財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-09-26 |
英訳名、表紙 | CRESTEC Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長執行役員 栗沢 威臣 |
本店の所在の場所、表紙 | 静岡県浜松市中央区東三方町69番地 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 053-439-0315 (代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は、主に輸送機器関連に添付する取扱説明書の制作や翻訳を目的として、1984年9月に株式会社クレステックを設立いたしました。 その後、顧客のグローバル化に伴い、海外拠点を徐々に展開してまいりました。 当社グループの沿革は、次のとおりであります。 年月変遷の内容1984年9月 12月 静岡県浜松市に株式会社クレステックを設立。 アメリカ・ロサンゼルスにオフィス(クレステックUSA)を開設。 1985年8月東京にサテライトオフィスを開設。 1988年4月 9月ベルギー・ブリュッセルにオフィスを開設。 クレステックUSAをクレステックL.A.に改組。 1991年1月1993年3月香港にオフィスを開設。 東京サテライトオフィスを事業所として再設。 1995年1月松本事業所を開設。 ベルギーオフィスをオランダ・アムステルダムに移転し、現地法人(クレステック・アムステルダム)を設立。 11月 1996年5月名古屋事業所を開設。 タイ・バンコクに現地法人を設立。 香港オフィスをクレステックアジアに社名変更し、現地法人を設立。 1997年7月印刷工場として、インドネシア・ジャカルタに現地法人を設立。 1998年2月 9月大阪事業所を開設。 フィリピン・マニラにオフィスを開設。 1999年1月 2月 9月中国・上海に現地法人を設立。 中国・蘇州の印刷会社(蘇州印刷総廠)と合弁で、現地法人を設立。 インドネシアにカートンボックス印刷工場を新設。 2000年6月 9月フィリピン・マニラに現地法人を設立。 アメリカ・ニュージャージのOKI Business Digitalを買収してCrestec Digital Inc(CDI)を設立。 2001年9月インドネシア・ジャカルタ/スラバヤ工場操業開始。 2002年1月 10月福岡事業所(現 福岡営業オフィス)を開設。 マレーシアに現地法人を設立。 11月中国・珠海に現地法人を設立。 2003年3月 7月中国・東莞の印刷工場操業開始。 静岡県磐田市にデジタル印刷専門のフルフィルメントサテライトセンターを開設。 2004年9月中国・大連にクレステック上海のブランチを開設。 2005年3月 4月クレステックアムステルダムを移転し社名をクレステックヨーロッパに変更。 ベトナム・ホーチミンに現地法人を設立。 9月 海外支援室 梱包設計グループを名古屋に開設。 ㈱クレステックソリューションズを東京都港区に設立。 2006年1月 3月中国・東莞に新現地法人を設立し、第二印刷工場操業開始。 クレステックL.A.とCDIを合併し、クレステックUSAとして一本化。 2007年3月 7月制作専門部署であるプロダクションセンターを福岡に開設。 蘇州クレステックのデジタル印刷部門を子会社化。 12月2009年9月中国・東莞の2工場を統合し効率化。 ㈱クレステックソリューションズを吸収合併。 2011年6月決算期を6月に変更。 2012年3月 12月仙台にプロダクションサテライトセンターを開設。 ㈱パセイジの全株式を取得、子会社化。 2013年4月アトランタにクレステックUSAのブランチを開設。 2015年7月東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。 年月変遷の内容2017年7月2018年9月 11月2019年7月2020年1月2021年7月2022年4月 10月 2023年1月2024年6月大野印刷㈱の全株式を取得、子会社化。 インド・チェンナイに現地法人を設立。 インド・ニューデリーにクレステックインドのNCRブランチを開設。 東京証券取引所市場第二部に市場変更。 ㈱ナビの全株式を取得、子会社化。 ㈱マインズの全株式を取得、子会社化。 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行。 本社を浜松市北区東三方町(現 浜松市中央区東三方町)に移転し、同社屋1階に浜松プリントセンターを移転。 中国・東莞の現地法人を完全商社化。 中国・蘇州の現地法人を新工場に移転し、操業開始。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当社を中核として、国内子会社5社、海外子会社15社(うち、1社は非連結子会社)で構成されており、ドキュメント事業及びソリューション事業を行っています。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社に関わる位置づけは以下のとおりです。 なお、当社グループにおけるドキュメント事業の占める割合が高いため、セグメント情報については地域別の情報としております。 各セグメントに属する会社については事業系統図に記載のとおりです。 (1)国内 当社グループは、顧客である企業の新製品に添付する取扱説明書及びメカニック向けの修理マニュアルなどのライティング(仕様書や実機等をもとに製品ユーザーに向けた文章を執筆)から、イラスト作成、データ組版、翻訳、印刷などのドキュメンテーション作成に関わる業務を中心に行っております。 具体的には企業の新製品に必要なドキュメント(取扱説明書、修理マニュアル、設置マニュアル等)の制作に開発段階から関わり、当社グループのドキュメントを読んだ使用者がその新製品を安全かつ分かりやすく操作できるよう、専門的な技術情報を理解しやすく説明・表現し、最終提供形態であるデータもしくは印刷物などの形あるものに変える創造性の高い業務を行っております。 当社グループではこの分野を“テクニカルドキュメンテーション”と呼んでおります。 なお、このテクニカルドキュメンテーションにおいて当社グループが関与しております主な製品群は下記のとおりとなります。 ・デジタル製品(デジタルカメラ、ビデオ、携帯電話、ゲーム機器等) ・輸送機器(2輪車、4輪車、建機、汎用エンジン、船舶等) ・情報機器(プリンター、ファックス、コピー機、パソコン等) ・一般家電(洗濯機、冷蔵庫、ミシン、電子レンジ、エアコン等) ・医薬品・医療機器(各種分析・検査機器) ・産業機器(産業用ロボット、工作機械等) 現在、このテクニカルドキュメンテーションのビジネスをベースに、顧客の新製品開発に際しての市場動向調査や各国の法令確認、販売における販促支援(プロモーション活動)、更には、製品を入れるパッケージの梱包設計や梱包緩衝材の調達、マニュアルを含めたアクセサリー関連のアッセンブリー対応などドキュメント制作以外の周辺業務にまで業務の幅を広げ、顧客である企業へのサービスを川上から川下まで一貫してサポートしています。 また、ドキュメント制作の効率化に合わせ、原稿作成支援ソフト、翻訳支援ソフト、加えてデータ管理システムなど、顧客が自身でドキュメントの開発を行えるよう、ドキュメント作成ソフトの開発・販売にもビジネス展開を行っております。 (2)海外 当社グループは、テクニカルドキュメンテーションサービスを提供する中で、海外でのサポート体制も重要な要素のひとつとして考えており、1984年の創業時から海外への進出を行ってきました。 海外において10か国に15社(うち、1社は非連結子会社)、18拠点を配し、顧客の工場への部材供給(マニュアル・箱・ラベル等の印刷物、緩衝材、パレット等)や販促活動の支援業務(広告媒体、展示会、販売代行業務等)を通じて、海外に販売拠点を持つ顧客の新製品開発・販売を支援しております。 このような当社グループのグローバルネットワークにより、日本から海外まで販売拠点を持つ顧客を当社グループ全体でサポートすることが可能となり、海外においても国内と同等の品質(信頼)でサービスを提供することができております。 これらのネットワークと品質を兼ね備えたサービスが、同業他社では提供されていない細やかなものとなっており、当社グループの特徴となっていると考えております。 [事業系統図] (注)1.ドキュメント事業を行っている連結子会社の地域セグメント及び会社の正式名称は次のとおりであります。 地域セグメント略称正式社名日本PSG株式会社パセイジONP大野印刷株式会社NAV株式会社ナビMID株式会社マインズ中国地域CASCRESTEC (ASIA) LTD.CDGCRESTEC PRINTING (DONGGUAN) LTD.ZCRCRESTEC ELECTRONICS TECHNOLOGY(ZHUHAI) CO., LTD.CSHCRESTEC SYSTEM SOFTWARE (SHANGHAI) CO., LTD.SCRSUZHOU CRESTEC PRINTING CO., LTD.東南アジア/南アジア地域CINPT. CRESTEC INDONESIACPHCRESTEC PHILIPPINES, INC.CTHCRESTEC (THAILAND) CO., LTD.CMACRESTEC (MALAYSIA) SDN. BHD.CVNCRESTEC VIETNAM CO., LTD.CIDCRESTEC DIGITAL SOLUTION INDIA PVT. LTD.欧米地域CEUCRESTEC EUROPE B.V.CUSCRESTEC USA, INC.2.上記のほか、非連結子会社としてSUZHOU CRESTEC DIGITAL TECHNOLOGY CO., LTD.(略称 Artwork)が存在しており、中間持株会社として㈱エイチエムインベストメントとBANGKOK CRESTEC CO., LTD.が存在しております。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) ㈱パセイジ東京都港区20,000千円ドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 大野印刷㈱(注)2東京都練馬区10,000千円ドキュメント事業100.0当社の製品(マニュアルなど)を製造している。 役員の兼任あり。 ㈱ナビ静岡県浜松市中央区10,000千円ドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 ㈱マインズ(注)2東京都港区39,000千円ドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 ㈱エイチエムインベストメント静岡県浜松市中央区10,000千円株式の保有100.0役員の兼任あり。 CRESTEC (ASIA) LTD.(注)2中国香港1,000千HKDドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 CRESTEC PRINTING (DONGGUAN) LTD.(注)2中国広東省東莞市38,547千CNYドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 CRESTEC ELECTRONICS TECHNOLOGY(ZHUHAI) CO.,LTD.中国広東省珠海市1,348千CNYドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 CRESTEC SYSTEM SOFTWARE (SHANGHAI)CO., LTD.(注)2中国上海市2,480千CNYドキュメント事業100.0当社の制作案件(DTPなど)を委託している。 役員の兼任あり。 SUZHOU CRESTEC PRINTING CO., LTD.(注)2,4,8中国江蘇省蘇州市76,716千CNYドキュメント事業70.0(20.0)当社の製品(マニュアルなど)を製造している。 役員の兼任あり。 債務保証あり。 PT. CRESTEC INDONESIA (注)2,4インドネシア共和国西ジャワ州ブカシ県3,000千USDドキュメント事業100.0(25.0)当社の製品(マニュアル、カートンボックスなど)を製造している。 役員の兼任あり。 債務保証あり。 CRESTEC PHILIPPINES, INC. (注)2,7フィリピン共和国リパ市23,400千PHPドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 債務保証あり。 CRESTEC (THAILAND) CO., LTD. (注)2,4タイ王国バンコク市26,080千THBドキュメント事業73.9(24.9)当社の制作案件(DTPなど)を委託している。 