財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-26 |
英訳名、表紙 | Isetan Mitsukoshi Holdings Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表執行役社長 CEO細谷 敏幸 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都新宿区新宿五丁目16番10号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 050(1704)0684 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 2007年8月23日 株式会社三越と株式会社伊勢丹は株主総会の承認を前提として、株式移転により共同で持株会社を設立することについて合意に達し、両社取締役会において株式移転による経営統合に関する統合契約書を締結することを決議いたしました。2007年11月20日 両社の臨時株主総会において、両社が共同で株式移転の方法により株式会社三越伊勢丹ホールディングスを設立し、両社がその完全子会社になることについて承認を受けました。2008年4月1日 両社が株式移転の方法により当社を設立いたしました。株式会社東京証券取引所に上場いたしました。2009年6月16日 当社と株式会社岩田屋は、両社取締役会において、当社を完全親会社、株式会社岩田屋を完全子会社とする株式交換を実施することを決定し、両社の間で株式交換契約書を締結いたしました。2009年6月29日 2009年5月29日に当社が設立した、株式会社札幌丸井今井及び株式会社函館丸井今井は、民事再生手続中の株式会社丸井今井との間で、株式会社札幌丸井今井が株式会社丸井今井の札幌事業を、株式会社函館丸井今井が株式会社丸井今井の函館事業を、それぞれ譲り受けることで合意し、丸井今井との間で各事業譲渡契約を締結いたしました。2009年10月8日 証券会員制法人 福岡証券取引所に上場申請をいたしました。2010年3月14日 当社は、株式会社伊勢丹の吉祥寺店の営業を終了いたしました。2010年4月1日 当社は、百貨店事業に関わる組織再編として、株式会社三越の札幌・仙台・名古屋・広島・高松・松山・福岡・新潟の各地域における百貨店事業を吸収分割により各地域事業会社に承継させる地域事業会社化を行いました。株式会社新潟伊勢丹は株式会社三越の新潟店の事業を承継し、「株式会社新潟三越伊勢丹」となりました。2010年9月11日 株式会社三越の銀座店が増床リモデルオープンしました。2010年10月1日 株式会社岩田屋と株式会社福岡三越が合併し、「株式会社岩田屋三越」となりました。2011年4月1日 株式会社三越と株式会社伊勢丹が合併し、「株式会社三越伊勢丹」となりました。また、株式会社札幌丸井今井と株式会社札幌三越が合併し「株式会社札幌丸井三越」となりました。2012年3月31日 当社は、株式会社三越伊勢丹の三越新宿アルコット店の営業を終了いたしました。2017年3月20日 当社は、株式会社三越伊勢丹の三越千葉店及び三越多摩センター店の営業を終了いたしました。2018年3月21日 当社は、株式会社三越伊勢丹の伊勢丹松戸店の営業を終了いたしました。2019年9月30日 当社は、株式会社三越伊勢丹の伊勢丹相模原店及び伊勢丹府中店の営業を終了いたしました。2020年3月22日 当社は、株式会社新潟三越伊勢丹の新潟三越の営業を終了いたしました。2020年6月15日 当社は、監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行いたしました。2022年4月4日 東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行いたしました。2024年3月20日 証券会員制法人 福岡証券取引所における上場を廃止いたしました。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び関係会社(連結子会社38社、持分法適用関連会社6社、非連結子会社12社、持分法非適用関連会社3社(2024年3月31日現在))により構成され、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、不動産業等を行っております。各事業における当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりであります。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。事業内容等主な会社名会社数百貨店業㈱三越伊勢丹、㈱札幌丸井三越、㈱函館丸井今井、㈱仙台三越、㈱新潟三越伊勢丹、㈱静岡伊勢丹、㈱名古屋三越、㈱広島三越、㈱高松三越、㈱松山三越、㈱岩田屋三越、伊勢丹(中国)投資有限公司、上海梅龍鎮伊勢丹百貨有限公司、天津伊勢丹有限公司、天津濱海新区伊勢丹百貨有限公司、成都伊勢丹百貨有限公司、イセタン(シンガポール)Ltd.、イセタン(タイランド)Co.,Ltd.、イセタン オブ ジャパンSdn.Bhd.(マレーシア)、米国三越INC.、イタリア三越S.r.l.、㈱ジェイアール西日本伊勢丹、新光三越百貨股份有限公司(台湾)、アイティーエム クローバーCo.,Ltd.(タイランド)連結子会社 21社持分法適用関連会社 3社 クレジット・金融・友の会業㈱エムアイカード、㈱エムアイ友の会連結子会社 2社不動産業㈱三越伊勢丹、㈱三越伊勢丹プロパティ・デザイン、㈱伊勢丹会館、㈱三越伊勢丹アイムファシリティーズ、新宿サブナード㈱、野村不動産三越伊勢丹開発合同会社連結子会社 3社持分法適用関連会社 3社持分法非適用関連会社2社その他㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ、㈱三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ、㈱三越伊勢丹ビジネス・サポート、㈱三越伊勢丹ギフト・ソリューションズ、㈱三越伊勢丹ニッコウトラベル、㈱センチュリートレーディングカンパニー、イセタンミツコシ(イタリア)S.r.l.、㈱スタジオアルタ、㈱三越伊勢丹イノベーションズ、ライム ツリー クルーゼズB.V.(オランダ)、ライム ツリー シッピング AG(スイス)、㈱エムアイフードスタイル、ミツコシ フェデラル リテイル INC.(フィリピン)連結子会社 13社非連結子会社 12社持分法非適用関連会社1社 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) ㈱三越伊勢丹※4、6東京都新宿区10,000百貨店業不動産業100.0役員の兼任 1名資金の貸付 ㈱札幌丸井三越北海道札幌市中央区100百貨店業100.0 ㈱函館丸井今井北海道函館市50百貨店業100.0 ㈱仙台三越宮城県仙台市青葉区50百貨店業100.0 ㈱新潟三越伊勢丹新潟県新潟市中央区100百貨店業100.0 ㈱静岡伊勢丹静岡県静岡市葵区100百貨店業100.0 ㈱名古屋三越愛知県名古屋市中区50百貨店業100.0 ㈱広島三越広島県広島市中区50百貨店業100.0 ㈱高松三越香川県高松市50百貨店業100.0 ㈱松山三越愛媛県松山市50百貨店業100.0資金の貸付 ㈱岩田屋三越福岡県福岡市中央区100百貨店業100.0 伊勢丹(中国)投資有限公司※4中華人民共和国上海市千米ドル104,321百貨店業(持株会社)100.0(100.0) 上海梅龍鎮伊勢丹百貨有限公司中華人民共和国上海市千米ドル5,000百貨店業80.0(80.0) 天津伊勢丹有限公司中華人民共和国天津市千米ドル13,200百貨店業100.0(100.0) 天津濱海新区伊勢丹百貨有限公司中華人民共和国天津市千米ドル32,100百貨店業100.0(100.0) 成都伊勢丹百貨有限公司中華人民共和国四川省成都市千米ドル24,119百貨店業100.0(100.0) イセタン(シンガポール)Ltd.シンガポール千シンガポールドル91,710百貨店業52.7(52.7) イセタン(タイランド)Co.,Ltd. ※2タイランドバンコク市千バーツ290,000百貨店業49.0(49.0) イセタン オブ ジャパンSdn.Bhd.マレーシアクアラルンプール市千マレーシアリンギ20,000百貨店業100.0(100.0) 米国三越INC.アメリカ合衆国フロリダ州千米ドル25,000百貨店業100.0(100.0) イタリア三越S.r.l.イタリアローマ市千ユーロ 14,618 百貨店業100.0(100.0) ㈱エムアイカード東京都中央区1,100クレジット・金融・友の会業100.0資金の貸付 ㈱エムアイ友の会東京都中央区100クレジット・金融・友の会業100.0(100.0)資金の借入 ㈱三越伊勢丹プロパティ・デザイン東京都新宿区40不動産業100.0 ㈱伊勢丹会館東京都新宿区60不動産業100.0(100.0) ㈱エムアイフードスタイル東京都新宿区100その他(小売業)100.0(33.5) ミツコシ フェデラル リテイル INC.フィリピンマニラ市千ペソ523,000その他(小売業)60.0 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容 ㈱三越伊勢丹ギフト・ソリューションズ東京都中央区100その他(製造・輸出入等・卸売業)100.0(100.0) ㈱センチュリートレーディングカンパニー東京都新宿区20その他(製造・輸出入等・卸売業)100.0(100.0) イセタンミツコシ(イタリア)S.r.l.イタリアミラノ市千ユーロ100その他(製造・輸出入等・卸売業)100.0(100.0) ㈱三越伊勢丹ビジネス・サポート東京都新宿区50その他(物流業)100.0 ㈱三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ東京都中央区100その他(人材サービス業)100.0 ㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ東京都中央区90その他(情報システム・メディア業)100.0 ㈱スタジオアルタ東京都新宿区100その他(情報システム・メディア業)100.0(100.0) ㈱三越伊勢丹ニッコウトラベル東京都中央区50その他(旅行業)100.0 ライム ツリー クルーゼズB.V. ※2オランダアムステルダム市千ユーロ1その他(旅行業)- [100.0] ライム ツリー シッピングAG ※2スイスバーゼル千スイスフラン100その他(旅行業)-[100.0] ㈱三越伊勢丹イノベーションズ東京都新宿区100その他(コーポレートベンチャーキャピタル業)100.0 (持分法適用関連会社) ㈱ジェイアール西日本伊勢丹京都府京都市下京区100百貨店業40.0役員の兼任 1名債務保証 新光三越百貨股份有限公司台湾台北市百万台湾ドル12,459百貨店業43.4(43.4)役員の兼任 2名 アイティーエム クローバーCo.,Ltd.タイランドバンコク市千タイバーツ11,000百貨店業(持株会社)45.5(45.5) ㈱三越伊勢丹アイムファシリティーズ東京都中央区50不動産業33.4(33.4) 新宿サブナード㈱東京都新宿区3,600不動産業33.3(33.3) 野村不動産三越伊勢丹開発合同会社東京都中央区20不動産業50.0 (注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。なお( )内は具体的な事業内容であります。※2 持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため連結子会社としたものであります。 3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数、[ ]内は、緊密な者又は同意している者の所有割合で外数であります。※4 特定子会社であります。 5 住所は、登記上のものによっております。※6 株式会社三越伊勢丹については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。主要な損益情報等(百万円) ㈱三越伊勢丹 ①売上高270,821 ②経常利益43,226 ③当期純利益44,510 ④純資産額243,760 ⑤総資産額629,192 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)百貨店業7,151(5,966)クレジット・金融・友の会業606(81)不動産業281(42)その他1,429(1,334)合計9,467(7,423) (注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。 (2) 提出会社の状況2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(円)394(54)47.3歳23.6年8,832,676 セグメントの名称従業員数(名)百貨店業394(54)合計394(54) (注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人数であります。2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3) 労働組合の状況当社グループには、三越伊勢丹グループ労働組合(2024年3月31日現在、20支部、12直轄分会・組合員数 15,085名)が組織されています。三越伊勢丹グループ労働組合は、UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)に加盟しております。会社と組合の関係は良好であります。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)全労働者うち、正規雇用労働者うち、パート・有期労働者24.8(注2)(注2)(注2)(注2) (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。数値は、㈱三越伊勢丹ホールディングスの「管理職に占める女性労働者の割合」として、受入出向者の状況を示しております。2 各項目について、出向者は出向元の従業員として、下記②の連結子会社の欄で集計しております。 ㈱三越伊勢丹ホールディングスに直接雇用従業員が不在のため算出しておりません。 ② 連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1、2)男性労働者の育児休業取得率(%)(注1、3)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1、4)全労働者うち、正規雇用労働者(注5)うち、パート・有期労働者㈱三越伊勢丹28.0105.454.261.1101.3㈱札幌丸井三越31.3166.758.261.392.1㈱函館丸井今井70.0(注6)71.573.4(注7)㈱仙台三越34.7100.061.766.588.6㈱新潟三越伊勢丹17.7100.050.859.898.6㈱静岡伊勢丹16.3(注6)53.658.7120.0㈱名古屋三越23.4100.054.264.2111.3㈱広島三越33.3100.071.175.3101.4㈱高松三越26.3100.063.972.393.6㈱松山三越54.5100.076.095.791.7㈱岩田屋三越31.550.061.464.576.7㈱エムアイカード21.1150.052.056.365.1㈱三越伊勢丹プロパティ・デザイン20.366.771.071.7(注7)㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ14.987.579.582.8(注7)㈱三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ76.5(注6)77.479.187.3㈱三越伊勢丹ビジネス・サポート26.40.066.382.277.1㈱エムアイフードスタイル16.150.051.178.697.3㈱三越伊勢丹ニッコウトラベル25.0(注6)69.170.7(注7) (注) 1 各項目について、出向者は出向元の従業員として集計しております。2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」の規定に基づき、「2023年度に配偶者が出産した男性従業員数」に対する「2023年度に育児休業等と育児目的休暇を取得した男性従業員数」の割合を算出しております。4 男女の賃金差については、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に制度上の差はなく、等級別人数構成の差が主な要因であります。5 正規雇用労働者には、フルタイムで無期化した販売専任等の限定社員を含めて算出しております。6 育児休業等取得の対象となる男性従業員がないことを示しております。7 該当する従業員がすべて女性で男性が不在のため男女差を算出しておりません。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、創業以来一貫して“お客さま第一”の精神を持ち、常に時代の変化や価値観の多様化に合わせ、生活に豊かさを提供することに邁進してまいりました。長期に目指す姿を「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」と定め、その実現に向け、中期経営計画(2022年度~2024年度)に取り組んでおります。今後も、「お客さまのお困りごとを感動的に解決し、関心ごとに対し革新的に提案する」ことを通じ、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、営業利益をはじめとする複数の経営指標を掲げ、将来にわたる企業の持続的成長と企業価値の向上に取り組んでおります。現中期経営計画(2022年度~2024年度)の最終年度となる2024年度には640億円の実現を目指してまいります。 (3)経営環境及び対処すべき課題①事業構造当社グループは、持株会社である当社のもと、百貨店事業を中心とした各事業会社により構成されています。このうち主要事業である国内の百貨店事業では、収支構造を抜本的に見直すことを目的とした「百貨店の科学」の取り組みを首都圏店舗だけでなく地域店舗にまで波及浸透させ、経費コントロールの徹底により収益構造が大幅に改善しております。今後は、デジタルを活用し、要員構造変革期を見据えた業務改革を推進し、個客業へビジネスモデルを転換しながら、生産性向上と高収益化の確立を目指してまいります。また、不動産事業では全国の保有不動産のバリューアップや、百貨店で培った建装事業・物流事業の外部への販売活動をさらに強化してまいります。金融事業では百貨店と連携したファイナンスや金融サービスを拡大提供することで、より強固な事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。 ②市場環境当社グループを取り巻く環境は大きく変化しており、そのスピードも高まっております。足元のマクロ環境においては、ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクの顕在化、資源・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動、大幅な物価上昇等、当社グループに影響を与える不透明な状況が増しております。中長期における環境の変化として、人口動態においては国内人口の減少や高齢化の進行が見込まれておりますが、世界人口はアジア圏も含め引き続き増加すると予測されております。経済成長においては、1人当たり実質GDP成長率の鈍化が見込まれておりますが、純金融資産1億円以上を保有する世帯数は増加が予測されております。小売市場においては、縮小が見込まれておりますが、一方でこだわり消費市場の拡大が予測されております。当社グループでは、環境が大きく変化する中でも成長が見込まれる要素を機会ととらえて、中長期的な成長を目指してまいります。 ③競合他社との比較主要事業である百貨店事業において、重点戦略である「高感度上質戦略」による、店舗リモデルと外商改革の取り組み等を強化した結果、首都圏店舗の大幅な増収増益につながりました。さらに首都圏店舗と地域店舗による個人外商の連携、拠点ネットワークによる地域百貨店へのMD供給フローの構築により、岩田屋本店(福岡)や丸井今井札幌本店等の地域主要店舗も大幅に増収増益となりました。今後も、高感度上質コンテンツの提供拡大と外商活動等の強化を継続し、百貨店事業の収益拡大を目指してまいります。また、「連邦戦略」により、百貨店事業の法人外商による各事業の外部販売を強化することで、国内関連会社の収益を改善することができました。今後は、デジタルを活用したマーケティング活動を強化しながら個客軸での品揃えや、各事業の連携による連邦事業機会を最大化させて、さらなるグループの収益拡大を目指してまいります。 ④顧客動向・顧客基盤重点戦略に位置づける「個客とつながるCRM戦略」の推進により、「三越伊勢丹・カスタマープログラム」の強化と個客軸のマーケティングを高度化させることで識別顧客の客単価が継続拡大しました。つながる個客数の拡大としては、アプリ会員の新規獲得が大きく伸長し、顧客の識別化が順調に進展しました。外商顧客施策では、デジタルの活用で顧客分析による商品提案を高度化させ、全国の外商顧客の売上高が継続して拡大しました。インバウンド顧客においては、海外顧客向けの外商機能とSNSによる販売促進を拡充させ、インバウンドによる売上高がコロナウイルス感染症拡大前の2018年度を上回りました。今後も、より一層「個客とつながるCRM戦略」を推進し顧客基盤の拡大を目指してまいります。 (4)中長期的な経営戦略当社は、長期に目指す姿とする「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」の実現に向けて、昨年制定した「三越伊勢丹グループ 企業理念」により、グループの力を集結させながら、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。「再生」「まち化準備」「結実」の3つのフェーズで長期スパンでの持続的な成長を描き、重点戦略をバックキャストで組み立てております。本年度「再生」フェーズの早期達成が現実的となり、「まち化準備」フェーズとなる次期中期経営計画の策定をスタートいたしました。次期中期経営計画は、まち化の着工と竣工時期を踏まえて2025年度~2030年度の6ヶ年を対象とし、この期間を個客業への変革を進める重要な準備期間として位置づけております。「まち化準備」フェーズでは、今までの“館”の力だけに頼ったマス向けのビジネスモデルから、「まち」の力を加えることで世界中からお客さまを集め、識別してつながったお客さまに多様な顧客価値を提案する個客業のビジネスモデルへの転換を目指してまいります。これまでの「高感度上質戦略」「個客とつながるCRM戦略」を土台としながら、百貨店事業を各事業が補完する体制から全事業が並列となる体制へ移行していきます。各事業を推進することで生まれるユニークな顧客体験と事業間の連携による「連邦戦略」を組み合わせて、一人ひとりのお客さまに向けた多様な顧客価値を提供してまいります。 ■事業別戦略①百貨店事業 百貨店事業では、「まち化」の中核として圧倒的な独自性で世界から顧客を集める“特別な”百貨店を目指します。世界からの集客に向けて、高感度上質コンテンツの拡充や顧客接点の拡大により、マーチャンダイジング活動を強化していきます。加えて、100%識別顧客化に向けて外国人顧客向けアプリの導入、三越伊勢丹アプリの利便性向上に取り組みます。基幹店舗は、それぞれのコンセプトで独自性を磨き、世界中のお客さまから選ばれる店になるためのリモデル投資を行います。地域百貨店は、地方都市において“高感度上質消費”を最も幅広く支え、グループ力を活かして地域貢献できる唯一無二の存在を目指してまいります。 ②海外事業 海外事業では、選択と転換を加速し、“小売”の暖簾価値と“不動産開発”によるバリューアップで新たなビジネスモデルを展開します。エリアコンディションに応じた構造改革や、国内百貨店の事業改革モデルを海外店舗へ展開することで事業構造改革を推進します。また、フィリピン・マニラ、タイ・バンコクではレジデンスやオフィスを小売と掛け合わせた複合不動産開発に参画しております。 ③不動産事業 不動産事業では、世界中から顧客を集め、用途をつなぎ合わせ、まちの価値を最大化させる“まち化”の具現化を目指します。まち化における各開発計画と顧客価値設計を本格化させながら、ホテルやレストランなどの高感度上質コンテンツの探索や専門人財の育成に取り組みます。 ④金融事業 金融事業では、暖簾の価値とグループ顧客基盤を活かし、“ならではの価値”を提供する金融サービス業を確立します。カード領域では、ファイナンスを強化しながら、アプリ会員などの百貨店ライトユーザーに向けた年会費永年無料のエントリーカードを導入します。金融領域では、百貨店ならではの金融サービスを拡充させるとともに、カード会員以外へのサービス提供に取り組みます。 ⑤国内関連事業国内関連事業では、「BtoB」「BtoC」ビジネスの拡大による、各事業の収益拡大とビジネスモデルの進化を目指します。連邦によるマネタイズを拡大しながら、各事業のユニークポイントを強化し、外部収益をさらに拡大していきます。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)サステナビリティ経営に関する考え方三越伊勢丹グループは、長期に目指す姿として「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」となることを企業理念に掲げており、すべての企業活動の原点である企業理念のもとでサステナビリティ経営に取り組んでおります。2018年度に制定したサステナビリティ基本方針に基づき、当社グループの強みを活かした企業活動を通じて社会課題の解決に貢献することで、ステークホルダーからの期待に応え、人々の豊かな未来と持続可能な社会の実現を目指しております。 サステナビリティ基本方針社会に対する企業の責任として、社会の様々な課題に向き合い、企業活動を通じてその解決に貢献することで、関わりのあるすべての人々の豊かな未来と、持続可能な社会の実現に向け役割を果たしていきます。 ①ガバナンス当社グループは、サステナビリティに関する重要事項について、執行役会にて審議・決議を行い、取締役会に報告を行っております。2018年度より、CEOを議長とする「サステナビリティ推進会議」では、取り組みの進捗確認や全社への浸透を行っております。また、CAO兼CRO兼CHRO※を議長とする「サステナビリティ推進部会」を設置し、課題ごとの具体的な取り組みの検討を行っております。さらに取り組みの実効性を高めるため、2022年度より「サステナビリティ推進部会」の傘下に6つのワーキンググループ(WG)を設置しております。また、サステナビリティ経営の実現に向けたグループ全体の活動を推進するため、ホールディングスの総務統括部内にサステナビリティ推進部を設置しております。※CAO:チーフ・アドミニストレイティブ・オフィサー、CRO:チーフ・リスク・オフィサー、CHRO:チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー 2023年度推進体制 会議体及び主な実行主体役割会 議 体取締役会業務執行において議論されたサステナビリティに関する取り組みの進捗を監督する。執行役会サステナビリティ会議体および各事業部門で検討された計画の審議・決議、実施された取り組みの進捗確認を行い、取締役会への報告を役割とする。サステナビリティ推進会議当社グループのサステナビリティの活動の方向性や進捗の確認を行い、グループ全社での推進・浸透を役割とする。サステナビリティ推進部会課題ごとの長期計画や方針の策定、およびワーキンググループの設置など、個別課題についての集中的な議論と具体的な施策実施を役割とする。 ワーキンググループ取り組みの実効性を高めるため、課題ごとに関連部門が連携して取り組みを検討・実行するための枠組みとしてWGを設置。政策・方針・情報開示中長期目標に対する進捗確認と次なる中長期計画の検討、ステークホルダーへの情報開示の推進think good ※サステナビリティ施策の推進サプライチェーンお取組先とともに環境・人権に配慮した調達に取り組むための体制整備環境2030年度中長期目標達成に向けた、気候変動への具体的な取り組みの推進(省エネ・創エネ・再エネ)資源循環・廃棄物抑制4Rの推進に向けた方向付けおよび具体施策の検討従業員エンゲージメント向上DE&Iと健康経営の推進主な主体代表執行役社長CEO「執行役会」の長および「サステナビリティ推進会議」の議長。サステナビリティに関する経営判断の最終責任を担う。執行役CAO兼CRO兼CHRO「サステナビリティ推進部会」の議長。サステナビリティに関する具体的施策の計画・実行の監督を担う。 ※think good:彩りある豊かな未来へ向けて「想像力を働かせ、真摯に考えることからスタートする」という想いが込められた三越伊勢丹グループのサステナビリティ活動に関するスローガン。https://imhds.disclosure.site/ja/themes/212 <2023年度サステナビリティ関連審議・報告実績>サステナビリティ推進会議は、サステナビリティ推進部会と合同形式で計2回開催し、(株)三越伊勢丹ホールディングスと(株)三越伊勢丹の執行役に加え、グループ事業会社・グループ百貨店社長が参加しました。議題は、以下の通りです。・政策・方針・情報開示 マテリアリティの改訂・サプライチェーンマネジメント 人権方針・調達方針の改訂、お取組先行動規範の制定 お取組先との対話結果のレビュー お取組先への調達アンケートに関する報告・環境 Scope1・2排出量の目標に対する進捗報告 Scope3排出量削減に関する報告 温室効果ガス排出量削減に向けたロードマップの再考・従業員エンゲージメント向上 人的資本経営・think good グループ全社への拡大に向けた協議 取締役会では、計4回に渡り、サステナビリティに関する審議・報告を行いました。執行側での議論内容の報告に加え、サステナビリティ経営の高度化に向けて、主要事項の今後の戦略や、ガバナンスへのESG・サステナビリティ観点の組み込みについても議論を行いました。具体的な議題は以下の通りです。・マテリアリティの改訂に関する報告・人財戦略に関する報告・審議・ステークホルダーコミュニケーションに関する報告・ESG連動役員報酬/環境指標の採用に関する報告・温室効果ガス排出量削減目標とロードマップの見直しに関する報告 ②戦略2018年度に、3つのマテリアリティとそれらに紐づく具体的な取り組みを特定しました。なお、2023年度には、外部環境の変化、ステークホルダーの皆さまの声、そして企業理念の再整理を踏まえて、上述のマテリアリティからの見直しを実施しました。新たなマテリアリティに基づく開示は、2024年度に指標と目標を設定したうえで、来期以降より行います。マテリアリティの特定・見直しのプロセスについては、サステナビリティサイトをご参照ください。https://imhds.disclosure.site/ja/themes/285# 2023年度に注力した具体的な項目は、サプライチェーン・マネジメント、気候変動への対応、人的資本経営の3点です。サプライチェーン・マネジメントについては、当社グループは環境や人権に配慮した調達活動を推進しており、2023年4月に改訂した「三越伊勢丹グループ人権方針」「同 調達方針」をもとに持続可能な調達に取り組み、同年6月には「お取組先行動規範」を制定しました。「お取組先行動規範」は、お取組先約1万2千社へ通知し、当社方針へのご理解とご協力をお願いしております。同時に、取り組みの状況や課題を把握するため、アンケート調査を実施いたしました。調査の結果は、サステナビリティサイトをご参照ください。https://imhds.disclosure.site/pdf/questionnaire_2023.pdfまた、着実に持続可能なサプライチェーンを構築するために、お取組先との個別対話にも力を入れ、2022~23年度までに約600社と対話を実施いたしました。対話では、実践に向けた課題やご要望をヒアリングするとともに、取り組みの改善に向けた意見交換を行いました。上記の取り組みを踏まえ、今後は当社のサプライチェーンにおける人権リスクの特定と、その低減に向けた対応を進めてまいります。具体的には、当社事業に関わる人権課題を洗い出し、アンケート結果を参考にリスクをマッピングし、2024年度中に重点リスクを特定します。特定した重点リスクを、お取組先との対話の確認事項に組み込み、必要に応じたデューデリジェンスを実施し、持続可能なサプライチェーンの構築を推進してまいります気候変動への対応、人的資本経営については、(2)サステナビリティに関する個別課題に記載しています。 ③リスク管理サステナビリティ課題を含むグループの事業を取り巻くリスクについて洗い出しおよび整理を行い、「リスクマネジメント推進会議」において、対応方針等の策定、実行管理を通じてリスクマネジメント対策の実現を図っております。リスク管理の詳細は、「3.事業等のリスク」に記載しています。気候変動・人的資本に関するリスクについては、(2)サステナビリティに関する個別課題 に記載しています。 ④指標と目標2018年度より、サステナビリティに関する重要課題の中期目標(2024年)、長期目標(2030年)を設定し、取り組みの実践と年度ごとのモニタリングを行っています。気候変動に関する指標と目標については、(2)サステナビリティに関する個別課題 (ア)気候変動への対応に記載しています。 (2)サステナビリティに関する個別課題「持続可能な社会・時代をつなぐ」につながる気候変動への対応(ア)、「従業員満足度の向上」につながる人的資本経営(イ)については、以下に詳細を記載します。 (ア)気候変動への対応気候変動が社会にもたらす影響は、年々増大・深刻化しています。当社グループは、気候変動を重要な経営課題の一つと位置づけ、「三越伊勢丹グループ環境方針」「同 調達方針」のもと、次世代に持続可能な社会を引き継ぐため、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行っています。また、TCFDのフレームワークに基づき、ガバナンスへの組み込み、当社の事業への影響分析と、明らかになったリスクと機会への適切な対応を推進しております。 ①ガバナンス気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般のガバナンスに組み込まれています。体制図を含む詳細については、(1)サステナビリティ経営に関する考え方 ①ガバナンス に記載しています。 ②戦略気候変動にまつわるリスクおよび機会は、中長期にわたり当社の事業活動に影響を与える可能性があるため、2030年をマイルストーンとして、発現すると考えられるリスク・機会を検討しました。分析にあたっては、起こりうる環境変化を把握し、そのうえでリスク・機会とそのインパクトを把握するため、シナリオ分析を実施。具体的には、気候変動対策が思うように進んでいない現在の延長線上の「4℃の世界」、気候変動対策が進みパリ協定の目標が実現した「2℃未満の世界」の2種類を想定しました。なお、シナリオ分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照しています。 <2種類のシナリオにおける、2030年時点の外部環境変化と当社への影響> <当社にとって特に重要なリスクと機会の詳細と、財務への影響度>定性的な財務上の影響については、▼(事業リスク拡大)および△(事業収益拡大)によって、3段階で記載しています。<参照シナリオ>Representative Concentration Pathway 8.5/2.6℃〜4.8℃ IPCC2015年Stated Policies Scenario WEOReference Technology Scenario IEASustainable Development Scenario WEOBeyond 2℃ Scenario IEARepresentative Concentration Pathway 2.6/0.3〜1.7℃ IPCC2014年World Energy Outlook IEA「気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言」 国土交通省 ③リスク管理気候変動に関するリスクは、サステナビリティ全般の課題におけるリスクと同様に、組織全体のリスク管理プロセスで評価、分析し、「リスクマネジメント推進会議」にてモニタリングを行っています。詳細は、「サステナビリティ推進会議」において、対応方針等の策定、実行管理を行うことで、リスクマネジメント対策の実現を図っております。<リスクの識別・評価のプロセス>1. 当社グループに影響を与えると考えられる、気候変動に関するリスク・機会を抽出2. 抽出したリスク・機会をお客さま、お取組先、株主・投資家、地域社会・コミュニティなどのステークホルダーに与える影響度と、リスク・機会発生の可能性の2軸でプロット3. プロットされた項目毎の影響度について、定量面・定性面双方の視点から評価を行い、重要度を確定 ④指標と目標<指標>当社グループでは、気候変動関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3の温室効果ガス排出量を用いています。2024年3月期分の実績については、第三者保証を取得の上、後日HP※にて開示予定です。