財務諸表
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| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2024-10-25 |
| 英訳名、表紙 | RAKSUL INC. |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 グループCEO 永見 世央 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 東京都品川区上大崎二丁目24番9号 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6629-4893 |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | Japan GAAP |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2【沿革】 年月事項2009年9月印刷の新しい発注の仕組み作りを目的としてTectonics株式会社を設立2010年1月社名をラクスル株式会社に変更2010年4月印刷通販の価格比較サービスサイト「印刷比較.com」の運営を開始2010年8月業務拡張のため本社を東京都港区海岸へ移転2010年9月「印刷比較.com」を「ラクスル」に名称変更・サイトリニューアル2011年3月業務拡張のため本社を東京都港区田町へ移転2011年11月「ラクスル」をサイトリニューアル2011年12月業務拡張のため本社を東京都港区芝浦へ移転2013年3月印刷のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を開始2013年11月業務拡張のため本社を東京都港区虎ノ門へ移転2014年6月テレビCMの放送を開始2015年3月広告のプラットフォームとして集客支援(広告)サービスの提供を開始2015年10月海外展開のため100%子会社としてRAKSUL INTERNATIONAL PTE. LTD.をシンガポールに設立2015年11月業務拡張のため本社を東京都品川区上大崎へ移転2015年12月物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を開始2017年4月京都事業所を開設2017年7月ヤマトホールディングス株式会社との資本提携を実施2018年5月東京証券取引所マザーズに株式を上場2019年8月東京証券取引所市場第一部へ市場変更2019年11月RAKSUL INTERNATIONAL PTE. LTD.を清算2020年4月広告のプラットフォーム「ノバセル」を開始2020年6月開発拠点として100%子会社RAKSUL VIETNAM COMPANY LIMITED をベトナムに設立2020年7月開発拠点として100%子会社RAKSUL INDIA PRIVATE LIMITED をインドに設立2020年10月株式会社ペライチの株式を取得し関連会社化2020年12月株式会社ダンボールワンの株式を取得し関連会社化2021年9月コーポレートITのプラットフォーム「ジョーシス」を開始2022年2月株式会社ダンボールワンの株式を追加取得し完全子会社化広告のプラットフォーム「ノバセル」をノバセル株式会社として分社化コーポレートITのプラットフォーム「ジョーシス」をジョーシス株式会社として分社化2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場へ移行2022年8月物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」をハコベル株式会社として分社化株式譲渡及び第三者割当増資を実施し関連会社化2023年8月代表取締役社長に永見世央が就任2023年8月株式会社ダンボールワン(資本金1,000万円)を吸収合併2023年8月株式会社ラクスルファクトリーの株式を取得し完全子会社化2023年10月株式会社AmidAホールディングスの株式を取得し完全子会社化2024年6月株式会社エーリンクサービスの株式を取得し完全子会社化2024年7月株式会社AmidAホールディングスの社名を「株式会社ハンコヤドットコム」に変更 |
| 事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの基、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、当社グループの主な顧客である国内の企業・個人事業主の経営をより良くすることを目指し、事業を展開しております。 当社グループは当社及び関係会社9社で構成され、その主な事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。 なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 セグメント主な事業内容主な関係会社ラクスル以下に掲げるプラットフォーム(ECサイト)の開発・運営その他これらに付随するサービス①印刷・集客支援の受発注プラットフォーム「ラクスル」②段ボール・梱包材の受発注プラットフォーム「ダンボールワン」③印鑑・スタンプの受発注プラットフォーム「ハンコヤドットコム」④トートバッグの受発注プラットフォーム「トートバッグ工房」株式会社ラクスルファクトリー株式会社ハンコヤドットコム株式会社エーリンクサービスノバセルテレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の開発・運営その他これらに付随する広告代理店事業とマーケティングDX事業ノバセル株式会社株式会社Wild Side株式会会社Antooインターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(当社の場合、印刷事業における提携印刷会社や配布会社)を統合するコストが大幅に低下しました。 当社グループは、産業ごとにプラットフォームを創出することで、1社が全ての製造及び販売機能を持つのではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける産業形態の在り方を提示したいと考えております。 (1) ラクスルセグメント[事業系統図]印刷業界全体の市場規模は4.6兆円(注1)と大きなものでありますが、市場に1.3万社以上(注2)もの中小印刷会社が存在しており、供給過多になっているため、印刷機の実際の稼働率は低い水準にあると考えております。 また、印刷機によって印刷できる印刷物が異なるため、自社で刷れないものは他の印刷会社に依頼するという“まわし仕事”が発生するといった非効率が残っているのが現状であります。 インターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文をネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発、提供しております。 具体的には、まず、顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードします。 その後、印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託します。 印刷会社は受領した印刷データを印刷後、直接顧客へ品物をお届けします。 取引を通して、提携印刷会社の印刷機の稼働率の向上を図り、印刷会社の経営にも資する形での事業展開を実施しております。 また、ネット印刷の事業を基軸に、印刷物のデザインサービスや、印刷したチラシの新聞折込・ポスティングといった、狭商圏内での“集客支援(広告)のワンストップサービス”を提供しております。 新聞折込やポスティングは、ウェブサイト上で、オンラインの地図上からチラシを配布したい地域と配布希望日を選択すると、自動的に配布枚数と料金が算出され注文することが可能となっております。 既存の広告代理店では数百枚程度の小ロットのチラシの配布の場合、単価が低すぎるために営業のコストを回収できず、対応は難しいとされてきました。 当社グループはほとんどのプロセスをEC化することで人件費を中心とした営業費用をなくし、小ロットでも低単価で配布できる体制を築いております。 結果として、これまで予算が足りず新聞折込やポスティングを使えなかった中小企業・個人事業主のマーケティング活動を可能にしました。 (受発注形態)商品の仕入販売に関しては、店舗や営業所は保有せず、顧客からの受注機能、受注商品の提携印刷会社への発注機能、及びコールセンターにおける顧客サポート機能のみを保有しており、受発注管理のほぼ全てがインターネットを通じて行われております。 商品・仕様・納期に応じて設定した価格で顧客に印刷物や配布サービスを販売し、印刷会社・配布会社へは事前に合意した仕入価格で委託を行っております。 仕入価格は随時見直しを行っており、販売価格と仕入価格は直接的な連動はしておりません。 また、自社ECサイトを通じて商品を購買する顧客の情報をデータベース化し、顧客ごとの購買特性を販売活動に反映させることを可能にする仕組みを構築しております。 顧客に対するアプローチは、電子メールによるダイレクトメールの送信、インターネットを通じた広告の掲載及びテレビ等のマス媒体広告を利用しており、各手法を組み合わせることにより新規獲得、追加販売並びに離脱防止に努めております。 (取扱商品)取扱商品は、チラシや冊子といった商業印刷の各種商品、名刺、封筒、印鑑といった事務用印刷の各種商品を中心に、Tシャツやボールペンといったノベルティ商品、梱包資材まで多岐に亘っております。 また、集客支援サービスにおいては、新聞折込、ポスティングやダイレクトメール等を取り扱っております。 「ラクスル」は2013年3月にサービスを開始し、その累計ユーザー数の推移は以下のとおりであります。 累計ユーザー数(ユーザー)(注)32020年7月期 第1四半期(10月末)1,001,504第2四半期(1月末)1,081,147第3四半期(4月末)1,147,583第4四半期(7月末)1,203,7262021年7月期 第1四半期(10月末)1,280,177第2四半期(1月末)1,363,265第3四半期(4月末)1,451,614第4四半期(7月末)1,532,1722022年7月期 第1四半期(10月末)1,604,347第2四半期(1月末)1,693,002第3四半期(4月末)1,788,319第4四半期(7月末)1,879,4422023年7月期 第1四半期(10月末)1,979,281第2四半期(1月末)2,085,619第3四半期(4月末)2,208,913第4四半期(7月末)2,317,1652024年7月期 第1四半期(10月末)2,422,578第2四半期(1月末)2,522,497第3四半期(4月末)2,635,410第4四半期(7月末)2,744,334 (注)1.令和3年経済センサス‐活動調査 製造業(産業別統計表データ)2.上記1.における「印刷・同関連業」の事業所数を記載しております。 3.累計ユーザー数は、「ラクスル」に会員登録したユーザーの累計数であります。 また、一度も発注を行ったことのない非アクティブなユーザーも含まれております。 (2) ノバセルセグメント[事業系統図]顧客が小ロットからテレビCMの枠や動画を購入できる広告プラットフォームの「ノバセル」を運営しております。 「ラクスル」の集客支援サービスを利用されるような広告予算を持っている顧客に対し、低コストで手軽にテレビCMを購入できるサービスとして提供を開始いたしました。 テレビCMはわが国でもっともリーチコストが安く多くの人々に情報を届けることが可能な媒体であります。 しかし多くの企業にとっては、その価格帯の高さから気軽に導入できる広告手段であるとは言い難いのが実態であります。 「テレビCMは大手企業だけが使える広告手段」という概念を覆し、「テレビCMを民主化する」というビジョンの基、より多くの顧客がテレビCMを活用できるプラットフォームを提供しております。 具体的には地方局や広告代理店と連携し1県、1エリアの放映、あるいは特定番組のテレビ放映枠をピンポイントで1枠から購入可能なサービスも提供しております。 また、放映枠のみならず当社グループの持つクリエイティブノウハウや制作会社のネットワークを活用し、費用対効果の高い動画の制作サービスも提供しております。 これらは全てWEBサイト上から申し込みも可能であり、安価な価格を実現しております。 また、当社グループがこれまでテレビCMへの広告宣伝投資を実施して事業成長を実現してきたノウハウを活用し、科学的な分析で「効果の視える化」をサポートしております。 具体的には、テレビCMの放映後のサイト訪問数やアプリダウンロード数をクリエイティブや番組毎に測定し、従来「視聴率」という指標でしか計測できなかったテレビCM放映による効果について、WEB広告と同様の検証を可能とするSaaSサービス「ノバセルアナリティクス」や、自社のCM効果だけでなく“他社のCM効果”を“指名検索”という指標で即時に可視化するSaaSサービス「ノバセルトレンド」の提供もしております。 顧客が「ノバセル」のプラットフォームを活用してテレビCMを発注することで、小ロットから購入でき、かつ効率的な効果分析が可能となるため、コストパフォーマンスの高い広告投資が実現できます。 (注)SaaSとはSoftware as a Serviceの略であり、インターネットを通じて顧客にソフトウェアを提供することを指します。 |
| 関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) ノバセル株式会社 東京都品川区 100 広告のプラットフォームの開発・運営 100.0 業務委託取引役員の兼任資金の貸付株式会社ラクスルファクトリー(注)1東京都江東区1印刷物の製造100.0当社サービスの仕入先役員の派遣資金の貸付株式会社ハンコヤドットコム大阪府大阪市西区79印鑑・スタンプのECサイトの開発・運営100.0役員の派遣株式会社エーリンクサービス福井県鯖江市10トートバッグのECサイトの開発・運営100.0当社サービスの仕入先株式会社ペライチ(注)2、3東京都台東区50Webサービスの開発・運営39.7[2.0]当社サービスの販売先役員の派遣その他3社 (持分法適用関連会社) ハコベル株式会社 東京都品川区 100 運送のプラットフォームの開発・運営 34.9 業務委託取引役員の派遣(注)1.特定子会社に該当しております。 2.持分は100分の50以下でありますが、40%に近似する議決権を自己の計算において所有しており、対象会社の取締役会の構成員の過半数の任命権を保有していることその他株主間契約等における事実関係を総合的に勘案した結果、実質的に支配していると判定されたため子会社としたものであります。 3.議決権割合の[ ]内は、緊密な者又は同意している者の所有割合で外数となっております。 |
