財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-09-26 |
英訳名、表紙 | Okamura Foods Co.,Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長兼CEO 岡村 恒一 |
本店の所在の場所、表紙 | 青森県青森市八重田一丁目6番11号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 017-736-7777 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月概要1971年8月水産加工品製造販売を目的として青森県青森市に当社を設立1988年5月当社製品の西日本への販売拡大を目的として、九州オカムラ食品工業株式会社を設立1992年9月九州オカムラ食品工業株式会社を青森県青森市に移転。 同年11月、当社に事業譲渡 水産加工品を地元の一般消費者に直接販売することを目的として、社名を株式会社ポートに変更し、青森市に小売店舗をオープン2003年2月ベトナムの業務委託先加工場との輸出入窓口として、東京都中央区にオカムラトレーディング株式会社を設立。 その後はベトナムで加工された寿司ネタを主力とする水産加工品の販売会社として成長2005年2月持続可能なサーモン養殖ビジネスのノウハウを得ることを目的として、デンマークのMusholm A/Sを買収2014年5月北米における日本食マーケット拡大に伴い、高品質の日本食材を提供することを目的として、アメリカ合衆国カリフォルニア州にOkamura USA Inc.を設立2014年7月ベトナムで拡大していた日本食マーケットに高品質の日本食材を提供することを目的として、ベトナムの業務委託先加工場との合資にてNakayama Foodsを設立。 またNakayama Foodsに日本食材を輸出することを目的とし、東京都中央区に株式会社オカムラを設立2015年11月アジア圏での日本食ブーム拡大を背景に、アジア圏における日本食材卸売会社としてOkamura Trading Singapore Pte., Ltd.を設立2017年6月Musholm A/Sのノウハウを用い、日本産の養殖サーモンを大規模に養殖することを目的として、青森県西津軽郡深浦町に日本サーモンファーム株式会社を設立2017年9月海外加工拠点のベトナム一極集中を解消する目的で、ミャンマーのティラワ経済特区内にOkamura Trading Myanmar Co., Ltd.を設立2018年7月アジア圏における卸売事業拡大の一環として、マレーシアでの日本食材販売を目的に、当時Okamura Trading Singapore Pte., Ltd.の顧客であったXenka Trading (M) Sdn. Bhd.を買収2018年8月Okamura USA Inc. を清算2019年2月経営効率の向上を目的として、株式会社ポートを吸収合併2019年5月経営効率の向上を目的として、オカムラトレーディング株式会社ならびに株式会社オカムラを吸収合併2020年2月ベトナムの業務委託先加工場の生産管理や品質管理を行う目的でOkamura Trading Vietnam Co., Ltd.を設立2020年11月経営効率の向上を目的として、当社養殖事業部を分割し日本サーモンファーム株式会社に吸収2021年3月経営効率の向上を目的として、Nakayama FoodsをTrung Son Corp.へ売却2021年10月台湾での卸売事業拡大の一環として、Okamura Trading Taiwan Co., Ltd.を設立2023年5月タイでの卸売事業拡大の一環として、Okamura Trading (Thailand) Co., Ltd.を設立2023年9月東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社の9社で主に構成され「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。 」ことをMissionとし、養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開しています。 サーモンを中心とした川上から川下までの垂直統合型のビジネスモデルで、グローバルに事業を展開し、その結果として、自己資本利益率や売上高営業利益率などの指標において上場会社平均を上回る実績を達成しています。 各事業における事業会社名及びその系統図は、次のとおりであります。 以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 各事業の概要は、次のとおりであります。 (1)養殖事業生食用のサーモントラウトを養殖し、国内外に向け販売する事業であります。 Musholm A/Sにおいては、毎年約3,500トン超のサーモントラウトを生産しております。 更にサーモン養殖の世界的なリーダーであるノルウェーの養殖との差別化を図るため、卵を持たせる養殖を行っています。 その一部は当社向けに輸出され、以下で説明する国内加工事業に使われます。 当社グループ以外へは、魚の身の部分はヨーロッパ諸国へスモークサーモンの加工用原料として、卵はいくらを生産しヨーロッパ各地へ、あるいはいくら加工用原料としてヨーロッパ各地へ販売しております。 日本国内におきましては、2017年6月に青森県西津軽郡深浦町に日本サーモンファーム株式会社を設立し、サーモントラウトを生産しております。 サーモン養殖先進国であるデンマーク子会社Musholm A/Sの大規模生産のノウハウを活用し、孵化から養殖まで一気通貫した生産体制を構築しております。 日本サーモンファーム株式会社の海面養殖イメージ サーモン養殖は自然と地域のバックアップを受けて行う事業です。 サーモン養殖に適した青森の地で地元企業としての強みを生かし、地域と一体となって事業を進めています。 例えば国内では、河川を利用した中間養殖を行うにあたっては水利権が、海面養殖を行うにあたっては区画漁業権の行使が必要です。 当社グループは、地元漁協の組合員として区画漁業権を行使し、サーモン養殖を行っています。 なお、当社グループでは、養殖事業の一部においてASC認証を取得しております。 ASC認証とは、水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する養殖に関する国際認証制度で、養殖場が自然環境の汚染や資源の過剰利用を行っておらず、その養殖事業に持続可能性が認められることを認証するものです。 近年はASC認証のある原料を使った製品を取扱いの中心に据える国内の大手スーパーマーケットなども増えて来ています。 (2)国内加工事業国内加工事業及び後述の海外加工事業は、魚卵・成魚を原料として顧客の要望にそって加工し、販売を行う事業です。 国内加工事業における加工拠点は青森県青森市に所在する当社青森本社併設の第一工場と第二工場です。 第一工場では数の子及びたらこと、当社グループ日本サーモンファーム株式会社の養殖サーモンを主に加工しております。 第二工場ではイクラと筋子の加工をしております。 国内のスーパーマーケットや外食向けの販売が主ですが、最近ではアジア圏の大手回転寿司チェーンへの輸出も増えております。 青森第一工場で製造した数の子製品 Musholm A/S魚卵原料から製造したイクラ製品 青森第一工場内たらこ製品製造ライン (3)海外加工事業 海外加工事業は、海外の加工拠点において水産加工品を製造する事業です。 国内加工事業と同様に、当社養殖事業からの原料仕入れに加え、自社仕入れチームが自身で良質な原料を世界中から調達し加工販売まで行います。 海外加工事業における拠点は以下の3つです。 ①当社東京事業本部 当社の東京事業本部では、貿易実務、海外加工場の生産管理、国内外への販売活動を行っております。 ②ミャンマーの自社グループ工場(Okamura Trading Myanmar Co., Ltd.) 2017年9月、ミャンマーのティラワ経済特区内に子会社Okamura Trading Myanmar Co.,Ltd.を設立しました。 同経済特区内は日本企業の進出が進んでおり、日本水準のインフラが整っております。 主にサーモン原料の寿司ネタ加工を行っております。 外部仕入原料のサーモンハラス寿司スライス製品 Okamura Trading Myanmar Co., Ltd. 外観 ③ベトナムのパートナー工場当社とは20年来の関係があるベトナムの大手水産加工工場とパートナー契約を結んでおります。 契約の内容は「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 同工場では、サーモン原料の寿司ネタ加工の他、サバ原料を始めとした焼成済みの焼き魚・煮魚製品の加工も行っております。 当工場内には当社子会社Okamura Trading Vietnam Co., Ltd.の事務所を設置し、現地ワーカーの教育や生産管理を行っております。 生産された製品は日本国内消費向けに輸出される他、後述のシンガポールやマレーシアの現地販売拠点に向けても出荷されます。 (4) 海外卸売事業 シンガポール(Okamura Trading Singapore Pte., Ltd.)、マレーシア(Xenka Trading (M) Sdn. Bhd.)、台湾(Okamura Trading Taiwan Co.,Ltd.)及びタイ(Okamura Trading (Thailand) Co., Ltd.)に拠点を有しており、現地の日系スーパーマーケットや日本食レストランに、日本から輸入した日本食材を販売しております。 顧客のニーズに応じて他社から幅広く商材を調達しておりますが、自社グループ内で養殖・加工した商材も当事業を通じて海外市場に販売されております。 顧客のニーズに合わせた製品をタイムリーに、そして日本基準のきめ細やかなサービスを持って提供しております。 Okamura Trading Singapore Pte., Ltd. 自社倉庫 Xenka Trading (M) Sdn. Bhd.の事務所及び配送トラック |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金 主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) 日本サーモンファーム株式会社青森県西津軽郡深浦町90百万円養殖事業100販売業務の受託製品加工業務の受託役員の兼任 2名Musholm A/S (注)3,6Gørlev,Denmark714千DKK養殖事業100原材料仕入Loejstrup Dambrug A/SGørlev,Denmark500千DKK養殖事業100(100)-Okamura Trading Myanmar Co.,Ltd. (注)3Yangon,Myanmar5,500千USD海外加工事業100加工品の仕入原材料の有償支給部材の売上資金の貸付Okamura Trading Vietnam Co., Ltd.Ho Chi Minh City, Vietnam1,036,206千VND海外加工事業100業務委託Okamura Trading Singapore Pte., Ltd.(注)3,7Singapore3,200千SGD海外卸売事業100製品販売Xenka Trading (M) Sdn. Bhd. (注)3Selangor,Malaysia13,701千RM海外卸売事業100製品販売Okamura Trading Taiwan Co.,Ltd. (注)3Taipei,Taiwan105,000千TWD海外卸売事業100製品販売Okamura Trading (Thailand) Co., Ltd. (注)3BangkokThailand100,000千THB海外卸売事業100(0)製品販売 (注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。 2.議決権の所有割合の()内の数字は、間接所有割合(内数)であります。 3.特定子会社であります。 4.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 5.上記の他に、非連結子会社及び持分法非適用関連会社が5社あります。 6.Musholm A/Sについては、売上高(連結会社相互間の内部売上を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。 2024年6月期における主要な損益情報等は以下のとおりです。 主要な損益情報等① 売上高4,703百万円 ② 経常利益394百万円 ③ 当期純利益305百万円 ④ 純資産額4,474百万円 ⑤ 総資産額7,077百万円 7.Okamura Trading Singapore Pte., Ltd.については、売上高(連結会社相互間の内部売上を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。 2024年6月期における主要な損益情報等は以下のとおりです。 主要な損益情報等① 売上高4,700百万円 ② 経常利益174百万円 ③ 当期純利益145百万円 ④ 純資産額1,541百万円 ⑤ 総資産額2,856百万円 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況 2024年6月30日現在セグメントの名称従業員数(名)養殖事業67[10]国内加工事業40[193]海外加工事業576[-]海外卸売事業143[3]全社共通26[1]合計852[207] (注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループ への出向者を含む就業人員(定年後再雇用、嘱託含む)であります。 2.従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。 3.臨時従業員には、準社員、パートタイマー、アルバイト、技能実習生を含めております。 4.