財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-01-27
英訳名、表紙Heartseed Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  福田 惠一
本店の所在の場所、表紙東京都港区芝浦一丁目2番3号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6665-8068
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 当社Heartseed株式会社は、2015年11月に設立された学校法人慶應義塾(以下「慶應義塾大学」という。
)発のバイオベンチャーで、世界の死因の第一位を占める心臓病にて、「再生医療で心臓病治療の扉を開く」をミッションとして、心臓病の重大疾患のひとつである重症心不全の抜本的治療法を目指した心筋再生医療の事業化に取り組んでおります。
 当社が再生医療等製品として開発している治療法は、iPS細胞(「3 事業の内容」<用語解説>※1)から心筋細胞(「3 事業の内容」<用語解説>※2)を作製し、それを凝集させた微小組織(心筋球)として重症心不全の患者さんに移植をする、慶應義塾大学と当社の独自技術を組み合わせたもので、本治療により心臓の収縮力と生活の質、生命予後を改善することが期待されます。
当社の社名は、心筋球がフウセンカズラ(英名heartseed)という観葉植物の種に似ていることと、その心筋球が心臓の種(heart seed)となることで、重症心不全の患者さんを救う事を願って命名しております。
 当社の設立以降の経緯は、次のとおりであります。
年月概要2015年11月東京都渋谷区にHeartseed株式会社(資本金25,000千円、資本準備金25,000千円)を設立2016年3月心筋の純化精製に関する特許を慶應義塾大学より移管2016年5月移植可能なiPS細胞由来再生心筋細胞の製造方法に関する共同研究契約を慶應義塾大学と締結2016年6月高品質なiPS細胞の製造方法に関する特許を慶應義塾大学より移管2016年10月心筋再生医療の実用化に必要な関連4特許を慶應義塾大学より移管 未分化幹細胞除去剤及び未分化幹細胞除去方法に関する特許の独占的通常実施権を慶應義塾大学より取得2017年11月東京都港区に本店を移転2018年3月iPS細胞作製に関する特許を慶應義塾大学より移管2018年9月他家(「3 事業の内容」<用語解説>※3)iPS細胞由来再生心筋球移植療法が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」の補助対象先に選出2018年10月東京都新宿区に本店を移転2018年12月慶應義塾大学と特許出願譲渡契約及び特許実施許諾契約に基づき合計8特許に対する実施料の支払い料率を合意2019年4月iPSアカデミアジャパン㈱と、指定国立大学法人京都大学(以下「京都大学」という。
)より実施許諾されているiPS細胞技術関連特許について、非独占的通常実施権を許諾する契約を締結2020年3月伊藤忠ケミカルフロンティア㈱と資本業務提携2020年3月㈱メディパルホールディングスと資本業務提携2020年9月川崎市のかわさき新産業創造センター(KBIC)内に研究スペースを増設2021年3月KBICでの心筋再生医療の研究開発事業が、内閣府が指定する「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の事業として川崎市より認定2021年5月ノボノルディスク エー・エスと、全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を締結2022年3月東京都が実施する「未来を拓くイノベーション TOKYO プロジェクト」に採択2023年2月虚血性心疾患に伴う重症心不全患者さんを対象とするHS-001の国内第Ⅰ/Ⅱ相治験(LAPiS試験)において、1例目投与完了を公表2023年9月東京都港区に本店を移転2023年9月自家iPS細胞由来再生心筋球移植療法が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」の補助対象先に選出2023年9月脂肪酸合成阻害法による未分化iPS細胞除去に関する知財のバイオテック企業へのライセンスアウトを発表2023年11月アイ・ピース㈱作製の複数ドナー由来のiPS 細胞を用い、高純度心筋の安定した作製に成功したことを発表2024年7月東京証券取引所グロース市場へ新規上場2024年7月国内第Ⅰ/Ⅱ相治験(LAPiS試験)において、低用量群(1例目から5例目)の安全性評価委員会によるレビューが完了し、高用量群(6例目から10例目)への移行が可能となったことを発表
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
 該当事項はありません。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2024年10月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)39(3)44.14.28,739,717 (注)1.従業員数は就業人員であります。
2.臨時雇用者数(契約社員、アルバイト、派遣社員含む。
)については、年間の平均人員を()内にて外数で記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社の事業セグメントは、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。
(2)労働組合の状況 当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係については円満な関係にあり、特記すべき事項はありません。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末時点において当社が判断したものであります。
(1)経営環境 日本では、再生医療の承認を後押しする仕組みや法制度が導入されており、国として再生医療の開発を支援している状況にあります。
2014年11月には薬機法が改正され、再生医療等製品では、有効性が推定され安全性が確認されれば、条件及び期限付きで特別に早期に承認できる仕組みが導入されました。
また、2015年4月には、「画期性」「対象疾患の重篤性」「極めて高い有効性」「世界に先駆けて日本で申請」を満たす臨床開発中の医薬品及び医療機器に対して、審査期間の早期化や当局との事前相談に関する優先的支援などを提供する「先駆け審査指定制度」が試行的に運用開始されました。
その後、2019年11月には更に薬機法が改正され、恒常的な活用のために「先駆的医薬品等指定制度」として法制化されています。
革新的な医薬品に対する臨床開発上の優遇措置を、日本政府は強化しています。
 このような環境のもとで、2014年以降13品目の再生医療等製品が日本において承認されています。
そのうち2022年には、角膜上皮幹細胞疲弊症に向けた細胞シートに加え、難治性の多発性骨髄腫向けの製品、合計2品目が承認されています。
iPS細胞を活用した再生医療等製品の開発においても、まだ承認事例はないものの、国内では、国立研究開発法人理化学研究所が2014年に世界で初めてiPS細胞を使う臨床研究を実施したほか、2018年には京都大学がパーキンソン病患者さんに対してiPS細胞を使った治療の医師主導治験、2019年には指定国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。
)がiPS細胞から作製した角膜上皮細胞シートの臨床研究、2020年には重症心不全患者さんに対して大阪大学がiPS細胞から作製した心筋シートの医師主導治験、2021年には慶應義塾大学が脊髄損傷患者に対するiPS細胞由来神経前駆細胞の臨床研究、さらには2022年に京都大学においてiPS細胞由来HLAホモ型血小板の企業治験が実施されるなど、治療法の確立に向けて臨床開発が進んでいます (2)経営方針・経営戦略 当社は、世界の死因の第一位を占める心臓病に焦点を当て、「再生医療で心臓病治療の扉を開く」ことをミッションとして重症心不全の抜本的治療法の開発を進めております。
当社の心筋再生医療は、これまでの細胞治療とは一線を画す、弱まった心臓を再生心筋で置き換える、”Remuscularization(心筋補填療法)”と呼ばれるものです。
投与した心筋細胞が患者さんの心臓の中に生着して長期間機能することを期待する治療法であるがゆえに、投与細胞の製造には高い安全性が要求され、サイエンス・技術面での参入障壁が非常に高い領域ともいえます。
当社は、本領域の治療法として非臨床試験を完了させ患者投与での検証に入っている世界的にも先駆的な事例となっております。
 このような競争環境の中で、まず現在実施中のLAPiS試験を完了させて、HS-001において日本での条件及び期限付き承認を目指して販売収益が上がる体制にすること、同時により低侵襲な手法であるカテーテル投与によるHS-005の開発を当社のグローバルパートナーであるノボノルディスク エー・エスと進め、重症心不全に苦しむ日本の患者さんのみならず、世界の患者さんにも当社の心筋再生医療を届けることを目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社は現在、研究段階の企業であり販売承認を取得した製品群を保有しておらず、また、開発段階の進捗によりノボノルディスク エー・エスから取得する開発マイルストン収入が売上高に計上されてはおりますが不確実性が高いため、目標となる経営指標等は定めておりません。
そのため、現段階においては、リードパイプラインを中心とした早期の上市を目指し、研究開発及び臨床試験の進捗状況及び研究開発資金と費用のバランス等を注視しながら、事業を推進しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 臨床応用の加速<HS-001について>当社は、虚血性心疾患者さんを対象としたLAPiS試験を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に受理された治験計画に基づき、治験参加施設における患者さんのリクルートメントを継続しております。
委託先や治験参加施設との連携を強化し本治験の着実な実行を図ってまいります。
<HS-005について>2021年6月に発表しましたグローバル大手製薬企業であるノボノルディスク エー・エスとの全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を基に、海外市場向け導出品として主に活用される想定である低侵襲的投与手法の開発などを進めてまいります。