| 従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況 2024年7月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ラクスル406(181)ノバセル81(13)報告セグメント計487(194)その他69(4)全社(共通)70(7)合計626(205)(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に管理部門に所属している者であります。 3.前連結会計年度に比べ242名増加しております。 主に当連結会計年度中における複数の連結子会社化によるもの、及び事業拡大に向け人材獲得を積極的に行ったことによるものであります。 (2) 提出会社の状況 2024年7月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)324(46)35.52.96,945,533 セグメントの名称従業員数(人)ラクスル245(39)報告セグメント計245(39)その他9(-)全社(共通)70(7)合計324(46)(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、主に管理部門に所属している者であります。 4.前事業年度末に比べ55名増加しております。 主に子会社の吸収合併によるものであります。 (3) 労働組合の状況労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者24.741.748.752.287.5-(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ②連結子会社連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の 対象ではないため、記載を省略しています。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をビジョンとし、デジタル化が進んでいない既存の産業をインターネットにより効率化し、最終顧客に対して一層の便益を提供していくことを通して、社会へ貢献してまいります。 (2) 経営戦略等今後の中長期的な方向性としては、当社の主要事業であるBtoB向けEC事業を軸に、既存アセットを活用し、ソフトウェアやファイナンス領域におけるサービスを提供していくことにより、End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォームを運営します。 また、成長モメンタムは継続しながらも、より一層利益とキャッシュ・フロー創出を伴った成長モード“Quality Growth”を目指します。 具体的な経営戦略は以下のとおりであります。 当社グループの企業ビジョンと事業展開方針(当社グループの経営ビジョンと事業概要)当社グループは、上記のビジョンの下、顧客ニーズと提携会社の余剰キャパシティ(注1)を繋ぐプラットフォームの運営を行っております。 併せて、顧客のマーケティングを支援するSaaS事業を運営しております。 (当社グループサービスの意義:産業にもたらす変革)印刷をはじめとする20世紀に築かれた産業は、資本を持つ大企業が莫大な費用を投じて製造設備を購入し、その製造キャパシティを営業が販売し、過剰に販売した部分を繋がりのある下請けに回すといった、大企業を頂点とする多重下請けのピラミッド型の産業構造を作り上げました。 しかし、インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(注2)を統合するコストが大幅に低下しました。 当社グループは、この多重下請け構造下にある中小印刷会社をインターネットで結びつけ、仮想的に巨大な供給キャパシティを持ち、ECサイトを通じて直接発注者と繋げるシェアリングプラットフォームを創出することで、1社が製造から販売まで全ての機能を持つ産業形態ではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける21世紀型の産業形態の在り方を提示したいと考えております。 当社グループが産業にもたらす変革の例は以下のとおりであります。 ・垂直統合から水平統合への変革(例)印刷業界:自社グループ内で、営業部門、印刷工場、研究開発部門等を保有する垂直統合の形態から、プラットフォームにより各社が保有する印刷工場を水平統合する形態への変革・自社グループ1社での設備投資から、水平統合による巨大なキャパシティへの変革・ピラミッド型の多重下請け構造からネットワーク型のプラットフォームへの変革(例)印刷業界:顧客から受注を行う大手印刷会社が中小印刷会社に実際の印刷業務を委託する多重下請け構造からの変革 (BtoBのプラットフォームとしてのユニークなポジショニング)当社グループは、事業者と事業者を繋ぐBtoBのプラットフォームとして既存産業の革新を実現するという、ユニークなポジショニングを目指しております。 プラットフォーム価値を拡大するためには、テクノロジー(インターネット関連技術、プラットフォームの構築技術)、マーケティング(顧客の集客力)及びオペレーション(プラットフォームの運営力)の各要素を高い次元で有機的に連携することが必要であり、当社グループは、各要素の高度化と連携に向けた施策に継続的に取り組んでまいります。 当社グループの企業価値の源泉(当社グループの企業価値の源泉:顧客数×ARPU(注3))当社グループは、顧客からの信頼の総和であり、プラットフォームとしての価値でもある売上高と、顧客及びサプライヤーへの付加価値の総和である売上総利益(当社グループは、売上高からサプライヤーに仕入代金を支払った残りを売上総利益として計上)の最大化を重視した経営を行っております。 売上高を構成する顧客数×ARPUの最大化と、提供するサービスの高付加価値化及びサプライヤーの生産性向上による売上原価の低減により実現される売上総利益率の最大化を目指す方針であります。 (高い定着性を有する顧客基盤がもたらす安定的な収益基盤)当社グループの顧客の特徴は、1回の利用で終わるのではなく、複数回の注文を行って頂ける点にあると考えております。 多様化する顧客ニーズに対応できる商品ラインナップの拡充や新カテゴリーへの拡張により、クロスセルの拡大を推進することで、事業KPIである「年間購入者数」、「年間平均注文回数」、「平均注文単価」の安定的な推移・改善を目指しております。 プラットフォーム「ラクスル」の戦略(需要・供給双方にWin-Winな自律的成長モデル)当社グループは、プラットフォーム「ラクスル」の運営を通じ、ユーザー(顧客)とサプライヤーをエンパワメント(注4)することで、サプライヤーの増加、当社グループプラットフォームのキャパシティの拡大、ユーザーの増加、取引量の増加、さらなるサプライヤーの増加という、自律的な成長モデルの実現を目指しております。 (供給サイド:シェアリングモデルによる柔軟な供給と資本効率の高い生産体制の実現)当社グループのプラットフォームのサプライヤーに対する付加価値は、余剰キャパシティの活用による稼働率、生産性の向上にあると考えております。 これにより、当社グループは印刷という装置産業において、シェアリングによる仮想印刷工場を作り、スケール可能な資本効率の高いビジネス展開を実現しております。 また、設備投資をかけずに生産キャパシティの拡張をスピーディーに行うことができ、売上の急成長にも耐えられる生産体制を構築しており、規模の拡大に対応可能な印刷キャパシティの確保による、高い資本効率性の実現が可能となります。 (需要サイド:QCD(注5)をはじめとする顧客への付加価値提供)当社グループのプラットフォームのユーザーに対する付加価値は、小ロットから低コストで発注が可能なため、中小企業・個人事業主等の顧客が裾野広く利用できる点にあると考えております。 当社グループは一般の印刷会社に比べ、小ロットの印刷を低価格で提供しております。 それは、「ギャンギング」(多面付け印刷)を行うことで一般的な印刷会社に比べて大幅なコストダウンを実現しているためです。 当社グループはインターネットで全国から毎日数千の注文を受注し、同じ紙質、同じ部数の注文を多く抱えており、1つの印刷用版で複数の顧客の印刷物をまとめて印刷することが可能になることで、製版コストを複数社で按分し、1社あたりのコストを大幅に下げることが可能となっております。 特に固定費の比率が高い小ロットの印刷物は既存の印刷会社に比べ競争力の高い価格で提供できるようになり、小ロット・低価格という新しい印刷市場を生み出しております。 これが、特定顧客への依存度が低く、高い定着性を有する顧客基盤の獲得に繋がっていると考えております。 (集客支援サービス)当社グループの大きな特長は、印刷に限らず、中小企業・個人事業主が多い「ラクスル」の顧客の集客活動(マーケティング活動)を支援する点にあります。 印刷物のデザインから、新聞折込、ポスティング、ダイレクトメール等の配布手配までをオンライン上で手軽に行うことができます。 例えば、新聞折込やポスティングは、当社グループのウェブサイト上で、オンラインの地図上からチラシを配布したい地域と配布希望日を選択すると、自動的に配布枚数と料金が算出されるようになっており、パソコンの操作が苦手な人でも直感的な操作で注文することができます。 新聞折込は、新聞の銘柄を指定することも可能となっております。 既存の広告代理店では数百枚程度の小ロットのチラシの配布の場合、単価が低すぎるために営業のコストを回収できず、対応は難しいとされてきました。 当社グループは、ほとんどのプロセスをEC化することで人件費を中心とした営業費用をなくし、小ロットでも低単価で配布できるようにしました。 これにより、これまで予算が足りず新聞折込やポスティングを使えなかった、中小企業・個人事業主のマーケティング活動を可能にしました。 当社グループは、この集客支援サービスを展開することにより、ARPUの最大化を図っております。 当該サービスを展開するメリットは、印刷物の販売だけではなく販売促進目的の配布サービスを提供することによる顧客単価の上昇、注文件数の増加、ユーザーとの関係性強化、リピート率の上昇等であります。 (継続的な業務改善を可能にするリアル・オペレーション・ノウハウ)当社グループは、プラットフォームの運営者でありながら、生産オペレーション面での学習と研究開発を目的として、提携印刷会社と顧客の間のサプライチェーンに直接関与することで、売上原価の低減による売上総利益率の継続的な改善を図っております。 具体的な施策は下記のとおりであります。 自社保有印刷機の活用・最新設備を提携印刷会社へ試験導入(3台を貸与)・ギャンギング(多面付け印刷)による小ロット印刷の効率化・実機運用を通じて最適な運用プロセスを設計し、他の提携印刷会社へも展開資材の共同購買新資材の積極開発物流網の最適構築 〔用語説明〕(注)1.キャパシティ 生産能力や処理能力のこと。 当社グループの場合、提携印刷会社が保有する印刷機の生産能力を指す。 2.サプライヤー 材料や部品等の供給者のこと。 当社グループの場合、提携印刷会社や配布業者等を指す。 3.ARPU Average Revenue Per Userの略。 1顧客あたりの平均売上金額であり、単価×購入頻度で計算される。 4.エンパワメント 自律性を尊重しつつ、支援し力を付けること。 5.QCD Quality, Cost, Deliveryの略。 品質、費用、納期を指す。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、上記「 (2) 経営戦略等」に記載のとおり、“Quality Growth”を目指します。 利益及びキャッシュ・フロー創出を把握するためにも、売上総利益及び調整後EBITDA(注)を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。 また、営業利益および当期純利益については、外部環境変化に対して経営をコントロールするための指標と位置づけるとともに、中長期的な拡大を目指しております。 〔用語説明〕(注)調整後EBITDA 財務会計上の数値(GAAP、日本基準)から非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであり、当社グループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しております。 具体的には、株式報酬費用、減価償却費及びのれん償却費を中心に、当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を企業ビジョンとし、デジタル化が進んでいない既存の産業をインターネットにより効率化し、大企業中心に垂直統合で成立していた産業構造を、プラットフォーム中心の水平分業された産業構造にアップデートするため、以下の課題に取り組んでまいります。 ①国内印刷EC市場の拡大当社グループの主力事業であるラクスルセグメントが属する国内印刷EC市場は、年々拡張しております。 EC化率の継続的な上昇を背景に急速な成長を続ける国内印刷EC市場の中で、リーディングカンパニーとして市場を牽引する立場であり続けることが当社グループの成長においても重要であると考えております。 ②サービスの認知度向上、新規ユーザーの獲得当社グループが今後も高い成長率を持続していくためには、当社グループサービスの認知度を向上させ、新規ユーザーを獲得することが必要不可欠であると考えております。 従来より、積極的な広報活動に加え、インターネットを活用したマーケティング・広告活動、大手企業との提携等により認知度向上に向けた取り組みを行ってまいりましたが、今後、これらの活動をより一層強化・推進してまいります。 ③顧客ニーズ充足を意識した商品ラインナップ拡充当社グループにおける顧客基盤の拡大に伴い、顧客ニーズも多様化いたします。 多様化する顧客ニーズを的確に捉え、一般的にロングテールといわれる購買頻度の少ない商品も含めた取扱商品の拡大を推進するとともに、新規カテゴリーへの拡張、更なる顧客基盤の拡大へとつなげていくことが重要であると考えております。 ラクスルセグメントにおいては、販促・ノベルティ印刷を中心に商品ラインナップの拡充を継続的に進めております。 ノバセルにおいては、WEB広告にも裾野を広げており顧客に多くの選択肢を提供できるようになりました。 ④事業拡大と収益性向上を両立した事業運営ラクスルセグメントの事業モデルの特長の一つに、全国の印刷会社と提携し、各会社における印刷機の非稼働時間を活用することで、効率性の高い生産体制を維持している点があります。 事業基盤が拡大するにつれて提携印刷会社数及び一会社当たりへの発注量も増えていきますが、提携印刷会社との綿密なコミュニケーション及び協業により、事業が拡大していく中でも低価格かつ安定した品質の商品を継続して提供してまいります。 ⑤取引データの蓄積・解析体制の強化当社グループ事業での取引の情報は、日々当社グループデータベースに蓄積されております。 注文情報や商品構成等、ユーザーの動きを把握し、PDCAサイクルを高速で回せる仕組みを整備しておりますが、より高度なデータ活用を行っていく必要があると考えております。 例えば、どのような顧客がどのような商品をどのような単価で注文したか、というECサイトならではの情報をビッグデータとして蓄積し、独自に解析することで、サービスレベルとユーザーのロイヤリティを向上させていくことが今後のサービス拡充においては必要不可欠であると考えております。 そのため、取引を通じて取得するデータの整備とこれを独自に解析していくための体制構築に取り組んでまいります。 ⑥情報管理体制の強化当社グループは、ユーザーの個人情報を中心とした情報資産を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。 現在、個人情報保護方針及び情報セキュリティ関連規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後もグループ全体の教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。 ⑦システムの安定性強化当社グループはインターネットを介したサービス提供を行っているため、そのシステムを安定的に稼働させることが重要になります。 そのために、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー設備の強化や、システム安定稼動のための人員確保、教育・研修の実施等に努めてまいります。 ⑧組織体制の整備当社グループの継続的な成長には、事業拡大に応じて多岐に亘るバックグラウンドの優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。 「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期で働きやすい環境の整備、人事制度の構築を実施してまいります。 また、複数事業のポートフォリオ経営を行いながらも企業価値の保全・最大化を図るべく、分社化等による自律的な経営と当社グループとしての全体最適を両立するコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めております。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) サステナビリティ全般への取組当社グループは、創業より「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに基づき、事業活動そのものが持続可能な社会の実現に資するものと考えております。 ステークホルダーと共に社会構造を変革していくことで、より良い社会の実現に貢献するとともに、自らの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上につながるものと考え、サステナビリティの実現に向けた活動に取り組んでおります。 ①ガバナンス当社グループは、サステナビリティへの取組を推進するため、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を設置し、年4回開催しております。 サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する方針や考え方の整備、サステナビリティ推進体制の構築、取組状況のモニタリングを行っております。 サステナビリティ委員会で検討、協議された方針や課題において、特に重要な事項については取締役会に報告され決定しております。 ②戦略当社グループは、ステークホルダーの期待や要請に応えていくため、優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を策定しています。 当社グループのビジョンを実現する重要課題の策定プロセスは下記のとおりであります。 a.課題候補項目の抽出SASB(サステナビリティ会計基準)やGRIスタンダード、SDGs(国連の持続可能な開発目標)といった国際的な指標を参照し、またステークホルダーの声を踏まえ、当社の事業活動や企業文化に関連性の高い社会課題を抽出しております。 b.ステークホルダーとの対話を通した、当社グループにおける重要課題の把握と整理株主・投資家との対話や主要なサプライヤーへのインタビューを通じて、当社グループに対する期待について情報収集を行っております。 また、定期的に実施している従業員サーベイの結果を通して従業員からの期待を把握しております。 これらの対話を通じて、抽出した社会課題の重みづけを行っております。 なお、外部のESG格付け機関からの評価も参照し、当該評価において指摘を受けている課題についても勘案しております。 c.自社による重要性の評価と特定抽出・整理した社会課題について、取締役会及び経営会議における議論を通じて、当社グループ経営戦略との関連性を評価し、取締役会決議を経て、優先的に取り組むべき重要課題を特定しております。 マテリアリティマップ ③リスク管理当社グループは、経営に対して大きな影響を及ぼすリスクに適切かつ迅速に対応するため、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、事業活動を行う上で対処すべきリスクを認識・特定し、対策を協議しております。 サステナビリティ委員会にて特定した重要なリスクについては、リスク管理委員会と連携し、全社リスクに統合し分析や把握を行うことでリスクの低減、未然防止等を図っております。 サステナビリティに関するリスクを含め、主な重要リスクは「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④指標及び目標重要課題に関連する評価指標や実績は、当社ウェブサイトにて公開しております。 なお、当該ウェブサイトは2024年11月に更新を予定しております。 (https://corp.raksul.com/esg/) (2) 人的資本・多様性に対する取組当社グループは、継続的な事業成長及び多様な価値の創出を実現していく上で、人材を重要な経営課題の一つとして認識しており、人的資本の価値最大化を図ることで中長期の企業価値の向上を実現していきたいと考えております。 当社グループの重要課題として「多様な人材の採用と活躍推進」及び「次世代リーダー人材の育成と複利による報酬還元」を掲げており、人事組織ポリシーに基づき、多様な価値を創造し続ける組織に向けて多様な人材の採用や配置を行い、従業員の特性や能力が最大限に発揮される職場環境の構築や人材育成に取り組んでおります。 ①ガバナンス当社グループでは、人的資本に関する具体的な取組につき、人事執行責任者の下、担当部門と各事業部が連携し進めております。 取組の進捗状況や人事施策の効果・課題等は、定期的に経営会議や取締役会に報告されており、人的資本に関する各種方針等の重要事項については、取締役会にて審議、決定しております。 また、従業員向けサーベイを年2回実施しており、その結果はサステナビリティ委員会に報告され、重要課題の整理に反映させるとともに、モニタリング体制を整え、人的資本に関するリスクの早期発見・対処に努めております。 ②戦略人的資本に関して、主に下記に記載の取組を行っております。 a.多様な人材の採用と活躍推進当社グループは、性別や国籍など属性による多様性のみならず、経験や異なる文化、専門分野などの多様性を確保するため、様々なバックグランドを持つ人材の採用を積極的に行っております。 また、高い専門性やスキルを保有しているだけでなく、当社グループのビジョンへの共感度を重視した採用を行っており、入社後においては、経験や能力の保持だけでなく、しっかりと成果や実績を出した従業員に公平に報いる評価及び登用の機会を設けております。 また、人事評価は、当社グループのビジョンや行動指針の浸透に活用するとともに、上司と部下の面談による適切なフィードバックを通して、効果的な人材育成につなげる仕組みを構築しております。 (多様な働き方と女性の活躍推進)女性の活躍を実現するためには、多様な働き方や継続的なキャリア形成への支援は不可欠であると考えております。 多様な人材が、公平な機会のもと、ライフステージの変化に柔軟に対応でき、安心して挑戦・活躍できる職場づくりを実現するための福利厚生制度を導入しております。 また、全ての従業員に対して公平な評価及び登用の機会を設けており、各会議体でのモニタリング等を通じて公平な評価運用を継続して実施しております。 (外国籍、障がい者雇用の推進)当社グループにおける海外子会社では、現地在住の人材を積極的に採用しております。 海外子会社の従業員をはじめとする外国籍従業員と日本国籍従業員とのコミュニケーションを活性化させ、相互連携を通じた総合的な技術向上を図るため、英会話教師経験のある従業員による言語支援プログラムを導入しており、多様性を受け入れながらビジョンの実現へ向けた企業風土の醸成に努めております。 また、障がい者しごと支援センターとパートナー契約を結び、印刷関連サービスにおける業務・訓練を通して技術と知識の習得だけではなく、作業環境を一般就職に近づけた訓練を実施することで直接雇用を推進する等、障がい者の就労機会の創出や活躍機会の拡大についても取り組んでおります。 b.次世代リーダー人材の育成と複利による報酬還元当社グループにおける競争優位性は人・組織にあり、事業や組織拡張に伴う変化に対応しながら継続的な成長を牽引する次世代リーダーの育成に取り組んでおります。 また、優秀な人材の確保のため、労働市場で競争力のある報酬水準を維持するとともに、中長期的な業績成長や企業価値の創出を引き出すためのインセンティブとして新株予約権制度及び譲渡制限付株式報酬制度を活用しております。 (人材育成の仕組みづくり)当社グループは、事業における非連続な価値創出と事業リーダーの育成を目的とした「プロジェクト制度」の実施や、連続的なM&Aに伴うPMIにおいて、実地の経営経験の機会を創出していくことにより、次世代リーダーの育成及び登用を積極的に推進しております。 また、エンジニア目線でのサービス品質向上や新たなイノベーション創出の促進、ならびにソフトウエア開発力の強化を目的とした社内イベント「HACK WEEK(ハックウィーク)」を年1回開催しております。 「HACK WEEK(ハックウィーク)」は、エンジニア職の従業員が通常業務から一時的に離れ、新たなテクノロジーを身に付けるとともに、それを適用した実用的なプロダクトの開発に集中し、新しい挑戦に取り組む機会となっております。 (長期株式価値と連動したインセンティブ設計)当社グループでは、株式報酬制度を採用しております。 従業員の成果に対する対価が長期株式価値の上昇を通じて享受できる仕組みであり、中長期的な企業価値向上への意識変革やエンゲージメントの向上が期待されます。 2019年11月に譲渡制限付株式報酬 (RS) 制度、2022年12月より従業員に対する株式報酬型新株予約権制度を導入し、さらに、一層の意欲及び士気を向上させ、組織の結束力を高めることを目的とし、中期インセンティブとして業績目標連動型の有償ストック・オプションを付与しております。 ③指標及び目標当社グループでは、人的資本に関する取組について、主な評価指標を定め、進捗をモニタリングしております。 2024年7月期取締役に占める女性取締役の割合(注1)37.5%管理職に占める女性労働者の割合(注2)21.5%労働者の男女の賃金の差異(注2)49.2%男性労働者の育児休業取得率(注2)53.3%(注)1.提出会社単体における取締役の構成(2024年7月期末時点)を示しております。 2.提出会社及びノバセル株式会社における比率であります。 当社では、2025年7月期末までに一定グレード(等級)以上の女性従業員の割合を20%以上にすることを目指しております。 2024年7月期における進捗等を精査した結果、目標は適切であると判断しておりますが(2024年7月期末時点18.2%)、今後目標値の見直しを検討し、各種権限やマネジメント状況等を総合的に勘案した適切な目標値を設定し、更なる女性活躍推進に向けて取り組んでまいります。 また、男女の賃金差異は49.2%となっており、給与水準が相対的に高い職群の男性比率が高いことが差異に影響していると考えております。 同一労働に対する賃金に格差はないため、積極的な機会の提供やジョブアサインにより格差の是正を目指してまいります。 男性の育休取得率については、政府が2025年までに50%を達成するという目標を掲げておりますが、当社はその数値以上の水準となっており、今後も現状以上の水準を維持し続けることを目指してまいります。 (3) 気候変動に対する取組当社グループは、中長期的な企業価値の向上、並びに持続可能な社会を実現していく上で、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと認識しており、環境負荷の低減と企業価値の向上の両立を実現していきたいと考えております。 当社は、2021年4月にTCFD(注)による提言への賛同を表明するとともに、TCFD提言に基づく積極的な情報開示と透明性向上に努めております。 ①ガバナンス当社グループでは、サステナビリティ委員会において、気候変動に関する方針や重要課題への対応について検討を行い、その対応状況や特に重要な事項等については、年1回取締役会に報告され、取締役会の指示・助言の下、モニタリングを行っております。 ②戦略気候変動に関する事業影響を把握し、気候関連リスク・機会への適応力を強化することを目的として、TCFDが提唱するフレームワークに基づいたシナリオ分析を実施しております。 主に国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)及び国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)等のシナリオを参考に、パリ協定を踏まえて低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと、現状予想される以上に気候変動対策が推進されない4℃シナリオを中心に、2030年時点における外部環境の変化を予測し、分析を行っております。 これにより特定した事業上のリスク、機会及び対応策は下表のとおりであります。 なお、分析の対象範囲は、当社主力事業であるラクスル事業(印刷事業)のみを対象としておりますが、今後は他の事業にも分析対象を拡大するとともに、ラクスル事業における分析結果につき外部環境や自社の取り組みの変化に応じて内容を見直してまいります。 (リスクと機会の特定)分類財務への影響2030年における影響評価利益影響度 (注)対応策1.5℃4℃リスク炭素税による運営コスト上昇炭素税が導入され、排出量に応じた財務影響が発生する小小当社の排出量からみて影響は軽微ながらも、適切な脱炭素対策を講じる 原材料コストの上昇森林DD等の促進による違法伐採等の減少や違法伐採による紙の原材料価格の下落の解消によって紙の原材料価格が増加し、紙資源価格が上昇する小-紙の集中購買を実施することで、紙資源価格の上昇の影響を低減する 世界的な紙需要の増加によって紙資源価格が上昇する中大 森林破壊・火災等による森林資源の減少、パルプ等の生産悪化により紙資源価格が上昇する-小 ガソリン価格の増加による送料等の上昇-小料金表の見直しや調整を実施することで送料等の負担を下げる 印刷用アルミ版の原材料コストが上昇する中-従来の印刷機から、アルミ版を使用しないデジタル印刷機へ一部転換を図る 消費者の嗜好の変化による商品とサービスの需要の減少脱炭素の推進や廃棄物の削減による大企業顧客の離反が進み、売上が減少する中-・デジタル販促等のサービスへの移行需要を取り込む・関係会社等への投資による集客デジタルコンテンツの拡充や紙印刷市場から集客市場及び印刷周辺領域への展開を進めることで、新たな収益源を確保する 印刷市場(特に事務印刷)の市場の縮小が加速し、売上が減少する中- 機会消費者嗜好の変化環境対応紙の需要が高まる中小環境対応紙の取り扱いを拡大することで、需要を取り込み、売上を拡大させる(注)利益影響度は、年間5億円未満の場合は小、5億円以上8億円未満の場合を中、8億円以上の場合を大として表示しております。 〔用語説明〕(注)TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略 気候関連財務情報開示タスクフォース。 金融安定理事会(FSB)によって設立され、企業に対する気候関連リスク・機会の情報開示の促進と、低炭素社会へのスムーズな移行による金融市場の安定化を目的としている。 ③リスク管理気候変動に関するリスクと機会は、サステナビリティに関する事項を所管する部門において、社内の関係部門の協力のもと特定・評価を行い、サステナビリティ委員会に報告・提言し、全社的な気候変動への対応を推進してまいります。 サステナビリティ委員会で特定した気候変動に関わる重要な環境リスクや気候変動問題を含む社会課題については、リスク管理委員会と連携し、全社リスクに統合してまいります。 ④指標及び目標気候変動への対応として、温室効果ガスの排出量を測定・開示し、オフィス活動における温室効果ガスの排出量の削減に努めており、また、環境に配慮したシェアリングプラットフォームの事業モデルを通じ、エネルギー効率の改善を推進してまいります。 Scope1,2におけるCO₂削減目標について議論を進めており、バリューチェーン全体における温室効果ガスの排出削減への貢献を含め、中長期でのCO₂削減目標に向けた指標づくりへの準備を行ってまいります。 気候変動に関する評価指標としているGHG排出量の実績については、以下のとおりであります。 単位2022年7月期2023年7月期2024年7月期Scope1(注1)t-CO₂---Scope2(注1)t-CO₂133162969Scope1,2 CO₂排出量原単位(売上高当たり)t-CO₂/億円0.390.401.90Scope3(注2)t-CO₂56,93971,491112,439Scope1,2,3の合計t-CO₂57,07271,653113,408(注)1.算定対象範囲:提出会社及び国内連結子会社2.算定対象範囲:提出会社のみ |
| 戦略 | ②戦略当社グループは、ステークホルダーの期待や要請に応えていくため、優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を策定しています。 当社グループのビジョンを実現する重要課題の策定プロセスは下記のとおりであります。 a.課題候補項目の抽出SASB(サステナビリティ会計基準)やGRIスタンダード、SDGs(国連の持続可能な開発目標)といった国際的な指標を参照し、またステークホルダーの声を踏まえ、当社の事業活動や企業文化に関連性の高い社会課題を抽出しております。 b.ステークホルダーとの対話を通した、当社グループにおける重要課題の把握と整理株主・投資家との対話や主要なサプライヤーへのインタビューを通じて、当社グループに対する期待について情報収集を行っております。 また、定期的に実施している従業員サーベイの結果を通して従業員からの期待を把握しております。 これらの対話を通じて、抽出した社会課題の重みづけを行っております。 なお、外部のESG格付け機関からの評価も参照し、当該評価において指摘を受けている課題についても勘案しております。 c.自社による重要性の評価と特定抽出・整理した社会課題について、取締役会及び経営会議における議論を通じて、当社グループ経営戦略との関連性を評価し、取締役会決議を経て、優先的に取り組むべき重要課題を特定しております。 マテリアリティマップ |
