財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-27 |
英訳名、表紙 | KAKEN PHARMACEUTICAL CO., LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 堀 内 裕 之 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都文京区本駒込二丁目28番8号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(5977)5007(ダイヤルイン) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1948年3月「財団法人理化学研究所の措置に関する法律」に基づき、財団法人組織を株式会社に改組し、「株式会社科学研究所」として発足。1952年8月「株式会社科学研究所」の生産部門が分離独立し、「科研化学株式会社」として発足。1961年10月東京証券取引所の市場第二部に上場。1962年8月東京証券取引所の市場第一部に上場。1962年12月静岡県藤枝市に発酵工場として静岡工場竣工。1966年8月全国主要都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡)に営業所を設置。1969年5月広島営業所を設置。1969年11月製品発送センターを設置。1970年7月全国7営業所を支店に昇格。1970年10月関東甲信越支店を新たに設置。1982年10月科研薬化工株式会社と合併し、商号を「科研製薬株式会社」に変更。1983年5月静岡工場内に合成・製剤工場竣工。1983年7月大阪府摂津市に西部物流センター竣工。1984年7月静岡工場内にGLP棟竣工。1986年12月子会社科研不動産サービス株式会社を設立。1987年6月千葉県野田市に東部物流センター竣工。1988年5月子会社科研ファルマ株式会社を設立(現、連結子会社)。1989年8月関連会社エイコーフィルター株式会社の株式を一部買増取得し、子会社となる。1990年4月子会社科研物流株式会社を設立。1991年8月千葉県浦安市に本社事務所竣工(現在地より仮移転)。1992年10月関連会社藤科興業株式会社(株式会社フジカ)の株式を一部買増取得し、子会社となる。1998年3月東京都文京区の文京グリーンコート竣工にともない現在地に本社移転。1999年3月関連会社株式会社エヌ・ケー・キューレックスに持分法を適用。2000年4月滋賀県大津市の滋賀工場を閉鎖し、静岡県藤枝市にある静岡工場に統合。2000年8月大阪府摂津市の西部物流センターを閉鎖し、滋賀県大津市の滋賀工場跡地に移転。2003年5月大阪府枚方市に西部物流センターを移転(アウトソーシング)。2004年9月子会社エイコーフィルター株式会社の当社全保有株式を近藤工業株式会社へ譲渡。2005年11月埼玉県行田市に東部物流センターを移転(アウトソーシング)。2005年12月持分法適用関連会社である株式会社エヌ・ケー・キューレックスが解散。2006年2月子会社科研不動産サービス株式会社は子会社科研物流株式会社を吸収合併。2012年3月子会社科研不動産サービス株式会社は子会社株式会社フジカを吸収合併。 2016年3月子会社科研不動産サービス株式会社を吸収合併。2016年5月静岡工場内に新外用棟竣工。2018年10月静岡工場内に品質管理棟竣工。2019年4月札幌支店を廃止し、仙台支店と統合して北日本支店に変更。2021年4月関東第2支店を関東支店に統合。2021年4月九州支店を廃止し、中四国支店と統合して西日本支店に変更。2021年12月ARTham Therapeutics株式会社(以下、「アーサム㈱」という。)を買収(現、連結子会社)。2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。2023年4月全国5支店(北日本・関東・中部・関西・西日本)を再編し、第1統括営業部、第2統括営業部、第3統括営業部を新設。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)は、当社と連結子会社2社で構成されており、薬業及び不動産事業を事業として取り組んでおります。 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の2事業は、連結財務諸表「注記事項(セグメント情報等)」と同一の区分であります。 区分主要な事業会社名薬業医薬品、医療機器及び農業薬品の製造・販売当社科研ファルマ㈱アーサム㈱不動産事業不動産賃貸当社 事業の系統図は次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社) 科研ファルマ㈱東京都文京区15薬業100.0当社製品等の販売及び購入役員の兼任等…有アーサム㈱ (注)4東京都文京区100薬業100.0当社医薬品の研究開発役員の兼任等…有 (注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。2 有価証券届出書又は有価証券報告書の提出会社に該当しておりません。3 特定子会社に該当しておりません。4 アーサム㈱は、2023年7月1日付で横浜市中区から東京都文京区に移転しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)薬業1,134〔173〕不動産事業1〔―〕合計1,135〔173〕 (注) 1 従業員数は就業人員であります。2 シニアスタッフ(定年後再雇用者)、嘱託社員、エリア従業員(無期転換制度に基づく無期雇用転換者)は従業員数より除いております。3 臨時雇用人員(シニアスタッフ、臨時従業員等)数は、〔 〕内に年間の平均人員数を外数で記載しております。 (2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,12441.817.88,197,128〔172〕 セグメントの名称従業員数(人)薬業1,123〔172〕不動産事業1〔―〕合計1,124〔172〕 (注) 1 従業員数は就業人員であります。2 シニアスタッフ(定年後再雇用者)、嘱託社員、エリア従業員(無期転換制度に基づく無期雇用転換者)は従業員数より除いております。3 臨時雇用人員(シニアスタッフ、臨時従業員等)数は、〔 〕内に年間の平均人員数を外数で記載しております。4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況2024年3月31日現在、当社の組合員数は、872人であり上部団体である「JEC連合」に加盟しております。また、連結子会社には、労働組合はありません。なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者4.183.374.274.977.3労働者の男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を算出したものであります。なお、提出会社の労働者の賃金は、性別に関係なく、同一の基準を適用しております。 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境製薬業界を取り巻く環境は日々急速に変化し、厳しさを増しております。国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、ジェネリック医薬品使用促進策や長期収載品の薬価見直しをはじめとする薬価制度の抜本改革等の様々な医療費抑制策が実施されており、製薬企業は社会的使命を果たすため、より一層効率性を高めながら画期的新薬を創出し、医薬品の安定供給を続けていくことが求められております。研究開発においては、難病や希少疾患等に対するアンメットメディカルニーズが高まり、創薬研究の対象は病因・病態の難解な疾患や新たなモダリティへと広がりを見せ、画期的新薬を創出するための研究開発費用と難易度はますます増大しております。さらに、国内外の企業との開発品の導入や販売提携等の交渉についても競争が激化しており、その費用も高額化しております。このような状況下において、私たちは、社員一人ひとりの成長によって組織力の最大化をはかるべく人材育成に注力するとともに、高い有効性と安全性を有し需要が見込める医薬品を効率よく創出・販売できる体制の構築、研究開発への積極的な投資を進めております。また、海外企業への導出による製品のグローバル展開を加速し、新たな成長機会の獲得をめざしております。 (3) 中期経営戦略2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、当社グループの2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化 (3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2026年度経営数値目標として、連結売上高800億円、連結営業利益180億円、連結ROE8.0%以上、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10.0%以上をめざしてまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社の成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、開発パイプラインの充実をはかり、世界に通用する画期的新薬の継続的な上市をめざしてまいります。また、現地企業への導出を中心とした海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社が強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織開発・教育研修を進め、積極的にICTを活用してリアルとデジタルを融合させることにより、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。③ 人材育成人材育成は企業経営の根幹であり、社員一人ひとりの成長が当社の持続的成長につながると考えております。イノベーティブなチャレンジの奨励と人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員のエンゲージメントを高めて持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 サステナビリティ基本方針当社グループは、いまだ満たされない医療ニーズに応える医薬品や環境にやさしい農業薬品の提供を通じて、自社の持続的成長をめざすとともに社会の持続的な発展に貢献いたします。その実現のため、経営理念の「3つのよろこび」を追求し、ステークホルダーとともに多くの笑顔を創出してまいります。 ―「3つのよろこび」の追求―・医療現場のニーズをとらえ、ユニークな着眼点により新たな治療選択肢の提供につとめ、「患者さんのよろこび」を追求します。・医薬品の提供を通じて、社会からの要請にも応える柔軟で持続可能な経営を推進し、「社会のよろこび」を追求します。・社員一人ひとりが多くの人を笑顔にするための仕事に誇りを持ち、新たな価値を創出できる、「社員のよろこび」を追求します。 当社グループはこの基本方針を実現するため、以下の取り組みを推進いたします。 (1)ガバナンス当社グループでは、サステナビリティ経営を推進するため、経営企画部担当取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を2023年4月に設置いたしました。サステナビリティ委員会は、原則1年に2回開催し、気候変動問題を含む環境、人権、ガバナンス、人的資本等に関する当社グループのマテリアリティ(重要課題)の抽出及び整理を行うとともに、課題解決に向けた具体的な取り組みを審議・検討し、その結果を取締役会に報告しております。取締役会では、サステナビリティ委員会から報告された事項に対する進捗等の監督を行っております。 2023年度はサステナビリティ委員会を3回開催し、委員会で審議した結果を取締役会に上程・報告いたしました。主な審議内容は以下のとおりであります。① 第1回サステナビリティ委員会(2023年8月開催)・サステナビリティ委員会の活動報告・グリーン電力比率の目標設定② 第2回サステナビリティ委員会(2023年12月開催)・「人権方針」及び「サステナブル調達方針」の制定に関する審議・インターナルカーボンプライシング導入、水使用量削減目標に関する審議③ 第3回サステナビリティ委員会(2024年2月開催)・サステナビリティ委員会の活動報告・マテリアリティ再策定に関する審議 (2)マテリアリティマテリアリティは、事業内容、経営計画、各種フレームワーク(GRIスタンダード・SASBスタンダード・S&P Global・ISO26000など)、ESGの評価項目(FTSE・MSCIなど)を勘案して社会課題を抽出し、「科研製薬の事業との関連性」と「ステークホルダーへの影響度」の2軸から絞り込み、選定いたします。サステナビリティ委員会にて選定されたマテリアリティは、取締役会で審議・特定され、取締役会はその進捗等について監督してまいります。 当社グループは、企業理念の実践を通して社会に価値を提供し、持続可能な社会の実現に資することが、当社グループの持続的な成長につながるものと考えております。そのための課題や取り組みを明らかにするため、今後の当社グループの価値創造に関わるマテリアリティを特定しております。当社グループは、2024年4月にマテリアリティの改定を行い、新たに以下の12項目のマテリアリティを特定いたしました。 ≪事業に関わるマテリアリティ≫① アンメットメディカルニーズを満たす画期的新薬の創出② 医療/医薬品へのアクセス拡大③ 医薬品の安定的・持続的供給④ 医薬品情報の適切な提供⑤ 持続可能な農業への貢献 ≪事業基盤に関わるマテリアリティ≫⑥ 環境経営の推進⑦ コーポレートガバナンスの強化⑧ コンプライアンスの推進⑨ サステナビリティの実現に向けたステークホルダーとの関係強化⑩ 人権の尊重⑪ 働きがいのある職場の実現⑫ 人財育成の強化 マテリアリティ項目①~⑤は、「事業に関わるマテリアリティ」として当社グループの事業内容及び経営計画に直接関連するマテリアリティであります。「①アンメットメディカルニーズを満たす画期的新薬の創出」は、「長期経営計画2031」の3つのTransformationのうち「研究開発Transformation」に対応するマテリアリティであり、新薬開発型企業として健康寿命延伸に継続的に貢献してまいります。「②医療/医薬品へのアクセス拡大」は主に「海外展開Transformation」に対応するマテリアリティであり、医薬品のグローバル展開やドラッグロス・ドラッグラグ解消に向けた取り組みを進めてまいります。「③医薬品の安定的・持続的供給」と「④医薬品情報の適切な提供」は製薬企業として事業を行う上での重要な責務と捉えております。また、「⑤持続可能な農業への貢献」を掲げ、農業薬品事業の主力品である微生物由来の天然物質農薬の普及により、食の安全・安心確保、環境と調和のとれた持続可能な農業の発展に貢献してまいります。マテリアリティ項目⑥~⑫は「事業基盤に関わるマテリアリティ」として当社グループの成長を支える基盤に関するマテリアリティと位置付けております。当社グループは、環境経営の推進、コーポレートガバナンスの強化、人的資本の充実に重点的に取り組み、持続的な成長を支えるための強固な事業基盤の構築を進めてまいります。 (3)戦略 ①気候変動当社グループは、日本製薬団体連合会(日薬連)が策定した「低炭素社会実行計画」に参加しており、日薬連の掲げた長期ビジョン「2050年CO2排出量ネットゼロ」及び2030年度目標「CO2排出量を2013年度比46%削減」に賛同するとともに、当社グループがより厳しく設定した「2030年度CO2排出量を2016年度比で51%削減する」という目標の達成に向けて、CO2排出量削減に取り組んでおります。当社グループのCO2排出量削減目標年度である2030年度及び、日薬連の掲げる「CO2排出量ネットゼロ」の達成目標年である2050年を対象に、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)」と、現状を上回る気候変動対策が行われず異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」を参考に、定性・定量の両面からリスク及び機会の考察を行いました。シナリオ分析の結果、両シナリオにおいて当社グループ事業活動に大きな財務的影響を及ぼす気候関連リスクは想定されず、機会としては当社グループ医薬品及び農業薬品の需要が増加する可能性が示されました。当社グループは優れた医薬品の提供により、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる製薬企業として、その社会的責任を認識し、今後も企業活動のあらゆる場面において地球環境の保全、維持向上に取り組んでまいります。 ②人的資本当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 人材育成及び社内環境整備に関する方針当社グループは長期経営計画2031に基づく経営戦略として「3つのTransformation(①研究開発、②海外展開、③経営基盤)」を掲げております。この経営戦略の実現に向けた人事戦略として「プロフェッショナルとして常に新たな挑戦をし、変革を追求し続ける人材の育成」と「当社グループに最適な人事制度と就業環境の整備による社員のエンゲージメント向上」を基本方針として取り組んでおります。 ≪人材育成上の重要課題≫上述の基本方針と当社グループの現状を踏まえ、重要課題として以下を認識しております。1. 医薬品事業の厳しい競争環境下、多様な人材のモチベーション向上とリテンション(優秀な人材の流出防止)をはかり、社員一人ひとりの能力を発揮させるための社内環境を整備する2. 長期経営計画2031が設定する高い事業目標に挑戦する意欲を持つ人材のモチベーションを顕在化させ、積極的な登用をはかる3. 能力の面では、特に以下の重点項目について、教育研修、成長機会の提供、社内では不足する高度なスキルあるいは経験を持つ人材の経験者採用を組み合わせ、長期経営計画2031を実現するために必須な組織開発をはかる1) 研究開発Transformation:新規疾患領域や新規モダリティを含む、アンメットメディカルニーズの解決に寄与するパイプライン拡充と推進のため、探索、評価、臨床開発、事業開発等の能力強化と補充2) 海外展開Transformation:特に、海外自社開発の体制作りを担う臨床開発、薬事、CMC等の能力強化と補充3) 経営基盤Transformation:MRの生産性向上のため、デジタルツール活用を含む医薬品情報提供スキルの強化;品質保証と安定供給のため、生産・品質保証部門におけるデジタル技術やシステム連携の活用スキルの獲得;全社共通課題として、時代の要請であるDX戦略の企画・推進のスキル獲得 ≪上記重要課題ごとの具体的な取り組み≫1. 社内環境の整備女性活躍はもとより、子育て世代の社員、介護に関わる社員、転勤を伴う社員、シニア世代の社員など、さまざまなライフステージにある社員一人ひとりが「働きがいを感じる会社」となるために、社内環境、就業環境の整備につとめてまいります。具体的には以下の環境整備に取り組んでおります。1) コンプライアンスの徹底当社グループは科研製薬行動規準に則り、コンプライアンスを守る環境作りに注力しております。特に不当な差別・嫌がらせ等の禁止、ハラスメントの禁止については、管理職を対象としたコンプライアンスセミナーの開催や、社内ポータルを活用した社員に向けた継続的な啓発活動、通報・相談窓口の周知等を徹底し、ハラスメントの防止につとめております。2) ワーク&ライフバランスの推進・社員の柔軟な働き方をサポートするために、フレックスタイム制(生産部門とMRを除く)と在宅勤務制度を導入しております。・心身共に健康的にメリハリある働き方を促すために、年次有給休暇やアニバーサリー休暇(特別有給休暇)を取得しやすい風土づくりに取り組んでおります。・転勤を伴う社員に対しては、各々の家庭事情に少しでも適合できるように、社宅制度と単身赴任制度の整備を行いました。3) 子育て・介護への支援・子育てや家族の介護によって通常の就業が困難な社員が、少しでも安心して働けるように、育児及び介護休業制度や時短勤務制度の整備を進めております。・「家族の看護や子のならし保育、不妊治療目的」の事由で有給休暇を取得できる制度や、時短勤務者もフレックスタイム制を可能とする制度を導入しております。・男性社員も育児休業を取得しやすい環境整備の一環として、育児休業期間の一部(最大5日間)を有給とする制度改定とともに、管理者向けの社内研修や啓発活動につとめております。4) 従業員エンゲージメントの向上社員の「働きがい」を把握するための指標として、従業員エンゲージメントレベルを測る仕組みを導入し、2023年度から実施しております。社員が自身の仕事や会社についてどのように考えているかを把握、分析したうえで今後の取り組みに活かしてまいります。5) 健康経営の推進当社グループは企業経営の根幹は人材にあるとの考えのもと、経営理念である「3つのよろこび」を実現するためには、社員一人ひとりの心身の健康が不可欠であると考えております。社員の健康の保持・増進のための環境整備に積極的に取り組むため、当社グループは2023年8月に「KAKEN健康経営宣言」を策定し、代表取締役社長を最高責任者とした健康経営推進体制のもと、健康保険組合、安全衛生委員会、産業保健スタッフらと連携しながら健康経営を推進しており、その結果、「健康経営優良法人2024」に認定されております。 