財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-07-01 |
英訳名、表紙 | COVER Corporation |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 谷郷 元昭 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区三田三丁目5番19号住友不動産東京三田ガーデンタワー15階 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03‐6280‐4036(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月概要 2016年6月東京都渋谷区道玄坂において資本金19百万円でカバー株式会社を設立 2017年2月VR(注1)卓球ゲーム「Ping Pong League」のリリース 2017年9月VTuber(注2)アイドル「ときのそら」の活動開始 2018年6月女性VTuberグループ「hololive」の立ち上げ 2018年6月東京都中央区新川に本社を移転 2019年5月男性VTuberグループ「HOLOSTARS(ホロスターズ)」の立ち上げ 2019年7月東京都千代田区内神田に本社を移転 2020年4月インドネシアにおける女性VTuberグループ「hololive Indonesia」活動開始 2020年6月東京都千代田区神田多町に本社を移転 2020年9月英語圏における女性VTuberグループ「hololive English」活動開始 2021年2月メディアミックス(注3)プロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」始動 2021年3月東京都千代田区外神田に本社を移転 2021年9月公式オンラインショップ「hololive production OFFICIAL SHOP」の運用を開始 2022年6月英語圏における男性VTuberグループ「HOLOSTARS English」活動開始 2022年11月メタバースサービス「ホロアース」の常設ロビー空間のβ版をリリース 2023年3月東京証券取引所グロース市場に株式を上場 2023年6月東京都港区三田に本社を移転 2023年7月米国にてグループ初となる海外大規模コンサート「hololive English 1st Concert -Connect the World-」を実施 2023年12月「ホロアース」内での「プロトライブ」を開催 (注)1.VRとはVirtual Realityの略称であり、コンピューターによって作られた仮想的な世界を、あたかも現実世界のように体感できる技術のことであります。 2.VTuberとは、主にYouTube等の動画配信プラットフォームにおいてモーション・キャプチャーを用いてアニ メルック・アバターで活動するバーチャル・エンターテイナーのことであります。 3.メディアミックスとは、原作のIP(Intellectual Property:知的財産)を漫画やアニメといった複数のメディアで多面的に展開することであります。 例えば「ホロライブ・オルタナティブ」ではスクウェア・エニックスが提供する漫画アプリ「マンガUP!」において漫画作品「Holoearth Chronicles Side:E ヤマト神想怪異譚」を展開している他、YouTube上でのアニメ―ションコンテンツの展開も実施しております。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 (1) 企業ミッション当社は「つくろう。 世界が愛するカルチャーを。 」を企業ミッションとしております。 日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 日本の誇るアニメ、ゲーム関連産業は海外市場が牽引する形で成長を続けており、その規模はアニメ関連市場で約2.9兆円(注1)、ゲームコンテンツ市場で約26.8兆円(注2)まで拡大しております。 当社は、AR(注3)やライブストリーミング(注4)といった最新技術を使って日本発のエンターテインメント・カルチャーを世界に広めていくことにより、クリエイターの活躍や日本文化のさらなる発展を後押しすることを目指しております。 (注) 1.2022年のアニメ関連市場規模(出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2023」)2.2022年のゲームコンテンツ市場規模(出所:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2023」)3.ARとはAugmented Realityの略称であり、ありのままに知覚される情報に、デジタル合成などによって作られた情報を付加し、人間の現実認識を強化する技術のことであります。 例えば、当社の提供するARアプリケーション「ホロリー」では、VTuberの3D映像を現実空間に投影して写真や動画を撮影できます。 4.ライブストリーミングとは、インターネット上で音声や動画をリアルタイムで配信することであります。 (2) サービス概要当社はモーション・キャプチャー技術(注5)とアニメルック・アバター(注6)を用いて活動するバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクターIP開発、及びVTuberプロダクション「hololive production(以下、「ホロライブプロダクション」という)」の運営を行っております。 当社のVTuberは当社が提供する配信技術とアニメルック・アバターを用いて、動画・楽曲配信プラットフォームでのコンテンツ配信や会場で観客を伴ってのライブコンサート・パフォーマンス等の活動を行います。 キャラクターIPの開発は国内及び海外の主要なクリエイターとの協働により行っており、クオリティの高いキャラクター・アバターモデルが多くのファンからの支持を得ております。 VTuberによるアバターを用いた臨場感のあるライブパフォーマンスや視聴者との双方向性コミュニケーションは、視聴者にクリエイターの創作に対する強い親近感を与え、これまでのアニメ等では見られなかった新しいエンターテインメント体験をもたらします。 所属VTuberのキャラクターIP権利は当社に帰属しており、IPに基づいたマーチャンダイジングやライセンスビジネス等の多様なコマース展開を可能としております。 VTuber IPの影響力の拡大に伴って、コマース展開の規模も拡大しており、2024年3月期時点では在籍VTuberあたりの収益は年間約3.5億円(注7)まで成長しております。 また、売上高全体に占めるIPコマース展開からの収益(注8)の構成比は、2021年3月期には39.8%だったところから2024年3月期では56.1%まで増加しており、当社のビジネスモデルはIPビジネスとしての性質が一層強くなりつつあります。 2024年3月末時点でホロライブプロダクションのVTuber在籍数(注9)は85名(言語地域別で日本が52名、インドネシアが9名、英語圏が24名)となっており、そのうち38名はYouTubeのチャンネル登録数が100万登録を超える等幅広く支持を得ていると認識しております。 また、ホロライブプロダクションの所属VTuberのYouTubeチャンネル登録総数は8,800万登録(注10)を超えており、日本、北米、東南アジア地域における登録数トップのVTuberをはじめ、登録数ランキング上位のVTuberが多く所属しております(注11)。 ホロライブプロダクションの所属VTuberによるライブ配信コンテンツは、月間で1,500以上もの本数がYouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームに提供されており、それらのアーカイブ(Archive:保存記録による配信)を含む動画コンテンツの累計投稿件数は2024年3月末時点で9万本に上ります。 視聴者はライブ配信内でVTuberに向けたコメント等を通して双方向性と没入感のあるライブエンターテインメントを楽しむことができます。 VTuber IPは立上げに長い期間と多額のコストが必要なTVアニメやゲーム等のコンテンツのキャラクターIPと比較して、相対的に低コストで継続的に視聴者との接点を持つことができる優位性を持っていると考えられます。 また、VTuberとのコミュニケーションの一環で、日常的に数多くのファンアートや多言語翻訳コンテンツが視聴者によって作成されており、そうしたUser Generated Contents(UGC)(注12)コミュニティの存在がVTuberコンテンツに深みをもたせております。 当社コンテンツの視聴者による切り抜きコンテンツ(注13)のYouTube上での再生回数は84億回を超えており(注14)、新規の視聴者の拡大にも寄与していると考えられます。 こうした高頻度かつ双方向のコミュニケーションを背景とした当社のVTuber IPコンテンツのファンエンゲージメント(注15)の高さは従来のアニメコンテンツ等と比較した際の当社コンテンツの独自性となっております。 *1所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和として算出*2VTuberあたり四半期収益は各四半期収益を四半期末時点の所属VTuber数で除して算出*3チャンネルを共有している所属VTuberについては併せて1名とみなし集計 (注) 5.モーション・キャプチャー技術とは、カメラ等を使って人やモノの動きをデジタル化する技術のことであります。 6. アニメルック・アバターとは、デフォルメされた色調の2Dアニメのような3Dモデル制作技法等を使って作られたアニメのような外見のキャラクターモデルのことであります。 7.VTuberあたり収益は当該期間の売上高を当該期末の在籍VTuber数で除して算出。 8. マーチャンダイジング分野とライセンス/タイアップ分野の収益の和。 9. チャンネルを複数名で共有している場合も1chに対し1名とみなし集計。 10. YouTubeチャンネル登録数の総数は所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和として算出。 2024年3月31日時点。 11. 出所:ユーザーローカル。 2024年4月30日時点、VTuberランキング(ファン数ランキング)、現在活動休止中のVTuberを除く順位。 12.User Generated Contents(UGC)とは、主にソーシャルメディア等のオンライン・プラットフォーム上でユーザーによって投稿されるコンテンツのことであります。 13. 切り抜きコンテンツとは、公式コンテンツとして配信された動画の一部をファンが切り抜き、字幕等の一部編集を加えたうえで配信する非公式コンテンツのこと。 当社では二次創作ガイドラインを公開し、一定の制限の下、こうした活動を認めております。 14. 出所:ユーザーローカル。 2024年3月31日時点。 YouTube上に存在する当社コンテンツの切り抜きを扱うチャンネルのうち、総再生回数が上位の200チャンネルについて実績を集計しております。 