| 指標及び目標 | ④指標及び目標重要課題に関連する評価指標や実績は、当社ウェブサイトにて公開しております。 なお、当該ウェブサイトは2024年11月に更新を予定しております。 (https://corp.raksul.com/esg/) |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②戦略人的資本に関して、主に下記に記載の取組を行っております。 a.多様な人材の採用と活躍推進当社グループは、性別や国籍など属性による多様性のみならず、経験や異なる文化、専門分野などの多様性を確保するため、様々なバックグランドを持つ人材の採用を積極的に行っております。 また、高い専門性やスキルを保有しているだけでなく、当社グループのビジョンへの共感度を重視した採用を行っており、入社後においては、経験や能力の保持だけでなく、しっかりと成果や実績を出した従業員に公平に報いる評価及び登用の機会を設けております。 また、人事評価は、当社グループのビジョンや行動指針の浸透に活用するとともに、上司と部下の面談による適切なフィードバックを通して、効果的な人材育成につなげる仕組みを構築しております。 (多様な働き方と女性の活躍推進)女性の活躍を実現するためには、多様な働き方や継続的なキャリア形成への支援は不可欠であると考えております。 多様な人材が、公平な機会のもと、ライフステージの変化に柔軟に対応でき、安心して挑戦・活躍できる職場づくりを実現するための福利厚生制度を導入しております。 また、全ての従業員に対して公平な評価及び登用の機会を設けており、各会議体でのモニタリング等を通じて公平な評価運用を継続して実施しております。 (外国籍、障がい者雇用の推進)当社グループにおける海外子会社では、現地在住の人材を積極的に採用しております。 海外子会社の従業員をはじめとする外国籍従業員と日本国籍従業員とのコミュニケーションを活性化させ、相互連携を通じた総合的な技術向上を図るため、英会話教師経験のある従業員による言語支援プログラムを導入しており、多様性を受け入れながらビジョンの実現へ向けた企業風土の醸成に努めております。 また、障がい者しごと支援センターとパートナー契約を結び、印刷関連サービスにおける業務・訓練を通して技術と知識の習得だけではなく、作業環境を一般就職に近づけた訓練を実施することで直接雇用を推進する等、障がい者の就労機会の創出や活躍機会の拡大についても取り組んでおります。 b.次世代リーダー人材の育成と複利による報酬還元当社グループにおける競争優位性は人・組織にあり、事業や組織拡張に伴う変化に対応しながら継続的な成長を牽引する次世代リーダーの育成に取り組んでおります。 また、優秀な人材の確保のため、労働市場で競争力のある報酬水準を維持するとともに、中長期的な業績成長や企業価値の創出を引き出すためのインセンティブとして新株予約権制度及び譲渡制限付株式報酬制度を活用しております。 (人材育成の仕組みづくり)当社グループは、事業における非連続な価値創出と事業リーダーの育成を目的とした「プロジェクト制度」の実施や、連続的なM&Aに伴うPMIにおいて、実地の経営経験の機会を創出していくことにより、次世代リーダーの育成及び登用を積極的に推進しております。 また、エンジニア目線でのサービス品質向上や新たなイノベーション創出の促進、ならびにソフトウエア開発力の強化を目的とした社内イベント「HACK WEEK(ハックウィーク)」を年1回開催しております。 「HACK WEEK(ハックウィーク)」は、エンジニア職の従業員が通常業務から一時的に離れ、新たなテクノロジーを身に付けるとともに、それを適用した実用的なプロダクトの開発に集中し、新しい挑戦に取り組む機会となっております。 (長期株式価値と連動したインセンティブ設計)当社グループでは、株式報酬制度を採用しております。 従業員の成果に対する対価が長期株式価値の上昇を通じて享受できる仕組みであり、中長期的な企業価値向上への意識変革やエンゲージメントの向上が期待されます。 2019年11月に譲渡制限付株式報酬 (RS) 制度、2022年12月より従業員に対する株式報酬型新株予約権制度を導入し、さらに、一層の意欲及び士気を向上させ、組織の結束力を高めることを目的とし、中期インセンティブとして業績目標連動型の有償ストック・オプションを付与しております。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ③指標及び目標当社グループでは、人的資本に関する取組について、主な評価指標を定め、進捗をモニタリングしております。 2024年7月期取締役に占める女性取締役の割合(注1)37.5%管理職に占める女性労働者の割合(注2)21.5%労働者の男女の賃金の差異(注2)49.2%男性労働者の育児休業取得率(注2)53.3%(注)1.提出会社単体における取締役の構成(2024年7月期末時点)を示しております。 2.提出会社及びノバセル株式会社における比率であります。 当社では、2025年7月期末までに一定グレード(等級)以上の女性従業員の割合を20%以上にすることを目指しております。 2024年7月期における進捗等を精査した結果、目標は適切であると判断しておりますが(2024年7月期末時点18.2%)、今後目標値の見直しを検討し、各種権限やマネジメント状況等を総合的に勘案した適切な目標値を設定し、更なる女性活躍推進に向けて取り組んでまいります。 また、男女の賃金差異は49.2%となっており、給与水準が相対的に高い職群の男性比率が高いことが差異に影響していると考えております。 同一労働に対する賃金に格差はないため、積極的な機会の提供やジョブアサインにより格差の是正を目指してまいります。 男性の育休取得率については、政府が2025年までに50%を達成するという目標を掲げておりますが、当社はその数値以上の水準となっており、今後も現状以上の水準を維持し続けることを目指してまいります。 |
| 事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関するリスク①国内印刷EC市場について主力事業である印刷事業が属する国内印刷EC市場は、年々拡大しております。 今後もEC化率の継続的な上昇を背景に、同市場は成長を続けるものと考えております。 しかしながら、上記の予測通りに国内印刷EC市場が拡大しなかった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、印刷で成長し獲得した顧客基盤とシェアリング基盤を活用し、販促サービスの拡張による既存顧客ARPU向上、紙以外の商材を中心としたオリジナル商品の追加による顧客基盤の拡大により対象市場及び収益拡張を推進しております。 ②競合他社の動向について現在、主力事業である印刷事業においては、国内で印刷ECサービスを展開する競合企業が複数存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。 他に優れたビジネスモデルの競合会社が現れた場合等には、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、当社グループは幅広い顧客ニーズに対応できる商品ラインナップの拡充を進めるとともに、積極的なマーケティング活動やカスタマーサポートの充実、提供サービスの拡大及び品質向上に取り組んでおり、今後もユーザー目線に立ってサービスをより充実させていくと同時に、知名度向上に向けた取り組みを積極的に実施してまいります。 ③登録ユーザーの獲得について主力事業である印刷事業の売上高は、提供するサービスの登録ユーザー数、登録ユーザーの利用率、登録ユーザーの平均購入額により変動し、事業の成長は登録ユーザー数の順調な増加に依存しております。 また、マーケティング手法別に効果測定を行いつつ、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーへの追加販売、既存ユーザーの離脱防止を図る施策を継続的に実施しております。 上記に挙げたような各種事業KPIについてはこれまで安定的に推移・改善してきておりますが、社会・経済情勢による顧客ニーズの変化、他の事業者との競合の激化、マーケティング手法が効果的でない等の要因によって登録ユーザー数の伸びが従来と比べて低いものとなった場合には、売上高の増加ペースが鈍ること、もしくはマーケティング費用が上昇することにより、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、前年度以前の顧客獲得コストとの比較を常に行い、新規の顧客獲得手法を継続的にトライアルすること等により登録ユーザー数の増加ペースを維持、拡大するための取り組みを推進しております。 ④システムトラブルについて当社グループの事業は、インターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。 安定的なサービス運営や継続的な事業成長を実現するために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っておりますが、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、ソフトウェアの不具合、外部からの不正な手段によるネットワークへの侵入、地震等の自然災害や事故等により予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、監視システムの利用に加えて組織的・人的な対策と多層防御による技術的対策に取り組んでおります。 ⑤印刷事業への依存について当社グループの売上高は、主力事業である印刷事業への依存が大きくなっております。 国内印刷EC市場が拡大していることに加え、ユーザー数の増加やサービスの拡充等により、今後も印刷事業は拡大していくものと考えておりますが、運営する「ラクスル」の利用者の減少や市場規模の縮小等の要因により印刷事業の売上高が減少した場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、ダンボール・梱包材や印鑑といったカスタマイズEC領域や、物販領域への拡張、広告業界のプラットフォーム「ノバセル」をはじめとするマーケティング支援事業の他、今後においても中長期的にソフトウェアやファイナンスといった複数の事業領域への展開を推進してまいります。 ⑥シェアリングエコノミー形態による生産体制について主力事業である印刷事業について、印刷会社をはじめとするサプライヤーをネットワーク化する、いわゆるシェアリングエコノミー形態による生産体制を構築しております。 各社における原材料等の調達価格高騰や各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、一部の印刷資材については、集中購買により安価に提供する体制を整備し、定期的なコミュニケーション等によるサプライヤーとの良好な関係の構築に努めることで、生産体制の安定化を図っております。 ⑦配送コストについてラクスルセグメントでは、商品販売に際し運送会社に商品配送業務を委託しており、ユーザーの利便性向上を目的とし、一部商品を除き無料での配送サービスを提供しております。 今後配送コストが上昇した場合、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、複数の運送会社の使い分けの実施等により、委託価格の安定化を図っております。 ⑧在庫について2024年7月期の連結貸借対照表において商品及び製品495百万円を計上しております。 在庫として保有する商品について販売状況が想定していたものと大きく異なる結果となった場合には、販売価格の切り下げや棚卸資産の評価減を通じて、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、仕入れの際には慎重な検討を経て実施するとともに、在庫品の状況を注視し、適正な在庫管理を行うなど、過剰在庫等が発生するリスクの軽減を図っております。 ⑨為替レートの変動について当社グループは、原材料の一部を海外から輸入しており、為替変動の影響を受けた仕入コストの変動により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、取引上における当社グループ及び子会社間での現地通貨や米ドルの為替の影響を受けます。 このようなリスクを踏まえ、海外調達の状況をモニタリングするとともに、吸収できない市況変動に関しては、競合他社の動きも見つつ、適切に売価反映を行っております。 なお、当社グループはベトナムにおいて開発子会社(非連結子会社)を有しておりますが、当該海外子会社の為替変動による当社グループの財政状態や経営成績への影響は僅少であります。 (2) 事業体制に関するリスク①優秀な人材の獲得・育成について今後の企業規模の拡大に伴い、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。 今後、積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、社員が働きやすさとやりがいを持って働けるよう、事業の成長を通して本人が挑戦し成長できる環境を作り、魅力的な人事制度の構築を継続的に推進してまいります。 また、サービス品質の向上にはソフトウェア開発のためのエンジニアの確保が重要であると認識しており、日本国内での採用活動に加えて、日本国外において開発拠点を設立し、継続的に開発力の強化のための施策を推進してまいります。 ②内部管理体制の構築について当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図る必要があると認識しております。 今後、事業が急速に拡大することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいります。 ③情報セキュリティについて厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業活動に伴い取引先から預託された機密情報や個人情報の収集・保管・運用を行っております。 万一従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、企業としての社会的信用を喪失し、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、当社はプライバシーマーク及びISMS(注)を取得し、社内で運用する他、従業員研修を繰り返し実施する等、これらの情報管理には万全な方策を講じております。 ④印刷機等を提携印刷会社に貸与していることについてラクスルセグメントにおいては生産オペレーション面での学習と研究開発を目的として、提携している印刷会社に対して所有する印刷機を合計3台貸与しており、当該印刷会社のオペレーターはこれら印刷機を使用し、実際の印刷物製造を行っております。 貸与印刷機に対しては一部保険を付保する等して破損・滅失等のリスクを減じる取り組みを行っておりますが、貸与先印刷会社における故意もしくは過失による破損・滅失又は地震等の天変地異による破損・滅失等、当該保険の適用対象外となるような事象が発生した場合には、これらによって経済的な損失を被り、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これら事業用の印刷機はその大きさや重量の関係上、転用が必ずしも容易ではなく、また、その輸送及び設置にも相当程度の費用が発生し得るところ、上記印刷会社の倒産等により当該印刷機を他の印刷会社等へ貸与する必要が生じた場合には、その受入れ先印刷会社の確保、当該印刷機の輸送及び設置等に伴って多額の費用が発生し、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、生産管理担当の責任者による貸与先印刷会社への定期的な訪問等、生産状況や経営状況の把握に努めております。 ⑤投融資について今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。 