財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-27
英訳名、表紙Kidswell Bio Corporation
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長  紅林 伸也
本店の所在の場所、表紙東京都中央区新川一丁目2番12号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6222-9547(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月事項2001年3月北海道大学遺伝子病制御研究所における免疫関連タンパク質の機能研究の成果を診断薬や治療薬として開発すること及び医薬品開発における受託サービス業務を行うことを目的として、札幌市北区に資本金10,000千円をもって株式会社ジーンテクノサイエンスを設立2002年6月独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター(札幌市豊平区)内に研究所を新設し、バイオ新薬の研究開発を強化するとともに、バイオシミラー事業への参入について検討を開始2003年11月研究所内に本社を移転2008年4月札幌市中央区に本社を移転2008年5月北海道大学遺伝子病制御研究所(札幌市北区)内に研究所を移転2008年6月東京都中央区に東京事務所を新設2012年11月富士製薬工業株式会社との共同開発品であるフィルグラスチムバイオシミラーについて、富士製薬工業株式会社及び持田製薬株式会社が国内での製造販売承認を取得(2013年5月上市済)2012年11月東京証券取引所マザーズに株式を上場2013年9月北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター(札幌市北区)内に研究所を移転2016年3月NKリレーションズ株式会社及び合同会社Launchpad12(いずれもノーリツ鋼機株式会社の関係会社で、現在は同社に吸収合併され消滅)と資本業務提携契約を締結2016年6月ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社(合同会社Launchpad12から商号変更した会社)による当社株式に対する公開買付けの結果、同社の議決権所有割合が50%超となり、NKリレーションズ株式会社及びノーリツ鋼機株式会社とともに当社の親会社となる2019年4月株式会社セルテクノロジーとの株式交換により同社が当社の完全子会社となり、当該株式交換に伴う新株式発行により、ノーリツ鋼機バイオホールディングス合同会社及びノーリツ鋼機株式会社は議決権所有割合が40%未満となり、親会社でなくなるとともに、新たにその他の関係会社となる2019年7月2019年9月東京都中央区に本社を移転株式会社三和化学研究所との共同開発品であるダルベポエチンアルファバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2019年11月上市済)2020年2月ノーリツ鋼機株式会社からの株式譲受により株式会社日本再生医療を完全子会社化2020年11月株式会社セルテクノロジーの全株式譲渡により、同社を連結の範囲から除外2021年7月2021年9月商号をキッズウェル・バイオ株式会社に変更千寿製薬株式会社との共同開発品であるラニビズマブバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2021年12月上市済)2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行2022年4月2023年9月 2024年4月株式会社日本再生医療の全株式譲渡により、同社を連結の範囲から除外持田製薬株式会社との共同開発品であるペグフィルグラスチムバイオシミラーについて、同社が国内での製造販売承認を取得(2023年11月上市済)会社分割(簡易新設分割)により細胞治療事業(再生医療)を分社化同事業を承継する株式会社S-Quatre(現 連結子会社)を設立
事業の内容 3【事業の内容】
(1) 事業環境 バイオ関連技術の発明と発達とともに、医薬品産業における成長の源泉である新薬の創出は、化学合成による低分子医薬品から、抗体医薬品を中心とするバイオ医薬品をはじめ、細胞医薬・遺伝子治療等の新規創薬モダリティ(治療手段)を含むバイオロジクスへと大きく移行しています 。
新たな技術によって、今まで治療が困難であった様々な疾患に対する画期的な治療薬が開発され、グローバル医薬品売上高上位の半数以上をバイオロジクスが占めるようになりました。
また、創薬モダリティの多様化に伴って、新薬創出の80%はバイオベンチャーが担うなど、医薬品産業においてバイオベンチャーの存在感が世界的に高まっています。
 このように、新たな技術が多くの患者の健康に寄与する一方で、技術の高度化・複雑化等に伴う研究開発期間の延伸や開発費・製造費の高騰等を反映し 、新たに開発された医薬品の薬価が上昇するとともに、医薬費の増大が進んでいます。
医薬費の削減に向けた取り組みとして、日本を含む多くの国々においては、 既に低分子医薬品の後発品であるジェネリック医薬品の使用が一般化しています。
また、多くの大型品を含むバイオ医薬品についても、今後次々と先行品の特許期間・再審査期間の満了を迎える時期を迎えていることから、その後続品であるバイオシミラーについても、普及が進んでいくことが見込まれております。

(2) 当社のビジネスモデル 当社は、創業事業であり先行バイオ医薬品の研究開発を行うバイオ新薬事業、先行バイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーの開発及び開発品の上市達成後における原薬等の供給を行うバイオシミラー事業、乳歯歯髄幹細胞(SHED: Stem cells from Human Exfoliated Deciduous teeth,シェド)を活用した再生医療等製品の実用化を目指す細胞治療事業(再生医療)の3つを主要事業としてまいりました。
しかし、当事業年度において、新たな経営体制での協議、検討の結果、企業価値の最大化と株価の回復・成長の早期実現を目的として、3事業に分散していた経営資源を、安定的な収益基盤であるバイオシミラー事業と成長基盤である細胞治療事業に戦略的かつ集中的に投下することを決定いたしました。
なお、バイオ新薬事業につきましては、既に取得済みの研究成果の外部機関での活用に向けた事業開発活動に専念いたします。
経営資源の戦略的な投下に加え、構造改革等を通じて事業間の連携を強化し、事業ごとに蓄積してきた研究開発ノウハウ、経験、知見を組み合わせることで、バイオシミラー事業と細胞治療事業における研究開発活動を更に効率的かつ強力に推進してまいります。
(3) 当社のビジネスモデルの特長 当社は、市場ニーズを勘案した医薬品開発を重視し、以下の2点を特長とした研究開発活動を行っております。
① ハイブリッド事業体制 バイオシミラー事業においては、既に長年に渡る治療実績を 有する先行バイオ医薬品と同等の品質、安全性及び有効性を有する医薬品を開発しており、新たなサイエンスや技術に過度に依存しないために、先行品の開発と比べ、開発リスクが限定的で開発計画が立てやすく、より少ない経営資源で開発が可能です。
一方で、バイオシミラーの薬価は原則先行品の70%と定められているために、高い収益性を確保するためには製造費用を引き下げる必要があります。
 一方、多くのバイオベンチャーも取り組む細胞治療事業においては、従来の医薬品で治療の難しい疾患に対して革新的な医薬品開発の可能性があり、大きな収益成長が期待できる反面、新たなサイエンスと技術に大きく依存しているために、バイオシミラー事業と比較して開発リスクは大きく、研究開発には多くの経営資源を投入する必要があります。
 そこで当社は、安定性の高いバイオシミラー事業で安定的な収益基盤を築きながら、細胞治療事業に取り組むことで高い成長性を目指す、ハイブリッド型の事業モデルを構築しております。

② バーチャル型研究開発及びプロジェクトマネージメント 医薬品開発には、薬効・薬理研究、製造プロセス開発、GMP製造、臨床開発等、多岐にわたる人財や施設が必要な一方、当社の経営資源には限りがあるため、全てを当社単独で担うことできません。
そこで当社は、社外の受託機関の積極的な活用を前提に、バイオロジクスの研究と製造プロセス開発等に当社の人的資源を集中し、専門性の向上に努めています。
また、当社が主体となって製造受託機関等との連携を強化することで、当社人的資源の効率的な活用と設備投資の大幅な削減に取り組み、プロジェクトごとに最適な製造プロセス開発体制を構築することで、それぞれの得意分野を融合し、開発力強化・開発スピード向上を図っております。
 また、当社は、パートナー製薬企業との早期連携による開発費用の分担を進めるとともに、上述の人的資源の効率的な活用と合わせて、同時並行で複数の開発プロジェクトに取り組む体制を整え、開発リスクの分散を進めています。
(4) 開発の流れ、収益モデル及び開発品目の選定方針① バイオシミラー事業 バイオシミラー事業においては、患者の経済的負担の軽減による治療継続や、医療費削減による健康保険制度の維持に向け、先行バイオ医薬品と同等の品質・安全性・有効性を有するバイオシミラーの事業化に取り組んでいます。
今後も国内外の大手製薬企業等により多くの先行バイオ医薬品が開発され、上市後に特許期間・再審査期間が満了を迎えることで、新たなバイオシミラーの参入機会が提供されることに加え、2029年までに先行品からの置き換え率が80%超の成分を全体の6割以上に引き上げるとす る厚生労働省によるバイオシミラーの普及目標の設定、バイオシミラーの使用促進に向けた診療報酬の新設等を受け、バイオシミラー市場は継続的に拡大することが予測されています。
 当該事業では、現在日本国内において承認されているバイオシミラー18製品 の内4製品の開発に携わり、当該4製品全てが市場に1番手で上市した結果、上市済み製品による販売収益等が、研究開発費を除いた一般管理費、すなわち固定費を上回る利益を生み出す規模に成長し、今後中期的に安定的かつ継続的な収益を生み出すことが想定されることから、バイオベンチャーとしては特長的な戦略である「安定と成長の両立」による企業価値最大化を支える重要事業と位置付けております。
イ 開発の流れ(図表1、図表2) バイオシミラー事業において求められるのは、先行バイオ医薬品と同等の品質、安全性及び有効性を有する医薬品を開発することですが、そのための取り組みは、バイオシミラー原薬製造の根幹である産生細胞株の構築、あるいは既に研究機関等が構築を終えた産生細胞株の導入から始まります。
産生細胞株の構築または又は導入後に、製造受託企業と協業して、当該産生細胞株を用いて原薬製造プロセスの開発・最適化に取り組みますが、バイオ医薬品の原薬製造プロセスは、化学合成による原薬製造プロセスと比べて複雑であり、経験の蓄積に裏付けされた様々な問題解決能力が求められます。
そして、原薬製造プロセスの開発が進んだところで、物性、工程由来不純物、活性が先行バイオ医薬品と同等であることを確認するための品質特性比較試験を実施します。
なお、産生細胞株の構築・導入段階からパートナー候補製薬企業との提携協議を開始し、原薬製造プロセス開発や品質特性比較試験と同時並行で提携交渉を進めることで、より早期にパートナー製薬企業との提携を実現し、製剤製造プロセス開発、安全性及び有効性評価の為の非臨床試験、臨床開発については、遅延なく当該パートナー製薬企業が実施できる開発体制を構築します。
 製剤製造プロセス開発後は、原則パートナー製薬企業が臨床開発を主導し、臨床試験において先行バイオ医薬品との安全性及び有効性の同等性が確認された後に、厚生労働省にバイオシミラーの製造販売承認の申請を行います。
パートナー製薬企業が主導する臨床開発段階において、当社は、製造受託企業に原薬等の製造を委託し、当該原薬等をパートナー製薬企業に提供するとともに、パートナー製薬企業に対して開発推進及び製造・品質に関する承認申請資料作成支援を行います。
さらに、バイオシミラーの上市後にも、パートナー製薬企業に対する原薬等の提供を通じて、当該バイオシミラーの安定供給に貢献しております。
図表1 開発の流れと収益モデル(バイオシミラー事業) (注) 各開発ステージにおける年数は、一般的なバイオシミラー開発における所要年数であります。
図表2 事業系統図(バイオシミラー事業) ロ 収益モデル(図表1) 現在の事業モデルにおける、バイオシミラー事業の収益としては、臨床試験開始や製造販売承認の申請、上市等、開発の進捗によって得られる開発マイルストンペイメントによる収益と、開発段階及び上市後において、バイオシミラー原薬等をパートナー製薬企業に供給することによって得られる販売収益があります。
また、契約体系によっては、パートナー製薬企業の販売実績に応じたロイヤリティ収益を得ることもあります。
ハ 開発品目の選定方針 バイオシミラー事業において求められるのは、既に長年に渡る患者の治療実績を有する先行バイオ医薬品と同等の品質、安全性及び有効性を有する医薬品の開発であり、新たなサイエンスや技術に過度に依存しないために、先行品の開発と比べ、開発リスクが限定的で開発計画が立てやすく、より少ない資金で開発が可能です。
一方で、バイオシミラーの薬価は原則先行品の70%と定められているために、先行品と比べて製造コストを大きく引き下げることが、プロジェクトの収益性には重要です。
また、バイオシミラーの市場シェアは上市の順番で大きく変動する可能性が高いことから、先行品の特許期間・再審査期間の満了に合わせて一番手で上市できるように開発を進める必要があります。
そのために、数多く上市している先行バイオ医薬品の中から、市場 規模、特許期間・再審査期間の満了時期、競合他社の存在等に基づいて、開発品の選定を進めます。
 なお、開発品であるバイオシミラーの市場規模については、先行バイオ医薬品の薬価 を基に算出される当該バイオシミラーの薬価、先行品の数量ベースの市場規模、バイオシミラーへの置換率の3つを乗じて求めることができます。
このようにして求めたバイオシミラーの市場規模に、当社開発品の想定シェア、原価率等を乗じることで当社の売上や利益予測を行い、想定開発費等と合わせて正味現在価値を求め、開発品の最終的な選定を行います。
② 細胞治療事業(再生医療) 細胞治療事業においては、2019年3月に買収した株式会社セルテクノロジーの技術を基に、健常小児ドナーの乳歯から採取できるSHEDを活用し、革新的な再生医療等製品等の研究開発に取り組んでおり、当社の飛躍的な事業価値向上を支える成長事業と位置付けております。
細胞治療(再生医療)は、これまで有効な治療法のなかった難病や希少疾患等の治療ができるようになることが期待され、2012年にiPS細胞の発見に対して京都大学山中伸弥教授らがノーベル医学・生理学賞を受賞したことも受け、応用研究や産業化に向けた取り組みが大きく進捗しています。
 当社が事業化に取り組むSHEDは、すでに一部の疾患で実用化され安全性が確認されている間葉系幹細胞(MSC)の一種ですが、これまで広く研究されてきた骨髄や脂肪組織由来のMSCと異なり、小児の組織由来であることから細胞の年齢が若く、増殖能が高いため、わずか1本の乳歯から大量の再生医療等製品等の製造が可能です。
また、原料となる乳歯は日本国内で安定的・持続的に入手可能であることから、海外ドナー由来の再生医療等製品等と比べて、安定的な医療の提供が可能になる点も、再生医療等製品の原料として重要な要素です。
2019年以降、自社及びパートナー企業・アカデミアとの連携・共同研究を通じて、SHEDのサイエンスを追求するとともに、SHEDを原料とする再生医療等製品の製造法の開発に取り組んでまいりました。
2020年3月には、経済産業省から、再生医療等製品の製造を目的としたヒト細胞原料の供給における法的・倫理的・社会的課題を整理した「ヒト(同種)細胞原料供給に係るガイダンス(初版)」(2021年3月に第2版を公表)が取りまとめられるなど等、事業環境の整備も進んだ結果、当社は2022年8月に国内において臨床応用可能なSHEDマスターセルバンク(MCB)構築を完了させ、さらには2024年3月に米国FDA基準に準拠したMCBの製造も完了しており、MCBを用いた再生医療等製品の臨床開発に向けた取り組みを着実に進めています。
また、この過程で構築した、乳歯ドナーの募集から、提携する医療機関での抜歯、GMP施設におけるMCB製造に至る一連のシステム(S-Quatre®、エスカトル)を活用し、自社パイプラインだけでなく、再生医療等製品やエクソソーム等の細胞関連医薬品を開発する他企業に向けて、MCBを提供するプラットフォームビジネスとしての展開にも取り組んでおります。
なお、当社独自の製造法によるSHED(SQ-SHED:2024年4月1日付で当社100%子会社として株式会社S-Quatre設立によりKWB-SHEDから呼称変更)は、他の組織由来のMSCや、同じSHEDでも一般的な方法で製造したSHEDとは異なる遺伝子発現パターンを示し、特に神経成長、血管新生、細胞遊走に関する遺伝子発現が高く、関連するタンパク栄養因子の産生量も高いことを見出しております。
また、実際に、SQ-SHEDがこれらの生物活性を強力に促進することを、細胞機能試験及び動物モデル試験において確認し、2022年10月に特許出願いたしました。
イ 開発の流れ(図表3、図表4) 細胞治療事業の研究開発において、再生医療等製品等の原料となるSHEDについてサイエンスの追求が重要であることは当然ですが、将来的な安定供給に向けたSHEDの製造プロセス開発についても優先的に取り組んできました。
なお、これらの基礎研究活動については、自社研究及びパートナー企業・アカデミアとの連携・共同研究の実施に加え、研究の加速や研究データの信頼性の保証と 再現性の確認のために、試験受託機関への研究委託も積極的に活用しています。
また、これらの基礎研究活動から得られたデータを基に、SHEDを活用した再生医療等製品等の対象疾患を選定し、当該疾患に対する有効性と安全性の予備的試験を実施するとともに、製造受託機関と協業して、臨床開発に向けた製造プロセスの確立を進めています。
 なお、バイオシミラー事業と異なり、細胞治療事業においては、自社開発品を守るための特許戦略も欠かせない重要な取り組みです。
基礎研究や製造プロセス開発から得たデータ、そして他社特許の調査を基に、積極的に特許出願を進めています。
 基礎研究や製造プロセス開発、特許出願等の取り組みと同時並行で、パートナー候補製薬企業との協議を継続しています。
臨床開発以降は、原則パートナー製薬企業が主導し、臨床開発において安全性及び有効性が確認された後に、厚生労働省に再生医療等製品等の製造販売承認の申請を行います。
パートナー製薬企業が主導する臨床開発段階において、当社は、製造受託企業に原薬たる細 胞等の製造を委託し、当該原薬等をパートナー製薬企業に有償で提供するとともに、パートナー製薬企業に対して開発推進及び製造・品質に関する承認申請資料作成支援を行います。
さらに、再生医療等製品等の上市後にも、パートナー製薬企業に対する原薬たる細胞等の提供を通じて、当該再生医療等製品等の安定供給に貢献することを想定しています。
図表3 開発の流れと収益モデル(細胞治療事業) 図表4 事業系統図(細胞治療事業) ロ 収益モデル(図表3) 細胞治療事業の収益としては、パートナー製薬企業との提携時に得られる契約一時金収益、臨床試験開始や製造販売承認の申請、上市等、開発の進捗によって得られる開発マイルストンペイメントによる収益と、開発段階及び上市後において、再生医療等製品等の原料となる 細胞等をパートナー製薬企業に供給することによって得られる販売収益があります。
また、契約体系によっては、開発段階において、当社のノウハウなど等をパートナー製薬企業に提供することで得られる役務収益や、パートナー製薬企業の販売実績に応じたロイヤリティ収益を得ることもあります。
ハ 開発品目の選定方針 細胞治療事業の開発品目の選定においても、バイオシミラー事業と同様に、想定される市場規模、収益性等を考慮します。
一方で、革新的な医薬品に対するニーズ、既存の医薬品とSHEDを活用して開発する再生医療等製品等との経済性評価についても、開発品の選定に欠かせない視点です。
なお、研究開発活動の進捗や競合環境、規制等を踏まえた開発品の優先順位の変更に加え、研究開発活動の中断・中止判断も適切に行うことで、開発可能性を高め、開発パイプラインの最適化に努めています。
(5) 主力上市品・開発品 バイオシミラー事業においては、パートナー製薬企業と協業して、既に4製品を上市させた実績を有しています。
また、今後多くの大型品を含む先行バイオ医薬品の特許期間・再審査期間が満了を迎える時期を迎えていることから、その後続品であるバイオシミラーの参入機会が次々と訪れることが予想され、当社も新規バイオシミラーの開発について、複数のパートナー候補製薬企業等との協議を継続しております。
継続的な新規バイオシミラーの上市を可能とするパイプラインの構築により、安定的な収益基盤の強化に取り組んでいます。
 また、細胞治療事業(再生医療)においては、共同研究成果を基に、脳性麻痺を対象とした臨床研究が名古屋大学において実施されています。
自社研究に加え、他のバイオベンチャーや大学等との共同研究にも積極的に取り組むことで、開発パイプラインの強化を図っています。
① バイオシミラー事業・フィルグラスチムバイオシミラー(開発番号:GBS-001、対象疾患領域:がん) 顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)は、白血球の一種である好中球の分化・増殖を促進させるほか、骨髄からの好中球の放出を促進したり好中球機能を亢進する作用があります。
当社は、2007年10月より富士製薬工業㈱と共同で当該バイオシミラーの開発を推進し、2012年11月21日に富士製薬工業㈱と持田製薬㈱が国内での製造販売承認を取得し、2013年5月31日に上市しました。
現在、当社は富士製薬工業㈱に対する当該医薬品原薬の安定供給を担っており、富士製薬工業㈱が当該バイオシミラーの販売を行っております。
当社のフィルグラスチムバイオシミラーの産生細胞株は韓国のDong-A ST Co., Ltd.(旧東亜製薬㈱)から導入しており、同社にはロイヤリティを支払っております。
なお、他社によるバイオシミラーを含めて、先行品からの置き換え率は80%を超えています。
・ダルベポエチンアルファバイオシミラー(開発番号:GBS-011、対象疾患領域:腎疾患) 当該先行品は、腎性貧血治療薬であるエポエチンアルファの効果の持続性を高めた製品です。
当社は、日本市場に向けて㈱三和化学研究所と当該バイオシミラーの共同開発を推進し、2019年9月20日に㈱三和化学研究所が国内での製造販売承認を取得し、2019年11月27日に上市しました。
以後、製造販売については㈱三和化学研究所が単独で行い、当社は販売売上に応じた利益の分配を受けております。
なお、他社によるバイオシミラー等を 含めて、先行品からの置き換え率は80%を超えています。
・ラニビズマブバイオシミラー(開発番号:GBS-007、対象疾患領域:眼疾患) 当該先行品は、血管内皮増殖因子の働きを抑えることにより、新生血管の成長を抑える作用があります。
当社は、千寿製薬㈱と当該バイオシミラーの共同開発を行ってきましたが、2021年9月27日付で同社が国内での製造販売承認を厚生労働省より取得し、同12月9日に上市しました。
現在、当社は千寿製薬㈱に対する当該医薬品製剤の安定供給を担っており、製品化された当該バイオシミラーを同社が販売しております。
当該バイオシミラーの競合となる先行品メーカーによるバイオセイム(バイオ医薬品におけるジェネリック)や他社によるバイオシミラーは上市されておらず、千寿製薬㈱の販売は上市直後から当初予想を上回る勢いで推移しており、さらに2023年9月に追加適応症が承認された影響を受け、先行品からの置き換えペースが加速しています。
・ペグフィルグラスチムバイオシミラー(開発番号:GBS-010、対象疾患領域:がん) 当該先行品は、フィルグラスチムにPEG(ポリエチレングリコール)を修飾することで、投与回数を減らし効果の持続性を増す等、高付加価値を付与した次世代型フィルグラスチムです。
当社は、2016年12月に持田製薬㈱と当該バイオシミラーの共同事業化契約を締結し、共同での開発を推進してまいりましたが、2023年9月25日付で同社が国内での製造販売承認を厚生労働省より取得し、同11月22日に上市しました。
現在、当社は持田製薬㈱に対する当該医薬品原薬の安定供給を担っており、製品化された当該バイオシミラーを同社及びニプロ㈱が 販売しております。
当該バイオシミラーの競合となる先行品メーカーによるバイオセイムや他社によるバイオシミラーは上市されておらず、持田製薬㈱とニプロ㈱の販売は上市直後から当初予想を上回る勢いで推移し、先行品からの置き換えは順調に進捗しています。
・新たなバイオシミラー製品の開発向けた取組み 当社は、バイオシミラーの社会的役割を認識しつつ、安定的かつ継続的な収益基盤の更なる強化を目的として、新たなバイオシミラーの開発に向けた取り組みを推進しており、既に、多面的な評価に基づく新たな開発候補品の選定を実施し、開発パートナー候補企業等との協議を進めています。
② 細胞治療事業(再生医療)・SQ-SHEDを活用した再生医療等製品の開発(開発番号:GCT-102、対象疾患:腸管神経節細胞僅少症) 腸管神経節細胞僅少症は、腸管の蠕動運動を司る神経細胞の不足により腸閉塞症状を示す難病(指定難病 101)で、効果的な治療方法がいまだ確立されていません。
SHEDは腸管神経節細胞と同じ神経堤由来の細胞であるため、投与されたSHEDが不足している腸管神経節細胞の機能を補う働きをすることにより、腸管蠕動運動が回復することが期待できます。
当社は、当該疾患を対象とした再生医療等製品を開発するべく、持田製薬㈱と共同事業化契約を締結し、当社が保有するSQ-SHEDと持田製薬㈱の消化器領域における知見と実績を組み合わせることで、新たな治療法の創出を目指しています。
・SQ-SHEDを活用した再生医療等製品の開発(開発番号:GCT-103、対象疾患:脳性麻痺) 脳性麻痺は、周産期と呼ばれる出産前後の期間に起きた酸素欠乏や感染症など等が原因となり、運動障害など等の神経症状が現れる疾患です。
出産直後、すなわち急性期においては症状が明確でないことも多く、症状の予測も困難なため、急性期を過ぎて病状が固まった後の遠隔期(慢性期)から治療を開始しても効果をもたらす新規治療法の開発が望まれています。
現在、共同研究先の名古屋大学附属病院総合周産期母子医療センターにて、脳性麻痺(遠隔期)を対象とした自家SHEDの臨床研究が進められていますが、並行して、構築済みのMCB を用いた同種(他家) SHEDの企業治験実施に向けた準備を進めております。
・第二世代SHEDの研究 名古屋大学医学部脳神経外科との共同研究においては脊髄損傷を、浜松医科大学との共同研究においては脳腫瘍を対象として、それぞれ異なる遺伝子改変SHEDの研究を進めております。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容(その他の関係会社)ノーリツ鋼機㈱(注)東京都港区7,025ものづくり・ヘルスケアの各分野に関連する各種事業被所有24.32資本業務提携(注)有価証券報告書を提出しております。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)4249.05.07,510,628(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は含まれておりません。
2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
3.当社の事業セグメントは、医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。

(2) 労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針 当社は、「バイオで価値を創造する-こども・家族・社会をつつむケアを目指して-」を企業理念に、「こどもの力になること、こどもが力になれること」を経営ビジョンとして掲げ、これまでの事業活動で得てきたバイオ技術に関するノウハウ及び知見を最大限活用し、バイオシミラー事業では、より多くの患者さんが安心して治療を続けられる環境を作り出すために、また、細胞治療事業(再生医療)では、特に小児疾患や希少疾患を抱え苦しんでいる患者やその家族はもちろん、治療に奮闘する医療従事者の方々を支えられる革新的な治療を届けるために、研究開発活動の推進に取り組んでいます。

(2) 経営環境 「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)事業環境」に記載しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 バイオロジクスの研究開発には膨大な時間と費用を必要とし、収益計上ができるようになるまでの期間が非常に長いため、当社のような研究開発型のバイオベンチャーにおいては、短期的な経営指標による実績評価を行うことは一般的には適しません。
しかし、当社バイオシミラー事業においては、パートナー製薬企業との協業の結果、既に4製品が上市済みであり、バイオシミラー原薬等をパートナー製薬企業に供給することによって得られる販売収益と、パートナー製薬企業の販売実績に応じたロイヤリティ収益を売上高として計上しています。
一方で、バイオシミラー事業の成長のためには、継続した新規バイオシミラーへの開発投資は欠かせないため、効率的な開発投資の実行と、収益と開発投資のバランスを取ることを目的として、バイオシミラー事業単独での営業黒字を経営指標として定めています。
 細胞治療事業においては、バイオシミラー事業とは異なり、研究開発投資が先行する事業ステージにあるために、効率的且つ適切な研究開発投資の実行を目的として、開発品ごとに中長期的な研究開発費用、研究開発スケジュール等を含む開発計画等を設定し、その達成度を経営指標としています。
 なお、バイオシミラー事業と細胞治療事業を含めた当社企業グループ全体での事業の推進と営業黒字化を目指して、構造改革等を通じた事業間の連携強化、業務効率化、人的資源の最適化等にも取り組んでいます。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 上市済みバイオシミラーの安定供給体制の構築及び収益性の改善と、新規バイオシミラーの開発バイオシミラー事業においては、既に上市しているバイオシミラーについては原薬等の供給を担っておりますが、一部の製品については需要が当初想定を大幅に上回って推移しており、安定供給体制の再構築と運転資金の最適化が求められています。
また、原薬の製造を委託している海外市場における物価上昇と、大幅な円安の進行により、円建てでの製造費が大きく上昇しており、原価低減策の推進やバートナー製薬企業に対する供給価格等の調整が必要です。
一方で、バイオシミラー事業の更なる成長に向けて、既に4製品の開発を成功させたという実績と、開発経験を通じて培った経験とノウハウを発展的に応用し、新たなバイオシミラーの開発にも積極的に取り組む必要があります。
なお、新たなバイオシミラーの開発においては、パートナー製薬企業との役割分担の見直し等を通じて、限られた資金と人財をより効率的に活用し継続的な成長を実現できる事業モデルへの変革を推進してまいります。
また、事業価値最大化に向けては、日本市場への依存からの脱却も重要です。
上市済み及び新規バイオシミラーの両方について、売上高の拡大、製造量の拡大による製造単価の低下、海外売上高と海外製造費の両立による為替変動の影響緩和に向けて、パートナー製薬企業との協業を通じた海外市場への展開にも積極的に取り組みます。
② 再生医療等製品等の研究開発細胞治療事業においては、研究開発投資が先行する事業ステージにあるために、資金調達とのバランスを強く意識した、効率的且つ適切な研究開発投資の実行が求められます。
なお、2024年4月1日付で当社完全子会社として、S-Quatre株式会社(S-Quatre(エスカトル))を設立しており、今後は当社と連携しながら、S-Quatreとして、事業会社との資本業務提携、ベンチャーキャピタル等との連携を通じた資金調達に取り組んでまいります。
また、バイオシミラー事業と同様に、早期にパートナー製薬企業と提携することで、S-Quatreとしての開発費負担と開発リスクの低減を実現する必要があります。
そのためにも、SHEDのサイエンスの追求とSHED製造プロセスの開発、更には取得したデータと他社特許調査を基にした特許戦略の構築と実行による事業基盤の強化に向けた投資を継続してまいります。
 なお、細胞治療事業においても海外市場への展開は欠かせない重要な取り組みです。
既に米国FDA基準に準拠したSHED MCBの製造は完了しておりますが、海外市場での臨床開発に向けて、海外製薬企業や医療機関、開発業務受託機関等との協議を推進してまいります。
③ 開発品ポートフォリオの最適化 前述のとおり当社は主要事業のいずれにおいても複数の開発品によるポートフォリオを構築しており、限られた人員と資金を効率的に投下して最大限の成果を上げられるよう、提携先の製薬企業等や製造受託企業等との協業の下、当該開発品の価値最大化に努めております。
その一方で、バイオ医薬品、再生医療等製品等に対する規制動向、新規技術の開発状況、各疾患領域の標準治療法、当社及び競合他社の開発状況等は日々変化しています。
当社は、社内外の様々な要因を適時勘案し、事業ごとの開発品ポートフォリオにおける優先順位の見直し、開発品目の新規立ち上げや開発中止等に加え、企業グループ全体としての開発品目ポートフォリオの最適化を図ってまいります。
④ コンプライアンス・リスク管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化当社が円滑に社外ネットワークを構築していくためには、当社の社会的信用を維持・向上させていくことが重要であると認識しております。
当社の取引先の多くは上場企業など等の社会的信用のある会社や公的研究機関であり、対等な取引関係を維持していくためには、当社にも相応の社会的信用が必要です。
このような観点から、当社は小規模組織ではありますが、十分な信頼が得られるよう継続的にコンプライアンス及びそのリスクに対する意識の向上並びに内部統制の強化を図っております。
また、全てのステークホルダーのニーズに対して組織的かつ的確に対応できるよう、コーポレート・ガバナンスの改善を図り、経営の公正性・透明性を高めてまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
 当社は、「バイオで価値を創造する〜こども・家族・社会をつつむケアを目指して〜」の企業理念のもと、創業以来培ってきたバイオロジクス関連技術を用いた医薬品の開発ノウハウ等を最大限活用して、病気に苦しむ患者に新たな治療薬・治療法を提供し、こどもはもちろんのこと、こどもを支える大人を含むすべての年代の方が幸せに明るく暮らすことができる社会の実現に貢献することを目標として活動しております。
また、当社のようなバイオベンチャーにおいても、中長期的な企業価値の向上に向けた事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが可能であり、非常に重要であると考えております。
 現時点において、当社はサステナビリティに係る基本方針を定めておりませんが、サステナビリティに配慮した企業経営に努めるとともに、当社が具体的に対処すべき課題の明確化と基本方針の策定に向けた検討を継続してまいります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス 当社は、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会、管理するためのガバナンス過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。
 詳細は、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(2)戦略 当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における、リスク及び機会に対処するための重要な取り組みは検討中であります。
 しかしながら、安定性の高いバイオシミラー事業で安定的な収益基盤を築きながら、細胞治療事業(再生医療)に取り組むことで高い成長性を目指す、ハイブリッド型の事業モデルにおいて、その事業活動を支えるのはバイオロジクスに関する高度な専門知識、技能や経験を有する多様なバイオ人財です。
そのため、当社では、そのようなバイオ人財の採用及び育成の改善に努めるとともに、その能力を最大限発揮できる創造性とイノベーションにあふれる組織風土を基盤として、「病気に苦しむ患者様、特に病気のこどもたちに、早期に新たな治療薬・治療法を提供し、みんなが幸せに明るく暮らすことができる社会の実現に貢献する」という使命を実現するべく、以下を含む、各種人事制度及び組織体制の整備に取り組んでいます。
① 専門性の高い人財の確保・バイオロジクスに関する知識・技能・経験を有するバイオ人財の採用・海外での事業推進を見据えたグローバル人財の採用・競合他社と比べても遜色ない報酬制度の構築 ② 多様性、創造性・革新性、自主性を評価し、失敗を恐れずチャレンジができる環境の確保・多様性(性別・年齢・国籍・価値観)を認め、尊重する企業文化の醸成・創造的・革新的な取り組みや、自主的な取り組みを評価する人事評価制度の策定・機動的かつ適正な人事配置・キャリアデベロップメントプラン(人財育成計画)の策定、実行 ③ 従業員一人ひとりを尊重した働き方の確保・一人ひとりのキャリアプランを尊重した人財育成計画の策定、実行・それぞれ異なるワーク・ライフ・バランスの実現に向けた柔軟な働き方の導入とインフラ整備 (3)リスク管理 当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連のリスク管理における記載はいたしませんが、リスク・コンプライアンス委員会によるリスク管理体制を構築しております。
 詳細は、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(4)指標及び目標 当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。
 具体的な指標及び目標については、今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せて検討を進めてまいります。
戦略 (2)戦略 当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における、リスク及び機会に対処するための重要な取り組みは検討中であります。
 しかしながら、安定性の高いバイオシミラー事業で安定的な収益基盤を築きながら、細胞治療事業(再生医療)に取り組むことで高い成長性を目指す、ハイブリッド型の事業モデルにおいて、その事業活動を支えるのはバイオロジクスに関する高度な専門知識、技能や経験を有する多様なバイオ人財です。
そのため、当社では、そのようなバイオ人財の採用及び育成の改善に努めるとともに、その能力を最大限発揮できる創造性とイノベーションにあふれる組織風土を基盤として、「病気に苦しむ患者様、特に病気のこどもたちに、早期に新たな治療薬・治療法を提供し、みんなが幸せに明るく暮らすことができる社会の実現に貢献する」という使命を実現するべく、以下を含む、各種人事制度及び組織体制の整備に取り組んでいます。
① 専門性の高い人財の確保・バイオロジクスに関する知識・技能・経験を有するバイオ人財の採用・海外での事業推進を見据えたグローバル人財の採用・競合他社と比べても遜色ない報酬制度の構築 ② 多様性、創造性・革新性、自主性を評価し、失敗を恐れずチャレンジができる環境の確保・多様性(性別・年齢・国籍・価値観)を認め、尊重する企業文化の醸成・創造的・革新的な取り組みや、自主的な取り組みを評価する人事評価制度の策定・機動的かつ適正な人事配置・キャリアデベロップメントプラン(人財育成計画)の策定、実行 ③ 従業員一人ひとりを尊重した働き方の確保・一人ひとりのキャリアプランを尊重した人財育成計画の策定、実行・それぞれ異なるワーク・ライフ・バランスの実現に向けた柔軟な働き方の導入とインフラ整備
指標及び目標 (4)指標及び目標 当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。
 具体的な指標及び目標については、今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せて検討を進めてまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略  しかしながら、安定性の高いバイオシミラー事業で安定的な収益基盤を築きながら、細胞治療事業(再生医療)に取り組むことで高い成長性を目指す、ハイブリッド型の事業モデルにおいて、その事業活動を支えるのはバイオロジクスに関する高度な専門知識、技能や経験を有する多様なバイオ人財です。
そのため、当社では、そのようなバイオ人財の採用及び育成の改善に努めるとともに、その能力を最大限発揮できる創造性とイノベーションにあふれる組織風土を基盤として、「病気に苦しむ患者様、特に病気のこどもたちに、早期に新たな治療薬・治療法を提供し、みんなが幸せに明るく暮らすことができる社会の実現に貢献する」という使命を実現するべく、以下を含む、各種人事制度及び組織体制の整備に取り組んでいます。
① 専門性の高い人財の確保・バイオロジクスに関する知識・技能・経験を有するバイオ人財の採用・海外での事業推進を見据えたグローバル人財の採用・競合他社と比べても遜色ない報酬制度の構築 ② 多様性、創造性・革新性、自主性を評価し、失敗を恐れずチャレンジができる環境の確保・多様性(性別・年齢・国籍・価値観)を認め、尊重する企業文化の醸成・創造的・革新的な取り組みや、自主的な取り組みを評価する人事評価制度の策定・機動的かつ適正な人事配置・キャリアデベロップメントプラン(人財育成計画)の策定、実行 ③ 従業員一人ひとりを尊重した働き方の確保・一人ひとりのキャリアプランを尊重した人財育成計画の策定、実行・それぞれ異なるワーク・ライフ・バランスの実現に向けた柔軟な働き方の導入とインフラ整備
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。
また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち、予想、見通し、方針等、将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果とは異なる可能性があることにご留意下さい。
1.法的規制等に関する事項(1) 許認可等に関するリスク 当社は、原薬などの販売に当たり医薬品医療機器等法その他の規制を受けますが、これらについて法令違反があった場合、あるいは必要とされる資格を保有する人財が離職しその補充ができない場合には、監督官庁から業務の停止や許認可の取消し等の処分を受けることになり、当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、本書提出日現在において、業務の停止や許認可の取消し等の処分を受ける原因となる事由は発生しておりません。
主な許認可等の状況許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限取消し等となる事由医薬品販売業許可東京都東京都保健所長許可(5302190371)2025年6月30日(6年ごとの更新)医薬品医療機器等法、その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、医薬品医療機器等法第75条第1項により、その許可が取り消され又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じられることがある。

