財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-06-26 |
英訳名、表紙 | Techno Medica Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 實吉 政知 |
本店の所在の場所、表紙 | 神奈川県横浜市都筑区仲町台五丁目5番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 045(948)1961 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月事項1987年9月川崎市高津区において資本金2千5百万円で株式会社テクノメディカを設立1988年10月九州地区販売強化のため福岡支店を新設1989年1月中部地区販売強化のため名古屋支店を新設1990年9月関西地区販売強化のため大阪支店を新設1991年6月かながわサイエンスパークに開発センターを設置1997年3月本社社屋が竣工、本社機能・研究センターを現在地に移転1998年6月本社第二研究所が竣工、研究開発部門の充実をはかる2003年9月日本証券業協会に株式を店頭登録2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場2005年9月本社第三研究所が竣工、研究開発部門及び物流の充実をはかる2007年3月東京証券取引所市場第二部に株式を上場2007年4月ジャスダック証券取引所への上場を廃止2008年3月東京証券取引所市場第一部に指定2009年7月本社第四ビルが竣工、生産業務施設の充実をはかる2012年9月ヘルスケアセンターを開設、研究開発機能の強化をはかる2019年8月横浜市緑区に物流センターを開設、物流・倉庫施設の拡充をおこなう2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行2023年10月東京証券取引所のプライム市場からスタンダード市場に移行 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、臨床検査用分析装置及び医療機器の研究開発、製造、販売、輸出及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる業務とし、さらにこれら装置の保守サービス等の事業活動を展開しております。 販売系統としましては、当社が直接国内・海外ユーザーへ製品を販売する場合と、販売業者を経由し国内・海外ユーザーへ製品を販売する場合があります。なお、子会社・関連会社はありません。当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため品目別に事業の内容を記載いたします。当社の製品は3つに分類でき、その内容は下記のとおりであります。 (1)採血管準備装置・システム 採血管準備装置および関連システムとは、採血・採尿検査に関する受付業務から、採血整理券と患者ラベルを貼付した尿カップの発行を行い、かつ採血管準備作業を自動でおこなう一連のシステムであります。採血管準備装置には、採血管準備装置とその周辺機器である採血・採尿自動受付機、採血台表示システム、自動検体仕分け装置、全自動尿分析・分取装置、一般検査前処理装置、RFID検体情報統括管理システム(Radio Frequency Identification)があります。 採血管準備装置および関連システムは、採血患者の待ち時間短縮、採血業務に従事する臨床検査技師、看護師の採血業務支援ならびに、検体の取り違え防止を目的としたシステムであり、採血・採尿自動受付機、採血台表示システム、患者誘導外待ちディスプレイといった各種周辺機器を付加することで、それぞれの医療施設にあった採血管準備のトータルシステムを提供することが可能であります。なお、RFID検体情報統括管理システムは、ICタグの個別情報を無線通信によって読み書きするRFID技術を応用し、採血管や尿検体の患者認証から検体搬送までを効率的に管理するシステムです。 (2)検体検査装置 検体検査装置とは、医療施設において血液等の検体を測定し、値を数値化することにより、患者の傷病を評価するための検査装置であります。当社で販売している検体検査装置は、血液中の酸素分圧や炭酸ガス分圧及び、pH等を測定する血液ガス分析装置・ハンディ型血液ガス分析装置、電解質を分析する専用の電解質分析装置、赤血球の凝縮による血球の沈降度を測定する赤血球沈降速度測定機、DNAの酸化的損傷ストレスマーカーである尿中8-hydroxy-deoxyguanosine(8-OHdG)を測定する尿中酸化ストレスマーカー測定システム、ヘルスケア製品等であります。 (3)消耗品等 消耗品としては、採血管準備装置や検体検査装置で使用するラベル、日常校正イオン電極用常用標準血清、センサーカード、ガストロール、キャリブレーション用パック、ハルンカップ等でありますが、その他に採血管準備装置及び検体検査装置の保守も含めております。 当社事業の系統図は次のとおりであります。 採血管準備装置、検体検査装置等の研究開発・設計は社内でおこない、製造工程を社外協力会社へ委託しております。組立委託先から製品を受入検査基準に従い受入した後、社内での最終調整を経て、出荷検査基準を満たした製品を本社より出荷しております。このような体制を構築することにより、研究開発や販売等に経営資源を集中することが可能となっております。 消耗品等については受注見込量を本社にて調合・調整・包装あるいは製造をおこなっております。これら消耗品の品質検査は製造工程と出荷前の2段階でおこない、製品の品質確保を図っております。万一出荷後の不具合が見つかった場合には、同一製造ロットを全て回収し交換をおこなう体制を整えております。 ヘルスケア製品につきましては、研究開発および生産を社内でおこなっております。個人の方々の健康のセルフモニタリングに役立つ製品を、社内研究開発部門で開発し、本社にて製造工程で品質検査をおこないながら、受注見込量の生産をおこなっております。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年3月31日現在従業員数平均年齢平均勤続年数平均年間給与237(69)人40.6歳10.8年6,620千円(注)1.従業員数、平均年齢、平均勤続年数は、海外支店の現地採用者を含み、派遣社員は含んでおりません。( )内は、パート社員の年間の平均人員を外数で記載しております。2.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。なお、海外支店の現地採用者は含んでおりません。 セグメント情報を記載していないため、事業部門別の従業員数を示すと次のとおりであります。 2024年3月31日現在事業部門の名称従業員数(人)営業部門55(-)生産技術部門102(65)開発部門38(3)管理部門42(1)合計237(69)(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者(パート社員)数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。 (2)労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者3.350.042.280.2-(注)3.(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。3.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は、主に男女の雇用形態や年齢構成の差異によるものです。