財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-27 |
英訳名、表紙 | JAPAN SECURITIES FINANCE CO., LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表執行役社長 櫛田 誠希 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区日本橋茅場町一丁目2番10号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(3666)3184(直通) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
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沿革 | 2【沿革】 1927年7月東株代行株式会社として設立、東京株式取引所における短期清算取引の受渡調節業務を開始1943年9月短期清算取引の廃止に伴い、商号を東京証券株式会社と改め日本証券取引所の第一種取引員となる。1949年5月取引所売買の再開に伴い、証券金融業務を開始同年12月商号を変更して、日本証券金融株式会社となる。1950年2月金融機関としての経営機構を強化するため経営陣の一新を図り、株式担保金融を主要業務として開始同年4月東京証券取引所に上場同年5月東京証券取引所の普通取引の直結したローン取引(融資業務は5月、貸株業務は6月)を開始1951年6月ローン取引を発展的に解消して、貸借取引貸付を開始1955年11月北海道証券金融株式会社、新潟証券金融株式会社及び福岡証券金融株式会社3社の営業の全部を譲受け、同年12月札幌、新潟及び福岡に支店設置1956年4月証券取引法の改正に伴い、同法に基づく証券金融会社の免許を取得1958年1月日本ビルディング株式会社(現連結子会社)を設立1960年2月公社債担保の貸付業務を開始1966年6月株式会社日本事務サービス(現ジェイエスフィット株式会社)を設立1967年8月証券会社に短期運転資金を融資する極度貸付を開始1968年12月公社債担保貸付を拡充し、公社債流通金融を開始1977年3月証券会社に対して貸借取引とは別に株券を貸し付ける一般貸株業務を開始同年12月国債元利金支払取扱店業務を開始1979年10月日本銀行が行う公社債流通金融担保登録公社債代用証書制度に関する事務の代理業務を開始1985年11月証券会社の保護預り証券を担保とする顧客向けの極度貸付を開始1989年5月債券貸借の仲介業務を開始1996年4月現金担保付債券貸借仲介業務を開始1998年11月日証金信託銀行株式会社(現連結子会社)を設立2000年3月割引短期国債等に係る証券業務を開始2004年4月日本証券業協会が開設する店頭売買有価証券市場の決済機構を利用した貸借取引貸付の開始2005年10月一般信用取引の決済に必要な金銭を証券会社に対し貸し付ける一般信用ファイナンスを開始2013年7月大阪証券金融株式会社と合併2017年4月名古屋証券取引所における貸借取引業務を開始2018年5月国債の決済期間短縮に伴う国債等現先取引の再開2019年6月指名委員会等設置会社へ移行2019年8月PTS(私設取引システム)向け貸借取引業務の取扱いを開始2020年8月インドネシア証券金融会社に対する出資を実行2022年4月ファンドアドミニストレーション業務を開始 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、連結子会社2社および持分法適用関連会社2社を含む日証金グループの中核企業です。 当社グループの事業は、次のとおりであります。証券金融業………当社は貸借取引、公社債貸付、一般貸付、債券貸借および貸株業務などにより、金融商品取引業者や個人投資家、機関投資家に対し、金銭または有価証券を貸付けています。貸借取引については金融商品取引法第156条の24の規定により内閣総理大臣の免許を受け、その他の貸付については兼業業務として届け出ています。 また、有価証券等管理業務および国債等現先取引業務の登録金融機関業務を行っており、当業務については金融商品取引法第33条の2の規定により内閣総理大臣の登録を受けています。信託銀行業………連結子会社の日証金信託銀行株式会社は、顧客分別金信託等の信託業務ならびに預金および貸出等の銀行業務を行っています。不動産賃貸業……連結子会社の日本ビルディング株式会社は、主に当社グループが所有する不動産の賃貸・管理を行っています。 持分法適用関連会社の日本電子計算株式会社およびジェイエスフィット株式会社は情報処理サービス業を行っています。 以上の企業集団等について図示すると次のとおりであります。 日本証券金融株式会社(証券金融業)…貸借取引業務、金銭および有価証券の貸付業務、有価証券等管理業務および国債等現先取引業務(登録金融機関業務) (連結子会社)日証金信託銀行株式会社(信託銀行業)…顧客分別金信託、アセット・バック・ローン信託、有価証券信託等の信託業務および預金・貸出等の銀行業務(連結子会社)日本ビルディング株式会社(不動産賃貸業)…当社グループ所有の不動産の賃貸・管理 (持分法適用関連会社)日本電子計算株式会社…情報処理サービス、ソフトウェアの開発・販売(持分法適用関連会社)ジェイエスフィット株式会社…情報処理サービス、ソフトウェアの開発・販売 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社) 日証金信託銀行株式会社(注1)東京都中央区14,000信託銀行業100.00役員の兼任…1名日本ビルディング株式会社東京都中央区100不動産賃貸業100.00当社所有の不動産を賃貸・管理している。役員の兼任…1名(持分法適用関連会社) 日本電子計算株式会社東京都千代田区2,460情報処理サービス業20.00当社のシステム開発、計算を委託している。役員の兼任…1名ジェイエスフィット株式会社(注2)東京都中央区100情報処理サービス業36.60(15.85)当社のシステム開発、計算を委託している。役員の兼任…無 (注)1 特定子会社に該当します。2 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)証券金融業212[6]信託銀行業43[1]不動産賃貸業16[-]合計271[7] (注)1 従業員数は就業人員数(当社連結会社から連結会社外への出向者を除く)であり、執行役員を含んでおりません。また、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しております。2 臨時従業員には、派遣社員およびパートタイマーが含まれております。 (2) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(円)管理職に占める女性労働者の割合212[6]44.57歳20.89年9,572,6543.8% セグメントの名称従業員数(人)証券金融業212[6]合計212[6] (注)1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除く)であり、執行役員を含んでおりません。また、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しております。2 臨時従業員には、派遣社員およびパートタイマーが含まれております。3 平均年間給与は、基本的な賃金および賞与の平均です。4 管理職は労働基準法上の管理監督者および同等の権限を有する者の合計を示します。5 提出会社および連結子会社は、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差について、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(以下「女性活躍推進法」という。)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児・介護休業法」という。)の規定による公表をしていないため、それらの数値について本報告書においても記載しておりません。また、連結子会社は、女性活躍推進法の規定による管理職に占める女性労働者の割合を公表していないため、当該数値について本報告書においても記載しておりません。 (3) 労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 1.企業集団の主要な事業内容当社グループは、当社、連結子会社2社(日証金信託銀行株式会社、日本ビルディング株式会社)および持分法適用関連会社2社で構成され、証券・金融市場のインフラを支える公共的役割を強く意識しつつ、貸借取引業務を核とするセキュリティ・ファイナンス業務を中心に、証券界・金融界の多様なニーズに積極的な応え、様々な証券・金融関連サービスを提供しております。また、貸借取引業務が市況変動等の影響を大きく受けることを踏まえ、引続き収益源の多様化に向けて努力し、各事業においてこれまで以上に資本効率の向上を意識しつつ経営目標の達成に取組んでおります。このような考え方の下、当社グループは、貸借取引を核とするセキュリティ・ファイナンス業務、有価証券運用業務、信託銀行業務、不動産管理業務からなる事業ポートフォリオにより、目指す将来像の実現を図っています。<第7次中期経営計画>[当社が目指す企業としての将来像]当社は、当社が掲げる企業理念の下で、証券・金融市場のインフラ機能を支える証券金融会社として、高い財務の健全性維持と、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現する機動性・柔軟性に富んだ特色あるユニークな企業を目指す。[経営方針]①証券金融会社としての社会的責任を常に認識し、堅固なガバナンス体制のもとでコンプライアンス、企業統治および経営リスクの管理を徹底することにより健全な業務運営を実践し、揺るぎない社会的信頼を確立する。②証券・金融市場のインフラ機能を支える証券金融会社として求められる経営の安定性および財務の健全性を確保するため、強固な自己資本を維持しながら企業価値の向上を図るとともに、株主への利益還元を引き続き充実したものとしていく。③証券金融会社の根幹である貸借取引業務をより強化し、あわせて当社・グループ会社が提供する金融・証券関連サービスの拡充・強化に務め、ビジネス基盤を一層拡大し堅固なものとする。④経営環境の変化に機動的かつ柔軟に対応するため、迅速かつ効率的な業務運営体制を構築するとともに、人材力の基盤強化を図り、企業活力と組織変革力を向上させる。[戦略]①証券市場のインフラとしての貸借取引業務の強化株式市場を取り巻く環境変化に適切に対応し貸借取引業務の安定的な運営および利便性向上を図る。また、市場参加者の取引ニーズの的確な把握などにより、貸借取引の利用促進を図るための施策を検討するとともに、制度信用・貸借取引にかかる情報発信を強化し、貸借取引業務の基盤強化に努める。②セキュリティ・ファイナンス業務の拡充・強化当社がこれまで培ってきた資金取引や有価証券取引のノウハウを有効に活用し、内外の金融商品取引業者等との多様な取引に積極的に対応するとともに、取引先や対象通貨・有価証券等の拡大により、セキュリティ・ファイナンス業務を強化・拡充し、収益機会の拡大を図る。③グループ連結経営の強化グループ会社との間で、営業、リスク管理、業務管理などの各分野で、より連携を推進するなどグループ連結経営の強化を図る。④有価証券運用による安定的な収益確保・資金調達手段の拡充外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールの下、機動的にポートフォリオの見直しを実施することで、有価証券運用による安定した収益を確保する。また、取引先の多様なニーズに応えるため、外貨を含め安定的な資金調達手段の拡充を図る。⑤新規業務開発の推進証券金融会社としての特長を活かし、内外の関係先やグループ会社との連携の下で、長期的視野に立った新規業務開発に取組み、具体化を図っていく。⑥業務管理体制の強化当社に求められている社会的要請に積極的に対応し、企業理念を実現していくため、コンプライアンスを経営の前提と位置付けていることをあらためて確認する。当社に対する揺るぎない社会的信頼を確立するため、内部監査の実効性を確保し、金融業務に付随するリスクの多様化・複雑化に対応してリスク管理の一層の充実を図る。⑦効率的な業務運営による競争力の基盤強化取引量の増加や業務の複雑化が進む中、業務プロセスの見直しやデジタル技術の積極的な活用などにより、効率的な業務運営体制の構築に努め、競争力の基盤強化を図る。⑧人材育成の強化とエンゲージメントの向上多様性の確保と専門性、主体性の強化を軸に、人材育成の強化と人材ポートフォリオの再構築に努めるとともに社員エンゲージメントの向上を図ることにより、企業活力と組織変革力を向上させる。⑨サステナビリティの推進証券・金融市場のインフラとしての機能を安定的に果たせるよう、業務継続体制の更なる強化に努めるほか、気候変動・環境保全への対応など、サステナビリティに関する重要課題についても、着実に取組む。 2.2023年度(2024年3月期)の当社の取組み(1)現状分析・当社は第7次中期経営計画のもと、証券・金融市場のインフラを支えるプライム市場上場企業として、コーポレートガバナンスの強化とともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指しております。具体的には、ROEを、2025年度末までに株主資本コストを上回る5%とする経営目標を掲げ、収益性と資本効率の向上に経営努力を傾注してきました。・こうした取組みの結果、2023年度のROEは5.73%となり、ROE5%目標を想定よりも2年前倒しで達成しました。