財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-25 |
英訳名、表紙 | SONY GROUP CORPORATION |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表執行役 吉田 憲一郎 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区港南1丁目7番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6748-2111(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月経過1946年5月電気通信機及び測定器の研究・製作を目的とし、東京都中央区日本橋に資本金19万円をもって東京通信工業㈱を設立。1947年2月本社及び工場を東京都品川区に移転。1955年8月東京店頭市場に株式公開。1958年1月社名をソニー㈱と変更。12月東京証券取引所上場。1960年2月米国にSony Corporation of America(以下「SCA」)を設立。1961年6月米国でADR(米国預託証券)を発行。1968年3月米国CBS Inc.との合弁により、シービーエス・ソニーレコード㈱を設立(当社50%出資)。(1988年1月 当社100%出資、1991年4月 ㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下「SMEJ」)に社名変更)1970年9月ニューヨーク証券取引所上場。1979年8月米国 The Prudential Insurance Co. of Americaとの合弁により、ソニー・プルーデンシャル生命保険㈱を設立(当社50%出資)。(1991年4月 ソニー生命保険㈱(以下「ソニー生命」)に社名変更、1996年3月 当社100%出資)1984年7月ソニーマグネスケール㈱の株式を東京証券取引所市場第二部に上場。(1996年10月 ソニー・プレシジョン・テクノロジー㈱に社名変更、2004年4月 ソニーマニュファクチュアリングシステムズ㈱に社名変更、2012年4月 ソニーイーエムシーエス㈱(2016年4月 ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱に社名変更)と統合)1987年7月ソニーケミカル㈱(2006年7月 ソニー宮城㈱と統合し、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス㈱に社名変更、2012年10月 デクセリアルズ㈱に社名変更)の株式を東京証券取引所市場第二部に上場。1988年1月米国CBS Inc.のレコード部門であるCBS Records Inc.を買収。(1991年1月Sony Music Entertainment Inc.に社名変更、2008年12月 Sony Music Holdings Inc.に社名変更)1989年11月米国Columbia Pictures Entertainment, Inc.を買収。(1991年8月 Sony Pictures Entertainment Inc.(以下「SPE」)に社名変更)1991年11月SMEJの株式を東京証券取引所市場第二部に上場。1993年11月㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント(2016年4月 ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメントに社名変更)を設立。1994年4月事業本部制を廃止し、新たにカンパニー制を導入。1995年10月マイケル・ジャクソンとの合弁により、Sony/ATV Music Publishing LLC(以下「Sony/ATV」)を設立(当社50%出資)。(2016年9月 当社100%出資)(2021年1月 Sony Music Publishing (US) LLCに社名変更)1997年6月執行役員制を導入。1999年4月カンパニーを統合・再編し、新たにネットワークカンパニー制を導入。2000年1月上場子会社3社(SMEJ、ソニーケミカル㈱(現:デクセリアルズ㈱)、ソニー・プレシジョン・テクノロジー㈱(現:ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱))を株式交換により完全子会社化。(2012年9月 ソニーケミカル&インフォメーションデバイス㈱(現:デクセリアルズ㈱)を含むケミカルプロダクツ関連事業を㈱日本政策投資銀行に売却)2001年4月組立系設計・生産プラットフォーム会社ソニーイーエムシーエス㈱(現:ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱)を設立。半導体設計・生産プラットフォーム会社ソニーセミコンダクタ九州㈱(2011年11月 ソニー白石セミコンダクタ㈱と統合し、ソニーセミコンダクタ㈱に社名変更、2016年4月 ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱に社名変更)を設立。10月Telefonaktiebolaget LM Ericssonとソニーグループ㈱の携帯電話端末事業における合弁会社Sony Ericsson Mobile Communications ABを設立(当社50%出資)。(2012年2月 当社100%出資、Sony Mobile Communications ABに社名変更)2002年10月上場子会社アイワ㈱を株式交換により完全子会社化(2002年12月 吸収合併)。2003年6月委員会等設置会社へ移行。 年月経過2004年4月ソニーフィナンシャルホールディングス㈱(以下「SFH」。ソニー生命、ソニー損害保険㈱(以下「ソニー損保」)及びソニー銀行㈱(以下「ソニー銀行」)を子会社とする持株会社)を設立。(2007年10月 SFHの株式を東京証券取引所市場第一部に上場、2021年10月 ソニーフィナンシャルグループ㈱(以下「SFGI」)に社名変更)Samsung Electronics Co., Ltd.(以下「Samsung」)と液晶ディスプレイパネル製造を行う合弁会社 S-LCD Corporationを設立(当社50%マイナス1株出資)。(2012年1月 ソニーが保有する持分全てをSamsungに売却)8月ソニーの海外音楽制作事業において、Bertelsmann AGと合弁会社 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENTを設立(当社50%出資)。(2008年10月 当社100%出資、2009年1月 Sony Music Entertainment(以下「SME」)に社名変更)2005年4月SCA及び米国の複数投資家グループなどからなるコンソーシアムがMetro-Goldwyn-Mayer Inc.を買収。10月ネットワークカンパニー制を廃止し、事業本部・事業グループなどからなる新組織を導入。12月ソニーコミュニケーションネットワーク㈱(2006年10月 ソネットエンタテインメント㈱に社名変更、2013年7月 ソネット㈱に社名変更、2016年7月 ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱(以下「SNC」)に社名変更)の株式を東京証券取引所マザーズに上場。2007年2月2008年1月本社を東京都港区に移転。SNCが東京証券取引所マザーズから市場第一部へ市場変更。(2013年1月 SNCにつき、公開買付けによる株式の取得及び株式交換を経て、完全子会社化)2012年6月SCAを含む出資グループがEMI Music Publishingを所有し運営するためにDH Publishing, L.P.(以下「EMI」)を設立し、EMI Music Publishingを買収。かかる買収にともない、SCAとEstate of Michael Jackson(以下「MJ財団」)がそれぞれ74.9%と25.1%を保有するNile Acquisition LLC(以下「Nile」)がEMIの持分約40%を取得。(2018年7月 MJ財団が保有するNileの持分の取得にともない、当社約40%出資。2018年11月 EMIの残りの約60%の持分取得にともない、当社100%出資。2021年1月 NileがSony Music Publishing LLC(以下「SMP」)に社名変更。SMPは、旧Sony/ATV及びEMIを束ね、音楽出版事業を運営。)2013年4月オリンパス㈱と医療事業における合弁会社ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ㈱を設立。(当社51%出資)2014年7月ソニーがVAIOブランドを付して運営するPC事業を、ソニーから日本産業パートナーズ㈱に譲渡。テレビ事業を分社化し、ソニービジュアルプロダクツ㈱(以下「SVP」)として営業開始。2015年10月ビデオ及びサウンド事業を分社化し、ソニービデオ&サウンドプロダクツ㈱(以下「SVS」)として営業開始。2016年4月イメージング&センシング・ソリューション事業を分社化し、ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱(以下「SSS」)として営業開始。2017年4月イメージング・プロダクツ&ソリューション事業を分社化し、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ㈱(以下「SIPS」)として営業開始。9月電池事業を㈱村田製作所グループへ譲渡。2019年4月SVPとSVSが統合し、ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ㈱(以下「SHES」)として営業開始。2020年4月エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業を束ねる中間持株会社としてソニーエレクトロニクス㈱を設立。2020年9月SFH(現:SFGI)を株券等の公開買付け及び同社の普通株式の全てを取得することを目的とした手続により完全子会社化。2021年4月当社をグループ本社機能に特化した会社とするため、社名をソニーグループ㈱に変更。これにともない、ソニーエレクトロニクス㈱、SHES、SIPS及びソニーモバイルコミュニケーションズ㈱が統合し、ソニー㈱として営業開始。あわせて、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業及びイメージング・プロダクツ&ソリューション事業の本社間接機能をソニー㈱及びSSSに移管。2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。2022年7月Sony Interactive Entertainment LLCが米国の独立系ゲーム開発会社であるBungie, Inc.(以下「Bungie」)を買収。2022年9月本田技研工業株式会社とモビリティ分野における合弁会社ソニー・ホンダモビリティ㈱(以下「ソニー・ホンダモビリティ」)を設立(当社50%出資)。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 ゲーム&ネットワークサービス(以下「G&NS」)分野には、主にネットワークサービス事業、家庭用ゲーム機の製造・販売及びデジタルソフトウェア・アドオンコンテンツの制作・販売が含まれています。音楽分野には、主に音楽制作、音楽出版及び映像メディア・プラットフォーム事業が含まれています。映画分野には、主に映画製作、テレビ番組制作及びメディアネットワーク事業が含まれています。エンタテインメント・テクノロジー&サービス(以下「ET&S」)分野には、主にテレビ事業、オーディオ・ビデオ事業、静止画・動画カメラ事業、スマートフォン事業及びインターネット関連サービス事業が含まれています。イメージング&センシング・ソリューション(以下「I&SS」)分野には、主にイメージセンサー事業が含まれています。金融分野には、主に日本における個人向け生命保険及び損害保険を主とする保険事業ならびに銀行業が含まれています。その他分野は、ディスク製造事業、記録メディア事業等の様々な事業活動から構成されています。ソニーの製品及びサービスは、一般的にはそれぞれのオペレーティング・セグメントにおいて固有のものです。 2024年3月31日現在の子会社数は1,667社、関連会社数は163社であり、このうち連結子会社(ストラクチャード・エンティティ含む)は1,634社、持分法適用会社(共同支配企業を含む)は150社です。 なお、当社の連結財務諸表はIFRSにもとづいて作成しており、関係会社の情報についてもIFRSの定義にもとづいて開示しています。「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」においても同様です。 また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値にもとづいて判断することとなります。 G&NS、音楽、映画、ET&S、I&SS、金融及びその他の各分野の事業内容ならびに主要会社は以下のとおりです。事業区分及び主要製品主要会社 ゲーム&ネットワークサービス ネットワークサービス家庭用ゲーム機デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメントSony Interactive Entertainment LLCSony Interactive Entertainment Europe Ltd. 音楽 音楽制作パッケージ及びデジタルの音楽制作物の販売アーティストのライブパフォーマンスからの収入㈱ソニー・ミュージックエンタテインメントSony Music EntertainmentSony Music Publishing LLC 音楽出版楽曲の詞、曲の管理及びライセンス 映像メディア・プラットフォームアニメーション作品及びゲームアプリケーションの制作・販売音楽・映像関連商品のサービス提供 映画 映画製作映画作品の製作・買付・配給・販売Sony Pictures Entertainment Inc.CPT Holdings, Inc. テレビ番組制作テレビ番組の制作・買付・販売 メディアネットワークテレビネットワーク、DTC(Direct-to-Consumer)配信サービスのオペレーション エンタテインメント・テクノロジー&サービス テレビ液晶テレビ有機ELテレビソニー㈱ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱ソニーマーケティング㈱Sony Electronics Inc.Sony Electronics (Singapore) Pte. Ltd.Sony EMCS (Malaysia) Sdn. Bhd.Sony Europe B.V.索尼(中国)有限公司 オーディオ・ビデオブルーレイディスクプレーヤー/レコーダー家庭用オーディオヘッドホンメモリ内蔵型携帯オーディオ 静止画動画カメラレンズ交換式カメラコンパクトデジタルカメラ民生用・放送用ビデオカメラ モバイル・コミュニケーションスマートフォンインターネット関連サービス その他プロジェクターなどを含むディスプレイ製品医療用機器 イメージング&センシング・ソリューション イメージセンサー ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱ソニーセミコンダクタエネルギーマネジメント㈱ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱Sony Electronics Inc.Sony Electronics (Singapore) Pte. Ltd.Sony Europe B.V. 金融 生命保険損害保険銀行 ソニーフィナンシャルグループ㈱ソニー生命保険㈱ソニー損害保険㈱ソニー銀行㈱その他 上記カテゴリーに含まれない製品やサービスディスク製造記録メディアその他の事業当社ソニーストレージメディアソリューションズ㈱ソニーマーケティング㈱ [ビジネスセグメントの関連性] I&SS分野では、国内及び海外の製造会社が製造した一部のイメージセンサー等を、G&NS分野及びET&S分野の会社に供給しています。 音楽分野及びその他分野のディスク製造では、国内及び海外の製造会社が製造した一部のパッケージメディアを、G&NS分野及び映画分野の会社に供給しています。 事業の系統図は以下のとおりです。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 (1) 連結子会社名称住所資本金(百万円)主な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント *3東京都港区110G&NS100.0・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・無㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント東京都千代田区100音 楽100.0・役員の兼任等・・・・・有ソニー㈱ *3東京都港区3,000ET&S100.0・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・有ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱ *3東京都港区100ET&S、I&SS100.0(100.0)・当社製品の製造会社です。・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・無ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱東京都港区7,970ET&S100.0(100.0)・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・無ソニーマーケティング㈱東京都港区400ET&S、その他100.0(100.0)・当社製品の国内における販売会社です。・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・無ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ *3神奈川県厚木市400I&SS100.0・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・有ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱熊本県菊池郡100I&SS100.0(100.0)・当社製品の製造会社です。・当社所有の土地・建物の一部を工場用として賃借しています。・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・役員の兼任等・・・・・無ソニーセミコンダクタエネルギーマネジメント㈱熊本県菊池郡10I&SS100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無ソニーストレージメディアソリューションズ㈱東京都港区10その他100.0・当社所有の建物の一部を事務所用として賃借しています。・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・無ソニーグローバルソリューションズ㈱東京都港区100全社(共通)100.0・当社の賃借建物の一部を事務所用として転借しています。・役員の兼任等・・・・・無ソニーフィナンシャルグループ㈱ *5東京都千代田区20,029金 融100.0 ・役員の兼任等・・・・・有 ソニー生命保険㈱東京都千代田区70,000金 融100.0(100.0)・当社へ所有建物の一部を事務所用として賃貸しています。・役員の兼任等・・・・・無 名称住所資本金(百万円)主な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容ソニー銀行㈱東京都千代田区38,500金 融100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無ソニー損害保険㈱東京都大田区20,000金 融100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無Sony Corporation ofAmerica *3アメリカニューヨーク百万米ドル11,421その他、全社(共通)100.0・役員の兼任等・・・・・有Sony Interactive Entertainment LLC *4アメリカカリフォルニア-G&NS100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・有Sony Music Entertainmentアメリカデラウェア-音 楽100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・有Sony Music Publishing LLCアメリカデラウェア-音 楽100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・有Sony PicturesEntertainment Inc. *3アメリカデラウェア米ドル110映 画100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・有Columbia Pictures Industries, Inc.アメリカデラウェア米ドル101映 画100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無CPT Holdings, Inc.アメリカデラウェア米ドル1映 画100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無Sony Electronics Inc.