② 中長期的事業基盤構築に向けた取り組み大量生産を目的とした製造技術開発に加えて、当社が保有するプラットフォーム技術・知財に関する他社との提携などを進めることで、将来収益の極大化に向けた事業基盤を固め、世界市場においても競争力の獲得を図っていく方針であります。
③ 財務基盤の強化当社は、リードパイプラインであるHS-001での早期収益化を目指す中、2024年10月末時点の現預金残高は5,297,166千円、純資産額は6,623,249千円です。
中長期的に事業を拡大していくために資金を外部から調達する必要があることから、今後も一層の事業の促進と並行して株式市場からのみならず、銀行からの融資、補助金等を通して、研究開発に必要な資金調達の多様化を図り、財務基盤の強化を進めてまいります。
④ 組織体制の整備及び人材育成持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、優秀な人材を確保し定着を図るべく、組織体制を整備し、従業員のモチベーションの維持・向上に努めていくとともに、一人ひとりの従業員の能力開発や働きやすい環境を構築してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス体制の強化 持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の公正性・透明性を確保するとともに、「内部統制に関する基本方針」に沿って内部統制を整備・運用すること、並びに、コンプライアンス・リスク管理委員会を中心として役職員が倫理・コンプライアンスに関して共通認識を保持し、公正で的確な意思決定を行う風土を醸成する仕組みの構築に加えて、透明性のある内部管理体制を整備・維持することで、内部管理体制の強化及びコーポレート・ガバナンスの充実に努めます。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、心臓移植しか治療法のない重症心不全患者さんを救うために、心筋再生医療の実現を目指して設立されました。
「再生医療で世界を変える」というビジョンのもと、「Patient first でHigh Quality な医療を提供する、独創性のある技術とサイエンスで、新しい医療を開拓する」という価値観から再生医療で心臓病治療の扉を開くことのできるよう、合理的かつ持続可能な研究開発・事業運営を行っていくことでサステナビリティ経営を促進しております。
(1) ガバナンス 当社は、中長期的な企業価値の向上のため、サステナビリティを巡る課題への対応は経営の重要課題と認識しております。
「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンス体制のもとで、持続可能な社会の実現と当社の継続的な企業価値の向上を目指しております。
また、コンプライアンス・情報セキュリティ等においても継続的な活動の改善及び強化に取り組んでおります。
(2) 戦略① 人材育成方針 メインパイプラインの開発を一刻も早く進め、安定した収益を確保しさらなる事業拡大を進めていくためには、従来から開発に携わってきた従業員のより多くが定着し、新たに加わるメンバーとシナジーが生まれる関係性を構築できる環境が重要であると認識しております。
そこで、当社では、離職者を低減させるため、働きやすさの追求、キャリアのための教育、及び健康・メンタルヘルスへの配慮を方針としております。
② 社内環境整備方針 働きやすさの追求のため有給取得の推進やテレワークの推奨をすること、キャリア・教育支援として研修制度を整備すること、並びに健康・メンタルヘルスへの配慮として健康診断・人間ドック受診促進、過度な残業の防止、及び定期的な企業サーベイの実施を行っております。
(3) リスク管理 当社は、各部門において定期的にリスクを抽出し、頻度及び影響度の観点からリスクを評価し、重要性に応じて当該リスクへの対応(回避・低減・移転・受容)を検討します。
当該リスクの評価及び対応について、当社のコンプライアンス・リスク管理委員会へ定期的に報告され、モニタリングされます。
また、人事面においては、就業規則、給与規程、人事考課規程等の社内規程を整備し、公正かつ客観的な評価を行うように定めております。
 なお、研究開発に関しましても、社内倫理委員会を設置し、倫理的及び科学的妥当性についてモニタリングを行っております。
(4) 指標及び目標 当社では、上記「(2)戦略 ②社内環境整備方針」のとおり、サステナビリティ戦略において人的資本を重要視しております。
指標として中期的な目標達成に向けて人的投資を進めてまいります。
指標目標実績(当事業年度)参考離職者数0名2名-法定有給取得率100%100%有給取得日数:1人当たり15日/年研修受講率100%100%Eラーニング利用時間:1人当たり15時間/年健康診断・人間ドック等受診率100%100%人間ドック等利用率:71%深夜残業時間1人当たり1時間程度/月1人当たり1.07時間/月-
戦略 (2) 戦略① 人材育成方針 メインパイプラインの開発を一刻も早く進め、安定した収益を確保しさらなる事業拡大を進めていくためには、従来から開発に携わってきた従業員のより多くが定着し、新たに加わるメンバーとシナジーが生まれる関係性を構築できる環境が重要であると認識しております。
そこで、当社では、離職者を低減させるため、働きやすさの追求、キャリアのための教育、及び健康・メンタルヘルスへの配慮を方針としております。
② 社内環境整備方針 働きやすさの追求のため有給取得の推進やテレワークの推奨をすること、キャリア・教育支援として研修制度を整備すること、並びに健康・メンタルヘルスへの配慮として健康診断・人間ドック受診促進、過度な残業の防止、及び定期的な企業サーベイの実施を行っております。
指標及び目標 (4) 指標及び目標 当社では、上記「(2)戦略 ②社内環境整備方針」のとおり、サステナビリティ戦略において人的資本を重要視しております。
指標として中期的な目標達成に向けて人的投資を進めてまいります。
指標目標実績(当事業年度)参考離職者数0名2名-法定有給取得率100%100%有給取得日数:1人当たり15日/年研修受講率100%100%Eラーニング利用時間:1人当たり15時間/年健康診断・人間ドック等受診率100%100%人間ドック等利用率:71%深夜残業時間1人当たり1時間程度/月1人当たり1.07時間/月-
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ① 人材育成方針 メインパイプラインの開発を一刻も早く進め、安定した収益を確保しさらなる事業拡大を進めていくためには、従来から開発に携わってきた従業員のより多くが定着し、新たに加わるメンバーとシナジーが生まれる関係性を構築できる環境が重要であると認識しております。
そこで、当社では、離職者を低減させるため、働きやすさの追求、キャリアのための教育、及び健康・メンタルヘルスへの配慮を方針としております。
② 社内環境整備方針 働きやすさの追求のため有給取得の推進やテレワークの推奨をすること、キャリア・教育支援として研修制度を整備すること、並びに健康・メンタルヘルスへの配慮として健康診断・人間ドック受診促進、過度な残業の防止、及び定期的な企業サーベイの実施を行っております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標  当社では、上記「(2)戦略 ②社内環境整備方針」のとおり、サステナビリティ戦略において人的資本を重要視しております。
指標として中期的な目標達成に向けて人的投資を進めてまいります。
指標目標実績(当事業年度)参考離職者数0名2名-法定有給取得率100%100%有給取得日数:1人当たり15日/年研修受講率100%100%Eラーニング利用時間:1人当たり15時間/年健康診断・人間ドック等受診率100%100%人間ドック等利用率:71%深夜残業時間1人当たり1時間程度/月1人当たり1.07時間/月-
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。
中には当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。
 当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
 また、当社は、再生医療等製品の開発を行っております。
一般的に再生医療等製品を含む医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。
特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来下記に挙げたリスク以外で当社に関する重要なリスクが発生する可能性があります。
また、当社はこれら事業等のリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っておりますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。
(1)技術革新及び競合に関するリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:中長期、影響度:大) 再生医療分野及びiPS細胞等の分野では、世界中で研究競争が盛んに行われており、飛躍的な技術革新が短期間で進んでいます。
今後、革新的な技術が開発された場合、既存技術の大幅な改善がされた場合、遺伝子治療等新規の治療法について技術革新が生じた場合及び新規参入等の状況によっては、従来の技術が陳腐化するリスクがあります。
このため、当社は、大学や公的研究機関と連携し、最先端技術の開発に先行して取り組むとともに、常に最新の技術動向の把握に努めております。
 競合につきましては、大手企業を中心に、新興企業、研究機関等が増加傾向にあるほか、今後の市場拡大を見込み、参入機会を窺っている企業も存在すると思われます。
このような競合相手が新たな技術を開発し、当社の技術を上回った場合、あるいは関連特許を取得した場合及び当社より先に上市した場合等には、当社の開発する製品の販売が行えない可能性、あるいは市場において他社が優位を確立しており、当社の製品のマーケティングが困難となる可能性または当社が事業計画において想定していた売上を達成できず、研究開発費用を賄うことができない等の可能性があります。
かかる事象が生じた結果、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)再生医療ビジネスに関する想定外のリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社は、「薬機法」等の関連法令に準拠し、再生医療等製品の臨床試験を進めてまいります。