投融資については、リスク及び回収可能性を十分に事前評価し決定してまいりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融資額を回収できなかった場合や減損処理が必要となった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、出資等の案件について、当社グループの目指すビジョンとの整合を確認し、ビジネスモデルを十分に検討した上で判断するとともに、出資後は定期的なモニタリングを継続実施してまいります。 ⑥資金調達について当社グループは、銀行およびその他の金融機関からの借入、2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債等の資本市場からの調達、ならびに預金などの手段により資金調達を実施しております。 国内外の経済情勢を受けた市場の混乱や当社グループの財務内容の悪化などにより資金調達が困難になる可能性や、金利上昇により支払利息が増大する可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、保有現預金や自己資本比率水準等の財務の健全性を維持・強化するとともに、資金調達手段の多様化等を進め、低利かつ安定的な資金の確保に努めております。 〔用語説明〕(注)ISMS(アイ・エス・エム・エス):Information Security Management Systemの略 情報セキュリティ管理の国際標準に基づき定められた情報セキュリティマネジメントシステムの適合性評価制度。 継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図り、この認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体が第三者機関により認証される。 (3) 法的規制に関するリスク①訴訟等について事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。 かかる訴訟の内容及び結果によっては、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、多大な訴訟対応費用の発生や社会的信用の毀損によって、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、訴訟等や社会的信用の棄損に繋がる事象に対し、弁護士事務所と連携し、経営に重大な影響を及ぼし得る事象はリスク管理委員会でグループ横断で審議する体制を整備しております。 ②コンプライアンスについて当社グループが運営する事業は、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「景品表示法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」といった様々な法規制の対象となっております。 事業活動を行う中で、法令違反や第三者の保有する知的財産権の侵害等が生じた場合、信頼の低下や事業活動の制限、関連コストの増加、企業価値の棄損等、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、当社グループはコンプライアンスポリシーを定め、定期的な研修等の啓発活動を通じ、コンプライアンス体制の充実に努めております。 ③個人情報の保護について当社グループは、会員登録情報をはじめとする個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。 何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、個人情報保護方針及び個人情報保護規程を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。 (4) その他①配当政策について当社グループは株主還元を適切に行っていくことが重要であると認識しており、剰余金の配当については、内部留保とのバランスを考慮して適切な配当の実施をしていくことを基本方針としております。 一方、従前においては、事業の成長段階にあることから内部留保の充実が重要であると考え、配当は実施しておりませんでした。 しかしながら、今般、事業の拡大により継続的なキャッシュ・フローが創出できるフェーズに至り、成長機会に対する投資を実行しつつも株主還元の開始が可能と判断し、剰余金の配当を開始することを決定いたしました。 つきましては、当事業年度において、2024年9月12日開催の取締役会にて、利益剰余金を配当原資とする1株1.7円の剰余金の配当を行うことを決議しております。 加えて、2024年3月13日に公表いたしました「中期財務ポリシー」並びに「中期的なキャピタルアロケーション」の中で、今後5年間の事業で創出するキャッシュの10%(25億円)を下限とし、自己株式取得を主な手段とする株主還元方針を示し、当事業年度においては約7億円の自己株式の取得を実施いたしました。 翌事業年度以降につきましても、Quality Growth(利益とキャッシュ・フローを伴った成長)を継続し、利益成長に沿って安定的かつ継続的な株主還元を行う方針であります。 ②株式価値の希薄化について当社グループは、新株予約権制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。 当該制度は、当社グループの役員、従業員及び社外協力者に対して、経営成績向上に対する意欲の向上及び経営参画意識の向上等に有効な制度と認識しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。 また、当社は、2024年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行をしております。 これらの新株予約権の行使、譲渡制限付株式報酬制度に係る新株式の発行ならびに当該転換社債型新株予約権付社債が株式に転換された場合には、既存の株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行するなど収束へ向けた動きが加速し、個人消費の拡大や海外からの渡航者の増加等、社会・経済活動の正常化に向け緩やかな持ち直しの傾向が見られました。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まりによる資源価格の高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの下、主に印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告をはじめとするマーケティングプラットフォーム「ノバセル」を運営してまいりました。 当連結会計年度から代表取締役の変更もあり、ラクスルグループにとって第二創業期に入りました。 複数の事業を運営する中で、オーガニックの成長だけでなく、連続的なM&Aによる拡張を通じて更なる事業成長、ひいては企業価値の創出をより一層加速させております。 当連結会計年度においては、商材の拡張を目的とするM&Aや原価低減などの収益性改善を目的とするM&Aを連続的に行い、早期のシナジー創出のためにPMIに注力したほか、子会社を吸収合併することで事業成長をより一層促進するなど、新たなグループ作りに向けて積極的な動きをしております。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は51,121百万円(前年同期比24.6%増)、営業利益は2,523百万円(前年同期比42.9%増)、経常利益は2,041百万円(前年同期比74.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,118百万円(前年同期比59.4%増)となりました。 セグメント毎の状況は、次のとおりであります。 ラクスルセグメント「ラクスル」においては、ラクスルエンタープライズが導入企業社数2,000社を突破するなど既存事業がオーガニックな成長を続ける中、株式会社ラクスルファクトリー、株式会社AmidAホールディングス(現、株式会社ハンコヤドットコム)、株式会社エーリンクサービスの株式取得を通じて、商材の拡張や収益性の改善に向けた取り組みを行っており、連続的なM&Aによる拡張も実現しております。 この結果、売上高は47,097百万円(前年同期比24.8%増)、セグメント利益は5,139百万円(前年同期比38.8%増)となりました。 ノバセルセグメント「ノバセル」においては、制作の売上が落ち込んでいる一方で、高速調査サービス「ノビシロ」をはじめとするSaaS事業は順調な拡大を続けております。 さらに、株式会社Wild Sideの株式取得によるTVCMのバイイングの強化(番組指定、短期間・短納期バイイング、並びに高速PDCAの実現)や、株式会社Antooの株式取得による出張動画サービスのリリースなど、M&Aを活用しながら顧客価値の拡大を追求しております。 この結果、売上高は2,476百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント損失は61百万円(前年同期はセグメント損失15百万円)となりました。 ②当期の財政状態の概況a.流動資産当連結会計年度末における流動資産は24,981百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,392百万円増加いたしました。 これは主に、現金及び預金が2,369百万円、受取手形及び売掛金が1,051百万円、商品及び製品が213百万円増加したことによるものであります。 b.固定資産当連結会計年度末における固定資産は18,881百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,805百万円増加いたしました。 これは主に、のれんが3,518百万円、投資有価証券が2,499百万円増加したことによるものであります。 c.流動負債当連結会計年度末における流動負債は17,983百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,690百万円増加いたしました。 これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の固定負債から流動負債への振替による5,003百万円の増加のほか、短期借入金1,500百万円、未払金及び未払費用1,092百万円、買掛金525百万円増加したことによるものであります。 d.固定負債当連結会計年度末における固定負債は10,200百万円となり、前連結会計年度末に比べ262百万円減少いたしました。 これは主に、長期借入金が2,554百万円、社債が2,000百万円増加した一方で、転換社債型新株予約権付社債の固定負債から流動負債への振替により5,013百万円減少したことによるものであります。 e.純資産当連結会計年度末における純資産合計は15,678百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,769百万円増加いたしました。 これは主に、自己株式の取得により700百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益を2,118百万円計上したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は32.3%(前連結会計年度末は38.5%)となりました。 ③当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前連結会計年度末に比べ2,359百万円増加し、当連結会計年度末には17,004百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は2,705百万円(前連結会計年度は2,902百万円の獲得)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益を3,430百万円、のれん償却費を931百万円、減価償却費を641百万円、株式報酬費用を473百万円、関係会社株式売却益を1,407百万円計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は6,930百万円(前連結会計年度は297百万円の獲得)となりました。 これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,733百万円、投資有価証券の取得による支出2,392百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は5,671百万円(前連結会計年度は2,238百万円の使用)となりました。 これは主に、長期借入れによる収入4,250百万円、社債の発行による収入2,426百万円によるものであります。 (2) 生産、受注及び販売の実績①生産実績当社グループで行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 ②受注実績当社グループで行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年8月1日至 2024年7月31日)販売高(百万円)前年同期比増減額(百万円)増減率(%)ラクスル47,0979,34624.8ノバセル2,476△176△6.6報告セグメント計49,5739,17022.7その他1,547932151.8合計51,12110,10224.6(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。 この財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。 経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループが財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.売上高当連結会計年度の売上高は、51,121百万円(前年同期比24.6%増)となりました。 国内経済活動の正常化への動きもありながら、連続的なM&Aによる領域や商材の拡張を経て、各事業は堅調に拡大しております。 b.売上原価、売上総利益当連結会計年度の売上原価は、33,929百万円(前年同期比18.1%増)となりました。 この結果、売上総利益は17,192百万円(前年同期比39.8%増)となりました。 当社グループは、売上総利益を「プラットフォームの価値を示す、付加価値の総和」として最重要の指標と位置付けております。 セグメント毎に利益率が異なるため全社合計での絶対額の増加及び対前年同期比の増加率を重視しております。 「ラクスル」においては、プライシングの最適化を実施し、サプライヤーの生産性や原価改善支援、資材の共同調達による原価改善を行っております。 「ノバセル」においては、SaaS事業の拡大のほか、当連結会計年度中に新たに取得した子会社を通じて原価改善が図られております。 これらが売上総利益率の改善及び売上総利益額の増加に寄与しております。 c.販売費及び一般管理費、営業利益当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、14,668百万円(前年同期比39.3%増)となりました。 これは主に、登録ユーザー数及び認知度増加に向けた広告宣伝投資のほか、事業規模拡大に伴う人員採用、M&Aによって生ずるのれん償却費や株式取得関連費用の増加によるものであります。 この結果、営業利益は2,523百万円(前年同期比42.9%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社グループは、継続的な成長のため、認知度の向上及びユーザー数の拡大に努めてまいりました。 今後も広告宣伝投資を実施することにより新規ユーザーを獲得するとともに、高い定着性を有する顧客基盤を構築すべく、システム開発を継続して行う方針であります。 また、連続的なM&Aによる拡張を通して事業のさらなる成長へとつなげていく所存です。 これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入、社債の発行及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。 なお、当連結会計年度末においては17,014百万円の現金及び預金を有しており、自己資本比率も32.3%と適正水準を維持しており財務健全性は高い状態にあります。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化、シェアリングによる生産体制、人材の確保・育成、法的規制、自然災害等のリスク、情報システムリスク、訴訟に係るリスク等、様々な要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 また、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行するなど収束へ向けた動きが加速し、社会・経済活動の正常化に向け緩やかな持ち直しの傾向が見られました。 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東状勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まりによる資源価格の高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。 当社グループにおいては2025年7月期においても引き続き不透明な状況にあると仮定しておりますが、今後状況が変化した場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。 そのため、当社グループは、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することで、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。 |