アメリカデラウェア米ドル572ET&S、I&SS100.0(100.0)・当社製品の米国における製造・販売会社です。・役員の兼任等・・・・・無Sony Interactive Entertainment Europe Ltd.イギリスロンドン千ユーロ75,075G&NS100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無Sony Europe B.V.イギリスサリー千ユーロ10ET&S、I&SS100.0(100.0)・当社製品の欧州における製造・販売会社です。・役員の兼任等・・・・・無Sony Global Treasury Services Plcイギリスサリー千米ドル74全社(共通)100.0(100.0)・役員の兼任等・・・・・無Sony Overseas Holding B.V.オランダ北ホラント千ユーロ181,512全社(共通)100.0・役員の兼任等・・・・・無索尼(中国)有限公司中国北京千元1,006,936ET&S100.0(100.0)・当社製品の中国における販売会社です。・役員の兼任等・・・・・有Sony EMCS (Malaysia)Sdn. Bhd.マレーシアセランゴール千米ドル8,115ET&S100.0(100.0)・当社製品のマレーシアにおける製造会社です。・役員の兼任等・・・・・無Sony Electronics(Singapore) Pte. Ltd.シンガポール千米ドル181,974ET&S、I&SS、全社(共通)100.0(100.0)・当社製品のシンガポールにおける販売会社です。・役員の兼任等・・・・・無Sony Device Technology (Thailand) Co., Ltd.タイバンカディ千タイバーツ1,062,000I&SS100.0(100.0)・当社製品のタイにおける製造会社です。・役員の兼任等・・・・・無その他 *6 1,603社 (2) 持分法適用会社名称住所資本金(百万円)主な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容エムスリー㈱ *5東京都港区29,317 その他33.9・役員の兼任等・・・・・有その他 *6 149社 (注) 1「主な事業の内容」には、セグメントの名称を記載しています。 2議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内書です。 *3特定子会社に該当します。 *4Sony Interactive Entertainment LLCについては売上高(連結会社間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。主要な損益情報等は以下のとおりです。なお、各数値は連結決算数値です。 主要な損益情報等売上高及び金融ビジネス収入(百万円)税引前当期純利益(百万円)当期純利益(百万円)純資産額(百万円)総資産額(百万円)Sony Interactive Entertainment LLC2,153,7604,48427,761591,2931,610,295 *5有価証券報告書を提出しています。 *6(1)連結子会社のその他に含まれる会社のうち有価証券報告書を提出している会社は、SMN㈱です。また、 (2)持分法適用会社のその他に含まれる会社のうち有価証券報告書を提出している会社は、㈱エニグモ及びSREホールディングス㈱です。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2024年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ゲーム&ネットワークサービス12,700音楽11,300映画9,500エンタテインメント・テクノロジー&サービス38,700イメージング&センシング・ソリューション19,700金融13,600その他1,900全社(共通)5,600合計113,000 (注) 1 従業員数は百人未満を四捨五入して記載しています。 2 2023年度末の従業員数は、主にイメージング&センシング・ソリューション分野の中国製造拠点において人員減少がありましたが、映画(海外)分野等における人員増加により、前年度末とほぼ同数の約113,000名となりました。 (2)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)2,10942.415.811,132,231 セグメントの名称従業員数(人)全社(共通)2,109 (注) 1 2023年度末の従業員数は、グループ会社間の機能移管により、前年度末に比べ336名減少し、2,109名となり ました。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。 (3)労働組合の状況 ソニーの労働組合員数は全従業員数の約8%であり、労使関係は良好です。 (4)提出会社及び国内の主要な連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合等の状況2024年3月31日現在①提出会社会社名管理職に占める女性労働者の割合 *1男性労働者の育児休業取得率 *2労働者の男女の賃金の差異 *1 *3 *4全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者ソニーグループ㈱18.4%76%83.2%83.4%70.0% ②国内の主要な連結子会社会社名管理職に占める女性労働者の割合 *1男性労働者の育児休業取得率 *2労働者の男女の賃金の差異 *1 *3 *4全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント14.2%81%78.7%81.9%56.8%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント25.9%40%67.9%76.3%78.3%ソニー㈱8.4%86%81.8%81.1%84.9%ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱6.1%90%74.4%73.2%111.6%ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱12.8%69%81.2%80.9%73.0%ソニーマーケティング㈱9.8%85%75.5%75.4%86.7%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱4.3%96%77.4%78.4%67.8%ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱2.0%91%77.8%78.1%77.6%ソニー生命保険㈱6.9%43%43.0%57.0%18.5%ソニー銀行㈱24.4%50%72.1%71.7%66.2%ソニー損害保険㈱7.0%76%48.0%56.6%32.5% (注)*1 「管理職に占める女性労働者の割合」及び「労働者の男女の賃金の差異」については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下「女性活躍推進法」)の規定にもとづき、総管理職数に占める女性管理職数の割合及び男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合で示した数値(それぞれ小数第2位を四捨五入し小数第1位まで表記)を記載しています。*2 「男性労働者の育児休業取得率」については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)(以下「育児・介護休業法」)の規定にもとづき、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児休業等をしたものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用したものの数の合計数の割合(小数第1位以下を切り捨て)を、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(平成3年労働省令第25号)(以下「育児・介護休業法施行規則」)第71条の4第2号に掲げる割合として算出しています。 *3 「労働者の男女の賃金の差異」の数値については、以下を前提として算出しています。・対象期間:2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)・賃金:基本給、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く・正規雇用労働者:短時間勤務者を含み、社外からの出向受入社員、海外からの赴任者、対象期間中に満期で国内在籍していない社員(赴任、休職、入社、退社等)等を除く・パート・有期労働者:有期契約社員(定年再雇用社員を含む)、嘱託社員、パートタイムを含み、派遣社員を除く*4 雇用管理区分別の男女比率や等級別の男女の賃金の差異等の詳細については各社の女性活躍推進法にもとづく開示をご参照ください。 5 国内の連結子会社のうち主要な連結子会社以外の会社の状況については、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)主要な連結子会社以外の国内の連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合等の状況」をご参照ください。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ソニーの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 2023年度の世界経済は、引き続き欧米を中心としたインフレ及びそれにともなう為替変動の影響を受けました。特に米国ではインフレが継続する中でも、個人消費が底堅く推移したことで、連邦準備制度理事会による利下げ実施に対する観測が後退しました。その結果、金融緩和を継続する日本との金利差が拡大し、円相場は2022年度に引き続き大きく変動しました。中国ではゼロコロナ政策撤回による個人消費の回復はあったものの、不動産市場の長期的な低迷が景気を下押ししました。今後の世界経済の見通しは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化や中東情勢の不安定化などにより、一層不確実性が高まっています。 ソニーは、グローバルに多様な事業を展開しており、これらの世界経済の状況の変化に加えて、米中関係の緊張による地政学リスクの高まりや人工知能(以下「AI」)のような技術の急速な進化、地球環境問題や社会の分断への対応など、ソニーの事業を取り巻く環境は大きく変化しています。 ソニーは、これらの事業環境の変化に迅速に対応し、各事業の収益構造の強化に取り組むとともに、長期視点の経営を重視し、グループ全体の企業価値向上のための取り組みを続けてきました。 2024年5月23日に開催した2024年度経営方針説明会では、会長 CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎が経営の方向性を、そして社長 COO(最高執行責任者) 兼 CFO(最高財務責任者)の十時裕樹が長期ビジョンとその実現に向けた取り組みを紹介しました。 吉田は、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)のもと、コンテンツ、プロダクツ&サービス、半導体(CMOSイメージセンサー)という3つのビジネスレイヤーにおいてソニーが取り組んできた「クリエイションシフト」について説明しました。そして、CMOSイメージセンサーやゲームエンジンを用いた「リアルタイム・クリエイション」について言及し、今後もテクノロジーを通じて人々のクリエイティビティに貢献していくと述べました。 続いて十時が、第五次中期経営計画(2024~2026年度)の先にある未来のソニーの長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を紹介しました。そして、この長期ビジョンの示す方向性に向けて、IP価値最大化の取り組みとそれを支える技術基盤の確立を着実に進めるとともに、事業と人材の多様性の継続的な進化により、さらなる成長の実現をめざすと述べました。詳細は以下のとおりです。 (1) グループシナジーの加速と進化 G&NS、音楽、映画の3つのエンタテインメント事業は、2023年度のグループ連結売上高の約6割を占める。2021年のグループアーキテクチャー再編により、グループシナジーも加速。パーシャル・スピンオフに向けて準備を開始した金融事業については、自立を通じたさらなる進化を、ソニーブランドの利用や各事業との連携強化によりグループ全体で支えていく。 (2) クリエイションシフト ソニーは、エンタテインメントへの注力に加えたもう1つの経営の方向性として、以下の3つのビジネスレイヤーの軸足を「クリエイション」側にシフトしてきた。 ① 「感動」に直結するコンテンツ・ ソニーは、2018年のEMIの買収を起点に6年間で約1.5兆円を投資し、コンテンツクリエイションを強化。2021年にはアニメに特化したDirect-to-Consumer(以下「DTC」)サービス「Crunchyroll」を買収し、アニメクリエイターコミュニティへの貢献を志す。 ② 「感動」を生み出すプロダクツ&サービス・ ET&S分野では、クリエイターとともにエンタテインメントを創造することに注力。2023年度におけるET&S分野の営業利益の8割以上がクリエイションに関わるビジネス(イメージング、スポーツ、バーチャルプロダクション、プロオーディオ等)から創出。 ③ クリエイションを支える半導体・ ソニーは、クリエイションを支えるCMOSイメージセンサーに注力し、過去6年間で約1.5兆円の設備投資を実施。ソニーのCMOSイメージセンサーは、新たなエンタテインメント空間と位置付けているモビリティの安全にも貢献。(3) リアルタイム・クリエイション ソニーは、「リアルタイム」をキーワードに、CMOSイメージセンサーやゲームエンジンのクリエイションテクノロジーに注力していく。 ① 「瞬間」を捉えるテクノロジー・ グローバルシャッター方式のフルサイズイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラ『α9 III』は、2024年3月に英国・グラスゴーで開催された「2024世界室内陸上競技選手権大会」でも活用された。・ ソニーが2024年に発表した5G対応ポータブルデータトランスミッター『PDT-FP1』による撮影現場でのリアルタイム写真転送は、迅速な報道・制作を可能にし、スポーツの感動を届けることに貢献。・ デジタルシネマカメラ『VENICE』シリーズの映画業界での採用と、他の映像制作への活用が拡大。 ② 真正性(Authenticity)を検証するリアルタイム技術・ クリエイターが現実世界を「ありのまま」に捉えることの意義は大きく、ソニーのCMOSイメージセンサーは画像の真正性を検証することに生かされている。 ③ アイデアをリアルタイムで形にするテクノロジー ソニーが出資するEpic Games, Inc.(以下「Epic Games」)のUnreal Engineを、様々なクリエイションのプロセスに活用。・ SPEの次世代ビジュアライゼーション施設「Torchlight」は、映像コンテンツの制作前に、リアルタイムでのクリエイターのビジョンの探索、構想、具現化が可能。・ 撮影監督も俳優もその場で映像を確認できる撮影手法であるバーチャルプロダクションの提供。・ 現実空間に3Dコンテンツを重ねながらコンテンツ制作や編集ができる没入型空間コンテンツ制作システムにより、没入感のある制作体験を提供。・ 北米のプロスポーツリーグの「ライブ」の場でも、現実の選手の動きをトラッキングし、リアルタイムで3Dアニメーション化することで、新たなファンの裾野を広げる。 (4) 長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」 ソニーは、今後のテクノロジーの進化を見据えながら、10年後のソニーのありたい姿を描いた長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を策定。 「Creative Entertainment Vision」における3つのフェーズ:① 「Creativity Unleashed」:テクノロジーを活用し、フィジカル、バーチャル、時間といった次元を超え、世界中のクリエイターの創造性を解き放つ。② 「Boundaries Transcended」:境界を超えて多様な人々や価値観を繋げ、熱量の高いコミュニティを育む。③ 「Narratives Everywhere」:クリエイターとともに、想像を超えたわくわくするストーリー性のある体験を作り、感動の新たなタッチポイントとして世界中に広げる。 (5) IP価値最大化に向けた現在の取り組み ソニーは、「Creative Entertainment Vision」が示す方向性に向けて、現在、様々なエンタテインメントカテゴリにおいてIP価値最大化の取り組みを進めている。 ① IPの創出アニメ・ SMEJ傘下の株式会社アニプレックス(以下「アニプレックス」)による、高品質な作品の制作。・ 1,300万人超の有料会員を抱えるCrunchyrollを通じた海外配信。・ アニプレックス傘下の制作スタジオである株式会社A-1 Picturesや株式会社CloverWorksを中心にSMEJ、ソニーグループのエンジニアと連携して開発中のアニメ制作ソフト『AnimeCanvas』を通じた、制作環境と効率の改善、作品品質の向上。・ アニプレックスとCrunchyrollを中核に、業界とも連携して海外のアニメクリエイターを育成するアカデミーの設立検討を開始。映画・ SPE傘下のPixo Holdings, Inc.(Pixomondo)がEpic Gamesと連携し、バーチャルプロダクションなどの技術を駆使できる映像クリエイターを育成。 音楽・ SMEJ所属の、小説を音楽にするプロジェクトから誕生したアーティスト「YOASOBI」など、ユニークなアプローチによる新たなIPの創出。スポーツ・ Hawk-Eye Innovations Ltd.のトラッキングシステムによるプレー中の選手の骨格などのデータの取得と、Beyond Sportsの技術によるリアルタイムでの3Dアニメーション化を通じた、新たなエンタテインメント・コンテンツの創出。 ② IPの育成アニメ・ クリエイターをたたえ、アニメIPと文化をファンとともに育てていくCrunchyroll Anime Awardsは、過去最高の3,400万以上の投票数を記録(2024年)。ゲーム / 映画・ PlayStation ProductionsによるゲームIPの実写映像化。『Horizon』、『God of War』などを今後公開予定。音楽・ 熱量の高いファンが新たな文化を創り出すファンダムアーティストを育成し、ファンコミュニティを拡大。 ③ 境界を超えてIPを拡張する「IP360」ゲーム・ 『アンチャーテッド』などのゲームIPをロケーションベースエンタテインメント(以下「LBE」)に展開。音楽・ グラミー賞を受賞したラッパー、シンガーソングライターのLil Nas Xが初のワールドツアーに臨む姿を記録したドキュメンタリー『Lil Nas X: Long Live Montero』の制作。・ SPEなどによる、各メンバーの視点からビートルズの歴史を振り返る伝記映画4本の同時制作。全カテゴリ共通・ LBE:ソニーのIPと技術を掛け合わせた、没入体験を提供するアトラクションを世界各地で展開。・ マーチャンダイジング:IPをグッズ化し、ファンの愛着を高める。グループ間連携も加速。・ モビリティ:センシングデータ等から搭乗者や周辺環境を把握して提供するエンタテインメント・コンテンツや音響技術を活用し、車内をパーソナライズされたエンタテインメント空間とすることで、移動体験の価値を向上。パートナー企業のIP展開に対する貢献・ Crunchyroll Games, LLCがパブリッシングを行うモバイルRPG『Street Fighter™:Duel』・ 実在のオブジェクトを高品位な3Dモデルに変換する「ハイクオリティスキャンソリューション」を活用し、「ガンダムメタバース」内へスキャンガンプラを展示。 ④ IP価値最大化のグローバル展開:多様な文化的背景や地域に根差した魅力を持つクリエイターをサポート・ インドの有望なゲーム開発者を発掘、支援し、世界中に魅力的なゲーム体験を届ける「India Hero Project」において、現在、5本のゲームタイトルを開発中。・ アフリカでのエンタテインメント事業を育成するために設立されたコーポレートベンチャーキャピタル「Sony Innovation Fund: Africa」。新興国での投融資活動をしている国際金融公社とも提携。 (6) IP価値最大化を支える技術基盤 クリエイターがIP価値最大化を高品質かつ効率的に行うために重要な技術基盤が、センシング及びキャプチャリング、リアルタイム3D処理、AI技術及び機械学習です。ソニーの強みとして研究開発・応用を進めており、将来的にはスピーディーかつ低コストにIPを幅広いファンに届けられるソリューションの構築をめざす。また、IP価値最大化の取り組みをより効率的に行うために、グループ共通のエンゲージメントプラットフォームの構築も検討する。 ① センシング及びキャプチャリング・ ボリュメトリックキャプチャスタジオは、フォトリアルな再現が可能で制作自由度も高いため、映画などの複雑なアクションシーンで使われている。今後はグループ各社で蓄積した3Dアセットの組織横断での活用と、外販を検討。 ② リアルタイム3D処理・ Unreal Engineを軸にEpic Gamesとの連携を深め、バーチャルプロダクションで撮影したミュージックビデオと同じ世界観の中で遊べるゲーム制作のほか、CGのショートフィルムをリアルタイム制作する実証実験を実施。 ③ AI技術及び機械学習・ 『Marvel’s Spider-Man 2』では機械学習を活用し、ゲームに特化した独自の音声認識ソフトウェアを使い、一部の言語において、登場するキャラクターのセリフに合わせて自動で字幕のタイミングを同期。