922,715Taiwan Kagome Co., Ltd.(台湾)Scope17779691,0101,256Scope21,6721,8451,9011,963Scope1+22,4502,8152,9113,219合計Scope194,94997,05292,49690,642Scope248,57441,29437,71332,901Scope1+2143,524138,346130,208123,543 (参考)カゴメグループScope3のGHG排出量 2020年2021年2022年2023年排出量(t-CO2e)比率(%)① 購入した製品・サービス1,078,7201,141,1541,101,317854,06478.0② 資本財27,33343,73525,17723,5512.2③ Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動27,90426,15126,30229,8372.7④ 輸送、配送(上流)52,97451,03850,29346,6464.3⑤ 事業から出る廃棄物5,03112,84811,32813,4951.2⑥ 出張3493673673830.0⑦ 雇用者の通勤1,1961,2571,2531,3070.1⑧ リース資産(上流)6065635334490.0⑨ 輸送、配送(下流)65,70674,94672,52169,4776.3⑩ 販売した製品の加工37,00242,67041,82740,2033.7⑪ 販売した製品の使用-----⑫ 販売した製品の廃棄16,38117,64016,10915,7821.4⑬ リース資産(下流)2,038262119540.0⑭ フランチャイズ-----⑮ 投資-----合計1,315,2391,412,6301,347,1481,095,248100 ※ 減少の主な要因はカテゴリー1の原単位を一部変更したことであり、基準年である2020年のGHG排出量は今後再計算を行う予定※ カテゴリー11は算定対象外、カテゴリー14・15はフランチャイズ事業・投資事業を行っていないため該当なし※ 2024年データについては、Webサイトにて更新します。 ※ Ingomar含む排出量データ等については、2025年度中にサステナビリティサイトにて開示予定です。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 指標及び目標 戦略指標2021年実績2022年実績2023年実績2024年実績目標働きがいエンゲージメントサーベイスコア7070727276 同規模企業上位20%スコア「心理的安全性」浸透度スコア※167717273-人材開発キャリア面談人数※2(人)610645561316-成長機会スコア※367676868-多様な人材集団総合職新卒採用における女性割合58.0%71.0%54.5%61.5%60%以上女性管理職比率7.4%8.4%9.6%11.1%2026年までに12%入社10年以内女性の継続就業状況(男性比)1.01.01.01.0(見込み)男性比1.0以上総合職キャリア採用構成比30.8%27.9%29.8%29.1%-男性育休取得率総合職/技能職総合職62.0%75.6%65.6%94.3%42%以上(2019~2021年の平均)技能職64.3%84.6%81.8%100.0%-男女間賃金差※4(男性の賃金に対する女性の賃金割合)全労働者66.2%65.4%68.3%69.6%-正社員68.6%67.3%70.5%71.5%-パート・有期社員87.8%87.6%86.6%89.3%-働き方の進化有休取得率※585.0%86.4%83.4%81.7% (見込み)-総労働時間(時間/年)1,8671,8961,8951,894- ※1 心理的安全性に関する社内調査スコア※2 2023年度までの会社から打診する方式から、2024年度より従業員からの申し出による方式をメインとする形に変更※3 エンゲージメントサーベイ内の「成長機会」に関する設問のスコア ※4 付記事項及び差異に関する補足説明については、Webサイトをご覧ください。 https://www.kagome.co.jp/company/sustainability/data/※5 年次有給休暇の取得率は4月~翌年3月の期間で集計。 2024年は12月時点の着地見込み |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 (1) カゴメグループリスクマネジメント方針私たちは「トマトの会社から、野菜の会社に」のビジョンのもと、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業」になることで、社会的責任を果たしていきたいと考えています。 そのために、常に変化する外的環境及び事業上発生しうる様々なリスクを的確に把握・評価し、適切な対応をとってまいります。 また、重大事案が発生した場合に備え、被害の拡大防止と損害・損失の極小化を可能とする体制を確立するなどリスクに対する対応力を高めてまいります。 (2) リスクマネジメント体制カゴメグループは、中期経営計画の実現に向けて国内外で事業を拡大しているため、内部統制についてもグローバルスタンダードである「3ラインモデル」に沿った取り組みをグループ全体で進めています。 この取り組みは、「同一部署が同時に担うべきでない機能を適切に分離・配分し、組織内の相互牽制を利かせる」「各機能の責任の所在を明確にし、全社最適の対応を可能にする」狙いがあります。 ① リスクマネジメント統括委員会リスクマネジメント統括委員会は社長を委員長とし、CROを委員会事務局長とするグループ全体でのリスクマネジメント活動の統括組織です。 経営戦略を踏まえた統合的視点から、第1のラインと第2のラインを統括し、全社でのリスクマネジメント活動のPDCAサイクルの実現に向けて、各ラインの取り組みをモニタリングします。 ② 第1ラインと第2ライン第1ラインは、カゴメのバリューチェーンにおける需要創造、生産、調達、一次加工、栽培、研究開発、品種開発などを担う、いわゆる「現場の第一線」の組織です。 各事業所で業務遂行上の様々なリスクを把握し、それを適切にコントロールする仕組み(業務分掌、ルール、文書など)を導入することで、日々の業務においてリスクマネジメントを実践します。 品質のFSSC22000、環境のISO 14001など、必要なマネジメントシステムも導入し、第1線の各現場で日々実践しています。 第2ライン(第2線)は、コンプライアンス、財務経理、IT、人事、品質、労働安全衛生などを主管する専門組織で、担当するリスク領域におけるリスクマネジメント活動の基本方針・手続きを定め、第1線の組織に対し日々支援やモニタリングをしています。 また、リスクマネジメント統括委員会が全社の体系的なリスクマネジメントを実施しています。 ③ 第3ライン第3ラインの内部監査室については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (3)監査の状況」をご覧ください。 詳細については、Webサイトをご覧ください。 https://www.kagome.co.jp/company/csr/management/ (3) リスクマネジメント活動当社におけるリスクマネジメント活動は、リスクの顕在化の予防及び顕在化したリスクへの対応のための活動を主な内容とします。 リスクの顕在化の予防と、顕在化したリスクへの対応のための取り組みいずれについても、具体的な活動は、経営計画や事業目標を踏まえたリスクマネジメント活動のPDCAサイクルに基づき実施されます。 ① リスクの顕在化の予防ア. 基本枠組み当社は、リスクの性質・内容を踏まえた適切な管理を実現するため、企業活動に関するリスクを次の3つに分類しています。 ●戦略リスク中長期的な経営戦略を踏まえ、重大な影響が認められるものとして当社が指定するリスク ●社会・環境リスク社会・経済環境や自然災害などの外部要因によるリスクのうち、特に顕在化した場合には不可抗力であると一般的に認識されるもの●オペレーショナルリスク戦略リスク、社会・環境リスクを除く全てのリスク 以上3つのリスクの分類を基礎として、リスクの企業経営への影響度に鑑み、個別に認識されたリスクを次の2つのリスクに区別します。 ●会社の重点リスク課題戦略リスク、社会・環境リスク、オペレーショナルリスクのうち、企業経営への影響が大きいと評価されるものです。 経営会議やリスクマネジメント統括委員会が戦略リスクの指定、重点リスク課題の決定並びに改善事項の指摘などを行い、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを管理します。 さらに、取締役会へも報告がなされます。 ●各組織のリスク課題「会社の重点リスク課題」以外のリスクです。 各組織がリスクオーナーとなり、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを実施します。 イ. 2025年度の「会社の重点リスク課題」当社は、次のリスクを「会社の重点リスク課題」と認識し、重点的な管理活動の対象としています。 リスクの性質・内容を踏まえた適切な管理を実現するため、戦略リスク、社会・環境リスク、オペレーショナルリスクの3つに分類し開示しています。 リスク分類重点リスク課題主管組織、報告会議体 等主管組織報告会議体(頻度)備考(報告内容等)戦略①経営戦略・予実乖離の発生による利益の悪化・新規事業、M&Aの失敗や遅れによる業績悪化や収益機会の喪失・保有資産の価値下落による収益性の悪化や財政状態への影響 ■予実:経営企画室、財務経理部■新規事業:投資委員会■保有資産:財務経理部取締役会(毎月)経営会議(年1回)取締役会、経営会議(年1回、適宜)・事業戦略の成長に当たっての進捗管理等・投資委員会での定期的モニタリング内容等・政策保有株式の状況、減損検討対象となる固定資産の報告等②人材戦略・成長分野、新規事業、海外事業領域拡大に対する人材不足・特定の専門領域(DX、財務経理等)の人材不足・人材育成プログラムの不足・ダイバシティ&インクルージョンに関する目標未達■人材開発委員会■人事部人材開発委員会(適宜)経営会議(適宜)・中期経営計画実現に向けて必要な人材の質(スキル)と量(人数)・人材不足の業務領域を改善するための採用、育成、キャリア形成などの人事施策・次世代幹部育成プログラムの設定と試行・人材育成とダイバシティに関するKPIについて現状と今後の課題③適正なガバナンス体制の構築・取締役会および監査等委員会の実効性の不備・経営者による内部統制の無効化■取締役会■監査等委員会取締役会(年1回)監査等委員会(適宜)・第3者によるアセスメント等社会・環境④消費者・広報・不適切な広告や顧客対応の失敗による訴訟や不買運動、ブランドイメージの棄損■客相、経営企画室(広報グループ)リスクマネジメント委員会(隔月)・不満、苦情件数、ネガティブ報道のモニタリング内容等⑤社会情勢・顧客ニーズ・日本国内における景気の後退や需要の減少または消費者ニーズの対応の遅れによる売上の減少■マーケティング本部、営業本部商品企画会議(適宜)・競合環境や消費者動向の分析。 支店別、カテゴリー別の売上動向等⑥金融市場 ・為替変動や金利変動による資金調達コストの増加や資金繰りの悪化 ■財務経理部取締役会(四半期毎)・リスクヘッジ取引とモニタリング内容等⑦天災・不可抗力・地震等の災害、感染症や紛争等による、工場操業やその他事業の停止(BCP)・異常気象による原材料調達の滞り■BCP:リスクマネジメント委員会事務局■異常気象:調達部経営会議(年1回)執行役員会(適宜)・BCP活動の進捗等・主要原材料のシーズン毎の調達進捗・その他原材料の調達戦略課題等 リスク分類重点リスク課題主管組織、報告会議体 等 主管組織報告会議体(頻度)備考(報告内容等) オペレ❘ション⑧情報管理・サイバーセキュリティ・サイバー攻撃や不適切な情報管理による操業停止や情報改竄・個人情報の漏洩■情報セキュリティ委員会リスクマネジメント統括委員会(隔月)・PCウイルス感染、IT機器紛失、外部攻撃件数のモニタリング内容等・第3者によるアセスメント等 ⑨安全・衛生 ・職場における労働災害、長時間労働、感染症等の発生による従業員の健康被害 ■労働安全衛生委員会リスクマネジメント統括委員会(隔月)・労災、感染症等発生状況のモニタリング内容等 ⑩製品・サービスの安全性・異物混入、表示の誤り、品質検査の不備、種子の異品種コンタミ、非食品に関する品質検査の不備等による、品質不良品の出荷や健康被害および賠償責任に係る費用の発生の可能性■品質保証部、生産調達本部 品質保証委員会、リスクマネジメント統括委員会(毎月、隔月)・不適合/重大品質事故の発生件数、内容等 ⑪サプライチェーン(調達、生産、物流)・突発的な需要増や、種子・原材料の不足・自動倉庫、物流システムの障害等による生産や出荷の滞り・物流業界の労務管理の厳格化等に起因する輸送能力低下による製品供給の不安定化・国内外での天災、紛争等による原材料の急騰・供給不足■生産調達本部、SCM本部執行役員会(隔月)経営会議(隔月)・課題進捗等・突発的な事象の発生について ⑫法令・規則違反、規制・重大な法令、規則違反(会社法、税法、金商法、東証ルール等)・食品安全関連規制違反、個人の不正行為や関係会社の不祥事・環境問題(GHGガス排出量削減、水資源問題、プラスチック問題等)への対応の遅れによる、株主や投資家からの否定的な評価・当社および取引先における人権問題(強制労働、ハラスメント等)の発生による、社会的信頼の低下・事業展開国における重大な法令、規則、慣習違反■会社法、金商法等:財務経理部■食品安全法関連:品質保証部■不正行為:コンプライアンス委員会■環境:経営企画室(サステナビリティG)■人権:経営企画室(サステナビリティG)、法務部■海外子会社:KFIC、GARBiC取締役会(四半期毎)品質保証委員会、リスクマネジメント統括委員会(毎月、隔月)コンプライアンス委員会、リスクマネジメント統括委員会(隔月)経営会議(年2回)サステナビリティ委員会(適宜)コンプライアンス委員会、リスクマネジメント統括委員会(隔月)・法令・規則違反のモニタリング内容等・法改正情報、対応等・不正行為のモニタリング内容等・環境マネジメントレビュー等・人権方針の策定、人権デュー・ディリジェンスの進捗等・ホットライン通報内容等 ② 顕在化したリスクへの対応ア. 基本骨子当社では、リスク顕在化事象に対して実効的かつ効率的に対応するため、その影響度の評価に基づきリスク顕在化事象を分類し、事業継続計画やその他のリスク顕在化に応じた対応計画の整備を進めています。 イ. 事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)当社では、今後想定されるいくつかの個別的な緊急事態におけるシナリオを想定し、事業継続計画を作成しています。 事業継続計画は、事業を単位として作成されることが一般的です。 しかし、当社においては、複数の事業間でバリューチェーンが重複または近似していることから、重要な商品及び機能を単位として事業継続計画を作成しています。 重要な商品とともにカゴメの事業継続計画において単位となっている重要な機能は、調達、サプライチェーンマネジメント(SCM:Supply Chain Management)、財務経理及び広報の4機能です。 調達及びサプライチェーンマネジメントは、食品メーカーとして生産活動を行うための不可欠な機能です。 また、財務経理は、自社の企業としての存続、サプライチェーンの維持、従業員の生活の確保、その他の企業における事業としての生産活動を行うための基盤となる機能です。 