全社共通として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります (2) 提出会社の状況 2024年6月30日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)85[194]41.506.636,146 セグメントの名称従業員数(名)国内加工事業40[193]海外加工事業19[-]全社(共通)26[1]合計85[194] (注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員(定年後再雇 用、嘱託含む)であります。 2.従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。 3.臨時従業員には、準社員、パートタイマー、アルバイト、技能実習生を含めております。 4.全社共通として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 5.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)経営方針 当社グループは、「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。 」ことをMissionとし、サーモン養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開しています。 日本において水産業は衰退産業といわれています。 しかし海外において水産業は成長産業であります。 私たちは日本の水産業において成長を阻害しているのは二つの要因、すなわち「供給の不安定性」と「消費の減少」であると考えております。 ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)などの持続可能性を担保した認証を取得した養殖を推し進めることで「供給の不安定性」を解消し、また水産物の消費拡大が期待されるアジア圏での販売を促進することで「消費の減少」を解消していきたいと考えております。 そして、これらの活動を通じて新しい水産業を切り開き、衰退産業とされた日本の水産業の成長産業化を実現することを経営方針としております。 (2)経営環境当社グループを取り巻く環境は以下のとおりと認識しております。 ①水産資源の需要はグローバルでは増加傾向 世界的にみると、一人当たりの食用魚介類の消費量は過去50年で約2倍に増加し、近年でもそのペースは衰えていません。 とりわけ元来魚食習慣のあるアジアやオセアニア地域では、生活水準の向上に伴って顕著な増加を示しています(※1)。 ②養殖への需要の高まり 世界の漁業と養殖業を合わせた生産量は増加し続けています。 その一方で、持続可能な(適正レベルよりも資源量が多く、生産量拡大の余地がある)レベルで漁獲されている状態の水産資源の割合は低下傾向です。 1974年には90%の水産資源が適正水準以内で利用されていましたが、2019年にはその割合は65%まで低下したとも言われています(※2)。 この状況を背景に養殖の重要性はますます高まっており、漁業・養殖業生産量のうち漁業の漁獲量は1980年代後半以降横ばい傾向となっている一方で養殖業の収獲量は急激に伸びています(※3)。 ③サーモン需要の増加と養殖量拡大ペースの鈍化 世界中でサーモンの人気は高く、世界のサケ・マス類養殖生産量は1990年の57万tから2021年の421万tと、約30年で7倍程度に増加しています(※4)。 日本国内においてもサーモンの人気は高く、各種調査でも人気の魚種として常に上位にあげられています。 養殖効率に優れていて比較的低価格で購入しやすいサーモンの需要は、今後も伸びていくものと期待されています。 一方でノルウェーやチリといったサーモン養殖大国における養殖適地の開発は既に概ね行われていることから、今後の養殖量拡大のペースは、これまでとは異なってくると予想されています。 (※1)令和4年度 水産白書(水産庁) P.149(※2)令和5年度 水産白書(水産庁) P.174(※3)令和5年度 水産白書(水産庁) P.172(※4)FAO Fishstat (3)経営戦略 このような環境を踏まえ、当社では養殖事業と海外卸売事業の成長を牽引する二つの事業として位置づけており、中長期の主な戦略として以下を計画しております。 ①国内養殖規模の拡大 当社の成長のエンジンの一つはサーモン養殖事業であります。 そして生産量を拡大していくことが当社の成長の基礎になると考えています。 サーモン養殖事業はデンマーク及び日本国内において展開しております。 当社グループはサーモン養殖には以下のような限りない可能性があると考えており、それがこのような戦略を採る背景となっています。 ・ サーモンは4大動物性タンパク質の供給源として、牛肉、豚肉、鶏肉と並ぶ存在になりうる。 ・ 肉類と同等の高タンパクでありながら、低いカロリーが健康志向にも合致する。 ・ 完全養殖が実現されていて、海から天然の稚魚の捕獲が不要。 生態系に影響を与えない。 ・ 生産効率が高い。 具体的には、増肉係数(FCR)が低く、かつ可食部分が多く、捨てる部位がほぼない。 ・ 低魚粉飼料で養殖が可能。 植物性タンパク原料から、海由来タンパクを生産できる。 ・ サーモンの市場は世界中に存在しており、市場規模が大きい。 回転寿司でも定番の人気ネタとなっている。 なおデンマークでは、主に魚卵の採取を目的としてサーモンを養殖しております。 デンマークでは近年養殖の拡大による環境負荷が懸念されていることや、適地が限られていることを理由に、新たなライセンスが発行されておりません。 そのため、急激な規模拡大は容易ではない状況ですが、引き続きライセンス取得のための活動は継続してまいります。 一方、日本国内においては特に北日本では養殖適地が多数存在していることや、国の方針として養殖を増やすことが決定されていることから、当社グループにおける養殖規模拡大は国内養殖が主となります。 国内養殖量は継続的な設備投資を背景に、2024年4-7月の2,692トンから、順次拡大していく計画としています。 引き続き、この国内養殖における水揚げ量増に対応するため、養殖設備の増強を継続してまいります。 ②国内養殖事業の効率性向上 養殖については、量の拡大とともに効率性の向上も重要な課題です。 特に国内養殖においては改善の余地が大きく、当社グループでも屋外循環式の大規模中間育成魚高密度生産システムや給餌用バージ船(※)などを導入し効率化に取り組んでいるところであります。 引き続き最新の養殖技術を持つデンマーク子会社Musholm A/Sの技術を取り入れながら、日本国内においてもサーモン養殖先進国並みの養殖技術を確立すべく、取組みを継続してまいります。 (※)バージ船とは、船底が平らになっている船舶のことであり、当社の連結子会社である日本サーモンファーム株式会社ではこのバージ船タンクに養殖用の餌を保管し、船外から自動で給餌できるシステムを構築しております。 ③海外卸売事業の強化 養殖事業と並ぶ当社の成長エンジンは海外卸売事業であります。 日本食ブーム、あるいは人口増を背景に海外、特にアジアにおいて日本食マーケットが大きく成長を続けております。 このマーケットの成長の波をしっかりキャッチし、当社の成長にも繋げてまいります。 すでにシンガポール、マレーシア、台湾及びタイに子会社を有し、着実に成長してきておりますが、日本食需要の大きい地域を中心に今後も進出先を増やし、さらなる成長に繋げていく計画です。 また、シンガポールでは自社保有の超低温倉庫(-60℃)による徹底した温度管理や迅速できめ細やかな配送を行っており、オカムラ食品工業独自のコールドチェーンを築いておりますが、さらに超低温倉庫や配送能力への投資を進めていく計画としております。 マレーシアにおいては、ハラール食品(※)のニーズが高いことから、ハラール食品の強化を重点課題とし、ハラール対応を目的とした新倉庫を2024年1月より稼働しています。 その他、水産専門会社であることや、養殖や加工部門を有していることの強みをより活かせるよう、カバーエリアの拡大、ヒトやモノへの先行投資を進めてまいります。 (※)ハラール食品とは、イスラム教で食べることが許されている調理法等に従い生産した食品のことを指します。 (4)対処すべき課題 経営戦略を進めていくうえで当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 養殖事業① 国内養殖規模の拡大 当社の成長エンジンの一つはサーモン養殖事業であり、その養殖量を拡大していくことが当社の成長の基礎になると考えています。 養殖規模拡大のためには生産能力を上げていくことが必要で、特に不足しがちな中間養殖場の確保が課題です。 中間養殖場の新設にあたっては、適地の選定、地元との調整、設備投資資金の確保、養殖施設の建設と、一朝一夕に進むものではないため、中長期的な視点に立って着実に設備投資計画を進めてまいります。 ② 養殖の効率性向上 養殖については、量の拡大とともに効率性の向上も重要な課題です。 特に国内養殖においては改善の余地が大きく、当社グループでも屋外循環式の大規模中間育成魚高密度生産システムや給餌用バージ船などを導入し効率化に取り組んでいるところであります。 引き続き最新の養殖技術を持つデンマーク子会社Musholm A/Sの技術を取り入れながら、日本国内においてもサーモン養殖先進国並みの養殖技術を確立すべく、取組みを継続してまいります。 海外卸売事業③ 海外市場での営業基盤の強化 アジアにおける日本食マーケットの成長の波を確実にキャッチすることが、当社の成長には重要です。 そのための配送・保管設備の増強は計画しておりますが、それに加えて、新しい顧客の開拓に努めるとともに、既存の顧客のご不満を聞き、顧客にご満足していただける製品開発やサービス提供を行うことで、営業基盤の強化を図っていくことが課題であると認識しております。 国内加工事業、海外加工事業④ 安定的な加工体制の確保 安定的な加工体制の確保は、当社の基盤となります。 これが確保されてこそ、加工事業の拡大だけでなく、養殖した青森サーモンの加工品マーケットへの展開や、海外卸売事業における顧客ニーズへのきめ細やかな対応といったことが可能になります。 加工拠点の分散によるリスクヘッジ、工場従業員の教育による品質や効率性の向上といった点を推し進めてまいります。 その他⑤ 品質管理に関する継続的な向上 消費者の安全・安心へのニーズはますます高まっており、食料品を取り扱う当社グループにおきましても、食品表示も含め、食の安全性を確保してお客様に安心してご利用いただけることが最重要事項であると認識しております。 品質管理体制の強化、業務フローの標準化、食品表示や食品関連法規に関する情報の社内共有等を進め、品質管理に関する継続的な向上に取り組んでまいります。 ⑥ 環境への配慮 製造の原料となる水産物や養殖事業は大自然からの恩恵です。 我々の事業は自然環境、特に海に大きく依存しています。 自然への感謝の気持ちを忘れずに、自然を大切にすることこそ、当社の持続・発展にとって不可欠のことと考えています。 (原料について) 我々が製造に使用する原料は資源として持続的に調達出来るものでなければなりません。 絶滅が危惧される原料、資源管理が徹底されていない原料を使用した製品加工は控えるべきです。 資源管理が十分に行われていると認定されたASC・MSC(※)認証原料の使用を推進いたします。 (※)MSC認証とは、水産資源や海洋環境に配慮し適切に管理された持続可能な漁業に対する認証制度を指し、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)が管理運営しています。 (養殖事業について) 養殖事業を拡大すれば、周辺海域に影響を与えてしまう可能性が生じます。 もし我々の事業が水質汚染や生態系破壊の原因となってしまえば、事業を継続することは出来なくなってしまいます。 魚を育てるためには大量の飼料が必要となりますが、その主成分である魚粉や魚油は天然水産物由来のものです。 飼料の成分やその原材料について注意を払う必要があります。 デンマーク子会社Musholm A/Sではその生産量のほとんどでASC認証を取得しています。 青森サーモン養殖でも一部でASC認証を取得しておりますが、今後もその数量を増加させ、環境への配慮をより高度な次元で達成してまいります。 ⑦ 地域との共生の推進 自然環境に加え、我々の事業は地域社会の理解と協力の基に成り立っています。 事業の継続とその拡大には地域との共生の実現が不可欠です。 そのためには地域の方々と十分に話し合い、それを通じて地域との信頼関係を築くことが重要です。 我々企業と地域社会とのコミュニケーション推進を通じて地域社会に理解されるとともに、青森やミャンマーなどでの雇用創出という形でその地域に貢献する企業となることを目指してまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社では養殖量、特に拡大余地の大きい国内養殖量を重要な経営指標と考えております。 水産物については漁獲や商品相場の変動が大きなリスクとなっていますが、養殖量の拡大によってこれらのリスクを低下させることができ、安定的に水産原料を確保することに繋がります。 また、養殖事業の利益率は相対的に高いため、養殖規模の拡大によって当社グループ全体の利益率をさらに向上させることに繋がります。 現在、国内養殖量拡大のためのネックとなっているのは、中間養殖場を主とした養殖設備の不足にあります。 当社グループでは、養殖量拡大に向けて積極的に養殖設備への投資を行っていきたいと考えております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次の通りです。 (1)基本的な考え方 当社は、「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。 」ことをMissionとして掲げており、その実現に向けて「サステナビリティ基本方針」を策定しています。 