リードパイプラインであるHS-001は低用量では0.5億個、高用量では1.5億個の心筋細胞を投与するため、事前にサルや小動物を用いた非臨床試験において有効性及び十分な安全性マージンを確認して第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)を開始しております。
また、LAPiS試験開始後に開示した試験結果等においても、有効性及び安全性を示すデータを取得しております。
しかしながら、今後LAPiS試験高用量移行後や、今後実施する心筋細胞に関連する治験において、事前に想定していなかったような予期せぬ安全性懸念が発生する可能性は現時点で完全には否定することはできません。
また患者リクルーティングが難航することなどによる臨床試験の遅延、承認申請及び審査過程での遅延に加え、場合によっては臨床試験の中止や承認が得られず、製品の上市に至らないリスクがあるほか、臨床試験進捗の遅延や予期しない問題点への対応により研究開発費が見込みより増大するリスクがあります。
各治験施設の責任医師や、関連するステークホルダーとの連携を密にするように心がけることなどでリスクの低減を図っておりますが、当社の製造する製品の上市や研究開発活動が当初の予定どおり進まない場合、当社が想定する売上や、マイルストン収入及びロイヤルティ収入の獲得が遅延・減少・喪失などする可能性があり、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3)再生医療等製品に関連する法規制のリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:中長期、影響度:中) 当社が規制を受けている再生医療等製品に関する法規制については、技術革新や想定外の事態の発生等に対応し、継続的に見直しがなされる可能性があります。
当社が戦略的に依拠している薬機法による条件及び期限付承認制度に、審査期間の長期化、必要とされる臨床試験数の増加等の変更が生じて当社製品の上市時期または上市に必要な臨床開発に大きな変更がある場合や、当社の想定した内容での承認がなされない場合があります。
また、日本では厚生労働省の薬価に対する考え方の見直しに伴い、薬価制度が変更になり、当社が将来想定している収益見通しに大きな影響がある可能性があります。
医療費の引下げ圧力が年々強まる傾向にあることから、当社の製造する製品においても上市後の薬価に影響が生じる可能性があります。
 当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めております。
しかしながら、今後これらの法令等に重大な改廃があり当社の開発想定に影響がある場合には、研究開発進捗の大幅な遅延、研究開発費用の増大、あるいは当社が想定している製品価値よりも低い薬価となる可能性があります。
かかる事象が生じた結果、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(4)条件及び期限付承認取得後のリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:中長期、影響度:大) 日本では2014年11月の薬機法の改正に伴い、再生医療等製品にて有効性が推定され安全性が確認されれば、対象とする医療機関等の限定や追加の臨床試験等の条件を付し、承認に有効期限を設けることで早期に承認を取得できる条件及び期限付承認制度が導入され、当該制度の導入後多くの再生医療等製品が上市されております。
そのため、当該制度によって可能な限り条件及び期限付承認を取得して開発中の再生医療等製品の早期実用化を目指すことを、当社では最重要戦略として位置付けて臨床開発を進めており、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)においても、当該制度の活用を念頭に置いての臨床試験デザインを立案しております。
 他方で、条件及び期限付承認制度では、通常の医薬品開発では承認申請時に求められる大規模臨床試験による安全性や有効性の確認を上市後に行うという制度要件となっています。
そのため、当社再生医療等製品の条件及び期限付承認後には、一定期間にわたり製造販売後調査を課されることが予見されます。
 当社では各治験施設の責任医師や規制当局など関連するステークホルダーと連携しており、リスクの低減を図っておりますが、当該製造販売後調査の開始後、当社製品の有効性や安全性が不十分である場合、予期せぬ副作用が発生する場合、調査の結果に関する当社と当局との間の見解の相違が生じる場合、または要請された症例数や承認要件を満たせない場合には、本承認を取得できない可能性や条件及び期限付承認が取り消される等の可能性が存在しております。
かかる事象が生じた結果、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定のパイプラインへの依存について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社は、虚血性心疾患を原疾患とする心不全への適用を目指して、リードパイプラインであるHS-001を中心に現在複数のパイプラインを推進しているほか、新規のパイプラインの開発にも注力しております。
当社は、HS-001での技術を基礎として、HS-001の拡張型心筋症への適用拡大及びHS-005の非臨床試験に向けての検討並びにヒト白血球抗原(HLA)の発現をなくした他家iPS細胞由来心筋球による治療プログラム(HS-030)の基礎研究を開始しております。
将来的には、心筋再生医療の実現に向けた研究開発の過程で開発した高性能iPS細胞作製技術(H1foo)及び残存未分化iPS細胞の除去技術を用い、iPS細胞を用いた治療の可能性を心筋再生医療以外にも拡げることを期待しております。
しかし、これらの新規パイプラインについては、いずれも適用拡大の検討又は基礎研究の初期段階にあります。
当社は上記のパイプラインや今後検討を開始する製品等について、製品化及び収益化に至るかは非常に不確実であり、仮に製品化が可能である場合においても、相当程度の期間及び費用を要するものと考えております。
さらに技術的な困難、競合による開発の先行及び技術革新、法規制、当社の人材の不足並びにサプライチェーン構築の不確実性などの制約要因により、研究開発、非臨床試験、治験の実施並びに製品化及び収益化に当社が想定した以上に時間もしくは費用を要する可能性または想定した進捗及び成果が得られない可能性があると考えております。
仮に研究開発に成功した場合であっても、臨床試験段階及び上市後において、予期せぬ品質問題や副作用等が発生する可能性があります。
 当社は、アカデミアとの連携や業界イベントへの参加を通じて、次世代再生医療技術に関する情報を継続的に収集し事業提携の機会を模索することなどによりリスクの低減を図っておりますが、これらの問題が生じた場合には、新規パイプラインによる収益が見込めなくなるほか、リードパイプラインであるHS-001への依存度が増し、HS-001の開発、治験の進捗及び販売等の状況の影響を強く受けることとなる結果、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造・輸送・販売体制の構築に関する不確実性について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造、輸送及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れており、パートナー企業等とともに細胞の大量培養技術の開発等製造方法の確立に向けて注力しております。
しかしながら、医薬品の開発には多種多様な技術が必要であるため、今後、何らかの理由で製造、輸送及び販売体制の構築等が困難になった場合には、臨床試験用や承認後の製品供給が遅れ、またこうした供給遅れに伴い、臨床試験の実施が中止・撤回されるリスクや構築した製造・輸送・販売体制を再構築する必要が生じるリスクが想定されます。
 また、特にサプライチェーンにおいて、製造場所、原材料または製造プロセスの変更が生じた場合、もしくは製造の為に提出していた各種データ及び当社体制などに関連する充分性や信頼性について当局が疑義を持つ場合など、当局から追加の説明及びデータの提出等を求められ、再度の非臨床試験及び臨床試験を求められる可能性や、臨床試験、承認申請、もしくは販売について、中止・撤回を要請される可能性もあります。
 さらに、販売承認後、先端的な技術を活用した製品であるがゆえに需給予測が困難な場合、想定していた投与や費用対効果が達成できない場合、新規性が高い製品であるがゆえに患者さんからの忌避感が当社の想定する以上である場合、国内外におけるプロモーション等営業活動に関する規制に違反し、訴訟や罰金の対象となる場合等には、想定していた売上計上につながらない可能性があります。
 当社では、製造拠点、原材料、輸送体制などサプライチェーンを担当して頂いている各企業様と連携しており、リスクの低減を図っておりますが、上記のリスクにより、当社の経営成績及び事業展開に対して影響を及ぼす可能性があります。
(7)他社からの原材料供給(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 再生医療等製品の開発や販売開始後の安定供給について、当社は多くの協力企業との取引によって、必要な原材料や資材等の調達を受けております。
特に、製造プロセス中に用いる原材料や試薬、投与に活用する針やカテーテル等は代替性が乏しく、仮に代替品に変更できたとしても現状の開発スケジュールを大きく遅延させる可能性があります。
この点、当社はそうした外注先と供給契約を締結し安定供給を確保できるように努めております。
 外注先の取引方針の変更、供給能力の低下もしくは品質の低下、または自然災害及びこれに起因する事象等により現在の外注先への委託が困難になった場合、当社は代替外注先探索などの対応を行います。
しかし、適切な企業の発見が困難である可能性に加えて、仮に適切な企業を発見できたとしても製造体制再構築に相応の時間及び費用を要する場合、あるいは当社に不利な内容での契約締結を余儀なくされる場合等が発生した場合は、当社事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8)予期せぬ副作用及び製造物責任等の発生について(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 当社の開発品である再生医療等製品を含む製品には、臨床試験段階及び上市後においても、予期せぬ品質問題や副作用等が発生する可能性があります。
