財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-09-27 |
英訳名、表紙 | TECNISCO, LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 関家 圭三 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都品川区南品川二丁目2番15号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-3458-4561(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 1970年2月東京都港区芝に、株式会社第一製砥所(現株式会社ディスコ)の研削切断加工技術を研究開発する目的で、株式会社精密切断研究所を個人出資により設立1971年9月東京都品川区南品川に切断加工工場である品川工場を新設し株式会社テクニスコに商号変更1972年9月株式会社ディスコ66.7%出資によりディスコグループに参加1987年8月広島県呉市広多賀谷に広島工場を新設1989年4月株式譲渡により株式会社ディスコ100%出資の子会社となる1993年8月品川工場を広島工場に移転し加工部門を増強1999年10月品質マネジメントシステムISO9002を取得2001年12月東京都品川区南品川に新社屋を竣工2002年1月東京都品川区南品川の新社屋に本店を移転2002年7月広島工場にて環境マネジメントシステムISO14001を取得2005年9月中華人民共和国にTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.を100%子会社として設立2005年11月品質マネジメントシステムISO9001を取得2008年1月TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得2009年2月TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得2014年10月MBO(マネジメント・バイアウト)の実施により株式会社ディスコより独立2015年3月TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、自動車産業特化品質マネジメントシステムISO/TS16949を取得2016年12月海外企業より、シルバーダイヤ(高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料)製造に関する特許の使用許諾契約を締結2017年8月シンガポールにTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.を100%子会社として設立2018年4月TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、シルバーダイヤの製造を開始2018年8月シルバーダイヤ製品のサンプル提供を開始2019年5月ドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを100%子会社として設立2022年4月2023年7月TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得2023年7月 2023年7月TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、労働安全衛生マネジメントシステムISO45001を取得東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社2社、非連結子会社1社により構成されており、精密加工部品事業の単一セグメントを営んでおります。 当社グループが製造販売する製品群は、「ヒートシンク(*)製品」、「ガラス製品」及び「その他」に区分され、それぞれ以下のとおりとなります。 なお、(*)を付している用語については、章末に「用語解説」を設け、説明しております。 ・ヒートシンク製品 当社グループが扱う「ヒートシンク製品」は、電子部品が機能する際に発生する熱を吸収し放熱して、性能低下や故障を防ぐことを目的とした構成部品であり、半導体レーザー(*)向け、パワー半導体(*)向け、MPU(*)向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しております。 ・ガラス製品 当社グループが扱う「ガラス製品」は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの機能性を上げる構成部品で、半導体センサー(*)などの電子デバイスの小型化、高機能化を可能とするための付加価値を高めた「ガラス製品」が求められており、各種センサー向け、モバイル機器向け、バイオ・医療向け等の精密ガラス製品を提供しております。 ・その他 各種金属材料、シリコン(Si)材料、窒化アルミニウム(AlN)や酸化アルミニウム(Al2O3)などのセラミック材料の加工製品を提供しております。 また、ガラスやセラミック加工用のダイヤモンドツールも提供しております。 製品群ごとの主要製品は下記の図に記載の内容となります。 当社グループは、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けのヒートシンク製品、ガラス製品及びその他の精密加工部品の製造販売を行っております。 製造拠点は、当社の広島工場を中心に、中国子会社であるTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.の蘇州工場及びシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のシンガポール工場を含めたグループ製造体制を構築しております。 当社グループが製造販売する製品は、顧客製品の中の構成部品として組み込まれるものであり、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産となります。 「切る」「削る」「磨く」「メタライズ(非金属の表面への金属膜化)」「接合」の加工技術を組み合わせる「クロスエッジ®Technology」を、最先端の開発や生産に活かし、顧客の要望を叶え製品化させる技術力及び実現力が、当社の強みとなります。 一般的な専業メーカーの場合、例えば「切る」を専業とするメーカーであれば、その後に「磨く」工程や「メタライズ」といった加工工程が必要である場合、それぞれを専業とするメーカーに外注することで最終的に製品化することになります。 一方で、当社グループはこれらの複数加工技術を自ら組み合わせて製品を完成させます。 これにより、顧客へ、以下の「クロスエッジ®Technology」の特長におけるメリットを提供することが可能と考えております。 当社グループは、もとは株式会社ディスコの研削切断加工技術を活かした受託加工を提供してまいりました。 そのような中、「クロスエッジ®Technology」を展開する契機となったのは、2000年頃の海底ケーブルなどによる長距離光通信網敷設急増での光通信バブルであります。 顧客からのニーズも踏まえ、切断だけでない様々な加工の必要性を模索していた時期でもあり、そこで創出した利益をもとに、メタライズ技術である薄膜蒸着設備を導入しました。 導入した設備を当社事業に活用していくための技術開発を地道に続け、新たな加工技術を身に付けることができました。 その後、顧客からのニーズに応えていくための技術開発を繰り返し、一つ一つ新しい技術をものにしていきました。 その過程で、「切る」「削る」「磨く」等それぞれの要素技術において、模倣が難しいコア技術も習得してまいりました。 これらコア技術を中心に複数工程を組み合わせることにより、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげていき、専業メーカーだけでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。 これにより、当社の強みである「クロスエッジ®Technology」が確立されました。 さらに、「クロスエッジ®Technology」の継続的な進化のために要素技術そのものを増やすとともに、それぞれの要素技術のレベルアップを図り、その中でコアとなる技術を増やし進化へとつなげることが重要であり、そのための技術開発に注力しております。 当社グループは、サービスの付加価値をより高めていくという観点から、従来、高機能ヒートシンクの開発に注力しております。 一般的なヒートシンクの材料としては銅(Cu)やアルミニウム(Al)がありますが、これら材料の素材は、熱を吸収するための熱伝導(熱の伝わりやすさ)は高い一方で、熱膨張(熱による物質の伸縮)が大きい面があります。 高い出力のレーザーを出す半導体素子は非常に高い発熱となるため、CuやAlなどを材料としたヒートシンクでは素子とヒートシンクの伸縮の差により損傷してしまいます。 しかし、当社の得意領域である高出力レーザー用のヒートシンクは、高い熱伝導を持つ上で、素子の熱膨張に近い素材である窒化アルミニウム(AlN)とCuを複合構造としたCu/AlN/Cu(*)や、銅タングステン(CuW)を主な材料とした高機能ヒートシンクとして製品化しております。 これらの材料は、CuやAlに比較して複数素材からなる複合材であるため、切断、切削やめっきなど加工が難しくなる側面がありますが、顧客からの様々な仕様要求に応えるよう製品化に注力しております。 さらに、高出力レーザー用途の機器は、年々高性能化、高出力化が進み、より高機能なヒートシンクが求められており、当社グループにおいては、それらのニーズに対応する手段の一つとして、非常に高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料として、2016年にシルバーダイヤの製造に関する特許を所有する海外企業と当該特許の使用許諾契約を締結し、製造を当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて行っております。 また、同社(子会社)では製造したシルバーダイヤを素材とした高機能ヒートシンク製品の開発及び製造を行っております。 シルバーダイヤは素材にダイヤモンドを包有するため、加工が難しい側面を有しておりますが、当社が持つ「クロスエッジ®Technology」を駆使し、次世代高出力レーザー用サブマウントや次世代の無線通信規格である5G・6G通信(*)の通信デバイス用のヒートシンク等、様々な用途に適したシルバーダイヤ製ヒートシンク製品の開発を進めております。 このように、当社グループでは、これまでの受託加工を中心とした事業展開に加え、自社製造の素材をもとにした自社開発製品を新たな事業展開の柱とすべく、当社が提供するサービス等の付加価値をさらに高めていくこととしております。 当社グループの加工技術はガラス製品に活かされております。 ガラス製品の用途市場は幅広く、自動車における車載エレクトロニクス市場での半導体センサーをはじめ、自動運転技術でのLiDARセンサー(*)、産業機器における制御装置市場での高周波(RF)スイッチ(*)や画像センサー、また、医療機器における分析装置市場での内視鏡やDNA/血液分析などの用途に向けた製品として、ガラス貫通配線基板、立体配線ガラス、マイクロ流路ガラス、キャップガラスなどのガラス製品を提供しております。 当社の加工技術はヒートシンク製品、ガラス製品だけでなく、その他として各種金属、シリコン、セラミックなどの材料などの微細加工にも活かされ、切断、切削の加工を受託しております。 また、独自の切断・切削技術への創意工夫の蓄積で得たガラス・セラミック加工用ダイヤモンドツールも製造販売しております。 当社グループの海外販売は、連結売上高の71.8%を占めております。 これは、地域別のニーズに即した製品の提供による事業を展開しており、主に中国における高出力の半導体レーザー向けヒートシンクや米国における車載向けガラス製品の販売になります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 <用語解説>ヒートシンク電子部品や電子機器などが発生する熱を吸収し放熱することで、性能低下や故障を防ぐことを目的とした部品で「放熱板」とも呼ばれます。 半導体レーザー電圧を与えるとレーザーを出す半導体素子を利用したもので、レーザーダイオード(Laser diode)やLaser diodeを略してLDとも呼ばれます。 