・また、株式市場における当社に対する評価も上昇基調であり、PBRは1倍近辺で推移し、株主総利回り(TSR)もTOPIXを有意に上回る水準で推移するなど、着実に向上してきております。・以上の目標設定や実績評価の基礎となる当社の資本コストについては、客観的な長期時系列データを用いて複数の方式により計測した結果であり、足許の市場環境を踏まえても4%台半ばとの基本認識に変化はありません。当社は、証券金融会社としての免許を受けており、法令上、財務の健全性維持を求められるとともに業務範囲に制約が設けられております。このため、財務上のリスクや事業戦略リスクが相対的に低く、これがリスクプレミアムに反映されると考えられることから、当社の資本コストの水準としては自然なものと考えております。 (2)2023年度の取組み(「当社が目指す経営の長期的展望」の策定・公表等)①当社が目指す長期的展望・当社は、2023年11月に「当社が目指す経営の長期的展望」(以下「長期的展望」と言います。)等を策定・公表いたしました。これは、当社取締役会としては、2023年度においてROE5%目標を想定よりも2年前倒しで達成する見込みとなったことから、これまでの当社の経営努力が一定の成果を挙げ、節目を迎えたと考えられることを踏まえ、今後の当社経営に関する考え方を改めて整理することが適当と考えたことによるものです。取締役会における累次の議論の結果、①まず、当社が目指す経営の長期的な展望を整理し、②その長期的展望を踏まえて、具体的な事業戦略に基づく中期経営計画や株主還元方針を策定するという二層建てで今後の経営を考え、それらを公表することが適切との結論に至りました。なお、2021年11月19日に策定・公表した「中期的な経営方針」については、その役割を果たしたものと評価できることから、今般策定した長期的展望等に発展的に吸収することとしました。・長期的展望は、長期で見た場合の当社の目指す将来像やありたい姿を展望したものです。まず「当社の目指す将来像」について、証券・金融市場のインフラ機能を支える我が国唯一の証券金融会社として、証券・金融市場の発展に貢献することを通じて、高い財務の健全性維持のもとで持続的な成長・企業価値の向上を実現する、機動性・柔軟性に富んだ特色あるユニークな企業を目指すことを改めて確認しました。・次に、コーポレート・メッセージ「Be unique. Be a pioneer. 唯一をつくる、開拓者であれ。」を制定いたしました。これは、我が国唯一の証券金融会社として、不断に変化する環境の中で、金融テクノロジーの進化を取り入れながら、証券・金融市場の参加者の取引ニーズに機動的かつ柔軟に対応し、市場ひいては当社の未来を開拓していく、当社の在りたい姿を表したものです。・「長期的な経営の方向性」は、次のとおりです。―今後とも、証券・金融市場の参加者の取引ニーズに機動的かつ柔軟に対応し、市場の発展に貢献することを通じて、高い財務の健全性維持のもとで持続的な成長・企業価値向上に向けてグループ企業の総力を結集して取り組む。―今後も資本コストを意識しながら、着実な収益基盤の強化と資本効率の安定的かつ着実な向上に努め、ROEについては8%の水準を意識しながら、今後も着実な向上に向けて取り組んでいく。―株主還元については、第7次中期経営計画期間中は総還元性向100%を維持し、その後も株主還元の充実に努めていく。―こうした経営の取組みを通じて、PBRについても1倍超の市場評価の定着を目指す。―指名委員会等設置会社の機関設計のもと、取締役会・各委員会審議の実効性の一層の向上や情報開示の更なる充実、厚みのある人的資本の形成に注力しつつサステナビリティ課題にも取組み、コーポレートガバナンスの強化に努めていく。②第7次中期経営計画の経営目標の修正・上記の長期的展望および2024年3月期の業績を踏まえ、第7次中期経営計画の経営目標を次のとおり上方修正いたしました。<ROE>安定的に5%を上回る水準を維持するとともに、さらなる向上を目指す。<連結経常利益>安定的に100億円超を維持するとともに、さらなる向上を目指す。なお、この修正に伴い、当社役員の業績連動報酬(賞与および株式報酬)の参照指標および反映方法の基本的な構造については変更せず、株式報酬の進捗見込みに基づく基準値について所要の変更を行いました。 (その他の取組み)①情報開示の充実(統合報告書の改訂)・株主をはじめとした様々なステークホルダーの皆様に当社についてより深くご理解いただくため、情報開示の充実に積極的に取組んでおります。その一環として、2022年度から統合報告書を作成しております。統合報告書では、当社のビジネスモデル、経営方針、コーポレートガバナンス、サステナビリティ課題への取組みなどについて記載しております。・2023年度の統合報告書では、上記長期的展望についてのその内容、検討の経緯や考え方、新たに策定したコーポレート・メッセージについて、幅広くご理解・ご認識いただくために記載を充実させております。第7次中期経営計画関連では、重要施策の一つである「人的資本ポリシー」について記載しております。・また、前年度版の公表以降、ステークホルダーの皆様から頂いたご意見を踏まえて、記載内容の充実を図っております。具体的には、コーポレートガバナンスに関して「当社経営陣の選任とこれを展望した内部人材育成の考え方」を掲載し、経営陣の選任にあたっての手続き面の情報だけではなく、実際の指名プロセスにおいて社外取締役を中心とした取締役会・指名委員会が具体的にどのような働きを果たしているかについても記載しております。また、近年の当社の成長を牽引しておりますセキュリティ・ファイナンス業務について、業務の内容、注力している取組みおよびリスク管理について特集を組んでご説明しております。②執行役の担当職務の明確化・当社は指名委員会等設置会社として、社外取締役を中心とした取締役会が策定した経営方針に基づき、取締役会による実効性の高い監督のもと、代表執行役社長の統率、指揮により執行役が業務執行する体制となっております。・執行役の担当職務について、ステークホルダーの皆様にとってより分かりやすい表現とするため、指名委員会における議論を経て、2024年度の執行役・執行役員の選任にあたり各執行役の担当職務を改めて定義し、公表いたしました。③従業員向け自社株インセンティブの付与・2022年度に引き続き、2023年度においても、当社業績に応じて従業員に対して当社株式を付与する従業員向け自社株インセンティブの付与を決定いたしました。具体的な付与は2024年6月に実施いたしました。この取組みの趣旨・目的は、従業員の経営目標達成へのモチベーションや働きがいの向上を図るとともに、従業員が当社株式を所有することで、企業価値向上への関心をより高め、株主の皆様との価値共有を進めることにより、中長期的な企業価値の向上を図ることであります。④サステナビリティ課題への取組み・当社はサステナビリティ課題についても積極的に取組んでおります。2023年度は主に次の2つに取組みました。<分散型台帳技術を用いたセキュリティ・ファイナンス取引に関する実証研究>―当社と東京大学は、2021年4月以降、レポ取引や証券貸借取引において、分散型台帳技術の活用により、トークン化した有価証券や担保の円滑な取引が可能かについて検証する実証研究を共同で実施し、2023年5月30日にその成果を報告書※として公表しました。(※報告書等は当社ホームページで公表しております。)―本研究の成果は、証券分野をはじめとして今後の様々な分野への社会実装への活用が期待されます。また、産学連携の推進により、当社が認識するサステナビリティに関する重要課題、とくに学術研究活動の推進、証券・金融市場インフラへの貢献の取組み効果が現れたものと考えています。 <インドネシア証券界との国際協力>―当社は、持続可能な社会の実現に向けた重要課題の一つとして、海外の証券・金融市場インフラへの貢献・支援活動を進めており、その具体的な取組みとして、インドネシア証券界との国際協力が挙げられます。―当社は、我が国証券・金融市場のインフラを支える立場から、インドネシアにおける証券金融会社の設立に向け、同国の証券関係団体に対し、貸借取引業務の実務や管理面のノウハウを提供するとともに、市場活性化のための証券金融の重要性について説明を重ね、2016年末のインドネシア証券金融会社(PT Pendanaan Efek Indonesia)の設立に寄与して参りました。同社設立後もリスク管理や資金調達等の実務的なサポートを続け、2020年8月、同社に対する出資を行っており、2022年以降、配当金を受領しています。―現在は、当社、インドネシア証券取引所グループ等の他の株主およびインドネシア証券金融会社で構成される諮問委員会や株主総会への参加等を通じ、同社の経営方針や業務運営に関する議論に積極的に貢献しています。また、ジャカルタや東京で、インドネシア証券界(監督当局、取引所関係者、証券業界等)を対象とするセミナーを随時開催するなどしています。―今後も、当社が蓄積してきた証券金融業務に関する知見を一層活用し、同国の経済・金融・証券市場のサステナブルな発展に寄与していきたいと考えています。 3.対処すべき課題当社は、前記のとおり、2023年11月に「当社が目指す経営の長期的展望」等を策定・公表いたしました。当社は、今後とも証券・金融市場の参加者の取引ニーズに機動的かつ柔軟に対応し、市場の発展に貢献することを通じて、高い財務の健全性維持のもとで持続的な成長・企業価値向上に向けてグループ企業の総力を結集して取り組みます。また、今後も資本コストを意識しながら、着実な収益基盤の強化と資本効率の安定的かつ着実な向上に努め、ROEについては8%の水準を意識しながら、今後も着実な向上に向けて取り組んでいきます。株主還元については、第7次中期経営計画期間中は総還元性向100%を維持し、その後も株主還元の充実に努めていきます。こうした経営の取組みを通じて、PBRについても1倍超の市場評価の定着を目指します。指名委員会等設置会社の機関設計のもと、取締役会・各委員会審議の実効性の一層の向上や情報開示の更なる充実、厚みのある人的資本の形成に注力しつつサステナビリティ課題にも取組み、コーポレートガバナンスの強化に努めていきます。第7次中期経営計画については、当社が目指す経営の長期的展望と2023年度の業績を踏まえ、経営目標を次のとおり上方修正しました。まずROEについては、安定的に5%を上回る水準を維持するとともに、さらなる向上を目指します。また、連結経常利益については安定的に100億円超を維持するとともに、さらなる向上を目指します。こうした経営目標の実現に向け、貸借取引業務を核とするセキュリティ・ファイナンス業務を中心に収益基盤の強化に引き続き注力します。また、これらの業務を支える内部管理体制の強化についても取り組みます。その一つは、企業価値創造の源である人材力の基盤強化であります。当社は2023年3月に策定した「人的資本ポリシー」のもと、人材育成プログラムを着実に実行してまいります。また、当社の様々な取組みを、株主をはじめとしたステークホルダーの皆様に広くご理解いただくため、情報開示の充実にも取り組んでまいります。株主還元については、2025年度までの間、配当および自己株式取得の機動的な実施により累計で総還元性向100%を目指す方針を継続いたします。また2024年度から2025年度までの間、配当については配当性向70%を目安に積極的な配当を行うこととします。2024年度につきましては、第1四半期に実施予定の当社子会社が保有する不動産の売却に伴い、一定の規模の特別利益の計上が見込まれることとなりました。本特別利益は、当社の持続的な成長に向けた努力の過程とは別に発生した一時的な利益であることから、これに対応した株主還元は2024年度中に特別配当金として行うことといたしました。そのため、2024年度の配当予想は普通配当金64円と特別配当金6円をあわせた70円といたしました。また、あわせて株数上限170万株、金額上限26億円とする自己株式取得枠を設定いたしました。これらをあわせた2024年度の総還元性向は99.7%となります。当社としては、引き続き、証券・金融市場のインフラ機能を支える我が国唯一の証券金融会社として、証券・金融市場の発展に貢献することを通じて、高い財務の健全性維持のもとで持続的な成長・企業価値の向上を実現する、機動性・柔軟性に富んだ特色あるユニークな企業を目指してまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 (1)サステナビリティに関する考え方及び取組の状況(サステナビリティに関する基本的な考え方)持続可能な社会の実現に向けては、社会経済活動の基盤となるインフラの整備も重要な要素であり、SDGs(持続可能な開発目標)の一つにも掲げられています(目標9)。当社グループは、証券・金融市場のインフラを支える企業として貸借取引業務をはじめとするさまざまなサービスを提供し、証券・金融市場の流動性向上と市場参加者の利便性向上に取り組んでおり、こうした活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けて、同様の取り組みを行う市場参加者への支援も含め、その一翼を担うことを目指しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(ガバナンス)・当社は、サステナビリティに関する取組みをグループ全体で推進するため、「サステナビリティへの基本的な考え方」を取締役会で決定し、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を認識しています。・サステナビリティの推進については、経営会議(議長は代表執行役社長)で審議・決定し、取締役会がその取組状況を監督しています。・こうしたサステナビリティに関する具体的な取組みは、中期経営計画の行動計画において明確にし、コーポレートガバナンス統括室が統括して組織横断的に取り組みます。