15. ファンエンゲージメントとは、ブランドやコンテンツとファンが積極的に関与し合うことで構築される愛着等の結びつきのことであります。 (3) 当社の事業分野別の内容当社の事業は、VTuber事業並びにその付帯業務の単一セグメントで構成されております。 事業分野別では、①配信/コンテンツサービスと②ライブ/イベントサービスを通じて、ホロライブ等のグループ及び所属VTuberそれぞれの認知度の向上、ファンの獲得及びコミュニティの熱量上昇を図っており、その結果として醸成されたグループや個々のVTuber IPのブランドを基盤として、③マーチャンダイジングサービスと④ライセンス/タイアップサービスを展開しております。 事業分野別の詳細は以下のとおりであります。 ① 配信/コンテンツYouTubeを中心とした動画配信プラットフォームや各種SNS等を通じて、VTuberのライブ配信、楽曲MV、又はアニメーション等の動画コンテンツを提供している他、音楽ストリーミングサービスでの楽曲コンテンツの提供も行っております。 主な収益項目は視聴者からのメンバーシップ加入、Super Chat、動画配信プラットフォーム上での広告収益、及び音楽ストリーミングサービス上での楽曲コンテンツの販売収益等となっており、主なコスト項目はプラットフォーム手数料、コンテンツ制作費及びVTuberとしてアバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイター(演者)(注16)への収益分配等となっております。 VTuberのキャラクターIPは当社によって企画・制作されており、それぞれのVTuberの活動は当社からコンテンツ・クリエイターに対して貸与されるモーション・キャプチャーハードウェア/ソフトウェア、キャラクターアバター、及びYouTubeやX等の配信プラットフォーム/SNSアカウントを用いて提供されております。 当社はホロライブプロダクションのブランドとコミュニティを拡大させながら、オーディションにより選抜された演者、影響力の大きい外部クリエイター等との共創を通して、付加価値の高いIPを継続的に生み出す仕組みを構築しており、その結果として新規のVTuberでもデビュー時から大規模な集客を行うことが可能となっております。 当社のVTuber IPは海外でも浸透が進んでおり、2024年3月末時点の当社の海外地域向けVTuberのYouTubeチャンネル登録数は、全体の35%を占めます(注17)。 字幕等を通したVTuberコンテンツのローカライズやSNSを通したコミュニティ運営等により、グローバルにUGCコミュニティの拡大を推進しつつローカル言語でのVTuberをデビューさせることにより、着実な海外展開を実施しております。 また、当社では多様かつ安定的なサービスの提供とコミュニティの健全な拡大のために、各種ガイドラインの整備、外部エンターテインメント企業とのアライアンスの拡充、及び関連する業界団体への参画等を行っております。 (注)16.コンテンツ・クリエイターとはアニメルック・アバターを用いてVTuberとしてライブ配信活動やコンテンツ制作を行う演者のことであります。 17.2024年3月末時点の所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和を元に算出。 ② ライブ/イベント所属VTuberのライブコンサート及びファンミーティング並びに当社IPの国内外出展等のイベントをオフライン又はオンラインで提供しております。 主な収益項目はオフライン、オンラインでのチケット販売収益、イベントに際した物販収益及びイベントの様子を収録した映像ソフトウエアの販売収益等となっており、主なコスト項目はイベント制作費及び演者出演費等となっております。 当社ではイベントの企画、制作を行っており、各イベントは外部制作会社、イベント会場運営会社、オンライン配信プラットフォーム等との協働によって提供されております。 ライブコンサートやファンミーティングといったイベントの実施にあたっては、大規模なモーション・キャプチャー及び配信が可能なスタジオ設備、並びにAR技術等を用いることにより、ファンが当社VTuberをより身近に感じることができるユニークな体験の提供を実現しております。 ライブコンサートイベントの多くは、映像設備を導入したコンサート会場に観客を動員して実施するオフラインでの実施と、インターネット上で配信プラットフォームを通してコンサートの様子をライブ配信するオンラインでの実施を同時に行っており、現地を訪れることのできない遠方のファンもオンライン配信を通してイベントに参加することが可能となっております。 イベントを通じたファン同士の交流は、ファンにとってもコミュニティ規模の成長を実感できる大きな機会となっております。 また、イベントは国内だけでなく、海外でも多数実施しており、2022年より「hololive Meet」と題して、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア等、世界各地での出展やファンミーティングイベントを開催しているほか、2023年7月には、アメリカ・ロサンゼルスにて、グループ初となる海外大規模コンサート「hololive English 1st Concert -Connect the World-」を開催するなど、積極的なグローバル展開を図っております。 ③ マーチャンダイジング当社VTuber IPをベースにしたキャラクターグッズ及びデジタルコンテンツの販売を行っております。 主な収益項目はEC(Electronic Commerce:電子商取引)又は小売店を通じた商品販売収益となっており、主なコスト項目は材料費等の製造費用、演者収益分配及び販売・決済手数料等となっております。 従来の芸能人等と比較した際のVTuberの独自性の一つとして、アニメのキャラクターのようにIPとしての多様なコマース展開を行いやすいことが挙げられます。 これにより、当社EC上でも1つのキャラクターIPについて多種多様なグッズやデジタルコンテンツの企画販売が可能となっております。 当社では商品の企画・デザイン、販売、プロモーション等を行っております。 商品販売は自社EC「hololive production OFFICIAL SHOP」からの受注又は在庫販売が主となっており、当該ECから国内及び海外の顧客に向けた販売を行っております。 加えて、自社ECからの発送や現地独自決済手段の導入が未対応の一部海外地域への販売等を目的とした外部ECサイトからの販売も行っております。 また、2024年3月期以降では、国内及び海外の小売店を通じた商品販売も拡大してきており、ECでの購買を行わない消費者層に対してのマーケティングとしての役割も担っております。 マーチャンダイジングの売上構成は現状、VTuberのアニバーサリー等に際した特別受注生産・販売前提の商品の構成が大きくなっておりますが、プロダクションとしてのブランド力やIP商品の企画・販売体制の拡充に伴い、より幅広い消費者層に向けて常時販売可能な収益性の高い商品の開発も進んでおります。 ④ ライセンス/タイアップ外部商品又はコンテンツのメーカー等に対する当社保有IPの使用権利の提供(以下、「ライセンスアウト」という)又はタイアップ広告を通じた当社所属VTuberによる他社企業のプロモーションやメディア出演を提供しております。 主な収益項目はライセンスアウトの対価としてのロイヤリティ収益及び広告出稿企業やメディアからのプロモーション料・出演料収益となっており、主なコスト項目は個別の案件実施に係る一部制作費負担や演者への出演料分配となっております。 当社では具体的なライセンスアウト案件に係る制作監修、又はVTuberによる出演・プロモーション協力等を提供しております。 VTuberはライブ配信等で活動するインフルエンサーであることに加えてキャラクターIPとしての性質を有しているため、当社IPが他社のゲーム等のコンテンツ内でキャラクターとして活用されるような事例もあり、そうした事例は規模の大きさから案件あたりの収益性も高くなっております。 また、タイアップ広告でもVTuberの直接の稼働無しに商品パッケージやポスター等で活用される事例があり、そうした事例は直接の演者稼働を伴う一般的なインフルエンサー広告の事例よりも効率性の観点から収益性が高くなるケースが多くなっております。 前述のようにVTuberのライセンス/タイアップビジネスは演者の稼働制約に縛られずに案件数を増加させられる事例もあるため、プロダクションや各VTuberの影響力と集客力の高まりに伴って本ライセンス/タイアップの収益規模も堅調に成長してきております。 [事業系統図] |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)537(104)33.02.15,256 (注)1.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除く)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、正社員及び契約社員のみで算定しております。 4.当社は、VTuber事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 5.前事業年度末に比べ従業員数が119名増加しております。 主な理由は、業容拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。 (2) 労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)男性労働者の育児休業取得率(%)(注)労働者の男女の賃金の差異(%)(注)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者14.130.041.341.341.7 (注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針当社は「つくろう。 世界が愛するカルチャーを。 」を企業ミッションとしております。 日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 (2) 中長期的な経営戦略等当社はこれまで掲げていた中長期戦略を発展させる形で、①VTuberビジネスの確立、②IPビジネスへの進化、③クリエイター経済圏の拡大の3段階の事業戦略を定めております。 これらに沿って内製での事業開発、外部企業との戦略的パートナーシップ、又はM&A等により能力拡充を図り、持続的な成長を目指してまいります。 ① VTuberビジネスの確立デジタル・エンターテインメントにおいて高い成長性と収益性を安定的に維持するには、再現性高く付加価値の高いIPを生み出す仕組みの確立が重要と考えております。 当社ではYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて、高頻度にVTuberのライブ配信、3Dモーション・キャプチャー・スタジオを用いたバーチャルライブ・コンサート、IPアセットを用いたアニメーション・コンテンツやミュージックビデオ等の供給を行っており、当社所有のYouTubeチャンネルの累積動画コンテンツ供給数は約9.2万本、それらの動画コンテンツの累積再生回数は約148億回に上ります。 