小型で低電圧、低電流でも高効率のレーザーを出すことができ、年々、半導体レーザーの出力は向上しており、長距離光通信用のレーザー、外科手術などの医療用レーザーから、溶接機器などの溶接用レーザーまで、用途が広がり性能も向上してきております。 パワー半導体電流を直流と交流に変換したり、電圧や周波数を変えて電気を効率的に使うようにするため半導体で、高い電圧や大きな電流を扱うため高熱が発生します。 MPUMicro Processing Unit(マイクロプロセッサーユニット)の略で、デジタルコンピューターが演算処理を行う演算回路(プロセッサ)をシリコンなどの半導体上に形成し、マイクロチップに実装したものです。 半導体センサー半導体の物性によって、温度、光、圧力などが変化した際に、半導体の電気抵抗などの変化を検知してセンサーとするもので、家電、自動車、産業機器、など幅広く使用されております。 センサーの種類で代表的な例では温度センサー、光センサー、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーがあり、特に自動車はこのようなセンサーが数多く搭載されており、温度センサーや圧力センサーはエンジン制御やブレーキなどの油圧の制御、加速度センサーやジャイロセンサーはエアバッグや横滑り防止装置の制御、また光センサーはライトや最近では駐車支援システムにも使用されております。 Cu/AlN/Cu発熱する高出力レーザーの半導体素子の熱膨張に近く、熱伝導も高い窒化アルミニウム(AlN)の両面に、非常に高い熱伝導を持つCuが形成されている構造のヒートシンク材。 Cuは熱膨張が大きいため、その熱膨張を緩和するためAlNがCuとCu間にサンドイッチされる構造としております。 5G・6G通信2020年に主流である携帯電話などの移動通信システムの通信規格は4G(GはGeneration<=世代>の頭文字をとったもので4th Generation<=第4世代>)と呼ばれ、2020年以降から現在は次世代規格である5Gの通信規格へ置き換わってきており、4G通信の20倍の高速化、高信頼性および低遅延の通信を実現するものとなり、さらに高速化し進化した6G通信が2030年を目途に導入されることが予想されております。 次世代通信を実現するためには、高い出力、高い周波数に対応できる通信機器が必要とされます。 LiDARセンサー「light detection and ranging(レーザー画像検出と測距)」の頭文字をとったLiDAR(ライダー)センサーは、物体との距離や形状を測るためのセンサーで、レーザー光を使うことで、電波を使って測定するレーダー方式に比べ、高精度に距離、形状や位置関係などを立体的に検知できる特徴があり、自動車の自動運転技術への広がりが進んでおります。 高周波(RF)スイッチ携帯電話や無線LAN、近年の衛星通信などの電波通信は高い周波数が使用され、その通信経路を切り換えるための電子回路部品であり、小型化、高機能化のため微細な回路内にスイッチの機能を持たせるようになってきております。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.(注)2.3中華人民共和国江蘇省蘇州市1,050,000千円ガラス製品の製造、販売及びヒートシンク製品の販売100.00当社ヒートシンク製品の販売並びに当社ガラス製品を製造している他、同製品を中国に販売している。 役員の兼任6名。 TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.(注)2シンガポール共和国4,000千SGドルシルバーダイヤ製造及びヒートシンク製品の開発、製造、販売100.00ヒートシンク材料であるシルバーダイヤの製造並びに、当社ヒートシンク製品を製造している他、同製品を中国以外の海外に販売している。 役員の兼任2名。 運転資金及び設備投資資金の貸付。 (注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 2.特定子会社に該当しております。 3.TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 2024年6月期の主な損益情報等は以下のとおりとなります。 主要な損益情報等 (1)売上高 2,347,377千円(2)経常損失(△) △68,361千円(3)当期純損失(△) △71,842千円(4)純資産額 1,674,220千円(5)総資産額 1,956,525千円 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2024年6月30日現在セグメントの名称従業員数(人)精密加工部品事業314(10) (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (2)提出会社の状況 2024年6月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)208(10)42.513.85,618,203 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.当社は精密加工部品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (3)労働組合の状況 当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、社会的使命、永続的な目標および企業としての姿勢を「The TECNISCO WAY」として企業理念に掲げており、その社会的使命として掲げた「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」を果たすため、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」で、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおります。 また、永続的な目標の“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”において、顧客より求められる部品加工の領域は幅広くありますが、当社グループはその中でも高機能ヒートシンク及びガラスの領域においては、顧客が困ったときには当社に相談したいと思わせられる存在になりたいと考えており、企業としての姿勢の“誠実な企業として生きる 独創の企業として生きる”を基に、世の中の快適につながる部品加工の技術開発を進めております。 なお、企業を構成する主要な要素と当社を取り巻くステークホルダーとの関係性という観点から、当社グループが2023年度に実現すべき姿を「VISION 2023」として定義し、その具現化を継続して進め、景気の波に左右されず着実に成長・拡大するビジネスモデルを構築すること、企業としての基礎体力を強化して安定的な収益構造を実現することを中期的な課題として継続的に取り組んでおります。 (2)経営戦略等 果たすべき社会的使命、「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助になる」の実現を目指す上で、当社グループは、中長期のマイルストーンとして「VISION 2023」を策定しています。 その策定にあたっては、「VISION 2018」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素によらず、より定性的な要素も含めた内容になっています。 事業や技術、会社、文化といった企業を構成する様々な要素の姿と「顧客」「サプライヤー」「従業員」「株主」などのステークホルダーとの関係性から、当社グループの2023年度末(2024年6月期)の到達点を定義しています。 例えば中長期の経営指標に関して、事業の姿においては7つの事業の柱をもっていること、独自の製品が事業の柱の1つとなっていること、リスクマネジメントの仕組みが構築・運用されていることを掲げています。 現在、当社グループは、ヒートシンク製品、ガラス製品の製造販売を主な事業として、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場の合計6つの市場を主な展開領域として当社製品の浸透を図っております。 そのためには、これまで取引先からのニーズに対し、どうやって作るか(HOW)に主眼を置いた受託加工を主体としたビジネスモデルから、新たに何を作るか(WHAT)を主眼にした自社素材及び自社製品の開発、製造も並列させたビジネスモデルへの転換に取り組んでまいります。 これらを実現させるために、ヒートシンク製品においては産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場及び航空宇宙市場でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発、また、複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造、ガラス製品においてはライフサイエンス市場に向けた高信頼性製品の開発、さらに、成長市場である環境エネルギー市場へ独自加工技術による展開など、技術開発と製造の効率化を継続的に実施してまいります。 また、社会的使命を果たすために、企業体質の強化は不可欠ですが、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革の推進、健康経営の推進、人材の育成開発、スピーディな情報連携、内部統制整備運用などを継続的に実施してまいります。 特に果たすべき社会的使命について、継続的なチャレンジによって「人々の喜びの実現の一助になる」と定義しているように、人々の喜びを実現するのは、顧客です。 すなわち当社グループが「クロスエッジ®Technology」を求める先端製品開発に携わる人々から、認められた存在であることがマテリアリティ(最重要課題)です。 当社グループは、これを推進する体制として「テクニスコCSマネジメントシステム」という全社的な体制にて、顧客の正直な声を全従業員に届け、CS向上のための活動を行ってまいります。 (3)経営環境 当社グループの主要製品であるヒートシンク製品は、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場等において、様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 現況において、当社グループは、半導体レーザーの市場セグメント、材料処理、医療、光通信、LiDARセンサー、ディスプレイと照明など様々な分野における主要な半導体レーザーメーカーと取引実績があります。 現在、地域別売上では、特に中国メーカーの顧客から旺盛な需要がありますが、競合である日米欧等の主要メーカーも当社グループの顧客であり、その需要を確実に取り込めるように、既存取引先との関係強化及び新規取引先開拓に取り組んでまいります。 また、半導体レーザー用途以外でもパワー半導体、MPU向けの高機能ヒートシンク製品を提供しておりますが、これらを含めた半導体市場全体は、デジタル革命の進展に伴い今後も右肩上がりで成長し、2030年には、現在(2020年)の約2倍に匹敵する約100兆円(経済産業省:2021年6月 半導体戦略 参考資料より)に達すると言われています。 半導体の微細化、極小化により大容量、高速、高信頼性や低消費電力、性能比低価格化など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。 当社グループは、顧客の最先端製品のR&D・開発担当者と直接対話し、共に解決する提案型の営業を行うことで、顧客製品の信頼性、長寿命化に必要不可欠な電気の放熱問題を解決する、ヒートシンク製品を提供してまいります。 もう一つの当社グループの主要製品であるガラス製品は、自動車市場、ライフサイエンス市場等における様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 ガラス製品は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの小型化、高機能化を可能とする構成部品です。 特に車の自動運転技術が進む自動車市場向けの各種センサーやモバイル機器向け、バイオ・医療向け等に精密ガラス製品を提供しております。 それぞれの市場においては、顧客製品の高性能化、小型化が進んでおり、当社グループは顧客ニーズを確実に取り込めるように、取り組んでおります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、株式会社ディスコの研削切断加工技術をもとに受託加工を提供しておりましたが、2000年代、顧客ニーズも踏まえてコーティング技術である薄膜の設備を導入し、新たな加工技術を身に付けました。 