(戦略)・当社は、証券・金融市場のインフラを担うものとして、様々な状況に置かれても業務を安定的に運営する体制を構築することが重要であると考えています。そのためには、狭義の災害対策だけではなく、事業基盤の安定性と高い信頼性を確保することも重要です。・このような観点から、国内外の証券・金融市場インフラへの貢献、学術研究活動や金融経済教育活動の推進、気候変動への対応等を経営の重要課題と認識しています。・また、事業活動における気候変動に関するリスクと機会を特定・認識したうえで、その影響について定性的に分析し、経営戦略のレジリエンスを確認しています。脱炭素社会への移行・変容に対応し、金融サービスの提供や商品性の改善を通じて、気候関連課題に取組む証券・金融市場の参加者の取組みを支援するとともに、当社の企業価値の向上を目指します。・こうした重要課題および具体的な取組み、気候変動課題に関するリスクおよび機会の認識ならびにシナリオ分析の詳細等については、当社ウェブサイトに掲載しています。(リスク管理)・当社は、証券・金融市場のインフラ機能を担う当社が果たすべき社会的役割や当社の中長期的な将来像を踏まえ、取締役会が経営全体としてのリスク管理方針を定めるとともに、中期経営計画と整合的に、リスクアペタイトおよびそれらを具体的に表すリスクアペタイト指標などリスクアペタイト・フレームワーク(RAF)の基本事項を決定します。・経営の業務執行においては、取締役会で決定されたリスク管理方針、リスクアペタイトおよびリスクアペタイト指標を念頭に、業務ごとにより詳細な目標値と業務計画等を定め、中期経営計画を推進します。・取締役会は、リスクアペタイトおよびリスクアペタイト指標のモニタリング等を通じて業務執行状況を監督しており、リスクアペタイト指標が設定した水準から乖離した場合には、要因を分析のうえ対応策を策定・実行するなど、継続的にRAFの実効性改善・強化を図っています。・また当社は、気候変動リスクが地球環境に重大な影響をもたらすリスクであるとともに、将来の当社の財務にも影響を及ぼす可能性があると認識しています。こうした気候変動リスクは、金融リスク(信用リスク、市場リスクなど)を発生・増幅させる要因となることから、統合リスク管理の枠組みで気候変動にかかるリスクを管理します。(指標と目標)・リスクアペタイトは、経営の安定性・財務の健全性の観点のほかインフラ機能を担う社会的責任や証券市場への貢献など幅広い観点から設定しています。・また、当社グループのCO2排出量(Scope1、Scope2の合計)は当社ウェブサイトに掲載しています。CO2排出量は着実に減少しており、引き続き更なる削減に向けて取り組みます。(2023年度の主な取組み)・当社は上記の枠組みのもと、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に関する取組みを進めております。・2021年4月以降、「産学連携による学術研究活動の推進」として、当社と東京大学は、レポ取引や証券貸借取引において、分散型台帳技術の活用により、トークン化した有価証券や担保の円滑な取引が可能かについて検証する実証研究を共同で実施し、2023年5月30日にその成果を報告書として公表しました。 ・そのほか、「海外の証券・金融市場インフラへの貢献」については、インドネシア証券金融会社への技術協力および出資を行うとともに、同社、インドネシア証券取引所グループおよび当社で編成する諮問委員会への積極的な参画を通じて継続的に取り組んでおります。・環境保全への対応として、テレワークの推進や社内外におけるWEB会議の利用、電子禀議システムやペーパーレス会議システムの導入、保存文書の電子化といった省資源・省エネ化に取り組んでいます。・取締役会に報告したカーボンニュートラルに向けた取組みの下、2022年度の本社ビル照明のLED化を皮切りに、当社で使用するオフィスビルについてもLED化に向けて取り組んでいます(2024年度完了予定)。また、その他のCO2排出削減に向けた施策についても調査・検討を行っております。 <ウェブサイト掲載場所>ESG・サステナビリティ https://www.jsf.co.jp/ir/esg/気候変動・環境保全への対応(TCFD提言への取組み) https://www.jsf.co.jp/ir/tcfd/ (2)人的資本に関する戦略等(戦略)当社は、第7次中期経営計画において、経営目標を達成するための戦略の1つとして「人材育成の強化とエンゲージメントの向上」を掲げています。当社の目指す将来像に向け、人材育成をはじめとする「人的資本」形成に関する取り組みを推進していく上での基本的な方針として「人的資本ポリシー」を定め、事業ポートフォリオに対応した、多様性の確保と専門性、主体性の強化を軸にした人材育成を推進し、企業価値創造の源である人材力の基盤強化を実現していきます。人的資本ポリシーは、「ビジョン」、会社が育成強化を図りたい人材像を示した「期待する人材像」、「ビジョンに向けた取組み」で構成しており、採用、育成・キャリアパス、評価・報酬、環境整備の各方面で「ビジョンに向けた取組み」を順次具体化していきます。<人的資本ポリシー>○ビジョン・社員が持つ多様な価値観を尊重するとともに、多様な個人がそれぞれの個性と強みを最大限発揮し、業務遂行を通じて自ら成長していくことができるよう、機会の提供と支援環境の整備に努める。・社員が安心して業務に従事することができるよう、働きやすい職場環境づくりを推進する。・社員エンゲージメントの向上を図ることにより、企業活力と組織変革力を向上させ、生産性を高める働き方を実現する。○期待する人材像・多様な価値観を尊重し、他の社員と協働して企業価値の向上に取り組む人材・繁雑な業務も正確かつ安定的に遂行し、インフラ機能を担う当社の信頼維持に貢献できる人材・担当する業務をより深く、より広く理解することに努め、当該分野における専門性を高めつつ業務変革に繋げていくことができる人材・一定分野の専門性を有し、その専門性を生かして社内をリードして貢献することができる人材・自発的に高い目標を掲げ、その実現に向けて周囲も巻き込みながら主体的に取組むことができる人材・広い視野をもって経営戦略を主導的に担い得る人材○ビジョンに向けた取組み(a) 採用・新卒採用に加え、経験者採用を積極的・継続的に行うことにより、多様性に富んだ人材を確保(b) 育成・キャリアパス・社員が持つ個性と強みを最大限発揮し、業務遂行を通じて自ら成長していくことができるよう自律的なキャリア形成のための環境を整備・自律的なキャリア形成と挑戦を支援するため、研修制度の改正・新設なども含めた新たな人材育成プログラムを策定・多様性と専門性、主体性の強化を軸に経営戦略を主導的に担い得る人材層の強化(c) 評価・報酬・能力伸長、業績発揮、期待する役割の充足度合いなどの社員の業務遂行上の貢献を適切に評価・業務変革や業務効率化、高い目標に向けての自発的な取り組みなど、社員の業務への主体的な取り組み姿勢や行動を評価 (d) 環境・育児・介護と仕事の両立を支援するための各種休暇制度の取得促進等により、ワークライフ・バランスを確保できる職場環境づくり・テレワークの活用等により多様な働き方が可能となる働きやすい職場環境づくりを推進 <多様性確保の考え方>当社が業務を展開する証券・金融市場を取り巻く状況は、デジタライゼーションの進展などにより、急速に変化しております。このような環境変化に柔軟に対応するためには、多様な視点や価値観を尊重することが重要であると考えます。当社は従来から、性別等にかかわらず、個々人の能力や実績を重視する人事制度を運用してまいりましたが、これをさらに推進するとともに、人材育成と社内環境の整備を進め、中核人材の多様性の確保に努めてまいります。当社は、このような基本的な考え方の下、女性活躍推進等についての取組みについて次のように考えております。・女性活躍推進業務上の意思決定から日々の業務遂行に至るまで、多様な人材が持つ視点や発想、価値観を十分に活かすことが重要と考えており、育児・介護等と仕事を両立しながら健全に活躍できる環境を維持し、キャリア形成を支援しながら職員が持つ能力や個性を活用してまいります。・外国人および経験者採用者持続的な成長と企業価値向上を目指し、今後のビジネス展開に応じて、多様化する金融サービスを供給できる人材、新規分野への進出に必要な人材、専門性を有する人材等について、外国人を含めて幅広い業界から柔軟に採用を進めてまいります。 <社内環境整備方針>・当社は企業価値の向上において職員が重要な役割を担うものと考えており、その考えの下、全職員の健康や業務環境に配意するとともに、各職員の状況に応じた様々な勤務制度を用意し柔軟な働き方を実現しております。・実施状況としては、育児や介護の支援に伴う休暇制度や法定を上回る短時間勤務制度を導入しているほか、全職員が時差勤務、テレワークが可能な環境を整備し、生産性の向上に努めております。・今後は、研修の実施などを通じて多様性の尊重、受容に関する職員の意識を一層高めるとともに、全社的なテレワークの実施により多様な働き方への対応を進めるなど、社内環境整備を継続的に行ってまいります。 (指標と目標)<女性活躍推進>〔採用〕 新卒採用者に占める女性比率 状況:50%(2023年度) 目標:40%以上を継続〔登用〕 管理職に占める女性比率 状況:3.8%(2023年度) 目標:積極的に増加させる<外国人および経験者採用者>〔採用〕 経験者採用者数 状況:17名、6.9%(全職員に占める割合)(2023年度末) 目標:積極的に増加させる〔登用〕 経験者採用者の管理職登用 状況:2名、1.9%(管理職者に占める割合)(2023年度末) 目標:積極的に増加させる(注)当社は上記のとおり、経験者採用については外国人も含めて幅広い業界から柔軟な採用を進めることを方針としており、外国人に限定した目標の設定は行っておりません。<育児支援制度の利用状況>2023年 育児休業取得者 8名 育児休業復帰率 100% 短時間勤務者数 13名<介護支援制度の利用状況>2023年 介護休暇取得者 17名<平均テレワーク率>2023年度 44.2% |
戦略 | (戦略)・当社は、証券・金融市場のインフラを担うものとして、様々な状況に置かれても業務を安定的に運営する体制を構築することが重要であると考えています。そのためには、狭義の災害対策だけではなく、事業基盤の安定性と高い信頼性を確保することも重要です。・このような観点から、国内外の証券・金融市場インフラへの貢献、学術研究活動や金融経済教育活動の推進、気候変動への対応等を経営の重要課題と認識しています。・また、事業活動における気候変動に関するリスクと機会を特定・認識したうえで、その影響について定性的に分析し、経営戦略のレジリエンスを確認しています。脱炭素社会への移行・変容に対応し、金融サービスの提供や商品性の改善を通じて、気候関連課題に取組む証券・金融市場の参加者の取組みを支援するとともに、当社の企業価値の向上を目指します。・こうした重要課題および具体的な取組み、気候変動課題に関するリスクおよび機会の認識ならびにシナリオ分析の詳細等については、当社ウェブサイトに掲載しています。 |
指標及び目標 | (指標と目標)・リスクアペタイトは、経営の安定性・財務の健全性の観点のほかインフラ機能を担う社会的責任や証券市場への貢献など幅広い観点から設定しています。・また、当社グループのCO2排出量(Scope1、Scope2の合計)は当社ウェブサイトに掲載しています。CO2排出量は着実に減少しており、引き続き更なる削減に向けて取り組みます。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2)人的資本に関する戦略等(戦略)当社は、第7次中期経営計画において、経営目標を達成するための戦略の1つとして「人材育成の強化とエンゲージメントの向上」を掲げています。当社の目指す将来像に向け、人材育成をはじめとする「人的資本」形成に関する取り組みを推進していく上での基本的な方針として「人的資本ポリシー」を定め、事業ポートフォリオに対応した、多様性の確保と専門性、主体性の強化を軸にした人材育成を推進し、企業価値創造の源である人材力の基盤強化を実現していきます。人的資本ポリシーは、「ビジョン」、会社が育成強化を図りたい人材像を示した「期待する人材像」、「ビジョンに向けた取組み」で構成しており、採用、育成・キャリアパス、評価・報酬、環境整備の各方面で「ビジョンに向けた取組み」を順次具体化していきます。<人的資本ポリシー>○ビジョン・社員が持つ多様な価値観を尊重するとともに、多様な個人がそれぞれの個性と強みを最大限発揮し、業務遂行を通じて自ら成長していくことができるよう、機会の提供と支援環境の整備に努める。・社員が安心して業務に従事することができるよう、働きやすい職場環境づくりを推進する。・社員エンゲージメントの向上を図ることにより、企業活力と組織変革力を向上させ、生産性を高める働き方を実現する。○期待する人材像・多様な価値観を尊重し、他の社員と協働して企業価値の向上に取り組む人材・繁雑な業務も正確かつ安定的に遂行し、インフラ機能を担う当社の信頼維持に貢献できる人材・担当する業務をより深く、より広く理解することに努め、当該分野における専門性を高めつつ業務変革に繋げていくことができる人材・一定分野の専門性を有し、その専門性を生かして社内をリードして貢献することができる人材・自発的に高い目標を掲げ、その実現に向けて周囲も巻き込みながら主体的に取組むことができる人材・広い視野をもって経営戦略を主導的に担い得る人材○ビジョンに向けた取組み(a) 採用・新卒採用に加え、経験者採用を積極的・継続的に行うことにより、多様性に富んだ人材を確保(b) 育成・キャリアパス・社員が持つ個性と強みを最大限発揮し、業務遂行を通じて自ら成長していくことができるよう自律的なキャリア形成のための環境を整備・自律的なキャリア形成と挑戦を支援するため、研修制度の改正・新設なども含めた新たな人材育成プログラムを策定・多様性と専門性、主体性の強化を軸に経営戦略を主導的に担い得る人材層の強化(c) 評価・報酬・能力伸長、業績発揮、期待する役割の充足度合いなどの社員の業務遂行上の貢献を適切に評価・業務変革や業務効率化、高い目標に向けての自発的な取り組みなど、社員の業務への主体的な取り組み姿勢や行動を評価 (d) 環境・育児・介護と仕事の両立を支援するための各種休暇制度の取得促進等により、ワークライフ・バランスを確保できる職場環境づくり・テレワークの活用等により多様な働き方が可能となる働きやすい職場環境づくりを推進 <多様性確保の考え方>当社が業務を展開する証券・金融市場を取り巻く状況は、デジタライゼーションの進展などにより、急速に変化しております。