また、当社では二次創作ガイドラインを定めたうえでファンによる二次創作活動を広く奨励しており、こうした大規模なPGC(注1)供給及びそれに呼応するUGC(注2)発信の文化形成の結果として、当社のVTuberは幅広いファンからの支持を得ていると認識しております。 当社が保有するホロライブプロダクションのYouTubeチャンネル登録数は延べ8,841万以上、VTuberあたりの当社年間収益は2024年3月期において約3.5億円(注3)となっており、大きなファンベースの存在が魅力的な演者や国内外の主要なクリエイターとの継続的な共創を可能としております。 結果として、当社は2024年3月時点で日本、北米(英語圏地域)、東南アジア地域それぞれにおいてYouTubeチャンネル登録数No.1(注4)のVTuber IPを有しております。 今後は、最先端モーション・キャプチャー技術、3DCG技術の拡充、コンテンツ企画の多様化、音楽を通じたプロモーションの拡大、多言語でのコンテンツ・ローカライズの推進等を通じて、再現性高く付加価値の高いIPを生み出す仕組みを更に強固なものとして行きたいと考えております。 (注) 1.Professional Generated Contentの略2.User Generated Contentの略3.2024年3月期売上高を2024年3月期末の在籍VTuber数で除して算出4.出所:ユーザーローカル。 2024年4月30日時点。 ② IPビジネスへの進化VTuberの特徴の一つとして、コマース展開の多様性が挙げられます。 アニメルック・アバターで活動するVTuberはキャラクター・コンテンツIPとしての側面を持つため、漫画、アニメ、ゲームといったコンテンツIPと同様に、必ずしも演者の稼働を前提とせずに多様な商品、サービスとしての展開が可能となっております。 マーチャンダイジングの商品種に関しましては、2024年3月末時点でデジタル商品も含めた同時展開商品数が2,500SKU程度まで拡大しており、消費者のニーズを鑑みた更なる拡大の余地は今後も大きいと考えております。 今後はトレーディング・カードゲーム等のシリーズ商品を通じて、特定のIPのファンにブランド内の別のIPへの興味も深めていただくようなクロスセルを推進してまいります。 また、商品販売チャネルに関しましてもこれまで大部分を占めていたEC販売に加え、グローバルな小売店網での商品販売を拡大してまいります。 こうした取り組みにより、潜在ファンのIPへの接触頻度を増加させ、よりエンゲージメントの高いファンの拡大を目指します。 地域展開に関しましては、日本に加えて、既にアニメ市場の浸透が進んでいる北米及びアジア地域を重視し、各地域の潜在ファンがアクセスできるイベントや商品・サービスの増加を目指します。 海外現地営業代理店や現地企業とのパートナーシップ強化により、ローカライズされたコラボレーション商品の拡充や現地商圏での認知度の拡大も推進してまいります。 ③ クリエイター経済圏の拡大中長期の時間軸では、IPの多面的なコマース展開により得た利益をアニメ、ゲーム/メタバースといった近接するコンテンツ領域への展開に向けて投資することにより、更に広範な潜在消費者層からの認知をグローバルに獲得し、当社を取り巻くクリエイター経済圏の一層の拡大を目指します。 ゲーム/メタバース関連のプロジェクトについては、中期的に大きな収益源となり得る一方で、開発期間も長くかかるため、インディーズゲーム・クリエイターによる二次創作ゲーム開発プロジェクト、ゲーム開発・運用会社へのIPライセンスアウト・プロジェクト、内製開発のメタバース・プロジェクトといった類型ごとに財務リスクを分散化して管理しております。 メタバース・プロジェクト「ホロアース」に関しては、2024年にかけてオープンβ版の機能拡充を段階的に実施していく予定であります。 これまでのYouTube等の複数のプラットフォームでのVTuberやファンの活動及び交流に加え、ホロアース上では同時性を持った臨場感のあるコミュニケーションが可能となり、より豊かな体験価値が提供可能となることを想定しております。 他のメタバース・プラットフォームの開発・運営者と比較した当社の独自性として、当社がVTuber IPを自社で保有しており、平時からVTuberと世界中のファンのリアルタイムな交流を運営していることが挙げられます。 そうしたユーザー体験と統合的なサービスとして「ホロアース」を自社で開発・運営することにより、コミュニティ・サービスとしてホロアースの継続的な集客と拡大を行うことを想定しております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社はVTuberのファン数の直接的な指標である「YouTubeチャンネル登録数」、並びに魅力的なコンテンツ制作の原資となる「売上高」及び「サービス別売上高」を重要な経営指標と位置づけ、企業価値の向上を図ってまいります。 (4) 経営環境当社が提供するVTuber事業は、VTuberというキャラクターIPを中心として、配信/コンテンツ、ライブ/イベント、マーチャンダイジング、ライセンス/タイアップ、及び開発中のゲーム・メタバースサービス等と多岐にわたる領域に広がっております。 VTuber市場は2016年末にはじまり2018年までに初期的な市場が形成されてきたものの、この5~6年で急速に成長しており、国内のVTuber市場については、2023年度は800億円にのぼると推測(注5)され、2020年度から2023年度までにおける年平均成長率(CAGR)は77%の高成長が見込まれております。 また近年において、グッズを展開するマーチャンダイジングやBtoBのライセンス/タイアップ領域の成長が期待されており、VTuber自体がアニメルックな見た目であることから、アニメキャラクターのようにIPとして多様なコマース展開が行いやすいため、VTuber とグッズ展開は親和性が高くなっております。 また、VTuber IPの価値向上とともに若年層に広範な支持を得ていることから、主にゲームや商品サービスを提供する企業とのコラボレーションが継続的に増加しており、今後もこの成長を維持すると推測(注5)されております。 また、VTuber市場は比較的新しい市場であるものの、その潜在市場規模や動向は広義のグローバルなIPビジネス市場から類推可能であると考えております。 2022年の同市場については動画配信プラットフォーム等を通じたアニメコンテンツ配信市場規模が1,652億円程度となっており、その他各種メディアでのコンテンツ提供、商品化、音楽、イベント興行等を含む広義アニメ市場は国内で1.4兆円程度、海外も含むグローバルで2.9兆円程度となっております(注6)。 市場全体が好調に推移する中、当社事業の直接競合他社も複数確認されている状況にありますが、日々ライブ配信コンテンツを提供する当社のVTuberとそれに呼応する形でソーシャルメディア等を通じた自律的な発信を行うファンからなる大規模なファンコミュニティの存在が新規参入事業者に対する当社の競争優位性として機能していると当社は考えております。 当社事業は、VTuberによるライブ配信を通じた付加価値の高いIPの開発とファンベースの確立を軸に、足許で広義アニメ市場におけるグローバルかつ多面的展開を行っている段階にあり、今後は、ゲーム・メタバースサービスといった近接領域への展開により、グローバルコンテンツ市場規模約123.6兆円(注7)を見据えた更に大きな事業拡大を計画しております。 (注) 5.出所:矢野経済研究所「2023年 VTuber市場の徹底研究 ~市場調査編~」)6.出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート 2023」2022年のアニメ関連市場規模7. 出所:内閣官房『第23回新しい資本主義実現会議の基礎資料』にて記載の2019年のコンテンツ産業の世界市場規模 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 魅力的なIPの開発VTuberの人気はアニメルック・アバターや関連するグループ又はユニットIPの魅力の影響を大きく受けるため、付加価値の高いVTuber IPを継続的に開発することは当社の経営課題であります。 当社は、IPやコンテンツを共創するクリエイターにとっても意義深い活動の機会を継続的に提供するために、当社IPの認知及びブランド価値の一層の向上に努めております。 ② コンテンツ・クリエイターの発掘及び育成VTuberの活動はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの創作活動に依存しているため、能力のあるコンテンツ・クリエイターの発掘、及びその能力を一層開花させるための育成は当社の課題であります。 当社では定期的なオーディションの実施により新しいコンテンツ・クリエイターの発掘ができるよう努めている他、採用後も社内外のクリエイター・企画チームを活用し、継続的なグッズ企画・衣装企画・ライブ企画等の多様な活動支援によってコンテンツ・クリエイターの個性をより発揮できるような環境を構築しております。 ③ 事業拡大と収益性向上を両立した事業運営当社は付加価値の高いVTuber IPの継続的な開発と育成を主軸に、動画配信プラットフォーム上でのサービス展開のみに留まらない、多面的なIPビジネス市場での事業展開を推進しております。 そのため、より大きな市場を捉えるために複数の先行投資を実施しております。 具体的には、より付加価値の高いIP開発と集客力の向上に向けた、3Dモデリング、3Dアニメーションに関する人材投資、大型モーション・キャプチャー・スタジオの取得、統合IDサービスの開発及びユーザーの体験価値の向上に向けたゲーム・メタバースサービスの開発等を行っております。 立ち上げたIPをベースとして、マーチャンダイジングやライセンス/タイアップといった収益性の高いコマース領域では更なる事業拡大を計画しており、トレーディング・カードゲーム等のシリーズ商品の企画や海外地域でのライセンシー拡充による現地商流への商品・サービスの配荷拡大等を推進しております。 ④ 組織体制の整備当社の成長には多様な専門性を持った優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。 積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期的に働きやすい職場環境や人事制度を整備してまいります。 ⑤ 技術力の強化当社はコンテンツ・クリエイターの活動について、モーション・キャプチャー技術を駆使した自社開発のアプリケーション等で支えており、今後の継続的な技術改善が視聴者に新しいエンターテインメント体験を届けるために重要であると考えております。 高度なスタジオ配信を可能にするアプリケーションのアップデートや豊かな表現を可能にする3Dモデリング技術の向上等、継続的な改善を進めてまいります。 ⑥ コミュニティの健全性維持当社は多数のVTuberを擁しており、それぞれのコンテンツ・クリエイターの裁量で日常的に膨大な数の視聴者との双方向コミュニケーションがライブ配信を通して行われております。 継続的な創作活動や視聴者とのコミュニケーションが維持されるよう、誹謗中傷対策などのコミュニティ健全化の施策は重要であると考えております。 