その後、技術開発を繰り返し、さらなるコア技術を中心に複数工程を組み合わせ、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげ、専業メーカーでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。 当社の強みである「クロスエッジ®Technology」は、このように確立された歴史があります。 当社グループでは、下記の事項を対処すべき課題と認識して、さらなる進化のためにコア技術を増やし、レベルアップを図る研究開発活動に取り組み、安定的な収益構造の実現を推進してまいります。 ①ヒートシンク製品でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の活用・開発 当社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、現在は主に窒化アルミニウム(AIN)、銅タングステン(CuW)が原材料ですが、高出力用レーザーを出す半導体素子に直接接合されるため、熱膨張が半導体素子に近くないと、素子自体を損傷します。 一方でレーザー加工機は、用途の多様化により高出力化や微細加工のために信頼性が求められ、機器や部品の冷却需要が高まっております。 当社グループは、より効率よく熱を吸収し、放熱する高性能ヒートシンク材料の活用(SiC等の新素材)や開発に注力しております。 ②ヒートシンク製品での複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造 上記研究開発の一環で、当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.において、さらに熱伝導が高い素材として、銀とダイヤモンドを原材料としたシルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製造開発を行っています。 この製品は、熱膨張が様々な半導体素子の数値に近く、熱伝導が当社従来品の2~2.5倍の性能を有しています。 今後の用途は、データセンターのサーバー、ハイパーフォーマンスコンピューティング、MPU向けヒートシンク、通信用RF増幅器、高出力レーザー用ヒートシンク、X線装置などで、将来性のある用途を見込んでおります。 ③ガラス製品での高信頼性製品の開発 ガラス製品は、微細加工を施す精密部品で、当社グループは、顧客の真のニーズを引出し、提案、製品化しております。 用途は、CMOSイメージセンサー、MEMS(微小機械システム)の各種センサー、半導体パッケージ等です。 近年、使われる環境が人体である医療用チップや、自動運転車の各種センサー、LiDAR(レーザー光による距離計測システム他)など人命に係わる製品の部品になりますので、高い信頼性を備えた製品の開発に注力しております。 ④ガラス製品での独自加工技術による展開 従来の機械加工技術に加えレーザー加工機の試験導入と、原点である「クロスエッジ®Technology」を併せ、それぞれのメリットを活かす複合加工へと発展させる取り組みを進めています。 さらに将来的には、金属・ガラスとセラミック複合体など新たな技術開発の必要性も認識しており、将来的なお客様への提案力の強化に努めております。 ⑤優秀な人材の確保 「クロスエッジ®Technology」を継続して進化し成長を続けるためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。 当社ではこれまで、経験者を中心とした積極的な人員の確保に努めるとともに、社員に対してもハラスメントの防止や労働環境改善のES(従業員満足度)調査への配慮に加え、健康経営による働き方改革等を踏まえた人事施策を行っており、今後も継続、強化を図ってまいります。 また、社員一人ひとりが独創的な挑戦を継続し、進化し続ける企業風土の醸成を推進してまいります。 ⑥安定的な資金調達の構築 当社グループがメーカーとして最新の設備を保持し、生産設備を維持していくためには、安定的な資金調達が重要であります。 今後の事業拡大に向けては、大きな資金需要を見込んでいることから、そのために、安定した調達能力を高め、十分な手許資金の確保を可能とすることに取り組んでまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、企業理念に掲げている「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」という社会的使命のもと、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」の提供により、“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”の実現に向けて取り組んでおります。 このことから当社グループでは、現在展開している市場での事業規模拡大及び新たな市場への展開を推進し、安定的な収益構造を実現することを中期的な課題としていることから、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)ガバナンス 当社グループは、社会における存在意義や企業活動を行う上での基本となる考え方をThe TECNISCO WAYとして定めています。 その中で当社の使命を「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」と明確化しています。 ここに掲げられた「人びと」とは、 お客様をはじめ、テクニスコに関わる全てのステークホルダーを指します。 ステークホルダーに対する「社会的責任と信頼」 は、The TECNISCO WAYの重要な要素であり、当社は事業経営、組織経営の両面で、The TECNISCO WAYに沿った経営を実践することで、持続的な社会の実現への貢献に取り組んでいます。 (2)戦略 お客様、サプライヤ、株主、従業員など、ステークホルダーの皆様とさらなる持続的な成長を目指すにあたり、これまで行ってきた活動を、サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)として整理しました。 具体的には、SDGsのターゲットレベルから当社の活動を俯瞰することで、ステークホルダー視点で重要なサステナビリティ課題をリストアップしました。 次に、リストアップした課題を、The TECNISCO WAYや産業特性を考慮して重み付けすることで、自社視点から見ても重要な課題に絞り込みました。 そして、絞り込んだ課題をベースに、経営会議で複数回にわたって議論することで、当社としての重要課題を特定・承認しました。 サステナビリティの重要課題の詳細は、当社WEBサイトをご覧ください。 https://www.tecnisco.com/company/sustainability.html なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成、及び社内環境整備に関する方針も、これらの重要課題に含まれています。 (3)リスク管理 上記戦略の進捗や妥当性を検証するために、サステナビリティの各重要課題の主管部門によって構成されるワーキンググループが、進捗状況を定期的に組織経営会議に報告します。 このようにサステナビリティ推進のPDCAを回すことで、適切にリスク管理を行っていきます。 (4)指標及び目標 サステナビリティの重要課題ごとにKPIと2030年の目標を定めています。 詳細は当社WEBサイトをご覧ください。 https://www.tecnisco.com/company/sustainability.html |
戦略 | (2)戦略 お客様、サプライヤ、株主、従業員など、ステークホルダーの皆様とさらなる持続的な成長を目指すにあたり、これまで行ってきた活動を、サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)として整理しました。 具体的には、SDGsのターゲットレベルから当社の活動を俯瞰することで、ステークホルダー視点で重要なサステナビリティ課題をリストアップしました。 次に、リストアップした課題を、The TECNISCO WAYや産業特性を考慮して重み付けすることで、自社視点から見ても重要な課題に絞り込みました。 そして、絞り込んだ課題をベースに、経営会議で複数回にわたって議論することで、当社としての重要課題を特定・承認しました。 サステナビリティの重要課題の詳細は、当社WEBサイトをご覧ください。 https://www.tecnisco.com/company/sustainability.html なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成、及び社内環境整備に関する方針も、これらの重要課題に含まれています。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 サステナビリティの重要課題ごとにKPIと2030年の目標を定めています。 詳細は当社WEBサイトをご覧ください。 https://www.tecnisco.com/company/sustainability.html |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成、及び社内環境整備に関する方針も、これらの重要課題に含まれています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | サステナビリティの重要課題ごとにKPIと2030年の目標を定めています。 詳細は当社WEBサイトをご覧ください。 https://www.tecnisco.com/company/sustainability.html |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置することにより、当社グループにおけるあらゆるリスク等への対応および未然防止の体制を構築しております。 詳細については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経済状況について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは国内・外の電子部品メーカー向けに製品を製造・販売しているため、その販売先の国又は地域の経済状況、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、および顧客の設備投資動向や生産動向の影響を受けます。 特に当社グループは、高い海外売上高比率(2024年6月期は連結売上高に対し、65.8%)となっております。 当リスクへの対応として、販売先の国又は地域の情報収集や、市場環境・受注状況を取締役会等の重要会議における定期的なレビューの実施、また全社的な業務改善活動(PIM活動)の継続的な取り組み等により、予期せぬ需要や景気の変化に対し柔軟に対応できる体制を整備し、リスクの低減を図っております。 しかしながら、世界各地において予期せぬ景気後退による需要の減少および顧客が設備投資凍結や減産などを行った場合には、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)中国リスクについて(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、中国・蘇州に現地法人を置き、製品の生産や営業活動を行っております。 近年、中国では米中貿易摩擦、近隣との地政学的な緊張関係、感染症への大幅な政策転換等、経済情勢に大きく影響する事象が続いております。 当社グループでは現地法人を通じ、中国の経済・社会・政治的状況や法規制の動向について情報を収集し、対応が必要な事象が生じた際には、現地法人や専門家等と連携して対処していくことで、リスクの低減を図ってまいります。 しかしながら、現地での法律・規制や租税制度の変更や、予期し得ない経済情勢の悪化等が生じた場合には、追加的な納税義務並びにコストの増加や、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)為替レートの変動について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの事業には、海外における生産と販売が含まれております。 各地域における現地通貨建の取引は、連結財務諸表作成のために円換算されております。 