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針 当社は、健康、医療の分野でオリジナリティあふれるオンリーワンの製品・サービスを提供し、社会に貢献します。 (2) 経営戦略等 国内市場においては、信頼性および品質の向上と、開発技術の創造により売上増収を目指します。海外市場においても、当社の技術力を活かした製品の拡販を目指します。 また、新製品の開発により新たな事業の創造を目指します。 (3) 経営環境 新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)による影響は縮小傾向にあるものの、医療機器業界においては、新型コロナにより露呈した医療現場の課題を踏まえて、医療従事者を支える産業としての社会的責務を果たし続けることが求められております。 当社としても、引き続き医療機関におけるオペレーションの効率化に寄与する採血管準備装置・システムを主軸に製品ラインナップの拡充を図り、より円滑な医療機関の運営に貢献してまいります。併せて、原材料費の高騰が続く中でも、安定した製品・消耗品等の供給を維持できるよう尽力しております。 (4) 目標とする経営指標① 2023中期経営計画当社は、2023年度(2024年3月期)からの新3ヶ年中期経営計画を策定しております。当社の持続的な成長に向け、事業基盤の強化、積極的な研究開発投資を推進し、さらなる安定成長を目指して参ります。 ② 基本方針・採血管準備装置・システムおよび検体検査装置は、信頼性、品質の向上を図り、価値あるサービスを提供することにより、お客様の期待に応えます。・新製品の開発により、新たな事業の想像を目指します。(製品開発のキーワードは「在宅医療」「予防医学」「先制医療」「POCT(臨床現場の即時検査)」など)・これからも日本国内にとどまらず、当社の技術力を活かし、世界に貢献する企業を目指します。 ③ 経営指標当社は、2023中期経営計画において、下記の指標を重要な経営指標としております。経営指標2024年3月期2025年3月期2026年3月期3ヶ年合計売上高(億円)98100110308営業利益(億円)13141845売上高営業利益率(%)13.314.016.414.6 (5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 世界においては新型コロナに関して、行動制限が緩和されたことによる正常化が進んでいます。一方、世界的なインフレ進行やウクライナ情勢によるエネルギーコストおよび原料コストの高騰が続いています。また、人口増加、異常気象による天然資源、食料、水不足、更には地政学リスクの高まりによる影響も深刻化しています。国内においても、人口減少や超高齢化の進行、それに伴う労働力不足や、医療介護等への早急な対応が要請されています。 当社は以上の社会環境の変化に対処し、時代要請を戦略に組み込みながら、健康、医療分野での社会課題の解決に貢献することが、当社の企業価値を高めることに繋がると考えています。 持続可能な社会の実現のために、当社の三つの事業分野でソリューション提供を通し、継続的に企業価値を創造していきたいと考えています。①採血管準備装置・システム事業 当社は採血採尿業務に特化した分野において、世界に先駆けて採血管準備装置を開発しました。日本全国で2,000ヶ所以上、海外で500ヶ所以上の施設へ導入実績があります。これまで、大型採血管準備装置「BC・ROBO-8001RFID(無線自動識別機能)」の開発を筆頭に、中型採血管準備装置「BC・ROBO-900」、小型採血管準備装置「BC・ROBO7」等のラインアップをそろえてきており、更なる販路拡大を図っていきます。また、医療従事者の人手不足により今後需要が期待される、検体の非接触認識と自動搬送の実現、クラウド活用で最適化された患者誘導による待ち時間短縮をはじめとする、効率的で快適なサービスを提供するための装置・システム開発を通じて、医療機関様や患者様への利便性向上策に貢献していきます。②検体検査装置事業 当社の検体検査装置は、血液ガス分析、電解質分析を行い、状況把握、診断、治療に欠かせない緊急検査装置で、国内及び海外で販売して参りました。デスクトップ型とハンディ型を取りそろえ、検査室や集中治療室、動物病院等多様なニーズにも対応させていただきました。新型コロナ禍で海外市場での販路拡大し、緊急検査用途の血液ガス分析装置の需要が引き続き高まっています。 2022年度(2023年3月期)より新型血液ガス分析器GASTAT-proを上市しました。今後も更なる販路拡大を図って参ります。また、デスクトップ型の高機能装置の開発、消耗品の量産安定化にも努めて参ります。③消耗品等事業 採血管準備装置・システム及び検体検査装置の消耗品は、医療機関内の日常的な検査で使用されており、装置の設置増加に伴い売上は増加してきました。 これまで年率4~5%の割合で売上が増加してきましたが、原料、部材価格が上昇しています。消耗品価格の改定も進めると共に、引き続き安心安全な消耗品を提供して参ります。④SDGsの推進 SDGs(国連の持続可能な開発目標)をはじめとした社会課題解決への取組の要請が高まっています。当社は社会の基盤と革新を担う存在であり、社会課題の解決に向けて大きな責任を持っています。 当社としての「2030長期ビジョン」を策定しています。ESG(環境・社会・企業統治)の視点で機会とリスクを的確に捉え、経営に反映させて参ります(具体的な取り組み内容については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております)。 当社は革新的な新製品や技術開発を通して、このような社会課題の解決に向けて果たすべき役割は大きいと考えています。社会変化に迅速に対応し、持続可能な成長・発展を目指します。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 当社は、取締役会および本部長会議において、サステナビリティに関するリスクや機会、必要とされる対応等について随時議論し、これに基づいた経営戦略の立案、各部門への指示等をおこなう体制を構築することで、サステナビリティ関連の取組みにおけるガバナンスを維持しております。 これまでにも、取締役会においてESGや人的資本、多様性の確保等の広範なテーマについて討議をおこない、当社の中長期的な経営戦略として「2030長期ビジョン」を作成したほか、企業の行動計画として、多様性の確保に向けた取り組みについて具体的な目標値を設定してまいりました。これらの目標の達成を通じて、持続可能な社会の実現に向けた当社としての社会的責任を果たすとともに、企業価値の向上にもつなげて行くことを当社の戦略としております。 (2030長期ビジョンにおいて設定した目標)・使用する原材料の削減・ロボットシステム普及に貢献する技術や製品の開発、ソリューションの提供・消耗品等事業のプラスチックから紙製品への転換・感染予防対策に資する製品の開発、提供・自社ビル内節電策、太陽光発電の活用・産業廃棄物のミニマム化・安定調達、供給のための構造改革・「現場力」に基づいた最適生産体制の確立・人的資本を重視する経営施策・女性人材の活躍の場の提供・働きやすい職場環境づくり (行動計画として設定した目標)・管理職に占める女性の割合を10%以上とする(当事業年度末時点では3.3%)。・男女の平均勤続年数の差異を5年以内に維持する(当事業年度末時点では4.3年)。 また、2023中期経営計画において「働きがい・生きがいの創造」を人事制度の理念と定め、多様な人材が活躍できる環境整備に向けた各種の取り組み内容を公表するとともに、「女性の責任者数を年1名以上選任する」といった具体的な目標を定め、社内における多様性の確保に努めることとしております。 上記の目標達成に向けた取り組みを進めつつ、取り組みの中で識別されたリスクや機会は、関係部門から担当役員を経て取締役会等の意思決定機関へ迅速に共有し、影響の大小や重要度を多角的に評価のうえ、対応を議論、決定します。また、取締役会では気候変動シナリオや人権状況等、サステナビリティの観点で当社の経営に影響を及ぼしうるリスクの発生を広範にモニタリングし、早期の把握と対応に努めております。このようなリスク管理体制のもとで、リスクや機会を適切に管理し、事業運営におけるサステナビリティの確保、社会課題の解決に向けた貢献を目指してまいります。 |
