財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-11-29 |
英訳名、表紙 | SHIFT Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 丹下 大 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区麻布台一丁目3番1号麻布台ヒルズ 森JPタワー |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03 (6809) 1165 (代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月概要2005年9月東京都渋谷区にて当社設立(資本金7百万円)主として製造業向けに、コンサルティングサービスを提供2009年11月ソフトウェアテスト事業部を設立し、ソフトウェアテスト事業を開始2010年9月北海道札幌市に札幌テストセンター(現札幌オフィス)を開設2010年11月ソフトウェアテスト適性能力を測定する「CAT検定」をリリース2011年12月福岡県福岡市に福岡テストセンター(現福岡オフィス)を開設2012年9月シンガポール共和国に100%子会社としてSHIFT GLOBAL PTE. LTD.(現連結子会社)を設立2014年1月業務拡大に伴い本社及び東京テストセンターを東京都港区麻布台に移転2014年11月株式を東京証券取引所マザーズ市場に上場2015年4月株式会社SHIFT PLUS(現連結子会社)を設立2016年3月ベトナム社会主義共和国に連結子会社としてSHIFT ASIA CO., LTD.(現連結子会社)を設立2016年6月株式会社 SHIFT SECURITY(現連結子会社)を設立2016年9月株式会社メソドロジック(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2016年11月ALH株式会社(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2017年10月愛知県名古屋市に名古屋事業所(現名古屋オフィス)を開設2017年12月大阪府大阪市に大阪テストセンター(現大阪オフィス)を開設2018年4月Airitech株式会社(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2019年1月株式会社さうなしの株式を取得し連結子会社化2019年3月株式会社システムアイ(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2019年7月新株予約権の発行により、総額5,197百万円の資金調達を行う2019年10月東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更2019年12月株式会社分析屋(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2020年3月株式会社ナディア(現連結子会社)及び株式会社xbs(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2020年4月株式会社エスエヌシー(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2020年9月株式会社CLUTCH(現連結子会社)及び株式会社ホープス(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2020年11月海外募集による新株式の発行により、総額9,798百万円の資金調達を行う2021年1月VISH株式会社(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2021年3月株式会社A-STARの株式を取得し連結子会社化2021年7月DICO株式会社(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2022年3月連結子会社として株式会社SHIFTグロース・キャピタル(現連結子会社)を設立2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行2022年6月株式会社DeMiA(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2022年10月株式会社クロノス(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2023年3月株式会社キャリアシステムズ(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2023年4月連結子会社としてW&C株式会社(現連結子会社、2023年9月Build Plus株式会社へ社名変更)を設立2023年5月EQIQ株式会社からバイリンガル人材紹介事業を吸収分割により承継2023年6月株式会社クレイトソリューションズ(現連結子会社)、株式会社シムテック(現連結子会社)及び株式会社ネットワークテクノス(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化2023年7月株式会社トラストブレイン(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化 年月概要2023年10月株式会社ヒューマンシステム(現連結子会社)、インフィニック株式会社(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化株式会社SHIFT Enterprise Consulting(現連結子会社)を設立 本社を東京都港区(同区内)に移転するとともに、新宿第1オフィスを開設2024年2月株式会社ネットワールド(現連結子会社)、株式会社クラブネッツ(現連結子会社)の株式を取得し連結子会社化 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社、以下「当社グループ」)は、当社、連結子会社40社(2024年8月31日現在)で構成されており、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」ことを企業理念に掲げております。 また、「すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を」を合言葉として各種サービスを提供しております。 [ソフトウェアに関連する市場の環境について]ソフトウェアは通常、ユーザーにどのようなサービスを提供できるか、それを達成するために必要な仕様や機能を設計する要求定義・要件定義フェーズから、開発フェーズ、そして動作検証を行うテストフェーズを経てリリースされます。 そのうち、要求定義から開発まではコンサルティングファームや上流SIerによるアウトソーシングが一般的ですが、テストフェーズは、標準化が図られておらず、また専門技術、知識が必要であるという認識も低いため、社内エンジニアを中心とした作業とするところが多く、国内ではアウトソーシングが進んでおりません。 このテストフェーズの市場規模は、主としてソフトウェア業を営む企業の売上高が15兆9,625億円(総務省及び経済産業省による「2021年情報通信業基本調査」)あり、開発工程に占めるテスト工程の割合が約35%(IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)による「ソフトウェア開発分析データ集」2022)であることから、約5.5兆円と推定されます。 また、こうしたテストアウトソーシングマーケットは、エンタープライズ向けの受託開発・パッケージソフトウェアのテスト作業(エンタープライズ系)、組込みソフトウェアのテスト作業(エンベデット系)、そしてソーシャルゲームなどのゲームソフトウェアのテスト作業(エンターテインメント系)に分類できますが、とりわけエンタープライズ系は高度な業務知識や開発知識が必要とされるため、その参入障壁は高く、アウトソースがほとんど進んでいない状況と考えております。 加えて、エンタープライズ向けソフトウェアは、確実で安全に動作することが社会的に求められてきており、また、そのようなソフトウェアを選定していくことが重要な経営課題として位置づけられてきているため、高度なソフトウェアテストに関する専門知識を有する第三者による検証やアウトソーシングをすることが必須要件となりつつあります。 [当社グループのソフトウェアテストの特徴について]当社グループが展開するソフトウェアのテスト・品質保証サービスは、これまでの属人的に行われてきたテスト業務を効率化・標準化することで新しい市場と新しい価値を創造してまいりました。 これらを支えるテスト実行業務を提供するテストエンジニアについては、独自に開発した検定制度である「CAT検定(※)」により、ソフトウェアテストの適性を評価しております。 これによりソフトウェア開発経験の有無に関わらずソフトウェアテストの本質的な適性を評価でき、広く優秀な人材による高品質なテスト実行業務の提供が可能となっております。 また、テスト実行の生産性を評価するために、独自に開発したテスト支援ツール「CAT(※)」を運用しており、テスト実行の進捗状況・問題工程がリアルタイムで可視化されるため、テスト実行時の問題発見を迅速に行うことが可能です。 CATは、当社グループのバックグラウンドでもある製造業向けコンサルティングで培った「効率化」「可視化」「再現可能性」の工程管理手法を盛り込んだシステムになっており、属人性を減らし生産性の高いテスト業務を行うことを可能としております。 ※CAT検定:当社グループが独自に開発したソフトウェアテスト適性を評価するための検定試験。 ソフトウェアテスト管理者、設計者、実行者、ソーシャルゲームテスターの4区分での検定試験により適性を評価できる。 ※CAT:高速で信頼性に優れ簡単に管理できるテスト設計、実行を支援する統合環境。 テスト設計の支援ツールTD(Test Design)とテスト実行支援ツールTCM(Test Cycle Management)で構成される。 [当社グループの事業について]当社グループでは、上記のように、発展的成長が見込まれる魅力的な市場に対し、単なる人材リソースの提供にとどまらず、独自の方法論に基づき標準化された高品質かつ費用対効果の高いテストのアウトソースを実現し、そこで培ったノウハウや膨大なデータを基に、当社グループ全体で、品質保証の観点に基づいてサービスを提供しております。 さらに、ソフトウェア製品やサービスの企画段階では、要求定義・要件定義を行うコンサルティングや企画の基礎となる分析ツールの提供を行い、要件に基づいた開発の工程を経て、検証を行うテスト業務や性能改善、脆弱性診断などで安定した品質を創り上げ、リリースされた後ではカスタマーサポートからマーケティング支援などを提供しております。 また、インフラ環境の構築やその自動化ツールのコンサルティング、生成AIを利活用したサービスなども手掛けることで、多様な顧客ニーズに対応できる体制を拡充しております。 また、当社グループでは、これらの多様なサービスを、ソフトウェアテスト関連サービス、ソフトウェア開発関連サービス、その他近接サービスに区分しております。 各サービスにおける当社及び関係会社の位置づけ等は次のとおりであります。 以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 ① ソフトウェアテスト関連サービスソフトウェアテスト関連サービスでは、主にソフトウェアテスト・品質保証、コンサルティング・PMO、カスタマーサポート、セキュリティといったサービスを提供しております。 (主な関係会社)当社、SHIFT GLOBAL PTE. LTD.、株式会社SHIFT PLUS、SHIFT ASIA CO., LTD.、株式会社SHIFT SECURITY、株式会社クラフ、株式会社マスラボ ② ソフトウェア開発関連サービスソフトウェア開発関連サービスでは、主にシステム開発、システム性能改善、IT戦略策定、システム企画・設計、エンジニアマッチングプラットフォーム、データ分析などのソフトウェア開発プロセスに直接関与するサービスを提供しております。 (主な関係会社)株式会社メソドロジック、バリストライドグループ株式会社、ALH株式会社(*1)、Airitech株式会社、株式会社マデール、株式会社システムアイ、株式会社分析屋、株式会社ホープス(*2)、株式会社ADX Consulting、株式会社SPST、株式会社DeMiA、株式会社クロノス、株式会社キャリアシステムズ、株式会社クレイトソリューションズ、株式会社シムテック、株式会社ネットワークテクノス(*1)、株式会社トラストブレイン、株式会社ヒューマンシステム、株式会社SHIFT Enterprise Consulting、株式会社ネットワールド(*2)、株式会社テストウェア・エンジニアリング(*2) 他1社*1 株式会社ネットワークテクノスは、2024年9月1日付でALH株式会社に合併しております。 *2 株式会社ネットワールド及び株式会社テストウェア・エンジニアリングは2024年9月1日付で株式会社ホープスに合併しております。 ③ その他近接サービスその他近接サービスでは、主にWeb企画制作、マーケティング、キッティング、クラウドサービス、ローカライズ、M&A/PMI(Post Merger Integration)、バイリンガル人材紹介など、ソフトウェア開発と近接するマーケットで、当社の既存事業とは異なるビジネスモデルに基づくサービスを提供しております。 (主な関係会社)株式会社ナディア、株式会社xbs、株式会社エスエヌシー、株式会社CLUTCH、VISH株式会社、DICO株式会社、株式会社SHIFTグロース・キャピタル、Build Plus株式会社、インフィニック株式会社、株式会社クラブネッツ、株式会社バリューワン 他1社 [事業系統図]当社グループの事業系統図は、以下のとおりであります。 *1 株式会社ネットワークテクノスは、2024年9月1日付でALH株式会社に合併しております。 *2 株式会社ネットワールド及び株式会社テストウェア・エンジニアリングは2024年9月1日付で株式会社ホープスに合併しております。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社)東京都目黒区9ソフトウェア開発関連サービス100.0[100.0]業務委託役員の兼任 1名ALH株式会社(注)3株式会社ホープス(注)3東京都中央区50ソフトウェア開発関連サービス100.0[100.0]業務委託株式会社システムアイ(注)3神奈川県横浜市西区25ソフトウェア開発関連サービス100.0業務委託株式会社エスエヌシー(注)3大阪府大阪市中央区50その他近接サービス100.0商品の仕入れ及び業務利用の器具レンタル役員の兼任 1名株式会社クレイトソリューションズ(注)3東京都千代田区98ソフトウェア開発関連サービス100.0[100.0]業務委託その他35社 (注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。 2.「議決権の所有割合」欄の[内書]は間接所有であります。 3.特定子会社であります。 4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年8月31日現在セグメントの名称従業員数(名)ソフトウェアテスト関連サービス5,617〔1,576〕ソフトウェア開発関連サービス3,814〔163〕その他近接サービス523〔77〕全社(共通)312〔107〕合計10,266〔1,923〕 (注)1.従業員数は就業人員であります。 2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。 4.従業員数が前連結会計年度末に比べ1,843名増加した主な理由は、業務拡大に伴う新規採用及び連結子会社が増加したためであります。 (2) 提出会社の状況2024年8月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)5,495〔1,405〕3836,699,640 セグメントの名称従業員数(名)ソフトウェアテスト関連サービス5,183〔1,298〕全社(共通)312〔107〕合計5,495〔1,405〕 (注)1.従業員数は就業人員であります。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。 4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。 5.従業員数が前事業年度末に比べ1,099名増加した主な理由は、業務拡大に伴う新規採用によるものであります。 (3) 労働組合の状況一部の連結子会社において労働組合が結成されておりますが、労働組合との関係は円満であります。 なお、当社及び他の連結子会社では労働組合は結成されておりません。 労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者8.585.672.170.3105.0― (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ② 連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者ALH株式会社30.069.285.285.758.9―株式会社ホープス12.0―72.874.542.1(注)4株式会社システムアイ6.3―79.381.610.6(注)3、4 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.