※https://imhds.disclosure.site/ja/themes/294 <温室効果ガス(GHG)排出量> バウンダリ単位2019年3月期2020年3月期2021年3月期2022年3月期 2023年3月期GHG排出量※1GHG Scope1グループ※2t-CO224,23422,57317,03017,58117,700GHG Scope2175,458152,628123,237125,663113,745小計(Scope1・2)199,691175,201140,267143,245131,445GHG Scope3(15カテゴリ)3,419,3603,089,6952,703,0282,931,9443,457,447計(Scope1・2・3)3,619,0513,264,8962,843,2953,075,1893,588,892 ※1 Scope1・2・3:当社グループGHG排出量算定規定、及びScope3カテゴリ別算定方法により算定し、2021年3月期以降は、第三者の保証を受けています※2 バウンダリは、以下の通りです。今後、連結へと拡大し、グループ全体でのマネジメントを行ってまいります。㈱三越伊勢丹ホールディングス、㈱三越伊勢丹、国内グループ百貨店、㈱三越伊勢丹の所有ビル(テナント貸含む) <目標と実績>気候変動のリスクと機会をマネジメントするための目標としては、Scope1・2の温室効果ガス排出量を使用しています。●環境中期目標:2030年における温室効果ガス排出量を2013年度比▲50%※●環境長期目標:2050年における温室効果ガス排出量実質ゼロ 2023年3月期時点での目標比削減率は、▲47.6%です。※環境中期目標のバウンダリは、上述の温室効果ガス(GHG)排出量と同様です。 環境中期目標の達成に向けては、再生可能エネルギー導入の具体策を含むロードマップの精緻化を進めるとともに、SBT(Science Based Targets)認証取得等について、併せて検討を進めてまいります。 (イ)人的資本経営三越伊勢丹グループは2023年度、新たな企業理念を制定いたしました。企業理念におけるミッションとして「こころ動かす、ひとの力で。」を掲げ、次期中期経営計画の実現に向けては「ひとの力の最大化」こそが人財戦略上の重要なテーマであると認識をしています。その「ひとの力の最大化」に向けて2024年度より“グループにおける人財マネジメント方針”として「人と組織の基本的な考え方」を構築いたしました。「こころ動かす“主役”は従業員一人ひとりの“個”の力であり、“変化の先の未来”に向けて、勇気を持って挑戦と努力をし続ける一人ひとりを上司と会社は“後押し”します。」とし、あわせて、従業員と会社・上司は互いに成長し、互いに高め合っていく関係性を明確にいたしました。そして、その方針に沿って「個として目指す姿」「組織として目指す姿」「人財基盤として目指す姿」をかかげ、人財戦略の取り組みを進めてまいります。 ①ガバナンス人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティ全般のガバナンスに組み込まれています。体制図を含む詳細については、(1)サステナビリティ経営に関する考え方 ①ガバナンス に記載しています。 ・CHROの設置当社グループでは、経営計画を達成する上で最も大切なのは「人」であるとの考えから、CHROを責任者として、経営戦略と人財戦略の連動を行えるよう、グループ各社の人事部門と密に連携をとりながら、人財戦略の取り組みを進めております。 ・労働組合との連携また、三越伊勢丹グループでは「三越伊勢丹グループ労働組合」が組織され、三越伊勢丹グループ企業のカウンターパートナーとして、グループ各企業と労働組合各支部・分会が労使関係や人事・労働条件を規定する労働協約を締結しています。グループ経営トップと組合本部幹部、あるいは各社トップと組合支部幹部による懇話会も定期的に開催し、情報共有を行うことで、相互理解と信頼・協力関係のもとに、円滑な事業運営と働く環境の維持向上を図っています。 ②戦略 次期中期経営計画における「個客業への進化・変革」、「連邦戦略による個客接点の向上」に向けては、「ひとの力の最大化」が重要なテーマであると捉え、その実現に向けた人事戦略として「個客業への変革に向けた企業風土改革(人事の感性)」、「事業実現人財の確保・育成・活性化(縦の人財確立)」、「グループ経営人財・事業変革人財の創造(横の人財創造)」、「生産性向上と人的資本投資の両立(人事の科学)」の4つの取り組みを定めました。 今後、この人財戦略をグループ一丸となって推し進めていくことで、「ひとの力の最大化」を図り、経営戦略の実現に繋げていきます。 ■個客業への変革に向けた“企業風土改革”「人事の感性」「企業理念:バリューズ」を、”三越伊勢丹グループの人財が持つべき 基本的なひとの力“と定義し、人財マネジメント方針として「人と組織の基本的な考え方」を制定し、“個客業への変革”に向けて、グループ従業員一人ひとりの「マインドチェンジと行動変容」を促進していきます。 ・生涯CDP ※CDP=キャリアデベロップメントプログラム「生涯CDP」の考えのもとで、一人ひとりのキャリアフェーズに合わせた様々な成長、支援の機会を、会社と組織が連携しながら従業員に提供することで、「個人の成長」と「会社の成長」双方を同時に実現する複合的な仕組みを構築しています。具体的には、上司と部下、人事と従業員によるキャリア対話の推進や、グループ内の色々な仕事情報の提供、自律的なキャリア形成に向けたチャレンジキャリア制度(手上げによる社内公募制度等)や自己申告制度、リアル、オンラインを通じた研修、学びの機会の拡充などに継続的に取り組むことで、「ひとの力の最大化」に取り組んでいます。 ■事業実現人財の確保・育成・活性化 「縦の人財確立」 次期中期経営計画の実現のためには、早急に百貨店事業以外の事業領域の確立が必要であり、それぞれの事業を強化するための、人財の「計画」「確保」「育成」「活性化」の整備が急務となります。次期中期計画の実現に向けて、それぞれに必要な、事業別の人財を、戦略的に強化していきます。 ・専門人財の育成 百貨店事業から金融・不動産・システム・広告事業まで拡がる当社グループの持つ事業の多様性を強みと するべく、さまざまな知見や技術を持つ人財の確保・育成を進めています。 ・経営人財、事業推進に向けた専門人財の育成(グループ中核人財の育成) 中長期経営計画の実現に向けては、サクセッションプランに繋がる経営人財育成に向けた選抜型研修 「ビジネスリーダープログラム」の実施や、外部出向を含む戦略的なCDPによる、中長期の重点戦略実現 に向けた事業人財の育成、事業別教育体系の確立による組織能力の向上など、様々な取り組みをグル ープ全体で進めています。 ■グループ経営人財・事業変革人財の創造「横の人財創造」 三越伊勢丹グループ人財の持つ強み(DNA)は「おもてなし力」と「キュレーション力(=編集力)」であり、強みである「キュレーション力」を“グループ事業全体”に拡大することで、“個客業としての新たな成長”につなげていきます。 そのために“三越伊勢丹グループにおけるDE&I”とは「事業人財の多様性」と「個人内にある多様性(知と経験の多様性)」と定義し、多様性から来るイノベーションの創出に向けて、“組織内の多様性”と“個人の多領域経験”を加速させていきます。 ・動的な人財ポートフォリオ 多様な個(人財)を活かす組織づくりとして、グループ内外への出向や、部門をまたいだ異動配置など、 人財の流動化を積極的に進めることで、多様な個の持つ知見や人的ネットワークの掛け合わせにより、 新たなイノベーションの創出、価値創造につなげています。 特に、今後経営戦略上強化していく事業領域における人財の育成に向けて、戦略的に外部の企業への出向を推進し、新たな知識や経験を積むことで、特別な百貨店を中核とした小売グループとしてのまち化戦略を推し進めていきます。 ・次世代人財、及びグループ視点を持った人財の育成イノベーションの創出に向けては、コーポレートベンチャーキャピタルの取り組み等、次世代人財の育成を行うと共に、グループ人財の流動化によるグループ全体での一体感醸成と共創に向けた取り組みを推進しています。 ■“人的資本投資”に繋げる人事の科学「人事の科学」事業ごとに“少数精鋭化”を実現し、労働生産性を最大化することで、そこで生まれた原資を「人的資本投資」につなげ、「ひとの力の最大化」を目指していきます。 ■「人財基盤」の整備 人財戦略の実現のために、そのベースとなる人財基盤の整備についても取り組んでいきます。 ・健康経営 三越伊勢丹グループは、ライフワークバランスの実現に向けて、従業員が“働きがい”と “働きやすさ”を実感できる環境をつくっていきます。従業員の多様な働き方や健康サポートなど、 個々人が柔軟に働くことができるよう取り組みを進めていきます。 また、社内環境整備に向けた方針として、2022年6月に、会社とグループ労働組合が共同で宣言を発信しま した。この労使共同宣言において、「適正な労働時間管理」と「ハラスメント・ゼロ」それぞれに関す る具体的な行動指針を示し、労使で「安心して働くことのできる職場環境」の実現に向けて取り組んで います。 ●三越伊勢丹 健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定取得 ・女性活躍推進従業員の約7割が女性である当社グループにおいては、今後の企業成長に向けて「女性の活躍推進」を進めていくことが不可欠であると考えており、短時間勤務制度や配偶者転勤休職制度などの制度の拡充に加え、男性の育児休業制度利用を積極的に推進するなど、組織風土や個々人の意識醸成も含めて、実施し続けることで、様々なライフステージの女性が働きがいと働きやすさを実感しながら活躍できる環境づくりを進めています。 ●えるぼし認定3段階目(2023年) ・従業員エンゲージメント従業員と会社が「互いに成長し、互いに高め合う関係」を目指すという考え方のもと、年に1度「従業員エンゲージメント調査」を実施し、結果を活用することにより、従業員エンゲージメント向上の取り組みを進めています。 ③リスク管理・安心安全な職場環境の整備従業員の安全と心身の健康を重視し、当社グループでは「適正な労働時間管理」と「ハラスメント・ゼロ」を重要なリスク項目と捉え、2022年6月1日、「安心して働くことのできる職場環境づくり」を労使共同宣言として発信、労使共同で安心安全な職場環境の整備に向けた取り組みを進めています。 ④指標と目標・女性管理職比率2030年度38%の達成(グループ計)・男性の育児休業取得率2030年度100%の達成(グループ計)・障がい者雇用比率2030年度3.50%の達成((株)三越伊勢丹および首都圏主要グループ会社の合計)・年間総実労働時間1,700時間台達成企業の割合 2030年度100%(グループ23社対象) 各指標の実績については、(1)サステナビリティ経営に関する考え方④指標と目標に記載のとおりです。 |
戦略 | ②戦略2018年度に、3つのマテリアリティとそれらに紐づく具体的な取り組みを特定しました。なお、2023年度には、外部環境の変化、ステークホルダーの皆さまの声、そして企業理念の再整理を踏まえて、上述のマテリアリティからの見直しを実施しました。新たなマテリアリティに基づく開示は、2024年度に指標と目標を設定したうえで、来期以降より行います。マテリアリティの特定・見直しのプロセスについては、サステナビリティサイトをご参照ください。https://imhds.disclosure.site/ja/themes/285# 2023年度に注力した具体的な項目は、サプライチェーン・マネジメント、気候変動への対応、人的資本経営の3点です。サプライチェーン・マネジメントについては、当社グループは環境や人権に配慮した調達活動を推進しており、2023年4月に改訂した「三越伊勢丹グループ人権方針」「同 調達方針」をもとに持続可能な調達に取り組み、同年6月には「お取組先行動規範」を制定しました。「お取組先行動規範」は、お取組先約1万2千社へ通知し、当社方針へのご理解とご協力をお願いしております。同時に、取り組みの状況や課題を把握するため、アンケート調査を実施いたしました。調査の結果は、サステナビリティサイトをご参照ください。https://imhds.disclosure.site/pdf/questionnaire_2023.pdfまた、着実に持続可能なサプライチェーンを構築するために、お取組先との個別対話にも力を入れ、2022~23年度までに約600社と対話を実施いたしました。対話では、実践に向けた課題やご要望をヒアリングするとともに、取り組みの改善に向けた意見交換を行いました。上記の取り組みを踏まえ、今後は当社のサプライチェーンにおける人権リスクの特定と、その低減に向けた対応を進めてまいります。具体的には、当社事業に関わる人権課題を洗い出し、アンケート結果を参考にリスクをマッピングし、2024年度中に重点リスクを特定します。特定した重点リスクを、お取組先との対話の確認事項に組み込み、必要に応じたデューデリジェンスを実施し、持続可能なサプライチェーンの構築を推進してまいります気候変動への対応、人的資本経営については、(2)サステナビリティに関する個別課題に記載しています。 |
指標及び目標 | ④指標と目標2018年度より、サステナビリティに関する重要課題の中期目標(2024年)、長期目標(2030年)を設定し、取り組みの実践と年度ごとのモニタリングを行っています。気候変動に関する指標と目標については、(2)サステナビリティに関する個別課題 (ア)気候変動への対応に記載しています。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のとおりであります。ただし、将来の業績や財務に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 1.リスクマネジメント推進体制について当社グループは、執行役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会にて、経営戦略の推進や経営基盤に影響を与える重大な経営リスクについて検証および対応策等の検討を行い、その結果を執行役会に答申する体制を構築しております。また、グループ全体のリスクマネジメント推進のため、リスクマネジメント推進会議およびサイバーセキュリティ推進会議を設置しております。リスクマネジメント推進会議では、リスクマネジメント年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてリスクマネジメント対策の実現を図っております。また、その具体的な実践や徹底を図るため、リスク対策部会を設置しております。サイバーセキュリティ推進会議では、サイバーセキュリティ対策の年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてサイバーセキュリティ対策の実現を図っております。また、その具体的な実践や徹底を図るため、サイバーセキュリティ対策部会を設置しております。※リスクマネジメント体制図 また、当社グループのリスクマネジメント体制は、3つのディフェンスラインと5つのレイヤーで構成されております。各グループ事業会社を第1線、三越伊勢丹ホールディングス(以下、HDS)リスク管理部門を第2線、HDS内部監査室を第3線とする3つのディフェンスラインをベースとして、グループ体制を事業実態に応じた5つのレイヤー(❶グループ事業会社現業部門、❷グループ事業会社管理部門、❸HDS統括部門、❹HDSリスクマネジメント室、❺HDS内部監査室)に整理し、各レイヤーの役割と責任を明確化することで、実効性の高いリスクマネジメント体制の構築を図っております。 2.リスクの分析・評価について当社グループは、リスクを捉えるにあたり、日々変化する外部環境とグループの事業特性・事業戦略を考慮し、多角的な視点からリスクの把握に努めております。グループ全体の事業を取り巻くリスクを5つのカテゴリー(①経営戦略上のリスク、②財務に関するリスク、③人事・労務に関するリスク、④災害等のリスク、⑤オペレーショナルリスク)に分類し、カテゴリーごとのリスクを洗い出し、リスク一覧として整理しております。リスク一覧については、毎年、その内容を見直し、月次でリスクへの対応状況を確認し、必要に応じて評価を見直しております。また、リスクが顕在化した際には、物的損害、人的損害、財務・経営戦略遂行の阻害、レピュテーション毀損などの損害を被るものと捉え、発生頻度や事業への影響をもとにリスクマップを作成し、その中から重点リスクを選定、部会等を通じて対策の強化を図っております。なお、リスクへの対応状況については、執行役会および監査委員会に定期的に報告を実施しております。 リスク領域リスク項目影響度物的損害人的損害財務・経営戦略遂行の阻害レピュテーション毀損経営戦略上のリスクサステナビリティ経営の推進に関するリスク特に大 ●●●デジタル社会への対応に関するリスク特に大 ●●●新たなビジネスモデル構築に関するリスク特に大 ●●海外情勢への対応に関するリスク大●●●●財務に関するリスク資金調達に関するリスク大 ● 人事・労務に関するリスク人財確保に関するリスク特に大 ●●●災害等のリスク災害等の対応に関するリスク特に大●●●●情報セキュリティに関するリスク特に大● ●●オペレーショナルリスク商品取引上のリスク特に大 ●●●個人情報漏洩に関するリスク特に大 ●● (1) 経営戦略上のリスク① サステナビリティ経営の推進に関するリスク:影響度 特に大・サステナビリティ経営のビジネスモデル推進の遅れ・脱炭素に向けた取り組みの遅れ (リスク)昨今、世界各地において気候変動による自然災害の頻発・激甚化や格差の拡大等の、社会課題が顕在化しております。そのような背景から、各企業はサーキュラーエコノミー社会の推進や人権の尊重、地域社会への貢献、ESG・SDGsへの取り組みなど、社会的な課題の解決に根差したビジネスモデルを推進しております。しかし、このような社会の潮流に対して当社グループのサステナビリティ推進が遅れをとった場合、お客さまやお取組先、株主・投資家、従業員、地域社会・コミュニティ、全てのステークホルダーの信頼を失うことで資金調達が困難となる等、企業経営に悪影響を及ぼす可能性があります。あわせて脱炭素に向けた取り組みが遅れた場合、将来的に環境規制の強化等を背景に、エネルギーコストの増加等が発生し、当社グループの財務に悪影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループは、お客さま、お取組先、株主・投資家、従業員、地域社会・コミュニティ、全てのステークホルダーと未来志向で友好的な対話やコミュニケーションを通じて、Win-Winの関係性を構築することで企業価値の向上を目指しております。また、ステークホルダーからの意見を経営の意思決定に反映する事は、社会課題や経営課題の解決に繋がる手段と考えております。各ステークホルダーとのコミュニケーションにより得た情報や要望を踏まえ、毎年取り組みの見直しを行っております。・当社グループではサステナビリティを推進するにあたり基本方針を策定し、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議を通じ、グループ全体の重要取り組みを共有し、実効性の向上につなげております。また、従業員に向けた教育を実施し、当社グループを取り巻く環境への理解を深め、環境・社会課題の解決に向けた施策に取り組んでおります。