財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-28 |
英訳名、表紙 | DNA Chip Research Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 的 場 亮 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区海岸一丁目15番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-5777-1700 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 当社名誉所長である松原謙一は、長年遺伝子関連の先端研究を行っており、この研究活動の成果を事業化するとともに、高い技術を保持し、かつグローバルな視点からの競争力のある技術を絶えず開発していくことでわが国のバイオ産業の発展に貢献するため、この目的に賛同されたライフサイエンス分野で活躍されている方々の出資、協力を受け、1999年4月1日に当社を設立いたしました。 年月経歴1999年4月株式会社デイエヌエイチップ研究所を神奈川県横浜市保土ヶ谷区に設立(資本金2,200万円)、DNAチップの研究を開始1999年4月日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(現「株式会社日立製作所」)と共同研究開始1999年8月国産第一号となる汎用DNAチップ「Yeast Chip ver 1.0」を販売開始2001年12月横浜市鶴見区(「横浜サイエンスフロンティア」地区)に本社移転、集約化2002年9月Ace Gene「Human Oligo Chip 30k」を販売開始2002年11月商号を「株式会社DNAチップ研究所」に変更2003年6月普通株式1株を2株に分割(分割により増加した株式数:普通株式6,300株)2003年6月Ace Gene「Mouse Oligo Chip 30K」を販売開始2004年3月東京証券取引所マザ-ズ市場に株式上場2004年6月「Ace Gene 30K on One Chip version」を販売開始2004年9月「Hyper Gene Rat cDNA Chip」を販売開始2005年5月普通株式1株を2株に分割(分割により増加した株式数:普通株式13,600株)2005年11月新規なアミノ化試薬を開発し、シグマアルドリッチジャパン株式会社とライセンス契約を締結2006年4月「Ace Gene Premium Human」を販売開始2006年5月「Probe Bank」を搭載した「3D-Gene」(酵母全遺伝子型チップ)を販売開始2006年6月第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行2006年11月米国Agilent Technologies Inc.とDNAマイクロアレイ事業で戦略的提携2006年12月第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の全額株式への転換完了2007年5月「ConPath Chip」及び「ConPath Navigater」を開発し、新たな受託解析事業を開始2007年8月学校教育向け遺伝子解析教材「ハイブリ先生」を販売開始2007年11月「Probe Bank」が「第24回神奈川工業技術開発大賞」奨励賞を受賞2008年3月ヒュービットジェノミクス株式会社からゲノム解析事業を移管2008年3月RNAチェックによるリウマチ抗体医薬の薬効診断臨床実験を開始2008年3月「MammaPrint」による乳癌予後予測検査サービス事業の開始2009年4月プライバシーマーク付与認定2010年7月竹田理化工業株式会社、米国WaferGeneBiosystems,Inc.と戦略的提携 次世代型超高速超高感度リアルタイムPCR装置(「SmartChip」)の国内独占販売、受託サービスを開始2011年1月株式会社理研ジェネシスと遺伝子解析サービスで業務提携2011年3月臨床研究遺伝子発現データベース「iCIS-crdb」の製品発表、販売開始2011年4月臨床現場向け関節リウマチ問診システム「iRIS」の製品発表、販売開始2011年12月「T BONE EX KIT」硬組織(歯牙・骨)用DNA抽出キットの製品発表、販売開始2013年10月普通株式1株を100株に分割(分割により増加した株式:普通株式3,355,803株)及び単元株制度(単元株式数:100株)の採用2013年10月米国 Agilent Technologies Inc.と次世代シークエンス解析事業で戦略的提携 2014年8月株式上場市場を東京証券取引所市場第二部へ変更2014年11月株式会社エンプラスと資本業務提携契約を締結 2015年11月東京都港区に研究施設及び事務所を移転2017年6月監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行2020年5月株式会社エンプラスと資本業務提携契約を解消2021年11月合同会社ジーンメトリックスと肺がんコンパクトパネル事業について業務提携2022年4月東京証券取引所市場第二部からスタンダード市場へ移行2022年10月神奈川県川崎市にメディカルラボラトリーを設立2023年1月三井化学株式会社と資本業務提携契約を締結 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社は、受託解析を行う「受託事業」、関連技術の研究開発を行う「研究事業」、核酸解析の技術を用いた診断サービスの開発や販売を行う「診断事業」を主な事業の内容としており、この事業区分ごとに包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。 なお、2023年4月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更したことに伴い、当事業年度から、従来の「研究事業」セグメントを受託解析を事業とする「受託事業」と研究開発を事業とする「研究事業」に分割しております。 過去3期間における事業別売上高推移は次の表のとおりであります。 セグメントの名称2022年3月期2023年3月期2024年3月期売上高(千円)構成比(%)売上高(千円)構成比(%)売上高(千円)構成比(%)受託事業376,31087.9297,02690.7268,06254.7研究事業――――47,6089.7診断事業51,62412.130,5099.3174,79135.6合計427,935100.0327,535100.0490,462100.0 (注) 1 数量については、その内容が多岐にわたるため記載を省略しております。 2 売上高には、消費税等は含まれておりません。 (1) 受託事業受託事業におきましては、大学や公的研究機関、製薬会社等の企業を主要な顧客として次世代シークエンス、マイクロアレイ実験解析等を行っております。 顧客の目的に合わせた実験デザインの提案、データ解析及びサポートの対応に注力しております。 受託事業の主なサービスには、次世代シークエンス受託解析サービス、マイクロアレイ受託解析サービス及びデジタルPCR解析を含むその他遺伝子解析サービスがあり、次のような種類があります。 ① 次世代シークエンス受託解析サービス次世代シークエンサーにより、DNAやRNAを網羅的に解読することで、遺伝子の変異や細胞中の遺伝子の量を測定することができます。 主要なサービスは以下のとおりです。 ・遺伝子発現解析サービス (RNA-Seq)各種生物種由来のRNAサンプルから、遺伝子発現量を測定します。 FFPE由来の分解したサンプルや微量のサンプルなど、様々なサンプルに対応しています。 ・miRNA遺伝子発現解析サービス (miRNA-Seq)各種生物種由来のRNAサンプルから、miRNA発現量を測定します。 血清や血漿、がんとの関わりの深いエクソソーム中のmiRNAの発現解析などに対応しています。 ・エクソーム解析、全ゲノム解析サービス遺伝子全体あるいは遺伝子のある領域のみを濃縮して解析することにより、効率的に遺伝子上の変異を検出します。 希少疾患の原因やがんの原因となる遺伝子を網羅的に探索することができます。 ・がんパネル解析 がん遺伝子の特定の領域における遺伝子変異を高感度に検出します。 ・エピジェネティクス解析 DNAメチル化解析により、遺伝子の転写調節にかかるゲノム領域の探索を網羅的に行います。 ・16S rRNA解析、メタゲノムショットガン解析(細菌叢解析) 糞便・唾液・皮膚等のサンプルから、ヒト腸内や環境中に含まれる細菌叢の同定を行います。 ② マイクロアレイ受託解析サービスマイクロアレイ受託解析サービスは以下のとおりです。 ・遺伝子発現解析サービス各種生物種由来のRNAサンプルから、遺伝子発現量を測定します。 ・ゲノム構造解析サービスDNAの微細な領域の構造(欠損、重複、コピー数変化等)を測定します。 ・C3チェックサービス当社独自開発のカスタムアレイCGH解析により、培養工程におけるゲノムコピー数異常を高精度に検出し、再生医療用細胞の品質評価を行います。 ③ その他遺伝子解析サービス微量な遺伝子の絶対定量が可能な「デジタルPCR受託サービス」を提供しています。 また、生体サンプル(細胞や組織等)からの「核酸(DNA/RNA)抽出サービス」にも力を入れています。 ・デジタルPCR受託解析サービス低濃度のサンプルを使って、高い精度で検量線を作成せずに絶対定量を行うことができ、わずかなコピー数の差の違いを検出することができます。 遺伝子の変異解析等に利用されます。 ・核酸(DNA/RNA)抽出サービス細胞や組織等の各種生体サンプルから、次世代シークエンスやマイクロアレイの目的に応じた核酸(DNA/RNA)抽出を行います。 (2) 研究事業① 次世代シークエンサーを使用したがん診断技術に関する研究開発 EGFRリキッドの技術をさらに改良した、NOIR-SS技術(分子バーコード技術を用いて高感度かつ正確な分子数測定が可能となる超低頻度変異DNAの検出技術)の研究開発に取り組んでおります。 これは、複数の遺伝子を、高い精度で変異検査ができる技術です。 この技術の活用範囲として、リキッドバイオプシー(内視鏡や針を使って腫瘍組織を採取する方法に代えて、血液などの体液サンプルを使用する方法)による低侵襲的遺伝子検査、クリニカルシークエンスによる個別化医療、血液からのがん再発の早期発見、免疫チェックポイント阻害剤の効果判定などが期待されております。 肺がんコンパクトパネル開発・薬事戦略・プログラム医療機器システム構築のノウハウを他癌種のコンパニオンパネル検査へ応用する開発も進めております。 肺癌以外でも、複数の薬剤が上市されることで一括パネル検査の需要が高まっている癌種も増えてきており、国内の診療ニーズにマッチしたパネル製品の開発を目指しています。 