財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-28 |
英訳名、表紙 | yutori, Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 片石 貴展 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都世田谷区北沢二丁目5番2号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6379-0667(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月概要2018年4月東京都世田谷区に、アパレル販売を主な事業目的として当社設立2018年12月東京都世田谷区北沢へ本社移転2020年7月東京都渋谷区円山町へ本社移転 株式会社ZOZOと資本業務提携契約を締結2022年4月事業譲受により株式会社KANDORが運営するファッションブランド「F-LAGSTUF-F」を取得2022年8月「Younger Song」をはじめとした複数のブランドを展開する株式会社A.Z.Rの株式を100%取得し完全子会社化 東京都世田谷区北沢へ本社移転2022年10月完全子会社の株式会社A.Z.Rを吸収合併2022年11月複数の自社ブランド商品を取り扱う統合ECサイト「YZ Store」の運営を開始2023年12月東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 1.事業の概要当社は、主に衣料品及び雑貨等の企画並びにそれらの小売・卸売事業を行っております。 なお、当社の事業は、衣料品及び雑貨等の企画及び販売に係る事業(以下「アパレル事業」)の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。 ① ブランド運営当社の事業は、Z世代(1997年から2009年に生まれた世代)を対象としたストリートファッションブランドを発端として、その後はストリートブランドに限らないファッションカテゴリーにおいて、アパレル商材の企画及び販売により規模を拡大してまいりました。 新規ブランドの立ち上げのほか、第5期には、M&Aにより「F-LAGSTUF-F(フラグスタフ)」、「Younger Song(ヤンガーソング)」、「Wudge Boy(ワッジボーイ)」などのブランドを取得し、ブランド展開戦略の多様化を図っております。 また、当社のブランドは以下の4分類にすることができ、多様性に富んだブランドにより、多種多様なユーザーに対し、ファッションの提案をしています。 これによりブランドのポートフォリオを構築し、会社全体として特定のブランドに左右されない安定的な売上の構築に努めております。 1.ティーンカルチャー過去のトレンドアイテムをリバイバルし、現代カルチャーのエッセンスを取り入れながらブランドを展開するブランドカテゴリーです。 2.トレンド株式会社ZOZOの運営する「ZOZOTOWN」での販売をメインに、流行をいち早く取り入れた手に取りやすいアイテムを展開するブランドカテゴリーです。 3.デザイナーズアパレル業界で著名なデザイナーやスタイリストのもと、コアなファンを獲得するブランドを展開するブランドカテゴリーです。 4.インフルエンサーインフルエンサーがブランドディレクターを務め、個人の発信力も併せてブランドを運営しているブランドカテゴリーです。 主なブランド及びそのコンセプト等は以下のとおりであります。 ブランドロゴブランド名カテゴリー対象コンセプト9090(ナインティナインティ)ティーンカルチャー10〜20代メンズ・レディース(2018年8月販売開始)主に90年代のユースカルチャーをリバイバルしたデザインやカラーアイテムを展開しています。 ブランドロゴブランド名カテゴリー対象コンセプトcentimeter(センチメーター)ティーンカルチャー10〜20代メンズ(2020年3月販売開始)スケート、HIPHOPカルチャーを踏襲したストリートブランドであり、ブランドキャラクターのルーラーくんがプリントされたカットソーを中心に展開しています。 My Sugar Babe(マイシュガーベイブ)ティーンカルチャー10〜20代メンズ・レディース(2020年12月販売開始)西海岸のサーフファッションをコンセプトとしている。 18歳〜24歳の若者をメインターゲットとし、海辺から街まで着ることのできる海外ストリート系ファッションとして、ロゴアイテムを中心に男女問わず着用できるアイテムを幅広く展開しています。 Younger Song(ヤンガーソング)インフルエンサー10〜20代メンズ(2022年10月販売開始)ストリートブランドとして、ファッション感度の高い若者が今着たいトレンドアイテムとロゴアイテムを中心に幅広い商品を展開しています。 PAMM(パム)デザイナーズ20〜30代レディース(2020年9月販売開始)テキスタイルデザインを得意とするファッションブランド「spoken words project」と協業したホームウェアブランド。 オリジナルテキスタイルを強みにし、パジャマ・ニット商品、肌着など幅広く展開しています。 Wudge Boy(ワッジボーイ)インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース(2022年10月販売開始)ミリタリーとワークテイストを持ち合わせたカジュアルブランドであり、男女問わず、着用できるアイテムを多く展開しています。 genzai(ゲンザイ)デザイナーズ10〜20代メンズ(2021年4月販売開始)ブランド名が示す「現在」とそこから逃げる、すなわち前に進むこと「逃走」をコンセプトに掲げるブランド。 HIPHOPカルチャーを背景にしたストリートキッズをターゲットに独特なグラフィックがプリントされたカットソーを中心に展開しています。 nemne(ネンネ)トレンド10〜20代レディース(2019年12月販売開始)ガーリーからボーイッシュまで幅広いテイストのトレンドアイテムを低廉に展開するレディースブランドであり、Z世代をターゲットに、今欲しいトレンドアイテムをいち早くキャッチし、スピーディーに企画し、TikTokを中心としたSNSマーケティングをもって、幅広いアイテムを展開しています。 ブランドロゴブランド名カテゴリー対象コンセプトHTH(エイチティーエイチ)インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース(2022年10月販売開始)カジュアルなアイテムをベースに海外ストリートをミックスさせたスタイルで、ブランドのアイコンでもあり、男女問わず幅広く支持されているHTHオリジナルのインパクトのあるハートロゴのアイテムを中心に展開しています。 STUDENT APATHY(スチューデントアパシー)インフルエンサー10〜20代メンズ(2022年10月販売開始)「student apathy」とは、学生無気力症候群を指し、ディレクター本人の悩みからインスピレーションを受け、他にはない先駆的なアイテムやシルエットに拘ったアイテムを展開しています。 BADWAY(バッドウェイ)インフルエンサー10〜20代メンズ(2022年10月販売開始)アメカジを軸とした90年代ファッションと、モダンファッションが融合したジャンルレスなグランジストリートなアイテムを展開しています。 NG(エヌジー)ティーンカルチャー10〜20代レディース(2021年10月販売開始)他人より自分ウケをコンセプトに、レディース向けのストリートウェアを展開するブランド。 平成ギャルをリバイバルした新しい「令和ギャル」のスタイルを展開しています。 BALLSY(ボールジー)インフルエンサー10〜20代メンズ(2022年10月販売開始)ミリタリー、ワーク、街並み、自然の配色様々なところからインスピレーションを得たブランド。 生地、シルエット、ディテールにこだわった商品を展開しています。 Broken Base(ブロークンベース)トレンド10〜20代メンズ・レディース(2022年9月販売開始)「city, outdoor, normcore」をコンセプトに、雑誌から切り出したようなシティボーイ、シティガールの世界観を発信し、トレンドに左右されないライフスタイルを提案し、都会とアウトドアを融合させたユニセックスアイテムを展開しています。 shesame(シーセム)インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース(2022年10月販売開始)韓国ストリートを、ディレクターのフィルターを通し着回ししやすいよう提案しています。 ユニセックスでも着ることのできるアイテムを中心に展開しています。 ブランドロゴブランド名カテゴリー対象コンセプトBLESS U(ブレスユー)インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース(2022年10月販売開始)トレンドのストリートとテックを掛け合わせたテックストリート商品を感度の高い若年層に展開しています。 camphor wood(カンファーウッド)インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース(2023年3月販売開始)リラックスムード漂うアイテムを中心に展開しています。 身頃に花の刺繍が大きく入ったシャツがブランドを象徴する商品を展開しています。 MIOOK(ミック)インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース(2023年6月販売開始)男女で楽しめるフェスコーデを軸に、ミュージックシーンとのつながりを感じられるようなアイテムを展開しています。 THE INNER PEACE(インナーピース)ティーンカルチャー10〜20代メンズ・レディース(2023年7月販売開始)アメカジ×プレッピーをコンセプトにして、「内なる平和」を意味するINNER PEACEのロゴをメインに、カットソーやデニムなどのアイテムを展開しています。 F-LAGSTUF-F(フラグスタフ)デザイナーズ20〜30代メンズ・レディース(2022年4月販売開始)デザイナーである村山靖行のもと、何にもとらわれないボーダレスな物づくり(Impartial to Everything)をコンセプトに、ミリタリーやアウトドアなどの要素を含んだ、プリントアイテムを豊富に展開しています。 LAVOILE(ラボワール)デザイナーズ10〜20代メンズ・レディース(2023年11月販売開始)70~80年代のニュートラ・ハマトラを現代風にリバイバルしたトラディショナルな雰囲気で港町の空気感のある商品を展開しています。 GOAT ESSENCE(ゴートエッセンス)デザイナーズ10〜20代メンズ・レディース (2024年3月販売開始)Translating Our Desires to Yours 「私たちの欲望をあなたのものへ」私たちの欲望に満ちた服が、第三者の欲求や希望と共鳴し、あなたの欲望を満たすことを目指して、ボトムスを中心とした都会的モダンテックモードなアイテムを展開しています。 