戦略 | これまでにも、取締役会においてESGや人的資本、多様性の確保等の広範なテーマについて討議をおこない、当社の中長期的な経営戦略として「2030長期ビジョン」を作成したほか、企業の行動計画として、多様性の確保に向けた取り組みについて具体的な目標値を設定してまいりました。これらの目標の達成を通じて、持続可能な社会の実現に向けた当社としての社会的責任を果たすとともに、企業価値の向上にもつなげて行くことを当社の戦略としております。 |
指標及び目標 | (2030長期ビジョンにおいて設定した目標)・使用する原材料の削減・ロボットシステム普及に貢献する技術や製品の開発、ソリューションの提供・消耗品等事業のプラスチックから紙製品への転換・感染予防対策に資する製品の開発、提供・自社ビル内節電策、太陽光発電の活用・産業廃棄物のミニマム化・安定調達、供給のための構造改革・「現場力」に基づいた最適生産体制の確立・人的資本を重視する経営施策・女性人材の活躍の場の提供・働きやすい職場環境づくり |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | また、2023中期経営計画において「働きがい・生きがいの創造」を人事制度の理念と定め、多様な人材が活躍できる環境整備に向けた各種の取り組み内容を公表するとともに、「女性の責任者数を年1名以上選任する」といった具体的な目標を定め、社内における多様性の確保に努めることとしております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (行動計画として設定した目標)・管理職に占める女性の割合を10%以上とする(当事業年度末時点では3.3%)。・男女の平均勤続年数の差異を5年以内に維持する(当事業年度末時点では4.3年)。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。 (1)わが国の医療保険財政が業界に及ぼしている影響について わが国の国民医療費は、2021年度には45兆359億円で、前年度に比べ2兆694億円(4.8%)の増加となっており、今後における医療費の増大傾向が国家財政上の大きな問題となっております。一方で、人口の減少傾向が続く現状にあって経済成長は限定的(国内総生産は前年度比2.4%増加)であり、医療保険財政の悪化に歯止めをかけることが大きな課題となっております。 2022年4月1日の診療報酬改定では、本体部分のプラスが0.43%にとどまり、薬価の改定を含めた診療報酬全体としては、前回に続いてマイナス改定となるなど、医療機関の経営環境は引き続き厳しい状況にあります。 (2)当社の事業戦略及び事業展開上内包するリスクについて① 採血管準備装置・システムの市場規模、市場シェア及び同事業の新市場開拓について 採血管準備装置・システム事業は、当社が市場ニーズを掘り起こし、製品化をおこなった事業であります。当社の総売上高のうち、採血管準備装置・システム事業と関連消耗品の売上高合計が占める割合は、70%前後に達しております。その依存の大きさからも医療財政の緊縮化などの外的要因による市場規模の収縮、及び次世代機において市場動向やニーズを的確に捉えることができず収益性が低下した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 また、新製品の研究開発と製品化及び販売計画は、当社の想定どおりに拡大するかは不透明であり、将来においても当社売上高における採血管準備装置・システム事業への依存が大きい可能性があります。 また、採血管準備装置・システムの当社製品の累計設置施設は2,000施設を超えており、市場シェアも当社調べでは累計設置施設数ベース90%前後で推移しております。当社が主な導入のターゲットとしている病床数200床以上の大規模一般病院数を踏まえると、今後、新規の設置台数は伸び悩み若しくは減少に転ずる可能性があります。 このため、これまでターゲットとしてきた大規模一般病院に限らず、大規模病院の入院病棟や小規模病院をターゲットとした小型の装置開発・販売強化を図ってきております。さらに、治験業務等を受注する検査機関向けに直接販売の拡大を図っておりますが、小型製品については販売単価が低い一方、大型装置販売と同様の営業コストを要することから、潜在需要にもかかわらず、十分な採算を確保できない可能性があります。② 採血管準備装置・システムに関する顧客との継続的関係強化について 当社は、主力製品である採血管準備装置・システムを取巻く環境を踏まえ、累計設置台数の伸びに応じて、経常的に売上を見込める関連消耗品の売上や保守管理サービス収入により、既納入先との継続的取引の拡大を図っております。一方、これらの消耗品に対し、他メーカーが当社ハード製品に対応しうる非純正品を当社純正品に比し、廉価で販売する動きがあるため、当社は保守管理サービス業務の強化やハード新製品開発時における仕様変更等により、純正品の使用徹底を図っております。 また、採血管準備装置の法定耐用年数は5年でありますが、第三・第四世代機が設置後10年以上経過し、その間の物理的陳腐化に加え、製品仕様の向上による旧世代機の技術的陳腐化により、当社ハード製品の更新需要の取込みをはかり、予想される純新規需要の減少を補完する計画であります。しかしながら、更新はユーザー側が決定しており、当該ユーザー側の事情により更新が後ろ倒しになる傾向があります。③ 採血管準備装置・システムに関する競合等の影響及び対応策について 採血管準備装置・システムについては、当社製品の国内市場におけるシェアは90%前後を占めておりますが、競合他社の新製品の仕様、販売価格等により、販売上の影響を被る可能性があります。 当社製品の販売単価は、競合他社に比して高めに設定されておりますが、新型コロナの影響を緩和する方策として、非接触、密集の回避、待ち時間の短縮等の新機能・システムを付加するなど、提案内容の高付加価値化を目指してまいります。機能や処理能力における相違、操作の簡素化、省スペース化、デザイン等のきめ細やかなユーザーニーズが製品へ反映されていることの認知の向上とともに、継続的な製品開発・改良努力による製品差別化、ブランド構築・維持が販売価格維持の上で不可欠であると考えております。 また、医療施設全体の経営環境の悪化により、装置の新設の中止・延期やスペック・ダウン等の影響があり、当社は採血管準備装置単体に対し、自動搬送採血台、検体搬送システム、RFID機能等のオプション製品を付加し、パッケージとして販売することにより、ユーザーの多様なニーズの吸収による販売単価の拡大を図っておりますが、これらの成否によっては当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 さらに、電子カルテやオーダリングシステム導入等、医療施設業務全体のIT化の一環で採血管準備装置・システムが導入されるケースも多くなってきておりますが、医療施設側による採血管準備装置を制御する上位システムの導入遅延が散見されております。また、臨床検査業務の一層の外注・委託化が進展する中、医療施設側における同業務の委託先の決定遅延が生じる場合があります。