これにより、字幕の制作工程の大幅な短縮を実現。・ インドにおける、映像コンテンツの吹き替えや翻訳の工程短縮の研究開発。 ④ エンゲージメントプラットフォームの発展・ 強固なネットワークサービスを確立しているPlayStation Networkのネットワーク基盤をベースとしたアカウント、決済、データ基盤、セキュリティなどのコア機能を、拡大を続けるCrunchyrollに展開することで、ソニーグループとしてのエンゲージメントプラットフォームへの発展を計画。・ ソニーグループ全体の各種サービスのID共通化も進めるほか、モビリティやLBEなどに向けたグループ内の新規ネットワークサービスの展開をサポートしていき、将来的には、ファンエンゲージメント特化型の共通プラットフォームとして、広くエンタテインメント業界で活用されることをめざす。 (7) 多様な事業と人材による成長の実現 ソニーは、多様な人材が集まり、異なる属性や経験を持つことを強みとしてきた。M&Aを通じて、エンタテインメント事業を中心に新たな考え方や知見を取り入れている。また、外国籍役員比率や女性管理職比率は、年々増加している。今後も、事業と人材の多様性を継続的に進化させ、長期視点での価値創出とさらなる成長の実現をめざす。 当社は、2024年5月14日に開催した2023年度連結業績説明会において、2021年度から2023年度の3年間の第四次中期経営計画の実績と、2024年度から2026年度の3年間の第五次中期経営計画を発表しました。詳細は以下のとおりです。 経営数値目標及びキャピタルアロケーション<第四次中期経営計画 経営数値目標とその成果>・ 第四次中期経営計画では、経営を引き続き長期視点で行っていくため、経営指標には3年間累計の指標を用いることとし、3年間累計の調整後EBITDAを最も重視する経営指標(以下「グループKPI」)としました。・ 2021年度から2023年度までの3年間において、連結ベースで累計4.3兆円の調整後EBITDAを創出するという数値目標を設定しましたが、その実績は、音楽分野及び映画分野を中心に当初計画を上回って進捗した結果、目標を19%上回り、累計約5.1兆円となりました。・ 第四次中期経営計画におけるキャピタルアロケーションについては、その計画期間を超えた長期的な事業の成長に向けて、設備投資に1.5兆円、自己株式の取得を含む戦略投資に2兆円以上を配分する計画に対し、設備投資は約1.9兆円、戦略投資は自己株式の取得約0.4兆円を含む約1.7兆円となりました。設備投資は、I&SS分野におけるイメージセンサー向け投資と、全社R&DやG&NS分野におけるサーバー投資などの増加により当初計画を上回りました。戦略投資は、運転資金及び設備投資の増加と、足もとのM&A市場環境を考慮した結果、当初計画を下回りましたが、長期的な成長に向けた投資を着実に実行しました。このキャピタルアロケーションの原資として、2021年度から2023年度の3年間累計で3.8兆円以上の金融分野を除く連結ベースの営業キャッシュ・フローを創出するという当初計画に対し、実績は約3.9兆円となりました。これは、G&NS分野やI&SS分野の運転資金の増加による減少があった一方で、事業や資産の売却、及び厳格な財務規律の範囲内での借入を行ったことなどによるものです。 <第五次中期経営計画 経営数値目標>・ 第五次中期経営計画においては、利益ベースの成長をより重視することとし、金融分野を除く連結ベースの営業利益の成長率及び営業利益率をグループKPIとしました。具体的には、3年間の連結営業利益の年平均成長率を10%以上とすること、及び3年間累計の連結営業利益率を10%以上とすることを目標としています。・ 第五次中期経営計画におけるキャピタルアロケーションについては、設備投資に1.7兆円、戦略投資については、各事業における成長投資と機動的な自己株式の取得に1.8兆円を割り当てる計画です。また、キャピタルアロケーションの主な原資である3年間累計の金融分野を除く連結ベースの営業キャッシュ・フローは、第五次中期経営計画期間における利益成長に加え、第四次中期経営計画期間で増加した運転資金の回収も見込むことから、第四次中期経営計画の実績を上回る、4.5兆円を見込んでいます。・ 株主還元については、総還元性向を重視し、これを第五次中期経営計画期間を通して段階的に増加させ、最終年度の2026年度には、40%程度とすることを目標としています。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 ソニーのサステナビリティに関する基本方針 当社は、取締役会において、サステナビリティに関する基本方針を以下のとおり定めています。『ソニーは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)と、「人に近づく」という経営の方向性のもと、「人」を軸に多様な事業を展開し、この多様性を強みとした持続的な価値創造と長期視点での企業価値の向上をめざしています。人々が感動で繋がるためには、私たちが安心して暮らせる社会や健全な地球環境があることが前提であり、ソニーは、その事業活動が株主、顧客、社員、調達先、ビジネスパートナー、地域社会、その他機関等のソニーグループのステークホルダーや地球環境に与える影響に十分配慮して行動するとともに、対話を通じてステークホルダーとの信頼を築くよう努めます。そして、イノベーションと健全な事業活動を通じて、企業価値の向上を追求し、持続可能な社会の発展に貢献することをめざします。』 (1)サステナビリティ推進体制及びその取り組み<推進体制> 当社は、サステナビリティ担当上級役員のもと、サステナビリティ推進部を設置し、同部がビジネスユニット及び事業会社(以下あわせて「各事業部門」)及び当社関連部署(コンプライアンス、人事、経営企画管理、財務、法務等)(以下「関連部門」)と連携しながら、グループ全体のサステナビリティに関する各種取り組みを推進しています。 当社のサステナビリティ担当上級役員は、サステナビリティに関連するリスクを定期的に検討・評価し、損失のリスクの発見・情報伝達・評価・対応に取り組んでいます。当社の取締役会は、少なくとも四半期に1回、サステナビリティに関する取り組み及びその進捗の報告をサステナビリティ推進部から受けています。取締役会は、さらに、各事業部門からの中期経営計画に関する報告の一部として、それぞれの事業に関わりの大きいサステナビリティの課題と機会及びそれらへの取り組みについての報告を受けています。サステナビリティに関連するリスクの詳細は、「第2 事業の状況」『3事業等のリスク』をご参照ください。 <推進のための主な取り組み> 上記体制のもとで、サステナビリティ推進部は、前述の「サステナビリティに関する基本方針」にもとづき、ソニーの事業活動への当該基本方針の浸透を図るとともに、ステークホルダーとの対話やマテリアリティ分析などを通じて、グループ全体で対応が必要なサステナビリティ課題を特定しています。また、それらの特定したサステナビリティ課題について、当社マネジメントや関連部門と連携しながら、長期環境計画「Road to Zero」等のグループとしての対応方針を策定し、グループ全体に周知すること等により、グループ全体での取り組みを推進しています。 また、各事業部門においては、サステナビリティの観点からの課題と機会を検討するとともに、それぞれの事業特性に応じた、サステナビリティに関する取り組みを行っています。加えて、サステナビリティ推進部と議論の上、重視しているサステナビリティ課題への取り組みについてKPI(以下「サステナビリティKPI」)を設定しています。サステナビリティKPIは各事業部門の業績評価の一部に組み込まれており、その達成状況をサステナビリティ推進部においても評価しています。加えて、当社上級役員の業績連動報酬の評価指標として、グループサステナビリティ評価の達成度を設定し、担当事業・組織の枠にとどまらない、ソニーグループ全体の中長期的な企業価値向上、持続的成長に向けた経営層としての取り組み、例えば、経営のサクセッションや人的資本への投資、社会価値創出及びESG(環境・社会・ガバナンス)の観点での取り組み、事業間連携での価値創造を加速するための取り組み、社員意識調査によるエンゲージメント指標等を評価しています。 2023年度においては、グループ全体のサステナビリティに関する取り組みのめざす方向をこれまで以上に明確にするため、「感動に満ちた世界を作り、次世代へつなぐ」という“Sony’s Sustainability Vision”を新たに策定しました。また、サステナビリティ担当上級役員、人事担当上級役員及び各事業部門のサステナビリティ責任者が参加するグループ全体でのサステナビリティ会議を開催し、各事業部門のサステナビリティに関する取り組み及びサステナビリティKPIの進捗状況などを共有し、確認しました。 なお、各事業部門において設定した2023年度のサステナビリティKPIには、製品の消費電力の削減、製造プロセスの温室効果ガス(以下「GHG」)排出量の削減、女性管理職比率の向上、ソニーグループのコンテンツIPを活用した環境啓発活動の実施、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下「DE&I」)に関するプログラムや研修の実施、製品・サービスのアクセシビリティ向上などが含まれていました。 <上記取り組みの前提となるマテリアリティ分析> 中長期的な視点で、ソニーのサステナビリティ活動を社会環境の変化やステークホルダーからの要請などに応じたものとするため、サステナビリティ担当上級役員のもと、サステナビリティ推進部が主導し、ソニーグループにとってのマテリアリティ項目を分析・特定し、定期的にその重要性について見直しています。直近では2022年度に見直しを実施しており、マテリアリティ項目を「中長期的な社会の変化及び多様なステークホルダーのニーズを踏まえた、ソニーの価値創造に影響を与えるサステナビリティに関する重要項目」と定義した上で、ソニーに関連性の高いサステナビリティ課題(ソニーの価値創造にネガティブなインパクトを与える項目を含む)について、自社視点・ステークホルダー視点の両面からその重要性を評価しました。 自社視点での重要性については、中長期的にソニーの価値創造に与えるポジティブ又はネガティブなインパクトの観点から、また、ステークホルダー視点での重要性については、非政府組織(NGO)、投資家、評価機関、メディアなどが公表している情報等にもとづき、各項目を評価しました。 かかる評価にもとづき、当社マネジメント及び取締役会のレビューを経て、ソニーグループとして優先的に取り組むべき最も重要なマテリアリティ項目を特定しました。 (2)サステナビリティに係る戦略等 2022年度に実施したマテリアリティ分析の結果、ソニーグループとして優先的に取り組むべき最も重要なマテリアリティ項目として、「気候変動」、「DE&I」、「人権の尊重」及び「サステナビリティに貢献する技術」(以下あわせて「最重要マテリアリティ項目」)を特定しました。なお、2023年度においても当該最重要マテリアリティ項目に変更はありません。 <最重要マテリアリティ項目特定の背景>・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷などを低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。 ・DE&I:ソニーは、企業活動において、多様性に富む組織は、そうでない組織に比べて、よりイノベーティブであると認識しています。そして、社員一人ひとりの多様な価値観を尊重するとともに、エクイティ(公平性)の観点を大切にし、インクルーシブな組織風土を醸成することが重要であると考えています。また、社会正義や不平等などの社会課題に対する企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みのより一層の推進が重要と考えています。 ・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められていることであると認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。 ・サステナビリティに貢献する技術:ソニーは、テクノロジーを通じて、事業の成長と社会・環境課題の解決を両立させることについて、ステークホルダーからソニーに対する期待があるものと認識しています。ソニーの開発する技術や製品・サービスにより、事業収益の増加のみならず、社会及び環境にポジティブな影響をもたらすことでサステナビリティ課題の解決をリードし貢献することは、ソニーにとって重要な使命であると考えています。 <最重要マテリアリティ項目に係る戦略と目標、主な取り組み>・気候変動 ソニーは、2010年にグループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を掲げ、以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行ってきました。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative (SBTi)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。 *1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」にしたがっています。・スコープ1、2及び3のGHG排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5℃軌道においてグローバル若しくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。 上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた具体的な目標については以下のとおりです。 1.2030年までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)をネットゼロとすることをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(スコープ3)については、2035年までに、製品使用時のGHG排出量を2018年度比で45%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。2.2030年までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。2025年時点での再エネ由来の電力使用率目標を35%としています。 上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。・ソニー製品の省エネ化:ソニー製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先などにも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換などを促す。・炭素除去・固定*3への貢献:炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、株式会社SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*4をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性と炭素固定の指標化の検討など。 *3 大気中から炭素を吸収し、固定させる技術。*4 Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です。 ・DE&I DE&Iに関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。 ・人権の尊重 「ソニーグループ行動規範」において、ソニーの人権の尊重に関する方針を定め、全てのグループ会社に対し、関連する法令及び行動規範にしたがって人権を尊重し、誠実な事業活動を行うことを求めています。 その上で、責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」などの人権に関わる特定の領域における方針を策定し、運用しています。また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及びOECD多国籍企業行動指針に定められた人権デュー・ディリジェンスの枠組みに沿って、人権リスクのインパクト評価を実施しています。当該評価において、ソニーの事業活動の特性や各事業において重要なバリューチェーンを踏まえて、潜在的な人権リスクを特定した上で、これらの人権リスクのうち、責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用の3つの領域を、ソニーグループとして、優先的に取り組みを進める重点領域として定めています。これらの重点領域において、人権への重大な負の影響が特定あるいは懸念される課題には、その影響を防止または軽減するための取り組みを推進しています。2023年度においては、人権リスクのインパクト評価を再実施し、前回特定したソニーの事業活動との関連性が高い3つの人権リスクの領域に変化がないことを確認した上で、各事業において個別の取り組みを推進しました。また、社内外にソニーとしての人権の尊重に係るコミットメントを改めて表明し、グループ全体でより体系的に人権デュー・ディリジェンスを実施できるよう、「ソニーグループ人権方針」を策定しました。 ・サステナビリティに貢献する技術 ソニーは、事業成長に貢献する技術開発とともに、未来に向けて新たな社会・産業の在り方をもたらすイノベーションの創出に取り組んでいます。 例えば、土壌中の水分量などのセンシング、超広域の通信ネットワーク、そして捉えたデータにもとづく予兆分析技術の研究開発などを行っています。また、ソニー株式会社では、生成AIモデルの急速な進化にともなうフェイク画像や虚偽情報の拡散のまん延などの課題に対処するため、C2PA*5規格準拠とソニー独自のデジタル署名技術により、撮影画像の真正性を検証する真正性カメラソリューションの提供を一部の報道機関向けに開始しています。さらに、環境に配慮した材料の開発及び低消費電力化技術によるソニー製品の環境負荷の低減などに加えて、資源回収・リサイクル事業を展開する企業にSSSのグローバルシャッター技術Pregius™を搭載したイメージセンサーを供給しています。当該イメージセンサーが搭載された飲料容器回収機は、使用済み飲料容器の形状などを約1秒で正確に読み取ることができ、容器の選別・分別及び資源回収システムの最適化に貢献しています。 *5 デジタルコンテンツの出所と信ぴょう性に対し、オープンスタンダードと技術仕様を策定する標準化団体。 <その他のサステナビリティ課題に係る主な取り組み> ソニーでは、多様なニーズを持つ人々に、ソニーの製品・サービス・エンタテインメントを楽しんでいただけるよう、アクセシビリティを高める活動をグループ全体で推進しています。例えば、多様なニーズを持つ人たちとともに検討し、その声を反映するインクルーシブデザインを製品の商品化プロセスに取り入れています。2024年3月に開催されたCSUN Assistive Technology Conference 2024では、プレイステーション®5(以下「PS5™」)用Access™コントローラーなど、インクルーシブデザインにより開発された製品を中心に出展しました。この出展により、より多くのお客様へ、アクセシビリティに配慮したソニーの製品・サービス・エンタテインメントを体験する機会を提供するとともに、さらなるアクセシビリティの向上に向けたフィードバックを受ける機会としました。 また、ソニーでは、AIの開発及び利用を一層拡大していくにあたり、前述の「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を2018年に策定し、その遵守を徹底しています。さらに、2019年12月の「ソニーグループAI倫理委員会」の設置に加えて、2021年にはソニーグループの全ての事業に対してAI倫理に関する専門知識を提供するための組織として、AI倫理室を当社内に設置しました。エレクトロニクス製品・サービスの商品化プロセスにおいて遵守すべき要件をとりまとめた文書の作成や、製品開発ライフサイクルにおけるAI倫理アセスメントを開始するなど、AI倫理に関する活動及び体制の強化を進めています。加えて、ソニーでは、生成AIの急速な進化についても対応すべき喫緊の課題として認識しており、2023年度においては、ソニーグループ株式会社として、生成AIツールの利用に係る社内ガイドラインを策定しました。 (3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標<人事戦略 –「ダイバーシティ」と「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」–> ソニーは、1946年にエレクトロニクス事業を起源として設立され、日本初のトランジスタ開発から半導体事業を開始しました。その後、外国企業との合弁による音楽事業と金融事業、外国企業の買収による映画事業、グループ内の共同出資によるゲーム事業など、様々な方法で新しい事業への参入を行いながら、複数の事業体から構成される企業として進化を続けてきました。現在、主要6事業のうち半数が本社を米国に置き、事業運営に最適な組織体制をグローバルに編成しつつビジネスを展開しています。 これまでの事業の発展や成長は、創業来受け継がれてきた新しいことへの飽くなき挑戦心と多様性を重んじる価値観が、その基盤となっています。異なるバックグラウンドをもつ社員の交錯によって新しい事業が生まれ、事業が多様化することで人材の活躍の場が一層広がり、社員も会社もともに成長してきました。現在ソニーでは、事業と人の「ダイバーシティ(多様性)」を、「クリエイティビティ」「テクノロジー」と並ぶ「価値創造のドライバー」と位置づけ、全世界で活躍する約11.3万人の社員は、国籍や人種の多様性はもとより、事業の広がりによって職種も極めて多岐にわたり、各事業の成長の原動力となっています。