財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-06-27
英訳名、表紙Asahi Diamond Industrial Co., Ltd.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 片 岡 和 喜
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区紀尾井町4番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-3222-6311(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
1937年10月ダイヤモンド工具の製造・販売を目的として、東京都大田区に旭ダイヤモンド工業株式会社を設立。1944年1月三重県上野市(現伊賀市)に上野工場(旧三重工場)が完成。1945年12月商号を旭工芸株式会社に変更し、七宝工芸品の生産を開始。1950年5月本社を東京都中央区に移転。1952年5月商号を旭ダイヤモンド工業株式会社に変更し、ダイヤモンド工具の本格的生産を開始。1959年7月旭電線株式会社を吸収合併。1963年3月旭ダイヤモンド商事株式会社を吸収合併。1965年9月川崎市高津区に玉川工場が完成。1966年4月旭トレイディング株式会社を吸収合併。1972年9月サンダイヤモンド工業株式会社(現山梨旭ダイヤモンド工業株式会社)(現連結子会社)に経営参加。1972年10月東京証券取引所市場第二部に上場。1978年5月韓国に合弁会社新韓ダイヤモンド工業株式会社(現持分法適用関連会社)を設立。1978年9月東京証券取引所市場第一部銘柄に指定。1984年8月三重県上野市(現伊賀市)に三重第二工場が完成。1989年3月千葉県市原市に千葉鶴舞工場・技術研究所が完成。1991年7月現在地に本社を移転。1993年12月トリファスフランス(現旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSAS)(現連結子会社)、トリファスオーストラリア(現旭ダイヤモンドインダストリアルオーストラリアPty.,Ltd.)(現連結子会社)の全株式を取得。1995年11月台湾鑽石工業股份有限公司(現連結子会社)の株式を追加取得。(1968年5月に合弁会社として設立)1999年3月千葉県長生郡長南町に千葉第二工場が完成。2002年7月P.T.旭ダイヤモンドインダストリアルインドネシア(現連結子会社)の全株式を取得。2002年7月米国に旭ダイヤモンドアメリカ,Inc.(現連結子会社)を設立。2002年7月中国に上海旭匯金剛石工業有限公司(現連結子会社)を設立。2006年6月三重県伊賀市に旧三重工場と三重第二工場を統合した現三重工場が完成。2011年12月旭ダイヤモンドタイランドCO.,LTD.(現連結子会社)の株式を追加取得。2013年7月砥石の製造・販売を行う株式会社是村(現是村旭ダイヤモンド工業株式会社)(現連結子会社)の全株式を取得。2015年1月ドイツに旭ダイヤモンドインダストリアルドイツGmbH(現連結子会社)を設立。2015年7月スウェーデンに旭ダイヤモンドインダストリアルスカンジナビアAB(現連結子会社)を設立。2015年7月マレーシアに旭ダイヤモンドインダストリアルマレーシアSDN.BHD.(現連結子会社)を設立。2015年8月メキシコに旭ダイヤモンドデメキシコ,S.A.デC.V.(現連結子会社)を設立。2020年7月千葉県袖ケ浦市に千葉工場が完成。2021年2月川崎市高津区に技術開発センターを設置。2021年8月埼玉県北本市に北関東支店を開設。2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。2023年7月ベトナムに旭ダイヤモンドベトナムCO.,LTD.(現連結子会社)を設立。2023年8月旭ダイヤモンドインダストリアルインディアPVT.LTD.(現連結子会社)の全株式を取得。
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、主に電子・半導体業界、輸送機器業界、機械業界、石材・建設業界向けに、ダイヤモンド工具(CBN工具及び砥石を含む)の製造・販売を行っている単一セグメントであります。 当社グループのこれらダイヤモンド工具事業における位置付けは、次の通りであります。なお、是村旭ダイヤモンド工業株式会社、海外の製造販売子会社、海外の販売子会社、海外の関連会社は、当社グループより製品供給を受けております。 (国内会社)当社は、主に日本、アジア・オセアニア、欧州、北米地域へ販売しております。 山梨旭ダイヤモンド工業株式会社は、当社へ製品を供給しております。 是村旭ダイヤモンド工業株式会社は、主に日本及びアジア・オセアニア地域へ販売しております。 (海外の製造販売子会社)旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSASは、主に欧州地域へ販売しております。 台湾鑽石工業股份有限公司は、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。 上海旭匯金剛石工業有限公司は、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。 P.T.旭ダイヤモンドインダストリアルインドネシアは、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。 旭ダイヤモンドタイランドCO.,LTD.は、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。 (海外の販売子会社)旭ダイヤモンドアメリカ,Inc.は、主に北米地域へ販売しております。旭ダイヤモンドデメキシコ,S.A.デC.V.は、主に中米地域へ販売しております。旭ダイヤモンドインダストリアルドイツGmbHは、主に欧州地域へ販売しております。 旭ダイヤモンドインダストリアルスカンジナビアABは、主に欧州地域へ販売しております。 旭ダイヤモンドインダストリアルオーストラリアPty.,Ltd.は、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。 旭ダイヤモンドインダストリアルマレーシアSDN.BHD.は、当社のアジア・オセアニア地域の顧客への販売サポート業務を行っております。旭ダイヤモンドインダストリアルインディアPVT.LTD.は、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。旭ダイヤモンドベトナムCO.,LTD.は、当社のアジア・オセアニア地域の顧客への販売サポート業務を行っております。 (海外の関連会社)関連会社である新韓ダイヤモンド工業株式会社は、主にアジア・オセアニア地域へ販売しております。 事業の系統図は次の通りであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任等(人)営業上の取引資金援助設備の賃貸借役員執行役員従業員(連結子会社) 山梨旭ダイヤモンド工業株式会社
(注)2山梨県韮崎市千円48,000100.0―――製品の購入及び材料の購入・販売資金の貸付土地の賃貸是村旭ダイヤモンド工業株式会社 千葉県市原市千円13,000100.0――1製品の販売・購入及び材料の購入―建物の賃貸旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSASフランスウール・エ・ロワール県千EUR830100.01―1製品の販売・購入及び材料の販売資金の貸付及び債務保証なし旭ダイヤモンドインダストリアルドイツGmbHドイツドルトムント市千EUR25100.0――1製品の販売資金の貸付なし台湾鑽石工業股份有限公司
(注)2台湾桃園市千NT$155,22169.131―製品及び材料の販売・購入―なし上海旭匯金剛石工業有限公司中国上海市千US$3,330100.0(21.6)22―製品の販売・購入及び材料の販売 ―なしP.T.旭ダイヤモンドインダストリアルインドネシアインドネシアブカシ県百万IDR28,962100.011―製品の販売・購入及び材料の販売―なし旭ダイヤモンドタイランドCO.,LTD.タイバンコク市千THB106,00090.0――3製品の販売・購入及び材料の販売―なし旭ダイヤモンドアメリカ,Inc.米国オハイオ州千US$100100.01―2製品の販売―なし旭ダイヤモンドインダストリアルスカンジナビアABスウェーデンオレブロ市千SEK50100.01―1製品の販売―なし旭ダイヤモンドインダストリアルオーストラリアPty.,Ltd.オーストラリアモナ ベール千A$2,500100.011―製品の販売―なし旭ダイヤモンドデメキシコ,S.A.デC.V.メキシコレオン市千MXN4,000100.0――1製品の販売―なし旭ダイヤモンドインダストリアルマレーシアSDN.BHD.マレーシアクアラルンプール市千MYR1,000100.0――2製品の販売―なし旭ダイヤモンドインダストリアルインディアPVT.LTD.インドプネ市千INR 160,013100.01―1製品の販売資金の貸付なし旭ダイヤモンドベトナムCO.,LTD.ベトナムハノイ市百万VND4,255100.0――1製品の販売―なし(持分法適用関連会社) 新韓ダイヤモンド工業株式会社韓国仁川廣域市百万W6,50028.53――製品の販売・購入及び材料の販売―なし