これらの要因によっては、当社の採血管準備装置・システムの年間販売計画にも影響を及ぼす可能性があります。④ 採血管準備装置・システムの売上に至るまでに通常長期に亘る営業期間を要することについて 主力製品である採血管準備装置・システムの導入は、医療機関にとって大規模投資となるため、最終的な決定に至るまでは、2~3年程度の間の情報収集、内部での検討を要するケースが一般的であります。 このため、当社は可能な限り初期段階から医療機関とのコンタクトを持ち、当社製品の導入をおこなうことのメリットを理解して頂くことが、販売戦略上不可欠であります。 医療施設における外注委託を含めた臨床検査形態により、装置導入の意思決定プロセスが異なる場合があります。これらの形態変更は装置販売上のキーパーソンの変化に繋がるため、留意が必要であります。また、装置販売候補先における医療施設の人事異動等によるキーパーソンの交代は、有力販売見込先である当該医療施設への販売計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。(3)研究開発型企業として、研究開発期間と製品化に時間を要することについて 当社は、研究開発を重要な事業戦略としております。研究開発テーマの策定は市場ニーズの緊急度、技術的ハードル、他社の研究開発動向も踏まえ策定し、案件の開発期間は、基本的に2年として設定しております。しかしながら、技術的なハードルや市場に受入れられる明確な商品コンセプトが設定できない等のケースが生じた場合には、開発の中断を余儀なくされ、現在実施中の研究開発及び今後の研究開発計画に影響を及ぼす可能性があります。(4)製造委託を中心とする当社の生産体制について 採血管準備装置及び検体検査装置の生産については、製造工程の大半を協力会社に委託しております。採血管準備装置BC・ROBO-8001RFIDについては、東芝産業機器システム株式会社と基本契約を締結の上、製造委託をおこない、ロット生産をおこなっております。 当社は、同社との長期に亘る取引関係及び同社には複数の協力会社があることから、同社を通じた安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、仮に製造委託先に重大な問題が発生した場合には、当社が製品の供給を受けられなくなる可能性があります。 当社は、製造委託先との連携及び受入検査の強化を通じて、製品の品質確保を図っておりますが、採血管準備装置は、法制度上医療機器ではないものの医療関連機器であり、万が一製品の不具合が生じた場合、当社製品に対する信用失墜等に直面する可能性があります。 (5)検体検査装置事業及び新規事業分野における長期的事業戦略について 長期的視点を見据え、採血管準備装置・システム事業及びその関連事業以外の事業育成の視点も重要になってきております。現在、売上に占める比率では大きくはないものの検体検査装置事業における研究開発に注力しておりますが、検体検査装置事業においては採血管準備装置・システム事業に比し、海外メーカーを含め競争力のある既存の競合先も多く、また非医療分野への参入についても当社ブランドの構築、販路の開拓等の課題も多く、これらの分野が当社事業の主力事業もしくは重要な柱になるかどうかは現段階では不透明であります。 (6)海外への輸出について 海外への輸出については、展示会等でコンタクトのあった販売先と販売独占契約を締結の上、L/C発行等による直接取引、若しくは国内商社経由による販売をおこなっております。 採血管準備装置・システムについては、代理店を通じて輸出もおこなっており、輸出先としては、日本と同様の採血システムを採っているアジア、欧州、中南米地域等であります。2024年3月期における海外売上高は955,253千円(前期比13.1%減少)、総売上高に占める海外売上高の割合は約9.3%となっており、今後の海外展開によっては、為替リスク、海外代理店との契約、保守管理上のリスク等に直面する可能性があります。 (7)主な特許権等について 当社は、採血管準備装置に関連するバーコードラベル自動貼付・移送等にかかる特許権、及び検体検査装置事業に関連する特許権を登録済みであります。これらの登録済特許権は、事業実施にあたり、競合他社等から当社の知的財産権を保護するために必要不可欠なものであります。当社が登録済の特許権と類似の特許権を競合他社が保有しているケースもあるため、製品開発にあたっては、訴訟対策もあり、今後新たに研究開発をおこなったものについての知的財産権保護と併せ、これらの動向にも十分留意していくことが不可欠となっております。(8)下期への業績偏重について 当社の主力事業である採血管準備装置・システム事業の売上は、その主要納入先である医療施設からの受注及び納入要請タイミングとの関係上、下期、第4四半期に集中する傾向があります。また、医療施設側の設置する採血管準備装置を制御する上位システムの導入が当初想定した時期よりも遅延した場合には、翌期に売上が計上されることになり、一定期間毎に区切った場合の当社の経営成績に、期間毎の変動が生じる可能性があります。一方、これらの装置を稼動するための試薬、ラベル等の消耗品については恒常的に需要が発生いたします。 (9)法的規制について 当社は、各種の医療機器及び体外診断用医薬品の関連製品の製造、販売を行っております。医療機器及び体外診断用医薬品の製造販売業と製造業は、薬事法(1960年8月10日 法律第145号)をはじめとして、医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令:Quality Management System:2004年12月17日 厚生労働省令第169号)及びそれに関連する各種法令により規制を受けております。 薬事法は、医療機器を含め、それらの品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行っており、また許可は“5年をくだらない政令で定める期間ごとに、その更新を受けること”とされております。QMS省令は、品質の良い医療機器等を供給するために、製造時の管理、遵守事項を定めております。 当社は、薬事法やQMS省令に基づく許可を受け、(第2種医療機器製造販売業許可番号 14B2X00034、有効期間2023年9月11日から2028年9月10日まで;医療機器製造業登録番号 14BZ005014、有効期間2023年9月11日から2028年9月10日まで;14BZ200319、有効期間2019年8月5日から2024年8月4日まで;体外診断用医薬品製造業許可番号 14E1X80023、有効期間2021年7月18日から2026年7月17日まで;14EZ286017、有効期間2021年7月18日から2026年7月17日まで)厚生労働省及び神奈川県の監督を受けております。 これらの法的規制について、法律改正等により規制の内容に変更があった場合や、万一これらの規制に抵触した場合には当社の事業活動に影響が及ぶ可能性があることから、当社は引き続き、法律改正等の動向を注視しつつ、各種の法的規制に則って事業活動を展開する必要があります。(10)採血管準備装置・システム及び検体検査装置等の当社製品の販売経路及び最終販売先について 当社製品の販売において、最大の最終販売先は医療施設でありますが、主に医療品・医療機器卸会社経由で販売をおこなっております。これは、最終販売先である医療施設が機材調達先の絞込みをおこなっており、既存取引先である医療卸会社経由での取引を望んでいるケースが多いこと、また卸会社経由での顧客ニーズ情報の提供を受け、当該卸会社を活用すること等の当社側の販売戦略上の要因によるものであります。この他、医療メーカーの製品と当社製品をセットで販売する際には、当該医療メーカー経由での取引も最近は増加傾向にあります。 