財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-12-20 |
英訳名、表紙 | Global Kids Company Corp. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 中正 雄一 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区富士見二丁目14番36号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-3221-3770(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 当社は、2015年10月1日の株式移転により、株式会社グローバルキッズと株式会社ろくの完全親会社として設立されたため、当社の沿革については、各社の沿革に引続き記載しております。 2006年1月東京都足立区において、東京都認証保育所「六町駅前保育園」を中正雄一名義で開設2006年5月保育所の運営を目的として、株式会社グローバルキッズ(資本金30百万円)を東京都足立区に設立2006年10月株式会社グローバルキッズとして初めてとなる保育所(東京都認証保育所)を東京都世田谷区に開設2008年11月当社グループとして初めての認可保育所を株式会社グローバルキッズが東京都板橋区に開設2009年4月 神奈川県横浜市緑区に東京以外で初めてとなる保育所(横浜市認可保育所)を株式会社グローバルキッズが開設2010年4月当社グループとして初めての学童クラブを株式会社グローバルキッズが東京都板橋区に開設2012年2月「六町駅前保育園」を法人化し株式会社ろく(資本金1百万円)を設立2012年9月株式会社ろくが増資(資本金44百万円)を実施し、株式会社グローバルキッズの子会社となる2013年4月株式会社グローバルキッズの本社を東京都足立区から東京都千代田区に移転2013年7月株式会社グローバルキッズが埼玉県上尾市に認可外保育園(現小規模保育施設)を開設2014年4月当社グループの運営施設数が60施設となる2015年4月 当社グループとして初めての児童館を株式会社グローバルキッズが東京都中央区に開設大阪府大阪市浪速区に大阪市認可保育所を株式会社グローバルキッズが開設2015年10月 共同株式移転により、株式会社グローバルグループ(現当社、資本金100百万円)を設立し、株式会社グローバルキッズと株式会社ろくを完全子会社化2016年3月東京証券取引所マザーズに株式を上場2016年11月当社グループの運営施設数が100施設となる2017年9月東京証券取引所市場第一部へ上場市場変更2018年6月 当社グループとして初めての企業主導型保育所を株式会社グローバルキッズが東京都足立区に開設企業主導型保育事業である「めばえ保育ルーム」を事業譲受2019年4月 株式会社グローバルキッズCOMPANYへ商号変更株式会社グローバルキッズが株式会社ろくを吸収合併2019年6月当社グループとして初めての児童発達支援事業所を株式会社グローバルキッズが東京都江東区に開設2019年10月「めばえ保育ルーム」を「グローバルキッズ」にブランド統合2022年3月企業主導型保育事業を事業譲渡2022年4月東京証券取引所プライム市場へ移行2023年4月 当社グループの組織改編により、株式会社グローバルキッズの子育て支援事業の一部を吸収分割により、株式会社GKSへ承継2023年6月 株式会社おはようキッズ(旧東京建物キッズ株式会社)の全株式を取得し完全子会社化当社グループの運営施設数が188施設となる2023年10月東京証券取引所スタンダード市場へ移行2024年4月 大阪市認可保育所、東京都認証保育所等を譲渡当社グループの運営施設数が168施設となる |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、子会社の経営管理を主な事業内容とする当社、保育所等の運営を主な事業内容とする連結子会社2社(株式会社グローバルキッズ、株式会社おはようキッズ)及び管理業務・保育施設運営周辺サービスを主な事業内容とする株式会社GKSにより構成されており、保育所等の運営を通じて次世代を担う子ども達を育成する「子育て支援事業」を主な事業として営んでおります。 なお、当社グループの事業は「子育て支援事業」のみの単一セグメントとなっております。 「子育て支援事業」当社グループは当連結会計年度末現在、首都圏を中心に、自治体より認可等を受けた保育施設157施設及び学童クラブ・児童館11施設の計168施設を運営しております。 2015年4月より「子ども・子育て支援新制度」が本格施行され、当該制度の下、公的に認可等を受けて運営される保育施設は、施設型給付を受ける施設(認可保育所、認定こども園、幼稚園)と地域型保育給付を受ける施設(小規模保育、家庭的保育など)に区分されることとなりました。 また、新制度に基づいて給付を受ける施設とは別に、一部自治体による独自の認定保育制度に基づく保育所(以下、「独立認定保育所」という。 )があります。 当社グループが運営する保育施設には、認可保育所のほか、独立認定保育所、認定こども園、小規模保育があり、各施設の概要は、以下のとおりとなっております。 認可保育所・・・・児童福祉法に基づき、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たし、都道府県知事等に認可された児童福祉施設をいいます。 当社グループは、国及び自治体が負担する施設型給付を委託費として交付を受け認可保育所を運営しております。 独立認定保育所・・大都市を中心とした保育所不足の解消等を目的として、自治体が独自で定める制度に基づき設置された保育所です。 東京都が定める制度に基づき運営される東京都認証保育所などがあります。 当社グループは、利用者からの保育料及び自治体から運営費補助金の交付を受け独立認定保育所を運営しております。 認定こども園・・・①就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能及び②地域における子育て支援を行う機能を持ち、教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設となります。 幼保連携型、保育所型、幼稚園型、地方裁量型の4類型があります。 当社グループは、東京都において地方裁量型認定こども園を運営しており、その設置基準や保育給付の運用等については、東京都認証保育所とほぼ同内容となっております。 小規模保育・・・・子ども・子育て支援新制度の下で、市町村の認可事業として新たに創出された保育制度(6-19名定員施設)になります。 当社グループは、利用者からの保育料及び自治体より地域型保育給付の交付を受け小規模保育を運営しております。 学童クラブは、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童であって、保護者が労働等により昼間家庭にいないものに対し、授業の終了後に児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図ることを目的とした施設をいいます。 当社グループは、利用者からの利用料又は、自治体から交付される運営費により学童クラブを運営しております。 児童館は、児童福祉法に基づく児童厚生施設の1つで、地域において児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする児童福祉施設をいいます。 当社グループは、自治体から交付される運営費により児童館を運営しております。 [在籍園児数の推移] 2017年9月期末2018年9月期末2019年9月期末2020年9月期末2021年9月期末2022年9月期末2023年9月期末2024年9月期末在籍園児数(人)6,2137,3398,3658,8659,3609,47310,0569,317 ※在籍園児数は、保育所等に在籍する園児数のみで、学童クラブや児童館、児童発達支援事業所に在籍・登録する児童数等は含みません。 [運営施設数の推移] 2017年9月期2018年9月期2019年9月期2020年9月期2021年9月期2022年9月期2023年9月期2024年9月期 認可保育所(東京都)5670869198103115115 認可保育所(神奈川県)1920232527282929 認可保育所(その他)68991010105認可保育所計8198118125135141154149東京都認証保育所202018181716154認定こども園等55555474企業主導型保育所―7111111―1―児童発達支援事業所――1443――学童クラブ・児童館1212131312101111総合計118142166176184174188168 注:東京都認証保育所には事業所内保育所を含みます。 認定こども園等には小規模保育を含みます。 [事業系統図] [当社グループの保育施設形態別の事業モデル] なお、当社は、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) 株式会社グローバルキッズ (注)3東京都千代田区30保育施設等の運営100.0当社が経営管理している。 役員の兼任あり。 株式会社おはようキッズ東京都千代田区100保育施設等の運営100.0当社が経営管理している。 役員の兼任あり。 株式会社GKS東京都千代田区3保育施設運営周辺サービス100.0 当社が経営管理している。 役員の兼任あり。 (注) 1.当社グループは子育て支援事業の単一セグメントであるため、「主要な事業の内容」欄には、各関係会社が行う主要な事業を記載しております。 