・当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)へ賛同しており、気候変動によるリスクの把握と当社の財務への影響を分析し、情報開示を行っております。そして「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標」および「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標」を設定し、脱炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを推進しております。気候変動への対応については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(ア)気候変動への対応」において詳しく記載しております。・当社グループは、サステナビリティの基本方針に基づき、当社グループの強みを活かしたサステナビリティ活動を通じた環境・社会課題の解決を目指しております。サステナビリティ活動に関するスローガンとして「think good」を掲げ、営業施策としてサステナブルな商品・サービスの提供に取り組んでおります。・小売業を中核とする当社グループの事業活動は、多種多様、多数のお取組先との協働が不可欠と考えております。サプライチェーン上の持続可能性に配慮するため「お取組先行動規範」の遵守をお取組先と調達先に対してお願いしております。2021年度と2023年度にお取組先へアンケート調査を実施し、サプライチェーン上の実態・課題の把握と改善に努めております。 ② デジタル社会への対応に関するリスク:影響度 特に大・内部リスク:社内リソースの不足、システム障害の発生、従業員によるSNSトラブル、AIチャットサービスの不適切な利用・外部リスク:オンライン上での詐欺犯罪の増加 (リスク)当社グループは、デジタル社会への変化に対応するために、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイトやアプリの提供、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。また、事業活動を通じて蓄積したデータを活用してお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスの変革(以下、DX)に取り組んでおります。デジタル社会に対応すべきリスクの捉え方としては内部リスクと外部リスクが存在していると認識しております。内部リスクとしては、DXを実行する社内リソースの不足により、デジタル社会を前提としたお客さまのご要望への迅速な対応や業務効率化、経営効率化が進まずに業績や財務状況、今後の経営計画の実行への悪影響を与える可能性があります。また、新システム導入や更改、日々のシステム運用のなかで不測の障害が発生することにより、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障が生じる恐れがあります。さらに、SNS活用が浸透・拡大するにつれ、従業員個人が関与するSNSトラブル増加の恐れがあります。また、AIチャットサービスは、将来的には業務生産性を高める無限の可能性を持つツールとして積極的な活用が求められる一方で、使い方によっては重要な機密情報の漏洩や意図せず第三者の権利侵害につながるリスク等も懸念されております。外部リスクとしては、デジタル社会における詐欺犯罪の増加が挙げられます。当社グループのECサイト等においても対策が不十分な場合、財務上の損失につながる可能性があります。(対 応)・デジタルテクノロジーやデータの活用に長けた専門組織を設置し、人財育成や各部門へのデジタル人財の配置を行うことで、グループ全体としてDXを実行する社内リソースの強化を図っております。・システム部門による障害発生の事前防止活動とともに、システム部門と営業部門が一体となり障害発生時の損失を極小化する対応力を向上させる取り組みを行っております。・SNS活用が浸透・拡大するにつれ、想定しなかった事故やトラブルが増加していることから、デジタルな顧客接点として、お客さまに安心してご利用いただける環境の構築を図るとともに、従業員が公私を問わず、SNSを利用するにあたって遵守すべきルールとして、禁止・注意・推奨する事項を明示した「ソーシャルメディアガイドライン」を策定しております。・AIチャットサービスについては、昨年、当社グループ専用のデジタルツールを作成し、利活用できる環境を整備しております。また、利用前には必ずeラーニングを受講するなど社内ルールを周知徹底することで、機密情報の漏洩や第三者の権利侵害といったリスク回避の対策を講じております。・オンライン上の不正行為を抑止するために、技術的対策の導入をより一層強化してまいります。・仮想空間プラットフォームやAIを組み合わせた顧客データ分析等、新しいデジタルテクノロジーを活用したビジネス価値創造に持続的に取り組むことによって、デジタル社会の発展に適応してまいります ③ 新たなビジネスモデル構築に関するリスク:影響度 特に大・社会構造の変化に対応したビジネスモデルへの転換の遅れ・従来型の百貨店ビジネスモデルの衰退 (リスク)当社グループの主要事業である百貨店事業は、これまでマスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりました。しかしながら、近年の少子高齢化といった人口動態の変化や所得の二極化といった社会構造の変化、さらにはデジタル化の加速と情報化社会の進化により、お客さまの価値観、消費行動は大きく変化を遂げております。このような時代の変化に対応したビジネスモデルへの転換が遅れた場合、業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同業や異業態の小売業他社との競争激化を背景とした業界再編の動きが活発化してきており、新たなビジネスモデルの構築が急務となっております。(対 応)・当社グループは、上記のリスクを加味したうえで新しいビジネスモデルの確立が必須であるという認識のもと、次期中期経営計画(2025~2030年度)において、従来の「“館”業」(百貨店の“館”の力に頼ったマス向けビジネスモデル)から「個客業」(「館」+「まち」の力で世界中からお客さまを集め、識別化し、つながったお客さまに多様な顧客価値を提案するビジネスモデル)への変革を図ってまいります。・個客業ビジネスモデルへの変革は、次の4つの視点で進めてまいります。「世界へ拡大」国内/海外の枠を取り払い、世界中からお客さまを集めます。「時間の拡大」百貨店の営業時間に留まらず、24時間・365日を活用したビジネス展開を図ります。「空間の拡大」“まち化”を手段に、お客さまを集め、深くお付き合いするための空間を創造します。「用途の拡大」当社グループ各事業(百貨店事業/不動産事業/金融事業/関連事業)による、三越伊勢丹ならではの“高感度上質”で多様な価値を提供します。 ④ 海外情勢への対応に関するリスク:影響度 大・海外情勢リスク:政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスク・海外事業リスク:従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等 (リスク)当社グループは、百貨店事業での東南アジア、中国、台湾、および米国の店舗営業のほか、海外の不動産事業にも参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許可、税制等、様々な政府規制や法制度の適用を受けております。海外情勢リスクとしては、テロ・戦争・政治・宗教その他の要因による政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスクがあります。なかでもウクライナや中東情勢の悪化は、エネルギーコストや商品価格の高騰および商品供給のリードタイムの長期化等、当社グループのビジネスに影響を与えており、引き続き注視が必要であると捉えております。海外事業リスクとしては、海外で事業展開するうえで、従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等のリスクが内在しております。これらのリスクにより、当社財務への損害だけでなく、海外実店舗の物的・人的損害の発生や事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、現地法人やお取組先を介してのグローバルな取引が多く存在し、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性があります。(対 応)・当社グループは、海外へ赴任する従業員に対し、海外事業リスクに関する教育を実施しております。・海外拠点とのリモート会議やタイムリーな現地リスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションを実施し連携を図っております。・有事におけるレポートラインの確立や日本と海外拠点とが一体となった組織的対応の実施計画を策定しております。昨今では特に、従業員の安全を確保できるよう、東アジアを中心とした海外情勢の変化を常に注視しております。・資金管理等においては、銀行のシステムを利用し、日本側からのモニタリング体制を構築しております。・ガバナンス強化の一環として、海外拠点を対象にした内部通報制度を導入し、通報窓口を設置、運用しております。 (2)財務に関するリスク① 資金調達に関するリスク:影響度 大・業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下・市場金利の上昇に伴う資金調達コストの増加 (リスク)当社グループは、事業を多角的に展開しており、今後の経営計画として、保有不動産の開発にあたり百貨店の魅力あるインフラ機能を併せ持つ「まちづくり」として結実させていくビジョンを描いております。その実現のため、保有不動産の建て替え、改修等で今後一定の資金が必要となることが想定されます。しかしながら、当社グループの業績の悪化や格付けの変更による資金調達力の低下、さらには政策の転換による金融市場の資金調達コストの上昇等、様々な要因が資金調達を困難にする可能性があります。資金調達が困難になった場合には、事業計画実行の遅延や戦略の変更を余儀なくされるリスクがあります。(対 応)・当社グループは、構造改革を積極的に推進し、固定費の削減を実施することで、営業黒字を拡大する取り組みを行っております。また、営業キャッシュフロー改善を通じて、有利子負債削減に取り組むとともに、経費や投資キャッシュアウトのコントロールを徹底することで、財務体質の改善を図っております。・さらに、中長期的な投資に向けた余力を確保しながら、株主還元や有利子負債削減、収益に貢献する投資をバランス良く実施しております。このような取り組みにより、フローとストックの観点でも最適な財務基盤を構築することで、全てのステークホルダーとの良好な関係性を築いてまいります。 (3) 人事・労務に関するリスク① 人財確保に関するリスク:影響度 特に大・事業戦略遂行のために必要なスキルを有する人財の不足・人財獲得競争の激化・既存人財の離職率の増加 (リスク)当社グループにおいては事業戦略を遂行するうえで既存の事業分野のみならず、不動産、金融、デジタルをはじめとした新たな事業分野で、高度な専門知識を有する人財の持続的な育成、確保が必要と認識しております。人財獲得競争が激化するなかで、計画通りに事業戦略に必要なスキルを有する人財の確保が図れなかった場合は、当社グループの目指す経営目標の達成や事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・当社グループは、「マルチステークホルダー方針」を公表しており、経営資源の成長分野への重点的な投入や従業員の能力開発、スキル向上等を通じて、イノベーションによる持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しております。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、従業員への持続的な還元を目指しております。・経営戦略の実現に向けた専門人財の育成に関しては、戦略的な出向政策や既存人材のリスキル、事業別に異なる専門スキルに応じた制度の拡充に取り組んでおります。・合わせて、経営戦略の実現に必要な「多様な事業の組み合わせ」により新たな価値を創造する人材の育成に向けて、グループ内外への人材流動化を計画的に進めることで、個人の持つ知と経験、ネットワークの多様性を拡大し、新たな価値を生み出す人財の育成に取り組んでおります。・人財獲得競争の激化に対しては、従業員エンゲージメントの向上に継続的に取り組むことでグループ従業員の離職率低下や、企業イメージの向上による外部人財の獲得を図っております。・人財基盤を支える取り組みとしては、一人ひとりのライフワークバランスを尊重し、個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める両立支援制度の拡充やひとの力を引き出すための対話活動の推進、従業員の心身の健康に配慮した適正な労働時間管理やハラスメント撲滅の取り組みを推進しております。・その他、女性活躍推進に向けた取り組みや、高年齢者雇用安定法の改正を踏まえた、エルダー社員人財の活用、障がい者の活動機会の確保などの施策にも継続して取り組んでおります。・人的資本については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(イ)人的資本経営」において詳しく記載しております。(4) 災害等のリスク① 災害等の対応に関するリスク:影響度 特に大・地震、水害等の自然災害の影響・店舗等の火災発生の影響・感染症拡大の影響 (リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として店舗による事業展開を行っております。このため、地震、水害、火山噴火などの自然災害が発生すると、店舗の営業継続に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、首都直下型の大地震が発生した場合、当社グループの店舗は首都圏に集中しているため、お客さま、従業員および建物等が甚大な損害を受けることが予想されます。これにより、業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災の経験から、大規模震災による電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染などが営業活動に影響を及ぼすことが予想されます。特に富士山噴火では、東海地方および首都圏の店舗において、噴火発生時に火山灰が飛来することで、営業活動をはじめ、交通インフラを中心とした混乱が予想されるほか、システムや物流網等、全国的な影響が考えられます。さらに近年の地球環境の変化に伴い、台風や集中豪雨といった災害の規模と被害が甚大化するケースが増加しております。また、洪水や浸水、強風により、お客さま、従業員および建物等に被害が発生し、営業停止による営業損失を引き起こす可能性があります。加えて、百貨店事業は全国各地からの商品供給や物流により成り立っているため、供給網に影響が及ぶことで、当社グループの事業活動全体に影響を及ぼす可能性があります。火災については、当社グループでは火災の発生を防止するために消防法に基づいた対策を徹底しております。しかし、店舗にて火災が発生した場合、お客さまや従業員の罹災による人命の危機の発生および人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、被害者に対する損害賠償責任等が発生する可能性があります。さらに、これらの被害以外にも法令違反が発覚した場合の罰則や営業停止に伴う営業損失も懸念され、当社グループの業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。近年では、他国からのミサイルが日本の領土等に着弾・落下するケースも想定されます。従業員や施設に直接的な損害が無くても、攻撃が継続され、より深刻な事態となれば、全国的な事業継続に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、新たな感染症の拡大により、国内の消費マインドやインバウンド需要の低迷等、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループでは、地震、水害、パンデミック、富士山噴火、ミサイル攻撃等、今後想定される大規模災害への対応のため、災害対策基本計画および事業継続計画(以下、BCP)において、日頃の防災・減災対策や災害発生時の初動・復旧に向けた具体的な行動計画を策定しております。・計画の実行性を高めるために、各店舗および事業所での非常用物資の備蓄や定期的な訓練、安否確認システムの導入、ITツールを活用した情報共有等を実施しております。・株式会社三越伊勢丹は、BCPの取り組みと店頭での募金活動や従業員のボランティア活動を支援する仕組み等が評価され、「事業継続」と「社会貢献」の分野において、外部の認証機関より、百貨店として初の「レジリエンス認証」を取得しております。・各店舗において、所轄消防署と協力のうえ、火災を想定した消防訓練の実施や設備点検、さらには自衛消防隊設置による平時からの安全管理を実施しております。・他国からのミサイル発射等による脅威については、Jアラートが発動された場合の対応マニュアルを作成し、あわせて、訓練強化に取り組んでおります。・新たな感染症の拡大に際しては、当社グループはお客さまと従業員の安心・安全を第一に、グループ全店舗で感染状況に応じた対策を実施してまいります。また、当社グループのBCPにおいても、「新型インフルエンザ等によるパンデミック」について、被害想定ならびに行動目標を定め、対応しております。 ② 情報セキュリティに関するリスク:影響度 特に大・サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止・不正アクセス犯罪等による機密情報や個人情報の漏洩 (リスク)当社グループは多岐にわたる事業活動やサービス提供のなかで、お客さま、お取組先の様々な情報をお預かりし、管理しております。昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティガバナンスのさらなる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、不正アクセス犯罪等による機密情報や個人情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされます。加えて、社会的信用の失墜による売上の減少や賠償金等の支払い負担等、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化のため、サイバーセキュリティ対策部会において、日常の業務活動のなかで技術的および人的・組織的な対策の推進を図っております。