 そうした事態に備え、当社では、入念な製造方法の移管プロセスを経た上で、現在進捗中の臨床試験製品を再生医療等製品の製造や品質管理に実績のある製造開発委託機関(CDMO)に委託しております。
また、医薬品開発上求められる安全管理に関しても臨床開発や販売停止・中止に関して独立した権限を持つ信頼性保証部を社長直下に組成し、不測の事態に対応できる体制を整備しております。
さらに、実施中の臨床試験においても、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入する予定です。
 しかしながら、こうした安全管理が何らかの理由や事象で十分でなかった場合、当社の賠償責任が保険金額を上回る場合、あるいは当社に対する損害賠償の請求が認められずとも製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージを受けた場合には、当社及び当社の製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。
 さらに、当社の治療法に品質問題や予期せぬ副作用発現等の問題が発生した場合には、製品回収もしくは販売中止、医療機器の仕様変更等の対策の実施もしくは臨床試験の中止、製品の安全性に関する追加データの当局への提出、または再度の試験の実施もしくは罰金の命令等により、医薬品の売上の減少及び多額の費用が発生する可能性があります。
 かかる事象が生じた結果、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産権に関するリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 知的財産権に関しては、当社の特許権が他社により侵害されるリスク及び当社が他社の特許権を侵害するリスクがあります。
 当社は知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針であります。
しかし訴訟等が提起され、当社の主張が認められない場合、または想定以上の費用もしくは時間が必要となる場合には、当社の事業計画に大きな支障をきたす可能性があります。
 秘密裏に当社の特許が侵害された場合や当社の調査範囲の及ばない抵触特許が存在した場合等には、当社の技術の優位性が損なわれる、あるいは多額の損害賠償を請求されるリスクとなる可能性があります。
 また、現在出願中の特許が全て成立するわけではありません。
さらに、特許が成立した場合でも当社技術を超える優れた研究開発が行われ、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しております。
なお、現在までに、知的財産権に関して第三者との間で訴訟が発生した事実や特許権侵害の警告書を受領した事実はありません。
 当社の特許権が他社により侵害されるリスクに関しては、各種データベースや特許事務所を活用して情報収集を行い、研究開発で得られた成果は必要に応じて迅速に特許出願等を行っております。
他社による特許侵害が考えられた場合には、当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、当社が保有する特許権の範囲が必ずしも当社の事業の保護のために十分でない可能性があります。
また、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性等も勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も存在することから、当社が期待していた収益が失われるリスクがあります。
 当社が他社の特許権を侵害するリスクに関しては、当社が他社の特許権を侵害しないよう各種データベースや特許事務所を活用して情報収集を行い、適法な手続のもとに当社事業に必要な特許権を使用することとしております。
しかし、事前の特許等の調査でも認識できず、当社が意図せずに第三者の知的財産権を侵害する可能性もあります。
当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、事業上重要と思われる知的財産権に関しては、これを認識した時点で当社として評価し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結する方針です。
しかし、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクが増大する可能性もあり、実施許諾契約を適時・適切に締結できない場合やライセンサーにおいて他の第三者の知的財産権に抵触している場合等には、当社に対し製品の製造販売の差止請求または損害賠償請求等がなされる可能性があります。
 また、当社は各種公的機関や共同研究先から特許の実施許諾を受けており、これらは当社事業に不可欠であります。
当社が活用する特許の実施許諾契約の締結や更新に加えて、当該機関・企業との良好な関係の維持・構築に努めておりますが、何らかの影響により協力が得られなくなる可能性があります。
 かかる事象が生じた結果、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(10)資金繰り(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:中長期、影響度:大) 当社の事業収支は、研究開発費用の負担により研究開発期間において継続的に営業損失を計上するため、当社の開発品が上市され、安定的な収益源が確保されるまでの期間においては、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。
 当社の開発する製品は現在まで上市されておらず、また上市に至るまで研究開発及び臨床試験の実施、必要な許認可の取得、製造・輸送・販売体制の確立、並びに経営体制の維持及び拡充並びに知的財産の運用の体制の確立等のために多額の費用を必要とします。
さらに、製品の開発においては臨床試験の実施時期や当局の許認可の時期または追加の研究開発の要否等の不確定な要素が存在することから、資金需要が増加する時期の予測が困難となる傾向があります。
 当社といたしましては、増資による資金調達を中心に、提携先からのマイルストン収入、取引先銀行との融資契約・コミットメントライン契約及び各種補助金等を活用することで資金確保に努める方針であります。
しかしながら、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合または必要な額の資金を確保できなかった場合には、結果として当社の財務状況や事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(11)経営上の重要な契約等に関するリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社の経営上重要と思われる契約は、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであり、関連する契約に基づいて当社事業における支援を得ております。
また、当社は今後も、研究開発、並びに製造・輸送・販売体制の構築のため、各種の企業と事業提携を行うことを見込んでおります。
 しかし、このような既存の契約もしくは将来の契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、あるいは、当社にとって不利な改定が行われた場合または契約の相手方の経営状態が悪化する場合もしくは相手方企業や機関の経営方針が変更され当社がコントロールし得ない何らかの事情が発生し、契約の継続が困難となる等の場合には、これらの契約先に代わる第三者と契約するため相応の時間と費用を要する、あるいは代替先を見つけることができず円滑な事業運営に困難を生じる可能性があります。
 また、現在及び将来の契約において、共同研究によって生じた発明に基づく特許権等の知的財産権に関して共同研究の相手方との共有とされる可能性があります。
当社は共同研究成果としての知的財産権等を当社の事業領域において独占的実施権を確保するように努めております。
しかし、このように共同研究によって生じた知的財産権の一部または全部が他社に帰属することにより当社が追加で実施料を支払う必要が生じた場合、もしくは他社が当該知的財産権を実施することを避けられなかった場合など、何らかの理由で当社の今後の研究開発及び製品販売に支障が生じる可能性があります。
 かかる事象が生じた結果、当社の財務状況や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(12)ノボノルディスク エー・エスとの提携に関するリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)当社はノボノルディスク エー・エスと、全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を締結しております。
本契約は、他家iPS細胞由来心筋球(細胞株、投与方法、適応症は問わない)の日本以外の全世界における臨床開発・製造・販売権をノボノルディスク エー・エスへと付与する一方、国内では当社が製造販売権を保持して、両者共同で商業化(co-commercialize)し、日本国内事業に関する収益を50:50にてプロフィットシェアする事業提携スキームとなっております。
これにより当社の事業収益は、日本国内で薬事承認後に取得する収益に加えて、導出に係る契約一時金(2021年に受領済)、日本及び海外の開発進捗に応じたマイルストン収入、並びに海外での製品上市後のロイヤルティ収入及び販売マイルストン収入を得ることを予定しております。
当社が受領可能な各種マイルストン収入や海外でのロイヤルティ収入において、金額規模や受領できるタイミングは、当社自身が主体として実施する日本での臨床開発、製造技術開発、薬事承認等の事業進捗に依存するものだけでなく、ノボノルディスク エー・エス自身が当該ライセンスに基づき海外で臨床開発・販売を進めた結果にも大きく影響されます。
当社が日本の開発権と製造販売権を保有する提携スキームとしたことでノボノルディスク エー・エスへの過度な依存を回避しております。
しかし、ノボノルディスク エー・エスの研究開発・臨床試験が想定どおりに進捗しない、あるいは両社が想定する製造体制や製造規模が何らかの影響により実現できない等のリスクが存在します。
また、ノボノルディスク エー・エスにおいて、当社との提携製品の開発・販売の優先順位が下がる可能性及び当社の事業進捗が順調に進まない結果、当社に不利な形での契約の見直し・解除等が発生する可能性があります。
当社はこうしたリスクの対処の為に、ノボノルディスク エー・エスと密に事業連携するよう心がけておりますが、上記の様なリスクが発生した場合には、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13)人材の確保に関するリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 当社の成長戦略を実現するためには、高度な専門的知識、技能及び経験を有する人材の確保並びに育成が不可欠といえます。
当社は、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(14)内部管理体制について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社の事業の運営に当たっては再生医療等製品、医薬品、医療機器に関する法令、自主規制等が及ぶ他、より一般的に製造物責任、情報保護、知的財産権、競争法、消費者保護、腐敗防止、税金等、各国での法令等の規制が及ぶことから、当社は、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの強化を図るための様々な施策を実施しております。
また、業務の適正化及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備、運用しております。
しかしながら、事業の急速な拡大や、主要メンバーの離職、経営環境の大幅な変化等の理由により、内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(15)小規模組織であることについて(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社の業務執行体制及び経営管理組織は、事業規模に応じた比較的小規模なものとなっており、大企業と比べると、業務の遂行能力は、個々の経験や能力に大きく依存していると考えられます。
業務を遂行するために最適と考えられる体制を構築し続けるとともに、今後の事業拡大に伴い積極的な人員の増強、経営管理組織の一層の充実を図る方針です。
しかしながら、当初計画を超えた規模で事業が成長するため体制構築が追い付かない場合や、新たな人材の採用及び育成が順調に進まず、離職者が発生する場合などには、組織的な対応が有効に機能しないことが考えられ、これにより当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(16)内部統制に関するリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 当社は法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し運用しておりますが、当社の財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。
さらに、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社の財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社の財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
(17)社歴の浅さについて(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社は、2015年11月に設立された社歴の浅い会社であり、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の期間比較の情報が限られております。
今後のIR活動などを通じて経営状況を積極的に開示してまいります。
しかしながら、経営成績等の期間比較をするための情報には時間の経過が不可欠であり、今後当社が成長を継続していけるか否かを現時点において予測するためには、過年度の経営成績のみでは客観的な判断材料として不十分な可能性があります。
(18)配当政策について(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小) 当社事業の特徴として、多額の先行投資を要し、投資回収までの期間も長期に及ぶことから当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。
 株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存であります。
しかしながら、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発の積極的な推進による企業価値の向上を目指し、配当は行わない方針です。
(19)特定人物への依存について(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社の代表取締役社長である福田惠一は、当社の創業者であり、設立以来当社の研究開発活動の遂行において重要な役割を担っております。
こうした状況から、当社は特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員への情報共有や権限の委譲によって福田に過度に依存しない経営管理組織の整備を進めておりますが、何らかの理由により福田の当社における業務遂行が困難になった場合、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(20)資金使途について(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 当社が株式上場において公募増資により調達した資金の使途につきましては、主としてリードパイプラインのほか、新規のパイプラインの開発や必要な経営資金にも充当していく方針であります。
 ただし、急激な外部環境の変化などに対応するために現時点における資金使途以外の使途に充当する可能性があります。
また、当社の計画どおりに使用したとしても、計画どおりの効果を上げられない可能性もあります。
資金使途に関して、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。
(21)新株発行による資金調達(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。
その場合には、当社の発行済株式総数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(22)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生する可能性がある期間:各新株予約権発行後から10年の間、影響度:小) 当社は、取締役、監査役、及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。
今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
(23)為替リスク(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小) 当社の事業パートナーであるノボノルディスク エー・エスからの開発・承認・販売進捗に伴う受領可能なマイルストン収入や、海外販売開始後の売上に伴うロイヤルティ収入の受取りは、すべて米ドルベースとなっております。
また、将来にわたっても当社は海外から当社開発製品に必要な資材や原料を輸入する等、何らかの海外企業との提携を進める可能性が存在しているため、当社の事業活動には為替リスクが存在しております。
当社は、できるだけ為替リスクを負わないように、直近利用しない米ドル運転資金が無い場合は、受領後即時円転とする旨を内規で定めております。
しかしながら、急な為替市場の変動等によって、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(24)自然災害等について(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大) 当社または当社が開発や研究を委託している企業や研究機関などが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、それらの研究設備等に被害があり、その一部または全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。
また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
特に、現在懸念されている気候変動によって、台風、洪水、地震等の自然災害が頻発または深刻化した場合には、当社または当社のパートナー企業の事業活動に大きな影響を与え、当社のサプライチェーンに大きな被害をもたらす可能性があります。
(25)情報管理について(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中) 当社の事業において、研究または開発途上の知見、技術、ノウハウ等は非常に重要な機密情報であります。
当社は、その流出リスクを軽減するため、必要に応じて取引先等との間で守秘義務等を定めた契約を締結するとともに、個別の事情に応じた情報開示を行うなど、厳重な情報管理に努めております。
また、情報セキュリティ管理規程を定め、これを基に情報セキュリティの維持・管理に努めております。
 しかしながら、取引先等によりこれが遵守されなかった場合、あるいは、何らかの原因により、情報システムの停止、個人・顧客情報の流出やコンピュータ・ウイルス、ハッカー、不正侵入等が生じた場合には、重要な機密情報が漏洩する可能性があり、このような場合には、当社の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。
)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況 当事業年度(2023年11月1日~2024年10月31日)における我が国の経済は、堅調なインバウンド需要に加え、雇用・所得環境の改善により緩やかな改善が見られるものの、金融資本市場の変動や不安定な国際情勢など、国内景気は依然として不透明な状況が続いています。
 日本の再生医療業界においては、2014年に施行された改正薬機法によって、再生医療への「条件及び期限付承認制度」が導入され、また承認審査期間の短縮や当局との事前相談に関する優先的支援などを提供する「先駆的医薬品等指定制度」が2019年に法制化されるなど、優れた再生医療等製品を逸早く実用化できる仕組みが整っています。