(注) 1 関係会社の主要な事業の内容は、すべてダイヤモンド工具事業であります。2 特定子会社であります。3 「議決権の所有割合」の欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況 2024年3月31日現在事業部門の名称従業員数(人)ダイヤモンド工具事業部門2,059〔407〕
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。2 従業員数欄の〔外書〕は、当連結会計年度における臨時従業員数であり、パートタイマー及び派遣社員を含みます。なお、パートタイマーは平均雇用人員(1日7.5時間換算)であり、派遣社員は当連結会計年度末人員であります。
(2) 提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)1,001〔403〕44.5521.096,754
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。2 従業員数欄の〔外書〕は、当事業年度における臨時従業員数であり、パートタイマー及び派遣社員を含みます。なお、パートタイマーは平均雇用人員(1日7.5時間換算)であり、派遣社員は当事業年度末人員であります。3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。4 当社の従業員は、すべてダイヤモンド工具事業に従事しております。 (3) 労働組合の状況当社及び山梨旭ダイヤモンド工業株式会社の労働組合(組合員数518名)は、産業別労働組合JAMに加盟しております。なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者1.459.372.976.571.8
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ②連結子会社該当事項はありません。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念「モノづくりをもっと面白く」を策定しております。テクノロジーの進化が加速しているモノづくりの現場では、日々困難な問題に取り組んでおります。当社グループは、お客様とともに「モノづくりをもっと面白く」し、社会の発展に貢献してまいります。この経営理念において、「目指す姿」としては、「唯一無二」「永続的な成長」「働きがい」を掲げております。また、行動指針としては、「Challenge(チャレンジ)」「Customer(顧客志向)」「Cooperation(ボーダレスな連携)」「Character(持ち味を活かす)」「Speed(スピード)」を掲げております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2023年5月12日の取締役会において、「中期経営計画2025」を策定しました。その主な内容と進捗状況については、下記「(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」において記載しております。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、持続的な成長を果たし、全てのステークホルダーの利益を増大させる目的として、「連結売上高」「連結営業利益」「連結売上高営業利益率」「親会社株主に帰属する当期純利益」「自己資本利益率」を重要な経営指標と考えております。 (4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループは、2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」を策定し、さらに2030年の目指すべき姿として「VISION2030」を掲げ、あるべき姿として、『世界のモノづくりを支えるグローバルニッチトップメーカーへ』を設定し、グローバルでの持続的な成長と高収益を実現するため、3つの重点テーマのもと、改革を推進しております。「中期経営計画2025」の重点テーマ①電子・半導体業界向け工具への注力 電子・半導体セグメントに経営資源を集中させ、収益性の高い製品の生産体制を整備した上で拡販に努め、高収益体制の構築を目指します。特に、脱炭素社会を背景として、需要が急拡大しているパワー半導体用SiC加工製品やSiウェーハ向け超微粒次世代ホイールの開発を進めます。その他、営業部門の効率化等にも取り組みます。 上記の取り組みにより、注力製品5品目(面研ホイール、電着ワイヤ、CMPコンディショナ、面取りホイール、ダイシングブレード)の売上を2022年度と比べ50億円の増加を見込んでおります。 ②経営基盤強化 業務効率化に資するシステムや次世代を担う人材等に投資することで、経営基盤の強化を図り、「経営数値の見える化」や「業務の効率化」を実現する基幹システム等の導入を進め、中長期グループ経営方針に沿った経営を実現し、次世代を担う従業員の採用と育成、働きがいのある職場づくりによる組織力の向上を目指してまいります。また、高品質で信頼できる旭ブランドのイメージ確立も目指してまいります。 ③リソースの最適化グループ内での事業領域整理・製造販売拠点の再編を進め、内部リソースを最適化しつつ、製品の外部調達や販売委託等の外部リソースも取り入れ、「内・外」での最適な連携を進めてまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>当社グループでは、サステナビリティ基本方針として、『当社グループは、経営理念「モノづくりをもっと面白く」をすべての事業活動の根幹として、人を育て、技術を磨き、社会の「できないをできる」に変え続ける企業として、これからも社会と共に歩み続けます。』を掲げ、役員や従業員の一人ひとりが経営理念を実践し、事業を通じて社会へ貢献し、ステークホルダーの皆様とともに持続可能な成長を実現していくため、サステナビリティポリシーを10の側面で守るべき基本的事項として定めております。基本的事項とは、「人権」、「社会」、「労働環境」、「地球環境」、「顧客・取引先」、「製品・サービス」、「公正取引・国際取引」、「情報開示」、「資産の保全・管理」、「役員・従業員の義務」です。詳細なサステナビリティポリシーについては、当社ホームページをご確認ください。上記のサステナビリティ基本方針及びサステナビリティポリシーに則り、サステナビリティ課題のリスクと機会に対応するための適切なガバナンス体制を構築しております。取締役会は経営上のサステナビリティ課題のリスクと機会を含む重要事項の決定と、業務執行の監督について責任を負う機関です。取締役会の詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」及び「
(2) 役員の状況」をご確認ください。取締役会の下に、代表取締役社長を委員長、社外取締役、各本部長を委員とするサステナビリティ委員会を設置しております。年2回以上、サステナビリティ経営の方針、戦略、体制等について審議・決定の上、関連委員会と連携しながら、各事業本部やグループ会社へ指示を行います。サステナビリティ委員会での審議内容は取締役会へ付議・報告され、適切に監督してまいります。■サステナビリティ課題全般に関するガバナンス体制図 <気候変動に関する取組>サステナビリティポリシーの10の基本的事項の1つに「地球環境」を掲げており、気候変動への対応を重要なサステナビリティ課題の1つとして位置付けております。また、社内の関係部署や経営陣を巻き込みながら、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったディスカッション及び分析を行い、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4項目に沿って以下の通り情報を整理しました。 (1) ガバナンス① 気候関連のリスクと機会に関する取締役会の監督気候関連のリスクと機会は、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通り、取締役会によって適切に監督されております。② 気候関連のリスクと機会の評価とマネジメントにおける経営陣の役割<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通り、サステナビリティ委員会が、気候変動を含むサステナビリティ経営の方針、戦略、体制等について審議・決定の上、各事業本部やグループ会社へ指示を行っております。また、シナリオ分析で特定したリスクと機会の管理や、GHG排出量削減のPDCA管理を各委員会と連携して行ってまいります。