2. モチベーションの顕在化と積極的な登用挑戦を奨励する企業文化の醸成の観点からも、高度なスキルや専門的能力を有する、あるいはその能力を積極的に獲得し高い成果を導き出す人材に対して、相応の人事評価、昇格・昇進による積極的な登用、また適性に応じた人材配置を現行人事制度の中で推進してまいります。 3. 能力向上と組織開発能力面の重点項目に対して、各スペシャリストの育成と、社員一人ひとりの多様な能力開発及びリスキリングの機会を提供するために、オンライン学習サービスのツールを2023年度に導入し、全社でDXスキルの底上げをはかるとともに、学びに積極的な人材の能力開発に寄与しております。また、社内外の研修プログラムを活用して、各階層別教育研修や管理職マネジメント研修の実施内容の充実化をはかり、人材育成の取り組みを強化してまいります。 (4)リスク管理当社グループは企業理念の実現、経営計画を達成するうえで阻害要因となるリスクを適切に管理し、社会的責任を果たし、かつ持続可能な企業価値の向上に資することを目的として、リスクマネジメントに取り組んでおります。全社的なリスクマネジメントは「リスク管理委員会」で行っておりますが、サステナビリティに関連するリスク項目については、サステナビリティ委員会がより詳細な検討を行っております。サステナビリティ委員会では、当社グループの企業活動が社会に与える影響、当社グループに与える財務的影響及び発生可能性を踏まえて優先的に対応すべきリスク項目を絞り込み、定期的なモニタリングを行っております。サステナビリティ経営における重要なリスク項目の対応状況は、サステナビリティ委員会が取締役会に報告し、取締役会がこれを監督いたします。当社グループは、気候変動リスクについても持続的な成長のため対応すべきマテリアリティに関連するリスク項目の一つであると認識しており、企業活動のあらゆる場面において地球環境の保全、維持向上に取り組んでおります。 (5)指標及び目標①気候変動当社グループは、日本製薬団体連合会(日薬連)が策定した「低炭素社会実行計画」に参加しており、日薬連の掲げた長期ビジョン「2050年CO2排出量ネットゼロ」に賛同し、当社グループが設定した「2030年度CO2排出量を2016年度比で51%削減する」という目標の達成に向けて、CO2排出量削減に取り組んでおります。目標達成のため、エネルギー使用量の9割以上を占める静岡事業所及び京都事業所では、高効率機器の導入を積極的に進め、継続的な省エネルギー活動を展開しております。本社、営業オフィス及び営業所では、蛍光灯からLED照明への切り替えや、空調設定温度の適正化を推進し、電気使用量の削減に取り組んでおります。また、さらなる排出量削減に向け、2023年より本社及び静岡事業所にてCO2フリー電気の購入を開始いたしました。今後、CO2フリー電気の割合を段階的に引き上げ、2030年度に80%とすることを目標としております。2024年度からは、CO2排出量削減に資する設備選定を行うための仕組みとしてインターナルカーボンプライシングの導入を決めました。 ・ 当社グループにおける温室効果ガス(GHG)排出量Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 ②人的資本人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関連する指標及び目標(一部)と実績は以下のとおりであります。 1. 経験者採用比率(正社員採用における経験者採用の割合)2022年度 実績:35.9% [内訳 経験者採用数:14名、新卒採用数:25名]2023年度 実績:28.1% [内訳 経験者採用数:18名、新卒採用数:46名]※各部門の事業戦略を実行する上で充足できないスキルを有する人材については、適時、経験者採用を積極的に行っております。2. 管理職に占める女性労働者の割合目標:2025年度末までに7.0%以上とする2022年度 実績:3.8% [内訳 女性管理職:9名、男性管理職:227名]2023年度 実績:4.1% [内訳 女性管理職:10名、男性管理職:236名]※人材育成に注力するとともに、適性を見極めて管理職への登用を推進しております。3. 年次有給休暇取得率(正社員のみの数値)目標:2024年度の取得率を65.0%以上とする2022年度 実績:55.0%2023年度 実績:58.6%※ワーク&ライフバランスの観点からも、年次有給休暇の取得しやすい環境整備に着手しております。4. 男性労働者の育児休業取得率と取得日数(正社員及び非正社員の数値)目標:2025年度までに30.0%以上の取得率と平均取得日数を9日間以上とする2022年度 実績:取得率 67.3%、平均取得日数 7.5日間2023年度 実績:取得率 83.3%、平均取得日数 11.5日間※2022年4月からの育児休業制度の改定と取得促進活動により、男性の取得率は当初の目標を大きく上回っておりますが、取得日数は目標日数を達成したものの十分とは言えない状況であります。男性の育児休業については、男性の育児参加という本来の目的を会社として支援し、より良質な育児休業を取得しやすい環境整備につとめてまいります。5. 従業員エンゲージメントレベル(設問は全て4択)2023年度 実績《素点平均》「とても当てはまる(4点)」「まあまあ当てはまる(3点)」「あまり当てはまらない(2点)」「全く当てはまらない(1点)」の平均値《肯定的回答率》4択の内、「とても当てはまる」「まあまあ当てはまる」の回答率 ※従業員エンゲージメントレベルを把握し、向上につとめてまいります。6. 人事部主催研修延べ時間(※)(※)次期リーダー育成研修、階層別研修、新入社員研修 等の実施延べ時間2022年度実績:2,978時間※人材育成の取り組みを推し進めるため、各種教育研修の充実化をはかってまいります。 |
戦略 | (3)戦略 ①気候変動当社グループは、日本製薬団体連合会(日薬連)が策定した「低炭素社会実行計画」に参加しており、日薬連の掲げた長期ビジョン「2050年CO2排出量ネットゼロ」及び2030年度目標「CO2排出量を2013年度比46%削減」に賛同するとともに、当社グループがより厳しく設定した「2030年度CO2排出量を2016年度比で51%削減する」という目標の達成に向けて、CO2排出量削減に取り組んでおります。当社グループのCO2排出量削減目標年度である2030年度及び、日薬連の掲げる「CO2排出量ネットゼロ」の達成目標年である2050年を対象に、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)」と、現状を上回る気候変動対策が行われず異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」を参考に、定性・定量の両面からリスク及び機会の考察を行いました。シナリオ分析の結果、両シナリオにおいて当社グループ事業活動に大きな財務的影響を及ぼす気候関連リスクは想定されず、機会としては当社グループ医薬品及び農業薬品の需要が増加する可能性が示されました。当社グループは優れた医薬品の提供により、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる製薬企業として、その社会的責任を認識し、今後も企業活動のあらゆる場面において地球環境の保全、維持向上に取り組んでまいります。 ②人的資本当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 人材育成及び社内環境整備に関する方針当社グループは長期経営計画2031に基づく経営戦略として「3つのTransformation(①研究開発、②海外展開、③経営基盤)」を掲げております。この経営戦略の実現に向けた人事戦略として「プロフェッショナルとして常に新たな挑戦をし、変革を追求し続ける人材の育成」と「当社グループに最適な人事制度と就業環境の整備による社員のエンゲージメント向上」を基本方針として取り組んでおります。 ≪人材育成上の重要課題≫上述の基本方針と当社グループの現状を踏まえ、重要課題として以下を認識しております。1. 医薬品事業の厳しい競争環境下、多様な人材のモチベーション向上とリテンション(優秀な人材の流出防止)をはかり、社員一人ひとりの能力を発揮させるための社内環境を整備する2. 長期経営計画2031が設定する高い事業目標に挑戦する意欲を持つ人材のモチベーションを顕在化させ、積極的な登用をはかる3. 能力の面では、特に以下の重点項目について、教育研修、成長機会の提供、社内では不足する高度なスキルあるいは経験を持つ人材の経験者採用を組み合わせ、長期経営計画2031を実現するために必須な組織開発をはかる1) 研究開発Transformation:新規疾患領域や新規モダリティを含む、アンメットメディカルニーズの解決に寄与するパイプライン拡充と推進のため、探索、評価、臨床開発、事業開発等の能力強化と補充2) 海外展開Transformation:特に、海外自社開発の体制作りを担う臨床開発、薬事、CMC等の能力強化と補充3) 経営基盤Transformation:MRの生産性向上のため、デジタルツール活用を含む医薬品情報提供スキルの強化;品質保証と安定供給のため、生産・品質保証部門におけるデジタル技術やシステム連携の活用スキルの獲得;全社共通課題として、時代の要請であるDX戦略の企画・推進のスキル獲得 ≪上記重要課題ごとの具体的な取り組み≫1. 社内環境の整備女性活躍はもとより、子育て世代の社員、介護に関わる社員、転勤を伴う社員、シニア世代の社員など、さまざまなライフステージにある社員一人ひとりが「働きがいを感じる会社」となるために、社内環境、就業環境の整備につとめてまいります。具体的には以下の環境整備に取り組んでおります。1) コンプライアンスの徹底当社グループは科研製薬行動規準に則り、コンプライアンスを守る環境作りに注力しております。特に不当な差別・嫌がらせ等の禁止、ハラスメントの禁止については、管理職を対象としたコンプライアンスセミナーの開催や、社内ポータルを活用した社員に向けた継続的な啓発活動、通報・相談窓口の周知等を徹底し、ハラスメントの防止につとめております。2) ワーク&ライフバランスの推進・社員の柔軟な働き方をサポートするために、フレックスタイム制(生産部門とMRを除く)と在宅勤務制度を導入しております。・心身共に健康的にメリハリある働き方を促すために、年次有給休暇やアニバーサリー休暇(特別有給休暇)を取得しやすい風土づくりに取り組んでおります。・転勤を伴う社員に対しては、各々の家庭事情に少しでも適合できるように、社宅制度と単身赴任制度の整備を行いました。3) 子育て・介護への支援・子育てや家族の介護によって通常の就業が困難な社員が、少しでも安心して働けるように、育児及び介護休業制度や時短勤務制度の整備を進めております。・「家族の看護や子のならし保育、不妊治療目的」の事由で有給休暇を取得できる制度や、時短勤務者もフレックスタイム制を可能とする制度を導入しております。