管理職に占める女性労働者の割合は2024年9月30日時点の実績です。 4.上表の「-」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」ことを企業理念とし、世の中の人が幸せになるサービスや事業を創造していくことを目指しています。 (2)経営戦略等当社グループは、上述の企業理念に基づき「無駄のないスマートな社会の実現」というビジョン達成に向けた三つ目の通過点として、売上高1,000億円を目指す「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」を策定いたしました。 創業以来、製造業における業務改善コンサルティングの知見を持って、ソフトウェア開発分野における属人化された業務のプロセスを変革し、開発エンジニアとテストエンジニアの分業を進めていくことで開発エンジニアが開発工程に集中し、開発に専念できる環境を整備するなど、ITエンジニアの働き方を変革してまいりました。 「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」では、将来の売上高3,000億円を見据え、以下の4つの切り口から事業の成長を進めてまいります。 営業の側面では、CIO(Chief Information Officer)とのリレーション構築などを通し、徹底した顧客開拓の体制を構築し、人事・採用の側面では、IT業界ナンバー1クラスの採用力をもって経験者・未経験者、転職潜在層・顕在層を問わない人材の確保に努めます。 サービス・技術の側面では、ソフトウェアテストを主力としながら上流工程から開発工程、また付随する近接のサービスの拡大を進め、M&A/PMI(Post Merger Integration)の側面では当社グループに参画したグループ会社へ標準化されたPMIにより事業の成長の加速度を上げてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、売上高及び売上総利益率の改善を伴った各段階利益の業績予想値を経営上の目標としております。 その達成状況の検証のため、顧客単価、顧客数、エンジニア単価、エンジニア数などを定期的にモニタリングしております。 (4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループでは、今後の更なる成長を実現する上で、以下の事項を経営課題として重視しております。 ① 営業展開について総務省及び経済産業省による「2021年情報通信業基本調査」によると、わが国において主としてソフトウェア業を営む企業の売上高は15兆9,625億円と試算されております。 また、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表する「ソフトウェア開発分析データ集2022」によると開発工程に占めるテスト工程の割合は、約35%とされており、当社グループの対面するソフトウェアテストの市場規模は約5.5兆円と推定されます。 当社グループは、この潜在的な5.5兆円の市場に対して、既存の労働集約的なサービスではなく、仕組化・標準化されたソフトウェアテストサービスを提供することにより、顧客のニーズを喚起し、アウトソース市場を掘り起こしてきました。 今後、ソフトウェアテスト市場の更なる深耕を進め、ソフトウェアテスト事業で開拓した、エンタープライズ領域からエンターテインメント領域までの多種多様な業界・業種の顧客に対し、当社グループの様々なソリューションのクロスセルを推進していくためには、営業体制の強化が必要不可欠です。 そのため、当社グループでは、営業人員数の拡大、勉強会の実施などによる営業活動の量と質の向上、徹底的な営業活動の可視化によるKPI管理等により営業体制の強化に取り組んでおります。 ② カスタマーサクセスに向けた取り組み当社グループは、当社グループの提供するサービスの提供を通してカスタマーサクセスを実現するため、サービスの付加価値の向上と適正なプロジェクト価格での受発注の実現に取り組んでおります。 サービスの付加価値の向上に向けた取り組みとしては、スキルアップやキャリアアップを希望する従業員を対象にした、独自の従業員育成カリキュラムを展開しています。 カリキュラム受講後、検定試験に合格すれば、より高付加価値なサービスを提供することができることから、顧客への提示単価やそれに連動して給与が上昇する仕組みとしており、顧客と従業員の双方にとってメリットがある制度となっております。 また、当社がプロジェクトの上流工程において、顧客企業と直接コミュニケーションをとりながらプロジェクトを推進し、階層構造や企業規模に関わらず真に業務能力のある開発会社へ直接発注することで、「多重下請け構造」を打破し、適正なプロジェクト価格での受発注を実現しております。 これらの取り組みを通して、サービスの付加価値とリピート率を向上させることで、カスタマーサクセスの実現に貢献してまいります。 ③ 人材採用力の強化当社グループは、それまで開発者が行ってきた検証工程を、開発者以外であっても実行できるように、作業工程の徹底的な標準化を行うことでIT人材以外の人材を採用してまいりました。 独自の検定試験を導入することで、IT未経験者であっても当社事業に素養のある人材を採用することを可能にし、積極採用と生産性の向上の両立を実現してまいりました。 また、IT業界における知識や経験の豊富な人材の採用にも取り組むことで、事業規模の急成長を実現してまいりました。 将来の売上高3,000億円企業を目指すにあたっては、各分野のスペシャリストを中心とした優秀な人材の更なる積極採用が早期に取り組むべき課題であると認識しております。 こうした課題に対応するため、従前の採用手法だけにとどまらず、動画面接やリファラル採用の強化等のあらゆる採用手法を積極的に取り入れ、採用体制の強化を進めてまいります。 ④ エンプロイーサクセス(ES)への対応新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、ライフスタイルや価値観、そしてIT業界に変化がもたらされました。 当社グループとしてそれらの変化に対応し、今後の成長をさらに加速させるためには、これまでの事業ポジショニングやブランディング、従業員の働き方などを見つめなおし、必要に応じて変化させる必要があると考えております。 従業員の働き方としては、基本的に在宅勤務を推進する一方、コミュニケーションを目的として週1回程度の出社を奨励しています。 在宅勤務を前提としたエンジニアの採用を進めつつ、従業員総会、社内広報のオンライン化、社内表彰制度の展開などにより、柔軟な働き方の提供と帰属意識の醸成の両立を実現しています。 また、当社グループでは、事業活動の基本は従業員であるとの考えから、日々の成果が従業員に還元されるよう、積極的な給与の上昇に努めています。 人事評価と報酬決定においては実力主義を徹底し、年功序列や男女による給与格差といった人事評価と報酬決定による差別が起こらない評価を行うことで、給与と人事評価に関する満足度を高いレベルで維持しております。 ⑤ M&AとPMIの推進当社グループは、M&Aを積極的に推進することで、新規顧客開拓・既存顧客深耕や優秀な人材の積極採用、サービス領域の強化・拡大などに取り組んでまいりました。 今後は、PMIを通じて当社水準の経営管理体制を構築する等、厳格な規律で収益力を確保する方針は堅持しつつ、M&Aの対象として検討しうる収益水準を拡大するとともに、当社グループの成長に合わせて案件の健全な大型化を推進してまいります。 また、PMI以降のフェーズにおいては、営業、人事面の連携によりグループ会社の成長を支援するとともに、グループ会社向けの経営管理部門の体制を強化し、グループ全体での経営基盤をさらに強固にしてまいります。 ⑥ 企業ブランドの醸成と新規事業展開当社グループは現在ソフトウェアテストを中心とした事業展開を図っており、標準化された高品質なサービス提供によって業務アプリケーション領域におけるソフトウェアテストのリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあるものと認識しております。 更なる成長に取り組むなかで、当社グループは、「お客様の売れるサービスづくりといえばSHIFT」を新たなブランディングスローガンとして掲げ、ソフトウェアの品質保証・テストを軸とした新たな開発サービスの提供にも取り組んでいます。 こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテストの事業を拡大させる一方で、企画段階からお客様と伴走し、「売れるソフトウェアサービスをつくる」うえで真に必要な要素を絞り込んだうえでお客様にご提案することで、他社との差別化を図っています。 既存事業の拡大と新規事業の創出に取り組むことで、当社グループのポジショニングを強化してまいります。 ⑦ 内部管理体制の強化当社グループは、更なる事業拡大を推進し、企業価値を向上させるためには、効率的なオペレーション体制を基盤としながら、内部管理体制を強化していくことが重要な課題であると認識しており、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化を図ってまいります。 ⑧ 情報資産に関する管理体制の強化当社グループは、事業を通してお客様の重要な情報資産を取り扱っているほか、競争力の源泉となる、独自に標準化・仕組化されたノウハウを保有しており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。 現在においても、ISMS国際規格「ISO/IEC 27001:2013」の認証を取得し、情報セキュリティ方針を策定したうえで情報資産を管理しており、eラーニングを毎月実施し従業員の啓発を行う等、万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化を図ってまいります。 ⑨ グループ会社のガバナンス体制の構築当社グループは、グループガバナンスにおけるリスクを低減するために、適切なグループ会社のガバナンス体制を構築しております。 構築に当たっては、一体的な経営と実効的なグループ会社管理等の必要性を総合的に勘案し、分権化と集権化の最適なバランスを勘案したうえで行っております。 また、本社主管管理部門によるグループ会社のガバナンスについても、個別事業の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じて、適切な指導及び管理監督が行われるよう、グループ全体で発生したコンプライアンス違反や不正行為、内部通報等からの傾向分析を行い、各組織に対しより効果的な対応アクションを提案できるよう常に適切な体制の構築に努めております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、サステナビリティという観点から、今後も継続的にあるべき体制と管理すべきリスク、戦略の方向性を検討してまいります。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理① ガバナンス当社グループは、重要な経営課題について、当社の業績経営会議及びコンプライアンス委員会において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。 なお、人的資本に関連する取り組みにつきましては、人事本部が管掌しており、具体的な施策やその効果等については適宜取締役会に報告を行っております。 当社グループのガバナンスに関する詳細は、「4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。 ② リスク管理当社グループは、経営の健全性を維持しつつ事業を推進し企業価値向上をしていくに当たって、その妨げとなる可能性のある様々なリスクについて適切に管理するため「リスク管理規程」を定めており、全社的な管理体制を整えております。 リスクの特定・測定・評価及びその対処方針の立案と実行は、リスクが発生する業務を所管している部署において行うこととしており、その結果をリスク管理部門である経営管理部へ報告することとしております。 また、リスク管理の結果については、リスクが発生する業務を所管している部署で一次的に検証するとともに、経営管理部及び内部監査室がモニタリングを行っております。 人的資本に関連するリスク管理については、上記の方法に則り、人事本部がリスクの特定・測定・評価及びその対処方針の立案と実行、さらにリスク管理の結果の一次的な検証を行い、経営管理部への報告を行っております。 なお、重要なリスクに関しては、業績経営会議及びコンプライアンス委員会において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。 当社グループのリスクに関する詳細は、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (2) 当社グループの重要なサステナビリティ項目と指標及び目標並びに戦略① 重要なサステナビリティ項目当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」という企業理念のもと、「スマートな社会の実現」に向け、IT業界のみならず社会全体の改善を目指して事業活動を行い、直接的・間接的に環境・社会課題への解決に貢献することを目指しております。 社会課題の中で当社グループが強く意識し、その解決に貢献できる事項として、日本の生産年齢人口の減少、および日本全体の事業会社の売上高の減少が予想されることがあげられます。 そのためDXで日本の事業会社の生産性を向上させていくことが必要不可欠といえますが、それを担うIT人材が日本には圧倒的に不足していると認識しております。 これらの課題解決のため、当社グループではIT人材を増やしていくことが使命であると考え、IT業界の成長を阻害する要因を取り除くことに力を入れております。 またこれらの課題は当社グループにおけるサステナビリティに対する重大なリスクであると同時に、その解決は企業成長のチャンスであると捉えております。 そのため、当社グループで注力すべき領域の一つとして「人事/採用」を掲げており、人的資本経営を推し進めることがサステナビリティに寄与するものと考えております。 上記の社会課題の解決のために当社グループが担うべきと考える役割は、以下のとおりであります。 当社グループがIT業界における社会課題の解決のために担うべき役割と、その社会課題の解決に向けて現在取り組んでいる戦略の一例、並びにその効果測定のための指標の主な関係を図示すると以下のとおりとなります。 社会課題の解決に向けて担うべき役割戦略の一例指標及び目標●IT業界の構造課題である多重下請け構造を打破する●DXを担うITエンジニアの人数を大幅増加●ITエンジニアの働く環境・やりがいを追求●ITエンジニアの待遇(給与)を向上し参画者を増やす IT業界に雇用を生み出し、ITエンジニアの採用・育成により、アウトプットを最大化する仕組みづくり〇新卒・未経験者採用〇中途採用□人口流入数(採用人数)社内エンゲージメントを向上し、長く働き続けられる組織づくり〇従業員が重視するポイントの把握〇組織での制度設計・施策□社内のエンゲージメント(退職率)多様な経験・スキルを持つ人材が評価され、給与が上がる仕組みづくり〇ヒトログ・評価制度□年間昇給率市場価値と直結した育成の仕組みづくり〇教育制度(トップガン)□トップガン検定合格人数(※1) ※1 キャリアUP制度「トップガン」とは当社グループ従業員を対象とした社内制度であり、それに含まれる検定を指す。 以下同様。 また、これらの社会課題と戦略は、必ずしも1対1の関係にあるものではないと考えております。 例えばヒトログ・評価制度や育成の仕組みによって社内のエンゲージメントが高まることで、当社グループからの人口流出を最小化(退職率の低下)でき、その結果ITエンジニアの不足の解決に寄与する効果があると考えております。 ② 指標及び目標当社グループでは、ITエンジニアにとって魅力的な環境の構築を目指しているからこそ多くのITエンジニアが集まり、さらに従業員の離職が少ない環境を作り出せていると考えております。 従業員がやりがいを持って働くことができ、人的資本を最大化することが当社グループの人事施策の原点であります。 当社グループで考える人的資本経営とは、ITエンジニアを人的資本と捉え、そのITエンジニアが在籍期間にわたって生み出す利益を最大化するために投資を行う考え方です。 人的資本から生み出される利益を最大化するためには、当社グループへの人口流入を最大化し、同時に当社グループからの人口流出を最小化すること、そして在籍する従業員それぞれの人的資本価値を向上させることが必要であると考えております。 そのため、当社グループにおけるサステナビリティ戦略における重要指標は、以下の4つとしております。 (a) 当社グループへの「人口流入数(採用人数)」(b) 当社グループからの人口流出を示す「社内のエンゲージメント(退職率)」(c) 在籍する従業員の多様な経験・スキルをフェアに評価した結果としての「年間昇給率」(d) 在籍する従業員への育成の結果としての「トップガン検定合格者数」また、これらの指標の2024年度の実績及び今後の目標は以下のとおりであります。 a.人口流入数(採用人数) ※グループ連結 2024年度に新たに当社グループで採用した人数(人口流入数)はグループ連結で2,563人(※)となりました。 今期は期中の業績局面に合わせて採用戦略を柔軟に変更し、プロフェッショナル層の採用に注力しました。 また人材ポートフォリオの観点から、若手採用については一時的に縮小しております。 2025年度においては、採用人数は同水準にとどめる一方、引き続き上位層の採用を継続いたします。 