そして、広報は、当社の企業理念の一つである「開かれた企業」に照らして重要と考えている機能です。 社内外のステークホルダーに対する説明責任を果たすことは、とりわけ緊急時において強く求められるところであり、広報はそのための不可欠な機能と考えられるためです。 こうした事業継続計画により、緊急時においてもカゴメの事業活動を継続し、または停止からの速やかな復旧を行い、企業価値の保全を図ります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (重要な会計方針及び見積り)当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。 連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。 採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」における「3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。 (1) CFO/CROメッセージCFO/CROMESSAGE 財務基盤の安定を維持し、資本効率を重視した成長を支えていきます。 1. 2024年度の業績について2024年度の業績は、売上収益及び事業利益において過去最高を記録しました。 また、国内加工食品事業と国際事業の売上収益、事業利益の比率が大きく変化し、将来の成長に向け転機の年となりました。 売上収益は3,068億円(前年度比821億円の増収、36.5%増)となりました。 国内加工食品事業は、1,557億円(前年度比135億円の増収、9.5%増)となりました。 トマトペーストの原材料価格の高騰、円安による影響などを受けましたが、昨年に引き続き行った価格改定や需要喚起策が奏功しました。 国際事業は、1,493億円(前年度比711億円の増収、91.0%増)です。 新規連結子会社となったIngomarの増分が大きく寄与しています。 また、トマト他一次加工事業においては、トマトペーストの販売価格が上昇したこと、トマト他二次加工事業においては、フードサービス企業向けの販売が好調に推移したことが増収の主要因です。 事業利益は、270億円(前年度比76億円の増益、39.1%増)となりました。 国内加工食品事業は、155億円(前年度比41億円の増益、35.7%増)です。 主要原材料の大幅なコスト上昇に対して価格改定を行ったこと、また、価格改定後の販売数量を早期に回復できたこと、原価低減に積極的に取り組んだことが増益の主因です。 国際事業は、139億円(前年度比30億円の増益、28.6%増)です。 売上収益の拡大、原材料の価格転嫁が進んだことが増益の主因です。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、250億円(前年度比145億円の増益、139.8%増)となりました。 事業利益からの増加要因は、Ingomar出資持分の段階取得に係る差益(93億円)を計上したことによります。 この結果、2024年度は株主配当も当初の予想を上回る形で実施することができました。 また、こうした業績を背景に、ROIC※は12.4%と0.8point減少しました。 これは、Ingomarの連結子会社化などにより利益は増加したものの、投下資本も大幅に増加したことによるものですが、投下資本と利益のバランスは健全に保たれていると考えています。 ※ROIC:カゴメROICのこと。 EBITDA÷投下資本で算出。 2. キャッシュ・フローと財務戦略の考え方について当社グループは、成長に向けた積極的な投資と充実した株主還元の両立を目指しています。 併せて、持続的な成長を支え、大きな変化に対応するためには、強固な財務基盤を維持することが重要だと考えています。 キャッシュ・フローの推移は下記の通りです。 区分2022年度2023年度2024年度営業キャッシュ・フロー46億円46億円316億円投資キャッシュ・フロー△94億円△60億円△463億円財務キャッシュ・フロー△55億円156億円△5億円 ● 営業キャッシュ・フロー営業キャッシュ・フローは316億円の純収入(前年度は46億円の純収入)となりました。 利益が順調に推移したことに加えて、棚卸資産が71億円減少したことなどにより増加しました。 ● 投資キャッシュ・フロー投資キャッシュ・フローは、463億円の純支出(前年度は60億円の純支出)となりました。 Ingomarの持分追加取得に伴い360億円を支出したことが主な要因となります。 ● 財務キャッシュ・フロー財務キャッシュ・フローは、5億円の純支出(前年度は156億円の純収入)となりました。 自己株式の処分等により231億円収入があったものの、短期借入の減少156億円と配当の支払いなどがあったことなどによります。 2024年度の財務指標にて、自己資本比率※は51.3%、信用格付はシングルAとなっています。 自己資本比率は、Ingomarの買収による借入により一時的に50%を下回りましたが、自己株式の売却による資金調達により50%に回復しました。 これらにより引き続き財務基盤は安定していると考えています。 資本効率はROEが15.7%となり、目標の9%の水準を達成しています。 また株主還元は、記念配当の10円に加え普通配当6円の増配を行うことができました。 第3次中期経営計画期間中の株主還元方針である「総還元性向40%」を確実に果たしていきます。 ※ 自己資本比率:親会社所有者帰属持分比率目的指標2023年度実績2024年度実績 第3次中期経営計画方針財務基盤の安定自己資本比率49.8%51.350%以上信用格付シングルAシングルAシングルA資本効率を重視した成長ROE8.3%15.7%9%以上安定的な利益還元総還元性向※-40%以上 ※ 1株当たり配当額実績:2023年度41円、2024年度57円 3. 自己株式の処分について当社は、2024年7月に自己株式を処分し232億円を調達しました。 本調達資金はIngomarを連結子会社化した際に借り入れた短期借入金360億円の返済に充当しました。 第3次中期経営計画においては、M&Aを含めたインオーガニック成長のための事業投資に300~500億円の投資を計画しました。 これは、自己資本比率50%の維持を基本とし、営業キャッシュ・フローと財務キャッシュ・フローを鑑みて目論んだものです。 2024年度に実施した自己株式の処分により、これらは概ね達成できていると判断しています。 また、将来に向けたさらなる事業投資を可能にするためにも、財務基盤の安定を維持しつつ、資本効率を重視した成長を図ります。 また、今回の自己株式の処分にあたっては、3割を機関投資家に配分し、そのうち8割は海外に配分しました。 ロードショーにおいては、機関投資家の皆様からさまざまなご意見もいただきましたので、今後の経営に活かしていきます。 4. ROICについて当社は資本効率を高める取り組みとして、全社におけるROIC管理を行っており、ROEの向上を目指しています。 社内管理においては、一般的なROICの計算方式は用いず、事業利益に減価償却費を加えたEBITDAをROIC計算の基礎としています。 また、ROICツリーを作成し、各部門が自らのKPIを設定することによって、その貢献度を可視化しています。 一方、マネジメントレベルにおいては、資源配分を最適化し、持続的な成長を実現する観点から、事業別のROICの分析、向上に努めています。 今後もこれらの二つのアプローチにより、資本効率の向上、企業価値の最大化を図ってまいります。 5. リスクマネジメントの取り組みと課題当社は第3次中期経営計画期間における基本戦略の一つとして、「グループ経営基盤の強化と挑戦する風土の醸成」を掲げています。 