財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-28 |
英訳名、表紙 | Internet Initiative Japan Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 勝 栄二郎 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区富士見二丁目10番2号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-5205-6500 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月事項1992年12月 日本におけるインターネットの商用化を目的とし、資本金18百万円にて東京都千代田区に設立、設立時の社名は㈱インターネットイニシアティブ企画。 1993年 5月社名を現在の㈱インターネットイニシアティブに変更。 1993年 7月インターネット接続サービスの提供を開始。 1994年 2月郵政省(現、総務省)より特別第二種電気通信事業者(現、電気通信事業者(*))として登録認可。 1995年 1月 インターネットでの映像音声の配信、コンテンツ(*)作成及びサーバ(*)構築等を行う㈱アイアイジェイ メディアコミュニケーションズ設立(当社元連結子会社、2005年10月に当社へ吸収合併)。 1995年11月 アジア地域におけるインターネットバックボーン(*)網の運用及びインターネット接続サービスを提供する㈱アジア・インターネット・ホールディング設立(当社元持分法適用関連会社、2005年10月に当社へ吸収合併)。 1996年 3月 米国でのインターネットバックボーン網の運用及びインターネット接続サービスを提供するIIJ America Inc.設立(当社連結子会社、2007年5月に完全子会社化)。 1996年11月 システムインテグレーション(*)を提供する㈱アイアイジェイテクノロジー設立(当社元連結子会社、2007年5月に完全子会社化、2010年4月に当社へ吸収合併)。 1997年 9月 日本電信電話㈱(現、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱)グループと合弁にて、相互接続ポイント(*)の運営等を行うインターネットマルチフィード㈱設立(当社持分法適用関連会社)。 1998年 2月 国内営業基盤強化及び経営効率化のため、地域関連会社5社(1994年10月から1995年8月にかけて順次設立した持分法適用関連会社)を吸収合併、資本金を842百万円に増資。 1998年 2月 ネットワークの運用監視、カスタマーサポート及びコールセンター等のサービスを提供する㈱ネットケア設立(現、㈱IIJエンジニアリング、当社連結子会社、2007年5月に完全子会社化)。 1998年 4月インターネットにかかわる技術研究の促進を目的とし、当社社内組織として技術研究所設置。 1998年10月通信キャリア(*)である㈱クロスウェイブ コミュニケーションズ設立(当社元持分法適用関連会社)。 1999年 8月米国ナスダック市場に当社の米国預託証券(ADR)(*)を登録(米国公開)し、資本金を7,082百万円に増資。 1999年 8月IPv6(*)によるインターネット接続サービスを開始。 2003年 8月 当社持分法適用関連会社であった㈱クロスウェイブ コミュニケーションズ及びその連結子会社が会社更生手続開始の申立。 2003年 9月 第三者割当増資により12,000百万円の資本調達、資本金を13,765百万円に増資。 この増資により当社は主要引受先である日本電信電話㈱(以下「NTT」という。 )の持分法適用関連会社。 2003年12月 ㈱クロスウェイブ コミュニケーションズがエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱との間で営業譲渡契約を締結。 2004年10月 ㈱アイアイジェイテクノロジーの100%子会社として2004年9月に設立された㈱アイアイジェイフィナンシャルシステムズが、㈱ヤマタネより証券システム部門の営業を譲り受け、営業を開始(当社元連結子会社、2010年4月に㈱アイアイジェイテクノロジーとの合併を経て、当社へ吸収合併)。 2005年12月東京証券取引所マザーズ市場に当社普通株式を上場し、資本金を16,834百万円に増資。 2006年 8月資本準備金及び資本金の額の減少(無償減資)により、当社の個別財務諸表における繰越損失を解消。 2006年10月 2006年8月に設立されたネットチャート㈱(当社連結子会社)が、ネット・チャート・ジャパン㈱の事業を譲り受け、営業を開始。 2006年12月当社普通株式の上場市場を東京証券取引所マザーズ市場から東京証券取引所市場第一部へ変更。 2007年 6月 パナソニック ネットワークサービシズ㈱が同社のインターネットサービスプロバイダー及び法人向けソリューション事業を新設分割し設立した㈱ハイホーの全株式を取得し子会社化(当社元連結子会社)。 2007年 7月 ポイント管理システムの開発、構築、販売及びアウトソース受託等を行うタイヘイコンピュータ㈱(現、㈱トリニティ)へ出資(当社持分法適用関連会社)し、平田機工㈱(同社の親会社)との合弁運営を開始。 2007年 7月ATM(*)運営事業を行う㈱トラストネットワークス設立(2007年10月より当社連結子会社)。 2008年 1月㈱NTTドコモから卸電気通信役務の提供を受け、仮想移動体通信事業者(MVNO(*))形態にて法人向けモバイルデータ通信サービスの提供を開始。 2008年 6月 インターネットを含むネットワークシステムに関連する新技術等の研究開発とそれに関連する研究受託を行う㈱IIJイノベーションインスティテュート設立(当社元連結子会社、2022年4月に当社へ吸収合併)。 年月事項2009年12月クラウドコンピューティング(*)サービス「IIJ GIO」の提供を開始。 2010年 9月 AT&TジャパンLLCより、WAN(*)サービスの提供を始めとする国内ネットワークアウトソーシング関連事業等を承継した同社新設子会社の全株式を取得し、完全子会社㈱IIJグローバルソリューションズ(以下、「IIJグローバル」という。 )として事業を開始。 2011年 4月外気冷却コンテナ型データセンター(*)を、島根県松江市に開設。 2012年 1月 子会社IIJグローバルにて、中国においてネットワークサービス及びシステムインテグレーションの提供等を行う艾杰(上海)通信技術有限公司設立(当社連結子会社)。 2012年 2月LTE(*)通信等を可能とするSIMカード(*)を用いた廉価な個人向け高速モバイルデータ通信サービスの提供を開始。 2012年 4月 システムインテグレーション等を営む海外子会社5社を傘下に有するエクスレイヤ・グローバル㈱を当社の子会社とし、連結子会社㈱IIJエクスレイヤとして事業運営を開始(2014年1月に当社へ吸収合併)。 2012年 7月 子会社IIJグローバルにて、タイにおいてシステムインテグレーションの提供等を行うIIJ Global Solutions (Thailand) Co., Ltd.設立(当社連結子会社)。 2013年 7月公募増資により資本金を21,835百万円に増資。 2013年 8月公募増資に関連したオーバーアロットメントによる売出しにかかる第三者割当増資により資本金を22,958百万円に増資。 2014年12月 システム開発、運用及びサービスサポート等に係わる人材供給及び役務提供事業を行う㈱竜巧社ネットウエア(現、㈱IIJプロテック)の全株式を取得し完全子会社化(当社連結子会社)。 2015年 1月インドネシアのBiznet Networks(正式名:PT.Supra Primatama Nusantara)と合弁にて、インドネシアにおいてクラウドコンピューティングサービスの提供を行うPT Biznet Gio Nusantara設立(当社持分法適用関連会社)。 併せて、当社及び子会社IIJグローバルにて、インドネシアにおいてクラウド関連サービスの運用等を提供するPT.IIJ Global Solutions Indonesia設立(当社連結子会社)。 2015年11月クラウドコンピューティングサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(*)の提供を開始。 2016年 2月 タイのT.C.C. Technology Co., Ltd.と合弁にて、タイにおいてクラウドコンピューティングサービスの提供を行うLeap Solutions Asia Co., Ltd.設立(当社持分法適用関連会社)。 2016年11月ベトナムにおいてベトナムのFPT Telecom Joint Stock Companyとクラウドコンピューティング事業を協同推進するため、クラウド関連サービスの運用保守等を行うIIJ Global Solutions Vietnam Company Limitedを設立(当社連結子会社)。 2016年12月 日本テレビ放送網㈱と合弁にて、国内向け動画配信プラットフォームサービスの提供及び放送システムの構築・運用を行うJOCDN㈱設立(当社持分法適用関連会社)。 2017年4月に在京キー局他民間放送局14社が参画。 2017年12月個人向け固定インターネット接続サービスを主とする完全子会社㈱ハイホーの全株式を譲渡。 2018年 1月 大手金融機関他の国内リーディング企業18社と合弁にて、デジタル通貨(*)の取引・決済サービスを提供する㈱ディーカレット設立(当社元持分法適用関連会社、2021年12月の組織再編を経て㈱ディーカレットホールディングスが現、当社持分法適用関連会社)。 2018年 3月国内初のフルMVNO(*)として、「IIJモバイルサービス/タイプI(*)」の提供を開始。 2019年 4月米国ナスダック市場における当社ADRの上場を廃止。 2019年 5月システムモジュール型(*)工法を取り入れた白井データセンターキャンパスを、千葉県白井市に開設。 2019年 7月国内初のeSIM(*)対応のモバイルデータ通信サービスを開始。 2021年 4月 シンガポールにて主としてシステムインテグレーション業務を営むPTC SYSTEM(S) LTDの全株式を取得し完全子会社化(当社連結子会社)。 2021年 8月欧州の監督機関より「拘束的企業準則(BCR)」(*)の承認取得。 2021年10月クラウドコンピューティングサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2」(*)の提供を開始。 2021年12月クラウドコンピューティングサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)(*)登録。 2022年 2月㈱ディーカレットホールディングスが暗号資産事業を売却、デジタル通貨事業に専念。 2022年 4月当社普通株式の上場市場が、東京証券取引所市場第一部から新市場区分の東京証券取引所プライム市場に移行。 2023年 5月当社筆頭株主であったNTTの当社株式一部売却により、当社はNTTの持分法適用関連会社から除外。 NTTグループと同率の筆頭株主となったKDDI㈱と資本業務提携。 本書(上表を含む)において(*)を付した用語については、巻末に記載の用語集をご参照ください。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 (1) 当社グループの事業の概要当社は、国内におけるインターネットサービスプロバイダー(ISP)(*)の先駆けとして1992年12月に設立され、以来、国内インターネット関連市場の拡大にあわせ、インターネットに関わる事業展開を進めてまいりました。 当社及び当社の連結子会社(以下、あわせて「当社グループ」といいます。 )は、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤とし、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、信頼性及び付加価値の高いネットワークサービス(インターネット接続サービス、アウトソーシングサービス及びWANサービス)の提供、システムインテグレーションの受託及び機器販売等の多様なネットワーク関連役務を、複合的に組み合わせ提供しております。 また、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスにて、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することによりATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を営んでおります。 当社は、電気通信事業法に基づく電気通信事業者であります。 当社は、本書提出日現在、連結子会社17社及び持分法適用関連会社6社を有しており、これらの関係会社と連携して事業を推進しております。 当社グループの事業セグメント、役務の概要、当社及び当社関係会社各社の事業の概要は、以下のとおりであります。 ①事業セグメント及び役務の内容当社グループは、主力事業としてインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション及びネットワークに関連する機器の販売等のネットワーク関連役務を提供する「ネットワークサービス及びシステムインテグレーション事業(以下、「ネットワークサービス及びSI事業」といいます。 )」と、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスが展開する「ATM運営事業」との2つの事業セグメントを有しております。 事業セグメントの名称各事業セグメントを構成する役務の内容ネットワークサービス及びSI事業法人向け及び個人向けインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション及び機器販売ATM運営事業銀行ATM及びそのネットワークシステムの構築及び運営 ②当社グループの役務の概要役務区分各役務の概要ネットワークサービス法人向けインターネット接続サービスは、主として当社が、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、モバイル接続を含む多様なインターネット接続サービスを提供するものであります。 また、個人向けインターネット接続サービスは、当社が、個人向けモバイルデータ通信サービス、モバイル端末販売等各種インターネット接続サービスの提供を行うものであります。 アウトソーシングサービスは、主として当社が、主として法人及び官公庁等の顧客に対して、セキュリティ(*)関連サービス、ネットワーク及びサーバの運用管理等のアウトソーシングサービス、データセンターサービス並びにパブリッククラウド(*)サービス等の提供を行うものであります。 WANサービスは、主として連結子会社である㈱IIJグローバルソリューションズ及び当社が、主として法人及び官公庁等の顧客に対して、専用線、広域イーサネット(*)、IP(*)-VPN(*)及びインターネットVPN等の通信サービスを活用して、顧客の本社と支店或いは支社間など地理的に離れた拠点を接続しデータをやり取りする広域ネットワークを提供するものであります。 システムインテグレーションシステム構築は、主として当社が、ネットワークシステム(*)の設計、コンサルテーション、開発、構築及び顧客への通信機器、モバイル端末、自社開発した「SEIL(ザイル)」(*)等の顧客用サービスアダプタ(*)等の販売を行なうものであります。 システム運用保守は、主として当社が、当社が構築した顧客システム及びプライベートクラウド(*)サービスとして顧客が利用する当社サーバ設備等の運用保守を行うものであります。 ATM運営事業連結子会社㈱トラストネットワークスが、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得るものであります。 ③当社及び主要なグループ会社の事業の概要会社名事業の概要当社インターネット接続サービスの提供、モバイルデータ通信サービスの提供、セキュリティ、VPN等のネットワーク、サーバ、クラウドコンピューティング、データセンター関連の各種アウトソーシングサービスの提供、ネットワーク或いはシステム構築等にあたってのネットワーク或いはシステムの設計、コンサルテーション、開発、構築、機器調達及び運用保守等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 主要な連結子会社会社名事業の概要㈱IIJエンジニアリングネットワークの運用監視、カスタマーサポート、コールセンター等のアウトソーシングの受託等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 ㈱IIJグローバルソリューションズWANサービスの提供等の国内ネットワークアウトソーシングサービス及び国際ネットワーク関連サービスの提供、並びに、システムインテグレーションの提供を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 ㈱IIJプロテック法人向けのシステム開発、運用及びサービスサポート等に関わる人材供給及び役務提供を行っております。 当社の連結財務諸表において、主としてシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 ㈱トラストネットワークスATMネットワークの運営事業を行っております。 当社の連結財務諸表において、ATM運営事業に区分される役務(ATM運営事業セグメント)を提供しております。 ネットチャート㈱機器の導入・設定、ネットワーク導入時の配線工事、アプリケーションのインストール・運用サポート等のLAN(*)関連を中心としたネットワーク構築事業を行っております。 当社の連結財務諸表において、主としてシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 IIJ America Inc.当社グループの米国ネットワーク拠点としてインターネットバックボーン網の構築及び運用、米国におけるインターネット接続サービス等の提供、ネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 IIJ Europe Limited当社グループの欧州ネットワーク拠点としてインターネットバックボーン網の構築及び運用、欧州におけるインターネット接続サービス等の提供、ネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 IIJ Global SolutionsSingapore Pte. Ltd.