また、事業局面を見極め、さらなる確変成長のための準備を行っています。 (※)採用数に含まれる対象は正社員及び契約社員とし、ITエンジニアだけではなく、人事や管理部門といった人口流入数の最大化や社内エンゲージメント(退職率)の最小化に直接的・間接的に貢献するポジションの人員も含みます。 b.社内のエンゲージメント(離職率) 当社では社内エンゲージメントの向上施策を継続的に行っており、それを総合的に評価・定量化する指標として、離職率を設定しております。 離職率は正社員を対象とし、期中の正社員の離職者数を期末時点の正社員在籍数で除して計算しております。 2024年度の離職率は6.1%となりました。 2025年度以降については、引き続きエンゲージメント向上のための施策を継続する一方で、業績拡大を目指した組織変更、評価制度の見直し、社内活性施策の変革などを積極的に進めてまいります。 その結果として、例年に比べてエンゲージメントの変動を見越しておりますが、引き続き離職率を5%から10%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。 c. 年間昇給率 2024年度における年間昇給率は6.9%となりました。 期中における稼働率の低下などから例年に比べ低水準となりましたが、年度後半には改善の兆しも見えており、一時的なものと捉えております。 IT業界平均の年間昇給率が数%といわれる中、継続的に年収が上がっていくことは従業員の心理的安全性を高めると同時に、採用市場における訴求強化にもつながると考えております。 昇給率自体は結果指標であるため目標値の設定は行っていませんが、引き続き10%前後を目安として取り組んでまいります。 d. トップガン検定合格者数 当社では「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて、当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を中心とした各種検定を作成しております。 2024年度のトップガン検定合格者数は956人となりました。 若手社員を中心とし、キャリアは自ら作るものとの認識が定着し始め、新卒および未経験入社者の受験者が増加しております。 また、より上位検定に挑戦する従業員も増え、自らのキャリア形成が進むとともに、顧客提供価値の向上に寄与しております。 検定合格者数については今後も目標は定めないものの、重要指標として注視してまいります。 ※トップガン検定合格者数は2020年度より集計しております。 ③ 戦略サステナビリティに関する重要な指標に対し、目標達成のために多くの施策に取り組んでおります。 これらの施策のうち、現在重点的に取り組んでいるものの一例は以下のとおりであります。 a. エンジニア採用と人材の多様性の確保当社グループでは日本一ITエンジニアが集まり、やりがいを感じる会社を目指して、業績拡大により雇用を生み出すこと、そして当社グループにおける採用力を強化することに注力しています。 現在国内のITエンジニアは108万人といわれる中、ITエンジニアがどのようにIT業界内外を移動するのかを考え、それぞれに対して打ち手を講じています。 具体的には以下3つが重要なポイントであると考えております。 (ア) 新たに『業界へのエントリーを増やす』こと(イ) キャリア人材がさらに活躍するために『中途採用を増やす』こと(ウ) 『魅力的な環境を作り、業界から去る人を減らす』こと IT業界へのエントリーを増やすために、昨年度に続いて新卒入社人数は増加しております。 新たに開発した「新卒検定」を活用しつつ、認知拡大にも努めた結果、新卒就職活動者における人気企業として一定の評価を獲得しております。 社会人生活の第一歩としてSHIFTを選択した従業員が新たな領域にチャレンジし、成長・活躍することが、SHIFT3000を見据えた当社グループ発展の原動力になると考えております。 また、経験を積んだIT人材がさらに活躍するために、引き続き中途採用にも投資を続けています。 2024年度においては期中の業績局面に合わせて採用戦略を柔軟に変更し、プロフェッショナル層の採用に注力しました。 また人材ポートフォリオの観点から、若手採用については一時的に縮小しております。 その結果、これまでの当社グループには不足していたPM人員、業界知見を持った人員の採用が進み、人材ポートフォリオ自体の最適化とさらなる業績拡大への布陣が整いつつあります。 b. 社内エンゲージメントの向上当社の人事施策は、社内エンゲージメントを高め、人員流出を抑えるため、個に着目した『従業員一人一人に着目した情報収集』と、組織に着目した『それを基にした制度設計・施策遂行』で成り立っています。 あ)人的投資の方程式化当社グループでは会社のアセット(B/S)である「人的資本」への投資が、事業成長(P/L)にどのように作用したかを定量化するため、各施策を分解し施策ごとのKPIを定め、その総和として生み出される価値を方程式化しています。 それにより施策自体の解像度が上がり、投資効率を測ることに繋がっています。 従業員ごとに保有する450項目の人事情報がその基盤となり、これを実現しています。 い)離職率低下のための取り組み2024年度に移転した本社オフィスの活用や各種の人事施策により、単体の離職率は低下しております。 グループ会社連結では若干の上昇が見られますが、おもにM&Aにより近年新たに当社グループに参画した企業の離職率が影響しており、これまで行ってきたPMI施策の継続や、新たに開始したグループ合同入社者教育・キャリア流動化などによる改善余地は大きいと見ています。 離職率は5%から8%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。 う)すべての人が働きやすい環境づくり当社における女性エンジニア比率は26.7%、女性管理職比率は8.5%となりました。 これは当社が属するIT業界の構造課題(女性エンジニア比率、女性管理職比率ともに低く、長期的な就業やキャリアアップが困難である可能性)が要因の一つであると考えています。 そのため当社では・新たにIT業界に参画する女性人口を増やすこと(新卒、第二新卒採用への注力)・男女差なく働きやすい環境をつくること(男性育休取得や育児参加への後押し)に注力し、すべての人が活躍しやすい企業づくりに注力しています。 c. 市場価値と直結した育成制度当社の育成制度は、「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて設計されています。 そして、“業務を分解して標準化する”という当社の強みを活かし、最速で上位職を目指せる当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を設置しています。 これは市場価値=単価と直結しており、自らキャリアを形成できる仕組みです。 この仕組みを最大限活用するため、検定作成や業務分解のプロ集団「能力開発部」を設置し、当社の業務拡大に合わせて検定制度自体も発展を続けています。 検定受検は強制するものではなく、自主性をもって取り組むものとしておりますが、社内での認知活動や従業員に対する動機付けを強化した結果、受検者数も着実に増加をし、単価UP及び自身の評価UPにつなげています。 |
戦略 | ③ 戦略サステナビリティに関する重要な指標に対し、目標達成のために多くの施策に取り組んでおります。 これらの施策のうち、現在重点的に取り組んでいるものの一例は以下のとおりであります。 a. エンジニア採用と人材の多様性の確保当社グループでは日本一ITエンジニアが集まり、やりがいを感じる会社を目指して、業績拡大により雇用を生み出すこと、そして当社グループにおける採用力を強化することに注力しています。 現在国内のITエンジニアは108万人といわれる中、ITエンジニアがどのようにIT業界内外を移動するのかを考え、それぞれに対して打ち手を講じています。 具体的には以下3つが重要なポイントであると考えております。 (ア) 新たに『業界へのエントリーを増やす』こと(イ) キャリア人材がさらに活躍するために『中途採用を増やす』こと(ウ) 『魅力的な環境を作り、業界から去る人を減らす』こと IT業界へのエントリーを増やすために、昨年度に続いて新卒入社人数は増加しております。 新たに開発した「新卒検定」を活用しつつ、認知拡大にも努めた結果、新卒就職活動者における人気企業として一定の評価を獲得しております。 社会人生活の第一歩としてSHIFTを選択した従業員が新たな領域にチャレンジし、成長・活躍することが、SHIFT3000を見据えた当社グループ発展の原動力になると考えております。 また、経験を積んだIT人材がさらに活躍するために、引き続き中途採用にも投資を続けています。 2024年度においては期中の業績局面に合わせて採用戦略を柔軟に変更し、プロフェッショナル層の採用に注力しました。 また人材ポートフォリオの観点から、若手採用については一時的に縮小しております。 その結果、これまでの当社グループには不足していたPM人員、業界知見を持った人員の採用が進み、人材ポートフォリオ自体の最適化とさらなる業績拡大への布陣が整いつつあります。 b. 社内エンゲージメントの向上当社の人事施策は、社内エンゲージメントを高め、人員流出を抑えるため、個に着目した『従業員一人一人に着目した情報収集』と、組織に着目した『それを基にした制度設計・施策遂行』で成り立っています。 あ)人的投資の方程式化当社グループでは会社のアセット(B/S)である「人的資本」への投資が、事業成長(P/L)にどのように作用したかを定量化するため、各施策を分解し施策ごとのKPIを定め、その総和として生み出される価値を方程式化しています。 それにより施策自体の解像度が上がり、投資効率を測ることに繋がっています。 従業員ごとに保有する450項目の人事情報がその基盤となり、これを実現しています。 い)離職率低下のための取り組み2024年度に移転した本社オフィスの活用や各種の人事施策により、単体の離職率は低下しております。 グループ会社連結では若干の上昇が見られますが、おもにM&Aにより近年新たに当社グループに参画した企業の離職率が影響しており、これまで行ってきたPMI施策の継続や、新たに開始したグループ合同入社者教育・キャリア流動化などによる改善余地は大きいと見ています。 離職率は5%から8%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。 う)すべての人が働きやすい環境づくり当社における女性エンジニア比率は26.7%、女性管理職比率は8.5%となりました。 これは当社が属するIT業界の構造課題(女性エンジニア比率、女性管理職比率ともに低く、長期的な就業やキャリアアップが困難である可能性)が要因の一つであると考えています。 そのため当社では・新たにIT業界に参画する女性人口を増やすこと(新卒、第二新卒採用への注力)・男女差なく働きやすい環境をつくること(男性育休取得や育児参加への後押し)に注力し、すべての人が活躍しやすい企業づくりに注力しています。 c. 市場価値と直結した育成制度当社の育成制度は、「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて設計されています。 そして、“業務を分解して標準化する”という当社の強みを活かし、最速で上位職を目指せる当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を設置しています。 これは市場価値=単価と直結しており、自らキャリアを形成できる仕組みです。 この仕組みを最大限活用するため、検定作成や業務分解のプロ集団「能力開発部」を設置し、当社の業務拡大に合わせて検定制度自体も発展を続けています。 検定受検は強制するものではなく、自主性をもって取り組むものとしておりますが、社内での認知活動や従業員に対する動機付けを強化した結果、受検者数も着実に増加をし、単価UP及び自身の評価UPにつなげています。 |
指標及び目標 | ② 指標及び目標当社グループでは、ITエンジニアにとって魅力的な環境の構築を目指しているからこそ多くのITエンジニアが集まり、さらに従業員の離職が少ない環境を作り出せていると考えております。 従業員がやりがいを持って働くことができ、人的資本を最大化することが当社グループの人事施策の原点であります。 当社グループで考える人的資本経営とは、ITエンジニアを人的資本と捉え、そのITエンジニアが在籍期間にわたって生み出す利益を最大化するために投資を行う考え方です。 人的資本から生み出される利益を最大化するためには、当社グループへの人口流入を最大化し、同時に当社グループからの人口流出を最小化すること、そして在籍する従業員それぞれの人的資本価値を向上させることが必要であると考えております。 そのため、当社グループにおけるサステナビリティ戦略における重要指標は、以下の4つとしております。 (a) 当社グループへの「人口流入数(採用人数)」(b) 当社グループからの人口流出を示す「社内のエンゲージメント(退職率)」(c) 在籍する従業員の多様な経験・スキルをフェアに評価した結果としての「年間昇給率」(d) 在籍する従業員への育成の結果としての「トップガン検定合格者数」また、これらの指標の2024年度の実績及び今後の目標は以下のとおりであります。 a.人口流入数(採用人数) ※グループ連結 2024年度に新たに当社グループで採用した人数(人口流入数)はグループ連結で2,563人(※)となりました。 今期は期中の業績局面に合わせて採用戦略を柔軟に変更し、プロフェッショナル層の採用に注力しました。 また人材ポートフォリオの観点から、若手採用については一時的に縮小しております。 2025年度においては、採用人数は同水準にとどめる一方、引き続き上位層の採用を継続いたします。 また、事業局面を見極め、さらなる確変成長のための準備を行っています。 (※)採用数に含まれる対象は正社員及び契約社員とし、ITエンジニアだけではなく、人事や管理部門といった人口流入数の最大化や社内エンゲージメント(退職率)の最小化に直接的・間接的に貢献するポジションの人員も含みます。 b.社内のエンゲージメント(離職率) 当社では社内エンゲージメントの向上施策を継続的に行っており、それを総合的に評価・定量化する指標として、離職率を設定しております。 離職率は正社員を対象とし、期中の正社員の離職者数を期末時点の正社員在籍数で除して計算しております。 2024年度の離職率は6.1%となりました。 2025年度以降については、引き続きエンゲージメント向上のための施策を継続する一方で、業績拡大を目指した組織変更、評価制度の見直し、社内活性施策の変革などを積極的に進めてまいります。 その結果として、例年に比べてエンゲージメントの変動を見越しておりますが、引き続き離職率を5%から10%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。 c. 年間昇給率 2024年度における年間昇給率は6.9%となりました。 期中における稼働率の低下などから例年に比べ低水準となりましたが、年度後半には改善の兆しも見えており、一時的なものと捉えております。 IT業界平均の年間昇給率が数%といわれる中、継続的に年収が上がっていくことは従業員の心理的安全性を高めると同時に、採用市場における訴求強化にもつながると考えております。 昇給率自体は結果指標であるため目標値の設定は行っていませんが、引き続き10%前後を目安として取り組んでまいります。 d. トップガン検定合格者数 当社では「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて、当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を中心とした各種検定を作成しております。 2024年度のトップガン検定合格者数は956人となりました。 若手社員を中心とし、キャリアは自ら作るものとの認識が定着し始め、新卒および未経験入社者の受験者が増加しております。 また、より上位検定に挑戦する従業員も増え、自らのキャリア形成が進むとともに、顧客提供価値の向上に寄与しております。 検定合格者数については今後も目標は定めないものの、重要指標として注視してまいります。 ※トップガン検定合格者数は2020年度より集計しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | b. 社内エンゲージメントの向上当社の人事施策は、社内エンゲージメントを高め、人員流出を抑えるため、個に着目した『従業員一人一人に着目した情報収集』と、組織に着目した『それを基にした制度設計・施策遂行』で成り立っています。 あ)人的投資の方程式化当社グループでは会社のアセット(B/S)である「人的資本」への投資が、事業成長(P/L)にどのように作用したかを定量化するため、各施策を分解し施策ごとのKPIを定め、その総和として生み出される価値を方程式化しています。 それにより施策自体の解像度が上がり、投資効率を測ることに繋がっています。 従業員ごとに保有する450項目の人事情報がその基盤となり、これを実現しています。 い)離職率低下のための取り組み2024年度に移転した本社オフィスの活用や各種の人事施策により、単体の離職率は低下しております。 グループ会社連結では若干の上昇が見られますが、おもにM&Aにより近年新たに当社グループに参画した企業の離職率が影響しており、これまで行ってきたPMI施策の継続や、新たに開始したグループ合同入社者教育・キャリア流動化などによる改善余地は大きいと見ています。 離職率は5%から8%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。 う)すべての人が働きやすい環境づくり当社における女性エンジニア比率は26.7%、女性管理職比率は8.5%となりました。 