| 経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 (連結子会社の吸収合併)当社は、2023年5月18日開催の取締役会において、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社である株式会社ダンボールワンを吸収合併消滅会社とする吸収合併をすることを決議し、同日付で合併契約を締結し、同年8月1日付で吸収合併いたしました。 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。 |
| 研究開発活動 | 6【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
| 設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度における設備投資(無形固定資産への投資を含む。 )の総額は595百万円であります。 その主なものは、キャパシティ拡大や生産効率の改善を目的とした生産設備投資394百万円やサービス拡充に伴うソフトウエア製作費用等181百万円であります。 |
| 主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (1) 提出会社2024年7月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(百万円)機械及び装置(百万円)ソフトウエア(百万円)その他(百万円)合計(百万円)本社(東京都品川区)ラクスル全社業務施設64-22116302324(46)提携印刷会社等ラクスル印刷機器等-81--81-(-)(注)1.当社には現在休止中の主要な設備はありません。 2.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 3.本社その他の事業所の建物は賃借しており、その年間賃借料は236百万円であります。 4.その他は工具、器具及び備品等であります。 (2) 国内子会社2024年7月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(百万円)機械及び装置(百万円)土地(百万円)(面積㎡)ソフトウェア(百万円)その他(百万円)合計(百万円)株式会社ラクスルファクトリー本社(東京都江東区)ラクスル業務施設212228-2014760744(126)株式会社ハンコヤドットコム本社(大阪府大阪市)ラクスル業務施設8072113(152.01)143141190(14)株式会社エーリンクサービス本社(福井県鯖江市)ラクスル業務施設2212522(5,656.28)-827627 (2)ノバセル株式会社本社(東京都品川区)ノバセル業務施設---135113581(13)(注)1.従業員数は就業人員(子会社から社外への出向者を除き、社外から子会社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.その他は工具、器具及び備品等のほか、建設仮勘定を含んでおります。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画はありません。 (2) 重要な設備の除却等重要な設備の除却等の計画はありません。 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 595,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 36 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,945,533 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株価の変動または配当の受領によって利益を得ることを目的とする投資株式を純投資目的の投資株式とし、その他の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)としております。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、政策保有株式について、当社の運営するBtoBシェアリングプラットフォームの価値向上、ひいては中長期の当社企業価値向上に資するもののみを保有する方針とし、定期的に、個別銘柄に対する検証を行っております。 具体的には、各事業年度末時点において、保有目的が純投資目的以外である有価証券について、期末時価等を基準とした保有金額、取得価額、保有株数及び保有割合、取得後の状況等を一覧化し、保有目的を直近の当社事業方針に照らして「当社事業における領域拡張」、「当社事業におけるパートナーとの関係強化」、「新規事業領域策定の為の探索・ラーニング」に分類した上で、個別銘柄ごとに今後の保有方針を決定し、当該方針を取締役会において決議しております。 直近の検証では、2024年8月26日開催の当社取締役会において、個別銘柄ごとに保有目的に合致しているか等を検証し、保有の妥当性が認められない株式については縮減を進める方針、また、それ以外の株式については継続保有する方針といたしました。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式62,065非上場株式以外の株式127 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式12,000第三者割当増資の引受による取得非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)プリントネット(株)40,00040,000印刷事業における生産委託先として、関係維持のため保有無2732 みなし保有株式該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,065,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 27,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,000,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 40,000 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 27,000,000 |
| 株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 第三者割当増資の引受による取得 |
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | プリントネット(株) |
| 保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 印刷事業における生産委託先として、関係維持のため保有 |
| 当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
| 大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年7月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR9,46216.27 松本 恭攝東京都品川区7,58213.04 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-126,12110.52 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 Cabot Square, Canary Wharf, London E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティサウスタワー)4,1207.08 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)東京都千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティサウスタワー1,7032.93 THE BANK OF NEW YORK 133652(常任代理人 株式会社みずほ銀行)BOULEVARD ANSPACH 1, 1000 BRUSSELS, BELGIUM(東京都港区港南2丁目15番1号 品川インターシティA棟)1,5992.75 MLI FOR CLIENT GENERAL OMNI NO COLLATERAL NO TREATY-PB(常任代理人 BOFA証券株式会社)MERRILL LYNCH FINANCIAL CENTRE 2 KING EDWARD STREET LONDON UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1丁目4-1 日本橋一丁目三井ビルディング)1,4372.47 THE BANK OF NEW YORK 133612(常任代理人 株式会社みずほ銀行)BOULEVARD ANSPACH 1, 1000 BRUSSELS, BELGIUM(東京都港区港南2丁目15番1号 品川インターシティA棟)1,4192.44MORGAN STANLEY & CO.LLC(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)1585 Broadway NewYork, NewYork10036, U.S.A.(東京都千代田区大手町1丁目9-7 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー)1,0581.82 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1,BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15番1号 品川インターシティA棟)1,0141.74計-35,51961.07 (注)1. 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数9,462千株は、全て信託業務に係る株式数であります。2. 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、6,118千株であります。3.持株比率は自己株式(810,350株)を発行済株式の総数から控除して算出し、小数点第3位以下を四捨五入しております。4.2023年12月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、チカラ・インベストメンツ・エルエルピーが2023年11月29日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)チカラ・インベストメンツ・エルエルピーロンドン セント・ジェームスズ・ストリート 31-32株式 2,830,4004.825.2024年2月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、フィデリティ投信株式会社が2024年2月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)フィデリティ投信株式会社東京都港区六本木七丁目7番7号株式 3,106,1005.296.2024年4月30日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ及び共同保有者2名が2024年4月22日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内一丁目4番5号株式 718,5001.22三菱UFJアセットマネジメント株式会社東京都港区東新橋一丁目9番1号株式 538,1000.91ファースト・センティア・インベスターズ(香港)リミテッド25th Floor, One Exchange Square, Central, Hong Kong株式 1,041,0001.777.2024年5月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、みずほ証券株式会社及び共同保有者3名が2024年5月10日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)みずほ証券株式会社東京都千代田区大手町1丁目5番1号株式 1,876,4133.09アセットマネジメントOne株式会社東京都千代田区丸の内一丁目8番2号株式 4,704,5007.73みずほインターナショナル30 Old Bailey, London, EC4M 7AU, United Kingdom株式 00.00アセットマネジメントOneインターナショナル30 Old Bailey, London, EC4M 7AU, United Kingdom株式 84,2000.14 8.2024年8月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、野村證券株式会社及び共同保有者2名が2024年7月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)野村證券株式会社東京都中央区日本橋一丁目13番1号株式 -11,500-0.02ノムラ インターナショナル・ピーエルシー1 Angel Lane, London EC4R 3AB, United Kingdom株式 1,037,5751.76野村アセットマネジメント株式会社東京都江東区豊洲二丁目2番1号株式 1,870,4003.179.2024年8月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び共同保有者1名が2024年7月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社東京都港区芝公園一丁目1番1号株式 3,659,8006.21日興アセットマネジメント株式会社東京都港区赤坂九丁目7番1号株式 803,1101.3610.2024年8月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社及び共同保有者2名が2024年7月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年7月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、株主名簿上の保有株式数に基づき記載しております。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社東京都千代田区大手町一丁目9番7号大手町フィナンシャルシティサウスタワー株式 1,662,2422.82モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー英国 ロンドン カナリーワーフ 25カボットスクエア E14 4QA株式 24,4000.04モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・エルエルシーアメリカ合衆国 19801 デラウェア州 ウィルミントン、オレンジ・ストリート1209 コーポレーション・トラスト・センター、ザ・コーポレーション・トラスト・カンパニー気付株式 107,6850.18 |