 当事業年度における事業の概況としましては、虚血性心疾患に伴う心不全患者を対象とする他家iPS細胞由来心筋球の開胸投与による治療プログラム(HS-001)をリードパイプラインとして、開発を継続しております。
実施中の冠動脈バイパス手術と併用する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)において、安全性評価委員会による高用量群1例目(治験全体の6例目)の安全性に関するレビューが10月1日付で完了し、10月末時点で8例目まで投与されております。
 一方、グローバル大手製薬企業であるノボノルディスク・エーエス社との全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約のもと、同社との開発の進捗に伴い、第1四半期会計期間に加えて、第4四半期会計期間にマイルストン収入を計上しております。
また、患者さんにとってより負荷の低いカテーテルを用いた投与方法の開発について計画を策定し、現在は試作品における確認・検証等を進めております。
 以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は873,610千円(前事業年度比153.4%増)、営業損失は1,038,802千円(前事業年度は営業損失1,459,614千円)、経常損失は818,581千円(前事業年度は経常損失1,456,584千円)、当期純損失は812,725千円(前事業年度は当期純損失1,473,500千円)となりました。
 なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しております。
② 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における資産合計は7,067,594千円となり、前事業年度末に比べ1,347,842千円増加しました。
流動資産は6,403,814千円となり、前事業年度末に比べ1,375,638千円増加しました。
これは主にマイルストン達成により売掛金が768,250千円、現金及び預金が新株発行等により709,047千円増加したことによるものであります。
固定資産は663,779千円となり、前事業年度末に比べ27,795千円減少しました。
これは主に減価償却費を計上したこと等により有形固定資産が27,795千円減少したことによるものであります。
(負債) 当事業年度末における負債合計は444,344千円となり、前事業年度末に比べ5,847千円減少しました。
流動負債は282,074千円となり、前事業年度末に比べ38,012千円増加しました。
これは主に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)より受領した補助金等により前受金が58,456千円、未払法人税等が外形標準課税の適用等により51,406千円増加した一方、未払金が38,056千円、資産除去債務が35,796千円減少したことによるものであります。
固定負債は162,269千円となり、前事業年度末に比べ43,859千円減少しました。
これは主に資産除去債務が28,186千円減少したことによるものであります。
(純資産) 当事業年度末における純資産合計は6,623,249千円となり、前事業年度末に比べ1,353,690千円増加しました。
これは新株発行等により資本金及び資本準備金がそれぞれ1,083,314千円増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が812,725千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況 現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、前事業年度末に比べ709,047千円増加し当事業年度末には5,297,166千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の減少は1,343,039千円(前事業年度は797,930千円の減少)となりました。
主な内訳は、税引前当期純損失818,581千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は67,130千円(前事業年度は425,695千円の減少)となりました。
主な内訳は、資産除去債務の履行による支出53,108千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の増加は2,118,845千円(前事業年度は1,848,248千円の増加)となりました。
主な内訳は、株式の発行による収入2,166,629千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績 当社は医薬品事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は以下のとおりです。
区分当事業年度(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)金額(千円)前年同期比(%)医薬品事業873,610253.4(注)1.前事業年度と比較して528,885千円の増加となりました。
これは主にノボノルディスクエー・エスとの独占的技術提携・ライセンス契約における開発マイルストンの達成内容により収益計上していることによるものであります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2022年11月1日  至 2023年10月31日)当事業年度(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ノボノルディスク エー・エス344,725100872,11099.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たって、採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
この財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 売上高は873,610千円となり、前事業年度と比較して528,885千円の増加となりました。
これは ノボノルディスク エー・エスとの独占的技術提携・ライセンス契約における開発マイルストンの達成内容により収益計上していることによるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業損失) 販売費及び一般管理費は、1,912,412千円となり、前事業年度と比較して108,073千円の増加となりました。
これは、実施中の冠動脈バイパス手術と併用する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)の進捗等により、研究開発費が81,294千円増加したことに伴うものであります。
 この結果、営業損失は1,038,802千円(前事業年度は営業損失1,459,614千円)となりました。
(営業外損益、経常損失) 営業外収益は、262,082千円となり、前事業年度と比較して67,453千円の増加となりました。
これは主に、東京都の補助事業に加え国立研究開発法人日本医療研究機構(AMED)の補助事業が増加したことにより、補助金収入が54,000千円増加したことによるものであります。
 また、営業外費用は、41,861千円となり、前事業年度と比較して149,737千円の減少となりました。
これは主に、弁護士費用や各種手続き費用等の上場関連費用が94,957千円減少したこと、及び外貨入金時の為替損失が43,257千円減少したことによるものであります。
 この結果、経常損失は818,581千円(前事業年度は経常損失1,456,584千円)となりました。
(法人税等合計、当期純損失) 法人税等合計は、△5,856千円となり、前事業年度と比較して22,772千円の減少となりました。
この結果、当期純損失は812,725千円(前事業年度は当期純損失1,473,500千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発に係る人件費及び心筋製造に係る外注費及び資材です。
将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを基本方針としております。
 運転資金及び設備投資等の資金調達につきましては、自己資金を充当することを原則としながら、必要に応じて株式市場より調達を行う方針であります。
 資金の流動性につきましては、2024年10月末時点における現金及び現金同等物の期末残高は5,297,166千円であり、これにマイルストン収入等の収益を加味すれば、当面の運転資金はカバーされ、流動性に支障がない水準であると考えております。
なお、事業計画外の緊急を要する資金需要がないか、事業計画を進捗管理することで、流動性リスクをコントロールしております。
⑤ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社の経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について 当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長を遂げるためには、さまざまな課題に対処することが必要であると認識しております。
 それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、状況に合わせて企業戦略を刷新していくことで、さらなる事業拡大を図ってまいります。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
 当社の経営上の重要な契約は次のとおりであります。
(1) 特許実施許諾に関する契約契約名契約相手契約締結日契約内容覚書学校法人慶應義塾2018年12月25日当社が学校法人慶應義塾から譲渡または再実施権付独占的通常実施権の許諾を受けた心筋再生医療に関する特許権等の実施条件を定めた契約。
対価として、当社は売上に応じて定められた実施料を支払う。
特許実施許諾契約学校法人慶應義塾2016年10月17日学校法人慶應義塾の有する純化精製方法(脂肪酸合成阻害法)に関する特許の再実施許諾権付独占的通常実施権の提供を受け、当社は当該特許を実施する際は対価を支払う契約。
契約期間は締結日から5年で、終結の申し出がない場合には自動的に1年間延長され、その後も同様。