リスクマネジメントは、この経営基盤を支える柱になると考えています。 直近では、国際事業比率が高まり、グローバルなリスクマネジメント体制の確立が重要になってきている中で、特に海外子会社に対するガバナンスの強化に取り組んでいます。 当社は、会社の重点リスク課題から各組織のリスク課題までを、経営層から従業員一人ひとりに至るまで、それぞれが我がこととして取り組めるよう仕組み化し、経営基盤の強化を図っています。 (2) 経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次の通りであります。 ① 売上収益売上収益は、3,068億69百万円となり、前連結会計年度の2,247億30百万円に比べ、821億38百万円の増加(36.5%増)となりました。 国内加工食品事業は、主要原材料をはじめとする売上原価の大幅な上昇を受け、主要商品の価格改定を実施しました。 また、価格改定後の需要喚起策が奏功し増収となりました。 国際事業においても、Ingomarの連結子会社化に加え、トマト他一次加工において、トマトペースト市況が上昇したこと、トマト他二次加工において、フードサービス企業向けの販売が好調に推移したことなどにより増収となりました。 ② 事業利益事業利益は、270億94百万円となり、前連結会計年度の194億76百万円に比べ、76億18百万円の増加(39.1%増)となりました。 国内加工食品事業は、価格改定や、その後の需要喚起策などにより増益となりました。 国際事業においても、Ingomarの連結子会社化に加え、トマト他一次加工、トマト他二次加工が共に増収となったことにより、増益となりました。 ③ 営業利益営業利益は、362億21百万円となり、前連結会計年度の174億72百万円に比べ、187億49百万円の増加(107.3%増)となりました。 事業利益の増益に加え、Ingomarの連結子会社化に伴い、従前から保有していた20%出資持分を50%の追加取得日における公正価値で再測定した結果、段階取得に係る差益93億23百万円をその他の収益として認識し、増益となりました。 ④ 親会社の所有者に帰属する当期利益親会社の所有者に帰属する当期利益は、250億15百万円となり、前連結会計年度の104億32百万円に比べ145億83百万円の増加(139.8%増)となりました。 支払利息などの金融費用や法人所得税費用により、営業利益と比べて増益幅は縮小しました。 以上により、当連結会計年度の売上収益は、前期比36.5%増の3,068億69百万円、事業利益は前期比39.1%増の270億94百万円、営業利益は前期比107.3%増の362億21百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比139.8%増の250億15百万円となりました。 セグメント別の業績の概況は次の通りであります。 当連結会計年度にIngomarを連結子会社化したことを契機に、セグメントの管理区分の見直しを行いました。 この結果、国際事業の内訳として「トマト他一次加工」、「トマト他二次加工」を新たに開示しております。 また、「国内農事業」及び、国際事業に含まれていた「種苗の生産・販売事業」を「その他」へ集約いたしました。 なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分により作成したものを記載しております。 (単位:百万円)セグメントの名称売上収益事業利益(△は損失)前連結会計年度当連結会計年度増減前連結会計年度当連結会計年度増減 飲料75,44682,7217,2757,5089,1021,593通販13,13013,361230751239△511食品他53,59659,6286,0323,2156,2333,018国内加工食品事業 計142,173155,71113,53811,47515,5754,100 トマト他一次加工※120,46082,26761,8065,0078,3993,391トマト他二次加工※257,83370,54312,7106,5187,000482調整額△118△3,507△3,388△690△1,467△776国際事業 計78,175149,30371,12810,83513,9323,097その他19,56421,8612,296△133605739調整額△15,182△20,007△4,824△2,701△3,019△318合計224,730306,86982,13819,47627,0947,618 ※1トマト他一次加工:農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売※2トマト他二次加工:主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売 各セグメントの概要及び成果については以下の通りです。 <国内加工食品事業>国内加工食品事業では、飲料や調味料等の製造・販売を手掛けております。 当事業における売上収益は、前期比9.5%増の1,557億11百万円、事業利益は、前期比35.7%増の155億75百万円となりました。 ① 概要トマト、にんじん、その他の多様な野菜を使用した野菜飲料や食品などの商品を展開しています。 お子様からご高齢の方まで、幅広い世代の方々に、日常生活の様々な場面においてご利用いただくことで、野菜の摂取量を増やし、健康寿命の延伸に貢献します。 SWOT分析STRENGTH 強みWEAKNESS 弱み● 原材料調達における、海外ネットワーク力と品質保証力● 125年にわたる歴史で培われたブランド力● 素材の力を活かした機能性研究、商品開発力● 多様な販路と、顧客に応じた商品提案力● 環境変化へ対応できるバリューチェーンの柔軟性● 幅広いカテゴリー対応維持のための資源分散● コモディティ市場における価格競争力● 若年層への浸透OPPORTUNITY 機会THREAT 脅威● 生活者の健康、自然素材、環境意識のさらなる高まり● 生活者の購買行動・ブランド選択基準の多様化● 生活者との新たな情報、購買接点の拡大● 体験を含めた新たなサービス領域の顕在化● 継続的な原材料価格上昇● 健康関連商品・サービス多様化による既存領域の相対的地位低下● 各分野でのイノベーションによる異業種からの 競合参入● 日本国内における人口減少、高齢化による市場の縮小 ② 2024年度の概要(成果・課題)成果課題前年度に引き続き、原材料価格の上昇を背景に商品出荷価格の改定を実施、新価格が生活者に受容されるよう、野菜飲料、調味料ともに需要喚起策を展開しました。 野菜飲料では、好調が続くトマトジュースの機能情報発信強化を、野菜生活ブランドでは、「朝を味方に」をテーマとしたキャンペーンを実施したことが奏功し、売上の拡大を図ることができました。 調味料では、特にトマトケチャップの食卓出現を拡大すべく「焼きケチャップ」「町中華オムライス」などのプロモーションを強化したことで、業務用と併せて大きく売上の拡大を図る事ができました。 カテゴリーリーダーとしての重要な責務は、マーケット全体の活性化にあります。 いかに価格を超えた価値をお客様に感じていただけるか、新しい需要を創造できるかについて、取り組みを強化していきます。 特に、お客様が日頃抱えている、あるいはお客様が気付いていない潜在的なお困りごとを捉えていくことが組織の課題です。 加えて、現在展開している領域の価値を磨くとともに、新規領域への探索を並行して進めていきます。 ③ 2025年度に向けた戦略国内加工食品事業が力強く成長できる基盤強化に取り組みます。 野菜飲料においては、特に好調が続くトマトジュースの拡大に向け、情報戦略をさらに高度化していきます。 一方、野菜生活ブランドは、2025年に発売30周年を迎えます。 