(2) 戦略① 組織が特定した、短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下“IPCC”)の最新の第6次評価報告書によりますと、地球温暖化が人間活動の影響で発生していることは「疑う余地がない」と評価されており、世界の平均気温は工業化以前(1850年頃)比較して既に約1.1℃上昇していると分析されています。今後、どのように気候変動が進んでいくか不確実な中、当社グループの財務に影響を及ぼす重要な気候関連のリスクと機会を特定するべく、TCFD提言で推奨されているシナリオ分析を実施しました。具体的なプロセス、前提条件、採用した2つのシナリオの概要については以下の通りです。■シナリオ分析のプロセス1.前提条件の設定対象事業部門(当社及び国内連結子会社2社)、時間軸、影響度、採用シナリオを選定2.リスクと機会の重要度評価及び特定採用シナリオの参考文献から、今後想定される気候関連リスクと機会を幅広く洗い出した上で、当社にとって重要なリスクと機会を集約・特定3.インパクト評価重要と特定された気候関連リスクと機会につき、定量分析が可能な項目については2030年時点(一部2050年時点)における財務的影響を算定4.戦略・対応策の検討財務的影響の算定結果を踏まえ、リスクと機会に対する対応策や戦略を策定 ■シナリオ分析の前提条件対象事業部門時間軸財務影響当社及び国内連結子会社2社短期:~単年度中期:~2030年度長期:~2050年度営業利益(単年度)への影響を基準として、大:1億円以上中:10百万円以上1億円未満小:10百万円未満 ■採用シナリオの概要採用シナリオ想定事象・主なパラメータ主な参考文献1.5℃シナリオ・気候変動政策を導入し、持続可能な発展が進むシナリオ。パリ協定と整合し、2050年頃にカーボンニュートラルを実現。2100年時点の気温上昇は1.5℃以下に抑えられる。・世界各国でカーボンプライシングの導入が進み、世界的に炭素税が上昇。2030年時点で140USD/t-CO2を想定。・化石燃料の需要が低下し価格が下落。電力については、再エネ比率が2050年時点で80%まで上昇見込。IEA World Energy Outlook 2023(NZE2050)IPCC 第6次評価報告書(SSP1-1.9) 4℃シナリオ・気候変動政策を導入せず、自然災害が激甚化するシナリオ。2100年時点の気温上昇は4.4℃を想定。・世界各国でカーボンプライシングの導入は進まず現状程度で推移。・化石燃料の需要は増え続け価格も上昇。電力についても、化石燃料が主で再エネ比率は2050年時点65%に留まる(STEPS)。・GHG排出量削減の遅れにより、温暖化が進行し、急性的な異常気象(サイクロン・洪水等)が増加。慢性的な影響により、2100年時点で最大1.1mの海面上昇リスクもあり。IEA World Energy Outlook 2023(Pre-Paris/STEPS)IPCC 第6次評価報告書(SSP5-8.5) ・1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化(出所)IPCC 第6次評価報告書 第一作業部会(WG1) 政策決定者向け要約(SPM) ② 気候関連のリスクと機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響シナリオ分析で特定した気候関連のリスクと機会、及び財務影響、対応策・戦略は以下の通りです。リスク・機会細区分要因・ドライバー当社財務への影響概要時間軸1.5℃シナリオ財務影響4℃シナリオ財務影響対応策・戦略2030年2030年移行リスク政策・法規制炭素税・カーボンプライシング導入炭素税導入または排出権取引に伴い、製造コストが増加する恐れがある中―長期大小■当社工具の長寿命化、工具のリサイクル普及によるライフサイクルCO2排出量の低減■電力・エネルギー使用の合理化によるCO2排出量の削減■製造工程の改善によるCO2排出量の削減■工場における太陽光発電の活用(三重、千葉、山梨の3工場で太陽光発電を導入済。随時追加導入を検討)■気候変動対応に関する全社的な教育、社内浸透の推進脱炭素政策推進に向けたエネルギー・電力規制強化脱炭素化政策推進により、化石燃料由来のエネルギー(電力)や原材料の調達コストが増加する恐れがある中―長期小小GHG排出量等、環境データの報告義務強化報告・開示義務の厳格化やサプライチェーン企業の要請により、情報開示・レポーティングに係る事業コストが増加する恐れがある中期中小■ITを活用した社内データの収集及び管理の効率化技術低炭素技術への移行のための先行コスト製造工程の脱炭素化に係る設備投資コストが増加する恐れがある中期中小■製品開発の段階から、脱炭素化に配慮した製品・工程設計■投資対効果を見極めた上で適時適切な設備投資の実施市場顧客行動の変化ガソリン車関連市場の縮小に伴い、当社関連製品・サービスの需要低下及び売上減少の恐れがある短―中期大小■個別プロジェクト立ち上げによる動向調査やPDCA管理■内燃機関向けから電動化向けに開発・設計リソース投入■電動化で市場拡大が見込まれる業界への販売拡販原材料コストの高騰電動化や再エネ等の脱炭素製品の需要増に伴う資源価格の高騰により、当社製品に使用されるアルミ、銅、レアメタル等の非鉄金属の調達コストが増加する恐れがある中―長期大小■調達コストに応じた適時適切な製品価格の見直し・転嫁■代替仕入先や代替材料の検討推進評判ステークホルダー(特に投資家)の影響低下当社の気候変動対策が不十分と見做され、投資家・金融機関による評価低下や株価下落に繋がる恐れがある中期小―中小■気候変動対策を適宜適切に実施するとともに、実施内容の適切な開示■環境マネジメントシステムに基づく法令遵守の徹底 リスク・機会細区分要因・ドライバー当社財務への影響概要時間軸1.5℃シナリオ財務影響4℃シナリオ財務影響対応策・戦略2030年2030年物理的リスク急性リスク台風、洪水などの異常気象の激甚化異常気象により、当社資産(固定資産及び在庫等)の毀損・特別損失の計上に繋がる恐れがある(=直接損害)長期小小(2050年は中)■BCM体制の継続的な強化■老朽建物及び設備の更新、補強■2社購買の普及■従業員教育の徹底■火災保険内容の適時適切な見直し及び補償拡充異常気象により、当社の工場稼働の停止・売上の減少に繋がる恐れがある(=間接損害)長期小小(2050年は中)サプライヤーの被災による原材料の供給停止が、工場の稼働・出荷に影響し、売上減少する恐れがある長期小小慢性リスク平均気温の上昇気温上昇により、空調コストが増加する恐れがある中―長期小―中中■工場における省人化・自動化推進(自動測定・自動包装)■健康経営の推進、工場内温熱環境の改善■安全衛生の観点から、勤務時間帯・勤務形態の柔軟な運用製造拠点、営業拠点ともに空調管理された環境ではあるが、さらなる気温上昇により、従業員の労働環境・生産性の悪化で操業コスト増に繋がる恐れがある長期小中機会資源効率効率的な生産及び流通プロセスの使用省力化設備等の導入で工程が削減され、製造コスト低下が見込まれる中期中―大小■設備投資時の戦略的な省力化設備の導入■プロセスイノベーションの推進製品及びサ|ビス緩和に向けた商品及びサービスの開発・拡張ダイヤモンド工具は、その他の工具と比べて、長寿命かつ高能率であることから、製造現場での環境負荷削減に繋がるため売上増加が見込まれる。中でも、電着ダイヤモンドワイヤ「エコメップ」は特に環境負荷削減に寄与し、売上増加が見込まれる中期大小■長寿命製品の更なる品質強化、開発、販売拡大■更なる加工時間短縮、加工能率アップを可能とする工具の開発■当社製品の省エネ性能や環境負荷削減効果の見える化・検証及びマーケティングでの活用半導体、電子部品市場拡大による関連製品の売上・収益性増加が見込まれる短―中期大小■電子・半導体業界向け工具の研究開発強化、生産設備増強及び販売強化(パワー半導体等向け主要5製品など) リスク・機会細区分要因・ドライバー当社財務への影響概要時間軸1.5℃シナリオ財務影響4℃シナリオ財務影響対応策・戦略2030年2030年機会製品及びサ|ビス緩和に向けた商品及びサービスの開発・拡張自動車市場における電動化の進展や蓄電池市場の拡大による関連製品の売上・収益性増加が見込まれる短―中期中小■電動化、蓄電池市場向け工具の研究開発強化、生産設備増強及び販売強化(ベアリング関連製品、磁性材料用製品など)レジリエンス適応に向けた商品及びサービスの開発・拡張防災・国土強靭化に関連する製品・サービスの需要増、売上増加する恐れがある長期小中■建設業界向け工具の研究開発強化、生産設備増強及び販売強化(石材建設用製品、老朽化した建造物の解体用製品など) ③ 複数シナリオを考慮した、組織戦略のレジリエンスシナリオ分析結果を要約しますと、1.5℃シナリオにおいては、炭素税や非鉄金属価格の高騰リスクによる財務影響が大きいと想定されるものの、GHG排出量の削減や適時適切な販売価格への反映で影響を抑えてまいります。機会として、当社の主力製品であるダイヤモンド工具は長寿命、高能率という特徴を持ち、気候変動の緩和に向けたソリューションとして販売拡大が想定されます。特に、電子・半導体市場向けの工具需要が伸長すると考えており、研究開発強化、生産設備増強及び販売強化により機会の取り込みを図ってまいります。4℃シナリオにおいて、2030年時点では急性リスクは顕在化せず当社財務に与える影響は小さいものの、2050年までの時間軸においては河川沿いの工場や営業拠点においてリスクが高まる可能性があるため、BCP体制の継続的な強化等の対策を講じて財務影響の極小化を図りつつ、国土強靭化に向けた建設業界向け工具需要の取り込みを図ってまいります。いずれのシナリオにおいてもレジリエント(強靭)に当社グループが企業価値を向上していけるよう、今後も継続的にシナリオ分析を実施の上、対応策・戦略の実践を進めてまいります。 (3) リスク管理① 気候関連リスクを特定し、評価するための組織のプロセス従前より、ISO14001を取得し環境マネジメントシステムを構築しております。同マネジメントシステムの中で、現在時点の気候関連リスクを含む環境リスクについて、各工場において特定、評価し、適切な対応を行ってまいりました。各工場が特定・評価したリスクについては、環境システム検討会議にて報告が行われ、一元管理されております。今回新たに、管理本部総務部を中心とした社内プロジェクトにおいて、将来発生しうる中長期的な気候変動関連リスクと機会の特定・評価を実施いたしました。サプライチェーンへの影響、発生可能性、発生の時間軸及び財務影響などを考慮しながら、「