このような環境変化に柔軟に対応するためには、多様な視点や価値観を尊重することが重要であると考えます。当社は従来から、性別等にかかわらず、個々人の能力や実績を重視する人事制度を運用してまいりましたが、これをさらに推進するとともに、人材育成と社内環境の整備を進め、中核人材の多様性の確保に努めてまいります。当社は、このような基本的な考え方の下、女性活躍推進等についての取組みについて次のように考えております。・女性活躍推進業務上の意思決定から日々の業務遂行に至るまで、多様な人材が持つ視点や発想、価値観を十分に活かすことが重要と考えており、育児・介護等と仕事を両立しながら健全に活躍できる環境を維持し、キャリア形成を支援しながら職員が持つ能力や個性を活用してまいります。・外国人および経験者採用者持続的な成長と企業価値向上を目指し、今後のビジネス展開に応じて、多様化する金融サービスを供給できる人材、新規分野への進出に必要な人材、専門性を有する人材等について、外国人を含めて幅広い業界から柔軟に採用を進めてまいります。 <社内環境整備方針>・当社は企業価値の向上において職員が重要な役割を担うものと考えており、その考えの下、全職員の健康や業務環境に配意するとともに、各職員の状況に応じた様々な勤務制度を用意し柔軟な働き方を実現しております。・実施状況としては、育児や介護の支援に伴う休暇制度や法定を上回る短時間勤務制度を導入しているほか、全職員が時差勤務、テレワークが可能な環境を整備し、生産性の向上に努めております。・今後は、研修の実施などを通じて多様性の尊重、受容に関する職員の意識を一層高めるとともに、全社的なテレワークの実施により多様な働き方への対応を進めるなど、社内環境整備を継続的に行ってまいります。 (指標と目標)<女性活躍推進>〔採用〕 新卒採用者に占める女性比率 状況:50%(2023年度) 目標:40%以上を継続〔登用〕 管理職に占める女性比率 状況:3.8%(2023年度) 目標:積極的に増加させる<外国人および経験者採用者>〔採用〕 経験者採用者数 状況:17名、6.9%(全職員に占める割合)(2023年度末) 目標:積極的に増加させる〔登用〕 経験者採用者の管理職登用 状況:2名、1.9%(管理職者に占める割合)(2023年度末) 目標:積極的に増加させる(注)当社は上記のとおり、経験者採用については外国人も含めて幅広い業界から柔軟な採用を進めることを方針としており、外国人に限定した目標の設定は行っておりません。<育児支援制度の利用状況>2023年 育児休業取得者 8名 育児休業復帰率 100% 短時間勤務者数 13名<介護支援制度の利用状況>2023年 介護休暇取得者 17名<平均テレワーク率>2023年度 44.2% |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | <多様性確保の考え方>当社が業務を展開する証券・金融市場を取り巻く状況は、デジタライゼーションの進展などにより、急速に変化しております。このような環境変化に柔軟に対応するためには、多様な視点や価値観を尊重することが重要であると考えます。当社は従来から、性別等にかかわらず、個々人の能力や実績を重視する人事制度を運用してまいりましたが、これをさらに推進するとともに、人材育成と社内環境の整備を進め、中核人材の多様性の確保に努めてまいります。当社は、このような基本的な考え方の下、女性活躍推進等についての取組みについて次のように考えております。・女性活躍推進業務上の意思決定から日々の業務遂行に至るまで、多様な人材が持つ視点や発想、価値観を十分に活かすことが重要と考えており、育児・介護等と仕事を両立しながら健全に活躍できる環境を維持し、キャリア形成を支援しながら職員が持つ能力や個性を活用してまいります。・外国人および経験者採用者持続的な成長と企業価値向上を目指し、今後のビジネス展開に応じて、多様化する金融サービスを供給できる人材、新規分野への進出に必要な人材、専門性を有する人材等について、外国人を含めて幅広い業界から柔軟に採用を進めてまいります。 <社内環境整備方針>・当社は企業価値の向上において職員が重要な役割を担うものと考えており、その考えの下、全職員の健康や業務環境に配意するとともに、各職員の状況に応じた様々な勤務制度を用意し柔軟な働き方を実現しております。・実施状況としては、育児や介護の支援に伴う休暇制度や法定を上回る短時間勤務制度を導入しているほか、全職員が時差勤務、テレワークが可能な環境を整備し、生産性の向上に努めております。・今後は、研修の実施などを通じて多様性の尊重、受容に関する職員の意識を一層高めるとともに、全社的なテレワークの実施により多様な働き方への対応を進めるなど、社内環境整備を継続的に行ってまいります。 (指標と目標)<女性活躍推進>〔採用〕 新卒採用者に占める女性比率 状況:50%(2023年度) 目標:40%以上を継続〔登用〕 管理職に占める女性比率 状況:3.8%(2023年度) 目標:積極的に増加させる<外国人および経験者採用者>〔採用〕 経験者採用者数 状況:17名、6.9%(全職員に占める割合)(2023年度末) 目標:積極的に増加させる〔登用〕 経験者採用者の管理職登用 状況:2名、1.9%(管理職者に占める割合)(2023年度末) 目標:積極的に増加させる(注)当社は上記のとおり、経験者採用については外国人も含めて幅広い業界から柔軟な採用を進めることを方針としており、外国人に限定した目標の設定は行っておりません。<育児支援制度の利用状況>2023年 育児休業取得者 8名 育児休業復帰率 100% 短時間勤務者数 13名<介護支援制度の利用状況>2023年 介護休暇取得者 17名<平均テレワーク率>2023年度 44.2% |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社および当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。金融のグローバル化やフィンテックに代表される高度化の加速など、当社グループを巡る経営環境が変化する中、内外の新たなニーズの獲得に向けた取組みを通じて、業務内容の複雑化が進むと同時に、当社グループを取り巻くリスクも変化しております。こうした状況を踏まえ、リスクアペタイト・フレームワークの活用を通じて、経理管理とリスク管理を一体的に運営しております。なお、記載事項のうち将来に関する事項は当期末(2024年3月31日)現在において当社が判断したものです。1.事業環境に関するリスク(1) 各種法令等に関するリスク①免許業務について当社の主要業務である貸借取引業務は金融商品取引法第156条の24の規定により内閣総理大臣の免許を受けて運営しております。また、子会社では、日証金信託銀行は銀行法および金融機関の信託業務の兼営等に関する法律の免許および認可を受けて信託銀行業務を営み、日本ビルディングについては宅地建物取引業法等の適用を受けております。現時点では、免許取消や業務停止等の処分を受けるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、こうした処分等を受けることとなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。②業務内容の制限等について証券金融会社は、金融商品取引法の定めにより、免許業務である貸借取引業務以外で運営可能な業務の範囲が制限されております。こうした規制は、証券市場のインフラである貸借取引業務の安定運営を目的としており、新規業務を起ち上げる際などにおいて必要な承認が得られない場合には、事業機会を逸失するなど、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③コンプライアンスに関するリスク当社は、コンプライアンスを企業経営の前提と位置づけ、コンプライアンス統括部を中心に当社全般のコンプライアンスを推進しております。役職員に対しては、投資家保護の意識を高め、公正かつ適切な業務運営を行うため、定期的にコンプライアンス研修を実施するほか、随時、業務に即した研修、指導を行うことにより、コンプライアンス意識の徹底を図っております。また、当社グループを取り巻く事業環境の様々な変化に対応すべく、既存業務の強化を図るとともに、新規業務の開始による収益源の多様化等に取組む中で、新たなコンプライアンス・リスクが生じる可能性も念頭に、グループ各社の役職員が参加する外部講師による講演会開催や研修など各種啓蒙活動の実施のほか、グループ各社間において情報および認識の共有を随時図ることを通じてコンプライアンス意識の徹底に取組んでおります。しかしながら、役職員の故意または過失によりコンプライアンス・リスクが顕在化した場合、または法人としてコンプライアンス・リスクが顕在化した場合は、取引先との信頼関係の低下や、損害賠償、行政処分等に直面するおそれがあります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④法令等の変更に伴うリスク当社グループに関連する、金融商品取引法、銀行法、信託業法、宅地建物取引業法等の法令・規則等が変更された場合には、市場環境の変化等を通じて直接的又は間接的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、具体的にどのような影響が発生し得るかについては、将来において決定される法令等の改正の内容によるため、現時点ではその内容等を予測することは困難であり、当社グループがコントロールしうるものではありません。 (2) 制度信用取引の動向に関するリスク①制度信用取引残高の変動に伴うリスク当社は、証券金融の専門機関として証券・金融市場の発展に貢献することを使命とし、当社基幹業務である貸借取引業務の強化と、当社グループが提供する金融・証券関連サービスの拡充・強化により、ビジネス基盤の一層の拡大に取組んでおります。こうした取組みにより当社収益基盤の多様化が着実に進む一方で、免許業務である貸借取引業務の重要性は依然として高く、株式市況の動向等の影響から、制度信用取引の主たる利用者である個人投資家の利用減少等により、制度信用取引残高・貸借取引残高が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。②運用スタイルの多様化に伴うリスク個人投資家の運用スタイルは多様化が進んでおり、株価指数や外国為替の先物取引や、信用取引の中でも自由度の高い一般信用取引の利用が増えています。当社では、一般信用取引向けに資金(一般信用ファイナンス)および株券(一般貸株)の貸付業務を展開しているほか、信用取引にかかる解説動画の作成等を通じて制度信用取引・貸借取引の普及活動に取り組んでおります。しかしながら、こうした地道な取り組みが必ずしも株式取引・信用取引・貸借取引の残高増加に直結するとは限らず、株式市場における取引高が縮小する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。2.事業運営上のリスク(1)市場リスク当社グループは資金を効率的に活用する観点から、ポートフォリオにおける運用資産の多様化・分散投資を推し進めております。このうち、国内外の債券については、各国中央銀行による金融政策の変更や各国財政政策に対する信認の低下等を要因に国債金利が急騰した場合などにおいて、想定以上の評価損や実現損が発生する可能性があります。同様に、外国為替市場において日本円が上昇した場合には、保有する外貨建て有価証券について評価損や実現損が発生する可能性があります。また、市場性のある株式を保有しており、株価の下落により保有株式に評価損等が発生する可能性があるほか、非上場投資信託等も保有しており、金融市場の混乱等により、市場において正常な取引ができなくなる場合や通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる可能性があります。当社グループでは、市況を注視するとともに適宜デリバティブ取引等によるヘッジオペレーションの実施等により市場リスクの低減に努めておりますが、突発的な市場の急変動等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)信用リスク当社の貸付業務では、信用リスクの顕在化に備え流動性の高い有価証券を担保として受入れています。さらに資産の健全性の維持・向上を図るため、保有資産について厳格な自己査定を実施しているほか、信用供与先については社内格付により信用リスクを評価するとともに、信用リスクについて計量化による管理やストレステストを実施するなど厳格な管理態勢を整備しています。また、子会社の日証金信託銀行においては銀行業務の一環として無担保貸付業務を行っておりますが、本邦政府向けが大宗を占めるなど信用リスクは限定的であるほか、厳格なリスク管理およびポートフォリオ管理を行っております。