・技術的対策では、サイバー攻撃を防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入と運用を強化しております。・人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシーの向上を図るため、システム部門における専門的なセキュリティ人財の育成や、従業員へのセキュリティ教育・訓練を適時実施しております。 (5) オペレーショナルリスク① 商品取引上のリスク:影響度 特に大・商品調達に関して、お取組先との公平・公正な取引における問題・商品の品質・安全管理における体制上の問題 (リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として事業展開を行っております。お客さまのニーズに合わせて、 常に安全で安心な商品やサービスを提供する事を最優先に考え、お客さまのご満足と信頼に応えられる品質を追求しております。百貨店事業は、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受けております。これらの法規制に適合し、お取組先との取引や、消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し公正な取引を行うことが求められております。これらの法規制を遵守できなかった場合、行政処分により当社グループの活動に制限がかかる可能性や、社会的信用の失墜、売上の減少、損害賠償金の支払い、罰金や課徴金の負担等の財務上の損失が生じる可能性など、当社グループの事業継続に大きな影響を与えることが考えられます。当社グループが実施しているサステナビリティ活動に関するお客さまアンケートでも、例年「商品の品質・安全の確保・正確な表示」が、当社グループに期待されている項目の上位に挙げられております。なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が懸念されます。これらが発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害だけでなく、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し、当社グループの財務に悪影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループは、持続可能なサプライチェーンやビジネスと人権等の社会課題に対応するため、「三越伊勢丹グループ調達方針」、「三越伊勢丹グループ人権方針」を策定しております。また、主要お取組先を対象としたサステナビリティ調達に関するアンケートの実施や方針説明会の開催等を通じて、お取組先各社との対話を深め、サプライチェーン・マネジメント体制を整えております。・当社グループは、お取組先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を重視して、新たなパートナーシップを構築することを宣言する「パートナーシップ構築宣言」を策定しております。宣言の内容は、eラーニングを通じて従業員全員が理解・実践に努めており、公平・公正な取引を通じてお取組先との信頼関係を築き、社会的価値と経済的価値の両立を目指しております。・グループ全体の商品取引における法令遵守体制を構築するために、下請代金支払遅延等防止法や不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律に則したガイドラインやマニュアルを整備し、法改正やオペレーションの見直し等時宜に適った改定を行い、社内に周知しております。・コンプライアンス推進会議を組織し、定例会議において、法改正等への対応の指針の策定と社内懸念事項の報告および解決に向けた取り組みを強化しております。・「三越伊勢丹グループ企業理念」を実践するために、グループの役職員が日々の業務においていかに判断し、行動すべきかの倫理的基準を示す「三越伊勢丹グループ行動規範」を定め浸透を図っております。・コンプライアンスを担当する実務者向けに、法令、社内規程等を含めた定期的な教育を実施し、実務とコンプライアンス遵守の両立に取り組んでおります。・当社グループ内に派遣いただいている従業員を含め、店頭において法令違反や社内規程に反する行為がないか、定期的に点検を行うとともに、法令、社内規程等のOJT教育を実施しております。・万が一、事件・事故が発生した場合には、各ガイドラインとレポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、その後、社内にて事例を共有し再発防止に努めております。・不正行為等があった場合に、その事実を速やかに認識し自浄的に改善するため、「三越伊勢丹グループホットライン」を設置するなど、内部通報に係る適切な体制整備を行っております。・食品衛生の基本となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書を策定し、お取組先まで共有することで食品衛生確保の網羅性を図っております。また、計画書に基づき日々の記録と保管を徹底し、定期的な点検を実施することで、法令遵守と食中毒予防の両面からお客さまの安全確保に取り組んでおります。・アレルギー有症事故を予防するため、正確なアレルギー情報を提供するためのマニュアルと社内体制を整備しております。定期的な点検を通じて情報の正確性を確認し、お客さまとも積極的なリスクコミュニケーションを日々推進しております。 ② 個人情報漏洩に関するリスク:影響度 特に大・管理体制の不備による個人情報等の漏洩・紛失 (リスク)昨今、個人情報を用いたビジネスの拡大や新規ビジネス創出に伴う個人情報の漏洩や不適切な利用事案の増加から、消費者の個人情報保護への意識と利用状況への関心が高まっております。また、個人情報に関する各国法も相次いで整備されるなか、企業には、越境移転も踏まえた厳重な管理体制や、厳格な目的内利用の仕組みの構築が求められております。当社グループは、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、多くのお客さまの個人情報をお預かりし管理しております。しかし、犯罪による漏洩や管理体制の不備による紛失、また個人情報の保護に関する法律等への違反が発覚した場合には、損害賠償費用や罰金などの費用が発生する可能性があります。さらに、当社グループの社会的信用の失墜による売上の減少等、当社グループの業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・適切な個人情報の取得および利用のための自主基準やマニュアルを策定し、これらに基づいて管理システム・社内管理体制を整備し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において、日々厳重に個人情報の管理を実施しております。・個人情報を含む情報セキュリティ体制の策定と周知の徹底を行い、さらに継続的な見直しとモニタリングを実施しております。・対応スキルの維持向上を目的として従業員に向けた教育を実施し、リテラシーと意識の向上を図っております。・行政によるデジタル社会の形成に向けた法整備状況や個人情報の保護に関する法律、法規制、ガイドライン等への対応を図っております。・海外拠点においては、関連する現地法規制に関する情報収集を継続的に行い、適切な対応を行っております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月に5類感染症へと移行したことに伴い、行動制限の緩和による外出機会の増加や消費意欲の上昇・拡大などの兆しが見られました。非製造業の業況はバブル期以降の最高水準に達しており、特に娯楽や宿泊・飲食などの対面サービス業や小売業を中心に回復基調が継続しております。さらに、訪日外国人旅行者数の復調に伴い過去最高のインバウンド消費額が記録されるなど、社会経済活動の正常化に向けた進展が見られました。一方、世界経済においてはウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクや、各国の金融引き締め政策継続による景気の下振れリスク、急激な為替変動等の影響に対する懸念が見られました。また、世界的インフレによってエネルギーや原材料価格が高騰し、国内においても所得の伸びを上回る物価上昇による節約志向の高まり等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。こうした環境下において当社グループは、2023年に新たに制定した「三越伊勢丹グループ 企業理念」のミッションとして「こころ動かす、ひとの力で。」を掲げ、「お客さまの暮らしを豊かにする“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」というビジョンの実現に向け、中期経営計画(2022~2024年度)に基づいて事業活動を進めてまいりました。中期経営計画の中間年度である当期は、第1フェーズである「百貨店の再生」を掲げた2年目として、スピード感を持ちながら着実に重点戦略の実行を進め、再生フェーズの早期達成を図ってまいりました。また同時に次期フェーズである「まち化準備」フェーズに向けた取り組みを加速させるべく、地域百貨店や関係会社の事業構造改革への注力、「百貨店の科学」のグループ会社への浸透による経費コントロールを推し進め、国内百貨店事業を筆頭とした経営効率の大幅な改善により財務体質の強化を図ってまいりました。 「百貨店の科学(収支構造改革)」の取り組みでは、地域店舗への波及により百貨店事業全体で固定費と変動費の徹底したコントロールにより損益分岐点を引き下げました。売上回復局面において利益を拡大させやすい構造への転換が進んだことにより、業績の回復に大きく寄与いたしました。「高感度上質戦略」では、更なる高感度上質店舗化に向けたMDバランスの修正としてラグジュアリーブランドや化粧品等のハイタッチMDを拡大するリモデルを伊勢丹新宿店本店と三越日本橋本店、三越銀座店で実施しました。外商セールスとバイヤー、店頭スタイリストが連携した販売体制の取り組みが首都圏店舗や地域店舗においても外商顧客に支持されました。両本店のグループ上位向け顧客イベント「丹青会」「逸品会」では、過去最高売上を更新しました。「個客とつながるCRM*1戦略」においては、個客軸のマーケティングにより、一人ひとりのお客さまのニーズへの対応を強化することで客単価が拡大して識別顧客の売上高を伸長させることができました。加えて、インバウンド需要が高まる中で海外顧客向けの外商機能とSNSによる販売促進を拡充させることで、インバウンドによる売上高はコロナウイルス感染拡大前の2018年を大幅に上回る1,000億円を超えることができました。「高感度上質戦略」と「個客とつながるCRM戦略」の取組みにより、三越伊勢丹単体では、統合以降過去最高売上を更新することができました。当社グループが持つスキルやノウハウを組み合わせてグループの総合力を発揮させる「連邦戦略」においては、国内関係会社が百貨店事業を補完する体制から、全ての事業が並列となり連携する体制へ移行していきます。グループ連携の新たな体制により、国内関係会社の外部販売実績が大幅に拡大しております。「まち化戦略」では、「新宿三丁目駅前西地区市街地再開発準備組合」等へ参画しております。また、開発計画ごとのタイムラインや各用途のコンテンツ導入準備についての具体化や、まち化事業機会の最大化に向けたグループ連携等に着手しております。経営基盤としての「サステナビリティ」では、「三越伊勢丹グループ 企業理念」のもとで重点取り組み(マテリアリティ)を事業戦略とつなぎ合わせ、一体的に推進しております。「人・地域をつなぐ」取り組みでは、文化と伝統の振興・継承として創業350周年を迎えた三越各店で「伝統を越える革新性」をテーマに日本の伝統工芸の魅力の発信等の取り組みを実施しました。「持続可能な社会・時代をつなぐ」取り組みでは、環境への対応として伊勢丹新宿本店でAIスマート空調を試験的に導入しました。循環型社会の実現に向けて、衣類カバーの簿肉化や食料品フロアにおけるカトラリーの素材切り替え等によりプラスチック使用総量の削減も進めております。サプライチェーンマネジメントの推進として「お取組先行動規範」を制定し、環境や人権に配慮した当社における調達活動の方針へのご理解とご協力をお願いしております。当社は、企業理念のミッションとして「こころ動かす、ひとの力で。」と掲げている通り、持続的な成長を続けるうえで最も大切な資本は「多様な従業員一人ひとりの持つ個の力」であると考えています。「従業員満足度の向上」の取り組みとして、昨年度に三越伊勢丹グループにおける人財マネジメント方針である「人と組織の基本的な考え方」を策定いたしました。“ひとの力の最大化”に向け、「従業員への期待」と「上司・会社の責任」を明確にし、従業員・上司・会社が三位一体となることで、個人と会社のさらなる成長を目指してまいります。上記の取り組みを進めた結果、当連結会計年度において、計画当初の長期目標である10年スパンでの営業利益額50,000百万円を大きく上回りながら2年目で達成することができました。さらに、2008年4月の三越と伊勢丹統合以降の最高営業利益についても更新しました。当連結会計年度の連結決算につきましては、売上高は536,441百万円(前連結会計年度比10.1%増)、営業利益は54,369百万円(前連結会計年度比83.6%増)、経常利益は59,877百万円(前連結会計年度比99.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は55,580百万円(前連結会計年度比71.7%増)となりました。 *1 CRM=カスタマー・リレーションシップ・マネジメント セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。百貨店業国内百貨店においては、社会経済活動の正常化に伴い、入店客数が大幅に増加したほか、訪日外国人旅行者によるインバウンド消費も全国的に活況を呈しました。特に、伊勢丹新宿本店、三越銀座店は両店舗ともに、総額売上高が過去最高額を記録し、計画値を大きく上回り好調に推移しました。さらに国内百貨店全体では、韓国や台湾、タイ、米国などからの訪日客数および購買金額が伸長いたしました。その結果、コロナ禍前の2018年度の免税売上高を大幅に上回るとともに、過去最高額を更新いたしました。重点戦略である「高感度上質戦略」、「個客とつながるCRM戦略」を象徴する取り組みの一つでもある伊勢丹新宿本店の「丹青会」や三越日本橋本店の「逸品会」では、自動車や楽器、不動産等の通常、店舗では取り扱いのない百貨店外MDや特別企画品をご紹介しました。個客の多様なご要望にお応えすることで、2024年2月開催時において共に過去最高の売上を更新しました。一方、経費面においては全国の店舗で「百貨店の科学(収支構造改革)」による取り組みを進めた結果、固定費の圧縮や販売管理費の抑制などの経費コントロールが進み、百貨店業全体として大幅な収支の改善につながりました。なお海外店舗では、2024年4月に中国・天津市内の2店舗(天津伊勢丹・天津濱海新区伊勢丹)を賃貸借契約終了に伴い閉店しております。海外計では増収増益となり、引き続き国・地域ごとの状況に合わせた、“選択と転換“を加速させ、商業運営ノウハウを活かした新たな取り組みの拡大を進めてまいります。このセグメントにおける売上高は448,319百万円(前連結会計年度比7.8%増)、営業利益は45,159百万円(前連結会計年度比121.0%増)となりました。 クレジット・金融・友の会業クレジット・金融・友の会業は、株式会社エムアイカードが、百貨店業の売上拡大に伴うグループ内でのクレジットカード利用が好調に推移したほか、社会経済活動の正常化により航空・旅行・飲食領域等のグループ外加盟店での取扱高も大幅に増加し、カード手数料収入が拡大しました。また、カードファイナンスの強化が奏功し、割賦手数料収入も伸長しました。さらに、収支構造改革の実行と経費コントロールの徹底により運営費を大幅に圧縮し、前年に対し増収増益を達成しました。今後もさらなる利便性の向上や将来を見据えた新たな金融サービスの開発等を推進し、お客さまの暮らし全般のニーズにお応えしてまいります。このセグメントにおける売上高は32,766百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は4,050百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。 不動産業不動産業は、株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインが、高い技術力と高付加価値な提案営業の強みを活かし、ホテル・オフィス・商業施設等からの受注が増加しました。さらに都心の大型案件の完工等により、売上が拡大し、原材料価格の高騰の影響を強く受けながらも、前年に対し増収増益を確保しました。一方、保有物件におけるテナントの入れ替え等により、賃料収入が減収となりました。このセグメントにおける売上高は26,787百万円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益は3,044百万円(前連結会計年度比24.1%減)となりました。 その他旅行業の株式会社三越伊勢丹ニッコウトラベルは、国内外の旅行需要が本格的に回復し、三越創業350周年を記念した特別旅行企画や欧州リバークルーズ客船旅行など、同社の強みを活かした高付加価値な旅行企画を中心に好調に推移しました。円安の長期化や世界的インフレによるエネルギー価格の高騰等の影響を受けながらも、コロナ禍における固定費の削減などの損益分岐点の引き下げの取り組みも寄与し、前年に対し増収増益を達成し、4年ぶりの黒字転換となりました。メディア事業の株式会社スタジオアルタは、グループのリソースを最大限活用し収益を拡大させる「連邦戦略」推進の一環として、本年より百貨店内の広告メディア事業を統合したグループ統合ハウスエージェンシー化を進めております。グループ内の広告案件の請負や主力の屋外広告販売が好調に推移し、前年に対し大幅に増収増益となりました。このセグメントにおける売上高は91,123百万円(前連結会計年度比17.2%増)、営業利益は2,073百万円(前連結会計年度比82.4%増)となりました。 当連結会計年度末の総資産は1,225,103百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,795百万円増加しました。これは売上増による売掛債権の増加、持分法適用会社に対する持分相当額利益増加などによるものです。負債合計では624,278百万円となり、前連結会計年度末から40,509百万円減少しました。これは主に、有利子負債の減少などによるものです。