(2) 戦略」で記載の通り7個の移行リスク、5個の物理的リスクと5個の機会を特定・評価しております。② 気候関連リスクをマネジメントするための組織のプロセス特定・評価した気候変動関連リスクにつきましては、環境システム検討会議で適切にマネジメントされております。マネジメント結果はサステナビリティ委員会経由で取締役会にも報告され、監督・指示を受けております。③ 気候関連リスクと組織の全体的なリスクマネジメントとの統合当社グループはリスクマネジメント体制の強化を進めており、気候変動関連に伴うリスク管理についても、全社リスクマネジメント体制への統合を検討しております。 (4) 指標及び目標① 気候関連のリスクと機会の評価に使用する指標(Scope1とScope2のGHG 排出量実績)当社グループは気候関連のリスクと機会の評価指標としてScope1とScope2のGHG排出量を使用しております。従前より法令に基づく排出量算定は行っておりましたが、この度GHGプロトコルに則り排出量を再算定しております。当事業年度の実績は下表の通り、Scope1とScope2合計で13,409t-CO2となります。■GHG排出量実績カテゴリー基準年(2018年度)当事業年度(2023年度)Scope1(基準年比) 2,296t-CO2 1,286t-CO2(△44.0%)Scope2(基準年比)14,423t-CO212,124t-CO2(△15.9%)合計(基準年比)16,720t-CO213,409t-CO2(△19.8%) ・算定範囲は当社及び国内連結子会社2社・Scope2はマーケット基準の値・排出量の数値は、算定範囲や算定に使用する排出係数等により、後に変更となる可能性があります② 気候関連のリスクと機会をマネジメントするための目標排出量実績の再算定に伴い、当社グループの削減目標を2030年△38.0%(2018年度対比)、2050年カーボンニュートラルの実現へ更新いたしました。本目標水準は日本政府が定めたGHG排出量の削減目標(NDC)である2030年△46.0%(2013年度対比)、2050年カーボンニュートラルと引き続き整合しております。当事業年度時点の削減実績は△19.8%(2018年度対比)です。各工場における省エネ活動の徹底や、三重、千葉、山梨の3工場における太陽光発電の導入によりGHG排出量は年々減少傾向にあり、NDC水準を上回る削減を達成しております。今後とも省エネの取り組みや再エネの導入を進め、目標達成を目指してまいります。■GHG排出量の削減目標及び削減ロードマップ指標2030年度目標2050年度目標GHG排出量(Scope1+2)△38.0%(基準年2018年対比)カーボンニュートラルの実現 <人的資本に関する取組>当社では、2023年4月に人事制度を改定するとともに、以下の人材育成方針及び社内環境整備方針を掲げ、中長期的な人材育成に取り組んでおります。「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4項目に沿って以下の通り情報を整理いたしました。 (1) ガバナンス人的資本に関するガバナンスは、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通りであります。
(2) 戦略人材育成方針及び社内環境整備方針人材育成の基本は、職場での多様な業務経験を通じて成功・失敗体験を積み重ね、やりがいや成長を実感することで、自律的な成長のサイクルに結びつけることであると考えております。そのためには、上司が部下の特性を把握し、個々の強みを活かせる業務を割り当て、『挑戦する場』を提供することが重要であると考えており、当社では、上司と部下が信頼関係を築き、良好な意思疎通を図ることを重視しております。また、職場環境については、安全と健康の確保、快適な労働環境の整備に努めております。① 人事制度体系当社の人事制度は、等級と役職を連動させ、勤続年数にとらわれずに職責に見合った処遇の実現を目指しております。また、個々のモチベーションを高めて成長を促進させるため、上司と部下が日頃から率直な意見交換を行うとともに、半期毎の面談で成果・行動の振り返りと今後の課題設定を行うことを重視しております。② 自己申告制度当社では、半期毎の評価実施時に自己申告制度で個々のキャリアの希望を申告し、上司との面談を通じて今後の方向性を共有します。会社が目指す方向性と個々のキャリアの方向性を一致させることで、よりチャレンジングな業務の機会を提供し、個々の成長を促進します。また、自己申告の情報を配置転換に活用し、全社的な適材適所の実現を目指してまいります。③ 教育研修体系当社では、キャリアの節目毎に行う階層別教育に加え、必要となる知識・スキルを集中的に学ぶ教育研修を行っております。近年では半導体向けの顧客に幅広く対応できる人材を育成するため、選抜メンバーに1年間の研修を行い、グローバルに活躍できる人材を送り出しております。また、技術系の新入社員については、当社の基礎技術を習得するため1年間の研修実施後に配属しております。 (3) リスク管理人的資本に関するリスク管理は、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通りであります。 (4) 指標及び目標この人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき、多様な人材を確保し、新人事制度や自己申告制度、教育研修の運用を通じて、働きがいのある職場づくりに努めます。その成果を確認するための当社の指標及び目標を以下に掲げます。指標目標実績前事業年度当事業年度離職率2026年3月までに 3.0%以下 3.5% 1.2%男性労働者の育児休業取得率2026年3月までに60.0%以上50.0%59.3%労働者の男女の賃金の差異2026年3月までに80.0%以上78.5%76.5%採用者に占める女性比率25.0%以上27.8%35.6%有給休暇取得率60.0%以上63.6%66.6%管理職に占める女性労働者の割合― 1.0% 1.4%
(注) 1 当社グループにおける記載が困難であるため、指標及び目標の数値は、提出会社のものを記載しております。2 労働者の男女の賃金の差異については、採用活動を強化した結果、若年層の女性の割合が増加したため、前事業年度と比べ男女の賃金格差が広がっております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
(2) 戦略人材育成方針及び社内環境整備方針人材育成の基本は、職場での多様な業務経験を通じて成功・失敗体験を積み重ね、やりがいや成長を実感することで、自律的な成長のサイクルに結びつけることであると考えております。そのためには、上司が部下の特性を把握し、個々の強みを活かせる業務を割り当て、『挑戦する場』を提供することが重要であると考えており、当社では、上司と部下が信頼関係を築き、良好な意思疎通を図ることを重視しております。また、職場環境については、安全と健康の確保、快適な労働環境の整備に努めております。① 人事制度体系当社の人事制度は、等級と役職を連動させ、勤続年数にとらわれずに職責に見合った処遇の実現を目指しております。また、個々のモチベーションを高めて成長を促進させるため、上司と部下が日頃から率直な意見交換を行うとともに、半期毎の面談で成果・行動の振り返りと今後の課題設定を行うことを重視しております。② 自己申告制度当社では、半期毎の評価実施時に自己申告制度で個々のキャリアの希望を申告し、上司との面談を通じて今後の方向性を共有します。会社が目指す方向性と個々のキャリアの方向性を一致させることで、よりチャレンジングな業務の機会を提供し、個々の成長を促進します。また、自己申告の情報を配置転換に活用し、全社的な適材適所の実現を目指してまいります。③ 教育研修体系当社では、キャリアの節目毎に行う階層別教育に加え、必要となる知識・スキルを集中的に学ぶ教育研修を行っております。近年では半導体向けの顧客に幅広く対応できる人材を育成するため、選抜メンバーに1年間の研修を行い、グローバルに活躍できる人材を送り出しております。また、技術系の新入社員については、当社の基礎技術を習得するため1年間の研修実施後に配属しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 <人的資本に関する取組>当社では、2023年4月に人事制度を改定するとともに、以下の人材育成方針及び社内環境整備方針を掲げ、中長期的な人材育成に取り組んでおります。「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4項目に沿って以下の通り情報を整理いたしました。 (1) ガバナンス人的資本に関するガバナンスは、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通りであります。