2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 3.株式会社グローバルキッズ及び株式会社GKSは、特定子会社に該当しております。 4.株式会社グローバルキッズについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えておりますが、当連結会計年度におけるセグメント情報の子育て支援事業の売上高に占める当該連結子会社の売上高の割合が90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年9月30日現在従業員数(人)2,825(839) (注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.当社グループは、子育て支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 3.前連結会計年度に比べ従業員数が332名減少、臨時雇用者数が37名減少しております。 (2) 提出会社の状況2024年9月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)年間平均給与(千円)17(―)46.45.47,307 (注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.当社グループは、子育て支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 3.平均勤続年数は連結子会社での勤続年数を通算しております。 4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況当社の子会社である株式会社グローバルキッズにおいて、2020年9月25日付で労働組合(グローバルキッズユニオン)が結成されております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下「女性活躍推進法」。 )、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下「育児・介護休業法」。 )及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)(以下「育児・介護休業法施行規則」。 )の規定に基づき公表している指標等は以下のとおりです。 ①提出会社の状況従業員数が100人以下であるため、記載しておりません。 ②連結子会社の状況2024年9月30日現在 当事業年度 管理職に占める女性労働者の割合(%) (注) 1、3男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%) (注) 1、4、5全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者株式会社グローバルキッズ86.08587.191.697.2株式会社おはようキッズ100.0―92.891.2115.3株式会社GKS100.0―71.674.284.4 (注) 1.管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法の規定に基づき算出したものであります。 2.男性労働者の育児休業取得率は、「育児・介護休業法」の規定に基づき、「育児・介護休業法施行規則」第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります(小数点第1位以下を切り捨てとしております。 )。 なお、「公表前事業年度中に、事業主が雇用する男性労働者であって、出生届を提出したものの数」を分母として算出しております。 3.管理職は部長級以上に相当する従業員であります。 なお、施設長を管理職に含みます。 4.賃金は対象期間を2023年10月1日から2024年9月30日として算出しております。 5.労働者の男女の賃金の差異の主な要因として、正規雇用労働者は時短勤務等の利用によって給与が減額している従業員の女性比率が高いことが挙げられます。 時給換算による2024年9月30日時点の男女の賃金の差異は以下のとおりです。 2024年9月30日現在 時給換算で比較した労働者の男女の賃金の差異(%) 全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者株式会社グローバルキッズ96.897.4104.8株式会社おはようキッズ101.797.8126.3株式会社GKS79.479.2113.9 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、理念体系として以下を掲げております。 企業理念: 『子ども達の未来のために』ビジョン: 『2030 トリプルトラスト』-2030年 職員と保護者と地域に最も信頼される存在になり、 子ども達の育ちと学びの社会インフラになる (2) 中長期的な会社の経営戦略子育て支援事業を取り巻く状況につきましては、女性の社会進出に対する意識の変化や政府による女性の活躍推進などにより、共働き世帯数の割合が年々上昇しているほか、25~44歳の女性の就業率は8割超の高い水準を続けています。 一方で、待機児童数解消に向け政府・自治体主導で保育所を増設した結果、2024年9月時点の待機児童数は全国で2,567人と前年比113人減少しました。 ただし、当社グループが集中的に展開している東京都では2024年4月の待機児童数361人と前年に比べ75人増加し、定員充足率は直近5ヶ年は90%超の高水準が続くなど、保育需要の地域的な偏在が広がっております。 こうした環境下において当社は2024年11月に『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を打ち出し以下のとおり新たな経営戦略を策定しております。 ・保育事業2030トリプルトラストを起点に「安心安全の担保」を最優先課題として位置付け安全確保の仕組み整備を進めて参ります。 また、保育の質向上を目指しイエナプランの導入を進めます。 収支改善の取組みとしては、①入所率向上による売上増加、②職員配置適正化に利益率改善、③生産性向上によるコスト削減を引き続き推進します。 さらに東京都および横浜市を中心にM&Aによる規模拡大を図ります。 ・新規事業複数ある新規事業施策の位置づけを明確化したうえで、収益ソースの多様化を目的に保育周辺事業の開拓・拡大を進めます。 ・ICT戦略従業員エンゲージメントの高い企業、保護者と園児に選ばれる施設、保育業界におけるリーダーシップを目指しデジタル基盤を活用して参ります。 業界トップレベルのデジタル活用で業務効率化・品質向上に加えて保護者・園児向けの付加価値提供を推進します。 ・人事戦略「経営戦略と連動した人事戦略」を打ち出し「2030 トリプルトラスト」に向けた経営戦略の施策実行に必要なスキル・経験を持った人財を確保するとともに経営ビジョン実現に必要な「輝いた大人」を育成して参ります。 ・資本戦略安定的な事業運営、成長投資に耐えうる財務健全性に一定の目処がつき、今後は財務健全性を維持したうえで資本コストを意識した収益性の向上を進め、資本効率改善および株主還元の充実を図ります。 なお、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』において「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の開示を開始しております。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』のなかで、「2030 トリプルトラスト」の最終年度にあたる2030年9月期における目標計画として連結EBITDAマージン10%以上を掲げております。 連結EBITDAおよび連結EBITDAマージンの推移は以下のとおりです。 2020年9月期2021年9月期2022年9月期2023年9月期2024年9月期連結EBITDA(百万円)1,3001,4261,5481,1501,618連結EBITDAマージン(%)5.96.16.44.66.1 ※ EBITDA=営業利益+減価償却費 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題我が国は、成長戦略の一つとして女性が輝く日本を念頭に「待機児童の解消」、「職場復帰・再就職の支援」、「女性役員・管理職の増加」に向けた対策が進められています。 このように子育て支援事業者の社会的役割の重要性が高まるなかで、当社グループとしてさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。 ① 保育の質の維持・向上保育士の質の維持・向上のため、優秀な人材の採用や育成の強化、及び、諸施策を通じた長期雇用の促進を図ります。 具体的な施策として、各職位における職務内容や人事評価制度の精緻化、処遇改善等を検討するほか、第三者評価を通じた利用者からの指摘事項の改善等を定期的に行います。 また、当社グループの保育方針をより一層浸透させるため、施設長や本部スタッフに対する研修の実施を進めてまいります。 さらに、休暇制度の拡充や社宅等の福利厚生などの人事制度の整備に加えて、処遇改善等を通じた魅力ある就労環境の提供を通じて人材の長期雇用に努め、安定した保育を提供できる体制を整えてまいります。 こうした施策の推進に加えて、当社グループとして目指す保育であるイエナプランの導入を進め、グループ全施設で乳幼児期からこのビジョンを取り入れた保育を確立してまいります。 