また、純資産は600,824百万円となり、前連結会計年度末から48,304百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことおよび為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて36,649百万円減少し、72,390百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、56,895百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が9,406百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が27,293百万円増加したものの、売上債権の増減額が23,615百万円増加したこと及び持分法による投資損益が5,131百万円増加したことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、27,015百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が11百万円減少しました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出が9,186百万円増加したことに対して、前連結会計年度は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出10,599百万円があったことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、68,485百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が52,287百万円増加しました。これは主に、長期借入金や社債、コマーシャル・ペーパーなどの返済による支出44,500百万円があったこと及び、自己株式の取得による支出15,012百万円などによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績及び受注実績当社及び当社の関係会社においては、その他事業の一部に実績がありますが、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。 b.販売実績販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)百貨店業445,4827.8クレジット・金融・友の会業19,3676.9不動産業21,11919.9その他50,47231.7合計536,44110.1 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績の分析 1)概要 2024年3月期前期実績 (百万円)当期実績 (百万円)前年差 (百万円)前年比 (%)売上高487,407536,44149,034110.1売上総利益286,550318,93732,387111.3販売費及び一般管理費256,943264,5687,625103.0営業利益29,60654,36924,762183.6経常利益30,01759,87729,860199.5親会社株主に帰属する当期純利益32,37755,58023,203171.7 2)営業外損益 2024年3月期前期実績 (百万円)当期実績 (百万円)前年差 (百万円)前年比 (%)営業外収益4,53610,4615,924230.6 受取利息368562194152.9 受取配当金604570△3394.4 持分法による投資利益1,8016,9335,131384.8 その他1,7622,394632135.9営業外費用4,1264,953827120.0 支払利息776731△4594.2 固定資産除却損1,2181,986767163.0商品券回収損引当金繰入額25226310104.2 その他1,8781,97394105.0 3)特別損益 2024年3月期(百万円)主な内容特別利益1,446 投資有価証券売却益1,446 特別損失6,203 減損損失1,456イセタン(シンガポール)、立川伊勢丹 他 投資有価証券評価損444 賃貸借契約変更損1,179店舗賃貸借契約変更店舗閉鎖損失2,941海外店舗、エムアイフードスタイル(クイーンズ伊勢丹) 他事業構造改善費用180広島三越、高松三越 4)資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の確保及び財務健全性の維持を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出と幅広い資金調達手段の確保に努めております。 運転資金及び収益基盤拡大に必要な投融資資金は、営業キャッシュ・フローに加え、銀行借入金、社債、コマーシャル・ペーパー等により賄っております。 また、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約及び当座借越契約、並びにコマーシャル・ペーパー発行枠により、充分な流動性を確保しております。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 特に記載する事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資については、百貨店業を中心に全体で28,335百万円の設備投資を実施しました。主な内訳は、次のとおりであります。なお、有形固定資産の他、無形固定資産への投資を含めて記載しております。 セグメントの名称金額(百万円)百貨店業21,246クレジット・金融・友の会業2,009不動産業394その他4,982調整額(注)△297合計28,335 (注)調整額△297百万円はセグメント間取引消去及びセグメント間未実現利益等であります。 百貨店業においては、㈱三越伊勢丹が各店改修工事等で19,753百万円の投資を実施しました。その他においては、情報処理サービス業の㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズが、無形固定資産の取得を中心に、3,771百万円の設備投資を実施しました。なお、所要資金については、自己資金及び借入金等により充当しました。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社 2024年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数[名]建物及び構築物土地(面積千㎡)その他合計㈱三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区)―事務所等--( -)22394[54] (注) 1 所在地は、登記上のものによっております。2 帳簿価額のうち「その他」は、器具及び備品であります。3 従業員数の[ ]は、臨時従業員数(主として1日8時間換算)を外書しております。 (2) 国内子会社2024年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数[名]建物及び構築物土地(面積千㎡)その他合計㈱三越伊勢丹本社等(東京都新宿区等)百貨店業事務所等12,35337,118(29)2,66552,1381,963[1,241]㈱三越伊勢丹伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)百貨店業店舗等29,9783,129(20)3,12136,230614[771]㈱三越伊勢丹伊勢丹立川店(東京都立川市)百貨店業店舗等--( -)--88[193]㈱三越伊勢丹伊勢丹浦和店(埼玉県さいたま市浦和区)百貨店業店舗等4,6345,254(5)41610,304129[335]㈱三越伊勢丹三越日本橋本店(東京都中央区)百貨店業店舗等30,698110,308(12)1,657142,663520[599]㈱三越伊勢丹三越銀座店(東京都中央区)百貨店業店舗等15,89181,736(4)52698,154311[353]㈱三越伊勢丹静岡伊勢丹店(静岡県静岡市葵区)百貨店業店舗等2,2164,121(6)1266,464112[144]㈱三越伊勢丹新潟伊勢丹店(新潟県新潟市中央区)百貨店業店舗等4,7522,911(7)4868,150195[285]㈱三越伊勢丹仙台三越店(宮城県仙台市青葉区)百貨店業店舗等3,1133,849(5)4817,444165[224]㈱三越伊勢丹札幌三越店(北海道札幌市中央区)百貨店業店舗等2,9206,779(3)1119,81222[109]㈱三越伊勢丹札幌丸井今井等(北海道札幌市中央区)百貨店業店舗等5,2826,479(6)32012,083217[449]㈱三越伊勢丹名古屋三越栄店(愛知県名古屋市中区)百貨店業店舗等4,6654,174(1)4679,307282[275]㈱三越伊勢丹名古屋三越星ヶ丘店(愛知県名古屋市千種区)百貨店業店舗等62-( -)289034[59] 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数[名]建物及び構築物土地(面積千㎡)その他合計㈱三越伊勢丹広島三越店(広島県広島市中区)百貨店業店舗等645684(1)1251,45647[90]㈱三越伊勢丹高松三越店(香川県高松市)百貨店業店舗等3,3282,838(9)2296,395103[196]㈱三越伊勢丹松山三越店(愛媛県松山市)百貨店業店舗等2,3881,968(7)1364,49431[19]㈱三越伊勢丹福岡三越店(福岡県福岡市中央区等)百貨店業店舗等89-( -)3112017[51]㈱三越伊勢丹岩田屋本店等(福岡県福岡市中央区等)百貨店業店舗等3,383-( -)4053,788405[385]㈱函館丸井今井函館丸井今井等 (北海道函館市)百貨店業店舗等702474(5)171,19526[82] (注) 従業員数の[ ]は、臨時従業員数(主として1日8時間換算)を外書しております。 (3) 在外子会社 2023年12月31日現在会社名所在地セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数[名]建物及び構築物土地(面積千㎡)使用権資産その他合計イセタン(シンガポール)Ltd.シンガポール百貨店業店舗等2,3701,851(3)6235565,401289[52]イセタンオブジャパンSdn.Bhd.マレーシアクアラルンプール百貨店業店舗等2,233-( -)-1242,358481[0] (注) 従業員数の[ ]は、臨時従業員数(主として1日8時間換算)を外書しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当連結会計年度後1年間において重要な設備、改修等に係る投資をおよそ28,200百万円予定しております。重要な設備の新設、改修等の計画は以下のとおりであります。 改修会社名事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了㈱三越伊勢丹東京都新宿区等百貨店業リモデル等19,300 -自己資金等2024年4月2025年3月- |
設備投資額、設備投資等の概要 | -297,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 47 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 24 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,832,676 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社及び当社グループは、株式の価値変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とするいわゆる純投資目的の株式は、保有しておりません。当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、商品供給、資金調達等取引の維持・強化の目的で、必要と判断する企業の株式を政策保有株式として保有し、純投資目的以外の株式として区分しております。 ② 株式会社三越伊勢丹における株式の保有状況当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)である株式会社三越伊勢丹については以下のとおりであります。 ア.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資する場合を除き、原則として政策保有株式を取得・保有しないことを基本方針としております。既に保有する政策保有株式(上場株式)については、毎年の当社取締役会において、個別銘柄の保有合理性を定量面と定性面から総合的に判断しております。定量面では、関連取引利益、配当金を含めた株式保有による収益等の観点から、定性面では、お取引先企業との円滑な取引関係の維持の観点から検証を行っており、政策保有株式縮減に向けて、保有銘柄の状況を勘案しつつ段階的に売却を進めてまいります。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式31231非上場株式以外の株式2827,978 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式28取引先持株会の拠出 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式53,428 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無(注4)株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ3,165,1903,165,190主要金融機関として、財務活動の円滑化及び安定化のために保有しています。有4,9282,683清水建設株式会社3,230,1723,230,172施設関連の取引先として、事業活動の円滑化のために保有しています。有3,2312,422三井物産株式会社435,528435,528百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。有3,0941,792TOPPAN株式会社614,107614,107販促関連の取引先として、事業活動の円滑化を図るために保有しています。有2,3821,636ロイヤルホールディングス株式会社681,000681,000百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有1,7101,897株式会社オンワードホールディングス2,532,4472,514,435 百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。 2023年度において、取引先持株会の拠出により保有株数が18,012株増加しています。有1,446963高砂熱学工業株式会社279,180279,180施設関連の取引先として、事業活動の円滑化のために保有しています。有1,362588美津濃株式会社205,720205,720百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有1,308638東日本旅客鉄道株式会社434,700144,900出店賃借先として、事業活動の円滑化のために保有しております。2023年度において、株式分割により保有株数が289,800株増加しています有1,2681,062株式会社松屋1,115,7001,115,700業界動向等の情報収集のために保有しています。有1,2661,230西日本旅客鉄道株式会社338,000169,000株式会社ジェイアール西日本伊勢丹の合弁先として、協業を円滑に進めるために保有しています。2023年度において、株式分割により保有株数が169,000株増加しています。有1,060922ヤマトホールディングス株式会社484,000484,000物流契約先として、事業活動の円滑化のために保有しています。有1,0441,098松竹株式会社98,50098,500百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。有9611,125三菱倉庫株式会社 135,500135,500百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。有674421三菱鉛筆株式会社 230,000230,000百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有587373株式会社歌舞伎座115,000115,000百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。無538546株式会社ルックホールディングス *134,400134,400百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有358306株式会社第四北越フィナンシャルグループ *62,96462,964金融機関として、財務活動の円滑化及び安定化のために保有しています。有280181SOMPOホールディングス株式会社 *43,79114,597保険契約先として、取引の円滑化のために保有しています。2023年度において、株式分割により保有株数が29,194株増加しています。有13976 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無(注4)株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)新潟交通株式会社 *50,00050,000新潟地区における営業活動の円滑化のために保有しています。無103101三機工業株式会社 *30,00030,000施設関連の取引先として、事業活動の円滑化のために保有しています。有6443株式会社百十四銀行 *13,20013,200金融機関として、財務活動の円滑化及び安定化のために保有しています。有3924株式会社東京會舘 *9,0009,000百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有3730伊藤忠食品株式会社 *5,0005,000百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有3625日本マクドナルドホールディングス株式会社 *4,3494,270百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。2023年度において、取引先持株会の拠出により保有株数が79株増加しています。無2923株式会社ツカモトコーポレーション *9,5199,519百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有1214三井不動産株式会社 *6,0422,014百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。