(2) 医薬品の研究開発における医薬品医療機器等法その他の規制に関するリスク 当社が業を営む医薬品業界では、研究、開発、製造及び販売のそれぞれにおいて、国内外の薬事に関する法令、薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けております。
当社は、日本国内市場に留まらず欧米を含む国外市場への進出も想定して各開発品の研究開発を進めておりますが、これらの開発品を医薬品として上市させるためには、各国の薬事に関する法令、関連するガイドライン及びその他の規制に準拠して製造販売承認の申請を行い、承認を取得することが必須となります。
このため、臨床試験等において、医薬品としての品質、安全性及び有効性 を示すことができない場合には、承認を得られず、上市できないため、当社の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 また、現在の医薬品医療機器等法においては、原薬の外部委託製造が可能となっておりますが、今後このような外部委託製造に関する規制や海外品の輸入等に関する規制が改定された場合、当社の事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 医療制度改革の影響に関するリスク 我が国では、医療費の抑制を目的として、薬価改定を含む数々の医療制度改革がこれまで実施されてきており、今後の高齢化社会を見据えた場合、その方針は継続されるものと考えられます。
このため、当社開発品の上市後に当該医薬品の薬価が影響を受け、当社がパートナー製薬企業に販売する原薬又は製剤の販売価格や、パートナー製薬企業の販売実績に応じて当社が受領するロイヤリティ収益にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
2.医薬品開発事業に関する事項(1) 医薬品開発事業全般に関するリスク 医薬品の研究開発は、基礎研究から製造販売承認の取得、上市に至るまで、段階的に進めていく必要がありますが、非臨床試験や臨床試験において予期せぬ副作用が発生した場合や期待する治療効果が確認できない場合には、当該開発品の研究開発は中止されます。
当社の開発品について、これらの理由により研究開発が続行できなくなった場合には、当社の事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 また、医薬品の研究開発において、当初計画したとおりの研究開発結果が得られない場合、各種試験の開始又は完了に遅延が生じた場合、治験薬製造等において問題が発生した場合等には、製造販売承認の取得が遅れる可能性があります。
当社は、このような事態を極力回避すべく、各開発品の評価及び進捗管理を適時実施し、必要に応じた追加経営資源の投下等を通じた研究開発の遅延リスク低減に努めておりますが、研究開発が計画どおりに進捗しない場合には、当社の事業計画並びに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) 医薬品の品質・副作用に関するリスク 当社が開発に関与する医薬品の安全性に関する情報は、限られた被験者を対象に実施した臨床試験から得られたものであり、上市前に副作用の全てを把握できない可能性があります。
現時点において、当社は、直接医薬品を販売する計画はありませんが、パートナー製薬企業によって販売される製品について、上市後に予期せぬ副作用が発生する可能性を完全には否定できません。
重篤な副作用が発生した場合、製品の回収あるいは販売中止を余儀なくされ、当社の原薬等の販売についても継続することが困難となり、以後の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(3) 医薬品業界における競合に関するリスク 医薬品業界においては、国内外の製薬企業、バイオベンチャー、大学、研究機関等がそれぞれ独自に、又は協力して医薬品の研究開発に取り組んでおり、同じ疾患を対象とした開発品が複数存在することは珍しくありません。
このため、競合となる開発品の研究開発結果等によって、当社の開発品が市場において優位性を失い、研究開発中止を余儀なくされるおそれがあります。
当社としては、開発品の選定・優先順位付けにおいて、競合環境を綿密に調査することで、このような競合リスクの低減に努めていますが、当社の開発品がいち早く上市できた場合でも、安全性や有効性においてより優れた競合品の新規参入等によって当社開発品の市場シェアが奪われ、当社の事業計画及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 なお、バイオシミラー事業においては、2019年に上市したダルベポエチンアルファのバイオセイム以降、バイオセイムの上市はなく、当社第3製品のラニビズマブバイオシミラー及び第4製品のペグフィルグラスチムバイオシミラーについては、他社のバイオシミラーも上市しておりません。
しかし、今後バイオセイムや他社によるバイオシミラーが上市した場合には、営業活動を通じた市場シェアの奪い合いが発生し、市場シェアの低下や想定を超える薬価下落等の影響を受け、当社の事業計画及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 細胞治療事業(再生医療)における新規開発品の創出に関するリスク 細胞治療等の新規創薬モダリティにおいては、新しい技術の創出や複数技術の組み合わせ等による技術革新が進んでおり、細胞治療事業においては、自社研究に加えて、大学や他のバイオベンチャー等との協業を通じて、新規開発品の探索及び創出を図っております。
しかしながら、これらの活動により、新規開発品の探索及び創出が確実にできる保証はありません。
このため、何らかの理由により、新規開発品の探索及び創出活動に支障が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.事業モデルに関する事項(1) 収益計上に関するリスク 医薬品の基礎研究開始から上市に至るまでには通常10年以上の年月を要することから、研究開発の成果が事業収益として計上されるまでには長期間を要します。
また、医薬品開発の成功確率は近年益々低くなっており、上市に至らないケースも多いため、最終的に事業収益が計上されない可能性もあります。
そのため、当社は、自社で臨床開発や製造販売を実施せず、パートナー製薬企業に臨床開発以降を主導してもらうことを基本方針とし、契約一時金や開発マイルストンペイメントの設定による早期収益化を目指しています。
また、バイオシミラー事業と細胞治療事業の組み合わせによるハイブリッド型の事業モデルを構築することで、開発リスクと収益計上リスクの分散を図っています。
しかし、各種取り組みにもかかわらず、提携時期や研究開発の遅延、研究開発の中断等が発生した場合には、当社の事業計画や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) パートナー製薬企業との契約に関するリスク 当社は、バイオシミラー事業においても、細胞治療事業においても、原則自社での臨床開発は行わず、臨床開発以降はパートナー製薬企業が主導することを想定しているために、パートナーが見つからない場合には、それだけ有望な開発品であっても、開発の遅延が生じ、必要に応じて当該開発品の開発中止を判断することになります。
このようなリスクを低減するため、当社は、定期的に国内外の製薬企業等における複数の部署と面談することで、幅広い人間関係の構築と、相手の関心のある疾患領域や創薬モダリティの把握に努めています。
また、バイオシミラー事業においては新たな開発候補品の選定・細胞株の構築段階から、細胞治療事業においては基礎研究・製造プロセス開発段階からパートナー候補製薬企業との協議を開始することで、相手が求めるデータ等を把握し、研究開発活動に反映するとともに、早期提携に向けたパートナリング活動を推進しています。
しかし、パートナー製薬企業との契約締結に至れない場合には、当社の事業計画や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3) パートナー製薬企業に関するリスク 当社は、各事業においてパートナー製薬企業と提携し、協働して開発活動を行っておりますが、相手方における経営環境の変化や経営方針の変更等、当社が制御し得ない要因によって、開発活動が中断あるいは中止になった場合、または又は何らかの理由により当該契約が解除された場合には、当社の事業戦略や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 なお、バイオシミラー事業においては、パートナー企業の需要予測に基づいて、上市済みバイオシミラーの原薬等の製造を委託していますが、当該需要予測が下方修正された場合には、原薬等の販売遅延や余剰在庫により、当社の経営成績や資金繰りに重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) バーチャル型研究開発に関するリスク 当社は、社外の受託機関の積極的な活用を前提に、バイオロジクスの研究と製造プロセス開発等に当社の人的資源を集中し、医薬品開発に伴う様々な試験や治験薬製造等を受託機関に委託しております。
そのため、当該委託先において一定の信頼性や品質を有する対応が困難となり、試験や製造を代替先に速やかに移管することができない場合には、当該開発品の研究開発に遅れが生じたり、研究開発自体が中止となることで、当社の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、当該開発品の上市後、原薬等の安定供給を担っていますが、製造委託先での安定的な商業製造や、試験委託先での試験実施が困難となった場合には、当該医薬品の販売開始の遅延や市場への供給不足が発生し、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産権に関するリスク バイオ医薬品には、先行医薬品メーカーを含む複数の第三者の特許権等が存在しえます。
当社のバイオシミラー事業活動においては、候補品の選定時に加え継続的に国内外の特許調査を実施することにより、関連しうる第三者特許権等を特定し侵害行為が発生しないように努めておりますが、開発途中で第三者特許権等が見い出された場合には開発遅延や中止、ライセンス料や損害賠償の発生により当社の事業計画に大きな影響が及ぶ可能性があります。
 再生医療事業においても、高度で複雑な技術の絡む分野であり、第三者の特許権等が多数存在しうるため、研究開発の段階ごとに特許調査を実施することにより、関連しうる第三者特許権等の侵害の回避に努めておりますが、万が一侵害が発生した場合には、当社の事業計画に多大な影響が出る可能性があります。
再生医療事業では、自社開発品の権利を保護することにより当社の競争力を高めることにも注力しております。
現在出願中の特許出願を成立させるために戦略的な取り組みを行なっていますが、特許権の成立保証はなく、成立した権利の保護範囲や特許発明の代替技術の有無によっては当社の競争力を充分に保護できない可能性があります。
特許権が成立した後は、その権利を侵害する第三者に対して権利行使等の措置をとる必要があり、紛争の規模によっては解決のために多くの費用と時間を要する可能性があります。
 なお、本書提出日現在、当社が事業活動の中で利用している様々な知的財産権は、当社が権利を保有している又は権利申請中であるか第三者から適法に使用許諾を受けたもの、あるいは第三者の権利が満了したものと認識しており、また、当社の事業活動について第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた事実はありません。
(6) 研究所の使用に関するリスク 当社は、札幌市及び東京都に研究所を置いております。
札幌研究所は北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センターが民間企業との共同研究等のために設けているオープンラボラトリスペースの一部を、東京研究所は三井不動産株式会社が運営する研究施設における賃貸借契約の下、それぞれ当社研究所として使用しております。
このため、共同研究契約あるいは賃貸借契約の終了等何らかの理由により、同施設の使用ができなくなった場合には、当社研究所の移転を余儀なくされ、追加的な設備投資や賃借料の発生等によって、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
4.業績等に関する事項(1) 財政状態及び経営成績に関するリスク 当社は主にバイオシミラー等の販売で得た収益により研究開発費を除いた固定費を賄える状況となっているものの、2025年度中の治験申請に向けて細胞治療事業の開発費が拡大傾向にあり、現時点では利益を計上することができておりません。
当社は、早期の黒字化を目指しておりますが、事業計画が想定通りに進捗しない場合には、黒字化の時期が遅れたり、繰越利益剰余金がマイナスからプラスに転じる時期が遅れる可能性があります。