これら多様な人材が、Purpose(存在意義)のもと、事業や地域を超えてつながり、交錯し、テクノロジーやクリエイティビティを融合することで、新たな価値創造につなげています。 人材理念である“Special You, Diverse Sony”には、ソニーの人材に対する考え方が表現されており、異なる個性を持つ一人ひとりと、多様な個を受け入れる場であるソニーとがPurposeを中心にともに成長し続けていく、というメッセージが込められています。そして、この人材理念の下、グループ共通の人事戦略を「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」と定義し、社員の働きがいの希求に応え、一人ひとりの力を最大限引き出す施策や活躍の場の提供に注力することで、グループ全体としての成長をめざします。具体的な取り組みについては、権限を委譲された各事業の人事責任者が、それぞれの事業や地域の特性に応じて最適な人事施策の策定・実行にあたっています。 ① 個を求む Purposeへの共感を喚起し、高いスキルや専門性を持ち、挑戦心と成長意欲に満ちた多様な人材を獲得することが重要だと考えています。採用活動では、世界トップレベルの人材を惹きつけるべく、世界各地のグループ会社と協力して戦略的に取り組んでおり、中長期視点での施策として産学連携による多様な人材の育成にも注力しています。そして、事業や地域、社会環境に応じて、様々なバックグラウンドを持つ人材の活躍につながる機会をグローバルで提供しています。例えば米国では、十分に教育の機会が得られていない人々に対してメンタリングやインターンシップといった早期育成や教育支援を行っており、そうした取り組みが多様な人材の採用につながっています。また、入社後においては、社員が能力や自主性を最大限発揮できる職務へチャレンジする機会を提供する仕組みとして、多様な社内募集制度(社内募集制度、社内FA制度、キャリアプラス制度等)により、事業の枠を超えた社員のキャリア構築をサポートしています。さらに、2024年からは、国内で企業間の相互副業を試験的に開始し、他企業への越境により経験の幅を広げる機会も提供しています。 ② 個を伸ばす 社員の成長には、自主性溢れる人材の挑戦を通した成長への高い意識と、それを最大限に発揮できる職務へのアサインメントが最も効果的であると考えています。そのため、役割に応じて求められる能力を体系化し、グループ全体でそれぞれの能力の強化を図っています。特に、ソニーグループの成長及び社員の成長には管理職の役割が大きいという考えのもと、ソニーのマネジメント及び人事部署が管理職の中期的な育成の方向性を議論し、その視野や経験領域の拡大のために、リーダーシップ開発やコーチング等の様々な施策を行っています。また、各事業・機能において中核的役割を担う経営人材の育成を目的とした次世代リーダー育成プログラム「ソニーユニバーシティ」や、異なる事業の経営層と次期経営人材との戦略的つながりを創出することでマネジメントの豊富な経験値を継承し、人材育成や新たなグループシナジーにつなげることを目的とした「ソニークロスメンタリングプログラム」、最先端の技術情報を共有し技術力を高めあう「技術戦略コミッティ」など、事業の垣根を越えて社員が交流するプログラムを実施しています。 ③ 個を活かす 多様な個を活かすため、異なる個性やライフスタイル・ワークスタイルを持つ社員が成長を求めて挑戦できる、インクルーシブな職場環境の醸成や施策の整備が重要だと考えています。各国・地域の慣習や法律を踏まえ、「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向け、柔軟な勤務制度・環境を整備しています。また、魅力的なワークプレイスの創造に取り組むことで社員のエンゲージメント向上につなげていきます。グループ全社員を対象とした学びと交錯の場、「PORT」では、各種研修に加え、社員が自発的に開催するコミュニティ活動も行われています。 そして、多様な社員が個性を最大限発揮できているかどうかは、Purposeへの共感度と社員エンゲージメントに集約されると考え、定期的にそれらを確認する社員意識調査を実施しています。特に社員エンゲージメントは重要な指標ととらえ、当社上級役員の業績連動報酬の評価指標の一部に組み入れています。今後も社員のPurposeへの共感と社員エンゲージメント向上につながる取り組みを推進し、ソニーの持続的成長の実現をめざします。 <人材の多様性の確保とインクルーシブな組織の構築に関する方針> ソニーでは、強い石垣は異なる形の石をうまく組み合わせて構築されることになぞらえ、企業においても同様に、多様な個性や意見、見解、価値観が共存する組織の実現をめざしています。そして、人材の多様性には、国籍や人種、性別などいわゆる「属性の多様性」と、一人ひとりがキャリアにおいて培ってきた「経験の多様性」とがあり、その双方を確保し推進していくことが組織の成長を加速させると考えています。 ソニーのマネジメントは多様な属性・経験や専門性を有するメンバーで構成されていますが、さらなる多様性の進化へのコミットメントとして、新たに数値目標を掲げ、当社の役員*6に占める女性比率及び外国籍比率を2030年までにそれぞれ30%以上にすることをめざします。 *6 取締役、執行役を含む上級役員及びその他の役員。 また、2023年度において、2013年に制定したソニーの多様性への姿勢を示す「ダイバーシティステートメント」を見直し、新たに「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)ステートメント」として改訂しました。かかる改訂は、多様な人材の交錯がイノベーションの創出につながるという創業者の価値観を継承し、公平かつインクルーシブな職場環境づくりをめざすという意思はそのままに、社会の課題解決に向けても取り組みを広げていることを示しています。 ソニーのグローバルでのDE&I推進の取り組みとしては、米国では、SMEにおける産業の発展にも寄与する多様性、公平性、インクルージョンの醸成を推進するフレームワーク“MILES”や、SPEにおける人材、コンテンツ、パートナー、コミュニティの四つの柱を軸に据えて社会的に機会に恵まれない人々を対象に支援を行う“Sony Pictures Action”等、社内外で広く機会を創出しています。また、国内も含め、2015年からは毎年“Diversity Week”を開催しており、世界中のソニーグループ各社で性別、人種、国籍、性的指向、性自認や障がいといった様々な多様性について理解を深めるイベントを実施しています。 ① 属性の多様性・国籍の多様性 ソニーの主要事業の中には、映画事業や音楽出版事業等、日本以外の国籍の社員がその運営において主要な役割を担っている事業があります。そして、ソニーグループ全社員のうち約半数が日本国外での事業活動に従事しており、そのうちの9割以上が現地採用社員です。グローバルに展開するR&Dや㈱ソニーリサーチ(旧㈱ソニーAI)でのAI等の先端技術開発を推進できる人材についても、国籍を問わず採用する活動を強化しており、世界中から優秀な学生や経験者を採用する取り組みを積極的に続けています。 ・性別の多様性 多様な人材が活躍する職場環境の推進の一環として女性の活躍推進の実現に向けた取り組みをグローバルで進めており、2023年度末時点のソニーグループ全社員のうちの女性社員比率は34.0%、管理職に占める女性労働者の割合(以下「女性管理職比率」)は30.7%です。一方で、日本国内企業の女性管理職比率は海外企業と比べて低いことから、国内主要会社各社で数値目標を定めて比率の向上に取り組んでいます。次世代に目を向けると、教育課程において理工系分野を専攻する女性の数が限定的であり、グループとして注力すべき領域と捉えています。新たに立ち上げた「SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE」では、理工学を学ぶ日本国内の女子学生を対象とした奨学金プログラムと、女子中高生に向けて理工系分野の面白さを伝える「STEAM GIRLS バトンプログラム」を実施することで、意欲的な学びを支え、次世代の女性エンジニアの育成を支援しています。 女性社員の継続的育成の観点では、女性リーダーの育成やキャリアアップを後押しする研修や、女性社員を対象とした座談会や交流会等を開催しています。また、当社及び国内主要子会社において、女性管理職比率及び男性労働者の育児休業取得率(以下「男性育休取得率」)を向上させるため、二つの目標を以下のとおり設定しています。 提出会社及び国内の主要な連結子会社における女性管理職比率に係る目標及び実績会社名2025年度末目標 *12024年3月末実績ソニーグループ㈱20.0%18.4%ソニー㈱10.0% 8.4%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ 4.4% *2 4.3%㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント15.0%14.2%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント28.0%25.9%ソニーフィナンシャルグループ *318.0%15.9%(注)*1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号)の規定にもとづく「管理職に占める女性労働者の割合」の2025年度末時点の目標について記載しています。*2 女性活躍推進法にもとづく行動計画において定めた2025年度末時点での女性管理職目標人数が2024年3月末時点管理職総数に占める割合です。*3 ソニーフィナンシャルグループ傘下の対象各社(SFGI、ソニー生命(同社本社の内勤社員のみ)、ソニー損保、ソニー銀行、ソニー・ライフケア㈱、ライフケアデザイン㈱及びプラウドライフ㈱を指す。下表の注においても同じ。)の2025年度末時点の女性管理職の目標人数及び2024年3月末時点の人数実績をそれぞれ合算し、それぞれの合計の数値を、目標については2025年度末時点の想定社員数の合計で、実績については2024年3月末時点の社員数の合計で、それぞれ除した数値を記載しています。 提出会社及び国内の主要な連結子会社における男性育休取得率に係る目標及び実績会社名2025年度目標 *12023年度実績*1ソニーグループ㈱100%76%ソニー㈱100%86%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱100%96%㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント100%81%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント100%40%ソニーフィナンシャルグループ100%86%*2(注)*1 育児・介護休業法の規定にもとづき、2025年度目標については、2026年3月末時点で在籍しており2025年度に配偶者が出産する男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児・介護休業法施行規則第71条の4第2号が定める育児休業等をするものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用するものの数の合計数の割合についての目標を、2023年度実績については、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児休業等をしたものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用したもの(以下まとめて「男性育休取得者」)の数の合計数の割合(小数第1位以下を切り捨て)を、それぞれ記載しています。*2 ソニーフィナンシャルグループ傘下の対象各社の2024年3月末時点で在籍している2023年度の男性育休取得者の人数の合計数を、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員除く)数の合計値で除した数値を記載しています。 ・LGBTQ+の社員の活躍推進 LGBTQ+の社員が、自分らしく、安心して働くことができる職場環境づくりを国・地域の実情に合わせて推進し、多様な社員を包摂するインフラの整備を行っています。 2022年度には、レインボーカラーで表示したソニーロゴタイプの「Prideロゴ」を導入しました。これは、グループ共通の取り組みとして、ソニーがLGBTQ+の社員及びコミュニティを尊重し支援する姿勢を社内外に視覚的に表明することを目的としています。 また、LGBTQ+の社員への対応だけでなく、全社員を対象としたeラーニングやワークショップの実施、誰もが働きやすい職場環境についての意識啓発イベントやパレード参加等にグローバルで取り組んでいます。SPEでは、社員が主体となって運営するEBRG(Employee Business Resource Group)の活動が活発に行われており、従来参加している米国カリフォルニアに加え、2023年にはロンドンでのPrideパレードにSPEのOUT EMEA @ Sony Picturesが初めて参加しました。日本では、多様な社員を包摂する職場環境を確保すべく、配偶者に適用される人事関連制度の一部を同性パートナーにも適用しており、多目的トイレの設置、採用時における性別欄の任意記入、個室(トイレ・浴室付)社員寮の手配等にも取り組んでいます。 ・障がいのある社員の活躍推進 創業者の一人である井深大の「障がい者だからという特権なしの厳しさで、健丈者よりも優れたものを、という信念を持って」活躍してほしいという思いを理念とし、「障がいを感じない、働き甲斐のあるソニーらしい障がい者雇用環境」づくりをめざしています。それぞれの国や地域の法令や規範を遵守し、障がいの有無にかかわらずキャリア構築ができるインクルーシブな職場環境づくりに、グループ一体となって取り組んでいます。 ソニーは、障がいのある人のインクルージョンに焦点を当てた世界経済フォーラムのイニシアティブ「The Valuable 500」に署名しています。ソニーのインクルーシブな職場環境への思いは本イニシアティブの考え方とも共通しており、「The Valuable 500」の署名企業の中から、推進役として国や地域、業界をリードするIconic Partnersの1社に選ばれています。米国では、ビジネスにおける障がい者インクルージョンに注力している社外団体と連携しながら、障がいのある社員への教育機会の提供に加え、国際障がい者デーなどの啓発活動を積極的に行い、様々なグローバルイベントを展開しています。日本では、3つの特例子会社を自立した一つの事業所として運営を行い、異なるバックグラウンドや経験を持つ社員が活躍することで、様々な視点やアイデアが生まれ、個々の業務を通じた対応から得られた障がい者雇用にかかわる合理的配慮やアクセシビリティのノウハウをグループ全体に展開し、井深の考え方を実践したソニーらしい障がい者雇用を推進しています。 ② 経験の多様性 他社又は様々な職種での経験を通して培われた新たな知見や視点が加わることで組織の成長につながると考え、長年、他社や他職種の経験者(以下「他社・職種経験者」)の採用を積極的に推進しています。当社及び国内の連結子会社における入社者全体に占める他社・職種経験者の割合は、2022年度52.5%、2023年度50.7%となっており、海外では大半が他社・職種経験者となっています。入社後の人事評価においても、他社・職種経験者と新卒入社者とを区別していません。 そして、ゲームタイトル開発など成長領域におけるM&Aや戦略的提携により、2012年度から2023年度までに6,000人以上が新たにソニーグループに加わっており、社員のバックグラウンドの多様化による事業の成長に寄与しています。 Purposeの下、ソニーの持続的な成長や社会への価値創造をめざし、人材の多様性の確保とインクルーシブな組織の構築に向けた取り組みにより一層注力していきます。 |
戦略 | (2)サステナビリティに係る戦略等 2022年度に実施したマテリアリティ分析の結果、ソニーグループとして優先的に取り組むべき最も重要なマテリアリティ項目として、「気候変動」、「DE&I」、「人権の尊重」及び「サステナビリティに貢献する技術」(以下あわせて「最重要マテリアリティ項目」)を特定しました。なお、2023年度においても当該最重要マテリアリティ項目に変更はありません。 <最重要マテリアリティ項目特定の背景>・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷などを低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。 ・DE&I:ソニーは、企業活動において、多様性に富む組織は、そうでない組織に比べて、よりイノベーティブであると認識しています。そして、社員一人ひとりの多様な価値観を尊重するとともに、エクイティ(公平性)の観点を大切にし、インクルーシブな組織風土を醸成することが重要であると考えています。また、社会正義や不平等などの社会課題に対する企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みのより一層の推進が重要と考えています。 ・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められていることであると認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。 ・サステナビリティに貢献する技術:ソニーは、テクノロジーを通じて、事業の成長と社会・環境課題の解決を両立させることについて、ステークホルダーからソニーに対する期待があるものと認識しています。ソニーの開発する技術や製品・サービスにより、事業収益の増加のみならず、社会及び環境にポジティブな影響をもたらすことでサステナビリティ課題の解決をリードし貢献することは、ソニーにとって重要な使命であると考えています。 <最重要マテリアリティ項目に係る戦略と目標、主な取り組み>・気候変動 ソニーは、2010年にグループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を掲げ、以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行ってきました。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative (SBTi)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。 *1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」にしたがっています。・スコープ1、2及び3のGHG排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5℃軌道においてグローバル若しくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。 上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた具体的な目標については以下のとおりです。 1.2030年までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)をネットゼロとすることをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(スコープ3)については、2035年までに、製品使用時のGHG排出量を2018年度比で45%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。2.2030年までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。2025年時点での再エネ由来の電力使用率目標を35%としています。 上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。・ソニー製品の省エネ化:ソニー製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先などにも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換などを促す。・炭素除去・固定*3への貢献:炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、株式会社SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*4をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性と炭素固定の指標化の検討など。 *3 大気中から炭素を吸収し、固定させる技術。*4 Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です。 ・DE&I DE&Iに関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。 ・人権の尊重 「ソニーグループ行動規範」において、ソニーの人権の尊重に関する方針を定め、全てのグループ会社に対し、関連する法令及び行動規範にしたがって人権を尊重し、誠実な事業活動を行うことを求めています。 その上で、責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」などの人権に関わる特定の領域における方針を策定し、運用しています。また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及びOECD多国籍企業行動指針に定められた人権デュー・ディリジェンスの枠組みに沿って、人権リスクのインパクト評価を実施しています。