2023年度において、株式分割により保有株数が4,028株増加しています。有95株式会社ナイガイ *3,8413,841百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しています。有11株式会社TSIホールディングス-2,367,400百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しておりました。無-1,500大正製薬ホールディングス株式会社-165,600百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しておりました。有-914株式会社デサント *-52,277百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しておりました。無-216三共生興株式会社 *-24,000百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しておりました。有-13株式会社リーガルコーポレーション *-4,730百貨店の仕入取引など営業活動の円滑化を図るために保有しておりました。無-8 (注)1 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性については、2023年8月3日開催の当社取締役会において、当社資本コスト、受取配当、取引額等の定量的情報に加え、事業戦略上の重要性や取引関係等を総合的に勘案し判断しております。2 「-」は当該銘柄を保有していないことを示しております。3 *銘柄は、当期末貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下でありますが、株式会社三越伊勢丹の保有する特定投資株式とみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄について記載しております。4 当社の株式の保有の有無は、先方の主要子会社の持株状況も確認しております。 みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無(注2)株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)三井不動産株式会社 780,000260,000百貨店セグメントにおける安定的な商品販売のために保有しています。2023年度において、株式分割により保有株数が520,000株増加しています。退職給付信託として拠出し、議決権行使を指図。有1,285645株式会社三井住友フィナンシャルグループ115,500115,500主要金融機関として、財務活動の円滑化及び安定化のために保有しています。退職給付信託として拠出し、議決権行使を指図。有1,028611MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 *208,50069,500保険契約先として、取引の円滑化のために保有しています。2023年度において、株式分割により保有株数が139,000株増加しています。退職給付信託として拠出し、議決権行使を指図。有565285 (注)1 *銘柄は、当期末貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下でありますが、株式会社三越伊勢丹の保有する特定投資株式とみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄について記載しております。2 当社の株式の保有の有無は、先方の主要子会社の持株状況も確認しております。 イ. 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ウ. 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 エ. 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 ③ 提出会社における株式の保有状況提出会社については以下のとおりであります。 ア. 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 上場株式を保有していないため、該当事項はありません。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式6696非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 該当事項はありません。 イ. 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 ウ. 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 エ. 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 696,000,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) ※1東京都港区赤坂1丁目8番1号66,66117.76 株式会社日本カストディ銀行(信託口) ※2東京都中央区晴海1丁目8-1234,7599.26 公益財団法人三越厚生事業団東京都新宿区西新宿1丁目24-113,0673.48 三越伊勢丹グループ取引先持株会東京都新宿区新宿5丁目16番10号7,8632.09 清水建設株式会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)東京都中央区京橋2丁目16番1号(東京都港区赤坂1丁目8番1号)6,2001.65 明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) 東京都千代田区丸の内2丁目1-1(東京都中央区晴海1丁目8番12号) 5,6971.52 JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF,LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1)4,8381.29 三越伊勢丹グループ従業員持株会東京都新宿区新宿5丁目16-104,2501.13 STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1)4,1591.11 大樹生命保険株式会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都千代田区大手町2丁目1-1(東京都中央区晴海1丁目8-12)3,8061.01 計―151,30440.31 (注) ※1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数66,661千株は信託業務に係る株式であります。 ※2 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数34,759千株は信託業務に係る株式であります。 3 千株未満は切り捨てて表示しております。 4 2023年12月4日付けで公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者である三菱UFJ信託銀行株式会社、三菱UFJアセットマネジメント株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が2023年11月27日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は以下の通りであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)株式会社三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号3,7400.94三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内一丁目4番5号11,1492.81三菱UFJアセットマネジメント株式会社東京都港区東新橋一丁目9番1号4,7571.20三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社東京都千代田区大手町一丁目9番2号1,5860.40 計―21,2335.35 |
株主数-金融機関 | 54 |
株主数-金融商品取引業者 | 39 |
株主数-外国法人等-個人 | 460 |
連結株主資本等変動計算書 | ③ 【連結株主資本等変動計算書】 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高51,162323,812134,558△18,364491,168当期変動額 新株の発行114114--229剰余金の配当--△4,198-△4,198親会社株主に帰属する当期純利益--32,377-32,377自己株式の取得---△7△7自己株式の処分-△25-212186連結及び持分法適用範囲の変動--△29-△29非支配株主との取引に係る親会社の持分変動-△292--△292株主資本以外の項目の当期変動額(純額)-----当期変動額合計114△20328,14920428,265当期末残高51,276323,609162,708△18,159519,434 その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高5,4504315,501△36720,6271,1154,748517,660当期変動額 新株の発行-------229剰余金の配当-------△4,198親会社株主に帰属する当期純利益-------32,377自己株式の取得-------△7自己株式の処分-------186連結及び持分法適用範囲の変動-------△29非支配株主との取引に係る親会社の持分変動-------△292株主資本以外の項目の当期変動額(純額)64△415,4306046,057△2297646,592当期変動額合計64△415,4306046,057△22976434,858当期末残高5,514220,93123726,6858865,512552,519 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計当期首残高51,276323,609162,708△18,159519,434当期変動額 新株の発行193193--387剰余金の配当--△7,640-△7,640親会社株主に帰属する当期純利益--55,580-55,580自己株式の取得---△15,012△15,012自己株式の処分-54-181236連結及び持分法適用範囲の変動--31-31非支配株主との取引に係る親会社の持分変動-△0--△0株主資本以外の項目の当期変動額(純額)-----当期変動額合計19324847,971△14,83133,582当期末残高51,470323,857210,679△32,990553,017 その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定退職給付に係る調整累計額その他の包括利益累計額合計当期首残高5,514220,93123726,6858865,512552,519当期変動額 新株の発行-------387剰余金の配当-------△7,640親会社株主に帰属する当期純利益-------55,580自己株式の取得-------△15,012自己株式の処分-------236連結及び持分法適用範囲の変動-------31非支配株主との取引に係る親会社の持分変動-------△0株主資本以外の項目の当期変動額(純額)5,814△26,7211,68214,216△38789314,722当期変動額合計5,814△26,7211,68214,216△38789348,304当期末残高11,329027,6521,91940,9014996,405600,824 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 391 |
株主数-個人その他 | 263,773 |
株主数-その他の法人 | 1,495 |
株主数-計 | 266,212 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 大樹生命保険株式会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式27,20212,372,324当期間における取得自己株式1,3423,378,045 (注)1.当事業年度における取得自己株式は、単元未満株式の買取請求7,502株及び譲渡制限付株式の無償取得19,700株によるものです。2.当期間における取得自己株式は、単元未満株式の買取請求によるものです。3.当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -15,012,000,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -15,012,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)396,931,154333,900-397,265,054 (変動事由の概要)普通株式の増加は、新株予約権の権利行使による新株の発行の増加333,900株であります。 2.自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)15,048,1547,029,602150,31621,927,440 (変動事由の概要)増加は、単元未満株式の買取請求によるもの7,502株、取締役会決議による自己株式取得によるもの7,002,400株、及び譲渡制限付株式報酬として付与した自己株式の無償取得によるもの19,700株です。 減少は、単元未満株式の買増請求によるもの16株及び、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分によるもの150,300株です。 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月26日株式会社三越伊勢丹ホールディングス取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士関 口 依 里 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士衣 川 清 隆 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士髙 田 雅 代 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社三越伊勢丹ホールディングスの2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社三越伊勢丹ホールディングス及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社エムアイフードスタイルに係るのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年3月31日現在において、株式会社エムアイフードスタイル(以下「エムアイフードスタイル社」という。)に係るのれん9,489百万円を計上している。のれんは、当該会社の将来の超過収益力に基づき計上していることから、営業活動から生ずる損益等が継続してマイナスとなっている場合や経営環境の著しい悪化が生じた場合など、取得時に策定した事業計画よりも実績が著しく下方に乖離し、超過収益力が毀損している場合には、固定資産の減損の兆候が生じる。会社は、減損の兆候の有無を検討するに当たっては、特に取得時に作成された事業計画と当連結会計年度の実績との間に著しい乖離がなく、また、当該事業計画の将来部分についても著しい下方修正が必要でないことを確かめ、当連結会計年度において、減損の兆候はないものと判断している。エムアイフードスタイル社に係るのれん算定に用いた事業計画には、PB商品強化による売上総利益率の改善、既存店売上の維持及び新規出店による成長戦略といった主要な仮定を含んでいる。のれんの残高は金額的重要性が高く、のれんの減損の兆候判定を誤りのれんの減損の認識・測定が行われない場合、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある。また、のれんの減損の兆候の検討にあたっては、事業環境や将来の業績見通しの変化等を考慮する必要があり、上記主要な仮定を含む減損の兆候判定には経営者の主観的な判断が伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、エムアイフードスタイル社に係るのれんの評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・減損の兆候の判定の妥当性を評価するため、経営管理者及び担当者への質問を実施した。・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するため、取得時の事業計画とその後の実績を比較した。・PB商品の開発強化について、関連資料を閲覧し、事業計画との整合性を検討した。 ・既存店売上の維持について、店舗別の売上推移を把握するとともに、翌期以降の店舗別の損益計画との整合性を検討した。・PB商品強化による売上総利益率の改善及び既存店売上の維持に関する主要な仮定について、過去の実績や同業他社、同社が属するスーパーマーケット業界の市場統計データと比較することにより、その合理性を評価した。・新規出店による成長戦略について、出店計画を閲覧するとともに、外部環境や出店実績との整合性について、比較検討した。・事業計画の見積りに含まれる主要な仮定(PB商品強化による売上総利益率の改善、既存店売上の維持及び新規出店による成長戦略)について、合理的に起こりうる変化による感応度分析を実施した。また、その合理性を確かめるために計画値と実績値との変動原因を把握し、翌期以降への影響を検討した。 グループ通算制度を適用している会社における繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社及び国内連結子会社はグループ通算制度を適用し、連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)及び(税効果会計関係)に記載されているとおり、2024年3月31日現在において繰延税金資産43,623百万円(繰延税金負債相殺前)を計上している。