これらの研究は、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学及び地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター及び聖マリアンナ医科大学など、国内のがん関連の研究機関・病院と共同で開発を進めております。 ② RNAチェックの研究開発 大学・研究機関との共同研究等により、将来の診断・創薬に役立つ遺伝子の働きを検査する新しい方法を開発しております。 その方法は、“RNAチェック”(遺伝子発現検査)と呼び、遺伝子の「変異」を調べるDNA検査(遺伝子検査)とは別の検査方法で、遺伝子の種類と量を調べる検査です。 その検査対象は、人、動物、植物、微生物、細菌(ウィルス)など生物の血液・組織等の検体であり、現在、このRNAチェックに基づいた次の研究開発を進めております。 主なものとしましては、学校法人慶應義塾大学、学校法人埼玉医科大学及び学校法人北里大学との共同による抗リウマチ薬の効果予測についての研究や、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとの共同によるうつ病の早期発見を目的としたバイオマーカー研究などを進めております。 これらの共同研究を通して、将来の診断・創薬に役立つRNAチェック技術の実用化に向けた研究を進めております。 ③ 三井化学株式会社との協業 三井化学株式会社と資本業務提携契約を締結したことにより、当社の遺伝子解析技術と三井化学株式会社のライフサイエンス関連技術を有効に活用、更に、両社が有するネットワークや経営資源を活用することで、両社が協力し、検査・診断領域での新事業を創出することを目的に協議を進めております。 2024年度中に新しく共同研究開発に着手する予定です。 なお、研究開発活動の詳細につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。 (3) 診断事業診断事業は、当社が培ってきた遺伝子解析技術を活用して、社会のニーズである「個別化医療」や「未病社会」に対応した以下の検査を社会に広めることを目的とした事業で、医療関連機関や研究機関、企業等を主要な対象顧客としております。 診断事業の主なメニューは「肺がん コンパクトパネルⓇ」及び「MammaPrint」であります。 ① 肺がん コンパクトパネルⓇ 当社の肺がん コンパクトパネルⓇは、肺癌患者さんそれぞれの遺伝子異常に対応した個別化医療・精密医療を実現するためのコンパニオン診断検査です。 現在、EGFR ALK MET BRAF ROS1 KRAS RET ERBB2(HER2) NTRKといったドライバー変異に対応する分子標的薬が上市されており、一括で遺伝子変異の検査が可能なパネル検査の重要性が高まってきております。 肺がん コンパクトパネルⓇは、肺癌に特化して薬剤投与につながる遺伝子変異にターゲットを絞り、高感度かつ一括での遺伝子パネルコンパニオン診断を提供いたします。 組織生検から抽出する核酸のクオリティは、患者さんの検体ごとによってまちまちですが、クオリティの悪い検体にも対応可能な設計となっています。 また、胸水・細胞診といったこれまでにパネル検査の実施が難しかった検体種へ適用することも可能なシステムであり、より多くの患者さんにお薬を届けることができるようになると期待しております。 年間11万人といわれている新規肺がん患者を対象とした初回検査において、パネル検査の普及が進んでおり、対象薬剤および対象遺伝子が増えてきたことから、単一遺伝子検査の積み上げで対応することは困難になってきています。 このような状況から、パネル検査の実施割合は今後さらに増えていくことが予想されます。 また、手術時の補助療法としての分子標的薬の有用性も示され、低ステージ肺癌での検査需要が増えてきております。 また、薬剤耐性時の獲得耐性変異の検査ニーズも高まっており、コンパニオン遺伝子検査の対象も広がりつつあります。 将来的に全肺癌症例の半数程度がパネル検査を実施すると推定し、国内全体で年間5万件規模の市場規模になると予想しております。 本検査は国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学と地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターの共同研究成果をもとに、当社が開発・薬事試験を進めてきました。 2022年11月16日に薬事承認を取得し、現在、臨床検査ラボ・メディカルラボラトリー(川崎市)にて保険診療検査サービスを提供しています。 ② NOIR・AI解析 当社は、分子バーコード法と呼ばれる核酸変異検出について、独自の特許技術を有しております。 この技術により、血液中の微量な腫瘍由来DNAを検出したり、免疫発現状態を正確にプロファイルするリキッドバイオプシー検査系の開発と研究用解析サービスの提供をしております。 膨大なデータをAIで処理して臨床的に有用な情報に結びつける技術開発にも取り組んでいます。 ③ MammaPrintMammaPrintは乳がんの再発リスクを予測する遺伝子検査です。 乳がんの予後診断は大変難しく、術後も再発・転移を防ぐための治療が必要となります。 MammaPrintは、手術によって切除されたがん組織の遺伝子発現を調べ、一人一人のがんの再発リスクを明確にします。 その結果、予後のリスクをあらかじめ知ることができ、乳がんの体系的な治療計画を立てることが可能となります。 本検査は、Agendia社(本社オランダ)において行われ、当社はMammaPrintの日本国内における販売代理店となっております。 事業の系統図は次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)3745.28.95,919 セグメントの名称従業員数(名)受託事業11研究事業7診断事業12全社(共通)7合 計37 (注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3 全社(共通)は、総務・経理等管理部門及び営業部の従業員であります。 (2) 労働組合の状況労働組合の結成はありませんが、必要の都度従業員代表と意見交換を行っております。 その結果、労使関係は相互信頼のもと安定的に維持されております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の事業分野でありますライフサイエンス分野は、近年、新たなモダリティの発明と精密化医療の技術革新が続いており、治療成績が向上しております。 最新のがん治療におきましては、従来の三大治療である「手術(外科治療)」、「薬物治療(抗がん剤治療)」、「放射線治療」に加えて、「免疫療法(体の中に侵入した異物を排除するために、生まれながらに備えている能力を高め、がんの治療を行う方法)」が注目されています。 近年、免疫療法に用いる「免疫チェックポイント阻害剤」が医薬品として承認され、従来自由診療であった免疫療法による治療が一部保険診療可能となり、患者負担が少なく治療を受けることが可能となりました。 また、遺伝子解析技術の向上により、今後がん予防や治療に新たな展開が期待されております。 このような環境下において、当社は、最も重要な経営課題を「開発力強化と事業化加速」と捉え、既存の受託事業の成長と、新しい診断事業におけるオンコロジー分野でのコンパニオン診断の普及に取り組んでおります。 また、さらなる診断事業拡大のためには、開発人材及び学術部隊の補強、営業拡販戦略及び広報体制の拡充、知財戦略の見直しと強化を進める必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 肺がん コンパクトパネルⓇの製品改良及び市場への普及に向けた取り組み当社は、肺がん コンパクトパネルⓇの市場への普及を重点課題と捉え各種薬事試験と普及活動を進めております。 2022年11月16日にEGFR ALK ROS1 METの4遺伝子を搭載した製品として薬事承認を取得し、現在、国内のマルチコンパニオン検査としては、国産初となるプログラム医療機器検査サービスをメディカルラボラトリー(川崎市)にて提供しています。 当社検査ラボに一括集約・アッセイ解析を実施するLDT検査として、大手検査会社3社(株式会社ビー・エム・エル社、株式会社エスアールエル社、株式会社LSIメディエンス)での検査取り扱いが開始されております。 また、BRAF RET KRAS の3遺伝子をさらに追加する追加承認申請を2022年12月16日に実施し、2024年1月26日にEGFR ALK ROS1 MET BRAF RET KRASの7遺伝子を搭載した製品として統合承認を取得しました。 今後もさらに遺伝子を追加し、新規薬剤にも対応するための追加申請を実施していく予定です。 新しい薬剤の拡張をはじめとした製品改良を進め、臨床現場への普及を促進していきます。 また、学術集会でのセミナー、全国web講演会、動画資材作成など、適正使用に向けた周知活動を強化し、単一遺伝子検査あるいは既存マルチ検査からの切り替えを促進していきます。 ② 診断メニューの拡充当社の重点課題として、診断事業の拡充があります。 診断サービス市場は、国内外で大きな伸びが期待されており、今後の当社事業の大きな柱と位置付けております。 このため、肺がん コンパクトパネルⓇの新規機能追加によるシェア拡大と、海外展開へ向けてターゲットとなりうる地域の調査と検査提供モデルの検討を進めております。 また、他のがん種へのコンパクトパネルシステムの適用など新規検査メニューの開発を積極的に行ない、診断メニューの拡充を推進してまいります。 ③ 人材の確保大学、公的病院等と共同研究開発を進めていく上では、専門的知識と技術を有した人材の確保及び育成とその定着を図ることが重要であると認識しております。 経験豊富な研究者の確保を進めておりますが、今後新規サービスメニュー等新たな研究開発を進めていく上で、さらなる優秀な研究者の確保が必要であり、これら人材の確保に努めてまいります。 また、薬事担当、学術担当、システム開発、臨床検査技師を中心に遺伝子検査にフォーカスした人材補強と各種教育を進めることが重要と考えており、2024年度から臨床検査技師を含め4名の検査要員の増員と薬事対応人員を1名補強しました。 今後、検査対応スタッフのスキルマップの運用や継続技能評価を強化し、システム開発と連動した力量評価のシステム化と技能向上の見える化を進めていく予定としております。 今後も引き続き、検査事業の拡大状況を見ながら、人材補強と教育システムの強化を進めてまいります。 ④ 営業体制の強化当社の営業部門は、人員もまだ少数であり、充分な体制を整えているとは言い難い状況にあります。 診断事業への展開を考慮すると、提案型営業など学術および技術部門とより密接に連携した受注活動が必要であり、営業要員の増員と育成により、顧客ニーズの迅速な取り込みはもとより、顧客第一主義の徹底を図り、製販一体となった受注活動を推進してまいります。 