・男性社員も育児休業を取得しやすい環境整備の一環として、育児休業期間の一部(最大5日間)を有給とする制度改定とともに、管理者向けの社内研修や啓発活動につとめております。4) 従業員エンゲージメントの向上社員の「働きがい」を把握するための指標として、従業員エンゲージメントレベルを測る仕組みを導入し、2023年度から実施しております。社員が自身の仕事や会社についてどのように考えているかを把握、分析したうえで今後の取り組みに活かしてまいります。5) 健康経営の推進当社グループは企業経営の根幹は人材にあるとの考えのもと、経営理念である「3つのよろこび」を実現するためには、社員一人ひとりの心身の健康が不可欠であると考えております。社員の健康の保持・増進のための環境整備に積極的に取り組むため、当社グループは2023年8月に「KAKEN健康経営宣言」を策定し、代表取締役社長を最高責任者とした健康経営推進体制のもと、健康保険組合、安全衛生委員会、産業保健スタッフらと連携しながら健康経営を推進しており、その結果、「健康経営優良法人2024」に認定されております。 2. モチベーションの顕在化と積極的な登用挑戦を奨励する企業文化の醸成の観点からも、高度なスキルや専門的能力を有する、あるいはその能力を積極的に獲得し高い成果を導き出す人材に対して、相応の人事評価、昇格・昇進による積極的な登用、また適性に応じた人材配置を現行人事制度の中で推進してまいります。 3. 能力向上と組織開発能力面の重点項目に対して、各スペシャリストの育成と、社員一人ひとりの多様な能力開発及びリスキリングの機会を提供するために、オンライン学習サービスのツールを2023年度に導入し、全社でDXスキルの底上げをはかるとともに、学びに積極的な人材の能力開発に寄与しております。また、社内外の研修プログラムを活用して、各階層別教育研修や管理職マネジメント研修の実施内容の充実化をはかり、人材育成の取り組みを強化してまいります。 |
指標及び目標 | (5)指標及び目標①気候変動当社グループは、日本製薬団体連合会(日薬連)が策定した「低炭素社会実行計画」に参加しており、日薬連の掲げた長期ビジョン「2050年CO2排出量ネットゼロ」に賛同し、当社グループが設定した「2030年度CO2排出量を2016年度比で51%削減する」という目標の達成に向けて、CO2排出量削減に取り組んでおります。目標達成のため、エネルギー使用量の9割以上を占める静岡事業所及び京都事業所では、高効率機器の導入を積極的に進め、継続的な省エネルギー活動を展開しております。本社、営業オフィス及び営業所では、蛍光灯からLED照明への切り替えや、空調設定温度の適正化を推進し、電気使用量の削減に取り組んでおります。また、さらなる排出量削減に向け、2023年より本社及び静岡事業所にてCO2フリー電気の購入を開始いたしました。今後、CO2フリー電気の割合を段階的に引き上げ、2030年度に80%とすることを目標としております。2024年度からは、CO2排出量削減に資する設備選定を行うための仕組みとしてインターナルカーボンプライシングの導入を決めました。 ・ 当社グループにおける温室効果ガス(GHG)排出量Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 ②人的資本人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関連する指標及び目標(一部)と実績は以下のとおりであります。 1. 経験者採用比率(正社員採用における経験者採用の割合)2022年度 実績:35.9% [内訳 経験者採用数:14名、新卒採用数:25名]2023年度 実績:28.1% [内訳 経験者採用数:18名、新卒採用数:46名]※各部門の事業戦略を実行する上で充足できないスキルを有する人材については、適時、経験者採用を積極的に行っております。2. 管理職に占める女性労働者の割合目標:2025年度末までに7.0%以上とする2022年度 実績:3.8% [内訳 女性管理職:9名、男性管理職:227名]2023年度 実績:4.1% [内訳 女性管理職:10名、男性管理職:236名]※人材育成に注力するとともに、適性を見極めて管理職への登用を推進しております。3. 年次有給休暇取得率(正社員のみの数値)目標:2024年度の取得率を65.0%以上とする2022年度 実績:55.0%2023年度 実績:58.6%※ワーク&ライフバランスの観点からも、年次有給休暇の取得しやすい環境整備に着手しております。4. 男性労働者の育児休業取得率と取得日数(正社員及び非正社員の数値)目標:2025年度までに30.0%以上の取得率と平均取得日数を9日間以上とする2022年度 実績:取得率 67.3%、平均取得日数 7.5日間2023年度 実績:取得率 83.3%、平均取得日数 11.5日間※2022年4月からの育児休業制度の改定と取得促進活動により、男性の取得率は当初の目標を大きく上回っておりますが、取得日数は目標日数を達成したものの十分とは言えない状況であります。男性の育児休業については、男性の育児参加という本来の目的を会社として支援し、より良質な育児休業を取得しやすい環境整備につとめてまいります。5. 従業員エンゲージメントレベル(設問は全て4択)2023年度 実績《素点平均》「とても当てはまる(4点)」「まあまあ当てはまる(3点)」「あまり当てはまらない(2点)」「全く当てはまらない(1点)」の平均値《肯定的回答率》4択の内、「とても当てはまる」「まあまあ当てはまる」の回答率 ※従業員エンゲージメントレベルを把握し、向上につとめてまいります。6. 人事部主催研修延べ時間(※)(※)次期リーダー育成研修、階層別研修、新入社員研修 等の実施延べ時間2022年度実績:2,978時間※人材育成の取り組みを推し進めるため、各種教育研修の充実化をはかってまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②人的資本当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 人材育成及び社内環境整備に関する方針当社グループは長期経営計画2031に基づく経営戦略として「3つのTransformation(①研究開発、②海外展開、③経営基盤)」を掲げております。この経営戦略の実現に向けた人事戦略として「プロフェッショナルとして常に新たな挑戦をし、変革を追求し続ける人材の育成」と「当社グループに最適な人事制度と就業環境の整備による社員のエンゲージメント向上」を基本方針として取り組んでおります。 ≪人材育成上の重要課題≫上述の基本方針と当社グループの現状を踏まえ、重要課題として以下を認識しております。1. 医薬品事業の厳しい競争環境下、多様な人材のモチベーション向上とリテンション(優秀な人材の流出防止)をはかり、社員一人ひとりの能力を発揮させるための社内環境を整備する2. 長期経営計画2031が設定する高い事業目標に挑戦する意欲を持つ人材のモチベーションを顕在化させ、積極的な登用をはかる3. 能力の面では、特に以下の重点項目について、教育研修、成長機会の提供、社内では不足する高度なスキルあるいは経験を持つ人材の経験者採用を組み合わせ、長期経営計画2031を実現するために必須な組織開発をはかる1) 研究開発Transformation:新規疾患領域や新規モダリティを含む、アンメットメディカルニーズの解決に寄与するパイプライン拡充と推進のため、探索、評価、臨床開発、事業開発等の能力強化と補充2) 海外展開Transformation:特に、海外自社開発の体制作りを担う臨床開発、薬事、CMC等の能力強化と補充3) 経営基盤Transformation:MRの生産性向上のため、デジタルツール活用を含む医薬品情報提供スキルの強化;品質保証と安定供給のため、生産・品質保証部門におけるデジタル技術やシステム連携の活用スキルの獲得;全社共通課題として、時代の要請であるDX戦略の企画・推進のスキル獲得 ≪上記重要課題ごとの具体的な取り組み≫1. 社内環境の整備女性活躍はもとより、子育て世代の社員、介護に関わる社員、転勤を伴う社員、シニア世代の社員など、さまざまなライフステージにある社員一人ひとりが「働きがいを感じる会社」となるために、社内環境、就業環境の整備につとめてまいります。具体的には以下の環境整備に取り組んでおります。1) コンプライアンスの徹底当社グループは科研製薬行動規準に則り、コンプライアンスを守る環境作りに注力しております。特に不当な差別・嫌がらせ等の禁止、ハラスメントの禁止については、管理職を対象としたコンプライアンスセミナーの開催や、社内ポータルを活用した社員に向けた継続的な啓発活動、通報・相談窓口の周知等を徹底し、ハラスメントの防止につとめております。2) ワーク&ライフバランスの推進・社員の柔軟な働き方をサポートするために、フレックスタイム制(生産部門とMRを除く)と在宅勤務制度を導入しております。・心身共に健康的にメリハリある働き方を促すために、年次有給休暇やアニバーサリー休暇(特別有給休暇)を取得しやすい風土づくりに取り組んでおります。・転勤を伴う社員に対しては、各々の家庭事情に少しでも適合できるように、社宅制度と単身赴任制度の整備を行いました。3) 子育て・介護への支援・子育てや家族の介護によって通常の就業が困難な社員が、少しでも安心して働けるように、育児及び介護休業制度や時短勤務制度の整備を進めております。・「家族の看護や子のならし保育、不妊治療目的」の事由で有給休暇を取得できる制度や、時短勤務者もフレックスタイム制を可能とする制度を導入しております。・男性社員も育児休業を取得しやすい環境整備の一環として、育児休業期間の一部(最大5日間)を有給とする制度改定とともに、管理者向けの社内研修や啓発活動につとめております。4) 従業員エンゲージメントの向上社員の「働きがい」を把握するための指標として、従業員エンゲージメントレベルを測る仕組みを導入し、2023年度から実施しております。社員が自身の仕事や会社についてどのように考えているかを把握、分析したうえで今後の取り組みに活かしてまいります。5) 健康経営の推進当社グループは企業経営の根幹は人材にあるとの考えのもと、経営理念である「3つのよろこび」を実現するためには、社員一人ひとりの心身の健康が不可欠であると考えております。社員の健康の保持・増進のための環境整備に積極的に取り組むため、当社グループは2023年8月に「KAKEN健康経営宣言」を策定し、代表取締役社長を最高責任者とした健康経営推進体制のもと、健康保険組合、安全衛生委員会、産業保健スタッフらと連携しながら健康経営を推進しており、その結果、「健康経営優良法人2024」に認定されております。 2. モチベーションの顕在化と積極的な登用挑戦を奨励する企業文化の醸成の観点からも、高度なスキルや専門的能力を有する、あるいはその能力を積極的に獲得し高い成果を導き出す人材に対して、相応の人事評価、昇格・昇進による積極的な登用、また適性に応じた人材配置を現行人事制度の中で推進してまいります。 