主体的に自分らしく生きる子どもの育成や質の高い保育を実践することで保育の質の底上げを図り、子どもや保護者から選ばれる施設を目指します。 ② 人材育成力の強化子ども・子育て支援制度などの国や自治体の保育方針に関する勉強会や保育士試験の講座、アレルギー研修等、各職位に応じた研修カリキュラムの充実や研修参加の推奨により、施設長等、管理職水準の人材の早期育成体制の強化を目指します。 また、ヨーロッパの保育所における現地の多様な保育を学ぶ海外研修を通じて、当社グループにおける保育の幅を広げる取り組みを行う方針です。 ③ 採用力の強化等を通じた人材の確保運営施設数の増加により、保育士資格を有する優秀な人材の確保が急務であります。 しかしながら、保育士資格を有する求職者が不足していることから、特に首都圏においては、採用が困難な状況です。 これまでは、当社が強みを持つ経験者の採用を中心に人材を確保してまいりましたが、新卒者の採用にも一段と注力することで採用力の強化に努めます。 新卒採用などによる採用の多様化や採用コストの抑制にも注力しております。 なお、人事制度の整備等により長期雇用に努めることで採用コストを抑えてまいります。 ④ 戦略的な地域展開当社グループは、これまで待機児童が集中する東京23区などの首都圏都心部を中心に認可保育所の拡大に努めてまいりました。 今後、少子化や待機児童の解消により児童等の獲得が難しくなる懸念がありますが、首都圏都心部においては、他の地域に比べ園児の確保に優位性があると見込んでおります。 また、国基準で運営している認可保育所は、認可外保育所に比べ児童が集まりやすい傾向があります。 今後も、経営資源を首都圏都心市部の認可保育所に集中することで生産性の向上に努めていく方針です。 [全国及び東京都における待機児童数] 2022年4月1日現在2023年4月1日現在2024年4月1日現在待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)待機児童数割合(%)東京都300人10.2286人10.7361人14.1全国2,944人100.02,680人100.02,567人100.0 出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」東京都「都内の保育サービスの状況について」⑤ 効率的な事業運営の推進運営施設数の増加に伴い、備品購入等における規模のメリットの享受や、運営業務の一元化、システム導入等を積極的に推進することで、運営コストを抑制しながら効果的・安定的な事業運営が行えるよう努めます。 ⑥ 安定的な資金調達の確保と財務健全性の維持当社グループは、各施設の開発資金、運転資金やM&A資金の確保を、主に金融機関からの借入に依拠しております。 今後も、規模拡大を進め、安定した事業運営を行うためにも、諸施策を通じた安定的な資金調達の確保を図るとともに、収益力の向上による財務健全性の維持に努めます。 ⑦ 事業の拡大と安定化当社グループの収益は、現在、子育て支援事業に依拠しており、国や自治体の政策等に大きく影響を受けている状況です。 当該状況を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業以外に保育に関連する周辺事業を中心に収益基盤の拡充に取り組んでおります。 具体的には、すでに手掛けている習いごと教室等の教育事業に加えて、保育所の送迎サービス等の子育て支援サービス事業、物販事業への参入・拡大を検討してまいります。 また、新規の保育施設については、安定的な運営が見込みやすい認可保育所を中心とすることで、収益基盤の一層の安定化に努めます。 (5) 経営戦略の現状と見通し現状の待機児童数の推移を鑑みると、保育の量的な需要拡大が踊り場を迎える可能性がありますが、質の高い保育、保護者の利便性、教育機能を備えた「選ばれる園」の需要は継続すると想定されます。 このような想定において、2024年11月に『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』を公表いたしました。 具体的には、安心安全の仕組み整備やイエナプラン導入を進め保育の質を高め、おむつのサブスク導入等により利用者の利便性向上を図り、習いごと教室の展開を進めてまいります。 さらに、マーケティング強化による入所率向上に加えて、新規開設、M&Aによる規模拡大を進めるほか、管理強化を進め収支改善を図る方針です。 (6) 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループの経営陣は、子育て支援事業に対する社会的要請に応えるために、「子ども達の未来のために」保育の質向上に積極的に取り組むことが重要との認識でおります。 このため、保育士が成長できる職場作りや処遇改善、保育士の社会的な地位向上等に向け取り組んでまいります。 また、『「2030 トリプルトラスト」実現に向けた経営戦略』の実行により、これまで進めてきた事業基盤拡大を生かし、規模経済の最大化を実現する方針です。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 a.ガバナンスおよびリスク管理当社グループは、企業の持続可能な経営の方針や実践を支える組織構造として、当事業年度末において、サステナビリティに特化した委員会や専門の部門・チームは設置しておりませんが、執行役員会および幹部職員から構成される経営会議がサステナビリティに対するコミットメントを持ち、中長期の経営戦略の一部としてサステナビリティを位置付けて取組むとともに、これらの活動を取締役会が監督することとしております。 サステナビリティに関連するリスクについては、当社グループの常勤取締役、執行役員および幹部職員から構成されるリスクマネジメント委員会において全社的なリスク評価を行うなかで、識別、評価、管理するとともに、個別の事案については、当社グループ執行役員会および経営会議において、リスク及び機会を識別し、評価しております。 b.戦略並びに指標及び目標当社グループは、「子ども達の未来のために」を企業理念として掲げ、長期目標として「職員と保護者と地域に最も信頼される存在になり、子ども達の育ちと学びの社会インフラになる」(2030トリプルトラスト)を掲げて参りました。 当社グループは、次代を担う子ども達の育成や子育て支援という女性の社会進出支援を主たる事業としており、事業の推進そのものが、社会課題の解決及び持続可能な社会の構築へ寄与するものと認識しております。 また、事業を支える人的資本を高めるため、職員一人ひとりの成長を支援する取り組みとして、キャリアパスに則した階層別の研修や勉強会などを推進しております。 当社グループでは、経営のあらゆる側面でサステナビリティを追求し、以下に掲げた社会的価値の向上を目標としておりますが、当事業年度末において、サステナビリティに関する特定の指標は定めておりません。 (1)質・量両面での子育て支援の底上げ 質の高い保育の実践・保育所の新規開設・健康を支える給食の提供・食育への取組み・子育てと仕事の両立支援(2)子育て世代が働きやすい社会の実現と多様な働き方の実現 子育て世代が安心して働ける保育の受け皿創設・多様なライフスタイルに合わせた働き方・充実した休暇制度・出産・育児に係る制度・介護に係る制度(3)保育を受ける機会の創出 地域における子育て拠点化・虐待防止、貧困対策への貢献・地域社会の雇用創出・地域の災害時避難拠点化(4)専門性向上とキャリア形成による人財育成 柔軟な働き方改革・学べる環境づくり・成長に応じたキャリアパスの設定(5)地球環境への貢献 食品ロスの低減活動・照明のLED化推進によりCO2排出の削減・国産木材の積極活用を通じ国内林業の活性化・森林保全の推進(6)コーポレートガバナンスの整備 倫理基準の設定/コンプライアンス教育の実施 当事業年度においては、特に以下の具体的な取り組みを行っております。 1.持続可能な供給チェーンの確立 当社では、サステナビリティに対する取り組みの一環として、2023年度より給食に使用する米の3割を、農薬使用量を50%削減して栽培する農業法人から調達することとしましたが、2025年度の低農薬使用米の調達割合は約7割に増加する予定です。 これにより、環境に対する影響を低減しつつ、園児への健康的な食事提供を実現しています。 2.食育の推進と実践 上記農業法人の田んぼでの米作りのプロセスを園児に紹介するとともに、園児が案山子を作って送り、設置してもらうという体験を通じて食と農業の関わりを学ぶ機会を提供しています。 3.SDGsとの連携 当社のこれらの取組みは、SDGsの「目標2: 飢餓をゼロに」及び「目標12: 責任ある消費と生産を実現する」に寄与しています。 4.人財の育成とエンゲージメントの充実企業そのものの持続可能な成長の確保に向けて、当社は多様な働き方の実現や充実した休暇制度を整備し、子育て世代が安心して働ける環境を提供しています。 さらに、柔軟な働き方改革や学べる環境づくり、成長に応じたキャリアパスの設定を通じて、人財の育成に努めています。 加えて、従業員エンゲージメントの充実を図り、働きがいのある職場環境の構築を目指します。 5.ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底ガバナンスの観点から、当社は透明性の高い経営体制を構築し、ステークホルダーの信頼を獲得することを重視しています。 具体的には、企業倫理の遵守とコンプライアンス教育の徹底を図り、コーポレート・ガバナンスの整備に努めています。 行動倫理宣言・行動規範の制定、内部通報窓口の設置、コンプライアンス教育の実施を通じて、経営の透明性と公正性を確保し、持続可能な成長を支える堅固な基盤を築いています。 