営業スキル強化については、2024年度から日本臨床検査薬協会にも参画し、プロモーションコード教育やガイドライン教育の強化を進めていきます。 また、DMR(臨床検査薬情報担当者)資格取得を目指す仕組みも社内に取り入れ、診断薬および診断関連製品の適正使用情報提供の強化に取り組んでいく予定としております。 ⑤ 特許対応遺伝子関連事業においては、競合会社に対抗していくためには特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると考えております。 当社は、大学、公的病院等と共同研究開発を進めている診断関連コンテンツを中心に積極的に特許権として取得する方針です。 このため、共同研究開発契約でも契約先と共同で特許出願を行う権利確保を標準としております。 今後は、さらに診断事業を中心とした事業展開につながる特許戦略を強化し、共同研究ベースでの特許創出に加え、当社単独での出願も行う方針です。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 当社は、「創造的革新」をモットーに、「世の中に役立つこと」、「人間尊重」を経営理念としております。 21世紀のライフサイエンスは、人類の健康と幸福のために大きな発展をすることが期待されています。 この分野のトップランナーの会社として、常にブレークスルーとグローバル化を意識した最高レベルの技術を磨き、信頼関係に基づく共同研究と自己啓発に努め、「日本及び人類のために」を合言葉とする正当で不偏の経営を進めていきます。 そして当社がこの経営理念に基づく正当で不偏の経営を行うためには持続的社会(サステナビリティ)の実現が不可欠であるため、今般、持続的社会の実現を事業運営の根幹と位置づけ、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取組んでまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)ガバナンス 当社では、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長 的場 亮がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。 (2)戦略 当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 人材育成方針 当社における人材育成方針は、おもに社員研修によって行われており、その意義は「社員研修を通じて、会社の経営理念への理解を深め、会社に対し積極的に貢献できる社員の育成を行う」、「企業人としての資質やスキルの向上を図り、個人個人の能力の引き上げを目指す」、「社員がともに学ぶことにより、部署や階級をまたいだ社員間のコミュニケーションの向上を図る」です。 そして上記社員研修の具体的な目的は①コンプライアンス、リスクマネジメント、品質管理など、法令や会社規則等に定めるルールの理解と順守の実践を目指した教育を行う②遺伝子解析関連業務において業界をリードする会社であり続けるために、最新の知識や技術の習得を推進する③社員誰もが会社の顔として十分なビジネススキルやコミュニケーション能力を発揮できるようビジネス研修を行うことです。 当事業年度ではおもに以下の社員研修が実施されました。 研修内容対象者受託業務勉強会(検体取り扱い知識について)新人及び主として営業従事者受託業務勉強会(NGSについての基礎講座)新人及び主として営業従事者新人研修新人業務改善~ロジカルシンキング研修全社員肺がんコンパクトパネル検査~標準作業書の改定に係る教育診断事業本部プライバシーマーク研修全社員導入評価継続教育診断事業本部第1回ハラスメント研修全社員 上記研修内容にある導入評価継続教育を実施する背景として診断事業では、最適な治療薬を届けるprecision medicine分野で、解析対象に特化してパフォーマンスを向上させるというコンセプトのもと肺がんコンパクトパネル検査の開発を進め、現在、全国からの一括集約検査モデルによるパネル検査サービスを川崎市のラボにて提供しております。 これまでの学術論文の報告を集計した結果、同分野で用いられている既存のパネル検査の検査成功率は、平均83.3%と試算されており、解析失敗による治療の遅れ、再検査対応の労力や再生検の患者さんへの負担、試薬消耗品類の無駄などが問題となっておりました。 肺がんコンパクトパネル検査は、少ない腫瘍細胞でも検査可能であり、遺伝子増幅における設計を工夫しており、高い成功率につながるよう開発と改良を重ねてきました。 成功率の維持を品質目標にも掲げており、月毎に本検査の成功率をモニタリングしております。 また、出検の条件に問題がある場合など提出施設にもフィードバックを行い、継続的な改善にも取り組んでおります。 2023年度の平均成功率は、96.7%でした。 クオリティ基準を下回った一部失敗例においても、参考値のまま出検元施設のご了承のもとで検査を続行したケースも含めると、98.5%の成功率(解析到達率)となっております。 失敗の少ない検査により、素早い治療方針決定のサポートに繋がり、再出検対応及び再検査率の低下や、試薬消耗品の削減につながるため、関連する医療機関や輸送に関わる労力・コスト削減や、CO2削減をはじめとした環境負荷低減にも貢献しているものと考えています。 社内環境整備方針中長期的な企業価値向上のためには、イノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせであります。 このため、専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要になると考えております。 さらに、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できるキャリア採用も積極的に行っております。 具体的には以下の環境を整備しております。 ①副業・兼業等の多様な働き方の推進社員が企業・社会に貢献しようとする主体的な意思を最大限に尊重し、社内外の副業・兼業を含む多様な働き方を選択できるよう、環境を整備しております。 ②リモートワークへの対応コロナ禍を契機に、リモートワークを希望する社員に対しては、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化、社内決裁の簡素化・デジタル化等を行っております。 (3)リスク管理 当社ではリスクを会社が将来生み出す収益に対し影響を与えるあらゆる事象発生の不確実性リスクと定義しております。 その中でもとくに①コンプライアンス、②財務、③サービス品質、④実験事故、⑤情報システム、⑥特許に関連するリスクを重要なリスクと捉えております。 全社的なリスク管理は、内部統制・コンプライアンス委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの選別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、内部統制・コンプライアンス委員会の中でより詳細な検討を行い、共有しております。 優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われております。 (4)指標及び目標 当社では、上記「 (2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績(当事業年度)管理職に占める女性労働者の割合2027年3月までに50.0%41.6%社内研修受講率毎事業年度100.0%100.0%社内ワーキング・グループ参加率毎事業年度100.0%100.0%外部研修受講率2027年3月までに50.0%40.5% |
戦略 | (2)戦略 当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 人材育成方針 当社における人材育成方針は、おもに社員研修によって行われており、その意義は「社員研修を通じて、会社の経営理念への理解を深め、会社に対し積極的に貢献できる社員の育成を行う」、「企業人としての資質やスキルの向上を図り、個人個人の能力の引き上げを目指す」、「社員がともに学ぶことにより、部署や階級をまたいだ社員間のコミュニケーションの向上を図る」です。 そして上記社員研修の具体的な目的は①コンプライアンス、リスクマネジメント、品質管理など、法令や会社規則等に定めるルールの理解と順守の実践を目指した教育を行う②遺伝子解析関連業務において業界をリードする会社であり続けるために、最新の知識や技術の習得を推進する③社員誰もが会社の顔として十分なビジネススキルやコミュニケーション能力を発揮できるようビジネス研修を行うことです。 当事業年度ではおもに以下の社員研修が実施されました。 研修内容対象者受託業務勉強会(検体取り扱い知識について)新人及び主として営業従事者受託業務勉強会(NGSについての基礎講座)新人及び主として営業従事者新人研修新人業務改善~ロジカルシンキング研修全社員肺がんコンパクトパネル検査~標準作業書の改定に係る教育診断事業本部プライバシーマーク研修全社員導入評価継続教育診断事業本部第1回ハラスメント研修全社員 上記研修内容にある導入評価継続教育を実施する背景として診断事業では、最適な治療薬を届けるprecision medicine分野で、解析対象に特化してパフォーマンスを向上させるというコンセプトのもと肺がんコンパクトパネル検査の開発を進め、現在、全国からの一括集約検査モデルによるパネル検査サービスを川崎市のラボにて提供しております。 これまでの学術論文の報告を集計した結果、同分野で用いられている既存のパネル検査の検査成功率は、平均83.3%と試算されており、解析失敗による治療の遅れ、再検査対応の労力や再生検の患者さんへの負担、試薬消耗品類の無駄などが問題となっておりました。 肺がんコンパクトパネル検査は、少ない腫瘍細胞でも検査可能であり、遺伝子増幅における設計を工夫しており、高い成功率につながるよう開発と改良を重ねてきました。 成功率の維持を品質目標にも掲げており、月毎に本検査の成功率をモニタリングしております。 また、出検の条件に問題がある場合など提出施設にもフィードバックを行い、継続的な改善にも取り組んでおります。 2023年度の平均成功率は、96.7%でした。 クオリティ基準を下回った一部失敗例においても、参考値のまま出検元施設のご了承のもとで検査を続行したケースも含めると、98.5%の成功率(解析到達率)となっております。 失敗の少ない検査により、素早い治療方針決定のサポートに繋がり、再出検対応及び再検査率の低下や、試薬消耗品の削減につながるため、関連する医療機関や輸送に関わる労力・コスト削減や、CO2削減をはじめとした環境負荷低減にも貢献しているものと考えています。 社内環境整備方針中長期的な企業価値向上のためには、イノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせであります。 