サステナビリティ基本方針 私たちオカムラ食品工業グループは、海の恵みを絶やすことなく人々に届け続け、持続的に人々の食生活を豊かで健康なものにしていくことをMissionとして事業を行っています。 私たちは、Missionの実現に向けて環境や社会の様々な課題に対処することで、皆さまに信頼される企業で有り続けます。 〇食と健康への貢献 私たちは安全で安心な食品を提供し続け、すべての人々が健康で豊かな生活を送れる社会の実現に貢献します。 〇地球環境の保全 私たちは大自然からの恩恵を受けて事業を行っています。 地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し、事業活動のあらゆる場面において環境配慮に努めます。 〇地域社会への貢献 私たちの事業は地域社会の理解と協力のもとに成り立っています。 地域社会への感謝の気持ちを忘れずに地域の方々と十分に話し合い、地域社会から愛される企業となることを目指します。 〇誠実な業務遂行 私たちは社会に信頼される企業で有り続けたいと考えています。 法令遵守は勿論、一人一人が高い倫理観を持ち、誠実に責任を持って業務を遂行します。 (2)ガバナンス及びリスク管理 当社グループは、社会・環境問題を含むサステナビリティを巡る諸課題について、経営の重要課題として取り組んでいます。 サステナビリティを含む経営に重大な影響を与えるおそれのある事項につきましては、取締役会に付議し、経営レベルでの充分な検討と対応策の決定を行う体制としております。 また、取締役、監査等委員、執行役員、各部門長、内部監査室長から構成されるリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、現場レベルで認識された課題の共有と対応策検討を行っています。 リスク管理としては、毎月、連結子会社の代表者が出席するグループ経営会議を開催し、この中でグループ各社の代表からサステナビリティに関する論点も含め(リスクのみならず機会も含む)、論点の共有及び意見交換を行っています。 これらの会議体で協議された方針や論点などは、経営会議及び取締役会へ付議又は報告され、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、必要に応じて対応の指示を行っています。 (3)戦略<環境>①国内養殖事業の拡大 世界では、一人当たりの食用魚介類の消費量は増加傾向であり、とりわけアジア地域では生活水準の向上、人口増加とともに、水産資源の消費量が大きく伸び続けています。 一方、供給サイドでは持続可能なレベルで漁獲されている状態の資源の割合は世界的に漸減傾向にあり、1974年には90%の水産資源が適正レベル又はそれ以下のレベルで利用されていましたが、2019年にはその割合は65%まで下がってきています。 このため、世界的に水産資源管理は厳格化に向かい、漁業の漁獲量は1980年代後半以降横ばいとなっている一方で、養殖業の収穫量は急激に伸びています。 また、当社グループの養殖事業で取り扱っているサーモン類については、現在国内及びアジアのサーモン市場では北欧・南米をはじめとした海外から空路・海路で長距離輸送される輸入品が供給の大部分を占めています。 このような環境下において、当社では国内養殖事業を拡大することで、世界の水産資源状況に悪影響をもたらすことなくアジアを中心とした世界の増え続ける需要に応えるとともに、アジア内での地産地消割合を上昇させていくことで、グローバルでの温暖化ガス排出量削減に寄与したいと考えています。 <人的資本>①人材育成 当社では、当社グループのMissionに照らして、問題解決能力の高い人材、個人ではなくチームの成功に貢献できる人材、グローバルに活躍できる人材、チャレンジできる人材を育成したいと考えています。 そのために、人事評価システムの等級定義をこれらの観点で設定し、期待する人材像と人事評価システムの整合性を図っています。 また、語学力強化へのサポート制度や海外経験の機会を用意し、意欲のある人材へチャレンジする機会を提供するよう努めています。 ②ダイバーシティの推進 当社グループでは国内生産活動のほとんどを青森県在住者で担っていることから、事業の維持・拡大のためには、青森県の人口減少や高齢化等の背景を踏まえた、多様な従業員が活躍できる労働環境の整備が不可欠です。 高齢者でも安心して働けるような職場環境を整備するとともに、デンマーク子会社であるMusholm A/Sから養殖先進国の知見・ノウハウを取り入れることで長年過疎化が進む地域の若者に働きがいのある職場を提供しています。 また、ベトナム、ミャンマー及びインドネシアからの技能実習生の受け入れと職場環境・生活環境整備など、多様な人材が力を合わせて働く環境を提供していきたいと考えています。 さらには、役員を含む管理者層の多様化も課題です。 様々な視点が経営や管理に持ち込まれることにより、新たな気付きが生まれやすい体制を今後築いていきたいと考えています。 ③労働環境整備 海面養殖場は沖合に設置されています。 養殖魚への毎日の給餌は、通常は給餌船で海面生簀まで行く必要があるため、悪天候時には危険を伴います。 当社グループは、養殖を持続可能な事業とするため、養殖事業に携わる従業員の安全性を一層高めていくことが課題であると考えています。 当社ではこの課題を解決するため、給餌用バージ船を用いた遠隔操作での給餌を導入しています。 バージ船への飼料補給は気象条件の良いときにまとめて行うことが可能なため、飼料補給を行う作業員の安全性が向上します。 今後も規模の拡大に応じてバージ船を追加投入し、海での作業の安全確保に努めていく方針です。 また、従業員の多様化、青森本社工場のワーカー高齢化、女性社員の積極的なキャリアアップ推進等を背景に、当社グループにおいては健康経営の考え方を取り入れています。 (4)指標及び目標<環境> 当社グループにおきましては、上記「(3)戦略」において記載した天然水産資源の漁獲量の減少を受けて、増肉係数(FCR)を指標に設定し、飼料に含まれる天然魚の漁獲を抑えるためにFCRそのものの低減に取り組んでいます。 既に北欧の養殖先進国ではFCR1.2以下とこれ以上の改善が難しいレベルまで進んでいます。 一方で当社の国内養殖事業のFCRは1.5~1.6程度ですので、これを養殖先進国に近づけていくことを通じて天然水産資源の保全に貢献していきたいと考えています。 また、国内養殖量拡大を通じて輸送に伴うCO2排出量削減に貢献していきたいと考えています。 当社グループの国内養殖量は年々拡大し、2024年シーズン実績では約2,700トンとなっています。 今後も順次国内養殖量を拡大し、結果として輸送におけるCO2 排出量の削減に貢献していきたいと考えています。 <人的資本> 当社では海外駐在者および女性役員の増加を特に重視しています。 当事業年度末時点で海外駐在者は13名ですが、この人数を毎年着実に増やしていきたいと考えています。 女性役員は現在1名だけで、この点は課題であると認識しています。 女性社員の管理者候補育成を強化する上でも、健康経営優良法人取得をはじめ女性が活躍しやすい職場環境を整えていくことが急務であると認識しております(2024年6月30日時点)。 |
戦略 | (3)戦略<環境>①国内養殖事業の拡大 世界では、一人当たりの食用魚介類の消費量は増加傾向であり、とりわけアジア地域では生活水準の向上、人口増加とともに、水産資源の消費量が大きく伸び続けています。 一方、供給サイドでは持続可能なレベルで漁獲されている状態の資源の割合は世界的に漸減傾向にあり、1974年には90%の水産資源が適正レベル又はそれ以下のレベルで利用されていましたが、2019年にはその割合は65%まで下がってきています。 このため、世界的に水産資源管理は厳格化に向かい、漁業の漁獲量は1980年代後半以降横ばいとなっている一方で、養殖業の収穫量は急激に伸びています。 また、当社グループの養殖事業で取り扱っているサーモン類については、現在国内及びアジアのサーモン市場では北欧・南米をはじめとした海外から空路・海路で長距離輸送される輸入品が供給の大部分を占めています。 このような環境下において、当社では国内養殖事業を拡大することで、世界の水産資源状況に悪影響をもたらすことなくアジアを中心とした世界の増え続ける需要に応えるとともに、アジア内での地産地消割合を上昇させていくことで、グローバルでの温暖化ガス排出量削減に寄与したいと考えています。 <人的資本>①人材育成 当社では、当社グループのMissionに照らして、問題解決能力の高い人材、個人ではなくチームの成功に貢献できる人材、グローバルに活躍できる人材、チャレンジできる人材を育成したいと考えています。 そのために、人事評価システムの等級定義をこれらの観点で設定し、期待する人材像と人事評価システムの整合性を図っています。 また、語学力強化へのサポート制度や海外経験の機会を用意し、意欲のある人材へチャレンジする機会を提供するよう努めています。 ②ダイバーシティの推進 当社グループでは国内生産活動のほとんどを青森県在住者で担っていることから、事業の維持・拡大のためには、青森県の人口減少や高齢化等の背景を踏まえた、多様な従業員が活躍できる労働環境の整備が不可欠です。 高齢者でも安心して働けるような職場環境を整備するとともに、デンマーク子会社であるMusholm A/Sから養殖先進国の知見・ノウハウを取り入れることで長年過疎化が進む地域の若者に働きがいのある職場を提供しています。 また、ベトナム、ミャンマー及びインドネシアからの技能実習生の受け入れと職場環境・生活環境整備など、多様な人材が力を合わせて働く環境を提供していきたいと考えています。 さらには、役員を含む管理者層の多様化も課題です。 様々な視点が経営や管理に持ち込まれることにより、新たな気付きが生まれやすい体制を今後築いていきたいと考えています。 ③労働環境整備 海面養殖場は沖合に設置されています。 養殖魚への毎日の給餌は、通常は給餌船で海面生簀まで行く必要があるため、悪天候時には危険を伴います。 当社グループは、養殖を持続可能な事業とするため、養殖事業に携わる従業員の安全性を一層高めていくことが課題であると考えています。 当社ではこの課題を解決するため、給餌用バージ船を用いた遠隔操作での給餌を導入しています。 バージ船への飼料補給は気象条件の良いときにまとめて行うことが可能なため、飼料補給を行う作業員の安全性が向上します。 今後も規模の拡大に応じてバージ船を追加投入し、海での作業の安全確保に努めていく方針です。 また、従業員の多様化、青森本社工場のワーカー高齢化、女性社員の積極的なキャリアアップ推進等を背景に、当社グループにおいては健康経営の考え方を取り入れています。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標<環境> 当社グループにおきましては、上記「(3)戦略」において記載した天然水産資源の漁獲量の減少を受けて、増肉係数(FCR)を指標に設定し、飼料に含まれる天然魚の漁獲を抑えるためにFCRそのものの低減に取り組んでいます。 既に北欧の養殖先進国ではFCR1.2以下とこれ以上の改善が難しいレベルまで進んでいます。 一方で当社の国内養殖事業のFCRは1.5~1.6程度ですので、これを養殖先進国に近づけていくことを通じて天然水産資源の保全に貢献していきたいと考えています。 また、国内養殖量拡大を通じて輸送に伴うCO2排出量削減に貢献していきたいと考えています。 当社グループの国内養殖量は年々拡大し、2024年シーズン実績では約2,700トンとなっています。 今後も順次国内養殖量を拡大し、結果として輸送におけるCO2 排出量の削減に貢献していきたいと考えています。 <人的資本> 当社では海外駐在者および女性役員の増加を特に重視しています。 当事業年度末時点で海外駐在者は13名ですが、この人数を毎年着実に増やしていきたいと考えています。 女性役員は現在1名だけで、この点は課題であると認識しています。 女性社員の管理者候補育成を強化する上でも、健康経営優良法人取得をはじめ女性が活躍しやすい職場環境を整えていくことが急務であると認識しております(2024年6月30日時点)。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | <環境>①国内養殖事業の拡大 世界では、一人当たりの食用魚介類の消費量は増加傾向であり、とりわけアジア地域では生活水準の向上、人口増加とともに、水産資源の消費量が大きく伸び続けています。 一方、供給サイドでは持続可能なレベルで漁獲されている状態の資源の割合は世界的に漸減傾向にあり、1974年には90%の水産資源が適正レベル又はそれ以下のレベルで利用されていましたが、2019年にはその割合は65%まで下がってきています。 このため、世界的に水産資源管理は厳格化に向かい、漁業の漁獲量は1980年代後半以降横ばいとなっている一方で、養殖業の収穫量は急激に伸びています。 また、当社グループの養殖事業で取り扱っているサーモン類については、現在国内及びアジアのサーモン市場では北欧・南米をはじめとした海外から空路・海路で長距離輸送される輸入品が供給の大部分を占めています。 このような環境下において、当社では国内養殖事業を拡大することで、世界の水産資源状況に悪影響をもたらすことなくアジアを中心とした世界の増え続ける需要に応えるとともに、アジア内での地産地消割合を上昇させていくことで、グローバルでの温暖化ガス排出量削減に寄与したいと考えています。 <人的資本>①人材育成 当社では、当社グループのMissionに照らして、問題解決能力の高い人材、個人ではなくチームの成功に貢献できる人材、グローバルに活躍できる人材、チャレンジできる人材を育成したいと考えています。 そのために、人事評価システムの等級定義をこれらの観点で設定し、期待する人材像と人事評価システムの整合性を図っています。 また、語学力強化へのサポート制度や海外経験の機会を用意し、意欲のある人材へチャレンジする機会を提供するよう努めています。 ②ダイバーシティの推進 当社グループでは国内生産活動のほとんどを青森県在住者で担っていることから、事業の維持・拡大のためには、青森県の人口減少や高齢化等の背景を踏まえた、多様な従業員が活躍できる労働環境の整備が不可欠です。 