当社は以上の取組みを展開することにより、ステークホルダーの皆様に対する責任の一環として、また、持続可能な成長とより大きな価値創出を目指して取り組んで参ります。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、以下の記載事項は特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 少子化や待機児童減少等に伴う園児数の減少待機児童解消に向けた取組みを目的とした「待機児童解消加速化プラン」が2013年4月に公表されて以降、新規参入を含む多数の事業者が保育所を開設しております。 また、2017年6月公表の「子育て安心プラン」に続き、2020年12月には「新子育て安心プラン」が公表され、女性の就業率の向上に対応すべく、2021年度から2024年度末までの4年間で約14万人の保育の受け皿整備を掲げるなど、引き続き政府による保育や子育て支援に関する対策が行われております。 一方、こうした政府の施策により、2024年4月1日時点での全国の待機児童数は2,567人と前年比113人減少しました。 また、2023年の出生数72万7,277人と前年に比べ4万3,482人減少するなど外部環境が変化しており、将来的には想定した園児数の獲得が困難となる可能性があります。 当社グループの収益は主に園児や児童の人数に応じて増減するため、想定した園児数等の獲得ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2) 国や自治体による方針や関連法規制等の改正等2000年に認可保育所の運営に株式会社を含む多様な運営主体が認められて以降、子ども・子育て支援制度において、国及び自治体は待機児童解消に向け、様々な支援策を実施しておりますが、今後、国や自治体の方針につき改正等が実施され、補助金の削減や株式会社による保育所の開設が認められなくなる等となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが現在運営する事業に関連する法規制は、児童福祉法、子ども・子育て支援法及び食品衛生法が主なものですが、今後、当社グループが運営する事業に関連する法規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 認可事業等当社グループが運営する保育所は、認可保育所や東京都認証保育所などの施設形態に関わらず各施設を所管する自治体宛てに保育所設置の申請を行い、審査を経て、認可等を得た上で運営されております。 当社グループが運営する保育所において、過去に認可等の取り消しが発生した事例はなく、本書提出日現在で認可等の取り消しが想定される事象は生じておりませんが、今後、何らかの事由により認可等が取り消された場合や新規施設の認可等が得られないような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (4) 施設運営に際しての事故等当社グループは、施設の運営において園児や児童の安全に配慮し、万全の体制で臨んでおり、これまでに業績に大きな影響を与えるような事故等は発生しておりません。 しかしながら、万が一施設運営に際して重大な事故等が発生した場合、所管する自治体等から事業の停止命令を受けたり、訴訟の提起や風評被害等により多数の園児の退園や児童の退会が生じたりすることで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (5) 人材確保当社グループは適正な保育の質維持向上のため、保育士や指導員、スタッフの確保が急務となるため、新卒採用の強化や社内研修体制の整備など、職員の採用強化と長期雇用に向けた諸施策に取り組んでおります。 しかしながら、予定した人材の確保に遅れ等が生じた場合、既存施設の運営計画や新規施設の開園計画に遅延等を及ぼす可能性があるため、当社グループの業績にも影響を与える可能性があります。 (6) 食の安全当社グループは、給与栄養量(※)の目標を設定し、必要な栄養量が確保できるように献立を作成し各施設にて調理・提供しております。 そのため、食品の購入及び検収に留意し、新鮮で栄養価の高い、安全なものを仕入れる方針であります。 また、食品衛生法に沿った、厳正な食材管理及び衛生管理を施し、食中毒等の事故の防止に努めております。 しかしながら、何らかの原因により食の安全性に重大な問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (※)給与栄養量とは、厚生労働省が発表する食事摂取基準に基づく栄養素別の必要量に従い、当社で提供する昼食やおやつにおける必要栄養量を定めたものをいいます。 (7) 感染症の流行当社グループでは、安全な保育及び育成を提供するため、定期的な消毒の実施等により感染症についても厳重に対応しておりますが、新型インフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行した場合、従事する保育士や指導員、スタッフが多数欠勤することで施設の運営が困難となる可能性があります。 その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 大規模な災害当社グループは首都圏を中心に子育て支援施設の運営を行っておりますが、地震や火災等の発生により施設の利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (9) 個人情報保護当社グループでは、園児や児童及びその保護者の氏名や住所など多くの個人情報を保持しているため、厳重に管理のうえ、慎重に取り扱う体制を整えておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合には、利用者を含め広く社会的な信用を失うこととなります。 その結果、多くの園児の退園や児童の退会、施設の新規開設等に影響が出ることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10) 資金調達及び金利負担当連結会計年度末の借入金残高は2,919百万円、総資産額に占める比率は18.9%となっております。 当社グループは、過去の保育所の新規開設に係る設備資金等は金融機関からの借入により調達しておりましたが、大幅な金利の上昇は支払利息が増加するなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (11) 固定資産の減損当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位に基づき、施設を基本単位として資産のグルーピングを行っております。 運営する施設の業績が著しく悪化し改善の見込みがない場合、あるいは新規開設から一定期間を経過しても業績改善の見込みがない場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額する減損損失を計上します。 減損の兆候の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 (12) 新たに保育所等の施設を開設した場合の経営成績に対する影響① 新たに保育所等の施設を開設した場合、当社グループの経営成績に対する影響を個々の施設ごとに見ると、一般的な例として以下のような特徴があります。 営業損益・・・開設時には3歳~5歳児等が必ずしも定員を満たさない場合があるため、開設初年度から数年間は営業赤字となることがありますが、児童年齢の持ち上がりとともに年々、改善される傾向にあります。 このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、一時的に営業損益の悪化要因となる傾向があります。 営業外収益・・新規園開設資金のうち一部(内装工事費等)に対して自治体から補助金が交付された場合、営業外収益の「補助金収入」に計上されます。 このため新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、補助金収入(営業外収益)の増加要因となる傾向があります。 営業外費用・・新規園開設資金のうち費用処理されたものが営業外費用の「開設準備費用」に計上されます。 このため新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、開設準備費用(営業外費用)を増加させる可能性があります。 新規施設の開設準備については計画的に行っておりますが、想定外の費用が発生した場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこれまで積極的な新規開設を行ってきたため、経営成績における新規開設の影響が大きくなっていましたが、運営施設数に対する新規施設数の割合が減少するに伴い、今後は影響が徐々に緩和されるものと考えています。 ② 自治体からの補助金により固定資産を取得した場合には、税務上、固定資産の取得価額から補助金の額を控除することが認められています(「圧縮記帳」と呼ばれます)。 財務会計において圧縮記帳の方法は2つあり、1つは補助金の額を控除した残額を固定資産に計上し、毎期の減価償却費も控除後の額をもとに計上する方法です(「直接減額方式」と呼ばれます)。 もう1つは補助金を収益計上し、固定資産は補助金控除前の金額で計上する方法です(「剰余金処分方式」と呼ばれます)。 当社グループは剰余金処分方式を採用しております。 剰余金処分方式の場合においても、利益剰余金と税額の計算により、税務上の効果は直接減額方式と同様になります。 しかし直接減額方式を採用する場合と比較すると、新たに保育所等を開設した事業年度においては補助金収入が計上されるものの、その後の減価償却費は多額に計上されることになります。 