ブランドロゴブランド名カテゴリー対象コンセプトGULL(ガル) ティーンカルチャー10〜20代メンズ・レディース (2024年3月販売開始)『Products with urban colors』をコンセプトにシンプルな“いなたさ”と都会テイストを軸に、シティガール、シティボーイがワードローブに加えたくなる都会的な彩りを纏うユニセックスアイテムを展開しています。 HIROKI TSUZUKI(ヒロキ ツヅキ) インフルエンサー20〜30代メンズ・レディース (2023年11月販売開始)お笑いトリオ「四千頭身」 都築拓紀が、まさにその時着たいと考えるアイテムを展開しています。 seeksole(シークソール) インフルエンサー10〜20代メンズ・レディース (2024年1月販売開始)seek :探し求める。 sole:唯一その人にとって唯一を探し求めることができ、日常のシチュエーションやその人自身のライフスタイルに落とし込んでほしいという願いを込めたブランドです。 シルエットにこだわったベーシックなアイテムを展開しています。 TACSS(タックス) インフルエンサー10〜20代レディース (2024年3月販売開始)“A Timeless Classic、Sophisticated Simplicity”(時代を超えたクラシック、洗練されたシンプルさ)ベーシック且つシンプルさをベースとしながらライフスタイルに寄り添うアイテムを展開しています。 codegraphy(コードグラフィー) ティーンカルチャー10〜20代メンズ・レディース (2024年3月販売開始)Coding Our Dreams, Expressing our essence.コードグラフィーは、多様な文化に溶け込んでいる革新的なコード(code)を再解釈し、視覚化(graphy)するブランドです。 時代の感覚を取り入れた独創的なストリートアイテムを展開しています。 minum(ミニュム)その他10〜20代レディース (2024年3月販売開始)「品質 × かわいい × 価格 すべてよくばりたい」をコンセプトに、新ミニサイズコスメアイテムを展開しています。 ② 販売チャネル当社の販売チャネルは、主に当社の複数のブランドを取り扱うプラットフォーム型の自社ECサイトである「YZ Store」での販売、株式会社ZOZOの運営する「ZOZOTOWN」での販売、POPUPや実店舗での販売、及び、国内外のセレクトショップへの卸販売が中心となっております。 なお、それぞれの全体の売上に対する構成比は、自社EC39.5%、ZOZOTOWN32.3%、実店舗25.9%、卸販売2.1%(第6期、その他の売上が0.2%(注1))となっております。 YZ Storeでは複数ブランドを取り扱っており、YZ Store内の複数ブランドのセット購入を提案しております。 またYZ Storeのアプリも展開し、顧客のエンゲージメントを高めています。 さらに、YZ MEMBERS(会員プログラム)として、年間購入金額に応じたランクにより、会員先行セールやシークレットイベント招待、送料無料クーポンなどの特典を受けることができるプログラムも展開しております。 ZOZOTOWNでは、流行をいち早く取り入れた手に取りやすいアイテムを展開しています。 当社商品のZOZOTOWNでのランキング入りを目指して、スピーディーな商品企画を意識しております。 実店舗では、SNSフォロワー数の多いインフルエンサーを店舗スタッフとして配置し、初期投資を抑えた30~40㎡ほどの小型の店舗で、当社の商品を展開しております。 SNS集客の優位性を活かし、収益率の高い店舗を増やすことを目指しております。 2024年3月末時点での店舗数は23店舗であります。 卸販売では、国内及び海外を問わず、より多くの感度の高い顧客にリーチするためにセレクトショップに当社商品を展開しております。 (注1)その他の売上には、自社EC、ZOZOTOWN、実店舗、卸販売に該当しない広告協賛売上等が含まれます。 2.事業の特徴① SNSマーケティング当社は、広告宣伝としてInstagramやTikTok等のSNSを利用したマーケティング活動に注力しております。 当社商品のPRのため、ブランド公式アカウント(店舗公式アカウントを含む)、社内運用個人アカウント、外部のインフルエンサーアカウントをそれぞれ使い分け、SNSユーザーに訴求しています。 ブランド公式アカウントでは、新商品の紹介等の投稿を行い、ブランドの世界観を伝えています。 社内運用個人アカウントでは、当社のSNS担当者がその個人の視点から商品紹介及び商品の着用画像、動画を投稿し、よりSNSユーザーと密接なコミュニケーションを図っております。 外部のインフルエンサーアカウントでは、特にZ世代に強い影響力を有するインフルエンサーに対して当社の視認性の高い商品を支給し、着用画像、動画を投稿していただくことにより、当社ブランド及び商品の認知度の向上、新規顧客の流入を図っております。 なお、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)におけるブランド公式アカウント及び社内運用個人アカウント(以下、総称して「社内運用アカウント」という)をそれぞれのSNSの特徴に最適化した運用をしております。 SNSにおけるフォロワー数は経営上の重要指標としており、フォロワー数の獲得拡大を目標にしております。 2024年3月末日時点で、Instagramの社内運用アカウントのフォロワー数の合計は179.4万人であり、増加傾向が続いております。 その他、TikTok、LINE公式アカウント、Xがあり、複数のSNSチャネルでファンの形成を図っております。 また、フォロワー以外のユーザーの認知拡大も重要と考えており、広告投資(ペイド広告)により、SNSユーザー全体へのリーチ数(SNSコンテンツがユーザーに表示された回数)をコントロールしております。 SNSコンテンツの訴求効果については、プロフィールアクセス数を重要視しております。 実際にSNSユーザーがそのブランド、商品に興味を持つと、まずSNSアカウントのプロフィールにアクセスして、ECサイトにアクセスするため、プロフィールアクセス数は重要な指標の一つと考えております。 上記のフォロワー数、リーチ数、プロフィールアクセス数を効果的に増加させるため、特にInstagramにおける投稿に力を入れており、社内運用アカウントにおける動画の制作に注力しており、広告宣伝効果及び投資効率の高い広告宣伝を行うことに努めています。 上記のとおり、当社はSNSを起点とした購買体験の設計することにより、最終的には自社ECサイトへアクセスいただき、気に入った商品を円滑に購買いただくことを目標にしており、ECサイトへの訪問者数の増加こそが購買者数の増加につながるものと考えております。 SNSによるマーケティング活動を行うことにより、販売開始前の需要予測、認知拡大が可能になることから、商品企画力の強化にもつながると考えております。 SNSや展示会、過去のヒット商品をもとに今後の需要予測を行い、戦略的にSNSでプロモーションを行い、十分に認知拡散を行った後、販売開始をして売上を伸ばしていくことができます。 その他のSNSマーケティング活動による効果として、社内運用アカウントからの発信により、認知拡散が生じ、ブランドのファンによるUGC(注1)としてのコミュニティの形成も認められます。 企業による広告投稿ではなく、一般ユーザーによって、UGCとして制作、生成されたコンテンツの投稿が増え、それにより更に認知度及び人気も向上する好循環が生まれます。 (注1)UGC:User Generated Contentsの略。 企業による広告投稿ではなく、一般ユーザーによって制作、生成されたコンテンツの投稿として、当社のブランド及び商品に係る感想、コメントの投稿を意味しています。 ② NICOモデル当社は、Z世代の熱狂を獲得する競争力の源泉として「NICOモデル」によるブランド企画、商品企画及び開発を行っております。 それぞれ以下の頭文字を取り「NICOモデル」としています。 N:Nicheニッチだが熱量のある領域を選定しております。 I:Itemそのブランド領域におけるアイコニックな商品として認知されるよう商品企画を図っております。 C:Collaboインフルエンサーとのコラボレーションやデザイナー等と協業して、社内にはない新しいデザインを提案しています。 O:Offline実店舗やPOPUPの展開により販路拡大とブランドのファンとの交流によるファンの固定化を図っております。 ③ 自律分散型ブランド運営当社は、各ブランドが自走して自ら利益を獲得できるようにするため「Yリーグ(注1)」という制度を導入して、ブランドごとの採算を管理しております。 ブランドの成長ストーリーを全社的に定量的に示すことで、各ブランドの担当者にとって分かりやすい目標となり、かつ、撤退基準を明確にすることで迅速で合理的な意思決定ができるようにしており、定量的な判断のもと損失を最小限に止める体制を目指しております。 また、各ブランドにおける投資はブランドごとの自主的な意思決定を尊重しており、ブランドの個性を活かして機動的に行っております。 一方で、ブランドごとの売上等の進捗状況や企画・販売戦略を全社で共有する会議を週次で開催しており、特定のブランドで効果を発揮した施策を他ブランドでも展開可能か検討しております。 そして、各ブランドで商品企画を担当するブランドディレクターには、消費者目線を持つことができるようにするため、そのブランドのターゲット層(主にZ世代)と年齢的に近いスタッフを配置しております。 また、新規ブランドや新商品を企画したスタッフがそのまま、ブランドの立ち上げ、商品開発にも携わるため、ブランド運営の経験は浅くとも当事者意識を高く持ち、取り組むことができます。 その結果、流行が移り変わりやすいアパレル業界においても、適時に需要に応じた商品を企画することができます。 当社の従業員(臨時雇用者を除く)の平均年齢は25.7歳(2024年3月末時点)であり20代の若手従業員が半数以上を占めていること、及び、本社勤務の従業員のうち50%がクリエイティブ(ブランドディレクター)を担当しており、クリエイティブ業務に携わるメンバーが豊富に集まっていることも当社の特長の一つと言えます。 (注1)Yリーグ:ブランドごとの月間平均売上金額に応じて、Y5からY1の5段階で各ブランドを以下のフェーズに応じてランク付けする社内の制度であります。 ブランドを立ち上げて1年で損益分岐点であるY4に到達しない場合は、原則として撤退するものとしています。 