これは当社が属するIT業界の構造課題(女性エンジニア比率、女性管理職比率ともに低く、長期的な就業やキャリアアップが困難である可能性)が要因の一つであると考えています。 そのため当社では・新たにIT業界に参画する女性人口を増やすこと(新卒、第二新卒採用への注力)・男女差なく働きやすい環境をつくること(男性育休取得や育児参加への後押し)に注力し、すべての人が活躍しやすい企業づくりに注力しています。 c. 市場価値と直結した育成制度当社の育成制度は、「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて設計されています。 そして、“業務を分解して標準化する”という当社の強みを活かし、最速で上位職を目指せる当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を設置しています。 これは市場価値=単価と直結しており、自らキャリアを形成できる仕組みです。 この仕組みを最大限活用するため、検定作成や業務分解のプロ集団「能力開発部」を設置し、当社の業務拡大に合わせて検定制度自体も発展を続けています。 検定受検は強制するものではなく、自主性をもって取り組むものとしておりますが、社内での認知活動や従業員に対する動機付けを強化した結果、受検者数も着実に増加をし、単価UP及び自身の評価UPにつなげています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 人的資本から生み出される利益を最大化するためには、当社グループへの人口流入を最大化し、同時に当社グループからの人口流出を最小化すること、そして在籍する従業員それぞれの人的資本価値を向上させることが必要であると考えております。 そのため、当社グループにおけるサステナビリティ戦略における重要指標は、以下の4つとしております。 (a) 当社グループへの「人口流入数(採用人数)」(b) 当社グループからの人口流出を示す「社内のエンゲージメント(退職率)」(c) 在籍する従業員の多様な経験・スキルをフェアに評価した結果としての「年間昇給率」(d) 在籍する従業員への育成の結果としての「トップガン検定合格者数」また、これらの指標の2024年度の実績及び今後の目標は以下のとおりであります。 a.人口流入数(採用人数) ※グループ連結 2024年度に新たに当社グループで採用した人数(人口流入数)はグループ連結で2,563人(※)となりました。 今期は期中の業績局面に合わせて採用戦略を柔軟に変更し、プロフェッショナル層の採用に注力しました。 また人材ポートフォリオの観点から、若手採用については一時的に縮小しております。 2025年度においては、採用人数は同水準にとどめる一方、引き続き上位層の採用を継続いたします。 また、事業局面を見極め、さらなる確変成長のための準備を行っています。 (※)採用数に含まれる対象は正社員及び契約社員とし、ITエンジニアだけではなく、人事や管理部門といった人口流入数の最大化や社内エンゲージメント(退職率)の最小化に直接的・間接的に貢献するポジションの人員も含みます。 b.社内のエンゲージメント(離職率) 当社では社内エンゲージメントの向上施策を継続的に行っており、それを総合的に評価・定量化する指標として、離職率を設定しております。 離職率は正社員を対象とし、期中の正社員の離職者数を期末時点の正社員在籍数で除して計算しております。 2024年度の離職率は6.1%となりました。 2025年度以降については、引き続きエンゲージメント向上のための施策を継続する一方で、業績拡大を目指した組織変更、評価制度の見直し、社内活性施策の変革などを積極的に進めてまいります。 その結果として、例年に比べてエンゲージメントの変動を見越しておりますが、引き続き離職率を5%から10%の範囲内にコントロールしていくことを目標としております。 c. 年間昇給率 2024年度における年間昇給率は6.9%となりました。 期中における稼働率の低下などから例年に比べ低水準となりましたが、年度後半には改善の兆しも見えており、一時的なものと捉えております。 IT業界平均の年間昇給率が数%といわれる中、継続的に年収が上がっていくことは従業員の心理的安全性を高めると同時に、採用市場における訴求強化にもつながると考えております。 昇給率自体は結果指標であるため目標値の設定は行っていませんが、引き続き10%前後を目安として取り組んでまいります。 d. トップガン検定合格者数 当社では「従業員が自分自身で学習する目的を見つけ、会社はその目的を達成するための場を提供する」という考え方に基づいて、当社独自のキャリアUP制度「トップガン」を中心とした各種検定を作成しております。 2024年度のトップガン検定合格者数は956人となりました。 若手社員を中心とし、キャリアは自ら作るものとの認識が定着し始め、新卒および未経験入社者の受験者が増加しております。 また、より上位検定に挑戦する従業員も増え、自らのキャリア形成が進むとともに、顧客提供価値の向上に寄与しております。 検定合格者数については今後も目標は定めないものの、重要指標として注視してまいります。 ※トップガン検定合格者数は2020年度より集計しております。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)市場の動向についてリスクの内容当社グループは、ソフトウェアテストサービスを中心とした事業展開を図っております。 この当社グループが提供しているソフトウェアテストのアウトソース市場は、ソフトウェア開発会社の品質意識の高まりやIT人材不足等の社会的要請を背景に拡大傾向にあり、当社グループは、今後もこの傾向は継続するものと見込んでおります。 ソフトウェアテストはソフトウェア開発工程においても重要な役割を占めており、その性質上大きく景気変動の影響を受ける可能性は低いと考えておりますが、当社グループの期待どおりにソフトウェアテストのアウトソース市場が拡大しなかった場合や、国内外の景気動向や為替市場の急激な変動等により、顧客企業においてIT投資が大きく抑制された場合には、当社グループの事業の成長に影響し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性小影響度大対応策景気動向の悪化による影響を軽減するため、特定の業種・業界の顧客に依存することが無いよう、業界を問わず幅広く顧客開拓を進めております。 また、ソフトウェアテストサービスで開拓した顧客に対して、当社グループ商材のクロスセルを行うことで、ソフトウェアテスト以外のIT業界関連市場への対応力を強化してまいります。 (2) 人材の確保についてリスクの内容当社グループにおいては、人材採用が重要なキーファクターとなります。 日本のITエンジニア人口が100万人程度に留まる中、IT投資額の拡大が進んでいることから、IT業界における求人倍率は他の業界では見られない11倍という高い水準になっております。 当社グループでは、採用を加速するために独自に作成した、各種業務に必要な能力を図る検定試験や、非IT人材からの採用、離職率低下施策、協力会社との連携を強化することで、十分な人材の確保に努めております。 しかしながら、競争の激化や何らかの理由で業務上必要とされる十分なエンジニアを確保することができなかった場合には、円滑なサービス提供や積極的な受注活動が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度大対応策高水準のスキルを有した従業員を安定的に確保するため、採用担当者を中心とした人事部門の体制強化、市場価値を意識した競争力のある給与水準の確保、転職顕在層に留まらない、転職潜在層に対するアプローチの強化等の取り組みを行っております。 また、離職率の低下に向けて、従業員のエンゲージメント状況を定点観測し、発見された課題に対して施策を講じ、改善に努めているほか、グループを含めた様々なキャリア形成を支援する取り組みを行っております。 その他、従業員以外にも技術力の高いビジネスパートナーを多数確保するため、エンジニアプラットフォーム等を利用し、各ビジネスパートナーとの連携体制を構築しております。 (3) 赤字プロジェクトの発生防止についてリスクの内容当社グループでは、業務委託を中心とした契約形態でサービスを提供しており、基幹事業であるソフトウェアテストサービスの実施にあたっては、顧客企業に対して、ソフトウェアテストサービスはソフトウェア等に含まれる不具合等の全てを発見することを保証するものではなく、また、精算条件についても十分説明するよう努めております。 また、業務内容を問わず、契約上、損害賠償責任についても一定の免責条項等を設定することを方針としております。 しかしながら、何らかの事情により顧客企業とのコミュニケーションが十分に実施されず業務の遂行に問題が生じることで損害賠償責任の追及を受け、賠償責任を負うこととなった場合には、プロジェクトが赤字となり当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度大対応策契約に際しては、顧客企業と締結前に十分な擦り合わせを行い取引内容に関する認識を合わせるとともに、毎週実施している業績経営会議にて進行中の主要プロジェクトの進捗を確認し、トラブルの発生防止に努めております。 (4) 機密情報の漏洩についてリスクの内容当社グループの提供するサービスにおいては、顧客企業よりソフトウェア等の開発に関する重要な機密情報をお預かりしております。 機密情報の漏洩を防止するため、様々な対策を実施しておりますが、何らかの理由により機密情報や個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度大対応策当社グループでは機密情報の漏洩リスクに対応すべく、従業員等と秘密保持契約を締結しているほか、従業員が利用する端末には、データの暗号化、アクセス制限/ログの取得監視、各種システムに対するID管理システム(多要素認証含む)を導入することで、在宅も含めたデータの保全に努めております。 特に機密性の高い業務においては、指紋認証システムによる入退室管理、監視カメラによる24時間365日の監視等、様々な漏洩防止施策を講じております。 また、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO27001」(ISMS)の認証を取得し、情報の適正な取扱いと厳格な管理を行っております。 その他、機密情報の取扱いに関するeラーニング等による従業員教育を継続的に実施しており、軽微な事象が発生した場合についても、コンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会を通じて周知徹底し、再発の防止に努めております。 (5) 社員による不正リスクの内容当社グループの事業拡大に伴い、役職員数は年々増加していることから、役職員等の内部関係者による贈収賄・横領・インサイダー取引等の不正行為が発生しないよう、コンプライアンス関連規程を制定するとともに、当社グループの役職員等が遵守すべき法令・ルールについてeラーニングによる啓発等を継続的に行っております。 しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生するといった事態が生じた場合や、事業の急速な拡大により不正行為を適時に発見するための内部管理体制の構築が追いつかないという事態が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性小影響度大対応策上記施策のほか、グループ各社において内部通報制度であるホットラインの設置等を行い、法令遵守違反・役職員等による不正行為、不祥事等を早期に発見することに努めるとともに、内部統制構築を担当する専門部署を設置し、当社グループ全体の内部管理体制の構築を図っております。 (6) ソフトウェアテスト・ソフトウェア開発事業における法規制についてリスクの内容当社グループのソフトウェアテスト及びソフトウェア開発業務は、顧客企業との間で締結する業務委託契約に基づき、準委任または請負の形態により提供されております。 業務委託契約は、派遣契約と異なり、労働者の業務遂行に係る指揮命令が雇用主である当社グループに帰属していますが、契約形態を業務委託契約としながら、実質的に顧客企業から業務従事者に対して指揮命令が行われる、偽装請負の問題が社会的にも取り上げられています。 偽装請負は職業安定法や労働基準法に抵触するものであるため、当社グループが顧客企業と業務委託契約を締結する場合、当社等の従業員が顧客企業構内にて業務を行う必要が生じたとしても、必ず管理責任者を設置し、従業員への指揮命令を当該管理責任者が行うこととする体制をとっております。 しかしながら、行政当局より偽装請負の問題を指摘され、業務停止等の処分を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度中対応策当社の商流において偽装請負が疑われる業務指示が行われていないか定期的に調査を行い、偽装請負の防止に取り組んでおります。 また、当社グループの従業員に対して、偽装請負の防止を含めた法令遵守に関するeラーニングを継続的に実施しているほか、当社グループにおけるコンプライアンス違反の撲滅を重点テーマとするコンプライアンス委員会を設置し、各種法令への遵守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。 (7) 新規事業展開についてリスクの内容当社グループは、「新しい価値の創造」を目指し、世界中で通用するサービスを創造することを企業理念に掲げており、ソフトウェアテスト以外の領域においても積極的な事業展開を行い、新しい価値を創造する企業としてのブランドを醸成していくことが重要な課題であると認識しております。 こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテストサービスを拡大させる一方で、既存事業との関連性、収益性、社会性、従業員の士気向上への影響等を考慮した上で、一定の割合を定めて新規事業に積極的に投資しております。 しかしながら、これらの活動は不確定要素が多く、事業計画を達成できなかった場合は、それまでの投資負担が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度小対応策新規事業展開に関しましては、リスクを最小化すべくスモールスタートでのトライアルを前提とし、既存事業との関連性、収益性等を中心に十分に検討を行ったうえで実施しております。 (8) M&A及びマイノリティ出資についてリスクの内容当社グループは、サービス提供力の強化、及び新たな事業領域への展開等を目的として、M&Aを積極的に推進しております。 また、強いサービスを持つ各業界の注目企業へのマイノリティ出資を通した業務提携により「売れるサービス作りといえばSHIFT」の実績を積み上げております。 M&Aによる事業展開やマイノリティ出資による業務提携においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があることに加えて、新規事業領域に関しては、M&Aや業務提携によりその事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。 これらに加えて、当社グループ参画後または出資後の業績悪化に伴い、のれん、顧客関連資産又は投資有価証券の減損処理が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性中影響度大対応策M&Aやマイノリティ出資による業務提携を積極的に推進するにあたって、対象企業の財務内容や契約関係等について、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施し、その結果を鑑みて取締役会において十分な検討を実施しております。 投資後の子会社につきましては、グループ業績会議を週次開催することにより、毎月の業績についてモニタリングを実施し、当社取締役会に報告しております。 モニタリングの結果、予算達成状況が芳しくない会社につきましては、直ちにグループとしての対応策を実施しております。 また、出資先につきましては、取締役会へのオブザーバーとしての参加等により、業績のモニタリングに関する体制の強化を図ってまいります。 (9) 代表者への依存についてリスクの内容当社代表取締役社長である丹下大は、当社グループの創業者であり、創業以来の最高経営責任者であり、当社グループの事業運営における事業戦略の策定や業界における人脈の活用等に関して、重要な役割を果たしております。 当社グループは、同氏への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化、経営幹部職員の育成、採用を図っておりますが、現時点において同氏に対する依存度は高い状況にあると考えております。 今後において、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務遂行の継続が困難となった場合、当社グループの事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。 発生可能性小影響度大対応策上記対応策のほか、他社にて経営経験を有する者を常勤の業務執行取締役とすることで、業務執行に関する代表者への依存度を軽減させております。 また、指名・報酬委員会の助言を受け豊富な経験を有する社外取締役を招聘することにより、取締役会の体制強化を図っております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、このところ足踏みも見られますが、雇用・所得環境の改善や、各種政策の効果もあり、国内経済は緩やかに回復しております。 