高齢者でも安心して働けるような職場環境を整備するとともに、デンマーク子会社であるMusholm A/Sから養殖先進国の知見・ノウハウを取り入れることで長年過疎化が進む地域の若者に働きがいのある職場を提供しています。 また、ベトナム、ミャンマー及びインドネシアからの技能実習生の受け入れと職場環境・生活環境整備など、多様な人材が力を合わせて働く環境を提供していきたいと考えています。 さらには、役員を含む管理者層の多様化も課題です。 様々な視点が経営や管理に持ち込まれることにより、新たな気付きが生まれやすい体制を今後築いていきたいと考えています。 ③労働環境整備 海面養殖場は沖合に設置されています。 養殖魚への毎日の給餌は、通常は給餌船で海面生簀まで行く必要があるため、悪天候時には危険を伴います。 当社グループは、養殖を持続可能な事業とするため、養殖事業に携わる従業員の安全性を一層高めていくことが課題であると考えています。 当社ではこの課題を解決するため、給餌用バージ船を用いた遠隔操作での給餌を導入しています。 バージ船への飼料補給は気象条件の良いときにまとめて行うことが可能なため、飼料補給を行う作業員の安全性が向上します。 今後も規模の拡大に応じてバージ船を追加投入し、海での作業の安全確保に努めていく方針です。 また、従業員の多様化、青森本社工場のワーカー高齢化、女性社員の積極的なキャリアアップ推進等を背景に、当社グループにおいては健康経営の考え方を取り入れています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | <環境> 当社グループにおきましては、上記「(3)戦略」において記載した天然水産資源の漁獲量の減少を受けて、増肉係数(FCR)を指標に設定し、飼料に含まれる天然魚の漁獲を抑えるためにFCRそのものの低減に取り組んでいます。 既に北欧の養殖先進国ではFCR1.2以下とこれ以上の改善が難しいレベルまで進んでいます。 一方で当社の国内養殖事業のFCRは1.5~1.6程度ですので、これを養殖先進国に近づけていくことを通じて天然水産資源の保全に貢献していきたいと考えています。 また、国内養殖量拡大を通じて輸送に伴うCO2排出量削減に貢献していきたいと考えています。 当社グループの国内養殖量は年々拡大し、2024年シーズン実績では約2,700トンとなっています。 今後も順次国内養殖量を拡大し、結果として輸送におけるCO2 排出量の削減に貢献していきたいと考えています。 <人的資本> 当社では海外駐在者および女性役員の増加を特に重視しています。 当事業年度末時点で海外駐在者は13名ですが、この人数を毎年着実に増やしていきたいと考えています。 女性役員は現在1名だけで、この点は課題であると認識しています。 女性社員の管理者候補育成を強化する上でも、健康経営優良法人取得をはじめ女性が活躍しやすい職場環境を整えていくことが急務であると認識しております(2024年6月30日時点)。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 1.気候変動(温暖化)によるリスク (1)資源アクセス確保に与える影響(発生可能性:中/発生時期:特定時期無し/影響度:大) 地球温暖化による海洋環境の変化により、下記のようなリスクが生じることが考えられ、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 各水産品種の生息可能な水域が変化することにより、当社グループが取扱う水産品種における従来の漁場、海面養殖場の環境(海水温条件など)が、その魚種の生息条件に適さなくなり、漁獲量・養殖生産量が減る可能性があります。 ② 海洋環境が変化した場合には、当社グループに限らず、水産業界全体に及ぶ可能性があることから、漁獲量・養殖生産量減少により水産物の流通量が減ることで、水産物の価格が上昇し、当社にとっての原料仕入価格が高騰するおそれがあります。 (2)自然災害の頻度増加と激甚化によるリスク(発生可能性:高/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 地球温暖化による気候変動は、近年、台風、ハリケーン、時化、豪雨、洪水、赤潮、津波、干ばつ等の自然災害の頻度を増加させ、激甚化させる傾向にあります。 特に、当社の主力工場のある青森県青森市、当社グループの養殖場が集中する青森県西津軽郡深浦町及び青森県東津軽郡今別町、デンマークMusholm島周辺に想定外の災害が生じた場合には、当社グループの経営成績に下記のような大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 当社グループの養殖魚、食品製造や冷蔵倉庫、養殖場、工場、漁船への直接被害 ② 台風等の悪天候による時化の増加により、海面養殖の生簀損壊、給餌回数の減少による魚の成長不足 ③ 長期停電や水道水停止等による生産・物流への影響 ④ 予防・安全対策コストとしての設備費や保険費用の増加 以上のリスクに対処するため、事業セグメントの分散、養殖拠点や製造拠点の分散を進めております。 これにより、特定の事業や拠点に大きな損失が生じた場合でも、他の事業や拠点でその損失を吸収しうる体制を構築してまいります。 2.海外事業の拡大に関連するリスク(カントリーリスク)(発生可能性:高/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 当社グループは、「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。 」をMissionとして掲げているとおり、海外での事業展開を積極的に行っております。 海外への展開においては、以下を含む様々なリスクにさらされております。 ・政情や治安の不安・外国為替相場の変動・将来起こりうる不利益な税制・法令や規制の予期せぬ変更・顧客ニーズ、市場環境及び現地の規制に関する理解不足・人財の採用・雇用及び国際的事業管理の難しさ・新たな多国籍企業との競争 海外事業の拡大に取り組む中で、上記のような事業展開に関連する様々なリスクが顕在化し、想定した事業展開を行うことができない可能性があります。 また、海外企業への投資に関連して減損が生じる可能性や、当社グループの目標を達成できない市場から撤退する可能性があります。 これらの結果、当社グループの事業展開、財務内容及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお海外加工事業においてはベトナムとミャンマーに加工拠点を有しており、このうちミャンマーにおいては本書提出日現在においても不安定な情勢が継続しております。 現在もミャンマー工場は稼働を抑えた形で継続稼働しておりますが、情勢が悪化した場合は、海外加工事業における加工能力に影響を及ぼす可能性があります。 今後も従業員の安全確保を最優先しつつ、引き続き情勢を注視してまいります。 3.養殖事業に関するリスク(1)国内養殖において区画漁業権や水利権の維持や新規取得ができなくなるリスク(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:大) 国内養殖において河川を利用した中間養殖を行うにあたっては水利権が、海面養殖を行うにあたっては区画漁業権の行使が必要になります。 何らかの理由によりこれらの権利の使用や拡大に制約が生じた場合、当社グループの養殖事業の維持や拡大に支障を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社グループでは法令遵守や環境配慮、行政、地域住民、地元漁協などとの対話を通じて、これらの権利の維持・拡大に努めております。 (2)養殖事業による海洋汚染に関するリスク(発生可能性:中/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 海面養殖では、残餌や糞尿等の海底堆積や逃亡魚等による海の汚染リスクが大きな課題です。 当社がこの課題に適切に対処できない場合、ASC認証取消による当社養殖魚の付加価値の低下、地元漁協との関係悪化等により、養殖事業に悪影響を与える可能性があります。 当該リスクに対応するため、当社ではASC認証の維持を通じて環境に配慮した養殖を継続するとともに、潜水調査を含む継続的な環境影響調査や適正給餌などに努めております。 (3)養殖事業における環境規制の強化に関するリスク(発生可能性:中/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 環境保護の観点から、養殖事業に関する規制は強化される傾向にあります。 新たな国内外の法規制等が制定された場合、当社グループにおいて、これら法規制等への対応のために新たな環境保全コストの負担等が生じることが予想されます。 当社が現在又は将来の環境規制を遵守できなかった場合、当社に対する損害賠償請求や罰金の賦課、一定地域における生産・操業停止、当社の評判・信用の低下を招き、当社グループの事業展開、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループに重大な影響を及ぼす可能性のある法規制等の改正は、本書提出日現在においてはありません。 (4)養殖用卵の調達に関するリスク(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 本書提出日現在において養殖事業における養殖量の約3割程度を占める日本国内においては、サーモンの養殖用卵の仕入は国家間の魚病防疫の契約上、米国もしくはカナダからの仕入れに規制されています。 当社グループの国内養殖では米国の業者から仕入れた発眼卵を使って養殖を行っていますが、何らかの理由で当該仕入先からの発眼卵仕入が滞った場合、当社グループの国内養殖事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (5)MSC認証およびASC認証について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 当社グループが認証取得している持続可能な漁業認証(MSC)および養殖認証(ASC)においては、規格の要求事項を満たしたマニュアルを作成・運用し、定期的に認証審査機関による継続審査及び更新審査を受けることが求められます。 当社グループでは、最新の規格要求事項に合わせてマニュアルをアップデートすることで、MSC・ASCを適切に運用しておりますが、当該審査で認証継続不可となる重大な不適合あるいは不適合品発生時の不適切な対応により、認証継続が一時停止又は取消された場合、当社グループが継続的に取り組んでいる事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6)疾病による大量斃死(へいし)(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) サーモン養殖においてはIHNやIPNといった抗生物質の効かないウイルス性の病気が発生することがあります。 これらの病気が蔓延すると大量斃死が発生し、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります 当社では病気が持ち込まれるリスクに対処するため、他社で養殖した種苗は一切扱わず、発眼卵から自社で養殖するのみとしています。 また、野生動物(特に鳥)による水平感染予防のための鳥よけ網、人的な水平感染予防のために場内入場時の全ての人、車に関する殺菌を実施しております。 また、ワクチン開発を支援するため、ワクチン開発会社の行う治験へは積極的な協力を行っていく方針です。 (7)日本国内における養殖ライセンスの導入(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) デンマークをはじめ養殖先進国においては、淡水養殖を行う際は、取水量のライセンス、排水基準の規制などが存在し、海面養殖を行うためには、飼育生物量(バイオマス)ライセンスや使用給餌量ライセンスの取得が必要とされています。 多くの国でこのライセンスの取得要件がネックとなり、それ以上の規模拡大が困難になるという状況が発生しています。 日本国内においてはこのような規制は現在はありませんし、規制が導入されることも現時点では予定されていません。 しかしながら、長期的に見れば諸外国と同様にこのような規制が導入される可能性は排除できず、その場合は国内の養殖事業の大きな制約要件になる可能性があります。 当該リスクも見据え、当社では長期的な成長を想定して行使可能な水利権や区画漁業権の拡大を先行して進めております。 また、ASC認証の取得率向上を通じて高い環境基準に対応できる体制の構築に努めてまいります。 4.製品の安全性について(発生可能性:中/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 食品の安全性に対する消費者の関心や要求は年々高まっております。 当社グループでは安全で、顧客に安心していただける商品をお届けするよう、経営責任者直轄の品質管理室を設置し、製造現場の衛生管理を推進しております。 自社工場ではHACCPの管理手法を導入し、より高いレベルの食品安全マネジメントシステムの認証取得に取り組み、継続的な改善活動と、徹底した衛生管理を実践しております。 また、検査室を設置して、食品の安全性を保証する微生物検査をはじめ各種検査を実施しております。 さらに商品だけでなく製造環境の衛生状態も検査し、適切に管理しております。 海外協力工場においても、自社工場と同等の管理手法を要求しており、緊密に連絡を取りながら当社主導で衛生管理の徹底と向上に取り組んでおります。 食品表示につきましては、小さな誤りでもお客様の健康危害に直結することを踏まえ、製品開発時や原材料購買時における食品表示の確認、不当表示とならないようなチェック体制の構築等、継続的に体制の充実を図っております。 以上のように、食品の安全性に対しては万全を期しておりますが、それでもなお品質に関する問題が生じた場合は、消費者の健康を脅かし、企業の信用を失墜させるおそれがあります。 