当社グループでは保育所等の減価償却費を売上原価に計上し、補助金収入を営業外収益に計上しているため、新規開設の影響が大きかった2014年9月期までは、減価償却費の負担等により営業損失を計上し、営業外収益の補助金収入等により経常利益を計上しておりました。 2015年9月期からは、既存保育所等の増加を含め収益基盤が安定したことにより、営業利益を計上しております。 当社グループの営業利益、補助金収入(営業外収益)、経常利益は以下のように推移しています。 決算年月2019年9月2020年9月2021年9月2022年9月2023年9月2024年9月営業利益(百万円)173477576707341789補助金収入(百万円)2,065606761642―62経常利益(百万円)1,7869161,1481,179321820 (13) 投資に関するリスク中長期的な観点から、事業戦略、取引関係の維持・強化、円滑化を通じて、当社の企業価値の増大に資すると認められる株式について保有する場合があります。 その実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容やリスクを検討したうえで決定しておりますが、実施後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断された場合には、のれん等の無形固定資産や投資有価証券等の減損損失を認識することにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績子育て支援事業を取り巻く状況につきましては、共働き世帯数の増加や女性の就業率上昇により保育所利用者数及び保育施設数の増加が続いていましたが、2024年4月時点で全国の待機児童数が2,567人と前年比113人減少したほか、2023年の出生数72万7,277人と前年に比べ4万3,482人減少するなど、外部環境が変化しております。 一方、当社グループが集中的に展開している東京都では2024年4月の待機児童数361人と前年に比べ75人増加し、また定員充足率は直近5ヶ年は90%超の高水準が続くなど、保育需要の地域的な偏在が浮き彫りになっております。 政府は子どもに関する政策を一元化し社会の中心に据える「こどもまんなか社会」を掲げ、家庭を取り巻く諸問題に本格的に取り組む「こども家庭庁」を2023年4月に設置するなど、関連施策を推進しています。 また、2023年12月に閣議決定された「こども未来戦略」には、76年ぶりとなる保育士の配置基準の見直しや保育士の処遇改善を進めることなどが盛り込まれています。 さらに2023年12月には「こども大綱」が閣議決定され、2024年5月には同大綱に基づく「こどもまんなか実行計画2024」が決定されました。 これは幅広いこども政策の具体的な取り組みを一元的に示した初のアクションプランであり、児童手当の拡充や「こども誰でも通園制度」の創設、保育士等の処遇改善やICT化の推進などその政策は多岐にわたっております。 このように子育て支援事業を取り巻く外部環境が大きく変化する中、当社グループは2021年11月12日に「中期経営計画2024」を公表しており、3カ年計画の最終年度に当たる当連結会計年度も引き続き「規模拡大」「機能拡充」「基盤強化」の3つの施策を骨子とした取り組みを進めてまいりました。 「規模拡大」の具体策として2023年6月1日に完全子会社化した株式会社おはようキッズが通期の増収に寄与いたしました。 また「機能拡充」の施策として吸収分割した、コーポレート機能を担う株式会社GKSの業務効率化や更なる品質向上を目指し人事システム及び会計システムの刷新を推進いたしました。 「基盤強化」の施策としてはICT戦略の要点である子育てプラットフォーム開発を進めており、積極的な投資を継続しております。 加えて2024年4月には豊島区の認証保育所1施設をシンガポールのインターナショナル幼稚園であるEis International Pre-Schoolと連携し、インターナショナルプレスクールとしてリニューアルオープンいたしました。 なお、当連結会計年度末時点における運営施設数は、認可保育所149施設(東京都115施設、神奈川県29施設、千葉県4施設、埼玉県1施設)、認証保育所・認定こども園等保育施設8施設、学童クラブ・児童館11施設の計168施設となりました。 上記の結果、当連結会計年度は、売上高26,448百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益789百万円(同131.6%増)、経常利益820百万円(同155.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益256百万円となりました。 ② キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動による資金の増加1,488百万円、投資活動による資金の減少265百万円、財務活動による資金の減少1,340百万円により117百万円減少し、1,241百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益の計上416百万円に加え、減損損失及び減価償却費をそれぞれ201百万円、828百万円計上したことによる増加を主因として、1,488百万円の資金の増加となりました。 また、前連結会計年度と比較して獲得した資金が334百万円増加しております。 これは、減損損失が406百万円減少した一方で、税金等調整前当期純利益が570百万円増加したこと及び事業譲渡関連費用181百万円を計上したことが主因です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)事業譲渡による収入132百万円の一方で、有形固定資産の取得による支出344百万円を主因として、265百万円の資金の減少となりました。 また、前連結会計年度と比較して資金の支出が162百万円減少しております。 これは、無形固定資産の取得による支出が207百万円減少したことが主因です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入金による収入により2,276百万円増加した一方で、長期借入金の返済による支出3,334百万円を主因として、1,340百万円の資金の減少となりました。 また、前連結会計年度と比較して資金の支出が669百万円増加しております。 これは、長期借入れによる収入が1,206百万円増加した一方で、長期借入金の返済による支出が1,829百万円増加したことが主因です。 (2) 生産、受注及び売上の実績① 生産実績当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。 ② 受注実績当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。 ③ 売上実績当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)の売上実績を示すと、次のとおりであります。 なお、当社グループは子育て支援事業の単一セグメントであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)前年同期比(%)子育て支援事業(百万円)26,4485.2 (注) 1.上記の金額には消費税は、含まれておりません。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)横浜市3,67614.63,90414.8 3.上記は、子育て支援事業における同市からの運営に関する補助金収入で、売上計上しております。 (3) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、損益又は、資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲の中において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 (固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。 減損兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報等に基づき慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 (投資有価証券の減損)当社グループは、投資有価証券のうち、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券のうち、市場価格のない株式等については、実質価額が取得価額に対して50%程度以上下回った場合には「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。 将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、現状の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し回収可能見込額を計上しております。 しかし、繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。 ② 財政状態の分析(資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,213百万円減少し15,461百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末と比較して183百万円減少し4,569百万円となりました。 