役員の兼任あり。 債務保証あり。 BANGKOK CRESTEC CO., LTD. (注)3,5タイ王国バンコク市2,000千THBタイ法人の株式保有49.0[3]役員の兼任あり。 資金援助あり。 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容CRESTEC (MALAYSIA) SDN. BHD.マレーシアジョホールバル市500千MYRドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 CRESTEC VIETNAM CO., LTD. (注)2ベトナム社会主義共和国ホーチミン市400千USDドキュメント事業100.0役員の兼任あり。 CRESTEC DIGITAL SOLUTION INDIA PVT.LTD. (注)2、4、6インド共和国タミル・ナードゥ州チェンナイ市37,000千INRドキュメント事業100.0(8.6)印刷物及び物流梱包資材の販売をしている。 役員の兼任あり。 CRESTEC EUROPE B.V. (注)2オランダ王国アムステルダム市72千EURドキュメント事業100.0当社の制作案件(翻訳など)を委託している。 役員の兼任あり。 同社より資金借入あり。 CRESTEC USA, INC. (注)2米国カリフォルニア州ロングビーチ市18千USDドキュメント事業100.0当社が制作案件(DTPなど)を請負っている。 役員の兼任あり。 同社より資金借入あり。 (注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 2.特定子会社に該当しております。 3.議決権の所有割合の[ ]内は、同意している者の所有割合で外数であります。 4.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 5.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。 6.CRESTEC DIGITAL SOLUTION INDIA PVT.LTD.は、2023年8月に5,000千INR増資を行い、資本金が増加しております。 7.CRESTEC PHILIPPINES, INC.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等 (1) 売上高 3,746,970千円 (2) 経常利益 312,393千円(3) 当期純利益 147,320千円(4) 純資産額 656,324千円(5) 総資産額 2,678,443千円8.SUZHOU CRESTEC PRINTING CO., LTD.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等 (1) 売上高 2,981,468千円 (2) 経常利益 331,361千円(3) 当期純利益 244,964千円(4) 純資産額 3,526,735千円(5) 総資産額 5,258,275千円 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2024年6月30日現在セグメントの名称従業員数(人)日本427(56)中国地域295(29)東南アジア/南アジア地域628(611)欧米地域33(17)合計1,383(713)(注)従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員、季節工を含む。 )は、( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 (2)提出会社の状況 2024年6月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)302(45)43.814.35,110 セグメントの名称従業員数(人)日本302(45)合計302(45)(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員、季節工を含む。 )は、( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 なお、平均年間給与の算定基準である平均従業員数については、当事業年度より集計基準を変更しております。 (3)労働組合の状況 当社では労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。 また、労働組合が結成されている連結子会社はPT.CRESTEC INDONESIA、SUZHOU CRESTEC PRINTING CO., LTD.、CRESTEC SYSTEM SOFTWARE (SHANGHAI)CO., LTD.となりますが、従業員に対しては理解と協力を求め、円満な関係を構築し、労使関係は安定しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.3.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者24.066.073.284.159.7(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 なお、管理職数については、労働基準法で定める管理監督者数を基に算出しております。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.労働者の男女の賃金の差異については、男女における等級別人数構成の割合や平均年齢の差異が主な要因で、制度上における男女差は生じておりません。 なお、男性の平均年齢は46.4歳で、女性は41.1歳であります。 4.連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「クレステックは企業として、社会に通用する企業を目指す。 (情報の創造と提供により安心して暮らせる社会に貢献する)」、「クレステックの社員は、社会人として通用する人間を目指す。 (グローバル社会から尊敬される人間を目指す)」を経営理念に掲げ、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界中の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指します。 (2)経営戦略等 当社グループは、テクニカルドキュメンテーションを事業の中核として、マニュアル制作・ローカリゼーション、印刷・パッケージ製造など幅広い事業を展開し、成長を実現してまいりました。 そして現在、この中核事業をベースに、マーケット・リサーチをはじめとした川上の事業領域からアフターマーケットのユーザーサポートである川下の事業領域まで、ドキュメントソリューションサービスとして事業領域をグローバルに展開しております。 しかしながら、次なる10年に向けた持続的な成長を目指すには、更なる変革が急務となっております。 そこで、41期からスタートしました新経営体制のもと、次なる10年に向けた新領域への挑戦に取り組むことで、更なる事業の拡大を長期的に図ってまいります。 今回の新中期経営計画「CR Challenge 27」では、引き続き、前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の企業基盤の確立と安定化を図りつつも、“Challenge”をテーマに、当社の強みであるグローバルネットワークを最大限に活用し、サービス力、グループの連携力で、グローバル/外資系企業との取引拡大や既存企業との取引拡充などを図りながら、ドキュメント業界で世界に誇れる日本企業を目指してまいります。 前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の企業基盤の確立と安定化を継続的に図りつつも、新経営体制のもと、“新たな挑戦”として、以下の経営重点戦略に取り組んでまいります。 ① 事業強化戦略 1)グローバル/外資系企業との取引拡大 2)既存企業との取引拡充 3)新規企業との連携やM&Aの推進 ② 体制強化戦略 1)事業強化に沿った人事戦略 2)既存事業領域の再構築 3)認知度向上への取り組み (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2027年6月期を最終年度とする中期経営計画「CR Challenge 27」においては、「グローバル化に向けた新たな挑戦」を基本方針とし、2027年6月期において、連結売上高200.0億円、連結営業利益14.0億円、連結営業利益率7.0%の経営数値目標の達成を設定しております。 (4)経営環境 当社グループを取り巻くビジネス環境は、リーマンショックから大きく変化してきました。 まず、世界景気の減退から始まり、スマートフォンの登場によるデジタル化(製品)への商品集約、更にペーパーレス化も加速し、常に当社グループの取引に大きな影響を及ぼしてきました。 また、近年では、新型コロナウイルス感染症により世界経済に大きな影響を及ぼしましたが、その感染症も収束し、経済活動は回復傾向にあります。 その一方で、世界的なインフレによる購買力の低迷が続いており、企業の生産活動は不安定な状況となっています。 加えて、ロシアによるウクライナ侵略やパレスチナ・イスラエル戦争などの紛争継続や米中の対立により世界経済の回復は不透明な状態であり、引き続き先行きの見えない状況が続いております。 このような厳しい環境の中、当社グループでは、中期経営計画「CR Vision 20⁺(Plus)」の最終期として過去2期において成し得なかった”事業強化”と”体制強化”の施策を中心に、次の中期に向けての更なる地盤固め(企業基盤の強化)の推進に取り組んでまいりました。 事業強化では、プロモーション関連などの販促事業や会話型AIを活用した「C’s-navi」によるアフターマーケット支援など、新領域へのサービス強化を推進しております。 また、既存事業の深化として新しいメディアを活用したマニュアル制作の開発や環境に配慮した梱包材の開発設計にも取り組んでおります。 一方、体制強化では、フィリピンの経営改革による収益改善や中国蘇州の新工場移転による生産体制の盤石化に注力するとともに、更なる企業価値向上の施策として、SDGs推進プロジェクト“みらい for earth”を立上げ、身近な農業体験から循環型社会の構築を目指す取り組みにも挑戦してまいりました。 今後は、新経営体制(代表取締役の異動及び執行役員制度の変更)のもと、新たな事業への「挑戦」をテーマに世界で認められる唯一無二の企業を目指し、引き続き以下に掲げる対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① グローバルネットワークを活用した取引拡大とサポート体制の強化 当社グループは、日系メーカーを中心にマニュアルの原稿作成やデータ作成を日本国内で行い、印刷・製造工程を顧客の海外拠点の近くで行うことで、マニュアルの制作から印刷・製造までの全ての工程を当社グループのネットワークにて一気通貫で対応できるサポート体制を構築し、日系メーカーとの信用を獲得してきました。 近年では、多様化したユーザーのニーズに迅速な対応が求められている顧客をサポートすべく、サプライチェーンとして、市場調査や販促プロモーションなどの「川上」業務から製品販売後のユーザーサポートなどの「川下」業務まで「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」をスローガンに、グローバルで全領域の業務をサポートできる体制の強化を進めてまいりました。 今後は、このグローバルネットワークを更に活用し、日系メーカーだけでなく、外資系メーカー(グローバル企業)との取引拡大や医薬品・ヘルスケア製品・生活用品等のメーカー等、幅広い事業分野の取引拡大にも積極的に挑戦していくことで、持続的成長が可能な事業のポートフォリオを確立してまいります。 ② 専門的な技術の確立と人材の育成 当社グループの強みは、マニュアルの原稿作成から翻訳・データ作成、更に多品種小ロットの印刷・製造に対応できるグローバルサポート体制であるため、それを支える技術の確立と人材の継続的な育成は経営の最重要課題のひとつと考えております。 現在、自動車から家電など各製品分野に対応できるテクニカルライターや世界各国語に展開できる翻訳ディレクターなど専門的な技術の確立のために、製品やサービスの仕様説明を扱う専門の団体(一般財団法人)テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)、産業翻訳の業界団体(一般社団法人)日本翻訳連盟、多言語翻訳の標準的な規格を策定するGALA標準規格イニシアチブ(※)に加盟し、各業界に対応できる人材の育成に努めています。 