Y5:立ち上げ期(700万円未満)Y4:確立期(700万円以上1,500万円未満)Y3:グロース期(1,500万円以上2,500万円未満)Y2:ハイグロース期(2,500万円以上4,000万円未満)Y1:定着期(4,000万円以上) [事業系統図]当社の事業を事業系統図によって示すと以下のとおりとなります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(その他の関係会社)株式会社ZOZO(注)1、2千葉県千葉市稲毛区1,359ファッションECサイトの運営等19.2役員の兼任、当社へのサービス提供ソフトバンクグループ株式会社(注)1、2東京都港区238,772持株会社19.2(19.2)-ソフトバンクグループジャパン株式会社(注)2東京都港区188,798持株会社19.2(19.2)-ソフトバンク株式会社(注)1、2東京都港区214,393通信業19.2(19.2)当社へのサービス提供Aホールディングス株式会社(注)2東京都新宿区100持株会社19.2(19.2)-LINEヤフー株式会社(注)1、2東京都千代田区248,144グループ会社の経営管理、並びにそれに付随する業務19.2(19.2)当社へのサービス提供Zホールディングス中間株式会社(注)2東京都千代田区1持株会社19.2(19.2)- (注)1.有価証券報告書の提出会社であります。 2.「議決権の所有割合」は、各社が直接所有する議決権の比率及び間接所有する議決権の比率の合計となっており、( )内は、間接所有する比率を内数で記載しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1)提出会社の状況2024年3月31日現在 従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)70(72)25.71年11カ月4,690 当社はアパレル事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。 事業部門の名称従業員数(人)ブランド事業本部19(6)事業推進本部43(66)コーポレート本部8(0)合計70(72) (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、アルバイト)は、最近1年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.前事業年度末に比べ従業員数が27名増加しております。 主な理由は、店舗の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。 (2)労働組合の状況 当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、「TURN STRANGER TO STRONGER(ハグレモノをツワモノに)」 をミッションに掲げており、「ファッションブランドを纏うことで、未知の才能をもつ世界中のハグレモノが、そのズレを強さに反転させられるように」という願いをもとに、複数のブランドの創造を図ることでミッションの実現に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標、経営戦略等 企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、売上高、売上総利益、調整後EBITDA(注1)及び営業利益を重要な経営指標としております。 下記「(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」を解決することにより、これらの指標の向上を図ってまいります。 (注1)調整後EBITDAとは、営業利益に減価償却費、のれん償却費、敷金償却費及び株式報酬費用を足し戻した金額です。 (3)経営環境 ①市況当社の経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、経済情勢等に加え、当社の取り扱う商品である衣料品及び雑貨等に関連するものとして、アパレルファッション市場の動向があります。 株式会社矢野経済研究所の調査(「2023 アパレル産業白書」)によれば、国内アパレル総小売市場は2017年から2019年ごろまでほぼ横ばいの推移を続けておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大等による影響により2020年には大きくマイナス成長となりました。 しかしながら、2020年から2021年にかけて回復の兆しを見せており、2022年は前年比で105.9%の市場規模となっております。 また、新型コロナウイルスの感染拡大等による消費者の購買行動の変化も起きているものと考えており、ECにおけるアパレル産業は堅調に成長しております。 具体的には、経済産業省の調査「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 によれば、2022年の衣類・服装雑貨等のEC化率は21.56%、市場規模は2兆5,499億円となっております。 2016年のEC化率は10.93%、市場規模は1兆5,297億円であることから、シフトが進んでおります。 また、2021年の市場規模は2兆4,279億円であり、2022年の市場規模の金額は前年対比で5.02%増加しております。 この点、当社の主な販売チャネルはオンラインストアであることから、当社にとって好機になるものと考えております。 ②市場の規模当社の事業はファッションブランドの運営でありますが、取り扱うブランドの特徴として、ストリートファッションのブランドを中心とし、10〜20代を主なターゲット層としてブランドの展開を行っている点に特徴があります。 今後は30代へ顧客層の拡大や、アパレル以外の商材による事業展開を目指してまいります。 市場規模は以下のとおりとなります。 10〜20代を主なターゲット層としたブランドの展開:1兆5,154億円(参考:「2023 アパレル産業白書」矢野経済研究所、「人口推計」総務省統計局)10~30代を主なターゲット層としたブランドの展開:2兆3,963億円(参考:「2023 アパレル産業白書」矢野経済研究所、「人口推計」総務省統計局)アパレル以外の商材による10〜20代を主なターゲット層としたEC事業の展開:2兆6,324億円(参考:「電子商取引に関する市場調査報告書」経済産業省、「人口推計」総務省統計局) (4)中長期的な会社の経営戦略 当社は、これまでストリートファッションを中心にインフルエンサーを活用したマーケティング手法を駆使して創り上げてきたD2C(注1)ブランド群をもって事業を推進してきましたが、一層の事業の拡大のため次世代のブランド群の創造を目指してまいります。 具体的には、①既存ブランドのさらなる成長及びZ世代向けブランドの新規創出、②Y世代(1981年から1996年に生まれた世代でいわゆる「ゆとり世代」ともいう)等のZ世代以外をターゲット層にしたブランドの新規創出、③商材の多様化の3点を考えております。 ①既存ブランドのさらなる成長及びZ世代向けブランドの新規創出大きく分けると社内でのヒットブランド数の拡充とM&Aによる社外からブランドの取得の2つがあります。 社内でのヒットブランドの拡充とは、ブランド数のより一層の拡充と売上・利益拡大の両立を実現すべく、各種SNSにおける各ブランドの社内運用アカウントの拡充とそれによるファンの獲得(外部のインフルエンサーを活用したマーケティングの割合は2023年6月以降で減少しており、今後もその傾向が続く想定)、ブランド立ち上げにかかるノウハウ及び成功体験の組織内での共有による自律分散型のブランド運営をさらに強化するとともに、市場の潜在的な消費のトレンドを早期に発見し、商品開発へと反映させる活動を行うことで市場のニーズに合致した商品をリリースすることを目指してまいります。 実際に当社の売上の中心であるYZ Storeでは、その多くがZ世代による注文であり、今後もZ世代向けのブランド、商品の開発を一層強化していきます。 その他、店舗出店に伴ったOMO戦略(注2)も既存ブランドの成長戦略の一つとして考えており、自社ECサイトであるYZ Storeを訪れた待機ユーザーをスムーズに実店舗に誘導(Online to Offline)、EC注文商品の店舗受取やEC在庫の店舗取り寄せ等、ECサイトと店舗をシームレスに連携することを検討しております。 これによりオンライン購入履歴から近隣店舗の案内やLINEを使用した顧客との一対一の接客の質の向上が実現可能と考えております。 2024年3月期においては、YZ Storeに店舗在庫状況の表示、YZ Store及び店舗共通のアカウントシステム(購入履歴等の一元管理)の導入を行いました。 一方で、M&Aによるブランドの取得は、当社が得意とするSNSマーケティングの手法を他ブランドにも適用して成長軌道に乗せていくことを目標としています。 実際に、2022年10月に吸収合併した株式会社A.Z.Rに属していたブランドは、合併後、フォロワー数を伸ばすとともに売上高や店舗数も順調に拡大しております。 ②Y世代等のZ世代以外をターゲット層にしたブランドの新規創出これまでZ世代を主なターゲット層としてきましたが、Y世代を主なターゲット層としたブランドも新たに立ち上げ、顧客層を拡大していくことを考えております。 また、上記同様にM&Aにより他社のブランドを取得して、当社のノウハウを適用して成長させていくことも考えております。 当社において、Y世代をターゲット層としたブランドとしては「PAMM」があり、SNSの活用などZ世代向けブランドの運営ノウハウを活かしながら、ブランド独自の世界観を築き、成長しております。 ③商材の多様化これまで当社が蓄積してきたブランド運営ノウハウ及びSNSマーケティングの手法をアパレル商品に限らず、他の商材にも応用することでよりZ世代における認知を拡大して、安定的な売上の確保、売上の季節偏重の逓減に貢献できるものと考えております。 2024年3月期においてはミニサイズのプチプラコスメ「minum」をプロデュースし、アパレル商品以外の事業も開始いたしました。 今後も、アパレル商品以外のブランドのプロデュース、開発を検討してまいります。 (注1)D2C:Direct to Consumerの略。 自ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、顧客とダイレクトに取引する販売方法。 (注2)OMO戦略:Online Merges with Offlineの略。 オンラインとオフラインをシームレスにつなげた状態で顧客への付加価値の高い購買体験の提供を目指す戦略。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①ブランドポートフォリオの多様化当社は、主力ブランドの売上安定化を図るとともに継続的に新規ブランド及び商品を生み出し、特定のブランド及び商品への依存度合いを下げ、リスクの分散を図ることが重要であると考えております。 ブランドポートフォリオのさらなる多様化のために、優秀な人材配置、販促活動の強化による顧客化推進、自社ECサイトのYZ Storeの強化等に取り組むとともに、ブランド運営においては、客観的な撤退基準を設け、基準を充足しない場合には撤退の意思決定を検討するなど、リスク管理を図った上で、ブランド運営を行っております。 