これは、現金及び預金が117百万円、未収入金及び契約資産が52百万円それぞれ減少したことが主因です。 固定資産は、前連結会計年度末と比較して1,029百万円減少し10,891百万円となりました。 これは、減損損失及び減価償却等により有形固定資産が811百万円減少したことが主因です。 (負債)当連結会計年度末の総負債は、前連結会計年度末と比較して1,224百万円減少し7,346百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末と比較して234百万円減少し3,418百万円となりました。 これは、1年以内返済予定の長期借入金が151百万円、未払法人税等が103百万円それぞれ減少したことが主因です。 固定負債は、前連結会計年度末と比較して990百万円減少し3,928百万円となりました。 主な要因は、長期借入金が905百万円減少したことです。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べ10百万円増加し8,115百万円となりました。 これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により256百万円増加した一方で、第8期期末配当金により282百万円減少したことが主因です。 ③ 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、一部の保育施設を事業譲渡及び株式譲渡したことによる減少の一方で、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社おはようキッズの通期の寄与により、前連結会計年度と比較して5.2%増の26,448百万円となりました。 なお、事業譲渡及び株式譲渡の詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」をご参照ください。 (売上原価)当連結会計年度の売上原価は前連結会計年度と比較して採用費等が減少したものの人件費が増加し、3.2%増の23,783百万円となりました。 売上原価率は前連結会計年度の91.7%から当連結会計年度の89.9%と1.8ポイント改善いたしました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、戦略的に積み増しているICT関連費用の計上による業務委託費の増加等により、前連結会計年度に比べ7.5%増の1,875百万円となりました。 販管費率は前連結会計年度の6.9%から当連結会計年度は7.1%へ微増しました。 営業利益については、前連結会計年度に比べ131.6%増の789百万円となりました。 営業利益率は、前連結会計年度の1.4%から当連結会計年度は3.0%へ上昇いたしました。 (営業外損益と経常利益)当連結会計年度の営業外収益は68百万円、営業外費用は37百万円となりました。 当連結会計年度に新規開設した保育所について、営業外収益として補助金収入62百万円、営業外費用として開設準備費用3百万円をそれぞれ計上いたしました。 経常利益は前連結会計年度比155.7%増の820百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)税金等調整前当期純利益は、416百万円(前連結会計年度は154百万円の損失)となりました。 当連結会計年度に特別利益として受取保険金18百万円、特別損失として減損損失201百万円、事業譲渡関連費用181百万円等をそれぞれ計上いたしました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、256百万円(前連結会計年度は55百万円の損失)となりました。 なお、減損損失、事業譲渡関連費用の詳細につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結損益及び包括利益計算書関係」をご参照ください。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析イ.キャッシュ・フローの状況の分析当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」をご参照下さい。 なお、今後の資金需要のうち主なものは、子育て支援施設等の設備投資、施設の運営費の支払いによるものであります。 ロ.財政政策当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。 M&A等の成長投資が重要であり、これらの資金需要は内部資金又は長期借入により調達しております。 2024年9月30日現在、長期借入金の残高は2,919百万円であります。 また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計2,780百万円の当座貸越契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高2,780百万円)。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 (事業譲渡)事業譲渡の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」をご参照ください。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度中の設備投資については、人事システムへの設備投資が主となり、総額424百万円の投資を実施しました。 なお、有形固定資産の他、無形固定資産への投資も含めて記載しております。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 (1) 提出会社当連結会計年度の重要な設備の取得及び除売却はありません。 (2) 国内子会社 2024年9月30日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)その他(百万円)合計(百万円)㈱グローバルキッズ保育施設108園(東京都)子育て支援事業保育施設内事業用設備5,7382615,9991,836(431)保育施設29園(神奈川県)子育て支援事業保育施設内事業用設備77668844462(169)保育施設5園(その他)子育て支援事業保育施設内事業用設備14115101(16)㈱おはようキッズ保育施設13園(東京都)子育て支援事業保育施設内事業用設備63816654169(39)保育施設1園(神奈川県)子育て支援事業保育施設内事業用設備00014(7) (注) 1.上記金額には、建設仮勘定は含まれておりません。 2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 (3) 在外子会社該当事項はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループの主な設備投資は子育て支援事業における施設内の内装工事等であり、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設計画は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度末現在において認可等の内定を得られた施設のみ開示しております。 (1) 重要な設備の新設該当事項はありません。 (2) 重要な設備の改修該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 424,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 46 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 5 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,307,000,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方株式価値の変動又は株式に係る配当によって利益獲得を目的とする株式を純投資目的である投資株式とし、事業戦略、取引上の関係等を総合的に勘案し当社グループの企業価値向上に資すると判断される株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分としております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社グループが手掛ける子育て支援事業は、保育士不足や待機児童解消時の入所率低下懸念などの課題を抱えております。 当社グループは、こうした課題に対応するために、ビジョンとして『2030 トリプルトラスト』を掲げ、人事制度や福利厚生の拡充により職員から選ばれる企業、並びに保育の質向上により利用者から選ばれる企業を目指しております。 また、当社グループの収益は、子育て支援事業に依拠しており、国や自治体の政策等に大きく影響を受けている状況です。 当該状況を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業以外の保育に関連する周辺事業を中心に収益基盤の拡充に取り組んでおります。 当社グループとしましては、中長期的な観点から事業戦略、取引関係の維持・強化や取引の円滑化を通じて、保育士確保や保育の質向上につながる取引関係の維持・強化や保育周辺事業拡充等の当社グループの企業価値の増大に資すると認められる株式について保有する場合があります。 なお、当社グループは上場株式は保有しておりません。 個別銘柄の保有の適否は、保有意義の再確認、取引状況、保有に伴う便益等を定期的・総合的に勘案し、判断しております。 ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式327非上場株式以外の株式―― (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 27,000,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年9月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社なかや東京都中央区月島1丁目15番10-505号3,92941.572 中正雄一東京都中央区5485.799 日本生命保険相互会社東京都千代田区丸の内1丁目6番6号4604.867 株式会社カナモリコーポレーション兵庫県神戸市兵庫区荒田町4丁目8-53513.723 株式会社こどもの森東京都国分寺市光町2丁目5-12873.043 宇田川三郎東京都板橋区2722.879 田浦秀一千葉県大網白里市1701.807 生川雅也東京都中央区1501.587 ベル投資事業有限責任組合1東京都港区虎ノ門4丁目1番40号1421.506 大矢裕子東京都国分寺市1391.476 計―6,45168.259 |