換算の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 一般的に円安は事業に好影響をもたらしますが、円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当リスクへの対応として、当社グループは、為替変動の情報を注視するとともに、為替予約等を行うことにより、リスクの低減に努めております。 しかしながら、予期しない大幅な円高が生じた場合、円換算後の価値が大きく影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)新規事業の開発について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、高機能ヒートシンク用の新素材および製品の開発・製造に取り組んでおりますが、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおります。 当社グループは、開発・実証・認証等の進捗状況について、逐一キャッチアップし毎回の経営会議および取締役会において状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。 しかしながら、これらに大幅な遅れが生じた場合、当該事業への投下資本に対する回収が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)人材の確保および育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、将来にわたる持続的な発展のために、優秀な人材の継続的な採用や育成が重要な課題であると認識しておりますが、雇用情勢の変化等により採用難や人材流出が進んだ場合、ベテラン社員の技能やノウハウ等の伝承や、後継人材の育成が適切になされないリスクが潜んでおります。 当社グループは、人材育成により生産性向上と残業時間の抑制を図る取り組み等を継続して行っているほか、一層の技術革新、生産性の向上を進めるための優秀な人材確保と従業員のモチベーション向上を図るべく、積極的な採用活動、人事評価制度の整備、技能の伝承、研修の実施等の施策を講ずることにより、リスクの軽減を図っております。 しかしながら、雇用情勢がいわゆる「売り手市場」となった場合、人材が知名度や給与等において優位な他社に流れ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの製品販売先である電子機器、自動車、航空宇宙、医療、設備産業等の業界においては、技術革新や事業環境の変化が急速に進んでおり、顧客が当社グループに求める技術レベルも高度化してきております。 当社グループは、シルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製品開発をはじめとした、新製品の開発や技術力の研鑽等に積極的に取り組んでいるほか、大学等研究機関との共同開発による産学官連携を積極的に実施するとともに、顧客との密接なコミュニケーションによりニーズの捕捉に努め、高度なニーズに対応し続けることにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、新技術や顧客ニーズへの対応の遅れなどが発生した場合、顧客が求める技術レベルに対応できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)研究開発活動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、新製品開発、製品改良、生産工程の改善等を研究開発活動として、継続的に実施しておりますが、開発の遅れが生じた場合や、開発した製品が顧客ニーズに合致しなかった場合、また、競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、開発コストの回収が困難となる等のリスクが潜んでおります。 当社グループは、大学等研究機関との共同開発による産学官連携の積極的な実施や、開発・実証・認証等の進捗状況について逐一キャッチアップし状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。 しかしながら、当社グループが顧客ニーズを把握しきれず、これに応えるための製品を正しく開発できない場合や、上記(6)にもあるように、新技術等への対応の遅れなどが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)原材料価格の変動及び調達について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、金属、ガラス、非金属、貴金属等を原材料に使用しており、これらの材料価格が変動する懸念や、調達そのものが困難となるリスクも潜んでおります。 当リスクへの対応として、当社グループは、貴金属等の重要な原材料の複数社購買、政策的な在庫の確保、客先の需要見通し情報を仕入先と共有するなど関係強化等の対策を行い安定供給の確立に取り組んでおります。 しかしながら、景気や為替の変動、政情の不安等の社会的混乱、投機筋の動向により、材料価格の大幅な変動や、調達そのものが困難となった場合、価格転嫁や生産活動等への影響により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)サプライチェーンについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、十分な品質の原材料等の提供を社外のサプライヤーより受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。 需給動向の変化に伴い調達競争が激化した場合、開発・生産活動に支障が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、当社グループはサプライヤーを複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。 しかしながら、独自の製品・技術等を有するサプライヤーから調達している原材料等の調達競争が激化した場合、代替での調達が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)外部委託先について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、十分な品質の外注加工サービスの提供を社外の委託先より受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。 現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部事業者との関係が悪化した場合、開発・生産活動に支障が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループは、品質、コスト、生産能力に問題がなければ内製にて対応するのが基本的なスタンスであり、代替可能な領域の一部のみを、社内の稼働に応じて外部委託先を利用するというのが典型的な利用ケースであることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。 また、当社グループは委託先を複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。 しかしながら、独自の技術等を有する外部委託先との関係が悪化した場合、代替での委託が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)公的規制・コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの事業活動において、国内外の法令や規制に反する事象が発生した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、当社の社会的信用の低下等が発生するリスクが潜んでおります。 当社グループでは、法令遵守および法的要求事項への対応として、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置するとともにコンプライアンスマニュアル・行動規範を策定しております。 また、社員に対するコンプライアンス教育と行動規範の周知を行い、法令遵守の徹底に努めています。 しかしながら、法規制の変更等の把握等が漏れ、予期せぬ法規制への抵触が生じた場合には、監督官庁や訴訟への対応、レピュテーションへの影響等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)環境規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは、水質汚濁、劇物・有機溶剤使用、廃棄物等多様な環境問題に対し各種環境法令及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。 当社グループとしては、こうした規制の制改定動向をタイムリーに捕捉し、遵守の徹底に努めるとともに、企業としての社会的責任の観点からも事業活動を通じて地球の環境保全や環境リスク低減に努めて取り組んでおります。 しかしながら、各種環境法令等が大きく厳格化された場合、大幅な追加的義務並びにコスト増加が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)感染症の拡大について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染拡大によっては、当社グループの事業活動において影響が生じる可能性があります。 当社は感染拡大を想定し、リモートワーク制度やWEB会議の活用等により、感染拡大期においても円滑なコミュニケーションを取り、業務を継続できる体制を構築しております。 しかしながら、感染が大きく拡大・長期化した場合には、当社グループ各社や顧客の事業活動が停滞する事態が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)自然災害、人的災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、生産拠点を広島県、中国・蘇州、シンガポールの3箇所に構えており、災害等が発生した場合、生産設備への損害、ラインの停止等が発生するリスクが潜んでおります。 ただし、これらの各拠点が、自然災害等により同時に生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。 また、当社グループとしては、各拠点における防災設備や防災体制の整備、防災訓練の実施などの対策を行うほか、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、広島は各製品の開発拠点、蘇州は量産品の生産拠点、シンガポールは高性能ヒートシンク材料の開発・生産拠点と、各工場特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、被害の復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)生産拠点の集中に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、上記(14)のとおり、国内外に計3箇所の生産拠点を構えており、設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生するリスクが潜んでおります。 ただし、これらの各拠点において、同時多発的に設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。 当社グループとしては、設備のメンテナンスの定期的な実施、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新、さらに、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、各工場はそれぞれ特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、中国・蘇州の工場が立地する工業団地「蘇州日本工業村」には再開発計画があり、これにより、移転が求められておりますが、当社グループでは、関係各所とも十分に協議のうえ、近隣地区への移転に向けた生産計画や工事計画を進めており、現工場と移転先工場での操業にブランクが生じる可能性は極めて低いと考えられます。 (16)固定資産の減損について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社は開発・生産設備をはじめとする固定資産を多数所有しております。 経営環境の著しい悪化等によっては、減損損失を認識する必要が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループは過去に必要な固定資産の減損は実施済であり、現時点において遊休資産を含め、収益性の低下を認識すべき資産の保有はなく、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。 しかしながら、予期せぬ急激な経営環境の悪化が生じた場合、固定資産について、さらなる減損損失を認識する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17)設備投資について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しないリスクがあるほか、これらの老朽化等に伴う更新が進まなかった場合、現在と同程度の水準の生産設備を維持できないリスクが潜んでおります。 また、資金調達や設備納入等に遅れが生じた場合、生産能力の拡大が想定どおり進まないリスクが潜んでおります。 当社グループは、設備投資に際し、事前に収益性や投資回収可能に関する十分な検討や、可能な限り専用設備の導入を避け多用途の汎用設備を導入しているほか、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新を実施することにより、これらのリスクの低減を図っております。 しかしながら、予期せぬ急激な顧客ニーズの変化、経済状況の悪化等が生じた場合、増強した設備による貢献が不十分となる可能性があります。 このほか、計画変更による設備更新の停滞や、資金調達・設備納入等の遅れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (18)知的財産等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの技術・ノウハウを第三者が不正に模倣した場合や、知的財産を巡って紛争が生じた場合には、当社グループの製品の競争力低下等が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループでは、特許権その他の知的財産権や機密管理により知的財産の保護を徹底するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう専門家とも連携しながら細心の注意を払うことにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、予期せず第三者との紛争が発生した場合、多額の訴訟費用が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、知的財産権の保護が不十分な国または地域において模倣等が生じた場合には、当該模倣品が拡販され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (19)情報の流出について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、事業活動における重要情報や顧客から入手した個人情報、機密情報を保有しています。 顧客の情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や当社グループの社会的信用の低下等が生じるリスクが潜んでおります。 また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合もしくは第三者に不正使用された場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じるリスクが潜んでおります。 当社グループは、「情報マネジメント規程」をはじめとする社内規程を制定しているほか、情報管理に関する社内研修を定期的に実施しております。 さらに、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための管理体制を構築し、適切な安全措置を講じております。 しかしながら、予期せぬサイバー攻撃等により当社グループから情報漏洩等が生じた場合や、当社と機密保持契約等を取り交わした第三者が、これに反し、当社に知られず情報を不正使用した場合、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (20)当社の競合環境について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループには国際的な大企業から小規模な企業、国内から海外まで、広範な競合企業が存在することから、競争の激化により新規受注数が減少し、または製品・サービス価格が下落するリスクが潜んでおります。 当社の主力製品であるヒートシンクは新規参入も少なく、特にレーザー用ヒートシンクについては極めて高度な加工精度と品質管理が要求されるもので、これら技術を有する企業は、当社含め限られております。 また、当社グループは、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の5つの加工技術による「クロスエッジ®Technology」を保有するという優位性を存分に活かし、市場における競争力を高めることにより、リスクの低減を図っております。 しかしながら、海外の新興企業をはじめ他社における技術力や営業力等の向上により、技術や価格等において、当社の競争力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (21)大株主の状況に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社の代表取締役社長である関家圭三の資産管理会社である合同会社XEホールディングスの当社議決権の所有割合は2024年6月30日現在で54.82%であり、同社の当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性および株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。 同社は、今後も引き続き当社株式の継続保有を維持する方針であることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。 また、議決権の行使にあたっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。 しかしながら、同社が、当社株式の保有・処分方針を大きく転換した場合、当該リスクが高まる可能性があります。 (22)有利子負債について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当連結会計年度末において、当社グループの有利子負債は3,968,734千円、総資産に対する割合は41.7%となっており、金融市場、または当社グループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生するリスクが潜んでおります。 また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。 当社は、公的優遇制度の活用等の対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持するよう努めており、金利が上昇した場合の影響は極めて限定的と考えております。 また、当座貸越枠の積極的な活用により適切なタイミングでの調達を図るとともに、当社グループ内の資金融通を適時柔軟に行うこと等により資金効率の向上に努めております。 しかしながら、予期せぬ急激な金利変動や経営環境の悪化が生じた場合、資金調達方法の制限や、財務状況の悪化による借入金の即時の返済により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国及び世界経済は、インフレ率の高止まり、ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学的リスクの高まりを受け依然として先行き不透明な状況にあります。 このような経営環境のもと、当社グループの主力製品である産業用レーザー機器市場向け高性能ヒートシンクについて、中国市場は、不動産問題に端を発する景況感の悪化により、幅広い用途において需要の減退傾向が見られました。 また中国以外の市場を含め、価格競争と世界的な先行き不透明感による短期的な顧客在庫調整による需要変動が大きい傾向もあり、ヒートシンク製品全体の売上高は前年より減少しました。 ガラス製品は、国内向け製品は順調に推移したものの、利益率の高い欧米向け製品において顧客の短期的な需要変動があったことなどによって、売上高は前年より減少しました。 売上総利益については、広島工場の稼働率上昇や、原価低減の継続取組みの効果が見られているものの、ヒートシンク製品において販売単価の下落を吸収するまでに至らなかったこと、売上総利益率の高い製品が短期的な需要変動を受けたことなどによって、前年より減少しました。 販売費及び一般管理費については、広告宣伝費(展示会の出展費用他、今後の当社グループの成長のための投資を意図した支出項目が含まれます)や海外出張費、試験研究費等は増加しましたが、前年より減少しました。 なお、連結子会社のTECNISCO(SuZhou)CO.,Ltd.において、工場移転方針に伴い今後使用が見込まれなくなった固定資産に関する減損損失92百万円を特別損失に計上しました。 さらに、当期及び今後の業績動向等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取崩し、177百万円を法人税等調整額に計上しました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,683,182千円(前年比12.4%減)、営業損失476,939千円(前年は営業利益273,140千円)、経常損失318,634千円(前年は経常利益329,351千円)、親会社株主に帰属する当期純損失603,632千円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益222,341千円)となりました。 なお、セグメント別の状況は、精密加工部品事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 ② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて1,237,983千円増加し、9,509,373千円となりました。 これは主に、現金及び預金が1,334,617千円の増加、仕掛品が179,047千円の増加であった一方で、建設仮勘定が328,872千円減少したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて289,313千円増加し、4,821,158千円となりました。 これは主に、1年内返済予定の長期借入金が585,190千円の増加、長期借入金が459,524千円の増加であった一方で、電子記録債務が205,978千円の減少、短期借入金が269,399千円の減少、未払金が71,834千円の減少、設備関係支払手形が142,343千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて948,670千円増加し、4,688,215千円となりました。 これは主に、新規上場における一般募集増資及び第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ675,710千円増加、為替換算調整勘定が195,807千円の増加であった一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は4.09ポイント増加して49.3%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、長期借入金の返済による支出、仕入債務の減少の計上等の要因があったものの、株式の発行による収入、長期借入れによる収入等により、前連結会計年度末に比べ1,350,609千円増加し、当連結会計年度末には2,080,097千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は386,636千円(前年同期は361,148千円の収入)となりました。 