5.特定の外注先への依存に伴うリスク(発生可能性:中/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 海外加工事業では、サーモンやサバ製品の外注加工に関して、ベトナムのTrung Sonグループに加工業務の過半を依存しています。 そのため、災害等の要因によって同社の稼働に影響が生じた場合、あるいは同社との取引条件が大きく変動した場合などは、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応するために、当社グループでは自社工場の拡大及び加工先の分散に努めております。 6.相場変動リスクについて(発生可能性:高/発生時期:特定時期無し/影響度:小) 当社グループが取り扱う水産物は漁獲量や市況により相場が大きく変動するものがあります。 当社ではこの相場変動が仕入と販売の両局面で影響を及ぼしますが、両者の相場変動の波にはタイムラグがあり、それによって利益率も大きく変動するため、当社の業績もその影響で大きく変動するリスクを抱えています。 特に近年は不安定な世界情勢などを背景に、当社グループの取扱うサーモンや魚卵原料の相場が大幅に上昇をしてきました。 今後はその反動減も想定されうる状況にありますので、この相場変動リスクは顕在化しやすい環境下にあると考えられます。 これらのリスクに対処するため、当社グループでは、漁獲量や市況のタイムリーな状況把握とその状況に応じた調達・販売に努めております。 7.原料調達リスク(仕入先への依存リスク)(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 国内加工事業では、他の仕入先への代替が難しく、原料の総仕入高の約半分程度が特定の仕入先に集中しております。 特定の仕入先とは取引開始以来、良好な関係を継続しており、今後も仕入取引を継続していく方針であり、また継続的かつ安定的に仕入ができるよう連携を強化しております。 また、自社養殖原料を増やすことによってもリスクヘッジを図るよう努めております。 しかしながら、今後、自然災害、品質問題及び仕入先の経営悪化等何らかの要因により継続的かつ安定的に仕入れることが困難な状況となった場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 8.有利子負債への依存について(発生可能性:中/発生時期:特定時期無し/影響度:小) 当社グループの事業の性質上、在庫残高は多くなる傾向にあり、2024年6月末時点では16,855百万円(総資産の43.0%)となっております。 これは、養殖在庫については販売までに一定の養殖期間を要すること、仕入在庫のなかには仕入時期に季節性があり買付が一時に集中するものがあること、長期保存が可能な凍結原料があること、などに起因しています。 当社ではこれらの在庫資金の多くを借入金で賄っているため、事業規模の拡大に伴って有利子負債残高も多くなっており、2024年6月末時点の有利子負債残高は18,887百万円、総資産に占める負債の割合は63.8%と大きくなっています。 そのため、今後の金利情勢の変動によっては経営成績が影響を受ける可能性があります。 なお当社では、財務体質強化のために負債比率の削減が課題であると認識しており、それに向けて自己資本の充実に努めて参る所存です。 9.法的規制等について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 当社グループの事業に適用される「食品安全基本法」「食品衛生法」「食品表示法」「製造物責任法」「廃棄物処理法」等の様々な規制・規則が存在しております。 今後各省庁等における現行の法解釈に何らかの変更が生じた場合、もしくは新たに当社グループの事業を規制する法律等が制定・施行された場合、その内容によっては当社グループの事業が制約を受けたり、当社が新たな対応を余儀なくされたりする可能性があります。 このような場合には、当社グループの経営成績又は今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。 当社グループでは、専門家の活用や行政とのコミュニケーション等を通じて、タイムリーな情報収集や適切な対応策の策定など、当該リスクの低減に努めております。 10.個人情報の管理について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 当社グループは、通信販売等を通じて顧客の個人情報を入手する機会があります。 何らかの理由でこれらの個人情報が漏洩した場合には、損害賠償請求の発生や社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これらの情報についての厳格な管理体制を構築し、情報の取扱い等に関する規程類の整備・充実や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティの強化に努めております。 11.訴訟・係争等について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:中) 当社グループでは、現在係争中の案件はありません。 当社グループでは法令遵守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により製品回収、法令違反又は訴訟提起等が生じた場合、その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 12.人財の確保、育成について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:小) 当社グループは、世界の多くの国と地域で事業活動を推進しております。 そのため、継続的に事業を発展させるためには、専門性のある多様な人財及び経営戦略やグローバルな組織運営といったマネジメント能力に優れた人財の獲得、育成を継続的に推進していくことが重要となります。 しかしながら、必要な人財を継続的に獲得し定着させるための競争は厳しく、特に日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等を背景に雇用環境の変化が急速に進んでおり、人財獲得や育成が計画通りに進まなかった場合、長期的視点から、事業展開、業績及び成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは人財獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しております。 また、期待水準の明確化に基づいた公平な評価・処遇制度の充実などの仕組みの構築により、従業員のエンゲージメントを高め、人財の定着を図っております。 さらには、自律型人財やグローバル人財を育成し、当社グループの価値観を伝える教育プログラムの充実を図っております。 13.知的財産権に関するリスク(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:小) 国内外において、当社グループの商標権が侵害されるなどした場合、当社グループ又はそのブランドのイメージを侵害し、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが意図せず第三者等の知的財産権を侵害してしまった場合には、当該第三者から訴訟等を提起される可能性があり、損害賠償や補償等、又は訴訟等に対応するための多大な時間、労力、費用を要する可能性があることに加え、当社グループ又はそのブランドのイメージ、評価、社会的信用を害する可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、保有する知的財産権を適切に管理し、第三者の知的財産権を侵害しないよう必要な調査を行う等、当該リスクの低減に努めております。 14.当社株式の流動性について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:小) 当社の流通株式比率は、取引所が定める形式要件に近い水準にあります。 今後、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情によりさらに流動性が低下した場合、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 15.大株主について(発生可能性:低/発生時期:特定時期無し/影響度:小) 当社の代表取締役社長である岡村恒一は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社オカムラ、配偶者、二親等内の血族の所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数の64.6%を所有しております。 同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。 当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ①当期の経営成績の状況当連結会計年度における当社グループの経営成績の状況の概要は次のとおりであります。 当連結会計年度におけるわが国経済は、他国との金利差による急速な円安の進行が継続し、インバウンド需要等に回復の傾向がある一方、輸入する資源・エネルギー価格の高騰から依然として先行き不透明な状況が続いております。 海外においては、当社グループの主な事業領域である東南アジアでは堅調なサービス需要による経済の持ち直しが続く一方で、不安定な世界情勢等に起因するインフレーションやその対策として各国が政策金利の引き締めを継続していることなどから、各国の経済情勢に注視が必要な状況となっています。 当社グループの事業におきましては、近年サーモン相場の高騰が継続している状況にあることから、サーモンの取扱数量が大きい国内の養殖事業や海外加工事業はこの相場高騰が売上の押上げ要因となっています。 一方で、魚卵相場については昨年から調整局面に入っており、これが魚卵を取り扱う国内加工事業の売上押下げ要因となってきました。 当社グループの事業は相場の上昇局面では利益率が上昇、下降局面では利益率が低下する傾向があります。 前連結会計年度はサーモン、魚卵ともに相場が上昇局面にありましたが、当連結会計年度においてはサーモンは期末付近で季節変動等からやや低下したものの高値水準を継続し、魚卵は後半では相場が安定しつつありますが期を通じてみると全体的には下降局面を推移しました。 加えて、昨今の各種コストの上昇やヒト・モノへの投資拡大の影響もあり、いずれの事業も前連結会計年度より利益率が低下する結果となっています。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ3,725百万円増の32,665百万円(前期比112.9%)、営業利益は前連結会計年度に比べ638百万円減の2,548百万円(前期比80.0%)、経常利益は前連結会計年度に比べ612百万円減の2,932百万円(前期比82.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ421百万円減の1,968百万円(前期比82.4%)となりました。 各セグメントの事業概況は次のとおりであります。 (単位:百万円/%) 売上高前期増減前期比セグメント利益前期増減前期比養殖事業6,7501,069118.8772△4095.0国内加工事業8,279△43695.01,089△37374.5海外加工事業15,2552,632120.91,064△2098.1海外卸売事業8,8691,801125.5254△26349.1調整額※△6,489△1,341126.1△6325991.4合計32,6653,725112.92,548△63880.0 ※調整額はセグメント間取引及び全社費用等であります。 (養殖事業)国内養殖事業の4月からの水揚シーズンにおいては、成魚個体重量がやや小さかったために当初想定よりも水揚量は少なくなりましたが、2023年10月に青森県今別町に循環型中間養殖場を増設した効果により、昨年より水揚量が増加し、売上・利益が増加しました。 一方で、海外養殖事業においては、サーモンに関する世界的な需要超過の状況からサーモン相場は好調に推移し販売価格も上昇しましたが、高騰した餌代をはじめとした養殖コストの上昇の影響をカバーするには至らず、前期に比べ利益率が低下しました。 上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,069百万円増の6,750百万円(前期比118.8%)、セグメント利益は40百万円減の772百万円(前期比95.0%)となりました。 なお、デンマーク子会社であるMusholm A/Sは国際財務報告基準(IFRS)を採用しており、養殖事業の損益には、IAS第41号「農業」に従った売却コスト控除後の公正価値により評価した結果(売上原価△50百万円)が含まれております。 (単位:百万円)売上高 6,750営業費用材料費、人件費、販管費等6,027小計(公正価値評価を除いたセグメント損益)722営業費用公正価値評価による影響額50合計(セグメント損益)772 (国内加工事業)近年、主力製品であるいくら、筋子については相場高騰が続いていましたが、前連結会計年度末頃より価格調整局面に入りました。 当事業は相場下降局面では利益率が比較的大きく低下する傾向があります。 当連結会計年度後半には相場下げ止まりの兆しをみせたものの、相場上昇局面にあった前連結会計年度との比較においては減収減益となりました。 上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ436百万円減の8,279百万円(前期比95.0%)、セグメント利益は373百万円減の1,089百万円(前期比74.5%)となりました。 (海外加工事業)サーモンの市場供給量の不足等を背景に世界的にサーモン相場の高騰が続く中、販売は好調に推移いたしました。 