主要最終販売先として医療施設の他、検査機関が挙げられます。医療施設による臨床検査業務の外注・委託化の進展に伴い、医療施設に設置する当社装置製品の直接かつ最終販売先として検査機関が一定割合を占めるようになったためであります。検査機関は様々な医療機器等に対するノウハウを背景に、医療施設の機器選定に対して一定の影響力を有していることから、最終販売先如何にかかわらず検査機関に対しても販売戦略上、十分なフォローアップが必要となっております。 海外については、展示会等でコンタクトのあった販売先と販売独占契約を締結の上、L/C発行等による直接取引、若しくは国内商社経由による販売をおこなっております。 上述の通り、販売経路や最終販売先は、事業活動の拡大とともに国内外にわたり増加しており、医療財政の悪化や医療機器の価格競争の激化によりこれらの経営状態が悪化した場合、当社の事業活動にも影響が及ぶ可能性があるため、特定の取引業者や顧客に偏ることの無いバランスの取れた営業展開が求められております。 (11)気候変動による影響について 気候変動に伴い、世界各地で異常気象等による影響が増加する中、これに対する取り組みは喫緊の課題として、各企業にも早急な対応が求められております。 SDGsへの取り組み等により、企業としての行動も大きな変容が求められており、これに伴うリスクが、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要①経営成績当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナの分類変更と行動制限の緩和により、インバウンド消費の回復や経済活動の正常化が進展しました。これに伴って企業業績や株価も堅調を維持する中で、景気は全体として緩やかな回復基調を維持しました。一方、円安の進行や物価上昇による消費マインドの変化や、国際情勢の不安定さが経済の先行きに不透明感をもたらしており、原材料価格等の高止まり、国内外の金融政策の影響等についても、引き続き注視が必要な状況となっております。医療機器業界におきましては、2024年4月より開始する医師の時間外・休日労働の上限規制をはじめとして、公立病院の統廃合、医療機関におけるICT化の推進など、より効率的な医療機関の運営に向けた取り組みが推し進められる中で、業界各社においても、これらの施策を後押しするサービスや製品を提供し続けることが求められております。このような経営環境の中で当社は、主力製品である採血管準備装置および関連システムにおいては、新たに効率的なソリューションを提供する等、ラインアップの拡充を図ってまいりました。また、検体検査装置においては、コンパクトで高性能の新型装置の販売拡大を図り、消耗品等については、原材料費の高騰による影響が続く中で、引き続き安定供給に取り組んでまいりました。この結果、当事業年度の売上高は10,283,851千円(前期比9.8%増加)となりました。主に国内市場における採血管準備装置・システムの販売案件が引き続き順調に推移したことに加えて、検体検査装置や消耗品の販売も伸長しました。なお、総売上高に対する海外売上高の占める割合は、前期比2.4ポイント減少し9.3%となりました。利益面に関しては、売上高の増加に伴い、売上総利益が5,152,371千円(前期比11.3%増加)となりました。販売費及び一般管理費は、採血管準備装置・システムに係る研究開発費の増加や、賃上げ対応等による人件費の増加などにより3,312,135千円(前期比11.1%増加)となり、営業利益は1,840,235千円(前期比11.6%増加)、経常利益は1,870,610千円(前期比12.1%増加)、当期純利益は1,348,130千円(前期比17.2%増加)となりました。 <採血管準備装置・システム>当事業年度における採血管準備装置・システムの売上高は4,299,244千円(前期比20.3%増加)となりました。特に大型機や、大規模施設向けシステムなどの販売案件が、採血支援システムのオプション機能の強化・クラウドの活用による利便性の向上等により大幅な伸びとなり、国内市場における売上高は4,143,454千円(前期比25.9%増加)となりました。海外市場においては、中国・韓国向け案件の延期や、各国での競合他社との競争激化などにより前年度の売上を大幅に下回り、売上高は155,790千円(前期比44.6%減少)となりました。 <検体検査装置>当事業年度における検体検査装置の売上高は598,996千円(前期比1.4%増加)となりました。国内市場では、主力の血液ガス分析装置についてデスクトップ型、ハンディ型のいずれも売上が伸長し、404,333千円(前期比16.6%増加)となりました。海外市場における売上高は、新型コロナ対応による需要増も収束しつつある中で、前年度に比べて販売が伸びず、194,663千円(前期比20.3%減少)となりました。 <消耗品等>当事業年度における消耗品等の売上高は5,385,610千円(前期比3.5%増加)となりました。国内・海外市場ともに安定した需要が続き、国内市場での売上高は4,780,810千円(前期比3.3%増加)、海外市場での売上高は604,800千円(前期比5.4%増加)となりました。 ②キャッシュ・フロー当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、8,586,360千円(前期比3,163,929千円減少)となりました。なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、営業活動により得られた資金は1,142,703千円(前期比255,462千円増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,860,619千円、その他の負債の増加額が563,080千円であった一方、売上債権の増加額が723,335千円、法人税等の支払額が495,385千円であったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、投資活動により支出した資金は100,716千円(前期比54,653千円減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が64,041千円、有形固定資産の取得による支出が38,184千円であったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、財務活動により支出した資金は4,205,916千円(前期比3,700,828千円増加)となりました。これは、自己株式の取得による支出3,697,501千円、配当金の支払額508,414千円があったことによるものであります。 ③生産実績 当事業年度の生産実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。単一セグメント内品目別当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前期比増減率(%)採血管準備装置・システム(千円)4,983,0076.2検体検査装置(千円)399,027△41.8消耗品等(千円)5,520,3666.6合計(千円)10,902,4023.3 (注)金額は販売価格によっております。 ④受注実績 見込生産をおこなっておりますので、該当事項はありません。⑤販売実績 当事業年度の販売実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。