これは主に、減価償却費542,874千円、法人税等の還付額91,765千円、税金等調整前当期純損失419,530千円、売上債権の増加134,505千円、仕入債務の減少180,514千円、棚卸資産の増加203,502千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は434,589千円(前年同期は792,779千円の支出)となりました。 これは主に、定期預金の払戻による収入119,968千円、定期預金の預入による支出100,000千円、有形固定資産の取得による支出431,304千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は2,092,750千円(前年同期は416,066千円の収入)となりました。 これは主に、株式の発行による収入1,351,421千円、長期借入れによる収入1,700,000千円、短期借入金の純増加額160,601千円、長期借入金の返済による支出1,088,465千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)精密加工部品事業7,646,161112.6合計7,646,161112.6 (注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)精密加工部品事業4,285,617124.11,264,82476.1合計4,285,617124.11,264,82476.1 c.販売実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)精密加工部品事業4,683,18287.6合計4,683,18287.6 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Wuhan Raycus Fiber Laser Technologies Co., Ltd.1,364,82925.5892,23319.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) ヒートシンク製品群については、産業機器市場向け高性能ヒートシンクが、中国市場では不動産問題に端を発する景況感の悪化により、幅広い用途において需要の減退傾向が見られたこと、また、中国以外の市場も含め、価格競争と世界的な先行き不透明感による短期的な顧客在庫調整による需要変動が大きい傾向もあり、売上高は2,520,270千円(前期比17.5%減)となりました。 ガラス製品群については、国内向け製品は順調に推移したものの、利益率の高い欧米向け製品において顧客の短期的な需要変動があったことなどによって、売上高は1,331,866千円(前期比7.4%減)となりました。 全体としては、売上高は4,683,182千円(前期比12.4%減)となりました。 (売上総利益) 売上原価については、広島工場の稼働率上昇や、原価低減の継続取組みの効果が見られているものの、売上総利益率の高い製品が短期的な需要変動を受けたことなどによって、売上原価は3,507,270千円(前期比3.2%増)となり、売上総利益は1,175,911千円(前期比39.7%減)、売上総利益率は11.4ポイント減少して25.1%となりました。 (営業利益) 販売費及び一般管理費については、広告宣伝費(展示会の出展費用他、今後の当社グループの成長のための投資を意図した支出項目が含まれます)や海外出張費、試験研究費等は増加しましたが、経費削減の取り組みにより1,652,850千円(前期比1.4%減)となり、営業損失は476,939千円(前期の営業利益は273,140千円)となりました。 (経常利益) 営業外損益については、主に為替差益の計上により158,305千円の収益(純額)になったことで、経常損失は318,634千円(前期の経常利益は329,351千円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 特別損益については、TECNISCO(SuZhou)CO.,Ltd.において、工場移転方針に伴い今後使用が見込まれなくなった固定資産に関する減損損失92,794千円を特別損失に計上しました。 さらに、当期及び今後の業績動向等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取崩し、177,209千円を法人税等調整額に計上しました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は603,632千円(前期の親会社株主に帰属する当期純利益は222,341千円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。 当社グループは、運転資金、設備投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を銀行等の金融機関から借入により調達しております。 これらの自己資金は、機動的な事業経営、柔軟な研究開発活動を目的として、会社の対応力向上のために活用しており、設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 なお、事業拡大に向けて急激な資金需要が生じる場合に備え、一部の金融機関と当座貸越契約を締結しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。 経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積り及び仮定と異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える可能性のある見積り及び仮定は、以下のとおりであります。 (固定資産の減損) 減損損失の認識において使用される将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件については、一定の仮定に基づき設定しております。 これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて決定しておりますが、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合には、固定資産の減損を行い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性) 繰延税金資産は、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、経営者が最善と判断した見積りに基づいて金額を算定しておりますが、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合やタックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について 当社グループでは、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しています。 当連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。 詳細は、①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容の各項目をご参照ください。 前連結会計年度当連結会計年度売上総利益率36.5%25.1%経常利益329,351千円△318,634千円 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 (1)技術援助等を受けている契約契約会社名相手方の名称国名契約品目契約締結日契約内容契約期間㈱テクニスコ(当社)Plansee SEAustriaダイヤモンド複合材2016年12月21日Technology Transfer and Technical Assistance Agreement Supply Agreement(技術移転技術援助契約)2016年12月21日から2024年12月31日まで㈱テクニスコ(当社)Plansee SEAustriaダイヤモンド複合材2024年1月15日License Agreement(ライセンス契約)2025年1月1日から2027年2月15日まで (2)当社が技術援助等を与えている契約 該当事項はありません。 (3)賃貸借契約締結年月2021年4月2001年4月契約の名称土地賃貸借契約書土地賃貸借契約書相手先常行寺常行寺契約の概要自2021年4月24日至2041年4月23日当社本社土地(210.79㎡)の賃借にかかるものであります。 自2001年4月24日至2031年4月23日当社本社土地(443.93㎡)の賃借にかかるものであります。 (注)上記2契約による賃借料として月額975,500円を支払っております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループは「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜び実現の一助となる」という企業理念のもと、コア技術である「クロスエッジ®Technology」により、顧客が製品をより高機能化、高信頼性としていくために構成部品に求める、「こんなことが実現できないか?」という要望を一つ一つ実現させております。 顧客から要望を受けた段階では、当社グループの既存技術では対応できなかったことを、研究開発活動により実現させていき、技術力を磨いております。 研究開発体制は、主に当社の技術開発本部で行っており、日々新しい製品・技術や新しい価値を世の中に提供する企業であり続けるため、「製品開発」、「技術改善」、「新技術の探求」、「量産案件」及び「製造移管」の大きく5つの区分について、研究開発活動に取り組んでおります。 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は454,459千円であります。 なお、当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は、次のとおりであります。 研究開発課題内容ドーム型キャップガラスの開発一般的な殺菌用途の紫外線LEDの平面キャップガラスの光透過率が90~92%であるものを、キャップガラスをドーム形状とすることで、94~96%の光透過率とし殺菌効率の向上を図る。 さらに、キャップガラス単体でUVC-LED光取り出し効率97%以上を実現する。 水素ガスセンサーの開発岡山大学との共同開発において、従来の技術ではセンサーが加熱式であることで危険性があったが、非加熱式のセンサーとすることで、車載用途にも安心して使用できることを実現する。 また、協力研究機関と共に別方式での水晶振動子による水素センサーの開発を開始する。 金属用コアドリルの開発アルミニウム材において、ガラス加工同様のリング加工が可能な工具を実現する。 通常、金属材はエンドミルなどで円弧加工するが、コアリング加工を可能にすることで、加工効率向上を可能とする。 難切削材用工具の開発SiCなどの難切削材用に切削性の良い工具を実現する。 特に、厚みのあるSiCに対しては、深穴加工を可能とする。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度においては、広島工場を中心に210,504千円の設備投資を実施しました。 当社においては、ヒートシンク製品の生産設備増強など176,586千円の設備投資を実施しました。 TECNISCO(SuZhou)Co.,Ltd.においては、ガラス製品の生産設備など33,917千円の設備投資を実施しました。 なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 また、当社グループは、精密加工部品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 なお、現在休止中の主要な設備はありません。 (1)提出会社2024年6月30日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)本社(東京都品川区)統括業務施設221,319--〔654.72〕8,385229,70547(-)広島工場(広島県呉市)生産設備及び研究開発施設342,051964,048280,132(6,502.58)310,4821,896,714161(10) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにリース資産であり、建設仮勘定を含んでおります。 