シンガポールにおけるインターネット接続サービス等の提供、ネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 PTC SYSTEM (S) PTE LTDシンガポールにおいて、主にシステムの構築及び運用保守の提供等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 艾杰(上海)通信技術有限公司中国におけるネットワーク或いはシステムの構築及び運用保守、クラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。 当社の連結財務諸表において、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションに区分される役務(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)を提供しております。 主要な持分法適用関連会社会社名事業の概要インターネットマルチフィード㈱NTTグループとの合弁にて設立され、相互接続ポイントの運営、通信事業者向けのIPv6インターネット接続機能の提供等を行っております。 JOCDN㈱在京キー局を含む民間放送局等との合弁にて、国内向けの動画配信プラットフォーム事業を行っております。 ㈱ディーカレットホールディングス大手金融機関他の各業界を代表する国内リーディング企業との合弁にて、デジタル通貨の取引・決済サービスの提供等を行っております。 ㈱トリニティ平田機工㈱の連結子会社であり、ポイント管理システムの開発、構築、販売及びアウトソース受託等の事業を行っております。 当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の役務別の売上高、売上高構成比及び売上総利益は、以下のとおりであります。 役務区分IFRS前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)売上収益構成比売上総利益売上収益構成比売上総利益(百万円)(%)(百万円)(百万円)(%)(百万円)ネットワークサービス138,92255.038,146151,34754.843,493システムインテグレーション110,94443.918,553121,81944.119,042ATM運営事業2,8421.11,2092,9141.11,331合計252,708100.057,908276,080100.063,866 (注) システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。 当社グループは、主として国内にて、ネットワークサービス及びSI事業に関連する前記の各役務を複合し、例えば、顧客の複数拠点間を接続するインターネット接続サービスまたはVPNサービス他のWANサービスを提供し、データセンターにて顧客のサーバ等を預かり、顧客のルータ(*)等ネットワーク機器を運用管理し、顧客の電子メールシステム等の運営のアウトソーシングを受け、セキュリティ等に関するアウトソーシングサービスを提供し、それらのネットワークシステムを設計、構築及び運用するシステムインテグレーションを受託するというように、信頼性及び付加価値の高いネットワーク関連サービスを継続的に開発及び機能拡充し、ソリューション及びシステムインテグレーションという切り口で、複合的に顧客へ提供することを推進しております。 当社グループは、ネットワークサービス及びSI事業の一部として、クラウドコンピューティングサービスの提供に注力しております。 当社グループは、2009年度より、クラウドコンピューティングサービスの提供を開始しており、継続的にサービスラインアップの拡充、サーバ及びネットワーク設備等の増強、データセンターの拡充、マーケティング及びプロモーションの強化等に努めております。 当社グループは、ネットワークサービスの一部として、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスの提供に注力しております。 法人向けモバイルサービスにおきましては、MVNOへモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するMVNE(*)案件等の推進並びにフルMVNO推進による様々な端末やデバイス等の接続、組み込み型チップSIM(*)の提供等によりIoT(*)等の新たな法人需要の開拓を推進しております。 個人向けモバイルサービスにおきましては、安価なデータ通信サービスが普及するなか、販売代理店網の拡大、サービススペックの見直し及びサービスラインアップの充実等を推進しております。 当社グループは、主として国内企業の海外進出ニーズに対応していくために、本書提出日現在、米国、欧州及びアジアに現地法人12社を有し、海外でネットワークサービス及びシステムインテグレーションを提供するための事業基盤を強化しております。 米国と英国等でのインターネット接続サービスの提供、セキュリティ関連等のアウトソーシングサービスの提供、海外拠点を接続するWANサービスの提供、海外でのシステムインテグレーション、米国、欧州、中国、シンガポール、インドネシア、タイ及びベトナムにおけるクラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。 また、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスが、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。 (2) 当社グループの事業の特徴①当社グループの事業の変遷当社は、インターネットがまだ普及していなかった1992年12月に、インターネットに関わる技術者を中心に日本にインターネットという新しい通信手段を普及するとの構想により、日本のISPの先駆けとして設立されました。 設立当時、日本におけるインターネットに関わる技術者の層は薄く、産学共同にて研究開発活動をしていた「WIDEプロジェクト」(*)がインターネットに関する諸技術の蓄積として有力なものでありました。 当社は、このような研究開発活動に携わっていた技術者を中心として設立され、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤として、設立以来信頼性の高いインターネット関連サービスの提供を追求し、今日のインターネットの普及に貢献し、マーケットをリードしてきたものと認識しております。 当社の事業開始当初は、ISPは個人向けのものも含め数えるほどであり、強い競合はなく、当社は順調に顧客基盤を広げていきました。 顧客のニーズは、当初はインターネット接続サービスの利用が中心でしたが、インターネットが普及するにつれ、インターネットに関わるネットワークシステムの構築、運用保守の提供等へと複合化、多様化してまいりました。 インターネットの普及及び顧客ニーズの多様化は急速に広がり、そのような市場を捉えていくために、当社は関係会社を設立することによって、当社企業集団として事業範囲を拡大してまいりました。 当社は、「IIJ」という呼称にてインターネットに関連する市場に浸透しております。 当社は、上述の事業変遷より「技術のIIJ」との市場認知がなされているものと認識しており、今後もより広く定着させていきたいと考えております。 当社は、連結子会社他と協働して、当社グループとして顧客に対し総合的なネットワークソリューションを提供しております。 また、中長期的な事業拡大を展望し、新規事業開発及びM&A等による事業領域の拡大並びに事業パートナーとの事業連携を推進しております。 (詳細は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 2 沿革」及び「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照下さい。 ) ②技術力の蓄積当社グループの強みは、インターネット分野における幅広い技術力の蓄積であると認識しております。 インターネットに関連する技術力とは、ネットワーク及びサーバの設計、構築及び運用、ルータ等ネットワーク機器の運用、セキュリティの実施、新たな技術への適応、新ネットワークサービス及びソリューションの開発或いはコンサルテーション等の知識、経験、ノウハウ及び遂行能力であると認識しております。 当社グループは、インターネットに関わる諸技術を組み合わせ、広帯域及び広範囲のネットワークシステムを設計、構築及び安定的に運用し、大量のトラフィック(*)を安定的に処理し、セキュリティ及び障害対策等を施した信頼性の高いサービスを開発し提供する、また顧客ニーズにあったサービス及びソリューションを開発し提供するといった技術力を基盤とし、役務提供を行っております。 ③顧客基盤当社グループは、設立以来、技術力をセールスポイントとして、主としてネットワークシステムの信頼性を重んじる法人及び官公庁を中心に営業活動を行ってまいりました。 当連結会計年度末現在における当社グループの官公庁を含む法人顧客数は、約15,000社でありました。 (3) 当社グループの役務の内容①ネットワークサービス<インターネット接続サービス>当社グループは、インターネット接続サービスを提供し、対価として継続的な通信料金の収入を得ております。 インターネット接続サービスは、顧客のLANやコンピュータ端末と、当社グループのネットワークを、通信キャリアが提供するアクセス回線(*)又は網により接続することにより提供されます。 当社グループは、次項の「(4) 当社グループのネットワーク」に記載のとおり、大容量のネットワークを構築し、設立時から蓄積された運用技術力をもってこれを運用することにより、安定した高速のインターネット接続サービスを提供しております。 当社は、日本のISPで初めてインターネット接続サービスにサービス品質保証制度(SLA)(*)を導入いたしました。 また、日本で初めて、インターネットの次世代のプロトコル(*)であるIPv6によるインターネット接続サービスの商用提供を開始いたしました。 当社グループは、インターネット接続サービスにおいて、帯域、アクセス回線、IPアドレス(*)の割当数、DNSサーバ(*)運用の有無、ルータ運用の有無及び価格等により仕様を分け、サービスラインアップを揃えております。 a)法人向けインターネット接続サービス法人向けインターネット接続サービスは、当社グループが提供するインターネット接続サービスのうち、「IPサービス(*)」、「IIJデータセンター接続サービス」、「IIJモバイルサービス」、「IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス」等の法人向けの各種インターネット接続サービスであります。 IPサービス及びIIJデータセンター接続サービスは、広範囲な帯域の選択が可能であり、Gbps(*)超の広帯域のサービス提供も可能なIPアドレスの割当数等にも制約がない単価の高いフルスペックのサービスで、主として大規模な法人及び官公庁等に提供しております。 IIJデータセンター接続サービスは、顧客設備のデータセンターへの収容にあたりデータセンターにおいてインターネット接続サービスを提供するものであります。 IIJモバイルサービスは、主として㈱NTTドコモ(以下、「NTTドコモ」といいます。 )及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。 )から卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて、法人向けにモバイルデータ通信サービスを提供するものであります。 IIJモバイルMVNOプラットフォームサービスは、MVNOへモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するものであります。 b)個人向けインターネット接続サービス個人向けインターネット接続サービスは、当社が自社ブランドで提供する「IIJmioサービス」及び「OEM」(*)等の個人向けの各種インターネット接続サービスであります。 IIJmioサービスは、様々な機能を組み合わせることができるカスタマイズ型のサービスであります。 当社グループは、利用者に対して、LTE通信等を可能とするSIMカードやeSIMを用いた音声機能付きモバイルデータ通信サービス及びフレッツ(*)の光回線等による固定データ通信サービス等を提供しております。 OEMは、通信事業者等が個人向けインターネット接続サービス等を提供する際に、当社グループがネットワーク及びサービスの運営等の提供を行うものであります。 当社グループのインターネット接続サービスの契約数及び契約総帯域の年次推移は、以下のとおりであります。 <インターネット接続サービスの契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域 (注)1> 第31期末第32期末(件)(件)法人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数合計3,026,1493,638,223 IPサービス(1Gbps以上) (注)21,3561,395 IPサービス(1Gbps未満) (注)21,4091,401 IIJモバイルサービス(法人向け)2,929,6463,535,558 法人IoT等用途向け直接提供1,809,8162,349,885 IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス1,119,8301,185,673 その他93,73899,869個人向けインターネット接続サービス回線数合計1,547,2061,609,944 IIJmioモバイルサービス1,206,3211,274,410 その他340,885335,534 第31期末第32期末(Gbps)(Gbps)法人向けインターネット接続サービス契約総帯域 (注)38,814.310,441.7 (注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。 2.IPサービスの契約数には、データセンター接続サービスの契約数を含めております。 3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド(*)対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。 <アウトソーシングサービス>当社グループは、インターネット接続サービス及びWANサービスと合わせ、アウトソーシングサービスを提供しております。 アウトソーシングサービスは、顧客のネットワークシステムを運用管理する等、より有効にネットワークシステムを活用することを企図したものであります。 当社グループのアウトソーシングサービスは、主としてセキュリティ関連、ネットワークアウトソーシング関連、サーバアウトソーシング関連、データセンター関連、パッケージ型クラウドコンピューティングサービス及びその他に大別でき、その概要は下表のとおりであります。 当社グループは、法人及び官公庁等の業務運営におけるインターネット利活用の重要度及びネットワークシステムの信頼性に対するニーズは増加していると認識しております。 当社グループは、このようなニーズの増加に応じ、保有する技術力を基に優位性を発揮することができ、また、より発揮していきたいと考えております。 区分各サービスの概要セキュリティ関連不正アクセス及び攻撃等に対するセキュリティシステムの提供及び運用監視、セキュリティオペレーションセンター(*)による24時間365日のセキュリティ監視、迷惑メール(*)対策アプリケーションサービス及びソリューションの提供、SASE(*)でのセキュリティ機能の提供、脆弱性の診断、セキュリティポリシー(*)策定支援及び社内教育等のセキュリティ支援等ネットワークアウトソーシング関連VPNサービスの提供及びネットワーク機器の設定、運用保守並びにそれらの仕組みの一括提供、セキュアなリモートアクセス(*)環境の提供等サーバアウトソーシング関連電子メールサーバ、ウェブサーバ及び配信サーバ等の機能の提供並びに電子メールシステム等の運用管理等データセンター関連データセンターに顧客のサーバ等を設置し、機器管理及び運用監視機能等を提供パブリッククラウドサービスシステム構成をパッケージ化したパブリッククラウド型ホスティングサービス(*)の提供その他カスタマーサポート、コールセンター等のアウトソーシングの受託等 <WANサービス>当社グループは、主として当社の完全子会社である㈱IIJグローバルソリューションズ及び当社にて、WANサービスを提供しております。 WANサービスは、主として通信キャリアが提供する専用線、広域イーサネット、IP-VPN及びインターネットVPN等の法人向け通信サービスを調達して顧客の複数拠点間を接続する広域ネットワークを構築し提供するものであり、顧客の要望がある場合には、当該広域ネットワークの運用監視等を併せて提供するものであります。 当社グループは、特定の通信キャリアや通信機器メーカーに依存することなく、顧客のニーズに応じて各社のサービス及び機器を効果的に組み合わせることにより、顧客ニーズに合致するWANサービスを提供しております。 ②システムインテグレーション当社グループは、システムインテグレーションとして、法人及び官公庁等のインターネット、イントラネット(*)及びWAN等のネットワークシステムについて、コンサルテーション、設計、システム開発、システム構築及びシステム運用等のアウトソーシング受託等を行っております。 対象となるシステムは、企業内部及び拠点間のネットワークシステムの設計及び構築、グループウェア導入及び仮想デスクトップ環境構築等のオフィスIT環境整備、オンライン証券(*)等電子商取引システム、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)(*)向けシステムの開発・運用及び当社が構築した顧客システム及びプライベートクラウドサービスとして顧客が利用する当社サーバ設備等の運用等、多岐にわたります。 また、当社グループは、各役務の提供に付随し、顧客に対してネットワーク機器等の提供が必要となる場合には、機器販売を行っており、機器の仕入販売のほか当社が自社開発したSEIL等の顧客用サービスアダプタの販売、モバイルデータ通信サービスの顧客へのスマートフォン、タブレット等の端末の販売を行っております。 ③ATM運営事業当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスがATM運営事業を行っております。 ATM運営事業は、銀行ATM及びそのネットワークを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得る事業モデルであります。 (4) 当社グループのネットワーク①ネットワーク当社グループはバックボーン回線を通信キャリアより賃借のうえ、ネットワーク機器等を設置したデータセンター間を接続すること等により、インターネットバックボーン網を運用しております。 当社のインターネットバックボーン網は、当社グループが信頼性及び付加価値の高い多様なネットワーク関連サービスを安定的に提供し続けるための基盤となるものであります。 そのため、性能と耐障害性を重視した設計とし運用をしております。 原則として、国内の各接続拠点(NOC(*)及びデータセンター)は、他の二接続拠点と複数の高速デジタル通信回線を経由し異なるバックボーンルータ(*)にて接続しております。 また、各バックボーン回線の容量は、複数の通信キャリアの回線を利用することで大容量化し、通過するトラフィックのピーク時点においても余裕のある帯域を確保しております。 当社グループのインターネットバックボーン網は、これらにより、単一の通信回線、バックボーンルータ、通信キャリアの通信設備、或いは当社グループの接続拠点における何らかの障害が発生した場合でも、可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計としております。 このような設計に基づき、主要拠点である東京及び大阪を含む国内拠点を結ぶ大容量のインターネットバックボーン網を運用しております。 相互接続に関しては、持分法適用関連会社であるインターネットマルチフィード㈱が運営する相互接続ポイントであるJPNAP(*)に、当社の東京の複数の拠点及び大阪の拠点より大容量回線にて接続しており、また、WIDEプロジェクトが主催するdix-ie(Distributed IX in EDO)(*)という相互接続ポイント運用プロジェクトに、プロジェクト発足当時から参加し相互接続を行っております。 加えて、国内主要ISPとピアリング(*)(相互接続)を実施しております。 米国内のインターネットバックボーン網は、当社の連結子会社であるIIJ America Inc.にて、国内と同様な考えに基づき設計され構築及び運用されております。 米国の複数の主要相互接続ポイントに接続をしており、米国及び他国の主要なISPとピアリングを実施しております。 日米間のインターネットバックボーン網は、複数の異なる国際通信キャリアから調達した国際バックボーン回線を、日本と米国にて複数の拠点で接続しており、日米間においても耐障害性の高いネットワークの運用を行っております。 欧州へのインターネットバックボーン網は、日英間を直接接続することにより伝送遅延を低減するとともに、米国と欧州を接続することで2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。 アジアにおけるインターネットバックボーン網は、日本、香港及びシンガポールの3カ国を各々接続することにより2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。 これらの海外インターネットバックボーン網は、英国、シンガポール、香港において各々主要な相互接続ポイントに接続をしております。 当社グループは、MVNO形態にて、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスを提供しております。 モバイルデータ通信サービスの提供に必要なモバイル通信網については、NTTドコモ及びKDDI等のモバイル通信キャリアより卸電気通信役務の提供を受けており、契約回線数やトラフィックの状況等を踏まえて必要な帯域をNTTドコモ及びKDDI等より借り受け、運営しております。 ②データセンター当社グループは、2024年3月末現在、国内は東京、大阪、横浜、札幌、白井、名古屋、松江、福岡にて、海外は米国、英国及びシンガポールにてデータセンターを運営しております。 自社所有のデータセンターとしては、島根県松江市において、外気冷却コンテナ型データセンターを運営しております。 また、千葉県白井市において、システムモジュール型データセンターである白井データセンターキャンパスを運営しております。 その他のデータセンターについては、他事業者のデータセンター施設設備を利用する態様で運営しております。 当社グループは、原則として、各データセンター間を大容量のバックボーン回線で接続することにより障害時のバックアップや各々のデータセンターにおける負荷分散を可能とし、耐障害性を高めております。 また、データセンター内における回線の二重化や大規模なシステムを収容可能な電源、耐震または免震構造、セキュリティ管理等の環境を備えております。 当社グループは、データセンターにて、インターネット接続サービスの提供、ネットワーク機器及びサーバ等の運用監視、システムインテグレーションの提供等、顧客のシステムを預かり運用管理を行う体制を整えております。 (5) 事業系統図当社グループの事業の概要を系統図で示すと、下記のとおりであります。 当社グループ <ネットワークサービス及びSI事業> ⇒顧 客 【国内】 当社 ◎㈱IIJエンジニアリング ◎㈱IIJグローバルソリューションズ ◎ネットチャート㈱ ◎㈱IIJプロテック 他持分法適用関連会社4社 【海外】 ◎IIJ America Inc. ◎IIJ Europe Limited. ◎IIJ Global Solutions Singapore Pte. Ltd. ◎PTC SYSTEM (S) PTE LTD ◎艾杰(上海)通信技術有限公司 他連結子会社7社 他持分法適用関連会社2社 ⇒ <ATM運営事業> 利用客 【国内】 ◎㈱トラストネットワークス (注) ◎は当社の連結子会社であります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)(注)1関係内容(連結子会社) ㈱IIJエンジニアリング 東京都千代田区400ネットワークシステムの運用監視、カスタマーサポート、コールセンター等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0取締役及び監査役の兼任2名、当社からの人員出向、当社サービスの購入、当社からの業務受託、当社の仕入、当社への業務委託、当社への人員出向、当社への金銭貸付 ㈱IIJグローバルソリューションズ (注)2東京都千代田区490ネットワークサービス及びシステムインテグレーションの提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0取締役及び監査役の兼任3名、当社からの人員出向、当社サービスの購入、当社からの業務受託、当社の仕入、当社への人員出向㈱IIJプロテック東京都千代田区10システム開発、運用及びサービスサポート等に係わる人材供給及び役務提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0取締役及び監査役の兼任3名、当社サービスの購入、当社からの業務受託、当社への金銭貸付㈱トラストネットワークス東京都千代田区100銀行ATMサービスの提供等(ATM運営事業セグメント)80.6取締役及び監査役の兼任2名、当社からの人員出向、当社サービス等の購入、当社への金銭貸付 ネットチャート㈱ 神奈川県横浜市港北区55ネットワーク構築、運用保守及びネットワーク関連機器の販売等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0取締役及び監査役の兼任3名、当社サービスの購入、当社からの業務受託、当社への金銭貸付 IIJ America Inc. 米国カリフォルニア州2,180千USD(米ドル)米国でのネットワークサービス及びシステムインテグレーションの提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0取締役の兼任1名、当社からの人員出向、当社サービスの購入、当社へのサービスの販売、当社への業務委託 IIJ Europe Limited 英国 ロンドン143千GBP(英ポンド)欧州でのネットワークサービス及びシステムインテグレーションの提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0当社からの人員出向、当社サービスの購入、当社からの金銭借入、当社へのサービスの販売、当社への業務委託IIJ Global SolutionsSingapore Pte. Ltd.シンガポール6,415千SGD(シンガポールドル)シンガポールでのネットワークサービス及びシステムインテグレーションの提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0(49.7)当社からの人員出向、当社サービスの購入、当社からの金銭借入、当社へのサービスの販売、当社への業務委託 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)(注)1関係内容PTC SYSTEM (S) PTE LTDシンガポール2,000千SGD(シンガポールドル)シンガポールでのシステムインテグレーションの提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0当社サービスの購入、当社からの人員出向艾杰(上海)通信技術有限公司中国 上海10,630千USD(米ドル)中国でのネットワークサービス及びシステムインテグレーションの提供等(ネットワークサービス及びSI事業セグメント)100.0(100.0)当社サービスの購入、当社の仕入その他7社 (注)3 (持分法適用関連会社)インターネットマルチフィード㈱ 東京都千代田区490相互接続ポイントの運営、通信事業者向けのIPv6インターネット接続機能の提供等39.8取締役及び監査役の兼任3名、当社からの人員出向、当社サービスの購入、当社へのサービスの販売JOCDN㈱東京都千代田区99国内向けの動画配信プラットフォームサービスの提供等16.8取締役及び監査役の兼任3名、当社からの人員出向、当社サービスの購入㈱ディーカレットホールディングス東京都千代田区100デジタル通貨事業子会社の経営企画・管理30.0取締役の兼任2名、社債引受㈱トリニティ東京都千代田区380ポイント管理システムの開発及び構築並びにポイント管理サービスの提供等33.8取締役及び監査役の兼任2名、当社サービスの購入、当社へのサービスの販売その他2社 (注)4 (注)1.議決権の所有割合又は被所有割合は間接所有を含んだ割合であり、括弧内は間接所有の議決権の割合であります。 2.㈱IIJグローバルソリューションズは、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 <主要な損益情報等(日本基準、個別)>2024年3月期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(1) 売上高31,050百万円 (2) 経常利益1,472百万円(3) 当期純利益972百万円(4) 純資産額9,871百万円(5) 総資産額24,173百万円 3.その他の連結子会社7社は、IIJ Deutschland GmbH、IIJ Global Solutions(Thailand) Co.,Ltd.、IIJ (Thailand) Co., Ltd.、IIJ Global Solutions Hong Kong Ltd.、IIJ Global Solutions Vietnam Company Limited、PT.IIJ Global Solutions Indonesia及びPTC SYSTEMS SDN. BHD.であります。 4.その他の持分法適用会社2社は、PT.BIZNET GIO NUSANTARA及びLeap Solutions Asia Co., Ltd.であります。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況部門別の従業員数は、次のとおりであります。 2024年3月31日現在 部門の名称従業員数(名)技術・サービス部門3,340(31)営業部門877(-)管理部門586(35)合計4,803(66) (注)1.従業員数として、職員及び契約社員の総数を記載しております。 受入出向社員は含んでおりません。 なお、括弧内はアルバイト社員数(当連結会計年度における平均臨時雇用人員数)であり、外書きで示しております。 2.当社グループは、「ネットワークサービス及びSI事業」及び「ATM運営事業」との区分にてセグメント情報を開示しております。 上記の部門別従業員数のうち「ATM運営事業」に従事する従業員数は以下のとおりであり、その他の従業員は「ネットワークサービス及びSI事業」に従事しております。 <ATM運営事業に従事する従業員の内訳>部門の名称従業員数(名)技術・サービス部門5 (-)営業部門3 (-)管理部門1 (-)合計9 (-) (2) 提出会社の状況2024年3月31日現在 従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)2,680(38)37.69.27,382 (注)1.従業員数として、職員及び契約社員の総数を記載しております。 受入出向社員は含んでおりません。 なお、括弧内はアルバイト社員数(当事業年度における平均臨時雇用人員数)であり、外書きで示しております。 2.平均年間給与は、職員及び契約社員を対象に算出しており、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係については円満に推移しており、労使関係について特記すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社2024年3月31日現在当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者6.553.575.7(注3)76.932.4 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3. 役割別の男女の賃金差異 管理職 92.8% 一般社員 84.8% ② 連結子会社2024年3月31日現在当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注1)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者㈱IIJグローバルソリューションズ6.850.050.0-80.8(注2)83.657.8㈱IIJエンジニアリング4.0100.0100.0-81.2(注2)84.8100.2㈱IIJプロテック0.033.333.3-80.4(注2)81.068.5ネットチャート㈱8.975.075.0-75.3(注2)72.2115.7 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2. 役割別の男女の賃金差異 ㈱IIJグローバルソリューションズ 管理職 98.0% 一般社員 97.8% ㈱IIJエンジニアリング 管理職 97.6% 一般社員 84.6% ㈱IIJプロテック 管理職 -% 一般社員 83.3% ネットチャート㈱ 管理職 89.1% 一般社員 93.4% |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループの経営理念(存在意義・パーパス)は、以下の通りであります。 「インターネットイニシアティブ」との社名の通り、100年に一度の技術革新であろうインターネットの世界において、その技術革新をリードし、新たな利用形態を提案する画期的なサービス、プラットフォームの提供を通じて、ネットワーク社会の発展に貢献してまいります。 ・技術革新によりネットワークインフラストラクチャ―を発展させてまいりますインターネット技術のイニシアティブを取り続け、より高速化するネットワークとコンピューティングによって新たに創出する価値を通じて、デジタル社会の未来を切り拓いてまいります。 ・ネットワーク社会を支える仕組み(ITサービス)を提供してまいります世の中の変化を捉え、その変化を先取りした高品質・高付加価値なITサービスを提供し続けることで、社会・個人によるネットワーク利用を支えてまいります。 ・自己実現する職場の提供(多様な才能・価値観を有する人材が活躍できる場)技術革新や社会貢献に積極果敢に挑戦する人材が集まり、誇りとやりがいをもって自律的に能力を発揮できる場を提供していきます。 社員個々人が現状に満足せず常に先の世界を考えることで社会発展に貢献し、世間からも評価されることで成長を実感できるような会社であることを目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高の構成、収益性、財務の健全性等に注視しつつ事業活動の推進を図っております。 増収率、売上総利益率、営業利益率、ROE等の指標を参考とし、売上高の増加、売上原価、販売管理費及び設備投資水準の管理、事業及びサービス分野毎の採算管理等による収益性の向上に努めております。 (3) 中期的な会社の経営戦略①前中期計画の振り返り2022年3月期から2024年3月期の前3ヵ年中期計画におきまして、当初目標として連結売上高2,700億円規模及び営業利益率9%超、修正目標として連結売上高2,860億円及び営業利益315億円との業績目標を掲げておりました。 業績等の推移は以下のとおりであります。 連結指標2021年3月期2024年3月期(前中期計画期間)売上高(売上収益)2,130億円2,761億円営業利益143億円290億円営業利益率6.7%10.5%従業員数3,805名4,803名 前中期計画期間におきまして、概して進展が遅かった日本企業及び官公庁等のIT利活用が、コロナ禍を契機に急進し、コロナ鎮静後も社内外ネットワークの更改も含めて強い需要が継続しております。 これら需要に対して、当社グループの月額提供のネットワークサービスをシステムインテグレーションに組み込む「サービスインテグレーション」との事業モデルを展開し、契約期間総額が数十億円から100億円超の複数年にわたる大型案件を多数獲得いたしました。 2021年3月期と比較すると、2024年3月期の売上高は約1.3倍の2,761億円、営業利益は約2.0倍の290億円、営業利益率は3.8ポイント向上の10.5%と推移し、前中期計画で掲げた法人ストック売上高(*)の大幅伸長とスケールメリットによる利益享受との事業の態様を実現いたしました。 また、事業拡大に伴い、2024年3月期末時の従業員数は約1.3倍の4,803名となりました。 ②新中期計画等●業績目標 連結指標2027年3月期 事業拡大売上高(売上収益)3,800億円規模 収益性営業利益460億円規模 ●中長期ビジョン及び新中期計画の位置付け当社グループの経営理念を有効に全うしていくためには、当社グループの強みを生かしつつ、事業規模を継続拡大していくことが大変重要であると認識をしております。 