しかしながら、信用供与先の経営状況の急激な悪化に加え担保として受入れている有価証券の価格が想定を超えて下落した場合は、貸出債権を回収できない恐れがあり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)資金および有価証券調達に関するリスク①資金調達環境の悪化等によるリスク当社グループは主として、コールマネーやコマーシャル・ペーパー、銀行からの短期借入金等、比較的短期かつ低利の資金を調達することにより、業務を運営しております。また、外貨を含めた調達手段の多様化、安定した調達先の確保に努めるとともに、日証金信託銀行との緊密な連携を通じた連結ベースでの資金繰り管理を行うなど、厳格な流動性リスク管理を行っております。しかしながら、金融市場の混乱や短期金利の急激な上昇、当社グループの財務状況の悪化などにより、資金調達コストが上昇したり、取引制限を受ける可能性があり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。②格下げによるリスク当社の主要業務である貸借取引業務をはじめとする各種業務の運営に必要となる資金および有価証券を安定的に調達するためには、高い水準の格付けを維持することが求められます。しかしながら、財務状況の悪化など当社固有の要因に限らず、日本国債の格下げ等の影響により、当社格付が引き下げられた場合には、取引条件の悪化を余儀なくされたり、十分な資金および有価証券の確保が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4)自己資本にかかる規制に関するリスク当社は、貸借取引を核とするセキュリティ・ファイナンス業務の安定運営を確保する観点から、日本銀行のオペレーションや決済機構の参加資格を有しており、証券会社と同様に自己資本規制比率200%を維持することが求められております。また、連結子会社の日証金信託銀行についても、単体自己資本比率を2006年金融庁告示第19号に定められる国内基準である4%以上の水準を維持する必要があります。これら基準を下回った場合には、日銀オペレーション等の参加資格の全部または一部停止措置を受けることにより、当社業務の安定運営に支障が生じる可能性や、日証金信託銀行の業務の全部または一部の停止命令を受ける可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5)金融市場におけるテールリスクの発生2008年のリーマンショック発生時に連結ベースで最終赤字を計上した経験を踏まえ、当社による子会社の日証金信託銀行の日次モニタリングや定期的なミーティング開催などを通じてグループリスク管理の強化を推進しているほか、市況が急速に悪化した場合においても業務を安定して運営できるよう、充分な自己資本の維持に努めております。しかしながら、金融市場におけるテールリスクの発生を予見することは困難であり、そうしたリスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(6)オペレーショナルリスク①情報システムに関するリスク当社は証券市場のインフラとしての貸借取引業務の運営に必要なシステムを始め、様々な情報システムを利用しており、それらシステムの安定稼働に万全を期すべく、ネットワーク・機器類の二重化やメンテナンスの実施等によりシステム障害発生の未然防止に努めているほか、コンティンジェンシープランを策定し、障害発生時においても早期に復旧させる体制を構築しております。また、システム開発・運用を安全かつ効率的に行うため、作業手順を明確化するとともに監視体制を整備しています。これらの対策にもかかわらず不測の要因により業務継続に支障が生じる重大なシステム障害が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。②サイバーセキュリティに関するリスクデジタル技術の高度化が加速する中で、当社グループを取り巻くサイバーリスクが高まっていることを踏まえ、システム面での対応に加え、グループ各社とも連携しながらサイバーセキュリティ態勢の強化にも取組んでおります。しかしながら、高度化または巧妙化されたサイバー攻撃等により、想定外のシステム障害等が発生し、当社グループの業務継続に甚大な支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③情報漏洩リスク取引先の情報等の情報資産の保護については、さまざまなセキュリティ対策を整備するとともにその取扱いを役職員に周知徹底しています。しかしながら、人為的ミスや不正行為、サイバー攻撃を含む外部犯罪等によって重要な情報が漏洩した場合は、当社の信用力が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④自然災害等に関するリスク当社は、貸借取引業務を最重要業務として位置づけ、証券・金融市場のインフラを支える企業としての責務を果たすべく、大規模災害等が発生した場合においても、業務の継続や早期復旧を図るための業務継続体制を構築しており、大阪支社等を活用したデュアル・オペレーション体制やテレワークの推進などに取り組んでおります。また、子会社の日証金信託銀行では金融市場において定期的に開催される合同訓練に参加し、当社との連携確認の実施等に取組むとともに、当社大阪支社等を活用した業務継続体制の強化を進めております。同じく子会社の日本ビルディングにおいてもBCP対策委員会を設置し、所有・管理するビルの安全を確保する観点から、業務継続体制の強化に努めております。しかしながら、想定を大幅に上回る自然災害や停電、戦争、犯罪・テロの発生、各種感染症が流行した場合には、当社グループの業務運営に支障をきたすリスクがあり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。3.子会社・関連会社固有のリスク当社の子会社・関連会社では不動産業務、情報処理サービス業務の事業を展開しており、以下の様な事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(1)不動産業務不動産市況の悪化や空室率の上昇等により業績が悪化するリスクがあります。また、周辺地域において再開発が相次ぐなか、所有ビルの資産価値・競争力向上等の観点から、戦略的にビルの建替え等を実施することとなった場合には、一時的な費用の発生や、工期中に賃料収入等が減少する可能性があります。 (2)情報処理サービス業務当社の持分法適用関連会社2社は、情報処理サービス業務を営んでおります。取引先企業のシステム投資意欲が減退した場合や提供するシステムおよびサービスにおいて障害等が発生した場合には、当社グループの持分法投資損益に影響を及ぼすリスクがあります。4.事業戦略が奏功しないリスク当社は2023年11月6日に、「当社が目指す経営の長期的展望」を新たに策定するとともに、第7次中期経営計画(2023年度~2025年度)の経営目標を上方修正いたしました。当社は、今後とも証券・金融市場の参加者の取引ニーズに機動的かつ柔軟に対応し、市場の発展に貢献することを通じて、高い財務の健全性維持のもとで持続的な成長・企業価値向上に向けてグループ企業の総力を結集して取り組みます。また、今後も資本コストを意識しながら、着実な収益基盤の強化と資本効率の安定的かつ着実な向上に努め、ROEについては8%の水準を意識しながら、今後も着実な向上に向けて取り組んでいきます。しかしながら、国内外の経済・金融情勢の悪化、本邦における金利環境の変化等による事業環境の悪化などの影響により、現在取組んでいる各種戦略・施策等が功を奏しないリスクがあり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績の概況(金融経済環境)当年度の経済環境は、欧米各国の金融引締めの影響や中国経済の減速懸念などによる景気下振れリスクが意識されたものの、企業収益やインバウンド需要の改善を背景に回復基調で推移しました。株式市場についてみますと、期初28,188円で始まった日経平均株価(終値)は、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた上場企業の各種取組みへの期待感などから海外投資家の日本株への関心が高まり上昇基調で推移しました。2023年10月に入ると中東情勢の緊迫化により一旦は軟調な展開となりましたが、2023年11月以降は米国の利上げ打ち止め観測や好調な企業業績を背景に再び上昇基調で推移し、年が明けるとこうした動きが一段と加速したことから2024年2月22日には日経平均株価が39,098円となり34年ぶりに過去最高値を更新しました。その後、日銀のマイナス金利政策が解除されましたが、緩和的な金融環境の継続が確認されたことから市場に安心感が広がり、2024年3月22日には当年度の最高値となる40,888円まで上昇し、期末は40,369円で取引を終えました。この期間における東京市場等(東証、名証及びPTS)の制度信用取引買い残高をみますと、期初2兆1,700億円台から株価の上昇につれて利益確定売りなどにより漸減し、2023年5月19日には当年度のボトムとなる1兆9,600億円台まで減少しました。その後は株価の先高期待から増加基調で推移し、2024年3月15日に2兆8,400億円台と当年度のピークとなり、期末は2兆7,000億円台となりました。一方、制度信用取引売り残高は、期初5,300億円台から2023年5月19日には当年度のピークとなる7,800億円台まで増加したものの、その後は減少傾向となり2023年10月6日には当年度のボトムとなる5,100億円台となりました。その後は株価の上昇につれて再び増加し、期末は6,900億円台となりました。 (2023年度(2024年3月期)決算)このような市場環境の下、2023年度の当社グループの業績は、貸借取引残高が融資、貸株ともに増加したこと、また債券レポ・現先取引および株券レポ取引等を中心にセキュリティ・ファイナンス業務が引き続き好調であったことなどから、連結営業収益は50,008百万円(前期比17.6%増)、連結営業利益は9,928百万円(同56.2%増)、連結経常利益は11,024百万円(同45.0%増)といずれも増益となりました。また、前期に計上した退職金制度変更に伴う特別利益が剥落しましたが親会社株主に帰属する当期純利益は8,030百万円(同34.6%増)と増益となりました。当年度における各セグメントの営業概況は以下のとおりです。①証券金融業証券金融業務における営業収益は46,049百万円(前期比19.3%増)となりました。業務別の営業収益をみますと、貸借取引業務における営業収益は11,581百万円(同44.7%増)となりました。貸借取引融資残高が期中平均で2,869億円と前期比322億円増加、同貸株残高は期中平均で2,524億円と前期比634億円増加といずれも増加したことにより、貸付金利息、貸株料ともに増収となりました。セキュリティ・ファイナンス業務における営業収益は28,360百万円(同29.2%増)となりました。このうち、債券レポ・現先取引(24,593百万円、同29.9%増)は国債需給の逼迫により取引ニーズが引き続き旺盛であったことから残高が過去最高を更新し、大幅増収となりました。株券レポ取引等(1,799百万円、同17.6%増)は引き続き残高が高水準で推移したことから増収となりました。一般貸株(1,083百万円、同35.6%増)および一般信用ファイナンス(250百万円、同67.8%増)は株式市況の活況を受けて残高が増加したことにより増収となりました。リテール向け貸付(633百万円、同16.3%増)は株式市況が活況であったことに加え、商品性の改善が奏功して残高が増加したことにより増収となりました。その他の収益は6,107百万円(同29.3%減)となりました。これは、貸借取引業務やセキュリティ・ファイナンス業務のための流動性の確保と収益基盤の強化の観点から行っている有価証券運用業務において、前期に実施したポートフォリオの入替に伴う保有国債等の売却益が剥落したことにより減収となったものですが、あわせて保有外国債の売却損も剥落したため営業費用も減少しております。②信託銀行業信託銀行業務における営業収益は3,127百万円(同0.4%増)となりました。管理型信託サービスなどによる信託報酬が引き続き堅調となりました。③不動産賃貸業不動産賃貸業務における営業収益は831百万円(同2.9%増)となりました。 (2) 財政状態に関する分析《当社グループの資産、負債、キャッシュ・フローの特徴》資産は、日々変動する貸借取引貸付(営業貸付金)および日銀当座預金への預け金(現金及び預金)、有価証券を調達する際に差し入れる担保金(借入有価証券代り金、買現先勘定)、資金の効率的な活用を目的として保有する有価証券が大宗を占めます。負債は、変動する資産に合わせてコールマネーやコマーシャル・ペーパーといった日々調整が可能な市場性調達のほか、有価証券を貸し付ける際に受け入れる担保金(貸付有価証券代り金、売現先勘定)が中心となります。なお、近年注力してきましたセキュリティ・ファイナンス業務の中でも債券レポ・現先取引は、取引ロットが大きいことから業務の成長に伴いその残高が大きく増加しています。当該取引は貸し手と借り手のニーズをマッチングさせる仲介取引であることから、当社の貸借対照表上、資産(借入有価証券代り金、買現先勘定)、負債(貸付有価証券代り金、売現先勘定)が両建てで計上されます。ただし、当該取引では、取引対象債券の担保として債券時価相当額の現金を受払し、取引期間中は日々時価評価を行い、マージンコール(現金担保と債券時価額との差額を受払すること)を適切に実施することでエクスポージャーを抑制しています。また、取引先の殆どが信用度の比較的高い金融機関もしくは中央清算機関による債務引受の対象となっております。こうしたリスクコントロールによって、エクスポージャーと信用リスクの増加を適切に抑えています。