外部専門家と連携しての誹謗中傷対策等、コンテンツ・クリエイター保護のための施策を継続的に実施してまいります。 ⑦ その他財務上の課題当社は、これまで金融機関からの借入に大きく依存せず、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持していることから、先述の「事業拡大と収益性向上を両立した事業運営」の他には、優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、上記事業上の課題に対する対処及び継続的な成長に資する設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)ガバナンス及びリスク管理 当社では持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長谷郷元昭がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。 取締役会においては、サステナビリティに係る当社の在り方を提言することを目的として、以下の内容の協議を行っております。 ①中長期的な視点を持った、サステナビリティに関する重要課題の特定②サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会の識別③サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応の基本方針の策定 リスク管理については取締役会主導のもと、体制強化を進めております。 リスク管理は、リスクの発見・分析・評価・対応の4つのステップを通して行われており、特別な対応が必要なリスクはリスクオーナーを選定したうえで、取締役会のみならず、リスク・コンプライアンス委員会にて進捗管理をしております。 各部門で管理可能なリスクは、各組織が中心となって対応しており、必要に応じて取締役会への報告を行っております。 (2)重要なサステナビリティ項目上記ガバナンス及びリスク管理を通じて識別された当社における重要なサステナビリティ項目は「インターネット上の誹謗中傷を通じた人権侵害への対応」であります。 ①戦略当社は「つくろう。 世界が愛するカルチャーを。 」を企業ミッションとしており、日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 ESG戦略の重要性が高まっている現在において、当社は社会的な課題解決と当社事業のリスク低減を共に達成する項目として、「インターネット上の誹謗中傷による人権侵害」を重要課題として捉えており、リスク管理のうえ対応する戦略の策定を進めております。 私たちの社会においては、インターネット上での誹謗中傷、プライバシーの侵害、差別的言動等により、インターネットに参加している人々の生活や、クリエイターの活動を脅かす事象が散見されております。 こうした事象を看過していると、長期的にインターネットを通じたコミュニケーションの発達や、イノベーションの創出、カルチャーの創造が妨げられることとなり、当社のミッション達成のみならず社会全体の発展を阻害する可能性があります。 そこで当社では社会に対する啓発活動や、人権侵害行為に対する法的措置といった活動を戦略的に遂行することにより、社会課題の解決と当社の持続的な成長を共に達成できるものと考えております。 ②指標及び目標当社では課題の解決に向けた目標指標はまだ策定されておりませんが、結果指標として誹謗中傷に対する法的措置の回数を集計しております。 実績として、2023年1月~2023年12月においては、殺害予告や書き込みによる権利侵害行為に対する法的措置を合計116件対応してまいりました。 また、誹謗中傷対策に関する声明文を発表したほか、自社独自のサポーターガイドラインを展開することにより、誹謗中傷行為に関する理解と抑制を呼び掛けております。 今後もクリエイターエコノミー協会、セーファーインターネット協会といった業界団体と共に、活動の領域を広げてまいります。 (3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標当社における、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 ①人材育成方針当社のミッションを達成するためには、世界に向かって挑戦していく人材の確保が重要であるという認識のもと、人材育成を行っております。 具体的な施策例としては以下のとおりであります。 a.企業ミッション・バリューによる意識の統一多様な社員の意識統一を図るため、企業ミッションを毎月の全社会議で共有するほか、バリューに沿った人事評価、アワード制度を設けることにより、当社の目標や行動指針を共通化する施策を積極的に行っております。 b.体系化された研修コンテンツの提供一定の等級以上の人材には同一の研修コンテンツを提供することにより、専門知識の習得のみを目的とするのではなく、組織間で共通の価値観やスキルを醸成することを心がけております。 c.専門性に沿った外部教育機会の提供各職種の専門性に応じた外部研修・セミナーへの参加を促進することで、それぞれの業務専門性を高める制度も導入しております。 d.キャリアパスの複線化キャリアの観点では、マネジメントに特化したキャリアコース(M等級)と、専門性に特化したキャリアコース(P等級)の二種類を用意しており、各社員の志向や適性に応じたキャリアパスを描いていける制度を用意しております。 ②社内環境整備方針世界中のユーザーに楽しんでもらえるコンテンツを継続的に提供するためには、多様な人材の掛け合わせから生じるイノベーションが不可欠であります。 こうした多様な人材が継続的に当社で活躍できるように、社内環境整備に関する施策にも取り組んでおります。 具体的な施策例としては以下のとおりであります。 a.社内規程に基づいた副業・兼業の実施社員が企業や社会に貢献しようとする意志を尊重すると共に、各自のスキルを高める機会として多様な働き方を選択できるよう、環境を整備しております。 b.帰省時のリモートワーク制度の導入など、海外社員に配慮した施策の実施海外国籍社員など、特に帰省が難しい社員に対し、休暇期間を超えて帰省先でのリモートワークを認めることで、社員のモチベーション改善を図っております。 c.フレックスタイム制による出勤と育児休業取得の奨励各部門別に設定されたコアタイム以外の出勤時間を社員が選択できることで、ワークライフバランスを確保しやすくすると共に、育児休業の取得を奨励しております。 d.社員のエンゲージメントレベルの把握サーベイツールを継続的に活用することで、社員の業務に対するエンゲージメントを把握し、エンゲージメントレベルを向上させるための施策検討に活用しております。 ③指標及び目標当社では、上記「(3)①人材育成方針」及び「(3)②社内環境整備方針」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績労働者の育児休業取得率2027年3月までに80%38%従業員エンゲージメントスコア2027年3月までに72点67点入社1年後定着率2027年3月まで90%を維持93.3%外国籍社員の比率2027年3月までに20%10.1% |
戦略 | (2)重要なサステナビリティ項目上記ガバナンス及びリスク管理を通じて識別された当社における重要なサステナビリティ項目は「インターネット上の誹謗中傷を通じた人権侵害への対応」であります。 ①戦略当社は「つくろう。 世界が愛するカルチャーを。 」を企業ミッションとしており、日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 ESG戦略の重要性が高まっている現在において、当社は社会的な課題解決と当社事業のリスク低減を共に達成する項目として、「インターネット上の誹謗中傷による人権侵害」を重要課題として捉えており、リスク管理のうえ対応する戦略の策定を進めております。 私たちの社会においては、インターネット上での誹謗中傷、プライバシーの侵害、差別的言動等により、インターネットに参加している人々の生活や、クリエイターの活動を脅かす事象が散見されております。 こうした事象を看過していると、長期的にインターネットを通じたコミュニケーションの発達や、イノベーションの創出、カルチャーの創造が妨げられることとなり、当社のミッション達成のみならず社会全体の発展を阻害する可能性があります。 そこで当社では社会に対する啓発活動や、人権侵害行為に対する法的措置といった活動を戦略的に遂行することにより、社会課題の解決と当社の持続的な成長を共に達成できるものと考えております。 |
指標及び目標 | ②指標及び目標当社では課題の解決に向けた目標指標はまだ策定されておりませんが、結果指標として誹謗中傷に対する法的措置の回数を集計しております。 実績として、2023年1月~2023年12月においては、殺害予告や書き込みによる権利侵害行為に対する法的措置を合計116件対応してまいりました。 また、誹謗中傷対策に関する声明文を発表したほか、自社独自のサポーターガイドラインを展開することにより、誹謗中傷行為に関する理解と抑制を呼び掛けております。 今後もクリエイターエコノミー協会、セーファーインターネット協会といった業界団体と共に、活動の領域を広げてまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標当社における、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 ①人材育成方針当社のミッションを達成するためには、世界に向かって挑戦していく人材の確保が重要であるという認識のもと、人材育成を行っております。 具体的な施策例としては以下のとおりであります。 a.企業ミッション・バリューによる意識の統一多様な社員の意識統一を図るため、企業ミッションを毎月の全社会議で共有するほか、バリューに沿った人事評価、アワード制度を設けることにより、当社の目標や行動指針を共通化する施策を積極的に行っております。 b.体系化された研修コンテンツの提供一定の等級以上の人材には同一の研修コンテンツを提供することにより、専門知識の習得のみを目的とするのではなく、組織間で共通の価値観やスキルを醸成することを心がけております。 c.専門性に沿った外部教育機会の提供各職種の専門性に応じた外部研修・セミナーへの参加を促進することで、それぞれの業務専門性を高める制度も導入しております。 d.キャリアパスの複線化キャリアの観点では、マネジメントに特化したキャリアコース(M等級)と、専門性に特化したキャリアコース(P等級)の二種類を用意しており、各社員の志向や適性に応じたキャリアパスを描いていける制度を用意しております。 ②社内環境整備方針世界中のユーザーに楽しんでもらえるコンテンツを継続的に提供するためには、多様な人材の掛け合わせから生じるイノベーションが不可欠であります。 こうした多様な人材が継続的に当社で活躍できるように、社内環境整備に関する施策にも取り組んでおります。 具体的な施策例としては以下のとおりであります。 a.社内規程に基づいた副業・兼業の実施社員が企業や社会に貢献しようとする意志を尊重すると共に、各自のスキルを高める機会として多様な働き方を選択できるよう、環境を整備しております。 