更に、コミュニケーション能力向上のための英語教育、海外各拠点との交流による現地各市場の把握、次世代に通じるマニュアルの開発に向けた大学との共同研究、JTCA主催のジャパンマニュアルアワード、日本包装協会主催の日本パッケージングコンテストへの応募など様々な取り組みを実施することで、グローバル社会で活躍できる人材や次世代を担う人材を育成し、「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」で対応できるサポート体制をより一層強化してまいります。 ※ GALA(Globalization and Localization Association)標準規格イニシアチブ:多言語翻訳の標準規格を策定し、普及を促進するための公的な試み ③ 国内での新規ビジネス展開 近年、日本を始め世界的な動きとして製品のデジタル化やデータの集約が加速し、今までの業務形態であるマニュアル制作の市場規模は縮小傾向にあります。 今後もこのような傾向が継続するものと予想されるため、チャットボットやインタラクティブ動画など新しいメディアとの複合的活用や各種情報の融合を図った次世代に通じるマニュアルの作成、更に海外進出支援サービスである国際規格対応サポート、生成AIや大規模言語モデル(LLM)を活用したソリューション提供、新たな体験と感動を創出するxR(※)技術、デジタルサイネージ用プレイヤーなどを駆使した新空間提供など、既存事業で培ったノウハウや人的資産を活用し、「川上」業務であるコンサルティングや販促プロモーション、業務支援マニュアルなどへの事業領域の拡大を図りつつ、トータルサービス体制の実現に向け、他社との業務提携やM&Aを積極的に推進してまいります。 ※ xR(Extended Reality):拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)などの画像技術の総称で、現実世界と仮想世界を融合させ、これまでにない新たな現実を創出させる技術のこと ④ 株主との対話・株主還元 当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値向上を目指すため、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。 しかしながら、近年の新型コロナウイルス感染症により、対話形式による情報発信が十分ではない状況が続きましたが、現在では、SNSを活用した企業情報の配信やオンラインによる企業説明会を通して株主の皆様との対話の機会を増やすよう努めております。 今後もこうした方針を前提に、株主還元の内容や趣旨説明についても経営の最重要課題のひとつとして認識しており、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつ、充実した株主還元を行うことが重要であると考えております。 詳しくは「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 ⑤ サステナブルな社会の構築 当社グループは、「GLOBAL COMMUNICATIONS」“世界を繋ぐ人に優しいコミュニケーションの創造へ”をテーマに、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指し、グローバルに事業を展開しています。 そして、この事業活動を通して、年齢・性別・人種・宗教・言語・経済的地位などに関係なく、世界のすべての人に平等に必要な情報を提供できる環境づくり、つまり、言葉の障壁を越えて、世界の人々が不自由なく相互にコミュニケーションができる社会の構築を目指し、新たなツール開発やサービス、ソリューションの提供に努め、誰にでも分かりやすい情報を創造することで、サステナブルな社会づくりに貢献できるよう、取り組んでいます。 その一例としては、SDGs推進プロジェクト“みらい for earth”を立上げ、身近な農業体験から循環型社会の構築を目指す取り組みに挑戦しております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)ガバナンス当社では、「サステナブルな社会を目指して!」をスローガンに、全ての事業活動を通じ、グローバルな視点で人の健康の維持と、地球環境の保全に積極的に寄与し、持続可能な社会の実現に向け最善を尽くすよう取り組んでおります。 その一例としては、代表取締役社長執行役員がリーダーを務めるSDGs推進プロジェクト“みらい for earth”を立ち上げ、身近な農業体験から循環型社会の構築を目指す取り組みに挑戦しております。 当社のサステナビリティに関するガバナンスへの対応としては、代表取締役社長執行役員を委員長とした「リスクマネジメント委員会」においても、各分科委員長(情報セキュリティ分科委員長、コンプライアンス分科委員長、BCM分科委員長、環境分科委員長)から行動指針及び各分科委員会の基本指針に基づく活動報告を受けるとともに、様々なサステナビリティに関する課題についてもモニタリングを実施しております。 なお、リスクマネジメント委員会の議事録については、社外取締役を含めた全取締役に配信し、情報の共有を図るとともに、持続的な成長と企業価値の向上に資するよう、実効性も含めて取締役会にて審議しております。 また、人的資本・知的財産への投資等をはじめとする経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略の実行にあたっても、経営戦略や経営計画等を策定し、持続的な成長と企業価値の向上に資するよう、実効性を含めて取締役会にて審議をしております。 なお、当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (2)戦略当社のサステナビリティに関する課題への対応については、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しており、とりわけ環境への配慮については、「環境行動指針」を定め、『エコアクション21』に関する環境負荷の低減等に取り組んでおります。 また、環境分科委員会を設置し、「環境行動指針」に沿った年度計画を策定するとともに、CSRに関する活動やSDGs活動の推進にも積極的に取り組んでおります。 人材の育成については、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保に取り組むため、特に、性別、年齢、国籍等による制限は設けておらず、中途採用者や女性が活躍できる社内環境の整備に取り組んでおります。 また、中長期的な企業価値向上を目指した人材育成方針や社内環境整備方針については、前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の「経営重点戦略」のひとつである体制強化戦略の一環として、横断的なプロジェクトチーム「REBORN20+(プラス)」を組織し、教育体制の強化と社内環境の改善に取り組んでおります。 (3)リスク管理当社のサステナビリティに関するリスク管理については、「リスクマネジメント方針」を定めるとともに、代表取締役社長を委員長とした「リスクマネジメント委員会」において、各分科委員長(情報セキュリティ分科委員長、コンプライアンス分科委員長、BCM分科委員長、環境分科委員長)から行動指針及び各分科委員会の基本指針に基づく活動報告を受けるとともに、様々なサステナビリティに関する課題への対応についてモニタリングを実施しております。 なお、当社が認識する事業等のリスクに関する詳細は、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。 (4)指標及び目標 当社は、事業の特性上、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示は行っていませんが、上記「(2)戦略)」において記載した環境への配慮から気候変動問題に関する様々な課題解決に向け、再生可能エネルギーの活用やFSC認証の原材料の積極的な提案など、温室効果ガス排出量の削減に向け、引き続き取り組んでまいります。 また、女性活躍推進法にもとづく社内環境整備については、具体的な目標は設定しておりませんが、上記「(2)戦略)」において記載した積極的な女性・外国人・中途採用者の管理職への登用やワークライフバランスを意識した在宅勤務や時差出勤の導入など、「第1 企業の概況 5従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男女労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の比率向上や改善に向け、引き続き取り組んでまいります。 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理が行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。 このため、これらの指標は、提出会社のものを記載しております。 |
戦略 | (2)戦略当社のサステナビリティに関する課題への対応については、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しており、とりわけ環境への配慮については、「環境行動指針」を定め、『エコアクション21』に関する環境負荷の低減等に取り組んでおります。 また、環境分科委員会を設置し、「環境行動指針」に沿った年度計画を策定するとともに、CSRに関する活動やSDGs活動の推進にも積極的に取り組んでおります。 人材の育成については、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保に取り組むため、特に、性別、年齢、国籍等による制限は設けておらず、中途採用者や女性が活躍できる社内環境の整備に取り組んでおります。 また、中長期的な企業価値向上を目指した人材育成方針や社内環境整備方針については、前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の「経営重点戦略」のひとつである体制強化戦略の一環として、横断的なプロジェクトチーム「REBORN20+(プラス)」を組織し、教育体制の強化と社内環境の改善に取り組んでおります。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社は、事業の特性上、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示は行っていませんが、上記「(2)戦略)」において記載した環境への配慮から気候変動問題に関する様々な課題解決に向け、再生可能エネルギーの活用やFSC認証の原材料の積極的な提案など、温室効果ガス排出量の削減に向け、引き続き取り組んでまいります。 また、女性活躍推進法にもとづく社内環境整備については、具体的な目標は設定しておりませんが、上記「(2)戦略)」において記載した積極的な女性・外国人・中途採用者の管理職への登用やワークライフバランスを意識した在宅勤務や時差出勤の導入など、「第1 企業の概況 5従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男女労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の比率向上や改善に向け、引き続き取り組んでまいります。 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理が行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。 このため、これらの指標は、提出会社のものを記載しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 人材の育成については、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保に取り組むため、特に、性別、年齢、国籍等による制限は設けておらず、中途採用者や女性が活躍できる社内環境の整備に取り組んでおります。 