(2) 戦略人材育成方針及び社内環境整備方針人材育成の基本は、職場での多様な業務経験を通じて成功・失敗体験を積み重ね、やりがいや成長を実感することで、自律的な成長のサイクルに結びつけることであると考えております。そのためには、上司が部下の特性を把握し、個々の強みを活かせる業務を割り当て、『挑戦する場』を提供することが重要であると考えており、当社では、上司と部下が信頼関係を築き、良好な意思疎通を図ることを重視しております。また、職場環境については、安全と健康の確保、快適な労働環境の整備に努めております。① 人事制度体系当社の人事制度は、等級と役職を連動させ、勤続年数にとらわれずに職責に見合った処遇の実現を目指しております。また、個々のモチベーションを高めて成長を促進させるため、上司と部下が日頃から率直な意見交換を行うとともに、半期毎の面談で成果・行動の振り返りと今後の課題設定を行うことを重視しております。② 自己申告制度当社では、半期毎の評価実施時に自己申告制度で個々のキャリアの希望を申告し、上司との面談を通じて今後の方向性を共有します。会社が目指す方向性と個々のキャリアの方向性を一致させることで、よりチャレンジングな業務の機会を提供し、個々の成長を促進します。また、自己申告の情報を配置転換に活用し、全社的な適材適所の実現を目指してまいります。③ 教育研修体系当社では、キャリアの節目毎に行う階層別教育に加え、必要となる知識・スキルを集中的に学ぶ教育研修を行っております。近年では半導体向けの顧客に幅広く対応できる人材を育成するため、選抜メンバーに1年間の研修を行い、グローバルに活躍できる人材を送り出しております。また、技術系の新入社員については、当社の基礎技術を習得するため1年間の研修実施後に配属しております。 (3) リスク管理人的資本に関するリスク管理は、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通りであります。 (4) 指標及び目標この人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき、多様な人材を確保し、新人事制度や自己申告制度、教育研修の運用を通じて、働きがいのある職場づくりに努めます。その成果を確認するための当社の指標及び目標を以下に掲げます。指標目標実績前事業年度当事業年度離職率2026年3月までに 3.0%以下 3.5% 1.2%男性労働者の育児休業取得率2026年3月までに60.0%以上50.0%59.3%労働者の男女の賃金の差異2026年3月までに80.0%以上78.5%76.5%採用者に占める女性比率25.0%以上27.8%35.6%有給休暇取得率60.0%以上63.6%66.6%管理職に占める女性労働者の割合― 1.0% 1.4%
(注) 1 当社グループにおける記載が困難であるため、指標及び目標の数値は、提出会社のものを記載しております。2 労働者の男女の賃金の差異については、採用活動を強化した結果、若年層の女性の割合が増加したため、前事業年度と比べ男女の賃金格差が広がっております。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  (1) 製品の取引の継続性について当社グループは、その主要取引先等に対して、納入数量、価格等に関する長期的な契約を締結しておりません。今後、十分な受注が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の調達について当社グループは、主な原材料として天然・人工ダイヤモンド、金属及び樹脂類を多数使用しております。今後、これらの調達において、供給元の操業停止又は供給能力の制約などにより、必要な原材料の調達ができなくなった場合、もしくは原材料価格の高騰により生産コストが上昇した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 景気動向について当社グループは、電子・半導体、輸送機器、機械、石材・建設などの広範囲の業界に対し、ダイヤモンド工具を供給しておりますが、景気変動が各業界の取引先へ影響を与える場合、工具の需要にも影響を受ける事となります。今後、十分な受注が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 他社との競合について当社グループは、日々、競合他社との技術・納期・価格競争などが行われるなか、高品質化・短納期化・技術サービスの充実化に努めております。今後、競合他社との競争に対して、迅速かつ適切に対応できず、十分な収益性が確保できなくなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 品質問題について当社グループは、品質管理基準に従って製造活動を行っておりますが、すべての製品について欠陥がなく、クレームが発生しないという保証はありません。今後、大規模なクレームの発生により、多額の費用が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 海外事業について当社グループは、国内をはじめ、台湾、中国、その他アジア・オセアニア、欧州、北米地区を中心としてグローバルな事業展開をしており、連結地域別売上高のおよそ半分は海外向けの売上となっております。今後、政情不安、法的規制の変更、急激な為替レートの変動、金融不安、賃金上昇、貿易戦争、テロ・戦争の勃発など予期しない様々な問題が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 業務提携・企業買収に関するリスク当社グループは、他社との業務提携や企業買収が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。その実施に際しては十分な検討を行いますが、当初想定した事業計画通りのシナジー効果を得る事ができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 自然災害について当社グループは、国内外に有する製造拠点において、日々災害防止に努めております。今後、大地震、暴風雨、洪水などが発生し、当社グループの生産設備及び情報システムへの直接的な被害や、社会インフラの損壊による電力供給不足等、もしくは取引先からの材料の供給不足等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 環境問題について当社グループは、環境マネジメントシステムを構築し、国内全工場並びに国内子会社及び一部の海外子会社においてISO14001の認証を取得し、CO2排出量の削減、資源の有効利用、省資源など環境保全に努めております。今後、不測の事態により将来において環境問題が発生した場合、損害賠償、行政処分、社会的評価の低下、生産停止等により、費用負担が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 感染症等のリスク当社グループは、従業員の健康と安全を第一に衛生管理の徹底、時差出勤等の対応を行い、ウイルス等の感染予防・拡大防止に努めております。今後、予期しないウイルス感染等が発生するなどにより、当社グループの生産・営業活動が制限を受ける事態が発生する様な場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 情報セキュリティについて当社グループは、事業活動を通して当社グループ及び顧客・取引先などについての個人情報や機密情報を入手する事があります。また、当社グループの営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これらの情報の厳格な管理に努めていますが、コンピュータウイルスへの感染、不正アクセス、その他不測の事態などにより、情報の漏えい・紛失、重要データの破壊・改ざんなどが起きた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における事業環境は、新型コロナウイルス感染症による行動規制の緩和が定着し雇用・所得環境の改善等、経済活動に緩やかな回復が見られましたが、世界的なインフレ、地政学リスクや中国経済の減速等、景気の先行きは依然不透明な状況が続いています。 このような状況の中、当社グループは、2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」のもと、製品開発や顧客需要に応える生産体制の整備、営業部門の効率化を進めてまいりました。 当社グループの取引業界別の経営成績としましては、電子・半導体業界及び機械業界では、デジタル機器の在庫調整による電子部品需要の低迷と、設備投資抑制が影響し関連工具の売上高は前年同期を下回りました。一方、輸送機器業界では、航空機・自動車関連で生産回復が進んだことに加え、自動車部品生産の再編需要を取り込み、関連工具の売上高は前年同期に比べ増加しました。石材・建設業界では、大規模な工事需要は少なかったものの、高速道路の補修や解体工事等を中心に関連工具の売上高は、前年並みに推移しました。また、注力製品であるパワー半導体用の関連工具の需要は海外を中心に堅調に推移しました。 その結果、当連結会計年度における財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。 a. 財政状態当連結会計年度末における資産合計は、73,901百万円と前期と比べ275百万円(0.4%)の減少となりました。 当連結会計年度末における負債合計は、9,908百万円と前期と比べ1,386百万円(12.3%)の減少となりました。 当連結会計年度末における純資産合計は、63,993百万円と前期と比べ1,110百万円(1.8%)の増加となりました。 b. 経営成績当連結会計年度における売上高は、38,653百万円と前期と比べ667百万円(1.7%)の減収となりました。当連結会計年度における営業利益は、1,526百万円と前期と比べ979百万円(39.1%)の減益となりました。当連結会計年度における経常利益は、2,408百万円と前期と比べ867百万円(26.5%)の減益となりました。当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,109百万円と前期と比べ656百万円(23.7%)の減益となりました。 なお、業界別の経営成績は、次の通りであります。 (a) 電子・半導体業界当業界向けの売上高は、14,684百万円と前期と比べ72百万円(0.5%)の減収となりました。(b) 輸送機器業界当業界向けの売上高は、9,204百万円と前期と比べ922百万円(11.1%)の増収となりました。