当該評価において、ソニーの事業活動の特性や各事業において重要なバリューチェーンを踏まえて、潜在的な人権リスクを特定した上で、これらの人権リスクのうち、責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用の3つの領域を、ソニーグループとして、優先的に取り組みを進める重点領域として定めています。これらの重点領域において、人権への重大な負の影響が特定あるいは懸念される課題には、その影響を防止または軽減するための取り組みを推進しています。2023年度においては、人権リスクのインパクト評価を再実施し、前回特定したソニーの事業活動との関連性が高い3つの人権リスクの領域に変化がないことを確認した上で、各事業において個別の取り組みを推進しました。また、社内外にソニーとしての人権の尊重に係るコミットメントを改めて表明し、グループ全体でより体系的に人権デュー・ディリジェンスを実施できるよう、「ソニーグループ人権方針」を策定しました。 ・サステナビリティに貢献する技術 ソニーは、事業成長に貢献する技術開発とともに、未来に向けて新たな社会・産業の在り方をもたらすイノベーションの創出に取り組んでいます。 例えば、土壌中の水分量などのセンシング、超広域の通信ネットワーク、そして捉えたデータにもとづく予兆分析技術の研究開発などを行っています。また、ソニー株式会社では、生成AIモデルの急速な進化にともなうフェイク画像や虚偽情報の拡散のまん延などの課題に対処するため、C2PA*5規格準拠とソニー独自のデジタル署名技術により、撮影画像の真正性を検証する真正性カメラソリューションの提供を一部の報道機関向けに開始しています。さらに、環境に配慮した材料の開発及び低消費電力化技術によるソニー製品の環境負荷の低減などに加えて、資源回収・リサイクル事業を展開する企業にSSSのグローバルシャッター技術Pregius™を搭載したイメージセンサーを供給しています。当該イメージセンサーが搭載された飲料容器回収機は、使用済み飲料容器の形状などを約1秒で正確に読み取ることができ、容器の選別・分別及び資源回収システムの最適化に貢献しています。 *5 デジタルコンテンツの出所と信ぴょう性に対し、オープンスタンダードと技術仕様を策定する標準化団体。 <その他のサステナビリティ課題に係る主な取り組み> ソニーでは、多様なニーズを持つ人々に、ソニーの製品・サービス・エンタテインメントを楽しんでいただけるよう、アクセシビリティを高める活動をグループ全体で推進しています。例えば、多様なニーズを持つ人たちとともに検討し、その声を反映するインクルーシブデザインを製品の商品化プロセスに取り入れています。2024年3月に開催されたCSUN Assistive Technology Conference 2024では、プレイステーション®5(以下「PS5™」)用Access™コントローラーなど、インクルーシブデザインにより開発された製品を中心に出展しました。この出展により、より多くのお客様へ、アクセシビリティに配慮したソニーの製品・サービス・エンタテインメントを体験する機会を提供するとともに、さらなるアクセシビリティの向上に向けたフィードバックを受ける機会としました。 また、ソニーでは、AIの開発及び利用を一層拡大していくにあたり、前述の「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を2018年に策定し、その遵守を徹底しています。さらに、2019年12月の「ソニーグループAI倫理委員会」の設置に加えて、2021年にはソニーグループの全ての事業に対してAI倫理に関する専門知識を提供するための組織として、AI倫理室を当社内に設置しました。エレクトロニクス製品・サービスの商品化プロセスにおいて遵守すべき要件をとりまとめた文書の作成や、製品開発ライフサイクルにおけるAI倫理アセスメントを開始するなど、AI倫理に関する活動及び体制の強化を進めています。加えて、ソニーでは、生成AIの急速な進化についても対応すべき喫緊の課題として認識しており、2023年度においては、ソニーグループ株式会社として、生成AIツールの利用に係る社内ガイドラインを策定しました。 |
指標及び目標 | (2)サステナビリティに係る戦略等 2022年度に実施したマテリアリティ分析の結果、ソニーグループとして優先的に取り組むべき最も重要なマテリアリティ項目として、「気候変動」、「DE&I」、「人権の尊重」及び「サステナビリティに貢献する技術」(以下あわせて「最重要マテリアリティ項目」)を特定しました。なお、2023年度においても当該最重要マテリアリティ項目に変更はありません。 <最重要マテリアリティ項目特定の背景>・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷などを低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。 ・DE&I:ソニーは、企業活動において、多様性に富む組織は、そうでない組織に比べて、よりイノベーティブであると認識しています。そして、社員一人ひとりの多様な価値観を尊重するとともに、エクイティ(公平性)の観点を大切にし、インクルーシブな組織風土を醸成することが重要であると考えています。また、社会正義や不平等などの社会課題に対する企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みのより一層の推進が重要と考えています。 ・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められていることであると認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。 ・サステナビリティに貢献する技術:ソニーは、テクノロジーを通じて、事業の成長と社会・環境課題の解決を両立させることについて、ステークホルダーからソニーに対する期待があるものと認識しています。ソニーの開発する技術や製品・サービスにより、事業収益の増加のみならず、社会及び環境にポジティブな影響をもたらすことでサステナビリティ課題の解決をリードし貢献することは、ソニーにとって重要な使命であると考えています。 <最重要マテリアリティ項目に係る戦略と目標、主な取り組み>・気候変動 ソニーは、2010年にグループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を掲げ、以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行ってきました。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative (SBTi)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。 *1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」にしたがっています。・スコープ1、2及び3のGHG排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5℃軌道においてグローバル若しくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。 上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた具体的な目標については以下のとおりです。 1.2030年までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)をネットゼロとすることをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(スコープ3)については、2035年までに、製品使用時のGHG排出量を2018年度比で45%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。2.2030年までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。2025年時点での再エネ由来の電力使用率目標を35%としています。 上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。・ソニー製品の省エネ化:ソニー製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先などにも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換などを促す。・炭素除去・固定*3への貢献:炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、株式会社SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*4をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性と炭素固定の指標化の検討など。 *3 大気中から炭素を吸収し、固定させる技術。*4 Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です。 ・DE&I DE&Iに関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。 ・人権の尊重 「ソニーグループ行動規範」において、ソニーの人権の尊重に関する方針を定め、全てのグループ会社に対し、関連する法令及び行動規範にしたがって人権を尊重し、誠実な事業活動を行うことを求めています。 その上で、責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」などの人権に関わる特定の領域における方針を策定し、運用しています。また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及びOECD多国籍企業行動指針に定められた人権デュー・ディリジェンスの枠組みに沿って、人権リスクのインパクト評価を実施しています。当該評価において、ソニーの事業活動の特性や各事業において重要なバリューチェーンを踏まえて、潜在的な人権リスクを特定した上で、これらの人権リスクのうち、責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用の3つの領域を、ソニーグループとして、優先的に取り組みを進める重点領域として定めています。これらの重点領域において、人権への重大な負の影響が特定あるいは懸念される課題には、その影響を防止または軽減するための取り組みを推進しています。2023年度においては、人権リスクのインパクト評価を再実施し、前回特定したソニーの事業活動との関連性が高い3つの人権リスクの領域に変化がないことを確認した上で、各事業において個別の取り組みを推進しました。また、社内外にソニーとしての人権の尊重に係るコミットメントを改めて表明し、グループ全体でより体系的に人権デュー・ディリジェンスを実施できるよう、「ソニーグループ人権方針」を策定しました。 ・サステナビリティに貢献する技術 ソニーは、事業成長に貢献する技術開発とともに、未来に向けて新たな社会・産業の在り方をもたらすイノベーションの創出に取り組んでいます。 例えば、土壌中の水分量などのセンシング、超広域の通信ネットワーク、そして捉えたデータにもとづく予兆分析技術の研究開発などを行っています。また、ソニー株式会社では、生成AIモデルの急速な進化にともなうフェイク画像や虚偽情報の拡散のまん延などの課題に対処するため、C2PA*5規格準拠とソニー独自のデジタル署名技術により、撮影画像の真正性を検証する真正性カメラソリューションの提供を一部の報道機関向けに開始しています。さらに、環境に配慮した材料の開発及び低消費電力化技術によるソニー製品の環境負荷の低減などに加えて、資源回収・リサイクル事業を展開する企業にSSSのグローバルシャッター技術Pregius™を搭載したイメージセンサーを供給しています。当該イメージセンサーが搭載された飲料容器回収機は、使用済み飲料容器の形状などを約1秒で正確に読み取ることができ、容器の選別・分別及び資源回収システムの最適化に貢献しています。 *5 デジタルコンテンツの出所と信ぴょう性に対し、オープンスタンダードと技術仕様を策定する標準化団体。 <その他のサステナビリティ課題に係る主な取り組み> ソニーでは、多様なニーズを持つ人々に、ソニーの製品・サービス・エンタテインメントを楽しんでいただけるよう、アクセシビリティを高める活動をグループ全体で推進しています。例えば、多様なニーズを持つ人たちとともに検討し、その声を反映するインクルーシブデザインを製品の商品化プロセスに取り入れています。2024年3月に開催されたCSUN Assistive Technology Conference 2024では、プレイステーション®5(以下「PS5™」)用Access™コントローラーなど、インクルーシブデザインにより開発された製品を中心に出展しました。この出展により、より多くのお客様へ、アクセシビリティに配慮したソニーの製品・サービス・エンタテインメントを体験する機会を提供するとともに、さらなるアクセシビリティの向上に向けたフィードバックを受ける機会としました。 また、ソニーでは、AIの開発及び利用を一層拡大していくにあたり、前述の「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を2018年に策定し、その遵守を徹底しています。さらに、2019年12月の「ソニーグループAI倫理委員会」の設置に加えて、2021年にはソニーグループの全ての事業に対してAI倫理に関する専門知識を提供するための組織として、AI倫理室を当社内に設置しました。エレクトロニクス製品・サービスの商品化プロセスにおいて遵守すべき要件をとりまとめた文書の作成や、製品開発ライフサイクルにおけるAI倫理アセスメントを開始するなど、AI倫理に関する活動及び体制の強化を進めています。加えて、ソニーでは、生成AIの急速な進化についても対応すべき喫緊の課題として認識しており、2023年度においては、ソニーグループ株式会社として、生成AIツールの利用に係る社内ガイドラインを策定しました。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標<人事戦略 –「ダイバーシティ」と「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」–> ソニーは、1946年にエレクトロニクス事業を起源として設立され、日本初のトランジスタ開発から半導体事業を開始しました。その後、外国企業との合弁による音楽事業と金融事業、外国企業の買収による映画事業、グループ内の共同出資によるゲーム事業など、様々な方法で新しい事業への参入を行いながら、複数の事業体から構成される企業として進化を続けてきました。現在、主要6事業のうち半数が本社を米国に置き、事業運営に最適な組織体制をグローバルに編成しつつビジネスを展開しています。 これまでの事業の発展や成長は、創業来受け継がれてきた新しいことへの飽くなき挑戦心と多様性を重んじる価値観が、その基盤となっています。異なるバックグラウンドをもつ社員の交錯によって新しい事業が生まれ、事業が多様化することで人材の活躍の場が一層広がり、社員も会社もともに成長してきました。現在ソニーでは、事業と人の「ダイバーシティ(多様性)」を、「クリエイティビティ」「テクノロジー」と並ぶ「価値創造のドライバー」と位置づけ、全世界で活躍する約11.3万人の社員は、国籍や人種の多様性はもとより、事業の広がりによって職種も極めて多岐にわたり、各事業の成長の原動力となっています。これら多様な人材が、Purpose(存在意義)のもと、事業や地域を超えてつながり、交錯し、テクノロジーやクリエイティビティを融合することで、新たな価値創造につなげています。 人材理念である“Special You, Diverse Sony”には、ソニーの人材に対する考え方が表現されており、異なる個性を持つ一人ひとりと、多様な個を受け入れる場であるソニーとがPurposeを中心にともに成長し続けていく、というメッセージが込められています。そして、この人材理念の下、グループ共通の人事戦略を「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」と定義し、社員の働きがいの希求に応え、一人ひとりの力を最大限引き出す施策や活躍の場の提供に注力することで、グループ全体としての成長をめざします。具体的な取り組みについては、権限を委譲された各事業の人事責任者が、それぞれの事業や地域の特性に応じて最適な人事施策の策定・実行にあたっています。 ① 個を求む Purposeへの共感を喚起し、高いスキルや専門性を持ち、挑戦心と成長意欲に満ちた多様な人材を獲得することが重要だと考えています。採用活動では、世界トップレベルの人材を惹きつけるべく、世界各地のグループ会社と協力して戦略的に取り組んでおり、中長期視点での施策として産学連携による多様な人材の育成にも注力しています。そして、事業や地域、社会環境に応じて、様々なバックグラウンドを持つ人材の活躍につながる機会をグローバルで提供しています。例えば米国では、十分に教育の機会が得られていない人々に対してメンタリングやインターンシップといった早期育成や教育支援を行っており、そうした取り組みが多様な人材の採用につながっています。また、入社後においては、社員が能力や自主性を最大限発揮できる職務へチャレンジする機会を提供する仕組みとして、多様な社内募集制度(社内募集制度、社内FA制度、キャリアプラス制度等)により、事業の枠を超えた社員のキャリア構築をサポートしています。さらに、2024年からは、国内で企業間の相互副業を試験的に開始し、他企業への越境により経験の幅を広げる機会も提供しています。 ② 個を伸ばす 社員の成長には、自主性溢れる人材の挑戦を通した成長への高い意識と、それを最大限に発揮できる職務へのアサインメントが最も効果的であると考えています。そのため、役割に応じて求められる能力を体系化し、グループ全体でそれぞれの能力の強化を図っています。特に、ソニーグループの成長及び社員の成長には管理職の役割が大きいという考えのもと、ソニーのマネジメント及び人事部署が管理職の中期的な育成の方向性を議論し、その視野や経験領域の拡大のために、リーダーシップ開発やコーチング等の様々な施策を行っています。また、各事業・機能において中核的役割を担う経営人材の育成を目的とした次世代リーダー育成プログラム「ソニーユニバーシティ」や、異なる事業の経営層と次期経営人材との戦略的つながりを創出することでマネジメントの豊富な経験値を継承し、人材育成や新たなグループシナジーにつなげることを目的とした「ソニークロスメンタリングプログラム」、最先端の技術情報を共有し技術力を高めあう「技術戦略コミッティ」など、事業の垣根を越えて社員が交流するプログラムを実施しています。 ③ 個を活かす 多様な個を活かすため、異なる個性やライフスタイル・ワークスタイルを持つ社員が成長を求めて挑戦できる、インクルーシブな職場環境の醸成や施策の整備が重要だと考えています。各国・地域の慣習や法律を踏まえ、「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向け、柔軟な勤務制度・環境を整備しています。また、魅力的なワークプレイスの創造に取り組むことで社員のエンゲージメント向上につなげていきます。グループ全社員を対象とした学びと交錯の場、「PORT」では、各種研修に加え、社員が自発的に開催するコミュニティ活動も行われています。 そして、多様な社員が個性を最大限発揮できているかどうかは、Purposeへの共感度と社員エンゲージメントに集約されると考え、定期的にそれらを確認する社員意識調査を実施しています。特に社員エンゲージメントは重要な指標ととらえ、当社上級役員の業績連動報酬の評価指標の一部に組み入れています。今後も社員のPurposeへの共感と社員エンゲージメント向上につながる取り組みを推進し、ソニーの持続的成長の実現をめざします。 <人材の多様性の確保とインクルーシブな組織の構築に関する方針> ソニーでは、強い石垣は異なる形の石をうまく組み合わせて構築されることになぞらえ、企業においても同様に、多様な個性や意見、見解、価値観が共存する組織の実現をめざしています。そして、人材の多様性には、国籍や人種、性別などいわゆる「属性の多様性」と、一人ひとりがキャリアにおいて培ってきた「経験の多様性」とがあり、その双方を確保し推進していくことが組織の成長を加速させると考えています。 ソニーのマネジメントは多様な属性・経験や専門性を有するメンバーで構成されていますが、さらなる多様性の進化へのコミットメントとして、新たに数値目標を掲げ、当社の役員*6に占める女性比率及び外国籍比率を2030年までにそれぞれ30%以上にすることをめざします。 *6 取締役、執行役を含む上級役員及びその他の役員。 また、2023年度において、2013年に制定したソニーの多様性への姿勢を示す「ダイバーシティステートメント」を見直し、新たに「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)ステートメント」として改訂しました。かかる改訂は、多様な人材の交錯がイノベーションの創出につながるという創業者の価値観を継承し、公平かつインクルーシブな職場環境づくりをめざすという意思はそのままに、社会の課題解決に向けても取り組みを広げていることを示しています。 ソニーのグローバルでのDE&I推進の取り組みとしては、米国では、SMEにおける産業の発展にも寄与する多様性、公平性、インクルージョンの醸成を推進するフレームワーク“MILES”や、SPEにおける人材、コンテンツ、パートナー、コミュニティの四つの柱を軸に据えて社会的に機会に恵まれない人々を対象に支援を行う“Sony Pictures Action”等、社内外で広く機会を創出しています。また、国内も含め、2015年からは毎年“Diversity Week”を開催しており、世界中のソニーグループ各社で性別、人種、国籍、性的指向、性自認や障がいといった様々な多様性について理解を深めるイベントを実施しています。 ① 属性の多様性・国籍の多様性 ソニーの主要事業の中には、映画事業や音楽出版事業等、日本以外の国籍の社員がその運営において主要な役割を担っている事業があります。そして、ソニーグループ全社員のうち約半数が日本国外での事業活動に従事しており、そのうちの9割以上が現地採用社員です。グローバルに展開するR&Dや㈱ソニーリサーチ(旧㈱ソニーAI)でのAI等の先端技術開発を推進できる人材についても、国籍を問わず採用する活動を強化しており、世界中から優秀な学生や経験者を採用する取り組みを積極的に続けています。 ・性別の多様性 多様な人材が活躍する職場環境の推進の一環として女性の活躍推進の実現に向けた取り組みをグローバルで進めており、2023年度末時点のソニーグループ全社員のうちの女性社員比率は34.0%、管理職に占める女性労働者の割合(以下「女性管理職比率」)は30.7%です。一方で、日本国内企業の女性管理職比率は海外企業と比べて低いことから、国内主要会社各社で数値目標を定めて比率の向上に取り組んでいます。次世代に目を向けると、教育課程において理工系分野を専攻する女性の数が限定的であり、グループとして注力すべき領域と捉えています。新たに立ち上げた「SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE」では、理工学を学ぶ日本国内の女子学生を対象とした奨学金プログラムと、女子中高生に向けて理工系分野の面白さを伝える「STEAM GIRLS バトンプログラム」を実施することで、意欲的な学びを支え、次世代の女性エンジニアの育成を支援しています。 女性社員の継続的育成の観点では、女性リーダーの育成やキャリアアップを後押しする研修や、女性社員を対象とした座談会や交流会等を開催しています。また、当社及び国内主要子会社において、女性管理職比率及び男性労働者の育児休業取得率(以下「男性育休取得率」)を向上させるため、二つの目標を以下のとおり設定しています。 提出会社及び国内の主要な連結子会社における女性管理職比率に係る目標及び実績会社名2025年度末目標 *12024年3月末実績ソニーグループ㈱20.0%18.4%ソニー㈱10.0% 8.4%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ 4.4% *2 4.3%㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント15.0%14.2%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント28.0%25.9%ソニーフィナンシャルグループ *318.0%15.9%(注)*1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号)の規定にもとづく「管理職に占める女性労働者の割合」の2025年度末時点の目標について記載しています。*2 女性活躍推進法にもとづく行動計画において定めた2025年度末時点での女性管理職目標人数が2024年3月末時点管理職総数に占める割合です。*3 ソニーフィナンシャルグループ傘下の対象各社(SFGI、ソニー生命(同社本社の内勤社員のみ)、ソニー損保、ソニー銀行、ソニー・ライフケア㈱、ライフケアデザイン㈱及びプラウドライフ㈱を指す。下表の注においても同じ。)の2025年度末時点の女性管理職の目標人数及び2024年3月末時点の人数実績をそれぞれ合算し、それぞれの合計の数値を、目標については2025年度末時点の想定社員数の合計で、実績については2024年3月末時点の社員数の合計で、それぞれ除した数値を記載しています。 提出会社及び国内の主要な連結子会社における男性育休取得率に係る目標及び実績会社名2025年度目標 *12023年度実績*1ソニーグループ㈱100%76%ソニー㈱100%86%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱100%96%㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント100%81%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント100%40%ソニーフィナンシャルグループ100%86%*2(注)*1 育児・介護休業法の規定にもとづき、2025年度目標については、2026年3月末時点で在籍しており2025年度に配偶者が出産する男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児・介護休業法施行規則第71条の4第2号が定める育児休業等をするものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用するものの数の合計数の割合についての目標を、2023年度実績については、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児休業等をしたものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用したもの(以下まとめて「男性育休取得者」)の数の合計数の割合(小数第1位以下を切り捨て)を、それぞれ記載しています。*2 ソニーフィナンシャルグループ傘下の対象各社の2024年3月末時点で在籍している2023年度の男性育休取得者の人数の合計数を、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員除く)数の合計値で除した数値を記載しています。 ・LGBTQ+の社員の活躍推進 LGBTQ+の社員が、自分らしく、安心して働くことができる職場環境づくりを国・地域の実情に合わせて推進し、多様な社員を包摂するインフラの整備を行っています。 2022年度には、レインボーカラーで表示したソニーロゴタイプの「Prideロゴ」を導入しました。これは、グループ共通の取り組みとして、ソニーがLGBTQ+の社員及びコミュニティを尊重し支援する姿勢を社内外に視覚的に表明することを目的としています。 また、LGBTQ+の社員への対応だけでなく、全社員を対象としたeラーニングやワークショップの実施、誰もが働きやすい職場環境についての意識啓発イベントやパレード参加等にグローバルで取り組んでいます。SPEでは、社員が主体となって運営するEBRG(Employee Business Resource Group)の活動が活発に行われており、従来参加している米国カリフォルニアに加え、2023年にはロンドンでのPrideパレードにSPEのOUT EMEA @ Sony Picturesが初めて参加しました。日本では、多様な社員を包摂する職場環境を確保すべく、配偶者に適用される人事関連制度の一部を同性パートナーにも適用しており、多目的トイレの設置、採用時における性別欄の任意記入、個室(トイレ・浴室付)社員寮の手配等にも取り組んでいます。 ・障がいのある社員の活躍推進 創業者の一人である井深大の「障がい者だからという特権なしの厳しさで、健丈者よりも優れたものを、という信念を持って」活躍してほしいという思いを理念とし、「障がいを感じない、働き甲斐のあるソニーらしい障がい者雇用環境」づくりをめざしています。それぞれの国や地域の法令や規範を遵守し、障がいの有無にかかわらずキャリア構築ができるインクルーシブな職場環境づくりに、グループ一体となって取り組んでいます。 ソニーは、障がいのある人のインクルージョンに焦点を当てた世界経済フォーラムのイニシアティブ「The Valuable 500」に署名しています。ソニーのインクルーシブな職場環境への思いは本イニシアティブの考え方とも共通しており、「The Valuable 500」の署名企業の中から、推進役として国や地域、業界をリードするIconic Partnersの1社に選ばれています。米国では、ビジネスにおける障がい者インクルージョンに注力している社外団体と連携しながら、障がいのある社員への教育機会の提供に加え、国際障がい者デーなどの啓発活動を積極的に行い、様々なグローバルイベントを展開しています。日本では、3つの特例子会社を自立した一つの事業所として運営を行い、異なるバックグラウンドや経験を持つ社員が活躍することで、様々な視点やアイデアが生まれ、個々の業務を通じた対応から得られた障がい者雇用にかかわる合理的配慮やアクセシビリティのノウハウをグループ全体に展開し、井深の考え方を実践したソニーらしい障がい者雇用を推進しています。 ② 経験の多様性 他社又は様々な職種での経験を通して培われた新たな知見や視点が加わることで組織の成長につながると考え、長年、他社や他職種の経験者(以下「他社・職種経験者」)の採用を積極的に推進しています。当社及び国内の連結子会社における入社者全体に占める他社・職種経験者の割合は、2022年度52.5%、2023年度50.7%となっており、海外では大半が他社・職種経験者となっています。入社後の人事評価においても、他社・職種経験者と新卒入社者とを区別していません。 そして、ゲームタイトル開発など成長領域におけるM&Aや戦略的提携により、2012年度から2023年度までに6,000人以上が新たにソニーグループに加わっており、社員のバックグラウンドの多様化による事業の成長に寄与しています。 Purposeの下、ソニーの持続的な成長や社会への価値創造をめざし、人材の多様性の確保とインクルーシブな組織の構築に向けた取り組みにより一層注力していきます。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標<人事戦略 –「ダイバーシティ」と「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」–> ソニーは、1946年にエレクトロニクス事業を起源として設立され、日本初のトランジスタ開発から半導体事業を開始しました。その後、外国企業との合弁による音楽事業と金融事業、外国企業の買収による映画事業、グループ内の共同出資によるゲーム事業など、様々な方法で新しい事業への参入を行いながら、複数の事業体から構成される企業として進化を続けてきました。現在、主要6事業のうち半数が本社を米国に置き、事業運営に最適な組織体制をグローバルに編成しつつビジネスを展開しています。 これまでの事業の発展や成長は、創業来受け継がれてきた新しいことへの飽くなき挑戦心と多様性を重んじる価値観が、その基盤となっています。異なるバックグラウンドをもつ社員の交錯によって新しい事業が生まれ、事業が多様化することで人材の活躍の場が一層広がり、社員も会社もともに成長してきました。現在ソニーでは、事業と人の「ダイバーシティ(多様性)」を、「クリエイティビティ」「テクノロジー」と並ぶ「価値創造のドライバー」と位置づけ、全世界で活躍する約11.3万人の社員は、国籍や人種の多様性はもとより、事業の広がりによって職種も極めて多岐にわたり、各事業の成長の原動力となっています。これら多様な人材が、Purpose(存在意義)のもと、事業や地域を超えてつながり、交錯し、テクノロジーやクリエイティビティを融合することで、新たな価値創造につなげています。 人材理念である“Special You, Diverse Sony”には、ソニーの人材に対する考え方が表現されており、異なる個性を持つ一人ひとりと、多様な個を受け入れる場であるソニーとがPurposeを中心にともに成長し続けていく、というメッセージが込められています。そして、この人材理念の下、グループ共通の人事戦略を「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」と定義し、社員の働きがいの希求に応え、一人ひとりの力を最大限引き出す施策や活躍の場の提供に注力することで、グループ全体としての成長をめざします。具体的な取り組みについては、権限を委譲された各事業の人事責任者が、それぞれの事業や地域の特性に応じて最適な人事施策の策定・実行にあたっています。 ① 個を求む Purposeへの共感を喚起し、高いスキルや専門性を持ち、挑戦心と成長意欲に満ちた多様な人材を獲得することが重要だと考えています。採用活動では、世界トップレベルの人材を惹きつけるべく、世界各地のグループ会社と協力して戦略的に取り組んでおり、中長期視点での施策として産学連携による多様な人材の育成にも注力しています。そして、事業や地域、社会環境に応じて、様々なバックグラウンドを持つ人材の活躍につながる機会をグローバルで提供しています。例えば米国では、十分に教育の機会が得られていない人々に対してメンタリングやインターンシップといった早期育成や教育支援を行っており、そうした取り組みが多様な人材の採用につながっています。また、入社後においては、社員が能力や自主性を最大限発揮できる職務へチャレンジする機会を提供する仕組みとして、多様な社内募集制度(社内募集制度、社内FA制度、キャリアプラス制度等)により、事業の枠を超えた社員のキャリア構築をサポートしています。さらに、2024年からは、国内で企業間の相互副業を試験的に開始し、他企業への越境により経験の幅を広げる機会も提供しています。 ② 個を伸ばす 社員の成長には、自主性溢れる人材の挑戦を通した成長への高い意識と、それを最大限に発揮できる職務へのアサインメントが最も効果的であると考えています。そのため、役割に応じて求められる能力を体系化し、グループ全体でそれぞれの能力の強化を図っています。特に、ソニーグループの成長及び社員の成長には管理職の役割が大きいという考えのもと、ソニーのマネジメント及び人事部署が管理職の中期的な育成の方向性を議論し、その視野や経験領域の拡大のために、リーダーシップ開発やコーチング等の様々な施策を行っています。また、各事業・機能において中核的役割を担う経営人材の育成を目的とした次世代リーダー育成プログラム「ソニーユニバーシティ」や、異なる事業の経営層と次期経営人材との戦略的つながりを創出することでマネジメントの豊富な経験値を継承し、人材育成や新たなグループシナジーにつなげることを目的とした「ソニークロスメンタリングプログラム」、最先端の技術情報を共有し技術力を高めあう「技術戦略コミッティ」など、事業の垣根を越えて社員が交流するプログラムを実施しています。 ③ 個を活かす 多様な個を活かすため、異なる個性やライフスタイル・ワークスタイルを持つ社員が成長を求めて挑戦できる、インクルーシブな職場環境の醸成や施策の整備が重要だと考えています。各国・地域の慣習や法律を踏まえ、「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向け、柔軟な勤務制度・環境を整備しています。また、魅力的なワークプレイスの創造に取り組むことで社員のエンゲージメント向上につなげていきます。グループ全社員を対象とした学びと交錯の場、「PORT」では、各種研修に加え、社員が自発的に開催するコミュニティ活動も行われています。 そして、多様な社員が個性を最大限発揮できているかどうかは、Purposeへの共感度と社員エンゲージメントに集約されると考え、定期的にそれらを確認する社員意識調査を実施しています。特に社員エンゲージメントは重要な指標ととらえ、当社上級役員の業績連動報酬の評価指標の一部に組み入れています。今後も社員のPurposeへの共感と社員エンゲージメント向上につながる取り組みを推進し、ソニーの持続的成長の実現をめざします。 <人材の多様性の確保とインクルーシブな組織の構築に関する方針> ソニーでは、強い石垣は異なる形の石をうまく組み合わせて構築されることになぞらえ、企業においても同様に、多様な個性や意見、見解、価値観が共存する組織の実現をめざしています。そして、人材の多様性には、国籍や人種、性別などいわゆる「属性の多様性」と、一人ひとりがキャリアにおいて培ってきた「経験の多様性」とがあり、その双方を確保し推進していくことが組織の成長を加速させると考えています。 ソニーのマネジメントは多様な属性・経験や専門性を有するメンバーで構成されていますが、さらなる多様性の進化へのコミットメントとして、新たに数値目標を掲げ、当社の役員*6に占める女性比率及び外国籍比率を2030年までにそれぞれ30%以上にすることをめざします。 *6 取締役、執行役を含む上級役員及びその他の役員。 また、2023年度において、2013年に制定したソニーの多様性への姿勢を示す「ダイバーシティステートメント」を見直し、新たに「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)ステートメント」として改訂しました。かかる改訂は、多様な人材の交錯がイノベーションの創出につながるという創業者の価値観を継承し、公平かつインクルーシブな職場環境づくりをめざすという意思はそのままに、社会の課題解決に向けても取り組みを広げていることを示しています。 ソニーのグローバルでのDE&I推進の取り組みとしては、米国では、SMEにおける産業の発展にも寄与する多様性、公平性、インクルージョンの醸成を推進するフレームワーク“MILES”や、SPEにおける人材、コンテンツ、パートナー、コミュニティの四つの柱を軸に据えて社会的に機会に恵まれない人々を対象に支援を行う“Sony Pictures Action”等、社内外で広く機会を創出しています。また、国内も含め、2015年からは毎年“Diversity Week”を開催しており、世界中のソニーグループ各社で性別、人種、国籍、性的指向、性自認や障がいといった様々な多様性について理解を深めるイベントを実施しています。 ① 属性の多様性・国籍の多様性 ソニーの主要事業の中には、映画事業や音楽出版事業等、日本以外の国籍の社員がその運営において主要な役割を担っている事業があります。そして、ソニーグループ全社員のうち約半数が日本国外での事業活動に従事しており、そのうちの9割以上が現地採用社員です。グローバルに展開するR&Dや㈱ソニーリサーチ(旧㈱ソニーAI)でのAI等の先端技術開発を推進できる人材についても、国籍を問わず採用する活動を強化しており、世界中から優秀な学生や経験者を採用する取り組みを積極的に続けています。 ・性別の多様性 多様な人材が活躍する職場環境の推進の一環として女性の活躍推進の実現に向けた取り組みをグローバルで進めており、2023年度末時点のソニーグループ全社員のうちの女性社員比率は34.0%、管理職に占める女性労働者の割合(以下「女性管理職比率」)は30.7%です。一方で、日本国内企業の女性管理職比率は海外企業と比べて低いことから、国内主要会社各社で数値目標を定めて比率の向上に取り組んでいます。次世代に目を向けると、教育課程において理工系分野を専攻する女性の数が限定的であり、グループとして注力すべき領域と捉えています。新たに立ち上げた「SONY STEAM GIRLS EXPERIENCE」では、理工学を学ぶ日本国内の女子学生を対象とした奨学金プログラムと、女子中高生に向けて理工系分野の面白さを伝える「STEAM GIRLS バトンプログラム」を実施することで、意欲的な学びを支え、次世代の女性エンジニアの育成を支援しています。 女性社員の継続的育成の観点では、女性リーダーの育成やキャリアアップを後押しする研修や、女性社員を対象とした座談会や交流会等を開催しています。また、当社及び国内主要子会社において、女性管理職比率及び男性労働者の育児休業取得率(以下「男性育休取得率」)を向上させるため、二つの目標を以下のとおり設定しています。 提出会社及び国内の主要な連結子会社における女性管理職比率に係る目標及び実績会社名2025年度末目標 *12024年3月末実績ソニーグループ㈱20.0%18.4%ソニー㈱10.0% 8.4%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ 4.4% *2 4.3%㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント15.0%14.2%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント28.0%25.9%ソニーフィナンシャルグループ *318.0%15.9%(注)*1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号)の規定にもとづく「管理職に占める女性労働者の割合」の2025年度末時点の目標について記載しています。*2 女性活躍推進法にもとづく行動計画において定めた2025年度末時点での女性管理職目標人数が2024年3月末時点管理職総数に占める割合です。*3 ソニーフィナンシャルグループ傘下の対象各社(SFGI、ソニー生命(同社本社の内勤社員のみ)、ソニー損保、ソニー銀行、ソニー・ライフケア㈱、ライフケアデザイン㈱及びプラウドライフ㈱を指す。下表の注においても同じ。)の2025年度末時点の女性管理職の目標人数及び2024年3月末時点の人数実績をそれぞれ合算し、それぞれの合計の数値を、目標については2025年度末時点の想定社員数の合計で、実績については2024年3月末時点の社員数の合計で、それぞれ除した数値を記載しています。 提出会社及び国内の主要な連結子会社における男性育休取得率に係る目標及び実績会社名2025年度目標 *12023年度実績*1ソニーグループ㈱100%76%ソニー㈱100%86%ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱100%96%㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント100%81%㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント100%40%ソニーフィナンシャルグループ100%86%*2(注)*1 育児・介護休業法の規定にもとづき、2025年度目標については、2026年3月末時点で在籍しており2025年度に配偶者が出産する男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児・介護休業法施行規則第71条の4第2号が定める育児休業等をするものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用するものの数の合計数の割合についての目標を、2023年度実績については、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員を除く)のうち、同年度中に育児休業等をしたものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用したもの(以下まとめて「男性育休取得者」)の数の合計数の割合(小数第1位以下を切り捨て)を、それぞれ記載しています。