また、中長期的な企業価値向上を目指した人材育成方針や社内環境整備方針については、前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の「経営重点戦略」のひとつである体制強化戦略の一環として、横断的なプロジェクトチーム「REBORN20+(プラス)」を組織し、教育体制の強化と社内環境の改善に取り組んでおります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | また、女性活躍推進法にもとづく社内環境整備については、具体的な目標は設定しておりませんが、上記「(2)戦略)」において記載した積極的な女性・外国人・中途採用者の管理職への登用やワークライフバランスを意識した在宅勤務や時差出勤の導入など、「第1 企業の概況 5従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男女労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の比率向上や改善に向け、引き続き取り組んでまいります。 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理が行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。 このため、これらの指標は、提出会社のものを記載しております。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 本報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 また、当社グループとして、必ずしも事業遂行上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示をしております。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)景気変動によるリスク BtoB(企業間の商取引)をメインビジネスとした当社グループの業績は、景気の影響を受けやすい傾向にあります。 このような景気悪化に伴い、顧客が生産活動や事業の縮小・製造拠点の撤廃・統廃合などの事業再編、製品開発の縮小や先送り・遅れなどで、当社グループが提供するサービスの利用が縮小された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、景気の影響を受けにくい医薬・生活用品など新しい事業分野の拡大や、新領域の事業を含めたサービス内容の多様化、日系メーカーのみならず外資系メーカーも含めた取引顧客の多様化、サービス提供地域の事業拡大等を図り、リスクを最小限に抑えられるよう事業構造の形成に努めております。 (2)主要顧客である日系メーカーのグローバルな製造拠点の移転リスク 当社グループの売上高は、国内のみならず海外においても日系メーカーの比率が高く、当社グループの海外現地法人の主要顧客となっております。 今後、主要顧客である日系メーカーがグローバルな生産活動の再編や各国の法改正・政策変更に伴い、製造拠点を移転した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、リスク軽減に向け、取引顧客との連携を更に強化しサプライチェーンの要として取引の継続に務めるとともに、サポート拠点の拡大や日系メーカーへの依存度低減に向け外資系メーカーとの取引拡大にも努めております。 (3)ペーパーレス化の影響 近年、コンシューマー向けデジタル製品を中心に取扱説明書(マニュアル)のペーパーレス化が進み、また、デジタル製品そのものの市場が縮小したことを受け、同製品向けの販売が大きく減少しておりました。 現在は複合機やプリンターなどオフィス向け製品の情報機器メーカーとの取引も多いことから、今後、オフィスでのDX化に伴いペーパーレス化が更に進み、複合機及びプリンターそのものの市場が縮小した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、グローバルネットワークの活用などにより、新たな業種としてペーパーレス化の影響を相対的に受けにくい医薬・生活用品メーカーに特化した販売活動に注力するとともに、梱包設計のノウハウを活かしたパッケージ製品(化粧箱、梱包材、緩衝材等)の取引拡大にも努めております。 (4)仕入価格変動リスク 当社グループは、海外では主に紙製品(取扱説明書、パッケージ製品、ラベル等)を取り扱っており、その原材料である紙の価格変動により、仕入価格が影響を受けております。 今後、この仕入価格が上昇し、直ちに製品への価格転嫁ができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、新たな購買先の開拓により購入ルートの選択肢を広げるとともに、市場動向に合わせた迅速な購入により充分な原材料在庫を確保することでリスク低減に努めております。 (5)為替変動リスク 当社グループの当連結会計年度の全売上高のうち、海外での売上高が約72%を占めているため、為替レートの変動による為替換算後の金額に影響を受けております。 更に外貨取引も多いため、外貨取引により生じた資産・負債についても為替の変動リスクに晒されております。 今後、円高もしくは円安に進行した場合、これらは当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、外貨建て債権債務においては、外貨建ての銀行借入等の残高の調整を行うことにより、ネットしたポジションをほぼ均衡させることでリスク低減に努めております。 (6)有利子負債残高に関するリスク 当社グループの当連結会計年度末の有利子負債残高(社債、借入金、リース債務の合計額)は6,913百万円と総資産の約35%を占めております。 当社グループは、原則、変動金利で借入を行っているため、今後、市場金利の上昇に伴い金融費用が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、一部について固定金利で借入を行うことにより、金利変動リスクの低減を図っております。 (7)カントリーリスク 当社グループの当連結会計年度の全売上高のうち、中国及び東南アジア/南アジアでの売上高が約60%を占めております。 今後、これらの国で法改正・政策変更や人件費高騰、外交問題などの要因により、顧客の撤退や生産縮小などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、各国の政治・経済情勢の把握や取引顧客との連携強化を図る一方で、その影響を分散すべく多くの国に進出し、リスク軽減に向けた事業構造の構築に努めております。 (8)製品の品質にかかるリスク 当社グループは、デジタル製品や家電、輸送機器などの取扱説明書の制作・編集・印刷や、パッケージ製品などを供給しております。 これら制作・製造工程において、企画・編集・制作時のミスや印刷時のミスプリント、乱丁などによる不具合の製品が市場に流出した場合、顧客に損害を与える可能性もあります。 これら当社の瑕疵により発生した損害金額の規模や頻度、事後対応、更には当社グループの信用が失墜した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、従業員への教育研修によりスキル向上を継続的に図るとともに、グループ全体を統括する社長直轄の品質保証室のもと、各拠点にも品質担当者を配置することで、継続的に品質の向上・改善を進め、顧客のニーズに適時適切な対応を図る体制を構築しております。 (9)主要顧客の生産動向によるリスク 当社グループの当連結会計年度の売上高のうち、最大顧客の売上高でも約16%であるため、特定の顧客による影響はある程度、分散されております。 しかしながら、主要顧客の生産動向の変化により特定の地域セグメントの損益が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、常に新規顧客の開拓や既存顧客の拡充を推進し、バランスの取れた取引により特定の顧客への依存度低減に努めております。 (10)競合によるリスク 国内では、主に電機メーカーなどの事業再編により、マニュアル制作業界は縮小傾向にあると言われておりますが、今後、国内メーカーの事業再編が更に進み、既存の同業メーカー間で更に競争が激しくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 海外でも同様に、日系メーカーの事業再編が進む一方で、同業のローカルメーカーも台頭し、以前に比べ競争は激しくなっております。 今後、この優位性を維持・継続できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、国内事業においては特殊分野の制作能力(テクニカルライティング・翻訳等)を更に追求し、他社では対応できない独自性を高めております。 海外事業においては他社に負けないQCDを更に追求するとともに、提案型のサービス展開にて顧客との強固な関係構築を進めており、グループ全体としては、グローバルでサプライチェーンの川上から川下まで一気通貫でサービス提供できる“One Stop Global Solution”の体制を強化し、競合に対しての優位性を図っております。 (11)情報漏洩によるリスク 当社グループは、顧客の未公表の新製品及びリニューアル品に関する開発情報に接しております。 また、限定的ではあるものの、業務上で顧客に関する個人情報にも接しております。 今後、情報漏洩による顧客からの損害賠償請求や信用の低下、取引停止などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、情報セキュリティをリスクマネジメントの最重要項目のひとつとして捉え、情報セキュリティ分科委員会を設置するとともに、情報セキュリティに関する諸規程の整備や役員・従業員への啓蒙活動、管理体制の体系化及びシステム・運用の強化、更には外部によるネットワーク脆弱性診断にも取り組んでおります。 (12)優秀な人材の確保 当社グループが持続的な成長を実現していくには、優秀な人材を確保・育成していくことが最重要項目のひとつとして捉えております。 しかしながら、当社グループが求める人材を計画通り確保・育成できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、様々な採用手法を活用し優秀な人材を確保するよう努めるとともに、当社グループが求める人材として活躍できる組織体制及び職場環境の整備やエンゲージメント向上を目指した教育体制の強化に取り組んでおります。 (13)大規模災害や感染症発生等のリスク 当社グループは、国内外に多くの拠点があるため、局地的な水害や地震などの自然災害や火災、暴動、テロなどの人災等の大規模災害や新型コロナウイルス感染症等の世界的蔓延(パンデミック)が発生した場合、事業拠点の損壊や従業員の被災や罹患により生産活動の停止又は、遅延などの可能性があります。 また、顧客における操業停止や販売活動の停滞などにより当社グループの事業活動や業績に影響を与える可能性もあります。 当社グループでは、グループ全体の事業継続をリスクマネジメントの最重要項目のひとつとして捉え、BCM分科委員会を設置し、緊急時の事業継続のためのバックアップ体制を構築しております。 なお、近年の新型コロナウイルス感染症やその他パンデミックへの対応としては、テレワーク勤務や時差出勤を導入するとともに、オフィス・工場内の感染予防対策なども徹底し、リスクの最小化に取り組んでおります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、継続的な円安にともなう物価高や人手不足などによる企業経営の悪化が懸念される中、その一方で円安にともなうインバウンドの増加による経済効果などもあり、概ね回復傾向にありました。 しかしながら、引き続き中国経済の停滞や世界的な景気の不透明感、加えて多くの製造企業での在庫調整などもあり、先行きの見えない状況が続きました。 一方、世界経済においても、各国におけるインフレ抑制政策の効果は現れてきたものの、全体的には不透明な状況でした。 米国では、インフレ状態ではあるものの経済状況は引き続き好調でした。 欧州では、継続的な高インフレ状態により景気回復は不透明な状況でした。 中国では、米国との経済対立や不動産市況の悪化による影響で景気停滞の状態が続き不透明な状況となっています。 東南アジア/南アジアでは、生産活動は概ね回復傾向にありましたが、一部の顧客では、在庫過多による生産調整が続きました。 こうした経済状況のもと、当社グループの主要顧客である日系メーカーでは、各国の経済活動への規制緩和により景気回復は進んだものの、未だ在庫調整の顧客も多く、生産活動の低調や新製品の投入遅延、開発案件の停滞などによる影響が、当社グループへの取引においても及びました。 このような中、当社グループでは、中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の最終期として過去2期において成し得なかった”事業強化”と”体制強化”の施策を中心に、次の中期に向けての更なる地盤固め(企業基盤の強化)の推進に取り組んでまいりました。 