このため、専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要になると考えております。 さらに、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できるキャリア採用も積極的に行っております。 具体的には以下の環境を整備しております。 ①副業・兼業等の多様な働き方の推進社員が企業・社会に貢献しようとする主体的な意思を最大限に尊重し、社内外の副業・兼業を含む多様な働き方を選択できるよう、環境を整備しております。 ②リモートワークへの対応コロナ禍を契機に、リモートワークを希望する社員に対しては、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化、社内決裁の簡素化・デジタル化等を行っております。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社では、上記「 (2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績(当事業年度)管理職に占める女性労働者の割合2027年3月までに50.0%41.6%社内研修受講率毎事業年度100.0%100.0%社内ワーキング・グループ参加率毎事業年度100.0%100.0%外部研修受講率2027年3月までに50.0%40.5% |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 人材育成方針 当社における人材育成方針は、おもに社員研修によって行われており、その意義は「社員研修を通じて、会社の経営理念への理解を深め、会社に対し積極的に貢献できる社員の育成を行う」、「企業人としての資質やスキルの向上を図り、個人個人の能力の引き上げを目指す」、「社員がともに学ぶことにより、部署や階級をまたいだ社員間のコミュニケーションの向上を図る」です。 そして上記社員研修の具体的な目的は①コンプライアンス、リスクマネジメント、品質管理など、法令や会社規則等に定めるルールの理解と順守の実践を目指した教育を行う②遺伝子解析関連業務において業界をリードする会社であり続けるために、最新の知識や技術の習得を推進する③社員誰もが会社の顔として十分なビジネススキルやコミュニケーション能力を発揮できるようビジネス研修を行うことです。 当事業年度ではおもに以下の社員研修が実施されました。 研修内容対象者受託業務勉強会(検体取り扱い知識について)新人及び主として営業従事者受託業務勉強会(NGSについての基礎講座)新人及び主として営業従事者新人研修新人業務改善~ロジカルシンキング研修全社員肺がんコンパクトパネル検査~標準作業書の改定に係る教育診断事業本部プライバシーマーク研修全社員導入評価継続教育診断事業本部第1回ハラスメント研修全社員 上記研修内容にある導入評価継続教育を実施する背景として診断事業では、最適な治療薬を届けるprecision medicine分野で、解析対象に特化してパフォーマンスを向上させるというコンセプトのもと肺がんコンパクトパネル検査の開発を進め、現在、全国からの一括集約検査モデルによるパネル検査サービスを川崎市のラボにて提供しております。 これまでの学術論文の報告を集計した結果、同分野で用いられている既存のパネル検査の検査成功率は、平均83.3%と試算されており、解析失敗による治療の遅れ、再検査対応の労力や再生検の患者さんへの負担、試薬消耗品類の無駄などが問題となっておりました。 肺がんコンパクトパネル検査は、少ない腫瘍細胞でも検査可能であり、遺伝子増幅における設計を工夫しており、高い成功率につながるよう開発と改良を重ねてきました。 成功率の維持を品質目標にも掲げており、月毎に本検査の成功率をモニタリングしております。 また、出検の条件に問題がある場合など提出施設にもフィードバックを行い、継続的な改善にも取り組んでおります。 2023年度の平均成功率は、96.7%でした。 クオリティ基準を下回った一部失敗例においても、参考値のまま出検元施設のご了承のもとで検査を続行したケースも含めると、98.5%の成功率(解析到達率)となっております。 失敗の少ない検査により、素早い治療方針決定のサポートに繋がり、再出検対応及び再検査率の低下や、試薬消耗品の削減につながるため、関連する医療機関や輸送に関わる労力・コスト削減や、CO2削減をはじめとした環境負荷低減にも貢献しているものと考えています。 社内環境整備方針中長期的な企業価値向上のためには、イノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせであります。 このため、専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要になると考えております。 さらに、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できるキャリア採用も積極的に行っております。 具体的には以下の環境を整備しております。 ①副業・兼業等の多様な働き方の推進社員が企業・社会に貢献しようとする主体的な意思を最大限に尊重し、社内外の副業・兼業を含む多様な働き方を選択できるよう、環境を整備しております。 ②リモートワークへの対応コロナ禍を契機に、リモートワークを希望する社員に対しては、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化、社内決裁の簡素化・デジタル化等を行っております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 指標目標実績(当事業年度)管理職に占める女性労働者の割合2027年3月までに50.0%41.6%社内研修受講率毎事業年度100.0%100.0%社内ワーキング・グループ参加率毎事業年度100.0%100.0%外部研修受講率2027年3月までに50.0%40.5% |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 技術革新について当社が属しているライフサイエンス関連市場分野は、技術革新が著しく新技術の研究開発が盛んに行われております。 当社は、最新の技術を利用したサービス展開を主眼に研究開発を行っておりますが、技術革新により他社が同種のサービスを異なる技術を利用して開始し、異なる付加価値が追加された場合や、当社よりも大幅に安価なサービスが市場に提供された場合、期待どおりの収益をあげることができない可能性があります。 (2) 経営上の重要な契約等当社は当事業年度末現在、「5.経営上の重要な契約等」に示すとおりビジネス展開上重要と思われる契約を締結しております。 契約先とは密接な関係があり、相互利益のもとに研究開発を推進していることから、当該契約の解消の可能性は低いと考えておりますが、契約が継続されない場合は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 知的財産権について① 特許について当社が事業を営んでいるバイオ業界は技術革新が著しく、特許が非常に重要視されております。 当社が現在保有している特許は19件でありますが、これ以外に出願中のものが8件あります。 しかしながら、現在出願している特許がすべて成立するとは限らず、他社特許に抵触した場合等、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。 後発品からの技術模倣についても事業拡大局面におけるリスクと捉えています。 社内ノウハウを分析し、特許取得と自社内に留めるノウハウとの切り分けをして特許戦略を推進していきます。 また今後の改良や開発品の事業化に事業抵触するリスクを低減するため、開発初期化からクリアランス調査や自社実施権を確保するための特許化を進めてまいります。 十分な特許対策を実施して事業化を目指していけるよう特許対応戦略を見直し、知財対策体制の強化を継続してまいります。 ② 共同研究における特許の帰属について当社と大学及びその他公的機関に属する研究者との間で実施する共同研究において、その成果となる知的財産権に関しては、共同研究開発契約により各々の権利の持分を定めております。 今後、大学等の特許管理体制の方針転換が行われた場合、新たな費用発生が生じる可能性があり、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法規制等について当社は遺伝子検査サービスの展開や開発において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や「個人情報の保護に関する法律」等の法規制に抵触しないよう進めておりますが、法規制の改正その他規制の強化などの制約を受けた場合、当該サービスの開始の遅れや新たな費用発生など、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。 このため、当社は法規制等に関する動向を注視し、遺伝子検査サービスの開発を行っております。 (5) 政府のバイオ関連政策について大学及びその他公的機関からの研究受託は、当社の売上高の大きな部分を占めております。 政府のバイオ関連政策の変更に伴い、大学及びその他公的機関の研究予算が削減された場合は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、現時点における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響は僅少であります。 (6) 小規模組織であることについて当社は当事業年度末現在で、従業員37名の小規模組織であります。 当社は、業務遂行体制の充実に努めてまいりますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社の業務に支障をきたすおそれがあります。 (7) 提出会社が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象 将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況といたしまして、2006年3月期より、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しております。 当事業年度におきましても営業損失258百万円、経常損失245百万円、当期純損失248百万円、営業キャッシュ・フロー△140百万円を計上しております。 (8) 提出企業が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策「(7) 提出企業が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」の記載に基づき、今後、より詳細に市場動向を調査し中期事業計画を定め、受託事業では遺伝子解析サービスの収益化を、また、診断事業では遺伝子パネル検査等の事業拡大を目指してまいります。 