その一方で原材料価格も高騰しています。 相場上昇局面で値上げが先行できた前連結会計年度と比べると、当連結会計年度は原料高の販売価格への転嫁が十分には行えず、全体の利益率が低下しました。 上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ2,632百万円増の15,255百万円(前期比120.9%)、セグメント利益は20百万円減の1,064百万円(前期比98.1%)となりました。 (海外卸売事業)アジアを中心とした日本食マーケットの市場規模は近年拡大を続けており、その状況を背景に当事業は拡大基調にあります。 当連結会計年度もこの基調は続いており、売上については堅調に推移いたしました。 一方で、事業規模の速いペースでの成長に、営業や物流面で必要となるヒト・モノの整備が追い付かない状況が従来続いていました。 当連結会計年度では、さらなる成長に備えてヒトやモノの整備を先回りで整備すべく、投資を集中的に行いました。 それに伴い、人件費、倉庫費用、償却費等が増加し、当連結会計年度の利益率は低下いたしました。 上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,801百万円増の8,869百万円(前期比125.5%)、セグメント利益は263百万円減の254百万円(前期比49.1%)となりました。 ②当期の財政状態の状況当社グループの財政状態は次のとおりであります。 (資産)当連結会計年度末における流動資産は29,249百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,667百万円増加しました。 これは主に要因としては、東京証券取引所スタンダード市場への上場に伴う増資や原料仕入れに向けた運転資金を借入したことにより現金及び預金が2,772百万円増加したこと、当社主要事業がそれぞれ事業拡大傾向であることにより売掛金が1,135百万円増加したこと等によるものです。 固定資産は9,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,391百万円増加しました。 これは主に養殖用施設への投資等で建物及び構築物が1,007百万円増加したこと、海外卸売事業において外部保管倉庫の新契約を結んだこと等によりリース資産が846百万円増加したこと等によるものです。 この結果、総資産は39,170百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,058百万円増加しました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は19,119百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,680百万円増加しました。 これは主に原料仕入などの運転資金として短期借入金が2,425百万円増加したこと等によるものであります。 固定負債は5,899百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,195百万円増加しました。 これは主に設備投資資金として長期借入金が631百万円増加したこと等によるものです。 この結果、負債合計は25,019百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,875百万円増加しました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は14,151百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,183百万円増加しました。 これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を1,968百万円計上したこと等により利益剰余金が1,771百万円増加したこと等によるものです。 ③当期のキャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、277百万円の収入(前期は1,141百万円の支出)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益が2,932百万円となった一方で、当社主要事業がそれぞれ事業拡大傾向であることにより売掛金残高の増加が1,005百万円生じたことに加え、原材料調達コストや養殖量拡大に伴う養殖コストの増加等により棚卸資産残高の増加が1,681百万円生じたことなどによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、2,339百万円の支出(前期比212百万円の支出増加)となりました。 これは主に、養殖事業の事業規模拡大に向けた投資等により有形固定資産の取得による支出が2,135百万円(前期比9百万円の支出増加)となったためです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、4,727百万円の収入(前期比1,425百万円の収入増加)となりました。 これは主に、原材料仕入等の運転資金目的での借入を増加させたことにより短期借入金の純増減額が2,423百万円生じたことに加え、前述した養殖事業規模拡大等に向けた長期借入による収入が1,646百万円生じたためです。 以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額106百万円を調整した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ2,772百万円増加し、4,833百万円となりました。 ④生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)養殖事業6,750118.8国内加工事業8,27995.0海外加工事業1,92398.8海外卸売事業--合計16,953103.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。 2.金額は、販売価格によっております。 3.海外卸売事業については、自社生産設備を保有していないため、記載を省略しております。 b 受注実績当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)養殖事業5,095122.3国内加工事業7,61493.7海外加工事業11,086115.7海外卸売事業8,869125.5合計32,665112.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績の状況に関する分析 世界経済は、不安定な世界情勢や為替相場、物価高が消費に与える影響など、外部環境が不安定な中、当社グループは増収を果たしましたが、減益となりました。 増収の主な要因は、国内養殖量の拡大、サーモン価格の高止まり、海外市場の拡大、円安です。 国内養殖量は中間養殖場の増設により前シーズンから68%増加して、当シーズンは2,692トン(2024年4月~7月までの水揚量)となりました。 また世界的なサーモン需要の伸びに対して供給量が十分に増えずサーモン価格が高止まりしたことや、アジア市場の拡大により、海外加工事業と海外卸売事業で売上が拡大しました。 一方で減収となった主な要因は、国内加工事業と海外卸売事業の利益率の低下です。 国内加工事業が取り扱う魚卵製品相場に関しては、前連結会計年度の上期まで非常に高い水準にありましたが、前連結会計年度の下期以降魚卵相場が調整局面にあり、販売価格の低下の影響で国内加工事業の利益率が低下しました。 また、アジア市場の拡大に伴う成長が続く海外卸売事業においては、成長に対してヒト・モノの資源が不足しがちな状況が続いていましたが、これらに対する投資を集中した結果、海外卸売事業の利益率は低下しました。 b. 財政状態に関する分析棚卸資産の増加と有形固定資産の増加を主要因として総資産額が増加しています。 負債純資産側では借入金の増加、資本金・資本剰余金の増加を主要因として負債純資産が増加しています。 ・棚卸資産の増加当社グループではどの事業も拡大基調にあるため、恒常在庫水準が上昇傾向にあります。 特に養殖事業においては、国内養殖量の拡大や水揚シーズンが7月まで伸びたことにより仕掛品、製品ともに在庫が増加しました。 ・有形固定資産の増加有形固定資産の増加については養殖設備への増加が主な内容になります。 特に国内養殖の規模拡大は当社の成長戦略の最重要課題となっていますので、今後も引き続き、積極的な設備投資を行っていく方針です。 ・借入金の増加 上記の在庫投資と設備投資のために要する資金は主に借入金で賄っており、その結果として負債が増加しています。 ・資本金・資本剰余金の増加 上場時の公募増資に伴い増加しています。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報a. キャッシュ・フローの状況の分析 営業活動によるキャッシュ・フローは、277百万円の収入(前期は1,141百万円の支出)となりました。 事業拡大に伴う棚卸資産残高の増減額△1,681百万円や売上債権の増減額△1,005百万円のキャッシュアウトがありましたが、税金等調整前当期純利益を2,932百万円計上したことなどにより、営業キャッシュ・フローはプラスとなっています。 なお、当社グループは事業の性質上、元々在庫回転期間が比較的長くなる傾向がありますが、そういったなかで事業規模拡大に伴い恒常在庫水準は年々上がっているため、大きなトレンドとして在庫投資に資金を要する傾向が継続しています。 投資活動によるキャッシュ・フローは、2,339百万円の支出(前期比212百万円の支出増加)となりました。 支出のほとんどは設備投資によるものです。 当社グループの成長に向けた主要課題として、国内の中間養殖場のキャパシティ拡大、成長するアジアの日本食需要への対応力強化があります。 特に国内中間養殖場の拡大は重要課題であり、当連結会計年度においても今別中間養殖場の増設をはじめ、キャパシティ拡大のための投資を行いました。 また、建設期間や養殖期間を考慮すると相当程度前もって投資を行う必要があります。 国内養殖量は2024年シーズンの水揚量は2,692トンですが、1年後には3,500トン、その後も堅調な増加を計画しており、中期計画に沿った養殖量を達成するために必要な設備を順次計画的に建設しています。 以上のように在庫投資や設備投資に多くの資金を投入していますが、その資金は自己資金及び外部借入で調達しています。 その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは4,727百万円の収入となっています。 金融機関とは良好な関係を維持しており、現状において資金調達環境に特段の懸念はありません。 また、現金及び現金同等物の期末残高は、翌月以降の資金繰り見込みを踏まえて期末時点の必要水準を確保した残高となるよう、借入金返済とのバランスを考慮しております。 株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、連結株主資本配当率(DOE)に基づく安定配当を行う方針です。 当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 b. 資本の財源及び資金の流動性に関する情報当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入であります。 借入に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備資金は主に長期借入金で調達しております。 運転資金需要のうち主なものは、養殖事業における飼料代金、国内加工事業及び海外加工事業における原料仕入代金、海外卸売事業における商品仕入代金であります。 設備資金需要のうち主なものは、養殖施設(冷凍設備や船等含む)や、国内加工工場(裁断機や浄化設備等)の設備投資代金であります。 当社グループでは、事業活動を円滑に行うため、金融機関との当座貸越契約等を利用し、実需に応じた資金調達を実施し、流動性を確保しております。 当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。 ③ 重要な会計上の見積及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性等の資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。 これらは、過去の実績や将来の事業計画等に基づき合理的に算出しておりますが、見積りの不確実性から実際の結果と異なる可能性があります。 また、海外子会社における生物資産評価については、生物資産を公正価値で測定し、取得価額との差額を損益(売上原価の繰入または戻入)として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生存率等を見積もる必要があることから、市場の動向等により結果が大きく変動する可能性があります。 当該海外子会社における生物資産評価については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 製品加工委託契約契約会社名所在国契約締結日契約期間契約内容Trung Son Corp.ベトナム2022年1月2022年1月から2022年12月まで以後1年ごとの自動更新 製品加工(サーモン・さば製品)Trung Son Long An Co., Ltd.ベトナム2022年1月2022年1月から2022年12月まで以後1年ごとの自動更新 製品加工(サーモン・さば製品)Trung Son Hungyen Foodstuff Corporationベトナム2022年1月2022年1月から2022年12月まで以後1年ごとの自動更新 製品加工(サーモン・さば製品) |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、大規模サーモン養殖を進めるべく、各種助成金制度等へ申請し採択を受ける他、大学等の研究機関や外部民間企業と共同研究開発等を行っております。 