一方で、金融資本市場の変動影響や海外景気の下振れなどもあり国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。 当社グループがサービスを提供するソフトウェア関連市場においては、「2025年の崖」(複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争力の低下や我が国経済の停滞など)が迫りくる中で、2025年の先を見据えて、産業界全体に変革を起こすDX(デジタル・トランスフォーメーション)はますます加速しております。 そのため、クラウドサービスやアジャイル型の開発手法などを用いたIT投資は活況の一途であり、AIの利活用による生産性の向上も欠かせない技術の一つであります。 また、リモートワークの進展により、ネットワークやアプリケーションを中心として社会全体におけるセキュリティ領域への注目が集まる中、マルウェアへの感染やソフトウェアの脆弱性を悪用した攻撃等によるセキュリティリスクの顕在化が進み、シフトレフトなどソフトウェア開発段階からの早期のセキュリティ対策も求められております。 こうした経営環境の中、当社グループでは売上高1,000億円企業に向けた成長戦略「SHIFT1000 -シフトワンサウザンド-」を掲げており、その実現に向け、引き続き営業力の強化による顧客基盤の拡大、構造化・数式化され科学されたM&A戦略の実現、IT業界の構造変化に合わせたサービス提供力の向上、多様な人材獲得手法の展開を重点課題として取り組んでまいりました。 なお、当連結会計年度においては、一部の投資有価証券の評価損を計上し、また、その他近接サービスセグメントに属する連結子会社に係るのれんの減損損失を計上いたしました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。 (単位:百万円) 前期当期増減増減率売上高88,030110,62722,59625.7%営業利益11,56510,537△1,028△8.9%EBITDA(※)13,28513,4241381.0%親会社株主に帰属する当期純利益6,2455,127△1,118△17.9% ※EBITDAは、営業利益にのれん以外の無形固定資産を含む固定資産の減価償却費、のれん償却費を加算して算定しております。 当社グループでは、将来の成長のための投資の源泉たる現金の創出力を測る指標として有用であると判断し、EBITDAもモニタリングの対象としております。 a.財政状態(資産)当連結会計年度末における資産については、前連結会計年度末に比べ13,186百万円増加し、62,717百万円となりました。 本社移転等に伴い有形固定資産が4,857百万円、借入等により現金及び預金が3,277百万円、株式会社クラブネッツ等の取得によりのれん及び顧客関連資産がそれぞれ265百万円、3,158百万円、売上増加により受取手形、売掛金及び契約資産が2,756百万円増加したこと等によるものであります。 他方、上場株式の売却、市場価格のない株式についての評価損の計上等により投資有価証券が1,936百万円減少しております。 (負債)当連結会計年度末における負債については、前連結会計年度末と比べ8,243百万円増加し、28,195百万円となりました。 これは主に、M&A資金及び設備投資を目的とした新規借入により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が7,095百万円、業務拡大に伴う新規採用の結果として人件費が増加したこと等により未払費用が2,475百万円増加したこと等によるものであります。 他方、返済により、短期借入金が2,420百万円減少しております。 (純資産)当連結会計年度末における純資産については、前連結会計年度末と比べ4,943百万円増加し、34,522百万円となりました。 これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が5,127百万円増加したこと等によるものであります。 b.経営成績当連結会計年度の売上高は110,627百万円(前年同期比25.7%増)、営業利益は10,537百万円(前年同期比8.9%減)、経常利益は10,753百万円(前年同期比10.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,127百万円(前年同期比17.9%減)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。 (ソフトウェアテスト関連サービス) (単位:百万円) 前期当期増減増減率売上高58,28571,34213,05622.4%売上総利益20,77723,8583,08014.8%販売費及び一般管理費6,2657,6911,42622.8%うち取得関連費用1482055637.7%うちのれん償却費22△0△0.0%営業利益14,51116,1661,65411.4%EBITDA14,67516,3731,69711.6% ソフトウェアテスト関連サービスでは、主にソフトウェアテスト・品質保証、コンサルティング・PMO、カスタマーサポート、セキュリティといったサービスを提供しております。 当連結会計年度では、とりわけ官公庁や自動車業界での既存顧客に対する顧客目線での提案の徹底により、売上高が上昇した結果、当連結会計年度のソフトウェアテスト関連サービスの売上高は71,342百万円(前年同期比22.4%増)、営業利益は16,166百万円(前年同期比11.4%増)となりました。 なお、ソフトウェアテスト関連サービスセグメントの販売費及び一般管理費に含まれているM&Aに係る取得関連費用は、205百万円(前年同期比37.7%増)となっております。 (ソフトウェア開発関連サービス) (単位:百万円) 前期当期増減増減率売上高27,08935,0087,91929.2%売上総利益7,2598,7481,48820.5%販売費及び一般管理費5,3266,9171,59029.9%うち取得関連費用8511△73△86.5%うちのれん償却費59282323139.1%営業利益1,9331,831△102△5.3%EBITDA2,6982,8421445.3% ソフトウェア開発関連サービスでは、主にシステム開発、システム性能改善、IT戦略策定、システム企画・設計、エンジニアマッチングプラットフォーム、データ分析などのソフトウェア開発プロセスに直接的に関与するサービスを提供しております。 当連結会計年度では、基幹システム更改等の案件が堅調に推移したことと前連結会計年度からのM&Aにより、当連結会計年度のソフトウェア開発関連サービスの売上高は35,008百万円(前年同期比29.2%増)となりました。 一方、一部の連結子会社において、順調な採用に対し相対的に案件獲得が遅延し稼働率が低下したことにより、営業利益は1,831百万円(前年同期比5.3%減)となりました。 なお、ソフトウェア開発関連サービスセグメントの販売費及び一般管理費に含まれているM&Aに係る取得関連費用は、11百万円(前年同期比86.5%減)となっております。 (その他近接サービス) (単位:百万円) 前期当期増減増減率売上高6,4578,3271,87029.0%売上総利益2,3883,5741,18549.7%販売費及び一般管理費2,0493,4041,35466.1%うち取得関連費用48671939.7%うちのれん償却費43362619244.4%営業利益338170△168△49.8%EBITDA1,0451,38534032.5% その他近接サービスでは、主にWeb企画制作、マーケティング、キッティング、クラウドサービス、ローカライズ、M&A/PMI(Post Merger Integration)など、ソフトウェア開発と近接するマーケットで、当社の既存事業とは異なるビジネスモデルに基づくサービスを提供しております。 当連結会計年度では、売上高及び売上総利益は当セグメントに属する連結子会社を新たに取り込んだことにより前年より増加しましたが、一部の連結子会社では稼働率が低調に推移いたしました。 その結果、当連結会計年度のその他近接サービスの売上高は8,327百万円(前年同期比29.0%増)、営業利益は170百万円(前年同期比49.8%減)となりました。 なお、その他近接サービスセグメントの販売費及び一般管理費に含まれているM&Aに係る取得関連費用は、67百万円(前年同期比39.7%増)となっております。 <セグメント別売上高>セグメントの名称2023年8月期前連結会計年度2024年8月期当連結会計年度前連結会計年度比金額構成比金額構成比金額増減率ソフトウェアテスト関連サービス百万円%百万円%百万円%58,28563.571,34262.213,05622.4ソフトウェア開発関連サービス27,08929.535,00830.57,91929.2その他近接サービス6,4577.08,3277.31,87029.0セグメント売上高合計91,832100.0114,678100.022,84524.9セグメント間の内部売上高△3,801-△4,050-△2496.6合計88,030-110,627-22,59625.7 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末より3,292百万円増加した結果、20,844百万円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは9,088百万円の収入(前年同期は10,248百万円の収入)となりました。 これは主に、法人税等の支払いが4,891百万円あったことに加え、売上債権の増加額2,021百万円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益を9,032百万円計上したこと、未払金及び未払費用の増加額2,424百万円等の資金の増加要因に加えて、投資有価証券評価損1,437百万円、のれん償却額1,451百万円、減価償却費1,435百万円等の資金の支出を伴わない費用を計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは9,946百万円の支出(前年同期は3,802百万円の支出)となりました。 これは主に、当社の本社、新宿第1オフィスの設備新設等の有形固定資産の取得による支出5,652百万円、株式会社クラブネッツ等の連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,624百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは4,154百万円の収入(前年同期は1,797百万円の支出)となりました。 これは主に、長期借入金の返済による支出2,275百万円や、返済による短期借入金の純増減額2,420百万円等の資金の減少要因があったものの、M&A資金及び設備投資を目的とした新規借入により長期借入による収入9,300百万円等があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績該当事項はありません。 b.受注実績当社グループの提供するサービスは、受注から販売までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)ソフトウェアテスト関連サービス71,34222.4ソフトウェア開発関連サービス35,00829.2その他近接サービス8,32729.0セグメント売上高合計114,67824.9セグメント間の内部売上高△4,0506.6合計110,62725.7 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。 2.当連結会計年度において、販売実績に著しい増加がありました。 この増加の内容は、① 財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績に記載のとおりであります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループにおける経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。 経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析当連結会計年度の連結業績は、売上高成長を伴った業績予想値という目標のなか、売上高は着実な成長をしましたが、目標値には未達となりました。 また、期中より各種施策を実施したことで、回復基調に転じたものの、期初の稼働率の低下が主因となり、売上総利益率は前連結会計年度の水準を下回りました。 (売上高)当連結会計年度の売上高は、110,627百万円となり、前連結会計年度に比べ22,596百万円増加(前年同期比25.7%増)となりました。 これは、部門を超えた営業活動の活性化によるもので、新規取引先も増加したため月間取引顧客数は増加したものの、顧客月額売上単価は低下いたしました。 なお、当連結会計年度における顧客月額売上単価及び顧客数並びに2017年8月期からの四半期ごとの推移は以下のとおりであります。 顧客月間売上単価及び月間取引顧客数の算出方法は、以下のとおりであります。 なお、これらの計算における売上高には、顧客単価や顧客数をKPIとして業績を管理することが適切ではないと認められる一部の事業(ライセンス販売や教育サービス等)に係る売上高を含めておりません。 (ア) 顧客月間売上単価(単体)顧客月額売上単価(単体)=単体売上高単体顧客数(合計) 単体売上高売上高と、売上計上予定額(稼働は開始しているが検収前のため翌月以降に計上される予定の売上高)を当月の稼働の実績に基づいて月別に按分した額を、四半期で合計した数値単体顧客数(合計)売上高を計上した顧客数と、売上高を計上していないが稼働があった顧客数を四半期で合計した数値 (イ) 顧客月間売上単価(連結)顧客月額売上単価(連結)=単体売上高+連結子会社売上高単体顧客数(合計)+連結子会社顧客数(合計) 単体売上高上記(ア)に記載のとおり連結子会社売上高月次の売上高を四半期で合計した数値単体顧客数(合計)上記(ア)に記載のとおり連結子会社顧客数(合計)月次の売上高を計上した顧客数を四半期で合計した数値 (ウ) 月間取引顧客数月間取引顧客数=単体顧客数(平均)+連結子会社顧客数(平均) 単体顧客数(平均)その月に売上高を計上した顧客の数と、その月に売上高を計上していないが稼働があった顧客の数を合計し、四半期で平均した数値連結子会社顧客数(平均)その月に売上高を計上した顧客の数を四半期で平均した数値 (売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は75,267百万円となり、前連結会計年度に比べ17,180百万円増加(前年同期比29.6%増)し、また、売上総利益は35,360百万円となり、前連結会計年度に比べ5,416百万円の増加(前年同期比18.1%増)となりました。 売上総利益率については、当連結会計年度で32.0%となり、前連結会計年度34.0%に対して2.0ポイント低下いたしました。 当社グループでは、「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」において、2024年8月期までにエンジニア数10,000人を目標として掲げておりました。 この目標に対して、1年前倒しでのエンジニア数10,000人を達成するなど、採用施策や労働環境の整備を推進した結果であります。 また、エンジニア数の増加にあわせて、売上原価に含まれるエンジニアの労務費も増加しております。 これには、人員数の増加に伴うものに加えて、エンジニアの給与の上昇によるものも含まれております。 当社グループでは、エンジニアの給与は、エンジニアが顧客に対して提供できるサービスのレベル、すなわち顧客から受け取ることができる売上単価に連動しており、エンジニア単価という指標を用いて実績を管理しております。 一方で、取引先からのニーズとエンジニアが提供するサービスのレベルにミスマッチが生じ、当連結会計年度の第1四半期では一時的にエンジニア単価の下落がありました。 なお、当連結会計年度におけるエンジニア単価及びエンジニア数並びに2017年8月期からの四半期ごとの推移は以下のとおりであります。 エンジニア単価及びエンジニア数推移の算出方法は以下のとおりであります。 なお、これらの計算における売上高には、エンジニア単価として業績を管理することが適切ではないと認められる一部の事業(ライセンス販売や教育サービス等)に係る売上高を含めておりません。 (ア) エンジニア単価(単体)エンジニア単価(単体)=単体売上高単体エンジニア数 単体売上高エンジニアが稼働しない売上高を除く売上高単体エンジニア数売上を計上した案件に係る稼働があったエンジニアの稼働時間と、その管理に携わった人員の稼働時間を合計し、人月換算した数値 (イ) エンジニア単価(連結)エンジニア単価(連結)=単体売上高+連結子会社売上高単体エンジニア数+連結子会社エンジニア数 単体売上高上記(ア)に記載のとおり連結子会社売上高月次の売上高を四半期で合計した売上高単体エンジニア数上記(ア)に記載のとおり連結子会社エンジニア数月次の所属エンジニア数を四半期で合計した数値 (ウ) エンジニア数推移エンジニア数推移におけるエンジニア数は、四半期末時点において、雇用契約が締結されている当社グループの正社員、契約社員及びアルバイトの所属人数並びに協力会社の従業員契約者数の合算数値であります。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は24,823百万円となり、前連結会計年度に比べ6,444百万円の増加(前年同期比35.1%増)となりました。 これは、前述の採用活発化の施策に伴い、採用費は4,568百万円(前連結会計年度4,048百万円)となり、519百万円増加(前年同期比12.8%増)しました。 