これは、主にグループ通算制度を適用している会社及び国内連結子会社(以下「グループ通算制度適用会社」という。)において計上されたものである。百貨店業セグメントにおける主たる国内子会社は、国内で百貨店事業を営んでいるが、過去の構造改革や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多額の税務上の繰越欠損金を有していることから、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、予測されるグループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りに基づき、見積可能期間3年間で繰延税金資産の回収可能性を判断している。グループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りは、翌年度の予算を基礎としており、その主要な仮定は、連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率及びインバウンド需要の見通しである。グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性は、経営者によるグループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りに基づいて判断している。将来課税所得の見積りは、翌年度の予算を基礎に最善の見積りを行っており、国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率やインバウンド需要の見通しなど、経営者による主観的判断により影響を受ける。また、多額の税務上の繰越欠損金を有しており、繰延税金資産の回収可能性を判断する見積可能期間に重要な検討を要するため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、税務の専門家を関与させて検討するとともに、その解消スケジュールを検討した。・経営者による将来課税所得の見積りを評価するため、承認された中期経営計画が見積可能期間3年間の基礎になっていること、また「百貨店の再生」フェーズと位置付けた中期経営計画における重点戦略を理解するとともに、将来を正確に予測することが困難な状況の中で、翌年度の予算を基礎にした見積可能期間3年間における不確実性を勘案した将来課税所得の考え方について経営者と議論し、当該見積可能期間の妥当性を検討した。・将来課税所得の見積りの検討においては、承認された計画との整合性を検証するとともに、過年度の計画と実績を比較、分析することで、経営者の偏向の有無や見積りの精度を評価した。・主要な仮定を評価するため、以下の監査手続を実施した。- 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率について、仮定を経営者と議論して理解した。また、外部調査機関による国内個人消費動向の予測情報と比較、分析することにより、主要な仮定を評価した。- インバウンド需要の見通しについて、経営者と議論して理解するとともに、外部業界団体の国際輸送予測情報と比較、分析することにより、主要な仮定を評価した。- 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率及びインバウンド需要の見通しの不確実性について感応度分析を行い、繰延税金資産の回収可能性への影響額の重要性を評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、株式会社三越伊勢丹ホールディングスが2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社エムアイフードスタイルに係るのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、2024年3月31日現在において、株式会社エムアイフードスタイル(以下「エムアイフードスタイル社」という。)に係るのれん9,489百万円を計上している。のれんは、当該会社の将来の超過収益力に基づき計上していることから、営業活動から生ずる損益等が継続してマイナスとなっている場合や経営環境の著しい悪化が生じた場合など、取得時に策定した事業計画よりも実績が著しく下方に乖離し、超過収益力が毀損している場合には、固定資産の減損の兆候が生じる。会社は、減損の兆候の有無を検討するに当たっては、特に取得時に作成された事業計画と当連結会計年度の実績との間に著しい乖離がなく、また、当該事業計画の将来部分についても著しい下方修正が必要でないことを確かめ、当連結会計年度において、減損の兆候はないものと判断している。エムアイフードスタイル社に係るのれん算定に用いた事業計画には、PB商品強化による売上総利益率の改善、既存店売上の維持及び新規出店による成長戦略といった主要な仮定を含んでいる。のれんの残高は金額的重要性が高く、のれんの減損の兆候判定を誤りのれんの減損の認識・測定が行われない場合、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある。また、のれんの減損の兆候の検討にあたっては、事業環境や将来の業績見通しの変化等を考慮する必要があり、上記主要な仮定を含む減損の兆候判定には経営者の主観的な判断が伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、エムアイフードスタイル社に係るのれんの評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・減損の兆候の判定の妥当性を評価するため、経営管理者及び担当者への質問を実施した。・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するため、取得時の事業計画とその後の実績を比較した。・PB商品の開発強化について、関連資料を閲覧し、事業計画との整合性を検討した。 ・既存店売上の維持について、店舗別の売上推移を把握するとともに、翌期以降の店舗別の損益計画との整合性を検討した。・PB商品強化による売上総利益率の改善及び既存店売上の維持に関する主要な仮定について、過去の実績や同業他社、同社が属するスーパーマーケット業界の市場統計データと比較することにより、その合理性を評価した。・新規出店による成長戦略について、出店計画を閲覧するとともに、外部環境や出店実績との整合性について、比較検討した。・事業計画の見積りに含まれる主要な仮定(PB商品強化による売上総利益率の改善、既存店売上の維持及び新規出店による成長戦略)について、合理的に起こりうる変化による感応度分析を実施した。また、その合理性を確かめるために計画値と実績値との変動原因を把握し、翌期以降への影響を検討した。 グループ通算制度を適用している会社における繰延税金資産の回収可能性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社及び国内連結子会社はグループ通算制度を適用し、連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)及び(税効果会計関係)に記載されているとおり、2024年3月31日現在において繰延税金資産43,623百万円(繰延税金負債相殺前)を計上している。これは、主にグループ通算制度を適用している会社及び国内連結子会社(以下「グループ通算制度適用会社」という。)において計上されたものである。百貨店業セグメントにおける主たる国内子会社は、国内で百貨店事業を営んでいるが、過去の構造改革や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多額の税務上の繰越欠損金を有していることから、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、予測されるグループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りに基づき、見積可能期間3年間で繰延税金資産の回収可能性を判断している。グループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りは、翌年度の予算を基礎としており、その主要な仮定は、連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率及びインバウンド需要の見通しである。グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性は、経営者によるグループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りに基づいて判断している。将来課税所得の見積りは、翌年度の予算を基礎に最善の見積りを行っており、国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率やインバウンド需要の見通しなど、経営者による主観的判断により影響を受ける。また、多額の税務上の繰越欠損金を有しており、繰延税金資産の回収可能性を判断する見積可能期間に重要な検討を要するため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、税務の専門家を関与させて検討するとともに、その解消スケジュールを検討した。・経営者による将来課税所得の見積りを評価するため、承認された中期経営計画が見積可能期間3年間の基礎になっていること、また「百貨店の再生」フェーズと位置付けた中期経営計画における重点戦略を理解するとともに、将来を正確に予測することが困難な状況の中で、翌年度の予算を基礎にした見積可能期間3年間における不確実性を勘案した将来課税所得の考え方について経営者と議論し、当該見積可能期間の妥当性を検討した。・将来課税所得の見積りの検討においては、承認された計画との整合性を検証するとともに、過年度の計画と実績を比較、分析することで、経営者の偏向の有無や見積りの精度を評価した。・主要な仮定を評価するため、以下の監査手続を実施した。- 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率について、仮定を経営者と議論して理解した。また、外部調査機関による国内個人消費動向の予測情報と比較、分析することにより、主要な仮定を評価した。- インバウンド需要の見通しについて、経営者と議論して理解するとともに、外部業界団体の国際輸送予測情報と比較、分析することにより、主要な仮定を評価した。- 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率及びインバウンド需要の見通しの不確実性について感応度分析を行い、繰延税金資産の回収可能性への影響額の重要性を評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | グループ通算制度を適用している会社における繰延税金資産の回収可能性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社及び国内連結子会社はグループ通算制度を適用し、連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)及び(税効果会計関係)に記載されているとおり、2024年3月31日現在において繰延税金資産43,623百万円(繰延税金負債相殺前)を計上している。これは、主にグループ通算制度を適用している会社及び国内連結子会社(以下「グループ通算制度適用会社」という。)において計上されたものである。百貨店業セグメントにおける主たる国内子会社は、国内で百貨店事業を営んでいるが、過去の構造改革や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多額の税務上の繰越欠損金を有していることから、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、予測されるグループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りに基づき、見積可能期間3年間で繰延税金資産の回収可能性を判断している。グループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りは、翌年度の予算を基礎としており、その主要な仮定は、連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率及びインバウンド需要の見通しである。グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性は、経営者によるグループ通算制度適用会社における将来課税所得の見積りに基づいて判断している。将来課税所得の見積りは、翌年度の予算を基礎に最善の見積りを行っており、国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率やインバウンド需要の見通しなど、経営者による主観的判断により影響を受ける。また、多額の税務上の繰越欠損金を有しており、繰延税金資産の回収可能性を判断する見積可能期間に重要な検討を要するため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 税効果会計関係 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、税務の専門家を関与させて検討するとともに、その解消スケジュールを検討した。・経営者による将来課税所得の見積りを評価するため、承認された中期経営計画が見積可能期間3年間の基礎になっていること、また「百貨店の再生」フェーズと位置付けた中期経営計画における重点戦略を理解するとともに、将来を正確に予測することが困難な状況の中で、翌年度の予算を基礎にした見積可能期間3年間における不確実性を勘案した将来課税所得の考え方について経営者と議論し、当該見積可能期間の妥当性を検討した。・将来課税所得の見積りの検討においては、承認された計画との整合性を検証するとともに、過年度の計画と実績を比較、分析することで、経営者の偏向の有無や見積りの精度を評価した。・主要な仮定を評価するため、以下の監査手続を実施した。- 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率について、仮定を経営者と議論して理解した。また、外部調査機関による国内個人消費動向の予測情報と比較、分析することにより、主要な仮定を評価した。- インバウンド需要の見通しについて、経営者と議論して理解するとともに、外部業界団体の国際輸送予測情報と比較、分析することにより、主要な仮定を評価した。- 国内個人消費動向の予測に基づく売上成長率及びインバウンド需要の見通しの不確実性について感応度分析を行い、繰延税金資産の回収可能性への影響額の重要性を評価した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年6月26日株式会社三越伊勢丹ホールディングス取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士関 口 依 里 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士衣 川 清 隆 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士髙 田 雅 代 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社三越伊勢丹ホールディングスの2023年4月1日から2024年3月31日までの第16期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社三越伊勢丹ホールディングスの2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社エムアイフードスタイルに係る関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2024年3月31日現在、貸借対照表において関係会社株式461,013百万円を計上している。財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、このうち超過収益力を反映して取得した、市場価格のない株式等として、株式会社エムアイフードスタイル(以下「エムアイフードスタイル社」という。)の株式12,059百万円が含まれている。会社は、市場価格のない株式等について実質価額と帳簿価額を比較検討することにより、評価損計上の要否を判断している。エムアイフードスタイル社の株式の実質価額は、当該会社の純資産額に超過収益力を反映した金額で評価しており、超過収益力は将来の事業計画に基づき評価している。当該株式の実質価額の見積りの基礎となる事業計画の策定の際には、PB商品強化による売上総利益率の改善、既存店売上の維持及び新規出店による成長戦略といった仮定が含まれており、見積りの不確実性や経営者による判断を伴う。エムアイフードスタイル社に係る関係会社株式の評価の検討は、経営者の主観的な判断を伴う主要な仮定を含んでおり、将来を正確に予測することが困難な不確実性を伴うことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、エムアイフードスタイル社に係る関係会社株式の評価の検討に当たり、主に以下の監査手続を実施した。・エムアイフードスタイル社の株式に含まれる超過収益力について、取得時における事業計画と実績の比較分析や来期予算を含む将来事業計画との分析により、当該超過収益力の毀損の有無について検討した。・当該株式に含まれる超過収益力は、連結財務諸表上のれんに含まれている。当監査法人は、連結財務諸表に係る監査報告書における監査上の主要な検討事項「株式会社エムアイフードスタイルに係るのれんの評価」に記載の監査上の対応を実施した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 株式会社エムアイフードスタイルに係る関係会社株式の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
受取手形、売掛金及び契約資産 | 154,501,000,000 |
仕掛品 | 487,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 616,000,000 |
建物及び構築物(純額) | 146,132,000,000 |
土地 | 529,485,000,000 |
建設仮勘定 | 13,034,000,000 |
有形固定資産 | 2,000,000 |
ソフトウエア | 4,000,000 |
無形固定資産 | 50,090,000,000 |