なお、国内加工、海外加工、海外卸売事業については、新製品の開発は継続的に行っておりますが、いわゆる研究開発活動は行っておりません。 以上のとおり、当社連結子会社である日本サーモンファーム株式会社で実証実験や新設備によるテスト等を重ねておりますが、研究開発を専門とする部門はなく、また関連する支出は製造原価や一般管理費の一要素として捉えていて研究開発費部分だけを区分して把握するのが困難であるため、研究開発費の記載は省略しております。 (1)養殖事業ア 研究開発活動の方針および目的「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。 」という当社のMissionの下、水産資源を持続的に供給し続けるべく、2015年に青森県において大規模サーモン養殖を開始いたしました。 2018年には「青森サーモン」の水揚げが本格的に始まり、2019年には水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する養殖に関する国際認証制度であるASC認証を取得し、今日に至っております。 これからも海の自然環境を保全し、養殖業に関わる人々の暮らしを支えながら、世界中に高品質なサーモンを供給し続けるための研究開発を積極的に行っていく方針です。 イ 研究の目的世界中に高品質なサーモンを供給し続けるうえでは、中間魚(※)の養殖がネックとなっております。 すなわち、河川利用型の中間養殖場の適地は限られていることから、この方法では中間養殖場不足がボトルネックになっていたという状況です。 この課題を計決するため、河川を利用しない屋外循環式中間養殖場の導入を進めており、今後この運用レベルを如何に上げて行くかは当社の研究開発の主要目的の一つとなっております。 また、気候変動の影響に如何に対処するかという点も大きな課題です。 海水温上昇への対応、天候不順でも安全かつ安定的に給餌が行える仕組みの構築等も研究目的の一つとなっております。 その他、高品質のサーモンをより低価格で供給するため、養殖関連システムの開発、餌の開発なども目的とした研究を進めております。 (※)中間魚とは、陸上養殖場にて養殖されている養殖魚を指し、海面養殖用の生簀に移送する前段階の状況となります。 ウ 主要課題①屋外循環式の大規模中間育成魚高密度生産システムの研究開発 屋外循環式の大規模中間育成魚高密度生産システムの開発を継続しております。 国内サーモン養殖においては、海面生産に必須である中間育成魚の供給不足がボトルネックとなっております。 この供給不足(ボトルネック)を解消するため、本研究開発では高密度養殖技術体系とIoT活用による酸素供給自働化システムならびに従来技術 (屋内において少量の水資源で循環生産可能) の利点を組み合わせることにより、屋外の寒暖差が大きい水環境でも周年生産可能かつ中間育成魚の生産の低コスト化と量産化を実現する新技術を確立することを目指しております。 2019年から2020年にかけて、パイロットプラントを自社独自で設計、建設し、2020年にそのプラントで飼育した中間魚を海面生産へ出荷しております。 現状は、大規模にプラントを拡張して飼育量を増やし、より良い中間魚並びに効率的かつ環境負荷の少ない養殖を目指していく為の飼料の改善や養殖技術の改善、オペレーションコストの改善について、研究を継続しております。 ②バージ船を活用した大型サーモントラウトの大規模な海面養殖生産の研究開発 従来、日本サーモンファームにおいては漁船による近接給餌を行っておりました。 すなわち、漁船で海面養殖用生簀に近接し海上と海中で目視を行いつつ給餌を行う方法です。 しかし、この給餌方法は、大規模化による規模の経済が働きにくいことに加え、悪天候下では十分な給餌が行えないリスクや従業員の安全確保が困難になるリスクも抱えておりました。 これらの課題を解決するため、バージ船を用いた遠隔生産管理システムの研究開発を進め、2022年に農林水産業みらい基金の助成を受けてバージ船を導入し、運用を開始いたしました。 引き続き、運用の高度化・効率化に向けて研究を進めてまいります。 ③持続可能な環境負荷の少ない養殖の為の飼料開発当社は、ASC認証をサーモン養殖の新規参入ながら試験養殖から4年目で取得をするなど、持続可能な養殖のリーディングカンパニーとして実際に活動しております。 その中で、今後の大規模養殖を見据え、より持続可能で環境負荷の少ない飼料づくりを各飼料メーカーとともに継続的に改善中であり、給餌効率の向上や天然漁獲された魚を基にした魚粉率の低下など着実に成果を上げております。 今後もこの方向性を堅持し研究開発に取り組んでいく予定です。 エ 研究開発体制等国内養殖事業においては、大学等の研究機関や外部民間企業とも協力しながら研究開発を進めております。 日本サーモンファーム株式会社の代表取締役がリーダーとなり、生産管理研究部のメンバーをサポートメンバーとする体制を採っております。 オ 研究開発費に対する基本的な考え方国内養殖事業自体はまだまだ研究初期段階の事業であると考えており、短期的な利益よりも長期的目線で投資を行っていくべき段階であると考えております。 従いまして、各種助成金制度あるいは大学等の研究機関や外部民間企業との共同研究開発等は最大限活用しながらも、当社Missionの実現に向けて積極的に研究開発は行っていく所存です。 (2)国内加工事業国内加工事業においては、原料となる水産物を国内工場において加工し、販売しております。 いわゆる研究開発活動は行っておりませんが、販売先のニーズの掘り起こし及び販路拡大を企図して、新製品の開発活動を継続的に行っております。 (3)海外加工事業海外加工事業においては、原料となる水産物を海外工場において加工し、販売しております。 いわゆる研究開発活動は行っておりませんが、販売先のニーズの掘り起こし及び販路拡大を企図して、新製品の開発活動を継続的に行っております。 (4)海外卸売事業該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資については、生産設備の増強、研究開発機能の充実強化などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。 当連結会計年度の設備投資の総額は2,135百万円であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。 (1) 養殖事業当連結会計年度の主な設備投資は、当社連結子会社である日本サーモンファーム株式会社における中間養殖場増設への投資等さらなる生産体制の拡充に向けた追加投資を中心として1,542百万円を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (2) 国内加工事業当連結会計年度の主な設備投資は、当社青森工場における製造設備更新等を中心として297百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (3) 海外加工事業当連結会計年度の主な設備投資は、当社連結子会社であるOkamura Trading Myanmar Co.,Ltd.の加工生産機器の合理化と更新を中心として23百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (4) 海外卸売事業当連結会計年度の主な設備投資は、当社連結子会社であるOkamura Trading Singapore Pte.,Ltd.、Xenka Trading (M) Sdn.Bhd.における事務所関連の設備追加等を中心として257百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社 2024年6月30日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計本社(青森県青森市)-本社機能58-73(2,878.8)10614841青森工場(青森県青森市)国内加工生産設備586316234(5,031.8)252321,42215 (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。 (2) 国内子会社 2024年6月30日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計日本サーモンファーム株式会社本社(青森県西津軽郡深浦町)養殖事業本社機能3-0(414.6)3075養殖施設(青森県西津軽郡深浦町)養殖事業生産設備34516140(59,387.1)-2156912養殖施設(青森県東津軽郡今別町)養殖事業生産設備739499-(-)24321,67411 (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。 (3) 在外子会社 2024年6月30日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計Musholm A/S養殖施設(デンマーク)養殖養殖用施設1,099627142(37,029)138382,04523Loejstrup Dambrug A/S養殖施設(デンマーク)養殖養殖用施設313642145(408,223)1143001,51716Okamura Trading Myanmar Co.,Ltd.加工施設(ミャンマー)海外加工加工生産設備---(20,000)---549 (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)日本サーモンファーム株式会社養殖施設(青森県東津軽郡今別町)養殖事業生簀増設111-当社からの投融資資金(注)22024年8月2025年6月期(注)1日本サーモンファーム株式会社養殖施設(秋田県山本郡八峰町)養殖事業中間養殖場新設1,070-借入金2024年8月2026年6月期(注)1Musholm A/S養殖施設(デンマーク)養殖事業養殖施設179-借入金2024年12月2025年6月期(注)1Musholm A/S養殖施設(デンマーク)養殖事業生産設備82-借入金2024年3月2025年6月期(注)1 (注)1.完成後の増加能力は合理的に算出することが困難であるため記載しておりません。 2. 「当社からの投融資資金」は、2023年8月24日の当社取締役会決議による増資(新株式発行及び第三者割当増資)による調達資金を、子会社へ投融資するものであります。 (2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 257,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 7 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,146,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を得ることを目的とする場合に純投資目的である投資株式としております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、取引企業との取引緊密性の確保および、仕入または資金調達といった全ての取引の円滑化を図る目的で純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)を保有し、中長期的な企業価値向上に資すると認められない場合には、段階的に縮減する方針としております。 当社は、個別銘柄の保有の適否について、政策保有の意義を検証し、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を確認しております。 b 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式43非上場株式以外の株式139 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由 当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社プロクレアホールディングス20,20020,200主要取引金融機関であり、同行からの資金調達等の円滑化のために保有しております。 無3941 みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的の目的である投資株式 該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 39,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 20,200 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 39,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 株式会社プロクレアホールディングス |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 主要取引金融機関であり、同行からの資金調達等の円滑化のために保有しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年6月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社オカムラ青森県青森市八重田一丁目6番12号2,964,00036.70 岡村恒一青森県青森市1,578,60619.54 Steelhead ApsSprogøvej 17 Korsor Denmark445,8605.52 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号309,8003.84 岡村直子青森県青森市294,0003.64 八木康次神奈川県横浜市戸塚区279,9743.47 野村信託銀行株式会社(投信口)東京都千代田区大手町二丁目2番2号179,1002.22 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号139,3001.72 岡村大祐青森県西津軽郡深浦町132,0001.63 岡村麻里青森県青森市132,0001.63計-6,454,64079.92 |