これらの取り組みにより、規律ある投資とブランドポートフォリオの多様化に取り組んでまいります。 ②システム及び物流機能の強化当社の主要事業は顧客への直販を中心としたアパレル商品の販売事業であることから、安定した事業運営を行うにあたっては、顧客の増加に対応可能な物流機能の強化が重要であると考えております。 当社のビジネスモデルにおける物流機能には在庫の保管及び入出庫の管理が必要不可欠であり、物流機能と物流コストの最適化を追求することが、経営上、特に重要な要素となります。 今後におきましては、引き続きシステムの強化による安定性及び効率化に取り組んでまいります。 ③商品力の強化当社は、ファッション感度の高い顧客ニーズへの対応を図るため、引き続きSNSを中心として、流行の状況のリサーチを徹底することにより、商品力の強化につなげるとともに、当社内の複数のブランド間での成功事例やノウハウの共有を図ることにより、ヒット商品、ブランドの再現性の向上に取り組んでまいります。 ④インターネット販売の強化当社は、アパレル事業の開始当初から、ECを中心とした販売を行ってきました。 そのため、ECサイト経由の売上は71.8%(第6期)と、実店舗等のオフラインを中心とした事業展開を行ってきた一般的なアパレル企業と比べ、高い水準にあります。 コロナ禍での消費者の生活様式の変化に伴い、インターネット販売の需要が高まるとともに一層のサービスレベル向上が求められると認識しており、引き続き自社ECサイトの強化、システムの見直し、顧客の利便性を向上するサービスの実装、優秀な人材配置、販促活動の強化による顧客化推進等に取り組んでまいります。 ⑤M&Aの検討当社は、継続的に高い成長を実現するため、日々企業買収の検討を行っております。 アパレル業界は消費低迷や顧客ニーズの多様化から、競争力の弱い一部の企業においては、販売不振に陥っている状況にあると考えております。 今後の業界再編の中で、本業の不振などの課題に直面し、事業又は企業そのものの売却を検討する企業が現れるものと考えております。 また、このような企業のほか、当社のブランドポートフォリオにおいて開拓余地のある分野(例えば、Y世代向けのレディース分野)に強みがある企業を買収することで、当社の企業価値を高めることができると考えているため、M&Aを経営戦略のうちの重要な1つと位置付け、日々案件のソーシングを行うとともに、収益性及び当社とのシナジー効果を慎重かつ十分に検討した上で、実施してまいります。 ⑥SNSを通じた認知拡大当社は、Z世代が主な顧客層であり、SNSでの継続的な認知獲得が売上に寄与しているものと考えております。 そのため、自社SNSコンテンツの認知拡大が特に重要であると考えております。 当社はクリエイティブ職の育成と採用の継続的な強化により自社SNSによる発信力を高め、Z世代へのさらなる認知向上に取り組んでまいります。 ⑦実店舗販売の強化当社は、継続的に高い成長を実現するため、2022年4月より実店舗の運営を行っており、2024年3月には23店舗を展開しております。 期間限定店舗を活用して需要の調査を慎重に行った後、SNSでの集客力を活かした小型店舗での展開が中心となっております。 当社は、東名阪を中心に実店舗の拡大に取り組んでまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)サステナビリティに関する考え方当社は、「TURN STRANGER TO STRONGER(ハグレモノをツワモノに)」 をミッションに掲げ、「ファッションブランドを纏うことで、未知の才能をもつ世界中のハグレモノが、そのズレを強さに反転させられるように」という願いをもとに、複数のブランドを運営する企業として、ファッション文化を育むとともに、地球環境への影響に配慮した事業活動を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献できると考えております。 (2)サステナビリティへの取組①ガバナンス当社は、持続可能性の観点から、持続可能な開発目標(SDGs)へのアプローチを行うことで、中長期的な企業価値の向上を目指しております。 そのため、サステナビリティに関する課題への対応は重要な経営課題であると認識しており、当社としてはサステナビリティ推進体制を整備し、基本方針の策定を今後検討する予定です。 ②リスク管理当社では、サステナビリティに関する基本方針や重要課題の特定、さらには重要課題の監視・管理等のため、サステナビリティ関連のリスクが事業活動に与える影響について分析し、対応策について検討を行ってまいります。 リスクについては今後、リスク管理・コンプライアンス委員会等で確認を行い、必要に応じて重要課題及び基本方針を見直すなど適切に対応してまいります。 また、今後は内部監査においても、監査項目にサステナビリティに関する課題への対応状況を加え、サステナビリティ推進体制を強化してまいります。 内部監査を通じて、リスク管理・コンプライアンス委員会の主要な議題となった場合には、サステナビリティを推進する各部門と連携し、リスクマネジメント体制において人的資本に対する各種施策の実施状況を管理する体制を構築する予定であります。 ③サステナビリティに関連する戦略や指標及び目標A) 人材育成方針当社は、持続可能な事業の成長及び企業価値の向上を図るためには、多様性ある人材及び組織の育成が重要であると認識しており、従業員一人ひとりの自己実現のための機会を提供することで、人材及び組織の育成を通じた持続的な企業価値の向上を目指しております。 具体的な取り組みとしては、定期的な1on1面談を通し、各従業員に対し期待される役割を明確にするとともに、従業員のキャリアに関する希望を把握し、配属の検討に反映しております。 また、部門横断的な活動が自発的に行われること、組織の一体感の醸成を目的として、定期的に社内イベントを実施し、従業員間の対話が活発に行われるように努めております。 B) 社内環境整備多様な人材を確保・活用するには、柔軟な働き方を実現することが重要と考えており、継続した働き方改革を推進しております。 テレワークやフレックスタイム制を活用し、ワークスタイルの柔軟化を図ることで、従業員がワークライフ・バランスを整えながら能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めております。 C) 指標及び目標当社では、多様性ある人材及び組織の育成が重要と考える中、女性、外国人、中途採用者等の区分で管理職の構成割合や人数、障害者の雇用率等の目標値は定めておりませんが、その具体的な目標設定や状況の開示については、今後の経営課題として検討してまいります。 |
戦略 | ③サステナビリティに関連する戦略や指標及び目標A) 人材育成方針当社は、持続可能な事業の成長及び企業価値の向上を図るためには、多様性ある人材及び組織の育成が重要であると認識しており、従業員一人ひとりの自己実現のための機会を提供することで、人材及び組織の育成を通じた持続的な企業価値の向上を目指しております。 具体的な取り組みとしては、定期的な1on1面談を通し、各従業員に対し期待される役割を明確にするとともに、従業員のキャリアに関する希望を把握し、配属の検討に反映しております。 また、部門横断的な活動が自発的に行われること、組織の一体感の醸成を目的として、定期的に社内イベントを実施し、従業員間の対話が活発に行われるように努めております。 B) 社内環境整備多様な人材を確保・活用するには、柔軟な働き方を実現することが重要と考えており、継続した働き方改革を推進しております。 テレワークやフレックスタイム制を活用し、ワークスタイルの柔軟化を図ることで、従業員がワークライフ・バランスを整えながら能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めております。 |
指標及び目標 | C) 指標及び目標当社では、多様性ある人材及び組織の育成が重要と考える中、女性、外国人、中途採用者等の区分で管理職の構成割合や人数、障害者の雇用率等の目標値は定めておりませんが、その具体的な目標設定や状況の開示については、今後の経営課題として検討してまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | A) 人材育成方針当社は、持続可能な事業の成長及び企業価値の向上を図るためには、多様性ある人材及び組織の育成が重要であると認識しており、従業員一人ひとりの自己実現のための機会を提供することで、人材及び組織の育成を通じた持続的な企業価値の向上を目指しております。 具体的な取り組みとしては、定期的な1on1面談を通し、各従業員に対し期待される役割を明確にするとともに、従業員のキャリアに関する希望を把握し、配属の検討に反映しております。 また、部門横断的な活動が自発的に行われること、組織の一体感の醸成を目的として、定期的に社内イベントを実施し、従業員間の対話が活発に行われるように努めております。 B) 社内環境整備多様な人材を確保・活用するには、柔軟な働き方を実現することが重要と考えており、継続した働き方改革を推進しております。 テレワークやフレックスタイム制を活用し、ワークスタイルの柔軟化を図ることで、従業員がワークライフ・バランスを整えながら能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めております。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 以下には、当社が事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 また当社がコントロールできない外部要因や必ずしもリスク要因に該当しない事項についても記載しております。 当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスク回避あるいは発生時に迅速に対応する所存ですが、当社の経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。 (1)顧客嗜好の変化について(顕在可能性:大 / 影響度:大 / 発生時期:中期的)当社は、流行の影響を受けやすい、衣料品及び雑貨等を中心に商品展開を行っております。 特に、当社は、ストリートブランドを中心としており、ブランドの商品を支持するファッション感度の比較的高い顧客層を主体としております。 感染症拡大の影響による生活様式の変化や新規参入企業による競合の激化等により、当社が顧客の嗜好や生活様式の変化に対応しきれない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社としては、今後も、各ブランドのターゲット層を中心として、流行の状況のリサーチを継続することにより、商品力の強化につなげるとともに、オンライン販売のみならず、オフラインの実店舗を活用した新たな販売チャネルの展開等により、顧客の嗜好と生活様式の変化に応えるとともに顧客層の拡大により、これらのリスク低減を図ってまいります。 (2)商品の品質について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:特定時期なし)当社で取り扱う商品について、検品や商品管理の不備により、不適切な商品を販売してしまった場合、当社のブランドイメージが毀損する可能性があります。 また、その範囲は当社に留まらず、取引先や入居する商業施設等多方面にわたります。 これにより、お客様をはじめ取引先への賠償や違約金の支払いが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 この点、当社は、商品管理体制の強化として、生産委託先との契約において納入前検査条項、品質保証条項を含めることにより、これらのリスク低減を図ってまいります。 (3)競合環境について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:中期的)当社の事業が属するアパレル小売市場は、流行・嗜好が短期的に大きく変化する傾向が強く、また国内外の競合企業との厳しい競争状態にあり、商品企画等の失敗により顧客の選好にマッチした商品開発ができなかった場合、またブランド価値が陳腐化した場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、店舗や自社ECサイト、自社SNSアカウント等を通じて顧客の嗜好に関する情報を収集し、機動的に商品展開に反映させることで、顧客のニーズに合った商品の提供に努めております。 加えて、新ブランド開発スピードと精度を向上させることで、ブランド陳腐化のリスクを低減しながら、常に顧客ニーズを捉えたブランドを開発し、提供してまいります。 また、当社の主なマーケティング活動はSNSを活用したマーケティングであり、SNS利用動向及びSNSマーケティング環境にかかる動向を注視し、流行・嗜好に合わせた施策の検討に取り組んでおりますが、SNS利用動向の変化やSNSにおけるマーケティング活動を対象とした法規制の変更等の外部環境の変動等が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)株式会社ZOZOとの関係について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:中期的)当社は、株式会社ZOZOの関連会社(2024年3月31日現在の当社の議決権保率19.2%、かつ、株式会社ZOZOの役員が当社の取締役に就任)に該当いたします。 株式会社ZOZOは、当社の株主のうち議決権比率は第2位であり、定款の変更、取締役及び監査役の選解任、合併等の組織再編行為、重要な資産・事業の譲渡及び剰余金の処分等、株主の承認が必要となる事項に関しては、同社による議決権行使が当社の意思決定に影響を及ぼす可能性があるため、同社の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。 また、同社の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、取引関係等に影響が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 独立性の確保について 当社は、株式会社ZOZOからの独立性の確保に向けて、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役1名、独立社外監査役3名が就任しており、取締役会においてより多様な意見が反映される状況にあります。 ② 当社との人的関係について当社の役員(取締役4名、監査役3名)のうち、取締役1名は同社の取締役を兼任しております。 豊富な経営知識から、当社事業に関する助言を得ることを目的として招聘したものであります。 なお、同社からの出向者等の受け入れはなく、今後も原則として同社からの出向者の受け入れは行わない方針であります。 ③ 当社との取引関係について当社は同社との主な取引として、同社の運営するプラットフォームであるZOZOTOWNを利用してオンライン販売を行っております。 これらの取引については、同社からの独立性確保の観点も踏まえ、第三者取引と同様の一般的な取引条件で行っております。 取引条件の適切性を確保するため、当社が定める関連当事者取引管理規程に基づき、取引開始前に取引の相手方が関連当事者等に該当しないかを主管部門であるコーポレート部門が確認します。 その後、取引の合理性、妥当性、適法性等について、取締役会で議論の上、決議するものとしております。 また、継続的に発生する取引は過去の取引実績から予め取引想定額等を定め、新規取引と同様に合理性、妥当性等の審議を行い、取締役会にて実施可否を決議しておりますが、取引の開始後においても定期的なモニタリングを実施のうえ、取引想定額の超過等が見込まれる場合、あらためて取締役会にて決議するものとしております。 なお、当社と同社との取引金額は454,120千円(第6期)であり、当社の売上高のうち32.3%(第6期)は、同社プラットフォームであるZOZOTOWN経由です。 (5)業績の季節偏重について(顕在可能性:大 / 影響度:中 / 発生時期:短期的)当社はアパレル商品を中心に取り扱っており、季節ごとに商品単価及び顧客が購入するアイテム数が異なることから、相対的に商品単価が高く、顧客あたりの購入アイテム数が多い秋冬シーズンに売上高が偏重する傾向にあります。 また、気候、気温の変化による影響を受けやすい傾向にあり、結果として当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)M&A及びのれんの減損について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:特定時期なし)当社では、今後の事業拡大及び収益力向上のため、M&Aは重要かつ有効な手段であると考えており、M&Aの検討に際しては、対象企業の財務状況等の調査、当社の事業への相乗効果等に関するリスク及び投資資金の回収可能性を十分に事前に検討することとしております。 しかしながら、事業環境の著しい変化等により、対象企業又は事業の業績が当初の計画どおりに推移せず、投資資金の回収ができない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを貸借対照表に計上しておりますが、事業環境の変化等により企業買収時に期待していた成果が得られない場合には、当該のれんについて減損損失を計上することになり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)自然災害・感染症・事故等について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:特定時期なし)当社の実店舗を含む事業拠点の周辺において地震・火災等の自然災害や重大な感染症、テロ・デモ・騒擾行為等の人災が発生した場合、実店舗の運営活動において支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、同様に自然災害・感染症・事故等が発生した場合、自社ECにおける販売活動において支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 この点、当社では実店舗以外の販路として自社ECの強化を引き続き行い、データのバックアップ体制やネットワークセキュリティの強化などにより自社ECにおける販売活動に支障が生じるリスクの低減を図っております。 しかしながら、基幹システム及びネットワークの障害等を完全に回避することは困難であり、万が一障害等が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)為替相場の変動について(顕在可能性:中 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)当社は、商品の多くを国内の取引先から仕入れておりますが、当社の仕入先は海外の生産工場から輸入しているため、為替相場の変動が当社の仕入れ価格の変動につながり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 当該為替相場の変動リスクへの対応として、当社では、仕入先を集約することで規模の経済による価格交渉力を強めています。 また、商品の値上げに耐えられるよう魅力的な商品企画に努めています。 (9)SNSマーケティングに関するリスク(顕在可能性:中 / 影響度:中 / 発生時期:中期的)当社はSNSを活用したマーケティングを主な手法としており、マーケティングを目的として、ブランド公式アカウント、社内運用個人アカウント、及び外部のインフルエンサーアカウント等によるSNS投稿を実施しておりますが、それらの投稿が広告関連法令等に違反する場合や、ステルスマーケティング(注)と見做された場合には、当社及び当社ブランドイメージが毀損され、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このようなリスクへの対応策として、当社は、ブランド公式アカウント、社内運用個人アカウントによる投稿にあたっての遵守事項として「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を策定しております。 また、インフルエンサー等にギフティングを行う際には、SNS投稿を行う場合の注意事項を明示し、必要に応じて投稿内容の確認を行う等の対応を行っております。 (注)消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。 (10)出店計画について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:中期的)当社は、成長戦略の一つとして実店舗の出店の拡大を考えております。 現時点においては、出店計画に基づき店舗数は順調に増加し、かつ、出店した店舗の集客力は高い状況ですが、今後、出店したエリアを取り巻く環境の変化等により、集客力が変動した場合、又は出店が想定どおりに進まない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)業務委託先との取引関係について(顕在可能性:中 / 影響度:小 / 発生時期:中期的)当社は、個人又は法人との間で業務委託契約を締結し、商品デザインの開発等の業務の一部を委託しております。 当社これらの委託先と良好な関係を構築しておりますが、何らかの理由により維持継続できなくなった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)システムについて(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)当社は事業運営において、POSシステム、インターネット販売システム、物流管理システム等各種システムを使用しております。 これらが万一機能不全に陥った場合、事業活動に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社としては、これらのリスク低減を図るべく、各種システム及び取引先の選定や冗長化に取り組むことによって、これらのリスク低減を図ってまいります。 (13)知的財産権について(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)当社では国内外で商標権など知的財産権を所有しており、法令の定めに則って権利の保全に努めていますが、第三者による当社の権利の侵害により、企業・ブランドイメージの低下、商品開発の阻害を招いた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 万一、第三者から損害賠償及び使用差し止め請求等が為され、金銭の支払いが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクへの対応として、当社は、他社の知的財産の侵害の可能性についてコーポレート部門で検討し、知的財産の侵害が懸念される場合は、必要に応じて弁理士を通じて調査する等の措置を講じる予定です。 また、他社の知的財産の侵害が係争事件等に発展した場合に当社が被ると予想される損失等につきリスク管理・コンプライアンス委員会等にて注意を促し、その防止に努めております。 (14)情報管理について(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)当社は事業活動上、個人情報を保有しております。 個人情報漏洩防止の対策は万全を期しておりますが、万が一情報漏洩が起こった場合は、賠償責任の発生や信用失墜により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクへの対応として、当社は、情報セキュリティに関連する規程を整備しており、外部からのアクセスについて、システム的な対策を講じております。 また、個人情報保護に関する基本方針を定め、適正な入手と入手情報の管理体制を構築しております。 個人情報保護法の改正動向やユーザーの個人情報に関する意識などを見極めながら、社内体制の整備を行ってまいります。 (15)内部管理体制の強化について(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)当社は、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。 業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社としては、規模の拡大に伴った適切な組織体制の構築と人員の配置により、当該リスクの低減を図ってまいります。 (16)特定の企業が運営するオンラインモール(ZOZOTOWN)での売上依存度について(顕在可能性:小 / 影響度:小 / 発生時期:特定時期なし)当社の2024年3月期の売上高のうち32.3%が、特定の企業が運営するオンラインモール(ZOZOTOWN)に出店した店舗の売上であります。 現時点において、該当するオンラインモール(ZOZOTOWN)の集客力は高い状況ですが、今後、出店先を取り巻く環境の変化等により、集客力が変動した場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、今後の出店先の経営方針の変更により、当社が営業活動の方針変更を余儀なくされ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社としては該当するオンラインモール(ZOZOTOWN)の売上を維持しつつ、自社ECを強化することによって過度な依存状態を解消し、リスク低減を図ってまいります。 (17)配当政策について(顕在可能性:小 / 影響度:小 / 発生時期:特定時期なし)当社は会社設立以来、配当を実施しておらず、今後の配当の具体的な実施の有無等についても未定でありますが、将来にわたって経営環境、財政状態や内部留保の状況を勘案し、株主に対する利益還元を検討していくこととしております。 しかしながら、将来的に安定的な利益を計上できない場合には、配当による利益還元が困難となる可能性があります。 なお、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。 (18)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在可能性:小 / 影響度:小 / 発生時期:特定時期なし)当社は、当社の役員、従業員に対して新株予約権を付与しており、提出日の前月末現在における新株予約権による潜在株式数は401,700株であり、発行済株式総数4,697,100株の8.55%に相当しております。 今後もストック・オプションとしての新株予約権を付与する可能性があります。 今後、既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が行使された場合には、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 (19)商品の生産委託先の偏重について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:中期的)当社の商品の多くを中国の工場にて生産しております。 そのため中国国内において、政治・地政学リスクの顕在化及び感染症等に係る政策等によりサプライチェーンが不安定になった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (20)特定の人物に対する依存について(顕在可能性:小/影響度:大/発生時期:中期的)当社の代表取締役社長である片石貴展は、当社の経営方針の決定、事業戦略の立案を中心に事業運営の中心的な役割を担っております。 当社では今後の事業拡大に備え、外部人材の登用、社内人材の育成など代表取締役を含め特定の役職員へ過度に依存しない体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により代表取締役が職務遂行をできなくなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、片石貴展から不動産賃貸借契約に対する債務保証を受けており、その詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載のとおりでありますが、当社は賃貸借契約に係る貸主との継続交渉により当該債務保証を解消していく方針であります。 (21)人材確保について(顕在可能性:小/影響度:大/発生時期:中期的)当社のブランドの開発並びに運営及びその商品の企画開発にあたって、従業員の貢献が最も大きく寄与します。 企業間での採用競争が激しくなり必要とする人材を確保できなかった場合、又は、従業員の退職等によって必要な人材を確保できなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 裁量権を持った働き方など従業員の働きやすさの向上を目指し、従業員のエンゲージメントの向上に向けた施策を通じて人材の確保及び流出の抑制に努めてリスクの低減を図ってまいります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況(資産) 当事業年度末における流動資産は1,414,321千円となり、前事業年度末に比べ523,150千円増加いたしました。 これは主に現金及び預金が368,401千円増加したこと及び商品が80,373千円増加したことによるものであります。 固定資産は489,656千円となり、前事業年度末に比べ39,221千円増加いたしました。 これは主に有形固定資産が88,288千円増加したこと、のれんが70,435千円減少したことによるものであります。 この結果、総資産は1,903,977千円となり、前事業年度末に比べ562,372千円増加いたしました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は963,431千円となり、前事業年度末に比べ48,152千円増加いたしました。 これは主に買掛金が21,535千円増加したこと、未払法人税等が128,480千円増加したこと、短期借入金が100,000千円減少したことによるものであります。 固定負債は256,079千円となり、前事業年度末に比べ60,277千円増加いたしました。 これは主に長期借入金が45,397千円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は1,219,510千円となり、前事業年度末に比べ108,429千円増加いたしました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は684,467千円となり、前事業年度末に比べ453,942千円増加いたしました。 これは主に東京証券取引所グロース市場への上場に伴う新株発行による資本金98,532千円の増加及び資本剰余金98,532千円の増加によるものであります。 この結果、自己資本比率は34.3%(前事業年度末は17.2%)となりました。 ②経営成績の状況 当事業年度におけるわが国の経済は、コロナウイルスによる行動制限が緩和されたことでインバウンド需要が増加し、経済・社会活動の正常化が促進され、個人消費の緩やかな回復がみられました。 一方で急激な円安や商品の価格上昇、地政学的リスクの上昇、労働者不足などにより経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社の属するアパレル業界においても、円安が進行するなか原材料の価格上昇が課題となっておりますが、外出機会の増加に伴い衣料品への消費意欲は徐々に回復しています。 このような状況の中、当社では売上成長と利益の拡大に取り組むため、オフライン販売の強化を推進し、実店舗が15店増加し、合計で23店舗となりました。 また、展開ブランド数は10ブランド増加し、合計29ブランドとなりました。 この結果、当事業年度の業績は売上高4,320,169千円(前年同期比74.9%増)、営業利益383,802千円(前年同期は47,625千円の営業損失)、経常利益378,685千円(前年同期は54,399千円の経常損失)、当期純利益225,032千円(前年同期は68,449千円の当期純損失)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前事業年度末に比べ368,401千円増加し、613,090千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果得た資金は523,149千円(前年同期は291,610千円の資金減少)となりました。 