日本企業及び官公庁等のIT利活用は、コロナ禍を契機にようやく急進し、中長期での継続した市場拡大が見込まれます。 そのような状況認識のもと、当社グループは、中長期で目指すべき通過点の姿として、以下のとおり、連結売上高5,000億円規模への伸長を含む中長期ビジョンを定めました。 新中期計画は、この中長期ビジョンに至る重要な道筋・プロセスとして、実現していくべき3ヵ年の成長プランと位置付けております。 <中長期ビジョン> ●新中期計画(FY2024-FY2026)新中期計画において、事業の根幹の絵姿は従前から不変であります。 多様な人材が集い自律的に能力を発揮してインターネットとの通信インフラストラクチャー・環境を日本に創り上げたとの自負のもと、高いインターネット関連技術を源泉に、付加価値の高いネットワークサービスを開発し、インターネット関連のネットワーク及びシステムを安定的に運用し、システムインテグレーションの機能も併せて、日本企業等のIT需要に応え支えていくことで、役割を発揮し事業拡大を目指してまいります。 特に、2024年3月期におけるサービスインテグレーションでの複数年大型ネットワーク構築案件の増加等の事業状況を鑑み、既存のコアビジネス領域の徹底的な強化により、売上伸長の加速とそれによる利益水準の向上を図ります。 また、次の成長に向けた新規領域への取り組みにも注力いたします。 それらを実現するための事業基盤の強化にも継続して取り組んでまいります。 具体的な内容及び目標は、以下のとおりです。 <キャピタルアロケーション> (4) 対処すべき課題近年の当社グループの業績は、日本における企業や官公庁等のICT(*)利活用の進展に沿い、増収に併せた利益の向上が進展しております。 経済活動におけるICT利活用の流れは今後もますます進展していくと想定しており、経営理念の継続した充足のためにも、信頼性及び付加価値の高いネットワークやシステムとのサービスを、需要に合致する態様で創出し提供していくことが、重要であると考えております。 そのためには、優秀な人材の一層の獲得と育成が非常に重要であり、事業の成長に沿いながら、人的資本の一層の拡充を進める必要があります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) ガバナンス及びリスク管理当社は、経営理念を実践し、また企業価値を継続的に向上させるために、コーポレート・ガバナンスの充実と実践が重要であると考えております。 当社はこれらの充足に向けて、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、運営しております。 そのコーポレート・ガバナンス体制の下、昨今の気候変動や人的資本等のサステナビリティ関連リスク・機会への対応の重要性の高まりに対処するため、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を経営直轄機関として設置し、全社横断的な取り組みを推進しております。 気候変動関連については、当社及び主要子会社の気候変動関連リスク・機会とそれらへの対策状況を把握し、パリ協定の目標に基づき作成された2℃以下シナリオを活用したシナリオ分析を実施することにて、これらリスク・機会が事業に及ぼす影響を認識し、対応策の検討等を行っております。 また、当社及び主要子会社を対象とした温室効果ガス排出量を継続的に算出し、温室効果ガス削減に向けた取り組みを推進しております。 これらの取り組みについて、TCFD提言に基づき情報開示を行っております。 人的資本関連については、当社グループの人的資本についての考え方や各種方針に基づき重要な指標群を識別し、それら指標の目標設定及び実績管理等を推進しております。 このようなサステナビリティ委員会の取り組みの状況について、定期的に取締役会へ付議・報告されており、また、サステナビリティ委員会にて認識されたリスクのうち、事業に重要な影響が生じうるリスクは全社リスクに統合し管理され、取締役会にて継続的に認識・評価・管理を実践しております。 (2) 戦略① 気候変動関連に関する方針当社グループの「環境への取り組み方針」とその方針に基づく当社の「自社データセンターにおける温室効果ガス削減の取り組み方針」は以下の通りです。 [環境への取り組み方針]当社グループは、経営理念を継続して実現し、長期かつ持続可能な成長を遂げるために、環境関連法規を遵守し、地球環境に配慮した事業活動を通じて、社会全体の環境負荷低減に取り組むことが重要と認識しております。 当社は、国内初の本格的インターネットサービスプロバイダーとして、日本のインターネットのインフラストラクチャーを創り上げ、インターネット接続サービス等の提供を続けてまいりました。 インターネットを基盤とする各種サービスやアプリケーションの利用で、30年程前と比較して社会や経済活動は明らかに効率化されていると認識されます。 当社グループは、インターネットやクラウドコンピューティング等のネットワーク社会を支える信頼性の高いサービスを安定的に提供し続けることで、社会活動の更なる効率化と社会全体の環境負荷低減へ貢献をしてまいります。 一方、これらのサービス提供にあたり、電力の利用は不可欠であり、当社グループは、多くの電力が消費されるデータセンターにおいて、エネルギー効率向上や再生可能エネルギーの利用により、温室効果ガスの削減とカーボンニュートラルの実現に取り組むことが重要と認識しております。 また、サービス提供に必要となる機器・サービスの外部調達についても、サプライチェーン全体での温室効果ガス低減に配慮した調達活動を推進するように努めます。 [自社データセンターにおける温室効果ガス削減の取り組み方針]当社は、上記「環境への取り組み方針」に基づき、全電力使用量の約8割を占めるデータセンターにおいて、「再生可能エネルギーの利用」と「エネルギー効率の向上」により、温室効果ガスの削減に取り組むことが重要と認識しており、各々について取り組み目標を設定しています。 取り組み施策取り組み目標再生可能エネルギーの利用2030年度におけるデータセンター(Scope1,2)の再生可能エネルギー利用率を85%まで引き上げることを目標とします。 エネルギー効率の向上2030年度まで技術革新の継続により、データセンターのPUE(注1)を業界最高水準の数値(注2)以下にすることを目標とします。 (注) 1. PUE(Power Usage Effectiveness):データセンター施設全体のエネルギー使用量÷IT機器のエネルギー使用量2. 業界最高水準のPUE値:PUE 1.4 以下(2024年3月末時点において、資源エネルギー庁はデータセンター業におけるベンチマーク指標及び目指すべき水準をPUE1.4以下と設定し、達成事業者は省エネ優良事業者とみなされる) ②人的資本に関する方針当社の「人材育成の方針」及び「社内環境整備に関する方針」は以下の通りです。 [人材育成の方針]人材育成は業務を通じたOJT(On-the-Job Training)を根幹とし、従業員の年次や役割に応じた階層別研修、専門知識やスキル習得を目的とした部門別研修等にて補完しています。 当社グループは、国内最大規模のインターネットバックボーン構築・運用、斬新なサービスの自社開発・運用等の業務機会を提供することが、技術者層のモチベーション向上に繋がるものと考えております。 営業職は営業活動を通じたOJTに加え、技術基礎研修、当社サービス理解研修等によるネットワーク・システム等の知識の習得・定着やトップパフォーマーの成功提案事例等を共有する勉強会の開催等を実践しております。 当社の新卒従業員はこれら業務における上司からの指導に加え、OJTトレーナー研修を受講した上司以外の従業員と個々の特性・志向を勘案した能力開発目標を設定し、一年を通して早期に自律的な業務遂行ができるためのサポートを受けます。 2018年度以降、毎年約100名がOJTトレーナー研修を新たに受講し、トレーナー経験者は年々増加しております。 これら人材の増加は全社的なOJTレベルの向上に繋がるものと考えております。 当社は、若手従業員の育成が非常に重要と認識しており、OJTが有効に機能しているかを測る指標として、年次の従業員意識調査(注1)における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」(注2)に関する評価結果を重要視しております。 2023年度におけるこれら指標の評価結果は、「チャレンジ」3.9、「成長」4.0、及び、「上司サポート」4.3となりました。 当社はこれらの指標の総合が3点台後半以上となるように評価結果の要因分析、改善対応に努めており、今後もそれを継続してまいります。 (注) 1. 従業員意識調査は年1回実施されるエンゲージメント調査(約50設問)であり、各項目は1(そう思わない)、2(どちらかというとそう思わない)、3(どちらともいえない)、4(どちらかというとそう思う)、5(そう思う)の5段階で評価がなされます。 2. OJT評価指標「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」は、以下の要素を包含する設問に係る評価結果となります。 「チャレンジ」:チャレンジ支援、新しい発想・提案の受容、再チャレンジできる風土 等「成長」:現在の仕事での成長実感、成長支援の仕組み・制度 等「上司サポート」:上司・先輩からのアドバイス、上司満足度 等 [社内環境整備の方針]当社グループは従業員が心身ともに健康で安心・安全に働き続けられる環境及びワークライフバランス実現を支援するための環境の整備に積極的に取り組んでおります。 <健康の維持・メンタルヘルスケア>当社は、健康診断又は人間ドック(年1回)並びにインフルエンザ予防接種の無料実施や産業医・保健師に定期的に健康相談ができる環境を整備しております。 また、労働安全衛生法に基づくストレスチェックを年1回実施し、高ストレスにより面接指導が必要と考えられる従業員は、希望に応じ産業医との面談を実施しております。 ストレスチェックの結果は、部長職以上の役職者に共有することで、職場環境の改善を役職者が主導して行う仕組みとしています。 また、メンタルヘルス対策の一環として、ハラスメント研修やコミュニケーション研修(アンガーマネジメント、アサーティブコミュニケーション研修等)を実施しております。 <過重労働の防止・有給休暇の取得推進>当社は、労働時間管理方針を策定し、労働基準法の遵守及び労働時間適正化に向けた取り組みを推進しております。 残業の事前申請や各部門の残業状況レポート作成等により従業員の就業時間を随時把握しており、残業時間が一定水準を超過する場合には、各部門への注意喚起やヒアリング、超過者への産業医面談等を実施しております。 また、年次有給休暇に加えて、アニバーサリー休暇等の特別休暇を従業員に付与しており、特別休暇を含まない年次休暇5日以上の取得を徹底しております。 <多様な働き方・ワークライフバランス等の推進>当社では、コロナ禍以前より、場所に依存しない働き方を大きなコンセプトとして、リモートワーク(育児・介護対象者から導入)、サテライトオフィス(移動時間の有効活用による顧客対応の高速化)、フリーアドレス(コミュニケーションの活性化)等を導入しております。 当社では各従業員のライフステージや価値観などを尊重しつつ、仕事と家庭生活の両立を支援するための環境整備に積極的に取り組んでおります。 社内環境整備として、育児・介護休業制度、私傷病復職休暇制度等により、病気、育児、介護等においても仕事との両立が図れる諸制度を運営しております。 当社は、2024年に次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」としての厚生労働大臣認定(くるみん認定)を受けており、男性及び女性の育児休業制度利用率を各々10%以上及び90%以上の維持を目標としております。 2023年度におけるこれら指標の実績値は、男性53.5%及び女性100%となりました。 また、従業員の業務特性や個別環境に合わせて、フレックスタイム制度、ずらし勤務制度、短時間勤務制度等を運営しております。 その他の施策として、IIJグループ持株会、財形貯蓄、マネーセミナーの定期開催等の資産形成支援、従業員が家族に対し職場理解を得る機会創出のためファミリーデー開催等の取り組みを推進しております。 [中核人材の登用等における多様性の確保]2023年度の採用者における女性比率は20.6%と近年安定して2割超で推移しており、女性管理職数は徐々に増加しております。 2024年3月現在の当社の管理職における女性比率は6.5%でありました。 家庭生活や育児を両立させる制度や職場環境を継続的に充実させていくことにより、今後も時間経過とともに女性管理職比率は上昇していくと想定しております。 当社は、女性管理職比率の目標を2026年度に8%以上としており、従前の目標達成年度を1年前倒しております。 (3) 指標及び目標当社グループは、上記「 (2)戦略」に記載の通り、気候変動及び人的資本関連について以下の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は以下の通りです。 ① 気候変動[自社データセンターにおける温室効果ガス削減の取り組み方針]指標目標2023年度実績再生可能エネルギーの利用:当社データセンター(Scope1,2)の再生可能エネルギー利用率2030年度:85%50%エネルギー効率の向上:データセンター(Scope1,2)のPUE2030年度まで:業界最高水準の数値(1.4)以下を継続松江データセンター:1.33白井データセンター:1.36 ② 人的資本[人材育成の方針]指標目標2023年度実績当社の年次の従業員意識調査における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」に関する評価結果3点台後半以上を継続「チャレンジ」:3.9「成長」:4.0「上司サポート」:4.3 [社内環境整備の方針]指標目標2023年度実績当社の男性及び女性の育児休業制度利用率男性10%以上、女性90%以上を継続男性:53.5%女性:100% [中核人材の登用等における多様性の確保]指標目標2023年度実績(2024年3月)当社の管理職における女性比率2026年度(2026年4月):8%以上(2027年度から1年前倒し)6.5% ※当社グループにおける重要性を鑑み、当社の指標及び目標を記載しております。 |
戦略 | (2) 戦略① 気候変動関連に関する方針当社グループの「環境への取り組み方針」とその方針に基づく当社の「自社データセンターにおける温室効果ガス削減の取り組み方針」は以下の通りです。 [環境への取り組み方針]当社グループは、経営理念を継続して実現し、長期かつ持続可能な成長を遂げるために、環境関連法規を遵守し、地球環境に配慮した事業活動を通じて、社会全体の環境負荷低減に取り組むことが重要と認識しております。 当社は、国内初の本格的インターネットサービスプロバイダーとして、日本のインターネットのインフラストラクチャーを創り上げ、インターネット接続サービス等の提供を続けてまいりました。 インターネットを基盤とする各種サービスやアプリケーションの利用で、30年程前と比較して社会や経済活動は明らかに効率化されていると認識されます。 当社グループは、インターネットやクラウドコンピューティング等のネットワーク社会を支える信頼性の高いサービスを安定的に提供し続けることで、社会活動の更なる効率化と社会全体の環境負荷低減へ貢献をしてまいります。 一方、これらのサービス提供にあたり、電力の利用は不可欠であり、当社グループは、多くの電力が消費されるデータセンターにおいて、エネルギー効率向上や再生可能エネルギーの利用により、温室効果ガスの削減とカーボンニュートラルの実現に取り組むことが重要と認識しております。 また、サービス提供に必要となる機器・サービスの外部調達についても、サプライチェーン全体での温室効果ガス低減に配慮した調達活動を推進するように努めます。 [自社データセンターにおける温室効果ガス削減の取り組み方針]当社は、上記「環境への取り組み方針」に基づき、全電力使用量の約8割を占めるデータセンターにおいて、「再生可能エネルギーの利用」と「エネルギー効率の向上」により、温室効果ガスの削減に取り組むことが重要と認識しており、各々について取り組み目標を設定しています。 取り組み施策取り組み目標再生可能エネルギーの利用2030年度におけるデータセンター(Scope1,2)の再生可能エネルギー利用率を85%まで引き上げることを目標とします。 エネルギー効率の向上2030年度まで技術革新の継続により、データセンターのPUE(注1)を業界最高水準の数値(注2)以下にすることを目標とします。 (注) 1. PUE(Power Usage Effectiveness):データセンター施設全体のエネルギー使用量÷IT機器のエネルギー使用量2. 業界最高水準のPUE値:PUE 1.4 以下(2024年3月末時点において、資源エネルギー庁はデータセンター業におけるベンチマーク指標及び目指すべき水準をPUE1.4以下と設定し、達成事業者は省エネ優良事業者とみなされる) ②人的資本に関する方針当社の「人材育成の方針」及び「社内環境整備に関する方針」は以下の通りです。 [人材育成の方針]人材育成は業務を通じたOJT(On-the-Job Training)を根幹とし、従業員の年次や役割に応じた階層別研修、専門知識やスキル習得を目的とした部門別研修等にて補完しています。 当社グループは、国内最大規模のインターネットバックボーン構築・運用、斬新なサービスの自社開発・運用等の業務機会を提供することが、技術者層のモチベーション向上に繋がるものと考えております。 営業職は営業活動を通じたOJTに加え、技術基礎研修、当社サービス理解研修等によるネットワーク・システム等の知識の習得・定着やトップパフォーマーの成功提案事例等を共有する勉強会の開催等を実践しております。 当社の新卒従業員はこれら業務における上司からの指導に加え、OJTトレーナー研修を受講した上司以外の従業員と個々の特性・志向を勘案した能力開発目標を設定し、一年を通して早期に自律的な業務遂行ができるためのサポートを受けます。 2018年度以降、毎年約100名がOJTトレーナー研修を新たに受講し、トレーナー経験者は年々増加しております。 これら人材の増加は全社的なOJTレベルの向上に繋がるものと考えております。 当社は、若手従業員の育成が非常に重要と認識しており、OJTが有効に機能しているかを測る指標として、年次の従業員意識調査(注1)における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」(注2)に関する評価結果を重要視しております。 2023年度におけるこれら指標の評価結果は、「チャレンジ」3.9、「成長」4.0、及び、「上司サポート」4.3となりました。 当社はこれらの指標の総合が3点台後半以上となるように評価結果の要因分析、改善対応に努めており、今後もそれを継続してまいります。 (注) 1. 従業員意識調査は年1回実施されるエンゲージメント調査(約50設問)であり、各項目は1(そう思わない)、2(どちらかというとそう思わない)、3(どちらともいえない)、4(どちらかというとそう思う)、5(そう思う)の5段階で評価がなされます。 2. OJT評価指標「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」は、以下の要素を包含する設問に係る評価結果となります。 「チャレンジ」:チャレンジ支援、新しい発想・提案の受容、再チャレンジできる風土 等「成長」:現在の仕事での成長実感、成長支援の仕組み・制度 等「上司サポート」:上司・先輩からのアドバイス、上司満足度 等 [社内環境整備の方針]当社グループは従業員が心身ともに健康で安心・安全に働き続けられる環境及びワークライフバランス実現を支援するための環境の整備に積極的に取り組んでおります。 <健康の維持・メンタルヘルスケア>当社は、健康診断又は人間ドック(年1回)並びにインフルエンザ予防接種の無料実施や産業医・保健師に定期的に健康相談ができる環境を整備しております。 また、労働安全衛生法に基づくストレスチェックを年1回実施し、高ストレスにより面接指導が必要と考えられる従業員は、希望に応じ産業医との面談を実施しております。 ストレスチェックの結果は、部長職以上の役職者に共有することで、職場環境の改善を役職者が主導して行う仕組みとしています。 また、メンタルヘルス対策の一環として、ハラスメント研修やコミュニケーション研修(アンガーマネジメント、アサーティブコミュニケーション研修等)を実施しております。 <過重労働の防止・有給休暇の取得推進>当社は、労働時間管理方針を策定し、労働基準法の遵守及び労働時間適正化に向けた取り組みを推進しております。 残業の事前申請や各部門の残業状況レポート作成等により従業員の就業時間を随時把握しており、残業時間が一定水準を超過する場合には、各部門への注意喚起やヒアリング、超過者への産業医面談等を実施しております。 また、年次有給休暇に加えて、アニバーサリー休暇等の特別休暇を従業員に付与しており、特別休暇を含まない年次休暇5日以上の取得を徹底しております。 <多様な働き方・ワークライフバランス等の推進>当社では、コロナ禍以前より、場所に依存しない働き方を大きなコンセプトとして、リモートワーク(育児・介護対象者から導入)、サテライトオフィス(移動時間の有効活用による顧客対応の高速化)、フリーアドレス(コミュニケーションの活性化)等を導入しております。 当社では各従業員のライフステージや価値観などを尊重しつつ、仕事と家庭生活の両立を支援するための環境整備に積極的に取り組んでおります。 社内環境整備として、育児・介護休業制度、私傷病復職休暇制度等により、病気、育児、介護等においても仕事との両立が図れる諸制度を運営しております。 当社は、2024年に次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」としての厚生労働大臣認定(くるみん認定)を受けており、男性及び女性の育児休業制度利用率を各々10%以上及び90%以上の維持を目標としております。 2023年度におけるこれら指標の実績値は、男性53.5%及び女性100%となりました。 また、従業員の業務特性や個別環境に合わせて、フレックスタイム制度、ずらし勤務制度、短時間勤務制度等を運営しております。 その他の施策として、IIJグループ持株会、財形貯蓄、マネーセミナーの定期開催等の資産形成支援、従業員が家族に対し職場理解を得る機会創出のためファミリーデー開催等の取り組みを推進しております。 [中核人材の登用等における多様性の確保]2023年度の採用者における女性比率は20.6%と近年安定して2割超で推移しており、女性管理職数は徐々に増加しております。 2024年3月現在の当社の管理職における女性比率は6.5%でありました。 家庭生活や育児を両立させる制度や職場環境を継続的に充実させていくことにより、今後も時間経過とともに女性管理職比率は上昇していくと想定しております。 当社は、女性管理職比率の目標を2026年度に8%以上としており、従前の目標達成年度を1年前倒しております。 |
指標及び目標 | (3) 指標及び目標当社グループは、上記「 (2)戦略」に記載の通り、気候変動及び人的資本関連について以下の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は以下の通りです。 ① 気候変動[自社データセンターにおける温室効果ガス削減の取り組み方針]指標目標2023年度実績再生可能エネルギーの利用:当社データセンター(Scope1,2)の再生可能エネルギー利用率2030年度:85%50%エネルギー効率の向上:データセンター(Scope1,2)のPUE2030年度まで:業界最高水準の数値(1.4)以下を継続松江データセンター:1.33白井データセンター:1.36 ② 人的資本[人材育成の方針]指標目標2023年度実績当社の年次の従業員意識調査における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」に関する評価結果3点台後半以上を継続「チャレンジ」:3.9「成長」:4.0「上司サポート」:4.3 [社内環境整備の方針]指標目標2023年度実績当社の男性及び女性の育児休業制度利用率男性10%以上、女性90%以上を継続男性:53.5%女性:100% [中核人材の登用等における多様性の確保]指標目標2023年度実績(2024年3月)当社の管理職における女性比率2026年度(2026年4月):8%以上(2027年度から1年前倒し)6.5% ※当社グループにおける重要性を鑑み、当社の指標及び目標を記載しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②人的資本に関する方針当社の「人材育成の方針」及び「社内環境整備に関する方針」は以下の通りです。 [人材育成の方針]人材育成は業務を通じたOJT(On-the-Job Training)を根幹とし、従業員の年次や役割に応じた階層別研修、専門知識やスキル習得を目的とした部門別研修等にて補完しています。 当社グループは、国内最大規模のインターネットバックボーン構築・運用、斬新なサービスの自社開発・運用等の業務機会を提供することが、技術者層のモチベーション向上に繋がるものと考えております。 営業職は営業活動を通じたOJTに加え、技術基礎研修、当社サービス理解研修等によるネットワーク・システム等の知識の習得・定着やトップパフォーマーの成功提案事例等を共有する勉強会の開催等を実践しております。 当社の新卒従業員はこれら業務における上司からの指導に加え、OJTトレーナー研修を受講した上司以外の従業員と個々の特性・志向を勘案した能力開発目標を設定し、一年を通して早期に自律的な業務遂行ができるためのサポートを受けます。 2018年度以降、毎年約100名がOJTトレーナー研修を新たに受講し、トレーナー経験者は年々増加しております。 これら人材の増加は全社的なOJTレベルの向上に繋がるものと考えております。 当社は、若手従業員の育成が非常に重要と認識しており、OJTが有効に機能しているかを測る指標として、年次の従業員意識調査(注1)における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」(注2)に関する評価結果を重要視しております。 2023年度におけるこれら指標の評価結果は、「チャレンジ」3.9、「成長」4.0、及び、「上司サポート」4.3となりました。 当社はこれらの指標の総合が3点台後半以上となるように評価結果の要因分析、改善対応に努めており、今後もそれを継続してまいります。 (注) 1. 従業員意識調査は年1回実施されるエンゲージメント調査(約50設問)であり、各項目は1(そう思わない)、2(どちらかというとそう思わない)、3(どちらともいえない)、4(どちらかというとそう思う)、5(そう思う)の5段階で評価がなされます。 2. OJT評価指標「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」は、以下の要素を包含する設問に係る評価結果となります。 「チャレンジ」:チャレンジ支援、新しい発想・提案の受容、再チャレンジできる風土 等「成長」:現在の仕事での成長実感、成長支援の仕組み・制度 等「上司サポート」:上司・先輩からのアドバイス、上司満足度 等 [社内環境整備の方針]当社グループは従業員が心身ともに健康で安心・安全に働き続けられる環境及びワークライフバランス実現を支援するための環境の整備に積極的に取り組んでおります。 <健康の維持・メンタルヘルスケア>当社は、健康診断又は人間ドック(年1回)並びにインフルエンザ予防接種の無料実施や産業医・保健師に定期的に健康相談ができる環境を整備しております。 また、労働安全衛生法に基づくストレスチェックを年1回実施し、高ストレスにより面接指導が必要と考えられる従業員は、希望に応じ産業医との面談を実施しております。 ストレスチェックの結果は、部長職以上の役職者に共有することで、職場環境の改善を役職者が主導して行う仕組みとしています。 また、メンタルヘルス対策の一環として、ハラスメント研修やコミュニケーション研修(アンガーマネジメント、アサーティブコミュニケーション研修等)を実施しております。 <過重労働の防止・有給休暇の取得推進>当社は、労働時間管理方針を策定し、労働基準法の遵守及び労働時間適正化に向けた取り組みを推進しております。 残業の事前申請や各部門の残業状況レポート作成等により従業員の就業時間を随時把握しており、残業時間が一定水準を超過する場合には、各部門への注意喚起やヒアリング、超過者への産業医面談等を実施しております。 また、年次有給休暇に加えて、アニバーサリー休暇等の特別休暇を従業員に付与しており、特別休暇を含まない年次休暇5日以上の取得を徹底しております。 <多様な働き方・ワークライフバランス等の推進>当社では、コロナ禍以前より、場所に依存しない働き方を大きなコンセプトとして、リモートワーク(育児・介護対象者から導入)、サテライトオフィス(移動時間の有効活用による顧客対応の高速化)、フリーアドレス(コミュニケーションの活性化)等を導入しております。 当社では各従業員のライフステージや価値観などを尊重しつつ、仕事と家庭生活の両立を支援するための環境整備に積極的に取り組んでおります。 社内環境整備として、育児・介護休業制度、私傷病復職休暇制度等により、病気、育児、介護等においても仕事との両立が図れる諸制度を運営しております。 当社は、2024年に次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」としての厚生労働大臣認定(くるみん認定)を受けており、男性及び女性の育児休業制度利用率を各々10%以上及び90%以上の維持を目標としております。 2023年度におけるこれら指標の実績値は、男性53.5%及び女性100%となりました。 また、従業員の業務特性や個別環境に合わせて、フレックスタイム制度、ずらし勤務制度、短時間勤務制度等を運営しております。 その他の施策として、IIJグループ持株会、財形貯蓄、マネーセミナーの定期開催等の資産形成支援、従業員が家族に対し職場理解を得る機会創出のためファミリーデー開催等の取り組みを推進しております。 [中核人材の登用等における多様性の確保]2023年度の採用者における女性比率は20.6%と近年安定して2割超で推移しており、女性管理職数は徐々に増加しております。 2024年3月現在の当社の管理職における女性比率は6.5%でありました。 家庭生活や育児を両立させる制度や職場環境を継続的に充実させていくことにより、今後も時間経過とともに女性管理職比率は上昇していくと想定しております。 当社は、女性管理職比率の目標を2026年度に8%以上としており、従前の目標達成年度を1年前倒しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ② 人的資本[人材育成の方針]指標目標2023年度実績当社の年次の従業員意識調査における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」に関する評価結果3点台後半以上を継続「チャレンジ」:3.9「成長」:4.0「上司サポート」:4.3 [社内環境整備の方針]指標目標2023年度実績当社の男性及び女性の育児休業制度利用率男性10%以上、女性90%以上を継続男性:53.5%女性:100% [中核人材の登用等における多様性の確保]指標目標2023年度実績(2024年3月)当社の管理職における女性比率2026年度(2026年4月):8%以上(2027年度から1年前倒し)6.5% ※当社グループにおける重要性を鑑み、当社の指標及び目標を記載しております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の連結業績の概要 当連結会計年度における国内景気は一部に足踏みもみられましたが、緩やかに回復しました。 先行きにつきましては、各種政策の効果もあり、景気の緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇、世界的な金融引締めによる金利や為替の変動等の影響を注視する必要があります。 そのような景気動向の中、当社グループが主にかかわる法人ICT関連市場では、クラウドサービスやAI(*)等の新技術の企業活動への利活用の浸透、それらも含む要因によるインターネットトラフィックの継続増加、サイバーセキュリティ対策の重要性の高まり等が想定されます。 企業のネットワーク及びシステムの領域は、旧来の社内閉域ネットワークから、インターネット技術を融合した複雑で多様なものへと変化しつつあり、今後も信頼性の高いネットワーク及びシステムの安定運用との重要性が増していくと想定をしております。 当連結会計年度は、当社グループの3ヵ年中期計画の最終年度にあたります。 この中期計画期間におきまして、概して進展が遅かった日本企業及び官公庁等のIT利活用が、コロナ禍を契機に急進し、コロナ沈静後も社内外ネットワークの更改も含めて強い需要が継続しております。 これら需要に対して、当社グループの月額提供のネットワークサービスをシステムインテグレーションに組み込む「サービスインテグレーション」との事業モデルを展開し、契約期間総額が数十億円から100億円超の複数年にわたる大型案件を多数獲得いたしました。 前中期計画末の2021年3月期と比較すると、当期の売上高は約1.3倍の2,761億円、営業利益は約2.0倍の290億円、営業利益率は3.8ポイント向上の10.5%と推移し、中期計画で掲げた法人ストック売上の大幅伸長とスケールメリットによる利益享受との態様を実現いたしました。 また、事業拡大に伴い、年度末時の従業員数は約1.3倍の4,803名となりました。 その他の中期計画の振り返りは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期的な会社の経営戦略 ①前中期計画の振り返り」をご参照ください。 当連結会計年度の事業進展につきましては、ネットワークサービスにおいては、月額売上を堅調に積み上げ、売上総利益率は28.7%と前年同期比1.3ポイント向上いたしました。 内訳につきましては、ネットワークサービス(除くモバイル関連サービス(*))は、IPサービス、セキュリティ関連サービス及びWANサービス等の需要が引き続き良好で、売上高は前年同期比8.9%増の1,052億円となりました。 モバイル関連サービスは、総契約回線数は481万回線と前年度末比16.3%増加し、売上高は前年同期比9.1%増の461億円となりました。 個人向けモバイルサービスは成熟市場のなかでも競争力を発揮し契約回線数は前年度末比5.6%増の127万回線、売上高は前年同期比4.5%増の220億円となり、法人向けモバイルサービスはネットワークカメラ等のIoT利用の継続普及等により契約回線数は前年度末比29.8%増の235万回線、売上高は前年同期比21.9%増の136億円となりました。 システムインテグレーションにおいては、受注及び受注残高は好調であったものの、売上計上が複数年にわたる大型案件へのリソース割当等により単年度では売上伸長が鈍化し、また、売上計上に先行して生じる原価の増加もあり、売上総利益率は前年同期比1.1ポイント減の15.6%となりました。 当社グループは、新規学卒者の獲得と育成を中心に戦略的な人的資本の拡張を進めており、当事業年度の期初は246名、2024年4月には307名の新規学卒者を迎えました。 ネットワーク設備の拡張については、インターネットトラフィックの増加や自社サービス需要の高まりに応じ、インターネットバックボーンや自社サービス設備等を収容する自社保有データセンターを継続拡張いたしました。 国際事業においては、従前からの事業進展に加えて、約28億円の海外データセンター構築案件や2021年4月に完全子会社化したシンガポールのシステムインテグレーターであるPTC SYSTEM (S) PTE LTDの貢献もあり、国際事業売上高は前年同期比38.1%増の353億円となりました。 新規事業においては、当社持分法対象の㈱ディーカレットDCPにて、国内初のデジタル通貨サービスとして、非化石証書取引におけるデジタル通貨(DCJPY)の発行及び決済サービスの提供を2024年7月開始予定としております。 当連結会計年度の業績につきまして、総売上高は、前年同期比9.2%増の276,080百万円(前年同期 252,708百万円)となりました。 売上原価は前年同期比8.9%増の212,214百万円(前年同期 194,800百万円)となり、売上総利益は前年同期比10.3%増の63,866百万円(前年同期 57,908百万円)となりました。 内訳といたしまして、ネットワークサービスの売上高は前年同期比8.9%増の151,347百万円(前年同期 138,922百万円)、売上総利益は前年同期比14.0%増の43,493百万円(前年同期 38,146百万円)となりました。 ネットワークサービスの売上原価におきましては、当第3四半期において㈱NTTドコモのモバイルデータ接続料の2022年度利用分単価確定による費用戻し効果1億円強(前年同期は5億円強の効果)がありました。 システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は前年同期比9.8%増の121,819百万円(前年同期 110,944百万円)、内システム構築売上は49,902百万円(前年同期 42,945百万円)、システム運用保守売上は71,917百万円(前年同期 67,999百万円)となり、売上総利益は前年同期比2.6%増の19,042百万円(前年同期 18,553百万円)となりました。 