株主数-金融機関 | 4 |
株主数-金融商品取引業者 | 7 |
株主数-外国法人等-個人 | 10 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 15 |
株主数-個人その他 | 3,366 |
株主数-その他の法人 | 61 |
株主数-計 | 3,463 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 岡村麻里 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式910当期間における取得自己株式―― (注) 当期間における取得自己株式には、2024年9月1日から有価証券報告書提出日までの無償取得及び単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)224,5077,852,437-8,076,944 (変動事由の概要)株式分割による増加 6,510,703株新株の発行 有償一般募集増資による増加 1,050,000株 第三者割当増資による増加 157,500株 譲渡制限付株式報酬による増加 12,014株 新株予約権の行使による増加 122,220株 2 自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)-91-91 (変動事由の概要)単元未満株式買取請求における取得による増加 28株譲渡制限付株式報酬における取得による増加 63株 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書 2024年9月26日株式会社オカムラ食品工業取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 仙 台 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士木 村 修 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士水 野 友 裕 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社オカムラ食品工業の2023年7月1日から2024年6月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社オカムラ食品工業及び連結子会社の2024年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社及び連結子会社は、水産物の養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開しており、当連結会計年度の連結損益計算書において売上高32,665百万円を計上している。 注記事項(セグメント情報等)に記載されているとおり、国内加工事業セグメントにおける外部顧客への売上高は7,614百万円、海外加工事業セグメントにおける外部顧客への売上高は11,086百万円であり、国内加工事業セグメント及び海外加工事業セグメントの外部顧客への売上高の合計は売上高全体の57%を占めている。 当該事業は主に会社が行っている。 会社は、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、製品の国内販売においては、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間に重要な相違がない場合には、出荷した時点で収益を認識し、製品の海外販売においては、船会社が船積み地点で貨物を受取り、貨物受取人に貨物を引き渡すことを約した船荷証券の発行日(B/L date)に収益を認識している。 会社の3ヶ年中期経営計画(2023年6月策定)には連結売上高の経営指標が設定されており、売上高は経営者及び財務諸表利用者が重視する指標の一つである。 また、売上高は利益の主たる源泉であり、特に会社の売上高が連結財務諸表へ与える影響は大きい。 会社の売上高の虚偽表示が発生した場合の金額的及び質的な重要性が高いことから、当監査法人は、当該売上高の発生及び期間帰属を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、会社の売上高の発生及び期間帰属を検討するに当たり、主として以下の手続を実施した。 ・システム間の売上高の整合性を検討するため、販売管理システムの売上高と会計上の売上計上額とを照合した。 ・売上高の正確性を検証するため、金額的重要性を勘案して抽出した売上取引及び無作為に抽出した売上取引について、出庫依頼受領書などの出庫事実を示す証憑又は船荷証券等との照合を実施した。 ・売上高の期間帰属を検証するため、期末日付近に計上された売上取引のうち、金額的重要性を勘案して抽出した売上取引について、出庫依頼受領書などの出庫事実を示す証憑又は船荷証券等との照合を実施した。 ・売掛金残高について、取引先に対する確認手続を実施した。 確認手続の対象は、金額的重要性を勘案して抽出した取引先及び無作為に抽出した取引先とした。 回答金額と会社残高との間に差異がある場合は差異の内容を検討した。 ・期末日後の売上取消又は減額処理について、期末日後一定期間の仕訳データを閲覧し、当連結会計年度に売上高の取消又は減額処理すべき取引の有無について検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社及び連結子会社は、水産物の養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開しており、当連結会計年度の連結損益計算書において売上高32,665百万円を計上している。 注記事項(セグメント情報等)に記載されているとおり、国内加工事業セグメントにおける外部顧客への売上高は7,614百万円、海外加工事業セグメントにおける外部顧客への売上高は11,086百万円であり、国内加工事業セグメント及び海外加工事業セグメントの外部顧客への売上高の合計は売上高全体の57%を占めている。 当該事業は主に会社が行っている。 会社は、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、製品の国内販売においては、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間に重要な相違がない場合には、出荷した時点で収益を認識し、製品の海外販売においては、船会社が船積み地点で貨物を受取り、貨物受取人に貨物を引き渡すことを約した船荷証券の発行日(B/L date)に収益を認識している。 会社の3ヶ年中期経営計画(2023年6月策定)には連結売上高の経営指標が設定されており、売上高は経営者及び財務諸表利用者が重視する指標の一つである。 また、売上高は利益の主たる源泉であり、特に会社の売上高が連結財務諸表へ与える影響は大きい。 会社の売上高の虚偽表示が発生した場合の金額的及び質的な重要性が高いことから、当監査法人は、当該売上高の発生及び期間帰属を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、会社の売上高の発生及び期間帰属を検討するに当たり、主として以下の手続を実施した。 ・システム間の売上高の整合性を検討するため、販売管理システムの売上高と会計上の売上計上額とを照合した。 ・売上高の正確性を検証するため、金額的重要性を勘案して抽出した売上取引及び無作為に抽出した売上取引について、出庫依頼受領書などの出庫事実を示す証憑又は船荷証券等との照合を実施した。 ・売上高の期間帰属を検証するため、期末日付近に計上された売上取引のうち、金額的重要性を勘案して抽出した売上取引について、出庫依頼受領書などの出庫事実を示す証憑又は船荷証券等との照合を実施した。 ・売掛金残高について、取引先に対する確認手続を実施した。 確認手続の対象は、金額的重要性を勘案して抽出した取引先及び無作為に抽出した取引先とした。 回答金額と会社残高との間に差異がある場合は差異の内容を検討した。 ・期末日後の売上取消又は減額処理について、期末日後一定期間の仕訳データを閲覧し、当連結会計年度に売上高の取消又は減額処理すべき取引の有無について検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社及び連結子会社は、水産物の養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開しており、当連結会計年度の連結損益計算書において売上高32,665百万円を計上している。 注記事項(セグメント情報等)に記載されているとおり、国内加工事業セグメントにおける外部顧客への売上高は7,614百万円、海外加工事業セグメントにおける外部顧客への売上高は11,086百万円であり、国内加工事業セグメント及び海外加工事業セグメントの外部顧客への売上高の合計は売上高全体の57%を占めている。 当該事業は主に会社が行っている。 会社は、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおり、製品の国内販売においては、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間に重要な相違がない場合には、出荷した時点で収益を認識し、製品の海外販売においては、船会社が船積み地点で貨物を受取り、貨物受取人に貨物を引き渡すことを約した船荷証券の発行日(B/L date)に収益を認識している。 会社の3ヶ年中期経営計画(2023年6月策定)には連結売上高の経営指標が設定されており、売上高は経営者及び財務諸表利用者が重視する指標の一つである。 また、売上高は利益の主たる源泉であり、特に会社の売上高が連結財務諸表へ与える影響は大きい。 会社の売上高の虚偽表示が発生した場合の金額的及び質的な重要性が高いことから、当監査法人は、当該売上高の発生及び期間帰属を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(セグメント情報等) |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、会社の売上高の発生及び期間帰属を検討するに当たり、主として以下の手続を実施した。 ・システム間の売上高の整合性を検討するため、販売管理システムの売上高と会計上の売上計上額とを照合した。 ・売上高の正確性を検証するため、金額的重要性を勘案して抽出した売上取引及び無作為に抽出した売上取引について、出庫依頼受領書などの出庫事実を示す証憑又は船荷証券等との照合を実施した。 ・売上高の期間帰属を検証するため、期末日付近に計上された売上取引のうち、金額的重要性を勘案して抽出した売上取引について、出庫依頼受領書などの出庫事実を示す証憑又は船荷証券等との照合を実施した。 ・売掛金残高について、取引先に対する確認手続を実施した。 確認手続の対象は、金額的重要性を勘案して抽出した取引先及び無作為に抽出した取引先とした。 回答金額と会社残高との間に差異がある場合は差異の内容を検討した。 ・期末日後の売上取消又は減額処理について、期末日後一定期間の仕訳データを閲覧し、当連結会計年度に売上高の取消又は減額処理すべき取引の有無について検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年9月26日株式会社オカムラ食品工業取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 仙 台 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士木 村 修 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士水 野 友 裕 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社オカムラ食品工業の2023年7月1日から2024年6月30日までの第54期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社オカムラ食品工業の2024年6月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属会社は、当事業年度の損益計算書において売上高23,161百万円を計上している。 監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属会社は、当事業年度の損益計算書において売上高23,161百万円を計上している。 監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 会社は、当事業年度の損益計算書において売上高23,161百万円を計上している。 監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社オカムラ食品工業における売上高の発生及び期間帰属)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 3,667,000,000 |
仕掛品 | 12,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 7,648,000,000 |
未収入金 | 4,991,000,000 |
その他、流動資産 | 644,000,000 |