また、2016年より継続的に実施してきたM&Aの結果として、のれん残高が増加しております。 当連結会計年度では、のれん償却額を1,451百万円計上しており、前連結会計年度に比べ423百万円増加(前年同期比41.2%増)いたしました。 販売費及び一般管理費の増加は、当社グループの今後の成長のための積極的な投資の結果であり、今後もこの成長のための投資を継続する予定であります。 この結果、営業利益は10,537百万円となり、前連結会計年度に比べ1,028百万円の減少(前年同期比8.9%減)となりました。 営業利益率については、当連結会計年度で9.5%となり、前連結会計年度13.1%に対して3.6ポイント減少いたしました。 (経常利益)当連結会計年度において、受取配当金67百万円及び助成金収入101百万円を含め営業外収益を291百万円計上いたしました。 一方で営業外費用を75百万円計上いたしました。 この結果、経常利益は10,753百万円となり、前連結会計年度に比べ1,247百万円の減少(前年同期比10.4%減)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度において、上場株式の売却を行ったことから投資有価証券売却益を333百万円計上し、投資有価証券評価損を1,437百万円、のれんの減損損失587百万円を計上しております。 これらの結果、税金等調整前当期純利益は9,032百万円(前年同期比11.0%減)となり、法人税等が3,786百万円、非支配株主に帰属する当期純利益が118百万円計上された結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,127百万円(前年同期比17.9%減)となりました。 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用にかかる費用や人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用への資金需要があります。 当連結会計年度における資金の主な増減要因については、「第2 事業の概況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、M&A資金や経常的な運転資金、事業規模拡大による設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。 また、機動的な資金調達及び資本効率の改善のため、当社グループ全体で総額29,150百万円を限度とした当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」という企業理念のもと、持続的に社会課題を解決する会社としての成長を目指しております。 その実現のマイルストーンとして売上高目標を設定しており、具体的な指標として、2026年8月期から2027年8月期に売上高2,000億円を目指す「SHIFT2000」や、2028年8月期から2030年8月期に売上高3,000億円を目指す「SHIFT3000」を掲げ、企業理念の実現と企業価値の最大化を図ってまいります。 なお、当連結会計年度は、2023年8月期から2024年8月期に売上高1,000億円の達成を目指す「SHIFT1000」のもとで策定した、売上高成長を伴った業績予想値、実績値及び達成率は以下のとおりであり、また、顧客単価、顧客数、エンジニア単価、エンジニア数なども引き続き堅調に増加・拡大をしております。 売上高成長を伴った業績予想値(百万円)実績値(百万円)達成率売上高114,000~122,000110,62797.0%~90.7%営業利益11,600~14,60010,53790.8%~72.2%経常利益11,600~14,60010,75392.7%~73.7%親会社株主に帰属する当期純利益7,300~10,0005,12770.2%~51.3% |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 1.WAHL+CASE事業の吸収分割当社は、2023年6月22日開催の取締役会において、当社のWAHL+CASE事業を、当社の連結子会社である株式会社SHIFTグロース・キャピタルに簡易吸収分割により承継する決議を行い、同日付で株式会社SHIFTグロース・キャピタルと吸収分割に関する契約を締結いたしました。 同時に、株式会社SHIFTグロース・キャピタルは、WAHL+CASE事業を当社の連結子会社であるW&C株式会社に吸収分割にて事業承継することを決定いたしました。 なお、事業承継と同時にW&C株式会社は、Build Plus株式会社に社名変更しております。 上記に基づき、当社は、2023年9月1日に、本吸収分割を実施いたしました。 詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の「(共通支配下の取引等)」をご参照ください。 吸収分割承継会社の概要(2024年8月31日現在)名称Build Plus株式会社代表者代表取締役 LAFFERTY, Chad住所東京都渋谷区恵比寿四丁目4番6号MARIX恵比寿ビル資本金70百万円事業内容バイリンガル人材紹介事業 2.株式会社ホープスの株式の保有事業の吸収分割当社は、2023年9月26日開催の取締役会において、当社が保有する株式会社ホープスの株式の保有事業を、当社の連結子会社である株式会社SHIFT Enterprise Consultingに簡易吸収分割により承継する決議を行い、同日付で株式会社SHIFT Enterprise Consultingと吸収分割に関する契約を締結いたしました。 上記に基づき、当社は、2023年12月1日に、本吸収分割を実施いたしました。 詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の「(共通支配下の取引等)」をご参照ください。 吸収分割承継会社の概要(2024年8月31日現在)名称株式会社SHIFT Enterprise Consulting代表者代表取締役 長谷川 哲也住所東京都麻布台一丁目3番1号資本金10百万円事業内容IT及び経営に関するコンサルティング、調査研究、教育並びに指導、コンピューター・ソフトウェアの企画、開発、販売及びリース業務等 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度において、当社並びにソフトウェア開発関連サービスセグメント及びその他近接サービスセグメントに属する一部の連結子会社で、当社グループで利用する目的のソフトウェアの制作を行っております。 この制作に要した支出のうち、ソフトウェアとして無形固定資産に計上できないと判断した部分について、研究開発費として計上しております。 当連結会計年度における研究開発費の総額は28百万円であり、うちソフトウェアテスト関連サービスセグメントで19百万円、ソフトウェア開発関連サービスセグメントで8百万円を計上しております。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資の総額は5,712百万円であり、セグメントごとの内訳は以下のとおりであります。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (ソフトウェアテスト関連サービス)従業員増加や業容拡大に伴う、拠点の増床やPC、タブレット端末等への設備投資を行っております。 当連結会計年度の当該投資額は534百万円であります。 (ソフトウェア開発関連サービス)従業員増加や業容拡大に伴う、拠点の増床やPC、タブレット端末等への設備投資を行っております。 当連結会計年度の当該投資額は124百万円であります。 (その他近接サービス)その他近接サービスに属するグループ会社において、当社グループの従業員が利用するPCを一括購入し、一部のグループ会社に対してレンタルしております。 当連結会計年度の当該PCの調達を含む投資額は618百万円であります。 (全社)本社移転等に伴う内装設備工事や備品の取得を行っております。 当連結会計年度の当該投資額は、4,435百万円であります。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社2024年8月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)有形固定資産無形固定資産合計建物工具、器具及び備品リース資産その他その他本社(東京都港区)全社本社機能2,7321,173---3,9064,452〔786〕新宿第1オフィス(東京都渋谷区)ソフトウェアテスト関連サービス全社本社機能サービス提供拠点410307-31111860札幌オフィス(北海道札幌市中央区)ソフトウェアテスト関連サービスサービス提供拠点3015---45131〔268〕福岡オフィス(福岡県福岡市博多区)サービス提供拠点4717-- -64182〔137〕大阪オフィス(大阪府大阪市北区)サービス提供拠点14839---188443〔197〕名古屋オフィス(愛知県名古屋市中区)サービス提供拠点72---10181〔14〕 (2) 国内子会社2024年8月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)有形固定資産無形固定資産合計建物工具、器具及び備品リース資産その他その他ALH株式会社本社(東京都目黒区)ソフトウェア開発関連サービス本社機能54134-6791,417〔43〕株式会社システムアイ本社(神奈川県横浜市西区)ソフトウェア開発関連サービス本社機能43440-089315〔10〕株式会社エスエヌシー 本社(大阪府大阪市中央区)その他近接サービス本社機能831,024-0-1,108101〔16〕 (3) 在外子会社2024年8月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)有形固定資産無形固定資産合計建物工具、器具及び備品 リース資産その他その他SHIFT ASIACO., LTD.本社(ベトナム社会主義共和国ホーチミン市)ソフトウェアテスト関連サービス本社機能サービス提供拠点-6---6198〔2〕 (注) 1.現在休止中の設備はありません。 2.提出会社の「本社」及び「新宿第1オフィス」の従業員数には、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している者を含んでおります。 3.当社では働く場所を自由に選択できる環境を整備しており、本社及び新宿第1オフィスにおける従業員数を区分することが困難であることから、本社及び新宿第1オフィスにおける従業員数については合算して記載しております。 4.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)を記載しております。 5.帳簿価額のうち、無形固定資産の「その他」は主に、ソフトウェアの合計額であります。 6.各事業所の建物は賃借物件であり、年間賃借料(契約金額)はそれぞれ、提出会社1,447百万円、国内子会社336百万円、在外子会社39百万円であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画はありません。 (2) 重要な設備の除却等重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 8,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 4,435,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 38 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,699,640 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社では、株式の価値の変動や株式に係る配当によって利益を受けることを主たる目的とする投資株式を「保有目的が純投資目的である投資株式」として区分し、それ以外を「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」として区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容(保有方針)当社では、関係会社株式以外の株式投資は、社内で保有していない新たな技術の獲得など、当社グループの事業を強化していくことを目的としております。 したがって、原則として業務提携を締結している企業の株式のみを保有する方針であります。 また、業務提携を伴わない株式の新規の取得は、原則として行いません。 すでに保有している株式については、(保有の合理性を検証する方法)に記載の方法に基づき、個別に保有の合理性を検証しております。 その結果、保有の合理性がないと判断された銘柄については、手元流動性の確保や時価の状況を踏まえ保有を継続することの適否を検討してまいります。 (保有の合理性を検証する方法)当社の保有方針に基づき、投資先企業からの十分な売上が見込まれていること、当社の目指す「売れるサービスづくり」の経験値を獲得できることなど、定量・定性の両側面から当社の事業成長に資するかどうかを検証しております。 (個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容)担当取締役が、取引の経済合理性を含めて投資先企業との関係強化による収益力向上の観点から有効性を判断するとともに、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するかどうかを総合的に検証しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式682非上場株式以外の株式2994 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式--―非上場株式以外の株式1299資本業務提携の締結により取得したものであります。 詳細は、c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報をご参照ください。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式10非上場株式以外の株式1645 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社ぐるなび2,257,3002,257,300同社とは2021年8月に資本業務提携を開始しております。 この資本業務提携を通じて、当社は、同社の保有するサービスプラットフォーム構築において計画、設計から開発、テストを含む開発業務を受託しております。 また、DXの後押しのためのサービス提供を行うことで、同社向け売上の拡大に寄与しております。 無841751株式会社キャリアデザインセンター-352,700従来、業界動向を把握する為に保有を継続しておりましたが、業務提携の締結に至っていないことを踏まえ、手元流動性の確保のため当事業年度において全株式を売却いたしました。 無-736マーソ株式会社132,700-同社とは、2023年11月に資本業務提携を開始しております。 この資本業務提携を通じて、当社は、同社が利用するシステムの安定運用や品質維持のための業務を受託しております。 また、同社からは健康経営に関するサービスの提供を受けております。 無152- (注)1.「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 2.定量的な保有効果を記載することは困難でありますが、保有の適否については、担当取締役が個別の株式について、保有目的、保有に伴う便益・リスク、資本コストとの関係性などを総合的に検証しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 82,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 994,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 299,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 645,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 132,700 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 152,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 資本業務提携の締結により取得したものであります。 詳細は、c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報をご参照ください。 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | マーソ株式会社 |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 同社とは、2023年11月に資本業務提携を開始しております。 この資本業務提携を通じて、当社は、同社が利用するシステムの安定運用や品質維持のための業務を受託しております。 