(c) 機械業界当業界向けの売上高は、9,434百万円と前期と比べ1,206百万円(11.3%)の減収となりました。(d) 石材・建設業界当業界向けの売上高は、4,218百万円と前期と比べ21百万円(0.5%)の減収となりました。(e) その他(大学、研究機関、窯業及び宝飾等)その他の売上高は、1,111百万円と前期と比べ289百万円(20.7%)の減収となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,818百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,570百万円の減少となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得られた資金は、2,839百万円(前年同期は4,979百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が3,106百万円、減価償却費が2,969百万円、投資有価証券売却損益が△850百万円、棚卸資産の増減額が△684百万円、法人税等の支払額が929百万円あったことによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出された資金は、3,505百万円(前年同期は1,260百万円の支出)となりました。この主な内容は、有形固定資産の取得による支出が4,675百万円、投資有価証券の売却による収入が1,067百万円あったことによります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出された資金は、3,121百万円(前年同期は3,145百万円の支出)となりました。この主な内容は、自己株式の取得による支出が1,726百万円、配当金の支払額が1,581百万円あったことによります。 ③ 生産実績及び受注状況当社グループはダイヤモンド工具事業の単一セグメントでありますが、生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であってもその形状等は一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示す事はしておりません。  
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。なお、当社の経営者は、この連結財務諸表の作成にあたって、重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。 (棚卸資産)当社グループは、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により、棚卸資産の帳簿価額を評価しており、主に一定の保有期間を超える棚卸資産について滞留もしくは陳腐化しているとみなして評価損を計上しております。今後、市場環境の悪化等により滞留もしくは陳腐化が生じた場合、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。(貸倒引当金)当社グループは、売掛金、未収入金その他これらに準ずる債権を適正に評価するため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上や貸倒損失が発生する可能性があります。 (有価証券)当社グループは、保有合理性検証の結果、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資すると判断した有価証券を保有しており、これらの有価証券には価格変動性が高い市場価格のある有価証券と、市場価格のない有価証券が含まれます。当社グループは、保有する有価証券の実質価額が著しく下落した場合には、回復可能性がある場合を除き減損処理を行っております。市場価格のある有価証券については、期末日における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満程度下落した場合には、回復可能性を判断して減損処理を行うこととしております。市場価格のない有価証券については、発行会社の1株当たり純資産額が取得価額に比べ50%程度以上下落した場合には、将来の展望などを総合的に勘案して、回復可能性があると判断したものを除き減損処理を行っております。なお、将来の市況悪化又は投資先の業績不振など、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収が不能となる状況が発生した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。(繰延税金資産)当社グループは、中長期の損益見込みを基として将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価したうえで計上しております。既に計上した繰延税金資産については、その回収可能性について毎期検討し内容の見直しを行っております。(固定資産の減損)当社グループは、固定資産の減損判定にあたり、管理会計の区分をもとに概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについて、将来における回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額については、将来キャッシュ・フローや正味売却可能価額等の前提条件に基づき算出しているため、事業計画の変更や市場環境の悪化等により、その前提条件に変更が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。(退職給付)当社グループは、従業員に対する退職給付債務及び退職給付費用について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、長期期待運用収益率、及び直近の統計数値に基づいた死亡率等が含まれます。実際の計算結果が前提条件を基にした計算結果と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、数理計算上の差異に影響し、当社グループの退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。(事業構造改善)連結子会社である旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSASにおける収益構造の安定化を図るため事業構造改善を実施しており、製造拠点の統合により発生する費用等を見積り、事業構造改善引当金として計上しております。今後、市場環境の変化等に対応するため計画の変更が発生した場合は、追加の事業構造改善費用の計上が必要となる可能性があります。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態の分析(資産の部) 当連結会計年度末における資産合計は、73,901百万円と前期と比べ275百万円(0.4%)減少となりました。資産の減少の主な要因は、未収入金等のその他流動資産が553百万円増加、原材料及び貯蔵品が397百万円増加、有形固定資産が1,593百万円増加した一方で、現金及び預金が3,594百万円減少したことによるものであります。(負債の部) 当連結会計年度末における負債合計は、9,908百万円と前期と比べ1,386百万円(12.3%)減少となりました。負債の減少の主な要因は、短期借入金が365百万円増加、未払金等のその他流動負債が636百万円増加した一方で、退職給付に係る負債が2,406百万円減少したことによるものであります。(純資産の部) 当連結会計年度末における純資産の額は、63,993百万円と前期と比べ1,110百万円(1.8%)増加となりました。純資産の増加の主な要因は、剰余金の配当により1,586百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,109百万円増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は84.2%となり、1株当たり純資産額は1,207円32銭となりました。 b. 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は、38,653百万円と前期と比べ667百万円(1.7%)の減収となりました。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は、1,526百万円と前期と比べ979百万円(39.1%)の減益となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は、2,408百万円と前期と比べ867百万円(26.5%)の減益となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2,109百万円と前期と比べ656百万円(23.7%)の減益となりました。 c. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。 業界別の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。 電子・半導体業界電子・半導体業界では、デジタル機器の在庫調整による電子部品需要の低迷により、関連工具の販売は減少しました。一方、自動車の電動化や省電力対応に向けたパワー半導体関連の需要が伸び、関連工具の販売を補いました。 