(2) 特定の販売先への依存に関するリスク 当社の売上高の大半はバイオシミラーの原薬又は製剤供給にかかる売上であり、特にラニビズマブバイオシミラーのパートナーである千寿製薬㈱に対する依存度が非常に高い状況です。
また、2023年11月に上市したペグフィルグラスチムバイオシミラーが成長することで、当該製品のパートナーである持田製薬㈱に対する依存度が高くなることが想定されます。
今後新たなバイオシミラー又は再生医療等製品等を新規パートナー製薬企業と開発することで、特定の販売先への売上依存度の引き下げを図る方針でありますが、開発が想定どおりに進まない可能性があります。
また、現在契約を締結している販売先との契約解消等が生じた場合には、当社の経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(3) 資金調達に関するリスク バイオシミラー事業においては、上市済みバイオシミラーに対する需要拡大に伴って、パートナー製薬企業に販売するバイオシミラー原薬等の製造量が増え、製造のための運転資金が大きく増加しております。
製造運転資金の一部は金融機関からの借入で賄っているものの、追加の借入のためには負債資本倍率の改善を求められるために、増資による資金調達も組み合わせる必要があります。
調達した資金を活用して、バイオシミラー原薬の製造や研究開発活動を推進することで、当社企業価値の増大を図りますが、増資による資金調達の実施の際には発行済株式総数が増加するため、企業価値の増大規模次第では、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
 一方で、細胞治療事業においては、引き続き研究開発投資が先行しており、今後は、当社と連携しながら、S-Quatreとして、事業会社との資本業務提携、ベンチャーキャピタル等との連携を通じた資金調達に取り組みます。
なお、S-Quatreが増資で資金を調達することにより、当社のS-Quatreに対する出資比率は徐々に低下します。
そのため、調達した資金を活用して再生医療等製品等の研究開発活動を推進することで、S-Quatreの企業価値と当社持ち分の価値向上を図りますが、増資による資金調達の実施の際には発行済株式総数が増加するため、企業価値の増大規模次第では、1株当たりの株式価値が希薄化し、当社持ち分の価値が低下する可能性があります。
 また、当初の想定を上回る製造運転資金や研究開発資金が必要となり、機動的な資金調達が困難な場合には、製造や研究開発を継続することができなくなり、当社の経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(4) 財務制限条項への抵触リスク 当社の一部借入金には財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替レートの変動に関するリスク 当社は、バイオシミラー事業において、売上原価に相当する原薬等の製造費用を海外の製造委託先企業に外貨建にて支払っております。
当該事業の製品に対する需要拡大が進む一方で、為替市場においてドル円レートが歴史的な円安水準で推移していることを受け、当社製品の収益性は大きく悪化しております。
また、細胞治療事業においても一部の試験を海外の試験受託機関に委託しているため、現在の為替レートが、研究開発費の増大につながっています。
今後海外市場への事業展開に取り組むことで、為替レート変動の業績への影響を一部相殺できるようにするとともに、パートナー企業等との契約においても、為替レート変動に伴う費用増加について取り決めることで、為替レート変動の業績への影響を低減できるように図る方針です。
しかし、事業規模の拡大に伴い、さらに外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 投資有価証券の価値変動に関するリスク 当社は本書提出日現在において投資有価証券を保有しております。
このため、当該投資有価証券の価値変動に伴い評価損が計上された場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 配当政策に関するリスク 当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にはありません。
当面は早期の黒字化を目指し、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先する方針であります。
一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいります。
しかしながら、利益計画が想定どおりに進捗せず、今後も安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。
5.その他(1) 情報流出に関するリスク 当社が研究開発の過程で入手する知見、技術、ノウハウ等には重要な機密情報が多く含まれております。
当社は、これらの機密情報が社外に流出しないよう、役職員や取引先との間で秘密保持義務等を定めた契約を締結し、厳重な情報管理に努めております。
しかしながら、役職員や取引先によりこれらが遵守されなかった場合には、重要な機密情報が流出し、当社の事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

(2) システム障害等に関するリスク 当社はシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するために様々な手段を講じておりますが、ウィルス、権限のないアクセス、自然災害、通信エラーあるいは電気障害等が引き起こす事故が発生する可能性を否定することはできません。
システム障害、セキュリティ侵害等が発生した場合、当社が保有する医薬品開発過程における重要な情報が喪失又は流出する可能性があります。
データの喪失あるいは機密情報の流出を招いた場合、データ復旧のために金銭的・時間的に多大な負担を余儀なくされたり、特定の開発品の開発の進捗が遅延したり、取引先から損害賠償を請求されたり、当社の社会的信用が失墜して社外との提携関係の構築が難しくなる等、当社の事業計画の進捗に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 訴訟等に関するリスク 当社は、コンプライアンス体制の構築に注力しておりますが、製薬企業等から特許等の侵害を理由として損害賠償請求を受けたり、訴訟を提起される可能性があります。
また、製造物関連、環境関連、労務関連その他に関する訴訟が提起される可能性もあり、これらの結果、当社の社会的信用が失墜し、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 小規模組織であることに関するリスク 当社は、製薬企業や他のバイオベンチャー、大学等の研究機関との協業と、積極的な受託機関の活用を前提として、固定費を抑えつつ効率的に研究開発を推進することを想定しており、高度な専門知識、技能や経験を有するバイオ人財による少人数組織体制が適しています。
しかし、バイオロジクスの研究開発経験のあるバイオ人財は限られており、想定どおりに人財の確保ができない場合あるいは人財の流出が生じた場合には、研究開発の推進や社外との提携関係の構築に支障が生じ、当社の事業計画や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
 また、事業の拡大に伴い、内部管理体制の強化も必要になりますが、研究開発体制と同様に少人数の組織であるため、想定どおりに人財の確保ができない場合あるいは人財の流出が生じた場合には、内部管理体制の質の低下を招き、当社の社会的信用を損なう可能性があります。
(5) 企業再編、企業買収、合併等に関するリスク 当社は、事業展開及び企業価値向上の手段として、他社との経営統合や企業買収等を用いる可能性があります。
そのため、経営統合・企業買収等にかかる費用等が、一時的に当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
また、当該経営統合・企業買収等が当初の計画どおりに進捗しない場合、あるいは事業環境や競合状況の著しい変化により、当該経営統合・企業買収等後に当初想定していた効果が得られず、例えば投資価値の減損処理を行う必要が生じる等、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 災害及びパンデミック等の緊急事態に関するリスク 当社は、事業活動の中心となる事業所を東京都と北海道に設けており、地理的なリスク分散を図っております。
また、当社は研究開発活動の一部を社外に委託していることから、実質的にはさらに広くリスク分散されているものと考えております。
しかしながら、これらの地域において地震等の大規模な災害、あるいは新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック等が発生した場合、当社は予め可能な限りの対策を講じ、事業の継続に努めることとしていますが、設備等の損壊やインフラの機能停止等により、当社の事業活動が影響を受ける可能性があります。
(7) 継続企業の前提に関する重要事象等について 当社の経営基盤であるバイオシミラー事業で営業黒字を確保しているものの、細胞治療事業(再生医療)への研究開発投資により期間損益でマイナスが先行する結果となっております。
 当期末においても営業赤字が継続しているため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況となっておりますが、バイオシミラー事業の拡大に伴う運転資金や細胞治療事業の研究活動資金のニーズに対して、バイオシミラー事業によるキャッシュフローで対応することに加え、金融機関からの借入、転換社債型新株予約権付社債および第三者割当による新株予約権の発行等により適時、事業継続に必要な資金調達活動を実施しておりますので、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況 当事業年度における当社業績は、売上高 2,431,236千円(前期比 12.4%減)、営業損失 1,335,597千円(前期は550,929千円の営業損失)、経常損失 1,389,601千円(前期は624,769千円の経常損失)、当期純損失 1,422,078千円(前期は657,434千円の当期純損失)となりました。
バイオシミラー事業において、2023年9月にラニビズマブバイオシミラー(GBS-007)が新たな追加適応症承認を、またペグフィルグラスチムバイオシミラー(GBS-010)が当社第4製品として製造販売承認を取得した一方で、薬価下落、一部製品の納品時期の期ズレ及び支払い条件変更の影響を受けたことに加え、細胞治療事業(再生医療)において前期計上したマスターセルバンク構築完了に伴う売上高の影響がなくなったことから、売上高は減収となりました。
また損益につきましては、売上高の減収に加えて、バイオシミラー製品の構成変化や円安及び海外における物価上昇の影響を受けた利益率の低下、順調に研究開発活動が進捗したことによる研究開発費の増加に伴い、営業損失、経常損失、当期純損失は前期比で赤字幅が拡大しました。
 前述のとおり、当事業年度においては、3事業に分散していた経営資源をバイオシミラー事業と細胞治療事業に集中的に投下することで、研究開発活動を更に効率的かつ強力に推進してまいります。
 当事業年度における各事業の進捗状況は以下のとおりであります。
イ バイオシミラー事業 当事業年度においては、2023年9月に、当初予定通りGBS-007の追加適応症とGBS-010の製造販売が承認され、今後の更なる収益拡大に向けた事業基盤が確立されました。
一方で、上市済みのフィルグラスチムバイオシミラー(GBS-001)、ダルベポエチンアルファバイオシミラー(GBS-011)及びGBS-007は、2021年度以降、毎年薬価改定による薬価下落の影響を受けております。
加えて、製造委託先企業における製造スケジュールの調整等の影響で、当期に納品を予定していたバイオシミラーの一部の納品が次期(2025年3月期)にずれ込むこと、バイオシミラーの一部について、パートナー製薬企業から製造委託先企業に対し、製造費用を一時的に直接お支払いいただく等の支払い条件変更の結果、当期売上高は前年対比で減少いたしました。
ロ 細胞治療事業(再生医療) SQ-SHEDの特徴を活かし、治療効果が期待できる疾患として、脳性麻痺(遠隔期)、骨疾患等を選択し、研究を進めてきた結果、当事業年度において、共同研究先の名古屋大学主導による脳性麻痺(遠隔期)を対象とした臨床研究が開始され、2023年10月には第一症例の患者が登録されました。
また、2025年度中の治験計画届出を目指し、MCBを用いた治験製品の製法開発、及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構への相談が順調に進んでおります。
加えて、2024年3月には、海外市場への参入に向けた第一歩として米国FDA基準に準拠したMCBの製造を完了いたしました。
当該事業は今後、当社100%子会社として設立した株式会社S-Quatreにて遂行、展開してまいります。
② 財政状態の状況(資産)当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度度末比30.6%増の5,085,550千円となりました。
これは主に、製品が213,007千円減少したものの、普通預金が1,164,249千円、仕掛品が453,345千円増加したことによるものであります。
(負債)当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末比59.9%増の4,254,077千円となりました。
これは主に、バイオシミラー製品に関する製造費用の一部について、パートナー製薬企業からの契約負債(前受金)として1,117,774千円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が625,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末比32.6%減の831,473千円となりました。
これは主に、資本金及び資本剰余金がそれぞれ527,226千円増加したものの、当期純損失を1,422,078千円計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。
)は、2,231,411千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により減少した資金は453,634千円となりました。
これは主に、契約負債(前受金)の増加が1,117,774千円あったものの、棚卸資産の増加が240,337千円、税引前当期純損失を1,420,527千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の増減はありませんでした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により増加した資金は1,617,883千円となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出が375,000千円あったものの、長期借入れによる収入が1,000,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が970,083千円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)生産高(千円)前年同期比(%)バイオシミラー事業1,391,852113.8 原薬等販売収益1,391,852113.8合計1,391,852113.8(注)金額は、製造原価によっております。
b.受注実績 フィルグラスチムバイオシミラー及びラニビズマブバイオシミラーにつきましては、ロット単位での受注であり、各ロットの生産高に応じて売上高が変動し、受注金額を確定できないことから、記載を行っておりません。
 なお、上記以外の品目につきましては、研究開発段階での売上であり、その不確実性に鑑み、記載を行っておりません。
c.販売実績 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)バイオシミラー事業2,425,81394.3 原薬等販売収益2,140,40591.8 知的財産権等収益285,407118.3細胞治療事業(再生医療)5,4222.7 知的財産権等収益5,4222.7合計2,431,23687.6(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)千寿製薬㈱1,369,49449.31,382,36856.9持田製薬㈱396,07014.3646,77626.6富士製薬工業㈱665,88024.0211,2608.7
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容当事業年度における売上高は、新たに販売開始となったラニビズマブバイオシミラーを含めて主にバイオシミラーの原薬等の販売が順調に推移したことに加え、ダルベポエチンアルファバイオシミラーの販売に伴うロイヤリティ収益、バイオシミラーの第4製品目の製造プロセス開発に係る原薬販売等により、2,431,236千円となりました。
一方、主にバイオシミラー事業におけるラニビズマブバイオシミラーの商用製造に向けた最終段階の開発及び将来の原価低減に向けた開発費用並びに細胞治療事業(再生医療)におけるSHEDマスターセルバンク開発等に取り組んだ結果、研究開発費を1,453,349千円計上したため、営業損失は1,335,597千円、当期純損失は1,422,078千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報資本の財源及び資金の流動性につきましては、バイオシミラー事業における上市済製品によって得られる販売収益等の範囲の中で研究開発費以外の事業活動を実施することで、資金の流動性を安定的に確保することを基本方針としております。
しかしながら、当期においては、GBS-007及びGBS-010がそれぞれの当初需要想定を大きく上回るペースで成長したことを受けて上方修正されたパートナー製薬企業による需要予想に基づき、原薬等の製造回数の追加等を進めており、原薬を製造する海外での物価上昇及び円安の影響も受けて増加し続ける運転資金に対応すべく、2023年7月には第三者割当による新株予約権(行使価額修正条項付)を発行し、未行使である新株予約権を除いて約10億円、さらに金融機関からの借入による10億円、総額約20億円規模の資金を調達いたしました。
また、運転資金の増加を少しでも抑えるために、パートナー製薬企業との間で取引条件の見直し等にも取り組んでいます。
なお、当該製品の市場シェア成長が一巡し市場シェアが安定した際には運転資金が安定することから、上述の原価低減策の成果と合わせ、バイオシミラー事業の販売収益等により、研究開発費を含む事業活動資金を全て賄えるようになることを見込んでおります。
安定的な資金の流動性の確保に取り組む一方で、バイオシミラー事業、細胞治療事業共に、継続的な成長のためには、今後も中長期的な戦略に基づいた研究開発投資の維持が必須です。
しかし、上述の通り、GBS-007とGBS-010が大きく成長している期間においては運転資金が拡大するため、バイオシミラー事業における販売収益等に加えて外部からの研究開発資金の獲得が重要です。
次期以降においては、当社はバイオシミラー事業に、子会社の株式会社S-Quatre(エスカトル)は細胞治療事業に特化し、それぞれの事業特性に合わせた独自の研究開発資金調達に取り組んでまいります。
具体的には、開発パートナー企業等との資本業務提携や契約一時金の獲得、各種助成金等の活用を想定しており、必要に応じた直接及び間接金融等からの資金調達と合わせた資金調達手段の多様化と最適化を図ります。
また、バイオシミラー事業及び細胞治療事業の双方において、研究開発活動の進捗及び事業性に基づいてパイプラインの優先順位を機動的に見直すとともに、早期のパートナリング等による役割と費用負担の分担等を通じて、メリハリのある研究開発投資の実行と研究開発投資リスクの低減に取り組み、将来の成長性を毀損することなく、安定的な財務基盤の確立を目指します。
なお、当社は、当事業年度末で現金及び預金並びに売掛金を合わせて3,112,818千円の残高を有しております。
未行使である新株予約権の行使に加え、当期から継続しているパートナー候補企業との協議の一部が契約締結に至ることで、今後中期的に予定されている研究開発投資の実施に向け十分な資金を確保できる見込みです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。
この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
これらの見積りには不確実性が伴うため、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
 当社の財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等  注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
経営上の重要な契約等 5【経営上の重要な契約等】
(1) 原薬販売に関する契約契約書名売買基本契約書相手先名富士製薬工業㈱契約締結日2013年2月25日契約期間フィルグラスチムバイオ後続品製剤の製造販売承認取得日(2012年11月21日)から7年間。
ただし、当該有効期間満了日の6ヶ月前までに終了の合意が無い限り、更に1年間自動延長されるものとし、以後もこの例による。
主な契約内容富士製薬工業㈱がフィルグラスチムバイオ後続品製剤を日本国内で商業的に製造販売するため、当社は、フィルグラスチムバイオ後続品製剤の原薬を継続的・安定的に同社に売り渡し、同社はこれを独占的に買い受ける。

(2) 共同開発に関する契約契約書名ダルベポエチンアルファバイオ後続品 国内サブライセンス及び共同開発契約書相手先名㈱三和化学研究所契約締結日2014年1月21日契約期間本契約締結日からロイヤリティの支払いが終了する日まで主な契約内容① ㈱三和化学研究所がDong-A ST Co., Ltd.から許諾を受けたダルベポエチンアルファバイオ後続品の国内開発権の再許諾を受け、本製品の国内開発を共同で実施する。
② 開発マイルストン等の支払いを行い、上市後はロイヤリティを受領する。
(3) ライセンスインに関する契約契約書名ライセンス契約書相手先名Dong-A ST Co., Ltd.(旧東亜製薬㈱)契約締結日2008年1月21日契約期間本契約に定める各地域(日本、米国及び一部地域を除く欧州)での販売開始後10年間とし、一方の当事者から更新拒絶の意思表示がない限り、以後1年毎に自動更新される。
ただし、日本地域に限り、当社の販売提携先が販売を継続する限り有効とする。
主な契約内容① フィルグラスチムバイオ後続品を産生する細胞及び技術に対する独占的実施権の許諾を受ける。
② 上記実施許諾により得られたフィルグラスチムバイオ後続品の原薬又は製剤を、医薬品用途において使用、製造、販売及び譲渡を行う権利を受ける。
③ 契約一時金、開発段階に応じたマイルストン契約金及び上市後におけるロイヤリティを支払う。
(4) 共同事業化に関する契約契約書名日本国内向け共同事業化契約書相手先名千寿製薬㈱契約締結日2016年5月12日契約期間本契約締結日から、開発を中止又は販売を終了する日まで有効主な契約内容千寿製薬㈱がラニビズマブバイオ後続品製剤を日本国内で商業的に製造販売するため、当社は、ラニビズマブバイオ後続品製剤の製剤を継続的・安定的に同社に売り渡し、同社はこれを独占的に買い受ける。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社は、希少疾患、難治性疾患及び小児疾患など等の医療領域を対象として、バイオ医薬品(主にバイオシミラー)及び細胞治療事業(再生医療)における再生医療等製品等を主軸とした研究開発活動を展開しております。
(1) 自社研究開発体制 当社では、研究本部及び開発本部が研究開発を担当しており、従来の札幌研究所(北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター内)に加え、当事業年度において、新たに東京ラボ(東京都江東区)が稼働を開始いたしました。
加えて、試験受託機関等の外部委託先を活用し、効率的かつ迅速な研究開発を推進しております。
 細胞治療事業の研究開発においては、SHEDの特性と適性があると見込まれる神経系及び筋骨格系の疾患に対象を絞り基礎研究を進める傍ら、遺伝子導入や培養法改変によってSHEDの機能を強化した第二世代SHEDの発明、治験製剤の製法開発、及び製剤投与プロトコル作成に必要な試験など等を行っております。

(2) 共同研究開発体制 当社は、バイオベンチャー企業であることから、限られた人財と要員で事業を推進しております。
このため、早期の段階から、各分野に専門性を有する社外の研究機関や製薬企業等と提携することにより共同研究開発体制を構築し、当社の研究開発費の増加を回避しつつ、必要な社外技術の有効活用を図っております。
また、多額の開発費用を要する商業用規模での製法・品質の検討、非臨床試験及び臨床試験の開発段階においては、製薬企業へのライセンスアウトを基本とし、それに伴う共同研究開発契約等により、契約一時金や開発マイルストン収益を得たり、共同研究開発に伴う役務収益を得たりすることで、研究開発費の負担の軽減を図っております。
(3) 研究開発活動の概要 当事業年度における研究開発費の総額は1,453,349千円となりました。
当社の研究開発費の主な内容は、非臨床試験、臨床開発及び製造プロセス開発に関連する外部委託費、社外からライセンスインした特許やノウハウの実施料、自社における研究材料費、研究員の人件費等であります。
(4) 主な開発品の進捗状況① バイオシミラー事業 各上市済製品においてはパートナー会社との協働の下、フィルグラスチムバイオシミラー、ラニビズマブバイオシミラー、ペグフィルグラスチムバイオシミラーの原薬等の販売、ダルベポエチンアルファバイオシミラーの売上高に応じたロイヤリティによる収益を安定的に計上しております。
とりわけ、ラニビズマブバイオシミラー、ペグフィルグラスチムバイオシミラーは、現状の競合製品の不在による想定を超える受注に伴い、今後さらなる売上増が見込まれることから、今後の経営基盤を支える収益源としての役割が期待されます。
その他、上述の4製品に続いての上市を目指す第5製品目以降の新たなバイオシミラーの開発も着実に推進しております。
② 細胞治療事業(再生医療) 今後の成長ドライバーとなる細胞治療事業においては、SHEDを原料として、脳性麻痺(遠隔期)、骨疾患等に対する再生医療等製品を主要パイプラインと位置づけ、研究開発の促進とパートナリング活動を推進してまいります。
脳性麻痺(遠隔期)を対象とした名古屋大学主導の臨床研究においては、患者登録が完了し、本臨床研究は着 実に進んでおります。
 その他、より高い治療目標の達成や、新たな疾患領域への応用拡大を目指し、遺伝子導入や培養法改変によってSHEDの機能を強化した第二世代SHEDの研究開発活動を継続するとともに、米国FDA基準に準拠したMCBの製造完了を受けて、海外での治験実施に向けた準備活動をより一層推進してまいります。
その他のパイプラインについても、基礎研究において明確な進展が見られており、今後、開発段階への早期発展を目指し、鋭意取り組んでまいります。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当事業年度において設備投資を実施しておりません。
 また、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
2024年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物工具、器具及び備品合計本社(東京都中央区)事務所1,30801,30830東京研究所(東京都江東区)研究開発設備---4札幌研究所(札幌市北区)研究開発設備-12128(注)1.帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は含まれておりません。
3.現在休止中の主要な設備はありません。
4.札幌研究所は、北海道大学創成研究機構生物機能分子研究開発プラットフォーム推進センター内に設置しております。
5.上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがあります。
事業所名(所在地)設備の内容従業員数(人)床面積(㎡)年間賃借料(千円)本社(東京都中央区)事務所30328.3610,230
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等 該当事項はありません。