その中で次事業年度は以下の施策に取組み、1,100百万円の売上確保を目標としております。 受託事業におきましては、当社のノウハウを活用した提案型研究受託の営業強化を図るとともに、実験デザインの提案、検体の受領からデータ解析まで、顧客ニーズに応じた一気通貫の大型案件の受注へつなげてまいります。 さらに、最新技術の導入やアカデミア等との連携強化を行い、新サービスメニュー開発による他社との差別化を図ってまいります。 研究事業におきましては、次世代シークエンサーを使用したがん診断技術に関する研究開発やこれまで行ってきたRNAチェックの研究開発を通して、将来の診断・創薬に役立つツールの実用化に向けた研究を進めております。 さらに、三井化学株式会社との協業により、当社の遺伝子解析技術と三井化学株式会社のライフサイエンス関連技術を有効に活用することで、両社が協力し、検査・診断領域での新事業を創出すること目指します。 診断事業におきましては、肺がん コンパクトパネルⓇの製品改良とシェア拡大を図るとともに、さらに、新規診断検査メニューの開発を行い、肺がん コンパクトパネルⓇに続く新たな診断検査の開発を進めてまいります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要 前事業年度(自2022年4月1日至2023年3月31日) 当事業年度(自2023年4月1日至2024年3月31日) 増減額増減率売上高(千円)327,535490,462162,92649.7%営業損益(千円)△362,890△258,216104,674-%経常損益(千円)△365,411△245,884119,526-%税引前当期純損益(千円)△360,997△246,392114,604-%税引後当期純損益(千円)△362,343△248,293114,050-% 当事業年度の経営成績は、前事業年度よりも売上高が増加し、売上高は490百万円(前年同期比149.7%)となりました。 利益面では、営業損失258百万円(前年同期362百万円)、経常損失245百万円(前年同期365百万円)、当期純損失248百万円(前年同期362百万円)となりました。 財政状態におきましては、当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ111百万円増加し982百万円となりました。 また、キャッシュ・フローの状況におきましては、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ113百万円増加し388百万円となりました。 ①経営成績の状況 当事業年度における経営成績の状況は以下のとおりであります。 (売上高) 当事業年度の売上高は、490百万円(前年同期比149.7%)となりました。 セグメント別の状況は以下のとおりです。 ⅰ.受託事業<次世代シークエンス受託解析サービス> 受託事業の主要サービスである次世代シークエンス受託解析サービスは、売上が前年と同水準となりました。 価格競争の激化により、大学からのご依頼件数が伸び悩んだ一方、民間企業を中心に大口案件の受注を獲得することが出来ました。 <マイクロアレイ受託解析サービス>マイクロアレイ受託解析サービスについては、前年に比べ問い合わせ件数が減少しており、市場のトレンドとしては次世代シークエンスへの移行が顕著となっております。 マイクロアレイ受託解析サービスは前年と比べ売上が減少いたしました。 <その他遺伝子解析サービス>多様化する受託解析ニーズに合わせて、生体サンプル(細胞や組織等)からの「核酸(DNA/RNA)抽出サービス」にも力を入れております。 抽出サービスは次世代シークエンスやマイクロアレイを実施する際の前段階でのサービスとなります。 製薬企業を含む民間企業の売上増加に伴い、抽出サービスの件数が増加いたしました。 <Tbone Exキット>原材料費高騰によるキットの値上げを行った結果、販売数量は前年と横ばいでしたが、売上が増加いたしました。 ⅱ.研究事業<NOIR-SS技術>EGFRリキッドの技術をさらに改良した、NOIR-SS技術(分子バーコード技術を用いて高感度かつ正確な分子数測定が可能となる超低頻度変異DNAの検出技術)の研究開発に取り組んでおります。 これは、複数の遺伝子を、高い精度で変異検査ができる技術です。 この技術の活用範囲として、リキッドバイオプシー(血液などの体液サンプルを使用する方法)による低侵襲的遺伝子検査、クリニカルシークエンスによる個別化医療、血液からのがん再発の早期発見、免疫チェックポイント阻害剤の効果判定などが期待されております。 <肺がん コンパクトパネルⓇの応用>肺がん コンパクトパネルⓇで培ったパネル開発・薬事戦略・プログラム医療機器システム構築のノウハウを他癌種のコンパニオンパネル検査へ応用する開発を進めております。 複数の薬剤が上市されることで一括パネル検査が適用可能な癌種も増えつつあり、コンパクトパネルのベーステクノロジーを活用しながら国内の診療ニーズにマッチしたパネル製品の開発を目指しております。 現在、他癌種への応用の実現化を目指し、一括パネル検査系の構築を行うとともに、Key Opinion Leader(KOL)の先生方、製薬企業とも協議を進めております。 <RNAチェック>大学・研究機関との共同研究等により、将来の診断・創薬に役立つ新しい検査方法を開発しております。 その方法は、“RNAチェック”(遺伝子発現検査)と呼び、遺伝子の「変異」を調べるDNA検査(遺伝子検査)とは別の方法で、遺伝子の種類と量を調べる検査です。 現在、このRNAチェックに基づいた次の研究開発を進めております。 主には、学校法人慶應義塾大学、学校法人埼玉医科大学及び学校法人北里大学との抗リウマチ薬の効果予測研究、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとのうつ病の早期発見を目的としたバイオマーカー研究などを進めております。 <三井化学株式会社との協業>三井化学株式会社と資本業務提携契約を締結したことにより、当社の遺伝子解析技術と三井化学株式会社のライフサイエンス関連技術を有効に活用、更に、両社が有するネットワークや経営資源を活用することで、両社が協力し、検査・診断領域での新事業を創出することを目的に協議を進めております。 2024年度中に新しく共同研究開発に着手する予定です。 ⅲ.診断事業<肺がん コンパクトパネルⓇ>追加3遺伝子の追加申請の承認審査について、2022年12月16日に一部変更申請を提出し、2024年1月26日に承認事項一部変更について統合承認を得ました。 合計7遺伝子のコンパニオン診断対象となったことにより、アカウント取得および施設導入が順調に増加しております。 2024年3月には、単月での診断事業部利益は、5.65百万円と単月での黒字化を達成しました。 検出感度の良さ(少ない腫瘍細胞でも提出できること)、バリアント網羅性、液性細胞診での検査適用といった差別化要素が、臨床現場のニーズを捉えていることが好調の一因と考えております。 また、サービス強化の一環として、未承認解析項目にてERBB2(HER2)が変異陽性になった場合に、残余核酸を用いて確認検査を実施する“コンパクトパネルHER2 confirmation set”について大手検査会社3社と連携し、現状未承認項目であるHER2におけるバックアッププログラム提供を7遺伝子アップデートと同時に開始しました。 2023年11月には、肺癌学会のガイドラインにおける、“細胞診を対象としたバイオマーカー検索”や“肺癌患者におけるバイオマーカー検査の手引き”の項目の中で、肺がん コンパクトパネルⓇが新たに掲載されました。 今後も、臨床現場のニーズに耳を傾けながら製品改良を続け、マーケットシェアの拡大につなげていきます。 2023年度は検体数の増加に対応するため、検査体制の強化を行い、出検から検査報告までの検査提供時間(Turn Around Time)は、年間を通して中央値で8日を維持しました。 今後、受注数が大幅アップしてもTurn Around Timeが遅くならないようシステム化による自動化拡張、人員体制・教育システム強化による検査品質の向上を進めております。 <NOIR・AI解析> 臨床研究でのコンパクトパネルの活用、高精度分子バーコード法によるリキッドバイオプシー研究案件、周術期における高感度パネル検査および浸潤リンパ球プロファイル解析などの研究プロジェクト支援にむけ、サービス改良や大型研究支援案件受注に向けた開発を進めて参りました。 2023年度は、複数のリキッドバイオプシープロジェクトの解析支援、ゲノム情報からのAI駆動型化合物予測ツールの開発及び性能改良、免疫細胞レパトア解析手法の開発及び解析支援に取り組み、今後の新規メニュー化につながる成果が得られました。 <MammaPrint> 保険診療検査としての検査は、競合製品の保険検査が開始となった影響もあり、伸び悩んでおります。 一方、研究用途としての根強い需要があり、大型の臨床研究案件の受注が入っており売上につながっています。 (売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価は、前事業年度に比べ60百万円増加し424百万円、販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ2百万円減少し324百万円となりました。 (営業損失) 前事業年度は営業損失362百万円であったのに対し、当事業年度の営業損失は258百万円となりました。 (営業外収益) 前事業年度は0百万円であったのに対し、当事業年度は補助金収入等が15百万円ありました。 (営業外費用)前事業年度は第三者割当増資に伴う株式交付費等が2百万円ありましたが、当事業年度においても第三者割当増資に伴う株式交付費等が2百万円ありました。 (経常損失) 前事業年度は経常損失365百万円であったのに対し、当事業年度の経常損失は245百万円となりました。 (特別利益) 前事業年度は新株予約権戻入益等が8百万円あったのに対し、当事業年度はありませんでした。 (特別損失) 前事業年度は固定資産の減損損失が4百万円あったのに対し、当事業年度は固定資産の減損損失が0百万円ありました。 (当期純損失) 前事業年度は当期純損失362百万円であったのに対し、当事業年度は、当期純損失248百万円となりました。 なお、当事業年度の経営成績をふまえて、次事業年度におきましては以下の取組みを実施し、1,100百万円の売上確保を目指してまいります。 