ATM運営事業の売上高は前年同期比2.5%増の2,914百万円(前年同期 2,842百万円)、売上総利益は前年同期比10.1%増の1,331百万円(前年同期 1,209百万円)となりました。 販売管理費等(販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用の合計)は前年同期比13.5%増の34,837百万円(前年同期 30,687百万円)となりました。 営業利益は、前年同期比6.6%増の29,029百万円(前年同期 27,221百万円)となりました。 税引前利益は、為替差益533百万円(前年同期 365百万円の利益)及び主としてファンドに係る金融資産評価益149百万円(前年同期 303百万円)等により、前年同期比6.0%増の28,934百万円(前年同期 27,309百万円)となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比5.2%増の19,831百万円(前年同期 18,852百万円)となりました。 (2) 財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比27,395百万円増加し、273,713百万円(前連結会計年度末 246,318百万円)となりました。 当連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、営業債権及び前払費用等の増加により、前連結会計年度末比13,211百万円増加し、119,889百万円(前連結会計年度末 106,678百万円)となりました。 非流動資産は、有形固定資産、無形資産、前払費用及び投資有価証券(株式)の増加等により前連結会計年度末比14,184百万円増加し、153,824百万円(前連結会計年度末 139,640百万円)となりました。 当連結会計年度末における流動負債は、借入金、営業債務及びその他の債務、契約負債の増加等により、前連結会計年度末比20,494百万円増加し、98,358百万円(前連結会計年度末 77,864百万円)となりました。 非流動負債は、前連結会計年度末比704百万円減少し、48,323百万円(前連結会計年度末 49,027百万円)となりました。 当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、自己株式の取得による11,405百万円減少もありましたが、前連結会計年度末比7,509百万円増加の125,751百万円 (前連結会計年度末 118,242百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は45.9%となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、45,474百万円となりました。 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益28,934百万円、減価償却費及び償却費29,296百万円、法人所得税の支払い8,130百万円に対して前払費用等による支出の増加等により、営業資産及び負債の増減は9,880百万円の支出となり、40,780百万円の収入となりました。 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、白井データセンターキャンパス建設関連等の有形固定資産の取得による11,744百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による7,199百万円の支出等があり、17,927百万円の支出となりました。 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加11,800百万円、自己株式の取得の支払11,405百万円、その他の金融負債の支払20,008百万円、その他の金融負債による収入6,609百万円、配当金の支払5,682百万円、長期借入金の返済2,060百万円等があり、20,797百万円の支出となりました。 (生産、受注及び販売の実績)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。 役務区分当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)生産高(百万円)前年同期比(%)システムインテグレーション(含む機器販売)103,12912.1合計103,12912.1 (注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。 2.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。 なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。 役務区分当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)システムインテグレーション(構築及び機器販売)59,86435.223,761 72.2システムインテグレーション(運用保守)88,09115.085,132 23.5合計147,95522.4108,893 31.6 (注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。 2.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。 なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。 (3) 販売実績当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。 役務区分当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)販売高(百万円)前年同期比(%)ネットワークサービス売上高合計151,347 8.9 うち、法人向けインターネット接続サービス44,72511.1 うち、個人向けインターネット接続サービス25,2854.3 うち、アウトソーシングサービス52,97213.2 うち、WANサービス28,3652.7システムインテグレーション売上高合計121,8199.8 うち、構築及び機器販売49,90216.2 うち、運用保守71,9175.8ATM運営事業売上高2,9142.5合計276,080 9.2 (注)1.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。 2.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 重要性がある会計方針及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。 当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。 これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。 しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。 (2) 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の経営成績の分析①連結経営成績サマリー<主要な連結経営指標> 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)増減率金額(百万円)金額(百万円)(%)売上収益合計252,708276,080 9.2 ネットワークサービス売上高138,922151,3478.9 システムインテグレーション売上高(注1)110,944121,8199.8 ATM運営事業売上高2,8422,9142.5売上原価合計△194,800△212,2148.9 ネットワークサービス売上原価△100,776△107,8547.0 システムインテグレーション売上原価(注1)△92,391△102,77711.2 ATM運営事業売上原価△1,633△1,583△3.1売上総利益合計57,90863,86610.3 ネットワークサービス売上総利益38,14643,49314.0 システムインテグレーション売上総利益(注1)18,55319,0422.6 ATM運営事業売上総利益1,2091,33110.1販売管理費等(注2)△30,687△34,83713.5営業利益27,22129,0296.6税引前利益27,30928,9346.0親会社の所有者に帰属する当期利益18,85219,8315.2 (注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。 2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。 <セグメント情報> 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)金額(百万円)金額(百万円)売上収益合計252,708276,080 ネットワークサービス及びSI事業249,970273,247 ATM運営事業2,8422,914 セグメント間取引消去△104△ 81営業利益合計27,22129,029 ネットワークサービス及びSI事業26,32228,014 ATM運営事業9191,015 セグメント間取引消去△20 - ②経営成績の分析当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。 ⅰ)売上収益当連結会計年度における売上収益は、前年同期比9.2%増の276,080百万円(前年同期 252,708百万円)となりました。 <ネットワークサービス売上高>法人向けインターネット接続サービスの売上高は、法人IoT等用途向け法人モバイルサービス及びIPサービス等の売上増加があり、前年同期比11.1%増の44,725百万円(前年同期 40,253百万円)となりました。 個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス等の売上増加があり、前年同期比4.3%増の25,285百万円(前年同期 24,235百万円)となりました。 アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス等の売上増加があり、前年同期比13.2%増の52,972百万円(前年同期 46,808百万円)となりました。 WANサービスの売上高は、前年同期比2.7%増の28,365百万円(前年同期 27,626百万円)となりました。 これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比8.9%増の151,347百万円(前年同期 138,922百万円)となりました。 ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、それぞれ以下のとおりであります。 <ネットワークサービス売上高の内訳> 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)増減率金額(百万円)金額(百万円)(%)ネットワークサービス売上高合計138,922151,3478.9 法人向けインターネット接続サービス40,25344,72511.1 IPサービス(含むインターネットデータセンター接続サービス)14,83515,9907.8 IIJモバイルサービス(法人向け)21,24924,17713.8 法人IoT等用途向け直接提供11,17913,63221.9 MVNOプラットフォームサービス10,07010,5454.7 その他4,1694,5589.3 個人向けインターネット接続サービス24,23525,2854.3 IIJmioモバイルサービス21,02521,9614.5 その他3,2103,3243.6 アウトソーシングサービス46,80852,97213.2 WANサービス27,62628,3652.7 <インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域 (注)1> 前連結会計年度末(2023年3月31日現在)当連結会計年度末(2024年3月31日現在)増減数契約数(件)契約数(件)(件)法人向けインターネット接続サービス契約数合計3,026,1493,638,223612,074 IPサービス(1Gbps以上) (注)21,3561,39539 IPサービス(1Gbps未満) (注)21,4091,401△8 IIJモバイルサービス(法人向け)2,929,6463,535,558605,912 法人IoT等用途向け直接提供1,809,8162,349,885540,069 MVNOプラットフォームサービス1,119,8301,185,67365,843 その他93,73899,8696,131個人向けインターネット接続サービス回線数合計1,547,2061,609,94462,738 IIJmioモバイルサービス1,206,3211,274,41068,089 その他340,885335,534△5,351 帯域(Gbps)帯域(Gbps)増減法人向けインターネット接続サービス契約総帯域 (注)38,814.310,441.71,627.4 (注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。 2.IPサービスには、インターネットデータセンター接続サービスが含まれます。 3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス(含むインターネットデータセンター接続サービス)及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。 <システムインテグレーション売上高>システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、前年同期比16.2%増の49,902百万円(前年同期 42,945百万円)となりました。 システム運用保守による継続的な売上高は、システム運用保守案件の継続積み上げによる増加等があり、前年同期比5.8%増の71,917百万円(前年同期 67,999百万円)となりました。 これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比9.8%増の121,819百万円(前年同期 110,944百万円)となりました。 当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比22.4%増の147,955百万円(前年同期 120,910百万円)となりました。 このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比35.2%増の59,864百万円(前年同期 44,293百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比15.0%増の88,091百万円(前年同期 76,617百万円)でありました。 当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比31.6%増の108,893百万円(前年同期末 82,757百万円)となりました。 このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は前年同期末比72.2%増の23,761百万円(前年同期末 13,799百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比23.5%増の85,132百万円(前年同期末 68,958百万円)でありました。 <ATM運営事業売上高>ATM運営事業売上高は、前年同期比2.5%増の2,914百万円(前年同期 2,842百万円)となりました。 ⅱ)売上原価当連結会計年度における売上原価は、前年同期比8.9%増の212,214百万円(前年同期 194,800百万円)となりました。 <ネットワークサービス売上原価>ネットワークサービスの売上原価は、前年同期比7.0%増の107,854百万円(前年同期 100,776百万円)となりました。 セキュリティ関連サービスのライセンス費用等の増加及び㈱NTTドコモのモバイルデータ接続料の2022年度利用分単価確定による費用戻し効果1億円強(前年同期は5億円強の効果)等がありました。 ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比14.0%増の43,493百万円(前年同期 38,146百万円)となり、ネットワークサービスの売上総利益率は28.7%(前年同期 27.5%)となりました。 <システムインテグレーション売上原価>システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、外注関連費用及び仕入の増加等があり、前年同期比11.2%増の102,777百万円(前年同期 92,391百万円)となりました。 機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比2.6%増の19,042百万円(前年同期 18,553百万円)となり、売上総利益率は15.6%(前年同期 16.7%)となりました。 <ATM運営事業売上原価>ATM運営事業売上原価は、前年同期比3.1%減の1,583百万円(前年同期 1,633百万円)となりました。 売上総利益は、1,331百万円(前年同期 1,209百万円)となり、売上総利益率は45.7%(前年同期 42.5%)となりました。 ⅲ)販売管理費等当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件関連費用等の増加があり、前年同期比12.5%増の34,754百万円(前年同期 30,897百万円)となりました。 その他の収益は169百万円(前年同期は一時的な資産売却益を含む281百万円)となりました。 その他の費用は252百万円(前年同期 71百万円)となりました。 ⅳ)営業利益当連結会計年度における営業利益は、前年同期比6.6%増の29,029百万円(前年同期 27,221百万円)となりました。 ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益当連結会計年度における金融収益は、為替差益533百万円(前年同期 365百万円の利益)及び主としてファンドに係る金融資産評価益149百万円(前年同期 303百万円の評価益)等により、1,019百万円(前年同期 844百万円)となりました。 