2.本社の土地は連結会社以外の者から賃借しており、年間の賃借料は10,603千円であります。 なお、賃借している土地の面積については、〔 〕で外書きしております。 3.本社の建物は、一部を連結会社以外の者へ賃貸している設備であります。 4.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 (2)在外子会社2024年6月30日現在 会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(千円)機械装置及び運搬具(千円)土地(千円)(面積㎡)その他(千円)合計(千円)TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.蘇州工場(中華人民共和国江蘇省)生産設備4,726340,182-(-)2,254347,16380(-)TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.シンガポール工場(シンガポール共和国)生産設備151,6081,088,554-(-)37,1591,277,32326(-) (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにリース資産であり、建設仮勘定を含んでおります。 2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 3.TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.は土地使用権を有しております。 土地使用権の帳簿価額は18,866千円であり、土地使用権に係る土地の面積は2,294.50㎡であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社グループの設備投資については、景気予測、市場動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。 設備計画は原則的に連結会社各社が個別に策定しておりますが、計画策定にあたっては経営会議において提出会社を中心に調整を図っております。 なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却等の計画は次のとおりであります。 (1)重要な設備の新設会社名事業所名所在地設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)着手完了予定当社広島新工場広島県東広島市新工場建設1,349,000208,382増資資金、自己資金及び借入金2022年2月2027年6月以降(注)当社広島新工場広島県東広島市新工場生産設備480,000-自己資金及び借入金2026年6月2027年6月以降(注)TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.蘇州工場中華人民共和国江蘇省新工場建設152,000-増資資金、自己資金及び借入金2023年10月2025年6月以降(注)TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.蘇州工場中華人民共和国江蘇省新工場生産設備209,000-増資資金、自己資金及び借入金2023年10月2025年6月以降(注)TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.シンガポール工場シンガポール共和国新素材製品生産設備205,000 -増資資金、自己資金及び借入金2023年3月2025年6月(注) (注) 完成後の増加能力については、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 454,459,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 210,504,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 14 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,618,203 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的の株式及び純投資目的以外の目的の株式のいずれも保有しておりません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年6月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 合同会社XEホールディングス東京都港区高輪一丁目23番33号4025,018,20054.80 関家 圭三東京都港区541,0005.90 野村信託銀行株式会社(信託口2052276)東京都千代田区大手町二丁目2番2号190,0002.07 テクニスコ従業員持株会東京都品川区南品川二丁目2番15号170,1501.85 上田 斉東京都江東区120,4001.31 吉本 昌且東京都大田区100,0001.09 株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号89,3000.97 野村信託銀行株式会社(信託口2052277)東京都千代田区大手町二丁目2番2号80,0000.87 野村信託銀行株式会社(信託口2052278)東京都千代田区大手町二丁目2番2号80,0000.87 関家 慶一郎東京都港区80,0000.87 関家 理子東京都港区80,0000.87計-6,549,05071.53(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。 |
株主数-金融機関 | 4 |
株主数-金融商品取引業者 | 23 |
株主数-外国法人等-個人 | 16 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 15 |
株主数-個人その他 | 3,182 |
株主数-その他の法人 | 22 |
株主数-計 | 3,262 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 関家 理子 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 (注)6,517,1002,638,795-9,155,895合計6,517,1002,638,795-9,155,895自己株式 普通株式----合計----(注)普通株式の発行済株式総数の増加の内訳は、次のとおりであります。 有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集による増加 2,281,000株有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出し)による増加 342,100株譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による増加 15,695株 |
Audit
監査法人1、連結 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書 2024年9月26日株式会社テクニスコ 取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士齋藤 勝彦 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山下 大輔 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社テクニスコの2023年7月1日から2024年6月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社テクニスコ及び連結子会社の2024年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社テクニスコの繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社グループは、2024年6月30日現在、連結貸借対照表に繰延税金負債を65,154千円(負債純資産の0.7%に相当)、連結損益計算書に法人税等調整額を177,209千円(当期純損失の29.4%に相当)計上している。 当該金額において、株式会社テクニスコが計上している繰延税金負債及び法人税等調整額の金額が大部分を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、会社グループは、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定している。 当連結会計年度においては、企業分類を分類5に変更し、前期末に計上した繰延税金資産の取り崩したことに伴い、繰延税金負債及び法人税等調整額を計上している。 企業分類は、取締役会で承認された将来の事業計画及び中期経営計画を基礎として見積もられた将来の収益力に基づく課税所得により判定が行われる。 当該見積りにおいては、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、顧客からの受注状況、顧客の年間所要情報及び過去の受注や販売実績等の一定の仮定を用いている。 これらの仮定には見積りの不確実性があり、経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、株式会社テクニスコの繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 将来の収益力に基づく課税所得の見積りを含む繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)将来の収益力に基づく課税所得の見積りの評価 経営者による将来の収益力に基づく課税所得の見積りを評価するため、以下の手続を実施した。 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業分類の見直しの判断について、経営者等への質問の実施及び企業分類に関する判定資料の閲覧により、経営者の判定に関する妥当性と会計基準への準拠性を検討した。 ・将来の事業計画及び中期経営計画を入手し、策定の前提となった事項や作成プロセスについて経営者に質問を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに利用された基礎情報と、取締役会によって承認された事業計画及び中期経営計画との整合性を検証するとともに、過年度の見積りの遡及的な検討を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに含まれる仮定について、経営者に質問を実施するとともに、内示情報や所要情報等の閲覧、過去実績からの趨勢分析及び利用可能な外部データとの比較を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社テクニスコの繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社グループは、2024年6月30日現在、連結貸借対照表に繰延税金負債を65,154千円(負債純資産の0.7%に相当)、連結損益計算書に法人税等調整額を177,209千円(当期純損失の29.4%に相当)計上している。 当該金額において、株式会社テクニスコが計上している繰延税金負債及び法人税等調整額の金額が大部分を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、会社グループは、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定している。 当連結会計年度においては、企業分類を分類5に変更し、前期末に計上した繰延税金資産の取り崩したことに伴い、繰延税金負債及び法人税等調整額を計上している。 企業分類は、取締役会で承認された将来の事業計画及び中期経営計画を基礎として見積もられた将来の収益力に基づく課税所得により判定が行われる。 当該見積りにおいては、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、顧客からの受注状況、顧客の年間所要情報及び過去の受注や販売実績等の一定の仮定を用いている。 