*2 ソニーフィナンシャルグループ傘下の対象各社の2024年3月末時点で在籍している2023年度の男性育休取得者の人数の合計数を、2024年3月末時点で在籍しており2023年度に配偶者が出産した男性社員(出向受入社員除く)数の合計値で除した数値を記載しています。 ・LGBTQ+の社員の活躍推進 LGBTQ+の社員が、自分らしく、安心して働くことができる職場環境づくりを国・地域の実情に合わせて推進し、多様な社員を包摂するインフラの整備を行っています。 2022年度には、レインボーカラーで表示したソニーロゴタイプの「Prideロゴ」を導入しました。これは、グループ共通の取り組みとして、ソニーがLGBTQ+の社員及びコミュニティを尊重し支援する姿勢を社内外に視覚的に表明することを目的としています。 また、LGBTQ+の社員への対応だけでなく、全社員を対象としたeラーニングやワークショップの実施、誰もが働きやすい職場環境についての意識啓発イベントやパレード参加等にグローバルで取り組んでいます。SPEでは、社員が主体となって運営するEBRG(Employee Business Resource Group)の活動が活発に行われており、従来参加している米国カリフォルニアに加え、2023年にはロンドンでのPrideパレードにSPEのOUT EMEA @ Sony Picturesが初めて参加しました。日本では、多様な社員を包摂する職場環境を確保すべく、配偶者に適用される人事関連制度の一部を同性パートナーにも適用しており、多目的トイレの設置、採用時における性別欄の任意記入、個室(トイレ・浴室付)社員寮の手配等にも取り組んでいます。 ・障がいのある社員の活躍推進 創業者の一人である井深大の「障がい者だからという特権なしの厳しさで、健丈者よりも優れたものを、という信念を持って」活躍してほしいという思いを理念とし、「障がいを感じない、働き甲斐のあるソニーらしい障がい者雇用環境」づくりをめざしています。それぞれの国や地域の法令や規範を遵守し、障がいの有無にかかわらずキャリア構築ができるインクルーシブな職場環境づくりに、グループ一体となって取り組んでいます。 ソニーは、障がいのある人のインクルージョンに焦点を当てた世界経済フォーラムのイニシアティブ「The Valuable 500」に署名しています。ソニーのインクルーシブな職場環境への思いは本イニシアティブの考え方とも共通しており、「The Valuable 500」の署名企業の中から、推進役として国や地域、業界をリードするIconic Partnersの1社に選ばれています。米国では、ビジネスにおける障がい者インクルージョンに注力している社外団体と連携しながら、障がいのある社員への教育機会の提供に加え、国際障がい者デーなどの啓発活動を積極的に行い、様々なグローバルイベントを展開しています。日本では、3つの特例子会社を自立した一つの事業所として運営を行い、異なるバックグラウンドや経験を持つ社員が活躍することで、様々な視点やアイデアが生まれ、個々の業務を通じた対応から得られた障がい者雇用にかかわる合理的配慮やアクセシビリティのノウハウをグループ全体に展開し、井深の考え方を実践したソニーらしい障がい者雇用を推進しています。 ② 経験の多様性 他社又は様々な職種での経験を通して培われた新たな知見や視点が加わることで組織の成長につながると考え、長年、他社や他職種の経験者(以下「他社・職種経験者」)の採用を積極的に推進しています。当社及び国内の連結子会社における入社者全体に占める他社・職種経験者の割合は、2022年度52.5%、2023年度50.7%となっており、海外では大半が他社・職種経験者となっています。入社後の人事評価においても、他社・職種経験者と新卒入社者とを区別していません。 そして、ゲームタイトル開発など成長領域におけるM&Aや戦略的提携により、2012年度から2023年度までに6,000人以上が新たにソニーグループに加わっており、社員のバックグラウンドの多様化による事業の成長に寄与しています。 Purposeの下、ソニーの持続的な成長や社会への価値創造をめざし、人材の多様性の確保とインクルーシブな組織の構築に向けた取り組みにより一層注力していきます。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 プレイステーション®4及びPS5™ハードウェアを含むソニーのブルーレイディスク™プレーヤー機能付製品は、米国のVia Licensing Alliance LLCとのライセンス契約にもとづきライセンスを供与されている、ブルーレイディスク規格上特定されている技術に関する特許に大きく依存しています。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 ソニーのPurpose(存在意義)は、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」です。そして、そのキーワードは「感動」です。世界が感動で満たされ続けるためには、人々のクリエイティビティを解き放つテクノロジーを生み出しつづけ、我々の文明を持続可能なものにする必要があります。これを明確にするために、「我々の文明を進歩させ、この惑星を持続可能にする」を、ソニーグループにおける研究開発のミッションとして掲げました。 ソニーのPurposeを実現するためには、多様なテクノロジーが必要となります。その中核となるのが「センシング」「AI」「仮想空間」の3つの領域とそれらの連動です。現実空間でのセンサーとAIの連動により、画像認識や音声認識の高度化が期待されます。そしてセンシングされたデータや、そのデータを学習することで強化されたAIを用いて、仮想空間上での精密なシミュレーションや魅力的なコンテンツの生成が可能となります。さらに、仮想空間で得られた結果をAIにフィードバックすることで、AIの能力を強化することができます。このように、センシング、AI、仮想空間を連動させ、ソニーをAI/Data-driven Companyへと変革していきます。そして、ソニーはこれまでクリエイターの創造的なひらめきを支えることで、社会に対してポジティブなインパクトを生み出してきました。“We are here for creators”というソニーのR&Dの方向性のもと、クリエイターのためのテクノロジーを作り、クリエイターとともに未来を創造していきます。 ソニーグループの研究開発組織は、国内外の複数の拠点と連携し、それぞれの地域の特徴や強みを活かした研究開発活動を行っています。現地の優秀な研究開発人材の獲得をめざすとともに、ソニーグループの中だけに閉じず、外部のクリエイターやアカデミアとの連携も強化していきます。すでに世界各地の大学との共同開発など様々な活動を推進しており、今後さらに拡大させていきます。 2023年度の研究開発費は、前年度に比べ71億円(1.0%)増加の7,428億円となりました。金融分野を除く連結売上高に対する比率は、前年度の7.3%から6.6%になりました。 各分野及び当社の研究開発組織(以下「コーポレートR&D」)における研究開発費の金額は以下のとおりです。項目2022年度(億円)2023年度(億円)増減率(%)G&NS2,7112,8163.8ET&S1,5571,548△0.6I&SS2,2372,192△2.0コーポレートR&D464454△2.2 2023年度の主な研究開発活動及び成果として、以下のものがあげられます。 (1)G&NS・PlayStation®5向けクラウドストリーミング 2023年10月、PlayStation Plusプレミアムの加入者向けに、PS5™のクラウドストリーミング機能の提供を開始しました。PlayStation Plusのカタログに含まれるゲームや、PlayStation Storeで購入したPS5用の対象タイトルなど数百本のゲームをPS5本体にダウンロードせずにプレイできるようになりました。 ・Access™コントローラー 2023年12月に発売を開始したAccessコントローラーは、ゲームのアクセシビリティをさらに一歩前進させるPS5用のアクセシビリティコントローラーキットです。アクセシビリティの専門家、コミュニティーメンバー、ゲーム開発者の協力により開発された本製品は、ハードウェア及びユーザーインターフェースの両面において様々なカスタマイズが可能で、あらゆる方がより簡単に、快適に、そして長い時間ゲームをお楽しみいただけるようサポートします。 (2)ET&S・空間コンテンツ制作システム 高画質の4K OLEDマイクロディスプレイやビデオシースルー機能を搭載したXRヘッドマウントディスプレイ(HMD)と、3Dオブジェクトの精密な操作に最適化したコントローラーを備え、空間コンテンツ制作における高度なクリエイティブ作業に対応する没入型空間コンテンツ制作システムを開発しました。このシステムでは、両眼8KのOLEDマイクロディスプレイがもたらす高精細表示に加えて、ビデオシースルー機能により、肉眼視に近い見え方で現実の空間に仮想の物体を表示します。また、手指で造形物を把持しながらキーボードで数値入力を行うことを可能とするリング型コントローラー、ポインティングのための独自のポインティングコントローラー、これらを用いて立体視による直感的かつ精密な制作を行うことを可能とするUIにより、クリエイターが現実と仮想空間をシームレスに行き来できる、没入感のある空間コンテンツ制作体験を提供します。 ・360 Virtual Mixing Environmentとそれを支えるヘッドホン「MDR-MV1」 長年にわたる立体音響技術開発の集大成として、映画サウンド制作用スタジオの音・音場環境を、精密な音響測定をもとにヘッドホンのみで再現する技術「360 Virtual Mixing Environment」(「360VME」)を開発しました。SPE及びソニー・インタラクティブエンタテインメントと連携し、プロの制作用に特化して開発を進め、SPEのサウンド制作用リファレンススタジオや、PlayStation Studiosが持つゲームサウンド専用スタジオの音場環境を高精度に再現しました。そして、新しい振動板形状を採用し専用開発したドライバーユニットを備えた、立体音響制作に最適な背面開放型モニターヘッドホン「MDR-MV1」を商品化しました。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、自宅での作業を余儀なくされたミキシングエンジニアのために、SPEと連携し、「360VME」を用いてミキシングステージの音場を再現しました。これにより、映画サウンド制作の最前線で活躍するクリエイターからも認められるサウンド制作のクオリティを、クリエイターの自宅でも実現できるようになりました。新型コロナウイルス禍の終息後においても場所の制約を取り払った新たなワークフローとしての活用が期待されており、音楽などの立体音響コンテンツ制作向け「360VME」の測定サービス事業を開始しています。 (3)I&SS・リアルな空間再現に貢献する大型で高精細な1.3型4K OLEDマイクロディスプレイ「ECX344A」 本製品は、カメラの電子ビューファインダー(EVF)の開発で培った微細化プロセスと独自の画素駆動回路の採用により、大型の1.3型ディスプレイにおいて4Kの高解像度を実現し、VR/AR向けヘッドマウントディスプレイによるリアルな空間再現に貢献します。さらに、新開発の高速駆動用ドライバー回路を搭載することで、4Kでも高フレームレートで滑らかな映像表現を実現します。また、従来の技術では色域と輝度の性能はトレードオフの関係にありましたが、色域を広げながら光の利用効率を改善する独自の画素構造を採用することで、広色域と高輝度性能の両立を実現し、高精細性と併せることで、リアルな映像による没入感の高い体験を可能にします。 ・業界最多※1有効1,742万画素※2の車載カメラ用CMOSイメージセンサー「IMX735」 システムが自律的に運転操作を行う自動運転を実現するためには、周囲360度の車外環境を高精度にとらえることができる高度な検知・認識性能が必要となります。本製品は、業界最多の有効1,742万画素を実現したことにより、遠くの対象物を高精細に検知することを可能にします。加えて、画素信号の水平方向出力を採用することで、メカニカルスキャン方式のLiDARと同期しやすく、自動運転システム全体として検知・認識性能を向上させることも可能です。さらに、独自の画素構造と露光方法により飽和照度を改善したことで、逆光などの条件下でも白飛びを抑制し、またトンネルの出入り口などの明暗差の大きい道路環境においても、対象物をより正確に検知・認識することができます。本製品により、高度な検知・認識性能を有する車載カメラシステムを実現し、安心・安全な自動運転に貢献します。※1 車載カメラ用のCMOSイメージセンサーとして(2023年9月12日広報発表時)※2 イメージセンサーの有効画素規定方法にもとづく (4)コーポレートR&D・SOTA※生成モデルとリアルタイムアプリへの応用 機械学習による画像生成の領域において、独自の新たなモデルを開発し、従来のSOTA生成モデルを上回る品質を達成すると同時に40倍の高速化を達成しました。本技術に関する論文「Consistency Trajectory Models:Learning Probability Flow ODE Trajectory of Diffusion」及び「SAN:Inducing Metrizability of GAN with Discriminative Normalized Linear Layer」は機械学習の領域で権威ある国際会議「International Conference on Learning Representations 2024」において採択されました。この高速かつ高品質な生成技術は、ゲームなどのエンタテインメント事業でのリアルタイム背景映像生成等の応用が期待されています。※SOTA: State-of-the-Art ・リップシンク技術によるアニメーションの制作支援 従来、アニメーション制作などにおいて、キャラクターの唇の動きと音声を同期させることに多くの時間を要していました。本技術は、AIを用いることで制作工程の短縮に貢献します。この技術を導入したリップシンクツールは、既にアニメ制作現場でも活用されています。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 ソニーは、生産部門の合理化及び品質向上、ならびに需要増大にともなう生産設備の増強を目的とした設備投資のほか、研究開発の強化を図るため継続して投資を行っています。 当年度の設備投資額の内訳は以下のとおりです。セグメントの名称2023年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)金額(百万円)G&NS、ET&S及びI&SS697,554音楽67,112映画63,391金融22,880その他、全社(共通)31,674合計882,611 (注)1 金額は有形固定資産、使用権資産及び無形資産(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費及びテレビ放映権を除く)の増加額です。 2 企業結合等により生じた増加額は含まれていません。 当年度の設備投資額は、882,611百万円となりました。主な内訳は、G&NS分野、ET&S分野及びI&SS分野でイメージセンサーや新製品の生産設備を中心に697,554百万円、音楽分野で67,112百万円、映画分野で63,391百万円、金融分野で22,880百万円、その他で31,674百万円でした。なお、設備の除却等については重要なものはありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 ソニーは、多種多様な事業を国内外で行っており、その設備の状況はセグメントごとの数値とともに主たる設備の状況を開示する方法によっています。 当年度末における主要な設備の状況は以下のとおりです。 (1) セグメント内訳 2024年3月31日現在 セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置・その他の資産使用権資産G&NS、ET&S及びI&SS30,054(2,638)271,2221,381,726271,85871,100音楽22,639(324)23,1241,206,23666,91611,300映画12,579(268)52,867788,38758,2769,500金融6,324(25)5,85368,47476,28813,600その他、全社(共通)14,350(450)90,71791,80330,0577,500合計85,946(3,705)443,7833,536,626503,395113,000 (注)1 「機械装置・その他の資産」は、機械装置及びその他の有形固定資産、コンテンツ資産、その他の無形資産です。 2 従業員数は百人未満を四捨五入して記載しています。 (2) 提出会社の状況 2024年3月31日現在 事業所名(主な所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置・その他の資産本社(東京都港区)全社(共通)本社設備1,311(19)22,48416,9511,574その他全社(共通)本社設備4,84031,0003,304535 (注)1 事業所の「その他」には、主にソニーシティ大崎、厚木テクノロジーセンターを集約しています。2 「機械装置・その他の資産」は、機械装置及びその他の有形固定資産、コンテンツ資産、その他の無形資産です。3 国内子会社より賃借している設備を含んでいます。4 上記のほか、土地、建物及び構築物等を主として国内関係会社に貸与しています。また、使用権資産を主として国内関係会社に転貸しています。 (3) 主要な国内子会社の状況 2024年3月31日現在 主な子会社及び事業所名(主な所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置・その他の資産使用権資産㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント(東京都港区)G&NS家庭用ゲーム機・クラウド関連ソフトウェア-(-)1,620199,70813,0681,900ソニー㈱(東京都港区)ET&Sテレビ、オーディオ・ビデオ機器、カメラ、放送機器及び医療用機器等の研究設備-(-)2,36950,94434,4097,900ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱(東京都品川区)ET&Sデータ通信設備-(-)48377,0725,7822,000ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ㈱幸田サイトほか(東京都港区)ET&S、I&SS、その他電子機器等の製造設備5,543(468)9,71016,2735,7053,900ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱(神奈川県厚木市)I&SSイメージセンサー等の研究設備-(-)1,38057,80119,9147,500ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱長崎テクノロジーセンターほか(熊本県菊池郡)I&SSイメージセンサー等の製造設備17,928(995)172,055607,5249,0688,600ソニーセミコンダクタエネルギーマネジメント㈱長崎テクノロジーセンターほか(熊本県菊池郡)I&SSイメージセンサー等の製造に係るエネルギー供給設備-(-)33,53385,42146,994100㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント(東京都千代田区)音楽音楽施設及び自社利用ソフトウェア22,548(320)11,22363,56112,6784,300ソニーフィナンシャルグループ㈱(東京都千代田区)金融自社利用ソフトウェア6,324(5)5,85368,47476,28813,600ソニーグローバルソリューションズ㈱(東京都港区)全社(共通)自社利用ソフトウェア-(-)46020,8631,029500 (注)1 「機械装置・その他の資産」は、機械装置及びその他の有形固定資産、コンテンツ資産、その他の無形資産です。2 従業員数は百人未満を四捨五入して記載しています。3 ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱、㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント及びソニーフィナンシャルグループ㈱の各数値は連結決算数値です。 (4) 主要な在外子会社の状況 2024年3月31日現在 主な子会社及び事業所名(主な所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置・その他の資産使用権資産Sony Corporation of America(アメリカ ニューヨーク)ET&S、I&SS電子機器等の製造設備361(112)19,6664,2674,5141,300音楽ミュージック・カタログ等91(4)11,9011,142,67554,2397,000映画映画、テレビ番組、ビデオソフト等の製作・製造設備12,579(268)52,867788,38758,2769,500その他、全社(共通)社屋及び機械装置等669(272)11,29116,96713,4341,600Sony Interactive Entertainment LLC(アメリカ カリフォルニア)G&NSクラウド関連設備等-(-)16,524201,113108,8326,200Sony Interactive Entertainment Europe Ltd.(イギリス ロンドン)G&NSクラウド関連設備等-(-)5,70223,30720,8702,600Sony Europe B.V.(イギリス サリー)ET&S、I&SS、その他社屋及び販売設備等2,640(45)4,00515,6638,8473,900Sony Device Technology (Thailand) Co., Ltd.(タイ バンカディ)I&SS電子機器等の製造設備509(132)14,21618,152251,200Sony EMCS (Malaysia) Sdn. Bhd.(マレーシア セランゴール)ET&S電子機器等の製造設備-(-)4,7356,8462064,700 (注)1 「機械装置・その他の資産」は、機械装置及びその他の有形固定資産、コンテンツ資産、その他の無形資産です。2 従業員数は百人未満を四捨五入して記載しています。3 Sony Corporation of America、Sony Interactive Entertainment LLC、Sony Interactive Entertainment Europe Ltd.及びSony Europe B.V.の各数値は連結決算数値です。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 ソニーは多種多様な事業を国内外で行っており、設備の新設・拡充の計画はセグメントごとの数値を開示する方法によっています。 2024年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)におけるセグメントごとの設備投資(新設・拡充)の計画は、以下のとおりです。セグメントの名称2024年度設備投資計画金額(百万円)設備等の主な内容・目的G&NS、ET&S及びI&SS531,000イメージセンサーを中心とした生産設備投資など音楽60,000音楽カタログに関する投資、IT関連設備投資など映画45,000映画製作に関わる設備投資、IT関連設備投資など金融35,000IT関連設備投資などその他、全社(共通)74,000IT関連設備投資など合計745,000 (注)1 金額は有形固定資産、使用権資産及び無形資産の増加見込額です。 2 繰延映画製作費及びテレビ放映権の増加見込額は含まれていません。 3 企業結合等により生じる増加見込額は含まれていません。 4 上記の設備投資額の支払いは、主として自己資金により賄う予定です。 2024年度の設備投資額は、主にI&SS分野における設備投資の減少により、前年度に比べ約15.6%減少の約7,450億円となる見通しです。 一方、除却等については、経常的な設備の更新のための除却及び売却を見込んでいます。 なお、上記の設備投資計画は、本書提出日現在において入手可能な情報から得られたソニーのマネジメントの判断にもとづいています。実際の設備投資は、様々な重要な要素により、これら計画とは大きく異なる可能性があります。したがって、これらの設備投資計画のみに全面的に依拠することは控えるようお願いします。 |