その他のセキュリティ・ファイナンス業務についても、債券レポ・現先取引と同様のリスクコントロール手段に加え、取引対象株式のボラティリティや市場流動性等に応じて適切なヘアカット(掛目)を設定し、エクスポージャーの拡大を抑制しています。また、当社は統合リスク管理の枠組みのもと、日次で信用リスク量を計量し、当社の経営体力を踏まえて設定したリスク資本の枠内に収まるように管理しています。さらに取引先別にストレス時を想定したエクスポージャーが一定の限度内に収まっていることを日次でモニタリングし、特定の取引先への過度なエクスポージャーの発生を抑えています。キャッシュ・フローは、主に上記の資産・負債の変動によるもののほか、配当金の支払および自己株式取得・処分等により発生するものが中心となります。なお、資産における現金及び預金は、負債における日証金信託銀行の信託勘定における待機資金の状況やグループ全体の資金繰りの状況等により大きく増減することがあります。また、現時点では重要な資本的支出の予定はありません。 ①資産、負債および純資産の状況資産合計額は13兆7,447億円(前連結会計年度末比3,114億円減)、負債合計額は13兆6,001億円(同3,203億円減)、純資産合計額は1,446億円(同88億円増)となりました。 ○資産現金及び預金…日銀当座預金への預け金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて3,793億円増加しました。営業貸付金…貸借取引貸付金の期末残高の増加により、前連結会計年度末に比べて1,030億円増加しました。買現先勘定…債券現先取引の増加により、前連結会計年度末に比べて1兆1,922億円増加しました。借入有価証券代り金…債券レポ取引の期末残高の減少などにより、前連結会計年度末に比べて1兆7,167億円減少しました。○負債コールマネーおよびコマーシャル・ペーパー…資産サイドの貸付金等の変動に合わせ機動的な資金調達を行った結果、前連結会計年度末に比べてそれぞれ3,256億円の減少、1,380億円の増加となりました。売現先勘定…債券現先取引の増加により、前連結会計年度末に比べて1兆1,675億円増加しました。貸付有価証券代り金…債券レポ取引の期末残高の減少などにより、前連結会計年度末に比べて1兆3,113億円減少しました。信託勘定借…日証金信託銀行の信託勘定における待機資金の減少に伴い、前連結会計年度末に比べて1,312億円減少しました。○純資産株主資本…親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べて14億円増加しました。その他の包括利益累計額…保有する有価証券等の価格変動等に伴うその他有価証券評価差額金および繰延ヘッジ損益が改善した結果、前連結会計年度末に比べて74億円増加しました。 ②キャッシュ・フローの状況当期末における現金及び現金同等物は1兆9,776億円(前連結会計年度末比3,813億円増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。○営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、3,834億円の流入超(前連結会計年度3,035億円の流入超)となりました。これは、保有国債の売却等により収入が増加したことによるものです。○投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、45億円の流入超(前連結会計年度34億円の流入超)となりました。これは、投資有価証券の売却等によるものです。○財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、66億円の流出超(前連結会計年度57億円の流出超)となりました。これは、配当金支払いおよび自己株式の取得のための支出によるものです。 (3) 当社グループ業務別営業収益の状況 前連結会計年度(通期) (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 当連結会計年度(通期) (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)増 減 金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)比率(%)証券金融業38,59490.846,04992.17,45419.3 貸借取引業務8,00318.811,58123.23,57744.7 貸借取引貸付金利息1,6193.81,8313.721213.1 借入有価証券代り金利息5651.38441.727949.4 有価証券貸付料(品貸料)4,71111.17,50815.02,79659.4 有価証券貸付料(貸株料)8081.91,0802.227233.7 セキュリティ・ファイナンス業務21,95251.628,36056.76,40829.2 一般信用ファイナンス1490.42500.510167.8 株券レポ取引等1,5293.61,7993.626917.6 リテール向け5441.36331.38816.3 一般貸株7991.91,0832.228435.6 債券レポ・現先取引18,92944.524,59349.25,66429.9 その他8,63820.36,10712.2△2,531△29.3信託銀行業3,1157.33,1276.3120.4 貸付金利息320.1360.1311.2 信託報酬1,3473.21,5303.118313.6 その他1,7344.11,5603.1△174△10.1不動産賃貸業8081.98311.7232.9合計42,518100.050,008100.07,48917.6 (4) 当社グループ貸付金の状況(平均残高) 前連結会計年度(通期) (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 当連結会計年度(通期) (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)増 減 (億円)(億円)(億円)貸借取引貸付金(融資)2,5472,869322貸借取引貸付有価証券(貸株)1,8892,524634セキュリティ・ファイナンス114,739129,76815,028 一般信用ファイナンス188347158 株券レポ取引等6,9777,753775 リテール向け16720436 一般貸株6331,210577 債券レポ・現先取引106,772120,25313,480信託銀行貸付金5,3995,913514 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当該事項につきましては、(1)経営成績の概況をご参照ください。②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当該事項につきましては、 (2)財政状態に関する分析をご参照ください。③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発費の金額は6百万円です。これは、当社貸借取引業務運営における情報収集の効率化・高度化にかかる共同研究に関連するものです。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社グループでは、総額140百万円の設備投資等を行いました。 設備投資等のうち有形固定資産は78百万円、無形固定資産は62百万円であり、主に、当社基幹システムの改修によるものであります。セグメント別の内訳は下記のとおりです。セグメントの名称設備投資額(百万円)証券金融業101信託銀行業18不動産賃貸業20合計140 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループ(当社および連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。(1) 提出会社 2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物土地(面積㎡)リース資産ソフトウエアその他合計本店(東京都中央区)証券金融業本社機能営業業務564830-4414222,259202(537)[4]大阪支社(大阪市西区)証券金融業営業業務2---257(-)[2] (注)1 帳簿価額のうち「その他」は器具、備品および施設利用権等の合計(建設仮勘定は除く)です。また、「ソフトウェア」はソフトウェア仮勘定を除いています。 2 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除く)であり、執行役員を含んでおりません。また、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、派遣社員及びパートタイマーが含まれています。 (2) 国内子会社 2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物土地(面積㎡)リース資産ソフトウエアその他合計日証金信託銀行株式会社本社(東京都中央区)信託銀行業本社機能営業業務29--2182427243(-)[1]日本ビルディング株式会社本社他(注)2、3(東京都中央区他)不動産賃貸業本社機能営業業務1,3621,932--173,31316(4,091)[-] (注)1 帳簿価額のうち「その他」は器具、備品および施設利用権の合計(建設仮勘定は除く)です。また、「ソフトウェア」はソフトウェア仮勘定を除いています。 2 東京都中央区および千代田区所在の賃貸物件を含めて記載しております。 3 貸与中の建物681百万円を含んでおり、持分法適用関連会社であるジェイエスフィット株式会社他に貸与されています。 4 従業員数は就業人員数(各子会社から社外への出向者を除く)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、派遣社員およびパートタイマーが含まれています。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 140,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 21 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 9,572,654 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方・当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、取引関係の強化等の目的において、必要と判断する企業の株式を政策保有します。・また、配当等の投資効率の観点から、有効な資金運用であると判断する株式を純投資目的で保有します。② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容・政策保有株式については、配当や評価損益の状況および投資先企業との取引の状況や保有の経緯、株式保有によってもたらされる効果等について検証し、検証の結果、政策保有する必要が乏しい株式については縮減を進めます。・政策保有株式の保有状況を取締役会に報告し、全ての政策保有株式の保有の適否について検証した結果、全て保有する合理性を有していると判断しました。b.銘柄及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式71,817,588,241非上場株式以外の株式21,996,733 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(千円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注2)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)㈱みずほフィナンシャルグループ546,925546,925安定的な資金調達、レポ取引等のセキュリティファイナンス業務の拡大およびコーポレートガバナンスの向上(株式報酬制度の導入等)などの観点から、同社の主要子会社(銀行、証券、信託)との取引関係を強化することを目的とした保有。無(注3)1,665,9331,027,125三井住友トラスト・ホールディングス㈱100,00050,000安定的な資金調達、貸株取引等の拡大などの観点から、同社の主要子会社(信託銀行)との取引関係の強化および同社のグループ会社である日本証券代行㈱の株主として、同社と連携を図ることを目的とした保有。 無(注3)330,800227,050(注)1 みなし保有株式については、保有していないため記載しておりません。2 定量的な保有効果については算定が困難なため記載しておりませんが、投資効率や中長期的な経済合理性等について2024年2月開催の取締役会において検証しました。具体的には、配当・評価損益・価格変動リスクの状況および投資先企業との取引の状況や保有の経緯、株式保有によってもたらされる効果等について検証し、適切であることを確認いたしました。3 保有先企業は当社株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しております。4 三井住友トラスト・ホールディングス株式会社は、2024 年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式22,25322,253非上場株式以外の株式617,169,90368,603,816 区分当事業年度受取配当金の合計額(千円)売却損益の合計額(千円)評価損益の合計額(千円)非上場株式80-(注)非上場株式以外の株式303,863-14,562,647(注)非上場株式については、市場価格がないため、「評価損益の合計額」は記載しておりません。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 6 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 7 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,817,588,241,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,996,733,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 100,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 330,800,000 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 17,169,903,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 303,863,000 |