輸送機器業界 自動車業種では、部品不足の解消で生産回復が進んだことに加え、世界的なEV化の進展に伴う自動車部品の生産再編需要を取り込んでいます。また、航空機業種では、移動制限の緩和による需要の回復や工具品質の再評価によるシェアアップも進み関連工具の販売は増加しました。 機械業界 工作機械業種では、半導体用工作機械に付属する工具に一定の販売成果があったものの、軸受、セラミックス業種では、電子・半導体業界が電子部品需要や設備投資が低迷したことで、関連工具の販売が大きく減少しました。また、工具業種では中国需要の低迷や一般機械部品の生産の停滞で関連工具の販売は減少しました。 石材・建設業界国内の建設業種では、高速道路の補修工事をはじめ、国土強靭化等の施策もあり、公共工事、民間工事ともに堅調に推移しました。一方、石材業種では、墓石、建築材料等の需要低迷が継続し、関連工具の販売は減少しました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、12,818百万円と前期と比べ3,570百万円(21.8%)の減少となりました。キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、日々の運転資金、設備投資資金については、ほぼ全額を自己資金で賄う事が可能であります。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループの研究開発活動は、当社の研究部、各国内工場の生産技術部、技術関連部門等により構成された技術開発センターが、営業部門と密接に連携を保ちながら、将来の事業の基盤となるべき基礎研究から、地球環境や資源を視野に入れた応用開発まで、幅広い研究開発活動を行っております。当連結会計年度における当社グループでの研究開発費は2,236百万円であり、業界別の研究成果は以下の通りであります。 (1) 電子・半導体業界半導体製造プロセスでは後工程(パッケージング)による機能向上が注目され、それに伴い半導体パッケージ切断工程への要求も多様化してきております。こうした要求の多様化に対応するため、切断工程に用いるダイシングブレードのラインナップの充実に常に取り組んでおります。新たに開発したレジンブレード(商品名「M!(エムアイ)ブレード」)は従来のレジンブレードの高い加工品質を維持したまま高寿命を実現しており、QFNやFCBGAなどの加工品位が重要視される半導体パッケージ切断に高い評価が得られ始めております。
(2) 輸送機器業界持続可能な社会の実現を目指して、砥石くずの削減に向けた取り組みを行っています。油圧部品、自動車部品等の加工において一般砥石での加工では大量の砥石くずが発生しますが、これをCBNビトリホイールに変更する事で大幅に廃棄物の削減が可能となります。これに加えて加工時間も短縮でき、生産効率も向上する事から今後さらにCBNホイール化への動きが高まる見込みです。 (3) 機械業界超硬/サーメットのインサートチップ外周研削用として切れ味に優れたメタルホイール(商品名「エアロメタル」)が高い評価を得ています。従来のレジンホイールと比較して切れ味と耐摩耗性に優れており、加工性能が大きく向上する事から需要の増加を見込んでいます。 (4) 石材・建設業界鉄筋コンクリートの解体や改修に使用されるコンクリートブレードの新製品(CB-IRIS)を開発し、商品化しました。高速道路のリニューアル工事の他、様々な工事現場での採用を目指します。地質調査・資源探査用ビットについては、硬質岩盤への切れ味に優れた製品の開発に目処がたった為、市場投入を開始致します。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当社グループは、戦略分野とする電子・半導体業界、輸送機器業界の技術革新のスピード化に対応できる製品開発に重点を置き、合わせて省力化及び製品の信頼性向上のための投資を行っております。 当連結会計年度における設備投資の総額は4,998百万円(有形固定資産受入ベースの数値)であります。 なお、上記の設備投資の資金については、全額を自己資金で充当いたしました。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社グループのダイヤモンド工具事業部門における主要な設備は、以下の通りであります。 (1) 提出会社2024年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計三重工場(三重県伊賀市)生産設備試験業務設備2,9371,3601,945(128)2386,481339〔92〕千葉工場(千葉県袖ケ浦市)生産設備5,3361,3431,826(79)868,591190〔137〕千葉第二工場(千葉県長生郡長南町)生産設備412383116(16)6097372〔90〕千葉鶴舞工場(千葉県市原市)生産設備5845577(23)2274112〔15〕玉川工場(神奈川県川崎市高津区)生産設備730425825(6)542,03495〔59〕技術開発センター(神奈川県川崎市高津区)研究開発設備1,061347241
(2)971,74750〔―〕本社他(東京都千代田区他)本社設備他336875(15)1281,042243〔10〕
(注) 1 帳簿価額の「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産の合計額であり、建設仮勘定は含んでおりません。2 現在休止中の主要な設備はありません。3 帳簿価額は、減損損失計上後の金額であります。4 従業員数の〔 〕は、臨時従業員数を外書きしております。5 千葉鶴舞工場には、是村旭ダイヤモンド工業株式会社(国内連結子会社)への貸与中の建物を含んでおります。6 本社他には、山梨旭ダイヤモンド工業株式会社(国内連結子会社)への貸与中の土地874百万円(22千㎡)を含んでおります。また、賃借している設備として、本社・支店及び営業所の事務所の賃借を行っており、年間賃借料は231百万円であります。
(2) 国内子会社2024年3月31日現在会社名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計山梨旭ダイヤモンド工業株式会社(山梨県韮崎市)生産設備731500― (―)651,297139〔1〕
(注) 1 帳簿価額の「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産の合計額であり、建設仮勘定は含んでおりません。2 現在休止中の主要な設備はありません。3 帳簿価額は、減損損失計上後の金額であります。4 従業員数の〔 〕は、臨時従業員数を外書きしております。 (3) 在外子会社2024年3月31日現在会社名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)その他合計台湾鑽石工業股份有限公司(台湾 桃園市)生産設備606462397(12)1201,586331〔1〕旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSAS(フランス ウール・エ・ロワール県)生産設備79360192(9)69701124〔―〕P.T.旭ダイヤモンドインダストリアルインドネシア(インドネシア ブカシ県)生産設備12028195(15)2499161〔―〕
(注) 1 帳簿価額の「その他」は、工具、器具及び備品及びリース資産の合計額であり、建設仮勘定は含んでおりません。2 現在休止中の主要な設備はありません。3 従業員数の〔 〕は、臨時従業員数を外書きしております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループの設備投資については、1年ごとに、生産計画、需要予測、設備投資効率等を総合的に勘案して計画しております。設備計画は、原則的に当社グループの各会社が個別に策定したのち、グループ全体で重複投資とならないよう、当社の取締役会の調整をもって決定しております。当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る投資予定総額は87億円であり、すべてダイヤモンド工具事業部門に係るものであります。所要資金については、そのほとんどを自己資金によって充当する予定であります。 なお、重要な設備の新設等の計画は、以下の通りであります。 (1) 重要な設備の新設等 会社名設備の内容投資予定金額資金調達方法予定年月設備投資目的総額(百万円)既支払額(百万円)着工完了提出会社三重工場他4工場生産設備5,700―自己資金2024年4月2025年3月生産設備の更新子会社15社生産設備970―自己資金及び借入金2024年4月2025年3月生産設備の更新 旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSAS生産設備2,100236親会社からの借入金2023年6月2025年3月生産設備の新設計―8,770236――――
(2) 重要な設備の除却・売却等重要な設備の除却又は売却の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動2,236,000,000
設備投資額、設備投資等の概要4,998,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況45
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況21