研究開発費、研究開発活動 | 45,400,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 882,611,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 16 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 11,132,231 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分の基準や考え方 当社は、当社及び当社の子会社が保有する投資株式(当社の上場子会社が保有する株式及び当社が保有する当該上場子会社の株式を除く)について、以下の定義にしたがって区分し、管理しています。・純投資目的である投資株式:専ら株価の変動や配当の受取によって利益を享受することを目的とする投資株式・純投資目的以外の目的である投資株式:「純投資目的」以外の投資株式 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(上場株式に限る)についての、当社の保有方針及び保有の合理性を検証する方法<保有方針> 当社は、当社又は当社の子会社による上場会社株式の取得又は継続保有(当社の上場子会社による取得及び継続保有、ならびに当社が保有する当社の上場子会社の株式を除く)にあたっては、適切な手続を経て十分に検討のうえ、保有意義・経済合理性が十分認められるものに限り、取得又は継続保有することにしており、保有意義・経済合理性が十分であると認められなかった銘柄については縮減するものとしています。<保有の合理性の検証方法> 当社及び当社の子会社が純投資目的以外の目的で保有する全ての上場会社株式(当社の上場子会社が保有する株式及び当社が保有する当該上場子会社の株式を除く)については、保有目的の適切さ、取引上の重要性(見込んでいた協業の進捗や今後の見通しを含む)と株式保有がかかる取引に与える影響などの定性的な評価に加え、株式保有に係る投資リターン及び資本コストの精査など定量的な分析を通じて、随時、保有の適否の検証を行っています。なお、全ての上場会社株式の銘柄について、まず執行側において検証が行われ、その結果を踏まえて、業務執行の監督機関である当社取締役会において保有の適否の検証が行われています。 ③ 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(上場株式に限る)についての、個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 2024年3月末時点において当社及び当社の子会社が保有する全ての上場会社株式(当社の上場子会社が保有する株式及び当社が保有する当該上場子会社の株式を除く)につき、前述の方法により、2024年6月25日に開催された取締役会にて保有の合理性の検証を行いました。 なお、縮減を検討すべきと判断された株式については、縮減に向けた検討を進めます。 ④ 当社が保有する保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(銘柄数・貸借対照表上の金額・前事業年度からの増減) 非上場株式非上場株式以外の株式銘柄数(2024年3月31日)118銘柄8銘柄貸借対照表上の金額(2024年3月31日)*12,496百万円14,331百万円株式数が増加した銘柄数(2023年度)18銘柄4銘柄株式数の増加に係る取得価額の合計額(2023年度)2,506百万円2,962百万円増加の理由(2023年度)新たな事業機会の創出や既存事業の強化・拡充を目的とした投資や、コーポレートベンチャーキャピタルを通じたベンチャー投資等当社の関連事業推進及び関係維持・強化等のための投資や、当事業年度中に新規上場したもの株式数が減少した銘柄数(2023年度)5銘柄3銘柄株式数の減少に係る売却価額の合計額(2023年度)0百万円711百万円(注)* 日本基準ベースで測定した金額を記載しています。 ⑤ 当社が保有する特定投資株式及びみなし保有株式(各銘柄ごとの情報) 特定投資株式銘柄2024年3月31日2023年3月31日保有目的定量的な保有効果*2株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無*3株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)*1,4貸借対照表計上額(百万円)*1,4㈱KADOKAWA2,844,9502,844,950アニメ・ゲーム事業をはじめとしたエンタテインメント領域での同社との協業関係の維持・強化及び事業機会創出を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-有7,5458,017㈱アカツキ1,400,000-アニメ・ゲーム事業、ライブオペレーション領域を中心に同社との協業関係の推進・強化及び事業機会創出を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。当社の関連事業における連携強化及び事業機会の模索のため無3,611-㈱ソラコム962,400-IoT通信プラットフォーム事業領域での同社との協業関係の維持・強化及び事業機会創出を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。当事業年度中に新規上場したことによるもの無2,091-iDreamSkyTechnologyHoldingsLimited5,925,2005,925,200ゲーム事業を中心とした中国のエンタテインメント領域における同社との協業関係の維持・強化及び事業機会創出を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無294439㈱WOWOW230,000230,000放送設備や情報システム保守、映画コンテンツ販売等の取引を行う同社との協業関係の維持・強化を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無262288㈱カウリス94,300-法人向けクラウド型不正アクセス検知サービスの提供等を行う同社へのベンチャー投資を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。当事業年度中に新規上場したことによるもの無260-㈱テレビ東京ホールディングス60,00060,000放送設備や映画コンテンツ等の販売、映画事業のチャンネルビジネスにおけるコンテンツの安定的調達等の取引や、新技術を活用した番組制作における連携等を行う同社との協業関係の維持・強化を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無179148 銘柄2024年3月31日2023年3月31日保有目的定量的な保有効果*2株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無*3株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)*1,4貸借対照表計上額(百万円)*1,4㈱スマートドライブ46,89046,890モビリティデータを活用した各種サービス提供を行う同社へのベンチャー投資を目的とした出資前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無88117monoAItechnology㈱-200,000---無-340(注)*1 日本基準ベースで測定した金額を記載しています。*2 定量的保有効果の開示は困難であるため、保有の合理性を検証した方法を記載しています。*3 当社の株主名簿等により確認できる範囲で記載しています。*4 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。 みなし保有株式銘柄2024年3月31日2023年3月31日保有目的定量的な保有効果*2株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無*3株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)*1貸借対照表計上額(百万円)*1㈱タムロン3,129,8503,129,850カメラ事業を中心としたイメージング領域における同社との協業関係の維持・強化及び事業機会創出を目的とした保有(退職給付信託に拠出しており、当社は議決権の行使に関する指図権を有する)前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-有21,5339,843東映アニメーション㈱ *4780,000780,000映画事業のチャンネルビジネスにおけるコンテンツの安定的調達等の取引を行う同社との協業関係の維持・強化を目的とした保有(退職給付信託に拠出しており、当社は議決権の行使に関する指図権を有する)前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無12,09010,265㈱レスターホールディングス *52,951,8202,951,820I&SS事業における重要な販売特約店である同社との協業関係の維持・強化を目的とした保有(退職給付信託に拠出しており、当社は議決権の行使に関する指図権を有する)前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-有8,9596,388(注)*1 日本基準ベースで測定した金額を記載しています。*2 定量的保有効果の開示は困難であるため、保有の合理性を検証した方法を記載しています。*3 当社の株主名簿等により確認できる範囲で記載しています。*4 2024年3月31日を基準日(効力発生日:2024年4月1日)とした株式分割(普通株式1株を5株に分割)に より、提出日現在(2024年6月25日)の株式数は、3,900,000株となります。*5 ㈱レスターホールディングスは、2024年4月1日付で、㈱レスターに商号変更しています。 ⑥ 当社が保有する保有目的が純投資目的である投資株式(銘柄数・貸借対照表上の金額・受取配当金・売却損益及び評価損益)該当事項はありません。 ⑦ 最大保有会社であるSony Music Entertainment International Limitedにおける株式の保有状況 当社及び当社の子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(以下「投資株式計上額」)が最も大きい会社(以下「最大保有会社」)であるSony Music Entertainment International Limitedについては以下のとおりです。なお、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(上場株式に限る)についての、Sony Music Entertainment International Limitedの保有方針及び保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容は、上記②及び③のとおりです。 a. Sony Music Entertainment International Limitedが保有する保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(銘柄数・貸借対照表上の金額・前事業年度からの増減) 非上場株式非上場株式以外の株式銘柄数(2024年3月31日)-1銘柄貸借対照表上の金額(2024年3月31日)*-204,776百万円株式数が増加した銘柄数(2023年度)--株式数の増加に係る取得価額の合計額(2023年度)--増加の理由(2023年度)--株式数が減少した銘柄数(2023年度)--株式数の減少に係る売却価額の合計額(2023年度)--(注)* IFRSベースで測定した金額を記載しています。 b. Sony Music Entertainment International Limitedが保有する特定投資株式(各銘柄ごとの情報)銘柄2024年3月31日2023年3月31日保有目的定量的な保有効果*2株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無*3株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)*1貸借対照表計上額(百万円)*1Spotify Technology S.A.5,124,5605,124,560グローバル音楽事業における、DSP(デジタルサービスプロバイダー)としての同社及びアーティストとの関係の維持・強化を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無204,77691,252 (注)*1 IFRSベースで測定した金額を記載しています。*2 定量的保有効果の開示は困難であるため、保有の合理性を検証した方法を記載しています。*3 当社の株主名簿等により確認できる範囲で記載しています。 c. Sony Music Entertainment International Limitedが保有する保有目的が純投資目的である投資株式(銘柄数・貸借対照表上の金額・受取配当金・売却損益及び評価損益) 該当事項はありません。 ⑧ 最大保有会社の次に大きい会社であるSony Corporation of Americaにおける株式の保有状況 当社及び当社の子会社のうち、投資株式計上額が最大保有会社の次に大きい会社であるSony Corporation of Americaについては以下のとおりです。なお、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(上場株式に限る)についての、Sony Corporation of Americaの保有方針及び保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容は、上記②及び③のとおりです。 a. Sony Corporation of Americaが保有する保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(銘柄数・貸借対照表上の金額・前事業年度からの増減) 非上場株式非上場株式以外の株式銘柄数(2024年3月31日)56銘柄1銘柄貸借対照表上の金額(2024年3月31日)*174,214百万円29,410百万円株式数が増加した銘柄数(2023年度)11銘柄-株式数の増加に係る取得価額の合計額(2023年度)2,112百万円-増加の理由(2023年度)ソニーグループの事業ポートフォリオの拡 充及び関連事業推進・関係強化等を目的と した投資等-株式数が減少した銘柄数(2023年度)1銘柄1銘柄株式数の減少に係る売却価額の合計額(2023年度)2百万円14百万円(注)* IFRSベースで測定した金額を記載しています。 b. Sony Corporation of Americaが保有する特定投資株式(各銘柄ごとの情報)銘柄2024年3月31日2023年3月31日保有目的定量的な保有効果*2株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無*3株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)*1,4貸借対照表計上額(百万円)*1Bilibili Inc.17,310,69617,310,696中国におけるアニメ・ゲーム事業をはじめとしたエンタテインメント領域での同社との協業関係の維持・強化及び事業機会創出を目的とした保有前述の検証方法に従い、保有の合理性を判断しています。-無29,41054,214Super League Gaming, Inc.-958,509---無-71 (注)*1 IFRSベースで測定した金額を記載しています。*2 定量的保有効果の開示は困難であるため、保有の合理性を検証した方法を記載しています。*3 当社の株主名簿等により確認できる範囲で記載しています。*4 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。 c. Sony Corporation of Americaが保有する保有目的が純投資目的である投資株式(銘柄数・貸借対照表上の金額・受取配当金・売却損益及び評価損益) 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 18 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 118 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 12,496,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 8 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 14,331,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,506,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,962,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 711,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 46,890 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 88,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 2,951,820 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 8,959,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 新たな事業機会の創出や既存事業の強化・拡充を目的とした投資や、コーポレートベンチャーキャピタルを通じたベンチャー投資等 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 当社の関連事業推進及び関係維持・強化等のための投資や、当事業年度中に新規上場したもの |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | monoAItechnology㈱ |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | ㈱レスターホールディングス |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社 | 有 |