株主数-金融機関 | 8 |
株主数-金融商品取引業者 | 19 |
株主数-外国法人等-個人 | 29 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 23 |
株主数-個人その他 | 3,110 |
株主数-その他の法人 | 30 |
株主数-計 | 3,219 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 大矢裕子 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 (注)19,429,14137,611―9,466,752合計9,429,14137,611―9,466,752自己株式 普通株式15,823――15,823合計15,823――15,823 (注) 1.普通株式の発行済株式数の増加のうち16,000株はストック・オプションの行使による増加、21,611株は譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加であります。 |
Audit
監査法人1、連結 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年12月20日株式会社グローバルキッズCOMPANY取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士尾 川 克 明㊞ 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士杉 江 俊 志㊞ <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社グローバルキッズCOMPANYの2023年10月1日から2024年9月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益及び包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社グローバルキッズCOMPANY及び連結子会社の2024年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子育て支援事業における固定資産の減損について 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社グループは、子育て支援事業を営むために、保育所等の資産を保有している。 当連結会計年度末で168施設(有形固定資産の帳簿価額8,281百万円)を保有している。 連結損益計算書及び注記事項(重要な会計上の見積り、連結損益及び包括利益計算書関係※6)に記載のとおり、子育て支援事業の固定資産について減損損失を201百万円計上している。 会社グループは、各施設を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位としており、各施設の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなった場合、開園時の事業計画と実績数値に著しい乖離があった場合、閉園等の意思決定など回収可能価額を著しく低下させる変化があった場合、施設を取り巻く経営環境が著しく悪化した場合等に減損の兆候を把握している。 会社グループは、減損の兆候が把握された施設について、施設の固定資産の帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの総額を比較し、減損損失の認識が必要であるか判定している。 なお、主要な固定資産の残存耐用年数を割引前将来キャッシュ・フローの見積期間としている。 会社グループは、減損損失を認識すべきであると判定された施設について、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。 回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い金額によっている。 減損損失の認識の判定に際して見積られる割引前将来キャッシュ・フローは、各施設の将来の事業計画に基づいているが、当該見積りにおける重要な仮定として、各施設の将来の入所率の上昇による売上の増加や職員配置適正化等による費用の削減が織り込まれている。 各施設の将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画は、将来の園児の入園状況及び職員配置適正化等による費用削減の達成度合いにより大きく影響を受ける可能性があり、不確実性を伴うものであり、経営者の判断も介在するものであるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、子育て支援事業における固定資産の減損の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 資産のグルーピングの決定、各施設に係る有形固定資産の減損の兆候の把握、減損損失の認識の判定及び減損損失の測定に至るまでの有形固定資産の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価した内部統制には、有形固定資産の評価に用いられた事業計画の取締役会での承認手続を含んでいる。 ・ 経営者が実施している減損の兆候の把握の基礎となる施設単位の損益実績について試算表との整合性を確かめた。 また、本部経費の配賦計算について、配賦基準の合理性を検討するとともに、配賦計算の正確性及び配賦の網羅性を確かめた。 ・ 閉園等の意思決定など固定資産の回収可能価額を著しく低下させる変化、施設を取り巻く経営環境の著しい悪化の有無について、会社担当者への質問、取締役会議事録等の閲覧により検討した。 ・ 減損の兆候が把握されている施設の割引前将来キャッシュ・フローの基礎となる将来の事業計画を入手し、重要な仮定である将来の入所率の上昇による売上高の増加や職員配置適正化等による費用の削減に関して、その前提となる将来の園児の入園予測等について、外部公表情報との整合性を確かめるとともに、経営者による施策について協議を行い、当該施策の合理性及び実行可能性を検討した。 ・ 過年度の事業計画と実績を比較することにより、事業計画の見積りの精度を評価した。 ・ 経営者の減損損失の測定が適切に行われていることを確かめるため、回収可能価額の算定方法について検討し、減損損失の計上額を確かめた。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社グローバルキッズCOMPANYの2024年9月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社グローバルキッズCOMPANYが2024年9月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子育て支援事業における固定資産の減損について 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社グループは、子育て支援事業を営むために、保育所等の資産を保有している。 当連結会計年度末で168施設(有形固定資産の帳簿価額8,281百万円)を保有している。 連結損益計算書及び注記事項(重要な会計上の見積り、連結損益及び包括利益計算書関係※6)に記載のとおり、子育て支援事業の固定資産について減損損失を201百万円計上している。 会社グループは、各施設を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位としており、各施設の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなった場合、開園時の事業計画と実績数値に著しい乖離があった場合、閉園等の意思決定など回収可能価額を著しく低下させる変化があった場合、施設を取り巻く経営環境が著しく悪化した場合等に減損の兆候を把握している。 会社グループは、減損の兆候が把握された施設について、施設の固定資産の帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの総額を比較し、減損損失の認識が必要であるか判定している。 