また、同社からは健康経営に関するサービスの提供を受けております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年8月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 丹下 大広島県神石郡神石高原町5,60631.44 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR1,87610.52 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8-12 1,79110.04 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)7194.03 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)5232.93 J.P.Morgan Securities plc (常任代理人 JPモルガン証券株式会社)25 Bank Street Canary Wharf London UK (東京都千代田区丸の内2丁目7番3号 東京ビルディング)2861.60 BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NEW YORK 10286 U.S.A. (東京都千代田区丸の内1丁目4番5号 決済事業部)2421.36 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(株式付与ESOP信託口・75876口) 東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR2261.27 GOVERNMENT OF NORWAY-CFD(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO (東京都新宿区新宿6丁目27番30号)1780.99 JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM (東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)1520.85計-11,60365.02 (注)1.所有株式数の割合は、自己株式546株を控除して計算しております。なお、当該自己株式には、「株式給付型ESOP信託口」が保有する当社株式226千株は含めておりません。2.上記所有株式のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)1,852千株株式会社日本カストディ銀行(信託口)1,788〃 3.2024年9月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、Goldman Sachs International及びその共同保有者が2024年8月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年8月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)Goldman Sachs InternationalPlumtree Court, 25 Shoe Lane, London EC4A 4AU, United Kingdom1891.06ゴールドマン・サックス証券株式会社東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズステーションタワー40.02Goldman Sachs & Co.LLC200 West Street, New York, New York 10282, U.S.A.00.00ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズステーションタワー6073.41Goldman Sachs Asset Management, L.P.200 West Street, New York, New York 10282, U.S.A.250.15Goldman Sachs Asset Management InternationalPlumtree Court, 25 Shoe Lane, London EC4A 4AU, United Kingdom7594.26 4.2024年10月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者が2024年10月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年8月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社東京都港区芝公園一丁目1番1号9895.55日興アセットマネジメント株式会社東京都港区赤坂九丁目7番1号3662.05 5.2024年10月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー及びその共同保有者が2024年9月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年8月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーアメリカ合衆国カリフォルニア州、ロスアンジェルス、サウスホープ・ストリート3339355.24キャピタル・インターナショナル株式会社東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 丸の内二重橋ビル1760.99キャピタル・インターナショナル・インクアメリカ合衆国カリフォルニア州、ロスアンジェルス、サウスホープ・ストリート333740.42キャピタル・インターナショナル・エス・エイ・アール・エルスイス国、ジュネーヴ1201、プラス・デ・ベルグ3490.28 |
株主数-金融機関 | 17 |
株主数-金融商品取引業者 | 37 |
株主数-外国法人等-個人 | 34 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 241 |
株主数-個人その他 | 7,393 |
株主数-その他の法人 | 145 |
株主数-計 | 7,867 |
氏名又は名称、大株主の状況 | JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) |
株主総利回り | 3 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式822当期間における取得自己株式―― (注)1.当期間における取得自己株式には、2024年11月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -2,000,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -2,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式及び自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末発行済株式 普通株式(株)17,823,11410,264-17,833,378自己株式 普通株式(株)239,8048212,750227,136 (注)当連結会計年度期首及び当連結会計年度末の自己株式数には、「株式給付型ESOP信託口」が保有する当社株式(当連結会計年度期首 239,340株、当連結会計年度末 226,590株)が含まれております。 (変動事由の概要)普通株式の発行済株式の増減数の主な内訳は、次のとおりであります。 新株予約権(ストック・オプション)の権利行使による増加 10,000株譲渡制限株式ユニット制度(RSU)に基づく新株式の発行による増加 264株普通株式の自己株式の増減数の主な内訳は、次のとおりであります。 単元未満株式の買い取りによる増加 82株株式付与ESOP信託制度に基づく株式交付による減少 12,750株 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年11月29日株式会社SHIFT取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士鈴 木 博 貴 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士南 山 智 昭 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社SHIFTの2023年9月1日から2024年8月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社SHIFT及び連結子会社の2024年8月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 企業買収により認識したのれん及び顧客関連資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】 (重要な会計上の見積り)(のれんの評価)及び(顧客関連資産の評価)に記載のとおり、会社グループは2024年8月31日現在、連結貸借対照表上、のれん9,262百万円及び顧客関連資産4,347百万円を計上しており、総資産の21.6%を占めている。 【注記事項】 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法及び(7)のれんの償却方法及び償却期間に記載のとおり、買収により認識したのれん及び顧客関連資産は、その効果の及ぶ期間にわたって償却している。 会社グループは原則として対象会社ごとに営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとなっているか、又は、継続してマイナスとなる見込みである場合や、経営環境の悪化を把握した場合等の事象に基づき減損の兆候の有無の判定を行っている。 また、減損の兆候があると判定された資産グループについては、資産グループに含まれる主要な資産の経済的残存耐用年数が経過するまでの期間での将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識する必要があるかどうかの判定を行っている。 当連結会計年度において減損の兆候があり、減損損失の認識は不要と判定したのれんに関する、翌連結会計年度の事業計画の策定における主要な仮定は営業担当者数及び取引1件当たりの売上高であり、過去の実績及びITエンジニア市場の成長率を考慮して決定している。 会社グループは企業買収に当たって、取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回っており、上記に記載ののれん及び顧客関連資産を計上している。 これらの減損の兆候の判定に使用された翌連結会計年度の事業計画の達成見込みは市場動向の変動による影響を受ける。 また、当連結会計年度において減損の兆候があり、減損損失の認識は不要と判定したのれんについて、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに用いた営業担当者数及び取引1件当たりの売上高はITエンジニア市場の変動による影響を受ける。 以上のことから、減損の兆候及び減損損失を認識するかどうかの判定は経営者の判断を伴うこと並びに当該勘定科目の金額的影響に鑑み、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、のれん及び顧客関連資産の評価の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ► 資金生成単位である各連結子会社について当該子会社の試算表及び減損の兆候の有無に関する会社の判定資料を閲覧し、のれん及び顧客関連資産償却後の営業損益の状況を把握した。 ► 減損の兆候の有無に関する会社の判定資料を閲覧し、のれん及び顧客関連資産償却後の営業損益が継続してマイナスとなっている連結子会社の有無を含む、減損の兆候がないとする経営者の判断を検討した。 ► 超過収益力が毀損していないとする経営者の判断を評価するため、各連結子会社の当期営業損益の状況及び前連結会計年度の減損判定に使用した事業計画とその後の実績の比較、当連結会計年度に新規取得した子会社については取得時の事業計画とその後の実績との比較をするとともに、経営管理者等と協議を行った。 ► 当連結会計年度ののれん及び顧客関連資産償却後の営業損益がマイナスとなっている子会社について、当期以降の見込みが明らかにマイナスとなるか否かを検討するため、以下の手続を組み合わせ、実施した。 ・連結子会社の当期営業損益の状況及び翌期の事業計画について経営管理者等と協議した。 ・減損の兆候の判定に用いた連結子会社の翌期の事業計画と会社の取締役会によって承認された当該会社の事業計画との整合性を検討した。 ・翌期の事業計画の実現可能性を検討するため、事業計画に含まれる2024年9月の計画と実績との比較分析を実施した。 ► 減損の兆候があると判定されたものの、減損損失の認識は不要と判定されたのれんについて、以下の手続を実施した。 ・当初事業計画と実績の乖離状況について、経営管理者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ・当該連結子会社の翌期事業計画を入手し、経営管理者等への質問により事業計画の作成に用いた仮定を把握した。 ・事業計画に含まれる営業担当者数について、過去の人員推移及び採用実績との比較分析を実施した。 ・事業計画に含まれる一人当たり売上高について、過去の売上高及び営業担当者数に基づき算定された一人当たり売上高との比較分析を実施した。 ・翌期の事業計画の実現可能性を検討するため、事業計画に含まれる2024年9月の計画と実績との比較分析を実施した。 ► のれん及び顧客関連資産の減損の兆候判定に影響を及ぼす事象が発生しているか、あるいは、発生可能性の高い事象があるかについて取締役会議事録を閲覧するとともに、経営管理者に質問を実施し、事業計画の達成可能性及び経営環境の著しい悪化の有無について検討した。 株式会社クラブネッツ株式取得に伴う顧客関連資産計上額の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】 (企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社クラブネッツの株式の取得に記載のとおり、株式会社クラブネッツ他1社の取得に伴い顧客関連資産3,360百万円が計上されている。 また、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)(顧客関連資産の評価)に記載のとおり、2024年8月31日現在、連結貸借対照表に計上されている顧客関連資産4,347百万円のうち、当該企業結合に伴い識別された顧客関連資産3,219百万円が含まれており、総資産の5.1%を占めている。 顧客関連資産に配分するべき取得原価については、既存顧客との取引が継続する期間において享受できる超過収益力に基づく経済的便益を現在価値に割引いて計算している。 なお、株式会社クラブネッツの取得に伴う顧客関連資産の算定における主要な仮定は顧客減少率及び割引率である。 顧客減少率はデジタルマーケティング領域における市場動向の変動の影響、割引率は金利動向の影響を受け、また計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する高度な専門知識と経営者による重要な判断を必要とする。 以上のとおり、株式会社クラブネッツの取得に伴う顧客関連資産の算定は不確実性が高く、経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、顧客関連資産計上額の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ► 株式会社クラブネッツの事業内容及び事業環境を理解するため、同社の経営管理者等へ質問を実施した。 ► 取締役会議事録の閲覧及び経営管理者等への質問により、株式取得取引の目的を理解した。 ► 株式会社クラブネッツの株式価値算定報告書を入手し、株式価値算定結果と取得原価との整合性を検討した。 ► 顧客関連資産の算定に用いた重要な仮定を識別するため、会社が作成した重要な仮定の検討資料を入手し、適切に識別されているかを評価した。 ► 顧客減少率及び割引率の見積りについて、感応度分析を実施した。 ► 顧客減少率及び割引率の見積りについて、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、会社が株式価値算定及び無形資産の識別及び算定に利用した専門家の適性及び能力を評価するとともに、株式価値算定、無形資産の識別及び算定に用いられた評価手法、顧客減少率及び割引率について検討した。 一部の連結子会社の取得時に認識したのれんの減損損失計上額の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結損益計算書及び【注記事項】 (連結損益計算書関係)※5 減損損失に記載されているとおり、2024年8月31日に終了する連結会計年度において、のれんの減損損失を587百万円計上している。 会社グループは、一部の連結子会社の取得時に認識したのれんについて、買収当初想定していた収益を見込めなくなったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額している。 なお、回収可能価額は使用価値を用いており、将来キャッシュ・フローを12.0%で割り引いて算定している。 減損損失の認識の判定及び測定に用いた事業計画の策定及び使用価値の算定における主要な仮定は、外部顧客への売上高であり、過去及び直近の実績等を考慮して決定している。 