受託事業・当社のノウハウを活用した提案型研究受託の営業強化・実験デザインの提案、検体の受領からデータ解析まで、顧客ニーズに応じた一気通貫の大型案件の受注確保・最新技術や外部企業との連携強化・新サービスメニュー開発による他社との差別化 研究事業・次世代シークエンサーを使用したがん診断技術に関する研究開発・RNAチェックの研究開発・三井化学株式会社との協業 診断事業・肺がん コンパクトパネルⓇの製品改良とシェア拡大・新規診断検査メニューの開発・MammaPrintの販売拡大・研究用検査サービスの提供 取組みの詳細は、上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(8) 提出企業が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象を解消し、又は改善するための対応策」をご参照ください。 ② 財政状態当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べ111百万円増加し982百万円となりました。 その主な要因は次のとおりです。 (流動資産)流動資産は、前事業年度末に比べて151百万円増加し、677百万円となりました。 これは、現金及び預金が113百万円、売掛金が16百万円、仕掛品が17百万円、貯蔵品が31百万円それぞれ増加し、受取手形が12百万円、前払費用が5百万円、未収消費税等が26百万円それぞれ減少したことなどによるものです。 (固定資産)固定資産は、前事業年度末に比べて40百万円減少し、305百万円となりました。 これは、無形固定資産のうちソフトウェアに係る減価償却費31百万円による減少、投資その他の資産のうち長期前払費用8百万円の減少などの影響によるものです。 (流動負債)流動負債は、前事業年度末に比べて87百万円増加し、208百万円となりました。 これは、買掛金が14百万円、未払金が19百万円、前受金が42百万円、未払消費税が4百万円それぞれ増加したことなどによるものです。 (固定負債)固定負債は、前事業年度末に比べて2百万円増加し、41百万円となりました。 これは、退職給付引当金2百万円の増加によるものです。 (純資産)純資産は、前事業年度末に比べて21百万円増加し732百万円となりました。 これは、第三者割当増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ134百万円増加し、当期純損失による利益剰余金が248百万円減少したことなどによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は前事業年度末に比べ113百万円増加し388百万円となりました。 その主な要因は、税引前当期純損失による減少246百万円のほか、減価償却費の発生41百万円、売上債権の増加10百万円、棚卸資産の増加49百万円、仕入債務の増加16百万円、前受金の増加42百万円、有形・無形固定資産の取得による支出15百万円、株式の発行による収入269百万円などによるものです。 当事業年度における各項目の状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は336百万円の支出に対し、当事業年度は140百万円の支出となりました。 主な要因は、収入では減価償却費41百万円、仕入債務の増加16百万円、前受金の増加42百万円、支出では税引前当期純損失246百万円、売上債権の増加10百万円、棚卸資産の増加49百万円などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度は155百万円の支出に対し、当事業年度は15百万円の支出となりました。 主な要因は、有形固定資産の取得による支出7百万円、無形固定資産の取得による支出8百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、第三者割当増資による収入が前事業年度では278百万円、当事業年度では269百万円発生いたしました。 ④ 重要な会計上の見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 生産、受注及び販売の状況 ①生産実績当事業年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)受託事業267,82790.7研究事業47,608―診断事業159,918590.9合計475,353147.5 (注) 1 金額は、販売価格によっております。 2 当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。 これは、診断事業におきまして、肺がん コンパクトパネルⓇの売上の大幅な増加によるものであります。 ②仕入実績当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)受託事業79,23186.1研究事業17,810―診断事業 84,918243.9合計181,960143.4 (注) 1 金額は、仕入価格によっております。 2 当事業年度において、仕入実績に著しい変動がありました。 これは、診断事業におきまして、肺がんコンパクトパネル検査に使用する試薬等の仕入量の大幅な増加や円安の影響による材料価格の上昇によるものであります。 ③ 受注実績当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)受託事業(注2)260,50577.445,69970.6研究事業(注2)111,883―64,275―診断事業(注2)184,764578.114,007233.9合計557,153151.2123,982175.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 当事業年度は受託事業では次世代シークエンス受託解析サービスの受注高が前年より減少した影響で、受注残高が前事業年度よりも減少し前年比70.6%となりました。 また、診断事業では肺がん コンパクトパネルⓇの受注高が大幅に増加した影響もあり、受注残が前年比233.9%と大幅に増加いたしました。 ④ 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)受託事業268,06290.2研究事業47,608―診断事業174,791572.9合計490,462149.7 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。 これは、診断事業におきまして、肺がん コンパクトパネルⓇの売上の大幅な増加によるものであります。 3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先前事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)㈱エスアールエル1,2920.472,95714.9岩井化学薬品㈱45,50313.938,2047.8 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 (1) 業務提携契約 契約締結先契約名契約内容1三井化学株式会社業務提携契約診断事業における開発アイテム等に関する業務提携2合同会社ジーンメトリックス業務提携契約肺がんコンパクトパネル事業展開の業務提携 (2) 当社が許諾を受けたライセンス契約 契約締結先契約名契約内容 1国立大学法人信州大学実施許諾契約発明名称「生物由来の試料からDNAを採取する方法」、「生物由来試料からのDNA採取に用いられる複数の液」の非独占的実施権の許諾 (3) 当社が許諾を与えたライセンス契約 契約締結先契約名契約内容 1Sigma Aldrich Co.,LLCLICENSE AGREEMENT発明名称「オリゴヌクレオチドプローブ」の非独占的実施権の許諾2ChemGenes CorporationLICENSE AGREEMENT発明名称「オリゴヌクレオチドプローブ」の非独占的実施権の許諾3東京化成工業株式会社実施許諾契約「アミノオキシ基を含有する反応性化合物」の非独占通常実施権の許諾 (4) 共同研究契約 契約締結先契約名契約内容 1学校法人慶應義塾大学共同研究契約「関節リウマチおよび膠原病に対する抗リウマチ薬および生物学的製剤および免疫抑制薬の有効性予測に関する研究」「自己免疫疾患の病態メカニズムの解明と治療手段の開発」「自己免疫疾患(特に関節リウマチ、血管炎、強皮症)の病態メカニズムの解明と治療手段の開発」2学校法人東海大学共同研究契約「軟骨細胞シートの安全性・有効性を評価するための遺伝子発現解析」3有限会社先端医療情報研究所共同研究契約「皮膚筋炎に対する分子標的薬の効果/副作用予測手法の確立」4学校法人聖マリアンナ医科大学共同研究契約「細胞診検体等を用いた高感度肺がんマルチ遺伝子NGSパネルの有用性の多機関検証試験(cPANEL試験)の研究」「膵癌患者における腫瘍検体(組織、細胞診)と血液検体を用いたKRAS変異測定の臨床性能を評価する研究」5国立大学法人東京大学共同研究契約「軟骨再生医療原料細胞の重要品質特性の解析」6公益財団法人かずさDNA研究所共同研究契約「核酸を中心としたバイオマーカー解析法」7学校法人東京医科大学共同研究契約「高齢化・生活習慣病時代における動脈硬化性疾患に対する先制医療と医療の効率化を目指した患者層別化マーカーの開発に関する研究」8学校法人北里研究所共同研究契約「自己免疫疾患に対する治療薬の有効性予測および病態メカニズムに関する研究」9地方独立行政法人市立東大阪医療センター共同研究契約「肺癌コンパクトパネル」の有用性の検討10地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター三井化学株式会社共同研究契約「希少がんを対象としたターゲットRNAパネル検査の有用性の検証」11三井化学株式会社共同研究契約「胆道癌コンパニオン診断用遺伝子パネル検査の検査基礎系構築と分析性能試験」 (5) 売買契約等 契約締結先契約名契約内容 1Agilent TechnologiesJapan,LtdLSCA CERTIFIEDSERVICE PROVIDERAGREEMENT米国アジレント社の正規なサービスプロバイダーとして、日本国内で受託解析を行うことができる契約 2Agilent TechnologiesJapan,LtdCSD CERTIFIEDSERVICE PROVIDERAGREEMENT米国アジレント社の正規なサービスプロバイダーとして、日本国内で次世代シーケンス試薬を用いた受託解析を行うことができる契約 3Elixirgen Scientific LLC販売代理店契約幹細胞及び分化誘導試薬の国内販売代理店契約 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社の研究開発の目標は、主として診断に有用なコンテンツの開発を行うことであります。 このために、関連技術を有する大学・研究機関及び企業等と手を組み共同研究や研究の受託を積極的に推進しております。 当事業年度に実施した研究開発活動は以下のとおりです。 (1)診断メニュー拡充のための取組み①次世代シーケンサーを使用したがん診断技術・リキッドバイオプシーに関する研究開発 ⅰ.