b.帰省時のリモートワーク制度の導入など、海外社員に配慮した施策の実施海外国籍社員など、特に帰省が難しい社員に対し、休暇期間を超えて帰省先でのリモートワークを認めることで、社員のモチベーション改善を図っております。 c.フレックスタイム制による出勤と育児休業取得の奨励各部門別に設定されたコアタイム以外の出勤時間を社員が選択できることで、ワークライフバランスを確保しやすくすると共に、育児休業の取得を奨励しております。 d.社員のエンゲージメントレベルの把握サーベイツールを継続的に活用することで、社員の業務に対するエンゲージメントを把握し、エンゲージメントレベルを向上させるための施策検討に活用しております。 ③指標及び目標当社では、上記「(3)①人材育成方針」及び「(3)②社内環境整備方針」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績労働者の育児休業取得率2027年3月までに80%38%従業員エンゲージメントスコア2027年3月までに72点67点入社1年後定着率2027年3月まで90%を維持93.3%外国籍社員の比率2027年3月までに20%10.1% |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 また、顕在化可能性又は影響度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又は当社の事業、業績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではなく、発生時期の記載と異なる時期に当該リスクが発生する可能性を否定するものではありません。 当社は、これらのリスク発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 (1) 事業環境に関するリスク① 外部の動画配信プラットフォームへの依存について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期)当社はYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて視聴者にライブ配信コンテンツを提供しております。 これらの動画配信プラットフォーム事業者の動向及び事業戦略並びに当社との関係の変化等により、当社のライブ配信コンテンツ提供の継続が困難になった場合、又は経済条件に大幅な変更があった場合には、当該プラットフォーム経由で当社のコンテンツを消費していた顧客層からの収益の減少を通じて当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社では、ライブ配信のみに依存せず、マーチャンダイジング、イベント、ライセンスアウトといった収益機会の多様化が進んでいる他、コンテンツ・クリエイターの活動もYouTube以外を含む複数の動画配信プラットフォーム上で行われており、また開発中の自社プラットフォームでの活動も予定されていることから、単一のプラットフォームのみに依存することの無い体制となっております。 ② 外的要因による消費者需要動向の変化について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は動画配信プラットフォーム上でのVTuberによるライブ配信、関連グッズ及びコンテンツの販売等を主な収益としております。 近年のインターネット上での動画メディア視聴の世界的な広がり、また、アニメ、ゲーム等のコンテンツ消費の国際的な拡大などを背景として、当社コンテンツの視聴者数や当社の売上高も順調に拡大を続けており、今後も当面はこの傾向は継続するものと認識しております。 しかしながら、関連する法規制、景気動向、個人の嗜好等の変化等により、関連市場の成長が鈍化し、それに伴い、当社コンテンツの視聴者数の減少が起きる等、当社のビジネスモデルを長期的に維持できない場合や、これらの変化に対応した新しいビジネスモデルを十分に構築できない場合には、顧客数の減少を背景とした売上高成長の鈍化等を通じて当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では事業展開を行う領域の多面化、及び地域の多様化を行うことにより、当該リスクの軽減を企図しております。 ③ 広告市場動向の変化について(顕在化可能性:中、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社のサービスの一部であるタイアップ広告の受注高は企業の広告出稿予算の変化等の影響を受けることが予想され、景気変動等の要因によって企業の広告出稿予算が増減した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社ではタイアップ広告以外にも、自社所有IPに基づく商品販売等収益源の多角化を行うことにより、当該リスクの軽減を企図しております。 ④ 法規制・動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期)当社が提供するサービスを規制する主な法律として「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、及び「不当景品類及び不当表示防止法」等があります。 当社は、これらの規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施などを行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 海外ユーザーに向けたサービスのリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は、視聴者層の拡大に向けて英語及びインドネシア語をメインにライブ配信を行うVTuberグループ「hololive English」、「HOLOSTARS English」及び「hololive Indonesia」を展開しております。 外国語圏の視聴者に向けたサービスの提供にあたっては、文化・ユーザーの嗜好・商習慣の違い、為替変動、法制度・税制度を含む各種規制、経済的及び政治的不安等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開言語地域において競争力を有する競合他社との競争リスク等が存在します。 当社がこのようなリスクに対処できない場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では現地文化や法令規制等に精通した外部専門家との協働や展開地域の多角化により当該リスクの軽減を企図しております。 ⑥ 競合他社の動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)現在、VTuber事業を含む動画配信関連事業を展開する競合企業は国内外に複数存在しております。 当社は、今後とも優れたIPの開発や技術的改善等により市場における優位性を維持しつつ競争力を向上させていく方針ですが、これらの取り組みが予想通りの成果を上げられない場合や、より競争力のある競合他社の出現により、当社が提供するコンテンツの視聴者離れ等につながる場合、又は魅力的なコンテンツ・クリエイターの継続的な確保が難しくなる場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業に関するリスク① 所属VTuberの人気、活動頻度、活動継続等に係るリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社の業績は、当社所属のVTuberの人気及びコンテンツ供給頻度に一定程度依存しております。 当社は平時から、当社所属のVTuberに関するスキャンダル、炎上、誹謗中傷等に対処し、健康的な活動をサポートする技術的、組織的体制の拡充等を通じて対策を図っておりますが、VTuberの活動内容や頻度はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの動向に依存しており、不適切なコンテンツの配信、スキャンダル、炎上、誹謗中傷、その他健康上の理由等により、当社所属コンテンツ・クリエイターが視聴者からの継続的な支持を得ることができなくなった場合、活動頻度が著しく低下した場合、又は活動の継続が困難になった場合等には、関連するIP、コンテンツ又は商品等の付加価値の低下を通じて当社のレピュテーション、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 個別のコンテンツ・クリエイターを見た場合、これらのリスクは高くない頻度で顕在化する可能性がありますが、当社では健全なコンテンツ配信を推進し、スキャンダル、炎上、誹謗中傷等に対処し、コンテンツ・クリエイターの健康的な活動をサポートする技術的、組織的体制の拡充、関連する業界団体との連携、及び多様な人気VTuberによるプロダクション全体としてのコンテンツ供給の安定化等により対策を図っております。 ② 動画内容に不適切な内容が入ることによるレピュテーションリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は所属するコンテンツ・クリエイターによる公序良俗の違反や知的財産権の侵害が発生することを未然に防止するために、ガイドライン等の拡充やコンテンツ・クリエイターの指導に努めております。 また、そのような事象若しくはその兆候が発生した場合には、速やかにそれを認識し対処を行うための配信動画のモニタリング等の管理体制の整備にも努めております。 しかしながら、日々のコンテンツ配信の中で予期せぬ事象が発生した場合には、当社や所属コンテンツ・クリエイターのレピュテーションの低下や紛争につながる等、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 情報セキュリティについて(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社は事業活動を通して、顧客や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上の機密情報を保有しております。 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し社内で運用する他、従業員研修の実施等、これらの情報管理には万全な方策を講じておりますが、万一当社の従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、当社が企業としての社会的信用を喪失し、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 知的財産権について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社は当社が運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社が使用する商標・技術・コンテンツ等についての保護を図っておりますが、模倣品の流通、海賊版の制作等により当社の知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が使用する技術、コンテンツについて、知的財産権の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 顧客、取引先又はその他第三者との係争について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は、法令及び契約などの遵守のため、リスク・コンプライアンス管理規程を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。 