| 株主数-金融機関 | 14 |
| 株主数-金融商品取引業者 | 33 |
| 株主数-外国法人等-個人 | 33 |
| 株主数-外国法人等-個人以外 | 114 |
| 株主数-個人その他 | 12,621 |
| 株主数-その他の法人 | 87 |
| 株主数-計 | 12,902 |
| 氏名又は名称、大株主の状況 | STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行) |
| 株主総利回り | 1 |
| 株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
| 株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式6,038583,703当期間における取得自己株式150179,558(注)1.当事業年度における取得自己株式は、単元未満株式の買取請求及び譲渡制限付株式の無償取得によるものであります。 2.当期間における取得自己株式には、2024年10月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び譲渡制限付株式の無償取得による株式数は含まれておりません。 |
Shareholders2
| 自己株式の取得 | -700,000,000 |
| 自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -700,000,000 |
| 発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)158,476,092496,454-58,972,546合計58,476,092496,454-58,972,546自己株式 普通株式(注)2264,312546,038-810,350合計264,312546,038-810,350(注)1.普通株式の発行済株式の増加は、新株予約権の権利行使による増加483,004株、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行による増加13,450株であります。 2.普通株式の自己株式の増加は、取締役会決議による自己株式の取得による増加540,000株、譲渡制限付株式報酬としての株式の無償取得による増加5,518株、単元未満株式の買取りによる増加520株であります。 |
Audit
| 監査法人1、連結 | 有限責任監査法人トーマツ |
| 独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年10月25日ラクスル株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士佐野 明宏 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士古川 譲二 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているラクスル株式会社の2023年8月1日から2024年7月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ラクスル株式会社及び連結子会社の2024年7月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項 注記事項(追加情報)の「代表取締役に対するロングタームインセンティブパッケージについて」に記載されているとおり、会社は、代表取締役に対するロングタームインセンティブパッケージを導入し、2023年12月4日付で、「事後交付型リストリクテッド・ストック・ユニット」について契約を締結し、「有償ストックオプション」について新株予約権を発行した。 また、「当社株式の買付」については、会社は、代表取締役に対する融資を予定しているが、当連結会計年度では実行されていない。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当連結会計年度末の連結貸借対照表にのれん7,730百万円を計上しており、これは総資産の17.9%を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.のれんの評価に記載されているとおり、当該のれんは取得時の超過収益力に基づいて計上されていることから、会社は減損の兆候判定において、株式取得時の投資回収計画と実績の比較等に基づき、超過収益力の著しい低下の有無を検討している。 また、減損の兆候があると判断された場合には、会社は将来の事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの見積り総額と当該事業の資産グループの帳簿価額との比較により減損損失の認識の判定を行うこととしている。 会社は、株式会社ペライチ(Webサービスの開発・運営会社、以下、ペライチ社)以外の子会社に対するのれんについては、営業活動から生ずる損益がプラスであること、また、企業環境等に著しい変化は想定されず将来においても継続してプラスとなることが見込まれていることから、株式取得時に見込んだ超過収益力は毀損しておらず、減損の兆候はないと判断している。 一方、ペライチ社に対するのれんについては、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスであることから、減損の兆候があると判断している。 このペライチ社に対するのれん残高は588百万円、税金等調整前当期純利益に対する割合は17.1%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 ペライチ社ののれんの評価にあたり算定された将来の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者による判断を要するため不確実性を有するものである。 当該将来キャッシュ・フローの見積りにおける重要な仮定は、主として、過去の経営成績の実情を勘案した一定の売上高成長率及び営業利益率であり、経営者による高度な判断を要する。 以上により、ペライチ社に係るのれんには金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はペライチ社に係るのれんの評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ペライチ社ののれんの評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価のれんの評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 減損損失の認識の検討① 会社が作成した減損の認識要否判定資料について、割引前将来キャッシュ・フローの算定方法及び見積期間の合理性を検討した。 その上で、その基礎データとなる関連資料との照合、及び再計算を実施し、認識の判定が適切になされているかを検討した。 ② 会社が策定した事業計画の損益について、実績との比較検討を実施した。 計画と実績の乖離状況については、子会社の経営者及び会社の管理責任者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ③ 事業計画における重要な仮定の合理性を検討するために、子会社の経営者及び会社の管理責任者等に質問するとともに、各重要な仮定に関して過去の実績や入手可能な外部データ等との比較分析を実施した。 特に売上高成長率については、ユーザー数、単価、解約率等の重要な業績管理指標別に推移分析を実施し、その実現可能性を検討した。 その他の事項会社の2023年7月31日をもって終了した前連結会計年度の連結財務諸表は、前任監査人によって監査されている。 前任監査人は、当該連結財務諸表に対して2023年10月27日付けで無限定適正意見を表明している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、ラクスル株式会社の2024年7月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、ラクスル株式会社が2024年7月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
| 監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当連結会計年度末の連結貸借対照表にのれん7,730百万円を計上しており、これは総資産の17.9%を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.のれんの評価に記載されているとおり、当該のれんは取得時の超過収益力に基づいて計上されていることから、会社は減損の兆候判定において、株式取得時の投資回収計画と実績の比較等に基づき、超過収益力の著しい低下の有無を検討している。 また、減損の兆候があると判断された場合には、会社は将来の事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの見積り総額と当該事業の資産グループの帳簿価額との比較により減損損失の認識の判定を行うこととしている。 会社は、株式会社ペライチ(Webサービスの開発・運営会社、以下、ペライチ社)以外の子会社に対するのれんについては、営業活動から生ずる損益がプラスであること、また、企業環境等に著しい変化は想定されず将来においても継続してプラスとなることが見込まれていることから、株式取得時に見込んだ超過収益力は毀損しておらず、減損の兆候はないと判断している。 一方、ペライチ社に対するのれんについては、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスであることから、減損の兆候があると判断している。 このペライチ社に対するのれん残高は588百万円、税金等調整前当期純利益に対する割合は17.1%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 ペライチ社ののれんの評価にあたり算定された将来の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者による判断を要するため不確実性を有するものである。 当該将来キャッシュ・フローの見積りにおける重要な仮定は、主として、過去の経営成績の実情を勘案した一定の売上高成長率及び営業利益率であり、経営者による高度な判断を要する。 以上により、ペライチ社に係るのれんには金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はペライチ社に係るのれんの評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ペライチ社ののれんの評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価のれんの評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 減損損失の認識の検討① 会社が作成した減損の認識要否判定資料について、割引前将来キャッシュ・フローの算定方法及び見積期間の合理性を検討した。 その上で、その基礎データとなる関連資料との照合、及び再計算を実施し、認識の判定が適切になされているかを検討した。 ② 会社が策定した事業計画の損益について、実績との比較検討を実施した。 計画と実績の乖離状況については、子会社の経営者及び会社の管理責任者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ③ 事業計画における重要な仮定の合理性を検討するために、子会社の経営者及び会社の管理責任者等に質問するとともに、各重要な仮定に関して過去の実績や入手可能な外部データ等との比較分析を実施した。 特に売上高成長率については、ユーザー数、単価、解約率等の重要な業績管理指標別に推移分析を実施し、その実現可能性を検討した。 |
| 全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
| 見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価 |
| 内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、当連結会計年度末の連結貸借対照表にのれん7,730百万円を計上しており、これは総資産の17.9%を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.のれんの評価に記載されているとおり、当該のれんは取得時の超過収益力に基づいて計上されていることから、会社は減損の兆候判定において、株式取得時の投資回収計画と実績の比較等に基づき、超過収益力の著しい低下の有無を検討している。 また、減損の兆候があると判断された場合には、会社は将来の事業計画に基づく割引前将来キャッシュ・フローの見積り総額と当該事業の資産グループの帳簿価額との比較により減損損失の認識の判定を行うこととしている。 会社は、株式会社ペライチ(Webサービスの開発・運営会社、以下、ペライチ社)以外の子会社に対するのれんについては、営業活動から生ずる損益がプラスであること、また、企業環境等に著しい変化は想定されず将来においても継続してプラスとなることが見込まれていることから、株式取得時に見込んだ超過収益力は毀損しておらず、減損の兆候はないと判断している。 一方、ペライチ社に対するのれんについては、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスであることから、減損の兆候があると判断している。 このペライチ社に対するのれん残高は588百万円、税金等調整前当期純利益に対する割合は17.1%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 ペライチ社ののれんの評価にあたり算定された将来の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者による判断を要するため不確実性を有するものである。 当該将来キャッシュ・フローの見積りにおける重要な仮定は、主として、過去の経営成績の実情を勘案した一定の売上高成長率及び営業利益率であり、経営者による高度な判断を要する。 以上により、ペライチ社に係るのれんには金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はペライチ社に係るのれんの評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
| 開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.のれんの評価 |