次世代シーケンサーを使用した肺がんコンパクトパネル検査の開発 ⅱ.NOIR-SSをはじめとした希少変異解析技術・クリニカルシークエンス技術の開発 ⅲ. AI技術・機械学習技術を活用したリキッドバイオプシー研究手法及び新規診断技術の開発 ⅳ.Pan-cancer(多様ながん種)及び肺がん以外のがん種を対象とした遺伝子検査の開発 ②関節リウマチに関する研究 ⅰ.関節リウマチの多剤効果予測に関する研究 ・DNAチップを使用した検査に関する研究 ・qPCRを使用した検査に関する研究 ⅱ.関節リウマチ新規病態マーカー関する研究③精神疾患診断に関する研究 ⅰ.うつ病およびストレス関連バイオマーカーに関する研究 ⅱ.新規リキッドバイオプシー解析技術による精神疾患の再分類に関する研究④認知障害・アルツハイマー病診断に関する研究 (2)当事業年度に発表した論文 (a) 喀痰を対象とした肺がんコンパクトパネル解析でALK融合遺伝子を検出した症例 Morikawa K, Kinoshita K, Matsuzawa S, Kida H, Handa H, Inoue T, et al. EML4-ALK Gene Mutation Detected with New NGS Lung Cancer Panel CDx Using Sputum Cytology in a Case of Advanced NSCLC. Diagnostics (Basel). 2023;13:2327. (b) 実臨床における細胞診検体を用いた肺がん コンパクトパネルⓇの有用性について Higashiyama M, Kobayashi S, Nojiri T, Uda H, Inoue M, Yamauchi A, et al. Clinical Usefulness of the Lung Cancer Compact PanelTM Using Cytological Specimens for the Diagnosis of Lung Cancer Patients. JJLC. 2023;63:285–91. 肺癌 63 (4):285─291,2023 (c) オシメルチニブ治療後に腺癌から扁平上皮がんに転化した症例の遺伝子解析 Morikawa K, Handa H, Ueno J, Tsuruoka H, Inoue T, Shimada N, et al. RET fusion mutation detected by re-biopsy 7 years after initial cytotoxic chemotherapy: A case report. Front Oncol. 2022;12:1019932. (d) BRAF変異を持つ転移性大腸癌に関する観察研究 Inagaki C, Matoba R, Yuki S, Shiozawa M, Tsuji A, et al. The BEETS (JACCRO CC-18) trial: an observational and translational study of BRAF-mutated metastatic colorectal cancer. Future Oncol. 2023; 19(17):1165-1174. (e) 胃癌における免疫チェックポイント阻害薬の効果予測マーカーの解析 Kawakami H, Sunakawa Y, Inoue E, Matoba R, Noda K, Sato T, et al.Soluble programmed cell death ligand 1 predicts prognosis for gastric cancer patients treated with nivolumab: Blood-based biomarker analysis for the DELIVER trial. Eur J Cancer. 2023; 184:10-20. (f) 次世代シーケンサーのデータ解析における新しい手法の提案 Hijikata A, Suyama M, Kikugawa S, Matoba R, Naruto T, Enomoto Y, et al. Exome-wide benchmark of difficult-to-sequence regions using short-read next-generation DNA sequencing. Nucleic Acids Res. 2024; 52(1):114-124. (3)当事業年度に取得・申請した特許 当期に取得及び申請した特許はございません。 (4)現在進めている共同研究開発 「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (4)共同研究契約」に記載のとおりであります。 なお、2024年3月期の研究開発費は69,431千円であります。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 設備投資の総額は、11,590千円であります。 その主たるものは、ソフトウェア及び研究用機器(工具、器具及び備品)であります。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)工具、器具及び備品建物ソフトウェアソフトウェア仮勘定その他合計本社(東京都港区)受託事業及び全社共通研究開発用設備及び備品等450―――4517本社(東京都港区)研究事業及び全社共通研究開発用設備及び備品等0――――08営業所(神奈川県川崎市中原区)診断事業研究開発用設備及び備品等16,95790,751137,868636―246,21312 (注) 1 現在休止中の設備はありません。 2 本社及び営業所(研究施設及び事務所等)は賃借しており、年間賃借料(契約額)は69,910千円であります。 3 主要なリース設備はありません。 4 帳簿価額は減損損失控除後の金額であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 69,431,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 11,590,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 9 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,919,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、株式を保有する場合は、資産運用の一環として原則純投資目的で株式を保有いたしますが、業務提携などによる関係強化等、純投資目的以外の目的で保有する場合があります。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当するものはありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式1010 区分当事業年度受取配当金の合計額(千円)売却損益の合計額(千円)評価損益の合計額(千円)非上場株式――― |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 三井化学株式会社東京都中央区八重洲2丁目2-1937,47413.85 藤井 衛兵庫県尼崎市315,0004.65 村上 博兵庫県西宮市209,6003.09 日本モリマー株式会社大阪府大阪市中央区本町2丁目3-8194,0002.86 小橋 一太京都府向日市172,5002.55 楽天証券株式会社東京都港区南青山2丁目6番21号128,5001.89 上田八木短資株式会社大阪府大阪市中央区高麗橋2丁目4-2108,7001.60 枝松 七郎兵庫県神戸市長田区103,6001.53 森 淳彦兵庫県神戸市垂水区91,0001.34 竹川 公庸大阪府河内長野市87,9001.29 計―2,348,27434.71 (注) 三井化学株式会社は、2024年3月28日に当社が第三者割当増資のため発行した株式を100%引受けたことにより、主要株主になっております。 |
株主数-金融機関 | 1 |
株主数-金融商品取引業者 | 22 |
株主数-外国法人等-個人 | 12 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 22 |
株主数-個人その他 | 4,306 |
株主数-その他の法人 | 34 |
株主数-計 | 4,397 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 竹川 公庸 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式3,0010当期間における取得自己株式―― |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)6,353,064414,110―6,767,174 (注)増加した株数は、当社が2024年2月8日開催の取締役会決議により、三井化学株式会社を割当先とする第三者割当増資によるものです。 2.自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)1373,001―3,138 (注)増加した株数は、当社が 2022年7月13日開催の取締役会決議により、譲渡制限付株式報酬として同年9月27日付で従業員に対して付与した自己株式33,000株のうち、従業員の退職により無償取得した3,000株及び株主からの買取請求により取得した1株であります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 清 友 監 査 法 人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月25日株式会社DNAチップ研究所取締役会 御中清 友 監 査 法 人 東 京 事 務 所 指定社員業務執行社員 公認会計士人 見 敏 之 指定社員業務執行社員 公認会計士柴 田 和 彦 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社DNAチップ研究所の2023年4月1日から2024年3月31日までの第25期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社DNAチップ研究所の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は2006年3月期より、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 上記の事象を解消又は改善するための対応策として①受託事業において提案型研究受託の営業強化による売上の拡大、②研究事業において大学、研究機関等との共同研究、肺がんコンパクトパネルで培ったノウハウの他癌腫検査への応用開発、③診断事業において肺がんコンパクトパネルの製品改良とシェアの拡大、新規検査メニューの開発等を掲げており、①、②及び③の対応策を反映した翌事業年度の予算及び資金繰り表を使用し重要な不確実性の有無を判断している。 