当時、商品をご利用いただいていた方々に対して、30年の年月を経て、“もう一度野菜生活を始めて”いただけるような施策を、ここまでブランドを育ててもらった感謝の気持ちとともに、展開していきます。 さらに、植物性ミルクの定着に向けて本格的な取り組みを開始します。 提携先であるBlue Diamond Growersは農家との栽培指導を含め、原材料調達から最終商品に至る過程全てに関与しており、当社とモノづくりに対する想いを同じくする会社です。 生産者の想いに加え、米国の日常的な健康的食スタイルを日本のお客様に共感していただけるよう、様々な提案を多面的に仕掛けていきます。 食品では、2025年に昭和100年を迎えるにあたり、「ナポリタンスタジアム」を通じて業務用と一体となりトマトケチャップの需要開拓に徹底的に取り組み、売上最大化を目指します。 飲料、食品、業務用、それぞれが、カゴメブランドのもとで売上拡大、カテゴリー全体の活性化に寄与できるよう尽力します。 MESSAGE進化した「Farm to Life」への取り組み強化私は、お客様に価値をお届けする領域を、「Farm to Table」から「Farm to Life」へと広げていきたいと考えています。 お客様の生涯の健康的な暮らしに、商品だけではないお役立ちのあり方を追求していきたいと思います。 例えば、野菜の苗を多くの方にお配りする。 その野菜の苗の生育過程や収穫、さらには調理などをお客様と一緒になって体験、共有する。 また、お客様の集まる場所に出向いて、野菜の魅力をもっと知っていただく。 これら一連の活動などを通して、カゴメをもっと知っていただき、もっと好きになっていただきたいと考えています。 これらのファンベースドマーケティングの強化を、個々の商品の魅力を高めていく活動、さらには野菜の価値発信活動と併せて進めていきます。 2025年度は、第3次中期経営計画の最終年度となります。 「野菜生活ブランド30周年」「アーモンドミルクの市場定着に向けた取り組み」「ナポリタンスタジアム」など、様々な活動を中心に国内加工食品事業の成長を図っていきます。 Profile執行役員マーケティング本部長稲垣 慶一 <国際事業>国際事業では、農業生産、商品開発、加工、販売を展開しております。 当事業における売上収益は、前期比91.0%増の1,493億3百万円、事業利益は、前期比28.6%増の139億32百万円となりました。 ① 概要国際事業は、農業生産、加工、販売事業などを展開しています。 加工はトマトペーストなどを製造する一次加工と、トマトペーストを原材料としてトマトソース、ピザソースなどを製造する二次加工に大別されます。 国際事業の主な顧客は調味料メーカーや外食企業などで、米国、ヨーロッパ、オーストラリアなどでBtoBビジネスを展開しています。 SWOT分析STRENGTH 強みWEAKNESS 弱み● フードサービス企業に向けたソリューション提案力● グローバルに展開するグループ会社によるトマト原材料の安定した供給力● グループ会社共通の品質管理基準の展開による品質力とESG課題の推進● トマトペースト市況の変動に伴う収益ボラティリティ● 購入額の大きい特定顧客への依存度の高さ● BtoCにおけるブランド認知の不足OPPORTUNITY 機会THREAT 脅威● 米国やインドなどを中心とした、フードサービス市場の成長ポテンシャル● 原材料となる加工用トマトの生産性向上技術に対するニーズの高まり● 原価・運営コスト高騰に伴うフードサービス企業からのソリューションニーズの高まり● トマトペースト市況下落による収益の悪化● 異常気象などの天候リスクによる事業活動への影響● サプライチェーンの分断による原材料・製品供給不足 ● 各国拠点の従業員の確保難、労務費の高騰 ② 2024年度の概要(成果・課題)成果課題2024年1月に世界第4位のトマト一次加工会社であるIngomarの出資持分50%を追加取得し、連結子会社化しました。 これによりカゴメグループ全体の生トマトの一次加工能力は従来の世界第14位から第3位へと大きく上昇しました。 トマト他一次加工においては、Ingomar連結子会社化による影響のほか、世界のトマトペーストが需給逼迫を背景に市況が高騰していた影響もあり、増収増益でした。 トマト他二次加工においても、各社で価格改定を実施したほか、米国を中心とした堅調な外食需要を背景に増収増益となりました。 Ingomarを連結子会社化したことに伴い、トマト他一次加工の連結売上収益の構成比率は2023年度の9%から2024年度の27%と大きく上昇しました。 トマトペーストの需給により、市況は大きく変動するため、業績ボラティリティが拡大したと言えますが、米国内のバリューチェーンが種子開発・販売から二次加工まで揃ったことを活かして、事業の安定性を高め、米国トマト加工事業のさらなる成長を図ります。 ③ 2025年度に向けた戦略世界的なインフレが続く中で、トマトペーストは2023年、2024年の世界的な増産により、市況は下降に転じました。 そのため2025年度は、グループ間連携により市況影響の極小化と次の成長に向けて、持続的かつ安定的な利益獲得力の強化に取り組みます。 一次加工においては 、品質改善や生産性の向上、原価低減、顧客との関係性強化により、競争力を高めていきます。 また、二次加工においては、フードサービス企業向けへのソリューション提案力の強化を推進し、販売数量の拡大を図ります。 グローバルにフードサービス事業を展開する既存顧客に対しては、フレーバーや容器バリエーションによる商品の拡充をし、また、各エリアで展開するローカルフードサービス企業の新規顧客の獲得も進めます。 2024年度に契約農家の加工用トマト栽培や、一次加工の生産活動の情報を収集し、ビッグデータ解析を開始しました。 これにより生産効率や良品率向上への活用を目指します。 また、組織・人員体制を含め生産性を高めるサプライチェーンを構築していきます。 さらに、Ingomarのトマト加工技術の形式知化を進め、HITやKAUの他のトマト一次加工拠点を含め、カゴメグループ全体のトマト加工技術の向上を図ります。 Kagome Inc.におけるメニュー開発の様子 Ingomarの工場で収集したビッグデータを処理している様子 MESSAGE Profile常務執行役員カゴメ・フード・インターナショナルカンパニープレジデント兼 グローバルトマト事業部長江端 徳人グローバル最適視点で成長を加速2023年10月より、国際事業本部はカゴメ・フード・インターナショナルカンパニーとしてカンパニー化し、海外現地法人のCEOが毎月参加する「カンパニー経営会議」により、機動的な意思決定を迅速に行うとともに、連携強化・ガバナンスの向上・グローバルな組織・人材マネジメントに取り組んできました。 成長ドライバーであるフードサービスの量的成長に向けたビジョンを共同で策定するとともに、ポータルサイトを活用した情報の見える化や、不正防止のためのリスク調査などを通じ、カゴメグループとしてのエンゲージメントが向上しました。 また最重要課題の一つでもあった人材マネジメントについては、今まで行っていなかった海外現地法人間の人事交流を行いました。 日本からの出向人事を含め、国際事業における持続的な成長戦略を確実に遂行できるように組織・人員体制の強化を引き続き目指します。 また、温室効果ガスや二酸化炭素の削減などのサステナビリティ活動についても推進していきます。 なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。 (3)財政状態の分析当連結会計年度末は、資産合計につきましては、前期末に比べ967億66百万円増加いたしました。 流動資産につきましては、前期末に比べ445億6百万円増加いたしました。 これは、主にIngomarの連結子会社化などにより「棚卸資産」が438億49百万円、「営業債権及びその他の債権」が110億6百万円、それぞれ増加したことなどによります。 