特許実施権許諾契約iPSアカデミアジャパン㈱2019年4月1日当社がiPSアカデミアジャパン㈱から非独占的通常実施権の許諾を受けた、iPS細胞を心筋再生医療に使用する上での基本となる特許権等に関する契約。
対価として、当社は売上に応じて定められた実施料を支払う。
契約期間は締結日からすべての対象特許が存続期間満了または不存在となる日まで。
(2)業務委託契約契約相手相手先の所在地契約内容㈱ニコン・セル・イノベーション日本開発受託及び製造受託サービス基本取引契約。
㈱リニカル日本HS-001の第Ⅰ/Ⅱ相試験に関する業務の委受託契約。
(3)ライセンス提携・共同開発契約契約名契約相手契約締結日契約内容COLLABORATION & LICENSE AGREEMENTノボノルディスク エー・エス2021年5月4日ノボノルディスク エー・エスとのヒトへの治療用途(以下、本用途)におけるHS-001, HS-005を含む他家iPS細胞由来心筋球(細胞株、投与方法、適応症は問わない)に関する、全世界を対象とする再実施許諾権付独占的技術提携・ライセンス契約。
他家iPS細胞由来心筋球の本用途について、日本国内に関しては、当社が臨床開発を進め、日本以外の全世界に関しては、開発・製造・販売権をノボノルディスク エー・エスへと付与し、同社が開発・製造・販売に関する全ての費用を負担する。
当社は契約一時金・マイルストン合計で総額最大598百万ドル、及び海外の売上に応じて一桁後半から二桁前半パーセントのロイヤリティを受領する。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社は心筋再生医療の事業化を加速させるために、虚血性心疾患に伴う心不全患者を対象とする他家iPS細胞由来心筋球の開胸投与による治療プログラム(HS-001)をリードパイプラインとして、開発を継続しております。
 当事業年度においては、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)を実施中であり、治験参加施設における患者のリクルートメントを継続しております。
また、患者さんにとってより負荷の低いカテーテルを用いた投与方法の開発について計画を策定し、試作品における確認・検証作業等を進めております。
 研究開発従事人員数は29人であり、当事業年度の研究開発費の総額は1,441,540千円となり、販売費及び一般管理費全体の75.4%と大きな割合を占めております。
研究開発費は主に委託研究開発にかかるものであり、研究開発活動の具体的な内容は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
 また、研究開発の詳細については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当事業年度において実施した設備投資の総額は14,022千円であります。
これは主に研究施設の増床工事に伴う建物附属設備、工具、器具及び備品の取得によるものであります。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社における主要な設備は、次のとおりであります。
2024年10月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物附属設備工具、器具及び備品リース資産合計本社(東京都港区)本社設備及び研究開発設備434,99420,712-455,70739(3)川崎ラボ(神奈川県川崎市幸区)研究開発設備-----(-) (注)1.帳簿価額は「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用後の金額を表示しております。
2.本社は賃借しており、年間賃借料は100,833千円であります。
3.川崎ラボは賃借しており、年間賃借料は4,584千円であります。
4.従業員数欄の(外書)は臨時雇用者数(契約社員、アルバイト、派遣社員含む。
)の平均雇用人員であります。
5.当社の事業セグメントは、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等 該当事項はありません。
(2) 重要な設備の除却等 該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動1,441,540,000
設備投資額、設備投資等の概要14,022,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況44
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況4
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,739,717

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
 該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年10月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
福田 惠一東京都練馬区3,200,00014.40
SBI Ventures Two㈱東京都港区六本木1丁目6番1号6番1号2,236,80010.06
SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合東京都港区六本木1丁目6番1号6番1号1,539,2006.93
古川 俊治東京都品川区1,120,0005.04
秋山 琢己神奈川県川崎市多摩区1,120,0005.04
河西 佑太郎東京都港区800,0003.60
Astellas Venture Management LLC.(常任代理人 SMBC日興証券㈱)480 Forbes Blvd,South SanFrancisco CA94080,USA(東京都千代田区丸の内1丁目5番1号)708,8003.19
㈱日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番12号616,3002.77
新村 健造鹿児島県霧島市594,2002.67
㈱JMDC東京都港区芝大門2丁目5番5号461,6002.08計-12,396,90055.78
株主数-金融機関3
株主数-金融商品取引業者31
株主数-外国法人等-個人16
株主数-外国法人等-個人以外25
株主数-個人その他6,447
株主数-その他の法人43
株主数-計6,565
氏名又は名称、大株主の状況㈱JMDC
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議または取締役会決議に基づかないものの内容】
 該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数に関する事項株式の種類当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)普通株式     (注)110,952,00011,273,400-22,225,400B種優先株式   (注)1.24,786,400-4,786,400-C種優先株式   (注)1.23,488,000-3,488,000-D種優先株式   (注)1.2968,800-968,800-計20,195,20011,273,4009,243,20022,225,400 (注)1.普通株式の増加11,273,400株は、2024年4月17日開催の臨時取締役会の決議によりB種優先株式4,786,400株、C種優先株式3,488,000株、D種優先株式968,000株の全てを当社が取得し、引き換えにこれらの種類株式の株主に対して普通株式の交付を行ったことによる増加9,243,200株、並びに公募増資による新株発行による1,801,700株の増加、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による増加228,500株によるものであります。
    2.B種優先株式4,786,400株、C種優先株式3,488,000株、D種優先株式968,800株の減少は、2024年4月17日開催の臨時取締役会の決議により消滅したことによるものであります。
2.自己株式の種類及び株式数に関する事項 該当事項はありません。

Audit1

監査法人1、個別EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年1月24日Heartseed株式会社 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士須山 誠一郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士北池 晃一郎 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているHeartseed株式会社の2023年11月1日から2024年10月31日までの第9期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、Heartseed株式会社の2024年10月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
委託研究開発費の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社はiPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する治療法である「心筋再生医療」を確立し、重症心不全患者に貢献することを目的として事業活動を行っているバイオベンチャーであり、会社にとって最も重要な活動は、心筋再生医療の早期実用化のために実施する研究開発活動である。
財務諸表の「注記事項(損益計算書関係)」に記載されている通り、会社の当事業年度における研究開発費は1,441,540千円であり、販売費及び一般管理費の約75.4%を占めているが、その主な内容は委託研究開発費である。
 会社は、自社での研究開発活動に加え、非臨床試験や臨床試験、治験製品の製造等にかかる多くの研究開発活動を開発業務委託機関や製造開発受託機関に委託している。
委託研究に係る費用は、契約に基づき委託した研究開発の内容について検収を行い、役務の提供を受けたことが確定した時点で費用として処理される。
これらの業務委託契約は、契約金額が大きく、かつ、費用の発生パターンの異なる活動が含まれる。