(2) 重要な設備の除却等 該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動1,453,349,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況49
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況5
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,510,628

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当金の受け取りなどによって利益確保を行う純投資目的の投資株式の保有は行わず、業務提携による関係強化等、事業戦略上重要な目的を持つ純投資目的以外の目的である投資株式を保有する方針でおります。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式は、取締役会において、当該保有先との取引の状況を踏まえた事業遂行上のメリットその他の経済合理性等を基に、当該株式の保有継続が当社の企業価値向上に資するかどうかを毎年個別銘柄毎に検証し、保有合理性が確認されないものは適切な時期に削減することといたします。
ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式4138,218非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式 該当事項はありません。
みなし保有株式 該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社138,218,000

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2024年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
ノーリツ鋼機株式会社東京都港区麻布十番1-10-109,471,83224.32
NANO MRNA株式会社東京都港区愛宕2-5-11,000,0002.56
野村信託銀行株式会社(信託口2052241)東京都千代田区大手町2-2-2721,0001.85
JSR株式会社東京都港区東新橋1-9-2686,8141.76
株式会社NINE東京都中央区日本橋兜町22-3670,0001.72
大友 宏一北海道江別市615,4501.58
千寿製薬株式会社大阪市中央区瓦町3-1-9555,2001.42
津田 謹誠石川県金沢市436,8001.12
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2-7-3388,5000.99
江平 文茂東京都荒川区332,0000.85計-14,877,59638.21
株主数-金融機関2
株主数-金融商品取引業者22
株主数-外国法人等-個人36
株主数-外国法人等-個人以外28
株主数-個人その他10,537
株主数-その他の法人44
株主数-計10,669
氏名又は名称、大株主の状況江平 文茂
株主総利回り0
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式1135当期間における取得自己株式--(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。

Shareholders2

自己株式の取得0
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー0
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注1)32,059,7136,880,200-38,939,913合計32,059,7136,880,200-38,939,913自己株式 普通株式(注2)931-94合計931-94(注)1.普通株式の発行済株式数の増加6,880,200株は、新株予約権の行使による増加であります。
2.普通株式の自己株式の株式数の増加1株は、単元未満株式の買取りによるものであります。

Audit1

監査法人1、個別南青山監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月24日キッズウェル・バイオ株式会社 取締役会 御中 南青山監査法人 東京都港区 代表社員業務執行社員 公認会計士桂川 修一 代表社員業務執行社員 公認会計士高口 洋士 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているキッズウェル・バイオ株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第24期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、キッズウェル・バイオ株式会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
研究開発費の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、非臨床試験や臨床試験、製造法開発にかかる多くの研究開発活動を開発業務受託機関や製造受託機関に委託しており、当事業年度において1,453,349千円の研究開発費を計上し、その金額は販売費及び一般管理費の61.1%を占めている。
 これらの外部機関への業務委託については個々の契約金額の規模が大きく、かつ、単一の契約に費用発生の態様が異なる数多くのサービスが内包されており、これらのサービスを研究開発費として正確に会計処理を行うには、委託したサービスの態様に応じた進捗状況を勘案して期間帰属を決定することが求められる。
 以上のことから、研究開発費の期間帰属の適切性が財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるため、以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の状況を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・研究開発費の計上プロセスを理解し、会社の内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2)研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるため、以下の手続を実施した。
・当事業年度末日前後に計上された研究開発費について、計上の根拠となる外部証憑を入手し、計上金額及び計上時期を検討した。
・契約内容及び契約条件を把握するため、契約書を閲覧し、会社担当者への質問を行った。
・当事業年度末日を基準日として、主要な開発業務委託先に対して債務残高の残高確認を実施した。
継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社の経営基盤であるバイオシミラー事業においては営業黒字を確保しているものの、細胞治療事業(再生医療)への研究開発投資により、過年度から継続して重要な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、当事業年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在している。
 しかしながら、会社はバイオシミラー事業の拡大に伴う運転資金や細胞治療事業の研究活動資金のニーズに対して、バイオシミラー事業によるキャッシュ・フローで対応することに加え、金融機関からの借入、転換社債型新株予約権付社債および第三者割当による新株予約権の発行により適時、事業継続に必要な資金調達活動を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の注記は行っていない。
 当該注記の要否を判断するための基礎となる事業計画及び資金繰り計画には、将来予測についての一定の過程が含まれている。
 以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性については経営者による主観的な判断を伴う領域であることから、当監査法人は慎重な検討を要すると考え、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。
・資金計画と事業計画の整合性を検討した。
また、事業計画に含まれる重要な仮定である事業収益に関する受注見込み、売上原価率、研究開発費及び投資計画等について、経営者に質問を行い、事業計画の合理性を検討した。
・過年度の事業計画について、実績との比較分析を行うことにより、事業計画の信頼性を検討した。
・経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の資金繰りを独自に見積もった。
・期末日後2ヶ月間に実行された新株予約権の行使による収入について、入金証憑を閲覧した。
・資金計画に含まれる重要な仮定である新株予約権の行使による収入について、契約書の閲覧や経営者への質問により行使条件を理解し、過去の株価変動や取引量を参考に、実現可能性を検討した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、キッズウェル・バイオ株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
 当監査法人は、キッズウェル・バイオ株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
研究開発費の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、非臨床試験や臨床試験、製造法開発にかかる多くの研究開発活動を開発業務受託機関や製造受託機関に委託しており、当事業年度において1,453,349千円の研究開発費を計上し、その金額は販売費及び一般管理費の61.1%を占めている。
 これらの外部機関への業務委託については個々の契約金額の規模が大きく、かつ、単一の契約に費用発生の態様が異なる数多くのサービスが内包されており、これらのサービスを研究開発費として正確に会計処理を行うには、委託したサービスの態様に応じた進捗状況を勘案して期間帰属を決定することが求められる。
 以上のことから、研究開発費の期間帰属の適切性が財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるため、以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の状況を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・研究開発費の計上プロセスを理解し、会社の内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2)研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるため、以下の手続を実施した。
・当事業年度末日前後に計上された研究開発費について、計上の根拠となる外部証憑を入手し、計上金額及び計上時期を検討した。
・契約内容及び契約条件を把握するため、契約書を閲覧し、会社担当者への質問を行った。
・当事業年度末日を基準日として、主要な開発業務委託先に対して債務残高の残高確認を実施した。
継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社の経営基盤であるバイオシミラー事業においては営業黒字を確保しているものの、細胞治療事業(再生医療)への研究開発投資により、過年度から継続して重要な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、当事業年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在している。
 しかしながら、会社はバイオシミラー事業の拡大に伴う運転資金や細胞治療事業の研究活動資金のニーズに対して、バイオシミラー事業によるキャッシュ・フローで対応することに加え、金融機関からの借入、転換社債型新株予約権付社債および第三者割当による新株予約権の発行により適時、事業継続に必要な資金調達活動を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の注記は行っていない。
 当該注記の要否を判断するための基礎となる事業計画及び資金繰り計画には、将来予測についての一定の過程が含まれている。
 以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性については経営者による主観的な判断を伴う領域であることから、当監査法人は慎重な検討を要すると考え、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。
・資金計画と事業計画の整合性を検討した。
また、事業計画に含まれる重要な仮定である事業収益に関する受注見込み、売上原価率、研究開発費及び投資計画等について、経営者に質問を行い、事業計画の合理性を検討した。
・過年度の事業計画について、実績との比較分析を行うことにより、事業計画の信頼性を検討した。
・経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の資金繰りを独自に見積もった。
・期末日後2ヶ月間に実行された新株予約権の行使による収入について、入金証憑を閲覧した。
・資金計画に含まれる重要な仮定である新株予約権の行使による収入について、契約書の閲覧や経営者への質問により行使条件を理解し、過去の株価変動や取引量を参考に、実現可能性を検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別継続企業の前提に関する重要な不確実性の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

仕掛品875,654,000
工具、器具及び備品(純額)12,000
有形固定資産1,320,000
ソフトウエア650,000
無形固定資産1,530,000
投資有価証券138,218,000
投資その他の資産158,478,000

BS負債、資本

1年内返済予定の長期借入金737,040,000
未払金380,586,000
未払法人税等39,439,000
未払費用1,326,000
資本剰余金11,342,324,000
利益剰余金-12,709,082,000
負債純資産5,085,550,000

PL

売上原価1,391,852,000
販売費及び一般管理費2,374,980,000
受取利息、営業外収益8,000
営業外収益6,785,000
支払利息、営業外費用35,651,000
その他、流動資産188,251,000
営業外費用60,789,000
特別利益4,074,000
特別損失35,000,000
法人税、住民税及び事業税1,551,000
法人税等1,551,000

PL2

当期変動額合計-34,406,000