これらの仮定には見積りの不確実性があり、経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、株式会社テクニスコの繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 将来の収益力に基づく課税所得の見積りを含む繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)将来の収益力に基づく課税所得の見積りの評価 経営者による将来の収益力に基づく課税所得の見積りを評価するため、以下の手続を実施した。 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業分類の見直しの判断について、経営者等への質問の実施及び企業分類に関する判定資料の閲覧により、経営者の判定に関する妥当性と会計基準への準拠性を検討した。 ・将来の事業計画及び中期経営計画を入手し、策定の前提となった事項や作成プロセスについて経営者に質問を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに利用された基礎情報と、取締役会によって承認された事業計画及び中期経営計画との整合性を検証するとともに、過年度の見積りの遡及的な検討を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに含まれる仮定について、経営者に質問を実施するとともに、内示情報や所要情報等の閲覧、過去実績からの趨勢分析及び利用可能な外部データとの比較を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社テクニスコの繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社グループは、2024年6月30日現在、連結貸借対照表に繰延税金負債を65,154千円(負債純資産の0.7%に相当)、連結損益計算書に法人税等調整額を177,209千円(当期純損失の29.4%に相当)計上している。 当該金額において、株式会社テクニスコが計上している繰延税金負債及び法人税等調整額の金額が大部分を占めている。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、会社グループは、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定している。 当連結会計年度においては、企業分類を分類5に変更し、前期末に計上した繰延税金資産の取り崩したことに伴い、繰延税金負債及び法人税等調整額を計上している。 企業分類は、取締役会で承認された将来の事業計画及び中期経営計画を基礎として見積もられた将来の収益力に基づく課税所得により判定が行われる。 当該見積りにおいては、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、顧客からの受注状況、顧客の年間所要情報及び過去の受注や販売実績等の一定の仮定を用いている。 これらの仮定には見積りの不確実性があり、経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、株式会社テクニスコの繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 将来の収益力に基づく課税所得の見積りを含む繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)将来の収益力に基づく課税所得の見積りの評価 経営者による将来の収益力に基づく課税所得の見積りを評価するため、以下の手続を実施した。 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業分類の見直しの判断について、経営者等への質問の実施及び企業分類に関する判定資料の閲覧により、経営者の判定に関する妥当性と会計基準への準拠性を検討した。 ・将来の事業計画及び中期経営計画を入手し、策定の前提となった事項や作成プロセスについて経営者に質問を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに利用された基礎情報と、取締役会によって承認された事業計画及び中期経営計画との整合性を検証するとともに、過年度の見積りの遡及的な検討を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに含まれる仮定について、経営者に質問を実施するとともに、内示情報や所要情報等の閲覧、過去実績からの趨勢分析及び利用可能な外部データとの比較を実施した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
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監査法人1、個別 | PwC Japan有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年9月26日株式会社テクニスコ 取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士齋藤 勝彦 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山下 大輔 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社テクニスコの2023年7月1日から2024年6月30日までの第56期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社テクニスコの2024年6月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2024年6月30日現在、貸借対照表に繰延税金負債を62,645千円(負債純資産の0.7%に相当)、損益計算書に法人税等調整額を164,010千円(当期純損失の53.7%に相当)計上している。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、会社は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定している。 当事業年度においては、企業分類を分類5に変更し、前期末に計上した繰延税金資産の取り崩したことに伴い、繰延税金負債及び法人税等調整額を計上している。 企業分類は、取締役会で承認された将来の事業計画及び中期経営計画を基礎として見積もられた将来の収益力に基づく課税所得により判定が行われる。 当該見積りにおいては、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、顧客からの受注状況、顧客の年間所要情報及び過去の受注や販売実績等の一定の仮定を用いている。 これらの仮定には見積りの不確実性があり、経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 将来の収益力に基づく課税所得の見積りを含む繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)将来の収益力に基づく課税所得の見積りの評価 経営者による将来の収益力に基づく課税所得の見積りを評価するため、以下の手続を実施した。 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業分類の見直しの判断について、経営者等への質問の実施及び企業分類に関する判定資料の閲覧により、経営者の判定に関する妥当性と会計基準への準拠性を検討した。 ・将来の事業計画及び中期経営計画を入手し、策定の前提となった事項や作成プロセスについて経営者に質問を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに利用された基礎情報と、取締役会によって承認された事業計画及び中期経営計画との整合性を検証するとともに、過年度の見積りの遡及的な検討を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに含まれる仮定について、経営者に質問を実施するとともに、内示情報や所要情報等の閲覧、過去実績からの趨勢分析及び利用可能な外部データとの比較を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2024年6月30日現在、貸借対照表に繰延税金負債を62,645千円(負債純資産の0.7%に相当)、損益計算書に法人税等調整額を164,010千円(当期純損失の53.7%に相当)計上している。 【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、会社は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(企業会計基準適用指針第26号)」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定している。 当事業年度においては、企業分類を分類5に変更し、前期末に計上した繰延税金資産の取り崩したことに伴い、繰延税金負債及び法人税等調整額を計上している。 企業分類は、取締役会で承認された将来の事業計画及び中期経営計画を基礎として見積もられた将来の収益力に基づく課税所得により判定が行われる。 当該見積りにおいては、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性に記載のとおり、顧客からの受注状況、顧客の年間所要情報及び過去の受注や販売実績等の一定の仮定を用いている。 これらの仮定には見積りの不確実性があり、経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 将来の収益力に基づく課税所得の見積りを含む繰延税金資産の回収可能性に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 (2)将来の収益力に基づく課税所得の見積りの評価 経営者による将来の収益力に基づく課税所得の見積りを評価するため、以下の手続を実施した。 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業分類の見直しの判断について、経営者等への質問の実施及び企業分類に関する判定資料の閲覧により、経営者の判定に関する妥当性と会計基準への準拠性を検討した。 ・将来の事業計画及び中期経営計画を入手し、策定の前提となった事項や作成プロセスについて経営者に質問を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに利用された基礎情報と、取締役会によって承認された事業計画及び中期経営計画との整合性を検証するとともに、過年度の見積りの遡及的な検討を実施した。 ・将来の収益力に基づく課税所得の見積りに含まれる仮定について、経営者に質問を実施するとともに、内示情報や所要情報等の閲覧、過去実績からの趨勢分析及び利用可能な外部データとの比較を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 繰延税金資産の回収可能性に関する企業分類の見直し含む判断の妥当性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 123,820,000 |
仕掛品 | 485,767,000 |
原材料及び貯蔵品 | 191,561,000 |
未収入金 | 192,058,000 |
その他、流動資産 | 63,000 |
建物及び構築物(純額) | 719,706,000 |
機械装置及び運搬具(純額) | 2,242,007,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 72,595,000 |
土地 | 280,132,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 16,932,000 |
建設仮勘定 | 229,339,000 |
有形固定資産 | 2,126,420,000 |
無形固定資産 | 368,902,000 |
投資有価証券 | 3,921,000 |
長期前払費用 | 6,947,000 |
退職給付に係る資産 | 34,718,000 |
投資その他の資産 | 2,485,129,000 |
BS負債、資本
支払手形及び買掛金 | 116,199,000 |