対応策を反映した翌事業年度の予算及び資金繰り表は不確実性を伴い、経営者の判断により重要な影響を受ける。 従って、当監査法人は当該事項の検討が当年度の財務諸表監査において特に重要であることから監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・継続企業の前提に関する注記につき記載の要否判定に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・過年度の予算について、実績との乖離要因を分析し、予算及び資金計画の信頼性を検討した。 ・翌事業年度の資金予測に反映すべき事項を把握するため、取締役会議事録及び稟議書の閲覧、経営者への質問を行った。 ・経営者は資金計画について保守的なシナリオを採用したとしても合理的な期間(少なくとも貸借対照表日の翌日から1年間)の資金繰りに問題がないかどうかについて検討しており、当該検討結果に基づく経営者の判断について、監査人が把握した資金予測事項、過年度の実績及び直近の受注実績等に照らして合理的かどうか検討した。 固定資産の減損損失監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は当事業年度の貸借対照表において、有形固定資産107,754千円、無形固定資産138,504千円及び投資その他の資産59,106千円が計上されており、総資産に占める割合は31.1%である。 また、過年度より継続的に営業損失を計上しているため減損損失の兆候があると認められる。 そのため、経営者は資産又は資産グループを概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位にグルーピングを行い、各グルーピングの割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するか否かの判定を行い、帳簿価額を下回った場合には回収可能価額まで帳簿価額を減額する必要がある。 注記事項(重要な会計上の見積り及び減損損失)に記載されているとおり、減損の兆候がある資産又は資産グループについて減損損失の認識の判定を行い、投資の回収が見込めないと判断したものについては帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を508千円計上している。 割引前将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りを行うにあたり、事業計画を作成し判定を行っている。 当該事業計画に使用される仮定は不確実性を伴い、経営者の判断により重要な影響を受ける。 従って、当監査法人は当該事項の検討が当年度の財務諸表監査において特に重要であることから監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は会社の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・減損損失の認識の要否判定に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・資料の閲覧及び経営者と議論を行い、資産のグルーピングの妥当性について検討した。 ・将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を評価するため、以下の手続を実施した。 1) 当事業年度の状況について経営者に質問し、事業計画の基礎となる市場動向に関する経営者の仮定の適切性を評価した。 2) 将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画を入手し、売上高、材料費、人件費等について、過去の実績と比較し、差異内容について検討を行った。 3) 肺がんコンパクトパネル事業の保険適用後の受注実績について週次単位で趨勢分析を行い、見積りの精度を評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社DNAチップ研究所の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社DNAチップ研究所が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は2006年3月期より、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 上記の事象を解消又は改善するための対応策として①受託事業において提案型研究受託の営業強化による売上の拡大、②研究事業において大学、研究機関等との共同研究、肺がんコンパクトパネルで培ったノウハウの他癌腫検査への応用開発、③診断事業において肺がんコンパクトパネルの製品改良とシェアの拡大、新規検査メニューの開発等を掲げており、①、②及び③の対応策を反映した翌事業年度の予算及び資金繰り表を使用し重要な不確実性の有無を判断している。 対応策を反映した翌事業年度の予算及び資金繰り表は不確実性を伴い、経営者の判断により重要な影響を受ける。 従って、当監査法人は当該事項の検討が当年度の財務諸表監査において特に重要であることから監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・継続企業の前提に関する注記につき記載の要否判定に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・過年度の予算について、実績との乖離要因を分析し、予算及び資金計画の信頼性を検討した。 ・翌事業年度の資金予測に反映すべき事項を把握するため、取締役会議事録及び稟議書の閲覧、経営者への質問を行った。 ・経営者は資金計画について保守的なシナリオを採用したとしても合理的な期間(少なくとも貸借対照表日の翌日から1年間)の資金繰りに問題がないかどうかについて検討しており、当該検討結果に基づく経営者の判断について、監査人が把握した資金予測事項、過年度の実績及び直近の受注実績等に照らして合理的かどうか検討した。 固定資産の減損損失監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は当事業年度の貸借対照表において、有形固定資産107,754千円、無形固定資産138,504千円及び投資その他の資産59,106千円が計上されており、総資産に占める割合は31.1%である。 また、過年度より継続的に営業損失を計上しているため減損損失の兆候があると認められる。 そのため、経営者は資産又は資産グループを概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位にグルーピングを行い、各グルーピングの割引前将来キャッシュ・フローを見積り、減損損失を認識するか否かの判定を行い、帳簿価額を下回った場合には回収可能価額まで帳簿価額を減額する必要がある。 注記事項(重要な会計上の見積り及び減損損失)に記載されているとおり、減損の兆候がある資産又は資産グループについて減損損失の認識の判定を行い、投資の回収が見込めないと判断したものについては帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を508千円計上している。 割引前将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りを行うにあたり、事業計画を作成し判定を行っている。 当該事業計画に使用される仮定は不確実性を伴い、経営者の判断により重要な影響を受ける。 従って、当監査法人は当該事項の検討が当年度の財務諸表監査において特に重要であることから監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は会社の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・減損損失の認識の要否判定に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・資料の閲覧及び経営者と議論を行い、資産のグルーピングの妥当性について検討した。 ・将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を評価するため、以下の手続を実施した。 1) 当事業年度の状況について経営者に質問し、事業計画の基礎となる市場動向に関する経営者の仮定の適切性を評価した。 2) 将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画を入手し、売上高、材料費、人件費等について、過去の実績と比較し、差異内容について検討を行った。 3) 肺がんコンパクトパネル事業の保険適用後の受注実績について週次単位で趨勢分析を行い、見積りの精度を評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 固定資産の減損損失 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 30,983,000 |
仕掛品 | 23,456,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 17,003,000 |
有形固定資産 | 107,754,000 |
ソフトウエア | 137,868,000 |
無形固定資産 | 138,504,000 |
投資有価証券 | 0 |
長期前払費用 | 119,000 |
投資その他の資産 | 59,106,000 |
BS負債、資本
未払金 | 25,576,000 |
未払法人税等 | 8,028,000 |
未払費用 | 9,716,000 |
賞与引当金 | 20,232,000 |
資本剰余金 | 955,077,000 |
利益剰余金 | -1,150,126,000 |
負債純資産 | 982,478,000 |
PL
売上原価 | 424,109,000 |
販売費及び一般管理費 | 324,569,000 |
受取利息、営業外収益 | 2,000 |
営業外収益 | 15,000,000 |
その他、流動資産 | 17,103,000 |
営業外費用 | 2,668,000 |
特別損失 | 508,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 1,900,000 |
法人税等 | 1,900,000 |
PL2
当期変動額合計 | 21,705,000 |