なお「現金及び現金同等物」はIngomarの持分の追加取得による支出などにより、147億36百万円減少いたしました。 非流動資産につきましては、前期末に比べ522億59百万円増加いたしました。 これは、主にIngomarの連結子会社化に伴い、「無形資産」が347億93百万円、「有形固定資産」が218億32百万円増加したことなどによります。 なお、同社は子会社化に伴い持分法適用会社の対象外となったことから、「持分法で会計処理されている投資」が56億65百万円減少しております。 負債につきましては、前期末に比べ215億61百万円増加いたしました。 これは、主にIngomarの連結子会社化などにより「営業債務及びその他の債務」が76億61百万円、「長期借入金」が76億32百万円、「繰延税金負債」が49億82百万円、それぞれ増加したことなどによります。 資本につきましては、前期末に比べ752億5百万円増加いたしました。 これは、「親会社の所有者に帰属する当期利益」により250億15百万円、「自己株式」の処分等により217億45百万円、「非支配株主持分」が217億30百万円、それぞれ増加したことなどによります。 一方で、剰余金の配当により35億36百万円減少しております。 この結果、親会社所有者帰属持分比率は51.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,983円20銭となりました。 (4)連結キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、212億73百万円となり、前期末に比べ147億36百万円減少いたしました。 各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、316億92百万円の純収入(前期は46億17百万円の純収入)となりました。 この主要因は、税引前利益が336億65百万円となったこと、減価償却費及び償却費が120億円となったこと、棚卸資産が71億98百万円減少したこと(以上、キャッシュの純収入)、Ingomarの持分段階取得に係る既存出資持分の時価評価益が93億23百万円となったこと、法人所得税等の支払いにより86億86百万円支出したこと、利息の支払いにより30億80百万円支出したこと(以上、キャッシュの純支出)などによります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、463億25百万円の純支出(前期は60億56百万円の純支出)となりました。 これは、主にIngomarの持分追加取得に伴い360億46百万円支出したこと、有形固定資産及び無形資産の取得により109億43百万円支出したことなどによります。 財務活動によるキャッシュ・フローは、5億71百万円の純支出(前期は156億26百万円の純収入)となりました。 これは、自己株式の処分等により231億29百万円収入があったものの、短期借入の減少により156億32百万円、長期借入金の返済により55億74百万円、配当金の支払いにより35億33百万円、非支配持分への配当金の支払いにより49億16百万円支出があったことなどによります。 (生産、受注及び販売の状況)a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%) 飲料41,5937.5 通販6920.2 食品他21,89712.6 国内加工食品事業 計64,1849.1 トマト他一次加工104,213490.5 トマト他二次加工57,49024.8 国際事業 計161,704153.8 その他4,91511.2 合計230,80381.8 (注) 1 金額は製造原価によっております。 2 金額は消費税等を含めておりません。 b. 受注状況主要製品の受注生産は行っておりません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。 セグメントの名称金額(百万円)構成比(%)前期比(%) 飲料外部顧客に対するもの82,721 9.6セグメント間取引- -計82,72127.09.6通販外部顧客に対するもの13,361 1.8セグメント間取引- -計13,3614.41.8食品他外部顧客に対するもの59,628 11.3セグメント間取引- -計59,62819.411.3国内加工食品事業 計外部顧客に対するもの155,711 9.5セグメント間取引- -計155,71150.79.5 トマト他一次加工外部顧客に対するもの71,555 559.0セグメント間取引10,712 11.5計82,26726.8302.1トマト他二次加工外部顧客に対するもの61,486 17.4セグメント間取引9,056 65.8計70,54323.022.0調整額外部顧客に対するもの△3,507 -セグメント間取引- -計△3,507△1.1-国際事業 計外部顧客に対するもの129,534 105.2セグメント間取引19,768 31.2計149,30348.791.0その他外部顧客に対するもの21,622 11.2セグメント間取引238 102.6計21,8617.111.7調整額△20,007△6.5△31.8連結売上収益306,869100.036.5 (注) 1 各セグメント間のセグメント売上収益を消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社日本アクセス32,02014.235,21611.5 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。 (Ingomarの持分追加取得(連結子会社化)等)当社は、2024年1月26日開催の取締役会において、全額出資子会社のKUHへの出資を通じて、当社グループの持分法適用関連会社であるIngomarの持分を追加取得することを決議し、同日付でIngomarを連結子会社化しました。 あわせて同日付で自己株式処分に係る発行登録をしております。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発費の総額は、5,094百万円であります。 持続可能な農業の実現に向けた開発能力を高めることを目的として、国内外に分散していた品種開発や栽培技術の開発部門を一つの組織に結集し、2023年10月に「グローバル・アグリ・リサーチ&ビジネスセンター(GARBiC)」を設立しました。 この組織の傘下にはこれまで日本の研究所で行ってきた農資源開発や、ポルトガルのKagome Agri-business Research and Development Center, Unipessoal Lda、種子の開発・生産・販売を行うUnited Geneticsグループなどを配置しています。 2024年には、農業分野の新技術や新サービスが多様に迅速に展開されている米国カリフォルニア州に、米国拠点「Global Agricultural Research & Business Center USA LLC」、およびコーポレート・ベンチャーキャピタルを新たに設立しました。 GARBiCとIngomar、契約農家が強固に連携し、加工用トマト生産者が抱える課題の抽出と、対応する品種や栽培技術の開発・実装・事業化までをグループの連携によって実現することで、農を起点とした一貫した価値形成を行っていきます。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度は、新商品導入、品質の維持・向上、インフラ整備を主な目的として設備投資を実施し、全体での設備投資の額は11,793百万円となりました。 なお、有形固定資産の他、無形資産への投資を含めて記載しております。 報告セグメント別の当連結会計年度の設備投資の状況は次の通りであります。 <国内加工食品事業>国内加工食品事業では、那須工場の特別高圧受電設備導入や厚生棟設備の更新、全社的なサプライネットワーク構築プロジェクト関連支出などの設備投資を行った結果、国内加工食品事業全体の投資額は3,128百万円となりました。 <国際事業>国際事業では、製造設備の更新などにより、国際事業全体の投資額は7,572百万円となりました。 <その他>その他では、開発・生産設備の更新などにより、投資額は1,091百万円となりました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次の通りであります。 (1) 提出会社2024年12月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計本社(名古屋市中区)国内加工食品事業管理6--4111[-]東京本社(東京都中央区)国内加工食品事業管理75332-3571,142629[70]総合研究所(栃木県那須塩原市)国内加工食品事業 その他研究50016213(32)17590697[24]東京支店(東京都中央区)他7支店国内加工食品事業販売426490(3)431952393[67]那須工場(栃木県那須塩原市)国内加工食品事業飲料生産設備他2,5813,151687(86)2186,638112[135]茨城工場(茨城県小美玉市)国内加工食品事業調味料生産設備他1,5361,29352(76)752,95788[80]富士見工場(長野県諏訪郡富士見町)国内加工食品事業飲料生産設備他3,4714,03544(114)1687,72099[63]小坂井工場(愛知県宝飯郡小坂井町)国内加工食品事業調味料生産設備他1,3222,37945(41)943,84280[90]上野工場(愛知県東海市)国内加工食品事業調味料生産設備他460636128(25)871,31347[41]小牧工場(愛知県小牧市)国内加工食品事業飲料生産設備他785506665(9)391,99789[34] (2) 国内子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計カゴメアクシス㈱本社(名古屋市中区)他1事業所その他管理1,91772,349(1,319)374,31186[37] (3) 在外子会社2024年12月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計KAGOME INC.(注3)本社及び工場(米国カリフォルニア州)他1営業所、1子会社国際事業調味料生産設備他1,8052,484[24]202(146)1,9966,489[24]82[302]台湾可果美股份有限公司本社及び工場(台湾台南市)他2営業所国際事業管理・生産設備1,2921,2154,838(1,296)3587,705199[16]Kagome Australia Pty Ltd.(注3)本社及び工場(オーストラリア連邦ビクトリア州)他2子会社国際事業管理・生産設備1,1333,962718(9,406)9116,725137[164]Holding da IndustriaTransformadorado Tomate,SGPS S.A.(注3)本社及び工場(ポルトガル共和国パルメラ市)他2子会社国際事業管理・生産設備2,7795,661[374]434(351)3169,191[374]278[188]Ingomar Packing Company, LLC本社及び工場(米国カリフォルニア州)国際事業管理・生産設備2,4336,2758,825(11,956)62318,158158[163] (注) 1 帳簿価額のうち、その他は工具、器具及び備品、使用権資産並びに建設仮勘定の合計であります。 なお、金額には消費税等を含んでおりません。 2 連結子会社において、提出会社から借用中の設備を含むものについて、[ ]書きで外書きしております。 3 同社の子会社を含んでおります。 4 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に外書きしております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 翌連結会計年度の設備投資計画金額は 133億円であり、セグメント毎の内訳は次の通りであります。 セグメントの名称設備投資計画金額(百万円)主な設備投資の目的・内容国内加工食品事業2,700生産設備などの更新及び拡充国際事業9,700同上その他900 合計13,300 (注) 1 上記計画に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により充当する予定であります。 2 上記の金額に消費税等は含まれておりません。 (2) 重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除・売却を除き、重要な設備の除・売却の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 5,094,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 1,091,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 18 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,917,248 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 1. 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、投資株式について、もっぱら株式の価値の変動または配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)に区分しております。 2. 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、持続的な成長と社会的価値、経済的価値を高めるため、業務提携、原材料の安定調達など経営戦略の一環として、また、取引先との良好な関係を構築し、事業の円滑な推進を図るために必要と判断する企業の株式を保有しております。 保有の意義が希薄と考えられる政策保有株式については、できる限り速やかに処分・縮減していく基本方針です。 毎年、政策保有の意義、経済合理性などを検証し、保有継続の可否、保有株式数を見直します。 経済合理性の検証は、直近事業年度末における各政策保有株式の金額を基準とし、同事業年度において当社利益に寄与した金額の割合を算出し、その割合が当社の単体5年平均ROAの概ね2倍を下回る場合、また、簿価から30%以上時価下落した銘柄及び年間取引高が1億円未満である銘柄についても、売却検討対象とします。 これらの基準のいずれかに抵触した銘柄については、毎年、取締役会で売却の是否に関する審議を行います。 審議の結果、2024年度に一部保有株式を売却しました。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式17453非上場株式以外の株式2911,047 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式611取引先持株会における定期購入等 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式180非上場株式以外の株式256 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)加藤産業㈱731,900731,900安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有3,3043,363ダイナパック㈱1,673,6001,678,600安定的な資材調達取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有3,0242,504日清食品有限公司12,994,00012,994,000海外における共同事業運営の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無1,5881,474㈱イズミ112,200112,200安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無361406イオン㈱90,84689,020安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 また、同社の取引先持株会に加入していることから、保有株式数が増加しています。 無335280㈱トーホー110,000110,000安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有328305Tat Gıda Sanayi A.Ş5,071,1685,071,168安定的な購買関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無303823㈱システムリサーチ160,00080,000安定的なシステム構築取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有237231アルビス㈱82,80082,800安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有217217㈱バローホールディングス92,30092,300安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有202225エイチ・ツー・オー リテイリング80,99223,625安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 株式数の増加は、㈱関西フードマーケットとの株式交換及び取引先持株会を通じた株式の取得による増加であります。 無17336 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱マルイチ産商180,849179,783安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 また、同社の取引先持株会に加入していることから、保有株式数が増加しています。 有198231セントラルフォレストグループ㈱70,64670,352安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 また、同社の取引先持株会に加入していることから、保有株式数が増加しています。 無 (注)1169138伊藤忠食品㈱20,00020,000安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有143158ヤマエグループホールディングス㈱50,41649,811安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 また、同社の取引先持株会に加入していることから、保有株式数が増加しています。 有99190尾家産業㈱42,80042,800安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有8674㈱ヤマナカ106,000106,000安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有6273㈱サトー商会28,80028,800安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無5347石塚硝子㈱13,80013,800安定的な資材調達取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有3246㈱アークス11,50011,500安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無2931㈱フジ11,90011,900安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無2422マックスバリュ東海㈱7,0217,021安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無2320 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ライフコーポレーション5,7005,700安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無2018㈱平和堂5,9005,900安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無1312㈱大光7,5537,144安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 また、同社の取引先持株会に加入していることから、保有株式数が増加しています。 有44㈱リテールパートナーズ3,0003,000安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無35イオン九州㈱1,2001,200安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無32イオン北海道㈱480480安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 無00アクシアル リテイリング㈱400100安定的な営業関係取引の維持・強化及び相互の取り組みによる将来的な企業価値向上が保有の目的です。 定量的な保有効果については秘密保持の観点により記載しませんが、取引状況等を含めた総合的な判断により保有効果を評価しています。 有00 (注)1 セントラルフォレストグループ㈱は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社の株式を保有しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 3. 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 17 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 453,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 29 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 11,047,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 11,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 56,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 400 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 3,000,000 |