しかしながら、今後当社が事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があり、係る訴訟の内容及び結果によっては、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、多大な訴訟対応費用の発生や当社の社会的信用の毀損によって、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 新規事業について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社はUGCコミュニティの強化及びファン層の拡大・維持を企図して、新規事業としてメタバースサービスの開発を行っております。 同サービスにより、3D仮想空間の中でVTuberとファンが直接交流できる機会等を提供できるようになる予定であります。 同新規事業は、そのリスク等について企画及び開発段階から十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針であります。 しかしながら、同新規事業の展開においては、不確定要素が多く存在することから、当社の想定通りに進捗しない、期待するシナジーが得られない又は法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する等の可能性があり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 新スタジオの稼働について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は配信コンテンツの拡充及び制作リソースの拡充を企図して、2023年4月より新しい配信用スタジオの稼働を開始しております。 稼働開始後は十分な人員を確保したうえで、投資回収を図っていく想定でおりますが、人的リソースの不足や、稼働管理の不備等により期待した機能を達成できない可能性があり、減損損失の発生等による当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 会社組織に関するリスク① 人材の確保・育成について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社が今後とも企業規模を拡大し、より良いサービスを提供していくためには、個性豊かなコンテンツ・クリエイター、専門性の高い技術者等の他、コーポレート部門等においても当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。 当社は、規模拡大やサービス向上に必要な人材確保のために、今後もより一層積極的な採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、想定通りの採用が進まない等優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② レピュテーションリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社の事業においては、当社及び当社が提供するサービスの認知度、ブランドイメージや社会的信用の維持及び向上に努めておりますが、当社によるプロモーション活動が奏功する保証はありません。 また、当社サービスの欠陥や個人情報及び機密情報の流出等並びに当社や当社が提供するサービスに関する風評被害の発生等により、ブランドイメージや社会的信用が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 事業体制及び内部管理体制について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社は2016年6月に設立され、未だ社歴が浅く成長途上にあり、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社の事業体制及び内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。 事業規模に適した事業体制及び内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 経営成績及び財政状態などについて① 社歴が浅いことについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は2016年6月に設立されており、設立後の経過期間は8年程度と社歴の浅い会社であります。 また、当社は急速な成長過程にあり、業績は新規IPの公表や大型イベントの実施等に関連した季節性にも依存するため、過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ② 業績の季節変動について(顕在化可能性:大、影響度:中、顕在化の時期:短期)当社の業績は消費者の長期休暇期間や大型イベントの実施時期等に関連した売上高の季節性に依存するため、特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難であります。 ③ 配当政策について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:未定)当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題と位置づけております。 現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。 このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。 将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (5) その他① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:中、影響度:大、顕在化の時期:中期)当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与している他、今後も優秀な人材確保のため新株予約権その他のエクイティ・インセンティブプランを発行する可能性があります。 これらの新株予約権が権利行使された場合等には、当社株式が新たに発行又は交付されることにより、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、係る株式が一度に大量に市場へ流出することとなった場合などには、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 本書提出日現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は4,942,200株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計67,093,100株の7.4%に相当します。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産)当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より6,826百万円増加し、22,713百万円となりました。 これは主に、現金及び預金の増加873百万円、マーチャンダイジング分野が好調に推移し商品仕入高が増加したことに伴う商品の増加662百万円、自社ECの利用が増加したこと等による未収入金の増加733百万円、新スタジオ建設及び本社移転を中心とした有形固定資産の増加2,162百万円及びメタバースサービス「ホロアース」開発に伴うソフトウエア仮勘定を中心とした無形固定資産の増加1,384百万円によるものであります。 (負債)当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より2,688百万円増加し、11,569百万円となりました。 これは主に、自社ECの受注販売数が増加したこと等による前受金の増加1,017百万円及び新スタジオの稼働開始、新本社オフィスへの移転等に伴い資産除去債務が918百万円増加したことによるものであります。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末より4,137百万円増加し、11,143百万円となりました。 これは主に、利益剰余金が4,137百万円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当事業年度における国内外の経済環境は、防疫対策の緩和を受けて消費者のライフスタイルに変化が見られた一方で、物価、為替の変動等を背景とした先行き不透明感が継続しました。 このような環境のもと、当社はミッションとして「つくろう。 世界が愛するカルチャーを。 」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 当事業年度につきましては、音楽活動を通じた多面的なメディア露出や海外及び国内におけるイベント出展等により、各地域での当社IPの認知拡大を推進し、結果として当社所属VTuberのYouTubeチャンネル登録総数(注)は2024年3月末時点で8,840万人(前期比17.0%増)まで伸長しました。 新規デビューVTuberとしては、2023年7月に英語圏向け女性VTuberグループ「ホロライブEnglish」より5名、2023年9月にホロライブプロダクション傘下の新グループ「hololive DEV_IS」より5名、2023年11月に英語圏向け男性VTuberグループ「ホロスターズEnglish」より4名をそれぞれデビューさせており、所属VTuber及びそのファン層の多様化を企図しております。 その結果、当事業年度の配信/コンテンツ分野の売上高は通年で7,647百万円(前期比20.6%増)となりました。 ライブ/イベント分野におきましては、2023年7月にホロライブプロダクション初の北米での主催ライブ《hololive English 1st Concert -Connect the World-》を実施した他、2024 年3 月に実施した大型イベント《hololive SUPER EXPO 2024 Supported By BANDAI 》と《hololive 5th fes. Capture the Moment Supported By Bushiroad》も盛況となりました。 その結果、当事業年度のライブ/イベント分野の売上高は通年で5,601百万円(前期比63.4%増)となりました。 