| 監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、ペライチ社ののれんの評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価のれんの評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 減損損失の認識の検討① 会社が作成した減損の認識要否判定資料について、割引前将来キャッシュ・フローの算定方法及び見積期間の合理性を検討した。 その上で、その基礎データとなる関連資料との照合、及び再計算を実施し、認識の判定が適切になされているかを検討した。 ② 会社が策定した事業計画の損益について、実績との比較検討を実施した。 計画と実績の乖離状況については、子会社の経営者及び会社の管理責任者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ③ 事業計画における重要な仮定の合理性を検討するために、子会社の経営者及び会社の管理責任者等に質問するとともに、各重要な仮定に関して過去の実績や入手可能な外部データ等との比較分析を実施した。 特に売上高成長率については、ユーザー数、単価、解約率等の重要な業績管理指標別に推移分析を実施し、その実現可能性を検討した。 |
| その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
| 報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
| 監査法人1、個別 | 有限責任監査法人トーマツ |
| 独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年10月25日ラクスル株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士佐野 明宏 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士古川 譲二 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているラクスル株式会社の2023年8月1日から2024年7月31日までの第15期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ラクスル株式会社の2024年7月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項注記事項(追加情報)の「代表取締役に対するロングタームインセンティブパッケージについて」に記載されているとおり、会社は、代表取締役に対するロングタームインセンティブパッケージを導入し、2023年12月4日付で、「事後交付型リストリクテッド・ストック・ユニット」について契約を締結し、「有償ストックオプション」について新株予約権を発行した。 また、「当社株式の買付」については、会社は、代表取締役に対する融資を予定しているが、当事業年度では実行されていない。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子会社である株式会社ペライチに係る関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当事業年度末の貸借対照表に関係会社株式8,213百万円を計上しており、これは総資産の19.7%を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.関係会社に対する投融資の評価に記載されているとおり、関係会社の財政状態の悪化により関係会社株式の実質価額が著しく低下した場合には、会社は回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き相当の減額を行い、実質価額まで減損処理を行うこととしている。 会社は、子会社である株式会社ペライチ(Webサービスの開発・運営会社、以下、ペライチ社)以外の関係会社株式について、①減損処理を行ったか、②純資産に基づく実質価額の低下を識別していないか、③超過収益力を反映した取得であるため、取得時の事業計画とその後の実績を比較した結果、超過収益力の減少を識別していない。 一方で、ペライチ社については、会社は連結上ののれんについて減損損失の認識の判定を行ったことから、取得可能な財務情報、将来の事業計画等を基礎として超過収益力を評価し、実質価額の著しい下落がないかを検討している。 このペライチ社株式残高は1,387百万円、税引前当期純利益に対する割合は41.0%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 超過収益力の評価及び将来の事業計画の見積りは、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価」と同様、経営者による判断が含まれるため、不確実性を有するものである。 以上により、ペライチ社株式には金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はペライチ社株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ペライチ社株式の評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価関係会社株式の評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 実質価額の評価の検討① 超過収益力を反映した実質価額と帳簿価額を比べ、実質価額の著しい低下がないかどうかを検討した。 ② 超過収益力を反映した実質価額の算定について、企業価値評価としてインカムアプローチのDCF法が採用されていることから、当監査法人の企業価値評価に係る専門家を関与させ、超過収益力の算定における評価方法及び割引率の検証を行った。 なお、ペライチ社の実質価額算定の基礎となる最新の事業計画の合理性の評価について実施した監査手続は、連結財務諸表に対する監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価」と同様であるため、記載を省略している。 子会社であるノバセル株式会社に係る関係会社貸付金の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当事業年度末の貸借対照表に関係会社短期貸付金906百万円、関係会社長期貸付金1,067百万円計上している。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.関係会社に対する投融資の評価に記載されているとおり、関係会社の財政状態が悪化している場合には、会社は支払能力や将来の事業計画等を総合的に勘案し、個別に回収不能見込額を貸倒引当金として計上することとしている。 会社は、子会社である株式会社ノバセル(以下、ノバセル社)に対し、関係会社短期貸付金800百万円、関係会社長期貸付金1,000百万円を有しているが、ノバセル社の業績及び財政状態は悪化しており、同社に対する株式については減損処理を行っている。 ノバセル社に対する関係会社貸付金残高は合計1,800百万円、税引前当期純利益に対する割合は53.2%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 当該貸付金の評価にあたり、将来の事業計画に基づく回収可能額の見積りは経営者による判断を要するため、不確実性を有するものである。 当該回収可能額の見積りにおける重要な仮定は、主として、過去の経営成績の実情を勘案した一定の売上高成長率であり、経営者による高度な判断を要する。 以上により、ノバセル社に対する貸付金には金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はノバセル社に対する貸付金の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ノバセル社に対する貸付金の評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価関係会社貸付金の評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、返済計画の基となる事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 貸付金の評価の検討① 関係会社貸付金について、ノバセル社の財政状態や事業計画に基づき算出された返済原資と貸付金残高を比較し、貸倒引当金計上要否の判定が適切になされているかを検討した。 ② 前事業年度に策定した事業計画の損益について、実績との比較検討を実施した。 計画と実績の乖離状況については、子会社の経営者及び会社の管理責任者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ③ 事業計画における重要な仮定の合理性を検討するために、子会社の経営者及び会社の管理責任者等に質問するとともに、各重要な仮定に関して過去の実績や入手可能な外部データ等との比較分析を実施した。 特に売上高成長率については、受注件数、受注単価等の重要な業績管理指標別に推移分析を実施し、その実現可能性を検討した。 その他の事項会社の2023年7月31日をもって終了した前事業年度の財務諸表は、前任監査人によって監査されている。 前任監査人は、当該財務諸表に対して2023年10月27日付けで無限定適正意見を表明している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
| 監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子会社である株式会社ペライチに係る関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当事業年度末の貸借対照表に関係会社株式8,213百万円を計上しており、これは総資産の19.7%を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.関係会社に対する投融資の評価に記載されているとおり、関係会社の財政状態の悪化により関係会社株式の実質価額が著しく低下した場合には、会社は回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き相当の減額を行い、実質価額まで減損処理を行うこととしている。 会社は、子会社である株式会社ペライチ(Webサービスの開発・運営会社、以下、ペライチ社)以外の関係会社株式について、①減損処理を行ったか、②純資産に基づく実質価額の低下を識別していないか、③超過収益力を反映した取得であるため、取得時の事業計画とその後の実績を比較した結果、超過収益力の減少を識別していない。 一方で、ペライチ社については、会社は連結上ののれんについて減損損失の認識の判定を行ったことから、取得可能な財務情報、将来の事業計画等を基礎として超過収益力を評価し、実質価額の著しい下落がないかを検討している。 このペライチ社株式残高は1,387百万円、税引前当期純利益に対する割合は41.0%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 超過収益力の評価及び将来の事業計画の見積りは、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価」と同様、経営者による判断が含まれるため、不確実性を有するものである。 以上により、ペライチ社株式には金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はペライチ社株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ペライチ社株式の評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価関係会社株式の評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 実質価額の評価の検討① 超過収益力を反映した実質価額と帳簿価額を比べ、実質価額の著しい低下がないかどうかを検討した。 ② 超過収益力を反映した実質価額の算定について、企業価値評価としてインカムアプローチのDCF法が採用されていることから、当監査法人の企業価値評価に係る専門家を関与させ、超過収益力の算定における評価方法及び割引率の検証を行った。 なお、ペライチ社の実質価額算定の基礎となる最新の事業計画の合理性の評価について実施した監査手続は、連結財務諸表に対する監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「子会社である株式会社ペライチに係るのれんの評価」と同様であるため、記載を省略している。 子会社であるノバセル株式会社に係る関係会社貸付金の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当事業年度末の貸借対照表に関係会社短期貸付金906百万円、関係会社長期貸付金1,067百万円計上している。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1.関係会社に対する投融資の評価に記載されているとおり、関係会社の財政状態が悪化している場合には、会社は支払能力や将来の事業計画等を総合的に勘案し、個別に回収不能見込額を貸倒引当金として計上することとしている。 会社は、子会社である株式会社ノバセル(以下、ノバセル社)に対し、関係会社短期貸付金800百万円、関係会社長期貸付金1,000百万円を有しているが、ノバセル社の業績及び財政状態は悪化しており、同社に対する株式については減損処理を行っている。 ノバセル社に対する関係会社貸付金残高は合計1,800百万円、税引前当期純利益に対する割合は53.2%であり、会社の損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。 当該貸付金の評価にあたり、将来の事業計画に基づく回収可能額の見積りは経営者による判断を要するため、不確実性を有するものである。 当該回収可能額の見積りにおける重要な仮定は、主として、過去の経営成績の実情を勘案した一定の売上高成長率であり、経営者による高度な判断を要する。 以上により、ノバセル社に対する貸付金には金額的な重要性があり、その評価には不確実性を有する仮定が含まれていることから、当監査法人はノバセル社に対する貸付金の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ノバセル社に対する貸付金の評価を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価関係会社貸付金の評価に関するプロセスについて、会社が構築した内部統制の整備状況の評価を実施した。 当該内部統制には、返済計画の基となる事業計画策定における社内の検証手続、承認手続が含まれている。 (2) 貸付金の評価の検討① 関係会社貸付金について、ノバセル社の財政状態や事業計画に基づき算出された返済原資と貸付金残高を比較し、貸倒引当金計上要否の判定が適切になされているかを検討した。 ② 前事業年度に策定した事業計画の損益について、実績との比較検討を実施した。 計画と実績の乖離状況については、子会社の経営者及び会社の管理責任者等への質問により、その要因となる経営環境等の外部要因や組織内要因等の変化を把握するとともに、今後の事業計画に及ぼす影響について検討した。 ③ 事業計画における重要な仮定の合理性を検討するために、子会社の経営者及び会社の管理責任者等に質問するとともに、各重要な仮定に関して過去の実績や入手可能な外部データ等との比較分析を実施した。 特に売上高成長率については、受注件数、受注単価等の重要な業績管理指標別に推移分析を実施し、その実現可能性を検討した。 |
| 全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
| 見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 子会社であるノバセル株式会社に係る関係会社貸付金の評価 |
| その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
| 報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
| 電子記録債権、流動資産 | 49,000,000 |
| 商品及び製品 | 263,000,000 |
| 原材料及び貯蔵品 | 309,000,000 |