事業強化では、プロモーション関連などの販促事業や会話型AIを活用した「C's-navi」によるアフターマーケット支援など、新領域へのサービス強化を推進いたしました。 また、既存事業の深化として新しいメディアを活用したマニュアル制作の開発や環境に配慮した梱包材の開発設計にも取り組みました。 一方、体制強化では、フィリピンの経営改革による収益改善や中国蘇州の新工場移転による生産体制の盤石化に注力するとともに、更なる企業価値向上の施策として、SDGs推進プロジェクト“みらい for earth”を立上げ、身近な農業体験から循環型社会の構築を目指す取り組みにも挑戦してまいりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より1,313,443千円増加し、19,768,571千円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より175,795千円減少し、10,540,412千円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より1,489,239千円増加し、9,228,159千円(前連結会計年度比19.2%増)となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は19,066,764千円(前連結会計年度比10.4%減)、営業利益は1,180,952千円(前連結会計年度比26.9%減)、経常利益は1,290,699千円(前連結会計年度比20.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は910,732千円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。 セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。 日本は、外部顧客への売上高は5,289,524千円(前連結会計年度比6.4%減)、セグメント利益は133,509千円(前連結会計年度比54.8%減)となりました。 中国地域は、外部顧客への売上高は4,440,329千円(前連結会計年度比7.0%減)、セグメント利益は278,535千円(前連結会計年度比8.7%減)となりました。 東南アジア/南アジア地域は、外部顧客への売上高は7,044,514千円(前連結会計年度比20.7%減)、セグメント利益は579,520千円(前連結会計年度比27.3%減)となりました。 欧米地域は、外部顧客への売上高は2,292,396千円(前連結会計年度比16.9%増)、セグメント利益は187,954千円(前連結会計年度比12.8%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ785,445千円増加し、当連結会計年度末には5,571,574千円となりました。 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,485,838千円の収入(前連結会計年度は1,720,531千円の収入)となりました。 これは主として、法人税等の支払額388,083千円があったものの、税金等調整前当期純利益1,286,296千円、減価償却費847,942千円、売上債権の減少505,856千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、693,447千円の支出(前連結会計年度は1,555,326千円の支出)となりました。 これは主として、定期預金の払戻による収入327,709千円があったものの、有形固定資産の取得による支出836,806千円、定期預金の預入による支出177,405千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、1,376,520千円の支出(前連結会計年度は236,394千円の支出)となりました。 これは主として、社債の発行による収入394,874千円があったものの、長期借入金の返済による支出975,679千円、短期借入金の純減額511,487千円、リース債務の返済による支出308,334千円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)生産高(千円)前連結会計年度比(%)生産高(千円)前連結会計年度比(%)日本5,400,89198.74,943,23191.5中国地域4,185,75394.13,603,42886.1東南アジア/南アジア地域7,849,911121.46,023,63676.7欧米地域2,152,744123.42,451,964113.9合計19,589,301108.117,022,26186.9(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 当社グループの主要な事業であるドキュメント事業では、提供するサービスの性格上、受注から売上までの期間が短いことから、受注実績の記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)販売高(千円)前連結会計年度比(%)販売高(千円)前連結会計年度比(%)日本5,649,486101.75,289,52493.6中国地域4,774,390111.44,440,32993.0東南アジア/南アジア地域8,886,020123.07,044,51479.3欧米地域1,960,176127.22,292,396116.9合計21,270,074114.319,066,76489.6(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)当連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)エプソングループ4,204,18619.82,966,13615.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 また、当社の連結財務諸表作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積り及び判断については、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては次のものがあると考えております。 a.退職給付債務及び退職給付費用 退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されており、これらの前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等が含まれております。 実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。 b.貸倒引当金 債権の貸倒れによる損失に備えるため回収不能見込額を見積り、引当金を計上しておりますが、将来、債務者の財政状態が著しく悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。 c.繰延税金資産 連結財務諸表と税務上の一時差異について繰延税金資産を計上しております。 繰延税金資産の回収可能性については、税務計画を考慮し見積っておりますが、予測不可能な前提条件の変更等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 d.棚卸資産 当社グループは、棚卸資産の評価を行うに当たっては、製品及び商品については正味売却価額、原材料については再調達原価に基づき、収益性の低下を検討しております。 また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、状況に変化が生じた場合には、棚卸資産の簿価を切り下げ、売上原価を増加させることになります。 e.固定資産の減損処理 当社グループは、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。 そのため、将来の市況悪化等が見込まれることとなった場合、減損損失の計上が発生するなど当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 f.のれん及び顧客関連資産の評価 当社グループは、のれん及び顧客関連資産に関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1) 財政状態(資産合計) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より1,313,443千円増加し、19,768,571千円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。 これは主として、売掛金が163,191千円、商品及び製品が142,743千円減少しましたが、有形固定資産が1,073,492千円、現金及び預金が641,334千円増加したことによるものであります。 (負債合計) 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より175,795千円減少し、10,540,412千円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。 これは主として、未払金が291,933千円、社債が280,000千円、リース債務が193,853千円増加しましたが、長期借入金が518,305千円、短期借入金が450,941千円減少したことによるものであります。 (純資産合計) 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より1,489,239千円増加し、9,228,159千円(前連結会計年度比19.2%増)となりました。 これは主として、利益剰余金が614,838千円、為替換算調整勘定が685,191千円、非支配株主持分が171,403千円増加したことによるものであります。 2) 経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は19,066,764千円(前連結会計年度比10.4%減)となりました。 国内では、取引先における在庫調整による生産活動の低調や新製品の投入遅延などによる影響もあり売上高が減少いたしました。 海外では、国内同様に取引先における生産活動の低調やフィリピンの事業再編の影響もあり売上高が減少しております。 (売上総利益) 売上総利益は5,506,144千円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。 これは、売上高の減少によるものです。 尚、前連結会計年度と比較し原価率に大きな変動はありません。 (営業利益) 営業利益は1,180,952千円(前連結会計年度比26.9%減)となりました。 これは、貸倒引当金繰入額の減少がありましたが、売上総利益の減少によるものです。 (経常利益) 経常利益は1,290,699千円(前連結会計年度比20.2%減)となりました。 これは、為替差益の増加がありましたが営業利益の減少によるものです。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は910,732千円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。 1株当たり当期純利益金額は、当連結会計年度は295.48円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。 3) キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b.資本の財源及び資金の流動性 当社の事業では、国内ではそのほとんどが役務提供型の業務であるため、多額の設備投資が必要となる事業ではありません。 一方、海外では工場型拠点と商社型拠点があり、商社型拠点では多額の設備投資は発生しませんが、工場型拠点では新規投資や現状設備維持の投資が必要になります。 運転資金につきましては、当社グループの製品は受注から納品・検収・回収までのサイトが比較的短く、多額に先行で費用が発生することはありません。 現在は、事業資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間で複数のコミットメントライン契約を締結しております。 