マーチャンダイジング分野におきましては、商品販売チャネルの拡充が進捗し、EC販売に加えて国内外の小売店への商品配荷が増加しました。 提供商品の価格帯や商品種も多様化が進んでおり、以前にも増して幅広いお客様に商品を手に取っていただく機会が増加しております。 その結果、当事業年度のマーチャンダイジング分野の売上高は通年で12,477百万円(前期比55.9%増)となりました。 ライセンス/タイアップ分野におきましては、IPの影響力拡大を背景として取引先企業が件数、規模ともに拡大しており、ゲーム企業のような近接業種の企業に加え、消費財企業のような非近接業種の企業との取引も増加しました。 その結果、当事業年度のライセンス/タイアップ分野の売上高は通年で4,440百万円(前期比65.9%増)となりました。 以上の結果、当事業年度における売上高は30,166百万円(前期比47.5%増)、営業利益は5,536百万円(前期比62.0%増)、経常利益は5,623百万円(前期比66.1%増)、当期純利益は4,137百万円(前期比65.0%増)となりました。 (注)YouTubeチャンネル登録総数は、2024年3月31日時点の所属VTuber及び公式のYouTubeチャンネル登録数の総和 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。 )は、前事業年度末に比べ873百万円増加し、8,666百万円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動により獲得した資金は4,765百万円となりました。 これは主に、増加要因として、税引前当期純利益5,722百万円、前受金の増加による収入1,017百万円があった一方で、減少要因として、未収入金の増加額723百万円、法人税等の支払額1,237百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動により支出した資金は3,893百万円となりました。 これは主に、有形固定資産の取得による支出2,429百万円、無形固定資産の取得による支出1,267百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動により支出した資金は0百万円となりました。 これは、単元未満株式の買取に係る自己株式の取得による支出によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.仕入実績当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。 サービスの名称金額(百万円)前期比(%)マーチャンダイジング 3,699 166.0合計 3,699 166.0 (注) 当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 c.受注実績当社は概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 d.販売実績当事業年度における販売実績を主要サービスごとに示すと次のとおりであります。 サービスの名称金額(百万円)前期比(%)配信/コンテンツ 7,647 120.6ライブ/イベント 5,601 163.4マーチャンダイジング 12,477 155.9ライセンス/タイアップ 4,440 165.9合計 30,166 147.5 (注) 1.当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、上記ではサービス別の販売実績を記載しております。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先前事業年度当事業年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)Google LLC5,32726.06,41321.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (売上高)当事業年度の配信/コンテンツ分野は、各地域での当社IPの認知拡大を推進した結果、当社所属VTuberのYouTubeチャンネル登録者数が伸長しました。 また、ライブ/イベント分野におきましては、ホロライブプロダクション初の北米での主催ライブを実施した他、大型イベントも盛況となり好調に推移しました。 マーチャンダイジング分野におきましては、商品販売チャネルの拡充が進捗し、EC販売に加えて国内外の小売店への商品配荷が増加しました。 ライセンス/タイアップ分野におきましては、取引先企業が件数、規模ともに拡大しており、ゲーム企業のような近接業種の企業に加え、消費財企業のような非近接業種の企業との取引も増加しました。 これらの結果、当事業年度の売上高は、30,166百万円(前期比47.5%増)となりました。 (売上原価、売上総利益)当事業年度の売上原価は、16,177百万円(同46.3%増)となりました。 主な要因は、マーチャンダイジング分野における販売拡大に伴う仕入の増加及びライブやイベントの開催に伴う費用の増加によるものであります。 この結果、売上総利益は13,988百万円(同48.9%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は、8,451百万円(同41.4%増)となりました。 主な要因は、グッズ販売に関する諸経費、事業規模拡大に伴う人件費、支払報酬の増加等によるものであります。 この結果、営業利益は、5,536百万円(同62.0%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常利益)当事業年度の営業外収益は、116百万円(前期は2百万円)となりました。 これは主に、為替差益108百万円を計上したことによるものであります。 当事業年度の営業外費用は、30百万円(同10.7%減)となりました。 これは主に、和解金25百万円を計上したことによるものであります。 この結果、経常利益は、5,623百万円(同66.1%増)となりました。 (特別損益、当期純利益)当事業年度においては、特別利益として受取損害賠償金160百万円、特別損失として移転損失60百万円がそれぞれ発生しました。 法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)1,584百万円を計上した結果、当期純利益は4,137百万円(同65.0%増)となりました。 なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の運転資金需要のうち主要なものは、所属VTuberへの報酬やグッズ制作原価等の売上原価の他、人件費や地代家賃、グッズ販売に伴う倉庫費用や決済手数料等の販売費及び一般管理費といった営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、配信用スタジオの設備更新や新規事業・新規サービスの開発費用等であります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資資金共に自己資金での運用を基本としておりますが、資金繰りが悪化する傾向が見受けられる場合には、金融機関による借入やエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較したうえで実施することを想定しております。 なお、第8期事業年度末(2024年3月31日)における現金及び現金同等物の残高は8,666百万円となっております。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営成績に影響を与えるおそれがあるリスクが存在していることを認識しております。 これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載のとおり、主な経営指標としてYouTubeチャンネル登録数、売上高、サービス別売上高を経営上重要な指標として位置付けております。 当社ではYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて、所属VTuberによる高頻度なライブ配信、3Dモーション・キャプチャー・スタジオを用いたバーチャルライブ・コンサート、IPアセットを用いたアニメーション・コンテンツ等の供給を行うことに加え、二次創作ガイドラインを定めたうえでファンによる二次創作活動を幅広く奨励しております。 この結果、当社のVTuberは幅広いファンからの支持を得ていると認識しており、当社が保有するホロライブプロダクションのYouTubeチャンネル登録数は延べ8,840万登録を超えました。 こうした大きなファンベースの存在が魅力的な演者や国内外の主要なクリエイターとの継続的な共創を可能としております。 YouTubeチャンネル登録数の推移 (単位:人)前事業年度末当事業年度末75,577,50088,409,800 サービス別売上の推移(単位:百万円)サービスの名称前事業年度当事業年度配信/コンテンツ6,342 7,647 ライブ/イベント3,429 5,601 マーチャンダイジング8,003 12,477 ライセンス/タイアップ2,676 4,440 合計20,451 30,166 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 (1) バーチャルYouTuber基本契約契約締結日コンテンツ・クリエイターにより異なる契約の名称バーチャルYouTuber基本契約相手方の名称コンテンツ・クリエイター契約期間コンテンツ・クリエイターにより異なる契約の概要当社はコンテンツ・クリエイターに対し、動画配信その他のコンテンツ・クリエイター活動を委託し、コンテン・ツクリエイター活動に用いる立ち絵を含む当社著作物及びアプリケーションの利用等を許諾する。 対価:コンテンツ・クリエイター活動によって当社が得た収益のうち一定の料率を乗じたものをコンテンツクリエイターに支払う。 (2) Live2D利用契約契約締結日2018年6月1日契約の名称Live2D出版許諾契約相手方の名称株式会社Live2D契約期間期間の定めのない契約契約の概要 株式会社Live2Dが保有する許諾SDK(ソフトウエア開発キット)を組み込んだアプリケーション(以下、「派生アプリケーション」という)を制作し、派生アプリケーションを使用してYouTube等の動画配信プラットフォームで動画配信等を行う。 対価:派生アプリケーションを使用して得た収益に一定の料率を乗じたものを株式会社Live2Dに支払う。 (3) コンテンツ管理契約契約締結日2021年12月9日契約の名称CONTENT LICENSE AGREEMENT相手方の名称Google LLC契約期間契約締結日から1年間(自動更新あり)契約の概要当社が著作権を有する動画コンテンツの利用許諾を行い、Google LLCから提供されるツールを使用してYouTube上で当該コンテンツを管理し、当該コンテンツから生じる広告収益を受領する。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社では、主に配信やメタバースに関する新規技術の開発を行う専門の部署を設けており、当該部署において研究開発活動を行っております。 