これは主に、税引前当期純利益を360,607千円(前年同期は81,917千円の税引前当期純損失)、のれん償却額を70,435千円(前年同期は48,976千円)計上したこと等があった一方で、棚卸資産の増加が93,971千円(前年同期は増加額109,720千円)あったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は334,035千円(前年同期は227,913千円の資金減少)となりました。 これは主に、合併による支出200,000千円(前年同期は167,582千円)、有形固定資産の取得による支出88,855千円(前年同期は29,102千円)等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は179,288千円(前年同期は253,718千円の資金増加)となりました。 これは主に、短期借入金の減少額100,000千円(前年同期は増加額20,000千円)があった一方で、新株の発行による収入197,064千円(前年同期は該当なし)、長期借入れによる収入168,864千円(前年同期は200,000千円)があったこと等によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.仕入実績 当社は、アパレル事業の単一セグメントであります。 事業分野別の名称仕入高(千円)前年同期比(%)アパレル事業 1,811,754135.0合計 1,811,754135.0 (注)1.当事業年度において、仕入実績に著しい変動がありました。 これは、事業拡大によるものであります。 c.販売実績 当社は、アパレル事業の単一セグメントであります。 事業分野別の名称販売高(千円)前年同期比(%)アパレル事業4,320,169174.9合計4,320,169174.9 (注)1.金額は、販売価格によっております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。 これは、事業拡大によるものであります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 この財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。 (商品評価損) 当社は、商品について正味売却価額が取得原価を下回る場合、棚卸資産の簿価切下げに伴う評価損を計上しております。 将来、正味売却価額について、市場動向の変化により見直しが必要となった場合、棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (のれんの減損) 当社は、のれんについて5年間の均等償却を行っております。 のれんを含むより大きな単位において事業計画どおりに業績が進捗せず、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとなっている場合や、経営環境が著しく悪化しているような場合には、減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたり慎重に検討することとしておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 当社の財務諸表で採用する当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高、売上原価及び売上総利益) 当事業年度の売上高は4,320,169千円(前期比74.9%増)となりました。 売上高の主な増加要因は、新規ブランドの展開によるブランドポートフォリオの拡充やオフライン販売の強化によるものであります。 売上原価は主に、商品の仕入であり、売上原価は1,731,380千円(前期比54.5%増)となりました。 その結果、売上総利益は2,588,788千円(前期比91.8%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は2,204,986千円(前期比57.8%増)となりました。 販管費の主な増加要因は売上高増加に伴う手数料及び配送費用の増加等によるものであります。 この結果、営業利益383,802千円(前事業年度は営業損失47,625千円)となりました。 ③資本の財源及び資金の流動性の分析 当社の運転資金需要のうちの主なものは、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 また、金融機関に信用枠を設けており、第6期事業年度末(2024年3月31日)の信用枠の合計は400,000千円でありますが、第6期事業年度末時点では、信用枠のうち300,000千円を利用しております。 今後も、短期運転資金の水準を踏まえながら、金融機関からの信用枠の確保を進めてまいります。 なお、第6期事業年度末(2024年3月31日)における借入金の残高は641,609千円となっております。 また、第6期事業年度末(2024年3月31日)における現金及び現金同等物の残高は613,090千円となっております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。 これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するブランド及び商品力の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当事業年度の設備投資等の総額は106,205千円であり、これは主に新店舗にかかる設備及び従業員用のPCの購入等によるものであります。 当事業年度において、店舗の移転及び撤退により、次の主要な設備を除却しております。 その内容は以下のとおりであります。 事業所名所在地設備の内容除却時期前期末帳簿価額(千円)9090 名古屋店愛知県名古屋市内装設備2023年10月13日6,180Younger Song心斎橋店大阪府大阪市内装設備2023年1月31日6,805YZ 仙台店宮城県仙台市内装設備2023年1月31日6,741 なお、当社はアパレル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は、次のとおりであります。 2024年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物附属設備(千円)工具、器具及び備品(千円)ソフトウェア(千円)合計(千円)本社(東京都世田谷区) 本社機能3,07612,4454,41719,939509090 東京店(東京都渋谷区) 店舗設備24,854439―25,29429090 名古屋店(愛知県名古屋市) 店舗設備18,729――18,7292HTH HEP FIVE大阪店(大阪府大阪市) 店舗設備13,838――13,8382MySugarBabeルクア大阪店(大阪府大阪市) 店舗設備11,581――11,5811WudgeBoy 名古屋店(愛知県名古屋市) 店舗設備9,407――9,4071 (注)1.当社はアパレル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。 3.本社及び建物の一部は賃借しており、年間賃借料の合計は211,070千円であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画はありません。 (2)重要な改修経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 (3)重要な設備の除却等重要な設備の除却等の計画はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 106,205,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 26 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 1 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 4,690,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 片石 貴展東京都世田谷区425,30027.16 株式会社ZOZO千葉市稲毛区緑町1丁目 15-16300,00019.16 株式会社pool東京都世田谷区北沢2丁目 5-2 下北沢ビッグベン4F148,1009.46 山口 貴弘東京都港区78,2004.99 株式会社 SBI証券東京都港区六本木1丁目 6番1号55,4003.54 楽天証券株式会社東京都港区南青山2丁目 6番21号53,2003.40 瀬之口 和磨東京都新宿区47,2003.01 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目 8-1240,3002.57 AKパートナーズ株式会社 東京都渋谷区神宮前4丁目 1-18 裏参道テラス30,3001.94 GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)PLUMTREE COURT,25 SHOE LANE,LONDON EC4A 4AU,U.K.(東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー)22,0001.41 計―1,200,00076.65 (注)1.持株比率は、自己株式(65株)を控除し、小数点以下第3位を四捨五入して算出しております。2.前事業年度末現在主要株主であった 株式会社poolは、当事業年度末では主要株主ではなくなりました。 |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 16 |
株主数-外国法人等-個人 | 2 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 16 |
株主数-個人その他 | 1,057 |
株主数-その他の法人 | 15 |
株主数-計 | 1,108 |