また、既存設備維持の投資に関しては営業活動によるキャッシュ・フローより行うこととしておりますが、新たな追加の投資が必要な場合には、リース契約、社債及び長期借入金でまかなっております。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、第40期(2024年6月期)を最終年度とする中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の実現に向けて、本計画の基本方針に基づく各施策を進めてまいりました。 最終年度となる第40期の数値目標に対する第40期の実績につきましては、各国の経済活動への規制緩和により景気回復は進んだものの、当社グループの主要顧客である日系メーカーの取引では、未だ在庫調整の顧客も多く、生産活動の低調や新製品の投入遅延、開発案件の停滞などによる影響も起因し、売上高は数値目標の185億円に対して190億円(達成率103.1%)、営業利益は数値目標の12億円に対して11億円(達成率98.4%)、営業利益率は数値目標の6.5%に対して6.2%(達成率95.5%)となりました。 「CR Vision 20+(Plus)」は前述のとおり2024年6月期が最終年度であるため、2025年6月期を初年度とする新たな中期経営計画「CR Challenge 27」を策定しております。 詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。 中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の最終年度である2024年6月期の数値目標及び2024年6月期の実績指標第40期目標(2024年6月期)第40期実績(2024年6月期)達成率売上高185億円190億円103.1%営業利益12億円11億円98.4%営業利益率6.5%6.2%95.5% d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(日本) 取引先における新製品の投入遅延や開発案件の停滞などによる影響で、全体的に大きく取引は減少しました。 また、巣ごもり需要で好調だった一部の顧客の取引や自治体向けコンサルティング業務においても、生産調整や法改正の減少により低調でした。 その一方で一部の情報機器関連の顧客における新規案件やプロモーション関連の業務は回復傾向となりました。 このような状況のもとで、日本では、外部顧客への売上高は5,289,524千円(前年同期比6.4%減)、セグメント利益は133,509千円(前年同期比54.8%減)となりました。 (中国地域) 華東地区では、欧米メーカーを含めた医薬品関連の取引は引き続き堅調に推移しましたが、その一方で日系メーカーの取引は低調でした。 また、中国の景気悪化から中国国内市場向けプロモーション関連の取引は大きく減少しました。 華南地区では、一部の顧客の生産活動に回復は見られるものの、中国から他国への断続的な生産移管もあり全体的に取引は減少となりましたが、完全商社化により収益は改善しました。 このような状況のもとで、中国では、外部顧客への売上高は4,440,329千円(前年同期比7.0%減)、セグメント利益は278,535千円(前年同期比8.7%減)となりました。 (東南アジア/南アジア地域) フィリピンでは、体制変更や不採算商品の撤退などによる事業の見直しを推し進めている影響で、取引は減少したものの、税引後の収益性は改善しました。 インドネシアでは、引き続き医薬品関連の新規取引や生活用品・ヘルスケア用品などの新事業分野の顧客との取引は順調に推移しております。 その一方で一部の顧客では、引き続き在庫過多による生産調整などの影響で、取引は軟調でした。 タイでも、顧客全般に在庫過多による生産調整が続いており、取引は低調でした。 ベトナムでは医療機器関連を中心に生産活動は徐々に回復傾向ではありますが、全般的に取引は引き続き横ばいでした。 インドでは生産活動は回復傾向となり、取引も微増となりました。 このような状況のもとで、東南アジア/南アジアでは、外部顧客への売上高は7,044,514千円(前年同期比20.7%減)、セグメント利益は579,520千円(前年同期比27.3%減)となりました。 (欧米地域) 米国では、一部の顧客で取引は減少しているものの、主要顧客である輸送機器メーカーの取引が順調に推移していることに加え、大統領予備選による新規取引もあり、全体的には堅調でした。 欧州では、玩具系電器メーカーとの取引が安定的に継続していることに加え、主要顧客である輸送機器メーカーの新規モデルの投入案件もあり取引は拡大し、増収増益となりました。 このような状況のもとで、欧米では、外部顧客への売上高は2,292,396千円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は187,954千円(前年同期比12.8%減)となりました。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループでは、多様化する顧客ニーズを的確に把握し、そのニーズに沿った新しい商品(マニュアル)及びサービスやシステム、印刷技術の提供を目的に研究開発活動を行っております。 マニュアル作成では、商品の仕様や端末の普及により様々に変化する取扱情報の提供方法に対応するため、社長直下の各部門を超えた横断的プロジェクトチームを構成し、市場動向の調査から新メディア対応の研究開発を進めております。 また、製品コスト低下に伴うマニュアル制作費のコストダウンにも対応するため、顧客へ販売するためのマニュアル作成ツール開発や作業効率化ツールの開発部門を設置し推進しています。 パッケージ製造では、開発・設計を国内で、生産を海外で行う顧客に対し、国内と海外の両方でサポートできる体制を構築するため、国内に梱包設計部門を設置しております。 これにより、海外現地で原材料を入手し生産した場合と同じ仕様でのサンプルを国内で作成したり、海外生産の設備的メリット、デメリットを顧客に提案したりと、顧客のニーズに応える体制を取ることが可能となっております。 最近2連結会計年度における研究開発活動に要した費用は、下表のとおりであります。 前連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)当連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) 当社(日本)における研究開発費53,819千円62,317千円計53,819千円62,317千円 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度において当社グループが実施いたしました設備投資の総額は1,483,242千円であり、セグメント別では、日本において95,136千円、中国地域において863,119千円、東南アジア/南アジア地域において506,233千円、欧米地域において18,753千円の設備投資を実施しております。 これは主として、中国地域におけるSUZHOU CRESTEC PRINTING CO.,LTD.(蘇州工場)での工場移転に伴うもの、CRESTEC PHILIPPINES, INC.における既存設備の維持更新等によるものであります。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 (1)提出会社2024年6月30日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物土地(面積㎡)有形固定資産その他無形固定資産その他合計本社(静岡県浜松市中央区)日本営業用生産用594,694478,522(9,800)68,4894,6621,146,368116(38) (注)1.帳簿価額のうち「有形固定資産その他」は、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品が含まれております。 2.「無形固定資産その他」は、ソフトウエアであります。 3.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 (2)国内子会社2024年6月30日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物土地(面積㎡)有形固定資産その他無形固定資産その他合計大野印刷株式会社本社及び工場(東京都練馬区)日本営業用生産用111,256342,621(909)15,300856470,03551(7) (注)1.帳簿価額のうち「有形固定資産その他」は、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品が含まれております。 2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 (3)在外子会社2024年6月30日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物土地(面積㎡)有形固定資産その他無形固定資産その他合計SUZHOU CRESTEC PRINTING CO., LTD.(注1,2,3)本社及び工場(中国 江蘇省 蘇州市)中国地域営業用生産用2,001,440-[22,624]1,584,7508,4223,594,614200(26)PT.CRESTEC INDONESIA(注1,2,3)本社及び工場(インドネシア西ジャワ州ブカシ県他)東南アジア地域営業用生産用189,545-[13,995]355,327-544,873352(105) (注)1.帳簿価額のうち「有形固定資産その他」は、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品、土地使用権が含まれております。 2.賃借している土地又は土地使用権により利用している土地の面積は、[ ]で記載しております。 3.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 62,317,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 18,753,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 44 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 14 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,110,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は投資株式について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)に区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社における政策保有株式は、取締役会において取引先との事業上の関係等を総合的に勘案し、中長期的な企業価値向上に必要な場合に保有しておりますが、企業価値向上の効果が乏しいと判断される場合には、市場への影響やその他事業面で考慮すべき事情にも配慮しつつ縮減することを検証しております。 もっとも、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等の具体的な精査のあり方については課題として認識しています。 また、政策保有株式の議決権の行使については、すべての議案に対して議決権を行使することとし、議案の内容のみならず、投資先企業の状況や当該企業との取引関係等を踏まえた上で、当社の中長期的な企業価値が著しく毀損されるおそれがある場合には慎重に判断いたします。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式150,000非上場株式以外の株式17,425 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式1600取引先持株会を通じた株式の取得 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)コニカミノルタ㈱16,67915,404(保有目的)取引関係維持・強化のため(業務提携等の概要)当社商品の販売先(保有効果)(注)(増加理由)取引先持株会を通じた株式の取得無7,4257,671(注)定量的な保有効果の記載が困難でありますが、保有の合理性の検証につきましては、毎期、個別の政策保有株式について保有の意義を検証しております。 