当連結会計年度における金融費用は、支払利息616百万円(前年同期 529百万円)等により、649百万円(前年同期 552百万円)となりました。 当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットホールディングスに関する損失535百万円(前年同期 382百万円の損失)等があり、465百万円の損失(前年同期 204百万円の損失)となりました。 ⅵ)税引前利益当連結会計年度における税引前当期利益は、前年同期比6.0%増の28,934百万円(前年同期 27,309百万円)となりました。 ⅶ)当期利益当連結会計年度における法人所得税費用は、8,958百万円の費用(前年同期 8,316百万円の費用)となりました。 この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比5.2%増の19,976百万円(前年同期 18,993百万円)となりました。 非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により145百万円(前年同期 141百万円)となりました。 この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比5.2%増の19,831百万円(前年同期 18,852百万円)となりました。 (3) 当連結会計年度末(2024年3月31日現在)の財政状態の分析当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比27,395百万円増加し、273,713百万円(前連結会計年度末 246,318百万円)となりました。 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末比13,211百万円増加し、119,889百万円(前連結会計年度末 106,678百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、現金及び現金同等物の3,002百万円増加の45,474百万円、営業債権の4,343百万円増加の45,683百万円、設備保守及び顧客向け案件等による前払費用の4,743百万円増加の20,084百万円でありました。 当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比14,184百万円増加し、153,824百万円(前連結会計年度末 139,640百万円)となりました。 主な残高及び増減の内訳は、有形固定資産の白井データセンターキャンパス建設関連資産の取得等による5,751百万円増加の29,072百万円、使用権資産(オフィス、データセンター等の賃借契約及び通信機器等のリース契約の利用権)の償却等による5,433百万円減少の41,242百万円、ソフトウェア購入等による無形資産の1,741百万円増加の18,357百万円、顧客向けライセンス案件等及び設備保守等による前払費用の6,833百万円増加の19,412百万円、保有上場株式の時価評価等による投資有価証券(株式)の4,532百万円増加の14,563百万円でありました。 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比20,494百万円増加し、98,358百万円(前連結会計年度末 77,864百万円)となりました。 主な残高及び増減の内訳は、営業債務及びその他の債務の3,122百万円増加の25,435百万円、借入金の13,305百万円増加(うち、自己株式取得に見合う短期借入金による調達12,000百万円、返済による減少2,260百万円及び非流動負債からの振替等3,555百万円)の30,133百万円、契約負債の2,516百万円増加の12,685百万円、その他の金融負債の70百万円減少の18,035百万円でありました。 当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比704百万円減少し、48,323百万円(前連結会計年度末 49,027百万円)となり、主な残高及び増減の内訳は、流動負債への振替等による借入金の3,555百万円減少の47百万円、契約負債の1,141百万円増加の8,552百万円、長期未払金等によるその他の金融負債の408百万円増加の31,103百万円でありました。 当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、自己株式の取得による11,405百万円減少もありましたが、前連結会計年度末比7,509百万円増加の125,751百万円 (前連結会計年度末 118,242百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は45.9%となりました。 (4) 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の流動性及び資金の源泉の分析①概要当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。 こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。 ②キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、45,474百万円(前年同期末 42,472百万円)となりました。 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益28,934百万円(前年同期 27,309百万円)、減価償却費及び償却費29,296百万円(前年同期 28,801百万円)、うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費11,784百万円(前年同期 11,618百万円)、法人所得税の支払い8,130百万円(前年同期 9,958百万円) があり、営業資産及び負債の増減は、前払費用等による支出の増加が、営業債務等による支出の減少及び契約負債等による収入の増加等を上回り、9,880百万円の支出(前年同期 7,712百万円の支出)となり、40,780百万円の収入(前年同期 38,529百万円の収入)となりました。 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、白井データセンターキャンパス建設関連等の有形固定資産の取得による11,744百万円の支出(前年同期 11,787百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による7,199百万円の支出(前年同期 5,471百万円の支出)等があり、17,927百万円の支出(前年同期 18,386百万円の支出)となりました。 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加11,800百万円、自己株式の取得の支払11,405百万円、本社オフィス等のオペレーティング・リース及びネットワーク機器等のファイナンス・リースの支払等によるその他の金融負債の支払20,008百万円(前年同期 19,344百万円)、その他の金融負債による収入6,609百万円、配当金の支払5,682百万円(前年同期 4,901百万円)、長期借入金の返済2,060百万円(前年同期 1,515百万円)等があり、20,797百万円の支出(前年同期 25,731百万円の支出)となりました。 ③借入金当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。 当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は26,570百万円でありました。 当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は20,080百万円でありました。 また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は3,610百万円でありました。 ④ファイナンス・リース当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。 当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の残高は15,750百万円であります。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 本書提出日現在、記載すべき経営上の重要な契約はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社は、当社グループの基礎技術研究の中核として、インターネットに関する新技術等の調査及び研究を行う技術研究所を社内組織として設置しており、事業部門等と連携を取りながら様々な研究開発に取り組んでおります。 インターネットに関する基礎技術については、当連結会計年度において、インターネットトラフィックの調査、計測及び解析、インターネット基盤技術、セキュリティに関する研究など幅広い活動を行いました。 インターネットトラフィックの調査、計測及び解析においては、2004年から総務省及び他ISPと協力して国内インターネットのトラフィック量を把握するための調査及びその動向報告を継続的に行っております。 また、ネットワーク運用を支援する目的で、インターネット上の任意のネットワークについての外部観測データを多角的に解析するツールを開発し、解析結果と共に公開しています。 これらの研究は、当社にとってネットワーク設計等を検討していくうえで有用であるだけでなく、国際的にも貴重な研究成果として認知されており、情報通信業界へ広く貢献する研究と認識しております。 インターネット基盤技術については、ますます大規模化、高速化するインターネットをより効率的に運用できるよう調査及び解析を行い、ソフトウェアによる通信高速化技術の研究開発、インターネットで利用されるプロトコルの標準化、運用管理の自動化(クラウドサービスに要する資源の自動割り当てモデルの設計、ネットワーク情報の収集と抽出による動的情報管理、産業用機器やIoT機器等の自動設定システムの構築等)等の研究を行いました。 セキュリティについては、当社のセキュリティオペレーションセンターにて集積しているログを用いた早期警戒システムの設計、機械学習及びバイナリ解析技術を基に攻撃に繋がる可能性のある動きを未然に防ぐ技術の研究等を行いました。 当社は、当連結会計年度において、事業部門においても、事業活動と並行して、新サービスの開発、モバイルサービスの機能追加、フルMVNOサービスの開発、IoT関連サービス開発等に向けた各種PoC(*)案件推進、セキュリティ技術の評価、検討、サービス開発及び機能追加、クラウドコンピューティングサービスの機能追加、事業に必要な関連ソフトウェアの評価、検討、開発、改良及び実装、通信機器の評価及び検討、次世代システムインフラの開発、ネットワーク運用技術の評価、検討及び開発等の研究開発活動を行いました。 当社は、インターネット技術の標準化団体といえるISOC(*)及びIETF(*)、アジアと日本のインターネット運用管理組織であるAPNIC(*)及びJPNIC(*)、国際連合の専門機関ITU(*)の電気通信標準化部門であるITU-T(*)、セキュリティに関する国際組織FIRST(*)、日本のインターネット技術者及び利用者への貢献を目的としてインターネットにおける技術的事項及びそれに係るオペレーションに関する事項の議論、検討及び紹介等を行うJANOG(*)、日本の情報通信分野の安全の確保を目的として活動するICT-ISAC(*)、クラウドコンピューティングを重要な社会インフラとして普及・発展させることを目的として活動するASPIC(*)等の国内外のインターネット・通信関連技術団体に加盟及び参加しており、ネットワーク関連技術の発展に積極的に取り組んでおります。 インターネットは、通信手順を一般に公開し共通化することにより普及してきたという経緯があります。 当社グループは、インターネットを含むデータ通信等に関わる研究開発において、個別に多額の予算を注ぎ込んで独自の技術を新規開発するというよりも、基礎技術の標準化過程への参画、次世代の技術情報の収集、評価及び習得、新技術の既存サービスへの応用及び実装、所与の技術による付加価値の高いサービス及びプロダクトの創出及び開発等が重要であると認識しており、主としてそのような研究開発活動を推進しております。 当社グループの研究開発は上述のような内容であり、その費用の殆どは人件費であります。 当社グループは、主として基礎技術研究に従事した人員に関する人件費等を研究開発費として計上し、サービス開発等に関する費用は原価計上しております。 当連結会計年度における研究開発費は、ネットワークサービス及びSI事業にかかるものであり、前年同期比16.5%増の636百万円でありました。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社は、クラウドコンピューティングサービスへの需要増加、トラフィックの増加等に対応するため、データセンター、サーバ及びネットワーク機器等に継続的に投資を行っております。 また、提供サービスの拡充をはかるためのサービス用システム開発及び業務の効率化をはかるための業務系システム開発等にも取り組んでおります。 当連結会計年度における設備投資は、主としてネットワークサービス及びSI事業に関連するものであり、その総額は22,521百万円でありました。 このうち、通信設備・サーバ等の機器及びデータセンター等の構築物・設備工事等の有形固定資産への投資額は15,310百万円であり、サービス提供用ソフトウェア、バックオフィス系システム等のソフトウェアへの投資額は7,211百万円でありました。 上記設備投資のうち、現金による資産の取得額は15,965百万円で、取得のための所要資金は自己資金により充当いたしました。 また、ファイナンス・リース契約によるリース資産の取得額は6,556百万円でありました。 なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 (注)設備投資額は、有形固定資産及び無形資産の現金支出による取得額及びファイナンス・リースによる取得額より、セール・アンド・リースバック取引による重複、少額端末等で投資との性質を持たない資産の取得等を除外して算定しております。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 2024年3月31日現在における当社グループ(当社及び連結子会社)の主要な設備の状況は、以下のとおりであります。 (1) 提出会社事業所名(主な事業所の所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人) (注)1土地(面積㎡)建物及び建物附属設備構築物工具器具備品ソフトウェアリース資産合計本社及びデータセンター等(東京都千代田区)ネットワークサービス及びSI事業事務所機器、通信機器等1,522(40,699)14,6931,2384,28015,84612,32549,9042,680 (注)1.従業員数は、提出会社の職員及び契約社員の総数を記載しております。 2.当社各事務所及びネットワークオペレーションセンターは、松江データセンター及び白井データセンターを除き、いずれも賃借事務所であり、事業の用に供している重要な自社所有の土地及び建物はありません。 当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の地代家賃の総額は、本社の事務所の賃借にかかる賃借料を含め6,589百万円であります。 3.日本基準に基づく数値を記載しております。 (2) 国内子会社会社名(主な事業所の所在地) (注)1セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人) (注)2建物附属設備工具器具備品ソフトウェアリース資産合計㈱IIJグローバルソリューションズ(東京都千代田区)ネットワークサービス及びSI事業事務所機器、通信機器等125365072,3243,379408㈱トラストネットワークス(東京都千代田区)ATM運営事業事務所機器、通信機器等―719341308839㈱IIJエンジニアリング(東京都千代田区)ネットワークサービス及びSI事業事務所機器、通信機器等1623371352636667 (注)1.各国内子会社は、本社の建物を賃借しております。 2.従業員数は、職員及び契約社員の総数を記載しております。 3.日本基準に基づく数値を記載しております。 (3) 在外子会社会社名(主な事業所の所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)(注)2建物及び建物附属設備(注)1工具器具備品ソフトウェア合計IIJ America Inc.(アメリカ合衆国ニューヨーク州)ネットワークサービス及びSI事業事務所機器、通信機器等60774401,35158IIJ EuropeLimited(イギリス ロンドン)ネットワークサービス及びSI事業事務所機器、通信機器等2068―8846 (注)1.金額には使用権資産を含んでおります。 消費税等は含んでおりません。 2.従業員数は、職員及び契約社員の総数を記載しております。 3.IFRSに基づく数値を記載しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループ(当社及び連結子会社)の設備投資については、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。 2024年3月31日現在における重要な設備の新設、除却等の計画は、次のとおりであります。 (1) 重要な設備の新設等会社名(主な事業所の所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手及び完了予定年月等総額(百万円)既支払額(百万円)着手完成当社 データセンター他(千葉県白井市 他)ネットワークサービス及びSI事業通信設備・サーバ・システム開発等9,900―自己資金2024年4月2025年3月当社 データセンター他(千葉県白井市 他)ネットワークサービス及びSI事業通信設備・サーバ・システム開発等7,400―リース2024年4月2025年3月当社 データセンター(島根県松江市)ネットワークサービス及びSI事業モジュール建設費用等3,700―自己資金2024年4月2025年3月当社 データセンター(千葉県白井市)ネットワークサービス及びSI事業設備増強等2,000―自己資金2024年4月2025年3月 (2) 重要な除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 636,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 22,521,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 38 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 9 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,382,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方株式の価値変動及び配当によって利益を受けることを目的に保有する投資株式を純投資目的、事業戦略や取引先との事業上の関係を考慮して保有する投資株式を純投資目的以外の目的と区分しております。