氏名又は名称、大株主の状況 | GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社) |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式A種優先株式 1,642(注1)普通株式 65306当期間における取得自己株式-- (注)1.当社は2023年8月7日付で、A種優先株式すべてを自己株式として取得し、対価としてA種種類株式1株につき、普通株式1株を交付しております。 また、当社が取得したA種優先株式について、2023年8月10日開催の取締役会決議に基づき、2023年8月30日付ですべて消却しております。 2.当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -306,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -306,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式13,1651,552,535-1,565,700A種優先株式1,642-1,642-合計14,8071,552,5351,6421,565,700 (注)当社は2024年4月1日付で株式1株につき3株の株式分割を行っておりますが、上記の事項は、当該株式分割前の株式数を基準としております。 (変動事由の概要)普通株式の増加数の主な内容は次のとおりであります。 種類株式の取得事由の発生に伴う交付による増加 1,642株株式分割による増加 1,465,893株公募による新株式の発行による増加 85,000株種類株式の減少は、当該株式の取得事由の発生に伴い取得した自己株式を消却したことによるものであります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年6月28日株式会社yutori 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士広瀬 勉 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士粂井 祐介 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社yutoriの2023年4月1日から2024年3月31日までの第6期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社yutoriの2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 滞留商品の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社yutori(以下、「会社」という)は当事業年度末の貸借対照表において、商品501,682千円を計上しており、当該金額は総資産の26.3%を占めている。 また、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載のとおり、損益計算書上の売上原価として、商品評価損8,682千円が計上されており、商品評価損の内、滞留商品に対する評価損計上が大半を占めている。 商品の評価基準及び評価方法は先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)によっており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としている。 また、仕入時点から一定の期間が経過した商品又は撤退ブランドの商品など正常な営業循環過程から外れた滞留商品について、帳簿価額を切り下げた価額をもって、貸借対照表価額としている。 会社が主として営むストリートブランドを中心とした衣料品及び雑貨等の企画及び販売に関する事業は、ブランドの商品を支持するファッション感度の比較的高い顧客層を主体としており、流行の影響を受けやすい。 当監査法人は、滞留商品の評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・滞留商品に関する評価減割合の設定及び商品評価損の計算結果レビューと承認に関する内部統制について理解するとともに、整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・前年度からの経営環境の変化を把握するために経営者等と協議を行い、滞留商品の今後の販売見込みについて質問を行い、滞留期間ごとに設定されている一定の評価減割合について、変更の要否を検討した。 ・過年度において滞留期間ごとに把握していた滞留商品について、その後の値引き、廃棄実績等を検証することで、滞留期間ごとに設定されている一定の評価減割合の妥当性を検証した。 ・滞留商品データ内の滞留期間ごとの残高及び滞留期間ごとの一定の評価減割合を用いて再計算を行うことで、滞留商品の帳簿価額の切下げ額の計算の正確性を検証した。 ・滞留商品データより無作為にサンプルを抽出し、当該サンプルの滞留期間と商品の入庫情報等を照合することにより、滞留商品データ内の滞留期間の正確性を検証した。 そのため、商品企画時の計画と販売実績が乖離し、滞留商品における収益性が流行の変化を受け、低下する可能性がある。 会社は当該滞留商品の収益性の低下を反映するために、滞留期間ごとに一定の評価減割合を設定し、帳簿価額を切下げる方法を採用している。 期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合や撤退ブランドの商品評価損の計上と比較し、滞留期間ごとに一定の評価減割合を設定する方法には、その評価減割合の設定において将来の販売可能見込み額に関する一定の不確実性が含まれることから、経営者の重要な判断を伴う。 したがって、滞留期間ごとの一定の評価減割合が合理的でない場合、商品残高に重要な影響を及ぼす可能性がある。 以上から、当監査法人は会社の滞留商品の評価が財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 滞留商品の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社yutori(以下、「会社」という)は当事業年度末の貸借対照表において、商品501,682千円を計上しており、当該金額は総資産の26.3%を占めている。 また、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)に記載のとおり、損益計算書上の売上原価として、商品評価損8,682千円が計上されており、商品評価損の内、滞留商品に対する評価損計上が大半を占めている。 商品の評価基準及び評価方法は先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)によっており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としている。 また、仕入時点から一定の期間が経過した商品又は撤退ブランドの商品など正常な営業循環過程から外れた滞留商品について、帳簿価額を切り下げた価額をもって、貸借対照表価額としている。 会社が主として営むストリートブランドを中心とした衣料品及び雑貨等の企画及び販売に関する事業は、ブランドの商品を支持するファッション感度の比較的高い顧客層を主体としており、流行の影響を受けやすい。 当監査法人は、滞留商品の評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・滞留商品に関する評価減割合の設定及び商品評価損の計算結果レビューと承認に関する内部統制について理解するとともに、整備及び運用状況の有効性を評価した。 ・前年度からの経営環境の変化を把握するために経営者等と協議を行い、滞留商品の今後の販売見込みについて質問を行い、滞留期間ごとに設定されている一定の評価減割合について、変更の要否を検討した。 ・過年度において滞留期間ごとに把握していた滞留商品について、その後の値引き、廃棄実績等を検証することで、滞留期間ごとに設定されている一定の評価減割合の妥当性を検証した。 ・滞留商品データ内の滞留期間ごとの残高及び滞留期間ごとの一定の評価減割合を用いて再計算を行うことで、滞留商品の帳簿価額の切下げ額の計算の正確性を検証した。 ・滞留商品データより無作為にサンプルを抽出し、当該サンプルの滞留期間と商品の入庫情報等を照合することにより、滞留商品データ内の滞留期間の正確性を検証した。 そのため、商品企画時の計画と販売実績が乖離し、滞留商品における収益性が流行の変化を受け、低下する可能性がある。 会社は当該滞留商品の収益性の低下を反映するために、滞留期間ごとに一定の評価減割合を設定し、帳簿価額を切下げる方法を採用している。 期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合や撤退ブランドの商品評価損の計上と比較し、滞留期間ごとに一定の評価減割合を設定する方法には、その評価減割合の設定において将来の販売可能見込み額に関する一定の不確実性が含まれることから、経営者の重要な判断を伴う。 したがって、滞留期間ごとの一定の評価減割合が合理的でない場合、商品残高に重要な影響を及ぼす可能性がある。 以上から、当監査法人は会社の滞留商品の評価が財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 滞留商品の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
工具、器具及び備品(純額) | 13,541,000 |
有形固定資産 | 135,251,000 |
ソフトウエア | 4,417,000 |
無形固定資産 | 250,941,000 |
繰延税金資産 | 35,456,000 |
投資その他の資産 | 103,462,000 |
BS負債、資本
短期借入金 | 300,000,000 |
1年内返済予定の長期借入金 | 100,410,000 |
未払金 | 137,696,000 |
未払法人税等 | 128,739,000 |
賞与引当金 | 18,500,000 |
資本剰余金 | 202,216,000 |
利益剰余金 | 251,872,000 |
負債純資産 | 1,903,977,000 |
PL
売上原価 | 1,731,380,000 |
販売費及び一般管理費 | 2,204,986,000 |
受取利息、営業外収益 | 4,000 |
営業外収益 | 12,629,000 |
支払利息、営業外費用 | 9,690,000 |
その他、流動資産 | 104,345,000 |
営業外費用 | 17,746,000 |
固定資産除却損、特別損失 | 18,077,000 |
特別損失 | 18,077,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 120,692,000 |
法人税等調整額 | 14,883,000 |
法人税等 | 135,575,000 |
PL2
当期変動額合計 | 453,942,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 15,308,000 |
賞与引当金の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 8,500,000 |