3. 能力向上と組織開発能力面の重点項目に対して、各スペシャリストの育成と、社員一人ひとりの多様な能力開発及びリスキリングの機会を提供するために、オンライン学習サービスのツールを2023年度に導入し、全社でDXスキルの底上げをはかるとともに、学びに積極的な人材の能力開発に寄与しております。また、社内外の研修プログラムを活用して、各階層別教育研修や管理職マネジメント研修の実施内容の充実化をはかり、人材育成の取り組みを強化してまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ②人的資本人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関連する指標及び目標(一部)と実績は以下のとおりであります。 1. 経験者採用比率(正社員採用における経験者採用の割合)2022年度 実績:35.9% [内訳 経験者採用数:14名、新卒採用数:25名]2023年度 実績:28.1% [内訳 経験者採用数:18名、新卒採用数:46名]※各部門の事業戦略を実行する上で充足できないスキルを有する人材については、適時、経験者採用を積極的に行っております。2. 管理職に占める女性労働者の割合目標:2025年度末までに7.0%以上とする2022年度 実績:3.8% [内訳 女性管理職:9名、男性管理職:227名]2023年度 実績:4.1% [内訳 女性管理職:10名、男性管理職:236名]※人材育成に注力するとともに、適性を見極めて管理職への登用を推進しております。3. 年次有給休暇取得率(正社員のみの数値)目標:2024年度の取得率を65.0%以上とする2022年度 実績:55.0%2023年度 実績:58.6%※ワーク&ライフバランスの観点からも、年次有給休暇の取得しやすい環境整備に着手しております。4. 男性労働者の育児休業取得率と取得日数(正社員及び非正社員の数値)目標:2025年度までに30.0%以上の取得率と平均取得日数を9日間以上とする2022年度 実績:取得率 67.3%、平均取得日数 7.5日間2023年度 実績:取得率 83.3%、平均取得日数 11.5日間※2022年4月からの育児休業制度の改定と取得促進活動により、男性の取得率は当初の目標を大きく上回っておりますが、取得日数は目標日数を達成したものの十分とは言えない状況であります。男性の育児休業については、男性の育児参加という本来の目的を会社として支援し、より良質な育児休業を取得しやすい環境整備につとめてまいります。5. 従業員エンゲージメントレベル(設問は全て4択)2023年度 実績《素点平均》「とても当てはまる(4点)」「まあまあ当てはまる(3点)」「あまり当てはまらない(2点)」「全く当てはまらない(1点)」の平均値《肯定的回答率》4択の内、「とても当てはまる」「まあまあ当てはまる」の回答率 ※従業員エンゲージメントレベルを把握し、向上につとめてまいります。6. 人事部主催研修延べ時間(※)(※)次期リーダー育成研修、階層別研修、新入社員研修 等の実施延べ時間2022年度実績:2,978時間※人材育成の取り組みを推し進めるため、各種教育研修の充実化をはかってまいります。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 法的規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク国内医薬品事業は、薬事行政のもと様々な規制を受けております。また、薬価基準の改定やジェネリック医薬品使用促進策等の医療費抑制策として様々な医療制度改革が進展しております。これらの関連法規の改正や医療制度、健康保険に関わる行政施策の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 新薬開発に関わるリスク医薬品の研究開発には、多額の資金と十数年という長い開発期間を要しますが、それが新製品や新技術として結実する確率は決して高くありません。有効性と安全性を確認しながら慎重に開発を進めてまいりますが、当初期待した有効性が証明できない場合や安全性の面で問題が明らかとなった場合等には、途中で開発中止となる可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 副作用の発現によるリスク医薬品は、十分な安全性試験と厳しい審査を経てから承認、販売されます。しかし、開発段階で行われる臨床試験は試験的投与であり、限られた数の患者さんが対象となります。そのため、市販後にも臨床試験を補完する「市販後調査」が行われますが、予測されなかった副作用が発現し、製品回収や販売中止を余儀なくされた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 他社との競争に伴うリスク製薬業界は競争の激しい業界であり、販売している医薬品と同様の効能・効果を持つ他社の競合品との販売競争や特許切れ後に発売される他社のジェネリック医薬品との販売競争は、当社製品の売上高を減少させる原因となり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (5) 知的財産権に関するリスク当社グループでは、知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害に注意を払っていますが、第三者から侵害を受けた場合には、その保護のために、訴訟を提起する場合もあります。その動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業が第三者の知的財産権に抵触することのないように注意を払っていますが、万が一抵触した場合は、係争やこれによる損害賠償、当該事業の中止に繋がるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (6) 訴訟のリスク国内外で継続して事業活動を行うにあたり、医薬品の副作用、製造物責任、労務、環境、公正取引に関する問題等に関して訴訟を提起される場合があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (7) 製品供給が遅滞または休止するリスク自社及び製品調達先における生産設備の不具合あるいは原材料の入手の遅れ等により、製品供給が遅滞または休止した場合や、品質上の問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (8) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システム障害やコンピューターウイルス、サイバー攻撃等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有していますが、これらが社外に漏洩した場合、損害賠償、行政処分、社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (9) 大規模な災害等に関するリスク地震、台風等の自然災害や火災等の事故、パンデミック等が発生し、当社グループの事業所及び取引先等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞した場合や災害等により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、中間年薬価改定の実施等、当連結会計年度においても引き続き厳しい事業環境にあります。このような環境の中、当社グループは昨年度、2022年を起点とする10か年の経営計画「長期経営計画2031」を策定し、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進め、経営計画達成に向けて取り組んでおります。 当連結会計年度の売上高は72,044百万円(対前年同期比1.3%減)であり、減収となりました。利益面では、主に販売費及び一般管理費の減少により、営業利益は9,513百万円(対前年同期比18.9%増)、経常利益は9,951百万円(対前年同期比14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,025百万円(対前年同期比47.5%増)となりました。販売費及び一般管理費が減少した主たる要因は、2つの開発品の導入費用が発生した前期との比較で研究開発費が減少したためであります。研究開発費は、対前年同期比20.6%減少し、12,543百万円となりました。 当連結会計年度におきましては、2023年6月に原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」の新容器として直接腋窩に薬剤を塗布できるツイストボトルを発売したほか、2023年8月に壊死組織除去剤「ネキソブリッド」を発売いたしました。「ネキソブリッド」は「深達性Ⅱ度又はⅢ度熱傷における壊死組織の除去」を効能・効果とする外用剤として新たな治療の選択肢を提供するものであり、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献するため、熱傷専門医を中心に情報提供活動を進めております。また、2023年9月には韓国において、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」の販売承認申請が、提携先であるドンファ社(Dong Wha Pharma Co., Ltd.)により提出されました。当社はドンファ社に対して、韓国における本剤の独占的な開発及び販売の権利を供与しております。2024年3月には、エーザイ㈱が製造販売するめまい・平衡障害治療剤「メリスロン」及び筋緊張改善剤「ミオナール」について日本国内の製造販売承認を承継する契約を締結いたしました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。薬業医薬品・医療機器につきましては、関節機能改善剤「アルツ」や原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」等の売上が増加した一方、競合品や薬価改定の影響等を受け、爪白癬治療剤「クレナフィン」や癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」等の売上が減少したことにより、減収となりました。農業薬品につきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の売上が北米で好調なこと等により増加したものの、その他製品の売上が減少したことにより、前年並みとなりました。この結果、売上高は69,613百万円(対前年同期比1.3%減)、セグメント利益(営業利益)は8,140百万円(対前年同期比21.4%増)となりました。