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(上場株式)a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容(保有方針)当社は、事業戦略や取引先との事業上の関係及び当社の資本コスト等を総合的に勘案し、当社の企業価値を高め株主の利益に繋がると考える場合に保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式を保有することがあります。 保有の合理性が認められないと総合的に判断した株式につきましては、適宜、保有規模の見直し等をしております。 (保有の合理性を検証する方法)当社は、各出資先との継続取引から生じる収益及び配当が資本コストを超過しているかを個別銘柄毎に年次で検証しております。 (個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容)毎年5月開催の取締役会にて、上記の方法で検証しております。 2024年5月開催の取締役会における2024年3月末基準での対象は5銘柄であり、検証のうえ、保有を継続する方針としております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式7408非上場株式以外の株式513,040 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄) 株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円) 非上場株式――非上場株式以外の株式2572 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 (特定投資株式)銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果 (注)1及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱シグマクシス・ホールディングス3,960,0003,960,000同社は当社のシステムインテグレーションでの重要な取引先であり、同社と継続的な取引があり、将来にわたり継続した取引の増加を期待しております。 上記の方法で検証のうえ、継続保有しております。 無6,9264,491㈱リクルートホールディングス750,000750,000同社は当社の上位顧客であり、同社と継続的な取引があり、将来にわたり継続した取引の増加を期待しております。 上記の方法で検証のうえ、継続保有しております。 無5,0302,738ぴあ㈱150,000150,000同社は当社の上位顧客であり、同社と継続的な取引があり、将来にわたり継続した取引の増加を期待しております。 上記の方法で検証のうえ、継続保有しております。 無485482㈱トランザクション・メディア・ネットワークス733,3001,000,000同社は、当社のインターネット接続サービスでの重要な取引先であり、同社と継続的な取引があり、将来にわたり継続した取引の増加を期待しております。 上記の方法で検証のうえ、継続保有しております。 無461930FIG㈱400,000400,000同社は当社のモバイルサービスでの重要な取引先であり、同社と継続的な取引があり、将来にわたり継続した取引の増加を期待しております。 上記の方法で検証のうえ、継続保有しております。 無138120 (注)保有の合理性を検証する方法は、上記「a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載の通りですが、個別の取引内容及び規模等に関連する保有効果との定量情報は、守秘義務の観点で記載が困難であります。 ③保有目的が純投資目的である投資株式区分前事業年度当事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式―――――――非上場株式以外の株式2102191―16 ④当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの銘柄株式数貸借対照表計上額(百万円)㈱L is B (注)―― (注)当事業年度中に全株売却しております。 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 2 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 7 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 408,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13,040,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 572,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 400,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 138,000,000 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 19,000,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 1,000,000 |
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 16,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | FIG㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 同社は当社のモバイルサービスでの重要な取引先であり、同社と継続的な取引があり、将来にわたり継続した取引の増加を期待しております。 上記の方法で検証のうえ、継続保有しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
銘柄、投資株式の保有目的を純投資以外の目的から純投資目的に変更したもの、提出会社 | ㈱L is B (注) |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) (注)1 KDDI㈱東京都新宿区西新宿2丁目3番2号20,387,00011.53 日本マスタートラスト信託銀行㈱ (信託口) (注)2東京都港区赤坂1丁目8番1号19,918,00011.27 日本電信電話㈱東京都千代田区大手町1丁目5-112,227,0006.92 ㈱日本カストディ銀行(信託口) (注)2東京都中央区晴海1丁目8-1212,223,2006.91 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱東京都千代田区大手町2丁目3-18,160,0004.62 伊藤忠テクノソリューションズ㈱東京都港区虎ノ門4丁目1-17,808,0004.42 鈴木 幸一東京都千代田区7,403,5894.19 第一生命保険㈱(常任代理人 ㈱日本カストディ銀行)東京都千代田区有楽町1丁目13-1(東京都中央区晴海1丁目8-12)5,092,0002.88 ㈱KS Holdings (注)3東京都千代田区富士見2丁目10-23,240,0001.83 ㈱三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内2丁目7番1号2,744,0001.55計-99,202,78956.11 (注)1.発行済株式(自己株式を除く。)総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。2.日本マスタートラスト信託銀行㈱及び㈱日本カストディ銀行の所有株式数は、信託業務に係る株式数であります。3.㈱KS Holdingsは、当社代表取締役である鈴木幸一氏がその株式を間接的に100%保有する資産管理会社であり、当社株式に係る同氏の共同保有者であります。4.Global Alpha Capital Managemnt Ltd.が2023年10月27日付で提出した大量保有報告書において2023年10月23日現在で同社が当社株式9,167,654株(同日現在の持株数:5.01%)を保有する旨の届け出がありました。その後大量保有報告書の変更報告書が提出されたことは認識しておりませんが、当社として、当事業年度末における同社の保有株式数の確認ができないため、上記の大株主には含めておりません。5.上記のほか、当社所有の自己株式6,329,688株があります。6.前事業年度末において主要株主であった 日本電信電話㈱は、当事業年度末では主要株主ではなくなり、 KDDI㈱が新たに主要株主となっております。 |
株主数-金融機関 | 36 |
株主数-金融商品取引業者 | 31 |
株主数-外国法人等-個人 | 16 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 308 |
株主数-個人その他 | 8,102 |
株主数-その他の法人 | 78 |
株主数-計 | 8,571 |
氏名又は名称、大株主の状況 | ㈱三菱UFJ銀行 |
株主総利回り | 5 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式860当期間における取得自己株式―― |
Shareholders2
自己株式の取得 | -11,401,000,000 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月28日 株式会社インターネットイニシアティブ 取締役会御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士福 田 秀 敏 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士松 本 佑 介 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社インターネットイニシアティブの2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社インターネットイニシアティブ及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 システム構築サービスの収益認識に関連する総コストの見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針(13)売上収益に記載のとおり、株式会社インターネットイニシアティブ及び連結子会社の売上収益のうち、システム構築サービスについては、一定期間にわたって履行義務が充足されるものであることから、当該履行義務の充足に係る進捗度に基づいて収益を認識している。 当連結会計年度において計上された売上収益のうち、進捗度に基づいて認識したシステム構築サービスに係る売上収益は42,338百万円であり、当該金額は連結売上収益の15.3%を占めている。 システム構築サービスの進捗度は、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)によって測定されており、インプット法の基礎となる総コストの見積りには、機器仕入、外注費及び作業工数の見積りが含まれる。 システム構築サービスでは、顧客の要求に応じたネットワークシステムの設計開発やコンサルティング等を行うため、各サービスの個別性が強く、また、システムの不具合や仕様の変更等の要因によって想定外の作業工数が必要になる可能性がある。 このため、インプット法の基礎となる総コストの見積りのうち、特に作業工数の見積りには高い不確実性を伴い、当該不確実性に対する株式会社インターネットイニシアティブの経営者の判断が、進捗度に基づくシステム構築サービスの収益認識額に重要な影響を及ぼす。 以上から、当監査法人は、進捗度に基づくシステム構築サービスの収益認識に関連する総コストの見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、進捗度に基づくシステム構築サービスの収益認識に関連する総コストの見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価システム構築サービスの総コストの見積りに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性について、特に以下に焦点を当てて評価した。 ・作業工数の見積りの合理性を担保するための統制・システムの不具合や仕様の変更による影響を、適時かつ適切に総コストの見積りに反映するための統制 (2)総コストの見積りの合理性の評価システム構築サービスの総コストに含まれる作業工数の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 ・当連結会計年度に完了したシステム構築サービスについて、前連結会計年度末時点の見積り総作業工数と実際の発生工数とを比較することにより、作業工数の見積りの精度を評価した。 ・受注額及び進捗率を考慮して選定したシステム構築サービスを対象に、作業工数の見積りの根拠について、案件の責任者に質問するとともに、見積り総作業工数に対する当連結会計年度末までの実際発生工数の割合が、作業工程表に示された進捗状況と整合しているか否かを検討した。 ・当連結会計年度末までの見積り作業工数と実際発生工数が一定程度乖離しているシステム構築サービスを対象に、案件の責任者に対して当該乖離の要因について質問した。 その上で、最新の原価積算資料を閲覧することにより、当該乖離の要因による影響が、翌連結会計年度以降の作業工数の見積りに適切に反映されているか否かを検討した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社インターネットイニシアティブの2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社インターネットイニシアティブが2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 システム構築サービスの収益認識に関連する総コストの見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針(13)売上収益に記載のとおり、株式会社インターネットイニシアティブ及び連結子会社の売上収益のうち、システム構築サービスについては、一定期間にわたって履行義務が充足されるものであることから、当該履行義務の充足に係る進捗度に基づいて収益を認識している。 当連結会計年度において計上された売上収益のうち、進捗度に基づいて認識したシステム構築サービスに係る売上収益は42,338百万円であり、当該金額は連結売上収益の15.3%を占めている。 システム構築サービスの進捗度は、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)によって測定されており、インプット法の基礎となる総コストの見積りには、機器仕入、外注費及び作業工数の見積りが含まれる。 システム構築サービスでは、顧客の要求に応じたネットワークシステムの設計開発やコンサルティング等を行うため、各サービスの個別性が強く、また、システムの不具合や仕様の変更等の要因によって想定外の作業工数が必要になる可能性がある。 このため、インプット法の基礎となる総コストの見積りのうち、特に作業工数の見積りには高い不確実性を伴い、当該不確実性に対する株式会社インターネットイニシアティブの経営者の判断が、進捗度に基づくシステム構築サービスの収益認識額に重要な影響を及ぼす。 以上から、当監査法人は、進捗度に基づくシステム構築サービスの収益認識に関連する総コストの見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、進捗度に基づくシステム構築サービスの収益認識に関連する総コストの見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価システム構築サービスの総コストの見積りに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性について、特に以下に焦点を当てて評価した。 ・作業工数の見積りの合理性を担保するための統制・システムの不具合や仕様の変更による影響を、適時かつ適切に総コストの見積りに反映するための統制 (2)総コストの見積りの合理性の評価システム構築サービスの総コストに含まれる作業工数の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。 ・当連結会計年度に完了したシステム構築サービスについて、前連結会計年度末時点の見積り総作業工数と実際の発生工数とを比較することにより、作業工数の見積りの精度を評価した。 ・受注額及び進捗率を考慮して選定したシステム構築サービスを対象に、作業工数の見積りの根拠について、案件の責任者に質問するとともに、見積り総作業工数に対する当連結会計年度末までの実際発生工数の割合が、作業工程表に示された進捗状況と整合しているか否かを検討した。 ・当連結会計年度末までの見積り作業工数と実際発生工数が一定程度乖離しているシステム構築サービスを対象に、案件の責任者に対して当該乖離の要因について質問した。 その上で、最新の原価積算資料を閲覧することにより、当該乖離の要因による影響が、翌連結会計年度以降の作業工数の見積りに適切に反映されているか否かを検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |