財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-25 |
英訳名、表紙 | OncoTherapy Science, Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 嶋田 順一 |
本店の所在の場所、表紙 | 神奈川県川崎市川崎区東田町1番地2 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 044-201-6429 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月沿革2001年4月がん関連遺伝子及び遺伝子産物を利用したがん治療薬、がん治療法及びがん診断薬の研究開発を目的として、東京都港区芝に設立。2001年5月東京大学医科学研究所と共同研究を開始。2001年11月東京都港区白金台に本店移転。2002年10月東京都港区の本店所在地に自社の研究所を開設。2003年12月東京証券取引所マザーズ市場に上場。2004年8月抗体医薬の商業化(開発・販売)を目的として株式会社医学生物学研究所と合弁にてイムナス・ファーマ株式会社を設立。2005年3月本社及び本社ラボ施設を神奈川県川崎市高津区に移転し、同所に創薬研究所を開設。2006年6月ペプチド・ワクチンの開発を目的として、連結子会社となるワクチン・サイエンス株式会社を設立。(2007年9月吸収合併)2007年9月関連会社イムナス・ファーマ株式会社の株式取得により連結子会社化。(2024年3月吸収合併)2010年5月フランスに、抗体医薬をはじめとしたがん治療薬の研究開発を目的に、連結子会社Laboratoires OncoTherapy Science France S.A.R.L.を設立。(2019年9月清算結了)2017年7月がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を目的として、連結子会社となる株式会社Cancer Precision Medicineを設立。2017年8月Theragen Bio Co., Ltd.(本社:韓国。旧Theragen Etex Co., Ltd.)の資本参加・業務提携により、株式会社Cancer Precision Medicineを合弁会社化。2017年11月当社を吸収分割会社、株式会社Cancer Precision Medicineを吸収分割承継会社とし、腫瘍免疫解析部を会社分割。2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行。2023年1月神奈川県川崎市川崎区に本店及び研究開発拠点(ラボ)を移転。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社及び連結子会社1社で構成されており、医薬品の研究及び開発、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を主たる事業としております。(1)当社の設立経緯について 当社は、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授の研究成果(シーズ)を事業化することを目的として2001年4月に設立した研究開発型ベンチャー企業です。(2)当社事業の背景について① ゲノム研究の進展について 1990年代より欧米を中心としてゲノム(※1)研究が活発に進められており、2000年6月には、いわゆる「ヒトゲノム・プロジェクト(※2)」等によってヒトゲノム解読完了が宣言されております。現在では、30億塩基対からなるヒトゲノム遺伝暗号の読み取りがほぼ終了し、現在ヒトの遺伝子総数は約23,000種類程度であると予測されております。これと前後した様々なバイオテクノロジーの進歩等により、「ゲノム創薬」への応用が現実のものとなりつつあります。 「ゲノム創薬」とは、遺伝子及び遺伝子が作り出すタンパク質等の情報に基づき、疾患の原因である新規創薬ターゲットの発見とそれらを標的とする治療薬の有効性や安全性の検討等を行い、医薬品を論理的・効率的に作り出すものであります。近年において、がん、糖尿病、高血圧や、慢性関節リウマチ等、多くの疾患に遺伝子が関係することが明らかになっており、疾患に関係する遺伝子を同定(※3)し、それを標的とすることで、疾患の症状を軽減させる対症療法ではなく、疾患の原因を除去する効果的な医薬品開発が可能となるものと考えております。 また、バイオテクノロジーの進歩に伴い、疾患関連遺伝子探索、遺伝子機能解析に加えて、SNPs(※4)、プロテオミクス(※5)、バイオインフォマティクス(※6)等の各研究分野も急速に進展しており、多くのベンチャー企業が創設される等、ゲノム研究分野はその市場規模の拡大が見込まれております。 なお、こうした技術及び研究の進歩への対応として、欧米の大手製薬企業等は、多大な研究開発費を確保するためのM&A戦略を実施する一方で、自社での研究開発活動に加えて、特に、基礎研究分野や、より専門性の高い分野等においては、ベンチャー企業、大学や社外の研究機関等との提携による外部リソースの活用を積極的に行うことが近年一般的になっております。② 抗がん剤分野について 従来のがん治療法は、一般に、がん細胞を除去し、又は死滅させることに重点が置かれ、その主流は、外科的切除、放射線療法及び抗がん剤投与による化学療法並びにこれらの組み合わせによるものであります。しかし、これらの治療法は、いずれも患者に対する強い侵襲作用があり、特に化学療法は、抗がん剤を生体内に投与して分裂を続ける細胞に対して無差別な攻撃を行うものであり、がん細胞だけでなく正常細胞にも強い毒性を発揮する欠点があります。その結果、患者により個人差はあるものの、骨髄抑制、脱毛、吐き気、嘔吐又は下痢等の副作用によりがん患者に相応の負担を強いることになり、抗がん剤の使用範囲は限られたものとなり、また、抗腫瘍活性も期待された程得られない状況で、従来のがん治療法に代わる、より有効で患者に対して負担の少ない治療法の開発が望まれておりました。 近年、分子生物学(※7)及びヒトゲノム研究の進展等に伴い、特定の分子のみを標的としたいわゆる分子標的治療薬(※8)と呼ばれる医薬品開発が進められており、乳がん、白血病、肺がん、大腸がん等に対する新たな抗がん剤が登場しております。これらの抗がん剤は、従来の化学療法と比較して効果が高くかつ副作用が抑えられ、より長期間の投薬が可能となるものであります。現在、このような新たな抗がん剤の開発が世界各国で進められており、今後のがん治療に高い効果を発揮するものと期待されております。 また、ヒトにおける腫瘍に対する免疫システムの関与の機序が明らかになりつつあり、がん治療において、従来の手術療法、放射線療法、薬物療法に加え、免疫療法が新たな機序を有する第4のがん治療法として期待が高まりつつあります。2009年9月、米国医薬食品局(FDA)は、世界の免疫療法の開発の状況を踏まえ、「治療用がんワクチンについての臨床的考察」を公表し、2010年4月、前立腺がんに対する免疫細胞療法を承認し、2011年3月には、悪性黒色腫に対してリンパ球の活性化を維持する抗体医薬を承認しました。さらに免疫チェックポイント阻害剤という新たな免疫治療薬が承認される等、がんに対する免疫療法は、今や次世代の新たながん治療法として確立し、がん治療薬の概念は大きく変わりつつあります。 このように、分子標的治療薬の登場に加え、既存の抗がん剤より効果が高くかつ副作用の少ない薬剤の登場により患者の生存期間が長くなることによる治療の長期化、製薬会社による更なる分子標的治療薬の研究開発推進、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、及びがんプレシジョン医療の進展等の動向から、当社は、抗がん剤の市場は今後も拡大していくものと予測しております。 (3)事業内容について 当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定しております。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医薬品候補物質も複数有しております。 このような「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業に加えて、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。 がんは遺伝子の異常により引き起こされる病気です。がん細胞での遺伝子の網羅的な解析は、がんの診断及びがん治療薬・治療法を選択するために非常に重要です。この解析を利用して、がんの早期診断や、がん患者さん一人ひとりの遺伝子情報に基づいた治療薬・治療法の選択をすることや新規の免疫療法につなげていくことをがんプレシジョン医療といい、近年、より効果的ながん治療をがん患者さんに提供できる手段として注目されています。 当社は、次世代シーケンス解析(※9)サービスを行っているTheragen Bio Co., Ltd.(旧Theragen Etex Co., Ltd.、本社:韓国)との資本・業務提携により、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer Precision Medicine(以下、「CPM社」といいます。)を設立し、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。① 医薬品開発における事業領域について 当社グループの研究開発は、2001年4月からの当社と東京大学医科学研究所との共同研究により出発いたしました。当該研究は抗がん剤開発のためのがん特異的タンパク質の同定とその機能解析を目的としており、主に基礎研究領域に重点を置いたものとなっています。 その後、基礎研究の継続的な実施による進展とともに、当社グループの事業領域は、より医薬品の開発に近い創薬研究へと拡大し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の各領域において、臨床応用を目指した創薬研究を実施しております。 さらに、国内外において、提携先製薬企業と共同で、又は当社グループ独自で複数の臨床試験を実施しております。② 医薬品の研究開発について 当社グループでは、主に下記の医薬品の研究開発を実施しております。(ⅰ)低分子医薬 低分子医薬は、がん関連遺伝子由来のタンパク質(がん関連遺伝子産物)に結合し、その機能を阻害する低分子化合物(※10)を利用した医薬品です。当社グループは網羅的遺伝子解析によって同定したがん関連遺伝子産物に対し、独自に医薬品となり得る低分子化合物を設計し、医薬品開発を行っております。(ⅱ)ペプチドワクチン がん特異的ペプチドワクチンは、がん細胞にのみ反応する細胞傷害性T細胞(※11)を活性化させる等、人間の体が持つ免疫機構を利用して、がん細胞を攻撃させるがん治療用医薬品です。当社グループは、がん特異的ペプチドワクチンの医薬品候補物質となるペプチドを多数同定し、医薬品開発を行っております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目指したペプチドワクチンの研究開発に着手し、特許出願を完了しております。(ⅲ)抗体医薬 抗体医薬は、抗体が細胞膜(がん細胞の表面)に存在する特定のタンパク質(抗原)に対して特異的に反応し、それらを異物として排除する特性を利用した医薬品です。当社グループは、がん関連遺伝子産物を標的とした抗体を作成することで、医薬品開発を行っております。 なお、各事業領域の詳細につきましては、「第2 事業の状況 6研究開発活動 (2)研究開発活動(a)「医薬品の研究及び開発」及びこれらに関連する事業」をご覧ください。③ がんプレシジョン医療への取組み 2017年7月、CPM社を設立し、その後当社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究開発、及び次世代シーケンサーを用いてT細胞/B細胞受容体の解析サービスを行う腫瘍免疫解析部については、会社分割(簡易分割)を行い、当社の連結子会社であるCPM社が事業を承継いたしました。これにより、CPM社においてはがん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を実施することとなりました。 なお、がんプレシジョン医療への取組みにつきましては、「第2 事業の状況 6研究開発活動 (2)研究開発活動(b)がんプレシジョン医療関連事業」をご覧ください。 ④ 医薬品の研究開発に係る提携による収益について 医薬品の研究開発を行うバイオベンチャー企業と製薬企業等との契約については、一般に、契約一時金、研究・開発の進捗に応じたマイルストーン及び医薬品上市後の売上等に応じたロイヤリティ等といった段階的に対価を収受する契約形態が採用されております。これは、製薬企業等において医薬品開発には多大な研究開発費が必要であり、かつリスクも高いものであることに起因するものであります。当社グループが現在締結する契約も同様であり、また、今後締結する契約においても同様の形態が想定されます。 契約一時金は、契約時に医薬品の開発・製造・販売権などを付与することで受け取ることができる収益であり、マイルストーンは、契約に基づき、あらかじめ設定された研究開発に関する進捗等イベントの達成に応じて受け取ることができる収益であります。契約一時金及びマイルストーンに係る収入については、履行義務が一時点で充足される場合には、開発権・販売権等を付与した時点、又は契約上定められたマイルストーンが達成された時点で契約上の履行義務が充足されたと判断し、当該時点で事業収益として認識しております。 ロイヤリティは、医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取ることができる収益であり、その発生時点を考慮して事業収益として認識しております。 一般的に医薬品の開発期間は基礎研究開始から上市までに通常10年以上の長期間に及ぶものでもあります。事業収益の発生については、その多くが契約締結先の製薬企業等の研究開発の進捗及び医薬品発売・販売の状況等に依存するもので、これらが事業収益として計上されるにはかなりの長期間を要する可能性があり、またこれらの事業収益が計上されない可能性もあります。 さらに、製薬企業等との契約締結の可否、契約締結時期及び収益の発生時期によって当社グループの業績は大きく変動する傾向にあり、これによる業績の上期若しくは下期への偏重が生じる可能性、又は場合によっては決算期ごとの業績変動要因となる可能性があります。 [用語解説](※1)ゲノム生物の体を構成する一つ一つの細胞の中に、遺伝情報を乗せた染色体があります。染色体は、4種類の塩基と呼ばれる分子から成るDNAで構成され、DNAの塩基の並び方によって遺伝子の情報が決められています。ゲノムとは、1つの生物がもつ染色体に含まれる全ての遺伝情報を指します。(※2)ヒトゲノム・プロジェクトヒトの遺伝情報の総体であるヒトゲノム(染色体23本に分配されている30億塩基対DNA)を全て解読しようという国際的なプロジェクトの総称。1988年に、有力な科学者主導でヒトゲノムの解析を実施すべく、ヒトゲノム機構(HUGO)が設立され、その後1990年10月に、同機構の指揮のもとで正式に国際的なプロジェクトが開始されました。日本でも、1991年から解読が本格化されました。計画開始当初、2005年をめどに全長配列決定をする予定でしたが、シーケンス技術の急速な進歩、及びゲノムの大量解読を行うベンチャー企業の追いあげに伴い、当初の計画は大幅に前倒しされることになり、2000年6月には、解読結果の概略が発表されております。(※3)同定ある物質の正体を特定すること。例えば、細胞の中からある現象に関係する分子を選り分けて取り出しその種類を特定することや、多数の化合物群を含むライブラリの中から望ましい活性を持つ化合物を見つけてその種類を特定すること等は、そのような分子や化合物を「同定する」と呼ばれます。(※4)SNPsSingle Nucleotide Polymorphism(=1塩基多型)の略語。DNAの塩基配列は、同じヒトであっても個人によって僅かずつ異なっていることがわかっており、これが全ゲノム中の約1%、数百万箇所あるとされております。こういった遺伝子の相違の中で最も頻繁に見られるのが、塩基配列のある箇所でA-TとG-Cの塩基ペアが1箇所だけ置き換わっているSNPであり、疾患の罹りやすさ、薬の効きやすさ、副作用の出やすさ等が個人で異なることもSNPに関連すると思われることから、ゲノム創薬においても重要視されている研究テーマの一つとなっております。(※5)プロテオミクスゲノム情報とそれによって作られるタンパク質との関連を生命活動に照らし合わせて包括的に行う研究のこと。具体的には、発見された遺伝子の機能解析、作られるタンパク質の調節機構の解析、タンパク質同士の相互作用の研究、疾患・病態とタンパク質の働きとの関連性等が課題とされております。(※6)バイオインフォマティクスバイオ研究において、情報科学と生命科学の融合領域で生命情報科学を指します。ゲノムの塩基配列情報やタンパク質の構造情報等をコンピューター処理して活用する技術。コンピューターを用いた遺伝子及びタンパク質の構造・機能解析に始まり、それらの分子の生体内での作用や発現レベル、相互作用、病態との関わり等の情報を含んだ生体情報解析又はデータベース化するようなシステムの総称であります。(※7)分子生物学もともと生物学は、生物の形態・分類・進化・行動や遺伝に法則性を見いだし、そこから生命の本質を探ろうとする学問でした。1950年代にワトソンとクリックにより遺伝物質DNAの分子構造が提唱されたとき、初めて生物学者が、生物を分子のレベルで解明する可能性を認識し、ここに分子生物学が生まれました。現在、分子生物学は医学・薬学・農学・バイオテクノロジーの領域の最も重要な基礎分野として、その成果は、様々な応用技術の基盤となっております。(※8)分子標的治療薬ある分子に作用することがわかっている低分子化合物や抗体等を選択することによって作られ、疾患に関係がある細胞だけに働きかける機能を持った新しいタイプの治療薬のこと。従来の治療薬に比べて効果が高くかつ副作用が少ないとされ、近年、がん治療等で注目されております。(※9)次世代シーケンス解析数千万、数億のDNA断片の塩基配列を高速に決定することができる基盤技術です。(※10)低分子化合物抗がん剤を含め、医薬品には分子量の大きい高分子物質、たとえば抗体のようなタンパク質等の高分子物質と、相対的に分子量の小さい低分子物質があります。概ね分子量が1,000前後のものまでが、一般に低分子とされており、低分子物質は低分子化合物ともよばれております。医薬品となる低分子化合物の大半は、有機合成化学の手法で人工的に作られております。製薬企業では一般に、化合物ライブラリ(あらかじめ合成されて集積されている多数の化合物の集合)の中から一定の効果をもつ化合物を選び出すスクリーニングが行われ、それに続いて、化合物の効果を個々の目的に応じて最適化させるための新規化合物の設計と合成が行われております。(※11)細胞傷害性T細胞細胞傷害性T細胞は、抗体とともに私たちの体の免疫反応を担う細胞であります。抗体は、血液や分泌液等の中に通常存在することから体液性免疫とよばれるのに対し、細胞傷害性T細胞は、細胞が作用の中心なので、細胞性免疫ともよばれております。細胞傷害性T細胞のがん細胞に対する機能は、がん抗原を認識し、そのがん抗原が提示されている細胞を殺傷するものであります。 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関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) 株式会社 Cancer Precision Medicine(注)1、2、3神奈川県川崎市川崎区50がんプレシジョン医療関連事業63.64資金の援助役員の兼任 4名事務所賃貸業務受託業務委託(注)1.特定子会社に該当しております。2.債務超過会社で債務超過の額は、2024年3月末時点で2,235百万円となっております。3.売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えておりますが、セグメント情報において、当連結会計年度の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)に占める割合が、90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。4.2024年3月28日付で、当社の連結子会社であったイムナス・ファーマ株式会社を吸収合併しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業27(-)がんプレシジョン医療関連事業27(4)合計54(4)(注)1 従業員数は就業人員であります。2 従業員数の(外書)は、臨時従業員の当連結会計年度の平均雇用人員(1日8時間換算)であります。 (2)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)27(-)42.68.445,777 セグメントの名称従業員数(名)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業27(-)がんプレシジョン医療関連事業-(-)合計27(-)(注)1 従業員は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )に外数で記載しております。2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。 (3)労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係については良好であります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命として、その実現のため、基礎研究、創薬研究、及び医薬開発、並びにがんプレシジョン医療への取組みを推進しております。 当社グループは、安定経営に留意しながら、がん治療薬・治療法の研究及び開発を着実に推進し、がん治療の分野で社会に貢献したいと考えております。(2)経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、研究開発型企業として、基礎研究、創薬研究、及び医薬開発、並びにがんプレシジョン医療への取組みを推進しており、収益につきましては、これまで、主として提携先製薬企業等からの契約一時金、研究協力金、開発協力金、マイルストーン収入、及び受託検査による収入等を計上しております。将来において、当社が自らがん治療薬を上市した場合には、医薬品の販売収入が計上され、提携先企業ががん治療薬を上市した場合には、ロイヤリティ収入が計上されることとなります。また、がんプレシジョン医療への取組みの進展により、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの受託検査による収入が計上されることとなります。このような収入の拡大により収益及び利益が飛躍的に拡大するとともに収益基盤が安定することが想定されます。これらの収入等は、当社グループの研究開発の進展に伴い計上するものであり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と考えております。 しかしながら、がん治療薬が上市されるまでの間は、事業領域の拡大や自社による研究開発の進展に伴い研究開発費が増加することが想定され、収益源となる製薬企業との新たな提携契約の締結、ベンチャー企業・アカデミアと共同研究や共同開発の実施、公的機関による補助・助成制度の積極的な活用等により自社の経費負担を軽減し、経営の安定を図りながら事業を推進して参ります。(3)経営環境、事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題 当社グループは、対処すべき課題を以下のように考えています。① 基礎研究の継続的な実施 当社グループは2001年から2013年にかけて元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授との共同研究により、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、多くのがん治療薬開発に適した標的分子を同定いたしました。現在、それらの標的に対する創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施中または準備中の医薬品候補物質を多数有しております。 基礎研究の継続的な実施は当社グループ事業の将来にかかる重要課題の一つとして認識しており、今後も当社独自及び共同研究等による研究体制の充実と円滑な推進のための対応を図ってゆく方針であります。② 創薬研究の確実な推進 当社グループは基礎研究の成果をもとに、臨床応用を目指して低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を実施し、ファースト・イン・クラスの創薬を目指します。③ 臨床開発の確実かつ迅速な推進 当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命とし、国内外において、当社グループ独自で複数の臨床試験を行っており、提携先製薬企業とも共同で臨床試験を行っております。当社グループは、非臨床試験データに基づいた適応症の選択を行い、臨床開発を確実かつ迅速に推進させてゆく方針です。④ 新規提携先の開拓及び既存提携先との提携事業の確実な推進 当社グループは、一日も早くがん治療薬を上市することを企業使命とし、今後とも新規提携先を積極的に開拓するとともに、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化することにより提携事業を確実かつ迅速に進め、一日も早く当社グループの医薬品候補化合物の上市を目指します。⑤ がんプレシジョン医療関連事業への取組み がんプレシジョン医療関連事業につきましては、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究及び事業化に加えて、新規がん遺伝子パネル検査の開発やネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究を進めて参ります。⑥ 経営環境及び経営者の問題意識と今後の方針について 当社グループの事業に深い関連を有する抗がん剤市場を取り巻く状況は、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、分子標的治療薬の登場、及びがんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当社グループは今後においても同様に市場は拡大するものと想定しております。 この様な市場の拡大は、参入企業の増加、潜在的な競合企業の増加の要因とも考えられ、また、異業種間の連携により技術革新等が飛躍的に進展する可能性もあり、当社グループを取り巻く事業環境は、急激な変化を生じる要素を数多く内包しているものと考えられます。このような経営環境のもと、当社グループの事業展開における重要な要素としては、「事業推進のスピード」「事業領域の拡大」「リスクとリターンのバランス」といった3点が挙げられます。 事業推進のスピードにつきましては、医薬品業界、特にバイオテクノロジー業界においては、世界的な新薬開発競争とその新薬開発のための様々な研究開発や技術開発が世界的規模で行われており、当社グループの研究活動もこのスピード競争を勝ち抜き、質の高い研究成果を一日も早く臨床開発へ進展させることが当社の優位性を確保する上で非常に重要であると認識しております。また、今後市場が拡大すると予想するがんプレシジョン医療につきましても、質の高いがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発をより早く進展させることが非常に重要であると認識しております。 事業領域の拡大につきましては、現在当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等で創薬研究を展開しており、さらにがんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、今後とも、より積極的に事業を拡大していく方針であります。また、臓器線維症治療標的として有望な可能性があるとされるキナーゼを強力かつ選択的に阻害する活性を持つ化合物を当社化合物ライブラリ内で確認したため、ライセンスアウトを目標に研究を実施しております。このような事業領域の拡大により、当社グループの研究成果を、より多くの医薬品開発用途へ応用することにより、事業価値を高めたいと考えています。 最後にリスクとリターンのバランスですが、当社グループの最大の強みは、自社で設計した新規の化学構造を有する独自の化合物ライブラリを持つことであり、またがんのみならず数多くのゲノム創薬にもとづく創薬ターゲットを所有していることであります。ただし、それら多数の創薬ターゲットの全てについて、多岐の用途にわたる創薬研究と臨床開発を、当社グループのみの資源と費用で、かつ世界的な競争に打ち勝つスピードで遂行することは、膨大な設備投資と研究開発費を必要とし、資金的なリスクを生じせしめます。当社グループとしては、製薬企業等との積極的な提携契約の締結や研究開発の提携等により、製品化の可能性を極大化しつつ、リスクは経営上合理的なレベルにとどめる方針を現時点では採用しています。本方針により、事業展開からの成果や利益といったリターンをパートナーと共有することにはなりますが、可能性のある製品を商業化できないリスクやスピード競争に負けるリスクを低減することができます。なお、本社ならびに研究開発拠点の移転や、人員配置の見直しによる業務効率化等にも積極的に取り組んでおり、あらゆるコストの見直し及び削減を継続して強化してまいります。 今後ともリスクとリターンのバランスに十分配慮し、最善と考えられる経営判断を行っていきたいと考えております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)ガバナンス 当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命として、その実現の基礎研究、創薬研究、ならびに医薬品としての承認取得のための臨床開発、ならびにがんプレシジョン医療への取組みを推進しております。また、当社グループの企業経営にあたりましては、サステナビリティに配慮しつつ、社内規程の定めにより取締役会等での決議をもって意思決定を行っております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (2)戦略 当社グループでは、研究開発型企業として高い専門性を持つ人材を必要としており、従来より国籍・性別等あらゆる枠組みに捕らわれず、当社グループの事業運営に必要な人材の採用ならびに登用を実施しております。また、研究開発の各段階に合わせた研修を設けるなど、円滑に必要技術が習得できる計画を運用しております。 (3)リスク管理 当社グループは、事業活動全般にわたり生じうる様々なリスクのうち、サステナビリティ関連事項を含めた経営戦略上のリスクについて、担当部署および担当取締役がそのリスクの分析、検討を行うほか、必要に応じて取締役会にて審議を行っており、さらに弁護士、税理士、弁理士、公認会計士、ならびに社外の研究者等の複数の専門家から、参考とするためのアドバイスを受け、最善と考えられる経営判断を行っております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (4)指標及び目標 当社グループは、人材の採用及び登用について具体的な目標比率を設定しておりませんが、引き続き公平な採用及び登用を実施してまいります。 |
戦略 | (2)戦略 当社グループでは、研究開発型企業として高い専門性を持つ人材を必要としており、従来より国籍・性別等あらゆる枠組みに捕らわれず、当社グループの事業運営に必要な人材の採用ならびに登用を実施しております。また、研究開発の各段階に合わせた研修を設けるなど、円滑に必要技術が習得できる計画を運用しております。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社グループは、人材の採用及び登用について具体的な目標比率を設定しておりませんが、引き続き公平な採用及び登用を実施してまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社グループでは、研究開発型企業として高い専門性を持つ人材を必要としており、従来より国籍・性別等あらゆる枠組みに捕らわれず、当社グループの事業運営に必要な人材の採用ならびに登用を実施しております。また、研究開発の各段階に合わせた研修を設けるなど、円滑に必要技術が習得できる計画を運用しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社グループは、人材の採用及び登用について具体的な目標比率を設定しておりませんが、引き続き公平な採用及び登用を実施してまいります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクについて、以下において記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本「事業等のリスク」以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、その点にご留意ください。また、対応策については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境、事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題」も併せてご参照ください。 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1)研究開発活動について① 当社の設立経緯 当社は、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔氏の研究成果(シーズ)を事業化することを目的として設立した研究開発型企業であり、現在においても、同氏の成果が当社グループの研究開発活動の基盤となっております。今後も同氏から引き続き科学面に関しては協力を得ることとなっておりますが、何らかの理由により同氏の協力が得られなくなった場合、当社グループの研究開発活動に影響を与える可能性があります。② 大学や研究機関等との共同研究について(a)共同研究契約について 当社グループの研究活動においては、自社での研究活動に加えて、大学や研究機関等との共同研究を実施しております。 当社グループは、今後も研究体制の充実と円滑な推進のため、共同研究先の大学や研究機関等との間で良好な関係を維持し、当社の事業基盤となる共同研究を継続していく方針であります。しかしながら、当該契約の更新が困難となった場合又は解除その他の理由により契約が終了した場合においては、当社グループ事業に悪影響を与える可能性があります。(b)がん関連遺伝子の網羅的解析について 当社が国立大学法人東京大学と実施した基礎研究の、「抗がん剤開発のためのがん特異的蛋白の同定とその機能解析、及び分子標的治療薬(治療法)開発の共同研究」は、臨床症例に基づいた研究成果であること、LMM法によるがん細胞の分離により精度の高い解析が可能であること、遺伝子解析においてcDNAマイクロアレイを利用していること、特定された候補遺伝子とそれらのがんとの関連を複数の実験により検証していること等の特徴があり、当社は、これらの各要素を組み合わせた解析スキームに研究の優位性があり、各種のがんにおいて得られた遺伝子情報等は、治療効果が高く、かつ副作用が少ない抗がん剤等の開発や、特異性の高いがん診断薬の開発に有用であると認識しております。なお、現時点においては、第三者が同様の遺伝子解析を高精度で大規模に実施することは極めて困難であるものと考えておりますが、新たな研究手法等が確立された場合においては、今後における当該優位性が継続する保証はありません。(c)その他の共同研究開発について 当社グループは、医薬品の研究開発やがんプレシジョン医療関連事業をより加速させ、またその分野を拡大する目的で、大学、公的研究機関をはじめ企業や医療機関等との共同研究の実施や新たな連携を、必要に応じて積極的に模索しております。 今後も共同研究等の戦略的連携を積極的に推進していく予定ですが、これらの契約締結及び研究開発が当社グループの想定どおりに進捗しない可能性があるほか、契約内容によっては、当社グループにおいて相応の費用負担が生じる可能性があります。③ 研究および開発の進展を目的とした子会社・関連会社の設立について 当社は、がんプレシジョン医療関連事業として、2017年7月にがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer Precision Medicine(以下「CPM社」という。)を設立いたしました。CPM社に対しては、次世代シーケンス解析サービスを世界的に行っているTheragen Bio Co., Ltd.(本社:韓国、以下「TB社」という。)が資本参加・業務提携していることからCPM社は、当社とTB社との合弁会社となっております。また、2017年11月に、当社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究開発、及び最先端の取組みとして次世代シーケンサーを用いてT細胞/B細胞受容体の解析サービスを行う腫瘍免疫解析部については、会社分割(簡易分割)をし、CPM社に事業を承継しております。 今後も、研究及び開発の進展を目的として子会社や関連会社の設立等を行う可能性がありますが、これら子会社、関連会社の研究及び開発活動が計画通りに実施できる保証はなく、また事業展開に伴う研究開発費用の増加等が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。④ 臨床開発について 当社グループは、提携先製薬企業と共同で、または当社グループ独自に複数の臨床開発を行っております。 しかしながら、当社グループの臨床開発活動が計画通りに実施できる保証はなく、進捗に遅れが生じたり、臨床開発の成果が期待通り得られない可能性があります。 その結果、共同開発につきましては、提携先と想定していたイベントの達成が遅れたり、達成できなかった場合、将来に期待していた収益の受領が遅れたり、収益を得られない可能性があります。一方、今後当社グループ独自に臨床開発を実施したにもかかわらず成果が期待通り得られなかった場合、当社グループはそれまでの多額の研究開発コストを回収できず、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 製造物責任のリスクについて 当社グループが行う医薬品の開発、製造、及び販売、ならびに、がんプレシジョン医療関連事業は、製造物責任を負う可能性があります。今後当社グループが開発、製造、及び販売したいずれかの医薬品、試薬、原材料、外注加工品等が健康に悪影響を及ぼし、不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負うことにより、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。⑥ 副作用に関するリスクについて 当社グループが開発、製造、及び販売を行った医薬品で、臨床試験段階から製品上市後までにおいて、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。また、当社グループが関与する免疫療法等がんプレシジョン医療関連事業につきましても、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。副作用が発現した場合、当社グループの業績に直接的な悪影響を及ぼすばかりか、副作用によるネガティブなイメージにより、当社グループが開発、製造、及び販売を行う医薬品および関与する免疫療法等に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。 (2)製薬企業等との提携について① 提携先の研究開発の進捗状況等に影響を受けることについて 当社グループは、研究活動により得られる医薬品候補物質を製薬企業等に対して提供することを主な収益源としており、製薬企業等と締結する技術導出契約に基づき、契約一時金、研究協力金、開発協力金、マイルストーン及びロイヤリティ等を段階的に受領することになっております。これらの対価のうち、多くのマイルストーン及びロイヤリティの発生については、製薬企業等の研究開発の進捗及び医薬品発売・販売の状況等に依存するものであり、事業収益として計上されるには長期間を要する可能性があり、またこれらの事業収益が計上されない可能性もあります。② 今後の製薬企業等の事業提携について 当社グループは、製薬企業等との提携については、創薬研究の成果である低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等のように個別の医薬品候補物質ごとに提携を拡大させてゆく方針です。しかしながら、当社グループが提供する医薬品候補物質等が、製薬企業等の研究開発ニーズと合致する保証はなく、また当社グループの想定通りに医薬品候補物質ごとの提携が推移する保証はありません。(3)社内体制について① 情報管理に関するリスクについて 当社グループは、当社が関与する臨床試験に関する情報、がん遺伝子の大規模解析検査に関する情報、その他の個人情報、個人遺伝情報を含む機密情報について、コンピュータ管理を行っております。このため、規程等を整備し、従業員に対し情報管理の重要性を周知徹底するとともに、システムのセキュリティを高く設定し常時監視しておりますが、通信インフラの破壊や故障等により当社が利用しているシステム全般が正常に稼働しない状態に陥ってしまった場合、あるいは情報漏えい・不具合が発生した場合等には、当社グループの社会的信用、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (4)経営成績の推移等について① 特定の販売先への依存について 当社グループの販売先は、製薬企業、医療機関、研究機関等を対象とする限定されたものであることから、取引先あたりの事業収益に占める依存度は高いものとなっております。 当社グループにおいては、今後においても新たな取引先を開拓することで取引先ごとの依存度低下を図る方針でありますが、当社グループの想定通り新たな提携先と契約が締結できる保証はありません。また、契約を締結している取引先の契約解消や取引先の経営方針・状況に著しい変更等が生じた場合については、当社グループの業績は大きく影響を受ける可能性があります。なお、当社グループの受領する対価のうち、医薬品の研究開発に関する対価は下記②のとおり、製薬企業との契約による契約一時金、マイルストーン及びロイヤリティ等となりますが、これらの対価は段階的に発生するため、その発生状況により、各連結会計年度における取引先あたりの事業収益に占める依存度は大きく変動する可能性があります。② 収益計上について 当社グループの医薬品の研究開発に関する事業は、製薬企業との契約により、その対価については、契約一時金、マイルストーン及びロイヤリティ等を段階的に受領することとしております。 契約一時金は、契約時に医薬品の開発・製造・販売権などを付与することで受け取ることができる収益であり、マイルストーンは、契約に基づき、予め設定された研究開発に関する進捗等イベントの達成に応じて受け取ることができる収益であります。契約一時金及びマイルストーンに係る収入については、履行義務が一時点で充足される場合には、開発権・販売権等を付与した時点、又は契約上定められたマイルストーンが達成された時点で契約上の履行義務が充足されたと判断し、当該時点で事業収益として認識しております。 ロイヤリティは、医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取ることができる収益であり、その発生時点を考慮して事業収益として認識しております。 また、一般的に医薬品の開発期間は基礎研究開始から上市までに通常10年以上の長期間に及ぶものでもあります。なお、発生については、その多くが契約締結先の製薬企業等の研究開発の進捗及び医薬品発売・販売の状況等に依存するものであり、これらが事業収益として計上されるにはかなりの長期間を要する可能性があり、またこれらの事業収益が計上されない可能性もあります。 さらに、製薬企業等との契約締結の可否、契約締結時期及び収益の発生時期によって当社グループの業績は大きく変動する傾向にあり、これによる業績の上期又は下期への偏重が生じる可能性、または場合によっては決算期ごとの業績変動要因となる可能性があります。③ 研究開発費が多額の見通しであることについて 当社グループは研究開発型企業として、当連結会計年度においては研究開発費678百万円を計上しております。今後も、臨床試験を実施する開発パイプラインの進展や拡大、自社の創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、研究開発費が必要となると想定されます。しかしながら、他の製薬企業との契約締結が進まない場合や既存の提携先との契約解消等が生じた場合は、当社グループの業績の圧迫要因として業績に悪影響が生じる可能性があります。また、急速な成長、技術変化、市場の発展等環境の変化に伴い、当社グループは新たな戦略を実行し、その事業を展開するための必要資金は、現時点における想定以上に拡大する可能性があります。なお、現時点においては以下の対応策を実行して参ります。(ⅰ)「がんプレシジョン医療関連事業」への経営資源の集約による経営基盤の安定化(ⅱ)「「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業」における早期ライセンスアウトの企図及び資金状況にあわせた開発計画の実行(ⅲ)適時適切な資金調達の実施対応策の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」をご参照ください。 (5)大学、研究機関との関係について① 共同研究実施に係る費用負担について 当社グループは、大学、研究機関(以下、「大学等」という)との間で共同研究契約に基づく共同研究を実施しております。 当該共同研究にかかる当社グループの費用負担については、大学等との協議により、当該共同研究において必要と見込まれる直接経費等について大学等との相互協議により決定した金額を共同研究費として大学等に支払っております。当該費用については、契約期間分を一括して支払うこととなっているものもあり、契約期間に対応して費用計上しております。なお、共同研究における活動状況に応じて生じる追加費用等については、相互協議による契約変更の手続きにより追加支払いを行う場合もあります。 当社グループは、今後においても当社の事業基盤である共同研究を継続していく方針であり、相応の共同研究費を負担することとなります。② 各大学・研究機関教職員の兼業に係る利益相反の回避ついて 当社グループにおいては、本書提出日現在、各大学・研究機関の複数の研究者(教授等)が当社顧問等として兼業しております。当社グループとしてはこれらの兼業を行っている者との関係においては、利益相反等の行為が発生しないように法規制等を遵守するとともに、当社グループの企業運営上取締役会の監視等を通じて十分留意しております。しかしながら、このような留意にかかわらず、利益相反等の行為が発生した場合には、グループの利益を損ねる恐れがあるほか、社会的に指弾を受ける等の不利益を被り、その結果として当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)知的財産権について① 当社グループの特許に係る方針等について バイオ・テクノロジー関連業界、特に遺伝子関連事業においては、競合会社等に対抗していくために特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると考えられます。 当社は、東京大学との共同研究の成果として生じたがん関連遺伝子及び遺伝子産物情報等ならびに一部のがんワクチンについて、国立大学法人化以前は東京大学と共同で特許を出願して参りましたが、これらの出願に関しては包括的な譲渡契約の締結により、既に当社への譲渡が完了しております。独立法人化以降の共同発明についても、同様に包括的な譲渡契約の締結により、既に当社への譲渡が完了しております。東京大学以外の大学との共同研究の成果として生じた医薬品候補物質等の共同発明については、大学と共同で特許を出願する場合と、譲渡契約に基づいて当社が単独で特許を出願する場合とがあります。また、製薬企業等との提携にかかる医薬品関連の特許については、発明の実体と提携契約に基づき提携先企業が出願する場合もあります。 なお、研究の過程において特許性を有する成果が生じた場合においても、特許出願については、有用性及び費用対効果等を考慮して行うものであり、全てについて特許を出願するものではなく、また、特許を出願及び取得した場合においても、特許の取得及び維持に係る費用等について、当社グループの事業の収益により全て回収できる保証はありません。② 出願特許について 当社は東京大学をはじめとした各大学との共同研究において発見したがん関連遺伝子及び遺伝子産物情報等ならびに医薬品候補物質等または当社が単独で見出した医薬品候補物質等について、2024年3月末現在においては、317件(同一遺伝子等に係る複数の出願を含む)の特許を出願しております。しかしながら、当該特許が全て成立する保証はなく、特許出願によって当社の権利を確実に保全できる保証はありません。 遺伝子関連の特許については、個別の遺伝子特許が及ぶ権利範囲について日米欧の3極の特許庁が合意したガイドライン等は出ているものの、遺伝子を含む天然物関連の特許について新たなガイドライン等を採択する国がある等、複雑な法律上及び審査実務上の問題等が存在しております。また、日本及びその他の国の特許関連法規、あるいは、その解釈により、競合他社、大学あるいはその他の組織が、当社に対して補償等を行うことなく技術を使用し、医薬品等の開発及び販売を行うことができる可能性があります。③ 知的財産権に関する訴訟およびクレーム等について 本書提出日現在において、当社グループの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。 当社グループは、現時点においては、当社グループの事業に関し他者が保有する特許等への抵触により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。 ただし、潜在的なリスクとして、当社グループのような遺伝子関連企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。今後において、当社グループが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、当社グループは弁護士や弁理士との協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該第三者の主張に理由があるなしにかかわらず、解決に時間及び多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。④ 職務発明について 当社グループが職務発明の発明者から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社グループは当該発明者に対して特許法第35条第4項に定める相当の利益を支払わなければなりません。これまでに対価の支払いについて発明者との間で問題が生じたことはありませんが、潜在的なリスクとして、将来的に権利の対価の相当性について紛争が生じる可能性を否定することはできません。これらの紛争により、発明者に追加の対価を支払う事態になった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (7)バイオ・テクノロジー業界等にかかるリスクについて① 業界動向について 近年、いわゆる「ヒトゲノム・プロジェクト」以降、バイオ・テクノロジー業界は急速に変化しており、遺伝子構造解析の段階から、遺伝子機能解析を進めることによりゲノム情報を用いた創薬、遺伝子治療、再生医療、がんプレシジョン医療といった分野の段階に進んでおり、ゲノム研究分野は急激な市場規模の拡大が見込まれております。同時に、業界への参入も従来の製薬関連メーカーのみならず、先進医療の材料を狙う繊維メーカー、発酵技術を持つ酒造メーカー、バイオ・インフォマティクス分野での取組みが目立つIT関連企業等、幅広い広がりを見せており、今後においても当該傾向は継続するものと当社は想定しております。 また、当社グループの事業に深い関連を有する抗がん剤市場を取り巻く状況は、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、分子標的治療薬の登場、及びがんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当社グループは今後においても同様に市場は拡大するものと想定しております。 この様な市場の拡大は、参入企業の増加、潜在的な競合企業の増加の要因とも考えられ、また、異業種間の連携により技術革新等が飛躍的に進展する可能性もあり、当社グループを取り巻く事業環境は、急激な変化を生じる要素を数多く内包しているものと考えられます。 これらのことから、当該変化に柔軟に対応できなかった場合には、当社グループの事業戦略が予想どおり進まない可能性や事業戦略の変更を余儀なくされる可能性があり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの想定通りに市場拡大が図られなかった場合においても、当社グループの事業戦略等は変更を余儀なくされる可能性があります。② 競合について 当社グループが事業を展開するゲノム研究分野は急激な市場規模の拡大が見込まれており、国内外のベンチャー企業を含む多くの企業が参入しており、競争は激化する可能性があります。遺伝子の機能解析分野においては、競合企業として、製薬企業のみならず他の分野における資金力等を有する企業等もあります。また、がんプレシジョン医療関連事業につきましても、今後の市場拡大を見込み、新規参入企業が増加すると見込まれます。 がん関連遺伝子の単離・同定や機能解析、がん遺伝子の大規模解析検査をはじめとした臨床検査事業については、スピード競争的な要素も強く、競合他社が当該領域において先行した場合、当社グループの事業の優位性は低下する可能性があります。 また、これらの競争に巻き込まれ、当社グループの事業の優位性が低下する可能性、及び当社グループの事業展開において当社グループが想定する以上の資金が必要となる可能性もあります。 当社グループは、現時点において、東京大学医科学研究所との共同研究の成果であるがん遺伝子の高精度で網羅的な解析方法をはじめ、当社グループの研究開発等に優位性があるものと認識しておりますが、今後の競争激化による影響等により、当社グループの事業戦略や経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。③ 技術革新について 当社グループが行う研究分野は、いずれも技術の革新及び進歩の度合いが著しく速いバイオ・テクノロジー分野に属しております。そのため、当社グループは、大学等公的研究機関、医療機関等との共同研究において、最先端の研究成果を速やかに導入できる体制を構築しております。 しかしながら、急激な研究の進歩等により医薬品の研究開発や、がんプレシジョン医療関連事業において有効と思われる研究成果等への対応が困難となった場合には、当社グループの事業展開に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、必要な研究成果を常に追求するためには多額の費用と時間を要することから、これにより当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (8)臨床検査事業に係るリスクについて① 臨床検査事業の法的規制について 当社グループが実施するがん遺伝子の大規模解析検査をはじめとした臨床検査事業は、「臨床検査技師法に関する法律」により衛生検査所が所在する都道府県知事(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)の許可を必要とし、衛生検査所の設備、管理組織等の面において、同法に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止または取消を受けることとなった場合や法改正等への対応のための事業運営費用の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 検査過誤について 当社グループが実施するがん遺伝子の大規模解析検査をはじめとした臨床検査事業に係る検査過誤を防止するため、事業展開に応じた適切な標準作業書の整備や検査体制の構築に努めており、細心の注意を払い検査業務を行っておりますが、万一、検査過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。③ 精度管理について 当社グループにおける精度管理は、検査結果の正確性を維持するために最も重要な事項であり、事業展開に応じた適切な精度管理体制の構築に努めるとともに、細心の注意を払い検査業務を行っておりますが、人為的ミスや適正な検査ができない場合は検査精度が低下し、信頼性が損なわれることや検査のやり直し等による納期遅延が発生することにより、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、研究開発型企業として、医薬品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、多額の研究開発費が必要となっております。一方で、特に、医薬品の開発期間は基礎研究から上市まで通常10年以上の長期間に及ぶものでもあり、収益に先行して研究開発費が発生している等により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しており、当連結会計年度末においても当該状況が続いていることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当社は創業以来、がんに特化した医薬品の研究開発を進めて参りましたが、当該状況を解消すべく、当社グループは、以下の対応策を実行して参ります。(ⅰ)「がんプレシジョン医療関連事業」への経営資源の集約による経営基盤の安定化(ⅱ)「「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業」における早期ライセンスアウトの企図及び資金状況にあわせた開発計画の実行(ⅲ)適時適切な資金調達の実施当該状況を解消するための対応策の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」をご参照ください。 今後も上記施策を推進し、収益力の向上と財務体質の強化に取り組みますが、これらの対応策は実施中であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。 なお、当社グループの連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。 (10)その他のリスク① 研究活動にかかる補助金等について 当社グループは、自社の研究領域において、公的機関が実施する補助、助成制度を積極的に活用すべく、これら事業等への申請を積極的に実施していく方針でありますが、当社グループが申請する補助事業等について必ずしも採択される保証はありません。② 為替変動について 当社グループは、日本国内のほか、米国での臨床試験の実施をはじめとした在外企業、大学、研究機関等との共同研究や業務委託取引を積極的に行っております。当社グループは為替変動について、常にその動向を注視し、必要に応じて為替予約等リスク低減手段を一部講じることもありますが、かかる手段は為替変動リスクの全てを回避するものではなく、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を受ける可能性があります。③ 設備投資について 当社グループの事業領域においては、技術革新のスピードが速く、特に現在積極的な取り組みを進めておりますがんプレシジョン医療関連事業について、当社グループ事業の優位性を確保する目的等で新しい解析装置をはじめとした研究開発及び検査の設備投資を実施していく方針です。これらの設備投資は多額になる可能性もあり、また、その価値が下落した場合や期待通りの将来キャッシュ・フローが見込めない状況となった場合、減損処理が必要となり、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。④ 法的規制の影響について 当社グループの事業活動は、国内では、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」、「臨床研究法」等、海外ではFDA(米国食品医薬品局)による規制等、治療薬及び治療法の研究開発及びその提供に関係する国内外の法令等の改正や規制強化の影響を受け、当社グループの事業戦略や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは事業活動にあたって、関連法令を十分調査の上法令等を遵守して遂行しておりますが、当社グループが予期せずこれらの関連法令に抵触する等した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ インセンティブの付与について 当社は、会社の利益が取締役及び従業員個々の利益と一体となり職務に精励する動機付けを行うため、また、社外のリソースを有効に活用し当社事業の円滑な遂行を図る目的で、当社の役員、従業員及び社外協力者等に対するインセンティブ制度を導入しております。 2024年3月末日現在における、当社の発行済株式総数は217,643,700株でありますが、これに対して、当社の役員、従業員及び社外協力者等に対する新株予約権に係る新株発行予定株数の合計は1,330,000株であります。 当該新株予約権が行使された場合は当社の株式価値は希薄化することとなり、また、株式市場での需給バランスに変動が発生し株価へ影響を及ぼす可能性もあります。⑥ 自然災害等の発生について 当社グループの各事業所ならびに当社グループが関与する研究ならびに臨床試験を実施または準備している地域において、地震等の大規模な自然災害や感染症等が発生し、設備等の損壊やインフラの機能停止等により当社グループの事業活動や臨床試験が停止した場合、当社グループの事業戦略や経営成績等が影響を受ける可能性があります。⑦ 配当政策について 当社は株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ利益配当を検討して参りたいと考えております。しかしながら、将来のがんの治療薬の上市にむけ、基礎研究、創薬研究、ならびに医薬品の開発を継続的に実施する段階にあり、現時点では特に積極的な取り組みを進めておりますがんプレシジョン医療関連事業を推進するため、当面は内部留保に努め、研究開発資金の確保を優先しております。⑧ 新株予約権(第三者割当)について 当社は、2024年4月5日付の取締役会決議に基づき、2024年4月22日にLong Corridor Alpha Opportunities Master Fund及びMAP246 Segregated Portfolioを割当先として第三者割当による第36回新株予約権(行使価額修正条項付)計540,000個(54,000,000株)を発行しました。本新株予約権の行使価額には修正条項が付いており、また行使期間が2024年4月23日から2027年4月22日までの3年間となっていることから、一部については本書提出日現在ですでに行使が実行されておりますが、株式市場の動向によっては計画どおりに資金調達ができない可能性があります。また、当該新株予約権が行使された場合は当社の株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。 当該新株予約権の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 1株式等の状況 (2)新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」をご参照ください。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況 当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を進展させるとともに、後期臨床開発を目指したがん幹細胞維持に重要なリン酸化酵素(キナーゼ)であるMELKを標的としたOTS167の臨床試験を米国並びに日本国内で実施、がん治療用抗体医薬OTSA101の臨床試験を日本国内で実施し患者登録を終了する等、当社グループ独自で実施している臨床開発の推進に加え、提携先製薬企業との戦略的対話をより促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強力に推し進めて参りました。また、臓器線維症治療標的として有望な可能性があるとされるキナーゼを強力かつ選択的に阻害する活性を持つ化合物を当社化合物ライブラリ内で確認したため、ライセンスアウトを目標に研究を実施しております。さらに、がんプレシジョン医療関連事業として、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究及び事業化に加えて、新規がん遺伝子パネル検査の開発やネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究を行っております。 これらの結果、当連結会計年度の総資産は、867百万円(前連結会計年度末比644百万円減少)となりました。内訳としては、流動資産は817百万円(同 604百万円減少)、これは現金及び預金が589百万円減少、売掛金が87百万円減少したことが主な要因となっております。投資その他の資産は49百万円(同 39百万円減少)となりました。 負債の合計は513百万円(前連結会計年度末比142百万円減少)となりました。内訳としては、流動負債は359百万円(同 249百万円減少)となりました。これは、未払金が109百万円減少、預り金が92百万円減少、未払法人税等が66百万円減少したことが主な要因となっております。固定負債は154百万円(同 106百万円増加)となりました。これは、長期未払金が106百万円増加したことが主な要因となっております。 純資産は、353百万円(前連結会計年度末比501百万円減少)となりました。これは、利益剰余金が1,288百万円減少したことが主な要因となっております。 当連結会計年度における連結事業収益につきましては、解析サービス等による収入等の受領により、610百万円(前期比524百万円の減少)となりました。 また、医薬品候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による費用計上、がんプレシジョン医療関連事業に関する売上原価の計上を主な要因として、連結営業損失は1,120百万円(前期は1,106百万円の損失)、連結経常損失は1,136百万円(前期は1,133百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,288百万円(前期は1,118百万円の損失)となりました。 セグメント別経営成績は、次のとおりであります。a. 「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業 ライセンス契約等に基づく収入により、事業収益は0百万円(前期比8百万円の減少)となりました。また、医薬品候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による研究開発費用の計上を主な要因として、営業損失は674百万円(前期は690百万円の損失)となりました。 なお、研究開発の状況の詳細につきましては、「第2 事業の状況 6研究開発活動 (2)研究開発活動 (a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業」をご覧ください。