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 14,562,647,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 三井住友トラスト・ホールディングス㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 安定的な資金調達、貸株取引等の拡大などの観点から、同社の主要子会社(信託銀行)との取引関係の強化および同社のグループ会社である日本証券代行㈱の株主として、同社と連携を図ることを目的とした保有。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無(注3) |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) THE SFP VALUE REALIZATION MASTER FUND LTD.(常任代理人 立花証券株式会社)P.O BOX 309 UGLAND HOUSE, GEORGE TOWN, GRAND CAYMAN KY 1-1104, CAYMAN ISLANDS(東京都中央区日本橋茅場町1-13-14)13,40615.81 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1-8-19,36511.05 THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SPECIAL OMNIBUS SECS LENDING ACCOUNT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)WOOLGATE HOUSE,COLEMAN STREET LONDON EC2P 2HD, ENGLAND(東京都港区港南2-15-1)4,8215.68 公益財団法人資本市場振興財団東京都中央区日本橋茅場町1-2-44,6545.49 株式会社みずほ銀行東京都千代田区大手町1-5-53,5364.17INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE NEXUS WAY, CAMANA BAY GRAND CAYMAN KY1-9005, CAYMAN ISLANDS(東京都港区港南2-15-1)2,6403.11 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1-8-122,3882.81STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.(東京都港区港南2-15-1)1,6061.89 BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENT(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NEW YORK 10286 U.S.A.(東京都千代田区丸の内2-7-1)1,5751.85 日本証券代行株式会社東京都中央区日本橋茅場町1-2-41,4601.72計-45,45553.63 (注)1 上記のほか、自己株式が3,245千株あります。2 2021年12月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、 株式会社みずほ銀行他2名の共同保有者が2021年11月30日現在で以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、 株式会社みずほ銀行を除き、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社みずほ銀行東京都千代田区大手町1-5-53,5363.68みずほ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内1-3-31,0771.12アセットマネジメントOne株式会社東京都千代田区丸の内1-8-22,1042.19計-6,7187.003 2023年1月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社他2名の共同保有者が2022年12月30日現在で以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、 日本証券代行株式会社を除き、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社東京都港区芝公園1-1-12,5612.67日興アセットマネジメント株式会社東京都港区赤坂9-7-11,1061.15 日本証券代行株式会社東京都中央区日本橋茅場町1-2-41,4601.52計-5,1285.344 2023年4月27日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズ(シンガポール)ピーティーイー・リミテッドが2023年4月20日現在で以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)シンフォニー・フィナンシャル・パートナーズ(シンガポール)ピーティーイー・リミテッドシンガポール 048624、UOBプラザ #24-21、ラッフルズ・プレイス8020,31323.08計-20,31323.08 5 2024年2月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社ストラテジックキャピタルが2024年1月29日現在で以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)株式会社ストラテジックキャピタル東京都渋谷区東3-14-153,4863.96計-3,4863.96 |
株主数-金融機関 | 25 |
株主数-金融商品取引業者 | 48 |
株主数-外国法人等-個人 | 4 |
連結株主資本等変動計算書 | ③【連結株主資本等変動計算書】 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高10,0008,878115,521△4,680129,719当期変動額 剰余金の配当 △2,786 △2,786親会社株主に帰属する当期純利益 5,966 5,966自己株式の取得 △3,000△3,000自己株式の処分 2626株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計--3,180△2,974206当期末残高10,0008,878118,702△7,655129,925 その他の包括利益累計額純資産合計 その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益土地再評価差額金退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高9,920△1,9671681568,277137,996当期変動額 剰余金の配当 △2,786親会社株主に帰属する当期純利益 5,966自己株式の取得 △3,000自己株式の処分 26株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△14,22011,749-△4△2,474△2,474当期変動額合計△14,22011,749-△4△2,474△2,268当期末残高△4,3009,7821681525,802135,728 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高10,0008,878118,702△7,655129,925当期変動額 剰余金の配当 △2,870 △2,870親会社株主に帰属する当期純利益 8,030 8,030自己株式の取得 △3,802△3,802自己株式の処分 9 7787自己株式の消却 △6,532 6,532-利益剰余金から資本剰余金への振替 2,825△2,825 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-△3,6972,3342,8071,444当期末残高10,0005,181121,036△4,847131,369 その他の包括利益累計額純資産合計 その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益土地再評価差額金退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高△4,3009,7821681525,802135,728当期変動額 剰余金の配当 △2,870親会社株主に帰属する当期純利益 8,030自己株式の取得 △3,802自己株式の処分 87自己株式の消却 -利益剰余金から資本剰余金への振替 -株主資本以外の項目の当期変動額(純額)5,515587-1,3317,4347,434当期変動額合計5,515587-1,3317,4348,878当期末残高1,21410,3691681,48413,236144,606 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 179 |
株主数-個人その他 | 8,445 |
株主数-その他の法人 | 75 |
株主数-計 | 8,776 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 日本証券代行株式会社 |
株主総利回り | 3 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式2,1672,877,749当期間における取得自己株式170273,827(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -3,802,000,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -3,802,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(千株)当連結会計年度増加株式数(千株)当連結会計年度減少株式数(千株)当連結会計年度末株式数(千株)発行済株式 普通株式(注)196,000-8,00088,000 合計96,000-8,00088,000自己株式 普通株式(注)2,3,49,8032,5238,1274,199 合計9,8032,5238,1274,199(注)1 普通株式の発行済株式総数の減少8,000千株は、自己株式の消却による減少であります。2 普通株式の自己株式の株式数には、「株式給付信託(BBT)」が保有する当社株式(当連結会計年度期首1,022千株、当連結会計年度末943千株)が含まれております。3 普通株式の自己株式の株式数の増加は、自己株式の取得2,521千株及び単元未満株式の買取り2千株による増加であります。4 普通株式の自己株式の株式数の減少は、自己株式の消却8,000千株、「株式給付信託(BBT)」から対象者への給付79千株、日証金従業員持株会への第三者割当による自己株式処分48千株及び単元未満株式の売渡し0千株による減少であります。 |
Audit