取締役会で検証した結果、現状保有する政策保有株式は、保有方針に沿った目的で保有していることを確認しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 50,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 7,425,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 600,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 16,679 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 7,425,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 取引先持株会を通じた株式の取得 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | コニカミノルタ㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的)取引関係維持・強化のため(業務提携等の概要)当社商品の販売先(保有効果)(注)(増加理由)取引先持株会を通じた株式の取得 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年6月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) クレステック従業員持株会静岡県浜松市中央区東三方町69334,40010.85 髙林 彰静岡県浜松市中央区330,00010.71 名古屋中小企業投資育成株式会社愛知県名古屋市中村区名駅南1-16-30306,4009.94 日本生命保険相互会社東京都千代田区丸の内1-6-6日本生命証券管理部内162,3005.27 鈴木 一隆静岡県浜松市中央区160,0005.19 株式会社豊橋印刷社愛知県豊橋市嵩山町字公護1-1125,0004.06 冨永 尚志静岡県浜松市浜名区100,1003.25 吉田 知広大阪府大阪市淀川区97,3003.16 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区日本橋1-17-671,3002.31 千村 隆夫神奈川県横浜市港北区40,2001.30 三輪 雅人静岡県浜松市中央区40,2001.30計-1,767,20057.34 |
株主数-金融機関 | 3 |
株主数-金融商品取引業者 | 11 |
株主数-外国法人等-個人 | 7 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 14 |
株主数-個人その他 | 1,823 |
株主数-その他の法人 | 21 |
株主数-計 | 1,879 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 三輪 雅人 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式3,248,900--3,248,900合計3,248,900--3,248,900自己株式 普通株式(注)166,670--166,670合計166,670--166,670 |
Audit
監査法人1、連結 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年9月26日株式会社クレステック 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 名古屋事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士古田 賢司 印 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士花輪 大資 印 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社クレステックの2023年7月1日から2024年6月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社クレステック及び連結子会社の2024年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、連結子会社である株式会社マインズに係る顧客関連資産146,153千円、のれん36,325千円を当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上している。 これらの顧客関連資産及びのれんは、新規顧客を含む、顧客からの継続的な受注見込みを反映した同社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを基礎に算定され、その効果の発現する期間にわたって規則的に償却されている。 株式会社マインズの顧客関連資産及びのれんに係る減損の兆候を判断するに当たり、会社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従って、株式会社マインズの資産グループについて、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの継続的なマイナス、回収可能価額を著しく低下させる変化及び経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか又はこれらが生じる見込みかどうかを検討している。 これには、株式会社マインズの事業計画における重要な仮定である受注見込み及び顧客の継続率等について、完全子会社化時点からの重要な変化がないかどうかの検討が含まれる。 株式会社マインズの当連結会計年度末までの実績及び事業計画を基礎として検討した結果、会社は、当連結会計年度において減損の兆候が認められないと判断している。 減損の兆候に関する判断において会社が利用している事業計画は、受注見込み及び顧客の継続率等の重要な仮定に基づいて策定されており、これらは、顧客及び競合他社の動向や市場環境の変化による影響を受けるため、不確実性を伴い、将来の予測に関する経営者の判断を含んでいる。 以上より、当監査法人は、株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 減損の兆候の把握に関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・ 会社が作成した減損の兆候判定資料を閲覧し、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが実績及び事業計画等の根拠資料と整合していることを確かめた。 ・ 減損の兆候に関する判断に影響を及ぼす経営環境の変化や経営上の重要な判断等を把握するため、取締役会等の重要会議体の議事録を閲覧した。 ・ 株式会社マインズの事業計画について、以下の監査手続を実施した。 - 株式会社クレステックの取締役会で承認されたグループ経営計画との整合性を確かめた。 - 事業計画における重要な仮定である受注見込み及び顧客の継続率等について、完全子会社化時点からの重要な変化の有無を経営者に質問した。 - 受注見込みの前提となる会社が想定する市場環境に関して、利用可能な外部情報との比較を実施した。 また、顧客の継続率については、完全子会社化時点の見込みと当連結会計年度末までの実績を比較した。 - 事業計画と実績との比較分析を実施し、事業計画策定に関する経営者の見積りプロセスの有効性を評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社クレステックの2024年6月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社クレステックが2024年6月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、連結子会社である株式会社マインズに係る顧客関連資産146,153千円、のれん36,325千円を当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上している。 これらの顧客関連資産及びのれんは、新規顧客を含む、顧客からの継続的な受注見込みを反映した同社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを基礎に算定され、その効果の発現する期間にわたって規則的に償却されている。 株式会社マインズの顧客関連資産及びのれんに係る減損の兆候を判断するに当たり、会社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従って、株式会社マインズの資産グループについて、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの継続的なマイナス、回収可能価額を著しく低下させる変化及び経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか又はこれらが生じる見込みかどうかを検討している。 これには、株式会社マインズの事業計画における重要な仮定である受注見込み及び顧客の継続率等について、完全子会社化時点からの重要な変化がないかどうかの検討が含まれる。 株式会社マインズの当連結会計年度末までの実績及び事業計画を基礎として検討した結果、会社は、当連結会計年度において減損の兆候が認められないと判断している。 減損の兆候に関する判断において会社が利用している事業計画は、受注見込み及び顧客の継続率等の重要な仮定に基づいて策定されており、これらは、顧客及び競合他社の動向や市場環境の変化による影響を受けるため、不確実性を伴い、将来の予測に関する経営者の判断を含んでいる。 以上より、当監査法人は、株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 減損の兆候の把握に関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・ 会社が作成した減損の兆候判定資料を閲覧し、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが実績及び事業計画等の根拠資料と整合していることを確かめた。 ・ 減損の兆候に関する判断に影響を及ぼす経営環境の変化や経営上の重要な判断等を把握するため、取締役会等の重要会議体の議事録を閲覧した。 ・ 株式会社マインズの事業計画について、以下の監査手続を実施した。 - 株式会社クレステックの取締役会で承認されたグループ経営計画との整合性を確かめた。 - 事業計画における重要な仮定である受注見込み及び顧客の継続率等について、完全子会社化時点からの重要な変化の有無を経営者に質問した。 - 受注見込みの前提となる会社が想定する市場環境に関して、利用可能な外部情報との比較を実施した。 また、顧客の継続率については、完全子会社化時点の見込みと当連結会計年度末までの実績を比較した。 - 事業計画と実績との比較分析を実施し、事業計画策定に関する経営者の見積りプロセスの有効性を評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、連結子会社である株式会社マインズに係る顧客関連資産146,153千円、のれん36,325千円を当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上している。 これらの顧客関連資産及びのれんは、新規顧客を含む、顧客からの継続的な受注見込みを反映した同社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを基礎に算定され、その効果の発現する期間にわたって規則的に償却されている。 株式会社マインズの顧客関連資産及びのれんに係る減損の兆候を判断するに当たり、会社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従って、株式会社マインズの資産グループについて、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの継続的なマイナス、回収可能価額を著しく低下させる変化及び経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか又はこれらが生じる見込みかどうかを検討している。 これには、株式会社マインズの事業計画における重要な仮定である受注見込み及び顧客の継続率等について、完全子会社化時点からの重要な変化がないかどうかの検討が含まれる。 