単一セグメント内品目別当事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前期比増減率(%)採血管準備装置・システム(千円)4,299,24420.3検体検査装置(千円)598,9961.4消耗品等(千円)5,385,6103.5合計(千円)10,283,8519.8 ⑥財政状態(資産の部)当事業年度末の総資産の残高は17,433,874千円となり、前事業年度末比2,009,297千円減少しました。これは主に、現金及び預金が3,163,929千円減少した一方、商品及び製品が400,874千円増加、売掛金が383,697千円増加、電子記録債権が324,239千円増加したことによるものであります。 (負債の部)当事業年度末の負債の残高は3,615,285千円となり、前事業年度末比558,969千円増加しました。これは主に、買掛金が84,059千円減少した一方、前受金が248,759千円増加、未払金が166,705千円増加、未払消費税等が128,576千円増加したことによるものであります。 (純資産の部)当事業年度末の純資産の残高は13,818,588千円となり、前事業年度末比2,568,266千円減少しました。これは、配当金の支払いが508,409千円、自己株式の増加3,442,884千円があったほか、当期純利益が1,348,130千円であったこと等によるものであります。なお、自己資本比率は79.3%となり、前事業年度末比5.0ポイント減少しました。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において判断したものであります。①経営成績等当事業年度の経営成績は、売上高10,283,851千円(前期比9.8%増加)、営業利益1,840,235千円(前期比11.6%増加)、経常利益1,870,610千円(前期比12.1%増加)、当期純利益1,348,130千円(前期比17.2%増加)となりました。主に国内市場における採血管準備装置・システムの販売案件が引き続き順調に推移したことに加えて、検体検査装置や消耗品の販売も伸長しました。売上高に関しては、採血管準備装置・システム関連では、国内市場における販売が好調であったことにより、前期比20.3%の増加となりました。検体検査装置関連では、国内市場での血液ガス分析装置の売上が伸長し、前期比1.4%の増加となりました。消耗品等では、国内外ともに安定的な需要が続き、前期比3.5%の増加となりました。売上総利益及び営業利益につきましては、売上高の増加に伴い、売上総利益は5,152,371千円(前期比11.3%増加)となり、販売費及び一般管理費は3,312,135千円(前期比11.1%増加)となった結果、営業利益は1,840,235千円(前期比11.6%増加)となりました。 ②財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当事業年度における我が国経済は、社会経済活動の正常化が進展したものの、景気の先行きは依然として予断を許さない状況が続きました。医療機器業界においても、徐々に従来の診療体制を取り戻しつつあるものの、新型コロナにより浮き彫りとなった医療現場の各種課題への対処が求められております。このような経営環境の中で当社は引き続き、医療機器メーカーとして医療現場に価値を提供し続けるための製品開発、販売、製造活動に取り組んで参りました。 また当社は、2023年度(2024年3月期)からの新3ヶ年中期経営計画を新たに策定いたしました。本中期経営計画は、①財務戦略・投資計画・資本政策 ②人材戦略 ③営業戦略 ④生産技術戦略 ⑤研究開発戦略 の各戦略を着実に実行することにより、当社の事業構造の転換を図ると共に、持続的成長を目指し「2030長期ビジョン」へとつなげていくことを目指しています。2024年3月期は、2023中期経営計画の経営目標を達成しました。引き続き各戦略を遂行して参ります。経営指標2024年3月期計画2024年3月期実績2024年3月期計画比売上高98.0億円102.8億円104.9%営業利益13.0億円18.4億円141.6%売上高営業利益率13.3%17.9%134.9% ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローにつきましては、(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローに記載のとおりであります。なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期自己資本比率(%)84.5684.2879.26時価ベースの自己資本比率(%)71.0282.5970.19キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)---インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)---(注)1. 各指標の算式は以下の算式を使用しております。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。4. 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としています。 当社の主な資金需要は、研究開発型企業として発展し続けるための研究開発資金や、生産活動に必要な運転資金、生産設備や研究設備を増設するための設備投資資金等であり、これらは主に自己資金によって賄っております。④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 該当事項はありません。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社は、新しい価値をもった独創的新製品を開発し、新たな市場を開拓することを目的とし、積極的な経営資源の投資をおこなうことにより、今後とも新製品の継続的な上市をおこない、収益基盤の更なる強化をおこなってまいります。 当社の研究開発活動は、1)最先端技術の研究開発及び新製品開発、2)新製品の設計及び商品改良開発、ソフトウェア開発があります。研究開発案件の平均的な開発期間は、市場ニーズの緊急度、技術的ハードル、他社の研究開発動向も踏まえ基本的に2年間と設定しております。 検体検査装置を中心とした最先端技術の研究開発については、研究開発型企業として人員的にも多くの経営資源を投入しており、今後も大学との共同研究及び、外部有識者との研究会等を通じ収集・議論して生み出されたアイデアを製品開発に反映し、新たな収益の柱となる新製品の上市を目指してまいります。 また製品開発のコンセプトに応じプロジェクトチームを編成し、急速な進歩を遂げる先端技術と多様化するユーザーニーズに対応した新製品を市場へ送り出せるよう、研究開発活動をおこなっております。 当事業年度の研究開発活動におきましては、採血管準備装置および関連システムの研究開発費404,027千円、検体検査装置分野の研究開発費112,223千円、合計516,250千円を費用計上しております。 今後においても、バイオ分野からのセンシング技術への応用や先端センシング技術の研究をおこなっていき、新しい技術を医療機器に応用して変化の激しい市場のニーズに対応した製品の開発に努めてまいります。なお、当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため当事業年度における品目別に主な研究開発活動を記載すると、以下のとおりです。[採血管準備装置・システム]当社の主力製品である採血管準備装置および関連システムにおいては、ユーザーニーズに対応した各種周辺機器の開発及び製品改良に引続き取組んでおります。