当事業年度におけるこれらの研究開発費の総額は21百万円であります。 なお、当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当事業年度の設備投資の総額は2,429百万円となりました。 これは主に、新スタジオ建設及び本社移転に伴う内部造作、什器備品及び音響・ネットワーク機器の取得によるものであります。 ソフトウエアについては、メタバースプラットフォーム等の開発に関連して1,280百万円の投資を行いました。 当事業年度に重要な設備の除却又は売却はありません。 なお、当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は以下のとおりであります。 2024年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物附属設備工具、器具及び備品ソフトウエア合計本社他(東京都港区)事務所設備600 279 159 1,039 456(106)スタジオ(東京都港区)スタジオ設備1,600 1,366 84 3,051 81(12) (注)1.帳簿価額には、建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定は含まれておりません。 2.当社には、現在休止中の設備はありません。 3.金額には、消費税等は含まれておりません。 4.建物は賃借物件であり、その概要は下記のとおりであります。 2024年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容賃借床面積(㎡)年間賃借料(百万円)本社他(東京都港区)本社事務所4,100 446 スタジオ(東京都港区)スタジオ設備5,918 608 5. 従業員数は、就業人員数(正社員及び契約社員)であります。 臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、派遣社員を除く)は、期末雇用人員数を( )外数で記載しております。 6. 当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 21,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 2,429,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 33 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 2 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,256,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 谷郷元昭東京都江東区20,835,90034.09 バレー株式会社東京都中央区銀座1丁目22-11 銀座大竹ビジデンス2階3,300,0005.40 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-122,711,1004.44 福田一行千葉県浦安市2,606,4004.26 AT-Ⅱ投資事業有限責任組合東京都港区虎ノ門5丁目11-1 オランダヒルズ森タワーROP12031,727,4002.83 東京短資株式会社東京都中央区日本橋室町4丁目4-101,500,0002.45 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR1,363,7002.23 日本証券金融株式会社東京都中央区日本橋茅場町1丁目2-10号937,3001.53 伊藤将雄東京都品川区930,4001.52 須田仁之東京都江東区834,4001.37計-36,746,60060.12 |
株主数-金融機関 | 7 |
株主数-金融商品取引業者 | 36 |
株主数-外国法人等-個人 | 181 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 148 |
株主数-個人その他 | 35,275 |
株主数-その他の法人 | 156 |
株主数-計 | 35,803 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 須田仁之 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式830当期間における取得自己株式-- (注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求による株式数は含めていません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首(株)増加(株)減少(株)当事業年度末(株)普通株式61,124,200--61,124,200 2.自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首(株)増加(株)減少(株)当事業年度末(株)普通株式-83-83 (注)増加の内訳は以下のとおりであります。 単元未満株式の買取りによる増加 83株 |
Audit1
監査法人1、個別 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年6月28日カバー株式会社取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士髙橋 康之㊞ 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士篠田 友彦㊞ <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているカバー株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第8期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、カバー株式会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ライブ/イベント及びライセンス/タイアップにおける収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、注記事項「(セグメント情報等)【関連情報】 1.製品及びサービスごとの情報」に記載のとおり、配信/コンテンツ、ライブ/イベント、マーチャンダイジング、ライセンス/タイアップのサービスを展開している。 このうち、当事業年度におけるライブ/イベント及びライセンス/タイアップに係る売上高は10,041百万円であり、損益計算書における売上高の33.3%を占めている。 ライブ/イベントにおいては、オフライン、オンラインでのチケット販売収益、イベントに際した物販収益及びイベントの様子を収録した映像ソフトウエアの販売収益等多岐にわたるサービスを提供している。 また、一部の収益については入手可能な情報等に基づいて概算額で収益計上を行っている。 このように取引の種類が複数存在し、取引によって収益の計上額や計上時期が異なることから、取引種類ごとの収益認識の適切性について慎重な検討が必要となる。 ライセンス/タイアップにおいては、取引先と個別に契約を締結しており、案件によって取引の形態や規模、契約条件等が異なるため、案件ごとの収益認識の適切性について慎重な検討が必要となる。 以上から、当監査法人はライブ/イベント及びライセンス/タイアップにおける収益認識の適切性が、当事業年度において監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、ライブ/イベント及びライセンス/タイアップにおける収益認識の適切性を判断するため、主に以下の監査手続を実施した。 ・ライブ/イベント及びライセンス/タイアップに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 ・ライブ/イベント及びライセンス/タイアップの主要取引先等に対して期末売掛金の残高確認を実施した。 ・ライブ/イベント及びライセンス/タイアップに係る一定の基準に基づいて抽出した取引について、契約書、取引先からの売上報告書、入金明細書等の関連証憑と照合し、収益の計上額や計上時期が適切であるかどうか検討した。 ・ライブ/イベント及びライセンス/タイアップの4月の総勘定元帳を閲覧し、売上高がマイナス計上されている項目についてその理由を質問した。 ・期中に発生したライブ/イベントに係る売上高の概算計上に対して、概算計上額と最終的な確定額とを比較し、概算計上額の精度を評価した。 ・期末時点で概算計上を行っているライブ/イベントに係る売上高について、収支管理表の閲覧及び会社への質問により概算計上となる案件の概要を確かめたうえで、概算計上の根拠となる外部証憑と照合した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 793,000,000 |
その他、流動資産 | 232,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 1,645,000,000 |
建設仮勘定 | 215,000,000 |
有形固定資産 | 4,062,000,000 |
ソフトウエア | 244,000,000 |
無形固定資産 | 2,449,000,000 |
繰延税金資産 | 262,000,000 |
投資その他の資産 | 1,402,000,000 |
BS負債、資本
未払金 | 356,000,000 |
未払法人税等 | 1,184,000,000 |
未払費用 | 1,121,000,000 |
賞与引当金 | 312,000,000 |
資本剰余金 | 970,000,000 |
利益剰余金 | 9,196,000,000 |
株主資本 | 11,139,000,000 |
負債純資産 | 22,713,000,000 |
PL
売上原価 | 16,177,000,000 |
販売費及び一般管理費 | 8,451,000,000 |
受取利息、営業外収益 | 0 |
為替差益、営業外収益 | 108,000,000 |
営業外収益 | 116,000,000 |
営業外費用 | 30,000,000 |
特別利益 | 160,000,000 |
特別損失 | 60,000,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 1,575,000,000 |
法人税等調整額 | 9,000,000 |
法人税等 | 1,584,000,000 |
PL2
当期変動額合計 | 4,137,000,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 476,000,000 |
賞与引当金の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 102,000,000 |