委託研究開発費の会計処理にあたっては、個々の業務委託契約に含まれる活動について、役務提供の完了に関する判断を誤るもしくは操作することにより、先行計上を含め不適切な会計期間に研究開発費が計上されるリスクが存在する。
 以上から、当監査法人は、委託研究開発費の期間帰属の適切性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、委託研究開発費の期間帰属の適切性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・委託研究開発費を含む、研究開発費の計上に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価するため、関連文書の閲覧、関係する担当者への質問及び内部統制の実施記録の検証を、サンプルを抽出して実施した。
・研究開発活動の進捗状況を理解するため、経営者への質問を実施するとともに、取締役会議事録及び研究開発の進捗状況に関する関連資料を閲覧した。
・委託先との契約内容や契約条件を理解するため、関連する契約書を閲覧した。
・委託研究開発費の計上時期及び計上金額の妥当性を検討するため、金額的な重要性及びサンプリングにより抽出した計上取引について、委託先からの請求書及び報告書等の証憑書類との照合を実施した。
・当事業年度末の前渡金残高について、金額的重要性等に基づき抽出された委託先への確認手続を実施した。
マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社はiPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する治療法である「心筋再生医療」を確立し、重症心不全患者に貢献することを目的として事業活動を行っているバイオベンチャーであり、ノボノルディスク・エーエス社との全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を締結している。
財務諸表の「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおり、当事業年度の売上高873,610千円のうち、マイルストン収入に係る売上高が872,110千円であり大半を占めている。
 財務諸表の「注記事項(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、マイルストン収入に係る売上は、顧客との契約条項に基づき、事後に収益の重大な戻し入れが生じる可能性を考慮し、上市に向けた開発マイルストンが達成された時点で一時に収益を認識することとしている。
 契約条項に定められたマイルストンは、マイルストン毎に達成条件が異なるため、条件達成のタイミングの判断が必要となる。
また、マイルストン収入は1件あたりの金額が多額であり、収益の計上時期を誤った場合には、財務諸表に重要な影響を与える可能性がある。
 以上から、当監査法人は、マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・売上高の実在性及び期間帰属の適切性を検証するため、当事業年度の売上高及び当事業年度末の売掛金残高について、確認手続を実施した。
・マイルストン収入について、契約条項に定められたマイルストン毎の達成条件を理解するために、契約書を閲覧した。
・売上高の計上時期がマイルストン条件の達成時点と整合しているかを評価するため、マイルストン条件の達成に関する資料等の証憑書類を閲覧した。
・売上高の計上金額について、マイルストンに対応する契約書に記載された金額との整合性を検討した。
・マイルストン収入に係る売掛金の入金について、入金証憑との照合を実施した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
委託研究開発費の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社はiPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する治療法である「心筋再生医療」を確立し、重症心不全患者に貢献することを目的として事業活動を行っているバイオベンチャーであり、会社にとって最も重要な活動は、心筋再生医療の早期実用化のために実施する研究開発活動である。
財務諸表の「注記事項(損益計算書関係)」に記載されている通り、会社の当事業年度における研究開発費は1,441,540千円であり、販売費及び一般管理費の約75.4%を占めているが、その主な内容は委託研究開発費である。
 会社は、自社での研究開発活動に加え、非臨床試験や臨床試験、治験製品の製造等にかかる多くの研究開発活動を開発業務委託機関や製造開発受託機関に委託している。
委託研究に係る費用は、契約に基づき委託した研究開発の内容について検収を行い、役務の提供を受けたことが確定した時点で費用として処理される。
これらの業務委託契約は、契約金額が大きく、かつ、費用の発生パターンの異なる活動が含まれる。
委託研究開発費の会計処理にあたっては、個々の業務委託契約に含まれる活動について、役務提供の完了に関する判断を誤るもしくは操作することにより、先行計上を含め不適切な会計期間に研究開発費が計上されるリスクが存在する。
 以上から、当監査法人は、委託研究開発費の期間帰属の適切性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、委託研究開発費の期間帰属の適切性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・委託研究開発費を含む、研究開発費の計上に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価するため、関連文書の閲覧、関係する担当者への質問及び内部統制の実施記録の検証を、サンプルを抽出して実施した。
・研究開発活動の進捗状況を理解するため、経営者への質問を実施するとともに、取締役会議事録及び研究開発の進捗状況に関する関連資料を閲覧した。
・委託先との契約内容や契約条件を理解するため、関連する契約書を閲覧した。
・委託研究開発費の計上時期及び計上金額の妥当性を検討するため、金額的な重要性及びサンプリングにより抽出した計上取引について、委託先からの請求書及び報告書等の証憑書類との照合を実施した。
・当事業年度末の前渡金残高について、金額的重要性等に基づき抽出された委託先への確認手続を実施した。
マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社はiPS細胞由来の心筋細胞の微小組織(心筋球)を心臓に移植する治療法である「心筋再生医療」を確立し、重症心不全患者に貢献することを目的として事業活動を行っているバイオベンチャーであり、ノボノルディスク・エーエス社との全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約を締結している。
財務諸表の「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載のとおり、当事業年度の売上高873,610千円のうち、マイルストン収入に係る売上高が872,110千円であり大半を占めている。
 財務諸表の「注記事項(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、マイルストン収入に係る売上は、顧客との契約条項に基づき、事後に収益の重大な戻し入れが生じる可能性を考慮し、上市に向けた開発マイルストンが達成された時点で一時に収益を認識することとしている。
 契約条項に定められたマイルストンは、マイルストン毎に達成条件が異なるため、条件達成のタイミングの判断が必要となる。
また、マイルストン収入は1件あたりの金額が多額であり、収益の計上時期を誤った場合には、財務諸表に重要な影響を与える可能性がある。
 以上から、当監査法人は、マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・売上高の実在性及び期間帰属の適切性を検証するため、当事業年度の売上高及び当事業年度末の売掛金残高について、確認手続を実施した。
・マイルストン収入について、契約条項に定められたマイルストン毎の達成条件を理解するために、契約書を閲覧した。
・売上高の計上時期がマイルストン条件の達成時点と整合しているかを評価するため、マイルストン条件の達成に関する資料等の証憑書類を閲覧した。
・売上高の計上金額について、マイルストンに対応する契約書に記載された金額との整合性を検討した。
・マイルストン収入に係る売掛金の入金について、入金証憑との照合を実施した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別マイルストン収入に係る売上高の期間帰属の適切性
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

未収入金30,060,000
工具、器具及び備品(純額)20,712,000
有形固定資産455,707,000
投資その他の資産208,072,000

BS負債、資本

未払金80,828,000
未払法人税等54,258,000
未払費用37,439,000
リース債務、流動負債4,638,000
繰延税金負債3,206,000
資本剰余金8,247,266,000
利益剰余金-2,769,747,000
株主資本6,610,833,000
負債純資産7,067,594,000

PL

販売費及び一般管理費1,912,412,000
営業利益又は営業損失-1,038,802,000
受取利息、営業外収益401,000
為替差益、営業外収益38,349,000
営業外収益262,082,000
支払利息、営業外費用409,000
営業外費用41,861,000
法人税、住民税及び事業税5,002,000
法人税等調整額-10,858,000
法人税等-5,856,000

PL2

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)-213,000
当期変動額合計1,353,690,000

営業活動によるキャッシュ・フロー

減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー41,818,000
支払利息、営業活動によるキャッシュ・フロー409,000
為替差損益(△は益)、営業活動によるキャッシュ・フロー-372,000
補助金収入、営業活動によるキャッシュ・フロー-204,000,000
棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー50,274,000