[検体検査装置]当社の検体検査装置の主力製品である血液ガス分析装置及び当社独自のセンサー技術を利用したハンディタイプ機器を中心として、ユーザーニーズに対応した製品の改良と新しいコンセプトに基づく製品の開発に引続き取組んでおります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 (1)重要な設備の新設該当事項はありません。(2)重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社は、国内12ヶ所と海外1ヶ所に支店、営業所、出張所を設けている他、開発施設、物流施設等を設けております。以上のうち、主要な設備は、以下のとおりであります。2024年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物土地(面積㎡)機械及び装置工具、器具及び備品合計本社(横浜市都筑区)統括業務施設106,114214,378(577.80)4,5845,178330,25654[3]本社第二研究所(横浜市都筑区)開発・生産業務施設87,444175,363(475.20)67,8716,369337,0487[21]本社第三研究所(横浜市都筑区)開発・生産業務施設93,045199,159(491.60)-9,321301,52611[22]本社第四ビル(横浜市都筑区)開発・生産業務施設103,260198,425(363.78)-5,794307,4804[13]研究開発センター(横浜市都筑区)開発・生産業務施設(賃借)16,476(1,400.8㎡)-21,60921,51959,60534[2]物流センター(横浜市緑区)物流・倉庫施設(賃借)101,902(2,388.93㎡)--5,930107,83322[6] (注)1.臨時雇用者数は、[ ]内に外書きで記載しております。2.当社は、医療機器、及びこれら装置で使用する消耗品の製造販売を主たる事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。3. 研究開発センターの年間賃借料は43,233千円、物流センターの年間賃借料は54,186千円であります。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 516,250,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 11 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,620,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社オートニクス埼玉県志木市下宗岡4-14-26967,20013.99 實吉 繁幸神奈川県横浜市都筑区916,30013.25 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1-8-1521,4007.54 野村信託銀行株式会社(信託口)東京都千代田区大手町2-2-2380,5005.50 NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)東京都中央区日本橋3-11-1363,7915.26 平澤 修北海道函館市245,0503.54 THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED-HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028-394841(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)東京都中央区日本橋3-11-1219,7003.17 實吉 政知東京都目黒区207,0002.99 GOLDMAN,SACHS&CO.REG(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)東京都港区六本木6-10-1169,6002.45 テクノメディカ従業員持株会神奈川県横浜市都筑区仲町台5-5-1142,2002.05計-4,132,74159.78(注) 1.上記の他、当社所有の自己株式1,846,962株があります。 2.2020年12月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有(変更)報告書において、インターナショナル・バリュー・アドバイザーズ・エル・エル・シーが2020年12月15日現在で360,300株を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができていないことから、上記大株主の状況には含めておりません。大量保有者 インターナショナル・バリュー・アドバイザーズ・エル・エル・シー住所 717 Fifth Avenue, 10th Floor, New York, NY 10022保有株券等の数 株式 360,300株株券等保有割合 4.11% |
株主数-金融機関 | 10 |
株主数-金融商品取引業者 | 24 |
株主数-外国法人等-個人 | 4 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 74 |
株主数-個人その他 | 3,632 |
株主数-その他の法人 | 34 |
株主数-計 | 3,778 |
氏名又は名称、大株主の状況 | テクノメディカ従業員持株会 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式7,46111,646当期間における取得自己株式850-(注) 1.当事業年度及び当期間における取得自己株式は、当社従業員に対する譲渡制限付株式報酬の無償取得及び単元未満株式の買取りによるものであります。 2.当期間における取得自己株式数には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -3,697,501,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -3,697,501,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数ならびに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式8,760,000――8,760,000合計8,760,000――8,760,000自己株式 普通株式 (注)286,5011,699,061138,6001,846,962合計286,5011,699,061138,6001,846,962(注)1.普通株式の自己株式の増加1,699,061株のうち、1,691,600株は取締役会の決議に基づく自己株式の取得、7,455株は当社従業員に対する譲渡制限付株式報酬の無償取得、6株は単元未満株式の買取りによるものであります。2.