株式会社マインズの当連結会計年度末までの実績及び事業計画を基礎として検討した結果、会社は、当連結会計年度において減損の兆候が認められないと判断している。 減損の兆候に関する判断において会社が利用している事業計画は、受注見込み及び顧客の継続率等の重要な仮定に基づいて策定されており、これらは、顧客及び競合他社の動向や市場環境の変化による影響を受けるため、不確実性を伴い、将来の予測に関する経営者の判断を含んでいる。 以上より、当監査法人は、株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(重要な会計上の見積り) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、株式会社マインズに係る顧客関連資産及びのれんの減損の兆候に関する判断を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 減損の兆候の把握に関する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・ 会社が作成した減損の兆候判定資料を閲覧し、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが実績及び事業計画等の根拠資料と整合していることを確かめた。 ・ 減損の兆候に関する判断に影響を及ぼす経営環境の変化や経営上の重要な判断等を把握するため、取締役会等の重要会議体の議事録を閲覧した。 ・ 株式会社マインズの事業計画について、以下の監査手続を実施した。 - 株式会社クレステックの取締役会で承認されたグループ経営計画との整合性を確かめた。 - 事業計画における重要な仮定である受注見込み及び顧客の継続率等について、完全子会社化時点からの重要な変化の有無を経営者に質問した。 - 受注見込みの前提となる会社が想定する市場環境に関して、利用可能な外部情報との比較を実施した。 また、顧客の継続率については、完全子会社化時点の見込みと当連結会計年度末までの実績を比較した。 - 事業計画と実績との比較分析を実施し、事業計画策定に関する経営者の見積りプロセスの有効性を評価した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年9月26日株式会社クレステック 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 名古屋事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士古田 賢司 印 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士花輪 大資 印 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社クレステックの2023年7月1日から2024年6月30日までの第40期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社クレステックの2024年6月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式及び関係会社出資金の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社の当事業年度の貸借対照表において、関係会社株式2,448,548千円及び関係会社出資金616,433千円が計上されており、合計で総資産の39%を占める。 当事業年度末における会社の関係会社は20社であり、その所在国は多岐にわたる。 会社は、当事業年度末において、一部の関係会社出資金の実質価額が取得原価に比べ著しく低下しているため、投資損失引当金108,026千円を計上している。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、関係会社株式及び関係会社出資金の実質価額が取得原価に比べ著しく低下した場合、将来の事業計画等により回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額を行い、評価差額を損失として処理している。 実質価額が著しく低下したものの、会社がその回復可能性が見込めると判断して減損処理を行わなかった関係会社出資金については、回復可能性の判断はあくまでも将来の予測に基づいて行われるものであり、高い不確実性のリスクを伴うことから、会社は、投資に係る損失に備えるため、実質価額の低下に相当する額を投資損失引当金として計上している。 実質価額は、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成した財務諸表を基礎とし、必要に応じて、超過収益力等を加味して算定している。 なお、実質価額が著しく低下している関係会社出資金に関し、超過収益力等は識別されていない。 実質価額が取得原価に比べ著しく低下したと認められる場合、会社は、グループ経営計画における各関係会社の事業計画を基礎として実質価額の回復可能性を判定する。 当該事業計画は、主要顧客の動向を踏まえた受注見込み等の重要な仮定に基づいて策定され、競合他社の動向や市場環境の変化による影響を受けるため、不確実性を伴い、将来の予測に関する経営者の判断を含んでいる。 また、関係会社株式及び関係会社出資金の残高は会社の貸借対照表において金額的重要性が高く、実質価額の低下により減損処理や引当処理が行われた場合、財務諸表全体に与える金額的影響が大きい。 以上より、当監査法人は、関係会社株式及び関係会社出資金の評価が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、関係会社株式及び関係会社出資金の評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 関係会社株式及び関係会社出資金の期末評価プロセスに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・ 実質価額に影響を及ぼす事象の発生の有無を確かめるために、取締役会議事録の閲覧及び経営者への質問を実施した。 ・ 実質価額が適切に算定されているかどうかを検討するために、算定に使用する関係会社の財務数値について、連結決算のための財務報告資料との整合性を確かめるとともに、全般的な分析を実施して財務数値の妥当性を検討し、実質価額と取得原価を比較した。 ・ グループ経営計画における各関係会社の事業計画に基づき、実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられているかどうかを確かめるため、基礎となる事業計画に関し、以下の監査手続を実施した。 - 取締役会で承認された事業計画との整合性を確かめた。 - 事業計画に含まれる受注見込み等の重要な仮定について、経営者と協議するとともに、その前提となる会社が想定する市場環境に関して、利用可能な外部情報との比較を実施し、仮定の合理性を検討した。 - 事業計画と実績の比較分析を実施し、事業計画の策定に関する経営者の見積りプロセスの有効性及び不確実性を評価した。 ・ 実質価額が取得原価に比べ著しく低下しているものの、会社がその回復可能性が見込めると判断して減損処理を行わなかった関係会社出資金について、「子会社株式等に対する投資損失引当金に係る監査上の取扱い」(監査委員会報告第71号)に従い、主に、減損処理しないことが認められる程度の回復可能性が見込まれるかどうかを確かめることにより、投資損失引当金として処理する妥当性を検討し、実質価額の低下に相当する額が適切に投資損失引当金として計上されていることを確かめた。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式及び関係会社出資金の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社の当事業年度の貸借対照表において、関係会社株式2,448,548千円及び関係会社出資金616,433千円が計上されており、合計で総資産の39%を占める。 当事業年度末における会社の関係会社は20社であり、その所在国は多岐にわたる。 会社は、当事業年度末において、一部の関係会社出資金の実質価額が取得原価に比べ著しく低下しているため、投資損失引当金108,026千円を計上している。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、関係会社株式及び関係会社出資金の実質価額が取得原価に比べ著しく低下した場合、将来の事業計画等により回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額を行い、評価差額を損失として処理している。 実質価額が著しく低下したものの、会社がその回復可能性が見込めると判断して減損処理を行わなかった関係会社出資金については、回復可能性の判断はあくまでも将来の予測に基づいて行われるものであり、高い不確実性のリスクを伴うことから、会社は、投資に係る損失に備えるため、実質価額の低下に相当する額を投資損失引当金として計上している。 実質価額は、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成した財務諸表を基礎とし、必要に応じて、超過収益力等を加味して算定している。 なお、実質価額が著しく低下している関係会社出資金に関し、超過収益力等は識別されていない。 実質価額が取得原価に比べ著しく低下したと認められる場合、会社は、グループ経営計画における各関係会社の事業計画を基礎として実質価額の回復可能性を判定する。 当該事業計画は、主要顧客の動向を踏まえた受注見込み等の重要な仮定に基づいて策定され、競合他社の動向や市場環境の変化による影響を受けるため、不確実性を伴い、将来の予測に関する経営者の判断を含んでいる。 また、関係会社株式及び関係会社出資金の残高は会社の貸借対照表において金額的重要性が高く、実質価額の低下により減損処理や引当処理が行われた場合、財務諸表全体に与える金額的影響が大きい。 以上より、当監査法人は、関係会社株式及び関係会社出資金の評価が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、関係会社株式及び関係会社出資金の評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 関係会社株式及び関係会社出資金の期末評価プロセスに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・ 実質価額に影響を及ぼす事象の発生の有無を確かめるために、取締役会議事録の閲覧及び経営者への質問を実施した。 ・ 実質価額が適切に算定されているかどうかを検討するために、算定に使用する関係会社の財務数値について、連結決算のための財務報告資料との整合性を確かめるとともに、全般的な分析を実施して財務数値の妥当性を検討し、実質価額と取得原価を比較した。 ・ グループ経営計画における各関係会社の事業計画に基づき、実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられているかどうかを確かめるため、基礎となる事業計画に関し、以下の監査手続を実施した。 - 取締役会で承認された事業計画との整合性を確かめた。 - 事業計画に含まれる受注見込み等の重要な仮定について、経営者と協議するとともに、その前提となる会社が想定する市場環境に関して、利用可能な外部情報との比較を実施し、仮定の合理性を検討した。 - 事業計画と実績の比較分析を実施し、事業計画の策定に関する経営者の見積りプロセスの有効性及び不確実性を評価した。 ・ 実質価額が取得原価に比べ著しく低下しているものの、会社がその回復可能性が見込めると判断して減損処理を行わなかった関係会社出資金について、「子会社株式等に対する投資損失引当金に係る監査上の取扱い」(監査委員会報告第71号)に従い、主に、減損処理しないことが認められる程度の回復可能性が見込まれるかどうかを確かめることにより、投資損失引当金として処理する妥当性を検討し、実質価額の低下に相当する額が適切に投資損失引当金として計上されていることを確かめた。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 関係会社株式及び関係会社出資金の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 123,852,000 |
商品及び製品 | 51,714,000 |
仕掛品 | 356,893,000 |
原材料及び貯蔵品 | 328,244,000 |