なお、主要な固定資産の残存耐用年数を割引前将来キャッシュ・フローの見積期間としている。 会社グループは、減損損失を認識すべきであると判定された施設について、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。 回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い金額によっている。 減損損失の認識の判定に際して見積られる割引前将来キャッシュ・フローは、各施設の将来の事業計画に基づいているが、当該見積りにおける重要な仮定として、各施設の将来の入所率の上昇による売上の増加や職員配置適正化等による費用の削減が織り込まれている。 各施設の将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画は、将来の園児の入園状況及び職員配置適正化等による費用削減の達成度合いにより大きく影響を受ける可能性があり、不確実性を伴うものであり、経営者の判断も介在するものであるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、子育て支援事業における固定資産の減損の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 資産のグルーピングの決定、各施設に係る有形固定資産の減損の兆候の把握、減損損失の認識の判定及び減損損失の測定に至るまでの有形固定資産の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価した内部統制には、有形固定資産の評価に用いられた事業計画の取締役会での承認手続を含んでいる。 ・ 経営者が実施している減損の兆候の把握の基礎となる施設単位の損益実績について試算表との整合性を確かめた。 また、本部経費の配賦計算について、配賦基準の合理性を検討するとともに、配賦計算の正確性及び配賦の網羅性を確かめた。 ・ 閉園等の意思決定など固定資産の回収可能価額を著しく低下させる変化、施設を取り巻く経営環境の著しい悪化の有無について、会社担当者への質問、取締役会議事録等の閲覧により検討した。 ・ 減損の兆候が把握されている施設の割引前将来キャッシュ・フローの基礎となる将来の事業計画を入手し、重要な仮定である将来の入所率の上昇による売上高の増加や職員配置適正化等による費用の削減に関して、その前提となる将来の園児の入園予測等について、外部公表情報との整合性を確かめるとともに、経営者による施策について協議を行い、当該施策の合理性及び実行可能性を検討した。 ・ 過年度の事業計画と実績を比較することにより、事業計画の見積りの精度を評価した。 ・ 経営者の減損損失の測定が適切に行われていることを確かめるため、回収可能価額の算定方法について検討し、減損損失の計上額を確かめた。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 子育て支援事業における固定資産の減損について |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社グループは、子育て支援事業を営むために、保育所等の資産を保有している。 当連結会計年度末で168施設(有形固定資産の帳簿価額8,281百万円)を保有している。 連結損益計算書及び注記事項(重要な会計上の見積り、連結損益及び包括利益計算書関係※6)に記載のとおり、子育て支援事業の固定資産について減損損失を201百万円計上している。 会社グループは、各施設を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位としており、各施設の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなった場合、開園時の事業計画と実績数値に著しい乖離があった場合、閉園等の意思決定など回収可能価額を著しく低下させる変化があった場合、施設を取り巻く経営環境が著しく悪化した場合等に減損の兆候を把握している。 会社グループは、減損の兆候が把握された施設について、施設の固定資産の帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの総額を比較し、減損損失の認識が必要であるか判定している。 なお、主要な固定資産の残存耐用年数を割引前将来キャッシュ・フローの見積期間としている。 会社グループは、減損損失を認識すべきであると判定された施設について、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。 回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い金額によっている。 減損損失の認識の判定に際して見積られる割引前将来キャッシュ・フローは、各施設の将来の事業計画に基づいているが、当該見積りにおける重要な仮定として、各施設の将来の入所率の上昇による売上の増加や職員配置適正化等による費用の削減が織り込まれている。 各施設の将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画は、将来の園児の入園状況及び職員配置適正化等による費用削減の達成度合いにより大きく影響を受ける可能性があり、不確実性を伴うものであり、経営者の判断も介在するものであるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結損益計算書及び注記事項(重要な会計上の見積り、連結損益及び包括利益計算書関係※6) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、子育て支援事業における固定資産の減損の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 資産のグルーピングの決定、各施設に係る有形固定資産の減損の兆候の把握、減損損失の認識の判定及び減損損失の測定に至るまでの有形固定資産の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価した内部統制には、有形固定資産の評価に用いられた事業計画の取締役会での承認手続を含んでいる。 ・ 経営者が実施している減損の兆候の把握の基礎となる施設単位の損益実績について試算表との整合性を確かめた。 また、本部経費の配賦計算について、配賦基準の合理性を検討するとともに、配賦計算の正確性及び配賦の網羅性を確かめた。 ・ 閉園等の意思決定など固定資産の回収可能価額を著しく低下させる変化、施設を取り巻く経営環境の著しい悪化の有無について、会社担当者への質問、取締役会議事録等の閲覧により検討した。 ・ 減損の兆候が把握されている施設の割引前将来キャッシュ・フローの基礎となる将来の事業計画を入手し、重要な仮定である将来の入所率の上昇による売上高の増加や職員配置適正化等による費用の削減に関して、その前提となる将来の園児の入園予測等について、外部公表情報との整合性を確かめるとともに、経営者による施策について協議を行い、当該施策の合理性及び実行可能性を検討した。 ・ 過年度の事業計画と実績を比較することにより、事業計画の見積りの精度を評価した。 ・ 経営者の減損損失の測定が適切に行われていることを確かめるため、回収可能価額の算定方法について検討し、減損損失の計上額を確かめた。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年12月20日株式会社グローバルキッズCOMPANY取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士尾 川 克 明㊞ 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士杉 江 俊 志㊞ <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社グローバルキッズCOMPANYの2023年10月1日から2024年9月30日までの第9期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社グローバルキッズCOMPANYの2024年9月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
その他、流動資産 | 27,000,000 |
建物及び構築物(純額) | 7,228,000,000 |
土地 | 692,000,000 |
有形固定資産 | 8,281,000,000 |
ソフトウエア | 284,000,000 |
無形固定資産 | 324,000,000 |
投資有価証券 | 27,000,000 |
長期前払費用 | 211,000,000 |
繰延税金資産 | 35,000,000 |
投資その他の資産 | 7,803,000,000 |
BS負債、資本
1年内返済予定の長期借入金 | 709,000,000 |
未払金 | 29,000,000 |
未払法人税等 | 119,000,000 |
賞与引当金 | 8,000,000 |
繰延税金負債 | 922,000,000 |
退職給付に係る負債 | 497,000,000 |
資本剰余金 | 2,578,000,000 |
利益剰余金 | 1,448,000,000 |
株主資本 | 5,323,000,000 |
退職給付に係る調整累計額 | 8,000,000 |
評価・換算差額等 | 8,000,000 |
負債純資産 | 8,199,000,000 |