なお、海外売上高は6,474百万円(対前年同期比10.5%減)となりました。 不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,430百万円(対前年同期比0.4%増)、セグメント利益(営業利益)は1,373百万円(対前年同期比6.4%増)となりました。 当連結会計年度末の総資産は、前期末比5,294百万円増加し、171,623百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加によるものであります。当連結会計年度末の負債合計は、前期末比1,623百万円減少し、27,868百万円となりました。これは主に、未払法人税等の減少によるものであります。正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、87,950百万円であり、流動比率は562.3%で財務の健全性は保たれております。当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比6,918百万円増加し、143,755百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金の増加によるものであります。自己資本比率は、83.8%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8,935百万円減少し、65,325百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比ベ6,675百万円収入が減少し、2,577百万円の収入となりました。これは主に、売上債権の増加によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3,227百万円支出が増加し、5,854百万円の支出となりました。これは主に、長期前払費用の取得による支出の増加によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,331百万円支出が減少し、5,658百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得額の減少によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業35,896△9.0不動産事業――合計35,896△9.0 (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業22,933+3.5不動産事業――合計22,933+3.5 (注) 金額は、仕入価格によっております。 c. 受注実績当社グループは、主として販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。 d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業69,613△1.3不動産事業2,430+0.4合計72,044△1.3 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アルフレッサ㈱13,13218.013,31318.5㈱スズケン10,34914.210,23414.2㈱メディセオ10,42014.39,95213.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。a. 経営成績の状況2022年を起点とする10か年の経営計画において、当社グループは「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」、「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」というビジョンを掲げ、その実現に向けた戦略として、「研究開発」「海外展開」「経営基盤」に関する3つのTransformationに取り組んでおります。当連結会計年度は、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」の新容器として直接腋窩に薬剤を塗布できるツイストボトルを発売したほか、壊死組織除去剤「ネキソブリッド」を発売いたしました。「ネキソブリッド」は「深達性Ⅱ度又はⅢ度熱傷における壊死組織の除去」を効能・効果とする外用剤として新たな治療の選択肢を提供するものであり、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献するため、熱傷専門医を中心に情報提供活動を進めております。また、韓国において、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」の販売承認申請が、提携先であるドンファ社により提出されました。当社はドンファ社に対して、韓国における本剤の独占的な開発及び販売の権利を供与しております。さらに、エーザイ㈱が製造販売するめまい・平衡障害治療剤「メリスロン」及び筋緊張改善剤「ミオナール」について日本国内の製造販売承認を承継する契約を締結いたしました。その他、生産性の向上をめざし、営業基盤の強化、人材育成・人材教育の促進、組織のスリム化・人員配置の適正化等に取り組みました。 b.経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は72,044万円(対前年同期比1.3%減)、営業利益は9,513百万円(対前年同期比18.9%増)、経常利益は9,951百万円(対前年同期比14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,025百万円(対前年同期比47.5%増)となりました。 主要科目の状況は、次のとおりであります。(売上高)薬業医薬品・医療機器につきましては、関節機能改善剤「アルツ」や原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」等の売上が増加した一方、競合品や薬価改定の影響等を受け、爪白癬治療剤「クレナフィン」や癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」等の売上が減少したことにより、減収となりました。農業薬品につきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の売上が北米で好調なこと等により増加したものの、その他製品の売上が減少したことにより、前年並みとなりました。この結果、売上高は69,613百万円(対前年同期比1.3%減)となりました。なお、海外売上高は6,474百万円(対前年同期比10.5%減)となりました。不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,430百万円(対前年同期比0.4%増)となりました。 (売上原価)当社グループの売上原価は、主に工場の製造原価、仕入商品原価、不動産事業の役務収益原価から構成されます。売上原価は33,505百万円であり、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度45.8%、当連結会計年度46.5%と増加いたしました。 (販売費及び一般管理費)販売費及び一般管理費につきましては、主に人件費、研究開発費、営業活動費用であり、当連結会計年度は29,025百万円と前連結会計年度比8.0%減少いたしました。主たる要因は、研究開発費が前連結会計年度比20.6%減少し、12,543百万円となったためであります。 c.財政状態の分析財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、65,325百万円であり、事業運営上適切な水準であるとともに、外部環境の急激な変化にも一定程度耐えうる流動性を確保できていると考えております。当社グループの主要な資金需要は、開発パイプライン拡充のための研究開発費用およびM&A・導入費用、当社製品製造のための原材料購入費用および製造費用、商品仕入費用、研究・生産・営業効率を向上させるための設備投資費用であります。持続的な成長のための資金需要には、財務健全性を考慮したうえで積極的に対応していく方針であります。これら資金需要への対応は、営業キャッシュ・フローにより積み上げられた自己資金によることを基本としておりますが、追加的に資金が必要な場合は、金融機関からの借入等をはじめとした資金調達手段を実施できる体制も整えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 (1) 技術導入契約会社名相手先の名称国名契約内容契約期間当社マイラン・ヘルスケア社ドイツブルフェンの商標の独占的使用権1976年7月から販売を終了する日まで当社マイラン・ヘルスケア社ドイツフロベンの商標の独占的使用権1976年8月から販売を終了する日まで当社サイオス社アメリカbFGFの特許及びノウハウの世界における独占的実施権1988年12月から2030年10月又は新たなbFGF製品の販売開始後7.5年を経過する日のいずれか遅い方の日まで当社ノバルティス・ヴァクシンズ社アメリカbFGFの特許の世界における独占的実施権2005年3月から特許期間満了日まで当社タケダ社ドイツウラピジルの独占的製造権及び準独占的販売権1987年4月から2023年3月まで(以後1年毎自動延長)当社チューレン大学アメリカGHRP科研100の日本における製造及び販売権1995年5月から販売開始後20年を経過する日又は特許期間満了日のいずれか遅い方の日まで当社ファイザー株式会社日本シンフェーズの製造及び販売権1996年12月から2015年3月まで(以後3年毎自動延長)当社東レ株式会社日本ベラサスの承認申請並びに製造及び販売権2006年9月から2028年3月まで(以後1年毎自動延長)当社ボタニクス・エスビー社アメリカ原発性局所多汗症治療剤(BBI-4000)の日本・アジアにおける独占的開発権並びに製造及び販売権2015年3月から特許期間満了日、販売開始後10年を経過する日又はデータ保護期間終了日のうち最も遅い日まで(国毎)当社メディウンド社イスラエル熱傷焼痂除去剤NexoBrid(KMW-1)の日本における独占的開発権及び販売権2016年4月から販売開始後10年を経過する日まで(以後1年毎自動延長)当社アーバー社アメリカアタマジラミ症治療剤イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)の日本における独占的開発権及び販売権2019年2月から特許期間満了日又は販売開始後10年を経過する日のいずれか遅い方の日まで当社ニューマブ・セラピューティクス社スイスアトピー性皮膚炎を対象にした新規多重特異性抗体医薬の日本・アジアにおける独占的開発権並びに製造及び販売権2021年1月から特許期間満了日又は締結後20年を経過する日のいずれか遅い方の日までアーサム㈱武田薬品工業株式会社日本難治性脈管奇形治療剤(ART-001)及び水疱性類天疱瘡治療剤(ART-648)の世界における独占的開発権並びに製造及び販売権2018年7月から特許期間満了日、販売開始後10年を経過する日又は再審査期間終了日のうち最も遅い日まで(国毎)当社スプルース・バイオサイエンシズ社アメリカ先天性副腎過形成症治療剤チルダセルフォントの日本における独占的開発権及び販売権2023年1月から特許期間満了日、販売開始後10年を経過する日又は再審査期間終了日のうち最も遅い日まで当社シーマベイ・セラピューティクス社アメリカ原発性胆汁性胆管炎治療剤セラデルパーの日本における独占的開発権及び販売権2023年1月から特許期間満了日、販売開始後10年を経過する日又は再審査期間終了日のうち最も遅い日まで(以後2年毎自動延長) (注) 1 2023年4月12日付で、アーサム㈱と武田薬品工業㈱のART-648の水疱性類天疱瘡治療剤としての開発は中止いたしました。