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,754,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方(純投資目的である投資株式)専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株式を「純投資目的である投資株式」としております。(純投資目的以外の目的である投資株式)政策投資や業務戦略等を目的とした投資株式を「純投資目的以外の目的である投資株式」としております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容   当社は、原則として新規の取得を行いません。ただし、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資すると判断した場合は、この限りではありません。なお、既に保有している政策保有株式において、取引先の持株会に入会している場合は、毎年、株数が増加することがあります。次に、当社が既に保有している政策保有株式は、毎年行う個別の保有合理性検証の結果「保有合理性がない」と判断した場合は、当該取引先と交渉し、売却手法・期間などの合意を得たうえで、適宜削減してまいります。 保有の合理性を検証する方法については、個別銘柄ごとに保有合理性を、定性的な観点と定量的な観点の両面から定期的に検証しております。定性的な観点においては、取引先との円滑かつ良好な取引関係の維持など、事業戦略の観点により検証します。定量的な観点においては、関連取引利益、配当金等を含めた株式保有による収益が資本コストを上回るか等により検証します。 個別銘柄の保有の適否に関する取締役会の検証の内容としては、当社は、毎年5月開催の取締役会において、保有方針に基づいて行われる上記の検証結果により、保有の継続・処分の判断及び削減計画を総合的に協議して、決定します。その後、逐次売却を実行し、取締役会にて削減結果を確認します。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式20非上場株式以外の株式196,864 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式825取引先持株会による取得及び株式分割による増加 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式――非上場株式以外の株式51,067 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
(注)当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社東京精密135,000135,000電子・半導体業界の当社の顧客であり、良好な取引関係を維持し、適時適切な情報交換を行うことで同社のニーズに適合した製品・サービスを提供出来ることを意図して保有しています。有1,643691ユニオンツール株式会社290,000290,000超硬工具業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。有1,302955第一カッター興業株式会社600,000600,000建設業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。無958705株式会社イーディーピー550,000145,000ダイヤモンド工具における原材料の調達先であり、同社との円滑な取引を図るため保有しています。なお、株式数の増加は、株式分割によるものです。無7462,069オーエスジー株式会社275,000275,000超硬工具業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。有601546株式会社岡本工作機械製作所56,50056,500電子・半導体業界の当社の顧客であり、良好な取引関係を維持し、適時適切な情報交換を行うことで同社のニーズに適合した製品・サービスを提供出来ることを意図して保有しています。無380298AGC株式会社49,13146,778電子・半導体用硝子業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、持株会による株式取得により株式数が増加しております。無271230天龍製鋸株式会社146,00073,000超硬工具業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、株式数の増加は、株式分割によるものです。有245230ミネベアミツミ株式会社42,35241,601軸受業界の当社グループの顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、持株会による株式取得により株式数が増加しております。無124104株式会社安永140,000140,000機械業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。有100143アイダエンジニアリング株式会社100,000200,000機械業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しておりましたが、有価証券報告書提出日現在において全株式を売却しております。有88163株式会社SUMCO36,54634,668半導体シリコン業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、持株会による株式取得により株式数が増加しております。無8768 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
(注)当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社不二越22,61621,410超硬工具業界の当社グループの顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、持株会による株式取得により株式数が増加しております。無7884東京製綱株式会社50,00050,000電子部品業界用の当社の製品製造に使用する部材の購入を主体とした取引を行っています。同社と良好な関係維持のため同社株式を保有しています。有7258ミクロン精密株式会社30,00030,000機械業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため同社株式を保有しています。無4239ダイジェット工業株式会社46,14746,147超硬工具業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。有3938富士精工株式会社21,80021,800自動車業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。有3628日本電気硝子株式会社8,0217,316電子・半導体用硝子業界の当社の顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、持株会による株式取得により株式数が増加しております。無3118株式会社マキタ2,7732,452石材・建設業界の当社グループの顧客であり、同社との事業上の関係強化・維持のため株式を保有しています。なお、持株会による株式取得により株式数が増加しております。無118株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ―500,000当事業年度において全株式を売却しております。無―423三菱電機株式会社―50,000当事業年度において全株式を売却しております。無―78鉱研工業株式会社―50,000当事業年度において全株式を売却しております。無―22
(注) 定量的な保有効果を記載することは困難ですが、「a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載の通り、保有の合理性を個別に検証しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社8
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社5
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貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社0
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貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社6,864,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社25,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,067,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社2,773
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社11,000,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社取引先持株会による取得及び株式分割による増加
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社日本電気硝子株式会社