減損損失の認識及び測定に用いた事業計画及び使用価値の算定における主要な仮定は経営者による判断が含まれること並びに当該勘定科目の金額的影響に鑑み、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、一部の連結子会社の取得時に認識したのれんの減損損失計上額の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ► 当該連結子会社の事業計画を入手し、以下の手続を実施した。 ・経営管理者等との協議により、事業計画の作成に用いた仮定を把握した。 ・会社が作成した重要な仮定の検討資料を入手し、適切に識別されているかを評価した。 ・事業計画に含まれる外部顧客への売上高の合理性について、過去の趨勢との比較分析、2024年9月月次試算表に基づく実績及び受注データの閲覧、並びに外部証憑との突合を実施した。 ・会社が作成した翌期の事業計画に含まれる2024年9 月の計画と実績の比較分析資料を入手、経営管理者等と協議を行うとともに、当該分析結果が将来キャッシュ・フローの見積りに当たり適切に考慮されているかを検討した。 ► 将来キャッシュ・フローの見積り期間の合理性を検討するため、のれん残存償却年数との整合性を評価した。 ► 会社が作成した減損損失の計算資料を入手し、割引前将来キャッシュ・フローと事業計画との整合性を評価するとともに、割引前将来キャッシュ・フロー及び減損損失計上額について再計算を実施した。 ► 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、会社が計算した使用価値の算定に用いられた評価手法等の前提条件を検討した。 投資有価証券評価損計上額の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結損益計算書及び連結財務諸表注記(金融商品関係)に記載のとおり、会社は当連結会計年度の連結損益計算書において非上場株式に係る投資有価証券評価損1,437百万円を計上しており、また、損益計算書及び個別財務諸表注記(損益計算書関係)※3 投資有価証券評価損に記載のとおり、そのうち、1,392百万円を会社が占めている。 個別財務諸表注記(重要な会計上の見積り)(市場価格のない株式等の評価)に記載のとおり、市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額を行い、評価差額は当連結会計年度の損失として処理している。 また、市場価格のない株式等の評価の見積りに用いる実質価額は、発行会社の直近の財務諸表を基礎に、発行会社の超過収益力を反映して算定した1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額で算定している。 超過収益力の毀損の有無の判断に当たっては、投資時の事業計画の達成状況や、将来の成長性及び業績に関する見通し等について経営者の判断が必要となる。 当連結会計年度に計上された投資有価証券評価損に金額的重要性があること、上記のとおり超過収益力の減少の有無の検討には経営者の判断が必要となることに鑑み、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、投資有価証券評価損計上額の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ► 投資有価証券の評価に関する会社の会計方針を閲覧し、会計方針の妥当性を検討した。 ► 評価の見積りに用いる実質価額が、発行会社の直近の財務諸表を基礎として算定されているか評価した。 ► 超過収益力が毀損し、超過収益力反映後の実質価額が著しく低下したと経営者が判断した銘柄について、経営者の評価を検討するため、取得時の事業計画とその後の実績との比較分析、会社が作成した評価検討資料の閲覧及び関連部署への質問を実施した。 ► 会社の減損処理要否判定資料を閲覧し、直近の財務諸表を基礎とした実質価額の算定、評価損計上要否の判定及び評価損計上額について再計算を実施した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社SHIFTの2024年8月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社SHIFTが2024年8月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 企業買収により認識したのれん及び顧客関連資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】 (重要な会計上の見積り)(のれんの評価)及び(顧客関連資産の評価)に記載のとおり、会社グループは2024年8月31日現在、連結貸借対照表上、のれん9,262百万円及び顧客関連資産4,347百万円を計上しており、総資産の21.6%を占めている。 【注記事項】 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法及び(7)のれんの償却方法及び償却期間に記載のとおり、買収により認識したのれん及び顧客関連資産は、その効果の及ぶ期間にわたって償却している。 会社グループは原則として対象会社ごとに営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとなっているか、又は、継続してマイナスとなる見込みである場合や、経営環境の悪化を把握した場合等の事象に基づき減損の兆候の有無の判定を行っている。 また、減損の兆候があると判定された資産グループについては、資産グループに含まれる主要な資産の経済的残存耐用年数が経過するまでの期間での将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識する必要があるかどうかの判定を行っている。 当連結会計年度において減損の兆候があり、減損損失の認識は不要と判定したのれんに関する、翌連結会計年度の事業計画の策定における主要な仮定は営業担当者数及び取引1件当たりの売上高であり、過去の実績及びITエンジニア市場の成長率を考慮して決定している。 会社グループは企業買収に当たって、取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回っており、上記に記載ののれん及び顧客関連資産を計上している。 これらの減損の兆候の判定に使用された翌連結会計年度の事業計画の達成見込みは市場動向の変動による影響を受ける。 また、当連結会計年度において減損の兆候があり、減損損失の認識は不要と判定したのれんについて、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに用いた営業担当者数及び取引1件当たりの売上高はITエンジニア市場の変動による影響を受ける。 以上のことから、減損の兆候及び減損損失を認識するかどうかの判定は経営者の判断を伴うこと並びに当該勘定科目の金額的影響に鑑み、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、のれん及び顧客関連資産の評価の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ► 資金生成単位である各連結子会社について当該子会社の試算表及び減損の兆候の有無に関する会社の判定資料を閲覧し、のれん及び顧客関連資産償却後の営業損益の状況を把握した。 ► 減損の兆候の有無に関する会社の判定資料を閲覧し、のれん及び顧客関連資産償却後の営業損益が継続してマイナスとなっている連結子会社の有無を含む、減損の兆候がないとする経営者の判断を検討した。 ► 超過収益力が毀損していないとする経営者の判断を評価するため、各連結子会社の当期営業損益の状況及び前連結会計年度の減損判定に使用した事業計画とその後の実績の比較、当連結会計年度に新規取得した子会社については取得時の事業計画とその後の実績との比較をするとともに、経営管理者等と協議を行った。 ► 当連結会計年度ののれん及び顧客関連資産償却後の営業損益がマイナスとなっている子会社について、当期以降の見込みが明らかにマイナスとなるか否かを検討するため、以下の手続を組み合わせ、実施した。 ・連結子会社の当期営業損益の状況及び翌期の事業計画について経営管理者等と協議した。 ・減損の兆候の判定に用いた連結子会社の翌期の事業計画と会社の取締役会によって承認された当該会社の事業計画との整合性を検討した。 ・翌期の事業計画の実現可能性を検討するため、事業計画に含まれる2024年9月の計画と実績との比較分析を実施した。 ► 減損の兆候があると判定されたものの、減損損失の認識は不要と判定されたのれんについて、以下の手続を実施した。 ・当初事業計画と実績の乖離状況について、経営管理者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ・当該連結子会社の翌期事業計画を入手し、経営管理者等への質問により事業計画の作成に用いた仮定を把握した。 ・事業計画に含まれる営業担当者数について、過去の人員推移及び採用実績との比較分析を実施した。 ・事業計画に含まれる一人当たり売上高について、過去の売上高及び営業担当者数に基づき算定された一人当たり売上高との比較分析を実施した。 ・翌期の事業計画の実現可能性を検討するため、事業計画に含まれる2024年9月の計画と実績との比較分析を実施した。 ► のれん及び顧客関連資産の減損の兆候判定に影響を及ぼす事象が発生しているか、あるいは、発生可能性の高い事象があるかについて取締役会議事録を閲覧するとともに、経営管理者に質問を実施し、事業計画の達成可能性及び経営環境の著しい悪化の有無について検討した。 株式会社クラブネッツ株式取得に伴う顧客関連資産計上額の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応【注記事項】 (企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社クラブネッツの株式の取得に記載のとおり、株式会社クラブネッツ他1社の取得に伴い顧客関連資産3,360百万円が計上されている。 また、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)(顧客関連資産の評価)に記載のとおり、2024年8月31日現在、連結貸借対照表に計上されている顧客関連資産4,347百万円のうち、当該企業結合に伴い識別された顧客関連資産3,219百万円が含まれており、総資産の5.1%を占めている。 顧客関連資産に配分するべき取得原価については、既存顧客との取引が継続する期間において享受できる超過収益力に基づく経済的便益を現在価値に割引いて計算している。 なお、株式会社クラブネッツの取得に伴う顧客関連資産の算定における主要な仮定は顧客減少率及び割引率である。 顧客減少率はデジタルマーケティング領域における市場動向の変動の影響、割引率は金利動向の影響を受け、また計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する高度な専門知識と経営者による重要な判断を必要とする。 以上のとおり、株式会社クラブネッツの取得に伴う顧客関連資産の算定は不確実性が高く、経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、顧客関連資産計上額の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ► 株式会社クラブネッツの事業内容及び事業環境を理解するため、同社の経営管理者等へ質問を実施した。 ► 取締役会議事録の閲覧及び経営管理者等への質問により、株式取得取引の目的を理解した。 ► 株式会社クラブネッツの株式価値算定報告書を入手し、株式価値算定結果と取得原価との整合性を検討した。 ► 顧客関連資産の算定に用いた重要な仮定を識別するため、会社が作成した重要な仮定の検討資料を入手し、適切に識別されているかを評価した。 ► 顧客減少率及び割引率の見積りについて、感応度分析を実施した。 ► 顧客減少率及び割引率の見積りについて、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、会社が株式価値算定及び無形資産の識別及び算定に利用した専門家の適性及び能力を評価するとともに、株式価値算定、無形資産の識別及び算定に用いられた評価手法、顧客減少率及び割引率について検討した。 一部の連結子会社の取得時に認識したのれんの減損損失計上額の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結損益計算書及び【注記事項】 (連結損益計算書関係)※5 減損損失に記載されているとおり、2024年8月31日に終了する連結会計年度において、のれんの減損損失を587百万円計上している。 会社グループは、一部の連結子会社の取得時に認識したのれんについて、買収当初想定していた収益を見込めなくなったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額している。 なお、回収可能価額は使用価値を用いており、将来キャッシュ・フローを12.0%で割り引いて算定している。 減損損失の認識の判定及び測定に用いた事業計画の策定及び使用価値の算定における主要な仮定は、外部顧客への売上高であり、過去及び直近の実績等を考慮して決定している。 減損損失の認識及び測定に用いた事業計画及び使用価値の算定における主要な仮定は経営者による判断が含まれること並びに当該勘定科目の金額的影響に鑑み、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、一部の連結子会社の取得時に認識したのれんの減損損失計上額の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ► 当該連結子会社の事業計画を入手し、以下の手続を実施した。 ・経営管理者等との協議により、事業計画の作成に用いた仮定を把握した。 ・会社が作成した重要な仮定の検討資料を入手し、適切に識別されているかを評価した。 ・事業計画に含まれる外部顧客への売上高の合理性について、過去の趨勢との比較分析、2024年9月月次試算表に基づく実績及び受注データの閲覧、並びに外部証憑との突合を実施した。 ・会社が作成した翌期の事業計画に含まれる2024年9 月の計画と実績の比較分析資料を入手、経営管理者等と協議を行うとともに、当該分析結果が将来キャッシュ・フローの見積りに当たり適切に考慮されているかを検討した。 ► 将来キャッシュ・フローの見積り期間の合理性を検討するため、のれん残存償却年数との整合性を評価した。 ► 会社が作成した減損損失の計算資料を入手し、割引前将来キャッシュ・フローと事業計画との整合性を評価するとともに、割引前将来キャッシュ・フロー及び減損損失計上額について再計算を実施した。 ► 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、会社が計算した使用価値の算定に用いられた評価手法等の前提条件を検討した。 投資有価証券評価損計上額の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結損益計算書及び連結財務諸表注記(金融商品関係)に記載のとおり、会社は当連結会計年度の連結損益計算書において非上場株式に係る投資有価証券評価損1,437百万円を計上しており、また、損益計算書及び個別財務諸表注記(損益計算書関係)※3 投資有価証券評価損に記載のとおり、そのうち、1,392百万円を会社が占めている。 個別財務諸表注記(重要な会計上の見積り)(市場価格のない株式等の評価)に記載のとおり、市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額を行い、評価差額は当連結会計年度の損失として処理している。 また、市場価格のない株式等の評価の見積りに用いる実質価額は、発行会社の直近の財務諸表を基礎に、発行会社の超過収益力を反映して算定した1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額で算定している。 超過収益力の毀損の有無の判断に当たっては、投資時の事業計画の達成状況や、将来の成長性及び業績に関する見通し等について経営者の判断が必要となる。 当連結会計年度に計上された投資有価証券評価損に金額的重要性があること、上記のとおり超過収益力の減少の有無の検討には経営者の判断が必要となることに鑑み、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、投資有価証券評価損計上額の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ► 投資有価証券の評価に関する会社の会計方針を閲覧し、会計方針の妥当性を検討した。 ► 評価の見積りに用いる実質価額が、発行会社の直近の財務諸表を基礎として算定されているか評価した。 ► 超過収益力が毀損し、超過収益力反映後の実質価額が著しく低下したと経営者が判断した銘柄について、経営者の評価を検討するため、取得時の事業計画とその後の実績との比較分析、会社が作成した評価検討資料の閲覧及び関連部署への質問を実施した。 ► 会社の減損処理要否判定資料を閲覧し、直近の財務諸表を基礎とした実質価額の算定、評価損計上要否の判定及び評価損計上額について再計算を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社クラブネッツ株式取得に伴う顧客関連資産計上額の妥当性 |