なお、技術導入契約は継続しております。2 2024年5月28日付で、当社はニューマブ・セラピューティクス社との新規多重特異性抗体医薬に関するライセンス・共同開発契約を解約すると共に、当該契約において得たすべての知的財産について、当社はシーラグ社と知的財産譲渡及び販売提携オプション契約を締結いたしました。 なお、詳細につきましては、連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。 (2) 販売契約(導入)契約会社名相手先の名称国名契約内容契約期間当社生化学工業株式会社日本アルツの独占的販売権1987年3月から2029年3月まで(以後2年毎自動延長)当社リードケミカル株式会社日本アドフィードの独占的販売権1988年5月から2年を経過する日まで(以後1年毎自動延長)当社バクスターヘルスケア社バクスター・ジャパン株式会社アメリカ日本セプラフィルムの独占的販売権1997年2月から登録承認日後5年を経過する日まで(以後3年毎延長)当社あすか製薬株式会社日本リピディルの準独占的販売権2005年1月から販売を終了する日まで当社生化学工業株式会社日本ヘルニコアの独占的販売権2012年12月から製造販売承認取得後10年を経過する日まで(以後1年毎自動延長)当社エーザイ株式会社日本メリスロン及びミオナールの日本における製造販売承認の承継― (注) 2024年1月1日付で、バクスター株式会社からバクスター・ジャパン株式会社への会社分割による事業承継に伴う契約上の地位の承継がされたため、相手先の名称を変更しております。 (3) 販売契約(導出)契約会社名相手先の名称国名契約内容契約期間当社北京泰徳製薬社中国フィブラストの中国での独占的製造及び販売権2005年12月から販売開始後15年を経過する日まで(以後3年毎自動延長)当社ボシュ・ヘルス社カナダ米国及びカナダでのJubliaの独占的販売権並びに米国におけるJubliaの容器に関する技術供与及び供給2006年4月から特許期間満了日又は販売開始後15年を経過する日のいずれか遅い方の日まで(製品毎、国毎)当社大熊製薬社韓国フィブラストの韓国での独占的販売権2006年12月から2021年12月まで(以後2年毎自動延長)当社東亞ST社韓国Jubliaの韓国での独占的販売権2016年5月から特許期間満了日又は販売開始後10年を経過する日まで(以後2年毎自動延長)当社萬聯行社中国Jubliaの香港及びマカオでの独占的販売権2018年10月から販売開始後10年を経過する日まで(以後2年毎自動延長)当社天津泰普滬亜医薬知識産権流転儲備中心社中国Jubliaの中国(香港及びマカオを除く)での独占的開発権及び販売権2019年2月から販売開始後10年を経過する日まで(以後2年毎自動延長)当社アルミラル社スペインJubliaの欧州での独占的開発権及び販売権2021年7月から特許期間若しくは意匠権存続期間満了日又は欧州のいずれかの国での販売開始後10年を経過する日のいずれか遅い方の日まで(以後相手方の判断により10年延長、さらに以後2年毎自動延長)当社ドンファ社韓国エクロックの韓国での独占的開発権及び販売権2023年6月から特許期間満了日又は販売開始後10年を経過する日のいずれか遅い方の日まで(以後2年毎自動延長) (4) コ・プロモーション契約契約会社名相手先の名称国名契約内容契約期間当社杏林製薬株式会社日本デザレックスの日本におけるコ・プロモーション2016年7月から再審査期間満了日又は販売開始後10年を経過する日のいずれか遅い方の日まで当社持田製薬株式会社日本テリパラチドBS「モチダ」の日本におけるコ・プロモーション2021年2月から2027年3月まで (5) その他の重要な契約契約会社名相手先の名称国名契約内容契約期間当社日本生命保険相互会社日本文京グリーンコートの商業棟、オフィス棟等の共同所有を目的とした基本契約1990年6月から2033年2月まで当社日本生命保険相互会社日本文京グリーンコート基本契約に基づく土地の賃貸1990年6月から2033年2月まで当社東急住宅リース株式会社日本文京グリーンコート内の住宅棟等の賃貸2018年4月から2028年3月まで(以後2年毎自動延長) |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、研究員一人ひとりの自由な発想をもとに、大学や他企業との共同研究開発や技術導入などにより、世界に通用する真に有効で安全性の高い新薬を効率よく研究開発すべく、積極的な活動を展開しております。 当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は12,543百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1) 薬業医薬品の研究開発(基礎的研究及び臨床試験の実施等)を中心に、農業薬品の開発も行っております。当連結会計年度の研究開発等の状況は次のとおりであります。臨床開発段階のものといたしまして、アーバー社から導入したアタマジラミ症治療剤「イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)」はフェーズⅢ試験実施中であります。難治性脈管奇形治療剤「KP-001」は国内においてはフェーズⅢ試験実施中であり、米国においてはINDを申請し、フェーズⅠ試験を開始いたしました。自社創薬のがん免疫療法剤「KP-483」、自社創薬の末梢性神経障害性疼痛治療剤「KP-910」、ニューマブ・セラピューティクス社と共同開発しているアトピー性皮膚炎治療剤「NM26-2198」、シーマベイ・セラピューティクス社から導入した原発性胆汁性胆管炎治療剤「セラデルパー」、スプルース・バイオサイエンシズ社から導入した先天性副腎過形成症治療剤「チルダセルフォント」はフェーズⅠ試験実施中であります。ブリッケル・バイオテック社から導入し、国内において2020年に原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」として上市しました「BBI-4000」は適応拡大として原発性掌蹠多汗症でフェーズⅠ段階でありましたが、開発を中止いたしました。当連結会計年度の研究開発費は12,543百万円であります。 (2) 不動産事業研究開発活動は行っておりません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資については、生産設備の増強、研究開発機能の充実・強化などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。 当連結会計年度の設備投資の総額は2,304百万円であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。(1) 薬業当連結会計年度の主な設備投資は、静岡工場における製造設備の新設と更新を中心とする総額2,295百万円の投資を実施いたしました。 (2) 不動産事業当連結会計年度は、総額8百万円の設備投資を実施いたしました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。提出会社2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)その他合計静岡事業所(静岡県藤枝市)薬業生産・研究開発施設・設備5,8432,744117(152,862)2,26610,972237〔94〕京都事業所(京都市山科区)薬業研究開発施設・設備8190310(7,139)3561,48689〔2〕本社(東京都文京区)薬業管理販売設備2565―(―)308570353〔48〕東京オフィス (東京都豊島区)薬業販売設備62171,191(1,010)71,827168〔8〕大阪オフィス (大阪市中央区)薬業不動産事業販売設備及び賃貸建物等1,2683337(529)161,625169〔11〕文京グリーンコート(東京都文京区)不動産事業賃貸建物等5,9191131(35,051)196,0721 〔―〕文京グリーンコートテラス(東京都文京区)不動産事業賃貸建物等1,000101,779(2,893)02,790―〔―〕 (注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。 2 2023年4月1日付で関東支店、関西支店の事業所名を「東京オフィス」、「大阪オフィス」に変更しております。3 東京オフィス及び大阪オフィスは、営業所等の設備及び従業員数を含めております。4 大阪オフィスの一部は、連結子会社以外の者へ賃貸しております。5 文京グリーンコートの一部は、当社グループが使用しております。6 文京グリーンコートテラスは、賃貸マンションであります。7 現在休止中の主要な設備はありません。8 シニアスタッフ(定年後再雇用者)、嘱託社員、エリア従業員(無期転換制度に基づく無期雇用転換者)は従業員数より除いております。9 臨時雇用人員(シニアスタッフ、臨時従業員等)数は、〔 〕内に外数で記載しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループにおける主要な設備の新設、除却等の計画は、次のとおりであります。(1) 重要な設備の新設等提出会社事業所名(所在地)セグメントの名称区分設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)静岡事業所(静岡県藤枝市)薬業建替医薬品生産設備2,845280自己資金2024年1月2025年1月生産能力の増強静岡事業所(静岡県藤枝市)薬業建替農業薬品生産設備(付帯設備を含む)12,300―自己資金2025年11月2027年7月生産能力の増強 (注) 投資予定額には、解体費用は含まれておりません。 (2) 重要な設備の除却等 経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 12,543,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 8,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 18 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,197,128 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、次のとおり考えております。純投資目的とは、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合であり、純投資目的以外とは、事業戦略上の必要性、及び取引関係の維持・強化などを勘案し、中長期的な観点から当社グループの企業価値向上に資することを目的とする場合であります。なお、当社は、純投資目的である投資株式については原則保有いたしません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、事業戦略上の必要性及び取引関係の維持・強化などを勘案し、中長期的な観点から当社グループの企業価値の向上に資すると判断した場合に限り、政策保有株式を保有いたしますが、保有する意義が乏しいと判断した銘柄は、適宜縮減対象としてまいります。この考え方に基づき、今後5年内に2024年3月末比で30%相当を縮減する方針を策定いたしました。また、毎年取締役会において、保有の意義、保有目的の妥当性、取得経緯そして保有に伴う便益やリスクを資本コスト、取引状況及び株式価値の変動または配当等による経済性等を含め、定性・定量の両面から総合的に検証し、個別の政策保有株式ごとに保有を継続した場合のメリットとリスク等を判断しており、当事業年度につきましては、2024年2月の取締役会にて検証を実施いたしました。なお、当事業年度においては、2銘柄を売却いたしました。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式330非上場株式以外の株式2220,304 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式以外の株式2516 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)芙蓉総合リース㈱302,000302,000各種リース等の取引円滑化や取引拡大を勘案し、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有4,1552,718キッコーマン㈱368,000368,000原材料仕入に係る取引円滑化や原材料購入先等での協業関係構築のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有3,6222,480杏林製薬㈱1,602,4001,602,400「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、同社製品のコ・プロモーション契約を締結しており、医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有2,9032,730東レ㈱3,406,0003,406,000「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、同社製品の国内製造販売契約を締結しており、医薬品の研究開発及び商品仕入に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有2,5202,576生化学工業㈱1,207,1471,207,147「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、同社製品の国内独占的販売契約を締結しており、医薬品仕入に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有923981㈱メディパルホールディングス380,838380,838医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有883687岩谷産業㈱100,200100,200事業所における製造用設備購入や定期保守作業に係る取引円滑化のために保有しております。有855580日産化学㈱134,700134,700農業薬品の安定的な原体販売及び医薬品の研究開発に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有771806㈱みずほフィナンシャルグループ214,400214,400主要取引金融機関として取引の円滑化、金融関連情報の継続的な提供を受けるために保有しております。有653402理研計器㈱85,00085,000事業所における製造用設備購入に係る取引円滑化のために保有しております。有650482日本新薬㈱125,700125,700原材料仕入に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有561732㈱滋賀銀行95,96095,960金融機関として取引の円滑化、金融関連情報の継続的な提供を受けるために保有しております。有402257アルフレッサホールディングス㈱143,740143,740医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有319243ダイト㈱96,80088,000同社製品の国内独占的販売契約を締結しており、医薬品仕入に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有226216 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱いよぎんホールディングス164,000164,000金融機関として取引の円滑化、金融関連情報の継続的な提供を受けるために保有しております。有192123三井住友トラスト・ホールディングス㈱50,60025,300金融機関として取引の円滑化、金融関連情報の継続的な提供を受けるために保有しております。有167114東邦ホールディングス㈱40,75040,750医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有14895㈱スズケン25,30025,300医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有11784㈱ニッピ20,00020,000原材料仕入に係る取引円滑化や協業関係への発展のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有11476㈱ほくやく・竹山ホールディングス63,36563,365医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有5540クミアイ化学工業㈱59,86559,865農業薬品原体販売及び製造や農薬の取り扱いにおいて協力関係を維持・発展するために保有しております。有4950㈱バイタルケーエスケー・ホールディングス6,6156,615医薬品販売に係る取引円滑化のため、当社の持続成長や企業価値向上から総合的に判断し保有しております。有85㈱ヤクルト本社―79,700定性・定量の両面から総合的に検証し、全株式を売却しております。無―767㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ―6,800定性・定量の両面から総合的に検証し、全株式を売却しております。無―5 (注) 1 定量的な保有効果については秘密保持の観点から記載を控えております。保有の合理性・必要性については、現在及び将来の保有の意義、取引状況、株式価値の変動または配当等による経済性等を含めて検証しております。2 当社株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分(実質保有株式数)を勘案し記載しております。3 キッコーマン㈱は、2024年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割しており、提出日現在(2024年6月27日)の株式数は、1,840,000株となります。4 理研計器㈱は、2024年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しており、提出日現在(2024年6月27日)の株式数は、170,000株となります。5 ダイト㈱は、2023年9月1日付で普通株式1株につき1.1株の割合で株式分割しております。6 三井住友トラスト・ホールディングス㈱は、2024年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。7 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由 当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)東レ㈱800,000800,000退職給付信託契約に基づく議決権行使の指図権有592605 (注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。2 定量的な保有効果については秘密保持の観点から記載を控えております。保有の合理性・必要性については、現在及び将来の保有の意義、取引状況、株式価値の変動または配当等による経済性等を含めて検証しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 30,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 22 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 20,304,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 516,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 6,615 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 8,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 800,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 592,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 日産化学㈱ |