普通株式の自己株式の減少138,600株のうち、19,200株は2023年7月31日に実施した当社取締役(監査等委員である取締役を除く)に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分、119,400株は2023年12月7日に実施した当社従業員に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分によるものであります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 監査法人シドー |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年6月26日株式会社テクノメディカ 取締役会 御中 監査法人シドー 横浜事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士政近 克幸 指定社員業務執行社員 公認会計士五百蔵 豊 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社テクノメディカの2023年4月1日から2024年3月31日までの第37期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社テクノメディカの2024年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上高の期間帰属の適切性)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社の主力製品である採血管準備装置・システムに係る売上高は4,299,244千円で、損益計算書に計上されている売上高10,283,851千円の約42%を占める。 採血管準備装置・システムの販売については、顧客による検収完了をもって売上計上を行っているが、売上計上に当たって、機器納品、各種設定、稼働テスト等の多様な段階を踏むケースが多く、また各段階において複数の仕入先や外注先を利用することも多い。 これらは、現場における据付作業を必要とする場合が多く、実質的に財又はサービスの提供が完了していないにも関わらず売上高が計上される場合、適切な期間に売上高が計上されないというリスクが存在する。また、採血管準備装置・システムの販売は、通常1件当たりの金額が大きく、適切な期間帰属がなされなかった場合の財務諸表に与える影響は大きい。 以上から、当監査法人は、採血管準備装置・システムに係る売上高の期間帰属の適切性について、監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、採血管準備装置・システムに係る売上高の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価 採血管準備装置・システムに係る売上高の計上に関して、売上計上要件を満たしているかどうかを確認するための内部統制や、売上計上時における適切な管理責任者による承認の内部統制等について整備・運用状況の有効性を評価した。 (2)売上高の期間帰属の適切性の検討 売上高が適切な会計期間に認識されているか否かを検討するため、以下の監査手続を実施した。 ・売上高のうち、一定金額以上の取引全件につき、顧客より入手した検収書に記載されている日付と売上高計上日付との整合性を確認した。 ・売掛金の残高確認を期末日を基準として実施した。 ・決算日以降において、重要な返品取引が行われていないことを、会計記録、証憑類、入出金状況から確認した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社テクノメディカの2024年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。当監査法人は、株式会社テクノメディカが2024年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、当事業年度の会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 収益認識(売上高の期間帰属の適切性)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社の主力製品である採血管準備装置・システムに係る売上高は4,299,244千円で、損益計算書に計上されている売上高10,283,851千円の約42%を占める。 採血管準備装置・システムの販売については、顧客による検収完了をもって売上計上を行っているが、売上計上に当たって、機器納品、各種設定、稼働テスト等の多様な段階を踏むケースが多く、また各段階において複数の仕入先や外注先を利用することも多い。 これらは、現場における据付作業を必要とする場合が多く、実質的に財又はサービスの提供が完了していないにも関わらず売上高が計上される場合、適切な期間に売上高が計上されないというリスクが存在する。また、採血管準備装置・システムの販売は、通常1件当たりの金額が大きく、適切な期間帰属がなされなかった場合の財務諸表に与える影響は大きい。 以上から、当監査法人は、採血管準備装置・システムに係る売上高の期間帰属の適切性について、監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、採血管準備装置・システムに係る売上高の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。(1)内部統制の評価 採血管準備装置・システムに係る売上高の計上に関して、売上計上要件を満たしているかどうかを確認するための内部統制や、売上計上時における適切な管理責任者による承認の内部統制等について整備・運用状況の有効性を評価した。 (2)売上高の期間帰属の適切性の検討 売上高が適切な会計期間に認識されているか否かを検討するため、以下の監査手続を実施した。 ・売上高のうち、一定金額以上の取引全件につき、顧客より入手した検収書に記載されている日付と売上高計上日付との整合性を確認した。 ・売掛金の残高確認を期末日を基準として実施した。 ・決算日以降において、重要な返品取引が行われていないことを、会計記録、証憑類、入出金状況から確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 収益認識(売上高の期間帰属の適切性) |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、当事業年度の会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 757,670,000 |
商品及び製品 | 1,853,507,000 |
仕掛品 | 116,084,000 |
原材料及び貯蔵品 | 185,396,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 55,238,000 |
土地 | 787,326,000 |
建設仮勘定 | 412,000 |
有形固定資産 | 1,448,640,000 |
ソフトウエア | 69,504,000 |
無形固定資産 | 71,318,000 |
長期前払費用 | 299,245,000 |
繰延税金資産 | 422,969,000 |
投資その他の資産 | 832,466,000 |
BS負債、資本
未払金 | 331,047,000 |
未払法人税等 | 319,253,000 |
未払費用 | 92,179,000 |
賞与引当金 | 181,826,000 |
資本剰余金 | 1,002,823,000 |
利益剰余金 | 15,730,645,000 |
負債純資産 | 17,433,874,000 |
PL
販売費及び一般管理費 | 3,312,135,000 |
受取利息、営業外収益 | 216,000 |
受取配当金、営業外収益 | 0 |
為替差益、営業外収益 | 2,929,000 |
営業外収益 | 30,374,000 |
その他、流動資産 | 5,970,000 |
固定資産除却損、特別損失 | 0 |
特別損失 | 9,990,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 560,125,000 |
法人税等調整額 | -47,636,000 |
法人税等 | 512,488,000 |
PL2
剰余金の配当 | -508,409,000 |