監査法人1、連結 | 東陽監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書2024年6月27日日本証券金融株式会社 取締役会 御中 東陽監査法人 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士辻村 茂樹 指定社員業務執行社員 公認会計士猿渡 裕子 指定社員業務執行社員 公認会計士水戸 信之 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている日本証券金融株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、日本証券金融株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ヘッジ会計の有効性に関する評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 日本証券金融株式会社(以下、「日本証券金融」という。)は2024年3月31日現在、連結貸借対照表上有価証券185,801百万円、投資有価証券583,146百万円の運用資産を保有している。これらの有価証券は、金利、為替及びその他様々なリスクにさらされているため、外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールの下、機動的にポートフォリオの見直しを実施することで有価証券運用による安定した収益の獲得を図っている。また、市況を注視するとともに適宜デリバティブ取引等によるヘッジオペレーションの実施等により市場リスクの低減に努めている。 また、【注記事項】 (デリバティブ取引関係)で記載されているように、当該リスクをヘッジするため多様なヘッジ手段を用いたヘッジ会計を適用している。デリバティブ取引のうちヘッジ会計が適用されるものは、為替予約取引、金利スワップ取引、債券先物取引及び株価指数先物取引等と多岐にわたり、ヘッジ手段の多様化が進展してきている。 日本証券金融は、証券金融の専門機関であり証券市場におけるインフラとしての機能を有することから、直面する様々なリスクに対しヘッジ会計を適用することにより財務の健全性及び高い信用力を維持する要請が高く、定性的にもヘッジ会計の有効性を評価する重要性が高いといえる。 経営者が定めたリスク管理方針のもと、金利、為替及び株価指数等多くのインプットを使用した高度なスキームにより多様なヘッジ取引が組成されており、これらは経営者による判断に依存する程度が高い。また、ヘッジ会計を適用するには「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)、及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に従って判定されヘッジ会計の有効性の要件を充足する必要があるが、適用されるケースも多岐にわたり複雑である。その判定には、市場や評価方法に関する慎重な判断が必要とされる。 以上から、当監査法人は、ヘッジ会計の有効性の評価は当連結会計年度の連結財務諸表において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ヘッジ会計の有効性を評価するにあたり、「金融商品に関する会計基準」及び「金融商品会計に関する実務指針」をふまえ、主に下記の監査手続を実施した。 (1)ヘッジ取引に関するリスク管理方針及び内部統制の整備及び運用状況について評価するため、国内外の経済・金融情勢を踏まえ経営者と議論するとともに、取締役会及び経営会議等の議事録を閲覧することで、会社の検討結果を評価した。 (2)ヘッジ取組開始時には、主に下記の点に焦点をあてヘッジ会計の有効性を評価した。・ヘッジ取組の態様に応じたリスク管理方針等への準拠性・ヘッジ手段、ヘッジ対象及びヘッジ会計の有効性の判定方法に関する文書化、社内での承認に対する評価・ヘッジ対象とヘッジ手段間の相関関係の評価による、ヘッジ会計の適用の可否に関する検討 (3)ヘッジ取引開始時以降の定期的な対応により、主に下記の点に焦点をあて継続してヘッジ会計の高い有効性が保たれているかを評価した。・ヘッジ取引開始時に定められた同一の方法に従って、「金融商品会計に関する実務指針」に準拠して6ヶ月に1回の有効性が判定され、文書化されているかの検討・ヘッジ会計の有効性の判定で使用された金利等インプットの識別、利用可能な外部情報との比較による検討・ヘッジ対象とヘッジ手段間の相関関係の評価によるヘッジ会計の有効性の検討 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、日本証券金融株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、日本証券金融株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 ヘッジ会計の有効性に関する評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 日本証券金融株式会社(以下、「日本証券金融」という。)は2024年3月31日現在、連結貸借対照表上有価証券185,801百万円、投資有価証券583,146百万円の運用資産を保有している。これらの有価証券は、金利、為替及びその他様々なリスクにさらされているため、外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールの下、機動的にポートフォリオの見直しを実施することで有価証券運用による安定した収益の獲得を図っている。また、市況を注視するとともに適宜デリバティブ取引等によるヘッジオペレーションの実施等により市場リスクの低減に努めている。 また、【注記事項】 (デリバティブ取引関係)で記載されているように、当該リスクをヘッジするため多様なヘッジ手段を用いたヘッジ会計を適用している。デリバティブ取引のうちヘッジ会計が適用されるものは、為替予約取引、金利スワップ取引、債券先物取引及び株価指数先物取引等と多岐にわたり、ヘッジ手段の多様化が進展してきている。 日本証券金融は、証券金融の専門機関であり証券市場におけるインフラとしての機能を有することから、直面する様々なリスクに対しヘッジ会計を適用することにより財務の健全性及び高い信用力を維持する要請が高く、定性的にもヘッジ会計の有効性を評価する重要性が高いといえる。 経営者が定めたリスク管理方針のもと、金利、為替及び株価指数等多くのインプットを使用した高度なスキームにより多様なヘッジ取引が組成されており、これらは経営者による判断に依存する程度が高い。また、ヘッジ会計を適用するには「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)、及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に従って判定されヘッジ会計の有効性の要件を充足する必要があるが、適用されるケースも多岐にわたり複雑である。その判定には、市場や評価方法に関する慎重な判断が必要とされる。 以上から、当監査法人は、ヘッジ会計の有効性の評価は当連結会計年度の連結財務諸表において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、ヘッジ会計の有効性を評価するにあたり、「金融商品に関する会計基準」及び「金融商品会計に関する実務指針」をふまえ、主に下記の監査手続を実施した。 (1)ヘッジ取引に関するリスク管理方針及び内部統制の整備及び運用状況について評価するため、国内外の経済・金融情勢を踏まえ経営者と議論するとともに、取締役会及び経営会議等の議事録を閲覧することで、会社の検討結果を評価した。 (2)ヘッジ取組開始時には、主に下記の点に焦点をあてヘッジ会計の有効性を評価した。・ヘッジ取組の態様に応じたリスク管理方針等への準拠性・ヘッジ手段、ヘッジ対象及びヘッジ会計の有効性の判定方法に関する文書化、社内での承認に対する評価・ヘッジ対象とヘッジ手段間の相関関係の評価による、ヘッジ会計の適用の可否に関する検討 (3)ヘッジ取引開始時以降の定期的な対応により、主に下記の点に焦点をあて継続してヘッジ会計の高い有効性が保たれているかを評価した。・ヘッジ取引開始時に定められた同一の方法に従って、「金融商品会計に関する実務指針」に準拠して6ヶ月に1回の有効性が判定され、文書化されているかの検討・ヘッジ会計の有効性の判定で使用された金利等インプットの識別、利用可能な外部情報との比較による検討・ヘッジ対象とヘッジ手段間の相関関係の評価によるヘッジ会計の有効性の検討 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | ヘッジ会計の有効性に関する評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 日本証券金融株式会社(以下、「日本証券金融」という。)は2024年3月31日現在、連結貸借対照表上有価証券185,801百万円、投資有価証券583,146百万円の運用資産を保有している。これらの有価証券は、金利、為替及びその他様々なリスクにさらされているため、外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールの下、機動的にポートフォリオの見直しを実施することで有価証券運用による安定した収益の獲得を図っている。また、市況を注視するとともに適宜デリバティブ取引等によるヘッジオペレーションの実施等により市場リスクの低減に努めている。 また、【注記事項】 (デリバティブ取引関係)で記載されているように、当該リスクをヘッジするため多様なヘッジ手段を用いたヘッジ会計を適用している。デリバティブ取引のうちヘッジ会計が適用されるものは、為替予約取引、金利スワップ取引、債券先物取引及び株価指数先物取引等と多岐にわたり、ヘッジ手段の多様化が進展してきている。 日本証券金融は、証券金融の専門機関であり証券市場におけるインフラとしての機能を有することから、直面する様々なリスクに対しヘッジ会計を適用することにより財務の健全性及び高い信用力を維持する要請が高く、定性的にもヘッジ会計の有効性を評価する重要性が高いといえる。 経営者が定めたリスク管理方針のもと、金利、為替及び株価指数等多くのインプットを使用した高度なスキームにより多様なヘッジ取引が組成されており、これらは経営者による判断に依存する程度が高い。また、ヘッジ会計を適用するには「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)、及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号)に従って判定されヘッジ会計の有効性の要件を充足する必要があるが、適用されるケースも多岐にわたり複雑である。その判定には、市場や評価方法に関する慎重な判断が必要とされる。 以上から、当監査法人は、ヘッジ会計の有効性の評価は当連結会計年度の連結財務諸表において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 (デリバティブ取引関係) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、ヘッジ会計の有効性を評価するにあたり、「金融商品に関する会計基準」及び「金融商品会計に関する実務指針」をふまえ、主に下記の監査手続を実施した。 (1)ヘッジ取引に関するリスク管理方針及び内部統制の整備及び運用状況について評価するため、国内外の経済・金融情勢を踏まえ経営者と議論するとともに、取締役会及び経営会議等の議事録を閲覧することで、会社の検討結果を評価した。 (2)ヘッジ取組開始時には、主に下記の点に焦点をあてヘッジ会計の有効性を評価した。・ヘッジ取組の態様に応じたリスク管理方針等への準拠性・ヘッジ手段、ヘッジ対象及びヘッジ会計の有効性の判定方法に関する文書化、社内での承認に対する評価・ヘッジ対象とヘッジ手段間の相関関係の評価による、ヘッジ会計の適用の可否に関する検討 (3)ヘッジ取引開始時以降の定期的な対応により、主に下記の点に焦点をあて継続してヘッジ会計の高い有効性が保たれているかを評価した。・ヘッジ取引開始時に定められた同一の方法に従って、「金融商品会計に関する実務指針」に準拠して6ヶ月に1回の有効性が判定され、文書化されているかの検討・ヘッジ会計の有効性の判定で使用された金利等インプットの識別、利用可能な外部情報との比較による検討・ヘッジ対象とヘッジ手段間の相関関係の評価によるヘッジ会計の有効性の検討 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 東陽監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書2024年6月27日日本証券金融株式会社 取締役会 御中 東陽監査法人 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士辻村 茂樹 指定社員業務執行社員 公認会計士猿渡 裕子 指定社員業務執行社員 公認会計士水戸 信之 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている日本証券金融株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第114期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、日本証券金融株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。1.ヘッジ会計の有効性に関する評価 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(ヘッジ会計の有効性に関する評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。1.ヘッジ会計の有効性に関する評価 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(ヘッジ会計の有効性に関する評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | ヘッジ会計の有効性に関する評価 |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(ヘッジ会計の有効性に関する評価)と同一内容であるため、記載を省略している。 |