b. がんプレシジョン医療関連事業 解析サービス等による収入の受領により、事業収益は609百万円(前期比516百万円の減少)となりました。これは契約締結手続きの遅延による受注の期ずれ等があったためです。また、遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法等)、リキッドバイオプシー、TCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスに関する研究開発費用及び売上原価の計上を主な要因として、営業損失は235百万円(前期は34百万円の損失)となりました。 なお、研究開発の状況の詳細につきましては、「第2 事業の状況 6研究開発活動 (2)研究開発活動 (b)がんプレシジョン医療関連事業」をご覧ください。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、527百万円(前連結会計年度比589百万円減少)となりました。 当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,227百万円の資金の減少(前連結会計年度は794百万円の減少)となりました。これは、税金等調整前当期純損失1,285百万円を計上したことが主な要因となっております。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、33百万円の資金の減少(同 20百万円の減少)となりました。これは、主に資産除去債務の履行による支出70百万円、敷金及び保証金の回収による収入39百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、671百万円の資金の増加(同 95百万円の増加)となりました。これは主に株式の発行による収入682百万円によるものです。③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社の業務は、業務の性格上、生産として把握することが困難であるため、記載を省略しております。b.受注実績 当社の「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業については、事業の性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。また、がんプレシジョン医療関連事業については、受注から納品までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業(千円)427△95.3がんプレシジョン医療関連事業(千円)609,690△45.8合計610,118△46.2(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 がんプレシジョン医療関連事業は、契約締結手続きの遅延による受注の期ずれ等があったため減少しております。3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)公益財団法人 がん研究会572,70750.5285,20946.7アンジェス株式会社196,86817.3--医療法人慈生会 福岡がん総合クリニック--77,64312.7(注)当該割合が100分の10未満については記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、本項に記載した将来に関する事項は本書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内包しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表作成にあたっては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に基づき作成しておりますが、採用する会計基準には、当社グループの判断及び見積りを伴うものが含まれています。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、見積りが必要な場合には合理的な方法で算出しております。②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討等A. 収益面の特徴a.「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業 製薬企業との契約により、その対価については、契約一時金、マイルストーンおよびロイヤリティ等を段階的に受領することとしております。契約一時金は、契約時に医薬品の開発・製造・販売権などを付与することで受け取ることができる収益であり、マイルストーンは、契約に基づき、予め設定された研究開発に関する進捗等イベントの達成に応じて受け取ることができる収益であります。契約一時金及びマイルストーンに係る収入については、履行義務が一時点で充足される場合には、開発権・販売権等を付与した時点、又は契約上定められたマイルストーンが達成された時点で契約上の履行義務が充足されたと判断し、当該時点で事業収益として認識しております。ロイヤリティは、医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取ることができる収益であり、その発生時点を考慮して事業収益として認識しております。一般的に医薬品の開発期間は基礎研究開始から上市までに通常10年以上の長期間に及ぶものでもあります。事業収益の発生については、その多くが契約締結先の製薬企業等の研究開発の進捗および医薬品発売・販売の状況等に依存するもので、これらが事業収益として計上されるにはかなりの長期間を要する可能性があり、またこれらの事業収益が計上されない可能性もあります。さらに、製薬企業等との契約締結の可否、契約締結時期及び収益の発生時期によって当社グループの業績は大きく変動する傾向にあり、これによる業績の上期または下期への偏重が生じる可能性、または場合によっては決算期ごとの業績変動要因となる可能性があります。b.がんプレシジョン医療関連事業 がんプレシジョン医療関連事業の収益は、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスを、医療機関、研究機関および製薬企業等から受託した収益であり、当該財又はサービスの支配が顧客に移転したことにより履行義務が充足される時に認識することとなりますが、当社グループにおける解析サービス等の国内の販売において、出荷時から当該財又はサービスの支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、収益認識に関する会計基準の適用指針第98項を適用して出荷時に収益を認識しております。B. 費用面の特徴当社グループは研究開発型企業として、当連結会計年度においては研究開発費678百万円を計上しております。a.「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業 当社グループは提携先との共同開発に加えて、早期ライセンスアウトを目標とした臨床開発に取り組んでいく方針であります。そのため、今後は、臨床試験を実施する開発パイプラインの進展や拡大等の研究開発費が必要となると想定されます。しかしながら、他の製薬企業との契約締結が進まない場合や既存の提携先との契約解消等が生じた場合は、当社グループの業績の圧迫要因として業績に悪影響が生じる可能性があります。また、急速な成長、技術変化、市場の発展等環境の変化に伴い、当社グループは新たな戦略を実行し、その事業を展開するための必要資金は、現時点における想定以上に拡大する可能性があります。b.がんプレシジョン医療関連事業 がんプレシジョン医療関連事業においては、医療機関、研究機関および製薬企業等から受託または受託する予定の、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全ゲノムシーケンス解析、ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスについて受託件数に応じた費用発生のほか、これらサービスに関連する共同研究及び事業化や、新規がん遺伝子パネル検査の開発、ネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR導入T細胞療法等の新しい個別化免疫療法の研究も行っており今後も継続的に研究開発費が必要となると想定されます。(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりとなっております。 (当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。 (当社グループの資本の財源及び資金の流動性) 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりとなっております。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりとなっております。(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期自己資本比率(%)89.588.870.651.532.2時価ベースの自己資本比率(%)214.9643.9495.0599.0501.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)-----インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-----自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。(注3)「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」、「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。 当社グループが現在計画している資金計画については、主として、資金を創薬研究領域ならびに医薬開発領域における研究開発費、がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費、具体的には外注費、人件費、衛生検査所としてのラボや解析検査設備の資金・運営・維持費用、消耗品等の購入費用に充当する方針であり、具体的な資金需要の発生までは、安全性の高い金融商品で運用していく計画であります。バイオ・テクノロジー業界等の当社グループを取り巻く外部環境については変化が速いことや、新規参入等により当社グループの事業環境に劇的な変動が生じる可能性があること等から、当社の経営判断として資金について、上記の対象以外に振り向けられる可能性も否定できません。また、当社グループ事業の性質上、研究開発資金等の多額な資金を必要とするものでありますが、急速な成長、技術変化、市場の発展等環境の変化に伴い、当社は新たな戦略を実行し、その事業を展開するための必要資金は、現時点における想定以上に拡大する可能性があります。 (経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりとなっております。当連結会計年度の達成状況につきまして、連結事業収益につきましては、受託検査サービスによる収入等の受領により、610百万円(前期比524百万円の減少)となりました。また、研究開発費については、678百万円となりました。当期の経営成績ならびに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」ならびに「第2 事業の状況 6研究開発活動 (2)研究開発活動」をご覧ください。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 当連結会計年度における、当社グループの経営上の重要な契約は以下のとおりであります。(1)技術導入① 特許を受ける権利譲渡契約 当社は、当社の低分子医薬分野、抗体医薬分野、がんワクチン分野および診断薬および研究用試薬分野の事業化に必要な特許に関し、東京大学医科学研究所に所属する複数の研究者より特許を受ける権利を譲り受けております。なお、契約の概要は、以下のとおりであります。契約会社名主な契約内容東京大学医科学研究所に所属する複数の研究者当社は譲渡の対価として、上記特許を受ける権利に係る発明を第三者に実施させ、当該第三者から収受したロイヤルティーの一定割合を譲渡人に支払う。 ② 特許を受ける権利譲渡契約 当社は、当社の低分子医薬分野、抗体医薬分野、がんワクチン分野および診断薬および研究用試薬分野の事業化に必要な特許に関し、国立大学法人東京大学より特許を受ける権利を譲り受けております。なお、契約の概要は、以下のとおりであります。契約会社名主な契約内容国立大学法人東京大学当社は譲渡の対価として、一定額の契約一時金を支払う。上記特許を受ける権利に係る発明を当社が使用して得た収入の一定額を支払う。当社が上記特許を受ける権利を第三者に実施させ、当該第三者から収受した実施料の一定割合を譲渡人に支払う。 (2)技術導出① 契約 当社は、塩野義製薬株式会社との間で、治療用ペプチドワクチンによる治療薬に関して、独占的な開発・製造・販売権を提供する旨の契約ならびに、より有効なペプチドワクチンの探索研究を共同で行う契約を締結しております。なお、契約の概要は、以下のとおりであります。契約会社名主な契約内容塩野義製薬株式会社① ペプチドワクチン研究開発の継続的な発展を目的とし、当社は、全疾患を対象とした適応拡大と、オンコアンチゲン由来の当社が権利を保有するペプチドワクチンを複数個含有したペプチドカクテルワクチンを有効成分とする医薬品開発・製造・販売権を塩野義製薬株式会社に独占的に許諾する。② 塩野義製薬株式会社は、当社に対し、一定額の一時金を支払い、また一定の条件を満たす場合、それぞれ一定額のマイルストーンを支払う。③ 当社は塩野義製薬株式会社の開発の協力要請に合意した場合には、科学的見地からの専門的助言や説明、その他の協力や支援をする。④ 塩野義製薬株式会社は、当社に対し、治療薬の正味販売高に応じて、当該治療薬の上市後特定の条件を満たす期間、一定率のロイヤルティを支払う。⑤ より有効なペプチドワクチンの探索研究を共同で行う。⑥ 当社はS-588410の食道がんに対する第Ⅲ相臨床試験費用の一部を負担する。塩野義製薬株式会社① 当社と塩野義製薬株式会社は、ペプチドワクチンの迅速かつ確実な創薬化をめざし、より有効なペプチドワクチンの探索研究を共同で行う。② 塩野義製薬株式会社は、当社に対し、研究経費を支払う。 (3)委受託契約 当社連結子会社である株式会社Cancer Precision Medicineはコスモ・バイオ株式会社とペプチド合成委受託契約締結を締結しております。 なお、契約の概要は以下のとおりであります。契約会社名主な契約内容コスモ・バイオ株式会社がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託基本契約。CPM社のネオアンチゲン解析により得られた結果に基づき、ペプチド合成をコスモ・バイオ株式会社に委託し、CPM社に納品する。CPM社は医療機関ならびに研究機関に提供するサービスを付加したものを、パッケージ化して提供する。 (4)第三者割当による第36回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行 当社は、2024年4月5日付の当社取締役会において、第三者割当による第36回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を決議し、2024年4月22日に新株予約権の引き受けにかかる契約を締結しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当連結会計年度における研究開発費の総額は678百万円です。セグメント別の研究開発費は「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業674百万円、がんプレシジョン医療関連事業3百万円です。(1)当社の事業基盤について 東京大学医科学研究所との共同研究の成果は当社の技術基盤となるものです。① cDNAマイクロアレイについて コンピューターのマイクロチップは大量の情報を高速に処理する道具として開発されたものですが、cDNA(※12)マイクロアレイ(※13)と呼ばれる技術も同様に小さな基盤上に非常に高密度にDNAを配置して、それらを手がかりに大量の遺伝子情報を獲得するために開発されたものです。また、遺伝子情報の解析においては、このように一度に全体像を捉え網羅的に解析するシステムは有用なものとして考えられております。 当社が共同研究において使用しているのは上述のcDNAをマイクロアレイ上の特定の区画に固定している(これを「スポットしている」といい、このスポットを実施する機械を「スポッター」といいます)cDNAマイクロアレイであります。これは共同研究先である東京大学医科学研究所および当社研究施設でスポッターを利用し、cDNAと、それをスポットしたcDNAマイクロアレイを作製しております。 このcDNAの作製方法は、大変に時間と労力のかかるものですが、以下に簡単にご説明いたします。 まず研究用に市販されているヒトの各種正常臓器の細胞からとったmRNA(※12)と同時に、発生過程の初期のmRNAもつかまえるために胎児のmRNAを入手します。そして、逆転写酵素でcDNAを作ります。さらに、このcDNAをもとにPCR法と呼ばれる方法でcDNAを増幅します。 このcDNAマイクロアレイの特長は、主に以下の2点です。a 32,000種類の遺伝子をスポットしていること 2003年4月に発表されたヒトゲノムの完全解読終了時の情報では、約35,000個の遺伝子があるとされておりましたが、その後の解析では25,000-30,000個と一般的には考えられております。当社のマイクロアレイは32,000種類のcDNAをスポットしていることから、ほぼ全遺伝子を網羅しております。 またマイクロアレイにスポットするcDNAの合成は、ヒトの12種類の臓器よりプールしたmRNAにより実施しているため、およそヒトの発生過程以降に発現する遺伝子はほぼ検出することができます。これをマイクロアレイ上にスポットして使っているため、ヒトの細胞内での実際の遺伝子発現に近い状態で、かつ機能が未知の遺伝子まで解析することができます。b cDNAを利用していること マイクロアレイには、合成で作った25~50個くらいの核酸塩基からなるオリゴDNAとよばれるものを用いる方法と、cDNAを用いる方法があり、導入の簡便性からオリゴDNAを用いる方法が一般的です。当社はcDNAを用いる方法を採用しておりますが、これはオリゴDNAに比較してシステム構築に手間がかかる欠点はありますが、cDNAが200から1,100個までの長い核酸塩基からなっており個々の塩基の結合力が強く、マイクロアレイ洗浄時に、より厳しい条件(塩濃度や温度等の条件)で洗浄可能なため、その結果正常(相補性が正しい)な結合のみがマイクロアレイ上に残ることになり、再現性の面でオリゴDNAの方式より優れていると考えております。 ② 抗がん剤探索のための網羅的ながん遺伝子の解析方法について<当社のがん遺伝子の解析方法> <ステップ①>LMM法による細胞切片からのがん細胞の切り出し がん組織を顕微鏡下で観察すると正常細胞とがん細胞が複雑に入り混じっており、精度の高いがん遺伝子解析のためには、まずこのような組織からがん細胞の集団のみを取り出す必要があります。当社共同研究においては、LMM(Laser Microbeam Microdissection)(※14)法と呼ばれる技術を採用しております。 <ステップ②>がん細胞で特異的に発現する遺伝子を特定 ステップ①で回収したがん細胞からRNA(※12)を抽出し、逆転写酵素を用い蛍光色素で標識したcDNAを作成し、がん細胞に対応する正常細胞からも同様にRNAを抽出してがん細胞とは異なる蛍光色素で標識したcDNAを作成します。 これらを、cDNAマイクロアレイ上でがん細胞と正常細胞での遺伝子発現量の比を検出し、がん細胞で特異的に発現する遺伝子を特定します。 <ステップ③>がんの分子標的治療薬の標的となり得る候補遺伝子の選択 上記で特定した候補遺伝子について、がんの分子標的治療薬のターゲットとなり得るか否かを下記の実験により検証します。a がん細胞の増殖に関与しているか否かを、遺伝子を直接細胞に入れた際の細胞増殖促進効果の有無で確認する。b 遺伝子の働きを阻害することにより、がん細胞の増殖が阻害されるか否かを確認する。c 心臓や肺など、生命の維持に重要な臓器で発現が低いか否かを、cDNAマイクロアレイで得た正常臓器における発現データベース等により確認する。 ③ 研究の特徴について 当該共同研究における主な特徴は、以下のとおりであります。当社は、これらの各要素を組み合わせた解析スキームに研究の優位性があり、各種のがんにおいて得られた遺伝子情報等は、治療効果が高く、かつ副作用が少ない抗がん剤等の開発や、特異性の高いがん診断薬の開発に有用であると認識しております。なお、現時点においては、第三者が同様の遺伝子解析を高精度で大規模に実施することは極めて困難であるものと考えておりますが、新たな研究手法等が確立された場合においては、今後における当該優位性が継続する保証はありません。 a 臨床症例に基づいた研究成果であること 当社の東京大学との共同研究は、同大学の医科学研究所が協力医療機関から収集した臨床症例に基づくものであり、各がん種について多数の症例の解析が可能となっております。 b LMM法によるがん細胞の分離により精度の高い解析が可能であること 従来の研究開発においては、がん組織から直接RNAを回収していたので、がん細胞に加え正常細胞の混入も多く、結果としてがん細胞での遺伝子発現変化が反映できないことが少なからず生じておりました。当社共同研究においては、高度な病理学的知識を有する研究者ががん細胞および正常細胞を判別した上でLMM法によりがん組織からのがん細胞の切り出し作業を実施しており、多くの手間と時間が必要となるものの、ほぼ100%の純度のがん細胞分離が可能であり、当該がん細胞のみを解析に用いることにより解析結果の正確性が向上しております。 c 遺伝子解析においてcDNAマイクロアレイを利用していること 当社が使用しているcDNAマイクロアレイは、元東京大学医科学研究所教授である中村祐輔氏が独自に開発したものであり、その特徴として、ア)精度を高めるため独自に開発したcDNAのセットを利用していること、イ)現在32,000種類の遺伝子をスポットしていること、ウ)機能未知の遺伝子および新規遺伝子も解析対象となること、等であります。 d 特定された候補遺伝子とがんとの関連を複数の実験により検証していること 前述のとおり、近年においては分子標的治療薬という概念が確立し、肺がん、乳がんおよび慢性骨髄性白血病に対する抗がん剤の開発がなされており、特定のがん患者に対して一定の効果が生じているものと考えられます。しかしながら、当社においては、これらの抗がん剤について効果、特異性や副作用の観点から見ると必ずしも十分なものではないと認識しております。 抗がん剤のターゲットとなる遺伝子はがん細胞のみに特異的に発現するのではなく、多くの正常臓器にも共通に発現している場合があることから、それらの副作用の原因として、抗がん剤が正常細胞に対しても作用してしまうことが考えられます。当該解析スキームにおいては、マイクロアレイによる解析から特定されたがん細胞で特異的に発現上昇している候補遺伝子について、ア)細胞の増殖に関与するもの、イ)働きを阻害するとがん細胞が増殖を停止する、もしくは死滅するもの、ウ)生命の維持に不可欠な臓器では発現していないもの等の条件により、分子標的抗がん剤のターゲットとして適当か否かを複数の実験により検証し、絞込みを行っており、がん細胞に対してより特異的で、かつ副作用の少ない抗がん剤等の開発に結びつくシーズの提供が可能になるものと考えております。 (2)研究開発活動 当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定しております。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医薬品候補物質も複数有しております。 このような「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業に加えて、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。 がんは遺伝子の異常により引き起こされる病気です。がん細胞での遺伝子の網羅的な解析は、がんの診断及びがん治療薬・治療法を選択するために非常に重要です。この解析を利用して、がんの早期診断や、がん患者さん一人ひとりの遺伝子情報に基づいた治療薬・治療法の選択をすることや新規の免疫療法につなげていくことをがんプレシジョン医療といい、近年、より効果的ながん治療をがん患者さんに提供できる手段として注目されています。 当社は、次世代シーケンス解析サービスを行っているTheragen Bio Co., Ltd.(本社:韓国)との資本・業務提携により、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer Precision Medicine(以下、「CPM社」といいます。)を設立し、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。 具体的な「医薬品の研究及び開発」及びこれらに関連する事業及びがんプレシジョン医療関連事業の内容については、以下(a)及び(b)のとおりでございます。 なお、2024年3月31日現在、当社は全世界で317件の特許を取得しております。当社の防衛特許を含む知的財産戦略としての見直しや、PCT国際出願を利用した後の各国の手続き状況等により、特許件数は随時変動しております。 (a)「医薬品の研究及び開発」及びこれらに関連する事業<基礎研究領域> 創薬ターゲットの特定等を行う基礎研究領域においては、ヒト全遺伝子の遺伝子発現パターンを網羅的に検索できるcDNAマイクロアレイのシステムによる大腸がん、胃がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、食道がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎臓がん、膀胱がん及び軟部肉腫等について発現解析が終了しております。これらの発現解析情報からがんで発現が高く正常臓器では発現がほとんどない遺伝子を選択し、さらに機能解析により、がん細胞の生存に必須な多数の遺伝子を分子標的治療薬の標的として同定しております。<創薬研究領域> 医薬品候補物質の同定及び最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途ごとに、より製品に近い研究を積極的に展開しております。 低分子医薬につきましては、複数のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。そのうち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)(※15)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施中です(詳細は、別記「<医薬開発領域>(ⅰ)低分子医薬」をご参照ください。)。他のリン酸化酵素については、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化(※16)を進め、in vivo(※17)で強力な腫瘍増殖抑制効果を示す複数の高活性化合物を同定しております。これらにつき、医薬品候補化合物として臨床開発するための薬効薬理(※18)・薬物動態(※19)・毒性試験を進めております。さらに、別の3種の標的酵素タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合物のうちin vivoで有意な腫瘍増殖抑制効果を示す化合物の構造に基づき、薬効向上のためのさらなるリード最適化を実施中です。また、さらに別の2種の標的酵素タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合物に基づき、リード化合物(※16)の獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進めております。 なお、臓器線維症治療標的として有望な可能性があるとされるキナーゼを強力かつ選択的に阻害する活性を持つ化合物を当社化合物ライブラリ内で確認したため、ライセンスアウトを目標に研究を実施しており、2023年8月に、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(以下、「NIBIOHN(ニビオン)」といいます。)と共同研究契約を締結しております。 また、NIBIOHNとは、「がん抑制因子活性化創薬:新たな抑制遺伝子(産物)の単離およびその機能解析を通じた創薬開発」についての共同研究契約も締結しております。本共同研究は、NIBIOHNが行うがん抑制因子の活性化に関する研究成果を元に様々ながん種を対象とした創薬を行うことを目的としており、当社はがん関連遺伝子標的治療薬の創薬研究および臨床開発の経験とノウハウを提供し、新規作用機序を持つ新たな分子標的治療薬を一日も早くがんに苦しむ患者さんへ提供することを目指します。 また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」といいます。)が実施する「革新的がん医療実用化研究事業」に、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所の片桐豊雅所長(徳島大学先端酵素学研究所 教授 兼任)を代表者とする研究開発課題「がん抑制因子活性化を利用した治療耐性難治性乳がんに対する治療薬開発のための製剤化検討」が採択されております。当社は研究開発分担者である徳島大学と「研究題目:抗癌剤開発のための新たな癌関連遺伝子(産物)の単離」の共同研究契約を締結しており、本AMEDプロジェクトの原薬・製剤化検討から治験薬製造に関わる部分について協力し、治験薬製造に続き速やかに臨床試験が実施できるように開発パートナーの模索又はライセンスアウト活動を進め、治療耐性難治性乳がんへの新たな治療薬を提供することを目指します。 がんペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人及び欧米人に多く見られるHLA(※20)-A*24:02及びA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん及び肝臓がん等を標的とした計43遺伝子を対象としたエピトープペプチド(※21)を既に同定しておりますが、それら以外にもA*11:01、A*33:03、A*01:01及びA*03:01等、様々なHLAに対応したより多くのエピトープペプチドを同定しております。 このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を積極的に展開しております。 これらに加えて、当社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目指したペプチドワクチンの研究開発を実施しております。<医薬開発領域> 医薬開発領域においては、当社グループ独自での開発及び製薬企業との提携による開発を、以下のとおりそれぞれ進めております。(ⅰ)低分子医薬 がん幹細胞の維持に重要なリン酸化酵素(キナーゼ)であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)を標的としたOTS167については、乳がんに対する第Ⅰ相臨床試験を米国及び日本国内で実施しております。この臨床試験は、トリプルネガティブ乳がん(※22)を含む乳がんの患者さんを対象とし、OTS167のカプセル剤による経口投与における安全性及び推奨投与量の確認を主目的とし、副次的にトリプルネガティブ乳がんに対する臨床上の有効性を確認するものです。なお、米国で実施しておりました急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験は患者登録が終了し、OTS167の静脈内反復投与における安全性が確認されています。また、オーストラリアで実施しておりました健常成人を対象とした経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)の確認を主たる目的とする臨床試験において、ヒトでの良好な経口吸収性が確認されています。 OTS167の標的であるMELKは、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしているリン酸化酵素(キナーゼ)です。OTS167は、そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制効果が期待できる新しい作用機序(ファースト・イン・クラス)の分子標的治療薬であり、既に動物試験において、肺がん、前立腺がん、乳がん及び膵臓がん等に対し、強力な抗腫瘍効果が確認されています。 また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する複数の最終化合物を同定しております。動物実験で、顕著な結果が得られたことから、製剤化検討及び非臨床試験を進めております。(ⅱ)がんペプチドワクチン がんペプチドワクチンにつきましては、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。 当社が塩野義製薬株式会社にライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410について、食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験を塩野義製薬株式会社が実施し、完了いたしました。本試験の主要評価項目である無再発生存期間(RFS)に関して、S-588410群とプラセボ群の比較では、S-588410群におけるRFS延長について統計学的な有意差は認められませんでした。一方で、食道がん発生部位別又はリンパ節転移グレード別の探索的な部分集団解析では、S-588410投与により上部胸部食道がんの患者さん集団で全生存期間(OS)が有意に延長され、またリンパ節転移が多い患者さん集団ではRFSやOSの改善が認められる傾向を確認しております。また、副次評価項目の1つである細胞傷害性Tリンパ球(CTL)誘導に関してはS-588410投与により高い誘導率が確認され、主な副作用は注射部位の皮膚反応であり、重篤な皮膚反応は認められませんでした。本試験で得られた結果についてはさらに詳細な解析を行い、今後のがんペプチドワクチン開発方針の一助にする予定であります。今後の開発計画については、契約締結先である塩野義製薬株式会社と協議を継続して参ります。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん第Ⅲ相臨床試験の他、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験を完了しており、頭頸部がんを対象としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、また、固形がんを対象としたS-588210は英国で第Ⅰ相臨床試験を、それぞれ実施しております。 また、シンガポールのNUH(National University Hospital)及び韓国のYonsei University Health System, Severance Hospitalにて、胃がんを対象としたがんペプチドカクテルワクチンOTSGC-A24と免疫チェックポイント阻害剤(※23)オプジーボの併用第Ⅰ相試験を、医師主導治験として実施しております。 上記以外にも、複数の企業に対してがん治療用ペプチドワクチンに関する開発・製造・販売権を供与しております。(ⅲ)抗体医薬 がん治療用抗体医薬OTSA101については、日本における滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験の、患者登録が終了いたしました。本試験は、難治性又は再発性の滑膜肉腫患者を対象に、放射性同位元素を結合したOTSA101投与における安全性及び体内薬物動態の確認を主たる目的とするもので、第Ⅰ相の主目的である111In標識OTSA101投与後の安全性及び90Y標識OTSA101投与後の安全性・忍容性が確認されました。 また、当社連結子会社であったイムナス・ファーマ株式会社について、当社は、2024年3月28日の効力発生日をもって吸収合併(簡易合併・略式合併)しております。当社においても抗体医薬の分野での研究開発は実施しており、本吸収合併により抗アミロイドβペプチド抗体のライセンスアウト活動等を含む販売ならびに研究開発体制の強化、充実を図り、グループ全体の研究成果の有効利用ならびに経営合理化に資するものと考えています。 (b)がんプレシジョン医療関連事業 当社の連結子会社であるCPM社は、日本におけるがんプレシジョン医療を加速するため、がん遺伝子解析及び免疫解析に基づく臨床検査並びに研究受託を医療機関、製薬企業及び研究機関等に対して提供しております。また、CPM社は、当社の事業部門でありオンコアンチゲン(※24)をはじめとした、がん免疫療法の研究開発及びT/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析(※25)サービスを行っていた腫瘍免疫解析部の事業を継承しております。具体的な検査及び解析事業は以下のとおりです。(ⅰ)全ゲノムシーケンス解析 全ゲノムシーケンス解析は、ゲノム全域を対象に遺伝子情報を解析する手法です。従来実施している全エクソームシーケンス解析は、タンパク質を作る情報を持つ遺伝子の部分を集中的に解読するもので、その領域はゲノム全体の約2%に相当します。そのため全エクソームシーケンス解析は高効率、低コストで実施できますが、がん細胞でしばしば見られるゲノムの大規模な入れ替わりや欠如等の変異を検出するのは難しいとされています。これに対し、全ゲノムシーケンス解析はこれらの変異も検出することができるため、より包括的な情報を取得することができます。 CPM社は、厚生労働省による「全ゲノム解析等実行計画」に基づく事業、全ゲノム解析を日常診療へ取り入れることを目的に計画された全ゲノムシーケンス解析の一部について、継続して受注を獲得しております。また、公益財団法人がん研究会有明サテライトラボ内にCPM社の有明サテライトラボを事業所として開設しており、今後も継続的に大規模遺伝子解析業務へ参画してまいります。(ⅱ)ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法(※26) ネオアンチゲン解析は、がん細胞に生じた体細胞変異に由来し、免疫細胞の標的となる新生抗原(ネオアンチゲン)を解析する手法です。患者さん自身の腫瘍組織検体を用いて解析を行う方法に加えて、腫瘍組織が入手できない患者さんについては、血液を利用したリキッドバイオプシーの手法を用いてネオアンチゲン解析を行うことが可能になっています。 ネオアンチゲンは、正常細胞には発現していないため、非自己の抗原として非常に強い免疫反応を引き起こすと考えられています。ネオアンチゲン由来のペプチドを利用する樹状細胞療法は、ネオアンチゲン樹状細胞療法と呼ばれています。CPM社は、コスモ・バイオ株式会社と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託契約を締結しております。ネオアンチゲン解析により得られた結果に基づき、ペプチド合成をコスモ・バイオ株式会社に委託してがん免疫療法におけるペプチド合成期間の短縮を図るとともに、CPM社が行うがん検体を用いたネオアンチゲン解析サービスに、コスモ・バイオ株式会社が合成したペプチドをCPM社から医療機関及び研究機関に提供するサービスを付加したものを、パッケージ化して提供しています。 (ⅲ)リキッドバイオプシー(パネル解析、デジタルPCR法、cfDNA定量検査) リキッドバイオプシーは、血液等の体液を用いて疾患の診断や治療法の選択、治療効果の予測等を行う技術です。がん細胞から血液中に流れ出した微量な遺伝子変異を見つけられることから、がんの早期発見や適切な治療薬の選択、再発のモニタリングに有用であると考えられています。従来の組織生検に比べて身体への負担が少なく繰り返し検査を行うことができ、全身の状態をリアルタイムに調べられることが特長です。 CPM社では、研究機関及び医療機関等との共同研究の成果をもとに、薬剤選択や治療後のモニタリング、健康診断等を目的としたパネル解析、デジタルPCR法、cfDNA定量検査を医療機関より受託しております。 また、CPM社は、保険診療下で実施可能な、リキッドバイオプシーによりがん遺伝子を検査する新しいパネル及び検査手法(以下、「新規がん遺伝子パネル検査(※27)」といいます。)の開発に着手しております。本新規がん遺伝子パネル検査は、様々な固形がんに共通するがん遺伝子変異を対象にしており、既存の治療薬の標的となる遺伝子変異を包括的かつ安価に解析することを目指しております。また、がんと関連しない変異であるクローン性造血(※28)を対象に含めることにより、リキッドバイオプシーにおける偽陽性の評価や、クローン性造血のモニタリングに利用することも目的としています。さらに、保険適用を目指し、医療機器製造販売を行う企業との提携について検討を進めてまいります。本新規がん遺伝子パネル検査を開発することによって、繰り返しの検査に利用しやすく、保険診療下でも実施可能なリキッドバイオプシーの普及を目指すとともに、がんの早期発見や適切なタイミングでの治療薬の選択、感度の高い再発モニタリングの実現に貢献できるものと考えております。(ⅳ)免疫反応解析(ELISPOT解析、MHCテトラマー解析、TCR/BCRレパトア解析) 免疫反応解析はがんや自己免疫疾患、感染症、アレルギーなどの様々な疾患において、抗原特異的免疫応答を解析するために幅広く利用されています。 CPM社は免疫反応解析に係る複数の解析技術を有し、「申請資料の信頼性の基準(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第43条)」に準拠した試験にも対応しており、企業治験における解析試験の受託も行っております。(ⅴ)その他臨床検査及び受託解析サービス CPM社は、上記(ⅰ)~(ⅳ)の他、ヒトゲノムのうちタンパク質を翻訳するエクソン領域(エクソーム)を解析する全エクソームシーケンス解析、細胞中に存在する全てのRNAの配列及び発現量を解析するRNAシーケンス解析、単一細胞レベルでの遺伝子発現プロファイルを取得するシングルセルRNAシーケンス解析並びに微生物ゲノムを解析するメタゲノムシーケンス解析等を提供しております。市場動向や顧客からのご要望を踏まえ、新規技術の導入及びサービスの拡充を進めております。 [用語解説](※12)mRNA、cDNA、RNARNAはリボ核酸、mRNAはRNAのうち、メッセンジャーすなわち「伝令」の役割をするものです。人間の体は約60兆個の細胞によって作られていますが、体の構造や働きは主にタンパク質によって決まっています。そのタンパク質の設計図は遺伝子であり、そして、遺伝子の本体はDNAです。このDNAは細胞の核の中にある染色体に存在していますが、タンパク質は設計図であるDNAから直接作られるのではなく、一旦、DNAからRNAが作られ、そのRNAが翻訳されてタンパク質となります。この一旦作られるRNAを「伝令」、すなわちメッセンジャーRNA(mRNA)といいます。つまり、遺伝子情報の流れはDNA→mRNA→タンパク質というようになっています。cDNAは、mRNAから逆転写酵素を用いた逆転写反応によって合成されたDNAで、イントロンを含まない状態の遺伝子(塩基配列)を知ることができることから、遺伝子のクローニングに広く利用されています。(※13)マイクロアレイ小さな基板上に非常に高密度にDNAを配置し、それらを手がかりに大量の遺伝子情報を獲得することを目的として開発されたシステム。(※14)LMM(Laser Microbeam Microdissection)がん組織を顕微鏡下で観察すると正常細胞とがん細胞が複雑に入り混じっており、がん遺伝子の解析のためには、まずこのような組織からがん細胞の集団だけを取り出す必要があります。当社では共同研究において、LMM(Laser Microbeam Microdissection)法と呼ばれる技術を採用しております。LMM法による手順の概要は、以下のとおりであります。イ)ガラススライドに置いた組織片上に特別なフィルムを貼り付ける。ロ)コンピューターの画面を見ながら顕微鏡下に取り出したい部分を指定する。ハ)その部分だけにレーザー光を当てることによって、フィルムの基質を溶かし、目的の組織部分をフィルムに固定し、がん細胞だけを取り出す。(※15)リン酸化酵素(キナーゼ)化学反応を触媒するタンパク質は、「酵素」と呼ばれます。酵素のうち、反応の対象となる分子(「基質」)へのリン酸の付加(「リン酸化」)を触媒するものが、「リン酸化酵素(キナーゼ)」(kinase)です。特に、基質がタンパク質であるリン酸化酵素は、タンパク質リン酸化酵素(protein kinase)と呼ばれます。タンパク質の中には、リン酸化されることによってはじめて活性化するものが多くあります。活性化したタンパク質は、細胞レベルでの様々な現象の生起に関与することになります。がん細胞においては、正常細胞では不活発なタンパク質リン酸化酵素が活発化し、それによってリン酸化されて活性化したタンパク質が、異常な細胞増殖の発生に関与する場合があることが知られています。当社が創薬標的としているリン酸化酵素は、そのようなタンパク質リン酸化酵素です。(※16)リード化合物、リード最適化創薬研究で多数の化合物を探索する中で、標的タンパク質に対し十分な活性を有し、以降の新規化合物設計の原型(プロトタイプ)となるような化合物が得られたとき、それを「リード化合物」(lead compound)と称します。リード化合物の化学構造を様々に修飾して生体内での効果を高めていき、開発候補化合物を獲得するまでの過程が、「リード最適化」(lead optimization)です。(※17)in vivoin vitro(試験管内)と対比的に用いられ、「体の中で」を意味する医学・化学用語です。一般に生体内(主に実験動物)での実験的検証を意味します。(※18)薬効薬理薬が、その効果(薬効)を発揮する際に生体に対して及ぼす作用の様相(薬理)が、「薬効薬理」(pharmacology)です。例えば、がん細胞を移植したマウスに薬を投与して抗腫瘍効果の現れ方を調べる試験は、「薬効薬理試験」の一種です。(※19)薬物動態薬物は、生体に投与された時、吸収・分配・代謝・排泄の過程を経て、体内での存在状態を経時的に変化させていきます。その変化の様子のことを、「薬物動態」(pharmacokinetics)と呼びます。薬物動態を調べるために、例えば、血中の薬物濃度を経時的に測定する等の試験を行います。薬物動態の理解は、薬を効果的に作用させるのに必要な投与量や投与法、投与スケジュール等を検討するために役立ちます。(※20)HLA免疫の活性化に関与する分子(ヒト白血球抗原)です。断片化されたペプチドを結合した状態で細胞の表面に出てくることで、ペプチド(抗原)を提示します。このHLAに結合した状態のペプチドを免疫細胞が認識し、免疫反応が誘導されます。(※21)エピトープペプチド細胞の表面に出てくる断片化されたタンパク質(ペプチド)です。細胞表面のペプチドが目印となり、そのペプチドを発現しているがん細胞を免疫細胞が認識し攻撃します。(※22)トリプルネガティブ乳がんHER2及びホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)が陰性の乳がん。そのため、HER2に対する分子標的薬(ハーセプチン等)やホルモン療法の対象になりません。(※23)免疫チェックポイント阻害剤がん細胞は免疫抑制分子を作り出し、免疫細胞の機能を抑制し、免疫細胞からの攻撃を逃れる仕組みを持っています。免疫チェックポイント阻害剤は、免疫抑制分子に結合し、免疫細胞の機能抑制を解除する抗体です。これによって、免疫細胞ががん細胞を攻撃するようになります。(※24)オンコアンチゲンがん細胞において発現の上昇が認められる一方、正常細胞ではほとんど発現が認められず、がん細胞の生存や増殖に必須の機能を持ち、さらに免疫反応を引き起こす抗原性を有するタンパク質です。このタンパク質に由来するペプチドを用いると、がん細胞を傷害する活性化されたT細胞を誘導することができます。(※25)T/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析リンパ球の一種であるT細胞やB細胞の細胞表面に発現している受容体の塩基配列を網羅的に取得し、解析する技術です。これら受容体が他の細胞表面に出ている目印(抗原)を認識することによって、リンパ球の免疫反応を誘導します。T/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析によって、生体内での免疫状態変化のモニタリングや、疾患に関連するリンパ球の同定を行うことができます。(※26)樹状細胞療法樹状細胞は、ウイルスやがん細胞等が持っている目印(抗原)を提示して、リンパ球に攻撃するように指令を出す働きをもっています。この働きを利用して、患者さんの樹状細胞を血液から取り出し、がんの目印となる抗原(オンコアンチゲンやネオアンチゲン等)を提示させてから体内へ戻すことによって、リンパ球にがんを攻撃させる治療法を樹状細胞療法といいます。(※27)がん遺伝子パネル検査がんに関連する数十から数百種類の遺伝子を対象として、次世代シーケンサーを用いて、遺伝子変異を一度に調べる検査で、この検査に用いる試薬をパネルといいます。(※28)クローン性造血造血幹細胞が増殖する過程で遺伝子変異を伴う現象で、一般的に加齢に伴い増加するため、がんの遺伝子変異を検出する目的で行うリキッドバイオプシーにおいては偽陽性として検出されることが課題となっています。また、放射線や化学療法への曝露等他の要因でも増加し、血液がんや心血管病等、様々な疾病の発症リスクを高めることが報告されています。 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設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は154,564千円であり、この内訳はがんプレシジョン医療関連事業による工具、器具及び備品の追加取得(154,564千円)であります。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (1)提出会社 該当事項はありません。 なお、提出会社の事業所である本社は賃借物件であり、その概要は次のとおりであります。(事業所名)(所在地)年間賃借料(千円)(床面積)(賃借先)本社神奈川県川崎市川崎区7,986176.03㎡いちごオフィスリート投資法人 (2)国内子会社事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物機械及び装置工具、器具及び備品合計株式会社Cancer Precision Medicine クリニカルラボ(神奈川県川崎市川崎区)がんプレシジョン医療関連事業研究施設----25株式会社Cancer Precision Medicine 有明サテライトラボ(東京都江東区有明)がんプレシジョン医療関連事業研究施設----2合計----27(注)本社等の建物を賃借しており、年間賃借料は42,619千円であります。 (3)在外子会社 該当事項はありません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 重要な設備の新設等の計画はありません。 (2)重要な設備の除却等 重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 678,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 154,564,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 8 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,777,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 中村 祐輔東京都目黒区12,511,0005.75 特定有価証券信託受託者株式会社SMBC信託銀行東京都千代田区丸の内1-3-27,300,0003.35 中鶴 修一埼玉県さいたま市中央区5,850,0002.69 古川 洋一東京都品川区3,943,0001.81 荒川 博文東京都中央区2,487,4001.14 鈴木 克己東京都目黒区1,000,0000.46 北村 和子群馬県太田市978,0000.45 竹内 宏埼玉県さいたま市850,0000.39 丸田 隆長崎県佐世保市828,0000.38 豊岡 幸治東京都品川区783,9000.36計-36,531,30016.78 |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 25 |
株主数-外国法人等-個人 | 186 |
連結株主資本等変動計算書 | ③【連結株主資本等変動計算書】 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式当期首残高789,11424,793,617△23,686,179-当期変動額 新株の発行 減資 親会社株主に帰属する当期純損失(△) △1,118,644 自己株式の取得 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計--△1,118,644-当期末残高789,11424,793,617△24,804,823- 株主資本新株予約権純資産合計 株主資本合計当期首残高1,896,55383,6801,980,233当期変動額 新株の発行- -減資- -親会社株主に帰属する当期純損失(△)△1,118,644 △1,118,644自己株式の取得- -株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △6,419△6,419当期変動額合計△1,118,644△6,419△1,125,064当期末残高777,90877,260855,169 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式当期首残高789,11424,793,617△24,804,823-当期変動額 新株の発行394,700394,700 減資△1,133,8141,133,814 親会社株主に帰属する当期純損失(△) △1,288,138 自己株式の取得 △2株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計△739,1141,528,514△1,288,138△2当期末残高50,00026,322,132△26,092,962△2 株主資本新株予約権純資産合計 株主資本合計当期首残高777,90877,260855,169当期変動額 新株の発行789,400 789,400減資- -親会社株主に帰属する当期純損失(△)△1,288,138 △1,288,138自己株式の取得△2 △2株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △2,760△2,760当期変動額合計△498,741△2,760△501,502当期末残高279,16674,500353,666 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 31 |
株主数-個人その他 | 37,752 |
株主数-その他の法人 | 207 |
株主数-計 | 38,203 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 豊岡 幸治 |
株主総利回り | 0 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議または取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式212,905当期間における取得自己株式--(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -2,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)192,643,70025,000,000-217,643,700(変動事由の概要)増加数の内訳は、次のとおりであります。新株式の発行による増加2,000,000株新株予約権の権利行使による新株式の発行による増加23,000,000株 2 自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株) (注)1-21-21 (注)1 自己株式の数の増加は、単元未満株式の買取り21株による増加分であります。 |
Audit
監査法人1、連結 | やまと監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月25日 オンコセラピー・サイエンス株式会社 取締役会 御中 やまと監査法人 東京都港区 指定社員業務執行社員 公認会計士南出 浩一 指定社員業務執行社員 公認会計士木村 喬 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオンコセラピー・サイエンス株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オンコセラピー・サイエンス株式会社及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 継続企業の前提に関する重要な不確実性 継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。なお、当該事象又は状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は連結財務諸表に反映されていない。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 強調事項 重要な後発事象に記載されているとおり、会社は2024年4月5日付の取締役会において、第三者割当による第36回新株予約権の発行を決議し、2024年4月22日に払込手続が完了している。 重要な後発事象に記載されているとおり、第36回新株予約権の一部について権利行使があった。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。 連結子会社と関連当事者との取引監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 【注記事項】 【関連当事者情報】 に記載されているとおり、連結子会社は、株式会社UBSJと試薬・消耗品の購入及び固定資産の購入等の取引を行っている。 一般的に、関連当事者取引は、取引条件の決定に恣意性が介入し、独立第三者間取引と比べ、不合理な条件で取引が実行され、結果として不適切な費用が計上されるリスクがある。 また、当連結会計年度における株式会社UBSJとの取引金額は金額的重要性が高い。 以上より、当監査法人は連結子会社と関連当事者である株式会社UBSJとの取引を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社UBSJとの試薬・消耗品の購入取引及び固定資産の購入取引について、主として以下の監査手続を実施した。・取引の内容及び目的、並びに取引条件を理解するため、取締役会議事録及びその添付資料を閲覧するとともに、経営者へ質問を行った。・取引価格の妥当性を検討するために、一定金額以上の取引がある試薬・消耗品の購入品目及び一定金額以上の固定資産購入について、株式会社UBSJとの取引価格と、取締役会等で承認された価格との整合性を確認した。また、取引価格について、独立した第三者との取引価格の比較を行うとともに利用可能な外部情報の市場価格を比較した。・取引の実在性を検討するために、試薬・消耗品の購入取引及び固定資産の購入取引についてサンプルで、仕入証憑を照合した。当連結会計年度に購入した固定資産のうち、一定金額以上のものについて実査を行った。・当連結会計年度における取引金額及び期末日の債権債務金額について、確認状を送付し、金額の妥当性を検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、オンコセラピー・サイエンス株式会社の2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、オンコセラピー・サイエンス株式会社が2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上※1 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。 連結子会社と関連当事者との取引監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 【注記事項】 【関連当事者情報】 に記載されているとおり、連結子会社は、株式会社UBSJと試薬・消耗品の購入及び固定資産の購入等の取引を行っている。 一般的に、関連当事者取引は、取引条件の決定に恣意性が介入し、独立第三者間取引と比べ、不合理な条件で取引が実行され、結果として不適切な費用が計上されるリスクがある。 また、当連結会計年度における株式会社UBSJとの取引金額は金額的重要性が高い。 以上より、当監査法人は連結子会社と関連当事者である株式会社UBSJとの取引を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、株式会社UBSJとの試薬・消耗品の購入取引及び固定資産の購入取引について、主として以下の監査手続を実施した。・取引の内容及び目的、並びに取引条件を理解するため、取締役会議事録及びその添付資料を閲覧するとともに、経営者へ質問を行った。・取引価格の妥当性を検討するために、一定金額以上の取引がある試薬・消耗品の購入品目及び一定金額以上の固定資産購入について、株式会社UBSJとの取引価格と、取締役会等で承認された価格との整合性を確認した。また、取引価格について、独立した第三者との取引価格の比較を行うとともに利用可能な外部情報の市場価格を比較した。・取引の実在性を検討するために、試薬・消耗品の購入取引及び固定資産の購入取引についてサンプルで、仕入証憑を照合した。当連結会計年度に購入した固定資産のうち、一定金額以上のものについて実査を行った。・当連結会計年度における取引金額及び期末日の債権債務金額について、確認状を送付し、金額の妥当性を検討した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結子会社と関連当事者との取引 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 【関連当事者情報】 に記載されているとおり、連結子会社は、株式会社UBSJと試薬・消耗品の購入及び固定資産の購入等の取引を行っている。 一般的に、関連当事者取引は、取引条件の決定に恣意性が介入し、独立第三者間取引と比べ、不合理な条件で取引が実行され、結果として不適切な費用が計上されるリスクがある。 また、当連結会計年度における株式会社UBSJとの取引金額は金額的重要性が高い。 以上より、当監査法人は連結子会社と関連当事者である株式会社UBSJとの取引を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 【注記事項】 【関連当事者情報】 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、株式会社UBSJとの試薬・消耗品の購入取引及び固定資産の購入取引について、主として以下の監査手続を実施した。・取引の内容及び目的、並びに取引条件を理解するため、取締役会議事録及びその添付資料を閲覧するとともに、経営者へ質問を行った。・取引価格の妥当性を検討するために、一定金額以上の取引がある試薬・消耗品の購入品目及び一定金額以上の固定資産購入について、株式会社UBSJとの取引価格と、取締役会等で承認された価格との整合性を確認した。また、取引価格について、独立した第三者との取引価格の比較を行うとともに利用可能な外部情報の市場価格を比較した。・取引の実在性を検討するために、試薬・消耗品の購入取引及び固定資産の購入取引についてサンプルで、仕入証憑を照合した。当連結会計年度に購入した固定資産のうち、一定金額以上のものについて実査を行った。・当連結会計年度における取引金額及び期末日の債権債務金額について、確認状を送付し、金額の妥当性を検討した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | やまと監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2024年6月25日 オンコセラピー・サイエンス株式会社 取締役会 御中 やまと監査法人 東京都港区 指定社員業務執行社員 公認会計士南出 浩一 指定社員業務執行社員 公認会計士木村 喬 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオンコセラピー・サイエンス株式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの第23期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オンコセラピー・サイエンス株式会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 継続企業の前提に関する重要な不確実性 継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。なお、当該事象又は状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は財務諸表に反映されていない。 当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。 強調事項 重要な後発事象に記載されているとおり、会社は2024年4月5日付の取締役会において、第三者割当による第36回新株予約権の発行を決議し、2024年4月22日に払込手続が完了している。 重要な後発事象に記載されているとおり、第36回新株予約権の一部について権利行使があった。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項を除き、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上※1 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項を除き、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項を除き、監査報告書において報告すべき監査上の主要な検討事項はないと判断している。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
仕掛品 | 30,216,000 |
原材料及び貯蔵品 | 43,783,000 |
投資その他の資産 | 49,505,000 |
BS負債、資本
未払金 | 58,094,000 |
未払法人税等 | 1,475,000 |
未払費用 | 6,197,000 |
長期未払金 | 106,849,000 |
資本剰余金 | 26,194,061,000 |
利益剰余金 | -25,964,891,000 |
負債純資産 | 507,227,000 |
PL
売上原価 | 787,836,000 |
販売費及び一般管理費 | 230,430,000 |
受取利息、営業外収益 | 11,002,000 |
営業外収益 | 30,742,000 |